ガールフレンド
- 1 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/15(日) 16:47
- 初めまして、地球人パラノイアと申します。
小説を掲載しようと思います。
実は、Perfect Helloというファンサイトの小説掲示板に連載していたんですが、途中で更新せずに一年以上放置してしまった小説を、
こちらに移転掲載して、話の続きを書きたいと思います。
ご迷惑をかけますが、ご容赦願います。
話はアンリアル。 さゆえり&あやみきよしごま+れいな+愛が基本。
登場人物は主に・・・絵里りん、さゆ、れいな、ミキティー、よっすぃー、あやや、ごっちん、愛ちゃんです。
- 2 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 16:52
- 果てしない宇宙の中には、青い惑星・・・・地球が・・・・
地球を覆う海の上には地上が・・・・
その地上は、どこまでも続いてるような広い大陸・・・・私達が暮らす世界・・・・
その世界の一区画に在る国に私は産まれたの・・・・お父さんは、私に「さゆみ」という素敵な名前を付けてくれた・・・・苗字は「道重」・・・・この町で育ち・・・・この町で生活していた・・・・
そして、あなたに出会ったの・・・・
今、私の隣にいる親友・・・・今はただの親友だけど、それ以上の思いを抱いている、私の愛しい人、亀井絵里・・・・
「ねぇ、さゆー!!この机持ってー!!」
「うん!!」
只今、私は絵里の部屋の模様変えを手伝っているのだ。
心変わりの早い、気まぐれな絵里は、自分の部屋の内装に飽きたのか、こういう風にして部屋の模様変えを手伝ってほしいと、お願いされて・・・・もちろん、大好きな絵里のお願いだもん!!始めから断るつもりはない!!
はりきって、手伝うと約束したの・・・・そうして今にいたる。
「へへっ!!疲れたね!!さゆ」
「うん!!もうヘトヘトだよー!!全く、絵里は部屋を散らかしっぱなししてるんだもん!!全然、終わんなかったよ!!」
「へへへっ!!ごめんねー!!」
そう言うと絵里は八重歯を覗かせる、はにかんだ顔で笑った
そう、この部屋が散らかり放題なせいで、片付けに追われて、模様変えは一向に進まなかったの。
でも、絵里の、その可愛い笑顔のおかげで、いつも憎めないのだ・・・・
「もう!!」
「怒らないでー!!さゆ!!ほら、後は、この本の山さえ片付ければ、終わるからー!!」
絵里に言われるがまま・・・・今度は本の整理をすることに・・・・
「これはー?」
「その本は、もう要らなーい!!」
しばらく、いる本と、いらない本の選別をしていたら、一冊のアルバムに目が止まった・・・・
あっ!!これは・・・・私と絵里が、まだ小学生だったころの写真アルバムなの!!
「わぁ!!なつかしいー!!」
私は迷う事なく、今までの作業を忘れて、アルバムを開いて昔の写真を眺めることに夢中になった!!
- 3 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 16:53
- なつかしいなー・・・・この頃は、まるで仲の良い姉妹みたいに、いつも、くっついていたっけ、そういえば・・・・
両親と絵里の家族写真・・・・両親が絵里を撮った記念写真・・・・アルバムをめくるたびに、いろいろな写真が目に飛び込んでくるけど・・・・私にとって大切なのは、私と絵里(+れいな)と一緒に撮った写真なの・・・・
こうして、眺めていると・・・・私と絵里が初めて出会った、あの日を思い出すわ・・・・
昔・・・・といっても、私はまだ15歳 だから、そんなに大昔じゃないけど。
小学1年生の頃・・・・木枯らしの寒い風が吹き抜ける秋の季節の、あの日・・・・絵里は私が通う学校のクラスに、転校してきたの。
先生に促されての自己紹介のとき、緊張ためだったのかな?
おどおどとしていて、よく聞き取れないような、小さい声でしか、喋れてなかったの・・・・
だから、初めの第一印象は、おとなしくて、引っ込み思案な子だと感じてた・・・・それで、そういう私の予感は適中していたわけで・・・・
絵里は、数日が経ってもクラスの中では皆と打ち解けられず、なじめてなかった。
今、思うと・・・・その頃から私は絵里のことを、遠くから気にかけていた。
そして、運命の日が訪れたの・・・・
- 4 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 16:55
- その日、学校からの下校途中の帰り道、私のもう一人の親友、名前は田中れいな・・・・れいなと一緒に歩いていたら、私達が歩く通りに面した小さい公園から、誰かが泣く声と、罵声が聞こえてきて・・・・
何事かと思って声がしている方へと行ってみたら。
ジャングルジムの塀に追い詰められていた絵里が、同級生から石を投げられて、いじめられていたのを今でも憶えている。
絵里は、その虐めに耐えるように、うずくまって怯えながら泣いていて・・・・
当時の絵里は、その大人しい性格のおかげで、同級生から、いじめの標的にされていたのだ・・・・
けれども・・・・
私も、いじめは良くないことだと思っていた。
だけど・・・・実際に、いじめを止める程の勇気が弱かった。
何故なら、クラスの中では目の前で絵里をいじめているグループが怖かったから・・・・
しかし、れいなだけは違った・・・・
「ちょっと、お前ら!!何しちょるとね!?」
そう・・・昔から、れいなは誰よりも正義心が強かったわ。曲がった事が大嫌いで、クラスの中でも勝ち気で男勝りな女の子だったの‥‥
「あぁ!? 何なんだ、お前? 邪魔するなよ!!」
「うるさいっちゃ!!恥ずかしくないの?弱い者いじめなんかして!!」
「お前には関係ないだろうが、どっか行けよ!!」
いじめグループと、れいなとの壮絶な睨み合い!! 一歩も退かない、れいなは持ち前の凄みで相手グループと対峙している‥‥それに比べて私は情けないことに、その場でハラハラドキドキとオロオロしているばかり!!
- 5 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 16:55
- 「何だ、お前?やる気か!?」
「おぉ!!やってやるけん!!どっからでも、かかってきな!!」
そう言って、れいなは相手グループを挑発する!!
まさに、一触即発な状態!!
そして、私は・・・・!!
「あ・・・・あなたたち!! い・・・・いいかげんにしなさいよ!!」
一体どこから、そんな勇気が出たのだろう? 気がつくと私は、この状況に割り込んで、事態を、どうにかしようとしていたのだ。
それほど、目の前で泣きじゃくっている絵里を、ほっとくことが出来なかったの・・・・
そんな中、れいなはビックリした瞳で、私を見たのは印象に残っている(どうやら当時の、れいなは普段から私は、おっとりとした性格だと思っていたらしく、私が大声を出すことは、れいなにとっては意外な事だったみたいなの)
「うるせぇな、てめえは引っ込んでろよ!!」
そんな私の振り絞った声に怯むこともなく相手は言い返した。
正直、内心は・・・・相手の怖さに私はビビっていたわ!!
でも・・・・
「や・・・・辞めなさいよ!! 警察を呼んじゃうわよ!! それでもいいの?」
そういう、私が発した「警察」という言葉に怯んだのか、同級生の相手グループは少し何かを話した後、しばらくして口惜しそうに去っていった・・・・
その場に残されたのは・・・・私と、絵里と、れいなだけだったよね・・・・
- 6 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 16:58
- いじめっ子連中は去ったけれど・・・・
れいなは持ち前の根性とは裏腹に傷ついた絵里を、どうしたら良いのか考えあぐねていた。
私はというと、泣いて、うずくまっている絵里を、ほうっておけなくて・・・・
「大丈夫?怪我とかは無い?」っと、声をかけてみた。
そうすると、絵里は自分の身を守るように身構えて後ずさったのよね。確か・・・・
それぐらいに、絵里は怯えていたの。
「怖がらないで。私は、あなたを傷つけたりしないわ。」
よく見ると、絵里の額は、石がぶつかったときについた傷から血が滲んでいた。だから、私は絵里にハンカチを渡して・・・・
絵里は、ハンカチで額の傷を押さえがら言ったよね・・・・
「ありがとう」って・・・・その時になって、絵里は初めて、私の顔を、マジマジと見てくれたっけ・・・・
その瞬間に見せた絵里の憂いげな顔に、私は幼心ながらに胸を打たれた。
ドキッて心臓が鳴ったのよ・・・・
守ってあげたい・・・・そんな気持ちが・・・・使命感みたいなのが湧くのを感じた‥‥その頃は幼かったから(今でも、まだまだ、お子ちゃまだけど・・・・)、この感情が何なのか分かってなかった。
ましてや、絵里に対する性別を超えた恋心にまで発展するとは知るよしもない・・・・その私の思いの正体に気がついたのは、それから何年も経った後の事・・・・
- 7 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 16:59
- 「家まで、送ってあげるよ」
れいなが絵里に、そう話し掛ける。
その言葉通り、私たちは絵里を家まで送ることにした。
私たちは、その送り道で色々な事を話した。
絵里は、あまり喋ってくれなかったから。ほとんど、一方的に私と、れいなが話をしていたのだけれど・・・・
私たちの名前、住んでいる所、世間話などなど・・・・
その日は時間をかけて、そうしてる内に、いつのまにか絵里の家まで到着していた・・・・
「絵里ぃー!! また、あいつらに、いじめられたら、あたしに言いなよ!! あたしが、あいつらを、やってやるけんね!!」
れいなは、そう絵里を励ます・・・・
「うん、ありがとう・・・・ごめんね・・・・」
絵里は、そう謝った・・・・謝る必要は無いのに・・・・
「じゃあ、また明日、学校でね!!」
あの時の私は、そう言うのが精一杯だったなー・・・・
バイバイ!!
その日は、私とれいなで、絵里に手を振って・・・・絵里も、はにかみながら手を振り返してくれたよね・・・・あの時・・・・
そうして、絵里は玄関から家に入っていった。
私たちは、その姿を見送りながら、それぞれの家路へと帰路へと歩き出す。
「さゆ、これから先は、どうなるんやろうね?」
れいなは、博多訛りが残った口調で、私に訪ねる・・・・
「判らないよ・・・・れいな・・・・」私は、そう答える・・・・
そうなの。これが、私と、れいなが絵里と仲良くなるきっかけになった一連の出来事なのです。
そして、私と絵里の関係が始まる分岐点となった日でもあるの・・・・
- 8 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 17:00
- あの一件から次の日・・・・
いつも通りに学校へと登校して・・・・いつも通りに、れいなに「おはよう!!」と朝の挨拶・・・・
そう、いつも通りのつもりだったけど・・・・
「おーすっ!!さゆ、おはよう!!」
ただ、その頃の一日の始まりは、いつもと少し違っていた。
教室では私の席に着いて、れいなと昨日の事について話していた。
「れいなー、お願いだから昨日みたいな無茶をしないでよ。私、あの時は、ホントは恐かったんだから!!」
「ニヒヒヒヒヒ!! 大丈夫やて、平気だよ!! もう、さゆは心配症やけんね!! あたしが、あんな奴らに負けるわけなかと!!」
ガララ!!
っと、その時・・・・教室の戸が開く音がして、そこには・・・・
あっ!!あの子だ・・・・
絵里が立っていたの・・・・
私の目には、絵里は、おそるおそる足を進めがら、教室の中に入ってくるように、見えた。
クラスの皆は、そんな絵里を、まるで厄介者を見るような視線を投げかけている。
特に。昨日、絵里を、いじめていた連中にいたっては、遠巻きに見下したような視線をしていたわ・・・・
このクラスの大半の同級生達にとっては途中から転校してきた絵里は仲間外れの異邦人のような存在に思われていたんだ。
きっと、絵里は、そんな毎日の様子に押し潰されないように、日々を耐えていたんだと思う・・・・
みんな、絵里に対しては誰も無関心を装っているの・・・・
- 9 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 17:02
- だけど、私は違うわ・・・・少なくとも、私は絵里を無視したりしなかったわよ・・・・
「おはよう!!」
私は、絵里のことが、ほっておけないような気持ちになっていたの。だから、私は絵里に挨拶で話し掛けた。
クラスの、みんなは・・・・私の行動に対して、不思議そうに見ていた。
でも、私には、それらのクラスの様子は関係なかった。
だって、その頃から絵里に心を奪われていたんだもん。仲良くしたかった!! 絵里は、他の人には無い何かが在ると感じられたから・・・・
その何かとは・・・・
「さゆ!!私、喉渇いたよ!!ジュース取ってくるね!!」
不意にかけられた、絵里の言葉に、私は今、現実に引き戻された。
あぁ・・・・そうだった・・・・私、絵里の部屋の模様変えの最中だったなの・・・・
少しの時間、昔のことを回想していたのだ・・・・
うん!! また、私と絵里の過去の、お話に戻ろうかな・・・・
- 10 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 17:03
- 私は、あの時、絵里に話しかけた。でも絵里は・・・・
「・・・・」
「?」
まだ、絵里にとっては心を許せる程、私が信用できるのか迷っていた段階みたいなの。
だから、返事が帰って来なかったのかと思ってしまった。でも、次の瞬間・・・・
「き・・・昨日は、ありがとう・・・・」
「いいよ、気にしてないのですよ。」
思い過ごしだったみたい・・・・
そんな二人の間に、れいながフォローに回ってくれた。
「やあ!! 何そんな、シケた面しちょるとね? 辛気臭いけん!! あぁ!もう!! とりあえず、明るくしようよ!! 毎日、毎日、シケた面ばっかしてたから、いじめに会うんだよ!!」
れいなの話す言葉は、時にキツいことを言う。けれど、決して悪気は無いのだ。
むしろ、れいながキツいこと言う時は相手のことを思って語りかけているの・・・・そういう、れいな流の優しさなの・・・・
「ごめんなさい・・・・」
「それが、いけないんだっちゃ!! そんな風に、すぐに謝るのが駄目なんだよ!! 何も悪い事をしていないのに、すぐに謝るのが駄目やけん!!」
「ご・・・ごめんね!!」
「うわ!?だからさ・・・・そうじゃなくて!!」
絵里は、すぐにも泣きそうだ・・・・しょうがないなぁー・・・・
「まあまあ、れいな!! それぐらいでいいじゃん!! ねっ? ねっ?」
そう、れいなを、なだめながら・・・・
「ねぇ!!あなた、亀井絵里っていう名前なんでしょ!? だったら、今日から絵里って呼んでもいい?」
私は、少し強引に、絵里に、そう切り出したの!!
そして・・・・
「えっ!? い・・・いいよ」
絵里は、了承してくれた!!
- 11 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 17:04
- 「じゃあ、それで決まりね!! 絵里!! 私のことは、昨日。自己紹介したよね?」
「うん・・・道重さゆみちゃんと・・・・それと、田中れいなちゃん・・・・」
「そう、覚えててくれてたんだ!!嬉しい!! でも、私のことを呼ぶときは、ただ「さゆ」で良いよ!! れいなも、そう呼ぶし!!」
「えぇ!? でもぉー・・・」
「いいから!!いいから!! それと、私の隣にいる、れいなも・・・ただ「れいな」って、呼び捨てで呼んでもいいからね!!」
れいなは・・・
「まぁ、そういうわけでさ、よろしくな!!絵里!!」
れいなも、私の意図を分かってくれたみたい・・・・
その日から、私は少しずつ絵里にスキンシップを取っていって・・・・少しずつ、絵里も、私や、れいなに心を開いてくれた。
そうして、私は絵里のことを分かっていったわ・・・・
絵里は引込思案だけど。ホントは、お調子者なんだとか。
だけども、泣き虫な性格であるとか・・・・
そうやって、絵里のことを理解していくうちに、私は絵里に惹かれていった・・・・
- 12 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/15(日) 17:06
- 年齢は、私の方が少し年下だけど・・・・
私の方が絵里の、お姉ちゃんって感じだったのよ。
絵里は、とにかく泣き虫で・・・・誰かに怒鳴られただけで、すぐに泣くような子だったよね。あの頃の絵里は・・・・
私は、よく、そんな絵里を慰めたり・・・・助けたり・・・・
だから、私の方が、お姉ちゃんみたいだったのよ。
それなのに・・・・どこが、どう変わっちゃったのか・・・・
今の絵里は私に対して、からかったり、ちょっかいを出したりするような、小憎たらしい(でも、憎めない・・・・むしろ、愛しい)お調子者の小悪魔みたいな子へと変わった・・・・
「ねぇ・・・・絵里・・・・いつまでも、一緒にいようね・・・・」
「うん!!もちろん!! 少なくとも50年間は、さゆと一緒にいるよ!!エヘヘヘ・・・・」
エヘヘヘじゃないよぉー!! 何なのよ、その50年間っていう数字は? 私は、真剣な気持ちで言ったのにぃーーーーーー!!!!!! プンプン!! そういうところが、お調子者なところなんだよぉー!! ムカつくーーーーーー!!!!!!!
- 13 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/15(日) 17:12
- 続く・・・・
一応、前に書いたのを文章の間違いの修正と文字の間違いの訂正・・・そして、一部本文を変更した改訂版になっております。
では、また・・・・
- 14 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/19(木) 19:45
- 更新開始
- 15 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/19(木) 19:46
- 「ねぇ、さゆー・・・・今夜は泊まってくでしょ?」
部屋の模様変えも大体終わり。少しテレビを見たり、お菓子を食べたりしながら、くつろいでたら。
絵里が、そう言ってきた。
私は特に、そんな予定もしてなかったけど断る理由も無かったし(初めから、断るつもりも無いんだけどね)
「うん!!今日も泊まってく!!」っと。私は、いつも、そう返事するの。
「さてと、それなら布団を敷いてと・・・・」
ゴソゴソ・・・・
絵里は、布団がある押し入れを探っている・・・・
「んん!?無い!!」
「何が?」
「布団・・・・布団が無い!!」
「えぇ!?」
「そうだった!!今日、お母さんが布団をクリーニングに出したんだった!!」
「どうしよう?」
ホント、どうしよう? 床の上に、そのまま寝るわけにもいかないし・・・・
「まっ・・・あんまり問題無いじゃない?大丈夫!!」
「ホント?」
「さゆは、私のベットに寝ればいいんだよ」
なるほど、名案・・・・って。ちょっと待って!!
「じゃあ、絵里は、どこで寝るの!!」
「もちろん、私もベットに寝る!!」
「えっ!?」そ・・・それは、つまり・・・・
「一緒のベットで寝れば、良いよね?」
夜は、またまだ終わりそうにありません・・・・
- 16 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/19(木) 19:47
- 「えぇ!!でもー‥‥」
「何も、恥ずかしがること無いじゃん!!女の子同士なんだし!! 襲ったりなんかしないからー!!」
なっ!? お・・・襲う?????
「じゃあ、そうと決まれば、さっさと寝ようよ!!明日も、学校早いし!!」
絵里は、もうパジャマに着替えようとしている。
内心、「襲ってもいいわよ」っと、想っていたのは、内緒ね!! キャッ!!
