ヴァンパイア
- 1 名前:ケンジ@ 投稿日:2006/02/08(水) 16:20
- アンリアル
更にエログロありなのでsage進行でいきます。
- 2 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:21
- 1 絵里の味
- 3 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:23
- 口にアルミ箔を噛んだような苦みが広がる。
さゆみにとっては単なる性行為の前技にすぎない。
血の味が絵里の味。
- 4 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:23
- 絵里の体は行為の最中、ガチガチに固まる。
さゆみの異常な性癖に気づいてからは尚更だ。
キスの時間が短くなったと感じたのは半年前。
生理中の絵里をさゆみが強引に襲った。
嫌々応じた性行為なのに異常に興奮したのを覚えている。
絵里が肉体的にさゆみに逝かされたのはこのときが初めてだったから。
- 5 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:24
- 倦怠期解消のシチュエーションプレイ程度に思っていた絵里はたびたび生理中の行為をさゆみと楽しんだ。
この度重なる生理中の性行為がさゆみの異常性を目覚めさせた。
- 6 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:24
- さゆみは絵里とのキスが性行為の中では一番好きだった。
さゆみの舌を絵里の口に強引にねじ込む。
そんなさゆみの舌に絡み合う絵里の舌。
舌の粘膜と粘膜が混ざり合う快感。
絵里とさゆみの混ざった唾液を全て飲み干した時、さゆみの性行為の全てが終わる。
- 7 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:25
- 後は絵里を喜ばせる為だけにさゆみの舌は絵里の体中を舐め回す。
でも絵里の口の中ほど絵里の味を感じる場所が無かった。
あの味に気づくまでは・・・・。
- 8 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:25
- 「さゆ〜」
絵里が唇を突き出している。
キスを求めている。そう感じたさゆみは軽く2回唇同士で触れた後、乱暴に絵里の口に舌をねじ込んだ。
「ん・・ん さゆ 凄いよ」
- 9 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:26
- さゆみは激しいキスの最中も別のことを考えていた。
やっぱり味が違う。
こんなの絵里の味じゃない。
- 10 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:26
- 「絵里?」
「ん?」
「何か変なもの食べた?」
「へ?匂っちゃった?ちゃんと歯磨きもしたのに」
絵里はそういうと自分の手を口にあてて息を吐き出した。
「違うの 絵里 においじゃなくて味」
「味?」
「絵里の味がしないの」
「どういうこと?」
「本当に絵里だよね?」
「ほら、どこからどーみても亀井絵里ですよ」
そういうとさゆみの手を自分の胸に当てた。
- 11 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:26
- 絵里に導かれて触れたシャツの上はすでにかたくなったつぼみがあった。
「ごめん絵里 ムード壊しちゃったね」
「いいよ さゆ 今日はやめとく?」
「でも」
「良いって さゆが乗り気じゃないかったら絵里も感じないし」
「でもこんなにかたくなってるよ」
さゆみは絵里の乳首を軽くつまんだ
「今日ちょっと寒いから立っちゃっただけ、それに今日生理でちょっと頭痛かったんだ」
「そっか・・・」
- 12 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:27
- 沈黙が続いた。
絵里たちの関係っていつからこんな関係になっちゃったんだろう?
エッチ以外の会話が無い。
こっちから話題を振ることもないし振られることもない。
いつの間にか絵里の頬を涙が伝っていた。
- 13 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:27
- 横で寝ているさゆみは絵里と同じように天井を見て考えていた。
もう限界かも知れない。
今までは会話は無くてもキスをすれば絵里のことが分かった。
それだけで絵里を感じることが出来た。
絵里の味が分からない。最悪だ。
もうこれで最後にしよう。
- 14 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:28
- 「絵里 起きてる?」
「寝てますよー」
「起きてるじゃん」
「じゃんって石川さんみたいだよ」
「さゆみ 絵里とエッチしたい」
「え でも?」
「駄目?」
「駄目じゃないけど」
「・・・・・」
「・・・・・」
- 15 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:28
-
「絵里 目が真っ赤」
そういうと絵里の真っ赤になった目にさゆみはキスをした。
「あ、絵里の味」
皮肉なことに絵里の涙はまだ絵里の味がした。
「ぃやっ」
さゆみはいきなり絵里のパンツを脱がせた。
「ここも絵里のにおいがする」
そういうと絵里のあそこに刺さっていたものを引き抜いた。
「駄目だったら」
必死に抵抗する絵里をさゆみは力で押さえ込み自分の舌を絵里のあそこに押し当てた。
これが絵里の味。
「絵里 愛してるよ」
そうつぶやきながら絵里の出血が止まるまでさゆみの舌は動いていた。
- 16 名前:1 絵里の味 投稿日:2006/02/08(水) 16:29
- 出血が止まっても絵里の愛液は止まらない。
さゆみは絵里のあそこに指を入れ激しく動かし逝かせた。
絶頂をむかえ気絶する絵里に布団をかけベッドから立ち上がった。
さゆみの舌は絵里の味を楽しむかのように自分の口のあらゆる部分をいつまでも舐め回しいた。
- 17 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:29
