ろまんひこうへ

1 名前: 投稿日:2005/06/05(日) 16:04
ごたごたな話です。目を塞いで見てください。
2 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:08
いつものように紅茶を頼んでカウンターに座っていると、異変に気が付いた。
なんちゅうか絶対場違いだと思うようなプラズマテレビがどでんと置いてある。
おいおい、大きさ間違えてるだろ。
一風変わった喫茶店だってことは知ってるけど、どでかいテレビをカウンターに置くか普通。

「おーい、愛ちゃんこれ何?」
「店長がこれしきの金を叩いて買ったテレビやよ」
「そんな金あるなら店ごと改装すりゃいいのに。つか邪魔じゃん」
「コンパクトにおさまるやよ、ほら」
「うわ、グロい」

残念ながら読者の皆にはお見せ出来ないっていうか説明めんどくさいだけね。
四つ折りにされたプラズマテレビは、店員の愛ちゃんによってカウンター下に押し込まれた。
収納するくらいなら小さいテレビを買えばいいのに。
喉まででかかった言葉を飲み込んで再び紅茶を胃に流し込んだ。
3 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:09
ここは美貴の行き着けの店で浪漫飛行っていう喫茶店。
外見はめちゃ汚くてボロいけどメニューは豊富だし何故かこんなプラズマテレビもある。
美貴が東京に引っ越して来てすぐに友達になったのも、この喫茶の店員達だった。
東京には空が無いが座右の銘、店員の愛ちゃんは福井生まれの東京育ちだけど言葉は全て訛ってる。
4 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:09


「美貴ちゃん、紅茶一杯で何時間居座るつもりやよ」
「どうでもいいけど愛ちゃんの言葉に刺があるのは気のせいかな」
「ま、失礼がし。420円になりまーす」
「おい待て、美貴は紅茶しか飲んで無いぞ」
「紅茶の代金とテレビの拝観料込みやよ」
「ふざけんなこら、店長出せ店長」
「生憎店長は出張サービス中やよ、残念残念」
「おい待て包丁なんてどっから持ち出したんだ」


いつもの様にドタバタと店内を走り回っていると、カランと小鐘の音がしてドアが開く。
真っ昼間だというのに客が少ないこの喫茶店では客は神だと崇められてる故、愛ちゃんは手に持っていた包丁を美貴が倒れこんだすぐ脇に投げ、包丁は美貴の首横に刺さった。
営業用の笑顔を振りまくその姿はまさに天性の毒々しさが滲み出ている。
田舎者だと思って舐めてかかったらとんでもないことになるのを美貴が学んだのはつい最近だ。
5 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:10

「なんだ、あさ美ちゃんか」
「そんな見下した目を友人に向けるなよ。やあ紺ちゃん」
「こんにちは藤本さんもとい肉本さん」
「相変わらず人が殺意を抱くようなコメントを吐くんだね。ま、いいや一緒にお茶しようよ」
「はい、ありがとうございます」

この子は愛ちゃんの通ってる高校の同級生で紺野あさ美。
ほとんど愛ちゃんとやることなすことは同じだけど、何考えてるのか解らない態度が私的に気にくわない。
学年イチの成績を持つ紺ちゃんは塾帰りによくこの喫茶店に寄るらしい。
美貴はそん時バイトだからこうやって会う事は滅多に無いんだけどね。

「珍しいですね、肉本さんが肉以外の物を注文してるんなんて」
「さっき来る途中にパン食べちゃったからね。てか金輪際そのニックネームを口に出すのはやめろよ」
「あさ美ちゃん触らぬ肉に祟りなしやよ」
「貴様らパンとハムの間に挟むぞ」
「冗談やよ。あ、今度こそお客さんやよ」
6 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:11
素早く身をかわした愛ちゃんは、再びカランという音色を聞き付けメニューを持って行く。
ああも豹変すると苛立ちから殺意へと変わってゆくんだけどね。
なんだか急に寒気を覚えて身震いすると、手に持っていた紅茶がみるみるうちに変色していく。
ピキンとコップにひびが入った途端、突如背中にしがみついてきた何者かがにゃははと笑った。

「にゃはっ、つかまえたぁー」
「…松浦さん離れて、ぐるし…」
「やだみきたんってば、松浦さんだなんて他所他所しいー」
「よそよそしいっていうか近々しいって事もないけど」
「なんでよぉー」
「なんでもなにも、美貴と松浦さんはただの知り合いだし」


きゃぴきゃぴしたこの女の子は松浦亜弥。先日色々とあって知り合ってしまった知人だ。
この子も愛ちゃんと紺ちゃんと同じ高校に通っていて、紺ちゃんには及ばないけどかなりの秀才らしい。
何でも数年前までアメリカに住んでいて、去年日本に来たばかりで英語はペラペラ。
長い事アメリカに住んでいたせいかかなりボディタッチが激しく美貴に執拗にひっついてくる。
手は握られるわ抱きつかれるわで毎日大変な目にあってるんだから。
7 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:11
「そんなぁ、あたしの処女を守ってくれた命の恩人だもん」
「そういう事を大声で言える勇気を美貴にちょうだい。別に囲んでたやつらがキモかったから殴っただけだよ」
「それイコールあたしを救ってくれたんじゃん!」
「…もういいよ、勝手にそう思ってても」


そら、夜道を一人でフラフラしてた女の子が犯されそうになってたら見てられないじゃん。
二人のがっちりした男をぶっ倒した美貴を見て、亜弥ちゃんは美貴に惚れたらしい。
すぐに携帯番号とメアドを聞かれて、教えてくれるまで握られた手を離さないってしつこいから美貴も折れちゃって。
8 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:12

「いらっしゃい亜弥ちゃん、タダ飲みタダ食いは許しまへんがモットーの浪漫飛行へようこそ」
「露骨に黒い事を言うなっつの愛ちゃん。代金置いておくからじゃーね」
「え、みきたん帰っちゃうの?」
「う…だってもう紅茶変色して飲めないし。とにかくさよなら」
「ああ、待ってよぉ!」
「亜弥ちゃん、この店に足を踏み入れたからには只では返せへんよ」
「まあまあ愛ちゃん、そう言わないで見守ってあげようよ」
「…む、あさ美ちゃんが言うなら」


うるさい小言を呟く愛ちゃんを宥める紺ちゃん。今回ばかしは紺ちゃんに感謝だよ。
ていうか、どうして松浦さん、美貴の居場所が分かったんだろう。
メールも電話もシカトして個人情報は一切教えて無いはずなのに、もしかしたら盗聴されてたとか?
喫茶店を出て家に向かう美貴の後についてくる事に気付き、キッと睨んで振り返った。
こういうしつこい行動は最大に苦手だ。
9 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:12


