歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL
- 1 名前:桜 乙女 投稿日:2006/02/11(土) 12:23
- 桜 乙女です
リアルで久住・小川(+斉藤)と言う新潟出身娘がメインですが、かなりのハロメンが出てきます。
実際にあったできごと『新潟県中越大震災』をあつかっているため、暗い話しになるかもしれません。
今まで公開した2作品は短編でしたが、今回の作品は非常に長編となっております。
って、今までの作品の6倍以上書いても、まだ終わらないのは何故だ?orz
『一勝一敗』は今回の話のきっかけにもなっています。
『10月23日』は同じ話題を扱っていますが、パラレルと考えていいかと思います。
できれば、今回の『歌の力…ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』を読む前に前作2作もよろしくお願いいたします。
どちらも『金版』です
一勝一敗 ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/mirage/1123954383/
10月23日 ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/mirage/1130563076/
なお、作者はフットサルの資料はSals4冊・スピリット オブ ガッタスと最近見ることができるようになった
キックイン ガロッタスのみで書いておりますので、思いっ切りツッコミキティー可です(藁)
あと、新潟弁も多少出てきますが、はっきり言って麻琴・小春・斉藤さん3人の出身地では
微妙に言葉が違うので、その点は目をつぶってやってくださいませ
できれば、感想…お願いします。(マジでくださいませ)
実際のスタートは17日(金)からとなります
十日町雪まつりスタートと確認のため…
本日より始まる南魚沼雪まつり(旧六日町雪まつり)にて震災復興祈願花火『フェニックス南魚沼』が、(2/12に打ち上げられます。)
その1週間後の十日町雪まつりに堀内孝雄さん、松浦亜弥さん、前田有紀さんが訪れ、
復興への願いと共にイベントを盛り上げてくれることでしょう。
(加護ちゃん・辻ちゃん…(涙))
両雪まつりの成功と早い完全な復興を祈りつつ…
- 2 名前:オレンジダービー 投稿日:2006/02/13(月) 17:35
- 『ダービー』
それは競馬ではよく使われる言葉であるが、サッカーでも使われる言葉である。
Jリーグでは共通点があるチーム同士での試合の時に使われる言葉だ。
たとえばよく聞く同じ地域でのチーム同士という場合は…
『ガンバ大阪』vs『セレッソ大阪』の『大阪ダービー』。
『清水エスパレス』vs『ジュビロ磐田』の『静岡ダービー』
『浦和レッドダイヤモンズ』vs『大宮アルディージャ 』の『埼玉ダービー』
同じ色をチームカラーに持つ同士の試合でも『ダービー』の言葉を使用する。
少し前のJ2なら『アルビレックス新潟』vs『大宮アルディジャ』
2004年シーズンからは『アルビレックス新潟』vs『清水エスパルス』
2005年からはさらに『大宮アルティージャ』が加わる。
これらは通称『オレンジダービー』と呼ばれている。
これから紹介する試合は正式なサッカーではないとは言え、これから先も実現はます
あり得ないという1回きりの『オレンジダービー』である。
- 3 名前:桜 乙女 投稿日:2006/02/13(月) 17:37
- とりあえず、オープニングに当たる部分だけアップしました。
次回は予定通り十日町雪祭りに合わせて17日(金)にアップします。
昨日、無事に南魚沼市雪まつりが終了しました。
その中で、歌の力で勇気をいただいて、その影響は大きいんだなぁ〜っと感じられるライブがあったり、
震災復興祈願花火として『フェニックス南魚沼』が見事に舞い上がりました。
元々『フェニックス』は長岡の夏祭りで復興への祈りを込めた花火として
平原綾香さんの「Jupiter」をBGMとしてまるでフェニックスが舞うような花火が
上がったのですが、南魚沼でも打ち上げることになり、昨晩平原綾香さんのビデオ
メッセージの後に「Jupiter」のBGMに乗せて打ち上げられた花火です。
作者自身あの地震の時、震度7近くの付近にいた者ですし、何もできないかと思いますが、
創作を通じて、現状での地元の状況やメッセージを伝えられれば…。と思います。
来週は十日町雪祭りです。
あの二人が来られないのは非常に残念ですが、堀内孝雄さん、松浦亜弥さん、前田有紀さんと共に、
魚沼在住者として一緒に盛り上がってきたいと思っております。
参加される方、よろしくお願いいたします。
あとは当日に雪が降らなければいいのですが…
- 4 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:05
-
「おはようございます。」
