みにちゅあ。

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/10/19(木) 21:51

 自スレを放っぽって、勢いだけで書いてみます。れなえりです。
ぐだぐだです。
 もしどこかのだれかと被ってたらごめんなさい。

2 名前:1. 投稿日:2006/10/19(木) 21:51

 昨日はれいなを泊まらせて、一緒のお布団に入って一緒に寝て。至福の思いで寝ていたら。
「ふぎゃあ〜〜!」
 ……尻尾を踏まれた猫のような叫び声で目が覚めた。もぞもぞ布団から腕だけ出して時計を掴むと、目覚ましをセットした時間より一時間も前。猫のような声でも、猫じゃないことは寝ぼけ頭でも分かっている。
「なぁにぃ〜? れいな〜……」
 寝起きだから、いつも以上に舌ったらずになっちゃったまま隣に寝てるれいなを抱き寄せようとする。
「……ありゃ?」
 わたしの腕は空を掴むだけで、隣にいるはずのれいなに触れれなかった。
 もう一回もぞもぞ布団から腕を出して眼鏡を掴む。掛けながら体を起こすけれど、れいなの姿はどこにも無かった。
「れーなぁ?」
 おかしいなぁ、さっきの声ってれいなだよね? 布団を捲くってみると、昨日れいなが着ていたスゥエットだけがご丁寧に着ていた形のままあった。
「れーなぁ?」
 辺りを見回してもう一度呼んでみる。部屋出ちゃったのかな。でもさっきの声、かなり近くでした気がするなぁ。

3 名前:1. 投稿日:2006/10/19(木) 21:52

「……絵里ぃ〜」

 小さく、だけど確かに聞こえたれいなの声。右を見ても左を見ても(ついでに上を見ても)、れいなの姿はどこにもない。
「れいな、どこぉ?」
「下っちゃ。下!」
 下? さっき見たけどいなかったよ。それでも改めて見てみる。……ほら、やっぱり布団とスゥエットだけ。何気なくスゥエットを摘む。
「ふぎゃっ! 絵里、たんま!!」
 摘んだ手を止めると、スゥエットの陰から出てきたのは…………元々小さいけれど、ますます……そう、お人形サイズになったれいなだった。
「絵里ぃ……」
 もう一度、お人形サイズになったれいなはわたしに向かって頼りなく名前を呼んだ。
 ………………へ。
「えーーーーーーっ!?」

 眠気は一瞬にして吹き飛んだ。

4 名前:1. 投稿日:2006/10/19(木) 21:52

 たん! と激しく一気飲みしたコップをダイニングテーブルに置く。酸味の効いた甘いオレンジジュースを飲み込んでも、自体は飲み込めてはいなかった。
「取り敢えず落ち着こう……うん」
「声に出すと、絵里変な人みたいっちゃ」
 ティッシュペーパーで体を包んだれいながテーブルの上でツッコんだ。首を動かしてれいなを見る。
「何でれいなはそんなに落ち着いてるのよぉ」
「や・なんか、慌てる絵里見とったら落ち着いたけん」
 ああそうですか。
「でも、本当になんでいきなりそんなに小さくなっちゃったの?」
「それが分かれば苦労しないっちゃ」
「昨日変なモノ食べた?」
「辻さんやないけん、そんなことあるわけなか。ていうか何を食べたらこんなチビっこになるっちゃ」
 くそ〜あたしの身長が〜、と悔しそうに歯軋りするれいな。だん・だん、とテーブルの上で地団駄を踏んだ後、れいなはくるりとこっちを見た。
「で・絵里。あたしどうしたら戻るっちゃろ?」
「そんなの分かるわけないじゃない〜」
 電話の脇に置いてあったメモ用紙とペンを掴んで椅子に座る。
「とりあえず原因が分からないと。書き出してみる」
 用紙の上に『れいながちっちゃくなった原因』と書いて……手が止まった。……原因もなにも、こんな非現実なことそもそもアリエナイんだし。
 いっか。とにかく色々書いちゃえ。れいなが全身を使って用紙を覗きこんだ。

5 名前:1. 投稿日:2006/10/19(木) 21:52

@突然変異。

「……突然すぎるっちゃろ」
「じゃあこれは?」

A日頃の行いのせい。

 ――はっ! 慌てて指を引っ込める。がちんっ、れいなの歯が空を噛んだ。
「い、今本気で噛み付こうとしたでしょっ」
 ひどいれいな! と非難の声をぶつけてみるものの、ひどいのは絵里やけん! とぷりぷりと怒られた。

 背を向けてぶーたれるれいなの小さすぎるその背中を指で撫でる。
「ごめんねれいな。機嫌直して?」
 ね? と付け加えるとほっぺを膨らませたままだけど、こっちを向いて頷いてくれた。

「さて、気を取り直して……」
 れいなが再び用紙を覗き込む体勢になったところで、3番目の案を書いてみる。

B前世の呪い。

「……あたし前世でどれだけ悪いことしたと?」
「じゃあ……これ?」
 次に書いた言葉にれいなは思いきり口を歪めた。

Cかみさまのいたずら。

「うへえ〜?」
 変な声がれいなの口から出る。
「いたずらにしても度が過ぎるっちゃ」
「じゃあ他になにかある? ていうかれいなも考えてよ」
 さっきからわたしばっかりじゃない、と付け加えると、れいなはしぶしぶ「これが一番有り得そうやけん」とCを指した。
「かみしゃまはいつになったら、この悪戯止めてくれるんちゃろ?」
「知らないわよ。聞いてみないと」
 これが本当の、神の意のままに、ってやつですか。

6 名前:1. 投稿日:2006/10/19(木) 21:53

 くちゅん、とれいなが小さくくしゃみをした。
「かみしゃまはどうでもよか。それより服がほしか」
 包まっていたティッシュをちぎって鼻をかむ。もう秋だから寒いよねぇ。
 ぴこーん! 頭上で電球が輝く。
「れいな、ちょっと待ってて」
 れいなを置いたまま部屋に戻る。二つあるクローゼットのうち普段は使わないほうを開けた。下段にあるダンボール箱を引っ張り出す。中には幼稚園のころ夢中になっていた、お人形さんたちが入っていた。
 ふわふわドレスはさすがになんなので、スポーティなタイプの物を何着か選ぶ。漁ったダンボールをそのままにして、れいなの所に戻った。
「れいな、これなら着れるでしょ」
 服を見せると、れいながジャンプして喜んだ。

 早速着替えるということで、見ていると。
「……絵里。後ろ向いときんしゃい。ばか」
 ほんのり顔を赤くして怒った。

 …………。

 後ろを向いて顔を手で覆いながら聞いてみる。ばりばりとマジックテープを剥がす音が聞こえた。
「もーいーかーい?」
「もーいいよー」
 くるりと振り向くとスケートボードをするような格好のれいなの姿。可愛い……でも。
「服、おっきいね」
「キャップもぶかぶかたい」
 後ろ被りしたキャップを、すぽすぽ被ったり脱いだりさせた。襟部分も広すぎて、鎖骨が見えてる。……普段の身長だったら結構エロかったかも。うん。
「……絵里。なんかやらしいこと考えてなかと?」
 気づいたられいなが睨むようにわたしを見上げていた。
「そ、そんなこと考えてないわよ」
 慌てて否定する。
「さっき、目がやらしかったとね」
 あら。