-
2 チキンカツプレートラプソディ
- 18 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:30
- チキンカツプレートとシーザーサラダのセット。
お気に入りのメニューが今日のAランチで、ご機嫌の愛は鼻歌を口ずさみながら、日当たりの良い窓際の席についた。
- 19 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:31
- 愛は丁寧にナイフでチキンカツを切り分けた後、隅で調合しておいた塩こしょうをまぶして食べる。
旨さと肉汁が口に広がり思わず笑顔になる。
シーザーサラダは調理場のおばちゃんにあらかじめお願いして粉チーズは多めの愛スペシャル。
丁寧にかき混ぜて口に運ぶ。
そしてバナナジュースのほのかな甘さで口を洗う。
愛は学食の片隅とは思えない優雅な気分でランチを楽しんでいた。
あの子が来るまでは・・・・・。
- 20 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:31
- 「愛ちゃん ちょっとつめて」
「横にこんかて、席はいっぱい空いてるやろ?」
愛はそう言いつつも席を少し左側にずらした。
彼女の名前は美貴ちゃん。
まー腐れ縁というか何というか。
ちょっと目つきは怖いけど、とっても優しくてとってもお節介な子。
- 21 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:32
- 「ふーん 又愛ちゃんはAセットか どれどれ1つ」
「わーっ」
愛の叫びもむなしくチキンカツは美貴の胃袋に消えていった。
「うーん、美貴もこっちにすれば良かったかな」
そう言うと美貴は自分の頼んだ牛丼を黙々と食べ始めた。
「せっかく最後に取っておいたのに・・・」
「最後にとっておくのが悪い」
「美味しいものは最後にとっておく主義なの」
「主義ねー」
「最後の一切れやったのに」
面倒になった美貴は返事もせずに食事に集中しはじめた。
でも愛のぼやきは続く。
「あんな美味しいチキンカツを美貴ちゃんはなんにも噛まんと飲み込んで・・・」
- 22 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:32
- 見慣れない女性が愛たちの横を通り過ぎた。
思わず後ろ姿を追ってしまうくらいの美人。
「愛ちゃんってああいう子がタイプなんだ」
「違うやよ 初めて見る顔だなって」
「ちょっと美貴が偵察してきてあげる」
「美貴ちゃんだ 駄目!」
美貴はもう愛の横にはいなかった。
美貴はその女性の左横の席に座って様子を伺っていた。
- 23 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:33
- しばらくすると美貴の左手が小刻みに動いた。
どうやら愛を手招きしているらしい。
恐る恐る愛は美貴に近づいた。
- 24 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:33
- 「こんなに近くやとバレるって」
愛は美貴に耳打ちした。
「大丈夫大丈夫 それより・・・」
美貴は愛に目配せをした。
愛が静かに横を見る。
「あの綺麗な人、あっしと同じメニュー頼んでる バナナジュースまで一緒やで」
「そんなに喜ばないの!」
- 25 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:34
- しばらくすると短髪の美少女が現れその女性の手を優しくとって立ち上がらせた。
「梨華ちゃん お待たせ」
「よっちゃんおそーい」
そう言って口を尖らせた彼女は急に幼い顔になった。
- 26 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:34
-
「愛ちゃん残念だったね」
「おひめ様みたいやった」
「そーだね あの人が相手じゃ愛ちゃんも諦めるしかないよね」
「梨華様って名前なんや」
「そして彼氏の名前がよっちゃん」
「彼氏の名前なんかどうでも良いの!」
- 27 名前:2 チキンカツプレートラプソディ 投稿日:2006/02/08(水) 16:35
- 愛は名残惜しそうに2人の後ろ姿を見つめていた。
その時、短髪の美少女の手が髪の毛を撫でた。
梨華の首筋には赤い斑点のような傷があった。
- 28 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:35
-
3 真希と呼んでよ
- 29 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:36
- 真希は最後の曲を歌い終わると軽く会釈をしてステージを後にした。
「ごっつぁん おつかれ!」
ハイタッチを求めるスタッフを無視して楽屋に駆け込む。
今は一刻も早く一人になりたかった。
今日の体調は最悪だ。ラスト2曲は全く記憶がない。
- 30 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:36
-
楽屋の隅の椅子でタオルを被ってうつむいていると右頬に冷たいものが触れた。
「ほらよ!」
「かおり?」
「ん?」
「今日も全然駄目だったよ」
- 31 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:37
- 圭織はあきれたように両手を横に挙げた。
「後藤 あの声が聞こえないの?」
遠くの方から観客のアンコールの声が聞こえた。
それは今も止むことなく続いていた。
- 32 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:37
- 「馬鹿な客」
真希は自嘲気味につぶやいた。
「みんな後藤の曲が聴きたくて集まった客だよ」
「違う!!みんな何にも分かってない」
そう言うと真希は再びタオルを被ってうつむいてしまった。
「後藤」
「しばらく休養しようか?社長には私から適当に言っておくから」
「駄目 それだけは駄目」
「何で?あたしこれ以上後藤が悲しむのを見たくない」
「歌うのを休んだら二度と歌えなくなる」