吉澤ひとみは挨拶しながらダンスレッスン場に足を踏み入れると、そこにはかなりの
ハロプロメンバーがすでに集まっていた。そんな中…あたりを見回して、自分が所属する
モーニング娘。の元に向かい、サブリーダー藤本美貴の横に座った。そこに美勇伝リー
ダーの石川梨華がそばに寄ってくる。
- 5 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:06
-
「よっすぃ〜おはよう。遅かったね。」
「梨華ちゃん、ミキティおはよう。取材があったからね。」
「よっちゃんさん、おはよ…。」
吉澤に石川と藤本が話しかけてくる。二人ともどうしてこのメンバーがここに集まって
いるのか全くわからないのか、首を傾げていた。その顔ぶれとは…カントリー娘。メロン
記念日、W、美勇伝、そして吉澤がリーダーを勤めるモーニング娘。という超豪華メンバーだ。
二人だけではない、ここに集まられたメンバーでさえも不思議そうな表情を見せている。
夏ハロコンは終わったばかりで、次の冬ハロコンはまだまだ先のはずなのに、どうして
これだけのメンバーが集められたのかわからないのだ。
- 6 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:07
-
「あれ?今、入ってきたのは…」
石川が入り口の方を見ると、エッグの是永と川島がちょうど入ってきたところだった。
中にいるメンバーの豪華さに遠慮したのか、何やらヒソヒソ話していたかと思うと、こそ
こそと部屋の角に座り込んでしまった。
- 7 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:08
-
しばらくして、つんくと中澤裕子、保田圭という3人が他のスタッフと共に入ってきた。
その場にいる全員が3人に注目する。
「ねえ?なんだろうね。」
「このメンバーに何か共通点があるのかな?」
『ああ…一昨日の話はこのことだったんだな。』
石川・藤本の言葉に吉澤が小声で呟いた。
- 8 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:09
-
************************************
- 9 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:09
-
この集まりの2日前、ちょうど週数回のフットサル練習日だった。
「吉澤、ちょっと来てくれ。」
「はい。」
終了後みんなが自主的居残り練習をしている中、『ガッタス ブリリャンチス H.P.』
キャプテンの吉澤は北澤監督に呼ばれた。
- 10 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:10
-
練習場所の体育館のすぐそばまで出てきた北澤監督は吉澤に話しかける。
「まだ日程は決まっていないが先に話しておく。今度新潟で『新潟県中越大震災』復興
支援イベントがあるが、その一環としてフットサルの慈善試合が行われることになった。」
「相手は地元の小中学生ですか?」
- 11 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:11
-
吉澤の質問に北澤は大きく首を振った。
「いいや、Lリーグ所属の『アルビレックス新潟レディース』とだ。」
「よっしゃぁ〜!『オレンジダービー』だぁ〜!」
相手を聞いた吉澤は思わずガッツポーズを取る。それを見た北澤監督は不思議そうな
顔をした。
「お前、アルビLの主将知っているのか?片桐がお前によろしくと言っていたぞ。」
この言葉には吉澤も苦笑してごまかすしかなかった。
- 12 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:12
-
「数日後にはつんくさんの方からもこの話が出ると思うから、次の練習の時に小川と
久住を誘っておけ。少しだけだが参加させるつもりでいる。それとそう言う場合、
どういうフォーメンションを取るべきか、動きはどうするか考えておけ。」
そう言って、北澤は立ち去る。吉澤は頭を下げ、監督を見送った。
- 13 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:13
-
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- 14 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:14
-
「よっすぃ〜。つんくさんの話が始まるよ。」
「え?ああ…」
数日前の話を思い出していた吉澤は石川に声を掛けられて、あわてて現実に戻る。
前を見るとつんくが全員の顔を見回していた。
「さて…ハロコン以外でこれだけのメンバーが集まると壮観やな。どうして自分達が