7 名前:1. 投稿日:2006/10/19(木) 21:53

 ……こほん。軽く咳払いを一つ。
「まあそれはともかく。れいな、今身長いくつなんだろうね?」
 ペンケースから定規と取り出して、れいなの横に置く。れいなはぴしゃん、と背筋を伸ばした。
 ……きっかり15cm。
「10分の1に縮んじゃったね」
「『約』10分の1やけん」
 妙に細かいことを言い出す。どうでもいいじゃん。……そんなこと言ったら「どうでも良くなか!」って怒るのは目に見えてるから言わないけど。

8 名前:1. 投稿日:2006/10/19(木) 21:54

「それよか絵里」
 れいながわたしの後ろを見ながら呟いた。
「ん? なに?」
「今日の収録朝からやなかと」
 振りかえって時計を見る。……集合時間の30分前。

 ち こ く じゃ な い !

「きゃ〜〜っ」
 慌てて洗面台に飛び込むわたしを尻目にれいなは「……かふ」って呑気にあくびをしていた。
「こんな体じゃあたし行けんから今日は休むばい。お留守番しとるから絵里いってきんしゃい〜」
 急ぎながら髪にブラシを通すわたしに、れいなはちっちゃな手をばいばいさせた。

 も〜! 早く言ってよ!


9 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/10/19(木) 21:54

 行き当たりばったりで書いてるんで、良かったらだれかネタを下さい。
今日はここまで。
10 名前:名無し飼育さん 投稿日:2006/10/20(金) 00:16
さゆのラジオで「れいなのようにちっちゃくなりたい」
と言ってたようです
ただそれだけですw
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/10(金) 02:39
 遅くなって申し訳ナイっす。読んでる方がいたらマターリお待ちください。

>>10
ありがとうございます。
12 名前:2. 投稿日:2006/11/10(金) 02:40
 まさか本当のことは言えないから、れいなは熱を出して休みだと伝えて。なんとか今日の収録を終えて、家に戻る。
「絵里おかえり〜」
 れいなはちっちゃいまんま、ペットの犬のアルの背に乗って玄関まで迎えにきてくれた。
「ただいま。留守番ありがと」
 指の腹でれいなのお腹をなでると、くすぐったそうに身を捩らせた。そのままころんとアルの背で仰向けになる。
 アルの頭も撫でていると、
「みんなの反応……どうだったと?」
 れいなが不安そうに聞いてきた。
「収録はいつも通りにしてたけど、みんな心配してた。熱を出したってことにしといたよ。さゆとかお見舞いに行くって言ってたけど、うつったら大変だからって断っておいた」
「ん……さんきゅ」
 さゆ……と小さく言うれいな。れいなはもうちょっとみんなに愛されてるって自信持ったほうがいいと思うな。

13 名前:2. 投稿日:2006/11/10(金) 02:40

 二人と一匹、リビングに戻ると。ぐう、とれいなのお腹が大きく鳴った。
「お腹空いたっちゃ。あたし昼なんも食べてないけん」
 ごはん! ごはん! と騒ぐれいなに「キッチンにあるもの適当に食べれば良かったのに」と言うと、
「背が届かんかったけん」
 と返された。
「分かったわよ。ラーメンで良かったらすぐ作れるから」
 コートを脱いでエプロンを着ける。
「とんこつがよか!」
 手を上げてれいなが叫んだ。
「はいはい」
 エプロンの紐を結びながらキッチンに向かう。雪平鍋を掴みながら、
「れいなは危ないからあっち行ってて」
 足元にいるアルとれいなを追い出すと。
「うん。アルー、あっち行くけん」
 ぺし、とアルの頭を叩きながら方向転換させた。――すっかり仲良くなってる。
 ……別にアルに妬くわけじゃないけどさ。…………妬かないもん。
 面白くない気持ちのまま、鍋に水を入れた。

14 名前:2. 投稿日:2006/11/10(金) 02:40

 フルーツフォークを使って、ずぞ・ずずー! とものすごい勢いで麺を啜るれいな。
「ちゃんと噛まなきゃ駄目だってば」
 そう言っても、わたしの言葉なんか聞こえないみたい。仕方なく隣でちゅるると小さく啜っていると、全身を使ってドンブリを傾けていたれいながぷはーっと顔を上げた。……ドンブリの中には少量のスープしか残ってない。もう食べちゃったの。……わたしと同じ量を。…………15cmの体で。
「ぐえっぷ」
 きたなーい。テーブルの上で寝転んだれいなは言葉通りお腹をはちきれんばかりにしてる。多分今お腹を押したら、口からスープが出ると思う。
「食ったば〜い」
 ありゃりゃ、とんこつの余韻に浸ってる。
 わたしが食べ終えたところで、れいなはころんと転がってこっちを見た。
「絵里、デザート」
 はいはい。梨を切って皿に出す。さすがにこれはわたしと同サイズじゃなくって、小さく切ったのをれいなはシャクシャク食べた。
「ねえ、れいな」
 指を舐めてるれいなに向かって言った。
「お風呂入ろっか」

 帰りに百円ショップで買ってきた物をテーブルに並べる。
「絵里、これ……」
 買ってきたものをしげしげ見つめるれいな。ふっふっふ、やっぱりお風呂といったらこれでしょ♪
「そう、お茶碗」
 お茶碗の縁を掴んで中を覗くれいなに「お湯入れてくるね」と声をかけた。

15 名前:2. 投稿日:2006/11/10(金) 02:41

 温泉の素をちょこっとだけ入れてにごり湯にして。一緒に買ってきた歯ブラシをボディブラシ代わりにして体を洗うれいな。
「お湯加減はどう?」
「ちょうどよかとよ〜」
 体をすすいでから小さく切ったガーゼをタオル代わりにしたものを頭に乗せて、頭と手足を縁にかけて、ゆっくり浸かるれいな。
「気持ち良いけど、正直狭かね」
「そう?」
「正座したら、半身浴できるけん」
「じゃあ、もっと小さくならないとダメかぁ……」
 そう言うと、
「これ以上小さくなるのはまっぴらごめんやけん」
とほっぺを膨らませながら反論した。

16 名前:2. 投稿日:2006/11/10(金) 02:41

 わたしもお風呂に入って、全身からほかほか湯気を出しながら部屋に戻ると、先に戻っていたれいなが両手でページを押さえながらマンガを読んでいた。あらら、ページを一枚めくるのも苦労してる。
 全身を使ってマンガを読むれいなの姿が面白かったから、ベッドに腰掛けてそのまま見ていると、れいなは丁度読み終えたらしくって「ふい〜」とため息をつきながらページを閉じた。
 そしてわたしを振り返る。
「絵里ー、これの新刊いつ出るとー?」
「たしか来月だったと思うけど」
 さよかー、とか言いながら首をコキコキ鳴らす。……そんな姿、そんな会話はあまりにも普通すぎて、自然すぎて、一瞬れいなの体に起こっている珍事を忘れた。
 だから。
「な〜絵里」
「ん?」
 普通に、返事してしまった。
「あたし、いつになったら元に戻るんだろ」

