Forever your smile

1 名前:駆け出し作者 投稿日:2006/04/01(土) 21:19
れなえり。リアルでもアンリアルでもあり、リアルでもアンリアルでもありません。
しばらくは更新遅めで。

レスはsageでお願いします。
2 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:21

1. 出会いと再会

3 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:21

東京に憧れを抱いている地方の人というのは、少なくないと思う。
私―――田中れいなもその1人で、去年の春、福岡の中学校から東京の高校に進学した。

最初は慣れなかった東京での一人暮らしにもだんだん慣れ、今では学校生活でもプライベートでも充実した毎日を過ごしている……と思う。自分では。
4 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:22
2年生になって何週間か過ぎた日のことだった。

友達とカラオケに行った帰り、人通りの少ない道を自転車で一人走っていると、微かに「離してください!」という女の人の声が聞こえてきた。続いて「いいじゃんいいじゃん、遊びにいくくらいさ。」という男の声。

自転車を走らせると見えてきたのは、複数の男に囲まれた1人の女の子。年は私と同じくらいだろうか。
何気なくその女の子の顔を見て、息が止まりそうになった。

―――モー娘の亀井絵里……!?

一瞬、見間違いかと思ったけれど。見間違いでも何でもなく、そこにいたのはアイドルグループ・モーニング娘。のメンバー、亀井絵里だった。
5 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:23
何はともあれ、モー娘のメンバーが強引にナンパされているのを見て素通りもできない。

「なんしとーと?」

もともと多くはない勇気を振り絞って、そう言った。

「ん?何だお前。」

男達の中の1人が振り返る。

「嫌がってるんやけん、離してやったらよかと。」
「…生意気なこと言うんじゃねえよ!」

男が殴りかかってきた。

こういう時、軽くかわしてカウンターの1つでも決めるのが漫画では常識のようになっているけれど……ケンカなんてしたこともなかった私は、まともに殴られて地面に倒れ込んだ。

「さっ、あんなの放っておいて行こうぜ、亀井絵里ちゃん。」
「待って……」

もう一度、男達が振り返る。

「あたしを殴るかわりに…その子を離して……」

なぜここまでするのか、自分でもわからない。ただ、芸能人だから守ってあげないと、という変な責任感のようなものがあったのかもしれない。

「ハハハッ、面白い奴だな。おい、やっちまおうぜ!」

その言葉を合図に、男達全員が私を殴り始めた。

私は、ひたすら耐えるだけ………。
6 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:23
やがて気が済んだのか、男達は笑いながら去っていった。……顔中が痛いし、口の中に鉄の味が広がっている。
私って、身を挺して誰かを守ったりするようなキャラだったっけ……。今さらそんなことを考えた。

「あ、あの……」

地面に寝転がっている私を、女の子―――亀井絵里が上からのぞき込んだ。目には涙が光っている。

「その…」
「このあたりは人通りが少ないけん、気をつけなきゃいけんとよ。」

何か言おうとした亀井絵里を遮ってそう言い、立ち上がって歩きだそうとした。無様なところを見られて最高に恥ずかしかったから、一刻も早く立ち去りたかった。

「あ、待ってください…!」

腕をつかまれた。

「あの……手当て、させてください…。助けてもらったお礼に。」
「…いらんばい。気持ちだけ受け取っておくと。」
「でも……お願いします!!手当てさせてください!!」

振り向くと、亀井絵里は泣いていた。

―――まったく……何で泣かれなきゃいけんとよ。

「あーもう。わかったわかった。手当てだけっちゃよ。」

なげやりに言ったのに……亀井絵里は、嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
7 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:24
亀井絵里が住んでいるマンションに連れてこられて、部屋で手当てをしてもらった。

「ところで…アイドルが見ず知らずの人間を連れてきて大丈夫と?ネットで住所流したりするかもしれんとよ?」
「ううん。助けてくれるような人はそんなことしないもん。」

呆れるような嬉しいような。

「あ、名前聞いてもいいですか?」
「田中れいな。それとアンタより1つ年下やけん、敬語はいらん。」
「あーっ、年上のお姉さんをアンタ呼ばわりしていいのかなー?」

そう言ってはしゃぐ亀井絵里。

―――よくわからん奴っちゃね…。
8 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:25
「じゃあそろそろ帰ると。お世話になりましたー。」
「え!?帰っちゃうの?」
「手当てしてもらうだけって言っとったけんね。」
「うー……。」
「それじゃ。」

玄関のドアを閉めかけた時、亀井絵里が叫んだ。

「あ、ありがとう!助けてくれて。」

手をちょこんとあげて、ドアを閉めた。
9 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:25
自分の部屋に帰ってから、改めて思い返す。

―――なんだか…モー娘のメンバーの部屋に行ったような感じがせんとね。もうちょっと感動するものだと思っとったけど…。

「運命的」なんて言葉とは程遠い。感慨深いものも、何もない。

これが私と絵里の出会いであり、全ての始まり。
10 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:25

11 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:26

12 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/01(土) 21:26

13 名前:闇への光 投稿日:2006/04/01(土) 22:45
潜伏していた甲斐があった←嘘。
いや〜『鮮やかすぎる、君がいない夏』以来ですね。

あまり書き込まないかもしれませんがしっかりと見させてもらいます。
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/01(土) 23:14
新スレおめでとうございます
今回はまた面白そうな設定ですね
楽しみにしてます
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/01(土) 23:25
お帰りなさい!で合ってますかね…?
前作から読ませていただいて、新作を楽しみにしていました。

今回もまた、わくわくしながら読ませていただきます。
16 名前:wait 投稿日:2006/04/02(日) 08:39
ずっと待っていました。前作のスレに書いた予告より期待がいっぱいでした。
これからも作者さんを応援してます。楽しみ~♪
17 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/02(日) 19:08
待ってました!!
こっからどう発展していくか気になりますね〜(グフフ
応援してます!!
18 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:23

次の日。学校に行った私は「顔どうしたの?」とみんなに聞かれた。それもそのはず、私の顔はガーゼや絆創膏で一杯だったのだから。

モー娘の亀井絵里がナンパされてるのを助けようとしてボコボコにされた、なんて言えるはずもなく、「自転車で転んで顔を打った」と誤魔化した。
誰一人として大丈夫?と心配してくれず、「ドジだねぇ」と冷やかされたのは気に食わないけれど。
19 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:24
「ホームルーム始めるでー、席着けやー。」