そうして、私は絵里からパジャマを借りて、一緒に寝ることにした。
部屋を真っ暗にして、一緒にベットへ・・・布団を被り・・・私の隣には絵里が・・・・こんなにも、距離が近い・・・・
「おやすみ・・・・さゆ・・・・」
「お・・・・おやすみ、絵里。」
そうは言ったものの・・・・私は心臓がドキドキしてて、眠れそうにない・・・・
ドキドキドキドキ・・・・
「絵里、起きてる?」
私は、隣の絵里に言った・・・・
シーン・・・・
「絵里?」
私は、今度は、絵里の顔を覗き込んだ・・・・
!!!!!!
も・・・もう寝てる!!
スヤスヤ・・・・
気持ち良さそうな寝息をたてて、健やかな寝顔をしている。
全く、もう!! 私は、こんなにもドキドキしてて眠れないっていうのに・・・・
- 17 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/19(木) 19:48
- そうだった!! 絵里が寝るときは、ベットに就いて、たったの5秒で眠りにつくのだ!!
おまけに。一旦、眠りに就くと、いくら起こそうが、何をしても、全然起きないのだ!!
すぐに、寝ないでよー!! 私を残して・・・・
ボスッ!!
!? うっ!!重たい!!
暗がりの中、何かが私の上に乗ってくる・・・・もちろん、絵里だ!!
「zzzzzzz・・・・ うぅーん・・・ムニャムニャ・・・・」
絵里が寝返りをうって、隣にいる私に乗ってきたのだ!!
ドキドキドキドキ・・・・
しかも、その状態というのが・・・・私の胸に、俯せになった絵里の顔だけが乗っているの!!!! キャー!!
こんなに密着してて・・・・絵里は、完璧に寝ているから分からないのだろうけど、絵里の温もりが私に伝わってくる!!
そして、絵里の寝息が胸を、くすぐるの・・・・
「うーん・・・・」
絵里が、私の胸の上で、寝ながら頭を動かした!!
あぁん!!ダメー!! 動かさないで、くすぐったいよー!!
私、おかしくなっちゃうーーーーー!!!!!!!
- 18 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/19(木) 19:49
- っと、その時!!
ピンポーン♪
玄関のチャイムが鳴る音がした!!!!
ピンポーンピンポーン♪ピンポーン♪
しかも、しつこい・・・・
こんな夜中に、不謹慎にも、やって来る人は、あの人しかいない!!
藤本さんだ!!
ドンドンドンドン!!
乱暴に扉を叩く音・・・・
一体、何しに来たんだろう? 藤本さん。
一方、こんな状況下でも、眠りから起きない絵里の方を、見やると・・・・
!? はあああああ!!!!!!
なんと、絵里は・・・・私の胸の上で白目をむきながら寝ている!!
こ・・・・怖い!!
私は、さっきまでの淡い恋のときめきのドキドキ感から一転・・・・ビックリして、恐怖に満ちたドキドキ感へと変わった・・・・
遠くから声がする・・・・!!
「れいなぁー!! そこにいるんでしょう? 出てこーい!!」
藤本さんの声だ・・・・
れいなは、藤本さんに何をしたんだろう?
でも、私は、それどころじゃない!!
- 19 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/19(木) 19:50
- ♪♪♪♪♪
こ・・・今度は、何!?
着信音!! 私の携帯が鳴ってる!! とらなくちゃ!!
私は、携帯電話を掴んだ!!
そして、着信者の名前を確認する。
"高橋 愛"・・・愛ちゃんだ!! どうして、こんな夜中に!?
ぴっ!!
「はい、もしもし!!」
「もしもし!! さゆー!? 今、藤本さんが、そっちに向かってるから!! 早く、逃げてぇー!!」
一足、遅かったみたいなの・・・・
もう、玄関のそこまで来てるの・・・・
せめて、高橋さんが電話をしてくるタイミングが、もう少し早ければ良かったんだけど・・・・
- 20 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/19(木) 19:53
- 続く・・・
>>15を題名ではなくハンネで書いてしまいました。申し訳ありません
- 21 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/21(土) 23:27
- 「どうして、藤本さんが、やって来るの?」
どうして?どうして? せっかく、良いところだったのに・・・・
「それはね・・・田中ちゃんが!!田中ちゃんが!!まさか、こんなことに、なるなんて!!アタシも、想いもしなかったやよー!!」
「???? えっ!?どういうことなのー!! 愛ちゃん!!」
何なの? 訳が分からないわ!!
- 22 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/21(土) 23:29
- 藤本さん・・・・正確な名前は"藤本 美貴"
私や、絵里や、れいな・・・・そして、愛ちゃんが通う学校の高等部の先輩だった人。
今は、藤本さんは大学生であるけれど。
私達が通う私立女子学校は、中高一貫教育制で、同じ学校施設の中で中等部と高等部に別れていて。
私、絵里、れいなは中等部の生徒で・・・高橋さんは高等部の私達の先輩なの。
同じ敷地内に、中等部の学校と、高等部の学校が隣接する形で併設されている巨大校で・・・・
そんなわけで・・・よく、先輩と後輩が顔を会わせる機会も多い。
それに、部活道では、中等部生徒の部員と、高等部生徒の部員が一緒に合同で活動している。
そのためなのか、他の中学と高校というように別れていないため、先輩と後輩同士の交流も盛んなのだ。
ただし、交流が盛んとは言っても・・・一応、上下関係は厳しい。
でも、大抵の先輩は、先輩面をふかして威張っているの。
中には、完璧に後輩を見下している先輩もいるぐらいなんだから・・・・
そんな堅苦しい風紀の中にあって、藤本さんはホントに分け隔ての無い、気さくな人でしたなの。
藤本さん(と、愛ちゃん)に出会ったのは、れいなと絵里に誘われて入部した創作ダンス部でだったわ(今は、藤本さんは卒業して、いないけれど・・・愛ちゃんも、タンス部の先輩。)
まだ、学校に入って間もない私達、三人に藤本さんは良くしてくれた。
私たちも、そんな藤本さんに親近感をもっていて。時には、厳しかったけれど私達と藤本さんは仲が良かった(時々、藤本さんが自分の先輩であることを、ふと忘れることもありました・・・先輩後輩の垣根を超える程に)
学校の中では、藤本さんは人望も厚かったし。私達、三人も尊敬していたの・・・特に、れいなは一番、藤本さんに慕っていた。
それゆえに、藤本さんが卒業して去ることに、一番淋しがったのは、れいなだったのに・・・・
- 23 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/21(土) 23:30
- 「れいなは、藤本さんに何かしたの?」
「さゆ・・・実はね・・・・」
携帯電話越しの愛ちゃんの声は、明らかに動揺している・・・・
ドキドキドキドキ・・・・
「田中ちゃん・・・さんと駆け落ちしたみたいなんやよ!!」
「えええええぇぇぇぇーーーーー!!!!!!」
自分でも、おっとりとした性格だと思う、私でも本気でビックリした!!
亜弥さん・・・松浦亜弥:藤本さんの二年下にあたる後輩で、一番の親友であり恋人同士の関係でもある。
あの、亜弥さんが!?
えっ!?えっ!? ということは・・・れいなは、一番慕っていた藤本さんから亜弥さんを奪って駆け落ちしたってことなの!? 嘘でしょ? きっと、何かの間違いだよね?
ドンドンドンドン!!
ビクッ!!
もしかしたら、藤本さんは、そうとう怒っているんじゃ!? 藤本さんは怒らせたら、恐い人なんだから!!どうしよう?
窓から逃げようかな? ダメ!! 無理!! ここは二階なの!! しかも、一度、眠ったら、しばらく起きない絵里を残して行けないわ!!
耳をすますと、一階から声が・・・・
「誰ですか?こんな夜中に?」
絵里の、お母さん声だ!! 藤本さんの訪問に起きちゃったみたいなの!!
「今、開けますから!!」
ダメー!!開けないでぇー!!(泣)
キィー・・・絵里の、お母さんが玄関扉を開く音が静寂の中、ここまで響いてきたなの!!
「あら?あなたは・・・・藤本さん!!こんな夜中に、どうしてらしたの?・・・・」
「お邪魔しまーす!!」
「!? ちょっと!!!!」
タッタッタッタッ・・・・
どうやら、藤本さんは、絵里の、お母さんを無視して勝手に上がり込んだみたい。
トントントントン・・・・
階段を登る音が、地獄からの死者の来訪のように聴こえてくる。
アワワワワワ・・・・どうしたら良いの????
藤本さんは、真っ直ぐに、この部屋へと向かってくる!!
- 24 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/21(土) 23:31
- ドキドキドキドキ・・・・
カチャ・・・・
暗がりの中、部屋のドアが開く音・・・・
「れいなー!!亜弥ちゃーん!!ここに、いるんでしょう?」
開いた部屋の入口には藤本さんが立っている!!
その姿は、逆光のせいで、どんな顔の表情が確認できない!!
だけど、きっと怒った鬼のような形相をしているに違いないわ!!あわわわわ・・・・!!
パチッ!!
藤本さんが、スイッチを押して部屋の明かりをつけた!!
私は、まぶしさに瞳をしかめがら、藤本さんを見ると・・・・その顔は!! な・・・泣いている!! 藤本さんの目から洪水のような涙が流れてるわ!!!!
いつもは、芯の強い女って感じの藤本さんが・・・今は、涙で悲しみにくれている切ない顔をしている・・・・
あの藤本さんが泣くの初めて見た。
「れいな!!亜弥ちゃんは!? ここにいるんでしょう?」
「い・・・いませんけど・・・・」
「嘘だよ!! 誰と話してるの!?」
「ああっ!!」
藤本さんが私から携帯を取り上げる!!
「もしもし!! れいなか?」
「違います!! アタシです!!藤本さん!! 高橋です!!」
「・・・・愛ちゃんか・・・・」
ピッ
れいなじゃないと、分かった途端、藤本さんは勝手に携帯を切った。
「ぐすん・・・・うっ・・・うっ・・・ひっく・・・・」
そして、泣きながら、藤本さんは部屋の中を勝手に調べだしたわ・・・押し入れの中から・・・ベットの下まで・・・・
「隠れてるんでしょ!! 出てきてよー!!」
「だから・・・れいなは、いませんってば!!藤本さん・・・あの・・・・」
今度は、絵里の机の引出しの中から・・・家具の隙間まで調べ始めた!!
悲しみのせいで冷静な思考が働いてないみたいなの!!
「藤本さん!! しっかりして下さい!! そんな狭いところに、人は隠れられません!!」
「いない・・・いない・・・どこに行ったの?亜弥ちゃん・・・・」
- 25 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/21(土) 23:33
- 私の知っている限りでは・・・藤本さんは本気で亜弥さんを愛していた。
だから、まるで妹のような、れいなに奪われて駆け落ちされてしまったことは、相当にショックだったのだろう・・・・
私は、悲しみに打ちひしがれる藤本さんが可哀相に思えてきた・・・・ほっとけなくて、私は藤本さんに話しかけることにしたの。
「大丈夫ですか? 落ち着いてください・・・・」
そう、なだめるように話しかけると、藤本さんは涙声で言葉を振り絞るように言った。
「お願い・・・一緒に、あの二人を捜してほしい・・・・シゲさん・・・・」
「えぇー!? でもー・・・今は、もう夜中ですしー・・・・」
早く、眠りたいし・・・何より、絵里と二人きりでいたい・・・・それが、本音だけど・・・・
「お願い・・・助けて・・・・」
いつもの藤本さんと違う、そんな弱弱しい声で哀願されて・・・そんな風に、お願いされたら・・・断れないわ・・・・
「い・・・いいですよ・・・・」
「うぅ・・・ぐすっ・・・ありがとう・・・シゲさん・・・・」
いつもは、気丈な藤本さんが・・・・やっぱり、藤本さんにとって、失った亜弥さんの存在は大きかったんだと思う。
こんなにも弱気な姿勢で感謝されて・・・私は、ジーンッと心を打たれてしまった・・・・
れいな・・・駆け落ちだなんて嘘って言ってほしい・・・・何を考えているの?
そうだよね!! 私も親友として、れいなを捜さなくっちゃ!! 捜して、どうするのか・・・どうなるのか、分からないけど・・・・
何にも、しないわけにはいかないの!! 今は、それしかできないわ!!
そのためには、絵里を起こさなくっちゃ!!
「絵里!! 絵里!! 起きて!! 大変なのー!!」
私は、絵里のパジャマの胸元を掴んで。絵里をガクガクと揺さ振る!!
「うーん・・・うー・・・・zzzzz」
しかし、絵里は全く眠りから覚めない!! 一度、眠りに就いた絵里を途中から強制的に目覚めさせるのは、白米の中に一粒だけ混ざった玄米を見つけるよりも難しいの!!
だから、絵里を目覚めさせるには、あの手段しかないわ!!!!
- 26 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/21(土) 23:34
- 続く!!
- 27 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/21(土) 23:39
- >>23文章間違えました
×「田中ちゃん・・・さんと駆け落ちしたみたいなんやよ!!」
○「田中ちゃん・・・亜弥さんと駆け落ちしたみたいなんやよ!!」
”亜弥”が抜けてました
- 28 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/23(月) 00:56
- 出来れば、どなたか感想などを書いてくれると嬉しいですm(__)m
- 29 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/01/23(月) 03:26
- 今読みました〜♪
あやみきと6期に加え高橋ですか。
ナイスキャスティングです!面白いです!!
かなり期待して見てます!更新がんばってください(^^)b
- 30 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/23(月) 20:41
- その時!! 私は悪い事を閃いてしまった!!
「今から、買い物に行ってきます!!」
「えっ!? 何で?」
「材料が必要なんです」
「???? どういうこと? さっぱり、分からないんだけど?」
混乱している、藤本さんは、ほっといて。私は買い出しへと向かうため、絵里の家を一時、後にした
それで。私は、深夜営業をしているスーパーで必要な材料を、お買い物・・・・商品棚から適当に必要そうな物を買い物かごに放り込んでいく。
えーっと、これとー・・・それとー・・・あれも必要なの・・・・
こうして。買い物を済ませると、急いで絵里の家まで戻って、料理開始!!
絵里の、お母さんからジューサー・ミキサーを借りて、ミキサー容器の中へ材料投入!!
唐辛子、山葵、胡椒、正露丸、酢、青汁、コーラ、ドリアンなどを入れ、蓋をして、ジューサーで掻き混ぜる!!
ガガガガガッ!!
出来た!! 道重さゆみ作 特製ジュース!!
その、特製ジュースを藤本さんに見せたら、まるで異星人に接近遭遇したかのような、驚愕に満ちた顔をした。
「な・・・何なの、それ? シゲさん・・・・その、怪しげな飲み物は?」
「絵里を起こすための、特製ジュースです!! 寝ている絵里に、これを飲ませれば、一発で目を覚まします!!」
「・・・・」
- 31 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/23(月) 20:42
- 「さあ!! 藤本さん!! これを、絵里に飲ませて下さい!!」
「えぇー!? 何で、美貴が?」
「だって、私は女の子だから力が弱いのー!! 重たい絵里に無理矢理、ジュースを飲ませられませんの!! だから、無敵の藤本さんに、やってほしいの!!」
私は上目遣いで頼み込んだ。そしたら、藤本さんに露骨に嫌悪感に満ちた表情で、あっさりと断られました。(チッ!!)
「それぐらい、自分でも出来るじゃん。それに、美貴だって、普通の女の子なんだけどな。重さんは、美貴を何だと思ってるのさ?」
「お願いですー。やって下さいな」
私は負けじと、これ以上無いというくらいのスマイルで可愛らしく、藤本さんにお願いしたら。
藤本さんは根負けして、渋々と了承しましたなの。やったー!!(私の中の悪魔ちゃんが牙をむく・・・・)
「もう、しょうがないなー。美貴がやってあげるよ。それ、よこして」
私は、言われた通り藤本さんにジュースを手渡した。
「ありがとうございます!! クックックック・・・・」
- 32 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/23(月) 20:44
- 藤本さんは、相変わらず呑気に寝ている絵里の顎を掴んで引いて、絵里の口をこじ開けると・・・
「ほーら。亀井、起きろー!!」
特製ジュースを、勢い良く、口の中に流し込んだ!!
「!? ウゥッ!? ゲホッ!!ゲホッ!!ゴホッ!! ウグッ!! グホッ!!」
寝ている絵里は、特製ジュースの刺激に、むせ返っている・・・・ちょっと、やり過ぎたかなー?
「ブーーーーーー!!!!」
私の予想通り。絵里は見事にジュースを吹き出した!!
また予想通り!! その吹き出した液体は、藤本さんの顔に直撃した!! やったー!!
「キャアアアアアーーーーー!! 目がー!! 目がー!! 痛ーい!!」
藤本さんは、瞳の中に特製ジュースが入った激痛に床の上を、のた打ち回っている!!
悪だくみ、成功!!
「道重!! おめえ、こうなると分かっていて!! わざと、美貴に、やらせたなー!! うあーん!!」
こんな、分かりやすい罠に騙されて、簡単に引っ掛かる藤本さんは、アホである。
「フフフフ・・・・夜中に勝手に、やって来て。私と絵里だけの時間を邪魔したですよ!!」
そう、始めから・・・こんな手段じゃ、絵里は起きないって分かってたわ・・・・
「zzzzz」
その証拠に、特製ジュースを飲まされても絵里は、まだ眠ったまんまなの・・・・私はただ、藤本さんに一泡ふかしてやりたかっただけなのだ。
「さて!! 冗談は、さておき!! 本気で、絵里を起こさなくっちゃ!!」
「ぅおーい!!」
藤本さんは、私に見事なツッコミの手を炸裂させる!!ホント、藤本さんのリアクションは分かりやすい!!
- 33 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/23(月) 20:46
- さてさて、どうやって絵里を起こすことが出来るかって?
それはね・・・寝ている絵里にキスをするの!! キャッ!!
あの有名な童話「眠れる森の美女」のように・・・お姫様は、王子様のキスで呪いが解けて、長い眠りから目覚めるの・・・・だから、私も王子様みたいに(私は、お姫様だけど)絵里にキスを・・・・
ドキドキドキドキ・・・・
去年。一度、寝たら何をしても、しばらく起きない絵里に。私はキスをしたことがあるの。(恥ずかしいから、絵里には内緒なの)
絵里の寝顔を見ているうちに、愛しさのあまり、唇にキスをしたら・・・信じられないことに、すぐに目を覚ましたの!!(絵里自信は、私がキスをしたことが分かってなかったけどね)
そういうわけで・・・・絵里を今すぐ、目覚めさせるには、この手しかないわ!!
