赤い庭

1 名前:POMP 投稿日:2005/06/06(月) 04:46
はじめさせていただきたいと思います。
2 名前:POMP 投稿日:2005/06/06(月) 04:52
REDGARDEN                                                        見つけたいものは 何?                         叶えたいことは どれ?                                                そんなものわからない                          だってここは・・                                                        「赤い庭」なのだから
3 名前:POMP 投稿日:2005/06/06(月) 04:56
すんません。少し落としときます
4 名前:POMP 投稿日:2005/08/12(金) 13:08
長いこと放置してしまいました・・
パソが使えない環境だったもので・・
5 名前:POMP 投稿日:2005/08/12(金) 13:09
「赤いわに?」
「ちがうって!わにじゃなくてにわ!に・わ!」

普通の町にあるいたってフツーの高校
朝も騒がしくにぎわってる教室で少し大きな否定を述べた声が響いた
「赤い庭?バラとか、チューリップとかが・・」
「違うって!そんなのただのお花好きの庭じゃん!そんなんじゃなくてさぁ、知らないの?赤い庭ってゆう場所」
「・・・知らないねぇ〜」
少し気が抜けたようなしゃべり方をするこの少女
栗色の髪をした見た目は誰でも通り過ぎれば振り向くような美人だが、どうも神様は完璧な人間を好まなかったらしく、どこか抜けた感じがしている
「・・そうだね。ごっちんに聞いたのが間違いだったよまつーらは」
そうつぶやいたこちらも一度見れば忘れないというような美少女とでもいうような顔立ちであった
「またどーせまっつーの好きな噂話でしょ?前みたいに不死身の少女が夜な夜なでる海だなんて、どっかであるような話し持ち込んで」
「いやっ!あれと今回のとは違う!だって今回のはある筋から・・」
「はいはい、もう授業始まるから教室に帰ろうね〜」
「もう!絶対信じないんだから!ふん!」
真希はそう促して亜弥を帰していった
 
のんびりした少女の後藤真希
はっきりとした松浦亜弥

この二人はまだ出会っていない
出会ってよかったかなんてわからない
あの赤い庭の少女たちに
6 名前:POMP 投稿日:2005/08/12(金) 13:11
「マックにでもよろーよ?」
「んあ賛成」
本日も無難に一日が過ぎ、女子高生のたしなみとでもいわんばかりに寄り道の計画を練った二人はそのまま校門をでた
「・・・・あ、そーいえば前言ってた赤いわ・・庭ってなんだったの結局?」
「今わにって絶対一回考えたよね?・・・ん〜まあいいけど・・聞く?」
「聞く」
そして亜弥はうわさを語りだした

「何かね、どっかに赤い庭ってゆー場所があるんだって!そこはね人がすべてにおいて意味が無くなったときに訪れる場所なんだって!」
「何それ?」
「あたしも詳しくは知らないけど・・・そこへ行けば夢や希望がみつかるかもしんないってゆう事だよ?」
「まっつー何にする?ごとーはビッグマック」
「・・・・チーズバーガー」
7 名前:POMP 投稿日:2005/08/12(金) 13:11
夕暮れが近づき二人はそのまま別れ、真希は一人家路を急いでいた
「最近暗くなるのが早くなったなぁ〜」
のんきに夜道を歩いていた
帰り道には公園がある、といっても遊具なんてないしただのベンチが二つあるだけの
名だけの公園だが
真希も昔はよく遊んだが、最近はほとんど寄り付かない場所になっていた
「・・・・んあ?」
ふと真希はあることに気がついた
「誰かいるの?・・泣いてるの?」
真希はその声のほうを視線でたどった
結果、二つあるうちのひとつのベンチに真希の視線は収束した
「どーしたの?」
真希は声をかけた。そこには女の子であろう華奢な肩があった
顔はうつむいているため確認できなかった
しかし明らかに泣いている声は彼女から発せられる音であり
真希には助けを求めているようにも聞こえた

8 名前:POMP 投稿日:2005/08/12(金) 13:12
真希に気がついたのかその少女は顔を上げた
「っ!」
それが真希の反応だった
声にならない、が正しいのであろうか
それ、を形容する言葉が見つからなかったのであろう
もし言葉にすればそれはただ「見惚れていた」であった
意志の強そうな目、しかし今は泣き腫らして少し赤くなっているが
彼女の持つ目の魅力までは染められていなかった
茶色に染められた髪が本当に彼女に似合ってるといった感じで
顔の小ささとあいまって、本当に「綺麗」であった
「・・・どーしたの?何で泣いてるの?」
真希は心を落ち着かせもう一度彼女に尋ねた
彼女の目は一心に真希を見続けていた。どこか驚きを交えたような目つきで
しかし彼女も目を乱暴にこすり答えた

「・・・あなたもないんだね・・生きる意味とその意味も・・」
9 名前:POMP 投稿日:2005/08/12(金) 13:12
少し鼻にかかる声で彼女は言った。真希はいわれた言葉よりもその声に聞きほれていた
でも真希がふと自分の目を凝らしたときに気づいた
彼女はいなかった
360度見回してもあるのは暗闇と街灯とその下にあるベンチだけだった
幻だとも思えなかった
リアルだった。触れてはいないが、ただそこには彼女がいた
それは真希が確信できることで、彼女に対する興味とある種の情熱も灯していた






