ブルー

1 名前:絶詠 投稿日:2005/05/16(月) 00:36
長期の更新停止。
そしてスレッドで終らせることができず、本当に申し訳ありません。
新スレでも短編を続けていくつもりです。
基本は藤本さん絡みで・・・。
では、まず「ブルー」の続きを……。
2 名前:ブルー 投稿日:2005/05/16(月) 00:36
それから2週間がすぎた。
あの後、お母さんは精神科へと連れて行かれた。
精神に異常をもたらす、との事なのでひどい罪にはされなかったにしろ、
美貴ちゃんを刺したのは、お母さんなのだ。
お母さんの面倒は、お父さんが見ている。
徐々に『違うお母さん』から戻ってきているそうだ。
お父さんも考え直したらしく、離婚はもう考えていない、と言った。
「れいなには、すまない事をした…許してくれ……」
面と向かって言われて許せないはずがない。



こうして、あたしたちの家族の絆は戻っていった。


3 名前:ブルー 投稿日:2005/05/16(月) 00:37
けど。


美貴ちゃんは依然眠ったままだ。
ごめん。
ごめんね、美貴ちゃん。
あたしのせいで。
こんな……。
ガーゼで頑丈に守られた傷を見ると涙が止まらないの。
美貴ちゃん、また笑って。
大好きだからって照れながら言う美貴ちゃんが見たいよ。
博多弁だって美貴ちゃんの前でしか出ないんだよ。
お願いだから。
4 名前:ブルー 投稿日:2005/05/16(月) 00:37


―――――ねぇ?美貴ちゃん?


5 名前:ブルー 投稿日:2005/05/16(月) 00:53
8月の終わり。


夏休みの終わり。
あたしの中学校生活最後の夏休みが終わる。


美貴ちゃんとの夏が終わる。


6 名前:ブルー 投稿日:2005/05/16(月) 00:54
洗濯物を干して、戸締りを確認してから病院へと足を運ぶ。
運ぼうとしたのだけど………。

プルルルル、プルルルル

電話が鳴った。

「はい、藤本です」
「○○病院ですが…田中れいなさんですか?」
「…すぐに行きますので」
「はい、わかりました」

少し疲れた声の看護婦からの電話を切る。

「……っとに、もう」

病院へダッシュで向かう。
病室は知っているので、いちいち受け付けで聞かない。
『藤本美貴』
と、書かれたネームプレートがある病室。
中から、にぎやかな声が聞こえてくる。
7 名前:ブルー 投稿日:2005/05/16(月) 00:55
「だからっ、もう大丈夫なんだって!」
「傷が開くから暴れないで下さい!」
「いてぇっ、開かせてるのはそっちじゃん!」
「暴れるからです!」

………ハァ。
ため息が出る。
一応ノックをして病室に入る。
そこには思ったとおり、ベッドの上で暴れる美貴ちゃんと、取り押さえる看護婦。

「美貴ちゃん!」
「!?……れ、れいな」
「傷治ってないんに、なんで寝てないん?」
「う…ちょっと外に散歩に出たくて……」
「それで傷開いたら意味ないやんか。おとなしく寝とかんと!」
「………」

渋々ベッドに横になる美貴ちゃん。
看護婦さんたちも、後は任せた、といった感じで出て行く。
二人っきりになっても無言のままで、ふてくされてる。

8 名前:ブルー 投稿日:2005/05/16(月) 00:55
「なんで毎回同じ事であたし、呼び出されるんよ」
「……さぁ?」
「その原因がそんな口を聞くんやね」
「だって美貴、もう大丈夫なのに……」
「傷治ってないやん」
「へっちゃらだよ、こんな傷」

起き上がって、立ち上がろうとするが、それは止める。

「おなか減ってない?」
「りんご食べたい」
「食べさせてほしいだけやなかと?」
「うん、それもある」
「……バカ」

リンゴを剥いて食べさせてあげると、あの笑顔になって「れいな大好き」って言う。
それが見たいがためにリンゴを剥くのかもしれない。
この1ヶ月であたしの料理の腕も上達したし。
9 名前:ブルー 投稿日:2005/05/16(月) 00:57
今でこそ、こんな冗談なんかが言い合えるけど。
ちょっと前までは、美貴ちゃんはひん死状態だった。

だから、今こうして話してるのが不思議。
抱きしめあってるのが不思議。
キスしてるのが不思議。

それでも美貴ちゃんを好きなのは変わらないけど。
10 名前:絶詠 投稿日:2005/05/16(月) 00:59
「みきあや小説!」より続いているこの短編とはいえない…もの。
長い間、更新停止していたことを申し訳なく思います。
そして自分に悔しい思いでいっぱいです。
もう少しだけ続きますが、ご了承ください。
その後も、短編をチョコチョコ書いて行きたいと思ってますので。
では、本日の更新を終わります。
11 名前:絶詠 投稿日:2005/05/16(月) 01:00

待っていてくれた、名無し読者さま方。
本当にありがとうございました。
12 名前:名無しさん 投稿日:2005/05/17(火) 00:40
待ってましたょ!!
復活おめでとうございます。
次回の更新も楽しみにしてますw
13 名前:名無し 投稿日:2005/07/28(木) 21:09
待ってます……。
14 名前:名無しさん 投稿日:2005/07/30(土) 02:15
ゥチも同じく待ってます…
15 名前:ブルー 投稿日:2005/07/31(日) 22:05
いつものバイト先への道。
毎日のように歩いてるせいか、この道を歩く時はついボーっとしてしまう。

人、人、人―――。

周りを見渡せば人だらけ。
よくこんな狭い所にこれだけ人がいるよなー・・・。
人ごみがあまり好きじゃないからいっつも嫌気がさす。

バイト先が見えてきた。
あー、はやく座りたい・・・。
少し足を速めた。

その時――――。

グゥッとおなか辺りに何かが突き刺さる感覚があった。

「え…?」
「あなたが…れ、れいなを…」

あぁ、そうか。
この人はれいなのお母さんか。
何故か包丁を持ってて、それは美貴のおなかに。

遠ざかってゆく意識の中、美貴の血がコンクリートに落ちたのがわかった。
16 名前:絶詠 投稿日:2005/07/31(日) 22:08
またもや長期更新停止・・・。
そして今度もまた……。
8月中には必ず完結させます。
どうかこんなわがままをお許しください。
17 名前:名無しさん 投稿日:2005/08/01(月) 00:20
作者さんのペースで頑張って下さい!!
完結まで楽しみに待ってます。
18 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/05(金) 17:35
同じく完結まで大人しく待ってます!
19 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/01(木) 14:53
待ってますよぉ〜
20 名前:絶詠 投稿日:2005/10/16(日) 17:42
私事で来年の4月…5月くらいまで更新ができそうもありません。
それまでにできる時はしようと思いますが、かなり不定期になります。
2ヵ月半放置で申し訳ありません。
が、それがまだ続きそうです
待ってくださる皆様、本当に謝罪の気持ちでいっぱいです。
そして、ありがとうございます。
21 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 04:35
突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。

Converted by dat2html.pl v0.2