一勝一敗

1 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 02:33
初めまして。桜 乙女と申します。
普段は別ジャンルで書いている者です。
みなさまの話を読んで、創作意欲をかき立てられました。

ストーリーとしてはリアルで、いしよしです。
では、よろしくお願いします。
2 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 02:36
「お疲れさまでした!」
「おつかれさまでしたぁ〜!」
 某局での早朝の生テレビ出演が終わって、娘。のメンバーはみなホッとした表情を
していた。スタジオを後にして、楽屋に向かいながらおしゃべりに花を咲かせている。
その中には娘。を卒業した後も他のユニットで参加していた石川の姿も見える。そこに
娘。リーダーの吉澤が声をかけてきた。

吉澤「ねぇ、梨華ちゃん。今日のスケジュールは空いている?」
石川「今日一日は大丈夫だよぉ〜。もしかして、フットサルの自主練習?いつでもユニやシューズは持ち歩いているからOKだよ。」
吉澤「いや…そうじゃなくって、サッカーを見に行かないかってこと。」
石川「でも、レッズは今日ホームだったっけ?」
3 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 02:39
 そんな会話をしているところに小川が大きな声で二人に近づいてきた。

小川「吉澤さん。これ、頼まれた物です。」
吉澤「サンキュ!麻琴助かったよ。」
そう言って、小川は吉澤に2枚のチケットを渡した。
小川「もう〜Jリーグでは一番手に入れにくいチケットなんですから、無理言わないでくださいよ。」
吉澤「わかったわかった。この埋め合わせは必ずするから。」
『高くつきますよ。』そう言い残して小川は二人に手を振って別れる。

吉澤「じゃ、着替えていこうか。」
石川「ちょっと待って。よっすぃ〜はレッズのユニフォームに着替えるんだよね。」
吉澤「そうだよ。」
石川「私、持っていないから。せめてガッタスのユニフォームでもいい?」
吉澤「それだけはやめてくれ。」
石川「それじゃ…コンコンもユニフォーム持っているって言っていたから。借りてこようか?」
吉澤「それもやめて…」
 石川の言葉に吉澤は苦笑いしていた。
4 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 02:41
すみません。今回はここまでにします。

娘。小説を書くのも初めてですし、
他の人に見せるのは初めてなので、イメージがめちゃくちゃになってないかすごく心配です。
5 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 13:49
 浦和レッドダイヤモンズの赤いユニフォームを着た吉澤と私服の石川は新幹線に乗り
込んで、ある都市に向かう。目的の駅に降りた二人は駅南側に出てくると、時計を見た。
吉澤「まだ時間はあるね。おもしろそうな施設が見えたから行って見ようよ!」

 二人が向かったのは屋根のあるフットサルコートだった。そこではすでに何人もが
プレーしている。

石川「こんな駅近くにコートがあるなんて…」
そうつぶやいて、横にいる吉澤の方を見ると、吉澤はすでに目を輝かせてコートの
ネットにしがみついてプレーを見ている。それを見た石川はふと笑みを浮かべると、
吉澤の横に並んで、プレーを真剣に見ていた。
 その会場では母体チームの試合があるためか、レディースチームと一般とのフットサル
のミニゲームの様子だった。
6 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 13:51
吉澤「やりたいなぁ〜」
石川「でも人数がいないでしょ。我慢、我慢。」

 急に後ろから肩をたたかれた二人は驚いて振り向くと、メロン記念日の斉藤瞳が
立っていた。

石川「あれ?ガッタスのユニを着てどうしたの?」
斉藤「違うって。よく見て。」

 石川に言われた斉藤はよく見えるように着ているユニフォームを引っ張って石川の
目の前に突きつけた。その横で吉澤が本気で頭を抱える。斉藤のユニフォームに書か
れている文字はフットサルコートにいるレディースチームと同じ…アルビレックス新潟の
ユニフォームだった。
7 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 13:52
石川「何でアルビレックスのユニを着ているの?」
斉藤「私もJリーグ見に来たの。まだ時間あったから試合の前にフットサル見に来たら…」