担任で英語担当の中澤裕子先生が教室に入ってきた。普段は気さくで優しい人だけれど、マジ切れするとまさに「鬼」らしい。

「ん?田中、その顔どうしたんや?殴り合いの喧嘩でもしたんか?」

中澤先生の冗談とも本気ともつかない問いかけに、教室がどっとわく。

「いや、自転車で転んで顔を打ったけん。」

殴り合い、というのは半分合っている。ただ、殴り「合い」ではなくこちらが一方的に殴られたのだけれど。
もちろん、本当のことを言うつもりは毛頭ない。言ったところで信じてもらえないだろうし。
20 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:24
「生徒指導部のほうから、制服について注意するように言われとる。男子のズボンは引きずらないくらいの長さ、女子のスカートは膝が完全に出ない長さにするように。……まあ正直、ウチはそんなのどうでもいいと思ってるんやけどな。おっと、今のは他の先生方に言わないようにな。」

中澤先生がニヤッと笑い、クスクスと笑いが起こった。

いつもと変わらない日常。今日は晴れているから、幾分か気分がいい。
21 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:25
「今日は『ω』、この記号を勉強するぞー。これはローマ字のwじゃなくて『オメガ』っていう。パチンコのほうじゃないぞ。」

小さい体で必死に背伸びして板書しているのは、数学の矢口先生。中澤先生とは昔からの知り合いらしい。

……ていうか、数学なんて訳がわからん。

「ωは、3乗すると1になる数のことな。つまりxの3乗イコール1っていう方程式を解けばωが出てくるわけだ。」

なるほど、ここまではわかる。

「そしたら田中、xの3乗イコール1の解は?」

「わかりません。」
「諦めるの早っ。しょうがないな、そしたら名前も成績も田中とは正反対の中田、解いてみろ。」

「はい。xの3乗イコール1だからxの3乗マイナス1イコール0、左辺を因数分解して(xマイナス1)(xの2乗プラスxプラス1)イコール0、よってxマイナス1イコール0またはxの2乗プラスxプラス1イコール0なので、xは1または2分のマイナス1プラスルート3iまたは2分のマイナス1マイナスルート3iになります。」

さすがは学年トップクラスの秀才、どこで息継ぎしているのかわからないほどの、流れるような説明。私には何を言ってるのかさっぱりわからない。

「よし正解。田中ー、1年で習ったところなんだから覚えておけよー。」

最初は猫撫で声で、後半は少し低い声。微妙に差別されているような気分になる。学年一秀才の彼女は頭の良さを鼻にかけることもせず、わからないところは親切に教えてくれるから、生徒にも先生にも、さらには男女ともに人気がある。

いつも授業は彼女が中心になって進められていき、それは今日も例外ではなかった。
22 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:25
適当に授業をやり過ごし、放課後。

部活に入っていない私は週に何度か、夕方の時間を行きつけの喫茶店で過ごす。その喫茶店はお世辞にもはやっているとは言い難く人はほとんどいないけれど、それがかえって気に入っている。店をたった1人でやっている飯田さんもいい人で、悩みや愚痴を聞いたり、よくサービスしたりしてくれる。

「あら、れいなちゃんいらっしゃい。」
「ども。」

紅茶を出してもらいながら「その顔どうしたの?」と聞かれる。学校の友達には嘘をついたけれど、飯田さんには不思議と本当のことを言ってもいいような気持ちになる。

「昨日の夜、カラオケの帰りにモー娘の亀井絵里を見かけたっちゃよ。」
「へえ、いいなー。サインとかもらわなかったの?」
「それが…男に絡まれとって。助けようとしたらこの有様ばい。」
「まあ…。大変だったのね。」
23 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:26
いつものように、6時近くまで紅茶を飲みながらおしゃべりを楽しんだ。

「そうそう、そういえばれいなちゃんに見せようと思ってたものがあるの。」
「何ですか?」
「これ。」

渡されたのは、百枚以上はあろうかというA4サイズの紙の束。

「インターネットで小説を書いてる人のホームページで見つけたんだけど、すごい泣けるわよ。」
「ふーん…。そしたら、学校で宿題が出なかった日に一気に読みますばい。あ、お金置いときますね。」
「あー、いいよいいよ。勇気を出してアイドルの子を助けてあげたご褒美。」
「……いつもすんません。」

飯田さんは私が常連客になった頃から、何かのたびに料金をタダにしてくれた。テストで順位が上がった時とか、逆に嫌なことがあって落ち込んでいた時とか。最初の頃はさすがに遠慮しようとしてたけれど、飯田さんもずいぶん頑なにサービスしようとしてくれているから今では素直に好意に甘えている。
24 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:26
家に戻って有り合わせのもので夕食を作り、テレビをつけて食べ始める。テレビでは生放送の音楽番組をやっていた。

「今日のゲストはモーニング娘。のみなさんです。」
「「「「よろしくお願いしまーす。」」」」

思わず釘付けになった画面には、当然ながらモーニング娘。が映っていて。これも当然ながら、亀井絵里もいた。特に変わった様子はなくて、なんだか安心。

初登場のなんとかというグループが歌い終わり、トークになった。

「モーニング娘。のみんなは一般の人にバレたりしたことある?」

司会者が話を振る。

「私、この前買い物してる時、かわいいですねー握手してくださいって言われました。」

六期メンバーの道重さゆみがそう答え、笑いが起こった。

「亀井はそういうことある?」

「私はつい昨日ありましたよー。」

なんとなく見ていた画面に、もう一度釘付けになる。
25 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:27
「昨日ちょっと困ってたことがあったんですけど、通りかかった人が助けてくれたんですよ。その人は私のこと知ってたみたいです。」

心臓が1つ大きく、ドクンと鳴った。

「どう困ってたの?」
「うーん…それは秘密ですねぇ。」

「そうだ、その人今見てるかもよ?何かメッセージ送れば?」

心臓はさっきから早鐘のように鳴っている。「通りかかった人」が自分のことだという確信があった。

「えーっと……。昨日助けてくれた…Rちゃん、昨日は本当にありがとうございました。」

カメラに向かって――――私に向かって笑顔で手を振る亀井絵里。それを見て、私も自然に笑顔を浮かべていた。
26 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:28

