微妙な二人
- 1 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/30(月) 03:09
- えー狼の某スレで燃料いただきまして書いたモンです。
あまりメジャーでない二人ですがそこが好きなんです。
良かったら読んでってください
- 2 名前:微妙な二人 【第1隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 03:13
-
「あっちいなぁ〜」
ジリジリと照りつける太陽を見上げて額の汗を拭う
「おいっ 吉澤!お前の番だぞ!ボケっとしてんなよ!」
「あっはい!監督すんません」
オレンジ色のユニフォームをはためかせながらボールを蹴り出す
その右足から放たれたボールはゴールポストの脇をかすりもせずに外れてしまった
「おい吉澤ぁ〜なにやってんだよ!大会近いのにキャプテンがそんなんでどうするんだ!
こんな調子じゃ他の奴らに示しがつかんぞ。グランド10週して頭冷やして来い!」
「はい すいません・・・」
ようやく10週走り終えた時、他の部員は少し先に木陰で休憩をとっていた
暑さと疲れでヘトヘトになりながらやっとこさ水道へ辿り着き蛇口を一杯に捻り 勢いよく水を喉に流し込む
それでもまだ足りないとばかりにジャバジャバと噴出す蛇口に顔を近付けて頭から水を被っていた
「お〜いよしこぉぉ!!」
木陰からその姿に気付き1人の部員が走りよって来る
「お疲れさん!はい、タオル」
同じクラスの後藤真希。幼稚園からの腐れ縁でこれまた部活まで一緒なんだ。
「さんきゅ。はぁ〜疲れたぁ」
渡されたタオルでゴシゴシ頭を拭きながらドカッとその場に座り込んだ
「どうしたのさぁ?最近調子悪いよね?シュート外しっ放しだわ、凡ミスするわじゃ監督も切れるのわかるよ」
「ん・・・・確かに。でもなんでも無いんだけどね。ただなんか乗れないって言うか・・・」
「ふ〜ん 女の事でも考えてたとか?遂に気になる子出来た?」
「アホ!そんなんじゃないから・・・ただ調子悪いだけだよ」
「へぇ〜つまんないの フットサルの事ばっかじゃなくてちょっとは色気出そうよ よしこモテるんだから」
「あたしはアンタとは違うんです」
- 3 名前:微妙な二人 【第1隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 03:14
- 〜〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
丁度後ろの開いた音楽室の窓から綺麗な歌声が聞こえてくる
「あっ、この声知ってる!最近転校してきた1年の合唱部の子でしょ?なんか凄い歌上手いらしいよ!」
「ふ〜ん・・・知らない・・・」
「よしこ知らないの?1年の高橋愛って子だよ。今日の練習前にも話題になってたじゃん!
すっごい可愛いくて歌が上手くて頭も良くて、かなり告られてるらしいけど全然落ちないって話だよ」
「・・・興味ない」
「2年の子が今日練習終わったら告るって部室で意気込んでたじゃん?どうせ振られると思うけど・・・w」
「・・・聞いてなかった」
「何?そっけな!よしこも見たら興味沸くと思うけどなぁ」
「『も』って事は・・・ごっちんもその子狙ってるわけ?」
「まぁ〜狙って無くはない。でも凄い堅そうだからどうかなぁ?」
「そこかよ!まぁ別になんでもいいけど・・・ほら!休憩終わりだよ!」
「あっ、ちょっと待ってよ〜〜」
タカハシアイ 知っている もちろん知っているとも 告白の話だって・・・
最近調子が悪い理由も自分でわかっている
今日特に調子が出ないのだって練習前にさっきごっちんが言ってた話をしっかり聞いてたから
全ては音楽室の窓から微かに聞こえて来る歌声が目の前のボールより気になって集中出来ないからなんだ
高橋愛 誰にも言ってないけど本当はあの子の事 他の奴より少しは知っている
- 4 名前:微妙な二人 【第1隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 03:15
-
ー1ヶ月前の事ー
公園で弟とボール蹴っ飛ばして遊んでた時 最近まで空き家だった家からピアノの音と一緒に聴こえて来た声
『 めぐるめぐる かぜ めぐるおもいにのって 』
私は透明感のある綺麗な歌声に聞き入ってしまい 家に帰ってからもそれは耳から離れず頭の中でリピートされていた
数日後に学校で1人自主練して 汗を流しにシャワー室へ向かって廊下を歩いていたら
誰もいないはずの早朝の音楽室からあの声があの曲が聴こえて来て自分の耳を疑った
覗き見なんて普通はしないけど どうしてもその声の主が気になって 少し開いているドアに近づいた
サラサラの髪で色白 大きな瞳が印象的な女の子が1人で楽譜を片手に歌っている
カーテンの隙間から差し込む朝日がその色白な頬を照らす
ガタッ!!!! あっ・・・やべ!!!
ドアに手をついた拍子に大きな音が出てしまった
「誰・・・ですか?」
驚いて大きな目をより大きくさせている
「・・・ごめん・・なさい 邪魔するつもりは無かったんだけど・・・」
ガラッとドアを開けて少しだけ頭を下げた
「・・あぁ いえ!ちょっと驚いただけです。この時間誰もいないと思ってたんで・・」
「そうですよね・・・練習ですか?あたしも1人で朝練してたんすよ」
「どうりで・・・いい汗かいてらっしゃいますもんね!ふふっ」
そう言われてなんか恥ずかしくなり
「へへっ」と笑いながら汗でグシャグシャな自分の顔をTシャツでゴシゴシとこすった
「あっ・・・これ使ってください」
慌てた様に駆け寄り 差し出されたハンカチ
「いや いいですよ〜汚れちゃうし」
「私いつも2枚持ってますから大丈夫ですんで・・・」
- 5 名前:微妙な二人 【第1隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 03:15
-
キーンコーンカーンコーン
二人の会話を遮る様に大音量で鳴るチャイム 誰もいない校舎に一段と響いている
「やっばい!あたしシャワー浴びる時間なくなってる!」
「あっ・・・ごめんなさい 私が引きとめちゃったから・・・」
「いえ こっちこそ あの、私行きますね じゃぁ」
でっかいチャイムに焦ってそのままハンカチ持ってきちゃったのに気付いたのは シャワーを終えただいぶ後だった
あれから何日か朝の音楽室に行ってみたけどあの子はいなかった
家は知ってるけど わざわざハンカチ返しに行くのもどうかと思うし・・・何年生かもわかんないし・・・
そうこうしてる間にさっきみたいな噂が飛び交うようになり
あの子の名前やら2つ年下の音楽科だとか あの子の情報は嫌でも耳に入ってきた
でもって返しそびれたハンカチはこの1ヶ月毎日 あたしの制服のポケットに入っている
あの子の事が? いや 返しそびれてるハンカチが? どっちが気になってるのかわかんないけど
あれからのあたしはなんだかすっきりしない毎日を送っている
- 6 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/30(月) 03:17
- もう瞼が限界なんで続きは明日更新します。
出来ればsageで頼みます。
- 7 名前:検証部隊 投稿日:2005/05/30(月) 07:40
- ⊂⌒~⊃*。Д。)⊃イイ!続き待ってます!
- 8 名前:微妙な二人 【第2隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 12:46
-
「あ〜マジ疲れた じゃぁねごっちん また明日〜〜」
「うん お疲れ〜ばいばい」
試合前のハードな練習に加えてあの10週がかなりキテるなぁ・・・
膝なんか軽く笑ってるし こんなんじゃ身体持たないわ
ごっちんに後ろ手でバイバイしながら深い溜め息を吐いた
「ん〜アイスでも食って元気だそうかな!」
元気の出無い時なんかは 公園の側にあるお気に入りのアイス屋さんのチョコミントに限る
若干遠周りだけど 重たい足を引きずって歩いていく
公園を横切る時に聞き覚えのある声がした
「・・・・駄目かな?今すぐじゃなくてもいいんだ 考えてくれる?」
クラブの後輩のあいつの声 もしかして・・・・・・
予想通り 部室であの子に告ると宣言してたあいつと 高橋愛の姿
「・・・ごめんなさい せっかくですけど今はそんな事考えれないから・・・」
「どうしても駄目?友達からでもいいからさ?どう?」
「・・・ごめんなさい」
あたしこりゃ明らかにまずい場面に遭遇してるな・・・
「チッ! わかったよ ちょっと可愛いからって調子乗ってんじゃね?何様のつもりだよ」
「・・・・そ そんな 気を悪くしたんなら謝ります 本当にごめんなさい」
「まぁ別に好きじゃなかったし 誰にも落ちないって噂聞いたからちょっと試しに告っただけだけだから」
「えっ?」
「だから勘違いすんなよ」 後輩はそういい捨ててその場を後にした
- 9 名前:微妙な二人 【第2隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 12:47
-
よくわからない怒りが込み上げてそいつ追いかけて殴ってやろうと走り出した時
「もぉーーーーーなんやぁ!失礼な人やざぁ!!こっちだって別に頼んでないがしぃぃぃ!!!」
驚く程大きくて聞き慣れない言葉に足を止められた
声の方を向くとベンチに座り力なく肩を落としている その肩は小刻みに揺れていた
どうしよう・・・あいつ追いかけてってシメたいけど なんかほっとけない・・・
「よし!!」思い立ってアイス屋へ全力疾走 チョコミントを両手に持ってベンチを目指す
「まだいるかなぁ?」
だいぶ日の落ちた公園 ポツンとベンチに座る姿がオレンジ色に染まっている
アイスを落とさない様に 驚かさない様にそっと近づいて声をかける
「こんばんわ じゃないな えと お疲れ様 でもないな あの・・・どうぞ」
事前の状況もあり突然だしで しどろもどろになりながらアイスを差し出した
「えっ・・・?あの・・・」
涙目であの時より大きく瞳を開いて驚いてる 当然のリアクションだな・・・
「これ 溶けちゃうから早く食べてね!まぁ・・・色々あるけど頑張って!」
それだけ言って後ろを向き早足で歩く
やばい ぜってーおかしいよな なんでこんな事したんだろ・・・
自分の行動に軽く自己嫌悪になりながらチョコミントにかぶり付く
「・・・・さん ・・・・よしざわさん!!」
「えっ?」
「吉澤さん!!待ってください!!」
- 10 名前:微妙な二人 【第2隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 12:48
- 思いがけない展開 そう確かにあたしは吉澤ひとみ その名前を呼んでるのは高橋愛
振り返るとベンチの前に立ち両手でアイスを持つ姿
今はきっとあたしのがあの子より目を見開いてるな
「あれ?なんで・・・名前を?」
「あの ありがとうございますこれっ!いただきます」
「ぷっ・・・」
尋ねた事に全くかすらない言葉に不謹慎ながら噴出してしまった
「えっ?なんかおかしいですか私?」
「いや ごめん なんでもないんだ ココ座ってもいい?」
「あっ はいどうぞ」
並んで腰を落とし とりあえず溶け出しているアイスを二人して頬張る
黙々と食べ続ける 長い沈黙 なんだろやたら緊張する
「あのっ!!」 「あのさっ!!」
間が悪いのか良いのか 二人同時に話し出す
「先にどうぞ」「いや先にどうぞ」
謙虚にお互い譲り合う
「ごっごほん!!じゃっ、じゃぁあたしが先に・・・・アイツ さっきの奴しばいとくから任せて?」
「えっ??」
「さっき暴言吐いたあいつクラブの後輩なんだ。だから任せて!!」
「そっそんな!!いいです!そんな事いいですよ!!」
「だってあんな事言うなんて調子乗り過ぎじゃない?許せないじゃん!」
「聞いてたんですね・・・」
「あ いや・・・たまたま通りかかったんだよ!決して盗み聞きなんかしてないから!!」
「はい わかってます」
「なんかあたしっていつも盗み見してるみたい・・・この間も・・・」
「あぁ音楽室の事ですか?」
「うん・・・覚えてたんだ?なんか色々ごめんね?」
「いえ!こっちこそアイスまで貰っちゃってすいません」
「どうせアイス買うつもりだったし気にしないでいいよ。ちょっとは落ち着いた?」
「・・・はい ミントがスーッとして気分が落ち着きました」
「そう?良かった。これお勧めだよチョコミント!食べると元気が出る!」
「今まで食わず嫌いでした。今度からはこれにします!」
「うん」
- 11 名前:微妙な二人 【第2隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 12:48
-
先程までの沈んだ顔が嘘みたいにパッと明るくなっていた
「さぁ 暗くなって来たしそろそろ帰らなきゃね。家あそこだよね?送ろうか?」
「いえ、吉澤さんも遅くなっちゃうからここで平気です。」
「まぁ近いしあたしは平気だけど?」
「ほんとに大丈夫です。引き止めてすいませんでした。ご馳走様でした」
そう言ってペコリと行儀良く頭を下げる
「うん。気をつけてね。じゃぁ、さよなら」
「はい、さようなら」
もうどっぷり日が暮れ 星が見え出した公園を背に家路を急いだ
「ただいま!!!」
「ひとみ遅いよ〜!ご飯冷めちゃったじゃん!」
「ごめんごめん!あぁ〜ご飯後でチンするから置いといてくれる?先に風呂入る」
「もう!かおは今から出掛けるんだからちゃんとお皿自分で洗うんだよ〜〜」
「はいはい!わかったわかった!じゃぁ行ってらっしゃ〜い」
湯船につかって冷静に今日の出来事を振り返る
「・・・ってかなんなんだろ?落ち着いて考えるとなんかすごくね?」
冷静に考えてもなんかよく理解出来ないんだけど・・・
わからない事が多すぎる 聞きたい事が色々ある 知りたい事も・・・
あああっ!!!よくわかんない!!! わかるのは今日は凄く疲れたって事だけ・・・
ご飯食べたらもう寝よう・・・・
だるい身体をベットに投げ出して速攻で深い眠りに着いた
- 12 名前:微妙な二人 【第2隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 12:49
-
「・・・んっ あれっ・・・?」
心地よいまどろみから覚め壁の時計を見る
「・・・えっ?えっ?えええっ???」
時計の短い針は11時を指している
あまりの事態に頭が上手く反応出来てない
「え〜と・・・11時。外は明るい。ここは家。」
昨日目覚ましかけて寝るの忘れてたんだ・・・
大遅刻だ・・・・ 昨日かおりん出かけたまま帰って来なかったんだな
あたしは姉のかおりと二人暮しをしている もっぱらその姉に頼りっきりで
朝も毎日起こしてもらっている
「まぁ、今更焦ってもしゃーないし、午後の授業始まるまでには行こうかな・・・」
朝食べる筈のベーグルと卵を悠長に頬張りながら制服に着替える
昨日疲れ過ぎて考えれなかった事をゆっくり思い出しながら・・・
あたしの名前知ってたな・・・ それによく聞き取れなかったあの子の言葉・・・
それにまたハンカチ返せなかったし・・・
またあの子とタイミング良く逢えるだろうか?もう昨日みたいな事は無い気がするし
「なんか調子狂っちゃうんだよなぁ〜・・・・はぁ〜」
ブツブツつぶやきながら家を出た 学校まではそう遠くはない
歩いて20分程で頂上に校門がそびえ立つ長い坂の始まりが見える
ようやく坂を上りきった所で気がついた
「こんな昼間に堂々と正門から入ってら目立ち過ぎんじゃん!裏門、裏門!」
そう言えば自分が大荷物を持ってる事に気付く スパイク 練習着 その他もろもろのサル道具
「持ってくの邪魔臭いし 部室に置いてこ!」
- 13 名前:微妙な二人 【第2隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 12:50
-
グラウンドの隅にある部室 どうやら中で声がする
思い切ってガラガラと扉を開けると中では数人の2年部員がお昼の弁当を食べていた
「「こんちは〜」」 「おう!」
「キャプテンもしや今学校着たんですか?」
「あぁ ちょい寝坊した」
「ちょっとですか?もうお昼ですよーー」
「まぁね」
いそいそと自分のロッカーに荷物を置きに行く
「・・・でさぁ 言ってやったんだよあいつに」
ん?この声は 昨日 あの子に暴言はいてたあいつの声だ
どうせ振られた負け惜しみでも言ってるんだろ
「大体あの女ブスのくせに調子乗ってんだよ!何綺麗ぶってるんだかね?」
・・・ブス 聞き捨てならない ってか昨日の怒りが思い出される
「・・・お前なんかただ試しに告っただけ!って言ったらさぁ」
「・・・・おい」
「なんかうるうるさせて『謝ります』とかいってやんの」
「・・・・おい お前さぁ」
「大体あのタイプの女に限って いざとなったら喜んで股開いてくるんだよ でさぁ・・・」
ガンッ!!!! ロッカーのドアを思いっきり蹴ってやるとようやく静かになる
「・・・お前さぁ 振られたんだろ?そんな負け惜しみ言うのすっげー格好悪いよ」
「べ、別に先輩に関係無いじゃないですか!!」
「確かに関係無い。でも年下の子泣かしてその自慢話してるお前が見苦しいんだよ」
「それ以上言うと先輩でも容赦しないですよ・・・」
「どうするってんだよ お前みてーなヘタレ怖くなんかねえから」
「んだよ 偉そうに!!!」胸元を掴まれる
「ただ尻軽女の話してんのがそんなに悪りーのかよ!!!」
・・・尻軽女 これは相当聞き捨てならないし 襟首掴まれてもう限界
大体こいつ生意気だし 前からずっと嫌いだった
ガツッ!!! ドーン!!!! ガラガラ!!!!!
右の頬に思いっきりコブシで1発をお見舞いしてやった
「だっせーよ お前ダサすぎんだよ!!!」
「・・・やったな!!!」
ガシャン!!!ガラガラ!!!ドカン!!!!
しばらく続いた乱闘は 結局騒ぎを聞きつけた先生によって止められた
- 14 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/30(月) 12:59
- 今日また更新するかもです。
二人のイメージ壊さんよう頑張るんで温かく見守ってください。
- 15 名前:みきみき 投稿日:2005/05/30(月) 13:33
- よっちゃんカッコイイね♪
ほれたよ〜☆
- 16 名前:向こうから来たよ 投稿日:2005/05/30(月) 13:42
- よっすぃーかっけー^0^
自分も最近吉愛マイブームで書いてたりするんだけど
こうやって同じ吉愛書きの人見つけると嬉しいです^^
更新がんばってくださいね
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/30(月) 15:09
- マジでキテルーー!!!
俺も向こうから来たよ
頑張ってください
- 18 名前:微妙ズキ 投稿日:2005/05/30(月) 18:23
- 狼から来てみたなんかいいね
続きに期待してます
…がよっすぃー姉のかおりんと二人暮らしって弟はどこへ?
- 19 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/30(月) 18:40
- あちらからお越しいただいたみなさん どうもありがとうございます。
反応いただいて嬉しく思ってます。
どっちかと言うとポワワ系よりダーク&ビターが分野なもんで
みなさんがポワワ出来るのかこれまた微妙なんですが・・・
吉愛はどっちも謙虚キャラだから話が進みにくいからモッサリした内容に
ならん様頑張ります。もう少しで第3隙間上がる予定なんで
良かったら読んでください。
>>18 弟はまたその内でる予定で説明入れなかったけどやっぱ気になるよね?
弟は新高校生で高校の寮生活。休みにたまに帰るという感じです。
両親の行方は・・・いずれという事で。質問ありがとう
- 20 名前:ハラポワ 投稿日:2005/05/30(月) 19:11
- 名前から察しがつくかもしれないけど向こうから来ました〜。
ダーク&ビターは俺も好きだよ。
大丈夫。よっすが愛ちゃんのハンカチを持ってるってだけで
ポワワ出来るからw
更新楽しみにしてます!
- 21 名前:微妙な二人 【第3隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 20:09
-
「・・・お前一体何考えてんだ?何してるかわかってんのか?
堂々と昼間に登校して来た挙句に喧嘩か・・・」
「・・・・・すいません」
「原因は何だ?喧嘩の原因は?」
「・・・いえ、特に理由は無いんですけど・・・その・・」
「お前は理由も無く後輩を殴るのか?そんな奴だったんだな」
「・・・・・すみません」
「・・・・まぁ 理由はなんにせよ、やった事には代わりない
とりあえず処分が決まるまでクラブは謹慎だ。当分頭冷やせ。その腫れた顔もな。」
「・・・・はい 失礼します」
ほっぺたがジンジンする 口の中も切れてて鉄分の味がする
喧嘩なんか久し振りだ 弟と昔やったっきり
「イテテ・・・さすがにやばいな・・・」
一礼して職員室のドアを閉めるとごっちんが心配そうに眉尻を下げて待っていた
「おう!おはよう」
「もぉう!おはようじゃないから〜 なぁにやってんのよ〜 大丈夫?」
「へへっ やらかしちゃったよぉ 大丈夫かって?見りゃわかるじゃん」
「何がやらかしちゃっただよ そのボコボコの顔マジでキモイからww」
「うるせー キモイとか言うな!これは女の勲章だよ?」
「・・・ってかなんで喧嘩とかした訳?ゴトーわかんないんだけど」
「・・・そっそれは・・・色々と・・・」
「ハッ!!!」
下を向いて歩いていると目の前でいきなり立ち止まる人の足が目に入る
ゆっくり顔を上げると・・・・・そこにはあの子がいた
日誌かなんかを職員室に持ってく途中なんだろ それを胸の前でぎゅっと抱えてあたしを見てる
「・・・・・・」 あたしは思わず目を逸らした
昨日の今日だし こんなひどい顔してるし なんか気まずい
ごっちんの腕を掴んで「学食行こうよ、学食!」と避けるように通り過ぎた
「・・・あっ・・・」消え入りそうな小さな声
- 22 名前:微妙な二人 【第3隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 20:12
-
「・・・ん?あの子なんか言ってない?ねえ?」
「へっ? 気のせいだよ 知らない子だし」
「そうそう!あの子が言ってた1年の子だよ!合唱部の」
「ふぅん ちゃんと見てないからわかんないけど」
「でもなんか言いたげだったなぁ もしや後藤の事好きとか?」
「・・・・フンッw そうなんじゃない?」
「今鼻で笑った・・・馬鹿にしてるでしょ?」
「どうかな?」
「ってかよしこ?学食の前に保健室いかなきゃその顔元に戻んなくなるよ」
「それは困る・・・」
保健室のドアをノックすると「はいよぉ〜」と中から能天気な返事
「先生さ・・ここすし屋じゃないんだから「はいよぉ〜」はないんじゃない?」
「あらっ? あんた何その顔・・・ちょっと面白いんだけどww」
「先生までなんだよぉ こっちは痛いって言うのに」
「どうせ自業自得なんでしょう? 浮気して彼女にやられたの?」
「まさか!よしこにそんな甲斐性あるわけないじゃん!」
「だよね〜後藤ならありえるけどね」
「いやいや 後藤顔だけは守りますから!よしこみたいに間抜けじゃないから」
「・・・ちょっとあんたらいい加減にしなよ 人の事散々言いくさりやがって
保田センセ!痛いんだから早く手当てしてよ!」
「はいはい。じゃぁ大人しくここに座んなさいっ!」
- 23 名前:微妙な二人 【第3隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 20:13
-
「イタッ・・・イタイ!!!」
「痛いの当たり前でしょうが 大体なんでこんな顔になったわけ?」
「そうそうゴトーもそれが知りたいんだよね〜」
「・・・・別に ただあいつ生意気だからむかついて・・・」
「絶対嘘だね!よしこ馬鹿だけどそんな理由で殴ったりなんかしないもん」
「そうそうあんたは馬鹿だけど温厚さだけは誰にも負けないじゃん」
「・・・バカバカ言うなよ なんかカッとなった 最近おかしいんだよなぁ」
「うん 確かに最近おかしいね?サルもガタガタだし」
「恋の悩みならお任せよん!コードネームLOVEマシーンの圭とはアタシのこ・と!」
「・・・・・・・・・・・・・」
「そこで黙らない!」
「よしこ?ゴトーに隠し事なんかしないでよ〜」
「別に隠し事なんて・・・してない」
「いーや してるね よしこ嘘つく時は髪触るの知ってる」
そういわれて自分の手が頭に行ってた事に気付き 慌てて下ろした
「まぁ無理にとは言わないけどちゃんと頼りにしてよぉ?」
「うん ごっちんごめんね ありがとう」
ごっちん本当にごめん でもこれだけはなんか言えない 言えないんだ・・・
クラブも謹慎で出れないし 教室はみんながうるさいし
あそこで反省文の続きでも書くとするかな・・・・
ガラガラ ホッ あんまり人いないな ここならゆっくり出来る
みんなはガラじゃないって言うけどあたしは本が好きだ
暇があればサルやってる以外はここで本を読んだりしているのが多い
この3年間でここの半数以上は読破している勢いだ
窓際の特等席に座りボーッとグラウンドを眺める
心地よい風が窓から吹き抜け 少しだけ頬の痛みが和らぐ
反省文 反省なんかしてないけど書かないとまたそれの反省文書かされる
ちゃちゃっとあげちゃって本でも読もうかなぁ〜 鉛筆をクルクル回しながら
お決まりの文章を並びたててみる
- 24 名前:微妙な二人 【第3隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 20:13
-
ふと大きな本棚の向こう側から声がする
「ねぇねぇ 3年の吉澤さん2年生と喧嘩したらしいよ?」
「・・・うん 知ってる」
もしかしてあたしの事話してるとか?噂って廻んのはえーな
あたし一躍「時の人」になってたりするとか?
「吉澤さんって喧嘩とかするような人だったんだね?なんか以外じゃない?」
「・・・うん でももしかすると・・・」
「何?愛ちゃん何か知ってるの?」
「・・・ううん 多分違う・・・そんな筈無い」
「何よ?なになに?」
「ううん 何でも無い あっ 早く行かなきゃ部活始まるよ!里沙ちゃん行こう?私この本、棚に返してくる。」
「その本借りて帰ればいいじゃん」
「これ持ち出し禁止なの 古い本だし」
「てか何その本?そんなの愛ちゃんしか読んでないよ きっと・・・」
「うん たぶんね でも面白いよ?ちょっと分厚いけど」
「遠慮しとく・・・」
「まだ続き読んでないから、また明日読もうかな?」
「そうしたら?」
ガタンと音がして足音がこっちに近づいて来る やばい!!
何がやばいのか なんで隠れる必要があるのかわかんないけど取りあえず本棚の影に
・・・やっぱり 「愛ちゃん」ってあの子だった
なにやら分厚くて難しそうな本を棚にしまい足音は遠ざかる
あたし何やってんだろう 無視したり隠れたり これじゃガキよりタチ悪い
でもいっつもタイミングが微妙なんだよ 出くわすタイミングが微妙過ぎる
もっとこう普通に逢えないもんかな? 昨日といい今日といい逢うのはいいけど変な場面でばっか
なんなんだろ?これじゃあたしあの子のストーカーみたいじゃん・・・
- 25 名前:微妙な二人 【第3隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 20:14
-
しかし相当凄い本読んでるんじゃないかな あの子・・・あたしでも読んだ事無い本読んでるぽい
【現代日本を構築した歴史上の人物史 1979年初版】・・・なんだこりゃ?20年以上前の本?
イメージ的にゲーテとか神話とかそっち系のやつ読んでんのかと思ったけど 歴史?
はぁ これはほんとあの子以外にはあんま読まれてない本だろうなぁ
パラパラとめくって行くと小さな栞が挿んである いちごの形をした可愛い栞
そのページのタイトルは 『もしもあの時 織田信長が死んでいなければ』
「・・・・・・・・・・・ぶっ あっはっは!!あーー!!あははっ!!!」
いちごとそれがあまりにも不釣合いで いちごの隣にある織田信長の写真があまりにも真顔で笑いが止まらない
「あ〜〜〜最高 マジで最高!!やっべ織田さんかっけー!!」
当初爆笑したものの 思ったよりその本が興味深い内容で小1時間読み耽ってしまっていた
「・・・ちょっと よしこ何してんの?」 思いがけない声にビクっとする
「あれ?ごっちんクラブは?もう終わったの?」
「いんや 監督にむかついたから途中で辞めて来たぁ」
「はぁ?なにそれ?」
「だって監督がよしこの事、責任感が無いとかスタメン外すとか言うからなんかむかついてさぁ
『よしこの事何にも知らないくせに勝手な事言わないで!!』ってタンカ切っちゃってw
ならお前も練習せんでいい!って言われてそのまま出てきちゃった」
「・・・・まじ?」
「まじまじw」
「ごっちんまで抜けて試合どうするんだよ やばいな?」
「いいじゃん!ゴトーはサルも大事だけどよしこのがもっと大事なの!」
「嬉しいけどなんかキショイよ・・・w」
「またぁ〜素直じゃないんだから〜」
腫れた頬が痛い振りして俯いたけど 本当は涙が出そうだった
昔からずっとそう ごっちんは何気なくこうやって側にいてくれる
泣くのも笑うのも いつも一緒なんだ
- 26 名前:微妙な二人 【第3隙間】 投稿日:2005/05/30(月) 20:15
-
「さぁ〜よしこ帰ろうよ?あたし鞄とってくるからここで待ってて?」
「なんで?一緒に行くよ?」
「あのね・・自分の顔どうなってるかわかってる?それでうろうろするのよくないよ」
「・・・そうかな?」
「仮にも女の子なんだから ちょっとは気にしな?」
「うん じゃ待ってるよ」
よいしょっと これ 以外に面白かったな あたしも読んじゃおうかな・・・あっ!!
本を閉じようとした瞬間 超名案が浮かんだ
ビリリリッ 反省文の用紙をちょっと破って・・・・
アレをこうして・・・・ よし!!
「これでスッキリする筈だ!!」 そう言って緑色の重たい本を元の棚に返した
第3隙間 ー了ー
- 27 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/30(月) 20:19
- 今日は以上です。短編のつもりだったのになんか以外に長くなりそうな予感。
吉愛は短編で語れないじれったさもGJ!とか勝手に思ったり。
じれったいがそろそろエンジン回して行くんで許してください。
では読んでくれた人ありがとう。
- 28 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/30(月) 21:23
- 向こうから来てみた
いいねいいね
次も期待してます
- 29 名前:よしよし 投稿日:2005/05/31(火) 00:24
- とってもっとてもおもしろいですね〜。
長編であってほしいと願います。
これからも期待してま〜す
- 30 名前:あなたに届け 【微妙side A part1】 投稿日:2005/05/31(火) 02:12
-
太陽が照らす緑の中 生まれて初めて恋をした
名前も知らないあの人に一目惚れだった
この街に越して来て初めての朝 窓を開けて外の空気を吸い込む
立ち並ぶ住宅 人工的に型どられた木々 遠くから聞こえる電車の音
窓からの情報は都会的だけど 流れる空気と暖かい日差しは故郷と同じ気がする
新しい私の生活 新しい私がここから始まる
「何やってんだよぉ へったくそぉ〜!!」
まだ早い時間だと言うのに人の声 私の新しい家の隣には小さな公園がある
ブランコとすべり台が一つずつ ベンチが一つしかない周りをイチョウの木で囲んだ公園
サッカーボールで遊んでる二人組の男の子 私と同じ位の年頃かな?
私も男の子だったらああやって泥んこになって外を駆け回りたい
太陽の光を気にせず浴びてくたくたになるまで走っていたい
羨ましいなぁ・・・・
「あい〜〜!!もう起きとる〜?あい〜〜!!」
1階から私を現実に引き戻すお母さんの声 全くもって爽やかじゃない
「なんやの〜??とっくに起きとるわぁ〜!!」
ドンドンドン ちょっとふてくされて階段を下りる
「あら?丁度良かった!もう着替えしてたんやな。牛乳買ってきて欲しいんやけど」
「えぇ〜?そんなん無理やってぇ道わからんし!」
「わかるわかる!シューっと行ってキュッと曲がったらコンビニあるわ」
「なんやそれ?そんなん余計わからんわぁ」
「行けばわかるから早よ行ってきて!」
「もぉう・・・せっかくの新しい朝が台無しや!朝の洗礼が台無し!お母さんのせいや!」
「なんやの またわけのわからん事言うてぇ あんた本の読み過ぎやで」
「そんなんちゃうわ!思春期の乙女には色々あるんやからほっといてや!」
「何でもええからはよぅ行って来てな!」
- 31 名前:あなたに届け 【微妙side A part1】 投稿日:2005/05/31(火) 02:14
-
バタン お気に入りの白いサンダルを履いて玄関を出る
見慣れない風景 新鮮な気持ちが私をウキウキさせる
本当はコンビニなんかじゃなくこの角の先に搾り立てのミルクがある牧場があればいいのに
「そんな訳には行かないか、それが現実。」
1人ブツブツ言いながら歩いてたら変だと思われるけど
思った事は口にしないと気が済まない性格の私は独り言しながら歩く
・・・・・コロコロコロ ・・・・・うわっつっ!!!!
足元にいきなり現れたボールに思わず大声を上げてしまった
「すいませ〜ん!!蹴ってくれますか〜〜?」
さっきのサッカー少年だ! えっ?ボール蹴るの? 私サッカーとかやった事ないけど・・・
ここは華麗にバシッと決めて去る それが新しい私の新しい姿
行きます! それっ!! ポーン よし決まった!!
って・・・・アレ? わーーーボールじゃなくてサンダルが飛んでいくーーー
あぁ・・・もうダメ 穴があったら入りたい その場にしゃがみ込む
タッタッタッ・・・・ 「あの・・・?大丈夫ですか?」
大丈夫なわけない・・・ 私にこんな辱めを与えたサッカー少年が憎い・・・・
「はいコレどうぞ」 俯いた目線に差し出される白いサンダル
憎いけどお礼は言わなきゃね 大人の女性としての常識よ
パッと髪をかき上げ ニッコリ・・・・・
何?何?何?なにが? 眩しい眩しすぎる
- 32 名前:あなたに届け 【微妙side A part1】 投稿日:2005/05/31(火) 02:15
-
ふわふわと柔らかそうな栗色の髪 大きく輝く瞳 真っ白で透き通る肌 すらっと伸びた手足
「ん?」と首を傾げ固まる私を不思議そうに見詰めるその姿
そのバックでキラキラと日を反射する緑の葉っぱ達
眩しすぎて目が閉じれない こんなのってアリですか?
「えと・・・すいませんでした じゃぁ!」
より眩しい笑顔を放って颯爽と遠ざかる後ろ姿まで輝いている
あぁ神様 高橋愛はガブリエルの矢をこの胸に受けてしまいました
最後の晩餐とモーゼの十戒と大化の改新が一度に訪れました
これが恋 夢に見る程憧れた恋 しかも一番高度な一目惚れってやつ
あの主人公のランドルよりポッターよりも素敵な人に出逢ってしまった
人生で一番新しい気持ち 私の中で芽生えた気持ち
でもこうしちゃいられない!そんな喜ばしい瞬間にサンダル飛ばす大失態を犯した私
すぐさま牛乳をGETして立ち去らなければ!!
コンビニでカルシュウム1.5倍の牛乳を買い 足早に家路を急ぐ
公園の前に差し掛かり 大きく深呼吸
「はぁ〜〜〜〜〜 よしっ!!」 背筋をピンと伸ばしいざ踏み出す
・・・・・・・・・シーン もういない あの眩しい姿はもうそこにはない
ホッとした様な拍子抜けした様な複雑な気持ち・・・・
もう逢えないのかな・・・ 恋って上手くいかないものなのね・・・
でも負けない 新しい私は「しちーがーる」の私は頑張るの!!
「愛・・・あんたこれ牛乳ちゃうし・・・飲むヨーグルトやし・・・」
part1 ー了ー
- 33 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/31(火) 02:18
- 骨休めにsideAかいてみたり。
- 34 名前:両翼好き 投稿日:2005/05/31(火) 05:34
- ヒントを頼りに検索しまくって辿り着きました。
娘。の小説って今まで読んだ事がなかったのですがカナリおもしろいです!
正義感の強い吉澤さんと訛り高橋さんの場面にメロメロです。
sideAのテンポの良さいいですね!恋に落ちた高橋さんの暴走思考回路笑いました
つづき楽しみにしてます
- 35 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/31(火) 09:24
- あのネタがこんなことになってるとは!
すげーマジ最高ありがとう
てか愛ちゃんのギャップが…世界が面白すぎる
- 36 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/31(火) 15:44
- みんな狼からとは思えない紳士淑女なレスをありがとう。
やっぱ吉愛スレの住人はいいヤツばっかだなと小一時間。
でも狼の独特なカラーが嫌いではないから
ココでも馴れ合わずに謙虚に行ければいいなと思ってたりしています。
だから特に1人ずつ掻い摘んでレスなどしてないけど
みんながくれたレスが燃料となりネタが進んで行っている事は間違いない。
書く側にとって読み手のレス程嬉しいものはないからね。
ギブ&テイクでラストまでお付き合い願いたいです。
ところで>>35はあの時元ネタくれた人か?こっちこそありがとう。
あのポワワ写真からこの設定を思いついたおまいは素晴らっすぃい
これは半分以上おまいの作品だと言っても過言ではない。
おまいのたった4行がこのネタを産んだんだからな。
改めて礼を言う ありがとうな!
どんな小さな情報でも限りなく大きく膨らます事が出来る吉愛スレGJ!!
