ゆめうつつ

1 名前:K坊 投稿日:2005/03/09(水) 02:18
あややの爆撃から立ち直ったK坊と申します。
こうなったら、利用して書くしかねぇだろう!
ってことで、みきあやでダークです。
あ、ゆめうつつって読みます。
稚拙な文ですが、よろしくお願いします。
2 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 02:22
「ね、永遠ってあると思う?」
それはいつのことだっただろうか。
まだ何も始まってない頃の記憶だったかもしれない。

3 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 02:31
「たん・・・ごめんね、ごめんね・・・」
 ここは紛れもなく、亜弥ちゃんの部屋。しかし、この空間はいつも
のそれとは違う、黒い魔物が棲んでいる感覚。そのひどく醜く、不気
味な化け物は、ずるりずるりと美貴に這いよってくるのだ。
泣き崩れてひたすら美貴にすがって謝り続ける亜弥ちゃんによって。
4 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 02:39
「・・・もしっ・・・!!私がソロじゃなかったら・・・」
   ‘ミキたんはモーニング娘。に入ることはなかったのに‘
いつもの私なら、この時亜弥ちゃんをはり飛ばしてただろう。
でも、できなかった。
ただ、泣いてすがっている彼女と立ち尽くすことしかできなかった。
5 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 02:44
自分が何を考えているのか、それすら分からない。
ひたすら何かを待っている。
なにを?
「ねぇ、なんでもするから・・・なんでもするからさ・・・」

「私を見捨てないで」

ああ、そうか。これを待っていたんだ。
6 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 02:47
「いいよ。」
「・・・っホント!?」
「うん、そのかわり」


「付き合ってよ」
この部屋に潜む黒い魔物は美貴を喰らった。


7 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 02:51
少ないですが、今日はここまでにします。
次の更新はたぶん、明日か明後日?になると思います。
8 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 22:17
「ただいま」
仕事を終えて、美貴はそのまま亜弥ちゃんの家に行った。
ぎぃと重い扉を開けると少し遠慮がちに亜弥ちゃんが迎えてくれた。
恥ずかしかったのかもしれない。
・・・だって今日は初めて亜弥ちゃんと美貴が交わることを約束した
日だから。
9 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 22:21
少しおしゃべりをして、一人ずつシャワーを浴びる。その一つ一つの
動作にお互いがお互いを意識してしまう。それは、ちょっと恥ずかしい
けど、嬉しいことだった。
10 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 22:32
美貴がシャワーを浴び終わった時、亜弥ちゃんはソファーに座ってテ
レビを見ていた。その姿は後ろからでもわかるくらい硬くて、緊張し
すぎだろ!って心の中でツッコんで表情を緩ませた。
一歩一歩確認するように近づいて、亜弥ちゃんの隣に座った。
横でビクンッと反応した気がした。

11 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 22:37
「ね」
「・・・なぁに?」
美貴の呼びかけにテレビをじっと見つめながら亜弥ちゃんは答える。
でも分かってるよ。
本当はテレビに全然集中してないことぐらい。
テレビに集中しているふりをして、美貴の言葉を待っていることぐらい。



「しよっか」

ほら。
また反応した。
12 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 22:54
亜弥ちゃんを押し倒して、無理やり口をふさいだ。恥ずかしいのか、
微力ながら抵抗する亜弥ちゃん。それをふりきって美貴は亜弥ちゃん
の口を舌で割って入り込ませる。
「・・・んっんー!!」
  もっと
「っ・・・やぁ・・・!!」
  もっと
「ふぁっ・・・ん・・・!!」
  声を聞かせて?

亜弥ちゃんを押し倒して、無理やり口をふさいだ。恥ずかしいのか、
微力ながら抵抗する亜弥ちゃん。それをふりきって美貴は亜弥ちゃん
の口を舌で割って入り込ませる。
「・・・んっんー!!」
  もっと
「っ・・・やぁ・・・!!」
  もっと
「ふぁっ・・・ん・・・!!」
  声を聞かせて?



  あぁ、ダメだべ。
 
  マジおかしくなりそう・・・



13 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/09(水) 23:00
ことを終えた後は、そのまま亜弥ちゃんは疲れて寝てしまった。
その寝顔は今までにない以上に愛しく思えた。
美貴は頬に軽いキスをして、寄り添うようにして眠りについた。


14 名前:K坊 投稿日:2005/03/09(水) 23:09
今日の更新はここまでです。
レスしてくれる方いらしゃったら、作者マジ泣きします(大マジ)
感想、ここがちょっと気にいらないとか、ここが気に入ったとか書い
頂けたら嬉しいです。
つぎは・・・特に決めてませんが、一週間以内には更新します。
15 名前:名無し読者 投稿日:2005/03/10(木) 21:13
うわ、あやみきだぁ!!
面白そうです。続き楽しみしてます。
16 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/11(金) 18:01
それから、体を重ねる時がたびたびあった。
美貴は亜弥ちゃんを愛してるし、亜弥ちゃんも美貴を愛しているから
の行為だって思ってた。
その中で、白についた黒のしみは広がっていく。
  
  少しずつ
  
  少しずつ
17 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/11(金) 18:05
「亜弥ちゃん」

それはほんの少しの出来事。
ある物を見つけて、美貴は亜弥ちゃんに尋ねたんだ。

「眠れないの?」
「・・・何で?」

コトリと机の上にある物を置く。

睡眠薬だった。
18 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/11(金) 18:12
それに対して、亜弥ちゃんは特に動揺もなく、いつもの顔で

「あぁ、うん、そ、この頃眠れないんだよー寂しいせいかな?美貴た
んかまってー」

そう言って美貴の腰に抱きつく亜弥ちゃん。
こらこらと言いながら、亜弥ちゃんの頭をなでて、睡眠薬を見た。


19 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/11(金) 18:17
「これ、今日買ったの?」
「え?ううん、だいぶ前かなぁ?」
「・・・ふぅん」



美貴が持っていたのは、全く開いてない睡眠薬だった。


20 名前:K坊 投稿日:2005/03/11(金) 18:25
今日の更新はここまでです。
次は事件が起こる?と思います。

>15 名無し読者様
レスありがとうございます!!マジ泣きです!!
あやみきはいいですよね。
放置はしないんで、どうか見捨てず見守ってください。
21 名前:ラボんチ 投稿日:2005/03/12(土) 04:16
イイ!!私も作者さんと同じ情況から立ち直ったばっかりなのでかなり期待してます、ぁゃみき!!
22 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/13(日) 23:21
同じく自分も今、例の件のショックからのリハビリ中です。
かなり話に引き込まれます、頑張ってください!
23 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 19:05
「亜弥ちゃん、愛してるよ」

1日何度言っているだろうか。カウントしたらきりがないだろう。
それぐらい不安で仕方なくて、そんな美貴に亜弥ちゃんはこう言うんだ。


「私も美貴たんのことを愛してるよ」
24 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 19:08
違和感。
始めは何もなかった。
でも、今ごろになってそれは一つずつ増えていく。


そして白は黒にだんだん近づくのだ。
25 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 19:19
「ミキティ」

賑わう控え室でぼーっと一人でいると、よっちゃんに声をかけられた。

「松浦となんかあった?」
「・・・何が?」

少し不機嫌になったかもしれない。一歩下がるよっちゃん。

「いや、何か変だからさー」
「どっちが?」
「どっちも。あ、でも松浦は仕方ないか。」
「・・・?」

そういえばここ最近会っていない。スケジュールが合わないのだ。

「・・・亜弥ちゃんに何があったの?」
 仕方ないって?

「え?知らないの?」

 松浦、彼氏いるんだって。

26 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 19:23
その一言は美貴をどこまでも突き落とした。

「ミキティ?」

そして気付いてしまった。

「ミキティ?おーい!!ミキティ!!」
27 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 19:43
「・・・・・んは?」
「へ?」
「亜弥ちゃんは!?」

静まる控え室。メンバーから注目される。

「え?あれ?聞いてなかった?今日同じ収録だから、近くの控え室だっ
て・・・」

それを最後まで聞く前に美貴は飛び出した。
28 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 19:48
「はぁっ・・・はぁ・・」

なぜあの日遠慮がちに迎えたのか?

なぜあの日硬くなっていたのか?

なぜあの日抵抗したのか?


・・・分かってしまった。

亜弥ちゃんは初めっから美貴のこと愛してなかったんだ。
29 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 19:51
バンッ!!

大きな音をたてる扉。

「みき・・・たん?」

愛しい人の声。

カツリカツリと歩み寄り、強引にキスをした。
30 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 20:00
「やっ・・・」

これは恥ずかしがっているんじゃない。

愛していない者にキスをする嫌悪感だ。

口腔を掻き回す。
もうどっちのものか分からないほど入れまじる唾液。
もう何もかもめちゃくちゃで、ドロドロで、壊してしまいたい。

苦しそうにもがく亜弥ちゃん。

そりゃそうかー
だって首を絞めながらキスしているんだから。


31 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 20:05
「んっ・・・んん」

抵抗しようと美貴の服を握っていた亜弥ちゃんの手の力がだんだんと弱
まる。
そのたびに愛しい人の命を握れる服従感。

なんて狂っているんだろ、美貴は。
32 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 20:12
「ミキティ!!」

あれー?よっちゃんの声がする。あぁ、付いてきたのか。

突き飛ばされる体。お尻に床がつく感覚。
何も理解しようともしなかった。

ただ、あるのはぐるぐると美貴の頭にかけまわる黒い魔物。

嫉妬とか、憎しみとかそういうものだけじゃない。
色々な感情が混じった真っ黒な、魔物。

知ってる?
黒にどんなに白をかけても白になんないんだよ。
33 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 20:19
「よっちゃん。」
「何」

亜弥ちゃんを抱きながら、睨みつけるよっちゃん。
そこには軽蔑、失望の眼差しがあったかもしれない。

そんなのどうでもいい。

「どれぐらい壊れてた?」

よっちゃんの顔が引きつるのを感じた。

「正直に言っていい?」
「うん」

それでも睨んだまま

「あんなに壊れているとは思わなかった」

「・・・そう」

そう言って美貴は控え室を出た。







34 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/16(水) 20:22
あぁ、神様

別に悪いことはしてないんです。

ただ、愛していただけなんです。



35 名前:K坊 投稿日:2005/03/16(水) 20:41
今日はここまでです。

レスですが、

>21 ラボんチ様
立ち直りましたか・・・
まぁ、あややさんも女の子ですしね。
恋する女の子は綺麗になりますし、これからもどんどん綺麗になって
ほしいですね!!

>22 名無飼育さん様
ありがとうございます(感激)
私はむしろ恋しているあややがどれだけ変わるかワクワクしてます。
恋してないと、恋の歌なんて気持ちが入らないですしね。

って何語っているんだか(笑)
本当にありがとうございました!!

