Me to
- 1 名前:渋彦 投稿日:2005/10/24(月) 23:16
-
「いらっしゃいませーいらっしゃいませ!ジュースにカキ氷、ヤキソバにラーメン
なんでもあるよー」
- 2 名前:渋彦 投稿日:2005/10/24(月) 23:17
-
亀井絵里16歳、高校2年生。今は楽しい夏休みのはずなんだけど・・・
なぜか汗だくになりながらこんなところで声を張り上げているわけで。
「はぁ、なんでこんな事になっちゃったんだろぉ。絵里絶対騙されてるよ」
ここは一応海の家。なんていうか昔ながら?の海の家。
古い木の柱に板の間、更にゴザみたいな感じでいくつかのテーブルが並べてあるだけ。
だけど周りには真新しい海の家が何軒も建っていて、オシャレなカフェ?と思えるような
トコまである。かなり忙しそうだね。
当然のようにウチにお客さんはいない。いるのは絵里とオーナー兼コックのおじいちゃん。
おじいちゃんは絵里のお母さんのお父さん、だから血の繋がった実のおじいちゃんなんだよ。
- 3 名前:渋彦 投稿日:2005/10/24(月) 23:18
-
「いらっしゃいませーいらっしゃいませ!ジュースにカキ氷、ヤキソバにラー・・」
「亀井?」
「えっ?」
突然後から名前を呼ばれた。誰?
「吉澤せんせー!!!?」
「おお、やっぱ亀ちゃんだー」
「な、何してるんですか!こんなトコで!」
「ん?夏を見送りに、そして秋を迎えに来たのさ」
「へ?」
「いやいや冗談だから、じょーだんだよ。それがさ友達と一緒に遊びに来たのはいいんだけど、
さっきナンパされてねぇ〜んで、それぞれ別行動になったワケよ」
「はぁ」
「ところが全く話が噛み合わないでやんの!だから抜けてきちゃった」
ふへへへへといたずらっ子のように首を竦めながら笑ってるこの人。
吉澤ひとみ20歳、大学3年生。絵里の通ってる高校の特別講師―
- 4 名前:渋彦 投稿日:2005/10/24(月) 23:19
-
「亀ちゃん、炭酸ある?炭酸。キンキンに冷えたやつ」
「ああ、はい。ちょっと待って下さいね」
吉澤せんせーにはギャップがある。黙っていればとっても綺麗な女の人。だけど喋りだせば
「冷えてねぇ炭酸と牛乳は飲みもんじゃねーよなぁ」
・・・・・オヤジだ。
「せんせーラムネでいいですか?」
「うん、全然オーケー」
ポンッ
なんであんなに簡単にビー玉落とせるんだろ?
絵里はいっつもドキドキしながら恐る恐る栓を押すんだけど、必ずこぼれてしまう。
せんせーはなんでもないみたいに開けて、しっかり腰に手を当てながらぐびぐびと流し込んでる。
「ぷはっ!いやー生き返る。ん?飲むか?」
目の前に差し出された水色の瓶。あ、また見つめちゃった。
いつもガキさんに言われてる。亀は人のこと見過ぎだから!なんて。
「いえっそんなんじゃなくて、いらないです」
「そうかぁ?じゃ全部飲んじゃうよ?」
「はい、どうぞ」
- 5 名前:渋彦 投稿日:2005/10/24(月) 23:20
-
残りをやっぱり腰に手の状態で一気に飲み干したあとは、くはっーとこれまたお約束の声。
「やべっそろそろ戻んないと」
「ああ友達ですか」
「そ、さすがにいつまでも放っておく訳にはいかんでしょ」
「そうですね」
「そうですよ。という事でまたね!」
とか言いながらも慌てる様子も無く悠々と歩いてく吉澤せんせー。
本当の事言うと絵里はちょっとせんせーの事が好き。
どうかな?好きっていうのとは違うのかな?憧れ?よく分かんない。
- 6 名前:渋彦 投稿日:2005/10/24(月) 23:21
-
つづく
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/25(火) 23:00
- よっすぃ〜大好き☆ガムバッテください!!