では第4隙間 スタート
- 37 名前:微妙な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/05/31(火) 15:46
-
アタシの腫れた顔を記念に残そうとごっちんとプリクラ撮りに行く事になった
始めは乗り気じゃなかったけど 画面に映る傷だらけの自分がやけに格好いい様に思えてきて
最後には調子に乗ってファイティングポーズまでとってしまっていた
「きゃはは!この『ファイアー真希 VS デンジャラスひとみ』って最高じゃん!」
ポテトをモグモグしながらごっちんはさっき撮ったプリクラを携帯に貼っている
あたしは口の中の傷にポテトの塩がしみて オレンジジュースしか飲めないでいる
「ねぇ?よしこの初恋っていつ?」
「はぁっ?何よ急に・・・」
「なんかなんとなくだけど、初恋ってどうだったかなぁ〜ってね」
初恋・・・恋 どうだろう あんまちゃんと考えた事ってないなぁ・・・
「よくわかんない・・・ごっちんは?」
「ゴトーはねぇ〜初恋は5歳!遊園地のパンダに恋した!」
「どういう事?パンダの着ぐるみの中の人に初恋?」
「違うよ〜パンダの着ぐるみに恋したの。フワフワで可愛いくって大きくって忘れられなかった。
毎日毎日パンダの事想ってた。一緒に写った写真ずっと見てた。これって初恋だよね?」
「えぇ〜そうなのかなぁ?相手は着ぐるみだし、違うんじゃない?」
「違わないよぉ〜恋だよ、あれは恋だったの!」
- 38 名前:微妙な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/05/31(火) 15:47
-
「そもそも恋の基準って何よ?それからはっきりさせようぜ?」
「基準ね〜難しいけど最近はこう考える様にしてるかな?恋と言うか『好き』って感情なんだけども。
例えばね・・・一番手っ取り早いのはその人とキスしたいかどうかなの」
「・・・そりゃまたパンダからはえらくかけ離れたね。」
「そんな事ないよ?パンダともキスしたかったもん、まぁディープなのとは違うけどw」
「あんたパンダでディープとか変態の域に達するよ・・・」
「大きな声じゃ言えないけどHって恋してなくても出来るモンじゃん?極端な話、欲望と勢いだけで
出来ちゃうと思うんだぁ。でもキスは違う、触れるか触れないかのキスでドキドキ出来るって
まさに恋!これぞ恋ってやつじゃん!あの胸がきゅぅーってなる瞬間がたまんないんだよねぇ」
「・・・んん、確かに。ロマンチックなキスは好きな人としか出来ないと思う」
「でしょ?んで、両想いになって、それが愛に変わるともっとハードなロマンティックが見えてくるの」
「なに・・・ハードなロマンティックって・・・」
「よしこにわかるかなぁ〜例えばわざと困らせてみたいとか、泣かしてみたいとか、乱れて欲しいとか・・・
感覚的なものじゃなくてより精神的なとこで胸をきゅーっとさせられたくなってくるのがハードロマンね」
「ハードロマン 略すとなんかかっけ〜感じ」
「かっけ〜とかじゃないからぁ〜言ってる事わかってる?」
「わかんないでも無いけど ってか恋からかけ離れ過ぎてるじゃん!」
「あぁごめんごめん。まぁでもゴトーはこんな感じかな?よしこは?」
「ん・・・あたし恋とか好きとかあんまわかんないのかも。大して意識してないし・・・」
「んん〜じゃぁよしこに解るように恋のレベル1から質問するから『YESかNO』で正直に答えてってよ?」
- 39 名前:微妙な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/05/31(火) 15:49
-
「うん」
「まずは、最近ボーッとしたり気が付くと交信してる事はありますか?」 『あ〜YES?』
「最近急に落ち込んだり、悲しくなったり、嬉しくなったりする事がありますか?」 『ん・・・YESかな?』
「最近なぜかわからないけど気になっている事はありますか?」 『うん・・YES』
「あなたはその事の原因や関係する人が全く思い浮かばない?」 『えっ? NO・・・』
「なぜかこの人の前だと調子狂うな〜って人はいますか?」 『・・・ YES』
「その人に関する事でなにかしら感じた感情やイメージはありますか?」 『あぁ YES』
「それを思いつく限り答えてください」
『え〜と 不思議。透明。綺麗。イライラ。気まずい。焦り。痛い。おもしろい。いちご。歴史。』
「その人とあなたを結ぶ一番近いモノとは?」
『んーーハンカチ?声?公園?アイス?本?』
「はい。最後の質問です!今あなたの中に浮かんでいるその人の名前を言ってください」
『た・・・・・・うっうわぁぁ!!!あっぶね!!!誘導尋問だ!!!』
「あれ〜?ひっかかると思ったのにぃ おしかったな!」
変な汗がどっと湧き出てる 慌ててジュースを一気飲みして体温を調節する
- 40 名前:微妙な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/05/31(火) 15:49
-
「ハァハァッ・・・ちょっとごっちん!なんなのさこれ?」
「なにってよしこの悩み解決してあげてるんじゃん。もうわかったでしょ?」
「なにがさ?」
「今、よしこの頭に浮かんでる人によしこは恋してるんだよ!よしこってやっぱ激しく鈍感だったんだね?」
「・・・・・・・・まさか、そんなんじゃないよ」
「そんなんじゃなくないよ? ゴトーの見解は正しかったの!」
「恋 これって恋?ねえごっちんマジでいってんの?」
「マジだからぁ よしこは恋に落ちましたとさ!ってねw」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ってかゴトーその人わかったかもしんない。よしこのオモイビト。たぶんだけどね?
なんかえっらく否定的なトコが逆におかしいと思ってたんだよね〜ww」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ちょ〜よしこ?よしこぉ〜?帰ってこい!!お〜い」
恋 これが恋? ・・・・・あたしってマンガみてーだな おい
- 41 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/31(火) 15:52
- とりあえず出来た分。
今まだ書いてるからたぶん今夜にでもまた更新すると思うんで
そんときゃよろしく頼みます。
- 42 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/05/31(火) 16:21
- 自覚キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!ごっちんGJ!
やっべこの話おもしろい!読んでてハラハラポワワする!
この感覚こそ吉愛!
- 43 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/31(火) 18:51
- 一気に読まさせて頂きました! かなりおもしろいです。話の流れがすごく分かりやすく、今後の期待が膨らみます! 次回更新待ってます。
- 44 名前:ハラポワ 投稿日:2005/05/31(火) 18:53
- ハラハラポワワとする感じですよね!
本当、まさに吉愛ですよ!
愛ちゃんサイドも良かったです。
大家の改新とかたとえがややこしすぎるw
訛り具合とかもすごい好き。
自分の気持ちに気付いたよっすに期待してます!
- 45 名前:微妙な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/05/31(火) 23:20
-
あれからごっちんにあれやこれや問い詰められて今までの経緯を全部話させられた
ごっちんほんとイイ奴なんだけど たまに思いがけない事するからなぁ・・・・
今度の事もなにやら嫌な予感がしてたりするけど まぁ固く口止めしといたから取り合えずは大丈夫かと・・・
かおりんにも傷の事で色々言われたし・・・散々な日だったなぁ
しかし あたしが恋・・・ しかも年下の女の子になんて・・・
昔からやたらと女の子にはモテた「憧れてる」とか「好きです」とか今まで何度も言われてきた
別に嫌でもなく嬉しくもなく「あぁ ありがとう」って言うだけでそれ以上は興味もなかったし
大体あたしの事何も知らないくせによく「好き」とか「憧れる」とか言えんなぁ と実際思ってた
今になってその子達に申し訳なく思ったりしてるわけで・・・・
今の自分は昔あたしに告ってきた子達と同じだ 何にも知らない相手に一方的な感情を勝手に抱いてる
恋って 好きって 不思議だなぁ 勝手に生まれて勝手に大きくなる 自分じゃどうする事も出来ないもんな
こりゃ〜かなりやっかいだなぁ・・・・
実際問題として未だに自分があの子を好きなのかさえまだ疑わしい だってわからない 自分自身がわからないから
「これが恋の病っつーモンなのかなぁ? 病とはよく言ったモンだな・・・」
- 46 名前:微妙な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/05/31(火) 23:21
-
ガチャッ 「よう!ねーちゃん ただいま!」
今年高校1年になった弟 家から遠いサッカーの名門校に入ったから寮生活してて こうやってたまに帰ってくる
「うわっ びびった!!お前ノックくらいしろって!!」
「何言ってんだよ 今までノックなんかした事ねぇだろ?大丈夫か?」
「ばっかやろう あたしは年頃なんだよ ったく気を付けろっての!」
「うわっ!何?色気付いてんの?気持ちわるっw つーか 何その顔!!事故った?」
「あぁ・・・いやぁ 喧嘩した・・・」
「ええっ?女が殴り合いなんかするなよぉ まぁ女じゃねぇけどw」
「お前なぁ・・・まぁいいや とりあえずおかえり!久しぶりだね?なんか焼けた?」
「あぁ 部活ばっかやってるからなぁ 休みの日も試合とかでしばらく帰れなかったんだよ」
「大変だね〜 どう?ガッコ楽しい?」
「んっ 楽しいね!彼女出来たしぃ〜」
「・・・・・えっ?マジで?お前なかなかやり手なんだな・・・・」
「やり手って何だよ・・・おっさんかよw」
「だって早いじゃん この前までいなかったのに」
「だって早くしねぇと他の奴に取られちまうじゃん 俺の彼女超可愛いんだぜ?」
「へぇ〜・・・で?どうやって・・・その・・・落とした?」
「えっ?そうだなぁ・・・って なんかえらくがっつき気味だな?どうした?」
「へっ!!!そ、そんな事無いって!!ただ最近の若者の恋愛事情ってやつを少々・・・」
あたし何してんだ 弟の恋愛話なんかに興味深々になったりして・・・
「ま、まぁいいや!あ〜ハラ減ったな。かおりんもう作ってた?」
「そうそう 飯出来たから呼んで来いって言われたんだったw」
「おま、早く言えっての!」
「なんだよ〜 ねぇちゃんががっついてきたんだろうがぁ」
- 47 名前:微妙な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/05/31(火) 23:22
-
久々に賑やかな食事を済ませ かおりんが借りてきたDVDを3人で見る事になった
パイレーツ・オブ・カリビアンという映画で海賊とその海賊の昔の仲間の息子がお姫様を助ける話。
その息子とお姫様は許されぬ恋をしていたけど 最後には結ばれるって言うアドベンチャーロマンスだった
「いやん 感動したわぁ!かおにもあんな素敵な海賊の彼氏が出来ないかしら!」
「海賊の彼氏とかいたら怖いから・・・ まぁ確かにキャプテンKIDかっけ〜な!」
「ねえちゃん達あの2人だったらどっちが好み?」
「え?ん〜〜〜〜・・・・」
「はいはい!かおは息子の方がいい!だってすごく優しそうだもん」
「ひとみねーちゃんは?」
「ん〜どっちもかっけ〜ってか海賊になりたい!!」
「・・・・はぁ?海賊んなってなにすんのさ?」
「広い海をブラックパール号で旅すんの!楽しそうじゃん!これぞ男のロマンだねぇ〜」
「おいおい アンタ女だろが・・・」
「えぇ〜かお海賊の彼氏はいいけど海賊はイヤだ。危なそうだし、シャワーとかも無いんだよ?」
「これが普通の女の正しい答えだな」
「あたしおかしい?」
「おかしくはないけど明らかに男目線だな。俺と同じだもん映画の感想が」
「そうかなぁ〜」
「例えるなら、かお姉は悪者の塔に閉じ込められても王子様が助けに来るの待ってるお姫様な!
んで、ひとみ姉はなんとか自力で脱走して、むかつくからその悪者も自分で倒して、
ついでに隣の牢獄にいるお姫様を助けてあげて 自分が王子様になっちゃうっていう感じww」
「わぁ〜すごい的確な例え!それかおも納得!!」
「くやしいけど当たってるかも・・・」
- 48 名前:微妙な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/05/31(火) 23:23
-
あたしは夜遅く 布団の中でひとり色んな事を考えていた
やっぱあたしっておかしいんだろうか?普通じゃ無いんだろうか?
でもそこいらの女の子や友達に恋愛感情なんか抱いた事一度も無いし グラビアやアイドル見ても何とも思わない
・・・・あの子 高橋愛という女の子以外にはどんな女にも特別な感情を持ったことはない
だからと言って周りの女の子みたいに 彼氏欲しいとかなんとかも全然思わないし・・・
特別な感情? ・・・・ごっちんが言ってた事を思い出す
キス ロマンチックなキス・・・
「うわぁぁぁぁ!!!ムリムリムリ!!!ぜってーそんなのムリっ!!!!」
あーーーやばい 顔がカァーッと熱くなって 変な汗が出てくる
何ひとりで変な妄想してんだ・・・・ もう寝よ・・・・
- 49 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/31(火) 23:29
- 今日は以上です。
ごっちんと弟のアシストを受けて吉は今後どう動くのかというとこですが。
ニブチン吉の尻はたいて頑張らせようと思います。
- 50 名前:スキマニア 投稿日:2005/05/31(火) 23:44
- あと、ハラハラ ポワポワ ドッキドキ←(高橋らぶりぃ風で
を目標に頑張ります。
- 51 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/01(水) 14:55
- ここらでside Aを。
愛ちゃんワールド書くのが楽し過ぎてやみつきになりそうですが
本編もきっちり進めたいと思っています。
- 52 名前:あなたに届け 【微妙side A part2】 投稿日:2005/06/01(水) 14:56
-
今日は初登校の日 夢を実現する為の新たな一歩として 音楽教育に定評のあるこの高校へ編入した
まだ1人暮らしは無理だという事でお母さんと二人でこの街へ
新しいものが大好きな私は希望で胸が膨らむ
新しい土地の新しい学校でどんな高校生活が待っているんだろう!!
「でも訛りだけは死んでも出されへん。田舎モンやと馬鹿にされたらかなんからなぁ」
クラスでの自己紹介も昨日家で何度もリハーサルをした その甲斐あってちゃんと訛らずに出来た
私は用意周到な性格で何事も納得行くまで繰り返しやらないと気が済まない
天才肌では決して無く 常に人何倍も陰で努力し得とくする地味なタイプ
でも必死な所を絶対に見られたくない あくまでスマートでクールになイメージでありたいから
「まぁそれは願望であって、いつも大体ボロが出ておっちょこちょいがバレるんやけどな・・」
現実はなんとも厳しいもんやなぁと・・・
- 53 名前:あなたに届け 【微妙side A part2】 投稿日:2005/06/01(水) 14:57
-
「たぁかはっしさん!!」
後ろから飛んできた妙にハイテンションな声に驚いた
「私、後ろの席の新垣里沙!よろしく!解らない事あったらなんでも聞いてくれていいからね!」
なんとも人の良さそうな爽やかな笑顔
「 ありがとう こちらこそよろしくね!」
都会の女子高生はもっとえげつないイメージやったけどもこんな子もおんねんなぁ〜と妙に関心した
里沙ちゃんは合唱部らしい 私もそれに入ろうと決めてたから嬉しいな
放課後色々と学内を案内してもらっていた
「ここが購買部でしょ?向こうが学食で・・・まぁ校内はこんなモンかな?」
「でもやっぱ凄い広いね?しばらくは迷っちゃうかもしんない」
「あはは!私もたまに迷う時あるからね〜」
「学食とかメニュー多いしなんかレストランみたい」
「結構おいしいよ?でもねぇ早くしないと混んじゃうから大変なの。特に体育科の人達は力強いから争奪戦が・・・w」
「そうか〜体育科もあるんだもんね。」
「うん。さて!じゃぁ音楽室行こうか?そろそろ練習始まると思うし」
「うん!」
合唱部の部員もみんないい人そうで安心した 歌唱のレベルも高く俄然やる気が出る
「じゃぁ休憩とります。休憩後はパートごとの練習になりますので、楽譜の確認しとく様に!」
「はぁ〜さすが名門校だね〜発声練習だけでくたくたになっちゃった」
「そうだね。私も初めはびっくりしたもん!ねぇ?暑いから窓際いかない?」
窓の外は暖かい午後の日差しで満ちている グラウンドからは色んな部の掛け声が聞こえ活気が感じられる
丁度グラウンドの中央にオレンジ色の集団 他の部より遥かに人数も多い
- 54 名前:あなたに届け 【微妙side A part2】 投稿日:2005/06/01(水) 14:58
-
あれってサッカー?女子高なのにサッカー部があるの?」
「あぁ!違う違う。あれはフットサル部だよ」
「フット・・・・サル?」
「いやいや サルじゃないからw フットサルって言ってサッカーをコンパクトにした感じのスポーツだよ」
「へぇ〜そんなのあるんだぁ 知らなかった・・・」
「うちサルも強くて有名なんだよ!」
「ふぅ〜ん・・・」
サッカーと言えば今まで一度たりとも興味を持った事なかったけど 昨日の出来事で私のスポーツランキングトップに輝いた
あぁ 今頃あの人は何をしてらっしゃるんやろう あぁ 愛しいあの人・・・お昼ご飯何食べたんやろう・・・
あかん やっぱり私重症やわ グラウンドでフットサルをしている人があの人に見える
ここは女子高 あの人がいる訳がない 両目5・0以上きっとありそうなこの目は恋するあまり盲目に・・・
何度何度見てみても そこにあなたがいる様な気がしてならないのです
あなたに逢いたいと願うあまりに 私は幻を見ているのです
「・・・ちゃん?あ〜いちゃん?」
「はっ!!!」
「ちょっと大丈夫?目痛くない?2分くらい瞬きしてないけど・・・」
「ごめんごめん!ちょっとアウストラロピテクスが車作れる様になるまでの過程を色々と懐かしく思ってただけなの!
決して私のお昼ご飯はソースカツ丼じゃぁないから!ねっ?」
「はぁ?なにアウットラロ・・・・アウストラロピテクス!!あっ言えた!」
「でも645年だけは譲れないんだけどね!」
「・・・・なんだっけ?え〜徳川家康!」
「ずっと仕えてるんだよ?すごくない?でも奥さん居過ぎなんだよね〜」
「・・・って何評論家だよ〜」
- 55 名前:あなたに届け 【微妙side A part2】 投稿日:2005/06/01(水) 14:59
-
よし!上手くごまかせた!危ない危ない・・・妄想し過ぎる私の性格があやうく里沙ちゃんにバレるとこやった
あくまでも新しい私はクールなイメージなんやからな
「あのさ愛ちゃん 瞬きそろそろしな?もうかれこれ2・3分は目ぱっちり開いてるよ?」
「えっ?そう?大丈夫だよ〜 よくびっくり顔って言われるけど通常がこれだから」
「ならいいんだけど・・・ってか私達なんか気が合いそうだね?」
「うん!里沙ちゃんってちょっと変わってるけど仲良くなれそう!」
「あ〜言ったねぇ〜?愛ちゃんの方が絶対変わってるからぁ〜!!」
「「あははははっ!!!」」
里沙ちゃんって不思議だな まだ逢ったばかりなのにもう3年位一緒にいるみたい
こんなに早く友達が出来るなんて思わなかった
新しい私の 新しい生活は何もかも順調です!!
- 56 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/01(水) 15:07
- 今回愛垣の二人ゴト見てる人はおわかりかと思いますが
この二人の会話部分はほぼノンフィクションですw
常にミラクルな笑いを提供してくれる愛垣も大好きなんです。
吉愛とはまた違うGJな愛垣もおすすめしときます。
- 57 名前:名無し吉愛 投稿日:2005/06/01(水) 17:38
- スキマニアさんお疲れさまです
愛ちゃんのキャラが最高です!愛垣もそのまんまでイイ!
sideAの愛ちゃんと吉視点の愛ちゃんとのギャップがおもしろいですねw
本編がこれからどうなるかドッキドキです!
- 58 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2005/06/01(水) 20:19
- 名前からわかるとおり某スレから到着
いいね!面白いね!
- 59 名前:微妙な二人 【第5隙間】 投稿日:2005/06/02(木) 01:04
-
あれから数日 この間の騒動の処分が決定したらしくごっちんと二人で顧問の所へ呼び出された
あたしらが練習行ってない間色々あったらしい なんであたしらが昼間に部室で殴り合いしたのか
気になった先生は昼休みに部室へ行ってみた するとあたしが殴った2年とその仲間が部室でタバコを吸っていたらしい
「吉澤、お前その事に気付いててキャプテンとして注意してあいつを殴ったんだな?
まぁ殴るのは行き過ぎだがお前の気持ちもわからんではない。どうしてあの時正直に言ってくれなかったんだ?」
「えっ?いや・・・あのそれは誤解・・・ウムゥウ」
ごっちんから口を塞がれる
「あああ!!そうそう!そうなんです!よしこってば正義感強いから気合入り過ぎて殴っちゃったんですよ〜」
「そうそう、後藤もすまなかったな。お前も言ってくれればよかったのに」
「いやぁ、昔っから正義は勝つって言うでしょ?」
「ちょっとごっちん!」
「よしこは黙ってて」
「まぁ とりあえずあの2年の奴らは退部。お前らは処分なしという事だ。今日から練習出て来い。以上だ。」
「はい・・・わかりました」
「よかったね?よしこ!」
「あぁ・・・それと吉澤。これからもキャプテンを頼りにしてるからしっかり頑張ってくれよ!」
「あ、はい。頑張ります」
「失礼しました」 バタン
- 60 名前:微妙な二人 【第5隙間】 投稿日:2005/06/02(木) 01:05
-
「ちょっとごっちん!こんなの良くないって!」
「いいのいいの〜これで一件落着じゃん!おまけによしこの株も上がって一石二鳥!」
「なんか納得できないなぁ・・・部に戻れるのは嬉しいんだけど」
「あいつらなら自業自得だから平気だって 神聖な部室でスポーツマンがタバコなんてけしからんよ」
「んん・・・まぁそれはそうだけど・・・」
なんかすっきりしないけど今更蒸し返したトコで何にもならないだろうし・・・まぁ納得するしかないか
「さぁ〜よしこ?恋にサルに頑張んなきゃね?」
「!!!ちょっ!ごっちん!!」
「あははぁ〜〜顔赤いよ?」
「・・・・ヌッコロス」
そういえばあれから図書室行ってないなぁ どうなったんだろアレ
ああすればきっとすっきりすると思ってたんだけど 逆になんか気になっちゃうなぁ
ブレザーの左胸内ポケットがなんだか寂しい いつの間にかお守りみたいに思ってたのかも・・・
練習後にやっぱり気になって図書室へ来てみた
一目でわかる分厚い緑の本を手にとり開く
「あれっ?」
そこには薄水色の封筒 表に チョコミント様へ とだけ書いてある
手紙を取り出し便箋を開くと丁寧な文字でこう書かれてあった
- 61 名前:微妙な二人 【第5隙間】 投稿日:2005/06/02(木) 01:06
-
もしかしてこの手紙は読まれる事ないかもしれません。
でもこうするしか方法が無くって・・・・
もしご迷惑でなければあの公園へ来ていただけませんか?
今日から1週間 時間の許す限りずっと待っています。
5月26日
- 62 名前:微妙な二人 【第5隙間】 投稿日:2005/06/02(木) 01:06
-
これってあの子があたしに宛てた手紙だよね・・・ 今日って何日? 6月2日!!!
やばい!!!!今日が一週間目じゃん!!!!
急いで本を棚にしまいダッシュで靴箱に向かう
玄関にはあたしを待ってるごっちんがいた
「んぁ?よしこ何処行くのさぁ?」
「ごめん!ちょっと急用できたから あたしの鞄と制服あたしん家に持って帰って!!」
ごっちんの返事も聞かず靴を履いて全力で走る
久々の練習で結構足にキテるけどハンパ無い速さで足が動く
待ってる ベンチで待ってる あの子があたしを待ってるんだ
空では夕日が落ちかかり 道には街灯が灯り始めていた
- 63 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/02(木) 01:12
- 夕日に向かって走れ!!よっすぃー!!
- 64 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/06/02(木) 01:30
- 続きが・・・続きが気になる⊂⌒~⊃*。Д。)⊃ ピクピク…
- 65 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/02(木) 03:40
- 自分でも続ききになったから書いてみたw
- 66 名前:微妙な二人 【第5隙間】 投稿日:2005/06/02(木) 03:42
-
「はぁっ はぁっ はぁっ・・・・・・・」
すっかり暗くなった公園 たった一つのベンチには誰の姿もない
「・・・・ちっきしょ!!!間に合わなかった・・・」
もうフラフラで立っていられない ドカッと倒れ込む
ベンチに寝転び 星がポツポツ顔を出す空を見上げる
全力疾走の余韻で心臓がドキドキと大きな音をたて体中に響く
ひとりぼっちの公園 寂しいのはこの風景なのか このココロなのか・・・
「あ〜ぁ やっぱりうまくいかないや・・・ほんっとタイミングわるっ・・はぁぁ・・・」
今までで一番大きな溜め息
「・・・・吉澤さん?・・・・吉澤さんですか?」
「えっ?」
そこには先程 必死でひた走ったけど辿り着けなかったゴールの姿
あたしは慌ててベンチから飛び起きた
「 あのっ 遅くなって ごめん 」
「いえっ!私もうダメかと思ってました・・・」
「うん あたしも。もうダメだと思ってた・・・」
「ごめんなさい 1人でずっとここにいたらすごく淋しくなってきて
あの時吉澤さんに『元気出ない時はチョコミントだよ!』って教えてもらったから・・」
「それ、買いに行ってたんだ・・・?」
「・・・はい」
チョコミント持って恥ずかしそうに微笑むから こっちもなんか照れてしまう
- 67 名前:微妙な二人 【第5隙間】 投稿日:2005/06/02(木) 03:43
-
「あの、それユニフォーム・・・」
「あぁ・・・手紙に気付いたのついさっきで 急いで来たから着替えてないんだ ははっ!」
「そんな・・・ごめんなさい!!私のせいですね・・・」
「大丈夫だよ。制服よりこっちのが走りやすかったし」
「すごい汗・・・ あっこれどうぞ!!」
ポケットからハンカチを急いで取り出す
「・・・・ぷっ やっと返せたのに 結局またこのハンカチ借りるなんて」
「あははっ・・そういえばそうですね!」
「あんな返し方してごめんね?ちゃんと直接渡そうと思ってたんだけどなかなか・・・」
「いえっ、本開いた時 宝物見つけたみたいですごく嬉しくなりました!」
「宝物? あはは、おもしろいね?」
「あっ!すいません つい・・・私子供みたいな事言ってる・・・恥ずかしい」
「そんな事ないよ!高橋さんっていい世界観持ってそうだね?あの本おもしろいし!」
「本当ですか?あんな本読んでる女 引きませんか?」
「ない!ない!それはないよ〜 あたしも読みたいと思ったよ」
「嬉しい・・・アハッ!!」
鼻の真ん中にシワを寄せてニカッと子供みたいに笑う
こんなに無邪気で無防備な笑顔見たのは初めてだ この子って色んな面を持ってるんだなぁ
「あ、ねぇ?話したい事色々あるんだけどさ?」
「あっ、私もあるんです!」
「でも、もう真っ暗だね・・・」
「はい・・・」
「じゃぁ明日学校で話さない?」
「えっ・・・そ、それは・・・」
「何?学校じゃまずい?」
「・・・はいぃ 色々と・・・そのぉ〜ごめんなさい・・・」
「そっか・・・じゃぁどうしよう?放課後はお互い部活あるし・・・」
「あっ!こうしませんか?あの緑の本にお互い手紙を挟んでおくっていう」
「おっ!いいねぇ!そうしようか?」
「はい、そうしましょう」
「うん あら、アイス溶けちゃってるよ!」
「わっ ほんと! これ吉澤さんが食べてください!走らせちゃったお詫びです」
「いいよいいよぉ〜 せっかく買ったんだから自分で食べな?」
「いえいえ、どうぞ」
- 68 名前:微妙な二人 【第5隙間】 投稿日:2005/06/02(木) 03:44
-
「ん・・・じゃぁ・・・はんぶんこしちゃう?」
「・・・・・・・・・・・・・」
わっ 顔がみるみる真っ赤になっていく
「わぁぁぁ!!!嘘、嘘、冗談だから!!」
「・・・・・・冗談デスカ・・・・」
わっ 今度は一気に青ざめてる
「あっ いやっ ちょこっと本気かも・・・」
「てへっww」
「 じゃぁ どうぞ はいっ 」
「アーン」
ハムッ
「どうですか?」
「うん! うまい! 食べてみ?」
ハムッ
「どう?うまいっしょ?」
「・・・はい やっぱりおいしいですね」
真っ赤な顔でクシャっと笑う やばい まじで可愛い
すごくドキドキしちゃって 隣にいるのにまともに顔見れないや
チョコミントはいつもとおんなじチョコミントなのに 今まで食べた中で一番甘いや
甘くて 冷たくて スーッとして でも二人とも真っ赤な顔で そんなふたりぼっちの公園での夜
- 69 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/02(木) 03:46
- 初甘甘はこんなんでどうでしょうか?
ハラハラ ポワポワ ドッキドキで楽しんでいただけましたでしょうか?
- 70 名前:向こうから来たよ 投稿日:2005/06/02(木) 06:35
- うわー あまあまだぁ〜⊂⌒~⊃*。Д。)⊃ ピクピク…
愛ちゃんの表情がリアルに思い浮かんできたよ
- 71 名前:検証部隊 投稿日:2005/06/02(木) 13:55
- サーターアンダギー半分こ思い出した(´д`*) ポワワ
- 72 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/06/02(木) 14:00
- 素敵だワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n’∀’)η゚・*:.。. .。.:*・゚゚・* !!!!!
チョコミントいいワァーまさか伏線だったとは!
狙い通り読んでるこちらはハラポワドッキドキですよ
- 73 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/02(木) 17:53
- おぉ〜!続きが気になって携帯で覗いてみたら!(´д`*)ポワワ
ハラハラポワワドッキドキのアッマアマキてたー!!
これ携帯でチェックするのやめようかな
ニヤニヤしちゃうから変人に思われちゃうよw
でもやっぱり気になっちゃうからやめられねー!*゜。.ヽ(*´∀`)ノ
- 74 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/02(木) 22:09
- 沢山の素敵なレスをありがとう!とても励まされています。
ハラポワ(・∀・)アマーが伝わりとても嬉しく思っています。
さぁ、1つのアイスを2人でハムハムしちゃう関係になった吉愛ですがw
タイトルを「微妙な二人」からワンランクUPの「謙虚な関係」
に変えて続編を書こうと思います。
頑張るので引き続きお付き合い願います。
ちょい多めの更新するので2,3日空けます。でわ!
- 75 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/03(金) 01:29
- 最高!こんな素敵な話があったのに今まで気付かなかった
どうして教えてくれなかったんだYO!
お気に入りに入れさせていただきます
- 76 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/03(金) 19:04
- 更新お疲れさまです。 よっすぃーと愛チャンかなりいい感じですね。 今後が楽しみです。 青春ですよぉ(^ー^) 次回更新待ってます。
- 77 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/04(土) 02:05
- えー2・3日後に更新の予定と言いながらコソーリ夜中に更新。
最近吉愛の事考えすぎたのか夢を見ました。
その夢がすごく印象的で、それを元ネタに短編書きました。
本編とは全く関係無いですが番外としてお楽しみいただければ幸いかと。
本編 今頑張ってるんで少々お待ちください。でわ。
- 78 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:07
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あたしはT塚歌劇団朝組の男役TOPスター 吉澤ひとみ
この世界に入りはや5年 今年前TOPの退団で晴れて朝組の看板となった
一番大きな羽を背負って 大階段を降りる感動を毎回ステージで噛み締めている
ずっしりと重い羽は心が浮き立つあたしにいつも心地よいプレッシャーを与えてくれる
公演が終了し楽屋へ戻ると そこには大きな花束やプレゼント 差し入れやファンレターがどっさり
TOPになってからというもの 毎回その量が増えている 嬉しい悲鳴だ
あたしは沢山のファンレターの山からゴソゴソと探し物をする
- 79 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:07
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「あった!」
ピンク色にイチゴ柄の可愛らしい手紙 差出人の名も見ずに封を切り目を通す
「今週も来てたの?」
横からヒョイと覗き込んできたのは 朝組娘役TOPの石川梨華
梨華ちゃんとは音楽学校時代からの付き合い 同期で同組TOPという腐れ縁
「うん。ちゃんと来てた。」
「しかしすごいよね!その子よっすぃーが5年前チョイ役で初舞台立った時からのファンなんでしょ?」
「うん。あんなにちょっとしか出てなかったのに見てくれてたなんて嬉しいよ」
「しかもそれからずっと2週間置きにファンレターくれてるなんて、よっぽど好きなんだねぇ!」
「ほんとありがたいね。もう5年もこうして見てくれてて、結構的確な感想とかくれるんだ。いい刺激になってる」
「長い付き合いだね。その子と会った事は?」
「ないよ。住んでるのが福井県らしくてそう滅多にこっちまで来れないらしいし、見に来てくれてても
新幹線の時間とかあって出待ちはしてないらしいから。」
「ふぅーん。そうなんだ?よっすぃーは会ってみたい?」
「んー・・・あっそう!この子ね、今年音楽学校受験するんだって言ってた。だからその内会うかも。」
「へぇ〜?ジェンヌファンじゃなくて、ジェンヌ志望なんだその子?」
「うん。小さい頃から声楽とバレエやってるんだって。ここに入る為なんだろうね。
毎回レッスン頑張ってる様子とか書いてあって凄いなって思う。」
「受験かぁ・・・思い出すなぁ・・・私もここに憧れて毎日頑張ってた頃あったから。」
「ねっ。懐かしいよね。「東の東大 西のT塚」って言われるくらい難関なんだもん。もう一回受験しろって
言われてももう無理だよ〜」
「だねぇ・・・w受かるといいね、その子。励ましの手紙書いてあげなよ!」
「う〜ん 手紙とか苦手なんだよね・・・実は返事とか書いた事ないし・・・」
「まぁ〜特定のファンと親しくするのは禁止だけどそれくらいはいいんじゃない?」
「ん・・・・考えとくよ!」
- 80 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:08
-
そんな事言ったものの 連日の公演やレッスン・TV出演などと目が回りそうな毎日で実際返事どころではなかった
でもあの子はちゃんとまた2週間後に手紙をくれた 5年間一貫していちご柄の封筒で決まった日に届くからわかりやすい
「どれどれ・・・」
今週の水曜日が受験日だから、前日の火曜に公演を見に来るらしい。
ホテルをとってあるから時間に余裕もあって、初めての出待ちに挑戦するとか。
その時、いちご柄のバックを持って行くから、もし自分に気付いたら受験頑張れる様に握手して欲しい。
と書いてあった
5年越しにあたしのファン第一号の女の子と初めて会う
なんか不思議な感覚でこっちまで緊張しちゃうなぁ でもどんな子かすごい楽しみ!
火曜日の公演 なんだか気合入っちゃうかも!!
火曜日当日 舞台袖でいつもよりだいぶ落ち着かないあたしがいた
「よっすぃー平気?なんか鼻息荒いけど・・・?」
「えっ?・・・いやぁなんか変に緊張してる・・・」
「あのファンの子が今日見に来てるからでしょ?」
「うん・・・たぶん。なんかいいとこ見せなきゃとか思ってるかも・・・」
「ダメダメ!そんなんじゃ舞台でズッコケちゃうよ!格好なんて付けなくっても大丈夫!
よっすぃーはいつも格好いいから!普段通りにしっかりやりましょ?」
「うん!・・・・梨華ちゃんありがとう!よしっ!」
パァァァ 一段と大きなカンカン拍手に出迎えられ あたしはライトの元へ駆け出した
- 81 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:10
-
公演も無事終了し帰り支度を慌ててする
あの子が出待ちしてると思ったら 待たせちゃ悪い とか思ってつい急いでしまっている
5年越しのファンとの初対面 どんな子なんだろうな? 楽しみだ!
関係者専用の出入り口 もう既に沢山の人数が両方に立ち花道を作っている
前の方にいるのはお馴染みの顔ぶれ ファンクラブの幹部のメンツだ
「ひとみさん!お疲れ様でした!」 「ひとみさんこれどうぞ!」
両方の人の壁からひっきり無しに飛んで来る声
あたしはひとつひとつ「ありがとう」と声を掛けながら花道を進む
いちごのバック いちごのバックと・・・・
後ろの方で「キャー」やら「ヒャー」やらの歓声に揉みくちゃにされているいちごの柄がチラリと見えた
休まず繰り出されるプレゼント攻撃の手を制しながら いちごバックから目線を上げる
「あっ・・・・」
目が合った フワフワのゆるいウェーブの髪に白いジャケットの 目が大きな女の子 すごく綺麗な女の子
「ちょっとごめんね。通してくれる?」 人込みを掻き分け進みその子の元へ
- 82 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:10
- 「高橋・・・・愛ちゃん、だよね?」
「・・・・・はいっ」
透き通る様な真っ白い肌 その頬を真っ赤に染め 大きな目をぱちくりさせて見上げている
「いよいよ明日だね。心から応援してるから精一杯頑張ってください」
「はいっ・・・!! 私、私、頑張ります!!ありがとうございます!!!」
「うん!!きっとうまくいく。自信持ってね!」
手を差し出し あたし達はグッと堅い握手をした
華やかな舞台を目指す者とその舞台に立つ者 同じ気持ちを共有する戦友の様な気持ち
「じゃぁ、今度会った時は『おめでとう』って挨拶させてよ。」
「はい!!必ず受かって吉澤さんと同じステージに きっと立ちます!!」
「うん、待ってるからね!!」
「そろそろまずいな・・・このままだとちょっと危険だからもう行った方がいいよ」 皆に聞こえない様に小声で囁く
「えっ・・・?」
あたしがこの子に駆け寄った事で 周りの取り巻きはザワついて今にもオーバーヒートしそうな勢い
あたしはすぅーっと息を吸って 大声を張り上げる
「さぁ〜今日は特別!!!ひとり一回づつ握手しちゃうよ!!並んだ、並んだ!!」
「きゃぁああああ!!!!」 周りは我先にと列をなす
「さっ、今のうちに行きな?さっ 走って!!」 「・・・あっ、はい・・・」
後ろを何度か振り返りながら 小走りで人込みを後にしたあの子を横目で確認する
これであの子があたしのコアなファンに追いかけられる危険はないな ちょいしんどいけど頑張ろう
- 83 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:11
-
あれから数日 毎月あの子から手紙が届いている日が訪れた
あたしは変に期待しながらファンレターの束を解く
「あれっ?ない」
何度見返してもいちごの柄は見辺らない
今まで5年間一度たりとも この日に手紙が届かなかった事は無いのに・・・
「どうしたんだろう・・・・・」
あの子の受験結果が自分の事の様に気になってたあたしは 肩透かし喰らったみたいな気になった
それから来る日も来る日も 何ヶ月経っても いちごの封筒を束の中に見る事は無かった
半年間続いていたロング公演が終わり 少し長めの休暇をもらえる事になった
「よっすぃーオフどうするの?」
「うん。ちょっと遠出しようかなと思ってる。」
「旅行でも行くの?なら私も連れてってよぉ〜」
「いや、旅行じゃないけど、ちょっと気になる事があるからそれ確かめに行こうと思ってるんだ。」
「もしかして・・・・」
「うん、福井に行く。だから悪いけど旅行はまた今度ね?」
「ううん、いいのいいの。よっすぃーずっと気にしてたしね。でも直接行くなんてすごい大胆!」
「自分でも驚いてるよ、でもなんだかそうしなくちゃいけない様な気がするんだ・・・」
「5年だもんね・・・私と同じ付き合いか。なんか妬けちゃうけどw」
「・・・そんなんじゃないよ」
『そんなんじゃないよ・・・・』 そう言ったけど果たしてそうなのかな・・・・
正直 自分でもここまですると思わなかった。 ただ手紙が来なくなっただけ なのに
5年間欠かさず届いていた手紙は いや 高橋愛と言う人物そのものは いつの間にか自分が思っていた以上に
あたしの中で大きくなっていたのかも知れない 5年も経ってやっと気付くなんて・・・
新幹線の窓の外は追いつけない程早く流れる景色 あたしの頭の中にはあの子のあの微笑みがリピートされていた
- 84 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:12
- 「えっと・・・・」
手紙に書かれた住所を頼りに電車を乗り継ぎ小さな駅に辿り着いた
たぶんこの近くだな 一軒ずつ表札を確かめながら歩く 10数軒目位で「高橋」の表札に出会う
「ここかな・・・」
チャイムを押すとインターホンから声がした
「はい?どちら様ですか?」
「あのっ・・吉澤と申しますが、こちら高橋愛さんのお宅でしょうか?」
「・・・・はい。愛はうちの者ですが・・・」
「愛さん今ご在宅でしょうか?」
「・・・・・少々お待ちくださいませ」
暫らくして玄関の戸が開き 中から母親らしき人が出て来た
「あっ、初めまして。吉澤ひとみと申します」
「・・・・・あのっ、あのっ失礼ですが、吉澤さんですよね?朝組の吉澤ひとみさんですよね?」
「はい、そうです。突然訪ねたりしてすみません」
ぺこりと頭を下げる
「いえいえ!!良かったら上がってください。狭いところですが・・・」
「では、お言葉に甘えて・・・」
玄関を上がり応接室に通された あの子のお母さんは
「お茶をお持ちします」と行ってしまった
壁にはあの子のバレエをしている写真や T塚の写真 多くのスターに混ざりあたしの写真まである
ガラスの棚にもT塚のビデオやCDなんかが所狭しと並んでいる
「おまたせしました。つまらない物ですがどうぞ。
まさかあの吉澤さんが家にいらして下さるなんて思いもしなかったもので・・・」
「すみません、お気を使わせてしまいまして・・・」
「愛が吉澤さんにファンレターを書いていた事は知っていますし、私も何度も一緒に観に行きました。
親子共々吉澤さんの大ファンなんです。」」
「あぁ、ありがとうございます。」
お母さんは少し興奮気味で早口になっている
「あの、それで、愛さんは、今学校か何かですか?」
そう尋ねると困った様に眉をひそめる
- 85 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:12
- 「・・・・はい。愛は・・・あの子は今、家にはおりません。・・・・ここには住んでいません。」
「・・・と、言いますと?」
「ご存知かと思いますが、愛は半年前にT塚の受験をしました。」
「あぁ、はい。知っています。」
「それで順調に進み最後の面接があったんです。」
「はい。」
「そこで・・・・言われたんです。」
「何をですか?」
『貴女は歌唱力もバレエの腕前も申し分ない。ですが身長が少し足りないですね。せめて娘役でも156cmは必要です。
1次審査の時点でそれは判っていたのですが、貴女の技術や才能が光っていたのでここまで残ってもらいました。
でもやはり協議の結果、今の身長で合格の判は出しにくいという事になりました。非常に残念ですが、
今回は見送りという事で決定しました。また身長が伸びられましたら是非受験を受けられてください。』
「そんな・・・・」
「確かにあの子はまだ若いし成長期です。でも、私も愛もそれが何より絶望的な言葉に感じました。
技術や学力が足りないならまだしも、身長だなんて・・・・。
あの子の、愛の身長は・・・中学1年生の時の153cmから1mmも伸びて無いんです・・・・。」
「・・・・・・・・・・」
「何年間も伸びていない身長が今更伸びるなんて・・・考えにくいですよね?