「そんなこと無い!後藤は今疲れているだけなんだよ 休めばきっと元通りになる」
- 33 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:37
- 「ごとう・・・」
「ん?」
「後藤なんて呼ばないでよ 前みたいに真希って呼んでよ!」
- 34 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:38
- 「ご ごめん でも、もうあの頃には戻れないんだよ」
「なんでよ!かおりは私のこと嫌い?」
「そうじゃない」
「好きだから裏方にまわってまで私を支えてくれたんじゃないの?」
「・・・・」
圭織は答えられなかった。
沈黙が答えだと察した真希は静かに立ち上がった。
- 35 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:38
-
「後藤!」
「次のライブのスケジュールはメールに送っておいて」
「でも」
「今日は一人で帰るから」
- 36 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:38
- いつの間にかアンコールの声も聞こえなくなっていた。
観客が諦めたのか次の出演者に気がうつったのか?
今の真希にはどうでも良い問題だった。
- 37 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:39
- 真希がまだ高校生の頃だから3年ほど前。
その頃圭織は1つのバンドに属さず雇われボーカリストとして色んなステージを渡り歩いていた。
真希と出会ったのはちょうどそのころ。
まだ高校生の真希のステージに圭織は衝撃を受けた。
高校生離れした声量にテクニック、天性のリズム感。
音楽を生業とするものでその才能に嫉妬をしないものはいないだろう。
- 38 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:39
- 声をかけてきたのは真希の方だった。
「英語の曲も歌うんですね?この前とイメージが違ってびっくりしちゃった」
ステージでトリを勤めた圭織を真希が待っていた。
- 39 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:40
- 「確か後藤真希さんだよね」
「良かったー! 顔覚えてくれたんだ」
「もちろん こんな可愛くて歌が上手い子忘れないよ」
「やだー飯田さんってお世辞が上手いですね」
「お世辞じゃないよ 後藤さんあんた人気出るわよ」
「ありがと」
- 40 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:40
- 真希は照れたように笑うと圭織の方を見ずに話しはじめた。
「わたし 飯田さんの長い髪が好き 顔が好き 声が好き」
「ちょっ ちょっと後藤さん」
「すらっと伸びた脚がすき すべすべの肌が好き つけている香水が好き」
「何を言ってるの」
動揺する圭織を真希はきつく抱きしめた。
「正直な気持ち」
「だから 落ち着いて後藤さん」
「ずーっと見てた 今までずーっと見てた」
「後藤・・・」
・・・・
- 41 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:41
- いつの間にか部屋に住み着いた真希を圭織は妹のように可愛がり時には恋人のように愛した。
そしていつしかお互い真希と圭織と呼び合うようになった。
- 42 名前:3 真希と呼んでよ 投稿日:2006/02/08(水) 16:41
- 私たちは上手くいっていたんだ。
実際バランスもとれていた。
料理上手な真希は圭織にたくさんの料理を作ってくれた。
真希とは体の相性もバツグンだった。
真希の指が少し触れるだけで絶頂に達して一晩に数回は意識が飛ぶこともあった。
「ごめん 真希・・・」
圭織は忌々しそうに自分の首を撫でた。
そこには赤い斑点のような傷があった。
- 43 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:42
-
4 花葬
- 44 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:42
- それは花壇の上に昼寝をするように横たわっていた。
綺麗な笑顔で眠っている少女。
彼女の息がもうすでにないことにまだ誰も気づいていない。
- 45 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:42
-
- 46 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:43
- 絵里の突然の死がさゆみに告げられたのは3日後のことだった。
事件のあまりの猟奇性のため、学園はしばらくパニック状態に陥った。
絵里の死因は頸動脈を切られたことによる失血死。
失血死にもかかわらず現場に血痕の1つもない不自然さ。
- 47 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:43
- 平成の吸血鬼事件。
ちまたを騒がせているこの事件の被害者がついにこの学園から出たのだから無理はない。
絵里の首に噛み傷があったことがマスコミで発表されてからはこのパニックに拍車がかかった。
そして傷を付けた張本人のさゆみに生徒たちからの疑惑が向けられるのも時間の問題だった。
- 48 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:44
- いつもの学食いつもの場所で愛と美貴は少し早い昼食を取っていた。
「愛ちゃんさー」
「何読んでるの?」
「ヴァンパイアの本やよ」
「ヴァンパイアって今話題の吸血鬼?」
「今話題って?」
「あれだよ」
そういうと美貴はテレビ画面を指さした。
- 49 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:44
- 見覚えのある正門に群がる報道陣。
どうモザイクが入っても愛の母校であるのは簡単に分かった。
愛は平静を装って美貴に聞いた。
「で、どんな事件なの?」
「じゃー愛ちゃんにも分かるように簡単に説明するね」