27 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/09(日) 21:28

28 名前:駆け出し作者 投稿日:2006/04/09(日) 21:39
ほのぼのという名のグダグダ。しかも…

从*´ ヮ`)<短くてごめんなさい、テヘッ
从*´ ヮ`)<…ってかわいく言えば許されると思っとー?あ゛?
(;駆)<ヒィッ、ごめんなさい

>>13 闇への光様
レスありがとうございます。しっかり書かせて頂きます。

>>14 名無飼育さん様
ありがとうございます。設定で期待させといて内容で裏切ったりしないように努力します。

>>15 名無飼育さん様
ありがとうございます。一応、草板の地下深くでひっそり活動していましたが長編は久々です。頑張らせて頂きます。

>>16 wait様
ありがとうございます。応援して頂けると調子に乗って頑張っちゃいます(w

>>17 名無飼育さん様
ありがとうございます。…えーと、これからどう発展するかは作者自身もわからないのです(殴
29 名前:ななしクン 投稿日:2006/04/10(月) 00:41
グダグダだなんて…(^-^;)前作、前々作に次いでおもしろい作品になりそうなんで更新楽しみにしてます(・∀・)
30 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:31

翌日。

「れいなおはよー。」
「おはよ。」
「ねえねえ、昨日亀井絵里が言ってたRちゃんって誰だろうね。……あ、れいなもRじゃん!」
「まっさか。んなわけなかとーよ。」
「なんだ、つまんない。」

もし本当のことを言ったらどんな反応をするだろうか、と想像してみる。………きっと誰も信じないだろう。少なくとも、自分が言われた立場なら信じない。
31 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:32
「はーい席着けー。」

教室に入ってきた中澤先生の声で、今日も1日が始まる。

ホームルームが終わり、1時間目はそのまま中澤先生の英語。

「I have a dream.One day……」

中澤先生が教科書を読む声をぼんやり聴きながら、窓の外を見る。穏やかな天気だった。

―――今頃どうしてるかな…。

ふと浮かんだのは、亀井絵里の顔。2日前に実際会った時何度か見た笑顔と、昨日テレビで見た明るい笑顔は、改めて考えると別人のようだった。

―――やっぱり、テレビの時は営業スマイルみたいなもんなのかな…。

「田中あ、ぼんやりしてると裕ちゃんチューしちゃうでー?」

はっと我に返ると、中澤先生が唇を突き出して迫ってきていた。

「うわっ、勘弁してください。」

慌てて顔をかわす。中澤先生の場合、本当にチューしようとしてくるからたちが悪い。
32 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:32
幸運にも、この日はどの教科も宿題が出なかった。

「れいな、近くにおいしいケーキ屋ができたんだって。行ってみない?」
「ケーキかぁ。うん、行くっちゃ。」

仲の良い友達2人に誘われ、飯田さんに紹介してもらった小説を読む以外に予定がなかった私は、ケーキの甘い響きに身を投じることにした。
33 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:33
学校から自転車で3分もあれば着く距離に、華やかな外装のケーキ屋があった。

見た目とは裏腹にケーキの値段は安く、窓際に設けられた席で友達2人も私も、乙女の恥じらいを捨てて夢中でケーキを頬張り続けた。

「れいなってさー、好きな人とかいないの?」

満足するまでケーキを胃袋に詰め、紅茶を飲んで一息ついていると、突然そう訊かれた。

「んー、今は特に。」
「そうなんだ。私は道重ちゃんとかが好みなんだよね。」

恋愛の「好き」じゃなくてそっちの意味の「好き」かよ、と心の中でツッコミを入れる。道重ちゃんというのはもちろん、モー娘。の道重さゆみのこと。

「えー、私は亀井ちゃんのほうが好きだけどなあ」と、もう1人が言う。

「れいなはどっちが好き?道重ちゃんと亀井ちゃん。」

「んー……どっちかと言うと…………亀井絵里のほうっちゃね。どっちかと言うと………。」

会ったことあるけんね、と心の中だけで付け足す。

結局、2人が道重さゆみと亀井絵里の可愛さについて議論しているのを私が傍観する、という図式が最後まで続いた。
34 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:34
部屋に帰って、ケーキで一杯の胃に少量の夕食を流し込んだ。それから紙の束――――飯田さんにもらった小説を取り出す。

一番上の紙には、大きな字でタイトルが印刷されていた。
35 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:34
―――高校の入学式で出逢った少年と少女の物語。過去の失恋を忘れることができない少年。何気ない会話、ちょっとした出来事で少年に惹かれていく少女。
少年の過去の想い人が絡んだり、すれ違い傷つけあったり、それでもまた幸せを取り戻したり。

2人の出会いから別れまでを綴った、よくあるラブストーリーだ。
ごく普通の。よくあるような。珍しくもない小説だったのだけれど。
36 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:35
「う…っく……」

2時間以上かかってようやく読み終えた時、涙か鼻水かわからないものは止まらなくなっていた。ドラマや小説で泣いたのは始めてかもしれない。
2人のあまりにも真っ直ぐな、あまりにも純粋な、あまりにも切実な、それでいてあまりにも儚い想いに、心を動かされたのだろうと思う。

結局この日、私は同じ小説を3回も繰り返し読んだ。
37 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:35
「あ、いらっしゃい。」
「小説読みましたばい。」

次の日の放課後、飯田さんの店に行った。

「どうだった?」
「やー、もう……3回読んで3回感動しましたよ。」
「そっかー、ありがとう。」
「え?」

飯田さんにお礼を言われるようなことでもしただろうか。

「…あ、ごめん、なんでもない。」

笑顔が不自然だったけど、これ以上深く突っ込む気にもならない。

飯田さんとコーヒーを飲みながら、小説のことをあれこれ語り合った。今回はさすがにお金を払って。
38 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:36
日が沈んだ頃に店を出て、自転車をこいで部屋に帰る、その途中だった。

公園の前を通りかかり、何の気はなしに中を見ると人がいた。……亀井絵里にそっくりの人が。

公園を通り過ぎたところで、もう一度引き返した。今度はじっくりと顔を見る。……何度見ても、亀井絵里にそっくりだった。

そのうちに向こうも私に気付き、目が合う。そしてしばし沈黙。

「………れいなちゃん?」

半信半疑、といった声で訊ねられた。

―――思わぬところで再会したみたいっちゃね……。

自転車を降りて、亀井絵里が座っているベンチのほうに歩いていく。

「何しとーと?」
「あ、やっぱりれいなちゃんだ!!」

そう言って、ふにゃっと笑った亀井絵里。不覚にも一瞬、可愛いと思ってしまった。

「ん、れいなちゃんたい。それで何しとーと?」
「んーとね、木とか花を見てた。」
「は?」
「きれいな花を見てると、気持ちが落ち着くの。」
「はあ……。」
「変かな?」
「いや、別に変だとは思わんけど。」

わざわざ花を見るために公園に立ち寄るのも、なかなか珍しいなと思った。もちろんいい意味で。
39 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:37
「そうそう、この前のテレビ見たとよ。」