ドキドキドキドキ・・・・
絵里・・・綺麗な寝顔・・・誰にも渡したくないわ・・・絵里は、ずーっと私だけの絵里でいてほしい・・・私は、こんなにも愛してるの、絵里・・・・
そっと、瞳を閉じて・・・絵里の唇へと、私の唇を近づける・・・・
ドキドキ・・・・
この瞬間の時間が、とても長く感じられるわ・・・・
藤本さんに見られてるのも忘れて、絵里の唇に触れた・・・
チュッ・・・
また、絵里にキスしちゃった・・・・そのキスの味は、絵里が特製ジュースで口の周りを汚してたせいで、激マズな味がした。私は、その味にむせ返りそうになるのを耐えて、唇を離す・・・・
「ん・・・うぅん・・・さゆ・・・・?」
「おはよう・・・絵里・・・・」
ほら、やっぱり!!目を覚ました!!愛の力のおかげよ!!(愛があったから、酷い味でさえ耐えられるのよ)
「そんな、簡単なことで、目を覚ますなら!! 始めから、そうしろよ!!」
今の状況に対して、藤本さんは怒りのツッコミを入れた!!
ごめんなさい、藤本さん!!その通りです。キャハッ!!
- 34 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/23(月) 20:51
- 続く・・・
>>29 ミッキーティ♪様
感想レスありがとうございます。
これからも頑張りますので、よろしく。
これから、どんどん物語を面白くするつもりなので、楽しみにしてくださると幸いです。
- 35 名前:みきみき 投稿日:2006/01/23(月) 22:12
- おもしろい!!美貴ちゃんの亜弥ちゃんと駆け落ちする
れいながすごすぎる!!
更新たのみます
- 36 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/23(月) 23:17
- さゆえり最高!
ケータイから読ませていただきました。
更新待ってます
- 37 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/25(水) 22:28
- 更新開始
>>32の文章の間違いの訂正
×「フフフフ・・・・夜中に勝手に、やって来て。私と絵里だけの時間を邪魔したですよ!!」
○「フフフフ・・・・夜中に勝手に、やって来て。私と絵里だけの時間を邪魔した罰ですよ!!」
- 38 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/25(水) 22:30
- そんなこんなで・・・・今夜は、大変な状況だったわ。
短い時間で、急に予想もしてなかった展開に考えが、まだ、まとまってないの。
それで、今の現状の状況整理も兼ねて、只今、眠りから覚めた絵里に今まで経緯を説明することにしたわ。
いきなり、藤本さんが、れいなと亜弥さんを捜して駆け込んで来た事・・・愛ちゃんから聞かされて、れいなと松浦さんが駆け落ちしたという事実を知った事など・・・一つ、一つ絵里に話していく・・・・
絵里は、最初はビックリしてたけど、冷静に事態を把握していったみたいなの。
「ふーん・・・なるほどー・・・うん、大体分かったー」
絵里は、そのことについて、特に何も言わなかった。
そういう時の絵里は、物事を自分なりに理論だてて考えているのだ。
絵里は普段はフニャフニャしてるようでいて、ホントは勘が鋭いの。
そのため、私は絵里がそのうちに良い意見を言うだろうと期待すことにしたわ・・・・
そして、私達は、その後・・・夜の街並みを、私は絵里と、藤本さんは一人で、それぞれ二手に別れて、れいなと亜弥さんを捜して散策することにした。
睡眠不足で、眠たくてしょうがなくて、今すぐにでも眠りたかったけど、親友の、れいなのためを思って、我慢!我慢!!
- 39 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/25(水) 22:31
- 正直なところ・・・捜すとは言っても、あの二人の消息は手掛かりも何も無いから、どこか捜すあてがあったわけでもなくて・・・・
ただ、夜の街の通りを行くあても無く、思いつくままにブラブラしていたというのが正解なんだけどね。
「あのさー、考えたんだけどさー・・・・」
「何を?」
いきなり、そう話をしてきた絵里は珍しく、鋭い眼差しを秘めた凛々しい真面目な顔をしていた。
「れいなと亜弥さんは、ホントに駆け落ちしたんだよね?」
「???? そうだよ・・・・」
どうして、絵里は今更、そんな事聞いてくるんだろう?
「けど、ホントーに駆け落ちしたのかな? 絵里には、どうしても、そう思えないんだよねー」
「えっ!? どうしてー?」
「だって、駆け落ちをするってことは、相当に深い恋愛関係ってことでしょ?」
「うん・・・」
「でもー・・・れいなと亜弥さんってぇー、そんな風になるまで仲が良かったっけ? 何かが、おかしいよね?」
「あっ!! そういえば、そうだー!!」
「でしょー!! それに、恋愛関係とか、その前に、あの二人は知り合いなの? 少なくとも、絵里の知る限りでは、知り合いじゃなかっと思うんだー‥‥」
「藤本さんを介しての、顔見知りだったのかもしれないよー‥‥」
「そりゃー、そんな線もあるけどー・・・れいなと亜弥さんの間に、深い恋愛関係にまで発展する程の接点が無いと思うんだよね。これは、きっと、何らかの裏がありそう・・・・」
絵里は、そう言い切った後、しばらく黙ってしまった。きっと、考え事をしているのだ・・・
しばらく、そーっとしておいてあげよう・・・・
れいなは今、どこで、何をしてるんだろう?
何を考えてるの? 私には、全然分からないよ。
せめて、友達として相談ぐらいしてくれてもいいのに・・・・
- 40 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/25(水) 22:32
- 「さゆー、今から電気屋さんに行くよー」
「えっ!? 何しに?」
「買いたい物があるのー」
私は、どうして絵里が電気屋さんに行きたいのか分からなかったけど、他に行く所も無かったから、ついていくことにした・・・電気屋さんと、れいなと亜弥さんの失踪に何の関係があるのかしら?
絵里は、近くの電気屋さんで、小型のテープ・レコーダーとカセットテープを購入してしまった。
何で、テープ・レコーダーを買ったのか、さっぱり分からない私は絵里に、その疑問を尋ねる。
「そのテープ・レコーダー、何に、使うの?」
「んー? ちょっとねー・・・・」
「????」
全然、理解が出来ていない私だけを残して、絵里は先へ、先へと考えを進んでいる。
自分だけ先に進まないで、私にも、ちゃんと教えてよぉー。絵里ぃー・・・・
「さて、これから愛ちゃんの家に行こうか、さゆ」
???? ますます、分からないよ!!・・・・絵里、何を考えてるの?
「えっ!? でも、二人を捜さなくちゃ」
「このまま、ずーっと捜し回っても、二人は見つからないよ、さゆ・・・駆け落ちというぐらいだから、すぐに見つかるような場所にいるとは思えないよ。駆け落ちなんだから、もうすでに、どこか、遠くに行ってしまっているよ、あの二人は・・・・」
「確かに、それはそうだけど。何で、愛ちゃん家なの?」
「さゆ、愛ちゃんから、二人が駆け落ちしたんだって伝えられたんだよね?」
「うん・・・藤本さんが来てすぐ、いきなり、電話がかかってきて、知らされたの・・・・」
「そこが、おかしいのだよ。二人が駆け落ちしたとして、どうして愛ちゃんは、その事実を知っていたんだろう? 普通、駆け落ちするんだったら、誰にも知られないように内緒にするはずでしょ? なのに、愛ちゃんは、どうして駆け落ちしたと知ってるのかな? しかも、藤本さんの動向まで把握してたみたいだよね。 きっと、高橋さんは何かを隠してるに違いないよ」
さすが、絵里!! いつもは、ボケているのに、いざというときには頼りになる!!
私は鈍いから、分かってないけど。絵里は多分、もう確信のある答えを導き出しているんだ。だから、私は絵里を信じて愛ちゃん家に行くことに決めた。
いざ!! 愛ちゃん家へ!!
- 41 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/01/25(水) 22:33
- 私達は、タクシーを拾って愛ちゃん家に向かう・・・・
私は、行き先に着くまでの間、窓の外の光景をボーッと眺めていた。
世の中には・・・今、街道を歩いてる人々がいて・・・そんな、たくさんの人々の中で、私は・・・絵里や、れいなや、藤本さん、愛ちゃん・・・みんなに出会えて、今こうしていることが不思議に思えてくるの。
運命・・・言葉にするなら、そんな感じなのかな?
「さゆー、着いたよー!!」
一人で黄昏れていたら、いつの間にか目的地に到着してたみたい。
絵里は、さっきまでのキリリとした表情から、いつものフニャッとした表情に戻っている。
タクシーの料金を払い(これで。今月の、お小遣いを、ほとんど使い切ってしまったなの)、ドアから外に出ると、愛ちゃん家が目の前に広がっている。
私が、愛ちゃん家に行くのは何ヶ月ぶりだろう?
確か、今年の夏に、れいなと絵里と私の三人と、ガキさんと、紺ちゃんと、まこっちゃんで遊びに行ったきり、行ってなかったと思う・・・・
愛ちゃんは何を隠してるの?
それを、今から私と絵里で、確かめに行きます。
- 42 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/01/25(水) 22:42
- >>35 みきみき様
面白いと思って頂き、とても光栄でございます!!
>>36
ケータイから、わざわざ読んでくれて、ありがとうございます!!
ほんの少しですが、更新しました。
- 43 名前:初心者 投稿日:2006/02/01(水) 22:09
- 読ませていただきました
面白いです ってゆうか続きが気になります
愛ちゃんは何を知ってるのか知りたい
次回更新楽しみに待ってます
- 44 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/02/04(土) 20:14
- 久々に見たら更新がされてて嬉しかったです!
激おもしろいっす(・∀・)bグッジョブ♪
さゆの腹黒なカンジとか絵里の古畑並の洞察力がナイスでごんす!
また更新楽しみに待ってます!
でわ作者さま、がんばってくださいませ☆
- 45 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/02/05(日) 00:42
- 更新開始
- 46 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/05(日) 00:42
- 絵里は高橋家のチャイムを押した・・・
ピンポーン♪
愛ちゃんは、家に居るはず。だって、点いている電灯の光が窓からもれているもん。
玄関扉の向こう側から、バタバタと誰かが来る物音がする。
「はーい、どちらさまですかー?」
これは、愛ちゃんの声だ。
「愛ちゃーん。絵里と、さゆでーす!! 」
私達は愛ちゃんに、うちらの訪問を告げると、玄関扉が開いた。
愛ちゃんは、開いた扉の隙間から、顔を覗かせて言う。(防犯用のドア・チェーンが掛けてあるから、それ以上に隙間が開かないのだ)
「お・・・やあ!? 亀ちゃんに、さゆ・・・どうしたの? こんな夜中に?」
初めに、私から話を切り出す。
「どうしたも、こうもないですよー。夜中に急に電話してきたのは愛ちゃんですよ。電話での愛ちゃんの声は凄く慌ててたみたいだけど、何かあったんですか?」
「な・・・何にもないやよ・・・・」
- 47 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/05(日) 00:43
- 私の率直な質問を受けた高橋さんの目が分かりやすほど不自然に泳いでいる。(そんな表情をしたら嘘だって分かります)
高橋さんは、嘘が下手な、嘘のつけない正直な人なのだ・・・やっぱり、何かを隠してるんだ。
「愛ちゃーん!! 絵里、外で寒いですよー!! 中に入れてくださいよー!!」
「えっ!? えーっと・・・アハハハハ・・・・」
絶対、愛ちゃんの様子は、おかしいなの・・・・
それでも、愛ちゃんドアチェーンを外し、とりあえずは私達を家に招き入れてくれた。
そして、私は絵里が次に何をするのか、動向を見守る・・・・
「そうだー!! れいなに連絡とってみよう!!」
絵里は、自分の携帯で、れいなに電話する気らしい。
!? そうだ!! どうして、あの二人の行方を捜す前に、れいなに直接、連絡をしてみようと思わなかったんだろう!! 捜すことにばかり、気を取られていて忘れてたなのー!!
トゥルルル・・・トゥルルル・・・トゥルルル・・・・
絵里が携帯で、れいなに電話してるときの、愛ちゃんの態度は妙にソワソワして挙動不審なの、何か嘘ついてるのが
バレバレだわ・・・・
"留守番電話サービスセンターに接続します・・・・"
ピッ
受話器の向こうからは、れいなが電話に出ないために、機会的な留守電のアナウンスが聞こえ。
案の定、れいなに電話が繋がらなかったのが分かると、すぐに絵里は携帯を切った・・・・
- 48 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/05(日) 00:44
- 「れいな、出ないー!! きっと、居留守をしているんだ。冷たいなー!! そんなに、絵里にまで身を隠そうとしなくてもいいのにねー!! そう思いません、愛ちゃーん? ひどいですよねー!!」
「そうやね・・・あっ!! 私、今から、お茶を入れてあげる!!」
愛ちゃんはキッチンの奥へと、そそくさと消えていく・・・私には、苦し紛れに、その場から逃げたように見えた。
「愛ちゃーん!! ポッキーも、お願いね」
絵里は、キッチンにいる愛ちゃんに、ポッキーをねだってる。図々しいよ、絵里・・・・
「ねぇ。絵里ぃー!! やっぱり、愛ちゃんの様子が、おかしいよ!!」
「だねぇー!! 愛ちゃんは、嘘がつけない、お人好しだからね。これは、落とすのは簡単になりそう!! だって、こんなに不用心なんだもん」
そう、言い切った絵里は、ソファの前の座卓テーブルの上に、無造作に置かれていた携帯電話を掴んだ。
その携帯は・・・愛ちゃんのだ。
不用心にも、私達がいる、目の前の近い場所に置き忘れたのだ!!
「どれどれ・・・着信履歴を見てみますよ」
愛ちゃんが、いない間に見る気なのね!!
「ダメだよー!!絵里ぃー!!そんなことしたら!!」
「いいから!!いいからぁー!!」
絵里は、私の制止を聞かず。勝手に、高橋さんの携帯電話の着信履歴を盗み見し始めた。
- 49 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/05(日) 00:44
- その着信履歴には・・・・
時間
02:50 藤本 美貴
01:19 田中れいな
23:26 田中れいな
18:14 まこっちゃん
16:41 田中れいな
一日のうちに3回も、れいなから、繋かってきてる!!
てことは、高橋さんは、れいなと頻繁に連絡の、やり取りをしていたことになるわ!!
発信履歴も見てみる・・・・
時間
02:54 道重さゆみ
23:51 松浦 亜弥
20:12 がきさん
17:37 田中れいな
16:02 藤本 美貴
02時54分の履歴に、私の名前が・・・それは、藤本さんがやって来た直後に繋かってきた、高橋さんからの電話を表している。
そうか、02時50分に藤本さんから電話が繋かってきてたんだ。
きっと、藤本さんに「亜弥ちゃんと、れいなが、どこに行ったか知らない?」みたいな事を聞かれて、藤本さんは通話を切る前に、私が泊まっている絵里の家に行くようなことを、ほのめかしたのね。
だから、心配した愛ちゃんは、私に「早く逃げて」と、警告し てきたのね、納得なの。
メール覧には、送受信ともに、れいなとのメールの、やり取りの記録が、たくさんあって・・・・
「あーい!!お茶やよー!!」
後ろから、愛ちゃんが戻ってくる声が聞こえた!!
絵里はソファから腰を上げると、湯飲みを乗せた、おぼんを運んでくる愛ちゃんへと詰め寄っていた。
「愛ちゃん。もう、隠さないで、ホントの事を喋ってくださいよ。」
「えっ!? ななな・・・何の事?」
「さっきね。黙って、愛ちゃんの携帯の履歴を盗み見ちゃいました。れいなと良く連絡してたんですね? それに、亜弥さんにも、一回連絡をしてましたね?」
「!!!!」
- 50 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/05(日) 00:45
- 愛ちゃんの顔が強張っている!!
おぼんを持つ手は震えている。
そうして、持っていた、おぼんは手から滑り落としてしまった・・・
ガシャーン!!
重力に逆らえない湯飲みは床の上で砕け散る・・・・
「もう、言い逃れは出来ないですよ!! 何を隠してるか教えてください」
「知らない!! 知らないやよー!! あっしは、何にも知らんざ!!」
動揺して、地元の福井訛りが出てきている。愛ちゃんは、やっぱり嘘がつけない人なんだ・・・・
「あえて、知らないって強調するのは・・・やっぱり、何かを知ってるんでしょう?」
「知らないって言うとるやろー」
今度は、愛ちゃんが逆ギレした。
それでも、絵里は怯まなかった。
「ふーん・・・そうですかー!!そこまで、シラを切るなら、仕方ないですね。 アレの出番だな!!」
その時の、絵里はニコニコと屈託のない笑顔なの・・・でも、それが逆に不気味なの・・・・
ゴソゴソ・・・
絵里は、ワークパンツのポケットの中を探っている・・・何を出す気なの!? 私は、今すぐに宇宙から隕石が堕ちてくる時ぐらいに、ドキドキした!!
「ジャジャーン!! 闇アイテム!! [まこっちゃんの靴下]!!」
あっ!! あれはぁー!!!!!!
え・・・絵里!! まさか、そんな恐ろしい物を使うの!?
「さゆー、愛ちゃんを捕まえてー!!」
絵里は、ニコニコと悪巧みに胸をワクワクさせている笑顔で、私に命令した!!
そそそそそ!!!!!!!・・・・・そこまでするつもりなの!? 絵里、冗談でしょ!? でも、絵里の表情は本気なの!!
私は、これから愛ちゃんを襲う災難が、気の毒で胸が痛んだ!!
絵里は、絶対アレをやるつもりだ!!
- 51 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/02/05(日) 00:53
- 続く!!!!!
>43 初心者様
仕事の合間や暇を見て、マイペースで更新するので、なにとぞ、よろしく!!
>44 ミッキーティ様
そうなのです、絵里は古畑並に頭脳明晰というキャラになっております。
難事件(?)を解明していく絵里の名推理に、こうご期待!!
- 52 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/02/05(日) 16:18
- 作者さま更新ナイスです!お疲れ様(^∀^)b
絵里、古畑キャラから今回の「闇アイテム」(笑)で
ドラえもん的な部分も垣間見えました。
「まこっちゃん靴下」・・・使用方は想像せず、あえて更新待ちです♪
でわ、がんばってください☆ちゃお〜♪
- 53 名前:初心者 投稿日:2006/02/08(水) 15:49
- 更新お疲れ様です
愛ちゃん分かりやす、しかしそこも可愛い
絵里のアレとはいったい???恐ろしそうだ
次回更新楽しみに待ってます
- 54 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/02/19(日) 20:25
- えぇ!? 急に、そんなこと言われても・・・・
「早くぅー!! 逃げちゃうよぉー!!」
見ると、愛ちゃんは窓から外へ逃げようとしている!! そうは、させません!!
私は、愛ちゃんの背中に飛び付き、腋の下に腕を回して、羽交い絞めにする!!
