immoral conduct 2

1 名前:たまえす 投稿日:2005/03/08(火) 23:06
「immoral conduct」の続きになります。

前スレが容量を越えたため、こちらにて引き続きベタな
感じで行きたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。


2 名前:名無し読者 投稿日:2005/03/11(金) 15:37
新スレおめ!
楽しみにしてますよ。
3 名前:Usual days 投稿日:2005/03/11(金) 17:44
・・・美貴ちゃんに、誕生日のプレゼントに私のことが欲しいなって言われて。

泣いちゃったのは、すごく嬉しかったから。

だって、ちょっと・・・その・・えっちな・・・ワァー・・・あ、ごめんな
さい・・・ことをされただけで気を失ってしまうような私なのに、それでも
愛想を尽かさずに好きでいてくれるから。

自分でも、もっと気持ちを伝えなくちゃって思うけど、なかなかできなくて。

私の気持ちって分かりずらいだろうなって思うけど、それでも、すごく優しく
してくれる。

だから、本当に愛してくれてるんだな・・・・って、思えたから。

それが嬉しくて。

でも、美貴ちゃんが優しく愛をささやいてくれる度に感激して泣いてしまって。

きっと困らせてるはず。

どうして、美味しそうな食べ物を見た時みたいに、わぁ〜って喜べないんだろう。
4 名前:Usual days 投稿日:2005/03/11(金) 17:45
こないだ安倍さんに会った時に相談したら、

「それはね、紺野の心のどこかに、まだ不安な部分があるんじゃないかな。
だから、藤本の気持ちを受け取って安心した時にさ、その不安がちょっとず
つ溶け出してくるんだと思う。紺野の心の中の不安な気持ちが全部溶けて
無くなった時にね、初めて心からの笑顔が出せるんじゃないかな。慌てなく
ていいよ。自然のままの自分でいればいい」

でも、やっぱり心配そうな美貴ちゃんを見てると、なんか申し訳なくて。

だから昨日、泣いちゃったことを謝ろうと思ったんだけど、勘違いした愛ちゃん
とお豆に力一杯慰められて。

今日こそは謝ろうと思って朝早めに来たら、何故か妙に機嫌のいい美貴ちゃん
に・・・その・・・ちゅっ、てされて、またひっくり返っちゃって。

先生に助けてもらったけど、気が付いた時、反対に美貴ちゃんに謝られちゃった。

お互いに謝り合ってたら、みんなに大笑いされちゃって、すごく恥かしかった。
5 名前:Usual days 投稿日:2005/03/11(金) 17:46
そんなこんなでお持ち帰りされちゃった美貴ちゃんのお部屋。

二人でまったりしながらリハーサルのビデオを見て、今日のレッスンの
反省&復習をする。

「私、なんだか動きがバタバタしていて全然スムースじゃない・・・・」

「まだ最初じゃん。それに紺ちゃんは、ちゃんと先生の言う通りにできてると思うよ?」

「・・・そうかなァ」

「うん。でもさ、その気持ち、大事だと思う」

「ふぇ?」

「ん?自分はまだまだ出来ていないって思ってるうちはさ、もっと進歩できる。
もっと上手くなりたいって思ってる証拠じゃん。自分は完璧だって思ったらさ、
進歩はそこで止まっちゃう。だからね、紺ちゃんはもっともっと上手くなるよ」


・・・うん。美貴ちゃんに励ましてもらうと、本当に頑張ろうって思えるんだ。
6 名前:Usual days 投稿日:2005/03/11(金) 17:47
「あ・・・ここのところ、良く分からなかった・・・」

ちょっと巻き戻して・・・・

「あー、そっか。ここのステップで、右・左・の後、右足に重心を移す前にターン
始めちゃってるんだよ。ちょっとやってみようか。カウントで合わせてみよ?」

「はい!」

・・・以前は、自分一人で悩んでいた。

どうしてもフォーメーションに遅れる原因がわからなくて、散々悩んで、結局
直せなくて先生に怒られて。

また落ち込んでみんなに心配掛けて。

でも、今は違う。

美貴ちゃんは、的確に私の悪い所を見抜いてアドバイスしてくれる。

「別に、美貴が紺ちゃんより踊れてる訳じゃないよ。自分で考えて分からない
こともさ、他の人の目で見てみると、案外簡単に分かったりするもんだよ」

そう言って抱きしめてくれる。

・・・私、美貴ちゃんに支えてもらってる・・・

そう実感できる瞬間なんです。
7 名前:たまえす 投稿日:2005/03/11(金) 17:52
>>2 名無し読者 様
ありがとうございます。

前スレに負けず劣らず、支離滅裂な内容となる予感がしますが、
よろしくお願い致します。
8 名前:たまえす 投稿日:2005/03/11(金) 17:52
隠します。
9 名前:たまえす 投稿日:2005/03/11(金) 17:53
今回の更新はここまでです。
それでは失礼致しました。
10 名前:Usual days 投稿日:2005/03/13(日) 23:11
「こんこん?」

「は、はい」

休憩中にボーッとしていたら、矢口さんに声を掛けられた。

「大丈夫?疲れが取れないの?」
「あ、いえ・・・大丈夫です。・・・ちょっと考え事をしてました」

「どした?悩み事なら、おいらでよければ聞くよ?」

美貴ちゃんは別のお仕事で、まだ来ていない。

「あの・・・」
「うん?」

・・・どうしよう。

うつむく私の事を、心配そうに覗き込んでる大きくて澄んだ優しい瞳。

前に安倍さんが言ってたっけ。

・・・矢口の目には魔力があるの。あの目で見つめられるとね、誰でも
魔法にかかっちゃう・・・
11 名前:Usual days 投稿日:2005/03/13(日) 23:12
「・・・どした?」
「あの・・・・」

結局、美貴ちゃんに欲しいって言われて嬉しくて泣いちゃった事、でもどう
したらいいか迷ってる事、許そうとしても、多分また途中で気を失って美貴
ちゃんを悲しませちゃうかもしれないこと、全てを矢口さんに話した。

「・・・・そっか」
「・・・・はぁ」

「こんこんはさ、もしかして、背伸びをしようとしてるんじゃないかな」
「背伸び・・・・・」


「うん。今の自分よりもさ、もっとできるように見せたい。もっと大人に見られ
たい。ちょっとそんな風に考えてない?」
「・・・・はァ」

「確かにうちらの仕事はね、そういう気持ちは必要だよ。でもね、恋人に対して
はどうかな」
12 名前:Usual days 投稿日:2005/03/13(日) 23:13
なんだか、ショックです。言われるまで自分でも気付かなかった。
でも・・・・そうかもしれない。

「思い出してごらん、多分ミキティにも言われた事があるはずだよ?こんこんは
そのままでいいよって」

「・・・・・・あ」

「こんこんの悩み、良く分かるよ。女の子なら、好きな人がいれば誰だってもっと
良く思われたいよね。でもね、嘘の思いやりなんていらない。そのままの気持ち
でいい。例えこんこんがエッチなことをされてすぐ気絶しちゃってもさ、ミキティに
はね、それさえも可愛く思えるんだよ」

「・・・そうなんでしょうか」

「昨日の朝さ、ひっくり返ったじゃん?気を失ったこんこんを抱きしめてたミキティの
顔、見せてあげたかったよ。すっごく優しい顔してた。大丈夫だよ、心配すんな」
13 名前:Usual days 投稿日:2005/03/13(日) 23:14
結局、リハーサルやらフットサルの練習やら、その他もろもろのやっつけ(失礼!)
仕事の怒涛のブッキングで、バースデープレゼントを選ぶ暇も無く。

一番恐れていた(嬉しいはずなのに、いざとなると・・)事態を地でいく羽目になり
そうな夜が、あっと言う間にやってきて・・・・

その日もやっぱり夜までしっかりお仕事で、しかも別々。

先に終わった私は、そのまま美貴ちゃんちへ向かう。

矢口さんに教えてもらったケーキ屋さんも、こんな時間じゃ終わってるよね。

でも、途中だから・・・・駄目もとで寄ってみようかな。

とぼとぼ歩いていると、いつもこの時間には終わっているはずのお店が、まだ
開いてる。営業中の看板も出ている。

・・・まだ何か残ってるかな・・・

この際、イチゴでもなんでもいいや。・・・あ、やっぱり駄目。
14 名前:Usual days 投稿日:2005/03/13(日) 23:15
お店の中に入ってみると、ショーケースの中は、どれも空っぽ。

・・・うぅ・・・やっぱり遅かった・・・

僅かな期待も虚しく、打ちひしがれて外へ出ようとしたとき・・・

「お客さま、ご注文のケーキ、仕上がってますよ」

「・・・・は?」

びっくりして振り向くと、職人さんの格好をしたおじさんが、優しく微笑んでいる。

「あ・・・あの・・・私、注文なんてしていません」

「紺野さん、ですよね」
「はい」

「確かにこちらを承っております。どうぞご確認下さい」

そう言うと、カウンターの上に白い箱を置いて、そっと蓋を開けた。

近寄ってみると・・・・
15 名前:Usual days 投稿日:2005/03/13(日) 23:16
「あーっ!」

そこには、『Happy Birthday Mikitty』の文字の描かれたチョコプレートが。

「フランクフルタークランツです。お申し付け通りいちごは使っていませんので、
安心してお召し上がり頂けると思います。ただ、香り付けにラム酒を使っており
ますのでお気を付けください」

「・・・え・・・でも・・・」

戸惑う私を尻目に、蓋を元に戻すと手際良く箱にリボンを掛けて、持ち易い袋に
入れてくれた。

「さ、どうぞ」

「あ、あの・・・誰が注文を・・・」

「紺野様で承っております」

にっこりと笑顔でそういうと、ケーキを差し出す。

「あ、じゃあ・・お代を・・・」
16 名前:Usual days 投稿日:2005/03/13(日) 23:17
「ご注文を受けました時に頂いておりますので」

「えぇ?・・・」

「それと、ろうそくを20本サービスでお付けしてあります」

「・・・・ど、どうして・・・」

「さ、これを持って、早く帰っておあげなさい。」

・・・美貴ちゃんが・・・自分で?

ううん、そんなはずない。

でも、誰かが頼んでくれたんだ・・・

涙でおじさんの笑顔がちょっとぼやけた。

「あの、どうもありがとうございました」

「どういたしまして」

ケーキを胸に抱きかかえると、優しい笑顔に見送られて、お店を後にする。

・・・でも・・・誰だろう。
17 名前:たまえす 投稿日:2005/03/13(日) 23:20
・・・どうしようもなく時期外れネタに突入しておりますが・・・
18 名前:たまえす 投稿日:2005/03/13(日) 23:27
遅刻は慣れていますので。(作者C=(_ _;バキッ
19 名前:たまえす 投稿日:2005/03/13(日) 23:28
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
20 名前:名無し飼育 投稿日:2005/03/14(月) 16:40
初めて拝見したのですが、とてもおもしろかったです
ミキティが可愛いですね・・・!
これからも頑張ってください。応援してます
21 名前:名無し読者 投稿日:2005/03/14(月) 20:32
遅くなりましたが新スレおめでとうございます。
さて、今回のこと、誰でしょうね。う〜ん…
これからもついていきます。頑張ってください!!
22 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:01
深夜になって、やっと仕事から開放された。

たとえ誕生日だって容赦は無い。

···これがホントのリアル226だよね・・・

車窓を飛び去るイルミネーションを眺めながら、一人でクスクス笑う。

2時間程前に、先に帰っています、とメールが来ていた。

今日はどこで息絶えてるのかな。

風邪引いちゃうから、先にちゃんとベッドで寝てなさいって、いくら
言っても限界ギリギリまで美貴の帰りを待っていてくれるから。

帰る度に、ソファーだったり床だったり。

限界に達した場所で、一人夢の中の紺ちゃん。
23 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:02
知らない誰かが見たら、絶対びっくりして110番すると思う。

だって部屋の真ん中でさ、美貴のキティちゃんを抱きしめたまま、
ごろんと半目でひっくり返ってるんだもん。

「ククッ・・・くうぅぅぅ〜〜っ・・・イシシシッ」

あの光景を思い出したら、何だか面白くなって。込み上げて来た
笑いを噛み殺す。


「お疲れ様でした。ありがとうございました」

車を降りると、家まで忍び足。

多分寝ているだろう紺ちゃんを起こさないように、そっと玄関に入る。

・・・筈が。
24 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:04
「『ゴンッ』・・・はうぅぅ・・・・」

シューズボックスの角に右足を痛打した。

足を抱えて呻いていると、リビングの方でガタガタと物音が。

···あ〜、起こしちゃった・・・

足を引きずりながら部屋に行ってみると、テーブルの上に白い箱とお皿が2枚。

「・・・・・へ?」

「あ・・・あの、お帰りなさい」
「はい、ただいま。・・・紺ちゃん、これ・・・・」

「ちゃんと準備してびっくりさせようと思ったんですけど・・・・・寝ちゃって
たみたいで・・・その・・・」

「いや、十分驚いたから。これ、もしかして・・・ケーキ?・・・紺ちゃんが?
・・・・キャ〜〜ッ!大好きぃ〜〜」
25 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:05
いきなり美貴ちゃんに抱きしめられてほっぺにチュー。

「あの、あの、待って、・・・私じゃないんです」

「へ?・・・・じゃ、誰が」

お店でのことをそのまま美貴ちゃんに話した。

「ふぅ〜ん、そうなんだ」
「美貴ちゃんじゃ・・・」

「違うよ。自分で注文なんて、そんな面倒くさいことしないよ」

「誰なんだろ」

「ま、いいじゃん、誰でもさ。食べない?今お茶いれるよ」

「はぁ」
26 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:06
着替えてからトレーにお茶セットを乗せて戻ってきた美貴ちゃんに、

「でも、誰だかわからない人からのって、危なくないですか?」

「じゃあ、先に美貴が食べるからさ、10分位経ってなんともなかったら
紺ちゃんも食べなよ」

そう言いつつ、蓋を開ける。

「うわぁ、美味しそ〜。すっごいねェ」

「確か、フランクフルト何たらかんたらって言ってたような・・・あぁ〜、
ち、ちょっとまだ・・・」

いきなり切ろうとする美貴ちゃんを、慌てて制止する。

「え〜、大丈夫だって」

「あ、いえ、そうじゃなくて、これ・・・・」

サービスしてくれた、20本のろうそく。
27 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:08
「あ・・・・そ、そうだね。一応・・・縁起ものだから・・・行っとく?」

「縁起もの・・・なんですか?」

「でもさ、全部じゃ多いから、2本でいいじゃん。1本で10本分。ね?」

「なんだか適当ですね」

「いいじゃん。はい、紺ちゃん刺しといて。ライター探してくるから」

スキップしながらキッチンに消えた美貴ちゃん。

・・・さっき、足・・・引きずってませんでした?

「あったよ〜、ほら」
「あ、カッチャマン・・・」

「そう。科学忍者隊・・・・って、ちがぁ〜う・・・・それはガッチャマンやろ〜!
・・・・てゆーか、今のマジボケ?」
28 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:09
「へ?」

「これ・・・・チャッカマンなんだけど」

「あれ?今、私・・・何て言いました?」

「カッチャマン・・・・」

そう言った途端に、ボンッ、て真っ赤になった紺ちゃん。

「アハハハハ・・・・ヒィ〜〜〜ックククク・・・」

天然攻撃が、モロに美貴のツボを直撃。

ひとしきり笑い転げた後、ふと我に返ると。

あれぇ〜、ぷぅ〜っと膨れてにらんでる。

「あ〜・・・ねぇ・・・ほら、誰にだって勘違いはあるからさ」

「・・・笑い過ぎです」
29 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:11
「火、着けるよ」

「じゃ、電気消します」

ちっちゃく灯ったろうそくの炎に、二人の笑顔が浮かびあがって。

「お約束だから、一応歌ってね」
「えぇ、私ひとりでですかぁ?」

「美貴をお祝いしてくれるんでしょ?さんはい!」

···そうだった。意を決して深呼吸をして・・・

心からおめでとうの気持ちを込めて、ハッピーバースデーを歌った。

「美貴ちゃんおめでとー・・・パチパチパチ」

「フゥーッ・・・グスッ・・・ありがと・・・・」

···え?

電気をつけると、下を向いたままの美貴ちゃん。

·····?
30 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:12
「美貴ちゃん?」

顔を上げたその頬には、一筋の涙。

「エヘッ・・・グスッ、嬉しい。すっごい嬉しい。ありがと紺ちゃん」

···美貴ちゃん、可愛い・・・

「さて、切る?それとも、このまま行っちゃう?」
「え・・・これ、全部食べるんですか?」

「行けるでしょう」
「・・・行けますかね」

「行っちゃいましょうよ」
「・・・行っちゃいますか」

「じゃ、そういうことで」

「「いっただきまぁ〜っす」」

「んーっ、おいひーよこれ。何クリームだろ」
「わあぁ、おいしぃ〜、この食感いいですねぇ・・・バタークリーム
じゃないですか」
31 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:13
「いい香り。お酒入ってるね」
「そー言えば、ラム酒が入ってるって言ってましたよ」

「うわ、やっばい。マジやばいよこれ。止まんなぁ〜い」
「でも、大丈夫ですかね、こんな時間にこんなに食べちゃって」

「ん〜〜・・・らいじょ〜ぶらよぉ〜・・・れーんれん・・・へへへっ」
「美貴ちゃん?・・・あの、酔ってません?」

「らぁ〜〜いじょぉ〜ぶらってぇ・・・こぉ〜んちゃん・・・」
「・・・はい?」

「どわぁ〜〜い好きぃ〜〜」
「わぁぁぁっ・・・」

美貴ちゃんに力一杯押し倒された。
ほんのり目の周りが赤いタヌキさん状態。

ラム酒って、そんなに強いんですか?
32 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:15
「・・・・・?」

あれ?動きが止った。

「美貴ちゃん?」

私を抱きしめている腕に、キュッと力が入る。

「紺ちゃん、ありがとう。美貴の大人への第一歩が紺ちゃんと一緒で
良かった。本当に・・・嬉しいの・・・」

返ってきた思い掛けない言葉に、ぶわっと涙が溢れてきた。

目を開けると、そこには美貴ちゃんの優しい眼差し。

「愛してる・・・」

もう一度目を閉じると・・・

待っていたかのように、唇に優しい温もりが降りてきた。
33 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:16
幸せの瞬間。

このまま時が止まってしまえばいいのに。

抱き合った身体から、唇から、優しさが伝わってきて。

あぁ、私、愛されてる・・・

このキスの甘さは、ケーキのせい?だけじゃないよね。

長い長い口付けの後、私は美貴ちゃんの腕の中。

「紺ちゃん、ケーキのお礼言わなくちゃね」
「電話します?」

「ダ〜メ。お邪魔しちゃ悪いでしょ?メールにしよ?」
「はい」

・・・やっぱり、美貴ちゃんも分かってたんだ。

ピコピコ・・・・ピッ・・っと。

「はい、送信完了」
「お。で、どっちに送ったの?」

「どうせ、どっちでも同じだと思いますけど・・・」
「そだね」
34 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:16
・   ・   ・   ・   ・ 
35 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:20
「今ごろ上手くやってるかなぁ、」
「だぁ〜いじょうぶだってぇ」

「ぼーっとしてお店を素通りしてたりして・・・」
「絶対に前を通るから必ず渡してって、ちゃ〜んと頼んできたべさ」

「でもさぁ・・・」
「大丈夫。今頃はね、きっと・・・」

〜♪〜♪

「お、・・・ほら噂をすれば・・涙ぁ止まらないわぁって」
「こんこん?」

「そ」

「でも、良く分かったねぇ」
「どれどれ・・・」

メール受信:紺野あさ美
件名:感謝感激×2
本文:今日はどうもありがとうござい
   ました。おかげさまでとても素
   敵なお誕生日を過ごす事ができ
   ました。隣のちっちゃい彼女に
   もありがとうとお伝えください。

   From 藤本美貴&紺野あさ美
36 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:22
「ぶっ・・・・あっははは・・・うちらも相当分かり易いのかなぁ・・・」
「何だよぉ、おいらにも見せてよ」

「ほれ」

「お?・・・・あ゛〜っ、何だよぉ〜、石川に下げたくもない頭を下げてさ、
やっとあの店を聞き出したのにさぁ、ちっちゃい彼女はねーべ」

「でも、予約しに行ったのはなっちだべさ。それも移動中にいきなりケーキ
を注文しに行けって、訳わかんない電話掛かってくるし」

「いや、だっておいら時間が無かったんだもん」
「あ〜そうさ。どーせなっちは暇さ・・・」

「あ・・・・ごめん。ごめんね?」
「ちょっとキズついた」

「なっちぃ〜、ねぇ、ごめんって」
「グサッて胸に刺さった」

「ん?どれどれ・・・」
「ちょぉ〜っと、矢口・・・あっ・・」

「いや、胸に刺さったってゆーからさぁ、ちゃんと治療しないと・・・」
「あっ・・・・それちがっ・・・あんっ・・・・」
37 名前:Usual days 投稿日:2005/03/14(月) 23:25

受信メール:安倍なつみ
件名:Re:感謝感激×2
本文:Happy Birthday!
  Fromなっち&やぐっち

38 名前:たまえす 投稿日:2005/03/14(月) 23:26
>>20 名無し飼育様
ありがとうございます。
なんとも取り留めの無い駄文ではございますが、おもしろい
と言って頂けるなんて感激です。
39 名前:たまえす 投稿日:2005/03/14(月) 23:31
>>21 名無し読者様
ありがとうございます。
恐らく、お察しの通りではなかろうかと。
いつの世も、不埒な企みをするのは古狸・・・(失礼!
40 名前:たまえす 投稿日:2005/03/14(月) 23:36
本日はここまでです。次回更新まで、若干間隔が空くかもしれません。
それでは失礼致しました。
41 名前:Liar 投稿日:2005/03/15(火) 13:21
いつも拝見させて戴いています。読む側が
そこにいるかのような文章表現に驚かせられて
います。これからも頑張ってください。
応援させていただきます。
42 名前:Usual days 投稿日:2005/03/16(水) 21:29
翌日。

別の場所に集合の紺ちゃんを先に送り出してから、上機嫌で会社に向かう。

事務所に入った途端・・・

矢口さんに捕まった。

丁寧にケーキのお礼をして、ついでにちっちゃい身体を抱きしめて、感謝の
ちゅーをお見舞いして。

すぐ逃げようと思ったけれど、ガシッと腕をつかまれた。

「み〜き〜ちゃん」

···やばい・・・

いつもは藤本かミキティ。

〜ちゃん、って呼ばれる時は・・・絶対、何か余計な事を考えてる。

更にそれを裏付ける、この異常なまでの笑顔。

しかも、眉毛をピクピクさせて。
43 名前:Usual days 投稿日:2005/03/16(水) 21:31
「ほらぁ、まだ何かおねーさんに報告することがあるんじゃないの?」

「はい?・・・いえ・・・特に変わったことは・・・」

「で、どうだったの?」
「え?な・・・何がですか?」

「まぁ〜たぁ、しらばっくれて。決まってんだろ?」
「えぇっ?・・・いゃ〜、決まってるとおっしゃられましても・・・」

「ほら、昨日さ、・・・・もう、分かってるくせに」
「あ・・・あの、そんないやらしい流し目で、ウリウリされても・・・・何のことやら」

「誕生日のプレゼントをさ、もらったのかって聞いてんの!」
「え?・・・いや、だから矢口さんと安倍さんから頂いたケーキを美味しく・・・」

「んもぉ〜、もう一つさ、ほら、別の人から何かすっごいものをもらった
んじゃないの?って」
44 名前:Usual days 投稿日:2005/03/16(水) 21:32
「あぁ!・・・もしかして、あれですか?」

「そう!それそれ」
「いや、でも恥かしいじゃないですか・・・」

「またまた、何を今さら。・・・で?」
「え〜っ、言うんですか?」

「すっごい心配してたんだよ?なっちと二人でさぁ」
「いつもいつもお世話になりっぱなしで本当に・・・・」

「・・・・で、もらったの?」
「・・・・・はい?」

ちょっと可愛く小首を傾げて悪あがきをしてみる。

····が。

いきなりちっちゃい体がジャンプして。

『☆バシィ〜ッ!』

思いっきり頭をひっぱたかれた。

「いったぁ〜い(涙目)」

思わず頭を抱えてしゃがみ込む。

「こらぁ〜、どれだけおいら達が心配してると思ってんだ!」

···あ・・・怒っちゃった・・・
45 名前:Usual days 投稿日:2005/03/16(水) 21:33
「あの・・・・」

恐る恐る見上げると、一度は目が三角になったものの、すぐスーッと穏やかな
表情に戻って、ソファーに座る。

「別にさ、二人のプライベートなことまで詮索しようなんて思ってないんだ。ただ
ね、こんこんがすごく気にしててね。自分は藤本のことを満たしきれていないん
じゃないかって」

「・・・・え?」

「ん?・・・ほら、ちょっとミキティに優しくされるとさ、すぐ気を失っちゃうじゃん?
自分ではミキティのことを愛してると思っていても、どこかで、自分の気付かな
い深層心理?みたいな部分で拒絶してるんじゃないかって」

「紺ちゃんが・・・そんなことを?」

朝からの浮かれモードが、ちょっと失速した。

墜落しそう。機首を下げてスロットル出してフラップ下ろして・・・
46 名前:Usual days 投稿日:2005/03/16(水) 21:35
「うん。ま、でもさ、今朝のミキティの表情見てたらね、上手く行ってるんだなって
感じがしたからさ。だから、もしかしたらって思ってね。ごめんごめん、ちょっと
調子に乗り過ぎた。悪かった」

···どこまで細かい気遣いをしてくれるんだろう、このリーダーは。

ちょっと高度を持ち直した。

「多分、矢口さんが期待しているような事は無かったです」

「・・・・そっか」

「いやぁ〜、実はですねぇ・・・頂いたケーキが本当に美味しくて、二人で全部食
べちゃったんですけど・・・美貴はちょっとホロ酔いになっちゃって、紺ちゃんは
満腹で。そのまま二人とも力尽きちゃってですねぇ・・・気付いたら朝、だったり
なんかして・・・」

「・・・・は?あれを一晩で全部?」
「・・・・・エヘ!」

「・・・二人で?」
「ホントすっごい美味しかったんですよ、食べ出したら、もう止まらなくなっちゃい
まして・・・」
47 名前:Usual days 投稿日:2005/03/16(水) 21:37
「いや、紺ちゃんと話してたんです。さすが安倍さんだよねって。こんな美味しい
お店を知ってるなんて」

「あのお店はね、梨華ちゃん御用達なんだ。こんこんがスタジオからミキティの家
へ帰る途中でいい店がないかって探してたらさ、たまたま梨華ちゃんが知っててね。
ただ、ごっつぁんに内緒で柴ちゃんと見つけたお店だからって、なかなか教えてく
れなくてさ」

「クスッ、そうだったんだ。ごっちんはそんな事ぐらいで怒ったりしないのに」

「いや、多分ごっつぁんは知ってると思う。でも、そんなところも可愛いんだろうね」
「あー、なんか分かる気がする」

「こんこんも何か隠してるかもよ?」 

「え゛?・・・いゃ〜、大丈夫です。例え自分に不利になる事でも、紺ちゃんは
絶対に話してくれますから」
48 名前:Usual days 投稿日:2005/03/16(水) 21:40
「お、今さりげなく、のろけた?」

「だって、聞いてくださいよ。昨日、何時の間にか寝ちゃってて、でもで
すね、朝になって目が覚めたらですね、ちゃ〜んと二人で抱き合って寝
てたんですよ。ちょっと凄いと思いません?もう紺ちゃ〜〜〜ん、って
感じで」

「・・・どんな感じだよ・・・」

「もう、なんだろうなァ、どんなことがあっても、離れられないっていう
かぁ、お互いに信じ合ってるっていうか、二人で一つなのかなって・・
もぅ、何言わすんですか・・・って、あれ?」

何時の間にか、床にずり落ちてるし。

「大丈夫ですかぁ?ほら、起きて下さい・・よっと」

腕を引っ張って、ちっちゃい身体をソファーの上に戻す。

「だぁー・・・アホらし。心配して損した」
49 名前:Usual days 投稿日:2005/03/16(水) 21:43
「そんなこと言わないでくださいよぉ、美貴がこうして紺ちゃんとお付き合い
できたのも、安倍さんと矢口さんのおかげじゃないですか。これからもつい
て行きますよ、リーダー!」

「え・・・・そ、そう?・・ち・・ちょっと嬉しいかも・・・」

あ、この矢口さんの照れたところって・・・・

・・・やばい、ときめいちゃった。

「もー、矢口さんってば、可愛い〜〜っ」

思わず勢いで抱きしめた。

「グェ・・・・分かった、わかったから」

小動物系の心地良い抱き具合に、つい調子に乗ってスリスリしていたら。


『カチャッ』

「・・・おはようござぃ・・・ま?・・・あぁ〜〜、ご、ごめんなさい!」

『バタンッ』


・・・え?・・・
50 名前:たまえす 投稿日:2005/03/16(水) 21:54
>>41 Liar様
どうもありがとうございます。
過分なお言葉を頂戴しまして、大変恐縮しております。

稚拙な作品ではありますが、宜しくお願い致します。
51 名前:たまえす 投稿日:2005/03/16(水) 22:02
年度末ということで、ストレスはたまりますが。
何故かお金は(ry
52 名前:たまえす 投稿日:2005/03/16(水) 22:03
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
53 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/17(木) 00:26
更新お疲れ様です。
やっぱり最後まではいかないんですね。
この2人の欠点でもあり魅力でもありますね。
・・・なんかまたややこしいことになりそうですが。
次回も楽しみにしています。
54 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:24
突然聞こえた声に、慌てて身体を離す。
ドアを見た時には、もう閉まっていて。

「誰だった?」
「わかんなかったです」

矢口さんがタタタタッとドアに駆けよって廊下を覗く。

「ちっ、逃げられた。間違い無く勘違いされたぞ」
「え、でも、いつもふざけてやってるじゃないですか」

「バカ。前後の状況を見てなきゃ分からんだろーが。今は、モロに
抱き合ってるところだけ見られたんだぜ?」

「・・・ごめんなさい」

「やっちまった事はしゃーないけどさ。あの声・・・誰だ?
・・・間違い無くうちらより下だったよな・・・」
55 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:26
事務所って、いろんな人が出入りしてるし、社員の人だって大勢いる。

ただ、ここの控え室に顔を出すのはメンバーの可能性が高い。

「キッズとかですかね」

「いやぁ〜、並みのお子ちゃまだったらあんなに反応早くないと思う。
何してるかなんてわかんないじゃん・・・だから多分、そういう経験
のあるこっち側のヤツじゃないかな。それにさ、良く聞いてる声のよ
うな気がするんだ。ゴロッキーズの誰かじゃないかと思うんだけど」

「紺ちゃんは今日午前中は来ませんよ。垣さんは、驚いた時にすぐ叫ぶか
ら違う。まこっちゃんは逆に面白がって飛び込んで来ると思う。さゆも
あんな早く反応できない。訛っても無かったし、イントネーションもお
かしく感じなかったですね」


「・・・亀ちゃん・・・か」

56 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:27
「ハァハァ・・・・び、びっくりした」

朝から衝撃のシーンを目撃してしまい、一目散にエレベーターの前まで
逃げてきた。

『ポーン』

「おっはよ〜・・・・ん?こげなとこで何しょっと。なんで中に入らんと?」

「あ〜、今行っちゃ駄目だって」

慌てて事務所の控え室に行こうとするれいなを引き止める。

「何で?」

「何ででも、ダメ!」
「だけん、どげんしたと?」

「だってぇ・・・朝からラブシーンしてるから・・・」
「はぁ?」

「だからダーメ」
「誰?誰がラブラブしとーと?」
57 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:28
「え・・・・矢口さんと安倍さん」
「なぁ〜ん・・・いつものことやん」

「でも、朝だよ?」
「そんなん、夜の続きかもしれんちゃ」

「あ、そっかぁ。・・・れーな?」
「何ね?」

「負けずにラブラブしよーよ」
「なん言いよっとや・・・」

「ねーねー、はい・・・ちゅー」
「もー絵里は。後でいっぱいしちゃるけん、今は我慢せんね」

「れーな・・・グスッ・・・」
「あ〜、また。なんも泣かんくても・・・」

「だってぇ・・・」
「ほら、ちっとだけだけんね?」

・・・へへっ、もうれーなは素直じゃないんだから。・・・でもスキ・・・

と、その時。
58 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:30
『ポーン』

「おっはよ〜さんさんいっちにーさん!きょーうも元気にいっちにっさん!
・・・あれぇ〜お二人さん、朝から熱いね〜ヒューヒュー」

「「・・・えぇ!」」

エレベーターから出てきたのは。

・・・・そう。すっかり元に戻っていつものテンションの安倍さん。

・・・て・・・なんで?

プリンセス天功のイリュージョンばりの現れっぷりに、思わずれーなと
抱き合ったまま、顔を見合わせる。

「・・・安倍・・・さん?いつ下に降りてたんですか?」

「え?なっちはね、今来たとこだよ?」

「「は?」」

「え?いや・・・は?って言われても・・・なした?」
59 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:31
「あ・・・・あの・・・・いや〜・・・」

「こら、はっきり言いなさい」

・・・やばい、どうしよう・・・

横目で助けを求めようと、れーな見る。

が。

そっぽを向いて知らぬ振り。

・・・くっそ〜・・・

「あ〜・・・いや、今日は早いな〜・・・なんて・・・エヘヘ」

「あ、それひどいよ亀ちゃん。最近は殆ど遅刻なんかしてないべさ」

「あははは、そ、そうですよねェ。すいませんでした・・・ごめんなさーい」

「まったく・・・さーてと。いっちに、いっちに・・・・」
60 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:33
幸い、安倍さんは手前の事務室に入って行った。

「だぁ〜、もう絵里!何で安倍さんがここにおると?」
「え、だってぇ、確かにやぐっつぁんと安倍さんに見えたんだもん」

「やぐっつぁんは合っとー?」
「・・・うん」

「ちょっ、待って。じゃあ、誰を安倍さんと間違えたと?」
「横顔がそっくりだったんだもん。身長もおんなしくらい。
・・・それに、相手がやぐっつぁんだったから」

「え・・・てことは、やぐっつぁんは安倍さん以外の人とラブラブしよったと?」
「はぁ・・・そうなるかと・・・」

「そんなん嫌や。・・・でも、本当やろね。絵里の見間違いとか・・・」
「だって、ちゅーしてたもん」

「えぇ〜、信じられん・・・ショックやぁ・・・」
61 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:34
「田中、準備出来てる?そろそろ行こうか」
「あ、は〜い・・・じゃ、れな行くけん・・・」

「うん」

れーなは、マネージャーさんに連れられてお仕事に行ってしまった。

『ポーン』

「あれ?えりりん・・・何しちょん、こんなとこで。ほら、行こ?」
「あ、おはよー」

エレベーターから出て来たさゆに、手を引っ張られて・・・・

意を決して、そのまま控え室に入る。

「おはようございまーす」

さゆは元気に挨拶してるけど、私はそれどころじゃ無い。
62 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:35
「よっ、おはよう」
「あれ?おはよ、二人一緒に来たの?」

中にいたのは、やぐっつぁんと・・・・

ふ・・・・藤本・・・・さん?

頭の上に、ドドーンと何かが落ちて来たような衝撃。

そのまま体が硬直した。

矢口さんと藤本さんの視線が、私だけに注がれている。

・・・さっき見ちゃったの、バレちゃったんだ・・・どうしよう・・・

本当に浮気現場だったら、何も無かったように知らんぷりをするか
・・・誰にも言うなって口止めをするよね。

でも、もし冗談だったら・・・いつもの様に笑い飛ばすはず・・・
63 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:36
「亀ちゃん・・・」

・・・あぁ・・神様、お願い・・・

「さっき、人がせっかく愛を確かめ合ってたのに邪魔したな?」

「・・・は?」

「ばーか!確かめ合ってるって何だよ、おいらが一方的に襲われて
たんじゃねーか」

「またまた、いい年こいて恥ずかしがっちゃって、可愛いぞ、リーダー!」
「こらぁ〜、いい年って何だよ。好きでこいとんのとちゃうわ〜」

・・・あ゛〜・・・良かったぁ。絵里の勘違いかぁ・・・

安心した途端、二人の能天気な掛け合いが急に楽しくなった。
64 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:37
「大体、ミキティだって、おばはん軍団の仲間入りしたじゃん」
「い〜え。美貴はまだまだぴっちぴちでっす」

「うん、確かに最近ぴっちぴちだよねぇ」
「あ〜〜ひっどぉ〜い、何でお腹をツンツンするんですかぁ?
やめてくださいよ、いちおー気にはしてるんですから・・・」

「ほぉ〜〜、さぞやこんこんも喜んでることだろうよ。抱き付き甲斐
があってさ」

・・・クスッ・・・

「そうなんですよ。もう美貴のことを一晩中離してくれなくって・・・・
って、何でそんな事を言わせるんですかぁ」

「自分で言ったんじゃん」

・・・ん、もう駄目・・・
65 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:38
「あはははははははぁ〜、クスクスッ、んっ・・・ぶっ・・・ギャハハハハ・・・」

「えり?何で泣いてるの?」

「ヒィ〜〜ッ・・・ハァハァ・・ギャハハハハハ・・・ハァ〜・・・あ、でもですね、
絵里はやぐっつぁんと安倍さんに見えたんですよ」

・・・やっぱり亀ちゃんだったね、大成功・・・

・・・さすが年の功。でもちょっと効き過ぎじゃないですかねぇ?・・・

「こんなやつと可愛いなっちを一緒にするなよ」

「こんなやつって、ひっどぉ〜い。あ、でも時々似てるって言われますよ?」

「え゛〜?・・・あ、確かにこの辺りは・・・」
「だから、お腹をツンツンしないでって言ってるじゃないですか・・・」

「ギャハハハハハハ・・・」

「えりりん、いつまで壊れてるの?」

66 名前:Usual days 投稿日:2005/03/19(土) 17:39
「田中、なんだ・・・どうした?元気が無いな。調子が良くないのか」
「ちょっと、夜寝れんかったです」

「そうか。きつければ後で病院寄ろうか」
「大丈夫ですから・・・」

「無理するなよ。ツアーが始まる前に体調を整えておかないとな」
「・・・はい」


・・・そんなん嘘やん、やぐっつぁんが安倍さん以外の人となんて・・・

67 名前:たまえす 投稿日:2005/03/19(土) 17:41
>>53 名無飼育さん様
ありがとうございます。そして、申し訳。
いろんな形があってもいいとは思うのですが、ちょっと
引っ張り過ぎかもしれません。
68 名前:たまえす 投稿日:2005/03/19(土) 17:41

隠します。
69 名前:たまえす 投稿日:2005/03/19(土) 17:42
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
70 名前:53 投稿日:2005/03/20(日) 01:27
更新お疲れ様です。
53に書いた者ですが、自分はあれはあれで凄くいいと思ってますよ。
ちょっと誤解を招いたレスだったかもしれませんね。
こちらが申し訳。
71 名前:Usual days 投稿日:2005/03/22(火) 00:41
スタジオに入ると、まだポンちゃんがボイストレーニングの真っ最中。

時折、先生の指導する厳しい声が微かに聞こえてくる。

ブースの中を見ると、目に涙を浮かべながら、歯を食いしばって頑張る
ポンちゃんの姿。

娘。に入るまでは想像もしていなかった光景。

華やかなステージばかりを夢見ていた私。

テレビで見ていた笑顔。

コンサートでの自信に満ちた表情。

その裏側に、どれ程の汗と涙が流れていたのかなんて、考えた事
も無かった。

初めの頃は、自分は上手く歌えてるのに、何でわざといじめるような
事をすんのやろ・・・などと思っていて。

自分だけに、こんな仕打ちをしているんだと勘違いをしていた。
72 名前:Usual days 投稿日:2005/03/22(火) 00:42
今思えば、何も知らずに思い上がっていた自分がとても恥かしい。

ある時、絵里とさゆの三人でマネージャーさんに連れられて、安倍さん
がボイストレーニングを受けているのを見学しに行った事があった。

ずっと娘。のセンターとして走り続けてきた安倍さん。

歌も上手で、表情も豊かで、歌唱表現は完璧だと思っていたけど。

ブースの中で、先生に叱咤され、涙を流しながら必死に声を振り絞って
いる安倍さんの姿を見た時に、私の自信がガラガラと音を立てて崩れ
て行くのが分かった。

人生が終ってしまいそうな程の衝撃だった。
73 名前:Usual days 投稿日:2005/03/22(火) 00:43
あの、完璧だと思っていた安倍さんでさえ・・・・

じゃあ、れなは一体・・・

その後で、テストレコーディングで録音した時の、何もエフェクトをかけ
ていない、ありのままの自分の歌を聞かされた。

これがお前だ、と言われた時、悔しくて涙が止まらなかった。

あまりの情け無さに震えが止まらなかった。

初めてプロの世界の厳しさを実感した。
74 名前:Usual days 投稿日:2005/03/22(火) 00:44
「れーな?」

そんな物思いに耽っていたとき、ふいに優しい声が私を呼び覚ました。

「ん・・・あ?」

「えへ、大丈夫?ボーッとしてたよ?」

見た目と同じように、ふわふわのマシュマロみたいな柔らかなトーン。

「・・・・ポンちゃん、終ったとですか?」

うん、とにっこり微笑んで、隣に腰かけた。

・・・なんて優しい表情をするんだろう。
さっきまでの真剣な顔が嘘のよう。

・・・可愛いな・・・

つい見惚れてしまう。

「え?やだなぁ、れーなったら。そんなに見詰められたら、なまら恥かしいさ」
75 名前:Usual days 投稿日:2005/03/22(火) 00:45
「えっ?・・・あ、・・・」

無意識の行為を指摘されて、顔が熱くなる。

「あれぇ、真っ赤だよ?・・・ハッハァ〜、私に惚れたな?」

「なっ!・・・な〜ん言いよっとですかぁ、そげんことなかです」

びっくりして、慌てて否定してみるものの、顔の火照りは加速する。

「なぁ〜んだ、れーなは私の事・・・好きじゃないんだ・・・」

そう寂しそうに言うと、うつむいてしまった。

····はぁ?

「な・・・何でそげな話しになっとですか?れなは・・・れなはポンちゃん
のこと大好きだけん!」 

思わず力一杯叫んでしまった。
76 名前:Usual days 投稿日:2005/03/22(火) 00:46
「・・・ふぇ?」

驚いて顔を上げたポンちゃん。

「大好きに決まっとーやなかですか。れなは、藤本さんの次にポン
ちゃんの事を愛してます!」

目がまん丸。口もまん丸で固まってしまったポンちゃん。

でも、次第に笑顔が戻ってきて。

「クスクスッ、あれ、じゃあ、亀ちゃんは?」

「え?・・・だけん、絵里が一番で、ポンちゃんが2番っちゃ・・・」

「そっか。・・・・亀ちゃんが一番なら、2番目でもいいや。亀ちゃんの
こと愛してるもんね、れーなは」

更に顔が熱くなる。

カチャ・・・

「紺野、そろそろ行こう。田中は終る頃に迎えに来るから・・・・・
おい、本当に大丈夫か、顔がだいぶ赤いぞ?やっぱり後で病院に・・・」

困惑するれなのことを、ポンちゃんの涼しげな表情が見詰めていた。
77 名前:たまえす 投稿日:2005/03/22(火) 00:50
本題の更新はここまでですが、ちょっと脱線して
ショートを一発。
78 名前:キャラメル 投稿日:2005/03/22(火) 00:50
いきなり、楽屋に乱入してきた鼻たれ小僧ども。

「おーい、お前らこんな所で何やってんだ?」

おいらの問いかけを無視して、あちらこちらを引っ掻きまわしている。

「加護ちゃ〜ん、・・・・辻ちゃ〜ん・・・」

そそくさと目の前を通り過ぎようとしたあいぼんのお尻を思いっきりひっぱたく。

「いったぁ〜い!何するの、エッチ」

「何じゃないだろ?お前らミュージカルじゃなかったのか?」

「失礼ね。お前じゃなくて、私はキャラ。いまバイオリンを探してるの!
だから邪魔しないで」

「・・・・は?」
79 名前:キャラメル 投稿日:2005/03/22(火) 00:51
またまた動作の怪しい辻ちゃんを捕まえて・・・

「つーじー、何やってんだって」

「つーじーって誰?私はメル。もう、ちゃんとお留守番してなきゃダメでしょ、
マキアート!・・・・あり?また今日は随分ちっちゃく見えるけど」

「・・・・マ・・キ?・・・はぁ?」

「メル、どうやらここじゃなさそうね」

「キャラの暗号解読、間違ったんじゃない?」

「まーたそうやって人のせいにするんだからぁ」

「もう一度、帰って考え直そ?」

そう言うと、ダーッと、部屋を出て行ってしまった。

・・・何なんだ・・・あいつら・・・
80 名前:キャラメル 投稿日:2005/03/22(火) 00:52
丁度入れ違いのタイミングで、梨華ちゃんが入って来た。

「ねー、いま辻と加護が走って行ったろ。何しに来たんだろう」

「え?いつ?」

「いつって、たった今、梨華ちゃんと入れ違いで飛び出して行ったじゃん。
二人そろってさぁ」

「いーえ、誰にも会わなかったし、大体あの子達、今日横浜ですよ?
こんな所にいる訳ないじゃないですか。丁度いま頃、昼公演のリハ中
ですよ?」

「・・・・え?」

「もう、まりっぺったら。疲れてるんじゃないですか?」

「・・・・・・」
81 名前:キャラメル 投稿日:2005/03/22(火) 00:54
「あれ、大丈夫ですか?顔が真っ青ですよ?」

「・・・ね、梨華ちゃん」

「はい?」

「ほら・・・さ、冗談は・・・やめようよ」

すると、梨華ちゃんは何やらバッグの中を引っ掻き回しだした。

「あった。・・・・ほら、これ見てください。いま1時ですよね。
21日の昼の部が3時からだから、ここには来れませんよ?」

脳幹のあたりで、『ブツッ』って嫌な音が聞こえたような気がした。

「キャア〜〜〜ッ、すいませーん誰か〜っ、矢口さんが倒れました〜・・・・」
82 名前:キャラメル 投稿日:2005/03/22(火) 00:55
「ねえ、あいぼん」
「なんや?」

「いま、暗転して袖に掃ける時さ」
「うん」

「セットの裏に、矢口さん・・・いなかった?てか、見えなかった?」
「えっ、のんも見えたんや。」

「やっぱり。何かあったのかな」
「変な事、言わんといてや・・・」

二人の後ろでクスクス誰かが笑ってる。

「二人のことが心配で、見に来たんじゃないの?」

振り返ると、笑顔のアヤカちゃん。
83 名前:キャラメル 投稿日:2005/03/22(火) 00:56
「そんなに心配かァ?」

「あ、そう言えばさ、こないだリハーサルの時に、スタッフさんに、誰に
一番見て欲しいかって聞かれて。二人同時に『矢口さん!』って言って
たじゃない」

「あぁ〜、そうそう」
「言った言った」

「どうして矢口さんなの?」

「うん。うちらのこと、一番心配してくれはるから」
「矢口さんのおかげで、今があるんだもん」

「言葉では、よう言われへんけど、でも、もしこの舞台を見てくれはったら、
うちら二人からの矢口さんへの感謝の気持ちが伝わるんとちゃうかな」

「うん。のんもそう思う」

・・・大丈夫。きっとキミ達の思いは届いてるよ、矢口さんのところまで・・・
84 名前:キャラメル 投稿日:2005/03/22(火) 00:59
「まりっぺ、しっかりしてくださいよ!」

「梨華ちゃん、何したの?またなんか寒〜い事でもしたんでしょ」

「ちょっと、美貴ちゃん何てこと言うのよ、失礼ね!」

85 名前:たまえす 投稿日:2005/03/22(火) 01:08
>>70 名無飼育さん様
どうもありがとうございます。
なんだか、あの二人が到達してしまうと、それで完結
してしまいそうなので。

今後もかなりじれったい状況が続くとは思いますが、
・・・作者のやつ、また逃げたな・・・と思って頂け
れば幸い?です。
86 名前:たまえす 投稿日:2005/03/22(火) 01:09
隠します。
87 名前:たまえす 投稿日:2005/03/22(火) 01:10
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
88 名前:Usual days 投稿日:2005/03/26(土) 12:45
「じゃ、頑張ってね、れーな・・」

バイバイ・・・・と小さく手を振りながらスタジオを出て行った。

何だか、女の子って感じ。

・・・いいな、あのほんわかした感じ。

前から、歌い方についていろいろ言われてるポンちゃん。

リハーサルとかでも声が出てないとか、最近は声の質がなんちゃらって。

だから、ボイトレで声が出るようにって訓練したり、いろんな形
でレッスンしてるんやけど。

でも、本当にそうならなきゃダメなのかな。

だって、あのポンちゃんが・・・例えば、稲葉さんみたいに全開バリバリに
歌ってる姿を想像したら。

・・・ちょっと怖い。
89 名前:Usual days 投稿日:2005/03/26(土) 12:46
本人はどう思ってるか知らんけど。
人それぞれでいいっちゃ。

歌の上手い下手って、聞く人が決めるもんじゃなかと?

そりゃ〜、音楽的には至らんかもしれんど。

れなはポンちゃんの歌声、好きだけん。

どっちかっていうと、ポンちゃんはあのままでいて欲しいような気もする。

ちょっとハスキーだけど、柔らかくって優しい声。

・・・なんだか、ポンちゃんの事を考えてると、自分の心が優しくなる
ような気がする。

そうだよね、あの硬派な藤本さんでさえ、ポンちゃんといる時は
ぐにゃぐにゃになっとるけん。

きっと、人の心を優しくするような、不思議な力があるんだ。
90 名前:Usual days 投稿日:2005/03/26(土) 12:47
・・・・・・・!

な・・・・なんしょっとやろ、・・・・れな、ポンちゃんのこと・・・

ちょー待って。・・・これって、浮気になるんやろか。

ふと今朝の出来事を思い出した。

あの時は、やぐっつぁんが安倍さん以外の人と、って考えただけで、
なんだか意味も無く不潔な感覚しか持てなかった。

でも、もしかしたら。

今のれなの気持ちを・・・もっともっと思い詰めたら、愛する気持ちに
行き着くんやろか。

そう考えれば、浮気を全部否定することって出来んかも。
91 名前:Usual days 投稿日:2005/03/26(土) 12:48
・・・あ〜・・・でも、やっぱりダメ。

れながこんな事を考えてるってことを絵里が知ったら、絶対泣いて
しまうけん。

絵里の涙は見とー無い。

あの、ふにゃけた笑顔が一番だけん。

でも、やぐっつぁん・・・・ホントやろか。

ううん、また絵里の早トチリかもしれんちゃ。
自分で見た訳じゃないけん、後で直接確かめちゃろ・・・

「田中、始めようか」

あ。

「はい!よろしくお願いします」
92 名前:たまえす 投稿日:2005/03/26(土) 12:51
一応、隠します。
93 名前:たまえす 投稿日:2005/03/26(土) 12:52
もう一回。
94 名前:たまえす 投稿日:2005/03/26(土) 12:52
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
95 名前:無名し読者 投稿日:2005/03/26(土) 18:26
ケータイから初レスです。
自分の好きなCPばかりで最高に面白ぃです(^-^)最初から全部読みました!
内容がリアルで読んでて楽しいです!
これからもがんがって下さい
楽しみにしてます(^O^)
96 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:17
「愛ちゃん、こんこん見なかった?」

「いえ、見んかったですけど。カントリーは終りましたよねぇ、でも
ケータリングにはまだ戻っていませんでしたよ」

「そっか、ありがと」

ちょっとこんこんに確認したい事があって待っているのだけれど

・・・・遅い。

普通、他のメンバーは出番が終ったら、みんなまっしぐらに楽屋に
戻ってくるんだけど。

紺ちゃんは大抵・・・・『お腹すいたァ〜』って、ケータリングにまっしぐら。

だからこんこんの場合は、楽屋に戻る・・・ではなく、ケータリングに
戻る・・・となる。

「あ、もしかして・・・・」

「ん?」
97 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:18
「今、美貴ちゃんですよね」

ステージの方を指差して。

「そう・・・あ、そっか!」

舞台裏に行ってみる。

あれ〜、モニターの所にもいない。

通りかかったスタッフさんを捕まえて。

「すいません、紺野・・・見ませんでした?」

すると、にっこり微笑んで舞台の袖を指差して。

「邪魔しちゃダメよ」

「え?」
98 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:19
「ほら、見てごらんなさい、恋の花咲くウットリモード中・・・」

あ、いた・・・・

舞台裏にも、思いっきり弾けたミキティの歌声が大音響で聞こえている。

そんな愛する彼女の歌声に包まれて、袖を隠している幕の隙間から、
じーっとステージを見詰めているこんこん。

・・・あれ、別にミキティのソロを初めて見る訳じゃないのに。

そぉ〜っと近付いて様子を窺う。

瞳が少女マンガのようにキラキラしている。

あ、そっか。

付き合い出してからは、まだ見た事が無かったんだ。
99 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:20
そりゃそうだ。昔と今とじゃ、受け止める気持ちも全然違うだろう。

何てステキな表情をするんだろう・・・・すっごく綺麗だよ、紺ちゃん。

・・・ま、いいか。

そうだよね。

こうして彼女の歌っている所を生でゆっくりと見れる機会なんて、ほとんど
無いもんね。

「・・・・!」

ふと、ピカ〜ンとひらめいた。

カメラさんはどこだ?

必ず舞台裏の様子をデジカムで撮影しているカメラさんがいるはず・・・・
100 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:21
見まわすと、出番待ちをしているさゆとれーなと垣さんに張り付いてる。

・・・ダッシュ!

「すいませーん、ちょっとこっち来てください」
「お、おい・・・・」

あっけに取られてる三人に、ゴメン・・・って
ポーズをしてから、カメラさんを袖に連れて来て。

「ごめんなさい、でもほら、あの紺野の表情を撮って欲しいんです」

すると・・・・さすがプロ。

一瞬でおいらの言わんとすることを理解してくれたらしく、一番手前の
PAスピーカーの裏に走って行くと、ステージのミキティから客席にパン
して、そしてこんこんの方にカメラを振っている。

・・・よっしゃ〜!

心の中で、密かにガッツポーズ。
101 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:22
新垣さんとさゆと三人で、吉澤さんにうさちゃんピ〜スをさせようと企ん
でいたら、後ろから凄い勢いですっ飛んで来たやぐっつぁんにカメラさん
をさらわれた。

「どうしたんですかね」
「さあ・・・・何だろ」
「ちょー見てくるけん」

「あー田中、もうすぐだから遠くに行くなよ〜」

吉澤さんの注意を受け流しつつ、後を追う。

「やぐっつぁん、どげんしょったとですか?」

「ん?ほら、見てごらんよ」

あごでクイッと指した方を見てみると。

「え?・・・・あ〜、ポンちゃん・・・・」

「綺麗だろ?」
102 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:23
何て言っていいか、言葉にならない。

出番待ちで緊張していた心が、ふわぁ〜っとした温もりに包まれて行く。

なんて優しい表情をするんだろう。

「やぐ・・・・」

やぐっつぁんに共感を伝えようと声を掛けかけて、思わず息を飲む。

「あの、やぐっつぁ・・・・・ん?」

「愛するって、素敵な事なんだね・・・」

慈愛に満ちた表情でポンちゃんを見詰めている矢口さんの瞳からは、
涙が溢れていた。

れなの全身が、まるで電気ショックを受けたように震えた。

傍目には、何の変哲もない日常の光景。

でも、そんな中のほんの一瞬にさえ感動できる、やぐっつぁんの心に
胸を打たれた。
103 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:24
・・・・あっ。

こんな人が・・・・

浮気なんかするはずなか。

やっぱりあれは・・・恐らく、絵里の勘違い。

れなは・・・・

れなは、なんということを・・・・

ほんのわずかとはいえ、疑念を抱いてしまった自分が情けなくなって。

「うぅ・・・やぐっつぁ〜ん!」

思わず泣きついた。
104 名前:Usual days 投稿日:2005/03/28(月) 15:25
「お〜い、どうした?ほら、もう出番だからさ、終ってからゆっくり泣くといいよ」

そう言って、優しく抱きしめてくれる。

『ありがとー、藤本美貴でしたー』

「お〜い田中ぁ、行くぞー」

「ほら、行ってこい!」

「はい!」

思いっきり元気に返事をすると、ステージへと飛び出した。
105 名前:たまえす 投稿日:2005/03/28(月) 15:26
>>95 無名し読者様
励ましのお言葉、ありがとうございます。
あの・・パケ代、大丈夫でしょうか。

サブタイトルが同じくせに、話があっちこっちにすっ飛ん
でいて読みずらかったと思いますが、生粋のB型人間な
のでご容赦ください。
106 名前:たまえす 投稿日:2005/03/28(月) 15:27
隠します。
107 名前:たまえす 投稿日:2005/03/28(月) 15:27
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
108 名前:Usual days 投稿日:2005/03/31(木) 08:55
「あれ?今ここに、紺ちゃん・・・いませんでした?」

会場を異常な程に盛り上げてきて、広い額に汗がキラキラ
輝いているミキティ。

ステージを掃けてくるなり開口一発このセリフ。

「お疲れ様。・・・え?」

あれ〜、今まで目の前にいたはずなのに、いつの間に消えたんだろ。

ハハァ、うっとりモードを彼女に見られるのが恥かしいのか・・・・

「いや、ご覧の通りおいらだけだけど」

「あれぇ〜、おっかしいなァ・・・視線を感じたんですよ、こっち側から。
ものすごく暖かいような、優しいような。絶対に紺ちゃんだと思ったん
だけどな・・・」

うわぁ〜、なんだこいつら。

そんな事まで・・・・感じちゃうの?
109 名前:Usual days 投稿日:2005/03/31(木) 08:57
ん?

あ・・・さっきのカメラさんがミキティの後からOKサイン。

こちらもサムアップを返す。

二人で楽屋の方に急ぎ足で戻りながら、ふと耳元で悪魔が囁いた。
ちょっと悪戯をしてみる。

「ね・・・おいらじゃ不満だった?」

「えっ?・・・矢口さん・・・だったんですか?」

さっき、こんこんに感動して思わず泣いちゃったから。

まだ引っ込み切らない涙目のままでミキティを見上げて。

「・・・美貴ちゃん」

見よ、ちょっと可愛いセクシービ〜〜ム!
110 名前:Usual days 投稿日:2005/03/31(木) 08:58
「ち、ちょっと待ってください。・・・あ・・あの矢口さん・・・その
・・・え〜っ?・・・マジっすか」

んはは、マジで動揺してるし。

すっげー目が泳いでる。

ん〜〜〜っ、良い。

期待以上のリアクション。

「・・・・ぶっ」

「え?」

「ギャハハハハ〜ッ、もぉ〜、ミキティ最高〜!」

「え゛〜〜、ひっど〜い。美貴、めっちゃ信じちゃったじゃないですかぁ」

「いや、感動したのはホント。すっごいカッコ良かったよ。すっげー
盛り上がってたじゃん」
111 名前:Usual days 投稿日:2005/03/31(木) 08:59
「もうサイッコーでした。やっぱり、美貴の嬉しい気持ちってお客さん
達にも伝わるんですね・・・」

「でもさぁ、あのヘンテコな合いの手は何なの?美貴サマ何たら・・・
お仕置きキボンヌって。あれ、かなり危ない集団じゃない?」

「あはははは・・・あっ、何て事を言うんですかぁ、いいじゃないですか。
み〜んな大切なファンなんですから。いくらでもお仕置きしちゃいますよ?」

「おいらもされてみた〜い」

廊下の角を曲がると、何時の間にか着替えたこんこんが、いつもの
ようにケータリングに張り付いてる。

「あれ〜、やっぱり紺ちゃんじゃなかったのかなァ・・・」

「だからさ・・・美貴ちゃ〜ん」

「もぉ〜、やめてくださいって言ってるじゃないですかぁ〜」
112 名前:Usual days 投稿日:2005/03/31(木) 09:01
・・・・クスッ、大丈夫だよ。

ちゃ〜んと証拠が残ってるからね。

「あ、美貴ちゃんお疲れ様〜。これ、美味しいですよ〜」

・・・まぁ〜た無理しちゃって。

耳が赤いよ?こんこん。

・・・ほら、そういう所がダメなんだって。

どうして素直に気持ちを伝えられないかなァ。

どんなに人前で自分の気持ちを隠そうとしたって無駄。キミの周りに
いる人達は、もうみ〜んな気付いてるんだよ?

その証拠に、いつもは時間が無いからって矢継ぎ早に指示を捲し立てる
スタッフさん達だけど、さっきこんこんがミキティを見ている時、誰一人とし
て話し掛ける者はいなかったでしょ?

だからさ、遠慮しないで素直にならなきゃ。
113 名前:たまえす 投稿日:2005/03/31(木) 09:01
隠します。
114 名前:たまえす 投稿日:2005/03/31(木) 09:02
もう一度。
115 名前:たまえす 投稿日:2005/03/31(木) 09:02
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
116 名前:無名し読者 投稿日:2005/03/31(木) 20:55
作者様 ご心配ありがとうござりますm(__)m
パケ代は 某機種でパケホーダイなので大丈夫でつ
B型ですか!? 自分もです! そのせいですかね? とても引き付けられます(^-^)
素直になれない紺ちゃん良い! またーり 見守っていたい二人でつね
この二人がいつどんなきっかけで進展するのか すごい楽しみです
作者様 頑張って下さい
いつまでも応援しとります! (^O^)
長々とレス スマソm(__)m
117 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:39
リーダーになって初のツアー。

ただでさえ元気印なおいらなのに、さらにブースト圧を上げてしまった
結果、タービンは焼き付く寸前。

半ば放心状態でバスに乗り込むと、座席に沈み込んだ。

・・・おっし、寝るぞ〜・・・

と、その時。

田中ちゃんが隣に滑り込んで来た。

「れな、やぐっつぁんに謝りたいことがあるっちゃけど・・・
あ〜〜、ちょ、え〜り〜・・・・」

何か言おうとした途端、後から入って来た亀ちゃんに連れさられて行った。
118 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:40
「は?・・・謝る?・・・何かされたっけ・・・」

爆睡モードにシフトしそこなった腹いせに、冷たい窓ガラスに
ハァ〜っと息を吹き掛けて、でっかく『疲れたー』と書いてやる。

でも、ちょっとつまらないので書き直そうと、手でキコキコ拭いて
いると、そこに重さんの笑顔が映った。

「何してるんですか?」
「ん・・・・落書き」

ストン、と隣に腰かけると、ニコニコしながらこっちを見てる。

「・・・・どしたの?」
「え?・・・いやぁ〜、やっぱり窓に映ってもさゆみは可愛いなって」

「あ・・・・そ・・」

・・・んだよ。窓を見てたのか。
119 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:40
「嘘ですよ。矢口さんて美人だなって思って見てました」

「はい。おやすみ」

「あ、聞いてください。吉澤さん、うさちゃんピースやってくれない
んです。絶対可愛いと思うのに・・・」

「しょうがないだろ・・・・今日は可愛い子分がいないんだから。無理
してテンション上げてたけどさ、心配で仕方が無いんだよ」

「・・・分かってます」

「うん。よっすぃ〜だって分かってるのさ。みんなが気を使ってくれて
るのをさ。ほら、今だって、梨華ちゃんが隣に座って黙って手を繋い
であげてるじゃん?重さんたちが気を紛らそうとしてくれてたのもね、
ちゃ〜んと分かってるよ」

しゅんとしてる重さんの頭を、いい子いい子してあげる。
120 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:41
ちょっと照れくさそうに首をすぼめてる重さんの上目使いが、
すっごく可愛い。

あ。

来た。

睡魔が。

「もーダメ。おいら寝る」

「え〜、せっかくお隣同士なんですから、何かお話しましょうよ」

「ごめん重さん、ほんっとゴメン。悪いけど限界」

「じゃあ、さゆみんが手を繋いでてあげます。はい、こうしてると
安心して良く眠れるんですよ?」

スゥーッと左手が柔らかな温もりに包まれた。
121 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:42
お。・・・・・いいかも。

「ありがと・・・重さんの手、気持ちいいわァ〜・・・・」

プクプクしてて柔らかい感触に、ちょっとリラックス。

シ〜ンと静まり返った車内。

半眠状態のおいらの耳に、後ろの席からささやくような会話
がいくつか聞こえて来る。

かなり後ろの方から・・・

「も、里沙ちゃ〜ん、全然話し聞いとらんもん・・・」

「明日、明日聞くから、とりあえず寝かせて」

あ〜あ、またやってるよ。

ん?

すぐ後ろから、東京VS九州のささやき。
122 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:42
「もー、どうしてやぐっつぁんの隣に座ろうとしたの?」

「どうしてって・・・話したい事があったけん」

「何の話し?」

「絵里がこないだ朝に、事務所でやぐっつぁんの浮気を見たって
言ったやろ?あれって・・」

「あ。・・・あぁ〜、あれね、絵里の勘違いでね、藤本さんとじゃれ
てただけなんだって・・・って、・・・・れーな?」

かすかにすすり泣くような音が聞こえてきた。

・・・・?

