10月23日

1 名前:桜 乙女 投稿日:2005/10/29(土) 14:17
麻琴メイン。リアルで非常にシリアスです。

本当なら以前に公開した作品の最後にお約束しました、別の話をアップする予定だったの
ですが、何故か非常に長文になってしまい、間に合わず。
(メインに持っていく途中の出来事なのに、何であんなに長くなるんだよ…orz)
そこで、完全にリンクするわけではありませんが、どうしても書きたい部分を短めにまとめてみました。

ただ、題名の日付にアップしたかったのですが、確認することがあってできませんでした。
麻琴のめでたい誕生日の日にこんなシリアスをとは思ったのですが、
このタイミングを逃したくなかったので…
2 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:19
 10月23日、今日は山口の周南市文化会館でのコンサート。初凱旋で落ち着かないのか、
はしゃぎ気味の道重がうろうろしている。

「もうあれから1年立つんだなぁ〜」
 ふとカレンダーを見た小川が誰にも聞こえないようにポツリと小声で呟く。
3 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:20
「麻琴ちゃん、どうしたの?」

 物思いに浸っていた小川に同期の仲間達が心配そうに声をかけてくる。

「ううん、何でもない…。今日も張り切っていこうね。」

みんなに心配させないように、笑顔で返した。どうやら誰も気が付いていない様子だ。
そりゃそうだ、気にしているのは自分一人に違いない。それならわざわざ言う必要もない
な…と、小川は心の中で思っていた。
4 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:21
 もうじき、コンサートも開演。私…小川麻琴は己に気合いを入れるため、頬をパンパン
と叩くと、コンサート寸前で集まっている仲間の元に向かった。
5 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:21

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6 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:22
「お疲れさまでした!」
「おつかれさまでしたぁ〜」

 コンサートも無事に終了し、私たちは舞台裏に戻ってくる。みんなホッとした表情
だったが、重さんだけがダブルアンコールのための準備をしていた。

観客席からは『さゆ』コールがここまで聞こえてくる。
7 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:23
「ちょっと時間は過ぎちゃったけど…」

 時計をチラリと見た私はみんなと離れ、舞台裏の角に一人向かうと、静かに目を閉じる。
気持ちだけでも『黙祷』のつもりだった。目を閉じていると、1年前のあの時を思い出す。
8 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:23


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9 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:24
 あれはちょうどモーニング娘。『The BEST of Japan 夏〜秋'04』ツアー中で、群馬
グリーンドーム前橋でのコンサート開演寸前のことだった。もうスタンバイしていた所、
背筋に何やら悪寒に近い物が走ったかと思うと、その直後、いきなり大きな揺れが来た。
あまりの揺れにあちらこちらから悲鳴に近い大声が上がる。
10 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:25
「みんな!気を付けて!」

リーダー飯田さんの声が聞こえ、全員手で頭を覆い、その場にしゃがみ込んだ。
その揺れはかなり長い時間続いた。
11 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:25
「大丈夫?」

 揺れが収まった後、お姉さんメンバーが年下メンバーに不安を取り除くため、声を掛
けていた。そのそばではスタッフが安全確認のために走り回っている。ステージの向こう
では開演を遅らすというアナウンスが流れていた。
12 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:27
「地震、大きかったね。」
「怖かった…。」
「もう大丈夫だよ。」

 みんながそう会話していたが、どうしても不安は取り除けなかった。胸騒ぎがして
どうしようもない。地震は何度か経験あるけど、こんなことは初めてだった。
13 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:27
「麻琴…大丈夫?」
「石川さん、大丈夫です。」

不安そうな表情に気が付いたのか、石川さんが心配そうに声を掛けてくれたが、そんな
胸騒ぎのことは言えず、何とか笑顔を作って答えた。
14 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:28
 全く情報がないまま、20分押しでコンサートが始まった。ところが、歌っている
途中にも同じぐらいの地震が何度も来たので、途中で中断し、一時撤収して、舞台裏に
戻ったりもしたが、結局普通よりも30分ほど押して、コンサートは無事に終了した。

