『猫である』

1 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/20(月) 15:44

タイトルそのまま、
紺野さんメインの猫のお話。

所謂、猫紺野さんのお話です。
2 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/20(月) 15:46


  『猫である』



3 名前:cat:1 投稿日:2005/06/20(月) 15:47


『我輩は猫である――――』という書き出しの本が
人間の世界にあるとかないとか…。


わたしも『猫である』…。


そう、猫なんです。


4 名前:cat:1 投稿日:2005/06/20(月) 15:47

名前はあります。ステキな名前。
数日前に拾ってくださった ご主人様が 付けてくれた名前。

『紺野』

なんで苗字なのか?というツッコミはナシにして…。
個性的でけっこう気に入ってます。

猫の仲間内では、『あさ美』と呼ばれているので、
さしずめ『紺野あさ美』が今のところの正しい名前でしょうか?
5 名前:cat:1 投稿日:2005/06/20(月) 15:48

物心ついた頃には、野良をしていた私。
野良仲間と一緒に、それなりに楽しく過ごしていたし、
飼い猫願望なんて全然なかったのですが…。

何気に足を踏み入れた、ある大学のキャンパス。

お日様の光を浴びて、
キラキラ光る長い髪を揺らして、
シャンと背筋を伸ばして歩くその姿。


生まれてはじめて


人間に見とれました。

6 名前:cat:1 投稿日:2005/06/20(月) 15:49

そう、それがご主人様。
人間になんて関わらない方が身の為。
そう思っていたのに。
なぜか、ご主人様だけは
きっと、違うんだって…。
この人は特別なんだって、
なんの根拠もなにのに、
そう思ってました。


何度も大学に足を運んで、
会えるかな?
今日はもう帰っちゃったのかな?
なんて、ドキドキしながら姿を探して…。
7 名前:cat:1 投稿日:2005/06/20(月) 15:50

どれくらい日が経った頃でしょう…
その日も、ひと目姿を見ようと キャンパスで待っていたら、
あっという間に雲行きが怪しくなって、
バケツをひっくり返したような大雨に…

仕方なしにキャンパスのベンチの下で雨宿りをしていたら、


…ビックリしました…。

とても。

…だってご主人様がいつの間にか側に来て、
ひょいと覗き込んでいたから。
8 名前:cat:1 投稿日:2005/06/20(月) 15:51

嬉しいのを通り越して、ただビックリして縮こまってしまった私を、
ご主人様は『お〜い、大丈夫〜?』なんて、
私の大好きな、柔らかな笑顔で、声、かけてくれて…
そして、手を伸ばして
抱き上げてくれました。


雨にちょっと濡れちゃったし、
飼い猫のように綺麗じゃないから、洋服を汚してしまうのではないかと心配したのですが、
ご主人様はちっとも気にした様子はなく、

「おまえ、いつもここにいるねぇ〜、お家ないの?無いならごとーの家にくる?」

と、拍子抜けするくらいあっさりと、
私を受け入れてくれました。
9 名前:cat:1 投稿日:2005/06/20(月) 15:51


ご主人様の名前は『後藤真希』


そして、私の名前『紺野あさ美』


紺野は、
ご主人様の猫になりました。

10 名前:cat:1 投稿日:2005/06/20(月) 15:52

  『我輩は猫である』



       紺野は『飼い猫である』

11 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/20(月) 16:00

どうせありえない設定だから、
どこまでもありえなく、なんでもアリでございます。
ちなみに、
紺野さんは猫です。
猫耳の紺野さんじゃなくて、
猫の紺野さん…。

ええ、ありえない

この際だから、とことんあり得なくいこうかな…と。

よろしくおねがいします…。

12 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/20(月) 18:14

猫と人との組合せの話を読むのは 大昔に海板で連載されてた保石以来かも…
こういう設定の小説は好きなので続きがすごく楽しみです 頑張って下さい
13 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/20(月) 22:20
>>12 名無飼育さん
レスありがとうございます。
猫な紺野さんですが…ちょっと『やっぱりー?』な展開でございます。
がっかりさせてしまったら、いやはや申し訳ないです。
好き勝手な設定ですが、もうしばらくお付き合い頂くと有難いです。


せっかくの妄想小説だから
いっちょ楽しもうと思ってるわたくしです。

では、本日2度目の更新をさせて頂きます。
14 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:22


飼い猫になった私の元に、
野良仲間だった友達が、心配して会いに来てくれます。


15 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:23

トラ猫の『麻琴』、
黒猫の『愛ちゃん』、
三毛猫の『里沙ちゃん』通称オマメ。
ちなみに私は白猫『あさ美』。


物心ついた頃から一緒にいた、
家族のような大事な友達。
今日も、ご主人様が大学に出かけるのを見計らって、
会いにきてくれました。
16 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:24

「なぁ、あさ美ちゃん、…あんま信用しない方がいーと思うよ?」

顔をみるなり、独特のイントネーションでそういうのは愛ちゃん。
私達の中で、一番お姉さんの甘えんぼさん。

「そうだよ、人間だよ?人間!飽きたらポイだよ?きっと」

しかめっ面でつめよるのはオマメ。
オマメは一番年下だけど、一番のしっかり物。

「まぁねぇ、好きになったら痘痕もニキビって言うからネェ…」

一人納得して、『うんうん』と頷くのはムードメーカーの麻琴。
…ちなみに、『痘痕もエクボ』だよ、麻琴。


「…ご主人様は他の人間とは違うと思うんだけど…」

おもわず小声になる私、紺野あさ美…。
17 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:27

えぇ、間違いなくご主人様は、私達が知ってる人間とは違います。
断言でます!…できるんです。
…できるんです…が、三匹で言われると…
あぁ、強くいえない自分がイヤ…。

「拾ってくれた時もね?雨に降られて困ってた私を、洋服が汚れるのも気にしないで、
 こう、抱き上げてくれたんだよ?」

すっごく温かくて、優しくて…。
うん、絶対にいい人です。



「…ふーん…、じゃ、あさ美ちゃんは後藤さんに隠すつもりは無いんやね?」



低い声で、そう言った愛ちゃん。
『何を?』なんてとぼけてみせたら、怒られるだろうなぁ…。

18 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:28


私たち4匹が共通して持ってる秘密…。

知られちゃいけない秘密。

19 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:32

ご主人様は他の人間とは絶対違う。その自信はある。
でも…秘密は秘密…、
話せませんし、
見せられません。

「…ずっと、隠すつもりだけど…だめかなぁ…」

優しいご主人様の事、
秘密をばらしても、微笑んでくれそうな気もするけど…。

猫の時は、毛色、スタイルの違いはあれど、
どんな容姿だって、人間は『可愛い』と言います。
まるでぬいぐるみを見るように。
20 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:33



でも…あれだけは『個性』が出てしまうんです…。


21 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:34
愛ちゃんのように綺麗なら…
オマメのようにシッカリしてるなら…
麻琴のように愛される性格なら…

もっと自信を持って、ご主人様に秘密を打ち明けるけど…。


「…隠していたら…だめ…かなぁ…?」


自分に問うように、もう一度呟いたら
オマメが困った顔をして息を吐きました。

「いやぁ、あたし達はね?どっちかというと、隠していて欲しいんだよ?」

あさ美ちゃんが、見世物なんかにされたらどうしよう…って、
ただ、それだけが心配なんだよ?
…そう、呟いたオマメ。
22 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:35

私はご主人様に対して 絶対の信頼があるから、
そういう面での心配は全く無いんだけど…。


目の前にあるのは、3匹の心配顔。

あぁ、ありがたいなぁ…
すごーくすごーく心配してくれてたんだ…。

「…大丈夫。ずっと隠していくつもりだから」

23 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:36

…小さい頃、私達4匹だけが 他の猫と違うことができる事に気が付いて、
いい気になって遊んでいたら…
人間に見つかって、
捕まえられそうになりました…。

苦労して逃げ回って、
そこでやっと私達は気付いたんです。


他と違うってことは、苦労の種になる事に。



でも、他と違うその『個性』は、
夜だけにしか使えないし、
ご主人様はよく眠る人だから…。
うん、…きっと大丈夫、ばれる事なんて絶対無い。

にっこり笑って見せた私に、
3匹とも ホッとした笑顔を見せました。
24 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:37



 
   夜になると『人間の姿』になることができる私達。




他と違う『化け猫』のような私達。

  

    『劣等』な存在の私が、飼い猫になっても…

     

きっと、大丈夫、ですよね…?


25 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:37


飼い猫劣等生の私の元に、
野良仲間だった友達が、心配して会いに来てくれました。

26 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:38
*****
27 名前:cat:2 投稿日:2005/06/20(月) 22:39


******

28 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/20(月) 22:41
あ、やっぱり?そうなんだ?
結局そうなのね?
…な流れでごめんなさい。

こんな流れでいかせて頂きます…
29 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/21(火) 01:34
お約束大好き。
これからも楽しみにしてます。
30 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/21(火) 06:28
更新お疲れさまです。 おぉっ( ̄□ ̄;)  自分こういう作品があまり出ないのでかなり嬉しいです。 次回更新待ってます。
31 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/21(火) 23:37
導入から何か面白くなりそうだなとビンビンきてますよ〜
影ながら応援しております・・・
32 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/22(水) 00:46
>>29 名無飼育さん
お約束もお約束。でも、ありきたりになり過ぎないように
注意していきたいと思いますっ。よろしくお願いします。


>>30 通りすがりの者さん
さっそく更新させて頂きます。
ぼちぼち頑張っていきますので、よろしくお願いします。


>>31 名無飼育さん
おおお面白くなるよう頑張りますっ
影でも日なたでも、応援していただけるってのはありがたいことですっ。


毎日更新は無理かもですが、
今夜は頑張って更新してみていいかな〜?
いいともー。

33 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:47


日曜日の朝って大好きです。
いつもよりお寝坊さんのご主人様と、
長く一緒のベットで眠れるから。

34 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:48

夜、ご主人様が寝付いたのを見計らって、
人間の姿になりに 家を抜け出す私…。

我慢しようと思えば、我慢できるのですが…
あまり何日も我慢すると、全身が筋肉痛のように痛むので、
無理はしないようにしています。

外で人間の姿になっても、
何故かいつも、耳とシッポは猫のまま残ってしまうので、
人間がいっぱい居る所には行かず、結局、愛ちゃん、麻琴、オマメと一緒に
苦労しながら過ごすのですが…。

35 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:49


明け方近くに家に帰って、
何事もなかったかのようにベットに潜り込んで眠ても、
あっという間に朝が来て、
ご主人様は学校に行ってしまいます。

一人でお留守番してるのも寂しいし、退屈なので、
お昼寝も兼ねてもう一度ベットで丸くなってみるのですが…。
やっぱり、ご主人様がいないだけで、
ベットの布団も、冷たく感じるのです。

36 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:50


だから、日曜日は好きです。


ご主人様の体温を感じながら、ゆっくり、まどろんでいられるから。

綺麗な寝顔を、ゆっくり、見つめることができるから。

37 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:51

たまに、眠りから浅く覚めたご主人様が、
ふにゃっと笑って、抱き寄せてくれることがあります。
寝ぼけているのに、凄く優しく触ってくれて。
嬉しそうに耳の後ろとか、胸とか、毛並みの柔らかい所に鼻先を寄せてきて。
そして、
幸せそうに、再び眠りに落ちる姿を見ると、

胸が、きゅぅ…ってなって…、

なぜか、涙が出てくるのです。

『涙とまらないわ♪』…なんて歌を、この前テレビで見ましたが、
幸せすぎると、本当に涙が出てくるものなんだ…なんて、
幸せをかみ締めながらおもったりなんかして…。
38 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:51


温かいご主人様が好き。

  
幸せそうに眠るご主人様が好き。


       
そんなご主人様と一緒のベットで寝るのが好き。




ベットの中で、
一緒に布団にくるまりながら
そうやって過ごしていると
本当に嬉しくって
楽しくって…

39 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:52

だから、

日曜日の朝って大好きです。
いつもよりお寝坊さんのご主人様と、
長く一緒のベットで眠れるから。

それがとても、幸せだから。


40 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:54


******

41 名前:cat:3 投稿日:2005/06/22(水) 00:55


********

42 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/22(水) 00:57

少ないですが、一応本日の更新終了なり。

マターリいきたいと思います。
まったりマターリ…。
43 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/23(木) 21:27
更新お疲れさまです。 やっぱり猫はあったかいところが好きなんですねぇ、ほのぼのですよ(^o^*) 次回更新マッタリ待ってます。
44 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/23(木) 22:35
>>43 通りすがりの者さん
 毎度ありがとうございます@
あったかいところで、丸くなって、ゴロゴロと喉を鳴らして
ご主人様に思いっきり甘えている紺野さんです。
いやしかし、猫じゃなくとも、まどろむってのは気持ちのいいもんですよねぇ。


では、激短ですが、今夜の更新をば…

45 名前:cat:4 投稿日:2005/06/23(木) 22:36


自分が猫であることを、
こんなにも悔しく思うことはありませんでした。


46 名前:cat:4 投稿日:2005/06/23(木) 22:38

まったりながらも、いつも元気なご主人様。
体調管理はしっかりされているはずなのですが、
流行り病には負けてしまったようです。
『インフルエンザってやつにかかちゃったよ〜紺野〜』なんて、
赤い顔をして、いつもより早い時間に学校から帰ってきたご主人様。

最初はインフルエンザってよく分かってなくて、
ご主人様が早く帰ってきてくれた事を、ただ喜んでいたのですが…、

熱が上がってきて、苦しそうに寝ているご主人様。
おでこに貼ってる冷えピタは、
時間が経って、もうその役目を果たしてないはず…

看病して差し上げたいけど…
猫の姿ではできる事は限られているし、
人間になっても…姿を見せるわけにはいかないし…。
47 名前:cat:4 投稿日:2005/06/23(木) 22:39


なんだか悲しくなって、ベットに飛び上って主人様の赤い頬を舐めてみました。



どうしよう…すごく熱い…
うっすらと汗をかいて、苦しそうなご主人様を見ていると、
胸がぎゅうっと締め付けられて、涙がでてきます。
なんだろう・・・
こんな感じはじめてですが、ご主人様はもっと苦しいはず。
48 名前:cat:4 投稿日:2005/06/23(木) 22:40


いっぱい優しくしてくださるご主人様。


いっぱい美味しいエサを作ってくれるご主人様。


なのに、私はなにも出来ないなんて…



もうすぐ夜です。
もうすぐ人間になることができます。

熱が上がって、朦朧としているご主人様。
電気をつけないで、暗くして看病すればきっと大丈夫……。

49 名前:cat:4 投稿日:2005/06/23(木) 22:41


もうすぐ夜がやってくる。


あぁ、今日ばかりは夜が待ち遠しい。


 早く…
   早く日よ沈んで。


苦しそうなご主人様の寝顔と、
窓から見える夕暮れの空。


 早く夜になってほしい時ほど、太陽はゆっくり。
名残惜しそうに 空に留まります。


  お日様お願い、早く沈んで。
 
50 名前:cat:4 投稿日:2005/06/23(木) 22:42

早く人間になりたい。
ご主人様の役に立ちたい。


苦しそうに寝込むご主人様の姿を見てると
涙が出てきます。


人間になりたい。
早く人間の姿になりたい。


あぁ…。

自分が猫であることを、
 こんなにも悔しく思ったことはありません。

51 名前:cat:4 投稿日:2005/06/23(木) 22:43


*******

52 名前:cat:4 投稿日:2005/06/23(木) 22:43


*********

53 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/23(木) 22:48

本当に短いですが…すみません。
また明日頑張ります。
54 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/06/24(金) 00:48
ぴろさんみっけー(・∀・)
飼育で小説を始めたとのことなので飛んで参りましたw
ってもの凄く萌えな設定なんですけど(*´Д`)ポワワ
あぁこんこん、ついにご主人様の前でそんな・・・キャー
55 名前:名も無き読者 投稿日:2005/06/24(金) 09:19
きたーw
連日更新お疲れサマです。
もう何も言えずに悶えてます。(爆
悶死しないよう気をつけつつ続きも楽しみにしてます。
56 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/25(土) 01:54
>>54 名無し飼育さん
みつかっちゃったー
萌えて頂いてナンボの妄想小説…
萌えていただくいてありがたいことです…w
頑張るますっ

>>55 名も無き読者さん
きちゃったーw
連日更新は長くは続きませんが…orz
悶えていただければありがたい事です。
いや、もう、ホントに…


夜も遅くに更新いかせていただきます。

57 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 01:55


漆黒の空。
今日は新月で、星明りの夜空です。


58 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 01:56

生まれて初めて待ち望んだ夜。

私は初めて、ご主人様のお家で
人間の姿になりました。

人間の姿といっても、猫の耳と、シッポだけはそのまま残っているので、
『化け猫』という方が正しいのかもしれません。

これまではこんな能力なんていらないと思っていましたが、
今回ばかりは、この能力があってよかったと思います。

59 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 01:58

自由に動く人間の手で、温かくなってしまった冷えピタをとって、
額の汗を、固く絞ったタオルで拭くと、
苦しそうに眉を寄せていたご主人様の表情が、フッと緩んだ気がしました。


「んぁ〜…きもちいぃ〜…」


熱で回らない口で、そう言ったご主人様。


  あぁ…よかった、役に立てた。


すごーくすごーく嬉しくなりました。
嬉しくて、涙が出そうになりました。
優しいご主人様。
大好きなご主人様。
紺野は、貴女のお役に立ちたいです…。

60 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:00


「あ…」

冷たいタオルをさぐるようにしていたご主人様の手が、
それを握っていた私の手ごと握り締めました。

熱い手…。

ご主人様、また熱が上がってきたのでしょうか?
心配です…。

心配だからでしょうか?
胸がドキドキして、苦しいです。


猫の時はすごく大きく感じたご主人様の手。

こんなに細くて、白い、綺麗な手だったんですね。
空いているもう一方の手で、
ご主人様の手を包んでみると…
また、大きく膨れる、不思議なドキドキ。
61 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:00

あぁ、どうしよう…
私、どうしちゃったんでしょう…
すごく、胸が苦しいのに…
こんなに苦しいのに…


手、離したくないです。


猫の時とは違う感触。
人間の肌と肌が触れ合う感触って、
みんな、こう…なんでしょうか?
人間の姿になったまこっちゃん達に触れるのとは…、
なんだか、違う感覚…。


この姿だからこそ 感じることができる、
猫の時では分からなかった
ご主人様のこと……。

62 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:01


あぁ、本当に、本当にどうしよう…
『秘密は秘密のまま』…そう思ってたはずなのに。
この姿で、ご主人様とお話したい、瞳を覗き込みたい…そう思ってます。


じっとご主人様の寝顔を見つめていると、
小さなうめきとともに、ご主人様がゆっくりと目を開きました。

一瞬、ドキっとしましたが、
電気をつけていない、真っ暗な部屋。
ご主人様はよく見えないようで、

「んぁ?………だれ?おかーさん?」

と、私をお母様と勘違いされたようです。
だから、私は、できるだけ優しい声で、

「そうですよ、だいじょうぶ…おやすみなさい」

と伝えました。

63 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:03

まだ触れている手と手。
もっともっとお話したくて、本当のことを言いたくなる気持ちを、
一生懸命抑えました。


初めて交わした言葉。
初めての会話。

私の言葉と、ご主人様の言葉で会話になった…。

     
それだけで
こんなに嬉しい。


64 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:05

あぁ、でも、胸がくるしい…
   嬉しいのに、嬉しくて仕方ないのに、

嬉しくなればなるほど、
  胸が、とても苦しくなります。
  


こんなに胸が苦しくなるなんて…



もしかして、私…


65 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:05



ご主人様の病気が
うつってしまったのでしょうか…?


66 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:06

新月の夜。
漆黒の夜空。

生まれて初めて待ち望んだ夜。


ご主人様のお家で人間の姿になりました。

67 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:07


*******

68 名前:cat:5 投稿日:2005/06/25(土) 02:07


*************

69 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/25(土) 02:08

深夜の更新でございました。

70 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/06/25(土) 02:32
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
こんこんなんて健気なんだろぅ・・・。
凄く面白いです。次回更新も楽しみにしています。
深夜の読者でございました。
71 名前:優海 投稿日:2005/06/25(土) 14:44
飼育で小説始めたということなんで
飛んで参りました。

こんな感じ萌えますw
頑張ってくださいね。次回更新楽しみです。
72 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/26(日) 11:53
更新お疲れさまです。 紺チャン健気で切ないです(;_;) かなり感動ですよ、凄く良いです。 次回更新待ってます。
73 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/27(月) 00:30
 
>>70 名無し飼育さん
健気紺野さん。
ええ、猫なのに、忠犬のように主人に従順な紺野さんです。

>>71 優海さん
飛んできてくださったとは…!ありがたいことです…。
萌えてもらってナンボの妄想小説。頑張ります。

>>72 通りすがりの者さん
忠犬のように健気で従順な紺野さん。
その紺野さんに切なくなって頂いて…ありがたいことです。

『猫』なのに『忠犬』な紺野さんを目指していこうと思います。

では、今夜の更新をば・・・

**********
74 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:31


「紺野、昨夜だれか来たよね?」


75 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:33

特効薬が効いて、すっかり熱が下がってしまったご主人様。
目が覚めてすぐ、猫の姿に戻った私にそう言いました。


…お母さまじゃないですか?


言葉は通じないけれど、
思わずそう鳴いた私。


ご主人様は私を抱き上げると、
まるで言葉が通じたかのように

「お母さんは来るはず無いんだよねー
 熱出した事言ってないし…。なんつっても、今、旅行中で日本にいないし」

と…仰って…。
………。
……………。
えぇえっ!?…そうなんですか?(汗
76 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:34


心臓が一気に跳ね上がりました。


ばれちゃったかな?ご主人様に。
覚えてるのかな?昨夜の私の姿。
見えたのかな?人間の姿になった私。


…ヒヤヒヤとワクワクがごちゃ混ぜになったようなドキドキ感。


人間の姿になれる事を知られたくない。
でも、
人間の姿になって、ご主人様とお話したい。


葛藤する二つの気持ち。
人間の姿の私を覚えているのなら…
ご主人様、どう思ったでしょう?
変じゃなかった?
ドキドキ、ヒヤヒヤ…。
77 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:35



『うーん』と考え込むご主人様。


『うーん』と悩む私。


78 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:36

気づくかな?
何を考えてるのかな?

ご主人様の表情から気持ちを探ろうと
じぃっと見ていたら、
ご主人様がそんな私に気づいて
ニッコリと笑いました。

「ごめんごめん紺野。お腹すいた?」

……
…………
……………………
……
そんなに物欲しそうな目してました?私…(汗
おもわずガックリうなだれます。

「わぁ!?なに!?そんなにお腹へってるの?紺野!?」

…違います。

……いえ、違うことも無いですけど。

お腹空いてますけど!
…けど…。

あぁ…
…日ごろの食いしん坊がこんな所でマイナスに…。
これって、自業自得でしょうか?
…でしょうね…
ですよねぇ…。
79 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:37

食いしん坊はちょっと抑えないと…なんて思っても、
ご主人様の作る朝ごはんの匂いがすると…。
………
…ごめんなさい。
ご主人様のご飯を我慢するなんて、
やっぱり私には無理です。

台所に立って、ご機嫌でお料理するご主人様は
もう、昨夜の人物の事なんて忘れている様子…。

とりあえずは
安心…でしょうか?
80 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:37


キャットフードより、ご主人様の手料理派な私。
ご主人様は当たり前のように、私のご飯も作ってくださいます。


今日もご主人様お手製の猫ご飯。
病み上がりで、まだ完全じゃないのに…
ありがとうございます、ご主人様。


ウキウキでご飯を食べる私に、
ご主人様はニッコリ笑って言いました。

81 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:39



「紺野、昨夜、誰かいたよね?」


82 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:39


******

83 名前:cat:6 投稿日:2005/06/27(月) 00:39


**********

84 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/27(月) 00:41

どうする!?紺野さん!!
まて次回。

ということで、本日はここまで…。
85 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/27(月) 01:45
遅ればせながら、こちらにもおじゃまさせていただきました。
良いですねぇ。可愛くて、ちょっぴり切なくて。。
応援してます。ぴろ様のペースで頑張って下さい。
86 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/27(月) 07:02
更新お疲れさまです。 ヒヤヒヤワクワクしましたよ(^o^; でもあのまま・・・(ry この先どうなるんでしょうか? 次回更新待ってます。
87 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/27(月) 23:53
>>85 名無飼育さん
応援ありがとうございます。
とても励みになりますっ。

>>86 通りすがりの者さん
いったいどうなっていくのでしょうねw
書いてる本人もよく分かってません。ドキドキです。


では、本日の更新を…

*************
88 名前:cat:7 投稿日:2005/06/27(月) 23:54


ダイスキなご主人様のご飯でも、
喉を通らない事があるんだと、この日、初めて知りました。


89 名前:cat:7 投稿日:2005/06/27(月) 23:54

ウキウキで朝ごはんを食べ始めた私に、
にっこり笑いながらご主人様が言った言葉。

「紺野、昨夜、誰かいたよね?」

…にっこり笑って言われました。
にっこりと…。
ええ、口元はたしかに笑ってらっしゃいます。
でも、

…ご主人様?
目、笑ってないです…(汗

90 名前:cat:7 投稿日:2005/06/27(月) 23:55

もしかしなくとも、ご主人様は気づいてるのでしょうか?
でなきゃ言葉も通じない飼い猫に、
ここまで真剣に聞いてくることは…無いはずです。
…………。
や、ご主人様なら有り得るかもしれませんが。
ええ、クールに見えますが、けっこう…純粋なんです。


でも、この目は…
もしかしなくとも、本気ですか?
ちょっと、いや、かなり怖いのですが…

91 名前:cat:7 投稿日:2005/06/27(月) 23:56

直視できなくて、うなだれた私の頭を
ご主人様は優しく撫でて下さいます。

「んぁ?ちょっと怖かった?紺野」

ええ、ちょっと
でも、声が優しくて安心しました。

「紺野に聞いても分からないよね?」

そうですよ、
紺野は猫ですもの。

「じゃ、質問変えようかな?」

…。
なんでしょう。
嫌な予感がします。
声は相変わらず優しいのですが…。
にっこり笑うその目は、
先ほどと同じ鋭さ…。
92 名前:cat:7 投稿日:2005/06/27(月) 23:57




「紺野、毎晩どこに出掛けてるの?」



93 名前:cat:7 投稿日:2005/06/27(月) 23:57

一気に身体が緊張したのが分かりました。

ぎゅうっと身体が縮こまります。
耳がたれるのが自分で分かります。
シッポがきゅうっとまるまるのも分かります。

始めて見るご主人様。


この言葉は、一体どこまで気づいての言葉なのでしょうか?

94 名前:cat:7 投稿日:2005/06/27(月) 23:58

怖くなった私は、
精一杯、普通の猫のフリをしました。
ニャーと何も分からない風に鳴き、
いつも通り、ご飯に一生懸命になってみました。


そんな私を、ご主人様はしばらく見つめていましたが、
『あはっ』と笑うと


「考えすぎかぁ〜」


と、頭をぽりぽり…
『ありえない、ありえな〜い』と言いながら、ご自分の朝食を始めました。


そんなご主人様の姿に、
安堵のため息が自然とこぼれます。
95 名前:cat:7 投稿日:2005/06/27(月) 23:59

昨夜、人間の姿で、ご主人様と短い会話を交わした時、
秘密を明かそうか…なんて、ちょっと考えましたが。
…やっぱり、そんな勇気はありません。


人間の姿になれる『化け猫』が飼い猫だなんて知ったら…
どんなに良い人間でも、怖く、なりますよね…?



今後はもっと慎重にならなくちゃ…

なんて思う私に、
ご主人様は極めつけの言葉を言われました。



「でもさ、紺野、窓の鍵って自分で開けられたっけ?」

96 名前:cat:7 投稿日:2005/06/28(火) 00:00

…人間の姿でならですね…。

すみません、無用心とは思いながらも
お風呂場の小窓…ちょっと空けるために一瞬人間になってました。

でも、外に出るときは猫の姿でしたよ?
だって、お風呂場の小窓は猫の姿じゃなきゃ通れませんから…

ええ、でも、戸締りはちゃんとしなくちゃですよね…
いいマンションにお住まいとはいえ、物騒ですよね…

…じゃなくて。

もう夜中、外に出るときに窓は使えませんね。
どうやって外にでよう?なんて考えたら、
課題は一杯…。
97 名前:cat:7 投稿日:2005/06/28(火) 00:01

いつもは綺麗に食べてしまう
ご主人様お手製の猫ご飯…


今日は食が進みません…



ダイスキなご主人様のご飯でも、
喉を通らない事があるんだと、この日、初めて知りました。


98 名前:cat:7 投稿日:2005/06/28(火) 00:01


*******

99 名前:cat:7 投稿日:2005/06/28(火) 00:01


*************

100 名前:ぴろ 投稿日:2005/06/28(火) 00:04

今夜の更新オワリ…

2〜3日お休みします。
101 名前:名無しだYO 投稿日:2005/06/28(火) 00:20
うわぁぁああ!な、なんかこっちまでドキドキです。
実はこの設定でぴろ様が小説化されるのを心待ちにしておりました(笑。
ゆっくり休んで、また再び猫川ο・‐・)ノシを見せてください!
102 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/28(火) 21:11
更新お疲れさまです。 ドキドキですね、でもちょっとワクワクも(ェェ ぐっすりと休んでください。 いつまでも次回更新待ってますからね。
103 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/02(土) 22:04

>>101 名無しだYOさん
心待ちにして下さってたとは…!ありがたいことです。
猫の紺野さんですが、中身は忠犬です。…でも猫なんです。
どうなることやら…なわたくしでございます。

>>102 通りすがりの者さん
ドキドキしたうえ、ワクワクまでしてくださって
ありがとうございます。
本日更新させていただきます。


ではでは、今夜もお付き合いくださいませ。

104 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:05


外に出るのが難しいのなら、
家の中でなればいいと気づきました。

105 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:06

なにも無理に外に出なくてもいいんです。
ご主人様の眠りは深い。

夜中に出入りする時、全然起きなかったご主人様ですもの。
寝室とは別の部屋で
こっそり人間の姿になればいいわけです。

愛ちゃんやマコっちゃん、お豆と会えないのは
ちょっと辛いですが…。
ご主人様にある不信感が 薄れるまでの辛抱。

今、鍵を開けて外に出たら
余計に不信に思われそうですから…。

というか、外に出ていたのを知ってる事自体驚きだったのに…。

朝まで熟睡していて、気づいてないと思っていた私が浅はかでした。
とりあえず、夜中目を覚ます事もある様子。
…それさえ気をつけていたら、
うん。きっと大丈夫です。
106 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:08


という事で。



今宵はさっそく実践中。
ご主人様が眠ったのを確認して

そっとベットから降り…


寝室から抜け出ると…



「背伸びをするような感覚で、人間の姿にこのとおり」


伸びをるすように身体を伸ばすと
人間の姿になれます。
本当に背伸びをするような感じで身体が変化するので、
とても気持ちいいです。

縮こまっていた身体の筋が延びていくような感覚。
…ホント、一日一回は人間にならなきゃ最近は特に辛い。

猫の姿の時も、身体が軽くてそれなりにいいのですが、
夜になると身体が人間の姿になろうとして軋むのです。
それなのに…最近はご主人様の目が怖くて
なかなか人間になる事ができませんでした…orz

でもなんとか、今夜はやっと、人間の姿になる事ができました。
…相変わらず猫の耳と尻尾は残ったままですが…。
107 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:09

ご主人様が寝室から出てきても
すぐには見つからないよう
リビングのソファの陰に座ります。

ここならご主人様が起きてきてもすぐに対処できるし、
猫の姿に戻るところを見られる事もありません。



ええもう、完璧です。


108 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:10

「あぁ…今夜は満月ですねぇ…」

正面にある窓に掛かる カーテンから覗く夜空。
ご主人様のマンションは結構階が高いので、
空がとても近く見えます。

その夜空に浮かぶまぁるいお月様。

ゆっくりとカーテンを開き、
月明かりを部屋に招き入れました。


話相手もいないし、TVをつける訳にもいきません。
暗い中じっとしているしかないこの状況の中、
この満月はとてもありがたいです。


「電気をつけなくても明るいし…
 ここでゆっくり月光浴しながら月見というのも、
 なかなかシャレたものですねぇ」


月見団子がないのが残念ですが、仕方ありません。
109 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:12


静かな満月の夜。

シンと静まり返っていて、神秘的…。



 愛ちゃん達、心配してるかな?
   ご主人様が病気されてから会ってない。

ご主人様が病気で学校も休んでたから、
昼間も、愛ちゃん達遊びにこれなかったし…

 なにしてるかなぁ?
   