「お願い!! 見逃してー!!」
愛ちゃんは、私の腕の中で、ジタバタしている‥‥長い時間は押さえてられないわ!!
「絵里、早く靴下を!!」
解説しよう!! 闇アイテム[まこっちゃんの靴下]とは・・・・
まこっちゃんこと「小川麻琴」が、我が創作ダンス部のダンス・レッスン用に履いていた靴下である。
しかも、半年間もの間、一度も洗濯していなかったために、まこっちゃんの汗と水虫の菌が染み込み。さらに夏場にロッカーの中で放置したから発酵熟成されて、物凄い悪臭を放つ危険物と化した、闇アイテムである!!
「イヤー!! それだけは!! それだけは、やめてー!!」
その靴下は、ジッパー付きのビニール袋の中に収納されていても、あまりの悪臭のためにビニール袋から臭いが洩れ出しているために、鼻が曲がりそうなの!!
絵里は、そんな私にガスマスク(どこから、そんなものを!?)を被せてくれた。 絵里もガスマスクを被る。
ゴム手袋(それも、いつの間に!?)を履いて、ビニール袋から靴下を取り出した途端、愛ちゃんは悪臭に悶絶している。
- 55 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/19(日) 20:26
- 「イヤーーーーーー!!!!!! 助けてー!! お母さーん!! イヤやよー!!」
「フッフッフッフ・・・観念してください!!」
靴下を、愛ちゃんの鼻先に近づけた!!
「うぇ!! 臭い!! 臭いやよー!!」
私は、ガスマスクのおかけで臭いを嗅がずに済んでいるけど・・・・実物は、この世の物とは思えない程に臭いみたい!!
「ほれほれ!! 愛ちゃん、早く白状しちゃいなさいよ!!」
「うぅー!! 嫌や!! 言うもんかー!!」
それでも、高橋さんは我慢をしている。(でも、その我慢が続かなくなるのも、時間の問題なの・・・)
「中々、強情ですねぇー!! じゃあ、これならどうですか?」
絵里は、高橋さんのバタつく足を強引に掴んだ!!
まこっちゃんの靴下を、愛ちゃんに履かせる気なのだ!!
高橋さんは叫ぶ!! 絵里の意図を察したのか、しきりに抵抗する!!
「やめてー!! お願い!!」
「やめてほしかったら、早く白状するのです!!」
「水虫がぁー!! まこっちゃんの水虫が移っちゃう!! ヒィィィー!! イヤー!!」
- 56 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/19(日) 20:28
- 絵里は無理矢理、足に靴下を履かせようとする!!っと、その時!!
「分かった!! 分かった!!言うよ!! だから、やめてー!! 」
「やっと、白状する気になりましたか!!」
「ハアハアハアハア‥‥」
私は、愛ちゃんを解放する・・・押さえてて疲れたなの・・・ハア・・・・
「田中ちゃんと亜弥さんの駆け落ちは、実は本気で駆け落ちしたんじゃないの。駆け落ちのフリをした狂言なんやよ。」
狂言!? つまり、ホントは駆け落ちなんかじゃないの?
「やっぱり、そうでしたか・・・普通の本気な駆け落ちだったら、完全な逃避行であるのだから、誰にも見つからないように内緒にするけど、この場合の駆け落ちは狂言だから。 誰かに、駆け落ちしたという嘘を吹き込む必要があるんですね。? 何故なら、あの二人が駆け落ちをしたんだと皆に思い込ませるのが目的でしょうからね。 上手く思い込ませることが出来なかったら、この計画は成立しない。 そして、藤本さんや私達に駆け落ちしたと思い込ませて騙すために、在りもしない嘘を伝える役割を担っていたのは、愛ちゃん!! あなたですね!!」
「!!!!」
「さあ・・・愛ちゃん、もう、全てを話しても良いんじゃありませんか?」
「あたしは、ただ頼まれただけなんだよ。あの二人に頼まれたの・・・まるで、ホントに駆け落ちをしたみたいに、嘘をついてくれって・・・・」
私は口を挟んだ
「あのー・・・ということは・・・二人は、そのー・・・深い関係というか、恋愛関係じゃないんですよね?」
「うん・・・そうじゃないんやよ、重さん・・・騙して、ごめんね・・・・」
「でも、この計画は二人の共犯だということは間違い無いよ、さゆ」
- 57 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/19(日) 20:30
- 私には、もう一つ気になる事が・・・
「どうして、れいなや亜弥さんは、そんなことを?」
「それは・・・全ては、亜弥さんが藤本さんの気を引くために仕組んだ事なんよ・・・あたしも、田中ちゃんも、それに協力してただけ・・・・」
「気を引きたい?」
「それ以上の事は、あたしも知らない。ホントは、あたしは、この計画には乗り気じゃなかったの!! それでも、あの二人から、しつこく、お願いされて断りきれなかったの!! だって、亜弥さんは切羽詰まってるって感じで必死だったんだもの!! でも、あたしだって!! 何回も、何回も、こんなことは辞め ようって説得したんやよ!! こんなの良くない事だって思ったから!! それなのに二人共、辞めようとせんかった!! うぅ!!グスン!! あたしだって!! あたしだって・・・うあーん!!」
愛ちゃんは、今まで溜まっていた思いを吐き出して、一気に、捲くし立てた後、感極まって泣き出してしまった。
こんな、素直で優しい愛ちゃんを利用するなんて、酷すぎるよ・・・・
「どうして、気を引きたいのか。直接、亜弥さんに聞いて確かめてみようよ。」
絵里は愛ちゃんの携帯から右手で電話しようとしている。
それから、さっき買っておいたテープ・レコーダーを左手に持って構えているなの。
「この愛ちゃんの携帯から、れいなに電話すれば、きっと、れいなは出てくれるはず・・・」
- 58 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/19(日) 20:31
- トゥルルル・・・トゥルルル・・・・
「はい、もしもし!!」
れいなの声だ!!
絵里は、すかさず空いている左手でテープ・レコーダーの録音ボタンを指で押して、携帯電話に近づけた・・・会話を録音する気なんだ!!(このために、テープ・レコーダーを買ったのね!!)
「もしもし!! あっし!! あちしやよ!! 高橋や!!」
絵里は、愛ちゃんの福井訛りの口調を真似て、下手くそな物真似で喋った!?
そんなことしても誰も騙せないわよ!! 絵里だってバレバレだよっ!!
「うーん!? 愛ちゃん、どうしたと? せっかく、さっきまで寝とうたのに?」
だっ!?騙せたなの!! 信じられないわ!!
「エヘヘヘヘ!! ごめんやよー!! ちょっと、亜弥さんと話したいことがあるから電話代わってくれる?」
「? ええけど・・・ちょと待っとうて、亜弥さーん!!起きてー!!」
電話の向こうでは・・・れいなが、亜弥さんを呼んでいる。
あぁ・・・そうなのね、れいなは今まで寝ていたんだ。(もう、夜中の4時半をまわってるから、そりゃ寝てるよね)
それを携帯の着信で起こされて、寝起きで寝惚けていたために、絵里だと気付かないで、愛ちゃんだと思ってしまったのね・・・・
「もしもしー!! まつーらですー!! どったの? 愛ちゃん? もう、こんな夜中に?」
この電話に出た声は、亜弥さんだ!!
「もしもし!! 亜弥さん・・・亀井絵里ですー。 こんばんわー!! もう、亜弥さんの計画はバレてますよー!!」
「!!!!」
- 59 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/19(日) 20:33
- 「もーう!! 亜弥さんも、れいなも人が悪いですねー。 この計画に絵里も誘ってくれても良かったのにー。 愛ちゃんは、簡単に白状しちゃいましたからバレたんです。 あんな、愛ちゃんみたいな、ヘナチョコアンポンタンじゃなくて、絵里を・・・」
絵里・・・何気に、酷いこと言ってる・・・仮にも、愛ちゃんは私達の先輩なのよ!! それに、愛ちゃんも悪気があったわけでもないのに・・・
「みきたん・・・みきたんにもバレちゃったの!?」
「大丈夫です。 藤本さんは、まだ、この事実を知りません」
「そうなの・・・みきたんには、まだバレてないんだ。良かった。」
私は、内心・・・れいなと亜弥さんが恋愛関係ではなくて、駆け落ちも狂言だという事実にホッとした・・・っと、同時に。無性に居心地の悪い腹立たしさが込み上げてきたなの・・・・
「それでですね・・・!? さゆ!?」
バッ!!
私は、絵里から携帯を奪い取って・・・絵里の頬を平手打ちした!!
バシッ!!
「???? 何で、こうなるの!?」
倒れた絵里は私を不思議そうに見上げてる。
いくら、絵里でも、さっきの発言は酷すぎる!! たとえ、嘘でも許せないわ!!
「もしもし!! 道重です!! 亜弥さん、どういうつもりですか? こんな真似をして!! 恥ずかしくないんですか?」
私は、電話の向こうの亜弥さんに対して怒鳴った!!
- 60 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/19(日) 20:34
- 何よ!? いきなり現れて!! 何にも知らないくせに!!」
「藤本さんは、あなたを捜してるの!! 藤本さんは、どれだけ、あなたのことを気にしているか!! 分からないんですか!!」
いつも、あまり怒らない方だけど・・・
私・・・いつにもなく、怒ってる・・・・
「えっ!? みきたん、私のこと気にしてくれてるの!? やったー!!」
「ふざけないで!! どれだけ、藤本さんは、あなたのことを思っているか!! 何をしてるか、分かってるの? 何とか、言いなさいよ!!」
私・・・何を、喋ってるんだろう?
それでも、絵里の家にやって来たときの、あの藤本さんの泣き顔を想うと、口をつく怒りの言葉を止められなかった。
「だって!! みきたん、全然、私のこと、かまってくれないんだもん!! こうする以外に方法がなかったわ!!」
「そのおかけで、どれだけ藤本さんが傷ついたと思っているんですか!! この、バカ女!!」
「みきたんは、それぐらいの目にあって当然だよ!! 私の方が、どれだけ、みきたんに傷つけられたかも知らないで、勝手なことを言わないで!! これは、罰なの!!」
「藤本さんが、あなたに何をしたんです!! あんなに!!あんなに、あなたを愛してくれてたのに!!」
「このことは、あなたには関係無いでしょ!!」
「関係あります!! れいなは私の親友なの!! その、れいなを、あなたの計画に巻き込んでおいて、関係無くは無いわ!!」
「・・・・!!」
「・・・ハア・・・・」
私は、今までに無い程、怒鳴りまくって喉が熱い・・・・
- 61 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/02/19(日) 20:36
- 「みきたんは・・・みきたんは、私が!! 恋人の私がいるのにぃー!!」
亜弥さんが声を荒げて、ヒステリックな声で叫んでる(もしかしたら、電話の向こうの松浦さんは、瞳から涙を流して、泣いてるのかもしれない)
「みきたんは、浮気をした・・・あの女と・・・何で!! 何で!!」
えっ!! 浮気!? あの藤本さんが!?
「私の、どこがいけないの? みきたん・・・」
受話器越しの、その言葉は明らかに私に向けられたものではなかった。
それは、心が昂ぶったせいで込み上げてきた悲しみに、我を忘れて・・・心ここに在らずな状態で独り言のような自問自答を繰り返してるのだと分かる・・・藤本さんも、同じく、そんな感じだったから・・・・
「みきたん・・・みきたん・・・何で、よっすぃーなんかと・・・・」
よっすぃー? 吉澤ひとみさんのことだ!! 藤本さんは、吉澤さんと浮気を!? 嘘!? 嘘ですよね? 藤本さん!!
「もしもしー!! さゆー!? れいなだ!! もしもし? もしもーし!!」
受話器の向こうで、れいなが何かを話してるみたい・・・
でも、今の私には何も聞こえない・・・
あまりの衝撃に、私も・・・心ここに在らずな状態なの・・・
嘘ですよね?藤本さん・・・・
- 62 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/02/19(日) 20:44
- 続く!!
>>52 ミッキーティ様
散々、まこっちゃんの靴下ネタで引っ張っておいて、こんなオチで、すいません(ノД`;)
>>53 初心者様
同じく期待持たせたあげく、こんなオチで申し訳ない。
というより、全国の小川麻琴ファンの方、ごめんなさい。この話はフィクションですので悪気があったのではないと釈明します。
- 63 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/02/20(月) 02:41
- 作者様、大体想像通りでしたので謝らないで下さいませ(笑
なんだかまこっちゃんは何処でもこういう役割ですね(−v−)bグッジョブです。
愛ちゃんは先輩の威厳ナシですね可愛い(笑
亀ちゃんのテープレコーダーもグッジョブです。
そして何よりも作者様が1番グッジョブです!でわ、更新待ってます☆
- 64 名前:初心者 投稿日:2006/02/21(火) 16:52
- 更新お疲れ様です
いいと思います、こういうまこっちゃん好きですね(いい意味で)
ミキティどういうことなんだーーー! と言いたかったです
あと親友思いのさゆが熱くなるのも素敵でした
次回更新楽しみに待っています
- 65 名前:ガールフレンド【道重さゆみ-夢の世界にて・・・】 投稿日:2006/02/26(日) 21:27
- ここは、どこなの?
いつもとは違う、見慣れない場所に、私は立っていた・・・・
淡いオレンジ色の照明に彩られた店内・・・・ここは、まるで・・・・私には一度も行ったことが無いはずの高級そうなレストラン・・・・
!? 私の・・・この、服装は? このレストランの正装服だと思うけど・・・・
何も聴こえない・・・・音も・・・・話し声も・・・・
きっと、誰かの声や、何かの物音があるはずなのに・・・・
周りを見回すと、あたりには、いくつものテーブルが配置されていた。
けれど、どのテーブル席も、椅子に座っている客の姿が見当たらない。
ううん!!違うわ!! 一組だけ、一番端の席に座っているわ。
二人組なの・・・・
その一人は・・・・あっ!! 藤本さんだ!! 幸せそうな満面の笑みを浮かべている。
真っ赤な口紅を塗っていて、セクシーな赤いドレスで着飾っているわ・・・・とても、大人っぽい雰囲気なの。
もう一人は・・・・黒いスーツに、ノーネクタイで、シャツの胸元のボタンを外して、はだけさせている服装をしていて・・・・そして、肩まで伸びるサラサラとした綺麗な金髪・・・・
私がいる場所からでは、顔が見えないけど、あの後ろ姿には見覚えがあるわ・・・・
後ろ姿の、その人が私のいる方へと振り返った・・・・そうして私が見た、その顔は・・・・やはり、吉澤さんでした。
その時、私は、どうしてか、あの二人の座るテーブル席以外、他のテーブル席が空いているのか。
お客さんが、あの二人しかいないのかが何故か分かりました。
吉澤さんが、この店を一晩だけ貸し切ってしまったからなの・・・・
だから、あの二人以外に、他の、お客さんがいないのだ。 どうして、私は、そんな事を知ってるのかしら? どうしてなのでしょう?
吉澤さんは、口を動かしている。
私に向かって何かを話しかけている・・・・
声が聴こえないから、言葉で何を喋ってるのかは分からないわ・・・・
けれども、私を呼んでいるのだという事だけは分かりました・・・・
あぁ・・・・そうなのね・・・・私は、このレストランのギャルソンなのだ!!
行かなくっちゃ!!
私は、そのテーブル席の傍の近くで、丁寧な言葉使いで用件を聞く・・・・
- 66 名前:ガールフレンド【道重さゆみ-夢の世界にて・・・】 投稿日:2006/02/26(日) 21:29
- どうやら、吉澤さんが追加で赤ワインを注文したみたいだわ・・・・
私は、礼儀正しく注文を承けると、調理室までオーダーを届けに行く。
その際の去りぎわに、さりげなく私は二人の様子を窺うことも忘れなかった。
私の見た限りでは、二人はテーブルを挟んで向かい合う姿勢で楽しそうに談笑していました。
吉澤さんは、いつにもまして、クールで男前な雰囲気でした。 それは、きっと、服装のせいもあるのでしょうけれども・・・・
藤本さんは、瞳をらんらんと輝かせて(いるように、見えました)、どこか甘えたような口調で、おどけているの・・・・
普段は、軽いヤンキーみたいな藤本さんが吉澤さんの前では、可愛らしい女の子になっているのです。
しかし、そんな二人が、どんな関係なのか何故か不明瞭なの・・・・不思議・・・・
次に、私が何をすべきか自然と分かっていました。
赤ワインのオーダーを、ソムリエに伝えて仕事を託すのであるという事が・・・・
自然と、そうするべきだと長年の習慣が身についてしまったかのように・・・・
ソムリエが、どこにいるのかまで把握してるの・・・・このレストランのソムリエは暇なときは大抵、地下のワイン貯蔵庫にいるから・・・・私は、そこへ向かうの・・・・
居ました・・・・ワイン専用の棚から、ワインを一本、一本、丁寧に点検し・・・・瓶に埃の被った年季物のワインを布で拭き取っている・・・・
そのソムリエは、れいなでした。
今は、吉澤さんと藤本さんの前で、れいなが手慣れた手つきでナイフでワイン瓶のフィルムを剥がし、栓抜きでコルクを開けると、グラスにワインを注ぐ・・・・
フロアの一角に設けられたステージでは、専属の楽団がクラシック音楽を奏でていました。
バイオリン、チェロ、ビオラ、ピアノ、コントラバス、ウッドベース・・・・などの楽器を演奏している人達・・・・いいえ、よく観ると、それは人ではありませんでした・・・・楽器を弾いてるのは全て人形だったのです。
それでも、彼らは動いて演奏しているのです。
生きているの・・・・この人形達は生きているのだ・・・・
それだけではなく、壁に飾られた豪華な装飾を施された額に収められている観賞用の芸術的な絵画の全てに描かれている人物や動植物達・・・・草や木、花・・・・貴婦人の肖像画・・・・檻の中の象・・・・日溜まりの下で丸く なって昼寝をする猫・・・・全て、全ての存在が動いているの・・・・絵の中で生きている・・・・
その光景は、テーブルに置かれているロウソク台に刺さっているロウソクの灯火の効果もあって、とても、幻想的でした。 まるで、おとぎ話の世界に迷い込んでしまったかのように・・・・
- 67 名前:ガールフレンド【道重さゆみ-夢の世界にて・・・】 投稿日:2006/02/26(日) 21:31
- そうなの・・・・この後の、あの二人に運んでいった料理のフルコースも残すは、最後のデザートだけ・・・・
今まさに、パティシエがデザートの盛り付けをしているはず・・・・
調理室を覗いてみると、この世界では、パティシエは絵里であることが分かりました。
せっせと、絵里がデザート(お皿の上に盛られたケーキみたいなやつ)を仕上げて いる・・・・っと、そこへ、ソムリエの、れいなが絵里に近寄って耳打ちをした。 一体、れいなから何を聞かされたのでしょうか絵里は、しきりに笑っている・・・・
そして、れいなと絵里が不敵に笑い合いながら、何やら話し合っています・・・・
この世界では、全く音が無いから、何を言ってるのか解らないけど、私のことを話してるらしいのは解る。
れいなと絵里がチラリとチラリと私の方を見ながら、ほくそ笑んでいる。 まるで、私のことをバカにしているみたいに・・・・
私だけが疎外されたような居心地の悪さと、仲間外れにされた寂しさを感じる・・・・
胸が押し潰されそうな程に悲しくなり、いたたまれなくなって、私は調理室から出ていく・・・・
何もかも不可解で、しょうがない・・・・どうしてなんだろう?