まあ…途中のMCで『マグマが…』と言うのもあったけど。あれはあの時は全く状況が
わかっていなかったからしかたないか…。
15 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:29
「お疲れさまでした!」
「小川、ちょっとこっちに…」

 全員が舞台をはけ、裏に戻ってきたとき、携帯を手にしたスタッフに一人だけ呼ばれる。
コンサート中はできるだけ集中していたので、あの胸騒ぎのことを忘れていたが、再び
あのイヤな感じが戻ってきた。
16 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:29
「先ほどの地震だけど、震源地は新潟の川口町で、最大震度6強だそうだ。」

 その言葉に思わず頭の中が真っ白になる。
17 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:30
「先ほど実家の方にようやく連絡が取れた。」

 差し出された携帯を思わず奪うように手にすると、叫ぶように大声で話し始める。
18 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:31
「もしもし麻琴…うん、こっちは大丈夫。それよりそっちは?…アレは影響なかった?
 みんな無事でよかった…。」

 母親との会話に思わずホッとして、泣き出しそうになる。携帯をスタッフに返すと、
安堵感からその場にへたり込みそうになった。
19 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:32
 みんなは離れた所で見守ってくれたが、その場に座り込みそうになった時に
集まってくれて、心配そうな表情で声をかけてくれる。ただ、何があったのか説明は
聞いていないようだった。
20 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:32
「みんな、聞いてくれ。コンサートの寸前にあった地震だが、震源地は新潟中越で最大
 震度6強だそうだ。その後、何度もあった地震もほぼ同じ規模だった。」

 スタッフからの説明にメンバー全員の表情が変わり、一斉に私の顔を見る。
21 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:33
「たった今連絡が取れまして、家は無事でした。震源地とはある程度離れていたために
 大丈夫だったようです。ご心配おかけしました。」

私はメンバー、スタッフも含めた全員に感謝を込めて頭を下げる。
22 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:35
「それで、上越新幹線は脱線で全線運転見合わせ、在来線もダイヤは乱れたまま、関越道
 も速度規制がかかっている状況だ。最悪、車で東京まで帰ることになるかもしれない。
 今、情報を集めている状態なので、準備をして待っていてくれ。」

 私たちは楽屋に戻って、帰る準備をしていたが、みんな無言のままだった。その間も
小さな地震が何度か襲い、そのたびにみんなで不安に襲われる。特に私は座り込みたく
なりそうなのを何とかこらえていた。地震が収まるたび、自分達も怖いだろうに、みんなが
私を励ましてくれた。
23 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:35
 上越新幹線が全線運休となってしまったため、結局事務所が準備してくれたバスで
戻ることになった。本当は実家に帰りたかったのだが、明日も仕事があるし、どっちに
しても帰る手段がないことでみんなと一緒に東京に戻ることにした。
24 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:36
 バスの中ではみんな無言だ、関越道も制限速度規制がかかり、さらに新潟方面は通行止
と聞き、ますますどんよりした空気が周りをおおう。みんな私にどう接して良いか
戸惑っている様子である。

そう言う私も地震のことで頭が一杯で、そこまで頭が回らなかった。
何せ、親戚や地元の友人などあちらこちらに電話をしようとしたが、繋がらないのだ。
25 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:36
 その時、ようやく繋がったのか携帯で話していた吉澤さんが私に携帯を差し出す。
顔を伏せていた私が思わず顔を上げると、そこには吉澤さんと石川さんの笑顔があった。
26 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:37
「ひとちゃんから…麻琴にって。」
「ひとちゃんって、メロン記念日の斉藤さん?」

斉藤さんは同じ新潟県出身のはず…心配になった私は携帯を受け取ると、向こうから
声が聞こえてきた。
27 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:37
『麻琴ちゃん、そっちは大丈夫だった?』