「アメリカではストーカー行為もアリですか?」
「…ストーカーだなんて、あたしはもっとみきたんの事知りたいだけだよ?」
「それが嫌だってーの。郷に従えってば、ここは日本。ジャパンだよジャパン」
「あたしは日本人なの!アメリカ人じゃないし、わかってるもん」
「あーもう、しつこいんだよ。君は美貴の事知りたくても、美貴は君に興味無いの。わかった?」

よし。びしっと言ってやったぞ。
満足した気持ちに浸っていると、しゅんとなって俯いた松浦さん。
なんだよ、ちゃんと分ってるんじゃん。だったら最初から美貴に付きまとわなきゃいいのに。


「…わかった」
「ハイ、それでよろしい」
「じゃあ、お友達からで」
「…はい?」
「恋人が駄目なら、友達!ね、それならみきたんもいいでしょ?」
「だっ、駄目!ぜったいだめ!」
「なんで?…そんなにあたしのことキライ?」


わかってなかった。理解させる以前の問題だったなこりゃ。
10 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:13

こんなことになるならあの時、助けなければよかったのに。美貴の良心バカバカ。
美貴だって悪人じゃないけどこういうタイプは苦手中の苦手。ド真ん中だ。
ぶりぶりした女の子とかこうやって上目遣いで涙目な子とかどう接してあげればいいのかわからん。
めんどうな事になってきたぞ。

「…きらいじゃないけど」
「ホント?」
「……ほん、とう」
「…みきたん、大好き!」
「いぎゃぁっ!?」


いきなりどつかれて抱きついてきた。
髪から香る匂いはどこのシャンプーだか知らないけど、とてもいい匂いだった。
って違う、こんな事考えちゃ行けないんだ、絶対に図に乗るに決まってる。
手で肩を押し退けようとしても力が強すぎて引き剥がす事ができない。
これがアメリカンの力なのか。
11 名前:日常と無情 投稿日:2005/06/05(日) 16:13

「ぜぇーったい、まつーらの事好きになるよ?」
「ならないならない。どいてよほら」
「もー、みきたんってもしかしてシャイ?」
「うるさいよ。シャイの部分だけネイティブな発音しないでよ」
「にゃふふ、かぁわいいなぁ」

ぐわし、と頭を掴まれてかきまぜられる。
ぐわわミキサーじゃねぇんだよと抗議すると、やっとこで体を剥がす事ができた。

「あの喫茶店、いつもいるの?」
「…え、美貴?まあたいがいは」
「あたしも次から行っていい?」
「…だ、め」
「駄目…なの?」
「……駄目じゃない…」
「本当?やったぁっ!」
「だっ、だからひっつくなぁぁ」


明日から行き着けの店変えよう。ついでに引っ越そうかな。


12 名前: 投稿日:2005/06/05(日) 16:15
一応喫茶店が舞台となってます。
カプは今後どうなるかわかりません。
誤字脱字が多いと思いますが御感想などあったらどうぞ。
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/05(日) 23:14
あやみきハァ━━━━(;´Д`)━━━━ン!!!!!!
美貴様が落とされていく様を見たい…
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/06(月) 00:46
それぞれ面白いキャラだなー
それに振り回されるミキティってか
あややを好きになっていくミキティを見てみたかったり・・・
とにかく面白いのでお気に入りに入れさせていただきます
15 名前:konkon 投稿日:2005/06/07(火) 01:06
出てくるキャラが最高です!
今後が楽しみですね〜♪
16 名前: 投稿日:2005/06/07(火) 20:52

レスをもらうってこんなに嬉しい事なんだ(゚∀゚)ニヒヒ
冗談さておきレスをして下さった読者様ありがとうございます。
実は試験が迫っている為次回の更新は一、二週間後になるかと。
今年は受験などいろいろあるので速度が亀になる可能性もあります。
私事ですがよろしくおねがいします。
17 名前: 投稿日:2005/06/11(土) 13:22
時間があったので更新したいと思います。
視点が変わる事があるのでお気を付けて。
18 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:23
訝し気な顔をしてうんうん唸ってる店長。なにやら手に持っていたチラシを美貴が覗き込むや否や大急ぎでそれをぐしゃぐしゃに丸めてしまった。
あわてふためいて、その後そ知らぬ顔をして視線を宙に泳がせている。

「…?」
「こ、こらっ勝手に読むな」
「いいじゃないですか、店長が捨てたんでしょ」

ポトンと床に落ちたチラシを拾ってシワを伸ばす。
なんだ、また変な商売でも始めるのか―――


「…なになに、夢のジューンブライドを貴女に。申し込みは今すぐ…って」
「……え、ええやろ別に。なんやその冷たい視線は」
「結婚相談所ぉ?」


未だに年齢を教えてくれないことに疑問があったけど、やっぱりそういう年か。
まあ見積もって三○路。いや、もっと上かもしれない。
結婚相談所に手を出すなんて相当結婚に病んでるのか?
19 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:24


「あれ、店長って独身主義じゃなかった?」
「…せやけどお前、家に帰れば犬二匹がお出迎えって、寂しすぎるやろ」
「まあそりゃそうだけど。…ププ、ジューンブライドって」
「なんやその失笑は。そらあたしにだって希望はあるやん」
「はぁ」

恋する乙女のような瞳を輝かせて、店長はスキップしながら店の奥へ消えてしまった。
遅すぎた思春期ってやつなのか随分恥ずかしがってた。中学生かよふんとにもう。
再びチラシを丸めて、当分必要がなさそうなのでゴミ箱行きに。
ま、そのうち必然的に恋愛はするだろうな。

…結婚、かぁ。


20 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:24


「Excuse me,Aya」


亜弥の華奢な肩に手をかけた留学生教師は紳士的に微笑み、亜弥もまた淑女的に微笑んだ。
にこりと人に笑いかける亜弥の笑顔は殺人的であり、周りの同級生や下級生を魅了する程である。
日本に帰国したのは亜弥にとって予定通りの事だったが、予期せぬ帰国子女の登場にクラスメイト達は嫉妬心を覚えていた。
なにしろ、美形の留学教師と対等な英語で会話ができるのだから。

「…me?What is it?」
「Your English was surprised!Did you learn anywhere?」
「えと…Yes, it lived in the long thing United States.
However, the pronunciation sleeps still. 」
「No, no such a thing.
It is not not different from my pronunciation. Let's do happily. 」

すっと差し伸べられた手を亜弥は理解したのか、優しく微笑んで握手を交わした。
21 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:25

「Do so?Thank you. Then, tomorrow again.」
「Yeah.Moreover, tomorrow.」


颯爽と去る留学生教師に亜弥は落ち着いた表情で席に着く。
それと反対に、周りの生徒達はおぉーと歓声をあげて亜弥に拍手を送った。

「すごーい!松浦さんって本当に英語喋れるんだー。先生と普通に会話しちゃうなんて凄いね」
「そうかなぁ…。あっちでは普通だったから…」
「いいよね、英語喋れる人って格好良いもん」
「…えへへ、ありがと」