客広間に戻ると、この店の入り口=出口の戸が開いて・・・・そこに、現れたのは・・・・
派手な化粧に、厚底のブーツ・・・・へそ出しのキャミソールにミニスカートという肌の露出度の高い服装に、派手な毛皮のコートを羽織った亜弥さんでした!!
亜弥さんは店内を見回して、藤本さんと吉澤さんの二人を確認すると一目散に、二人のいる席へと一直線に歩いていく・・・・その瞳は怖いほど、怒っているように見える。
松浦さんは、二人の近くまで行くと、吉澤さんを睨みました。
一方の藤本さんと吉澤さんは、ビックリしたような顔で、亜弥さんを見ている。
亜弥さんが勢いよく両手で、勢いよくテーブルを叩いた!!
- 68 名前:ガールフレンド【道重さゆみ-夢の世界にて・・・】 投稿日:2006/02/26(日) 21:34
-
その時!!
「・・・・起きなさい!!」
!?
急に、初めて誰かの声が聞こえました!!
「・・・・道重さん!!・・・・」
どこからか、誰かが私を呼ぶ声がする・・・・
「・・・・起きてください!!」
誰?
・・・・・・・・
!?・・・・
ハッ!!
今、私の視界が開けた!! 顔を上げると、そこには机に座る私を見下ろす先生が・・・・そうだー!! 今、授業中だったなの!!
どうやら、私は授業中に居眠りをしてしまっていたみたいです。
教室の周囲を見渡すと、同級生の皆の視線が私に集中していた・・・・
「道重さん!! 授業中に居眠りとは何事ですか!?」
「すいません・・・・」
そうか・・・・さっきまで・・・・私、夢を見ていたのだ・・・・それにしても、変な夢・・・・
昨晩の高橋家での一件・・・・私は、亜弥さんから藤本さんの浮気の事を聞かされた後の事は、殆んど憶えていないの・・・・気がついたときには、朝方に愛ちゃんの家を後にしようとしていた時でした。
そのまま、急いで、絵里の家まで戻って、制服に着替えて、学校に遅刻寸前で登校したのだ。
そして、今朝・・・・学校で絵里に、憶えていなかった、あの時の私の状態の詳細を聞かされた・・・・絵里曰く、私は放心状態で何を話しても反応が無くて。
ただ、うわ言のように「嘘よ」という言葉を何回も繰り返していたらしい。
だから、仕方なく、愛ちゃんの両親が旅行で留守(愛ちゃんは家の中で独りっきりだったのね)なのを良いことに私達は、一晩泊まったと言う。
でも、私は、気持ち良さそうに寝ていた絵里と違って(それでも、絵里も途中から起こされて寝不足気味なんだけど・・・・)、夜から一睡もしていないために、睡魔に負けて授業中に居眠りをしてしまった。
最悪なの・・・・普段の私なら、こんな事は無いのに・・・・
それもこれも全て、れいなと亜弥さんの狂言駆け落ちのせいよ、もう・・・・
- 69 名前:ガールフレンド【道重さゆみ-夢の世界にて・・・】 投稿日:2006/02/26(日) 21:35
- 私は寝起きの頭を働かせるために、昨晩、明らかになった事実関係の整理をすることにしたなの・・・・
こういうことなの・・・・駆け落ちだと思い込んでいた事態は、れいなと亜弥さんが画策した狂言だった・・・・
だか ら、あの二人は恋愛関係でも何でもなくて、藤本さんと私と絵里を騙すために協力関係を結んだだけの共犯関係なのだ。
愛ちゃんは、そんな二人に頼まれて嫌々ながらに、あの二人が駆け落ちをしたという嘘を伝える役割をさせられていた。
そんな、回りくどい計画を遂行したのは、全ては亜弥さんの個人的な私情によるものなの・・・・藤本さんが吉澤さんと浮気(?)をしていて、その事実に気がついた亜弥さんは嫉妬の感情を燃やしていた。
その上、藤本さんは亜弥さんに対して冷たくなり、かまってやらなくなってしまった。
そのため、もう一度、藤本さんを振り向かせるために、気を引くために、狂言駆け落ちしてしまったの・・・・
そして、私と絵里が、その巻き添えで巻き込まれたの・・・・
- 70 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/02/26(日) 21:39
- 続く!!
>>63 ミッキーティ♪様
今回は、さゆみんの夢が中心な話になりました‥‥その夢で、さゆみんの心理状況、世界観、この話での人間関係を端的に表したつもりです
>>64 初心者様
というより、あれから全然話が進んでませんよね?
- 71 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/02/27(月) 04:05
- 作者さま更新お疲れ様です♪
更新日・・・ミキティ生誕記念ということですね、うんうん!(爆
さゆのも色々考えてるんですね。
でわ、また引き続き更新待ってます頑張ってください(^∀^)b−☆
- 72 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/03/22(水) 00:41
- >>71 ミッキーティ様
近々、更新する予定でいまーす。
- 73 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/04/09(日) 22:16
- そうだ、絵里は?
隣を見ると絵里は、机に伏せて眠っている。私と同じように睡魔に負けたのね。
絵里・・・・先生が絵里を注意していないのは、一度寝たら、しばらく何をしても起きない絵里を先生が注意して起こそうとしたけど、全く起きないから、諦めて放置したからなのでしょう・・・・
これは、次に絵里が眠りから目覚めるのは、きっと昼過ぎになりそうなの・・・・
そして、きっと私に今までの授業の内容を写したノートを絵里が見せてと言って、自分のノートに書き写すに違いないわ・・・・
それを、分かっていながら、私はノートに黒板の内容を写し書いている。
大好きな絵里には弱い私・・・・負けね・・・・
それにしても、さっきの夢の中での、れいなと絵里の私に対しての態度が気になるわ。
夢だとしても、妙な胸騒ぎに襲われるの。とても、不安で・・・れいな・・・絵里・・・私から離れて、どこかに行ったりなんかしないよね?
特に、絵里が傍にいてくれなかったら、私は・・・・
そして、れいな・・・・今、どこにいるの?
結局、居所は明かしてくれなかったみたい。
放心状態だった私に代わって、絵里が居所を聞いたけど、れいなは喋らず、勝手に携帯を切ったらしい。
もう、戻ってきてよ。れいな・・・・
あの後、狂言駆け落ちの事実を藤本さんに知らせるかどうかで、いろいろと議論して話し合った結果。
亜弥さんが、れいなと狂言駆け落ちをしたのは、藤本さんが吉澤さんと浮気をしたせいだから・・・・当然、藤本さんにも責任があるというわけで。この事実は、藤本さんには秘密にしておくという結論に到った・・・・
かわいそうだけど・・・・きっと、藤本さんが、この事実を知ったら、罪悪感を感じて、さらに自分を責める恐れがあるから秘密にするの。
でも、私は、浮気だなんて信じていないわ。
藤本さんは浮気をするような、そんな人じゃない。 絶対、何かの間違いに違いないの。
私は、藤本さんを信じるわ・・・・
そして時間が過ぎて、お昼頃・・・・絵里が、やっと起きた。
「絵里、おはよう」
「おはよう、さゆ・・・・今、何時?」
「んーとっね、12時55分!!」
「!? えぇー!! もう、そんな時間なのー!! しまったー!!」
絵里が足早に行動を始める。
「どこに、向かうの?」
私は、絵里の後について廊下を歩いている。
「放送室!!」
「放送室? 何で?」
「録音しておいたテープを聴くため!!」
「それで、何が解るの?」
「うへへへ・・・・それは、後の、お楽しみってことで、よろしく!!」
会話を録音したテープを聴いて、何が解るの?
- 74 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/04/09(日) 22:17
- そうして、昼休みは絵里と私は放送室に篭って・・・・絵里が放送ブースの機器を使って。
昨晩、携帯電話の受話器越しの会話を録音したカセット・テープを何回も再生してる。
放送室の大きなスピーカーからは記録されていた音声が何回も響いて聴こえてくる・・・・
"そのおかげで!! どれだけ藤本さんが傷ついたと思っているんですか!! この、バカ女!!"
!? 絵里ってば、この私と亜弥さんとの口論も録音してたの?
興奮してたから、気付かなかったなの・・・・
それにしても、今の我に返った状態で、昨晩の私の声を聴いてみると・・・・私、普段からじゃ考えられ程の大声を叫んでる。
しかも、"バカ女"って言ったなんて、ちょっと自分でも信じられない・・・・とても恥ずかしい・・・・
絵里は、その後しばらく、何回も、何回もテープを繰り返し再生していた。
次々と、同じ会話の部分をリピートしながら・・・・まるで、何かを確かめるように、何かを探るように・・・・
絵里は、このテープの音声から、あの二人の居所の手かがりを掴む気なのね・・・・
こうして、絵里を眺めていると。何故、れいなが絵里に居所を喋らなかったのかが分かったような気がした・・・・
れいなは、絵里が頭が良いってことを知っている。
だから、きっと・・・・れいなは、絵里が自分のいる居所を掴んで、自分を捜して見つけると確信していた。
それで、居所は喋らなかったのだ。私達の友情と絆を確かめるために・・・・
今日の授業も全て終わって、私と絵里は下校した。(創作ダンス部の部活があったけど、結局さぼった)
帰り道・・・・いつもなら、れいなもいて、三人で笑いながら楽しく家路を歩いているはずなのに、れいなは、いない。
一人、欠けているだけで寂しい・・・・やっぱり、れいなの存在感は、でかいということを改めて痛感する・・・・
けど、そのおかげで絵里と二人っきり・・・・これが普通の日だったら、素直に喜べるのに・・・・
「・・・・」
「・・・・」
無言・・・・何かを、話さなくちゃ!! 話す話題を考えていたら、絵里に謝らなくちゃならない事があったのを思い出した。今更、それに気付く・・・・
「絵里、ごめんね・・・・あの時、ブッたりして・・・・」
「えぇ!? いや、いいよ!! いいよ!! 別に全然、気にしてないから!! あれは、絵里が悪いんだよ!! 私、調子に乗り過ぎていたから!! 私が、いけないの!! だから、さゆは全然、気にしなくていいよ。」
「でも・・・・」
「逆に、感謝してるよ。 だって、さゆが私をブッてくれたおかげで、自分の悪いところに気付いて、我に返ることが出来たんだから!! ありがとう、さゆ」
「絵里・・・・」
「さゆ!! これから、遊ぼうよ!!」
「うん!!いいよ!! 絵里、どこにいく?」
たまには、こういうのも良いよね・・・・
- 75 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/04/09(日) 22:19
- 普段だったら、うちらは門限を守って、それぞれの家路につくけど・・・・今日だけは、いつもと違い家に帰るのも忘れて遊び回った。
カラオケに行ったり・・・・買い物をしたり・・・・ゲーセンで遊んだり・・・・
時間も忘れて、他愛もないことを言い合って笑ったり・・・・ホントに、楽しくて・・・・まるで、デートをしてるみたい・・・・
この二人っきりの時間が永遠に続けば良いのに・・・・
だけど、無常な程に時は進んでいく・・・・
気付くと、辺りは、もう薄暗くなって夜が近づいている。
「さゆー!! もう、帰ろっか?」
「うん・・・・」
家に帰る門限を破っちゃったから・・・・今夜は、きっと、お父さんに怒られちゃう・・・・
でも・・・・ホントは、もっと絵里と一緒にいたい・・・・いつまでも・・・・
気付いたら、絵里が私をジーッと見つめていた・・・・
ドキッ!! 絵里と瞳が合った瞬間。私の胸は高鳴った!!
「さゆ・・・・動かないで・・・・」
絵里が左手で私の二の腕を優しく掴む・・・・
私を見つめる絵里の瞳・・・・
ドキドキドキドキ・・・・
高鳴る心臓の鼓動・・・・
えっ!? これって・・・・もしかして・・・・
私の髪に、絵里は右手を差し入れて、指で髪を撫でる・・・・
そして、絵里の顔が近づいてくる!!
こっ!! これは、キスなの!? 待って、絵里!! まだ心の準備が!! ダメー!!!!
それでも、私は意を決して瞳を閉じる・・・・
ドキドキドキドキ・・・・!?
一向に、私の唇に触れてこない・・・・あれっ!?
「はい!! さゆ、取れたよー!!」
「????」
瞳を開けると・・・・そこには、右手に糸屑を持った絵里の姿が・・・・
「髪に糸屑が付いてたよー!!」
そう言うと絵里は、その糸屑を近くの、ごみ箱に捨てた・・・・
「あ・・・・ありがとう・・・・」
私は、何を期待してるんだろう・・・・恥ずかしい!! まだ、私と絵里は恋人関係でもないのに・・・・
「・・・・」
- 76 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/04/09(日) 22:20
- 好き・・・好きなの・・・・誰よりも・・・・私が、こんな風になっちゃうのは、絵里が好きだからだよ!!
「? どうしたの? さゆ・・・・」
私の絵里への思いが膨らんでいく・・・・絵里に対する愛しさが込み上げてくる・・・・
高まる心臓の鼓動が苦しくて、胸が張り裂けそう・・・・もう、この思いを隠していられない・・・・伝えたい!!
「私・・・・絵里のことが好き!! 好きよ!! 誰よりも!!」
とうとう、告白しちゃった・・・・
「おぅ・・・・うん、絵里も、さゆのことが好きだよ」
ホント?・・・・そんなこと、本気で言ってるの?
うぅん・・・違う・・・・今のは、私が絵里に抱いている恋心のような気持ちで言ったんじゃない・・・・分かってる・・・・
絵里の「好き」は、恋愛感情ではなく・・・・親友として、人間としての「好き」なのだ・・・・
「さあ!! 早く、帰ろうよ!! また明日、あの二人を捜すために!!」
絵里が、さっさと背を向けて歩いていく。
プンプン!! そんなに、急ぐことないじゃない・・・・バカ・・・・
絵里の姿が私を残して、どんどん遠ざかっていく・・・・置いてかないで・・・・
その時、漠然とした不安を感じた・・・・絵里が、どこかに行っちゃて・・・・二度と、会えなくなるような・・・・
待って!!
ギュッ・・・・
「!! さ・・・・さゆ!?」
私は・・・この、どうしようもない不安に・・・・絵里の身体に腕を回して背中に抱きつく・・・・
「どうしたの?」
「何にも言わないで・・・・今だけは・・・・今だけは・・・・こう、いさせて・・・・」
背中に顔を埋めて・・・・絵里の存在の温もりを感じる・・・・絵里が、ここに居ることを確かめるために・・・・
どこにも、行かないで・・・・私の傍に居てほしいの・・・・
- 77 名前:地球人パラノイア 投稿日:2006/04/09(日) 22:21
- 続く・・・・
久々の更新完了!!!!
- 78 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/04/09(日) 23:04
- 更新乙です!
さゆがきゃわいい・・・♪
- 79 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/22(土) 12:00
- 待ってます
- 80 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/04/23(日) 22:42
- 抱きしめて結んだ私の手を、絵里の手が優しく包んでくれる
「さゆ・・・・」
絵里は振り向いて、私の前を向いた。
私を見つめる瞳・・・・どうして、そんなに悲しそうなの?
ギュ・・・・
いきなり強い力で抱き締められて・・・・私は、絵里の意外な行動に途惑う・・・・
絵里の胸に顔を埋めると、絵里は優しく頭を包んでくれる・・・・
嬉しい・・・・
そして、次の瞬間!! 絵里は、うつむいた私の顔を上に向かせると・・・・!!
チュッ!!
一瞬、何が起こったのか分からなかった・・・・けど、今・・・・絵里の唇が、私の唇に触れてるのが分かった!! こ・・・・これは、キス!?
絵里の舌が、私の口の中に滑り込んできた・・・・舌が、私の舌をなぞり、口の中を掻き混ぜる・・・・
絵里は、有無も言わさず、情熱的な激しいキスをする!!
そんな、生めかしい心地良さに、私の意識が、とろける・・・・
私も自然と夢中で舌を絡めていました・・・・頭の芯が熱くなる・・・・
しばらく、そんな状態で。私は絵里を受け入れて、長いキスをする・・・・
絵里が唇を離すと・・・・私は、うっとりとしながら絵里を眺める・・・・
「絵里・・・・」
「ごめん・・・・」
「? どうして、謝るの?」
「今のは、私の間違いだ・・・・こんなことするんじゃなかった・・・・」
どういうことなの?
「今は、さゆの気持ちに応えられない・・・・ごめん・・・・」
「どうして? どうしてなの!? さゆみは、こんなにも絵里の事が・・・・」
それなら、何故キスをしたの?
「絵里も、さゆのことが好き・・・・だけど、さゆと一緒に居られる時間は、もう少ないの」
時間が少ない?
「さゆ聞いて!! 絵里は、お父さんの仕事の都合で、アメリカに引越ししなくちゃならなくなったの!!」
!? アメリカに引越し!?
「だから、絵里はね。 この街や、今の学校を去らなくちゃならないだ。 さゆや、れいなとも、お別れになるの・・・・」
嘘!! 嘘でしょ!! 絵里? 嘘だと言ってよ!!