36 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/16(水) 23:49
ゃばぃ…ィィです。かなり。好きです。あなたの小説。更新頑張ってくださぃね!
37 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/17(木) 20:11
切ない…でもすごくいい、私も好きです
次回更新待ってます!
38 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/21(月) 00:53
こちりこちり
39 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/21(月) 01:04
時を刻む音は恐ろしい程真っ暗な部屋に響いた。この時を計るもの
は何を示しているのだろうか。

世界の破滅までの時か?
人が朽ちていく一時一時か?

こちりこちり

そんなの分からない。
一つ言えることは、

―この世界には永遠がないってことだ。

そこまで考えて、美貴は思考を停止させた。


40 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/21(月) 01:16
立ち上がって、ふらりふらりと夢遊病者のように台所までたどり着き、
冷蔵庫を開ける。突如の冷蔵庫の明かりに眩しさを感じて目をしばし
ばさせる。
そして、その中からペットボトルをとりだした。ふたをあけ、ゴクリ
ゴクリと飲む。口を離すと半分以上減っていた。よほど喉が渇いてい
たのだろう。

こちりこちり

はっと気づく時を刻む音。
この瞬間でさえ残酷にも時は動く。

こちりこちりと

永遠は、ない。
41 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/21(月) 01:21
戻って椅子に座りなおすと、まどろみは自然とやってきた。
美貴は夢を見たのだ。






42 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/21(月) 01:35
「ね、美貴ちゃん」

それは過去の回想。美貴がまだソロだった頃だ。

「永遠ってあると思う?」

亜弥ちゃんは突然こんなことを言い出したんだ。

「ないでしょ?人っていつか死ぬじゃん」
きっぱりと否定する美貴。あくまでも現実的な自分を少し可笑しく
思えた。

「・・・そっか」

そう呟く亜弥ちゃん。
急に亜弥ちゃんがいつもの取り柄の明るさでなく、シリアスチック
になって、内心焦ったけどすぐに元気な笑顔に戻ってみせて、

「私はあると思うんだー」

と目をキラキラ光らしながら言った。そんな彼女を美貴は冷めた目
で見る。


43 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/21(月) 01:51
「・・・ふーん、なんで?」
「人はね、死んじゃうと夢から醒めるんだよ。で、すがすがしい朝
を迎えるの。」
「・・・はぁ・・・?」

全くもって意味が分からない。

「んーつまりぃー今、私たちがいる所が夢で、どこかに本当の現実
があるって事。」
「・・・で、死んだらそこに行けるって訳?」
「うん、たぶんね」
「マトリックスの世界みたいだね。」
「マトリックス?・・・あー・・・そうだねー」

「ロマンチックとは言えないけど・・・」
「そう?」


「・・・いい話だね」
「でしょ?」

いつだったか亜弥ちゃんとそんな会話をしたのを覚えてる。
でも、結局美貴は永遠を信じなかった。






そういえば、夢に永遠はあるのだろうか。
44 名前:K坊 投稿日:2005/03/21(月) 02:09
今日はここまでです。

>36 名無飼育さん様
ありがとうございます!!もう、涙が、いっぱい、です!
まだまだ稚拙で未熟な文ですが、頑張りますので見守ってやってく
ださい!

>37 名無飼育さん
こちらも!!嬉しいです!!
切ない、ですか・・・
純なあやみきじゃないので、後味悪くさせるかもしれないですが・・・
また更新したので見てやってください!
45 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/23(水) 21:04
捨てないで、とすがったのは彼女でそれを救い出そうとしたのは美貴。
美貴は亜弥ちゃんのその行為が正直嬉しかったんだ。
亜弥ちゃんは美貴をこんなに愛しているんだって
だから付き合って、と言った。

でも、それは美貴の勘違いで
 亜弥ちゃんは美貴を愛してなかったんだ。

愛してないなら拒絶すればいい。でも、亜弥ちゃんはしなかった。

なぜって?

それは美貴が一番知ってる。
 亜弥ちゃんは優しい人だから。

きっと亜弥ちゃんはソロである自分が美貴を蹴落としたと思っているの
だろう。

これは償いだったんだ。

愛でもなんでもない、ただの償い。


美貴が亜弥ちゃんを愛すたびに亜弥ちゃんは嫌悪感で傷つけられる。
叩きのめされてもまた、亜弥ちゃんは美貴に向かい合うんだ。
そして、それに気付いた美貴も傷つく。


神様は残酷だ。

愛するのにどうしてこんなに苦しい思いをしなければいけないのか。


―まぁ、神様にとってただのイタズラなんだろうケド















46 名前:K坊 投稿日:2005/03/23(水) 21:08
短いですが、ここまでです。
もしかしたら、今日また更新するかもしれません。
これからたぶん長々と続きますが、見守ってください!!
47 名前:ラボんチ 投稿日:2005/03/24(木) 19:51
これからどうなるのか…微妙に絡んだあやよしにも興味シンシンであやみきに期待してます!
48 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/25(金) 21:52
更新お疲れ様です
次あやみき期待しています
これからも頑張ってください。
49 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/30(水) 23:27
携帯が鳴る。
その音は美貴の耳に入り、覚醒させた。まだ頭が全く働かない状態
まま携帯をとる。

『松浦亜弥 一件』

そこで頭が一気に働き出した。
そこには短い文が一行。


『今から家にきて』


50 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/30(水) 23:33
もう辺りは暗くなっていた。
美貴は急いで亜弥ちゃんの家に向かった。顔を隠すことも忘れて無
我夢中に走った。
暗い闇の中を走っているとまた、黒い魔物に追いかけられる感覚が
した。

でも、気にならなかった。


黒に黒をかけたってなにもかわらない。

黒いままだ。
51 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/30(水) 23:40
インターホンを鳴らす。
中でがたりと音がしたが、なかなか出てこない。
もう一度鳴らす。
するとドア近くに気配が現れ、ドアが重々しく開いた。

「・・・美貴たん」

そこにはほんの少しやつれて、痩せた亜弥ちゃんがいた。
なにをするでもなく、美貴は亜弥ちゃんをにらみながら立つ。
亜弥ちゃんは目をそらし

「入って」

とだけ言った。
52 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/30(水) 23:57
いつも通りの部屋。なにも変わっていない。
しばらく周りを見渡す美貴。そんな美貴をじっと見つめる視線に気
づき、また睨む。

「何?」
「何でもないよ」

亜弥ちゃんはちょっと俯き加減に言う。

「違うって。何で、呼んだの?」
「えっと・・・」
「・・・何?してほしいの?彼氏持っといてまだ飽き足りないの?」
「・・・違うよ」
今度は亜弥ちゃんは目をそらさなかった。

「ただ・・・」
「ただ?」

「そばにいて欲しかっただけ」

・・・という亜弥ちゃんの微笑みは今までに見たことのないくらい
切なくて、なぜか悲しかった。

「・・・彼氏にいてもらったらいいじゃん」
「美貴たんがよかったの」

美貴の手を握る亜弥ちゃん。そして上目遣いで目に美貴を写す。

「ね、そばににいてよ」

―弱いって知っているくせに。

53 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/31(木) 00:14
いつも一緒に座っていたソファーにまた一緒に座る。美貴は電源が
ついていな真っ黒なテレビ画面を見つめて口を開いた。

「亜弥ちゃんは嘘吐きだよね。」
「うん」

「彼氏いないと言っちゃってさぁ。何人のファン騙してんの、って
カンジ。」
「うん」

「亜弥ちゃんのファン減るだろうね。」
「うん」

「美貴にまで騙しちゃってさぁ。」
「・・・うん」

美貴の言うことに黙ってうなずく亜弥ちゃん。きっと全部分かって
て付き合ったんだろう。

「亜弥ちゃん、一番酷い人ってどんな人か知ってる?」
「・・・?わかんない」
「嘘吐きでも腹黒い奴でもなんでもないんだよ」

「優しい奴なのさ。
 人を傷つけることのできない優しい人。」
「・・・」
「優しい人はさ、人を傷つけないために何でもする。嘘もたくさん
つくし、悪いこともできるんだ。」

「亜弥ちゃんはそんな人。酷い人。」

しばらく流れる沈黙。
テレビ画面に映る亜弥ちゃんの顔は暗すぎて分からなかった。

54 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/31(木) 00:22
「ね、美貴たん」
「何?」

ひそかに亜弥ちゃんの方を向く。でも亜弥ちゃんはどこか遠くを見
たまんま。近くで見ても、表情が読めなかった。

違和感。いつもの彼女と何かが違う。

「愛する人を選べるなら、美貴たんがよかったなぁー」

美貴ははっとした。視界に入ったからだ。

―空っぽの睡眠薬の瓶が転がってあったのを。
55 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/31(木) 00:57
「亜弥ちゃん!!」

そう言って、亜弥ちゃんの腕を強引に引っ張り、引き寄せる。
トロンとしている亜弥ちゃん。
背筋がだんだん冷めていく。顔が引きつるのが自分でもわかった。

「・・・ぁ・・・眠くなっちゃた」
「だめ!!寝ないでよ!!死んじゃうってば!!」

美貴が顔をたたいても、亜弥ちゃんの目はトロンとしたまんま。

「美貴たん・・・最後のお願い」
「最後って言わないで・・・!!」

「手ぇ、つなご」

右手を差し出す亜弥ちゃん。美貴は左手で握り締めた。
いつも亜弥ちゃんは美貴の左だった。
だから手も亜弥ちゃんは右で美貴は左。

「キスして」

最後まで我侭なお姫様。
美貴はそっと亜弥ちゃんの唇に触れた。
交わる視線。儀式のようなキス。全く胸が高鳴ることはなくて、
こういうのをしらける、っていうのかな。

「愛してるよ」
「嘘吐き」

額にデコピンする。
もう亜弥ちゃんの嘘にはこりごりだよ。

もう我侭を言わなくなった亜弥ちゃんに説いた。

「・・・亜弥ちゃんは夢見ながら死んじゃうの?」
「・・・違うよ。」

「醒めるんだよ。夢から」

どこかで聞いたコトバ。

―あぁ、それは・・・

だんだん閉じ始める亜弥ちゃんの瞼。
        それはゆっくりと、ゆっくりと、

―いい話だね。


 
そして、閉じていった。

56 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/03/31(木) 01:15
美貴の手の中にいる亜弥ちゃんはまだ暖かかった。でも、だんだん
冷たくなって、これが人の死なんだと認識した。
自分の中の黒い魔物に支配されすぎたのかもしれない。涙は全然出
なくて、心の中で冷めたものを感じた。
そして、美貴は電話の受話器をとって、三つのダイアルを押した。
すぐに特徴的なサイレンを鳴らしながら来るだろう。
騒がしくなるな、と鬱陶しく思いながら、ソファーの方を見る。
安らかに眠る愛しい彼女。
それはもう動かない。もう冷たい。
ここが異世界のような錯覚に襲われた。
そういえば彼女が言うにはここが夢だっけ。
くつくつと笑いながら、美貴は再認識した。

松浦亜弥は死んだ、と。







57 名前:K坊 投稿日:2005/03/31(木) 01:30
今日はここまでです。
少し間開けてすみませんm(__)m
ゆめうつつなんですが、もしかしたら、亜弥サイドもやるかも、し
れません。
その時はよろしくお願いします。
では、レスを

>47 ラボんチ様
またまたありがとうございます!あやよし、ですか。これが終われ
かくかも?しれませんね。あやみきは・・・期待しちゃってくださ
い(笑)

>48 名無飼育さん
ありがとうございます!!
頑張りますので、見守っててください!!