「ね、れーな、どうしたの?」
「・・・・グスッ・・・」

「え〜、あ・・・ねぇ、何で泣いてるの?」
123 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:43
「うっ・・・やぐっつぁんは・・・・やぐっつぁんが安倍さんのこと愛してる
の知っとるけん、浮気なんかする訳無かって思ったっちゃけど・・・
でも・・・でも、やっぱり、ちょっと疑ってしまったとたい。・・・れいな、
情けなか。何で信じれんかったんやろ・・・」

・・・やっぱり亀ちゃんは、れいなにしゃべってたか。でも、そんな
に気にしてたなんて・・・・

「ごめん・・・ごめんね?絵里、自分だけ安心しちゃって、れーなに
教えるの忘れてた。そんなに気にしてるなんて気付かなかった。
・・・うぅ・・・ごめんなさい・・・グスッ・・」

「・・・よかよ・・・・よか・・・。れな・・・・安倍さんと一緒にいる時の、
やぐっつぁんのとろけそうな優しい目が大好きだけん、あん二人
がどんだけ愛し合ってるかって、知っとるはずやのに・・・・」

「・・・れーな・・・」
124 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:44
「だけん、やぐっつぁんに謝りたかったと」

「・・・絵里も一緒に謝る。グスッ・・・みんな絵里が悪いんだもん・・・」

「ううん、信じれんった自分が悔しか。絵里の勘違いはいつもの事だけん」

「ごめんね?」

「よかって。れなは、そんなおっちょこちょいの絵里も・・・・好きやから」

「れーな・・・」
「えり・・・」

その後に、長い静寂が訪れた。

・・・いい子達。ほんっとにみんないい子。

ライブ中、ミキティを見てるこんこんに感動してた時、れいなが泣き
すがってきた訳がやっと分かった。

黙っていれば分からないのに。
125 名前:Usual days 投稿日:2005/04/05(火) 06:45
優しい気持ちが嬉しい。

思わず目頭が熱くなって、温かい滴が頬を伝って行く。

左手を包んでいた温もりがスゥーと離れると、おいらの肩を抱くよ
うに包み込んで左に引っ張られた。

・・・?

その直後、ふわっとした柔らかい重さんの身体にもたれかかる
ような体勢になり、そのまま抱きしめられた。


・・・・こいつ・・・

中学を卒業したばかりなのに、いつの間にこんな優しさを身に付けたんだろう。

堰を切ったように、涙が溢れてくる。

圭織、キミの愛弟子は、最高だよ・・・

幸せに満たされた温かい心のまま、意識が徐々に薄れていった。
126 名前:たまえす 投稿日:2005/04/05(火) 06:45
>>116 無名し読者様
ありがとうございます。

素直になる事って、意外と難しいかもしれません。
特に、人の目が気になるお年頃だと、なおさら・・・
127 名前:たまえす 投稿日:2005/04/05(火) 06:46
うわっ、遅刻する・・・
128 名前:たまえす 投稿日:2005/04/05(火) 06:47
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
129 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:25
おかしい。

朝から妙に明るい梨華ちゃん。

でも、おかしい。何かおかしい。

なんだァ?あの明るさは。

昨日は美勇伝の仕事だったはず。

何かあった?

三好ちゃんの方が上手く歌えていて、ショクを受けた・・・とか。

岡田ちゃんのナイスバディを見て落ち込んだ・・・・とか。

ん〜・・・違うな。

あれは・・・

そう。ごっつぁん絡みで誰かに嫉妬したときのテンション。
130 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:26
例えば、加護ちゃんになつかれているごっつぁんを見た時とか。

すごい嫉妬心はあるんだけど、表に出すのは大人気無い。
あいぼんがごっつぁんのこと大好きなのは良く知ってる。

最近は、たまにしか会えないし。

だから、ぐっと我慢をして笑顔を作っているけど。

本当の笑顔じゃない。

・・・・・っていう感じの、ちょっと無理がある明るさ。

絶対何かあったはず。

「・・・まりっぺってば」
「へ?」

「もぉ〜、大丈夫ですかぁ?ぼーっとしてましたよ?」

「あ・・・ごめん」
131 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:27
「何か悩み事ですか?だったらチャーミーが相談に・・・・」

横にしゃがんで、おいらの顔を覗き込んでる梨華ちゃんの腕を
引っ張って、隣に座らせる。

「・・・矢口さん?」

「梨華ちゃんさ、ごっつぁんと何かあったの?」

「・・・・・え?」

ほら、図星だ。

「な、何も無いですよ?ラブラブに決まってるじゃないですかぁ・・・・」

うそ。ごっつぁんって言った途端に瞳が潤んできた事を、おいらは
見逃さなかった。

「今日の梨華ちゃんてさ、見ててなんか痛いんだよ。何があったか
知らないけどさ、無理はしない方がいいと思うよ?梨華ちゃんの方
こそ、おいらに聞いて欲しい事、あるんじゃない?」
132 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:28
「・・・・・・グスッ」
「梨華ちゃん?」

「・・・私、そんなに分かり易いですか?」
「そんなこと無いよ。でも、伊達に何年も一緒にいる訳じゃないからね」

「ごめんなさい、心配掛けちゃって・・・」

「これはおいらの性分だから、そんなこと気にしなくていいよ。それより
さ、自分で分かってると思うけど、ごっつぁんのことを信じようね。誰に
ヤキモチ焼いてるのかは知らないけれどさ」

「え?・・・・・何で・・・」

潤んだ瞳から、ツーッと涙がこぼれ落ちるた。

「・・・・梨華ちゃん、どうした?」

「・・・・・・」

「そっか。無理には聞かないからさ。誰だって言いたくない事や、他人
に知られたくない事の一つや二つあるもんね」
133 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:29
「・・・・他人・・・」

そう呟いた途端、いきなりバッと両手で顔を覆うと、本格的に泣き出した。

「梨華ちゃん、どした?ほら、何があったの?」

さっきまで騒がしかった周囲が、何時の間にか静まり返っている。

「・・・うぅ・・・ごめんなさい・・・」

「喧嘩でもしたの?」

「ちが・・・・真希ちゃんは何にも悪くないんです・・・・うぅぅ・・私が勝手に・・・・」

「でも、そんなに泣くほどヤキモチを焼かすような事、したんでしょ?」

麻琴がそっとBOXティッシュを置いて行った。

「ほら、梨華ちゃん」

ごそっとティッシュを藤本取りして、渡してあげる。
134 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:29
「・・・ごめんなさい」
「いいって」

「グスッ・・・矢口さんに他人って言われたのがショックで・・・・・」

「え?」

「・・・いえ、分かってるんですけど、そんなことを言わせちゃった私が
いけないって・・・」

あ〜・・・しまった。またおいら、余計なことを言っちった。

「いや、ごめんね、梨華ちゃんのことを、誰も他人だなんて思ってない
から。大切な仲間だよ?だから心配なんだ」

「・・・すいません」

「とりあえず、涙を引っ込めようよ。ほら、おいらがちゃんと聞いて
あげるから。梨華ちゃんさ、今晩遅いの?」

「いえ、これで終りです」
135 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:30
「ごっつぁんは?」
「え・・・あの・・・」

「ん?・・・・あ、聞かれたくないの?」
「いえ・・・・そんなことは・・・・」

「そっか・・・わかった。後で梨華ちゃんちに行ってもいい?おいらのうちじゃ
落ち着けないでしょ?お店でも話ずらいだろうし。話しを聞いたら帰るから」

「で・・・でもそれじゃ・・・」
「ううん、もし迷惑でなければ」

黙って首を振っている。

「おし、おいらはまだ打ち合わせが残ってるけど、どうする?先に帰ってる?・・・ん?」

「・・・・待ってます」

「じゃ、ここで待ってて。そんなにかからないと思うけど」

「・・・はい」
136 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:31
「どうぞ」

「うわァ〜・・・眩しいなこりゃ・・・」

玄関を入るなり、おいらの目がおかしくなったのかと思うほどの・・・・・
見事なまでに、一面のピンク色。

「適当に座っててください」

そう言ってポットの準備をすると、パタパタと服を着替え始めた。

久し振りに、生着替えをじっくりと鑑賞させてもらう。

そう。

まさに『鑑賞』と言いたくなるほど、芸術的な梨華ちゃんのプロポーション。

・・・・すっげ〜・・・

何でよ。

天は二物を与えず・・・って言うじゃん。
137 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:32
でも・・・・

体型・・・・完璧
顔・・・・・・美形
性格・・・・良い
歌唱力・・・

ま、いっか。

でもさ、女のおいらが見てもクラクラきちゃうほど。

こんなシーンを、世の男性諸君が目の当たりにしたら、絶対に我慢できないと思う。

・・・梨華ちゃんの胸って・・・柔らかいんだよね・・・

実は・・・たまに、じゃれている時とかに、ドサクサに紛れて触ったりしてます。

おいらの手のひらには納まり切れない程の質量。

すっごく柔らかいんだけど、適度に弾力があって、形が崩れない。
138 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:33
じぃ〜っと見とれていたら、ちょっとイケナイ
方向に妄想が行ってしまった。

思わず、出かかった手を引っ込める。

やばいやばい・・・慌てて、軌道修正。

「あれ?今日の下着はピンクじゃないんだ・・・」

「えぇ?・・・そんな、毎日ってわけじゃ・・・」

ハッとしたように、バァ〜っと一気にピンクのジャージに変身完了。

失敗した。

もう少し見たかった。

ジト目でこっちを見てる梨華ちゃん。

「・・・真里ちゃん、もしかして変な事・・・」

「考えてない考えてない。ぜ〜んぜん考えてないよ〜」

・・・スルドイじゃん・・・
139 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:33
「すっごいニヤけてましたけど・・・まぁいいです。ちょっと待っててください
ね、お茶の用意しちゃいますから」

「あ〜・・・おかまいなく・・・」

キッチンでカチャカチャやってる隙に、室内を検索。

昔は色々言われてたけど。どうして、以外とこざっぱりしてる。

彩色異常を除いては・・・・

キャビネットの上に、ごっつぁんとのツーショット写真。

どこだこりゃ?日本っぽいけど。

海をバックにピッタシ寄り添って腕を組んで。

わずかに風になびいてる髪がとても爽やか。

なにもさ、こんな美女二人でくっつかなくたっていいのにねェ。
140 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:34
「お待ちどうさま」

「ね、梨華ちゃん、これって、どこの海?」
「え?・・・あぁ、うちの近く」

「実家の?」
「そう」

「連れてったんだ」
「うん」

「そっか」

「私の生まれ育った所を見てみたいって・・・真希ちゃんが・・・」

「そりゃごちそうさま」

「はい、どうぞ。ハチミツ入れます?」
「いや・・・・・あ、やっぱり入れてみる」

ちっこいポットの蜂蜜をトロ〜ッとティーカップにたらす。

うにょうにょと、小さいとぐろを巻きながら沈んで行く光景が、結構面白い。
141 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:35
コクリ・・・

「あ、美味しい。もっと甘くなるかと思ったけど・・・・うわっ、後からじわ〜っと来た」

「でも、喉にはいいんですよ?」
「梨華ちゃん、ガラスの喉だもんね」

さて、どこから切りだそうか・・・

「あ、BGMかけていい?」
「え、いいですよ」

確かさっき、コンポのところにごっつぁんのアルバムが・・・・

「んしょっと・・・・」

ケースを開けると空っぽ。

・・・?
142 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:36
スイッチ・オン。

CDセレクト。

お、入れっぱなしじゃん。

さすが。

ではスタート。

ちょっと、エスニックっぽいイントロが流れ出した。

「あぁ〜!」

突然、梨華ちゃんが叫んだ。

「え?ど、どうしたの?」

びっくりして聞き返したけど、下を向いて何でも無い・・・と言うように、
首を振っている。

??

そのうち、耳元に囁き掛けてくるような、トーンを抑えたセクシーな
ごっつぁんの歌声が、ビートに乗って聞こえて来た。
143 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:37
うわ、すっごい。

なんだか、身体がゾクゾクしてくる感じ。

こりゃ〜梨華ちゃん、タマらないだろ。

「・・・グスッ・・・うぅ〜・・・」

・・・・・・は?

「梨華ちゃん?」

下を向いてはいるけれど、肩を振るわせて、あごの先からポタポタと
滴がしたたり落ちている。

あっちゃ〜、またおいら、地雷を踏んじまったかぁ?

何をやった?

いや・・・・何も・・・・・あっ!

CDか。

慌ててコンポのストップボタンを叩く。
144 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:37
だからイントロで変な反応をしたのか。

テーブルの横ををパタパタ這って、梨華ちゃんのところへ行く。

あ〜あ、ボロボロに泣いちゃってる。

「ごめん・・・ごめんね?あの曲、聞きたくなかったんだね。・・・悪かった」

何だかさっぱり分からないけど、取りあえず、しゃくりあげてる背中を
さすってあげる。

・・・って事は。

今日、朝からおかしかったのは・・・

この曲のせい?

「ね、ごめんって。謝るからさぁ、お願いだから落ち着いてさ・・・」

「うぅぅっ・・・ごめんなさい・・」
145 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:38
しばらくヒックヒックしてから、ようやく落ち着いてきた。

「・・・・あのさ・・・・どうしたの?」

「真希ちゃんは関係無いんです。私が勝手に嫉妬しちゃっただけで・・・」

「どういうこと?」

「・・・・さっきの曲。あのアルバムをもらった時、丁度忙しい時で、ちゃんと
聞く時間が無くて。昨日、初めてじっくり聞いたんです」

「うん」

「そうしたら、さっき聞いた通り、最初の曲って、耳元で囁き掛けられて
いるみたいじゃないですか」

「うん」

「・・・・グスッ・・・」

「ちょっ、ほら・・・落ち着いて・・・」
146 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:39
「大丈夫です・・・・あの、ああやって、他の人に甘い囁き・・・
して欲しく無いんです」

「・・・・・は?」

「いつも・・・・その・・・・抱いてくれる時、耳元で優しく愛してるって
囁いてくれるんですけど・・・」

「はぁ・・・・」

「同じなんです」

「・・・あの歌い方が?」

コクッとうなずく。

「だから・・・・うぅぅ・・・だから、他の・・・私以外の人に、あんな
真希ちゃんを聞かせたくなかった・・」

・・・そりゃ気持ちは分かるけど。

まいったなァ・・・・嫉妬の相手がCDの販売数に比例して増えてくし。
147 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:40
「あぁ〜、ほら・・・また泣く・・・・梨華ちゃんさぁ・・・」

と、その時。

カチャーン・・・・パタン

玄関の開閉音・・・・・・・?

「あ゛ぁ〜〜知らない靴があるぅ〜〜、梨華ちゃ〜ん、誰かいるのぉ〜
・・・大丈夫?」

血相を変えて部屋に飛び込んで来たのは。

「知らない靴じゃないだろ?ごっつぁんにもらったんだよ?
誕生日のプレゼントでさぁ」

「あ・・・やぐっつぁん」
「よっ、お邪魔してるよ」

「あ〜〜、梨華ちゃん泣いてんじゃん、どうしたの?何があったの!」
148 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:41
どうしてこういう時って、悪い方に転ぶんだろう・・・

そりゃ驚くよね。

「ごっつぁん落ち着けって。まぁ、座りなよ」

「だって、あぁ・・・こんなに泣いちゃって・・・可哀想に。ほら梨華ちゃん、
もう大丈夫だかんね?」

ごっつぁんに抱きしめられた腕の中で、一生懸命にうなづいている。

「やぐっつぁん、何があったの?」

お、大人になったね後藤さん。

てっきり、おいらに何をしたのかって聞くと思った。

「ん?梨華ちゃんね、今朝から何だかおかしくてね。何かを我慢して、
すっごい無理をしてるように見えてさ。帰り際にちょっと訳を聞こうと
思ったら、泣かれちゃってね。それがどうもごっつぁん絡みらしくて」
149 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:42
「・・・・え?」

「うん。ごっつぁんには相談しずらいって言うからさ、おいらがくっついて
来ちゃったってワケ」

「・・・・梨華ちゃん?・・・え、私・・・・何か怒らすような事・・・しちゃったの?」

さっきまでの勢いが、思いっきり失速したごっつぁん。

不安気な表情で梨華ちゃんの顔を覗き込んでる。

ぶんぶん首を振って否定する梨華ちゃん。

「梨華ちゃん、それじゃ分からないって。悪いけどもう一度掛けるよ?」

コンポのCDスタート・ボタンをタッチ。

「・・・・・あ」
150 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:43
イントロが流れた途端、反応したごっつぁん。再び号泣モードの梨華
ちゃんを抱きしめたまま、しばしコンポを見詰めたまま茫然としてから、
ゆっくりとおいらの方を向いて

「・・・こ・・・この曲が・・・・原因・・・なの?」
「うん。この囁き掛けるよーな歌い方がね」

「・・・何で」

ポチッと停止ボタンを押す。

「ごっつぁんさ、梨華ちゃんのことを抱いてる時に、こんな風に愛を
囁いてくれるんだって?」

「はぁ〜?・・・・あ〜〜〜・・・はぁ・・・」

「自分だけじゃなきゃ嫌なんだって」

「えっ?」

「梨華ちゃん以外の人にね、こんな風に甘く囁いて欲しく無かったんだってさ」

埴輪みたいに固まったごっつぁん。
151 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:43
「梨華ちゃん・・・・そうなの?」

「う・・・うぅぅ〜・・・ごめんなさぃ〜・・・ごめんなさい・・・」

「このアルバムを買ってくれるファンの人達にね、ヤキモチを焼い
ちゃったのさ。可愛いじゃないの」

一瞬、ヤレヤレって顔をして天井を見上げたごっつぁん。

「確かに・・・レコーディングの時、つんく♂さんに言われたの。好きな人
に愛を囁くように、優しくセクシーに歌えって。だから、最初上手く歌え
なかったのに、梨華ちゃんの事を考えながら歌ってみたら、一発でOK
になったから・・・・」

「あ〜、それじゃモロそのままなんだ」

「・・・・そんな感じ」
152 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:44
腕の中でひたすら謝り続ける彼女を、抱きしめたままゆらゆらと揺らしながら。

「り〜か〜ちゃん、ごめんねェ・・・・そんなに怒るなんて思わなかったョ。
確かに歌い方はそうだけどさ、でもね、こうして抱きしめて囁くのは梨華
ちゃんだけだかんね?」

・・・・・ふっ。

ティッシュをごそっと引き抜いて梨華ちゃんの手に握らしてから、
そっと部屋を後にする。

玄関のオートロックの掛かる音を背中で聞きながらエレベーターへ。

スッと開いた空間に進むと、ポチッと1Fにタッチして携帯を取り出す。

送信メール:なっち
件名:寂しいよ・・・
本文:明日、行ってもいい?

ピッ、と。
153 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:45
外に出ると、何時の間にか冷え込んでいる。

思わずジャケットの襟を立てて歩き出した時。

♪〜

ポケットの中で鳴り響くせんこう花火のイントロに、慌てて携帯を取り出して。

カシャ、ピッ・・・

メール着信:なっち
件名:RE:寂しいよ・・・
本文:現在位置を知らせ。

「・・・は?」

送信メール:なっち
件名:RE:RE:寂しいよ・・・
本文:梨華ちゃんちの近く

ピッ・・・っと。
154 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:46
ポッケにしまおうとしたら、すぐに着信。

メール着信:なっち
件名:RE:RE:RE:寂しいよ・・・
本文:今から電車だと40分位。
    タクシーの方が早く会えるね。

「・・・・・・」

文面から、現在おいらの置かれた状況を考えていると。

また着信。

メール着信:なっち
件名:なっちも寂しいよ・・・
本文:・・・待ってる。

携帯を握りしめたまま、丁度走って来たタクシーに手を上げた。
155 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:46

・・・・・・
156 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:47
腕の中で、やっと落ち着きを取り戻した梨華ちゃん。

まだ時々、肩がひくひくするけど。

「いっぱい泣いちゃったね」

「ごめんね真希ちゃん、折角出したアルバムなのに・・・・私」

「ううん、嬉しかった」

「え?」

「だってそうじゃん。ごとーのファンを全員敵ににまわしてまで、ヤキモチ
焼いてくれたなんて。可愛いなァ〜、やっぱ梨華ちゃんは」

「・・・怒らないの?」

「どうしてさ。ただ好きって言われるよりも、ぜーんぜん嬉しい。だって、
梨華ちゃんが嫉妬してくれるんだもん。それだけ私に対する愛が深
いって事じゃん?めっちゃ嬉しい」
157 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:48
「でもね、さっきも言ったけど、梨華ちゃんは特別なんだから。あの曲
はね、梨華ちゃんのことを思い浮かべながら歌ったの。だから、例え
誰が聞いたって、私の気持ちは梨華ちゃんにだけだから」

「・・・真希ちゃん・・・」

ゆっくりと身体を倒して・・・キスをしながらジャージを脱がして行く。

「あ・・・・」

下着を取ろうとしたら、手を押さえられた。

「どしたの」

「お風呂・・・・まだだから・・・」

「いいよ、後で一緒に入ろ?」

そういいながら、スポッと脱がして。
158 名前:Usual days 投稿日:2005/04/07(木) 06:48
「でも・・・でも汚いから・・・」

「じゃ、キレイにしてあげる・・・」

大きく足を広げると、顔をうずめる。

中枢神経を刺激するような梨華ちゃんの発する声に至福を感じつつ、
持てる限りの愛をじっくりと刻み込んでいった。

・・・可愛いよ、エキゾな梨華ちゃん・・・
159 名前:たまえす 投稿日:2005/04/07(木) 06:49
やばい・・・
160 名前:たまえす 投稿日:2005/04/07(木) 06:49
本当に遅刻しそう。
161 名前:たまえす 投稿日:2005/04/07(木) 06:50
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
162 名前:名無し読者 投稿日:2005/04/07(木) 10:35
いしごまラブラブですね〜
やきもち梨華ちゃんかわいい
163 名前:Liar 投稿日:2005/04/08(金) 18:55
いいですね〜・・・。本当にいつも感激です。
いしごまが好きなのでとてもうれしいです。
続きがすごく楽しみです。
164 名前:Usual days 投稿日:2005/04/10(日) 12:58
「おはようございまーす」
「おっはよ、梨華ちゃん」

昨日とは打って変わって、心から笑顔満開の梨華ちゃん。

・・・良かったね。

ススッとおいらの横に腰掛けて。

「あの・・・昨日はありがとうございました。本当にいつも助けてもらって
ばっかりで何てお礼をいっていいか・・」

・・・ホント、真面目なんだよね。

「も、止めてよ、そんなお礼だなんて。お互い様じゃん。おいらだって梨華
ちゃんやみんなに助けてもらってるんだから。ね?それに、どっちかって
言うと悩みを解決してくれたのはごっつぁんだろ?おいらはさ、ただ泣か
しちゃっただけだし」
165 名前:Usual days 投稿日:2005/04/10(日) 12:59
「いいえ、矢口さんが気付いて声を掛けてくれなかったら、私、またずっと
一人で悩んでたと思います」

「大体さぁ、あの歌を聴いた時に気付かなかった?おいらすぐ分かった。
あれを歌ってる時ごっつぁんは、梨華ちゃんのことしか考えてなかったん
だろうなってね」

あらら、頭をポリポリしてる。

「いやぁ〜、何よりもですねぇ、ショックが先に来ちゃって・・・、もう何にも
考えられなくなっちゃって。悔しくて悔しくて。でも、そんな事を真希ちゃん
に言える訳無いじゃないですか。だから本当に矢口さんに・・・・」

「それだよ、どうしてごっつぁんに言えないの?梨華ちゃんから打ち明けら
れるよりさ、おいらから聞かされた方が,よっぽどショックだったと思うよ?」

「・・・・そうですよね・・・・」

「ごっつぁんはさ、ちゃんと受け止めてくれたでしょ?梨華ちゃんのことがね、
可愛くて可愛くてしょうがないんだよ。もちろん、やきもち焼きなところもね。
梨華ちゃんのね、全てが大好きなんだよ」
166 名前:Usual days 投稿日:2005/04/10(日) 13:00
「・・・でも、なんか、うわぁ〜ってなると、つい忘れちゃって。エヘヘ」

「ダメじゃん忘れちゃ。今日の梨華ちゃんの笑顔はさ、昨日とは全然違う
よ、やっぱり。・・・昨日、おいらが帰った後、いっぱい愛してもらったんだろ?」

「え・・・・あっ、そうですよ、黙って帰っちゃうんだもん。泣き止んで落ち着い
たら姿が見えなくて、真希ちゃんに聞いたら、もう帰ったみたいって。せっか
くさ、わざわざ来てもらったのに・・・」

「あれ、話をすりかえてるし。いきなり始まりそうな雰囲気だったからさ、あの
まま居座る訳にはいかねーだろ?」

「・・・・そんな、始まるって・・・」

「で?やっぱり優しく囁いてくれたの?愛してるって」

「え・・・・・」

あはは、真っ赤になっちゃって・・・・
167 名前:Usual days 投稿日:2005/04/10(日) 13:01
「あのさぁ、今さらそんなに照れなくたっていいじゃん。どうせあのまま素直に
寝るわきゃないんだから。あんな可愛い梨華ちゃんを抱きしめちゃったらさ、
ごっつぁんだって止まんねーだろ」

「・・・・そ、そんな事を言うんだったら、あのまま引き留めちゃったらさ、まりっぺ
だって、安倍さんちに行けなかったじゃん?」

うわっ。

「はァ?おいらがいつ、なっちのところに・・・」

・・・何で知ってんだ?こいつ・・・

「あれあれぇ〜、とぼけちゃって」

「おいらは真っ直ぐ家に・・・」

「昨日、まりっぺが黙って帰っちゃって、お礼してないって真希ちゃんに言った
らね、いきなり真希ちゃん、安倍さんにメールしちゃって」
168 名前:Usual days 投稿日:2005/04/10(日) 13:02
「えぇ?」

「そしたらね、安倍さんから直ぐに返事が来て、もうすぐ来るから伝えとくって」

「・・・なっちが?」

「はい」

「だって、なっちそんな事、言って無かった・・・って・・・・え?」

ニヤ〜ッと不敵な笑みを浮かべた梨華ちゃん。

何やら満足そうにうなづくと。

「嘘ですよ」

「はぁ〜?」

「ほら、やっぱり行ったんだ」

「え?・・・・メールって・・・」
169 名前:Usual days 投稿日:2005/04/10(日) 13:03
「メールなんかしてませんよ。それこそ、お邪魔じゃないですか」

「・・・ク・・・クッソォ〜」

「いいじゃないですかぁ、お互いにラブラブってことで」

「・・・・ありがとう、締めてくれて・・・」

「エヘ、あんまり突っ込むと、また墓穴を掘っちゃいますからね。あ、そろそろ
時間ですよ。行きますか」

「ん?・・・・おっしゃ〜、今日も頑張るぞ〜っ!」

・・・おいらもまだまだ甘いな。あんなトラップに引っ掛かるようじゃ。

でも・・・梨華ちゃん、腕上げたじゃん・・・
170 名前:たまえす 投稿日:2005/04/10(日) 13:04
>>162 名無し読者様
ありがとうございます。

石川サンて、どんな状況でも可愛いんですよね。
171 名前:たまえす 投稿日:2005/04/10(日) 13:04
>>163 Liar様
ありがとうございます。

あの曲は、本当にかなりのインパクトがありました。
172 名前:たまえす 投稿日:2005/04/10(日) 13:05
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
173 名前:Liar 投稿日:2005/04/10(日) 15:22
Liarって曲の事ですよね??この曲、実は
かなり好きでして・・・。でも、あまり
好きって人は少ないんです。題名が意味深くて
なんだか好きです。
 いつもご苦労様です。更新が早くて嬉しい限りです。
これからも頑張ってくださいね。
174 名前:たまえす 投稿日:2005/04/10(日) 21:25
>173 Liar様

言葉が足りずに申し訳ありませんでした。

171でのあの曲とは、作品のネタにしました後藤さんのアルバム
3rdステーションの1曲目の事です。ネタバレ回避のつもりが、
あらぬ誤解を招いてしまいました。反省しております。

B'sの方でしたら、二次会で時々歌ってます。原キーのままで歌うと
結構目立ちます。(でも翌日、喉がつぶれて仕事になりませんが)

175 名前:Usual days 投稿日:2005/04/11(月) 21:29
「矢口さん」

「はい・・・・あ、おはようございます、お疲れ様です」

コンサート会場でリハーサルの合間に、後ろから声を掛けられた。

振り返ると、相変わらずデジカムをぶら下げたカメラさん。

「いま、ちょっといいですか?」 
「はい。何でしょう」

「これを・・・・」

「え?」

手渡されたのは、1本のビデオテープ。

「ほら、こないだの・・・・紺野さんの・・・」

「あ〜、あれ・・・・え?わざわざ・・・・」
176 名前:Usual days 投稿日:2005/04/11(月) 21:30
「いえ・・・・DVDの編集はツアーが終ってからじゃないですか。それに
特典映像も、多分石川さん関係がメインになると思うので。折角、いい
シーンを撮らせてもらったんで、お蔵にするのはもったいないから・・・
例の部分だけ抜いてダビングしときました」

「え・・・・すいません、わざわざ。お忙しいのに・・・」

「いえ、これを是非、あのお二人に見せてあげてあげてください。特に、
藤本さんに」

「はい。・・・どんな感じです?」

「めちゃめちゃ感動しますよこれ。藤本さん、間違い無く泣くと思います」

「あ〜〜、じゃあ、終演まで見せない方がいいかな・・・」

「それはそれで、カメラスタッフとしては仕事のし甲斐がありますけどね」
177 名前:Usual days 投稿日:2005/04/11(月) 21:31
「え〜、やっぱ撮っちゃいます?」

「もちろん!ミキティの涙って、貴重じゃないですか」

「いやぁ〜、楽屋でしょっちゅう泣いてますけどねぇ・・・」

「えぇ?じゃ今度、楽屋にCCDを仕込まさせてくださいよ」

「あれあれぇ〜、そんな事言って・・・・ホントは矢口のセクシーショットを
狙ってるんじゃないでしょうね・・・・」

「あははははは・・・・」

「ちょーっと、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか。これでも脱
いだら凄いんですよ?」

「そうらしいですね」

「え?」
178 名前:Usual days 投稿日:2005/04/11(月) 21:33
「あ、いや、こないだ安倍さんが自慢してたんですよ。『バカにすんなよ〜、
矢口はちっこいけど身体はすごいんだゾー』って」

「はァ〜?・・・またなんちゅー事を・・・アホなっち・・・」

「ははは・・・おっと、行かなきゃ。じゃ、すいません引き止めちゃって」

「あ、どうありがとうございました」

手にしたテープを見ると、タイトルラベルが貼ってある。

『モーニング娘。コンサートツアー2005春〜第六感 ヒット満開!〜 
藤本&紺野スペシャル』 (特典映像あり!)

細かい配慮に頭が下がる。

・・・おいら達以上に忙しいのに・・・

・・・でも。

特典映像って、何だァ?

179 名前:たまえす 投稿日:2005/04/11(月) 21:34
かなり小刻みの更新ですが。
180 名前:たまえす 投稿日:2005/04/11(月) 21:38
隠します。
181 名前:たまえす 投稿日:2005/04/11(月) 21:39
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
182 名前:Liar 投稿日:2005/04/12(火) 22:53
>174
私自身もすみませんでした・・・。勝手に勘違いしてしまって。
いろいろ大変でしょうが毎回毎回とても楽しみにしています。
朝など短い時間にすこしずつ更新していただいてうれしいかぎりです。
がんばってください。
183 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 22:59
「お母さんただいまー」

「こんばんは〜おっ邪魔しまっす!」

パタパタパタ・・・・

「あら〜、美貴ちゃんいらっしゃい。なーにあさ美、来て頂くのなら電話くらい・・・」

「掛けたも〜ん。でも、ずっと話し中だったさ。まぁ〜た、お父さんとラブラブ
コールしてたっしょ?」

「ラブラブって、あなた・・・・・」

「あははは、いいですねェ、お母さん。毎日札幌とラブラブコールですか」

「イヤですョ、もうそんな年じゃ・・・」

「あら、何言ってるんですか、まだまだお若いじゃないですか。それに、
お父さんはダンディーでカッコいいし。お店でモテモテじゃないんですか?
そりゃー心配でしょう」
184 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:00
・・・・あ。

やばい、また調子に乗り過ぎた?

お母さん・・・・真っ赤になっちゃった。

・・・やっぱり親子だねェ・・・

「あ・・・ねェ、そんなこといいから、疲れたでしょ?ほら上がって頂戴。ご飯は?」

「食べて来た」

「それじゃ、お風呂用意するから・・・」

「はーい・・・・紺ちゃん紺ちゃん、やったね」

「え?何がですか・・・・・」

「お・ふ・ろ!エヘッ」

あらら、ほら真っ赤。

可愛いねぇ。
185 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:01
という訳で、遠征の荷物を抱えたまま、美貴ちゃんをお持ち帰りしちゃいました。

また何日か会えないから。

最近一緒に寝てないし。

・・・・あぁ〜、わ・・・私・・・、何て事を・・・・

でも・・・・でも、美貴ちゃんに抱きしめられて寝ると、本当に安眠できるんです。

一人の時だと、次の日まで疲れが残ったりするけれど。

代わりにぬいぐるみを抱いて寝るんだけど・・・・あ、あれがいけないのかな。

13人がかりのクリスマスで、江頭さんにもらったブルーのイルカさん。

結構気に入ってて、ずっと一緒に寝てるから・・・真っ黒けっけ・・・・
186 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:02
あの時の江頭さんの言葉が、本当に嬉しくて。

「紺野あさ美、おまえは補欠なんかじゃないんだよ!お前こそ、
モーニング娘。なんだよ!」

一度も人に愚痴とか言った事はなかったけど、心の片隅でいつも
思っていた。

愛ちゃんやまこっちゃん、里沙ちゃんに比べて、娘。に入るまで何も
していなかった私は、何をするにも遅れてしまって。

どこか引け目を感じているところがあった。

だけど、あの言葉でふっ切れたような気がする。

だから、くじけちゃったりした時には、イルカさんをギュッてすると、
そのことを思い出して、また頑張ろうって思えるんです。
187 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:03
江頭さんって、あの時までは勝手にイメージだけで怖い人って思ってた
けど、でも、あれから何回か局とかでお会いした時は、「お、紺野ちゃん
元気?」って声を掛けてくれて。

はい、って答えると、頑張れよって励ましてくれたんです。

紺野は頑張りますよぉ〜。

おりゃ〜!

「ね、紺ちゃんさ、何でこんなとこで気合入れてるの?」

「・・・え?」

「いや・・・だってさ、なにも玄関で正拳突きしなくたっていいじゃん」

「・・・・あ」
188 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:04
「ほら、部屋に行こ?」

・・・恥かしい〜〜・・・

「あれ、まだ赤いし。そんなにお風呂が恥かしいの?」

「え、あ〜・・・いや〜・・・そうじゃなくてですね・・・」

「あ〜、わかった。・・・・そっか、もぉ〜紺ちゃんってば気が早いんだ
から。もうそんなとこまで想像しちゃったんだ」

「えぇぇぇっ、何ですか〜それぇ〜」

「しょうがないなァ・・・よしよし。後で美貴がいーっぱい可愛がって、ア・ゲ・ル!」

・・・ど・・・どうしよう・・・
189 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:05
さっきまで、かなり疲れた表情をしていた美貴ちゃんなのに。

何時の間にか、もの凄〜い笑顔に変わっている。

私の手を引いて、勝手知ったる私のお部屋へ。

荷物をとっ散らかして、ホッと一息。

「それ、何ですか?」

美貴ちゃんがバッグから引っ張り出したビデオテープ。

「ん?なんかね、矢口さんがくれたの。紺ちゃんと二人で見てねって」

「へぇ〜、何ですかねぇ」

「藤本&紺野スペシャルだって。何だろね。お風呂出たら見てみよう」

「は〜い」
190 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:06
いそいそと、お風呂の支度をしていると、

『お風呂いいわよ〜』

「は〜い」

「よし、行くぞ!」

「・・・あの・・・すごい笑顔なんですけど・・・」

「気のせい気のせい、レッツゴー」

「あ〜〜〜っ・・・」

バスルームに入ると、自分の服を先にスポンと脱いじゃって。

さ〜てと・・・

「では、失礼いたします・・・」

・・・と言っても、さっき部屋着に着替えちゃったから、それほどイメージ
が膨らむようなものでも無いんだけどね。
191 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:07
ブラを外しますよ〜・・・

・・・と言っても、これまたお仕事用のベージュ色。

ん〜、やっぱり、可愛いやつの方が脱がし甲斐があるんだけど、
普段は、衣装に透けないように、ベージュがほとんど。

ストラップだけ、透明に付け替えて。

「あれ?今日はフロントホックなの?」

「はあ・・・」

「いゃ〜、そんなに気を使ってくれなくたってさぁ、も〜照れるじゃ〜ん」

「・・・え・・・あの・・・」

「それじゃ、遠慮無く正面からいかせていただきます・・・・」

ホックを外して両手をパッと離すと・・・・

・・・ポヨ〜ン・・・と胸が弾けた。
192 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:08
キャ〜〜〜ッ!

すごいなぁ〜、綺麗だなぁ〜、おっきいなぁ〜・・・・

でも、触れない。

こんな所で失神された日にゃあ、お母さんに何を言われるかわかんないし。

「紺ちゃん、今日も綺麗だよ・・・・」

「あ・・・あの、あの・・は、早く入りましょう・・・・」

「そだね。今日は何を入れる?」

入浴剤。面白いから、色々買ってきては試している。

「これ、まだ試してませんよね」

「ん?」

バニラ・・・・ゼリー?
193 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:10
「また美味しそうなのを見つけてきたねぇ・・・よし、行ってみよ」

丁寧に髪を洗ってあげてから、背中を流して。

あとは・・・グッと我慢。

最近は、紺ちゃんも美貴の事を洗ってくれるようになった。

しつこく洗わせろって迫ったら、スポンジを取り上げられて。
けど、洗う方もやっぱり恥かしいらしい。

交代で洗い終わってから、バスタブにバニラゼリーの粉をサラサラと
入れて溶かす。

「ほら紺ちゃん、おいでよ」

「あの・・・その美貴ちゃんの笑顔が怖い・・・」

「え〜、いいじゃん、笑顔なんだし。怒ったらもっと怖いよ?」

「そうですよね」
194 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:11
「あれれ、何気に酷いねそれ」

「あ・・・ごめんなさい」

いつもは美貴が先に入って、うしろから紺ちゃんを抱きしめるんだけど。

かなり危険。

前に一度、美貴の家で一緒に入った時、バスタブの中で気を
失っちゃったことがあって。あの時は本気で慌てた。

え・・・何をしたのかって?

そ・・・そんな、ねぇ。

そりゃ、ちょっとは触ってみたくなるのが人情ってもんでしょ?

だってさ、紺ちゃんて・・・冗談抜きで本当に凄いんだよ?

だから、ちょっとだけ・・・ちょっとならいいかなって。
195 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:12
豊かな胸のふくらみを両手で包み込んで。

美貴の全身がものすごい感動に包まれた瞬間、ガクッ・・・っと、
それまで強張っていた紺ちゃんの身体の力が抜けちゃって。

一瞬、うわぁ〜やってもーた・・・と焦ったけれど。

良く考えたら、いつものことなので、そのまましばらく、堪能
させていただきました。

「わかった。それじゃさ、紺ちゃん先に入ってよ。それで美貴のこと
抱っこして?」

「えぇ〜?・・・だ・・抱っこ・・・ですか?」

「そう。それなら美貴はイタズラできないでしょ?」

「あ・・・そうですね。じゃあ・・・」

場所を入れ替わって・・・・ん?

「紺ちゃん、これ凄いね。お湯がトロトロになってきた」

「あ、ホントですね・・・わぁぁっ、面白〜い」
196 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:13
紺ちゃんの前にもぐり込む。

「ほら、ちゃんと美貴を抱きしめて」

おずおずと、美貴のお腹に手をまわしてくる。

「ほらもっと!」

その手を掴むと、もっと密着するようにクロスさせて引っ張った。

・・・ムニュ〜ッ・・・

・・・・あ。

背中に感じた、とてつもなく柔らかな感触。

・・・紺ちゃんだ・・・

粘度の高くなったお湯が、甘いバニラの香りと相まって、さらに
感覚を高めてくれる。
197 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:14
・・・うわっ・・・やばいよこれ・・・

でも、口にすると、きっと紺ちゃんは恥ずかしがって離れちゃう。

じっとしたまま、背中に全神経を集中させる。

すると、少し硬くなった突起物が当たっているのに気付いた。

「・・・・!」

間違い無い。

・・・美貴の背中に、紺ちゃんの先っちょが当たってるんだ・・・

感激のあまり、ちょっとウルッて来た。

思わずお湯の中で、紺ちゃんの太腿をなでなでする。

この位なら大丈夫だよね。
198 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:15
「紺ちゃん・・・この入浴剤、結構あったまるね」

暴走しそうになってきた意識を、僅かな理性で引き戻す。

「はい、なんだかお腹が空きますね、これ」

「そっちかよ!」

「あははは、突っ込まれちゃった」

あ・・・紺ちゃんが笑うと、背中の当たり具合が微妙に変わって・・・

・・・美貴のも固くなっちゃった。

「そろそろ上がりませんか?汗、いっぱいかいちゃった」

「・・・う・・・うん、そだね」

ここで駄々をこねたら、また警戒させてしまう。
199 名前:Usual days 投稿日:2005/04/13(水) 23:16
「これ、上がる前にシャワーで流さないと駄目だね。ヌルヌルだよ。
これ3つ位いっぺんに入れたら、美貴と紺ちゃんのゼリーができるね」

「あは、ホントですね。今度やってみます?」

「面白そう」

「でもこれ、結構ヒットでしたね。また買ってこよっと」

「どこで買ってきたの?」

「ハンズですよ、渋谷の。あそこ、何回行っても迷子になるんです。何で
あんな分かりずらい作りになってるんですかねぇ」

「あ、美貴もある。渋谷駅からNHKに行く途中、時間があったからハンズ
に寄ってね、で、買い物してからハンズを出て歩き出したら、どう言う訳か
タワーレコードの交差点に出ちゃった」

「あらら、まるっきり逆方向ですねぇ」

「東京は難しいよ・・・・じゃ、あがりますか」

「そうですね・・・」
200 名前:たまえす 投稿日:2005/04/13(水) 23:17
>>182 Liar様

どうもお騒がせいたしました。
いつも過分な励ましの言葉を頂戴し、恐縮しております。

なかなかコンスタントに更新もできませんが、できるだけ
妄想の具現化ができればと思います。
201 名前:たまえす 投稿日:2005/04/13(水) 23:18
隠します。
202 名前:たまえす 投稿日:2005/04/13(水) 23:18
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
203 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:48
部屋に戻ると、二人で髪を乾かし合う。

洗う前までは、綺麗なストレートだった紺ちゃんの髪にドライヤーを当てていくと、
乾いたところから、ピョコン、ピョコン・・・と癖っ毛達がそれぞれ勝手に自己主張
を始める。

そりゃ命がけで直すはなァ。

日々の絶え間無い努力って。

···クスクスッ・・・

「何かおかしいですか?」

「なんだか・・・・ポップコーン作ってるみたいだなって」

「えぇ?・・・そんなに凄いですか?」

「今日は、また一段と元気みたい・・・・」

「・・・・そんなぁ・・・・」
204 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:49
あらら。

やっぱり、自分の気にしている部分って、いじられるの嫌なんだよね。

「違うの。可愛いなって思って。今度さ、何もしないでステージに出てみ
れば?もっとファンが増えるかもよ?」

「い・・・・嫌です。絶対に嫌です」

「そっか〜・・・・可愛いのにな・・・・ん、終ったよ」

「はーい」

ドライヤーを紺ちゃんに渡して、今度は美貴がポップコーン。

「美貴ちゃんもこのまま出るなら、私も出ますけど?」

「やっぱり・・・・止めとこっか・・・」

「・・・・そですね・・・・」
205 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:49
「はい。特大ポップコーンができました〜」

「ん〜・・・ポップコーンってより・・・・パイナップルみたいじゃん」

「ちょっとゴツくないですか?」

「ん・・・じゃわたがしとか・・・」

「やめてくださいよー、食べたくなるじゃないですか・・・・」

「そっか。いいよ?紺ちゃんになら・・・食べられちゃっても」

「・・・・・え?」

「早速、これから・・・食べてみる?」

「いや・・・あの・・・」

「美貴も紺ちゃんのこと・・・・食べたいな・・・・」

「あ・・・・・」

んはは・・・・・いきなり『ボンッ』って真っ赤になった。

・・・か、可愛い・・・
206 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:51
思わず抱き寄せようと思って手を伸ばしたら。

「あっ、そうだ。・・・ビデオ見ましょうよ、ビデオ。ほらさっきの・・・・」

···チッ・・・逃げられた・・・

「紺ちゃん、リモコンどこ?」

「テレビの上にないですか?」

「・・・・・お、あった。どれどれ・・・」

スタート・ボタンを押すと、画面がブルーバックに変わった。

「あれ?・・・・どした?」

「さあ・・・・お?・・・あぁ!」

突然映った画面には、ステージ上の美貴と紺ちゃんが。

「あ・・・・これ、シャイニングの最後の方だね」

「何でまた、こんなところから・・・」

そのままロマモーに変わって、カントリーの3人と紺ちゃんは
舞台の両袖に分かれて掃けて行った。
207 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:51
「へぇ〜、何時の間に撮ってたんだろ。これ見て二人で反省会
でもやれってか?」

美貴の歌が始まってすぐに、正面のカメラから舞台の袖方向
からの画像に変わった。

「あれ?こんな所にカメラさんいなかったよね。正面の固定と
舞台下のハンディさんだけだと思ったけど・・・」

久し振りのソロで、目一杯はじけてる美貴。

「美貴ちゃん、輝いてる・・・・」

ステージの美貴から一旦、客席の方をなめるように写して。

物凄く盛り上がっているお客さん達。

嬉しいな。

また、ぐるっと戻ったカメラは、美貴を通り過ぎて・・・・
208 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:52
「あれ?・・・・・あっ、あぁぁぁ〜!」

「ん?・・・・・・あっ、紺ちゃん!」

「えぇぇっ、ちょっと待って・・・・何でこんな・・・」

そこには。

何て表現したらいいのか言葉が見つからないほど、美しい
表情でステージを見詰めている紺ちゃん。

本当に、気持ちが溢れているかのよう。

隣で、大慌てで美貴からリモコンを奪い取ろうとしている紺ちゃんを
軽くいなしつつ、食い入るように画面を見詰める。

あの時ステージ上で感じていた感覚が、少しづつ蘇ってきた。

そう。舞台の袖の方から、ものすごくあったくて、とても優しい視線を
感じていた。

それがてっきり紺ちゃんだと思って。

歌い終わって即攻で戻ったけど、そこにいたのは矢口さん。
209 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:53
でも、やっぱりいたんだ。

美貴のこと・・・見ていてくれてたんだ.

心の底から一気に感動が湧き上がる。

「紺ちゃん・・・何も逃げる事無かったのに」

わかるよ?

きっと、恥ずかしかったんだね。

なかなか気持ちを真っ直ぐに伝えてくれないけど。

でも、これが紺ちゃんの愛し方なんだ。
210 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:54
突然映った自分の顔に思いっきり驚いた。

撮られていたなんて、全然気付かなかった。

あの時は、ステージ上で生き生きと歌う美貴ちゃんを見て、その
歌声に包まれて、今まで感じた事の無い感動に我を忘れていた。
生まれて始めて味わうような幸せにひたっていた。

恥ずかしい・・・・見られたくなかったのに。

・・・ど・・・どうしよう・・・ 

美貴ちゃんのことが見れない。

何時の間にかビデオは終わっていて。

でも、顔を上げることができない。

部屋の中を静寂が包み込む。

二人とも無言のまま、時間が流れて・・・

何分経ったろう。
211 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:55
ふと、手に温もりを感じた。

恐る恐る顔を上げると・・・・・えぇっ?

静かに涙を流しながら、柔らかな表情で、優しい眼差しで
私を見詰めている美貴ちゃん。

「紺ちゃん・・・・分かってた。美貴・・・・紺ちゃんが見ていて
くれたこと、感じてた」

「え?・・・・・どうして・・・・」

気付いた時には、スッポリと美貴ちゃんの腕の中。

「だって・・・・愛してるんだもん・・・愛し合ってるんだもん。だから
・・・感じたの。紺ちゃんを。姿は見えなかったけれどね、袖の方から
美貴を感じてくれてたの・・・わかったよ」

「・・・・・美貴ちゃん・・・・」
212 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:56
優しく抱きしめてくれる腕にキュッと力が入って。

自然に目を閉じたとき、唇に美貴ちゃんの温もりを感じた。

お互いの胸のドキドキが合わさって、まるで身体の芯が痺れて
いるような錯覚を覚える。

永遠とも思える時が過ぎて、ふと気が付くと

目の前には私を優しく見詰める潤んだ瞳。

「美貴ね、紺ちゃんとこうしている時が一番幸せなんだ」

「私もです。・・・・・あっ・・・・」

「ん?」

いけない、ちゃんと言わなきゃ・・・

しっかりと目を見詰めて。

「好きです。美貴ちゃんが好きだから・・・・だから私もこうして
抱きしめられてる時が、一番幸せです。今、最高に幸せです」
213 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:57
「あれ、もしかして始めてかな。こうしてちゃんと言ってくれたのって」

「えへっ、そうかもしれません。でも、美貴ちゃんを不安になんかさせ
たくないから。私のせいで心配させたくないから」

「そっか」

「今の紺野の本当の気持ちです」

「美貴の気持ちはね、まだ出し切ってないかも」

「そうなんですか?」

「ちょっとだけ、まだ遠慮してるかもしんない」

「いいですよ?全部出しちゃって」

「ホント?それじゃ、場所を変えなきゃ」

「え?」

頭の上にクエスチョン・マークをひらひらさせている紺ちゃんを
抱いたまま立ち上がると、ベッドに座らせる。
214 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 17:58
「え・・・?」

後頭部を手で支えられながらベッドに上半身を倒されて。

「紺ちゃん好きだよ・・・愛してる・・・」

再び唇に温もり。

・・・・・・が。

今度は、柔らかなものが唇を割って入り込んできた。

「・・・・・!?」

・・・こ・・・これって・・・

ディープ・キス。

びっくりして緩めてしまった口の中に、不思議な感覚が
広がる。

あぁ・・・・ど・・どうしたらいいんだろう・・・

思いっきり美貴ちゃんにしがみ付く。
215 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 18:00
・・・訳もわからず固まっている私に気遣うように、美貴ちゃん
の舌がゆっくりと動き回る。

舌と舌が触れるたびに、全身がぶわっと痙攣する。

・・・私・・・愛されてる・・・

あぁ・・・美貴ちゃん・・・美貴ちゃん・・・

身体がスウーッと、まるで天空に吸い込まれるかのような
感覚を覚えた瞬間、突然目の前に綺麗な星空が広がった。

宇宙空間に浮かんでいるよう。

真っ暗な中に輝く色とりどりの星。

隣には、しっかりと私の手を握り締めた美貴ちゃんが微笑んでいる。

足元を見ると、まるで『そうだ!We’re ALIVE』のジャケットのように
青い地球が浮かんでいる。

美貴ちゃんとなら、このまま飛びつづけられる。

そう思いながら、意識が薄れていった。
216 名前:Usual days 投稿日:2005/04/17(日) 18:02
紺ちゃんに深く深く口付けていたら。

強張っていた紺ちゃんの身体からスッと力が抜けた瞬間、
抱きしめていた両腕に、ズシッと体重が掛かった。

・・・あ、やっぱり・・・いっちゃった・・・・

始めての挑戦だったから。

いつ気を失ってもいいように、ベッドに運んだんだけどね。

そっと唇を離して紺ちゃんを見てみる。

とても幸せそう・・・・柔らかな微笑を浮かべている。

どんな夢を見ているの?

布団をちゃんと掛けると、隣にもぐり込んでもう一度抱きしめる。

こんなに幸せでいいのかな・・・


・・・いいよね・・・紺ちゃん・・・

217 名前:たまえす 投稿日:2005/04/17(日) 18:07
何とも残念な事になってしまいましたが、これを機会に、より一層
メンバーの結束が強まれば、と思っています。
218 名前:たまえす 投稿日:2005/04/17(日) 18:13
と同時に、これからもファンとして精一杯応援し続けたい。
・・・八王子の昼公演に参戦して、そう強く思いました。

219 名前:たまえす 投稿日:2005/04/17(日) 18:13
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
220 名前:Liar 投稿日:2005/04/17(日) 20:13
>217
そうですね。私もビックリはしましたがそれをそれとして
受け止めていくべきだと思います。今後どうなるかは少し
不安でもありますが頑張って欲しいものです。
 作者さんもこれからも頑張ってください。応援させていただきます。
221 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:45
・・・ん

・・・・・んんっ

・・・何だろう・・・頬に感じる心地良い温もり。

序々に覚醒しつつあるぼんやりとした意識の中で、自分の現在
置かれている状況を考察してみる。

・・・もう朝?朝の太陽がほっぺに当ってる?

・・・ううん違う、だって明るさを感じない。それにカーテン閉まってるもん。

昨日は・・・・・・・・・あ。

美貴ちゃんと一緒なんだ。

じゃあ・・・・この温もりは・・・・
222 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:46
美貴・・・ちゃん?

目を開けちゃえば分かるんだけど。
まだ瞼が重い。

「紺ちゃん・・・・」

・・・え?

優しい囁きのあと、唇にもフワッと温もりが降りて来た。

・・・キ・・・ス・・・・?

ドキドキ・・・ドキドキ・・・ドキドキ・・・

ほんの柔らかなキスなのに、全身がしびれるような感覚に包まれる。

しばらくして、左の頬の温もりが少しずつ首の方に下がってきた。

・・・・?
223 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:47
そのまま、肩を撫でるように通り過ぎて・・・・・

・・・・!?

・・・・左の胸をパジャマの上からやんわりと包まれて・・・

「あぁっ・・・」

驚いて、つい声が出てしまった。

『バサッ・・・・ドタッ・・・いってぇ〜・・・ガラガラガシャ〜ン』

凄い音がして、びっくりして飛び起きる。

あれ。

目を開けたら、まだ真っ暗。
224 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:48
手探りで部屋の電気をつけると・・・・。

ベッドの下でイルカさんを抱きしめたまひっくり返って、棚の上から
落ちて来た物にまみれてジタバタしている美貴ちゃん。

「・・・・・・・・」

「ん゛〜〜っ・・・・んしょ・・・痛゛〜・・・」

「あの・・・大丈夫ですか?」

「あわわっ・・・あぁっ・・・・いや〜・・・ねぇ・・あはははは・・・は・・・・
・・・もしかして・・・起きてた?」

「・・・・はい」
225 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:49
ビクッとしたかと思ったら、バッと土下座をして・・・・

「ゴメン!ほんっとにごめんなさい。あの・・・怒らないで・・・・って
言っても無理だよね。これで二度目だもんね」

多分・・・ウソ。

さっきの妙に慣れてる感じの手つき。

恐らく私が気付かなかっただけ。

「本当に二度目ですか?」

「うっ・・・・あ・・・当たり前じゃん、ほら、ほんの出来心で・・・・」

あからさまに目が泳いでる。

「このあいだも一緒に寝ましたよね。ほら、藤本さんが先に
お仕事に行ったとき」

「う・・うん」
226 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:50
「私・・・起きてから着替えようとしたらですね、パジャマのボタンを
掛け違えてるのに気付いたんですけど・・・・」

「・・・へ?」

「確か私・・・・一度自分で掛け違えに気付いて、もう一度ボタンを
ちゃんと締め直してから寝たんですけど・・・・どうしてでしょう」

サーッと、美貴ちゃんの顔から生気が引いて、青ざめていくのがわかった。

時計を見ると、まだ4時過ぎ。

「ごめん。言い訳なんて美貴らしく無かった。・・・・そうだよ?紺ちゃん
が寝てる時に・・・ちゅーしたり触ったりしてた。ホント卑怯だよね、私。
二度としないなんて言っておきながらさ。・・・最低」

そりゃー、ずっと我慢してたさ。でもね、あんな可愛い紺ちゃんの寝顔が
目の前にあってさ、そんでもって寝言で・・・美貴ちゃんスキ・・・なん
て言われてみ?美貴の理性なんか、簡単に吹っ飛ぶっちゅーの。
227 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:51
真夜中だったら・・・ちょっとなら・・・いいかなって。

前回の教訓は全く生かされる事も無く。

またやっちゃった。

今度こそ、終った・・・・かな。

やばい、目の奥が熱くなって、鼻の奥もキーュンとなってきた。

泣いたってダメ。

「どうして最近美貴ちゃんが、お風呂以外に私の事を触りたがらなく
なったのか不思議だったんですけど」

「・・・・ごめん」
228 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:52
「一緒に寝た時は、いつも・・・・・その、してたんですか?」

「・・・・・大体・・・・」

「・・・やっぱり」

「・・・はい」

「ズルイなァ・・・・美貴ちゃんばっかり」

「はい?・・・え・・・・・あの・・・・」

恐る恐る顔を上げると、そこにはすっごい笑顔の紺ちゃん。

「お・・・・怒って・・・無いの?」

「あれ?私、怒ってるなんて一言も言ってませんよ?」

「え、だって・・・」

「前の時だって、怒ってないって言ったじゃないですか。むしろその逆ですよ」

「・・・逆?」
229 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:52
「だって・・・ビクビクしながらこっそりイタズラしてる美貴ちゃんて、
なんか可愛いじゃないですか」

「へ?」

「それに、そこまでして私の事をって思うと、なんか嬉しいなァ〜って」

「・・・ほ・・ほんと?」

「で、一体どんな事をしてたんですか?」

・・・・ドキッ・・・・

「あ・・・あわわ・・・そんな・・・ねぇ・・・ほら・・・」

「えぇ〜っ、まさか・・・そんな言えないような事まで・・・してたんですか?」

「いやぁ〜・・・その・・・ちょっとだけだって、ほんのちょっと・・・・」

「もしあのまま起きなかったら、どこまで行ったんですかね・・・」
230 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:53
「・・・え、だってさ・・・ほら、寝る前にさ、ちゅーの途中だったじゃん。
だから・・・その・・・続きを・・・」

あれ?

急にシュンとしちゃった。

「・・・あの・・・どしたの?」

「やっぱり、私がいけないんですね」

「・・・え?」

「私がすぐ気を失っちゃうから、美貴ちゃんに寂しい思いをさせてる」

「違うって。いいんだって、紺ちゃんはこのまんまで。寝る前のキスだって
・・・ごめんね、いきなりあんなキスしちゃって。でもね、紺ちゃん、しっかり
受け入れてくれたじゃん。あの後ね、嬉しくて美貴・・・泣いちゃった。また
一歩、紺ちゃんと美貴が溶け合えたのかなって思って」
231 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:54
落ちて来たガラクタから這い出すと、ベッドの紺ちゃんを抱きしめる。

「ホントだよ?その・・・悪戯したのはごめん。でもさ、紺ちゃんはね、この
ままでいて欲しいの。変わって欲しくない。だって、可愛いもん、だって
好きなんだもん」

「・・・・ブギートレイン・・・」

「そ。だから、明日もチュッチュ〜・・・って・・・したいな」

抱きしめてる美貴の腕の中で、コクコクうなずいてくれてる。

「いい?」

「・・・・はい」

「じゃ、早速・・・」

・・・チュッ

「明日じゃなかったんですか?」

「明日・・も、だからね?美貴と紺ちゃんは毎日ラブラブなんだもん・・・・」
232 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:55
「・・・そうですね」

「うん」

「あ・・・あの・・・」

「ん?」 

「許可します」

「は?・・・何を?」

「いゃ・・・だから・・・その・・・触っても・・・」

「えっ、い・・・いいの?」

そう聞き返した途端、ボンッと真っ赤になっちゃって。

「あの・・・あの、だって、普段そういうことされると、すぐひっくり
返っちゃうじゃないですか。だから、あー恥ずかしい・・・その・・
寝てる時だったら、美貴ちゃんも安心して触れるのかな・・・って」

「・・・紺ちゃん・・・キャ〜〜ッ、大丈夫、優しくしてア・ゲ・ル!」
233 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:57
「あ・・・で、でも、触るだけですよ?」

「あれあれぇ〜、触る以外ってどんな事?美貴、分かんなぁ〜い。教えて?」

あ。

またやっちった。

バサッと布団を被っちゃった紺ちゃん。

どうしてすぐ調子に乗っちゃうかなぁ。

「こ〜んちゃん」

「何であんな意地悪な事を聞くんですか・・・」

「ごめんって。黙ってやっちゃえば分からないのにね・・・って・・・・あ!」

「・・・サイテーです」

「だって、好きなんだもん。美貴、紺ちゃんが・・・え?」

布団からちょこんと覗いた顔は、悪戯っ子の様にニヤッと不敵な笑みを
浮かべている。
234 名前:Usual days 投稿日:2005/04/20(水) 22:58
「あ・・・だましたなァ・・・・」

「さっきのお返しです」

最近、何気にこのパターンで遊ばれることが多いような気がする・・・・

でも、紺ちゃんには、何をされても不思議と腹が立たない。

っていうか、むしろ可愛い。

「もう一眠りしよっか。あと3時間くらい寝れるよ」

「はい・・・じゃ・・・ん」

抱っこをねだるように布団の中から両手を差し出している。

もう、マジでたまらない。

電気を消して布団にもぐり込むと、ギューっと抱きしめて。

そして、再び心地良い静寂が訪れた。
235 名前:たまえす 投稿日:2005/04/20(水) 23:06
>>220 Liar様

ありがとうございます。

彼女達自身も、応援する我々も、更なる発展のための礎としなければ
いけないと思います。
236 名前:たまえす 投稿日:2005/04/20(水) 23:06
隠します。
237 名前:たまえす 投稿日:2005/04/20(水) 23:07
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
238 名前:無名し読者 投稿日:2005/04/20(水) 23:47
久しぶりに見に来たらすごい話が進展してたー!
更新が早くて嬉しいさぁ
二人が良い感じになって来てますね
これも矢口さんのおかげですね
びっくりしたけど 色々考えての決断だと思うのでこれからも、かわらずに応援してきたいと思います
239 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:29
今日は別のお仕事の紺ちゃん。

先に出勤の美貴は、いってらっしゃいのチューをもらってお見送りを受けて。

昨晩の出来事で胸が一杯で、気分はもう、完璧な浮かれモード。

打ち合わせやら、写真撮影やら、コメント撮りやらアンケートやら。

いつもはうざい細々したお仕事も、今日は何故か楽しい。

雑誌のインタビュー用のアンケートを書いている時に、梨華ちゃんに
声を掛けられた。

「ね、美貴ちゃん」

「はい?」

「何かいいことでも・・・あった?」

「エヘ・・・やっぱり、分かっちゃった?」

「そりゃ〜・・・だって、来てからずっとニヤけっぱなしじゃん。それで?」
240 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:29
「いや、それでって言われても・・・・・」

「ねぇ〜・・何よ〜、ほら、喜びはみんなで分かち合わないとさ」

「えぇ〜どうしよっかなァ〜、言っちゃおっかなぁ〜・・・やめとこっかなぁ〜」

「んもぉ〜、ほらっ、楽になっちゃえ!」

「えっとねぇ〜・・・・エヘヘヘヘ・・・・」

「・・・もしかして、紺野?」

「あ、もぉ〜・・・こ・ん・の・・・なんて呼んじゃやっだぁ〜、可愛い可愛い
美貴のハニーのことを・・・」

「え・・・・・・み〜き〜ちゃん?まさか・・・・」

「キャ〜〜ッ!やーだ梨華ちゃんってば。そんな恥かすぃ〜こと聞かないでぇ」

「いや、まだ何も聞いてないから・・・・」
241 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:31
朝は大抵不機嫌なことが多い美貴ちゃん。

ところが・・・・

何故か今朝から終始、目も当てられないような破顔のまんま。

コツコツとアンケート用紙にペンを走らせたかと思うと、ふと思い出した
ように遠くを見詰めてニヘラ〜っと、一人壊れてる。

焼肉を食べてる時だって、あそこまでゆるゆるにはなっていない。

美貴ちゃんにとって、お肉以上の存在は・・・・紺野。

昨日お泊りしたのは知ってるけど、それにしても・・・・・

もう、気になりだしたら止まらない。
242 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:32
とうとう我慢が限界に達し、意を決して聞いてみる。

・・・・が。

ぐにゃぐにゃに腑抜けちゃってて、訳分かんない。

イケナイ妄想が、勝手に脳裏でうずきだしてきた。

・・・・もしかして。

・・・・まさか。

・・・・ホントに?

「ねぇ・・・・美貴ちゃん、ホントに・・・どしたの?」

「えっとね、紺ちゃんがね・・・キャ〜ッ!もぉ〜、美貴泣きそう・・・」

・・・・ダメだこりゃ。
243 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:32
・・・ん?

何やら向こうが騒がしい。

どしたの?

「ちょ〜っと吉澤さん、何でそんな事言うんですか〜?」

・・・・は?