友人の前では照れくさそうにあしらうものの、亜弥も本当は嬉しかった。
アメリカ育ちということで引け目を感じられていたため、周りにとって亜弥は近寄り難い存在だったからだ。
22 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:25


「いいよねー、英語べらべら喋って自慢できて。ねぇ?」
「アハハ、マジどんだけだよって」
「いやーに発音気にしちゃってさ」


こんな嫌味を言うクラスメイトも少なくは無いのだ。
心無いクラスメイト達に亜弥は俯き、唇を噛み締める事しかできなかった。
元々ほんのすこしコンプレックスだった英会話をそう扱われるのは、亜弥の最大の弱味でもあった。
美貴の前での亜弥の大胆な行動は、どうやら学校では活かせない。

すると、複数の女生徒の前に立ちはだかる一人の女生徒が現れた。
一人一人を睨みながら、最後にリーダー格の女生徒に冷たく言い放つ。
23 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:26


「ええのぉ、べらべら小言を喋る口があって。のお、あさ美ちゃん?」
「そうだね愛ちゃん。この様な事があっては学級委員として許せませんね」
「亜弥ちゃんの事をとやかく言ったらあかんよ。ええか?」
「…な、何でよ」
「うーん、難しい話がし。あんたたちには理解できん話やよ」
「…っ…バカじゃないの、あんたら。ほらっ、行くよ!」

女生徒達は苛ついた表情でイスを蹴飛ばした後、教室から出て行ってしまう。
ふぅと溜め息をついて腕を組むと、愛はさぞ草臥れたかのように席に着いた。
にやっと笑って亜弥を促す愛は、なんだかんだ言って勝ち気で優しい性なのだ。
あさ美はというと、愛よりも静寂を守りつつぱらぱらと教科書を捲りはじめる始末。
亜弥はそんな二人にホッとしながら、さっきの出来事を忘れる事にした。
24 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:26


「ねえ、愛?」
「んー、なんやよ亜弥ちゃん。今ソースカツ丼をうまい棒で換算したら幾らになるか考えてるがしちょっと待ち」
「相談なんだけどぉ…」


学校の帰り道、あさ美は塾のため別のルートで帰ったため愛と亜弥の二人だけ。
ブツブツと呪文のように単位を数える愛に、亜弥はぽつりと口にした。

「あたし、愛の働いてる喫茶店で働きたいんだけど…」
「あ!しまった、やってしもた」
「どしたの?」
「駄菓子屋ではうまい棒10円やけど、コンビニで買ったら11円がし。ミステイクやよ」
「…あ、ああそう」

なかなか話が先に進まない。
先に言っておけば、本気で亜弥は愛の働くそして美貴が頻繁にやってくる「浪漫飛行」で働きたいと考えていた。
美貴に出会う前からバイトはしたいと考えていたものの、どの系列で働くかまでは考えていなかった。
しかし、美貴と出会った今、そして愛と仲良くなった今このチャンスを逃すわけにはいかない。
毎日のように美貴と会えて、会話が出来るんだから。
25 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:27



「…どう、かなぁ?」
「ええよ」
「え?」
「んー、経営は苦しいんやけどちょうど従業員少ないって店長も言ってたやよ」
「ほ、本当?」
「ほんなら、早速交渉しにいかな」
「うん!」


あっさり決定。



26 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:27

「だーかーらぁ、何でコーヒーメーカー売ったりするんですか」
「しゃあないやんもう中古で売ってしまったわ。インスタントで我慢して?」
「いやいや喫茶店来た意味ないでしょ。もういいです、美貴帰ります」
「あー待て待て、代わりに豚ステーキ奢ったる」
「…牛がいい」
「我侭やな。ほな鳥モモに変更な」
「なんで格が下がってるんですか」


喫茶店にコーヒーが無いってどういうことよ。しかも中古で売るって。
ブルーマウンテンを楽しみにしてたのにインスタントなんて涙が出て来るよまったく。
おまけにステーキの格まで下げられるなんて。こんなんだから晩婚を迎える事になるんだよ。
27 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:28


からん ころん


「みきたぁん!」
「うげ…」


ぎゅっ。ばきっ。ぐぇっ。



「にゃふふ、やっぱりいたぁ〜」
「…くるし…ころされ…」
「あのね、あたしここで働かせてもらえるかもしれないんだぁ。そしたらみきたんと毎日会えるねっ?」
「す、ストップ!どにかく腕ばなじて!!」


圧死する間際の美貴にやっとこで気付き、ゆるりと腕を解かれる。
短い人生だったと死んだじいちゃんに挨拶しちゃうとこだったよもう。
って、いつのまにここへ?
抱きつかれる代わりに手をぎゅっと握られて困惑すると、にゃははなんて笑う彼女はうざいくらいの存在。
ちょっとまて、さっきなんて言った?
28 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:29


「なんやこの子は。ここで働きたいん?」
「はいっ!」
「ふーーん、顔もまあまあやね。よし、雇ったろ」

ヲイ。

「はぁぁぁ!?店長、ちょっと待って!」
「あ、ありがとうございますっ!」
「ええやん、こんなかわええ子がおったら客が入るかもしれへん」

オサルみたいやわぁと意味のわかんない事を言いながら、松浦さんの頭を撫でなで。
頭がマッシロ。雪国だよ、ちょっと待ってよ。彼女がここで働くって?
冗談じゃない、また逃げる羽目になるんだよ?
29 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:29


「良かったなぁ亜弥ちゃん。給料は体した事ないけどな」
「お前も良い格になったもんやな高橋。まぁええわ、ほんならここにサインして」
「サイン?」
「あー色々手続きあるからな」

なんか妖し気な手続き書持ち出してるし。ちょっとは美貴の意見も聞いてよ常連としてさ。
あーあーあサインしちゃったよマジでどうしよう。

30 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:30

「ねぇ、たん?」
「……………」
「これから、毎日よろしくねっ」


ゾク、ゾクゾクゾク。ぶるぶると震える美貴を労る事なく、松浦さんは美貴にウインクをする。
寒気が止まらないよ、どうしよう。
ぷいっとよそ見をしてその言葉をシカトすると、松浦さんはタタタと寄ってわざと目を合わせようとする。

「な、なに」
「…みきたん、顔真っ赤だよ?熱あるの?」
「な、ないよ。っていうかそのみきたんって止めてくれな…」
「ふーん、どれどれ」
「ちょっ」


ぴたん。


とっさに目を瞑ると、額に温かい松浦さんの手があった。
ギョッとして身を捩ろうとしても手を離してくれなくて、余計にずずいと詰め寄られる。
に、逃げられないじゃん、美貴。
まじまじと美貴の顔を眺める彼女は、なぜかとても真剣な眼差しだった。
…な、なんなんだよ。
31 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:31


