Pieces

1 名前:uo 投稿日:2006/12/11(月) 22:03
短編をちょこちょこ書いていこうかと。
更新ペースは遅め。なのでリク等は受け付けません。
カプは基本気まぐれですが、大体後藤さん関係になると思われます。
2 名前:uo 投稿日:2006/12/11(月) 22:05
とりあえず一発目はごまみき。
時季が真逆ですが、そこはご了承くださいませ。
ではでは。
3 名前: 投稿日:2006/12/11(月) 22:08
 
4 名前: 投稿日:2006/12/11(月) 22:08
明るい朝、薄暗い朝
温かい朝、蒸し暑い朝
肌寒い朝、凍えるような朝
たかが朝、されど朝。

美貴の存在してる世界では
一つのモノでも様々な顔を持っている。



ちなみに今日は凍えるような朝。


5 名前: 投稿日:2006/12/11(月) 22:15

「ぶへっくしょい!!」

深々と冷えていく体を温めようと
布団に包まったのは今から2時間ほど前。
それでも冷えるから、分厚いかけ布団を出したのが1時間前。
冬用の。羽毛がぎっしり詰まった布団だ。
なのに未だ全身はガタガタと震える。


夏真っ盛りな、今日この頃だというのに。


「だぁーっ!寝てられるかクソ!!」

さすがにこうも時季外れな寒さを感じていると
もう寝てなんていられなくて。
重たい布団を蹴飛ばしながら漸く体を起こした。
そして気づく。冷房がガンガンと効いていることに。

「ちょ、23度!?ありえねぇ!!」

ベットから降りて冷房のリモコンを手に取る。
するとエコモニに申し訳ないくらいの設定温度で。
ただでさえ冷え性で寒がりな美貴には
誰かが殺そうとしてるんじゃないか、そう思えた。
6 名前: 投稿日:2006/12/11(月) 22:15
「一体、誰がこんなこと…」


―― ん゛〜


「…えっ?」

少しの間リモコンと睨めっこをしていると
ベットの方から突然唸り声がした。
辺りが静まり返っていたせいか、その声はやたら強く耳に入ってきて。
ちょっとした恐怖感に背筋をピンッと伸ばした。
恐る恐る…ホントに恐る恐る後ろを振り向くと――



そこには半袖・短パンで眠るバカが居た


7 名前: 投稿日:2006/12/11(月) 22:17
「ごっちん…」
「朝からうるさいよぉ、ミキティー」
「お前か、勝手に冷房弄ったんは」
「ぐぇ…」

暢気に欠伸をしながら目を擦るごっちん。
その悠長な姿に腹が立って、枕を独占してる頭を
グッと足で踏んづけてやった。
すると声にならないような声を出して
次の瞬間には『ギブギブ』と足を叩いてきた。

「朝に冷房とかありえないんですけど」
「えー、だって暑かったんだもん」
「さすがにこれは超寒いんですけど」
「一気に冷やすには温度下げたほうがいいじゃん?」
「お前のエコ宣言はウソか」

ぶー、とか口に出しながら頬を膨らます。
やってて恥ずかしくないのかな…。不覚にもそう思った。
というか服の袖が上下どちらも短いごっちんが
何故長袖長ズボンの美貴より暑そうなんだ。
いや美貴が寒がりって事を抜いて、だよ?
8 名前: 投稿日:2006/12/11(月) 22:17
「てかもう朝なんだねー」
「朝冷房入れたんでしょうが」
「あ、そっか」
「ばーかばーか」

膨らんでる頬を突いてやると、その手を掴まれた。
そのままグイッと引き寄せられる。
不意をつかれた美貴は抵抗することも出来ず
真っ直ぐごっちんの腕の中へ。

「ちょ、危なっ―――…んぅ…」
「おはようのチュー、忘れてた」
「…っ……死ね」

『ひどぉーい』なんて言いながらも、その顔はだらしなく緩んでて。
何だかそれにも凄くムカついて頬を抓ってやった。
そんなんでコイツの顔が引き締まるわけないのは十分に理解してるけど。
9 名前: 投稿日:2006/12/11(月) 22:18