「別に・・・何でもねーって言っただけじゃん」

「少しは心配してくれたって・・・・・うわ〜〜ん・・・・吉澤さんのバカァ〜〜!」

あらら。

また、ひとみちゃんが麻琴のことを泣かしてるし。

さて・・・・どうしようかな。
244 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:33
今日は、仲裁できそうなの・・・・いないかな。

いつも真っ先に動く愛ちゃんと垣さんがいないし、美貴ちゃんは相変わらず
幽体離脱中。

やっぱり、私が・・・・

お、れいなが動いた。

ひとみちゃんにつかつかと歩み寄るなり、

『スパァ〜ン』

うわっ・・・思いっきり頭をひっぱたいた。

「いってぇ〜・・・なぁ〜にすんだよいきなり・・・・」

「もう大人なんやから、いつまでも子供みたいな事ばしとったらいけんやろ!」

「はぁ〜?」

「何でもっと素直になれんと?」
245 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:36
こそっと近付くと、れいなの後ろで両手で顔を覆って、指の隙間から事の
成り行きを覗き見している亀ちゃんをつかまえて。

「ね、何がどうしたの?」

「あ・・・あの、小川さんがライブお休みした時あったじゃないですか」

「うん」

「その話しになって、小川さんが吉澤さんに心配掛けちゃってごめん
ねって言ったんですよ」

「それで?」

「そしたら吉澤さん、別に何でも無かったから・・・なんて、またいつもの
強がりを言っちゃったもんだから・・・・」

「はァ〜・・・・」

「小川さんて素直だから、またそれを真に受けちゃったみたいで」

「それで、れーながブチ切れちゃったんだ・・・・」

「スミマセン・・・止められなくて・・・」
246 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:36
もの凄い勢いの福岡弁で説教をしているれいな。

片や自分の方が悪い事を分かっているから、何も言い返せない
ひとみちゃん。

「さゆ、あん時吉澤さんと写しよった写真、今持っとっと?」

「あ・・・・待って」

タタタッと部屋の隅のバッグに駆け寄ると、ガサガサ漁って。

「あった」

小さいフォトアルバムを持ってきた。

「ちょー貸して」

パラパラとめくって。

「小川さん、ほらこれ見て?吉澤さんの左腕」
247 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:37
え?っていう顔の麻琴。

写真を見た途端、思いっきり泣き出した。

その後ろから写真を覗き込んでたひとみちゃん。

突然、血相を変えて写真を取り上げようとしている。

「れーな、見せて?」

先に写真を取り上げて、「石川〜よこせって」と、私に掴みかかってきた
ひとみちゃんを床に張り倒して、その写真を見てみる。

さゆとツーショットで写っているひとみちゃんの左腕には、キラッと光る
シルバーのブレスレット。

そう言えば、あの日・・・確かにずっとしていたような。

「よっすぃ〜、このブレスレットって・・・・」

振り向いた途端、パッと写真を取り上げられて。

「何でもねーって・・・・」

「何でも無いのに、何なのよそのリアクションは」

「何なのよって・・・・そんなこと・・・ゴニョゴニョ・・・」
248 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:38
「大体よっすぃ〜は、いっつも・・・・・」

思わずそう言いかけた時、後ろから腕を引っ張られた。

・・・?

「うぅ・・・」

「あ・・・麻琴、大丈夫?」

そのまま黙ってひとみちゃんに抱き付くと、胸に顔をうずめて、また泣きだした。

「あれ・・・・怒ってたんじゃないの?」

・・・ごめん、梨華ちゃん・・・ 

泣いてる麻琴をしっかり抱きしめて、髪をなでながら、そう私に目配せすると。

「麻琴、外・・・行こうか・・・」

「・・・・・ん」
249 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:39
写真をさゆに手渡すと、そっと二人は廊下に出て行った。

・・・だから、謝る相手が違うって・・・

「一体、何がどうなったのよ」

何で麻琴の怒りが納まったのか、さっぱり分からない。

「あの・・・前にあのブレスレットと同じのを小川さんが着けていて・・・」

写真を見詰めたまま、さゆがそう切り出した。

「私、聞いたんですよ。綺麗なブレスレットですねって。そうしたら嬉しそうに、
これ、吉澤さんとお揃いで買ったんだよって、教えてくれたんです。裏側に
はお互いの名前が入れてあって、わぁ〜っ、いいなぁ〜って。でも吉澤さん、
恥かしがってなかなか着けてくれないんだって、ちょっと寂しそうに言ってました」

「へぇ〜、そうだったんだ」

「はい。それがですね、こないだ小川さんがコンサートに出られなかったじゃ
ないですか。その時、あのブレスレットを吉澤さんが着けてたんですよ。で、
これ小川さんとお揃いなんですよね?いつも着けてないのに、今日はどう
したんですかって聞いたら、あいつ喋りやがって・・・・とか言いながら、でも、
今、麻琴はすごく悔しがってる。これを着けてると、あの子の気持ちが感じ
られるんだって。だからうち、あいつの分まで頑張らなきゃいけないだって、
そう言ったんです」
250 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:40
「・・・・ひとみちゃん・・・・そうだったんだ」

「何でそれを小川さんに直接言わんとやろ」

「ん〜、絵里はいいと思うけどな。れーなだって、言ってくれないじゃん。
でも・・・・わかるもん。れーながいつも絵里のこと思ってくれてるの・・・・」

「ちょ、なん言いよっとや!」

「あはは、れーなが真っ赤になったぁ。かっわぅい〜・・・・キャッ」

「さーゆ、いらん事言わんでよか!」

「またまた、そんなに恥かしがらなくたってさ。はい、そこでほら、ギュッて
抱き合ってチューとかしちゃったりして」

「れーな・・・愛してる・・・」

あ〜、亀ちゃんのスイッチが入っちゃった。

しっかりとれいなを抱きしめて。

「ちょ待って、えーり、何しよーと!・・・ちょやめーや・・・・」
251 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:41
真っ赤な顔で、亀ちゃんの腕の中でジタバタ。

「・・・・いいなァ」

・・・あれ?そう羨ましがるさゆの胸元に・・・

「さゆ、そのペンダント可愛いね」

「あ、これですか?・・・これ、飯田さんちに遊びに行った時に、もらったんです」

満面の笑み。

「なぁ〜んだ。自分だってラブラブじゃない」

「エヘヘッ」
252 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:42
「麻琴・・・ごめんな」

「ううん・・・嬉しかった」

「でも、また泣かしちゃった」

「・・・着けていてくれたんですね」

「麻琴と一緒に・・・ステージに立ちたかったから」

「・・・うぅっ」

「今度の公演の時はさ、一緒に着けようか」

「え・・・・だって・・・」

「みんなに・・・喋っちゃったんだろ?」

「・・・ごめんなさい」

「だったら・・・・もう隠す事・・・・無いじゃん」

「・・・吉澤さん・・・」

「・・・麻琴・・・」
253 名前:Usual days 投稿日:2005/04/24(日) 12:45
・・・良かった。ホント世話が焼けるんだから・・・

・・・あ、ちゅーしてる・・・

・・・へ?・・・あれ、美貴ちゃん、何時の間に・・・

・・・愛ある限り闘いましょう、命・・萌え尽きるまで。美少女戦士プリティーミキティ!

・・・は?・・・あのねぇ、萌えじゃないでしょ?それに、プリティーって。
それポワトリンだから・・・

・・・エヘッ・・・

・・・いやエヘッて。大体美貴ちゃん、今回の解決には何ら荷担してないわよね・・・

・・・もぉ〜梨華ちゃんってば。お・ちゃ・め・さん!

・・・はい?・・・

・・・あ、紺ちゃんが呼んでいるわ!では、ごきげんよう・・・

・・・あれぇ〜行っちゃった。・・・

ホント・・・どうしちゃったんだろ?
254 名前:たまえす 投稿日:2005/04/24(日) 12:49
>>238 無名し読者様

ありがとうございます。

進展しているのか何だか自分でも良く分かりませんが、
こんなベタな感じが続くかと思います。
255 名前:たまえす 投稿日:2005/04/24(日) 12:51
今日のハロモニ。は、いろんな意味で驚きの連続でした。
まるで、ホラーDVDを見ている後藤さんのように、部屋の
中を転げ回ってました。
256 名前:たまえす 投稿日:2005/04/24(日) 12:52
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
257 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/26(火) 18:04
更新お疲れ様です。
相性の良い2組が見事でしたね。
しかも、あの2人が良いというのは、
こちらを愛読している自分にも衝撃的でした。
これからも、頑張ってくださいね。
258 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/26(火) 18:06
あげてしまいました。
すいません。
259 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/27(水) 22:20
更新お疲れ様です。
ハロモニでは自分も驚きました。
真っ先にここが思い浮かんじゃって笑っちゃいましたよw
これからも楽しみにしているので無理なさらず
頑張ってください。
260 名前:Usual days 投稿日:2005/04/28(木) 06:16
リハーサルも終り、楽屋でしばしまったりのひととき。

みんなそれぞれに、精神統一をしたり、緊張をほぐす努力をしている。

鏡に向かって髪をいじったり、部屋の隅で振り付けを確認したり、お気に入りの
音楽を聞いていたり、好きな人を抱きしめて心を落ち着けたり。

そんな時、廊下の方からキャーッ、て悲鳴が聞こえた。

結構遠い。

「何をやってんだかね・・・・」

少しして、また別の悲鳴。また少しして別の悲鳴。

しかも、段々近付いてくる。

今度は楽屋のドアのすぐ外で、キャ〜ッ・・・

・・・・何だァ?

すると、バンッ、と開いたドアから、まいちゃんが飛び込んで来た。

慌ててドアを閉めると、そのまま両手で押さえている。

「まいちゃん・・・・・何しんての?」

「ハァハァ・・・・ングッ・・・あ、梨華ちゃん・・今日もまた一段とお美しくて・・・」
261 名前:Usual days 投稿日:2005/04/28(木) 06:18
『コンコン・・・ヤッホー里田さ〜ん、何で逃げるんですかぁ〜』

「・・・・は?・・・・まさか・・・・また?」

しっかりドアを押さえたまま、苦笑い。

「いよっ、モテる女はツライねェ」

乾燥イモと闘っている紺ちゃんを抱えたまま、美貴ちゃんが冷やかす。

「いやぁ〜、そう言う問題じゃ無いでしょ・・」

「諦めてさ、可愛がってもらえば?」 

「嫌。ぜーったい嫌です」

「いいじゃん、そんなとこから愛が芽生えるかもしんねーべ?」
262 名前:Usual days 投稿日:2005/04/28(木) 06:19
「また、親分てば、そんな無責任なことを・・・」

「うちらみたいにラブラブになっちゃえば、楽しいのにな、麻琴」

「はぁ〜い」

「いいじゃないですか。北海道同志なんだし。北国の女性は情が
深いんですよ?ね、美貴ちゃん!」

「そ。ホラ、北海道同志だと、こぉ〜んなにラブラブになれるんだよ?
ね、紺ちゃん!」

あれれ、こんこんも結構言うようになったねぇ。

「なん言いよっと?福岡と東京だって、ばりラブラブだけん」

「キャーッ、れーな大好きぃ〜・・・・」

···あ〜あ亀ちゃん、れいなを押し倒してるし・・・
263 名前:Usual days 投稿日:2005/04/28(木) 06:20
「おわーっ、ちょ、えーり、重い・・・・」

「絵里の愛の重さはこんなもんじゃないよ?はい、ん〜っ」

「あ〜、ちゅーはダメやて、グロスが取れ・・・・うぷ・・・・ん〜・・・
・・・ぷはぁ〜・・・え〜り!」

···あ〜あ。

「ねぇ・・・まいまいさ、どうして嫌なの?」

「え・・・だ、だって・・・ねぇ・・・」

「いい子だと思うんだけどなぁ」

「いや〜・・・恥かしいじゃないですか・・・」

「なんだ。嫌いな訳じゃないんだ」

「それは・・・・全然嫌いじゃ無いですけど・・・・」

「合うと思うんだけどな」

「またァ・・・そうやって暗示を掛けようとして」
264 名前:Usual days 投稿日:2005/04/28(木) 06:23
「まいまいはさ、女性同志って・・・ありえない人?女の子から告白されたこと、
あるでしょ」

「里田さんは美人やし、スタイルいいし、それにカッコいいけん、絶対
モテると思うっちゃけど」

「へ?・・・・いやぁ〜そりゃ、昔テニスをやってた頃はこんな事しょっちゅう
だったけど・・・・でもねェ」

「あれ、彼女だってテニス部だったんでしょ?・・・・あ〜、じゃ彼女は
・・・先輩を追い掛けてた方なのかな・・・」

「いや、まいだけなら・・・そりゃちょっとは考えなきゃって思うけど・・ほら、
見境無くセクハラするじゃないですか。今だって、トイレからここまで来る間
に、本芸のお姉さんのお尻を触って、メイクさんの胸を触って、みうなに抱き
付いて、それから私ですから」

「そんなの、吉澤さんだってしょっちゅうしてますから」

「麻琴〜、おめ何て事ゆーだ。あれは〜・・・普通に挨拶代わりだから」

「んはは、よっちゃん、あれ挨拶だったんだ」

「当ったり前だべ。オレは〜・・・麻琴一筋だから」

「よ・・・吉澤さん・・・」
265 名前:Usual days 投稿日:2005/04/28(木) 06:24
「はいはい。でも・・・黙ってればさ、すごく真面目ないい子に見えるのにね」

「いや、いい子ですよ?いい子なんですけど・・・」

「もう諦めて彼女にしてあげたら?」

「そんな・・・みんなで・・・ねえ・・・」

「いつまでドア押さえてるの。もう行っちゃったんじゃない?」

「あ・・・いやぁ〜どうかな・・・」

手を緩めて、そっとドアを開けて・・・・

「あ・・・いない・・・って、え?」

タタタタタターッ・・・・

「キャーッ来たー」

慌ててドアを閉めようとしたまいちゃんの身体に、バフッと誰かが抱きついた。

「里田さぁ〜ん、私の愛は重荷ですか?」

「・・・・・・・・は?」
266 名前:たまえす 投稿日:2005/04/28(木) 06:38
>>257 名無飼育さん様
ありがとうございます。

なんだか、自分に変な能力でも降臨したのかと勘違いしてしまいそうです。

Ageの方はそんなに気にしないでください。単なる恥ずかしがり屋なだけなので。

267 名前:たまえす 投稿日:2005/04/28(木) 06:40
>>259 名無飼育さん様
ありがとうございます。

ここで書き始めてから、幾つか予知っぽい現象が起きていまして、変な事は
書けないゾ・・・・と、妙なプレッシャーに苛まれています。(怖
268 名前:たまえす 投稿日:2005/04/28(木) 06:41
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
269 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:35
「ちょっと待ってよ、何だよいきなり・・・」

「何だよって・・・いきなりって・・・どうしてそんなに冷たくするんですか・・・・」

体当たりの勢いでヘッドスライディング状態のまいちゃんの、そのご立派な
御御足に、しっかりとしがみ付いちゃってる。

「ねぇまいまいさ、こんなに慕われちゃってさ、女冥利に尽きるんじゃないのって」

「尽きない尽きない、ぜーんぜん尽きない。ねぇ梨華ちゃんさ、美勇伝の
さりげないリーダーなんでしょ?何とかしてよ・・・・・・って・・・
あ〜〜っ、だからスリスリすんなって」

「ん・・・わかった。しょうがないなァ・・・ほら、頑張って!もう一押しだよ。
諦めちゃダメ。まだ愛が足りないって言ってるよ・・・」

太股にしがみ付いたまま、うっとりしてるし。

「うわぁ〜っ、ちがぁ〜〜う!そんなこと言ってないっつーの!」
270 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:36
でも、冷静に見てみれば。

フットサルの練習で鍛え上げられたそのまいちゃんの脚力なら、いくらだって
振り払えるはずなのに。

なのに・・・されるがまま。

案外、まんざらでもないんじゃない?

「あのねー、何もわざわざ私じゃなくたって、すぐ近くにもっと若くてぴっちぴちで、
ナイスなダイナマイトボディがいるじゃない、あなたのお仲間で」

「青少年保護育成条例違反、児童福祉法違反・・・・」

「はァ?だったら・・・ミキティとかよしことかは完璧に抵触してるよねェ。
あと、そこの二人!」

ん?

まいちゃんがビシッと指差したその先には・・・・
271 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:36
なんだかんだと言いながら・・・・結局、しれ〜っと愛を育むパカ二人。

「あのぉ〜、さっきリップグロスが取れるとか言ってたの、誰だっけかねぇ・・・・」

「今時の子は進んでるねぇ。片やこっちは真っ赤になってかたまっちゃってるし」

「こら、美貴の紺ちゃんを、こっち呼ばわりすんな!今時いないぞ?17で
こ〜んな純な生娘。なんて」

「えぇ?・・・・生娘。?」

「何だよ梨華ちゃん」

「・・・・え、だってこないださ、美貴ちゃんってば、朝っぱらから在り得ない程
ぐにゃぐにゃになっちゃってたから、てっきりこんこんが許してくれたのかと・・・・」

「なっ・・・・・ん?まぁ、許してくれたと言えば・・・許してくれた・・・のか?」

「キャ〜ッ、え?なになに・・・こ〜んこん!ホント?」

「な・・・なぁ〜んですかぁそれは〜」
272 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:38
「なっちゃったんだ・・・オ・ト・ナに」

「な・・・・え?・・・あ、・・・・あの・・・」

「ちょっと美貴ちゃん、それじゃ生娘。じゃないじゃん」

「生娘。だもん」

「え、だって、やっちゃったんでしょ?」

「あ〜ダメだって。やっちゃったなんてそんなストレートに言ったら。大体、美貴と
紺ちゃんはそんな・・・・・ん?キャ〜ッ、ちょっと紺ちゃん!あ〜あ、ほらぁ〜
また行っちゃったじゃ〜ん。どうしてくれんのさ」

「知らないわよ。あらら、白目むいちゃって。・・・・え、美貴ちゃんさ、こんこんの
こと抱いちゃったんじゃ・・・・」

「だから生娘。だって言ってんじゃん」

「だって、じゃ何でこないだ、あんなんなってたのよ」

「ん?紺ちゃんがね、初めて『触ってもいいよ』って言ってくれたの!」
273 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:38
「あれれぇ〜、それだけであんな壊れてたの」

「それだけって何さ。フン、どーせ梨華ちゃんには分からないさ。この一言が、
美貴にとってどんなに凄い事なのか。どんなに大きな一歩なのか。ここまで
辿りつくのに、どれだけ美貴が耐え忍んだと思ってるんだ!」

「だから早く押し倒しちゃえって言ったじゃない」

「バカじゃん?紺ちゃんはね、梨華ちゃんみたいに簡単に押し倒されたりしないの!」

「なぁ〜によぉ〜、私だって真希ちゃんだけですから!」

「あのぉ〜・・・お取り込み中すいませんが・・・・」

「「なに!」」

「あ、いや〜・・・まいはどうすれば・・・」

「知らないわよ。三好ちゃん、娘。全員が味方だからね。応援するからね」

「ありがとーございまっす・・・・さーとだサン」
274 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:39
「いや、だからねェ、オーディションから数えたら、あなたの方がはるかに
大先輩なんだからさ、里田さん・・・ってのは止めない?歳だって変わんないし」

「じゃ何て呼んだらいいですか?」

「そりゃもちろんダ〜リンだべ・・・」

「こらぁ〜よしこ、余計な事言うなっての」

「・・・・ダーリン(はあと)」

「あ〜・・・何もねェ、こんな私みたいなんじゃなくてさ、もっと可愛いくって
女らしいのが一杯いるじゃん」

「まいちんさ、それ逆だから。女の子は、カッケー人に憧れるんじゃねーの?」

「あのね〜よしこ、あたしも一応、女なんだけど」

「まいちんの事は、うちが一番良く知ってるっつーの。とにかくカッコいいん
だって。敢えて言うなら・・・ん〜・・・そーだなぁ、例えば、宝塚の男役み
たいな感じなんだよ。な、高橋」
275 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:40
「あ〜、そうですねぇ・・・里田さんて・・・凄く綺麗な見た目と、その・・・何て言ったら
いいんやろ・・・サバッとした、はっきりしたところがオスカルチックなんですよ」

「オカルト?」

「オスカルやって。バケモノと一緒にせんといて」

「あ〜ぅい〜それはぁ〜・・・」

「いや・・・梨華ちゃん歌わなくていいから」

「大丈夫、そこしか知らないもん」

「石川サン!いつでもビデオ貸しますよ?」

「いらない」

「まぁ〜たぁ〜、食わず嫌いは良くないですって」

「いまお腹一杯なの」

「あ゛〜〜〜〜っ」

「愛ちゃん、ほら落ち着いて・・・」
276 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:42
「だぁ〜ってぇ、誰も見てくれんのやもん」

「ほら、後で私がさ、一緒に見てあげるからさ」

「・・・・絶対?」

「この新垣にまっかせなさ〜い」

「じゃ、ラーメン食べたい」

「何でよ、ちょっと待って・・・いつ食べたい物の話しになったのさ!」

「てゆーか、お腹空かん?ケータリング行こうよ」

「んもぉ〜訳わかんない。ケータリングにラーメンは無いでしょ」

「・・・・う・・・・う〜ん・・・」

「あ、紺ちゃんが気が付いた」

「えっ?あっはー、ケータリングに反応しちゃったんだ」

美貴ちゃんの腕の中で、目をパチクリしている。
277 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:43
「紺ちゃん、大丈夫?」

「・・・・え?・・・あれ・・・あぁ!」

「ん?・・・どしたの?」

「あ・・・・あの・・・開演前に、腹ごしらえしなきゃなって」

「はぁ〜?・・・・ぶっ・・・ぎゃははははっ、もう紺ちゃん最高!」

「よーし、それじゃみんなで腹ごしらえでもしに行くべか?」

「「「賛成!」」」

どっと部屋を飛び出して行く娘。達。

そして・・・・・残されたのは・・・

「よしこ〜っ、この薄情者〜!」
278 名前:Usual days 投稿日:2005/05/01(日) 20:44
・・・ひとみちゃん、いいの?あの二人・・・ 

・・・セクハラから始まる恋もあるから・・・

・・・何それ・・・

・・・麻琴とだって、元はと言えば、うちのセクハラがきっかけだし。そのうち
まいちんだって降参するんじゃん?・・・

「あ〜っ・・・さゆぅ〜、それ食べたい!私にもとっといて〜・・・」

・・・梨華ちゃん・・・相変わらず人の話を聞かないんだね・・・
279 名前:たまえす 投稿日:2005/05/01(日) 20:51
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
280 名前:無名し読者 投稿日:2005/05/05(木) 00:07
おぉ 新しいカップルの誕生ですか!

ハロモニ。すごかったですね!2組も予言通りとは…
ミキティが不機嫌だったのは紺ちゃんがいな……
これからも予言しちゃってください(爆)
281 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 13:56
昼公演後のミーティングも終り、しばし安らぐひととき。

汗を押さえてメイクを直している時、ひとみちゃんが話し掛けてきた。

「梨華ちゃんさぁ、お願いがあるんだけど」

「なあに?ひとみちゃんがお願いなんて、珍しいね」

「ん・・・・あのさぁ、二人きりの時はいいけど、人前で、できれば麻琴の
前だけでも、『ひとみちゃん』って呼ぶの・・・やめてくんないかな・・・・」

「・・・・・へ?何よ今さら」

・・・よっすぃ〜、よしこ、よっちゃん。

誰からも好かれる彼女は、色々な呼び名を付けられて。

使い分けてたつもりだったんだけど。

でも、調子に乗ってる時は無意識でそう呼んでいたかも。・・・でも、何故?
282 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 13:58
「いや・・・そう呼んでくれるのは嬉しいし、迷惑とか全然そんなんじゃ
ないんだけど・・・」

「じゃ・・・・何で?」

何だか歯切れが悪い。

「だから・・・・その、梨華ちゃんが・・・ひとみちゃん、って呼んだ時のさ、麻琴
の視線が厳しいんだよね」

「・・・・・は?」

「ま、全ては私の日頃の行いのせいなんだろうけど。誤解させるようなことをする
から・・・自業自得なんだけど・・・・ちょっと疑ってるっぽい」

「・・・・・・・」

「あいつ、梨華ちゃんとごっちんがどれだけ深い関係なのかってのを、いまいち
分かってないんだよね。だから、ほんの些細なことでも不安になるんだと思う」

「ひとみちゃん、私いつも言ってるよね?麻琴への気持ちをさ、素直に伝えて
いないよね。いっつも恥かしがったり強がったりしてさ。不安にさせてるのは、
ひとみちゃんじゃないのかな」
283 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 13:59
「・・・・だからぁ、自業自得だって・・・分かってる」
 
「わかったわ。これからは気を付ける。だけどね、ひとみちゃんが麻琴を不安に
させないように努力しなくちゃダメよ?じゃなけりゃ、私だけじゃなくて、誰も
ひとみちゃんと話しなんか出来なくなっちゃうから」

「うん」

「例のブレスレットの事だってさ、先に言ってあげればさ、それだけでウイルス
なんか逃げちゃったかもしんないじゃん?」

「うん」

「女同士なんですもの、麻琴の気持ち、分かるはずだよ?」

「うん」

「でもさ、何で私だけなの?美貴ちゃんなんか、いっつもひとみちゃんにベタベタ
してるじゃない。あれこそ、やきもち焼いていいと思うんだけど」
284 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:01
「ん・・・・ミキティには・・・・その・・・最初は凄い嫉妬してたのさ。でも、
ある時、街でミキティとこんこんが、めっちゃラブラブでデートしてる所を偶然
見ちゃってさ。それから何時の間にか矛先が梨華ちゃんにすり変わっちゃって・・・」

「なぁ〜によぉ・・・私だって・・・・」

「わかってるんだけど、それに楽屋とかでもさ、ほら、よくあの二人泣いたりして
たじゃん。梨華ちゃんたちも、昔はそんなこともあったけどさ、麻琴は知らないから」

「・・・・そっか」

「うん。まさか梨華ちゃんがごっちんの事を泣かしてたなんて誰も思わないし、
想像もつかないだろうから」

「そうだね。私、随分真希ちゃんには心配掛けちゃったからね。今の麻琴が丁度
真希ちゃんの立場なのかな。誰にでも優しくしてあげたい。みんなの話しを聞
いてあげたい。そんなひとみちゃんのことを、ハラハラしながら毎日見てるん
だね」
285 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:02
「そういゃ、何度かごっちんに愚痴られたことあったっけ・・・」

「へぇ〜、安倍さんに泣き付いてたってのは後で聞いたけど。私は柴ちゃんに愚痴って、
いっつも怒られてた。ずーっとだまぁ〜って最後まで愚痴を聞いてくれてさ、ふぅ〜、
気が済んだって思ったらね、もういいの?って言うから、うんって答えたら、いきなり
『おい石川梨華、大体おまえはいつもいつも・・・』って、たんたんと諭されて。少し
は学習したらどうだ?って」

「柴っちゃんのお説教は怖そうだねぇ」

「ふふっ、でもね、そうやって色んな人に助けてもらわなかったら、こうして今
付き合えてなかっただろうし」

「・・・そだね。やっぱそう思う」

「だからさ、ひとみちゃんだってね。そうだ、ほら、麻琴と二人で渋谷でデート
したときの事、あのペアブレスレットを買った日の事を思い出してみて?」

「・・・・へ?」
286 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:03
「二人の繋いだ手に光るブレスレットを見ながらさ、嬉しそうに歩いてた麻琴の
笑顔、本当に輝いてた。そんな麻琴を見てるひとみちゃんもね、凄い満足そうだ
ったじゃん。あの時の気持ち、忘れちゃダメだよ?」

「はぁ〜?・・・・ちょっと待ってよ。・・・・え?
・・・・な、何で・・・・」

「何が?」

「今、ごく普通に・・・何気なぁ〜く言ったけどさ・・・・なぁ〜んで梨華ちゃん
がそんなことを知ってるの」

「そんなこと?」

「麻琴に聞いたの?」

「バカね。そんなね、二人だけの大切な思い出はね、簡単に人に話したりは
しないものよ」

・・・クスッ。すっごい動揺しちゃって。顔なんて真っ赤だし。ひとみちゃんって
色が白いから、目立つ事・・・
287 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:05
「知りたい?」

「・・・べ・・・別に・・・」

「まぁ〜た、ほら、強がり言っちゃって。目が泳いでるし、顔が真っ赤よ」

「う・・・うるせー」

「あのね、こないださゆにブレスレットの事を聞くまですっかり忘れてたんだけど。
あの日はね、真希ちゃんがお仕事でね、せっかくのオフなのに一人じゃつまんない
から、柴ちゃんと買い物に行ったの。し・ぶ・やに」

「・・・・え?」

「へへぇ、壁に耳あり障子に目あり。悪い事は出来ないねぇ」

「な・・・べ、別に・・・円山町にいた訳じゃないし、悪い事なんて・・・してねーし」

「円山町?」

「あわわ・・・ゴホッ・・・いや、何でもねーって。・・・え?渋谷に・・・いたの?」

「うん♪」

「どこで?」
288 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:06
「ひとみちゃんがね、美貴ちゃんとこんこんに気付いて、慌てて麻琴をさ、歩道
の脇にあった看板の陰に引っ張り込んで隠れたでしょ?」

「・・・・・う、うん」

「その時、誰かにぶつからなかった?」

「へ?・・・・・あぁ!・・・ぶつかった。麻琴が叫ぼうとしたからバレると
思って慌てて口を塞いだ時に。後ろの人の足踏んじゃって、謝ろうとしたらも
ういなくなってて・・・」

「すっごい痛かったんだよ?一週間くらい、アザが消えなかったんだから」

「えぇ〜〜〜っ!」

お、・・・・ひとみちゃんがふっ飛んだ。

「よしこ・・・何やってんの?」

冷静に突っ込む美貴ちゃんに照れ笑いを返してからパタパタ戻ってきて。
289 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:07
「ホントに?」

「次の日のダンスレッスン、痛くて泣きそうだったんだから」

「え・・・マジで?・・・・・スマン!」

「よくゆーわよ、湿布貼ってる私の足を見てさ、ひとみちゃん、何て言ったか
覚えてる?『石川ダセー、またコケたろ』って。本気で殴ってやろうかと思っ
たんだから」

「ホントごめん。何だよ、あの時言ってくれればよかったのに」

「ばかね、そんな人の恋路を邪魔するような野暮なことはしません」

「・・・おれ・・・恥かすぃ〜・・・」

「足踏まれたときね、私も叫びそうになってね、声が出かかった時、柴ちゃん
に思いっきり口を塞がれてね。バレるから逃げるよって」

「何でまた・・・・」
290 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:08
「いや・・・だってさ、あんなに人の多いところで悲鳴を上げて、注目されたら
まずいでしょ」

「・・・そりゃそうだけど。・・・ごめん」

「んもぉ〜いいわよ、踏まれたのがひとみちゃんで良かった。もしあれがミュール
とかハイヒールだっら、アザ位じゃすまなかったかもしんないから」

「結構、思いっきりいっちゃったもんね」

「大体ねぇ、デートの時ぐらいさ、もう少しお洒落したらどうなの?まだ甚平
じゃないだけマシだったけど」

「何?あの時は、あれでも私なりに完璧なコーディネートだったのに」

「うそぉ〜、まるで兄と妹だったじゃない。美貴ちゃんとこんこん見たでしょ?
あれが恋人同志よ」
291 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:09
「美貴と紺ちゃんが・・・・どうしたって?」

「うわっ、び・・・びっくりしたァ」

さっきまで、向こうで紺ちゃんの髪に悪戯して爆笑してたのに、何時の間にか
私達の後ろに来ていた美貴ちゃん。

「まさか紺ちゃんの事・・・・」

「違うって・・・誉めてたんだよ?美貴ちゃんとこんこんって、可愛いカップル
だよねって」

「ふぅ〜ん」

「あ、信じてないな?ほら、よっすぃ〜と麻琴って、一緒に歩いてるとさ、兄と
妹みたいじゃん?それに比べて、美貴ちゃんとこんこんは恋人同志って感じに見
えるって・・・」

「・・・・本当に?」

「うん。だってさ、ピッタリ寄り添って腕なんか組んじゃってさ、こんこんなんか、
美貴ちゃんの肩に頭を預けちゃって。ねぇ、よっすぃ〜」
292 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:11
「そうそう。思わず、後ろから飛び蹴り食らわそーかと思った位、めっちゃ
いい感じだったから」

「ハァ〜?・・・それ、いつの話し?どこで見たの?」

「え・・・っと、去年の夏頃じゃなかったっけ?」

「そうそう。ツアーのリハが始まる前に、みんなでオフもらったじゃん。
その時に渋谷でね」

「うわっ・・・・・マジ?」

「うん」

「・・・え、よしこと梨華ちゃんが二人で?」
293 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:12
「ん?違うよ、私は柴ちゃんと買い物で、よっすぃ〜は麻琴とデート。それがたま
たま偶然にスクランブル交差点のところで美貴ちゃん達と接近遭遇しちゃったの」

「何なんだよおめーらは」

「知らないわよ。・・・・あれ、美貴ちゃん?・・・・あの、何で赤くなってるの?」

「ははぁ〜ん、まさかミキティ・・・お楽しみの後だったとか・・・」

「昼間っから?」

「なっ・・・・」

ひとみちゃんと茶化すたびに、美貴ちゃんの顔がさらに赤くなって行く。

「だってさ、ラブホ街の方から駅に向かって歩いてたべ?すっごい満ち足りた顔で・・・」

「ばっ・・・ばかな事言わないでよ!」
294 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:13
熟したトマトのような真っ赤な顔をして、目を潤ませながら、必死の抗議。

「美貴の人生の中でも一,二を争う程の大切な日に、いきなりそんな事する
訳ないじゃない!バッカじゃないの?」

「大切な日?」

「・・・・・あ」

しまった、って顔をしてる。

「じゃやっぱり・・・・する前・・・」

「違う違うちがぁ〜う!」

逃げようとする美貴ちゃんを、ひとみちゃんと取り押さえて。

「じゃあ、何なの?」

いくら怪力ミキティでも二人掛りでは勝ち目はない。
295 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:14
諦めたのか、座り直して。

「美貴と紺ちゃんの告白記念日」

「「えぇっ?」」

「いや、えぇって言われても・・・・」

「ごめんね?そうだったんだ・・・・あの日に」

「うん」

「え、ミキティが告ったんだ」

「うん」

「へぇ〜・・・で、上手く行った後のラブラブな所を、うちらが見ちゃったんだ」

「ううん」

「へ?違うの?」

「あの時はまだ、いつ言おうか、何て言おうかって迷ってる時。気持ちを伝え
たのは、あの日の夜だったから」
296 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:15
「だって、え・・・じゃ何?告白する前から、あんなにラブラブだったの?」

「はぁ」

「手が早いねぇ」

「ちーがうって。美貴はただドキドキしなが固まってただけ。紺ちゃんから、
腕組んでいいですか?って」

「あらぁ〜、見掛けによらず積極的なんだね。てっきり、ずっと前からナイショ
で付き合っていたのかと思った程、いい雰囲気だったから」

「そうそう。マジですっげーいい感じだったから」

「ホント?・・・・エヘッ、そうなのよねェ・・・・」

・・・あ・・・ひとみちゃん、ヤバイよ。美貴ちゃんのスイッチが入っちゃう・・・
297 名前:Usual days 投稿日:2005/05/06(金) 14:17
・・・そんな事言ったって・・・

・・・どうしよう、早く止めなきゃ・・・

「・・・もう何だろーな、運命・・・って言うのかなぁ〜、やっぱ二人は結ばれる
べくして結ばれたんだと思うの。もう紺ちゃん以外考えられないし、紺ちゃんのた
めなら美貴、何でもしてあげられる。・・・・んもぉ〜ヤダァ、ラ・ブ・ラ・ブ
・・・だなんて・・・・キャ〜〜ッ、でも・・・そうだなぁ、ホント紺ちゃんと
いるだけで溶けそうなの。もうトロトロ。ふわふわの紺ちゃんをギュッてして、
可愛いよって言うとね、すぐ真っ赤になっちゃってね、もうマジ可愛いんだから。
それでねそれでね・・・・」

・・・あ〜あ、ひとみちゃん、どうすんのよ・・・

・・・知らねーよ・・・

・・・そんなぁ・・・

・・・早く開演時間になんねーかなぁ・・・
298 名前:たまえす 投稿日:2005/05/06(金) 14:21
>>280 無名し読者様
ありがとうございます。

勝手な妄想の単なる偶然に過ぎませんが、結構嬉しかったりします。

新CPについては、たまには固定以外も新鮮でいいかな、という
単なる思い付きでした。
299 名前:たまえす 投稿日:2005/05/06(金) 14:22
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
300 名前:Liar 投稿日:2005/05/08(日) 18:00
GWが終わりました。私は旅行に行ってきて
今は疲れがどっとおし押せている状態です。
石川さんは卒業され少し寂しいGWでもありました。
 作者さんはどんなGWだったのでしょうか。
これから夏にかけて暑い日が増えると思いますが
これからも頑張ってくださいね。
読者として一生懸命応援させていただきます。
301 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:17
コンサートが終っての帰り際、よしこに声を掛けられた。

「ミキティ・・・・」

「・・・・ん」

「紺野のこと・・・・頼むね」

「・・うん」

「・・・ごめん」

「・・ううん」

ライブ中は、なんとかテンションをキープしていたものの、アンコールが終って
楽屋に戻った途端に泣き崩れた彼女。

そう、メンバーから見れば、・・・うわ、やっちゃった・・・ってな感覚で。

しかし、客席の反応は正直だった。

ただでさえ静かな曲なのに、見事にすっ飛ばしたピッチを耳の肥えたファンの
人達が聞き逃すはずも無く。

あちこちから聞こえる失笑。
302 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:18
何に対してかは分からないが、美貴の胸にもの凄い怒りが込み上げて来た。

悔しい?

何で?

紺ちゃんは、ちゃんと歌えるはずなのに。

リハーサルだって、ちゃんと取れてたのに。

でも、わかる。

あの独特な緊張感。

360°から見られている威圧感。

あの会場独特の、包み込まれるような客席からの圧迫感。

誰だって上がってしまう。

場所は違うけど、あの矢口さんでさえ、ごっちんから引き継いで初めて歌う曲
の一番最後の聞かせ所のソロパートを、極度の緊張と責任感のプレッシャー
から思いっきり外してしまい、大泣きしてしまったことがあった。
303 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:19
百選練磨の矢口さんをもってしてもそうだから、紺ちゃんのプレッシャーに対する
強さなど、儚いガラス細工のようなもの。

声を掛けるのもためらわれる程、意気消沈してしまっている。

その上に、舞台監督さんとかマネージャーからの容赦の無いダメ出し。

確かに、実力を出せない方が悪い。

でも・・・でも、自分が一番分かってるのに。

どうしても音程が甘く、自信が持てないあまり、声が小さくなてしまう。

最近は、スタジオなどのしっかりとモニターが取れる場所では、目立たなく
なったけど。

でも、コンサート会場、特に本来のコンサート・ホールではない所に無理やり
大出力のPAを設置したりすると、音が乱反響をしてしまって、ステージ上の
私達の耳には、音がずれて聞こえてくることがある。

もちろん、スタッフさんだってそんな事は百も承知で、その上で私達が一番
歌いやすいように音を作ってくれてる訳だし、ステージの要所には、モニター
スピーカーも設置してあるのだけれど。
304 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:20
それでも、お客さんの声で消されたり、反響と一緒になっちゃったり。

でも、今は何を言っても言い訳にしかならない。

結果を出さなきゃ。

美貴は、紺ちゃんが練習してること知ってる。

リハーサル・ルームからなかなか出てこなくて覗きに行ったら、一人で鏡に
向かって絶叫していたり。

もう寝ようよっ・・・て言っても、・・・先に寝てください。私、もう少し練習
してから寝ますって。

発声練習してる横で寝れる訳も無く、結局付き合う羽目になるんだけど。

色々な先生達から、たくさん指導を受けているけど、どうなんだろう。

おもっきりテレビとか、あるある大辞典みたいに、これを直すには、ああしな
さいとかこうしなさい・・・なんて言ってるけれど、言われた事を全部一度に
なんか出来る訳が無い。
305 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:21
「美貴ちゃん!」

「・・・へ?」

「紺野、行っちゃったわよ?」

「え゛〜っ・・・あ。じゃまた明日・・・お先に。お疲れ様でしたぁ〜」

バッグを掴むと、メンバーやらスタッフさん達の声を背に受けながら、慌てて
後を追う。

こんな気持ちのまま、誕生日を迎えて欲しくない。

悩んだままで、梨華ちゃんを送り出して欲しくない。

外へ駆け出すと、タクシーのドアが閉まる所。

「すいませーん!」

慌てて駆けよると、ドアをバシバシ叩いて開けてもらって、白いカバーのシート
に滑り込む。
306 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:22
「同じ所でお願いします」

何も言わず、黙って紺ちゃんの左手を握りしめる。

静かな車内に微かに聞こえる鼻をすする音。

握った手に左手を添えて、撫でてあげる。

「うぅ・・・・」

先生達は、泣いたって上手くなんかならないぞ・・・っていうけれど。

美貴はそうは思わない。

その涙、その悔しさ、絶対に忘れないで。

その気持ちをバネにして、努力をして、そしてみんな少しずつできるように
なって行くのだから。
307 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:22
無言の二人を乗せたまま、車は都心を抜けてひた走る。

隣を見ると、じっと窓の外を見詰めたまま。

キュッ、と右手に力を込めると、ふわっと握り返してくれる。

・・・うん、大丈夫。

「あ、その交差点の一つ先の信号でお願いします」

「はい」

運転手さんは、そう返事をすると、ピッとメーターを止めてくれた。

タクシーを降りると、少し歩く。

もちろん手は繋いだまま。

「いきなり来ちゃったけど、お母さん大丈夫かな・・・こんなに遅く」

「大丈夫ですよ、多分」

今さらだけど、何も考えて無かった。
308 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:23
「お母さんただいま〜」

パタパタパタ・・・

「美貴ちゃんいらっしゃい。お夜食の用意できてるわよ。お風呂も入ってる
から、どちらでもどうぞ」

「・・・・はい?」

「汗、いっぱいかいちゃったから、お風呂先にしません?」

・・・おばさん・・・美貴が来る事を知らなかった・・・ってな反応じゃ・・・

・・・無かったよね。

「紺ちゃん?」

「はい?」

「もしかして・・・何か・・・企んで・・・る?」

・・・さっきまで半ベソかいてたはずなのに。
309 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:24
ニッと微笑むと

「お・ふ・ろ」

そのまま美貴の手を引っ張ってバスルームへ。

「ちょっと待っててください」

パタパタと自分の部屋へ行くと、少しして二人の着替えを抱えて戻って来た。

「え・・・あの・・・」

呆気に取られている美貴は、あっという間に下着姿にされてしまって。

「ね、紺ちゃん?」

「はいっ!」

脱がせてと言わんばかりにホールドアップして。

「あ・・・う、うん」
310 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:25
こんな時、自分の意思の弱さがたまらなく嫌になる。

さっきまでの不可解な感覚はどこへやら。

いそいそと、ニヤつきながら紺ちゃんの服を脱がしている。

あぁ・・・・私って・・・

「今日は、これで行きます」

「・・・へ?」

あ、入浴剤。

「何それ?」

「好評につき、ゼリー第2段!ジャ〜ン、はちみつです」

「うわっ、こりゃまた甘そうだねぇ」

「美味しそうでしょ?」

「いや、食べれないから・・・」
311 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:26
湯加減をみている紺ちゃんのセクシーな後姿を眺めつつ、パッケージを見ると・・・

「紺ちゃんこれ、お湯を始めに1/3位溜めて、粉を溶かしてから一杯にしろって
書いてあるよ?」

「大丈夫ですよ。こないだだって、そのまま入れちゃったじゃないですか」

「そう言えばそうか。入れちゃえ」

シャーッと全部入れちゃってから、頭を洗って身体を洗って。

サッと先に湯船に入って、紺ちゃんに・・・おいでおいでと手招き。

「滑るから気を付けてね」

「は〜い」

美貴の前にゆっくりと入ってきた。

「紺ちゃんさ、抱きしめるけど変な事はしないから、勘違いして気絶しないでね」

・・・・あれ?反応が無い。

前を覗き込む。
312 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:27
あらら。まだ何にもしてないのに・・・・真っ赤。

「変な事・・・・して欲しいの?」

んはは、ブンブン首を振ってるけれど、美貴の手を引っ張って、自分のお腹に
まわしてる。

・・・よいしょっと。

ギュッとして・・・・ハァ〜落ち着く。

・・・・ん?

そうだった。肝心な事を忘れていた。

別に、一緒にお風呂に入りたくて押しかけて来たわけじゃない。

「紺ちゃん、今日さ、ほらピッチ飛ばしたじゃん」

「はい。やっちゃいました」

「あれ、もっと深刻な事になってるのかと思った」

「え・・・・あ・・・・はい、ちゃんと反省してます。もう絶対に外しませんよ」

「あれぇ〜・・・・美貴はさ、もう立ち直れないほどショックを受けてるのかと
思って・・・・すっごい泣いてたし」
313 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:27
「はい。凄くショックでした」

「で、もう復活したの?」

「はい」

「なぁ〜んだ」

「あ・・・いえ、いつも美貴ちゃん言ってるじゃないですか。終わった事をいつ
までも悔やんでいても何もならない。しっかり反省して次に生かさなくちゃって」

「・・・・それでなの?」

「はい。だから明日は・・・」

「明日は?」

「あの・・・えっと、久し振りに言ってもいいですか?」

「何を?」

「いい、って言ってください」

「じゃ・・・・いい」

「明日は、完璧です!」

「お〜〜っ、久々に聞いた」
314 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:28
「紺ちゃん」

「はい」

「いい子だね」

「子供扱いですね」

「ん?・・・そ。いい子いい子・・・・・ありゃ〜」

「え?」

「ヌルヌルの手で頭を撫でたら・・・ベタベタになっちったさ」

「いいですよ。・・・・えいっ」

思いっきり美貴に寄り掛かってきた。

「あははっ、こらぁ〜」

ギューっと抱きしめて、ほっぺにチュッ!

そのまま耳元で・・・・

「大好きだよ」
315 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:29
ほら。

真っ赤になっちゃった。

「あ〜良かった」

「え、何がですか?」

「だって、紺ちゃんさ、凄く落ち込んでたし、黙って帰っちゃうし。もうどう
しようか本気で考えたんだから」

「ごめんなさい」

「もう置いてけぼりはやだよ?」

「あのですね」

「ん?」

「タクシーの運転手さんには、もう一人来るから少し待って下さい、って言った
すぐ後だったんですよ。美貴ちゃんが飛び込んで来たの・・・」

「え、そうなの?・・・でも、何で・・・今日は一緒に帰るって言ってなかった
じゃん」

「はい。でも、来てくれるの・・・分かってましたから」
316 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:32
「ちっ、美貴も読まれるようになっちゃったか・・・」

「すっごく嬉しかったですよ。あぁ、やっぱり来てくれた・・・って」

「試したの?」

「違います違います、部屋を出たときは本当に消えたい気持ちだったんです。
でも、歩きながら色々考えてるときに,美貴ちゃんのあの、さっきの言葉を
思い出して。私、何してるんだろうって。それで、きっと美貴ちゃんなら心
配して追ってきてくれるって思ったから、心配かけないようにしなきゃって」

「・・・・そっか」

「・・・ごめんなさい」

「ううん、美貴も、ちょっとは紺ちゃんの支えになれてるのかな・・・って」

そう言った途端、いきなりぐるっとこっちを向いて。

「ちょっとじゃないです。あの・・・あの、私・・・本当に必要なんです。
美貴ちゃんが・・・」

頬を赤く染めたまま、必死に訴える真剣な眼差し。

「うん・・・ね、知ってる?」

「何ですか?」
317 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:33
「へへへ・・・手強い彼女を振り向かせるには、こんな手段も使います」

「へ?」

正面から思いっきり抱きしめる。

「あ・・・」

「暴れちゃダメだよ?ヌルヌルで滑って危ないからね」

全身から疲れがスウーッと抜けていく感じ。

と同時に、心が幸福感で満たされていく。

「あ・・・・あの・・・」

「ん?」

「そろそろ・・・」

「え〜〜?もうちょっとだけ」

「いえ、あの、続きはあとで・・・・」

「のっ!・・・・い、今、・・・続きって言ったね?」
318 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:34
「じゃなくてお夜食を・・・・」

「んじゃ、紺ちゃんはお夜食の後で食べよっと。・・・・ん?」

「え?」

「それ以上赤くなったら、元に戻らなくなるかもよ?」

「えぇっ!」

「うっそだよ〜ん、ほら、あがろっか」

「はい」

髪をタオルで包んだまま部屋に戻ると。

「おぉ!肉じゃないですかぁ、おばさん」

なんとまあ、綺麗な桜色の見事な霜降り・・・

「美貴ちゃんが来るっていうから、用意しておいたの」

「ありがとーございまっす・・・・・す?・・・・え?」

「どうかしました?」
319 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:35
「いつ、美貴が来るって・・・聞きました?」

「今朝、あさ美が。美貴ちゃんを連れて来るからって・・・ご迷惑じゃ
なかったかしら、コンサートでお疲れなのに・・・」

「あ、いえ、かえってお邪魔してしまって・・・」

・・・・あのねぇ、先に言えっての。

なんだか、いい様に振り回されてる感が無きにしもあらず・・・

「さ、食べて頂戴。遅いから、さっぱりとしゃぶしゃぶでね」

「「頂きまッす」」

「・・・しゃぶしゃぶ・・・・いいかな・・・・ん〜〜、まいう〜・・・」

「あはは、でも凄いお夜食。紺ちゃんっていつも?」

「まさか。違いますよ」

「あら、だって美貴ちゃんは、おやつが焼肉なんでしょ?なら、お夜食が
しゃぶしゃぶでもいいじゃない?」

と、台所からお母さんが一言。

「はい、最高です!」
320 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:36
明日のエネルギーをしこたま補給し終わって、私の部屋に移動。

「ちよっと食べ過ぎましたね」

「大丈夫だよ、明日は2公演だし。それに武道館ってやたら熱くて大汗
かくじゃん」

「そですね」

「で・・・・食べたから・・・寝る?」

なんで?

別に深い意味なんて無いのに、顔が熱くなる。

「あ〜〜っ、やばい」

「へ、ど・・・どうしたんですか?」

「しまった、忘れてた。・・・ごめん紺ちゃん」

そう言いながら、時計を指差す美貴ちゃん。

00:30

・・・え?
321 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:37
「プレゼント・・・・明日でいい?」

あ。

「しょうがないじゃん、買ってる暇無かったもん」

「・・・・誕生日」

「よし!それじゃ、せめていい夢が見れるようにしてあげるよ」

「え・・・なんか怖いんでかけど・・・」

パチパチと部屋の電気を消したかと思うと、あっと言う間にパジャマ
を脱がされた。

「あ・・・・あ・・・・あの・・・」

小さい電気のかすかな明かりの中で、美貴ちゃんも脱いでいるのが分かる。

そのまま布団をがばっとめくると、中に押し込まれて。

そして、いつものように抱きしめられた。

でも、いつもと違うのは、直接触れている素肌の感触。

やばい、心臓が破裂しそう。
322 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:38
・・・ど、どうしよう・・・まさか・・・

「紺ちゃん、18歳おめでとう。美貴の二十歳も二人で迎えたから、紺ちゃんも
ね。生まれたままの姿で二人で紺ちゃんのバースデーを迎えてみました」

「う・・・嬉しいような・・・怖いような・・・」

「大丈夫。このまま寝よ?」

「・・・・え」

「いつもこうして寝るじゃん。でもね、今日はね、いつもよりも、い〜っぱい美貴
を感じて欲しかったから。・・・・気持ちいいね」

すべすべで、本当に・・・

「美貴ちゃん・・・・」

「ん?」

「ありがと」

「ん・・・さ、寝よっか。いい夢見てね」

そう言い終わると同時に、唇がふわっと温もりに包まれる。

あ、・・・・来る・・・
323 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:39
・・・大丈夫、怖くない。

柔らかな美貴ちゃんの温もりを自然に受け入れて。

私の舌を絡め取るように吸い上げる。

・・・・あ、来た・・・・この感覚。

フッ、と身体が軽くなって浮き上がったような不思議な感覚。

急に目の前がパッと明るくなって、・・・私、空を・・・飛んでる?

伸ばした右手の先を見ると、柔らかな微笑を浮かべた美貴ちゃんが
手をつないで、私を明るい光の方へ導いてくれている。

遥か下には、薄い雲の間から、春の野山が見え隠れしている。

不思議と全然怖くない。

そうだ。美貴ちゃんが一緒に飛んでいてくれるから、怖くないんだ。

私、美貴ちゃんとなら・・・・飛べる。
324 名前:Usual days 投稿日:2005/05/08(日) 22:41
・・・・あ、いっちゃった・・・・か。

どんな夢を見てるのかな。

起きたら聞いてみようかな。

しっかり抱きしめ直すと、紺ちゃんの肩口に顔をうずめて、首筋から香る
ほのかな甘い匂いを胸一杯に吸い込む。

・・・怖いのは美貴の方だよ。

怖いくらいに幸せ。

「ハッピーバースデー、紺ちゃん」
325 名前:たまえす 投稿日:2005/05/08(日) 22:43
>>300 Liar様 
ありがとうございます。そして旅行お疲れ様でした。

自分は、中野3連ちゃんと、武道館2連ちゃんで足腰立たなく
なってます。でも、紺野さんの18才のお祝いと、石川さんの
卒業を見守ることができて、とても有意義な連休でした。

季節の変わり目ですので、Liar様も、お体の方をご自愛されて
風邪などひかぬようお過ごしください。
326 名前:たまえす 投稿日:2005/05/08(日) 22:44
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
327 名前:Liar 投稿日:2005/05/09(月) 20:03
作者さんは武道館にいかれたんですか。うらやましい限りです。
この小説が今後どのようになっていくのかが気がかりです。
 できれば、いしごまをもっとだしていただけたら・・・・。
すみません。なんか無理言って・・・。作者さんの思い描いてるどうりの
方向で進めてください。いつも楽しみにいています。頑張ってください。
328 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:14
・・・卒業しちゃった・・・

おい、石川梨華、お前はポジティブなんじゃなかったの?

じゃあ何だよこの涙は。

明日への新たな第一歩じゃん。

人生の門出じゃん。

悲しい訳が無いはずなのに。

・・・悲しいの?

それとも、嬉しくて?

・・・そっか。

モーニング娘。を卒業する事は、卒業できる事は、嬉しい事。

ピンク一色に染まった武道館。

あんなにたくさんの人達が祝福をしてくれたじゃん。
329 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:15
メンバーの温かい気持ちも凄く嬉しくて。

ハローのみんなも、忙しいのに来てくれて。

絶対に最後まで笑顔でって決めていた。

一面ピンクに染まった客席を見た時は・・・・ちょっと泣いちゃったけど。

私、上手く笑えてたかな。

『ガチャ・・・・パタン』

あ、来た。

「ごめーん、遅くなった」

「お疲れ様でした」

「はぁ〜・・・でも良かった。梨華ちゃんの卒業が見れて。梨華ちゃんこそ5年間
お疲れ様でした」

「卒業しちゃったんだね」

「どう?今の気分は。・・・・って、泣いてる子にそんな事聞くなって?」

「泣いてないもん」
330 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:19
ふわっと身体が真希ちゃんに包まれた。

「いいよ、強がらなくたって。ほら、泣いちゃえ」

「・・・グスッ・・・泣かないもん・・・うぅ・・・・」

「分かるから。ちゃんと分かってるからね?今の梨華ちゃんの気持ち」

そうだった。

真希ちゃんも経験したこと。

しかも、まだ17才の時に。

なのに、ハタチの私は・・・・

真希ちゃんの腕の中で、頭をいい子いい子されて。

「色んな事があったね。5年って、長いようで、あっという間だよね。その半分
以上をこうして二人で過ごしてきたんだよね」

「・・・・うぅぅ・・・」

「今日の梨華ちゃん、本当に輝いてた。よく頑張ったね。何時の間にさ、こんなに
強くなったんだろうね。あんなに泣き虫だった梨華ちゃんなのに。あの武道館の
ステージはね、全部梨華ちゃんを祝福するためだけに作られたんだよ。それをち
ゃんと分かってて、見事に全部一人占めしちゃってた。メンバーの愛に支えられ
て、大勢のファンの人達の気持ちに包まれて。ラストステージを、目一杯楽しん
でたよね」
331 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:20
「これからは美勇伝か。また頑張らなきゃね、さり気無いリーダーなんだし」

「・・・・・うん」

「娘。がライバルなんでしょ?」

「・・・それ、ちょっと言い過ぎた」

「んぁ・・・・だよねぇ。だってさ、自分達の新曲なのに思いっきりピッチ飛ばし
てたもんね」

「・・・グスッ・・・そ・・・そんなに酷かった?」

「だって、つんく♂さんとか稲葉あっちゃんは頭抱えてたし、裕ちゃんコケてたし。
近くのお客さん、うわっ、て言ってた」

「・・・・うぅぅ・・・・」

「あっ・・・・あ、でも、でもね?、I WISHのラストパート、完璧だった
じゃん。ほら、愛する人のため〜にぃ〜、て。あそこはみんな驚いてた。・・・
あ、ほら、いつもがいつもだから・・・・あ、いや、だから、本当にさ、拍手だ
って凄かったもんね」

「うん。あんなに真剣に集中できたのって初めてかも。自分でもビックリだったから」
332 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:21
「・・・いや、いつも集中しようよ・・・」

「・・・・・・」

「あっ、・・・・そうだ!」

そう叫ぶなり、バッグの中をガサガサ引っ掻きまわして・・・・

「何?」

なんか細長いキラキラした・・・テープ?・・・を、いっぱい引っ張り出した。

「ほらぁ〜、見て見て。梨華ちゃんの卒業記念に持って来ちゃいました」

「・・・何これ」

「え〜、わかんない?ほら、ザ☆ピ〜ス!の時にぶっ放した特効キャノン砲のテープ」

「あ・・・・・」

「ね?ね?すごいでしょ?こんなにいっぱい・・・・」


まるで、初めてネズミを取ってきた子猫みたいに、誉めてくれと言わんばかりに
目を輝かせて、嬉しそうにキラキラ光るテープと戯れている。

「あのねぇ・・・真希ちゃん、あなた立派なアーチストなんだからさ、こんなの
拾ってきちゃダメでしょ?」
333 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:23
「あ・・・そりゃーね、拾ってる時にみんなにバカにされたさ。でもさ、梨華ちゃん
の卒業記念なんだもん。後藤さんはね、これを家に持って帰って梨華ちゃんの写真
を入れてるフォトスタンドの周りに飾り付けようと思ってます」

「・・・真希ちゃん」

「そして二人は、梨華ちゃん卒業後初の熱い口付けをするのでした・・・」

「・・・あのねぇ真希ちゃん、それ言わなくてもいいんじゃない?てゆーか、今、
めっちゃいい雰囲気だったのに・・・」

「ん?・・・・梨華ちゃん、私の目を見て?」

「え・・・」

ちょっと離れ気味・・・・あ、違った違った・・・

「・・・・?・・・何してるの?」

なんか、目をおっきく見開いたり眉をピクピクさせたり・・・

「おりゃ〜っ、・・・・ダメかぁ?」

「どしたの?」

「ん、目の力だけで梨華ちゃんをイカせてあげようと思って・・・」

「はぁ?ばっかみたい。そんなことできる訳無いじゃない。そんな楽をしようと
しないで、ちゃんとしてくれなきゃ・・・・・・・・あ」
334 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:23
「じゃ、そう言う訳で、ご要望にお答え致します」

そう言った途端、私はヒョイッと抱き上げられて、ベッドへ

「あ・・・・あの、あの、ほら・・・・」

「シーッ!」

ボーンと自分もベッドに飛び乗ると、チーッとファスナーを降ろして。

「今日はもうシャワー入ったんでしょ?」

「うん」

「じゃあ、断る理由なんか無いよね?」

「嫌だって言ってもするんでしょ?」

「あ、じゃ寝る?こんな素晴らしい記念の日に、そのまま寝るの?」

「関係あるの?」

「あるでしょ、もちろん。今日はね、梨華ちゃんから感動をい〜〜っぱいもらった
からね、だからその分い〜〜っぱい愛してあげるって決めたの」
335 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:24
「そうなんだ」

「梨華ちゃんもさぁ、素直に一言・・・頂戴・・・って言ってみ?」

「・・・・・・」

「あれ?何で赤くなってんの?やだ、恥ずかしいの?何照れてんの」

「・・・ま・・・・真希ちゃん・・・・」

「ん?」

「・・・・頂戴・・・」

「・・・・・・・」

「なぁ〜によぉ・・・・恥ずかしいのに」

「ホントに言うと思わなかった」

「バカッ!知らない。オヤスミ」

「うわっ・・・・可愛い!」

「怒ってるんだからね?」
336 名前:Usual days 投稿日:2005/05/09(月) 23:26
「じゃ、遠慮無く頂きます」

「怒ってるって言って・・・ん・・・んぅ・・くふぅ・・・」

ホントはちょっと焦らしてみただけ。

そんな事も、ちゃーんと分かってる真希ちゃん。

それから・・・時間を掛けてゆーっくりと愛してくれて。

・・・私の新しい旅立ちの第一歩は、こうして真希ちゃんの腕の中から始まりました。
337 名前:たまえす 投稿日:2005/05/09(月) 23:28
>>Liar様
いつもありがとうございます。

前スレの途中、Usual daysになってからは、ストックは一切ありません。
本当にその時の単なる思いつきで、毎回うPしています。なので、最後は
こうしよう、というストーリーは全く考えていません。

励ましを頂いたせめてものお礼に、いしごまでした。
338 名前:たまえす 投稿日:2005/05/09(月) 23:30
連休を取ってしまったため仕事のツケを取り戻さなければならず・・・
次回更新まで間隔が開くかもしれません。

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
339 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/15(日) 02:14
いつも楽しませていただいてます。
紺ちゃんにはでれでれだけど、ステージではきちっときめる美貴さんと、
悩みながら現実と向き合って前進することをあきらめない紺ちゃんが大好きです。
あと、ちらちら見え隠れする新高コンビが何気にツボです。
340 名前:Usual days 投稿日:2005/05/15(日) 23:43
そりゃ〜、こないだ確かに言ったさ。

私が一緒に見てあげるから・・・って。

でも・・・あれはさ、あの時はそうでも言っとかないと、石川さんに本当に絡みそう
だったから。

それにやっぱり・・・ね。

私以外の人と何かされるのって、ちょっと面白くないじゃないですか。

ま、・・・でも・・・・ね。

やっぱり、私じゃなきゃダメなんだよね〜。

気まぐれな彼女の相手が勤まるのは。

ホントに手が掛かるんだから。
341 名前:Usual days 投稿日:2005/05/15(日) 23:45
一週間位前。

「一緒に見てくれるって言ったやろ?来週のオフ、いいよね?」

と、いきなり言われて。

そう言えば・・・いつも街につるんで出掛けては、二人で珍道中ばかり繰り広げて
いるから。

ま、たまには家でまったり過ごすお休みも悪くないかナって思って、何も考えずに
OKをしてしまった。

それが。

その何気ない普段通りの会話のやり取りが。

まさかこんな事になろうとは。

あぁ・・・何て浅はかだったんだ。

あの時に、もう少し良く考えていたなら。
342 名前:Usual days 投稿日:2005/05/15(日) 23:48
「今度こそ絶対に開けといてよね!」

・・・と、キツく念を押されて。

確かに、何度か約束をキャンセルした私も悪かった。

・・・でも、何で気付かなかったんだろう。

今思えば、あの時の・・・・『今度こそ』って。

前日になっても音沙汰が無いので、明日、何時に行ったらいいかを聞こうと電話を
したけれど相変わらず出ない。

しょうがないからメールを送ったら。

今朝になって彼女から来たメールには・・・・

『有楽町駅の日比谷口に10時でよろしく』

・・・・・・・・・はぁ〜?

有楽町・・・・日比谷?

何で? 
343 名前:Usual days 投稿日:2005/05/15(日) 23:52
え・・・・10時って、やばい。

慌てて着替えると、駅までダッシュして電車に飛び乗る。

ふつふつと嫌な予感が胸の中に湧き上がってくる。

てっきり部屋でビデオを見るものとばかり思っていたが。

有楽町駅から日比谷公園・・・・

日比谷公園の前には、帝国ホテル・・・の向かいは・・・

♪夢を見ようよラブセンチュリー・・・・♪

あ、違った・・・日生劇場。

その隣には・・・・・

うぇ〜〜っ!


「東京宝塚劇場!」
344 名前:たまえす 投稿日:2005/05/15(日) 23:54
>>339 名無飼育さん様
どうもありがとうございます。

もし宜しければ、またお付き合い下されば幸いです。
345 名前:たまえす 投稿日:2005/05/15(日) 23:59
何だか訳のわからないモノローグですね・・・(^^;)

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
346 名前:Usual days 投稿日:2005/05/17(火) 22:34
日比谷口って・・・・どこだ?