58 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/03(日) 00:03
葬儀には大人数来た。
ハロプロのメンバー、つんくさん、そして、ファン。
それはもうものすごい数だった。それだけ松浦亜弥は慕われていた
んだろう。お母さんも、つんくさんも娘。のメンバーも皆その命を
惜しみ、嘆き悲しんでいた。

美貴を除いて。

信じられなかったのかもしれない。
裏切られた自分はなにも愛せなくなったのかもしれない。

ふと、彼女の彼氏と目が合う。
目を真っ赤にしている男。その目は守るべきものを守れなかったと
いう目をしていた。
無表情の美貴を恨んだのか、亜弥ちゃんと美貴の関係を薄々感じて
いたのか。

―そんなの、どうでもいい。

2、3秒睨み合った後、自然とどちらからともなくそらしていった。
59 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/03(日) 00:48
美貴は葬儀の後、よっちゃんに呼び出された。
人気の全くない、小さな公園。
先程の人の多さの影響か、少し寂しく感じられた。端の方にひっそ
りと置かれてあるベンチによっちゃんが座る。それにならい、少し
間を空けて美貴も隣に座った。
沈黙は人気のない公園にいる二人を寒くした。

こちりこちり

どちらの時計だろう。

こちりこちり

不規則なようで、規則的。
あるいは規則的なようで、不規則。

こちりこちり

この音は嫌いだ。
永遠を否定させる。
亜弥ちゃんの存在を忘れさせる。


「ミキティ?」
「ん?」
そんなバカなことを考えているうちに、よっちゃんはすでに沈黙
を破っていた。

「松浦のこと・・・」
「亜弥ちゃん?」
「まさか、さ」
歯切れの悪いよっちゃんを見て次の言葉が自然と予測された。

「美貴が、殺した?」

一瞬びくりとして頷くよっちゃん。
そりゃそうか、あんなとこ見られたんだから。

「殺してないよ。亜弥ちゃんは自殺。美貴は第一発見者。美貴が来た
ときはもう・・・」
「なんで松浦ん家いったのさ」

顔を上げるとよっちゃんがこちらを見て睨んでいた。それはいつも
おどけている人とは違う。迫力があった。

「松浦が呼んだの?」
黙って頷くとよっちゃんはギリッと唇を噛んだ。




60 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/03(日) 01:46
「松浦はひどいよね。」

独り言のようによっちゃんは呟いた。いや、本当に独り言かもしれ
ない。

「うちらにないものをすべて持っていて、それでいて我侭で、自分
勝手で約束破り。一つぐらい持っているものをくれよってカンジ。
でも絶対手放さない。・・・十分持っているくせに、さ。」

上を向いてよっちゃんは言った。
美貴も上を向く。
そこには皮肉なほど晴れ渡った太陽と、青い青空。
そこで気づいた。

よっちゃんは独り言でもなんでもなくて、亜弥ちゃんに話しかけて
いたんだ。

「なぁ、ミキティ。」

美貴は顔をよっちゃんの方に向ける。
よっちゃんは空を見上げたまま。


「松浦のこと好きか?」

美貴はその答えを答えなかった。
正直、今の自分の気持ちがわからない。

何も言わずによっちゃんに背を向けて、ベンチから立つ。すると、
よっちゃんが立った気配がした。それを確認した美貴はそのまま公
園の出口まで歩いていく。今度はよっちゃんの気配はしなかった。
不思議に思って振り向くとよっちゃんはベンチから立ったまま、一
歩も動いてなかった。

「私さ、ずっと前から美貴のこと―――」


その後の言葉は空しく寒い空気に溶け込まれた。



美貴はまたよっちゃんに背を向けて歩き出した。

分かってた。

「・・・ぁは、やっぱひでーや。松浦」

と呟いたことも。

よっちゃんの足元の地面がほんの少し湿り出してたことも。



―全部、知ってたんだ。







61 名前:K坊 投稿日:2005/04/03(日) 01:55
今日はここまでです。
次がラストになる、と思います。
・・・今思ったんですがダークじゃなくて、シリアスですね。

62 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/03(日) 14:30
おぉー…よっさんがんばれ。
63 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/17(日) 00:22
三ヶ月経った。
もうみんな彼女の死を受け入れて、立ち直ろうとしている。それを冷
ややかな目で見ていた。
どうやら美貴はまだ引きずっているらしい。

心にぽっかりと開いた穴は塞がれることなく、ただ時間だけが過ぎて
いく。

分かっているってば。
皆の中の松浦亜弥は治れるような傷で、美貴の傷は深すぎて、治癒能
力さえも働かないってことぐらい。
ただ、それだけの違いってことぐらい。


64 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/17(日) 00:54
「あは、美貴も人のこと言えないじゃん。」

この世界には合わないや。自分は亜弥ちゃんに依存しすぎた。個人
個人の能力を出し合う芸能界に住むことなんてできっこない。

あるとき、美貴は亜弥ちゃんの墓に行った。
湿った空気が感じる。雲行きもあやしい。

(雨、降るかな)
と空を見上げる。雲は空を覆っていた。こりゃあ、降るかもと思い
ながら、墓の方へ顔を戻し、しばらくぼーっと見つめた。


「ミキティ」
意外な人物の声。ごっちんだ。

何を言おうか考えていると、そっちの方から喋り出した。

「本当に死んだんだね、まっつー」
「うん」
「なんか信じられないね。」
「そだね。」

可愛くて、愛しい顔が思い浮かばれた。くるくると表情を変えて、
美貴には到底できないような微笑みをくれる。

けど、もう見れない。

「もう、ごまっとうできないね。」

ぼそりというごっちん。

「後浦なつみも、ね」

「・・・ホントにまっつーが好きだったんだね」
「・・・え」

思わず顔をごっちんの方に向ける。
悲しそうにはにかんでいる顔。

彼女は何かを悟ったんだ。

藤本美貴は松浦亜弥なしでは生きられない。
その証拠に痩せた美貴がいる。ぽっかりと開いた穴は決して埋まる
ことはない。

黒は黒のままで、決して白にはなれない。

もう何もかも遅い。
時は進んでしまったんだ。

そのとき、頬が冷たくなった。
雨が降り出した?それとも、美貴が泣いている?

「・・・ミキティ」

心配そうにこっちを見るごっちん。

「ねぇ、美貴の顔を濡らしてんの何?雨?それとも涙?」

実際雨は降り出していた。
けど、答えは決まっていて、ごっちんも、彼女もこういうだろう。

「「涙だよ」」

一瞬、ごっちんが彼女と重なって見えた。
でも、幻影にすぎなくて、それが悲しかった。
65 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/17(日) 01:11
ごっちんと別れて、家に帰る。
机に置かれた子瓶。それを手にとり、口の中に流し込む。そして、
美貴はベットに寝転んだ。

こちりこちり

時の刻む音。
鬱陶しくて手元にあった瓶を投げつける。カッシャンと巨大な破壊
音と共に音は止んだ。

もう時を刻まない。
もう何も示さない。

少し、永遠を手に入れた気がした。


満足して、起こしていた体を再度寝かした。
しばらくすると、目がとろんとしてきた。薬が効いてきたのかもし
れない。


さぁ、起きようか。
すがすがしい朝が待っているに違いない。



そして、ゆっくりと意識を落とした。
66 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/17(日) 01:16
「・・・きた・・・」

―――え?

「み・・た・・・」

―――何?

「みきた・・」

―――あぁ、もう何?眠いんだからさ。

「みきたん!!」

―――はいはい、起きる起きる。

67 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/17(日) 01:47
目が醒める。

「・・・夢だったんだ」

あれ?でも、何の夢だったんだっけ?凄い夢を見ていた気がする。

・・・ま、いっか。

だるい体を動かして、起きあがり、寝癖のついている頭をかく。
ふと、左手の感触に気づく。見ると、誰かの右手。手を辿って、「
誰か」の顔を見る。「誰か」は少し、怒った顔をしていた。

「もー、さっきから起こしているのに全っ然起きないんだから!」
「はいはい、ごめんって。亜弥ちゃん。」
「『はい』は一回!!」

そう叱って亜弥ちゃんは手を離してベットから起きようとした。少
し悪戯したくなって、美貴は離そうとする手を引っ張った。

「きゃっ」

自動的に亜弥ちゃんは美貴の胸に飛び込む形になる。そして、すか
さず美貴は亜弥ちゃんの背に腕を回してベットの中に引きずり込む。

「もう少しこうしていよーよー」

甘えると、亜弥ちゃんは今日だけだからねと言いながら身を寄せて
くれた。
なんだかんだ言って、亜弥ちゃんは結構美貴に甘い。

あれ・・・?

どうしてだろうか。
このぬくもりがどこまでもあるような気がした。永遠なんて信じな
かったのに。あるような感じがした。








68 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/17(日) 02:01
「・・・あ」
「ん?」
「今日、デートだった!!」

がばっと起きあがる亜弥ちゃん。

「えー亜弥ちゃんの浮気者ー」
「もう!!早く支度しなきゃ!!」

のっそりと美貴はベットから出て、急いで身支度する亜弥ちゃんを
笑いながら見る。

「・・・仲のいいカップルですこと」
「ははぁ、みきたん妬いてるぅー?」
「うん!」

はっきりと言うと、亜弥ちゃんは顔を赤くしてそっぽを向いた。そ
様子を見て、美貴は悪戯っぽく笑い、近づく。

「かわいい」

軽く唇にキスする。

「もう!行くからね!」
「うん、行ってらっしゃいー」
「行ってきまーす」


69 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/17(日) 02:11
◇◇◇


幸せな一日。壊れることのない日常。何のしがらみのない関係。

何も変わらなかった。


でも、一つだけ変わったことがある。




――――その日から夢が見れなくなったことだ。


70 名前:ゆめうつつ 投稿日:2005/04/17(日) 02:13
――――THE END
71 名前:K坊 投稿日:2005/04/17(日) 02:38
あとがきという名の懺悔タイム。

実は、これが処女作だった訳なんですが、ツッコミ所が満載の作品
になってしまいました。本当に申し訳ないですm(__)m

・睡眠薬の件。
有り得ません。死ぬほどの睡眠薬は買えません。

・藤本さんと松浦さん
全然キャラがちがいますね(T_T)

・結末。
すーごく分かりにくかったと思いますが、結局は二人ともお逝k(ry

たくさんありますが、こんなところで。

レスです。

>62 名無飼育さん様
よっさんは・・・ちょっとひどくなりましたね。
すみません!!