斉藤が振り向いたので、吉澤、石川共にその方向を見ると、フットサル会場での顔見知り
二人が笑顔で立っている。

吉澤「あれ?カレッツァの…」
斉藤「二人とも仕事で新潟に来ていたんだって、東京に帰る所だったんだけど、時間があるんで駅近くをうろうろしていたら、ここを見つけたって。」
吉澤「みんな好きだねぇ〜(笑)」
石川「人のこと言える?(爆)」
8 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 13:54
 その場にいた5人は思わず大笑いしてしまう。その騒ぎで会場の司会者が吉澤達に
気がついたようだ。

司会者「そこのレッズのユニを着た彼女たち、フットサルやるの?もしだったらアルビレックスレディースとやらない?」

 その呼びかけに5人はお互いの顔を見合わせる。言葉に出さなくてもみんな考えて
いることは同じだった。

吉澤「やっちゃおうか!幸い、バレていないようだし…」

 吉澤のいたずらっぽい言葉にその場にいたガッタスメンバーはもとより、カレッツァ
メンバーの河辺と小島も大きく頷く。
9 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/14(日) 14:01
今日はここまでにします。
うまくいけば、今晩もう一度アップできるかもしれません

最後まで書けていることは書けているので、後は3〜4回で一気にアップしたいと思っています。
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/14(日) 20:08
更新待ってま〜す!
11 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/15(月) 19:32
>>10
レスありがとうございます。
やっぱりすごくうれしいです。

あと、桃板のいしよし小説総合スレッドにこの「一勝一敗」を紹介してくださった方
ありがとうございます。

では、続き行きます。
12 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/15(月) 19:33
 コートに並ぶ5人、司会の横には吉澤が立っていた。

司会「では、チーム名を…」
吉澤「チーム名は『GC連合』です。普段は東京でライバルチーム同士ですが、今回
   特別にチームを組みました。」

司会はもちろん、アルビレックス新潟レディースのメンバーもまさかこの5人全員が
芸能界のフットサルプレーヤ…ガッタスとカレッツァのメンバーであることに気がついて
いないようだ。
周りを囲んでいる人々も娘。の吉澤と卒メンの石川に似ていると思っている人はいる
ようだが、まさか本人達とは予想もしていない様子である。
13 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/15(月) 19:34
 ビブスを借りたガッタスとカレッツァの臨時連合チームはいつも使っているナンバーの物を身につける。

吉澤「ポジションはどうする?」
河辺「私がゴレイロするわ。うちの小島とガッタスの二人で攻め込めばいい。幸いハンデで、向こうは一人
    少ないんだから…。」
石川「わかった。」
河辺「それと吉澤さん、キャプテンをお願い。」
吉澤「私が!いいの!!」

 驚く吉澤に河辺は笑顔で頷いて、キャプテンマークを渡した。
14 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/15(月) 19:36
 吉澤が一言、二言声をかけると、メンバーは頷いてコートに散る。試合開始、時間は
10分だった。吉澤のキックでゲームがスタートする。相手は一人少ないとは言え
サッカーLリーグチーム、なかなか攻め込めない。それでもボールを奪われて、
シュートされてしまったが、カレッツァのゴレイロである河辺が好セーブを見せる。
15 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/15(月) 19:37
 河辺はボールを投げると、小島がそれを受ける。それと同時に吉澤、石川が相手の
マークをはずして、空白に向かって走る。それに絶妙なタイミングでパスが飛んできた
ので、石川はそれを受け、ゴール目指してドリブルを開始する。それを見たアルビの選手
は石川の前に立ちふさがった。
16 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/15(月) 19:39
 石川はそれをチラリと見て、すぐにフリーの吉澤にパスをする。吉澤はそれを受け、
すぐに開いている空間に走っている石川にパスを返した。その目の前にはまだアルビの
選手がいた。

ところが石川は不思議な動きをして相手を置き去りにして突破する。そのままゴール!
石川に飛びついて喜ぶ吉澤。離れた所で両手を上げて大声を出している
チームメイト。驚いたのはアルビL選手だけではなく周りで試合を見ていた観客だった。

『おい、今のプレー見たか?』
『あの9番だろ?』
『あんな子がマルセイユ・ルーレットを使うなんて…』
17 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/15(月) 19:41
 喜んでいるGCのメンバーを横目にアルビLが集まっていた。それも真剣な表情だ。