テレビ越しにお礼を言われた時のことだ。

「あー、あれ見てくれたんだ!」
「いきなりお礼言われたけん、びっくりしたばい。」
「私も『もしれいなちゃんが見てたらびっくりするだろうなー』って思いながら言ってたよ。」
40 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:37
「改めてありがとうね、あの時助けてくれて。」
「…あれは助けたっていうよりも身代わりになった、っていうのが正しかね。やられっぱなしでカッコ悪かったっちゃろ?」
「ううん、カッコ良かったよ。私にとっては正義のヒーローだったもん。知らんぷりして通り過ぎていくかと思ってたらそんなことなかったし。」
「そっか……。」

少し顔が熱い。あの時の無様な自分を思い出して恥ずかしくなったのか、正義のヒーローと言われて照れているのか。
……ううん、後者なんてあり得ない。

「ね、前から気になってたんだけど、それってどこの言葉?」
「ああ、中学までは福岡にいたけんね。今はこっちで一人暮らし。」
「福岡かあ。コンサートで何回か行ったことあるよ。ホームシックになったりしないの?」
「全然。むしろ一人暮らしは気楽でいいっちゃね。」
「そっか。れいなちゃんって強いんだね。」
「別にそんなことなか。」

こうして話している間ずっと、亀井絵里はニコニコしていた。テレビ用の「営業スマイル」ではない、本当の笑顔。
……悔しいけれど、とっても可愛かった。
41 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:38
「ね、れいなちゃんは明日もここを通るの?」
「うん。」

そう言うと、亀井絵里は満面の笑みを浮かべた。

「私もね、明日は今日と同じ時間に仕事終わるから、今日と同じくらいの時間にここ来ると思うの。だから明日もお話しよう?」
「え……。」
「ダメかな。」
「や、私はいいけど。亀井…さんのほうはよかと?」
「もちろん。それと亀井さん、なんて呼ばなくていいよ。エリザベスって呼んで♪」
「……絵里、にしとくばい。」

絵里は一瞬唇を尖らせて……でもすぐに「まあいいけど。」と微笑んだ。

「それじゃあまた明日ね。」
「ん、明日また。」
42 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:38
部屋に着くと、自然に大きなため息が出た。疲労や落胆ではない。
嬉しい時に出るため息、が存在するのかはわからないけれど、きっとそんな種類のため息……。
43 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:39

44 名前:1. 出会いと再会 投稿日:2006/04/19(水) 22:39

45 名前:駆け出し作者 投稿日:2006/04/19(水) 22:44
気が付いたら早くも第1話が終わっていたという。まだ第4話の途中までしか書いてないってのにorz
第2話開始はゴールデンウイークのあたりを予定しています。

>>29 ななしクン様
ありがとうございます。そう言って頂けるとすごく嬉しいです。
「グダグダ」が自分の代名詞になる前になんとかしたいと思ってます(w
46 名前:wait 投稿日:2006/04/20(木) 19:27
ずっと更新まってました。
まだ序盤ですが楽しく読んでいるのに、次の話も楽しんでいます。
47 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/03(水) 00:45
こんな子に会いたいわぁ〜
48 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:38

2. First smile

49 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:39
「れいな、なんか表情変わったね。」

翌日、学校に行った私にクラスメート達は口を揃えてそう言った。

「変わったってどんなふうに?」と聞くと、「昨日までより表情が柔らかくなった」。

―――別に何かあったわけでもないのに、何でだろ…?
50 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:40
「えー、最近この辺りでも不審者が出てるそうや。下校する時はなるべく複数で、それと暗くなってからはあまり外に出ないようにしいや。」

―――そういえば今夜も公園に行かなきゃいけんとね。

…いや、行かなきゃいけない、じゃない。行ける、のほうが正しい。行きたくないのを我慢して行くわけじゃないんだし。

「田中ー、話聞いてたかー?」

交信していたのがバレたけれど、話はちゃんと聞いていたから問題ない。

「先生を不審者から守ってくれる彼氏を募集中、っていう話ですよね?」

真顔で言うと中澤先生以外の全員が一斉に噴き出し、笑いを必死に堪えていた。けれども中澤先生に睨まれてすぐに笑いが収まる。

「田中ちゃんもなかなかええ度胸しとるなあ。ま、そういうわけやから気い付けーよ。」

ホームルームが終わって中澤先生が教室を出ていき、足音が遠ざかっていくと……再び、教室に爆笑が広がった。
51 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:40
「………である。なぜなら………すなわち…………」

国語の保田先生が教科書を読んでいるけれど、少しぼんやりしているうちにどこを読んでいるのかわからなくなった。保田先生は、少し前話題になった「女○の教室」の主人公顔負けの厳しい人で、宿題を提出し忘れたりした日には授業が終わるまでずっと立たされる羽目になる。

当てられませんようにと祈っていると、そのうち教科書を読む声が止まった。

「えー、それでは、今読んだところで主人公の心情が最もよく表れているのはどこか、中田さん答えなさい。」

指名されて立ち上がったのは、矢口先生曰く「名前も成績も田中とは正反対の中田」さん。予想通り彼女は「5行目から7行目の終わりまでのところです。」と、しっかり答えた。

「よろしい、座りなさい。」

保田先生がそう言うと同時に、チャイムの音が響きわたった。ようやく重苦しい空気から解放される瞬間。

窓の外では、昨日と同じように太陽が存在感たっぷりに輝いていた。
52 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:41
昼休み。グループに分かれて、みんな楽しそうにしゃべりながら昼食を食べている。私はこの前ケーキを食べに行った3人で机を寄せ合っている。

「聞いてよ。サッカー部のキャプテンに一目惚れしちゃったかも…。」

そのうちの1人―――初めて会った時、名前が似ているという理由で意気投合したレナ―――が、ひそひそ声で言った。

「マジ!?声かけたりした?」
「無理。いつもファンの子に囲まれてるから…。」

そう。サッカー部のキャプテンは顔が良く、サッカーをやらせればゴール数の大会新記録を出し、おまけに勉強もできる。当然ファンの数も半端じゃない。

「じゃあ私も正直に言うけど、私は野球部のキャプテンが好きなのだ。」

もう1人も言う。どこの学校でも、野球部、サッカー部、バスケ部といったあたりのキャプテンは人気がある。
卓球部の強い人とかも、地味そうに見えて意外とかっこいいと思うんだけど。

