immoral conduct 5
- 1 名前:たまえす 投稿日:2007/01/29(月) 20:30
- 前スレ
ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/mirage/1147870582/l50
immoral conduct 4 の続きになります。
- 2 名前:たまえす 投稿日:2007/01/29(月) 20:33
- 性懲りも無くまた立ててしまいました。
引き続き支離滅裂になるとは思いますが、ご容赦の程宜しくお願い致します。
- 3 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:09
- 合格の通知を頂いてすぐに美貴ちゃんに連絡をして。
亀ちゃんとれーなからお祝いの電話をもらった後で、合格の報告をしに会社へ向かう。
お世話になった方々にお礼をして帰ろうとした時・・・・・
「・・・紺・・・ちゃん?」
不意に声を掛けられて顔を上げると、そこには。
「やっぱそうだ・・・・・紺ちゃん久し振りじゃーん、大学受かったんだって?・・・おめでとー」
「あ、あ〜〜・・・・ありがとう・・・・でも情報が早いですねぇ」
「たんからメールが来たよ?ここに来る途中で」
「ほぉ」
「だからさ、直接お祝いを言いたいから紺ちゃんに会わせろってメールしたら・・・
んしょ・・・・え〜っと・・・・ほら、あんにゃろーこんな返事をよこしやがって」
目の前に差し出された携帯の画面を見てみると・・・・・
- 4 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:10
- 「えぇ〜〜?何これぇ〜〜」
そこにあったのは変な顔文字。
「ね?・・・そっくりっしょ」
「・・・・・・へ?」
「あれ・・・・知らなかったんだ・・・これ紺ちゃんだよ?」
「うそぉ〜・・・私こんな・・・・あ、でも言われてみれば・・・・似てるかも・・・」
「まぁ〜るいほっぺなんかそのまんまじゃん」
「はぁ・・・・・・・でもなんか面白い」
「じゃあ後でこのメール紺ちゃんの携帯に転送しといてあげる。・・・・あ、そーだ
・・・あのさ・・・・いつも美貴たんと会うのを許してくれてありがとね」
- 5 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:10
- まさか亜弥ちゃんからそんな事を言われるなんて思ってなかったから本当に驚いた。
「いや・・・あの・・・許すとか、そんなのおかしいですよ」
「ううん・・・だってさ、紺ちゃんはあたしが美貴たんの事が好きだって知ってる訳じゃん?」
「あ〜・・・・まぁ・・・・」
「あたしなら・・・自分の彼女に好意を持っている人には近づいて欲しくないって思うもん
・・・・でも紺ちゃんはさ、そんなわたしにさえ優しくしろってたんに言ってくれたんでしょ?」
「だって、人を好きになる気持ちは誰にも止める事なんてできないって思うし・・・そりゃー
やきもちも全く無い訳じゃないけれど、それよりも美貴ちゃんを好きでいてくれることの
方が嬉しいから」
きれいごとって言われるかもしれないけど、でもこれが私の正直な気持ちだから。
「・・・・・紺ちゃん」
- 6 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:11
- ふわっといい香りが近づいて来たと思ったらいきなり抱き締められて。
「あわわ・・・・あの・・・ちょっと・・・・」
「たんの好きな人があんたみたいな優しい子で良かった」
「そんなこと・・・・」
「ううん、もうずっと前だけど・・・美貴たんに好きな人がいるんだって打ち明けられた
時はね、どんなことをしてでもたんを自分の方に振り向かせようって思ったし、その
相手が紺ちゃんだって知った時には絶対に負けるもんか、渡すもんかって思った」
「・・・・・・」
「でもね、ずっと二人を見ているうちに考えが変わったの。愛し合うって、こういう事
なのかな〜・・・・・ってね」
亜弥ちゃんの落ち着いたトーンが私の胸に染み渡る。
- 7 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:12
- 「見た目はホワァ〜ンてしてる紺ちゃんなのにね・・・・だけど、たんを思う気持ちは
ホント凄いと思う。 ん〜・・・何てゆーか、ビシッとくるんじゃなくてさ、ふわっと包み
込まれる感じなんだよね」
「そんな・・・・」
「いつだったっけ・・・ほらあの時、すっごい寒い日の夜に美貴たんのマンションの下で
一人で泣いてた事があったっしょ」
「あ〜・・・」
「今思えば、もしもあの時わたしが知らん振りして通り過ぎて美貴たんの事を慰めて
いれば、もしかしたら違うストーリーになってたのかもしんない」
「・・・え?」
「でもね、できなかったんだ。・・・たんの名前を呼びながら泣きじゃくっている紺ちゃん
に気付いた時、こんな純粋な子がまだいたんだって思って・・・正直すっごいショック
だった・・・・完全に負けたと思った」
「・・・そんな」
- 8 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:12
- 「あの頃のわたしって怖いもの知らずでさ、何でも自分の思い通りに行かないと気が
済まなかったんだ。ホント生意気だったなぁ・・・でもそんなわたしに思いやりを気付か
せてくれたのは紺ちゃんなんだよ?」
「・・・・・え?」
「・・・あの時ね、実を言うと・・・泣いてる紺ちゃんのことをしばぁ〜らく眺めてたのね?
・・・そしたら、紺ちゃんがす〜〜っごく可愛く思えてきちゃって、嫉妬心よりもこの子を
何とかしてあげなきゃって思っちゃった」
「亜弥ちゃん・・・・」
「初めてだよ、他の誰かの幸せを願ったのって。・・・これ、たんにはナイショだけどさ・・・
いま紺ちゃんにす〜〜っごく興味があるんだよね」
「・・・・・へ?」
「だぁ〜〜ってさぁ、あの藤本美貴をだよ?ここまで惚れさせた紺野あさ美って女の子
には、一体どんな凄い魅力があるんだろうって」
- 9 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:13
- 「な・・・・ないない、無いよそんなの・・・」
「嘘だね・・・・あるよ絶対。・・・だってさぁ・・・たんのやつ、どんなにわたしが誘惑したって
全然なびいてこないし」
「ゆ・・・・・誘惑って・・・」
「ん?・・・先々月だっけか、たんをうちにお持ち帰りした時だって、一緒にお風呂に入って
色仕掛けをしてもさ、人のおっぱい揉んでおいて紺ちゃんのおっぱいの方がいいなんて
言いやがったし」
「・・・揉んで・・・って・・・うそ〜」
寸止めのはずの正拳突きが顔面にヒットした時のような軽い眩暈に襲われた。
「あ、ちょっと大丈夫?・・・・・え・・・・まさか・・・・たんから聞いてない?」
「・・・・・うん」
- 10 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:14
- 「あっちゃ〜〜・・・ごめん、紺ちゃんには全部話してるって言ってたから、てっきり知ってる
ものと・・・・あんにゃろ〜〜、あの・・・・あのさ、たんを責めちゃダメだよ?・・・誘惑したの
はわたしだかんね?」
ちょっとだけびっくりしたけれど、でも積極的な亜弥ちゃんの前でオロオロしてる美貴ちゃ
んを想像したら、何だかとてもおかしくなってきて。
「プッ・・・クスクス・・・・あはははは・・・」
「だ、大丈夫?」
「うん・・・クスクス・・・へーき。・・・また美貴ちゃんの事、可愛がってあげてね?」
「へ?・・・・・え・・・・い・・・・いいの?」
「うん、だって亜弥ちゃんだもん」
「ん?・・・それって、どーゆー捉え方をしたらいいんだろ」
- 11 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:15
- 「んふ、だって亜弥ちゃんは亜弥ちゃんだもん・・・・しょーがないよ、好きなんだもん」
「やっぱ普通じゃないわこの人」
「どーして? 美貴ちゃんはもちろん好きだけど、美貴ちゃんを好きな亜弥ちゃんも好きなんだもん」
「そーなるわけか・・・・」
「うん。・・・で、そんな亜弥ちゃんを好きな美貴ちゃんもまた好きだし・・・」
『おーい松浦、そろそろ行くぞー』
「はぁ〜い、今行く!・・・・そんな美貴たんを好きな紺ちゃんも・・・・好きだよ・・・」
・・・チュッ!
「な・・・・」
「へへぇ〜イタダキ!・・・・またゆっくり会って話そうよ・・・そんじゃ、まったね〜バイバイ」
- 12 名前:One and only 投稿日:2007/01/29(月) 21:16
- さっと踵を返すと、後手に軽く手を振りながら颯爽と去ってゆく亜弥ちゃん。
・・・・・カッコいいなぁ。
でも・・・・・いまキスされちゃった・・・・
わっ・・・・・・あわわ・・・どーしよう・・・・
恐らく真っ赤になっているであろうこの顔を他の人に見られないように、慌てて私も会社を後にする。
外の冷たい風が、火照った頬から熱を奪い去ってくれる。
ふぇ・・・・・・
これじゃ・・・美貴ちゃんが亜弥ちゃんのおっぱいを揉んだことも怒れないよ〜・・・
いいえ・・・やっぱり、それとこれとは別よ。
絶対に、今晩来てくれるまで起きてるんだから。
- 13 名前:たまえす 投稿日:2007/01/29(月) 21:30
- 毎回新スレを立てる度に、今度こそこれで終わるんだ・・・と思いつつ達成
できないこの意思の弱さ・・・
実は今回も前スレで幕を引こうと密かに思っていたにも係わらず、たまたま
偶然参戦した横アリに予想もしていなかった誰かさんが降臨してしまったが
為に、そんな決意は脆くも崩れ去ってしまいました。
相変わらずの内容ではございますが、引き続きまったりお願い致します。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 14 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/30(火) 00:51
- 新スレおめでとうございます。
読ませて頂いてる側としましては、いつまでも続いて欲しいところです。
いっその事、誰かさんが学校を卒業して戻って来てくれるまでとか(笑)
次回の更新も楽しみにしております。
- 15 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/30(火) 03:28
- 新スレおめでとうございますー。
紺美貴大好物ですが、密かに今回の組み合わせも好きだったりするので
意外性のドキドキと一緒になって非常に楽しかったです。ごちそうさまでした。
それから、作品に幕が引かれなかったことに安心しました。ヨカッタヨカッタ。
某誰かさんをその場で見られたそうで、羨ましいかぎりです。
写真で見るとちょっと大人びたような…そうでもないような?
たまえすさんはどう思われたんでしょうか。
- 16 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/30(火) 16:50
- 新スレおめでとうございます。
某誰かさんなんていいタイミングで登場してくれたんでしょう。
出来るだけ長く読んでいたいです。
- 17 名前:446 投稿日:2007/02/01(木) 02:58
- たまえすさん、更新乙です。新すれおめでとうございます。
自分も某誰かさんの登場を知りPCの前でひっくり返ってしまいました。
思えば押しCPもいないのにこの作品にはまり、ここがきっかけでDDに拍車が
かかり、気がついたら専ブラのお気に入りに登録しているこの作品が読めるのを
嬉しく思います。おそらく作者さんがヲタ引退しないかぎりこの作品が続くと思ったのは
私だけだはない筈です。
- 18 名前:One and only 投稿日:2007/02/02(金) 22:03
- 温かいはずのお風呂の中に冷たい空気が流れた。
固まったままの美貴ちゃんの膝から降りると、向かい合うように座り直す。
「美貴ちゃん、私の目を見て?」
「う・・・・・うん・・・・」
でも・・・・視線が合いそうになると、またスッと逸らされる。
どうやら、亜弥ちゃんが言っていた事は本当らしい。
「私に隠し事はしないって、言ってくれたよね」
「うん・・・・・」
でもまぁ・・・
- 19 名前:One and only 投稿日:2007/02/02(金) 22:04
- 隠し事とは言っても亜弥ちゃんちに泊まるっていうメールは確かにもらったし。
だったら亜弥ちゃんに誘惑されるであろう事も容易に想像が付いた訳で。
段々泣きそうな顔になってきた美貴ちゃん。
可哀想だからこの辺で許してあげようかな・・・・・・
「紺ちゃんごめん・・・・でも、仕方が無かったんだ・・・・」
そりゃそうよね。
あの亜弥ちゃんに面と向かって迫られたら、ちょっと逃げるのは無理かも。
それに、美貴ちゃんには私の受験のせいで随分寂しい思いをさせちゃったし。
そんな美貴ちゃんの気を紛らしてくれたのなら、かえって亜弥ちゃんにお礼を言わ
なくちゃいけないのかもしれない。
- 20 名前:One and only 投稿日:2007/02/02(金) 22:04
- 「美貴ちゃん・・・もういいよ・・・」
そう言ったら、美貴ちゃんはギュッと私の手を握って・・・
「ううん、やっぱ紺ちゃんには言わなくちゃ」
「でも、美貴ちゃんは私に気遣ってわざと言わなかったんでしょ?・・・受験に
差し支えると思って・・・」
「まぁ・・・それはそうなんだけど・・・でも隠し事には違いないから・・・」
やっぱり、亜弥ちゃんから聞いたって事を打ち明けた方がいいかな・・・・
「あの・・・・あのね美貴ちゃん・・・実は私、本人から聞いて知ってたの」
一瞬、驚きの表情を浮かべた美貴ちゃん。
- 21 名前:One and only 投稿日:2007/02/02(金) 22:05
- でも、すぐにいつもの穏やかな顔に戻って。
「チッ・・・なぁ〜んだ・・・おしゃべりだなぁあいつ・・・二人だけの秘密だよって言ったのに」
「でもね、自分のせいだから美貴ちゃんを責めないでって言ってた」
「へー・・・・そんな事言ったんだ・・・・大人になったね・・・・・重さんも」
そりゃそうよ、だって亜弥ちゃんはもうハタチなんだし・・・・・・・・・・ん?
・・・・・・・・・しげさん?
「・・・・・・えぇっ!???? しっ・・・・・しげさん〜〜!?」
「どしたの?」
「え・・・だって・・・今のって、亜弥ちゃんの事じゃなかったの?」
「あ・・・・・・・・・・・・」
私を見詰める美貴ちゃんの表情が、みるみるうちに青ざめて行った。
- 22 名前:たまえす 投稿日:2007/02/02(金) 22:06
- >>14 名無飼育さん様
ありがとうございます。
ここまで続いたのが何かの間違いみたいなものなので
卒業まではちと厳しいかと・・・(^^;
>>15 名無飼育さん様
ありがとうございます。
情けない話しですが、石川さんから紹介された名前を聞いた瞬間
視界が滲んでしまい、拭っても拭っても溢れて来る始末。
全然変わっていませんでしたよ。
しいて言うなら、さらに清楚感が増した・・・かな?
- 23 名前:たまえす 投稿日:2007/02/02(金) 22:07
- >>16 名無飼育さん様
ありがとうこざいます。
確かに絶妙なタイミングで登場してくれました。
ほぼ書き上がっていた前スレエンディングを、夜公演帰りの電車の
中で全て削除してしまったほど絶妙に・・・
>>17 446様
ありがとうございます。
ひっくり返ってお怪我はありませんでしたか?
でも、本当に誰も予測していなかった事と思います。
DDという用語の意味を知った時は、上手い事を言うなぁ・・・
と真面目に関心しましたが、まさか自分がそう呼ばれる事に
なろうとはw (・・・らって、好きなんらもん!)
いつまで続くかは私にもわかりません。
・・・今回の様に色んな意味で意思が弱いので(^^)
- 24 名前:たまえす 投稿日:2007/02/02(金) 22:10
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 25 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/02/03(土) 23:05
- いやーここのミキティは墓穴掘りが上手だなぁw
- 26 名前:One and only 投稿日:2007/02/06(火) 22:07
- ・・・・ちょっと待って。
と言う事は・・・・・
美貴ちゃんは重さんと一緒にお風呂に入った事があって・・・
しかも抱き締めてキスまでしたの?
でも、キスって言ってもメンバー同士ふざけてすることなんか良くある事じゃない。
あぁ!・・・・・・そーだ忘れてた・・・・・
そう言えば亀ちゃんから電話をもらった時に、美貴ちゃんが重さんに本気でキス
をしてるって言ってた・・・・・
・・・・本気のキスって・・・・
私の大好きな・・・あの美貴ちゃんのキスを・・・・私以外の人と?
- 27 名前:One and only 投稿日:2007/02/06(火) 22:08
- ・・・・・信じたくない。
信じたくないよそんなの。
でも・・・・・・・・。
現に目の前の美貴ちゃんは、どう見ても悪い事をしたのがお母さんにバレた時の
子供の様な目をしている訳で。
「美貴ちゃんが・・・・浮気・・・・」
「違うの!」
「今日だって、重さんと本気でキスしてたって・・・・・」
「・・・・あ・・・・・それは・・・・・その・・・・つい嬉しくて暴走したとゆーか・・・」
しどろもどろな美貴ちゃんが、更に嫉妬心を加速させる。
- 28 名前:One and only 投稿日:2007/02/06(火) 22:09
- 「私・・・・信じてたのに・・・・・」
あまりの悔しさに涙が溢れてくる。
「紺ちゃん・・・・・ごめん・・・・」
・・・・認めるんだ。
何よ、言い訳もしてくれないの?
・・・・ううん違う、美貴ちゃんが甘えん坊で寂しがり屋なのは私が一番知ってる筈なのに。
そんな美貴ちゃんに寂しい思いをさせてしまったのは他でもないこの私なんだから。
私に美貴ちゃんを責める資格なんか無い。
自分に対する悔しさと情けなさが一気に膨らんで、気持ちはどこまでも真っ逆さまに
落ち込んで行く。
- 29 名前:One and only 投稿日:2007/02/06(火) 22:09
- 「ごめん・・・ね・・・泣かないで・・・・・ほら、取り敢えず上がろう・・・・・ね?」
泣き崩れる私を優しく抱き上げてはくれるけれど・・・・
「うぐっ・・・・わ・・・・私・・・エグッ・・・自分の事しか・・・・考えて無かった・・・」
自分が大学に合格することしか考えていなかった。
半年も美貴ちゃんをほったらかしにして。
もっとどうにかして一緒の時間を作るべきだった。
「そんな事無いって・・・・・紺ちゃん違うんだってば」
「・・・自業自得だね・・・・うぅぅ・・・夢のためとか言って美貴ちゃんの気持ちをないがしろ
にして・・・・エグッ・・・合格はしたけれど・・・わたし・・・一番大切な物を・・・失っちゃった
みたい・・・・うわぁ〜〜」
- 30 名前:One and only 投稿日:2007/02/06(火) 22:10
- 「あ〜・・・もーどーしよう・・・・違うんだってば・・・全然そんなこと考えた事なんて無いし、
なんにも失ってなんか無いって」
「みぎじゃん・・・・ごめんなさい〜」
ギューッと強く抱き締められるほど切なくなってくる。
「ほら、お部屋に行こう・・・あったかいお部屋で少し落ち着かないと・・・」
自分で別れたくないなんて言って勝手に美貴ちゃんを繋ぎ止めておいて、その挙句がこれ?
我がままにも程があるよね。
・・・・重さんか・・・・意外だったな・・・浮気なら、てっきり亜弥ちゃんだと思ってた。
でも、重さんで良かった・・・・いい子だもん。
そんな事を考えながらふと気付けば、何時の間にかパジャマを着てお部屋に座っていた。
- 31 名前:One and only 投稿日:2007/02/06(火) 22:11
- 〜 〜 〜 〜 〜 〜
・・・確かに黙っていた美貴も悪いっちゃ悪いんだけど。
まさか何ヶ月も前の亜弥ちゃんの事を言っていたなんて思いもしなかった。
でも、亜弥ちゃんとの事はどうして知ってるんだろ・・・・・
亜弥ちゃんとだって会っちゃいねーだろ。
いや、確かに本人から聞いたって言ってたよね・・・・
いつだ?
まぁ・・・どーでもいいや、今はそれどころじゃないし。
思い切り誤解をしてしまった挙句、自分を責めて泣き崩れた紺ちゃん。
しっかし美貴も学習能力が無いというか・・・どーして立て続けに二度も墓穴を掘るかなァ。
- 32 名前:One and only 投稿日:2007/02/06(火) 22:11
- いっつも思うんだけど、何で美貴はこういう時に限って全く勘が働かないんだろう。
思考回路がハングしたのかフラフラになっている紺ちゃんをバスルームから連れ出す。
バカだなぁ・・・・・どうしてあんな余計な事を言っちゃったんだろ。
まぁいくら後悔をしても、既に手遅れな訳で。
プリプリの裸身に見惚れるのも忘れてピンクのパジャマを着せると、抱き抱えて部屋
に連れて行く。
ソファーからクッションを一つ取って床に置くと、お尻を沈めて紺ちゃんを膝の上に座ら
せてギュッと強く抱き寄せる。
・・・絶対に離すものか。
顔を覗き込むと、伏した目からはまだ時折涙が滴り落ちている。
- 33 名前:One and only 投稿日:2007/02/06(火) 22:12
- 紺ちゃんを泣かせてしまう度に、二度とこんな悲しい思いはさせないって誓ったはず
なのに、何回同じ過ちを繰り返せば気が済むんだろ。
できるだけすれ違いにならないように、会えない間は極力毎日起きた出来事をメール
や電話で伝えてはいたんだけど。
でも、メンバーの個人的な相談事や精神面に対するケアまでは伝えてはいなかった。
分かってくれる・・・紺ちゃんなら分かってくれるはず・・・・
何時間掛かったっていい、絶対にこの誤解を晴らしてみせる。
大きく一つ深呼吸をして自分自身の心を落ち着かせると、できるだけ優しく話し掛ける。
「紺ちゃん、美貴の話を聞いてくれる?」
- 34 名前:たまえす 投稿日:2007/02/06(火) 22:13
- >>名無し飼育さん様
ありがとうございます。
>いやーここのミキティは墓穴掘りが上手だなぁw
まぁあまりに完璧人間だと愛嬌がないかなと・・・(^^;
- 35 名前:たまえす 投稿日:2007/02/06(火) 22:14
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 36 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/02/06(火) 23:38
- いつも更新楽しみにしています。
今でもこんこん卒業のDVD見ると「ハミ紺」やら
セレモニーでの美貴様の「このぱんつ…」が事実のように
思えてきます。すっかり、たまえすさんの世界に引き込まれてしまいました。
これからも、たまえすさんのペースで頑張って下さい。
- 37 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:17
- 紺ちゃんなら、ちゃんと話せば分かってくれる・・・
決して美貴は下心やいい加減な気持ちで重さんと接した訳じゃないんだって事を。
そう信じて、全てを腕の中の温もりに打ち明けた。
「重さんはね、紺ちゃんが卒業しちゃった事にすごくショックを受けていたんだ。
密かに心に決めてた目標が急に無くなっちゃって宙ぶらりんになっちゃったんだと思う」
「・・・・グスッ・・・・目標・・・・・・私?」
「うん、入ったばっかりの不安な時に…しげさん大丈夫?…っていつも声を掛けて
くれた紺ちゃんの優しさに凄く助けられてたって」
「私も・・・何をやっても駄目でしょっちゅう飯田さんに怒られて。すっごい落ち込んだ
時に、やっぱり後藤さんや石川さんとかにそうやって助けてもらったし・・・特に石川
さんは二期タンポポで同じ辛い経験があったからって、とても心配してくれて・・・」
- 38 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:18
- 「本当に嬉しかったって。自分も後輩が出来た時は、紺ちゃんみたいな先輩になる
んだって決めてたんだって」
「・・・・そんなの知らなかった」
「見ていて随分自分と重なる部分があったって言ってたよ?だけど、かなり美貴に
遠慮してたらしい。本当はね、もっともっと紺ちゃんと仲良しになりたかったって」
「それじゃ・・・もしかして美貴ちゃんに嫉妬してたとか・・・・」
「ううん、そういう点では重さんはいい子でね、いつも紺ちゃんとラブラブの美貴が
羨ましかったって」
「・・・そっか」
「うん。ミュージカルが終わった頃からかな・・・少し様子がおかしいなって思ってて、
あの時たまたまホテルが一緒の部屋になったからチャンスだって思ってお風呂に
誘ったんだ」
- 39 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:19
- 「・・・重さん、恐がらなかった?」
「あのね・・・・・まぁ、最初はすげー驚いてたけど、背中を流しながら・・・もし良かった
ら重さんの悩みを美貴に話してみない?って聞いたの。そうしたら少しずつさっきの
紺ちゃんの話しをしてくれてね」
「そうだったんだ」
「うん、でも美貴に打ち明けた事で紺ちゃんのいない現実を、寂しさを思い出しちゃった
らしくて。誰かが卒業する度に同じように寂しい思いをしなくちゃならないのが辛いって、
わんわん泣き出しちゃってね。だからさ・・・別に卒業したって、またいくらでも会える機会
なんてあるよって。・・・そう、それで美貴は紺ちゃんを慰めたい時や落ち着かせたい時に
は、いつもこうしてあげるんだよって・・・優しく抱き締めてキスをしてあげたんだ。そうした
らようやく泣き止んでくれたの」
「美貴ちゃんのキスは魔法だから」
「・・・まさか美貴がそんなことをするなんて思わなかったんじゃない?・・・キョトンてしてさ、
さゆみにも紺野さんと同じようにしてくれるんですか?って」
- 40 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:20
- 「クスッ・・・・・やっぱり、日頃の行いがね・・・・」
「あんだって?」
「あ〜〜ごめんなさい・・・クスクスッ」
「はぁ〜・・・やっと笑ってくれたね、さっきはど―なる事かと思った」
「・・・ごめん」
「いいって・・・だからね、美貴にとっては重さんだって、メンバーとして紺ちゃんと同じ
くらい大切なんだよって」
「・・・美貴ちゃん」
「美貴が紺ちゃんを慰めるのと同じように優しくしてくれたっていうのが重さんにとって
は本当に嬉しかったらしいの」
「・・・・うん、ホントに美貴ちゃんのキスは効果絶大だもん」
- 41 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:20
- 「憧れの紺ちゃんと一緒だしね」
重さんが私の事をそんな風に思っていてくたなんて全然知らなかった・・・
・・・・そこまで気付いてあげられなかった自分がなんとなく情けなく思えてきて。
また涙が溢れてきた。
「え・・・ちょっと紺ちゃん、もう泣かないでよ」
「だって私・・・・・もう何もしてあげられない・・・」
「何でよ・・・・・違うよ紺ちゃん、これでいいんだって」
「でも、重さんの気持ちをちゃんと解ってあげられなかった・・・・グスッ」
「ううん・・・ちゃんと見ていたから、重さんの気持ちにちゃんと気付いた、だからこそ
・・・・重さん大丈夫?・・・って声を掛けてあげられたんでしょ?」
- 42 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:21
- 「でも・・・・・ちゃんと解決したかどうかまでは気にしていなかったし・・・・てっきりそう
いう悩み相談は飯田さんにしてると思ってたから」
「うん・・・美貴もそう思ってたし、他のみんなもそうだと思う」
「でも違ったんだ」
「始めの頃はそうだったのかもしんないけどさ、重さんも色々と経験を積んでいくうちに
飯田さん自身も悩みや苦しみを抱えながら自分の相談に乗っていてくれた事に気付い
てね、これ以上飯田さんに負担を掛けちゃいけないって思ったらしいんだ」
「あ〜・・・・わかる」
「それに、後輩の久住が入ったじゃん?だから自分もいつまでも甘えてはいられないって」
「そっか・・・・でも、飯田さんなら例の変な力で何とかならなかったのかなぁ」
「どうだろう、でもそんな重さんの気持ちに気付いてて、わざと突き放したのかもしんないし」
「・・・・・そんな酷い」
- 43 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:21
- 「ううん違うよ、飯田さんだってホントの気持ちはさ、優しく重さんを抱き締めてキスしたい
に決まってる。だってさ、ここだけの話しだけど・・・重さんはキスを受け入れるのがヤケに
自然で上手かったし」
「うそ・・・意外だ・・・」
「うん、美貴も驚いたけど、でもあれは相当キスをされ慣れてると見た。あの時はとにかく
落ち着かせなきゃって思ってかなり思い切ったキスをしたんだけど・・・抵抗するどころか
逆に絡めてきたからね。・・・・とゆー事は多分、教えた相手は・・・・・ね?・・・だけど、それ
でも飯田さんは将来の事を考えて、敢えて重さんが自分で解決できるように導こうとした
のかもしんないし、もしかしたら今のメンバーの中で解決しなさいっていう飯田さんなりの
親心だったのかも」
「なるほど」
「昔に比べると、今のメンバー同士の関係って上下よりも横の繋がりになってると思うんだ」
「うん」
- 44 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:22
- 「だから、これは重さんよりもむしろ、よっちゃんや美貴、愛ちゃんみたいに娘。を
引っ張って行かなければならない人間に対する飯田さんなりの指導なのかなって」
「う〜ん・・・・難しいね・・・・」
「自分だけじゃなくて、もっと大きな目で娘。を見ろと・・・・メンバーを見ろと」
「そっか」
「ほら、たまにメンバー同士で何かおかしいって気付いてメールすることとかあるじゃん?」
「うん・・・・嬉しいんだよね、あ〜・・・自分を見てくれてる人がいるんだって」
「でも、その後のフォローやケアって殆どしないじゃん」
「・・・・・・言われてみれば」
「自己解決したつもりになっててもさ、ちゃんと納得出来て無かったりすると、うやむやに
なって残ったやつが不安やストレスとなってどんどん溜まっていって、気付かないうちに
心を押しつぶしていくんだ」
- 45 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:23
- 「・・・・だから」
「うん、メンバーによってはちゃんと不安を取り去ってあげられるようなケアも必要なのかなって」
「でも・・・・やっぱ難しいよね」
「まぁ、美貴なりに考えたんだけど・・・あの方法しか思い付かなかったんだよね・・・こっちが
構えていたら重さんだって話し辛いだろうし、文字通り一肌脱いで・・・ってね」
「・・・一肌脱いで・・・抱き締めてちゅーして?」
「だからゴメンって・・・・・だってそれしか思い付かなかったんだもん」
「クスクス・・・もう怒ってないよ」
「紺ちゃんだって・・・・飯田さんが重さんを特別気に掛けていたのと同じように、見守って
くれてた先輩がいるじゃん」
「・・・・・・・え?」
- 46 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:24
- 「例えば・・・・・・ごっちんとか」
「後藤さん?」
「だって、好きだったんでしょ?」
「あ・・・でも、好き・・・・・ってゆーか、憧れで・・・・・」
「ミュージカルのリハーサルの時だったかな、梨華ちゃんから聞いたんだけど・・・・ごっちん
はね、紺ちゃんに・・・真希ちゃん・・・って呼んで欲しかったんだってよ?」
「え?・・・・・え?・・・」
「でも何度頼んでも後藤さんのままだったって、梨華ちゃんはそーとー愚痴られたらしい」
「あぁ・・・・・後藤さんに言われた事ある・・・・で・・・でも・・・そんなの恐れ多くて・・・・」
「ごっちんはね、もっと紺ちゃんと話しがしたかったって・・・・もっといろんな事を教えてあげた
かったって言ってたってさ」
「うっ・・・・・・うぅぅ・・・・・・」
- 47 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:24
- 「でも紺ちゃんはさ・・・・やっぱり梨華ちゃんに遠慮してた部分もあったでしょ?」
「だって・・・グスッ・・・」
「重さんの場合だってそれと全く同じなんだよ」
「・・・・そうかなぁ」
「先輩は後輩を見ながら、後輩は先輩を見ながらお互いに成長していくんじゃない?」
「・・・・うん、そうだね・・・・そうかもしんない」
「よしよし・・・いい子だね、紺ちゃんは」
「美貴ちゃんは?」
「・・・ん?」
「どの先輩を見て成長したの?」
- 48 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:25
- 「う〜〜ん、そーだなぁ・・・・亜弥ちゃんかな」
「ふう〜〜ん・・・・」
「あ・・・・今ほっぺが膨らんだ」
「違うもん」
「もしかして・・・ヤキモチ?」
「しんない!」
「んもぉ〜〜〜〜かっわぅいぃ〜〜〜!」
ピンクのパジャマをもう一度しっかりと抱き直して。
プクプクのホッペにスリスリ。
「こぉ〜〜んちゃん♪」
- 49 名前:One and only 投稿日:2007/02/12(月) 15:26
- 「・・・・・・で?」
「え?・・・・なぁに?・・・で・・・って」
「まぁ重さんはしょーがない、許すとしてデスネ・・・・尊敬する松浦先輩のおっぱいの揉み
心地はどうでしたか?さぞ柔らかかったんでしょうねェ」
「うん♪・・・そりゃ〜もう・・・・・ムニュって・・・・・・・あ」
「何よ、そのいやらしい手つきは・・・」
「あぁっ!・・・あ・・・・あの・・・・・いや・・・違うって・・・これは・・・その・・・」
どーして亜弥ちゃんの胸を揉んだ事までバレてるの!