「はっ、離せっ」
「もー、みきたんってばホント恥ずかしがりだねー?」
「……み、みきたんって呼ぶな」
「えぇ、可愛いのに。あ、こうすればいいんだ」


ポンと手を打って、松浦さんは何か考え中。
おいおいまた余計な事考えてるんじゃないんだろうな。

「あたしの名前、知ってるでしょ?」
「…え」
「亜弥っていうの。だからぁ、そう呼んで?」
「…や、やだよ」
「はいけってぇーい!今日からみきたんって呼ぶし、みきたんはあたしの事そう呼んでね」


みきたん、みきたんと何度もそう呼ぶ彼女は、そう言い残して喫茶店から出て行った。
32 名前:おサルとおニク 投稿日:2005/06/11(土) 13:31

明日から、この喫茶店で働く事になると店長は言った。
美貴はただ呆然として、額に残っていた温度を忘れられずにいる。なんでだ。
なんで、体が熱くなってるんだろう。


「美貴ちゃん、顔真っ赤やよ」
「ホンマに熱あるんとちゃう?あ、もしかしてあの亜弥とか言う子の影響かいな」
「そ、そんなんじゃないっつの。み、美貴帰る」
「あ、美貴ちゃん代金!」
「まーま、ツケとけや」


店長の言葉も、愛ちゃんの憎たらしい小言も振り切って店を出た。
影響なんか受けて無いし熱なんかない。なんでなんで、こんなに深拍数上がってるワケ?

亜弥、ちゃん。今度会ったら、そう呼ばなきゃいけないのか。

33 名前: 投稿日:2005/06/11(土) 13:35
かなり無理矢理な展開になってきました。
当初の通り目を瞑って頂きたいと思います(死

レス返しをば。


>13名無飼育さん レスもらってハァ━━━━(;´Д`)━━━━ン!!!!!!


>14名無飼育さん お気に入りだなんて恐縮です。でも嬉しいです。 

>15konkonさん たいした話にはならないと思われますがありがとうございます。

34 名前: 投稿日:2005/06/11(土) 13:36
試験が終り次第、更新の頻度が上がるかもしれません。
何とぞよろしくおねがいします。
35 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/11(土) 22:26
なにもかも強引で楽しい
期待
36 名前:konkon 投稿日:2005/06/12(日) 00:33
面白いです!
強気でかっこいい愛ちゃんが個人的には好きですね。
37 名前:スキスキみきたん 投稿日:2005/06/27(月) 13:09
えーえむじゅういちじ。


プルルルル プルルルル プルル ブッ


「…はい、もしもし」
『あー、やっぱり寝てたなぁ?』


これは夢だ。夢ならば覚めなければ良い――って、違うチガウ。
38 名前:スキスキみきたん 投稿日:2005/06/27(月) 13:10
あたたかい布団からはい出してテーブルに置きっぱだった携帯を耳にあてがうと、甘ったるいその声。
誰とかそういうこと考える以前に、砂糖何百杯分の甘い声の持ち主は一人しかいないって事で。
ここ最近遅くまで寝られないにちじょー送ってる藤本美貴、もといニクティ。駄目だ頭がおかしくなってきた。

『みきたんってばまだ寝てたのぉ?昨日早く起きるって約束したのにぃー』
「いや、してないし。頼むから朝から電話してくるのやめ」
『朝?もうお昼近いよ?もぉーみきたんってば寝ぼすけさんぅー』

寝ぼすけみきたん反省っ。エへッ☆
死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!


「…あのさ、毎日この時間になると電話してくるけどなにやってるワケ?」
『中休みだもん、屋上で電話してるの』
「…あ、そ。じゃね美貴寝る」
『ダメッ!もうっ、せっかく毎日起こしてるんだから。ていうかみきたん、仕事は?』
「いつも夕方からだよ。夜通しだから今の時間は寝てるんだっつの」
『そうなんだぁ〜、にゃふふっ』
「…な、なに?」
『なんかみきたん、ようやく自分の事喋ってくれるようになったね』

そんなんじゃないけど。そう指摘されて、美貴は黙りこくってしまった。
だってチャッキョにしたら家に押し掛けてきそうだし、途中で電話切ったら喫茶店で何されるかわかんないし。
嬉しそーににゃふにゃふ笑う声が気にくわなくてなんだか悔しかった。
39 名前:スキスキみきたん 投稿日:2005/06/27(月) 13:10


「も、もう切るよ?君もそろそろ授業なんじゃ」
『君ぃ?この間の約束とちがうじゃーん』
「…やくそく?」

不覚にもこんなやつにドキドキしたあの日。
思い出したくもないけど、脳味噌がそれを許してくれなかった。


『亜弥っていうの。だからぁ、そう呼んで?』


呼びたく無い。口にしたら、絶対めんどくさいことになる。


「…あ、やちゃん」
『…にゃはっ、よくできましたー!あたしこれから大事なイベントあるから♪それじゃ、3時に喫茶店ね?』
「や、ちょっと待っ…」
『バイバーイ!』

ブッ  ツー ツー ツー


完全に彼女のペースになってしまった。これ、予定通りの展開なわけですか?
40 名前:スキスキみきたん 投稿日:2005/06/27(月) 13:11



「あいくよ!あわんとぅーすりー!」


ジャジャジャジャジャジャジャジャ ジャジャッジャーン


体育館にこだまする音楽そして熱い声援。亜弥、愛、あさ美達の通う高校の風景である。
ヲイ!なんていう図太い声や黄色い叫びがステージ下から聞こえて、愛は満足げに微笑んだ。
体育館で行われる、月に一度のカラオケ祭である。
学校のアイドルを生徒のアンケートで集計し、何人か選抜され熱狂的なファンを生み出している伝説の行事でもあり、亜弥は転校してきて選抜から外れた事は一度も無かった。
生まれつきの目立ちたがりの性格からか、ヘソ出しルックでも羞恥心などは全く無いらしい。


「ももいろーのふぁーんたじぃ〜イェァ!」


パンチラハァ━━━━;´Д`━━━━ン!!!!!!




