亜弥と美貴

1 名前:まいか 投稿日:2006/02/04(土) 01:16
初めて小説書いてみようと思います。
駄文になると思いますし、更新もすごく遅いと思うのであまり期待しないでくださいね^_^;


「バタンッ・・」
机に向かって座っているアタシの後ろでドアの閉まる音がした。
わざわざ振り返らなくても、入って来たのが誰かくらいわかる。
きっと次は「美貴た〜ん!!」と語尾にハートマークが付くくらいに甘い声が聞こえてくるんだ。
「・・・・」
アレッ??
予想通りの展開にならなかった事に驚いてアタシは振り向いた。
ドアの前には・・・誰もいない。
ベッドの上には・・・誰もいない。
「亜弥ちゃん!?」
アタシは思わず、そこにいるべきはずの人の名を呼んだ
「・・・ココ」
弱弱しい声の主はベッドとクローゼットの微妙な隙間に膝をかかえてしゃがんでいた。
「亜弥ちゃん何やってんの?」
近づいて行って同じ目線になるようにアタシもしゃがんだ。
亜弥は顔は真っ青なのに、目だけは風邪で熱が出た時のように潤んでいた。
「亜弥・・・ちゃん?具合悪いの?」
「ん〜・・・美貴たん・・」
亜弥はアタシの名を小さい声で発すると膝に顔をうずめてしまった。
こんなに弱い彼女を見たのは正直初めてだった。
2 名前:まいか 投稿日:2006/02/04(土) 01:18
彼女・・松浦亜弥はアタシの幼なじみ。
アタシが3才の時にお隣に引っ越してきた松浦家。
当時亜弥は1才でやっと歩き出したばかりだった。
末っ子だったアタシは亜弥を本当の妹のように可愛がった。また、亜弥もアタシの事を本当の姉のように慕った。
もちろん松浦家・藤本家はお互いの家の間に石垣はあるものの、実際は子供たちがどちらが本当の家か一瞬考えてしまうほど深い繋がりを持った。
だから、アタシと亜弥は一緒にいるのが当たり前だったし、小・中・高と同じ学校だった事もあって、亜弥のどんな表情も見てきたつもりだった。
いつも強気で明るい亜弥。人見知りで、面倒な事は嫌いなアタシとは逆の性格の持ち主だ。もちろん病気で弱くなる時もある。でも、今日はそれとは比べものになんないくらい弱っていた
「亜弥ちゃん?」
アタシは亜弥の背中を優しくさすりながら言った。
「・・・」
「亜弥ちゃん・・美貴ね、鈍感だから言ってくれなきゃわかんないんだぁ・・・って今さら言わなくても知ってるか」
「・・・」
3 名前:タケ 投稿日:2006/02/04(土) 04:10
亜弥美貴かなり好きです!
期待してるので頑張って続き書いてください!
続き待ってます
4 名前:まいか 投稿日:2006/02/04(土) 11:06
タケさん→ありがとうございます(*^_^*)
どこまで行けるかわかりませんが一応続けてみます☆




鈍感・・・亜弥に言われた言葉だった。
「美貴たんの鈍感!!美貴たんなんて大っ嫌い!!」と・・・
今から2年前・・アタシが高3の冬だった。
アタシは大学受験の為に夏からほとんど毎日塾に行っていた。
そのせいで同じ学校に通っている亜弥どころか、家族とさえ顔を合わせない日が続いていた。
小学生の頃から続いていた亜弥との通学も、朝の補講の為に出来なくなっていた。
亜弥からは毎日「頑張ってる?」とか「美貴たんなら合格だよ!」とゆうメールが入っていたし、何より自分自身の事で手一杯だったので大して気にもしていなかった。
12月のある日、アタシがいつものように塾から帰宅すると部屋に亜弥がいた。
「美貴たんお帰り!!」
亜弥はいつもの笑顔でアタシに抱きついてきた。
「亜弥ちゃん・・待っててくれたの?いつから?」
アタシはシャンプーの匂いがする亜弥の頭を撫でながら時計に目をやった。
「ん〜と、塾で遅くなるの知ってたからお風呂入ってから来たんだ。だから21時くらいかなぁ。」
「え!?じゃ、2時間以上も待ってたの?」
時計はもうすぐ日付を変える時刻になろうとしていた。
「うん!だってずっと美貴たんに会ってなかったし。今日は絶対会いたかったんだもん」
亜弥はアタシに回した手に力をいれた。
「毎日メールしてたじゃん?」
亜弥を自分からちょっと無理矢理離してアタシはベッドに座った。
亜弥は一瞬不安そうな顔をしたが、アタシは疲れでそんな事など深く考えなかった。
「ごめんね、急に来ちゃって。美貴たん疲れてるよね!アタシ帰るね。」
「なんで?明日土曜だし、泊ってくんじゃないの?それに今会ったばっかだし」
「美貴たんの顔みたら満足しちゃった!それに明日も美貴たん塾でしょ?アタシも用事あるし。じゃ、おやすみ」
亜弥は壁にかけていたコートを着始めた。
「明日は午後からだし、もうちょっといいじゃん。美貴、亜弥ちゃんの話聞きたいし」
アタシは立ち上がって亜弥に近づいた。
「亜弥ちゃ・・ん?」
亜弥の目から大粒の涙が溢れていた。
5 名前:名無し飼育 投稿日:2006/02/04(土) 20:50
いい感じのあやみき発見ヽ(*゜▽゜)ノ バンザーイ♪
頑張って下さいね♪楽しみにしてます!!