   どこかに遊びにいってるかな?

そういえば、この前ゴミ出しの日に
いっぱい可愛いお洋服が捨ててあったから、拾ってきたって
マコっちゃん言ってた…。

みんなで試着会してるかな?


愛ちゃん達と一緒にいると、あっという間に過ぎる夜の時間なのに、
…あぁ、今日は時間が経つのが遅い…。


「まだまだ時間はいっぱい…なにして過ごそうかなぁ…」
110 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:13

ソファに寄りかかり、ぼーっと月を見上げます。
綺麗だけど、
いい加減飽きてきました。


あぁ…遊びに行きたいなぁ。


  愛ちゃん達に会いたいなぁ…。


3人に話したい事いっぱい……。


    ………外に出たいなぁ…。


…………


   …………………



…………………。

111 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:13


「……誰?」

112 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:14

人の声にビクっと身体が震えました。

      
しまった…
   油断しました。



あまりにヒマでついうたた寝を…。
どうやらご主人様が起きてきたようです。

猫の姿に戻ろうと、あずけていた背を起こして
顔を上げて…


またビクっと震えました。



だって、



すぐそこにご主人様が立っていて、私を見下ろしていたんですから。

113 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:14

「……………………………だれ?」




さぁ、私はだれでしょう?

…なんて…そんな冗談は通じそうにありません。

  さぁ、私は誰でしょう…

さぁ、なんて答えましょう…


    あぁ、ほんと、油断してしまいました。
114 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:15

外に出るのが難しいのなら、
家の中でなればいいと気づいた初日。


             さっそくヘマしちゃいました。
115 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:15


********

116 名前:cat:8 投稿日:2005/07/02(土) 22:15


*************

117 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/02(土) 22:17
うたた寝って気持ちいいですよね。
…あと二度寝も。
そんなわたしは夜更かし人間。

…本日の更新でした。
118 名前:名無しだYO 投稿日:2005/07/03(日) 00:30
お疲れ様ですm(__)m昨日うたた寝してANSご主人様の部分聞けなかった悪夢を思い出しました…orz
続き激しく気になります
ドキドキ(´・∀・`)ワクワク
119 名前:konkon 投稿日:2005/07/03(日) 00:54
紺ちゃん大ピンチ!
っと自己紹介遅れました〜、konkonといいます!
更新お疲れさまです、一気に読ませていただきました。
何か面白い設定ですね。
今後が楽しみです。
120 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/03(日) 22:59
>>118 名無しだYOさん
まぁ、ご主人様のANSを…。それはお気の毒でした…orz
続き…↓のような感じになりました。

>>119 konkonさん
レスありがとうございます。大変嬉しゅうございますっ。
紺ちゃん大ピンチです!どうなることやら…?


レス、ホントにありがたいことです…。
それでは今夜の更新を…

***************
121 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 22:59

「誰…?」

ご主人様にそう尋ねられ、
私、すごく困っています。
122 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:00

困るなってほうが無理です。この状況。

たしかに、深夜 猫の耳はやした人間が、
自分の家でうたた寝してたら
ほんとに『あんたダレ?』状態ですよ。

ですよ?

…ですが…。

『紺野です』と正直に言っていいものか…。

正直に言ったとして、それで思いっきり拒絶されたら…
ちょっと…、
…ツライ、です。


ならいっそ、この場から逃げ出してしまうとか…。


ご主人様を振り切って、外に逃げ出し、
あとで何食わぬ顔して猫の姿で帰ってくると…いいのかも…?
面と向かって拒絶されるよりは、
多少の不信感は残ったとしても、そちらの方がまだ救いがある。
123 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:01
そうですよ。
逃げればいいんです。
この場から逃げ出せば…


「紺野」
「はははいっ!」


……………………………あぁっ!
私とした事が思わず返事をっ!(汗


「……紺野?」


返事をした私に、
今度はちょっと確かめるように呼びながら、
私の横に屈み込むご主人様。

どうしよう、

この姿で、ここまで近づいたのって初めてです。

どうしよう、

また…胸がすごーく、
痛い、です。
ドキドキドキドキ。
止まりません。
124 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:02
顔を覗き込まれ、
じっと目を覗き込まれ、

私は泣きそうになりました。

ご主人様の目に、
私はどういう風に映ってるんでしょう?

猫でも人間でもない姿。

気持ち悪いかな?
…気持ち悪いですよね?やっぱり。

嫌われちゃったらどうしよう。
気持ち悪がられたらどうしよう…。
もう、猫の姿に戻っても、
前みたいに可愛がってはくれないんだろうな…。

そんな事考えたら
ホントに涙がいっぱい出てきて、
ぽろぽろ、ぽろぽろ…
止まらなくなっちゃいました。
125 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:03

あぁ、サイアクです。
こんな姿見られて…
ご主人様きっと、呆れてます。

…怖くてご主人様の顔、見れないけど…
きっと、絶対、呆れてます。

ご主人様は隣にしゃがみこんだまま、何も言いません。

じっと見られているのは、なんとなく感じますが…。

どんな目で見られてるんだろう…。
そう思うと、怖くて確かめられません。

動けない。

怖くて動けません。


……………

………………………………

………………………………………むぎゅ。
126 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:03

「!? 痛っ…!?いいいいたいです〜っ」

動けないでいた私の、猫のままの耳に、
いきなり痛みが走ったと思ったら…。
隣にしゃがみこんでいたご主人様が思いっきり引っ張っていました。

なにをしてるんですかっ!?(汗

「あぁ、ごめん。なに、ホンモノ?」
「ホンモノです、痛いです、ホントにっ…ご主人様っ」
「あぁ、ごめん」

キョトンとした顔で手を離したご主人様。

あぁ、耳が…(泣

ふるふると耳を振って痛みを飛ばしていると、
その様子を見て、ご主人様はなにやら楽しそう…。

………なんでしょう。

先ほどとは、ちょっと、タイプの違う嫌な予感が…。
127 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:04


さわさわさわさわさわ…


「ひゃあぁああぁあぁぁぁ〜っ」


このお方は一体っ!?(泣

一体なんなんでしょう。
ご主人様はつかめない方だというのは分かっていましたが…
猫の耳の生えた、得体の知れない相手の
その得体の知れない猫の耳をっ
なんでこんなに弄りだしてるんですかぁっ!?

猫の姿の時は、けっこうされてましたが…

というか、猫の姿の時もそうでしたが
こう、猫耳を、こう…
指で遊ばれると…


あぁぁぁ…


こ、腰が…腰にぞわぞわと…
ち、ちからが…入らないんですがっ…
128 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:05

「や、やめ…やめて、やめてくださぃ〜」


あぁ、ご主人様。楽しそう。
猫の姿の時に同じようにする時も、
こんな風に、嫌がる私を見て
楽しそうにするんです。
それで、思わず縮こまってしまう私に…


「かわいいねぇ〜紺野は〜♪」


って嬉しそうに言うんです…
そう、こういう風に…
…こう……
…………?

「ふぇ?」

…いま、なんと?

今、何て言ったんですか?

猫じゃない、人間の姿をした私に、
ご主人様は
猫の時と同じ言葉を言われました…?

思わずご主人様のお顔をじっとみると、
ご主人様は、私が猫の時に向けるのと同じ笑顔で…

もう一度…

「かわいいね、紺野は」
129 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:06

あぁ……
…この姿でも、
猫の姿の時と同じように可愛がってもらえるんですか?

紺野は、まだ、ご主人様のお傍にいてもいいんですか?


うれしくて、
ほっとして、
また、涙が出ました。


泣いている所を2度も見られたくなくて、
うつむいた私。

そんな私の頭を、ご主人様はくしゃくしゃと撫でてくださいました。
130 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:07

『かわいいね、紺野は』


ご主人様にそう言われ、
私、すごく困っています。



  嬉しすぎて、幸せすぎて
     涙が出るほど、困ってます。

131 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:07

*******

132 名前:cat:9 投稿日:2005/07/03(日) 23:07

***************

133 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/03(日) 23:10
こんな感じの今夜の更新でした。
やっとここまで…もうちょっとお付き合い頂けると
ありがたいです。
134 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/04(月) 00:28
いいっすねえ。
ほのぼの感がいいっすねえ。
まるで春の日差しのようですねえ。
楽しみにしてるんでこれからも頑張ってください
135 名前:名無し子 投稿日:2005/07/04(月) 01:50
更新お疲れ様です。
もぉこね話が大好きで大好きでたまりません(*´Д`)=З
こんこんww
次回も楽しみにしてます!!頑張ってくださいw
136 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/07/04(月) 02:33
もうちょっととは言わずにもっと書いて欲しかったりwww
137 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/04(月) 09:03
更新お疲れさまです。 紺チャン・・・よかったですねぇ/Д`゜。 もうかなり良い作品ですよ、今後も期待が高まります。 次回更新待ってます。
138 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 22:11
ごっちん可愛い〜♪
紺ちゃん可愛い〜♪
もうマジ萌えまくりです!
これからも作者様がんばってください!
今後の展開に期待してます。
139 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/05(火) 01:17
>>134 名無飼育さん
春の日差し…。素晴らしい褒め言葉ありがとうゴザイマス。
うららかにまいりますっ

>>135 名無し子さん
好きになってくださって、ありがとうございます。
ご期待に添えるよう頑張ります。

>>136 名無し飼育さん
ありがとうございます。この先、この飼い主とペットがどうなていくのか…
わたしもまだ、全然分かりませんが、今後もよろしくおねがいします。

>>137 通りすがりの者さん
良い作品…。ありがたいですっ!
マイペースで、でも頑張って更新していこうと思いますので、
今後もよろしくおねがいしますっ

>>138 konkonさん
萌えていただいてナンボの妄想小説!ありがとうございます。
がんばりますっ


たくさんのレス、本当にありがとうございます。
レスに支えられております…。
では、本日の更新を…。

*************
140 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:18

ご主人様の事、ホントに、甘く見ていたようです。

141 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:19

猫の耳と、尻尾を生やした人間を前に、
全然動じなかったご主人様。
その人間を、自分の飼い猫とすぐに気づいたご主人様。

ちょっとそこに引っ掛かってはいたんですが…。


「熱出したときさ、紺野、猫の姿から人間になったしょ?
 朦朧としてたから夢かな〜…とも思ったんだけど、
 ぬくもりとかさ、声とかさ、リアルだったから〜」


…だそうで。
ようするに、
看病する為に猫から人間になってるところを見られていた…と。
しかも、その後のコトもけっこうシッカリ覚えてらしたようで…。
142 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:20

なんというか…
ええ、ご主人様のことを甘く見ていた私の方が甘かった…という事ですね。


ホント、ご主人様のこと、甘く見てました…。


143 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:20

ご主人様は、泣きやんだ私をソファに座らせ、
甘いホットミルクを作ってくださいました。

え?猫舌はだいじょうぶか?
…ご心配なく。
だてに食いしん坊してません。


「お話しようか、紺野」

私の隣に座って、学校の事を話してくださったり、
『私の作るご飯、美味しい?』とか『昼間の留守番の時ってなにしてるの?』とか
『紺野、耳弱いんだ〜』とか…。

いっぱい、いっぱいお話してくださるご主人様。


すごく、幸せでした。

猫の時と同じく、ずっと優しく頭を撫でてくれて、

私の能力の事は一切触れず、
本当に、ただお話をして下さいました。
144 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:21

つい先ほどまで、
ご主人様の瞳に、人間の姿の私を映してもらいたいと思ってたのに…。

ご主人様と言葉を交わしたいと思ってたのに…。

それが叶ってます。
この姿も受け入れてもらえました…。



こんなに幸せでいいのでしょうか?


今までも十分幸せだったのに…


いいのかな…?

145 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:21

ご主人様とお話をしながら、
今までにないくらいの幸せを感じながら、

私は、

今までにないくらいの不安を感じていました。


これ以上の幸せを、自分が望みそうで怖い。
この幸せが、いつか終わるのかと思うと怖い。



ご主人様の事、今まで以上に好きになってしまって、怖い。

146 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:22

ご主人様は特別な存在。
それは今までもそうでした。
でも、これからはもっと特別。

…出会った当初…それから、飼ってもらった時、
まさか、ここまでご主人様の存在が大きくなるなんて…思いませんでした。
だって、『これ以上にない特別』…そう思ってたのに。


ご主人様に対する特別は、どこまで大きくなるのでしょう?


あぁ…どうやらホントに、

ご主人様のこと、甘く見ていたようです。
147 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:23

こんなに大切に想う人がいるなんて…
ご主人様に出会わなかったら、
私は、
ずっと知らないままでした。

148 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:24


*******

149 名前:cat:10 投稿日:2005/07/05(火) 01:24


*************

150 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/05(火) 01:26

短いけれど、本日の更新でございました。
二人、どうなっていくのでしょう?
151 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/06(水) 13:35
更新お疲れさまです。 紺チャンの視界の中には一体何が見えてるんでしょうね。 次回更新待ってます。
152 名前:名無し飼育 投稿日:2005/07/06(水) 22:51
もうかなりヤバイですwww
piroさんの頭の中を覗きたいですwww
153 名前:名無し子 投稿日:2005/07/07(木) 02:14
更新お疲れです。
うー、こんこん!!もどかすぃぃw
今後の展開が気になります!!次回も楽しみにしてます。
頑張って下さいw
154 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/07(木) 22:37
>>151 通りすがりの者さん
何が見えてるんでしょう…。
…ほんとだ、何が見えてるんでしょうね…。
物語が先に進めば見えてくるのかな…?自分でも楽しみです。

>>152 名無し飼育さん
わたしの頭の中はかなりヤバイ事になってるの…やも。
や、ヤバイのかもしれません。

>>153 名無し子さん
もどかしいですね。
紺野さん猫ですし…色々と。
ありがとうございます、頑張ります。

どうなることやらの更新です

***********************
155 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:40

夜は人間になれると知ってから、
ご主人様の帰りが今まで以上に早くなりました。

156 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:41

「一緒に同じご飯を食べる人がいるって嬉しいからね」

そう言って、帰ってきてすぐに夕飯の支度をするご主人様。
日が長い今だから、まだ人間になる事が出来ず
お手伝いできないのが残念です。

そんな時は大体、窓の外の夕日とにらめっこ。

早く沈め、早く沈め〜…と念じてます。


日が沈んでしまえば身体が反応してくれます。
身体がうずくままに、ぐっと上に伸びをすれば
人間の姿にこの通り。

…ただし、猫耳とシッポは相変わらず残ったままですが…。
157 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:42

どっちつかずの姿なので、すごく中途半端なのですが…
ご主人様は『可愛い』と言ってくれます。

ありがたいけど…ちょっと、分かりません。

でも、ご主人様が気に入ってくれてるので
最近はこの姿の時の猫耳とシッポもお気に入りです。


ご主人様が弄ったりしなければ…の話ですが…。


猫の時だって敏感な耳とシッポ…
人間の姿になったときは更に敏感だというのに…

ご主人様はこの2つで遊ぶのがお気に入り。
158 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:43

さわさわと触られて、
なんともいえない感覚に腰が砕けてしまう私。

ご主人様はそれすらも楽しいようで、
そんな私を見て嬉しそうに笑うんです。


…ご主人様の事、大好きですが…
       ちょっと、イジワルです(汗



「だれがイジワル?」
「ひゃぁあっ!」

びっくりしました
驚きました
飛び上がっちゃいました

ていうか、私、声に出してました?

…………迂闊でした。
159 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:44

「い、いつの間に背後に?」
「今。ていうか、紺野は猫なのにそんなに鈍感でいいの?」
「ぅぅっ…」


よ、よくありません。
というか、
いけません。

縄張り争いがある猫社会。
野良だった頃には許されない事です…。


「ちょっと、平和ボケしてるみたいで…」
「んははっ、いいことじゃん。」
「い、いい事なんでしょうか?野良だったらやってけないですよぉ…」
「んぁ?何?野良に戻るつもりなの?」
「い、いえ!まさか!…ご、ご主人様がお傍においていてくださる限りここにっ…い、居ても…いい、ですか?」


最後、弱気になっちゃった私。
だって、未だに分かりません。
こんな化け猫、飼ってくださるなんて…。
160 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:46

思わずうつむいてしまった顔を、
おそるおそる上げて、主人様を見てみたら
ビックリしたように目を丸くして…

「なにいまさら〜、あたりまえじゃん?」

…って。


あぁ、やっぱりご主人様は凄い。


さぁ紺野、ご飯食べようって
にっこり笑って手を引いてくださって、
その日も二人でいっぱいお喋りしながらご飯を食べました。
161 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:47

人間になれる事、あんなにいやだったのに、
この姿のせいで、いっぱい苦労したのに…


ご主人様と、
同じ目線で、
同じように景色を見れる。


それが凄く嬉しくて
最近は夜が来るのが待ち遠しい。
早くこの姿になりたくて仕方ないんです。


夜は人間になれると知ってから、
帰りが今まで以上に早くなったご主人様…

そして、

人間になれることを知られてから、
今まで以上にご主人様の帰りが待ち遠しい私…
162 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:47

早く帰ってきて欲しくて、、
おしゃべりしたくて、
優しく撫でてもらいたくて…

いてもたってもいられなくなるんですよ…?


私がこんな気持ちでいるなんて、ご主人様が知ったら
…どう思われるのでしょうか?

163 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:48


人間になれることを知られてから、

今まで以上にご主人様の帰りが待ち遠しくなりました。

164 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:48

********
165 名前:cat:11 投稿日:2005/07/07(木) 22:48

*****************
166 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/07(木) 22:51

最近ドキドキワクワクしてないなぁ…
なんて思った作者でした。
今日は七夕でございますね。
167 名前:tsukise 投稿日:2005/07/08(金) 10:54
はい、その分ぴろさんの作品に
ドキドキワクワクさせて頂いている1読者です(笑
更新お疲れ様です〜♪
どんどん大きくなっていく彼女のキモチ、
これからも追いかけさせて頂きますね〜♪
168 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/07/08(金) 23:27
更新乙です。
七夕言いつつもこっちは七夕が八月な地方で…。
そして月瀬さんまで…www
ホント後紺萌ですねwww
169 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/09(土) 00:36
>>167 tsukiseさん
レレレ、レス、ありがとうございまっす!
いやいや、わたしこそドキドキワクワクさせてもらってた
一読者でございましたから…。
…おや?テンパリ過ぎて何を言ってるのか分からなくなってきました。
兎にも角にもありがとうゴザイマス。

>>168 名無し飼育さん
八月七夕ですか〜!初めて知りました!
ということは…織姫と彦星は年に二度会えるのですねぇ。
よかったヨカッタw


では…本日の更新でございます。

*****************
170 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:37

『類は友をよぶ』
…そんな言葉が人間の世界にはあるそうです。
171 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:38

お日様がまだ空の高いところにあって、
あぁ〜、まだお昼だなぁ…
ご主人様はまだ帰ってこないなぁ
じゃあ、お昼寝でもしようかなぁ…なんてウトウトしていたら、


「紺野ぉ〜ただいまー」


って、ご主人様が元気よく帰って来られました。


まだしばらくはお会い出来ないとおもってたので、
もう、すごーく嬉しくなって、
玄関に駆け出して、
ご主人様に抱き上げてもらえるのを待ってました…
そしたら…
172 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:38


「なになにぃ〜♪ごっちん猫飼ってたのー?!」


と、まだ開いたままの戸の隙間から
知らない女の人が…。


おや?お客様ですか?
ご主人様のお友達でしょうか?
お行儀良くしとかなきゃいけませんね。


伸びてくる手を避ける事無く、大人しく撫でられてると、
お客様は私の顔をじっと見て、
ぶはっと吹き出されました。

…ヒト(猫)の顔見て吹き出すとは…
失礼です。
173 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:39

「ごっちん、ちょと、この猫困った顔してない?あははっ♪
ちょっと、マジでありえないんだけどー!あははは、かわいい〜っ」


ありえないんですか?
ありえないけど、かわいいんですか・・・


……えぇと、喜んでいいのでしょうか?


なんて、困ってたら、
また、笑われました…。



…失礼です。



…でも、なんでしょうか?
この方、あまり憎めません。


遊ばれる私を見かねてか、ご主人様が
抱き上げて、紹介してくださいました。
174 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:41

お客様の名前は
『藤本美貴』さん


藤本さんは私の事を気に入ってくださったようで、
お家に上がってからも、私の事可愛がってくださいました。

…時々、私が困るような事をしては
楽しそうに笑うトコなんかはご主人様にそっくり…


だからでしょうか?
あまり憎めないのは。


ご主人様が仲良くされてるお友達ですもの。
悪い方じゃないのはたしかですね。


色んなところを弄くられるのは
正直、ぞわぞわして困ってしまうのですが、
ご主人様のお友達ですし、私もこの方嫌いじゃないので、
大人しく藤本さんに抱かれてました。
175 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:42

ご主人様以外の人間に抱かれるのは初めてで、
ご主人様の膝にいるときには気づかなかった事、
いっぱい気づきました。


初めて見るご主人様の姿…
お友達に向ける笑顔や、
お友達と話す時の声のトーン、


最初は、また新たなご主人様を発見したと
喜んでたのですが…

いけませんね、

最近、幸せに慣れすぎて
私、本当に欲張りになってます。
176 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:43

私の知らないご主人様を、藤本さんが知っていると思うと、
悔しくなりました。
藤本さんと楽しそうにお喋りするご主人様を見てると、
早く人間の姿になって、
藤本さんよりもいっぱいご主人様とお喋りしたいと思いました。




…私、猫なのに…

177 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:44

猫なのに、人間の藤本さんに対抗意識を持ってしまいました。
178 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:44

夜には人間の姿になれるといっても、
完全な人間の姿ではありません。
猫の耳としっぽの残る、中途半端な化け猫の姿。


ご主人様は優しいから、
そんな姿でも『可愛い』と言ってくれるし、
とても可愛がってくれます。



でも、私は人間じゃありません。

179 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:45

あぁ…また…
胸が、重くなりました。
最近急にこういう風になるんです。
胸に鉛が入ったみたいに、ズンと下に落ち込んできます。

苦しくて、

とても、苦しくて、

なんか悲しくもなってきて、
耳もしっぽもしゅんと垂らして、落ち込んでみました。


すると、優しく撫でてくれる藤本さんの手。

顔を上げると、『どうしたの?』といわんばかりの目で
私を覗き込んでいます。
180 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:46

…あぁ、やっぱり、
さすがダイスキなご主人様のお友達です。


藤本さんと楽しそうにしているご主人様を見るのは苦しいですが、
藤本さんの事は嫌いじゃありません。

ええ、
どちらかといえば
好きなんだと…


好きなのに、苦しくなるなんて…
本当に、ご主人様と一緒です。
181 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:46


『類は友をよぶ』


人間の世界にある言葉。

まったくもってその通りです。

182 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:47

*********
183 名前:cat:12 投稿日:2005/07/09(土) 00:47

*************
184 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/09(土) 00:49
意味も無く息苦しくなる時があります。
妙に心臓がドキドキすることがあります。

人はそれを『動悸息切れ』といいます。

でも、今回のはソレとはちょっと違うようですよ。
…そんなこんなな更新でした。
185 名前:konkon 投稿日:2005/07/09(土) 01:26
紺ちゃんガンバッ!
ミキティも何かいい感じで・・・
読んでてすごく和みます。
186 名前:名無し飼育 投稿日:2005/07/09(土) 23:38
更新乙です。
この小説を読んでドキドキするのは意味があることだと思います。
187 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/09(土) 23:49
>>185 konkonさん
 和みつつ、ちょっとでも萌えて頂ければ…
それだけでもう…ええ。ありがたいことです。

>>186 名無し飼育さん
 意味のあること…。なんでしょう、有難すぎてドキドキしました。
ありがたいことです。


せっかくの妄想作品。ちょっとでも萌えて頂けたら…
ええ、ありがたいなぁ〜…な、今夜の更新です。

**********************
188 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:49

「優しい人なら誰でもいいんだ」

ご主人様が言った言葉。
189 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:51

最初、何を仰ってるのか分かりませんでした。
『優しい人なら誰でもいい』
…誰でもって…誰ですか?
…じゃなくて、
え?私に言ってるんですか?


藤本さんが帰られた後、
人間の姿になった私に、
ちょっとつまらなそうに言ったご主人様。
190 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:51

「え?ぇ…?あの…、ご主人様?」
「…紺野は、優しい人ならだれでもいいんだ?」
「え?」
「……や、もういいや、ごめん、なんでもない」


えぇええぇっっ!?(汗

こまります!
なんでもないって言っても、ご主人様、なんか、
なんか、つまらなそうっていうか、
機嫌が悪いっていうか…。

ていうかっ…なんでぇ〜?
191 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:52

「あ、あの…私、おりこうじゃなかったですか?」


お行儀良くしていたつもりだったのですが…
どこか、だめだったのでしょうか…?
何が悪かったのか、どうしてご主人様がご機嫌ナナメなのか、
全然分からなくて、困ってしまって…
じぃっっとご主人様を見てました。

そしたら、
つまらなそうに、唇を尖らせていたご主人様の表情が、
こんどは、困ったような、照れてるような…
そんな表情に…。

「…紺野はずるいなぁ」

…えぇえっ!?
こ、今度は『ずるい』ですか?
更に困ってしまいました。
どうしよう、
何が悪いのか分からないです。
ご主人様のご機嫌を直す方法が分かりません。
192 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:53

おろおろしていると、ご主人様は更に複雑な表情をされて、
困り果てたように『んぁ〜っ』と、
個性的なため息(?)をつかれました。

「んぁ〜っ、もう、紺野、そうやって耳たらすの無し!怒れなくなっちゃうじゃん」
「えぇ!?やっぱり怒ってたんですか!?」
「んぁーっ!だから、目をウルウルさせるのもナシ〜!」
「し、してないですよっ」
「してるって!耳も、目も………んぁっ!しっぽもたれてるじゃん!」
「…し、しかたないじゃないですかぁっ」

わざとじゃないですもんっ
こうなっちゃうんですもんっ
わ、わたし、
紺野は、猫ですもんっ
193 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:54
「ご、ご主人様が急に不機嫌になるからですっ」

もう、訳分からなくなって、今度は私も怒ってみました。
………あの、
ご主人様?
視線が上ですよ?
耳、見てますよね…?

「…ご主人様…?何みてらっしゃるんですか?」
「…耳〜」

『ぴょこっ”て上がったよ、今』なんて、
ちょっと楽しそうに言われるご主人様…。
やっぱり耳ですか…。

「あ…また下がった…」
「…も、いいです…」

今度は私がため息。
というか、いったい何にお怒りだったのでしょうか?
194 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:54
…そう、お怒りだったんですよ。
そうですよ、よくないです。
一体何が悪かったのか知っておかないと…

「ご主人様!…って、なんでまた耳触ってるんですかぁ〜っ」
「や、だって、さっきからさぁ〜上がったり下がったり、ぴょこぴょこしてて触り心地良さそうでさぁ〜」
「いやいやいやっ、だ、だめって言ってるじゃないですかぁ〜」
「嫌がられると、余計に燃えない?」
「し、しりません〜っ…て、ぁ、や…」

こ、このお方はっ!!

私が耳ダメなのわかってるくせにぃ〜っ
……あぁああぁぁ
こ、腰が、
ぞ、ぞわぞわと…

腰が砕けてしまって、へたり込んでしまった私。
なみだ目になってきて、どうにもこうにもいかなくなった頃、
やっとご主人様は満足されたようで…。

開放されてホッと一息ついた私に、ご主人様は言いました。

「紺野って、えろいよねぇ〜」

…『えろい』てなんですか?
というか、もう、なんでもいいです。
195 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:55
「それで…ご主人様はなんで怒ってらしたんですか?」
「あ〜…、んぁ…、なんか、もういいやぁ〜」
「よくないです、仰ってください」
「ん〜…だって、なんか、ねぇ?」

照れくさそうに「へへへ」と笑うご主人様。
…可愛いけど…だまされません。

「教えてくれないと、もうお耳触らせてあげません」
「んぁっ!?」
「し、しっぽも触らせてあげませんっ」
「んぁあぁっ!」

あ、ご主人様あせってる…
そんなに気に入ってくださってるんでしょうか?この耳としっぽ…。
…う、うれしいけど、
      フクザツです…。
196 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:56

「うぅう…だってさ、紺野…」

あ、なんかまたちょっと顔が怒ってる?
ちょっと睨んできたご主人様。
…な、何を言われるんでしょう?
……だ、大丈夫です。覚悟してますから。




「紺野、ずっとミキティに抱かれてたじゃん」



……………………。

「……………はい?」
197 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:57

…え?
はい?…え?
ええ、藤本さんに抱っこしてもらってました。
ご主人様のお友達ですし、良い人でしたから。
お行儀良く、おりこうにしとかなくちゃって…。

「ぇ?…だ、だめだったですか?」

よく分からなくて、そうきいた私に、
ご主人様はちょっとスネた顔して仰いました。


「だって、なんか、ヤじゃん?ミキティに取られたカンジでさ…」


……って。


198 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:58
…うわぁ…。

…なんでしょう、なんか、すごーく嬉しくなりました。
胸が、こう、きゅうっ…てなって…。

うわぁ、うわぁ…なんか、ニヤケてきちゃいます。
あぁ、なんか、…ほんと、幸せです。
199 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:58


ご主人様。
紺野は、ご主人様の猫ですよ?
ご主人様に抱かれてる時が、一番気持ちいいです。


…そう、伝えた方がいいのかな?
当たり前と思って言わなかったけど…

200 名前:cat:13 投稿日:2005/07/09(土) 23:59
伝えようと思って顔を上げたら、
ご主人様の手が伸びてきて、また耳を弄られました。
『だって、言ったから触らせてくれるでしょ?』だそうで…。
で、でも、でもでもっ。
しっぽと同時に弄るのナシです〜っ@
あぁぁ…腰が…(涙

身をよじる私の顔を捉え、覗き込むと、
ご主人様は、キレイに微笑みながら言いました。


「紺野は誰の猫?」
201 名前:cat:13 投稿日:2005/07/10(日) 00:00
耳を弄られ、しっぽも弄られ…
視界いっぱいのご主人様の綺麗な顔。

夢心地で答えました。

「紺野は、貴女の…」


…でも、最後、
なぜか『猫です』と言えませんでした。
202 名前:cat:13 投稿日:2005/07/10(日) 00:00

『紺野は誰の猫?』

ご主人様に言われた言葉。
嬉しかったのに、
なぜか、
『貴女の猫です』と言えませんでした。
203 名前:cat:13 投稿日:2005/07/10(日) 00:01

********
204 名前:cat:13 投稿日:2005/07/10(日) 00:01

***************
205 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/10(日) 00:02

本日の更新でございました。
206 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/10(日) 00:29
更新お疲れさまです

なんでしょう?
以前「春の日差し」に例えましたけど
極上の生クリームに包まれているようです

次の更新も待ってます
207 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/10(日) 01:00
更新お疲れさまです。 紺チャンは本当に可愛いですねぇ、思わずニヤけて(ry でも最後のコトバの意味は・・・? 次回更新待ってます。
208 名前:konkon 投稿日:2005/07/10(日) 01:57
耳と尻尾が触れなくなりなりそうで焦るごっちん・・・
激可愛いっす♪
紺ちゃん何気に強気ってとこもいいですね〜。
とにかく二人とも可愛いです。
209 名前:名無し子 投稿日:2005/07/11(月) 00:54
更新お疲れ様です。
なんか静かに心臓がどきどきしてます。
素敵なお話だぁ…美貴ちゃん好きだぁww
次回も頑張ってくださぃ!!
210 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/11(月) 22:29
ごっちんは紺ちゃんのマタタビですな
211 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/14(木) 23:08
>>206 名無飼育さん
極上の生クリーム…!
それは究極のスィーツですね。ケーキのような二人をいっちょ目指して頑張ります。