41 名前:スキスキみきたん 投稿日:2005/06/27(月) 13:12




「亜弥ちゃんお疲れやよー」
「あー楽しかったぁ!」

マネージャーのような口ぶりの愛は早速、カラオケ祭で得た反響金額をゆびおりで数え始めた。
その姿に亜弥は呆れながらも、傍らで眼鏡を光らせるあさ美に笑って相づちを打つ。
にしても、そのお金を何に使うのだろうと亜弥は疑問に思うのだった。

「ていうか男率多っ。女子高によく来れるよな」
「ヲタは気持ち悪がられて快感を得る特殊生物なのですよ吉澤先輩」
「ほほぉ、何か危ないやつらだな。気を付けろよ松浦」
「はーい」

吉澤とは亜弥が所属している英会話部の部長であり、亜弥と同じくアメリカからの帰国子女である。
男前の容姿とおおざっぱな性格で、女子高の人気者1位2位を争う人物だ。
42 名前:スキスキみきたん 投稿日:2005/06/27(月) 13:13


「先輩もカラオケやればいいのにー、楽しいですよ?」
「いんや、見てるだけで十分。こういうパフォーマンス苦手っす」
「またまたぁ。石川先輩の気を引きたいくせに」
「なっ…なんであたしが石川の気を引かなきゃならないんだYO!部停にすっぞ!」

カッと顔を赤くさせて怒鳴り散らす姿はなんだか必死だ。
石川とはフットサル部のマネージャで、吉澤の古き幼馴染み。色黒で、周りからキモいと言われる事でエネルギーを得ている少し特殊な亜弥の先輩である。
「ちょうどあそこのヲタみたいだな」
というツッコミは無し。

43 名前:スキスキみきたん 投稿日:2005/06/27(月) 13:13
「美貴ちゃん呼んでへんの?」
「うん、ホントは誘いたかったけどぉ…恥ずかしいし」
「恥ずかしいって今さら。散々言い寄ってたのに、珍しいがし」
「だって、なんか恥ずかしいんだもん」

これが、乙女心なのだろうか。
時に大胆、時に内気な亜弥の性格は愛にもよくわかっていなかった。
本当に美貴のことが好きだからこそ、こういうことだってあるんだろう。
まあ、亜弥が誘った所で美貴が来る訳がないのだが。

「美貴ってだれ?」
「あーしと亜弥ちゃんがバイトしてる喫茶店の常連やよ」
「へー、可愛い名前ー」
「ちょ、ちょっと先輩!みきたんはあたしのですぅ!」
「なんだよ、ちょっと言ってみただけだって」


軟派な吉澤の発言に亜弥はムッとしながら、制服に着替えはじめる。
今日は部活が無いため、すぐに喫茶店へ向かう事ができるのだ。美貴に会える、だって今日は約束までしたんだから、絶対に来てくれる。
一方的とも思われるが、亜弥は心を弾ませていた。
44 名前: 投稿日:2005/06/27(月) 13:18
久々の更新。場面の移り変わりが激しいので読みにくいと思われ。
自分大好きさんのお誕生日用短編を上げようと思ってたのに間に合わずorz…
おめでとうね。

从‘ 。‘从 <レス返しぃ

>名無飼育さん 強引です。ついでに適当です。ありがとうございます。

>konkonさん 高橋さんは実際あんな勝ち気じゃないと思いますがw
むしろいじめられキャラだと。結構臨機応変に使います。

45 名前: 投稿日:2005/06/27(月) 13:19
ついでに更新良少なくて申し訳orz
46 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/27(月) 22:37
更新お疲れ様です。
強引でも適当でも面白ければ良いと思います。


それから高橋さんのキャラは勝ち気であってると思いますよ
特に対藤本さんに関してはそんな感じがします。
47 名前:モモイロゲンショー 投稿日:2005/07/01(金) 16:15
「…はぁ」


抜き足差し足忍び足で喫茶店の手前までやってきたものの、どうしても中に入る勇気はなかった。
だって亜弥ちゃんに誘われて来たみたいじゃん?いつもみたいにバイト前に寄るっていうだけなのに。
そんなことは美貴のプライドが許さない。決して亜弥ちゃんが呼んだから来たとかじゃない。
だったらさっさと店内に入れば良いんだけど…なんか恥ずかしいんだよ。
48 名前:モモイロゲンショー 投稿日:2005/07/01(金) 16:15

ジャジャジャジャジャジャジャジャ ジャジャッジャーン


「む?」


店の中から音楽が聞こえる。某アイドルの曲だと思う。そんでもって誰か歌ってるみたいだった。
耳を扉に押し当ててよくよく聞いてみると、やっぱりあの桃色ヴォイス。
やっぱり入るの止めようかな。
てゆーかこれってカラオケだよね、また中澤さんがムダな物買ったんだな。

腰を低くして扉に耳をくっつけてる状態だからかなり不審者的な美貴。
隣人の男子学生がAV盗み聴きしてるみたいじゃん我ながら気持ち悪い。
そんな美貴に訝し気な視線を送る一人の女子高生。
49 名前:モモイロゲンショー 投稿日:2005/07/01(金) 16:16


「…あの、中入りたいんですけど」
「へっ?あっ、ああすいませんどうぞ」
「何してたんですか?入れば良いのに」
「や、ミキは別にカラオケに混じるつもりは…ってそういうことじゃないんだけども…」
「……ミキ?」


どっちにしろ相手が相手だから強制参加させられそうだけど。
つか何だよこの女子高生は。美貴の顔じろじろ見てきやがるし。ジャージだから男か女かわかんないでも胸はありそうだから女の子だよね。
50 名前:モモイロゲンショー 投稿日:2005/07/01(金) 16:16
「美貴っていうんですか?」
「は?ああそうだけど」
「…ああ、もしかして松浦の…」
「あの子の知り合い?だったらちょうど良いや、今日は止めとくって言ってお…」


苦笑いしながらそそくさと扉から離れると、ジャージの子にがしりと腕を掴まれた。

もし男だったら反射的に歯の1本や2本でも折る所だけど、このジャージ野郎絶対変。
美貴の目見て顔赤くして腕を掴む手に力が隠って来る。イテテ、マジ殴るぞ。


「付き合って下サイ」
「あ?悪いけど見ず知らずの高校生に付き合う暇ないしっていうか手放せこのヴォ…」
「そうじゃなくて、好きです!」
「はぁっ?」


でもゾウさんはもっと好きですなんていうコントしてる暇無いんだよ。暇はあるけど。
って、今何て言った?
51 名前:モモイロゲンショー 投稿日:2005/07/01(金) 16:17
「マジ、あんたに惚れました!よしざー感激っす!」
「……あ、ああそう。てか手放して」
「あ、すんません。で、答えは?」
「ノー」
「えぇ!?」


あーいてて、血が止まるっての。細い腕に痕ついたらどうすんだ。
ボーゼンとするジャージ野郎を放って、一足早くバイト先に向かおうと足を踏出した瞬間背中に何か覆い被さってきた。その拍子に地面にこけると、美貴は仰向けのままぶっ倒れた。
直でアスファルトに頭をぶつけて涙がちょちょぎれる。