「れいなは?誰か好きな人いないの?」
「特に……。」
「れいなも恋しなよ。いいものだよ、恋は。」

恋をしたくないということはないけれど、周りと同じように野球部だのサッカー部だののキャプテンを見てキャーキャー言う気にはなれなかった。ちょっと顔がいい男のアイドルに熱狂したりもしない。
そういうのを、どこか冷めた目で見ている自分がいる。
53 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:41




――――――――



54 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:42
「すごいじゃない、もう1回会うなんて。」

放課後、絵里に会う時間になるまで飯田さんの店で時間をつぶすことにした。

「モー娘の子と友達だなんて、みんな羨ましがるんじゃない?」
「や、まだ友達ってわけでも…。知り合い以上友達未満ですと。」

なんとなく恥ずかしくなって言うと、飯田さんは「知り合い以上なら友達ってことでいいじゃない。年もれいなちゃんと近いんだし。」と笑う。

「機会があったら、亀井ちゃんを連れてきてよ。サインもらって飾っておきたいなー。」
「飯田さんミーハーっちゃね。」
「ほら、サイン飾っておけばお客さん増えるかもしれないでしょ?」

2人分の笑い声が響きわたった。
55 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:42
約束の時間が近くなり、公園に向かうことにした。

「そうだ、これ持っていきなよ。」

飯田さんに手渡されたのは、紅茶の入った持ち帰り用のフタ付き紙コップ2つ。

「宣伝も兼ねて、ね。」
「わかりました。しっかり宣伝しておきますけん。」
56 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:43
自転車のカゴに入れた紙コップが倒れないように注意して、ゆっくりと公園に向かった。

入り口から中を見ると、既に絵里がベンチに座っていた。私に気付いた絵里が立ち上がってニコッと微笑み、私は軽く右手を上げる。

「私も今来たところだよ。」
「…や、まだ何も言っとらんけど。」
「こういう時ってだいたい『ごめんね、待った?』『私も今来たところ』みたいなことにならない?」
「まあそうだけど……。」

最初に話した時も思ったけど、絵里はちょっとよく分からない。

「そうだこれ差し入れ。いつも行ってる喫茶店の紅茶やけん。」
「あ、ありがとう。……実は私もお茶2本買ってきたんだけど…。」

確かに、ベンチには500mlのペットボトルのお茶が2本、置いてあった。

「「………」」
「じゃ、じゃあペットボトルのほうは家ででも飲んで?」
「……そうするばい。」
57 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:43
2人並んでベンチに座る。

「それで何の話するとよ?」
「んー、まだお互いのこと、よく知らないよね。れいなちゃんのこと色々教えてほしいな。」

それから、紅茶を飲みながらいろいろな話をした。私は小学校、中学校と福岡にいた時のこと、1人で東京に来てからのこと。絵里は小さかった頃のこと、オーディションを受けた時のこと、モーニング娘。に入ってからのこと。

「合宿してレッスン受けたんだけどね、ほんっっとに大変だったんだー。ほとんど毎日怒られてさ。あの合宿中だけで1年分くらい泣いたかな。」
「今は……楽しいっちゃろ?」
「うん。辛い時期を乗り越えてモーニング娘に入ったから、その分すごく楽しいよ。」

そう話す絵里の表情は生き生きしていて、本当に嬉しそうで。私には少し眩しかった。

「絵里が羨ましい。目標を持ってそれを実現させる絵里が、ばり羨ましか。私には夢も目標もないけん……。」

とっても輝いている絵里。いろんな人に夢を与えている絵里。それに比べて、私はただなんとなく生きているだけのような存在。絵里を妬むよりも、自分に対する情けなさのほうが大きい。

「……れいなちゃんは、これから見つければいいと思うよ。そのために学校に行くんじゃない?」
「そっか…。」

少し、気が楽になった。
58 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:43
「…あれ、もう九時かぁ。」

携帯を見て絵里が呟く。

「そろそろ帰ろっか。」
「そうっちゃね。……そういや絵里、歩いてきたと?」
「うん。仕事終わって真っすぐ来たから。」
「……乗って。」

自転車の後ろをポンポン叩きながら言った。

「え…いいの?」
「前みたいなことがあったら困るけんね。」

絵里と最初に会った時みたいに、変な人に絡まれたりしたらいけない。

「…それじゃ、お言葉に甘えて。」

自転車の後ろに乗った絵里は、私の腰に腕を巻き付けた。ほとんど抱きつくような格好。

―――絵里……男にこげんことしたら、だめっちゃよ……?絶対、勘違いするけんね……。

熱くなった顔を風で冷やすため、スピードを出して自転車を走らせた。
59 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:44
10分ほどで絵里のマンションに着いた。

「今日はありがとうね。楽しかった。あ、喫茶店の人に紅茶おいしかったです、って言っておいてね。」
「りょーかい。」

「あ…それと……。」
「ん?」
「もしよかったら……メアド、交換しない?」
「え!?あ、別によかよ。」

予想外の申し出に少し驚きつつ、メアドと電話番号を交換。

「……よしっと。それじゃ、ほんとに今日はありがとうね。」
「ん。それじゃあ。」
60 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:44
部屋に帰って携帯を見ると、早速絵里からメールが来ていた。

「今日はれいなちゃんとお話できて本当に楽しかったです。私はたいてい仕事帰りにあの公園に寄るから、時間がある時はいつでも会いに来てね。オフの日にはれいなちゃんが行っている喫茶店にも行ってみたいなあ。
それじゃ、おやすみなさい。」

手短に返信して、ふぅっと息をついた。

『知り合い以上なら友達ってことでいいじゃない。』

今日、飯田さんに言われた言葉をふと思い出す。

―――絵里と友達、か。恥ずかしいけど、悪くはないかもしれんね……。
61 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:44

62 名前:2. First smile 投稿日:2006/05/07(日) 21:44

63 名前:駆け出し作者 投稿日:2006/05/07(日) 21:51
第二話開始。博多弁はおろか、関西弁も自信がないのですよorz
だって関西も九州も遠すぎるんだもん(言い訳になってない)

>>46 wait様
ありがとうございます。…あ、レスはsageでお願いいたします(汗
楽しみにしていてくださる方がいるのは何よりも嬉しいです。

>>47 名無飼育さん様
…ええ、全く同感です(w
64 名前:名無しクン 投稿日:2006/05/07(日) 23:12
ボクは福岡ですけど、あまり違和感はないので自信持ってがんばって下さい(^-^)
次の更新も楽しみにしています。

65 名前:無色 投稿日:2006/05/09(火) 04:00
更新お疲れ様!!!
いいですね、あの二人。。。
次のも楽しみますよ。
66 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:01

「田中、ちょっとええか?」

次の日、朝のホームルームが終わると中澤先生に呼ばれた。

―――何か悪いことでもしたっけ…?