- 8 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:16
-
「かーめちゃん!ラムネちょーだい!」
- 9 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:17
-
次の日またせんせーは来た。
- 10 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:17
-
ポンッ
今日も綺麗に落ちる音
- 11 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:18
-
「いいんですか?友達放っておいて」
「いいんだよ、あれは。まったくさぁ信じらんねぇよ」
「どうしたんですか」
「聞いてくれる?あいつさ昨日ナンパしてきたヤツと付き合うとか言い出してさ。今日もそいつと
遊ぶから”よっちゃんは1人で淋しく遊んでな”だと」
「ははは・・・」
- 12 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:19
-
「ところで亀ちゃん、夜はどうすんの?」
「夜?どうする?」
「そ、誰かと約束してんのかなぁと思ってさ」
ああ、そうだった。今夜は花火大会があったんだ。
そんなに規模は大きく無いけど、海上に打ち上げられるから水面に映る様子が綺麗だという事で
割と人が集まるんだよね。
「いえ、全然。花火やるの今まで忘れてたくらいですから・・・・・」
「んじゃさ、よしざーと一緒に見るってのはダメ?」
「えっ、いいんですか?」
「うん、亀ちゃんさえ良ければ」
「行きます!行きたいです!行かせてください!」
「よし決まり。じゃあ7時半に迎えに来るよ」
「はい!」
- 13 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:20
-
。。。。。
- 14 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:21
-
「ああぁぁぁどうしよぉ、なに着ていけばいいのよぉ」
こんなことになるならもっとカワイイ洋服持って来るんだった。
どうせバイトするだけだと思ってたから普段着しか持ってきてないよ。
そんな中から選んだのは、なんてことのない真っ白のノースリーブワンピース。
だって他にあるのは首元のよれたTシャツや大きなプリントがあるタンクトップ・・・
ものすごく子供っぽいのしかなくて、これ以外選びようが無いじゃない。
「もうこんな時間になっちゃった!急がなきゃ」
急いで戸締りをして待ち合わせ場所、海の家へ向かう。
- 15 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:22
-
かなり早足で歩いて疲れちゃった。
なのに、もうせんせーはそこに居た。
「よう、亀ちゃん」
!!!!!!
やばいよ、かっこいいよ!
ゆるめのデニムに黒のタンクトップ。それだけなのにスゴクかっこいい。
ドキドキしてきちゃったよ。
「・・・い、亀ちゃーん。おーい、どうしたぁ?」
いけない、またやっちゃった。
「いえ、大丈夫です」
「な〜にが大丈夫なんだよぉー」
そう言ってまた子供みたいに笑う。そのまま自然に肩を抱かれた。
「!?」
「ん?ほな行こかー」
- 16 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:23
-
すごい・・・体全部が心臓になったみたい。ドクドク音が聞こえてきそうなほど。
「いやね、なんか待ちきれなくてさ。海に花火が上がるってどんな感じなんだろうね?
話でしかし知らないから、すげぇ楽しみにしてきたんだよ」
なんでそんなに普通に話せるんですか?
「なのにアイツ、花火そっちのけで新しい出会いに夢中になってるし」
絵里の体はもう壊れてしまいそうなのに。
- 17 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:25
-
つづく
- 18 名前:渋彦 投稿日:2005/10/26(水) 19:25
- >>7
ども、ガムバリマス
- 19 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/26(水) 20:00
- 亀吉発見。
おもしろそう。
- 20 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/29(土) 18:37
- なんか読みながらニヤニヤしてしまう。。。
- 21 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:08
-
「おお、見える見える。結構距離あるね」
- 22 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:08
-
誰もいない砂浜。
岩場を挟んだ少し離れた浜には花火見物の人たちが集まってるのだろう、明かりの中たくさんの
人影が見える。
ここにはせんせーと絵里、2人だけしかいない世界。そんな風に感じてしまう。
だから余計に聞こえてくる。
―ドクドク、ドクドク―大きな音がする。
もうダメ、これ以上になればせんせーにも聞こえちゃうよ。
「せんせ」
「なんだい?亀ちゃん」
「手」