呼ばれたか、わかる奴おるか?」
つんくの言葉に誰一人声を出す者はいない。
- 15 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:15
-
しばらくして、そっと手を挙げる者がいる…吉澤だった。
「もしかしたらですが…フットサル関連ですか?」
「その通りや。」
- 16 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:15
-
吉澤の言葉に即答したつんくは大きく大きく息を吸うと、次の言葉を継げる。
「『新潟県中越大震災』復興支援イベントとして、新潟県十日町市にてサッカー
Lリーグの『アルビレックス新潟レディース』と『ガッタス ブリリャンチス H.P.』
とのフットサル慈善試合を行うことになったんや。」
ここまで言った時、その場にいた斉藤と石川から歓喜の声が上がる。予めそのことを
聞いていた吉澤のみが小さく拳を握り締めていた。
- 17 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:17
-
「その試合の時にな、試合前・ハーフタイム・試合後とライブを行うことになってな…」
この報告に人一倍驚き、喜んだのはメロン記念日の斉藤瞳と言うガッタスメンバーだけ
ではない。モーニング娘。の小川麻琴は大きくガッツポーズをし、久住小春の笑顔もはち
きれんばかりだ。新潟出身の斉藤・小川・久住の3人は『新潟県中越大震災』に対して
心を痛めていた。ただ斉藤や他のガッタスメンバー全員共通の不安が1つだけあった…
それは試合とライブを両立のためには体力が一番の心配ごとだった。
- 18 名前:オレンジの架け橋 投稿日:2006/02/18(土) 23:18
-
「ああ…心配せんでもええ。ハーフタイムは選手以外のメンバーやで…。あと、ガッタス
メンバーの斉藤はもちろんだが、今回小川と久住にも北澤監督から選手としての出場
を要請されているし、試合前と後のライブではメインをやってもらうから、覚悟はして
おけ。それにライブと試合の間は別のことを挟むつもりだから、安心せい。」
「大丈夫や、そのためにうちら二人がいるのやから…。もちろん歌うけどね。」
「私もハーフタイム以外は色々とやるつもり。実況も挑戦する予定…何よ、私の実況じゃ
不満なの?」
最後の保田の言葉には一同大爆笑だった。
- 19 名前:桜 乙女 投稿日:2006/02/18(土) 23:21
-
本日は以上です。
こんな感じでアップしていきます。
だいたい1週間に1回、週末ぐらいのアップの予定でいます。
ただ、アップできる量はその時によってかなり違うと思いますが御了承くださいませ。
前作の2作品とも倉庫に行ってしまったので、アドレスを書いておきます。
どちらも『金版』倉庫です
一勝一敗 ttp://mseek.xrea.jp/gold/1123954383.html
10月23日 ttp://mseek.xrea.jp/gold/1130563076.html
本日、十日町雪まつりフェスティバルに行ってきました。
幸いにもいい天気でして、昼間は良かったのですが、夜のフェスティバル中は
堀内孝雄さん、松浦亜弥さん、前田有紀さん共に寒いと言うのと雪の量に驚いていましたね。
あややは観客よりも厚着をしていた様な気がする(w)
こちらはあちらこちらにカイロを張り付け、さらに靴の中にまでカイロを仕込んで
おいたので、寒さは無縁でしたが、いかんせんゾーン席を手に入れたくせに油断しすぎて
ゾーンの方でもかなり後ろの方で、人と人の間からようやく見ることができた次第であります。
NHKで放映してくれるそうなので、そちらを楽しみにすることにします。
- 20 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:20
-
「では行ってきま〜す。」
あの集まりから数週間後の土曜日、ここはアップフロント…ハロープロジェクトが
所属している事務所だ。挨拶と共に出発するのはモーニング娘。である。
そんなときにちょうど美勇伝とすれ違う。
「あ、これから出発?いいなぁ〜一緒に行きたかったなぁ〜」
「へへへ、お先に約束果たしてきま〜す。」
そううらやましそうに呟く石川に吉澤は明るく返事を返し、軽く手を振りながら出て
いった。
- 21 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:24
-
娘。メンバーがバスで向かったのは東京駅。新幹線に乗り込んで北へ向かう。
メンバーは騒いでいる者、静かに休んでいる者、曲を聴いてこれからのイメージを作っている者と様々であった。
「ねえ、よっちゃんさん。今回の場所って、すごい数のお客さんなんだって?」
「そうだよ。今日は土曜日だからおそらく4万人は入っていると思う。何せこのスポーツ
の日本代表戦以外で観客動員数記録を持っているチームのホーム戦だからね。」