>>207 通りすがりの者さん
可愛い紺野さんを目指してる私にとってありがたいお言葉。
…さて、紺野さんの気持ちはどうなっていくのやら…。

>>208 konkonさん
かなり耳としっぽがお気に入りらしい後藤さん。
わたしも犬や猫のしっぽや耳を弄るのは好きです…が。
後藤さんはかなり好きなようですね。

>>209 名無し子さん
密かに『藤紺』も好きな私です…
というか、ここでバラしたら『密か』ではなくなるのですが…。
藤本さんの登場…次はいつになるのかな…?(汗

>>210 名無飼育さん
なるほど!たしかにマタタビですな!!!猫にマタタビ!!
紺野さん、酔っちゃってます。


それでは、おひさしぶりの更新を…

********************

212 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:09


「いってらっしゃい」

213 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:09
夜寝る前になると、
ご主人様は窓を開けて、愛ちゃん達のトコに行かせてくれます。
お友達と遊んでおいて…って。

最初の頃は時間を気にせず遊べる事に
喜んでいたのですが…


最近、迷ってしまうんです。


外にでるか
家にいるか

214 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:10

愛ちゃん達にも会いたいし、
一緒に遊んでいるとすごく楽しいのですが…


ご主人様とも、一緒にいたくて…。


遊んで帰ってきた後、ご主人様が眠るベットに潜り込んでも
すぐに朝になって、ご主人様は学校にいってしまいます。
以前はお昼寝してたり、テラスまで愛ちゃんたちが遊びに来てくれて、
窓越しにお話したりして、それなりに時間を潰せてたんですが…。
215 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:11

人間になれると知られてから、
人間の姿でご主人様とお話したり、撫でてもらったりしてから…

我慢が、出来なくなってしまいました…。


すぐ、会いたくなって、
早く帰ってきて欲しくて…。


でも、

そんな我儘、とてもじゃないけど言えなくて…。
216 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:11

先日遊びに来られた藤本さんや、その他のお友達とのお付き合いも
絶対あるはずですし…。
しなければいけない事もあるはずですし…。

人間の事情なんて、よく分かりませんが…
猫の私には踏み入ることのできない、
ご主人様の、『人間の世界』があるはずで…。


…だから、とてもじゃないけど、我儘なんて、言えません…。


それでも以前に比べたら、私と一緒に食事を取るために
早く帰ってきてくださるようになったんです…。
それって、すごくありがたい事のハズ…。
217 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:12


…あぁ、ホント、私最近 多くを望みすぎです…。

218 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:12

「紺野、私もう寝るからさ、行っておいでよ友達のトコ」

今夜も寝る準備を終えられたご主人様が、そう仰いました。
カーテンを開けて、外の世界に促します。


家の中の『ご主人様』。
窓の外の『夜の世界』。


広い世界は魅力的ですが、ご主人様を前にすれば
その魅力はビックリするくらい薄れて…。
219 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:13

今までは、促されるままに猫の姿に戻って、
窓から『夜の世界』に、
愛ちゃん達に会いに行っていたのですが…。

今日は、なかなか気が進まず
いつまでも人間の姿で、その場から動けずにいました。

「…?紺野?いいよ?いっておいで」

なかなか外に出ようとしない私に、
不思議そうに首を傾げながらご主人様が声を掛けてくださいます。
あ…、ご主人様の目線が上に…。
あ……、笑ってる…。また私の耳が動くの見てますね…。
220 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:14
今の私の耳は、間違いなくたれてます。
だって、すごーく困ってるんですもの。

でも…「どうしたの?」と優しく微笑むご主人様を見て、
紺野は、結論を出しました。


今夜は外の世界には出ません。
ご主人様と、一緒の夜を…。



「いってらっしゃい」と微笑むご主人様のパジャマの裾を掴んで、
精一杯の我儘、言っちゃいました。

221 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:15

「今夜は、お傍においてください…」



222 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:15

**********
223 名前:cat:14 投稿日:2005/07/14(木) 23:15

***************
224 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/14(木) 23:16

どちらかと言うと、「そば」より「うどん」派です。
225 名前:名無し飼育 投稿日:2005/07/14(木) 23:21
リア更キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
冷たければうどんでもそばでも好きな感じです。
でも甘々なこの関係の方が…www
226 名前:konkon 投稿日:2005/07/15(金) 00:31
ごっち〜〜〜〜〜ん!!!
めちゃくちゃ優しいごっちんに萌えまくりです・・・♪
紺ちゃんの恋心が、う〜ん・・・可愛すぎですよ!
次回更新待ってます。
自分は冷たいとそば、温かいならうどんですw
227 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/15(金) 11:35
更新お疲れさまです。 自分もうどん派ですね(単にそばが食えないry)             紺チャンの気持ちも分からない事は無いですね。             大事な人だからこそ傍に居たい、これは必然ですよ。 次回更新待ってます。
228 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/19(火) 00:41
お傍に・・の後にそうきますか!!
作品もレスもセンス有りまくりですね!!
あぁ、紺ちゃんかわいい。。後藤さんステキ。。
229 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/19(火) 23:21
>>225  名無し飼育さん
どちらかというと、スイーツのような二人です。
食後のデザート代わりに『猫である』いかがっすか?

>>226 konkonさん
 後藤さん優しいですよ、後藤さん。
 紺野さん写真集第二弾おめでとう紺野さん。
 …そんな感じの『猫である』。よろしくおねがいします!

>>227 通りすがりの者さん
 猫の紺野さんにとって、人間らしい感情はまだ難しい様子…。
 いやぁ、人間って奥が深いんですねぇ

>>228 名無飼育さん
 暑い夏は冷やしたおそばやうどんが美味しいですからねぇ…。
 おもわず麺類が浮かんでしまいました。
 作品も、暑い夏でも美味しくいただける作品になるよう頑張ります。


結論としては、うどんもソバも、美味しい!!…ということで。
今夜の更新まいどあり。

***************
230 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:22

ドキドキ、どきどき…
 早鐘のように、高鳴る胸。
231 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:23

『今夜は、お傍においてください…』


精一杯の我儘を言いました。

今夜はご主人様の傍にいたくて。
傍においてほしくて。

すがるような気持ちで ご主人様の袖を掴みました。
232 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:23

ご主人様の顔、直視できなくて…
しかたないから、こっそり目だけで盗み見たら…
ご主人様、困ったような、嬉しそうな、なんともいえない表情をされて…
いつものように、
『紺野はずるいなぁ…』って仰いました。


そういう目で、あんまり人を見つめちゃダメだよ〜?
紺野なんて、すぐ食べられちゃうよ〜?


なんて、冗談を仰るから


猫を食べる人間なんていませんよ?


と答えました。
ご主人様はまた、困ったように、でも嬉しそうな表情をされて…。
『紺野は可愛いなぁ〜』って…。


おゃ…?何か私、間違ってました?
233 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:24
首を傾げた私をみて、ご主人様はまた嬉しそうに笑われて、
紺野はそれでいいよ。
って、頭を撫でてくださいました。


間違ってるなら答えを教えて欲しいのですが…。


不満げな私なんて全然気にする事も無く、
ご主人様は私の手を引いて寝室に連れて行って、
さぁ紺野、寝ようか?
と、ベットに導いてくれました。

………あ、でも、
234 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:25

「ちょっと待ってください、ご主人様」
「なに〜?」
「この姿じゃ場所をとるので、猫に戻って…」
「それじゃ紺野が辛いんでしょ?いいよ?日が昇るまでそのままで」
「でも…」

大きめではあるご主人様のベットですが…
さすがに人間が二人も寝たら狭そうです。

「ご、ご主人様がベットから落ちたらこまりますし・・・」
「大丈夫、落ちないから」
「わ、私が落ちてご迷惑かけるかも・・・」
「だいじょ〜ぶ、落ちないって」
「で、でも、でも・・・」
235 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:26
困ってしまいました。
猫の姿のときは、全然そんな気持ちはないのですが…
この姿で、ご主人様と一緒のベットに入るとなると……

「す、すごく…なんだか、恥ずかしいんですが……」

あ…顔が熱い。
言葉にしたら、もっと恥ずかしくなっちゃいました。

ご主人様は『何いまさら〜』って笑ってらっしゃいますが、
や、たしかに…ホント、今更なんですが…。

で、でも、なぜだか凄く恥ずかしいんです。

236 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:27

なかなかベットに入れない私に、
ご主人様はベットのふちに座ると、猫の時と同じように、
「おいで、紺野」
って、優しく呼んで 両手を広げてくださいました…。


あぁ…いま、胸がこう、また、きゅうってなりました。
それで、ドキドキドキドキ…止まらなくなりました…。


ご主人様に抱かれるのは気持ちいいから、
猫の時は自分から、抱いてもらえるのを待ってるのですが…。


どうして、
この姿だとこんなに ドキドキするのでしょう…。
恥ずかしくて、
すごーくドキドキして…。
237 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:28
顔が熱くなって、その場から動けない私の手を、
先ほどと同じように優しく引いて…
ご主人様は
そっと、抱きしめてくださいました。

「今日は甘えんぼだねぇ、どうした?」

耳元で聞こえるご主人様の声。

あぁ…顔が熱い。
心臓の音がビックリするくらい大きい。


ベットの淵に座るご主人様の腕の中、
膝を突いたような格好で抱きしめられて…。


私の頭を胸に抱え込んで、ご主人様は優しく撫でてくださいました。
238 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:28

嬉しくて、でもやっぱりちょっと恥ずかしくて…
ご主人様の柔らかい胸に、顔をうずめて隠しました。
こうしていると、ご主人様の心臓の音が聞こえるから
猫のときもこうやって、胸にもたれます。

規則正しい心音が、すごく、落ち着くんです。


…あれ…?
でも………。


「ご主人様…ドキドキが、早いです…?」

いつもよりも明らかに早いご主人様の心臓の音。
頭の上から『んぁぁ〜』って、照れたような声が聞こえてきて

「人間の紺野だと、ドキドキすんねぇ〜」

…って。
239 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:29

あ…ご主人様も恥ずかしいのかな…?


そう思ったら、またドキドキが大きくなりました。
でも、
ご主人様も同じようにドキドキしているんだと思ったら、
なんだかとても嬉しくなりました。


勇気を出して、
私もご主人様の身体に手を回し、
ご主人様の細い身体を抱きしめてみました。


そしたら…




……困っちゃいました。



240 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:30
胸がきゅうっってなって、
苦しくなって、
ドキドキが更に大きくなって、
すご〜く緊張して、
手も震えてたのに…。
なんかもうずっとこのまま、
手、離したくないなぁ〜…なんて、思っちゃったんです。
241 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:31

自分の腕の中にご主人様がいるって…なんか…、
すごく、幸せ…です。


猫の時は、ただ抱かれるだけだったけど…。


あぁ…。
…私……。









ずっと、この姿でいたいな…。


朝になっても、


人間のままで…。


242 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:31

「紺野、耳たれてるよ?…苦しい?」

神様が怒ったのでしょうか?
バチ当たりな考えに、本当に罰を与えたようです。
心配したご主人様が、身体を離しました。

「…ゃ」

思わずまた出そうになった我儘。
私は慌てて飲み込みました。
猫なのに、飼ってもらってるのに、
私、最近ちょっといい気になってるみたいです。


幸せに慣れるって怖い。

243 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:32
「大丈夫です、苦しくないですよ?」
「そう?…紺野はすごーくニコニコしてるかと思ったら、急に耳がたれたりするから…」
「明日の朝ごはんの事考えてたんです。お寝坊したら食べれないのかなぁ〜って」

苦し紛れのウソに、ご主人様は困ったように笑われました。
…あ、バレてます…?
でも、本当のことなんて とてもじゃないけど言えなくて、
私も、困ったまま笑いました。
244 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:32


ご主人様…?

紺野は、最近、すご〜く我儘です…。


紺野は猫なのに。
貴女の飼い猫なのに。



『人間になりたい』…なんて、思ってるんですよ?

245 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:33

ドキドキ、どきどき…
 早鐘のように、高鳴る胸。

ご主人様…。
幸せなのに、苦しいんです。
246 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:34

*************
247 名前:cat:15 投稿日:2005/07/19(火) 23:34

*******************
248 名前:ぴろ 投稿日:2005/07/19(火) 23:36

本日の更新でございました。
249 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/07/19(火) 23:39
なんか感動して涙が出そうなんですけどこれなんでしょうね?
250 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/20(水) 18:59
更新お疲れさまです。 こっちまで締め付けられますね(・・。) 紺チャンは純粋すぎますよ。 次回更新待ってます。
251 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/31(日) 02:24
楽しみに待っております!!
252 名前:名無しさん 投稿日:2005/08/04(木) 21:31
面白いです!!!
次回更新待ってます。
253 名前:ぴろ 投稿日:2005/08/07(日) 00:02
>>249 名無し飼育さん
感動していただけるなんて、嬉しくて涙止まらないわ…
ありがとうございます。

>>250 通りすがりの者さん
純粋です。猫ゆえ純粋なのか、紺野さんだから純粋なのか・・・
作者でさえも分からぬところでございます

>>251 名無飼育さん
ありがとうございます!!

>>252 名無しさん
ありがたいことです!お待たせいたしましたっ。

更新が夏休みになってて申し訳ありません。
本日久々の更新させていただきます。
254 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:02

「紺野、いっしょに行こう」

255 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:03

学校にでかけるご主人様を見送る為、いつものように玄関までついていってた私に、
ご主人様がそう声をかけました。


いっしょに行こう・・・?


いっしょにって、私とですか?
行こうって、どこにですか?

朝日が昇ってもう猫の姿に戻ったので、直接聞けないのが残念です。
とりあえず首を傾げてみると、ご主人様は私を抱き上げ仰いました。



「紺野、いっしょに学校に行こう」
256 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:04


……・・・!?
えぇ!?


ほ、ほんとですか?
いいんですか?
行きたいです!
すごく行きたいですっ!
行きたいですけど・・・・・。
い、いいんですか?
ペット同伴なんて…怒られないでしょうか?
257 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:05

「なに?すっごい耳たれてるんだけど…いや?」

そんなわけないですっ!
行きたい!行きたいです!

慌てて首を横に振って、ご主人様にしがみつきました。
大慌ての私に、ご主人様は嬉しそうに笑うと

「じゃあ、バックの中に入っててね。顔出しちゃダメだよ?」

と、大きめのバックの口を開けて…。
あ、…なるほど
だから今日はこんなに大きなバックを用意されてたんですね。
今日は珍しく大荷物だなぁ…なんて思っていたのですが…


学校に行くはずなのに、勉強道具が一つも入ってないのは…
この際、目を瞑ります。
258 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:06

しかし…いつから連れて行ってくれるつもりでいたのでしょうか?
今までちゃんとお留守番してたから、
私一人でも大丈夫なのはご存知のはず・・・。


いっしょに学校に行きたいって…思ってくださったのかな・・・?


だったら、すごーく嬉しいです。
またちょっと幸せな気分になりながら、
ご主人様が用意してくださった大きめバックに入ります。
259 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:07

ご主人様の学校に行けるんですね、
すごく久しぶりです。


学校のキャンパスで、
お日様の光を浴びてキラキラ光ってたご主人様。
すごく綺麗で、
すごく、すごく印象的だったんです。
ただ見てるだけでも嬉しくなってた野良の頃・・・。

あの頃は、
こんなにご主人様のことを好きになるなんて
思ってもいませんでした。


「紺野、いつもキャンパスにいたよね」


バックの中の私を覗き込みながら、
ご主人様は微笑みました。
260 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:08
「紺野、いつもベンチのある芝生のところでさ、ちょこんとお座りしてさ・・・
 お日様の光浴びて、真っ白な毛をキラキラさせてさ…
 猫のクセに、真っ黒でクリクリした目をうるうるさせて…。
 ・・・すっごく印象的だったんだ。」

嬉しそうに、懐かしそうに笑うご主人様。

……あぁ…。
見ていたのは、私だけじゃなかったんだ…。
ご主人様も、私を見ていてくれたんだ。

嬉しくて、
涙が溢れました。
嬉しくて、
耳がたれるのが分かりました。

たれた耳を見て、ちょっとビックリされたご主人様が
そっと、頭を撫でてくれました。
261 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:09
ごめんなさい、嬉しくて耳がたれてるんです。
嬉しいはずなのに、なぜか、耳がたれちゃうんです。
嬉しいのに・・・胸もちょっと、きゅうっ…て苦しくなるんです。

心配そうなご主人様。
今は言葉を話すことができないので、
言葉の代わりに、頭を撫でてくれるご主人様の手に
喉を鳴らして甘えてみました。

ご主人様の手、大好きです。
ご主人様のすべてが、大好きです。


今、人間の姿だったら
ちゃんと言葉で伝えられたかな・・・?
262 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:09

「さぁ、紺野、学校に行こう」

嬉しそうに微笑んだご主人様。
私が言葉で伝える事ができたら、
こういう風に微笑んでくださるかな・・・?
263 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:10

**********
264 名前:cat:16 投稿日:2005/08/07(日) 00:10

***************
265 名前:ぴろ 投稿日:2005/08/07(日) 00:13

夏ですねぇ。
今年の夏の楽しみも10日発売の紺野さん写真集です…。

そんなこんなな本日の更新でした。
266 名前:名無し飼育 投稿日:2005/08/07(日) 01:29
更新お疲れです。。。
写真集楽しみですね!もう紺野さん犯罪ですよwww
この物語の展開も楽しみです!
こっちの紺野さんも犯罪ですねwww
267 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/08/07(日) 15:57
更新お疲れさまです。 紺チャンGOODです! 作者様もGOODですよ! 本拠地に直行ですね。 次回更新待ってます。
268 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/08(月) 03:20
猫好きの自分にはツボ入りまくりです。
269 名前:ぴろ 投稿日:2005/08/10(水) 23:51
>>266 名無し飼育さん
写真集がまだ届きません…凹。
作品、楽しんで頂けてるようで嬉しいです。
写真集発売日という事で、頑張ってまいります。

>>267 通りすがりの者さん
Goodでしたか!ありがとうございますっ。

>>268 名無飼育さん
ツボついてますか?それはありがたいお言葉です。


今日は写真集発売日だそうで…
記念更新です

***************
270 名前:cat:17 投稿日:2005/08/10(水) 23:53


来なければよかった…。

271 名前:cat:17 投稿日:2005/08/10(水) 23:53

ご主人様につれられて、久しぶりに来た学校。
前は野良だったし、人間とはあえて距離とってたから、
けっこうのんびりできてたんですが…

いまは『後藤真希』の飼い猫。

野良と飼い猫じゃ、人間との距離も変わってくる訳で…。


「きゃーっ、紺ちゃんじゃん?!なになに?ごっちん連れて来ちゃったの?」


…さっそく藤本さんにつかまってます。

あぁ…周りも見ずに、バックから顔を出したのが間違いでした。
教室までバックに入ったままついて来たら、
周りは藤本さんだけじゃなく、他のお友達もいっぱい…。
藤本さんは存じてますし、好きなんですが、
私が耳やしっぽダメなの分かってて触るんですもの。

イジワルです・・・

良い方なんですけどね、
でもイジワルです。
272 名前:cat:17 投稿日:2005/08/10(水) 23:54
あぁ、もう、ほんとに、藤本さんっ、耳を弄らないでください〜
腰がぞわぞわと…ちからが入りませんってば。

うぅぅ…その楽しそうな笑顔が今は憎いですよ、藤本さん・・・。

「ミキティ・・・ほら、紺野耳たれちゃって、困ってるから・・・」
「いやいや、結構こうされるの好きよ、この子」
「んぁ?そうなの?」

違いますよっ!(泣
力が入らなくなるし、ご主人様のお友達だから抵抗しないんですっ
それに、多少は嫌がってるじゃないですかぁ…もう、堪忍してくださいよぉ…

「んぁ…やっぱり?ごとーもそうだと思ってたんだよねぇ。」

…や、だから、違いますから、
ホントに弱いんです。
というか、ご主人様が一番知ってるじゃないですか…
だれですか?昨日寝てる私の耳を弄ってたのは。

…いっしょにベットに入ってて、
上手く身動きが取れないのを良いことに 散々遊んだくせに〜…。

人間の姿のままだったし、いっしょに寝るの恥ずかしかったのに、
覆いかぶさるようにして押さえつけてきて、
…恥ずかしいし・・・。
ご主人様の顔がすごく近いしっ…。
だから…すっごく恥ずかしくて、
ぞわぞわしたんですよ!?


うぅ…やっぱり

ご主人様もイジワルです。
273 名前:cat:17 投稿日:2005/08/10(水) 23:56

「なんかこう、いじめたくなるよね?紺ちゃんて」

何を言ってるんですか・・・藤本さん・・・。

「だねぇ〜」

………いやいやいや、同意しないでください、ご主人様。

…それはともかく、
私って…いじめたくなるんですか…?
なるほど、私、いじめられてたんだ。
…というか、意気投合して二人がかりで弄ってこないでください。

あぁあ…、もうホント、力がでないんですが…(泣
おまけに、周りのお友達まで手を伸ばして一度に触れてくるから…
もう、ほんと、堪忍してください(泣
・・・もしや、私いま、いいオモチャ状態です・・・?

ここで暴れても逃げ道がなさそうなので、
仕方ないから、皆さんが飽きるまでじっとしとく事にしました。
いろんな人から身体を撫で回されるのは、
正直、ちょっと、嫌ですが。
でも、そんなお友達に はにかみながら
『可愛いでしょ』って自慢するご主人様が可愛いので、ええ、我慢しますとも。
274 名前:cat:17 投稿日:2005/08/10(水) 23:56


結局、ご主人様とお友達一同に解放されたのは、授業が始まる直前でした。

275 名前:cat:17 投稿日:2005/08/10(水) 23:57


「こーんの」
授業が始まり、先生に見つからないよう再びバックに戻された私に、
ご主人様が小さく声をかけてきます。

……でも、

知らんぷりです。

紺野は怒ってるんですよ。

抵抗しなかった私も私ですが、
お友達といっしょになって、さんざん弄り回して…。

弱いのしってるくせに。

ご主人様にされるのは、弱くても、我慢も出来るし、
・・・ちょ、ちょっと、
その…嬉しいんです。
ぞわぞわしてても嬉しいんです。


でも、他の人なら話は別。
好き勝手身体を触られて、イヤじゃない猫がどこにいますか。
276 名前:cat:17 投稿日:2005/08/10(水) 23:58
「こ〜んの、しっぽが山になってるよー?何?威嚇中?…怒ってるの?」

そうですよ、怒ってます。

「…こーんの、晩御飯はとろとろのオムライスにしようか?」

…ぴく。

「デザートもつけるよ?なににしよう?ここのところ暑いし、アイスにしようか?」

・・・ぴくぴく。

「あ、機嫌直った?よかったよかった」

な、直ってません!
食べ物で釣ろうとしてもムダですよ。
紺野は、まだ怒ってるんですから。

「紺野、しっぽがピクピクしてるよ〜。嬉しい?」

…凹。
277 名前:cat:17 投稿日:2005/08/10(水) 23:59
正直すぎるしっぽが、今は憎いです…。
でも、素直に機嫌を直すのも癪だったので
バックの中で丸くなってみました。

ご主人様をコッソリ盗み見ると、
『仕方ないなぁ』って顔で笑ってらっしゃいました。
…機嫌直ってるのバレバレですか?
いいですよ、
どうせわかりやすいですよ。

ご主人様はポンポンと私の背を撫でると
授業に集中して…
……って

ご主人様…?

なに頬杖をついてるんですか?
お行儀悪いですよ?
…あの、ご主人様?
なんだか、明らかに・・・

居眠りモードですかっ?(汗

あ、ついには本気寝モードの体勢に…っ
お勉強は?
ご主人様、お勉強は!?
278 名前:cat:17 投稿日:2005/08/11(木) 00:00


…結局ご主人様は深い眠りに落ちてしまいました。


・・・しかたないなぁ
夕べ遅くまで私の耳とかしっぽにイラズラしてたからですよ。
ご主人様は、すごーくカッコイイかと思えば
すごーく子どもっぽかったり…。
今だって、伏せた睫毛が凄く長くて、とても綺麗なんだけど、
寝顔がどこか子どもっぽくて…


……かわいい。


なんか、こういう風に居眠りしてるご主人様を見るの、初めてです。
また、新しいご主人様を発見できました。
うれしいな、
またちょっとご主人様に近づけた気分。
279 名前:cat:17 投稿日:2005/08/11(木) 00:01

初めて見るご主人様の姿に
幸せをかみ締めていた私…。


でも、周りのお友達がご主人様が寝ているのに気づいて
いたずらをしたり、
しょうがないなぁってカンジで見つめているのを見たら…。

ちょっと、
いえ、かなり。

悔しくなってしまいました。

私は、バックの中から眺めているのに…
お友達は、ご主人様と同じ世界で見つめる事ができるなんて…


ずるい。

ずるいずるいずるい。


幸せだった気分が、一気に憂鬱な気分に変わってしまいました。
『人間になりたい』って気持ちが、ますます大きくなります。
それと同時に、それはムリな願いと分かっているから、すごく落ち込みます。


…あぁ
ホントに、来なければよかったです…。
280 名前:cat:17 投稿日:2005/08/11(木) 00:01

ご主人様と来た学校。
人間世界のご主人様を見ました。

あらたな発見。

嬉しい発見と…憂鬱な発見。

来なければ、よかったです。
281 名前:cat:17 投稿日:2005/08/11(木) 00:02

***********
282 名前:cat:17 投稿日:2005/08/11(木) 00:02

******************
283 名前:ぴろ 投稿日:2005/08/11(木) 00:03

本日の更新でした。
284 名前:名無し飼育 投稿日:2005/08/11(木) 00:46
更新お疲れです。。。
まだ写真集買えてませんorz
なんかこの場面がリアルで見えるような(ぉ
やっぱり紺野猫はいじめられるみたいなwww最高です(爆死
285 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/08/11(木) 09:19
更新お疲れさまです。 紺チャン学校訪問大変でしたねw 人間だった場合でも同じ状況になっているのが見てとれます(笑 次回更新待ってます。
286 名前:konkon 投稿日:2005/08/12(金) 00:32
紺ちゃんに激萌えです(爆)
やばいですよ〜、ここの紺ちゃん可愛すぎです♪
ごっちんとミキティもいいキャラしてますね〜。
これからもがんばってください!
287 名前:ぴろ 投稿日:2005/08/13(土) 02:27
>>284 名無し飼育さん
写真集…やっとこさ手元に…ヤバイデス、カワイイデス。
紺野さんは弄られキャラですかねぇ・・・いやはや。

>>285 通りすがりの者さん
学校訪問大変だったようです。
見てるほうは楽しいんでしょうけどね、こういうの。

>>286 konkonさん
萌えていただけてありがたいことです。
後藤さんはモチロンですが、藤本さんも好きな私です。


では、本日の更新を・・・

***************
288 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:28

 『紺野、脱いでごらん?』


289 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:29



290 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:29

授業が全て終わって、学校を出たご主人様。
藤本さんや、その他のお友達の誘いを断って、そそくさとその場を後にしました。

『んぁ、ごめん、先約があるんだ』

なんて仰ってましたが…。
この後誰かとのお約束があるのなら、私、バックにはいってちゃいけないのでは?
といいますか、
今日ついてきてはいけなかったのでは…?

もしそうなら、自分でなんとか歩いて帰りますよ?
それに、これ以上人間のお友達と仲良くされてるご主人様、
見たく、ないですし…

にゃーと鳴いて、バックから出ようとすると、
ご主人様は
もうちょっと我慢してね、もうすぐ夜だからね…って
291 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:30

・・・はて?
お友達との約束と夜と、何の関係が…?

首をかしげ、バックから出るタイミングを失っていたら、
また中に戻されてしまいました。

しかし、ホントに『夜』に何の関係が?



電車に乗って、ご主人様が降りた駅。
若い女の子や男の子が同じように降りていきます。
バックから顔を出して景色を見てみると
駅の外は大きな街。
人がいっぱい。

昔、ご主人様と出会う前、
愛ちゃん達といっしょにいろんな事して遊んでた頃。
ここと同じくらい
人がいっぱいいる所に行った事があります。

世界中の人間が集まったんじゃないかって思うくらいの
人の多さにビックリしました。
大勢の人の中、踏まれそうになったり、捕まりそうになったりして、
すごく、怖かったの覚えてます。


でも、


今は、見上げればご主人様。

昔は人間の多さに圧倒されて、周りの風景なんて見る余裕がありませんでした。
今は、色んなお店や、沢山の車や、個性的な格好をした人を見て楽しむ私がいます。

ご主人様の存在が、私にとって、すごく大きい。
292 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:31
人間の街。
沢山の人…。

お友達同士、恋人同士…
会話を楽しんだり、手をつないだり、腕を組んだり…

私も人間だったら、ああいう風にご主人様と歩けたのかな?

なんて、そんな事思ったら
また ちょっと胸がきゅうってして、苦しくなってしまいました。
今日は何をするにも そういう風に考えてしまう…いけませんね。

気持ちを切り換えようと私はご主人様を見上げました。
視線に気づいたご主人様は、私に向かって微笑みます。

うわぁ…
ご主人様、なんかすごく嬉しそう…
『先約』の相手って誰なんでしょう?

「紺野、もうちょっとバックに入っててね?いっかい店に入るから」


そう言って入ったお店はお洋服屋さん。
難しい顔をして いくつか洋服を手に取ったご主人様は、
そのまましばらく 店の外とにらめっこ。
・・・・・・・?


…う〜ん…不可解。

293 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:32
ご主人様の表情とか行動は、読めないことが多いですが…
今のご主人様は更に読めません。
お洋服、決まったなら買えばいいのに。
それとも迷ってるんですか?
…試着してみればいいのに…。

洋服を握ったまま、じっと窓の外を見るご主人様は相変わらず。

あぁ…もう暗くなってきちゃった…。
というか、お店の人も不思議そう・・・。

外がすっかり暗くなった頃、ご主人様は満足そうに頷くと
店員さんに声をかけて、やっと、試着室に入りました。

ホント、今日のご主人様の行動は分かりません。

「紺野、でておいで」

ご主人様に呼ばれ、バックから飛び出します。
なんですか?
首を傾げた私に、ご主人様は凄く嬉しそうに笑いながら言ったんです。

「人間になってごらん、紺野」

・・・・・・・・・はい?

「人間になってごらん、で、脱いで」

・・・・・・・・・・・・はぁ!?
294 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:34
何を仰っているのでしょう。
お店で人間になってどうするんですか?
脱ぐって・・・なに?

いや、おそらくいつも人間になったわたしが着ている
白いワンピースの事を仰ってるんだとは思うのですが・・・。

・・・だれですか?裸だと思ってた人は。
着てますよ、一応、着てますよ。
・・・でも、お風呂はいつも猫の時に入ってるし・・・。
特に、脱ぐ必要もなかったので
ご主人様の前で・・・脱いだこと、無かったです・・・。

「大丈夫、脱げるよ紺野、脱いでごらん」


ええ、たしかに脱げます。
・・・でも
なんでしょう、昨夜、人間の姿でいっしょに寝たときと同じくらい・・・いえ、
それ以上。

恥ずかしい、です。


なかなか人間にならない私に、
ご主人様は困ったように頭を掻いたあと、小声で言いました。

「早くしないと、お店の人が怪しんで入ってくるかも〜、ごとー、怒られちゃうかも…」

なんてことでしょう!
それは困ります!
ご主人様が怒られたら大変です。

私は慌てて人間の姿になりました。

ご主人様は満足そうに微笑むと、
一言『なんちゃって』・・・と
・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・だましましたねっ!!
295 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:35
試着室の壁に追いやられて、
至近距離でにっこり笑ったご主人様。
あぁ、すごく楽しそう・・・。
こういう顔してるご主人様を止めるのは、無理な事だと紺野は知ってます。
壁際に追いやられ、
ご主人様の両手が顔の横に立てられます。

至近距離で、微笑むご主人様。
綺麗な唇が動いて、つむいだ言葉は・・・。








「紺野、脱いでごらん」
296 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:35

********
297 名前:cat:18 投稿日:2005/08/13(土) 02:36

***********
298 名前:ぴろ 投稿日:2005/08/13(土) 02:37

本日の更新でございました。
299 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/13(土) 02:39
寸止めですか!!き、きになるーーーー
300 名前:名無し飼育 投稿日:2005/08/13(土) 03:54
写真集ゲットしました!もう感動してフゥー(死
こっちがにっこりしてましたが何か?(ぉ
301 名前:ぴろ 投稿日:2005/08/15(月) 00:51
>>299 名無飼育さん
ほんとだ、寸止めですねwきにしてもらってありがたいです。

>>300 名無し飼育さん
ゲットおめでとうゴザイマス。かわいいですよねぇ〜♪


では、本日の更新を・・・

************
302 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:51

 しんじられない・・・

303 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:52

人間になった時にはいつも着ている白いワンピース。
ご主人様は『脱いで』と仰いました。

脱げます。
脱げますよ?