不安になりながら教卓のほうへ行く。

「ああ、そんな心配そうな顔せんでええよ。ただちょっと聞きたいことがあるんや。」
「何ですか?」
「いや、昨日の帰りに二丁目の公園を通りかかったら田中を見かけてな。一緒にいた子は誰かなーと思って。」

ドキリ。聞かれたのは予想だにしていなかったことで、心臓と頭がパニック状態に陥る。

「あ、あの子は……中学の時の友達ですと。」
「ふーん。名前は何て言うん?」
「亀…カメイエリカですっ。」

とっさに機転が利かない自分の頭を呪う。ただ一文字付け足してどうする、私。

突然中澤先生が笑いだした。

「その『カメイエリカ』って子、モー娘のメンバーやろ?」

ひそひそ声でそう言われた。

「や…その……」
「羨ましいわー。いつ知り合ったん?」

ああ、中澤先生は最初から知っていたんだ……。もう、これ以上嘘をついたって仕方が無い。

「ついこの間……。」
「そうかそうか。じゃあ今度、亀井絵里ちゃんのサインもらってきてな?」

パチッとウインクして、中澤先生が教室を出て行く。

―――ああ……ごめん、絵里。

理由もよくわからなかったけれど、心の中で絵里に謝った。
67 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:02
昼休み。

「今日さあ、放課後に告ろうかと思ってるんだけど……。」

真剣な表情で言ったのは、レナ。

「ちょっと早いんじゃなか?ついこの前一目惚れしたって言っとったやろ。」
「うん、でも…もう我慢できないって言うか。玉砕してもいいから、気持ちを伝えたいんだ。」
「でも……」

本当に玉砕したら、レナは深く傷つくに違いない。それが分かっていながら気持ちを伝えようとするレナの気持ちが、私には理解できなかった。

「れいな、これはレナの問題だって。レナの好きなようにさせてあげな?」
「あー…うん。」

そう。悪魔でもこれは、他人の恋。それなら私が口出ししちゃいけないか…。

「祝勝会の準備して待ってるけん。」って言ったら、レナは緊張した様子ながらもニコッと微笑んでくれた。
68 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:03
放課後。誰もいない教室で、私達はレナを待っていた。
果たして次に会うレナは笑っているのか、それとも泣いているのか。

「ねえ、れいなはぶっちゃけどう思う?」
「なん?」
「告白の結果。」
「あー……そうっちゃね………」
「ぶっちゃけだよ、ぶっちゃけ。」
「……厳しい、と思う。」
「…れいなもそう思う、か。」

こんなこと言っちゃいけないんだろうけど。レナが想いを寄せているのは、サッカー部のキャプテンで。ファンがたくさんいる人で。レナは、その中の一人でしかなくて。
だから、レナの恋が実る可能性は……あまりにも低い。

「正直、望みが薄いのに告白しようとする気持ちがれいなにはわからん。」

例えば私が絵里に恋してしまったとして、告白しようなんて気持ちには絶対になれない。
結果が分かりきっているんだから。傷つくのが、最初から分かっているんだから。

「…れいなもさ、いつか恋した時にわかると思うよ。」
「いつか……ねえ。」

『いつか』は一体いつになるのやら。

私が恋をする気配は、全くない。
69 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:03
その時、階段をドタドタと駆け上がってくる音が聞こえてきた。2人で顔を見合わせる。

壊れるんじゃないかと思うような勢いで教室のドアが開き、レナが入ってきた。
息を切らしてゼーハー言っている。

「……聞い…て………わた……し…」
「あっ、これから3人で遊びに行かん!?ね、ね!」

レナの言葉をとっさに遮った。「振られた」なんて聞きたくない。そんな辛いこと、わざわざ言わせたくない。

「ほ、ほら、行こ行こ!」

ほとんど無理矢理、3人で街に繰り出した。
「帰宅時は寄り道をしないこと」なんて校則、今はどうでもいい。
70 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:04
どこに行くかも決めてなかったけど、自然とカラオケに決まった。思い切り歌えば、一時的にでも辛いことを忘れられるだろうと思って。


「イエーイ!!」だの「イヤッホウ!!」だの、3人とも無我夢中で歌った。いや、叫んだ。

少し意外だったのが、一番元気なのがレナだったこと。もっとしょんぼりしてるかと思ってたけど、全然そんなことなかった。そして、それが何よりも私を安心させた。
71 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:04
喉が嗄れてきたところで、カラオケ終了。外に出ると日はほとんど沈んでしまっていた。

「ありがとね、2人とも。」

掠れ声で一瞬誰が言ったのか分からなかったけど、レナだった。悲しそうな笑顔じゃなく、心から嬉しそうに笑っている。
強いなあ、って思った。

「えーと……ほ、ほら、きっとすぐ他にいい人が現れるっちゃよ。」

気の利いた慰めの言葉が浮かばない。

「うん、そうだね。……えっ?」

頷いたあと、驚いたような顔をされた。
……驚かれるほど変なこと言ったっけ…?

「えーっと…あれ?うーんと……ってことは……」
「あ、あのー……どうなさいました…?」


「…私、まだ告白の結果言ってなくない?」
72 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:04
「あ…ああー、そう言えばそうやったとね。」

白々しい響き。まともに芝居もできない自分が嫌になる。

「で、でもその……言わんくてもよかよ……ほら……」
「落ち着け、れいな君。」

突然レナの口調が変わり、両肩にポンと手を置かれた。口調は真面目だけど、面白がっているように見える。

「君はさっき、『きっとすぐ他にいい人が現れるっちゃよ』と、そう言ったね?」
「は、はい…。言いました。」

つられて私も丁寧語になる。

「それはつまり、失恋した私を慰めてあげようと、そういうつもりだったのだね?」
「えーっと……はい…。」

嘘をついてもしょうがない。
73 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:05
「…ぷっ……くくっ……」

―――コ、コイツ、笑いやがった…。

眉間にしわを寄せた私を見て、レナは笑いながら慌てて「ごめんごめん」と謝る。

「だってさ、勘違いしてるんだもん…ククッ…」
「…勘違い?」
「だ、だって……ププッ…」

殴りたくなるくらいに笑いながら、レナはさらりと言ってのけた。


「失恋とかしてないもん、私。」
74 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:05
「………はっ?」
「私、失恋、してない。」
「て、ことは……?」

「『付き合ってください』って言ったら『いいよ』って言われた。以上。」
「…はあっ!?」

じゃあ……カラオケの時にレナが明るかったのも……そういう理由…?


