短編集ver田亀or亀高
- 1 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/01(土) 11:49
- タイトル通りです。
更新遅いですが、温かく見守って頂けたら幸いです。
- 2 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/01(土) 12:40
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まずは田亀で「サクラ彼女」です。
恋愛要素少なめで、なんだかサクラがメインになってます(汗)
- 3 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/01(土) 12:41
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「ねー、れーな」
「なん?」
「散歩いこーよ」
・・・・始まった。
いきなり話しかけられたと思ったら「散歩」?
突拍子のない事を言うのは絵里の癖なんだろうけど。
それで、その誘いにいっつも付き合っちゃうれなもれななんだけど。
なんか断れないんだ、理由は分からない、、いや分からないフリをしているだけなのかもしれないけど。
「れーなー、はやくぅー」
「おあっ!?」
いきなりグイッと腕を引っ張られ、危うく転倒しかけた。
――いきなり腕引っ張るんじゃなか!
喉まで出かかった言葉を飲み込みざるおえなかった。
絵里が満面の笑みでれなの事を見ていたから。
ドキッとする。これが何度目か分からないけれど、絵里の笑顔にれなは弱い、らしい。
- 4 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/01(土) 12:44
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散歩出発地点から5分程歩いた公園にれな達は来ていた。
散歩の間中絵里はれなの腕と自身の腕を絡ませて、っていうと聞こえ悪いのだが、
今絵里とれなは腕を組んでいる状態だった。
別に嫌ってワケではなく、むしろ嬉しい。
しかし先程から心臓がうるさいのだ、きっと通常の心拍数から比べて、2倍は早いと思う。
絵里と触れ合っている部分だけに意識、そして全身の血液が集中しているんじゃないかという錯覚すら覚える。
「れーな、サクラ綺麗だね」
絵里が足を止め、れなを呼んだ。
今までずっと自分の世界に入り込んでいて全然気付かなかったが、れなの目の前には満開の綺麗なサクラの木。
確かにとても綺麗だった。
途端今まで感じていた温もりが消える。
寂しい、第一に頭を掠めた感情だった、いきなり離すなよバカ絵里・・。
心の中では悪態をついているが、やっぱり憎めない、むしろ好きなんだ。
- 5 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/01(土) 12:45
- れなはその場に立ったままただ絵里を眺める。
絵里はサクラの木に近づいて真上を向き目を閉じた。
そよ風がサクラの木と絵里の髪を揺らした。
黒髪ロングの時とはまた違う、艶やかさ。
その姿にずっと目を奪われていた、目を離すことが出来なかった。
- 6 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/01(土) 12:46
- 「れーなも」
「え?」
「れーなも、こっち来て」
優しい、甘い声で言われて、れなは無意識のうちに絵里に近づく。
絵里の温もりが今度はれなの右手に戻ってきた。
ただ手を繋いだ、ただそれだけの事なのにれなの心は信じられないほど満たされている。
この時間、好きだな。
「絵里、サクラ綺麗だね」
ついさっき絵里が言った言葉。
れなも使わずにはいられなかった。
「うん」
れなの好きな、満面の笑みで頷く絵里。
その横顔にまた見惚れた。
やっぱり絵里にはサクラが似合う。
れなはもう絵里に夢中なんだと今、改めて感じた。
- 7 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/01(土) 12:46
-
- 8 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/01(土) 12:47
- 微妙ですな・・・・・(^^;)
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/01(土) 18:37
- こーゆーふんいき好きですよー。次回作なんかも期待しちゃいます。
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/07(金) 02:37
- うわ、いい。
見事に切ないです。
- 11 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 01:59
-
>9さん
こーゆー雰囲気いいですか!?ありがとうございます(切実)
作者のパワーの源になります。
>10さん
ありがとうございます・・!