そう言うと美貴は静かに話し始めた。
- 50 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:45
- 「ちょうど1週間前に高校の花壇で女子高生の遺体が見つかった。」
「うん」
「死因は失血死」
「失血?」
「体の血液が無くなると人って死んじゃうんだって」
「ふーん」
「で、首を何かで切られて女子高生が殺されたの」
- 51 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:45
- 「殺人事件?」
「まあね。でも不思議なのはここから」
「何?」
「血がどこにも無かったんだって」
「血がない?」
「失血死なのに出血が何もない。これってどれくらい不思議なことかわかる?」
「あっしだってそれくらい分かるやよ」
「だから犯人が血を飲んだんじゃないかって言われてる」
「血を飲む・・・」
- 52 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:45
- 「首からこうやって」
美貴は愛の首を軽く噛んだ。
「いやー」
「じょ 冗談だから 愛ちゃん」
「まったく冗談きっついわ」
「まあー全て噂だけどね」
「噂にしたって酷い話や」
- 53 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:46
-
愛は体を少し震わせた。
今読んでいるファンタジー小説のヴァンパイアとあまりにも違う残酷な世界。
「こんなのヴァンパイアやない!!」
「あ、愛ちゃん」
「ヴァンパイアはたまに人の血を吸うけど殺したりしない」
「だから・・・」
「絶対ヴァンパイアじゃなくて悪魔の仕業やよ」
「そうじゃなくって・・・」
「美貴ちゃんはヴァンパイアのこと誤解してる」
「いや 誤解じゃなくってね 愛ちゃん」
「良いから黙って聞く!!」
それから美貴は愛のヴァンパイアに対する蘊蓄をしばらく聞かされた。
愛の長い長いヴァンパイヤ講義が終わったのはそれから1時間後のことだった。
- 54 名前:4 花葬 投稿日:2006/02/08(水) 16:46
-
「それにしてもいったいどこの高校なんだろうねぇ?」
帰り道、美貴は何の気なしに愛に訪ねた。
「たぶん あっしの母校」
・・・・・・・
- 55 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:47
-
5 人間の証明
- 56 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:47
-
「絵里が死んだ」
「絵里が死んだ」
「絵里が死んだ」
「絵里が死んだ」
さゆみはベッドに横になって考えていた。
つい10日前、絵里と最後に抱き合ったのもこのベッドだ。
- 57 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:47
- 最愛の彼女が死んだ。
普通なら1週間泣き続けても足りない。
でもさゆみの目から涙がこぼれることは無かった。
「神様 なんでさゆみは泣けないの?」
自問自答を繰り返した。
- 58 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:48
- さゆみは絵里がいない生活を想像してみた。
今と何にも変わらない生活を想像した自分が嫌になる。
- 59 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:48
- バシッ
壁を思いっきり叩いた。
- 60 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:49
- 「いたっ」
右手にうっすら血がにじんでいた。
血がにじんだ傷口を強引に手で潰す。
そしてあふれでた血を思いっきり吸った。
「え、絵里の味だ」
さゆみは泣いていた。
- 61 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:49
- そして突然頭に浮かんだ最悪の妄想。
「あたしが絵里を殺した」
「あたしが絵里を殺した」
「あたしが絵里を殺した」
「あたしが絵里を殺した」
これが妄想なのか現実なのか今のさゆみには分からない。
- 62 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:49
- 「会いたいよー絵里」
さゆみはカッターナイフで自分の小指を切って舐めた。
「やっぱり絵里の味だ」
さゆみの中に少し芽生えた罪悪感は絵里の味とともに消えた。
- 63 名前:5 人間の証明 投稿日:2006/02/08(水) 16:50
-
朝日がまぶしくて目が覚めた。
「いたっ」
左手の指先が痛んだ。やっぱり夢じゃない。
ご丁寧に5本の指全部に小さい傷がある。
一本一本丁寧に指を吸ってみる。
もう血は出てこない。
かすかに感じる絵里の匂い。
それがさゆみのいや絵里の生きていた証。
- 64 名前:ケンジ@ 投稿日:2006/02/08(水) 16:51
-
- 65 名前:ケンジ@ 投稿日:2006/02/08(水) 16:52
- こんな感じで進みます。
- 66 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/08(水) 17:10
- おもろいです。
それぞれがどんな形で交錯するのか。
とても楽しみにしています。
- 67 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/09(木) 05:20
- こわいけどおもしろい
ぞくぞくします
続きが楽しみです
- 68 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:55
-
6 月で歌ううさぎ
- 69 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:56
- 「もう文句ばっかり言わないの!」
「だってあの先生れいなばっかり叱るっちゃね」
「それはれいなが見込みがあるからでしょ」
「それは分かるっちゃけど」