6 名前:タケ 投稿日:2006/02/04(土) 21:54
やばいっ!!
めっちゃ続き気になるぅ〜
こーいう亜弥美貴には引き付けられるなぁ
7 名前:まいか 投稿日:2006/02/05(日) 19:26
ありがとうございます(*^_^*)
実は自分の中でまだ結末が決まって無かったり(-_-;)
とりあえず続きを・・・
8 名前:まいか 投稿日:2006/02/05(日) 19:27
「亜弥ちゃん!!どうしたの?」
「うっ・・うっ・・美貴たんのバカ・・」
「へっ?美貴バカ?」
「美貴たんの鈍感!!美貴たんなんて大っ嫌い!!」
「へ?」
「美貴たんに会えなくて寂しかったんだよ!ずっと我慢してた」
「会いたいって言ってくれたらよかったじゃん!美貴会いに行ったよ?」
「美貴たんにとって受験が大事なの分かってるから、うっ・・誰よりも美貴たんの事分かってるから言えなかったんじゃん!美貴たんの事大好きだから、邪魔したくなかったんだもん!」
「美貴だって亜弥ちゃんの事好きだよ?だから会いたいって言われたら行ったよ。邪魔なんかじゃないし」
「アタシからじゃなくて美貴たんから会いに来て欲しかったの!」
「美貴から?」
うつむいていた亜弥は顔を上げてアタシの目を見た。
「アタシ、美貴たんは付属の大学に行くと思ってた。付属だったら今までみたいに美貴たんのそばにいれるって。だから美貴たんが隣の市の大学に行くってオバサンに聞いた時、アタシ信じられなかった。美貴たんから直接聞くまで信じないって。でも本当だったんだよね」
9 名前:まいか 投稿日:2006/02/05(日) 19:28
亜弥は目をそらさずに続けた。
「夏くらいから美貴たんと会う回数だんだん減ってきて、アタシすっごく寂しかった。でも、美貴たんの夢なら、アタシも応援したいって自分に言い聞かせてきた。でも、思えば思うほど、美貴たんに「頑張って」ってメールすればするほどアタシの中の美貴たんが大っきくなってきた」
アタシは黙って、でも亜弥の目を見て話を聞いていた。
「変だよね。ただの幼なじみなのにさ。でも、美貴たんがいなくなって・・アタシ初めて美貴たんがいなきゃ生きていけないって、美貴たんじゃなきゃダメなんだって気付いたの。そして・・・」
「そして?」
「そして・・・アタシは美貴たんが大好きなんだって」
「美貴も亜弥ちゃんの事好きだよ?」
「違うの!美貴たんの好きとアタシの好きは。アタシの好きは・・愛してるって意味の好きなの」
「え・・っ?」
突然の告白にビックリした。
まさか亜弥が自分に対してそんな感情を持っていたなんて。
そしてアタシも同じ気持ちだったなんて・・・
アタシも亜弥の事が無くてはならない存在になってきていた。
それに気付いたのはちょうど亜弥のそれと同じく、本格的に受験勉強に入った夏頃だった。亜弥と一緒にいる時間が減り、無性に亜弥の事ばかりが頭に浮かんできたのだ。
小学校からの同級生のまいちゃんに相談したら「それは愛だよ。美貴は亜弥ちゃんの事が好きなんだよ」と言われた。それは幼なじみへ対しての好きとは別のものだと。
アタシ自身この事を深く考えるのが怖くて、初めは簡単な面接試験だけの付属の大学に進学しようと考えていたが、受験勉強に没頭する事で自分の気持ちを忘れようと受験校のランクを上げた。
まさかそれが裏目に出て、こんな事になるとは・・・
10 名前:名無し飼育 投稿日:2006/02/05(日) 23:44
亜弥ちゃんが可愛いですねぇ♪やっぱりあやみき二人は同じ思いなんですね+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚:.。+゚よかた!!笑
11 名前:タケ 投稿日:2006/02/06(月) 01:22
うぉー気になる
美貴たんの返事は?