「震度5強だったそうですが、実家の方は大丈夫だったようです。それより斉藤さんの
 方はどうでしたか?」

『家はまだ離れているからね。震度4ぐらいで済んだけらしいからやっぱりそっちの方が
 大きい揺れだったようね。』
28 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:38
 私と斉藤さんはお互いにわかっていることを報告し合っていた。それでもほとんど
わからないという事実がわかっただけである。
29 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:39
『ねえ、麻琴ちゃん…しばらくの間、情報を共有しない?わかったことをメールで交換
 してさ…私のメーアドはよっすぃ〜が知っているから…もちろん無理して集める必要
 はないからね。』

一人よりも二人の方が情報が集まりやすいし…と、考えて、私はその好意に甘え、同意した。
30 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:40
 斉藤さんとの話を終えた私はお礼を言って吉澤さんに携帯を返すと、斉藤さんの携帯の
メーアドと番号を教えて貰った。その代わり、私の携帯の番号とメーアドを斉藤さんに
教えてあげてくださいと、吉澤さんに伝える。吉澤さんはすぐにこちらのメーアドなど
を斉藤さんに送ったようで、私が送ったテスト用のメールと入れ違いに斉藤さんからの
メールが届く。それは短いながらも、こちらのことを心配している暖かい文章だった。
31 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:40
 それに比べ…私の送ったメールと言えば、本当にテストの短い文だけ。凹んだ私は
あわててもう少し長めのメールを書いて送ろうとしたが、今度はなかなか送ることが
できない。いらだっている私に、心配そうに集まってくれる同期やみんながすごく
優しくて暖かい…。
32 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:41


 本当はすごくうれしかったんだよ。でも、ごめんね。私へたれだからさ…言葉が出て
こないんだ。

33 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:42
 東京に戻ってきて、事務所の人に送ってもらったとき、愛ちゃんやあさ美ちゃん、里沙
ちゃんは『自分の家に泊まっていけば?』とか『麻琴の家に泊まろうか?』と言って
くれたし、吉澤さんや石川さんも心配して、同じことを言って誘ってくれた。でも、
あちらこちらに電話したかったので全て断って家に帰ってきた。
34 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:43
 家に帰ると、もう携帯もかかりやすくなってきたのか、メールがたくさん入っていた。
開けてみると、のんつぁんやあいぼん、中澤さんや保田さんや安倍さんや後藤さんと
言った元娘。の先輩方やハローの仲間からたくさんメールが入っていた。もちろん、
さっき別れたばっかりのメンバーからも同期を始めとして、リーダーなどのお姉さん
たちや、下である6期からも届いていた。一人だったせいもあるけど…我慢しきれずに
携帯を抱えて泣き出してしまった。
35 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:43


これほど『モーニング娘。』と言うグループの絆の強さを感じたことは無かった。

36 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:44
 それからTVを付け、地震の特別報道を見ながら、家や親戚…それに地元の友人に
連絡を取ろうと、必死になって電話しようとしたが、まったくと言っていいほど繋がら
ない。時間をおこうとして、私は携帯を充電器に置くと、TVをかじりつくように見て
いた。
37 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:45
 結局、私は一睡もせず、我に返ったときには外は明るいどころか…これから出ても
遅刻してしまうと言う時間になっていた。とりあえず、TVだけ消して、あわてて家を
飛び出す。
38 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:46
「おはようございま〜す。」
「………………………遅い。」
「寝坊したの?」

 ドアをおそるおそる開けると、そこにはすでにメンバー全員が揃っていて、入って
きた私を見ている中に飯田さんの怖い表情でが見える。

「ちょっとこっち来なさい!」
39 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:46
 飯田さんは私を部屋の隅っこに呼ぶと、ため息を付きながら説教を始めた。

「麻琴…気持ちは分かるけど。私たちはプロなんだし、プロだからこそ、みんなに
 勇気や希望を持って貰うような歌を歌っていかなきゃならないはずなの。
 まこっちゃんだって、辛いときや悲しいときに歌で救われたことがあるよね。
 今は私たちが提供する立場なんだから………………………………………わかった?」
40 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:47
 飯田さんの説教は長々と続いたが、その数日後…私の誕生日の時には、メンバー全員で
盛大に祝ってくれたっけ。
41 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:47