17 名前:2. 投稿日:2006/11/10(金) 02:42

 れいなから視線を外して天井を見上げながら、わたしなりに、一生懸命言葉を探す。
「もしこれが本当に神様のいたずらだとしたら……きっとまた、気まぐれに戻るんだと思う……」
 正確な時間や日付を示して「絶対に元に戻りますよ」って言えればいいんだけど、生憎それはわたしに出来ることの範疇を超えてるし、「いつかその内戻るよ」なんて残酷に適当な言葉を投げかけるには、わたしとれいなの距離は近すぎた。
 だから、自分なりに考えて弾き出た言葉をそのまま伝えた。
「さよか……」
 れいなは素直に受け止めてくれたみたい。
「絵里」
「なに?」
「……あんがと」
「どういたしまして」
 れいなにお礼を言われて、正直こそばゆい感じがしたけれど、言ったら怒られるから黙っておいた。嬉しかったし。

 コットンで顔中に化粧水をぴたぴた染み込ませながら、わたしは案を出してみる。
「神様にお祈りしてみたらどう?」
「なに神に祈れば良かとね。キリスト神? アラーの神? 七福神?」
「じゃあ、わたしに祈ってよ」
「あほ。絵里は神しゃまじゃなくて亀しゃまたい」
 ……れいなは全然取り合ってくれないけど。

18 名前:2. 投稿日:2006/11/10(金) 02:42

 寝る前のお手入れも終えて、今度はれいなのベッドを用意する。……正直、一緒のベッドで寝たら寝返りとか打ってれいなを潰さないって自信、ないし……。
 お人形さんや服が入っていたダンボールに、ままごと用のベッドも入っていたから、その上にタオルを敷く。こんなことなら小さい頃、ままごと用のお布団も買ってもらえばよかった。
 完成したベッドを机の上に置いて、れいなも両手の平で包んで運ぶ。
「ここなら間違って踏み潰されたり、蹴飛ばされたりしないから安心だね」
「そうっさね。ばってん、絵里」
 なにか言いたそうなれいなに首を傾げてみる。
「もしあたしが一晩で元に戻ったら、机から転げ落ちるけん」
 そうだとしても、その場合れいなの体に青タンがいくつか出来るだけだし……。そんなことを考えていると、れいなが歯をカチカチ鳴らせながら、
「絵里、今ひどいこと考えたっちゃろ?」
わたしを睨んだ。
 あらら、以心伝心。
「やだなぁ、そんなわけないじゃない」
 なるべく朗らかな声を出して否定する。
 う〜ん、机がダメなら……。――そうだ!
 畳んであったガラス製のミニテーブルを引っ張り出す。これなら数十cmの高さだから、元に戻って落ちても怪我しないでしょ!
 れいなもパチンと手を叩いて賛同してくれた。

19 名前:2. 投稿日:2006/11/10(金) 02:43

 部屋の明かりを豆球だけつけて、布団に潜り込む。
「おやすみれいな」
「おやすみ、絵里」
 布団に潜り込んだ途端、今日の疲れがどっと涌き出る。うとうとしながら、

 ――そういえば、れいなが泊まってるのに一緒に寝ないのは初めてだっけ……。

ぼんやりと、そんなことを考えながら眠りに落ちた。

20 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/10(金) 02:44
 本日はここまで。
 続きはいつになるのやら。
 亀様次第DEATH。
21 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/19(日) 19:56
 それでは3回目のこーしーん。
22 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 19:57

 コタツに入っている夢を見た。背中を丸めながらぬくぬくして、幸せな気持ちで蜜柑を剥いてる夢。スジも綺麗に取って、口に放り込もうと……。

「絵里ぃ〜!!」
「……う?」
 れいなの叫び声で目が覚めた。もぞもぞと布団から手を伸ばして目覚まし時計を掴むと、まだ二時間は寝れる時刻。今日は一段と寒いなぁ……布団から出たくないや。
「えーりー!」
「う〜」
 れいなのほうに視線を向けると、小さいままガラステーブルの上をぴょんぴょん飛んでいた。
「定規っ、定規持ってきんしゃい!」
「うえ〜?」
 エアコンをつけてない部屋は寒くって、まだまだ布団から出たくないのに、れいなが定規定規と騒ぐからしぶしぶ布団から抜け出た。
 ふわあー、とアクビしながら定規を取り出してれいなのところへ。
「あたしの身長計ってほしか!」
「うえ?」
 訳が分からないまま、言われたとおりれいなの横に定規を立てる。れいなが定規の数値を見て、眼を剥いた。
23 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 19:57
「じゅっ、じゅうさんせんち!?」
「ふぅ〜ん良かったね、れいな」
「良いわけなかー!」
 れいなの騒ぐ声がだんだん子守唄のように聞こえて、わたしはテーブルに頬をつけて再び眠りの世界へ誘われる。

 あ〜今度はお煎餅もある〜♪

「いただきまぁす……」
「こらー! 起きんしゃいー!!」
 ぴたぴた、れいながわたしの頬を叩くけど…………Zzz。


24 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 19:58

 それから三十分後。
「起きなかったわたしも悪いけど、これちょっとひどくない?」
「わ、悪いとは思っとるけん」
 濡れタオルで冷やした頬には、れいなの無数の張り手の跡があった。ジト目で睨むと、れいなは顔を逸らす。
「心がこもってなーい」
「うぅ……」
 れいなは唸り、ちょっと迷ってからこっちを向いて。
「ごめんなしゃい」
 ぺこりと頭を下げて素直に謝ってくれた。
「分かればよろしい」
 胸を反らすと、
「いばることでもなか」
ツッこまれた。

「それは置いといて。縮んじゃったね」
「あう。2cmもばい」
 頭をつつくと、苦い顔をした。それからおーまいがっ、と叫んで頭を抱えて悶えているれいなを見てるのは正直面白かったけれど、いつまでも見てる訳にはいかない。
 タイミングよく、きゅるる〜とれいなのお腹の虫が鳴った。
「とりあえず、朝ご飯にしよっか」


25 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 19:58

 ロールパンとベーコンエッグとオレンジジュースの簡単な朝食。れいな用のジュースはおままごとの小さなコップに注いだ。
 わたしのお皿からベーコンをちぎりながられいなは言う。
「他の人にも相談してみるのはどうやけん?」
「他の人、ねえ」
 オレンジジュースを飲みながらわたしは想像する。

 吉澤さんは……「田中、小さくなったじゃんスッゲー」で終わりそうだし。
 高橋さんは……「ひょえぇ、何やよー!?」ってパニくりそうだし。
 新垣さんは……そんな高橋さんを宥めるのに精一杯だろうし。
 美貴さんは……大笑いしそう。
 さゆと小春ちゃんは……「可愛い〜♪」「かわいいですね〜☆」で終わりそう。