後、すごい余ってしまって勿体無いので、短編でも作っていこうかと。








72 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/18(月) 21:57
これが本当の永遠という形に等しいんでしょうね。
いつかはこうなりますからね、人間(何
とても良い作品をありがとうございました。
乙です。
73 名前:ろむ 投稿日:2005/04/18(月) 22:48
あやや爆撃をナイスに活かしていらっしゃる。
この調子でどんどん作品を作っていって欲しいです〜。
74 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/23(土) 22:13
そいつはふらりふらりと私ん家にやってきて飯を食う。

私の作った飯をおいしそうに平らげて、気分次第でどっかへいってしまう。

そんな、野良猫。
75 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/23(土) 22:33
もう春だというのに外の空気は冷え込んでいて、春だと思って薄着を着
てきた自分を恨めかしく思った。でも、冬ほど寒い訳じゃなくて、少し
肌寒いだけ。そんな春の訪れには喜ばずにはいられなくて亜弥は頬を緩
ませた。


(今日も頑張っちゃおうかな?)

そう願いつつ亜弥は歩く。
すると、視界はピンク色で埋められた。

「・・・あ、もう桜咲いてんだぁ」

呟きながら辺りを見渡す。

今年の開花はかなり遅れているらしく、そのおかげでちょうど四月に満
開の桜がお目にかかれた。入学式には喜ばしいことだろう。

白にほんの少し赤が混じったその色が好きだ。
幻想的で神秘的。
昔から貴重とされているのは何となく分かる気がする。

「お花見したいなぁ」

でも、最近スケジュールがハードだしなぁと嘆くも、お仕事だししょう
がないかと自分に納得させる。
一人悩んで一人で答えてるじゃんとちょっぴりツッコミ。

桜を観ながら歩いていくうちにもうスタジオに着いていた。
76 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/23(土) 23:06
「まっつーじゃん」

ふと、振り返ると一人の友人が目に入る。

「ごっちん」

そういえば、同じ撮影だったと思いながら友人に微笑む。真希もまた、
やんわりと微笑んだ。
いつも無表情とか、クールビューティとか言われている真希がたまに見
せる照れたようなはにかみは、亜弥もいつも見惚てしまう。
今日もまた見惚れていると、まっつー?と真希に怪訝そうに顔を覗き込
まれた。すぐになんでもないと切り返す。

なんでもない、日常だ。

「桜、咲いたねぇ」

そう言って、亜弥は行きしなに観た桜の綺麗さを伝える。真希はそれを
口元をほころばせながら黙って聞いてくれた。

「花見したいよね」

真希がぽつりと言う。同じ事を感じたことが親近感が湧いて、嬉しくな
る。

「うん。つんくさんとか、ハロプロのメンバー全員でぇ、パァーっとさ
ー」
「あはは、それじゃあ大混乱になっちゃうじゃん!!」

ツボにはまったらしくて、爆笑し出す真希。それを亜弥はぼんやりと見
つめた。

春はみんないい顔をする。

だから好き。

春は大好きだ。

花粉症はやだけど、さ。

「そうそう、酒でも飲んでさぁー」
「・・・私、未成年なんですけどぉ。ちなみにごっちんも」
「んぁ、そーか。でもいーじゃん。もう19だっけ?もう煙草とか、オ
ーケーじゃないの?」
「吸・い・ま・せ・ん。そんな肺とか喉に悪いもんする訳ないじゃん!」
・・・もしかして、ごっちん吸ってんのぉ?」
「んな訳ないじゃん。まっつー、一瞬疑ったっしょ?」
「もー」

真希は亜弥の髪を撫でる。子ども扱いされたようでふてくされたけど、
思いのほか気持ちよかったのでそのままにさせた。

ごっちんは大人だ。

けど、ほんの少し、いつもより大人びいて見えるのは春のせいか、と亜
弥は思った。
77 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/23(土) 23:40
その時、亜弥の携帯の着信音が鳴る。

「・・・んぁ?」

そう言っていつの間にか真希は亜弥を撫ぜる手を止めて、亜弥の頭から
離していた。亜弥は慌てて鞄から携帯を取り出す。
意外な人物が画面に現れていた。

「誰?」
「よっすぃ」
「へぇ」

興味津々。モーニング娘。のメンバーの時から親友兼ライバルと言って
いた程仲が良かったらしいから気になったのだろう、と考えつつ、ボタ
ンを押す。

「もしもーし?」
『・・・ぁ、松浦!?そっちにうちんとこのバカ行ってねぇ!?』
「・・・ばか?」
『そ!・・・あっ!!いた!!ごめっ!!松浦!いたわ!!』
「・・・ぇっ?えっ?」

状況が分からぬまま、切れた電話。
つーつーという音が空しく響く。窓から冷たい風が吹いた。

(・・・寒)

「・・・な、なんだったのさ?」

しばらくの沈黙の後、真希が亜弥に問う。

「・・・さぁ?なんかバカがなんとかって」
「・・・バカ?もしかしてミキティのことじゃない?」
「みきたん?・・・あぁ、そうかもね」

バカで思いつくなんて。肩をすくめて笑う。そういえば、その親友とこ
のごろ全然会っていない。さみしーって電話で言われてたっけ。
そう言ったときの親友の顔を想像する。

(目つきの悪い目をしながらぶうたれてるんだろうなー、あの子)

そう考えると、自然に口元が緩む。

「まっつー、ホントにミキティーの事好きだねぇ」

完璧に一部始終見ていたらしい真希。少し顔を赤くなりながら、亜弥は
そっぽを向く。

その時、また風が窓の中へと吹きだした。桜の花びらと共に中に入り込
む。ひらりひらり。白に赤をほんの少し混ぜた色が二人の視界に舞いだ
す。

「春だねぇー」


そう呟いた亜弥の言葉を真希は微笑んで返した。


78 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/23(土) 23:48
仕事が終わって一息つく。今日は買い物して帰ろうと思ってスーパーに
寄る。
そこで目に付くのは花見のための酒とか、食べ物、おかし。店の人も頑
張っているよねぇと妙なところに感心しながら、買い物かごを持って、
夕食の材料を選ぶ。

「何しょっかなー」

と呟きながら食品を見回る。

(・・・あ)

「今日は来そうだなー。野良猫。」

そう思って猫が大嫌いのネギをかごに入れなかった。
79 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/23(土) 23:56
そのまま家に帰り、買い物袋から材料を取り出して料理を作り、味見を
してみる。

ほう、いい出来ばえ。

お皿を二枚用意して、盛りつける。机の上に向かい合うようにお皿を置
いて、おはしを置く。おはしは四本。

さて、猫は猫でも、おはしを使う猫はなーんだ?

なんちゃって。



80 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/24(日) 00:03
ただ待つだけではヒマなので、テレビをつける。
ニュース、トーク番組、クイズ番組、漫才・・・
特に見たいというのはなくて、とりあえずニュースにするとちょうど、
CMに入ったところだった。CMでちょっと気にいった音楽のリズムを鼻
歌で真似る。そうしているうちにインターホンが鳴り、立ち上がる。
81 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/24(日) 00:13
「やっぱり来たか」

亜弥は嬉しそうにドアへと向かう。
これから起こることを想像してみる。ドアを開けた瞬間、猫は亜弥に飛
びつくだろう。桜の花びらを所々つけながら。

ドアを開ける。

「久しぶり!今日の料理、すんげー自信あんの!食べてってよ」

案の定、その野良猫は勢いよく亜弥に飛びついた。そのせいか、ついて
いた花びらがひらりひらりと綺麗に舞う。それを猫の肩越しから目で追
いながら、亜弥は呟く。


「――春だねぇ」

そう言うと花粉症の亜弥はくしゃみした。




――――THE END


82 名前:春と野良猫 投稿日:2005/04/24(日) 00:37
短編の第一弾です。春なんで、春っぽく。
もう少し早くぁっぷしたかったんですが、忙しくて、桜が散っていく今
になってしまいました(__)



>72 名無飼育さん 様

そうですね。
二人が永遠に一緒で、幸せであるのはこれしかないんだと。
・・・そう思って書きましたんで。
まぁ正しいかどうかは分からないですけど(^^;
「ゆめうつつ」をご愛読ありがとうございました!!

>73 ろむ様

ありがとうございますm(__)m
あやや爆撃から立ち直りましたところで、今度は、矢口爆撃が・・・
次は何が来るんだ!!
ってカンジなんですけども。
これから更新が遅くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。

83 名前:K坊 投稿日:2005/05/08(日) 00:12
久々の更新です。
マイナーですが、亜弥×愛(愛×亜弥?)で。
・・・エロです。
84 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 00:14
彼女は愛を知らない。

その言葉を聞くと、いかにも寂しそうにつまんなさそうにあざ笑う。
85 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 00:22
「っん・・・」

部屋にピチャピチャと淫らな音が響く。
もう何時間か彼女は私をなめ続けている。

「・・・ね、愛ちゃん」

ふと、なめ続けた舌を止めて彼女は口を切る。私、高橋愛は止められた
ことを不満に思いながらも体を起こして彼女、松浦亜弥を見ると、亜弥
は相変わらず愛の陰部を見つめたままだった。

86 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 00:26
少し恥ずかしい。そう思っていると、ようやく亜弥の口が開く。

「愛ってどんな形してんのかなー?」

かすかに耳に入った言葉に愛はおかしくなった。
亜弥から愛という言葉が出たことが意外だったからだ。

87 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 00:36
「ハート形ちゃうん?」

おどけてそう言ってまたベットに体を寝かす。亜弥に行為を再開するよ
うにせかすと、素直に従ってくれた。ピチャピチャという音がまた響き
出す。

88 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 00:41
「ハートって心臓だよねぇ?愛は心臓なの?」

なめながら言葉を紡ぐ亜弥。そのせいか、声がくぐもっていた。

「・・・ぁっ・・・ハートって・・っん愛情の意味もあるやんっ」

快感に耐えながら喋るのは難しいことを今初めて知った。

「あ、そっか」

そっちは納得したようにうなずいていた。
89 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 00:47
「でもいいよねー愛ちゃんは。名前に愛があって。あたしも欲しかった
なぁ」
「松浦、愛?なん、か・・・へん、や」
「全国の松浦愛さんに失礼だよ。」

亜弥はにゃははと笑いを漏らす。寂しそうに、つまんなさそうに。
見えないけど、きっとそうだろう。
90 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 01:01
「だからかなぁ」
「・・・んっ?」
「愛ちゃんって愛ってカンジする」