少し興奮していたせいか真希は気づけなかった
彼女が座っていたベンチは
「赤」だったことに
10 名前:POMP 投稿日:2005/08/12(金) 13:13
更新終わります。
これからはちゃんと更新できるので・・
11 名前:POMP 投稿日:2005/08/14(日) 10:37
次の日の朝、真希は起きた
無論もう10時を回ってはいたが
そしてのんびり午後からの授業の準備をして、作られていた朝食を食べていた
ふと、昨日の光景についても考えていた
公園でであった少女。少女というにしては意志の強い目が特徴であったその女
真希はその目がどうしても忘れられずにいた
「んあ・・・行かなきゃ」
時間が来てしまいちょうどお昼休みに到着するように家を出た

学校までの道すがら、真希の制服はいかんせん目立つが、もう毎日のようなその光景に
道行く自然の光景と化してしまっていた
そして真希は自分の通う高校につき、昼休みで騒ぐ廊下を歩きつつ教室に向かっていった
12 名前:POMP 投稿日:2005/08/14(日) 10:38
「おっは〜まっつ〜」
「おそよう、ごっちん」
これも毎日の日課の挨拶となっており今日もそれが行われていた
ただ違ったのは亜弥の座っている席の前に、見慣れない後姿の少女が座っていることだった
いや、というより自分の席に座っている誰かだった
真希は、二人に近づきかばんを机の上に置いた
「あっ、そうだごっちん今日転校生が来たんだよ!」
「転校生?」
「そう!今ごっちんの目の前にいる・・」
「藤本美貴です」
13 名前:POMP 投稿日:2005/08/14(日) 10:38
空白
真希の頭にはまず何も浮かばなかった
そして、頭の片隅でどうして後姿でも気づけなかったのかと自分を責めてみた
茶色いセミロングの髪、そして意志の強そうな目、そして鼻にかかった声
まぎれもない昨日の“彼女”であった
ふじもとみき フジモトミキ 藤本美貴
頭の中でなぜか名前を反復させて、真希はじっと眼を見つめた
いや、目が離せなかった
その目に吸い込まれそうなその目に自分は放してもらえそうになかった
14 名前:POMP 投稿日:2005/08/14(日) 10:39
「みきたんだよ?ごっちん」
「み・・みきたん・・?」
「あたしが考えた名前!どう?かわいいでしょ?」
「・・・・・」
正直そんなことはどうでもいい。名前よりなにより真希は知りたかった
何を?とたずねられても答えられないが、真希は確かに彼女を知りたいと思っていた
その彼女は口を割った
「えっと・・・名前聞いてもいいかな?」
「あ・・ごめ・・ごとー、ごとーまきです」
「後藤さんね。これからもよろしくね」
差し伸べられた手を誰が断ることができるのであろうか
真希は少し震えながら、その手を握り締めた
やわらかくてあたたかいその手は、確かに今ここに彼女がいることを示していた
15 名前:POMP 投稿日:2005/08/14(日) 10:39
ずっと握っているわけにもいかなく、仕方なくどちらともなく手を離し二人は見つめあった
否 これもまた見つめ合っているのではなく、明らかに攻めと受け手に分かれている視線のぶつかりあいであった
無論どちらがどっちなどとはわかりきっていたが、やはり受け手に回った方は
(なんかごとー睨まれてる・・?なんで〜・・やっぱ昨日のことがなんかあるのかな〜・・・悲しい・・・)
一筋縄でいかなそうな雰囲気の彼女に対して真希はまた悩んでいた




『赤い庭』
この噂には続きがあった
そこへ行けば夢や希望が見つかる
だがしかしそれは同時に永遠に見つけられない夢を追い続ける悲しい場所でもあることを

今真希と亜弥の目の前にいる人物がそこの住人であることを知りえるわけもなく
彼女の夢が、“赤い庭”から出ることであることを
二人はまだ知ることもなかった
16 名前:POMP 投稿日:2005/08/14(日) 10:40
更新終わります
17 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/08/14(日) 11:56
初めまして。
ものすごく気になる始まり方ですね。 
これからのこの三人の絡みが気になります。続きまってます!!
18 名前:rina 投稿日:2005/08/14(日) 13:26
凄く内容に引き込まれました!
これからの展開を楽しみにしつつ、続き待ってます。
19 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:49
「あやちゃ〜ん!」
「みきた〜ん!」
「んあ・・」
二人はどうやら親友になったらしい
その二人とはもちろん亜弥と美貴であり、親友を取られたみたいな感じでそれがまた
自分が一番仲良くなりたい美貴であるので、なんとも言えない雰囲気になっていた
あれから10日ほどたったが、相変わらず二人は仲良く、真希は美貴とも話すことはもちろんあるが、そのときにはオプションとして幼馴染の親友も一緒について来るので、あのときの視線の意味もわからずに悶々とした日々をすごしていた
うわべだけの関係、そういってしまえばそれで終わりだろう
まだ3人としては親友になってはいなかった
20 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:50
今日はどこ行く〜?」
またいつものように亜弥が先頭を切って話を切り出す
「ん〜、昨日はマック行ったし〜」
次に美貴がサポートをする
「んあ・・」
そして後藤がんあでしめる
これが三人の最もゆったりとしたペースであった
美貴が来る前は亜弥と真希との力関係はなんとなく真希であったが
今となってはなぜかこんな関係になってしまっていた
21 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:50
「じゃあさ〜、海でもいこっか?」
亜弥がめずらしい提案をした
海、というのはこの町の少しはずれにあるが、きれいな海で地元でも
有名な恋人同士のスポットでもあった
「海・・・?」
美貴が尋ねるようにきいた
「うん!ちょっと行ったところにあってね、すんごくきれいなんだよ!ねえごっちん?」
「ん・・そーだね」
そして美貴は真希の顔をちらっと目で見た
「そうだね・・いこっか!」
青春物語のようなさわやかな会話だがそこに含まれていた闇には気づけなかった
22 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:51