「やられたわね。」
「実戦でルーレットを使うなんて、素人じゃないわ。」
「それ以外でも、あのパス回しはかなり練習していると思う。」
「この先は本気モードで行くわよ。」
「ハイキャプテン!」

 アルビLキャプテンの言葉に一同はコートに散らばった。先ほどとは変わった緊張感
漂う雰囲気にガッタス、カレッツァ共にごくりとつばを飲み込む。
18 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/15(月) 19:55
本日はここまでにします。
あと今回よりも少し大目の量のアップ2回で全部公開できそうです。

フットサルを実際に見たことない奴がフットサル物を書くなんて、
かなり無謀だったような気がする。   orz
19 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/16(火) 22:34
 アルビレディースボールでゲームは再スタートした。それと同時に全員がGCゴールに
向かって突っ込んで来た。

河辺「全員戻って!」

 河辺の声にガッタス・カレッツァ連合チームは急いでゴール前に戻り、それこそ身体を
張って波状に攻撃してくるアルビLを必死になって防いでいた。
20 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/16(火) 22:35
 どうにかしてボールを奪いたいのだが、いくら防いでも防いでもボールを奪うことは
できない。ゴレイロの河辺でさえシュートを全身で弾くのが精一杯なのだ。

数度目のシュートに横から飛び出した斉藤の肩に当たり、高く跳ね上がる。河辺はそれを
キャッチしようと飛び込んだ。それと同じタイミングでアルビLもボールめがけて突っ
込んできたが、間一髪で河辺がボールをがっちりキャッチし、亀のように丸まってボール
を守りきった。
21 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/16(火) 22:36
 河辺が立ち上がったと同時に小島、吉澤、石川の三人はアルビゴールに向かって走り
出していた。ボールは河辺から斉藤に…斉藤から小島にとボールが渡る。そして、小島は
一番近くにいた石川にパスを出し再び走り出す。石川はボールを受け取ると同時に吉澤と
小島の位置を確認したが、どちらにも厳しいマークが付いていた。しかもここからゴール
を狙うにも少し遠い。
22 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/16(火) 22:37
 ドリブルで攻め込む石川、それを阻止しようと石川にもマークが付く。しかも彼女は
先ほど抜かれた選手である。

「今度は抜かせない!」

 その時だった、石川が再び不思議な動きを見せた。それは何と先ほどとは逆回転の
マルセイユ・ルーレットであった。相手の数歩前に出た石川に、それを予測していたの
だろう…別の選手が石川を止めようと駆け寄ってくる。先ほどのターンで周りの状況を
確認することができたので、ノールックで吉澤にパスを出す。
23 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/16(火) 22:38
『私に二人がかりで来ていると言うことは…』

 石川の予測どおり、パスは吉澤に通った。吉澤ももうアイコンタクトなしでも石川
からのパスを確実に受ける。相手が戻ってくる寸前に小島にパスを回した。小島も心
得ていたため、ワンツーで素早く空間に駆け込んでいた吉澤にボールを戻した。

吉澤の前にはアルビLキャプテンがせまっている。両キャプテン同士の激突になるかと
思われたが、その寸前にゴール近くまでせまっていた吉澤はそのままシュートを放つ。

相手のゴレイロは難しいコースにも関わらず、パンチングでボールを弾いた。そこに小島が
攻め込み、角を狙ってシュートを放ったが、それもキャッチされてしまう。
24 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/16(火) 22:39
 それを見た三人は守りのために自ゴールまで戻ろうとした所でホイッスルが鳴った。
ゲーム終了である。それと同時にガッタス・カレッツア連合の5人は座り込んでしまった。
極度の緊張が解けたのと、疲労困憊だったのだ。それを暖かい笑みでアルビレックス新潟
レディースメンバーが出迎えた。
25 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/16(火) 22:41
「おめでとうございます。すごいゲームでしたね。」
「ありがとうございました。」

 コート中央に司会の人と並んで5人は勝利インタビューを受けていた。始めはキャプ
テンマークを付けていた吉澤にマイクが向けられる。

「あと数分あったら同点…逆転もされていたかもしれないですね。」
「それにしても『マルセイユ・ルーレット』しかも両回転のルーレットをここで見られ
 るとは思いませんでしたが、何て名前を付けたのですか?」
 今度は吉澤の隣にいる石川にマイクが向けられる。石川も笑顔でインタビューを受けた。