思い返せば事の発端は亜弥ちゃんだった訳で。
紺ちゃんの誤解が解けた事で安心しちゃって、全く油断をしていた美貴は・・・
適当にばっくれとけばいいのに、つい素で返してしまってまたまたしどろもどろ。
腕の中にはジト目の紺ちゃん。
手に甦ってきたマシュマロ亜弥πの感触とは裏腹に・・・
顔からサァ〜〜ッと血の気が引いて行くのを感じた。
- 50 名前:たまえす 投稿日:2007/02/12(月) 15:27
- >>36 名無飼育さん様
ありがとうございます。
とりとめの無い妄想ワールドではございますが宜しくお願い致します。
- 51 名前:たまえす 投稿日:2007/02/12(月) 15:27
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 52 名前:無名し読者 投稿日:2007/02/12(月) 18:55
- 新スレおめでとございます。
一難去ってまた一難
がんがれミキティ
横アリの紺ちゃんを見られたそうで 羨ましい限りです。
このスレが終わらなかった事にホッとしました(^^)
これからも楽しみにしております
- 53 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/02/17(土) 10:28
- >>37
2期やなくて3期
- 54 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:53
- またまた青くなった美貴ちゃん。
「あ・・・あの・・・ごめん!」
・・・・あは、認めちゃった。
だってねぇ・・・・いま手がモミモミって動いてたし。
「美貴ちゃん?」
「は、はい!」
クスッ・・・何で・・・゛はい″・・・なの。
どうやら、また私が怒ったと思っているらしい。
「正直なところ、私の胸と亜弥ちゃんのと・・・どっちが触り心地が良かったの?」
- 55 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:54
- 「え゛っ?・・・う、う〜〜ん・・・どっちかって言われれば・・・そーだなぁ・・・やっぱり紺ちゃん」
そう言ってくれるだろうとは思ってたけれど、即答じゃなかったのがイマイチ面白くない。
・・・・ちょっとイジメちゃお。
「でも、亜弥ちゃんのだっておっきくて柔らかそうだし、美貴ちゃん好きそうじゃない?」
「んっとね、それぞれに魅力はあるんだけど・・・・亜弥ちゃんのってホント柔らかいの。
・・・でもちょっとやわ過ぎなんだよね・・・・やっぱり美貴は、柔らかい中にも指先を押し
返してくるような張りのある紺ちゃんのおっぱいが好き」
・・・ちょっと嬉しいかも。
でも・・・・・
「そこまで分析が出来るほど亜弥ちゃんをモミモミしちゃったんだ」
- 56 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:54
- 「えぇ?ちぃ〜がうって・・・・」
「・・・ホントかなぁ」
「あの・・・・・怒ってる?」
チラチラと私の顔色を伺って、何だか不安そう。
「怒ってないよ」
「・・・マジで?」
「うん、だって・・・亜弥ちゃんに優しくしてねって言ったのは私だもん」
「そりゃそうだけどさぁ・・・・・」
「ん?」
「そこまで優しさに入れちゃってもいいの?」
- 57 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:55
- 「だって、亜弥ちゃんに誘惑されることぐらい初めから判ってたし、美貴ちゃんが逃げ切
れるなんて思ってないもん」
「あ・・・・それって酷くない?・・・美貴だってかなり頑張ったんだかんね?」
「もっと触りたいのを我慢したんだ・・・」
「うん・・・・・ん?・・・・違う違う、だって酷いんだよ?あいつ、もうやめてって言ってるのに
さぁ・・・ムニュ〜〜って押し付けてくるんだから・・・もう立派なイジメだよあれは」
「・・・・押し付けるって、どこに?」
「え・・・・・・顔とか・・・・」
「ふぅ〜〜ん・・・いじめられた割には、なまら嬉しそうな顔をしてるんだけど・・・」
「え゛っ?・・・あ〜〜・・・・・・煩悩が・・・・」
プッ・・・・・・必死に自分の頭の上を手でパタパタ払ってる。
- 58 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:55
- 「いま・・・想像したんでしょ・・・・」
「うっ・・・・な・・・・ないない・・・無いって、有り得ないし」
大慌ての美貴ちゃんがなんか可愛い。
しかしまぁ・・・・亜弥ちゃんもそこまでしてたか。
でも、不思議と全く腹は立たない。
「今度さ、美貴ちゃんちに亜弥ちゃんを呼ぼうよ」
「・・・・は?」
「三人でお風呂に入ってぇ・・・・・三人で寝るの」
「はぁ〜〜〜?」
- 59 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:56
- 何を言い出すんだとばかりに口をあんぐり。
「どーしたの?・・・顎が外れるよ?」
「あぅ・・・・・あ、そう言えばさっきさ・・・本人に聞いたって言ってたじゃん・・・いつ亜弥ちゃん
に会ったの?」
「あ、逃げたな?」
「いーから」
「今日」
「はぁ?」
「さっきからそればっかだよ?」
- 60 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:57
- 「・・・・何時の間に」
「昼間亀ちゃんから電話をもらったっしょ・・・そんでその後にね、会社へ合格の報告とお礼を
しに行ったの。・・・・そこでばったり」
「そーだったんだ・・・・そう言えば、直接お祝いを言いたいから会わせろって言ってたっけ」
「うん、ちゃんとおめでとって言ってもらった。・・・ついでに抱き締められてキスされちゃった」
「ハァ〜〜?」
「ほらまた言った」
「・・・それ、ほんと?」
「うん・・・・いきなりチュッ・・・って」
「あっのヤロ〜〜〜美貴の紺ちゃんに手を出しやがって・・・許さん!」
- 61 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:58
- 「一応妬いてくれるんだ」
「だってさ、どーして亜弥ちゃんが紺ちゃんにキスをしなきゃいけないのよ」
「いいじゃない、美貴ちゃんだって何人もの人としてるんだから」
「そんな・・・・・ゴニョゴニョ・・・・何人も・・って訳じゃ・・・」
「じゃあ・・・今まで誰としたのか言ってみてよ」
「え・・・・・・紺ちゃん」
「知ってる」
何気に振ってはみたものの、やっぱり否定をしてくれない美貴ちゃんに、ちょっとだけ怒った
振りなんかしてみたりして・・・
「いや・・・・ほら・・・・その・・・・分かった、言うから・・・言うから怒っちゃヤ〜だ」
- 62 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:58
- 「じゃあ、まずディープ・キスをした人からどーぞ」
「え゛っ・・・・そこまで言わなきゃ駄目なの?」
「だって・・・隠し事はしないって言ったのはだ〜れ?」
「・・・・美貴」
「ハイどーぞ」
「ん・・・・・・えっと、紺ちゃん・・・」
「だから知ってる!」
「わゎっ・・・ごめん、言うから・・・ちゃんと二人とも言います」
・・・・やっぱり。
「・・・・・で?」
- 63 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 11:59
- 私を抱き締める美貴ちゃんの腕に、ギュッと力が入った。
「んっと・・・・だから・・・・ディープ・キスは重さんと・・・」
亜弥ちゃんか・・・・
「・・・・愛ちゃんだけ」
そっかそっか。
・・・・・ん?
・・・・・・・・なんですと?
あは・・・・・そうよね、私の聞き間違いだよねきっと。
でもいちおー念のため確認確認・・・・・
「重さんと・・・・・亜弥ちゃん?」
「ううん、重さんと愛ちゃん」
- 64 名前:One and only 投稿日:2007/02/17(土) 12:00
- なぁ〜んだ、やっぱり聞き間違いじゃなかったか。
・・・・・・・はい?
「え゛ぇ〜〜〜〜〜〜っ!?」
「シィ〜〜ッ、声がでかいよ」
いきなりすっごい眩暈に襲われた。
「・・・・愛ちゃん・・・・何で?・・・どーして?・・・亜弥ちゃんは?」
「確かにファースト・キスは亜弥ちゃんだけどね、一度もデープキスはしてないし、それは
本当に紺ちゃんが初めてだから」
「・・・・まさか・・・愛ちゃんもお風呂で抱き締めたりとか」
「それは無い。でも、・・・愛ちゃんには本当に悪い事をしちゃったんだ」
急にトーンダウンしちゃった美貴ちゃん。
「あの・・・・ごめなさい、これ以上は聞かない方がいいみたい・・・だね」
- 65 名前:たまえす 投稿日:2007/02/17(土) 12:01
- >>53 名無飼育さん様
ご覧頂きましてありがとうございます。
分かりにくいとは存じますが、ここでのお話的にはこれで正解ですので
宜しくご理解の程お願い申し上げます。
- 66 名前:たまえす 投稿日:2007/02/17(土) 12:01
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 67 名前:たまえす 投稿日:2007/02/17(土) 12:18
- >>52 無名し読者様
いつもありがとうございます。
どこまで続けられるかは全く分かりませんが
変わらずにのんびり行ければと思います。
- 68 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/02/19(月) 23:02
- 紺ちゃんに翻弄される美貴様、素敵です。
みんな、いい雰囲気の娘。さん達ですね。
大好きです!
- 69 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:00
- 娘。を離れて数ヶ月。
もう既に私の全く知らない航路を辿っているメンバー達。
当然、美貴ちゃんだって例外じゃない。
だから、別に隠し事をするつもりじゃなくたって自然にその辺りの距離は開いて
くるし、さっきの重さんじゃないけれど、内容によっては言えない事もあるだろう。
何でも無い事なら美貴ちゃんから進んで話してくれるはずだから。
だから多分・・・愛ちゃんとの事は、私には触れて欲しく無い事だったんじゃない
のかなって。
「別に紺ちゃんに隠すつもりは無いよ?それにあれは美貴が一方的に悪いん
だから、愛ちゃんのことを誤解されないためにも聞いてもらった方がいいと思う」
「うん、分かった」
- 70 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:00
- 真剣な美貴ちゃんの言葉に、覚悟を決めた時。
ピピピッ・・・ピピピッ・・・ピピピッ・・・
「あれ?・・・アラームが鳴ってる・・・美貴ちゃん目覚ましセットした?」
「うん・・・・・したけど・・・・・」
「てことは・・・もしかして・・・」
「「 朝!? 」」
「やば〜い・・・どーしよう美貴ちゃん!」
「大変だ、まだ紺ちゃんちに来てからキスもしてないじゃん!」
「えぇっ、そっちなの?・・・だって今日も一日リハなんでしょ?全然寝てないのに
・・・・って、何してんの?」
「ん?・・・・・また目覚ましをセットしてます」
- 71 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:01
- 「え・・・今から二度寝はヤバイと思うケド・・・」
「寝てる暇は無いの!・・・シャワーをパスして今から30分間紺ちゃんにキスをします」
「え・・・・・・わっ・・・・・ぅわぁ〜〜〜」
ひょいっとベッドに放り上げられて。
そのままキスしてくれるのかと思ったら、私に馬乗りになってパシャマのボタンを外し始めた。
「あ・・・・・あのぉ〜・・・・キスって言ったのに・・・・」
すると、顔を上げた美貴ちゃんは一瞬ニヤリと笑みを浮かべて、最後のボタンを外した。
胸のはだける感覚に、思わずギュッと目を閉じる。
キスって言ったのに・・・・・。
でも、そんな気持ちとは裏腹に期待をしている私。
- 72 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:01
- やがて、左右の乳房が美貴ちゃんのしなやかな手の感触に包まれた。
「あっ・・・美貴・・・ちゃん・・・・」
ゆっくりとうごめく指使いに合わせて、心の奥に封印していたイケナイ感覚が甦ってくる。
「紺ちゃん・・・・・ほら、さっきは平らだったのに・・・もう先っちょがこんなになっちゃった」
「そんなこと・・・・言わない・・・・で・・・・って・・・はぅぅぅ〜・・・」
胸の先端をクニュッと摘ままれて、ただそれだけで全身に電流が走る。
「それじゃあキスするね・・・」
・・・チュッ!
「あっ・・・・そこ・・・ちがっ・・・・」
「美貴は口にするなんて言ってないし・・・・」
- 73 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:02
- 「そ・・・・そんなのズルいって・・・あぁぁぁっ」
チュパッ・・・・・チュパッ・・・・・
優しく揉まれている左右の胸の、その更に敏感な部分に交互に舞い降り続ける素敵な刺激。
ベッドの上なのに、まるで海に浮かんで漂っているような気持ち良さ。
久し振りに湧き上がってきたあの感覚。
「紺ちゃん・・・・・どう?」
「クッ・・・・ん・・・・気持ち・・・・いい・・・」
「キス・・・・しよっか・・・」
え・・・どうしよう、キス・・・・・欲しい
でも、この気持ち良さも捨て難い・・・
- 74 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:02
- 「・・・・こぉ〜んちゃん」
そう囁いてくれる優しい声に胸がときめく。
休まずにゆっくりと揉まれ続ける胸。
「あの・・・・欲しい・・・・」
「どっちが?」
絶対私の気持ちを知ってて聞いてる。
「・・・・・どっちも」
「そっか、どっちもか・・・・・分かった」
そう言うと、フッ・・・と身体の上の重みが消えた。
・・・・・・え?
- 75 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:03
- 「ちょっと身体を起こせる?」
「うん・・・・・・・あれ?」
身体に力が入らない。
「あ、いいよ・・・よいしょ」
パジャマを剥ぎ取られつつ抱き起こされて。
背後からしっかりと抱き締められた美貴ちゃんの腕の中。
「こっちだよ」
左を向くと、目の前には優しい微笑み。
何時の間にか裸になっている美貴ちゃん。
その密着した肌がとても熱い。
- 76 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:04
- 「ほら、これならどっちもできるから」
「あ・・・・あぁぁぁ・・・・・」
揉まれながら同時に先端にも強い刺激を受けて、美貴ちゃんの顔がぼやける。
「ねぇ紺ちゃん、美貴がこうして愛したいって思うのは・・・・紺ちゃんだけ
・・・紺ちゃんだけだから・・・・・」
優しい囁きが、頭の中に何度も何度もこだまする。
「ん・・・・・・・嬉しい」
「合格おめでとう、良く頑張ったね・・・・愛してるよ・・・」
「・・・うん・・・私も・・・アン・・・・みきちゃ・・・ン・・ンンン」
言い終わらないうちに唇が塞がれてしまった。
リボンの騎士の夜以来、本当に久し振りのキス。
- 77 名前:One and only 投稿日:2007/02/20(火) 21:04
- 本能の欲するままに舌を絡め合う。
胸への刺激と相まって、どんどん気持ちは登り詰めて行く。
既に身体は痺れていて、意識も朦朧としてきた。
まるで空間をふわふわと彷徨っているような不思議な気持ち良さ。
・・・・この感覚だ・・・・・もう少しで・・・
そう思った時、急に胸への刺激が痛い程強くなって、舌を思い切り吸い込まれた。
身体が一瞬浮き上がるような感覚とともに、もの凄い快感に包まれて。
ピピピッ・・・ピピッ・・・ピッ・・・・・
薄れ行く意識の中で、微かに目覚ましのアラームが聞こえたような気がした。
- 78 名前:たまえす 投稿日:2007/02/20(火) 21:05
- >>68 名無飼育さん様
ありがとうございます。
彼女たちを好きと言って頂ける事がなにより嬉しいです。
- 79 名前:たまえす 投稿日:2007/02/20(火) 21:05
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 80 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:36
- 急にガクンとなった紺ちゃんの首を慌てて支えてあげる。
「・・・・・紺ちゃん?」
軽く身体を揺すってみても、幸せそうな表情のまま目を閉じている。
可愛いなぁ・・・・・
脱がせたパジャマをもう一度着せてから、そっと寝かせてあげる。
もうちょっとだけなら・・・・・いいかな・・・
隣に横になって、しっかりと抱き締める。
「ごめんね・・・・随分心配掛けちゃって・・・愛ちゃんの話しはまた今度ね」
もし美貴が紺ちゃんと全てを経験していたら、愛ちゃんともキスだけでは済まなかった
のかもしれない・・・・・
- 81 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:36
- 昨日も嬉しさのあまりに勢いとはいえ、何もメンバーの前であんなキスをすることは
無かったよね・・・・
柔らかな紺ちゃんを感じながらしみじみ反省をしていると。
『コンコンッ・・・・美貴ちゃん支度ができたらいらっしゃい、ご飯できてるわよ』
ドキッ!
「はい〜〜、いま行きまっす」
慌てて起きて紺ちゃんに布団を掛けると、バスルームに飛び込んで顔を洗う。
恐る恐る鏡を見てみると、完徹しちゃった割には顔も腫れていなければ目にクマもできていない。
しかも驚いた事に、体も全くだるくない。
スゲ〜・・・紺ちゃんのエキスはホントに良く効くわ・・・・・
- 82 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:37
- 部屋に戻ってササッと簡単にメイクを済ませると、パジャマのまま居間に飛び込む。
「おばさんおはよーございます」
「おはようごさいます。 ・・・さ、掛けて頂戴」
「はい・・・・・・あの、あさ美ちゃんは・・・まだその・・・・もう少し寝かせてあげてください」
「はいはい、どうせ今日は何も無い筈だから」
「あ、そうなんですか」
思わずホッと胸を撫でおろしてテーブルにつく。
「頂きます」
「はい、どうぞ召し上がれ」
紺ママの心尽くしの朝食に舌鼓を打っていると。
- 83 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:37
- 「うちに来るのは久し振りだけど、どう?良く眠れたかしら」
「ブッ・・・・・・ケホッ・・・・・あ・・・・っと、それはもう・・・・」
微妙に核心を突いた質問に心臓がドッキドキ。
「そう、フフッ・・・それは良かったわ」
「ハァ・・・・」
・・・おばさん、その意味有り気な含み笑いはホントやめて欲しいんですけど・・・
たっぷりとエネルギーを充填して、部屋に戻って着替える。
相変わらずクーカークーカーと気持ち良さそうな寝息を立てている紺ちゃんに。
「行ってくるね・・・・・・・」
チュッ!
- 84 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:38
- ほっぺにキスをして玄関へ。
「それじゃおばさん、突然お邪魔してすみませんでした」
「あ、美貴ちゃんちょっと待って・・・はいこれ、お昼のお弁当」
「わぁ・・・どうもありがとうございます!」
「睡眠不足なんだから、しっかりと食事はとらないと駄目よ?」
「ホントいつも気を遣って頂いて・・・・・・」
・・・・・・・・ん?
いま・・・睡眠不足って言いました?
あはは・・・・いやほら、別に深い意味は無いんだよ・・・・きっと・・・・
・・・・でもなぁ〜・・・おばさん結構タヌキだからなァ・・・・
- 85 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:38
- いやいや、別に一晩中エッチしてた訳じゃないじゃん、たった30分だけだもん。
「クスッ、また何時でもいらっしゃい」
ま、いっか。
「はい、それじゃ行ってきます」
「行ってらっしゃい、気を付けて」
おばさんに見送られて紺ちゃんちを後にする。
自分でも驚くほど足取りが軽い。
さて、今日も一日頑張るとしますか。
- 86 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:39
- 〜 〜 〜 〜 〜
「フワァァ〜〜・・・あー良く寝た・・・・・」
あらあら。
「お母さんおはよ〜・・・・あれ?・・・ねぇ、美貴ちゃんは?」
「おはよ〜って・・・・今何時だと思ってるの?」
「何時って・・・・あれぇ〜?おかーさんこの時計おかしいよ?」
「あらそう、まだ電池は新しいはずだから悪いけど117で合わせてくれる?」
「しょーがないなぁ・・・・」
ピッポッパッ・・・・トゥルルルル・・・
『ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ポーン・・・只今から、午後2時15分30秒をお知らせ・・・・』
- 87 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:40
- 「えっと、午後にじ・・・じゅうご・・・・・え?」
「どうかしたの?」
「午後・・・・」
「美貴ちゃんは朝早くお仕事に行きましたけど?」
「え゛〜〜〜〜っ! もうお昼過ぎちゃってるのぉ?」
「残念ね、お見送りできなくて」
「朝ご飯もお昼ご飯も食べてないのに・・・」
「まぁ呆れた・・・・そっちなの?」
「何だか急にお腹が空いてきた」
- 88 名前:One and only 投稿日:2007/02/24(土) 17:40
- 「はいはい、それじゃ直ぐご飯にするから顔を洗ってらっしゃい」
「は〜い」
パタパタパタ・・・・・
・・・まだまだ色気よりも食い気なのかしら。
「ちゃんとほっぺのキスマークも落とすのよ!」
『・・・・ドタッ・・・・』
「ふぎゃ〜!」
あらあら・・・これじゃ美貴ちゃんも苦労するわね。
・・・さぁ〜てと、お弁当の残り物でも温めるとしますか。
- 89 名前:たまえす 投稿日:2007/02/24(土) 17:41
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 90 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/02/25(日) 00:32
- さすがの美貴様も紺ママにはタジタジですね。
しかし、なっちママといい、ここのおかーさんたちは…
娘。同様愛すべき母親たちです。
- 91 名前:One and only 投稿日:2007/02/26(月) 22:33
- 『美貴ちゃ〜ん・・・可愛いこんこんからメールだよ〜』
「お、メールや・・・こんこんやて・・・・・・何て?」
「ん・・・・えっと・・・ちょ〜っと、愛ちゃん見ないでってば!」
「見てえんし・・・・・別にいいやん・・・ケチ」
「うっさいなぁ・・・・」
紺ちゃんからのメール着信は、どう言う訳か異常にメンバーの興味の
対象となってしまっていて。
例え美貴の携帯がマナーモードになっていても、着信があると必ず
近くにいる連中がわさっと集まってきてしまう。
今は、たまたま愛ちゃんにしか気付かれていなかったから良かった
けれど。
そう言えば最近、美貴と愛ちゃんを見る垣さんの目がちょっと厳しいような・・・。
- 92 名前:One and only 投稿日:2007/02/26(月) 22:34
- 『 受信メール:紺ちゃん
[件名]
お仕事頑張って!