考え事をしているのか、なめている舌が鈍い。

「じゃっ・・・松浦、さんっに・・愛は、ないん?」
「わぁかんない。あたしー愛って分かんないもん。」

チロッと舌で愛の陰部をつつく。集中できてない時の亜弥の癖だ。
愛はため息をつきながら、体を起こす。

91 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 01:11
「・・・松浦さん、集中してやぁ」

愛は涙声で怒ったように上から亜弥へ言葉を投げかける。すると、亜弥
は突然慌てだして愛の開いた太ももに埋めていた体を起こし出す。

亜弥は泣かれると弱い。

こんないかにも女の子らしい顔立ちや雰囲気を醸し出しているけど、中
身は意外にも男だったりする。

(あの美貴ちゃんの彼氏役やもんなぁ)
92 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 01:20
気が付くと、目の前に亜弥の顔があって驚く。亜弥は済まなさそうな顔
をしながら、愛の頬に優しくキスしてくれた。

「ごめんなぁ・・・ごめんって」

愛の頬を手で軽く撫でて謝る亜弥。
つい出てしまった播州弁はそれが本音だということを表しているのだろ
う。

93 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 01:24
「ホンマ、ゴメン」

チュ、チュという音が耳に聞こえる。
それと共に感じる唇の感触。

頬、おでこ、瞼・・・

一つずつキスされた場所を確認する。

いつもひとつ足りない。唇。

亜弥は絶対に唇にはキスしない。愛を気遣ってのことだろうけど、愛に
は不満だった。





94 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 01:37
分かっているけど、彼女が自分を愛してないことを再確認しているよう
で少し切ない。
だからって、自分が彼女を愛している訳じゃないけども。


「・・・もぉっ・・ええから、はよやって」

亜弥の頭を抱え込んで、髪を梳きながら耳元で呟くと亜弥はゆっくりと
うなずいた。
95 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 01:46
亜弥は再び愛の股間に顔を埋め、唇を裂け目の突起に触れさせる。

「っぁん・・・」

そして、舌で陰核をなぞった。
自分の中に入り込む生暖かい感触に愛は興奮を覚えた。

「ふああっ・・はぁんっ・・」

快感を求めて愛は亜弥の頭を押さえつける。

もっと欲しい。
もっと、もっと



96 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 01:53
愛の心中を悟った亜弥は舌で陰裂をなぞり、蜜を味わう。くちゅ、くち
ゅという音が耳に聞こえる。

「んんっ、ああぁ・・・」
「・・・愛ちゃんってびんかーん、ね」

亜弥の言葉はもう愛の興奮材料でしかない。愛はその答えにただ嬌声を
あげるしかできない。
97 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 01:58
陰裂の奥に舌を差し入れ、動かす。

「・・・あああっあぁんっ」

愛が快感に身をよじるも、亜弥が腕でがっしりと固定して逃げれない。
びくんと愛が大きく震える。
陰裂はひくひくと震え、熱い蜜が流れ出る。
98 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 02:05
亜弥はその蜜をこぼさないように陰裂に唇をあて、綴る。

「・・んっ・・はぁっん・・ねっ・・」

愛は肩で息しながら声をかける。亜弥はなに、とちらっと目だけ愛の方
を向かす。

「・・・ぁいしてるぅ」

冗談っぽく(冗談だが)そう言うと、

「・・・あたしも」

と笑いと共に返ってきた。

いかにも寂しそうな、つまんなさそうな、あざ笑いだった。



99 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 02:21
視線を戻して、溢れ出てくる蜜をなめる。

「んんっ、ああっああぁんっ」

さっきからかったせいか、少し、激しい。
もうそろそろ限界だと知った愛は亜弥の頭を抱え込んで亜弥に伝えた。

「・・・イかせてあげる」

亜弥は陰部を綴る。

「ひゃっぁああっ・・ああんっ」

赤く充血した陰核。

そこを亜弥は舌で強く押しつぶした。

「っあああぁ―――――」


愛は高い嬌声をあげ、絶頂に達した。
100 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 02:31


シャワー浴びて、着替えたが、女の匂いがまだまだ残っているベットに
二人は寝転がってテレビを見ていた。

「思ったんやけど」
「・・・何を?」

突然むくりと上半身を起き上がらせる愛に亜弥はだるそうにテレビから
愛へ視線を移す。
101 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 02:46
「ハートってさ、Aが真ん中にあるやろ?」

heart @心臓
      A感情、愛情
      B中心


確かにあるねとうなずく亜弥に目をきらきらして語る愛。
102 名前:A 投稿日:2005/05/08(日) 02:59
「亜弥のAと愛のA。あーしら、ハートの真ん中にあるんよ。
 やから、愛をもっとるんやよ」

愛は嬉しそうに言った。

「・・・うーん」

横でうなる亜弥の唇に愛は自分の唇を押し付けて塞いでやった。
目を開いて愛を見る亜弥。
キスはレモン味っていうけど、全くの無味だ。

そして、そっと離れる。
しばらく無言だったが、亜弥が口を開く。


「まっ、悪くないかもね」

亜弥はごろんと愛に背を向けて寝転がる。


今度は、楽しそうに笑ったのが見えた。




――――THE END




103 名前:K坊 投稿日:2005/05/08(日) 03:08
亜弥愛。
すんげぇマイナーなもの書いてしまいましたが、
・・・すんげぇ好きなんです。すみませんm(__)m

次は、長編で連載になる予定?です。
104 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/05/08(日) 15:34
亜弥愛!
何気に好きだったので嬉しかったりしますw
次の作品も楽しみにしております。
105 名前:名無しのみきたん。 投稿日:2005/05/15(日) 03:16
亜弥愛、良かったです。みきあや、ごまあや、と亜弥絡み好きな私にとって作者さんは最高です!
106 名前:Time to say good bay 投稿日:2005/07/19(火) 16:31
6月25日。

いつも通り学校サボって、いつも通りバイトして、いつも通り「売り」をして。

その一つ一つ何にするにも亜弥は何か引っかかったような気分を亜弥は味わっ
ていた。

まるで、何かを忘れているような。

(・・・何だっけ?)
107 名前:Time to say good bay 投稿日:2005/07/19(火) 16:41
一度気になり出したら、思い出すまで気が気でなくなる性分。
仕方なく、忘れた内容を思い出そうとしながらアパートへ向かう。

下半身がだるい。
今日の客は結構しつこかったから余計に。その分金はもらったけど。

ブツクサと不機嫌に文句を言いながら歩く。


すると、自然と視界に入った建物。

学校。

亜弥が通っている、いや、通っていた学校。
変わらない校門。変わらない校舎。その一つ一つを亜弥は覚えていた。


108 名前:Time to say good bay 投稿日:2005/07/19(火) 16:50
仲間とともに過ごした場所。仲間と一緒にふざけあった場所。仲間と笑いあっ
た場所。

そして・・・

仲間と絶交した場所。

「・・・もし」

それは小さく、小さすぎる声。

「・・・もし、あの事が起こらなければ・・・」


――――学校行ってたかなぁ。


くだらない。くだらない望みだ。
そんな望みは叶う事は許されないんだ。
行ったとしても、仲間は受け入れてくれない。



109 名前:Time to say good bay 投稿日:2005/07/19(火) 16:53
「・・・なんてね」

自虐的に笑いながらかたをすくめる。視界から学校を逃げるように外す。

そして、また歩き出す。





110 名前:Time to say good 投稿日:2005/07/19(火) 17:11
「おかえりー」
「・・・は?」

来るはずのない声がして呆然とする亜弥。声の発信源は亜弥のアパートの部屋
のドアの前にしゃがんだ。

「・・・愛ちゃん」

こめかみに手をあてながら亜弥はため息をつく。

高橋愛。

昔、隣に住んでいた幼馴染。同い年だったので、自然と仲良くなった。
たまに変なこと語りだしたり、人の話聞いてなかったりしているけど、お互い
様なので、嫌いではなかった。

最近はほぼ毎日亜弥が帰ってくるまでこうして毎日待っている。亜弥が帰って
きて、少し話して帰っていく。話の内容は学校がほとんど。
亜弥が気に障るようなことは絶対に言わない。

今では亜弥を学校に繋ぎ止める唯一の存在。



111 名前:Time to say good 投稿日:2005/07/19(火) 17:22
「はい」

その声と共に出された封筒。
出されたって事は受けとれっていうことだろう。

中身は考えなくてもわかる。金だ。

「・・・いらないってば。ってか帰って。今日、疲れてんの」

亜弥は封筒を持つ愛の手を押しのける。いつもなら帰ってと言われたら帰るは
ずの愛だったが、今日は違った。
「今日は」と愛が呟いたのが聞こえた。

「え?」
「今日はあーしが亜弥ちゃんが買うんやよ。やから亜弥ちゃん、今日の残りは
あーしとずっとおってや。」

そのためのお金やと封筒を亜弥につき出す。

「・・・いいよ。」

二度目のため息をつきながら、亜弥は封筒を受け取った。

「・・・入ってよ」

ドアを開けようと、カバンの中から鍵を取り出そうとすると。その手を愛に掴
まれる。



 
112 名前:Time to say good 投稿日:2005/07/19(火) 17:31
「・・・何?」
「・・・ここ、座って」

ぽんぽんと愛は自分の隣を軽く叩く。

「ヤダ。汚れるじゃん。」
「ええやん。ええやん。」
「えー」
「今日誰が亜弥ちゃん買ったん?」
「・・・はいはい」

そう言われたら仕方ない。しぶしぶと愛の隣に座る。それを見て満足した様に
愛もドアを背にして地べたに腰を下ろした。

「な、亜弥ちゃん」

にこにこしながら愛は亜弥に擦り寄る。

「なーにー?」

それを特に止めようとせず、間延びした返事を返す。

「欲しいものある?」
「欲しいもの?」
「うん。今日、亜弥ちゃんの誕生日やろ?」

誕生日。

(・・・ああ、そうか)

「今日だっけ?」

すっかり忘れていた。今日の引っかかるものはそれだったみたいだ。
113 名前:Time to say good 投稿日:2005/07/19(火) 17:45
「そーやよー欲しいもんある?」
「・・・うーん」

そう唐突に聞かれても困る。

(・・・欲しい、モノ・・・)

すぐに浮かんだは仲間だったやつの顔。
でもすぐに振り切って消した。

(何、考えだろ、あたし。)

クツクツと亜弥が笑う亜弥を見て、「思い出し笑い?」と隣から声が聞こえた。

そんなもの、愛に頼んだってくれるものじゃない。この子に頼むのはお門違い
だってわかっているはずだ。

(・・・けっこー未練ぶかいんだぁ・・・あたしって)

ちょっと新しい発見に無駄に感動する亜弥に不機嫌な声が降りかかる。

「亜弥ちゃん・・・聞いてないやろ」
「うーん・・・?」

目の前には横から首を出して頬を膨らせている愛。愛は自分は人の話を聞かな
くせに自分の話を聞いてくれないと怒る。

そんな幼馴染は亜弥の望みを叶えてくれない。

――――なら、叶えてくれないのなら、せめて・・・

「決まった?」

亜弥はうなずく。


「歌って」




真っ黒な世界にいるあたしを慰めてください。




114 名前:Time to say good 投稿日:2005/07/19(火) 17:49
愛の歌が好きだった。
近所の人たちから上手だと評判で、いつも歌ってた。