深々と冷える部屋、冷たい美貴の体。
だけど気づけば凍えるように寒かった朝は
ごっちんのちょっとした魔法で
ウザいくらい暑苦しい朝へと変わっていた。





おわり。
10 名前: 投稿日:2006/12/11(月) 22:19
 
11 名前:uo 投稿日:2006/12/11(月) 22:20
以上です。ではまたいつか。
12 名前:uo 投稿日:2006/12/12(火) 21:07
更新します。
スレ立てたばかりなので、そこまで間は開きませんでした。
二回目の今回はれなごまです。
13 名前:そういう人 投稿日:2006/12/12(火) 21:08
 
14 名前:そういう人 投稿日:2006/12/12(火) 21:10


「――……え゛っ…」




「おかえり、れーなぁ」
15 名前:そういう人 投稿日:2006/12/12(火) 21:11

バイトを終えて帰宅したら何故かリビングに後藤さん。
肩にかけていた鞄が音を立てて床に着地した。
へらへらと笑う後藤さんの指で、何かがくるくると回ってる。

「後藤さん、それ……」
「あ、これ?れーなの家の鍵〜」
「やっぱりーっ!!」

そうであってほしくないと願っていたことが叶ってしまった。
いつ作ったのか知らないけど、後藤さんはそういう人だ。
それで片付いてしまうから恐ろしいけど…。
床に落ちた鞄をそのままに、ソファに足を伸ばして座ってる後藤さんの傍へ行く。
そこまでで既に溜息を3つほど吐き出した。
16 名前:そういう人 投稿日:2006/12/12(火) 21:13

「何で普通に居るんですかっ」
「んぁ? だってアタシ、お隣さんだしー」
「隣だからって勝手に鍵作らんでください!」
「恋人の特権だって。そんなカリカリしないの」

クイッと腕を引かれて距離が縮まった。
かと思えば頭に柔らかく手が置かれ、数回跳ねた。
完全に子ども扱いされてる。誰がどう見ても。
それが気に入らなくて顔に出すと、ニターッと笑われた。

「お子ちゃま扱い嫌いなんだよねぇ」
「なっ……だ、だって子供やないけん!そんな扱いされたくなか!」
「そうやってムキになるのが子供」
「……むぅ…」

いつもいつもこうやって人をからかって大笑いするのが後藤さん。
毎回それで不貞腐れてるのも問題なんだろうけど…。
何か仕返しがしたくてしたくてしょうがない。

そう思うのとほぼ同時に、寛いでる後藤さんの上に乗っかった。
唐突すぎるこちら側の行動に目を丸くする後藤さん。
17 名前:そういう人 投稿日:2006/12/12(火) 21:15


「れなが子供やないってこと!教えてあげます!」


ポカンとしてる後藤さんの頬を両手で包む。
そしてまっすぐ、迷うことなく唇を奪った。
何度も何度も吸い付いて。自分ができる精一杯を押し付ける。

「……んんっ!?」

後藤さんの反応がまったく感じられず、薄目を開けた。
するとそれと同時に口内へと舌がねじ込まれた。
正直自分からするってだけでいっぱいいっぱいなのに。
もう離れちゃおうって思ってたところなのに。
こんな…こんなこと……もう、なんかいろいろダメだ――――。

「れーなぁ、大丈夫?」
「……あふっ……」
「情けないなー。自分からしておいて腰抜かすなんてー」
「…ぅっ……」

気づいたらグッタリと後藤さんに覆いかぶさるような体勢になっていた。
頭の後ろ辺りがジンジンとする。舌も麻痺してるような感覚。
凄く、凄く凄く今の自分カッコ悪い……。
18 名前:そういう人 投稿日:2006/12/12(火) 21:18
あまりの情けなさにしょ気ていると、また頭に柔らかい感触。
顔を上げれば優しい目をして笑ってる後藤さん。

「れーなはそのままでいてよ」
「へっ?」
「アタシは今のれーなが好きなんだから」
「……あ、はい…」

ポフポフと手が数回弾み、そのまま毛先まで滑り落ちる。
そこから伝わる感触とくっついてる暖かさで
意地とかそういうのがどうでもよく思えてきてしまう。
子ども扱いされたくないのに。それですらどうでもよく……。

「さて、オトナのお勉強しようか」
「……はい?」
「子供扱いヤなんでしょー?」
「ちょ、今そのままのれなが好きって言ったやん!」
「えー、知らなーい」
19 名前:そういう人 投稿日:2006/12/12(火) 21:19