それであの子相当なショックを受けてしまい、それから身体を壊してしまいました。」
「そうだったんですか・・・・」
「身体は暫らく経つと回復しました・・・でもまだ精神的な部分が回復せずに、今は祖母の家の近くにある
専門の病院に入院しているんです。」
「・・・そうですか・・・・・」
- 86 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:12
- 「今から私も病院に行くんですが、よろしかったら吉澤さんも・・・」
「いえ。今の彼女にとって私なんか荒治療の方法にすらなりえません。せっかくですが遠慮しておきます。」
「・・・・・そうですか、吉澤さんがそうおっしゃるんであれば・・・」
「本当にすみません。何のお役にも立てませんで・・・・」
「いえ、吉澤さんが来てくださった事あの子が知ったら喜ぶと思います。それだけで十分です。」
「・・・・今日私が来た事は内緒にしといてもらえますか?変に動揺させるの良く無いと思うので・・・。」
「いえ、そんな・・・・」
「その代わりに、これ私の携帯番号です。これからちょくちょく、私に愛さんの病状や近況を伝えていただけませんか?」
「はい。それは構いませんが・・・なぜ愛にこんなに気を掛けていただけるんですか?」
「・・・・私はこの5年間、愛さんの手紙に励まされて来ました。本当に感謝しているんです。
だから、今度は私が愛さんを励ます番なんです。何とか力になりたいんです。」
「吉澤さん・・・・・・・ありがとうございます、ありが・・・・・」
お母さんは目頭を押さえ 言葉に詰まっている
本人も辛いだろうけど こういう時の周り、特に母親なんてのは一番辛いんだろうな・・・・
お母さんに別れを告げ、私はその日のうちに福井を後にした
- 87 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:13
- それから彼女のお母さんと連絡を取り合う日々が続いた
何もしてやれない悔しさが募る毎日だけど 今はこうして待つしか無い
彼女が段々と回復に向かっている事 T塚では無く 違う夢を抱き始めたという事などが事細かに伝わってきていた
やはり あの子は芯の強い子だった いつまでも悔やまずに自分で前に進もうとしている
小さな心の中でもがき苦しみ それに打ち勝とうと頑張っているんだ
あたしもこうしちゃ居られない あの子に負けない様に頑張らないと
それから程なく すっかり元気になり、学校にも通い出したと連絡があった
中断していたバレエや声楽も再開し あたしの話もちょくちょくしているそうだ
「じゃぁ、私から愛さんに手紙出しますんで、お母さんから説明してその手紙渡してもらえますか?
はい、はい・・・・じゃぁ よろしくお願いします」
プツッ
「あの子、元気になったみたいで良かったね!」
「うん、もう心配ないみたい。本当に良かった・・・・」
「じゃぁさ、そろそろ脚長おじさんはこれ位にして、会いに行ってあげなよ?」
「脚長おじさんか・・・・ははっ! 梨華ちゃん上手い事言うね?」
「だってここんとこのよっすぃーったらホント実写版脚長おじさんなんだもんw」
「まぁ あんま役には立ててないんだけど・・・・あっそうだ。梨華ちゃんちょっと相談あるんだけど」
「なになに・・・?」
ゴニョゴニョゴニョ・・・・・
「ええええええっ?マジで?それ結構きついんじゃない?」
「やっぱ無理かなぁ・・・でもこれしか思い付かないんだよぉ」
「んー厳しいけど、私も出来るだけ協力するからさ、頑張ってみよう!」
「ありがとう!頼りにしてるからね!」
それからあたしは あの子に初めての手紙を出した 福井から大阪までの新幹線の往復チケットを同封して
- 88 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:14
- いよいよだ 約1年振りかな? あの子に会うのは・・・・
全ての公演が終わった大ホール もう観客はいない シーンと静まり返っている
「よっすぃー?みんなスタンバイOKだよ! 音響さんも照明さんもOKだって!」
ぞろぞろと朝組のメンバーが1年前の公演の衣装を着込み ステージへ集合する
「皆んな 今日は無理なお願い言って本当にごめん!! そして協力してくれてありがとう!!」
あたしは皆んなの顔を見回し深々と頭を下げた
「よっしーにあそこまでお願いされちゃ断れないよ。まぁでもこんな事、滅多に無いからちょっと楽しみかもね?」
「一年振りだけどちゃんと踊れるかなぁ〜」
「今度組全員がよっしーのおごりで焼肉食べに行く約束忘れないでよ!」
みんななんやかんや言ってるけど、いい奴ばっかだな ほんと感謝するよ・・・
「あっ、シーッ!みんな静かに!! ホールに入って来たみたいだよ!」
下ろされたドンチョウの隙間から覗くと 観客席にあの子 高橋愛とお母さんの姿
二人は係りに案内され中央2列目に座っているけど あの子は何が何だかわからないでキョロキョロしている
あたしは後ろを振り返りすーっと息を吸うとみんなを見渡した 順番にひとりずつ無言でうなずく
「じゃぁ 梨華ちゃん。アナウンスよろしく!」
シンとした館内に梨華ちゃんの声が響く
「只今より朝組と高橋愛さんによる限定公演
Mr.Moonlight 〜愛のビックバンド〜 のスペシャルステージが開幕いたします。
どうぞ最後までごゆっくりお楽しみくださいませ。」
ウィーーーーーーーン 大きな音をたててドンチョウが上がる
- 89 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:14
- 客席の彼女は目をシロクロさせてステージを見上げる 1年振りに見る彼女はちょっと大人っぽくなっていた
「こんばんわ、今日の主役はあなただよ。さぁ ステージへ上がって」
隣でお母さんが 「行ってきなさい」 と優しく背中を支えステージを指差している
あたしはステージの低くなった部分から 手を伸ばし ぐいっと彼女を抱え上げる
お姫様だっこしたまま ステージ中央へ
「久し振りだね。今日は来てくれてありがとう。愛ちゃんとどうしてもこの曲で踊りたくて来てもらったんだ」
「吉澤さん・・・・あの・・・・」
「踊れないとは言わせないよ!前にこの曲あたしと踊りたいって練習してくれてたんでしょ?お母さんから聞いてる」
そう言ってお母さんにウインク
そっと彼女を舞台に下ろし ひざまずいて手をとる
「今夜は僕と踊っていただけませんか? 僕は貴女の瞳に一瞬で恋に落ちてしまいました」
本番と同じクライマックスの台詞 それを合図にパッと賑やかな照明がつき 音楽が流れ出す
彼女の手の甲に優しく唇をあてて スッと立ち上がる
「 さぁ おいで 踊ろう 」
- 90 名前:さぁ 踊ろう 【吉愛番外編】 投稿日:2005/06/04(土) 02:15
-
ーーたった5分足らずのスペシャル公演は大成功に幕を閉じたーー
最後には組のみんなが調子に乗って 「キース!キース!」と手拍子を始めた
確かにこの物語は梨華ちゃんとあたしのキスで幕を閉じる事になってるけど それはフェイクで実際にはしていない
収まりのつかない声援に 「しっかたないなぁ・・・お母さんごめんなさい!」とお母さんに頭を下げた
彼女を抱き上げ 赤く染まった頬にそっとくちづけをした
「ヒューーーーヒューーーー!!!いいね!お幸せに!!」
会場は冷やかしの声と拍手に包まれた
あれから1年が過ぎ 彼女は高校を卒業した
あたしは相変わらず朝組のTOPとして看板をはっている
今日 彼女は更なる夢 ブロードウェイミュージカルを目指し単身アメリカへ留学する
離れちゃうのは少し寂しいけど あたしも負けない様に日本で頑張るつもりだ
「愛ー!早くしないと飛行機遅れちゃうよ〜!!」
「きゃぁああ!!待ってまってぇ!!これ忘れてたの!!」
そう言って 車に乗り込みあたしの前に差し出したのは・・・・
【T塚 朝組公演 Mr.Moonlight 〜愛のビックバンド〜】のDVDだった
「それ向こうでも見るつもり?いい加減飽きたでしょ?」
「飽きるわけないじゃん!だってね、この役の吉澤さんが一番格好いいんだモン!」
「・・・・バカ。その役じゃなくて普段のあたしを格好良いと思いなさい!」
「あ〜?バカって言ったなぁ〜!!さては吉澤さん照れてる?」
「まっまさか!! ってかいい加減『吉澤さん』はやめにしない?」
「えーだって吉澤さんは吉澤さんじゃん!」
アレ以来あたしと彼女は 『舞台の相手役』ではなく 『人生の相手役』という関係になった
もちろんお母さん公認。 反対どころか大賛成なとこが さすがT塚フリークだと・・・・
場所は違うけど同じ舞台に立つあたし達 これからもずっと二人でいつまでも輝いていたい
さぁ 踊ろう =完=
- 91 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/04(土) 02:38
- 実はこの舞台となっているT塚市に住んでいた事があります。
もちろんT塚も観に行った事があります。
でもT塚の身長制限があやふや・・・確か娘役が155か156pからだった様な・・・
愛ちゃんの身長は153pだったよね・・・?あれ?違うかな?
まぁとりあえずこんな感じです。読んでくれた方ありがとうございます。
- 92 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/04(土) 02:39
- ↑これ スキマニアのレスねw
名前入れ忘れ _| ̄|○ 鬱だ折ろう...
- 93 名前:検証部隊A 投稿日:2005/06/04(土) 02:55
- ニクイ抜き打ち更新乙カレー
よすぃーがカコイイ!愛ちゃんキャワ!
ほっぺなあたりがなんとも…ニヤニヤしちゃいますw
- 94 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/04(土) 12:42
- 懲りずに携帯からやってきました!(*゜∀゜)=3
最高の演出ですね!
お姫さま抱っことか頬にキスだとか
その光景を浮かべると真っ赤な二人が浮かびますw
幸せになってほしいと心から思っちゃいました!
- 95 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/05(日) 06:27
- おもしろかったよ〜
こういう小説読むの初めてだ
- 96 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/05(日) 11:39
- 更新お疲れさまです。 よかったですよ、かなり感動しました。 よっすぃーも格好つけですよね、洒落たことするじゃないですか。 次回更新待ってます。
- 97 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/06(月) 15:09
- え〜途中短編で寄り道しまして遅くなったけど
とりあえず出来たぶん貼ります。
- 98 名前:謙虚な関係 【第1隙間】 投稿日:2005/06/06(月) 15:11
-
「じゃぁ、明日。本に手紙挟んでおくね。」
「はい、送ってくれてありがとうございました。私も手紙挟んでおきます。」
「うん。じゃぁね」
「はい おやすみなさい」
マンガとかドラマでよくあるシーン 彼女を家まで送り 玄関でバイバイする
まさかあたしが送る方の役だなんて予想もしなかったけど まんざらでもないな
胸元で控えめに小さく手を振る彼女に ちょこっとだけ手を上げて答える
後ろ向いて歩き出すけど 気になる 振り向きたいけど振り向けない まだいるのかな・・・
角を曲がる直前にちょっとだけ振り返ってみた まだ家に入らず玄関の前でこっちを見ている
振り返ったあたしに気付いて 遠慮がちに小さく手を振る あたしは照れくさくて またちょっとだけ手を上げた
「だはぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」
角を曲がった瞬間 息を思っきしはき出した
何これ? 息苦しくて 心臓がめちゃくちゃ早い 終始ぎゅっと締め付けられっぱなしの胸
身体全部がフワフワした感覚 でも顔はたぶんニヤニヤしっぱなし・・・・
「あたしだっせ〜・・・なんかわかんねーけどダサダサじゃん・・・」
フワフワした足取りのままあっという間に家に着いた
家では既にかおりんとごっちんが一緒に夕食を食べていて、またいつもの如く根掘り葉掘り 質問責め
しかもごっちん、あの子とあたしの事かおりんに話ちゃってるし・・・
かおりんはかおりんで「あら、若いっていいじゃない!今度家に連れてらっしゃい♪」とか言ってる
やっぱごっちんにばらしたのは間違いだったのか・・・・
- 99 名前:謙虚な関係 【第1隙間】 投稿日:2005/06/06(月) 15:12
- 夜も遅いしごっちんは家に泊まってく事になった
「ごっちんちょい待ってね、今 布団敷くから」
「え〜いいよぉ めんどくさいからよしこと一緒にベットで寝る〜」
「そんなんムリムリ!子供じゃないんだからぁ」
「えーいいじゃん!久し振りに一緒に寝ようよぉ〜」
「うーん・・・仕方ない・・・わかった。」
「やったね!」
「そのかわり大人しく寝るんだよ?」
電気を消してベットに入った
「そう言えばよしこあの子に「付き合おう」って言ったの?」
「まっ、まさか!!好きだとも言ってないのに・・・」
「早くしないとあの子モテるからやばいんじゃぁないの?」
「ん・・・確かにそうだけど。もし他に付き合ってる奴とかいたらどうすんのさ?」
「まぁ、相当告られてるのに誰にも落ちないし、やっぱ誰かいるのかな?」
「わかんないけど・・・そんなの聞けないじゃん。ましてや告るなんてさ・・・」
「でもよしこの事まんざらでもないんじゃないの?」
「う〜ん。嫌われてはないと思うけど・・・」
「思い切っていっちゃえばぁ?」
「簡単に言うなよぉ・・・」
「・・・・・なんかぁ、娘を嫁に出すってこんな感じなのかな〜」
「えっ?嫁?」
「うん。よしこが幸せになるの嬉しいんだけどなんか寂しいの。遠くに行っちゃうみたいでさ」
「なに〜もしかしてヤキモチ妬いてんの?」
「・・・・・・・・・・ヤキモチ ・・・・・・・・そうなのかも・・・」
「えっ??冗談で言ったんだけど・・・・」
「・・・・ゴトーよしこの事好きなのかもしんない」
ガバッ!!!! あたしの上にのしかかって来た
「ちょ・・・ごっちん?」
真剣な顔でじっとあたしの目をみつめる
「よしこ・・・好きだよ」
ごっちんの唇がゆっくり近づいてくる まって!まって!
- 100 名前:謙虚な関係 【第1隙間】 投稿日:2005/06/06(月) 15:12
- 「・・・・・・・・・・っぷぷっ あはははぁ!!!」
ベットの上をゴロゴロ転がって大笑いしてる
「あーーーよしこ最高!!」
「・・・・・・」
「ガチガチに固まってたぁ〜よしこってばマジ可愛いんだからw」
「・・・・・・・・・・・オマエ アタシヲ カラカッタナ?」
「意外と押しに弱いんだね〜そんなんじゃダメだよ?ってか もしかしてゴトーとキスしたかった?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・んなわきゃねえだろがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ドカッ!!!!!!!!!!
ベットから思いっきり突き落としてやった でも不覚にも身体が動かなかった・・・・
あたしってやっぱヘタレなんだろうか・・・・・
ーーーーーーー
「早くしないと置いてくよ!!」
「まってよぉ〜」
ごっちんと二人での登校
「あ〜眠い・・・あれ?あそこにいるのってあの子じゃない?」
「んっ?」
あたしらの少し先に長い髪をサラサラなびかせて歩いている姿
「ねっ?そうでしょ? 声かけようよ!!」
「あ おい!ごっちん待て・・・」
あたしの静止空しく ごっちんダッシュ
- 101 名前:謙虚な関係 【第1隙間】 投稿日:2005/06/06(月) 15:13
-
「おっはよ〜愛ちゃん!」
愛ちゃんとか・・・ごっちん、馴れ馴れし過ぎるよごっちん・・・
ほら言わんこっちゃ無い ビックリして固まってるじゃん
「よしこぉ〜早く来なってぇ〜!!」
ブンブン手を振って呼んでる そんな事したら余計目立つからやめてくれ・・・・・
「・・・おはよう」
「・・・・・おはようございます」
「なになに〜この初々しい雰囲気はwあっ、私、後藤真希。よしこの親友で〜す よろしく!」
「あっ・・・た、高橋愛です。こっ、こちらこそ宜しくお願いします!!」
「ぬはっw てか やっぱ愛ちゃん可愛いね〜wよしこに渡すのはもったいないね〜」
「っつ!!!!バカ!何言ってんだよ!!ごっちん!!」
「・・・・・・・・・・・・・」
ほら・・・すごく困った顔してる
「・・・・ほら、ごっちん行くよ!!・・・なんかごめん。もう行くね」
「なんで?なんで?」
「いいから!早く来いってぇ〜」
ごっちんの腕を掴んで早足で歩く
「なんで?声掛けちゃマズかった?マズイ事言った?」
「・・・・・顔が困ってたじゃん」
「えっ?そう?」
「明らかに困ってた」
こっちが勝手に思ってるだけで、あの子はそんな事微塵も思ってないんだから。
あたしの気持ちなんてただの迷惑。迷惑としか思わないんだよ・・・
それに学校では話せないみたいな感じで昨日言ってし。
やっぱ付き合ってる奴とかいるのかな・・・・
「なんであんな事言うんだよ〜 あの子困ってたじゃん!」
「そう?まぁ固まってはいたね。」
「それに、学校で話掛けんのは なんかマズイらしいんだよ。」
「へぇ〜なんで?」
「わかんないけど・・・なんかあんじゃない?」
「ふぅ〜ん もしかして二股」
「・・・・・はぁ?二股も何もあたしと付き合ってるわけじゃないんだし・・・」
「いや、他に見られちゃマズイ人でもいんのかなぁ〜と思ってね。」
「ん・・・・・・どうなんだろう。でもそんな子じゃないよ。」
- 102 名前:謙虚な関係 【第1隙間】 投稿日:2005/06/06(月) 15:14
- よくわかんないけどあの顔は相当困ってた
公園で話した時 学校で話せない理由はっきり言わなかったし
なんなんだろ ホントに二股とか・・・? まさかね・・・
朝に見たあの困った顔が頭から離れない 色々理由考えるけどやっぱりわからない
ごっちんが二股とか言うから余計気になんだけど・・・・
本に手紙挟んでおく約束したし ひとまず図書室に行ってみよう
緑の本 緑の本っと あった! 中を開くと昨日と同じ薄水色の封筒があった
どれどれ・・・・
昨日は来て下さってありがとうございました。すごく嬉しかったです。
一週間前に職員室の前で会った時に、吉澤さんなんだか怒ってたみたいで
それで・・・嫌われちゃったからもう来てくれないと思っていました。
私が昨日聞きたかったのは吉澤さんの怪我の事なんです。
もし私のあの事が原因なんだったら謝りたいと思って・・・・。
でも私なんかの為に・・・・とかも思ったんですけど、あの2年生の方も
怪我してたし、やっぱり関係があったのかなぁと思って・・・。
あの、手紙ってなんだかじれったいですね(笑)やっぱりちゃんとお話したいです。
でも学校ではちょっと・・・あまり人目に付く様な所では・・・。
ごめんなさい。私、勝手な事言ってますよね・・・。本当にごめんなさい。
では、お返事待っています。
- 103 名前:謙虚な関係 【第1隙間】 投稿日:2005/06/06(月) 15:15
- ふぅん・・・・。やっぱり話せない理由は書いてないなぁ。
しかし手紙ってじれったい・・・。どうしたらいいのかなぁ?
んー紙とペン持って来たからとりあえず返事書こうかな。
朝は突然話しかけたりしてごめん。ごっちんあんなんだけどすごくイイ奴なんだ。
ちゃんと言ってきかせといたから、もう大丈夫だとは思うんだけど・・・。
喧嘩は、正直言うとやっぱりあの事が関係してるんだよね・・・。
でもあたしが勝手にやった事だから、全然気にしないでいいんだよ?
あいつ元々生意気だったからいつかはやってたと思うし。
だから謝ったりしないでいいよ。ほんとにマジで平気だから!!
職員室の前で会った時はね、怒ってたんじゃなくて、その・・・恥ずかしかったんだ。
顔ボコボコだったしね(笑)だから嫌いとかそんなんじゃ全然ないから、うん。
でもさ、なんで学校では話せないの?良かったらその理由知りたいな。
無理にとは言わないけど。あたし手紙とかあんま書いた事ないから
やっぱじれったいんだよね。 んー・・・・・
やっぱりいつでもいいから会えないかな?ちゃんと直接話がしたいんだ。
今度の土曜日の午後とか空いてなかな?
思い切って書いてしまったけど なんかこんなんでモヤモヤしてるのって大っ嫌いなんだよな
手紙じゃなくってちゃんと話がしたい 高橋愛という人をきちんと理解したいから
パタン 「また後で来てみよう・・・」 本に返事を挟み図書室を出た。
- 104 名前:謙虚な関係 【第1隙間】 投稿日:2005/06/06(月) 15:15
-
放課後クラブ前に図書室に行ってみると本に小さな紙が挟んであった
お返事ありがとうございます。
土曜日の午後大丈夫です。
では13時にあの公園で待っています。
よしっ!とりあえず約束出来た 今度こそちゃんと話が出来る
別にデートとかじゃないのになんかワクワクしてる
やっぱ あたしあの子の事が好きなんだなぁ・・・
はぁ 自覚すればするほどこの気持ちが重たくのしかかってくる
あたしは一体どうしたいんだろう 本当はどうしたいのかなんてわかってる
でも でもそう簡単には行かないんだよ・・・
- 105 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/06(月) 15:19
- 書いてる自分がじれったいわ!
吉澤さん!ぶれいくするー!!自分をぶち破れ!!
- 106 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/06(月) 19:11
- じれったい感じ最高です
忘れかけていた何かを思い出しました
- 107 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/06(月) 19:42
- 書いてる自分がじれったい感じってありますよね!
自分も小説書きなのでわかります〜っ!
でもってこれは読んでる方も当然ながらじれったいですw
頑張れよっす!!
- 108 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/07(火) 03:25
- じれったい好きさんがいてくれて良かった。
でわしばらくじれったい二人にお付き合い願いますw
- 109 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/07(火) 03:27
-
今日は約束の土曜日 朝のうちはサルの練習だった
別にそのまま制服で行っても良かったんだけど
汗かいてるし 髪もグチャグチャだし 一旦家に戻ってシャワーを浴びた
鏡の前でいつもより長くセットする
服をあれこれ引っ張り出して 何度も鏡の前を行ったり来たり
なにやってんだろあたし・・・
でもこうやって誰かの為に服を選んだり 髪をセットしたり
こういう自分も悪くないな、とか思ってたり
「やべ。時間無くなってきた!」
あたしの家から公園まで15分くらい 走り出したい気持ちを抑えて歩く
だんだん公園が近づくにつれて 緊張してきたりしている
「はぁーーーっ」
大きく深呼吸 公園への角を曲がる
暖かい日差しとイチョウの木の隙間に見えるベンチに座る姿
見つけた瞬間ちょっとニヤけたけどすぐに顔を戻して いかにも平然と後ろから声を掛ける
「こんにちわ!」
パッと振り向いた彼女は一瞬びっくり顔 でもすぐに柔らかく微笑む
「こんにちわ」
白い柔らかそうな生地のブラウスに水色の少し長いめのスカート
女の子って私服だとなんだか大人っぽくなるんだよな
そんな彼女にドキッとしながら隣に座った
- 110 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/07(火) 03:28
-
「ごめん。待たせちゃったかな?」
「いえ、家が近いから・・・」
「そうだね、すぐそこだもんね。」
「はいw」
「1ヶ月前かな・・・?あそこが高橋さんの家だってわかったのは・・・」
「えっ?」
「弟とここでサッカーしてたら歌が聞こえたんだ。初めて音楽室で会った朝の少し前かな?
公園で聞いた声が音楽室から聞こえたから、気になっちゃって。で、音楽室覗いちゃった・・・へへっ」
「そうだったんですか。歌聴かれてたんだ・・・恥ずかしいな。」
「いやいや、すごい綺麗な声だし上手いよね?あたし素人だけどそれはわかるよ。」
「ありがとうございます。でもまだまだなんですけどね・・・。」
あたしが褒めたからかな 少しほっぺが赤い 結構すぐ顔が赤くなるんだな
「あっ・・・でも、初めて会ったのはもっと前ですよ・・・・ね?」
「えっ?そうだった・・・?」
「あ、覚えてませんか?ここで朝早くにサッカーやってて、私ボールを・・・」
「えっ?・・・・いつだろう?」
音楽室より前に会ってた?最近の事なのに忘れるはずないよなぁ・・・・
「あの・・・このサンダル覚えていませんか?」
そう言って指差したのは彼女が履いてる白いサンダル
なんか見覚えある様な・・・無いような・・・・
「私、ボール蹴ろうとして、これ飛ばしちゃったんです・・・・・////////」
「・・・・・・・・!!!!!! ああ!!思い出した!!」
「あ、あの時はすいませんでした。」
「はいはいはい!!あ〜そっかぁ!あの時の女の子だったのかぁ〜。」
「はい。だったんデス」
「あの日ね、コンタクトはめんの忘れてて全然見えてなかったんだよね。」
「そうだったんですか?」
「ごめんごめん。そうか、あの時かぁ〜」
「・・・・私、もしかして今自分で墓穴掘りました・・・・?」
「あははっ!そうかも。言わなきゃあたし気付かなかったのに。」
「「あははっ」」
- 111 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/07(火) 03:29
-
二人で顔を見合わせて笑った
そうこの笑顔 このクシャっと笑う幼い笑顔がすごく好きだ
普段の凛とした雰囲気からこの笑顔に変わる瞬間の彼女を見る度に
少しづつ距離が近づいている様な気になってしまう
「そうだ!お昼ご飯って食べた?」
「いえ、まだです。」
「じゃぁ一緒に食べない?おすすめの店があるんだ。」
「へぇ〜いいですね!私まだ越して来たばっかでお店とか知らないから嬉しいです!」
「決まり!お腹減ったし行こう!!」
あたしが良く行くサンドイッチ屋さん あそこのタマゴサンドは絶品なんだよ
公園からも近いし よし!あそこ行って、あそこで・・・・
お勧めのタマゴサンドと飲み物をテイクアウトにしてある場所へ向かった
「あたしあの公園も好きなんだけど、もう一つ好きな場所があるんだ!
これからそこでお昼ご飯にしない?」
「いいですね!ピクニックみたいでワクワクします!」
「うん。ちょっと歩くけど大丈夫?」
「はい!平気です!」
小高い丘の上にある展望台 この街が全部見渡せるお気に入りのスポット
「わぁー!!!すごく気持ちいい!!」
「でしょ?さっ食べようよ。」
展望台の一番上にあるイスに座って景色を見ながらのタマゴサンド これ最高なんだよね
「ここはね、いつも1人で来るんだ。」
「1人ですか?」
「うん。何か考える時や、逆に何も考えたくない時なんかに1人で来る。
誰にも教えてない秘密の場所。ここにいると落ち着くんだ。」
「解る様な気がします。いい所ですもんね。でも、いいんですか?
そんな秘密の場所を私なんかに教えちゃって・・・」
「うん、いいんだ。ここで一緒にこれ食べたいと思ったから・・・」
「・・・・嬉しいです。ありがとうございます!」
大好きなタマゴサンドを大好きな場所で大好きな人と・・・・そんな事は言えないけど
遠回しに・・・・アピってたりするんだよね 気付いてないと思うけど・・・ね
- 112 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/07(火) 03:31
- 更新した時はageる事にします。
あータマゴサンド食べたい・・・・
- 113 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/07(火) 06:57
- 更新お疲れさまです。 よっすぃーのプチアピールはちゃんと届いていてほしいですね。 次回更新待ってます。
- 114 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/07(火) 22:23
- 進んでいるようで進んでいないようなまさに微妙な2人!
なんか甘酸っぱいなー(*´Д`)ポワワ
あれ?午前中は授業じゃないの? なんて思った俺はきっと古い世代
そういえば今は土曜休みがデフォでしたね(ノ∀`)
- 115 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/08(水) 23:23
- じれったいけど少しずつ少しずつ進んでいる二人がイイ!!
読んでいて微笑ましいです。
- 116 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/09(木) 01:40
- 温かいレスをありがとうございます。
じれった過ぎて皆さんに愛想尽かされたかと思ってたのでレスが凄く嬉しかったですw
続きが出来ましたので貼らせていただきます。
- 117 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/09(木) 01:43
-
爽やかな風が吹き抜ける展望台の上
あたし達は時間を忘れ お互いの事を話合った 思い出や趣味 好きな食べ物などなど
大人しい印象の彼女だけど、本当はちょっと天然で、訛ってて、負けず嫌いで
天真爛漫という言葉がそのままの 素直な女の子だった
でも・・・肝心な事はずっと聞けないでいる
喉元まで出かかった言葉を飲み込んでは黙り 飲み込んでは黙りの繰り返し
そんなあたしに気付いたのか 突然の質問
「吉澤さんって その・・・すごくモテますよね?やっぱり告白とかされたりしますか?」
「えっ?・・・・イヤ、うん、まぁ、そのぉ・・・」
「女の子から告白とかされた時ってどうするんですか?」
「・・・・うん。どうもしないよ。『あぁ、ありがとう』って言うくらいかな・・・」
「そうなんですか・・・。そうですよね、吉澤さん女の子ですもんね。」
そう言って小さく笑う彼女は なんだか少し寂しげに見えた気がした
もしかして・・・ イヤ そんなはずない でも・・・
ここは思い切って言うべきなんだろうか この気持ちを伝えるべきなんだろうか
でも せっかく仲良くなれたのに この関係まで崩したくない・・・・
言葉に困ったあたしは質問返し
「た、高橋さんもモテるよね〜。こっち来てからも結構告られたでしょ?」
「・・・・・いえ、たぶんみんな好奇心なんでしょうね。転校生ってなんかめずらしがられて
話題になったりしますよね?たぶんそんな感じなんだと思います、私のは。」
「いやっ!そんな事ないよ!」
否定する声が思いのほか大きく出てしまい 自分でもちょっとびっくりした
「高橋さんは、本当に魅力的だと・・・・思うよ。人を惹きつける何かがある・・・」
「そんなの、吉澤さんの方が断然上ですって!だって私・・・・」
「えっ?」
「あっ!」
慌てて「しまった」という感じで 口を塞いでいる
「いえ・・・なんでも無いんですけど・・・」
「ああ、うん。」
- 118 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/09(木) 01:44
- 会話が止まり 小さな沈黙が訪れる
お互いに視線を外側に向けて 押し黙る
「あの さぁ、あたしね、最近まで恋とか愛とかよくわかんなかったんだ。
あたしの事好きだって言ってくれる人がいても『この人あたしの事何にも知らないくせに。
よくそんなん言えるよなぁ』とか思ってたんだ・・・。サイテーでしょ?」
「いえ、そんな事・・・。私だって同じです。この学校来てまだ何ヶ月も経ってないのに、
会った事も見た事も無い人に告白とかされて・・・すごく困りました。
『私の何処見て好きだって言ってるのかな?』とか吉澤さんと同じ様な事を・・・」
「そうだよね?知らない人にいきなり告られてノリで付き合うとか、出来ないもんね?」
「はい・・・。」
「でもさ・・・そんな風に思ってた事を少し反省してるんだ・・・。
・・・・・あたしその人達を 心の何処かでバカにしてたのかもしんない。
よく知りもしないで 好きだの 嫌いだのって可笑しいなぁ・・・ってね?」
「ああ・・はい・・・」
「でも 最近わかったんだ。恋に理由や時間なんか必要無いんだって事。
自分の意思とは無関係に恋っていうヤツは始まるもんなんだって事も・・・。」
彼女は声を出さずに うんうん とうなずいてあたしを見た
「・・・・・吉澤さん 好きな人がいるんですね」
「・・・・・うん いる。」
「私も いるんです 好きな人」
- 119 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/09(木) 01:45
-
ドクン 一瞬 音が聞こえそうな程大きく心臓が脈を打った
彼女は思いつめた様な表情で あたしを見ている
その切なげで 真っ直ぐな瞳は心無しか潤んでいる様に見える
そして少し濡れた彼女の唇が動いた
「私 わたしっ・・・」
「 待って 」
あたしは顔の前に1本立てた指を出して 「シーッ」という合図
思いつめた瞳は疑問の色を付け足し でも まだ真っ直ぐあたしを見ている
何故だかわからないけど 言わなきゃいけない気がする
今 彼女に伝えなきゃいけない気がする
「・・・あたしに先に言わせて欲しい事 あるんだ。 いいかな?」
彼女はまばたきをして 小さくうなずく
- 120 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/09(木) 01:46
-
「 好きなんだ 初めて会った時から いや 初めて声を聴いた時から
ずっと好きだったんだ 自分でも気付かないうちに 高橋愛に 恋してたんだ 」
驚いて大きく開かれた瞳から まばたきした瞬間に ぽろっと 一粒の雫がこぼれ落ちた
「・・・わたし・・わたし今日 すごく嬉しくて、でも吉澤さんと話してるうちに
好きな気持ちが爆発してしまいそうで・・・・すごく辛くなってきて
・・・・ずっと ずっと 好きなのに苦しくて・・・・
こんなに辛いならいっそ この気持ち伝えてしまおうって 思ったんです
振られて楽になりたい って そう思ってたんです・・・・ 」
涙声で一気に言い終えた その瞳からは 沢山の雫が次々こぼれ落ちる
あたしもそう思ったのかもしれない・・・・
この子の口から違う人の名前を聞く前に その前に想いを伝えたい そう思ったのかもしれない
- 121 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/09(木) 01:46
-
「 それって あたしの事が好きって事・・・だよね・・・? 」
「 はぃ 吉澤さんが・・・大好き・・・です 」
・・・・バッ
涙をポロポロ落としながら でも少し微笑んでそう言った姿が すごくいとおしく思えて
思わず 彼女を抱きしめた
「あっ・・・・・」
驚いて一瞬固まってたけど 遠慮がちな腕が きゅっとあたしの背中に回された
「あたしも好き 大好きだよ・・・」
抱きしめた髪から フワッといい香りがして胸いっぱいに吸い込んだ
抱きしめている 彼女を抱きしめているんだ そんな実感が身体中を駆け巡る
- 122 名前:謙虚な関係 【第2隙間】 投稿日:2005/06/09(木) 01:48
-
抱きしめた腕を少し緩めて もう一度顔を見て実感する
名残惜しそうにゆっくりと落ちて行くオレンジ色の夕日が 二人に陰をつくる
その光を反射して キラキラと輝く瞳に吸い込まれる様な感覚
見つめ合っている瞳 静かに瞼が閉じられる
右手を彼女の頬に添え その濡れた唇に そっと キスをした
これが恋 好きな人とのロマンチックなキス
キスした後 すごく恥ずかしくて 「えへへ」 って笑っちゃって 少し格好悪かったけど
彼女も 「あははっ」 って笑ってくれた
帰り道 ずっと手を繋いで歩いた
人や車が通ると ぱっと離したりして また 繋いで・・・・
きゅっと握ると きゅっと握り返される手 それだけで幸せ
あたし達の微妙な恋 初めての事だらけで手探りな恋
不器用な二人だけど ゆっくりゆっくり歩いていこう 二人でずっと大切にしていこう
やっと一歩を踏み出して 少し前に進めたんだから
謙虚な二人 第2隙間 =了=
- 123 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/09(木) 01:59
- やっちゃいました・・・w
賛否両論色々あるかと思いますが、はい。
今後はこのまま続編という形で書こうかと思ったり・・・
でも少しこの話少し長くなりそうなんです。
それでもお付き合いくださる方がいらっしゃれば頑張ろうかと思っています。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
- 124 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/06/09(木) 04:20
- ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
更新楽しみに待ってました
吉愛のじれったさも好きな所なので長編と知って喜んでいます
ぜひ最後まで読ませてください
これからの展開が楽しみです!
- 125 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/09(木) 06:28
- 更新お疲れさまです。 よっすぃーよかったです、愛チャンとこの先どうなるんでしょうね? 最後までお付き合いさせて頂きますよ。 次回更新待ってます。
- 126 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/09(木) 22:26
- 人や車が通ると手を放す二人が大好きです・・・!!!
これからもスキマニアさんの吉愛を見守らせていただきます!
