千葉海岸線恋物語

1 名前：空山海斗 投稿日：2005/02/26(土) 01:02

赤板で書かせて頂いてる空山と申します。
あちらの方も短編で使いつづけるつもりですが、ほんのちょっとだけ長いのを書きたいので
こちらの方に新スレ立たせていただきました。

リアルのもので時間軸的には２００３年の夏ぐらいに合わせていただけると幸いです。
それでは、更新遅いですけどよろしくお願いします。

2 名前：空山海斗 投稿日：2005/02/26(土) 01:03

２００３年８月、
平穏だった私たちの幸せに突如暗い影がおとずれた。
何も間違ったことなんてしてはいなかった、
ただ、ただ、本気で愛し合っただけ。
愛する人に寄り添って、愛を詠い、身体を重ねる・・・
それっていけないことですか？

3 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/02/26(土) 01:05

私の名前は石川梨華。
国民的アイドルグループ『モーニング娘。』の第三回追加メンバーオーディションで
２万５千通という史上ない応募者数の中で熾烈な戦いを制し、
３人の仲間と共に見事合格を勝ち取り鮮烈なデビューを果たし、
その後もチャーミーキャラでモーニング娘。の重要な役割を担いお茶の間で大人気、
今なおモーニング娘。の代表的存在として走りつづけるシンデレラガール。


そんな私も恋をした。
二年前の夏、私はあの人と恋に落ちた。
初めから気になっていた。だけどそれが恋だと気付くのには時間が掛かって・・
あの人から想いを告げられた時、本当に驚いた。
心臓が飛び跳ねて、頭は真っ白になった。
私は夢を見てるんじゃないか、からかわれてるんじゃないかって思った。
でもあの人の真剣な目を見たとき、もう迷いはなかった。


それからは幸せだった。
楽しいことも苦しいこともあの人と一緒に乗り越えてきた。
あの人がいるだけでなんだって頑張れる。
これからもずーっとあの人と生きていくんだって思ってた、そんな時の出来事です。

4 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/02/26(土) 01:06

その日はいつものようにテレビ東京さんでハロモニの収録だった。
収録は午前中から始まって、これで最後。
本日の最終収録はメインコーナーの「ハロモニ裁判２００３」。
毎度の如く、小さな事件を起こしたメンバーが１人づつ吊るし上げられ裁判に掛けられる。
ホント大した事件じゃないんだけどね、
お菓子を食べただの何だのなんて娘｡じゃ日常茶飯事だし。
今日も高橋や道重が色々文句を言われたところで、
（私もスポフェスでキレた一件でかなりイジメられたけど、泣）
次の被告人はよっすぃ〜。


「罪名はこちらです、“ウソツキ、信じてたのに”」
「なに？」
「なんだぁ？」

「吉澤さんは後輩のＯさんとおそろいのブレスレットを・・・・」


裁判官の安倍さんが読む告発文の内容を簡単に言えば、
よっすぃ〜がマコトと約束してたブレスレットを買いに行ってないってこと。
コンサートがさくらと乙女で分かれる前に約束してたんだって。

5 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/02/26(土) 01:07

「さくらと乙女になったらそんなにいっぱい会えなくなるじゃないですか、」
「カップルだよー。」
「恋人かー！」



今もからかわれてるけど、この二人ってば本当に仲がいい。
よっすぃ〜もあんな風にキモイとか嫌がってるけど、
なんだかんだマコトのこと可愛がってるの知ってるんだから。

ただちょっと心配なのは、マコトがもしかしたら本気っぽいかもって事。
たまによっすぃ〜がふざけてマコトの肩を抱いて囁いたりすると、
マコトもふざけながら顔を真っ赤にしてたり、
よっすぃ〜の話してる時の顔なんてまさに恋する乙女って感じだし。
よっすぃ〜の真意はわからないけど、もし本当にマコトが本気だとしたら・・・、