後藤さんはそういう人だ。
それで片付いてしまうから恐ろしい。

でもさすがにここだけは
「そういう人」で片付けんでくださ―――



「にゃぁああああああああ!!?」




おわり。
20 名前:そういう人 投稿日:2006/12/12(火) 21:19
 
21 名前:uo 投稿日:2006/12/12(火) 21:19
以上です。ではでは。
22 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/12/12(火) 23:32
後藤さんがらみ大好物です。
楽しみにしてます。
23 名前:uo 投稿日:2006/12/21(木) 21:25
早速間が空きましたがやっと更新します(苦笑

22>名無飼育さん
大好物ですか、同士と呼ばせてくださ(ry
テンションがあまり楽しげじゃない作者ですが、楽しんでいただけたらと思います。
24 名前:ギャグ100回 投稿日:2006/12/21(木) 21:25
 
25 名前:ギャグ100回 投稿日:2006/12/21(木) 21:26

何だろうな、前々から無茶ばっか言う人だって思ってた。
でもそんなところも好きになっちゃって。
だから思いを素直に伝えたっていうのに。
この人はやっぱり、この人でしかなかった。


(アタシにギャグセンスないの知ってるくせに……)


26 名前:ギャグ100回 投稿日:2006/12/21(木) 21:27

ギャグを100回言って

    私を笑わせてくれたら

        付き合ってあげてもいいよ?
27 名前:ギャグ100回 投稿日:2006/12/21(木) 21:28
アタシがどんだけ意を決して告ったか
絶対にわかってないんだろうな、って。
あっさりと条件出されたときにそう思った。
大体、普段からアタシのモノマネを見ても
『つまんない』『サムい』の一点張りのクセに。
それなのにギャグ100回って……。

「どーしたのぉ?出てこない?」
「ちょ、タンマ!すぐ言うから!」
「早く早くぅー」

腕を組んで女王様のように待つ、上から目線のまっつー。
その視線にオロオロしつつ必死に脳をフル回転させるアタシ。

どうしてアタシはギャグなんかを考えてるんだろう?
告白したかっただけなのになー。

そんな考えも、頭の中をグルグル回る
『ギャグ100回』という言葉の前では
負け犬の遠吠えと同じくらい惨めなモノに思えた。
28 名前:ギャグ100回 投稿日:2006/12/21(木) 21:30
「……よ、よし…」
「はい、どーぞ」


「コホン……ギャグギャグギャグギャグギャ――」


「え、ちょ……えぇ!?」

素直に、ホントに素直に考えた結果。
その結果にどうやら女王様は不満があるらしい。
ガクッとコントのようにコケ、そして頭を叩かれた。

「痛ぁーいっ」
「あのさ、ごっちん」
「んぁ?」
「何か根本的なモノが違ってない?」
「えー、違ってないよぉ」
29 名前:ギャグ100回 投稿日:2006/12/21(木) 21:32
頭を押さえながら不貞腐れるアタシに
まっつーは呆れたように溜息を吐く。
そして『何処が?』と、子供と遊び疲れた大人みたいに聞いてくる。

「アタシは『ギャグ』を100回言ってって、言われたんだもん」
「あのねー……」
「何か間違ってる?」

そう、自信をちょっと持った目でまっつーを見る。
暫く……といってもほんの数秒だけど
長く感じるくらいジッと見つめ合っていて。
先に目を逸らしたまっつーが小さくまた溜息を吐いた。
そしてクルッと背を向けられてしまう。

「ダメ、だった?やっぱ」
「――ごっちんってさ」
「……んぁ?」

「変なトコ、バカっぽいよね」

モデルのように整った後姿から発せられた言葉は
何だか凄く失礼な内容だった。
だけど普段のようにムッと拗ねられないアタシ。
むしろ正反対で、だらしないくらいに頬が緩み出した。
30 名前:ギャグ100回 投稿日:2006/12/21(木) 21:33


だってまっつーの声が
微かに見える口元が

笑ってるんだもん


「まっつー!!」
「なぁに?今度は」
「アタシのこと好き〜?」
「……ギャグ100回分だけね」
「えーっ」



おわり。
31 名前:ギャグ100回 投稿日:2006/12/21(木) 21:33
 
32 名前:uo 投稿日:2006/12/21(木) 21:34
以上です。
実はあやごまが大好物です。ではまた。
33 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/12/22(金) 23:52
奇遇ですね
同じくあやごまが大好物ですw
ありがとうございました
34 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/12/24(日) 17:00
兄弟w
あやごま大好物です。
萌えました。ありがとうございました
35 名前:uo 投稿日:2006/12/31(日) 00:31
たぶん年内最後の更新かと。
そして最後なのに今回は後藤さん関係ありません(爆
個人的に後藤さんカプの次あたりに好きなカプです。いろいろ好きですけどね。