「て?」
「手どうにかしてください」
「おうっ!これはこれは申し訳ない。いつもの癖で」
- 23 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:09
-
いつもの癖。
そうだった。吉澤せんせーには誰かの肩を抱く事なんて当たり前、日常茶飯事。
学校ではよく見る光景。いろんな生徒の肩に手をまわして耳元で話しかけたりしてる。
またやってるよ。なんて呆れたように思いながら、羨ましかったのも事実。
だけど今の絵里には当たり前なんかじゃない、もう前までの絵里じゃない。
みんなみたいにされたくなんてない、もうみんなと同じようになりたいとは思わない。
せんせー、絵里はせんせーの特別な人になりたい。
だって、せんせーは絵里の特別な人だから。
だって、気づいちゃったんだから。
せんせー、絵里はせんせーのこと好きなんだよ。
- 24 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:10
-
「ごめんね、亀ちゃんこういうの嫌なのか」
「いえ、嫌じゃないですけど・・・あの少しお話しませんか?」
「いいよ。まだ時間あるし」
「せんせ」
「ん?」
「せんせー恋人はいますか?」
「あはっ、いないよ〜いたら女2人でこんなトコ来ないから」
「それじゃあ、好きな人は?」
「なんだそれ?ひょっとして恋の相談か?よしざーそういうの意外と得意じゃなかったりするんだけど」
「・・・・・」
「でもまぁ話を聞くくらいは出来るから言いたいこと言っていいよ」
「・・絵里のことどう思いますか?」
「そうだなぁ、初めて見たときは大人しそうな子だと思ったな。だけどガキさんやシゲさんなんかと
話してるトコ見たら全然違ってて、すげぇ楽しそうに話してるし、よく笑うし、カワイイなって。
なのに昨日会ったときは、でっかい麦わら被って首に手ぬぐいだろ?これが妙に似合っててさ、
オモシロイ子だなって思ったら思わず声掛けてた」
「・・・・・・・」
- 25 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:10
-
「今度はよしざーから質問。亀ちゃんは、なんであそこで働いてんの?他にもいっぱい店あるのに」
「あそこは、絵里のおじいちゃんのお店だから」
「へーおじいちゃんの店なんだ。あ、中にいた人?」
「はい。でも来たのは今年が初めてで」
「そうなの?」
「お母さんとおじいちゃんずっと仲悪かったらしくて、今年のお正月にようやく仲直りして」
「そうなんだ、良かったね」
声には出さず頷いた。というより出せなかった。
自分でも訳が分からなくなってきて、どうしたいとか何が言いたいとか。もう考えられない。
ただ泣きたい。そんな気持ちだけがはっきりと分かった。
せんせーが絵里を見ててくれた事、カワイイて言ってくれた事、そんな事が単純に嬉しかったのかもしれない。
それとも絵里の気持ちを言えなかったから?
- 26 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:11
-
「さてと、そろそろ行こうか。始まっちゃうよ」
―コクン―
やっぱり頷くしかできなかった。
声をかけられて、反射的に見てしまったせんせーの顔がすごく優しく微笑んでたから。
今度は泣きたいとかじゃなくて、そんな風に見つめられるのがただ恥ずかしくて。
それからは会話することもなく黙って歩いてただけなんだけど、さっきまでの苦しさは無くて。
こうやってせんせーと並んで歩いてるだけで特別なんじゃないかと思えたから。
―ああ絵里今すっごい幸せかも―
- 27 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:12
-
段々と会場に近づいてくると、かなりの人だかりが見える。
「亀ちゃん、て」
「て?」
目の前に差し出されたせんせーの手。
どういうこと?
「繋ご」
「???・・!・えええええええええ〜」
「なんでそんなに驚くんだよ」
「だって、だって。いきなりそんなこと言うから!」
「なぁに照れてんだよ、こんだけ人がいたらはぐれちゃうかもしんないでしょ。よしざーが迷子になったら
どう責任とってくれんのよ?」
「そんなこと言われても・・・」
「いいじゃん!もう」
結局繋がれてしまった。しかも指と指が絡み合う状態で。
これじゃまるで恋人みたい。
- 28 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:13
-
花火を見てる間もずっと手は繋がれたままで、今もこうして離れずに歩いてる。
せんせーは打ち上がるたびに、うぉーとかかっけーとかよく分かんない声を発して楽しんでた。
絵里はそんなせんせーを見てるのが楽しかったよ。
でも、それももう終わりそう。
「亀ちゃんの家って浜から近いんだね」
「すいません、送ってもらって」
「いやいや、大事な亀ちゃんを夜道1人で帰すなんてこと出来ないよ」
「あは、せんせーカッコつけすぎ」
「惚れちゃった?」
「・・うん」
「そいつは良かった、これで遠慮なく亀ちゃんに触れる!」
絵里何気に告白しちゃってるし、せんせーは冗談としか思ってないみたいだけど・・・
- 29 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:13
-
ぐぅぅぅ〜
何?今の音?もしかして!?