…でも、ご主人様の前でですか?
あの、紺野も猫とはいえ、
恥ずかしいものは恥ずかしいのですが…。

「恥ずかしいの?ならさ、あたし後ろ向いてるから」

もじもじしたまま動かない私に、
ご主人様は背を向けました。
・・・・・・
振り返る気配は全然無し。
ほ、ほんとに?
…じ、じゃあ、脱いでみようかな?
脱がなきゃここからでられそうもないし・・・。
もそもそとワンピースを脱いで、下着だけ…。
・・・
・・・・・・すみません、やっぱり恥ずかしいのですが・・・。
やっぱり脱ぐのやめようかな?・・・なんて思いつつ、
試着室の大きな鏡に目を向けると、鏡越しにご主人様と目が合いました。

・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・

見られてるじゃないですかぁっ!(泣
304 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:54
鏡の中の自分がたちまち真っ赤になるのが分かります。
慌ててワンピースで身体を隠して、
勢いのままご主人様に抗議しようとしたら

ご主人様も慌てて、私の口を手で塞ぎました。

「こらこら、声を上げたらダメだよ?もうチョット待って。」

と、空いている方の手で人差し指を口元に持って行き、『静かにして』の合図。

「いい?紺野、『しー』だよ?はい、これ着てみよう。」

ご主人様が出したのは、さっきまで手にもっていたお洋服・・・。
・・・これ、私が着るんですか・・・?
イマイチ状況がつかめない私に、ご主人様はせっせと洋服を着せていきます。

「チビパーカーと、レースキャミ、白いミニスカートでちょっとカジュアルに…
 しっぽはあえて隠さず見せておいた方が、多分、逆に個性的な飾りと思ってくれるから・・・
 うん、出しておこう」

ブルーやピンクの可愛い洋服。
ご主人様に着せてもらった、人間みたいな私が鏡の中にいます。
305 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:55
「あ、あの…、これ、私が着てどうするんですか?」
「遊びに行こうよ紺野、夜の街付き合って♪」

・・・付き合ってって・・・
『先約』は?お約束してるお友達はどうするんです?

「あの・・・ご主人様、先約があるって…」

ハテナ顔の私に、ご主人様は『あぁ』と可笑しそうに笑うと
私の頭にぽんぽんと手を乗せて、私の顔を覗き込みました。

「ほら、ごとーの先約♪」



お友達の誘いを断った『先約』って・・・私、ですか?

・・・うわぁ・・・なんか、
私、今すごく嬉しい、かも。
306 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:57
完全に洋服を着てしまった私に、ご主人様はごそごそとバックからキャップを取り出し、
カポっと私の頭にかぶせました。

「しっぽは出しててもギリOKとして、猫耳まで付けてたらさすがに注目されるからね。
 服をカジュアルにしたから、そのキャップでも似合うでしょ?それで耳をかくしてごらん?」

・・・ご主人様のコーディネートは完璧です。
たしかにしっぽは出たままですが、腰に巻いておけば白いスカートとイイカンジに馴染んで
あまり目立ちません。
キャップで耳を隠せばまるで人間・・・。

「紺野、可愛いでしょ?かわいいね♪」

鏡越しに目を合わせて、ご主人様が微笑みます。

「紺野、遊びに行こう。今日は楽しい夜になるよ」


試着室から出て、店員さんに『着て帰ります』と告げ、ご主人様は会計を済ませました。
一人で入ったはずの試着室から二人出てきた事に、
店員さん、すごく驚いて首をかしげてました
・・・ごめんなさい。あなたの記憶は正しいです。
307 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:58

ご主人様に手を引かれて歩くネオン輝く夜の街。

繋がれた手。
人間の姿で、ご主人様と歩く、人間の街。
夜の街。
少し前を歩くご主人様。


たしかに目の前にある光景なのに

夢を見ているような、
信じられない気持ちです。
308 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:58


しんじられない・・・。
  でも、すごく、嬉しいです。
309 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:58

*********
310 名前:cat:19 投稿日:2005/08/15(月) 00:59

**************
311 名前:ぴろ 投稿日:2005/08/15(月) 01:00

ま、もうこの際なんだってアリって事で。
細かいところは目をつぶって下さい。

そんな本日の更新でした。
312 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/15(月) 07:56
更新お疲れ様です。
見てる(?)こっちもすごく嬉しいです。
313 名前:名無し飼育 投稿日:2005/08/15(月) 10:56
ノックダウンされました(ぉ
ごとーさんえっちぃなぁ…(死
314 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/08/16(火) 15:34
更新お疲れさまです。 100%赤面状態です(汗 その場に自分が居たと思うとry(爆 じ、次回更新待ってます。
315 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/16(火) 19:27
うわぁ、後藤さんエロ…紺野さんはやっぱり受けですね。
316 名前:名無し飼育 投稿日:2005/08/26(金) 01:34
後紺不足〜orz
317 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/29(月) 15:01
第一紺野さんが可愛過ぎます。そして後藤さんがエロ過ぎます。
318 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/05(月) 00:56
まだかな・・・まだかな。
319 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/06(火) 22:09
おひさしぶりでございます。

>>312の名無飼育さん >>313の名無し飼育さん
>>314の通りすがりの者さん
>>315の名無飼育さん >>316の名無し飼育さん 
>>317の名無飼育さん >>318の名無飼育さん

レス有難うございました。
もうしわけないやら、ありがたいやら
…そんな気持ちの本日の更新まいります。

*************

320 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:10

  やわらかい…。


321 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:11

***
322 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:11

ご主人様と歩く夜の街。
一緒にお出かけすることなんて今まで無かったし、
まして、
人間の姿でお出かけするなんて…思いもしませんでした。


沢山の人の中、離れないようにって手を握ってくださって、
人ごみの中を上手に歩けない私をかばって、少し前を歩いてくださるご主人様。
その優しさがすごく嬉しくて。
周りの景色なんて全然目に入らないくらい
ずっとご主人様を見ていました。

細い肩。
綺麗な髪。
すんなりとした白い手。

ご主人様が綺麗なのは、ずっと前から知っていましたが、今夜は特別です。
323 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:12

私、もしかしたら夢を見ているのかも…
だって、いいんでしょうか?…こんな事。
人間の姿で、手を繋いで、こういうの、前にテレビで見たことがあります。
なんだか、まるで…

「デートしてるみたいだね、紺野」

振り向いたご主人様が嬉しそうに笑いながら、そう、仰いました。

…ど、どうしましょう…すごく、嬉しい…。
あぁ、顔が赤くなっていくのが自分でもわかります。
か、顔が、あつい、です…。

『はい』って返事をしたけれど、
恥ずかしくて、声が小さくなっちゃいました。
ちゃんとご主人様に聞こえたかな…?
なんて不安になって、顔を上げたらご主人様も恥ずかしそうに笑っていました。

324 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:13

あ、ヤバイ…。
なんでしょう…涙が出そうです。
ご主人様の事になると、嬉しいのに、胸が痛くなっちゃう…。

幸せが怖いなんて、昔の私は思いもしなかった事です。


ご主人様…。
紺野は、人間になりたいって思ってるんですよ。
人間になって、ご主人様のお友達のように、同じ目線で近くにいたいって思ってるんです。

…でも。
紺野は、ご主人様の飼い猫だから。
ご主人様は人間で、紺野は猫だから…

紺野は、ご主人様の一番には、なれないんです…。

分かっているのに、それは分かっているハズなのに、
嬉しいから、幸せだから、ご主人様の優しさが、紺野は怖くなるんです。

神様って意地悪です。
こんな感情、普通の猫だったら持たなかったのかもしれないのに…
どうして、人間の姿になれるようにしたのでしょう…?
中途半端な存在。
猫にも人間にもなりきれないなんて…
325 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:14
「…紺野?」

うつむいた私を心配したのか、ご主人様が覗き込みます。
慌ててなんでもない顔をしたけれど…やっぱり顔に出ていたようで。
ご主人様、ビックリしたように目を丸くして、困ったように首を傾けました。


あぁ、せっかくのお出掛けなのに、ごめんなさい。
今日の紺野はおかしいんです。


『ごめんなさい、なんでもないですよ?』って笑って見せたら
ご主人様、小さく溜息をつかれました。

「紺野はさ、もしかしてごとーの事怖かったりする?」

…今度は私が目を丸くする番。
ご主人様が怖い?
…ご主人様と一緒に居て、怖くなる時はあるけど
それは、自分のご主人様への気持ちに不安になるからであって、
ご主人様が怖いと思った事は一度も…。

「怖くないです。ご主人様はすごく、優しいですもの」

『…たまに、いじわるですけど。』
は、さすがに言わなかったけど。
326 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:15

誤解されたくなくて、本心ですってコト分かってもらいたくて
目を逸らさず、ご主人様の目をじっと見つめたら、
ご主人様…また困ったような顔をされて、目を逸らされました。

…うぁ…(泣

分かってもらえなかったのかな?…って思ったら悲しくなって、
涙が出そうになりました。
いえいえ、泣いちゃダメです。ちゃんと伝えなきゃ。
『ご主人様』って呼びかけて、もう一度ちゃんと視線を合わせようとしたら、
ご主人様、ちらっとこっちを見ると、
また、困ったように目を逸らされました。

「…ご主人様?…紺野、ウソ、いってないですよ?」

私も困ってしまって、
なんとか言えたその言葉も涙声になっちゃって、
頑張って言った割には情けなかったんですけど…。

ご主人様の顔、覗き込んで、ご主人様の返事まってたら。



すごく、ドキッとしました。
327 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:15

始めてみるテレ笑い。
困ったようで、嬉しそうな、今までに見た事がないテレ笑い。
そうして、ご主人様は私の頭を撫でると

「ごとーは、たまに紺野が怖くなるよ」

と、にっこり微笑まれたんです。

…私が怖い?
紺野は、ご主人様に噛み付いた事も、引っかいた事もないですが…。
怖いんですか…?
それは、もしかして…

「紺野が、化け猫だからですか?」

だって、それなら納得ができますもの。
でも、ご主人様は慌てて手を振って否定されました。

「違う違う!そんなの全然関係ないよ!…ん〜…んぁ〜…なんて言うのかなぁ」

一生懸命言葉をさがすご主人様。
気のせいでしょうか?ほっぺが少し、赤いです。
…もしかして
328 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:16

学校のクーラー、すっごく効いてたから、寝冷えしちゃたとか?
寒い教室で居眠りしたから、風邪を引いちゃったのかも…。
ご主人様の様子がおかしいのは、もしかしたら、そのせいなのかもしれません。

この前、ご主人様が病気になった時、ご主人様すごーく熱くなってました。
『熱がでちゃったよ〜こんの〜』なんて、辛そうに仰ってました。
ほっぺが赤いの、もしかしたら、また熱が出てるせいかもしれません。

「ご主人様、ほっぺ、赤いです。もしかして体調悪いですか?」

体温計とか無いから、
自分の手のひらで確かめてみようと、
ご主人様のほっぺたを両手で包みました。
…あ、やっぱりちょっと熱いかも…?

…といいますか、更に赤くなったような気が…

「ご主人様、熱があるんじゃ…」

なさけない程うろたえる私と
ビックリしたのか目を丸くするご主人様。

でも、次の瞬間、ご主人様ははじかれたように笑って

「やっぱり紺野はこわいねぇ〜」

…って。
だから、なんでですか…。
全然怖がってるように見えないんですけど。
329 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:17

頬を包む私の手に、自らの手を重ねてご主人様は
にっこり微笑まれました。

「熱はないよ、紺野があんまり目をうるうるさせるから、ごとーヤラレちゃった」

紺野も恥ずかしくなると赤くなるでしょ?
…とご主人様。

…なるほど。

納得しました。
納得してしまうと、なんといいますか、自分のしてること冷静に考えて…

……どうしましょ
恥ずかしくなってきました。

「…もしかして、今、紺野も赤いです…?」

顔が熱くなってきて、そう聞いたら
ご主人様、にっこり笑って

「ちゅっ」って音をたてて、私の両手に何度も唇をよせました。
330 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:17


うわぁ…っ

すごく、やわらかい。

うわぁ、うわぁ、どうしよう
どうしようっ。


なんか、もう、
手のひらしか、感じない。
ご主人様から、目が離せない。


どうしようっ、ご主人様、やわらかい。

331 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:18

固まってしまった私に、ご主人様は目を向けると、
いつも、いたずらする時のあの笑顔で、

「ほら、紺野、真っ赤っか♪」

恥ずかしくて、悔しくなって、『ご主人様っ!』って抗議の声あげたら
ご主人様嬉しそうに笑って

「紺野の手、やわらかいねぇ〜、肉球も捨てがたいけど、人間の手も好きだよ」

あ〜、やわらかい…ってほっぺすりすりして。
 やわらかいって。
…ご主人様の唇のが、やわらかいですよぉ…。
332 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:19

困ってしまって、
俯いたら、耳元で囁かれました。


「紺野、とりあえずさ、場所変えようか?」

場所…?

「なんか、やっぱ街中で『ご主人様』はヤバイみたいだねぇ」

苦笑いのご主人様。
ふと周りを見回すと、道行く人々が不思議そうにコッチをみてました。

『なに?どういうプレイ?』
『ていうか、ムダにかわいいけど、なんかの撮影?』

…………
なんだかよく分かりませんが、目立ってるみたいです。

「走るよ紺野」
333 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:20

手を繋いで、二人でその場から逃げました。
走ってる最中、
「やっぱり紺野は怖いねぇ」って嬉しそうに言ったご主人様。

ご主人様の「怖い」の意味がよく分かりませんでしたが
悪い意味ではないようです。

そんなこと思いながら、ふと、繋いだ手に目をやりました。

紺野の手を、やわらかいと仰ったご主人様。


そんなご主人様の手も やわらかかったです。
334 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:21

**********
335 名前:cat:20 投稿日:2005/09/06(火) 22:21

******************
336 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/06(火) 22:25
おひさしぶりでございました。

握手会、応募さえしなかったくせに
行けばよかった…と、ちょっと後悔したのは何を隠そうこのわたくしでございます。

そのうっぷんを晴らすべく、土曜日に娘。コンに行って
放課後ソロで撃沈したのも、何を隠そうこの私…。

…更新頑張ります。
337 名前:名も無き読者 投稿日:2005/09/06(火) 23:41
更新、お疲れ、、、様、です……っ。(悶
あぁなんか発作が(殴
怖い怖い。w
でも道行く人々の常識的見解に吹き出しました。
続きも楽しみにしております。
338 名前:名無し飼育 投稿日:2005/09/07(水) 07:08
くぁwせdrftgyふじこp!!!!!
もう撃沈です。。。
痴呆人なのでたまたま紺父の店を見たのには撃沈しましたが…www
339 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/09/08(木) 07:14
更新お疲れさまです。
(◎□◎;)・・・(固
本当にお疲れさまです。
(@□@;)・・・(堅

じ、次回更新待ってます。
340 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/19(月) 23:28
あの番組での猫耳は、更新をしろという警告でしょうか?(違う
なんて思ったわたくしでした。

>>337 名も無き読者様
 道行く人は常識人ですねぇwまぁ、可愛いから許してくれるはず…?

>>338 名無し飼育様
 紺父店に撃沈ですか〜、私は写真集の紺ち…(ゲフゲフ
 いえ、なんでもございません。

>>339 通りすがりの者 様
 もう固まった身体は解れたでしょうか?
 更新おまたせいたしました〜。

ではでは、本日の更新まいります。

***************
341 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:28

心臓が、爆発しそう・・・。

342 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:29

どれくらい走ったでしょうか?
ご主人様に手を引かれるまま、ひたすらに走りました。

走るだけ走って、人がいない場所に出た時には
二人とも息が揚がってまともに話も出来ない状態…

それでも目が合うとなんだか楽しくなってきちゃって、
二人で声を上げて笑いまいた。


「うあー、苦しい〜っ。タダでさえも息が揚がってるのに〜」


お腹がいたーい…なんて言いながら、息を整えるご主人様。
私も深呼吸を繰り返し、揚がった息を整えました。
343 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:30

「ご主人様…こ、こんなに走る必要なかったの、では?」
「何、いってんの〜、紺野がそのカッコで、『ご主人様』なんていうから目立っちゃったんでしょー?
やっぱ『ご主人様』は街中ではヤバイね、うん」
「…や、ヤバイ、ですか?」
「うん、まぁ、たしかに、妙なプレイをしてるように見えなくもない、かも」
「…ぷれい…?」


ご主人様の楽しそうな表情からすると、悪い事じゃない…みたい?ですが、
どうやら、街中だとヤバイらしいです。
…今度、『プレイ』っていうのを詳しく教えてもらおう。
ええ、何事も勉強ですもの、ご主人様に迷惑かけたらいけませんもんね。
344 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:30


「ねぇ紺野、あたしの事、名前で呼んでごらん?
  ごとーでも、真希でも、どっちでもいいから」
「ええ!?」


また急に、何を言い出すかと思えば…。な、名前で!?


「それだと自然だからさ、呼んでごらん」
「む、ムリですよ、そんな…恐れ多いっ」
「そんな事ないって」
「むむむ、無理ですっ」
「えー?………………ムリ?」
「無理…です」
「じゃ、帰る?」


………………えぇえっ!??(泣


「そ、それは……イヤ…」


だって、まだ、帰りたくないです。
せっかくご主人様と人間みたいに…で、デート…してるのに。


「じゃ、紺野、呼んでみよう♪」
「…楽しそうですね、ご主人様…」
「んぁ?…そんな事ないよ〜」
「……………ありますって…」
「さぁさぁ、呼んでみてよ、こんの〜」


『さぁ、言って♪』
と、私の両肩に手を置き、正面から見据えるご主人様。
…言うまで逃がさないという事ですか?
……逃げはしませんけど…、正面から見られると
余計、恥ずかしいのですが…(汗
345 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:32

「…ご、ごと…ごとぉさん」
「はぁ〜い♪」


……楽しそうに返事をしたご主人様、
どうやら肩から手を離す気は、まだないご様子。
まだ言えという事でしょうか?

  うぅ…、いじわるです。


「ご、ご、ごとぉさん」
「はいは〜い」
「…ごとーさん」
「もういっちょ♪」
「後藤さん」
「んぁ〜♪よくできましたー」


満面の笑みを向けたご主人様。
なんだろう、凄く嬉しそう…。

そんなに名前で呼んで欲しかったのかな?

…なんて、ぼんやりそんな事を思っていると、
ふいに、
柔らかなその笑顔が、どこか不安そうに揺れました。
そして、さっきとはちょっと違う、真剣な目と
真剣な声で、仰ったんです…。


「ほら、あたしと紺野は、これで対等。」

346 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:34

「…対等?」
「うん。そう」

対等…?
ご主人様と、私が?
人間と猫ですよ?

…紺野は、あなたが拾った『猫』ですよ?
347 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:35

「ご後藤さん、紺野は、猫です…」
「そうだね、でも、紺野とあたしは対等。」
「後藤さんは…、人間です」
「うん、でも、あたしは対等でありたいの」

対等…。
…嬉しいけど…でも…

…嬉しく…ありません。

ご主人様がそう思ってくださっても、やっぱり、貴女と私じゃ生きる世界が違いますもの。
『対等』なんて思っていたら、
…なんだかもっと、辛くなる気がします。



「…紺野には、よく、分かりません…」



348 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:36

「…ねぇ、紺野」


囁くようなご主人様の声。


「紺野は、あたしの事、好き?」


…ええ、好きです。…凄く。

言葉にすることができず、頷きます。


おもわず俯いた私の顔を、
両手で包み込み 目線を合わせるように導くご主人様。
でも、そのご主人様の表情は…凄く、困り顔。


「あのね、紺野…ごとーもね?あたしも紺野の事が好きだよ?…でも、わかるかなぁ?
 紺野の『好き』とあたしの『好き』はきっと、違うんだ」
349 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:37


『好き』が、違う…。



あぁ、…これって、ようするに…。
私がご主人様に、猫らしくない気持ち抱いてるって…
バレてるって…こと?
…ですよね、うん…。

…やだな、怖い。
なんて言われるんだろう…?


不安になってしまって、思わず目を逸らしたら、
ご主人様はまた困ったように、
溜息をつくように笑われました。


「やっぱり紺野からしたら、“ご主人様”の後藤は怖い?」


困り顔で笑ってるご主人様。
でも、今にも泣きそうに見えるのは…私の気のせいですか?
なんで…そんな…。
私、怖くないって、言ったじゃないですか…。
350 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:38

「怖くないです、さっきも言ったじゃないですか…怖くないって。
 紺野は、ご主人様が…、ご主人様の事…大好き、です…っ」


悲しい顔を見たくなくて
勇気を出して言った『大好き』。
こんな言葉だけじゃ、ご主人様への『好き』は全然足りないけど…
私はこれ以上の言葉を知らないから…。


あぁ、紺野がどれほどご主人様の事が大好きか、
私の気持ち、見せる事ができたらいいのに…。


言葉では『好き』をこれ以上表現する事ができないから、
あとは じっとご主人様を見つめてました。
今度はご主人様も目を逸らす事無く見つめ返してくださって…。

そうしたら…。

だんだんと…。



    なんだか…

        

      ご主人様の顔が…近く…



















351 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:39

一瞬だけ、

本当に、一瞬だけ。
ご主人様の唇が、私のそれに、重なりました。



「あたしは紺野の事が、好き、だよ?」



まだ、唇が触れそうな距離、
おでこをくっつけたままで、そう仰るご主人様。


  紺野の“好き”は、あたしと、一緒なのかな?



ご主人様の言葉。
352 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:40

ドクンと、胸の鼓動が早くなりました。


心臓が、爆発しそうです。

353 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:40

*********
354 名前:cat:21 投稿日:2005/09/19(月) 23:41

***************
355 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/19(月) 23:42
本日の更新でございました。
それではまた明日。
356 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/09/20(火) 00:08
更新お疲れさまです。
は、鼻血が…(爆)
357 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/09/20(火) 00:38
やべぇ、夜中なのに砂糖吐きそうw
いつも更新お疲れ様です
358 名前:名無し飼育 投稿日:2005/09/20(火) 00:47
更新お疲れさまでございます。
吹きdして鼻パック剥がれそうwww
359 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/21(水) 00:09
>>356 名無し飼育さん様
 鼻血!?ティッシュティッシュ…。止まりましたでしょうか?

>>357 名無し飼育さん様
 砂糖!甘かったですか。ありがとうございます。

>>358 名無し飼育様
 鼻パックは無事だったでしょうか?綺麗に取れると気持ちいいですよね。

それでは今日の更新を…

**************
360 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:10

空を飛ぶって、こういう事でしょうか?

361 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:11

やわらかい感触が、まだ、唇に残っています。


ご主人様のやわらかい唇。
紺野の唇に重なりました。


こういうの、知ってます。
だって、テレビで見た事がありますもの。


…でも

…本当に?
だって、そんなの絶対にありえません。
362 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:12

テレビで見た『キス』。
テレビでキスしていた人達は、とても好きあってる人達でした。
一番好きな人同士がしていた事でした。
一番好き同士の 人間 がしていたんです。



…今のが、『キス』なはずがありません。


だって、私がご主人様の一番になるはずないですもの。
『キス』は人間同士ですることだから。
紺野は人間じゃないですから。


…だから、違います。
363 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:13




でも、…じゃぁ、今のは一体何なのでしょう……?


「紺野…?」


心配そうに瞳を覗き込むご主人様。
あぁ、ご主人様の瞳に私が映ってる…
ご主人様と同じ位、泣きそうな顔をして。


ご主人様の『好き』ってなんですか?

私の『大好き』とどう違うのでしょう?



私の『大好き』とご主人様の『好き』は一緒ですか?
364 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:14

胸が、苦しいです。
鼻の奥がツンとします。

目がジンジンしてきて…熱くなってきました。


あぁ、目の前がゆらゆらと…良く見えません。
次から次に水が溢れて

息が上手く出来なくなってきました。
息がつまって、声がでません。



「紺野…どうして泣くの?」


ご主人様も泣きそうな声でそう言うと
私をぎゅっとしてくださいました。
365 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:14

涙って、こんなに目からでるものなんですね。


私、こんなに泣くのは初めてです。


胸が痛くて痛くて…
息が上手く出来なくて…


正直、なんで泣いてるのか、よく、分かりません。


一体、どの気持ちで私が泣いてしまったのか、
私にも、分からないんです。



ただ…




紺野の『大好き』とご主人様の『好き』が同じであってほしい。


そう、願っているのは分かります。
366 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:15

どう伝えていいのかわからない。
でも、何かをご主人様に伝えたい。

そんなもどかしい気持ちを、ご主人様を抱きしめ返す事で紛らわせました。


温かいご主人様。
大好きなご主人様。


うまく言葉では伝えられないけれど、
でも、
伝わって欲しい…

そう願いながら、私は、
気持ちをぎゅっと詰め込んで…
夜の闇に、想いが吸い込まれていかないように…
ご主人様の耳元に唇をよせ、

ご主人様にだけ聞こえるように。


ゆっくり、囁きました。





「大好きです…」





涙で、うまく出ない声。
震えてしまって、情けなかったけど…

それでも、その瞬間
ご主人様は強く抱きしめて下さいました。

367 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:16

私の目に、最初に入ったのは
真っ赤になったご主人様の耳。


次に、
すごく嬉しそうなご主人様の顔。


そして、
潤んだ艶っぽい瞳。




気づけば…
その瞳が視界いっぱいになり…


また



唇が、重なりました。




さっきと同じやわらかな感触。

でも、さっきと違うのは

一瞬ではなく…
触れるだけではなく…



まるで、空を飛ぶような
フワフワとした、不思議な気分。

頭が真っ白になり、気づくと、私は瞳を閉じていました。


感じるのはご主人様の温かさと やわらかさ。
368 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:17


空を飛ぶって、こういう事でしょうか…?

369 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:17

*********
370 名前:cat:22 投稿日:2005/09/21(水) 00:17

**************
371 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/21(水) 00:18
なんだかそろそろ終わりそうな感じですね。
もうちょこっとお付き合いくださいませ…。

本日の更新でした。
372 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/09/22(木) 16:08
更新お疲れさまです。
なんだか感動しましたねぇ
泣けてきました(涙

最後までお付き合いしますよ。
次回更新待ってます。
373 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/25(日) 01:31
>>372 通りすがりの者様
いつもレス有難うゴザイマス。
有り難い言葉に毎度感謝でございます。


では、本日の更新させていただきます…。


************
374 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:34



『我輩は猫である――――』という書き出しの本が
人間の世界にあるとかないとか…。


紺野も『猫である』…。


そう、猫なんです。



375 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:35

***
376 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:36

二度目のそれは、最初にしたものとは随分違って…。
何度も重なる唇は、角度を変えたり、深いものだったり…。

知らぬ間に私は目を閉じていて、
真っ暗な視界の中、
感じるのはご主人様の唇のやわらかさと、抱きしめてくれる身体の体温。



ずっとこうしていたいなぁ…って、思いました。


だって、今、私の中ご主人様でいっぱいです。
目を開ければ、視界だってきっとご主人様でいっぱい。
そう思うと、幸せで、凄く幸せで。

そしたら、また涙が出てきて

閉じた瞳から溢れて流れました。
377 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:37

唇を重ねていたから 涙がご主人様の頬も濡らしてしまって…、
あぁ、申し訳ないなぁ…なんて思っていたら、
ご主人様、唇と指で優しく拭ってくださいました。


また泣いちゃったから、ご主人様困った顔されてるのかな?って思って、
そっと、目を開けてみたら…。
今度は、さっきとは違う、嬉しそうな、ちょっとくすぐったそうなカンジで

紺野、なんで泣いてるの?


って、聞かれました。

…なんででしょう?なんで泣いてるのか、やっぱり良くわからないのですが…。
でも、さっき感じた事を素直に話したら、
ご主人様、すごーく、すごーく嬉しそうに笑われて。
“んははっ”って吹き出すくらい、嬉しそうに笑われて。

また、ぎゅって、抱きしめてくださいました。


ご主人様が嬉しそうに笑って、
ぎゅって抱きしめてくださって、
そして、すごく嬉しそうに

紺野〜大好きー。

って仰ったのを聞いたら、

私もすごーく嬉しくなって、笑顔になりました。
378 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:38

相変わらず涙は出たままだし、なんか、余計に止まらなくなっちゃったのですが、
今度はご主人様も私も、困った顔をする事はなくて…
エヘヘって二人で笑いながら、何度も涙を拭いました。


ご主人様の『大好き』と私の『大好き』が同じかなんて、そんなの分かりません。



…でも、
こんなに嬉しそうなご主人様は、今まで見た事がないから。
こんなに嬉しくなった事、私も今までないから。
お互いの『大好き』を知って『嬉しい』と思った気持ちは一緒だから。

だから、
今は、素直に、嬉しくて幸せです。
379 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:40

じっとご主人様の顔を見ていたら、
ご主人様がそれに気づいて笑いかけてくださって、

また、ゆっくりと、綺麗な顔が近づいてきました。
あぁ、もう一回してくれるのかな…って嬉しくなったんですが…。
タイミング悪く、人が来てしまったので 慌てて離れました。


あ、残念だなぁ…なんて思ってたら、
ご主人様も「んぁ〜…残念」って呟かれて…。
おんなじ事を思ってたんだと思ったら、
また、嬉しくなって笑っちゃいました。
380 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:44


笑いあったまま、二人、嬉しい気持ちで。
街中で手を繋いでお店を覗いたり、カフェで甘い飲み物を買ったり…
『終電』の時間までゆっくり過ごしたその日の夜。


すごく楽しくて、ちょっと胸が苦しくて、でも幸せで…。

…私、ずっとずっとこの夜の事、忘れないと思いました。


拾ってくださったご主人様。
人間の姿を受け入れてくださったご主人様。
そんな私を『大好き』と仰ったご主人様。

あぁ、本当に幸せだなぁ…って噛みしめていたら、
どうやら顔に出てたみたいです。

「なに?紺野ってば顔がニヤけちゃってるよ」

ってご主人様に言われちゃいました。
ニヤけてなんてないですよ…なんて言い返してみたけど…

えぇ、説得力ないですよね。
381 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:46

自分でもニヤけてたの分かってます。
だって、すごく幸せだなぁって思ったんです。
有り難いなぁって…。


「紺野は、すごく幸せな飼い猫です」


心から、そう思って。
心から、そうご主人様に伝えたら。

ご主人様、可笑しそうに笑って言いました。



「紺野は、ごとーの恋人でしょ」



“…恋人だよ”って…
2回目は耳元で囁いて…、そして、また唇を重ねてくださいました。
“キスしちゃった”って、照れくさそうにそう言って。
382 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:47

「紺野、走るよ、こんなとこでキスしたから、また目立っちゃった」


私の手を取って走り出すご主人様。
かすかに見える横顔は、なんだか凄く嬉しそうで、照れくさそうで…。



あぁ、神様。



幸せが、これで終わりなんて、
そんなイジワルしないでくださいね?