「…も、もっと早くそれを言いんしゃいこのバカ!!」
「バ…バカはどっちよ!勝手に勘違いしてたのはそっちでしょお!?」

何がなんだか分からなくなるくらい、罵りあって。

でも、私もレナも笑顔だった。
75 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:05



――――――――


76 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:06
『そっかあ良かったじゃん。れいなちゃんは彼氏いないの?』

その日の夜、絵里にメールで今日のことを大まかに話した。それに対する返事がこれ。

―――『れいなちゃんは彼氏いないの?』って……さりげなくチクリとくる。


それから、明日の7時に会おうという話になった。場所は同じところ。

『デートの約束みたいやね』って送ったら、『そうだね(笑)』と返ってきた。


「…否定しろよ、バカ。」

なんだか恥ずかしくなって毒づいたけれど、その声は絵里には届かない…。
77 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:06

78 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/05(月) 20:06

79 名前:駆け出し作者 投稿日:2006/06/05(月) 20:13
1ヶ月も開いてしまい、すいませんでした。

リd*^ー^)<これって娘小説ですか?
≡(逃走)

次回は娘小説になると思います。

>>64 名無しクン様
ありがとうございます。もし違和感ありすぎということがあったら、どんどん指摘していただければ嬉しいです。

>>65 無色様
作者も二人の虜になっています(w
80 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2006/06/09(金) 22:00
更新,おつかれいな~~~ ^O^
久しぶりなので、楽しく読みました。
次の話しも期待してますよ。
81 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:29

次の日。約束通り、夜7時に公園へ。着いた時絵里はまだ来ていなかった。

夜に人目を忍んでアイドルと2人で会う。そんな「禁断の恋」みたいなシチュエーションにドキドキしている自分がいる。
気がつくとニヤけていた顔を引き締めたのと、「れいなちゃーん!」と声が聞こえてきたのは同時だった。

公園の入り口に目をやると、笑顔で手をぶんぶん振っている絵里。子供みたいだ。なぜかよく分からないけれど、絵里が子供っぽい仕草をしているのが嬉しかった。
82 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:30
今日も、話したのはやっぱり他愛のないことで。「今日ふざけてさゆとキスしちゃった」とか、「うちの学校にこんなウザい先生がいる」とか、そんなこと。わざわざ夜の公園で会って話すようなことじゃないのに、楽しかった。

同時に、こんなくだらないことを心から楽しんでいる自分に驚いてもいた。
83 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:31
「絵里、明日も仕事あると?」
「ううん、明日はオフだよ。」
「あー…じゃあ、明日よかったら、飯田さんとこ…れいながいつも行ってる喫茶店やけど、一緒に行かん?」
「……絵里、もしかしてデートに誘われてる?」
「…知らん」
「しょうがないなあ、じゃあ特別にれいなちゃんとデートしてあげる。」
「あーはいはいありがとうございます。」

適当な返事をした私を、絵里が唇を尖らせて睨みつける。私も睨み返す。……正直、絵里ほど睨む顔が恐くない人は珍しい。
84 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:31
「……気まずいからギャグやっていい?」
「…は?」

いいともダメとも言わないうちに、絵里が耳に手を触れた。そして耳を塞ぐような形で、ぺたっと中に折った。

「できた。」
「……何やっとー?」
「餃子!」

耳の形が餃子。それは分かった。でも、それだけで笑えというのか。
85 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:32
「……………」
「…面白くなかった?」
「ごめん、全然……。」
「えぇー……自信作だったんだけどなあ。」

わかりやすく凹んでしまった絵里。子供みたいだ。

「…ぷっ」
「え!?やっぱり面白かった?」

「餃子じゃなくて、へこんでる絵里が面白かったと。」
「ええー、何でよう。」
「面白いものは面白いけん仕方なかよ。」

いったん笑い出したら止まらなくて、ずっとゲラゲラ笑い続けた。最初は膨れっ面だった絵里も、そのうち笑い出した。
86 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:32
1分ちょっと笑って、ようやく止まった。

「れいなちゃん、やっと笑ってくれたね。」
「…へっ?」
「れいなちゃん、私といる時いっつもしかめっ面してたもん。」
「………」

そんな自覚はなかった。

「れいなちゃん、私といるのつまらないのかなって、ちょっと不安だったけど。でも笑ってくれてよかった。それに……笑った顔、可愛かったよ?」

ドキッ。心臓が一瞬、刺されたんじゃないかと思うくらい痛んだ。

「…お世辞なんか言われても嬉しくなか。」
「お世辞じゃないよぉ。本当に可愛かったもん。ね、もう1回笑ってみて?」

そう言うや否や、両手で頬をがっちり挟まれて、顔を絵里のほうに向けられた。
…顔と顔が近い。心臓が暴れ出した。

「め、命令されて笑うのなんて御免やけん!」

なんとか絵里の両手から逃れた。赤くなった顔を見られたかもしれないと思うと、ますます顔が熱くなる。
87 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:33
「…明日の5時にここで待ち合わせして飯田さんのとこに行くと。遅刻したらぶっ飛ばすけん。」

早口でまくし立ててから立ち上がり、絵里の顔も見ずに走り出した。逃げ出した。

おそらく「そのつもり」はないはずの絵里の行動にドキドキしたり、赤面したり。情けなくて仕方がないのに、心地よくも思えてしまうから困る。
88 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:33
家に戻って携帯を見たら、絵里からメールが来ていた。

『もし怒らせちゃったならごめんなさい』

「…バーッカ。」

呟いてから、返信の画面を開く。

『れいなより絵里のほうがずっとかわいかよ』

怒ってない、というアピールと、勝手に帰ったことの謝罪と、ちょっとだけ皮肉を込めて。
89 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:34
『そんなの最初から知ってるもん』

すぐに届いた返信を読んで、可愛いなんて書いたことを少し後悔したけど。

―――…ま、いいか。

大喜びしている絵里を想像して、そう思った。
90 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:34

91 名前:2. First smile 投稿日:2006/06/17(土) 21:34

92 名前:駆け出し作者 投稿日:2006/06/17(土) 21:41
黒髪復活をバカみたいに喜んでる人間がここに1名。

>>80 名無し募集中。。。様
ありがとうございます。かなりのスローペースですが、見守って頂けると嬉しく思います。
93 名前:無色 投稿日:2006/06/21(水) 20:21
絵里の行動にまごついたれいな。。。
かわいいですね〜 ^__^
次の話も待てます。
ps。私も黒髪復活を凄く喜んでるんだよ!!!
94 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:48