「いってぇぇ!!お前マジコロス!」
「よしざーマジっす!付き合うって言うまで逃がしません!!」
「ハァッ!?」


なんなんだよこのガキは。男子並の力で美貴の肩押さえつけてきやがる。
アメリカの次は男女か?美貴はなんでこうも変人に目を付けられるんだ。
こんなことになるなら喫茶店になんか来なきゃよかった…
52 名前:モモイロゲンショー 投稿日:2005/07/01(金) 16:17

「わ、わかったから。取りあえずどけ」
「は、はい」
「あーいったい。大事な美顔に傷でも付いてたら宣言通り殺してたよ」
「そ、そんなことさせません!綺麗な顔に傷なんて…」
「わかってんじゃん。んじゃあバイバイ」
「えぇ!?待って下さい、付き合うっていう話は…」
「だーから」

いい加減ブチ切れる所だったからしつこいジャージ野郎の襟を掴む。
このまま一本背負いでも喰らわせようかと思ったけど、さすがにそれはバイトを首になりかねない。
甘く見てやって睨んでおけば引くだろう。まあ中には(;´Д`)ハァハァしてるマメオもいるけど。
53 名前:モモイロゲンショー 投稿日:2005/07/01(金) 16:18


「美貴、肉以外の物に興味ないの。それじゃ、バイバイ?」


自分でもキモいと自覚できるくらいのロリ声。久々にやったけど決まってるじゃん。
最後ににっこり微笑んでやると、へなへなと地面に座り込むジャージ野郎。
睨みに一発が決まったと思ってルンルンでバイトに向かう。
いやぁ、喫茶店に入ろうが入らなかろうがどっちもどっちだったかもしれないけど、久しぶりの眼光でストレス解消になった。


「……惚れた。美貴様、かっけー…」


んー。何か忘れてる気もするけど、まあいいか。



54 名前: 投稿日:2005/07/01(金) 16:23
吉澤さんにミキサマジックがかかったということにしといて下さい。
うちの美貴様はヘタレなだけではありません決して(ry


(0^〜^)ノシ<返レスだYO!


>名無飼育さん これから登場人物増えそうなヨカンです。作者のペースについてきて下さい。見捨てないでくださいおねがいします(死









55 名前: 投稿日:2005/07/01(金) 16:24
更新頻度は上がりますが中身が少ないとおもわれ。
ご了承ください。
56 名前: 投稿日:2005/07/10(日) 17:49
久しぶりだ(個人的には・゚・(ノД`)・゚・
ここで本編と全く関係の無いショートをひとつ。
よしみきです。よっさんが色々考えてるおはなしです。
57 名前:きょうのできごと 投稿日:2005/07/10(日) 17:50
溶け出したアイスを一気に口に放り込む。案の定咳き込んで、頬の裏側がヒリヒリしてどうしようもなかった。
太陽がオレンジ色にぎらぎら光って、蝉がうぜーぐらいミンミン喚いて、風鈴がこれでもかっつうぐらいリンリン揺れている。アイス棒を見てみると、ハズレ。今日始めて訪れた駄菓子屋はバツだ。
歩いてる途中で蟻の行列を見つけてサンダルで邪魔してみた。列から乱れた蟻が足にわらわらと集って、ゾワゾワと背筋に寒気が走る。バタバタと慌てて水道の蛇口を捻って蟻を流し落とす。
いつのまにか繋いでいた彼女の手が解けて、どんどん先を歩いて行ってしまったことに気がついた。
58 名前:きょうのできごと 投稿日:2005/07/10(日) 17:50


「ま、待ってー」


ふぬけな声で濡れたサンダルを走らす。ぺたんぺたんして凄く走りにくいし、だらだらと絶えず汗が流れ出る。
なのに涼しい顔で汗一つ垂らさない彼女の横顔はいつ見ても綺麗だ。やっとこで彼女に追いつき、手を繋ごうか迷った挙げ句、じろりとなめるように睨まれてしまった。
そんなときはあたしも怖くて、なんにも言わずに目で合図するんだ。『ごめんね』って。
そうすると、彼女は。


「バーカ」


まだ彼女が食べていた溶けかけのアイスをあたしの口に押し込んだ。さっきまで彼女が食べていたのかと思うと、なんだか嬉しくてしょうもない。相当気持ち悪いだろうな、あたし。
毎日散歩してるはずの道なのに、暑い夏ってだけでテンションがおかしくなるものか。
汗ばんだ手の平をズボンでこすりこすり、彼女の細い指に絡ませる。離れないように、と唱えて。
59 名前:きょうのできごと 投稿日:2005/07/10(日) 17:51
「んはは」
「なに、気持ち悪い」
「みきてー、かわいいなって思った」
「へぇ」
「つめてぇよぉ」


まんざらでもないミキの笑顔が、とくんと溶けそうな心臓に染み渡る。
すきだすきだすきだすきだすきだすきだ。だいすきだ。
気持ち悪くても構わないと手を引っ張って、涼し気な横顔にキスをしてみた。どうか怒りませんようにと目を瞑ってかみさまにお願いした。うーん、神様なんかメじゃないかも。
60 名前:きょうのできごと 投稿日:2005/07/10(日) 17:52
アイスを食べたばかりの唇で少しヒヤッとしたけど、身体が熱くてたまらなくなった。ぱっと手を解かれてどんっと突き飛ばされる。その顔を覗き込むと、やっぱり涼し気に微笑む彼女がいた。
あたしばっか焦って、ほんとばかみたいだった。体温が上がるのを防ごうと思って、帰りにまた駄菓子屋でアイスを買おうとしたけど、金が足りなかった。「財布に30円しか入って無い人初めて見た」とバカにされたけど、アイス代はミキが払ってくれた。

アイスはすごくおいしかった。それを食べるあたしを見て、ミキはまたかわいく笑うんだ。


(0^〜^)ノ<ちゃんちゃん。
61 名前: 投稿日:2005/07/10(日) 17:54
とりやえずスイマセン。本編はあるのですが息詰まってるので下らない物を曝してしまいました。
当初の通りうざいなどと感じた方はスルーよろ。
62 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/10(日) 22:08
とことん阿呆なよっちゃんが型にはまりますね。
作者様の文体、私的に大好きでございますw
63 名前: 投稿日:2005/10/27(木) 22:37
長らく放置してすいません。更新します。
64 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:38


「おぅこら!」
「「「おぅこら!」」」
「このオレ様に喧嘩売ろうなんざ2億4000万年はえーんだよ!」
「「「このオレ様に喧嘩売ろうなんざ2億4000万年はえーんだよ!」」」
「声が小さい!迫力が足りない!」
「「「ウスッ!!」」」


バイク集団の中から復唱して聞こえて来る、おかしな呪文。
その背後にひたひたと忍び寄る、中澤の影には誰にも気付くはずが無い。
白の特効服を着た者が、どうやら総長らしい。長年の勘で中澤はすぐさま見抜く。


