オムライスorパンプキンパイ

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/31(水) 23:56
その時あたしは、麻琴の言葉を思い出していた。

オムライスか、パンプキンパイか―――
2 名前:蟻巣の寵姫 投稿日:2006/06/01(木) 00:34


3 名前:蟻巣の寵姫 投稿日:2006/06/02(金) 20:59
ある晴れた昼下がり、市場へ続く道、荷馬車がごとごと仔牛をのせていく。

紺野あさ美はドナドナを歌いたい気分だった。
自分が売られていく可愛い仔牛に思えてならないからだ。
それをしなかったのは音痴を自覚しているから。
才能の無さを確認して惨めな気持ちになるのは馬鹿らしい。
それに、歌っているともっと悲しい気持ちになるだろう。
初等学校の音楽の授業を思い出す。ドナドナを初めて歌った日。
仔牛が可哀想で、あさ美は歌いながら涙した。あさ美は純粋な子供だった。
ドナドナド〜ナド〜ナ〜
給食の時間には仔牛のことなどすっかり忘れ、ビーフシチューをおかわりした。
あさ美は食欲に素直な子供だった。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/02(金) 21:17
期待…
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/28(水) 01:55
書き出し以降更新が無い様なんで一応落としておきます。
6 名前:蟻巣の寵姫 投稿日:2006/09/13(水) 01:13
ある晴れた昼下がり、どこかへ続く道、トラックがごとごと紺野あさ美をのせていく。

トラックに乗せられたのは、まだ日の昇りきらない早朝だった。
見知らぬ男達にコンテナに押し込められて六時間以上が経つ。
「あたしはどこに売られていくのでしょう…」
憂いを帯びた呟きは走行するトラックのエンジン音に掻き消される。
外の様子は判らない。不規則な揺れが絶え間なく続いていることから相当の悪路が想像された。
道なき道を走っているのかもしれない。
「情報制限の為とはいえ、この扱いはひどすぎます」
あさ美は不満でいっぱいだったが、文句を言う相手も度胸もなかった。
呟きは完全な独り言。コンテナにはあさ美しか乗っていない。
コンテナ内のほとんどを補給物資に占められ、その隙間に身を屈め、膝を抱えて座っていた。
真横の木箱からの鼻を突くタマネギの臭いに辟易しながら。
ただひたすら、トラックが目的地に到着するのを待っていた。

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