「それじゃ、フルキャスタ宮城よりも多いんじゃない?」
「ありえるかも…」
- 22 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:26
-
そんな会話を交わしていたのは娘。サブとリーダーであり、ガッタスのサブとキャプテンでもある
藤本と吉澤の二人だった。そこに小川が割り込んでくる。
「へへへへへ、今日はサインしてもらうつもりでユニフォーム買って来ちゃった!」
小川が見せたのはオレンジ色のアルビレックスのユニフォームである。それを聞いて
いた久住も恥ずかしそうに同じユニフォームを出してみせる。そう…娘。達が向かって
いるのは新潟スタジアム、通称『ビッグスワン』だった。
- 23 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:27
-
今回のイベントは『新潟県中越大震災』復興イベント フットサル チャリティー
マッチ『アルビレックス新潟レディースvsガッタス ブリリャンチス H.P.』の告知を
『ビッグスワン』で行うことになっている。
フットサルとは言え、このアルビLとの親善試合に正直言って一番驚いたのは吉澤かも
しれない。なぜならば、以前Jリーグの観戦に新潟まで来たときに石川・斉藤と共に
アルビLが行っていたフットサルのイベントに乱入したことがあったからなのだ。
もちろんこのことは…一緒にプレーした『carezza』の河辺・小島以外は知らない。
- 24 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:28
-
そうしているうちに新幹線は新潟駅に到着した。新潟駅の端にある目立たないところ
から出てきた娘。達は用意されていたバスに乗り込む。そして、ほとんど走らないうちに
アルビレックス新潟関連の施設に到着する。以前吉澤達がフットサルをやったあの場所
だった。その施設を借りて準備をする手はずになっている。
- 25 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:30
-
「「「「「「「「「「よろしくお願いしま〜す。」」」」」」」」」」
建物の中に入ったとき、出迎えてくれたのはアルビレックスレディースのキャプテン、
片桐ひろみ選手と司令塔の大沢幸恵選手の二人だった。顔見知りの二人との再会に吉澤は
笑顔で近づき、握手を交わす。
「明日、試合なので生で見られないのが残念ですが、その時はTVでみんなで見ます。」
「次の時は絶対に生で見ますよ。『モーニング娘。』のライブ。」
「全力でやります。楽しみにしてください。」
- 26 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:31
-
衣装に着替え、打ち合わせを済ませたメンバーは、再びバスに乗り込んで、『ビッグスワン』に向かった。
ビッグスワンに近づくにつれて、メンバーの目の色が輝き出す。
「うわぁ〜大きい。」
「すごかぁ〜」
「こんな大きな所で歌うの初めてなの。」
「中はもっとスゴイよぉ〜」
「もしかして、楽天の時よりも緊張するかも。」
- 27 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:32
-
ワイワイ騒ぐ年少組に対し、半ばうるさそうに…だが、少し誇らしげに窓の外を一緒に
見ているお姉様組の吉澤、藤本であった。そんな騒ぎをしているうちにバスはビッグスワンに到着した。
今回のイベントはシークレットだったので、娘。達は目立たないようにビッグスワンの中に入っていった。
- 28 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:33
-
試合はアルビレックス新潟vsヴィッセル神戸。ピッチでは白熱した試合展開が続いている。
特にアルビレックスの気迫がみなぎる攻撃にヴィッセルは押されかけていたが、それでも全力でぶつかり合っていた。
- 29 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:34
-
そして、ハーフタイム…選手がフィールドから下がると、いきなりライトが全て消える。
スタンドにいる観客はいったい何ごとかまったくわからず、戸惑っていた。そこにアルビレックスチアリーダーが
出てくる所はいつものハーフタイムなのだが…その直後、オレンジのユニフォームを着た人が出てきたと思うと、
このビッグスワンでは流れたことのない曲のイントロが大音量で流れ出す。だが、この曲はある球場で流れた物でもあり、
TV中継で流れたこともあった曲だったので、何人かはわかったようだ。
- 30 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:35
-
そして、ライトがフィールドに照らされ、それと同時にスクリーンにオレンジのユニ