「あれは『チャンチャカ・ルーレット』と名付けました。」

 その場にいたガッタスメンは半分呆れた表情をし、カレッツアメンは苦笑いをし、
そして、観客は一斉にずっこけた。
26 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/16(火) 22:47
本日はここまでです。

読んでくださっている人がいらっしゃるか、非常に不安です
しかも、まずあり得ないようなむちゃくちゃなシーンばかりだし…
27 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/17(水) 05:55
『チャンチャカ・ルーレット』 ワロタ
28 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:34
>>27さんへ

ありがとうございます。
実は、この言葉をきっかけにして妄想…じゃなかった(笑)ストーリーが浮かびました。

ガッタスの公式HPを初めてみたときに、某チームと色の感じが似ている(GKも含めて)
とは思ったのですが、その時にはストーリーは浮かんで来ませんでした。
(そのチームのユニフォームレプリカはJ1昇格決定の時の物を持っています。)

ネット上でその言葉を見て、思いっ切り爆笑したのですが、それが全くわからず、その原型を調べ、
その大元の語源を知ったときに、改めて『あんたの場合は横須賀ルーレットじゃねえかよ!』(爆)
と突っ込んだのでした。

では続きです。
29 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:35
 勝利インタビューも終わったガッタス・カレッツア連合の5人はアルビレックスマス
コットのぬいぐるみを貰い、ビブスとカレッツアのメンバーが借りたシューズを返し、
コートを出ようとしたところで、司会者以外の人から小声で呼び止められる。

「あの…もしかして、モーニング娘。の方々ではないでしょうか?」

 驚いた吉澤と石川が振り向くと、そこには先ほど試合したアルビレックス新潟レディースの
キャプテンである片桐ひろみ選手が立っていた。吉澤、石川…そして娘。ではないが同じ
ハロプロの仲間である斉藤はどうしようかお互いに顔を見合わせたが、目を合わせた時、
考えは同じだったらしく、同時に無言で頷く。その後、カレッツアの河辺と小島に無言
のまま同意を求めると、二人も言いたいことがわかったらしく、大きくうなずいた。
30 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:35
 5人の意志を確認した吉澤はみんなを代表して、自分達の正体を明かした。それを
聞いた片桐は予想していたらしく、驚いた表情を見せず、笑顔のままだった。

片桐「芸能界でサッカー熱が高まって、モーニング娘。を中心にしてフットサルチーム
   ができていると言う話は聞いています。それで『ガッタス』や『カレッツア』等
   のチームをきっかけにして、女子のフットサルやサッカーをする人が増えてきて
   いると聞きました。みなさまに感謝します。」
31 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:36
 5人に感謝の意を示し、頭を下げる片桐にみんなは照れたまま、口々に礼を返す。

河辺「私たち、そろそろ新幹線の時間が近づいて来たので、これで失礼します。監督…
   社長にも見つかってしまったようだし…」

 河辺がいたずらっぽく、舌をチラリと見せて視線だけを向けた先には、髭の名物社長が
こちらに向かって大きく手を振っている。
32 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:37
吉澤「今日は本当に楽しかった。」
河辺「たまにはこんなメンバーでのプレーもいいかもしれない。」

 ガッタスとカレッツアのキャプテン同士ががっちりと握手を交わす。

吉澤「またコートで…」
河辺「そうですね。」
小島「今度は負けません。」
石川「それはこちらも同じです。」
斉藤「こちらも受けて立ちます。」
33 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:37
 河辺と小島は野田社長に連れられて、何度も手を振りつつ、アルビレックスのフット
サル会場を後にした。そんなとき、アルビレックスキャプテン、片桐の所にスタッフが
近づいて、何やら耳打ちをする。それを聞いた片桐は改めてガッタスのメンバー3人に
話しかけた。
34 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:38
片桐「みなさん、もうそろそろビッグスワンに行かないと試合に間に合いませんよ。」
吉澤「あっ!」
片桐「と言って、駅からのシャトルバスではばれたときには騒ぎになりそうですし…」
斉藤「歩いていくのもキビシイしなぁ〜。」
石川「タクシーで行く?」