- 30 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:14
-
「あーあ、ついに鳴っちゃった。我慢してたのに」
「せんせーお腹空いてるんですか?」
「うん。なんかようやく花火見られると思ったら興奮しちゃってさ、食べるの忘れてた」
恥ずかしいなぁ、なんて言いながらお腹を押さえてる。
そのせいで繋がれてた手も自然に離れてしまう。
途端に淋しい気持ちが溢れて、離れたくない。そう思ったら―
「せんせ。中、入りませんか?」
自分でも思いがけない言葉を口にしていた。
- 31 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:14
-
つづく
- 32 名前:渋彦 投稿日:2005/10/30(日) 18:16
-
>>19
見つけてくれてありがとう
>>20
ニヤニヤは亀吉の特権です
- 33 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/31(月) 00:28
- よしかめハケーン(*´∀`)
先生と生徒という設定もまた(・∀・)ニヤニヤ
- 34 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/31(月) 23:43
- 更新乙です
なうっ!いいとこでおあづけですかっ!?w
- 35 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:24
-
「!?な、なに言ってんの亀ちゃん!よしざー軽そうに見えるかもしれないけど、
意外とそういうのは段階を踏んでゆっくりと・・・」
- 36 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:24
-
「い、いえ、そうじゃなくて。ご飯、食べていきませんか?」
「・・・そうか、そうだよね!何勘違いしてんだよ、って感じだよね・・・」
なんだか顔が赤くなってるような気がするなぁ、かわいいなんて思っちゃう。
そう勘違いでも無いんだけどね・・・せんせ。
「せっかくだけど遠慮しとく。こんな時間だし、お家の方にも迷惑だろうし。
あ〜でもよしざーから挨拶とかした方がいいのかな?夜に連れ出しちゃったもんな」
「どうします?」
「ん〜うん、行く!」
「良かった。それじゃどうぞ」
家の中に入っていくと、不思議なほど気持ちが落ち着いてくる。
せんせーはリビングのソファに座ってもらい、絵里はキッチンへ。
「あのさぁ亀ちゃん」
リビングとキッチンの間にあるカウンターから顔を覗かせたせんせーが、気を使っているのか
小さな声で話しかけてきた。
- 37 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:25
-
「はい?」
「ご両親やおじいさまは?もう寝ちゃったのかな」
「気になりますか?」
「気になるというか、一応ちゃんと挨拶しとこうかなと思ってさ」
「大丈夫ですよ」
「いや、でもさ」
「平気です。両親もおじいちゃんもいませんから」
「はい?」
「3人とも今日は親戚の家に泊まるって言ってましたから、久し振りにみんな集まるとか」
「そうなんだ・・」
「はい。だから安心してください」
「安心て、亀ちゃん・・・」
「すぐ持っていきますから、せんせーは座っててください」
「・・うん」
いつになく強気になっている自分がおかしい、どこかで今しかないと感じてるからかな。
- 38 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:25
-
「どうぞ、簡単なモノしか無いですけど」
「そんなことないよ、すげぇ美味そう!」
それからしばらくは食事をしながらバイトの話や学校の話なんかをして楽しく過ごした。
本当に楽しかったから、不意に会話が途切れてしまうと凄く悲しくなってくる。
この時間が永遠には続かないことを感じてしまうから。
せんせーは、ん〜と両手をバンザイして伸びてる。眠たいのかな?
「さてと、そろそろ帰るかな」
「え?」
「もう遅いし、亀ちゃんはオヤスミの時間ですよ」
「・・・子供扱いしないで」
「ん?」
「私はそんな子供じゃない!」
「あ・・ごめん。そんなつもりじゃ無かったんだ・・・ごめん」
「・・・・・・・・・・せんせ」
「ん、何?」
!!!!?
「ん、んっ・・・・・ちょ、ちょ亀ちゃん何すんだよ!?」
「絵里のこと嫌いですか?」
「好きとか嫌いとかじゃなくてさ!いきなりこんな・・キスとかしちゃダメだよ」
「好きですか?嫌いですか?」
「・・いや・・・どちらかと言えば好き・・かな」
「じゃあ絵里を大人にして下さい」
- 39 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:26
-
「な、何言ってんの!そんな事簡単に言うんもんじゃないよ」
「簡単なんかじゃない。せんせーだから、せんせーしかいないから・・・」
「・・亀ちゃん」
「・・・見てるだけでドキドキして、側にいるだけで楽しくて、こんなのおかしいんじゃないか!