でも、あるときから歌声が近所に響かなくなる。

亜弥が引越ししてから。

なぜ、と尋ねると、愛はすぐに答えた。

亜弥ちゃんが聞いてくれないから、と。




115 名前:Time to say good 投稿日:2005/07/19(火) 17:51
(あたしが原因じゃん)

今更ながら反省する亜弥。愛から歌を奪ったのは確かに亜弥だ。でも、亜弥が
いたから愛は歌った。


だから、今日も愛は亜弥のために歌う。
116 名前:Time to say good 投稿日:2005/07/19(火) 18:03
隣から歌声が響く。
少し低い、アルトはゆるやかに空気を振動させる。
力強く、それでいて優しい。
何の曲だったか。
そうだ、いつだったか、愛が貸してくれたCDの洋楽だ。
女性と男性が一緒に歌う、クラスッチクめいた歌。
彼女は低音で歌う。
歌声はすんなりと亜弥の耳に入り、鼓膜によって響かれる。
地べたについていた手がそっと上から絡められる。
暖かい体温が伝わる。
亜弥も握り返した。
気がつくと、亜弥は歌っていた。
やさしく、ゆるやかに。
高音のパートを歌った。
二人の声は一つになって
たった二人きりの空間に一つの歌が流れる。
愛は低音、亜弥は高音。

それでも二人は一つだった。
117 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/30(火) 04:19
ムムム…。
続きが気になります。更新お待ちしてます。
118 名前:Time to say good bay 投稿日:2005/08/31(水) 11:41
歌が終わって、静寂がおとずれた。手を離さないまま、余韻を味わう二人。
そんな中、ふと、亜弥は考える。

もし、この幼馴染が亜弥を見捨てたら。

それこそ、きっと、亜弥は壊れるだろう。

愛に依存していると自覚している。
愛の手首の包帯を見て見ぬふりをする自分を知ってる。
このままではいけないことを、知ってる。

119 名前:Time to say good bay 投稿日:2005/08/31(水) 11:54
でも、いつか来るだろう。
この子が亜弥を見捨てる日が。

それで、終わり。

亜弥は終わるけど、愛は救われる。
何故そんなに愛が亜弥を助けようとしているのか知らない。でも、それが愛にとって
戒めとなっているのは確かだ。


「愛ちゃん、好きな人できたぁ?」
「え?・・・ぇーと・・・」
「できたんだ。やっぱり?最近カワイイもん。」
「う、うん。ふじもと・・・先輩というんやよ。めっちゃカッコいい!」
「なら、よかった」

いつか、きっと、その男のために愛は歌うのだろう。

愛の手首の傷が消えるのはもう僅かだと願う。

「愛ちゃん。」
「んー?」


亜弥が終わる日。愛が救われる日。


「ありがと」


きっと自分はその日を待ちつづけているのだろう。

さよならと言う日が、いつか、来るんだ。



ふと、時計を見ると、もう自分の誕生日から日が変わろうとしていた。
120 名前:K坊 投稿日:2005/08/31(水) 12:29
突然、PCが使えない状態になり短編を放置するという最悪なことをして
しまいましたorzすみません(T T)

亜弥+愛ですね。このふたりの友情みたいな?
実際の二人は愛さんが亜弥さんに遠慮しているカンジで残念なので
が;
121 名前:K坊 投稿日:2005/09/15(木) 20:32
とてつもなく遅い遅レスです。

>104 名無し飼育さん様
亜弥愛いいですね!!
ある名作を読んですきになりました。

>105 名無しのみきたん。様
ありがとうございます。
そうです。とにかく、あややが好きなんであややを書きます。
今のブームはあやみきを基本に、あやごま、あやみき前提のみきよしですね。
機会があれば書こうかと。

>117 名無飼育さん様
変なところで放置してしまい、本当に申し訳ない!!

気が付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、誤字、脱字、言葉足らずが至ると
ころにあります。お手数ですが、適当に脳内変換を願います。
暇でしたら、間違い探しもどうぞ。

『Time to say good bay』なんですけど、実はこれ、長編のボツネタです。
松浦さんの誕生日記念だったんですが終わったのが・・・orz



122 名前:あいはどこ。 投稿日:2005/09/15(木) 20:59
プルル、プルル、ガチャ

「はい」

「亜弥ちゃーん。今、何してんのー?」

「たんと電話。」

「いや、そーじゃなくてさ。あ、でも、よかった。この前、電話かけた時、亜弥ちゃ
ん、ラジオだったじゃん。あれ、マジあせったね。」

「あー、あったね」

「あ、ラジオっていえばさ。リスナーさんからのメール、毎回ありえないほど亜弥
ちゃんの話題が来るんだけど。もーいいから喋るから、みたいな?」

「別に普通に無視すればいいんだよ。うざかったら。」

「・・・あー。でも、」

「あたし、いつもしてるし。」



「・・・え。」
123 名前:あいはどこ。 投稿日:2005/09/15(木) 21:14



从;VvV)<亜弥ちゃん、性格悪い・・・
124 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 00:10
ジジジ・・・本日、ジ・・党が・・ジジッ・・の勝利を・・・

電波が悪いのか、故障しかけなのか、煩わしいノイズと共に流れるラジオ。
あまり、興味のない分野だった。
布団から手だけを伸ばして、テーブルの上のそれをと手に取り、チャンネルをかえる。

ザァ――――――


―――――えーと、ペンネーム、


ザァ―――――――


―――――続いては、天気予報です。明日


ザァ―――――――――


―――――タクさんはぁ、この曲の、お



特に気にとめる番組は無かったが、適当に音楽の番組で指を止めた。騒がしいノイ
ズとギター、ボーカルが混じった音が流れる。


125 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 00:27
「・・・んっ・・・」

隣を見ると寝返りを打つ美貴の姿があった。しかも全裸で亜弥の腰に抱きつき、幸
せそうに寝ている。ついでに言うと、亜弥も全裸で服はベッドの下に散らばってお
り、部屋の中は女の匂いで充満している。

つまり、行為の後、である。
126 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 00:38
気だるさはあるけど、それ以上に満足感があった。
最近、どちらもスケジュールが合わなくて、会えない日々が続いていたせいだ。電
話やメールは毎日のようにしているが、それでも、会える喜びは大きかった。

「・・・もう少し、スケジュールが合えばなぁ」

――――――no fun,no fun,ジジ・・un・・・

「ま、そうだよね」

パンクっぽい洋楽に返事をして、気だるい体を起こす。喉の渇きを覚え、そういえ
ば水分を摂ってないことに気づいた。
抱きつく美貴をそっと引き剥がし、ベットから降りる。


突然。

手首に生温かい感触。

つかまれた。

127 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 00:49
手首に絡められた長い指、甲、手首、腕、肩、一つずつ辿っていく。そして、亜弥
の目は、布団に顔を埋めたままの美貴の目に到着した。少し、吊り上がった意志の
強いその目は亜弥は好きだ。

「・・・ごめん。起こしちゃった?」
「・・・ん、少し寒くなったから」

むくりと上半身を起こし、手首をつかんでいる手と反対の手で目をこする。その姿が
妙に可愛くて、頭を撫でてやると、照れながらも気持ち良さそうに目を細めた。

撫でる手を止めても、美貴はまだ手首をつかんだままだった。

行かないで。

そう、訴えている気がした。
128 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 01:02
あたしたちは遠ければ、遠いほど電波が届かない。
想いに雑音が入り、相手に聞こえない。

まるでラジオだ。

「それ、壊れてるよ」

顎でラジオを指して、美貴は言う。ああ、道理で。納得した。


――――――さて、・・ぃ・・ジッ・・スト曲は・・・プ・・・ぃンの・・


129 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 01:41
「亜弥ちゃん」

呼ばれて、ラジオから視線を外す。代わりに、美貴を視界に入れた。その顔は思っ
たより近くて、驚いた。やっと手首から手を離し、その手で亜弥の頬を軽く撫でる。

そして、亜弥の唇に、口付けした。
それは触れるだけのキスだったけど、気持ちは切ない程伝わった。

好きです。大好きです。愛してます。
130 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 01:53
いつも、ノイズが入って聞き取れない美貴の気持ちがおもしろい程さらけ出される。
目の前の美貴の顔が少し赤い。
今、ここでからかったら、この年上の人が怒るだろうから口に出さなかった。

代わりに、頬にキスした。

――――――消えそ・・ザッ・・がやいてて

ノイズの混じったサビを聴きながら、亜弥はいたるところにキスしていく。

髪、まぶた、額、のど、鼻、

――――――ッザ・・・ぇを伸ばしてみ・・ザザァ


そして。

最後に唇に深く口付けた。



――――――いちば・・眩し・ザザ・・星の名・ザ・は・・


―――――――・・ぼくしかしらない



ラジオはそこまでしか聞こえなかった。
131 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 02:09
亜弥が口腔に舌を入れると、待っていたかのように美貴の舌に絡みとられた。その
切なさを持った舌あ亜弥の口腔を暴れまわる。

熱い。

熱はのどを通って全身に行きわたる。

行かないでよ。
亜弥ちゃんはいつもどこかに行ってしまいそうで、美貴は怖いんだよ。
ね、美貴の前から消えないで。

亜弥は美貴の首に腕を回し、もっとせがんだ。


たん、聞こえる?
あたしは、どこにもいかないよ。


こんなに近づいているあたしたちには言葉なんて、いらない。
その証拠に、美貴はこれ以上はないほど頬が緩んでいた。わんこみたい、溶けそう
な脳でそう思った。

何度も何度も絶え間なく続くキス。
呼吸とキスの繰り返し。

美貴が唇を離す。
銀の糸が亜弥と美貴を繋ぎ、美貴はそれを舐めとった。


132 名前:RADIO 投稿日:2005/09/19(月) 02:22
「好きなんだよね」

耳元で囁かされて、不覚にも顔に熱が行きわたった。しかし、意地悪な笑みを浮か
べた彼女は一言付け足す。

「この曲。」

ラジオを指してそう言った。

「ばか。」
「あだっ!」

悔しくて落ちていた服を顔面に投げつける。

「あれ?怒った。あーややー」

絶対振り向かない、そう決めた。

「まつうらさーん」

そう、例えるなら、捨て犬をイメージして。
ほら、ダンボールに入ってくぅーんと鳴いている犬。
犬好きのあたしが見捨てれると思う?