つづき待ってます
12 名前:まいか 投稿日:2006/02/06(月) 21:52
「ごめん。迷惑だよね。本当にごめん」
「亜弥ちゃん!!美貴もね、美貴も亜弥ちゃんが好きなの!亜弥ちゃんと同じ好きなの」
「無理しなくていいよ。たん優しいから・・」
「無理なんかじゃない!美貴の本心だよ。謝んなきゃなんないのは美貴なの。美貴ね、ずっと亜弥ちゃんの事好きだった。でも、自分の気持ちに気付くのが怖くて逃げてた」
「え?」
今度は亜弥がビックリする番だった。
「美貴は亜弥ちゃんが好き。今なら自分に正直になれる」
「美貴・・たん」
「亜弥ちゃんも・・・美貴の事好きなんだよね?」
「うん・・。アタシは美貴たんが好き!美貴たんじゃなきゃ嫌!!」
言い終わらないうちに今度はアタシから亜弥を抱きしめた。
これがアタシと亜弥の“恋人”としての始まりだった。
13 名前:まいか 投稿日:2006/02/06(月) 21:53
鈍感・・・
「亜弥ちゃん・・・前に美貴に鈍感って言ってたじゃん?」
「・・・」
依然として亜弥は膝に顔をうずめたままだ。
アタシはどうしていいかわからなくなった。このままそっとしておくべきか、それとも無理にでも口を開かせるべきか。
「あのね・・」
「な〜に?」
亜弥が口を開いた。
「アタシ・・・」
「ん?」
「アタシね、外国に行く事になったの・・・」
「はぁ?」
「パパの仕事の関係で・・・アタシ行きたくないもん」
「亜弥ちゃ・・いつ?」
「来週・・水曜日」
「なんでそんな急なのさ!!」
「アタシ残りたいって言ったの!大学受験だし。パパもママも納得してくれて、親戚にもアタシの事頼んでくれたんだよ。だから美貴たんにも言わなかった。何も変わらないと思ったから。でも・・・」
「でも・・?」
「アタシの事預かってくれるはずだった叔父さんの会社が倒産しちゃってね。アタシの事どころじゃなくなったの。だから亜弥も一緒に行くんだって・・。昨日パパに言われた」
「でも、亜弥ちゃん一人暮らしだって出来るよね?そうだ!美貴ん家で一緒に暮らせばイイじゃん!!それなら亜弥ちゃんのパパだってokするって!!ね?」
「・・・。」
「亜弥ちゃんは美貴と一緒に暮らすの嫌?」
「そんな事ない!美貴たんと一緒にいたいもん!」
「んじゃ決まり!美貴が話してあげるから亜弥ちゃん家行こ!!」
アタシは亜弥の腕を引っ張って立たせようとした。
「だめ・・・なの。出来ないの」
亜弥はアタシの腕をつかんで言った。
14 名前:タケ 投稿日:2006/02/06(月) 22:07
意味深なおわり方だなぁ
めちゃくちゃ続き気になるわぁ
15 名前:まいか 投稿日:2006/02/06(月) 22:42
タケさんこまめにコメントしてもらってありがとうございます☆
小説ってめっちゃ難しいです^_^;
なんか現実の亜弥美貴を書きつつ、回想シーンを入れたりとか・・・
16 名前:タケ 投稿日:2006/02/07(火) 02:14
いやいや!
すごくいい感じになってますよ!