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42 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:48
 何故か周りが騒がしい、ふと目を開けて顔を上げてみると、そこにメンバー達が手一
杯のお菓子を私に差し出していた。

「何?これ…」
「お腹空いているんでしょ?麻琴がぼ〜っとしているのはそれしか考えられないよ。」
43 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:48
 あのね、愛ちゃん…みんな、それはないんでないかい?確かに私は食いしんぼだよ。
お腹だって空いているよ。みんなの気持ちはうれしいけどさぁ〜。でもね…今はシリアス
な心境なんだよ。地元では今日は1年前を忘れずに、復興への道を進もうと誓い合って
いるんだよ。
44 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:49
「ありがとう。」

 さすがにそんなことは言えるわけもなく、そう言ってチョコ一つもらい、口の中に放り
込んだ。疲れとみんなの優しさで、甘さが身体にも心にも浸みいった。
45 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:49
「じゃ、急いで帰り支度をして。飛行機の時間も迫っているんだからさぁ…」

 リーダー吉澤さんの声が響く。Wアンコールで挨拶のために舞台に出ていた重さんが
戻ってきた。となると本当に時間がない。私はあわてて帰り支度を始めたが、頭の隅では
まだ去年のことを考えていた。
46 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:50


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47 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:51
 地震があって、完全に破壊された高速道路はかろうじて数週間後には緊急車両以外の
車でも全面通行可になったが、新幹線の方は不通が続く。その新幹線不通区間では乗り
継ぎ用の高速バスが運行され、さらに東京と新潟の臨時飛行機便が運行されていた。
高速道路も通行可とは言え、崩れている部位は多い…。

私も実家に帰れないわけではないが、非常に不便だった。
新潟県内…特に中越では、どこもかしこも毎日の生活だけでも大変だったに違いない。
48 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:51
 そんな中、新潟県ではあるスローガンがあちらこちらで目にするようになっていたが、
それがサッカー・アルビレックス新潟の試合やその他の地震復興イベントなどで首都圏
でも目にするようになってきた。そのスローガンは上越新幹線にも書かれている。

それは…『元気だしていこー!新潟』
49 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:52
 そんなこんなでアッという間に年も押し迫ってきたとき、ようやく吉報が舞い込んで
きた。
50 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:52
 そう…ようやく新幹線の全線開通が12月末に決まり、いつでも帰れるとはっきり
した時、斉藤さんは私を誘って、二人でへぎそばを食べに行った。久しぶりの新潟の味に
二人で5人前を平らげてしまったんだっけ…。

それでようやく私たちの地震に関する情報のやりとりは終わりを向かえた。
51 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:53


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52 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:53
「小川さん、みんなが待っていますよ。」

 そんな物思いに耽りながら、カバンを閉めていた所に小春が声を掛けてくる。
私が小春ちゃんの顔を見ると、目をくりくりさせてこちらをじっと見ていた。

『そうだ…1年前っていたら、この子…実際に地震のまっただ中にいたんだっけ…』
53 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:54
 小春ちゃんの出身地の村では…震度5強を記録し、実際に何ヶ所か被害が出て、停電
や断水になったらしい。

余震と暗闇の中…家族と一緒だったとは言え、不安な夜を過ごしたのに違いない。
やっぱり不安な時には歌を歌って気を紛らわそうとしたのだろうか…。
54 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:55
 そんな恐怖もあっただろうに…『モーニング娘。』に入りたいという夢を追い続け、
見事それを叶え、つんくさんにミラクルと呼ばれた少女…久住小春、13歳。

今、目の前にいる彼女である…改めてスゴイと感じていた。
55 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:55
 私がそう想いながら小春ちゃんを見ていると小春ちゃんは不思議そうな表情で私の顔を
見ている。私は『心配しなくてもいいよ。大丈夫だからね。』と言うように小春ちゃんの
頭を軽く叩いて、立ち上がった。
56 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:56
「それじゃ、がんばっていこうって!」