「・・・たん」
「何!!」

美貴はキラキラと目を輝かしながら亜弥を見つめる。そんな美貴に亜弥は思わず照
れ笑いを浮かべる。

「新しいラジオ、買いにいこ」

今度は雑音が少ないのがいいな。
133 名前:K坊 投稿日:2005/09/19(月) 02:29
久々にあやみき。
この頃、美貴さんが片思いなので。らぶらぶなのを、かいて、みました。
らぶらぶになってないorz

今度こそ、よしみき+あや+その他の長編になる予定です。
134 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/19(月) 21:43
あー、癒されました。最近あやみきなくて落ち込んでたんで 
なんか体にこう・・・染み渡る感じ?ひさびさです!ありがとございました
135 名前:名無し読者 投稿日:2005/09/19(月) 23:31
あやみき待ってました!!!!
しかもラブラブでちょいエロで…(*´д`*)ハァハァ
最近のあやみき、暗い感じが多かったのでこの作品は嬉しい限りです。・゚・(ノД`)・゚・。
136 名前:K坊 投稿日:2005/09/25(日) 11:13
長編です。

[注意点]

カップルはどうなるかわかりません。

完結するか分かりません。

ドロドロ。

相変わらず文が(略

元ネタはNANAだったり。


137 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 11:18


ねぇ、亜弥ちゃん

幸せってなんだろうね

いまでも美貴、わからないんだよ
138 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 11:22

◇◇◇

139 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 11:30


チーズさがし。

140 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 11:30


◇◇◇


141 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 11:36
藤本美貴。

いたってフツーの高校生。
フツーにカレシいるし、フツーに学校行ってるし、フツーに楽しんでる
し、フツーにこの生活が気に入ってる。

フツーの幸せ、とそう思ってる。
142 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 11:37



143 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 11:51

「なにがフツーなんだよ」

上空から、声が降ってきた。

フツーに、屋上で腕を枕にして寝転がっていたら、上から太陽の光を遮
って美貴の視界はいったん真っ暗になった。
よく見ると、カッコいい顔だった。

「フツー、なんじゃない?」

質問の答えを曖昧に疑問符で返すと、相手は口を吊り上げて笑った。

その最高にカッコいいと美貴が思う顔は吉澤ひとみという。
実は1コ下で、高ニ。バレー部の後輩だったが、今は正真正銘、誰が見
ても恋人の関係である。



144 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 11:57
「寮に遅くに出て、授業出るかと思いやぁ、サボって、早弁して、こうし
て寝て、部活の時間になると、のそのそと出てくる・・・どこが、フツー?」

「第三者がどう思われようが美貴はそれがフツーなんだよ」

立派な不良の鏡で、とひとみはツッコミを入れた。
145 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 12:01
三大不良。

そう美貴たちは恐れられてるらしい。
色々と伝説をつくっているとか、なんとか。
それはマジのもあるし、ガゼのもあるけども。

で、その三人が

藤本美貴、吉澤ひとみ、もう一人が、後藤真希
146 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 12:31
「ごっちんは?」

とりあえず、聞いてみた。

「ガッコをサボった。」
「なんで?」
「大きな野良猫拾ったんだと」
「あは、なにそれ」

真希がつまらない理由で休むのはしょっちゅうだ。
眠い、が一番多いが、前なんかやっとすっきり目覚めたのに、何気なく
つけたテレビの星座占いで自分の星座がワースト1だったから行く気な
くして二度寝した、というエピソードもあった。

「アレよりかフツーじゃない?」

「そうかも、な」

親友をアレ扱いしてウケたのか、真希のサボり癖にウケたのかわからな
いが、どちらも笑った。

「こんなところで寝てると日焼けすっぞ」

注意するように言ったが、別の意味も含まれていることが美貴にはわか
った。だから、誘った。

「ヤーダ。気持ちいーもん」

わざと甘い声でひとみを誘う。
すると、すぐに寝そべってる美貴にひとみが覆い被さる。
完全に太陽の光が遮断し、ひとみのカッコいい顔だけが見えた。

「アタシが美貴の影になってあげる」

と耳元で囁かれた。

きっと第三者から見ればクサ過ぎる言葉も美貴には十分効果があって、
顔中に熱が回っていることが自分でもわかった。

「ヤっちゃうか?」

「ヤっちゃえ!」

笑いあってどちらともなく唇を引き寄せた。




147 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 12:33




148 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 12:37
先生、あのね

今日は部活前に屋上でフツーにセックスしました。

美貴は寮生なのでよっちゃんといつも一緒にいられないのが少し寂しいです。

でも、別にフツーに気持ちよくて、フツーに幸せだと思いました○

ってか?
149 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 12:38


◇◇◇

150 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 12:44
松浦亜弥。高校一年生。

通称、学園の夏男。

とにかくモテて、とにかく女癖悪いと有名らしい。

そうそう、この前の学園新聞の特集で「一度は付き合ってみたい人」と
「一番付き合いたくない人」両者とも一位でした。

べつにいーじゃん。幸せなんて。

どん底ってワケじゃあないし。

151 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 12:45





152 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 12:57
パシンッ。

教室中に響きわたる音。クラスメイト達はまたか、と呆れ顔でその光景
を見つめた。

もぉ、やめてよ。見られてるじゃん。

内心そう思っていたが、相手の少女が目を真っ赤に涙を浮かべていたも
のだから、口に出さなかった。
ただ、殴られた頬を軽くさすって、自分のカノジョをぼんやりと見つめた。

カノジョ。

そう呼んで、違和感を感じた。
彼女とはセックスどころか、キスもしていない。
そんな関係を果たしてカノジョと呼べるのか?

そんなことを思いながら。

一瞬、彼女と視線が絡み合った後、彼女は逃げるように教室から出て行
った。教室中の緊張が解かれる。

教室の空気の変化を感じながら、ただじんじんと痛む頬だけ気になった。

153 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 13:12
「追いかけなくてええの?」

ずっと傍観者であった高橋愛が亜弥に声を掛けた。

「うーん。いんじゃない?」
「他人事やね」

愛は軽く苦笑する。

「他人事でもないんだけどさぁ。結構好きだったし。・・・いたっ。
本気だ。コレ。」
「結構ってなんやの。それに当たり前やよ。はい、シップ。」
「ありがと」

適当に側にあった机にポケットから出した鏡を置き、不機嫌にシップを
貼った。

「あーかわいー顔が台無しー」
「よぉ、言う」

苦笑する愛を鏡からこっそりと覗く。

この顔が好きだった時もあった。綺麗になったと思う。
少なくとも、自分と付き合っていた時より、ずっと。

亜弥ちゃんは自分に鈍感なんよ。

そう言われて、彼女との恋愛は終わった。
終わっても関係は何も変わらなかった。
変わったとしたら、セックスがなくなったぐらいのものだ。
154 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 13:17
「アフターケア」

つぶやくと鏡越しの愛の表情が変わった。

「しなきゃ」

それを合図に立ちあがる。喜んでいるのか、驚いているのか、悲しんで
いるのかよくわからない表情の愛を通り過ぎて、自分の机にかけてあっ
た鞄から携帯電話を取り出す。
そして、さっきの彼女宛にアフターケアをした。

よぉ、やるわ、と愛がため息をついていた。
155 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 13:18





156 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 13:21
別にいーよね。

どん底ってワケじゃないし。

別に最高の幸せなんかいらなし、

そんなもの手に入れる資格ないと思うんだよ。
157 名前:act.0 投稿日:2005/09/25(日) 13:21


◇◇◇

158 名前:K坊 投稿日:2005/09/25(日) 13:48
プロローグ終了。失敗だらけですが、以後気をつけます(泣)

では、レスを。

>134 名無飼育さん 様
ありがとうございます。現実のあやみきがすんごいですからw
それもあるけど、最近、あやみきがあや←みきになっているからじゃあ
ないでしょうか?
私はそんなことないのですけど、昔からの(?)あやみき作者様方は戸
惑ってるんじゃないですかねぇ。


>135 名無し読者 様
あやみき(*´д`*)ハァハァ
長編でもあやみきラブラブになると思います。よっちゃん嫉妬します。
暗く、もなります(たぶん)

ツンデレで実は乙女で一途なみきたんとカッコよくて女たらしの亜弥ち
ゃんの幸せさがし、そんな話です。


159 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/26(月) 22:24
みつけたど━!!素敵なあやみきスレ!!。*:゚(ノД`)゚:*。ウレシ
160 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/17(月) 04:46
えっと前から思ってたんですけど、更新するときは
直接打ち込むよりコピペのが楽でいいと思いますよ。
お話自体は好きです。これからどうなるかなぁ。
楽しみに待ってます。
161 名前:K坊 投稿日:2005/11/27(日) 16:13
レスです。

>159 名無飼育さん 様
ありがとうございます。
このごろあやみき少ないですからねぇorz

>160 名無飼育さん 様
アドバイスありがとうございます!!
長編は近々再開します(たぶん)

162 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 05:31
突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
163 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/24(土) 21:50
待ってます
164 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 13:53
ある日、三大不良くんの一人、藤本美貴ちゃんは学年一のモテ女、松浦亜弥ちゃんに出会いました。

あぁ、なんという運命なことでしょう!!

165 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 13:55
◇◇◇



act.1 girl meets girl


◇◇◇
166 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 13:56
「ねぇ、―――じゃない?」

「マジ?あんな――の」

「きれー」

「―――は誰ねらい?」

「え?どこぉ?」



部活の始まりから少し遅れた時間に体育館へと走っていく。乱れた息
を整えながらその扉を開くと案の定もう練習は始まっていて、なぜか
騒がしかった。

騒がしいのはバレー部員自身ではなく、ファンの方だ。いつも二階か
らバレーの練習を見学すべく陣取っている。しかも男女問わず。
毎回超満員でいつも騒がしいのだが、今日はいつになく騒がしい。
167 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 13:58
「なんだろ?」
「さぁ?」

しばらくその場で呆然と突っ立っていたひとみと美貴だったが、そこ
へ場を乱すような大声が。

「あ!藤本センパイ!!」

「小春ちゃん」

その少女はててて、と犬みたいに美貴にかけよっていく。

久住小春。中等部の一年生。
入学早々、美貴に憧れ、バレー部に入部。何かと美貴にまとわりつく
が、何となく怖いらしく、少し距離を置いているカンジもする。
別に普通に接しているんだけど。
168 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 13:58
「小春ちゃん、何、アレ?」

くいっと顎で二階を指す。

「あ、なんか、来てるらしいですよ」
「誰が?」
「松浦センパイ。」

小春の言葉に横からひとみが顔を露骨にゆがめる。

「もしかして、松浦亜弥?」

おそるおそる聞くひとみに笑顔を崩さず小春はそうです、と答える。

自称ミラクルスマイルらしいが、意味がわからない。
だが、実際このへらへらしたスマイルが浮かばれない時を見たことがな
い。
そのへんがミラクルなんだと美貴は思う。
169 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:00
「松浦亜弥って一年の?」
「そー。すっげ女たらしの。入学して間もねぇくせに後輩から先輩まで
手ぇ出して、んで、ついたあだ名は学園の夏男。」
「よっちゃんみたいだね」

ちょっと毒づいてみた。
ひとみは紳士でほとんどの女の子に優しい。それがひとみのいいところ
でもあるが、彼女としてはときどき嫉妬することもある。あくまで、ときどき。