上からぶら下がっている駅の案内表示を辿って、人の流れに翻弄されつつ何とか到着。

狭い改札を出ると、すぐ横の切符販売機の外壁によりかかって、忙しそうに行き交う
人達を眺める。

さてと。

・・・・辺りを見回してみるけど。

普通、デートの待ち合わせって、こう・・・もう少し雰囲気のいい場所とか選ばない?

時計を見る。

・・・・・お〜い、過ぎてんじゃん!

まったく。

場所・・・間違えてないよね・・・

改札口の正面にある案内板の地図を見る。
347 名前:Usual days 投稿日:2005/05/17(火) 22:35
現在地は・・・・どこだ?

・・・・合ってるし。

改札から出てくる人影に、自分の記憶しているイメージを照らし合わせ
ているとき。

・・・・ん?

ふと、ビックカメラの方から、妙な歩き方の見覚えのあるシルエットが
横断歩道を渡ってくるのに気付いた。

はぁ?

普通さ、日比谷口で待ち合わせって言われたらさ、そこから出てくると
思わない?

一体、いつになったらあの性格が読めるようになるんだろ。

不肖新垣、まだまだ修行が足りないようだ。
348 名前:Usual days 投稿日:2005/05/17(火) 22:37
「おぁよ〜」

「おーい!おはよ〜って、どうしてそっちから登場するのさ」

「がっは〜、地下鉄の方が早そうだと思ってそっちにしたら、出口わっかんね〜から。
適当に出てみたら電器屋の中やん」

「あのねぇ、子供じゃないんだから。駅の通路には、上からちゃんと案内板がぶら
下がってるでしょ?しかもご丁寧に矢印まで付いて。出口の案内図だって壁に何箇
所も貼ってあるんだから。ちゃんと確かめなきゃ。分かった?」

一人熱弁を振るってよくよく見てみれば、愛ちゃんの姿が消えている。

「・・・・あり?」

見まわすと、正面の横断歩道の向こう側で手招きをしている。

「置いてくよ〜」

「何でそう、人の話しをきかないかなァ・・・・」

慌てて後を追いかける。
349 名前:Usual days 投稿日:2005/05/17(火) 22:38
「どっち?」

「あっち」

線路の高架沿いを二人並んでテクテク歩く。

「お、ラーメンだ!」

「ん・・・喜多方・・・ねぇ。・・・あのねぇ、そりゃラーメン屋さんぐらいあるでしょ」

「お、赤ちょうちんや」

「はいはい・・・愛ちゃんは、こっちの方が似合ってるかもね・・・」

高架下の全部のお店に反応するつもりなのだろうか。

「あ〜、猫や、ねこねこ!」

「はい?」

「ほら、そこおるやん」

・・・・ん?
350 名前:Usual days 投稿日:2005/05/17(火) 22:40
愛ちゃんの指差すところを良く見ると、赤ちょうちんのぶら下がった居酒屋さんの
お店の前に置いてある台の下に、可愛い三毛猫がちょこんと座っている。

「あ〜ホントだ。可愛いねぇ」

「ねね、あのビル、おっかしくない?」

「はぁ〜?」

今度は、向かい側にあるビルを指差して。

「ビルヂングやて。何で、『チ』に点々をつけるんよ。普通、『シ』やろ」

「いや、普通は『テ』に点々で、ちっちゃい『ィ』をつけるでしょ。愛ちゃんさ、
目に映るものに片っ端から反応してて、疲れない?」

「楽しい」

「あ・・・・そ」

「何でって・・・」

「んぇ?」
351 名前:Usual days 投稿日:2005/05/17(火) 22:41
「だから、何で楽しいかって聞かんの?」

「はぁ・・・じゃ、聞くよ?愛ちゃんは、何でそんなに楽しいの?」

「垣さんと一緒だから」

「うっ・・・・え?」

「里沙ちゃんと一緒だったら・・・つまらんもんなんて、な〜んもえんよ」

・・・ズルイよ。

普段はそんなこと言ってくれないくせに。

今みたいに思いっきり油断している時に限って・・・・・

顔がカ〜〜ッ・・・と熱くなってきた。

スッ、と手を握られて。

「ほら、行くよ」
352 名前:Usual days 投稿日:2005/05/17(火) 22:42
・・・だからさぁ、もうちょっと・・・何てゆーか、こう、浸らせてくれたって・・・ 

そう思いつつ、スタスタと私の手を引いて歩く愛ちゃんを見ると。

あらら、自分だって顔が真っ赤じゃん。

恥ずかしいんじゃん。

そっか。

何だかちょっと、嬉しくなってきた。

「愛ちゃん!」

「何?」

「可愛いよ」

「うるさい!」


・・・今日は楽しいオフになりそうだ。
353 名前:たまえす 投稿日:2005/05/17(火) 22:43
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
354 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/05/18(水) 14:57
やた!
この二人待ってました。
…ありそうな風景で想像してウケました(w
355 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/19(木) 00:42
ガキ愛(・∀・)イイヨイイヨ〜
356 名前:Usual days 投稿日:2005/05/19(木) 23:39
「ね、何時から?」

「ん〜、なんが?」

信号が赤なのに、全然気にしないで横断歩道を渡ろうとする愛ちゃんの手を
慌てて引っ張って止めて。

「いや、なんがって・・・宝塚・・・見に行くんでしょ?」

「えぇ〜、なんで分かったん?あっし何も言ってえんかったやん」

「あのねぇ、私もバカじゃないんだからさ。あれだけ今度こそ今度こそって
言われてさ、しかも日比谷で待ち合わせだったら、それしかないでしょ?」

「スカラ座とかみゆき座で映画かもしらんで」

「映画だったらさ、一人じゃ決められないでしょ?何にする?って絶対聞くもん。」

「チッ、読まれてたか・・・・」
357 名前:Usual days 投稿日:2005/05/19(木) 23:40
「で・・・・何時から?」

「1時半」

「はぃ〜?・・・・まだ早くない?」

「あぁ〜!」

「な・・・・なに?」

「ゴジラがおる」

「は?」

「ほら、ゴジラ・・・・」

あ・・・ホントだ。

ファースト・キッチンの先、少し広くなった所に、ちっこいゴジラの像が、ちゃんと
台座の上に乗っかっている。

「何やろ・・・」

珍しそうにしげしげとゴジラ像とにらめっこをする愛ちゃん。
358 名前:Usual days 投稿日:2005/05/19(木) 23:41
「・・・もぉ・・・ほら行くよ」

隣の駐車場の警備員さんにじっと見られているのに気付いて、慌てて歩き出す。

「あのさ、さっきからぜ〜んぜん会話になってないんだけど、もう一度聞くよ?」

「ん〜?」

「まだ時間まで3時間以上あるんだけど、どうするの?」

宝塚劇場の前を通り過ぎて、何故か右に曲がる。

「どうしよ」

「考えてないんだ。ま、そんなこったろうとは思ってたけどね・・・・」

「あれぇ〜?」

「・・・今度は何?」

「工事中や・・・・」
359 名前:Usual days 投稿日:2005/05/19(木) 23:42
「え?・・・・あ、改修工事中・・・なんだ」

日生劇場。

外側のシャッターが全部閉まっている。

「懐かしいね」

娘。初のミュージカルがあった場所。

客席から見ていたあの時の熱い思いが自然に甦ってくる。

「ちょっと埃っぽかった」

・・・・ガクッ

「そっちかよ!」

「公園、行こうか」

「・・・・・」

マイペースな愛ちゃんに手を引かれて、そのまま真っすぐ横断歩道を渡りかけた
とき。

ふわっと、甘い香りが漂ってきた。
360 名前:Usual days 投稿日:2005/05/19(木) 23:43
「愛ちゃん、いい匂いしない?」

「うん・・・・あれやろ」

道路の向こう側に、建物の周囲を色とりどりの綺麗な花に囲まれたお花屋さん。

「わぁ〜すっごいね、あんな家に住みたいなぁ」

「誰が手入れすんの?」

「え・・・・だから・・・住めたらいいなって、夢の話しをしてるのにさ、いきなり
現実に引き戻さなくたっていいでしょ?」

「似合うよ、きっと」

「へ?」

「里沙ちゃんが綺麗なお花に囲まれて暮らしてるのって、似合うと思うよ」

「・・・・あ・・・ありがと」

まったく・・・聞いてないのかと思えば・・・・・
361 名前:Usual days 投稿日:2005/05/19(木) 23:44
ニヤッと笑みを浮かべると、グイッと私の手を引っ張って。

「ちょとここに立っとって」

私を花屋さんの前へ立たせたまま、タタタッと少し離れたと思ったら、クルッと
こっちを向いて。

「ほらぁ〜、やっぱり可愛いよ〜!」

うわっ!またでっかい声で・・・・

横断歩道で信号待ちをしていた人達が、一斉に振り向いた。

慌てて日比谷公園の中にダッシュで逃げ込む。

「もぉ、里沙ちゃ〜ん・・・・待ってってぇ」

「ハァハァ・・・もうバカッ、声が大きいってば」
362 名前:Usual days 投稿日:2005/05/19(木) 23:45
「だってぇ、可愛いもんを可愛いと言ってなんが悪い?」

「・・・おかしいよ」

「そんな事言うヤツには、こうしてやる」

タコみたいな口をして追い掛けて来る。

「いやぁ〜、ちゅーしてくるぅ〜・・・・愛ちゃんに襲われるぅ〜・・・」

ウソ。

精一杯の照れ隠し。

でも、まさかこんなところで素直にされる訳にもいかないじゃん。

木の間を抜けると、広場には大きな噴水が高々と水を吹き上げていて、その周り
のベンチには、たくさんのカップルや休憩中のサラリーマンさんが、小春日和の
中で思い思いの時間を過ごしている。

「うわっ、冷た〜い」
363 名前:Usual days 投稿日:2005/05/19(木) 23:46
いきなり上からシャワーみたいに水しぶきが降ってきた。

「なんだぁ?」

見上げると、噴水の水が風に吹かれて池の外にまで飛んできている。

「うぎゃ〜・・・あっは〜・・・濡れてもーた」

細かい飛沫が眩しい太陽の光を受けて。

そのキラキラした輝きが愛ちゃんをふわっと包み込んでいる。

・・・なんて綺麗なんだろう・・・

でも、楽しそうにはしゃいでるのはいいんだけど。

愛ちゃん、やばいって。顔がお猿さんになってるよ・・・
364 名前:たまえす 投稿日:2005/05/19(木) 23:47
>>354 名無し飼育さん様
ありがとうございます。
ちょっと無謀な挑戦かなとも思いましたが・・・
ウケて頂けたなんて嬉しいです。
365 名前:たまえす 投稿日:2005/05/19(木) 23:49
>>355 名無飼育さん様
ありがとうございます。
他の作品は見ていないので良くわかりませんが、
このCPって少ないんですかね・・・
366 名前:たまえす 投稿日:2005/05/19(木) 23:52
本日はここまでです。それでは失礼致しました。

367 名前:無名し読者 投稿日:2005/05/20(金) 00:40
このCPは何か新鮮でした
作者さんは どのメンバーも会話の言葉使いがすごく本物っぽくて、自分の押しのCPじゃなくても 読んでて楽しいです。
娘。観察眼(?)が優れているんですね きっと
368 名前:Usual days 投稿日:2005/05/21(土) 01:25
二人並んでベンチに座って、濡れてしまった愛ちゃんの髪にハンカチを当てる。

「あ〜あ、いつまでもふざけてるから」

「ね、こういうのを何て言うか知っとる?」

「ん、愛ちゃん?」

「そ」

「え・・・・・ドジ、マヌケ、アンポンタン、戯け者、それから・・・・」

「違うってぇ。そーでなくって」

「じゃ何さ」

「教えたげっから。こういうのをね、水も滴るいい女、って言うの!」

「・・・・・・うん」

「えぇ?」

「な、なに?」
369 名前:Usual days 投稿日:2005/05/21(土) 01:26
「何で突っ込まんの?」

「へ?・・・・いやぁ〜その通りだなって思ったから」

「・・・・・・」

「愛ちゃん?」

「・・・・バカ」

・・・・・?

意外な反応に思わず顔を覗き込む。

あらら、真っ赤だよ。

「だって自分で言ったんじゃん。そんな・・・・恥かしがられても・・・・」

素で恥かしそうな愛ちゃんを見て、私まで恥かしくなってきた。

・・・何なんだよ、まったく・・・

時々見せる愛ちゃんのこんな純なところが、たまらなく可愛い。
370 名前:Usual days 投稿日:2005/05/21(土) 01:27
胸のドキドキが大きくなっちゃって。

真っ赤な顔で、二人並んでうつむいて。

・・・なぁ〜にやってんだか。

噴水の水がキラキラとエメラルドグリーンに輝いてる。

「綺麗だね」

「ほやね・・・・ここはね、江戸時代は大名のお屋敷がいっぱいあったんよ」

「へ〜」

「1へぇかい・・・」

「どうせそれだけじゃ終らないんでしょ?」

「どうして素直に教えてくれって言えないかな」

「中臣鎌足はいつ出てくるの?」

「出てこないから。それは1360年前。江戸時代は大政奉還した1867年まで
だから138年前」
371 名前:Usual days 投稿日:2005/05/21(土) 01:28
「はい、どうぞ続けてください」

「だから、武家屋敷だったのが、明治維新で練兵場になって・・・」

「れんぺー?」

「兵隊さんの訓練すっとこ」

「ほー」

「でも、周囲の開発も進んじゃって、練兵場を移転した跡地に、日本で初めての
洋風の公園を作ったんだと」

・・・しかし、良く知ってるねぇ・・・

「ね、聞いてる?」

「聞いてるから。・・・・・で?」

「でも太平洋戦争になって、食べ物が無くなっちゃって、野菜を作るのに
折角植えた木とか花とかをみんな切り取っちゃって、畑にしちゃったんだ」

「え、ここを?」

「そ。人間って勝手だよね。木だって植物だって生きてるのに」

「そだね・・・」
372 名前:Usual days 投稿日:2005/05/21(土) 01:30
「戦後、公園に戻すのに10年以上かかったんだよ?その時に戦後復興のシンボル
として、この噴水を作ったんだって」

「そうだったんだ」

「この噴水にはね、平和への思いが込められてるんだと思う。だから40年以上
経っても、こんなに綺麗にキラキラ輝いてるんだよ、きっと」

こういう話をしている時の愛ちゃんの真剣な顔って、本当に素敵。

じっと噴水を見詰めながら淡々と語る愛ちゃんの横顔に、噴水の水面の光が反射して
キラキラしてる。

美しいって、こういう事を言うんだろうか。

何時の間にか、吸い込まれるように愛ちゃんに見入っていた。

「里沙ちゃん・・・」

ドキッ・・・

「・・・うん」

「お腹・・・空かん?」

ズルッ・・・・・

「クスクスッ・・・あははは・・・やっぱりね、愛ちゃんはそうじゃなきゃ」
373 名前:たまえす 投稿日:2005/05/21(土) 01:30
>>367 無名し読者様
ありがとうございます。過分なお褒めを頂き恐縮です。

言葉って本当に難しいですね。
374 名前:たまえす 投稿日:2005/05/21(土) 01:35
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
375 名前:Usual days 投稿日:2005/05/25(水) 22:51
「垣さん何食べたい?」

「この辺にランチできるところあるの?」

「あるさーいっぱい。例えば、すぐそこのレストランはカレーとかオムライスとか
メニューいっぱい。あとは普通にカフェもいくつかあるし、どっちにする?」

「え・・・・オムライス・・・・」

「美味しいよ?」

「う・・・・・・」

「タマゴなんかふわふわやよ」

「愛ちゃんは?」

「あっしカレー食べる」

「どっちで?」

「すぐそこのレストラン」

「お〜い、決まってんじゃん!」

「じゃ、そういうことで・・・・」
376 名前:Usual days 投稿日:2005/05/25(水) 22:52
「ちょっと待って、昼は軽めが良くない?何かさ、お腹いっぱいで行ったら
寝ちゃいそうじゃん」

「寝たら怒るよ。本気で」

「こわ。そんじゃ、お昼はカフェで軽くしてさ、レストランは夜にしない?」 

「じゃ今日は日比谷三昧ってことで、行くよ〜」

「ちょ、待ってよ〜」

足早に歩き出す愛ちゃんを追い掛けて、手を繋ぐ。

「もぉ〜さぁ、彼女に優しく手を差し伸べてさ、お嬢様お手をどうぞ・・とか言えないの?」

「何であっしが・・・いつから垣さんの彼氏になったん?あっし男けぇ?」

「ち〜がうってぇ。んもぉ〜いいよ」
377 名前:Usual days 投稿日:2005/05/25(水) 22:52
・・・いいじゃん、もう少し優しくしてくれたってさ・・・

少し不貞腐れかけたとき。

不意に、きゅっと手を引っ張られた。

「?」

そのまま私の手を自分の腕に絡ませた愛ちゃん。

・・・クスッ、ほんと素直じゃないんだから。

愛ちゃんの腕にぶら下がるように抱き付いて、ちょっとラブラブな気分。

「愛ちゃん」

「ん?」

「大好き」

「・・・・そ」
378 名前:Usual days 投稿日:2005/05/25(水) 22:53
「クスクス・・・・」

「何?」

「ん・・・照れちゃって・・・・可愛いなって」

「照れてえんやん」

「ほぉ〜」

すぐ隣の横顔を見る。

ほらね。

「愛ちゃん」

「・・・・・・」

「愛ちゃんってば聞いてる?」

「うるさい」

「いや、まだ何も言ってないから」

歩く足取りが、気持ち早くなった。

「ほっぺが真っ赤っかやよ〜」
379 名前:Usual days 投稿日:2005/05/25(水) 22:54
「真似すんな」

「ね・・・・嬉しい?シ・ア・ワ・セ?」

「着いたし」

「はぁ?もう?」

公園の中、曲がりくねった歩道をてくてくして、あっという間に可愛いテラス
があるカフェの前。

「もうちょっと腕組んで歩きたかった」

「お、安倍さんの曲や」

「それは、腕組んで帰りたい」

「お腹空いた〜」

「あははっ・・・はいはい、ほら行くよ」

・・・そんなこんなで、軽めのランチになるはずが・・・

「それ・・・・たのみ過ぎじゃない?」

「だいじょ〜ぶ」
380 名前:Usual days 投稿日:2005/05/25(水) 22:55
「あのさ・・・ひとこと言っていい?うどんとピザって、おかしいよ?愛ちゃん」

「ホントはパスタも迷ったんけど垣さんがたのんだから」

「つまみ食いするつもりだったの?」

「もちろん」

「どこにそんなに入るのかねぇ」

「胃袋やて」

「そんなに食べたら自分が寝ちゃうから」

「観劇は体力を使うんよ」

「ほぉ、・・・まさか宝塚でオタ芸とか打つつもりじゃ・・・・」

「何?その・・・おたげ・・・って」

「あわわ・・・ゴホッ、な・・何でもないから。・・・ホラ・・食べよっか」

・・・やばかった・・・
381 名前:Usual days 投稿日:2005/05/25(水) 22:56
「はい、これ垣さんのノルマね」

スッと、ピザが半分乗ったお皿が目の前に。

「んぇ〜っ!・・・ほらね?やっぱり一人で全部食べられないだから。だ・か・ら、
多いんじゃない?って言ったのに」

「結構美味しいよ?」

「んもぉ〜、知らないよ?ほんと寝ちゃっても」

「へ〜き。ヤバそうやったら、つねってあげる」

「そんなことしたら、もう遊んであげないからね」

「そしたら由紀男ちゃんのとこに行って、垣さんが遊んでくれないって泣きわめいてやる」

「あ・・・・あのねぇ、政治力に訴えるのは止めようよ。そしたらあれだよ?
私だって直樹ちゃんにさ、愛ちゃんにいじめられたって言いつけるから」

「・・・・・ぶっ・・・・ぎゃははは・・・本人の前で、直樹ちゃんって呼べる?」

「んなっ・・・呼べる訳ないだろー!」
382 名前:たまえす 投稿日:2005/05/25(水) 22:59
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
383 名前:Liar 投稿日:2005/05/25(水) 23:32
お久しぶりです。もぅすぐテストなので最近焦り気味です・・・。
なんだか、ほのぼのした感じがいいですね。
期待してます。
384 名前:Usual days 投稿日:2005/05/26(木) 23:02
「ぜ〜ったい寝たらあかんって」

「頑張ってみる・・・」

「何で、いつもみたいに・・・まっかせなさいって言わんの?」

「ん・・・・自信が無いから」

「最初から寝る気やろ」

劇場の椅子に座った途端、なにやら言い知れぬほのかな心地好さが漂ってきた。

「大丈夫。こんこんみたいに、いびきはかかないから」

「ダーメだってぇ」

「じゃあ言わせて頂きますけど、誰よ、勝手にピザをノルマにしたのは」

「あ・・・シィー・・・」

····お!

始まった。
385 名前:Usual days 投稿日:2005/05/26(木) 23:04
派手なメイクに派手な衣裳に・・・派手な芝居。

This is 宝塚って感じ。

全てが舞台向きに創られてるんだね。
うちらのとは、かなり違う。

歌い方も独特。発声が違うんだね。

いつも愛ちゃんがMDとか聞かせてくれるけど。(無理矢理・・・ね)

歌だけだとかなり違和感があるけど、こうして舞台のパフォーマンスと一緒だと、
なるほどって思う。

そうだよね。

だって、自分達の曲だってさ、初めて聞いた時は、ハァ〜?って思った奴あるもん。
(さぁ・・・ど〜れだ?)

でも、振りを付けると全然感じが変わったり、テレビじゃパッとしなくても、コンサートの
ステージだとめっちゃカッコ良かったりするもんね。
386 名前:Usual days 投稿日:2005/05/26(木) 23:05
ま、お芝居の中身はまるで分からないけど。

大体、エリザベートって・・・誰?

ジュマペールの人?

こりゃ一回見たぐらいじゃダメだわ。

・・・・・でも、私はもういいでっす。

ま・・・好きな人にはタマらないんだろうね。

・・・・・好きな人・・・・・おぉ、隣にいるし。

どんな顔して見てるんだろう。

・・・・あ〜い〜ちゃん・・・・!

何気に横を見て・・・・驚いた。

何ていい顔してるんだろ。

もう既に意識は異次元空間へトリップ状態。

きっと、愛ちゃんの気持ちは舞台上のキャストさん達と同化しているのだろう。
387 名前:Usual days 投稿日:2005/05/26(木) 23:07
愛ちゃんの潤んだ瞳が、時折ふわっと降り注ぐ照明の光に浮かび上がってキラッと輝く。

ふつふつと、言い知れぬ悔しさが胸の中に涌いてきた。

今、あなたの心に・・・きっと私はいない。

そう考えたら何だか面白くない。

けど、ここで何かやらかして怒らせたら元も子もない。
    
顔色を伺いながら、恐る恐るそっと右手を伸ばして、愛ちゃんの左手に重ねる。

すると、スゥ〜ッと私の方を向いて、柔らかな微笑を浮かべてうなずくと、
しっかりと手を繋いでくれた。

うん、少し取り返した。

ちょっと嬉しい。

・・・・安心した途端、来た。  

恐れていたものが。

・・・やばい、どうしよう・・・

そう思いつつも、次第に視野は狭くなってきて。

・・・・ごめん、愛ちゃん・・・・
388 名前:たまえす 投稿日:2005/05/26(木) 23:08
>>383 Liar様
ありがとうございます。
ほのぼのとした雰囲気を感じ取って頂けて嬉しいです。

テストは何度やっても嫌なものですね。
でも、頑張っていきまっしょい!
389 名前:たまえす 投稿日:2005/05/26(木) 23:09
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
390 名前:Usual days 投稿日:2005/05/29(日) 17:36
第一幕も終りに近付いた頃。

私の手を握っていた里沙ちゃんの右手から、スゥーッと力が抜けて行くのを感じた。

・・・寝ちゃった・・・・か。

寝たら怒るって脅かしたから、かなり頑張っていたみたいやったけど。

手を握る力が弱くなってきたな、と思ったら、少ししてまたキュッと力が入って。

それを何度か繰り返して。

何だか、寝てる猫の手の肉球に指先を突っ込んで悪戯をしているみたい。

キュッと握ってまた離して。

幕間の休憩時間になっても起きる気配は無し。

第一段階合格。
391 名前:Usual days 投稿日:2005/05/29(日) 17:37
だって、本当に不快に思う場所じゃ寝れんやろ?

特にこの子は、好きな事は好き、嫌な事は嫌とはっきり言うし。

例えば、さっき公園で腕を組んで歩いてる時、大好きって言ってくれたけど。

あれは、お世辞でもヨイショでも何でも無くて、紛れも無く里沙ちゃんの
ホントの気持ち。

だから照れる。

今日、ここに来るって言ってえんかったしね。

ちょっとは感付いてたみたいやけど、本当に見たく無かったら、もっと怒ってる
と思う。

でも、ほんの少しでも宝塚の舞台の良さが分かってもらえたらいいなって。
392 名前:Usual days 投稿日:2005/05/29(日) 17:38
できれば終った後で里沙ちゃんと、このミュージカルについて熱く語り合いたかった
んだけどね。それはちょっと無理っぽそう。

ま、しょーがないか。

お話のあらすじも知らんで、いきなり見ちゃったからね。

ストーリーの展開に全く付いて行けなかったのだろう。

顔を覗き込む。

・・・・・・可愛い。

いつもは、実は里沙ちゃんの方がお姉さんなんじゃないかって思う程しっかりしてるけど。

こうして見ると、やっぱり16才だね。

ほっぺを軽くつんつんしてみる。

くぅ〜〜っ、可愛い可愛い・・・・なんて可愛いんだろ。
393 名前:Usual days 投稿日:2005/05/29(日) 17:39
他の人から見えないように、帽子を目深にずらしてあげる。

手を握られちゃってるから、化粧直しにも行けん。

・・・・そっと手を外して行く事もできるけど。

もし私が席を立っている間に里沙ちゃんが目を覚ましたら、きっと不安になると
思うから。

こんな時じゃないと、私が里沙ちゃんに頼られてるってしみじみ感じる事ができ
ないから。

・・・・もう、ほんっと私がいないとダメなんだからぁ・・・・

これ、里沙ちゃんの口癖。

でも、正解。

本能の赴くまま、何も考えずに行動してしまう私を上手く導いてくれる。
394 名前:Usual days 投稿日:2005/05/29(日) 17:40
私は里沙ちゃんに何を求めているのだろう。

私にとって里沙ちゃんって・・・・何?

メンバーの一人?

うん、確かにそう。

でも、それだけじゃない。それは、ほんの一部分にすぎない。

二人の間には、もっともっとすごく大きなものがあるの。

上手く言えないけれど、愛・・・なのかなぁ。

愛ってどんな・・・

トートとエリザベートの様な?

里沙ちゃんはエリザベ−ト?それじゃ、私がトート・・・・って。

あたしゃ死神かい。

ま、でも・・・里沙ちゃんの性格で19世紀に生きていたら、女帝になってたかも。
395 名前:Usual days 投稿日:2005/05/29(日) 17:42
・・・・・・!  

思いっきりモノローグしてたら、何時の間にか第二幕が始まっとった。

そうだ。終わったら里沙ちゃんにプチミュージアムで衣装見せてあげよっと。
あ、マリーアントワネットのドレスを着せて写真も撮っとくか・・・・

そう言えば、ハロプロショップのプッチミュージアムって、もしかしてここのパク(ry

あれぇ〜・・・略になってえんし。

・・・・ん?   

里沙ちゃんの手がピクピクしだした。

起きるかな。

横目でチラッと様子を見てみる。

おっと。

目が合うとこやった。

ふふっ、ゆっくり周りを見まわして、目をコシコシこすってる。

まだ半分あるから、寝てていーよ?
396 名前:たまえす 投稿日:2005/05/29(日) 17:44
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
397 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:30
ん・・・・んん・・・・・ん?

・・・・・・・・・はっ!

やば・・・寝・・・・てた・・・よね。

恐る恐る辺りを見まわす。

何事も無いように舞台は続いている。

ちょっとうたた寝しちゃったか。

気付かれてないよね・・・・

隣を見る。

相変わらず、真っ直ぐ舞台に見入っている愛ちゃん。

・・・・・ホッ。

全部で3時間くらいだっけ。

途中で休憩があるって言ってから・・・・もうそろそろかな。

何気なく腕時計を見る。

ほぉ、もう3時半か。
398 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:31
そっか。

・・・ん?

・・・・・・はぁ〜〜?

いや・・・あの・・・・ちょっと待って。

何で?

確かに2時を過ぎたあたりからの記憶が無い。

心臓の鼓動が早くなってきた。

そっと携帯を引っ張り出して、サブディスプレイに表示されている時計を見る。

やっぱり同じ。

落ち着け私。

どーゆーこと?

えっと、良く考えろ。
399 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:32
いいや、考えなくても答えは1つ。

あっちゃ〜、やっちゃったか。

ホントに?

2時間近く・・・・寝てたの?

休憩時間も・・・起きないで。

嫌な汗が出てきた。

そんなに寝てたんじゃ、愛ちゃんにバレていない訳がない。

どうしよう。

もう二度と誘ってもらえないかも。

もう、一緒に遊んでくれないかも。

そんなの嫌だよ。

思いっきり爆睡しといて何だけど、悔しくて涙が出てきた。
400 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:33
あっという間に二幕が終って、最後のライブの始まる前。

怒ってるだろうな。

折角チケット取ってくれたのに、隣で爆睡されたんじゃね。

・・・謝らなきゃ・・・

恐る恐る声を掛けてみる。

「あの・・・愛ちゃん・・・」

私の声にフッとこちらを向くと、顔を近付けて、

「こっからは里沙ちゃんも面白いかもしれん。ひっで派手やから」

そう言って、にっこりと微笑んだ。

え・・・怒ってないの?

てっきりキツい言葉がくるものと身構えていたら、一瞬、ん?・・・って表情を
してからハンカチを出して、私の頬を拭ってくれた。
401 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:36
予想と違う愛ちゃんの反応に戸惑っていると、両手で私の右手を包んで軽く
ポンポンってしてから、舞台の方を指差して、軽くうなずいた。

促されるままステージに目を向けると。

うわっ、またド派手な羽根飾りを背中にしょって。

次から次へと繰り広げられるエンターテイメントに、思わず身を乗りだして
見入ってしまう。

凄い。

ラインダンスも、これが本物なのか!って感じ。

何時の間にか、どっぷりと宝塚のレビューに引き込まれていた。

何だろう、もうとにかく凄い。

前にテレビ番組の企画で宝塚の人と競演した時に、夏先生の言ってた事がようやく
理解できたような気がした。
402 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:36
・・・宝塚は舞台のエンターテイメントで一番・・・

この迫力。

ちょっと大袈裟とも思える程の大胆な動き。

ステージでは、もっともっと大きく動かなきゃいけないのかな。

前に矢口さんが言ってた事を思い出した。

・・・おいらは小さいから、人の何倍も大きく動かないとダメなんだ・・・

そっか。

こういう事なんだ。

いくら、娘。のライブビデオだけを見て反省したつもりになっていても
所詮、井の中の蛙。
403 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:37
こうして他の舞台を見れば、何かしら勉強になる事があるはずなんだ。

こうやって、自分の表現力の引き出しの中身を少しずつ増やしていけ
ばいいんだ。

良く分からないけど、昨日までの私と今の私は、きっと何かが違うはず。

今日見たこの舞台が、ほんの少しかもしれないけど、私の引き出しに
入ったはずだから。

この情報の活かされる時が、何時か必ず来る。

本当は、宝塚の舞台を見るのって、ちょっと嫌だったりもしたけれど。

でも・・・・やっぱり来て良かった。

大階段を一斉に降りてくる華やかなタカラジェンヌ達を見ながら、何故か涙が
止まらなかった。
404 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:38

「あぁ〜!」

「ど・・・どーしたの?」

終演後、ロビーに出てきて。

パタッと、急に立ち止まった愛ちゃん。

周囲を見回して一瞬固まったあと、突然の絶叫。

「・・・・東京やった・・・・」

「はぁ?・・・日比谷に集合って言ったの、愛ちゃんだよ?」

「ハァ〜・・・・」

深〜いため息をつくと、ガックリとうなだれた。

「ね、どうしたの?」

「・・・・ショック・・・・」

訳がわかんない。
405 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:39
・・・東京・・・だった?

どうやら、居眠りとは関係無さそうだ。

「どこかと勘違いしてたの?」

無言のまま、ゆっくりと歩き出した。

「・・・愛ちゃん?」

あまりの落ち込みっぷりにちょっと心配になって、手を引っ張って顔を
覗き込む。

「大丈夫?」

「・・・ごめんね」

「いや、いきなり謝られても。どっちかって言えば、私の方が思いっきり
謝らなきゃいけないのに」

「プチミュージアムで、里沙ちゃんに本物の衣裳とか小道具とか見せて
あげようと思ったのに・・・・」

「・・・・うん」
406 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:41
「東京じゃなかった」

「いや、ここは東京だから。・・・・どういうこと?」

「兵庫の宝塚大劇場にね、あるの。さっき舞台見てる時、東京だっての忘れてて、
里沙ちゃんに見せてあげたいって思って・・・・きっと喜んでくれると思って・・・」

・・・愛ちゃん・・・

「ほらぁ〜、顔上げて。今度お休み取れたらさ、連れてってよ」

「・・・ほやけど」

「けど?」

「もう見たくないって言うんじゃ・・・・」

「そーんな事言わないよ!また見たい。あの・・・ごめんね?途中かなり寝
ちゃってたみたいだけど、それはホント謝るから。でもね、最後のステージ
はね、本当に感動したの。嘘じゃないよ?マジでまた見たいって思った」
407 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:42
しっかりと手を握ってそう言うと、沈んでいた愛ちゃんの瞳に、光が戻って来た。

「もう私は宝塚肯定派だからね?今まで色々言ったけど、でもね、愛ちゃん
の宝塚を愛する気持ちが少し分かったような気がする」

「・・・本当に?」

「うん。今日、来て良かった。ありがとう愛ちゃん」

そう言った途端。

「・・・・・ガキさん大好きぃ〜!」

「おわ〜っ・・・」

いきなりがばっと抱きしめられて。

「ち・・・ちょっと・・・愛ちゃん、こんなロビーのど真ん中でさ、ほら
・・・!・・・・んっ・・・・んんっ・・・」

・・・・キスされた。
408 名前:Usual days 投稿日:2005/06/02(木) 06:43
周りの声が微かに聞こえる。

・・・・あーっ・・・女の子同志でちゅーしてる・・・・・・・

・・・こら、見ちゃいけません・・・

お母さんと娘さん?

・・・・あらまぁ〜どうしましょう・・・・

・・・・多いのよ、宝塚のお芝居を見た後って・・・・

おばさん達?

でも、関係無い。

今は、愛ちゃんだけを感じていたい。

・・・・好きだよ。
409 名前:たまえす 投稿日:2005/06/02(木) 06:50
愛垣コンビのマッタリオフのひとときはこれでおしまいです。

次回更新まで少し間隔が開くかもしれません。
今回はここまでです。それでは失礼致しました。
410 名前:名無し読者 投稿日:2005/06/03(金) 10:25
この二人もなかなかいいですね。
次回はどのCPかな?
411 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 00:56
卒業してソロ同志になっちゃって。

・・・・ん?

あ、私はソロじゃないか。

ま、でもすぐにツアーもやらせてもらって。

新曲の握手会イベントも決まって。

うん、順調なスタートじゃん。

でも。

真希ちゃん不足。

今までにも増して、微妙にズレてるスケジュール。

ハロモニの収録でさえそう。

事務所の誰かが嫌がらせしてるんじゃないの?

なーんて、疑いたくもなる。
412 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 00:57
何日か前に、偶然真希ちゃんのお姉さんに会って。

・・・忙しそうだね、体に気を付けてね・・・

そう気遣ってくれて。

・・・真希もね、あんまし会えなくて寂しがってる・・・・けどね、今は梨華ちゃん
にとって大切な時だからってね、我慢しているみたい・・・

そうこっそり教えてくれた。

そしてもう1つ・・・・・

真希ちゃんの部屋にある私の写真集が随分擦り減ってるよって。

・・・・何でですか?って聞いたら。

梨華ちゃんと遊べないから、一人で遊んでるらしいって。

そう言えば、前にも言ってたっけ。私の写真集を見ながらしてるって。

ん〜、嬉しいような、寂しいような。
413 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 00:58
でも、ちょっと待って。

・・・おかしくない?

だってさ、いつも私が真希ちゃんにしてもらっている方な訳で。

だから、私が我慢できなくて真希ちゃんを思い出しながら一人でする
・・・ならわかるじゃん?
 
でもさ、真希ちゃんがどんなに頑張って思い出そうったって、出てくる訳無いじゃない。

私がしてあげたことなんて無いんだから。

あぁっ、・・・・そっか。

やっぱ、して欲しいんだ。

想像しちゃった?私に抱かれているとこ。

なぁ〜んだ。じゃ、後で真希ちゃんに言ってやろ。

・・・頂戴って言ってごらん?って。
414 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 00:59
実は。

久し振りに今晩来れそうってメールがあったんだ。

エヘ!

まだ時間がありそうだから、ちょっとコンビニに買い出しにでも行ってこよっと。

ポイッとジャージを脱ぎ捨てて、ひらひらが可愛いちょっと短めのプリーツスカート
を選んで。

お気に入りのパーカーを羽織ってキャップを被って。

お財布・・・どこだっけ・・・

バッグの中を引っ掻きまわして財布と携帯をポッケに突っ込んで。

おし、行くぞチャーミー、おー!

玄関のロックを外して、ドアを思いっきり開けかけたとき。

『ゴンッ』

鈍い音とともに、かなりの手応えを感じた。
415 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 01:00
・・・・ま・さ・か・・・・

恐ろしい想像をしてしまった自分を呪いつつ、そっと表を見てみると・・・

あたた・・・

両手にコンビニ袋を持ったまま、しゃがんで頭を抱えている真希ちゃん。

「あ・・・・あの、だ、大丈夫?」

「うぅ〜・・・・大丈夫くない・・・・」

「ごめんなさい、ホント申し訳無い。ね、立てる?」

「・・・無理っぽそう」

「えぇっ、ど・・・どうしよう・・・真希ちゃん痛い?・・・痛いよね。そうだ、救急車
呼ばなきゃ・・・・何番だっけ・・・」

気が動転して、慌てて電話をしに部屋に戻ろうとしたら、後ろからスカートを引っ張られた。

「行っちゃヤダ」

「え、だって・・・・早く手当てしないと」
416 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 01:00
「んっとね、すぐに治る方法・・・みっけた」

そう言いながら、ズリズリと玄関に入ってドアを閉めた真希ちゃん。

「ホントに?治りそう?」

「そのままじっとしててね。梨華ちゃんが動いたら、絶対に治んないから」

「・・・・え、な・・・何で?」

「何ででも」

しゃがんだままの真希ちゃんを見下ろすと、ニンマリと不気味な笑みを浮かべている。

「・・・・?」

「じゃ早速、治療をはじめまっす」

「・・・・・はぁ」

すると、私の前にしゃがんだままスカートの裾をつまんで少し持ち上げて、すぐ下ろして。
417 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 01:01
みるみるうちに顔が赤くなって・・・・・

「くぅぅぅ〜〜〜っ」

「・・・・・・・・」

またちょっと持ち上げて、すぐ下ろして。

「はぅ〜〜〜〜っ・・・・」

「あの・・・・真希ちゃん?」

「今いいとこ」

「いや・・・あの・・・・」

今度は、さっきより少し高めにスカートを持ち上げて。

「おぉぅ・・・・エクスタシ〜・・・」

じぃ〜〜〜っと中を覗いてる。

「真希ちゃん!」

「だから動かないでって」

「あのねぇ・・・・」

ただスカートめくりをしたかっただけじゃん。

すると、今度は後ろにまわって。

また、まくり上げられる感覚。
418 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 01:02
「す・・・すっげ〜エロい・・・・」

・・・・まったく・・・・

「こら、いい加減にしなさい!」

「シィー!静かに。治りかけてきたから・・・」

「嘘ばっかり。ホントは違うんでしょ?」

「だって、ミニに生足ときたら、もうこれっきゃないでしょ」

「いつも見てるじゃない」

「チッチッ、分かってないネ。今、背徳の官能美というものを、じっくりと考察
してるところだから」

「治療じゃなかったの?」

「治療でっす」

こんな真希ちゃんをファンの人が見たら、どう思うんだろ。

だらしなく下がった目尻。

これでもかって程、伸びきった鼻の下。

半開きの口。
419 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 01:04
「エロおやじ・・・・」

「あ〜、そゆこと言っちゃうんだ・・・」

「変態」

「だって、部屋じゃいつもジャージだし。そりゃ〜ね、ジャージを焦らしながら脱
がすのも一興だけどさ。このミニに生パンがもう、ね。ほら、この角度。ただで
さえエッチな梨華ちゃんが、さらにいやらしくって。もう最高!」

「・・・・ね、真希ちゃん・・・私って・・・・そんなにいやらしい?」

「うん!」

・・・・即答かよ。

「・・・あぁっ」

いきなり太股の付け根あたりを触られた。

ショーツの上から、ヒップラインを微妙なタッチでなぞられて。

ぶわっと鳥肌が立った。
420 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 01:05
「ちょっと何して・・・・・」

「おぉぉぉぉ〜っ・・・し、辛抱たまらん!」

・・・・・はぁ?

と、ズルッとショーツを足首まで一気に下ろされて。

「キャァァァァ〜ッ!」

いきなり後ろから押し倒された。

「ちょっ、真希ちゃん!ここ玄関だから、待って・・・・あっ、・・・・あ・・・あぅ・・・・」

ひょいっと腰を持ち上げられて、お尻だけ突き出したような格好にさせられて。

そのままお尻を丸ごと抱えるようにして、私にむしゃぶり付いてきた。

直接刺激を受けて、脊髄をドッカ〜ンと快感が駆け上がる。
421 名前:Usual days 投稿日:2005/06/11(土) 01:06
「ちょっ、やだ〜っ・・・こんなとこで・・・あっ・・・あぁぁぁっ・・・・」

ムードも何もあったもんじゃない。

けど、一度始まっちゃったら止められないから。

諦めて集中しようとした時、急にピタッと真希ちゃんの動きが止まった。

・・・・・?

「真希・・・・ちゃん?」

『ドサッ』

・・・え?

後ろを振り向くと、バッタリと床に倒れてる。

「え・・・・ち、ちょっと」

慌てて抱きかかえてみたら、前髪に隠れていたおでこに、大きなコブが。

「キャァァァァ〜ッ、真希ちゃん!」
422 名前:たまえす 投稿日:2005/06/11(土) 01:11
>>410 名無し読者 様

ありがとうございます。

少しでもお気に召していただけたなら幸いです。
423 名前:たまえす 投稿日:2005/06/11(土) 01:12
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
424 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/11(土) 12:39
更新お疲れ様です。
うぁ〜ドキドキ!
この二人めっちゃ好きなんで嬉しいです。
自分も最近ごま不足で…(意味違うけどw
次回楽しみに待ってまっす。
425 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/12(日) 14:09
エロで笑える2人が大好きです。次も待ってますw
426 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:07
一瞬頭が真っ白になっちゃって。

・・・私、とんでもない事をしちゃった。 

ど・・・どうしよう・・・私のせいで真希ちゃんが・・・・

動揺して心臓がバクバク、頭は真っ白。

・・・・・電話・・・しなきゃ・・・

電話を取ろうとしてコケそうになって、慌てて足元に絡んでるショーツを蹴飛ばして。

すぐママに電話して助けを求める。

「ほら、泣いてないで。気を失ってるのね?じゃ、横向きに寝かせなさい。パンツ
ならベルトを緩めて、スカートならファスナーを開けて、あとブラのホックを外して
胸とお腹周りを楽にしてあげて。呼吸の時に変な音とかしてない?・・・そう・・・
コブがあるだけ?傷は無いのね?鼻とか耳とかから出血は?・・・あ、そう。じゃ、
おでこを冷やして少し様子を見ましょうか。冷凍庫にアイスパックが入ってたわよ
ね、あれをタオルで包んで当てるのよ?さ、早く」
427 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:11
言われた通りに横向きに寝かせると、キッチンへ走ってアイスパックを取ってきて、
そっとおでこに当てる。

「グスッ・・・やったわよ。・・・ママどうしよう、真希ちゃん死んじゃったら・・・
私・・・・・ワァ〜〜ン」

「梨華!しっかりしなさい!いい?肩を叩きながら名前を呼び続けなさい。5分して
も気付かなかったら、真希ちゃんのマネージャーさんに連絡して病院の手配をして
もらいましょう。救急車を呼ぶかどうかはマネージャーさんに任せた方がいいわね」

「・・・うん・・・うぅっ・・グスッ、真希ちゃん!起きてよ、お願いだから。・・・
嫌だよ、目を開けてってば。私・・・・もう嫌がったりしないから、何でも真希ちゃん
の好きなようにしていいから・・・このまま・・・これが・・・これが最後なんて・・・
ヤダ〜〜〜ッ」

ママに言われた通り、耳元で呼び続けて。

でも、全然反応が無くて。

「お願い・・・・起きてって言ってるじゃない。・・・いつもみたいに、梨華ちゃ〜ん
って優しく呼んでよ。可愛いねって言ってよ。・・・・わかった。海辺でも公園でもど
こでも好きなとこでエッチしていいから・・・・もうエロおやじなんて言わないから、
だから・・・・・・うぅぅぅ・・・」
428 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:17
・・・ん

・・・・・ん?

遠くで梨華ちゃんが誰かと話してる。

あれ、私、どうしたんだっけ。

お仕事が終って、速攻で梨華ちゃんちに行って。

こそっと入って驚かしてやろうと思ったら、ドアの直撃をくらって。

それから、梨華ちゃんがエッチいミニなんかはいてたから、ちょいとめくって・・・・

で、ムラ〜っときて理性がふっ飛んで、ぱんつを下ろして。

かぶりついたところで記憶が途切れてる。

久々のエッチでいきなりゴールを狙ったのがマズかったか?

刺激・・・・強過ぎた?
429 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:18
・・・でもさ、後ろからスカートの中を覗いた時の、あのウエストから太股へかけての
曲線がねェ・・・・特に、太股の付け根あたり、ぱんつ際のお肉がプクッてなってると
ころなんか、チョ〜えっちかったし。

あれを見ちゃったら、我慢なんかできないでしょ。

あれ、梨華ちゃんすっごい泣いてるじゃん。

・・・そっか。

わたしのこと・・・心配してくれてるんだ。

『・・・お願い・・・起きてって言ってるじゃない。ネェ・・・いつもみたいに梨華
ちゃ〜んって優しく呼んでよ。可愛いねって言ってよ。・・・・わかった。海辺でも
公園でもどこでも好きなとこでエッチしていいから・・・・だから・・・うぅぅぅ・・・』

おおぅ、可愛い事言ってくれちゃって。
430 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:19
「それ、ホント?」

「うん。グスッ・・・もう、起きてくれたら何でも許しちゃうんだから・・・・・?
・・・・えぇっ!」

気付いたら目の前には、ぱっちりと目を開けてる真希ちゃん。

「約束だよ?今の・・・・」

「わぁぁぁぁぁ〜っ、真希ちゃ〜〜〜〜〜ん!」

思わず電話を放り投げて真希ちゃんを抱きしめる。

「うわ〜ん・・・ごめん・・・・うぅ、ごめんねェ・・・わ・・私・・・ウェ〜ン・・・」

「り〜か〜ちゃん、泣かないで?だいじょ〜ぶだから」

「うぅ・・・ほ、ホント?・・・何ともない?グスッ」

「ん、多分へーきかと・・・」
431 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:20
「明日になって、私は誰?とか言わないでね」

「ん、気を付ける・・・」

逆にギューッと抱きしめられて、チュッとキスをしてくれて・・・・・

····ん?

「真希ちゃん?」

「ん〜?」

「イカ・・・食べた?」

「ううん」

「なんか・・・・イカ臭い・・・」

「んぁ?・・・・あ〜、さっき梨華ちゃんのあそこを舐めたからねェ・・・・
間接・・・キス?」

「うぅっ!・・・・え゛〜〜っ!・・・・オェ〜」

「いや・・・オェ〜って、自分の持ち物なんだからさぁ・・・」

「やだぁ〜」

「何言ってんの。今までエッチの時は普通にしてたじゃん。ほら、ハタチのお誕生日
の時なんかさ、3回目くらいにイッた時、舌を入れてる時に思いっきり梨華ちゃんに
潮吹かれちゃって、顔面直撃。モロにフェイシャル・トリートメントしちゃったさ。
でもそのまま普通にキスしてたじゃん。もうぐちょぐちょぐっちょん・・・・」
432 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:21
「あ・・・・・」

「あの時、朝こっそりシーツを洗ってたらお姉ちゃんに見つかっちゃって、えらい
冷やかされたんだから」

「・・・え」

「ん?・・・梨華ちゃんのシミ付きシーツをオークションに出そうってさ」

「う・・・・嫌だ〜〜!」

「ハハハ、ホントにやる訳無いし。証明するもの無いからね。例えシミの横に梨華
ちゃんのサインとうさぎを書いても、誰も入札なんかしないだろうし」

「ふ〜ん、そんなもんなの?」

「そ。たま〜にサインとか騙されてニセ物落とす人いるらしいけどね。うちらの
宛名とか日付け無しのサインなんて出回る訳無いじゃん。書いてないんだから」

「うん・・・・でも、可哀想・・・・」

「優しいね、やっぱり梨華ちゃんは」
433 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:22
「あ、ほら・・・ちゃんと冷やさないと」

「うん・・・ありがと・・・・あれ、そう言えばさっき誰かと話ししてなかった?」

「・・・へ?」

「なんかさ、目が覚める前に、話してる声が聞こえた気がした」

「あぁ、・・・・ママ!」

慌てて電話の子機を探す。

ベッドの下に転がっているのを拾い上げて。

「もしもし、ママ?」

「気が付いたようね」

「うん・・・・・うん、ありがとう、サンキューママ」

「良かったわね。今日は無理しちゃダメよ?いい?余計な事はしないで、おとなし
く寝かせてあげなさい」

「うん」
434 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:23
「はい。じゃ、おやすみなさい」

「うん、おやすみ・・・」

・・・ピッ。

「ママ?」

「うん。真希ちゃん気絶しちゃって、どうしていいか分かんなくて。で電話したの」

「そっか。ママにも迷惑掛けちゃったね」

「ううん、私が悪いんだから」

「どっちも悪かった。私もノックしないでいきなり開けようとしたからね。
それでいいじゃん」

「ごめんね」

「やめよ?あ、ママ・・・・何て?」

「今日は無理しちゃダメって。余計な事してないで、おとなしく寝かせてあげなさいって」

「えぇ?」

「な・・・・なに?」
435 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:24
「梨華ちゃんのママって、うちらの関係・・・・知らないはずだよねぇ」

「・・・・・うん」

「でも、今の言い方だとさ、まるでエッチしないで寝なさい・・・・・って言ってる
様に聞こえるんだけど・・・」

「そんなぁ〜、偶然だって」

「そっか・・・・・ん?・・・・・梨華ちゃんあれ何?」

「・・・・へ?」

「ん〜?なんかさ、電話のライトがピコピコしてるけど・・・・」

「え・・・・・・あ゛ぁ〜〜〜!」

「・・・・どしたの?」

「・・・・ハンズフリーが・・・・ONに・・・・なってる・・・・」

「んぁ・・・・あ〜らら・・・・」
436 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:28
「ど・・・どうしよう、全部・・・・ママに聞かれちゃったよ〜」

「いいじゃん別に」

「だ・・・だって、・・・イカ臭いとか潮吹いたとか、公園でするとか聞かれちゃったんだよ?」

「もう遅いし。今から騒いだって後の祭り」

「・・・おうちに帰れないよぅ・・・」

「わかった。じゃ、ごっちんが、きっちりけじめをつけてきてあげマス」

「・・・・・?」

「梨華ちゃんのはイカじゃなくって、ジャスミンのようなフローラルな・・・」

「んもぉ〜、おばかぁ〜!」

「うそうそ。お父さん、お母さん、梨華さんをください・・・・って」

「真希ちゃん・・・・・・」

「可愛いよ、梨華ちゃん・・・」

スウ〜ッと顔が近付いてきて。

目を閉じて待つ。

・・・が、来ない。
437 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:29
目を開けると、アイスパックをおでこに縛り付けたままの真希ちゃんのドアップ。

「どうしたの?キス・・・してくれないの?」

すると、ニッと笑って。

「イカ臭いよ?」

「・・・バカ、ジャスミンでしょ?」

こっちから口付ける。

すると、すぐに熱い舌がスルッと入ってきた。

無中になってむしゃぶり付く。

「・・・んぅ・・・・ん・・・くふぅ・・・んん・・・・」

今度は私が捕まって、痛いほど吸われて、全身がビリビリと痙攣する。

吸って出してを繰り返されて、ガクッと膝の力が抜けた。

瞬間、ガシッと私を支えながらベッドに倒れるように誘導してくれて。
438 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:30
いつもこの真希ちゃんの反射神経には驚く。

でも・・・・欲しいけど・・・・やっぱり真希ちゃんが心配。

何時の間にかパーカーは脱がされていて。

でも、気力を振り絞ってTシャツに掛かった手を押さえる。

「・・・え?」

「今日は・・・真希ちゃんが心配だから・・・」

「・・・欲しい・・・でしょ?」

「・・・・でも・・・」

「ありがと・・・分かってる。でも、明日からまた頑張るにはね、梨華ちゃんからパワー
をもらわなくちゃダメなの。このまま寝ちゃったらね、私は絶対後悔するから。だから
梨華ちゃんが欲しい」

・・・負け。

うん・・・・ってうなずくと、自分で脱いで、胸を真希ちゃんの前に差し出すと、にっこり
と微笑んで、優しく吸いついてくれた。

それから、今までの、そしてこれからの会えない時間を埋めるかように、優しく優しく
愛してくれた。
439 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:31
「ただいま〜・・・あれ、ママ?何してるの?」

「・・・え?・・・・あぁ、お帰りなさい。遅かったじゃない」

「うん・・・で、何で電話を握りしめたまま赤くなってるのよ」

「あ・・・あはは・・・いや、別に何でも・・・」

「誰と電話してるの?」

「・・・え、・・・・梨華ちゃん・・・」

「おねーちゃん?ちょっと替って?」

「もう切れてる」

「ふ〜ん・・・怪しい〜、ホントに・・・お姉ちゃん?」

「そ・・・そうよ?」

「まさか・・・・不倫・・・とか」

「バカッ」
440 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:32
「何でバカ?ママもまだまだいけるでしょ」

「ねぇ・・・・」

「何よ」

「私、あなた達の育て方・・・・間違ってたのかしら・・・・」

「・・・・はい?」

441 名前:たまえす 投稿日:2005/06/13(月) 21:33
>>424 名無飼育さん様
ありがとうございます。

ツアーが無いので、ごま赤字の損失補填もままならず・・・
442 名前:たまえす 投稿日:2005/06/13(月) 21:33
>>425 名無飼育さん様
ありがとうございます。

どんどん後藤さんのキャラがおかしな事になっているような気もしますが。
443 名前:たまえす 投稿日:2005/06/13(月) 21:37
自分の前スレに誤爆して動揺したままうPしてたら、オチが甘く
なってしまいました。

また次回まで少し間隔が開くと思います。

今回はここまでです。それでは失礼致しました。
444 名前:無名し読者 投稿日:2005/06/13(月) 23:38
オチ 良いですよ
フリーズしてしまうお母さん が可愛らしい
オイラにはちょいディープな内容で、途中お母さんと同じ状態になってしまいました
でも この2人はこの感じが好きなので これからも頑張ってくらさい
445 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/14(火) 00:38
444さんに同じく、オチ良いですよ。

爽やかな話からエロまで幅が広くて、凄く面白いです。
登場するCPが変わると自分が好きなCPが変わってしまいますw
これからも頑張ってください。
446 名前:名無し読者 投稿日:2005/06/14(火) 01:16
久々にPCにカレーうどんを噴射するとこだった・・・

じつは押しCPが主人公では無いのですが毎回楽しませて
もらってます。ここの護摩のキャラ結構好きです。作者さんの
描く娘。さんたちって生き生きしてていいですね。

これからもがんがってくらさい。いいモノをありがとう
447 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:17
「石川さん、おはようざいます」

早朝、ボーッと会社の廊下を歩いていたら、後ろから声を掛けられた。

「おはよー・・・って・・・あれ?」

振り向いて挨拶を返したけれど・・・誰もいない。

・・・・確かにすぐ後ろから・・・呼ばれたような・・・

「・・・おっかしいなァ」

気を取り直してまた歩き出そうとすると。

「石川さん!」

・・・へ?

さっきよりも強い声。

驚いて振り向いたけれど、やっぱり誰もいない。
448 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:18
・・・あれ〜?・・・、変だなぁ。

まだ寝ぼけてるのかな・・・・

「ひっどぉ〜い、もぉ〜、下ですよ、下!」

「・・・は?」

視線をずぅ〜っと下げると・・・・・

そこには、腕組みをしてほっぺをふくらませた、ちっこいキャプテンの姿が。

「あ・・・・しみちゃん」

「あんまりです」

ボケでも冗談でも無く、真面目に目に入らなかったんだけど・・・・

・・・こりゃ本気で怒らせちゃったかな・・・

「ごめん!ごめんね?ホントごめん」

慌てて同じ目線までしゃがんで、プイッと横を向いてしまった佐紀ちゃんに謝る。
449 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:19
「ひどいです」

「ねー、許してよぉ〜・・・私が悪かった。最近、ちっこい人と会うことが無くって
・・・その、感覚が鈍ってたってゆーか・・・・」

と、チロッと流し目で私を見ると・・・

「今・・・・ちっこいって・・・言いました?」

「・・・・・・あ」

・・・しまった。ついうっかり・・・まりっぺレベルの軽い気持ちで言っちゃった。

こんなバカな先輩の何気ない一言が、いたいけな後輩の純な心を傷付けるのだろうか。

まだ、自虐ネタに走る程、芸能界ズレしてないのかも。

ダメじゃん、もっと気遣いのできる先輩にならなくちゃ。

「しみちゃ〜ん、ゴメンネ?・・・許してよぅ・・・・ダメ?」
450 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:20
「どうしよっかなァ・・・」

ん〜・・・って、何か考えている。

・・・そっか。

「しみちゃん、もしかして・・・・おねだりモード?」

そう言うと、チャーミングなタレ目がさらにニヤリと下がった。

「あ、やっぱり。分かったわ、お詫びに何でも言う事聞いてあげるから。
・・・・・あ、私に出来る事だったらね?」

「・・・・ホントですか?」

「任せなさい!チャーミーに二言は無いんだから」

トレード・マークの眉毛が、ピクッと上がった。

・・・・クスクスッ、下がったり上がったり、楽しい顔だネ・・・・
451 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:21
「あの・・・遊びに行っても・・・いいですか?」

・・・・・は?

「え、遊びにって・・・・うちに?」

「はいっ!」

あぁ〜・・・・そっちかぁ〜、必死に財布の残額を思い出してた。

「え、い・・・いいけど・・・また何でうちなんかに?」

すっごい笑顔になった佐紀ちゃん。

「知りたいんです、もっと」

「何を?」

「石川さんのこと」

「はぁ・・・・」

「あははは・・・リアクション、薄いですネ」

「あ・・・いや、でもそんな・・・・研究対象にするほど奥の深い人間じゃないわよ?」
452 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:22
「クスクスッ、研究ですか・・・うん、それもいいですねぇ」

「あ、でもね、ちょっと嬉しいかも。みんなキモいとか寒いって言ってさ、だ〜れも
うちになんか遊びに来たいって言ってくれないんだもん」

「ホント・・・ですか?」

「うん。リーダー同志で語り合うか」

「やったァ〜!絶対ですよ?」

「うん、約束する。・・・・あ、そーだ。じゃーさ、しみちゃん、携帯のアドレス交換しとこうよ」

「え、いいんですか?」

「だって・・・そうしないと、なかなか会えないからさ、スケジュール調整できないじゃん」

「・・・うぅっ・・・」

・・・えぇ?

「ちょっ・・・・どうしたの?」
453 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:22
急に目がうるうるしちゃったしみちゃん。

慌ててポケットから携帯を取り出すと、ディスプレイをこちらに向けた。

「はい。・・・・すいません、嬉しくって・・・・」

「そっか。・・・・えっと・・・・あれ?・・・・これ、あの時の・・・」

「へへへっ、もちろん使ってますよ?」

待ち受け画面に並んだ笑顔が2つ。

かおタンの卒業式の時、横アリの楽屋前で、しみちゃんと二人で写した写メ。

「嬉しいなぁ」

にっこりと笑顔に戻ったしみちゃんは、ピコッとボタンを押してもう一度こちらに向けた。

「あ、ちょっと待ってね。えっと・・・・ん?・・・っと・・・・よっ・・・・と・・・・はい」

そのまま、『オフの日か、空きが出来た時には連絡するからね』と入れて送信。
454 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:23
すぐに、しみちゃんの携帯に着信。

〜♪  ハッピバースデ、チャチャ、ハッピバースデ、チャチャ ♪〜

「えっ・・・・着メロ・・・・それなの?」

「へへっ」

・・・うわっ、すっごい笑顔・・・

「ありがとー、なんか・・・すっごく嬉しいんだけど」

そのとき、廊下の突き当たりのドアが開いて、スタッフさんが顔を出した。

「お〜い清水、はよ来い」

「あ、はい。すぐ行きます」

「おー」

「じゃ、石川サン」

「うん、メールするから・・・忙しそうだけど身体に気を付けてね」
455 名前:Usual days 投稿日:2005/06/19(日) 11:29
「はーい」

ちっちゃくバイバイと手を振りながら走り去るしみちゃんの後ろ姿に、こちらも手を振り返す。

気が付けば、さっきまでの倦怠感はどこへやら。

何時の間にか、胸の中は爽やかな気持ちで満ち溢れていた。

・・・頑張れ、ちっちゃいキャプテン・・・
456 名前:たまえす 投稿日:2005/06/19(日) 11:31
>>444 無名し読者様
ありがとうございます。

あと、スレが沈んでいるからいいかと思い、最初にエロ申告をしていませんでした。
申し訳ありませんでした。

>>445 名無飼育さん様
ありがとうございます。

自分にとっては最高の誉め言葉です。本人達がとてもいい子達だと言う事を
読んで頂いている方もご存知だからこそ、伝わるものがあるのかなと思っています。

>>446 名無し読者様
ありがとうございます。・・・・カレーは危険ですネ。・・・うどんだと、なおさら・・・  

もの凄いお褒めを頂いて、本当に恐縮です。
いつ、どんなCPが出てくるかは、気分次第なので自分でも分かりませんが、
懲りずにお付き合い戴ければ幸いです。
457 名前:たまえす 投稿日:2005/06/19(日) 11:32
今回はここまでです。それでは失礼致しました。
458 名前:Usual days 投稿日:2005/06/21(火) 23:02
「いしかわ〜っ!」

「のわっと!」

び・・・・びっくりした・・・

突然後ろからでっかい声で呼ばれた。

恐る恐る振り向くと・・・・

「あ・・・おはようございます・・・」

「おはようサン。なんやエラい、いい雰囲気やったやないの?」

「は?・・・・いや、いい雰囲気って・・・・」

「とうとう小学生にまで・・・手ェ出したか・・」

「いや、あれでも中2ですから・・・」

「知ってるがな知ってるがな」

「今、小学生って・・・っていうか、手なんか誰にも出してないし」

「なんや、押し倒されてばっかかいな、そんなんええやん、それより、何してたの」
459 名前:Usual days 投稿日:2005/06/21(火) 23:03
「えーそんな、ばっかって・・・いや、今度うちに遊びに来たいって言うから、メアド
の交換を・・・・」

「あーあ。しみちゃんの特技、何だか知ってるん?」

「・・・・何ですか?」

「メールの早打ちやて」

「はぁ、別に今時普通じゃないですか?」

「フッ・・・・・ま、いずれ分かるやろ」

「何なんですかぁ」

「ごっちんと会える日が・・・もっと減るかも・・・・ネ」

「何でですか?」

「これ以上は、よう言われへんなぁ」

「もー、おかしいですよ?」

「あぁ〜ん?今、おかしいゆーたな?プリピンのセンターに向かって」
460 名前:Usual days 投稿日:2005/06/21(火) 23:04
「いや、センターって・・・思いっ切り右端じゃないですか」

「ちっ、気付かれたか・・・」

「大体、何でピンクのユニットに私が入っていないんですかぁ?」

「そんなん知らんがな」

「本当なら、石川・紺野・道重・久住じゃないですか?」

「おっ、そらハロプロ最強のボーカル・ユニットの誕生やんか」

「ひっどぉ〜い!」

「こらこら、まだなんも言うてへん。でも、ピンク好きを集めてブリブリピンクなんて、
思いっきりベタやし、痛いやん」

「痛い・・・ですかぁ?」

「そら痛いわ。私らでも充分痛いのに」

「あ、言っちゃった。だったら稲葉さん、美貴ちゃんと交代したらどうですか?めぐちゃん
と雅ちゃんの平成生まれコンビに挟まれて・・・・」
461 名前:Usual days 投稿日:2005/06/21(火) 23:06
「あいたたたたっ、アカンて!そらマジで痛いわぁ〜・・・って、こら待て、何言わすん?」

「知りませんよ」

「ネタ振り、ごっつ上手くなったやん」

「ネタじゃなくてマジですから・・・って、何をメモってるんですか」

「いや、おもろかったから、今度使わしてもらお思ってな」

「・・・・・・」

「何引いとんねん、笑いは日々の勉強からやねん。よう覚えとき」

「いよっ、さっすが元吉本興業!・・・・って、何でですか。お笑いさんじゃないんですから」

「元吉本で悪いか」

「えっ、そうなんですか?」

「うん」

「へぇ〜・・・そっか、だから面白いんだ稲葉さんって」

「まぁ、それ程のもんでも無いけどな。・・・・・って、こらこら。吉本や言うても、
お笑いだけとちゃうねんで?」
462 名前:Usual days 投稿日:2005/06/21(火) 23:08
「へぇ〜そうなんだ。でも稲葉さんって、いつも変な時に現れますよね」

「そう、笑いのある所稲葉あり・・・・って、何でやねん!ここ会社。いて当たり前」

「こんな朝早くから?」

「アホ、さっきまでスタジオでレコーディングやったっちゅーねん。今から帰って寝るところ」

「あらら、そりゃお疲れ様です。・・・・で、寝てないのに何でそんなにテンション高いん
ですかぁ?」

「そらそうやん、寝る事と食べる事が一番の楽しみやし、その2つが今から待っているかと
思えば、・・・・・ちゃうちゃう、満足できる仕事をやり終えた充実感?で、喜びに満ち溢
れとるからやないかい」

「訂正するのが遅いですよ。でも大変ですね」

「ぜ〜んぜん大変だなんて思わんよ?だって、考えてみ?ハロプロの中で私のレコー
ディング回数が一番多いし、例え陰ながらでも、CDで歌ってるのはダントツやからね」

「そうですよね・・・・、凄いですよね」
463 名前:Usual days 投稿日:2005/06/21(火) 23:09
「せやろ?これでコーラス持った曲が売れれば嬉しいし、メインが歌い易かったって
言ってくれれば本望やね」

「尊敬しますよ、本当に感謝してます」

「おっ、嬉しい事言ってくれるやん。じゃもし今度、美勇伝のコーラス持つ事があったらな、
特別にサービス入れといたるわ」

「え・・・・な、何ですか?」

「ん?めっちゃ低い声でな、『り〜かちゃん、オイッ、りーかちゃん、オイッ』って」

「いやぁ〜!それだけはヤメて!」

「実はな、恋のヌケガラの時にな・・・・・」

「えぇ?」

「いや、やめとこ」

「なんなんですかぁ、気になるじゃないですか」

「お、あか〜ん、はよ帰らな。ほななぁ〜」
464 名前:Usual days 投稿日:2005/06/21(火) 23:10
あれ〜、行っちゃった・・・・

もぉ〜、何なのよ。

・・・・・・プッ・・・・クスクスッ・・・・・

いつもいつも、まるで台風みたいにバァ〜ッと通り過ぎてく不思議な先輩。

歌もダンスもお笑いも天下一品、ハロプロ内に敵は無し。

だけど、常に一歩下がって後輩達を立ててくれる。

普段はすっごく優しいけれど、でもお仕事にはとても厳しい。

本当に頼れる、まさにハローの師匠。

私も、稲葉さんみたいに誰からも信頼されるような人間になりたいな。

よしっ、今日も頑張るぞー!
465 名前:たまえす 投稿日:2005/06/21(火) 23:13
今回はここまでです。また次回まで少し間隔が開くと思います。
それでは失礼致しました。
466 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 20:56
某スタジオの控室。

そこそこの広さはあるけれど、何も全員押しこまなくたっていいのにさ。

歌収録の待ち時間。過ごし方も人それぞれで、しばし安らぐひととき。

まあ、安らげないのは緊張してる中学生の二人だけ・・・か。

二人で田中ちゃんをつかまえて、部屋の隅っこで何やらヒソヒソ話してる。

いくら見た目が大人っぽくっても、やっぱり・・・・ね。

ほら、怖いおば・・・・失礼、おねーさんがいるからねェ。

あの存在感に勝るもの無し

慣れればステキなお姐様なのに。

あれ・・・・漢字・・・間違えた?
467 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 20:57
でも油断して調子に乗ると、ガツンとやられるケドね。

・・・ん〜、何かいじるネタは無いかな・・・

ん?