マコト、結構ナイーブだからな、傷つくことが無ければいいけど。

6 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/02/26(土) 01:07

「それでは１３人の陪審員の皆さん、有罪か無罪を決めてください、
スイッチを押してください、どうぞっ。」


これはもう有罪でしょう、マコトは楽しみにしてるんだからー。
ちゃんと約束ぐらい守ってあげてよね。


ジャジャン！　『有罪１０人　無罪３人』

「有罪でーす！罰を受けてください。」

＞ジュゴォー

ほらね、有罪だ。

「そうやって、マコトの肩を持つのかよ！」

だいたいよっすぃ〜はいい加減なのよ。
思わせぶりな態度取るんだったらちゃんと―――

7 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/02/26(土) 01:09

「グループ内禁止ですからね。」




・・・え？

今、カオタン何て・・・


『グループ内禁止ですからね。』


あ、ご丁寧にテレパシーどうも。
って、えっ！？グループ内禁止って言った、今！？
そ、それってグループ内の恋愛のことよね？
つまりメンバー同士での恋愛禁止って意味よね？



じゃ、じゃあ私たちの関係は？
そりゃ今はメンバー内って訳じゃないけど、付き合いだした時は確かにメンバー内だったし、
それに娘｡は卒業した人だってメンバーだと思ってる・・・

って事はやっぱり・・・

8 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/02/26(土) 01:10

いやよっ！！私たちの関係が禁じられた恋だったなんて、
そんなの、そんなの悲しすぎるっ！！

うえーん、ふえーん・・・




・・・・・・わかってるわ、ここは私の頭の中。
どんなに悲しんだって誰も「もー、梨華ちゃんってわっかんないなー。」
ってツッこんではくれないし、
誰も「僕には分かる。」って肩を抱いてはくれないって。
（そして私はもうそんな歳じゃないってことも・・・）



ねぇ、神サマ。私たちこれからどうやって生きていけばいいの？

9 名前：空山海斗 投稿日：2005/02/26(土) 01:19

うわ、短っ！！
いやこれくらいにしておかないとストックがなくなっちゃうんで。
とまぁこんなかんじで性懲りもなくハロモニネタから始まった訳ですが、
正直自信のないこの作品、
ネタを考えついてから立ち上げるまでに１年半も無駄に掛かったこの作品、
でもストックはあと２回分しかないこの作品、
心の寛大な方は見てやってってください。

10 名前：空山海斗 投稿日：2005/02/26(土) 01:25

http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/red/1063979218/
いちおう赤板の前作のほうのリンク先です。
処女作だしなんかホント駄文でお恥ずかしい限りですが、
まぁ旅の恥は掻き捨てということで（違うか）
お暇でしたら覗いてっやってください。

11 名前：名無しさんだけど 投稿日：2005/02/26(土) 01:59

空山さん

はじめまして。第一作目から実はずっと好きでした（告白？）
今回も何やら、、いい感じですね！！
すごく楽しみにしています！頑張ってください！
あのハロモニ。裁判のときの石川サン。
私もツッコミたいキモチになりました。
（石川）「そういうことは楽屋で」　←そうか、いつも楽屋で（爆）

12 名前：ひろ〜し〜 投稿日：2005/02/26(土) 11:13

お初です。ず〜っと前から空山さんの作品見とりました。
空山さんの作品みんな好きです。
・・・っということで、新スレｷﾀーーーーーーー！！！

13 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/03/14(月) 01:02

あれから私の心は絶望感でいっぱいで、収録のことなんて考える余裕は無かった。
それでも私の心なんてお構いなしに収録は過ぎてゆく。
私なんてちっぽけな人間なのね・・

収録が終わった後、私は逃げるようにスタジオを後にした。
だって掟を破ってしまった私に、みんなに合わせる顔は無いから。
それにもしかしたら引き裂かれてしまうかもしれない私たちの運命を考えると、
・・うっ・・・涙が、出てきそうで・・・・



そして私は誰よりも早く楽屋に戻った。
誰にも見られることなく、この場を立ち去るために。
一刻も早くこれからのことを決めるために。

14 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/03/14(月) 01:03

荷物をまとめて楽屋を出ようとしたとき、
ふと目に止まったのは机の上に置いてあった一冊の本。
だれの本かしら。こんなおどろおどろしい表紙の本持ってた人いたっけ？
ちょっと気になるけど・・・
内容見たら分かるかな？　　んんーえいっ、あらすじだけ読んじゃえ。
何々、
「幕末頃、江戸の町に○と×と言うたいそう仲のいい兄妹がいた。
実の兄妹であったが青年になった二人はお互いを意識し、いつしか愛し合うようになった。」