頑張ってください〜っ。
- 127 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/09(木) 23:21
- こう来たか…どう続いていくんだろう?すごく楽しみです
- 128 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/10(金) 22:43
- レスくれた方ありがとうございます。
読んでくれてる方が1人でもいるのなら頑張らないといけないなと思います。
長いお付き合いになりますが、どうぞ最後まで宜しくお願いします。
最近忙しくて更新のペース前程ではないですがちゃんと進めて行きますので
お暇な時はどうぞ覗いてみてください。
- 129 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/10(金) 22:44
-
お互いに気持ちを伝え合ったあの日 なんかまだ実感が沸かないな
でも 一瞬触れた唇のやわらかさは はっきりと覚えている
抱きしめた時の温かさも 髪の匂いも あの子の全てを
何度も頭と身体にフラッシュバックする感覚
思い出す度にカーッと熱くなったり 和んだり ニヤニヤしたり・・・
でもまだ微妙な距離がある ベタベタ出来ない 微妙な距離が
- 130 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/10(金) 22:45
-
あれから数日が経った あたし達は相変わらずだ
お互いの時間がある時に公園で会ったりしている
だけど二人ともなかなか忙しくて思うように甘い時間は過ごせない
この間はなんか勢いで色々やっちゃったけど いざ二人になるとどうもダメだ・・・・
照れだったり 恥ずかしさだったり ヘタレのあたしが邪魔をする
それに「好きだ」とは言ったけど まだ付き合うとかそんなのは・・・言ってない
未だに学校では話せないし バッタリ会う時はたまにあるけど
どうも避けられているみたいな気がする・・・・
何度かそれとなく聞いてみたけど やっぱはぐらかされて訳を教えてはくれない
せっかく近づいてる距離がそのわだかまりに押し戻される
正直最近はその事でヤキモキしている
おまけに試合やコンクールが重なり学校でチラっと見るくらいで話も出来ない
あたしの事好きだとか言いながら 隠し事?とかするのかよって思ったりして
今日こそはっきりさせよう じゃないと落ち着かない
あたしは思い切って昼休みにあの子のクラスへ行く事にした
困らせるかもしれないけどこうするしか他に思いつかない
「ごっちん、あたし1年の階に行ってくるわ!」
「ふぇ?何しに?」
「あの子と話しに行く。」
「マジ〜?ダメなんでしょ?学校では」
「・・・でも、こうするしかないから!」
「ほぉーよしこらしからぬ行動力だね!よしっ、ゴトーも行く!」
「ごっちんはいいから・・・」
「イヤだ!ゴトーも行く!」
仕方ないからごっちんと一緒に下の階に下りる
1年のクラスがある階なんかほんっと久々だ 懐かしいような知らないトコの様な雰囲気
なんかジロジロ見られてる・・・居心地わりぃ〜〜〜
- 131 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/10(金) 22:45
-
「え〜と、Bクラスだったかな?」
ごっちんと二人出入り口に並んで中をキョロキョロと見回す
「あっ、いたいた!ゴトーが呼んでやろうか?おーーーーい!!愛ちゃ〜〜ん!!」
ただ立ってるだけでも見られてたけど この大声でさすがに大注目
一瞬シーーーーンとなって 一気にクラス中がザワザワと沸き立った
そんな中 目を見開いて硬直してるあの子の姿 顔がだいぶ引きつってる
カタンと椅子を鳴らし 力無く立ち上がりこちら側へ来る
廊下に出て来たけどずっと下を向いている
クラスの窓からは大勢の生徒が野次馬状態だ
「とりあえず向こうに・・・・・」
あたしは屋上に続く階段を指差した
「・・・・・はい」
「ゴトーはお邪魔だから先戻ってるね!じゃ後はお二人で!」
「うん、さんきゅーごっちん」
ザワザワざわめく中二人で屋上に上がった
相変わらず 肩を落とし下を向いたままの彼女
「・・・・ごめん、突然来たりして・・・・」
「・・・・・・いぇ」
返事も聞こえない位小さい声
なにがどうしてこんなに落ち込まなきゃいけないんだろう
ちょっと苛ついてきた
「・・・・フゥー やっぱり迷惑だったみたいだね?もういいや。
ごめんね、こんなトコ連れて来ちゃって もうこんな事二度としないから・・・」
「・・・・あっ あの・・・・ごめんなさぃ・・・」
やっと上を向いた 今日初めてちゃんと見た彼女は泣きそうな 悲しそうな顔をしていた
「もう行くね。じゃぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
あたしは混乱していた あんな顔されたんじゃ聞く事も責める事も出来ないよ
苛ついた気持ちとあんな顔させた罪悪感がいっぺんに襲ってくる
「・・・・・・・ちっきしょ あ〜あ ダルイわぁ〜 サボろっかな・・・」
- 132 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/10(金) 22:46
-
コンコン 「せんせーいる?」 「はいよ〜」
ガラガラとドアを開けると 食後のコーヒーを飲みながら新聞読んでる保田先生の姿
「あらぁ〜吉澤じゃん、どうした?また喧嘩した?」
「いやっ、ちょっとダリ〜から寝かせて欲しいなぁーと思って」
「なに?教師に向かって堂々とサボリ宣言かい?」
「・・・サボリじゃないよ。ほんとにダルいんだよぉ・・・」
「どうした?なんか元気ないね?熱でもあるの?」
「・・・・いや、熱はない。なんか疲れちゃってね・・・」
「ほぉ〜なんか悩みゴトでもあるんかい?」
「・・・・・・・」
「ほぉ〜当たりだね?どれどれカウンセラー兼保健室のおばちゃんに話してみな?」
「いいよ、たいした事じゃないから・・・・」
「悩みなんてのはね、1人で抱えるからでかくなんのよ。誰かに話すだけでも気が紛れるってモンよ。
あたしで良ければ聞くくらいは出来るよ?」
「・・・・・んん、誰にも言わない?」
「当たり前じゃん!あたし一応カウンセラーなんだからね!」
「どうしようかな・・・とりあえずあたしにもコーヒーちょうだい」
先生は冷蔵庫から牛乳ビン出してきて大きなコップにたっぷり注いだ
「あんたは子供でしょ?これで十分!牛乳には精神安定させる作用があるしね。さぁ、飲みな。」
「子供扱いすんなよーーー。でも、さんきゅ。」
冷たい牛乳を一気に半分位ゴクゴクと流し込む
確かに先生は大人だしあたしよりは恋のイロハに詳しいかもな 相談してみようかな
- 133 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/10(金) 22:47
- 「で?どうしたの?勉強?クラブ?恋愛?」
「・・・・・さんばんめ・・・かな?」
「ほほぅ、遂に吉澤も恋に目覚めたか!」
「まぁね。」
「で?相手と上手く行ってないの?」
「んー上手く行ってない事もないけど、なんかを隠してる様な感じなんだよなぁ・・・」
「ふんふん」
「学校じゃ話しかけるなって感じなんだよね。なんでなんだろう?」
「えっ?この学校の子なの?へぇ〜興味深いねぇ。」
「ずっと学校では話せないって言われてて気になったから、さっきクラスまで行ってみたんだ。
そしたら泣きそうな顔してなんも言ってくれなかった。なんかちょっとカッとなってさ・・・
でも本当に理由がわかんないんだよ!ねぇどう思う?」
「それって年下の子?」
「うん。1年だよ」
「1年のどの子だい?」
「・・・最近転校して来た・・・」
「あぁあぁ!あの合唱部の子?」
「・・・・うん」
「はぁ〜そうかいそうかい。あんたやっぱりバカだったんだね?」
「なんで?」
「わかんないかなぁ〜・・・・自覚無いんじゃしょうがないけど・・・」
「なんだよ、はっきり言ってよ!」
「あんた1年のクラスに乗り込んで行ったんでしょ?」
「うん。ごっちんと一緒にね。」
「アイタタ・・・後藤も一緒か それはもっとマズイね〜」
「だからなにが?」
「・・・・あんたさぁ〜判んないかなぁ?女の恐ろしさってのが・・・・」
「はぁ?」
「あんたと後藤を知らない人なんてこの学園にはいない位あんたらは有名人だよ?
ファンクラブみたいなのまであるそうじゃないの。もってもてなわけよ。
そんな学園のアイドルを狙ってる奴はごまんといるわけで、その二人と知り合いで、その上
あんたの彼女だと知れたらどうなると思う・・・?」
「・・・・・・・・どうなる?」
「そんな事公になった暁にはあんたらの熱狂的なファンに恐ろしい目に合うはずだよ。」
- 134 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/10(金) 22:47
-
「恐ろしい目・・・・?」
「靴が無くなったり、制服がビリビリになったり、教科書塗り潰されてたりとか・・・
それだけで済めばいいけど・・・・」
「はぁ?なんでそんな事になんのさ?おかしいって!」
「おかしいけどそういうモンなのよ。女って怖いわよ〜〜〜〜〜
可哀想に彼女・・・あんたが鈍感でそんな事に気付かないから悪いんだよ?
しかも転校して来てそうそう学園のアイドルを独り占めなんてこりゃ最高に危険だわ。」
「・・・・・そんなにやばい?」
「うん、相当やばいよ」
「でもなんであたしにその事言わないのさ?隠さなくてもいいじゃん?」
「・・・アンタならどうする?もし逆の立場だったら
『私、アナタのせいでみんなに嫉妬されて虐められるから話しかけないで!』って言う?」
「・・・・・言わないと思う・・・・・てか言えない。」
「でしょ?」
確かにそう考えると繋がる気がする
あの子の性格からしてあたしにこんな事言える訳が絶対無いし・・・
あたしバカだ そんな事ちっとも考えてなかった
完璧あたしのせいなのにさっきあんな突き放す様な態度とったりして最低だよ
- 135 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/10(金) 22:54
-
とりあえずなんとかしなきゃ・・・・
「ごちそうさま!先生ありがとうね!あたし行くわ!」
残った牛乳をグイッと飲み干して席を立つ
「あんま無茶はしない様にね〜 頑張れよ!」
「うん じゃぁね」
放課後になるのを待って あたしはあの子がいる1年のクラスへ向かった
- 136 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/10(金) 22:55
- 今日は以上です。
- 137 名前:向こうから来たよ 投稿日:2005/06/11(土) 06:38
- うわ。。。
寸止めだ。気になるぅ。。。
ずっと待ってますから スキマニアさんのペースでがんばってくださいね
- 138 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/11(土) 14:22
- 更新お疲れ様です。
うぁっ(◎o◎)!ちょっとこれは修羅場!?ですか??
次回更新待ってます。
- 139 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/11(土) 21:25
- 次回更新が気になる展開・・・!
よっすも愛ちゃんも頑張れーっ!!
スキマニアさんもスキマニアさんのペースで頑張って下さい。
- 140 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/13(月) 02:23
- えと 得意の寄り道がまた出ちゃいました
短編できたので貼ります。これどうしても書きたくて・・・orz
本編もちゃんとできてるので近日張ります!
- 141 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:24
-
ここは地方のホテル 明日のコンサートの為に一日前の乗り込み
ボストンバックをドカッと床に置いてベットに寝転び大きく背伸びをした
「あ〜長旅疲れたなぁ〜」
コンコン
誰だろ?
「は〜い マコトかな?」
ガチャッ
ドアを開けると自分のトランクを持った愛ちゃんの姿
慌てた様な困った様な表情で立っている
「あれ?荷物なんか持ってどうした?」
「あのっ・・・ですね・・・」
自分の部屋に行ってみたら 入り口のドアの鍵が壊れててロック出来なかったらしい
マネージャーさんに言ったら
「吉澤の部屋が1人だけダブルになってるから、悪いけど今日は一緒に使ってくれ」
と言われたらしい
確かにシングルの部屋が8部屋しかとれなくて 一つだけダブルになってて
あたしがリーダーの特権でダブルの部屋をいただいたんだけども・・・・
まさかこんな事になるだなんて・・・・・
「まぁ とりあえず中に入ったら? あ コレ持つよ。」
愛ちゃんのトランクを持ってサッと運ぼうとした けど 激重だった・・・
こんなに重いなんて何入ってるんだろう・・・・・
「・・・・おっ重いね・・・」
「あっ、すいません。あっしいつも荷物多くて!自分でやります!」
「いやいや 大丈夫! よいしょっと!!」
無駄に広いダブル部屋の真ん中辺に荷物を置いた
- 142 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:25
-
「すいませんなんかこんな事になってもうてぇ・・・・」
「いいよいいよ〜 別にたかはっ・・・愛ちゃんのせいじゃないんだから。」
「今、吉澤さん『高橋』って言おうとしたぁw」
「ばれた?長年『高橋』で来たからつい出ちゃった、ごめんw」
娘。の中であたしが唯一あだ名で呼んでなかった愛ちゃん
他のメンバーから『なんで愛ちゃんだけ未だに苗字で呼ぶの?おかしいじゃん!』
って言われて 言われてみればそうだなと思い みんなと同じ様に愛ちゃんと呼ぶ事に
でもなんだかまだしっくりこないって言うか呼ぶのが正直照れくさい
「いいですよ?よしざーさんの呼び易い方で呼んでくれれば。
よしざーさんから初めて「愛ちゃん」って呼ばれた時は慣れてないから
ちょっとくすぐったかったですけど・・・でも嬉しかったです・・・」
顔を真っ赤にしてニカッと笑う愛ちゃん
そうだったんだ・・・・あたしと同じ気持ちだったんだね
でもそんな事聞いちゃったら今度から呼ぶ時余計照れんじゃん・・・
「そ、そうなんだ あははっ。」
愛ちゃんの思わぬ告白にちょっと動揺して返事らしい返事も出来ないで笑ってごまかした
「あ、荷物とか適当に置いていい様にしてね?ここは愛ちゃんの部屋でもあるんだから!」
「はぃ」
「んーと、もう時間遅いし愛ちゃん先シャワー浴びなよ?」
「えっ?いいです、あっし後でいいです!」
「いやいや、お先にどうぞ。レディーファーストだから。」
「プッwよしざーさんもレディーじゃないですかww」
「あっ そうだねwでもいいから先シャワー使いな?」
「じゃぁお言葉に甘えて・・・お先です。」
トランクをガサゴソやってシャンプーやらタオルやら多くの荷物を持って愛ちゃんはバスルームへ
- 143 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:25
-
「はぁ〜〜〜〜〜」
溜め息がでた
居心地悪いとかそんなんじゃなくて・・・なんか・・・
言葉では表せない緊張感があるんだよなぁ
長い付き合いだけどお泊まりとかした事ないし なんか変な感じ
「変なあたし ハハッ・・・」
さっきのシャワーの進め方とかエロ親父っぽくなかったよね?とか
あたし今日に限って変なモン持ってきてないよな?とか
余計な心配ばかりしている自分に少し笑えた
カチャッ
「あ〜熱いぃ お先にすいませんでした。よしざーさんどうぞ。」
Tシャツと短パンに長い髪をタオルで巻いた いかにも風呂上りなその姿
少し高潮した頬や綺麗なうなじ 白いフトモモ
普段目にする事のない格好の愛ちゃんに不覚にもドキッとしてしまった
「あっ あぁ、うん。」
「あっ!よしざーさんお風呂つかります?あーしお湯溜めたんで良かったらどうぞ!」
「ほんとに?ありがとう。入らせてもらうね。」
バスルームに入ると甘い香りがした
バスタブに張られたお湯はピンク色でゆらゆらと揺れている
「イチゴの香りかな? へぇ〜こんな事してんだぁ すごいなぁ・・・」
しかし 家族でも無い人の入った後のお湯につかるとか 不思議な感じ
でもイヤとかじゃない むしろこのお湯にさっきまで愛ちゃんが・・・・とか・・・
「あーーーーバカバカ!何考えてんだよ・・・まさにエロ親父じゃん・・・」
お湯にのぼせたのか何にのぼせたのかはいいとして
ボーッとしてきたあたしは早めにお風呂から出ていった
- 144 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:26
-
「あれ?早かったですね?」
「あぁ、ちょっとのぼせちゃって・・・喉乾いたなぁ」
「これ、どうぞ!」
よく冷えたウーロン茶を はいっと渡してきた
「えっ、いいの?自分のじゃないの?」
「よしざーさんがお風呂入ってる間に自販機で買ってきたんです。
ちゃんとあーしの分もあるから心配せんといてください。」
「そうなんだ〜じゃぁいただくよ、ありがとう」
愛ちゃんはこういうトコあるんだよね さりげなく気が付くっていう
あたし気が付く人に弱いんだよね〜 マイマイとかアヤカとかお姉さんな人
愛ちゃんは年下で普段は甘えんぼっぽいのに たまにそんな雰囲気出す時があってニクイ人だ
愛ちゃんは鏡の前に座って一生懸命お肌のお手入れをしている
化粧水 パック 乳液 色んなケア用品が所狭しと並んでる
「それ、毎日やってんの?」
「はい、よしざーさんはやらないんですか?」
「いや、一応化粧水と乳液くらいはやるけどそれくらいかなぁ〜」
「ちゃんとやった方がいいですよ!メイク結構長い時間してるし、ライブで汗かいたりするしお肌に悪いですよ!」
「でもめんどくさくてさぁ〜」
「あーしも始めは面倒くさかったけどやり出したらハマッてきて、今じゃぁこの時間も癒しになってます!」
「へぇ〜癒されるんだ。いい事じゃん!」
「よしざーさんも絶対ハマるはず!やってあげる!」
なんか目をキラキラ輝かせて色んなケア用品を選んでいる
愛ちゃんは自分がハマってるモノを人に勧めるのが好きなんだよね
メンバーのみんなからは大体共感を得られず 華麗にスルーされてる事が多いけど・・・w
でもあたしはそんな愛ちゃんが一生懸命な子供みたいで可愛いと思ってた
- 145 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:27
-
「ここに座って、あと目ぇつぶっといてくださいね!」
化粧水を含ませたコットンで優しくあたしの顔をパッティングする
ヒンヤリしたコットンがすごく気持ちいい 火照った顔が冷やされる感じでちょうどいい
「つぎはこれ!」
指にクリームを付けてホッペにちょんと触れた
「い、いいよ。自分でやるから!」
「だめだめ!これちゃんとやり方あるんですって、マッサージしないといけないの!」
「あぁ そうなんだ。じゃぁお願いします。」
「はいw」
愛ちゃんの指があたしの頬やおでこを撫でる
さっき冷えた顔がまた温度上げてきてるんですけど・・・
そして 見えないからわかんないけど おそらく二人の顔の距離がすごく近い
だって 愛ちゃんのかすかな息が頬にあたるから
それに加えて優しく丁寧で 規則正しい指が あたしをドキドキさせる
なんかちょっとクラクラしてきた・・・かも またのぼせてきたかなぁ・・・・
目を閉じてられなくてちょっと薄目を開けてみた
ものすごい顔が近い 真剣な表情 あっ やべ目が合った
「・・・どうですか?気持ちよくないですか?」
「えっ?イヤ すごくいい・・・」
「よかったぁ〜これね、里沙ちゃんにもいつもやってあげるんですよ!」
「へぇ、優しいじゃん」
「あーしこんなんやるの好きなんですよ〜へへっ!」
無邪気に笑う愛ちゃん いいけど 可愛いんだけど あの 顔が近いんです・・・・
そんな超至近距離でキラキラおめめで見つめないでくれるかな?
なんか無防備過ぎて1人でドキドキしてるあたしが変な人みたいなんだけども・・・・
「さぁ!仕上げはこれ!」
まだあんのか 頭がクラクラしててやばいんだけど・・・・
プルルンとした透明な液体を手にとり
「これは美容液で、目尻とか口元とか〜・・・・ あと肌のPHを〜・・・」
一生懸命楽しそうに成分や効能を説明してくれてる ほんと面白可愛いなこの子
- 146 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:28
-
「はい めぇつぶってぇ」
「はぁい」
なんかすっかりお姉さん口調になってるしw がきさんはいつもこんなんやられてるんだなw
口元に美容液を塗る指が たまに唇に触れてドキっとする
愛ちゃんの無意識の行動ひとつひとつがあたしの胸の奥をざわつかせる こいつは・・・小悪魔だな
「はい!おしまい!」
目を開けると満足そうにニコッとしてあたしを眺める愛ちゃん
「ありがとう」
つられてあたしもニコッとした 心の中はドッキドキなんですけどもね・・・
「後、これは身体に塗るヤツです!これは自分で塗ってもらいますけど!」
「さすがに身体は自分でやるってw」
ピンク色の瓶に入ったボディーローションはローズの香り
いつも愛ちゃんからしてたいい匂いの正体はこれだったんだなぁ
腕や足にたっぷり塗りこんでいく いい匂いと冷たい感触が本当に癒される
「ローズの香りって落ち着くね、知らなかったよ。」
「でしょ?寝る前にこうやって塗っておくと乾燥も防げて、癒されて一石二鳥なんですよ!」
「ほんとだね〜あたしもコレ買おうかな?」
「ほんとですか?銀座のお店なんですけど・・・えーと、ふらん・・・ふれん・・・」
「なに?店の名前?」
「はぃ・・・でも思い出せないぃ。フランスのお店なんです。」
「へぇ〜フランスかぁ〜色々な店知ってんね?」
「大人計画です!」
とか言ってほんとは銀座わかんないんでしょwマコトが言ってたもんなw
- 147 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:28
-
「重いトランクの中身は癒しセットだったんだね?」
「そうなんですよ〜まだありますよ!ラベンダーのアロマセット、いい香りの石鹸とそれと・・・」
「旅先に持って来過ぎだってw」
「旅先だから持ってくるんですよぉ、あーし場所変わると寝れない方なんでこうでもしないと・・・
それに毎日やってる事やらないとなんだか気持ちが落ち着かなくて・・・」
「家財道具一式持ってきたってやつ?」
「そぅそぅwそれです。」
本当に生真面目な性格なんだなぁ それにちゃんと自分自身を管理出来てる
こんな仕事やってたら不規則で心や身体のバランス崩しがちだけど、こうやって自分のペースを
しっかり作れる愛ちゃんはあたしが思ってたよりだいぶ大人だった
抜くとこは抜く やるときはしっかりやる 一番大事なことだもんね
プロ意識が強いのは知ってたけど ここまでとは あたしもこういうとこ見習おう
激重トランクは高橋愛のプロ意識の重さだったんだ
「もう11時過ぎてるや、明日早いしもう寝なきゃね?」
「そうですね。よしざーさんどっちのベットがいいですか?」
「どっでもいいよ?」
「じゃぁあっし壁側でいいですか?窓際ってなんか怖くってw」
「まさかwなんも出ないっしょ〜」
- 148 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:29
-
あたし達はそれぞれベットに入った ベットサイドの小さな灯だけを残して
「電気は小さいのだけでも平気?」
「はぃ、大丈夫です」
「じゃぁ おやすみ・・・・・」
「おやすみなさい・・・・・・・」
『おやすみ』 まさかこの言葉をいつも部屋に乗り込んでくるマコトやミキティーじゃなくて
愛ちゃんに言う時が来るなんて思ってなかった
今になってシーンとしたこの部屋に 愛ちゃんと二人っきりなんだって
隣のベットに寝てるんだって 改めて思ったり・・・
でもだからって何があるわけでも無く ドキドキのあたしとは対照的にあの子は
赤いタオルを握りしめてスヤスヤ眠ってるんだろうな
さっき塗ったボディーローションがかすかに香って 目をつぶると愛ちゃんがここにいるみたい
顔や唇に触れた指の感触が甦ってくる
「今日寝れないかも・・・・・・・・」
- 149 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:30
-
「・・・・んっ」
いつの間に眠ったんだろう 目を開けるとカーテンから朝日が少し差し込んでいる
今何時だろう?時計を見ようと寝返りうって身体の向きを変えた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!?????
「・・・・・・えっ?」
愛ちゃんが あたしの横で 寝ている
ここあたしのベットだよね? なんで?なんで?なんで?
まだ寝てるみたい 起こしちゃ悪いから落ち着けあたし
スースーと規則正しい寝息を立てて 気持ち良さそうに眠っている
こうやって見ると幼いなぁ 本当に18歳?と思う程に幼い寝顔
- 150 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:31
-
「・・・うっううん・・・」
!!!!!!
あたしの背中に手を回して 足を絡ませてきた 瞬時に愛ちゃんの抱き枕と化したあたし
二人の距離はゼロ いわゆる密着状態・・・・やばい やばいから・・・・
そんなあたしの気持ちとはうらはらに 当の本人はと言うと・・・・
あたしの胸の辺りに顔うずめて 幸せそうに ムニャムニャ言ってる
少しだけ見える横顔は赤ちゃんみたいにかわいらしい
「ぷぷぷっww・・・・・かわいいw」
なんの夢を見てるんだろう すごく幸せそうな顔をしてるから きっといい夢見てるんだな
あたしはそっと背中に手を回して 優しく優しく抱きしめた
そして丁度あたしの唇の前にある 丸出しのオデコに 小さなキスをした
- 151 名前:ダブルの部屋の物語 〜リアル番外〜 投稿日:2005/06/13(月) 02:31
-
ピピピピッ ピピピピッ
愛ちゃんは目覚ましの音に反応してモゾモゾと動き出す
「・・・・うぅ〜ん ・・・・・・・????」
「・・・・おはよう」
「・・・・・・・・・・・・・きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
寝起きとは思えない程に機敏な動きでベットから飛び出した愛ちゃん
「なっ なっ なっ えっ? なんで・・・・あっし・・・・あれ?あれ?」
状況が飲み込めないらしく 自分のベットとあたしのベットを交互にすごい速さで見比べている
「あたしもよくわかんないんだけど、起きたら愛ちゃんがいた」
「確か夜中トイレ行って・・・・間違えてよしざーさんのベットに・・・・・ごっごめんなさいっ!!!」
「いいよぉ 寝顔可愛かったから許す!」
「・・・・・・///////////////////////////」
一気に顔が真っ赤っ赤
「でも、今度入って来る時はちゃんと起きてる時にしてね?あたしも心の準備があるからさ」
「もうっ よしざーさんのいぢわるぅ〜〜〜〜〜//////////」
ちょっと イヤ かなりの収穫があったダブルの部屋と地方遠征の朝 でしたとさ
ダブルの部屋の物語 =完=
- 152 名前:吉澤愛 投稿日:2005/06/13(月) 02:48
- おつかれさまです。
も、も、も、萌え死にしそう…
要所要所に本人発言を織り込むあたり、
さすがです。
本編続きも楽しみにしています。
- 153 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/13(月) 02:52
- 寄り道スマソ スレのみんながいい燃料ばっかくれるから悪いんだw
上でレスくれた方ありがとうございます!
吉愛を見習ってゆっくり確実に頑張りたいと思います。
- 154 名前:吉澤愛 投稿日:2005/06/13(月) 03:16
- 口調とか反応がリアルで
ほんとに吉愛に愛情を注いでいるのが
わかります。
やりすぎず、微妙な感じがたまらなくイイ!です。
おちょきんしながら続きをまってます。
- 155 名前:よしあい 投稿日:2005/06/13(月) 03:21
- (;´Д`)ハァハァハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
本当にありそうな話でドキドキしたよ
タイムリーネタを見つける度に「おっ!?」って嬉しくなりますた
「小悪魔」の使い方がすげーよかったです
- 156 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/13(月) 18:42
- 愛ちゃんが人と一緒に寝るときのクセをすっかり忘れてて、
それがキタときは不覚にも「キター!!!(*゚∀゚)=3 」って声に出しちゃいましたw
萌えますた_| ̄|○
本編も楽しみにしてます。
- 157 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/14(火) 01:41
- 皆さん迅速な反応ありがとうございます。
感想とか萌えポイントをちゃんとレスしてくれてホントに更新するこっちが楽しみな次第です。
今本編を最後までざっとまとめてみたら恐ろしい量になりました orz
話はどんだけでも出来てるのに打つのが大変で・・・カタコリ
ちょっと簡潔にする為にも吉視点じゃなく第三者視点?で書いてみたりして
ーひとみはじっと愛をみつめその手をとって言ったー
とかなんかポワワじゃない雰囲気なんでやっぱ書き直したり・・・orz
ちょっと色々やってみてます。
1週間に1更新目指して頑張りますのでお許しくださいw
あと、ハラポワチャンがエレジの作者サンだったんですねw
あなたのレスを携帯から見て実はこちらも変態ニヤニヤしましたw
またネタ書いてください!
皆さんののレスやナイス固定名に日々ポワワさせられてるスキマニアでした。
これからもどうぞよろしくお願いします。
- 158 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/06/14(火) 04:38
- ハラポワチャンもスキマニアさんもいい人だから好きだ
肩こりに負けず頑張っての〜
- 159 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/14(火) 22:18
- バレたー!w
今よっす視点の吉愛新作書いてるんですけど、よっす視点難しいです_| ̄|○
難しくもあり、楽しくもあり、ですけどw
また出来たらあっちでお知らせしますので、
その時には暇つぶしがてら読んで頂けると嬉しいです。
スキマニアさんも肩こり、あんまり無理しないように・・適度に頑張ってくださいw
1週間1更新楽しみにしてます。
- 160 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/18(土) 05:49
- えー仕事と肩こりに負けずに早朝更新ですw
- 161 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/18(土) 05:50
-
1年B組のドアに手をかけて中を覗く
ひと通り見回したけどあの子の姿は無い
「くそっ・・・遅かったか・・・」
「よ・・吉澤さん!!!」
聞き覚えのある声に振り向く
確か『里沙ちゃん』と呼んでいたクラスメイトの子だ
「あの、愛ちゃんを探していますか・・?」
「うん!!そうななんだ!!何処いるか知らない?」
「あの・・・さっき2年生のグループに・・・・・・」
眉毛をハの字にしてすごく心配そうな顔
「連れてかれたの?」
「・・・・・はい・・・私、どうしていいかわからなくて・・・・」
「どっちの方に行った?」
「多分裏のゴミ焼却炉の方だと思います・・・・」
「わかった!!」
「・・・・なんかすごい雰囲気で・・・吉澤さん・・・お願いします!!」
「うん。任せといて!!」
あたしは校舎裏のゴミ焼却炉を目指してダッシュした
- 162 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/18(土) 05:51
-
「大体さぁ、アンタなんなわけ?自分がモテると思って調子に乗ってんじゃないの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「何?その目?どうせ色気使って吉澤さんと後藤さんに言い寄ったんでしょ?
まったく田舎モンのクセに手が早いんだから!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何とか言ったらどうなんだよ!!クソ生意気なガキのクセに!!そんな態度だと制服だけじゃなくて
髪の毛も燃やしちゃうよ?はははっ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あったま来た!!もう許さないからね?おい、ライター貸して。」
ライターで長くサラサラなびく髪に火を点けた
辺りにはジリジリという音と焦げ臭い匂いが漂う
「こいつ髪燃やされてんのにまだ黙ってるよ!!マジむかつくんだけど!!」
バンッ!!!
突き飛ばされて地面に倒れる 後ろの焼却炉ではゴウゴウ音を立ててブレザーが燃えている
「痛い目に遭わなきゃわかんないみたいだな・・・」
持っているカバンを思いっきり振りかぶって叩きつけようとした時
バンッ!!!!!
カバンはその手から離れ地面に叩き落とされた
- 163 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/18(土) 05:52
-
「・・・・・あっ!!!!よっ、吉澤さんっ!!!!」
「何してんだよ なぁ? この子に何してんだよ!!」
「・・・・・いっいえ、別に・・・・・」
「お前ら一体アタシのなんなんだよ? 何の権利があってこんな事してんだよ!!いい加減にしろ!!」
あたしは怒りに震えるコブシを握り締め 大きく振り上げた
「・・・・・・・・・だめっ!!!! 吉澤さんやめてぇ!!!」
大きな声に手が止まる
「・・・・やめてください。私なら平気ですから・・・」
スッと立ち上がり 振り上げたあたしの腕を掴む
その目は凛として 強くあたしを見ている
「でも、こんな事されて黙ってらんないよ!!」
「大丈夫です。私ならホントになんとも無いですから・・・」
腕を掴む手にグッと力が込められる
「・・・・・・わかった。」
握ったコブシを開き ゆっくり手を下ろす
「・・・・・・・・お前ら よく聞けよ。この子は 高橋愛は あたしの大事な・・・・」
「従姉妹!!!!」
- 164 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/18(土) 05:53
-
後ろから聞こえた大きな声 ごっちん?
「愛ちゃんはね〜よしこの大事な従姉妹なんだよ。何勘違いしてるのかしんないけど〜
アンタらよしこの従姉妹にこんな事しちゃっていいの?知らないよ〜」
「いっ従姉妹・・・・さん なんですか・・・あたしらてっきり・・・・ごっごめんなさい!!!」
「まぁ 今更謝っても遅いけどね〜?ねっ?よしこ!」
「・・・・まっ まぁな さぁどうしてやろうかこいつ等。」
「大丈夫です、私、全然平気ですから!この場は見なかった事にしてください!!」
「そんな訳にいかないでしょ〜??」
「いえ、お願いします。」
「・・・・どうすんの?よしこ?」
「・・・・・腹立つけど、本人がそう言うんなら仕方ないじゃん。」
「だって。アンタら命拾いしたね?愛ちゃんに感謝しな?」
「はいっ・・・本当に申し訳ありませんでした。どうか許してください!!」
2年の連中は地面に土下座して 何度も何度も頭を下げている
「・・・・・もういいから行けよ。そして二度と面見せんな。」
「はいっ!!すみませんでした。失礼します!!」
逃げる様に走って姿を消した
- 165 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/18(土) 05:53
-
ドサッ
地面に倒れこむ音
後ろを向くと 肩を小刻みに震わせて地面にへたり込む姿
「大丈夫!!!!????」
駆け寄って肩を掴んだ
「・・・・あっし、あっし・・・・・・・・うわわぁぁぁぁあっぁぁん!!!!!」
堰を切った様に泣き出す あたしにしがみ付いて 大声でわんわん泣いている
「・・・・ごめんね ごめんね もう大丈夫だから・・・」
しゃくり上げる肩をしっかり抱いた
スカートは砂まみれ 綺麗な髪の下の方は焦げてジリジリになっている
怖かったよね 辛かったよね 痛かったよね・・・・
あたしのせい・・・・ あたしがバカだったせいで・・・・ くっ・・・・
申し訳ない気持ちと はがゆさであたしも涙が出そうになる
ごめん ごめん 本当にごめん・・・・・・ 謝っても謝りきれない
あたしはどうする事も出来ずに だたずっと泣き止むまで小さな身体を抱きしめ 優しく撫で続けた
- 166 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/18(土) 05:54
-
それからしばらくしてとりあえずあたしの家まで連れて行った
「・・・・大丈夫?少し落ち着いた?」
「はぃ もう平気です」
そう言って肩から毛布を掛けて小さく微笑む 顔はまだ少し青ざめている
「・・・ごめんね。怖い思いさせたよね・・・」
「・・・・・いぇ こんな事何とも無いです あの人達の気持ちもわかるし・・・・」
「えっ・・・・?」
「あの人達・・・吉澤さんが大好きなんですよ・・・あんな事したくなる位好きなんですよ・・・・
私だって同じですから・・・・ 吉澤さんの事が・・・好きな気持ちは同じですから・・・」
テーブルで湯気を立ててるココアをじっと見詰めて小さな声で言う
「だから これは、今日は、みんなの吉澤さんを・・その・・・ひ・・独り占めしてる・・・その バチが当たったんです」
どこまで健気なんだこの子は・・・・
「バチが当たるんならあたしだよ・・・ あたしだってみんなの高橋愛を独り占めして、その上あんな目に遭わせて・・・」
「うぅん そんな事ないです」
「それにバチなんか当たんないよ だって・・・あたしを独り占め出来るのは高橋愛、1人だけなんだから。
・・・どんな人が居ようと あたしが好きなのは あっ あ・・・愛ちゃんなんだからさ・・・」
「・・・吉澤さんっ」
ソファーで見詰め合う二人
「ちょーちょーちょー!!うちら居るの忘れてない?」
「そうですよ〜 いちゃつくなら二人の時にしてくださいよぉ〜」
向かいに座ってる ごっちんと新垣里沙
- 167 名前:謙虚な関係 【第3隙間】 投稿日:2005/06/18(土) 05:54
-
「・・・あぁ ごめんw でもごっちんと君のお陰で助かったよ。ありがとう」
「そうだよぉ〜よしこってばまたなんも考えずに『高橋愛はあたしの大事な恋人だ!!』とか言おうとしてたでしょ?」
「・・・・ううっ」
まったくその通り・・・・・ あそこでごっちんが機転利かせてくんなかったらまたやっちゃうトコだった
「とりあえず従姉妹にしときゃいいんでない?その代わりガッコでいちゃつくなよ〜」
「・・・うん。ありがとうね、ごっちんと・・・・」
「がきさん! ぬはっw 新垣だからがきさんでいいっしょ?この子がきさんでFA!
あたしも心配になって1年のクラス行ったんだ〜 そしたらがきさんが一緒に案内してくれてさ、ねっ?がきさん!」
「は〜い そうなんですよ〜 ねっ?ごとーさんっ!」
「あんたらいいコンビだな・・・w でもホントに二人ともありがとう」
「世話の焼ける親友持つと苦労するよ〜ほんとに!」
「ですね〜 ほんとにぃ〜」
「はい。いい親友がいてくれてほんとに幸せですよあたしらは ねっ?」
隣を見て返事を促すと赤い顔をして
「はいっ これからもどーぞよろしくお願いします・・・ふふっ」
「はいはい、バカップル バカップルw」
「なんだよぉ〜」とか言いながら 掛けた毛布の中で 密かに手を握ってるあたしらは やっぱりバカップル かな・・・
第3隙間 ー了ー
- 168 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/18(土) 06:04
- 愛ちゃん酷い目に遭わせてごめんなさい。
全部よっしーのせいです・・・ww
これからはおそらく土・日のどちらかに更新すると思います。
これからも続く吉愛をどうぞよろしくお願いします。
- 169 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/18(土) 10:20
- キテター!!:*(n‘∀‘)η゜.*
よっす男前…愛ちゃん健気すぎ…
毛布の中でこっそり手つなぎの二人可愛すぎ…
吉愛大好き。
あとごっちんとガキさんコンビも好きですw
あっちで紹介されたサイトの方に小説更新しました。また良かったら読んじゃって下さい。
- 170 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/19(日) 17:05
- 更新お疲れさまです。 よっすぃーかっこいいですねぇ、ごっちん、ナイス!! 今後二人の行く末が気になりますね(^.^)b 次回更新待ってます。
- 171 名前:謙虚な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/06/19(日) 17:54
-
時間は流れ 周りはすっかり夏景色
燃える太陽 輝く緑 何処までもこだまする蝉の声 あたしの一番好きな季節
学校は夏休み 今日は1年で一番大きな試合 もう3年だしこれがあたし達の最後の大会になる
順調に勝ち進み今日が決勝 これであたしの3年間が決まる
愛ちゃんも応援に来てる事だし 頑張らなきゃな!!
オレンジ色のユニフォームにプリントされた 10 を強く握り締める
YOSHIZAWA
1 0
このエースナンバーの重圧が 今まで幾度となくあたしを苦しめてきた
エースとして キャプテンとして どんな自分が正しいのか 日々模索し続けていた
でも答えなんて出なかった ううん 違う 答えなんて始めから無かったんだ
ただフットサルが好き 勝ちたい みんなで勝ちたい ただそれだけの事
今となってはこの重みが心地よく 全てがあたしの原動力となっている
色んなモノ 色んな気持ちが この背中には乗っかかっているんだ
- 172 名前:謙虚な二人 【第4隙間】 投稿日:2005/06/19(日) 17:55
-
ピーーーーーーーーーーーーッ
「よーしっ!!!みんなーーいくよーーーー!!!!」
栄光のエースナンバー 10 を背負って 痛い程の緊張感の中 ピッチへ足を踏み出した
- 173 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE A 〜】 投稿日:2005/06/19(日) 17:56
-
今日は吉澤さんの大事な試合 練習は音楽室の窓からいつも見てたけど試合を見るのは初めて
普段はホワワンとした雰囲気の吉澤さんが今日は違う人みたいに見える
大勢の人の中でも一際輝いてる私の大好きな大好きな人 その姿に私は釘付けになっている
シュートを外して悔しそうに俯くあなた 仲間を励ます様に笑顔で声をかけるあなた
全てのあなたが見逃せない その姿から一瞬たりとも目が離せないでいる
あまりに感情が昂ぶり過ぎて 声も出せずただ両手を胸の前で組み 祈るように見守るしか出来ない
試合は甲乙付け難い接戦でPKにもつれ込む
仲間のシュートが決まろうが外れようが 同じ笑顔で迎える吉澤さん
本当は誰よりもプレッシャーを感じている筈なのに・・・・
3対3のサドンデス 先攻の相手チームがゴールを外した
次が決まれば勝利が決まる大切な場面 最後のキッカーは吉澤さんだ・・・
会場の応援団は割れんばかりの「よっしー」コール
黙ってられなくなった私は 精一杯の大声をだす 届きっこないんだけど・・・
組んだ手を強く握りしめて 多くの声援に紛れ大声で叫んだ
「 吉澤さーーん 頑張ってぇーーー!!!! 」
???? 吉澤さんはふっと振り返りじっとこっちを見ている
聞こえる筈なんかない 遠いスタンド席の私の声なんて聞こえる筈がないのに・・・
私のいる方を見て 右手を胸にあて 静かに息を吸い込み 「うん」と少しだけ頷いた
その右手には私が作ったオレンジ色のミサンガが巻かれている
キーパーと睨み合い ポールに向かって走る
- 174 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/19(日) 17:57
-
バシュッ!!!!!
ピピーーーーーーーッ!!!!!
ワァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
会場が揺れる程の歓声に包まれる
ゴールネットに突き刺さる様な強烈なシュート
何の迷いも無く ただただまっすぐな あなたらしいシュートだった
チームメイトと抱き合い飛び跳ねる 皆に揉みくちゃにされる笑顔
私はたまらなくなり駆け出した 階段を降り選手が出てくるドアの前を目指す
早く 早くおめでとうが言いたい その笑顔に触れたい
内側からドアが開けられ ふぅっと空気が流れ込む
少し離れた場所に後藤さんと吉澤さんの姿が見えた
私は勇気を振り絞って
「よしざゎさ・・・・・・・・・・」
「よっちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」
勢い良く駆け寄り 吉澤さんの胸にダイビングする人
誰? 誰? その人は誰なの・・・・・?