 想像を終えてれいなを見ると……同じことを考えたみたいで、
「やっぱ止めるっちゃ」とぽそりと言った。
「そうだね。いたずらに騒ぎを大きくするだけだろうし」

 食事を終えて、顔を洗って歯を磨いて髪や服を整えて。(れいなもわたしの隣でぱちゃぱちゃ顔を洗った)それから部屋に戻ってれいなの腹筋やストレッチに付き合っていると、れいなが言った。
「絵里、そろそろ時間やけん」
 時計を見ると、もうそんな時間。けれどこのままれいなを家に一人ぼっちにするのは気が引けた。
「今日は一緒にいよっか?」
 意識して優しい声を出したんだけど、れいなは難しい顔をしてから首を横に振った。
「あたしのことは気にせんでよか。絵里はしっかりやってきんしゃい」
「本当に大丈夫?」
「なにかあったら電話するけん」
 自分と同じサイズの携帯電話をぺちぺち叩きながられいなは言う。
「そう……分かった」
「いってきんしゃい」
 昨日と同じように、れいなはちっちゃな手をばいばいさせた。

26 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 19:59

 * * * * *

27 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 19:59

「――り、絵里っ」
 肩を叩かれ慌てて振り向くとそこには心配顔のさゆがいた。
「ど、どうしたのさゆ?」
「どうしたの、は私のセリフなの。今日の絵里変だよ、ぼーっとしちゃって」
「そ、そう? 寝不足かなぁ」
 ――それは、嘘。ずっとれいなのことが気になって頭から離れない。
「しっかり寝ないとダメだよ。睡眠不足は美肌の大敵なの」
 そう注意して藤本さんのところへ向かったさゆ。その背中に嘘ついてゴメンね、と心の中で謝った。

 レッスン中もれいなが気になって気になって、小さなミスを連発させた。気合が入ってない! って怒られた。けれど、怒られてる最中も考えるのはれいなのこと。

28 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 19:59

 朝にはなんとも思わなかったけれど……れいな、どんどん小さくなって消えたりしないよね!?

 ふと思った疑問がどんどん大きく膨らんで……抱えきれなくなりかけたところで「今日はここまで」の声が掛かり、挨拶もそこそこに一目散にレッスン場を出た。
 慌てて着替えて外へ飛び出す。ブーツを履いてたからすごく走りにくかったけれど、それでも懸命に足を動かした。
 タクシーを使おう、なんて考えすら微塵も浮かばず、一歩でも近くれいなに近づきたかった。
 早く。
 早くっ。
 早く!

 汗だくで家に戻った。汗で額に前髪を貼りつかせ、息を切らせながら玄関の鍵を開け、勢いよく扉を開けた。
「ただいま! れいな、いる!?」
「……え〜りぃ〜」
 微かに聞こえた弱々しい声。まだるっこい気持ちでブーツを脱いで、リビングに急ぐ。
 そこには――。
「きゃああああ!?」
 わたしは思わず悲鳴を上げた。
「たーすーけーてー」
 アルに前足で捕らえられ、ベロベロ全身くまなく舐められてるれいなの姿があった……。

29 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 20:00

 脱衣所で二人、服を脱いで洗濯乾燥機に放り込む。『短時間』でセットして洗濯乾燥機を始動させる。
「今日、絵里が出てってから、アルと遊ぼうとしたら、ずーっと舐められたけん。あたし食べ物の匂いでもしてたんちゃろか?」
 れいなは、うひー犬くさかー、とか言ってるけど怒ってる様子ではなかった。
 れいな、と呼びかけると、ん? といった感じに小首を傾げた。
「わたしが舐め直そっか?」
「アホ! 犬と張り合うんじゃなか!」
 ちぇっ、断固拒否。

 れいなを手で包んで二人でお風呂場へ。
 先にシャワーでれいなの全身のヨダレを洗い流す。その後、溜めていたお風呂から洗面器にお湯を掬って、その中にれいなを入れた。これなら足も伸ばせるし、肩まで浸かることもできるでしょ♪
 わたしがバスタブに入って、れいなの入った洗面器を浮かべて。わたしが洗面器をつついて動かすと、れいなは、きゃっきゃと楽しんだ。
 今までなられいなは恥ずかしがって一緒にお風呂入ってくれなかったから、こういうのも、いいな。
 でも、れいなが元に戻ったらやっぱり一緒に入ってもらおう。こう……後ろから抱きついて密着して♪うへへ。
「絵里、へんなこと考えとるちゃろ」
 気づいたられいなが洗面器の中から睨んでいた。
「ん〜ん、別にぃ」
 だから否定してみたんだけど、れいなは「怪しか」と言ってしばらく睨んでいた。

30 名前:3. 投稿日:2006/11/19(日) 20:00

 二人お風呂から上がって(れいなはハンドタオルで体を拭く)、洗濯乾燥機から服を取り出す。
「絵里……あたしのぴちぴちやけん」
 わたしのは別に問題なかったんだけど……れいなの服は見事に縮んでいた。
 たらり、頬に汗が伝う。
「ま、まあいいじゃない! この前までブカブカだったんだから!」
「絵里」
「えーと……ごめんなさい」
 今朝と反対で、今度はわたしがれいなに謝った。

 こうして、れいながちっちゃくなって二日目は過ぎていった……。
31 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/19(日) 20:01
 本日はここまで。亀更新で申し訳ないっす。
ていうか読んでくれてる人はいるのか……?
32 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/19(日) 20:23
読んでますよ〜。
犬と張りあう亀ちゃんに笑
こうゆう話好きなんでまったり待ってます。
33 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/20(月) 01:15
いっぱい期待
34 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/20(月) 04:51
いやー、すっごく面白いです。続き楽しみにしてますね。
35 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/23(木) 01:23
 4回目のこーしーん。
 ……の前に。

 あぁレスが3つもある……(嬉し涙ぽろり)
>>32さん
 ありがとうございます。アホで変態ちっくな亀ちゃんは書きやすいのでついつい調子に乗っちゃいます。
大昔にシリアスのれなえりを書いてたときには動かしづらくてしょうがなかったいうのに(笑)

>>33さん
 ありがとうございます。いっぱい期待されますと、書いてる人物は木に登るどころか月まで飛んでいきます。

>>34さん
 ありがとうございます。すっごく面白いと言っていただけると 本!望! です!!
36 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:24