まずはレス返し。

33>名無飼育さん
大好物キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
この素敵な奇遇に敬礼いたします(何故
読んで下さりありがとうございましたー。

34>名無飼育さん
兄弟ktkr(w
大好物でしたか、さすが兄弟(笑
ありがとうございます。励みになります。
36 名前:つまみ食い 投稿日:2006/12/31(日) 00:31
 
37 名前:つまみ食い 投稿日:2006/12/31(日) 00:32
誰も周りに居なくて目の前にある時。

自分は持ってなくて、相手は持ってる時。

異常なまでに美味しそうに見える。

だからつい、口にしてみたくなる。

怒られるかもしれない。

そのスリルも楽しい。
38 名前:つまみ食い 投稿日:2006/12/31(日) 00:33


「くぉ〜ら、もっさん!」
「いでっ!?」

何の変哲もないとある日のお昼。
ガキさんのお弁当に、美貴のお弁当にはないエビフライがいた。
運よくガキさんはお茶を買いに席を離れていて。
一口ご馳走になるには今しかない、と
何故か本能的にそう感じてしまった。

そしてそれが誘うまま、箸をエビフライに
伸ばそうとした――ところで頭を叩かれた。

「何してんの!私がいない間に!」
「いや、何も?」
「じゃあその箸は何っ」
「……えーっと」

綺麗に整えられた眉毛を釣り上げて怒鳴るガキさん。
そして上手い言い訳が思いつかない美貴。
圧倒的に不利…というか、言い訳のしようがない。
明らかに箸はピンポイントでエビフライを狙ってるし。
ただただハハハと笑うしかなかった。
39 名前:つまみ食い 投稿日:2006/12/31(日) 00:34
「あのねぇ、あなたいくつ?」
「21さぁーい」
「他人のお弁当に手を出す21歳ってどうなの?ねぇ」
「えー、いいんじゃない?可愛げがあって」

そう言ったら『全然可愛くないから』って即答された。
思った以上に怒ってるらしい。
つまみ食いはそんなにいけないことだったのか。
美貴は末っ子だったせいか、そういうの昔から許されてて。
ここまで怒られたのは生まれて初めてだ。

「もっさん、私が何で怒ってるか分かってる?」
「へっ?エビフライが好きだから?」
「違います」
「じゃあ、つまみ食いが嫌いだから?」
「……ちょっと違う」

チッチッチ。そんな漫画みたいなことをするガキさん。
すると左右に動かした人差し指を、スッと美貴に向ける。
それにキョトンとしつつ無意識に口に入れようとしたら
その手で頭をまた叩かれた。
40 名前:つまみ食い 投稿日:2006/12/31(日) 00:35
「黙って食べようとしたことに、怒ってるの」
「は?」
「言えばあげたのにってこと!」

勝手に腹を立てながらそういわれた。
黙って食べようとしたことと、つまみ食いの違いが
いまいちよく理解できてない美貴。
力説してくれたガキさんには申し訳ないけど
ゆっくりと右側に首をかしげた。


するとはぁーっとあからさまに溜息を吐かれた。


「信用、されてないみたいじゃん?」
「いや意味分かんない」
「つまみ食いって、言っても貰えないと思ってるからするんでしょ?」
「え、そうなの?」
「無意識かぁ〜い!!」

なんて古臭いツッコミを入れつつ、何故か顔を赤くした。
どうやら勘違いしたことが恥ずかしかったらしい。
ブツブツと聞き取れないくらいの声で文句を言って
一人で先にお弁当を食べ始めてしまった。
少し拗ねてるのかプクッと頬が膨らんでる。
41 名前:つまみ食い 投稿日:2006/12/31(日) 00:35
「――ガキさぁん」
「何っ?」
「つまみ食い、してもいい?」
「はぁ?言ったらつまみ食いにならな―――」

しかめっ面してそう言うガキさんの言葉を遮るように
美貴はグッとガキさんの肩を押して、床に寝かせた。
同時にガキさんの手からお弁当が落ちる。
カツンとプラスチックが床に当たる音がした。
そのときにはガキさんもポカンと美貴を見上げていた。