好きな感じです♪
これからも読み続けるから頑張って
17 名前:名無し飼育 投稿日:2006/02/07(火) 19:47
うぁっ!!いきなりのビックリな展開ですね(;゜□゜)yヾ ポロッ
亜弥ちゃんとみきたんが離れ離れなんて(´;ω;`)ィャィャ
次回もドキドキでお待ちしてます!!
18 名前:まいか 投稿日:2006/02/07(火) 21:49
「なんで?」
「あのね・・・」
亜弥はつい1時間ほど前に松浦家で起こった事を話し始めた。
19 名前:まいか 投稿日:2006/02/07(火) 22:02
みなさんはこの後どうなって欲しいですかぁ?w
20 名前:タケ 投稿日:2006/02/08(水) 02:18
そりゃ、二人とも幸せになってほしいですよぉ!!笑
ってことで続き待ってます☆
21 名前:名無し飼育 投稿日:2006/02/08(水) 16:25
みきたんは亜弥ちゃんをさらってでも一緒にいるはずだっ!!笑
オレはラブラブ幸せなあやみきを望みます!!!!
22 名前:まいか 投稿日:2006/02/08(水) 21:28
さぁどうなるでしょう(*^_^*)



亜弥は2階の自分の部屋にいた。
玄関を鳴らすチャイムが父の帰宅を知らせた。
中学生の頃まではチャイムが鳴ると喜んで玄関まで父を出迎えに行ったが、最近は妹すら迎えには出なくなった。
父の足音は2階へと向かって聞こえてきた。いつもならそのままリビングへ向かうはずなのだが今日は違った。
コンコンッ・・・
「は〜い?」
「入っていいか?」
「いいよ」
父が亜弥の部屋へ入ってきた。
「パパお帰り」
「あぁ、ただいま」
「どうかしたの?
「大事な話があるから下に降りてきなさい」
「話?ここじゃダメなの?」
「ママと3人で話したいんだ」
「わかった!先に降りてて?」
「うん」
亜弥は何だか不安になった。
父の表情は真剣だったし、亜弥と父の関係は年齢にしては他の同年代の友達の家よりも仲が良く、話は大抵亜弥の部屋で済ませていたからだ。
不安になりながらも亜弥は1階へと降りた。
23 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/09(木) 02:26
気になるやん!
どーなんねんやろ?
24 名前:まいか 投稿日:2006/02/09(木) 23:02
「亜弥、そこに座りなさい」
亜弥はソファに座った。父と母は向かいに並んで座っていた。
「パパの転勤の事なんだが、亜弥は叔父さんの家に行く事になっていたよな?」
「うん・・」
「さっき電話があって、叔父さんの会社が倒産してしまったそうなんだ」
「えっ!?」
「亜弥も子供じゃないんだからわかるよな?」
「アタシ叔父さんの家に行けない・・・?」
「そうだ。叔父さんの家も子供が2人いるし、まだ小さい。そんな状況の時に亜弥をお願いするのは出来ないだろ」
「じゃぁアタシは?」
「亜弥もみんなと一緒にイタリアに行こう」
「・・・」
亜弥は言葉が出なかった。日本に残るつもりだった亜弥にとって自分以外の家族がイタリアに行く事など言わば「他人事」だった。
もちろん家族と離れるのは寂しい。
だがそれ以上に美貴と離れる事の方が寂しかった。
「亜弥が一人暮らしするのはダメなのかしら?」
沈黙を破ったのは亜弥の母だった。
25 名前:まいか 投稿日:2006/02/10(金) 21:57
「亜弥だってもう18歳よ?高校だって来年の3月には卒業だし。それに・・亜弥の大学受験はどうするんですか?」
大学受験・・・亜弥は美貴と同じ大学を受験する為に必死に勉強してきた。
今は10月。センターまで後3月を切っていた。
「亜弥には悪いが、一緒に・・」
「ヤダ!!アタシがどんなに頑張ってきたかわかってるでしょ?」
「わかるさ。しかし、高校生のお前を一人暮らしさせるわけには行かないよ。この家だって引き払うんだから」
「大丈夫だって!!アタシ料理だってお洗濯だってちゃんと出来るもん」
「だが・・」
「美貴たんだっているんだし、大丈夫!心配いらないから!!ね?」
「亜弥・・・」
「そうだ!そんなに心配なら美貴たん家に居候させてもらう!高校卒業するまで美貴たん家にお世話になる!それなら何も心配ないでしょ??」
亜弥は必死だった。
26 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/12(日) 14:20
えー!