フォームをまとった女神達の姿が映り、正体が明らかにされた…
『モーニング娘。』その人達だった。そして『マンパワー』を全力で歌う。
- 31 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:36
-
「こんにちわー、モーニング娘。で〜す!」
マンパワーが終わってから、娘。メンバーはスタンドの観客に挨拶をした。観客からは
娘。…特に新潟出身の小川と久住に対し、暖かい声援が送られた。
『麻琴!小春!お帰りなさい!』
「ただいまぁ〜!」
久住は感激のあまり涙が止まらない。それを見た小川は久住の肩に手を置いて、励まし
ながらもスタンドに向かって大声で返事をした。
- 32 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:38
-
「今度、十日町の当間高原にて私たち『ガッタス ブリリャンチス H.P.』は『アルビレックス新潟レディース』と
フットサルの慈善試合を行います。ライブもやりますので、よろしく!!」
吉澤の告知にスタンドの歓声はますますヒートアップしていく。そのノリのまま次の曲『Go Girl〜恋のヴィクトリー〜』
に入る。
- 33 名前:北へ…女神降臨 投稿日:2006/02/26(日) 20:39
-
ライブの後の後半戦もアルビレックスの気迫は変わらなかった。女神パワーで絶対に
負けられない…そんな迫力が伝わってくる。
- 34 名前:桜 乙女 投稿日:2006/02/26(日) 20:41
-
幻版に移動して初めての更新になります。
次回からいよいよ核心へと触れていく予定です。
果てさて、読んでくださっている方がいるかどうか、非常に不安です。
どなたか感想を書いてください。
(本当に無いとマジで凹みます。orz)
25日にNHKのBS-2で十日町雪祭りが放映されましたけど、かなり短縮されていましたね。
ちょっと残念でした。
- 35 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/03/30(木) 11:26
- おもしろいよ
- 36 名前:桜 乙女 投稿日:2006/04/12(水) 13:07
- 更新が遅れて申し訳ありませんでした。
チェック中に不自然なところがあったので、一部書き直しをしていたり、
年度末年度始めでバタバタしておりました。
>>35さん
ありがとうございます。
まだまだ途中ですが、絶対に最後まで書き続けますのでお楽しみくださいませ
では、少しですが更新します。
- 37 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:11
- 「あの熱気、すごかったよね!」
「新潟でのコンサートでもいつもすごいのに、今回はそれ以上だったし…。」
「さすがは4万人!」
「麻琴と小春ちゃんへのコールもすごかったし…」
「小春ちゃんはどうだった?」
「もう〜うれしくって、うれしくって、涙が止まりませんでした。」
「新潟の人は暖かいからねぇ〜。しかも小春ちゃんは娘。に加入するときに写真入りで地元の新聞に出てたしね。」
「え〜っ!小川さん。なぜそのこと知っているのですか?だって、新聞だってわずかな範囲だったし…。」
「へへへ、地元の友達に聞いた。その時の新聞も送ってもらったから持っているし。」
- 38 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:14
-
「それにしても、麻琴はビックスワンのあの4万人の観客がいるフィールドに立っても
全然緊張していなかったみたいだったけど、以前にそんな経験あるの?」
「え〜っと、それは…。」
「ほら!正直に白状しなさい!!」
「うりゃうりゃ!!!」
「うるさぁ〜い!静かにしろ!麻琴も小春も本当は今日、実家に帰りたいんだろうけど、
明日の朝早くから仕事だから、一緒に帰ることになったのに…騒いでどうする!」
- 39 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:17
- アルビレックス新潟とヴィッセル神戸の試合は3−0でアルビの勝利に終わり、東京にもどる新幹線の中で
娘。達はライブとサッカーの観戦での興奮でいつも以上の騒ぎが続いていた。
吉澤も重荷が下りたのか、騒がしいメンバーに怒鳴ったものの、表情自体はホッとした感じで
サッカーやフットサルの話を隣の藤本としていた。
- 40 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:18
-
その時だった、瞬間だったが久住が何かに反応する。他のメンバーも妙な感覚に襲われたかと思うと、
同時に揺れだした。それも新幹線の走っている普通の揺れではない、足下を突き上げるような縦揺れだ。
即座に新幹線は急ブレーキが掛かり、停車する。