65 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:39
「って、何でれいなが絵里に敬語使わんといけんっちゃ」
「そうなの。さゆだって絵里に従う権利ないの」
「そ、それは……チーム亀さんと言ったら絵里しかないもん!」
「あのさ、どうでもいいけどこんな所で集会開いたら近所の人達に迷惑が…」
「新垣さん、れいな達は悪くてカッコ良くてナンボっちゃろ?そんな事言ってたら全国制覇が夢で消えるっちゃ」
「そ、そりゃそうだけどさー」
「だいたいさゆもやけん、何でピンクの特効服なん」
「さゆにはピンクしか似合わないの。れいなみたいな真っ赤な特効服は嫌なの」
「なん言うとぉ!これはおかーちゃんが夜なべして作ってくれた大事なもんとよ!」
「だっさーい」
「こらさゆ!」

そのうち、ぎゃあぎゃあと喧嘩が始まった。
殴り合いと思いきや、あーだこーだ自分達の言いたい事を散らかしているだけ。
ある意味質の悪い子供達である。
中澤は大きく溜め息をついて、手に持っていたスーパーの袋を地面に置いた。

うるさくて適わんわ、クソガキ。

66 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:40

まずは手始めに、赤い特効服の子供から。
なにやらぶつぶつと唱えている後に立ち、平手をばちんとかます。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!おばちゃんがぶったぁぁぁぁぁ!!!!」


中澤が平手をかました後大量の涙を流し、
れいな、と呼ばれる赤い特効服の子供はわんわんと泣き出したではないか。
しかも意外とチビである。というか全体的な平均身長を割り出したい程チビである。


67 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:40


「やかましいクソガキやなーちょっと殴っただけやろ」
「れ、れいなが泣いてる…マジで泣いてるの…」
「確かにれいなはおでんに入ってる玉子を無理して食べようとする大人が大嫌いな程憎らしいけどこんなおばさんに殴られてやり返せない勇気の無い人間だったなんて…」
「うわぁぁぁ!!いたいぃぃぃ!!」
「よしよし、痛かったねー。痛い痛いのとんでけー」
「わぁぁぁぁんいだいよ゛ぉぉ」
「…あんたら何者なん。見栄はって特効服着とるけど、自分ら」
「な、なんだとぅ?黙って聞いてりゃオバサンのくせにっ」


白い特効服の子供が、中澤に詰めりよる。
言葉遣いも身なりもまだまだ幼く、悪い格好をして見栄をはろうと
しているのが丸出しだ。
ここは、元『本物』の意地を発揮するべきであろうか。
しかし中澤も一応大の大人である。

ばちんっ

68 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:41

「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!オバサンがぶったぁぁぁぁ!!!」
「こ、このおばさん侮れないの…」
「おばさんちゃうやろ。お姉さんや。…にしてもなんやねんあんたらは」
「一応暴走族の名義ですけどね。あ、チーム亀さんって言います」
「…ださっ」

チーム亀さん。いかにものろそうである。
一番まともそうな子供の特効服の背には『悪豆上等』とある。増々訳が解らない
のも納得だ。
それに、ピンクの特効服もなんだか変である。未だぴーぴー泣いている二人とも、
この真面目そうな子供とも系統が違う。
手鏡を持って自分を見つめ、うっとりしているようだった。
69 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:42


「「ぐすっ…うぇっ…」」
「あーあーすまんなぁ、おイタはあかんかったな」
「「っ…びえぇぇぇ!!」」

二人の頭をぽんぽんと叩く。一応、ごめんなさいねというつもり
の行動だったが二人には攻撃としか捉えられなかったようだ。
再びけたたましい泣き声を上げて、泣き止みそうになかった。

「…とにかくもうどっか行き。こんな所でフカしとったらうるさくて適わんわ」
「…そう、ですよね。御迷惑をかけてすいませんでした」
「でも…行く所がないの。ね?新垣さん」
「さ、さゆ……」

どこからともなく寂し気なBGMが流れ、哀愁に包まれる公園内。
くたびれた遊具にはぴったりのシチュエーションだったが、子供達と
遊んでいる時間は中澤にはないのである。
喫茶店に戻り仕事を任せて来た愛を待たせているし、それに、スーパー
の袋に入っている焼き芋に手をつけたくて仕方が無いのだ。
70 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:42


「…バイクの燃料も、なくなっちゃったの…」
「寝る所も無くて、こんな寒空の下寝泊まりする訳にも行かないし…」
「…っ…お腹も空いたっちゃ…」
「ごはん…食べたいよぉ…」


ぐすぐすと泣き出すのは『悪豆上等』の子供以外。
寝泊まりする場所も金もないくせに、よくも非行に走ろうという勇気があるものだ。
中澤は呆れ果ててその場から去ろうと思うが、足が動かない。
自分にもこんな時代があった と、意味もなく心を奪われてしまった。
気がつくと、二本の焼き芋を袋から取り出していた。

71 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:43


「盗みは?」
「そ、そんな極悪非道な事できません!あぁ恐ろしい…」
「…訳わからんガキ共。ほら、食べ」
「た、食べて良いんですか?」
「ええよ。飢え死にさせる訳にも寒空の下放っておく訳にもいかんからな」
「このおばさん、見かけによらず優しいの」
「せやからお姉さんやて。…まぁ、ええわ。ついて来いや」
「「「「は、はい!」」」」


この日から、4人の子供達は中澤を姐さんと慕い、
一生付いて行く事を心に決めた。

「あんたら、名前は?」
「新垣、です。ツッコミ担当の黒です」
「さゆなの。キュート担当のピンクなの」
「田中れいな。ツッパリ担当の赤っちゃ」
「チーム亀さんの総長、絵里。お笑い担当の白だぜ!」
「……なんや濃いガキ共やなぁ…」


しずんで行く夕日を背に、4人と1人は喫茶店に向う。
たまには子供と戯れるのも悪く無いかなと思った、そんな日。
72 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:43



その頃、喫茶店では。


「愛ちゃんミルク頂戴。こいつの穴と言う穴に一滴残らず注ぎ込んでやる」
「そんなまたまたぁ、冗句が怖いぞ美貴ちゃんさん♪」
「あー!!なんなのアンタ!ほっぺつつくな本気で恐山の梺に埋めるぞ」
「そりゃかんべん、埋まるなら美貴ちゃんさんのその小さな胸のなか…」
「殺す」
73 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:44

厨房にある凶器となるものは予め愛が処理していたため、
血を見る事はないと安心していたが美貴は荒れまくっていた。
偶然に偶然が重なり、これは運命ディスティにーとウィンクされた上
自分に惚れてしまったとしつこく言い寄って来る吉澤に美貴は手を焼いている。
話を聞けば、同じく美貴の天敵である亜弥と同じ高校だと言う。
尚更だと言わんばかりで、美貴は吉澤の胸倉をつかみ筋肉バスターを喰らわせようと
店のフローリングにくり出した。