 そう言ったとき、小春ちゃんは驚いた表情で私を見た。

「小川さん、言葉が…」
「へ??あ、聞いていたのが小春ちゃんだすけ…別にいいが。」

いつの間にか完全に語尾が訛ってしまっている。お互いに顔を見合わせると、ついつい
笑ってしまう。
57 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:56
「小春ちゃんも、私と話すときには新潟弁でも構わないよ。そうだ!今度、メロンの
 斉藤さんも一緒にへぎそばか、わっぱ飯やのっぺなどを出す新潟の郷土料理食べに
 行こうよ!確か…くじら汁もあるって言っていたっけ。」

「ナンバンエビやのどぐろも久しぶりに食べたいです。」

「あるかなぁ〜。それこっちでは高い物ばかりだぞ。」
58 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:57
 地元の食べ物の話をしながら、小春と共に私は笑顔でみんなの元に走って向かう。
その時、心の中でもう一度あのスローガンを呟いていた。

            『元気だしていこー!新潟』
59 名前:10月23日 投稿日:2005/10/29(土) 14:58
2004年10月23日 午後5時56分 新潟県中越大地震 M6.8 最大震度7…
被害のあった市町村     46市町村(地震当時の市町村)
中越大震災による犠牲者   51人(2005.10.14現在)

                              【終わり】
60 名前:桜 乙女 投稿日:2005/10/29(土) 15:19
今回の話はこれで終わりです。

1年前のコンサートは参加していなくて、見に行った方からの話とネットだけで書いてみたので、
実際とはかなり違うかもしれません…

作者の中の人はこのとき、震源地7地域を通りかかり、たまたま休憩中に遭遇。
普段なら1時間あれば充分帰れるところを、陸の孤島になってしまったため、
帰るのに3日かかってしまいました。

1年目を向かえるにあたって、色々と特集していた物を見ていたとき、
その時のことを思い出したのでした。
そして、調べてみたところ、小春ちゃんのふるさとも麻琴のふるさとも震度5強のだったことを
知りまして、この話ができました。

ただ、麻琴・小春共に新潟弁を話すのを聞いたことがないので、地元などの言葉やネットで言葉を
調べてみましたが、言葉にするのは難しい…
さらに麻琴と小春の地域は微妙に違うんだよねぇ〜orz

最後に麻琴が家族と電話で話していた『アレ』ですが、それだけ解説します。
アレ(笑)----これが破壊されると、新潟県一帯どころか、近県にも壊滅状態になるという恐ろしい施設
        そのため、地震の時はこれが本当に大丈夫だったかという、新潟県民全てが心配したと言っても過言ではない。
        ちなみにコレが作っている物は、新潟県を素通りして、そのまま首都圏へw

読んでくださったみなさまに感謝します。
61 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:59
突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
62 名前:桜 乙女 投稿日:2006/02/09(木) 23:36
すでにこの話自体は終わっているのですが、生存報告と共にもう一つ、
こちらの話と関連のある話を公開しようと何とか書いておりましたが、未だ終わらずorz
とりあえず、『新潟県中越大震災』の復興の祈りも込めた
今週末の『南魚沼市雪まつり』、来週の『十日町雪まつり』になぞらえて、
題名だけでも2/11に、本格スタートを『十日町雪まつりフェスティバル』がある18日中にアップしはじめようと
思っております。

この話とは直接繋がっているわけではありませんが、関連性の高い話となりますので、こちらにも書き込みます。

題名は『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』
読んでくださる方がいらっしゃるかわかりませんが、とにかくゆっくりでも最後までアップして行く予定です。

無事に両雪祭りが行われ、盛り上がりますように…
 ちょっと1つだけ心配な情報が…あいぼん(涙)
63 名前:桜 乙女 投稿日:2006/02/13(月) 17:47
無事に『南魚沼市雪祭り』も終わったので、この話にも関連がある話の
『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』を同じこの金版にアップしました。
とりあえずオープニングだけですが、今週末の十日町雪祭りに合わせて2/17(金)に次回分をアップします。

『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』 ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/gold/1139628213

もしでしたら、読んでくださいませ。

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