 3人はそう話し合って、タクシーでビッグスワンに向かうことにした。それを聞いた
片桐はそばにいたスタッフに小声で話す。

片桐「今、タクシーを呼びますので…」
斉藤「え!そこまでしてくださらなくても…」
片桐「大会を盛り上げてくださったお礼です。」

 あわてて断ろうとしたが、片桐は笑顔のままだったので、3人は頭を下げて礼を言う
ことしかできなかった。
35 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:39
片桐「今度はガッタスとフットサルの正式な試合をしてみたいです。本当はサッカーの
   公式試合を望みたいのですが…」
吉澤「いやぁ〜私たちではサッカーフルコートでの試合は体力が持ちませんよ。」
片桐「いえいえ、あれだけ踊って歌ってなら充分に体力持ちますよ。」
石川「フットサルだけでもフル出場できる体力が足りないです…」

 その言葉と同時にネガティブモードになったらしく、どんよりとした重い空気が石川の
周りを覆ってしまう。
36 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:40
吉澤「梨華ちゃんは空回りしているから体力が持たないんだって…」

 ネガティブモード全開の石川に慰めにもならないような言葉をかけたので、片桐は
驚いて目がテンになっている。確かに石川の動きがプレーしていたメンバーの中でも
一番動き回っていたのは片桐も認めていた。
37 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:40
 その時、スタッフが片桐に話しかけてくる。どうやらタクシーが到着したらしい。

片桐「歌にフットサルにと忙しいでしょうけど、がんばってください。」
吉澤「ありがとうございます。Lリーグがんばってください。応援してます。」

 片桐は斉藤、石川に引き続き、吉澤とキャプテン同士の固い握手を交わした。
38 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:41
 会場に来ていた人にばれないように素早くタクシーに乗り込んだ3人はアルビレックス
Lの選手達の見送りを受けて、ビッグスワンに向かった。

石川「いやぁ〜面白かったね。」

石川の言葉にあとの二人も頷く。
39 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/17(水) 22:45
今回はここまでです。

あと残りは、ほぼ今回のアップ分よりも少し多いぐらいで終わりますので、
次回で全部上げます。
40 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/18(木) 22:35
 ビッグスワンまでは以外と近く、先ほどのフットサルの興奮が収まらないうちに、
タクシーはビッグスワンがそびえ立つ付近まで近づいていた。そして、タクシーは停車
場に止まり、3人はビックスワンに降り立った。

斉藤「じゃ、私はホームの方に行くから。お二人はアウエイの席でしょ?」

 そう言って、斉藤は二人に大きく手を振りながら、ホームの観客席がある入り口へと
向かった。吉澤と石川も斉藤に対し大きく手を振り替えしながら、アウエイ側の観客席
入り口へと歩いていく。
41 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/18(木) 22:35
石川「わぁ〜すごい!」
吉澤「オレンジと赤で綺麗だよぉ〜。でも、やっぱり赤が少ないね。」

 ビッグスワンの中に入った二人はいきなり開けたスタンドを見渡して、感嘆の声を
上げた。スタンドは満杯だったが、そのほとんどがオレンジ一色で、赤は1/3程度で
あった。

石川「それはしょうがないよ…アウエイだもん。」
吉澤「でも、応援のパワーじゃ負けないぜ!」

 吉澤の力強い言葉に石川もこっくりと頷く。そこにちょうどウエーブが流れてきた
ので、二人はその波の一部と化す。
42 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/18(木) 22:36
吉澤「やっぱ、ライブだよ!ライブ最高!ライブかっけぇ!」
石川「ねぇ、よっちゃん…」
吉澤「何?」

 まだ試合も始まっていないのに、周りの雰囲気だけで興奮している吉澤に石川が
真面目な表情で話しかけてきたので、吉澤も真剣な表情で石川の目を見つめた。
43 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/18(木) 22:37
石川「いつか、このビッグスワンでコンサートやりたいね。」
吉澤「いいねぇ〜。でも、梨華ちゃんと一緒にやるならハローじゃないとダメだね。」
石川「『モーニング娘。with美勇伝』って、どう?(笑)」
吉澤「それならやれそうだ。(爆)」