カランコロン


「美貴ちゃんが今吉澤先輩にかけている筋肉バスターってのが分からない人はぐぐってみるやよ」
「要らん説明するなぁ!!このダビデ退け!!」
「oh!ダビデはひと昔前だYO!」
「そんなのどっちでも良…顔近付けてくんなよ変態ヤロー!!」

美貴のかけた技をいとも簡単にすり抜け、ぎゅうっと抱きしめられる
格好になった美貴はじたばたと暴れる。
尚も顔を近付けてニヤニヤと笑う吉澤を殴ろうと拳を振り上げるがうまく行かない。
そんなごたごたのなか、4人の子供を連れた中澤が帰って来た。
74 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:44



「やかましいなぁ…。高橋、こいつらの穴という穴にミルク注ぎ込んでしまえ」
「はーい」
「ちょ!!本当にやるなよコラァァァ!」
「冷てぇそして牛乳くさ!!」


「……ここ、なんね…」
「さぁ…でも姐さんが泊めてくれるって言うんだから…」
「身の危険を感じるの。特にあの額が広い人」
「デコ言うなクソガキ!!」

不思議な人達だね。
こそこそと4人は耳打ちをして、中澤の後について厨房へ案内されて行った。
言わずもがな、身体中の穴という穴にミルクを注ぎ込まれた2人は白い液体をまき散らし
ギャァァという奇声を上げて飛回るのだった。
75 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:45


カランコロン


「たん!良かった、まだお仕事行ってなかったんだぁ」
「タタタタタタオル貸してタオル!!布ならなんでも良い!あちらこちらからミルクが出て来てぎもぢわるいorz」
「ま、松浦…うちにも」
「てめーどさくさに紛れて美貴の服の袖で口拭いてんじゃねぇよ!!…っおえっ、吐きそう…」
「みきたん、大丈夫ぅ?吐くならトイレ行こう?」
「いっ、いいよ…それより早くそれ、貸してよ」


いつもの時間に亜弥が仕事にやって来るや否や、吐き気と頭痛を催す。
まだ面倒臭いのが来た、と自然に身体が拒否反応を示しているのは確かだった。
亜弥が取り出したハンカチを奪い取ると、美貴は口を押さえて厨房へ駆け込んで行った。
吉澤はと言えば泡を吹き出しその場に倒れ、ぴくりとも動かない。
しかし、それを気に止めるものは誰1人いなかった。
76 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:45


「ひ、酷いYO!…おえっ」
「…ま、待ってよぉみきたん!」
「先輩邪魔やよ。石川先輩に電話するがし」
「やっ、止めろ!うちのこんな不様な姿を見られて堪るか!!」
「じゃあ早く失せろ」
「…は、はい」

美貴にも及ぶ程の愛の眼力により、吉澤は口を押え時々嗚咽を漏らし
すごすごと退散して行った。

77 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:45


「なんやミルク臭いなぁ。誰やねんこら」
「あんたのせいだよあんたの。地下のベッド借りますよ」
「ええけど、あんた仕事は?」
「この吐き気がおさまったらこんな所さっさと出て行きますよ。うぇっぷ…」
「けったいな事言わんといてや。ほれ、鍵」

中澤が投げた鍵をキャッチし、亜弥から受け取ったハンカチで口をおさえ
、キッチンの横の壁にあるスイッチをぽちっとな。
貧乏作りで経営も苦しい喫茶店のくせに、おかしな設備だけは整っているのだ。
地下室、というのはこの喫茶店を開業した当時からあるもので、中澤の休憩所として
今は使われている。
美貴が地下室を利用するということは、相当な常連という意味でもあるのだが。

78 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:46


「たん、横になった方が…」
「だから今から寝るんだっつの。ついてこないでよ」
「だって、心配だもん。寝てる間に吐いたりしたら気分悪いでしょ?」
「美貴的には亜弥ちゃんが傍にいる事自体気分が優れないな」
「……そっか」
「そうだよ。ふんっ」


地下室の中は随分豪華である。何度も言うが、この店には一文の出費も
許されないはずだ。
隅にあるふかふかしたベッドに美貴が横たわると、急いでついてきた亜弥が
近くにあったイスに腰掛ける。

相変わらず、美貴は亜弥に冷たく接した。
本心でも、嘘の気持ちでもない。美貴自身、亜弥にどう接して良いのか、分からないのだ。
だから、亜弥が自分を好いてくれているのは自覚していても。

…答えられる訳ないじゃん。こんなの、おかしいよ、絶対。




79 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:46



「…たんは、あたしの事嫌い?」
「…………」
「…寝ちゃったの?」


寝たふりをするのも、相当な精神力が必要だった。
寂し気なその亜弥の声を完全に塞ぎ、布団をのそのそと引っ張り、隣から
無意識に香ってくる亜弥の匂いも届かないように布団に鼻をこすりつけた。

「あたしは、たんの事好き。大好き…だよ?」

聞こえないもん。美貴に、関係ないもん。

80 名前:ヤンキーとミルクと恋心 投稿日:2005/10/27(木) 22:47



亜弥がそう言い残して地下室を出て行くと、美貴は布団を頭まですっぽりと被って枕に顔を埋めた。
身体中がむずむずとして、体温が上がる感覚を覚える。吐き気から来る、熱のようだった。
ミルクのせいではないということは、とっくにわかっている。
他の誰でも無い、亜弥のせい。無視していたい気持ちがあるのに、どうしても頭の中に亜弥の言葉が
過ってしまう。

吉澤は…論外。あんな変人に気をとられる暇はなかった。
仕事まであと1時間程時間がある。
忘れよう。忘れたら、この吐き気も収まるかな。
鼻の穴にまだミルクのにおいが残り、美貴はティッシュを数枚とって鼻を思いきりかんだ。
ちょっぴり、鼻水が白かった。




81 名前: 投稿日:2005/10/27(木) 22:49
えー、待っていて下さった方がいるかどうか分かりませんが長らく
更新をさぼっていて御免なさい。
ちなみに子供4人組はまたこれから色々出て来ると思います。
よっちゃんのキャラがおかしいのは藤本さんに出会ってからですね。すいません。
色々めちゃくちゃな話ですが、これからもおつき合い願います。
82 名前: 投稿日:2005/10/27(木) 22:51
レスありがとうございます。

>62名無飼育さま 実際はこんな人じゃないと思ってますがね(笑
83 名前:ケロポン 投稿日:2005/10/28(金) 00:45
更新お疲れ様です!実はこっそり見てました 次回も楽しみに待ってます!
84 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:40
突然失礼します。いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。

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