[本文]
昨日は来てくれてありがとう。美貴ちゃんの
おめでとうが一番嬉しかったよ。全然寝ない
で大丈夫だった? 本当はあんな困らせる
ようなことを言うつもりじゃ無かったの・・・ご
めんなさい。ちゃんと美貴ちゃんの事信じて
るから。お仕事頑張ってね。 』
・・・・可愛いねぇ
「美貴ちゃんてば、ひっでニヤけてるし」
「うっ・・・・ほっといて!」
「はいはい」
- 93 名前:One and only 投稿日:2007/02/26(月) 22:35
- ・・・・・フンッ・・・まったく。
えっと・・・・
『 送信メール:紺ちゃん
[件名]
Re:お仕事頑張って!
[本文]
おはよ、今起きたの?美貴は紺ちゃんから
元気をい〜〜っぱいもらって元気だから大
丈夫、心配してくれてありがと。 』
・・・・はい送信っと。
「ふぅ〜ん、美貴ちゃん寝てないんだ」
耳の傍でボソッと聞こえた愛ちゃんの囁き。
「の゛っ、覗くなっつってんだろ!」
- 94 名前:One and only 投稿日:2007/02/26(月) 22:36
- 「でも見えちゃった!」
こ・・・・こいつぅ〜・・・
まるで幼稚園の悪ガキみたいな口調でのたまう笑顔満開の高橋 愛。
「故意に見たのは見えちゃったとは言わないの!」
あの一件以来、愛ちゃんにはちょっと弱みを握られていて、イマイチ強く
言えないのが悔しい。
いずれは紺ちゃんにも打ち明けなくちゃいけないんだけど。
「ちょっとガキさ〜ん、こいつどっかに連れてってよ」
「仰せの通りに・・・・ほら愛ちゃんこっち!」
愛ちゃんは意味有り気にニヤついたまま、垣さんに引きずられて行った。
・・・何を想像してんだか。
- 95 名前:One and only 投稿日:2007/02/26(月) 22:37
- 『 受信メール:紺ちゃん
[件名]
何でわかったの?
[本文]
お母さんにお腹が空いたって言ったら
出てきたご飯のおかずは美貴ちゃんの
お弁当の余りでした。(美味しかった)
クリスマスもお仕事だよね・・・会えなくて
寂しいかもしれないけど、あまり無理しち
ゃ駄目だよ? 私も我慢するから。 』
『 送信メール:紺ちゃん
[件名]
Re:何でわかったの?
[本文]
お弁当スゲー美味しかったって伝えてお
いて。年内はちょっと会えないかも。美貴
は平気だけど、心配掛けちゃうからね。 』
- 96 名前:One and only 投稿日:2007/02/26(月) 22:38
- 『 受信メール:紺ちゃん
[件名]
バカ
[本文]
・・・・って言うのは嘘、応援してるからね。
そうだ、来年の美貴ちゃんのお誕生日
は2人でお祝いできるかな、今から欲
しいプレゼントを考えておいてね? 』
・・・・欲しいプレゼントか。
オイオイ、そんなの決まってんじゃん・・・・
- 97 名前:One and only 投稿日:2007/02/26(月) 22:39
-
『 送信メール:紺ちゃん
[件名]
美貴の欲しいプレゼントは・・・
[本文]
紺ちゃんと一緒にいられること
- 98 名前:たまえす 投稿日:2007/02/26(月) 22:41
- >>90 名無飼育さん様
ありがとうございます。
子は親を見て育つと言いますから、やはりママも
素敵な方なのではないかと想像しております。
- 99 名前:たまえす 投稿日:2007/02/26(月) 22:43
- 藤本さんハッピーバースデー!
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 100 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/02/27(火) 14:30
- 遅れたけどハッピーバースデー!
ここを見てると色んなことを思い出しながら読めて、
それぞれの可愛さと相まってすごく幸せになります。
- 101 名前:名無しの読者 投稿日:2007/02/28(水) 01:11
- 初めまして。最近こちらの作品を知り、第1シリーズから一気に読ませて頂きました。登場するメンバー全員がとてもいい味を出していて、読んでいてとても心が温かくなります。特に美貴紺CPは可愛くて大好きです。これからも作者様のペースで頑張って下さい。応援しています。
- 102 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 22:57
- あ〜あ・・・また美貴ちゃんにちょっかいを出してるし。
「ちょっとガキさ〜ん、こいつどっかに連れてってよ」
ほら言わんこっちゃない。
・・・・しょーがないなぁ。
「仰せの通りに・・・・ほら愛ちゃんこっち!」
嬉しそうにもっさんの後ろから携帯の画面を覗き見ていた愛ちゃんのジャージを
引っ張って引き離す。
「ぉわぁ〜〜ジャージがの〜びぃ〜てまぅ〜〜〜って」
「もぉ〜・・・そっとしておいてあげなよ」
「美貴ちゃん寝てないんやって」
- 103 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 22:58
- 「また嬉しそうに・・・そんな事いーから言わなくて」
「何してたんやろ」
「だ〜から、もういいから。ミキティだってこんこんとはずーと会ってなかったんでしょ?
それに、これからだって今までみたいに会えないんだよ? いいじゃん、たまに会える
ときぐらい・・・その・・・・・仲良くしたって」
「仲良く?」
「う・・・・・うん」
「どーやって?」
「知らないからそんなの」
「ふぅ〜ん、ガキさん・・・・・」
- 104 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 22:58
- 「な・・・・なに?」
急に真顔になってジリジリとにじり寄ってきた愛ちゃんにちょっとだけ恐怖心を覚えて
思わず後ずさる。
メンバー以外にもスタッフやお偉いさんが何人もいるこのリハーサル・ルームで・・・・
まさか、押し倒したりなんかしないよね・・・・・
ガシッと肩を掴まれて、全身が硬直する。
すると、真剣な表情が無邪気なおさる顔に
一変して。
「ちょっとおトイレに行ってくるね〜♪」
パチッとウインクをすると、スキップしながら部屋を出て行った。
「あ〜・・・愛ちゃん、さゆみも連れてって〜」
・・・・騙された。
- 105 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 22:59
- ホントにもぉ・・・・
昨日なんか、逆に愛ちゃんが藤本さんに熱烈なキスをされていた。
しかも何の抵抗もしないまま。
あの時は、すぐその後のさゆみんと藤本さんのこれまた強烈なキスを見て驚いてし
まって、感覚が麻痺したまま別々のお仕事に向かう愛ちゃんを見送ってしまった
けれど。
夜になって独りベッドに潜り込み目を閉じた時にその事を思い出して、言い知れぬ
悔しさがふつふつと湧いてきた。
あんなキス、私にだってしてくれたこと無いじゃない。
・・・そりゃー私はまだまだ子供だし。
- 106 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 23:00
- その・・・いわゆるエッチ?・・・な事とかも、可愛い愛ちゃんが急に真剣な顔になって
求めてくるのがとっても怖くて、つい冗談っぽく拒んでしまっていた。
だから、愛ちゃんが藤本さんや吉澤さんにセクハラをされて嬉しそうにじゃれているの
を見たとき、どうしてあんなに触られて怒らないの?って思う反面、私が許さないから
潜在的に刺激を求めているのか、もしくは私に対するささやかな当て付けのつもりな
のかなって。
そりゃーもう私も18だし、いつまでも子供じゃいけないって自分でも思ってる。
普段お仕事をしている時には、スタッフさんとかメンバーなんかにも、ガキさんはしっか
りしているねって言われるけれど。
・・・・それとこれとは話しが別。
世間一般の同年代の人達なら、もう彼氏とかがいてそれなりの経験はしているのだろ
うけど、あいにく早くにこの世界に入った私には異性とお付き合いした経験なんてある
はずもない。
- 107 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 23:01
- と言う訳で、諸先輩方の同性愛的関係を進んで継承するつもりは全く無いけれど、何故
か心奪われた相手がたまたま愛ちゃんだった訳で。
愛ちゃんのことは大好き。
オーディションからずーっと一緒に過ごしてきて。
娘。になってからも・・・・
今まで聞いた事の無い不思議な日本語を操つり、おとな〜なマコっちゃんやこんこんと
違って、年上なのに何故か精神年齢が私と釣り合っている(時にはかなり下に思える)
不思議な彼女と、気が付けばいつも自然に寄り添っていた。
大喧嘩をしたこともあったけど、困ったり悩んだりした時にはお互いに助け合い、嬉しい
時にはその喜びを分かち合って今までやってきた。
歌も上手だし、ダンスとかも他のメンバーには無い独特の柔らかな雰囲気を持っていて。
- 108 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 23:02
- きっと小さい頃から習っていたクラッシックバレエの賜物なのだろう、既に身に付けている
踊りに対するその素晴らしい感性は、どんなに練習をしても真似をすることは出来ない。
ミュージカルのレッスンの時も、バレエ初体験の私や他のメンバーとは全然違う愛ちゃんの
華麗な動きや真剣な眼差しに何度胸をときめかせたことだろう。
思わず、あんたいくつよ!っと突っ込みたくなってしまうような、時々見せるあの子供っぽさ
もたまらない魅力の一つ。
そんな愛ちゃんが、私はいつも誇りだったし憧れでもあった。
・・・恋愛感情を抱くようになったのはいつからだろう。
自分でも良く分からない。
女の子同士なのにね。
- 109 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 23:02
- あ・・・・多分それが、私を求めてくる愛ちゃんを拒んでしまう理由なのかも知れない。
ずっと前から後藤さん石川さんを始めとするハローや娘。内の素敵な女性同士の関係を
見てきてはいるけれど。
私的にプライベートでは、可愛いままの愛ちゃんと可愛いお付き合いをずっとしていたい
・・・・そんな風に思っていた。
でも何時の間にか年月が過ぎ、気が付けば大人への階段を登り始めていて。
愛ちゃんが年上のハローのメンバー達と絡む姿を見る度に自然に嫉妬をしている自分に
対して、疑問を抱くようになってきた。
どうして私はヤキモチを焼いているの?。
愛ちゃんは私の事をどう思っているのだろう。
私が亀と二人でご飯やショッピングに出掛けても、愛ちゃんは何も言わない。
- 110 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 23:03
- 時々お互いの家に泊まり合うこともあるし、一緒に寝る時には、里沙ちゃん愛してるって
優しくキスもしてくれるけれど。
私は・・・・・愛ちゃんの心の中のどれ位のポジションに存在しているのだろう。
多分、ただの同期以上には思ってくれていると思うんだけど。
ん〜・・・・できれば私が愛ちゃんを思っているのと同じ位に思っていて欲しいし。
だけど・・・・・
優しくして欲しい時に私の話しを聞いてくれなかったり。
おやすみってメールをしても返事が無かったりすると、本当に不安になるの。
私がいつまでも子供だからいけないの?
だったら頑張って大人の女性になれるよう努力するから。
- 111 名前:One and only 投稿日:2007/03/01(木) 23:03
- 愛ちゃんはいつだって自由に生きる人だから、なかなか捕まえる事はできないけれど。
できれば私以外の人の胸に舞い降りてしまわないように、この胸に抱き留めておきたい。
愛ちゃんは気付いてないかもしれないけれど、ヘンテコで可愛いその訛りも、クシャッと
おサルさんになっちゃうそのチャーミングな笑顔も、気を抜くとすぐガニ股になるドタバタ
歩きも、本当はぜ〜〜んぶ大好きなんだからね。
これからは誤摩化さないで素直に愛ちゃんの気持ちを受け入れるようにするから・・・・
・・・だから
もっと私を見て欲しい。
もっと私を感じて欲しい。
だって、私のいちばん大切な人はあなたなのだから。
- 112 名前:たまえす 投稿日:2007/03/01(木) 23:05
- >>100 名無飼育さん様
ありがとうこ゛ざいます。
つたない文ではありますが、幸せを感じて頂けるなんて
とても光栄です。
>>101 名無しの読者様
初めまして。
最初からの一気は相当に読みずらかったと思いますが
メゲずにご覧頂き、またお褒めの言葉まで頂戴致しまし
てとても嬉しく思っています。
- 113 名前:たまえす 投稿日:2007/03/01(木) 23:06
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 114 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/02(金) 02:10
- どっどどどドキドキしました
読めない相方はどう思ってるんでしょう
ほんと奔放で真面目な面白い人ですけど恋愛したら大変そうだ…w
- 115 名前:名無しの読者 投稿日:2007/03/04(日) 16:40
- 素直になるのって結構難しいですよね。相手が相手だけに垣さんは苦労も多そうですし。
- 116 名前:446 投稿日:2007/03/04(日) 19:44
- たまえすさん、更新乙です。
今回の、思い悩むガキさんの心理描写の上手さに惹かれました。
ガキさん切ないです。
3月になりいろいろ忙しくなると思われますがたまえすさんのペースでがんがって
くらさい。 次回更新楽しみにしております。
- 117 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:12
- 年末には第8期メンバーが決まり、年明け早々には吉澤さんの卒業が発表され。
目まぐるしく変化する環境の中で、自分を見失わないようにお仕事に集中してきた。
そう・・・ずっと気になってはいるものの、確かめる事が出来ずにいる相変わらずの
愛ちゃんとの事とか、あと藤本さんとの怪しい関係も。
自分では、お仕事をしている時には、不安な要素は心の中に封印していたつもり
だったし、みんなに悟られないように平静を演じきれていると思っていた。
ところが・・・そんな私の誤魔化しに対して、どういう訳か妙に勘の鋭い奴が約一名。
いつ頃からだろう。
悩み事とか辛い事があったりして人の来ない場所で落ち込んでいたり泣いたりてい
ると、心配して探しに来てくれて。
私が落ち着くまで一緒にいてくれる。
- 118 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:13
- ただ黙って隣にいてくれるだけなのに、彼女の優しさが心にしみる。
今日だって・・・・
こんこんが卒業してから、以前にも増して強烈になってきた藤本さんのセクハラ攻撃
が炸裂しまくって。
それが例えライブ中だとしても、全く人目をはばからずに抱き付いたり胸を触ったり
お尻を撫でたり衣装をまくり上げたり。
さらに一部のメンバーには、衣装の中にまで手を入れたりとか、スパッツを後から
引っ張り上げて、わざと・・・・その・・・お尻に食い込ませたり。
私はお尻を触られた程度でもびっくりして、次のフォーメーションが飛んだりしちゃうのに。
わざわざ自分からプリッとお尻を突き出して、嬉しそうに触らせてあげてる愛ちゃん
を見てカチンときて。
- 119 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:13
- 終演後、私服に着替え終わって機材搬入通路の隅で黄昏ていたら、やっぱり聞こえ
てきた江戸っ子とは到底思えないような柔らかな声。
「・・・・・・・ガキさ〜ん」
いつものシーケンス。
そ〜っと声を掛けてくれて、私の落ち込みが酷くて反応ができない状態の時は、それ
以上は何も言わずに隣にいてくれる。
でも、今日はそれ程深刻って訳じゃない。
「ありがと亀・・・・・大丈夫だから」
そう言って顔を上げると、亀はフニャ〜っと微笑んで。
「・・・・そうかなぁ」
「んぇ?」
- 120 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:14
- 「だって・・・まだなんかボーッとしてるよ?」
「あ・・・・うん、ちょっと考え事してた・・・ごめん」
「・・・ならいいけど、なんか元気が無いような感じだったし、年末からの疲れが溜まって
るんじゃないですか?」
「あ〜・・・・・・やっぱトシかなぁ」
「え〜っ、それじゃ絵里も・・・・・トシってこと?」
「そりゃそうじゃん、だってタメだもん」
「そっかぁ・・・・・・」
「あ・・・・・ちょーっと、納得してないで突っ込んでよ」
「フヘヘヘ・・・・・だって、確かにキツかったもん」
「でしょ〜?」
- 121 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:15
- 「でもさガキさん・・・」
「ん〜?」
「吉澤さんが卒業したらガキさん3番目だよ? しっかりしなきゃ・・・・ヘヘッ」
「そんな事を言ったら亀だって4番目じゃん」
「あ、そっかあ・・・・・でもまだへーきだもん」
「そーやって安心してるとね、次あたりミキティがGAMで分かれて愛ちゃんと私も一緒
に卒業して、はい!亀がリーダーです・・・なぁ〜〜んて事になっちゃうかもよ?」
「えっえっえっ・・・・・ホントに?」
「どーする?」
「無理無理・・・・絶対に無理だって!」
- 122 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:15
- 「うちの会社は何が起こるかわかないからね」
「そーだ・・・さゆがいるじゃん・・・ほら、絵里なんかよりずぅ〜〜っとしっかりしてるし」
「田中っちは?」
「れーなはビビリだもん、いざと言う時に頼れるのは・・・やっぱさゆかなぁ」
「ちょっとあんたそれ酷いね、田中っちは自分の彼女でしょーが」
「え・・・もぉー嫌ですよぉ、・・・か・の・じょ、だなんて・・・もぉ〜照れるじゃないですかぁ
・・・エヘヘ」
「・・・・何だそれ」
「だってぇ・・・・れーな可愛いんだもん」
「まーね」
- 123 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:16
- 「あのねあのね、れーなって見た目と違ってすぐビクビクするし、自分勝手で気の向く
ままに行動しちゃうじゃん?」
「うん」
「でも・・・そんなところがですね、子猫ちゃんみたいで、すぅ〜〜〜っごく可愛いの♪」
「まぁね・・・・・れいにゃぁ〜〜・・・だし」
「だから大丈夫ですよ」
「何が?」
「愛ちゃん」
「はぁ?・・・・・田中っちが猫だと、どーして愛ちゃんが大丈夫なわけ?」
- 124 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:16
- 「ん〜〜? だってだって、勝手気ままってところが似てません? それに愛ちゃんて
あんなだけど、ガキさんの気持ちはちゃ〜んと分かってるもん」
「それはない」
「だって・・・いまさっき絵里がガキさんの事を探しに行こうとした時、愛ちゃんに呼び
止められて・・・・言われたもん」
「何て?」
「いつもごめんね・・・・・って」
「うそぉ」
「ほんとだもん・・・まったく、謝るならガキさんに謝れって感じだよね。・・・でもさ、その
時に・・・もしかして愛ちゃんは、いつも絵里がガキさんの元気が無い時に探したりとか
してたことも、全部知ってたんじゃないかなって思って・・・」
- 125 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:17
- 「ありえねー」
「ん・・・絵里も最初はそう思ったんだけど・・・ほら、愛ちゃんが自分でガキさんに声を掛
けてもさ、どうせまたぶっきらぼうな言い方しか出来なくて、余計に落ち込ませちゃいそ
うじゃん?・・・だから、絵里に任せてたんじゃないかって」
そんな事・・・思ってもみなかった。
愛ちゃんが・・・・実は私の事をちゃんと心配してくれている?
もしかして、私が愛ちゃんの事を一番理解していなかったの?
てっきり私の大好きだけがから回りしていると思っていたのに。
「・・・・ガキさん」
「ん?」
- 126 名前:One and only 投稿日:2007/03/10(土) 23:18
- 「戻ろ?」
「・・・・・うん」
亀と仲良く手を繋いで。
やっぱり、まだまだ私は子供。
「・・・亀?」
「ん〜?」
「いつもありがと」
そう言うと・・・・
「エヘヘ」
フニャ〜っと微笑んだ亀の横顔が、少しだけお姉さんに見えた。
- 127 名前:たまえす 投稿日:2007/03/10(土) 23:19
- >>114 名無飼育さん様
ありがとうございます。
読めない相方は藤本さん曰く、どうしようもない生き物だそうなのでw
>>115 名無しの読者様
ありがとうございます。
実際に苦労してそうですよね。
>>116 446様
ありがとうございます。
そう言えば、ここの新垣さんはモノローグが多いですネ。
- 128 名前:たまえす 投稿日:2007/03/10(土) 23:23
- やはり年度末は忙しい・・・ ツアーが始まるというのに。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 129 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/11(日) 18:56
- おーいつぞやのイイ話ですね
亀ちゃんさりげなく頼りになるなあ
- 130 名前:名無し飼育さん 投稿日:2007/03/17(土) 10:18
- 作者さんの書く
ガキさんと亀ちゃんの絶妙な空気が好きです
- 131 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:20
- ・・・・・私が独りで悩んでいても、何も解決なんかしないよね。
仕事だけのお付き合いならば、別に今のままでもいいのかもしれない。
だけど・・・そんなのやだ。
やっぱり微妙な関係のまま平行線で終りたくない。
何を考えているのか、いまいち掴み切れない人だから。
愛ちゃんの本心が知りたい。
思い切って直接気持ちを確かめなきゃ何も解決しないって分かってる。
だけど、いつもと変わらず真剣にレコーディングやダンスレッスンに取り組む愛ちゃんの
凛凛しい横顔を見詰めながらも、なかなか言い出せないでいた。
- 132 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:21
- そんなある日。
「ガキさん」
「なに愛ちゃん?」
「今日はこれで終わりやろ?」
「うん」
「じゃ決まり」
「・・・・は?」
「お泊り」
「・・・あのねぇ、いっつも言ってるけれど・・・・もう一度言うよ?・・・・愛ちゃんの言う事って
必要な言葉をぜ〜んぶ省略しちゃってるのね?・・・・普通の人にはそれじゃ伝わらないの
・・・・わかる?」
- 133 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:21
- 「・・・まるでガキさんが普通の人みたいじゃん」
「あ?・・・普通だから、全然ふつーじゃん」
「違うって」
「うそぉ・・・・・・どこが?」
「ほら、どこがって聞いたってことは、自分でもちっとはおかしいかもしれんて認識があるんやろ?」
「な・・・・・あのねぇ、愛ちゃんと付き合うにはやっぱり同じレベルに合わせないとダメでしょーが」
「ほー・・・それじゃなにかい、あっしがおかしいからガキさんがわざわざあっしのレベルに合わせ
ておかしくなった振りをしてくれてるとでも・・・・・」
いっけね・・・・
つい、いつもの調子で煽りに乗ってしまった。
- 134 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:22
- 精神的にも大人になるって決めたのに。
「あ・・・いや・・・・・誰も本気でそんなこと言ってないから」
そう言うと、急におとなしくなった愛ちゃん。
「え・・・・・どうしたの?」
「ごめん・・・・・いっつもこんなんで」
「はぁ? ちょっとヤダなぁ・・・・こんなんでって・・・私はね、こんな愛ちゃんもひっくるめて
ぜーんぶ好きなんだから」
「・・・・・そっか、良かった」
直ぐに笑顔に戻った愛ちゃん。
「・・・・で?」
- 135 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:22
- ほらまたこれだ。
この・・・で?・・・っていうのは、今の会話の中のどこに繋げればいいのだろう。
話しの前半を必死に思い出す。
「どっちにする?」
「・・・どっち・・・どっち・・・・・どっち?」
「あ・・・ほらまた話し聞いてえんし」
「・・・・・ごめん、なんだっけ」
「お泊りするの!」
「どこへ?」
- 136 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:23
- 「だからそれを聞いてるんだけど」
「はぁ?」
「よし、決めた。里沙ちゃんは今晩うちにお泊りします!」
「あっ、なぁ〜んだそーゆーことか・・・」
「そーゆーこと」
・・・なら最初からうちに泊まりに来てって言えばいいのに。
すぐにママに電話をしてからタクシーを拾う。
都会の雑踏と上空を埋め尽くすまばゆいばかりのイルミネーション達が次々と車窓から
過ぎ去っていく。
歩道を歩くサラリーマン風の人達は、皆寒そうにコートの襟を立てて急ぎ足。
- 137 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:23
- 「でもさ、もうこんな時間だし今からじゃお風呂に入って寝るだけだよね・・・」
外の夜景を眺めている愛ちゃんにそう言ったら。
こっちを向いてにっこり微笑んで。
「なんかさ、今日は一緒にいたいんだ。ここんとこずーっと忙しくてさ、里沙ちゃんと二人きり
になれんかったやろ?」
あれ・・・今日の愛ちゃん・・・なんか優しい。
もぉー訳わかんない。
だったらいつも優しくしてよ。
「あ、いまほっぺがふくれた」
「えっ!?」
- 138 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:24
- 「何だよ・・・せっかく里沙ちゃんが喜んでくれると思ったのに・・・」
「んぇ?・・・違うって・・・・嬉しいから〜」
「ふぅ〜ん・・・」
「ね・・・」
「・・・・ん?」
「ママ・・・来てるの?」
「ん〜ん、ガキさんと二人っきりやよ」
「ほんと?」
「・・・なに、その嬉しそうな顔は」
- 139 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:25
- 「だって・・・ママがいるとさ、やっぱり気を遣うじゃん」
「うっそだぁ〜・・・いつ気を遣ったん?」
「いつもだよ〜〜」
「ほぉ〜〜」
「それに、ママがいるときは愛ちゃん一緒に寝てるんでしょ?」
「寝てえんて! 里沙ちゃんが泊まりに来た時は里沙ちゃんと一緒に寝てるやん」
「私がいない時は?」
「い?・・・・・そんなん別にいいやろ、あっしのお母さんやもん」
「認めたね」
- 140 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:26
- 「ははぁ・・・・安心しろって。そんな心配せんでも、ちゃ〜んと今日は里沙ちゃんをしっかり
と抱き締めて一緒に寝るがし」
まためっちゃ笑顔で・・・
「シィ〜〜!・・・・ばか、タクシーの中で何て事言うのよ!」
「ん?・・・だからぁ〜、可愛い里沙ちゃんを・・・」
うわっ・・・・
「ベッドでギュ〜〜ッと抱き・・・ンプッ!」
調子に乗って、わざと大きな声でリピートしかけた愛ちゃんの口を慌てて塞ぐ。
チラチラとルームミラー越しに運転手さんの反応を窺がいつつ・・・・
「ほんとにさぁ、ちょっと今日は飲み過ぎたんじゃない?ダメだよあんまり飲んじゃ。
飲み過ぎは体に悪いんだからね?」
- 141 名前:One and only 投稿日:2007/03/17(土) 16:27
- もう仕方が無い、酔っ払いにしちゃえ。
「ん゛〜〜〜!」
「おとなしくしててね、もう直ぐ着くから」
「フガァ〜〜!」
「はいはい、いい子でちゅね〜愛タンは・・・」
・・・・・どうしていつもこうなっちゃうんだろう。
一度でいいから普通に会話のキャッチボールをしてみたい。
すぐ脱線して話が全然あさっての方向にすっ飛んでしまったり、途中で飽きて終わっちゃったり。
一体、どうやったら普通の恋人同士の様に何時間も会話を楽しむ事が出来るんだろ。
多分、私と愛ちゃんにとっては永遠の謎だと思う・・・
- 142 名前:たまえす 投稿日:2007/03/17(土) 16:28
- >>129 名無飼育さん様
ありがとうございます。
さり気無い優しさって本当に嬉しいものだと思います。
>>130 名無し飼育さん様
ありがとうございます。
この二人、見ていてとても微笑ましいんですよね。
- 143 名前:たまえす 投稿日:2007/03/17(土) 16:29
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 144 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/18(日) 20:32
- やばいガキさんかわいい…
- 145 名前:名無し読者 投稿日:2007/03/21(水) 12:21
- 愛ちゃんの行動にあたふたするガキさんが
かなりスキです。
- 146 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:41
- 「サブリーダーだって」
「知ってる」
「プレッシャー?」
「別に?」
「そーなんだ」
「そう」
「でも、ちょっと嬉しかった」
「なんが?」
「ん?・・・・もしかしたら、次は愛ちゃんかもしれないって」
- 147 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:42
- 「なんそれ・・・訳分からんし・・・」
「だから・・・卒業がさ」
「そりゃ残念」
「ちぃ〜がうってば!・・・愛ちゃんじゃなかったから・・・・だから・・・・もっと一緒に
いれるから・・・だから・・・」
もぉ〜〜〜!