「1年で準主役 これがどれだけ凄いことかれいなは全然分かってない」
「分かってるっちゃ」
「だったらもう言わないの」
口調はおっとりしているが何事にも決しておれない強い心を持つこの先輩をれいなは心底尊敬していた。
- 70 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:56
- 「紺野先輩!今日もいきますか?」
そういうとれいなはお好み焼きをひっくり返すポーズをした。
「う〜ん 行きたいけど」
「紺野さんが食事の誘い断るなんて珍しか」
「コラ あたしだって他の用事はあるの!」
「あれーもしかしてデートですか」
「しっしっ!子供はさっさと帰った帰った」
そう言うとあさ美は犬を追い払う仕草をした。
- 71 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:57
- 「ちぇーっ 明日話聞かせてくださいね!」
そういうとれいなは元気よくかけだした。
- 72 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:57
-
- 73 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:57
- 寒さでコートの襟を立てた。
さすがに夜道は冷える。
そんなおばちゃんみたいな事を考える自分が何かおかしい。
自宅そばの公園はれいながひとりで住むアパートへの近道だ。
いつものように公園を横切るとあたりの様子がおかしいのに気づいた。
滑り台の上で優雅に踊りながら歌う女性。
月明かりがまるでスポットライトのように女性を照らしている。
- 74 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:58
- a strength that defends lover by yourself ♪
- 75 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:59
- 綺麗な歌声にれいなは立ち止まって聞き入った。
「ふぅー」
その女性は大きく深呼吸すると大きくお辞儀をした。
パチパチパチ!
いつの間にか女性を照らしている月が雲に隠れていた。
滑り台を滑り降りる女性をれいなは拍手で迎える。
- 76 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:59
- 「あんた誰?」
「た、たなかです 田中れいなです」
「ふーん 聴いてたんだ」
「あのー 今歌っていた曲なんて曲ですか?」
「知らない」
「知らないって」
「さっき適当に作った曲だから」
「あれを今作ったんですか?」
「だから文法も滅茶苦茶 中学生はマネしちゃ駄目だよ」
そう言うと彼女はれいなの頭を優しく叩いた。
- 77 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 09:59
- 「あたしは高校生です それにー」
れいなは顔を膨らませてつめよった。
「ちょっとあんたウザイよ」
女性はれいなを振り払うように歩き出した。
- 78 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 10:00
-
「ちょっと待ってください・・・」
「ウザイって言ってるだろ」
「れいな 本当に感動したんです」
「感動ねー」
「ホントに本当です」
「こんな安い歌で感動するなんておかしな子だね」
「安い歌なんかじゃありません 心が 心がふるえました」
- 79 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 10:00
- 「みんな どうかしてるよ」
女性は自嘲気味に笑った。
あたしが満足出来ない歌に感動する観客。
もううんざりだ。
- 80 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 10:00
- 「・・・・本当に感動したんです」
- 81 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 10:01
- 「ホラ これやるよ」
「な 何ですか? これ」
「来週 そこでライブやるから聴きにきな」
「ぜ、絶対 絶対行きます」
「あんたみたいなおかしな子がいっぱい来てるつまらないライブだよ」
- 82 名前:6 月で歌ううさぎ 投稿日:2006/02/09(木) 10:01
- ・・・・
・・・・・・
2006/2/14
バレンタインスペシャルGIGS
・・・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
Guest vocals//Maki,Goto
- 83 名前:ケンジ@ 投稿日:2006/02/09(木) 10:08
- >>66さん
ありがとうございます。
このまま最後まで一気に突っ走って更新できればと思います。
>>67さん
こういった内容は初挑戦なんで上手く怖さが伝わればいいのですが・・・
今後ともよろしくお願いします。
- 84 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:39
-
7 クレッシェンドムーン
- 85 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:39
-
- 86 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:40
- 階段を進むとそこに絵里がいた。
「遅いよ さゆ」
そういうと絵里は口を尖らせた。
怒っているのか甘えているのか相変わらず判断がつかない表情だ。
「本当に絵里なの?」
さゆみは自分の目の前にある影を手で払った。
今そこで口を尖らせていた少女は目の前から消えた。
「幻覚?」
- 87 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:41
- ガチャ
ドアが閉まる音が聞こえた。
「絵里?そこにいるんでしょ?」
さゆみは急いでドアを開けると目の前に階段があった。
どうやら非常口のようだ。