「嫌!! 嘘だよね?絵里?」
「・・・・別れたくないけど・・・・もう、どうしようもないの・・・・分かってほしい」
「分からないよっ!! 少なくとも、50年間は一緒に居てくれるって言ったじゃない!! あれは、嘘なの?」
「嘘なんかじゃないよ!! 絵里は、アメリカに行ってしまうけど・・・・今は、さゆの気持ちに応えてあげられないけど!! 必ず、いつか!! さゆのもとに戻ってく るよ!! その時は、絵里が、さゆを迎えにいく!! そして、いつまでも一緒に居て、さゆを幸せにするから!! 約束するよ!! それまで、待っていてほしい !!」
「”いつか”って、いつなの? 私は今じゃなきゃ嫌なの!!」
「何年掛かるか分からないけど!! 5年・・・・うぅん!! 3年、待ってほしい!! 必ず、さゆを迎えにいくから!!」
「そんなに、待てないよぉー!! 絵里・・・・」
- 81 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/04/23(日) 22:44
- ”行かないで”っと、言いたかったけど、その言葉は、なんとか飲み込んだなの。
そんなこと言えない。私は、まだ子供なのだけど・・・・そこまで、聞き分けの無い、わがままな子じゃないから・・・・
「いつ、引越しちゃうの?」
「・・・・一ヶ月後・・・・」
一ヶ月後・・・・もう、そんなに・・・・時間が無い・・・・
「どうして、今まで・・・・そんな大事な事、早く言ってくれなかったの?」
「それは・・・・狂言駆け落ちの事もあったし。 これ以上、心配かけさせたくなかったから・・・・うぅん、違う・・・・本当は話すのが怖かったから話せなかったんだ。 全てを打ち明けたら、さゆはどう思うだろうって・・・・さゆを傷つけてしまうような気がしたから・・・・」
「・・・・」
涙が溢れてくる・・・・
次から次へと、いろんな事があったけど、この事実が一番、私にとって悲しい現実なの・・・・
「さゆ・・・・好きだよ!! 好き・・・・」
絵里の、その初めての愛の告白の言葉は素直に嬉しいの・・・・
絵里も、私と同じ気持ちだったなんて、嬉しいはずなのに・・・・運命は、意地悪だわ・・・・
絵里が引越ししなく ちゃならないなんて・・・・
お願い!! 私から、絵里を奪わないで・・・・私と絵里の仲を引き裂こうとしないで・・・・また会えると約束しても・・・・この世に確固としたものなんて、絶対なんかないんだから・・・・
約束を守れるの? 約束なんて、守れないかもしれない半信半疑な不確かなものよりも、もっと確かな信じられる証が欲しい・・・・
「信じてもいいの?」
「信じて・・・・絵里を・・・・」
私を見つめながら、絵里が少しずつ私から離れて・・・・触れ合う手が離れると・・・・
一目散に絵里が、私に背を向けて、走って去っていく・・・・
そうして私は、ただ・・・・走る後ろ姿を見ているしかなかった・・・・
今、思うと・・・・今朝から感じていた、あの嫌な予感は、この事をさしていたのかもしれない
その夜・・・・私は自分の部屋の中で、枕に顔を埋めて、ひっそりと泣いた。
涙が、涙が次々と溢れてきて止まらなかった・・・・
みんな、変わっていく・・・・絵里も、れいなも・・・・何もかも変わっていくの・・・・
もう、前のような関係ではいられないの?・・・・
もう、昔のようにはいかないの?
時間は残酷なほど進んでいくわ・・・・時間と共に、何もかも変わっていく。
時間が、何もかも変えていく・・・・
だけど、私は何にも変わっていないわ・・・・
今も、昔も・・・・私の心は、絵里と初めて出会った、あの頃のまんまなの・・・・
それゆえに・・・・変わりゆく中で、私だけが一人取り残されたみたいで寂しい・・・・
- 82 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/04/23(日) 22:46
- 続く・・・
>>78ミッキーティ様 >>79
お待たせいたしました!! 短いけれど更新することが出来ました!!
- 83 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/04/24(月) 13:20
- 更新お疲れ様です。
さゆと亀ちゃんの今後が気になります。
続きはまったりお待ちしてます。
さゆキャワ!!
- 84 名前:ガールフレンド:〜道重さゆみの夢〜 投稿日:2006/05/01(月) 00:01
- ・・・・また、この夢の世界なの・・・・
きっと、これは昨日の夢の続き・・・・
私は気付いたら、何の飾りっ気の無い殺風景な個室にいました。
ただ唯一、目の前には壁一面に広がる大きな鏡が在って、私の姿を監視するように写してる。
椅子に座る私の姿を・・・・
中央には白いテーブルが見えて・・・・
私自身は、何をしてるかと言えば・・・・感じる、この胸のワクワクとした気分・・・・私は夢の中で何かを期待して待っているみたいなの。
その期待する何かとは・・・・
その答えは向こうから、やって来た・・・・
前と同じ、この夢の中じゃ何の音も無い・・・・静寂の世界・・・・
それでも、私の後ろ側のドアが開くのが分かった・・・・
振り向くと、優しい笑顔を浮かべる絵里がいた・・・・
絵里の口が動く
"出来たよ"って
音が聴こえなくても、そう言ったと分かる。
私の目の前のテーブルに、絵里が見たことも無いケーキを置いた。
ここにきて・・・・私は、この夢の世界での、自分がおかれている状況を理解できました・・・・
パティシエである絵里は、私に新しく作った実験段階の試作品を味見してほしくて・・・・
私に、ここに待ってくれるように頼まれたの・・・・そして私も、それを快諾して、今まで待っていたのだ。
私の後ろから、絵里が手を伸ばして、スプーンでケーキを一切れすくう。
"アーンして"
絵里は、私へケーキを食べさせようとしている
素直に口を開くと、口に向かってケーキが運ばれる
私は後ろを向いて、絵里の顔を眺めながら、ケーキを口に含む。
舌の上でとろけるケーキ・・・・くすぐるように甘い・・・・
絵里はフォークを皿の隅に置くと、そのままキスをしてくれた。
絵里の舌が、私を求めて口の中へと入ってきて・・・・答えるように、私も舌を絡める・・・・
口の中に残ったケーキは絡まる舌と舌で舐め合った・・・・唾液と混ざった、その味を・・・・何かに例えるなら、愛の悦びの味・・・・
口と口が離れると・・・・絵里は私の首に腕を回して、後ろから優しく包み込むように抱き締めてくれた・・・・
私は、愛おしく絵里の回された腕を掴む。
- 85 名前:ガールフレンド:〜道重さゆみの夢〜 投稿日:2006/05/01(月) 00:04
- そして、私達は何故か自然と目の前の鏡を見た。
そこには、私と絵里が、そのままの姿勢で、鏡に向かって妖しく微笑んでいる
・・・・違う!! そうじゃないの!! 鏡に写る、あれは本当の私達じゃない!!
だって、私自身は笑っていないもん!!
写っている鏡の中の、もう一人の私や絵里だけが笑っているの!!・・・・こちら側の私達を嘲り笑うみたいに・・・・
後ろを振り向いて見ても、絵里も私と同じく笑っていない・・・・逆に、悲しそうな顔をしている
どうしてだろうと、鏡に、また目を向けると・・・・
!? そこには信じられないような光景が繰り広げられているのが見えてしまった!!
嫌っ!! ヤメテーッ!!
その光景は・・・・鏡の中の、もう一人の絵里が・・・・まるで、簡単に木の枝でも折るかのように、もう一人の私の首をへし折っていた瞬間だった・・・・
私は酷く心に衝撃を受けた。
絵里が私を殺すなんて信じたくない!! いくら夢でも、こんなの酷すぎる!!
もう一人の私は首が不自然な方向に折れ曲がって・・・・糸の切れた人形みたいに崩れ落ちた・・・・
どうして、殺すの? 嘘だよね? 本物の絵里は、そんな事しないわ・・・・
鏡の向こう側の絵里は偽物なの!! 今すぐ、いなくなって!! 消えてよ!! お願いだから!! 私を見ないで!!
もう一人の絵里は、私を卑らしく睨んでいました・・・・"愛しているから、殺した"っと、その瞳は訴えている・・・・
気がつけば、私の首に回されていた絵里の腕の感触が消えている!! 椅子から立ち上がり振り返ると、いつの間にか絵里がいなくなってた!!
絵里!! どこに行ったの!?
嫌だ!! いなくならないでよ!! 独りにしないで!!
私は個室を抜け出し、必死で絵里を捜し回る。
いない・・・・いない・・・・どこにも・・・・
こんなに、求めているのに・・・・愛しているのに・・・・
何故、離れていかなくちゃならないの?
ねえ、どうして?
この世界には気が遠くなるほど無数の扉が存在している・・・・一つの扉を開くと、その先にも同じような無数の扉の世界が続いているの・・・・何度も・・・・何度も・・・・そんなことを繰り返しながら・・・・絵里を捜してるの・・・・
そして、とうとう・・・・私は絵里を捜し当てた!!
いた!! やっと、見つけたなの!!
あそこに、佇む後ろ姿は絵里だ!!
私は走る・・・・急いで、絵里の肩に手を置いて・・・・後ろ姿を振り向かせたときには、もう、その姿は一人のピエロへと変わっていた・・・・
- 86 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/01(月) 00:10
-
ジリリリリリリ!!!!!・・・・
ハッ!!
瞼が開いた!! 天井が見える・・・・
そうか・・・・目覚まし時計の音で、起こされたのだ・・・・
視界が、ぼやけているわ・・・・私、寝ながら泣いてんだわ・・・・
目覚まし時計の、うるさい音を止めると、ベットから降りて洗面台に向かう。
洗面台の鏡に写る私の顔を眺める・・・・さっきの夢のように、鏡の中の私が勝手に動き出しそうで怖い・・・・
もちろん、勝手に動かないわよ、そんなの当たり前なの・・・・
分かってるわ、鏡は、ただ風景を写すだけ・・・・
あれは、夢の中での出来事・・・・現実じゃないの・・・・
でも・・・・私が見る夢は、ある程度、現実を反映しているわ。
さっきの夢も私自身の不安感の投影なのだ。
私の傍から、絵里が遠くに行ってしまう不安感・・・・
時々、分からなくなるわ。現実の世界と、夢の世界・・・・どちらが、眠りから目覚めている時で、目覚めていない時なんだろうって・・・・
今、私は目覚めているのかな?
明確な、これという境界線が無い気がする。
それでも、現実の出来事と、夢の中での出来事は、私にとっては、どちらも「真実」なの・・・・
- 87 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/01(月) 00:13
- この日、私は仮病を使って学校を休んだなの。
とても切なすぎて、学校に行く気がしなかったから・・・・
何より昨日の事で・・・・絵里に、どんな風に会えば良いのか分からなかったもん。
今日の私は、自分の部屋に篭って時間だけが過ぎるのを待ってた。
お母さんは、そんな、いつもと違う私の様子を心配してくれていた。
だけど、今の私には、どんな言葉も、慰めや励ましにはならないの・・・・
こんな事してても何にもならないのは分かってる・・・・
でも、どうしたら良いのかも分からない・・・・
いろんな考えが浮かんできて延々と悩み続けてたけど、答えなんか全然出てこない・・・・
そうこうしているうちに時間も、そろそろ昼過ぎた頃・・・・
♪♪♪♪♪
静けさを破って、携帯電話が鳴った。
出ないつもりでいたけど・・・・やっぱり、出ないのは、まずいと思って出ることにしたなの・・・・
もしかしたら、絵里からかもしれないし・・・・
「はい、もしもし・・・・さゆみです」
「もしもし!! シゲさん」
藤本さんだ・・・・
「今、暇?」
「はい・・・・」
「じゃあ、これから会わない? 話したいことがあるの・・・・」
私は・・・・特に用事も無かったから藤本さんと会うことにした。
藤本さんと話し合って、待ち合わせ場所は、街中のスターバックス・コーヒーに決まった・・・・
外には、お洋服は何を着て行こうかな?
あれこれと、着ていくお洋服を何にしようか選んでいたら・・・・さっきまでの悩みが少しは紛れた・・・・
結局、最終的に自分の一番お気に入りの服を着ていくことにした。
絵里が、私の去年の誕生日に選んで買ってくれた。 可愛い花柄のピンクのワンピース・・・・
今まで大事にタンスの中にしまっておいたのに・・・・こんな時に着ていくなんて、皮肉だなんて思いながら・・・・
- 88 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/01(月) 00:17
-
私が家を出てから時間が経ち、待ち合わせ場所のスターバックス店内に入ると、すぐ向こうの席で藤本さんが座っているのが分かりました。
藤本さんも私に気がつくと、笑顔(でも、どこか力が無い)で、私に手を振る。
私は、藤本さんの向かいの席に座る。
そして、藤本さんの顔を間近で見てみると・・・・心なしか、やつれているような気がしました。
目の下にはクマが滲んでる・・・・きっと、泣き疲れたせいなんだ・・・・
あの亜弥さんを思って、藤本さんが本気で泣いたのが分かる。
やっぱり、藤本さんは浮気をしていない。
だって、こんなになるまで藤本さんは亜弥さんを愛してるんだもん・・・・
その後・・・・藤本さんが、あの二人の行き先を訪ねてきてきたから・・・・私は今までの経緯と、絵里がテープ・レコーダーの音声を解析して調査中とだけ伝えることにしました・・・・(あの二人の、駆け落ちは狂言という事実も言おうか迷ったけど、言えなかったなの)
「シゲさん、何かあったの?」
「えっ!? 」
「浮かない顔をしてるよ」
「・・・・」
「美貴に話してよ・・・・美貴には、シゲさんや亀ちゃんに助けてもらっている、お礼があるんたがら・・・・その、お返しに、ちょっとでも、シゲさんの役に立ちたいよ・・・・ね? 隠し合いは無しにしよう?」
私は藤本さんの、その言葉で何もかも話す決心が付いて・・・・藤本さんに昨日の事を話したの・・・・藤本さんなら信頼できるから・・・・
私と絵里の関係・・・・絵里のアメリカへの引越しの事・・・・私の絵里への思い・・・・etc....
藤本さんは真剣に私の言葉に耳を傾けてくれました・・・・
- 89 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/01(月) 00:23
-
・・・・・・
「亀ちゃんが帰ってくるまで、待っていてあげるべきだよ!!」
「うん・・・・」
「シゲさんは、亀ちゃんを信じてあげなくて、どうするの? そうじゃないと、亀ちゃんが可哀相だよ?」
「うん・・・・」
「シゲさんが、本気で亀井のことが好きなら・・・・何年でも待っていてあげれるでしょ?」
「うん・・・・」
藤本さんの言う通りだと思う・・・・やっぱり藤本さんは強い。ホントは自分の事だけで精一杯なはずなのに、自分の事だけじゃなく、さゆみの事も真剣に考えてくれるんだもん。
そうだよね・・・・私が絵里を信じて待ってあげなくちゃ・・・・
少しでも、裏切られる疑いを抱いていた私ってバカみたい・・・・
♪♪♪♪
「ちょっと待ってね、シゲさん」
藤本さんは自分に架かってきた携帯に出る。
「もしもし・・・・あっ!! 亀ちゃんか!!」
架かってきたのは、絵里みたい・・・・
「うん・・・・うん・・・・えぇー!? そうなのー!? うん、分かった!!」
何を話してるんだろう?
「分かった!! 今から、行くよ!!」
藤本さんが携帯を切る。
「絵里は何て?」
「亜弥ちゃんと、れいなの居所が分かったってさ!!」
「!!」
- 90 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/05/01(月) 00:24
- 続く!!
- 91 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/05/01(月) 00:57
- ぅわ!気になる〜!!
さゆ亀+ミキティ、追跡がんばれー(>△<)
作者さま更新乙です。
- 92 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/21(日) 01:50
- 居所が解った・・・・
「亀ちゃんは、学校で待っているって。 じゃあ、それじゃ、シゲさん行こう?」
「・・・・」
「ん? どうしたの。? シゲさん。」
「どうしよう・・・・」
正直、これから絵里に、どんな顔して会えばいいの?って、迷う・・・・
会いたいけど・・・・いざ、会えるとなると、私は絵里に対して引け目を感じてしまう。
実際、会えても、気まずくなるような気がして・・・・
何も、引け目を感じる必要なんて無いのは分かってるけど。
「心配無いんじゃない? 美貴は、そう思うな。 亀ちゃんもシゲさんを信じたいんだよ。 きっと、シゲさんも同じ気持ちなら、分かりあえるよ!! 亀井は分かってくれるって!!」
藤本さんは、私の気持ちを察したのか、励ましてくれた。
「大丈夫だって!! 美貴が、フォローしてあげるから!! さあ、行こう!! 亀ちゃんがシゲさんを待ってるよ!!」
「はい、ありがとうございます」
「そんな、そんな、いいって。こんくらい」
藤本さんの優しさが心に浸みる。
ホントは、亜弥さんがいなくなって、自分が一番辛いはずなのに・・・・それなのに、こうやって辛い顔も見せずに、私を励ましてくれる。
藤本さんは、私と違って強いわ。
私も、藤本さんみたいに強い人になりたいな。
「美貴ちゃんとシゲさん!! 見ぃーっけ!!」
私が感激に浸ってるのを、邪魔する声が・・・・
声がした方を見ると・・・・向こうから、陽気にやって来る・・・・私が一番苦手な、あの人がいた・・・・
「おーい!!」
「あれー!? ごっちん!!」
「へへへへ・・・・偶然だねぇー!! でも、ゴトーはチョーラッキーだよ!!」
今、藤本さんが「ごっちん」と呼んだ人は・・・・
本名、後藤真希・・・・私のいるダンス部の先輩OBなの・・・・凄く、スタイルが良くて、ダンスも上手くて、ダンス部のエースみたいに言われている人。
でも、部活動の大半は、いつもサボっているの・・・・後藤さんは、そんな人・・・・
不真面目というわけじゃないんだけど・・・・人一倍、性格が冷めている人というか・・・・
なんというか、やる気が在るのか、やる気が無いのか分かりずらい人というか・・・・
物事を深く考えたりしないで刹那的に生きているような人と言うべきなのか・・・・
それでも・・・・同じく、創作ダンス部の先輩OB、吉澤さんの親友でもある人で
深く考え込んで、思い悩みやすい私とは対極にいる人で
だからってわけじゃないけど・・・・さゆみは、この人が苦手なの・・・・
この人は、決して悪い人じゃないけど・・・・何故か、好きになれないの・・・・
つまり、生理的に受け付けないの・・・・
- 93 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/21(日) 01:52
- 「ごっちーん、よっちゃんさんは一緒じゃないの?」
「よっすぃーねぇー!! ここで待ち合わせしてたのに。 アタシ、よっすぃーにドタキャンされたんだ!!」
藤本さんは吉澤さんのことを聞いて(何で?) 後藤さんは、ドタキャンされたと言う。
「でねぇー!! ゴトーは、仕方なくさー!! 帰ろうと思って会計しようとしたら、お金が足りなかったの!! んでぇー、さっきまで困ってたんだけど・・・・偶然、美貴ちゃんとシゲさんが居てくれたから助かったよー!!」
後藤さんは、いつもの低くもなく高くもない声で、そう話した。
「それで、悪いんだけどさ・・・・お願い!! 美貴ちゃん、千円貸してほしいのだ・・・・あっ!! シゲさんでも良いよ!! 貸してくれるなら!! お願い!! 後で、二倍にして返すから!!」
「うん!! いいよ!! ごっちん!!」
「んぁー!! ありがと!! 美貴ちゃん!!」
藤本さんは、お金を貸してあげるつもりなのね。
財布から千円取り出すと、後藤さんに手渡した。
「ありがとー!!」
後藤さんは、千円を受け取ると、すぐに去っていってしまったなの。
向こうのレジで、お会計を済ませてる。
「藤本さーん!! 私達も早く、お会計を済ませて行きましょうよ!! 絵里が待ってる」
「うん!! そうだったね!! じゃ、行こうか」
そうやって、私達が店を後にしようとした、その時・・・・
「あっ!! そうだ!!」
お会計を済ませた後藤さんが戻ってきました。
まだ、何かあるのかしら?