もう少し、ご主人様との時間をください。
もう少し、ご主人様と一緒にいさせてください。



やっと、ご主人様に近づけたから…。
383 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:48







猫なのに、人間のことが好きになりました。




飼ってもらって、一緒に生活したら、
もっともっと好きになりました。

色んなことがあって、色んな事を知って
ご主人様の事、大好きになりました。
384 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:50

今までの、どの『好き』とも違う『大好き』。


愛ちゃん達も好きだけど、
大好きだけど、
ご主人様への大好きは、それとは違う、もっと大きな『大好き』。


それはご主人様へだけの、特別な『大好き』。



ご主人様に言われて、初めて、自分の『大好き』が分かりました。
  私…ご主人様の『恋人』になりたかったんです。


猫だけど、中途半端な存在の私だけど…。

ご主人様が凄く、大好きだったんです。
385 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:51







『我輩は猫である――――』という書き出しの本が
人間の世界にあるとかないとか…。


紺野も『猫である』…。


そう、猫なんです。





 『猫である』




   でも、紺野は…

        ご主人様の、恋人に、なりました。

386 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:51

****オワリ****
387 名前:last cat 投稿日:2005/09/25(日) 01:52

***************
388 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/25(日) 01:57

うっかりストックがまだ2つはあると思っていた私。
更新しようと思ったら、今回がラストでした…(汗。

とりあえず、無事に一部を終了する事が出来ました。
…ええ、もしよろしければ第二部もお付き合い頂ければ…。

何はともあれ、お付き合い有難うございました。
389 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/25(日) 06:12
更新お疲れ様です。
良かった……まだ続くのですね。
第二部、楽しみに待っています。
390 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/26(月) 09:33
毎回楽しく読ませていただきました。
情景が鮮明に浮かび幸せな気分に浸らせていただきました。
第二部も楽しみに待っています。
作者さまのペースでがんばってください。
391 名前:ぴろ 投稿日:2005/09/26(月) 16:43
>>389 名無飼育さん 様
 無事、第一部を終了させる事ができました。
 第二部はしばらくしてからまたまったり始めて行きたいと思っています。
 次回もどうぞよろしくおねがいします。

>>290 名無飼育さん 様
 毎回ありがとうございました。
 好き勝手書かせて頂いたおかげで、文章が苦手ながらも
 毎度楽しく書く事ができました。
 第二部、すこし時間をおいて、またまったり始めてみたいと思います。
 どうか次回もよろしくお願いします。



無事に終了、そして、ありがたいレス…
本当にありがとうございました。しばらく時間をおいてから、
ゆっくり まったりと書かせて頂きます。
…とりあえずは、放置気味だった自サイトを生き返らせてから…(汗

次回もどうぞよろしくお願いします。
392 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/28(水) 20:33
毎日チェックして読ませて頂いていました。
毎回読んだ後に幸せな気持ちになれる内容でした。
筆無精でなかなか感想が書けなくてすみません。
二部、楽しみにしています。
393 名前:名無し飼育 投稿日:2005/09/29(木) 14:27
最初のほうからずうっと読まさせてもらいました
もう涙が止まらない放課後ですねwww
第二部も御一緒します。。。
394 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/01(土) 16:12
あぁ、よかった・・・読んだ後、幸せな気持ちになりました
今まで読んだ数ある飼育後紺作品の中で一番、紺野さんが可愛かったです
ありがとうございました。二部も楽しみにしてます。
395 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/10/01(土) 17:56
ぅわぁ。。。
鳥肌がたっちゃうほど感動しましたw
なんか読んでるこっちも幸せな感じっス。
思わず、すっごいニヤケてしまいました(アヤシイ

第二部のすっごい楽しみに待ちますっ!
396 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/01(土) 23:22
2人がすごくかわいいです。
めっちゃニヤニヤしてしまいました(*・∀・*)
397 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/06(木) 23:49
一気に読ませていただきました。
すっごく面白かったです!
こんなに可愛い後紺初めて見ました。
本当、可愛かったよぉ…。

第二部も楽しみにしてます。
398 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/11/03(木) 17:10
かなり出遅れてしまいましたが、第一部お疲れ様でした。
暖かくなりますね、こういった出会いも有りかと実感してしました。
また第二部があるとの事で、また楽しく拝見させていただきます。

本当にお疲れ様でした。
399 名前:ぴろ 投稿日:2005/11/08(火) 00:12
お久しぶりでございます。
前回から一月以上が経っているという…。
ホント、忘れた頃にやってきてしまいました。
またスローペースになるかもしれませんが、第二部、よろしくお願いします。



>>392 名無飼育様
レスありがとうございます。
筆不精という事ながらも、こうやってレスしてくださった事
本当にうれしく思います。
今回もどうぞよろしくお願いします。

>>393 名無し飼育様
最初から読んで頂いていたという事で…ありがとうございますっ。
第一部終了からけっこう間があいてしまいましたが、
今回もどうぞよろしくお願いします。

>>394 名無飼育様
すごく嬉しいお言葉有難うございました。
可愛い二人が書けるよう、努力していきたいとおもいます。
今回もどうぞよろしくお願いします。

>>395 ひろ〜し〜様
鳥肌まで立てて頂いたようで…ありがたいですっ。
第二部も喜んで頂けるよう頑張りますのでよろしくお願いしますっ。

>>396 名無飼育様
ニヤニヤしていただけるってのも、妄想小説としてはすごくありがたい事…
第二部もニヤニヤして頂けるよう頑張ります。

>>397 名無飼育様
読んでいただいただけでもありがたいのに、更にありがたい言葉まで…。
第二部、頑張りますっ。

>>398 通りすがりの者様
なんでもアリの妄想小説ですが、なんとか自分なりに作品にしていきたいと
思っています。第二部もなんでもアリになってしまうかもしれませんが、
妄想小説であっても、作品として終われるように努力していきますっ。


では、久しぶりの更新を…

*************
400 名前:猫である【第二部】 投稿日:2005/11/08(火) 00:14

『恋人はサンタクロース』なんて歌があるけど
あたしの恋人は、サンタクロースなんかよりずっとパンチが効いてる。

 『恋人はペット』…なんて、相当インパクトあると思わない?

401 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:16
恋人の名前は紺野。
あたしが彼女につけてあげた名前。
彼女はあたしのペットで、猫で…。

…そう、猫。

本当に猫。真っ白でくりくり黒目の猫。
でも、彼女にはすごい秘密があった。
太陽が沈んでいる間だけ、人間の姿になる事ができるってこと。
しかも、猫耳としっぽはそのまま残るというサービス付き。
402 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:18

紺野があたしの前で初めて人間の姿になったのは、あたしが熱を出した時。
高熱で朦朧としてるあたしだから、
きっと分からないだろうと思って人間の姿で看病してくれたらしいけど、
あたしはしっかり覚えてた。

ちょっと冷たい手や、優しい声や、猫の紺野と同じ、印象的な潤んだ瞳。

熱が引いて、意識がハッキリしたときは、さすがに半分は夢でもみたんだろう…なんて思ったけど、
どうしても、気になって。
もし『人間の紺野』が本当なら、もう一度あの姿を見たいなぁって思って。
いろいろカマかけて、とうとう秘密をあばいちゃった。

夜中、あたしが寝たのを見計らって、家でこっそり人間の姿になってた紺野。
その日たまたま夜中に目が覚めて、水でも飲もうとリビングに入ったら…
ソファの陰からかすかな息遣いが聞こえて…

…綺麗だったなぁ、月明かりに照らされて眠る紺野。

見とれちゃったよ、だって、ホントにすごく綺麗だったんだもん。
今から考えると、もうあの時からあたしは紺野にヤられちゃってたのかもしれない。
403 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:19
目を覚ました紺野は、もう、見てるこっちが楽しくなるくらい
くるくると表情を変えて、面白いくらい恥ずかしがりで、そんで、可愛くて。

…うん、やっぱ、あの時からヤられちゃってたのかも。

だってもう可愛くて可愛くて、猫紺野しか知らなかった時以上に家に帰るのが楽しみになったもん。
人間の姿の猫耳紺野と一緒に夕ご飯食べるのがすごく楽しくて、
幸せそうにご飯を食べてくれる紺野がまたすごく可愛くて、
あぁ〜…好きだなぁ〜って思ったら、もう、とまらなくなっちゃった。
404 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:20
でも、人間の姿になれるといっても、紺野は猫であたしは人間で…。

なにより、紺野はあたしの事を『ご主人様』としか思ってないんだろうなぁ〜…とか思うと…
結構…いや、かなり悩んだ。けど。

いつもはあたしが寝る頃になると、猫友達に会いに行く紺野が、
初めて、外に行かず、あたしの側に居ると言って来て…。
初めて、猫耳紺野と一緒にベットで寝たら…。

なんか、もう、そういう悩みってちっちゃいなぁ〜…って思って。
あはっ、アタックしちゃった。


さすがにその時は色々不安になったけど。
それでも、紺野は応えてくれた。
紺野もあたしと一緒で、人間と猫という関係が引っ掛かってたみたいだけど、応えてくれたんだ。

恋人になったあたしたち。
『昼はご主人様と猫』で『夜は恋人』…ほら、あたしたちってすっごいパンチ効いてる。
405 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:21




「…どうされたんですか?なんか、すっごく楽しそう」

おもわず思い出し笑いしてしまったあたしに、不思議そうに聞いてきた紺野。
今は夜。あたし達の恋人の時間。
紺野に膝枕されて満足のあたしは『ん〜?紺野の太ももがキモチよくってねぇ』って誤魔化した。

とたんに赤くなる紺野を見て、あたしはまた嬉しくなる。

恋人になって、こんな風に膝枕してもらったり、キスしたり…
恋人らしい時間を過ごしているうちに、紺野はすごく人間らしくなった。

どんどん人間らしくなっていく紺野。

頭についている猫耳とおしりのしっぽさえなければ、
紺野が猫だなんて忘れてしまいそうになる位。

「だって、私、人間になりたいですもの」

努力してるんですよ…って
微笑みながら 優しくあたしの髪を撫でながら、そっと、頬に軽いキスをくれる。
何度もあたしがねだってしてもらってるうちに、紺野が自然とできるようになった行動。
406 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:23
髪をすべる指の感触と、やわらかい唇の感触。
自分からしてくれるようになったその行為でさえ、やはり恥ずかしがって頬を染める様子。
すべてがあたしをすっごい幸せな気分にさせる。

あぁ…、本当にあたしは紺野にやられてる。


人間と猫、
ご主人様とペット、
そんな関係の二人が恋人って…。
ある種、運命感じない?

「ここまで濃い関係の恋人なんてそう居ないよ、紺野」

紺野の答えは返ってこなかったけど、それ以上の、すごく嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
その笑顔に満足して、甘えてキスをせがむと
さらに嬉しそうに微笑みながら、ほんのりと頬を染める。

ほら、綺麗な大きな瞳も潤んできた…。
407 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:23

恋人になって、幸せな夜を何度も重ねて、紺野は『女』を魅せる。

綺麗になったね、色っぽくなった。
ごとーはすごくドキドキしてるよ。

そう言ったあたしに
紺野は細く、小さく囁いて、そっと優しいキスをしてくれた。


 『全ては貴女の為に…』


あぁ…ホント、やられちゃうよ。
パンチの効いたあたしの恋人。

ね?
サンタクロースなんか目じゃないでしょう?
408 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:24

*****
409 名前:cat2:1 投稿日:2005/11/08(火) 00:24

********
410 名前:ぴろ 投稿日:2005/11/08(火) 00:26
前回はペットだった彼女ですが、今回は恋人。
色々と、少しずつ変わっていくものですよねぇ。

本日の更新でした。
411 名前:名無読者 投稿日:2005/11/08(火) 13:11
キャー!更新されてる!
作者様、お疲れ様です。
412 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/11/08(火) 17:14
更新お疲れ様です。
いよいよ急展開が始まるんでしょうか!!
次回更新待ってます。
413 名前:名無し飼育 投稿日:2005/11/09(水) 23:39
キマシタナ。ソウトウ。
更新乙です。
こうなったら毎日チェックだ!!!
414 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/11/10(木) 00:16
うっわあ……。

さ   い   こ   う   。
415 名前:名無し猫 投稿日:2005/11/11(金) 02:11
更新おつかれさまです
ものすごいあまいです
本当に良い!!という言葉しか浮かびません
416 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/11/11(金) 17:24
待ぁってましたっ!!
更新お疲れ様です。
また可愛い二人が見れて嬉しいです。
417 名前:ぴろ 投稿日:2005/11/29(火) 00:59
11月も終わろうとしています。
終わる前に一度更新を…

>>411 名無読者様
更新したきりマッタリペースで申し訳ないです。

>>412 通りすがりの者様
急展開があるかどうかは分かりませんが、
ぼちぼちと更新して行こうかと…
またよろしくお願いします。

>>413 名無し飼育様
相当キテたっぽいのに、まったりしてて申し訳ありませんでしたっ
ぼちぼちと更新していこうと思います
よろしくお願いします。

>>414 名無飼育さん様
さいこうですか、ありがとうございますっ。

>>415 名無し猫様
あまいですか、それはありがたいお言葉です。
これからも甘くしていければなぁ…とおもっております。

>>416 名無飼育さん様
また待たせてしまいました。
ぼちぼちと二人を書いていきたいとおもいます。
まったりな二人なので、まったりと…


まったり本日の更新です。
**************
418 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:00

「あ、玉子ないや」

419 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:01

いつも通り夕飯を作ろうと冷蔵庫を開けてみたら、
残念。玉子がきれていた。
今夜はごっちんスペシャルオムライスにしようと思っていたんだけど…。
あぁ〜…買ってくるのすっかり忘れてた。


「んぁ〜…こんのぉ〜」

まだ日が完全に落ちきってないこの時間。
紺野は猫の姿であたしの足元にちょこんと座ってる。
見上げてくる瞳は、キラキラ光って…ふむ、これは夕飯を楽しみにしている目だね。

「紺野、今日さぁオムライスにしようと思ったんだけど…」

…あ、『オムライス』に反応してしっぽがぴこぴこ動いてる。
喜んでるよね…だよね、オムライス大好きだもんねぇ。
でも、玉子がないんだよねぇ〜…。

「違うメニューでいい?」

あ、しっぽが落ちた。
にゃぁって元気に鳴いて見せてるけど、しっぽがすっごい丸まってるんですけど…
しまった、変に期待させないで黙って違うメニューにすればよかった。
420 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:03

申し訳なくなって、おいでって手を伸ばしたら
紺野は素直に抱かれて、あたしの頬に鼻先をよせて甘えてきた。

…人間の姿の時は恥ずかしがってしてくれないくせに。

なんていう愚痴は置いといて。
あたしも紺野のやわらかな毛並みにほお擦りしつつ、
今夜のメニューについて考えた。

んぁ〜…玉子ないからオムライスできないし…ジャガイモ昨日で使い切っちゃったし…
魚はあるけど…できれば、オムライスで期待させた紺野の為に、好物メニューにしてあげたい…。

紺野にほお擦りしつつ、うなっていると
紺野がかすかに身を捩り、小さく鳴いた。

んぁ?なに?降りるの?

下に降ろしてあげると紺野は窓の外に視線をむけた……あ、外、暗くなってる。
421 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:04

「ご主人様、お買い物にいきましょう」

次の瞬間には人間の姿になった紺野がそこにいて、にっこり微笑んでそう言った。
お買い物にいきましょう…てことは。

「紺野も一緒に?」
「はい、昨日 食材が結構なくなったって仰ってたし、シャンプーももうそろそろ
 切れちゃいますでしょ?全部買ったら結構荷物になるから」
「荷物持ちにってこと?いいよ、明日から学校帰りにでも少しずつ買い足していくから」
「それだとご主人様が大変ですもの、………それに…」
「それに?」

ちょっと恥ずかしげに俯いた紺野は
小さく『すみません、ワガママなんですけど』と呟いて

「あの時みたいに、ご主人様とお買い物したくなっちゃって…」

と申し訳なさそうに微笑んだ。

ごめん、こんな風にお願いされて
それでもなお断るなんて、そんな事 後藤にはできません。
…ていうか、絶対だれもできないって。
422 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:05

たまらず『んぁ〜』って抱きついて、スリスリ〜ってほお擦りしたら
紺野は真っ赤になって固まってた。

ホント、人間の姿になった途端こういう事の免疫がなくなるんだから……オモシロイ。

調子に乗って、紺野の猫耳に息を吹きかけながら「じゃぁ、一緒に行こうか」って囁いたら…。
紺野の腰がくだけた。

「んはははは、なに?感じちゃったの?」
「も、もぉ〜っ…ご主人様!」
「外にでるなら『ご主人様』はダメでしょ?紺野」
「ぅぅ………ごとーさん」
「あれ?そっちなの?『真希』は?」

キスする時やした後、名前を呼んでとねだったら
恥ずかしそうにしながらも下の名前を呼んでくれるようになった紺野。
囁くような紺野の言いかたが すごく好きなんだけど…『ごとーさん』?

「だって…そっちは、特別だから」
「特別?」
「特別です」

『特別』って言った紺野の微笑みが、凄く艶っぽくて。
なんか、よく分かんないんだけど、でもなんとなく分かって。
あたしも「そっか」って微笑んだ。

『特別』ってなんか嬉しい。
紺野が下の名前で呼んでくれる時は『特別』なんだ。
そっか、
うん、ほんと、素直に嬉しい。
423 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:06

「さて、一緒に買い物にいくんなら、紺野の着せ替えしなくっちゃ」
「着せ替えですか」
「ごとーが脱がせて、ごとーが着せるから着せ替え」
「…脱ぐのは自分でできます」
「そんな遠慮しなくても」
「寒くなってきたから、上着でしっぽ隠せるようになって便利ですね」
「話が変わってるし〜」
「早く行かないと夕飯が遅くなっちゃいますよ」
「紺野のお腹の虫が騒ぎ出しちゃうね」
「むぅ〜…ご主人様イジワルです」

ぷぅっと膨れた紺野の頬を手のひらで包んで、そのままプクプクのほっぺや
やわらかい唇や、瞼の上にキスを落とした。
なんか、こうやって紺野に唇をよせていると…

「…んぁ、食べたい」
「紺野は食べれませんよ」

赤くなりながらも、呆れたように言う紺野。
違う意味で食べてみたいんだけど…まだそれは分かってないんだろうなぁ。

とりあえず、膨れそうになる性欲を早いところ食欲に変換しよう。
でも、それだけじゃおさまらないから、
紺野の着替えを手伝いがてら、いたずらする位はいいよね?
424 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:07

紺野から初めて誘われたデートは
近所のスーパーでの買い物デート。

いつも行ってるスーパーだけど、なんだろう。
ごとーはすっごくウキウキしてる。

あぁ、なんか、玉子が切れててラッキーだったのかも。
425 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:07

*******
426 名前:cat2:2 投稿日:2005/11/29(火) 01:08

*************
427 名前:ぴろ 投稿日:2005/11/29(火) 01:09
まったりと、
本日の更新でございました。
428 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/11/29(火) 22:15
更新お疲れ様です。
ふむ、なんだかまた何かがおこりそうですね。
次回更新待ってます。
429 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/11/30(水) 00:38
もし、よければ
愛ちゃん(猫)を拾ったミキティ。
って設定でかいていただけないでしょうか?
430 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/11/30(水) 01:32
>>429
リクエストしたいのは分かるけど
作者さんを困らせないようにね
 
スレ汚し申し訳ありません
 紺野(*´Д`)
431 名前:konkon 投稿日:2005/11/30(水) 12:15
にゃ〜〜〜〜!!!
と鳴きたくなりますね(謎)
紺ちゃんラブのごっちん、サイコーですね!
432 名前:名無し飼育 投稿日:2005/12/01(木) 21:49
HAHAHAHAHAHAHAHA!
もう何がなんだかwww
乙でし。。
433 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/02(金) 01:22
前から思ってたんですが、二人の会話のやり取りがすごく好きです。
そして今回特に好きです。
うまいな〜作者さん…
434 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/04(日) 23:31
遅いんですが、更新お疲れ様です。

なんだか一人でニヤニヤして読んでしまいました(笑)
435 名前:ぴろ 投稿日:2005/12/05(月) 23:34
>>428 通りすがりの者様
いつもレスありがとうございます。
…なにか、起こりそうですか?なんだろうw
私がワクワクしてしまいました。

>>429 名無飼育さん様
申し訳ありません。自分、一度に二つの事ができない人なので…。
はい、私では力不足のようです。

>>430 名無飼育さん様
レスありがとうございます。
ポワワして頂いてありがとうございますっ!

>>431 konkon様
もう、鳴いちゃってくださいませ。
ええもう、ありがとうございますっ。

>>432 名無し飼育様
もう、なんでもアリの妄想作品でございますから。
HAHAHAHAHAHA…よろしくおねがいします。

>>433 名無飼育さん様
会話のやりとり…。特に考えた事がなかっただけに…
ありがとうございますっ。嬉しいです。

>>434 名無飼育さん様
ニヤニヤして読んでいただけるって事は
ありがたいことです。 ありがたや…。


今夜は冷えますね。あったかくいきましょう。
本日の更新です。
*************
436 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:35

「ごとーさんって、あったかいです」
437 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:36

スーパーに向かう道のり、日が落ちて寒くなったのと
久しぶりの外デートっていうのもあって、
あたしと紺野はくっついて、手ぇつないでラブラブしてた。
たしかにあったかい。
あったかいけど・・・

「紺野の方が体温高くない?」
「そうかもしれないですけど、そうじゃなくて」

そうじゃなくて?

「なんか、ここがあったかくなる」
「どれどれ?」

ふにょん。

438 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:38

おぉ、ほんとだ、あったかい。
というより、やわらかい。
知ってたけど実際触ってみると、やっぱり大きいねぇ。

「…あの…」
「ん?」
「………あの…」
「ん?」
「…………あの…」
「ん?なに?」
「…あ、あの…いえ…」

あ、困ってる。
眉毛が八の字になってるし。

でもさ、だってさ、紺野。

「本当にあたたかいのかな?と思ってさ」
「あ…あたたかいですか?」
「うん、あったかい」
「ご主人様とくっついてると、あったかくなるんです」
「じゃ、今もあったかい?」

あたしの言葉に、紺野は視線を落とし
そこにあるあたしの手に自分の手を重ねると、困ったまま微笑んだ。

「今は、熱くて、すごく、ドキドキしてます」

ほんとだ、たしかにすごくドキドキしてる。

「それと…」

伏せた目で、切なそうに息を吐き、紺野はまた困り顔で笑った。
今度は、すこし首を傾けて。

「ちょっと、くすぐったい、です」

439 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:39

あ、今、ごとーの胸が『きゅん』ていったよ。
すごい、ほんとになるんだ、胸って『きゅん』て。
ごとーの胸がきゅん♪だってよ
ちょっと…人には恥ずかしくて言えないよね。
んははっ。

「ご主人様、楽しそうです?」
「うん。…って、顔に出てた?」
「出てました」
「うぁ…はずかしー」

ニヤケてたのかな?
それってハタから見たらちょっとヤバイよね〜。
そう言ったあたしに、紺野は優しく微笑みながら見上げてきた。

「大丈夫、私もですから」


なんだろう、最近 猫耳人間紺野がすごくお姉さんに感じるんだけど。
…猫だったり、子供みたいだったり、お姉さんぽかったり。
そんなにいろんな顔見せられちゃうと
…惚れ直しちゃうよね。
440 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:41


グゥウゥゥ〜


…おや、豪快なお腹の虫。

「そんな豪快な紺野が大好きだよ」
「…やめてください」

真っ赤になって俯く紺野。
お腹の音聞かれて恥ずかしがるようになったのって、いつからだっけ?
恋人になる前はここまで恥ずかしがらなかったのにね。

新しい反応を見せる度に、すっごく嬉しくなって、
すっごくどきどきする。

だって、あたしの為に人間に近づいていく紺野。
変わっていく全てがあたしの為かと思うと
なんか、すごく くすぐったくて、幸せな感じ。
441 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:43

「急いで買い物すませてご飯作ろう」
「…たすかります」
「紺野のお腹の虫がまた鳴く前にね」
「…うぅ、いじわる…」

再び手をつないで歩く夜の道。
今度はさっきよりちょっと早足。

とびっきりのオムライス作ってあげるからねって言ったら、
紺野のお腹がまた鳴った。

ゆでダコのように真っ赤になって俯いた紺野が可愛くて、
思いっきりニヤけちゃった。
442 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:43

あぁ、ほんとだ、紺野、あったかくなるね。

つないだ手も、体がくっついてるところも、もちろんあったかいけど、
ほっこり、胸が温かくなる。

「紺野もあったかいね」

そういったあたしに、紺野は一瞬目を丸くしたけど
次には嬉しそうに笑った。

その笑顔にまた、あたしの胸はあったかくなる。
443 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:44

ねぇ、紺野。
二人でいると、あったかいね。
444 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:44

******
445 名前:cat2:3 投稿日:2005/12/05(月) 23:44

**********
446 名前:ぴろ 投稿日:2005/12/05(月) 23:46
まったり、あったかく
本日の更新でした。
447 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/12/06(火) 00:28
更新お疲れ様です
ぬくもりの恋しい季節ですもんねぇ…
448 名前:名無し猫 投稿日:2005/12/06(火) 23:30
更新おつかれさまです。
毎回読むたびにニヤけまくってます。
こんなネコ飼いたいな〜w
449 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/12/07(水) 22:07
更新お疲れ様です。
いやぁ、こんな寒い日々が続く中で暖まりますね。
次回更新待ってます。
450 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/08(木) 00:12
更新お疲れ様です。
おいらの胸も『きゅん』ってなったw
451 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/08(木) 22:18
ああ。
この小説を読んだ感じ。
これが萌えって感覚なんですね。
更新楽しみにしております。
452 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:51
突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。

453 名前:ぴろ 投稿日:2006/01/06(金) 00:13
>>447 名無し飼育さん様
まだまだぬくもりの恋しい季節が続きます。
あったかくいけるようにがんばります。

>>448 名無し猫様
ニヤけていただけることはありがたき事かな。
ありがたや〜ありがたや。
私もこんな猫飼ってみたいものです。

>>449 通りすがりの者様
前回更新から一ヶ月が経ってますね…申し訳ないです。
これからもあったかくいけるように頑張りますっ

>>450 名無飼育さん様
『きゅん』てなっていただけることもありがたき事かな
ありがたや、ありがたや〜っ

>>451 名無飼育さん様
『萌え』ていただけることは更にありがたき事!
ありがとーゴザイマスっ!

>>452 名無飼育さん様
お疲れ様です。大変でしょうが頑張ってください。


あけましておめでとうございます。
前回から一ヶ月。年が明けてしまいました…
相変わらずまったりですが、今年もよろしくお願いします。

本日の更新です

**********

454 名前:cat2:4 投稿日:2006/01/06(金) 00:14

紺野といるとあったかい。
紺野といると、嬉しい。
455 名前:cat2:4 投稿日:2006/01/06(金) 00:15

紺野と恋人になって数か月、
毎日が本当に楽しくて、ゆっくりと、優しく時が流れて。
でも、二人で過ごす時間は、思い返してみると結構あっという間で。

まるで春のような、うららかな紺野との時間。

なんでだろうって考えたんだ。
どうしてだろうって。

今まで、…恋人になってからの数ヶ月、
そんな事を考えたこと一度もなかったけど…。
456 名前:cat2:4 投稿日:2006/01/06(金) 00:16

きっかけは、久しぶりの紺野との買い物デート。
近所のスーパーに行くだけのちょっとしたものだったけど、
それでもあたし達は、久しぶりのデートって事もあって、凄く嬉しかった。

ほんとはゆっくりしたかったけど、
紺野のお腹の虫にせかされて、目的の玉子を買って、早々に店を後にしたんだ。
家に帰って、紺野の為に『ごっちん特製オムライス』を作ってあげるはずだった。
…はずだったんだけど…。

マンションに入ろうとした時、物陰から声がしたんだ。
『あさ美ちゃん、助けて』って。
すごく小さい声だったし、『あさ美ちゃん』なんて知らなかったから、
人事のように『なんだろうね?紺野』って声をかけたら…

紺野、泣きそうな顔になって、声が聞こえた物陰に駆け寄ってった。。

457 名前:cat2:4 投稿日:2006/01/06(金) 00:16

外灯のあかりの陰で、余計に暗くなっていたその場所。
慌てて追いかけたその場所に居たのは…

紺野と同じ、猫耳と、しっぽを生やした女の子達。

黒の猫耳と三毛の猫耳の二人が、青い顔をして、トラ模様の猫耳の子を担いでた。

「まことっ」

そう叫んだ紺野の顔は見えなかったけど、声は 泣いているような、震えた声。
心配そうに、囁くように、その子の名前を呼びながら、
紺野は、苦しそうに眉を寄せるトラ模様のその子を抱きしめたんだ。


別に、猫耳やしっぽなんて、紺野で見慣れてたから、
この子達に同じのがあったところで、今更、驚いたりはしないけど…。

大事そうにその子を抱きしめる紺野の姿が、すごく、衝撃的で…
あたしは、動けなかった。
動く事ができなかった。
マコトって子が凄く苦しそうで、それは、よく分かったんだけど。
彼女達の中に入る事、出来なかった。
458 名前:cat2:4 投稿日:2006/01/06(金) 00:17

 紺野、『あさ美』っていうんだ…。
         それが本当の名前なの?


ぼんやりとそう思って、初めて、
あたしは、あたしと生活する前の紺野の事、なにも知らないって気がついた。

『紺野』のことを知ってても、『あさ美』の事、なにも知らない。


それでも、まるで春のようにうららかだった紺野との時間。
毎日が本当に楽しくて、ゆっくりと 優しく時が流れて。
でも、二人で過ごす時間は、思い返してみると結構あっという間で…。

なんでだろうって考えたんだ。
どうしてだろうって。

『仲間』の中にいる紺野を見て気がついたよ。


恋人としてのあたし達の間に、関わる人間がいなかったんだ。
459 名前:cat2:4 投稿日:2006/01/06(金) 00:18

紺野は、あたしだけの紺野で。
人間の彼女は、あたしだけのもので。
紺野が、人として他の誰かに関わるところを見たことがなかったんだ。


…まいったなぁ。
紺野、あたし独占欲がけっこう強いみたいだ。


紺野といるとあったかい。
紺野といると、嬉しい。

でも、今は、胸がくるしいよ。紺野。
460 名前:cat2:4 投稿日:2006/01/06(金) 00:19

*****
461 名前:cat2:4 投稿日:2006/01/06(金) 00:19

***********
462 名前:ぴろ 投稿日:2006/01/06(金) 00:20
今年一発目の更新させて頂きました。
463 名前:名無し猫 投稿日:2006/01/06(金) 09:27
あけましておめでとうございます。
今年もこんごまのあま〜いお話楽しみにさせていただきます。
続きが気になりますが作者様のペースで進めちゃってくださいw
464 名前:名無し飼育 投稿日:2006/01/06(金) 15:25
うはっwww
久びさっす。乙です。。。
ちょっとなんか新しい展開に?…
465 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/06(金) 21:54
更新お疲れ様です。
最後の一行とかたまんないですね。
後藤さん切ない。
466 名前:ぴろ 投稿日:2006/01/07(土) 00:45
>>463 名無し猫様
今年もよろしくお願いします。
まったりな私ですが、今月は下旬からまた劇的に忙しくなるので
ちょっと連続更新してみました。

>>464 名無し飼育様
新しい展開…になるのでしょうか?w
あまり深く考えてない作者なので、新しくなるかどうか…
本人もよくわかってませんw

>>465 名無飼育さん様
切ないってカンジは、私の書くものの中では珍しいですよね…
…なんか、こんな風になってきちゃいました。
…どうなっていくのでしょう。頑張ります。


では、めずらしく連続更新です。

*********
467 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:45

わかってても、嫌なんだよ?
468 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:47

紺野にお願いされて、『マコト』っていう子を家で休ませる事になった。
もちろん、担いできたもう二人の猫耳っ子も家に上げる事に。

紺野は、苦しそうに唸るマコトって子にぴったりよりそって、
見た事もない表情で、じっと、その子をみつめてた。
姿をみれば、彼女達が紺野の仲間だってことは良く分かる。
以前話に聞いてた、大事な『お友達』ってことが。

…でもね、紺野。

あたしがしらない紺野の名前を、その子達が呼んで、
あたしが見た事もない表情で、その子達と関わる紺野の姿をみていると…
なんだか、すごく、おもしろくないんだ。
469 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:47

幼稚な嫉妬で、迷惑をかけちゃいけないって
頭の、どこか冷静な部分がそう言って、
なんとか 表向きはふつーにできてたけど…


…やだな、これじゃただのヤなヤツだ。


『せっかく玉子買ってきたのにな』とか
『ふたりでオムライス食べるはずだったのにな』とか
すごく、薄情な事を考えちゃうよ。


「ご主人様、麻琴を横にさせたいので…あの、ソファを、借りてもいいですか…?」

申し訳なさそうに聞いてきた紺野に、
なんとか笑って、『もちろん』という事が出来た。
『どうせならベッドを使いなよ』…なんて、優しい言葉までつけちゃうあたり、
あたしってけっこう女優なのかも…?