- 88 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:41
- 1段飛ばしで階段をかけあがる。
「さゆー」
遠くで絵里の声が聞こえた気がした。
「絵里 待ってよ」
全速力でさゆみは階段を駆け上る。
- 89 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:42
- 「さゆー 絵里はここだよ」
「絵里 意地悪しないでよ」
(ハァハァハァ)
「さゆみ もう疲れた」
階段に腰をかけて息を整える。
目の前には確かに絵里の姿があった。
手をのばすと消える絵里の影。
- 90 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:43
- この先は屋上だ。
絵里はきっとそこで待っている。
さゆみは意を決して立ち上がった。
- 91 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:43
- Rという表示のドアを開ける。
ここが私たちのゴール。
- 92 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:43
- 「絵里!少し遅れちゃったけどさゆみはここまで来たよ」
乾いた空気が自分の声を響かせた。
絵里からの返事を息を飲んでまつ。
- 93 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:44
- バタバタバタバタッ
黒い鳥が1羽飛び立った。
さゆみの視線は無意識にそれを追う。
夜空には大きな月。手を伸ばせば届きそうなくらい近い。
その月に吸い込まれるようにその生き物は消えた。
- 94 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:45
- 「あっ!」
ごちそうさまと月が舌なめずりしたのをさゆみは見逃さなかった。
「絵里と又いつか会えるよね?」
さゆみは月に聞いた。
- 95 名前:7 クレッシェンドムーン 投稿日:2006/02/12(日) 12:46
- さゆみへの返事をじゃまするかのように意地悪な雲が月の光を遮った。
「いいの いいの 心配しないで さゆみはもう1人で大丈夫だから」
さゆみは月に背を向けて扉の方に歩き出した。
- 96 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:17
-
8 水時計
- 97 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:17
-
梨華の肩口に刺さった小さな穴の開いた針。
そこから真っ赤な液体がビーカーに落ちる。
梨華はしずくの音を数えていた。
- 98 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:18
- 「46,47,48・・・・」
したたりおちる水滴の音とシンクロする梨華の声はまるでシンフォニー。
ひとみは目を閉じると気持ちよさそうに指でリズムを取った。
- 99 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:19
- 「565、567,568・・・・」
いつまでも続く子守歌。
ひとみはいつしか夢を見ていた。
- 100 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:20
- 母の膝枕で眠るひとみ。
「ママ 昨日ね。梨華ちゃんって子にプロポーズしたんだ」
「ふーん ひとみのお嫁さんになる子ってどんな子なのかな?」
「幼稚園で一番頭が良くて一番可愛い子だよ」
「良かったね ひとみ」
「僕 絶対梨華ちゃんと結婚するよ 良いでしょママ?」
「・・・・・・」
- 101 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:20
- 「1542、1543、1544・・・・」
目を開けると梨華と水滴のシンフォニーはまだ続いていた。
再び目を閉じようとするひとみが梨華の異変に気づく。
- 102 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:21
- 「よっちゃん 寒い」
梨華は急に震えだした。
ひとみは優しく手を握りささやく。
「大丈夫だよ ゆーっくり 深呼吸してごらん」
- 103 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:21
- 「ふ、ふーっ」
梨華は言われたとおり大きく息をした。
「よし、良い子だ」
ひとみに褒められた梨華は精一杯の笑顔を見せる。
- 104 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:22
- 「ほら だんだん暖かくなってきただろ」
そう良いながらひとみは梨華の額に浮かぶ汗を優しくぬぐう。
「2121、2122、2123・・・・さあ、落ち着いたらさあ続きを始めよう」
「2124,2125,2126・・・・・」
- 105 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:22
-
そして梨華は深い眠りに落ちた。
- 106 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:23
- ひとみは梨華の呼吸が止まったのを確認すると首に刺さった注射針を抜く。
そして首筋の血を優しく舐める。
血の味はあっという間にひとみの口から消えた。
- 107 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:23
- 「梨華ちゃん 目覚めの時間だよ」
そう言うとひとみは梨華の胸に思いっきり拳をたたきつける。
1回、2回、3回。
4回目を叩きつけたとき、梨華の体が一瞬痙攣した。
- 108 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:24
- ひとみは急いで梨華の口を塞ぐ。
激しく2回息を吹き込むと梨華はむせたように咳を繰り返した。
