さよなら矢口!

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/14(木) 23:24
もはや俺に生きる理由はない。矢口真里は俺にとって
全てだった。その矢口が娘。からいなくなる。どこぞ
のタレントとくっつく。もう俺に生きる意味はない。
死のう。
「なに言ってんだ!お前はバカか!そんなテレビの中
の人間が、お前の全てなわけないだろ!」
と、友達の谷口。
「お前にはもっと、もっと他にいっぱいあるだろッ!」
「なに?他にって何?例えば?」
「ほら!あるだろ!ほら・・・アレとか・・・」
「アレって?」
「いや・・・ほら・・な?探せばさ・・・いっぱいあるさ、きっと・・」
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/14(木) 23:39
「ねーじゃん!やっぱねーじゃん!そうだよ!俺には
何もねー!学歴もねー!彼女もいねー!俺の頭には髪
がねー!そうさ!夢がねーんだ!そして矢口さえも俺
の元から去った!もう死ぬしかねーんだよぉ!」
「バッカヤロォ!!!」
「あべし!」
谷口の拳が俺の顔をとらえた。鼻血を宙に振り撒きな
がら後ろに倒れる俺。拳をふるわせ、目に涙を浮かべ
る谷口。
「バカヤロぉ・・お前の命はな、お前だけのもんじゃ
ねぇ。お前が死んだら、悲しむ人間がいるんだ・・分か
るか?そんな簡単に、死ぬなんて言うんじゃねぇよ・・」
「谷口・・」
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/15(金) 00:00
沈黙。谷口は泣いている。しばらくしてから、俺は立
ち上がり血を拭った。
「谷口・・、お前はいい奴さ。こんな俺とずっと友達
でいてくれた。ぶっちゃけ、友人と呼べるのはお前く
らいのもんだったよ。ありがとな」
俺はそう言ってポケットに入っていたしわくちゃの紙
を二枚取り出し、谷口に渡した。
「今度のコンサのチケットだ。二枚ある。彼女と行く
といい」
谷口は黙ってそれを受け取った。
「中島・・・(※俺の名前)どうしても、行くのか・・?
止めても無駄なのか?」
振り返り、背中を向けた俺に対し、谷口がそう聞いた。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/15(金) 00:27
「さよなら谷口」
俺はそう言って、駅に向かって歩き出した。谷口の存
在を背中に感じながら・・。そうだ、俺は今、俺と世
間とを繋ぐ唯一の人間と別れたのだ。もう後には戻れ
ない。橋は壊されたのだ。駅に着くまで、俺は後ろを
振り返らなかった。
みどりの窓口で切符を買う。目的地などどこでもいい。
新幹線に乗り込み、今日一日を振り返りながら発車を
待つ。手には矢口の写真が握られている。俺の初恋で
あり、最後の恋でもある。しかしそれはもう破れてし
まった。
やがてベルがホームに鳴り響き、新幹線はゆっくりと
発進した。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/15(金) 00:43
こうして俺は旅に出た。あてもない、人生に幕を閉じ
るための旅。終点で待っているものはおそらく。

東京を出た新幹線は山陽線を西へ行く。無数のビルの
明かりによって作られた東京の夜景が、だんだん遠ざ
かって行く。
俺は何故か、そのことが俺の心を少しずつ切り崩し、
欠けてしまったその破片達を順に暗闇に葬り去ってし
まうような、不思議な感覚に陥いるのだった。










6 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/27(月) 13:32
リアルっぽいなぁ…
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 05:40
突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。

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