 時間通りに目覚ましが鳴る。設定していたエアコンも起動して、三日ぶりにれいなの叫び声以外ですがすがしく起きた。ベッドで上半身を起こして大きく伸びをする。う〜ん良く寝た。
 ガラステーブルを見ると、れいなはまだ小さいままの姿で寝ていた。ベッドから出てこっそり近づく。やっぱりれいなは小さくて可愛いなあ。
「むぅ?」
 変な声が出た。目をこすってもう一度れいなを見る。……あれ?
 机から眼鏡を持ってきて、改めてれいなを見た。……え!?
「れっ、れっ、れいな! 起きて!!」
 れいなの寝てる小さなベッドを揺らす。「にゃ?」とか言いながられいなは目をこすりながら体を起こした。
「絵里、おはよ」
「おはよう〜。ってのんきに朝の挨拶をしてる場合じゃなくて! 定規持ってくるから!」
 慌てるわたしをぽかーんとした表情で見つめてる。わたしは机に戻って定規を取り出した。
「れいな、ちょっと立って!」
 事態が飲み込めないようだけれど素直に従うれいな。そんなれいなの横に定規を立てて、わたしは目盛りを読んだ。
「ごせんちめーとる……」
 わたしの乾いた呟きに。れいなはこてんと後ろにひっくり返った。覗き見ると……あ・失神してる。

37 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:25

 失神から無事(?)目が覚めて、わたしが用意した鏡(れいなにとっては姿見サイズ)をみながら、れいなは自分の手、胸、顔を触り、
「なんじゃこりゃー!」
昭和の名俳優ばりに叫んだ。


 れいなサイズのちゃぶ台があったらひっくり返しそうな勢いで、ガラステーブルの上をばたばた暴れてる。
「どげんして! 8cmも! 縮んでると!? 5cmてマジありえなかと!」
 さっきまで布団代わりにして寝ていたタオルを引っぺがしてテーブルの外に押し出す。
「れい、れいな、少しは落ち着いて! ね?」
「これが落ち着いていられるか!」

 鳴呼……家庭内暴力をする息子を持った母親の気分。

 いつ暴れるのを止めてくれるんだろうとハラハラしながら見ていたら、それはあっけなく終わった。れいなが、昨日洗濯して縮んだはずの服が再びぶかぶかになってしまったズボンの裾を踏んづけて転んだから。
 べち、と痛そうな音を出して転んだれいなは、そのまま動かない。
「……れいな?」
 もしかして打ち所が悪かったのかな、とか思って見ていると。今度はゆっくり起き上がり……みーみー泣き出した。
「ぐすっ……どげんしてれながこんな目にあうけん……ひっくえっく」
「れいな……」
 人差し指でその小さな背中を優しく撫でると、わたしのパジャマの袖を掴んで顔を埋めた。

38 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:25

 ……やばい。れいなが泣いてるっていうのに、わたしに縋るくらい困ってるっていうのに。
 可愛いすぎるよぉ。
 あう、ほっぺが緩む。だって小動物みたいなんだもん、れいな。にやにやしてるのバレたら怒られるから、れいなが袖に顔を埋めてる間に元に戻さなくちゃ。

「絵里?」
 涙でぐしゃぐしゃになった顔で見上げるれいな。にやけそうになる顔の筋肉をキッと引き締めて両手の平で包み込んだ。
「わたしが、絶対にれいなを元に戻してあげるから」
「……どうやって?」
「それは……う〜ん、愛の力で?」
 そう言った瞬間、れいなの涙は引っ込んだ。ていうか呆れ顔でわたしを見る。
「朝っぱらからとんでもないセリフ言うっさね。聞いたあたしが恥ずかしか。しかも疑問形やけん」
「なによぅ。わたしは『だから大丈夫』って言いたいの!」
「はいはい、そうやけんね」
 つれなく言ってわたしの手の平から抜け出るれいな。……良かった、いつもの調子に戻ってる。
「絵里」
「なに?」
「……やっぱりなんでもなか」
「そう?」
 わたしが立ち上がり、定規を机に戻そうとしたところで小さく、ありがと、って言葉が聞こえたけれど、恥ずかしがりやで意地っ張りなれいなのことだから、聞こえなかったフリをした。
 顔はニヤけちゃったけれどね。

39 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:26

 クローゼットにあったダンボール箱を引っ掻き回して、赤ちゃんのお人形用の服を取り出して、れいなに渡す。サイズはぴったりだったけれど、れいなは赤ちゃん服ってところが不満そうだった。
 人差し指でれいなのちっちゃなほっぺをつつきながら「バブーって言ってみて」て言ったら噛み付かれそうになった。

 時計を見たら、もう朝の支度をしないと間に合わない時間。急いで顔を洗ったり歯を磨いたり髪を梳かす(その間れいなは、昨日の残りのロールパンをがじがじ齧ってた)。
 さて、コートも着てマフラーも巻いて用意ができたところで。
「れいな、今日は一緒に行こう」
「ほげ?」
 ロールパンの中身をくり抜いて中に体を突っ込んでいたれいなは、振り向いて驚いた表情をした。
「心配で、放っておけないよ」
 昨日ですら、不安すぎてミスを連発させていたわたしだったし。
 れいなは少し考えてから、
「分かったばい。あたしはカバンの中に入っとるけん」
わくわくした表情で言った。
 そうだもんね、ずっと家に篭もりっぱなしだったんだしね。
 れいなを掬って、カバンの中に入れる。
「あんまり動いちゃダメだよ」
 そう念を押してジッパーを閉じた。

40 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:26

 * * * * *

41 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:27

「おはようございま〜す」
 楽屋に入ると、すでに美貴さんがいて、それにさゆと小春ちゃんがいた。
「おはよー」
「おはよ、絵里」
「おはようございまぁす」

 雑誌を読んでいた藤本さんの脇を通ると、
「ね、絵里。れいなはまだ風邪?」と聞かれた。
「はい。まだ熱が引かないらしくって」
「そっか。大丈夫かなあの子」

 ――ほらほら、れいな。美貴さんだってれいなのこと心配してるよ!

「ま、五月蝿いのが一人減っていーや」
 がくっ。美貴さんなんてこと言うんですかー! れいながこの場に(こっそり)いるのにっ。 ……どうか今の一言だけはれいなに聞こえていませんよーに。
 心の中で祈りながらさゆの隣の椅子に座る。美貴さんとの会話が聞こえていたらしくって、
「れいなはまだ具合悪いんだ?」って聞いてきた。
「うんそうみたい」
 だからわたしも適当に相槌を打つ。
「こんなに長いと心配ですね〜」
 小春ちゃんも不安顔で話す。
「だよねぇ」
 さゆと小春ちゃんは良い子だなあなんて感心していると、さゆがこっちを見た。
42 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:27
「絵里は寂しくないの? いっつも『れーな、れーな』って言ってるのに。昨日だって携帯電話の待ち受け画面のれいなの写メ見てため息ついてたのに」
「さ、寂しくないよ!」
 慌ててカバンを手で押さえる。(小さく「ぐぎゃ」って聞こえたけれどそれは無視!)
「そうなの?」
「うん! 全然寂しくない!」
 手を振って否定すると、「そうなの……」ってさゆが寂しそうに言った。
 あう、ごめんね。さゆ。

 そ れ よ り も。

 い、今のれいなに聞こえたかな?……聞こえたよね。
 恥ずかし〜!

 ほっぺを手で覆っていると、さゆが「どうしたの?」って聞いてきた。
「なんでもないよ!」上擦りそうになる声を必死で押さえる。

43 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:28

 はあ。なんかもう疲れちゃった。机にカバンを置いて、その上にマアフラーを乗せる…………と。
 もぞもぞマフラーが動き出した。

 れいなが中で押してるんだ!