「って、うぉい!お弁当が!」
「黙りなよ」
「なっ……」
42 名前:つまみ食い 投稿日:2006/12/31(日) 00:35



「つまみ食いするんだから、ウルサいとバレちゃうじゃん」




赤く染まった、リンゴのような
その頬その耳その唇を
味わうようにじっくりとゆっくりと

つまみ食い。



FIN
43 名前:つまみ食い 投稿日:2006/12/31(日) 00:36
 
44 名前:uo 投稿日:2006/12/31(日) 00:38
ということでガキミキでした。
ではでは、皆様良いお年をーノシ
そしてエルダ紺に参戦される方は生ごまカプを堪能してきてください

私 の 分 は と っ て お く 形 で (爆

いや行けないんですけどね忙しくてorz
楽しんできてくださいませ。それでは今度こそ良いお年を(・∀・)
45 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/12/31(日) 01:40
うぉーぃ!
ステキです(ポッ

46 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/10(水) 06:04
フッ…作者さん、俺が今一番欲しいものをピッタリ提供なんてかっこ良すぎるゼ


かっこ良ついでにつまみ食いの様子をじっくりねっちり描写してください作者様
47 名前:uo 投稿日:2007/02/02(金) 21:53
皆様明けましておめでとうございます(氏
新年最初の更新が二月とか笑えないですねorz
そして今回は結構昔に書いたあやごまです。
新しく書けよって話ですねorz


45>名無飼育さん
(*・e・)ノ

46>名無飼育さん
無意識提供が仕事です(大嘘
その一番盛り上がる部分は読者様の脳内が最も細かく描写できると思います(ノ∀`)

48 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 21:54
 
49 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 21:55



――― いーち、にー、さーん


50 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 21:56
「いち」と言うまでに2秒は経ってるんじゃないかと思うほど
間延びした声で数を数える『オニ』。
その声が聞こえるか聞こえないかくらいの距離まで
恥ずかしげもなく、きゃあきゃあとハシャぎながら駆けていく。
適当な場所を見つけると無理矢理ソコに体を押し込んだ。


そこでふぅ…と一息吐く。

51 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 21:58

「――で」
「んぁ?」
「どういうつもり?」
「べつに」

ソコには不機嫌な顔をした先約が一名。
ジッとこっちを睨んでいる。
幼馴染だから考えること一緒なんだよ、なんて
取ってつけたような言い訳を言うと
『んなわけないでしょ』とチョップされた。

「痛っ」
「シッ!気づかれるじゃん」
「…ごめん」

キミのせいでしょうが。まぁ、言わないけど。
52 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 21:59
恐らく無意識で口元に当てられた人差し指。
細くて綺麗で、ちょっとドキッとする。
同じようにこの至近距離のせいで感じる
彼女の匂いにもっともっとドキッとする。


―― チューしたいなぁ…


「ダメ」
「……あれ、声出てた?」
「ばっちり」
「そっかぁ。ねぇ、チューしたいー」
「だからダメ」

しつこさに顔をムッとさせて見上げてくる。
何か喋るたびに首辺りに息がかかる。
53 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 22:00
そういうのは気づかない、普段は鋭い人。
ちょっと尖った口も無意識なんでしょ?
性格悪いよね、やっぱり。ドキドキしっぱなしじゃん。

「ねぇ」
「何っ」


「アタシとチューするの嫌い?」


彼女の性格が悪いなら、アタシは意地が悪い。
『嫌い』と『イヤ』は違うのを知っててわざと。
わざと『嫌い』を選んで問いかけた。
案の定彼女は戸惑ったような、そして同じくらい不満な顔をする。
54 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 22:00

「そ、んな……」
「んぁ?」
「……そんな質問、ズルい」
「――あはっ」


それじゃあ
甘い甘いチュー
物足りないじれったいチューを。


今度はキミが、キミから求めてくるように。


55 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 22:01

□ □ □ □

「ごっちん見っけー。あれ、亜弥ちゃんもいた」
「あーぁ、見つかっちゃった」
「……亜弥ちゃんどうかしたの?」
「へっ!?」
「顔あか――」
「そんなことないからっ」