相変わらず読書している飯田さんの隣で、愛ちゃんが真剣な表情で、部屋に
置いてあった新聞に見入っている。

活字を読むのが好きらしい。

よく本とか読んでるもんね。

でも・・・垣さんがいないと静かだね。

本当に同じ人間なのかなって、時々不思議に思うことがある。

普段、楽屋とかで垣さんなんかとふざけている時とか。あと、プライベートで
遊んでいる時の愛ちゃんは、まるで小学生みたい。

甘えるのがとても上手だし。

あの七色のロリ声を駆使したおねだりにダマされた大人は数知れず。

・・・・まァ、美貴もあんまし人のことは言えないけどネ。
468 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 20:58
でも、お仕事になると180°表情が変わって、年齢以上にオトナの女を演じ切る。

テレビとかPVの収録で、リハの後モニターで確認する時、愛ちゃんのカメラ目線
に何度ドキッとさせられたことだろう。

一緒に歌ったり踊ったりしている時も・・・ほら、アイコンタクトとかするじゃん?

もちろん、メンバー全員がみんな本気モード全開にシフトしてはいるんだけど。

特に美貴と愛ちゃんは、フォーメーションの前列でタイミングを取り合うことが多いから。

今だ!って時に愛ちゃんを見ると、寸分の狂いも無く、熱い視線がバシッと飛んでくる。

その瞬間って、歌詞が飛びそうになる程のインパクトがある。

・・・ホント凄いよ。

類は友を呼ぶ・・・じゃないけれど、まゆげビ〜ムの相方だけに、やっぱりラブリー
ビームもかなりの破壊力がありそう。
469 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 20:59
「こぉ〜ら藤本」

ビクッ・・・

ボケ〜ッとモノローグをしていたら、後ろからぼそっと聞こえた低い声。

そぉ〜っと振り向くと。

ニヤリと不気味な薄笑いを浮かべているあのお方。

「・・・・はい?」

「浮気はあかんなぁ」

「はぁ?」

「いや、はぁって。自覚無いの?」

「え、美貴は浮気なんてしてませんから」

「あら、まァ〜とぼけちゃって。若い方はおさかんでいいですわねぇ、稲葉さん」

「おーっほほ、確か・・・紺ちゃん一筋?・・・とか言っていたはずやのに・・・ねぇ中澤さん」
470 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:00
「もちろん一筋・・・・ですよ?」

「今の藤本を紺野が見たら、間違い無く大泣きするやろな」

「何でですかぁ?」

くっそぉ〜、頭にくる。

何言ってんだろ。浮気なんかしたことないし。

「いま、誰の事を見とったん?」

「は?・・・誰って」

「いまさっき、一体誰の事を考えてたん?紺野のことを考えていたようには、見えへん
かったで?」

・・・・・・あ。

やっべ〜・・・・無意識のうちに、考えてた愛ちゃんを見ていたか。

「いやぁ〜・・・浮気とは違うかと・・・・」

「手ェ出すなョ」
471 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:01
「なっ・・・何言ってるんですか!やめてくださいよ〜、もぉ〜」

「オレの愛ちゃんにヤらしいことなんかしたら・・・・」

「いや、オレのって・・・いつからそんな関係なんですか。ヤらしいことなんて
する訳ないじゃないですか。紺ちゃんにだって、まだ・・・・」

「えぇっ?まだ何もしてへんの?そんなん、付き合ってるんとちゃうやん」

・・・・あ。

「もぉ〜、よしなよ裕ちゃん。ほら、藤本が泣きそうじゃん、可哀想だよ」

「お、出たな?ホトケの圭ちゃん」

・・・やっぱ、おかしいのかな。こんなに長い間何も無いなんて・・・他の人から
見ると、異常なのかな・・・・

「何でホトケよ。あたしは地蔵だからね」
472 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:02
「だって、おかしくない?いつからやったっけ・・・・ハロプロワイドの収録を
こっそり見に来てた後からやろ?もう半年以上も経ってんねんで?したい・・・
とか、思わへんの?」

「そんな・・・・したいって・・・何をですか?」

すると、声のトーンをぐっと押さえて・・・

「エッチに決まってるやろ、エ・ッ・チ!」

「いや〜・・・そんな・・・ねぇ・・・」

「よう我慢できるなァ、めっちゃストレス溜まっとるんちゃう?キスぐらいは
するやろ・・・何でその先にいかへんの。藤本は理性のかたまりやな」

何を言おうにも突っ込まれそうなので、貝になることにした。

「ま、愛し合ってるっちゅーのは間違い無いかもしれへんけどな。最近の紺野、
めっちゃ綺麗になったやんか。色気も出てきたし?オ・ン・ナ・・・って感じ?」

「あ〜・・・何もそんなヤらしい言い方しなくても・・・・」
473 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:03
「あ゛?何がヤらしいねん、愛とは何かちゅーもんを教えたるわ・・・大体なぁ・・・・」

「裕ちゃん、愛に飢えてるもんね」

「うっさい!どーせオレは寂しい女やし、恋人はビールだけやし。あ〜〜〜っ、
オレも愛されてぇ〜〜・・・」

「ちょっ、姐さん姐さん・・・・あれぇ〜、なんや急に・・・ハナちゃんの写真見
たくなってもーたなァ。ちょ〜っと、姐さんのいつも持ってはる可愛いハナちゃん
の写真・・・・見たいなぁ・・・・」

「・・・・・ハナ・・・・ちゃん?」

「なぁ姐さん、中学生もおることやし、ここは抑えなあきませんって。こんな姐さん
をハナちゃんが見たら悲しみますやろ」

「・・・ハナちゃ〜ん・・・・」

・・・あら〜、一体どんな思考回路になってるんだろ・・・
474 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:04
ん?

稲葉さんが、目で逃げろって合図してる。

ぺんっと師匠に頭を下げると、そぉ〜っと離れて、飯田さんの横へ移動する。

・・・ハァ〜、そりゃ美貴だって・・・

でも、折角ここまで地道に築き上げてきた関係を、今さらぶち壊したくないから。

誰に何と言われようが、今のままマイペースを貫き通してやる。

「うん、それでいいと思うよ」

「えっ?」

モノローグに普通に返事を返されて、ぎょっとして隣を向くと・・・・

モナリザの微笑みを浮かべた飯田さん。

「裕ちゃんの言う事なんか気にしちゃダメ。美貴ちゃんは美貴ちゃんらしく・・・・ね?」

久し振りですっかり忘れていたけれど。

相変わらずスゲー交信技術。
475 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:05
自分の気持ちを分かってくれる人がいるって、なんて心強いんだろう。

思いっきり、微笑み返す。

「うん、いい子だね」

そういうと、美貴の頭をなでなでしてくれた。

他の人なら、ガキじゃねーゾ、バカにすんな!・・・って思うけど、飯田さんだと
なんか許せる。

「愛があれば大丈夫・・・・ラブ&ピースだよ」

「・・・愛があれば・・・・ね。ところで愛ちゃん、何か面白い記事・・・載ってる?」

「の〜?」

「ぶっ、あっハハハハハハハハ・・・・・何それェ〜・・・ねェ、何で『の〜』なの?」

「あ〜・・・ちょっと油断してもーて・・・」

「クスクス・・・油断してたんだ」
476 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:07
「で、何でしたっけぇ?」

「ん?面白い記事」

「おっ・・・じゃあ、これなんか美貴ちゃんにピッタシや。・・・・・んしょっと」

「え、なになに?」

「えっとですね・・・牛レバ刺し食べ、4人がO157発症やて。えっと、都内と横浜
で、病原性大腸菌O157による下痢、発熱などの食中毒症状を起こしたと発表した。
原因は、生食用に処理されていない素材を使った牛レバ刺しとみられる。生食用の表示
のない素材を使った牛レバ刺しを出す店が多いのが現状と・・・あれ、美貴ちゃん?」

「・・・・・・うっそ」

「だぁ〜ってぇ、そう書いてあるもん」

「・・・それ、いつの新聞?」

「えっと、今朝」

「・・・・・都内?」

「うん」
477 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:08
「えっと、牛レバ刺し?」

「ほやよ」

「・・・・・」

「美貴ちゃん・・・顔色・・・悪いよ?」

「食べた」

「へ?・・・・レバ−?」

「うん」

「でも、何ともないんやろ?」

「紺ちゃんが・・・・」

「へ?」

「3日位前に食べたの・・・で、きょうお昼過ぎにメールしたら、紺ちゃん・・・・
お腹が痛いって言ってて・・・・」

「こんこんも・・・食べたの?」

「・・・・・・・どうしよう」
478 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:09
急に落ち着きが無くなった美貴ちゃん。

「大変、紺ちゃんが病気になっちゃったら・・・・美貴のせい・・・」

慌てて携帯を掴むと何やらメールを打ってる様子。

・・・・そう言えば昨日・・・こんこん・・・・

あぁ、そっか・・・なるほど・・・・


♪〜そうだそうだそうだまったくそのとぉ〜り♪

「えっ、もう返事来たの?しっかしまた、美貴ちゃん・・・なんちゅー着メロに・・・」

「ん・・・だって紺ちゃんがさ、面白いからって勝手にいじっちゃって・・・」

「ほぉ〜」

「えぇ〜っ!」

「な・・・何?」

「まだちょっと痛いって・・・・ど、どうしよう」
479 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:10
「だいじょ〜ぶやって」

「何で?だって痛いって言ってるのに。感染してたらどうするの」

「落ち着いてってばさ」

「落ち着けない。紺ちゃんにもしものことがあったら・・・・美貴・・・・帰る!」

いきなりバッと立ち上がった美貴ちゃんを、慌てて飯田さんと取り押さえる。

「離してよ」

「ちょっと美貴ちゃん、今から帰ってどーすんの?ね、聞いて。おととい・・・あっし、
こんこんと一緒やってぇ。急に生理が来ちゃって、ナプキン切らしちゃったからって
貸してあげたの」

「・・・・・へ?」

「知らんかった?」

「うん」

「こんこんって、たまに重いときあるから。ほやっけ今回もそうやったんじゃ・・・」
480 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:11
「なんだ・・・・そうだったんだ・・・・」

あらぁ〜、床にペタンと座り込んじゃった。

「だから、大丈夫やよ」

「・・・・・グスッ」

・・・・・?

「美貴ちゃん?」

「・・・・・美貴、何にも紺ちゃんのこと・・・・わかってあげれてない・・・・」

「そんなことえんて・・・気にし過ぎやて」

「なんか落ちこんじゃった・・・・」

フゥ〜ッ、と大きく息を吐いた飯田さん。

「ほら、何で落ち込む?紺野にしてみればいつものことなんだよ。だから、いちいち
言わないだけでさ。美貴にさ、本当に聞いてほしい事、知って欲しいことがある時に
はね、ちゃんと言ってくれるから。でしょ?」

小さくうなずく美貴ちゃん。
481 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:13
「キミ達はね、ちゃんと分かり合えてるよ。ほ〜ら、自信を持て」

♪〜そうだそうだそうだまったくそのとぉ〜り♪

「あ・・・・」

「ほらね?その通りって」

カシャ・・・・・ピッ・・・

「ね、何て?」

「・・・・ん、マネージャーさんに正露丸もらって飲んだら、治まったって。
・・・・・え?・・・・正露丸?」

「どした?」

「・・・・どんなにお腹が空いてても、もうお弁当を2個食べるのはやめます・・・・って」

「「 はァ〜? 」」

「・・・・食べ過ぎじゃん・・・・」
482 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:14
「ぶっ・・・・・・あっはァ〜・・・なァ〜んだ、違ったんや」

「紺野らしいね。でも、いつも一つで『あ〜お腹一杯』って言ってるのに、よっぽど
ハラペコだっんだね」

「・・・んだよ、心配して損した」

「そんなこと言わないでさ、心配してあげようよ、ね?お互いに思い合うって大切じゃない?」

「ん・・・・そうですね」

「やよ〜〜っ」

「いや愛ちゃん、省略し過ぎだから」

「・・・・やよ?」

ちょっと小首を傾げながら・・・・。

「クスクスッ、可愛いね、愛ちゃんは」

「うぇ〜、そんな事言わんで、気持ちわる!」
483 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:15
恥かしそうな愛ちゃんの表情が、美貴のツボにヒットした。

「んもぉ〜、かーわーいぃ〜!」

思わずムギュ〜ッと抱きしめて。

「おわぁ〜、ちょ〜・・・美貴ちゃんて・・・・」

隣で呆れ顔の飯田さん。

でも、美貴は満足。

「ゴルァ〜、藤本!」

「へ?」

「オレの愛ちゃんに手ェ出すなっちゅ〜とろーが、あ〜ん」

・・・やっべー、忘れてた。

見上げると、後ろから稲葉さんに羽交い絞めされたまま仁王立ちの中澤さん。

「えぇ度胸しとるやないかい、覚悟は出来てるんやろなァ」

「姐さん・・・アカンて・・」
484 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:17
「え、何で?・・・覚悟って・・・み、美貴が?・・・そ、そんな」

「あ〜いちゃん」

「・・・あい?」

「ちゅーさせてくれたら許す!」

「ほぇ〜っ、何であっしが・・・」

・・・愛ちゃん・・・

・・・美貴ちゃん・・・

「「 逃げろ! 」」

「待たんかい!・・・ちゅーだけや〜ってェ〜・・・」
485 名前:Usual days 投稿日:2005/06/28(火) 21:19

「あーあ、またバカ騒ぎしよってから。・・・二人とも、あげな恥かしかオトナに
なりよったらいかんばい」

「「 はーい! 」」
486 名前:たまえす 投稿日:2005/06/28(火) 21:22
亀更新で申し訳。でも、また少し開いてしまうと思います。

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
487 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/29(水) 02:19
更新お疲れ様です。

紺野さんは紺野さんらしいオチでしたねw

そして、高橋さんと藤本さんのカラミもいいですね。
某ラジオでいつもコンビで出演しているので、自然な感じです。
あと、ステキなお姐様方もw
488 名前:Usual days 投稿日:2005/07/02(土) 23:58
「梨華ちゃんてさぁ・・・・・」

「なぁ〜に?」

「・・・・・・ほんとエロいよね」

「・・・・ブーッ・・」

「うわ〜っ!」

「・・ゲホゲホッ・・・・ゴホッ・・・・ングッ・・・ウンッ・・・・ケホッ・・・」

「あ〜あ・・・ひどいョ梨華ちゃん、結構高かったんだよ?このTシャツ・・・・
もぉ〜びちょびちょ・・・・・」

「あ・・・・ご、ごめん・・・・早く脱いで?洗っちゃうから」
489 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:00
相変わらず忙しい真希ちゃん。

でも、ほんの僅かな時間を見つけては、こうしてうちに来てくれる。

なかなか渡せなかった『ハッピー』をやっとあげることが出来て、ホッとして。

もちろん、サイン&例のうさちゃんを書いて。

うさちゃんのおでこには、チャーミーのキスマークもサービス。

しばらく黙ってじぃ〜っと見入っていた真希ちゃん。

どう思ってくれてるんだろう。

・・・ドキドキ・・・

どーせ活字の部分は、すっ飛ばして見るだろうから・・・綺麗だよ・・・・・とか、
可愛いね・・・・・とか。

すっごい期待して待っていたのに、挙句の果てに出て来たのが、冒頭のセリフ。
490 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:01
酷くない?

丁度含んでいた紅茶を思いっきり真希ちゃんに噴出して、卸したてのカッコいい
Tシャツは濡れちゃって。

慌てて替えのシャツを出すと、呆けている真希ちゃんのシャツをスポッと脱がし
てタオルを渡してバスルームへ。

「梨華ちゃ〜ん、洗濯機でいいよぉ〜」

思いっきり濡れちゃった割には、のぉ〜んびりとした声がお部屋の方から聞えてくる。

「ダーメ。染みになっちゃう」

洗面台にお湯を張って、そっと揉み洗いをする。

「あのさー・・・・」

「ん〜?」
491 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:02
「梨華ちゃんにエロいってゆーのはねー」

「なぁ〜によぉ〜」

「めっちゃ誉め言葉だと思うんだよねぇ〜」

「全然誉めてないわよ!」

「そっかなぁ・・・・だってねだってね、ほら見てよ、うわっ・・・ほらこれなんか
・・・もう、どーすんの?こんなにさぁ・・・・あららぁ〜・・・んま!・・・・」

・・・あのねぇ。

「梨華ちゃんさー、これ・・・・1冊じゃ足りないかも〜」

「何で?」

「いや、そんな、な・ん・で・・・なんて・・・・ねェ。そんな野暮なことは聞くもんじゃないよ」

・・・・・・あ。

そう言えば・・・・・
492 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:04
華美の時も、ページがくっついたとか、擦り減ったって言ってたっけ。

洗い終わったシャツを干してから、お部屋に戻って。

「真希ちゃんて、いつもどんな写真集の使い方をしてるのよ」

あれ。

真希ちゃん、真っ赤になっちゃった。

「どうしたの?」

「いじわる・・・・・」

「へ?」

「絶対、知ってて聞いてるし」
493 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:05
「いや、だってね、くっついたとか、擦り減ったとか。普通じゃないわよ。どう考
えたって。そりゃーね、私の写真集を見ながら・・・その・・・してくれてるって
のは聞いたけど・・・・ねぇ」

「・・・・・ねぇ。・・・・・・・梨華ちゃんは無いの?」

「私はね、見ないでも出来るもん。いつも真希ちゃんがしてくれるから。目を閉じ
ればね、いつでもリアルに思い出せるもん」

「そっか・・・・」

「真希ちゃんさ、ずっと聞いてみたいと思ってんだけど」

「ん?」

「本当は、して欲しいんじゃないの?私に」

「え゛っ!」

「ね、どうなの?」

「そう来たか・・・・」
494 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:06
「だっておかしいじゃない。いつもしてもらってる私がね、会えなくて寂しくて、
一人で思い出しながら慰めるのはわかるじゃない。でも、真希ちゃんはさ、いつ
もしてくれる方なのに、私の代わりに誰かと・・・・とかじゃなくて、何で自分
を慰めてそれで気持ちを沈められるの?」

「・・・・そっか・・・言われてみればおかしいかも・・・」 

そう言うと、テーブルにあごを乗せて、考え込んでしまった。

「いや、あのさ・・・・そんな真剣に悩まなくても。・・・・ほら、私はね、そん
な風に真希ちゃんが私の事を思ってくれてるのが嬉しかったりもするの。
・・・・いいじゃん別に。会えない時はお互いに寂しいんだもの・・・・」

「梨華ちゃんはさぁ、どっちがいい?」

「どっちって?」

「ん?する方とされる方」

「・・・・される方」

「じゃいいじゃん、今のまんまで」
495 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:07
「・・・真希ちゃんは?」

「する方」

「じゃ・・・・いいんだ」

「丸く納まったネ」

「いいの?」

「だってほら、どうせしてもらおうと思ってもさ、前みたいに何時の間にか逆に
なっちゃうでしょ。だからさー、これでいいのさ」

「そうだね」

「・・・・梨華ちゃん・・・エロいからねぇ」

「ねぇ・・・・それ・・・結構、私的にはショックなんだけど」

「どーしてさ。梨華ちゃんはエロくなくちゃダメじゃん。ハタチのエロエロ・・・リズム?」

「エロチシズム」

「それそれ。分かってんじゃん」
496 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:08
「もう、いいわよ。・・・・ね、この本の中でさ、どの写真が真希ちゃん的にエロいの?」

「ん〜?・・・・えっとね、あれ・・・・最初の方のほら、桜木町から2つ目のビルに行く
近道の・・・」

「駅から?」

「ん〜と、変な板張りの橋の上の・・・・あ、これこれ」

「ねぇ、この写真のどこがエロいのよ」

てっきり水着の写真だとばかり思っていたら、真希ちゃんが指差したのは、いたって
普通のノースリーブにスカートで、さりげなく振り向いたところを写したもの。

「この口元がね、好きなんだよね〜。ほら、キュッてなってるじゃん」

「はぁ・・・・」
497 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:09
「あと、微妙な流し目もいいねェ」

「水着のヤツかと思った」

「チッチッ、それはシロウトの考えだね。梨華ちゃんのエロさはそんな生易しいもん
じゃないよ」

「どこまで人をスケベ扱いしたら気が済むのよ」

「あ、違うんだなぁ〜これが。スケベとエロを一緒にしちゃダメ。エロは哲学だから」

「何よそれ」

「だからさ、その辺りを追求するために、梨華ちゃんを抱く訳ですよ.。ごとーサンは」

「・・・・・本能の赴くままとしか・・・思えない」

「・・・・・自然の摂理に従うのも、これまた哲学」

「・・・・・・・・」
498 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:10
「ちゃんちゃん!」

「・・・・ところでさ、さっきの2つ目のビルって・・・・なに?」

「ん?ニイニイが言ってたじゃん。・・・・ほら見て?橋の向こうに写ってるじゃん、
これが2つ目のビル。・・・・」

「あ・・・・・、ここの事だったのかぁ」

「おそっ!」

「ホントにあるものだと思わなかったんだもん」

「ほら、ここの1階に塩のタコ焼きがあるのさ」

「ふぅ〜ん、良く知ってるわね」

「でも私はね、ケ−キマニアがお勧めだねぇ、やっぱ」
499 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:11
「え・・・・ケーキ屋さん?」

「そ。・・・そーだねぇ、やっぱ、トロピックからパッション・デ・フリュイに
行って、で次ぎに、サンギーヌとべリーベリータルトでしょ?んでモンブランで
締めて、最後にタルトフレーズと」

「締めてないじゃん。え、いつ行ったの?」

「オフの時」

「私は?」

「お仕事」

「え〜〜っ・・・置いてけぼり?」

「早トチリだし。梨華ちゃんを喜ばそうと思ってね、デートのロケハンに行った
訳ですよ」

「一人で?」

「もちろん」
500 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:12
「オフ・・・・なのに?」

「今度のオフの時にさ、一緒に行こうよ。何なら、1個目のビルのホテルでも
予約して、昼も夜も甘く過ごしちゃう?」

「・・・・真希ちゃん」

すぅーっと近づいてきた真希ちゃんに優しく抱きしめられて。

そっと目を閉じると、ふわっと唇に温もり。

プルンプルンとしばらく感触を楽しんだ後、スッと離れる。

「・・・・もう・・・時間?」

「うん、ごめんね、泊まれなくて」

「ううん、へーき」
501 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:13
「これ、借りてくね」

「うん・・・でも、いいの?ピンクだけど・・・別のTシャツ出そうか?」

「愛する梨華ちゃんが一緒にいてくれる気がするから・・・・これでいい」

「う・・・・うぅぅ・・・・」

「ほら、ハタチのお姉さんが泣いちゃおかしいよ?」

「・・・グシュッ・・・・うん」

「フォトブック・・・ありがとね」

「うん」

「じゃ・・・・行くね」

「うん・・・バイバイ」

「バイバイ」

・・・パタン・・・
502 名前:Usual days 投稿日:2005/07/03(日) 00:15
次の日のお仕事の、朝の集合時間がすごく早いのに。

こうして来てくれる。

無理しないでって言ったら、梨華ちゃん不足だといい仕事が出来ないって。

いくらメールで気持ちを伝えても。

どんなに電話で愛を交わしても。

抱きしめられる温もりに勝るものは無い。

愛してるよ・・・真希ちゃん。
503 名前:たまえす 投稿日:2005/07/03(日) 00:16
>>487 名無飼育さん様
ありがとうございます。

自分は某ラジオを一度も聞いた事が無いのですが、自然な感じが
出せていたようで、ホッとしました。
504 名前:たまえす 投稿日:2005/07/03(日) 00:17
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
505 名前:名無し読者 投稿日:2005/07/04(月) 12:34
ハッピー見たいな・・・
確かに梨華ちゃんはエロいですよね
506 名前:Usual days 投稿日:2005/07/08(金) 06:31
「あ・・・・美貴ちゃん(ハート)」

「紺ちゃ〜〜〜〜〜〜ん、会いたかったよぉ〜〜〜〜!」

・・・あ〜あ。またやってるし・・・

「グェッ・・・・みぎぢゃん・・・・く・・苦し・・・」

「ごめんね、寂しい思いさせて。もう大丈夫だかんね?」

・・・スリスリしてるし。おとといだって会ってるじゃん。昨日会えなかっただけじゃん。

「あのぉ〜・・・お二人さん?早く着替えないと・・・・」

「いいからほっとこうよ」

「・・・うん・・・・ね、柴ちゃん・・・」

「ん?」

「昨日さ、シャッフルで美貴ちゃんと一緒だったんでしょ?」

「うん」
507 名前:Usual days 投稿日:2005/07/08(金) 06:33
「変な事・・・してなかった?」

「え・・・変な事?・・・・あ〜・・・されてた」

「はぁ?美貴ちゃんが?」

「うん。中澤さんに追い回されてた」

「何やらかしたの?」

「お気に入りの愛ちゃんにちょっかい出したって」

「あらら」

「うん。中澤さん、『オレの愛ちゃんに手を出すな』とか言っちゃってね。よせば
いいのに美貴ちゃんもさ・・・ほら、以外と胸キュン系に弱いじゃん?愛ちゃん
の天然ブリッコにやられて思いっきり中澤さんの目の前で抱きしめちゃって」

「ホント怖いもの知らずなんだから・・・・」

「愛ちゃんにまでキスさせろって迫ってた。もう18やろ、ええやんか〜って」

「まあ、娘。なら誰もが経験する試練なんだけどね」
508 名前:Usual days 投稿日:2005/07/08(金) 06:34
「梨華ちゃんもされたの?」

「もちろん。だって普通に朝の挨拶代わりだから。逃げるとね、もっと凄くなるんだよ?
壁に追い詰めて逃げられないように両手で逃げ道を塞いで、ブチュ〜って。あいぼん
なんか、暴れて抵抗したら押し倒されてたし」

「怖いねェ」

「でもね、そんな後にはね、いつも真希ちゃんが優しく慰めてくれたの。私、怖くて
いっつも泣いちゃって」

「あれれ?そんな最近の話?」

「ううん、まだ娘。に入ったばっかの頃」

「え?じゃ、ごっちんが・・・何で・・・」

「私はね、凄くクールで優しい先輩なんだなってしか思ってなかったんだけど。後で
聞いたらね、その頃からね、私の事をね・・・好きだったんだって。んもぉ〜やだぁ〜」

「はいはい、そりゃ良かった。・・・・ところで石川サン?」

「エヘッ、なぁ〜に?」

「そのビブス・・・裏返しなんだけど」
509 名前:Usual days 投稿日:2005/07/08(金) 06:35
「・・・・あ」

「先に行くよ〜・・・」

「え〜、待ってよ、もう少しウオッチングしようって・・・行っちゃったし」

「おい〜っす、元気かな諸君!」

・・・あ、まいまい・・・おはよ。ね、見て見て、あの二人・・・・

・・・うん、また朝っぱらから。バカは死ななきゃ治らない・・・・ってか・・・

「あ・・・あの・・・美貴ちゃん?」

「え?もっと強く抱きしめて欲しい?・・・・そっかそっか・・・・」

・・・何でそうなるかな・・・

・・・恋は勘違いの連続なのよ・・・

「いや・・・あの・・・違くって、ほら・・・着替えて柔軟しとかないと・・・・」

・・・紺ちゃんはマジメだねぇ・・・

・・・そこが取り得だもん・・・
510 名前:Usual days 投稿日:2005/07/08(金) 06:36
「あ・・・ごめんごめん。そんじゃ・・・・はい、バンザーイして?」

・・・あ〜あ、ミキティも見境ないねェ・・・

・・・すっごい笑顔・・・

「はぁ・・・・バンザ・・・・って何でですか!」

・・・クスッ、分かってるくせに、またとぼけちゃって・・・

・・・でもさ、カワイイよね、美貴ちゃん・・・

「んもぉ〜決まってるじゃ〜ん、脱がせてア・ゲ・ル!」

・・・どうなのよ、あの鼻の下のだらしない伸びっぷりは・・・

・・・放送禁止・・・

「えぇ?・・・いや・・・・あの・・・自分で・・・」

・・・あーあ、紺ちゃん真っ赤じゃん、そりゃ恥かしいよね・・・

・・・でも、もういい加減・・・ねぇ・・・
511 名前:Usual days 投稿日:2005/07/08(金) 06:37
「ダ〜メ。美貴がするの!はい・・・いい子でちゅねー」

・・・紺ちゃん・・・大丈夫かな・・・

・・・朝から悪戯すると・・・また気絶しちゃうゾ・・・

「え・・・だから・・・えっと・・・」

・・・うわ、まだ赤くなるの?・・・

・・・トマトみたい。可愛いネ・・・

「ほ〜ら、バ・ン・ザ・イ・は?」

・・・ほら、そろそろぶっ倒れるんじゃない?

・・・もう誰も驚かないけどね・・・

「あ・・・あの・・・じ・・じゃあ・・・お、お願いします」



・・・ズルッ!・・・するのかよ!


512 名前:たまえす 投稿日:2005/07/08(金) 06:41
>>505 名無し読者様

ありがとうございます。

石川サンは・・・エロくて綺麗でカッコ良くて可愛くて。

川o・-・)ノ完璧です (^▽^ )アリガト     (VvV从 ・・・
513 名前:たまえす 投稿日:2005/07/08(金) 06:42

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
514 名前:無名し読者 投稿日:2005/07/08(金) 20:10
やっぱり いいなぁ 紺美貴
読んでて、DVDでザ☆ピ〜スの時、紺ちゃんとじゃれてるミキティの笑顔が思い浮かびました
2人の掛け合いに慣れっこになってる周りのメンバーが暖かく見守ってる感じが 微笑ましかったです
515 名前:Usual days 投稿日:2005/07/10(日) 20:29
「よ〜し、休憩!」

「「「う〜っす」」」

「はぁはぁ・・・・ングッ・・・か、体が・・・」

「ちょっと、まいちゃん大丈夫?」

「はぁ〜・・・年は取りたくないねぇ・・・・」

「何言ってんの。ひとちゃんに聞こえちゃうじゃん・・・年の話は、やば・・・」

「お〜い、り〜か〜ちゃん!今・・・何か言った?」

「うぇ?・・・・いえ・・・・何でも無いですボス・・・」

・・・ほら、聞こえちゃったじゃん・・・

・・・ゴメン・・・つい・・・すっげ地獄耳・・・

「しっかし暑いわ。あ・・ごめん、ちょっとタオル取ってくれる?」

「はいっ!どうぞ、ダ〜リン」

「「えぇ〜っ!」」
516 名前:Usual days 投稿日:2005/07/10(日) 20:30
頬を赤く染めて、恥ずかしそうにタオルを差し出したその人は・・・・

「ダ〜リンって、・・・こんなとこで何やってんの?」

「見学ですよ・・・・やっぱり練習をしている姿も・・・凛々しくてカッコいいです」

「見学って・・・あのねぇ・・・」

「いいじゃない、ねぇ三好ちゃん」

「ありがとーございます」

「・・・・はぁ」

「ちょ〜っとまいまい・・・なにタメ息なんかついてんのよ、応援してくれてるのに。
ねぇ美貴ちゃん」

「え・・・あぁ。梨華ちゃん、心配する事無いよ。ほっとけば?」

「あれ〜、冷たいのね」

「違うって。心配をする必要が無いっつってんの」

「・・・どして?」
517 名前:Usual days 投稿日:2005/07/10(日) 20:31
「だって・・・・もう付き合ってるもんねぇ、里田まい!」

「はァ〜?誰がそんな・・・あ。・・・・よしこぉ〜〜!しゃべるなっつったろ〜」

「あ〜ん?おらぁ〜何も言ってねー」

「じゃ何で美貴ちゃんが知ってんのさ」

「しんねーよ」

「だって、見ちゃったもんね、紺ちゃん」

「ねー」

「・・・な・・・何を?」

「先週の木曜日の夜、デートしてたでしょ」

「うっ・・・・・」

「はぁ〜?まいまい・・・ホントに?」

「・・・・え?・・・・いゃ〜・・・その・・・・」
518 名前:Usual days 投稿日:2005/07/10(日) 20:33
「紺ちゃんと焼肉食べに行ったのさ。そんでお店から出たときに、偶然目の前を
すッげー仲良さそうに歩いてたんだ。手なんかつないじゃってさ。もう見た目
は完璧にラブラブだったし。ね、紺ちゃん」

「そうですよぉ〜。美貴ちゃんたら、面白いから尾行しようって」

「え゛っ?」

「いや、してませんよ?」

「紺ちゃんにマジで怒られたからネ・・・」

「だって、ホントについて行こうとするから・・・」

「あはは。なぁ〜んだ、そうだったんだ。別に隠す事じゃないのに」

「・・・・そんな・・・わざわざ言う事でもないじゃん・・・」

「ね、ね・・・何がどうしてそうなったのよ〜。ちょ〜っと?」

「おーい、集合―っ!」

「ラッキー・・・・・ほら、絵梨香も逃げろ!」

「はい、ダーリン」

あ・・・逃げられた。
519 名前:たまえす 投稿日:2005/07/10(日) 20:35
>>514 無名し読者様

ありがとうございます。あのDVDは、本当に満足度120%でした。
520 名前:たまえす 投稿日:2005/07/10(日) 20:35
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
521 名前:Usual days 投稿日:2005/07/13(水) 20:57
フットサルの朝練が終って、リハーサルへ移動中の車内。

「紺ちゃん、お腹はもう大丈夫?」

「ほぇ?」

「ん?ほら、昨日・・・」

「・・・・あ」

いきなり、ボンッて真っ赤になった紺ちゃん。

「え?な、何で・・・何が恥かしいの?」

チラッと美貴を見て、また下を向いちゃって。

「そんな・・・食べ過ぎなんて、別に今さら・・・」

「違うんだもんね〜。あのですね、昨日あさ美ちゃんはですね・・・・」

後ろから、ひょこっと顔を出したみうな。
522 名前:Usual days 投稿日:2005/07/13(水) 20:59
「わっ、ちょっ、あぁ・・・ダメッてば・・・」

慌てて止めようとする紺ちゃんの突き出た唇をピッとつまんで。

「・・・・で?」

おとなしく固まってる紺ちゃんを不思議そうに見詰めているみうなに、先を促す。

「お弁当、2種類あったんですね。で、あさ美ちゃん、いつもみたいに迷ってたんです」

「・・・うん。別に恥かしい事じゃないよねぇ、そんなのしょっちゅうだし」

「はい。で、いつもは藤本さんが見かねて選んであげてますよね」

「うん。待ってたら休憩終っちゃいそうだからね」

「昨日、あさ美ちゃんはですね、みんながいる前で、『やっぱり決められな〜い。
どっちがいいかな美貴ちゃん!』って、おっきな声で言っちゃったんですよ。いる
訳ないのに」
523 名前:Usual days 投稿日:2005/07/13(水) 21:00
「・・・・・え?」

「それで、散々メンバーやらスタッフさんやらに冷やかされちゃって。で、テンパッて
結局両方ともヤケ食いしちゃったんです」

思わず、摘まんでいた唇を離した。

顔を覗き込む。

真っ赤。

「・・・・紺ちゃん、そうだったんだ・・・・」

プクプクほっぺを両手で包み込む。

「うわっ、熱いよ紺ちゃん」

美貴のほっぺをくっつけてみる。

んはは、マシュマロをチンしたみたい。

そのままチュッてしてから、顔を離してもう一度覗き込んで。

「こぉ〜んちゃん」

「あの・・・・あの」
524 名前:Usual days 投稿日:2005/07/13(水) 21:01
「ん?」

「心配・・・掛けちゃうと思って・・・」

・・・・クスッ・・・・

「心配・・・・・させてよ」

「・・・・・だって」

と、突然前のシートからニュッと顔を出した梨華ちゃんと柴っちゃん。

「昨日・・・思いっ切り心配してたもんねぇ・・・・みーきーちゃん!」

「え゛っ?・・・なっ・・・な・・」

「へへェ・・・・柴ちゃんに聞いちゃった!こんこんからお腹が痛いってメールが
来た途端、収録飛ばして帰ろうとしたんだって?」

「あぁ?・・・・コラッ、柴田あゆみ!また余計な事をしゃべりやがって・・・」

「あんだと?大体ねぇ・・・・」
525 名前:Usual days 投稿日:2005/07/13(水) 21:02
「ちょっと柴ちゃんストップ!」

「止めるな梨華ちゃん」

「違くて、ほら・・・紺野・・・」

「あ?・・・・あぁ〜・・・・了解・・・・」

そう言うと、二人はスッと引っ込んでしまった。

「え?紺ちゃ・・・・・・!」

横を向くと、一杯に涙を湛えた紺ちゃんの瞳が美貴を見詰めていた。

「ん・・・・美貴ちゃん・・・・ごめんね?」

「・・・・何でよ」

「だって、また心配掛けちゃった・・・」

「こぉ〜んちゃん、いいじゃん。美貴はね、いくらでも心配しちゃうよ?ね・・・・心配
したいの。それに・・・嬉しかったよ?紺ちゃんの心には、いつも美貴がいるんだなって」
526 名前:Usual days 投稿日:2005/07/13(水) 21:06
そっとおでこをくっつけて。

「・・・・美貴もね、いつでも紺ちゃんの事・・・考えてるから・・・」

「美貴ちゃん・・・・」



・・・あのさ梨華ちゃん・・・

・・・ん?・・・

・・・キス、してるのかな・・・

・・・はァ?・・・

・・・後ろの二人がさ・・・

・・・気になるんなら・・・見てみれば?

・・・そっか・・・

そぉ〜っと上から覗いてみると・・・

そこら中のシートの陰から二人を取り囲むように見え隠れする顔・顔・顔・・・

パチパチッと目が合って、驚いて一斉に頭を引っ込める。
527 名前:Usual days 投稿日:2005/07/13(水) 21:10
・・・あ〜びっくりした・・・

・・・どうしたの?

・・・何なのよ一体・・・この集団は・・・

・・・何なのって。ね、どうだったの?・・・

・・・え・・・出歯亀がいっぱいいた・・・

・・・いや、亀は乗ってないからね?・・・

・・・はい?
528 名前:たまえす 投稿日:2005/07/13(水) 21:12
次回まで、また少し間隔が開くと思います。

今回はここまでです。それでは失礼致しました。
529 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:23
「あいぼんってさぁ・・・」

「ん〜?」

「いつまでたっても・・・」

「なんや〜?」

「動くぬいぐるみ?みたいだねェ」

「お〜い!・・・それ、ちょっと酷くないかぁ?」

ハローのリハーサルの合間。

そろそろフットサル組みが合流するって頃になって。

加護ちゃんが急に膝の上に乗ってきた。

ハロモニ。の収録とか、このようなハロプロのお祭りでもなければ、普段は
ほとんど合う機会も無い。

すっかりお姉さんになったと思っても、やっぱり加護は加護。

愛くるしい容姿に憎めない性格。
530 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:24
でもその反面、頭脳明晰?で回転も早く、ことイタズラにかけては今だ敵無し。

常に何かを企んでいるようで、折角の可愛い笑顔も、人によっては悪魔の
微笑みに見えるらしい。

「何で酷いのさ。可愛いねって言ってるのに」

「ホント?」

返事の代わりに、頭をぐりぐりしてやる。

「んははははぁ〜、ちょっ・・・やめーや、アハハハハハハハ・・・・」

「やめろって言う割には嬉しそうだねェ・・・」

「あはあは・・・だって・・・こしょばいって」

「・・・よっと」

大笑いしてずり落ちそうになったあいぼんを、太股の上に引っ張り上げる。
531 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:26
「真希ちゃん・・・」

「ん〜?」

「・・・・・・重い?」

「ううん、へーき」

「・・・やっぱり」

「何が?」

「平気ってことは、我慢してんにゃんか」

「お、いい読みするじゃん。正確には・・・重いけど、まぁ耐えられなくも
無いかなってとこだネ」

「・・・じゃあ降りる・・・」

あ・・・・スネちゃった?

腰に回していた手を離して、私の膝から滑り降りようとしたあいぼんを、ギュッと
抱きしめて。
532 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:27
「重いゆーたやんか・・・・」

「嫌だなんて言って無いし。むしろ好きかも」

「だって・・・・」

「何て言いますか・・・この抱き心地の良さがですね、あいぼんなのですよ」

「何や・・・それ」

「物質には質量があって当たり前。あいぼんがスカスカに軽かったら、キモいじゃん?」

もう一度、ちゃんと座り直させて。

「ほら、これよこれ。この適度な重さとふわふわの抱き心地がね、あ〜・・・あいぼん
なんだねェ〜ってさ。結構癒されるかも」

「ほんまに?」

「あいぼんにはね、このまま変わらないでいて欲しいねぇ。みんな面と向かっては
言わないけどさ、キミに癒されてるメンバーって、多いと思うよ?」
533 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:28
「そっかぁ?・・・な・・・何だか恥かすぃ〜」

「なァ〜に照れてんだよ。可愛いなぁ〜、ホレホレ」

も一度グリグリグリ・・・・

「イヒヒヒヒヒヒ・・・・」

「そっかそっか、もいっちょホレホレ・・・」

グリグリグリ・・・

「ウヒャヒャヒャ・・・ウヒッ・・・あはははは・・・」

「あのねー、笑い方が和田さんになってるから」

「オレはオヤジか〜い!」

と、その時。

『おはよーございま〜っす』

ゾロゾロとリハーサルスタジオに入って来た体育会系集団。
534 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:30
「お、みんな来たねぇ」

「ん・・・降りる」

「ダーメ」

「だって、梨華ちゃんが・・・・」

飛び降りようとした加護を、グッと強く抱き寄せて。

「知らんで?怒っても・・・」

手を繋いで入って来たミキティとこんこんが、こっちを見て『え?』って顔をして、
後ろを振り向いてる。

その後に続いて入って来た、梨華ちゃんとのの。

「「あ゛〜〜っ!」」

こちらに気付いて、二人同時に叫ぶなりダッシュしてくる。

「ほらぁ、ヤバイって・・・」

降りようとジタバタするあいぼんをギュッてして。

「さて、どうなりますか・・・」

「知らんでぇ〜・・・・」
535 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:31
「あ〜いぼ〜ん、ずぅ〜るぅ〜い〜・・・」

ドタバタ走ってくるなり加護を引きずり下ろして、私の膝に乗っかったのの。

一緒に走って来た梨華ちゃんは、隣に座ると、

「ほら、あいぼんはここ!」

自分の太股をパンパンと叩いて。

「・・・・へ?」

予想に反して、すっごい笑顔で誘う梨華ちゃんを見て戸惑っている。

「なぁ〜によぉ、私の事は癒してくれないの?」

「ほら、座ってあげればいいじゃん」

「・・・・え・・・・しゃあないなァ・・・・」

恥かしそうに梨華ちゃんの膝に座って抱きしめられるあいぼん。

「あぁ〜、落ち着く」

「うん、こっちも落ち着くねぇ」

思わず梨華ちゃんと微笑みを交わす。

・・・キミたちには、いつまでもこのままでいて欲しいネ・・・
536 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:32
・・・何なんですかねぇ・・・

・・・でも・・・なんかいいじゃん・・・

・・・一瞬、修羅場になるのかと思いましたけど・・・

・・・梨華ちゃんも大人になったんだねぇ・・・

・・・クスッ、しみじみしちゃって。美貴おばちゃん!・・・

・・・うん、そうなの。ハタチを過ぎると・・・・・って、何でやねん!

・・・わぁーい、久々の乗り突っ込みだぁ〜・・・パチパチパチ・・・

・・・あのさ、紺ちゃん・・・ 

・・・はい?・・・
537 名前:Usual days 投稿日:2005/07/18(月) 18:37
・・・あれ?吉澤さん、顔色が悪いですよ。どうしたんですか?

・・・父ちゃんの立場はどうしてくれるんだ・・・  

・・・は?
538 名前:たまえす 投稿日:2005/07/18(月) 18:40
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
539 名前:なまっち 投稿日:2005/07/19(火) 00:46

いいなぁ
こっちも癒される…

久々に黄金期の娘。たち(みんな揃うとやっぱすごぃ)を見たぶん、
今回のお話は余計に癒されます…ぁぃぼん欲しい…
っていうか、作者さまの文章力なんでしょうけどね…

これからも頑張ってください〜

540 名前:Usual days 投稿日:2005/07/21(木) 22:55
「ミキティ・・・・ちょっと・・・」

「なに?」

「いいからちょっと・・・・」

「・・・・うん、紺ちゃんちょっとゴメンね」

「あ、はい」

朝のフットサルからそのままぶっ通しでリハーサル。

次々に発せられる先生達の指示に、条件反射のように、自然に反応する。

覚える事があり過ぎて、とっくに記憶力の許容は超えていて。

直接、身体に流れと動きを刻み付けていく。

暫しの休憩となり、壁際の床に座って、汗で濡れた紺ちゃんの髪を拭いてあげていた
ら、よしこに呼ばれた。

何だかはっきりとしない、よしこらしくない誘い方を不思議に感じつつ、後に続いて
廊下へ出る。
541 名前:Usual days 投稿日:2005/07/21(木) 22:57
「どうしたの?」

「うん・・・・・あのさぁ、久住の事なんだけど・・・・」

「・・・・うん・・・・」

「こないだ重さんと久住が話してたんだけどね・・・藤本さんて、どうしていつも
紺野さんと一緒なんですか?って、重さんに聞いてたんだよね」

「・・・・は?」

「うちらはもう慣れちゃってるから麻痺して何とも感じないけど、彼女の目には
不思議に映ったらしいんだ」

「え・・・でも、だって美貴達だけじゃ無いじゃん」

「うん。そりゃそうだけど・・・やっぱりミキティが気になるらしいんだわ。重さん
は、すっごく仲がいいからだよって答えてたけどさ。さっきも練習中に見てたらさぁ、
小春ちゃん、ミキティのことをずっと見てたよね。・・・もしかして・・・ミキティ
も、視線気付いてるのかなって。・・・・もちろん、こんこんも・・・ね」

「・・・・うん・・・知ってる、見られてること。美貴のことが好きだったって言って
たし、紺ちゃんも気付いてる。」
542 名前:Usual days 投稿日:2005/07/21(木) 22:58
「昨日、麻琴とも話したんだけどさ、うちら・・・もう少し、メンバーの前での接触
は控えた方がいいんじゃないのかな」

「それってさ、梨華ちゃんにピンクを着るなって言う位、難しくない?」

『ズルッ』

「・・・・ゴホッ、あのねぇ・・・真面目な話なんだから。ずっととは言わない。
だけど、小春ちゃんがもう少し環境に慣れるまで。一緒にいれば、そのうちに自然
に気が付くだろうし。いきなり本当の事を知ったら、ショック受けるかもしんねー
じゃん。まさか、リーダーとサブリーダーがメンバーのことをコマしてるなんて」

「ち・・・ちょっと待ってよ、・・・・コマシてるって・・・・」

「え?・・・・・してない・・・・・・の?・・・んなわきゃねーべ」

バシバシ背中を叩かれて。

「イタタタタタ・・・痛いって」
543 名前:Usual days 投稿日:2005/07/21(木) 22:59
ちょっと待って。

コマすって、どこまでの事を言うんだろ。

最後までは・・・ってゆーか、キス以上の事なんて・・・ほとんどしてないし。

でも、今さらそんな事を言っても誰も信じないだろうし。

「何赤くなってんのさ。・・・ま、とにかくさ、お互いもう少し我慢しよう。愛垣
と田亀コンビにも話しはしとくけど。でも、あの子のミキティを見る目って、他の
メンバーのとは明らかに違うからね?気を付けて」

「・・・・わかった」

言われてみればそうかもしんない。

・・・・そうだよね。ちょっと最近ベタベタしすぎてたかも。

でもさ、愛ちゃんと垣さんなんて、ライブ中にドサクサに紛れて抱き合ってたじゃん。

・・・DVDにモロに映ってて、自分達で驚いてたけど。

「じゃ、こんこんにも・・・・」

「ん・・・・言っとく」
544 名前:Usual days 投稿日:2005/07/21(木) 23:01
ま、しょうがないか。

そう。こないだも、某番組で、色っぽい〜の収録のリハーサルの時、間奏の
紺ちゃんと向き合うところで、思わず・・・・チュッ!・・・・って。

でも、美貴の後ろの麻琴越しに、よしこに見られてて。

後で聞いたら、美貴と紺ちゃんが向き合った横を擦り抜けた亀ちゃんはモロに
見ちゃって、すごい動揺してたらしい。

・・・紺ちゃんにも、「びっくりして、その後の後ろに下がるところで重さんに
ぶつかっちゃったじゃないですかぁ」・・・・って、すっごい怒られたし。

・・・でも、あの紺ちゃんの真剣な顔がさぁ・・・ (破顔)

めくるめく妄想の世界に入りかけた時。

「キャー!マジでぇ〜?ありがとぉ〜。あ・・・ちょー待ちぃ、お礼にチューしたるわ」

・・・・何だァ?

「ウェ〜、遠慮しときますぅ〜」

「逃げるなっちゅーねん、愛ちゃ〜〜ん」
545 名前:Usual days 投稿日:2005/07/21(木) 23:03
美貴の目の前を、有り得ない早さでピューッと走り去った愛ちゃん。

「あの・・・・中澤さん、何してるんですか?」

何やら胸に大切そうに抱きかかえて、ニヤけている。

「えっ?あんなぁ、愛ちゃんに写真集をもらってん。・・・ほら!かっわうぃ〜なぁ・・・・」

「あ〜・・・・・よ・・・良かったですねぇ」

「あ゛〜、マジで可愛い!オレの愛ちゃ〜ん・・・」

「あはは・・・・それは何よりで・・・」

・・・知らネーゾ。・・・垣さんのことを怒らせたら・・・

・・・実は美貴よりも恐いのに。
546 名前:たまえす 投稿日:2005/07/21(木) 23:04
>>539 なまっち様
ありがとうございます。

天真爛漫なあいぼんを見ていると、本当に癒されます。
547 名前:たまえす 投稿日:2005/07/21(木) 23:04
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
548 名前:みきみき 投稿日:2005/07/22(金) 15:11
初めて読んだ!!おもしろかったから
これからもファイト☆
549 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/23(土) 06:13
ミキティより怖いガキさん見てーw
550 名前:Usual days 投稿日:2005/07/26(火) 00:32
あれ?

愛ちゃんと入れ替わりに紺ちゃんが部屋を出て来た。

「紺ちゃん」

「・・・・あ、もうお話終ったんですか?」

「うん。どこ行くの?」

「ちょっとおトイレ」

「そっか。・・・一人でできる?美貴が一緒に・・・」

「なっ!・・・・・・だ・・・大丈夫ですから」

「そっか。紺ちゃんも、何時の間にか大きくなったんだねェ・・・えらいねェ」

「誰なんですか、一体・・・」

「んはは、まともに突っ込みも入れられるようになったし。あたしゃ嬉しいよ」

「私がこんなんなっちゃったのは、ぜ〜んぶ美貴ちゃんのせいですからね」
551 名前:Usual days 投稿日:2005/07/26(火) 00:33
「あれぇ〜、こういう時は、美貴様のお陰ですって言うんじゃない?ふつー・・・」

「お陰・・・・ってゆーか、あんまり有難くないんですけど」

「クスッ・・・朱に交われば何とやら・・・か。ほら、早く行かないと。
休憩終っちゃうよ?」

「あ・・・・じゃ、行ってきまぁ〜っす!」

ポーチを持って、足早に廊下の向こうに消えて行った。

さてと。

何か面白いこと・・・・無いかな・・・

・・・・・ん?

部屋に戻ると、美勇伝が新曲の振りを確認しながら、立ち位置かなんかを決めている。

・・・何で今さら。

「サブステージを使うから、振りを変えてるらしいですよ」

「へ?」
 
ギョッとして一瞬硬直する。
552 名前:Usual days 投稿日:2005/07/26(火) 00:33
またまたモノローグに普通に返事が返って来た。

そぉ〜っと隣に目をやると。

「え゛っ・・・・重さん?」

「はい!」

「あ・・・・い、いい返事だねぇ」

「エヘ」

「あの・・・・さ、一つ聞いていいかな」

「可愛さを保つ秘訣ですか?」

・・・ズルッ!・・・

「ちげーよ。今・・・さ、美貴の考えてる事、分かったの?」

「わかりません」

「はァ?・・・・でもさ、今見事に美貴の疑問と重さんの答えが噛み合ってたんだけど」

すると、ニコッと微笑んで、部屋の奥に視線をずらした。
553 名前:Usual days 投稿日:2005/07/26(火) 00:34
「・・・・?」

同じ方を見てみると・・・・。

これまた柔らかに微笑み掛けるあのお方。

思わず釣られて微妙に苦笑い。

「・・・・・どーゆーこと?」

「なんか、そんな気がしたんです」

「・・・そーなんだ・・・」

・・・・・怖!

と、ツンツン袖を引っ張られて。

「面白い事、ありますよ?」

「は?・・・・・ねぇ、重さんさ・・・ホントは分かってるんでしょ?」

「何をですか?」

不思議そうに首をかしげてる。
554 名前:Usual days 投稿日:2005/07/26(火) 00:35
・・・自然に身に付いた事だから、自覚が無いのか・・・・・?

でも・・・あまり踏み込んではいけない領域のような気もする。

「ほら、あの二人なんかどうですか?」

「ん?」

重さんが指差した壁際を見てみると。

・・・・・おっ! 

何故か仲良く座ってるごっちん&里田まい。

「うん、ちょっと面白そう」

「いってらっしゃい」

「いってきま〜っす」

こそっと近付くと、二人して顔を赤らめて、何やらヒソヒソやっている。

更に近付いて、耳を澄ます。
555 名前:Usual days 投稿日:2005/07/26(火) 00:37
「ごっちんさぁ」

「ん〜?」

「キてるね」

「結構ね〜」

「ヤバイよね」

「そ〜と〜ね・・・・」

・・・はぃ?・・・・何の話?

「まいちんさぁ」

「うん」

「この曲の衣裳・・・見た?」

「見た見た!ひらひらがいっぱいの・・・」

・・・・ん?

二人の視線の先には、踊っているそれぞれの彼女達。・・・・なーるほど。

「あんな衣裳で踊られちゃったらねー」

「ジャージでこんだけエロいのに・・・」
556 名前:Usual days 投稿日:2005/07/26(火) 00:39
「今度、美勇伝のツアーがあったらさー、最前取ってもらって二人でかぶりつきたいねェ」

・・・目の前に二人並んでヨダレ垂らしてたら、梨華ちゃんも三好ちゃんも、やりにくいじゃん・・・

「最前・・・いいねェ。本芸のロープ持ちさんがうちらの事見たら驚くだろーね・・・」

「やっぱりさぁ・・・」

「あの衣裳だったら・・・」

「「下から覗きたいよね・・・・」」




・・・・・オヤジ全開じゃん。


557 名前:たまえす 投稿日:2005/07/26(火) 00:40
>>548 みきみき様
ご覧頂きましてありがとうございます。
お気に召して頂けて嬉しいです。

>>549 名無飼育さん様
時々、熱い部分がチラチラと見え隠れしているような
感じがしたもので・・・


本日はここまでです。それでは失礼致しました。
558 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/27(水) 00:21
ここまで里田さんを夢中にさせるとは・・・
三好さん、恐るべし!w
559 名前:Usual days 投稿日:2005/07/28(木) 21:10
またまた大人数が入り乱れてのリハーサル。

これだけのメンツを一度に集めるのは大変なので、当然短期集中の特訓。

それでもスケジュールをブッキングできないメンバーもいて、代わりにダンサー
さんが胸と背中にゼッケンみたいなでっかい名札を着けてフォーメーションに
加わる。

本当に全員が揃うのは、公演当日のリハーサルだけ・・・なんてこともあったりする。

でも、いくら事前のリハーサルで完璧に覚えても、当日ガラッと変更になる事も
多々あって、てめぇ・・・ふざけるな〜・・・・ってマジ切れ寸前。

でも、みんなで励まし合って何とか乗り切るんだけど。

ハローのコンサートって、人によって得意不得意が結構分かれるみたい。

他のメンバーの持ち歌を、また別のメンバーが歌う訳で。
560 名前:Usual days 投稿日:2005/07/28(木) 21:12
だから、辻ちゃん加護ちゃんみたいに日頃から真似が得意な子は、ダンスレッスン
なんかしなくても出来ちゃってるし。

みうなみたいに、何故かごっちんの曲だけ完璧だったりとか。やる気!It's EASY
の時は、わからない子に教えてたし。

でも、それをじぃ〜っと見てた梨華ちゃんの機嫌がだんだん悪くなってきて。気付い
たごっちんが必死になだめてた。

油断してると、すぐヤキモチ焼くんだよね。

ハタチのおねーさんだから、昔みたいに態度には出さなくなってきたけど、でも
・・・顔が恐い。

ごっちんに、大変だね〜って言ったら・・・・

一言、「可愛いだろ」って。

思わずコケちった。

これがホントのバカップル。
561 名前:Usual days 投稿日:2005/07/28(木) 21:15
紺ちゃんは美貴にヤキモチとか焼いてくれてるのかな。

ほとんど態度には出さないんだよね、他のカップルみたいに。

先週亀ちゃんが衣裳でホットパンツをはいてたら、よしこがそれを見て「亀ちゃ〜ん、
いい足してるじゃ〜ん」とか言いながら、立派なフトモモをナデナデして。

亀ちゃんも「もぉ〜やめてくださいよぉ〜」なぁ〜んて喜んでたら、亀ちゃんは
れーなに、よしこは麻琴にスタジオの外に引きずり出されて・・・

その・・・凄い事になってたし。

さっきも、愛ちゃんを抱きしめてスリスリしてた中澤さんの後頭部を、ブチ切れた
垣さんが思いっきり台本でひっぱたいたりとか。

突然リハーサルルームに響いた『スパァ〜ン!』って音に、その場にいたメンバーと
スタッフ全員が凍り付いて。

でもその後で・・・・「ええ度胸しとるやないか・・・・」って、逆に気に入られ
ちゃって、垣サンまでスリスリされてたけど。
562 名前:Usual days 投稿日:2005/07/28(木) 21:16
中澤さんて、根性の据わった人が大好きなんだよね・・・・。

「裕ちゃんの事をひっぱたいたのって、あんたが初めてだよ」って保田さんが
呆れてた。安倍さんは大爆笑。

・・・・まぁ、美貴は紺ちゃん一筋だから、そんな心配無いけどネ。

でも・・・・・・

紺ちゃんは、もっと美貴を頼って欲しい。

ほら・・・今だって。

さっきおトイレから戻ってきてから、何かがおかしい。

よしこに釘を刺されたから、ちょっと距離を置いてはみたものの、何か不安を抱えて
いるような気がしてならない。

と、『ドンッ』と誰かにぶつかってしまった。

・・・ん?
563 名前:Usual days 投稿日:2005/07/28(木) 21:17
「藤本!」

「はい?」

「そこじゃないだろ、ボーッとするな!」

・・・いっけね・・・先生に怒られた。

「スイマセン!」

慌てて正規のポジションに戻る。

ススッと安倍さんが近付いて来て、コソッと

「大丈夫かい?」

「ハイッ、大丈夫です。ごめんなさい」

「ガンバ!」

「はい!」

笑顔を作って応える。

ほんの一瞬の気の緩みが、全員に迷惑をかけてしまう。

気になるけれど、今はリハに集中しなきゃ。
564 名前:たまえす 投稿日:2005/07/28(木) 21:19
>>558 名無飼育さん様
ありがとうございます。

三好さんは、やりよるのにやりよらん振りをしているだけかも。
里田さんは、よっすぃ〜のせいですっかりオヤジが定着してしまったような。

565 名前:たまえす 投稿日:2005/07/28(木) 21:19
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
566 名前:Usual days 投稿日:2005/07/31(日) 22:31
別に動きがおかしいとかじゃ無い。

けれど。

ずっと、何かを我慢しているような険しい表情の紺ちゃん。

他の人から見れば、真剣にやっているようにしか見えないだろうけど。

でも、美貴にはわかる。絶対にどこか具合が悪いはず。

再び訪れた休憩タイム。

紺ちゃんに確かめようと思ったら、美貴の方が先に安倍さんに捕まった。

「なした?・・・心配事・・・あるっしょ」

・・・・あ、紺ちゃん、出て行っちゃった・・・

「あ・・・・はぁ・・・・・まぁ・・・・」

美貴の視線に気付いて、ドアの方を振り向いた安倍さん。
567 名前:Usual days 投稿日:2005/07/31(日) 22:32
「やっぱり紺ちゃん・・・か。さっきの休憩の後から・・・ちょっと調子が悪そうだったね」

「えっ?・・・・やっぱり・・・安倍さんも・・・」

「藤本はそれが気になって集中できなかったんだ」

「・・・・ごめんなさい」

「ううん、・・・・・・引き止めちゃってごめん。早く行ってあげな?」

「はい、スミマセン」

ぺんっと頭を下げると、他のメンバーに気付かれないように後を追う。

廊下にはもう姿は無い。

・・・多分・・・またトイレ・・・

足早に廊下の角を曲がると、トイレの前で雅ちゃんがうろうろしている。

「あ、藤本さん・・・・」

「何してるの?」
568 名前:Usual days 投稿日:2005/07/31(日) 22:33
「あの、今おトイレに入ってたら、誰かが隣に入ってきたんですけど・・・
それが・・・どうも泣いてるみたいなんで・・・」

「えっ?」

「なんか・・・・すごく辛そうなんで、誰か呼ぼうかどうしようか迷ってたんです」

「誰だかわかる?」

「わかんないです」

・・・・ホッ。

「じゃさ、美貴に任せてくれる?」

「あ・・・・お願いします」

「いい?この事、他の人には言っちゃダメだかんね?」

「はい、大丈夫です」

「おし。じゃ部屋に戻ってな」

「はい」

後ろ姿が角を曲がるまで見送ってからトイレの中へ入る。
569 名前:Usual days 投稿日:2005/07/31(日) 22:34
扉の閉まってる奥の個室にそーっと近付くと、嗚咽を噛み殺しているような
声が僅かに聞こえる。

一気に全身がカーッと熱くなるのを覚えた。

・・・何でよ・・・・どうして?