 再び慌ててマフラーごとカバンを押さえる!(小さく「ぐえっ」と聞こえたけれど、それも無視!)
「ねえ絵里」
 振り向くと、さゆが『信じられない』といった表情でこっちを見ていた。やばいっ、見られてた。
「今、マフラーが動か――」
「バ、バイブにしていた携帯電話の振動だよ!」
「なんだぁ、そっか〜」
 さゆが安心したように声を出す。わたしもこっそり息を吐いた。
「さゆ。わたしトイレ行ってくるね!」
 カバンを持って立ち上がる。
「一緒に行く〜?」
「ひ、一人で大丈夫!」
 逃げるように楽屋から出た……。

44 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:28

 トイレに入って誰もいないことを確認する。それから個室に入って洋式トイレのフタを下ろしてそこにカバンを置く。
 恐る恐るジッパーを開くと……。
「絵里! もうちょっと扱いを優しくしんしゃい!」
 れいなが飛び出してぷんすか怒った。
「なによぅ、カバンに『割れ物注意』ってシール貼ればいいのぉ?」
「そうじゃなか! カバンを丁寧に置いたりして欲しいと!」
 絵里はガサツなところがあるけん、そう言ってれいなはほっぺを膨らませる。
「ごめんね。今度からは優しくするから」
 わたしは、れいなのほっぺを指で軽く押す。中の空気はあっさり抜けた。わたしが素直に謝ると、れいなも素直に頷いてくれた。

「それと絵里。ジッパーは開けて、その上にマフラーを置いてほしか」
 再び閉めようとしたところでれいなが提案してきた。
「そうすれば、あたしこっそりみんなの様子見れるけん」
「うん。分かったよ」
 ジッパーは開けたまま、マフラーを置こうとする寸前。れいなは恥ずかしそうに笑った。
「あと、さっきの会話、全部聞こえとったばい」
「ぜん・ぶ?」
 乾いた声で聞き返すと、れいなはこっくり頷いた。
「美貴ねぇの言葉は心配の裏返しって分かっとるけん。ばってん、それ以外のは初耳だったばい」
 ぼふ。
 さっきの『優しくする』という言葉と反対に、乱暴にマフラーをカバンに置いた。れいなが小さく騒いでいたけれど、なにも聞かない。聞かないもん。
 個室から出て鏡を見ると……わたしの真っ赤な顔が映っていた。

45 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:29

 収録を終えて、レッスン場に移動して、みんなでステップの練習した。壁一面が鏡張りのレッスン場の中、わたしはれいながカバンとマフラーの隙間からこっそりみんなを見ていたのを鏡越しに見ていた。
 ……練習熱心だもんね、れいなは。きっと今も無意識に体を動かしているんだと思う。
 そんなれいなに俄然闘志を燃やしたわたしは、昨日のミスを返上するために必死に体を動かした。

46 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:29

 * * * * *

47 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:30

 家に戻り、カバンから飛び出したれいなは、わたしに鏡の用意をさせて、早速今日のステップとフリを練習し出した。
 5cmのれいなが体を動かしているのを見てると、可愛くってついホワホワした気持ちになっちゃうけれど、ニヤける顔を抑えてわたしも練習に付き合う。
「れいな、音楽に合わせて練習しよっか」
「うん。頼むばい」
 鏡とれいなをCDMDラジカセの前に移動させて、MDを入れる。スタートボタンを押して曲が流れ出すと……。
「どおわぁっ」
 突然れいなが前のめりに倒れた。
「どうしたの?」
「お、音の、振動で、た、立てんばいぃ」
 はいはいしながらCDMDラジカセから遠ざかるれいな。
 …………。
 遠ざかったれいなを摘んで、もう一度CDMDラジカセの前に立たせる。
「おわぁっ」
 再びはいはいするれいな。
 再び摘んで立たせるわたし。
「だあぁっ」
 再びはいはいするれいな。
 再び摘んで……。
「絵里! 遊ぶんじゃなか!!」
 ちぇ、怒られちゃった。

48 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:30

「運動した後のご飯はおいしーねぇ」
「……絵里は遊んどっただけな気がするけん」
「まーまー」
 ハンバーグを小さく切り分けてお皿の脇にいるれいなへと寄せる。れいなは、小さくとは言ってもそれでも西瓜サイズのハンバーグを、中の玉ねぎを取り除いてぱくつく。
 正直……ハムスターとご飯を食べてる気分。どうせなら今度、ハムスターが中に入って走るカラカラ廻るあれ、買ってこようかなあ。
 れいなは、わたしの考えなんか露知らず、お人形用のコップに入ったポタージュスープを飲みながら、
「もうちょっとハンバーグ欲しか」
と催促してくる。
「はいはい」
 素直に切り分けてれいなに渡すんだけど、とんこつラーメンの時のようにその体のどこに入るの、ってくらいにれいなはよく食べる。
 まあ、今のれいなにはなんでもアリな気がしてくるんだけどね。

49 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:30

 食事を終えて、手についたデミグラスソースを舐めるれいなに布巾を渡しながら、
「お風呂どうしよっか」
と尋ねた。
 れいなは手を拭きながら少し考え、答える。
「ぶっちゃけ、今の体だと洗面器風呂でも広すぎるけんね」
「じゃあ、お茶碗風呂復活だね」
 嬉々としてお茶碗を取り出すと、れいなは、
「なにがそんなに嬉しかとね?」
不思議そうに首を捻る。
「まーまー、いいからいいから♪」

 今日は乳緑色の入浴剤を入れて肩まで浸かるれいな。タオル代わりのガーゼを頭に乗せて目を瞑ってる。
「気持ち良か〜」
「そう、良かった」
 分からないと思うんだけど、れいなのお茶碗風呂の姿って、なんか……こう、キュンとくるのよね。
 あ・なるほど。これが『萌え』なんだ。
 正直カメラでフィルムが無くなるくらい激写したいんだけど、そんなことしようものなら後が怖いからぐっと堪える。

50 名前:4. 投稿日:2006/11/23(木) 01:31

「ね、れいな」
「なん?」
 目を開けてこっちを振り返るれいな。わたしは微笑みながら言った。
「体が元に戻ったら一緒にお風呂、入ろうね」
「…………」
 れいなはなにも言わずに首を元に戻す。
 拒否られたかな、と思ったけれど。れいなの首すじや耳は真っ赤っ赤。……それ、お湯に浸かってるせいだけじゃないよね?
「ねーねーれいなぁ」
 お茶碗の縁に手をかけてカタカタ揺らしてれいなの回答を待つ。
 ……しばらくして。
「……ょかよ」
 蚊の囁くような声で返事してくれた。

 やったぁー!