「ぐほっ ゴホゴホ」
- 109 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:24
-
「梨華ちゃん おはよう」
そういうと再びひとみは梨華の口を塞いだ。
梨華の口の中を激しく動き回るひとみの舌。
乾いた梨華の口内をひとみの唾液が潤していく。
- 110 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:25
- 「あっ」
思わぬ刺激に梨華はもだえた。
ひとみの指先は梨華の乳首を激しくつまんでいた。
梨華がもだえてもひとみのキスは止まらない。
- 111 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:25
-
梨華の舌も意識を取り戻しひとみの舌を探し出した。
ひとみの口の中は冷たく梨華の舌を優しく包み込む。
「うっ」
流石に苦しくなってひとみと梨華は唇を離す。
照れくさそうに笑うひとみの口と梨華の口はまだ唾液で繋がっていた。
- 112 名前:8 水時計 投稿日:2006/02/12(日) 13:26
-
- 113 名前:ケンジ@ 投稿日:2006/02/12(日) 13:26
- 今日の更新は以上です。
- 114 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:48
-
9 タイニーバブルス
- 115 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:48
- 「えっと愛ちゃんはと・・・」
美貴は広い学食に愛がいないことを確認すると、美貴は肩をすくめた。
別にあんな奴どうでも良いじゃん。
愛がいないことにがっかりする自分にがっかりする。
適当な場所を見つけて席に着いて、焼き肉定食をかきこむ。
突っ込む相手がいない食事はどこか味気ない。
数分で全ての肉を平らげると最近お気に入りの熱い鉄観音をすすった。
- 116 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:49
-
「あ、」
美貴は思わず声をあげた。
愛ちゃんのライバル?
ライバルっていっても勝手に敵視しているだけだけどね。
短髪の美少女。
たしかあの女はよっちゃんって呼んでいたっけ。
そのよっちゃんが美貴の10メートル前でひとりで座っている。
- 117 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:50
- 美貴はその凛々しいたたずまいにしばし見とれていた。
「危ない危ない こんな姿、愛ちゃんに見られたら何言われるか分からない」
そんな美貴の視線にひとみは気づいていないのか、しきりに少し伸びた襟足を気にして触っていた。
- 118 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:51
- しばらくその姿を見つめていると短髪の美少女がどんどん大きくなる。
トントン
- 119 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:51
- 「さっきから、何度も目があってるよね」
「わーちゃっ」
ふと視線を上に戻すととみの顔が美貴の顔の数センチ前にあった。
「ここ良いかな 友達がなかなか来なくて僕も退屈してたんだ」
「ど、どーぞ」
美貴の胸が信じられないくらい激しく動いてる。
こんなことで動揺するなんて美貴らしくない。
何か、喋らないと・・・えっと、えっと・・・・。
- 120 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:52
-
「か、かのじょ綺麗ですよね」
わー、美貴はいったい何喋ってるんだろう。
「ありがとう でも君の方が綺麗だよ」
(君じゃなくて美貴って呼んでください)
「え、何か言った?」
「あ、何でも無いです。」
「君ってホント面白い子だよね」
「美貴何かより愛ちゃんの方が全然面白いです」
- 121 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:53
- 「愛ちゃんってのは君の友達、それとも恋人」
「と・も・だ・ちです」
美貴は友達の部分を強調して言った。
「十分、君も面白いよ 美貴ちゃん」
「そんなこと無いですって、あれなんで美貴の名前知ってるんですか?」
「さっき美貴がって、君が言ってただろ」
「あ、そうでしたね」
美貴は額に汗が浮かぶのを感じた。
それにしても気まずい。
いったい何を話せば良いんだろう。
- 122 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:54
- しばらく続く沈黙を破ったのはひとみの方だった。
「僕も一度会ってみたいな」
「え?」
「だから、君より面白いって言う愛ちゃんに」
「とんでもない。あんな猿にあっても面白く無いですよ」
「猿か、ますます会ってみたい まさかあだ名はバブルスじゃないだろうね」
- 123 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:55
- ひとみは自分の言ったギャグに受けたのかしばらくひとりで笑っていた。
きょとんとしている美貴に気づいて何が面白いのかひとみは説明する。
「マイケルジャクソンって知ってるだろ」
「ハイ、名前だけは知ってます」
「そのペットの猿だかチンパンジーの名前がバブルスって言うんだよ」
「猿の名前?」
「君の愛ちゃんはまさにバブルスだろ」
「バブルスってちょー受けるんですけど」
そういうと美貴も腹を抱えて笑い出した。
「だろ?」
ひとみも分かって貰えて嬉しいのか満足げにうなずく。
- 124 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:56
- 「で、でも愛ちゃんには内緒ですよ」
「わ、わかってる」
「本人結構気にしてますから ククククッ」
「ハハハハッ」
最初は気まずかったのにいつのまにか美貴とひとみは意気投合していた。
- 125 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:56