でも、ベットにマコトって子が寝てるのを見ると、やっぱり
『そこはあたしと紺野のベッドなのに』…なんて思ってしまうあたしはやっぱり薄情者。
470 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:48

別に、寝てもいいんだよ?いいんだけど…。
なんか、面白くない。

「すみません、後藤さん」

申し訳なさそうにそう言ったのは、黒い猫耳の子。
ええと…さっき紺野は『アイちゃん』っていってたかなぁ?…イマイチ自信がない。

『きにしないで』って返したけど、彼女はなんだか怪訝な顔…

「なら、いいんですが…なんだか、迷惑そうだったから」

小声で言った彼女の言葉に、ドキっとした。
…紺野といい、この子といい、昼間は本当に猫なのか?と思うくらい人を良く見てる。
『そんなことないよ』っていうのがやっとで、顔、きっと引きつってた。
471 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:49

そんなあたしに気づいたのか、気づいてないのか…彼女は『マコト』って子に
寄り添う紺野に気を使いつつ、また、小声で続けたんだ。

「本当は、二人に関わるつもりなんて全然なかったんです。
 あたし達、特殊だし…それに、あたしはどっちかと言うと、人間に関わる事に反対だから。
 …でも、麻琴がいきなり倒れちゃって…今までこんな事なかったから…
 ここしか、頼れるところ、なかったんです。どうしようって思った瞬間
 あさ美ちゃんの顔しか浮かばんくって…、ホント、すみません」

あさ美ちゃんに、何も相談もなしに来たから、だからあさ美ちゃんを怒らないでください…って
『アイちゃん』は言った。

…わかってるよ。
そんなの、見てればわかるもん、ごとー、そこまでバカじゃないし。
…でもね、キミ達の姿を見てると、突きつけられるんだ


あたしと、紺野の、リアルな問題を。
472 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:50

やっぱりあたし達は『人間』と『猫』なんだなぁって。
キミ達を囲む雰囲気が、そう、思い知らせるんだ。

ちゃんと分かってるよ。
あたしと紺野の関係も、『マコト』って子が凄く苦しそうな事も。
でも、
わかってても、嫌なんだ。

これまでの、あたしと紺野だけの世界が、まるで夢のように儚いものだと、
気付きたくもないのに気付かされてしまうから。
473 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:51

そんなの、わかってるよ。って、俯いたまま『アイちゃん』に言った

そうですか…?って不満気に彼女は答えた。

うん、今のあたしの言い方、全然分かってない言い方だったね。
…そうだね、分かってないのかも。
キミ達の事、分かりたくないのかも。

とりあえず、彼女達がいる寝室から逃れたくて
『マコト』に寄り添う紺野に、救急箱を渡して部屋を出た。
熱が高いから ひえピタ貼って?それで、病院には明日 猫の姿の時に連れて行こうって伝えて。

あたしの事には敏感な紺野だから、きっと気づいてるはず。あたしのイライラ。
困った顔をして、申し訳なさそうに救急箱を受け取って、すみませんってつぶやいた。


彼女があやまるのは口癖みたいなものなのに、
なんでか今日はイラっとして、なにが?って、自分でもビックリするくらい
低い声で言ってしまった。


あ〜…だめだ、やっぱ、あたし今、ここにいちゃだめだ。


リビングにいんねってなんとか笑顔作って、そう言ったけど…
紺野は更に申し訳なさそうにすみませんって…
474 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:51

ごめんね、紺野。
紺野は大事な友達を心配してるだけなのにね?
彼女達は紺野の、大事な、大切な仲間だって分かってるんだよ?


でもね、紺野。


わかってても、嫌なんだ。
475 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:51

*******
476 名前:cat2:5 投稿日:2006/01/07(土) 00:52

***********
477 名前:ぴろ 投稿日:2006/01/07(土) 00:53
たまには まったりでなく、サクサクっと更新も
よいかと思いまして…。
本日の更新でした。
478 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/07(土) 01:09
あぁ〜…また気になるところで!!
479 名前:名無し飼育 投稿日:2006/01/07(土) 02:45
もうサクサクTV並みの面白(ry(ぉ
自分的には題名が?かなりいつもぐっっとキマスwww
ちょっと無理やりでした。。
480 名前:通りすがりの者 投稿日:2006/01/07(土) 20:32
更新お疲れ様です。
作者様の作品は本当に良い所で終ってしまいますねぇ。
次回更新待ってます。
481 名前:名無し猫 投稿日:2006/01/08(日) 10:23
早い更新おつかれさまです。
これからどうなるんだろうとドキドキものですね。
あいちゃんの猫姿ってミニモニでやってたので想像しやすいですねw
482 名前:ぴろ 投稿日:2006/01/08(日) 23:22
>>478 名無飼育さん様
気になるところでしたか!すみませんっ
でも、作者としては結果オーライってヤツですよね、これw

>>479 名無し飼育様
む、無理やりでしたか?
妄想小説なので色々とそうかもしれません…w
ぐっときてもらえてるだけでも ありがたいです。

>>480 通りすがりの者様
良いところで終わってるのかは、私自身では分からないのですが、
そう思っていただけてるという事がありがたいです。

>>481 名無し猫様
愛ちゃんやってましたね〜。実はあの衣装のイメージで、
彼女は黒猫になったのです…(バレバレですね


本日の更新です。

**********

483 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:23

「隣、いいですか?」
484 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:23

あたしがリビングに逃げ込んでからそう経たないうちに、
紺野はやってきた。
電気なんてつける気が起きなかったから、月明かりだけのリビング。

ソファでふて腐れて座ってたあたしに、
紺野は微笑んでそう言った。


月明かりにてらされた紺野を見て、あたしはぼんやり
…あぁ、初めてこの姿を見たときも、こんなカンジだった…って
素直に、その姿に見惚れていた。

「きれいですね」

「紺野が?」

まさか!って紺野が笑った。
…キレイなのに。
485 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:25

「お月様。きれいですね?」
「あぁ、うん。きれい」
「…ご主人様みたいです」

「…あたし?」

「そう、ご主人様。」

キレイで、すごく、キレイで…。って紺野はまた、月を見上げた。
…あたしが?月みたい?
ちょっと驚いて、あたしも月を見上げた。

「…月は…紺野のほうだと思うけどなぁ」

思わずそう呟いたあたしに、紺野はぱっとこっちに向き直って、
困ったような、恥ずかしそうな顔をして笑った。
隣、いいですか?ってもう一度囁いて。
486 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:27
「どうぞ」

「失礼します」

隣に座った紺野は、凄く、優しい微笑で。
どうして 紺野が月だと思われるんですか?…と
少し首を傾けつつ、あたしに尋ねた。

…どうして…どうしてだろう?
なんとなく、そう思ったんだ…。

「夜には会えるのに、朝になったらその姿が見えなくなるから…かな?」

そう答えたあたしに、紺野は優しい笑顔のまま、真っ白な猫耳をしゅんと垂らした。
…だからかな?
笑顔は変わらず優しいままだったのに、
すごく、悲しそうに見えたんだ。
487 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:28

「…猫の姿の紺野は嫌ですか?」

まさか!と今度はあたしが言った。

「まさか、そんな事はないよ。猫の紺野も大好きだし、すごく可愛い」
「…朝になっても、人間の姿がいいですか?」

…それは…。

「…わかんない…。猫の紺野も人間の姿の紺野も好きだから…」
「…じゃぁ」

うつむいて、ちょっと考えた紺野。
言うか言うまいか迷ってる感じで、じっと、膝に乗せた自分の手を見つめてた。

「…紺野は、愛ちゃん達に会わないほうがいいですか?」
488 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:29

…この流れからそう持ってきたか。
ていうか、さっきのあたしの態度からすれば、
紺野にとっては、これが本題なんだろうけど…。

でも…。


「…ごめん、わかんない」


ぱっとこっちをみた紺野の表情は、今度はすごく、ショックを受けた顔。
耳も垂れて、さっきより更に悲しそうに見えるのは、きっと気のせいじゃない。

だってね?紺野、本当にわからないんだ。


いままでは、紺野が彼女達に会いにいってもなんとも思わなかったのに、
今日は、すごーく、嫌なんだ。
彼女達が、紺野にとって 大事な仲間なんだって分かってても、
なんだか、すごーく悔しいんだ。

ねぇ紺野?ごとーは『あさ美』の事、何も知らないね?

「…私は、もう、野良だった『あさ美』じゃなくて…ご主人様の、
 『紺野』、ですもの…」

 だから、昔の私の事を話す必要は無いと思ってました…って、紺野は言った。

そして、しっかりとあたしの目を見て、
真剣な顔で…
伝えてくれた。紺野のことを。
489 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:31

「あなたの前では、『人間』でありたいから…だから…話せませんでした。
 『猫である』という私の事…話したくなかったんです」

『飼い猫』ではなく、『恋人』という関係の方を強くしたかった…って
紺野が言ってくれた。

伝え終わった後、『ごめんなさい』と紺野は謝ったけど…

「何を謝るの?なんで謝るの?ごとーは、凄く嬉しいよ?
 紺野の、素直な、恋人としての気持ちを知る事ができて。」

『人間と猫』と『恋人』という関係に不安をもってたのは、あたしも紺野も同じだったんだね。
さっきまですごく、モヤモヤしてたんだけど…

「大丈夫、もうちょっとで何時ものあたしに戻れそうだよ?」
「…よかったです。」
「でも、まだモヤモヤが少し残ってるんだ」

途端に猫耳を垂らして困った顔をした紺野に、笑って見せた。

「どうやったら、完璧にいつものごとーに戻ると思う?」
490 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:32

『恋人』としての紺野だったら、どうやって戻す?
『恋人』として考えてよ?紺野。

そう言ったあたしに、
紺野は、
すごく、恥ずかしそうに、嬉しそうに笑った。


……
彼女から重ねられた唇。
『ご主人様』でも『ごとーさん』でもない呼び名。
それを、そっと、優しく囁いて…。


百点だね、紺野。

満足して、にんまり笑ったあたしに、
真っ赤になって照れながらも、やっぱり嬉しそうな紺野。

「ご主人様?」
「ん?」


「隣…いいですか?……ずっと、これからも、貴女の隣に。」

…あぁ、完璧だよ、紺野。もう最高。
完全に満足してしまったあたしは、上機嫌で「どうぞ」と答えたんだ。

…今度は、あたしからのキスと一緒に。
491 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:33

******
492 名前:cat2:6 投稿日:2006/01/08(日) 23:33

*********
493 名前:ぴろ 投稿日:2006/01/08(日) 23:34
本日の更新でした。
494 名前:名無しぽき 投稿日:2006/01/08(日) 23:38
あぁぁぁぁリアルタイム読みしちゃった!
甘い!甘いっすよぴろさんw
更新乙でした。次も期待してます〜♪
495 名前:名無し猫 投稿日:2006/01/09(月) 09:08
う〜ん。とけましたww
こんこん完璧です!大正解!
まことはどうなってしまうのかも気になりますね。
更新まったりまってます。
496 名前:通りすがりの者 投稿日:2006/01/15(日) 04:26
更新お疲れ様です。

いやぁなんだかもう甘すぎますよ。
作者様、良いお味をいつもありがとうございます(笑
次回更新待ってます。
497 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/18(水) 23:04
あまーーーーーーーーーーーーーい!!!!

と、スピードワゴンの井戸田さんも申しております
498 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/22(日) 21:38
この小説がいつか完結してしまうのがもったいないくらい素敵です!
更新が楽しみなような、悲しいような。。。。。
499 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/03/18(土) 21:49
もう続きないのかな・・・
500 名前:ぴろ 投稿日:2006/05/26(金) 21:17
長らくの放置、本当に申し訳ありませんでした。
忙しさにかまけて更新サボってたところに、衝撃の脱退ニュース。
仕事が終わっていざ更新を・・・と思ってたところだったので
何気に衝撃が強く、しばらく無気力状態でした。
本当、びっくりしました。

>>494 名無しぽき様
甘かったですか!そうですか!よかった!
妄想作品ですからね、せめて甘くなくっちゃ!

>>495 名無し猫様
とけて頂けましたか!ありがとうございます。
妄想作品ですので、せめて甘く!!という感じで。

>>496 通りすがりの者様
甘すぎましたか!これはこれは砂糖の分量を間違えてしまったようです。
ですが、こういう作品ですから、甘すぎくらいで丁度いい…ですかね(笑)

>>497 名無飼育さん
井戸田さんに叫んで頂けたとは!
それはありがたいです

>>498 名無飼育さん
ちゃ、ちゃんと終わらせる事ができるよう
が、頑張ります。
長らくの放置申し訳ありませんでした。

>>499 名無飼育さん
長らくの放置、申し訳ありませんでした。
ひっそり頑張りますっ


久しぶりのひっそり更新です。

*********
501 名前:cat2:7 投稿日:2006/05/26(金) 21:19

いい子達じゃん。

502 名前:cat2:7 投稿日:2006/05/26(金) 21:19

「いやぁ〜、すっかりお世話になってしまって、すみませんねぇ」

顔いっぱいで笑って、『麻琴』はあたしにペコリと頭を下げた。

「いやいや、あたしは特に何もしてないから」

そう、あたしは特になにもしてない。
部屋を提供して、翌朝 『麻琴』を動物病院には連れて行ったけど…。
最初は、初めて見る 紺野と彼女達の関係に、みっともないくらい嫉妬して…。
その後、紺野といちゃいちゃして機嫌を直してからも、
『麻琴』を看病する紺野に、なんだかんだとくっついて回って
手伝ってるんだか、邪魔してるんだか…

「ホントですよね、かなりイメージ変わりました」

と、後ろで頷いたのは『愛ちゃん』。
…むむ。
言い返したいけど、言い返せない。

「あさ美ちゃんから聞いてたイメージだと、もっとこう、
 クールビューティーって感じだったけど」

けっこうかわいいんですねぇ〜って笑顔で言ったのはオマメというあだ名の『里沙ちゃん』。
…むむむ、彼女ら、優等生のような雰囲気で…なかなかどうしてさすが紺野の友達だね。
けっこう言う事言うじゃんか。むぅ。
503 名前:cat2:7 投稿日:2006/05/26(金) 21:21
「…紺野のことに関してはね、特別。」

むっとして言い返したあたしに、三人は『ヒュ〜♪』と紺野を冷やかし始めた。
こらこら、紺野、恥ずかしがってるじゃん、
小さくなっちゃって恥ずかしがリンゴちゃんじゃん。

ナイス3人、グッジョブ。

…じゃなくて。
結局、『麻琴』の病気は風邪をこじらせただけのもので、
薬飲んでからはビックリするほどの回復力で、夜にはピンピンしてるし。

「病み上がりだからさぁ、あんまりムリは言わないけど…。
 今夜はあたしと紺野がベッド使ってもいい?」

紺野は『私はソファでいいですけど…』って言ったけど。
だめ、却下。
紺野はあたしと寝るの。それくらいは独占させてよね?
むくれてそう言ったあたしに、なぜか、『麻琴』が もちろん! と答えた。

…キミじゃないよ。

オマケに…『夕飯は、あたしも食べさせてもらえます?』とか…
泊めるからには夕飯までちゃんと食べさすつもりだったけど、
嫉妬心からか、ついついイジワルモードに…
いいけど…。いいんだけどさ…。
ちろりと…紺野を見たら…あ、お願いしますの目?
504 名前:cat2:7 投稿日:2006/05/26(金) 21:22
「仕方ないなぁ…何がいいの?」

「「「「オムライス!」」」


…紺野、宣伝したな。
でも、まぁ、悪い気はしない。
食べたがってるって事は、褒めてくれてたって事だよね?

玉子も 買ってきたのがまだあるし…。

「OK、じゃあ特別だ。みんなにご馳走するよ」

とたんに手を取り合って やったやった と飛び跳ねながら喜ぶ紺野と3人を見て、
自然と頬が緩んだ。
4人でいるときの紺野は、ほんと、猫の子がじゃれあうように無邪気だ。
最初は嫉妬でこんな風にみる余裕なんてなかったけど。

こういう紺野が見れるのも悪くないかも?
505 名前:cat2:7 投稿日:2006/05/26(金) 21:23

そんなこんなで、今夜の夕食は『ごっちん特製オムライス』。
五人分も作るハメになっちゃったけど
…ま、いっか。
けっこうあたしも楽しんでるかも。

出来上がったオムライスを、満面の笑顔で頬張る紺野と3人。
いい笑顔するね、さすが紺野の友達だ。

ほら、穏やかになってみれば、気づくのは簡単。
なんだ、いい子達じゃん?

すごくいい子達じゃん。
506 名前:cat2:7 投稿日:2006/05/26(金) 21:23

*******
507 名前:cat2:7 投稿日:2006/05/26(金) 21:24

*************
508 名前:ぴろ 投稿日:2006/05/26(金) 21:26
本当に、5期メンバーはいい子達です。
4人は仲良しで、いい子達ですね。

お久しぶりのこっそり更新でした。
509 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/26(金) 22:56
待ってましたよー。よかったよかった。
今回、あまりに麻琴が可愛くて、危うく浮気しかけました…。
510 名前:名無し猫 投稿日:2006/05/27(土) 10:37
更新待ってましたー!!
相変わらずかわいいですね♪
更に甘いの期待しちゃってもいいですか?w
511 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/29(月) 23:16
うわぁぁぁ
待ってました!
なんですかこの可愛い子達は!
512 名前:通りすがりの者 投稿日:2006/05/30(火) 01:58
更新お疲れ様です。

うあーやはり仲がいい4人ですねぇ。
そしてお久しぶりです。
次回更新待ってます。
513 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/01(木) 23:15
>>509 名無飼育さん
小川さんも紺野さんも、本当に可愛いやつらでございます。
夏までは、存分に可愛がっていきたいと、作者も思ってたりします。

>>510 名無し猫さん
卒業発表で落ち込んだ分、こちらの妄想で
自分も幸せになろうかと考えてる次第です(笑
どうぞ、これからもお付き合いくださいませw

>>511 名無飼育さん
ひゃー!まってて頂いてたとは・・・!ありがたい!
卒業発表で落ち込んだ分、こっちで妄想楽しもうと思ってますので、
どうぞこれからもよろしくお願いします。

>>512 通りすがりの者さん
5期メンバーは私にとって、とても思い入れのある子達で…
書いててちょっと幸せ&寂しくなりましたw


卒業ショックから立ち直るため、
こちらで妄想爆発させております…。ちょっと暴走気味ですが、
本日の更新でございます。

********
514 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:16

初めて紺野を怒らせた。

だって、そんなに紺野が大事にしてくれてるとは
全然、思わなかったんだ。
515 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:18

『麻琴』の風邪もすっかり良くなって、
人間との暮らしはやっぱり自分達には合わないからと、
紺野の友達三人組はあたしが学校から帰るのを待って、その夜、帰る事になった。

「本当にもう帰るの?」

寂しそうにそういう紺野に『里沙ちゃん』こと『オマメ』は優しく目を細めて笑った。

「うん、帰る。あたしたちの居場所はやっぱりここじゃないもん。
 でも安心したよあさ美ちゃん。あさ美ちゃんの居場所はきっとここだね、大丈夫だ。
 うん、安心したよ〜」
「そやね、なんか後藤さんおもろいし、あさ美ちゃんといいコンビなのかも」

・・・おもろいって。
そりゃないんじゃないの?キミ・・・ってぼやいたら、『麻琴』の目がキラリと光った。

「またそういう風に呼んでる〜。あたし達の名前いい加減覚えてくださいよー」
「・・・や、覚えてるよ」
「じゃ、呼んでくださいよー」
「・・・えー・・・いいじゃん別に」

なんか恥ずかしいし。
516 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:20
への字に口を結んだあたしに、『麻琴』はさらに「なぁ〜んでですかぁ〜」と繰り替えす。
・・・なんでも何も、なんか恥ずかしいじゃん
紺野の名前も『あさ美』って知ったけど、それだって恥ずかしくって呼べないのに。

・・・あ、そっか。

「そうだ、じゃ、あたし用に名前つけるよ、紺野みたいな名前」
「え!?あ、待って・・・」

慌てたように紺野があたしの方を見たけど、
あたしはすでに『高橋、新垣、小川ね』なんて(思いつきで)三人に命名してた。

呼びやすいようにと思って、なんとなくだったんだ。

そんな特別な気持ちとか意味とかなくて。

三人も『どっから出てきたんですか、そんな名前〜』なんて言いながらも
ちょっと嬉しそうだったし、紺野もその時笑ってた。
ちょっと、困ったように笑ってた。


だから、紺野がそんなに大事にしてくれてるなんて、
全然、気づかなかったんだ。
517 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:21


「いやぁ〜、なんか急に静かになったね〜」

三人が帰ったアパートは、本当に静かで、前を歩く紺野の背中もなんだか寂しそうに見えて、
久しぶりに二人きりになった事だし・・・なんて思って、ちょっと恋人っぽく
後ろから抱きしめてみた。

真っ赤になって慌てる紺野の姿を期待してたんだけど…

「・・・あれ?・・・無反応?」

腕の中の紺野はじっと俯いたまま・・・
そんなに三人が帰った事が悲しいのか!?・・・なんて、ちょっと嫉妬滲ませて顔をを覗き込んだら、
・・・ぎょっとした。
すごくびっくり、同時に、焦った。
だって、初めて見るカオ。


「・・・紺野、なんで、怒ってるの?」


素直に聞いたら、紺野、ちょっと困った顔をした。俯いたまま。
・・・なんで?
あれ?ごとー、なんかしちゃった?
もしあたしの頭に紺野みたいな猫耳があったら、間違いなくシュンと垂れてる。
すっごい垂れてるハズ。
それくらい、あたし困ってる。ていうか、泣きそうなんですけど。
518 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:22
初めて見る紺野の表情に戸惑うあたしの、微妙な空気に気づいたのか、
紺野はじっと俯いてた顔を上げると、今度はあたしの顔を見て、ぎょっとしていた。
大きな目を更に大きくして、驚いてた。

あ、よかった〜、知ってる顔だ。

そう思ったら、あっという間に視界に水が・・・
あ、ヤバ、泣く、泣く!

なんかすっごくみっともない気がして、慌てて紺野の肩に顔をくっつけて、
紺野の白いワンピースで涙をぐいぐい拭った。
・・・あ、人の服で涙ふいちゃダメかな?また紺野が怒っちゃうかも・・・。
そう思って、おそるおそる紺野の顔を覗いたら

「・・・なんで紺野が泣きそうなの?」

ていうか・・・半泣き?
あれ?紺野、怒ってたんじゃないの?

おっきな目からナミダがこぼれそうになってるから、
手でぐいぐいと拭ってやったら、更に涙が溢れてきた。
519 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:24

「なんで紺野が泣くのさぁ〜」

またあたしが慌てる番だよ。
あぁ、なにがなにやら訳わかんない。
変わりばんこに慌ててどうすんの〜?

何度も手のひらで涙拭いながら、あたしはさっきの紺野みたいに困り顔。

あたしが泣かせたんだよね?…だよね?
どうしよう、じゃあやっぱり怒らせたのもあたしかな?

さっきの見たことない紺野の顔を思い出して、
あたしは理由も分からず謝ってた。紺野の涙拭いながら。
あぁ、耳が垂れてしまってる、紺野がすっごい悲しんでる・・・なんてそう思ったら、
無意識に紺野の頭抱え込んで、胸にギューってしてた。
特別サービス、ごとーの乳枕。
・・・じゃなくて。

こうして胸にギュッってしてもらう効果はあたしが良く知ってる。
だって、紺野にしてもらう時、すっごく気持ちくって、癒されるもん。
女の人の胸って、けっこう凄いモンなのだ。
520 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:26

ほら、胸の中の紺野が、だんだん『ぷしゅー』って怒りと涙が引っ込んでくのが分かる。

そっと腕を緩めて、紺野の顔を覗き込んだら
まだ涙の残るウルウルおめめで 申し訳なさそうにあたしの顔を見て、小さな声で

ごめんなさい・・・

だって。
なんで?って顔を傾けたら、垂れてる猫耳さらにしゅんって垂らして。

「だって、ご主人様、オマメ達に名前あげるから・・・」

…って。・・・え?・・・へ?なに?それって。

「あたしが彼女らに名前付けた事が原因?」
「…………ぅん…ぁ、はぃ・・・」

や、別に返事くらい『うん』でも『はい』でもいいけどさ。
え?そうなの?
不思議顔のあたしに、紺野はまたムッとした顔をした。

わ、その顔ナシ。さっきの顔だけでもすっごいダメージ受けたのに。
またごとー泣いちゃうよ?

なんて慌てて言ったら、紺野は困った顔をして

そしたらまた私も泣いちゃいます・・・。

だってさ。
521 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:27
ということは?やっぱり怒らせたのも泣かせたのも あたしなワケか。
それは申し訳なかったな〜って、ゴメンって言ったら
紺野も深々と頭を下げてごめんなさいって言ってきた。

「私が勝手に意味ある事にしちゃってるだけだから、ご主人様は悪くないんです」
「意味ある事?」
「ご主人様が名前付けてくれたって事。
 『紺野』の名前は、私がご主人様のモノだっていう証のような気がしてて・・・。
 だから、つい・・・なんていうか、嫌、だったんです・・・」

ごめんなさいって、また、紺野は謝った。

…あー、なんていうの?
ごとーはさ、最近さ、思うのだよ。
紺野、あたしの事喜ばすの上手くない?上手だよね?
なんか、あたし、イチイチやられちゃってる気がする。

あー、そっか、それで怒ってたんだ。
ごとーが紺野に名前付けたって事で、紺野はあたしのモノって感じてて、
なのに、あの三人にも付けちゃったから・・・。そっか、そういう事か。
ていうか…それってさ、あれだよね、絶対。

嫉妬、だよね?
やっばい。うれしい。すっごい嬉しい。
522 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:27

しゅんと垂れてしまってる猫耳が、なんだかとても愛しくて
目じりに残る涙拭いながらその猫耳に鼻先を寄せた。
したら、またびっくりした。

その瞬間、なにやら妙に艶っぽい声が聞こえてきて
驚いて顔を離したら、紺野もびっくり顔で真っ赤になってた。


・・・今の、紺野?

いつも猫耳触ると 紺野くすぐったがって、可愛い声、挙げてたけど・・・
なんか、あんな艶っぽいのは初めて聞いた気がする。
・・・あ、ヤバ。
なんか、ニヤけてきちゃった。

「やっばい、紺野、色っぽい」

ニヤケ顔を必死に抑えながら、思わずそう口にしたら・・・
あ、・・・あ、ヤバ。

真っ赤な顔でプーッとほっぺ膨らまして・・・。

…お、怒ってる?
あ、なんか怒り顔?さっきの顔とはちょっと違うけど、怒ってる?
こんな時は…

「えい!必殺!乳マクラ!!」
「ごしゅじんさまっ!!」

ごとーの腕の中でジタバタ暴れる紺野。
猫耳だって、こんどはピコンと上に上がってる。
怒ってる。怒ってるね。
でもこれは照れ怒り?こういう怒りはドンと来いだよ。
523 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:28

今日、初めて紺野を怒らせた。

初めて見た紺野の顔。
だって、そんなに大事にしてくれてるとは
全然、思わなかったんだ。

あたしがつけた『紺野』の名前。
なんだかあたしも、特別に感じた。
524 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:28

*********
525 名前:cat2:8 投稿日:2006/06/01(木) 23:29

***********
526 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/01(木) 23:30

暴走気味な本日の更新でした。
527 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/02(金) 00:50
実際くすぐったいとこ=性感帯だったr ……すいません思考回路がオヤジで。
そういう直接的な表現をしない、マシュマロ感覚なこのお話が好きです。
528 名前:通りすがりの者 投稿日:2006/06/02(金) 23:49
更新お疲れ様です。

……いやぁ、ニタニタしてしまいますね。
こういうの(殴
次回更新待ってます。
529 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/09(金) 11:53
>>527 名無飼育さん
なるほど、くすぐったいということはそういう…ゲフゲフ
ましゅまろのように、可愛くてふわえろな作品にしたいものです。

>>528 通りすがりの者
ニタニタしながら書いてる作者は、
間違いなく妄想を作品化しているんだと・・・やっぱり妄想作品ですね。orz



梅雨入りが言われていますが、この作品ではやっと春がくるようです。

***********
530 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 11:55

あたしと紺野が共通してる事。
好きってキモチ。
531 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 11:56

最近、紺野がすっごい好き。
や、今までも好きだったけど、最近はもっと。
可愛くって、ちっちゃくって、うるうるで、ふわふわで(コレは昼)
おまけに
可愛くって、やわらかくって、うるうるで、ふわふわで。(コッチは夜)
たまんない。表に出さないけど、心の中じゃ『うわーっ!』ってのたうっちゃう。
でも最近、紺野の可愛さに新たな要素が。
なんか・・・・・・
なんだか・・・・・・


エロイんだよ。


や、前もなんかエロかったけど、今回のはまた別エロ?
間違いなくエロイ。確実にエロイ。
いやいや、ごとーも負けてないけどね?
でも、なんというか・・・タイプが違う、種類が違う。
わかるかなぁ・・・わかんないだろうなぁ。
エロイんだけど、可愛いって・・・わかるかなぁ?
532 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 11:57
オマケに、最近は以前ににもまして目が潤んでる気がする。
最初は熱でもあるのかと思ったけど、そうじゃない。
フツーにしてて うるうるオメメ。
しかも、なんだか『ご主人様』が『ごしゅじんさま』って聞こえる。
ひらがなで喋ってんだよ?あの紺野が。
『うるさい』を『五月蝿い』って言ってそうな紺野が。

ひらがなで!!!

ごとーはね、
ごとーさんはね?

「そろそろヤバイ気がするんですよ」

「何が」

わあ、ミキティ、いつの間にそこに?

「いやいや、ずっと隣にいたし。ていうか、授業中うわの空だったでしょ、ごっちん」
「あれ?授業あってた?」
「・・・ごっちん、ちょっとヤバイんじゃない?」

…しまった。いくら紺野の事を考えてたからって
授業があってたのも気づかないくらい没頭してしまうなんて・・・。
でも、まぁ、いっか。

「でさ、久しぶりに登場のミキティに尋ねたいんだけど」
「・・・あぁ?ケンカ売るなら買うけど?」
「あっはっは」
「あっはっはじゃないし。で、何?」
「紺野が最近エロイんだよ、オメメがうるうるで、喋りがひらがなでさ、なんでかな?」
「紺野って・・・あの猫の紺ちゃん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、そうだった」
「なに、その忘れてたみたいな返事」
533 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 11:58
いや、ほんとにうっかり忘れてた。
人間になれるのナイショだったね、ヤバイヤバイ。
人間の猫耳紺野が当たり前みたいな感覚になっちゃってた。

「ごめんごめん、まだボーッとしてるみたい。そう、猫の紺野」
「喋りがひらがなってなに?」
「・・・だから・・・『ニャア』が『にゃあ』・・・ていうか」
「ごめん、ワケわかんない」

あ、なんか今グサっときた。
ワケわかんないの承知で聞いてるんだからさぁ、もうちょっと考えてくれたってさ。

「でも、エロイってんなら、発情期なんじゃない?もう春も近いんだし」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・



  発 情 期!?


・・・え?


発 情 期!!?

534 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 11:59
「2回言ってるし、落ち着いてごっちん」

いやいや、これはあまりにも衝撃でしょ
落ちつけったって・・・え?なに?紺野が?

「は、発情期?」
「そう、恋の季節?春って動物達の恋の季節じゃなかった?」

「恋!!??」

紺野が恋!?誰と!?

「近所にいいオスでもいたんじゃない?」
「オス!?」
「うん、オス猫」

オス猫と恋!?
535 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 12:01
「ミキティ、ごとー帰る!」
「は!?え!?ごっちん!?」

まだ授業あんでしょーってミキティが叫んでたけど、それどころじゃない。
紺野があまりにも人間らしくなったから、すっかり忘れてた。
発情期って、恋をする季節?
じゃあ、紺野は今新しい恋をしてるの?
あたしより立派な人にもらわれていくとかなら、まだ、納得もできるけど、
オス猫なんて、なんかヤダ。
ていうか、すっっごいヤダ!