うーん、まさに禁断の愛ね。

「そのことを知った父親は○を勘当し、×を庄屋の息子のところに嫁に出そうとした。」

何よっ、このお父さん！いくら兄妹だからって愛し合ってる二人を離すなんてひどいわよ！

「そして愛し合う二人は駆け落ちを決意する。」

そうよね、そんな父親の言うことなんて聞くことないわよ。
本気で愛し合ってるなら駆け落ちでも何でもして一緒に・・・・

15 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/03/14(月) 01:04

駆け落ち？


そうよ、駆け落ちよっ！
禁じられた恋には駆け落ちがつきものじゃない。
うん、そうよ、そうよ。
私たちが一緒になるにはそれしか道はないわ！


「どうしたんですか石川さん？ガッツポーズなんかして。」

「へっ？あ、その、ま、真っ黒くろすけよ、真っ黒くろすけがいたのよ！
おしいところで逃げられちゃったのよねぇ、もうちょっとだったのに。
じゃ、じゃあ私用があるからお先ね。」

「は、はぁ、さようなら。」

16 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/03/14(月) 01:04

ハァ、ハァ、もうっ誰にも見つからないつもりだったのに高橋に会っちゃったじゃない。
あんな所に本を置いておくからいけないのよ。一体誰よ。
まぁいいわ。
とにかく、早くこのことを伝えなきゃ。


・・・でも、きっとショック受けるだろうな。
そりゃそうよね、禁じられた恋だったなんて、私達の愛がみんなを裏切ってたなんて・・・

はっ！どうしよう。もしあの人が、
「分かったよ梨華ちゃん、もうおしまいだ。心中しよう。」
なんて言ってきたら・・・・
もちろんあなたのことは大好きだけど、
あなたを失うことなんて出来ないけど、そんな、心中なんて・・・


駄目、やっぱり駄目よ、死ぬなんて。
どんなにつらくても、二人で強く生きていかなくちゃ。

17 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/03/14(月) 01:05

あの人まだ帰ってないよね？
はぁ、ちょっと緊張する。
あの人の悲しむ顔、見たくないなぁ。


＞コンコン

「ほ〜い。どうぞぉ。」

「ごっちん・・・」
「おー、梨華ちゃん今帰り？だったら一緒に、・・・ってどうしたの？なんか黒・・、暗いよ？」
「あ、あのねごっちん、落ち着いて聞いてね。」
「んぁ？」
「私たちってさ、付き合ってるじゃない？」
「そだねぇ、もう一年半くらいになるねぇ。」
「それでね、実は、その、私達の関係はね・・・」
「うん、」

「その・・・、」

「その？」
　


「き、禁じられた恋だったの！」



「んぁ！？き、禁じられた恋！？」
「そうなの！今日、飯田さんが言ってた、メンバー同士の恋愛は禁止だって・・・」
「そんな・・・」

18 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/03/14(月) 01:14

あぁ、やっぱりごっちんが哀しそうな顔してる。
どうしよう、怖いよ、心中も嫌だけど別れ話なんて切り出されたら・・・


「でもさぁ、今ごとーモーニングじゃないし、メンバーじゃないからいいんじゃない？」
「で、でも、付き合い始めた頃は娘。だったでしょ？
それに、卒業したってごっちんはメンバーだよ！
みんなの大切なメンバーだよ。
・・・だからやっぱり掟破りなんだよ私たちは。」

「あは、アリガト梨華ちゃん。
でも、禁止だって言ってただけなんでしょ？バレテないんだったら別にいいんじゃん？」
「駄目だよ、だって、だってみんなを裏切ってるんだよ？
みんなを騙して隠し通していくなんて、そんなのできないよ。
ごっちんだってそうでしょ？」
「う、うん。ごとーも、みんなを裏切るのはイヤだけど・・・
でも、具体的にどうしたらいいのさ？」