どうして分かってくれないのよ。
ホントは凄く恐かったんだから。
年末になるといつも思う事。
今度は誰の卒業が発表になるのだろう・・・
- 148 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:42
- こんこんとまこっちゃんは全く想像していなかったから、本当にショックだった。
あの時は、激しく落ち込んでしまった愛ちゃんを元気付けながら、自分自身にも
言い聞かせていたの。
・・・・娘。に選ばれた時から・・・・・メンバーなら誰もが、いつかは必ずこういう時が
やって来るって覚悟してるはず・・・・
でも・・・・・でも、やっぱり嫌だ。
愛ちゃんと一緒にいられなくなっちゃうなんて。
吉澤さんや藤本さんはどうやって乗り越えたんだろう。
メンバーにセクハラをすることで、寂しい気持ちを紛らわせていたのだろうか。
あ、そうだ。
- 149 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:43
- セクハラで思い出した。
藤本さんとの・・・・・
でもその前に、私の事をどう思ってくれているかだよね。
今聞いておかないと、またズルズルと引きずってしまいそうだから。
折角の機会なので、ここは勇気を出して聞いてみないと。
「愛ちゃん・・・・」
「ん?」
「私の事、どう思ってる?」
「・・・・・・は?」
- 150 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:44
- 「あのねぇ、゛は?″・・・じゃなくって」
「じゃ何さ」
「わかった。じゃあストレートに聞くけど・・・私の事・・・・好き?」
「嫌いな奴をわざわざ家には呼ばんやろ」
「んもぉ〜〜、愛ちゃん!」
「あ・・・・・怒った」
「もういい、知らない!」
ちょっとでも素直になろうとした私がバカだった。
ま、こうして一緒にいられるだけでも良しとするか。
- 151 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:44
- ハァ〜ッと一つため息をついて、パジャマのボタンを留めようとした時。
「里沙ちゃん・・・・愛してる」
いきなりうしろから抱き締められた。
「・・・・愛ちゃん」
久し振りに聞いた優しいセリフに、思わずウルッときてしまった。
「こんなん滅多に言わんで?」
「やだ・・・もっと聞きたい」
「里沙ちゃんの事が好きかって?そーゆーのを愚問って言うんやよ」
「だって・・・・」
- 152 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:45
- 「ほ〜ら、ふててないでこっち向いてってば」
「おわぁ〜〜」
肩をグイッと引っ張られて、そのままパタンと愛ちゃんの膝の上に倒れ込む。
見上げた視線の先には、ぶっきらぼうな話し方とは不釣り合いな優しい微笑み。
「ね・・・・・・」
「・・・・・・ん?」
「今日・・・・どうして誘ってくれたの?」
「こうして一緒に居たかったから・・・気持ちいいやろ?」
仰向け膝枕状態のわたしの頬をなでなで。
「・・・・うん」
- 153 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:46
- 「可愛いー・・・」
なんだかちょっと恥ずかしい。
「あのさ・・・・何でいつもはこんな風に優しくしてくれないの?」
「たまにするからいいんやよ」
「良くない。・・・・寂しかった・・・・もう私に飽きちゃったのかなって」
「飽きる?・・・・がっは〜〜、飽きるどころかまだ里沙ちゃんの事って殆ど知ら
ないのも同然じゃん」
「え・・・・・ほとんどってねェ・・・それは逆に愛ちゃんがさ、まともに相手をしてくれな
いからでしょ?」
「してるって」
「たまにでしょ? 何でいつもはさ、そっけない態度をするわけ?」
- 154 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:47
- 「しいて言うなら、愛情の裏返し」
「もぉ〜・・・よくわかんないよ愛ちゃんて・・・」
「あっしの里沙ちゃんへの愛はね、計り知れないって事だよ」
「何それ・・・・よいしょっと」
起き上がって、ちゃんと座り直そうとしたら。
「ぬぉっと!」
またまた腕を引っ張られて、愛ちゃんの腕の中へ飛び込んでしまった。
「あっしだって悩んだ事・・・・あるんよ?」
「うそぉ!」
思いがけない言葉に、目がテンになる。
- 155 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:48
- 「やっぱさ、一緒にいて楽しかったりとか全然気を遣わなくて良かったりとか、そんな
関係が続いているうちにさ、何時の間にかガキさんの事を特別な人として意識する
ようになってしまった訳よ」
「うん」
「反応が薄いねぇ・・・・・もうこの話し・・・やめよっか?」
「んぇ?・・・・ちゃんと聞いてるから」
「そっか・・・・で、どこまで話したっけ」
「もぉ〜、私を意識するようになったってとこまで」
「でさ・・・・何て言えばいいんやろ・・・・・いわゆる惚れた〜〜って感じとはちょっと違う
んだけど・・・でも、あっしの里沙ちゃんじゃなきゃ駄目って感じ?」
「ふぅ〜ん・・・・嬉しいような・・・でもなんか良く分からないような・・・」
- 156 名前:One and only 投稿日:2007/03/23(金) 22:49
- 「でさぁ・・・・ホント綺麗になったよね・・・」
「はぃ?」
・・・・チュッ!
「り〜さ〜ちゃん♪」
脈略の無い話しの展開に首を傾げていたら、ほっぺにキスされて。
「細かい事は置いといてさ、好きなんだからそれでいいじゃん!」
ギュ〜〜〜ッと抱き締められた。
こんな風に愛ちゃんから抱き締めてくれるのなんて本当に久し振りで、思わずウットリ
としてしまう。
まぁ・・・取り敢えず今の愛ちゃんの話しをまとめてみると、どうやら私の事をちゃんと
思ってくれていることは間違いなさそうだ。
- 157 名前:たまえす 投稿日:2007/03/23(金) 22:50
- >>144 名無飼育さん様
ありがとうございます。
いつまでも可愛い女性でいて欲しいと思います。
>>145 名無し読者様
ありがとうございます。
どうしてもこんなイメージが強くてw
- 158 名前:たまえす 投稿日:2007/03/23(金) 22:51
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 159 名前:名無し読者 投稿日:2007/03/24(土) 18:22
- 更新お疲れ様です!
ガキさんが思っているほど愛ちゃんは
ガキさんをしっかりスキなんですね。
良かったA。
- 160 名前:名無し読者 投稿日:2007/03/26(月) 15:16
- いいですね〜顔がにやけてきます
- 161 名前:One and only 投稿日:2007/03/26(月) 21:50
- こんな風に愛ちゃんにだっこされて、それでもって頭をいい子いい子してもらい
ながらほっぺにチュッチュしてもらっちゃったりするとさ・・・・
たまには恋人同士のような会話をしてみたいって思うじゃん?
「・・・・愛ちゃん」
「ん〜?」
「私のこと・・・・・どれくらい好き?」
・・・・・な〜んて事も聞いちゃったりしてみた訳ですよ。
そうしたら、満面のおサル顔で返ってきた答えは・・・
「食べちゃいたいくらい♪」
「・・・・・・・・・・」
- 162 名前:One and only 投稿日:2007/03/26(月) 21:51
- またなんちゅーことを・・・・
一瞬で顔が焼けるように熱くなって。
あまりの恥ずかしさに思わず目を逸らす。
「どーしたの?」
天然なのか、それとも計算なのか。
無邪気な表情で私の顔を覗き込んでくる愛ちゃんの澄んだ瞳が、お風呂上がりの
火照った身体を更に熱くする。
「あれま、真っ赤っか・・・・」
そう言いながら、頬と頬を合わせて耳元に囁き掛けてくる。
「食べたいな・・・可愛い里沙ちゃんのこと・・・・・」
「・・・・・・・?!」
- 163 名前:One and only 投稿日:2007/03/26(月) 21:52
- そりゃ〜確かに恋人同士の会話がしたいって思ったよ?
思ったけど・・・でも・・・
でも、今のって・・・・・
やっぱり、私が欲しいってことだよね・・・・
新垣里沙、女盛りの18歳。
今日こそは愛ちゃんの気持ちに応えて大人になるんだ!
・・・と思ってはみたものの・・・
私を抱き締める愛ちゃんの腕が少しずつ解けて。
触れる手の感触が太股からお尻を通過して、そしてまだボタンを掛けてない
パジャマの中へ忍び込み、脇腹を撫で上げられて胸に差しかかった時・・・・
「ちちちちちちょちょちょお〜〜〜っと!」
またやっちゃった。
- 164 名前:One and only 投稿日:2007/03/26(月) 21:53
- 自分の決心とは裏腹に、身体が条件反射で勝手に反応。
「・・・・・駄目?」
寂しそうな愛ちゃんの声に、私自身も悲しくなってくる。
「はぁはぁはぁ・・・・・ングッ・・・・愛ちゃんごめん・・・・違うの、嫌じゃない・・・
嫌じゃないけど、いきなりでちょっとびっくりした」
愛ちゃんがこうして私を求めてくれる事は滅多に無い訳で。
悲しそうな愛ちゃんの表情を見る度に、今度こそは・・・って思うんだけど。
「ごめんね・・・あっし、いっつも里沙ちゃんの気持ち考えんで・・・」
「違う、違うの・・・嫌じゃないの」
「無理せんでいいって」
そう言って微笑んでくれるけれど、やはり寂しさを隠し切れてはいない。
- 165 名前:One and only 投稿日:2007/03/26(月) 21:53
- 「愛ちゃん・・・・・キスして?」
「うん・・・・・」
吐息が近づいてきて、唇が温もりに包まれる。
口づけをしているときに・・・ふと、以前見た衝撃の光景が浮かんできて。
スッと唇が離れた時に、つい思ったままの事が口から出てしまった。
「前に愛ちゃんが藤本さんとしてたみたいなキスを・・・私にもして欲しい」
・・・・・でも。
その後の愛ちゃんの表情を見て事の重大さに気付き愕然とした。
まさか、私が気付いていないと思ってたの?
硬直したまま青ざめて行く愛ちゃん。
「あ・・・・・いや・・・・・あの・・・・・・ごめん」
取り敢えず謝ってはみたものの、遠くを見据えたまま唇を噛み締める愛ちゃん
を見て後悔した。
- 166 名前:One and only 投稿日:2007/03/26(月) 21:54
- やはり、触れてはいけない事だったのだろうか。
・・・・・怒っちゃったのかな。
もう一度、ちゃんと謝った方がいいのかな・・・
そんなことを考えていたら。
「里沙ちゃん、そのことで悩んでたん?」
「・・・・・・え?」
何時の間にか穏やかな表情に戻っていた愛ちゃん。
「最近さ・・・何か思い悩んでるように感じてたで」
「・・・気付いてたんだ」
- 167 名前:One and only 投稿日:2007/03/26(月) 21:59
- 「ん・・・・亀が何度か助けてくれてたみたいだけどさ・・・・ほら、お仕事のことなら
誰かに聞いてもらうと気が晴れるかもしれんけど・・・でもあんまし変わらんかった
で、もしかしてあっしのことかなって・・・・・だから今日ちょっと誘ってみたんだ」
「愛ちゃん」
何だ、ちゃんと私の事を見ていてくれたんだ。
「そっか・・・・美貴ちゃんとの事だったか・・・」
私の不安を愛ちゃんが認識してくれたって分かった途端、今までの悔しさが
一気に噴出した。
「ヒック・・・だってさ・・・ヒック・・・嬉しそうに身体を触らせてあげちゃったりさ
・・・・ヒック・・・みんなが見てる前でさ・・・ヒック・・・私ともした事なんか無い
ようなディープキスとかしちゃってるし・・・ヒック・・・悔しくて悔しくて・・・・」
「泣かんでって・・・・どうやら訳を話さんと・・・駄目みたいだね」
私を抱く愛ちゃんの腕に、ギュッと力が入った。
- 168 名前:たまえす 投稿日:2007/03/26(月) 22:00
- >>159 名無し読者様
ありがとうございます。
もちろん大好きなんだとは思いますが・・・
>>160 名無し読者様
ありがとうございます。
なんだか上げたり落としたりでスミマセン・・・
- 169 名前:たまえす 投稿日:2007/03/26(月) 22:01
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 170 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/26(月) 23:01
- 続きが気になりますね。かわいい愛ちゃん、がきさんに癒されます。
どんなときも素直になれるといいですね!
- 171 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:19
- 「全部正直に話すよ。・・・あっしの事は怒っても恨んでも憎んでも別に構わない。
だけど、美貴ちゃんやこんこんの事は絶対に悪く思わないって約束してくれん?」
「え・・・・こんこん?」
「多分・・・これは誰も悪くなんか無い。悪い奴がいるとすれば・・・あっし達を利用
している大人達だ」
最後のくだりでの愛ちゃんの語気は、まるで大臣への復讐を誓うサファイアの
ような鋭さがあった。
てっきり私は・・・単なるエロもっさんのセクハラと、欲求不満な愛ちゃんの気まぐれ
だと思っていたけれど。
何だか、まるで見当違いの事にヤキモチを焼いていたような気がしてきた。
「約束・・・してくれん?」
「うん・・・・・する、するよ」
- 172 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:20
- 「ありがと」
そう言うと愛ちゃんは、私をしっかり膝の上に抱え直した。
「愛する人を愛するが故に会うことの出来ない辛さって・・・・・想像できる?」
「・・・・え?」
「去年こんこんが卒業してから・・・美貴ちゃんはね、こんこんの夢を叶えてあげる
ために自分はどうすればいいのかって、すごく悩んだの」
「・・・うん」
「そんで結局、短期間で大学を目指すためには、こんこんが勉強に集中できるよう
にしてあげないといけないんだって・・・・・里沙ちゃんも知ってる通り、心を鬼にして
ずーっと会いたいのを我慢してたんだ」
「うん、二人とも凄いなって思った」
- 173 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:20
- 「ミュージカルが終わった後でさ、打ち上げパーティーがあったやろ?」
「あぁ・・・あのホテルの豪華な・・・」
「そう、里沙ちゃん達は先に帰ったけど、二十歳過ぎのメンバーはそのまま2次会で
残されたじゃん」
「子供は帰るよって言ったら、そんなんずるいっちゃろ〜って田中っちが暴れてたっけ」
「ほやほや・・・その時にスポンサーさんとかに美貴ちゃんお酒飲まされちゃって」
・・・・・・・・ん?
「ちょっと待って・・・・・確かあの時、まだ愛ちゃんは誕生日の前じゃなかった?」
「あ、バレてもーた」
「駄目じゃん」
- 174 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:21
- 「暫定ハタチやって」
「未成年がパーティーで飲酒?」
「あっしは飲んどらんて・・・・・・あれ、何話してたっけ」
「藤本さんがお酒を飲まされたってとこまで」
「ほやった・・・・・ほら、美貴ちゃんて強そうに見えるじゃん?」
「そんな事無いのにね」
「でも相手が偉いさんやろ?・・・石川さんとかは逃げ回ったりしてたけど、美貴ちゃんて
大人だから嫌な顔一つせんで真面目にお酒の席に付き合って」
「酷い・・・・何で?・・・・事務所の人だっていたんでしょ?」
「半分はスポンサーさん達の接待が目的だったんじゃない?」
「接待?そんなことしてたの?」
- 175 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:21
- 「仕事のうちやよ」
「何だかショック」
「で・・・先に進めてもいい?」
「・・・うん」
「結局酔っ払っちゃってね、始めのうちは賑やかに盛り上がってはしゃいでたけど、一時間
もせんうちに静かになってもーて。ほんで心配になって見に行ったら、美貴ちゃんはニヤけ
たおっさんにもたれて寝ちゃってて」
「あらま」
「あっしも逃げたかったから、ひとまず起こして休憩用に取ってあった会場のホテルの
部屋へ美貴ちゃんを連れて行ったんよ」
「上手いね愛ちゃん」
- 176 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:22
- 「エヘン!」
「いや、誉めてないから・・・・・それで?」
「ちぇ・・・・そんで、取り敢えずベッドに寝かさなきゃって思って服を脱がそうとしたら、
えらい抵抗するんだわ。・・・どうやらあっしの事を、さっきまでお酌させられてたエロ
おやじと勘違いしたらしくて」
「あ〜・・・酔ってて分からないんだ」
「うん・・・やめて!美貴が身体を許すのは紺ちゃんだけなんだから・・・・・って」
「・・・・・そんなことを」
「そう・・・・それを聞いて感動してね。・・・でも、その後が失敗やった」
「え・・・・・何したの?」
「別にそのまま寝かせちまえば良かったんだけど・・・何を思ったのかあっし、こんこんの
真似をしちゃったのよ」
- 177 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:23
- 「え、できたっけ?」
「自分でも似てるとは思わんけど・・・ほぉ〜ら美貴ちゃんはいい子でちゅねー、お洋服を
脱ぎ脱ぎしなきゃ駄目でちゅよ〜・・・って」
「似てねぇ〜〜」
「コホン・・・・でもそう言ったら素直に脱いでくれたんよ?」
「はぁ?・・・・・あの人達、普段そんなことしてるの?」
「知らんて・・・で脱がせたら、いきなり紺ちゃ〜〜〜ん!・・・て思いっ切り抱き締められて」
「はぁ」
「・・・・・・キスされちゃった」
「・・・・・・え?」
「あっしだってあんな凄いキスは初めてで驚いたけど・・・でも悪いのはこっちだし、だから
抵抗なんてできんかった」
- 178 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:23
- 「そーだったんだ・・・・・」
「うん、里沙ちゃんご免・・・」
「ううん、それじゃ仕方が無いよ」
「で・・・・・・」
「で?」
「そのままベッドに押し倒されてあっしまで脱がされて・・・」
「え〜〜っ!・・・・まさか愛ちゃん・・・・しちゃったの?」
「何を?」
「ん・・・もぉ〜ばかぁ〜」
「そっれがさぁ、酷いんだよ?ブラジャーを剥ぎ取られて胸を揉まれたんだけど、すぐに
・・・あれ?って言って美貴ちゃんの動きがピタッと止まってさ」
- 179 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:24
- 「・・・・・揉まれちゃったの?」
「うん。・・・ほやけど、どうやらあっしのおっぱいはこんこんのと比べて相当違和感があった
らしくて、暫く握った胸と顔を見比べてたと思ったらいきなり、あ〜〜愛ちゃん!って叫んで」
「そりゃ酷いね」
「はは・・・・・でも、その状況に気付いた途端、ベッドから飛び降りて土下座して平謝り」
「・・・そっか」
「でもさ・・・どちらかと言えば、悪いのはキッカケを作ったあっしの方じゃん?」
「ん〜・・・・どっちも悪くなんか無いと思うけど」
「ありがと。・・・・でも、美貴ちゃん・・・泣いちゃってね」
- 180 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:25
- 「え・・・・」
「自分の心の弱さの為に、あっしにも里沙ちゃんにも本当に申し訳の無い事をしたって」
「そんなことないのに」
「うん。だから、あっしだって里沙ちゃんだって美貴ちゃんの事が大好きだし怒ってなんか
いないよって」
「うぅぅ・・・・愛ちゃん・・・・・」
「あらぁ〜・・・泣くんかい」
「グスッ・・・言われてみれば藤本さん・・・あの頃から、以前にも増して優しくなったような
気がする。・・・・ゴメンね愛ちゃん怒ったりして・・・・」
「いいって・・・・・あ、でもその後のリハーサル室でのキスはさ・・・出会い頭の事故みたい
なもんだから」
- 181 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:25
- 「もう怒ってないよ」
私の知らないところでそんなドラマが展開されていたなんて、本当にビックリ。
私だったら間違いなく驚いてひっぱたいていたと思うけれど。
でも、そんなことをされても藤本さんのことを気遣う愛ちゃんの優しさが嬉しかった。
「愛ちゃん・・・」
「・・・・ん?」
「凄いキス・・・まだしてもらってないんだけど」
「どうするのか良くわかんねーし」
「えっ?」
- 182 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:26
- 「だって・・・お口の中をべろがぐるんぐるん動き回ってんのやもん・・・どーやってんのか
さっぱり訳わからんて」
「でも、気持ちいいんでしょ?」
「と言うより変な感じ」
「ねぇ・・・・してみてよ」
「今日の里沙ちゃん、えらい積極的だねぇ」
「その・・・・なんだ・・・ほら、食べてもいいから」
「うおっ・・・・マジかぇ?」
「だぁ〜〜って・・・だってさ・・・愛ちゃんの欲求はさ・・・やっぱ私が満たしてあげたいじゃん・・・」
- 183 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:27
- 「・・・・・さっきみたいに逃げない?」
「・・・・・多分」
「あっしの欲求不満は凄いぞ?」
「そんなにたまってたの?」
「女の子でも溜まるものなのか?」
「はぁ?」
「里沙ちゃんさ・・・」
「な・・・なに?」
「いいよ・・・とか言ってる割にはドキドキが凄いね」
- 184 名前:One and only 投稿日:2007/03/29(木) 00:28
- 「だって・・・・・」
「だって?」
今、私の胸にある気持ちは一つだけ。
「だって愛ちゃんが好きなんだもん」
ほら、こんなにいっぱいの愛で満たされている。
「あっしだって大好きやよ」
そう言って、ぎゅ〜〜ってしてくれた。
その後で初めて挑戦した大人のキスは・・・正直言ってまだよく分からなかった
けど、愛ちゃんとそういう事をしちゃったってことだけで溶けちゃいそうだった。
もう悪戯に妬いたりなんかしないよ。
だって、私はこんなに愛されているのだから。
- 185 名前:たまえす 投稿日:2007/03/29(木) 00:28
- >>170 名無飼育さん様
ありがとうございます。
やはり素直な気持ちは持っていたいものです
- 186 名前:たまえす 投稿日:2007/03/29(木) 00:32
- 週末から出張のため、暫くの間更新ができません。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 187 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/29(木) 18:19
- ガキさん良かったねぇ。・゜・(ノД`)・゜・。
というか
もうめっちゃ可愛いし絶対色っぽいんだよあー見たいそのガキさん!
取り乱してしまいすみません(´・ω・`)出張行ってらっしゃいませー
- 188 名前:名無しの読者 投稿日:2007/03/30(金) 02:03
- 更新お疲れ様です。
なるほど、愛ちゃんと美貴ティとの間にはあの様な事があったのですね。紺美貴イチ推しの私ではありますが、愛ガキもナイスCPです!
- 189 名前:446 投稿日:2007/03/30(金) 07:21
- 作者さん更新乙であります。
>>171の愛さんの台詞に心臓を掴まれた気分になり>>178-179の台詞の流れに
ポ○リをPCのモニターに噴出してしまいましたw それにしてもTVの元気者の
ガキさんを見慣れてるはずなのですが、この様子を脳内で鮮明に想像できます。
年度末の出張、忙しい中大変でしょうがお気をつけて。
- 190 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:08
- 「さ・・・・どうぞ、遠慮しないで入って?」
「はい、お邪魔します」
「えっと・・・じゃそこに座っててくれる?」
「はい」
「いまお茶の用意してくるから」
『お茶ってみどり茶かな・・・・』
「シッ!・・・あ、どうぞお構いなく・・・・」
「フフッ・・・・二人とも・・・紅茶は平気?」
「「 はい 」」
- 191 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:09
- 「おっけー」
『あー良かった・・・』
『だからシィ〜!』
白魚のような手で可愛くOKサインを作って見せた石川さんは、そよ風のような
微笑みを残してキッチンに消えて行った。
スケジュールがなかなか合わずに、ずぅ〜〜っとのびのびになっていたかねて
からの約束。
一度は見事に忘れられてしまったけれど、桃の嬉しいお節介で辛くも復活。
でも、やっぱりタイミングがいまいち噛み合わずにいたけれど、メールのやりとり
は頻繁にしてくれるようになりました。
そして、横浜アリーナに向けてのリハーサルが予定通り早く終わった今日・・・
- 192 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:10
- 初めて石川さんのおうちにお招きしてもらっちゃいました。
玄関を入るとそこは、まばゆいばかりに一面ピンク色に染まった空間。
ソファーに腰かけて、キョロキョロと部屋を見回す。
「ぜ―んぶピンクだね」
「うん」
「すごいねー」
「うん」
「眩しいね」
「うん」
「なんか・・・・佐紀ちゃん、うん・・・ばっかり。あんまり嬉しそうじゃないね」
- 193 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:10
- ・・・・・・確かに私は石川さんと約束したわよ?