- 175 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/19(日) 17:58
- 今日また後で更新すると思います。
- 176 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/06/19(日) 22:45
- 誰!?誰なのおおおおお!?
楽しみに待ってます
- 177 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/20(月) 00:19
- サッカーしてるよっすは本当カッコイイなぁ。
こりゃもう自分もファンクラブ入るとしますかねw
と思ったら恋敵登場・・・!?(゚Д゚;≡;゚Д゚)
呼び方的にあの方ですね・・・またも新展開な予感です。
次回更新も楽しみにしてます!
- 178 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE A 〜】 投稿日:2005/06/20(月) 04:00
-
「おおお!!!久し振りじゃん!びっくりしたよ〜〜」
「うん!久し振りだねぇw優勝おめでとう!!家に行ったらね かおりんがここ教えてくれてさ、試合見てたんだよ〜」
「そうなんだ、ありがとう。で?こっちには今日着いたの?」
「うん、朝一番の飛行機で来た!早くよっちゃんに会いたくてさ!」
「来るなら連絡くらいしなよ〜wいきなりビビるじゃんw」
「驚かしたかったのっ!」
「もぉ〜昔っから変わんないねぇw」
すごく仲良さそう・・・話してる間もずっとべったりで抱き合ってる
吉澤さんもなんか嬉しそうやし 後藤さんも知ってる人みたい
とてもじゃないけどその輪の中には入っていかれへん
こんなトコに居たら覗き見してるみたいで変やし・・・・
取りあえずここ離れよう
「あれっ?愛ちゃん?」
後藤さんが気付いてくれた
「降りてきてたんだ。こっちおいでよ!よしこもいるからさ」
「あぁ はぃ」
後藤さんに連れられ中に入る
「・・・・おつかれさまです」
おつかれさま やて・・・なんて気の利かない事いうんやろ私・・・・
吉澤さんの隣にはやっぱりあの子がいて 腕組んでる
私が見てるのに吉澤さんも離れようとはしない
「来てくれてありがとう。ちゃんと見た?あたしのシュート!」
いつもの調子でニコニコしてる吉澤さん
「はぃ 優勝おめでとうございます」
「ねーねーよっちゃん?この子誰?」
・・・って私の事だよね?
「あぁ ごめんごめん。紹介するね!愛ちゃん、高橋愛ちゃん。うちのガッコの1年生で・・・その・・・」
「んっ?何?」
「いやぁ・・・その・・・まぁ・・・仲良しなんだ。ごっちんもね。」
「何?変なの。モゴモゴ言っちゃって」
「愛ちゃん コレはミキティー。あたしの幼馴染なんだ。引っ越して今は北海道に住んでる。」
幼馴染 ・・・・だから仲がいいのか そうなんや なんか変な心配してしもうたわ・・・
でも吉澤さん 私の事なんだか誤魔化した気がするのは気のせいかな・・・・
- 179 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/20(月) 04:01
-
「ちょっとぉーコレって何よぉ〜w まぁいいや!私、藤本美貴 よろしくねw」
すごく人懐っこい笑顔で握手を求めてきた
「初めまして 高橋愛です 」
「愛ちゃん可愛いね〜w でも1年なのにどうして二人と仲いいの?」
「あぁっ いえ そのたまたま・・・・・仲良くしていただいてて・・・」
なんだか私まで誤魔化してる・・・・ だって本当の事なんて私から言えないし・・・
「まぁ そんな事は後でいいじゃん!とりあえず腹減ったし飯食いにでもいかね?」
「ほんと?美貴もお腹ペコペコ〜行こう行こう!!」
(・・・・・・・・・・・サンドイッチ・・・・)
吉澤さん 「そんな事」って言った 深い意味は無いのかも知れんけど なんかちょっと胸が痛い
一緒に食べようと思って早起きして作ったサンドイッチ 無駄になってもうたなぁ・・・・
「愛ちゃん?行こうか?」
「わっ!!」
ポンっと肩を叩く後藤さんに少し驚いた
あかん なんか1人で暗くなってきてる せっかくの優勝が私のせいで台無しになってしまう
普通にせな ちゃんと明るくせな・・・・
3人の後ろから少し遅れて歩き出した
- 180 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/20(月) 04:01
-
美貴ちゃんがお肉好きだからって事で近くの焼肉屋さんに入った
お昼から焼肉なんて高校生やのにリッチやなぁ
4人掛けのテーブル 吉澤さんの隣は当然美貴ちゃん
まぁ 久し振りに会った幼馴染やもんな こうなっても仕方ない 仕方ない
「・・・愛ちゃん 悪いけどゴトーの隣で勘弁してね?」
後藤さんがそっと耳打ちしてきた
「なっ・・・何言ってるんですか!そんなっ・・・」
見透かされてる? 雰囲気壊してる? そんな顔してる?
慌てて前の二人を見ると 私なんかお構いなしに楽しそうに話してる
大丈夫 ばれてない・・・・ でもなんだかちょっと寂しい・・・・
「生レバ5人前〜!!あとカルビと・・・・・」
「相変わらず生レバ好きだねミキティーw」
「うん!おいしいんだからぁ〜!よっちゃんも食べてみなよ?」
「あたしはいいよぉ〜・・・苦手だからさ」
「じゃぁあげない!全部美貴が食べるからね!」
「いいよぉ〜食べればいいじゃん!」
ワイワイ賑わってるお向かい様 そのテンションについていけてない私
「愛ちゃんは?何食べたい?」
ようやく私を見てくれた吉澤さん
「あ・・・・えっと、何でも・・・・」
「好きなのない?じゃぁあたしが適当に頼むから一緒に食べよっか?」
「はぃ そうします」
あかん・・・・・ 自分の意見も言えない駄目な女やと思われたわ あかん・・・
「なんかさぁ〜よっちゃんさっきから愛ちゃんには優しくない?美貴にも優しくしてよぉ〜」
ドキッ
「え?当ったり前じゃん!ミキティーに優しくしたらつけ上がるだけじゃんw」
「なぁ〜によぉ!!ひどぉーーーい!!」
違う 優しいのは優しいけど 私に対する吉澤さんは気を使ってる優しさ
こんな風に言い合える関係が私はすごくうらやましい・・・・
- 181 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/20(月) 04:02
-
「なんか緊張してるの?愛ちゃんって人見知りするんだっけ?」
「いぇ そんな事無いです・・・」
「そう?ならいいけどさ。ミキティーがうるさくってごめんね。こいつこんなんだからさぁ〜」
「ちょ〜っと!さっきから コレとかコイツとかずいぶんな言い草じゃない?
何よ〜美貴が引っ越す時泣きながら『寂しいよぉ』って言ってたくせにっ!!」
「なっ!バカっ 泣いてないから!!泣くわけないじゃん!せいせいしたのに!!」
「うっそだぁ〜泣いてたじゃん!」
私に話し振られても結局は二人の話題に 内容のわからない私はただ苦笑いするしかない
「大丈夫?」
そんな私に気を使ってくれてる後藤さん
「えっ?何がですか?全然大丈夫ですよ?」
「ヤキモチ妬いてない?」
「・・・・ええっ?」
「昔っから二人こんなんなんだよ。だから心配しない様に ね?」
やっぱり後藤さんにはばれちゃってるみたいや スイマセンお気を使わせてもうて・・・・
「あ〜お腹一杯!!おいしかったぁ〜」
店を出て4人で歩く
「そういえばミキティー何処に泊まるの?ホテルかなんかとってんの?」
「まさかwよっちゃん家に決まってんじゃん!」
「ゲッ マジ?」
「かおりんいいって言ったモン!」
「いつまでいるつもり?」
「夏休みの間ずーっとw」
「うわぁ サイアクw」
吉澤さん家に夏休み中ずっとお泊まりかぁ 正直すごく・・・うらやましい・・・・
「サイアク」とか言いながら吉澤さんも結構嬉しそうやし
- 182 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/20(月) 04:03
-
「・・・・・ハァ・・・・」
周りに気付かれない様に小さく溜め息
このままじゃ本当にあかん 作り笑顔し過ぎてなんか顔が疲れてきた
せっかくの優勝も幼馴染の再会も台無しにしてまうかもしれん
「・・・あの 私 用があるんで先に帰りマス」
「えっ?昨日はそんな事言ってなかったじゃん」
「・・・お母さんに買い物頼まれちゃって・・・・すいませんけどお先に・・・」
「そうなんだ・・・ 仕方ないね じゃぁ夜に電話するけどいい?」
「あっ はぃ 待ってマス じゃぁごめんなさい!失礼します」
ペコっと頭を下げて みんなと反対方向を向き歩き出した
突然帰るとか言ってまた雰囲気壊したやろうか・・・
でもこのまま一緒におったらもっと壊してたかもしれんし
ただの幼馴染さんやのにヤキモチとか妬いて 私ってホントにアホや・・・
吉澤さん気ィ悪くしたかな ごめんなさい ホントごめんなさい
- 183 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/20(月) 04:03
-
駅のホームで電車を待つ 周りは夏のせいかカップルが多くてちょっと切ない
吉澤さんの好きなタマゴサンド お母さんに習って一生懸命朝から作った
本当ならこのタマゴサンドを「優勝おめでとう!!」って言いながら二人で食べる予定やったのにな
「ハァ・・・・これどうしようかなぁ・・・」
1人で食べるには多過ぎるタマゴサンドを膝に乗せて 今日何回めかわからへん溜め息をついた
「それ おいしそうだね?」
えっ? 俯いた顔を上げるとそこには後藤さんがいた
「あれ?あれっ?」
とっさに後の二人を探してキョロキョロ
「よしこならいないよ?ゴトーだけでごめんねw」
「いえっ・・・そんなごめんとか・・・でも後藤さんなんでここに?」
「よしこはミキティーのお守りで忙しそうだしwそれにどうせゴトーの家この方向なんだ。だからw」
「そうなんですか」
「それ お弁当だったの?」
膝に乗せたタマゴサンドを指差してる
「・・・はぃ のつもりだったんですけどね・・・」
「なんで言わなかったのさ?」
「なんとなく 言い出せなくって・・・」
「愛ちゃんさぁ よしこに遠慮し過ぎなんじゃない?愛ちゃんはれっきとした彼女なんだからさっ
もっとこう 楽に考えてもいいと思うよ?」
「・・・・そうですかねぇ・・・・」
「よしこだってそれを望んでると思うし。まぁ大体は鈍感でヘタレなよしこが悪いんだけどねwあはっw」
「それ 言えてるかもしれません・・・あははっw」
なんだろ 後藤さんってすごく話しやすい
色々気を使ってくれてすごく優しい それが本当に自然で スッとさりげなくて なんだか楽な気持ちになる
- 184 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/20(月) 04:04
-
「あのね・・・ゴトーの家さ 母親だけなんだ。そしていつも仕事で遅いの。」
「そうなんですか」
「うん。だからさ・・・・」
「・・・・だから?」
「そのサンドイッチ良かったらゴトーにくれない?夜ご飯にするからさぁ」
「えっ・・・でも」
「やっぱよしこの為に作っモンだから駄目かな?」
「いえ!そんなんじゃ無くて・・・」
「だったら頂戴w」
「・・・・こんなので良かったら食べてください。美味しくないかも知れませんけど・・・・」
「やったね!! 愛ちゃんが作ったサンドイッチだよ?もし不味くても全部食べるよ〜 ぬはっw」
「・・・・ウフッ アハハッw ゴトーさんって・・・・面白いですねw」
「よくクールだって勘違いされるけど ほんとは意外と明るいヤツぽw」
「アハハハッw」
さっきまで落ち込んでたのが嘘みたい 気持ちが段々軽くなってきた
プルルルルーーーー
「あっ 電車来たみたい。もう行くね! サンドイッチありがとう!」
「いえ こちらこそありがとうございました」
「うん じゃまたね!」
「あっ・・・・・・・・・」
「んっ? ・・・・・・・・あぁ コレの事ならよしこには内緒にしとくから心配しないでw」
「・・・・すいません」
「んじゃ またね!気を付けて帰るんだよ〜〜」
ヒラヒラと手を振って電車に乗り 後藤さんは行ってしまった
タマゴサンドを後藤さんにあげた事やなくて お弁当のつもりで持ってた事を吉澤さんに知られたくない
だってそれがわかったら 吉澤さんはたぶんすごく謝るだろうから
優しい吉澤さんは また私に気ぃ使って謝るだろうから・・・・
楽しいはずの夏休み なんだか複雑な気持ちで過ごす事になりそうや・・・・
- 185 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/20(月) 04:22
- なんかタイトルミスってるぽw 正しくはSIDE A です
ミキティーが新たに加わりなんかややこしくて微妙な愛ちゃん。
- 186 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/20(月) 05:23
- あ もひとつ!
あっちでサルネタのご要望があったみたいなんで同室ネタに続き、サルも入れてみました。
739カップ見て感動した直後だったからすごく書きやすかった。
良かったらこれからも燃料投下してみてくださいw
・・・ってあっちのスレの人がここ読んでくれてるのかわかりませんが・・・・
固定名見るところたぶんそうかな?と思うのでwはいw
- 187 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/20(月) 13:58
- 更新お疲れ様です
ちゃんと見てますよ
- 188 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/20(月) 23:15
- 更新お疲れさまです。 愛チャン微妙な距離に今立ってますね、どっちに転んでしまうのでしょう?(笑 次回更新待ってます。
- 189 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/21(火) 22:57
- ミキティキタなぁ・・(笑)
幼馴染だからしょうがないとは思うけど・・あぁごっちん優しい!と
すっかり愛ちゃん目線でハラハラポワワドッキドキさせて頂きましたw
あ、あと俺あっちの者ですよ〜・・ってわかりますよね_| ̄|○
- 190 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/26(日) 08:07
- 一週間1更新頑張っております。
レスありがとうございます!!大変励まされております ・゚・(つД`)・゚・
でわ貼ります。
- 191 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE A 〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:09
-
「あい〜電話やでぇ〜!!」
あっ たぶん吉澤さんや 夜電話する言うとったもんな
階段をバタバタ降りて ウキウキしながら電話をとる
「はい、もしもし!!」
「あっ、あたし 吉澤だけど、今日はなんかごめんね?ミキティーが突然来ちゃったモンだからさ・・・・」
「いえぇ こっちこそ途中で帰ったりしてすいませんでした・・・」
「・・・・それでね?明日なんだけど空いてるかなぁ?」
「明日ですか?はい、大丈夫ですよ?合唱部も今日から1週間休みだし」
「そう、よかった!!明日さ、家にこない?庭でバーベキューしようと思うんだけど」
「バーベキュー!!やりたい!!やりたいです!!」
やった!!吉澤さんちでバーベキューだなんて!!嬉しい!!
「まぁ・・・・ふ 二人でじゃぁ・・・無いんだけどさ・・・・ごめん」
ドガァァァァァン・・・・・・・・ヌカ喜び・・・・・・・
まぁ そうやな 二人でバーベキューとかおかしいもんなぁ
「・・・そ、そんな 私は構いませんよぉ」
「サルの優勝祝い、ミキティーの歓迎、あと・・・夏はやっぱバーベキューっしょww?」
「あはっ すごい楽しそうですねw」
「あ! ごっちんも誘っといたから とりあえずその4人で。」
「あ、はい」
「じゃぁお昼位に家においでよ?ね?」
「はい、わかりました!!」
「・・・・・ えっ? 何? 何?」
「えっ?」
「あぁ・・・ごめん!ちょい待ってね?」
「?????」
- 192 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/26(日) 08:09
-
受話器を外した吉澤さん
『なにぃ?タオル?タオルは一番上の扉開けたトコにあるから!!・・・うん!そうそこ!』
・・・・・タオル? あっ・・・・美貴ちゃんやな・・・・・・
なんだか胸がチクッとした
「もしもし?ごめんごめん! で、何処まで話したっけ?」
「お昼に吉澤さんち・・・ってトコまで・・・・・」
「ああ、そうそう!じゃぁ明日ね!今日は試合来てくれてありがとう。おやすみ」
「はい、じゃぁ明日、おやすみなさい・・・・」
ガチャッ ツーーーーツーーーーーツーーーー
なんか 素っ気無い事無い? もっとさ こうなんか恋人同士のアレってモンがあってもええんとちがう?
まぁ吉澤さんは照れ屋サンやし そんなヤサ男みたいな事はいつも言ったりせえへんけども
なんか なんか ちょっとアレなんと違うかなぁ・・・・・あーし なんか不安になって来たわ・・・・
ほんまにあーしらって付きおおとるんやろぉか・・・・
プルルルル プルルルル
あれ?また電話や あっ、きっと吉澤さんやな!!
「もしもし?吉澤さん?」
「・・・・・・あっ 愛ちゃん?」
- 193 名前:謙虚な二人 【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/26(日) 08:10
-
あら?声が違う・・・・
「ごめん よしこじゃなくてw」
「あーーーーー!!!後藤さん??」
「ピンポンw」
「すっ、すいません!!あーしてっきり吉澤さんかと・・・・」
「よしこから電話あった?」
「はい、ついさっき」
「そう。ならいいんだけど!それとお礼言おうと思って」
「えっ?」
「サンドイッチおいしかったよぉ ご馳走サマ〜」
「ああ!!そうですかぁ〜それはわざわざすいません」
「んでぇ〜明日なんだけどさ、また4人じゃん? 愛ちゃん大丈夫?」
「・・・・あぁ いぇ はぃ 大丈夫やと・・・思いますです」
「ぶぶっ 愛ちゃん訛ってる〜 それと言葉が変w」
「すっすいません!!なんか油断してしまいました!ごめんなさい!!」
「いいよぉ〜 いつもそれでいいのに。なんで隠してんのさ?」
「・・・・・いぇ、イメージとかがあってですね・・・・」
「いいじゃん!自然にしてなよ。その方が絶対いいよぉ〜 ねっ?楽に楽に!!」
「そうですかぁ?でもやっぱ『しちーがーる』は・・・・」
「しちーがーるってww 愛ちゃんって面白いんだねぇ〜いいよ、ほんといい」
「面白いって言われても、あんま嬉しゅぅないんですけども・・・ww」
「あ〜おっかしいw んで、明日はさ、ゴトーがちゃんとミキティー引き付けとくから
ちゃんとよしことラブラブすんだよ?わかった?」
「えっ そんな・・・・」
「いいからいいから!せっかくなんだし楽しまなきゃね?」
「はぃぃ・・・すんません なんか色々と・・・・」
「ううん サンドイッチのお礼だよ! んじゃ 明日ね。」
「はい どうもありがとうございます」
「バイバ〜イ おやすみ」
「おやすみなさぁい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 194 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:11
-
「あれっ?」
「どうしたの?もう切っていいよ?」
「いや、あーし電話先に切れないタイプなんです」
「あぁ、わかるわかるwゴトーもそうだから」
「後藤さんお先に切ってください」
「ううん 愛ちゃんが切りなよ」
「いやいや どうぞどうぞ」
「・・・・なんかさ、バイバイ言って電話すぐ切られちゃうとちょっと寂しいんだよね・・・」
「わかります!だからいつも切れないんですよぉ」
「ねっ。 相手より先に受話器置いちゃえばいいのにさ、なんか置けないっていう感じだよね」
「はい そうですね」
「じゃぁ 一緒に切ろっか?」
「そうですね」
「んっ じゃぁ明日ね。バイバイ」
「はい おやすみなさ〜い」
「いくよ? 3・2・1」
ガチャッ
なんか結構長電話してもうたかも しかし後藤さんはすごい
こんな言い方アレかも知れんけど・・・・天性のプレイガールやな
あんな綺麗な顔で こんなに優しくて そりゃぁモッテモテなのもわかるわぁ
吉澤さんとは全く違うタイプ まるで正反対や
なんか色々気ぃ使わせてもうて ほんま申し訳ないわぁ・・・・
もぉう!!吉澤さんが悪いねんで? まぁ そんなオクテで鈍感なトコも 好きなんやけどな・・・・
今頃美貴ちゃんとなんや仲ようしとるんやろか・・・・ はぁ・・・・ 先が思いやられるわぁ
- 195 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:13
-
「さてと!!オーブンに入れてっと・・・・」
スイッチ オン
・・・・・・・・・・・・・・
あれ?おかしいなぁ もう一度
・・・・・・・・・・・・・・
オーブンがうんともすんとも言わん どうしてやろ?
「おかぁさーん!!オーブンおかしいでぇーーーー」
「なぁんやのぉ〜大きい声出してぇ〜どないした?」
「オーブンおかしいで?ガトーショコラ焼かれへんわぁ〜」
「あぁぁ そう言えばこの間から動かんようになってたんやったわ、ごめんごめん」
「えええええ!!そんなぁ〜じゃぁ作られへんやんかぁ・・・・」
「しゃーないから諦め?今度直しとくから、なっ?」
今日吉澤さんにガトーショコラ持って行こう思てたのに・・・・朝からショックや
- 196 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:14
-
「ホンマ最近ついてないわ」
ブツブツ言いながら吉澤さん家の前まで来た
ピーンポーン ガチャッ
「あぁ 愛ちゃんいらっしゃい!どうぞ上がって上がって!!」
出て来たのは吉澤さんじゃなく美貴ちゃん
「あぁ おじゃましマス」
「適当に座ってて?えーと、なんか飲む?ビール?」
「ええっ!!いえ、お構いなく・・・」
「遠慮しないで〜飲む?飲む?」
そう言って来る美貴ちゃんの手には缶ビールが・・・
「お酒はちょっと・・・」
「そう?つまんなぁ〜い。じゃぁジュースねw」
美貴ちゃんは えーと と言いながら冷蔵庫をゴソゴソしてる
もう自分家みたいやな しかし高校生がビールやなんてアカンと思うんやけど・・・
「はい、おまたせ!」
コンと音を立てて置かれたコップにはオレンジジュース
「すいません、いただきます」
一口 ゴクッと飲んだ
そういえば吉澤さんがいない どうして?
キョロキョロと辺りを見回す
「クスッ よっちゃん探してるでしょ? 今ね、バベキューの炭買いに行ってるんだ」
「そうなんですかぁ」
「うん」
少しシーンとしてしまった なんか話題探さな
「あのさぁ・・・・・」
先に口を開いたのは美貴ちゃんだった
- 197 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:15
-
「あのさぁ、愛ちゃんとよっちゃんってどんな関係?友達?」
思いがけない質問にオレンジジュースが器官に入った
「ゴフォッ・・・ どんな・・・どんな関係なんでしょう・・・ね」
「あはは 何それ?わかんないの?変なのぉ〜」
「あはは・・・そうですね。変ですよね・・・」
どんな関係って どんな関係? 私らって恋人なんやろうか
でもこんな事私に聞いてくるって事は吉澤さんは美貴ちゃんにまだ言ってないんやな 私らの事・・・
「美貴とよっちゃんはね、幼馴染って言ったでしょ?」
「はい」
「よっちゃんはね、そう思ってるの」
「はぁ」
「でも美貴は違うよ?幼馴染だなんて思ってない」
「・・・・・・」
「美貴はね、よっちゃんが好きなの。愛してるの。」
「・・・・・・」
来た やっぱり来た 恐れてた事が起こった
「でもね、それは美貴だけなの、今の所は!この夏こそよっちゃんとラブラブになる為にここまで来たの!」
美貴ちゃんはちょっと顔が赤い 照れてるのかビールのせいか
「・・・・って なんで美貴 愛ちゃんにこんな事言ってるんだろ?おかしいね?ハハッ」
「・・・・あぁ いえぇ はいぃ」
ほんとや なんで私にこんな事言うんや そんなの聞きたくなかった でも知らんかっても困るけど・・・・
「なんかあるんだろうね?野生の感?女の感?」
「感・・・・?」
「愛ちゃんってさぁ〜 よっちゃん好きなんでしょ?」
「!!!???」
「イヤイヤ ビビり過ぎw どう?当たりでしょ?」
「・・・・・・・」
どうしよう はっきりゆうた方がええんやろか でもなんてゆうん?
- 198 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:15
-
「無回答って事は・・・・当たりだね?」
「・・・・・」
「わかるモン!なんかわかるw」
わかってて昨日のあの態度? 美貴ちゃんって人がなんだかようわからん
「よっちゃんってさ、不思議な魅力あるんだよね〜 ホワーンとしてるのに綺麗だし、頼りがいあるし。
小さい頃と全然変わんない。昔っからあのまんまだよ。」
「そうなんですか」
吉澤さんの昔 私の知らない吉澤さん 吉澤さんと美貴ちゃんの思い出 段々ココロが沈んでくる
「愛ちゃん?」
「はい」
「美貴は遠慮しないからね?よっちゃんは美貴のだから誰にも渡さない。」
さっきまでの人懐っこい笑顔は鋭い不敵な笑みに変わっていた
私は蛇に睨まれた蛙 どうしていいかわからへん
「・・・・あははっww そんな固まんないでよ〜 別に脅してるワケじゃないからぁwwねっ?」
「・・・・・・は、はぁ」
「 お互い正々堂々とね! まぁ 美貴は誰にも負けないけど 」
アカン もう負けそうや だって美貴ちゃんものすご自信満々なんやモン
私が過ごした時間とこの二人が過ごした時間 あまりにも違いがあり過ぎる
ガチャッ
「あっ!帰って来た!!」
スッと席を立って玄関へ走る美貴ちゃんを私は動けずにそのまま目で追っていた
- 199 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:16
-
「よいしょっと!!あー暑かった!!」
大きな炭が入ったダンボールを ドン と床に置く
「あれ?愛ちゃんもう来てたんだ?いらっしゃい!」
「はい、おじゃましてました」
「美味しい肉焼く為に良い炭買って来たからね〜 ほら見てコレ?10キロもあるんだよ!」
ふいに向けられた笑顔 でもなぜか苦しくなる胸
「どうした?元気ないね?調子悪いの?」
ソファーに近づいてきて心配そうに覗き込む
「だ、大丈夫です。なんとも無いデス」
覗き込んで来る瞳が真っ直ぐ過ぎて堪えられない ブワッと目が熱くなって視界がぼやけ出す
「そう?ならいいけど、昨日から何か元気無く見えたからさ・・・お腹減ってる?よっさん頑張って肉焼くから一杯食べてよ?」
「・・・・よっさん?」
「そう!よっさん!あははっ!!」
自分を指差して ニカッと笑う いつもの吉澤さんだ
「あははっ」と笑うふりをしてこぼれそうな涙をサッと指で拭った
「ちょっと〜よっちゃん?お肉何処あんのぉ〜?」
台所から美貴ちゃんが呼ぶ
「ちょっと待って〜!!今行くから〜」
「あっ・・・私も手伝います!」
「うん、じゃぁ行こうか?」
すごくすごく複雑な気持ちでソファーから立ち上った こころ無しか足が重い
- 200 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:17
-
台所から庭へ材料や道具を運び出し準備万端 しかし吉澤さん家の庭広い
バーベキューセットを置いてもまだまだスペースがあり過ぎる
手入れされた芝生が一面に広がっていて 白いブランコやフットサルのゴールが置いてある まるで外国の庭みたい
「おーーーーーい ちょっと手伝ってーーーーー」
庭の門から後藤さんの声 慌てて行くと両手に大荷物かかえて立っていた
「ごめん愛ちゃんこれ持ってくんない?手がちぎれそうww」
「あっ、はい!」
受け取ったビニール袋には ・・・・お酒? 缶や瓶のアルコール類が沢山入っていた
「いやぁ おかーさんが持ってけってうるさくてw」
「よっしゃ!ゴチママナイス!!」
「これで遠慮なく飲めるねw」
吉澤さんも美貴ちゃんもそのお酒を見て嬉しそう
後藤さんの右肩に乗ってるのは・・・・間違いなくビールが詰まったダンボール
「愛ちゃんもいっぱい飲んでいいからね!」
「ええ?お酒なんか飲めないですよ!」
「お酒弱いの?」
「いえ!!弱いとかじゃなくて、飲んだ事ナイですよ!!」
「ほえ〜そう?じゃぁ今日がデビューじゃん!ドンドン行こう!!」
なんか後藤さん張り切っとる ちょっと不安・・・
ジュージューと音を立てて跳ねる油 いい具合に焦げ目が付いたお肉
夏の太陽の下 4人のバーベキューが始まった
- 201 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:18
-
『カンパーーーイ!!!』
みんなはビール 私は・・・・ウーロン茶
「あーこの一杯がウマイね!」とか「泡がいいよ」とか3人は盛り上がる
やっぱり私だけ歳下やし なんか浮いてる
お酒進めてくれたけど やっぱり飲めない お母さんに怒られそうやし・・・怖いし・・・
こんなあーしってやっぱ空気嫁てないヤツなんやろうなぁ・・・・
誰にも食べられずに目の前で焦げていくピーマン 自分を見てるみたいでまた切なくなる
3人は昔話に花を咲かせて楽しそう
美貴ちゃんと吉澤さんのがナンボかお似合いかもしれんわ とか思ったりして・・・
あーし暗いわ やっぱネクラやわ
「あーいーちゃん!!」
「わっ!!」
ドカッ と隣に座ったのは吉澤さん
「楽しんでる?」
「あっ、はい。」
「ごめんね?あたしらだけ飲んじゃってさ。大体この3人だとこうなっちゃうんだよね・・・」
申し訳なさそうに笑う顔はちょっとだけ赤い ビールのせいかな?
あれ?後の二人は? 顔を上げると後藤さんが右目でウインク あぁ昨日言ってたアレかな?
もぅ そんないいのに とか思いながら微妙に嬉しかったり・・・
- 202 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:21
-
「お酒よく飲むんですか?」
「うん?そうだねぇ・・・夏場のフロ上がりには一本飲んじゃうかなぁ」
「へぇ〜 すごいですね。私なんか飲んだ事もないですよ〜」
「それが普通w未成年だしねw 愛ちゃん良い子良い子!!」
あーしの頭をナデナデした なんかニコニコと言うよりデレデレしてる吉澤さん
酔ってるのかな? ちょっと可愛いww 今まで寂しかった気持ちが一気に吹き飛んだ気がした
「//////////////// ・・・・吉澤さん?・・・・酔ってます?」
「まぁさかぁ〜このくらいで酔わないよ〜」
「そうですか〜?」
「うん。でもね〜愛ちゃんに酔ったかもしんないw」
「・・・・・・やっぱ酔ってる!!吉澤さん酔ってる!!」
「うん。酔ってるw愛ちゃんにねwよっさんメロメロやでぇ〜〜〜」
「よっさん・・・・・w」
「うん。よっさんw」
お酒のせい? なんだかいつもの吉澤さんじゃない ふにゃぁ〜とした笑顔が可愛いなぁ
お酒飲んだら楽しくなるんかな? 私も飲もうかな・・・・
「ねぇ、吉澤さん?」
「・・・吉澤さんって誰ww? ここにいるのは「よっさん」だよww?」
「・・・・じゃぁよっさん?」
「なぁに?」
「私もお酒飲みマス!!」
「えぇ?止めときなって!」
「いいえ!私も飲みたいんです!」
「ほんとに?大丈夫?」
「はい!たぶん私、酒豪ですから!!」
「ぶっww 飲んだ事ないくせにww」
よしざ・・・じゃなくて よっさんwが持って来てくれたお酒
「愛ちゃんはイチゴが好きだから」ってピンク色のを選んでくれた
可愛らしいビンに入った綺麗なお酒
「じゃぁ・・・行きます!」
ドキドキ これがあーしのアルコールデビュー まずは一口 ゴクッ・・・
- 203 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:22
-
「あまぁ〜い!美味しい!」
「でしょ?これね、アルコール2%だからほぼジュースなんだw飲み易いっしょ?」
「はい。お酒とは思えない!!」
甘くてちっともお酒の味がしない これなら飲めそう!!
「えへへ〜愛ちゃんお酒デビューおめw ごめんね?ヒコーに走らせてw」
「そうですねwあーしヒコー少女Aですねw」
なんだか大人になった気分 悪い事だけど・・・いいよね?ちょっと位・・・だって近付きたいモン・・・
- 204 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:24
-
そろそろ夕方の時間帯 だいぶ日が落ちてきた
もう帰らなきゃ・・・・
後藤さんのお陰で今日は沢山お話出来たし うん 来て良かった
「・・・・愛ちゃん。」
「はい?なんですか?」
「今日さ・・・・この後なんかあるの?」
「別になんも無いですよ?」
顔赤いな 吉澤さん飲み過ぎた?
「じゃぁさぁ・・・・・・・泊まってく?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「うそ!!やっぱいい!!ごめん!!」
「////////////////////」
泊まる・・・・・ 泊まる? 宿泊? 寝る? 一夜を過ごす? 朝を迎える?
お酒のせいで幻聴? あーし酔ってる?
「そんな・・・固まんないでよ・・・冗談だから・・・」
「・・・・冗談?」
「いや・・・・冗談でもナイかもしんない・・・」
「・・・・どっちですか・・・」
「ホンキです!お泊りしてかない?って・・・これどっかであったね?このシチュエーションww」
「あ・・・アイスの時・・・・www」
あひゃーーーー聞いた? ホンキやって お泊りやって いいん? そんなんいいん? おかぁさん!!
「・・・・・おかぁさんに聞いてみます・・・」
「そっ・・・そうだよね!許可無しじゃ無理だもんね!!」
「はぃ 一応・・・」
アレ? ちょっとションボリしてる? 違うよ あーしはお泊りしたいんよ
「たぶん、大丈夫やと思います・・・てか意地でも・・・」
「えっ?」
「いえ!なんでも・・・あの、電話借りますね?」
「うん。いいお返事期待していますw」
「・・・・はぃw」
- 205 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/26(日) 08:25
-
『もしもし?お母さん?愛やけど・・・・』
『うん。・・・ホンマに?』
『ちっ、違うわ!!そんなん違うからっ!!・・・・うん。』
『あれえ?そうなん?じゃぁ一回帰るわ・・・うん。はぁい。』
「どうだった?OKだって?」
子犬みたいに眉毛を下げて聞いてくる吉澤さん ちょっとイタズラしちゃおうかw
嬉しいのを押し殺して 暗い顔をする
「・・・・・・・」
「・・・ダメかぁ・・・・やっぱなぁ・・・そうだよなぁ・・・」
落ち込んでるw やばい 我慢できんww
「・・・・プッww アヒャーーーww」
「え?どうした?」
「・・・・良いって。お母さん良いってw」
「ほんと?マジ?マジで?マジデジマ?」
「・・・・古いw吉澤さんそれ古いですw」
「わぁ〜やった!!嬉しい!!」
「でも、一回ウチに帰ってからまた来ます」
「なんで?」
「おかーさんあーしがおらんのやったら福井にちょっと帰って来るって言うんで」
「そうなんだ?」
「だから一回戻りますね!」
「うん。じゃぁ待ってるから、へへっww」
「はいww」
吉澤さんがデレデレするから あーしまでつられてまう 二人して締まりのない顔やな
あーしはウキウキドキドキしながら吉澤家の門を出た 美貴ちゃんの事もすっかり忘れて・・・・
- 206 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/26(日) 08:26
- とりあえずここまで・・・
後で更新出来たらしようと思っています。
読んでくださった方ありがとうございます。
- 207 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/26(日) 11:38
- 更新お疲れさまです。 おぉっ( ̄□ ̄;) よっすぃー出ましたね!!アルコール効果(?でしょうか!? でも強敵が・・・・(^o^; 次回更新待ってます。
- 208 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/06/26(日) 19:53
- 微妙なふたり独特のすれ違いを見事に表現してる細かいエピソードが好きです
リアル吉愛は「さくら満開」のイメージですけど
スキマニアさんの作品中での吉愛はまさに「晴れ雨」
大好きだけど何よ!って愛ちゃんの心の声が聞こえてきそうです
読んでいてとてもおもしろいです
デレデレよっすの部分はハロモニ心理テストのよっすを思い浮かべながら読みました
吉愛最高ですね
- 209 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/26(日) 23:21
- よっすのおうちにお泊り!!
おめでとう愛ちゃん・・・!!
でもよっすの家って今ミキt(禁句)
頑張れ!頑張れ愛ちゃんっ!
愛ちゃんの「アッヒャー」に笑いましたw
- 210 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/27(月) 00:38
- 皆様レスありがとうございます。励まされ約束通り更新しますw
>>208さんの「晴れ雨」、確かに。意識してたわけでは無いんですがそうですね〜w
瞬時にPV始まりの愛ちゃんの表情が思い浮かびました!!
ありがとうございます。吉愛ってすばらっすぃーww
- 211 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A 〜】 投稿日:2005/06/27(月) 00:40
-
「ただいま〜」
「おかえり〜 お母さん新幹線ギリギリやからもう出るけど、大丈夫か?」
「ん?うん、大丈夫やで?心配ないから。」
「ほんまにぃ〜?おらんからってハメ外したりしたらあかんで?」
「う、うん。もっもちろんや!!ちゃんと真面目にやるわ」
「そんならええけど・・・ あ!オーブン直ったでぇもう使える思うわ!」
「ホンマに?」
「生地は冷蔵庫に置いとるから!んじゃ、もういくで戸締り頼んだで!!」
「ほぉ〜い 行ってらっしゃいww」
オーブン直ったんや じゃぁ焼いて持ってこ!!
オーブンを動かして お泊りの準備をする
「・・・・パジャマとかいるかな タオルは? ぱんつ・・もいるよね・・・・」
お泊り 吉澤さんとお泊り 嬉しいって言うより 苦しい位にドキドキする
別に変なコト期待して・・・・とかじゃないけども・・・・・ なんか・・・・
同じ屋根の下で『おやすみ』とか『おはよう』とか
眠りにつく 目覚める そんな日常の何気ない事を吉澤さんと一緒に迎えられる
吉澤さんに流れる時間 その全てを一緒に感じる事が出来る
そう考えたら 尋常じゃなく鼓動がバクバク でもポワァーっと温かい気持ちにもなる
準備してる今でさえこんななんやからなぁ 嬉しい様な逃げ出したい様な 変な緊張感
焼き上がったガトーショコラ 白い紙で綺麗にラッピング
「吉澤さん美味しいって言ってくれるかなぁ」
お風呂上りの吉澤さん テレビを見る吉澤さん 歯磨きする吉澤さん
あくびをする吉澤さん 寝息を立てる吉澤さん 寝ぼけマナコの吉澤さん
これから実際に目にするであろう 色んな吉澤さんを思い描き 1人で微笑む
お泊りという現実と自分の妄想の狭間で 少し暴走気味の様子
「・・・きゃはぁっww あーしったらまた妄想してたわw
妄想なんかせんでも今から実際に存分に見れるっていうのに・・・ww」
- 212 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE 投稿日:2005/06/27(月) 00:40
-
スキップする様な軽やかな足どりで あっと言う間に門の前へ
「ガートーショコラ焼いててちょっと遅くなったな 吉澤さん待ってたかな?」
弾む気持ちでチャイムを鳴らす
ピーンポーン
・・・・・・・・・・・・・
あれ? 誰もいないのかな・・・・? まさかね? もっかい!
ピーンポーン
・・・・・・・・・・・・・
ドアノブを引いてみる
ガチャ
開いてる・・・・ なんで誰も出てこんのやろ? まだ庭におるんかな?
「おじゃましまぁ〜す」
玄関を上がり庭へ向かう
「あれ?誰もおらん・・・・????」
庭には風で揺れるブランコと先程まで賑やかだったバーベキューの名残だけ
「何処かなぁ・・・・」
台所 居間 バスルーム 一通り探したけどやっぱりいない
『・・・・』 『・・・・・・・・・・・』
んっ? 二階から美貴ちゃんと吉澤さんの声??
なんやみんな二階におるんか 上がっても大丈夫やろか?