「駆け落ちよ！！」


「か、駆け落ち！？
駆け落ちって、あの時代劇とかでやる駆け落ち？」

「そう、その駆け落ちよ！ごっちん、一緒に逃げましょう。」

19 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/03/14(月) 01:15

「いやっ、梨華ちゃん何もそこまでしなくても・・・」

「ごっちん！だって禁じられた恋だったんだよ？
私たち引き裂かれちゃうかもしれないんだよ？
こんな風に逢うことすら出来なくなってもごっちんはいいの？」

「それは、イヤだ。」

「だけど、メンバーを騙しつづけるなんてできないでしょ？
だからもう、駆け落ちしかないのよ！！」

「で、でも、駆け落ちって姿くらますんだよねぇ？
仕事とかあるし―――」

20 名前：千葉海岸線恋物語 投稿日：2005/03/14(月) 01:21

「ごっちん、私のこと好き？」

「へ？す、好きだよモチロン。」

「私ね・・・、不安なの。ごっちん優しいから、ホントはそんなに私のこと
好きじゃないのに、合わせてくれてるだけなんじゃないかって。」

「そんなことないよ！ごとー梨華ちゃんのこと誰よりも好きだよ、
梨華ちゃんの為なら何だってできる。
梨華ちゃんの頼みなら何だって聞けるし、
梨華ちゃんがいるならどこへだって行けるよ！」

「ホント？本当に本当？」

「本当に本当だって。」



「じゃあごっちん、私と一緒に地の果てまで逃げて！」



「え、あ・・・、うん。」

21 名前：空山海斗 投稿日：2005/03/14(月) 01:42

ちまちま更新終了です。
今回でカップリングが明白になりました。
（って、もしかして最初からバレてました？）
さてカップリングはご期待に添えられたでしょうか？

22 名前：空山海斗 投稿日：2005/03/14(月) 01:45

>>11 名無しさんだけどさん

うわーいきなり告白されちゃいましたね(照)
あっ、こちらこそはじめまして。
いやー裁判とか結構古いネタですが覚えてらっしゃるようで安心しました。
今回はいつもに増して寒いですが、極寒ですが、完結目指して頑張りますので
お付き合いお願いいたします。

23 名前：空山海斗 投稿日：2005/03/14(月) 01:47

>>12　ひろ〜し〜さん

レスｷﾀーーーーーーー！！！
どうもはじめまして。いやーありがたいです。
今回も好きと言って頂けるよう頑張りますんでよろしくお願いします。

24 名前：名無飼育さん 投稿日：2005/03/14(月) 17:58

いいのかよっ(笑)でも石川さん、ひとつだけ言ってもいいですか？
いちお同性愛ってこと自体まず『禁じられた恋』ですからね(笑)
（ ＾▽＾）＜カッチョイイゼ♪　カッチョイイゼ♪

25 名前：通りすがりの者 投稿日：2005/03/15(火) 06:29

前スレから一気に読まさせて頂きました。 短篇すごくよかったです。かなり更新短くても構いませんので、まったりと次回更新待ってます。

26 名前：ぽっと 投稿日：2005/03/15(火) 23:24

（＾▽＾）＜見つけちゃった♪
空山海斗さんのお話大好きです。頑張ってください。

27 名前：Liar 投稿日：2005/03/24(木) 21:16

コンニチハ！初めまして、Liarです。空山海斗さんの
書くいしごまはいいですね。とても楽しく読ませていた
だいています。今後も期待しています。がんばって
ください。応援させていただきます。

28 名前：pj 投稿日：2005/03/31(木) 14:30

お久しぶりです。
ﾏﾀｰﾘ待っているうちに新作できあがっていたとは……
前回の10日遅れのチェックを上回ってしまった＿|￣|○
今回のシチュエーションも（ ゜∀゜）ｲｲ！ですねｗ
これからに期待です。頑張ってください。

29 名前：名無し読者 投稿日：2005/05/08(日) 21:56

保全しますね

30 名前：名無しさん 投稿日：2005/06/19(日) 20:37

hozen

31 名前：名無飼育さん 投稿日：2005/08/13(土) 14:05

hozen