でも、よっちゃんは言ってくれる。

自信がある。
ほんの少し頬を赤くして、そっぽをむいて、ぶっきらぼうに。


「あたしは美貴だけ!」

顔が熱い。
これでこんなに嬉しくなるなんて、美貴は相当ヤバイ。


そこへ。
170 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:04
「先輩ー。痴話喧嘩はよそでやってくださいよー」

振り返ると、中等部のバレーのキャプテン、小川麻琴が立っていた。
呆れた顔をして。痴話喧嘩って失礼な。

「吉澤さん!嘘だったのね!あたくしとの約束は!」よよっと泣く真琴。
「すまない、麻琴。おれには美貴が・・・」とよっちゃん。

麻琴がこっちをきっと睨み、

「奪ったのね!!この泥棒猫!!」

「牡丹と薔薇かよ!!」

それにはたまらず、美貴は三村風につっこみをしてしまった。

「せんぱい、昼ドラなのに、どーして知ってるにですかー?」

小春はやはりマイペースだ。


こんなバカトークはばか揃いのバレー部の日常茶飯事。

171 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:05
「まことーまた髪染めたなー?今度は金か。」
「そうです!似合ってます?」

麻琴は金の髪をひとたばつまんで感想を求める。
この学園は偏差値が高いせいか、校則は緩い。そうは言っても、金はどうなろうか。

「いっそ、豹柄にしちゃえば?」と美貴。
「編めば?ヒップホップみたいに」よっちゃん。
「間をとってボーズはどうですかー?」マイペース小春。

「なんなんですか!?みんなして!!ってか、小春ちゃん!間とってないし!」叫ぶ麻琴。

「かっけーよ。でもなんだよ。唐突に。もしかして前に言ってた好きなやつのため?」
172 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:06
ひとみの言葉に、美貴と小春ががっつく。

「なにそれ!!よっちゃん、初耳だよ!それ!!」
「えー!!小川せんぱいが!!」

「おぉ!話しによると、近所の」
「あーーーー!!先輩!!言わない約束じゃないですか!!」


手でひとみの口をふさぎながら、言葉を打ち消す。
そして、麻琴は付け加える。

「それに、いる、んですから」









え。

173 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:07
真琴はちらりと二階席に目配せする。

「えぇ!!どこどこ!!」

美貴は二階を見上げる。すると。

「キャー!美貴様がこっちを向いたわ!」「美貴サマ踏んでください!」
「えぇ!?嘘、嘘ぉ!!」「うおーーー!!好きだぁーーー!!」
「きゃーーー!!よっすぃーーーー!!」「ひとみーーーー!!」
「小春ちゃんミラクルー!!」
「まこっちゃーーーーんーーー!!」


うわ。

ツッコミどころが満載。
とりあえず、んーーー!!って伸ばすのはかなり難しいと美貴は思う。
174 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:09
そう思っているうちに、誰が誰の方を見たのかというくだらない熱狂フ
ァン同士の論争が始まり、うるさくて練習どころでなくなり、美貴とひ
とみは練習に加わることなくひとみは一旦休憩を入れた。

はっきりいって迷惑。

そう眼力で睨んでも、またさっきと同じになるから止めておいた。
後ろから、おーコワイですよ、美貴様。とひとみにからかわれたが、無視してストレッチに費やした。
175 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:10
「亜弥ちゃん!!」
「・・・え」

声の発信源をたどると、体育館の隅のほうでバレー部の後輩が立っている。

・・・と、すると真上の二階席にいるのが松浦亜弥って訳で。

あまりコートが見えないところにいた(みえるところはファンが陣取っ
ている)彼女は友達と来ているようだった。
そして、満面の笑みでその後輩に手を振っていた。

「うわっ。松浦亜弥だ。」

そうつぶやくひとみを横に、美貴は松浦亜弥を観察した。
あまり見えないが、軽く合格だと思う。

「かわいいじゃん。」
「確かに顔はかわいい。でも性格はぶりっこだ。絶対。」
「うわ。」

ちょっと性格は合わないかも、と思いながらも、美貴はひとみがそこまで嫌うのは珍しいことを考えていた。
176 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:11
突然。何気なく見返した二階席。

目が、合った。たぶん。
彼女は笑顔で美貴の視線(たぶん)を返して、後輩の方に向き直った。

美貴は動けない。


パーフェクトスマイル。
完璧。隙が無い。無機質。冷たい、でもない。暖かい、でももちろんない。温度が無いような、そんな。


もし、彼女がアイドルだったら、アイドルサイボーグと呼ばれていただろうな。

そんなことをなんとなく思った。
177 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:12


それが松浦亜弥―――亜弥ちゃんの第一印象だった。

178 名前:act.1 投稿日:2005/12/25(日) 14:12




179 名前:K坊 投稿日:2005/12/25(日) 14:22
涙のクリスマス更新(涙)あげちゃったし;
あややの新曲早く聴きたいです。

>162 名無飼育さん 様
ありがとうございます。拝見しますね。

>163 名無飼育さん 様
しばらく待たせていただいて申し訳ございません。
期待に答えられるものじゃないですが更新致しました。

ちなみに、まだ続きます。

180 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/25(日) 22:53
イイ!!イイゎこれ(゚∀゚*)ステキー 
181 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:47
休憩の後、松浦亜弥は少しだけ練習を見て帰った。
悔しいが、バレーというスポーツにあまり興味がないみたいだった。

「終了!!ありがとうございました!!」
「「ありがとうございました!!」」

ひとみの挨拶で部活の終了を告げた。
部員は次々と部室に入って着替える。
182 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:50
ミックスされた匂いに不快に感じながらも美貴は制服をロッカーから取
り出す。

「美貴」「んー?」

後ろを向くときっちりと制服を着終わったひとみが。

「ごめん。あたし、いまからバイト。」
「・・・いいよ」

このごろひとみはバイトが多い気がする。
なぜか聞いたが教えてくれなかった。

寂しいけど、仕方がない。
183 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:52
ミックスされた匂いに不快に感じながらも美貴は制服をロッカーから取り出す。

「美貴」「んー?」

後ろを向くときっちりと制服を着終わったひとみが。

「ごめん。あたし、いまからバイト。」
「・・・いいよ」

このごろひとみはバイトが多い気がする。
なぜか聞いたが教えてくれなかった。

寂しいけど、仕方がない。
184 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:53
気持ちがもてなしてこつんと頭をひとみの肩に預ける。
ひとみから、ミントの匂いがした。

心配かけないように美貴は笑みを浮かべるがあいまいになった気がした。

そんな美貴に感づいたのか、ひとみは美貴の首に腕を回し、肩にかかったアンダー
ヘアを優しく梳く。

「今度、うちに泊まらせてあげるからさ。あたしの家族のいない時に」
「ん」

耳元でささやかれ、美貴は目をつぶる。
ひとみの声が脳内に響く。心地よかった。

ひとみは美貴の前髪をかきあげる。
軽く額にやわらかい唇が降ってきたのがわかった。

目を開けると、麻琴が部室でいちゃつかないで下さい!!、と言わんばかりの真っ赤な顔をしていた。
185 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:54




186 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:54
「ふじもとー」「はい?」

寮母の安倍なつみ。
昔は美貴とよく姉妹と間違えられるほど似ていたが、三年になった今ではあまり言
われなくなった。
超天然で、「なっち」というあだ名がつくほど親しみやすい。

昔は美貴も反抗していたが、昔は昔だ。
187 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:56
今日から」
「あー同室になる人ですか。大丈夫ですよ。」
「大丈夫って。ンナ訳ないっしょ」
「一日で終わりますから」
「・・・超しんぱいだべ」

なつみの心配をよそに美貴は部屋に向かった。
188 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:56
三階の一番奥の部屋、0830号室。
その部屋はひとつ隔離されていた。

部屋は二人一部屋。
普通の部屋なら縦長の六畳で縦に敷居があり、そこで二人で分ける。

しかし、0830号室には分ける敷居はなく、そのかわり二段ベットが置いてある。
少々寮の入り口から離れているが、なにより広い。

誰もが望む部屋だが、その部屋に同室する者はいなかった。

同室になる予定の人は美貴を怖がってしまい、寮母であるなつみに頼んで
別室にしてもらっている。

終いには三階の奥に部屋には野獣が棲んでいるという噂が出没する始末。
失礼な話だ。
189 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:57


――――しかし、今回は違った。

190 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:58
ドアノブを回してドアを開ける。

「・・・・なっ」

美貴が思う存分使っていた一部屋がしっかりとリフォームされていた。
ちらかしていた美貴の荷物はすべて片付けられ、しかも今日届いたのだろうダンボ
ールも中身はなく、つぶされていた。
どうやら全部片付けたらしい。

几帳面。
A型だろうか、と美貴は変わり果てた部屋を見渡す。

そして、目をとめる。


そうだ、別に部屋は問題じゃない。
問題はその人だ。
191 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:59
そいつは美貴を背に両足を椅子に乗せ、しゃがむ姿勢で椅子に座り、
携帯を見ていた。


「・・・うそ、でしょ・・」


その後ろ姿はまぎれもなく、松浦亜弥だった。
192 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 15:59


193 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 16:02
ああ、なんという運命!

あってはならないことが起こりましたよ!先生!!

ってか?
194 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 16:02


195 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 16:05
会って、よかったのかな?

悪かったのかな?

美貴は後悔してないよ。亜弥ちゃん。
196 名前:act.1 投稿日:2006/01/06(金) 16:06


◇◇◇

197 名前:K坊 投稿日:2006/01/06(金) 16:15
act.1終了。

松浦さんだとすごくひいきしてしまうので美貴ちゃん視点を多めにします。
(美貴ちゃんひいきもすごいけど。)
だいたいのストーリーは考えましたが、本当に完結するかわからないので
お手数ですが、ochi進行でお願いしますm(__)m

ではレスを。

>180 名無飼育さん 様
ありがとうございます。
頑張ります!!あやみき!みきよし!!


198 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/17(火) 21:31
このお話にはグッと来るものがありますね。
更新まったりと待ってます。
199 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/21(土) 02:47
たのしいです
早く読みたいんですが続きまだですか?
200 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/21(土) 17:25
>>199
作者さんがochi進行希望されてるんだからageないで下さい。
それと急かすような書き方は良くないですよ。
201 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/22(日) 16:27
続き気になるなぁ!
この2人の出会いはどんな展開を巻き起こすのだろうか?
がんばれっ!作者!
202 名前:名無し読者 投稿日:2006/02/15(水) 17:56
こーゆう次が気になる展開大好きです!!!!頑張ってください、待ってます(* ̄∀ ̄)ノ
203 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/10(月) 23:51
う〜ん続きが気になるなぁ〜
更新待ってます頑張って
204 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/19(金) 02:42
気になる〜
更新まってます
205 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/11(日) 00:35
かなり続き気になります!
あやみき好きなので頑張ってください
206 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/20(火) 23:06
もう更新しないんですか?
207 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/21(水) 00:24
                                

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