 二人とも顔を見合わせていたが、思わず爆笑してしまった。

吉澤「でも、いつか絶対に一緒にやりたいね。その時には私…娘。を卒業した後かも
    しれないけど、その時にはハローかゲスト扱いで…」

 吉澤の想いに石川も同意するようにこっくりと深く頷いた。その時アルビレックス、
レッズ共に選手がフィールドに入場してきた。
44 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/18(木) 22:38
  試合は両チームとも接戦で白熱し、前半にレッズに先制のゴールが決まり、試合を
見ていた吉澤も大喜びで周りのサポーター達と大喜びしていた。
45 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/18(木) 22:39
 試合が終了し、吉澤と石川はビッグスワンを離れ、町中にある信濃川のそばにある
やすらぎ提に来ていた。新幹線はサポーターが一杯で少し遅らすことにしたのだ。

石川「今日の試合残念だったね。せっかく先制点取れたのに、逆転されるなんて…」
吉澤「後半で2点も取られるとは思っていなかったからなぁ〜」

そう、アルビレックスvsレッズは結局2−1と逆転されてしまったのだ。しばらく黙って
いた二人だったが、吉澤がぼそりと呟く。

吉澤「でも…うちらがフットサルとは言え、アルビレックス新潟レディースを破ったから、
    ある意味『一勝一敗』だね。」
石川「よっちゃん、それは強引すぎるってばぁ〜。」

 まったく予想外のつぶやきに石川は思わず何度も吉澤をぺちぺち叩きながら爆笑して
いた。叩かれながらも吉澤もまんざらではなさそうだ。
46 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/18(木) 22:40
 時刻はちょうど夕方、周りは夕焼けで赤くなっている。

石川「わぁ!スゴイ綺麗!」
吉澤「すごいね。」

 二人は河口方向の、夕焼けと萬代橋のライトアップに目を奪われていた。しばらく
そうして見つめていたが、ふと吉澤が横にいる石川の肩に右手を置く。それに気が付いた
石川はチラリと吉澤の横顔を微笑みながら見つめ、そっと左腕を吉澤の腰に回した。
そして、徐々に変わっていく風景を静かに見つめていた。

                         一勝一敗、終
47 名前:一勝一敗おまけ 投稿日:2005/08/18(木) 22:41
 同じ頃、東京のとあるファミレスにて、小川と紺野が食事をしていた。

小川「ねぇ、こんなネタどう?」
紺野「面白くないです。」

 小川はハローモーニングのコントで使えそうなネタを紺野に見てもらい、その感想を
聞いていたのだった。
48 名前:一勝一敗おまけ 投稿日:2005/08/18(木) 22:42
小川「じゃ…これは?『こんばんわ、俵俊彦です。ハハハハハハハ…馬鹿だね。』」
紺野「却下、そのネタわかるの中澤さんだけだと思います。」

  次から次へと暖めていたネタを披露したが、紺野に却下され、最後のこれぞと言う
ネタまでダメ出しされた小川はへこんでいた。
49 名前:一勝一敗おまけ 投稿日:2005/08/18(木) 22:43
小川「あぁ〜今頃吉澤さんと石川さんは新潟でデートしているんだろうなぁ。ハァ〜。」

 小川は大きくため息を付きながら、さらに落ち込んだ。

紺野「でも、麻琴ちゃんがチケット手配したんでしょ?二人とも感謝していると思いますよ。」
小川「お土産買ってきてくれるかなぁ?」
紺野「新潟っておいしい物が多いんですよね?二人ともきっと買ってきてくれますよ。」
小川「そうしたら、あさ美ちゃんにもわけてあげるからね。」

紺野の言葉に小川も凹みからとりあえず復活し、二人は顔を近づけて、笑顔を見せた。
50 名前:一勝一敗おまけ 投稿日:2005/08/18(木) 22:44
 二人の期待にも関わらず、吉澤・石川の二人はすっかり小川へのお土産のことも忘れて
いた。それに気が付いたのは東京駅に着いたときだったため、仕方なくフットサルで
貰ったマスコット『アルビちゃん』を小川に買ったとして渡したのだった。

                                  おまけ 終わり
51 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/18(木) 22:47
これで『一勝一敗』は終了です。