気になるよぉ!
離れ離れにはならないよね??(´・ω・`)ショボン
27 名前:まいか 投稿日:2006/02/12(日) 18:58
あげないでくださ〜い^_^;
28 名前:まいか 投稿日:2006/02/12(日) 18:59
美貴と同じ大学・・初めは美貴と一緒にいたいと思って志願した。
だが、教師からは亜弥の成績じゃ無理だと言われた。実際4月に初めて受けた模試の結果は「Eランク」とゆう散々なものだったのだ。
しかし、亜弥は何としてでも入りたい!合格したい!と文字通り朝から晩まで頑張った。「家庭教師」との名目で美貴の家にも通った。
その成果か9月の模試では「Bランク」にまで成績が上がった。
一番ビックリしたのは亜弥自身だった。
まさか自分が美貴の為にここまでやるとは正直思っていなかったのだ。
「Bランク」と書かれた模試の結果を持ってまっさきに向かったのは美貴の家だった。
「美貴た〜ん!!」
「どうした?」
「ね!ね!これ見て!!」
亜弥は自慢げに結果を美貴に差し出した。
「ん?おっ!亜弥ちゃん頑張ったじゃ〜ん!!偉い偉い!!」
美貴は亜弥を抱きしめ、何度も頭を撫でた。
亜弥はとても幸せだった。
そんな日々を無駄にはしたくなかったのだ。
「ね?パパそうしようよ!もし美貴たんの家がダメならアタシ諦めるからさ!」
亜弥は立ち上がり電話機を持ってきた。
「亜弥!話は最後まで聞きなさい」
亜弥は再び座った。
29 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/15(水) 23:52
続き気になるって!
30 名前:まいか 投稿日:2006/02/16(木) 19:55
「パパもそれは考えた。藤本さんの家なら亜弥の事をお願い出来るかもってな。だが、この話にはまだ続きがあるんだ。最期まで聞いて欲しい」
「わかった・・・」
「パパが帰ろうとした時、専務に呼ばれたんだ。松浦くんは家族全員で行けるのか?って。確か一番上の子は大学受験だったよな?って」
「・・・」
「パパは亜弥は行きたい大学があるから日本に残ると思いますって答えた。そしたら、もし向こうの大学を受けるんだったら、紹介をするって。専務も前にイタリアに転勤になった事があってね。その時に娘さんも息子さんもあっちの大学に行ってたそうなんだよ。だから、いろいろとウチの事情も考えてくださっててね」
「・・・」
「それと・・・パパも知らなかったんだが、パパの会社も経営が大変らしいんだよ。それで、パパの選択肢は2つに1つで・・・この転勤を受けるか、リストラされるかのどっちかだったんだよ」
「え?」
「パパだって今日専務に聞かされるまで知らなかった。もし断っていたらと思うと冷や汗が出たよ。それにもしかしたら日本に帰って来られないかもしれないんだ。一生では無いとしても最低5年は無理だろうって」
「なんでパパに教えてくれなかったのさ!そんなのズルイじゃん!!」
「パパだってそう思うさ。でも会社ってのはそんな所なんだよ」
「そんな・・・」
「亜弥にも琴たちにもパパ達とずっといて欲しいなんて思わない。だがみんな学校を卒業するまではパパ達と暮らして欲しいんだ」
「・・・」
「亜弥には悪い事をしていると思っているんだ。こんな時期に無理矢理連れていくわけだからな。だが、叔父さんを頼りに出来ないわけだから・・・」
亜弥はすべてが終わったと思った。美貴との関係も、この1年の頑張りもすべて・・
だがそれ以上に今目の前にいる父の事が気にもなった。
会社になにも言われず転勤を命じられた父。
いつもは気丈な父が今日ばかりは小さく見えた。
母も横で頭をかかえてしまっている。
これ以上自分が何か言ってしまったらみんな壊れてしまうと思った。
気がつくと亜弥は立ち上がり、家を出て美貴の部屋へと向かっていた。

31 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/25(土) 14:32
続きはぁ〜?
32 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/03/04(土) 21:39
もう更新しないの?
結構楽しみにしてたのに・・・
33 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/03/16(木) 00:56
続き期待っす。
34 名前:名無しです 投稿日:2006/03/17(金) 01:39
さっき初めて見ました。
続きが気になります。

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