そんなに辛い事があるのなら、何で美貴に・・・・

悔しくて・・・涙が出て来た。

・・・頼りにされていない。

あまりのショックに打ちひしがれて、ガックリと項垂れたままUターン
してトイレを出る。

とぼとぼとリハーサルルームに戻りかけた時。

「藤本、待ちなさい!」

・・・ビクッ!・・・

はっきりとした強い口調で呼び止められた。

見なくてもわかる。

・・・安倍さんの声。
570 名前:Usual days 投稿日:2005/07/31(日) 22:35
呼び止められた理由もわかる。

今の美貴は、最大級のネガティブモード。

きっと・・・・美貴の心理状態など、お見通しなのだろう。

頭の中で、紺ちゃんへの怒りと安倍さんに見透かされていた恥かしさが交錯して、
何も言えずにその場に立ち尽くす。

「いいの?」

「・・・・・・」

「このまま戻って・・・・いいの?」

「だって・・・・」

「だって・・・・何?」

「紺ちゃん・・・美貴・・・・の・・・・こと・・・」

「信じてない・・・・・とでも言いたいの?」

「・・・・・・・」
571 名前:Usual days 投稿日:2005/07/31(日) 22:36
「どうして分からない?どうしてわかってあげようとしないの。信じてない・・・
なんて、とんでもない。むしろ、藤本に助けを求めているんじゃないのかな」

「・・・・・助け?」

「紺野はね、藤本だけは自分の理解者だと思ってる。何があっても、どんな状況でも」

「・・・でも、あんなに苦しんでるのに・・・・」

「ほら。愛する人が苦しんでるって分かっていて、なして支えてあげようとしない?」

「美貴に・・・・何にも・・・・」

「前にも言ったはず。紺野の心の叫びは小さいよって。そんな事、藤本の方が
良く知ってるはずだべさ」

「・・・・・・」

「理由は分からないけど・・・・でも、何かおかしいって気付いたっしょ。
今、紺野が苦しんでるって分かってて、それでも何もしないのかい?」

「だって」
572 名前:Usual days 投稿日:2005/07/31(日) 22:38
「なっちはね、これ以上は言えない。ただ・・・・このまま戻ったらね、とても
大切なものを失いそうな気がする・・・・・そう思ったんだ。・・・・・・じゃ」

そう言い残すと、スーッと去って行った。

さっきまでの紺ちゃんへの怒りが、全部美貴自信に対するものに変わったのを感じた。

・・・・何やってんだ・・・・

「クソッ!『バキッ』」

思いっきり壁を殴ると、急いでトイレに戻る。

『コンコン!』

ノックをすると、中でバサバサッと音がして、また静かになる。

「紺ちゃん・・・美貴だよ、入れて?」

『えぇ?・・・・あ、あぁ・・・・グスッ・・・』

「早く!他の人が来ちゃうから」

また、中でバサバサ音がして・・・・・

『カチャッ』

ドアが少し開いた。
573 名前:たまえす 投稿日:2005/07/31(日) 22:39
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
574 名前:無名し読者 投稿日:2005/07/31(日) 23:56
うわぁー 何があったんだぁ紺ちゃん!
ミキティ頑張れ〜  そして安倍さんGJ!!
新曲初回版のジャケ写が何げに、ここのCP 3組できてますね ビックリしやした
今日のハロモニ。は見所満載で嬉しかたです(^-^)
575 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/31(日) 23:58
ええ〜!?
めっちゃ続きが気になります!
頑張ってください。
576 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:26
細く開いた空間に身体を滑り込ませると、すぐにドアのロックを掛ける。

振り向くと、壁にもたれてうつむいたまま、ひっくひっくの紺ちゃん。

「・・・・ね、どうしたの?」

「・・・あ・・・・わわっ・・・ほにゃ・・・へっ・・ヒック・・ってし・・・わぁぁぁ・・・・」

なんだかすごい動揺してて、何を言ってるのか聞き取れない。

またまた、身体中の血液が沸騰しそうな気配。

こんな時って、つい釣られてこっちまでテンションが上がってしまう。

ダメダメ。

僅かに持ち合わせている理性をフルに働かせる。

「落ち着け紺ちゃん、何があったの?教えてくれないかな」

プルプルしながら、ゆっくりと顔を上げた紺ちゃん。

美貴と目を合わせた途端、それまで真っ青だった顔が一気に真っ赤になって・・・
577 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:27
「・・・・へ?」

あら、また下を向いちゃった。

何だァ?

今まで何度も紺ちゃんの・・・・何て言うか、精神的に追い詰められたような
場面?って見てきたけれど・・・・・何か違う。

美貴に相談も無しに一人ですっごい悩んでるのかと思って、そっちの方が
ショックで悔しくて。

美貴の事を信じてくれていないんだって、勝手に思っちゃったけど。

美貴を見て赤くなったって事は・・・・・美貴に知られると恥ずかしい事。

・・・・・しまった、安倍さんに乗せられたか・・・・

早まった?

でも・・・・こんなに泣いてんじゃん、悩み事には違いない。
578 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:28
「ね、少し・・・・落ち着いた?・・・・良かったら教えてくれないかな。美貴が
助けてあげられる事・・・・無いかな」

ゆっくりと優しく話し掛けてみる。

「・・・・・あの・・・・・ヒック・・・・あの・・・・・」

「うん、なぁに?」

「・・・・その・・・・抜けなく・・・・なっちゃって・・・わぁぁっ!・・・・」

そう行った途端、クルッと壁の方を向いてしまった。

・・・・は?

・・・・抜けない?

「・・・・な・・・・何・・・・が?」

そう言えば・・・・最初にトイレに行った時、確か・・・・ポーチを持っていた・・・
あれは・・・・

個室の中を見回すと、横の壁の荷物置きにピンクのポーチ。
579 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:29
「紺ちゃん、これ・・・・」

取ろうとしたら、パッと先に引ったくられた。

胸に抱え込んでしまったポーチを、背後から紺ちゃんごと抱きしめて上から覗く。

「あ・・・・・・」

入っていたのは、2種類の・・・・その・・・・女の子の日に使う物。

抜けないって・・・・

「えぇっ!・・・・マジ?」

無言でカクカクうなずいてる。

抜けないってことは、当然あっちの方な訳で。
580 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:30
「いつ入れたの?」

「・・・・・・」

「あのさ、もうバレちゃってるんだからさ、諦めて二人で解決策を考えようよ。
美貴だって・・・一応女の子な訳だし、多少は紺ちゃんよりも長く生きててさ、
それなりの経験もしてるから」

「うぅぅぅ・・・・ご・・・・ごめんなさいぃ〜・・・・グスッ・・・」

「大丈夫だよ?それでさ、いつ・・・入れたの?」

「あの・・・今朝・・・です」

「そっか。じゃあ、始まってから・・・今日で何日目?」

「・・・・グスッ・・・・えっと・・・・えっと・・・・4日目」

「あっ!・・・そうか」

「えぇ?」

「愛ちゃんから借りた日からだ」
581 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:31
「な!・・・・・何でそんな・・・・」

「知ってるか・・・・って?愛ちゃんが言ってたから」

「・・・おしゃべり・・・・」

「そんな事は置いといて、いつもはさ、いつ頃使ってるの?」

「2日目から3日目で、フットサルかダンスがある時だけです」

「今日は?」

「朝練からリハーサルだったから、念の為にって思って」

「で、交換しようとしたの?」

「はぁ・・・・あの・・・あんまし好きじゃないんで、午後からはあんまり動きは
無いから、ナプキンに変えちゃおうと思って・・・・」

「抜けなくなちゃった・・・・」
582 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:33
「うぅぅぅ・・・・」

「ちょっ、ほらぁ〜泣くな!・・・・えっと、ヒモは付いてるよね」

「はい」

「で?」

「引っ張っても・・・出て・・・こない・・・痛くて・・・」

・・・・ピ〜ン!と来た。

「紺ちゃん、多分・・・・原因分かったかも」

「えっ?ホントですか?」

「いつも大体どれくらい?」

「へ?」

「ん?・・・期間が」

「あ〜っと、5、6日です」
583 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:34
「4日目って、多い?」

「いいえ、そうでも無いです」

「今日もさ、もしかして・・・少ないんじゃない?」

「ほぇ?」

「しかも、ちゃんと入っていないと思う」

「・・・・うそ」
「少ない日って、滑りが悪いから入れにくいし出しずらい。まして中途半端で
止ってたら」

「ど・・・・どうしよう」

「お医者さん・・・行く?」

「・・・・え?」
584 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:35
「めっちゃ恥ずかしい格好させられるんだよね」

「えぇぇぇぇぇ〜〜っ!」

「ぐぅわば〜っと、白衣を着たおっさんの前で、お股を広げなきゃいけないんだよね」

「あ・・・あわわわっ・・・い・・・嫌だ・・・絶対に嫌だ・・・死んでも嫌だ・・・」

「そんな時に限って、フライデーされたりして。紺ちゃんが婦人科から泣きながら
出てくるところなんかを・・・」

「・・・そ・・・そんなことされたら・・・・・私・・・・本当に死んじゃう・・・」

「でもね、安心していいよ。いい方法・・・・知ってるから」

「え・・・・お、お願い・・・・教えて?」

「美貴が抜いてあげる」

「はい?」

「だからぁ、美・貴・が・・・・・抜いてあげるから、安心して?」

「!?・・・あぅ、あわっ、あわわっ・・・・あの・・・・あの・・・・え?ぬ・・ぬ・・・・?」
585 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:38
        
    ・  ・  ・  ・  ・  ・
 
「なんや・・・・なっち、何してんの?こんなとこで」

「ん?何でもないよ?」

「じゃ、廊下を通せんぼしてないで通してくれへん?」

「あ〜っ、ダメッ!裕ちゃん」

「何でやの?漏れてまうやん。年取るとな、トイレが近くなって・・・・って、何言わすん?」

「いや、なっち何も言って無いし、お手洗いは1階にもあります」

「そこのを使わせてくれてもええやないの」

「あっ!・・・あのね、今・・・で〜っかいゴキブリがいたから立ち入り禁止なんだって」

「うっそ、ほら早う」
586 名前:Usual days 投稿日:2005/08/04(木) 00:41
「あ゛〜っ、裕ちゃん!ほら足元に・・・・うっわでかっ!」

「ギャ〜〜〜〜ッ」

バタバタバタバタ・・・・・・

ブッ・・・クスクスッ・・・・いる訳ないのにね。ホント、大っ嫌いなんだよね・・・・


『ギャ〜〜ッ!』 ドドドドド・・・・・

・・・・・へ?何だべ。

曲がり角の向こうから絶叫&走り去る足音。

現れたのはごっつぁん。

「あれ、なっち何してんの?」

「おーごっつぁん、あれ・・・梨華ちゃんは?」

「んぁ・・・いまそこで、すッげーでかいゴキブリがいてさ、梨華ちゃん恐いでしょ
って言ったら、恐くないもんって強がり言っちゃって。よせばいいのに、近づいて
行くから梨華ちゃんに向かって飛んできて。絶叫しながら逃げちゃった」


・・・・・いたんだ・・・・本当に。
587 名前:たまえす 投稿日:2005/08/04(木) 00:44
>>574 無名し読者様
ありがとうございます。

ジャケ写は本当に嬉しかったです。

>>575 名無飼育さん様
ありがとうございます。

もしかしたら、ご想像のベクトルとは正反対だったかも。
588 名前:たまえす 投稿日:2005/08/04(木) 00:44
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
589 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/04(木) 20:20
そうきたかー!!…藤本さんガンバ…!!
紺野さんもがんばれw
続き、正座して待ってます。
590 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/04(木) 22:32
藤本さんかっこいい・・・。
がんばれ!!こんこん、もっと正直に!
作者さんも頑張れ!!いしごまも見たいなァ・・・。
591 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/05(金) 01:27
予想外の展開w
ここから二人の仲はもっと進行しちゃうのでしょうか?
592 名前:575 投稿日:2005/08/05(金) 20:12
更新お疲れ様です。
こうきたか〜…っと意外ですねぇ。
でもこれを頑張って乗り越えてw
続き楽しみにしてますっ。
593 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:26
所詮、他人事には違いないが、あの二人のキューピット役として、ラブストーリー
の一端を担ってしまったという気持ちが、どうしてもお節介を焼かせてしまう。

既に、娘。の中で責任のある立場になった藤本。まだまだ短気は治らないけど、
わがままで生意気な小娘は、もういない。メンバーからも信頼され、リーダーを
きっちりとサポートして、みんなを上手くまとめている。

どこが赤点なのかと、つんく♂さんを小一時間問い詰めたくなるほど、見違える
程の変貌を遂げた紺野。オーディションを見て、誰が今の彼女を想像し得ただろうか。

もちろん、多くの関係者の尽力、ファンの人達の応援、そしてもちろん彼女達自身
の努力があったから。

でも、一番の大きな要因は、二人の愛・・・・じゃないのかな。

お互いを思いやり慈しむ心。それが彼女達を華麗な蝶として羽ばたかせたのだと思う。

・・・・それにしても。

一体,どないなっとんねん!

なんとも事態の動向が把握できずにヤキモキしていると・・・・
594 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:27
「あ〜、こんなとこにいたぁ〜。・・・・・安倍さぁ〜ん!」

パタパタパタ・・・・・・

「あれぇ〜亀ちゃ〜ん」

「もぉ安倍さぁ〜ん」

「なぁ〜に亀ちゃ〜ん」

いつもの亀ちゃんとの掛け合いはお約束。

「探したんですよぉ〜、そしたらみんなにトイレを見て来いって言われて・・・」

「そっかぁ〜、で・・・なした?」

「集合ですよぉ」

「・・・・早くないかい?」

「だって時間ですよ?」

・・・・ヤバイ。

「全員かい?」

「あれぇ〜、さっきの話・・・・聞いてなかったんですかぁ?」
595 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:28
「さっき?・・・・なんだべ」

「んもぉ〜、だからぁ・・・スッペシャル ジェネレ〜ション、カッチョイイゼJAPAN、
Magic of Love組以外は解散するから、他の部屋でユニット毎に合わせてもいいし、
帰って自主トレしてもいいけど、明日のゲネプロまでには仕上げておけって」

「はい!亀井先生〜、質問がありま〜っす」

「はい安倍くん」

「えっと、そのユニットの中に藤本さんと紺野さんは入っていますか?」

「え゛?」

「いや・・・・『え』って」

「絵里の所にはいませんよ?カッチョイイゼも吉澤さん新垣さんとさゆだけだし、
まじっくおぶ・・・って、安倍さんじゃなかったですか?大御所ばっかりの・・・」

「あのね、亀ちゃん?」

「何ですか、安倍さん!」
596 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:30
「大御所って、ちょ〜っとヒドくないかい?」

「え?・・・・あ、あれですよ、年寄りって意味じゃなくって・・・・その・・・エヘヘヘヘヘ・・・」

「とっとっとっ・・・年寄りぃ〜〜〜〜!」

「あっ、ほら・・・そんなことより集合しないと」

・・・・・そうだ、遊んでる場合じゃなかった。

「ちょっと亀ちゃん、こっちにきて」

腕を掴むと、トイレの前まで連れて行く。

「あれぇ〜、絵里のこと・・・連れ込むんですかぁ?」

「ブッ・・・・ゲホゲホ・・・ちっがぁ〜う、あのね、今の話をもう一度始めっからさ、
なっちとでっかい声で話してくれない?」

「何でですかぁ?」

「ん?そーだなぁ・・・人助け・・・・かな」

「はぁ・・・・・人助け・・・・ですか・・・・」
597 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:30
・   ・   ・   ・   ・   ・

美貴が抜いてあげる・・・・・って言った途端、また急にあたふたして奥歯が
噛み合わなくなっちゃった紺ちゃん。

「ね、今は痛むの?」

「あわわっ、あのあの・・・」

「ほら落ち着いて。痛み・・・・ある?」

「あ・・・・っと、無いです」

「動いても?」

「抜こうとしなければ全然平気です」

「でもさっきのリハ中、苦しそうな顔してたじゃん」

「えぇ〜っ、み・・・見てたんですか?」

「当たり前じゃん。美貴は紺ちゃんの事を一瞬たりとも見逃したくないの」

「美貴ちゃん・・・・」

「大丈夫?」
598 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:32
「あれは、なんか恐くて・・・それで」

「そっか。じゃあ、この後もまだありそうだけど、家に帰るまで我慢できそう?」

「大丈夫です」

「無理しちゃダメだよ?本当におっさんの前で大股開きする羽目になるからね?」

「だだだ大丈夫です!」

「おし。じゃあ今晩は美貴のところにおいで。ちゃんと取ってあげるから」

「あわわっ・・・わわわ・・・・」

「クスクスッ、舌・・・噛まないようにネ。・・・そろそろ集合だよね、あとどれくらい
で帰れるかな・・・」

悩みを抱えたままリハーサルなんかやっても、身になる訳がない。

早いとこ、連れて帰りたい。

そう考えていた時。
599 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:34
『あ〜、こんなとこにいたぁ〜・・・安倍さぁ〜ん!』

ドキッ!

『あっは〜・・・なぁ〜に?亀ちゃん』

トイレのすぐ外から聞こえた、安倍さんと亀の声。

『もぉ〜、探したんですからぁ・・・・集合ですよ』

・・・・やっべ、急いで戻らなきゃ

『集合って、全員かい?』

『んもぉ〜、違いますぅ・・・スッペシャル ジェネレ〜ション、カッチョイイゼJAPAN、
Magic of Love組だけ集合で、他は解散するから、他の部屋でユニット毎に合わせても
いいし、帰って自主トレしてもいいけど、明日のゲネプロまでには仕上げておけって言
ってたじゃないですか』

『ヘェ〜、居残り以外は・・・帰ってもいいんだって!じゃあ亀ちゃん行こうか。
えっと、安倍さんはいなくなるから気を付けてね〜っと』

『あの・・・・誰か・・・・いるんですかぁ』

『そんな事はどうでもいいから。行くぞ亀ちゃん!』

『あ〜〜〜』
600 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:35
「・・・・・紺ちゃん」

「・・・・え?」

「ホントはね、気になって一度トイレまで見に来たの。でもね、中で紺ちゃんの
泣いてるのが聞こえた時、紺ちゃんが一人で悩んでるって思って、悔しくって。
何で美貴に話してくれないんだろって頭に来ちゃって」

「あ・・・・・」

「すっごいショックで、そのまま部屋に戻ろうとしたの」

「あの・・・・」

「そしたら、安倍さんに捕まって、怒られちゃった」

「・・・怒られた?」

「うん。どうしてもっと紺ちゃんのことを分かってあげようとしないんだって。
苦しんでるって分かっているのに何もしないつもりかって」

「ほぇ・・・・」

「うぅぅ・・・グスツ・・・・」

「あ・・・あの・・・美貴ちゃん?」
601 名前:Usual days 投稿日:2005/08/07(日) 06:37
「安倍さんがね、気付かせてくれたの。それだけじゃない、今だって、どうして誰
もトイレにこないのかなって思ってたら、安倍さんが他の人が入れないようにして
くれてたんだ。美貴と紺ちゃんが話せるように。どこまでいい人なんだろう・・・」

「そうだったんですか・・・・そうですよね・・・・安倍さんが助けてくれたから、
こうして美貴ちゃんといられるんですもん」

「クスッ、助けられてばっかだね」

「安倍さんは、そういう運命を神様から授かったんですよ・・・きっと。
人を幸せにしなさいって」

「・・・・そうだね・・・・やっぱり、なっちは天使・・・・か。よし、行こうか」

「はい」
602 名前:たまえす 投稿日:2005/08/07(日) 06:38
>>589 名無飼育さん様
ありがとうございます。
足・・・しびれていませんか?

川*’ー’) おちょきんしねま!  (・e・ )いや、もうしてるから。

>>590 名無飼育さん様
ありがとうございます。
いしごまも、またそのうちに出てくると思います。

( ^▽^)最近出番が少ないって。  (´ Д `*) 梨華ちゃん・・・・

>>591 名無飼育さん様
ありがとうございます。
歩みは遅いですが、多分・・・進んで行くと思います。

川σ_σ|| 呼んだ? (^▽^ )あゆみは・・・遅い・・・

>>592 575様
ありがとうございます。
結局・・・下ネタに走ってしまいました。

川o・-・) 安易ですね  川VvV)・・・・・
603 名前:たまえす 投稿日:2005/08/07(日) 06:40

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
604 名前:Usual days 投稿日:2005/08/10(水) 06:26
急いで部屋に戻ると、もう居残り組の練習が始まっていた。

「美貴ちゃん」

「ん?」

「安倍さんが・・・」

「え?」

紺ちゃんの視線の先を見てみると、団体さんに紛れながら、チラッチラッと
こちらを見ている。

「心配してくれてるんですね・・・・・そーだ、安心させてあげませんか?」

「え・・・・どうやって?」

すると、ニマ〜ッと微笑んだ紺ちゃんに横から抱きしめられた。

「え、え・・・・」

そのまま、じぃ〜っと安倍さんを見ている。

と、安倍さんがこちらを見た瞬間、『チュッ』

・・・ホッペにキスされた。
605 名前:Usual days 投稿日:2005/08/10(水) 06:27
めっちゃ不意打ちで、ボンッ、と顔が熱くなる。

「こ・・・こ・・・紺ちゃんってば・・・・」

動揺した美貴のことはほったらかしで、安倍さんに「ラブラブですよ〜」なぁ〜んて、
小さく手を振っている。

安倍さんも、すっごい笑顔でうなづき返てくれてる。

「あ〜、良かった。伝わったみたいですね」

「あのねぇ、するならするって言ってくんないと。美貴にも心の準備っちゅーもんが・・・・」

「顔・・・・・真っ赤ですよ?」

「うっ・・・・・・うぇ?」

美貴の顔を覗き込んでニヤニヤしてるし。

くっそぉ〜・・・さっきまでボロ泣きしてたくせに・・・・

なんだよ・・・・その勝ち誇ったような、得意気な顔は。
606 名前:Usual days 投稿日:2005/08/10(水) 06:28
なんだか面白くない。

・・・・・負けるもんか。

「こぉ〜んちゃん!」

「は〜い」

声のトーンをグッと抑えて・・・

「美貴のことをイジメてくれたお礼に、今晩たっぷりと時間を掛けて・・・・
抜いてア・ゲ・ル・・・・からね?」

ほら。

しまった!・・・・って顔が、一瞬で真っ赤に染まった。

おし・・・勝ったゼ!

小さくガッツポーズ。

その時、背後から鋭い視線を感じた。

振り向くと・・・・・

「あ、よしこ・・・・・」
607 名前:Usual days 投稿日:2005/08/10(水) 06:29
いっけねー・・・・・ありゃ本気で怒ってるわ。

「紺ちゃん、逃げるゾ!」

「ふぇ?」

「いいから早く!」

右手で美貴と紺ちゃんのバッグを持って、左手で紺ちゃんの手を握って。

「んじゃ・・・・皆さんおっ先ィ〜〜」

「ふぇぇぇぇぇ・・・・・・・」

外へ飛び出すと、広い敷地の中を二人手を繋いで門までお散歩。

「あの・・・・」

「ん?」

「吉澤さん、なんだか怒ってたみたいだったですけど・・・・」

「うん。完璧怒ってた」

「なんでですか?」
608 名前:Usual days 投稿日:2005/08/10(水) 06:30
「うん・・・・あんね、小春ちゃんに影響するから、暫くはメンバーの前でいちゃいちゃ
するのを止めよう・・・・ってね、昼間言われたんだ」

「はぁ・・・・・あぁ、ごめんなさい、さっきのマズかったですか?」

「いや、紺ちゃんには言い忘れてたんだから、しょうがないよ。今度から・・・・ね」

「でも・・・おかしいですよねぇ」

「何で?」

「それじゃ、みんなが小春ちゃんに嘘をつく事になりませんか?・・・・・それで
・・・いいんですかねぇ」

「・・・・で、でもさ」

「そりゃ〜後藤さんと石川さんみたいに、いきなり始まっちゃう・・・・ってのは
どうかと思いますけど、でも普通にじゃれるくらいは」

「うん。でも・・・・まだ13だしさ、よしこもずーっとそうしろ、とは言わなかったから・・・・」
609 名前:Usual days 投稿日:2005/08/10(水) 06:31
「意識して離れてる方が、絶対に不自然です」

「・・・・まーね」

通りに出てると、タクシーを拾って。

焼肉屋さんに直行して夕食をしつつ、帰ってからの事を考える。

・・・美貴に任せて・・・な〜んてデカイ事を言っちゃったけど、実は・・・・
なぁ〜んにも考えていなかったりする・・・・

自分でだって、そんな経験なんか無い。

普通なら、やっぱ産婦人科に行って取ってもらった方が、いいに決まってる。

・・・ただ・・・

美貴だってまだ見た事の無い大事な部分を、他人に見せるだなんて・・・冗談じゃない!

まして、指とか突っ込まれたりしちゃったら・・・・絶対に大暴れしてやる。

原因は多分間違い無い。

そんな話を昔、聞いた事があったから。
610 名前:Usual days 投稿日:2005/08/10(水) 06:31
「美貴ちゃん!」

「・・・・へ?」

「これ、焼けてる」

いつの間にか美貴のお皿には、いい感じに焼けたお肉がてんこ盛り。

「ぼーっとしてると、みーんな食べちゃいますよ?」

美貴が考え込んでる間、紺ちゃんがせっせと焼いてくれてたようだ。

「んは、いっただっきまぁ〜っす!」

ま、いっか。

・・・・帰ってから考えよ・・・・
611 名前:たまえす 投稿日:2005/08/10(水) 06:32
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
612 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:10
私の不注意でこんなことになっちゃって。
どうしたらいいか分からなくって。

このまま出てこなくなったらどうしよう・・・とか。

このまま中でどんどん膨らんじゃって、お腹が『パンッ』・・・・って破裂しちゃったり
したらどうしよう・・・とか。

おっきいお腹をフライデーされて、『モー娘。紺野妊娠!』とか載っちゃったらどう
しよう・・・とか。

色々考えてたら、すっごく怖くなっちゃって。

美貴ちゃんに相談しようって思っても、事が事だけに、なんか言い辛くて。

でも、気付いてくれた。

私が悩んでいるのを、気付いてくれた。

おトイレで、私を呼ぶ美貴ちゃんの声が聞こえた時、本当に嬉しかった。

どうしてすぐに相談しなかったんだろう、あさ美のバカ。
613 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:11
だってあんなに自信タップリに、美貴に任せてって。

・・・・そりゃー、どうやって抜くんだろ・・・とか、不安はあるけれど。

もし、ナイショで病院とか行ったりしたら・・・・多分美貴ちゃん、激怒して私の処置
をしたお医者さんの事を・・・・・あ、やっぱり恐ろしくて言えません。

良くわかんないけど、とにかく頑張ってもらわなきゃって思って、一生懸命にお肉
を焼いてます。

「紺ちゃん、全然食べてないじゃん。ちゃんと食べなきゃ」

「あ、・・・あの・・・・でも・・・」

「・・・・そっか。んもぉ〜しょうがないなァ・・・ほら、あ〜んして?」

「あ?・・・・『パクッ』・・・・ングッ・・・・ケホッ・・・」

「こお〜んちゃん、そういう時はね、ちゃんと・・・美貴ちゃん食べさせて?って言う
んだよ?はい、このカルビもおいすぃ〜ぞ!あ〜ん」
614 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:11
「あの・・・・・」

「え?・・・・もしかして・・・恥かしい?照れてるの?キャ〜〜〜ッ、かっわいい〜〜〜!
・・・・もう、美貴おかしくなりそう。いゃ〜ん・・・・はい、あ〜ん」

「ん・・・・・あーん・・・・」

「うぅ〜ん、もお〜!か・わ・い・い」

「あぁ〜・・・・いえ・・・あの・・・」

「紺ちゃん、大丈夫だって。取りあえずさ、あの事は忘れて腹ごしらえしよ?なぁ〜ん
にも考えないで。実は美貴も何にも考えてないし」

「・・・・・へ?」

「ん?・・・・・あ!言っちゃった。なはは、いいから、はい、モグモグは?」


・・・・あの・・・・本当に任せて大丈夫なんでしょうか・・・・
615 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:12
そんなこんなで、お邪魔しちゃった美貴ちゃんの家。

今日は殆どスッピンだから、わざわざメイクを落とす必要はないので・・・

そのままバスルームに引きずり込まれて。

「紺ちゃん先に洗ってて。美貴はちょっと後から入るから」

「・・・・はぁ」

私だけ放り込むと、美貴ちゃんは部屋に戻ってしまった。

何だかちょっと拍子抜け。

・・・てっきり、えっと・・・私の口からは言えないような・・・・その、凄いことを
されるのかと、内心ビクビクしてたから。

どうするつもりなんだろう。

実は、本当に何にも考えてないのかも・・・・

いや、そんな事無い。
616 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:13
だって、今までだって美貴ちゃんが任せてって言ってくれた事は、全部良い
結果になったじゃない。

・・・信じなきゃ。


殆ど洗い終った頃、美貴ちゃんが入って来た。

「洗い終わった?」

「はい。もうあがりますから」
 
「ダーメ」

「・・・へ?」

シャワーと反対の壁際にイスを置くと、ポイッとタオルを渡されて。

「そこに座って髪でも乾かしながら、美貴が洗うのを見てて」

「え?・・・・な・・・何で・・・・」

「ん?いいから。美貴のシャワータイムの始まりぃ〜・・・」
617 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:14
「・・・・・はぁ」

「あれぇ〜・・・拍手は?」

「え?・・・あ〜っと・・・ パチパチパチ・・・」

クスッと笑うと、ザーッと一度身体を流してから、スポンジにソープを取って泡立てて。

そして、ゆっくりと首筋からスポンジを滑らせて行く。

目はじっと私を見詰めたまま。

いつも一緒に入る時って、大抵二人でくっついてるから、こんな風に美貴ちゃんが
身体を洗うところを見るのは初めてかも。

いいなぁ・・・・顔・・・ちっちゃくて。

手足も長くて。

かっこいいな〜・・・・

美貴ちゃんは、私の身体が羨ましいって言ってくれるけど、でも・・・・いいなぁ〜。
618 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:15
「・・・・・・!」

あれ?

なんか違う。

もしかして、わざとヤらしく見えるように洗ってませんか?

は・・・恥かしい・・・

思わず視線を逸らす。

「紺ちゃん・・・・ちゃんと見て?・・・・美貴のこと・・・・」

ふっ・・・と顔を上げると、スポンジでゆっくりと胸に円を描きながら、もう片方の
胸に指を這わして・・・・・その・・・・先っちょの部分を・・・・・

な、何で・・・そんな事してるんですか・・・

「・・・・見て・・・・・」

まるで魔法を掛けるような美貴ちゃんの言葉に・・・・・身体が熱くなってきて。

頭の中がしびれるような感じがして。
619 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:16
それでも目は、しっかりと美貴ちゃんの指の動きを追い掛けていた。

そのまま指は段々と下に降りて行って。

あの・・・・その部分に差しかかると、クルッと背中を向けてしまった。

内心、ホッとしていると。

「・・・良く見て・・・」

・・・・ふぇ?

鏡越しに私を見詰めている美貴ちゃん。

スッと少し足を開くと・・・・

えっ!?

あっ・・・・あぁ・・・・な、何を・・・・

形の良いヒップのその下の股間から、チラチラと指先が見え隠れしている。

「み・・・美貴ちゃん!」

壁を向いたままだけど、鏡越しに見える赤く染まった横顔が、グッと唇をかみしめている。
620 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:17
「ハァ・・・・ハァ・・・美貴・・・ね、紺ちゃんと・・・会えない時・・・・こうして
・・・慰めてるんだ・・・・・紺ちゃんの事を考えながら・・・・・」

初めて見る光景に動揺してしまって、心臓はバクバクで。

でも、どうしてなのか、視線を逸らす事ができない。

今度はシャワーを当て始めた。

壁にもたれかかって、あそこに近付けたり離したりを繰り返してる。

泡がすっかり流れてしまって、丸見えになってしまった美貴ちゃんの部分を食い
入るように見詰める。

初めて見る女性自身。

・・・・えっと・・・私も・・・女の子なのに。

何だろう、この感じ・・・

自分のだって、ちゃんと見たことなんかないのに。
621 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:18
もっとグロテスクなイメージを持っていたけれど・・・・・・綺麗。

シャワーをフックに掛けると、更にヒップを突き出して、その部分をいじくりまわ
している。

「えぇ〜っ!」

び・・・・びっくりした・・・・

思わず声が出ちゃった。

だって・・・・いきなり指を・・・・その・・・入れちゃった・・・・から。

「ハァ・・・ハァ・・・ン・・・・フ〜ン・・・ック・・・・」

徐々に高くなっていく美貴ちゃんの声に、私も身体の中から溶けていくような、
今までに感じた事の無い不思議な感覚に包まれてきた。

美貴ちゃんの長くて綺麗な指が、以外と弾力のあるその部分へ深く差し込まれ
たかと思うと、今度はゆっくりと引き抜かれて。

いつの間にか、入っている指が2本に増えて、どんどんスピードも早くなってきた。
622 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:18
「・・・・ンッ・・・ンッ・・・・ンッ・・・・あふっ・・・・あぁ・・・・紺ちゃん
・・・・こ・・・・紺ちゃん・・・」

目の前で展開している、この世のものとは思えないような不思議な光景に我を
忘れていたら、急に名前を呼ばれて現実に引き戻される。

私、ど・・・どうしたらいいの?

・・・・・!

美貴ちゃんって、いつも私の胸を触りたがる。

もしかしたら・・・・・

恐る恐る近付くと、壁にもたれかかって、息も絶え絶えの美貴ちゃんの背中に抱き
付くと、後ろから胸をそっと揉んでみる。

「あぁ〜っ、こ・・・紺ちゃん・・・・ダメッ・・・あっ・・・・」

以前、後藤さんが言ってた。

エッチの時の「ダメ」は、全部・・・「いい」・・だからねって。

・・・・じゃあ・・・・いいんだ。
623 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:19
でも・・・・どうしたら気持ちいいんだろ。

手のひらサイズの美貴ちゃんのバストを、そっと撫で回す。

少しして、ある事に気付いた。

指が先っちょに触れたときに、反応が大きくなる。

では・・・・実験。

先っちょを、そっと摘まんでみる。

「あぅ〜〜っ」

『ビクッ!』

あまりのリアクションに驚いて、手を離してしまった。

「い・・・・痛かった・・・ですか?」

涙目でチラッと私を見ると、小さく首を振る。

そっか。

気を取り直して、もう一度・・・・摘まんだり離したりを繰り返す。
624 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:20
「・・・んっ・・・・ちゃ・・・紺ちゃ・・・強く・・・あふっ・・・もっと・・・・」

・・・強く?

もう少し指先に力を込めて、キュッキュッと刺激し続ける。

「はうぅぅっ・・・あぅ・・・あっ・・・あっ・・・んっ・・・こ・・・紺ちゃん
・・・い・・・イク・・・」

「・・・え?・・・どこに・・・行くんですか?」

「ンッ・・ンッ・・ングッ・・・あ〜っ#$£刀梶I」

突然、声にならない絶叫?を上げたかと思ったら、そのままグッタリと床に倒れ
込んで動かなくなってしまった。

「あ・・・あの・・・あの・・・美貴ちゃん、だ・・大丈夫?」

心配になって抱き起こすと・・・・

「ウッ・・・うぅぅ・・グスッ・・・うっ・・・」

美貴ちゃんは・・・・泣いていた。
625 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:21
うっすらとピンク色に染まった身体。

真っ赤に上気した顔。

・・・・女の子・・・・

思わず抱きしめて、髪を撫でてあげる。

「美貴ちゃん、大丈夫だよ?すっごく綺麗だった。・・・紺野は・・・・感動しました。
何にも飾らない、何にも嘘の無い・・・・本当の美貴ちゃんって・・・可愛い・・・」

私の腕の中でヒクヒクしてる美貴ちゃんが、とても可愛くて。

抱きしめる私自身も、身体がすごく熱い。

なんだろう、この感覚。

「んくっ・・・・ごめんネ・・・いきなり・・・変な事・・グスッ・・・ごめん・・・・」

「ううん、謝らないで。だって、こんなに可愛い美貴ちゃんが初めて見れたんだもん。
ありがとう・・・・美貴ちゃん・・・・」

「くぅぅぅぅ〜っ・・・・うぅぅ・・・」
626 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:22
「泣かないで?大丈夫だから」

何がどう大丈夫なのかは良く分からないけど。

涙を拭ってあげながら、暫く抱き合ったまま感動の余韻に浸る。

「グスッ・・・あ〜あ、参った。ハァ〜・・・まさか紺ちゃんにイかされるとは思わな
かった。やるね〜、このテクニシャン!」

どれくらい過ぎただろうか。いきなり復活した美貴ちゃんに、うりうりされて。

「てっ・・てっ、テクニシャンって何ですかぁ」

「ん?ある特定の技術を身に付けている人のこと。だから、今の場合は、紺ちゃん
のエッチの技術が・・・」

「ちょっちょっ・・・・何で私なんですか」

「だって。誰が何と言おうと、美貴は紺ちゃんにイかされたんだからね?」

「だだだだって・・・だって・・・」

「だって?」
627 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:24
「見てられなくて・・・・その・・・私も・・・・美貴ちゃんのことを・・・良くして
あげたいって」

「そっか。やっぱり紺ちゃんって優しいね。だから好きなの。・・・・ねぇ紺ちゃん?」

「はい?」

「あの・・・・さ、こんな美貴を見て・・・その・・・嫌いになったり・・・」

「しません!だって・・・・どうして美貴ちゃんが、いきなりこんな事をしたのかは
分からないけれど、でも、もしかしたら・・・私のためなのかなって・・・」

「え?」

「だ・・・だって、その・・・・ほら、抜けなくなっちゃって・・・・だから、もしか
したら美貴ちゃんが何か考えがあって・・・こんなことしたのかなって」

そう私が言ったら。

美貴ちゃんは、クスッと微笑んで。

「紺ちゃん、いい読みしてるじゃん」

「・・・・ほぇ?」
628 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:25
「抜いてごらん?」

「えぇぇっ?・・・・でも・・・・」

「ゆっくりと引っ張ってごらんよ」

「でも、昼間・・・すっごい痛くて・・・全然抜けなくて・・・」

「騙されたと思ってさ。ちょっとでも痛かったら無理しなくていいから。さ、ほら」

何で?・・・だって、何もしてないのに。抜ける訳・・・ないもん。

そう思いながら、股間をまさぐって、ひもをつまんで。

「美貴に抜いてほしい・・・・とか?」

以外に近くで聞こえた声に、びっくりして顔を上げると・・・・

「きゃ〜〜っ・・・・なななな・・何してるんですかぁ〜」

床に伏せて、思いっきり私の・・・・その・・・あそこを覗き込んでいる美貴ちゃん。

慌てて股を閉じる。
629 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:26
「あ〜・・・ずるいじゃ〜ん、美貴のあそこ・・・思いっきり見ちゃったクセに・・・・」

「な・・何言ってるんですか、自分で見せたんじゃないですか!」

「もう一回・・・・見る?」

「わぁ〜〜〜っ」

目の前でいきなりがばっと足を広げた美貴ちゃん。

びっくりして目を閉じる。

「なはは・・・冗談だって。ほら、目を開けて・・・」

「え・・・・ホントに・・・・・〆!ギャ〜〜〜ッ!!」

そっと目を開けると・・・なんと、お股全開。

思わず絶叫して、慌てて後を向く。

「もう嫌・・・・絶対嫌・・・何でいじめるんですか・・・」

「そんなこといいからさぁ、早く抜かないと。折角の苦労が・・・・」

「どこが苦労なんですか。ホントは私のことを・・・」
630 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:27
と、ふわっと後から抱きしめられた。

「ほら、早くしないとまた抜けなくなっちゃう・・・」

「・・・・え?」

「ほら、紺ちゃん」

さっきまでとは違うとても優しい声。

気を取り直して、もう一度ひもをつまんで・・・・恐る恐る引っ張ってみると・・・

ヌプッ・・・

「・・・へ?」

「どしたの?」

何の抵抗も無く、ポトリと抜け落ちた。

「・・・・・・と・・・・取れた・・・」

「おー!やったじゃん、良かったねぇ・・・」

「えっ?・・・・えぇっ?・・・何で?・・・痛くない。全然痛くなかった」
631 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:28
「クスクスッ・・・ほら。言ったっしょ?美貴に任せろって」

「だって・・・・どうして・・・・」

訳がわかんない。

絶叫するほどの激痛だったのに。

「教えてあげよっか?」

「はい」

「美貴の一人エッチを見てね、紺ちゃんが感じちゃったから」

「は?」

「だから、紺ちゃんがね、美貴を見ていっぱい感じたでしょ?それであそこから
エッチなお汁がいっぱい出てきたの」

「はぁ・・・・」

「要はさ、出血の少ない日にタンポンを入れようとしたから途中で動かなく
なっちゃった訳じゃん?多い日なら血で滑るからなんちゃないけど。だった
ら、人為的に滑りを良くしてやりゃいい訳ですよ」

「ほぉほぉ・・・」
632 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:29
「紺ちゃんに直接エッチな事をしても、すぐ気を失っちゃうじゃん。だったら、
ここは美貴が一肌脱ぐしかないな・・・・ってね。わかった?」

「まぁ・・・・なんとなく・・・」

「ほら見てみ。ねっとり透明なのがまとわりついてるでしょ?これが紺ちゃんの
エッチなお汁・・・」

「わわわっ、あわわわっ・・・・なっ・・・ダメェ〜〜ッ!」

目の前に、抜いたばっかの物体をプラプラぶら下げられて・・・・

全身が総毛立って、慌ててひったくる。

「あ〜あ、もう少しでチュッパチャップスできたのに・・・」

「はぁ・・・チュッパチャップス・・・?キャンデー・・・って、まさか舐めようと・・・」

「だって、美味しそうじゃん。紺ちゃんのがタップリと染み込んでてさぁ」

「・・・・変態」
633 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:31
何だかんだで、結局お風呂に2時間近くいて。

上がると、そのままベットに直行。

今思うと、美貴も・・・良くあんな事をやったもんだと。

思い出しただけで、美貴の方が気絶しそう。

確信なんてなかったけど、ま・・・結果オーライ?

「美貴ちゃん」

「ん?」

「あの・・・どうもありがとう」

「ううん、いいって」

「でも・・・」

「ね、もういいじゃん・・・・そだ!美貴の方こそ・・イかせてもらってありがとう」

・・・お?・・・ノーリアクション。
634 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:32
顔を覗き込む。

あらら真っ赤。

「また・・・・してくれる?」

「いじわる」

「じゃあ、今度はお返しに美貴が紺ちゃんをイかせてあげよっか・・・」

抱きしめてる腕の中で、紺ちゃんの身体がビクッ、と飛び跳ねる。

「でもさ、最初の頃は人のエッチシーンとか、エロトークだけで気絶してたのに、
段々と免疫がついてきたのかねぇ」

「おやすみなさい」

「あれぇ〜、もう少し美貴と・・・ウィットに富んだトークを楽しもうよ・・・」

「エロトークじゃないですか」

「美貴の・・・・全部見られちゃったね・・・ホントはね、死ぬ程恥ずかしかったの」

「あの・・・・あんなの初めてで・・・・でも、美貴ちゃん・・・綺麗だった」

「紺ちゃん・・・」

「美貴ちゃん・・・」
635 名前:Usual days 投稿日:2005/08/12(金) 22:34
そっと口付けて・・・ギュッと抱きしめて。

少しずつ深いキスへと変えていって。

柔らかな舌を絡め取って、じわじわと吸い上げる。

・・・もうそろそろ・・・・かな。

キューッと強めに吸った時、両腕にズシッと重みが掛かった。

おやすみ、紺ちゃん。


・・・お願いだから、夢の中では美貴のあそこにモザイク掛けといてネ。
636 名前:たまえす 投稿日:2005/08/12(金) 22:37
本日はここまでです。帰省するため、次回更新は遅くなると思います。

それでは失礼致しました。
637 名前:名無し読者@446 投稿日:2005/08/13(土) 00:17
こんなに萌え燃えなシーンを見せてもらって有難う。
時々早朝に更新されてるのを見て、無理をされて
ないですか?と思ひます。  
作者さんのペースでがんがってくらさい。

今回は、白熊を噴射するとこだった・・・
638 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/13(土) 00:29
うっひょーエロエロだぁー
うぶだけど天然テクニシャンのこんこんが素敵w
強気なんだけど実は受け?のミキティもいいですねぇ

御帰省前に区切りのいいところまでの更新、お疲れ様です。
639 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/13(土) 22:15
うあー!後藤さん紺ちゃんに何教えてんだぁ〜〜!!
…失礼しました。更新お疲れ様です。
そっかーこうゆう方法だったんですね。
無事解決してよかったよかった。
帰省楽しんできてください。
640 名前:無名し読者 投稿日:2005/08/18(木) 10:45
意外な方法でビックリしました
少しずつ進歩していく二人を楽しみにしてます
作者さん 無理なさらず頑張って下さい
641 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:16
・・・・何よ、嬉しそうに。

美貴ちゃんも美貴ちゃんよ。あんなに抱きしめる事・・・・ないじゃない・・・・・

「ペン子ちゃ〜ん、つぼみの事・・・好き?」

「ペ〜ンペンギンギンペ〜ンギンギン!」

「ウゥ〜ン・・ホントにいい子ねェ!よしよしっ」

「ペェ〜ン」

・・・・何がペェ〜ンよ。


「あらぁ〜・・・またや・・・」

「何?愛ちゃん」

「石川さん」

「んぇ?」

「ほら・・・・眉間にシワ寄せちゃって」

「あ〜あ、もぉ〜・・・嫌なら見なけりゃいいのに」
642 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:17
「こげなとこで、なんしょーと?」

「おー、田中っち。ほら、またいつもの石川さんの・・・・」

「あ〜・・・いつまで経ってもラブラブでいいっちゃね〜」

「ラブラブ・・・・ってゆーかさ、何であんなにヤキモチ焼くかな。台本だし、
しかも・・・あんな小芝居でさ」

「ほやね・・・美貴ちゃんがこんこん一筋やってぇ分かっとるやろ・・・」

「あれだ、トメ子にもちゃぶ台用意してあげれば?」

「あっは、ひっくり返せば気が晴れるかもしれん」

「着ぐるみ抱きしめてるだけなのにね」

「垣さんだって、めっちゃヤキモチ焼くっちゃろ?」

「ちょっと待ってよ、私はそんな事しないし」
643 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:18
「ちょー待って・・・・まーたそげんこと言ってから。中澤さんのことひっぱたいたの
・・・・誰やったっけ?」

「だぁ〜って、あ〜れは仕事とは無関係でしょ〜が。たぁ〜だ愛ちゃんにくっつき
たいだけでさぁ、もうホンット腹立つ」

「里沙ちゃん・・・・」

「・・・んえ?」

「カッコいい・・・・」

「はぁ?」

「だいしゅき〜〜!」

「おわぁ〜〜〜っ、わわわっ、あ〜いちゃん、判ったから・・・・・ぐるじぃ〜」

「嘘やん・・・わかってえんて・・・おりゃ」

「グェッ・・・・んもぉ〜なぁ〜んでよ」

「あれぇ〜・・・・最近冷たい。前は・・・あっしが抱きしめたら、里沙ちゃんも優しく
抱きしめ返してくれたのに・・・・もう・・・二人の愛は冷めてしまったのね・・・・」
644 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:19
「はぁ〜?・・・・んもぉ〜、違うって。吉澤さんに人前でいちゃつくな、って言われ
たでしょーが。・・・ほら、二人だけの時にさ、い〜〜〜っぱい抱きしめてあげるから」

「・・・ちゅーも?」

「するする!いっくらでもしてあげるから」

「りぃ〜さちゃん」

「な・・・・何?」

「・・・・愛してるぅ〜〜〜!」

「グェッ・・・・・お〜〜〜い!」


・・・あ〜あ、アホやね。こげなとこ吉澤さんに見つかりよったら、ま〜た怒られるとたい・・・・
645 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:20
「ねぇ梨華ちゃ〜ん、まだ怒ってるの?」 

「怒ってないもん」

「んはは」

「な〜によぉ・・・」

「いや、可愛いなぁ〜・・・ってね」

「・・・可愛くないもん」

「どーしてさ」

「・・・・わがまま・・・・だから・・・」

「おー、わかってんだ・・・一応・・・」

「・・・・・・・・」

ハロモニ。の収録では、もう恒例行事となってしまった石川梨華のプチ嫉妬。

私が収録に入るのは、司会を拝命した梨華ちゃんに比べたら、ほんの一部な訳で。

ペン子だけ撮り溜めして帰る事もあったりするが・・・・
646 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:21
始めのうちは、大好きなピンク色のペンギンの着ぐるみを着た私を見て、めっちゃ喜ん
でいた梨華ちゃん。

でも、何時からか、つぼみちゃんとの絡みを見る表情が険しくなってきて。

まあ、まだミキティに対して八当りとかは無いからいいんだけど。

でもミキティも当然気付いていて、面白がってわざと必要以上に可愛く絡んできたりする。

要は、また文麿のときみたいに私と二人で絡みたい・・・・ってだけなんだけど。

構成作家さん曰く、゛石川と後藤を絡ませると変にナマナマしくなるから、お昼には
不適切″・・・・・・だそうな。

大体、トメ子とペンギンのどこが生々しいのかと。

そうじゃなくても、収録中に押し倒したりするわけないのに。
647 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:23
一緒にコント収録できるんだからいいじゃん、って言って宥めるんだけど、何回言って
も駄目なんだわこれが。

とまあそんな感じで、楽屋トークの続きになりますが・・・・

「梨華ちゃ〜ん、何でヤキモチ?そりゃ〜ね、何にも感じないってよりは、ちょっとは
嬉しかったりもするけどさぁ、相手・・・ミキティだし。あんなに可愛い彼女がいるの
にさ、浮気なんかするわけ無いじゃん」

「・・・うん」

「ほら、前にリハーサルの時だってさ、よっすぃ〜の言う事聞かなくって、四の字
固めくらっても紺野のこと離さなかったし・・・・」

「・・・うん」

「ほら、私の目・・・・見てみ?」

「え?」

「ほら、ちゃんと顔を上げて。まっすぐゴトーさんの目を見て・・・・・・そ。
誰が映ってる?」

「・・・・わたし」
648 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:24
「ね?私には梨華ちゃんしか見えないんだから。愛する梨華ちゃんしか見えないの」

「・・・・ごめんね」

「梨華ちゃん的にはさ、私の愛が足りてないのかな・・・いつも聞くようだけど」

「・・・ううん」

「そっか、足りないか・・・・」

「え・・・そんなこと・・・・・・あぁ!」

衣裳を着て、メイクも終ってのスタンバイ中だから、あまり脱がしたくないし、キス
もできればしないほうがいいんだけど・・・・。

横から抱きしめると、自分の髪を押さえていたクリップで梨華ちゃんの髪を左耳が出
るようにピッと留めて。

衣裳の上から胸を両手で包み込み、先端を刺激しながら、耳の輪郭に沿ってゆっくり
となぞるように舌を這わせる。

「あぅ・・・・・あっ・・・・ダメッ・・・・真希・・・ちゃん・・・・」
649 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:25
時々、梨華ちゃんの身体がブルッ、と震える。

みるみるうちに、真っ赤に染まった可愛い梨華耳を、時間を掛けてゆっくりと味わう。

荒くなってきた呼吸を御魔化すかのように発するくぐもったうめき。

「・・・・ングゥ・・・・・ダメ・・・・濡れちゃう・・・」

「今日はジーンズだから、濡れてもわからないよ」

以前、ミニスカートに生パンの衣裳の時、収録前に楽屋でイタズラをしている最中に
急に呼ばれたことがあって。

スタジオに移動してリハーサルをしている途中で、梨華ちゃんがそわそわし出して。

良く見ると。

ふとももの内側を、一筋の透明な線が・・・つーっ、と垂れている。

幸い誰も気付いてなくて、慌ててセット裏に引きずり込んで、ハンカチで拭いて
御魔化して。
650 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:26
次ぎのスタンバイの時に、私が持っていた予備のショーツに着替えさせた・・・・
なーんて事があったから。

そうそう、その時は生パンミニだったから、最初からそのつもりでネイルを両面
テープで留めていて、右手の中指と薬指だけ外して××してたから・・・・

スタジオで、いきなりミキティに『ごっちん、ネイル取れてるよ』って言われて・・・・
思わず、あ・・・ホントだ・・・落としたのかなァ・・・なんて御魔化したけど。

でもその後で、不自然に内股で歩く梨華ちゃんを見て一人満足気にうなづくと、
ススッと私に近寄ってきて。

「ごっちん・・・・本番前に・・・本番しちゃったんだ・・・・」

ボソッと耳元でいきなり核心を突かれて。

「あ〜〜〜・・・・何だかねぇ・・・・」

カラカラと笑うミキティに、訳の分からない返事を返したっけ。
651 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:27
小さなピンクのハートのピアスが梨華ちゃんらしくて可愛い。

「ん・・・・んんん・・・・あう・・・・あ・・・・」

「可愛いよ・・・・ほら、衣裳の上からでも尖ってるの・・・わかるよ」

「イヤン・・・・・あ・・・・ン・・・・も・・・もう・・・・」

軽く触れただけで、衣裳の下でパンパンに立っている乳首を感じる。

先端をクイックイッと押したり離したり。

次第にジーパンを履いたままの股を擦り合わせ始める。

「梨華ちゃん・・・・どうする?この辺で止めとく?」

「・・・・え・・・・・嫌・・・・・意地悪・・・しないで」

「・・・する?」

「・・・・真希ちゃん」

うわっ・・・・・くぅ〜〜〜っ、もうたまんない。

この梨華ちゃんのおねだり顔。
652 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:28
「じゃ、したげるから・・・・」

今日は、もうネイルは付けてない。ベルトを外すと足首までずり下げて、股間に手を
滑り込ませる。

「うわ、熱いよ梨華ちゃん・・・」

真っ赤なおねだり顔で私をじっと見詰めている。

そっと触れると、ビクッと身体が震えた。

「は・・・・早く・・・頂戴・・・」

「わかった」

充分過ぎるほど潤ったその部分に、いきなり2本の指をゆっくりと沈めていく。

「あ〜〜っ・・・・うぅぅぅぅ・・・」

待ちに待った快感に、私を見詰める目の焦点が定まらなくなって、歓喜の表情
を浮かべた梨華ちゃん。

この入れる時の表情って、相当色っぽいと思う。

本当に嬉しそうな顔をして、プルプル震えて。
653 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:29
「紺ちゃん」

「はーい」

「耳かき持ってなかったっけ?」

「あ〜、綿棒ならありますけど・・・」

「そっか・・・・なんか無性にほじくりたい気分なんだよね」

「そうですか・・・・あ!石川さんが持ってましたよ・・・確か。待ってて下さい、
ちょっと借りてきますから」

「あ・・・ごめんね〜」

「だいじょぶでーす!」

パタンと出て行った紺ちゃん。

そっか、梨華ちゃんが持ってるか・・・・・・・・えっ?

もしかして・・・・ヤバイかも。

でも、こんな待ち時間で・・・まさか・・・ねぇ。
654 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:30
「時間が無いから一気に行くよ?」

「・・・うん」

準備完了を確認すると、いきなり早いスピードで深く深く突き上げる。

「あっ・・あっ・・あっ・・あ゛ぁ〜〜〜っ・・あう・・・・ングッ・・・はぁ〜〜う・・・」

上体をのけ反らせて。

全身をガクガクと震わせて。

狭い楽屋に、梨華ちゃんの色っぽい喘ぎ声と、ジュブジュブという淫媚な音が響いている。

夜のベッドみたいに、ゆっくり愛してる時間は無い。

梨華ちゃんの声と身体の反応を頼りに、更に速度を上げて行く。
655 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:31
えっと、石川さん・・・・っと。

あれ、隣は後藤さんの楽屋。

どっちにいるんだろ・・・・・

後藤さんの方を覗いてみる。

「『コンコン』・・・後藤さーん、紺野でーす」

あれ、反応無し。 

隣かなぁ・・・・

石川さんの楽屋で同じ様にノックする。

「石川さーん、紺野です。入っていいですかぁ?」

ドアに耳を近付けると・・・・

『・い・・・いぃっ・・・・は・・はやくぅぅ・・・』

・・・・・・早く?

そう中から聞こえた石川さんの声に。

「はーい。じゃ、お邪魔しまーっす」
656 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:33
梨華ちゃんのエビ反りがMAXに近付いて、頂点が近いのがわかる。

・・・そろそろ・・・ラストスパートか。

と、その時。

いきなりガチャッとドアが開いた。

・・・やっべ〜、鍵閉めてなかった・・・

「お邪魔しまーっす」

・・・・紺野・・・・

こちらを見るなり目をカッと見開いた紺野。

「早く、ドア閉めて!」

「は・・・はい!」

何と、自分が入ったままドを閉めた。

んも〜・・・いいや!

「鍵・・・閉めてね」

ガチャッとロックする音が聞こえた。
657 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:34
「紺野・・・・こっちにおいで」

「・・・え・・・で・・・でも・・・」

「ほら、こっちに座って。もうすぐ梨華ちゃんイクから、見ててごらん?」

てっきり、すぐに気絶すると思っていたけど・・・・・

素直に私の横・・・梨華ちゃんの顔の方に座ると、真っ赤に上気した頬に手を添えた。

「熱っ・・・・石川さん・・・・綺麗・・・」

意識が快楽の頂点に差しかかっている梨華ちゃんは、紺野がいることなど気付いていない。

ホッと安心して、右手の動きに集中する。

「あっ・・あっ・・あっ・・あ・・・アンッ・・アンッ・・・・」

「イッていいよ梨華ちゃん・・・ほら、イッちゃえ!」
658 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:36
中の指を軽く曲げ、吸い付く壁を思いっきり引っ掻き回す。

「あ〜〜〜〜〜〜っ!」

一杯に反り返った身体が、一瞬硬直してからドサッと座布団の上に崩れ落ちた。

「紺野・・・・ここ見て?」

「・・・・え?」

タオルを二つ折りにしてお尻の下に敷くと、ゆっくりと指を抜く。

濃いピンク色に染まった綺麗な部分から、白いムースのような液体がトロトロと流れ落ちる。

引き抜いたばかりの指をしゃぶっていると、

「それ・・・何ですか?」

「ん?」

「あの白いの・・・」

「ラブジュース、又は愛液とも言います」
659 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:37
「え・・・・でも、透明なんじゃ・・・」

「うん、元はね。でも指でいっぱいかき混ぜると、こんな風になるのさ。・・・ほら、
タマゴの白身でメレンゲ作るみたいな感じ」

「なるほど・・・・でも、あんなに乱暴にして・・・大丈夫なんですか?」

「梨華ちゃんとは経験が豊富だからね。どうしたらちゃんと気持ち良くなれる
かって、良く分かってるし」

「そうなんですか・・・」

「あ、ちょっとお掃除するけど、驚かないでね」

「はあ・・・」

ジーパンを引っこ抜いてM字に股を広げると、お尻の穴の方から綺麗に舐め取って行く。

「え゛ぇぇっ・・・あぁぁ・・・・そんな・・・」

案の定、驚いている紺野。

落ち着いていた梨華ちゃんが、また反応し始める。
660 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:39
ピンクのひだひだに添って丹念に舐める。

口一杯に広がる梨華ちゃんの味。

「ほら、ここのクリッてなってるところが気持ちいいんだよ?」

横を見ると、驚くほど間近で覗き込んでいる紺野。

ひだの合流する部分の既にむけている突起を舌で包むと、梨華ちゃんの身体がグ〜ンと反る。

そのまま強めにズリズリとこすると、ガッと頭を両手で押さえ付けられた。

出た・・・・・梨華ちゃんのもっと頂戴攻撃。

さらに強く舌を押し付けてグリグリこすると、頭を紺野に抱きかかられたまま
イッてしまった。

「ほら、今度はかき混ぜてないから透明でしょ?」

トロトロ流れ出てくる液体を指に絡めて見せてあげる。

「わぁ〜、ホントですね・・・」
661 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:40
「舐めてみる?」

「うっ・・・・え?」

「大丈夫だよ」

流れ出てくるジュースを直接、ズズッとすすって見せる。

「ほら・・・ね?」

じぃ〜〜っと指先を見詰めている。

少し開いた口元から、可愛い舌が伸びてきたとき。

「やっぱりダ〜メ」

「えぇ?」

「こんこんはさ、ミキティのを舐めさせてもらいな・・・・ね?」

そう言って、自分で美味しそうにしゃぶって見せて。

「ど・・・どんな味・・・なんですか?」

「ん?・・・・可愛い梨華ちゃんの味」
662 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:41
「はぁ・・・・」

「まだ・・・・そういう関係じゃなかったんだ・・・」

そう言うと、真っ赤になった紺野。

ティッシュで始末すると、替えのショーツを出してはかせながら、

「そっか。でもさ、ほら・・・こんな幸せそうな梨華ちゃんを見たらさ、エッチも
そんなに悪くないって思わない?」

身体を紺野に預けたまま余韻にまどろむ梨華ちゃんの表情は、至福に満ちていた。

「はい。そう思います」

優しく髪を撫でながらそう言うと、紺野は優しく微笑んだ。
663 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:42
・・・遅いなぁ〜紺ちゃん・・・  

ふつふつと嫌な予感が沸いてくる。

・・・・まさか!

ダッシュで部屋を飛び出すと、タレントルームの奥へ走る。

・・・・どっちだ?

いや、梨華ちゃんに借りるって行ったんだから・・・

『石川梨華様』とネームの張られた部屋をノックする。

反応無し。

おかしいなぁ。

ドアノブを回してみる。

カギが掛かってるじゃん。

何だよ・・・・
664 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:43
「紺ちゃん?」

もう一度ノック。

すると・・・・『カチャ』

「あ・・・・ごっちん」

「よっ!」

「あ・・・あの・・さ、紺ちゃん・・来てない?」

「いるよ・・・入って」

・・・美貴の考え過ぎか・・・

中を見ると、何故か紺ちゃんが梨華ちゃんを抱きかかえている。

「何・・・してるの?」

「まったりしてま〜っす」

そう笑顔で答える紺ちゃん。

「・・・ハァ?・・・え、何で?紺ちゃんが梨華ちゃんを・・・おかしいよねぇ」
665 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:44
「耳かきを借りようと思ったら、石川さん寝てたんですよ。でもあんまり寝顔が
可愛いんで・・・」

そう言いながら、髪をなでている。

・・・・ピキッ・・・・

そ・・・・そんなこと・・・美貴にだってしてくれないじゃん・・・

メラメラといけない炎が燃え上がってきた。

「ミキティ?なぁ〜に恐い顔してんのさ」

・・・・・・え?