階段を上がると 部屋が3つ 一番奥の部屋から薄暗い廊下に明かりがもれている
開けっぱなしのドア どうやらそこに居るみたい
アツアツのガトーショコラを抱える様に両手で持ち ドアの前まで歩いた
- 213 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/27(月) 00:43
-
ガチャン
真っ白
ガクガク震える足
逸らそうとしても動かない目
ナンデ ナンデ ヨシザワサン
「・・・・・・・愛ちゃん!!??」
- 214 名前:謙虚な二人【第4隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/06/27(月) 00:44
-
一目散に駆け出した 階段を飛び降り サンダルを履くのも忘れ 玄関から飛び出す
何処に向かうでもなく走る ただ走る 込み上げる涙で前が見えなくてもひたすら走る
何も考えられない 頭の中は ゴチャゴチャで ガランとしてて どんな事も思い浮かばない
昼間の太陽に焼かれたアスファルトの生温かい熱が足の裏に伝わる
擦り切れる皮膚だけが痛くて 摩擦で熱くて その感覚だけが妙にリアルで
そのリアルさからさえも逃れようと ただただひた走った
小刻みに震えている足を無心で動かし 私は何かから遠ざかり続けた
第4隙間 SIDE A =了=
- 215 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/27(月) 00:51
- えーまたタイトルおかしい感じ・・・そのままやるとダメみたいですね、はい
大変少量の更新で申し訳・・・orz 反省しております。
今後は4人全員サイドで話が進みます。重複場面もありますがお許しください。
相変わらず更新は土・日になると思いますがどうぞよろしくです。
尚、新作がボチボチ出来てるのでこの連載終わったら貼りたいですねw
それでは読んでくださった方どうもありがとう。
- 216 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/06/27(月) 01:03
- 工エエェ(゚Д゚ ;)ェエエ工!?
ちょ・・・気になって眠れねえええ
いつもいつも
吸い寄せられるような文章に感服です
飽きないです
また来週の更新を楽しみにしてますね〜
- 217 名前:名無し読者 投稿日:2005/06/27(月) 01:56
- らっ……来週まで待てねえええええええ…
- 218 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/27(月) 06:32
- 更新お疲れさまです。 えぇっ( ̄□ ̄;)!! も、もしかしてそんな・・・??? 衝撃現場目撃でしょうか!? 次回が気になります! 次回更新待ってます。
- 219 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/28(火) 00:47
- え!え・・えぇぇ!!(゚Д゚;≡;゚Д゚)
ここでお預けとかさすがですねスキマニアさん!!w
新作も楽しみにしてます。
あぁでもやっぱり気になる続き・・・_| ̄|○
- 220 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/28(火) 07:34
- え〜と すいません。来週更新とか言いながら時間が出来たのでコソーリ更新ww
早く先に進みたい気持ちは沢山あるんですが
ここで揺れ動く4人をそれぞれしっかり捕らえたいと思い書いています。
では行きますね。
- 221 名前:【SIDE G 〜プロローグ〜】 投稿日:2005/06/28(火) 07:36
-
ゴトーはモテる 恐ろしくモテる 自分で言うけどモテる
今だって女Bの腕の中 赤いマニキュアで長い髪のOL
けだるい身体を起こして 服を着る
「まきぃ?もう帰っちゃうの?晩ご飯食べてきなよ〜」
まだベットに転がる全裸の女はタバコに火を点けながら言う
「あ〜いいや 今日は帰る」
「そうなの?冷たいね〜 じゃぁハイ、コレ」
そう言って手渡す5千円札
「・・・・・いいよ いらない」
「どうして?それじゃ足りない?」
「そんなんじゃない・・・なんかこんなの嫌なんだ」
「いいのよ〜遠慮しないで アタシの気持ちなんだからぁ〜 ねっ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
クシャっと握り締めてブレザーのポケットにねじ込んだ
「じゃぁ・・・・・」
「ちょっと待って?」
首に腕を回し濃厚なキス
「・・・・またね、まき。愛してるわ」
バタン
女のタバコの味が口の中に充満している
「タバコ嫌いなんだよ・・・・・・」
マンションの下の自販機でコーラを買ってうがいをした
まだたっぷり入ってるコーラを飲まずに道路に流す
シュワシュワと音を立てて弾ける炭酸 乾いた道路に染み込んでいく
フゥっと軽い溜め息を吐く
- 222 名前:【SIDE G 〜プロローグ〜】 投稿日:2005/06/28(火) 07:37
-
『だって会いたいよ〜こんなままじゃヤだよ〜前みたいに迎えに来てよ〜』
携帯のメール着歌 おもむろに開き中を確認
『会いたい。真希に会いたい。抱いて。』
無言で閉じる 返信はしない
「どいつもこいつもソレばっか・・・・ そして私は5千円・・・」
コンッ
空になったコーラの缶を力なくつま先で倒した
- 223 名前:【SIDE G 〜プロローグ〜】 投稿日:2005/06/28(火) 07:38
-
ゴトーには女が沢山いる 何処からか女が沸いて来る
来る者拒まず去る者追わずがモットー
「ひとり〜ぼ〜おっち〜で すこしぃ〜たいくつ〜なぁ〜よ〜る〜」
これ誰の歌だったっけ? まぁいいや 帰って寝よう
最近よしこは充実してる 乾いた私とは正反対で水を得た魚のよう
それは「愛ちゃん」 1年B組 高橋愛 合唱部 のお陰
愛ちゃん 透き通って 真っ白で なんのケガレも無い女の子
こんな私とは釣り合う訳が無い 正に純真 純潔 純情なよしこの彼女
二人はお似合い これ以上ない程お似合いなんだ
子供みたいに 可愛い恋愛が進行中 二人見てるとホントいいなぁ って思う
ガラにもなく人と喧嘩したり 悩んで でも幸せそうで 親友としてなにより
なにより なにより・・・・・・ でも無いみたい ちょっと引っかかる
私、愛ちゃんの事が気になってきてる イヤ 始めから気になってた
でも 私には マニキュアや タバコや 抱いて女がお似合い
まして親友の彼女 よしこを裏切る事は死んでもしない 何より大事な親友だから
二人は不器用だから 中々進まない 上手くいかない じれったいよね
だから時々 知らない振りしてアシストしてあげる よしこの背中も愛ちゃんの背中も押してあげる
サルでもそう 私のアシストからシュートを決めるよしこ これが私達の中の道理
SIDE G 〜プロローグ〜 =了=
- 224 名前:謙虚な二人【SIDE G】 投稿日:2005/06/28(火) 07:39
-
バーベキューが終わってよしこんちにみんなでお泊りする事になった
おかーさんから「帰り遅くなるから」ってケータイに電話があった
ビール飲んでてダルかったけど お家で待ってるキンギョにご飯をあげに一旦帰る
ガチャリ
鍵を開けて暗い部屋に入ると ブーンと酸素供給機のモーター音だけが響く
そこだけ明るいキンギョの水槽 ゆら〜ゆら〜と泳ぐでもなく浮かんでるキンギョ
パラパラとご飯を水に落とす 慌てるでもなく浮かんでくるキンギョ
「あははっ・・・お前ヤル気ないじゃんww しっかりしろぉ〜」
そのキンギョを見てると 切なくもあり安心もする
水の中でしか生きれない なにげなく生きていく 広い水槽にいつもひとりぼっち
「お前も私と同じだね・・・・ 私とお前 ひとりぼっちなんだよ?」
哀しさの混じる笑顔が水槽に映る その自分を見てまた笑う
「さぁ〜 戻ろうかな 」
簡単な着替えの入ったバックを持って家を出た
よしことミキティーと愛ちゃん ミキティーはよしこが好き 愛ちゃんもよしこが好き
「私やっぱりひとりぼっちじゃん? まぁいっか・・・」
よしこん家の近くの角を曲がる
「あれ・・・・・??」
愛ちゃんが走ってる 何処行くんだろ ん? 裸足・・・・???
なんか様子がおかしい 追い掛けてみよう 走り去ったその方向に駆け出す
- 225 名前:謙虚な二人【SIDE G】 投稿日:2005/06/28(火) 07:41
-
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
見失った・・・ 愛ちゃん合唱部のくせに足速過ぎだって!!
座り込みたい程息が上がっているけど 心配で座ってなんかいられない
思いつく所全てを探した 公園 コンビニ 駅前 でも何処にもいない
もう一度さっき見失った場所まで戻ってみる すっかり暗くなった道 街灯の明かりに虫が集まる
側にある階段に座り Tシャツの裾で汗を拭った
「・・・・・ん? ち? ・・・・まさか!!!」
座った階段の端っこに薄っすらと血の跡がある 丁度足の広さ位の血の跡
その上の段も その上の段にも点々と残っている
「間違いない!!」
階段を急いで駆け上がると小さな古い神社があった 周りを見渡す
「あっ!!!」
お賽銭箱の前に愛ちゃんが座っている 静かに近付いて声をかける
「・・・・・愛ちゃん?」
私の声に驚いて顔を上げる 泣いている ボロボロ泣いている
「ごとぉ・・・・さ・・・・」
「どうしたの?何があったの愛ちゃん?」
ヒック ヒックとしゃくり上げるばかりで言葉はない
どうしよう とりあえず隣に座って肩に手をかける
「大丈夫だから落ち着いて?」
「ウッ・・・ヒック・・・ウウッ・・・ヒック・・・」
泣き止まない愛ちゃんの肩に腕をまわす
一瞬 ビクッ としたけど それからそっともたれ掛かって来た
「ごと・・・サン・・・ごめん・・・なさ・・・」
「いいよ 何も気にしないでいいから ね?」
- 226 名前:謙虚な二人【SIDE G 】 投稿日:2005/06/28(火) 07:42
-
何があったか聞きたいけど 今はそんな場合じゃない 落ち着かせるのが先
しばらくして 愛ちゃんは口を開いた
「すいませ・・・ もう 平気です・・・・」
まだ涙声なのに 無理に笑う愛ちゃん
「いいよ・・・無理しなくていいんだよ?」
「ほんとに 平気ですか・・・ アッ!!イタッ・・・」
立ち上がろうとして崩れ落ちる
「駄目だよ 血が出てるじゃん ほら、見せてみ?」
ひどい こんな柔らかい足で道路走っちゃこうなるよね こりゃぁ歩けない
どうしてこんなになるまで走ったんだろ そもそも何が愛ちゃんをこうまでさせたんだろ
顔は血の気が引いて青白いし 変に汗かいてる 気分悪いのかも
「愛ちゃん?気分悪いんじゃない?」
「ちょっと・・・・だけ・・・・」
そういや さっきお酒飲んでたからそのせいかも
「大丈夫? とりあえず怪我もなんとかしなきゃ・・・・よしこんち行こう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
何も言わずに首を横に振る
なんかピンときた 愛ちゃんが走ってたのはよしこんちの近くだし 原因はよしこなのかも知れない
「じゃぁ 愛ちゃんちに帰ろうか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
また首を振る
「なんで?」
「・・・・・・バック よしざ サンち 中に・・・・鍵・・・・」
「・・・・・そっか」
- 227 名前:謙虚な二人【SIDE G】 投稿日:2005/06/28(火) 07:44
-
『べイベ〜こいにノックアウト〜すべ〜て〜がラブ〜ね〜』
「・・・・・・・・・・よしこだ」
よしこの着音 愛ちゃんは 俯いて表情を曇らせる
音が鳴り止んだ 留守電になったみたい
『べイベ〜こいにノックアウト〜すべ〜て〜がラブ〜ね〜』
また鳴り出した ヤバイ 愛ちゃんがまた・・・・
ピッ ピピッ
携帯の電源を切った でも遅かった
また泣き出した愛ちゃん 俯いた横顔からはポロポロと涙が落ちる
やっぱよしことなんかあったんだ・・・・・
「・・・・じゃぁ何処がいい?」
「・・・・・・・・・・・」
「そっか・・・でもここにいつまでも居らんないよぉ?」
コクン と頷く
「んー じゃぁゴトーんち来ない? おかーさんも遅くにしか帰らないし」
「・・・・・・・・でも」
「よし!決まり!! だって他に行くトコ無いじゃん?ね?」
「・・・・・・・・・」
「はい オンブ」
「・・だぃ・・・じょ・・・」
「いいから〜 ハイ」
愛ちゃんの前にかがみ手を広げる いつまでも遠慮して乗って来ない
「じゃぁさ 愛ちゃんゴトーの靴履きな?ゴトー裸足で歩くから」
「・・・・・ダメです」
「じゃぁ 乗って? ハイ!」
しぶしぶ肩に手を伸ばして 体重をかけた愛ちゃん
「よいしょっと」
「ごめんなさぃ・・・あの 重くて・・・・」
「何言ってんの〜軽い軽い ゴトーんちここから近道あるからすぐ着くよ」
「すいません・・・・・・」
愛ちゃんをオンブして歩く 耳元に顔があるから息遣いが聞こえる
荒い 苦しそう 気分が悪いのか それともまだ泣いてるのか
とりあえず急いで帰ろう
- 228 名前:謙虚な二人【SIDE G】 投稿日:2005/06/28(火) 07:44
-
愛ちゃんをおぶったまま家の鍵を開けて自分の部屋に入りベットに降ろした
すごい汗だし顔色が青白い さっきよりだいぶ調子悪そう
「横になりな?今お水持ってくるから」
「・・・・すいま」
「シーーーーーーッ もうしゃべんなくていい」
冷やしたタオルとミネラルウォーターを持って戻る 愛ちゃんは苦しそうに目をつぶっている
そっとおでこに手を当てた後 タオルを乗せるとゆっくり目を開けた
「お水飲む?冷たいよ?」
コクンと頷いて少し起きると 一気に ゴクッゴクッ と飲み干した
「ありがとうご・・・・・」
「だから シーーーーッ いいよ もう休みな?」
うん と言う様にまばたきをしてそのまま目を閉じた
寝ているのを起こさない様に そっと足の裏を消毒する
その擦り傷だらけの足が痛々しくて 見ていると涙が出そうになった
- 229 名前:謙虚な二人【SIDE G】 投稿日:2005/06/28(火) 07:46
-
相変わらず水槽のモーター音だけが聞こえている
自分のベットで眠る愛ちゃんをもう何時間もみつめている
このベットは自分専用 自分以外のどんな人間も寝せた事はない
どんなに長く付き合った女でも 一度たりともこのベットに この部屋に入れた事はない
子供の頃からずっと寂しかった ここで眠りに落ちる瞬間 意識が消える寸前まで毎日重い闇と戦っていた
成長してからは寂しさが消えるならとここには戻らず 色んな女と夜を過ごした
好きじゃ無くても人肌を感じる事で この心が救われるならと毎日女を抱き続けた
でも結局闇が広がるばかりで どんな救いも得る事は無かった
独りでこの部屋にいる事が一番寂しい でも戻って来てしまう
ここが自分の場所だから ここでの孤独感が自分の中の確かな事実なんだから
でも違う 今わかった そんなの本当の寂しさじゃなかったんだ
今 独りぼっちでいるよりも何倍も寂しいから・・・・
汗で頬に張り付いた髪の毛を優しくといてやる 「んっ」と息をついて眉間にシワを寄せる
白い肌は薄っすら赤く染まって 呼吸は依然と乱れたままだ
よしこを想って涙を流し こんなにも苦しんでいる愛ちゃん
側にいるのが嬉しい筈なのに ここに二人っきりでいるのに こんなにも孤独を感じるだなんて
よしこ・・・ よしこどうして? どうして愛ちゃんを 私を苦しめるの?
お願いだから これ以上愛ちゃんを悲しませないでよ
じゃないと もう・・・・ 我慢出来なくなっちゃうよ・・・・
すぐ側にある華奢な手に触れようとした だがそのてのひらは固く固く握り締められていた
空を切った私の左手はベットシーツをギュッと掴む
相変わらずなモーター音が響く部屋で 声を殺して涙を流した
SIDE G part1 =了=
- 230 名前:スキマニア 投稿日:2005/06/28(火) 07:53
- 読むと余計愛ちゃんに何があったか気になる展開。
すいません。暫らくはポワワでなくハラハラになるかも知れませんが・・・
レスいただいた方ありがとうございます。
- 231 名前:モーチャン吉愛 投稿日:2005/06/28(火) 08:25
- 早朝更新お疲れさまです。朝から泣きました。ポワワだけじゃなくシビアもイケルだなんてさすがですね。スキマニアさんの作品大好きです。次回も期待しています!
- 232 名前:ハラポワ 投稿日:2005/06/28(火) 16:50
- 明るいごっちんの笑顔の裏には複雑な事情があったんですね。
愛ちゃんが何を見てしまったのかも気になりますが、
これからのごっちんも気になります。
一人一人の複雑な思いを上手く書けていて
文字書きとして見習いたいところです。
- 233 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/28(火) 20:43
- 更新お疲れさまです。 シビア良いですね、人のぬくもりが自分にどれほどの救いになるか・・・自分はもう・・・そんな事は無くなってしまいましたけどね。次回更新待ってます。
- 234 名前:吉澤愛 投稿日:2005/06/28(火) 23:54
- いつもながらフェイント気味の(笑)更新お疲れ様です。
キンギョの水槽のトコロの描写でぐっとゴトーさんにひきこまれました。
ごま愛もイイ!ですね。
- 235 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/29(水) 01:31
- 続き気になる〜!
これからどうなるんだろう??
次の更新が楽しみです
- 236 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/29(水) 05:45
- <<234さん、ageないで。
- 237 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/29(水) 05:58
- 更新と勘違いするので作者さん以外はsageで行きましょうね!
- 238 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/02(土) 08:32
- レスありがとうございます。とても嬉しく参考になるレスばかりです。
実はごっちんの陰の部分をどう伝えるか。というのが一番悩んだトコでもありました。
この4人にはそれぞれのストーリーがあり、でも皆が同じ時間を一緒に歩き進んでいる。
1人1人が主役である。そんな物語になればいいなと思っています。
では美貴様編行ってみたいと思います。
- 239 名前:【SIDE M 〜プロローグ〜】 投稿日:2005/07/02(土) 08:34
-
「美貴ね〜 大きくなったらよっちゃんのお嫁さんになる」
「うん いいよ!じゃぁ大きくなったらケッコンしよーね!」
何年も前の記憶 馬鹿みたいにずっと忘れないでいる子供の頃の事
今はもう離れ離れのよっちゃん 何度も忘れようとしたよっちゃん
でも日に日に想いは膨らんで 美貴の中はよっちゃんでいっぱい
年頃になって恋もした 恋?? 間違えた 恋なんかしてない
美貴が好きなのはよっちゃんだけだもの 試しに色んな男と付き合っただけ
カッコイイ男 優しい男 年上の男 金持ちの男 色々試した
でも全然ダメだった よっちゃん以外に誰も好きになんてならなかった
だから美貴の運命の人はよっちゃんなんだって確信した
美貴、よっちゃんとこいくから
それだけ書置きしてタクシーを空港までぶっ飛ばさせる
ちゃんと会うのは4年振りかな? よっちゃんどんな顔するだろ? 楽しみ!!
- 240 名前: 投稿日:2005/07/02(土) 08:35
- 久々に見たよっちゃんは想像以上にかっこ良かった
フットサルのキャプテンでエース みんなの輪の中心で笑っている
やっぱりいつでも沢山の人に囲まれてる 昔っからそうだった
みんな みんな よっちゃんが大好き よっちゃんはみんなのアイドルなの
でもそれも今日でおしまい 今日からは美貴だけのよっちゃんになるの
だって約束したもん! 美貴とケッコンしてくれるって言ったんだもん!
「よっちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!」
美貴だよ! よっちゃんの美貴だよ! しっかり受け止めて!!
思いっきり走ってよっちゃんの胸に飛び込んだ
前より背が伸びてる 細いのにがっちりしてる 汗かいてるのにいい匂い 完璧!!
美貴のよっちゃんは何処までも完璧に育ってる うんうん
あれ? 誰この子 何よ可愛いじゃん 白い柔らか素材のスカートが良く似合ってんじゃん
もしかして・・・・・ やっぱりビンゴ!! この子もよっちゃんが好き
美貴がよっちゃんに触る度に 眉毛がクッと寄るんだもんw わかり易いww
・・・・・ん? でも おかしい なんかよっちゃんが優しい
よっちゃんは美貴とごっちん以外には照れ屋だからぶっきらぼうな筈なのに この子には優しいじゃん
チラチラ見たり 気使ったりして なんかむかつくんだけど
愛ちゃん・・・・・・ この子は美貴にとって脅威の存在になるかも知れない
悪い芽は早めに摘んでおく これが常識 サクッと行っちゃうよ? ごめんね 愛ちゃんww
プロローグ =了=
- 241 名前:謙虚な二人【SIDE M 】 投稿日:2005/07/02(土) 08:36
-
今日からよっちゃんと二人暮し かおりんは海外出張でさっき出てったし
プシュッ よく冷えたビールのタブを開けソファーにかける
「あ〜なっつかしーーー よっちゃん家も変わんないね?」
「そう?ミキティー4年振りだっけ?」
「うん ソレ位かなぁ どう?美貴変わったでしょ?」
「うん 大人っぽくなったね」
「そうでしょ〜〜〜〜〜!!! ねぇねぇ詳しく言って?どのへんが変わった?」
「え〜? んーーと 髪伸びた 背も伸びた 爪伸びた」
「ちょぉーーーーっとぉ 何ソレ?しかも爪は付け爪だし!」
「あははw 嘘だよ 綺麗になったね びっくりしたよぉ」
もう よっちゃんたら照れ屋サンなんだから 美貴の魅力にもう参ってるとか?
「・・・・相変わらず胸はパット?」
グサッ ばれてる おかしい高性能のヌーブラなのに・・・・
「もぉぉぉぉ!!!知らない!!!」
「え?マジだったの?うわぁーーごめん!!」
昔みたいにじゃれ合って過ごす夜 でもこれからはグッと大人のムードなんだからね?
っと その前に確認しとかなきゃいけない事あったな
「ねぇ、よっちゃん? 愛ちゃんとはどんな関係なの?」
「えっ・・・・ どんなって言われても・・・・」
「なんか友達って訳でも無いなって思ったんだけど・・・」
「エヘヘ ばれちゃった?」
「えっ?」
「実は付き合ってるんだあたし等w 愛ちゃんすっげー可愛いでしょ?どう?」
「・・・・・・・・・」
なんだこのデレデレ顔 こんなよっちゃん見た事無いんだけど・・・
自分で聞いといて訳わかんないくらい腹立たしい クッソーーーー
でも焦っちゃいけない 落ち着いて 落ち着いて
- 242 名前: 投稿日:2005/07/02(土) 08:37
-
「・・・・そうなんだ フーン」
「まぁ まだホヤホヤなんだけどね」
「・・・・・フーン よっちゃん今まで何人位付き合った?」
「ないよ? これが初めて」
「・・・・・マジ? んで、愛ちゃんとはヤッた?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
驚きの表情で見る 何? 美貴なんかヘンな事言ったっけ?
「どうなの?」
「まっさかーーーーーそんな!!!ヤルとか・・・・////////////」
何赤くなってんの? ヤッてないとか余計ムカツクんだけど 大切にしてるとか?
「まだなんだ・・・・・」
「うん」
「でもさぁ よっちゃん初めてなんでしょ? ヤリ方わかんの?」
「・・・・・ヤリ方? ・・・・なんの?」
「決まってんでしょ? 『エッチの仕方』『性交の仕方』『HOW TO SEX』 だよ!!」
「は、はぅ つぅー せっ・・・・ ミキティーなんて事言うんだよ!!」
「まぁ『SEX』とは違うかな? 女同士だし」
「にっ 二回も言うな!!」
照れてる照れてる ウブなのねよっちゃん 可愛いね
よしっ 作戦変更!! 純情ミキティーじゃなく アダルトミキティーで攻める事にする!
愛ちゃんが純情キャラなら こっちはそれを上回るセクシーアダルトオトナジャンで行こう
- 243 名前: 投稿日:2005/07/02(土) 08:37
-
「何照れてんのよ〜 もう18でしょ? エッチの一つも出来なきゃ女に嫌われるよ?」
「・・・・・そうなのかな?」
「アッタリ前じゃん あのね、『童貞男は嫌われる』の意味わかる?」
「どーてーおとこ・・・ アタシ女だよ?」
「そんなのどうだっていいの!なんしかヘタなヤツはダメって事だよ」
「そうなんだぁ〜」
「いいの? 愛ちゃんとヤッて『よしざーさんヘタクソ』とか言われても」
「!!!! それは困るけど・・・・愛ちゃんだって その 『初めて』だと思うし・・・・」
「それはイイの!だってよっちゃんがリードする側でしょ?まさかされるの?」
「さっ される? 愛ちゃんに? まさか!!とんでもない!!」
「それによっちゃんが思ってるだけで実は愛ちゃん『初めて』じゃないかもよ?」
「え・・・・・・・」
「愛ちゃんが『処女』だって言い切れる?」
「・・・・・・・・」
「今までに男が居たかもしんないよ?したらどうすんのさ?」
「どうするって・・・・ どうしたらいいの?」
困ってる 焦ってる まあたぶん愛ちゃんはシロだけどね
「比べられちゃうよ? 世の中の恋人同士が『性の不一致』で別れるっての少なくないよ?」
「そうなんだ・・・・でも、でも愛ちゃんが経験済みだなんて そんな事は・・・・」
「ほらキタ 童貞男の妄想 イヤ女だけどさ 世の中わかんないもんだよ?」
よしよし上手く行ってる この調子だ あと一押し
「どうすんの?嫌われてもいいの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
頭抱えて悩んでる ごめんねよっちゃん でも必ず美貴が幸せにしてあげるからね
そっと髪に触れて 肌をすり寄せ 甘い吐息をそっと耳に吹きかける
- 244 名前: 投稿日:2005/07/02(土) 08:38
- 「・・・・よっちゃん 美貴が教えてあげる」
目をつぶってるよっちゃん その唇に・・・・
「・・・・・・・・・ナイ!!! 絶対にナイ!!!」
突然立ち上がり大声を上げるよっちゃん 美貴は跳ね飛ばされた
「ちょ・・・どうしたの?」
「ナイナイナイナイナイナイーーーーーずぅえったぃいにぃーーーーナァーーーイ!!!」
「ハァ?」
「愛ちゃんが誰かにヤラれてるなんて ずぅえええええええええったぃにありえナイ!!!」
それか・・・・・ それで悩んでたのか・・・・
「ちょっとよっちゃん?そんな事はいいから〜ねっ?」
「いい事ナイ!! 絶対にナイよ!!」
あちゃ・・・・・ 怒ってる? ちょっと失敗かなぁ 今日はダメだな
まぁ 夏は長いんだし 焦らない 焦らないっと
今日の所は大人しく寝るとするかな?
- 245 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/02(土) 08:42
- とりあえずここまで。今後吉視点に戻り真相明らかに・・・なると思われ
明日また更新出来ると思いますので良ければ覗いてください。それでは!
- 246 名前:あっちのスレの者 投稿日:2005/07/02(土) 14:38
- 初めて書き込みます
このそれぞれの視線から物語が進行するってのは
一種の推理物みたく面白いですね
吉視点楽しみに待ってます
- 247 名前:ハラポワ 投稿日:2005/07/02(土) 21:27
- ミキティ怖いなぁ
怖いけどよっちゃんラブなミキティは可愛いですねw
明日のよっす視点楽しみにしてます
真相気になる〜っ!
- 248 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/03(日) 06:24
- おはようござります・・・・
仕事から戻り今までかかって書いてました OTZ
ナチュラルハイとはこの事を言うのでしょう。
頭の中で4人が勝手に話を進めて行きます。ちょっと待ってww
自分の脳内にボード打つ指が追いつきません・・・
休みの日 寝て過ごすのか スキマニア
お前の休みは 今日だけなのに (字余り)
575で早朝川柳を詠んでしまう位危険ですww
では第4隙間完結行ってみましょう
- 249 名前:謙虚な二人【第4隙間】 投稿日:2005/07/03(日) 06:25
-
「愛ちゃんが『処女』だって言い切れる?」
ベッドで寝返りを何度もうつ 寝苦しい夜は暑さのせいだけじゃない ミキティーの言った言葉が脳内でリピートされる
「はぁ・・・・・・」
さっき電話で話した時 変に意識しちゃってちょっと素っ気無かったかな・・・
別に愛ちゃんの口から聞いた訳でも それが事実な訳でもナイのに悩むなんて馬鹿らしいのに
愛ちゃんの過去か・・・・
今までどんな人に恋して どんな恋愛をしてきたんだろう
アタシは真っ白 愛ちゃん以外この心に住み着いた人間なんていない それだから余計気になるのかな・・・
同じ歳のミキティーやごっちんは既に経験済みらしい恋人同士の秘め事
アタシには未知の世界 やっぱりこんなのって遅れてるのかな・・・・
結局そんなこんなでまともに眠る事が出来なかった
翌日
朝からバーベキューの用意に精を出す 昨日の事を掻き消す様に夢中で楽しい雰囲気を思い描く
でも ふと素になると愛ちゃんの顔が浮かぶ 笑顔 泣き顔 照れた顔
アタシ以外に イヤ アタシよりもっと愛ちゃんを知ってる人間がいるんだろうか・・・・ とそればかり
根拠のない妄想に振り回され 気分は沈む一方 10キロの炭の重さがより重く感じる
「ただいま〜」
玄関に愛ちゃんのサンダルがある 早いな もう来てたんだ
やばい アタシちゃんと笑えるかな・・・・
「あれ?愛ちゃんもう来てたんだ?いらっしゃい!」
サンダルで来てるのわかってたのに とぼけたりしてるアタシ
あれ? 愛ちゃんなんか暗いな? そういや昨日からちょっと暗かったかもしれない
いつもみたいに笑ってくれない あの人懐っこい笑顔で笑ってくれない
なんとなくよそよそしい感じ もしやアタシの事嫌いになった?
思わずソファーに寄って 愛ちゃんの目を覗き込む やっぱりおかしいじゃん
アタシの目を見てくれない 意識的に逸らしてる様にも思える
「・・・・・・・・・・よっさん頑張って肉焼くから一杯食べてよ?」
そんな愛ちゃんにおどけた態度をとる事しか出来ない自分 なんか哀しくなってきた
- 250 名前:謙虚な二人【第4隙間】 投稿日:2005/07/03(日) 06:25
-
いつも飲み慣れてるビール 昼間だからか 寝不足のせいか 廻りが早い
なんとなく気持ちよくてフワフワしている あ〜 お日様に乾杯
「よしこ!よしこ!」
ミキティーがトイレで居なくなった時 ごっちんがヒソヒソと話しかけて来た
「あ〜?なにぃ?」
「・・・・なに?よしこ酔ってんの?」
「え〜?んなこたない」
「ちょっとぉ〜しっりしなってぇ」
「大丈夫だってぇ〜」
「まぁいいや。ゴトーがミキティー捕獲するから愛ちゃんトコ行きなよ」
「え?」
「愛ちゃん寂しそうじゃん!ったく、何処見てんのさぁ〜」
少し離れたテーブルでウーロン茶を持つ愛ちゃん
アタシ自分の事ばっかで気付けて無かった ごっちんは気付いてるのに・・・
「今日さ、このまま4人でお泊りしようよ」
「へっ?」
「いいから!ちゃんと愛ちゃん誘いなよ?」
お泊り・・・・ その言葉からあらぬ事を思い出す
「ほら!ミキティー来ちゃうよ!早く行きな」
「・・・・サンキューごっちん。」
「うん、早く行ってあげな?」
少し酔ってる勢いに任せて隣へ座った 考えたらこうしてゆっくり話すのも久し振りだなぁ
アルコールの力も借りてこうなりゃ当たって砕けろだ!!
普段の格好つけてるアタシじゃなくて そのまんま思ったままに愛ちゃんにぶつかってみよう
- 251 名前:謙虚な二人【第4隙間】 投稿日:2005/07/03(日) 06:26
-
---------------------
「どうだった?OKだって?」
電話でお泊りの許可をもらいに行った愛ちゃん なんだか浮かない表情
「・・・・・・・」
「・・・ダメかぁ・・・・やっぱなぁ・・・そうだよなぁ・・・」
期待していただけにショックは大きい お泊り・・・ 愛ちゃんとお泊り・・・ ダメか・・・
「・・・・プッww アヒャーーーww」
突然笑い出す どうした? なんで笑う?
「・・・・良いって。お母さん良いってw」
イイ? まじで? でじま? まじでじま? いけね、思わず声に出たww
あぁーーーー やられたぁ〜 アタシをからかうなんて なかなかやるなコイツゥ・・・
思わずおもっきし落ち込んだ顔見せちゃったじゃん あーハズイ
無邪気ないつものあの笑顔 やっと笑ってくれた
でも・・・ 嬉しいのに素直に喜べない 昨日のミキティーの言葉
この笑顔を 愛ちゃんを独り占めしたヤツの見えない影がまた迫ってきた
はっきりさせよう 今日がチャンスだ
自分の中の何かに火が着いた いい意味でも悪い意味でも
酒飲んでるからなのか これがアタシの本音なのか それはわからない
でもこういうキッカケがないと踏み出せないのがアタシなんだ
フツフツと燃える気持ちが愛なのか ただの独占欲なのか それは考えないでおこう
アタシは愛ちゃんが好き それだけは間違いないんだから
- 252 名前:謙虚な二人【第4隙間】 投稿日:2005/07/03(日) 06:27
-
一旦家に帰った愛ちゃんを待っている間 ウキウキでもドキドキでも無く ソワソワしていた
緊張やらなんやらが入り混じる不思議な気持ち
こんなのアタシらしくない? でもアタシらしいってなに? どれがホントの自分?
色々考えていたら自然とビールを飲むペースが上がっていた
「よぉっちゃぁ〜〜〜〜〜ん」
猫撫で声のミキティー
「どうしたミキティー」
「ミキ気持ち悪いぃ〜〜〜」
「マジで?トイレ行く?」
「ううん もう寝るぅ 寝るからよっちゃんの部屋まで運んでぇ」
まぁ ミキティーが寝てくれれば愛ちゃんとゆっくり出来るかもね
ごっちんはアタシ等の事応援してくれてるみたいだし・・・
「わかったよ。ほらおいで?」
「あぁん よっちゃん大好き!」
飛びついてくるミキティーをおんぶしてよろよろと二階へ上がる
ちょっとふら付く足元 飲み過ぎたかなぁ・・・
「よっちゃん よっちゃぁん」
「ハイ ハイ 大人しくしなさい。」
「ねぇ よっちゃん 美貴ね よっちゃんが大好き」
「ハイハイ アタシも好きだよ よいしょっと ほれ着いたよ」
ベッドに腰かけて背中から降ろそうとした時 グイッとそのまま後ろに引かれ一緒に寝転ぶ格好になった
- 253 名前:謙虚な二人【第4隙間】 投稿日:2005/07/03(日) 06:27
-
「ちょっとミキティー?」
「・・・・・・・・・・・・」
ガバッとミキティーに組み敷かれる
「ちょ・・・・・・」
真剣な表情のミキティー 酔ってるんじゃなかったの?
「やめてよ」と言おうとしたがあまりの迫力にそのまま飲み込んでしまう
「よっちゃ・・・好き 愛してるの」
息がかかる 甘くてぬるいミキティーの息
それと同時に迫り来る鋭く怪しい瞳
アタシは金縛りに合った様に動けない
前にもこんな事あった ごっちんにからかわれた時
入らない 力が入らない 酔ってるせいもあって本当に力が入らない
「よっちゃん・・・・」
唇に柔らかい感触 ヒンヤリとした薄い唇
「ミキティーとキスしてる」「ミキティーの唇ってこんななんだ」なんて意外と冷静に思ったりしている自分
唇を割って入り込んでくる湿った舌が生き物の様にアタシの中を探っている
なんだろ・・・・・ 気持ちがいい 噛み付く様に激しい唇 舐める様に優しい舌
今まで感じた事の無い感覚がアタシを襲う 背中から腰にかけて軽い電流が流れる
そういやごっちんが言ってたな 気持ちが無くても・・・・出来る・・・・とか
それがこれなのかな 別にイヤじゃない むしろ・・・・・
休む事なくうごめく唇と舌に翻弄され アタシはどこか心地良ささえ感じてきていた
- 254 名前:謙虚な二人【第4隙間】 投稿日:2005/07/03(日) 06:28
-
ガチャン
何かが割れる音 瞬時に戻ってくるアタシの意識
ミキティーの両肩を押し上げて入り口のドアを見た
『・・・・・・・・・・愛ちゃん!!!???』
目が合った アタシを見てる 無表情に近い顔で じっとアタシを見ている
ドドドッ ガチャッ バタン
いなくなった
一瞬の出来事に起き上がる事も出来なかった 呆然 唖然 どんな言葉も当てはまらない
ようやく立ち上がり
ドアの側に歩いて行くと
そこに残されたのは
甘い香りがするつぶれたガトーショコラと 真っ二つに割れた白いお皿だけだった
- 255 名前:謙虚な二人【第4隙間】 投稿日:2005/07/03(日) 06:29
-
「どうしよう・・・・・・」
散々考えたあげくに出た言葉はこれだった
何をするでもなくドアの前に立ち尽くし 愛ちゃんが残していったモノをただ見つめている
「・・・・・・あーぁ 見られちゃったね」
極めて平坦なトーンで発せられた声に体の血液が逆流してくる
「・・・なんで?なんでこんなことっ!!!」
ベッドに体育座りしたミキティーに声を荒げる
「なに怒ってんの? 嫌なら拒めば良かったんじゃん」
「・・・・・・・・・・・・・・」
確かにそう 嫌なら拒めば良かった 怒るのは筋違いもいいトコ
怒りをぶつけるべきはアタシ自信 ミキティーの感触に一瞬でも心を奪われた自分自身にだ
壁にドンとコブシをぶつけて 部屋を出ようとした
「よっちゃん!!! どうするつもり??」
「どうって、追いかける 追いかけて・・・・謝る・・・・」
「無理だよそんなの 見られちゃったんだよ?」
「・・・・・でも」
「追いかけてなんて言うつもりなの?」
「・・・・・・・・・・・・・」
愛ちゃんのさっきの顔が浮かぶ 心が絞られた様に痛む
そうだよ 今更何が出来る? あんなトコ見せといて何て言うつもりだ
誤解? 誤解なんかじゃない 何一つ嘘じゃない あの子が見たのは全て真実だ
悔しい 自分の愚かさが悔しくて悲しい でも涙は出ない 涙を流すなんてそんな権利がアタシに在る訳もない
アタシが愛ちゃん以外を受け入れた 自ら愛ちゃんを裏切った ただ ただそれだけの事 これが事実
体の力が抜けていく そのままヘナヘナと床に座り込んだ
「・・・・よっちゃん」
なぜか悲しげに聞こえたミキティーの声 こんなアタシを哀れんでいるんだろうか
そっと抱きしめてきた腕が妙に温かく感じて それを振り払おうという気も起こらなかった
- 256 名前:謙虚な二人【第4隙間】 投稿日:2005/07/03(日) 06:30
-
暫らくしてごっちんが来ない事に気付き 家の電話からごっちんに電話をする
プルルルル プルルルル・・・・・・・・
「ごっちん・・・」
『只今 電話に出る事は出来ません ピーッという・・・・・』
留守電か・・・・・ もう一回・・・・
プルルルル プルルルル・・・・・・・・ ピッ ツー ツー ツー
切れた もう一回
『おかけになった電話は現在電波の届かないところに・・・・・』
ガチャッ 受話器を置く
何からも見放された様な気持ちになった 半ばヤケクソな気持ちにもなっていた
何も出来なくてウロウロするだけの自分が死ぬほど嫌になった
謙虚な二人【第4隙間】=了=
- 257 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/03(日) 06:52
- >>233通りすがりの者さん。いつもレスくださり感謝しています。
人肌のぬくもり・・・それは薬にも毒にもなり、愛しくも憎らしくもある。
そんなモノですね。何より人を惑わすのが「ぬくもり」の存在なんではないでしょうか。
読んでくださった方ありがとうございます。
ここら辺で賛否両論な意見をお待ちしといたりしてみますので
思う事があられる方はどうぞご遠慮なくレスしていただきたく思います。
- 258 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/03(日) 07:31
- 更新乙デス!言葉が出ません!すばらっすぃ!