実際には書いたけど、あまりくどくなりそうな部分があったのでばっさりとカットしたシーンもあります
(麻琴がJリーグ1取りにくいチケットと言った理由>アルビ、レッズ共に観客動員数を誇るチーム同士)
おまけに実際のサッカーの試合までも…(苦笑)

遅ればせながら…ガッタス お台場カップ予選ブロック突破おめでとう!!
本当は実際に試合を見て書きたかった…
フットサルを見たことない人間がネットとSals3だけではちょっと厳しかったです。
でも、お台場は遠すぎます。

現在、これの続編に近い物を書いています。
でも、いしよしではありません>ごめんなさい
ただし、いしよしの息のあったプレーはあります。

メインはガッタスメンバー&娘。です。
内容的には
 小春がんばれ!!麻琴がんばる!…かな?(と、ファイトだボス!)
 あるイベントと、その楽屋裏のような話が2つの予定です。
 これからそのイベント用にセットリストを考えねば…

題名は『オレンジダービー(仮)』と『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL(仮)』
本当は、今月26日には書き上げてアップしたかったのですが…
(8月26日には『なでしこジャパン』vs『アルビレックス新潟レディース』との慈善試合が
ビックスワンで行われます。>見に行けないけど…)
できることなら、10月の終わりまでには書き上げたいです

最後に…
読んでくださった方、レスをくださった方、桃板の『いしよし小説総合スレッド』や
案内板の『名作集 小説 新作速報スレッド』にこの話を紹介してくださった方、
ありがとうございました。
みなさまへ感謝を込めて…
52 名前:桜 乙女 投稿日:2005/08/20(土) 13:03
最後の最後で大ボケをしてしまいました。

案内板の『連載終了速報スレッド』にて、終了の挨拶をしようと思ったら、
NGワードがあったらしく、どうしても書き込めず、
何度もチャレンジしているうちに名無しで上げてしまった…
おまけにsage忘れ…

凹み
53 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 04:01
突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
54 名前:桜 乙女 投稿日:2005/12/16(金) 22:09
>>53
その企画のことは該当スレを見ていましたので知っていました。
それで、この作品と同じ板のもう一つの話が上がっていたのを知りました。
書き手と共に1読者でもありますので、名無しで投票に行くかもしれません。

書き手として、一番恐れていることが一つ、
どちらの作品にも全く投票が入らなかったら、どうしよう(w)

読んでくださっている方々へ
お約束しております話しですが、『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL(仮)』 に統一して書いております。
ある日時に公開したいと必死になって書いておりますが、さて、果たして間に合うのだろうか…

まさか新潟の十日町(十日町雪祭り)に前田さん、松浦さんとWと言うハロメンが来ることになるとは思いませんでした。
是非盛り上がって欲しいです。
55 名前:桜 乙女 投稿日:2005/12/16(金) 22:14
1つ書き忘れしました。

>>53
かなり大きな企画になりそうですね。
大変だと思いますが、応援しております。
56 名前:桜 乙女 投稿日:2006/02/09(木) 23:25
すでにこの話自体は終わっているのですが、生存報告と共にもう一つ、
以前、ここで書きましたこの話も繋がっている新作、まだ書き上がっていませんが、
とりあえず、『新潟県中越大震災』の復興の祈りも込めた
今週末の『南魚沼市雪まつり』、来週の『十日町雪まつり』になぞらえて、
題名だけでも2/11に、本格スタートを『十日町雪まつりフェスティバル』がある18日中にアップしはじめようと
思っております。

題名は『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』
読んでくださる方がいらっしゃるかわかりませんが、とにかくゆっくりでも最後までアップして行く予定です。

無事に両雪祭りが行われ、盛り上がりますように…
 ちょっと1つだけ心配な情報が…あいぼん(涙)
57 名前:桜 乙女 投稿日:2006/02/13(月) 17:45
無事に『南魚沼市雪祭り』も終わったので、この話の続きにもなります『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』を同じこの金版にアップしました。
とりあえずオープニングだけですが、今週末の十日町雪祭りに合わせて2/17(金)に次回分をアップします。

『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』 ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/gold/1139628213

もしでしたら、読んでくださいませ。

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