だけど・・・私よりも嬉しそうに足をパタパタさせながら、興味津津で部屋を見回し
ている奴がもう一人。
「・・・何で桃まで来ちゃったの?」
「あ、ひっどぉ〜い・・・・だぁ〜ってさぁ・・・・桃ちゃんも来る?って石川さんが聞く
から・・・・つい、はい!・・・って返事しちゃったんだもん」
「・・・家だってまるで逆方向じゃない。・・・そりゃー確かにさ、こうして来れたのは
桃のお陰だとは思うけど・・・」
「いいじゃん、佐紀ちゃんのせいで私も石川さんのファンになっちゃったんだから・・・・えいっ!」
そう言いながら、ぷぅ〜っとふくらませてた私のほっぺをプニッと突っつく。
- 194 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:11
- 「あ〜・・・やったな?・・・おりゃ!」
「あぅ・・・・」
私も負けずにプニ返し。
「クスクスッ・・・二人とも本当に仲良しさんなのね」
「「 あ・・・・ 」」
何時の間にか目の前には嬉しそうな石川さん。
慌てて桃のほっぺにめり込んでいた人差し指を引っ込める。
「フフフッ・・・」
石川さんはチャーミングに微笑むと、ソーサーを2つ並べてカップを置いて、コポコポ
とティーポットを傾けた。
- 195 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:12
- 「わぁ〜いい香りですね」
「でしょ〜?・・・今日はデザートが甘めだから、紅茶の方はちょっと渋みと香りの
強いダージリンにしてみたの」
「デザートあるんでしゅか♪」
「ちょっと桃やめてよ!・・・恥ずかしいじゃない・・・」
思いっ切り反応して前のめりになった桃の身体を慌てて引き戻す。
「クスッ・・・・いいじゃない、ねぇ桃ちゃん」
ム・・・・
どーだと言わんばかりに勝ち誇った桃のほっぺに、もうひとプニお見舞いしてやる。
「・・・・・あぅ」
- 196 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:12
- 「こらこら・・・・はい、しみちゃん・・・はい、桃ちゃん」
「わぁ・・・可愛い・・・・」
差し出されたのは、透明なカップに赤、桃、白の色鮮やかなグラデーションも美しい
デザートで、中央に一つトッピングされたクランベリーが見た目にも爽やかを演出している。
「色が綺麗ですねぇ」
「でしょ?・・・大成功〜♪」
「えっ、これ・・・石川さんが作ったんですか?」
「うん、そうだよ?」
「「 すっご〜い! 」」
「うふ・・・・しみちゃん達に食べて欲しくって、今朝ちょっと早起きして作ってみたの。
ちょっと心配だったけど、上手く固まってくれたみたい」
- 197 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:13
- 石川さん・・・私達のために、わざわざ早起きまでしてくれたんだ・・・・
ちょっと感動して、ウルッときてしまった。
「ありがとうざいます・・・・」
「ほらほら、いーから食べてみて?・・・実を言うとね、まだ味見・・・してないんだ。
大丈夫だとは思うけど・・・」
「はい、いただきます」
「美味しい!・・・すごいですねこれ」
早いよ桃は・・・・
「一番下がイチゴのムースで真ん中がイチゴのゼリーなの。・・・・で、その上に
生クリームとクランベリーを乗せただけなんだけど結構綺麗でしょ?・・・ゼリー
をうーんと甘めにして、ムースは少し酸味を出したつもりなんだけど」
- 198 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:13
- 壊してしまうのがもったいない程のカクテルに、スプーンを沈める。
口に運ぶと、トッピングの強い酸味、生クリームのほのかな甘味、ゼリーの強烈な
甘味、そして最後にふわっと広がるムースの爽やかな酸味がとても心地良い。
「わぁ〜・・・美味しいです。これ・・・お店で売ってても全然不思議じゃないですよ?
・・・味見をしてないって・・・嘘ですよね」
「ううん、ホントだよ?・・・でも良かった。私って結構適当なんだよね・・・お料理とか
も目分量で作るから、失敗するとかなり悲惨だよ?」
「えー、そうなんですか?・・・でも、ほんと美味しいです・・・・ね、桃・・・・・あ〜あ・・・」
ふと隣を見ると、鼻の頭にクリームを付けたままデザートに集中している。
「あらあら・・・・」
思わず石川さんと顔を見合わせて苦笑する。
- 199 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:14
- 「桃子ちゃんて・・・・やっぱり小指が立っちゃうのね・・・・」
「えぇっ・・・あっ・・・エヘヘ・・・」
本人は無意識なのだが、スプーンを持つ手の小指はものの見事にそそり立っている。
石川さんに指摘されて流石に恥ずかしかったのか自分でクイッと直してみるものの、
手を放すとすぐにピョコンと起き上がる。
「無理だと思うよ?」
今まで何度無駄な努力をしたことか・・・・
「いいじゃんそのままで・・・だって可愛いもの」
「・・・・・・!」
- 200 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:14
- 石川さんに可愛いって言われた途端、ポッと赤くなる桃。
肌の色が白いから結構目立つこと。
チーならバレなかったのにね。
「可愛いってさ」
うつむいた桃の顔をわざと覗き込むと、更に赤くなっている。
「しみちゃんもね。二人とも、とーっても可愛いじゃん」
嬉しそうな石川さんに頭をいい子いい子されて、私も顔が熱くなる。
何か逃げ道は・・・・・ん?
部屋の隅にギターケースを発見。
- 201 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:15
- 「石川さん、ギター弾けるんですか?」
「え?・・・・あ〜あれ?・・・弾けるようになりたいなぁ〜・・・・ってね。・・・・買ったのは
いいんだけどまだ練習してないんだ」
「でも、すごいですね」
「3月にクロシェットでディナーショーをやるんだけど、それまでに1曲でも弾けるよう
になれたらいいな・・・・ってね。だから、そろそろ練習を始めなくちゃいけないんたけど」
「できるようになったら聞かせて下さい」
「え・・・・恥ずかしいなぁ・・・・でも・・・いいよ?」
「うわぁ〜楽しみだね・・・桃・・・って、何してるの?」
隣を見ると・・・石川さんのトレードーマークでもある例のうさぎのでっかいぬいぐるみと
にらめっこをしている笑顔の桃。
- 202 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:16
- 「これ可愛いでしゅね」
「あぁ、それね・・・・私が娘。を卒業した時に作ってもらったグッズなの」
「いいなぁ・・・・」
やばい・・・・桃ったら、おねだりモードになってる・・・
「こら、だめだよ桃」
一応釘を刺しておく。
「これねぇ・・・・・一つしか無いんだよね・・・・・そっか、何かなかったっけ・・・」
「いえ・・・・いいんです、気にしないで下さい」
「あ、そーだ・・・・確か・・・・」
そう言うと石川さんは立ち上がって、何やら衣装ケースを物色し始めた。
- 203 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:16
- 私を見てニッと笑う桃に、口パクで『バカッ』と返す。
「あったあった・・・丁度2枚あった。でも二人にはちょ〜〜っと大きいかもしれないなぁ・・・」
そう言って手渡してくれたのは、ビニール袋に入ったままの真新しいTシャツ。
「私の卒業記念のTシャツなの。ちょっと古いけど、でも新品だから」
「え・・・・頂いちゃってもいいんですか?」
「どうぞ・・・・ほら、一応背中のところにちゃんとうさちゃんが付いてるのよ?」
「わっ、ホントだ可愛い〜」
「ありがとうございます・・・良かったね桃」
「うん・・・・ね、明日のリハーサルに着ちゃおっか」
「え・・・・・・・着ちゃう?」
- 204 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:17
- 「じゃチャーミーも着ちゃおっと!」
「ホントですか♪」
「うん、三人お揃いで行こうゼ」
「すっごーい」
「やったー・・・・みんなに自慢しちゃお」
「こんなに喜んでもらえるなんて嬉しいな・・・・そーだ、サインも入れとく?」
「えっえっ、いいんですかぁ?」
私よりも大はしゃぎの桃。
「もちろん・・・・・・え〜っと、確かこの辺にマジックが・・・お、あった・・・・」
仲良く袋から出して順番待ち。
- 205 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:18
- 「じゃちょっと貸して?・・・で、ここをこうやって持っててくれる?」
「はーい」
背中の部分に慣れた手付きでサササッと書き上げるその姿がとてもカッコイイ。
「うさぎちゃんも書いとくね・・・・で・・・・愛する桃子ちゃんへ・・・ハート・・・はいできた!」
「ぅわぁ〜〜〜ありがとーございます・・・・すげェ・・・」
「じゃ、今度はしみちゃんね・・・・同じように持っててね・・・・」
「はい、お願いします」
「・・・・・っと、愛するキャプテンへ・・・はあと・・・はい、完成!」
「どうしよう佐紀ちゃん、愛するだって・・・やったね・・・・あれ、どうしたの?」
「何でも無いからあっち向いてて」
- 206 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:18
- 私の顔を覗き込もうとした桃のほっぺを押し返す。
「・・・・・・・あっ、ごめん」
とても気さくに接してくれる石川さんの優しさが嬉しくて、感激して涙が・・・・
「ウフッ、良かった・・・・・あ、そーだ・・・私も二人のサインもらってもいい?」
「えっ!・・・・もっ、もちろん・・・・いくらでも」
「じゃ・・・ちょっと待ってね・・・・あれ、どこにしまったっけ・・・やっぱお揃いじゃないとね・・・」
やおら洋服ダンスの引き出しを物色し始めた石川さん。
しばらくして・・・・・
「あった〜〜・・・・もぉー真希ちゃんたら何時の間に・・・」
「え・・・まきちゃんって・・・・後藤さん?」
- 207 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:19
- 「うん・・・・・私の服をキショイキショイって言う癖に・・・なによ、自分だってこっそり私の
Tシャツとか着てるじゃない」
どうやら引き出しの幾つかは後藤さん専用になっていて、そこへ石川さんのTシャツ
が紛れ込んでいたらしい。
何だか大人の世界を覗いてしまったような気がして、思わず桃と顔を見合わせ赤面する。
「はい、ここに思いっ切り書いちゃって?」
そして二人ででっかくサインして。
「サンキュー・・・・おっし、これを着て明日も頑張るとするか」
「はい、ありがとうございました・・・・あの、そろそろ私達・・・」
「え?・・・・あーそうだね、あんまり遅いとね・・・二人とも来てくれてありがとうね」
「そんな・・・とんでもないです、こちらこそありがとうございました」
- 208 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:19
- 「今度はさ、泊まりにおいでよ」
「えぇ?!・・・そっ・・そんな」
「一緒にご飯作ってぇ・・・」
・・・・石川さんとお料理って、楽しそうだな・・・・
「一緒にお風呂に入ってぇ・・・・」
・・・・・・・え?
「で・・・・ウフッ、一緒に寝るの」
「・・・・一緒に?」
「うん・・・しみちゃんも桃ちゃんも小柄だから、ベッドで私と一緒に寝ても大丈夫じゃん?」
『・・・・パタン!』
- 209 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:20
- ・・・・・・・・・・ん?
何気に音のした方を見てみると・・・・・!
「ちょっと・・・・桃!・・・大丈夫?」
真っ赤な顔してソファーに倒れた込んだままボ〜ッとしてる。
「あらら・・・桃ちゃんにはちょ〜っと刺激が強かった?」
「違うんです、この子少女マンガが大好きだからもしかして・・・」
「あ〜〜、想像しちゃった?」
「たぶん・・・・・」
「フフッ、どんな?」
「えぇ!?・・・いや・・・・あの・・・わっ、わかりません!」
- 210 名前:One and only 投稿日:2007/04/08(日) 08:22
- 「キャ〜〜かっうわいぃ〜〜しみちゃん!」
思い切り石川さんに抱き締められて・・・一瞬脳死状態。
その後、呆けたままの桃を叩き起こして。
石川さんに駅まで送ってもらってお別れしました。
聞いていいのかどうか分からなくて黙ってたけれど、やっぱり噂通り石川さんと
後藤さんてお付き合いしてるんだなって。
キャビネットの上には、海をバックに後藤さんと二人寄り添った素敵な写真。
カレンダーの予定表には二人分のスケジュール。
洗面台には一つのコップに二つの歯ブラシが挿してあって。
そんな二人の聖域にお邪魔したのかと思うと、まだ胸がドキドキしちゃいます。
でも、ちょっとだけ早く大人になりたいなって思いました。
・・・・・・石川さんみたいな素敵な女性に。
- 211 名前:たまえす 投稿日:2007/04/08(日) 08:34
- >>187 名無飼育さん様
ありがとうこざいます。
次の写真集ではどんなガキさんを見せてくれるのでしょうか・・・
愛ガキコンビでアロハロとか・・・・無理かw
>>188 名無しの読者
ありがとうございます。
紺美貴同様ご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます(^^)
>>189 446様
お気遣いありがとうございます。
新垣さんは内面的にも外見的にも表情が豊かなのかなと思います
- 212 名前:たまえす 投稿日:2007/04/08(日) 08:37
- たまえす
たま〜に保育に足を滑らせそうになりますが・・・
これでも私的なカテゴリーはいしごまなんです・・・多分w
昨日出張から戻り、録画しておいたMステSPで始めて
新曲を見て・・・卒倒しました
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 213 名前:名無しの読者 投稿日:2007/04/09(月) 01:45
- 出張お疲れ様でした。そして、戻られて早々の更新ありがとうございます。
礼儀を重んじるキャプテンと、そのキャプテンに協力していた筈の桃ちゃんのはしゃぎっぷりが可愛いかったです。作者様の作品を読んでいると、好きなメンバーがどんどん増えてしまって困ります(笑)
- 214 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/09(月) 05:30
- 保育でたまえすさん一押しなのはこの二人なんですか?
それともさらに深みに滑りかけてらっしゃるんでしょうかw
なんか石川さんがいつもと別人みたいで面白いですw
- 215 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:22
- 「梨華ちゃん何だい?・・・その背中は」
「あっ、これですか?・・・ウフッ、いいでしょ」
「誰のサイン?」
「ベリーズの可愛いお姉さん達・・・ほら、あそこに・・・」
「うわっ、何だあれ・・・ちょーとお揃いじゃん梨華ちゃん」
ぐるっと部屋を見回した安倍さん。
私が指差したその先で、メンバーにお揃いのTシャツを自慢しているちっちゃい
二人を見つけてびっくり。
「あらまぁ〜〜あんなキモい絵まで書かれて可哀想に・・・・」
「ちょ〜っと何でですか、可愛いくないですかぁ?」
- 216 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:22
- 「なにもあんな純真無垢な少女達をさ、きも〜い仲間に引きずり込まなくてもいいべさ」
「どーしてですか、喜んでくれましたよ?あの子達・・・」
「そっかぁ〜・・・またピンクの悪魔の犠牲者が増えたか・・・」
「またって何ですか!誰にも押し付けてなんかいませんよ私」
「だーってさ、こんこんから始まって、しげさんでしょ、小春でしょ?・・・あぁ可哀想に・・・」
「あの子達は元々ピンクが好きなんです!・・・・ちょっとまりっぺ〜安倍さんがぁ・・・・・あれ?」
どうしても私をイジろうとする安倍さんから助けてもらおうと思って矢口さんを探したら、
キッズの集団に紛れてちっちゃい姿が見え隠れしてる。
「何してるんですかね・・・・」
「あれかい?・・・明日だっけか、ファンの集いでZYXの曲を歌うらしいんだけど、振り付け
を忘れたらしくて若い衆に聞いてくるって言ってた」
- 217 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:23
- 「へー・・・お誕生日だし、どんなことをやるんだろ、見に行きたいなぁ」
「梨華ちゃんも矢口と一緒に握手会するかい?」
「嫌ですよ。矢口さんのファンの人達だって心から待ち望んだイベントでしょうに、折角の
楽しい雰囲気に水を差したくはありませんから」
「クククッ・・・梨華ちゃんのトークは寒いから、会場がシィ〜〜ンってなっちゃうもんね」
「何だか今日はヤケに絡みますネ・・・・」
「だってさ・・・・最近殆ど会えないからさー」
「安倍さん・・・・・・ん?」
急に可愛くモジモジし始めた安倍さんを見て、そんなに石川に会いたかったのかと
一瞬感動しかけたけれど。
安倍さんの目はどう見ても笑いを堪えている。
- 218 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:24
- 「プププ・・・・やっぱさ〜会える時にイジリ倒しておかないと!」
「あ〜〜やっぱり、酷いじゃないですか」
「ベロベロバァ〜〜・・・逃げろ!」
「ちょ、こら待てぇ〜〜〜〜!」
ドドドドドドドドドド・・・・・
「やっだよー 」
パタパタパタパタ・・・
「素直に寂しかったって言ってよ〜〜」
ドドドドドドドドドド・・・・・
「やなこった〜〜」
パタパタパタパタ・・・
- 219 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:25
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「あらら・・・・始まっちゃったよ」
「矢口さん」
「ん〜?」
「安倍さんも石川さんも、いくつなっても子供みたいに無邪気で可愛いですよね」
突然鬼ごっこを始めたなっちと梨華ちゃんを見ながら、嬉しそうに呟くキャプテン。
「あいつらアホだからね。佐紀ちゃん達の方がよっぽどしっかりしてるよ」
「そんなこと無いです」
「でも・・・どうしてなっちは首を傾けないと走れないのかなぁ・・・・梨華ちゃんも
相変わらず走り方がおかしいし」
「クスクスッ、ホントですね。・・・あ、安倍さん捕まっちゃいましたね」
- 220 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:25
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「ほ〜ら捕まえた!」
「ングッ・・・・ハァハァ・・・・もう・・・梨華ちゃんのバカッ・・・・」
「ほら、石川に会えなくて寂しかったって言ってごらん?」
「ちょ〜っと、キモいからスリスリしないでよ」
「いゃ〜ん、安倍さんたら照れてるの? かっわいー」
「照れてないってば・・・・ちょ〜っと矢口! そんなとこで笑ってないで助けろっつーの」
しょうがね〜なぁ・・・
「確か昨日・・・梨華ちゃんに会いたいって言ってたよね〜なっち!」
「な・・・・なぁ〜に言うべさアホ矢口!」
「キャ〜〜〜、安倍さん大好きぃ〜〜〜!」
- 221 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:26
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「あ〜あ、いいんですか?あんな事を言っちゃって・・・」
「あん・・・いいのいいの、朝のうちに少し疲れさせておかないとね。昼からごっつぁんが
来るからさ、またテンションが上がってうるさくなるだろ?」
「あの・・・・」
「ん?」
「あの・・・石川さんて、後藤さんとお付き合いしているんですか?」
「・・・・・・・は?」
「あ、いえ・・・・何でも無いです」
「ハハァ〜ン・・・佐紀ちゃんも、そろそろお年頃って訳か・・・」
「ちっ違います」
- 222 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:27
- 「もう高校生だし」
「ちょっと聞いてみただけです!」
「背も抜かれちゃったし」
「5センチほど」
「そっか、梨華ちゃんか」
「そんなんじゃないです」
「目標にするにはちょっと寒いかも」
「そんなことないです」
あっと言う間に真っ赤に染まった佐紀ちゃん。
- 223 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:27
- 可愛いねぇ・・・
「好きなんだ・・・」
「・・・・・・・はい」
「そっか。・・・ま、多少キモかったりもするけれど、負けず嫌いで頑張り屋さんで
しっかりしてて女の子らしくて・・・梨華ちゃんて本当にいい奴だから、佐紀ちゃん
もう〜んと可愛がってもらいな」
「可愛がって・・・って・・・そんな・・・」
「うん、ごっつぁんとの関係なんて別に気にしなくていいからさ、こういう一緒の
お仕事がある時に思いっ切り甘えておくといいよ」
「はい」
- 224 名前:One and only 投稿日:2007/04/12(木) 22:28
- 子供だと思っていたのに、何時の間にかお姉さんになっていて。
時の流れって・・・・本当に早いよね。
「ハァハァ・・・・んもぉ〜〜矢口! なして助けに来てくれないのさ」
「だって楽しそうだったじゃん」
「ハァハァ・・・・まだレッスン前だっつーのに、もうキツイよなっちは」
「で・・・梨華ちゃんに寂しかったって言えたの?」
「おとといの誕生日にも言ったけど・・・なっちはね、矢口がいてくれれば
・・・・寂しくなんかないの」
「な・・・・・・・・・・・」
冗談で振ったのに、まさか素で返されるなんて思ってなくて。
思わず隣の佐紀ちゃんと顔を見合わせて、同時に赤面してしまいました。
- 225 名前:たまえす 投稿日:2007/04/12(木) 22:31
- >>213 名無しの読者様
ありがとうございます。
>好きなメンバーがどんどん増えてしまって困ります(笑)
日本総DD化計画進行中・・・w
>>214 名無飼育さん様
ありがとうございます。
>保育でたまえすさん一押しなのはこの二人なんですか?
固定の推しではなくて、保育に限らずその時の気分で上は姐さんから
下はマイマイまで幅広く変化します。
>それともさらに深みに滑りかけてらっしゃるんでしょうかw
いえいえ、ただ2004.1.14のBerryz工房誕生発表会から参戦はしてますが・・・
- 226 名前:たまえす 投稿日:2007/04/12(木) 22:32
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 227 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:09
- 「ほら、外から見えちゃうから覗いたらダァ〜メだってば・・・・」
「でも美貴ちゃん・・・・チョコレートケーキがあるんだもん・・・」
「分かったから、持ってきてあげるから・・・ね?」
「あ・・・あれ何かなぁ・・・・・・あ・・・あ〜っ、あのロールパンも美味しそう・・・・」
「あ〜〜んもぉ・・・わぁ〜った、今日のお品書きを持ってきてあげるからさ・・・
欲しいのをメモに書いといてよ。また直ぐ来るからね?」
「うん♪」
人の流れが途切れるのを待って、ケータリングコーナーの壁に貼り付けて
あったメニューをひっぺがしてきてドアの隙間に突っ込む。
「じゃ・・・はいこれ、絶対に顔を出しちゃダメだかんね?」
「はーい」
- 228 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:10
- はぁ〜・・・・・
いくらサプライズ・ゲストだからって、何もこんな人通りの多い通路の控え室に
監禁しなくてもいいのに。
しかもドアをほんの少し開けると、丁度ケータリングのテーブルが良く見えて、
この収監者にとっては最悪(絶好?)の条件。
心配だけれど、美貴も一度戻って衣装に着替えなきゃならない。
今日のこの企画を聞いた時には本当に驚いたの。
だって、たとえセレモニーだけとはいえ、まさか紺ちゃんともう一度同じステージ
に立てるなんて夢にも思わなかったから。
つい我を忘れて号泣してしまった。
「美貴ちゃん、こんこんは大丈夫?」
「ん? ケータリングの誘惑と格闘してた」
- 229 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:10
- MCの打ち合わせの時に企画を聞いて、やはり大喜びしてくれた梨華ちゃん。
「ウフッ、こんこんらしいね・・・じゃあ美貴ちゃんが着替えたら、脱走しないうちに
差し入れに行ってあげようよ」
「うん・・・・あれ、うちの連中・・・みんなどこに行ったの?」
「え?・・・よっすぃ〜はステージ裏でスタッフと話し込んでた。光井は拉致監禁中
だけど、あれ〜?その他大勢はさっきまでいたはずなのに・・・」
「は?・・・またどーして光井が監禁されてんの?」
「ほら、来週お披露目の握手会をやるって言ってたじゃん?」
「うん、久住の奴が・・・私も出れるんですぅ〜〜ワーイ!・・・ってスゲー喜んでたから
お前が主役じゃねーんだから前に出過ぎるなよって言っといたんだけど」
- 230 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:11
- 「そーなの?・・・そのイベントの時に配るサインを大量に書かせなきゃいけないからって、
マネージャーさんに捕まってた」
「はは・・・ま、何事も経験ですな」
衣装に着替え終えて梨華ちゃんと楽屋を出る。
『STAFF以外立ち入り禁止』などと張り紙がしてあるなんちゃってスタッフ・ルーム
に近づいた時。
「ギャハハハハ・・・美貴ちゃんが?・・・ガッハ〜〜〜・・・マジかえ?」
「ちょ〜っと愛ちゃん笑い過ぎ、静かにしなきゃバレるでしょーが!」
立ち入り禁止のはずのドアの中から確かに聞こえた愛ちゃんと垣さんの声。
「「 ・・・まさか! 」」
思わず梨華ちゃんと顔を見合わせる。
- 231 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:11
- ドアを軽くノックして合図を送ると・・・・・
「あ〜、誰か来ましたよ?」
「シーッ、小春は出ちゃダ〜メだってば!」
今度は小春と亀ちゃんの声。
・・・・・はぁ?
カチャッと開いた隙間から覗いたのは・・・・
「わっ、藤本さん・・・あ・・・あの・・・違うの・・・さゆみじゃないの・・・エヘヘ」
「・・・・じゃあお前は誰なんだよ」
意味不明な言い訳をする重さんに軽く突っ込みつつ、周囲の様子をを窺いながら
中に滑り込む。
- 232 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:12
- 「お・・・・・・・・・・お前ら・・・何時の間に」
確かにさっきまでは紺ちゃんだけだったのに。
既に第2ケータリング・コーナーと化したテーブルを、よっちゃんと光井以外の
娘。で取り囲んで宴真っ盛り状態。
「・・・・ちょっとあなた達、何でこんこんが来てる事を知ってるのよ」
腕組みをして呆れる梨華ちゃん。
「もう信じれん、何でうちらにまで隠すと?みんなだって会いたいに決まっとーやろ?
ぽんちゃんはみんなのぽんちゃんだけん、れなだって・・・れなだってバリ会いたかったけん」
「・・・ありがとれーな」
勢い余って涙ぐんでしまったれいなを紺ちゃんが抱き締める。
- 233 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:12
- みんながどれだけ紺ちゃんのことが好きかなんて、そんなことは言われなくたって
美貴が一番良く知っている。
「ごめん・・・企画だから仕方が無かったんだけど・・・フッ・・そうだよね、美貴が悪かったよ」
「でもね、あさみとみうなにはナイショよ?」
「「「 は〜い 」」」
「・・・・で、愛ちゃんさ」
「あぃ?」
「美貴の何がおかしくて爆笑してやがったんだ?」
「おぇ?・・・・・・お、そろそろ行かな・・・ガキさんよろしく、ほなさいならぁ〜」
・・・パタン!