「ねぇー、美貴ちゃん!! いつからなの?」
「? いつからって・・・・何が?」
「いやー!! アタシも、ビックリしたよ!! 美貴ちゃんがさー!! そんな大胆なことする子だったなんて!!」
「ごっちん。何の話してるの?」
見た限りだと、藤本さんと後藤さんの会話は噛み合ってない。何なの?
- 94 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/21(日) 01:55
- 「ゴトーは知ってるよ!! まさか、よっすぃーと美貴ちゃんがねぇー!! アタシ、いつも、よっすぃーと遊ぶ仲で一緒にいるけど!! 気付かなかったよぉー!!」
「えっ!? よっちゃんさんが、どうかしたの?」
「もう、とぼけっちゃって!! このことはさ、誰にも言わないから!! アタシにも教えてよ!! 美貴ちゃん、よっすぃーと付き合ってるんでしょ?」
「えぇーっ!? 美貴と、よっちゃんさんがぁー!?」
どういうことなの? 後藤さんは、藤本さんは吉澤さんと付き合ってるって思い込んでるみたい!!
そして、あろうことか、藤本さんに付き合ってるかどうか聞いたわ!!
でも、そのおかげで・・・・私が聞きたかった事を、後藤さんが代弁してくれたなの・・・・
これで、藤本さんが浮気をしてるのか、してないのか分かると思う!!
「えぇー!? 美貴と、よっちゃんさんが付き合ってるって!? 誰が言ったの? 付き合ってないよ!!」
私は、しっかりと聞きました!! 「付き合ってないよ」って!! やったー!! 信じて良かったなの!!
「美貴が、よっちゃんさんと? えぇー!?そんなー!!」
どうしてなの? 藤本さんは、うろたえているみたいだわ・・・・でも、それと同時に恥ずかしそうな、嬉しそうな笑顔と態度をしている。
その笑顔は、まるで・・・・
「あれ? 何か、おかしいぞ!? あれ? どうなってるの?」
後藤さんも、うろたえているみたいなの・・・・
「ねぇ。ごっちん、それ誰から聞いたの?」
ホント、誰から聞いたんでしょうね?
あっ!! もしかしたら!! れいなと松浦さんは狂言駆け落ちという派手な事したんだもの、その事実が自然と流れて、みんなに知れ渡っているのかもしれない!!
もう、学校中の噂になっているんじゃ!!
ついでに、その原因が藤本さんの吉澤さんとの浮気なんだという噂が、おまけで出来たって事なのかしら?
そんな事ありえるの?
この事実は、私と絵里と藤本さんと愛ちゃん・・・・それから、れいなと、松浦さんしか知らないはずなのに!!
愛ちゃんが話したとも思えないし、誰も話してないはず!!
「ごめんね!! 美貴ちゃん!!シゲさん!! また、今度!!」
「ごっちん!! 待ってぇー!!」
藤本さん呼び止めたけど・・・・
後藤さん・・・・逃げ足が速い・・・・もうすでに、お店の出口を抜けて外へ走り逃げていた・・・・
「藤本さん、どうなっているんでしょうか?」
「さあ・・・・美貴も、さっぱりだよ・・・・」
それでも・・・・私は内心、ホッとしていた。
だって、藤本さんが浮気をしてないって分かったから・・・・
でも、ホッとしたと同時に一つだけ心に引っ掛かることがあるの。
それが、また不安感を掻き立てるのです。
何故なら、それは・・・・藤本さんが吉澤さんと付き合ってるって言われたときの、あの笑顔は・・・・別に満更でもないって感じなような気がしたから・・・・
- 95 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/21(日) 01:56
-
そんなこんなで、時は流れて・・・・今、私と藤本さんは学校に到着・・・・
藤本さんは母校に戻ってきて、「ちょっと、なつかしい」と感慨に耽っています。
私は学生服を着てなくて私服だから。
このまま私服で学校に入っていいのかな?っと、心配になったけど・・・・今は放課後だから、廊下を歩く人が少ないだろうと思って、絵里がいる放送室まで向かった・・・・
カチャ・・・・
放送室の扉を開けると、絵里がイスに座り、窓際にもたれて夕日を眺めてる後ろ姿があった。
絵里は私達に気がついたようで、こちらを振り返った。
「絵里・・・・」
「さゆ・・・・」
絵里が私を眺める・・・・
「その服・・・・去年の誕生日のプレゼント・・・・」
「うん・・・・似合う?」
絵里は、去年の誕生日を覚えていてくれたんだ。 そんな、些細な事でも、さゆみ嬉しいわ。
「似合うよ・・・・可愛い」
「えへ・・・・」
可愛いだなんて、絵里に言われると照れるじゃない。 でも、嬉しい・・・・
今、伝えなくちゃ自分の気持ちを・・・・
「私、決めたよ・・・・絵里がいなくなるの寂しいけど・・・・私、いつまでも待つわ・・・・」
「さゆ・・・・」
「でも・・・・たまには、電話してね・・・・じゃないと、さゆみ・・・・泣いちゃうんだから・・・・」
「うん・・・・絶対、するよ。」
後は、もう余計な言葉なんて要らなかった・・・・言葉が無くても、私と絵里は分かり合えたから・・・・
- 96 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/21(日) 01:57
-
時刻は、黄昏時・・・・
「亜弥ちゃんと、れいなの居所が解ったって、ホントなの?」
藤本さんが絵里に問い掛けた。
「ホントですよ」
絵里が答える。
「教えて!! どこに居るの?」
「その前に!! 藤本さんは、もしも亜弥さんに再会したとして、何がしたいんですか?」
「えっ?」
藤本さんの言葉が詰まる・・・・
藤本さんは、しばらく考え込んだ後・・・・口を開いた・・・・
「もしも、また会えたら謝りたい。 きっと、亜弥ちゃんが私の傍から、いなくなったのは・・・・美貴のせいだから」
「・・・・」
「・・・・」
「どうして、駆け落ちしたのかとか、聞きたいことは色々あるけど・・・・何より、先に謝りたい・・・・そして、無理なのかもしれないけど・・・・もし、亜弥ちゃん許してくれるなら・・・・美貴は、もう一度、亜弥ちゃんと、やり直したい・・・・」
今、罪の意識を感じたの・・・・
駆け落ちは狂言だっていう事実を隠している罪の意識を感じる。
藤本さんが、あまりにも健気な思いを叫ぶから、胸が痛い。
藤本さんの、こんなに純粋に人を思う気持ちを踏みにじっているんだ。
もう・・・・隠してられないの・・・・言わなくちゃ・・・・真実を・・・・
「藤本さん、これは・・・・」
「さゆ・・・・ダメだよ」
私が暴露しようとしたことを絵里が遮った・・・・どうしてなの、絵里?
「藤本さん。今から、あの二人の居所を教えます・・・・」
- 97 名前:地球人パラノイア改め地球人パラドックス ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/05/21(日) 02:09
- 続く・・・・
コテハンを・・・パラノイアから→パラドックスに変えます。後は前と同じです
そんことよりも話は思った程進んでないじゃん!!亜弥ちゃんはどこ?
≡≡≡川VvV从=○☆)Д°)←自分自身
ごめんなさい、もう少しの辛抱を・・・・
( ´ Д `)<更新がプーだぞ
- 98 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/28(日) 03:27
- 「あの二人が居る場所のヒントは、このテープに録音しておいた会話の音声に隠されています!!」
ついに、核心に迫るのね!!
「そんな、勿体ぶらないで!! 早く、二人の居所を教えてよ!!」
「うぅ・・・少しぐらい、絵里にもカッコイイところを見せさせて下さいよぉー!! 藤本さーん・・・・」
絵里は、物事を回りくどく説明するのが癖なの・・・・それが、たまにキズなの・・・・
「それでですね。 このヒントが隠されている音声を今から再生します。」
絵里は、カセット・プレイヤーの再生ボタンを押す。
放送室のスピーカーから音声が響く・・・・
“藤本さんは、あなたを捜してるの!! 藤本さんは、どれだけ、あなたのことを気にしているか!! 分からないんですか!!”
あぁ!!これは・・・・あの時の私の声なの!! 今、改めて聴くと恥ずかしい!! 声を荒げて怒っている自分の声・・・・まるで、私じゃないみたい・・・・
カチッ・・・・
絵里が再生を止める・・・・
「解りました? 今の音声の手掛かり。」
「????」
何か、あったかしら?
「いや・・・・解るわけないじゃん!! 何なのさ!! 重さん、分かんないよねぇー?」
「はい!! さっぱり、分かりません!!」
「じゃあ、今度は、音声を上げて、さっきの部分を、また再生しますね!! 音声での、さゆの声は無視して、後ろの背景の音に集中して聴いてみてくださいね。」
絵里は放送機器のボリュームのつまみを、いじくってから、またリピート再生した。
“藤本さんは、どれだけ、あなたのことを気にしているか!! 分からないんですか!!(ガタンゴトン・・・・ガタンゴトン)”
!? 私の声の後ろの方で、音が鳴っている!!
藤本さんも気がついたようで、疑問を声に出した。
「何の音?」
ガタンゴトンって、もしかして・・・・
「これは、列車の音です。」
「列車の音・・・・」
「さ らに言うなら・・・・あの二人が乗っている列車の音です。 それも、列車の車輪とレールの繋ぎ目が擦れる音の間隔が早いため、この列車は速いスピードで走って います。 そのため、この列車は市電や地下鉄の類ではありません。 市電や地下鉄は、これよりも、もっとスピードが遅いので。 よって、考えられるのは、この音声を録音した時間帯から推測して夜間便の深夜特急の列車です。」
私は口を挟む。
「絵里。あの二人が深夜特急に乗ってるのは解ったけど。 でも、それだけじゃ、あの二人が列車に乗って、どこへ言ったのかは分からないんじゃない?」
「確 かに、それだけじゃ、二人の目指す目的地が見当もつかない。 一応、1日半前に電話をかけた深夜の4時半の時間帯に走っている深夜便がないか、時刻表で調べてみたの。 その結果、9つの列車が、4時半の時間帯に走ってたみたい。 けど、これでも、あの二人が、9つの、どの列車に乗っているのを絞 り込むことができないです。」
今度は、藤本さんが口を挟んだ。
「じゃあ!! 全然、亜弥ちゃんが、どこに行ったのか分かんないじゃん!!」
藤本さんの、その口調は少しキツい。 絵里に結論を焦らされて、藤本さんはイライラしてるみたい・・・・きっと、早く松浦さんに会いたい焦燥感があるんだと思った。
「まだ、誰も分からないとは言っていません。 それに、亜弥さんの居所の所在の見当は・・・・一番、亜弥さんと近くにいて!! 一番、亜弥さんの事を知っている藤本さんが知っているはずですよ!!」
「それ、どういうことよ?」
「・・・・まだ、解らないんですか?」
「・・・・」
「次に再生する音声を聴けば分かると思います。」
絵里は、藤本さんを気にせず説明を続ける・・・・
- 99 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/28(日) 03:28
- また、テープを回して・・・・
スピーカーからの音声が響いた・・・・
“ふざけないで!!どれだけ、藤本さんは、あなたのことを思っているか!!何をしてるか、分かってるの!!何とか、言いなさいよ!!(ま‥‥めじ‥‥じ‥‥とうちゃ‥‥す‥‥ても‥‥せんよう‥‥います)”
流れた録音の音声は、私の声の後ろの方で、また何か聴こえた・・・・
今度は、音じゃなくて、誰かの人の声なの・・・・
それにしても、絵里が藤本さんに聴かせている音声は・・・・藤本さんが聴いて、狂言駆け落ちだと判る内容の会話部分の音声を選んでいない。
そんなに、狂言駆け落ちの事実を秘密にするために、慎重に、それと解らない会話部分の音声だけを再生しているのが分かる。
「今の、誰の声なの?」
「美貴は、車内アナウンスの声に聴こえた」
「車内アナウンス?」
車内アナウンスって、車掌さんがマイクで、お客さんに話すアレ?
「聴こえやすいように、背景の音声を強調して再生します!!」
絵里がボリュームのつまみを操作して、また再生した。
音声が流れる・・・・
“ふざけないで!!どれだけ、藤本さんは、あなたのことを思っているか!!何をしてるか、分かってるの!!何とか、言いなさいよ!!(間もなく‥‥姫路!! 姫路!! 姫路駅に到着します。 お手元、お忘れ物がございませんよう。 充分、ご注意ください!!)”
「!!」
はっきりと聴こえたなの!! 姫路って!!
「あっ!!」
藤本さんが、何かに気がついたみたいで、声を上げる。
「気付きましたね!! 藤本さん」
「亜弥ちゃん・・・・姫路に・・・・」
「えっ!? えっ!? 何なの? 藤本さーん!! 絵里!!」
私だけが、理解できてないみたい。
そんな、私を見兼ねて藤本さんが話した。
「姫路・・・・兵庫県・姫路市は、亜弥ちゃんの生まれ故郷なの・・・・」
「!! 亜弥さんは、そこにいるの?」
その問いに、絵里が答えた。
「きっと、れいなと亜弥さんは姫路市に居ると思う。 亜弥さんの生まれ故郷でもあるし。 何より、亜弥さんの生まれ故郷であるだけじゃなく、思い出深い愛着のある土地なんだから・・・・そうですよね、藤本さん?」
「うん・・・・美貴は、どうして今まで気付かなかったんだろう? 姫路には、美貴と亜弥ちゃんで一緒に遊びに行ったことがあるんだ」
亜弥さんと藤本さんの二人の思い出の街でもあるのね。
「亜弥ちゃんが、姫路に居る、お爺ちゃんとお婆ちゃんを訪ねに帰るときに、美貴も誘われて一緒に行ったんだ。 亜弥ちゃんは、なつかしかったのか、いつも以上に、はしゃいでて・・・・色々と、子供の頃の思い出を語ってくれたり、街を案内し てくれて・・・・その時に、美貴は亜弥ちゃんの生まれ故郷を初めて知った」
そうなのね。亜弥さんは狂言駆け落ちをするのに、自分の見知らぬ土地よりも、自分の慣れ親しんだ故郷を選んだのね・・・・藤本さんとの大切な思い出もあるから、姫路まで逃げたんだ。
- 100 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/28(日) 03:30
- 藤本さんは意を決したように駆け出した!!
「どこへ!?」
「決まってるよ!! 姫路まで亜弥ちゃんを捜しに行く!! シゲさん、亀ちゃん!! ありがとう!!」
絵里が叫んだ!!
「待ってくださーい!! 藤本さん!! 私達も行きます!!」
その言葉が届く前に、藤本さんは放送室の扉から去ってしまったなの!!
「絵里、どうしよう?」
「しょうがないよね!! 藤本さんを追いかけて、一緒に姫路まで、れいなを捜すように頼んでみよう!!」
「うん!!」
絵里と二人きり(+藤本さん)で旅行、さゆみの胸は期待で膨らみっぱなし!!
だって、一緒に長い間いるわけだから、絵里とイチャイチャし放題だわ!! キャッ!! めいいっぱい、甘えることが出来るじゃん!!
それに、絵里が海外に行っちゃう分だけ思う存分イチャついてやるんだから!!
列車の中で手を繋いだり、さゆみがお弁当のおかずを絵里にアーンしてあげたり、旅先のホテルで絵里が私に・・・・イヤーン!!ダメー!!
そんな風に、私の妄想は膨らんでばかりですが。 現実は、そんなに甘くないと、この後知ることに・・・・
- 101 名前:ガールフレンド 投稿日:2006/05/28(日) 03:31
-
もう夕暮れ時なの・・・・
私と絵里が学校の玄関から外へ出ると、校門の前で藤本さんが肩をガックリ落として、うなだれていました・・・
どうしたのかしら?
私は藤本さんに声をかけた。
「どうしたんです?」
「おぉ・・・・重さん」
絵里も藤本さんに声をかけた。
「絵里と、さゆも一緒に姫路市まで行きます!! 親友の、れいなが心配だもん!! 私達は、藤本さんに、ついて行きますよ!! だって、一人だと寂しいでしょ? だから、一緒に、ついていってあげますよ!!」
「おいっ!! 美貴は、そんなに弱い子じゃないっつーの!! でも、ありがとう!!」
藤本さんは頬を赤くして照れながら答えた。 何だかんだいって、やっぱり嬉しいみたいなの。
「じゃあ、行きましょう!! 今から!!」
運良く、明日は・・・・土曜日と日曜日で休みなの。
絵里は言う。
「偶然、あのテープに車内アナウンスの声が録音されていて、助かったよ!! 運が良い!! いや!! 運命なのかな?」
絵里と私は、素直に、はしゃぐ・・・・
「美貴ね・・・・今月、金欠なの・・・・」
ピタッ・・・・
しかし、藤本さんの、その発言で、動きが止まった・・・・
「・・・・つまり?」
「大学生はビンボーなんだよね・・・・はあ・・・・お金が無くて、姫路に行けない・・・・」
私は? そうだぁー!! 愛ちゃん家までのタクシー代で、今月の、お小遣いは使い切ってしまったなの!!
「しまったなのー!!」
「さゆー!! どうしたのー!!」
「絵里ー!! お金が無いのー!!」
「えぇー!!」
絵里は、学生カバンから財布を出すと、中身を確認した!!
「!? せ・・・・千円しかないー!!」
ガビィーン!!
高校生もビンボーなの!!
兵庫県・姫路市にまで行くには、どんな交通手段で移動するにしろ交通費がかかる!!
お金がなくちゃ、姫路まで行けないわ!!
「亜弥ちゃんに会えない・・・・」
「れいなに会えないわ・・・・」
「姫路まで行けないから・・・・その二人共会えない・・・・」
私達は校門の前で、しばらくウロウロしていた・・・・
「どうしよう?」
「どうしようかしら?」
「どうしたら良いんだろう?」
さっきから、「どうしよう」しか、口にしていないの・・・・
「そうだー!!」
藤本さんが叫んだ!!
「藤本さん!! 何か、良いアイディア浮かびました!?」
「うん!! よっちゃんさんに頼もう!!」
「「ええぇぇーーーーーー!!!!????」」
「よっちゃんさんね、最近、免許を取ってね。 で、一昨日、自動車を買ったんだって!! それで、よっちゃんさんは美貴と、どっかに自動車でドライブして旅行に行けたら良いねって話をしてたんだ!!」
「吉澤さんが!?」
・・・・
「だから、よっちゃんさんに頼んで、姫路まで連れてってもらおうよ!!」
いくらなんでも、それは・・・・
ここで、吉澤さんが現れて、姫路まで一緒に行ったら・・・・ヤバイの!! 修羅場になるかも!! 人間関係が複雑になるの!!