- 259 名前:ハラポワ 投稿日:2005/07/03(日) 10:58
- 徹夜で更新お疲れさまです。
みんなが勝手に物語を進めていく感じ、すごくわかりますよw
俺も今夜更新予定ですが、
こちらの作品とはある意味で逆な展開になります。
そういうところを含めてもこのお話にすごく引き込まれていきます。
これからよっすがどう動くのか、何より二人がこの先どうなるのか、
最後まで見守っていきたいと思います。
こういうハラハラドキドキも好きですよw
- 260 名前:名無し読者 投稿日:2005/07/03(日) 11:16
- はじめまして。毎週たのしみにします
なんか飼育5年ぐらい見てるんですが
初めて泣いちゃった作品なんですよ
すごい面白いです。がんばってください。
- 261 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/03(日) 22:15
- 更新お疲れさまです。 よっすぃーの気持ちは分かりますね。 痛いほどに分かりますよ。ぬくもりがあってこそ人は優しくなって・・・悲しくなるんです。 辛くなって、苛立って、二度とその感触が戻らないと人はどうなるんですかね? 次回更新待ってます。
- 262 名前:名無し読書中。。。 投稿日:2005/07/03(日) 23:15
- なあにぃぃぃぃぃ…
ここで切れますかー!次回更新が待ち遠し過ぎて鼻血が出そうです…
- 263 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/10(日) 21:41
- 皆様レスありがとうございます!
更新を待ってくださってる方がいらっしゃるとは幸せこの上なき事
頑張らないと!という気持ちで一杯でございます。それでですね・・・マコトに申し訳!!
先週が超多忙でして・・・(;´Д`)今日中に更新出来ないかと思われ・・・
でも今週中に少しでも出来れば貼りたいと思いますので
お暇な時にでもまた覗いてみてください。頑張ります!
- 264 名前:【第5隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/07/14(木) 07:08
-
軽い頭痛で目を覚ます
白を貴重とした部屋の天井を眺め ゆっくりと昨夜の記憶を辿る
「後藤さん・・・・」
自分の枕元で座ったままベットにもたれ掛かって眠っている
昨日あのまま眠っちゃったんだ・・・・ 所々途切れた終盤の記憶が頭に浮かぶ
静かに身体を起こそうとヒジをつく
鉛の様に重いカラダとココロ
唯一の救いが目覚めた時に1人では無かった事だった
まだ眠るその人を起こさぬ様ベッドから立ち上がる
「・・・・ッツ」
固くて冷たい床の感触と ズキズキとした足の裏
歩き始めて間もない赤ん坊の様に 頼りない足どりで洗面所を探す
ドアを開けると静かな部屋にブーンと響く音
「金魚・・・・?」
真っ赤な小さい金魚が広々とした水槽の端に沈んでいる
なんだか寂しそう・・・ なぜかそう思った
用を済ませ部屋に戻ろうとした時 奥にある部屋の扉が開いた
- 265 名前:【第5隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/07/14(木) 07:10
-
「あっ・・・・・」
出て来たのは歳の頃40くらいの女の人だった
「あら?真希のお友達?」
後藤さんのお母さん? あんま似てないなぁ
「あ おはようございます!あの、お邪魔してます」
慌ててペコリと頭を下げる
「おはよう 真希の母親です」
ニッコリ微笑む とても優しそうな綺麗な笑顔
「でもめずらしいわ 真希がひとみちゃん以外の子を連れてくるなんて」
ひとみちゃん・・・・ 吉澤さん・・・・ ふとよぎる昨日の記憶
「・・・・・そ、そうなんですか」
「うん 今までひとみちゃん以外見た事ないわね、確か。
小さい頃から真希はひとみちゃんにべったりでねぇ〜・・・」
「ちょっとかぁさん 朝からしゃべり過ぎ・・・・」
「あら、真希」
振り向くと 眠そうな顔で歩いてくる後藤さんがいた
「おはよう愛ちゃん 寝ててごめんね? 起こしてくれてよかったのに」
「いぇ あーしもさっき起きたとこですから」
「そう? じゃぁ朝ご飯食べよっか? かぁーさん 朝ゴハンよろしく!」
「まぁ〜朝からこき使うつもり?アタシ昨日も遅かったのよぉ〜」
「わかった わかった じゃぁ手伝うからぁ っじゃ愛ちゃんは部屋で待ってて?」
「あ、あーしも・・・」
「イイから 足痛いでしょ? もうちょっと休んでな?」
優しく肩を支えて部屋まで連れて来てくれた
「じゃちょっと待っててね」
- 266 名前:【第5隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/07/14(木) 07:11
-
パタン
真っ白で何も無い部屋 机の上に写真立てが二つ
机のイスに座りそれを眺めた
一つは4人で写っている写真 後藤さんの家族?
ヒゲの生えた男の人と これまた後藤さんにそっくりな小さい男の子
幼い後藤さんの隣には・・・・ あれ? さっきのお母さんじゃない 違う人だ
でも後藤さんにすごく似ている この雰囲気からすると家族の集合写真って感じなんだけどなぁ・・・
もう一つは・・・
オレンジ色のユニフォームで肩を組んだ笑顔の後藤さんと・・・・吉澤さん
ブワッと涙が溢れる
思い出したくなんかないのに はっきりとひとつの狂いも無く あの光景が瞼の奥に蘇る
どんなにきつく目を閉じてもそのリアルな映像が頭から離れない
痛い・・・ 心臓が痛くてたまらない
いつの間にか身体がガタガタ震え出して 呼吸の仕方がわからなくなる
「・・・ッハァ ・・・ンッ ・・・ハァ・・・ハァ」
痛い 苦しい 助けて・・・・
ガチャン
「愛ちゃん!!!!!」
「・・・ヒック・・・ハァハァ・・・・」
「大丈夫?愛ちゃん・・・・ 愛ちゃん」
優しく抱き締められる 温かい腕
「落ち着いて ね? だいじょうぶだからね」
「ごと・・・さ・・・ ぁっ・・・ワァァァァァァァァァン」
その腕に包まれて子供みたいに大声で泣いた
- 267 名前:【第5隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/07/14(木) 07:12
-
-----------------
シンとして私の泣きじゃっくりだけが響く
「ハァッ・・・・・」
大きく息をついたら 手に力が入り過ぎていた事に気付いた
慌てて掴んでいたその腕から手を離し 抱き締められた身体を離した
下ろされた後藤さんの腕にはくっきりと爪の痕がついて赤くなっている
「ご めんなさい・・・・」
「えっ? あぁ 平気だよ」
腕の痕を見てポンポンと軽く叩き微笑む後藤さん
ぎゅっ
もう一度抱き締められた
「・・・・泣きたい時は遠慮しないで泣いていいんだからね?」
優しく背中を撫でて 「よしっ」っと言い立ち上がる
「ゴハン冷めちゃったから温めてくるね」
机の写真立てをさりげなく後ろに隠して持って出る
そんな姿にまた泣きそうになる
「・・・泣いてばっかじゃアカン・・・」
グッと強く手の平を握った
戻って来た後藤さんと朝ご飯を食べる
あんまり食欲はなかったけど 甘いフレンチトーストがおいしくて結構食べれた
「どう?後藤家の手作りフレンチトーストは」
「はい すごくおいしいです」
「良かった ゴトーもねコレは大好きなんだ かぁさんの18番なの」
「そうなんですかぁ」
フワフワで甘くていい感じにバターの塩が効いてる優しい味 後藤さんのお母さんの笑顔が浮かんだ
「お母さんすごく綺麗ですね うらやましいです」
「そぉ? でもゴトーと全然似てないでしょ?」
「そうですねぇ・・・」
「うん 実の母親じゃないんだ」
えっ やっぱりじゃぁさっきの写真の人が本当の・・・・
- 268 名前:【第5隙間〜SIDE A〜】 投稿日:2005/07/14(木) 07:13
-
「さっき写真見たでしょ?あれに写ってるのがゴトーの家族 もういないんだけどね」
「・・・・??」
「死んだの まぁ正確に言えばお父さんはまだ生きてるけど。 お母さんと弟は昔事故で死んだ」
「・・・・・・・」
「でも気にしないでよ? もう昔の事だから大丈夫だし」
「・・・・でも」
「んまぁ 思い出すっちゃー思い出すけど 今はあのかぁさんが居るからね。
色々ややこしいんだ、うちって。あはっ」
屈託のない笑顔で話す後藤さん 考えて見たら私 後藤さんの事何にも知らないや・・・・
「どれどれ? んー熱はもう無いみたいだけど今日は一日安静にしておかなきゃね?」
オデコにあてられた手は少しヒンヤリしている
「足もちゃんと洗って消毒しなきゃと思うし・・・」
そういえば昨日 汗びっしょりのまま寝たんや そういや身体がベタベタして気持ち悪いかも
「じゃぁシャワー借りてもいいですか?」
「うん 浴びてきなよ」
シャーーーッ
吉澤さんの家に泊まるはずだった私は 後藤さんの家で朝からシャワーを浴びている
初めて見るお風呂でシャワーを浴びている自分 なんか不思議な気持ち
ここはマンションで多分5階くらい
もうろうとした意識の中で昨日エレベーターに乗ったのを覚えてるから
少し開いているお風呂場の窓からは 忙しく通り過ぎる車の音と下の方から響いてくるセミの声が聞こえていた
- 269 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/14(木) 07:21
- 更新少なくてすいません 時間が一日24時間とは短すぎる・・・
また今週土・日にでも更新出来るよう頑張ります
- 270 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/14(木) 16:47
- 更新お疲れさまです。 多忙な時に更新をありがとうございますm(__)m まったり待ってますので無理をせずに頑張ってください。 次回更新待ってます。
- 271 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/16(土) 10:24
- どうもです。とりあえず少ないけど更新出来る時に更新。
- 272 名前:第5隙間【SIDE G 】 投稿日:2005/07/16(土) 10:25
-
昨日から切りっぱなしだった携帯の電源を入れた
問い合わせすると新着メールがわんさか来ている
その大半が女達からのお誘いメール
「やっぱりね・・・・・」
ただ通り過ぎて行くだけの関係達 交ざり合わない心達
寂しさを埋めるつもりが益々カラッポになってゆく
汚れていく事がこの上なく怖ろしいクセに どこか心地良さを感じていたり
悲劇のヒロインを気取る自分と それを嘲笑う自分
マイナスとプラスを併せ持つ棒磁石の様に 決して融合する事のない自分同士
このアンバランスさが自分のバランスだと思っていた そう思い込ませていた
でも最近一つになりたがる自分がいる 正しいバランスをとろうとしている
高橋愛 この子に出会ったばっかりに・・・・
自分の腕に目をやる ノースリーブから出た二の腕には赤く腫れた爪の痕
昨日から何度か抱き締めたけど 愛ちゃんは決して私に腕を回さない
どんなに強く抱き締めても 抱き締め返してはくれない ただ一方的に抱き締めるだけ
でもさっきは違った 背中に腕を回すまではいかなくても この二の腕を掴んだ
ぎゅぅぎゅぅと力一杯に爪を食い込ませて握っていた
腕をそっと撫でる あの子が私に残した爪痕 それですらいとおしい
爪を立てられてる時に感じた痛みは 泣いているあの子の心の痛み
爪の先から感情が流れ込んでくる 二人でその痛みを分け合っている そんな感覚だった
- 273 名前:第5隙間【SIDE G 】 投稿日:2005/07/16(土) 10:26
-
痛かった すごく痛かった 腕じゃなくてこの心が
普段理性的なあの子が 他人の私に爪を立ててる事に気付かない
それ程にあの子の中をある感情が支配していたという証拠
こんなに近くに居るのに 抱き締めてるのは私なのに 爪が刺さってるのはこの腕なのに
あの子の中はよしこで溢れてる 相変わらずよしこを想う気持ちで溢れ返っている
チクン チクン チクン
胸の奥を小さな鋭い針が1mmのズレもなく同じ場所を刺し続けている
そんな痛みがずっとずっと続いている
でもあの子がくれるモノならば何だって受け止めたい それが痛みや悲しみだけだったとしても
何も無いよりはずっと この心が満たされるような気がするから
私は携帯を手に取り再び電源を落とす 肌身離さず持っていた携帯はもう必要がないと思った
- 274 名前:第5隙間【SIDE G 】 投稿日:2005/07/16(土) 10:27
-
自分もシャワーを済ませ静かな時間を過ごした
友達でも恋人でもない二人 親友の恋人と恋人の親友 それだけの関係
私達を繋いでいるのはよしこだけ それ以外は何も無い 悲しいけどそれが事実
昨夜の出来事がチラチラとお互いの頭をかすめるけど その事は言い出さない
言い出せない そんな雰囲気が漂っている
ガラン
汗をかいて周りに水溜りを作ったアイスティー 氷は溶けて薄くなっていくばかり
その空気に堪えられなくなって口を割ったのは愛ちゃんだった
「あの・・・昨日の事・・・・聞かないんですか?」
「ん?」
「昨日何があったかとか・・・聞かないから・・・・」
「あぁ うん 」
気になってはいる でも その話をする事でまた愛ちゃんが苦しむのもわかっている
「昨日・・・よしざ・・・・」
「愛ちゃんは昨日あった事ゴトーに話したい?」
一瞬驚いた顔をして すぐに眉をひそめる
「・・・・わかりません」
「ならいいよ。話したくなったら話せばいいし、話したくないならそのままでいいし、ね?」
「・・・・・・」
腑に落ちない顔つきの愛ちゃん
「辛い事って、口に出すとドンドン辛くなると思うんだ。自己暗示みたいな感じ」
「・・・・自己暗示?」
「うん。言葉にするとそれが明確な事実として表されていくから。かえってリアルさが増して歯止めが効かなくなるみたいな」
「・・・・はぃ」
「でも、自分の中で消化出来たら話してもいいと思うし、消化出来てなかったとしても、話そうと思えたら話せばいいと思う」
「話そうと思えたら・・・・」
「そう。話す気になるって事は、その事実を受けとめる覚悟が出来たって事だと思うんだ」
「・・・・・・なるほど」
「ん、だからまだいいよ」
「・・・・そうですね。今話したらまた泣いちゃって後藤さんに迷惑かけるかもやし・・・」
「いや、泣くのはいいと思うよ。流して楽になる涙ならね」
「楽には・・・ならないかもしれません」
「ならまだ時間が必要だね」
「はぃ・・・・」
また考え込む愛ちゃん その様子から意外と不器用な性格なんだとわかる
- 275 名前:第5隙間【SIDE G 】 投稿日:2005/07/16(土) 10:28
-
「ゴトーはね あんま自分の事を人に話さないんだ。なんてーの?プライベート?」
「あぁ、はい」
「自分の事話すのって、その人にわかってもらいたいからあえて話すんでしょ?」
「・・・そうですね」
「でも伝わるのはごく僅かだと思うの。大体『そうなんだぁ〜』程度じゃん?わかってるけど、なんか凄い寂しい気がしない?」
「・・・する・・・かも」
「でしょ?自分には大事でも相手にはそうじゃないかもじゃん?その微妙な誤差に傷つくんだよね。だからうかつに人に話せない」
「そうですねぇ」
「逆に深入りされたくないっていう理由もあるし」
「深入り?」
「いるじゃんたまに。ズカズカ土足で入り込んで来る野次馬みたいな人」
「あぁ・・・」
「だから本当に話したい人や知って欲しい人にだけ、自分の事話すんだ」
「そうなんですか・・・」
「うん」
また顔をしかめる
たぶん 自分はゴトーにとってどっちなのか ゴトーは自分にとってどっちなのかを考えている
さんざん悩んだ後ゆっくりと顔を上げて言った
「私は後藤さんに自分の事知ってもらいたいって・・・思ってると思います。
後藤さんの事も知りたいと思ってると思います。なんか上手くは言えないんですけど・・・そう思います」
「そっかぁ」
「はい」
真っ直ぐな瞳 芯が強くて純粋な人だけが放つ輝きがある
こんな瞳に見つめられた経験が前にもある それは小学生の時
家族が死んだ事で殻に閉じ篭ってた私を救い出したあの瞳
そう これは吉澤ひとみ 私の親友よしこの瞳と同じだ
この二人は根本的にすごく似ているんだと思う 真っ直ぐでバカ正直ないい人
自分とは正反対で引き込まれる 自分にとって魅力的な輝きを持つこの人種
愛ちゃんに惹かれたのは この輝きを何処か感じ取っていたからかも知れない
- 276 名前:第5隙間【SIDE G 】 投稿日:2005/07/16(土) 10:30
-
「まいったなぁ・・・・」
「???」
「いや ごめん 前にもそんな目してるヤツがいたんだ 思い出しちゃった・・・」
「えっ?」
「ゴトーの家族が死んだって言ったでしょ?」
「・・・はい」
「そのショックで口がきけなくなって、学校にも行かなくなった。で、思い出が多い地元を離れてこの街に引っ越して来たんだ」
「・・・そうなんですか」
「でも現状は変わらなかった。相変わらず引き篭もってて、見兼ねた今のかぁさんが無理やり公園に引っ張ってった。
そこに居たのがサッカーしてる女の子。」
「・・・女の子?」
「うん。自分もよく弟とやってたから懐かしくってね。楽しそうに汗かいて走り回ってるの見てたら自分もウキウキした。」
「うんうん」
「で、次の日からボール買ってもらって密かに公園で練習してた。誰にも見つかんない様に朝早くね」
「へぇ?」
「そしたらいきなり『サッカー好きなの?』って声掛けられて、振り向いたらあの時の女の子だった。
びっくりしちゃって、走って逃げた。ダッシュで、猛ダッシュで。」
「あらぁ・・・・」
「ボール置いてきたモンだから夕方に取りに行ったの。したらまだその子が居た。夕暮れの公園にポツンとボール持って立ってた。」
「えぇ」
「そのゴトーの姿見つけてその子は走って来た。ゴトーはまた逃げたのね。そしたら・・・」
「そしたら?」
「バッコーーンって後ろからボール蹴ってゴトーにぶつけてきやがってさぁ」
「ええぇ?」
- 277 名前:第5隙間【SIDE G 】 投稿日:2005/07/16(土) 10:31
-
「『はぁ?』と思って立ち止まった。したら『ごめーん』って頭かきながら走ってくるんだよ。全然悪いと思ってない顔でね・・・。」
「あはは・・・」
「無視してボール拾って帰ろうとしたら腕を掴まれた。それで『ボール見張っててあげたのにお礼は?』ってマジな顔で言うの。
人にボールぶつけといて『お礼』とか・・・コイツは何なんだって思ったね。」
「まぁ・・・確かに」
「でしょ?掴まれた腕振りほどいて行こうとしたその瞬間『ぐぅぅぅぅっ』ってその子のお腹が鳴ったんだ。しかもものすごく大きい音で」
「ははっ」
「そしたらその子『あ、ハラ時計!6時だ!』ってまたマジ顔で言うの。もうおかしくって思わず噴出しちゃったんだ。」
「ですねぇ」
「そしたらその子も照れた様に『えへへっ』て。ソレ見てまた笑った。多分1年振り位、久々に声出して笑ったと思う。
ほんと自然に声が出たから自分でも驚いたんだよね。」
「へぇぇ〜〜」
「それ・・・そのガキンチョ誰だかわかるっしょ?」
「・・・・たぶん」
「そう それが吉澤ひとみ。よしこだったの」
「やっぱり・・・」
「その時ゴトーに向かって『一緒にサッカーやらない?』って言ったよしこがその目をしてた」
「ん?」
「今の愛ちゃんと同じ目をしてたんだ」
「そうなんですか・・・」
「その後聞いたら、朝からずっと公園に居たんだって。いつゴトーが来るかわかんないからずーっとソコで待ってたんだって・・・」
「!!!」
「そりゃお腹も鳴るよね。アイツ・・・よしこってそんなヤツなんだ。バカみたいに真っ直ぐで温かくて、ほんとイイ奴なんだよ・・・」
「・・・・はぃ、そうですね」
「たまにバカ過ぎて殴りたい時あるけどね」
「・・・・はぁ、そうですね」
「「あははっ」」
哀しさの交じる笑顔だけど愛ちゃんは笑った
それを見て複雑ながらも 少しだけ救われた様な気がした なぜかはわからないけど・・・
テーブルの上のアイスティーは溶けた氷で薄まって 殆ど水みたいな色になっていた
- 278 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/16(土) 10:33
- 以上です。またこの土・日に更新出来るかも知れません。
頑張ってみます・・・w
- 279 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/16(土) 13:20
- 更新お疲れさまです。 なんかホントにしてそうでウケますね、よっすぃーならやりかねないと言いますか。 でもいい人ですよね、よっすぃーは。 次回更新待ってます。
- 280 名前:ハラポワ 投稿日:2005/07/16(土) 21:23
- ごっちん切ない・゚・(ノД`)・゚・。
よっすは良い人だけど良い人すぎたんですかねぇ・・・。
ごっちんの話に「あらぁ・・・・」って相槌打つ愛ちゃんに笑いましたw
- 281 名前:吉澤愛 投稿日:2005/07/22(金) 01:20
- sage忘れてました。すいません。
ひさしぶりに来ました。
愛ちゃんと後藤さんってリアルではほとんど絡んでる
場面を見れないので(カラオケとかは行ってるみたいだけれど)
この小説はそれを埋めてくれます(笑
- 282 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/07/24(日) 00:33
- まさかこんな切ないエピソードを温めていたとは・・・
すっげおもしろいです。
改めて、スキマニアさんが吉愛好きで良かったなって思います。
続きを楽しみにしてます!
- 283 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/24(日) 05:52
- いつも嬉しいレスをありがとうございます。
読ませていただいて御1人御1人に心から感謝をしています。
その感謝の気持ちを更新によってお伝え出来ればこれ幸いかと。
甘える事無く、妥協せず、そんな風に書いていければいいなと思います。
- 284 名前:第5隙間【SIDE G2 】 投稿日:2005/07/24(日) 05:55
-
あれから次の日に お母さんが福井から戻り 鍵も開いたからと愛ちゃんを送っていった
よしこの家に私が取りに行っても良かったけどなんだか気が進まなかった
よしこに会うと思わずこの気持ちが溢れ出てしまいそうで怖かった・・・
でもやっぱり何処か引っかかる
愛ちゃんとよしこに何があったのかはどうしても気になるし
それにこのままだとこの数日間の事を隠しているかの様で気が重い
確かに愛ちゃんはここに泊まっていた でもやましい事は一つも無い
親友の彼女と彼女の親友と言う相変わらずな関係を私達はお互いに守り通した
目の前にいる愛しい人 今まで側にいてくれた大切な人
私にはどちらも大切だから どちらも裏切る事は出来ない 無くす事も出来ない
「よいしょっと」
ベットから起き上がり玄関先へ向かう 靴を履いていると不思議な違和感を覚えた
そういえばいつも聞こえていたあの音 キンギョのモーターの音が聞こえない
慌てて履きかけた靴を脱ぎ水槽へ向かう
「・・・・・・・」
いない キンギョがいない シーンとしている水槽の中
水面は少しも動いておらず この中に生命を感じられるモノが何も無い
ただ四角い入れ物に水が入っているだけ
急いで母親の携帯に電話をした
「・・・・あっ、おかぁさん? あのさ、キンギョ何処行ったの?」
「・・・・・・・・・・・そぅ・・・・・なんだ・・・・・・」
ピッ
キンギョは死んでいた
私の知らない間に また死んでいた
- 285 名前:第5隙間【SIDE G2 】 投稿日:2005/07/24(日) 05:56
-
「 みんなそう 勝手にいなくなる 」
かつて幼い頃に感じた このどうしようもない孤独感と疎外感
実の母親も父親も弟もキンギョまでも 私を置いて知らないうちに遠くへ行ってしまう
家族は事故で死んだ 田舎のおばぁちゃんちへ向かう途中 車の事故で 原因は父親の飲酒運転
おじいちゃんの法事でどうしても出席しなければならなかった両親
私はその時おたふく風邪にかかっていたから弟だけを連れておばぁちゃんちに向かっていた
私はお手伝いさんと留守番 案外裕福な家だったからお手伝いさんは何人かいた
今のかぁさんはその時のお手伝いさんだった人 一人になった私を引き取ってくれた
出発前 弟と喧嘩をした 弟は私の大事な人形を貸してくれと言ったけど嫌だった
あいつはすぐ汚したり破いたりするから貸したくなかった
「真希!お姉ちゃんでしょ?貸してあげなさい」
またそれだ 先に産まれたってだけで何でも我慢しなくちゃいけないなんて
子供ながらにこの言葉に理不尽さを覚えていた日々
「やったぁ!」
と 決まっていたずらっぽく笑う弟が嫌いだった 我慢しなさいと言う両親も嫌いだと思っていた
自分は熱が出ていて苦しいのに その上 今から置いてけぼりくらうのに・・・・
みんな早くおばぁちゃんちに行ってしまえ もう帰って来なくていい とさえ思っていた
思ってた・・・・ そう思っていた・・・・
そしたら本当に 家族は誰一人 二度と帰って来なかった
いや 父親は変わり果てた姿で帰って来たが その後家族を死なせたと言う重圧に耐えられず
アルコール依存症となり 今は知らない土地で入院しているらしい
そんなの死んだに等しい むしろ死んでいてくれてた方が楽だったかも知れない
悲しむ私を抱き締めてもくれない 死んだ様な目をした父親 私を残し行ってしまった父親
今でもその姿が目に焼きついて離れない
自分を責めた 自分がそんな事思ったせいでみんな死んでしまったんだと
遠くに行ってしまったんだと 本気で思った
今でも時々そうなんじゃないかと思う時がある・・・・
- 286 名前:第5隙間【SIDE G2 】 投稿日:2005/07/24(日) 05:58
-
そして後で聞いた話によると 弟は・・・弟の遺体は人形を握り締めていたらしい
私が嫌々貸してあげた あの人形を しっかりと握り締めて死んでいたんだと・・・・
後悔 それだけが残る
でもその後悔すらも矛盾だらけだと気付く
死ぬから優しくする? 居なくなるから大切にするの? そんなのおかしい
でも あの時を後悔すら出来ないまま 今の私はまた 後悔している
生命の存在が消えてしまったただの箱をただ呆然と見る
もうソコには何も戻らない
この数日 キンギョの存在を忘れていた自分 いつもソコに居るものだと何処か決め付けていた自分
死んでいた事にすら気付かなかった自分と ひとりぼっちで死んでいったキンギョ
寂しくて哀しいのは 誰にも看取られずに死んでしまったキンギョ 私じゃない・・・
もうなんの音もしなくなった部屋 水の入った箱をただいつまでも見つめ続ける
みんな消えていくのになんで自分はここに居るのか またひとりぼっちで苦しむのか
そして自分はまた何度も同じ事を繰り返すのか なぜ自分だけ生きているのか そんな事ばかりが浮かんでは消える
そんな中でふとよぎったのは 今生きている大事な人達の顔
またここで立ち止まるのか 殻に閉じ篭るのか 後悔だけが残るのか
キンギョの死は無駄になるのか・・・・
------------------
かすかな力に突き動かされ 私はふらついた足で玄関を出た
- 287 名前:第5隙間【SIDE M 】 投稿日:2005/07/24(日) 06:01
-
「よっちゃん・・・・」
「ねぇ よっちゃん・・・」
何度この言葉を発したかわかんない 人形の様に黙りこくったよっちゃん
近付いて抱き締めても拒否はしない でも反応もしない
口付けようとするとゆっくりと顔を背ける
はっきりと嫌がられるよりももっと辛い・・・・
「ねぇ よっちゃんってば!!!」
今までで一番大きな声で呼んだら キョロッと目だけで美貴を見た
「いつまでそうしてるつもりなの?」
「・・・・・・・・・・・」
「いい加減にしなよ」
「・・・・・・・・・・・」
見ている ただじっと美貴を見ている
「何?何か言ってよ」
「・・・・めんね ミキテ・・・」
久し振りに声を出したせいか かすれていてちゃんと聞き取れなかったけど たぶんまた謝っている
「・・・何が?」
「・・・・・・ごめん」
たまに口を開いたかと思えば ロボットみたいにソレばっかり もう聞き飽きた
「だから 何で謝るの? 謝んないでよ!」
ごめん ごめん 何が? ソレを聞くたび凄く惨めな気持ちになる
「・・・ごめん」
「美貴は、美貴はね、小さい頃からよっちゃんが好きだった。
寝ても覚めても24時間365日ずっとずーっと大好きだった。これからも変わんない。
たとえよっちゃんが誰かとキスしてても、人殺してたとしても、いきなり死んじゃってもずっと好き。
どんなよっちゃんだろうと大好きだよ。美貴はよっちゃんの為なら何だってやる。
よっちゃんの言う事なら何だって聞く。どんな事でも・・・・。」
まだ黙って美貴を見ている
「・・・美貴じゃ・・・ダメ? 美貴を・・・好きになってはくれないの?」
「・・・好きだよ、ミキティーの事。大事な人だと思ってる。」
よっちゃんは優しい でも優しいから残酷 ジワジワと美貴を苦しめる 追い詰める
- 288 名前:第5隙間【SIDE M 】 投稿日:2005/07/24(日) 06:02
-
「だったら・・・だったら・・・」
「でも、ちがうんだ。きっと・・・」
「ズルイ ・・・・・ズルイよよっちゃんは。」
「・・・・・・・・・・」
「はっきり言いなよ。お前なんか嫌いだってはっきりいいなよ!!!」
「嫌いとか、そんなんじゃ無い。」
「だからもういいから!愛してくれないんだったら、恋人になれないんだったら何の意味も無い。
そんなの・・・そんなのなんか・・・・いらないよ・・・・」
目頭が熱くなる 視界がぼやけて鼻の奥がツーンとする
「ごめん」
「・・・うして? どうして謝るのよぉ・・・美貴の何処がいけない?何処が愛ちゃんに負けてる?
ねぇ・・・はっきり言ってよぉ・・・」
「・・・勝ってるとか負けてるとかじゃないよ。
さっきミキティーが言った様に、愛ちゃんが人殺しでも強盗でもアタシはきっと彼女が好きだよ。
ミキティーがアタシの事想ってくれてる様に、アタシも愛ちゃんが好きなんだ。
理屈じゃない。 理由もない。 どうしてなのかもわかんないけど好きなんだ。」
真っ直ぐに美貴の目を見て言った まばたき一つせずに言い切った
その強さに言葉が出ない こんなよっちゃんは初めて見た
歯を食い縛る 泣くもんか 涙なんか流すもんか
「だから・・・ごめんね。」
「・・・あやま・・・ないでっ て・・・いっ・・・・でしょ・・・
迷惑だって・・・ 美貴の・・・気持ちが・・・ 迷惑だって・・・言ってよ」
「・・・言えない」
「言ってよ! じゃなきゃ・・・美貴は・・・諦めない」
強い瞳が少し揺らいだ
「・・・どうしても?」
「諦めれない・・・こんなの辛いよ・・・」
一瞬逸らしてまた戻って来た視線は その強さに悲しそうな色を加えた
- 289 名前:第5隙間【SIDE M 】 投稿日:2005/07/24(日) 06:03
-
「・・・・・迷惑だよ。ミキティーの気持ちには答えられない。」
目の前のよっちゃんはもう見えない 涙のフィルターで隠されている
どんな顔をしているのか 何処を見てるのかもわからない
「もぉ 行きな よ・・・・」
「・・・・・うん」
ゆっくり立ち上がって部屋を出ていく
その背中に本当はすがり付きたい 何処にも行かせたくない
好き 好きだよ・・・・ よっちゃんが好きだよ・・・・・
ポタポタ落ちていくナミダ 美貴が吐き出した言葉達 この身体に残されたよっちゃんの感触
くだらない 全部がくだら無さ過ぎる こんなによっちゃんが好きな美貴は何よりもくだらない
絶対に泣かない意地っ張りな美貴 でも涙が出る 勝手に出る 止まんないよ・・・・・
これがシツレン? 美貴シツレンしちゃったんだ・・・ 結構キツイな・・・
ベットに倒れ込むといつもと同じ様によっちゃんの匂いがして また一層 胸が苦しくなった
- 290 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/24(日) 06:08
- 取りあえず以上です。
みんな幸せになればいいのになぁ・・・とか書いてる自分が思う今日この頃。
- 291 名前:HIT ME LOVE 投稿日:2005/07/24(日) 07:00
- 更新乙です
切ないなあ。。。
ここもうちのもあっちのもなんか全部切ない路線ですよね
ホントみんな幸せになあれ
お互い更新がんばりましょう!
- 292 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/25(月) 20:17
- 更新お疲れさまです。 かなり切ないですね{涙幸せは唐突にやってきましから、それがすぐに来ることを願います。 次回更新待ってます。
- 293 名前:ハラポワ 投稿日:2005/07/26(火) 23:28
- みんな幸せになればいいのになぁ・・って本当思います。
自分もみんなが幸せになれるよう試行錯誤しながら書いてますよw
ごっちんの金魚がこういう風に影響をもたらすとは思ってもいませんでした。
スキマニアさんの描写にはすごく惹かれますね。
- 294 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/31(日) 05:15
- レスありがとうございます。
幸せってなんでしょうねぇ 難しぃ・・・・
では第6隙間 更新します
- 295 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 05:18
-
愛ちゃんが残していったバッグとサンダルを持って家を出た
トボトボと歩く 茹だる様な暑さばかりに気をとられ 何か考えようとしても思考回路が止まる
結局ボンヤリしたまま彼女の家の前まで来てしまった
インターホンを見つめる
ただ押せば良いだけなのにそれがとても難しい
決心も目的も無く ただ思うままにここまで来てしまったから
汗が額からゆっくりと滑り落ち首筋を流れる 嫌な汗
ガチャッ
突然玄関のドアが開いた 中から出て来た人と目が合う
「あらっ?あの・・・ウチに何か御用ですか?」
「あっ・・・こんにちわ。あの、愛ちゃん・・・。」
「こんにちわ。愛のお友達ですか?愛なら居ますよ、さぁさぁどうぞどうぞ。」
ポストから郵便物を取ったお母さんに手招きをされ あっと言う間に家の中へ
助かった様な 情けない様な気持ちになる
「ちょっと待ってくださいね?」
バタバタと二階へ上がるお母さん 持っていたサンダルを玄関に置き 出されたスリッパを履いて待つ
またバタバタと降りて来た
「ごめんなさいねぇ、あの子ったらまだパジャマのままやでぇ。
急いで着替えるらしいから、リビングで冷たいモンでもどうですか?」
「あ、はい。すいません。」
リビングのイスに座るとよく冷えた麦茶が出て来た
「こんな気のきかんモンしか無くてすいませんねぇ。」
「いえ、そんな!いただきます。」
乾いた喉に麦茶を流し込む
- 296 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 05:19
-
「昨日まで愛を泊めていただいてたお友達の方ですか?」
「えっ?」
「あれ?違います?なんかあの子が友達の家に泊まった言うてたから・・・。」
「あっ、そ、そうです。」
「それはそれはお世話になりました。昨日も家まで送ってくださったみたいで、
あの子ったらほんまドン臭いモンやから、足怪我したりして・・・ご迷惑お掛けしました。」
「いっいえ・・・。」
愛ちゃん家に居なかったんだ・・・・ 送った? 怪我? 誰だろう・・・・ どうして・・・・
「同じクラスで?合唱部で?」
「あ、3年なんです。フットサル部で・・・。」
「あぁぁ!はいはい!この前優勝されたって言うあの〜サッカーの?」
「はい、ご挨拶遅れました。吉澤ひとみと言います。」
立ち上がって頭を下げる
「こちらこそ、お世話になっております。愛からいつも聞いてますよ。」
「えっ?」
「いやね、3年生で仲良うしてもらってる吉澤さんて人がいるってね。
この前の試合の時も朝からサンドイッチようけ作って行きましたやろ?」
「サンドイッチ・・・・?」
「はい、応援行くから言うて朝っぱらからなんややってました。持って行きませんでしたか?」
「食べてないですね・・・・。」
「ほんまに?あの子あれどないしたんやろか。」
あの時サンドイッチ持ってたの気付かなかった きっと言い出せなかったんだろうな
アタシ達って・・・・今までどんだけ擦れ違ってるんだろう 擦れ違いっぱなしだ
「・・・・お待たせしました。」
後ろからの声に振り向くと愛ちゃんの姿
目が合う 顔はこわばっている きっとアタシの顔も同じだろうけど
- 297 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 05:20
-
ピアノがあり 楽譜や本がズラリと並ぶ 愛ちゃんらしい部屋
こんなシチュエーションではなく ここを訪れたかった
「どうぞ・・・。」
「あ、うん。」
小さなテーブルの前に置かれた座布団に座る
足をかばう様にして向かいに座る愛ちゃん
「・・・足 怪我したの?」
「はぃ。」
ばつが悪そうに俯いて答える
「大丈夫・・・なの?」
「はぃ。」
沈黙 予想通りではあるけど
愛ちゃんは下を向き ずっとスカートの裾をいじくっている
「あの日・・・・見たこと・・・・」
愛ちゃんの手がピタッと止まる
「言い訳なんかする気は無いんだ。出来る筈も無いし・・・。
でも このままじゃいけないと思うから。」
下を向いたまま まばたきだけを繰り返す
「今更何言っても遅いかもしんないけど アタシは愛ちゃんが好き。
アタシが好きなのは愛ちゃんだけなんだ。これが今の正直な気持ち。」
「・・・・・・ずるい」
俯いたままつぶやく様に放たれた声
「ずるいよ吉澤さん。・・・・そんなんずるい。」
確かにそう ミキティーとキスしてたけど 本当は貴女が好きですだなんて
「うん わかってる。でもこれが本心なんだ。」
「私・・・次第? 私が吉澤さんを許せば それでいいって事ですか?」
- 298 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 05:21
-
ゆっくりと顔を上げアタシを見る 思いの外落ち着いている目
「・・・・許して欲しいなんて思ってないし、あれは誤解でも見間違いでも無い。
だから アタシには何も言う権利はない。 だから・・・・」
「だから? 何も言わずに 私に答えを求めるんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「私 わかりません。 吉澤さんが好きです。だから悲しいし辛い。
でも だからって無かった事には出来ない。この気持ちどうしていいか・・・・。」
「そうだよね・・・。」
愛ちゃんの視線に耐え切れず目を逸らす
再び沈黙 重苦しい雰囲気
「あのさ・・・・」
「私、後藤さんの家に居たんです。」
アタシの声にかぶさった言葉 でもはっきりと聞こえた
「あれから・・・昨日までずっと居ました。」
やっぱりごっちんだったんだ 携帯も通じなかったし 家にも来なかったもんな
「どう思います?」
「・・・・・・どうって」
「私は吉澤さんの恋人なんですよね?他の人の家に泊まったのに怒らないんですか?」
「そんな権利アタシには無いし・・・・」
「・・・・・そんなの誰が決めるんですか、吉澤さんの気持ちはどうなんですか?