「もしかして・・・ヤキモチ?」

ごっちんが面白そうに美貴の顔を覗き込んでいる。

「な・・・・・まさか」

「ふぅ〜ん・・・・モロ顔に出てるよ。素直になれば?・・・・はい、これ」

手渡してくれたのは、頭に可愛い飾りの付いた耳かき。
666 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:48
「あ・・・・サンキュ」

「私の部屋・・・・使えば?」

そう言いながら、紺ちゃんと替わって梨華ちゃんを抱きしめたごっちん。

「うん、ありがと・・・・・紺ちゃん行こうか・・・・」

「は〜い・・・・・あ、後藤サン」

「ん〜?」

「あの・・・ありがとうございました」

「おー、頑張れよ」

「はい、完璧です!」

意味不明な釈然としない二人の会話に多少の疑問を感じつつ、紺ちゃんの手を引いて
隣の部屋に入る。

スッと座布団の上に正座した紺ちゃん。
667 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:49
「美貴ちゃん、ここ・・頭・・・」

「え?」

すっごい笑顔で膝を叩いている。

「紺野が耳掃除してあげます」

「あ、じゃあ・・・お願いしちゃおっかな・・・」

・・・・わぁ〜い、紺ちゃんの膝枕〜♪

ストンッと頭を乗せると優しく髪を撫でてくれて。

「さっき、嬉しかった」

「へ?」

「ヤキモチ焼いてくれましたよね。私にもして欲しいって、思ってくれましたよね」

「・・・・・うん」

「それって、いつも美貴ちゃんがからかってる石川さんと同じ気持ちだと思うんです」

紺ちゃんの言葉が、美貴の胸をビシッと貫いた。
668 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:50
「愛する気持ちに嘘は無いと思うんです。だから・・・・」

「うん、分かった。もうからかったりしないって約束する。その分、紺ちゃんの
事を愛さなきゃね」

「あ、もう少しこっち・・・・はい、動いちゃダメですよ〜」

耳にカリカリという心地良い感触が伝わり始めた。


・・・   ・・・   ・・・   ・・・   ・・・   ・・・   


「ん・・・・・・うぅ〜ん・・・」

「おはよ・・・・梨華ちゃん」

気が付いた途端、ガバッと起き上がった梨華ちゃん。

「・・・・どした?」

「真希・・・・ちゃん?」

「ん〜?」

「誰か・・・・・いた?」
669 名前:Usual days 投稿日:2005/08/19(金) 22:52
部屋の中をキョロキョロ見まわしてる。

「クスッ・・ご覧の通り。・・・・なんで?・・・3Pしてる夢でも見た?」

冗談で言ったつもりだったのに。

「紺野に・・・・・舐められてた気がする・・・・・」

一瞬ドキッとしたけれど、間違い無くしてたのは私。

「そんな事、させると思う?」

「・・・・・だよねぇ」

「もう少し時間があるから、ゆっくりしてて。2回もイッちゃったからね」

「うん・・・真希ちゃん」

「ん?」

「ありがと・・・・すごく良かった」

そう言いながら恥ずかしそうに頬を赤らめる梨華ちゃんを、ギューッと抱きしめて

・・・いつもの一言・・・


「愛してる」

670 名前:たまえす 投稿日:2005/08/19(金) 22:54
>>637 名無し読者様
ありがとうございます。
もう少し時間に余裕があればいいのですが。

>>638 名無飼育さん様
ありがとうごさいます。
お陰様ですっかり休みボケです。
当分仕事になりそうも・・・・・

>>639 名無飼育さん様
ありがとうございます。
何と言っても後藤さんは心の師匠なので・・・

>>640 無名し読者様
ありがとうございます。
どうしようかと226を眺めていたら、あんな感じになりました。
671 名前:たまえす 投稿日:2005/08/19(金) 22:56
本日はここまでです。また更新間隔が開くと思います。
それでは失礼致しました。
672 名前:名無しの大魔神 投稿日:2005/08/20(土) 00:38
更新お疲れさまです。
紺ちゃん興味津々でしたね…w
次の更新気長に待ってます。
673 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/20(土) 22:56
更新お疲れです。
心の師匠…刺激が強いですっ!…
ついていった紺ちゃん、成長したなあw
あまあまいしごまサイコーでした。
次回も楽しみにしてます。
674 名前:Usual days 投稿日:2005/08/24(水) 21:43
「た〜〜〜〜〜ん!」

廊下の遥か彼方から・・・間違い無く私を呼んでいる、ふにゃけている割には
妙に通る、あの独特な声。

そして、私のことを『たん』・・・・などと呼ぶ不埒者はただ一人。

はじけんばかりの笑顔で走って来たかと思うと、『バフッ』っと抱き付いてきた。

計画的犯行。

何故なら、今日は紺ちゃんがいないのを知っているから。

「おはよ、亜弥ちゃん」

「おっはよ〜っ!」

「・・・ところで、何してんの?」

「ん?・・・・・たんのほっぺにスリスリ・・・」

「こらこら・・・・で?」

「あ〜、ちょ〜っとぉ・・・・『で?』って、ヒドくな〜い?」
675 名前:Usual days 投稿日:2005/08/24(水) 21:44
「何を企んでんだ?」

「んっとね・・・」

「ほら、やっぱそうじゃん」

「ニャハハハハ・・・」

「で?」

「ハァ〜・・・だぁ〜かぁ〜らぁ〜・・・ヘヘヘッ」

「キモイよ?亜弥ちゃん」

「ぶっ、ひっどぉ〜い!キモイってなにさ。こ〜んなキャワゆい子、なかなかいないぞ?」

「自称可愛い子ならうちに二人ほどいるけど、亜弥ちゃんが元祖だもんね・・・
自分大好きっ子は。で、どうしたの?」

「あのね・・・・覚えてるかなァ・・・ほら、あの約束」

「はァ?あれじゃわかんねーし」

「あ、冷たいんだ・・・・自分で言ったクセに」

「何だよ〜、はっきり言えって」
676 名前:Usual days 投稿日:2005/08/24(水) 21:45
「・・・んとねぇ、ほら・・・紺ちゃんと夜這い掛けた時あったじゃん?」

・・・・・・・?

「え?まさか・・・たん・・・・忘れてるの?」

「いつ?」

「うっわ、信じらんない。キスマーク事件、忘れたの?」

「キスマ?・・・・あ゛っ・・・・・えぇっ?」

「なぁ〜に動揺してんだァ?」

「な・・・・べ・・・別に・・・ど・・・動揺なんて」

「確か・・・・メールくれたよねぇ・・・今度お礼してくれる・・・・って」

・・・・・・・ドキッ

「そのときのお礼・・・・まだもらってないんだけど・・・・・」

・・・言った。確かに、メールで送った。・・・でも、すっかり忘れてた。

亜弥ちゃん・・・・ちゃんと覚えてたんだ。
677 名前:Usual days 投稿日:2005/08/24(水) 21:47
しかし、この笑顔が怖い。

また、ろくでもない事を考えているような・・・

取り敢えず、機嫌を損ねないように。

「分かった。ごめんね?亜弥ちゃんへの感謝の気持ちは忘れた事なんて無いから」

「ホントかぁ?」

「マジマジ。毎晩寝る前に、亜弥ちゃんどうもありがとうってお礼を言って寝ています」

「ふぅ〜ん・・・・紺ちゃんを抱きしめながら?」

「ブ〜〜〜〜〜ッ!・・・ゲホッ・・・・こらぁ〜」

「冗談だっつーの」

「ケホッ・・・・で?何か欲しいとか」

「ん?・・・たんが欲しい」

「あ〜〜『ドタッ!』・・・・イッテェ〜〜ッ」
678 名前:Usual days 投稿日:2005/08/24(水) 21:48
「何コケてんの?」

「・・・・テテテ・・・亜弥ちゃん!」

「だぁ〜から、冗談だって」

・・・・嘘をつけ。今、一瞬真剣な眼差しになったのを、見逃すわけねーだろ・・・・

「あの・・・・さ、正直・・・・怖いんだけど」

「そんなことは置いといてぇ・・・・もしかして・・・明日の午後・・・予定が空い
てたり・・・するでしょ」

「はぁ?」

・・・確かに・・・・午後は会社で何かの打ち合わせだけ。あとは何も無し。

でも、紺ちゃんは別にお仕事が入っていて。

する事が無いから家に帰って、また・・・゛なつふく″でも見ていようかと思ってたところ。

みんな・・・見てくれた?夏モード全開の可愛い紺ちゃん。

ヤバイよね。

もう・・・どんぶり飯10杯はいけるでしょ。
679 名前:Usual days 投稿日:2005/08/24(水) 21:49
え?・・・・あんな凄い写真集を出しちゃって、藤本は平気なのかって?

そりゃ〜ね、ちょっと思ったりもするけどさ。でも、逆に優越感の方が大きいかな。

・・・どーだ!美貴の紺ちゃんはスゲーだろ!・・・・って感じ。

みんなは見るだけでしょ?

美貴はギュ〜〜〜ッて抱きしめて、チューもできるんだゾ。

いいだろ?

・・・あげないよ。


「たぁ〜〜ん!」

「・・・へ?」

「いや、へ・・・って。んもぉ〜〜、どこ行っちゃってんの。帰ってこ〜い!」

「ああ・・・ごめん・・・なんだっけ?」

「だ〜から、明日は昼からオフでしょ?」
680 名前:Usual days 投稿日:2005/08/24(水) 21:51
「・・・良く知ってんじゃん。でも、まるまるじゃないよ?」

「終わるまで待ってる」

「それで?」

「デートしよう!」

「仕事は?」

「無くなった」

「・・・・は?またスッポかした?」

「ちぃ〜〜〜がうって。収録が一発で終ったから予備日が空いたの!なにさ、人聞きの悪い」

「いいよ」

「へっ?」

「デート・・・しよっか」

「あの・・・・さ、たん。答えが早くない?ちゃんと考えてる?」
681 名前:Usual days 投稿日:2005/08/24(水) 21:52
「何でよ。どうせ暇だし」

「え・・・だって、例えば・・・・紺ちゃんとか・・・・」

「ん?だってお仕事だし。亜弥ちゃんだって、それ知ってて来たんでしょ?」

「そりゃそうだけど、ほら・・・お許しをもらったりとか」

「なんだよ、いつから亜弥ちゃんって、そんな臆病者になったのさ」

「そんな言い方ないじゃない!・・・な〜にさ、折角気を使ってあげてるのに」

「で、何しよっか?」

「・・・・ホントに・・・いいの?」

「うん。約束だもん」

「その・・・・私のせいで、後で修羅場になったりしない?」

「修羅場には絶対ならないよ」

「お、大した自身だねェ」

「当たり前じゃん」

「じゃ〜ねぇ、とりあえず・・・・・・」
682 名前:たまえす 投稿日:2005/08/24(水) 21:56
>>672 名無しの大魔神様
ありがとうございます。
興味を持つと、上達も早いんですよね。

>>673 名無飼育さん様
ありがとうございます。
やはりO.J.T.の基本は、やって見せて、やらせてみて・・・
683 名前:たまえす 投稿日:2005/08/24(水) 22:01
連休後恒例の亀更新となりますが、勤め人ゆえご容赦下さい。
土日に休みたければ残業は必須・・・

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
684 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:24
都内某所の、とあるビルの中。

あるイベント事務局の会議室に押し込まれてから、かれこれ2時間近くが
過ぎようとしている。

色々な部門の人達が熱い議論を交す中、一人場違いな雰囲気に途方に暮れる。

・・・誰だよ、会社でちょっとした会議だけ・・・なんて言ったのは。
こんなんだったら美貴は居なくたって関係無いじゃん・・・

ま、しょーがないんだけど。

いきなり連れてこられて、企画書を渡されて。

中身を見てもチンプンカンプン・・・

・・・・ったく、決まってから呼べよ!

・・・な〜んて思っても、じっと我慢。

多分・・・言ったが最後、二度とお声は掛からない。

喉元まで出かかった怒りを、グッと飲み込む。
685 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:26
「・・・では、この方向で進めさせていただきます。藤本さん、何かご意見はありますか?」

・・・ドキッ!

「いえ、こんな素敵なイベントにご一緒させて頂けるなんて、今からすごく楽しみです。
よろしくお願いします」

「我々も期待してますよ。ではこれで解散します。お疲れ様でした」

・・・終ったぁ〜!

エレベーターに乗って1階をポチッと押してから、マネージャーに明日の時間を確認する。

「良くガマンしたね。どうする、送ろうか?」

「いえ、この後・・・亜弥ちゃんと会う約束してるんで」

「そうなの・・・・松浦も忙しそうね。あまり会う時間無いでしょうけど、程ほどにね」

「大丈夫ですよ〜、振り回されるのは美貴の方ですから」

「ふふっ、それもそうね」
686 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:26
チィ〜ン・・・

カパーンと開いた扉からエントランス・ホールに出た途端、パタパタと私達に駆け寄る
足音が聞こえて、思わず身構える。

「たぁ〜〜〜ん、遅かったじゃ〜ん」

「はあ?・・・ちょっとあんた・・・何やってんのこんなとこで」

「ん?・・・・待ってるって言ったじゃん」

美貴の反応が思ったよりも悪かったらしく、ちょっとスネた振りをして上目使いで
見上げている亜弥ちゃんを見て、マネージャーも苦笑い。

「じゃ松浦、藤本のことお願いね」

・・・さすが上手いなァ・・・わがままタレントの扱いが。

お願いね・・・と言われると、悪い気はしないもんね。

ほら、笑顔が戻った。
687 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:27
「まっかせて下さ〜い!ほら、行くよ美貴たん」

「おわぁ〜・・・じゃ、お疲れ様でしたぁ〜」

美貴の手を引いてスタスタと前を歩く亜弥ちゃんの後ろ姿を見ながら、昔を思い
出していた。

そう言えば、いつ以来だろ・・・亜弥ちゃんとこうして歩くのって。

美貴が紺ちゃんに心を奪われてからはあまり記憶に無い。

「亜弥ちゃんさ、どこ行くの?」

「とりあえず・・・・休憩」

「は?」

「だって、2時間も寿司詰めになってたから疲れてるでしょ?」

「・・・うん・・・・・って、え?・・・何で2時間って知ってるのさ」

「待ってたから」

「は?」
688 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:28
「さっきから・・・は?・・ばっかりだよ?」

「いつから?」

「お昼」

「ちょっと、じゃあ・・・・美貴がここに来た時からず〜っといたの?」

「そ」

「何で・・・遅くなるかもって言ったじゃん」

「大丈夫。受付のおねーサンとおしゃべりしてたから」

「いや、そーでなくて・・・・ごめんね?」

「何で?」

「だって、待たせちゃったじゃん」

「たんはお仕事でしょ?それに・・・デートの相手を待つのも・・・結構楽しいもんだ
なって思った」

「・・・・・・・」

「たん!何で?ヤだなぁ、そんな悲しい顔しないでよ。松浦は〜、たんの笑顔が
大好きです。だから・・・・笑え〜〜〜っ!」
689 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:29
「うぎゃ〜〜〜〜っ、あははははハハハハ・・・やめろぉ〜〜」

いきなり思いっきり脇をくすぐられて、しゃがんでうずくまる。

「ハァハァ・・・ングッ・・・イジメるんなら帰るかんね」

「あ・・・・・・・怒った?・・・・ゴメン」

急に下がったトーンに驚いて立ち上がると。

「おっしゃ、行こうか!」

すかさず手を掴まれて。

「あれぇ〜・・・・」

見事に引っ掛かった。

気にしてるんだか、何も考えていないんだか。

手を引っ張られるまま、近くのファミレスに入る。
690 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:31
紅茶を一口すすってホッ、と一息ついたのも束の間、亜弥ちゃんの最近あった事とか、
家族の事とか・・・怒涛のちょっと聞いてよトークが炸裂。

怒ったかと思えば大笑いをし、最後はやっぱりの自慢話に時々突っ込みを入れつつ、
忙しく変化する百面相を楽しむ。

・・・この顔をさぁ、DVDにしたら売れるんじゃねーか?

〜 あややとあなた 〜

なんて。

ん?どこかで聞いたような・・・

あ〜・・・でも、また特典映像かぁ?

散々自我自賛しといて、自分で照れている。

でも・・・・何時の間にか、随分大人になったなぁ。

こんなに亜弥ちゃんの顔を見たのってホント久し振り。

はにかんだ時にできるエクボが可愛いね。
691 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:32
ごまっとうの楽屋以来かな。

亜弥ちゃんなりに、気を使ってくれてたのかな・・・・

もっと会ってあげても良かったのかも。

美貴の方が気にし過ぎていたのかもしんない。

「・・・・もう信じらんない。ほんとバカでしょ〜?うちのパパって」

「クスッ、しょうがないよ」

「えーっ、なぁ〜んでよ」

「だって、亜弥ちゃんのパパだもん。もしパパが完璧だったら・・・亜弥ちゃんは
どっかで拾われたのかもって思っちゃうじゃん」

「・・・・そっか」

「あらら、納得しちゃうんだ・・・」
692 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:33
結局、ファミレスで2時間近くおしゃべりして。

電車に乗って移動して。

洋服を見たいと、次々にショップをハシゴして。

試着をすると言ってはフィッティング・ルームに引きずり込まれ。

その間、ずっと手はつないだまま。

「亜弥ちゃんさ、さすがに手を繋いだままじゃ試着できないっしょ」

「たん」

「ん?」

「迷惑?」

「いや・・・そーじゃなくって、これじゃ脱げないから」

「じゃ・・・脱がせて」

「ハァ?・・・なに甘えてんの」

「・・・・今日だけ・・・今日ぐらい・・・甘えさせてよ・・・」
693 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:37
そう言うと、寂しそうにうつむいてしまった。

・・・泣く子と亜弥ちゃんには勝てねーな・・・

「ほら、バンザイは?」

「・・・・いいの?」

「自分で言ったんじゃん、ほぉ〜ら!」

恥かしそうな上目使いの亜弥ちゃんを見て、美貴まで恥かしくなってきた。

「おっまえ・・・なぁ〜に照れてんだよ・・・おりゃ!」

「キャ〜!」

『コンコン』

・・・へ?

『あの・・・お客様、大丈夫ですか?』

「あ、何でもないです!・・・・バーカバーカ・・・恥かしいじゃ〜ん」

「ニャハハハ」
694 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:38
「あれ・・・・」

「なに?」

「また・・・大きくなった?」

「何が?」

「・・・・胸」

「・・・どこ見てんのよ」

「だから・・・・胸・・・」

「・・・・・・」

「あのさ・・・このブラ・・・小さくない?納まりきれてないじゃん」

「スケベ」

「いやだってさ、ほら・・・・こぼれそうだし」

亜弥ちゃんの身体をクイッと鏡の方に向けてやる。

ほとんどハーフカップになっちゃってるブラ。

「ね、ちゃんとしな?スタイリストさんの言う事聞いてる?サイズに合ったのをしないと
ダメじゃん」
695 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:39
「・・・じゃあ、次はランジェリーショップに行く」

「はい?」

「たんに選んでもらうからね」

「え・・・・ち・・ちょっと、何でそうなるの?」

「よしっ、行こう!」

シャツを直すと、外へ飛び出して、店員のおねーサンにお礼を言って。

後ろも振り返らずにスタスタ歩く。

「暑いからさぁ、もうちょっとゆっくり歩いてよ」

「時間が無いから」

「は?亜弥ちゃん、いつシンデレラになったのさ」

「何でも無い」

少し歩いて飛び込んだランジェリーショップ。
696 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:40
「うわっ、ダメだ・・・」

「何が」

「駄目・・・・こういうお店は苦手。美貴の来る所じゃない!」

普通のもあればすっげーのもあって。

中にはかなり・・・コホン・・・その・・・実用的なデザインのものまで・・・・

「女の子は・・・・こんなのを見て嬉しいのか?」

「こらっ!たんだって、かっうゎうぃ〜女の子なんだからね」

「うん、それは認めるケド・・・」

「ね、どれがいい?」

「え゛?」

「だぁ〜かぁ〜らぁ〜・・・・たんが選んでねっつってんの」

「そーだなぁ・・・亜弥ちゃんなら・・・これ!」
697 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:41
「ちちち、ちょっと待ってよ、どーすんのよこれ・・・スケスケェ〜・・・丸見えじゃん・・・」

「んははは、じゃ〜あ〜・・・これ」

「うぅ〜ん・・・せっくすぃ〜なの、きゅ〜となの・・・って、お〜い!」

「ヒィ〜〜〜ッ、ククククク・・・」

「あのね〜・・・・よしっ、今度たんが選んだやつを試着するから」

「おっ、したっけこれなんか・・・・」

「もちろん、たんも一緒に入るだかんね」

「え゛っ」

「これね。すいませ〜ん、フィッティング・・・・」

「わぁぁぁ〜〜・・・ちょっ、ウソウソ・・・それは間違いデス・・・」

「ちゃんと選ぶ?」

「はい・・・ごめんなさい・・・」

・・・やばい、思いっきり亜弥ちゃんペースにはまってる・・・
698 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:42
「あの・・・これなんか如何がでしょうか」

ごくごく普通のベージュのやつ。

「あらまぁ〜、いきなり地味〜になっちゃって」

「これなら透けないし、ホールドもばっちしじゃん」

すると、美貴の手からスッと取り上げて。

「えっと・・・アンダーがもいっこちっちゃくって〜、カップがも一つおっきーの」

「・・・・・・」

「ん?どしたの」

「イジメだ・・・」

「へ?」

「セクハラじゃん・・・」

「なんで?」

「どーせ美貴は・・・・」
699 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:49
「ストーップ!まだそんなこと気にしてんの?誰か美貴たんの胸のことを悪く言ったの?
そりゃーおっきくはないけど、理想的なバランスの綺麗なおっぱいじゃん。形だっていい
し、手のひらサイズだし、紺ちゃんだって、たんの胸、好きだって言ってたけど?他に何
が不満なのさ」

「え?・・・」

「あ・・・・ゴメン・・・つい・・・」

「ううん・・・・これ、つけてみる?」

「うん・・・」

ほかにも幾つか選んで、二人一緒に試着室・・・・

「おぉ、ピッタシじゃん」

「はい次」

「ん?これ・・・ショーツとセットだ」

「あの・・・まさか・・・・」

止める間もなく、あっと言う間にスッポンポン・・・
700 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:50
何で今さらドキドキするんだろ・・・・

思わず視線を逸らす。

「いや・・・あの・・・亜弥ちゃんさ・・・・なにもこんなところで自分の裸に見とれ
なくたってさぁ・・・・・・ほら、いいから早く着てよ」

「・・・たん?」

「何だよ」

「私・・・・綺麗かな・・・・」

「ハァ?」

妙に落ち着いた声に、誘われように視線を上げると・・・

そこには、鏡に向かってスックと立っている、生まれたままの姿の亜弥ちゃん。

一見、華奢に見えるけど、完璧なスタイルというものに許容範囲があるとすれば、
多分・・・ど真ん中に近い。

思わず肩を抱き寄せて。

「綺麗だよ・・・・亜弥ちゃん。ヤバイくらいに綺麗だよ・・・」
701 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:51
「たん・・・・・抱いて」

・・・・!

鏡越しの真剣な亜弥ちゃんの顔に、一瞬流されそうになった意識を理性でくい止める。

「バーカ、こんな所で抱けるわけねーだろ」

すると、すぐにいつものイタズラっ子顔に戻った亜弥ちゃん。

「ニャハハ・・・なぁ〜んちゃって」

でも、瞳の奥の寂しさは、隠し切れていない。

「抱くのは無理だけど・・・・」

「・・・・え?」

「抱きしめる事ならできるね・・・・」

クイッと引き寄せて、そっと抱きしめる。

腕の中で、亜弥ちゃんが震えている。

しばしの静寂ののち。
702 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:55
「たん・・・・・」

「ん?」

「・・・・ダメだよ」

と、ポーンと両手で肩を押し返されて。

「駄目じゃん、こんな事しちゃ」

そう言って無理に笑顔を作ろうとしている亜弥ちゃんの瞳から、スーッと涙がこぼれ落ちた。

「ご・・・・ゴメン。・・・美貴・・・・なんて酷い事を・・・・」

「ううん、分かってる・・・・大丈夫、分かってるから・・・でも、紺ちゃんに言え
ないようなことは・・・しないでね?」

「ごめん。美貴、亜弥ちゃんのこと・・・・苦しめてる」

「違う・・・・そうじゃない・・・・・だって苦しくなんかないもん」

そう言いながら服を着ると、言葉に詰まって泣きそうな美貴に、軽くデコピンを
食らわして。
703 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 20:58
「これ・・・全部買っちゃおっと」

そう言いながら試着室を出たところで、立ち止まった。

「どうしたの?」

顔を覗き込むと、何かを考えている様子。

「たん、ちょっとこれ持ってて」

試着した下着を美貴にごそっと手渡すと、また店内を物色し始めた。

・・・・なんだよ、まだ足りねーのか・・・・

しばらく眺めていると、やっと決まったらしくキャッシャーの方へ歩いて行って、店員
さんと何やら話している。

・・・あ。

「ちょっと・・・・亜弥ちゃんこれも」

預かってたのを思い出して、慌てて美貴もレジカウンターへ。

「・・・と、こっちは別で・・・」

「はい、かしこまりした」
704 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 21:02
「お会計、失礼致します。合計で4万2千円になります」

・・・・・は?

・・・・・よんまん?

・・・・・下着を買う金額じゃ・・・・ないよね。

どう考えても、ファッションセンターしまむらレベルの額しか思いつかない。

「お支払い回数は」

「一括で・・・」

・・・・すっげ。

「こちら、お品になります」

「は〜い」

あれ?

手下げ袋を二つ受け取っている。

「お待たせ〜、行こっか」
705 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 21:05
お店を出ると、袋をプラプラさせてる亜弥ちゃんに。

「買い過ぎじゃない?」

「へへぇ・・・・はい!」

「え?」

目の前に、片方の袋が差し出された。

「こっちは・・・・たんの分」

「・・・・・は?」

「はいドーゾ」

「いや・・・あの・・・・」

「今日付き合ってもらったお礼」

「あのさ・・・・お礼とか・・・別にいいから・・・」

「え〜、もらってくれないと困る。だって、私にはサイズ合わないしー」
706 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 21:06
「!」

「ね?・・・・はい!」

「・・・・ありがと・・・・」

釈然としない理由はこの際考えないようにしつつ、袋を受け取って中を見ようとすると。

「ダメェ〜〜ッ」

「へ?」

「おうちに帰るまで中は見ないで!」

「ちょっと亜弥ちゃん、そんなにエグイやつなの?」

「喉乾いた。喫茶しよう」

・・・・あれ〜、軽くいなされた。

「いや・・・あのねェ・・・いい加減にその古臭い言い方やめよーよ」

「いいんですぅ〜」

そして、駅前のカフェに入ると、またひとしきり二人でおしゃべりをして。
707 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 21:07
「たん、携帯見せて」

「へ?・・・・・ん・・・」

「おぉっ、プリクラが新しくなってるじゃん」

「うん、先週撮った」

「紺ちゃん、可愛いね」

「・・・うん」

「ねぇ・・・・たん?」

「ん?」

すると、携帯の後ろに貼ったプリクラを指して。

「私はね、この・・・たんの笑顔が大好きなの」

「ニヤけてるだけじゃん・・・」

「ううん、紺ちゃんといる時の自然な心からの笑顔。だから、そんなたんの支えに
なってる紺ちゃんのことも大好き」

「亜弥ちゃん」
708 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 21:08
「たんは知らないだろうけど、紺ちゃんとは最近すっごく良くお話するの。あの子、
あんましはっきりとは言わないけどね、でも、心からたんの事を愛してるってのが
凄い伝わって来てね、お話しててぇ・・・なんか嬉しくなっちゃうんだよね・・・」

「マジ?」

「マァジです。紺ちゃんと一緒にいると・・・ほわぁ〜んって、心があったかくなる
のが分かるんだ。あれこそ自然に身に付いた癒しの能力なんだろうね」

なんだか・・・美貴が誉められてるみたいでちょっと嬉しい。

「亜弥ちゃん、ご飯・・・どうする?」

さっきから時計をチラチラと気にしているみたいだったから。

「時間切れ」

「は?何それ」

「もう帰る時間」

「え、亜弥ちゃん何か予定あるの?」

「ううん違くて、たんが帰る時間なの」

「???」
709 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 21:11
訳がわかんない美貴にポイッと携帯を手渡すと、伝票を持ってスッと立ち上がり、
レジへまっしぐら。

慌てて後を追いかける。

「待って亜弥ちゃん、美貴が・・・」

無視して払い終えちゃった亜弥ちゃん。

「じゃあ、今度のデートの時は、たんが持ってよ」

「・・・・う・・・・うん」

「うんって言った!」

「クスッ・・・・いいよ。スケジュール調べるのは亜弥ちゃんに任せるから。また
デートしよっか」

「ホント?」

「うん。今度はね、ちゃんと紺ちゃんにも教えてから来る・・・それから・・・今まで
ごめん。もう、変に気を使ったりしないから」

「おし!はぁ〜〜・・・良かった。たんが分かってくれて。じゃなかったら、今日
デートした意味無くなっちゃうもん・・・」
710 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 21:12
「・・・・何で?」

「んぁ〜・・・・・いいからいいから」

「変なの」

「たけどね、安心するのはまだ早いよ?」

「どーしてさ・・・・まさかまだ・・・・」

「ちぃ〜がうって。松浦の美貴たん大好きを引き継いだ、強烈な後輩を忘れていませんか?」

「・・・・誰?」

「ミラクル」

「・・・・あ」

「もぉ〜、ほんと気を付けなよ?今のあの子、怖いもの知らずだから」

「だって・・・・まだ」

「ダメダメ。オーディションの時と、今の顔を比べてごらんよ、もう全然違うから」

「そっかぁ?」

「一緒にいるから判からないだけ。今までのメンバーには無かった何かがあると思う。
あの子は手強いよ」
711 名前:Usual days 投稿日:2005/08/28(日) 21:13
「・・・うん、亜弥ちゃんがそう言うんなら気を付ける」

「よし!じゃまたね」

「え・・・・ちょっと、ここでお別れなの?」

「たんは、ここでタクシー拾った方が早いじゃん」

「そりゃ・・・そうだけど」

「早く帰ってあげなよ。待ってるよ・・・・多分・・・・ね?」

「え?」

またまた美貴を置いてけぼりにしたまま、勝手にタクシーを止めちゃった亜弥ちゃん。

「ほぉ〜ら、乗った乗った!」

「あ・・・うん」

「じゃね・・・久々にすっごい楽しかった」

「うん、またね・・・ありがとう・・・」

運転手さんに行き先を告げて外を見ると、もう亜弥ちゃんの姿は消えていた。
712 名前:たまえす 投稿日:2005/08/28(日) 21:14
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
713 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:05
「ポンちゃん、このあとどうするんですかぁ?」

「ん〜〜〜、別に何も無いけど」

予定よりも早く終ったお仕事。

遅いよりはいいけれど、空いた時間を持て余してしまう。

「カラオケでも行きませんかぁ?」

「・・・ん〜〜〜〜〜ん〜〜〜〜どうしよっかなぁ・・・・行きたいけど・・・でも、
身体も休めたいし・・・・」

「あ、そっかぁ。フットサルもやってるしね。疲れが溜まってるんじゃないですかぁ?」

「うん・・・やっぱやめとく。ごめんね?」

「ううん、こんな時でもなきゃ、ゆっくりできないですもんね」

「うん」

「じゃ、藤本さんとゆっくりしてくださいね」

「美貴ちゃんは・・・遅いと思う」
714 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:06
「そっか・・・同じ娘。なのに、どうしてこんなにスケジュールが合わないんでしょーかねぇ」

「しょーがないよ。亀ちゃんだって、れいなに会いたいのに我慢して頑張ってるもんね」

「えっ?いやいやいや・・·絵里のことはいいですから。あ〜びっくりした」

「ふふっ、可愛いね・・・亀ちゃんは」

「エヘヘヘヘ・・・そんなこと・・・分かってますよぉ〜〜」

「あ〜〜っ、言ったなぁ?」

「ニャヘヘヘヘ・・・」

「キモッ!」

「あっ、ひっどぉ〜い」

〜♪

「あ・・・」

「藤本さん?」

「うん」
715 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:07
「何だかグッドタイミングですねぇ」

「・・・・えっと、今終ったところですっと・・・・送信!」

「いいなぁ・・・ラブラブメール・・・」

「そんなんじゃないよ」

〜♪

「え?」

「早い・・・」

「えっと・・・・えぇっ・・・」

「どーしました?」

「・・・美貴ももうすぐ帰るから・・・・・紺ちゃんの手料理が食べたいって・・・」

「Wow!あっついね〜」

「違うってば・・・」

「エヘヘ、ポンちゃん真っ赤・・・可愛い・・・」

「・・・・違うもん」

「クスクスッ、じゃあ早く帰りましょー」
716 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:08
亀ちゃんと別れた後、簡単な食材を調達すると、まっすぐ美貴ちゃんちへ。

まだ帰っていないのは分かってるけど・・・一応・・・お約束で・・・

「お邪魔しまぁ〜っす」

・・・・おじゃまるがお邪魔・・・な〜んちゃって・・・・

キッチンに食材をぶちまけると、お米を砥いで炊飯器にセットして。

浸す時間少ないけど・・・いいや。

そして下ごしらえ。

美貴ちゃんは野菜って殆ど食べないから、まぁ〜楽な事。

あっという間に支度も終って、お風呂にお湯をためて。後は帰りを待つだけ。

部屋の中を見回して。

わぁ、私の写真集みっけ!

・・・・あれ?
717 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:10
私、1冊しかあげてないのに。

本棚には5冊並んでる。

・・・買ってくれたんだ・・・

ちょっと感激。

でも・・・こんなに持ってて、どうするんだろ。

・・・そう言えば、前に石川さんが言ってたっけ。

写真集を後藤さんにあげるときは、必ず2〜3冊渡すって。こないだ、フォトブック
だからいいかって1冊だけしか渡さなかったら、足りないって言われたらしい。

どうしてですか?って聞いたら・・・見るやつと、するやつと、あとは保存用だって。

だから、するやつって何ですか?って聞いたら、石川さん真っ赤になっちゃって。

それ以上は聞いちゃいけないんだなって。

でも・・・こないだの石川さん、凄かったなぁ。

私的には、あんなシーンを最後まで見ちゃったのに、気絶しなかったって方が驚き
だったんだけど。

・・・・どっちかっていうと、気を失った方が良かったのかも。
718 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:10
でも、何でだろ。

そう言えば、美貴ちゃんのを見た時も平気だった。

なのに、キスしてべろを吸われると・・・ふわぁ〜ってなっちゃう。

・・・・イクってどんな感じなんだろう。

石川さんと美貴ちゃんのあの表情が忘れられない。

石川さんは、凄く幸せそうだったのに、美貴ちゃんは、何だか苦しそうだった。

人によって感じ方が違うのかな。

でも美貴ちゃんは、私に会えない時に一人でしてるって言ってたよね。

もしホントに苦しい事なら、それでは寂しさは紛れない。

苦しそうに見えたけど、気持ち良かったのかな・・・

・・・・する時に使う?

写真集を見ながら?

・・・・そっか。

これを見ながら・・・私に会えない時に・・・ああやってしてくれてたのかな。

・・・・恥かしいなぁ。
719 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:12
でも、美貴ちゃんとはまだそういう事してないのに。

そう言えば、最近気絶するのって、あの寝る前のベッドでのキスだけだ。

と言っても、それ以上の事はしていないんだけど・・・

もしかしたら、あのキスさえしなければ、大丈夫なんじゃない?

したとしても、一番最後とかなら・・・・。

そう言えば最近、ツアーの衣裳で写真を撮った時に、試し撮りのポラロイドを見て
美貴ちゃんが・・・・

「ねえ・・・紺ちゃんてさぁ」

「はい?」

「いっつも舌が出てるよね・・・・」

「へ?」

「だってほら・・・・これも・・・これも・・・ほらこれも出てる」

「いやぁ〜別に意識は無いんですけど・・・」

「美貴のせいかな・・・」
720 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:15
「え・・・どうしてですか?」

「ん?・・・・美貴がキスの時に紺ちゃんのべろを吸い過ぎたから・・・緩んじゃったのかなって」

横で聞いてた吉澤さんが、もう大爆笑。

そのうち、犬みたいにべろ〜んて出っぱなしになるかもよって。

べろがべろ〜ん・・・って、一人で爆笑してた。周りはドン引きしてたけど。

「吸い方が強過ぎるから、紺ちゃんが気絶しちゃうのかな・・・・」

そんな事も言ってた。

私も結構・・・後藤さんと石川さんや、安倍さんと矢口さん達の・・・その・・・凄いコトを
見たり聞いたりして免疫が出来てきたはずだし。

それに美貴ちゃんとも、もう普通にお風呂だって入れるもん。

最初は大騒ぎしたり、中で失神しちゃったりして随分迷惑かけちゃったけれど。

だから、もしかしたら・・・実はもう平気なのかも。

『ガチャ』

あ、帰って来た。

・・・パタン。
721 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:16
「あ、紺ちゃん来てたんだ・・・ただいま〜」

パタパタパタ・・・

「おかえりなさい、お疲れ様でした」

・・・・・あれ?

玄関で、ボーッとしたまま。

「美貴ちゃん?」

「・・・・いい」

「え?」

「今の・・・すっげーいい!」

「・・・何がですか?」

「ん?・・・ただいま→おかえりなさいお疲れ様っての」

「はぁ・・・あ、あの・・・お風呂入ってますけど、どうします?
・・・ご飯もすぐ用意できるけど・・・」

・・・・・あれ?
722 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:18
なんか、うつむいたままプルプルしてる。

「あの、どうしたの?」

そう聞いた途端、ガバッと抱きしめられて。

「美貴・・・夢だったんだ・・・こんな何気ない夫婦の会話・・・紺ちゃんとできたらいいなって」

・・・言われてみれば、今まで一度も無かったかも・・・

「そんな・・・言ってくれればいつでも」

「違うの。そんなんじゃなくって、今みたいに自然なのが良くって・・・・グシッ
・・・どうしよう・・・感激・・・」

そう言いながら私を抱きしめてる美貴ちゃんからは、ほのかに漂うあの人の香り。

「あの・・」

「ごめん、ちょっとこのまま感動に浸らせて」

私の肩口に顔をつけて、時々グスッとすすり上げるのが聞こえる。

しばらくして顔を上げた美貴ちゃん。

「フ〜ッ、参った。・・・・・でも美貴がご飯まだだって良く分かったね」
723 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:19
「え?だって、メールくれたじゃないですか」・・・・私の手料理が食べたいって」

「へっ?」

「いや、へって・・・」

慌てて自分の携帯を出して、何やらポチポチしてる。

「あ〜っ、いつの間に・・・・・・・はっ、あいつぅ〜」

「・・・・あいつ?」

「え?・・・あわわ・・・エヘッ」

クスッ・・・な〜るほど。そういうことか。別に、自分ので送ればいいのに。ホント悪戯っ子。

「美貴ちゃん、それ・・・何ですか?」

可愛い小さな紙袋を持ってたから。

「へっ?あぁ、これ・・・亜弥・・・・あわわ・・・いや〜・・・あや〜何だべ・・・・」

・・・そっか。何か買ってもらったんだ。

でも、こんなに慌てる美貴ちゃんなんて滅多に見れないから・・・もう少し遊んじゃおっかなぁ〜。
724 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:20
「でも、随分早く終ったんですね。今晩はもしかしたら帰ってこないんじゃないかと
思ってたんです」

「えぇぇっ!・・・あ・・・いや・・・ゴホン。え、な・・なんでかなぁ〜・・・・
なんて・・・」

「あ〜あ、たま〜には、美貴ちゃんとゆ〜っくり・・・デートしたいなぁ〜」

わざと斜め45°を見上げて、遠くを見詰めるような感じで。

チラッと横目で美貴ちゃんを見てみると・・・

あれ、固まってる。

カサッ・・・

あ、手から袋が落ちた。

「・・・・ね・・・・・・紺ちゃん?」

「はい?」

「もしかして・・・・その・・・」

「お・ふ・ろ・・・・入りません?」

「あ・・・う、うん」
725 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:22
クスクス・・・・浮気のバレそうな旦那さんって、こんな感じなのかな。

着替えを出すと、目が泳ぎっぱなしの美貴ちゃんをバスルームへ引っ張って行って。

ほいほいっと脱がしてあげる。

いつもなら喜んで私の服を脱がすのに、そのままバスルームに入っちゃった。

慌てて脱ぐと、私も入る。

「どうしたんですか?何だか急に元気が無くなったみたい・・・」

「・・・うん。・・・ただいま藤本美貴・・・反省モード・・・」

「どうしてですか?なにか失敗しちゃったんですか?」

「うん・・・・まぁ、失敗っちゃ失敗かな」

「でも、大丈夫ですよ・・・きっと」

「・・・そうだといいんだけど・・・どうしてカッコつけちゃったんだろ・・・・
ちゃんとあの時に話してたら・・・こんな思いしなくて済んだのに・・・」

あっちゃ〜・・・こっちが反省です。ちょっとやり過ぎたみたいです。

そりゃそうだよね。私に内緒で亜弥ちゃんとデートしたと思ってるんだから。
726 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:23
「どうでした?久し振りの亜弥ちゃんとのデートは」

ビクッとして目を見開いた美貴ちゃん。

「・・・や・・やっぱり・・・バレてたんだ・・・ごめん・・・紺ちゃんに隠し事をする
なんて・・・美貴、最低だね・・・」

「あの・・・・違うの。私、知ってたんです。今日、美貴ちゃんが亜弥ちゃんと
デートするって」 

「へ?・・・え?・・・どうして」

「あの・・・あの、私の方がごめんなさいかも。ハローの時に亜弥ちゃんとお話した時に、
もしかしたら美貴ちゃんの事、まだ気持ちの整理がついていないのかなって感じがし
て。美貴ちゃんも、もう大丈夫って言う割には、前のように亜弥ちゃんと会ったりとかし
てないですよね。亜弥ちゃん、もっと美貴ちゃんと話しがしたいんだけど、遠慮しちゃっ
てる。だから一度、二人だけでちゃんとお話してみたらどうですかって言ったんです」

「・・・そうなの」

「本当は、私がこんな事を言うのって、お門違いも甚だしいとも思ったんですけど、亜弥
ちゃんは、私と美貴ちゃんの関係を応援てくれてます。でもそれは、自分の思いをぐっと
胸の奥にしまってくれてるんだとは思うんですけど。どっちかって言うと、美貴ちゃんの
方が、私に遠慮しているような気がして・・・もっと亜弥ちゃんに接してあげて欲しいん
です。相談とか聞いてあげて欲しいんです」

「・・・・紺ちゃん」

「私が美貴ちゃんのスケジュールを亜弥ちゃんに教えました。それでおととい亜弥ちゃん
から電話があったんです。今日の午後にオフが重なるから、美貴ちゃんと会って話をした
いんだけどいいかなって」

「・・・・・・・」
727 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:25
「あ・・・・あの・・・勝手なことをしてごめんなさい。もし気に触っちゃったなら
謝ります・・・・ごめんなさい・・・・」

ずっとうつむいて私の話を聞いていた美貴ちゃん。

ふっ、と上げた顔は涙で濡れていた。

「・・・・何だよ二人して・・・何なんだよ・・・・どうしてそんな・・・・・・・」

「こないだ亜弥ちゃん、こんなこと言ってくれたんです。今、松浦が頑張れるのは、
紺ちゃんのおかげなんだよって。紺ちゃんが美貴たんを笑顔にしてくれてるから、
そんなたんを見てると元気が沸いてくるんだ、って」

「・・・・・ック」

「私も亜弥ちゃんも、美貴ちゃんの心からの笑顔が・・・・・見たいだけ・・・」

「・・・・紺ちゃん」

「はい」

「・・・泣いても・・・・いいかな」

隣に少し移動して、私の胸に美貴ちゃんをそっと抱きしめると、待っていたかのように、
大きな泣き声がバスルームに響いた。
728 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:26
「あ〜あ、ひっでぇー顔。もぉ〜紺ちゃんが泣かすから、こんなに目が腫れちゃったじゃん」

あれからしばらく大泣きして。

お風呂から上がると、滅多に見ない鏡とにらめっこ。

「わ・・・私のせい・・・なんですかね・・・」

「そう」

ぽいっと私の頭にバスタオルを被せて。

「あのさ、紺ちゃんにひとこと言いたい事があるんだ」

「・・・え?・・あ、あの・・・」

真剣な表情で、まっすぐに私を見詰めて。

「紺ちゃん、どうもありがとう」

「・・・・あ」

スッ・・・・っと抱き寄せられて。

耳元に優しい囁き。
729 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:27
「もう、亜弥ちゃんとは大丈夫。・・・・これからは・・・・時々会うことがあるかも
しれないけど、紺ちゃん・・・許してくれる?」

「もちろんです。美貴ちゃんがどこまで亜弥ちゃんの誘惑に耐えられるか・・・見もの
ですネ・・・」

「絶対に大丈夫だよ」

「フフッ・・・そうですか?今日も、随分振り回されたみたいですケド・・・」

「・・・へ?」

「美貴ちゃん、さっき玄関で私を抱きしめてくれたとき、亜弥ちゃんの香水の香り
がしたのは・・・」

「あぁっ!・・・あ〜・・・・あの・・・・いや・・・ほら・・・・してないって・・・
あっ・・・じゃなくって・・・・違うって・・・・ホントだってば・・・」

あらら。

「クスクス・・・あははは・・・美貴ちゃん可愛い!」

「え・・・・お・・・・怒って・・・」
730 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:28
「怒る訳ないじゃないですか。あの香りに気付いた時に、あ〜上手く行っんだなって
思ったんです。」

「・・・あのさ、美貴ってそんなに短純かなぁ」

「何でですか?」

「だってさ・・・美貴は娘。では突っ込みで怖いイメージって言われてるのに、なんか
こう、亜弥ちゃんと紺ちゃんにかかると、簡単に手の上で踊らされちゃってる感じがする」

「私はそんな事してません!ただ・・・」

「ただ?」

「亜弥ちゃんは、自分に振り回されてあたふたしてる美貴ちゃんが、可愛くてたま
らないって言ってました。美貴ちゃんに甘えたくてしょうがないんですよ」

「美貴は・・・・」

「結構楽しんでますよね、振り回されるのを・・・」

「・・・・・・・・・・うん」

「クスッ・・・やっぱり」
731 名前:Usual days 投稿日:2005/08/30(火) 22:29
「紺ちゃんは?」

「はい?」

「美貴は、もっと紺ちゃんに甘えてもらいたいな」

スゥーッと差し伸べられた美貴ちゃんの手が、私のうなじを引き寄せて。

「チュッ!」

「あ・・・」

「こぉ〜んちゃん、好きだぞ!」

「あ・・・あの・・・ご飯に・・・」

「紺ちゃんを食べたいな」

「いや・・・あの・・・それは・・・し、食後に・・・」

「食後に・・・食べていいんだ」

「え?・・・ちっ、ちがくって・・・・」

「あはははは・・・うそうそ。ご飯にしようね。泣いたらなまらお腹が空いたさ」

732 名前:たまえす 投稿日:2005/08/30(火) 22:30
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
733 名前:無名し読者 投稿日:2005/08/31(水) 09:32
大量更新お疲れさまです
2人に振り回されるミキティが良かったです
色々慣れてきたのに肝心な所でやっぱり逃げてしまう紺ちゃん可愛ぇぇ ミキティ逆転勝利(?)
こんな2人(+1人)の関係 素敵やん
734 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:46
ハローのライブの最中に、紺ちゃんと亜弥ちゃんが二人で楽しそうに話をしている場面
は、確かに何回か見た。

でも、あの二人って美貴が言うのも変だけど、恋敵同志じゃん?

だから、楽しそうな笑顔の裏側には、お互いビシッと一線を引いているのだと、勝手
に思ってたんだ。

でも・・・・・・そうじゃなかった。

二人とも、心からお互いの事を思いやり、真剣に美貴との関係を考えてくれていたんだ。

デートした時の亜弥ちゃんの言ってくれた事と、さっきお風呂で紺ちゃんが打ち明け
てくれたことが全て組み合わさって、初めて二人の本当の優しさに気付いて、もの凄
い感動を覚えたのと同時に、それまでの自分の考えの愚かさがとても恥かしくなって、
とても悔しくて。

紺ちゃんの胸に抱かれて大泣きしちゃった。

でもそのお陰で、これからは気兼ね無く二人と付き合って行ける。そう確信できたんだ。
735 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:47
「美貴ちゃん?」

「・・・・・・へ?」

「あの、大丈夫?・・・今、す〜〜〜〜っごい遠くに行ってたけど・・・」

「あ・・・・・・・・ただいま戻りました」

「あの・・・美味しくないですか?」

「えっ?な・・・何言ってんの!めっちゃ旨いって。紺ちゃんの作ってくれるご飯って、
同じ北海道だからかな・・・・すごく懐かしい家庭の味なんだよね。なんかこう心が
安らぐってゆーか、落ち着くってゆーか。だから、リラックスし過ぎてボーッとしちゃった」

「ほんとに?・・・良かったぁ〜。でも、私に手料理を食べたいってメール送ってくれた
のは、亜弥ちゃんだったんですよね」

「そう。しかも勝手にだよ?美貴も知らなかったんだから。今思えば、喫茶店で話し
てる時に携帯見せてって言われて。その時に送ったんだろうね」

「クスッ。・・・・あ、そうだ・・・あれ・・・・」

「ん?」
736 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:48
「亜弥ちゃんに何を買ってもらったんですか?」

「ヘッ!?」

ピッ、とランジェリー・ショップの袋を指差してる紺ちゃん。

「ウッ・・・ゲホゲホッ・・・ウグッ・・・コホッ・・ケホケホ・・・」

飲み込もうとした味噌汁の具が気管に入りかけて、思いっきりむせてしまった。

「そんなにビックリするようなプレゼントなんですか?」

「ケホ・・・・ングッ・・・・いや、違くって。美貴も知らないんだ。もらった時に
すぐ見ようとしたら、おうちに帰ってからじゃなきゃ見ちゃダメって怒られた」

「ふ〜ん、何でですかねェ」

「いや、あれね、ランシェリーショップで買ってたんだ。だから・・・・すっごい下着
じゃないかって思うんだけど」

「ほお・・・・・亜弥ちゃんが・・・美貴ちゃんに・・・下着ねェ・・・そりゃ〜
凄そうですネ・・・でも、変ですよね・・・」
737 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:49
「何が?」

「ごちそうさまー・・・あ〜お腹いっぱい、また食べ過ぎた。だって、ここで美貴ちゃん
がすーっごい下着を着たって、喜ぶのは私だけで亜弥ちゃん見れないじゃないですか」

「・・・・だよねぇ」

「じゃあ、写メ撮って・・・」

「こらぁ〜!」

「・・・・・開けてみません?」

「え、まさか着てみろとか、言わないよね?」

「どうしよっかなぁ〜」

「絶対に言わないって・・・約束してよ」

「ジャンケンしません?」

「え〜〜、美貴が負けたら着るの?だってさぁ・・・じゃ、紺ちゃんが負けたらどうすんの?」

「美貴ちゃんが着なくて済むだけ」

「つまぁ〜んなぁ〜い。いいよ、じゃ〜ねぇ、負けたら着てあげるよ。そのかわり、
美貴が勝ったら・・・・・」
738 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:50
「・・・あの・・・やっぱりやめません?」

「やだ。紺ちゃんが負けたらね、今日は電気つけたままで何も着ないで寝る」

「え゛ぇぇぇぇ〜〜〜〜〜っ!・・・な・・・な・・・・」

「しかも、すぐに気絶しちゃうディープキスは無しね」

「そんなのズルいじゃないですかぁ〜」

「あれ・・・知らないんだ・・・・あ〜そっか」

「な、なんですか・・・・」

「だって前にさ・・・・紺ちゃん言ったじゃん、寝てる時なら触ってもいいよって」

「・・・・!」

「何驚いてるの?言ったよねェ・・・・」

「はぁ・・・・言ったような・・・」

「どうしていっつも美貴がさ、紺ちゃん気絶するの判ってて真っ先にディープキス
するか知ってる?」

「え?・・・・」
739 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:51
「紺ちゃんが気を失った後は・・・・触り放題・・・だったりして・・・」

「ふぇぇぇぇぇぇ〜〜〜っ!『バキッ』あうぅぅ〜」

あっちゃ〜、リアクションが大き過ぎて、棚に思いっきり手をぶつけちゃって・・・痛そ。

「ちょ〜っと、大丈夫?」

「あわわ・・・・あぁ・・・え?・・・・はにゃ・・・」

クゥゥ〜〜〜ッ・・・もぉ〜たまんない!

美貴のエッチな言葉攻めで恥かしさに耐えてる涙目の紺ちゃんて。

・・・もうちょっと・・・イジメちゃお・・・・

「ほら、・・・いつもさ、べろをキューッと吸うと、気絶しちゃうじゃん?その後はねぇ
・・・パジャマのボタンを上から一ずつ外していくんだけど、何回やってもドキドキ
でね、もう手がプルプル震えるの!」

お、既に幽体離脱しかってる・・・

「全部外したら、そーっと前を開くの。そうするとね、美貴のだぁ〜い好きな紺ちゃん
のおっぱいが、プルンッてしててね」
740 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:52
「それでねそれでね、そっとお腹の方から撫でるの。腹筋から胸のふくらみにかかる
曲線が、そりゃーもうたまんなくて。おっぱいはふわふわで。そのまましばらく撫でて
るとね、紺ちゃん寝てる筈なのに、先っちょがムクムクッて立ってきちゃうんだよ?」

あれ・・・硬直してる。

「でね、コリコリになった先っちょをね・・・・・・・・あ」

ペタンと座って、真っ赤な顔でじぃ〜っと美貴を見詰めていた大きな目から、いきなり
ポロポロと涙がこぼれ落ちた。

・・・・うわっ、やっちまった・・・・

「あ〜〜〜、ご・・・ごめん、ごめんね?悪かった。美貴が調子に乗り過ぎた」

慌ててパタパタ這って行って、そっと抱きしめる。

「ごめん。本当にごめん。もう言わないから・・」

抱きしめた腕の中で、ふるふると首を振っている。

「・・・・ん?」

「・・・・ホントに・・・・してたんですか?」
741 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:52
「・・・・うん」

「うぅぅぅ・・・・・」

やべ、してないって嘘ついた方が良かった?

・・・・でも、嘘は良くない。紺ちゃんに隠し事はしないって、決めたじゃん。

「悪かった。紺ちゃんが嫌なら、もう絶対にしないから」

ん?

また首をふるふるしてる。

「なぁに?」

「ズルイです・・・・」

「だから・・・ごめんってば」

「気付いてたんですね・・・・キスで気絶しちゃうって」

「うん。だって、大好きな紺ちゃんと一緒に寝るのに、手を出すなって方が無理。
だから、嫌な思いをさせるくらいなら意識の無い方がいいかなって、わざと強く
吸って気絶させてた」
742 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:54
「あの・・・その・・・イク時ってどんな感じなんですか?」

「ヘッ!?」

驚いて顔を覗き込もうとしたら、グイッと押し返された。

「・・・・紺ちゃん?」

きゅーっと美貴にしがみついて。

「・・・私だって・・・キスだけじゃなくて・・・その・・・もっと美貴ちゃんと
色んなこと・・・・」

「・・・・ホント?」

「悩んでたんです。いつもいつもすぐ気を失っちゃって、美貴ちゃんに申し訳なくって」

「そ、そんなこと・・・・」

「ううん・・・だって、私のいない時は写真集で・・・その・・・してくれてるって
言ってたじゃないですか。だから、私といる時の方が美貴ちゃんが欲求不満になって
るんじゃないかって・・・・」

「何言ってんのさ。写真集じゃ、こうしてギューッてできないじゃん。キスだってで
きないじゃん。でも、そんなに気にしてたなんて・・・・・やばい、美貴の方が泣き
そう・・・いいんだって。紺ちゃんは紺ちゃんなんだし」
743 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:55
「あの・・・もう遠慮はしないで・・・・その・・・もしかしたら、やっぱりダメか
もしれないけど。石川さんみたいにはなれないかもしれないけど・・・・でも、紺野
だって18です。もっと、美貴ちゃんの支えになりたいんです」

「うっ・・・・紺ちゃん・・・うぐっ・・・」

・・・・・・きた。

本日二度目の涙腺崩壊。

こんな姿、他の人になんか見せられない。

またまたしばらく泣いて落ち着いた後、洗いものを片付けちゃって。

紺ちゃんを後ろから抱きしめてテレビを見ていたら、急に振り向いて・・・・

「そーだ、忘れてたよ美貴ちゃん!」

「ん〜?」

「ジャンケン」

「え・・・・思い出しちゃった?」

・・・・クッソ〜、ばっくれようと思ったのに。

「やりましょ」
744 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:55
「マジで?」

「はい」

「ん〜〜〜・・・おっし、わかった!紺ちゃんがそう言うんなら・・・・覚悟はいいね?」

「負けませんよ」

「せーの!」

「「最初はグー、じゃんけんポィ!」」

「あ゛〜〜っ」

「イェ〜〜イ!・・・・・約束ですからねー着なきゃダメですよ」

「何だよつまんねー・・・・」

「どれどれ・・・・早く見ましょ」

「・・・・ん・・・・・おし!しゃ〜ない、美貴も女だ」

紙袋をひっくり返すと、箱が3つ転げ落ちた。

「お、ほら・・・紺ちゃんそっちのやつ、開けてみなよ」

「は〜い。・・・んしょ・・・ジャ〜ン!うわぁ〜・・・・」
745 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:56
出てきたのは・・・・・

小さなハートの刺繍がちりばめられた、ひらひらレースが可愛いピンクのシースルー
ショーツとブラジャーのセット。

あとの二つは、やはり同じデザインでシースルーのキャミソールとベビードール。

つまり、上が3パターン楽しめるって感じ。

「ち・・・・ちょっと!・・・・なんだよこれ」

「ん?エッチな下着・・・」

「・・・・・・・・」

「早く着替えてください」

「あ・・・・あの・・・・・」

「勝負ですから」

「・・・・いや・・・・でも・・・」

「何言ってるんですか。こないだの一人エッチの方が、よっぽど恥かしいじゃないですか」

「・・・そりゃ〜そうだけど・・・」
746 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:57
スケスケのブラを手にしたとき、ふと違和感を感じた。

・・・・これ、美貴のサイズにしては・・・・でかくねーか?

フックの所についている小さなタグを何気に見て・・・・・驚いた。

「あぁ〜〜、紺ちゃん、これ・・・・」

「悪あがきですか?美貴ちゃんらしくないですね」

「違うって。見てよ・・・・これ」

「めーどいん・ふらんす?」

「じゃなくって、サイズが・・・・」

「え・・・・あ゛ぁっ!」

「これさ、違うよ。美貴のじゃなくって、紺ちゃんのサイズじゃん・・・・」

「な・・な・・・どうして・・・」

「クックックッ・・・・んはははは・・・そっか!亜弥ちゃんの美貴へのプレゼントって、
下着じゃなくて、セクシー下着を着た紺ちゃんだったんだ!もぉ〜、何てステキなの!」

「いや・・・だって・・・あの・・・そんな・・・」
747 名前:Usual days 投稿日:2005/09/02(金) 23:58
「しょうがないじゃん。どう見てもこのサイズ、紺ちゃん用だから」

「・・・・そんなァ、何で亜弥ちゃんが私のサイズを・・・」

「ハローの衣裳合わせ一緒だったじゃん。多分その時に調べてたんだよ。ほら、いいから
はやく着てみてよ」

「さっきのジャンケンは・・・」

「あれはさ、ほら・・・美貴のだと思い込んでやった勝負だから無効」

スッケスケのベビードールを手に取って、しみじみと見ている紺ちゃん。

みるみるうちに、顔が赤く染まっていく。

「あ・・・・あの・・・・あの・・・・」

「あれれぇ〜?・・・18才の紺ちゃんは、美貴の支えになってくれるんじゃなかったっけ?」

「・・・ずるい」

「いや、だってさ、美貴は知らなかったんだもん」

「・・・・・・丸見えじゃないですか」

「いいじゃん、紺ちゃんの好きなピンクだし。それに、いつもハダカでお風呂に入って
るじゃん」

「う゛ぅ〜〜・・・・」
748 名前:Usual days 投稿日:2005/09/03(土) 00:00
直立不動のまま、何やら真剣な表情で考え込んでしまった紺ちゃん。

「いや・・・・あの・・・さ、何もそんなにマジにならなくても・・・・別にいいから・・・」

しばらく、じぃ〜〜っと目を閉じていた紺ちゃん。

フッと顔を上げると、手にした3種類のトップスを美貴の前に突き出して。

「どれにしますか?」

そのあまりに真剣な眼差しの迫力に、一瞬びびって思わず後ずさる。

「え゛っ!・・・あの、そんなに無理しなくたって・・・」

「せっかく亜弥ちゃんが紺野と美貴ちゃんのために買ってくれたんですもの。
それに、美貴ちゃんに見て欲しいんです。18才の本当の私を。美貴ちゃんに
なら恥ずかしくなんかない。だって、美貴ちゃんと私は一心同体なんだから」

うわっ・・・・またきた。

本日三度目の涙腺崩壊・・・・

「紺ちゃん・・・・・うぅ・・・・グスッ、わかった・・・・・エヘ、今日・・・
美貴、泣き過ぎだね」

照れ笑いで涙を誤魔化しながら、紺ちゃんの手からベビードールを取って、広げてみる。
749 名前:Usual days 投稿日:2005/09/03(土) 00:01
ちょうど、涙が止らない放課後の時の衣装が、そのまま透けちゃったみたいな感じ。

・・・・紺ちゃんにピッタリじゃん・・・・  

「これ・・・・・いい?」

「うん」

恥ずかしそうに美貴の手から受け取ると、

「あの、うしろ・・・・向いてて・・・」

クルッと回れ右をしながら、頭の中に飛び交い始めた余計な妄想を必死に振り払おう
とする。

しかし、静寂に包まれた部屋の中で、微かに聞こえる衣擦れの音が、妄想をさらに掻き立てる。

どれくらい経ったろうか。

数分が、何時間にも感じる。

「美貴ちゃん・・・・いいよ」

心臓が破裂しそう。

ゆっくりと振り向いて、そっと目を開ける。
750 名前:Usual days 投稿日:2005/09/03(土) 00:02
正直、今まで下着に、それ程気を使ったことは無かったし、色っぽいランジェリー
を見ても、・・・ばっかみたい・・・なんて思って、全然興味は無かったけれど。

セクシーランジェリーを着けた女性が、こんなにも美しいなんて思いもしなかった。

そして、何も着ていない裸よりも、むしろ数倍セクシー。

「こ・・・・・んちゃん・・・綺麗・・・・本当に・・・綺麗・・・・」

まるで、芸術作品を鑑賞しているかのよう。

淡いピンクの薄布の奥には、滑らかな曲線を描く紺ちゃんの完璧なボディシルエットが
はっきりとその存在を主張している。

美貴の想像をを遥かに超越してしまっている究極の官能美を、じっくりと堪能させ
てもらう。

さっきまでのオドオドした紺ちゃんはいない。

スッと部屋の中央に立つその姿は、まるでステージ上にいるかのよう。

『私を見て!』と言わんばかりの自信に溢れた表情。


・・・・ 美しい ・・・・


751 名前:Usual days 投稿日:2005/09/03(土) 00:04
段々と身体が熱くなってくるのがわかる。

後頭部がジンジンと痺れてきて、まるで眩暈を起こしたように目の焦点が
合わなくなってきた。

こんなの始めて。

美貴・・・どうしちゃったんだろう・・・・

急に、身体が宙に浮いたように感じた瞬間。

「キャー・・・美貴ちゃん!」という紺ちゃんの叫び声を合図に。

スウーッと意識が遠のいて行った。
752 名前:たまえす 投稿日:2005/09/03(土) 00:05
>>733 無名し読者様
ありがとうございます。

藤本さんは、人に振り回されている時の方が可愛いかも。


753 名前:たまえす 投稿日:2005/09/03(土) 00:05
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
754 名前:てん。 投稿日:2005/09/07(水) 18:47
はじめまして
美貴ティとコンコン、二人のじれったくも、かわいらしい愛をこれからも育んでください
あとまた、ガキさんと愛ちゃんのCPもまったりと読みたいですねぇ
これからもがんばって下さい
755 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:37
よいしょ・・・・・・あれ。

ん゛〜〜・・・・・駄目だ、動かないや。

人間って・・・・気を失ってると、すごく重たくなるんですね。

そう。

せっかく一大決心をして、思い切ってこの恥かしいランジェリーを着たのに。

美貴ちゃんに、このままケダモノのように押し倒されちゃっても・・・・いいかなって。

このまま最後までって、覚悟は出来ていたんだけど。

振り向いて私の姿を見るなり、綺麗って言ってくれて。

・・・・うわっ、来る・・・・って、ちょっと身構えた途端・・・・

急に身体の空気が抜けたみたいに、フニャ〜っと倒れちゃった美貴ちゃん。

一瞬頭が真っ白になったけど、良く考えたら自分がいつもやってる事なので。

ベッドに運ぼうとしたんだけど、持ち上げられなくて。

そっか。

だからいつも美貴ちゃんは私をベッドに寝かせてから・・・・・
756 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:38
・・・・ま、いっか。

そのまま真っ直ぐに寝かせてタオルケットを掛けてあげる。

落ち着いたら、一つの疑問が沸いてきた。

どうして気絶しちゃったの?

だって、私の裸なんていっつも見てるじゃない。

気を失うという事は・・・美貴ちゃんが私のこの姿を見た時に、認知しなければ
ならない情報量が思考の許容範囲を超えていたということ。

何で?

そんなにショックだったの?

どうショックだったんだろう。

バスルームに行って、鏡に映る自分の姿を見て・・・・眩暈がした。

・・・・まる見えだし・・・・・

自分で思ってた以上に透けちゃってる身体。

てゆーか、ほとんどハダカ。

・・・私、こんなヤらしい格好してたんだ・・・
757 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:39
自分の姿なのにドキドキしてきて。

身体の中が熱くなってきて。

そっと胸に手を添える。

「あんっ・・・」

え?