ああ、紺野、無事でいて、ていうか、家にいて。一人でいて。

あたしと紺野が共通してる事。
好きってキモチ。

そう思ってたんだけど、いや、今でも思っているけれど。
『発情期』って『発情期』ってどんなの!?
人間にはないモノだから、すごく不安になってきた。

だって、最近の紺野はヤバかった。
うるうるで、ふわふわで、可愛くって・・・エロかった。
ああ、そうか『発情期』・・・なんとなく納得。すっごく不安。
536 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 12:01
あたしと紺野の共通点。
それはきっと好きってキモチ。

それだけ信じて、あたしは家に突っ走った。
537 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 12:02

**********
538 名前:cat2:9 投稿日:2006/06/09(金) 12:03

*************
539 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/09(金) 12:03
春がきました。
そんな感じの本日の更新でした。
540 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/09(金) 21:24
忘れてたみたいな返事にウケましたwww
ナイス間。
541 名前:一読者 投稿日:2006/06/10(土) 00:31
>>人間にはないモノだから、すごく不安になってきた。

まあ、人間の場合は一年中『発情期』なんですがw
542 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/10(土) 06:55
そういやそういう季節ですねw
後藤さん面白すぎです。
543 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/10(土) 15:06
紺ちゃんもかわいいけど、慌てる後藤さんもまたかわいーなぁ
544 名前:名無し猫 投稿日:2006/06/11(日) 09:08
ごっちんかわいいなぁw
続きまったりまってます!
545 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/15(木) 15:57
>>540 名無飼育さん
作者も忘れそうになります(ダメジャン…
頭のなかは猫耳紺野さんです。

>>541 一読者様
まぁ発情『期』がないということで。
ええ、まるーく収めてみましょう(笑)

>>542 名無飼育さん
春って、本当にすばらしいですね。
ちなみに、秋頃にも発情期はあるらしいですね

>>543 名無飼育さん
かっこいい後藤さんもいいけれど、可愛い後藤さんも大好きです。

>>544 名無し猫様
まったり・・・ありがたいです。でも
まったりし過ぎないように気をつけますw


本日の更新です
*************
546 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:00

恋は嵐。


******

「紺野っ!!!!」

転がり込むように家に入ると、
家の中は静まりかえって、紺野の姿がなかった。
いつもだったら『おかえりなさい』って出迎えてくれるのに・・・

どうしよう、へんなオトコにひっかかって、危ない目にあってたら・・・。

うわぁ〜っこんのぉーっ!って頭抱えたら、
寝室の、薄く開いた扉から、猫が『にゃぁ〜ん』と
妙に間延びした鳴き声と共に顔をだした。

真っ白なふあふあ猫・・・・・・。

・・・あぁ、そうだよ、まだ日が沈んでないんだ。紺野、今猫だよね

「よかった。よかった、こんのーっ」

ぎゅーっって抱きしめて、柔らかな胸の毛に頬擦りグリグリしたら、
『ふにゃにゃにゃ〜』って大暴れした。
あはは、くすぐったいんだ。


もっとしちゃえ。
547 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:02
あぁ、でもよかった、安心した。
オス猫もいないっぽいし、大丈夫じゃん。
なんだよミキティ、心配させてさー。

ほんで、何?紺野昼寝してたの?寝室から出てきて。
昨夜も一緒にぐっすり寝たのに、なかなか寝ぼすけさんだなぁ。
なんて、紺野にほお擦りだの くすぐりだのしながら寝室に入ったら、

寝室にトラ猫が・・・。

はて・・・?さて・・・?
ごとーは猫を二匹も飼っていただろうか?いや、飼ってないね。
・・・いやいや猫くん、『にゃーん』とか甘えられてもこまるから…。
ていうか、二匹で、寝室で、一体なにをしていたのか・・・

( ´ Д `)<・・・・・・・。

そうだね ひとまず、抱っこしてる紺野は・・・、よいしょ、こっちでまっててね。

・・・さて。
548 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:03
「んぁーっ!!うちの紺野に手をだすなぁーっっ!!!!」

ドカーンッ!って追っかけまわしたら、トラ猫も凄い勢いで逃げた。
んぁっ!逃がすものか。
慌てて逃げるトラ猫に、追いかけ回すあたし。それに慌ててついてくる紺野。
なにやら紺野が一生懸命『にゃあにゃあ』鳴いてたけど・・・
その時のあたしの頭の中は、ミキティの『発情期でしょ』と『恋の季節』がぐるぐると
渦を巻いていて、とてもじゃないけど気にする余裕はなかった。


・・・

・・・・・・

「小川〜、今日は夕飯たべてってよー、あ、オムライスしようか?オムライス」
「・・・ひどいですよ、後藤さん」
「・・・だから・・・、ごめんってば・・・」

いつも満面笑顔の小川が、めずらしく ぶすくれモード。
・・・しかたないか、オス猫と思い込んでひたすら追いかけ回したトラ猫は、実は小川で、
日が暮れたと同時に人間の姿になった紺野が止めに入ってなかったら、
日が暮れたことも気づかなかった小川と、追っかけることに必死だったあたしの、
『弾丸追いかけっこ』は続いていたはず・・・。

逃げ切った小川の、人間になった時の情けない顔を思い出すと、
本当に必死こいて逃げていたんだと、さすがのあたしも、ちょっと、申し訳なくなった。
549 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:04
「だからさ、お詫び、ね?今日は好きなメニュー、リクエストに応えるからさ」

買っておいたカボチャを、ここぞとばかりに出してみた。
あ、小川のしっぽが喜んでる・・・
おや・・・?紺野のしっぽも喜んでる・・・

かわいい。

・・・じゃなくて。
こうやって脱線してちゃダメじゃんね。
それもこれも、紺野が相変わらずうるうるしてるから・・・。

あ、そうだ。

「ごめん、ちょっと小川ちゃん、仲直りのお話しよう」
「へ?お話・・・」

ほうける小川の腕をガッチリとって、あたしは寝室に引き込んだ。
紺野はそこで待っててね?って言ったら、すごーく心配そうな顔したけど、
ごめんね、さすがに紺野の前では話しにくいから・・・。
550 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:06
「キミに聞きたい事があるんだよ」
「夕飯のメニューなら、まだ決めてませんが・・・」
「じゃなくて」
「え!?ご馳走してくれるんじゃなかったんですか!?」
「するけど、じゃなくてー」

さすが紺野の友達というかなんというか・・・。

「キミ達もさ、普通の猫と同じで発情期ってあるのかな?って思ってさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・は!?」
「や、だから、発情期」
「・・・・・・・・・・はつ?!!?」
「・・・発情期。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はつじょうっ!!!???」
「真っ赤だよ、小川くん・・・」

しかも、ムダに声がでかいよ・・・。

あるの?って聞いたら、更に大きな声で
あるわけ無いじゃないですかぁ!って返ってきた。
・・・ないんだ。
そっか、それなら安心。
551 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:07
「ありがと、小川。いろいろ申し訳なかったから、ちゃんとお礼しなくちゃね」

さあ戻ろう・・・と何気に小川の手をとったら、
小川の顔が更に赤くなった。

「だだだだだ、ダメですよー!そんな、あさ美ちゃんがいるのにっ」

・・・・・はい?

「ははは、はつじょう、だなんて、そんな、後藤さんー!」

・・・もしもし?

小川は何を お間違いさんしているんだね?
なんか、かるくパニックになってるし。
首をひねって困りつつ、とりあえず落ち着かせようと肩を掴んだら、

「・・・い、いけません・・・っ」

・・・とか・・・。
・・・どうしよう、なんか、ごとーの方が いけませんって言いたいんだけど・・・。
とりあえず、紺野がまってるリビングに戻ろうかな・・・。
552 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:08
「あ・・・!あさ美ちゃんっ!」

ビックリ顔の小川の視線の先、
たどればそれは、寝室の扉を開けて同じようにビックリ顔の紺野の姿。
あ、ほんとだ。そっか、あれだけ小川が一人で大騒ぎしてたら
またケンカでもしてるのかって、心配になるよね。

でもさー、もしかして
このパターンってさー・・・。

「あ、あさ美ちゃん逃げた!」

・・・やっぱり!!!!(ガーン!

「あぁああ、あさ美ちゃーーーーんっ」
「こんのぉーーーーーーーーーーっ」

慌てるあたしと小川・・・。
あんたがややこしいリアクションするから・・・orz
553 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:09
誤解してる?誤解してるよね?これは絶対。
小川のややこしいリアクションと、
この肩にかけた手がいけなかったらしい。

慌てて紺野を追いかけたけど、ああ、なんてこと。
人間になった紺野は玄関を開けて外に飛び出しちゃった。


恋は嵐。
ほんと、大嵐デス。
554 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:09

*********
555 名前:cat2:10 投稿日:2006/06/15(木) 16:10

**********
556 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/15(木) 16:12
(´▽`;∬=∬;´▽`)
小川さんがあわててます。
ドンマイな更新でした。
557 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/15(木) 19:38
紺ちゃんには悪いけど、ごめん、すっごい笑った…
もーマコトが可愛くて可愛くて死にそーですw
558 名前:通りすがりの者 投稿日:2006/06/16(金) 00:16
更新お疲れ様です。

これはヤバイですね(笑
まこっちゃんの慌てぶりがかなりよかったです。
次回更新待ってます。
559 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/16(金) 00:27
エエヨエエヨ

コノショセツスキヨ

560 名前:名無し飼育 投稿日:2006/06/17(土) 03:16
更新乙です。
新展開がキソウデスカナ
もう少しで一年ですな…
こっちも嵐で外に出る気無くします…
561 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/17(土) 17:21
この夏で二人は卒業してしまいますが、この小説もそれに合わせて終了・・・
なんてしないでくださいね。
お願いします!
562 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/21(水) 18:47
>>557 名無飼育さん
マコは天使です∬∬´▽`)ノ

>>558 通りすがりの者様
マコはリアクション大王です∬∬´▽`)ノ

>>559 名無飼育さん
 エエデスカ ソウデスカ ウレシイデス

>>560 名無し飼育 新展開がキソウデスカナ
一年ですか・・・この一年でいろいろあったものです。
作品はどうなることやら、がんばります。

>>561 名無飼育さん
放置だけはしないように頑張りますっ。


毎日暑いですね。更新まいります。

************
563 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:48

こういう、恋愛系のおきまりパターンって・・・
正直、どうかと思うんだけど。
564 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:49
でも実際、ステキな青春ドラマよろしく、
小川とあたしの変なやりとりで、すっかり誤解したらしい紺野が
飛び出していったのは間違いない。

小川との会話で、紺野達みたいな特殊な猫に『発情期』は無いらしい…というのは分かったけど、
あんな うるうる の えろえろ で暗闇をうろうろするのは、非常に危険な気がする。

とはいえ、すでに姿を見失ってしまって、どうしたものやら。
紺野の居場所も、特に…思い当たらず・・・。
大体こういう時って、『二人の思い出の場所』とかにいるのがお決まりだよね・・・。

でも・・・。
思い出の場所って・・・あったかなぁ。
・・・思い出せないなぁ。
初めて出会った学校とか、初めてデートしたトコとかあるけど・・・。
猫耳姿の紺野が電車とか使ってそこまでいくとは考えられない。

意外と、灯台下暗しでこういうマンションのベンチの下にいたりして・・・。


「・・・・・・にゃぁ」



・・・いるし。
565 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:50

何気に覗いたベンチの下、猫の姿に戻ったらしい紺野が、
小さくなって隠れてる。

・・・まさか、ホントにいるとは・・・。

「紺野、ほら、こっちにおいで」
「・・・」
「こ〜んの、ごめんてば、話聞いてよ」
「・・・・・・」

だんまりですか、そうですか。紺野は怒っている訳だね?
あたしが小川と浮気してるとでも思っているのだろうか。
・・・や、思ったから飛び出していったんだね。

「ねえ、紺野」
「・・・」
「だんまりするのは勝手だけどさ、アレでしょ?あたしが小川と
 イチャイチャしてると思って飛び出したんでしょ?」
「・・・・・・」
「話を聞かない話もしないっていうことは?なに?それでもいいんだ?
 じゃ、ごとー戻るよ?小川、部屋に残ってもらってるから」

あ、耳が垂れた。

落ち込んでる相手にこういう事言うのもどうかとは思うけど、
あたしだって、紺野に信じてもらえなくてちょっと落ち込んだんだから、
・・・これくらいの仕返しは多めに見てもらいたい。
566 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:51
ますます小さくなった猫紺野。
でも、相変わらずだんまり・・・?
けっこう紺野は頑固者だからなぁ・・・。こりゃしばらくは動かないかな?

んぁ・・・しかたない、時間かけるか。

ベンチを覗き込む体勢もなかなかきついものがあるしね。
幸いこれはベンチな訳だから、ここに座って紺野の頑固が柔らかくなるのを待とう。

曲げてた腰を伸ばすようにぐいっと立ち上がったら、
ドスンと足に軽い衝撃が・・・

「・・・ふにゃぁ」
「・・・・・・おや、紺野」

ベンチの下で、頑固に小さく丸くなってたはずの紺野が、
意外と簡単に出てきた。
耳もしっぽもシュンと垂らして。

・・・もしかして?

「紺野、おいてかれると思った?」
567 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:52
足にすがりつく紺野を抱き上げると、
耳もヒゲも垂らした顔で、小さく『ふぃ』と鳴いた。
『ふぃ』とか。
どんな鳴き方をしてるのさ。
それじゃまるで泣き声みたい・・・。
・・・泣き声。・・・ふむ。

「…紺野、周りに人いないし、大丈夫だから人間になってごらん?」

下に降ろしてやると素直に人間の姿になる紺野。
うつむいて、やっぱり猫耳を垂らしてる彼女の顔を覗き込んでみると。

「やっぱり・・・」

泣いてるし。
もー、仕方がないなぁ〜。

「強がってたくせに、ごとーが行っちゃうと思ったら寂しくなったんだ?」

ん?って抱きしめてあげたら、また『ふぃ』って泣き声とも返事ともつかない声が返ってくる。
紺野のそばを離れる気なんて全然なかったけど、結果オーライみたいだ。
まだ『ふぃ〜』って泣いてる紺野の背中トントンしてあげたら紺野がぎゅうって抱きついてきた。
お?なに?機嫌直った?
568 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:53
「紺野、もう怒ってない?」
「・・・怒ってます」

・・・頑固者め。

「紺野、大好き」
「・・・ぅ」

「紺野、すきすき大好き」
「・・うぅ・・・ず、ずるいぃ・・・」

わかってるよ。こんな時にこんな風に言うのずるいって。
でも、頑固な紺野も、こういう風に言われたら柔らかくなるでしょ?

ほら、しっぽがうれしそう。

そんな紺野は更にお目々うるうる。
だから えろえろ。
・・・・・・・・・ううむ。
569 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:54
小川の言ってたことは本当なんだろうか?
『発情期』はないと言っていたけれど・・・『発情中』といわれても
な〜んにも疑問に思わないこのえろえろ光線。

「ご主人様・・・あの」
「ん?うん、何?」
「あの、正直に、答えてくださいね?」
「ん?うん」
「麻琴とは・・・あの、どこまで・・・」


  Q:どこまで・・・。

    A:( ´ Д `)<ちょっとそこまで。


「んぁーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!じゃなくてっ!違う違うっ!」

機嫌なおしても、誤解は招いたままだった!

「違う、あれは小川に聞きたいことがあって、したら小川が・・・」



∬∬*´▽`)ノ<い、いけませんっ・・・


「・・・・・・・」
「?・・・どうしたんですか?」
「・・・や、ちょっと衝撃的な過去を思い出してしまって・・・」
570 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:55
まさかあの会話から、あんな台詞を投げかけれられるとは思わなかった・・・。
恐るべし・・・小川。

「小川がね、勘違いしたんだよ、こう、紺野の事なのに
 あたしの事と勘違いしたらしいっていうか・・・」
「私の?」
「・・・・・・・・・・・・んぁ(汗)」

しまった・・・。口が滑った。

「私の事って、何ですか?」
「いや、紺野の事じゃなくて、あたしの事・・・かな〜?・・・ハハ」
「・・・ご主人様?正直に答えてくれるって・・・仰いましたよね?」
「・・・・・・・んぁぁ・・・」

言ったね。言ったけど・・・。
・・・これはー・・・言い辛い・・・。
最近エロいけど発情期じゃないよね?・・・とか。本人に?

・・・い、言えない。

・・・けど・・・。

あぁ・・・紺野のまっすぐな眼差しが・・・。
言うべき!?聞くべき!?打ち明けるべき!?







「紺野は今、発情してるのかな?」
571 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:56
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・

「ご主人様の馬鹿ぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」(脱兎!!)

んぁあぁあああ!!また逃げたー!!!
違う違う違うから!!『期』がぬけた!!『期』が!!

あわてて追いかけて、捕まえて、さっきからこんなんばっかり。
じたばたする紺野を後ろからガバッて羽交い絞めにして、なんとか話ができる状況。

「ちがうの!最近紺野がすごく魅力的でさ、目とかすごくうるうるで、
 あたしと喋ってる時も、すごく、甘い話し方でさ・・・だから、もしかしたら、
 春だから、発情期なのかなって・・・」

思ったんだ・・・って言ってて、あたしが赤面してしまった。
覗き込んだ紺野の表情。
真っ赤になって、こう、なんともいえない・・・。

やられた・・・。

どうしてこの子はこんな、すごく人を惹きつけるような表情をするんだろ。

可愛いけど、特別美少女ってわけじゃない。
でも時々、こういうハッとするような事をする。


「・・・ごしゅじんさまの、ばか」

・・・ひらがなだし。
572 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:57
「紺野さ、そういうの・・・、自覚してる?」
「?よく、分かりませんけど・・・ご主人様こそ、気づかれてます?」
「んぁ?」

しまった、思わず気の抜けた返事をしてしまった。
質問に質問で返さないでよ。

「ご主人様、知らないでしょう?私とお喋りする時、ご主人様も、すごく
 目が潤んで・・・すごく、甘い声で話されるんですよ?」

・・・・・・・・。


「ご存知、でした?」


恥ずかしそうに、嬉しそうに微笑んだ紺野。
私と一緒ですね・・・って・・・。

・・・あたしも?

紺野みたいだったの?


「だから、私、いつもすごくドキドキしてたんです」


そう言った紺野の、艶っぽい微笑みに、あたしはなんか納得した。
ああ、そうか。
573 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:58
猫の紺野。猫だった紺野。
でも夜の彼女はあたしの知らぬ間に、猫の部分をすべて昼間に預けて、
すっかり、ごとーの『恋人』になっていた。

うるうる紺野にドキドキして、あたしもうるうるになってたなら、
紺野はあたしにそうなってたってコトでしょ?

そういう気持ちになってたってことだよね?

「ねえ紺野?ごとーは、紺野にもっと触れてもいいのかな?」

「紺野は、ご主人様にもっと触れたいと思いますよ?」

だから、きっともっと触れ合っていいんだと思います・・・って
紺野がそう言った。

先に進むきっかけって、思わぬところに潜んでるのかもしれない。
もしかしたら、今が、この『春』が、あたし達にとってそれなのかも・・・。


「紺野、今日は一緒にお風呂にはいろうか。猫の姿じゃなくて、このままで」

人間の姿のまま一緒に入るって事。理解してくれるかな・・・?って心配になったけど。
紺野の瞳が、また、潤んで、そっとあたしの手をとって頷いたから・・・。


きっと、あたしたちは、きっかけをつかんだんだと思う。
574 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 18:59


「部屋に帰ろう、紺野」
「はいっ」

575 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 19:00

喧嘩の後、恋人と手をつないで帰る道。
手なんていつもつなぐけど、
今日は、いつもよりドキドキするし・・・照れくさい。

「ご主人様は・・・気づきました?」
「んぁ?何が?」
「さっき、私を見つけてくれた時・・・。」

ご主人様が私を拾ってくださった時と、すごく似ていたんですよ・・・って
紺野が懐かしむように目を細めた。

あぁ・・・そうだ、あんな感じだったね。

雨に降られて、ベンチのしたで縮こまってた猫紺野に声かかけた。
あたしと紺野のファーストコンタクト。

「"思い出の場所"っていう『おきまり』も、思いがけずクリアしてたわけだ」
「え?」
「ううん、なんでもない。」



・・・こういう、恋愛系のおきまりパターンって、
正直さ、どうかと思ってたんだけど・・・。



なかなかどうして、照れくさいけど、幸せかもしんない。
576 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 19:01
****オマケ*******




「あ゛ざ み゛ぢゃぁ〜んっ!ごべんねぇ〜っ」(意訳:あさ美ちゃんごめんねぇ〜)
「マコ・・・!?」
「小川・・・!!忘れてた!」
「ひどーい!後藤さんが残ってろって言ったくせにー!」
「んぁぁ…紺野、お風呂・・・」
「ごとうさ〜ん、あたしカレーが食べたいですー♪」
「紺野と、お風呂・・・」
「ご主人様、麻琴との約束を先に・・・」
「・・・んあぁ〜」

小川くん・・・こういう、オチのおきまりは
  正直、どうかと思うんだけど。orz
577 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 19:02

**********
578 名前:cat2:11 投稿日:2006/06/21(水) 19:02

*************
579 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/21(水) 19:03
毎日暑くて、この世界ではまだ春なんだということを
忘れてしまいそうになる本日の更新でした。
580 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/22(木) 12:54
あぁ〜良い!!!ww
2人ともカワイイよぉ〜(>_<)
581 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/22(木) 13:44
めちゃくちゃドキドキしましたよー萌え転がりましたよー…
そしてマコトが可愛いw
ごとーさん、いらないなら私にください(真顔で
582 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/22(木) 22:25
エエヨ
583 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/25(日) 21:06
ここにごっちんの昔の恋人とかいってよっすぃーが出てきたらだいぶ期待。
584 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/26(月) 00:35
>>583
そういうのはやめようや
585 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/06/26(月) 02:17
>>584
激しく同意

>>583
作者さんに失礼やと思うぞ
586 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/27(火) 05:26
>>583
自治スレ読め。
587 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/28(水) 00:13
>>583
チラシの裏にどうぞ
588 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/28(水) 14:00
>>583
お前ここ初めてだろ?
力抜けよ
589 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/28(水) 14:25
>>583は確かに自治スレ読めだけどそれに対するレスが多すぎだと思いますよ。
それはそうと

後藤さんのまぬけっぷりが好きですw
590 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/29(木) 00:28
>>583
いいからしゃぶれよ


(*´ Д `)<アッー!
591 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/30(金) 18:18
>>583
いいから四つん這いになれ
592 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/30(金) 19:17

今回は一人ずつのコメントを控えさせて頂きます。
「自治スレッド」を参考にレスを頂けると幸いです。

本日の更新です。

**********
593 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:18

「紺野〜まだー?」
「す、すぐ行きます・・・」

繰り返し、これで4回目の会話。
594 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:19

約束の夕食を お腹いっぱい食べた小川が帰ったのは、つい2時間ほど前。
妙な緊張感と共に二人で風呂場に来たのは、それから30分後くらい。
で、恥ずかしがる紺野の服を脱がそうとしたら、すごい勢いで浴室におしこめられたのが・・・その数分後?

・・・それから〜・・・約1時間近く。

髪を洗って待ってても入ってこない。
体を洗ってても入ってこない。
仕方がないからに浴槽に入ってみたけれど・・・


「いいかげん、のぼせそうなんだけどな〜紺野」
「す、すみませんっ」

・・・慌てた声は返ってくるけど、入ってくる気配はナシ。
そうですか、いいよ、じゃあこうしよう。

「じゃあさ紺野、服着たままでいいからさ、ちょっと入ってきてよ、手伝ってほしいんだ」
「え?は、はいっ」

服を脱ぐのがそんなに抵抗あるなら、別にムリに脱がさなくてもいいんだよ。うん。
服着たまま入ってくればいいんだよ。うんうん。
595 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:20

「紺野、はい、手ぇ出して」
「はい」

・・・なんと素直。
ちょっとは疑わなきゃ紺野。危ないよ。・・・ありがたいけど。
差し出された手をさっと両手で取って、ぐいと引っ張ると、
紺野はバランスを崩して倒れこんできた。
水しぶきが飛び散って、あたしは思わず目をつむる。

「・・・なんてことを・・・」

情けない声に目を開けると
あたしに支えられて、頭から突っ込むことは回避できたけど、上半身ずぶぬれの紺野。

「あはは、水も滴るイイ女だね、紺野」
「あははじゃありません、なんてことをするんですか・・・」
「だって、紺野ってば来るの遅いんだもん」
「・・・・・・・うぅ・・・」
「いいじゃん、そのまま入っておいでよ。」
「だめですよっ、お湯が汚れます」
「・・・そお?でもさ紺野、そのままだと・・・」

白いワンピースが透けて・・・

「!!?」
596 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:21
全部言い終わらないうちに飛び込んできた紺野。
まぁ、最後まで聞かなくても分かるよねぇ、じっと見てたら。

でも、声にならない悲鳴ってはじめて聞いた。
そんなに驚かなくっても・・・。

「おおお驚くにきまってるじゃないですかっ」
「でも、おかげで無事に入ってきたじゃん」
「うぅ・・・なんてことを・・・」
「まぁまぁ、いいじゃん、すけすけだったけどさ、綺麗だったよ?」
「うぅ・・・」
「・・・その倍えろかったけどね」
「うぅっ」

紺野さん紺野さん、真っ赤ですよ。
・・・でもさ、紺野さん、白いワンピースのまま浴槽に浸かってるって・・・なんか・・・

「裸よりエロイかも・・・?」
「!!」

・・・紺野さん紺野さん、口が開いてますよ。

ちょっと楽しいかも。

「おおお怒りますよっ!!」
「なんだよー事実じゃんかー」
「やめてください!・・・というか、見ちゃいやですってばっ」
「わわわわ、暴れないで、仕方ないじゃん、正面にいるんだから」

いっそのこと脱いでしまったほうが恥ずかしくないのかもよ?
中途半端だから恥ずかしいんだよ中途半端だから。
597 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:22

「・・・・・・・中途半端・・・」

・・・おや?急に大人しくなった。
なに?なんか落ち込んでるけど。

「あたし、不味いこと言ったかな?」
「あ、いえ、そうですね、中途半端って・・・」

最後のほう、俯いててなにやら聞き取れなかったけど、
ぱっと顔を上げた紺野は潔く『脱ぎます!』と宣言した。

よく言った!!

「がんばれ紺野!」
「はい!」
598 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:23

濡れたワンピースを脱ごうとがんばる紺野。

うんうん言いながら脱ごうとする紺野。

あれ?あれ?と脱げなくてテンパる紺野。

どうしても脱げなくてあたふたし出す紺野。


・・・・・・・・・・・・・・・・至福。


じゃなくて

「手伝おうか?紺野」
「・・・・・・・・はぅ・・・」

濡れた洋服、この体勢で一人で脱げるわけないじゃんね。
599 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:23

「はい、ばんざーい」
「ばんざー・・・・って、ご、ご主人様くすぐったいっ、もっと、普通に・・・」
「洋服ひっぱったら生地が傷んじゃうよ。濡れてるんだから」
「だ、だからって・・・」

や、でも本当にぐいーって引っ張ったらワンピースの生地が伸びちゃうよ。
こうね、丁寧に、洋服の中に手をいれて、体にそってゆっくり脱がなきゃ。

でも・・・たしかにこれは、くすぐったいだろうな・・・

それになにより卑猥だね。

「がまんがまん。ばんざーい」
「うぅ・・・ばんざーい」

わき腹とか、脇とか、敏感なところに手が触れるたび、ぴくぴく反応する紺野が

「えろ・・・」
「なんですか?」
「いえ、なんでも」

にらまないでよ・・・怖いなぁ。
だってえろいんだもん。
これを『えろい』と言わずになんと言えと?
600 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:24

「ま、まってまって、まってくださいっ」
「んぁ?」
「し、下着はできます!」
「そう?・・・なら、まかせようかな」

ムリにしてもまた暴れるだろうし、にらまれるだろうし。
ここは大人しくね、うん。

「あの」
「ん?」
「じっと見ないでください・・・」
「なんで?」
「そういう風に見られてたら脱げません」
「じゃあ、じっと見ないで ぼかして見とくね」
「いやいや、・・・そういう問題じゃないですから・・・。」
「結果的には見るんだから」
「あの、その過程がいやなんですってば」
「大丈夫、ごとーはイヤじゃないよ?」
「私が、いやなんですってばっ」
「・・・だめ?」
「だめです」
「・・・・・・だめ?」
「可愛く言ってもだめです」

・・・ちぇーっ。

■■■暗■■■

目、開けちゃだめかな?
・・・薄目とかさ〜。

「だめですよ」
「・・・なんも言ってないじゃん」
「目を開けようとしたでしょ?」
「・・・・・・・・・」

・・・なにも言えない。
601 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:25
でもさ、紺野が動くたびに肌があたるし、
見えない分いろんな想像が膨らんじゃって・・・。

「なんかね、目をつむってるほうが紺野がえろく感じるんだけど」
「気のせいです」

言い切ったよこの子。
でも気のせいじゃないと思うけど・・・。

「・・・やっぱりこう、見えないほうがえろく感じるんだけど」
「じゃぁ、見えてたらそうじゃなくなるんですか?」
「や、それはそれでさ、えろいとおもうけど」
「じゃあ見えても見えなくても一緒じゃないですか」
「や、こう、雰囲気が違うんだよ、えろさの」
「なんですか、それ」

紺野はそういって笑ったけど、いや、だって本当に違うと思うんだ。
・・・こういうのって、言葉でだと表現しにくいじゃん?

「あ、もういいですよ?ご主人様」
「あ、うん」

目を開けると目の前には裸の紺野。
浴槽に二人ではいってるから、膝を抱えて小さくなって座ってる。

「ね?こういうのだってさ、えろいと思わない?」
「よく、分かりませんけど・・・恥ずかしいのは分かります」
「紺野は自信もっていいと思うよ?」
「自信ですか?」

無理ですよって、また、紺野は笑った。
いや、紺野は自分が思ってるよりもはるかにエロいと思う。
こんなにあたしが言ってるのに、なんで自信持てないかなぁ?
602 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:26
「ご主人様が言うからですよ」
「あ、ひどくない?それ」
「あ、いえ、そうじゃなくて・・・紺野は、ご主人様の方がそういうの、自覚してないと思いますが・・・」

そういうのって・・・どういうの?
あたしの方が自覚してないこと・・・?
・・・なにを?

はて?って首を捻ったら、紺野がまた可笑しそうに笑った。『ほら』って。

「ぬぅ・・・ちゃんと言わなきゃわかんないよ。」
「だからですね?ご主人様は、ご自分が思ってる以上に魅力的ですよ?本当に・・・。
 肌も、身体のラインも、誰にも負けないくらい、とても綺麗・・・」

そんな綺麗な人を目の前にして、自分に自信なんて持てないです。・・・だって。

「・・・自信が持てない割には、なんか、嬉しそうだね?紺野」
「嬉しいですよ?凄く」

にっこり微笑んだ紺野。
・・・なんで?それも分かんない。ちゃんと教えてよ、紺野。
ぶーたれたあたしに、紺野は笑うと、仕方ないなぁって顔であたしを見た。

・・・ぬ。なに?そのお姉さん顔。

・・・ドキっとしたじゃんか。
603 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:27

「嬉しいですよ?凄く。だって自分の大好きな人が、敵わないくらい魅力的なんですから。
 見てるだけで幸せになれるって、とても、嬉しいことだと思いませんか?」

・・・ぬ、なんだよ紺野。

・・・ドキドキしたじゃんか。

でも、それはなんとなく分かる。
あたしも紺野といて嬉しくなるよ?幸せになるよ?
それって、同じことだよね?

「さぁ?・・・どうでしょう?私とご主人様じゃ、同じじゃない気がしますが・・・」
「いいの、ごとーがそう言うんだから」

どうしたって、自分を低く見ようとする紺野に、
おもわずムキになってそう言ったら、紺野は目を丸くしたあと、
困ったなぁって笑って、『嬉しいです』って言った。

・・・納得してないでしょう?紺野。

むくれるあたしに、紺野はまた微笑んで

でも、心から嬉しいですよ?