 れいなが真っ赤になりながらお湯に浸かり、わたしがガッツポーズをしながら、れいながちっちゃくなって三日目の夜が過ぎていった。
51 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/23(木) 01:34
更新終了。
あと2回くらいで終わります(予定)。
はてさてどうなることやら。
52 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/23(木) 21:24
れなえりキャワ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
あと2回で終わっちゃうんですね、何か寂しいなぁ。
次回も楽しみにしております!
53 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/28(火) 21:51
続き楽しみにしてまーす!
いいですね、れなえりwww
54 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/28(火) 23:03
 5回目のこーしーん。
 ……の前に。

 レスがあって感謝感激です!
>>52さん
 ありがとうございます! 寂しがっていただくなんて恐悦至極です。続きを書きましたので楽しんでいただけたら幸いです♪

>>53さん
 ありがとうございます! いいですよね、れなえりは! 書いてるやつのお気に入りCPのナンバー1になりそうな勢いです。
55 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:04

 れいながちっちゃくなって四日目の朝。
 起きて最初にすることは、恒例になりつつあるれいなの身長測定。目をゴシゴシ擦りながらも、ぴしゃんとしっかり立つれいな。
「えっと……4cm」
「また縮んだばい」
 れいなは昨日や一昨日のように暴れたり悶えたりすることもなく、冷静に受け止めた。
 わたしはそんなれいなを両手で掬って努めて明るい声を出した。
「じゃ、身長測定もやったことだし、ご飯にしよっか!」
 冷静に受け止めたように見えても、きっと心中では複雑な思いがあるだろうからそうしたんだけど、れいなは何も言わず、こっくり頷いた。

56 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:04

 れいなは、わたしのお皿の脇でご飯粒や小さく切り分けた卵焼きを手づかみで食べる。
「絵里、今日はせっかくの一日オフっちゃろ? あたし留守番しとるけん、どっか行ってきてもよかよ」
 わたしは首をふるふる横に振った。
「れいなと一緒じゃなきゃヤダもん」
 その言葉にれいなはほんのり顔を赤らめ、不自然に卵焼きを食べるのに集中した。口の中を、もぐもぐさせながら喋る。
「ふ、ふーん。じゃあ今日はなにすると?」
「もう午前中の予定は決めてあるんだ」
 くふふ、と笑うと「キショ……」と小さく聞こえた。

57 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:05

 れいなの寝ていたガラステーブルを畳んで部屋の脇に置く。(ベッドは一時机に移動)
「れいなー、危ないから脇に避けててね」
 部屋のドアを開けたまま、廊下にある収納棚からクリーニング袋に入った敷き布と掛布を取り出す。それから、よっこらしょ、と掛け声をかけて両腕を広げた程度の幅の正方形の板を引っ張り出して、部屋に運び込む。
「絵里、足がよたよたしてて危なか」
 あはは、そうだね。でも今のれいなにこれを運ぶのを手伝ってもらう訳にはいかないしねぇ。
 正方形の板を見た時点でれいなはそれが何か分かったらしく、
「出すにはまだ早くなかと?」
と聞いてきた。
「いーじゃない、もう寒いんだし♪」
「そうだけど……絵里はこれ好いとーもんね」
 呆れた口調でれいなは呟いた。

 敷き布と掛布、それに足やコードが入った紙袋も部屋に持ち込んで、早速組み立て始める。
「絵里、ネジこっちに置いとくばい」
「うん、ありがとう」
 れいなもちっちゃい体で手伝ってくれた。

 このネジはどこにはめるの、絵里プラグはこっちだから向きは逆のほうがいいけん……とあーだこーだ言いながら数十分後。

「かーんせーい!」
「お疲れしゃん」ぱちぱち手を叩きながられいなも言ってくれた。
 出来上がったコタツに早速潜りこむ。
「うーん、すぐに暖かくならないのがコタツの弱点だねえ」
 れいなもコタツに潜りこむ。
「絵里、コタツが暖まるまでお茶でも淹れてきたらどうやけん?」
 そうだね。立ち上がってキッチンに向かう。
 お湯を沸かしている間に戸棚を探してみたけれど、残念ながらお煎餅はなかった。お盆に急須と湯呑みとおままごと用コップを載せる。

58 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:05

 コタツがあって温かいお茶があって、そしてれいながいて。ささやかだけれど、それがわたしの『幸せ』なんだよね。
 ……そういえば、れいなの『幸せ』ってなんだろ? 後で聞いてみようっと。答えてくれなさそうな気もするけど。

 そんなことを考えている間にお湯は沸いた。

59 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:06

「お茶淹れてきたよ。蜜柑とお煎餅はなかったけれど」
 声をかけて部屋に入ったけれど、反応はない。
「ありゃ? れいな?」
 コタツに近づく。

 むぎゅ。

 ……なにか……踏んだ。恐る恐る足を上げる。
 そこにはノシイカになったれいながの姿が。
「きゃ〜!?」
 慌ててお盆をコタツに置いて、れいなを抱え上げた。
「れいな、大丈夫!?」
 がくがく揺すると、れいなはぼーっとした目でわたしを見た。
「コタツ潜ってたらウトウトしとったけん。すると急に花畑が見えて……」
「それ、思いっきりあの世の入り口じゃない!」
 意識がはっきりしたれいなに、さっき踏んづけたことを話すと、にゃるほど、と呟いてから、
「あやうく絵里の足の下で若い命を散らすとこだったばい」
ぶるると身を震わせながら言った。

60 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:06

 気を取り直して。
 ちょっと濃くなった緑茶を湯呑みとコップに注いで二人で飲む。
「ふわ〜落ち着くぅ。おいしーねえ」
「ん」
 れいなもズズーっと飲んでる。
 そうだ。さっき思ったこと聞いてみようっと。
「ねえ、れいなにとって『幸せ』ってなに?」
 れいなは目を丸くして、なにを言うけん突然? と聞き返してきた。いいじゃん教えてよ、と食い下がると、急に苦い顔になった。
「そ、それは……言えんばい」
「なんでよお」
 予想通りの答えだけれど、ムカツく。
 教えて、教えてよぉと更に食い下がると、
「あーやかましか! あとで言うけん!!」
……キレられた。
 それでも「後で言う」という言葉を信じて、約束だからね、と言うとしぶしぶ頷いた。

61 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:07

 コタツに入りながらのほのほ窓から空を見上げると、太陽が時折雲間から顔を覗かせる程度のお天気。顔を動かしれいなを見ると、マンガを読んでいた。
 コタツも出したことだし今日一日どうしようかなぁ。
 そうだ。ぴこーん! 頭上で電球が輝く。
 わたしがコタツから出てコートを着てマフラーを巻くのを、れいなはマンガから顔を上げて静かに見ていた。
「れいな、一緒にお出かけしよ」
「なん? 煎餅でも買うてくると?」
「そうだ、お煎餅も買ってこようっと。じゃなくてレンタルショップでDVD借りてこようかなって。で、その後お散歩しようよ」
 わたしがうきうきしながら言うと、れいなも楽しそうになった。
「よかよ」
 そう言ってわたしのカバンに入ろうとするれいなを「違うよ、こっち」と制してわたしのマフラーの間に入れた。
「うへへ。これで以前のれいなと同じ目線だよ」
「久しぶりの高さっちゃ」
 そう言ってれいなはマフラーをきゅっと握った。

