teneramente

1 名前:ハルかはな 投稿日:2006/11/14(火) 03:01
初めてスレを立たせて頂く、ハルかはなと申します。
CPは色々で、思いついた短編を載せていければと考えております。
更新は不定期になりますが、よろしくお願いします。


2 名前:ハルかはな 投稿日:2006/11/14(火) 03:01
最初のお話は、GAMより「メロディーズ(ピアノ独唱Version)から。

『teneramente』
3 名前:teneramente 投稿日:2006/11/14(火) 03:02
マイクを口元に寄せて、歌い始める。
ピアノもタイミングを合わせて静かに奏で始めた。
通る声を落ち着かせながら、でも綻ぶ笑顔は隠せない。
一瞬合わせた視線。私を見つめるその目。
先に外しちゃうのはあなたの方。照れちゃって可愛いの。


ばっちり合う声質じゃないな。
ごっちんの方が混ざり合うんじゃない?
そう言ったら、君は脹れてイジけるかも。言わないけどさ。
性格も年齢も血液型も家族構成も、合ってることの方が少ない。
でもさ、違うからかみ合うんだよね。私たち。
どうしてだろうね?
4 名前:teneramente 投稿日:2006/11/14(火) 03:03

―――きっと、元は1つの魂を分けたからじゃないですか?
     違う性質をそれぞれに持って、分けた面がピッタリと重なる。
         松浦さんと、美貴ちゃんが仲良しの理由―――


紺ちゃんが言ってた、私たちのこと。
たんとは違った可愛らしさを持つ彼女らしい、ロマンチストな考え。
現実的な私には思いつかないその空想。
けれど、妙な納得をしたくなる。嬉しい答え。
5 名前:teneramente 投稿日:2006/11/14(火) 03:04
ねえ、たん。
私だけに見せる表情。本当は誰にも見せたくない。
でもね、世界中の人に見せたい時もあるんだよ。
私の幸せのカタチ。あなたという存在。

カメラに視線を合わせるのはいつものこと。
今は、あなたに向けてる。
愛おしい、可愛いあなたに。

さあ、出番だよ。たん。
楽しませてね?
私を喜ばせるような、歌をちょうだい?
6 名前:teneramente 投稿日:2006/11/14(火) 03:05



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7 名前:teneramente 投稿日:2006/11/14(火) 03:05
たった2小節。繰り返すだけの歌詞。
私とあやちゃんの声が触れる数秒。
入れ替わり、私の番。

視線を向ければ、大体返してくれる。
見つめてると吸い込まれそう。キレイな瞳。
でも歌に集中できなくなっちゃうから、逸らしちゃうけど。
そんな私に余裕綽々な顔をするのが、ムカついちゃうけど。
8 名前:teneramente 投稿日:2006/11/14(火) 03:06
年下の彼女は年上の私を甘えさせてくれる。
末っ子の扱いを知ってるんだな。よっちゃんもそうだし。
一緒にふざけてくれたりとかしてくれるし。

でも、それに甘さを足して満たしてくるのはあなた。
その心地良さに泣きそうになるのはあなただけ。


たった1人で奏でるピアノ。
和音がキレイ。重なり合う1音たちは寂しくないね。
くるくる回ったり、追いかけたり飛び跳ねたり楽しそう。
9 名前:teneramente 投稿日:2006/11/14(火) 03:07
私の幼さ故に、時々あなたを乱暴に扱って傷つけてしまう。
「そんなことないよ。」って笑って片しちゃうあなたに
甘えてしまう自分に、腹が立たない訳じゃないのです。
繰り返し伝える熱も想いも、もっとうまくできればいいんだけど。
ごめんね、気長に待ってて。


たった2小節。繰り返すだけの歌詞。
私とあやちゃんの声が触れる数秒。
ピアノが止んで、私たちだけの1小節。
10 名前:teneramente 投稿日:2006/11/14(火) 03:08
目を閉じても見つめても、綻ぶ口元はあきらめて、
余韻に浸れば満足感。亜弥ちゃんだって似たようなもんだし。
こういう関係を上手い具合に表現できないけど…


うん、やっぱり好きだよ。



『――今宵、お迎えするゲストは――――』


Fin
11 名前:名無し飼育 投稿日:2006/11/15(水) 21:06
いい感じです!
次の作品も楽しみです。
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/02/05(月) 19:41
まだー?
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/27(月) 16:31
素敵なストーリーですね

次回作も期待してます

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