- 「君、いや美貴ちゃん」
「ミキティで良いですよ、ミキティって呼ばれるのが一番多いですから」
「じゃあミキティ。君のバブルス いや愛ちゃんと一緒にここに来ないか?」
そう言うとひとみは2枚のチケットを渡した。
- 126 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:57
- 「ヴァレンタインのライブだよ 幼なじみが出るんだ」
「幼なじみ?」
「裏に名前書いてあるだろ」
「マキ・ゴトウ?」
「後藤真希 高校の同級生で今は歌手やってる」
「同級生が歌手なんて凄いですね」
「自慢の友達だよ」
「それに彼女は単なる歌手じゃない」
「え?」
「彼女はマジシャンだよ」
「手品も上手いんですか?」
- 127 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:57
- 「ミキティも彼女の歌聴けばわかるよ」
そういうとひとみは席をたった。
- 128 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:58
- 「あの?」
美貴は立ち去ろうとするひとみを呼び止めた。
「そうだ、僕の名前言ってなかったね。吉澤ひとみ」
「ひとみ?」
「よっすぃーでもひとみでも吉澤でも好きなように呼んでくれ」
「じゃあ よっちゃん」
「何でそれを」
ひとみは初めて美貴にうろたえた表情を見せて去っていた。
- 129 名前:9 タイニーバブルス 投稿日:2006/02/13(月) 12:58
-
- 130 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:44
-
10 ジュリエットゲーム
- 131 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:44
- 読書家の愛は人生10度目の恋愛小説に挑戦していた。
極度の恋愛小説アレルギーの愛はそれを読むだけで体中が熱くなったり下の方がむずむずしたりする。
- 132 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:45
- なんでそうまでして読むの?って聞かれたらそこに恋愛小説があったからとしか答えようがない。
とにかく、今日こそはにっくき恋愛小説の読破するんだと愛は意気込んでいた。
- 133 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:45
-
20ページほど読み進めた時に愛の体に異変が起きた。
体が熱い。
「アレルギーなんかに負けないやよ」
愛は気合いを入れると更に数ページ読み進める。
早くも恋敵の策略にはまり痴話ゲンカをする主人公。
本を持つ愛の手に思わず力がはいる。
- 134 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:46
- そういえばこの挿絵。
よっちゃんとかいう短髪の奴に似てる。
- 135 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:46
- 「梨華ちゃん騙されたらあかんって」
全部よっちゃんとか言う奴が悪いんやよ。
- 136 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:47
- いつのまにか愛の下の方にも異変が起きた。
恐る恐る触ってみると少し湿っぽい。
「もう限界やよ」
今日はここまでと諦めかけて下にかいた汗をティッシュで拭き取る。
- 137 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:48
- 「あっ」
少し力をいれてふいたせいか、愛の指が愛の敏感な部分を刺激した。
愛はおそるおそるもう一度その部分に触れる。
普段は皮に隠れているはずの豆のような物体があった。
- 138 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:48
- 「あんっ」
愛は思わず漏れた自分の恥ずかしい声に赤面する。
「あっしはそんなに淫乱やないし」
愛はもう2度とそこに手が触れることが無いように今夜は腕を組んで寝ることにした。
- 139 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:49
- 「羊が1匹羊が2匹羊が3匹」
「わー、やっぱり寝られん」
だから恋愛小説は嫌いだ。
この前読んだ時も一晩中体のほてりが収まらなかったし・・・・
- 140 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:50
- 愛は諦めて自分の指を自由にした。
下半身をまさぐり胸をもみしだく愛の指。
愛は目をきつく閉じる。
愛の体を刺激する指はいつのまにか愛しの梨華の指に変わっていた。
- 141 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:50
- 自分の意志とは関係なく、愛の体をもてあそぶ梨華の指。
何回と無く愛の大事な部分を刺激し、愛を絶頂に導く。
時折、美貴の意地悪な顔が頭によぎる。
「こんな姿、美貴ちゃんに見せられん」
愛が美貴の顔を思い浮かべるたびに梨華の指は意地悪に動いた。
「あっしって変態やん」
そうつぶやく愛の耳元に梨華のささやきが聞こえた。
「愛ちゃん もっとエッチになっていいよ」
「あっしはエッチやない」
梨華のささやきを愛は必死に否定する。
- 142 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:51
- 結局梨華の指は愛を一晩中逝かせ続けた。
愛がその日大学を休んだのは言うまでもない。
- 143 名前:10 ジュリエットゲーム 投稿日:2006/02/13(月) 13:52
-
- 144 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/15(水) 05:08
- なんか不思議な話ですね
黒吉が良い感じです
Converted by dat2html.pl v0.2