いっつもそう 遠慮してばっかで 優しくて 優しいだけで。 そんなのいらない。
権利や私の気持ちなんてどうだっていい。 吉澤さんの気持ちは何処にあるんよ・・・・・。」
唇を噛んで また俯いた
- 299 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 05:22
-
「ズルイ」ってミキティーにも言われたな・・・・
確かにそうなのかも知れない いつでもアタシは傷つくのを怖がって逃げ回るただの弱虫
アタシはズルイ このズルさで ミキティーも愛ちゃんも傷つけている そして自分自身も
「・・・ごめん。」
愛ちゃんは何も言わない アタシも何も言えない
「・・・・帰るね。」
顔を上げない愛ちゃんにそう言い残して部屋を出る
「おじゃましました。」
リビングのお母さんに頭を下げて靴を履き 重たい玄関のドアを開ける
相変わらず茹だる様な暑さの中に迎えられる様に 足を踏み出した
何処までも噛み合わない歯車 擦れ違うココロ それが全てを表している
今のアタシの全てを・・・・・
- 300 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 06:41
-
家に戻るとリビングにごっちんが座ってた
「おかえり。ごめん、勝手に上がってた。」
「あぁ、いいよ。ミキティーは?」
「寝てる」
「・・・・・そう」
冷蔵庫を開けて飲み物を探す あるのは缶ビールだけ
仕方なくソレを手に取りタブを開ける
「ごっちんは?」
「いらない」
ビールに口を付けながらドサッとソファーに腰を落とす
「・・・・愛ちゃんトコ?」
「うん」
「どうだった?」
「何が?」
「何がって・・・・」
「どうもしないよ」
「何それ?」
ゴクゴクゴク 飲んでも飲んでも乾いている喉
「よしこ?」
ソファーの隣にドスンと座って アタシからビールを奪い取る
「まだ全部飲んでない」
「よしこ!」
コン
テーブルに缶を置いて向き直るごっちん 真剣な顔
「何があったか始めっからちゃんと話して。」
「いいよ もう」
「よくない」
「知ってんでしょ?どうせ」
「何を?」
「全部さ」
「知らない。愛ちゃんがすごく辛そうだった事以外は。」
「・・・・・・・」
「何にも聞いてない。」
「・・・・・そう。」
ごっちんはてっきり知ってると思ってた
ずっと一緒に居たのにアタシの話してなかったなんて・・・
- 301 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 06:42
-
「バーベキューした日 ミキティーとキスした。ベットの上で何回もキスした。それを愛ちゃんが見た。」
「・・・・・・何でそんな事したの?」
「わかんない でも嫌じゃなかったからした。」
これは素直な気持ち 嘘偽りは無い
「前にごっちん言ってたじゃん、気持ちが無くても色々出来るって。」
「言ったね。」
「そんな感じなのかなぁ」
「そうかな・・・」
「でも後悔してる。何であんな事したんだろう。」
ビールの缶に手を伸ばす その手をごっちんに掴まれる
「後悔か・・・・ 本当に後悔してたら今ここには居ないんじゃない?」
「どういう意味?」
「そう言う意味。」
「・・・・・・・・・・・」
悟った様に言うごっちん なんか馬鹿にされてるみたいでムカついた
「わかった様な事言わないでよ。」
「よしこはわかってんの?」
「・・・・わかんないよ なんもわかんない。わかってたら苦労しない。」
「違う わかんないんじゃない。わかろうとしないだけ、やらないだけだよ。」
「・・・・・・・・・・・」
「無くしてからじゃないと気付けない、大切なモノ程そう。
でも誰でもそうなんだよ みんなおんなじなんだよね・・・・」
「何が言いたいの?」
「・・・・よしこに ゴトーみたいな思いして欲しくないなぁって・・・そう思うんだ。
本当に後悔してからじゃ遅いってわかってもらいたい。
よしこの大切な人はみんな生きてる。そしてみんながよしこを愛してくれてる。
それが当たり前だと思わないで 自分も 周りも 大切にして欲しい。」
「・・・・・・・・・・」
「本当に辛いのは大切にしたいと思う人がいない事。この世に存在しないという事。
それこそ後悔してもしきれない。だからそうなる前に自分に素直になってもらいたいんだよ。」
「・・・そんな事言ってるけど ごっちんこそ素直じゃ無いんじゃない?」
- 302 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 06:43
-
自由な左手でビールを取り 一気に飲み干す
「なに?」
「本当はアタシと愛ちゃんが上手く行かなければいいとか思ってたりして・・・」
「・・・それ 本気で言ってるの?」
「冗談に聞こえる?なんかごっちん愛ちゃん気に入ってたし、怪しいんじゃん?」
見る見るごっちんの顔が険しくなる 掴んだ指に力が入って来る
酷い事言ってるのは自分でもわかってる
でも止まんない 噛み合わない歯車では もう正しい方向には進めない バラバラと崩れながら迷走していく
「・・・・そうだよ その通り ・・・・ゴトーは愛ちゃんが好きだよ。
相手がよしこじゃなかったらって、正直何度も・・・・思った。」
「・・・・・やっぱりね、思った通り。」
「ううん でも違うんだ。 わかったの・・・いや 始めからわかってた・・・かな。
どんなに想っても、どんなに好きでも、愛ちゃんの中にはよしこしかいないってね。
だから もういい いいんだ。」
ごっちんは少し笑って なんでも無い事の様に言い放った
- 303 名前:謙虚な二人 第6隙間 投稿日:2005/07/31(日) 06:43
-
「嘘だ ・・・そんな嘘つかなくていいよ。」
「あのねよしこ 聞いてくれる?」
「・・・・何?」
「結局ね、どっちも選べなかったんだ。そもそもどっちとか無いんだよね。
よしこが好き 愛ちゃんが好き これが揺るぎない事実なの。
大切なモノに順番なんて無い、どっちも幸せじゃなきゃ意味が無い。
愛ちゃんとよしこ 二人で幸せになって欲しいって そう思ってる。
ホントだよ。嘘じゃない 嘘なんかじゃない。」
涙を流しながらまた微笑んだ 悲しくて温かい笑顔 そう いつものごっちんの笑顔
「よしこが大好きだよ・・・・・ だから幸せになってほしい・・・・・」
ガタガタうるさかった歯車は バラバラになり動きをとめた
でも 壊れてしまったんじゃない 余計な物が無くなっただけ
散らばった部品を 本当に必要な物だけ集めて また組み立てればいい
それだけの事 ただそれだけの事 一つずつ組み立てていけばいいだけの事・・・・・
ふと自分が泣いている事に気付く 塞き止められていた想いが やっと今 流れ出した
- 304 名前:スキマニア 投稿日:2005/07/31(日) 06:45
- 以上です。また来週まで頑張りたいと思います。
では 読んでくださった方ありがとうございます。
- 305 名前:名無しだYО 投稿日:2005/07/31(日) 18:40
- うーむ。まじめに泣きそうになりました。
続きゆっくり待ってます(^−^)
- 306 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/07/31(日) 21:12
- 自分への接し方に物足りなさを感じる、距離を感じる…現実の愛ちゃんもひょっとしたらそうなのかもしれませんね。
(だからこそ吉澤さんとの「距離間」がどう縮まっていくのかは注目すべき所でもありますが。)
その微妙な距離間の表現が上手すぎです!さすが隙間マニアのスキマニアさんだw
>>303の文章、特に心を打たれました。
素晴らしい小説だと思います!
- 307 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/08/01(月) 13:39
- 更新お疲れさまです。 ごっちんの言葉は痛い程分かりますね・・・。 よっすぃーにはホントに幸せになってほしいです。 人は、誰かが居てこそ人間と言う言葉が作られるんですから。 次回更新待ってます。
- 308 名前:ハラポワ 投稿日:2005/08/01(月) 22:01
- 吉愛ならではの「すれ違い」と「隙間」の表現の仕方に脱帽です。
こういうのって許す・許さないじゃないんですよね。
二人がこれからどう行動するのか、見守っていきたいと思います。
- 309 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/02(火) 12:12
- スゴいイイ作品。出会ってしまった、久々にそう思える小説。今後も楽しみにしています!
- 310 名前:スキマニア 投稿日:2005/08/07(日) 06:10
- レスありがとうございます。
そう、なにを隠そうスキマニア 大の隙間マニアでございますw(隠れてなry
日々吉愛の愛すべき隙間達、いとおしい微妙さ達に心を奪われています。
では第7隙間更新します
- 311 名前:第7隙間 投稿日:2005/08/07(日) 06:13
-
あれからアタシとごっちんは思い出話に花を咲かせていた
今までの数々の思い出 いいものも悪いものもみんな思い出す
それをひとつずつ 二人でゆっくり話していった
子供の頃 何も考えず ただ泥んこになってボールを追いかけていたアタシ達
そんな二人に戻れたような気がした ただ単純にお互いを必要としていた あの頃のアタシとごっちんに
「・・・・しかし よしことボール以外を取り合いしたのは初めてだね。」
「確かに・・・。まぁ取り合うまでは行って無いけど。」
「なんならマジで取り合いしてもいいけど?」
「お〜っ 言ったね?」
こんな事言ってたら愛ちゃんに『私は物じゃありませんから。』と
あの早口な訛り口調で怒られそうだな
余計な物が取り去られたアタシの心の歯車は またゆっくりと回り始めた
やっぱりアタシは愛ちゃんが好きだ
ゴチャゴチャ考えないで ただ単純に それだけでいい
この胸に沸き起こる全ての想いを 躊躇せずにぶつける ただそれだけでいいんだ
格好付けずに 等身大の自分で向き合えば それは必ず伝わるんだ
本当の気持ちは きっと 伝わるはず
庭に目をやると あの日から置き去りにされている バーベキューの跡
ごっちんも同じ様にそれを見ている
「さぁ一丁やりますか?」
「おぅ!」
庭へ出て 腕をまくり 片付けを始める
勢い良く蛇口から飛び出す水で 焦げ付いた網を洗う ゴシゴシと懸命に擦って落とす
この心にこびり付いたモノも一緒に 全部スッキリ流してしまおう
「よしこ!!!」
「なに?」
ドカッ!!!
振り向くと同時にごっちんにボールをぶつけられた
「何すんだよーー。」
「ぬはっw あん時のお返しw」
ニヤッと笑うごっちん
「やったなぁ〜!」
「これでおあいこねw」
「よっしゃ、PKやろう!!」
「おっ、いいね?やろうやろう!!」
「負けた方が何かおごる、でどう?」
「おーし、望むところだ!」
また片付けをそっちのけでボールを蹴る 結局アタシ達はいつもこんな感じだ
- 312 名前:第7隙間 投稿日:2005/08/07(日) 06:14
-
サドンデス サドンデス サドンデス もう何回目になるのか
アタシとごっちんのPKは中々決着が着かない これもいつもの事
もう二人とも だいぶクタクタになってきた
「よっちゃーーーん!!!」
ごっちんが守るゴールを見つめ コースを選んでいた時 中からミキティーに呼ばれた
「電話だよ!」
誰だろう・・・?
「じゃぁ ちょいタイムね?」
「おーけー。」
急いで靴を脱いで中に入り 受話器をとった
「はいもしもし。」
「あぁ、元気だよ。」
「・・・・・・・・・・・えっ?」
「そんな・・・突然・・・。いや・・・・嫌じゃないけど・・・・。」
「・・・・・うん、わかった。考えておくよ。」
ガチャッ
「・・・・おじさんなんだって?」
隣で腕組したミキティー
「今月の末にこっちに来いって。」
「遊びに?」
「・・・・いや。」
「まさか・・・。」
「うん、そう。」
「遂に来た、か。」
ミキティーが言った『遂に来た』 アタシの頭にもその言葉がグルグル回っていた
- 313 名前:第7隙間 投稿日:2005/08/07(日) 06:14
-
両親との約束
卒業したらアメリカに渡る それが約束だった
本来なら三年前に両親が移住する時点で一緒に行くはずだった
フットサルがやりたいからと1人日本に残ると言ったが まだ当時15歳だったアタシ
今の高校に寮はないし 1人暮らしは当然無理だと
それで姉のかおりに残ってもらい それに便乗した弟とアタシの三人で日本に残り暮らす事になった
約束は卒業まで・・・・ だけど事態は一変した
かおりんの絵が海外で評価され始め いよいよ向こうに本拠地を移す事になったらしい
個展やアトリエ開設に忙しく 暫らく日本に戻れないとの事
もうサルの試合も終わり アタシが日本に留まる言い訳は無くなってしまっていた
元々高校を卒業したら向こうの大学に進む事を約束させられていたし
行く行くは親父の会社に就職し かおりんと二人で跡を継ぐという事も決まっている
ただ半年早くなっただけだから問題ないだろう と言われたけど それは大問題
今月の末には荷物まとめてアメリカに渡らなければいけない
当然 もう学校には通えない 二学期からは向こうのインターナショナルスクールに編入させられるはずだから
受話器を置いて そのままその場から動けずにいた
- 314 名前:第7隙間【SIDE A】 投稿日:2005/08/07(日) 06:15
-
突然訪れ 突然帰っていった
私の事が好きだと 自分の気持ちだけを放り投げて行ってしまった
「吉澤さんの気持ちは何処にあるんよ・・・。」
私の投げた想いには
「ごめん。」
の 一言だけが返されて そのまま置き去り
簡単に弛む涙腺に腹が立つ しっかり歯を食いしばる
もう泣かないと決めた
涙を流してこの苦しみの理由をうやむやにするのは意味が無いとわかっている
この現実をちゃんと受け止めて どうにか先へ進まなければいけないとわかっている
そっと自分の唇をなでる
あの日 あの展望台でキスをした
よみがえる 甘酸っぱい想い
でも 吉澤さんはその唇で 美貴ちゃんとキスをした
その事実を目の当たりにした
よみがえる 痛過ぎる想い
私の中で何よりも重要なのは 吉澤さんの気持ち
どうして私が来るとわかっていながら あんな事をしたのか
吉澤さんは どんな気持ちで私と付き合っていたのか
あの時 どんな想いで美貴ちゃんと抱き合い その唇を重ねていたのか・・・
分からない事は山ほどある
でも本当にわからないのは 自分の気持ち
好きだけどわからない どうしていいのか どうしたいのかわからない
「はぁ・・・」
溜め息をつく度 胸に走る鈍い痛み
好きなのに 今も変わらず好きなのは確かなのに
この喉につっかかった何かの存在を 飲み込むことが出来ない
悔しくて切ない なんとも出来ない自分自身
また 前みたいに 私達は笑い合えるのかなぁ・・・・
- 315 名前:第7隙間【SIDE A】 投稿日:2005/08/07(日) 06:16
-
夏休みももう残り少ない 残暑厳しい日中にひとりで歩いている
合唱部の練習に加え 再開した声楽とバレエ
目が回る程の忙しい毎日 ただそれを必死で消化する毎日
あれから約半月が経っている
吉澤さんからの連絡は無い もちろん私も連絡はしていない
もうこのまま何事も無かったかの様に この季節と同じ様に
私達は終わって行くのかも知れない 時間は過ぎ去っていくのかも知れない
そう 思っていた
角を曲がり 家に向かう最後の直線に入った時家の前に立っている人が見えた
遠い距離でそれが誰なのか特定出来ずそのまま歩みを進めたが
十分顔を確認できる距離にまで近付くと 私の足は自然と止まってしまった
その人は立ち止まった私に気付き こちらへゆっくり歩み寄って来た
「ひさしぶり。」
強い日差しを受け眩しそうに目を細めている
「・・・お久し振りです。」
ドキドキと鼓動が早まるが それを隠して淡々と答えた
「ちょっとだけいい?」
声を出さずに首を立てに振る
「座らない?」
公園のベンチを指差す
また首だけで返事をした
丁度木陰に入り涼しい風が吹き抜けるベンチに腰掛ける
- 316 名前:第7隙間【SIDE A】 投稿日:2005/08/07(日) 06:18
-
「学校だったの?」
「いえ、バレエの・・・。」
「バレエ?へぇ 始めたんだ。」
「はぃ。前も・・習ってたから・・・。」
別に怒っているとかじゃない ただ鼓動が早くて息苦しいから上手く話せない
「もうすぐ、夏も終わりだね。」
溜め息混じりの声 穏やかで切なげな声
黙ってその表情を確かめると予想通り切なげな顔をしていた
「アタシ達が初めて話したの ここだったね。」
切なげに懐かしげに寂しげに 私を見てつぶやいた
「そうですね。なんか・・・・」
「なんか?」
「あっという間だった様な、長かった様な・・・」
ありきたりな感想 でもこれは本当にそういう気持ち
「だね、アタシもそう思う。」
ふっ と優しく微笑む 半月前からは想像出来ない 何処か余裕のある笑顔
「色々あったね。」
その笑顔のまま話を続ける
「ずっとあれから考えてたんだ。愛ちゃんに言われた事。」
『吉澤さんの気持ちは何処なんよ・・・・』
最後に言い捨てた私の言葉 あれが吉澤さんに対する初めての本音だった
煮え切らない吉澤さんと 自分自身に対して出た 私の本音
次にその口からどんな言葉が発せられるのか 少しの期待と不安を持って顔を見上げた
「アタシの気持ちはね・・・ ココと、ココにあるって わかった。」
自分の胸と私の胸を交互に指差しながら言う
「・・・??」
「アタシの想いはココから生まれて、ココを目指す。
でもちょっと方向音痴で中々ゴールに辿り着けなかったみたい。」
「方向音痴・・・・。」
「そ。初めての道で地図も無くて、すごく時間が掛かってた。
慎重に進み過ぎて余計迷子になってたんだ。」
自分の指をクルクル回して『迷子』を表現しているのが少し可愛い
その指をじっと見つめた
「でもやっと見えた。あと一歩でゴール、そん位近くにある。」
回していた指を私に向けて ピタッと止め それから下ろした
私は ゴクン と息を呑む
- 317 名前:第7隙間【SIDE A】 投稿日:2005/08/07(日) 06:22
-
そんな私と対照的に 長く息をついて 緊張を解く様な仕草をしている
「あのね。」
「・・・はい。」
「今月の・・・八月の末に・・・アメリカに発つんだ。・・・暫らくは帰って来れない。」
「えっ?」
今までとはなんの脈絡も無い突然の告白に耳を疑う
「親父との約束でさ・・・、まぁ少し早まったんだけど。」
「そんな・・・・。」
「こんな事になってすごく悩んだ。愛ちゃんともあれっきりだったし。」
一度遠くを見て 私の目をじっと見た
「・・・・でも、悩んでも答えは出なかった。理屈じゃどうしようも無いから。
あの時も言ったけど ・・・・アタシは愛ちゃんが好き、ただそれだけ。
これからもそれは変わらない。」
そう言って そっと私の手に触れた吉澤さんの指は少し震えていた
「だから、考えて・・・よく考えて、今からアタシが言う事に答えを出して欲しい。」
真剣な表情 依然と指は小さく震えている
「まだこんなアタシを好きでいてくれるんなら、待ってて欲しい。
必ずココに帰ってくるから アタシを待ってて欲しいんだ。」
指先からその震えが伝わり 私まで震えている様な感覚に陥る
いや 私が震えてるのかも知れない
「明後日の夏祭りの日。あの丘の上で待ってるから。
・・・・・その時に答えを聞かせて?」
震える指で ギュッと私の手を握る
「愛ちゃんの気持ち。本当の答えを待ってるから。」
私はゆっくりと一度だけ頷いた
「じゃぁ。」
最後小さく微笑んで立ち上がり 吉澤さんは行ってしまった
ベンチにぽつんと座る私 その後ろでは 懸命に啼き続けるセミの声
ただ ひと夏の命を燃やして ただ ただ ひたすらに啼き続けるその声
いつまでも 何処までも響いている
- 318 名前:スキマニア 投稿日:2005/08/07(日) 06:34
- 夏ですね・・・・
このお話ももうすぐ終盤。
季節と共に懸命に進み続けてきました。
ラスト決めていたはずなのに 悩んでいます。
- 319 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/07(日) 16:40
- よっすぃ〜行かないで〜(泣)
- 320 名前:ハラポワ 投稿日:2005/08/07(日) 22:42
- まさかの展開にドキドキです。
最後がどんな展開になっても、二人が歩むままに選んだ道を応援していきたいと思います。
- 321 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/08/08(月) 20:19
- 更新お疲れさまです。 えぇー( ̄□ ̄;)!! よ、よっすぃ〜が・・・! 愛チャンの返事は・・・(汗 次回更新待ってます。
- 322 名前:よしみとあいこ 投稿日:2005/08/09(火) 19:29
- よっすぃ〜の心の方向音痴発言に鳥肌。萌えツボです・・・!
ラストも気になりますが、「夏祭り」が楽しみで仕方ないです(*゚∀゚)=3
- 323 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/11(木) 20:39
- うわー、じれったいなぁ。
次回に期待して待ってます。
- 324 名前:スキマニア 投稿日:2005/08/21(日) 19:34
- 更新滞りました(;´Д`)
仕事があまりにもありすぎた orz
早くしないと夏が終わっちゃうYO!
ではいってみましょう
- 325 名前:第8隙間【SIDEA】 投稿日:2005/08/21(日) 19:35
-
もう日が落ちて星が顔を覗かせ始めた頃
私は暗い部屋で膝を抱えている
吉澤さんは待っていると言った でもまだ私は動き出せずにいる 朝からずっとここにいる
ムシムシする部屋で凍りついている心 何処までもかたくなな私自身
もうかれこれ今日だけで200回は こんな自分が嫌だと繰り返し思っている
なにも考えずにただ あの胸に飛び込んでいいのか 走り込んでいいのか
今から遠く離れてしまうのに いつ戻るのかわからない人なのに・・・・
何が怖い? 何を迷う?
臆病な私は自分が傷つく事を恐れてる 楽になろうとしているんだ
自分に自信が持てない 離れても吉澤さんが好きで居てくれるなんて思えない
いつか今より倍の悲しみが訪れるのなら 今ここで終わってしまった方がいいのかも知れない
私は私で やっぱり新しくなんてなれないんだ
コンコン
「・・・・・・・・・・」
おかあさん ゴハンならいらないから
コンコン
「・・・・いらなぃ」
「・・・・愛ちゃん?」
えっ?
「あのー美貴なんだけど・・・・今いい?」
慌てて立ち上がりドアを開ける
「・・・・美貴ちゃん?」
「突然ごめん。いいかな?」
手にコンビニ袋を下げていたずらっぽく笑う
「あ、うん。どうぞ。」
「おじゃましまーす」
- 326 名前:第8隙間【SIDEA】 投稿日:2005/08/21(日) 19:37
-
床の座布団に座って袋をガサゴソ
「はぃこれ。」
ちょっと汗をかいたパックのオレンジジュースを手渡して 自分も同じのを持つ
「あ・・りがとう。」
「うん。」
返事をしながらストローを挿してチューチュー飲んでいく
「ぷはぁ。ぬるい・・・」
そう言って機嫌が悪そうに私をみる 私は慌ててジュースを吸う
「・・・そんな事ないよ?おいしい。」
黙って私を見る美貴ちゃん
「・・・・・・・・・嘘ばっかり。」
「え?」
「おいしくなんかない、ぬるいし。甘いし。」
「・・・・・・・・」
無表情な美貴ちゃんがちょっと怖い
「まぁいいや。で、行かないの?」
「え?」
「花火。」
「あ・・・・。」
ジュースをテーブルに置いて窓の外を見る美貴ちゃん
「もう花火あがっちゃうよ?」
「うん・・・・」
「よっちゃんの事好きじゃないの?」
「・・・・・・・・」
言い捨てる様な話し方 やっぱり怖い
「・・・・美貴、謝んないよ?」
「・・・・・・」
たぶんあの事
「で?行かないの?」
「・・・・・・・・・」
「もぉぉぉ、なんなの?アンタ等ってほんと馬鹿みたい。」
「・・・・・っ。」
「何も難しい事なんかないじゃん!ただ好きなら好きでいいんじゃん、バァッカみたい。」
「・・・・・でも。」
「でもとかじゃないんだよ。二人でフラフラ中途半端に回り道ばっかしちゃってさ。」
「・・・・・・・・・・」
「もういい加減こっちがまいるよ。」
ハァとため息をついて もう一度ぬるいジュースを飲む美貴ちゃん
また一層機嫌が悪そうに飲み込む
- 327 名前:第8隙間【SIDEA】 投稿日:2005/08/21(日) 19:37
-
「ねぇ?」
「ん?」
「よっちゃん待ってるんだよ?」
「・・・・・・」
答えもなく黙る
「あーもーほんっとダルいそういうの。」
「・・・・・・・・何がわかるの?」
私の言葉に反応して「おっ?」という表情
「私の気持ちわかんないでしょ?」
「わかんない。だって美貴は愛ちゃんじゃないもん。」
「・・っつ、それはそう・・・・。」
「愛ちゃんの事は愛ちゃんにしかわかんないなんて当たり前じゃん。
でもアンタ等がバカだって事はわかるよ。」
「・・・・・・・・」
「二人して謙虚で優しくてさ、それがどんだけ迷惑か・・・・。」
「ごめんね・・・・。」
「ほら、謝る。すぐ謝るとこも。」
「・・・・・」
鼻からフーッとまたため息の美貴ちゃん
「美貴はね、よっちゃんに『迷惑だ』って言われたんだよ。」
「え?」
「あのヘタレで優しいよっちゃんがこの美貴に言ったの。」
「・・・・・・・・」
「なんの為かわかる?」
「・・・・・・・・・」
「ちょっとは美貴の為。後は愛ちゃんの為と自分の為。」
空になったパックをギュッと掴んで潰して袋に入れる
「よっちゃんを悲しませないで。」
顔を上げて私を見る 苛立った様な悲しそうな顔
- 328 名前:第8隙間【SIDEA】 投稿日:2005/08/21(日) 19:38
-
「愛ちゃんも・・・・・悲しまないでよ。」
「・・・・!!」
思い掛けない言葉
「・・・ムカツクけど美貴、愛ちゃんの事なんか憎めないからさ。」
「・・・・美貴ちゃん。」
「さぁてっと!」
いきなり立ち上がる
「これ、捨てといて?」
コンビニの袋をブラブラさせて言う
「あ、うん・・・。」
「じゃぁもう行くね?」
「えっ・・・」
「だから愛ちゃんも早く行きなよ。ゴチャゴチャ考えないでバーッと行けばいいんだよ。」
「・・・・・。」
「わかったの?」
「うん。・・・・美貴ちゃん、あの、ありが・・・・・」
「待った!!!!」
手を出して私の言葉を遮る
「お礼とかないから。別いい事した訳じゃないし。」
「あ、・・・うん。わかった。じゃぁ・・・ご馳走様。」
「ん?」
「これ。」
ぬるいジュース
「なんかそれ嫌味?」
「そ、そんな!」
「嘘だよ。じゃぁ。」
ニコッと笑ってドアを出て行く
「うん。ありが・・・・ うん。じゃぁ。」
パタン
私の手には汗をかき過ぎたぬるいオレンジジュース
そのぬるさや 甘さがなんだか美貴ちゃんらしくなくて でも美貴ちゃんらしくて
ちょっと胸がジンとした
- 329 名前:第8隙間【SIDEM】 投稿日:2005/08/21(日) 19:39
-
「美貴なにやってんだろ。」
ブラブラと道を歩く
おせっかいなんかして らしくないじゃん・・・・
何が悲しいとかじゃなくて 涙が出る
「何泣いてんのさ・・・バカ」
自分に突っ込む
道を歩く人は浴衣にうちわ 綺麗にお化粧して幸せそう
「・・・・・・・バカ。グスッ。」
「みきてぃー?」
何?誰?
「なにしてんの?こんなとこで。」
ごっちん やべぇ どうしよう
「何もしてない、散歩。」
「ふーん。 って ああああ!まさか?」
「なによ?」
なんか驚いた後 不思議そうにして なんかニヤニヤしてるごっちん
「まさかミキティー あいちゃんの・・・」
「違う。」
「じゃぁ何でこんなとこいるの?んで、泣いてんの?」
「泣いてない。」
「嘘だぁ。」
「もぉしつこい!」
前に立つごっちんを押し退けて歩き出す
「わぁ、ごめんごめん。」
「うるさいから。」
「いやなんかさミキティーがそんな事するなんて思えなくてさ。」
「悪いの?てか、なんもしてないから。」
「うんうん。わかったよ。で?愛ちゃん大丈夫そう?」
「・・・うん。」
ってやばい 返事しちゃった
「ははっ。ならゴトーが行く必要はないね?」
「わかんない。」
「そっかそっか。そういう事かぁ〜。」
うんうんと頷いてるごっちん なんかむかつく
「で?ごっちんは何してんの?」
「え・・・・」
二人で立ち止まる
「・・・・ミキティーと・・・同じかな?」
苦笑いのごっちん
「やっぱりね。」
「ね。」
「美貴達ってさ、ホント馬鹿じゃない?」
「ぬははは。」
「笑い事じゃないよ。」
「ごめん。」
- 330 名前:第8隙間【SIDEM】 投稿日:2005/08/21(日) 19:39
-
また歩き出す
「ミキティーって以外いい奴だね?」
「・・・・以外ってなに?」
「いや、なんとなくw」
「まぁね。」
たまには自分以外の人の事考えもする もう18歳だもん
「ごっちんはお人よしで相変わらず馬鹿だね?」
「ぬはっwそうかな?」
「昔からよっちゃんには弱いし。」
「それはお互い様じゃない?」
「うん。」
顔を見合わせて笑う
「アタシ等のお姫様は幸せになってくれるのかなぁ。よしこ姫と愛ちゃん姫。」
「ヘタレ同士なんとかやるんじゃない?じれったいけど。」
「じれったいよね〜。でもそこが愛ちゃんとよしこの良い所でもあるね。」
「そうかなぁ・・・。まぁそうなのかも。」
「ね。」
「ね。」
なんか納得してるし
「ミキティー金魚好き?」
「へっ?」
金魚の事 スキとかキライとか考えた事ないから
「金魚すくいやりに行かない?」
「え〜金魚とかメンドクサイ。」
たぶん水とか色々面倒臭いんでしょ?
「ゴトーが飼うからいいの!」
「金魚欲しいの?」
「うん。」
「なんかガラじゃないね?」
「そう?」
なんかごっちんは サボテンご似合う・・・とか思ったのは内緒
「うん。」
「今度は・・・今度は沢山飼うの。寂しくないように。」
「なに?ごっちんが寂しくないように?それとも金魚が?」
「うん。ゴトーも金魚も。みんな寂しくないようにね。」
優しいホワンとした笑顔のごっちん こんなの見たら断れないじゃん
「じゃぁ・・・一緒にいく?」
「うん。」
ガラにもなく金魚すくいとかしちゃうかな?
いや はりきってるんじゃないよ? ごっちんの為なんだから
けして美貴は浮かれてなんかいないから
「ロ〜マァァンティック 恋の花咲く〜 浮かれモーオォードー♪」
お祭用のスピーカーから流れる歌
美貴は浮かれてなんかないけど まぁ いい歌じゃん? 誰の歌だよ
夏だし 暇だし まぁちょっとだけなら いいかもしんない 夏なんだからさ
- 331 名前:スキマニア 投稿日:2005/08/21(日) 19:46
- とりあえずこれだけですが・・・・スイマセン
来週完結予定です。よかったら覗いてくださいね
- 332 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/21(日) 20:05
- ごまみき…イイですね。
- 333 名前:スキマニア 投稿日:2005/08/24(水) 02:54
- 時間が出来たので完結を。
最後は吉・愛の両視点で書きました。
それでは・・・
- 334 名前:微妙な二人 完結編 投稿日:2005/08/24(水) 02:56
-
___H_____
人がごったがえす祭の通り
その明かりや賑やかさを展望台から見下ろす
もうかれこれ2・3時間はまちぼうけている
待ち人は来ない 生温い風に伸びかけの前髪がなびく
___A_____
人々が行き交う祭りの通り
笑顔や鮮やかなカラーの隙間を縫って歩く
出掛けに母に勧められ急いで着せてもらった浴衣が息苦しい
想い人までもう少し 浴衣の裾がヒラヒラとなびく
- 335 名前:微妙な二人 完結編 投稿日:2005/08/24(水) 02:57
-
___H_____
過ぎ行く季節にただ黙って目を閉じ
ただ悠然とたたずむこの夜
どんな結末であろうと
それが自らの道であるという覚悟は揺るがない
腰掛もせず じっとまだ見えぬ待ち人を信じてここに居る
_______A__________
過ぎ行く季節に追いすがる様息を切らし
ただひたすらに歩くこの夜
この結末は自らが握っているとの自覚と
この道を突き進む覚悟は揺るぎない
鼻緒の摩擦で指が擦れる痛みも忘れ 想い人の居場所を見据え歩み続ける
- 336 名前:微妙な二人 完結編 投稿日:2005/08/24(水) 02:58
-
======H=====A=========
ドーーーーン ヒューーーーーゥ バーーーーーーーン
鈍く響いた爆音と共に 濃紺の夜空に華が咲く
沸き起こる歓声に送られ キラキラと散っていく風物詩
ただひと時の輝きを求め集う人々
ただひと時の輝きを放ち散ってゆく大輪の華
待つ方も待たれる方もその儚さを噛み締め
その輝きと輝いた時を心に刻みゆく夏
- 337 名前:微妙な二人 完結編 投稿日:2005/08/24(水) 02:59
-
____H______
次々と上がる花火 穏やかな気持ちで眺める
この夏をそっと心にしまい込む
絶えぬ情熱を内に秘めて
あの人やあの人
自分の側に居る人達の顔を1人ずつ思い浮かべながら
____A______
次々と散り行く花火
目に留める余裕もない
この夏が過ぎ去ってしまう様な
焦燥感が込み上げる
あの人やあの人
自分の背中を押してくれた人達の顔が段々と滲んでいく
- 338 名前:微妙な二人 完結編 投稿日:2005/08/24(水) 02:59
-
カラン コロン
小さく鳴るゲタの音が聴こえた 階段の方へ駆け寄り一段二段と降りていく
上がらない足で懸命に階段を上ってくる姿
「・・・・愛ちゃん。」
声を掛けると 「あっ」とだけ言い 上るペースを少し速める
同じ段まで来た彼女の手をとり ゆっくりと引いてやる
「・・・遅くなって・・・・ごめんなさい。」
申し訳無さそうに小さく頭を下げていう
「ううん。来てくれるって信じてた。」
「はい。」
ドーーーン バーーン バババババッ
二人の会話を遮る様に響く花火
お互いに向き合った右頬がその閃光に照らされている
焦った様子の彼女はその爆音の中話し始める
「・・・あの 私・・・・」
「待って?」
「えっ?」
「花火、もうすぐ終わっちゃうから。」
「あ、はい。そうですね。」
ドーーーーーーーーーーーーーン
バーーーーーーーーーーーーーン
最後に一際大きな音を立てて 夜空に開いた最後の花火
人々の歓声と所々から沸き起こる拍手
「・・・・終わり?」
「うん、たぶん。」
「最後のひとつしか・・・見れなかったですね。」
「うん。でもひとつだけでも一緒に見れたから。」
シーンと静かになる 人々の賑やかさは遠い場所
「じゃぁ、さっきの続き、お願い。」
「はぃ・・・・。」
ゴクリと言葉を飲み込んだ後 静かに顔を上げて言う
- 339 名前:微妙な二人 完結編 投稿日:2005/08/24(水) 03:00
-
「・・・・私、待ってます。」
相変わらずの強い瞳
その言葉に深く頷く
「あの、色々考えないで・・・待ってます。」
「うん。・・・・ありがとう。」
緊張した頬はお互いに少しだけ緩む
「・・・よかったぁ。五分五分だったから。」
「五分五分?なにが?」
「愛ちゃんが来るか来ないか・・・・。」
「あぁ・・。私もです。」
「ん?」
「・・・・行くか行かないか・・・が。」
「マジで?うわぁ、危なかったんだアタシ。」
「いやぁ、でも多分絶対来てたと思いますけど・・・。」
「じゃぁ五分五分じゃないじゃん!」
「そうですっけ?」
お互いに顔を見合わせて笑う こんな風に笑い合うのは久し振りの事
ひとしきり笑った後 真剣な空気が漂い始める
離れ離れになる現実が お互いの胸を切なくさせたから・・・
「・・・・絶対に帰ってくるから。」
「はい。私、吉澤さんが好きです。
後は何にもわかんないけど・・・・これだけはわかるから・・・。」
「うん、アタシも。ガキだし何も出来ないけど、愛ちゃんが好き。」
「・・・・これだけでいいんですよね?」
「・・・・これだけでいいんだよ。」
手を伸ばし 綺麗な涙を流す浴衣姿を抱き締めた
ギュッと裾を掴んだ後 おずおずと背中に手を回した彼女
「アタシを、アタシの気持ちを信じて。」
コクリと頷いて 鼻をすする彼女
- 340 名前:微妙な二人 完結編 投稿日:2005/08/24(水) 03:01
-
10代で 子供で 臆病で 何にもないアタシ達
何処に進むのかすら見えず 模索し続ける毎日
その中で見つけた大切な想いと大切な人
掻き乱し 掻き乱され 打ち壊し 打ち壊され進んでいく時間達
立ち止まりはしない 時々は迷うけど
じゃぁ その度に自分で歩いて見つければいい
正解じゃなくて 進みたい道を 辿り着きたい場所を
大切な人が待っている その場所を その未来を・・・・
- 341 名前:スキマニア 投稿日:2005/08/24(水) 03:12
- 以上で完結です。
なんとなく始めたこの話がこんなに長くなるとは思いませんでした。
日々進化する吉愛をこれからも見つめ続けて行きたいと思います。
最後の締めはやっぱり・・・
吉愛ジレッタス&なんかもう吉愛ww
なお新作を多少書き溜めていますのでボチボチ貼ろうかと思ってます。
たぶん同板の別スレになるかと。
ここは短編様に使っていければいいなと思います。
それでは初めからお付き合いいただいた皆さん 本当にありがとうございました。
たくさんのレスが励みになりました。感謝しています。
そしてスキマニアまだまだ吉愛で頑張って行きます。どうぞよろしくです。
でわまたお目にかかる日まで・・・吉澤×高橋スレに愛を込めてw
- 342 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/24(水) 04:23
- か、完結おめでとうございます(感涙)
初レスずっと読ませて頂いてました
こう・・・・ズッシリ胸にくるものがありました
自分のボギャブラリーでは伝えきれないのが悔しいのですが・・・
良作をありがとうございました
これを糧に自分も頑張ります!
- 343 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/08/24(水) 11:44
- 最終更新お疲れさまでした。 凄くよかったですよ、感動しました!!(泣 最後の語りがジンッと来ましたね。 また作者様の作品に出会えるコトを楽しみにしております。 本当にお疲れさまでした!!
- 344 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/24(水) 15:02
- お疲れ様でした
初めて娘。小説を読ませてもらったんですが、とても感動しました!
また新作の方も必ず読みたいと思います
ありがとうございました!
- 345 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/01(木) 05:38
- 遅ればせながら完結お疲れさまです!
なんていうか・・・もう感無量です(>_<)
ほんとに素敵な作品でした。新作も読ませていただきます!
- 346 名前:ハラポワ 投稿日:2005/09/11(日) 07:15
- 遅くなってしまいましたが、最終更新お疲れ様です。
毎回ハラハラポワワドッキドキな気持ちで読ませて頂きました。
こうして更新を待ちながら読ませてもらうのは初めてだったんですけど、
やっぱり完結してるものを一気に読むのとはまた違った楽しさがありますねw
スキマニアさんの吉愛やごっちん、ミキティの気持ちの中に、
共感できるものや、勉強になるものもたくさんありました。
スキマニアさんと4人にありがとうございますの気持ちでいっぱいです。
これからも応援しています!お仕事共々頑張って下さいw
- 347 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/23(日) 21:54
- 吉愛保
- 348 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:25
- 突然失礼します。いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
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