作者のパワーの源になりm(ry
- 12 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:01
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2作品目は亀高で「AM8:00」です。
またもや恋愛要素少なめ・・・・、作者甘いのかけないのでしょうか(汗笑)
- 13 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:01
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今日も朝早く起きて、顔洗って、歯磨いて、制服着て、髪の毛整えて、朝食とって、玄関前、
髪の毛チェックして、AM8:00家を飛び出す。
鏡は常備品、家から出て3個目の交差点まで走る走る、今日もあの人に会う為に―――いや、正確に言うと見る為に、かな。
予定通りに交差点の前までやってきた。鏡を見てまた髪の毛のチェック。
「あ。」
いつもの時間にやって来た。
同じ市内にある女子高の制服を着た彼女。
この学校は県内屈指の優秀校だ、と両親が話していたような気がする。
名前も学年も知らない、おまけに優秀校の生徒。
まさに自分とは月とスッポンの差じゃないか、、、。思わずため息を吐く。
しかしなかなか諦めきれない、今までに見た事ないくらい綺麗な人だったからだ。
他人から見れば、『彼女以上の人なんて他にも居る』と思うかもしれない。
でも絵里は決してそうは思わない、今の絵里自身は彼女以上の人なんて居ない、と断言できる。
つまり見事にハマってしまっているのだ。
- 14 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:02
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―――――そんな絵里だから気付けたのかもしれない。
- 15 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:02
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つも見ている彼女の様子がおかしい事に気付いたのは、交差点の信号が青から赤に変わった時だった。
横断歩道の前で信号待ちをしている彼女はあきらかに元気がないように思える。
伏せ目がちで、全く前を見ようとしない。
なんか嫌な予感がした。
絵里は足を速め、横断歩道に近づいた。
横断歩道まであと30メートル、25メートル、そして20メートルの所で信号が赤から青へと変わった。
同時に人々が、そして彼女が足を踏み出す。
歩き出してもなお下を向いたまま、しかも心なしか足取りがおぼついていないようにも思える。
人々が横断歩道を渡り終えた頃、彼女はやっと半分渡り終えたというところだった。
- 16 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:03
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「危ない・・!!」
若い男性の声が辺りに響いた。
彼女にしか視点が定まって居なかった絵里は我にかえった。
と同時に魂が天にかえった・・・・・、と思うくらい驚愕した。
彼女目掛けて大型トラックがかなりのスピードで直進して来ている。
このままじゃ彼女に直撃してしまう。
あんなモノが彼女の体に直撃したら・・・・・・、結果は目に見えていた。
- 17 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:04
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無意識的に絵里の体は彼女の方へと向かっていた。
彼女の方へと駆け込む、その間にもトラックはずんずんと距離を縮めてくる。
ギリギリだ、タイミング的にかなり際どいところであることは明確であった。
「神様、仏様、イエス様ァァァ・・・!!」
そう叫んだのと同時に、未だ下を向いたままの彼女に飛びついた。
勢いで固いアスファルトに体を強打する。でも止まれない、いや止まらない。
そのまま物凄い勢いでぐるぐると回転した。
ずさーっと絵里の体のすぐ横をトラックが通り抜ける。
大きいタイヤ、あれにもし轢かれてたら・・・全身に鳥肌がたつのを感じた。
不思議と体に痛みはなかった。ただただ恐怖感が離れなかった。
- 18 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:04
-
気付けば辺りは拍手喝采。おまけに指笛の音まで聞こえ出した。
ちょっとヒーロ気分、気持ちがいい。でも・・・・・
彼女の様子がやっぱりおかしい。
- 19 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:04
-
「あのー、大丈夫ですか?」
腕の中の彼女に尋ねる。
というか、今どうでもいい事かもしれなけど顔が近い。
さっきまでそれどころじゃなかったけど、憧れの彼女と抱き合っている。・・・絵里が抱きついてるだけか。
不謹慎ながらも、そして今更ながらも心臓の鼓動が早まった、のだけれど。
「とりあえず離してくれない?」
予想以上に冷たい声だった。
ある程度予想はしていた、今朝の彼女を見ていて。しかも見ず知らずの奴にいきなり抱きつかれて。
でもさ、ちょっと酷すぎやしないか・・?
- 20 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:05
-
とりあえず近くベンチに腰を降ろした絵里達。
気まずい沈黙が1分間程続いた後、ご機嫌ななめの彼女が口を開いた。
「 余計な事してくれたね 」
「え?」
絵里は言われた事の意味が理解できなくて思わず聞き返した。
なに?ヨケイナコト?
絵里、なんかしたっけ?抱きついたから?顔の距離近かったから?