帰りのホームルームが終わって時計を見た。ちょうど4時。20分で家に着いて、5分で着替えて、10分くらい休んで、20分で公園に着いて4時55分。完璧。
95 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:48
計算通りに行動して、現在4時55分。待ち合わせ場所の公園に着き、絵里が来るのを待っている。
ちなみに、飯田さんには一切連絡していない。いきなり絵里を連れていって驚かせるつもりだ。

「れいなちゃんお待たせ〜。」

昨日と同じように、絵里は手を振りながら公園に入って来た。自然に笑顔が浮かぶ。

「じゃ、行こっか。」
「うん!」
96 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:49
「あら、れいなちゃん。いらっしゃ………」

店に着いてドアを開けると聞こえてきた飯田さんの声は、途中で途切れた。目を大きく見開いて、私の後ろにいる絵里をじっと見ている。

「モーニング娘の亀井絵里さんでーす。」

おどけて絵里を紹介。絵里は「は、初めまして。」と言って頭を下げた。

「本物………?」

半分くらい放心しながら飯田さんが呟く。

「あー…実はそっくりさんなんですよ。」
「違います!本物です本物。」

慌てて言う絵里。

飯田さんはどうやら私より絵里のほうを信じたらしく、目をキラキラ輝かせた。
97 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:50
「テレビで見るよりも可愛いのねー。」

2人分の紅茶を出しながら、絵里を見て飯田さんがそう言う。目を細めて、可愛い孫を見るおばあちゃんみたいだ。

「えへへ、ありがとうございます。飯田さんも美人なんですね。」
「まあ、お上手ねえ。」


………そう。飯田さんは驚くほど美人だし、絵里は驚くほど可愛い。羨ましくなるくらいに。

飯田さんと「紅茶すごくおいしいです」と話して楽しそうに笑っている絵里を、じっと見つめる。すると、視線に気づいた絵里がこっちを向く。

「……れいなちゃん、絵里がかわいすぎて見とれてた?」

絵里はニヤニヤ。飯田さんは爆笑。

「そんなわけなか!」

本当は図星だったのが悔しくて、絵里の頬をギューッとつねってやった。
98 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:50
3人であーだこーだと話しているうちに時は過ぎ、外もすっかり暗くなった。

「ごちそうさまでした。いくらですか?」
「あー、お金はいいよ。そのかわり……えーと、サイン欲しいな。」

恥ずかしそうに言う飯田さんに、絵里は満面の笑みでうなずいた。

いつから用意していたのか、飯田さんが色紙とサインペンを持ってきた。絵里がそれにサラサラッとサインする。
……私も絵里のサインがちょっとだけ、ほんのちょっとだけ欲しい。恥ずかしくて言い出せないけれど。


「あの……オフの日とか、時々来てもいいですか?」

恐る恐る、といった感じで絵里が飯田さんに聞く。

「ぜひ来て!カオリのほうからお願いしたいくらいだもの!」
「飯田さん、れいなと絵里じゃ態度違いませんか?」
「あ…れいなちゃんもまたいつでも来てね!」

飯田さんが慌ててフォロー。絵里はクスクス笑っていた。
99 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:51
「いいお店だね。飯田さんもいい人だし。」と、帰り道に絵里が言った感想。


「あ、れいなちゃんにもお礼言わなきゃね。いいお店紹介してくれたんだし。ほんとにありがとう。」
「れ、れいなはお礼言われるようなことは何も……。それとずっと思っとったけど、『れいなちゃん』なんて呼ばれるのはこそばゆいけん、呼び捨てでよかよ。」
「でもでも、れいなちゃんは私を助けてくれた人だもん。呼び捨てにするのは気が引けるっていうか……。」

「……助けてくれた人とか言う以前に、友達やろ?絵里は友達にちゃん付けすると?」

「…そっか、そうだよね。ありがとう…………れいな。」


目を見つめられながら言われ、不本意ながらドキッとしてしまう。


「呼び捨てでもこそばゆいっちゃね……。」

照れている私に絵里は笑いながら「友達でしょー?」と言って、さっきの仕返しとばかりに私の頬をギューギュー引っ張る。

「いひゃは、ひゃへるっちゃ。」

『痛か、やめるっちゃ。』と言いたかったのに、頬を引っ張られているせいでうまく言えない。絵里が声を出して笑った。
100 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:51
そうこうしているうちに、絵里のマンションに着いた。

「そのうちまた一緒に行こうね。」
「よかよ。」
「時間があったら公園にも来てね。」
「オッケー。」
「じゃ、今日はありがとう。またね、れいな。」
「おう。」
101 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:52
自分の部屋に帰ってきて、一気に体の力が抜けたような気がした。そもそもさっきまで力が入っていたのかどうかもわからない。
少なくとも、学校の友達と遊んだ時の倍は疲れてしまった。


それなのに、学校の友達と遊んだ時以上に気分は良かった。
102 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:52

103 名前:2. First smile 投稿日:2006/07/20(木) 21:52

104 名前:駆け出し作者 投稿日:2006/07/20(木) 21:58
季節はずれの冬眠なんぞをしてましたすいません。
亀ちゃんボクにもサインをください。

リd*^ー^)<嘘をつく人にはあげません

>>93 無色様
ありがとうございます。2人とも大好きなので2人とも可愛く書きたいんです。
黒髪万歳。
105 名前:Monokuro 投稿日:2006/08/11(金) 18:45
何か良い雰囲気の二人の姿でにっこりと微笑むようになりました。
次の話しも期待してます。
>>104
私も黒髪万歳ですよ!! ^__^
106 名前:無色 投稿日:2006/09/07(木) 02:43
駆け出し作者さんの小?、ずっと待ってますよ~
107 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/01(日) 23:32
一年近くたってますが…


続きが読みたいです
108 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/02(月) 06:50
>107
だからってageるのはマナー違反。
作者様や、他の読者に失礼ですよ
109 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/30(日) 23:52
駆け出し作者さんの小説が大好きなので、続きを楽しみにしてます。


放棄ではないんですよね?
110 名前:駆け出し作者 投稿日:2008/01/12(土) 15:57
作者です(1年半ぶり!)

何よりも最初に、スレの整理がないのをいいことにダラダラと放置してしまったことをお詫びさせてください。本当にごめんなさい。

色々と悩んだ末、このスレは放棄という形をとることにしました。構想はできていましたが、それを自分の納得いく文章で表現することができませんでした。
…書き手の力量不足ですorz

楽しみに待ってくださっていた方々を裏切る結果になり申し訳なく思っています。

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