- 234 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:13
- 「うそぉ〜・・・んもぉ〜、あ〜いちゃん!」
「おっと逃がさねーゼ・・・じゃあ、ガキさんよろしく」
「あ・・・あははは・・・ねぇ・・・ほら・・・つまりその・・・何と言いますか・・・」
「あ・・・・じ・・・じゃあ、絵里も行こーっと・・・紺ちゃんまた後でね」
「え゛っ、ちょっとあんたー」
「えっと・・・れなも行くけん・・・」
「ちょぉ〜っと、田中っちぃ〜〜!」
「・・・小春ちゃん行こっか」
「はぁい」
「ちょっと、お前らまで・・・・・・あ」
・・・・パタン。
- 235 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:14
- 「さてと・・・・」
「いや・・・あの・・・私はまったく笑ってなんかいませんでして・・・・」
「でもガキさんの相方は爆笑してたじゃん」
「はぁ・・・・・・・愛ちゃんは何にでも笑う人なので・・・」
「で・・・・何で震えてるの?」
「え゛っ?・・・あ、いや・・・こうしてもっさんに抱き締められるのって初めてかなぁ〜なんて・・・」
「美貴のことが・・・怖いの?」
「んえっ? そ、そんな滅相もない・・・」
クスッ・・・美貴は別にみんなが話していた内容なんて興味は無いし、愛ちゃんやガキさん
のことを怒っている訳でもない。
- 236 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:14
- ただ、このガキさんのうろたえっ振りが可愛いのと、言われてみればガキさんのことを
こうして抱き締めた記憶って無いな〜って思って。
・・・・本当はみんなにナイショで紺ちゃんと二人切りになりたかっただけなんだけど。
「ガキさんもさ、たまには愛ちゃん以外の人にギュッてされるのも悪くないんじゃない?」
「・・そんな石川さんまで」
梨華ちゃんも美貴の考えはお見通しとばかりにニヤニヤしている。
「石川さん、私達も外に出ていた方がいいですかね」
「うそぉ、ちょっとこんこんまで何を言ってるの!」
「ん? たまには美貴ちゃんと二人だけで仲良くしたら?」
「ガキさんは、美貴のこと・・・嫌い?」
- 237 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:15
- 「はぁ?・・・な・・・な・・・なんでそーなるんですか、嫌いな訳ないじゃないですか」
「じゃあ・・・・いいよね」
わざと顔を近づけて、迫る振りをしてみる。
「あっ・・・・あの・・・ご、ごめんなさい・・・それは愛ちゃんだけとゆーか・・・」
こうしてマジマジと見詰めてみると、素のガキさんはまだまだあどけなさが残る。
・・・・可愛いね。
「クスッ・・・・美貴ちゃん、そろそろ許してあげれば?」
「うん、そうだね」
笑顔の紺ちゃんに促されて、垣さんを解放してあげる。
普段は結構お姉さんしてる垣さんだけど、なかなかどうして、まだまだ普通の女の子。
- 238 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:15
- 「え・・・・あ、あの・・・・」
「ん?」
「怒ってたりとか・・・・」
「そんな訳ねーじゃん・・・ほら、そろそろ準備しに戻らないと」
「なぁ〜〜〜んだよもぉ〜、びっくりしたぁ〜〜〜」
「里沙ちゃんの反応が可愛いから、美貴ちゃんはちょっとイタズラしただけだよ」
「ハァ〜、でもお陰で緊張が解けたかも」
「またステージでその可愛いお尻を触ってあげるから安心しなよ」
「嫌です」
- 239 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:16
- 「よし、ほら・・・マメ戻ろっか」
「はい、じゃこんこん後でね」
「うん、ちゃんと見てるから頑張ってね」
「おー!」
垣さんはサムアップをすると、梨華ちゃんとスタッフ・ルームを出て行った。
「美貴ちゃん、本当は誰が目当てだったの?」
「えぇ?」
「みんな怖がって出て行っちゃったじゃない」
「紺ちゃんと・・・」
「・・・・・え?」
- 240 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:17
- 「開演まで紺ちゃんと二人っ切りでいたかったの」
「・・・・美貴ちゃん」
「ほら・・・こっちにおいでよ」
「・・・・うん」
紺ちゃんを膝の上に抱き上げて、軽くカールした毛先に指を絡ませる。
「スタンバイが掛かるまで、こうしてて・・・いい?」
「うん・・・」
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
優しく抱き締めてくれる美貴ちゃん。
みんなには悪いことをしちゃったけれど、でもやっぱり落ち着く。
- 241 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:17
- 「美貴ちゃん」
「ん?」
「また・・・卒業しちゃうね」
「紺ちゃんの影響なのかな。でもさ、みんな自分の将来を本気で考え出したって事じゃん?」
「そうなのかな・・・」
「うん、別にいいと思うよ?」
「そうだね」
「ところでさっき、愛ちゃんは何で爆笑してたの?」
「プッ、気になってたんだ」
「いちおーね」
- 242 名前:One and only 投稿日:2007/04/15(日) 00:18
- 「ほら、こないだ今日のセレモニーのオファーが来たよって美貴ちゃんに話した時」
「・・・うん」
「美貴ちゃんたらよっぽど嬉しかったらしくて、大泣きしたんだよって言ったらね、
愛ちゃんが大爆笑しちゃって・・・」
「・・・・・・・・あのさ紺ちゃん」
「ん?」
すると、膝から降りるように促された。
「どうしたの?」
「やっぱり、愛ちゃんのことシメてくるわ」
「え・・・・ち、ちょっとダメだよ美貴ちゃん」
『・・・・・パタン』
あ〜あ、し〜らないっと
- 243 名前:たまえす 投稿日:2007/04/15(日) 00:19
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 244 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/15(日) 10:33
- 更新おつかれさまです。ついに「あの日」の話ですね。
たまえすさんなら絶対載せるだろうと思ってました。
続きが楽しみです。
しかし、愛ちゃん…
- 245 名前:名無しの読者 投稿日:2007/04/15(日) 18:03
- 更新お疲れ様です。
おおッ!あの日のお話ですか、いいですネ♪
やっぱりあの日はあのお方のことですから、ケータリングは間違いなく利用したんでしょうね(笑)
- 246 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:05
- 失敗した。
・・・余計なこと言っちゃった。
大丈夫かな愛ちゃん・・・・
いくら劇症型の美貴ちゃんでも、愛ちゃんの人格を否定する程の無茶な
事は言わないとは思うけど。
でも、開演前の精神状態って誰もが平静ではいられないから。
誰だって緊張で興奮して落ち着きが無くなって、ちょっとした事でも過敏に
反応してしまう。
でも、今の私は美貴ちゃんを止めに行く事ができない。
- 247 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:06
- 私が卒業した後で、愛ちゃんとは何かがあったみたいだし、やっぱり誰か
に応援を頼んだ方がいいのかな。
でも、私が悲しくなるようなことを美貴ちゃんがするとはどうしても思えない。
やっぱり美貴ちゃんを信じよう・・・・
そんな事を考えながら、重さんが持ってきてくれたチョコレートケーキを
プラスチックの小さなフォークでちょっとずつ削って口へ運ぶ。
・・・ん〜〜〜おいひぃ〜
そう、さっき美貴ちゃんが着替えに部屋を出て行ったあと、置いてってくれ
たケータリングのメニューを見ていたら誰かにドアをノックされて。
- 248 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:06
- ただ、スタッフさんや美貴ちゃんと決めていた叩き方とは違っていたので
無視をしていたのだけど。
あんまりしつこく叩き続けるので、そっとドアに近付いて耳を澄ませてみたら。
「やっぱいないじゃ〜ん、ほんとに感じたのぉ〜?」
「ホント・・・ホントなの・・・ホントにさっきここを通った時に聞こえたんだもん!
・・・チョコレートケーキもいいけど、かぼちゃのコロッケも捨て難いなぁ〜〜って」
・・・・・・ドキッ!
「あんたさぁ、ちょっといい加減にしなさいよ? そりゃ〜確かにフットサルや
カントリーで一緒だったし、セレモニーのゲストとして来てもおかしくは無いけ
れど・・・だけど、もうこんこんは娘。もハローも卒業しちゃったんだよ?普通
に考えてみて?うちの事務所がそんな人道的なことをすると思う?」
- 249 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:07
- 「ガキさんガキさん、もういいじゃん・・・ね? きっとさゆが聞き間違えちゃった
だけなんだよ。だから・・・」
「違うもん、絶対にこのへんで紺野さんを感じたんだもん!」
悲痛な重さんの訴えを戒めようとする里沙ちゃんと、重さんをかばう亀ちゃんの声。
重さん・・・・・外の通路を通っただけで、私の事を感じ取ってくれたの?
前に美貴ちゃんが話してくれた事を思い出した。
私の事が好きだと言ってくれた。
そんな彼女をこのまま嘘つきにしていいの?
別に私がメンバーに見つかる事くらい、何て事無いじゃない。
- 250 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:07
- そぉ〜っとカギを開けてドアの隙間から様子を窺ってみる。
「うぅ・・・・ホントだもん・・・」
可哀想に、半泣きになってる重さん。
丁度、ドアの近くに立っている彼女にだけ聞こえるように呼んでみる。
「しーげーさん・・・・」
すると、ビクッとしてゆっくりこちらに振り向いて。
「あっ・・・・」
「シィー!」
叫ばれる前に素早く口止め。
- 251 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:08
- 細い隙間越しに視線が交わった途端、一瞬で満面の笑みになった重さんの
大きな瞳から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。
・・・・・やばい。
「あ〜〜、新垣さんが道重さんを泣かせちゃった」
「気持ちは分かるっちゃけど、ちょっと言い過ぎやない?」
何時の間にか小春ちゃんとれーなも来ていて。
こうなったら仕方が無い。
「しげさんそのまま聞いて。カントリーのあさみちゃんとみうなの2人がいないのを
確かめて、1人ずつここに連れて来てくれる?」
「はい」
- 252 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:08
- 小さく肯くと、無言で垣さんの腕を掴んでこっちに連れて来た。
そして左右を確認すると、私を見てもう一度コクンと肯いて。
「・・・ごめん、怒った・・・よね、ちょっと言い過ぎた。 だから・・・・・・ん?
・・・・・おわぁ〜〜〜!」
重さんの合図で里沙ちゃんの腕を掴むと、力一杯引っ張り込んだ。
「あっ、ガキさんが消えた」
同じ要領で次々に部屋に引き入れて、最後に入って来た重さんをギュッて
抱き締めてあげる。
「紺野さん・・・・さゆみね・・・グスッ・・・会いたかったの・・・」
「ありがと重さん、良くここにいるのが分かったね」
「・・・・うん」
- 253 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:09
- 「そんなに泣いたらメイクが落ちちゃうよ?」
「いいの・・・」
「さーゆーズルい〜〜、れーなもー」
「絵里もー!」
「じゃあ小春もー!」
「じゃあって何だよ!」
久し振りに聞いた里沙ちゃんの生突っ込み。
「・・・本当だったんだね・・・・ごめんねさゆみん」
「・・・ううん」
- 254 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:10
- 「ポンちゃ〜〜ん」
・・・・バフッ!
「こんちゃ〜〜ん」
・・・・バフッ!
貼り付いたまま離れようとしない重さんにしびれを切らしたれーな達が、あっち
こっちから抱き付いてきた。
「あのぉ・・・キミ達いい加減に・・・・・ん?・・・ねーこんこん、このメニューはどう
したの?何かしるしが書いてあるけど」
「ん〜? さっき私がドアからじぃ〜っとケータリングを覗き見してたら、美貴
ちゃんが持ってきてくれたの。後で欲しいやつを持ってきてあげるから選んで
おいてって」
- 255 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:10
- 「え゛っ、もっさんは知ってたの?」
「知ってるも何も・・・・今朝、美貴ちゃんと一緒に来たんだもん」
「やっぱり・・・・おかしいと思ったんだよ、朝は大抵不機嫌なのにさ、今朝は妙に
ハイだったじゃん」
「あ〜、そう言われればそうっちゃね」
「何が食べたいですか?さゆみが取ってきてあげますから」
「ププッ・・・・さゆみん、このメニュー見てみ?・・・・ほとんど全部に丸が付いてるし」
「あ・・・違くて・・・これから選ぼうかなって・・・」
「じゃあ取り敢えずチョコレートケーキとかぼちゃのコロッケを取ってきまーす」
そう言って重さんは部屋を飛び出して行った。
- 256 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:11
- 「あ〜〜そっか、これを見て悩んでたのをさゆみんがキャッチしちゃったんだ。
ププッ・・・でもさぁ・・・アハハハハハハハハ・・・ちょっとこーんこんてば・・・ケーキ
とコロッケってさぁ、どんな組み合わせなの〜?・・・アハアハアハ・・・」
里沙ちゃんに爆笑されたけど・・・・・
「だって・・・・美味しそうなんだもん」
みんなで色々と私の好きそうなものを運び込んでくれて。
最後に重さんと一緒に飛び込んできたのは・・・
「んふ〜・・・・・元気そうじゃん、女子大生」
「愛ちゃん・・・・」
「こんこん・・・・」
- 257 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:12
- しばらく抱き合った後、みんなで乾杯したりして。
どうしてここに隠れる羽目になったのかを話すついでに、美貴ちゃんが泣い
ちゃった事もうっかりバラしちゃって。
それが愛ちゃんのツボを直撃してしまい大笑いされて。
そこへ運悪く美貴ちゃんが戻って来てしまったと。
でも・・・・ケーキ、美味しかったなぁ〜・・・・
『コン・・・コンコン・・・トトトンッ』
あ、スタッフさんだ・・・
「は〜い」
- 258 名前:One and only 投稿日:2007/04/16(月) 22:13
- 部屋に入ってきてテーブルの上の有様を見るなり目を丸くしたスタッフのお姉さん。
呆れ顔で腕組みをすると、大きなため息をひとつ。
「あ・・・・・あの・・・・」
「クスッ、ちょっと遅かったようね・・・・・」
「ごめんなさい!」
「ううん、いいのよ。でも、相変わらず勘のいい子達だこと」
そう言うと、にっこりと微笑んだ。
どうやら予想していた範囲の出来事だったらしい。
「じゃ、スタンド席下の部屋に移ってもらうから一緒に来てくれる?ここは開演
が近付くと動けなくなるから・・・・・ん?・・・・遠慮しないで持っていったら?」
「エヘ」
・・・・・ロールパンを狙っていたのがバレちゃった。
- 259 名前:たまえす 投稿日:2007/04/16(月) 22:14
- >>244 名無飼育さん様
ありがとうございます。
分かりやすい作者でスミマセン・・・
>>255 名無しの読者様
ありがとうございます。
このあたりの妄想だけでスレ立てしたいくらいですw
- 260 名前:たまえす 投稿日:2007/04/16(月) 22:15
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 261 名前:名無しの読者 投稿日:2007/04/19(木) 02:16
- 道重さんの察知能力のおかげで、素敵な再会ができましたね。道重さんありがとう。
- 262 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:02
- スタッフさんの後に続いて通路をてくてく。
立ち入り禁止区域を少し歩いて何の表示も無いドアの前で立ち止まった。
「じゃあ、ここでもう暫く待っていてください。開演したら、お席の方へご案内
しますね」
「はい」
「あ、それからそこのパーテーションの奥に飲み物があるからご自由にどうぞ」
「ありがとうございます」
ドアを開けるとそこは立派な応接室。
へー、横浜アリーナは何度も来ているけれど、こんな部屋があるなんて
知らなかった。
- 263 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:03
- メンバーの中には、空き時間にあちこちに冒険に出掛けたりして、里沙ちゃん
みたいに警備スタッフから締め出しを食らいそうになったり、亀ちゃんみたい
に迷子になって怒られたりした子もいたけど、私はあまり探検しなかったなぁ。
暇さえあればケータリングだったから・・・
早速、部屋の片隅にパーテーションで仕切られたドリンク・コーナーを物色しに行く。
コーヒーやお茶のサーバーが並んでいて、その隣は可愛い冷蔵庫?
どれどれ・・・・・お、ジュースが何種類も入っている。
ん〜・・・・どーしよーかなー・・・・
部屋が少しひんやりしているから、温かいのにしよーっと。
黒いカップホルダーに白いプラスチックのカップをポコッとはめてサーバーにセット。
- 264 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:04
- ボタンを押すと、コポコポといい香りが漂って。
スティックシュガーを取ろうとして、隣のボトルが目に入った。
〔 ダイエット・シュガー 〕
えっと・・・・・ま、一応ね・・・気になるお年頃なので・・・
ダイエット・シュガーをサラサラッと入れて、細いスプーンでまぜまぜ。
さっき恥ずかしい思いをしたので、今度はスタッフさんが入って来ても食べて
いるのが見えないよう、パーテーションの中に椅子を持ってくる。
では・・・いっただっきま〜す!
ぱくんとロールパンにかぶりつく。
・・・・おぉ、柔らか〜い・・・
- 265 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:04
- ズズッと熱いコーヒーをすすって。
ん〜〜〜ちょっといいんじゃない?
美味を堪能していたその時。
カチャ・・・パタン!
ドアの開閉音が聞こえた。
えっ、まだ食べていないのに・・・・
腕時計を見てみる。
開演時間にはまだかなり早い。
パーテーションから少し顔を出して覗いてみると・・・
・・・・わっ!
- 266 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:05
- なんと、美貴ちゃんが愛ちゃんの手を掴んで部屋に引っ張り込んでいる。
びっくりして顔を引っ込めると、その場にしゃがみ込んで音を立てないよう
に息を潜める。
そうだ、泣いたのを愛ちゃんに笑われて、シメてやる・・・とかなんとか言い
ながら、怒って出て行っちゃったんだっけ・・・・
でも、悪いのはみんなの前で喋っちゃった私。
それに、大切な卒業式の前に余計な揉め事は起こして欲しくない。
大変だ、早く美貴ちゃんを止めなくちゃ。
と、立ち上がったその時。
「もぉ〜・・・・あ〜いちゃ〜ん」
・・・・・え?
- 267 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:06
- あれ・・・怒って・・・・いない?
「やめてって言ったじゃ〜ん」
怒っているどころか、かなりの猫撫で声。
美貴ちゃんが愛ちゃんに・・・甘えてる?
「クスクスッ・・・・わりぃ、ついやってもーた」
「愛ちゃんがあんなリアクションするからさぁ、みんな美貴が怒ったって勘違
いして出て行っちゃったんだかんね?」
「スマン!・・・ほやけど、あれが普通の反応じゃん?・・・美貴ちゃんの方が
気にし過ぎやって」
・・・・・一体、何がどうなっているのだろう。
- 268 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:06
- 「でもさぁ・・・・紺ちゃんから美貴が泣いたってのを聞いて笑っちゃったって
言ってくれれば・・・ふぅ〜ん・・・で終わったんだよ?」
「ふぅ〜んねェ。ほんならこれからはホントの素の美貴ちゃん路線で行く?」
「何だよ、ホントの素って・・・」
「ん?・・・寂しがりやで甘えん坊で泣き虫の可愛い美貴ちゃん♪」
「えぇ?・・・だ、だからぁ・・・別にメンバーの前だけなら・・・・いいけど・・・・」
「ホントにけ・・・・あ!」
「な、なに?」
「1個抜けてた」
「・・・だから何」
- 269 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:07
- 「照れ屋さん♪」
「愛ちゃん!」
「プププ・・・・じょ〜だんやって。でも一度定着したイメージって、なかなか
変わらんやろーね」
「何でヤンキーイメージが付いちゃったかなぁ・・・・」
「日頃の行いやて」
「え〜〜〜?」
「クスクス・・・だいじょ〜ぶ、美貴ちゃんがそんな人じゃないってことはあっし
達みーんな知ってるもん」
「・・・別に・・・普通にしてるのになぁ」
- 270 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:08
- 「これからだって無理せんでええて。こんこんが大学に通い出したらさ、向こう
の生活だって大切にせんといかんやろ?そりゃーこんこんだって美貴ちゃん
に気を遣うだろうけどさ、もしかしたら去年よりも寂しい思いをするかもしれん。
ほやけど我慢しちゃ駄目やよ?・・・ん〜〜そうだなぁ・・・例えばさ、亀が里沙
ちゃんの事をいつも気にしてくれてるじゃん?あいつ普段はちゃらんぽらんな
クセして、何気にメンバーのことは良く見てるし。あっしも少しは亀の優しさを
見習って、美貴ちゃんの心の支えになれるようにすっから」
「グスッ・・・あのさぁ、開演前に泣きそうなことを言うなよバカ・・・」
「あ〜あ・・・泣いてんじゃん・・・はいティッシュ・・・・ほら、そろそろ戻らんと・・・」
「うん・・・・・あ・・・あのさ」
「ん〜?」
「・・・・・・サンキュ」
「おー」
- 271 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:08
- ・・・・パタン!
行っちゃった。
ちょっと愛ちゃん、私も涙が・・・・。
美貴ちゃんと愛ちゃんがあんなに親しそうに普通に話をしてるところなんて、
今まで見たことが無い。
いっつもぶっきらぼうなショートセンテンスの掛け合いで終わる様なイメージ
しかなかったけど。
確か私が卒業したあとに、愛ちゃんと何かあったって言ってたよね。
美貴ちゃんは何か悪い事をしたみたいな感じの言い方をしていたから、これ
以上は聞かない方がいいと思って私から口にするのは避けていたんだけれど。
こんないい関係になっていたなんて。
- 272 名前:One and only 投稿日:2007/04/20(金) 00:10
- 恐らく、その出来事が二人の絆をより深めたに違いない。
ぱくん・・・・何故かちょっとしょっぱい味になったロールパンをかじる。
・・・心の支え・・・か。
私もたくさんの人に支えてもらったから、こうしていられるんだもん。
人は一人では生きてゆけないんだもんね。
みんなで助け合って、支え合って。
忘れかけていた大切な事を思い出させてもらって、なんだかすぅ〜〜っと
心が穏やかになっていく感じがする。
ぱくん・・・・そっか、卒業式だもんね・・・きっと、あさみちゃんとみうなが
感謝の気持ちを忘れるなって教えてくれたのかもしれない・・・
二人の夢へ向かっての再出発を心から祝福します。
〜 卒業おめでとう 〜
- 273 名前:たまえす 投稿日:2007/04/20(金) 00:13
- >>261 名無しの読者様
ありがとうございます。
道重さんは、なんとなく不思議感覚が合うような気がします。
- 274 名前:たまえす 投稿日:2007/04/20(金) 00:14
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 275 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:21
- 今日、愛ちゃんからもらってきた真新しい写真集。
早速、うちに来ていた紺ちゃんと、二人仲良く頬を寄せ合って頁をめくる。
「愛ちゃんが写真集をくれるなんて珍しいね。・・・いつも恥ずかしがって、
ちょーだいって言ってもくれないっしょ」
「そーなんだよね・・・なんかさ、ガキさんと美貴にだけなんだって。
他のメンバーにはナイショにしといてって言われた」
「ほぉ・・・・内緒にねェ・・・」
「あ〜っ、何だよその疑惑の眼差しは」
「ううん・・・別に・・・なんでも?」
「嘘だ。だったらどうしてそんな顔なの?」
- 276 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:21
- 「どーせこんな顔です」
すっごいヤらしい系な笑顔の紺ちゃん。
絶対何か想像している証拠。
でも・・・・
「そんな顔も大好きだよ」
・・・ちゅ!
「わわっ、ほら・・・見ようよ美貴ちゃん・・・・わぁ、愛ちゃん綺麗・・・・」
ちっ、照れ隠しに誤魔化されたか・・・
紺ちゃんの嬉しそうな声につられて、写真集に視線を落とす。
- 277 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:22
- 目に飛び込んできたのは、ここぞとばかりに勝負する高橋愛。
その可憐さが、その美貌が、鮮烈な輝きを放っている。
「ほら・・・これも可愛いよね美貴ちゃん」
「・・・・・うん」
しっかしまぁ・・・・・
本当にこれが・・・・あのクソガキ愛ちゃんか?
普段のやんちゃ坊主からは想像もつかない表情の数々。
「美貴ちゃん?」
「・・・・ん?」
- 278 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:22
- 「どーしたの?」
「え?・・・・やっぱりこいつ、女だったんだなぁ〜って」
「クスッ・・・・何で美貴ちゃんが照れてるの?・・・・顔が赤くなってるよ?」
「えぇっ?」
「プッ・・・・でもすごいね〜・・・わぁ〜、なんか私もドキドキしてきた」
・・・・・ドキドキか。
美貴は・・・・本当はドキドキなんてもんじゃない。
とある頁から放たれた大人びた愛ちゃんの目線を見た時に、あの忌ま
わしい出来事を思い出してしまって。
- 279 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:23
- そう・・・・あの時とまったく同じ瞳。
ただ、あの時のように涙は流れていないけれど。
いくら酔わされていたとはいえ、本当に取り返しのつかない事をしてしまったんだ。
気付いた時には・・・ベッドの上に裸の愛ちゃんを組み伏せて、胸を鷲掴みにしていた。
驚いて身体を離すと、そこには全身をを真っ赤に染めた愛ちゃんが横たわっていて。
大人びた妖艶さを放っているその瞳からは、止めど無く涙が溢れていた。
どうして?
・・・何で・・・こんな事に?