おわり。
56 名前:かくれんぼ 投稿日:2007/02/02(金) 22:01
 
57 名前:rina 投稿日:2007/02/02(金) 22:05
更新は以上です。
文体が若干違いますねぇ。
いやー恥ずかしい(爆
では、またいつか(逃
58 名前:uo 投稿日:2007/02/02(金) 23:09
あー、やっちゃった。
HNをミスるという何ともマヌケなことを_| ̄|○
まぁいっか(爆
59 名前:rina 投稿日:2007/02/17(土) 22:10
更新します。時季外れな話第二段(爆
60 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:11
 
61 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:12
今日の最高気温は39度。
溶けちゃいそうに暑い、ある夏の日。
私は大きな建物に囲まれた街中に突っ立っていた。
62 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:14

「あっつぅ…」

やっと入ったオフ、やっと重なったオフ。
『デートしよう』って言い出したのはアイツ。
でも待たされてるのは私。どうなの、これ?

ダラダラと頭から首筋から垂れる汗を
鞄から出したタオルで拭き続けてる。
もうタオルが湿っちゃいそうな勢いだ。

「遅い!遅すぎるって、さすがにっ」

待ち合わせの時間から早くも15分が経過。
ちょっと前まで同じように誰かを待っていた、
高校生くらいの女の子も今はもういない。
それどころかついさっきここに来た子までも居なくなる始末。
なんだかだんだん、ドタキャンされたんじゃないかって思えてくる。
63 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:15

「…帰っちゃおうかなぁ……」

メールを送っても返事はない。
電話をかけてみても出ない。
それほど気の長くない私には拷問だ。
音信不通のまま誰かと遊んでるんだろうか。



だけどそういう風なことを思っていても
本当に帰る気にならないのは―――。


64 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:16
「……マジ暑い…」


「亜弥ちゃーんっ!!!」


「…やっと来た…。遅いんですけどぉー」
「ごめん!アイス買ったんだけど、来るまでに溶けちゃってさぁ」

テケテケと小走り気味に傍に来たアイツ。
その手には某有名なカップの氷アイスが握られていて。
どうやら最初に買ったのはクリーム系のだったらしく
ここに来るまでにダラ〜ッ…ってことになったそうな。
というか何でデート前にアイス?

「だって遅刻するの分かりきってたし」
「ちょっ――」
「だからお詫びに、って思って」
「……あのねぇ…」

ニコッと笑って、それが当たり前みたいに話された。
だけど私的にはあまり素直に喜べない。
こんな猛暑の中を日陰のない待ち合わせ場所で
飲み物も買えずに待たされたのだから。
65 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:17

「やっぱ怒ってる?」
「ふぇ?」
「さっきから無表情だから…」

『怒ってる?』そう聞かれると、実はそうでもない私。
いや普通なら怒っていて当然なんだけど。
何故か今はそんな気分よりも、もっと強い感情が…。

「――怒ってない、怒ってないよ全然」
「え、ホントっ?」
「うん。てか来てくれて…嬉しかった…」
「へっ?」

この気温この天気だし、イヤになったかなとか
他の予定入っちゃったのかなとか
よくよく考えれば待ってる間は不安でいっぱいで。
コイツが視界に入った瞬間、ムカつくよりももっと
ホッとした。頬が緩んだ。すっごくすっごく




嬉しかった。





66 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:18
「てかアイスちょうだいよ、溶けるから」
「え?あ、うん」
「んで早く行こう!時間勿体ないっ」
「…うん!」

キョトンと目を丸くしてるコイツの手を握る。
私よりも暑くて、めちゃくちゃ湿ってる手。

あぁ…そういや走ってきたんだっけ……。

そう思うと何だか不思議なことに、
39度の中を手を繋いで歩いてる今は
全然暑苦しさが嫌に感じなくなった。
67 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:19




きっと理由はそれだけじゃないだろうけど





68 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:19
「ねぇ」
「ん〜?」
「アイス持って。手が濡れる」
「えーっ」


目的地に着く前に
氷アイスは
汗でカップを濡らしていた




FIN
69 名前:真夏日 投稿日:2007/02/17(土) 22:19
70 名前:uo 投稿日:2007/02/17(土) 22:21
名前は出てませんがもう一人は藤本さん。
といことで松藤でした。気分は去年の夏で。
まるで季節感のない作者に見えてきますが気にしない方向で。
ではでは。
71 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/20(日) 06:17
お待ちしてます

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