て思うけど・・自分じゃどうしようもなくて・・・それなのに」
「・・ごめん」
「あやまらないで!」
思い切り抱きついた。
せんせーはバランスを崩したみたいで、ソファーに倒れこんでしまう。
絵里は上に乗っかるようにしてせんせーの肩に顔を埋め込む。
「・・・・・亀ちゃん、本気?」
せんせーの声がすぐ近くから聞こえる。
一気に身体が緊張してしまって、もう頷くことしか出来なかった。
「・・・分かった。嫌だと思ったら言ってくれて構わないからね」
- 40 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:26
-
頬に手が触れた。そっと顔を上げれば、唇が重なる――――
まるで啄ばむように掠める唇、舌が滑り込んでくると途端に激しく絡めあう。
初めての経験。上手く出来てるかなんて分からない。
ただ思う。もっと、もっとせんせーが欲しい。
だから、夢中で絡みつく。
いつの間にか体勢が変わっていた。
せんせーの向こうに眩しい光が見える。
急に舌が行き場を失い唇が寒さを訴え、探し始める。
耳元を掠める。再び啄ばみ始めた唇、合間に温かな湿りを帯びた舌が這う。
丹念にゆっくりと辺りを動き回っているみたい。
「ん・・ぅん・・ん・・」
依然唇と舌は求め続ける。
ふと何かが触れた。逃すまいと咥え込み、絡め取る。
――― 指? ――――
構わない。それがせんせーの一部であることに変わりはない。
だから、夢中で絡みつく。
- 41 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:27
-
絵里」
私?呼ばれた?
「背中上げて」
うっすら目を開けるとせんせーがいた。
首に腕をまわして抱きしめる。
ファスナーが下ろされ、掌が背中を撫で付ける感覚。
同時に胸を締めていたものが緩む。
そのまま脱がされ上半身があらわになると、ゆっくり寝かされ全てが足元へ抜けた。
恥ずかしいのか、緊張しているのか、分からない。
動くことが出来ずに、横たわるだけ。
せんせーはじっと絵里を見てる。
体中を観察しているみたいに。
- 42 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:27
-
どのくらいそうしていたのか、ようやく腕が動いた。
「・・んっぅ!」
綺麗な指の先が触れた。
お腹から胸へ、そっと肌の上を滑るように触れるだけ。
それだけなのに身体がビクッビクッと震えてしまう。
指の跡を追うように唇が這っていく。
凄く変な感じ・・・お腹がギュッてなる。
優しくされてるのは嬉しい。
でも、もっと強くされたい。
「・・・せんせ・・・・・」
「ん?」
「なんか、お腹が変な感じ・・」
「お腹?どの辺?」
心配そうの顔を上げたせんせーの身体が離れて少し寒い。
「・・この辺」
おへその下あたりに手を置いた。
そしたらせんせーは安心したみたいに笑って。
- 43 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:27
-
「そっか・・絵里、ここはどんな場所か知ってる?」
「どんな場所?」
「うん、ここはね女の子にとって大事な所なんだよ」
「・・・大事なトコロ」
「ギュッてなるのはね、体が好きだよ〜って叫んでるから」
「好き?何を?」
「その時に自分が想ってる人のこと」
「絵里の体が好きだよって・・・」
「そう、だからこれは自分にとっても相手にとっても大事なことなんだよ」
「絵里の体が・・せんせーのこと好きだよって叫んでる」
「・・・ありがとう。嬉しいよ」
そう言ってキスをくれた。
舌を絡ませると体の叫びが大きくなっていくのが分かる。
- 44 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:28
-
こういうのを意識が朦朧とするっていうのかな?
服を脱ぎ捨ててしまったせんせーの身体はすごく綺麗で、絵里を包み込む肌が気持ち良くて、
何をどんなふうにされてるかも全部分かるんだけど―――
音がね、無くなっていくの。
せんせーのくれる音しか聞こえなくなっていく。
- 45 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:29
-
「・・・・・・!!!っん・・んん・・・」
「・・苦しかったら声出して、そうすれば少し楽になるから」
「・・・うん・・・・!ああぁぁぁ・・・んんんっ・・はっぁ・・・ぅん」
「絵里」
「・・・せんせぇ・・っんん・・ぁん!」
「絵里・・絵里・・・」
絵里、絵里、絵里・・・・何度も呼ぶ声が聞こえた。
「・・あああぁぁぁぁん!!!」
- 46 名前:渋彦 投稿日:2005/11/14(月) 02:31
- >>33
ニヤニヤしてくれてありがとう
>>34
おあずけするような代物でもないのですが・・・
すいません
- 47 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/11/14(月) 19:22
- 更新お疲れ様です。
積極的ですねぇ。
・・・・・ニヤニヤが止まりません。
- 48 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/11/17(木) 17:05
- 同じくニヤニヤが(ry
- 49 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 05:20
- 突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
- 50 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/08(日) 21:15
- エロいっす
- 51 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/01/14(土) 00:47
- 見つけちゃったよ。吉亀だあっ゚+.(*´∀`)゚+.゚
…続き期待!
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