だって、松浦さんは、吉澤さんを恋敵だと思ってるんですよ!!
- 102 名前:地球人パラドックス ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/05/28(日) 03:35
- 続く!!
でも、実際に姫路市まで深夜特急が走ってるかは不明。想像で書いたので、実際には走ってないかも。
もしそうなら、小説だけの架空の設定っことで許してちょ。
- 103 名前:ミッキーティ♪ 投稿日:2006/05/28(日) 16:04
- 架空の設定でも『恋の逃亡列車』って感じであり!
グーですよ!!
絵里がクールだ・・・。
普段はクールを越えて寒(ry
- 104 名前:ガールフレンド(ひとみの喪失) 投稿日:2006/06/11(日) 00:14
- 今日は、君の元まで花束を届けに行きます。
ピンクの薔薇・・・・君の大好きだった花・・・・
初めて君にプレゼントした花・・・・君が嬉しそうに花を受け取った笑顔を今でも覚えています。
でも、いずれは・・・・この花も枯れていく・・・・
幸せな日々は続くと思っていた。
けれども、花瓶に水を注した花が枯れて、儚く散っていくように、君の命は消えてしまった─────────
───────────
吉澤ひとみにとって、過去は楔だった。
幸せという輝かしい光のような思い出の分だけ、現在に深い影を落とすためであるからだ。
一人でいるときは、誰にも悟られてはいない孤独に身をさらしている。
毎年、この日がやって来る。
そのたびに、ひとみは虚しさを伴う喪失感に見舞われていた。
────最後の、お別れ言葉も無く、突然に────
何故、あの時──傍に居てあげられなかったんだろう?────傍に居てあげてたら、あんな事には、ならなかったかもしれない────
それなのに────自分の無力さを憎んだ。
簡単に過去を忘れることができたなら、どんなに楽でしょうか。
こんなに、胸を締め付ける辛さも味わうことも無いだろうに────
ひとみは、過去の遺物を処分するために、思い出の品々を持ち出して庭まで運んでいた。
過去と決別するために、思い出を燃やすつもりであるのだ。
二人だけの写真───自分の誕生日に貰ったプレゼントのマフラー───何もかも、全て───全て燃やしてしまおう。
火鉢の中に、思い出の品をいれて、ライターオイルをかける。
後は、このマッチを擦って、火を燈せば全ては終わる───
こんなことをしても、君を忘れることなんて出来やしないのは分かってる。
それでも、過去を乗り越えなくちゃいけないんだ。これからの未来を生きていくために───いつまでも、過去に捕われているわけにはいかない。
"よっすぃーが、ずーっとメソメソばっかしてるのを、天国にいる梨華ちゃんは望んでないよ"
ごっちんの言う通りだと思う。
自分は、いつかは変わらなくちゃ───
ひとみは、マッチ箱から、マッチを一本、手に取ると火をつける。
しかし、ひとみは寸前で、火をくべることを途惑ってしまう。
火のついたマッチ棒は燃えて、時間と共に短くなる。
迷いが、ひとみの行動を阻止していた。
未練−それは、ひとみ自身の呪縛。
いつしか、マッチの火は、吹く風に消されていた。
無常の静寂だけが支配する。
その静寂を、打ち消したのは誰かの声・・・・
聞き慣れた声がする。
「よっちゃんさん、いないのー?」
───────────
- 105 名前:ガールフレンド(ひとみの喪失) 投稿日:2006/06/11(日) 00:16
-
私達は、吉澤さんのマンションの部屋の前まで来ていた。
仕方なく、藤本さんに連れられるまま、ここまで来てしまったの・・・・
出来ることなら、吉澤さんの自動車で姫路まで行くというプランは避けたかったのだけれど・・・・金欠な私達には、他に良いプランが無かったから、吉澤さんに頼るしかなかったの。
けれど、部屋のチャイムを押したけど返事が無い。
今、留守なのかな?
それなら、それでいいけど。吉澤さんには罪は無いんだもん、この件に巻き込むのは気が引けるわ。
でも、亜弥さんが誤解をしてるなら、誤解を解かなくちゃならないような。
でも、亜弥さんが吉澤さんと会ったら、何をするか分かったもんじゃないわよね。
うーん・・・・頭の中が、こんがらがってくるー!!
「吉澤さん、いないみたいですね。」
絵里は、つぶやいた。
「先行きは不透明だよー!! 人生上手くいかなくて、つまんない!!」
「絵里、愚痴らないで。」
絵里は、さらに、お喋りをきかせる
「どうですか? もう、いっそのこと、ヒッチハイクで行きません? どうせなら、姫路まで徒歩でも良いですね!!」
!? 全然、笑えない冗談なの!!
「時間が、かかりすぎるよ!! つーか、無理!!」」
珍しいことに、私と藤本さんは同じ言葉で、ハモった!!
私と藤本さんは不思議な現象に、顔を見合わせて戸惑った。
「ええっ?」
「えぇー!?」
「フッ!! ハハハハ!! おかしい!!」
「キャッ!!」
そんな、私と藤本さんの様子を、絵里が怪訝そうな面持ちで見つめている。
「はぁ・・・・さっきのは、冗談ですよ。本気にしないでぇー・・・・」
だから、笑えない冗談なんだってば!!
「お金に困ってるなら、ア◯フルとか、ア◯ムから、お金借りたらいいじゃないですか!!」
さっきから、絵里は減らず口ばかり叩いてる。
「嫌だよ!! 美貴は、サラ金には手を出したくないわ!!」
そして、私や藤本さんが、絵里の提案を拒む。
- 106 名前:ガールフレンド(ひとみの喪失) 投稿日:2006/06/11(日) 00:17
-
そんな、やり取りを、しばらく繰り広げていたら・・・・
「おーい!! 何してるのー?」
見ると、吉澤さんが上の階段から降りて来ていた。
「あっ!! よっちゃんさーん!!」
藤本さんは、吉澤さんを見るや、一目散に駆け寄って、吉澤さんの腰に手を回して抱きついた!!
見間違いじゃない!! 確かに、藤本さんから進んで抱きつきに行ったの!!
「みみみ、ミキティー!? どどど、どうしたの?」
吉澤さんは、明らかに動揺している!! でも、鼻の下を伸ばして、嬉しそうなの!! こうされることに慣れているみたいなの!!
藤本さんは、いつも吉澤さんに抱きついているのかしら?
「ねぇねぇー!! よっちゃんさーん!! 私達、困ってるのぉー!! 一生の、お願いだから、美貴の頼みをきいてぇー!!」
何なの? 普段は、私達にも見せない甘えたような猫撫で声で、藤本さんが喋っている。
私の中にある、強い藤本さんのイメージが崩れていく。
男勝りな藤本さんが、吉澤さんの前では可愛い女の子になってる!! 何? 何なのよ!?
「頼み? 何かなー? 何を、そんなに困ってるの?」
吉澤さんが質問したから、私達は今までの経緯を説明して、吉澤さんの自動車を借りたいという理由と頼みを話した。
「ふーん。あの、アヤヤと、れいながねぇー」
「そうなの!! だから、姫路まで連れてって!! もちろん、必ず、この埋め合わせはするから!!」
・・・・それにしても、いつまで吉澤さんに引っ付いてるつもりなんですか、藤本さん?
今は、吉澤さんの肩に両手を置いて密着している。
藤本さんが、吉澤さんに密着するのは・・・・きっと、恋愛感情があるから、するのではなくて。
単なる、スキンシップなのだ。
しかし、客観的に見てみても、いくらなんでも、ベタベタしすぎなの。
これは、浮気していないにしろ、亜弥さんが誤解するのも無理もないと思った。
「埋め合わせはするの? マジで?」
「うん!! 出来ることなら、何でもするよ!!」
「何でもかぁー。じゃあさ、今度デートしてよ!!」
ななっ!? 何ぃーーーーーー!!!! デート!? もちろん、断りますよね? 藤本さん!!
- 107 名前:ガールフレンド(ひとみの喪失) 投稿日:2006/06/11(日) 00:19
- 藤本さんの返事は・・・・
「いいよ!!」
えぇっ!? 良いんですかぁー!! そんなに、あっさりと・・・・
「ちょっと、待ってくださーい!!」
そんなの、ダメなのー!!だって!!だって!!
「どうしたの、シゲさん? 必死になって」
「ダメですよ!! 藤本さん!! あなたには、亜弥さんという人がいるのに!!」
「あららー!! シゲさんがムキになってるぅー!!」
そりゃ、ムキにもなります!!
「絵里からも、何か言ってあげてよぉー!!」
私は、絵里に助言を求めた。
「良いんじゃないの? デートぐらい」
え・・・・絵里まで、そんなこと言うの?
はっ!! もしや、藤本さんは亜弥さんに逃げられて、ヤケになっているんじゃ!? だから、デートもOKしたのかも、何てことなの!!
「シゲさん、マジにならないで!! 美貴と、よっちゃんさんはね。いつも、こういう風にして冗談言い合ってるだけなんだから!! よっちゃんさんも、デートしようって言ったけど本気じゃないんだから!! ねっ? よっちゃんさん!!」
「まあね!!」
そ・・・・そうなのかな?
今のが冗談なの? 藤本さんと吉澤さんの冗談の感覚が、私には理解できそうにないの・・・・
少なくとも、藤本さんはヤケになってるわけじゃないのね。
けど、どうして、亜弥さんが狂言駆け落ちをしてまで逃げたのか理解したような気がした。
いつも、こんな二人の、やり取りを見せ付けられちゃ、ヤキモチも湧くよね!! プンプン!!
藤本さんは迂闊過ぎる!!
- 108 名前:ガールフレンド(ひとみの喪失) 投稿日:2006/06/11(日) 00:20
- 絵里が問い掛けた。
「吉澤さーん!! どうして? そんなに、すんなりと、姫路までの運転の頼みを受け入れてくれるんですか?」
「それは・・・・えーっと、そのー」
お喋りな吉澤さんが、一瞬、言葉を濁したなの。
「そりゃー!! 可愛い後輩とミキティーの頼みだからさ!! よしざーも、人間として頼りになるところを見せないとね!!」
「他に理由が、あるのではありませ・・・・いいえ!! 何でも無いです。気にしないでください!!」
「そうか、ありがとう・・・・亀ちゃん」
???? 何? 今の吉澤さんと絵里の会話。
少ない言葉で察して、二人は分かり合ったみたい。
でもね、私は、おバカだから、さっぱり分かんなーい!!
「じゃあ、行こうか!!」
何にも分かってない私を残して。 こうして、すんなりと姫路まで行く約束をすることに成功。
「さゆー、どう思う?」
「何が?」
私と絵里は、藤本さんと吉澤さんに聞こえないように、ヒソヒソと話した。
「吉澤さん。 いつもと変わらないようだったけど。 絵里は、ホントは辛いのに無理に元気を出してる気がしたな。具合いでも悪いのかな?」
「そうかなー? 私は、いつもと変わらないように見えたけど・・・・」
- 109 名前:ガールフレンド(ひとみの喪失) 投稿日:2006/06/11(日) 00:23
-
───────────
ひとみは、過去の遺物を庭から回収した。
ひとつ・・・ひとつ・・・・アルミ・ケースに、また収めて
自分の部屋の押し入れの奥に封印する
──また、思い出を燃やせなかった。
───正直。ミキティー、重さん、亀ちゃんが来てくれて良かった────あのまんま、ずっと一人で居たら、気が滅入っていただろう。───
それに、ここには居たくなかった───どこか、遠くへ行きたいと思っていたんだ───姫路まで連れてってほしいと頼まれて、丁度良かった───どこかに行け るなら、どこでも良かった───ただ、ここには居たくない───君との思い出の溢れた部屋にも───この街にも───過去を思い出させるから、いつまでも忘れさせそうとしない───そのたびに、愛する人を亡くした痛みに襲われる───少しでも、今の気分が紛れるなら、姫路へ───遠くへ旅立とう───
君の笑顔が頭に浮かぶ───梨華ちゃん───自分は───いつになったら、悲しみを乗り越えられる?───まだ、立ち直れてない───
そうして、ひとみは自分自身の悲しみを胸に抱えたまま、自分の愛車の鍵を握りしめた。
- 110 名前:地球人パラドックス ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/06/11(日) 00:23
- 続く・・・
- 111 名前:ガールフレンド(さゆみと絵里) 投稿日:2006/07/09(日) 19:04
- 陽が暮れかけようとしている夕刻・・・・
私たちが乗る自動車が国道を走る。
私と絵里は後ろの席。
吉澤さんは運転席で、ハンドルを握っている。
藤本さんは隣りの助手席に、それぞれ座っていた・・・・
姫路に到着するのは、明日の朝方・・・・遅くても昼頃になりそうなの。
吉澤さんにとっては、長時間の運転になるわけで、相当に疲れる仕事だよね。やっぱり・・・・
気の良い吉澤さんには、感謝しなくちゃ。
これが終わったら、感謝の印に、吉澤さんが大好きなべーグルを贈ってあげようと思った。
「えぇーっ!? この車、5万円で買ったの!? 嘘ーっ!?」
「そうなんだよねぇー!! 中古車で安かったんだよ!! 信じらんない程!!」
前の席の、藤本さんと吉澤さんは、さっきから談笑している。
自動車が走り始めてから、今まで楽しそうに話してる。
その会話の内容を、自然と私は聞いていた・・・・
吉澤さんの、この愛車の車種は、“日野ルノー”という名前らしくて
自動車の事には詳しくない私だけど、ちょっと小さい
ミニカーで、古いタイプの自動車だってことは分かった。 デザインも今時の自動車には無い感じで、カッコ可愛い印象を持った。
四人で乗ると、ちょっと狭いけど・・・・
それにしても、車のことは全然知らないけど、いくなんでも、値段が5万円は安すぎるわ!!
何で、そんなに安いのかしら? 確かに、古い車種だけど、それにしては安い!!
もしかしたら、壊れてるじゃないの?
ちゃんと、走ってはいるけど・・・・途中で故障して事故にならないか、心配・・・・
- 112 名前:ガールフレンド(さゆみと絵里) 投稿日:2006/07/09(日) 19:05
- そんな、私の心配をよそに、藤本さんと吉澤さんは会話を弾ませている。
隣りの絵里は眠たそうに、ウトウトしている。
「さゆ・・・・膝、貸して・・・・」
絵里は、そう言うと、私の返事を待たずに、膝に頭を乗せてきた。
「絵里・・・・」
いつも、こんな風に、私は絵里に膝枕をしてあげてる。
絵里は、甘えんぼだから、私に甘えてくるの。
それが、私にとっては、とても嬉しい。
絵里は、私の膝枕に、健やかな寝息をたてて眠る
その寝顔も愛おしくて、絵里の髪を撫でた。
もう、こうやって膝枕してあげられるのも、これが最後かもしれない・・・・
うぅん、違う・・・・最後なんかじゃない・・・・
永遠の別れをするんじゃないないから
また、会えるもん・・・・そう、信じてる・・・・絵里は、必ず戻って来てくれる・・・・
だから、せめて・・・・それまでの絵里との時間は大切にしていきたいの──────────
- 113 名前:ガールフレンド(ひとみと美貴) 投稿日:2006/07/09(日) 19:07
-
───────────
「美貴はね、よく亜弥ちゃんに、“亜弥ちゃんは、美貴のガールフレンドだよ”って、言っていたんだ。 そして、亜弥ちゃんが居なくなった、あの日・・・・いつものように亜弥ちゃんと電話で他愛も無い事を喋くっていたら。 突然、亜弥ちゃんがね“みきたんにとって、ガールフレンドって何なの?”って聞いてきたの。 その時、美貴は言葉に詰まって、うまく答えられなかった・・・・そしたら、亜弥ちゃんが何も言わずに一方的に電話を切ったの。 それから、美貴は何回も亜弥ちゃんに電話を、かけ直したけど繋がらなくなっちゃったの・・・・それから、しばらくしたら、愛ちゃんから電話が繋かってきて、亜弥ちゃんが、れいなと駆け落ちしたって聞かされて。 ねえ・・・・よっちゃんさんは、どう思う?」
「・・・・きっと、アヤヤは、ミキティーの気持ちを知りたかったんだと思う。 何気ないフリをして思い詰めていたのかもね」
「やっぱり、よっちゃんさんも、そう思う?」
「うん」
「美貴は、もっと亜弥ちゃんのことを、かまってあげれば良かったよね。 ホントは、ガールフレンドじゃなくて、いつも恋人だよって言ってあげられてたら・・・・けど、照れ臭くて・・・・恋人だよって言ってあげられなかった。 だから、美貴は代わりに、ガールフレンドっていう曖昧な言い方をしてしまっていたから・・・・それが、亜弥ちゃんを不安にさせたのかも・・・・」
「そんなに自分を責めない方がいいよ。 もう、過ぎてしまったことは、しょうがないんだから。 今はこれから、どうするかが大事さ。 もし、アヤヤに会ったらさ、今度こそ“恋人だよ”って、言ってあげなよ。」
「うん・・・・よっちゃんさんって、優しいね・・・・」
「そんなことないってば・・・・よしざーは───」
───梨華ちゃんを泣かしてばかりだった───最後まで、優しくしてあげられなかった───よしざーは、優しくなんかない───
「そんなことあるってばよ、よっちゃんさんは優しい人だよ。 美貴は知ってるよ。」
「ウヘヘ・・・・褒めても、何にも出ないよ。」
「えっ!? そんなつもりじゃーないよ・・・????」
その時の吉澤ひとみの目は、潤んでいるかのように藤本美貴は見えた。
しかし、それは・・・・差し込む夕日の光のせいで、そう見えただけなのかもしれない・・・・
いずれにせよ・・・・そんな吉澤ひとみの姿を見た、藤本美貴の胸は高鳴ったのも確かである。
「!?(何だろう? この気分・・・・)」
そして、藤本美貴自身は突如湧き上がった気分に戸惑っていた。
やがて、その気分が新しい恋心に発展するということは、その時の藤本美貴は知る由も無かった・・・・
- 114 名前:地球人パラノイア ◆4mHJAGHmtw 投稿日:2006/07/09(日) 19:09
- 続く
- 115 名前:Mt 投稿日:2006/08/23(水) 02:00
- 待ってます
- 116 名前:地球人パラノイア ◇4mHJAGHmtw 投稿日:2006/09/17(日) 04:37
- やばいね更新サボってしまってる
執筆中なのだ
- 117 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/10/04(水) 01:16
- 作者さん頑張って
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