- 21 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:05
-
「 なんで助けたの? 」
この言葉で全ての事が理解出来た、と同時に怒りも沸いて、しまった。
「どーゆー事ですか?」
「だから、助ける必要なかったって言ってんの」
「なんでですか!!!」
「ふぅ・・・。フラれたの、昨日の夜。
1年付き合ってた恋人に、いきなり別れようって言われたんだよ?
もうどーでもよくなっちゃった。もう死んでもいいかなー、って思っ
バシッ
彼女が全て言い終える前に絵里の体は動いていた。
- 22 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:05
-
「そう簡単に“死んでもいい”なんて言わないで下さい!」
大声をあげて、しかも立ち上がりながらそう言ってしまったものだから通りすがった学生、サラリーマンが
絵里達をチラチラ見ながら通り過ぎていく、でもそんな事今は全く気にならない。
彼女の方は頬を平手打ちされ、大声で怒鳴られ、どれもいきなりの事で驚愕の色を隠せていなかった。
絵里は肩で息をしながら彼女の言葉を待った。
もう怒鳴られる覚悟は出来ている。
- 23 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:06
-
けど、彼女が発した言葉は絵里の予想を見事に外してくれた。
- 24 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:06
-
「あーし、初めて人に殴られたわ」
「・・・・・・・・・・・。」
「なんかすっきりした。今更やけど、ありがとう。助けてくれた事も、今殴って、
怒鳴ってくれた事も 」
予想していなかった彼女の態度に一瞬戸惑った、けど素直に「ありがとう」と言って貰えるとやっぱり
嬉しいものなのだ。
「・・・えっと、どういたしまして・・。で、でもあのー殴ってすいませんでした。」
「ええって、殴ってくれたお陰で目覚めたもん 」
「なら・・よかったです・・。」
「うんうん。・・・・・・ってぇ!もう8時半やんか!学校遅れる!あーし無遅刻無欠席無早退なんやから!」
ベンチ近くに設置してある時計を見ると彼女が慌てて立ち上がり、走り出そうとしている。
名前を聞かなくちゃ、今日を逃したらずっと聞けない気がしてならなかった。
- 25 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:07
-
「あの!・・・お名前お聞きしてよろしーですか?」
いきなり名前聞いてくるなんておかしい奴、とか思われたかもしんない。言ってから後悔した・・。
しかし彼女は
走り出した体をわざわざ止めて絵里の方を振り向き、しかも微笑みながら、
「朝比奈高校3年、高橋愛、どうぞよろしくー!」
「よっ、よろしくー」
彼女―――高橋さんは本当に絵里の予想をよく覆してくれる。
おかげで反応がうまく出来ないじゃないか。嬉しいけどさ、とっても。
- 26 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:07
-
「 じゃ、またね。亀井絵里さん 」
「えっ!?なんで絵里の名前・・!?」
絵里の質問虚しく、彼女は街の中へと物凄い速さで消えて行った。
「なんで絵里の名前知ってたんだろう・・・?・・・・・・・・・・・あ。」
絵里は忘れていた、自分の私物にはなんにでも名前を書いてしまう癖を。
絵里が持っていた白いトートバックの裏面に「亀井絵里」と記入されているのが見えた。
少しでも期待してしまった自分がとても恥ずかしく思えた。
- 27 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:07
-
つい先程の出来事を思い出す。
憧れてた彼女―――高橋愛さん。
いつも見ているだけ、だった存在から確実に距離が縮まった。
『またね』
彼女の残してくれた言葉がその一番の証だった。
- 28 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:08
-
次は甘いの書く努力します(´Д`)
- 29 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:08
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- 30 名前:初心者作家T 投稿日:2006/04/08(土) 02:08
-
- 31 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/13(木) 09:54
- 亀井さんかっけー!
- 32 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/03(木) 15:34
- こういうの好きです。
頑張ってください!
- 33 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/09/12(火) 00:19
- 無理に甘くするとおかしくなりますよ。
自然体でいる方が良い雰囲気がでるのでは?
作者さんの世界を大事にしてください。
- 34 名前:根岸奈緒 投稿日:2007/01/15(月) 20:44
- 私の事を覚えてくれたのが嬉しいです。
えりりんが好きになりました。この間はライブが最高に
良かったです。それからでした。初めて亀井絵里さんに出会いが
逢いたいです。
インタネットにメール入れてください。
返事をください。
根岸奈緒より。
- 35 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/16(火) 01:14
- あほか。
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