そこまではバスで、20分かかった
バスを降りると、昼下がりのなんともいえない砂浜が広がっていた
「あ〜〜〜!久しぶりだ〜!」
亜弥が駆け出して海に向かっていった
それを真希は見ていた
次に美貴が行くのだろうと想定していた。だが
「・・・ねえ?」
急に美貴が話しかけてきた
「・・なに?」
妙に緊張した面持ちで真希は返事した
そして美貴は自分が以前亜弥から聞いた話をした
「知ってる?ここの海ってさ、こんなにきれいだけど、夜は死ぬことを知らない女の子がでるんだって」
「それまっつーに聞いたよ、前に。美貴ちゃんはそれ信じてるの?」
「・・・・」
美貴はふいと黙ってしまった
23 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:51
何かいけない事を言ってしまったのだろうか?真希は声をかけようとしたが
「・・・うん、信じてるよ?だってその女の子は本当は死にたくて夜な夜な海に来てるのに、死ねなくて毎晩ずーっと涙を流して悲しくて・・・そしてそれがその女の子の・・・」
そこでいったん美貴は言葉を切った。そして真希を見つめ

「“夢”なんだから」

美貴の悲しそうなその意志の強い目に、訴えかけるようなその目に真希は動揺を隠せなかった
「ねえ、ごっちんは信じる?そんな女の子のこと」
正直初めてごっちんと呼ばれたことも気にはなったが、真希はその質問に正直に返した
「信じるわけないじゃん・・そんなの」
美貴の目の色が変わった。そして
「それじゃあ・・ごっちんの“夢”ってなに?」
「夢・・?」
「そう、夢」
24 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:53
そういわれ真希は返せなかった。夢、と漠然に聞かれても答えられなかった。自分には夢なんてものは・・・なかったからだ
それを見抜かれているような、そんな居心地の悪い空間は真希には耐えられなかった
何とかその空気をはらすために真希は聞き返した
「じゃあ・・美貴ちゃんの夢は?」
「美貴の夢、それはね・・」
真希の耳に口を寄せて美貴は




「赤い庭をでることだよ、ごっちん?」

決して無邪気といえない笑みで言い放った
「それが美貴の夢。そしてそのためには」


「ごっちんと亜弥ちゃんに犠牲になってもらわないといけない」

「だから・・・ごっちん?美貴のため・・」
「みきた〜ん!ごっち〜ん!
亜弥がなかなか来ない二人に業を煮やし、呼びかけた
「この話はまた今度ね、ごっちん?」
またいつもの笑みに変わって、美貴はそう言った。そして
25 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:54
「っ?!」
キスをした
そして亜弥の元へ駆けていった
残された真希としては、史上最大に頭が混乱していた
美貴の話。確か訳がわからない。自分と亜弥が犠牲?美貴の夢のため?美貴の夢は赤い庭から出ること?赤い庭って・・・
そして突然のキス
血液が顔に頭に上っているのがよくわかる
顔は間違いなく赤いだろう。それはいい、それよりキスされた事実が真希の頭を支配していた


まったく何がなんだかわからない

26 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:54
更新終わります
27 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 01:56
つづいてレス返しれす


>>ひろ〜し〜様
  レスありがとうです!これから3人は・・・絡みますよ・・・?

>>rina様
  内容に引き込まれてくれてありがとうございますw
  これからも・・・
28 名前:POMP 投稿日:2005/08/15(月) 02:00
( ´д`)<んあ〜隠すよ〜♪
29 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/08/15(月) 22:29
なぁんか、全てにおいて気になります。。。
美貴ティ、いいキャラしてるw
続き待ってます!!
30 名前:rina 投稿日:2005/08/16(火) 09:59
更新お疲れ様です。
気になる要素が多すぎてワクワクしっぱなしです(w
ミキティのキャラが特に気になります。
これからの展開を期待しつつ、続き待ってます。
31 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/06(火) 10:34
続きはないのですか?
32 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:25
突然失礼します。いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。

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