- 280 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:23
- 思い当たる事は一つだけ。
今の今まで自分がこんなに弱い人間だなんて知らなかった。
謝っても謝っても謝り切れない。
自分の愚かさに涙が止まらず、ひたすら頭を下げ続ける美貴に・・・・・
「謝らんで!」
驚くほど強い口調が降り注いだ。
「あっし・・・・・怒ってなんかえんて」
「うぐっ・・・だって・・・・だって美貴・・・強姦したんだよ?・・・愛ちゃん
のこと・・・襲ったんだよ?」
- 281 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:24
- 「違うって・・・・ちょっとさ、間違えちゃっただけだよ・・・」
さっきとは打って変わって、とても穏やかな口調。
「間違えたって・・・そんな・・・・・だって・・・・」
「美貴ちゃん、寂しかったんだよね」
「何で?・・・優しくしないでよ・・・・・こんな酷い事をした美貴に優しくなん
かしないでよ!・・・・愛ちゃんの気が済むまで思いっ切り引っぱたいてよ」
「そっか・・・分かった・・・じゃあ、気の済むようにしてやるよ」
そう、そうしてくれた方が幾らか気が楽になる。
いいよいつでも・・・・
- 282 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:25
- 目を閉じて、力一杯歯を食いしばる。
「美貴ちゃん・・・・・」
「・・・・・・!」
しかし・・・訪れたのは強い衝撃ではなく、優しく温かい抱擁だった。
「どうして・・・エグッ・・・何でよ・・・・ウワァァァ・・・」
愛ちゃんの胸に抱かれたまま泣き叫ぶ。
「大丈夫・・・・美貴ちゃんは悪くなんかえんて」
「ごめん・・・ック・・・ごめんね・・・・」
「だから謝らんでって・・・あっしの方こそごめん・・・美貴ちゃんの寂しさを
分かってたはずやのに・・・見て見ぬ振りしてた。美貴ちゃんがこんな限界
まで我慢してたなんて全然知らんで、気付いてやれんで・・・ごめんね?」
- 283 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:25
- 「・・・・ック・・・・愛ちゃん・・・・」
「はい・・・・いいよ?美貴ちゃんの好きにして・・・大丈夫だから・・・こんこん
が合格するまではさ、あっしが慰めてやっから」
愛ちゃんはゆっくりと美貴の手を取って、自分の乳房にあてがった。
「バカ・・・何やってんの・・・駄目だよこんなの・・・ック・・・そんな事をしたら
美貴は最低の人間になる。垣さんや紺ちゃんにだって顔向けができなくなる」
「ほやから・・・・セクハラだと思えばいいじゃん」
「・・・・・・・え?」
「メンバーへのセクハラなら、い〜っつもしてるやろ?」
- 284 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:26
- 「う・・・・・うん・・・・まぁ・・・でも・・・・やっぱり、こんなのダメだよ」
「・・・・あっしのおっぱいじゃ不満かい」
「違うの・・・気持ちは嬉しいけど・・・でも、やっぱ超えちゃいけない一線てものが・・・」
「そっか・・・・・・そんなら・・・・・」
「えっ・・・・ちょっ・・・・・・」
不意に強く抱き締められた。
密着した素肌から・・・言葉では表現ができない程の優しさが伝わってくる。
「これから寂しくなった時は我慢なんかせんで、小春とか里沙ちゃん
の居ない時にこそっとあっしのことをこうして抱き締めるといいがし。
・・・・そんくらいならいいやろ?ほら、こうしてると結構落ち着くから」
「愛ちゃん・・・・ありがとう」
- 285 名前:One and only 投稿日:2007/04/22(日) 11:26
- しかし、藤本美貴としては一世一代の不覚だっただけに、今でもやっぱり
悔やまれてならない。
でも、あの事件があったからこそ、愛ちゃんの本当の優しさに気づく事が
出来たんだよね。
よっちゃんが卒業した後のリーダーを宣告された時は、ある程度は覚悟
していたものの、やはり不安だった。
でも今は違う。
愛ちゃんとならやれる。
彼女がサブリーダーでいてくれるなら、絶対に上手くやれそうな気がする。
そう確信できたんだ。
・・・・クスッ、高橋愛か・・・・一体何者なんだあいつ・・・・
- 286 名前:たまえす 投稿日:2007/04/22(日) 11:27
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 287 名前:名無し読者 投稿日:2007/04/22(日) 15:05
- 愛ちゃん、メッチャAいい女じゃないですかぁ〜。
やられました・・・。
- 288 名前:名無しの読者 投稿日:2007/04/23(月) 00:37
- 更新お疲れ様です。
愛ちゃんの優しさに感涙致しました。やはり美貴ティも自分では気付かないうちに寂しさが積もっていたんでしょうね…(T-T)
- 289 名前:無名し読者 投稿日:2007/04/24(火) 20:34
- よっちゃん もうすぐ卒業かぁ 早いな〜
卒業後はこの2人で娘。を引っ張ってくんですね。
そのサブを支えるガキさんみたいな
もちろんリーダーは影で常にこんこんが支えてるって妄想で( ̄〜 ̄)ニカッ
相変わらず作者さんの世界にハマっております。
あの時舞台裏は実際にこんな感じだったんだと
年度変わりで忙しく中々書き込み出来なかったんですがいつも楽しみに見てますのでマイペースでガンガって下さい
- 290 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:18
- 「・・・・ちゃん」
・・・・・・ん?
「みーきーちゃん!」
「あ・・・・ごめん、ぼーっとしてた」
「うそ」
「・・・・・・へ?」
「本当は・・・・愛ちゃんに見とれてた、でしょ?」
ドキッ!
「隠したって分かるよ?」
- 291 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:19
- 「どどど・・・どーしてさ」
「クスクスッ・・・ほ〜ら図星だ・・・そんなにどもることないっしょ、あははは」
嬉しそうにカラカラと笑う紺ちゃん。
でも、美貴はそれどころじゃない。
今、一体どれくらいの時間モノローグしてたのだろう。
かなり長い時間、愛ちゃんの事を考えていたような気がする。
そんな美貴のことを、恐らく紺ちゃんはずーっと間近で見ていたに違いない。
やばい・・・・
一度深呼吸をしてから、ゆっくりと視線を紺ちゃんの方へ振ってみる。
- 292 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:19
- ニマ〜ッと怪しい笑顔の紺ちゃん。
「そっか・・・うんうん・・・」
一人で勝手に納得のご様子。
「ね、ちょっと待ってよ・・・・何で?」
「なにが?」
「うんうん・・・・って」
「別に?」
やっぱりニヤニヤと嬉しそう。
「こぉ〜んちゃん!」
- 293 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:20
- 「今・・・・ずぅ〜〜〜〜っと、愛ちゃんのこと考えてたんだ」
ギクッ・・・・・
「だっだっ・・・だからほら・・・ちよっと凄いな・・・って」
「ほぉ〜」
「あ〜っ、何だよそれ」
「そんな顔じゃなかったもん」
「な・・・・・・じゃあ・・・どんな?」
「ん〜・・・・そーだなぁ・・・例えば、私とキスをした後で優しく抱き締めて
見詰めてくれてる時の美貴ちゃんと同じ表情みたいな」
「・・・・・・・・・・」
- 294 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:20
- 恐らくビンゴだと思う。
実は・・・紺ちゃんには、まだあのパーティーの夜の出来事を話せてはいない。
合格発表の夜に話しそびれて以来ずっと。
でも、紺ちゃんから続きを促される訳でもないし、何となくうやむやにしていた。
もちろん、紺ちゃんが合格してからは、愛ちゃんとは何も無い。
えっと・・・まぁその、ほんの出来心でのスキンシップは・・・たまぁ〜に・・・
相変わらずガキさんの視線はキビシイけれど。
「美貴ちゃん・・・また顔が赤くなってるよ?」
「え゛っ・・・・・あっ」
慌てて自分の頬を触ると、なんとポッポしている。
- 295 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:21
- 「そっか・・・・愛ちゃんと何かあったって言ってたもんね」
「だから・・・・・・・そうだね、やっぱりちゃんと話すよ」
このまま隠していても、美貴が苦しいだけだから。
告白をしようと決心をしたのだけれど・・・
でも、紺ちゃんは笑顔のまま。
「ううん、いいの」
「え・・・・何で?」
「さっきの美貴ちゃんの表情だけで充分だよ」
「でも・・・でも美貴は愛ちゃんのことを・・・」
- 296 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:21
- 「もし、美貴ちゃんが愛ちゃんと理解し合えていないのならば、さっきの
美貴ちゃんの表情は有り得ない。心から愛して信頼しているからこそ、
写真集の自然で優しい愛ちゃんの表情を見た時に、彼女を思う気持ち
が美貴ちゃんの顔にも現れた・・・・・違う?」
「ど・・・・・どうして・・・・・」
「あら?・・・私は美貴ちゃんの一番の理解者だと思ってたんだけどなぁ〜
・・・それに、愛ちゃんは同期だよ?・・・愛ちゃんの事は美貴ちゃん以上
に良く知ってるもん」
「・・・ちぇっ・・・参ったな」
「だから・・・愛ちゃんが許してくれた事なら私も許せるし、美貴ちゃんが
受け入れられた事なら私も受け入れられるから」
まるで、何もかも知っているかのような紺ちゃんの言葉に・・・
・・・・・涙腺が完全に決壊した。
- 297 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:22
- 「ねえ美貴ちゃん、私のどんな時の表情が一番好き?」
ひとしきり泣いて落ち着いた頃。
美貴の腕の中で写真集に見入っていた紺ちゃんが、そんな事を聞いてきた。
「そーだなぁ・・・ぜ〜んぶ好きってゆーのはダメ?」
「エヘ・・・・嬉しいな」
本当に美貴にとっては、紺ちゃんのあらゆる表情が全て好きなんだけど・・・・・
その時、ふと思い浮かんだある一つの表情。
それは、絶対に美貴しか見る事のできない筈の紺ちゃんの最上級に美しい顔。
「あ・・・・・・あった」
「えっ?えっ?・・・・なになに?」
- 298 名前:One and only 投稿日:2007/04/24(火) 22:23
- お口がニマ〜ッとなった興味津々期待満々の紺ちゃん。
「ん?・・・・あんね」
「うんうん♪」
「美貴が紺ちゃんのおっぱいを・・・こう優しくモミモミしながらね、先っちょを
吸ってる時の・・・恥ずかしさに耐えながらも、もっと頂戴って快感を求めて
いる時のあの紺ちゃんの表情が・・・やっぱ最高かなぁ」
「な・・・・・・・・・・」
急にガバッと立ち上がった紺ちゃん。
「ど・・・・・・どーしたの?」
「美貴ちゃんのばかぁ〜〜〜〜!」
パタパタパタパタパタパタ・・・・・・・『バタン!』
・・・・・・・・・・あ。
- 299 名前:たまえす 投稿日:2007/04/24(火) 22:24
- >>287 名無し読者様
ありがとうございます。
次期サブちゃんでも頑張って欲しいですね。
>>288 名無しの読者様
ありがとうございます。
やはり人間我慢はいけないと思います。
寂しさもあまりためると暴発しますので…^^;
>>289 無名し読者様
ありがとうございます。
私も世間の春休みを尻目に精勤しておりましたw
段々とSSAが近付いてきますね。本当に時の流れは
早いです。
- 300 名前:たまえす 投稿日:2007/04/24(火) 22:26
- 300!…じゃなくて、本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 301 名前:名無しの読者 投稿日:2007/04/26(木) 00:17
- 美貴ティ……(>_<)
無事に紺ちゃんよりお許しが頂ける事を願っております。
- 302 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/26(木) 01:50
- ミキティ……w
なんかもうナイスカップルですね
- 303 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:42
- 「ちょっ、紺ちゃん待ってってば!」
ピンクのパジャマのまま玄関から出て行ってしまった紺ちゃんを慌てて
追い掛ける。
どーして恥ずかしがるかなぁ・・・・・
あんな格好で外に出る方がよっぽど恥ずかしいと思うんだけど。
大体さぁ、自分の方がも〜〜っと凄い事を美貴にしてるのにさ。
とても美貴のことを本気でイかせたのと同一人物とは思えない。
エレベーターに飛び込む寸前でなんとか確保。
「ほ〜ら、いい子だからおうちに入ろ?」
- 304 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:43
- ほっぺをぷぅ〜っとふくらませて、上目使いで睨んでる紺ちゃん。
か・・・・かわいい・・・・
部屋へ引っ張り込んで座らせると、また脱走しないようにうしろから
抱き締める。
「恥ずかしかったの?」
少ししてコクンと頷く。
「そっか、ゴメンね」
また少しして、今度は小さく横に首を振る。
「でもさぁ・・・・感じてる時の紺ちゃんて、ホントに綺麗なんだよ?」
「・・・違うもん」
- 305 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:44
- 「もうさぁ、いい加減に諦めて認めちゃえって」
またまた首をフリフリ。
相変わらずの往生際の悪さに思わず苦笑する。
「そっか・・・・・てっきり美貴は・・・紺ちゃんとお互いの愛を確かめ合えて
いるもんだと思ってたのにな・・・」
わざとトーンを下げて、ちょっと寂しそうに言ってみる。
「・・・・・・・・え?」
「残念だな・・・・美貴の思いは紺ちゃんに届いてなかったんだ・・・あんなに
愛し合ったのに・・・・・グスッ・・・こぉ〜んちゃ〜ん」
どうだ!・・・・この子犬が寂しがっているような絶妙なイントネーションは。
「・・・・・美貴ちゃん」
- 306 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:44
- よしっ、食いついた!
「わたし・・・あの・・・」
「ごめんね・・・・美貴、いっつも紺ちゃんの気持ち考えないで」
さらにダメ押し。
すると・・・・
「ちがっ・・・違うの、もらってるもん・・・私、美貴ちゃんの愛・・・いっぱい
もらってるもん」
突然振り向いて、ガバッと抱き付いてきた。
・・・あらら、今にも泣きそうな表情。
- 307 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:45
- 「美貴の方がもらってるもん」
「ううん、私だもん」
「美貴の方が愛してるもん」
「私の方がいっぱい愛してるんだもん」
・・・・何だか良く分からない駆け引きになってきた。
「美貴は紺ちゃんの愛をもっと欲しいな」
「私だって、もっともっと欲しいもん」
「美貴だってもっとあげたいけど・・・でも紺ちゃんはさ、美貴の愛を受け取る
のが恥ずかしいって・・・」
「え・・・・・?」
- 308 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:46
- 「こうしてギューッてするのも」
ちゅ!
「こうしてキスをするのも・・・」
「それに、もっとエッチなことをしたいって思うのもさ、ただスケベ心を満たす
ためじゃない。紺ちゃんに美貴の愛を伝えたいから、紺ちゃんの愛をもっと
感じたいからするんだよ?」
必殺技の甘いトーンで優しく囁き掛ける。
・・・・・もっとも、9割はスケベ心だったりするんだけど・・・ウシシシ。
「・・・あの・・・ゴメンね美貴ちゃん」
「ん?」
- 309 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:47
- 「いつもなまら優しくしてくれるのに・・・なのに、ついバカなんて言っちゃって・・・」
「ううん・・・美貴はね、こんな恥ずかしがり屋さんの紺ちゃんが可愛くてたまらないの」
「エヘ・・・でも、自分でもいい加減にちゃんと受け止めなくちゃって思うんだけど・・・・」
「そっか・・・・」
まぁ、確かにいちいちじれったいとは思うけれど。
でもさ、エッチに慣れ過ぎちゃって、いきなりスッポンポンになってお股を
広げてカモ〜ン!・・・なんて紺ちゃんは嫌だよね。
理性を完全に捨て切れずに羞恥心と激しく葛藤しながら、一方では
美貴の愛を受け入れようと必死に模索する紺ちゃんの表情を楽しみ
つつ、ジワジワと攻めていく。
美貴にとっては、それがもの凄い快感をもたらしてくれるの。
- 310 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:48
- だから、紺ちゃんにはまだ一度も最後までしたことは無いけれど、それ
でも満足できるのかなって思う。
「紺ちゃんは可愛いね」
美貴のこんな一言にさえ・・・・
ほら、頬をポッと赤く染めてうつむいてしまう。
もうじき二十歳なのに、こんな清純な女の子でいてくれる事が何よりも嬉しい。
もう一度、柔らかな紺ちゃんをしっかりと抱き直して、完全密着。
なんて気持ちいいんだろう。
ただ抱き締めているだけなのに、怖いくらいに満足感が得られる。
「紺ちゃんをこうしてギュッてしてるとね、本当に癒されるの」
- 311 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:48
- 「・・・・嬉しい・・・私も美貴ちゃんと・・・ずっとこうしていたい」
「じゃあ、そうしよっか」
「うん」
もぞもぞ動いて、さらに身体を密着させる。
ほっぺもピッタシくっつけて。
「はぁ〜〜〜マジでしあわせ」
「・・・・美貴ちゃん」
「ん?」
- 312 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:49
- 「・・・・・・大好き」
うわっ・・・・・・・きた。
この状況で、どーしてそれを言うかなァ・・・
更に追い討ちを掛けるように、もの凄い幸福感が襲ってきて。
一気に涙が溢れ出した。
「グスッ・・・・ねぇ紺ちゃん・・・」
「・・・・うん?」
「美貴・・・・こんなに幸せでいいのかなぁ」
- 313 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:50
- 「ダ〜メ・・・」
・・・・・なんですと?
予想外の返事に、思わずほっぺを離して紺ちゃんの顔を覗き込んでみると。
「・・・・・エヘ」
すっげー笑顔。
「どうして幸せじゃダメなの?」
「ううん、そーでなくて」
「・・・・・・・・・・?」
- 314 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:51
- 「こんなんじゃなくて・・・もっと、も〜〜っと美貴ちゃんを幸せにしちゃいます」
うわっ・・・・・・・また来た。
「紺ちゃ〜〜〜〜ん!」
「ぅわぁ〜〜〜〜〜!」
歓喜の極みに達して、思わず抱き締めたまま押し倒しちまった。
「決めた!」
「えっ?・・・えっ?」
「そんな可愛い事を平気で言うイケナイ紺ちゃんには美貴がお仕置きをします」
- 315 名前:One and only 投稿日:2007/04/28(土) 23:51
- 「お・・・お仕置き?」
「そ・・・・懲らしめなくちゃね・・・して欲しいでしょ? オ・シ・オ・キ!」
そう言ったら。
何か考え込んだ様子。
その後、少しして紺ちゃんが言い放った一言に思わずコケてしまった。
「えっと・・・・・・あの・・・」
「・・・ん?・・・なぁに?」
「・・・・・キボンヌ」
- 316 名前:たまえす 投稿日:2007/04/28(土) 23:52
- >>301 名無しの読者様
ありがとうございます。
要はただのバカップルということで…
>>302 名無飼育さん様
ありがとうございます。
ナイスな雰囲気が伝わって嬉しいです
- 317 名前:たまえす 投稿日:2007/04/28(土) 23:58
- 大ゴケを目の当たりにしてしまってとても心配しましたが、大事に
は至らなかったようでホッとしました。高橋さんの一日も早い回復
を祈っています。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 318 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/29(日) 01:23
- 更新お疲れ様です。いつ来てもかわいい二人ですね。
本当に癒されます。「美貴様、美貴様お仕置きキボンヌ」
とは、紺ちゃんのためにあったんですね(笑)
これからも期待しています!
- 319 名前:名無しの読者 投稿日:2007/04/30(月) 00:13
- こんなバカップル(失礼…^^;)なら大歓迎ですよ作者様!
キボンヌ……(笑)これも照れ隠し故の発言なんでしょうか?実に可愛いですね。
愛ちゃんの件は驚きました。捻挫らしいですが、無理はせず、残りの公演を頑張って欲しいです。
- 320 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:34
- 「んばぁ〜〜〜!」
「ギャ〜〜っ!・・・・・・何すんだよいきなり」
突然、正面の鏡に映ったよっちゃんの変顔。
「ん〜〜?暇だからちょっと遊んでみた」
「びっくりしたじゃんもぉ〜バカ!大体、いつからそこにいたの?」
「かれこれ30分程・・・」
「ハァ?・・・・・もしかして、ずっと見てたの?」
「折角気持ちよく寝てたのにさぁ、誰かさんが紺ちゃん紺ちゃんって変な歌を
歌ってるから起きちまったよ。だから暇つぶしに楽しそうな美貴ちゃんを眺め
てました」
嬉しそうにニヤついているよっちゃんの表情を見て、一気に顔が熱くなる。
- 321 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:34
- てっきり楽屋に誰もいないと思って。
滅多に見ない鏡に向かってノリノリで鼻歌なんぞを歌いながら、楽しくメイク
をしていたの。
だって、今朝は珍しくご機嫌なんだもん♪
・・・・・え?
どうしてかって?
そんなの決まってるじゃん、美貴が機嫌のいい時はどんなとき?
もちろん愛しい紺ちゃんとラブラブしちゃった時に決まってんじゃん。
そう、昨日はあれから紺ちゃんの希望通りにタァ〜〜〜〜ップリと
お仕置きをしてあげたから。
美貴が思う紺ちゃんの一番好きな表情も、お腹一杯拝めたし。
- 322 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:35
- お仕置きして欲しいって言ったのは紺ちゃんだから、美貴も暴走しようと
する欲望をぐっと我慢しつつ失神させないようにジワジワとイジリ倒して
あげたの。
今までは紺ちゃんの涙を見るとつい可哀想になってそこでやめちゃったり、
わざと失神させるようにとかしてたんだけど。
気持ちいい?って聞くと、声は小さいけれど、一応うんって言ってくれる
ようにはなったから、昨日は試しに限界まで続けてみようかなって。
恐らく、紺ちゃんがあんなに長い間感じてたっぽいのって、初めての経験
じゃないかと思うんだけど。
すすり泣きながらも身体をのけ反らせ胸を突き出して美貴を受け入れて
くれる紺ちゃんがとても可愛くて。
相当頑張ってたけれど、結局は失神しちゃった。
- 323 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:36
- でも、大事な部分には一切何もしていないのに・・・よくイけるよね。
美貴はおっぱいをいじられてキスされた位じゃ、とてもじゃないけど無理。
しかも、一度紺ちゃんにイかされてからは独りエッチでもイきずらいの
なんのって・・・・
そりゃそうでしょ、あんな強烈な絶頂の感覚はそんな簡単に忘れられる
はずもなく。
もしこの手が紺ちゃんの手だったら。
もしこの指が紺ちゃんの指だったら、もっと気持ちいいのに・・・って。
その反面、あんなに可愛い紺ちゃんで、一体美貴はなんちゅー妄想を
こいているのかと。
そんなプチ葛藤を繰り返しているうちに、絶頂の七合目付近から急に
テンションがシュンと滑落してイきそびれたり。
- 324 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:37
- 別に紺ちゃんが頑なに拒絶をしている訳じゃない。
ただ、もう一度して欲しいって言える状況になかなか持って行けないんだよね・・・
逆に美貴がしてあげる時も、最後までしようと思えば出来るチャンスな
んていくらでもあったの。
でも、指を挿入することで・・・・その・・・・男の人との行為を想像させてし
まうんじゃないかって思うと、怖くてどうしてもできなくて。
キャンパス内には様々な誘惑が待っているだろうし、羊の皮を被った
イケメン狼達が手ぐすね引いて待っているかもしれない。
もちろん紺ちゃんを信じていない訳じゃない。
だけど、この今の自然の摂理に反している現状を、もし紺ちゃんが認識
して疑問を持ったとしたら。
- 325 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:37
- ・・・・・・自分でもつくづく情けないと思う。
だから、別に現状維持のままで、これ以上の深い部分は知らなきゃ知ら
ないで構わないのかなって。
紺ちゃんが欲しがれば別なのかもれないけれど、今のところそんな様子
も無いし。
どうやら美貴が胸ばかりいじり倒してばかりいたもんだから、部分的に
開発されてしまったらしい。
でも、昨日の紺ちゃんてば・・・・・・マジで色っぽかったなぁ。
だってさ、あの紺ちゃんがだよ?
いくら我慢して耐えているとはいえ、やっぱりちっちゃくて可愛い喘ぎ声
が出ちゃってるんだもん♪
- 326 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:38
- ・・・・・もうさ、キャ〜〜〜〜〜ッ、紺ちゃ〜〜〜ん!って感じ?
「・・・・みぃ〜〜きぃ〜〜〜〜てぃ〜〜〜〜!」
「ぉわっと・・・・・び・・・びっくりしたぁ〜、だから何すんのよ」
「人が話し掛けてんのに、なぁ〜にシカトこいてニヤけてんだぁ?」
「・・・・・・・え・・・・あ、ゴメン」
「フフフフ・・・そっか、いいなぁ・・・ミキティは」
「な、何が・・・」
「ん〜?昨日はさぞいい夜だったんだろうなーってね」
「・・・・何よ・・・いい夜って・・・・」
- 327 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:38
- 『バシッ!』
「おめー・・・しらばっくれてんじゃねーっつーの!」
ニヤケっぱなしのよっちゃんに思い切り頭をひっぱたかれた。
「いてーよ!」
「いいなぁ〜・・・・ミキティは毎晩こんこんとエッチできて」
「ばっ・・・バカな事言わないでよ・・・そんな・・・毎晩なんて・・・会えないし・・・」
「会えるだけいいじゃん?」
「あ・・・・・・・・ごめん・・・」
「別に?・・・ミキティがいつも慰めてくれるし」
- 328 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:40
- 「何もしてないじゃん」
「いつも、よっちゃ〜〜ん!って抱き付いてきてくれるじゃん?・・・あれは
そーとー癒される」
「へー・・・・そうなんだ・・・」
「うん。久住や光井と違って、ミキティのはナマナマしいからね」
「ハァ?それじゃオヤジじゃん・・・・・ね、麻琴は元気なの?」
「ん〜?・・・なんかさー・・・羊と一緒に放牧されて広い牧場を元気に
走り回ってるらしい」
「・・・・・何の留学だっけ?」
・・・よっちゃんて、本当に凄いなって思う。
- 329 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:40
- 好きな人と会えない寂しさは美貴も身に染みて感じたし、愛ちゃんや
メンバーのみんなに支えてもらわなかったら、切り抜けることはできな
かっただろう。
でも、よっちゃんは一切泣き言は言わないで、頼れるリーダーとして
グイグイみんなを引っ張ってくれる。
だけどね・・・絶対に寂しい時だってあるに決まってるじゃん。
美貴にはそう思えるから。
だから、ちょっとあれ?・・・って思った時には、できるだけこちらから
甘えるようにしているの。
そんな美貴を見たメンバーのみんなも、真似をしてよっちゃんに抱き付く
ようになって。
こんなに全メンバーから親近感を持たれて懐かれたリーダーって、初めて
じゃないのかな。
- 330 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:41
- もちろん仕事には厳しいし、誰一人として甘やかすことはしない。
それでも、加入したての光井にまで・・・よっしざわすわ〜ん♪・・・な〜んて
抱き付かれて嬉しそうに微笑むよっちゃんを見ていると、本当に家族みたい
だなって思う。
美貴はどんなリーダーになるのかな・・・・・
「あの・・・ミキティさぁ」
「・・・・・ん?」
「恥ずかしいからそんなに見詰めないでくれる?」
「え゛っ・・・・あ〜・・・・ご、ゴメン」
無意識によっちゃんの凛々しい顔をボケッと眺めていたらしい。
- 331 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:42
- 「あのさ・・・・・」
「うん?」
「大丈夫だって」
「何が?」
「今年は試練の年になるかもしれない。でも全員の力を信じれば乗り切れ
ると思う。ミキティがリーダーなら・・・・至上最強の娘。になれるさ」
「わかんないよ」
「あれ、美貴に任せろって言ってくれねーのかよ」
そう言いながら、力強い腕で後ろからふわっと抱き締められた。
「ごめん・・・そうだよね、卒業前に心配掛けてどうすんだろうね・・・」
- 332 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:43
- 「・・・・・泣くなよ?」
「泣かねーよ」
「ミキティに泣かれたら・・・私、絶対にヤバイから」
「泣かないって」
「・・・・・泣けよ」
「どっちなんだよ・・・・プッ、ククククッ・・・」
「ミキティ・・・・本当にどうもありがとう」
「・・・・・・え?」
「不安なときや挫けそうになったときには何度も救ってもらった。ミキティ
がいてくれたから、後ろを振り返らずに突っ走ってこれた」
「よっちゃん・・・・まだ早いし。・・・それに救ってもらったのは美貴の方
じゃん、サブなのに一番手を焼かせて困らせて・・・」
- 333 名前:One and only 投稿日:2007/05/01(火) 22:44
- 「ミキティはそのままでいいのさ。PIVOらしく真っ直ぐ正面のゴールだけ
を見て突き進めばいいから」
「・・・・そっか・・・そうだよね」
「そうさ、後ろの方はFIXOの高橋に任せればいい。しっかりバックを守って
全体を見ながらバッチリ攻撃のアシストをしてくれる。もし戦術を間違えそう
になった時にはALAの垣さんが修正してくれるだろう。攻守のバランスを考
えてしっかりサポートしてくれる」
「クスッ・・・よっちゃんらしいね、分かりやすい」
「これからも娘。は全開パワープレイ・・・・そうだろ?」
「もちろん!」
そう言って椅子から立ち上がると、よっちゃんに強く抱き締められた。
「娘。を・・・よろしく頼む」
「・・・・・うん」
娘。に対する熱い思いが、いましっかりと美貴に受け継がれたように感じた。
- 334 名前:たまえす 投稿日:2007/05/01(火) 22:45
- >>318 名無飼育さん様
ありがとうございます。
藤本さんはやっぱりSが似合いますw
>>名無しの読者様
ありがとうございます。
照れ隠しの割りには何気に凄い事を言ってましたね。
- 335 名前:たまえす 投稿日:2007/05/01(火) 22:54
- >>319 名無しの読者様
アンカーだけでレス番が抜けていました。申し訳ありません。
G/W後半戦は帰省のため、次回の更新は卒業式後になると思います。
SSAですか?もちろん行きますとも!