それでもまだ地面は揺れていた。
- 41 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:20
- 「みんな!頭をかがめて!」
吉澤はメンバーが気になって、立ち上がろうとしたが、足下が不安定でなかなか立ち上がれない。
それでもできるだけ足を踏ん張って、地震に耐えようとしていた。
- 42 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:23
- 予想以上に長く感じた地震はようやく収まったが、みんな動こうとしない。スタッフも全く予想していなかった大きな揺れに
動揺している中、吉澤と藤本が年下メンバーが心配で、かろうじて立ち上がり、周りを見回していた。
- 43 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:24
- 「みんな無事か!点呼を取るぞ!まず、ミキティ。」
「美貴は大丈夫。」
「高橋!」 「大丈夫やざ。」
「コンコン!」 「無事です。」
「麻琴!」 「何ともないです。」
「ガキさん!」 「怪我ありません。」
「亀!」 「絵里は大丈夫です。」
「シゲさん!」 「さゆは無事なの…」
「れいな!」 「無事タイ!」
「小春…小春?」 「吉澤さん、小春ちゃんが…」
- 44 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:26
- 最後の久住で返事は無い。その代わり道重の不安そうな返事が返ってくる。
吉澤と藤本が道重と久住の席にて見た物は、恐怖で道重をしっかり掴んだまま放さず、
震えている久住とそんな久住を落ち着かせようとそっと背中をさすっていた道重の姿だった。
- 45 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:27
- リーダーとサブリーダーの姿に道重もどうしていいのか不安な様子で二人の顔を見る。
藤本が落ち着かせようと久住の頭に手を置こうとしたが、少し触れただけで久住はピクっと過剰の反応を見せた。
そこに女性のスタッフが久住と道重のそばにそっと近づき、久住に触れようとした。
- 46 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/04/12(水) 13:28
-
「いやぁ!」
久住はその女性スタッフの手を思いっ切り払いのけ、さらに身体の震えが増してしまったようだ。
「かなり大きな地震だったけど、すぐに新幹線も走りだすよ。今、マネージャーさん達が状況を聞きに行っているし、
事務所の方にも連絡を取りに走り回っている。だから私たちは安心して待っていれば大丈夫だよ。」
吉澤も久住を落ち着かせようと話しかけるが、それさえも耳に入っていないようだ。
- 47 名前:桜 乙女 投稿日:2006/04/12(水) 13:30
- 【忘れられない恐怖の記憶】の前半として、今日はここまでです。
主役が新潟メンバー(久住・小川+斉藤)がメインと言っておきながら、今のところ
よっすぃーがメインになっておりますw
でも、後半には麻琴も小春も瞳さんもがんばるはずなんですが…
娘。の麻琴・小春凱旋コン参加して、さらに帰りの関係で同じ新幹線に乗りましたが、
その時にちょっと色々気が付いたことがありまして、一部書き直しとなりました。
毎週更新はできないかと思いますが、少しずつでも進めていこうと思っていますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
斉藤さん、遅くなりましたがガッタスお疲れさまでした。
- 48 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/07/10(月) 18:28
- 続き読みたいです。
- 49 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/07/11(火) 23:31
- 落とします
- 50 名前:通りすがり 投稿日:2006/07/11(火) 23:34
- ochi
- 51 名前:桜 乙女 投稿日:2006/07/22(土) 00:06
- まったく更新がストップしてしまって申し訳ありません。
ある程度はかけているのですが、パソコンの調子が悪く、この書き込みもネットカフェから書いている状況です。
(たまたま土日の代々木のため前日より上京したゆえにネットカフェもあったのでこうして書き込んでおります。)
8月の真琴卒業までにはちょっとはかっこいい真琴が出てみるようにやってみます。
土日はコンコンと8月のミュージカルにはいけないので真琴の二人の卒業のつもりで行きます。
あと、落としてくださった方々ありがとうございました。
- 52 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/07/28(金) 15:28