・・・・私、何て声を出してるの?

自分の手なのに、触れた瞬間電気が走った。

これが・・・・美貴ちゃんの手だったら・・・・

ベビードールの上から、胸を撫でてみると、手触りがスベスベしててとても気持ちいい。

いつもとは何かが違う感覚。

・・・・ドキドキ・・・・

ふと、このあいだ美貴ちゃんにしてあげた事を思い出した。

同じように、自分の先端を摘まんでみる。

「はうぅぅぅ」
758 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:40
・・・・え?

脳天から足の爪先までビビッと痺れるように電気が走った。

今までに経験したことの無い、生まれて初めての感覚。

・・・今の・・・・なに?

もう一度、そっと摘まんでみる。

少しずつ指先に力を加えていくと、下半身に向かってジワ〜ッと鈍い痺れが走る。

・・・気持ち・・・いい・・・?

ふと、鏡の自分と目が合った。

・・・・!?

・・・あぁ、わ・・・私、何してるんだろ。

邪念を振り払うように頬をペチペチ叩くと、部屋に戻る。

スースーと寝息を立てて、気持ち良さそうに寝ちゃってる美貴ちゃん。

・・・・可愛い。
759 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:41
そぉ〜っと顔を近付けて・・・・・チュッ!

そのまましばらく添い寝をして寝顔を見ているうちに、なんとなく面白くなくなってきた。

なによ、人の気も知らないで。

子供みたいな寝顔しちゃって。

今日こそは・・・って。

絶対に美貴ちゃんの気の済むようにさせてあげようって。

知らないうちに悪戯されてたなんてちょっとショックだったけど、それは私を気遣ってのこと。

ちゃんと意識の覚醒してる状態で愛されたい。

そう思ったのに。

何で美貴ちゃんが失神しちゃうのよ。

・・・・・・バカ。

でも・・・・ま、しょうがないか。
760 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:42
あ、朝ごはんの炊飯器セットしてないや。

いけないいけない・・・・

キッチンに行こうとして、ふとテーブルの上の美貴ちゃんの携帯に目が止まった。

何気なくパカッと開いてみると。

・・・・・・!

待ち受け画面はなんと、亜弥ちゃんの爆裂ウインク。

おそらく、亜弥ちゃんが自分で撮って、勝手に替えちゃったのだろう。

ふん、負けるもんですか。

さて、どうしてくれようか・・・・・

・・・・・・あ。

今、凄い恐ろしい事を考えちゃった。

よし!
761 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:43
・・・えっと、モバイルカメラ・・・の・・・デジタルカメラモード・・・・で、機能
・・・・の撮影サイズ設定・・・っと。

AFモードを・・・・・っと、おっけー。

タイマー設定を・・・・10秒でいいかな・・・。

テーブルの上に置いて、角度は・・・こんなもん?

ボタンをポチッと押すと、ベッドに飛び乗りセクシーポーズ。

・・・・カシャ。

どれどれ?

あれ、足しか写ってない。

もうちょっと上・・・・っと。

もう一度・・・・・・せーの!

カシャ!

んしょ・・・・・おーっ、バッチリ!完璧。

・・・・・保存して・・・・壁紙登録・・・っと。
762 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:44
どれどれ・・・・・・・うわっ!

・・・・パカッ。

閉じちゃった。

・・・・・・・・・ち・・・・・ちょっと・・・・・やり過ぎたかな・・・・・

まいっか、どーせ美貴ちゃんしか見ないし。

携帯をテーブルに置くと、キッチンで炊飯器のタイマーをセットする。

部屋に戻って元の下着にはき替えて、パジャマを着て。

電気を暗くすると、絨毯の上に直接寝ちゃってる美貴ちゃんの腕が枕になる
ように横になって、起こさないようにそっとしがみついて。

丁度目の前にある美貴ちゃんの胸を、シャツの上から触ってみる。

・・・わぁ〜、すごくドキドキする。

つんつん・・・ぷにゅぷにゅ・・・

ん、ちょっと楽しい。

くりくりくり・・・・
763 名前:Usual days 投稿日:2005/09/07(水) 19:45
「・・・・うんっ」

ビクッ!

声・・・・・出した。

くりくりくり・・・・あ。

平らだった先っちょが・・・・尖ってきた。

・・・・へぇ〜〜、美貴ちゃの言ってた事って、本当だったんだ。

おりゃ・・・・・ぷにゅ!

「・・・あっ」

ドキッ!

へぇ〜、寝てても感じるのかな。

え?

私も美貴ちゃんにいじられてる時って、こんな声を出してたの?



・・・・・さてと、寝ようか。

かなり強引に現実逃避をしつつ、静かな寝息に吐息を重ねる。

・・・・おやすみ美貴ちゃん。

764 名前:たまえす 投稿日:2005/09/07(水) 19:50
>>754 てん。様
はじめまして。ご覧頂きましてありがとうございます。

愛ガキコンビ、可愛いですよね。

色々なCPを、と思ってはいるのですが、自分の勉強不足に加えて握手会Aに当選して
しまったがために紺ちゃんに魂を奪われてしまい、こんな調子になってます。
765 名前:たまえす 投稿日:2005/09/07(水) 19:54
今週のポケモーのアーティストQ&Aを見て、驚いてしまいました。
5ヶ月前のネタとは言え、久し振りに鳥肌が。

本日はここまでです。更新間隔が開いてしまいますがご容赦ください。
それでは失礼致しました。
766 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/07(水) 21:14
ポケモー、私も驚きました!
思わずこのスレのことを想起してしまいましたw

どんどん責めに目覚めつつあるこんこんと
好きな人の前では可愛くなっちゃうミキティがいいコンビですね
767 名前:無名し読者 投稿日:2005/09/07(水) 22:17
紺ちゃんは案外攻めだったり?! 続き楽しみにしてます
自分もポケモーのQ&A見て驚きました。
相性だけならずハマっている物まで予言してしまう作者さんは神!?
握手会行ったんですか!! ウラヤマシス 間近で見たら相当可愛いんだろうな
768 名前:名無し読者@446 投稿日:2005/09/07(水) 23:34
作者殿交信乙です。今一番交信を楽しみにしてる
作品のひとつです。

この作品で美貴紺の他、ここのCPにだんだんと
はまってしまってます。ポケモーは私も驚(r


769 名前:Usual days 投稿日:2005/09/10(土) 14:00
〜翌朝。

・・・・・ん

・・・・・・・・・ん?

夢うつつのベッドの中、紺ちゃんの温もりを探して手をパタパタ・・・・・

『ゴンッ!』

「いってぇ〜〜〜!」

伸ばした手を、何かに痛打して飛び起きた。

・・・あれ?

ベッドじゃないじゃん。

ぶつけた方を見ると・・・・なるほど。

すぐ横には既に朝食の用意が整ったテーブル。

パタパタパタ・・・・

「美貴ちゃん、大丈夫?」

・・・・・・ポッ。
770 名前:Usual days 投稿日:2005/09/10(土) 14:01
重さんにもらったピンクのエプロン姿がとっても似合う愛しの紺ちゃん。

・・・・可愛い。

「美貴、いつベッドから落ちたんだろ」

そう言うと。

呆れ顔で、腰に手をやってハァ〜っとタメ息を一つついて。

「覚えてないんですか?」

「・・・・・はぁ」

「昨日、私にあんな恥かしい格好させたくせに・・・」

「えっ?」

「本当に・・・・覚えてないんですか?」

「・・・・うん」

「・・・・・信じらんない」
771 名前:Usual days 投稿日:2005/09/10(土) 14:06
余程、私のランジェリー姿がショックだったのか本当に覚えていないらしく、ペタンと
女の子座りのまま呆けている美貴ちゃん。

ムクムクと言い知れぬ怒りが込み上げてきた。

私の人生で一、二を争うほど勇気を振り絞ったのに。

ならば・・・・・

「じゃあ、昨日の夜・・・・私にあんな恥ずかしい事をしたのも?」

ポッと、照れた振りをして上目使いでイヤイヤをしてみる。

すると、ズリッと逃げ腰になって硬直した。

「あ・・・・あの・・・美貴・・・・その・・・・何か・・・・しちゃった・・・・の?」

「イヤン!・・・・初めてだったのに・・・・」

すると、サーッと顔が青ざめて。

「まさか・・・・・」

恐る恐るにじり寄ってきて私の身体を恐々触って。

「紺ちゃん・・・・美貴、覚えてないの。・・・・ごめんね?・・・でも、何か辛い
思い・・・させちゃったんだよね・・・・ホントごめん・・・身体、大丈夫?」
772 名前:Usual days 投稿日:2005/09/10(土) 14:07
そう言いながら私を見詰める怯えた瞳には、次第に涙が溜まってきて。

・・・反省。

いくら面白くないからって美貴ちゃんに八つ当りをしても、全然気持ち良くなんか無かった。

ベッドの上に置いたままのベビードールを取って、美貴ちゃんに見せて。

「これ、覚えてません?」

私の手から受け取って広げた途端。

「・・・あっ、紺ちゃんが・・・・これ着てたの・・・見た・・・・けど・・・」

「ほら、最初これ亜弥ちゃんが美貴ちゃんに買ってくれたプレゼントだと勘違いして。
でも、サイズを見たら私ので・・・・」

「・・・・そうだ!それで紺ちゃん、着てくれたよね・・・・でも、やっぱりその先覚えてない」

「美貴ちゃん、これを着た私の事を見た途端、失神しちゃったんです」

「え、じゃあ・・・」

「私には何もしてないです。ベッドから落ちたんじゃなくて、下で倒れちゃったから
そのまま寝ちゃってただけ」

すると、美貴ちゃんの目からぶわっと涙が一気に吹き出した。
773 名前:Usual days 投稿日:2005/09/10(土) 14:08
「グスッ・・・よ・・・良かった・・・・ほら、いつも美貴さ、紺ちゃんが欲しいって
言ってるじゃん?だから・・・・無意識に本当に押し倒して・・・その・・・しちゃっ
たのかと思った」

「ごめんなさい、さっきのは嘘です。美貴ちゃんはそんな事しないもん・・・ごめん」

「良かった・・・・・グスッ・・・あんね、夢・・・見たんだ」

「はぁ・・・」

「だから、それとごっちゃになって訳判んなかった」

「どんな夢だったんですか?」

「・・・・しちゃう夢・・・・」

「・・・・そうだったんですか」

「怒らないの?」

「そうですよね、怒らないとダメですよね。どうして押し倒さなかったのかって」

「・・・・・え?」

美貴ちゃんの手からベビードールを取って。
774 名前:Usual days 投稿日:2005/09/10(土) 14:09
「昨日これを着た時、美貴ちゃんに抱かれてもいい・・・・そう覚悟してたんです」

「・・・・紺ちゃん」

「それは本当です。もしかしたら、またすぐ気を失っちゃうかもしれないけど、でも、
逃げないで美貴ちゃんを受け入れようって」

スッと立ち上がると、優しく私を抱き寄せて。

「思い出した。ただエッチなランジェリーを着た紺ちゃんを見てみたいって、スケベ心
しか無かったのに・・・・なのに、そんなんじゃ無くって。すごく上品ですごく綺麗で、
本当に美しいって表現がピッタリだったの」

「そんな・・・・・」

「本当に言葉にならなくて、見ているうちに頭の中がしびれたみたいになって、目の
焦点が合わなくなって、それから・・・・わかんなくなった」

「美貴ちゃん、急にパタッて倒れちゃって」

「・・・・クスッ・・・・ムフフッ・・・・あはははは・・・」

「あ・・・あの・・・どこか打ち所が・・・」

「あはあは・・・・いや違くって。きっとさ、神様がさ、美貴にはあの紺ちゃんはまだ
早いって教えてくれたんだよ」

「えぇ?だって、そんなこと・・・」
775 名前:Usual days 投稿日:2005/09/10(土) 14:10
「クックッ・・・まさか美貴まで気絶するとはね。だってさ、あの時美貴はエロい紺ちゃん
を見たいとしか思ってなかったもん。まだまだ本当の愛がわかってないんだよ、きっと。
だから、そんな美貴の領域を遥かに超越してしまっている紺ちゃんの美貴への愛を受け入れ
るには、まだまだ修行が足りないぞ、ってね」

「じゃあ、二人でもっと色々修行しないといけないんですね」

「うん。じゃ、早速・・・・・」

・・・チュ!

優しいキスのあと、しばらく見詰め合って。

もう一度ほっぺにチュッ、てしてくれて。

「紺ちゃん、お腹空いた!」

「はぁ〜い、じゃ早くシャワーしてきて下さい」

「うん・・・・・一緒に・・・」

「お先に失礼しました」

「チェッ」
776 名前:Usual days 投稿日:2005/09/10(土) 14:12
嬉しそうにランジェリーをひらひらさせて、

「・・・また、着てくれる?」

「もちろん」

そう答えると、美貴ちゃんは頬を赤らめて。

「クスッ、じゃちょっと入ってくるね」

鼻歌まじりでバスルームへ入ろうとする後ろ姿に。

「変な事してないで早く出てきてね〜!」

そう言うと・・・・

「『ガシャ〜〜ン・・・・ドタッ』・・・いってぇ〜・・・紺ちゃんの意地悪〜〜!」



・・・うん、満足。


777 名前:たまえす 投稿日:2005/09/10(土) 14:14
>>766 名無飼育さん様
ありがとうございます。

川o・-・) 从VvV)名コンビじゃん!
( ^▽^)パクったな?

>>767 無名し読者様
ありがとうございます。

星の数ほど多くの作品があるので、たまにはこんな偶然もあるのでしょうが。

握手会は4人とも天使のようでした。

>>768 名無し読者@446様
ありがとうございます。

そう言って頂けると、とても嬉しいです。
なるべく食べ物をモニターに噴出しないような穏やかな作品作りに心がけようと・・・・(嘘


778 名前:たまえす 投稿日:2005/09/10(土) 14:19
あ、レスアンカーが半角じゃなかったです。すみません。

もっと遅い更新になるはずが、皆様のレスを見て嬉しくなり、つい更新してしまい
ました。

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
779 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/11(日) 06:59
私のブラウザ(Jane)は全角でも反応するようです。

それはさておき、更新間隔が空くとおっしゃってたので
まだ更新されてないだろうな…と思いつつリロードしたら更新されてて感激しました。
一歩また一歩と深まりゆく二人の絆がもどかしくもあり微笑ましくもあり、って感じです。
更新が速いのは嬉しいですがご無理はなさらずご自分のペースでお書きになって下さいね。
780 名前:てん。 投稿日:2005/09/14(水) 14:11
更新おつかれさまです。
今回の落ち、おもわずこちらでも、ずっこけました(^^;
うん、しっかり成長(?)している
楽しい作品、これからも、がんばってくださいね
781 名前:Usual days 投稿日:2005/09/15(木) 21:12
『ピィ〜〜〜〜ッ』

リハーサルが終って、本番前の準備も慌ただしいコンサート会場の楽屋の中に、耳障り
な音が響いた。

「・・・・チッ、んだよ〜・・・あ〜あ、バッテリー切れたし・・・・」

相変わらずメイクと着替えを一番早く終えて、携帯をいじっていた男前のリーダー。

「てゆーかさ、最近よしこの携帯・・・バッテリー無くなるの、早くない?」

「そーなんだよね。そろそろ寿命かなぁ・・・」

「使い過ぎだっつーの。別にいいじゃん、充電しとけば。一部が終る頃には充電終るよ」

「いや今さ、珍しく監督からメール来てたから、早く返事しなきゃって」

「ん・・・・・・豪ちゃん?」

「うん」

「何て?」

「ん?・・・・・どうしたらミキティを落とせるかって・・・・」

『バキッ!』

「あぅ〜〜・・・はぐはぐ・・・アゴがはずれた・・・」

「冗談は麻琴だけにしときなよ」
782 名前:Usual days 投稿日:2005/09/15(木) 21:13
「ハグハグ・・・いきなり殴る事ねーだろ」

「ったく・・・・大袈裟なんだよ」

「ン・・・・・『カコッ』・・・あ〜痛かった。ほんとミキティは手が早ぇ〜から」

「あなた程ではありません」

「何でよ、こんこんには何を言われても優しくするクセに・・・」

「可愛い紺ちゃんとおっさんを一緒にすんなよ」

「あ〜、そゆこと言っちゃう?一部では吉澤と藤本が付き合ってる説まで流れてるのに」

「だから〜、愛のぐーぱんちで可愛がってあげたじゃん」

「そりゃねーべ・・・可愛がるってゆーのはな?・・・こうやって・・・・ウヘヘッ
・・・・あれ?・・・・あぁ!」

「よっしざわさぁ〜〜ん、今この手は・・・一体何をしようとしていたのかな?」

美貴を抱き寄せようとして伸ばした手を、後ろでコッソリ盗み聞きをしていた
麻琴につかまれて。

「ほぉ〜ら・・・余計な事すっから、背後霊が怒った」

「ば・・・バカ・・・ちげーよ、ほらミキティの肩にゴミが付いてたから・・・・」

「ふぅ〜ん、ちょっと話があるんで来てください・・・」
783 名前:Usual days 投稿日:2005/09/15(木) 21:15
「え゛っ?・・・あ〜・・・あの・・・ちがっ・・・ほんの出来心だって・・・」

「ほぉ〜・・・出来心で肩のゴミを取るんだ・・・・」

「そう・・・イテテ・・・・ごめんって・・・ほら、まだ未遂だから・・・あ〜〜〜・・・・」

・・・・・懲りないねェ。

小春の前ではいちゃつくなとか言っといて、結局はあの二人が一番ベタベタしてるんだよね・・・・

よしこも、麻琴にかまって欲しくて、わざと人にセクハラかましてるし。

愛ちゃんと垣さんなんか可哀想に、真面目だからいまだに忠実に守ってるのに。

特に愛ちゃんなんか垣さんに甘えたくてしょうがないのにさ、責任感も人一倍だから
随分我慢してるみたい。

でも、何もあそこまで不自然に離れなくったって。

ま、美貴達は離れていても・・・んっと、向こうで髪を縛ってもらっている紺ちゃんに、
こうしてピピッと視線を送ると。

ほ〜ら、フニャ〜ッて笑顔が帰ってくるし。

・・・・か・・・可愛い・・・・


『ゴンッ』

「痛い!」

頭に鈍い痛みが走って後ろを振り返ると、何故か口紅を半分滲ませたよしこが仁王立ち。
784 名前:Usual days 投稿日:2005/09/15(木) 21:17
「人を落とし入れといて、なぁ〜に自分達だけ静かに愛を育んでんだ?」

「人聞きの悪い・・・自分だって愛する背後霊と熱烈なちゅーをしてきたんだからいいじゃん。
ほら、早くグロス直しとかないと」

「・・・ったく。最近あいつ、力づくでしてくるからさぁ」

「はいはい、ごちそうさま」

「あれ、携帯のチャージャー持ってきてたっけ・・・」

ゴソゴソとバックを漁りだしたよしこは放っておいて。

そう言えば、昨日の夜からメールチェックしてねーな・・・・

自分の携帯を引っ張り出して開こうとしたとき・・・

「ミキティの、監督のメアド入ってる?」

「うん」

「悪いけど貸してくんねー?」

「急ぐの?」

「来週の朝練メニューの事・・・」
785 名前:Usual days 投稿日:2005/09/15(木) 21:18
しゃーねーか・・・・

「ん・・・・ほら」

「お、わりぃ」

美貴が手渡した携帯をカシャッと開いて・・・・・・・・ん?

開いた途端、色白なよしこの顔が、一瞬でサァーッと真っ赤に染まった。

「・・・・・・・・・・」

画面を凝視したまま硬直している。

「よしこ、何やってんの?早く送りなよ」

「・・・・・・・・・・」


え、だって待ち受けは紺ちゃんとのラブラブツーショットなのに・・・・・・あ!

やっべー・・・亜弥ちゃんがイタズラしたままだ・・・・忘れてた。

まだ固まってるよしこに、

「あの・・・さ、別に浮気じゃないよ。亜弥ちゃんが・・・・・」

と言いかけた時。
786 名前:Usual days 投稿日:2005/09/15(木) 21:24
「え゛ぇ〜〜っ!」

フッと顔を上げたよしこの鼻の下に、ツツ〜ッと伸びる一条の赤い筋・・・・・・

びっくりして思わずでかい声が出てしまった。

「あ゛〜〜っ、吉澤さんが鼻血出しとーと!」

追い討ちを掛けるように美貴の声に振り向いた田中ちゃんが驚いて叫んだもんで、
みんなにバレちゃって大騒ぎ。

ティッシュを持って駆け寄ってきた麻琴が必死に拭いてあげてるけど、よしこはボーッ
と呆けたまま。

とうとうマネージャー軍団まで登場しちゃって。

「おい吉澤どうした、体調が悪いのなら何で早く言わなかったんだ!」

両脇を抱えられて外に連れ出されて行くよしこを見送りながら、落ちてる携帯を拾って。

「まったく、何で亜弥ちゃんのウインクぐらいで鼻血出すかな・・・ばっかじゃねーの・・・」

そうぼやきながら、何気なくカシャッと開いたら。

「うっ!・・・・・えぇっ?・・・・はぁぁぁぁ〜〜〜〜っ?」

まるでラムちゃんの電撃を食らったような衝撃が全身を貫いた。
787 名前:たまえす 投稿日:2005/09/15(木) 21:25
>>779 名無飼育さん様
ありがとうございます。温かいお心遣いに感激しております。

色々なシーンを見ていて、実際の二人も・・・・結構いい関係なのかなと。

>>780 てん。様
ありがとうございます。

オチは一応、教科書通りのお約束ということで。
788 名前:たまえす 投稿日:2005/09/15(木) 21:26
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
789 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:39
重さんに髪を縛ってもらいながら、吉澤さんと美貴ちゃんのやりとりをぼーっと眺めていた。

一見ぶっきらぼうなやり取りも、何故か微笑ましい。

でも、美貴ちゃんの右ストレートが炸裂したときは、何故か後ろにいた重さんが「痛い!」って。

あ、また美貴ちゃんにセクハラしようとしてるし。

・・・・・・お?

あらら、マコに捕まっちゃった、ホント懲りないねェ。大丈夫かな吉澤さん、またマコに
コテンコテンに・・・・

そう思ってた時、後ろから・・・・

「へーきですよ。だって吉澤さん、小川さんが後ろにいたのを知ってて、わざとやった
んですから」

またまた出ました、重さんの七不思議。

時々、今みたいにこっちが何も喋っていないのに、考えていた事に普通に返事が
帰ってくることがある。

「重さんは、相変わらず鋭いねぇ」

「エヘヘ」
790 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:40
私の髪を勝手にウサ耳縛りにしながら、嬉しそうな声。

「あ、吉澤さん戻って来たよ・・・・あぁっ!ぶった・・・美貴ちゃんのことぶった」

軽くピキッと頭に血が昇りかけて・・・

「ダメですよ、怒っちゃ。あんなコムニケーソンも、あの二人には必要なんですから」

重さんに諭される。

・・・・・あれ、発音おかしくなかった?

「あれ、変だったですか?・・・・コミヌケーソン?」

あれ、また読まれてるし。

「・・・・コミュニケーション、じゃない?」

「コニュミケーソン?」

「余計に難しくしてどーするの・・・」

「ふ〜んだ!英語なんかできなくても生きていけるもん」

「それもそうだね・・・・」
791 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:41
英語に関しては、私も大きい事は言えないし。日本にいる限りは・・・・ま、影響は無いか。

「はい、全然無いですよ。大丈夫、カワイければいいんです」

「 ・・・重さん?」

「はい?」

「今日は絶好調だネ」

「エヘヘ・・・っと。はい、できました〜〜!」

「お・・・・重さん、鏡・・・見せてよ」

「え?」

「ほら、重さん愛用のでっかい鏡・・・」

「全然大丈夫ですよ?」

「もしかして、また変な事・・・・・した?」

「・・・・でも、すっごく可愛いですよ?」

「否定しないんだ・・・」

「似合ってるのに・・・・」

とその時。
792 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:42
「えぇ〜〜っ!」

美貴ちゃんの大きな声。

「あ゛〜〜っ、吉澤さんが鼻血出しとーと!」

続いて聞こえたれーなの声に誘われるように見てみると、吉澤さんが携帯とにらめっこ
をしたまま、タラァ〜ッと鼻血を出している。

「わっわっ、大変!」

慌てる重さんの手を引っ張って座らせて。

「・・・どーしたんだろ」

部屋にいた女性のスタッフが外に異変を伝えたらしく、マネージャーが数人入ってきて
吉澤さんを連れ出した。

「何なんでしょう・・・」

「・・・・・さあ」

ん?・・・・・携帯?

吉澤さんが落としていった携帯を、美貴ちゃんが拾い上げて・・・・

あれって、美貴ちゃんのだよねェ・・・・
793 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:43
・・・って事は・・・・・・・まさか。

嫌な予感が脳裏をかすめたそのとき。

「うっ!・・・・・えぇっ?・・・・はぁぁぁぁ〜〜〜〜っ?」

今度は、美貴ちゃんの叫び声。

携帯を見てガクガク震えだしたかと思ったら、ビシッと私の事を見るなりダッシュしてきて、
そのまま外に連れ出された。

間違い無い、昨日の夜の私の悪戯が原因だ。

給湯室に飛び込みドアを閉めると、振り向いた美貴ちゃんの目は涙でうるうる。

「紺ちゃん・・・ごめん。美貴が気付くの遅くて、よしこに見られた」

「・・・え?」

あんないらない事をされて怒っているのかと思ったら、ぎゅ〜っと抱きしめられて。

「待ち受け・・・亜弥ちゃんが悪戯したままになってるのに気付いて、美貴のために
紺ちゃんのセクシーショットに替えてくれてたんだね」

私・・・・単なる嫉妬心だけで、美貴ちゃんのためにとか考えてなかった。

「ホントごめん・・・でも・・・あの写真は待ち受けにするにはちょっと刺激が強過ぎるね」

そう言うと、急にクスクス笑い出して。
794 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:44
「ね、見た?よしこの顔。鼻血だよ?あの吉澤ひとみがさ、放心状態になってやんの。
ま、いつも相手が五郎さんとか伯爵夫人じゃね、紺ちゃんに敵う訳無いけど」

涙目のまま、笑顔でそう言ってくれる美貴ちゃんの優しさで胸が一杯。

「・・・悪戯してごめんなさい」

「ううん、嬉しかった」

「・・・・・え?」

「クスッ、亜弥ちゃんにヤキモチ妬いたんでしょ?嬉しかったよ。もぉ〜、紺ちゃん可愛い!」

何だ、バレてたんだ。

スッと身体を離して私のことをじっと見詰めて。

「でもさ、やっぱり普段は・・・美貴と紺ちゃんのラブラブツーショットのがいいな」

「はい!」

そして美貴ちゃんの顔がゆっくり近づてきて、目を閉じる。

・・・・・?

あれ、来ない。

目を開けてみると、寸止め状態の美貴ちゃん。
795 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:45
「・・・・あ・・・あの・・・・」

「ま、いっか」

囁く吐息が掛かる距離。

「二人でもう一度メイク直そうね」

そう言うと、グッと抱き寄せられて熱い熱い口付けをしてくれた。

どれくらい経ったろう。頭がボーッとし始めたとき、スッと唇が離れて。

「続きは今晩ホテルでね。行くよ?」

「はい」

美貴ちゃんに手を引かれて部屋に戻ると、ドアの前には険しい表情で腕組みをしている
チーフマネージャーの姿。

「美貴ちゃん」

「ヤバイ・・・・かも」

開演も間近で逃げる訳にもいかず、目を合わせないように恐る恐る近寄ると・・・・

「待てお前ら」

・・・あっちゃ〜・・・

・・・やっぱり・・・
796 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:47
「開演前の大事な時間に、くだらない悪戯をするんじゃない!何を考えているんだ」

「・・・いえ・・・何を、と仰られましても・・・」

適当に誤魔化しつつ部屋の中を覗くと、鼻にティッシュを突っ込んで、うなじにアイスパック
を当てた吉澤さんが手を合わせてごめんなさいのポ-ズ。

・・・・喋っちゃったんだ・・・・

「本気で開演時間を遅らせて、今から吉澤抜きの振り分け直しをしようかと思ったんだぞ。
人騒がせにも程がある」

・・・本気で怒ってますね・・・   

・・・そのようですね・・・

一瞬、八王子の悪夢が蘇る。

もし今から本当に振り直しをしたら、1時間送れどころでは済まない。
言われてみれば至極ごもっとものお叱りをたっぷりと受け、ちょっぴり反省する。

「もう二度とこんな事はしません。申し訳ありませんでした。」

そう言う美貴ちゃんに合わせて二人揃って頭を下げて。

そろそろ時間なのか、みんなが廊下に集まり出した。

「頼むぞ本当に。お前達が注意しなければいけない立場なんだから。開演前のメンバー
の緊張をほぐすのも結構だが、良く考えて行動しなさい」

「すいません・・・・・」
797 名前:Usual days 投稿日:2005/09/19(月) 14:49
「よし。気合を入れて、しょいをやって来い」

「「 はい! 」」

ペンッと頭を下げて、円陣に加わろうとしたとき。

「あ、紺野!」

・・・・ドキッ!

思わず美貴ちゃんを見たけど、首を傾げている。

びびりながらそぉ〜っと振り向くと。

不思議そうな顔をしたチーフが、ぼそっと呟いた。



「お前・・・・・・どんな凄い変顔をしたんだ?」


798 名前:たまえす 投稿日:2005/09/19(月) 14:51
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
799 名前:Usual days 投稿日:2005/09/23(金) 08:01
夜公演後のミーティング。

今日のステージでの自分の反省点とか、他のメンバーのことでも、こうしたらもっと
良くなると思う・・・みたいな意見をみんなで出し合う。

「・・・あと、今朝は心配掛けちゃってゴメン。もう全然大丈夫だし、何とも無いからね」

今朝のちょっとした騒動のこと。

本気で心配していた若手(?)達に、吉澤さんが腕をピンピンと伸ばしてアピってる。

「ねぇ〜こんこん」

隣にいた垣さんが、こそっと囁いた。

「ん?」

「どんな変顔したの?」

「ふぇ?・・・・ヒ・ミ・ツ!」

「え〜、ずるいじゃ〜ん。後で見せてよ」

「やぁ〜だよ」

「私だけに・・・・」

「シッ!話聞けよ」

・・・・ほら、美貴ちゃんに怒られた。
800 名前:Usual days 投稿日:2005/09/23(金) 08:02
ミキティに注意されて肩をすぼめてる垣さんとこんこん。

クスッ、本当の事なんて言える訳ねーじゃん。

マネージャーに問い詰められて、とっさに思いついた言い訳。

でも、そっちの方がかえって珍しい事だったりして。

こんこんって、あまり変顔で人を驚かせたりしないから。

でも、あのこんこんのセクシーダイナマイトには参った。

完璧にノックアウトされちった。

・・・・・思い出しただけでも・・・・ウヘヘ・・・

『ビシッ!』

「うっ!」

「余計な事を思い出してねーで、早くシメてよ」

「へ?」

「ニヤけてんだよ・・・思いっきし」

・・・・怖!

キビシイ視線には気付かない振り。
801 名前:Usual days 投稿日:2005/09/23(金) 08:03
大体さぁ、ミキティがあんな待ち受けにしてるからいけないんじゃん。

・・・・・・羨ましい。

脇腹に食い込んだミキティの裏拳をひっぺがしつつ、ミーティングを締める。

「オッケー、この後に地元紙の取材があるから、着替え終わったらもう一度、ここの
リハーサルルームに集合」

「「は〜い」」

次の公演は、今日よりもっと良くしたい。

楽しみにして来てくれるお客さんに、私達ができる限りの最高のステージを見てもらいたい。

ミーティングを通じて、全員のそんな気持ちが、また一つになって行く。

ただ・・・・・・


「よしこ、愛ちゃんが・・・・」

メンバーに聞こえないように、コソッとミキティが隣で囁いた。

「うん、分かってる」

いつも自分に厳しく、また客観的な観察力も長けているため、メンバーへの指導を
的確にしてくれる愛ちゃん。

しかし、どうも終演後の様子がおかしい。

インタビュー中も、いつもの様な積極的な発言が出ないばかりか、唇を噛みしめた
まま終始うつむいている。
802 名前:Usual days 投稿日:2005/09/23(金) 08:05
私の見ていた限りでは、何か間違えたとか歌詞を飛ばしたとか事は無く、振りもいつも
以上に完璧だったし特にこれといっておかしいとは感じなかった。

終始飛びっきりのラブリースマイルだったから油断したか・・・・。

でも、他人には判らない何かがあったのは確かだろう。ステージをはけた直後に笑顔が消えて。

そこまでならまだ救い様があったのかもしれないけど・・・・

地元紙の取材記者に同行して、小学生くらいのファンの女の子数人がコンサートを見に
来てくれていて、取材の一環でその子達に感想を聞く部分があって。

未だにライブの興奮が冷め遣らぬ女の子達の熱烈な賞賛を聞いた途端、愛ちゃんの
瞳から完全に光が消えた。

今ここでは触れない方がいい。

隣に座った垣さんが、心配そうにチラチラ横目で様子を窺っている。

「はい、以上で終わらせて頂きます。お疲れのところ、ご協力ありがとうございました」

取材終了後、ホテルに移動して必要事項を伝達して解散。

メンバー達が、それぞれの荷物を抱えて割り当ての部屋に散って行く中、垣さんを呼び止める。

リーダーとしてはちょっと卑怯かもしれないけれど、こんな時は、愛ちゃんの気持ちを
一番理解している彼女に、メンタルヘルスケアをお願いした方がいいと思ったから。

「垣さん」

「はい!」

「ごめん、高橋のこと・・・お願いできるかな」
803 名前:Usual days 投稿日:2005/09/23(金) 08:07
気付いていない子もいたし、どうしたの?なんて聞いたって、すんなり言う訳無い。
彼女の繊細な心からくる精神的な部分は、時として誰にも理解できない事があるから。

「えっ・・・やっぱり気付い・・・あぁ、ごめんなさい・・・わかりますよね。すみません、
心配掛けてしまって」

「いいって。でも、かなり深刻そうだから・・・どうしようか迷ったんだけど」

「今回は私にも判らないんで・・・・だから、ちょっと時間が掛かるかも・・・・」

「・・・やっぱり・・・辛い・・・・か」

「いえ、任せてください。あと、ミーティングの時、みんなの前で触れないでいてくれて、
ありがとうございました」

少し考えた後でふっと顔を上げた垣さんは、強い眼差しで私を見詰めると、そう言い
残して愛ちゃんの後を追って行った。

愛ちゃんも多分、垣さんの前でしか泣けないだろうから。

こちらをチラチラと気にしながらこんこんの世話を焼いていたミキティに目配せをする。

すると、チラッと消え行く垣さんの背中に目をやってからこんこんに何か囁くと、二人揃って
私を見てうなづき返してきた。

ふと、手に温もりを感じて振り向くと、麻琴が穏やかな表情を浮かべている。

「大丈夫ですよ、愛ちゃんなら」

「・・・・・うん」

同期ならではの、何か感じるものがあるのだろうか。

「よし、行こうか」

そう言いながら麻琴の頭をくしゃくしゃに撫でてやると。

「はぁ〜い」

くすぐったそうに首をすぼめてうなづいた。
804 名前:たまえす 投稿日:2005/09/23(金) 08:12
ごっちんハッピバースデー! 大阪に行きたかった(泣)

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
805 名前:名無し読者 投稿日:2005/09/24(土) 19:58
更新乙です〜
いしごままだかな?
806 名前:無名し読者 投稿日:2005/09/24(土) 22:32
愛ちゃんどうしたんだ
よっすぃも思わずニヤケる待ち受け… いったいどんな
諸々で続きが気になります
そして ごっつぁん1日遅れましたがオタオメ!
DEF.DIVAでもいしごま絡み見れるかな
807 名前:てん。 投稿日:2005/09/25(日) 01:59
更新おつかれさまです
愛垣きたーーーーー
しかし・・・がんばれガキさん^^;

このごろ、コンコン&美貴ティ壊れかけてません?
808 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/26(月) 16:41
更新お疲れです。

ごっちん誕生日おめでとうでした!
少し遠出して、ごま紺@倉敷に行ってきました。
久々のソロライブはやっぱ最高ですね。
ここのいしごまにも期待しつつ、
愛ちゃん垣さんも頑張ってほしいです。
809 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:24
重さんと小春ちゃん以外は、それぞれ一人一部屋ずつ割り当てられてはいるのだけど。

実情は・・・・・

「『ドンドンドンッ』ちょー、え〜り!何で開けてくれんと?『ドンドンドンッ』開けろ〜!」

・・・・パタパタパタ・・・・・ガチャ。

「あれぇ〜?カギ閉めてないのに」

「アホッ!毎回同じボケしよってから。何回同じことしよったら覚えると?」

「え〜?・・・・あぁ、オートロックかぁ・・・アハハハハそっかそっか」

「折角絵里が、今晩お部屋に来てね・・・・な〜んてバリ可愛く言いよるけん、すっかり
その気になっていそいそと来たっちゃけど。・・・なのになんね?全然・・・愛が足らんと」

「ほらぁ〜、何もそんなに怒らなくたって・・・・絵里のおっちょこちょいはいつもの
事だしぃ〜・・・・損はさせませんよ、お客さん!」

「なぁ〜ん言いよっと?」

反省の色は全く無し。

ふにゃけた笑顔がスッと真剣な顔に変わって・・・れなの身体が優しく包み込まれた。

「ちょ、え〜り・・・・・ずるいって・・・・」
810 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:24
そんな減らず口をたたきつつも、唇は優しい温もりを欲している。

「・・・んっ・・・・・ん・・・・・・あふっ・・・・」

絵里のキスは魔法のよう。

どんどん身体の力が抜けて行く。

膝が震え始めてふらつき出すと、腰に回された絵里の手がそっとれなを支えてくれる。

マジで溶けそうっちゃね・・・・

キスだけで意識が朦朧としてきた時。

「お〜い・・・・そこのバカどもぉ〜・・・・」

二人きりの空間を邪魔する声が、かすかに聞こえた。

・・・・誰やろ・・・・でも、今いいとこだけん・・・・

「えっと・・・亀井さぁ〜ん・・・・田中さぁ〜ん・・・・」

・・・・今、キスしとーと。

「もしもし亀よ〜れいなさ〜ん?」

・・・・だけん・・・邪魔せんといて・・・・
811 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:26
「こら、そこの俄然強めと金ラメ茶髪!」

ビクッ!

間近で怒鳴られて、驚いて身体を離してしまった。

「もぉ〜!何で邪魔すると?」

もっと欲しかったのに・・・・ちょっとムッとしつつ振り向くと。

「「・・・・・・あ」」

腕組みをして、無理して怖い顔を作っているマネージャー。

「あのねェあなた達、何度言ったらわかるのよ。ホテルの廊下は家の外と同じだから
気をつけろっていつも言ってるでしょ?」

いっつもライブのハイテンションのままホテルに乗り込んで、さゆとか絵里と大騒ぎ
して怒られるんだけど・・・・

「何よ・・・・そのす〜〜〜っごい不満そうな顔は」

「今日は・・・・騒いどらんちゃ。なぁ絵里?」

「・・・・ちゃ」

「なんそれ、訳わからん」

「バカッ!いくらフロアを押さえてると言ったって他のスタッフだっているのよ?
なのに、どうして往来のど真ん中で堂々と熱烈なちゅーなんかしてるのよ!」

「「あ・・・・」」
812 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:27
もちろん、現行犯では言い訳もできず・・・・

「あ゛〜〜〜〜っ、ほんっとにもぉ〜〜あんた達は・・・・」

お?頭を掻きむしってる。

ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・・・

「もうこの際、自分の部屋に戻れなんて野暮なことは言わないから・・・」

「あの・・・・電話が・・・」

「わかってる!・・・だからね・・そういう事は部屋の中でやって頂戴!」

ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・・・

「だから・・・・電話が鳴りよると・・・・」

「また古風な着信音ですねェ」

「ほっといてよ・・・・ったく。いい?チーフに見つかりでもしたら、それこそ大変な
ことになるから・・・ほら、早く部屋に入りなさい」

・・・・・ん?

急に優しい顔になりよってから。

「あなた達も女性なら、羞恥心を持ちなさい」

そう言って、ニコッと微笑んだ。
813 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:28
・・・れーな・・・゛しゅうちしん″ってなあに?

・・・え゛っ?・・・・・・ん〜〜〜あれやろ、早く寝ろって・・・・

ん?あぁ、就寝かぁ・・・・似てる似てる

・・・絵里、今のうちに・・・

・・・ん、だね・・・

「「わっかりました!おやすみなさぁ〜い」」

パタン。

「エヘヘ・・・・また怒られちゃった」

「絵里のせいっちゃろーが。早う開けんから」

「まぁまぁ、そんなこといいじゃないですか。早くお風呂に入ろ?」

「・・・・・・うん」

「んふ、顔が赤いよ?」

「ちょっと部屋が暑いと」

「え〜そっかぁ?・・・・・フフフッ、照れてるれいなって可愛くって大好き」

「照れてなんかおらんし」
814 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:29
「ほらこっちにおいで?いっぱい汗かいたんだから、絵里が綺麗に洗ってあげる」

「あ〜〜・・・先にメイク落とさんと」

「脱いでからでいいじゃん」

「えっと・・・髪の・・・・」

「それも脱いでからでいいって・・・・・ん?待てよ・・・」

「どげんしたと?」

「エヘヘヘヘェ〜・・・その前にすることがあった」

「わっわっ・・・ちょ〜なんしょっと・・・伸びるやろ〜〜!」

いきなりTシャツをガバッと持ち上げられて、絵里の顔が胸の辺りまでズボッと入ってきた。

ジタバタしてみるけど抱きしめられていて逃げられない。

人の胸にピッタリ顔をくっつけて、スーハースーハー深呼吸。

「あ・・・・あの・・・絵里・・・・・・・なんしよると?」

「れーなの汗の匂い」

「はぁ〜?」
815 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:31
そりゃ汗臭いわなァ・・・・ライブの後じゃ・・・

「こら・・・絵里!お風呂の後のいい匂いを嗅いだ方がいいっちゃろ?」

「やぁ〜だ」

「・・・だけん、シャツが伸びよると・・・」

「ん・・・・も少し・・・・スウゥゥ〜〜ッ」

「めっちゃ恥かしいんやけど・・・・」

汗でピタッと貼り付いた絵里の頬の感触。

規則的に胸にかかる吐息が、くすぐったくもあり気持ち良くもあり・・・・

まったく。

諦めて、潜り込んだままの絵里の頭をそっと抱き締める。

時々おかしな事を思い付いては、前説無しにいきなりやらかしよるから。

でも、どれも可愛くって絵里らしくって笑えるものばかり。

こないだなんか・・・・新曲のダンスレッスン中に、突然れなのハーフパンツをまくり
上げて足にしがみついままフトモモをじぃ〜っと見よるけん、何しよると?って聞いたら。

「ん〜?れーなは色白だから」
816 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:35
「はァ?訳わからん。・・・・色白だから・・・なんね?」

「静脈がキレイ・・・・・ほら・・・・」

指でつつーっとなぞりながら。

あまりのくすぐったさにリハーサルルームの床をのたうちまわって逃げようと
するっちゃけど、貼り付いたまま離れんと。

メンバーは変態エリックって爆笑しよるし、先生達も・・・今度どこかに使おうか
・・・駄目だ、美勇伝がやってるよ・・・なぁ〜んて言いよるし。

アホなことばぁ〜っかしよるけど・・・何もされんと寂しいけん・・・・

「んしょ・・・・っと・・・・おっし、エネルギー充電完了!」

「あ〜あ・・・・え〜り・・・これ、どげんしてくれっと?」

頭をひっこ抜いた後には・・・胸の部分がびろ〜んと伸びたTシャツ・・・・

「ありゃ〜・・・そだ!紺ちゃんにあげれば?」

「そっか・・・ポンちゃんの胸ならピッタリ・・・って、何でやねん!」

「・・・・れーな・・・・怒った?」

あ〜〜ほらその目・・・めっちゃズルイやん?・・・

クスッ、また・・・れなの負け。

「怒ってなんかおらんちゃ。・・・おっし、お風呂入るぞー!」
817 名前:Usual days 投稿日:2005/09/26(月) 22:37
・・・ふぅ〜、油断するとすぐこれなんだから。

ほんとに世話が焼ける子達。

結局いつも、ほとんどがどちらかの相方の部屋に移動しちゃって残りは空き部屋。

パタン

「あら、紺野?」

「はい・・・・あぁ・・・・あの・・・・お疲れ様でした・・・おやすみなさい」

「はいおやすみなさい」

パタン!

・・・あれ?藤本の部屋から出てきて自分の部屋に戻っちゃった。

・・・・何かあったかな

また暫くすると

パタン

「・・・・・え?」

「あ!・・・・グシッ・・・お疲れ様でした〜」

「はいお疲れ・・・・」

パタン!

???・・・今度は新垣が高橋の部屋から出てきて自分の部屋へ。

しかも泣いてたし。

・・・おいおい、明日のコンサート・・・・大丈夫かぁ?
818 名前:たまえす 投稿日:2005/09/26(月) 22:42
>>805 名無し読者様
ありがとうございます。
いしごまは今のところ未定です。
スミマセン・・・

>>806 無名し読者様
わかりずらくて申し訳ありません。
例の待ち受けにつきましては >>760 辺りから読んで頂ければ
お判りになって頂けると思います。

新ユニットは本当にすごく楽しみです。

>>807 てん。様
いきなり脇道にそれてしまってスミマセン。
美貴紺は・・・・私的にも葛藤中でして・・・

>>808 名無飼育さん様
ありがとうございます。
ごまコン行かれましたか。ホント待ちに待ちました。
私もこれから参戦予定です。

いしごまはホントすいません。
どうも更新前に参戦したライブの影響が強いようで・・・
819 名前:たまえす 投稿日:2005/09/26(月) 22:46
仕事でごまコン生誕祭に乗り込めなかった腹いせ・・でもないけれど
武道館の3公演に参戦。うち2回がサブステ真横で・・・・完全破壊。
あぁ・・・またDVDに醜態が・・・・

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
820 名前:名無し読者@446 投稿日:2005/09/27(火) 22:11
交信乙です。実はメ○ンのZeepツアー(福岡のみ)しか行ったことの無い
在宅痴呆ヲタですが、娘。紺いつかは参戦したいです。

娘。マネ視点も娘小説ではありそうで、無い視点ですよね。ある意味ありのままを
見ているみたいです。

作者さんのペースでどうぞ。ゆっくり待ってます。
821 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/27(火) 23:07
更新お疲れです。
てかマネージャーさんは結構知ってんですねw

822 名前:Usual days 投稿日:2005/10/01(土) 22:13
「・・・・大丈夫だよ」

「・・・・・うん」

異常に落ち込んでいた愛ちゃんを心配している紺ちゃん。

見かねて根拠の無い慰めを投げ掛けてみる。

「気持ちは分かるけど、そんなに心配すると紺ちゃんの方がおかしくなっゃうよ?
垣さんに任せようよ」

「・・・・・・うん」

実際、どうしようも無いんだけど・・・

「きっとさ、朝になったら・・・ほら、いつもみたいに 『おあよ〜』ってさ。元気な
愛ちゃんに戻ってるって」

「・・・・・・うん」

美貴的にはかなり激似だと思えた愛ちゃんの真似も、見事にスルーされた。

シングル・ルームには不釣り合いな程大きいベッドに二人並んでちょこんと座った
まま、静かに時間だけが流れてゆく。

チラッと顔を覗き込む。

じっと床を見詰めたまま。
823 名前:Usual days 投稿日:2005/10/01(土) 22:14
「ねェ・・・・取り敢えずさぁ・・・」

肩を抱き寄せようと伸ばした腕が空を切る。

「・・・・・・え?」

急に、スッと立ち上がった紺ちゃん。

「・・・・紺・・・ちゃん・・・?」

「ごめんなさい。でも・・・あんなに・・・愛ちゃんが苦しんでるのに・・・そんな気分に
なれない・・・・・ごめんなさい・・・」

何を勘違いしたのか、そう言い残すと部屋を出て行ってしまった。

・・・何だよ、美貴が心配していないとでも思ってるのかよ・・・

言い知れぬ悔しさがふつふつと込み上げてくる。

身体中の血液が沸騰したような気分。

・・・同期の絆・・・

「ちくしょ〜〜!」

枕を思いっ切りドアに向かって投げつけた。
824 名前:Usual days 投稿日:2005/10/01(土) 22:16
・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・

愛ちゃん・・・・どうしちゃったんだろう。

あんなに落ち込んでる愛ちゃんって、あまり見た事が無い。

今日の出来事を朝から思い返してみても、何も思い当たるような事が無い。

でも、絶対に見過ごしているヒントがあるはず・・・・

考え事をしながら、不意に伸びてきた美貴ちゃんの手を反射的に避けてしまった。

・・・いけない、ここで考えていたんじゃ美貴ちゃんに心配掛けちゃう・・・

そう思って部屋を後にする。

ドアを閉めるのと同時に、バーンと何かがドアにぶつかる音が聞こえた。

ビクッ!

あ・・・・あぁ・・・・怒らせちゃった・・・・ど・・・どうしよう。

・・・あっ!

美貴ちゃんの気持ちを全然考えていなかった事に気付いて、慌てて部屋へ戻ろうとした時。

「あら、紺野?」
825 名前:Usual days 投稿日:2005/10/01(土) 22:17
不意に声を掛けられて顔を上げると、いつからいたのかマネージャーさんが立っている。

・・・・姿を見られてまたすぐ戻ったら、不審に思われる・・・・

「はい・・・・あぁ・・・・あの・・・・お疲れ様でした・・・おやすみなさい」

「はいおやすみなさい」

一瞬、呼び止められるかと思ったけれど、何事も起こらないまま自分の部屋へ入る。

ドアを閉めた途端、もの凄い罪悪感が込み上げてきた。

何やってんだろ・・・・まるで、自分だけが愛ちゃんのことを心配しているみたいに。

美貴ちゃんだって、どんなに心配している事か・・・・・

こんな気持ちのまま、明日のステージになんて立てない。

バスルームのドアの前にヘタりこんだまま暫くそんな事をボケーっと考えていて、ハッと我に返る。

・・・駄目だ・・・・このままじゃ駄目だ・・・謝らなくちゃ・・・

入口の横にあるホルダーに差し込んだカードキーを抜いて、ドアのロックを開けようとした時。
826 名前:Usual days 投稿日:2005/10/01(土) 22:19
「『コンコン』・・・・・・・紺ちゃん」

・・・え?

「『コンコン』・・・紺ちゃん・・・美貴だよ・・・起きてる?」

・・・え?・・・何で・・・・どうして・・・・

ドア越しの声を聞いた途端、涙が吹き出した。

急いでロックを外してドアを開けると、スッと入ってきた美貴ちゃん。

恐る恐る顔を見ると・・・・・え?

てっきり怒っているものと思っていたけれど、そこには優しく微笑んでいる美貴ちゃんが。

安心したのと同時に申し訳無い気持ちが加速して、更に涙が溢れ出す。

「うぅぅ〜っ・・・・美貴・・・グスッ・・・ぢゃ〜ん・・・わぁぁぁぁぁ〜〜」

そんな私をそっと抱きしめてくれて。

「ごめんね?・・・・美貴、紺ちゃんの気持ちも考えないであんな無責任なこと言っちゃってさ」

・・・ふぇ?
827 名前:Usual days 投稿日:2005/10/01(土) 22:20
思いもしなかった美貴ちゃんの言葉に、涙腺が完全に決壊した。

「エグッ・・・ご・・ごめん・・・エグッ・・・なさいぃぃ・・・ヒック・・・わ・・・
私・・・うぅぅぅ・・・わぁぁぁ〜っ」

ちゃんと謝りたいのに、感情のほとばしる勢いに負けてしまって言葉にならない。

「紺ちゃん・・・昨日言ってくれたよね、美貴と紺ちゃんは一心同体だって。
・・・・わかってね?美貴も紺ちゃんと同じだけ・・・・・ね」

「エグッ・・・ヒッ・・・わ・・・ングッ・・・わたし・・・あっ・・・みき・・・ンンッ」

嗚咽が止まらない。

「いいよ、もうわかった。紺ちゃん・・・悪くなんかないから。こんな時もあるさ・・・でも、
こうしてちゃんと判り合えるじゃん」

「うぅぅぅぅ・・・・・」

どうにも収まりのつかない私の頭を優しく撫でながら背中をポンポンしてくれる。

「ほ〜ら、いい加減に泣き止まないとさ、可愛いおめめが腫れちゃうぞ?」

「ンンン・・・ウグッ・・・みぎ・・・じゃん・・エグッ」

「なあに?」

「ンッ・・・ンッ・・・ご・・・ごめんなさい・・・ック」

「それ以上謝ったら・・・・そのおしゃべりなお口を塞いじゃうかんね」

「で・・・・でも・・・でも・・・・・・んぷ!」

・・・塞がれちゃった。
828 名前:Usual days 投稿日:2005/10/01(土) 22:23
・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・

寝ちゃったか・・・・

泣き疲れて、マシュマロほっぺに涙の後をいっぱい残したまま一人夢の中。

そりゃぁ〜カチンときたのはホント。

でもそれは、紺ちゃんが愛ちゃんのことを思っての事。

起こさないように、そ〜っとベッドの上に抱き上げる。

メイク落としてないじゃん。・・・・・てゆーか、シャワーすら浴びてないし・・・・

でも・・・・起こせないよなァ。

んじゃ・・・失礼して・・・美貴だけ・・・・・・・あれ?

何時の間にか美貴の左手の親指が、しっかりと紺ちゃんに握られている。

「クスッ、おいおい・・・・赤ちゃんじゃないんだから・・・・」

美貴と離れたくないってか・・・ま、しょうがないか。明日は二人でちょっと早起きしようね。

泣く子と亜弥ちゃんには勝てないけれど、泣いてる紺ちゃんにはもっと勝てないしね。

諦めて紺ちゃんの隣に横になる。


・・・おやすみ紺ちゃん・・・・いい夢見てね・・・


829 名前:たまえす 投稿日:2005/10/01(土) 22:25
>>820 名無し読者@446様
ありがとうございます。
場所によっては倍率も高くなってしまいますが、一度ライブを見てしまうと
どんどん深みに引きずり込まれます。

マネ視点は・・・あまり深くは考えていなかったのですが、珍しいんですか・・・
どうも作者は節操が無いもので・・・・

>>821 名無飼育さん様
ありがとうございます。
タレントの身上(心情)把握もマネ氏の所掌でございまする故・・・(多分
830 名前:たまえす 投稿日:2005/10/01(土) 22:30
残暑キビシイ熊谷会館駐車場の車内で開演の待ち時間にシコシコと今回の更新分
を書いていたら、また日焼けをしてしまいました。

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
831 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/02(日) 23:09
更新乙です
ライブの魅力は本当に一度味わったらくせになりますね
かくいう私もたった今大阪フェスティバルホールから帰ってきたところでw
今回のツアーはかしまし2でじゃれ合ってる紺美貴が微笑ましいですね
832 名前:てん。 投稿日:2005/10/05(水) 18:43
更新おつかれさまです
ライブいいですねぇ
一度行ってみたいですが…(^^;

紺美貴かなりきてますねぇ
ガキさんがんばれFight!!
833 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:04
私に任せて・・・なーんて吉澤さんにデカイ事を言ってしまったけれど、今回ばかりは
原因が全く分からない。

あんなに楽しそうにステージを跳び回ってたじゃない。あんなに気持ち良さそうに
歌ってたじゃない。

・・・・・なのに・・・・どうして・・・・

愛ちゃんの気持ちが分かってあげられない自分にイラ立ちを覚えつつ、荷物を引き
ずりながらトボトボと遠ざかる愛ちゃんのシルエットを追い掛ける。

「愛ちゃ〜ん、待ってよ〜」

一瞬ピクッと反応するも、ガックリとうなだれたまま歩みは止まらない。

エレベーターの中でも無言でじっとドアを見詰めたまま。話し掛けるのもためらわれる
程ネガティブなオーラに包まれている。

先に自分の部屋に荷物だけ放り込むと、向かい側で閉まりかけた愛ちゃんの部屋に
滑り込んで・・・

「『バキッ』・・・はうぅぅぅ〜っ!」

入り口に転がっていたスーツケースを思いっきり蹴飛ばした。
834 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:05
「だいじょ〜ぶ?」

「え゛っ?」

もう丸っきり私のことなど眼中に無いと思っていたので、声を掛けられて驚いた。

「もぉ〜愛ちゃん!私の事より愛ちゃんだよ・・・・どうしちゃったの?このまま窓から
飛び降りるんじゃないかと思ったよ〜」

「ん〜・・・」

打った右足を抱えて痛いの痛いの飛んでけ〜っと心の中で唱えつつ、痛くないフリを
しながら愛ちゃんの姿を探すと、ベッドに大の字に突っ伏したままうなってる。

隣に座ってしばらく待ったけど返事は無し。

「ね、愛ちゃん・・・どうしたの?」

「・・・・あっし・・・・最低や・・・・」

「どうして?」

「嘘ついた」

「はぁ?誰に・・・」

「ファンの子」

「んぇ?・・・いつ?」
835 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:07
すると、ムクッと置き上がって、私の隣に座り直した。

「最低やて」

「あのさ、それじゃぜっんぜん分かんない。・・・・ちゃんと話してよ」

そう聞いた途端、私の手を掴んでギュッと握りしめた。

「・・・・悔しい」

「あのねェ、さっきっから単語しか言ってないから。分かるように教えてくれない?」

「インタビューの女の子を・・・だましてもーた・・・・会場に来てくれたみんなも」

「どうして?だって、あの子達はコンサートがとっても楽しかったって、すごく喜んで
くれてたじゃない」

「・・・謝りたい」

「んもぉ〜、どうしてよ。何かいけないとこがあったの?」

「・・・・・あっし」

「はあ?」
836 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:08
「ハァ〜・・・」

「愛ちゃん!」

「・・・・・・」

「私にも愛ちゃんの悩み分けてよ。一人で苦しまないでよ!」

はっきりしない愛ちゃんに怒りが込み上げてきた。

「今日・・・・」

「・・・・うん」

「思った通りの・・・・あっしのイメージしてる通りのダンスができんかった」

「振り付け?」

「・・・・最初の色っぽいじれったいでキメが甘くなってもーて・・・・・ほやっけその後の
振りが全部グダグダになってもーた」

「・・・・・・そっか。でも、全く気付かなかったよ?ごめん、私の目には逆に・・・愛ちゃん
今日も気合入ってるなって見えた」

「焦れば焦るほど上手く行かなくなって。お客さんに魅せるどころか、なんか全然余裕が無
くなって。みんなに合わせるので精一杯やった」
837 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:12
「・・・そうだったんだ。でもさ、それは愛ちゃん自身の到達基準での話でしょ?他の人から
見ればさ、相当レベルの高い次元での事だと思うよ?だからお客さんだって・・・・ほら、あ
の子達も良かったって言ってくれたようにさ、コンサート全体としては成功なんじゃない?」

「・・・・ンクッ・・・・グスッ・・・・」

「えっ?・・・・ちょっと愛ちゃん」

とうとう泣き出してしまった愛ちゃん。

「うぅぅ・・・・あんなんで感動なんかして欲しくなかった・・・もっと完璧なステージを見せて
あげたかった」

「愛ちゃん的には・・・でしょ?でもさ、勘違いしないでね?愛ちゃんのソロコンサートじゃ
ないんだよ?娘。10人のコンサートじゃん」

「・・・・ほやけど・・・・悔しい・・・・」

「だったら、明日のライブで挽回すればいいじゃん。今日の失敗を踏まえて次のステージ
に生かせばいいんじゃないの?」

「・・・・・・・」
838 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:13
「じゃあどうすればいいの?愛ちゃん一人で踊る?はっきり言うけど、愛ちゃんのレベル
でそんな事を言われたって誰もついて行けないし、誰もカバーなんかできないよ?それ
にさ、メンバー全員で力を出し合って、支え合って作り上げて行くのが娘。のステージな
んじゃないの?違う?」

「うぅぅ・・・ほやけど・・・今日のお客さんには・・・」

『バシッ!』

「愛ちゃんのバカ!だったらFCのチケットセンターにでも住所を聞いて、一軒一軒謝って
くればいいじゃない、もう知らない!」

余りのネガティブさに我慢し切れず、つい手が出てしまった。

・・・・どうしちゃったのよ・・・・どうして分かってくれないの・・・・

愛ちゃんへの憤りと叩いてしまった後悔、役に立てない自分の情けなさがぐちゃぐちゃに
なって涙が噴き出してきて、いたたまれず部屋を飛び出す。

「・・・・・え?」

「あ!・・・・グシッ・・・お疲れ様でした〜」

「はいお疲れ・・・・」

・・・・パタン!
839 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:14
やばい、マネージャーに泣いてるのを見られた・・・・・

何でこんな所にいるのよ。

「もぉ〜〜〜〜っ!」

ベッドの上にダイブして思いっきり暴れてみる。

「・・・・・・・」

虚しいだけだった。

「お風呂・・・入ろ」

バスルームに行って、蛇口をひねる。

いきなり猛烈に熱いお湯が出てきてあっと言う間にバスルームは真っ白け。

・・・・・このお湯に飛び込むのと愛ちゃんの苦しみって・・・・・どっちが痛いのかな・・・・

指先でちょっと触れてみる。

「・・・・おわぁ!・・・・あっつ・・・」

慌てて水を出して指を冷やして。
840 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:15
いけない・・・・何を考えてるんだ私・・・・

私には丁度良いサイズのバスタブに体を沈めて、自分の力の無さを噛み締める。

・・・どうして気付いてあげられなかったんだろ。

・・・どうして気持をわかってあげられないんだろ。

タオルで作ったタコさんをお湯に沈めてブシュッと潰しながら、色々考えた。

言われてみれば・・・・そうかもね。

今までで自分に100点満点をつけることができたステージって何回あったんだろう。

もちろん、そうなるようにみんな必死に練習するんだけど。

でも、毎回完璧になんてできる訳ないじゃない・・・・

悪いところがあれば、どうして出来なかったかを反省をして、次はもっと良くすればいい
と思うんだけど。

・・・・そっか、自分で納得のできないステージをお客さんに見せちゃったことが悔しかったのか。
841 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:17
愛ちゃん、どうしてるかな。

まだ泣いてるのかな・・・もう寝ちゃったかな。

ホント頑固なんだから。

周りが何を言っても、結局自分で結論を出さない限り納得はできないんだよね。

「愛ちゃんのバカ」

パシャン!

「愛ちゃんの頑固者」

パシャン!

「・・・でも・・・好き・・・」

ブクブクブク・・・・・・

「・・・・・・・・」

プク・・・・プ・・・・・ゴボッ・・・・

「・・・ブハァ〜ッ・・・ンゲッ・・・・ゴホゴホゲホッ・・・ハァハァ・・・・死んじゃう」

あぶないあぶない、寝ちゃいそうだから上がろっと。
842 名前:Usual days 投稿日:2005/10/05(水) 23:18
シャワーカーテンを開けたら、大きな鏡に自分の姿が映ってた。

「よしっ、今日も完璧!」

・・・・な幼児体型・・・・あ〜あ。

いつになったら、飯田さんみたいになるのかな。

そう言えば飯田さんがよく言ってたっけ。

・・・ファンの子達はね、みんな高いチケットをわざわざ買って、私達のコンサートを見に
来てくれるの。何回も来てくれる人もいるけれど、中には初めての人とか、一生に一度
だけっていう人もいるかもしれない。したっけ、できるだけ思い出に残るステージを見せ
てあげたいって思うじゃん?そのためには私達はどうしたらいいのかな・・・

決してああしなさいとかこうしなさいとは言わない。

・・・垣さんならどうすればいいと思う?

自分で考えるように導いてくれて、そうした一人一人の考えを、またメンバー同志で
話し合う。

忙しいスケジュールに翻弄される毎日の中で、つい忘れてしまいがちな事。

だけど、一番大切なんだよね。

ベッドの上でそんな事を考えながら、何時の間にか寝入ってしまった。
843 名前:たまえす 投稿日:2005/10/05(水) 23:20
>>831 名無飼育さん様
ありがとうございます&参戦乙でした。
かしまし2は・・・ホント参りましたネ。

>>832 てん。様
ありがとうございます。
ライブはある意味合法ドラッグみたいなもので・・・
一度味を覚えてしまうと・・・・・めっちゃ楽しいですよ!

844 名前:たまえす 投稿日:2005/10/05(水) 23:26
熊谷2日目。今度は日焼けをしないように木陰の涼しい場所に駐車して
続きを書こうと思ったら、気持ち良過ぎて開演直前まで爆睡してしまいました。

本日はここまでです。それでは失礼致しました。
845 名前:たまえす 投稿日:2005/10/11(火) 05:57
かなり迷ったのですが・・・どうにも残りの容量が微妙なので、次スレを立てる
ことに致しました。 強制終了も考えましたが、このまま中途半端で終わるのも
ちょっと気持ちが悪いので。

固定推しの読者の方には引き続きじれったい思いをさせてしまうかも知れません
が、相変わらずのランダムCPで行きたいと思います。

次スレ 

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