・・・だって。
ずるいなぁ、そう言う風に言われたらさ、何もいえないじゃん。
604 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:28

「・・・いいよ、もう、じゃあさぁ、こうしよう」
「はい?」
「身体洗おう。洗ってあげるよ」
「・・・はい?」
「髪も洗わなくっちゃね?紺野」
「あの・・・今までの流れから、どうしてそうなるのか・・・、紺野はちょっと理解しかねますが・・・」
「いいよ、理解しなくて、全然関係ないから」

あ、目がまん丸。
突拍子もないあたしの答えに紺野はあっけにとたれたようで、
鳩が豆鉄砲をくらったかのような顔を見せた後、弾かれたように笑った。

お腹いたーいって腹を抱えて・・・って。

「笑いすぎ、紺野」

自分でも可笑しなことを言ってるのは分かるけど、
そこまで笑わなくってもさぁ・・・

むくれたあたしに、紺野は『すみません、すみません』と笑いをかみ殺しながら謝った。
ぬぬ・・・。
605 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:29

「ご主人様、機嫌を直してください。ほら、出ましょう?洗ってくださるんでしょう?」
「え?」
「身体、洗ってくださるんですよね?」
「・・・え?いいの?」
「ご主人様が仰ったんじゃないですか」
「や、・・・そうだけど」

まさかこんなあっさり許してくれるとは思わなかった。
こうさ、もっとこう、恥ずかしがリンゴちゃんでさ、よいではないか よいではないか・・・とか。

「ふつーに洗ってくださるんですよね?」

・・・あ、先手を打たれた。
なに?その余裕の表情。先手を打って安心してたら間違いだからね。
・・・よろしい。普通にあらってあげましょう?普通にね。

「まかせて、紺野。真面目に、きちんと、一生懸命 綺麗にするから」

素直なあたしに、紺野は一瞬意外そうな顔をしたけど、
安心しきった様子で浴槽から出た。

うん。まかせて、洗い残しなんてどこもないくらい、あたしがしっかりバッチリ洗ってあげるね!

いやぁ、今日のお風呂は特別賑やかになりそうだ。

・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( *´ Д `)
606 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:30




「紺野〜まだー?」
「うぅうっ・・・ごしゅじんさまの、ばかーっ」

繰り返し、これで8回目の会話。
607 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:33

お風呂での一仕事を終えたあたしは、恥ずかしがリンゴ絶頂の紺野からお風呂を追い出されて・・・
はて?何分経ったかな?
あとは寝るだけ、準備万端のあたし。
いまだにお風呂に立てこもっている、照れ怒り紺野にこうやって声を掛けている。

な〜んにもしてないもーん。
ちゃーんと綺麗キレイに隅々までしっかり洗ってあげただけだもーん。

「勝手にえろえろ反応したの紺野じゃないか〜」
「私のせいじゃないですもんっ、自分で洗えますって言ったのにっあんな・・・あんな・・・っ」

ばかぁ〜ってまた怒った紺野。
いやいやいや、誤解がないように言っておくけどさ、真面目だったよ?ごとー。
ちゃんと洗ったよ?普通に。
でもさ、猫耳とかしっぽとか・・・さ、うん。ちゃんとしっかり清潔にしておかなきゃいけない所は、
うん、そう、ちゃんと綺麗にしとくべきだと思うんだよ?

猫耳とか、しっぽとか・・・ね、うん。
丁寧にね、うん。
どんなに紺野が悶絶しててもね、うん。


「一生懸命洗うって約束したからね」

約束はしっかり守らなきゃいけないのだ。
608 名前:cat2:12 投稿日:2006/06/30(金) 19:33


「紺野〜まだー?」

何度言ったかな?この台詞。
本日、これで何回目?

紺野 湯冷めしちゃうし、そろそろ迎えに行こうかな?
609 名前:ぴろ 投稿日:2006/06/30(金) 19:36

*******

自分でも『自治スレ』読んでみて、なんとなく今回のはsageて更新でした。
610 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/30(金) 22:05
すっごくえっちぃってわけじゃないのに
雰囲気が始終ピンク色ですな(笑)
いいもの読ませてもらいましたm(_ _)m
611 名前:名無 投稿日:2006/07/01(土) 20:01
たまりません‥w
この2人の空気がめっちゃ好きです^^
おっとりした2人に癒されます☆☆
612 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/07/02(日) 09:13
話全体が甘くて、読んでるだけでほんわかしちゃいました!
だけど、「中途半端」という言葉に落ち込む紺野さんの心を思うと…。
……ちょっと胸が切なくなります。
613 名前:通りすがりの者 投稿日:2006/07/06(木) 09:50
更新お疲れ様です。
いやぁ、なんだかギリギリな感じがまた良いですね。
動物好きには堪らない作品です(殴
次回更新待ってます。
614 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/07/12(水) 16:24
>>583
後藤さんが良い感じです!
作者さんがんばってください
615 名前:ぴろ 投稿日:2006/07/19(水) 15:39
>>610 名無飼育さん
 ありがとうございます。
 チラリズムエロを目指しているらしい作者です。

>>611 名無さん
 まったりえろも目指しているらしい作者です。
 妄想作品、そういったまったりさが必要ですね。
 ありがとうございます。

>>612  名無し飼育さん
 中途半端なところが魅力なのですが、作中の紺野さんは
 気づきません。本人には気づきにくいものなんですねぇ。

>>613 通りすがりの者
ギリギリというチラリズムエロを目指しております。
ありがとうございます!

>>614 名無飼育さん
後藤さん頑張ってます!作者も頑張ります。


おひさしぶりの更新です

*************
616 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:41

随分時間が経った気がする。


怒って、照れて、べそかいてた紺野をなだめて、やっとの思いでお風呂から出した。
それから〜・・・身体をふいて、猫耳、しっぽ、髪を乾かして、
びしょ濡れになった紺野の服を脱水かけて乾した。

あたしのパジャマを上下貸したら、ズボンの中のしっぽが、おしりのとこでモコモコしてて、
思わず笑ったら怒られた。

仕方がないから丈の長いパジャマを出して、上着だけ着せたら、
やっぱり紺野がえろくって、からかったらまた怒られた。

いつも通りのじゃれあいだけど、
なんだか今はあたしも紺野も、ちょっとぎこちない。
笑いあって楽しいけど、なんだか妙に気恥ずかしい。

理由なんてお互いよく分かってるから、だから余計に。
いよいよだって、分かってるから。
617 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:42
でも、長かったなぁ、ここまで。
別に遠慮してたわけでも、避けてたわけでもないんだけどさ。
日に日に人間らしくなっていく紺野に、ちょっと期待してたんだ。

抱き合うって事の意味を理解できるくらいになってほしいな〜って。
猫みたいに、単純な目的じゃない。
好きあってる人同士がするそれは、もっといろんな気持ちが入るから。
そういうの、理解して知ってほしいな〜って、期待してた。

別に、抱き合って実践しながら教えていってもよかったんだけどね。
でも人間に近づいていく紺野の成長、もっとゆっくり見ていたかったから。

実際、こんなにも紺野は人間らしくなったし。

でも・・・、本当に?
いざこうやってその時になってみると、不安になるよ。

ねえ、本当に分かってる?紺野。
理解してる?本当に。

あたしが今から紺野にしたいと思ってる事。
紺野としたいと願ってる事。

本当に、分かってる?

紺野が『猫』だって事。本当にうっかり忘れてしまうくらい、完璧な恋人だったけど・・・。
もしかしたら、まだちょっと早かったんじゃないかと思ってしまう。
618 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:43
…あのね?紺野
猫の世界みたいに、ひとつの目的の為の行為じゃないんだ。
もっと、いろいろ、色んな気持ちが含まれてるんだ。

分かってくれてる?その意味。
ごとーが、どれだけの想い、そこに込めるか。

紺野が人間らしくなっていく度、

紺野と恋人らしい事がだんだんできるようになる度、

嬉しくなる反面、ちょっと、不安になるんだ。

紺野の気持ちとあたしの気持ちが同じなのか。
紺野が、人間の『感情』をどれくらい理解してくれてるのか。

ちょっと、不安になるんだ。

「あのさ、紺野、分かってくれる?あの・・・うまく、言えないんだけど・・・」

ホント、うまく言えない。なんて言ったらいいんだろう。
尋ねてみたはいいけれど、どう伝えればいいのかわかんないや。

困って頭をかくあたしに、紺野はちょっと俯いて、でもしっかりした声で言った。

「大丈夫・・・分かります、たぶん・・・」

分かりたいと、思っています。って・・・
分かっていないかもしれない事も、感じて、知る事ができるなら・・・望みたいって。

「私は・・・もしかしたら人間の持つ感情を、全然、分かってないのかもしれません。
 人間の『恋』という想いと、私がご主人様に持つ想いは・・・もしかしたら、
 全然、違うものなのかもしれません・・・だって・・・」

・・・だって、『猫である』という事実は、どんなに努力しても変えられないことですから・・・って

紺野は微笑んだ。
619 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:45

 猫である・・・


猫であるという事を、改めて突きつけるその言葉が
紺野の口から出る事は・・・あまりない。
そういえば、あたしも紺野に対してあまり口にしない。

なんか違うんだ、こういう言い方。
『猫の時の紺野』と『猫である紺野』じゃ鋭さが違う。
すごく、ハッとさせられる。

その事実から目を背けるわけじゃないけど、
お互いの想いが大きくなるにつれ、それを簡単に口にできなくなってきてる事。
それを口にするときの紺野が、ちょっと寂しそうな目をする事。
そういの、なんとなく、気づいてたし。

ねぇ、紺野?
望んで知ったその気持ちが、これから先、辛い想いさせるかもしれないよ?
それでもいい?大丈夫?

お互いを想う気持ちが、辛い事になるかもしれないよ?

今までの、じゃれあうだけの関係が、もっと深いものになったら・・・
今よりも、もっと、現実が重くなるかもしれないんだ。

それでも・・・

「それでも、望んでくれるかな?紺野」
620 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:46
紺野に答えを委ねる聞き方は、ズルイとは思ったけど・・・。
でも、そこまで自分の事を理解してる紺野だから、余計に心配になったんだ。

猫であるという事を受け入れて、
それでも人間になりたいと望む紺野だから・・・。

「紺野は、きっとそれでも、貴女の傍にいたいと・・・願うと思います・・・」

それでは、答えになりませんか?って優しく手を握ってきた紺野。
あぁ・・・本当に、キミは人間らしくなった。

猫の紺野も可愛くて魅力的だけど、恋人のキミはもっと・・・。

「うん、あたしも、傍にいたいって思うよ、きっと」

なんか、ちょっと嬉しくなって、
ギュッとしてチュッ♪ってしたら、紺野がふにゃって笑った。

なんか そんな紺野の表情が、すごく久しぶりな、妙な気持ちになって・・・、
ちょっと、切なくなった。
だって、さっきまでお風呂で真っ赤になってた紺野が、随分前の事みたいだ。

なんでだろう?
621 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:47
じゃれあって、好きという気持ちだけで幸せだった時間。
そこから抜け出して、先に進むことがこんなにドキドキするとは思わなかった。
土壇場で、ちょっと足踏みしてるカンジ。
そんな自分がちょっと意外だ。

「なんか、思った以上に、紺野の事が大事みたいだよ?」

あたしの言葉に微笑む紺野。

この夜が終わった時、あたしと紺野の関係は今までとは違うものになってしまうのかな?
そう思うと、ちょっと悲しい。

「早く紺野ともっと恋人らしい事をしたいって、そんな気持ちもあるんだけどね・・・
 でも、今までも十分心地よかったからさ、ちょっと・・・」
「変わる事は嫌ですか?」

「ん〜・・・幸せであれば嬉しいけど」

ため息混じりに言ったあたしに、紺野は困ったように微笑んだ。
困ったように、眉毛と猫耳下げて。

「幸せである為に、先に進みましょう?」

幸せである為に。
そうだね、紺野。

先に進もうと決めたことは、そうでありたいと願ったからだ。
622 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:48
「だめだね、たまーに弱気で」
「ご主人様でもそんな時があるんですね」
「おかしい?」
「いえ全然、むしろ・・・」
「ろ?」
「可愛いと思いますよ?」

可愛い・・・。

いたずらっぽく笑った紺野。
なんか、自分の顔が熱くなるのを感じた。

んぁ・・・、あたし今絶対赤くなってるね。

・・・くやしいかもしんない。

「ご主人様?真っ赤ですよ」

・・・ぬぬ。
これは本当にくやしい。

紺野さん紺野さん、勝ったと思ったら間違いですよ。
あたしには奥の手がある!!
623 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:50
「必殺!!!猫耳アターック!!・・・と見せかけたソフトターッチ。」
「あぁっ!ず、ずるいっ!」
「ふふふふ、ごとーに勝とうなんざ100年早いのだよ!」
「100年じゃ一生追いつけないじゃな・・・っぁ」

「紺野さん?真っ赤ですよ?」

「ぅうぅっ、ず、ずるいぃ」

「紺野・・・あのね」

弄ったままの猫耳に口を寄せて、気持ちと、願いをこめてささやいた。


  幸せになる為に進む時間だから、きっと特別な夜になるね。


身をよじらせていた紺野が、ふと、動きを止めて
うるんだ瞳で、じっと見つめてきた。


「きっと、ずっと、忘れられない夜に」
624 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:50
紺野の囁きはとても甘くて、
うるんだ瞳はとてもセクシーで・・・。

でもきっと、今紺野をみつめてるあたしも、そうなってるんだろう。

じゃれあってたお風呂から、随分時間が経った気がするのは、
きっと、
あたし達の関係が進みだしたから。
625 名前:cat2:13 投稿日:2006/07/19(水) 15:51

********
626 名前:ぴろ 投稿日:2006/07/19(水) 15:55
冒頭で『sage』を消し忘れてしまったので
そのままで更新してみたズボラ更新でございました。
暑さでヤラレてるようです
627 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/07/20(木) 00:49
更新乙です
この小説にヤラレましたwwww
628 名前:ぴろ 投稿日:2006/07/26(水) 12:01
>>627 名無し飼育さん
 ヤラレてもらうのってありがたいコトです。
 ありがたいですよぉ。


紺野さんの卒業に、ちょっとセンチでございますが
更新まいります。

**********
629 名前:cat2:14 投稿日:2006/07/26(水) 12:03

 こういうの、なんていうんだろう?


知っていたつもりだったけど、びっくりした。
紺野の肌ってこんなにキモチよかったんだー!って。
なんでだろう?
紺野の肌だからこんなにキモチよかったのかな?

あまりのキモチよさに、思わず夢中になってたら、紺野が半泣きでさ
慌てて身体離したら、なんか更に涙ためちゃって、えぇえ!?なんでさ!?なんて、
どうしたらいいか全然分からなかったから、とりあえずあたふたしてた。

後から聞いたら、どうやら紺野もすっごくキモチよくって、パニクったらしい。
630 名前:cat2:14 投稿日:2006/07/26(水) 12:04

「えろえろだったもんねぇ〜紺野」

思い出してニヤニヤなあたし。
隣ですよすよと眠る紺野からは返事はないけど、
その幸せそうな寝顔にちょっと満足。
ちょこっと幸せ感じながら顔にかかる髪をすいてみたりして・・・。

うわぁ、ちょっとあたしなんか今すっごいハッピーな感じじゃない?

嬉しさと、それ以上の恥ずかしさから『うわぁあああっ』なんてゴロゴロ転がりたい気分だよ。
紺野が目を覚ましたら、同じような反応すんのかな?

・・・ちょっと見てみたいかも

えいえい、起きろ起きろ。
いや、でも、まだちょっと寝ていてほしい気もするけど・・・
でも起きて・・・いや、もうちょっと寝顔を・・・
・・・・・・こまったな。どっちも捨てがたい。

ぷにぷにとホッペを突付きながら、二択問題に悩んでみる。
・・・しかし〜・・・ぷにぷにだなぁ〜、ほっぺ。
えろえろな時間を過ごしたから、桃みたいにピンクで
ほんで、しっとりと汗ばんでる。
631 名前:cat2:14 投稿日:2006/07/26(水) 12:07
まぁ、あれだけ・・・ねぇ?
申し訳ない気もするけど、キモチよかったみたいだし?
だって、肌のキモチよさにも夢中になったけど、
弱気にふるふると震える猫耳とか、おびえてお腹の方に丸めてるしっぽとか見ると・・・

いじりたくなるじゃん?

弱いっての分かってるけどさ。
や、弱いと知ってたからいじったってのもあるけどさ。
あんな、いかにもイジメたくなるようなモノを目の前に出されて
何もしないって方が失礼だとおもうんだよ。うん。

「・・・いじったらいじったで、また反応が可愛かったしさぁ」

かわいーっ!って思ったらさ、またしてみたくなる気持ち、
10人に話したら10人が『分かる!』って言う気がするよ?

・・・たぶん。

真っ赤になってうるうるで、猫耳ふるふるさせて しっぽが足の間からクルンって丸まって・・・。

エロかわいいってこういう事だよ!!なんて思いつつ・・・。ねぇ?
632 名前:cat2:14 投稿日:2006/07/26(水) 12:08
猫耳とか、しっぽとかってあればいいってモンじゃないけど、
紺野についてるのは、あたしには大成功だったみたいで

本人は嫌がるけど、あたしにはこれも紺野のチャームポイントで可愛いと思う。

これが紺野が猫であるっていう印になっちゃうのも事実だけど・・・
でも、それでもやっぱりあたしは可愛いとおもうんだ。

「こんな事、紺野に言ったら困った顔するんだろうねぇ」

またぷくぷくのほっぺをつんつんとつついたら、
紺野が幸せそうに ふにゃっ と笑った。

・・・・・・( *´ Д `)

なになになに?この、くすぐったいカンジ。
胸の奥がこう・・・きゅん?
なんなんだ、もう、ああ、もう!
633 名前:cat2:14 投稿日:2006/07/26(水) 12:09
やわらかいプクプクほっぺにチュチュチュ〜ッってキスをして
ふるふると震える猫耳をいじったら、
紺野は『ん〜っ』って、ほっぺ染めて縮こまった。

おきて、起きて紺野。
もっかい愛し合おうよ。

こんなに胸がくすぐったいんだ。
あぁ、なんていうんだろう、こういうキモチ。

こういうの、なんていうんだっけ・・・?


胸の中に湧き上がったものの正体が知りたくて、今思いつく言葉すべて口にしてみた


「好き」
「大好き」
「愛してるっ」
「可愛いーっ」


どれも正解っぽいけど、いまいちしっくりこない。

もどかしくって、紺野の首筋に『も〜っ!』って顔うずめてぐりぐりしてたら、
目が覚めたらしい紺野が、吐息と共に言ったんだ。


 幸せ


びっくり。
あ、なんかちょっと涙出てきちゃった。

あー、そうなんだ。こんな幸せってのもあるんだー・・・
そっかー、ごとーは幸せ感じちゃってたんだー・・・
634 名前:cat2:14 投稿日:2006/07/26(水) 12:10
ぎゅーって抱きしめたら、紺野も腕を回してきた。

「ごめんなさい、寝ちゃってました・・・」

とか・・・いいのいいの、そんなの気にしなくて。
一休みくらいしなくちゃね。紺野初めてだったし、仕方ない。

「休んでから、それからまたちゃんと もういっかいね」

ほっぺにチュってしたら
途端に背中に回されてた紺野の腕がピクっと震えた。

「・・・もういっかい・・・?」
「うん、もういっかい」

にこやかに笑ったあたしに、紺野は一気に固まった。
で、同時にゆでダコ。
・・・赤いよ、紺野。

「ムリですっ!」
「ムリくない」
「ムリですぅ〜っ」
「ムリくなーい!」

無理じゃない、無理じゃないってば♪
紺野は体力あるでしょ、大丈夫。
635 名前:cat2:14 投稿日:2006/07/26(水) 12:11
もっともっと、この幸せ感じさせてよ。
紺野としか感じることができないんだ。

だってね?さっきまでね?
こういうの、なんていうんだろう?って思ってたんだよ。

切ない感じにも似てるけど、幸せなんだね、こういうの。

「紺野じゃないとダメなんだ」

正面からまっすぐ言ったら、更に真っ赤になって固まった。
おもしろくって、ちうっ てしたら、ちーさなちーさな声で

幸せで、死んじゃうかもしれません

だって。
死にそうな幸せかぁ、それいいね。

「ごとーにも感じさせてよ、その死にそうな幸せ」

紺野ももっともっと幸せ感じたいでしょ?
そう聞いたら、小さくうなずいた。


こういうの、幸せっていうんだね。紺野。
636 名前:cat2:14 投稿日:2006/07/26(水) 12:11

**********
637 名前:ぴろ 投稿日:2006/07/26(水) 12:12
本日の更新でございました。
638 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/07/26(水) 16:03
私も『分かる!』って言います。ってか叫びます。
いやぁピンクなオーラに萌え…おっと燃えつきました。
できればそのシーンを覗き(ゴフッ
なにはともあれ…後紺って最高ですねw
639 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/07/27(木) 22:09
( *´ Д `)
気が付けば自分もこんな緩んだ顔してましたw
640 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/07/28(金) 01:08
萌え死ぬとはつまりこーゆーことですかそーですかw
641 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/07/28(金) 02:04
一家に1匹猫川*・-・)
欲しいなぁ(´∀`)
642 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/07/29(土) 14:51
漏れも死にかけた
643 名前:通りすがりの者 投稿日:2006/07/31(月) 02:15
更新お疲れさまです。

一人でニヤニヤしてました!もう興奮しすぎて
鼻血で血の池できてます(エエ 最高です!!
次回更新待ってます。

644 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/01(火) 18:47
3回おっきして4回ヌキヌキしたぽ
645 名前:通りすがりの者 投稿日:2006/08/04(金) 01:26
更新お疲れ様です。
ほほぉ、そうきましたか。
なんだか良い雰囲気が漂っているじゃないですか。
次回更新待ってます。

〉〉643
擬似を働くなら、ageない方法を先に習った方がまだ賢明だと思いますが?
646 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/05(土) 00:56
>>645
説明詳しく
意味わからんべ
647 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/05(土) 21:00
>>646 >>643が偽者だと言いたいんでしょう、しかもageてるし嫌がらせか、と

>>645
気持ちはわからんでもないけど人のスレで勝手に切れちゃだめだよ
「これは私じゃない」とだけ書いておけば誤解は防げる
それと「通りすがり」ってのは偶然でもかぶっちゃいそうだから、思い切って改名してみたら?
貴方のレスは多すぎてとても通りすがりとは思えないしね
648 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/05(土) 21:06
萌えのあまりジタバタしてしまいましたw
649 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/06(日) 00:15
>>645
つか作者でもないのにコテハンって必要なの?
650 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/06(日) 00:23
>>649
作者さんに“特別な”扱いもとい待遇を受けたいのでしょう
許してあげて
651 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/06(日) 11:15
>>649
誰だかわからんよりマシ、という場合もある。
作者以外はダメという事も無く、作者側からすれば
固定ファンがいるのも嬉しい。

>>650
その言い方は荒れる元。
気をつけましょう。
652 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/07(月) 00:14
>>651
通りすがりさんこんにちは
653 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/07(月) 01:46
>643さんと>645さんは是非、↓をご参照くだされ。
 ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/imp/1137505132/575-
>645以降の話をこのまま続けたい方は↓で思う存分どうぞ。
 ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/discuss/1085149091/
654 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/11(金) 21:32
通りすがりの読者ですけどこの作品好きです
655 名前:ぴろ 投稿日:2006/08/25(金) 18:06
お久しぶりです。
たくさんのレスありがとうございます。
本当なら自分が対応しなければならない所も読者様にお世話になり、
ありがたいやら申し訳ないやら・・・
今回も一人ずつのレスを控えさせて頂きますが、毎回頂くレスには
すごく励まされていました。
久しぶりなのに、今回が二部の最終更新となるのがまた更に申し訳ないのですが、
少しでも楽しんでいただければ幸いです。


本日の更新です
*******
656 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:07


『恋人はサンタクロース』なんて歌があるけど
あたしの恋人は、サンタクロースなんかよりずっとパンチ効いてる。

 『恋人はペット』なんて、相当インパクトあると思わない?

657 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:08

「そりゃあ・・・インパクトは十分ですよね」

紺野が猫耳をくいくい引っぱりながら言った。

「でしょでしょ?恋人サンタはクリスマスに仕事に行っちゃうけど、
 恋人ペットはずーっと一緒なんだよ」
「それはまた極端な話ですけど・・・」
「極端でもなんでも、なによりペットと主人は最後まで共にあるんだ。
 サンタなんかよりドラマチックでロマンチックじゃない?」
「最後まで・・・ですか」
「そ、最後まで。あたしたち、最後の最後まで一緒」

ね?恋人はペットって素敵でしょ?って言ったら、
紺野はまるで花が咲いたように、ふわっと笑った。心底嬉しそうに。

あ・・・ごとーの頭にも花が咲いた気がする。
この反応はちょっとイイかも。幸せかも。
658 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:10

「はじめてかも、しれません」

幸せいっぱいの笑顔を向けて、紺野が目を潤ませた。

初めて?何が?
首を傾げたら、紺野は照れたように俯いて

「猫でよかったって、思いました。心から、初めて。」

ペットであって、恋人であって、私はすごく幸せだなって・・・
ホントに嬉しそうに笑う紺野。
ね?って確認するようにあたしに向けられた潤んだ目に、頭の中が一気にバラ色になったのを感じた。

猫耳少女と恋人で、可愛いふあふあ猫がペットで・・・
そんな状況にいるあたしが一番インパクト受けてるんじゃない?

「やっぱ紺野って刺激的」
659 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:11
バラ色の頭のまま、紺野をギュって抱きしめたら
紺野もぎゅって抱き返した。
猫のふあふあ紺野は抱いてると癒されるけど、
猫耳紺野はもっと凄いと思う。
ふあふあな猫毛はないけれど、代わりにふあふあな胸とかあったかい人肌が
すごく安心させる。癒される。そしてなにより・・・

「こうやってると幸せだな〜って思うなぁ」
「そうですね」
「こうやってると癒されるなぁ」
「はい、落ち着きます」
「こうやってるとさぁ・・・」

目の前にある紺野の首筋にちぅってキスしたら
紺野がビクッと震えた。

「・・・あの・・・」
「こういうこと、したくならない?」
「・・・したくなったんですか?」
「なった。なんかバラ色になっちゃった。ならない?紺野は」

途端に真っ赤。アラ、バラ色。
すぐさま猫耳がピコっと下がって。
おっきな目が困ったように右向いたり左向いたり・・・
ついにはあたしの視線から隠れるように俯いた紺野が、小さな声で

 お願いします。

とか・・・。
そういう答え方はどこから習ってくるの紺野さん。
お願いされたら頑張るしかないじゃん。
660 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:13

「じゃあ、大好きなふあふあ猫耳にキス、うるうる目も、ぷくぷくホッペも大好きでキッス」

されるままに恥ずかしそうに、嬉しそうにキスされてた紺野が、
可笑しそうにフフッと笑った。

「む、何?なにか可笑しかった?」

ムッっとくちをへの字口にしたあたしに、紺野は慌てて違います違いますと首をふった。

「そういえば、ご主人様が好きと言うところは、私が好きじゃないところが多いなぁって、
 そう思ったら可笑しくなっちゃって」

そういうと、紺野はまた可笑しそうに笑った。
好きじゃない?どこが?
猫耳だって、おっきくってうるうるの目だって、柔らかそうなほっぺだって可愛いじゃん。
思わず眉間にしわがよってしまう。

紺野は紺野じゃん。そうであるから紺野でしょ?だからあたしは好きになったんだと思うけど。
ムーッって首を傾げたら、紺野がなだめるように あたしにキスをした。

「ええ、好きじゃなかったはずなのに、貴女に好きといわれたら、これでもいいかな?って・・・。」

だって、あんなに嫌だった『猫である』という事も、
猫であるがゆえに貴女の傍にいれるんだと、嬉しく思い始めてる私がいて・・・。
そう思えるくらいご主人様の事が大好きなんだと思ったら、今度はすごく嬉しくて。

そこまで言った紺野は、また、心底嬉しそうに微笑むと
もう一回あたしにキスをした。
661 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:14
めずらしい紺野からの唇キッス。今日はもうすでに二回目。
嬉しそうな紺野。嬉しそうな紺野のしっぽ・・・ピコピコしっぽ。

「紺野は、猫であるという事と、ペットで恋人であることが、今すごく、嬉しいです」

ぎゅーって抱きついてくる紺野。
視線を落としてみると、やっぱりピコピコ嬉しそうなしっぽ。

うん、紺野、あたしたちは特別な関係。
昼は『ペットと主人』
夜は『恋人』
すごくパンチが効いてて、インパクトがある。

現実はそんなに甘くないって分かってるけど、
幸せ目指してばく進するのもいいじゃない?
障害だって、視点を変えてみれば結構幸せな事なのかもしれないね。

紺野と一緒なら大丈夫。
うん、きっと大丈夫。
662 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:16

ピコピコ動く嬉しそうな尻尾をきゅっと握ったら、
艶っぽい声と共に紺野の身体がビクンと飛び上がった。

「ごしゅじんさま?」
「幸せの続き。しよっか」

覗き込んだ顔はまた、あっという間に真っ赤。
でも今度は潤んだ目があっちこっち行く事はなくて、
じっと見つめたままで、また
お願いしますってはにかんだ。

多分、あたしもつられてはにかんでたと思う。
これこそきっと恋するハニカミ。

ふたりでじゃれあう様にベットになだれ込んで、
お互いの好きな所にキスしあった。
意外な所が好きだと分かって、えぇ〜っなんでさ!?って大騒ぎしたりして。

でも、ほんとだ紺野。
好きな人に『好き』と言われると、嫌だった自分のところもなんだかちょっと嬉しくなるね。

体中にキスをしあって、じゃれあって笑いあった行為が
艶っぽい吐息に変わる頃、あたしはまた嬉しくなる。
663 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:17
人間と猫、
ご主人様とペット、
そんな関係の二人が恋人って…。
やっぱり、運命感じちゃうよね?

「ここまで濃い関係の恋人なんてそういないよ、紺野」

紺野の答えは返ってこなかったけど、それ以上の、すごく嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
その笑顔に満足して、甘えてキスをせがむと
さらに嬉しそうに微笑みながら、ほんのりと頬を染める。

ほら、綺麗な大きな瞳が更に潤んで…。

恋人になって、幸せな夜を何度も重ねて、紺野はまた『女』を魅せる。

綺麗になったね、色っぽくなった。
ごとーはすごくドキドキしてるよ。前より、もっと。

そう言ったあたしに
紺野は細く、小さく囁いて、そっと優しいキスをしてくれた。


 『全ては貴女の為に…』


うん、そうだね、きっとあたしも紺野の為に。
664 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:19
パンチの効いたあたしの恋人。
やっぱりキミはサンタクロースなんかメじゃない。


『恋人はサンタクロース』なんて歌があるけど
サンタクロースなんかよりずっとパンチ効いてる。

『ペットで恋人』なんて、相当インパクトあると思わない?


ねぇ、紺野?

『猫である』

それはきっと、あたし達にとっては幸せな事だと思うんだ。

665 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:20

*********
666 名前:cat2:15 投稿日:2006/08/25(金) 18:21

****『猫である』二部オワリ****
667 名前:ぴろ 投稿日:2006/08/25(金) 18:26
まったり更新の中、一部からお付き合い下さった方、
最初から読んでくださった方、レス下さった方ありがとうございました。
妄想小説として始めた作品でしたが、二部まで進めることが出来ました。
こんごまはこれからもイチオシとして、自分なりに続けていこうと思います。
本当にありがとうございましたっ。
668 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/25(金) 18:47
最終更新に限ってリアルタイムとか…。

本当に幸せな時間をありがとうございました。
これからもぴろさんの小説を読めますように。
669 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/08/26(土) 00:51
のぉぉおっぉぉぉぉぉぉ
第二部終わりですか…残念…
まぁ気まぐれにやって下さい
670 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/26(土) 00:58
第二部終わりですか…。寂しいなぁ…。
次があることを期待しつつ(笑)完結お疲れ様でした。
671 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/26(土) 01:23
通りすがりの読者ですけどこの作品好きです
672 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/26(土) 10:10
第三部や外伝(お豆や愛ちゃんやまこの話)も期待しています。
673 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/08/27(日) 01:17
二部完結お疲れ様でした
ごまこん甘々読んで幸せな気分になっちゃいました
どうか三部もごまこん甘々エロエロでおねがいします
674 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/27(日) 13:34
なんか三部があることになっちゃってるけどw
お好きになさって下さい

読んでて一番幸せになれる作品でした
ありがとうありがとう
675 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/28(月) 02:18
通りがかりの読者です

がんばってください

がんばります
676 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/31(木) 23:08
第二部完だから三部ももちろんありますよね!
でないと悲しすぎますよ。
677 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/06/30(土) 19:14
復活待ってます

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