- 麻琴だよ
- 53 名前:桜 乙女 投稿日:2006/08/15(火) 14:13
- あいもかわらず更新できなくて申し訳ありません。
現在、パソコンを新しくするためにデーターのバックアップに追われております。
麻琴卒業までには何とかしたいのですが、間に合わないかもしれません。
できる限り間に合うようにやってみますのでよろしくお願いいたします。
>>52さんへ
慣れないネットカフェからの書き込みのため、こともあろうに麻琴の名前を間違ってしまいました。
申し訳ないです。
8/2に小春ちゃんがお勧めの長岡大花火大会を見に行ってきました。
三尺玉に中越地震復興花火「フェニックス」は大迫力でした。
- 54 名前:桜 乙女 投稿日:2006/10/23(月) 18:00
- 大変お久しぶりです。
結局、麻琴の卒業コンやミュージカルリボンの騎士にも間に合いませんでした。
非常に遅くなってしまったことをお詫びします。
この話は時間がかかっても、絶対完結したいと思っております。
その前にまず、中途半端でパニくっているあの子を落ち着けたいと思い、別の意味で忘れてはいけないと言う日と時間までに少しでも進めたいと思っております。
では、続けます。
- 55 名前:桜 乙女 投稿日:2006/10/23(月) 18:00
-
「どうする?」
「う〜ん。」
流石の二人もお手上げの様子で困り果てていた。その間にも小さな余震が何回かあった
ためか、その場に残っていたスタッフもどうすることもできず、それを見ていた他の
メンバーも不安が伝染したのか、落ち着きを失いつつあった。
- 56 名前:桜 乙女 投稿日:2006/10/23(月) 18:01
-
「吉澤さん…もしかしたら、小春ちゃん…」
小川が何かに気が付いたのか、吉澤と藤本に小声で説明した。
「え!だって…」
「確か、あのあたりは震度5強が何回か来たはずですよ。私のいた地域だって震度5
だったし…」
「確か、前橋でも震度5だと聞いたけど…」
「同じ震度でも震源地からの距離で揺れの感じが違いますからね。」
- 57 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:02
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ようやく小川の言いたかったことを理解した吉澤は、小川に笑顔を見せると、久住に
ゆっくりと近づき、一度二人一緒に抱きしめた。そして道重をしっかり掴んでいる久住の
指をゆっくりと1本、1本放していった。長い間かかって、道重を久住から解放すること
ができた。よく見ると道重の腕は久住の指のあとがしっかりと赤くなって残っている。
- 58 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:03
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「ミキティー…シゲさんを頼む。」
「任せて…」
藤本は道重を立ち上がらせると、道重は緊張の糸がぷっつりと切れたらしく、藤本に
抱かれたまま、ただ震えるしかできなかった。そんな同期を藤本は優しく頭をなぜる。
「シゲさん、良くやったよ。偉かったね。」
- 59 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:04
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久住にしがみつかれた時は、先輩として、年上として…そして教育係として一生懸命
小春を落ち着かせようとしたが、結局何もできなかった。その無力感と地震の恐怖で
さゆは泣くことだけはこらえていたが、同期の藤本に抱かれて声も出さずに震えていた。
- 60 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:04
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吉澤は今まで道重が座っていた席に腰掛けると、震える久住を自分の膝の上に乗せ、
そっと後ろから抱きしめる。それでも久住は吉澤の腕をぎゅっと力を込めて掴みながらも、
震えるだけで全く動こうとしなかった。
- 61 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:05
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吉澤は小春を落ち着かせようと抱きしめながら、そっと震える身体を優しくなぜていたが、
そのうちにそれは軽くリズムを取るように指先で触れるように変わり、小さく口ずさみ
始めた。それは吉澤自身も好きな曲である『I Wish』だった。