62 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:07

 近所のレンタルショップまで歩いて、中に入る前に、マフラーにしがみついていたれいなを掬ってカバンに入れる。
「お店の中ではちょっと隠れててね」
「分かったけん。ところでなに借りると?」
「ノンフィクションにしようかな。後で一緒に見ようね」
 こっくり頷いたれいなに安心して、ジッパーを閉じた。
 お店の中に入って、恋愛ものもアクションもののジャンルも通り抜けて、お目当てのジャンルの棚に向かう。なににしようか少しだけ棚の前で考えてから、一つだけDVDを掴んだ。
 レジに行ってお金を払って。
 レンタルショプを出て、今度は隣にあるコンビニへ。お煎餅の袋を掴んで、それと肉まんを一つ買って外に出た。
 ちょっとだけ歩いて人目が少なくなったところで、カバンかられいなを取り出して再びマフラーの間に入れた。
 それから、近くの河川に向かう。川べりの道は、平日ということもあって、わたしたち以外は誰も歩いてなかった。コンビニの袋から肉まんを取り出して半分に割って。半分をれいなに渡すと、れいなは両手を広げてそれを抱えた。
 ほかほか湯気を出す肉まんを食べながらぽくぽく歩く。冷気を帯びた風が肉まんの湯気をたなびかせていく。
「美味か」
 口をもぐもぐさせながられいなが呟く。わたしも「美味しいねぇ」と相槌を打った。
「久しぶりに外に出たけん。昨日はずっと絵里のカバンの中だったし。なんか、風景が新鮮に見えるっちゃ」
 れいなの弾んだ声を聞いて、自然と頬が緩む。わたし、良い提案したなぁ〜♪
 肉まんを食べ終え、それでもしばらく歩いていたんだけれど、れいなが、
「寒くなってきたっちゃ」
と言い出したので帰ることにした。

63 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:07

 家に帰ってリビングのテーブルにれいなを置くと、
「絵里、結構体冷えてしまったけん。悪いけどお風呂入りたか」
自分の腕を抱えながられいなが言った。
 ありゃりゃ、大変。れいなの顔、白くなってる! わたしは慌ててお茶碗風呂の用意をした。

「気持ち良か〜♪」
 肩まで浸かりながらじっくり温まるれいな。極楽そうなその笑顔に、わたしまでトロけそうになってくる。
 ぴちゃん、お湯から手を出してお茶碗の縁に触れる。
「もう足は縁に届かなくなってしまったけん」
 足も出してぴこぴこ動かすけれど、確かにれいなの足は届いてなかった。
「あたし、どこまで縮むんだろ……」
 呟いた問いかけに、わたしは答えることは出来なかった。

64 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:08

 れいながお風呂に入った後、わたしも入り、二人で部屋に戻る。
「れいな、借りてきたDVDを見よう」
 コタツに入り、お煎餅を菓子皿に入れ、早速ショップの袋をばりばり開ける。
「じゃーん」
 掛け声と共に袋から取り出したDVDのパッケージを見て……れいなは顔を青ざめさせた。
「ね♪」
 安倍さんに負けないくらい天使の笑顔で言ったのに、れいなはじりじり後ずさりして――ぴゃ〜っと逃げ出した。
 甘い! 4cmなれいなの歩幅なんて知れたもので、素早く腕を使って通せんぼでして捕まえた。
 捕まえてもれいなは手の中で「離しんしゃい〜」とジタバタしてる。
「さっき一緒に見てくれるって言ったじゃない」
 わたしが借りてきたそれは『超こわい話シリーズ ○川○二のあまりにも怖すぎる話 上』だった。
「絵里、ノンフィクションを借りるって言ってたっちゃ!」
「ノンフィクションじゃない、これ」
「ノ、ノンフィクションでもホラーやけんそれ! てか季節外ればい!!」
 れいなはまだ手の中でじたばたしてる。
「まーまー、寒い季節に見るホラーもオツだってば」
「どこがやけん!」

 暴れるれいなを片手で捕まえたまま、もう片方の手でDVDプレーヤーを操作する。再生ボタンを押したところで、両手の指を使ってれいなを羽交い締めしてTVに向き直らせた。
「絵里の鬼ぃ〜!」

 ――その晩。れいなの泣き声と叫び声が部屋中に響き渡ったことは言うまでもありません……。

65 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:08

 そーれっから。
 DVDが終了したところでプレーヤーから取り出し振り返る。と、顔中を涙まみれにしたれいなが、わたしがコタツの上に置いた専用ベッドに、わたしに「おやすみ」を言うこともなくすっぽりと頭まで入ってしまった。
 ……イジメすぎちゃったかな。これもれいなが可愛い反応してくれるからなんだけど。
 仕方ない、わたしも寝ようっと。
「れいな、わたしも寝るね」
 一応声をかけて照明スイッチに手を伸ばすと、
「で、電気は点けといてほしか!」
布団の中から震える声でそう叫ばれた。
「はいはい」
 ニヤけた顔を隠すこともせず、わたしも布団に入る。

66 名前:5. 投稿日:2006/11/28(火) 23:09

 ………………。

 布団の中でうとうとし始めたところで、わたしは急に悩み出した。
 どうしよう……。
 このまま寝てしまうのがベストなんだけど……。
 意識し出すと限界が近くなった気がする……。
 でも……。
 う〜…………。

 意を決して跳ね起きる。そして、コタツに近づき、れいなをベッドごと持ち上げた。
「う? どげんしたと絵里?」
 振動で目が覚めたのか、れいなが目をショボショボさせて顔を布団から出した。
 わたしはなにも言わずにベッドを運んだまま部屋から出る。
 少しだけ歩き、『W.C.』のプレートが掛かったドアの前にベッドとれいなを置いて……中に入った。
「絵里も怖かったんかい!」
「わ、悪かったわよ!」
 廊下から華麗なツッコミが聞こえ、思わずトイレから反論した。

 こうして、れいながちっちゃくなって四日目の夜が過ぎていった……。
67 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/28(火) 23:09
 更新終了。
 次回で(多分)最終回です。
68 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/29(水) 23:08
面白いですし、れいなと絵里がかなりキャワワですね!
あと一話頑張ってくださいね!
楽しみにしてます
69 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/30(木) 01:43
おぉぉ!更新お疲れでーす!
あと1回で終わってしまうのは寂しいけれど、頑張ってください!
楽しみにしております〜
70 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/16(火) 03:19
れなえりキャワ─>_<
本当に期待しています!!
更新お願い!
いっぱい期待、この作品大好きです!
71 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/11(日) 00:57
ちっちゃいれいなが愛しくてたまらないですw
まったりとお待ちしております。
72 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/12(月) 12:06
まったりとなんて待てません。
今すぐ読みたい!!
作者さまどうか続きを!プリーズ!。
73 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/31(土) 22:20
おいらも待てませんw
早く続き読みたいです♪
74 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/09(月) 14:52
更新待ってます
75 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/13(日) 19:48
お願いだから完結して下さい

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