- 62 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:06
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ワンフレーズ歌ったところで藤本も道重を抱きしめながら歌に参加すると、道重のふる
えが止まった。その横で高橋が指を鳴らして吉澤のリズムに合わせる。同時に他の5期
メンバーは無言のままで頷くと、コーラスに参加した。
- 63 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:06
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その歌声を聞いていたのか道重がそっと顔を上げて藤本の顔を見た。藤本も歌いながら
道重に頷く。その回りには残りの6期メンバーが集まってくる。その顔を見た道重は
微笑むと、そっと藤本から離れて、歌に加わった。そのまま曲はサビに入る。
歌っているメンバーはすでに地震の恐怖は無く、久住さえもしっかりと吉澤に抱かれ、
その腕を掴んだままだったが、ふるえだけは収まっていた。
- 64 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:07
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「次、何歌おうか?小春の聴きたい曲…何でも歌ってやるよ。」
「『I Wish』を…もう一度お願いします。」
「いいよ、何度でも歌ってやる。」
- 65 名前:桜 乙女 投稿日:2006/10/23(月) 18:08
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『I Wish』が歌い終わったとき、久住はようやく顔を上げて吉澤の顔を見た。吉澤も
優しく微笑んだ後、ギュッと久住のことを抱きしめた。久住はすごくうれしかった。
こんなに心配をかけてしまったことと、嬉しさで涙が止まらなかった。周りのメンバーも
優しい表情で二人を見ている。
- 66 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:08
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「次、何歌おうか?小春の聴きたい曲…何でも歌ってやるよ。」
「『I Wish』を…もう一度お願いします。」
「いいよ、何度でも歌ってやる。」
- 67 名前:忘れられない恐怖の記憶 投稿日:2006/10/23(月) 18:11
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微かな…本当にか細い声で小春が優しい問いかけに答えると、吉澤は仲間の顔を見
回した。他のメンバーも無言だが了解し、数人が指を鳴らしてリズムを取る。最初の
フレーズだけは吉澤が受け持った。
それからは別に打ち合わせをしたわけでもないのに、切れることなく歌が続いていく。
その歌声は力強く、そして…心にしみいる物だった。
そんな中、吉澤を掴んでいる久住の力も徐々に緩められていくが、吉澤は決して放そうと
もせず、久住を抱いたまま歌い続ける。
- 68 名前:桜 乙女 投稿日:2006/10/23(月) 18:11
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『I Wish』が歌い終わったとき、久住はようやく顔を上げて吉澤の顔を見た。吉澤も
優しく微笑んだ後、ギュッと久住のことを抱きしめた。久住はすごくうれしかった。
こんなに心配をかけてしまったことと、嬉しさで涙が止まらなかった。周りのメンバーも
優しい表情で二人を見ている。
- 69 名前:桜 乙女 投稿日:2006/10/23(月) 18:15
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これで【忘れられない恐怖の記憶】 の章は終わりです。
しかし、話はまだまだ続きます。
途中で題名にHNがはいってしまったり、順番を間違ってしまったりしてしまったことをお詫びします。
>>64と>>68は無視してください。
夏のワンダー…コンコンと麻琴の卒業コン行きました。
ミュージカル、リボンの騎士も千秋楽の昼の部にかろうじて参加することができ、見送ってきました。
夜はチケットがとれなかったので、マコファンの方にサイトリウムだけ託して帰ってきました。
『中越地震』から2年。地震が起こった17:56までに今回のアップは間に合いませんでしたが、
とりあえずこの日にあげることも意味があると思っております。
まだまだ先は長いですが、首を思いっきり長くしてお待ちくださいませ。
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