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 336 名前:名無しの読者 投稿日:2007/05/04(金) 01:33
-
よっすぃ〜かっけ〜!
6日の卒紺は参戦できないのですが、なんかよっすぃ〜は爽やかに娘。を卒業する気がします。実際はどうなるでしょう…
- 337 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:54
- 娘。33枚目のシングル発売に伴って企画されたイベント。
東京有明での握手会が無事終わり、吉澤さん達のグループと入れ替え
で大阪へ向かうため、待機していた移動車に飛び乗った。
シートに身体を沈めてホッと一息。
走り出したワンボックスの窓越しに、会場の向かいにある有明コロシアム
のでっかい屋根が過ぎ去って行くのが見える。
乗車してから、しきりにさゆみんが後を気にしているのに気付いた。
チラッと後のシートを振り返る。
早くも睡眠態勢に入っている藤本さんの隣で、真剣な表情で床を見詰めな
がら口を尖らせている小春。
・・・・・・・やっぱり何かあったのかな。
- 338 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:55
- 握手会が終わって着替えている時から終始無言だったから。
いつもはうるさい程に明るく元気な子だけに、余計に心配になる。
「ねぇ・・・ちょっとさゆみん・・・・・」
「はい・・・何ですか?」
「小春の奴・・・・どうしたのかな・・・・何か嫌な事でも言われたのかな・・・
それとも握手をしてくれない人がいたとか・・・・何か聞いてない?」
藤本さんの睡眠を妨げないように、囁くような小さな声で聞いてみる。
「いいえ、でもやっぱり気になるんで・・・ちょっと待ってもらっていいですか?」
「・・・・うん」
- 339 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:55
- さゆみんは大きく深呼吸をすると、静かに目を閉じて。
そして・・・・・
「・・・・・グー・・・・・クー・・・・・スゥ〜〜」
気持ち良さそうな寝息を立て始めた。
んにゃろめ〜・・・・・・
「寝るんかい!」
一応小さく突っ込んでみる。
すると・・・・・
パチッと目を開いてニッコリ。
- 340 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:56
- 「ウフッ、冗談ですよ」
・・・・・・・・あ?
「あのねぇ・・・」
「なんか・・・・怒りよるんです・・・・小春ちゃん・・・どうしたの?・・・うん?
・・・・・・・うん・・・・うん・・・・・・・・あ〜〜そっかぁ・・・」
もうね、この非日常的な光景にも慣れてはきたけれど。
さゆみんは私の隣の窓際。
小春と藤本さんは私達の真後ろに座っている。
ところがさゆみんは、ちゃんと正面を向いて座ったままブツブツと独り言を
発している訳で。
- 341 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:57
- 本当は声に出さなくても感じ取れるのだろうけど、私にも解るようにとの
配慮なのだろう。
「うんうん・・・えっとですね、さっき小春ちゃんが一番最後だったじゃないですか」
「ん?・・・握手の順番?」
「はい」
「うん・・・・・・で?」
「で、お客さんが立ち止まらないようにスタッフさんが後ろから引っ張って
いましたよね」
「うん、流れはかなり速かったね」
「さゆみも同じようなことがあったんですけど、最後の小春ちゃんの所は
もっと酷かったみたいで」
- 342 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:58
- 「ん?」
「あ、話す順序が逆でした。まだ握手をしていないうちから引っ張られちゃう
から手を握るのが精一杯で。何か言ってくれようとしてるのにダァ〜〜って
無理矢理引き離されて聞き取れなかったり、折角言葉を掛けてもらっても
返事を返せなかったりしたって」
「まぁ・・・確かにね、酷いとは思うけどさ」
「マネージャーさんも言ってたじゃないですか、なかなか当たらないんだよって。
イベントに行きたくて一人で何枚もCDを買ってくれるファンの人だっているん
だから、感謝の心を込めてしっかりと握手をしなさいって」
「まあねぇ」
「でも、あれじゃ矛盾してるって言ってるんです」
- 343 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:58
- 「気持ちは分かるけど・・・・・・そっかぁ・・・・」
「遠くから来てくれた人だって大勢いるのに、あれじゃ可哀想だって」
もう一度後ろを振り返ってみる。
うらめしそうに、じぃーっとこちらを見詰めている小春。
私にそんな顔をされてもねェ・・・・
軽く肯いて見せて、前に向き直る。
「さゆみん、小春に伝えて欲しいんだけど・・・」
そう言ったら、両手がふわっとさゆみんの柔らかい手に包まれた。
「もしかしたらできるかも・・・はい、どうぞ」
- 344 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:59
- 「え・・・な、なに?」
手を強く握り直すと、もう一度ふぅーっと大きく深呼吸をして、さゆみんは私を
じっと見詰めた。
その時・・・
『聞こえますか?』
ビクッ!
「おわっ・・・・・うそぉ〜!」
目の前のさゆみんは落ち着いた表情のまま。
何も喋っていないはずなのに、どこからか頭の中にソフトな声が響いてきた。
- 345 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 21:59
- 『シィーッ、声を出さなくても大丈夫ですから』
『あ・・・そうなの?でもびっくりした〜、あんたこんな事ができるの?』
『飯田さんと小春ちゃん以外で試したのは始めてです。小春ちゃん、新垣さん
の声・・・・聞こえよーやろ?』
『はい、良く聞こえます』
・・・・・・すげー、何だ?こいつら・・・・亀だったら今頃気絶してるだろーな。
『小春はバケモノじゃないもん!』
・・・・・・へ?
『気を付けてください、考えてる事み〜んな聞こえて来ちゃいますから』
- 346 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 22:00
- 「・・・・・・・・・」
映画みたい。
・・・・・ま、いっか
『いい?小春、あれは仕方が無いんだよ。時間内に終わらせないと、今度
は大阪で待ってくれているファンの人を待たせちゃう事になるの』
『・・・・でも』
『スタッフさん達だってね、来てくれた人に嫌がらせをしたかった訳じゃないの。
そりゃ確かに強引だとは思うけれど、中にはなかなか手を離してくれない人と
かもいたでしょ?みんな平等にできるだけたくさんの人達に同じように握手を
してもらうためには、ああするしかないの、わかる?』
『はぁ・・・・・・』
- 347 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 22:01
- いまいち納得できてないみたい。
『あの・・・・いいですか?』
さゆみんの声。
肯定の意味でパチンと瞬きをしてみせる。
『さゆみね、握手会の時に小春ちゃんの事も時々見てたんじゃ。小春ちゃん
は何も言えんかった人にもちゃ〜んと笑顔でお礼が言えてたし、答える暇の
無かった人にも手を振っちょったやろ?だけぇ小春ちゃんは凄くファンの人達
を大切にしちょるのがちゃんと見えたし、来てくれたファンのみんなにだって
小春ちゃんの感謝の気持ちは絶対に届いてるけん』
『そうだといいんですけど』
『・・・さゆみはね、本当の事を言っちゃうと・・・ちょっとだけ面倒だなって思ったり
もしたんだけど、でも小春ちゃんを見ていてそんな自分が恥ずかしくなったの。
だけん、大阪でもお互いに感謝の気持ちを込めてしっかりと握手・・・・しよ?』
『はい!』
- 348 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 22:01
- 結局、全部さゆみんに持ってかれたみたいだけれど。
でもそれは、私自身にも言える事。
握手会の後半に差し掛かって段々疲れてくると、手が重くなったり笑顔が辛く
なる時もある。
それでも来て下さった方には、100%の笑顔を見て欲しいし、心から感謝の
気持ちを伝えたい。
一期一会か・・・・
だからこそ、その一瞬の出合いを大切にしたい。
『さゆみん、小春、大阪でも私達の気持ちをちゃんと伝えて、私達もファンの
人達から元気をい〜〜〜〜っぱい貰っちゃおうね』
『『 はい!』』
- 349 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 22:02
- 〜 〜 〜 〜 〜 〜
大阪会場でのイベント前半が終了して、いよいよ握手会。
小春も気持ちを切り替えてやる気満々。
さっきから早口でありがとうございますの練習を何度もしてる。
ステージ上のテーブルセッテッングも終わり、スタッフさんに呼ばれて控え室
を出ようとしたとき。
「垣さんちょっと待った」
藤本さんに呼び止められた。
「はい?」
「今度は場所を入れ替わろっか」
藤本さんは唐突にそう言うと、小春を呼び寄せた。
- 350 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 22:03
- 「東京と逆順でやろう。久住は一番目に立てよ。そうすれば東京の時よりは
多少余裕があるから、ファンの人の言葉にもちゃんと応えられるだろ?」
「はぁ・・・えっ?・・・・・どうして・・・・・」
「おらぁ、早く行けよ」
「は・・・・はいっ・・・・わぁ〜〜い!」
嬉しそうに控え室を飛び出して行った。
「藤本さん大好きぃ〜〜〜!」
今度はさゆみんに思い切り抱き付かれて
ウリウリされてる。
お尻をペチッとひっぱたいてさゆみんを送り出したあと。
「ったく・・・・ちゅーされるかと思ったじゃん・・・」
なんて言いつつ、ちょっと残念そうな顔。
- 351 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 22:03
- 「垣さんさ・・・・・」
「はい?」
「うちらも・・・・一期一会を楽しみに行こっか」
さり気無い微笑みも美しい藤本さん。
「え゛っ?・・・・・あの・・・・どうして・・・・まさか、もっさんもあの変なテレパシーが?」
あの時寝ていた藤本さんは、私達の会話になっていない会話の内容なんか
絶対に知らないはずなのに。
まるで全て聞いていたかのような態度に、本当に驚いた。
「ちげーよ」
「え・・・・・じゃあどーして・・・」
- 352 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 22:04
- 「・・・小春がさぁ、車の中でずーっと美貴に腕組みしてたろ?」
「はぁ・・・・そう言えば・・・・」
「お陰で寝そびれたじゃん・・・マジでうるさかったし・・・ったく」
そう言いながら頭をワシャワシャ掻いている。
「・・・・・・・・?」
もしかして、組んでいた小春の腕から伝わっちゃったの?
へェ〜、凄いな・・・流石ヘケちゃん。
この技を覚えたら・・・愛ちゃんと、もっとい〜〜っぱい気持ちを伝え合うこと
が出来るかな。
でもなぁ〜〜〜、やっぱり愛ちゃんじゃ無理っぽいなァ・・・
- 353 名前:One and only 投稿日:2007/05/07(月) 22:05
- 「なに考えてんの?」
「んぇ?」
ふと気付けば、ニヤニヤしながら私の顔を覗き込んでいる藤本さん。
「な・・・・何でもないですから」
「ふぅ〜ん・・・・ほら、行くよ」
「はい!」
・・・本当は藤本さんも人の心が読めたりして。
たまに楽屋にいる時とかに、一人でムフッ・・・とか笑っているのも、もしか
したらこそっとメンバーの心を読んでいるからかも知れない。
いゃ〜〜怖いなぁ・・・・
例えそうだとしても、お願いだから心の中を覗くのはこんこんだけにしといて下さい。
そういえば・・・・今頃こんこんは何をしているのかな・・・・
- 354 名前:たまえす 投稿日:2007/05/07(月) 22:07
- >>336 名無しの読者様
ありがとうございます。
名無しの読者様のご想像通りに吉澤さんらしい爽やかな
卒業公演でした。
- 355 名前:たまえす 投稿日:2007/05/07(月) 22:09
- 吉澤さんご卒業おめでとうございます。
そして、紺野さんお誕生日おめでとうございます。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 356 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 23:59
- 更新お疲れ様です。たまえすさんの文章には頭が下がります。
娘。に対する愛が溢れてますね!美貴様はこれから大変でしょうけど
素敵な娘。さん達を一緒に応援して行きましょう!
そして、よっちゃん、こんこん、おめでとうございます。
これからも娘。たちを見守って下さい。たまえすさん、ずっと頑張って!
- 357 名前:名無しの読者 投稿日:2007/05/08(火) 23:43
- 飯田系能力の申し子がこれまた凄い技を披露しましたが、普通に順応してるミラクルさんも凄いですね(笑)。それと、美貴ティの言動もさりげなくてカッコイイです。
よっすぃ〜の卒紺も素晴らしかった様でなによりです♪改めて、よっすぃ〜卒業おめでとう!あと、一日遅れましたが、紺ちゃん誕生日おめでとう!
- 358 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:24
- 感動のツアーファイナルも無事終了し、吉澤さんの卒業を見届けること
もできて。
一緒に見ていたみんなとお別れして、一人おうちへ帰る。
先に翌日の準備を済ませてから、今日のコンサートでの出来事をお母さん
に話して聞かせてあげる。
「・・・・・でね、真っ白になったんだよ?ほんとに綺麗だったの。私も一緒に
やったんだよ?なんかね、私達のところにもサイリュームを配ってくれたの。
嬉しかったなぁ〜」
「そう、それは良かったわね。吉澤さんも喜んだでしょう」
「うん、また新しい気持ちでやれそうだって。どんな色にも染まるよって言って
た・・・・あ〜〜感動したなぁ」
- 359 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:25
- 「自分の時とどっちが感動した?」
「え〜〜〜〜?・・・うーん・・・・でもやっぱり、私の時も・・・今日のも・・・ファン
の人達の気持ちが本当に温かくて、凄く支えられていたんだなって思う」
「そうね」
「うん、吉澤さんは先輩からも後輩からもスタッフさんからも、本当にみんなか
ら愛されていたし、ファンの人達もちゃんと分かってくれてるのが伝わってきて、
見ていてとても嬉しかった」
「みんなに愛されてはじめて手にすることのできる、かけがえのない宝物だものね」
「うん、そうだね」
「ところで、あなたの宝物さんは?」
- 360 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:25
- 「ん?・・・・バースデープレゼント?・・・娘。の卒業生とかハローのメンバーも
見に来ていたんだけど、私が見に来るんじゃないかってわざわざ持ってきてく
れたりして、たぁ〜くさんもらってきちゃった」
「あらそう・・・・でも一番嬉しいプレゼントはお持ち帰りしなかったのねぇ・・・」
「な・・・・・・・・・」
ニヤニヤしているお母さんの顔を見て、やっと何を言いたいのかが分かった。
「そりゃそっか。・・・ツアーファイナルだしリーダーの卒業公演だものね、打ち
上げがあったり忙しいか・・・・残念!」
「しょーがないっしょ・・・・うるさいなぁ」
「あっえ〜〜な〜〜い〜〜さーみしいさみしい誕生日イブぅ〜〜、たまぁ〜〜
に〜はおかぁーさんとま〜ったりしよ〜〜」
- 361 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:26
- 「うるさいってば!」
「では、お茶でも入れますか・・・それとも先にお風呂に入っちゃう?」
「どーしてそんなに楽しそうなのよ・・・」
「・・・べつに?」
「・・・・・お風呂に入ってくる」
「あ、入っちゃうんだ・・・」
「は?・・・・・・・・・お母さん?」
「はい、何でしょう」
「まさか・・・・・また美貴ちゃんから電話かあったとか言わないでしょーね」
- 362 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:27
- 「電話?・・・・無かったわよ?」
「ほんと?」
「うん・・・ほら、早く入れば?」
「ん・・・・・・やっぱり後にする」
「あらどうして?」
やっぱり嬉しそう。
「そんなに娘をいじって面白い?」
「あらやだ・・・いじってなんかいないっしょ?」
「フン」
- 363 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:27
- 「寂しくて一人で入れないのなら、久し振りにお母さんと入るか」
「却下。別に寂しくなんかないし、一人で入れます」
「あら残念」
その時。
『ピンポ〜ン』
ドキッ!
「あら、こんな時間にどなたかしらねェ・・・ちょっと出てくれる?」
「また隣のおばさんじゃない?自治会のお知らせとか・・・」
『ピンポ〜ン』
- 364 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:28
- 「ほら早く」
「しょーがないなぁ・・・・」
・・・・絶対に違うもん。
そう自分に言い聞かせながら玄関を開ける。
「ただいま紺ちゃ〜〜ん♪」
バフッ!
「ぉわあ〜〜」
玄関のドアを開けるなり飛び込んできた美貴ちゃん。
思い切り抱き付かれてコケそうになる。
- 365 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:28
- 「あぁ・・・・あぁぁ・・・・な・・・・どうして・・・」
「明日来ようと思ってたんだけどダメになっちゃってね、急遽押し掛けてきました」
「美貴ちゃん・・・・・打ち上げは?」
「リボンの教訓を生かして早々に逃げてきました」
「クスッ・・・ツアーお疲れ様でした」
「うん、紺ちゃん・・・・」
「・・・・ん?」
「ほら、ケーキ」
「わぁ〜っ!」
- 366 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:29
- 目の前にぶら下げられた洋菓子店の白い箱を見た途端にテンションが上がった。
「あ〜〜、美貴が来た時よりも嬉しそうじゃん」
「え゛っ・・・あわわ・・・そ、そんなこと無いよ?」
「ふぅ〜ん・・・・ま、いっか・・・おじゃましまーっす」
何故か美貴ちゃんに手を引かれてリビングに戻る。
「おかーさん、美貴ちゃんが来てくれたの・・・って・・・え?」
さっきまで何も無かったテーブルの上に、何時の間にか紅茶のセットと
フォークの乗った取り皿が3セット並んでいる。
お母さん、ケーキのことなんてまだ知らない筈なのに・・・
- 367 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:30
- 「いらっしゃい、早かったわね。疲れているのにわざわざ来て頂いてすみません」
「いえいえ、美貴はこのホッペを触れば疲れが取れますから・・・・」
そう言いながら、私の頬をプニプニ。
・・・・・・・・・・ん?
「お母さん?」
「なぁに?」
「いま、早かったわねって・・・言わなかった?」
「言ったけど?」
「もしかして、美貴ちゃんが来るって知ってたの?」
「うん」
- 368 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:30
- 「うん?・・・・嘘つき!どーしてそーゆーことをするの?今日は電話は
無かったって言ったじゃない!」
「嘘じゃないわよ、メールしか来てないもん」
「あ〜あ・・・おばさぁ〜ん、あんまりいじめちゃ可哀想じゃないですか」
・・・なによ、どーして私を差し置いてお母さんにメールするのよ・・・
「あれ・・・・ほっぺが膨らんでるゾ?・・・ほら、機嫌直してケーキ食べようよ」
「うっ・・・・ケーキ・・・・」
「はいどーぞ・・・どれがいい?・・・ごめんね?ホールのじゃなくて・・・・」
「ううん、すごく嬉しい・・・・・えっと・・・わぁ・・・・」
- 369 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:31
- 箱を覗いてみると、可愛いプチケーキが10個程綺麗に並んでいる。
「ちょっと時間が遅過ぎちゃって。でもね、ここのお店って美味しいらしいよ?」
良く見ると、箱のマークに見覚えがあるような・・・・・
「美貴ちゃん、このお店って美貴ちゃんちの近くにある・・・あの坂の途中の・・・・」
「そうそう、良く知ってるね」
「知ってるも何も・・・去年だかおととしだか、美貴ちゃんのお誕生日に
安倍さんとやぐっつぁんがケーキを頼んでくれたのがそこのお店だもん」
「へぇー、そうだったんだ・・・そりゃ知らなかった」
「一度おうちに帰ったの?」
「うん・・・明日の朝、紺ちゃんと一緒にそのまま出られるようにね」
- 370 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:32
- 「美貴ちゃん・・・・」
本当に疲れているだろうに、美貴ちゃんの優しさがとても嬉しい。
「コホン!・・・・そろそろお紅茶を入れてもよろしいかしら?」
お母さんの事をすっかり忘れていい雰囲気で見詰め合っていたら、
横からさり気なく存在をアピられて。
「えっ?・・・あ・・・・そうだ、ケーキ選ばなきゃ・・・どうしよう美貴ちゃん」
「好きなの選んでいいよ? 朝まで待っててあげるから」
「え〜〜〜っ? どーしよー・・・・だってこんなにたくさんあるのに・・・・
選べないよ・・・美貴ちゃん・・・選んで?」
「あははは・・・うそだよ、それじゃまず・・・・よっと、これから行ってみる?」
お皿の上にちょんと乗せてくれて。
- 371 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:32
- 「うわぁ〜可愛い・・・」
「おばさんは好きなのをどーぞ」
「じゃおばさんも・・・美貴ちゃん選んで?」
「ぶっ・・・ぁははははははははは・・・可愛い、おばさん可愛い!」
いつもの口癖をお母さんにまで真似されて。
大爆笑の美貴ちゃん。
「・・・・・・酷いよ美貴ちゃん、笑い過ぎ」
「キャハハハハハハ・・・はぁ〜〜やべぇ苦しい・・・ププププ・・・」
「知らない!・・・頂きま〜っす」
- 372 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:33
- 「あはあは・・・あ・・・・ちょちょちょまだ食べちゃダァ〜メ!」
「えっ?」
「ちょっとだけ早いけどね、いいよね」
そう言うと、スゥーッと息を吸って静かに歌い出した。
「・・・・ハッピバースデーディアあさ美ちゃ〜ん、ハッピバースデートゥーユー」
美貴ちゃんの透き通るような心地良い声が静かに胸に響き渡った。
パチパチパチ
「おめでとー」
「エヘ・・・・ありがとう・・・みぎぢゃん・・・うぅ・・・」
- 373 名前:One and only 投稿日:2007/05/13(日) 18:34
- 感動が一気に込み上げてきて。
「あ・・・泣いちゃった・・・泣くなよハタチなんだからさぁ」
「だって・・・だってなまら嬉しいんだもん」
「良かったわね、こんな幸せな誕生日を迎えられるなんてそうあるもんじゃ
ないっしょ・・・美貴ちゃんに感謝しないとね」
「・・・・うん」
「そんなのいいからさぁ・・・ほら食べよ?」
お母さんと美貴ちゃんと私の三人で、ささやかなお誕生日会。
こんな素敵なお誕生日を迎えられたことに、心から感謝します。
美貴ちゃん、そしてお母さん・・・どうもありがとう。
- 374 名前:たまえす 投稿日:2007/05/13(日) 18:34
- >>356 名無飼育さん様
過分なお褒めを頂きありがとうございます。
そんな大層なものではありませんが、娘。好きなのは確かかとw
これから一体どうなって行くのでしょうか。
>>357 名無しの読者様
ありがとうございます。
ここまでやらかすとリアルだか何だか分からなくなりますが。
まぁたまにはいいかなと(笑
- 375 名前:たまえす 投稿日:2007/05/13(日) 18:35
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 376 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/14(月) 00:29
- いつも素晴らしい作品をありがとうございます…
殺伐とした昨今にあって私の貴重な癒しです…
- 377 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/14(月) 22:02
- 紺美貴とっても癒されます
ママおもしろ過ぎるw
- 378 名前:名無しの読者 投稿日:2007/05/16(水) 00:22
- 川o;・-・)<…またしてもやられました…
紺母素敵です。
- 379 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:17
- 三個ずつ食べて一つ残ったプチケーキ。
もちろん、美貴と紺ママは初めから取り合うつもりなど毛頭無い。
それなのに、じぃ〜〜っと箱の中を凝視しつつ・・・
『早く食べていいよって言って!』
・・・そんなオーラをメラメラと出しまくっている紺ちゃん。
ママと思わず苦笑する。
「あ〜あ、残っちゃったね」
顔を覗き込みつつ、ちょっと意地悪な振りをしてみる。
「・・・うん(ゴクン)」
- 380 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:18
- しかし一瞬たりともケーキから目を逸らさない。
「じゃあ美貴が・・・・・・」
そう言って、ヒョイっとケーキを美貴のお皿に取る。
「あっ・・・え〜〜!」
プッ・・・・クスクス・・・・
取られたと勘違いした紺ちゃんの表情が一瞬で曇る。
何でそんなに悲しそうな顔ができるの?
まるで世界中の不幸が全て振りかかってしまったかのよう。
- 381 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:19
- 「ほら・・・食べさせてあげる。・・・・はい、あ〜ん!」
ちょっと考えて、状況が把握できた途端にパッとMAXの笑顔に変わった。
「はい・・・・・どーぞ」
フォークで少し切り取って、お口の前でヒラヒラさせる。
それに反応して少し口を開きかけたとき、一瞬視線がお母さんの方へ動いた。
途端にボンッと真っ赤になる紺ちゃん。
「ち・・・ちょっと美貴ちゃん、お母さんの前で恥ずかしいっしょ」
「そんなさぁ、いまさらですよねぇ」
- 382 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:19
- 「そうそう、ほら・・・あ〜んだって」
「お母さん!」
「こぉ〜んちゃん、ほぉ〜ら・・・おいすぃ〜ぞ?」
「しょーがない、お邪魔な母さんは歯でも磨きに行ってこよーっと」
ママが部屋から出てドアが閉じたのを確認してから振り向くと、もう
あんぐりと口を開けて待っている紺ちゃん。
「プッ・・・・可愛い紺ちゃん、あ〜ん・・・て、もうしてるか・・・クスクス」
ぱくんと口に入れると、ほっぺに手を当てて・・・
- 383 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:20
- 「ん〜おいひー」
本当に幸せそう。
「はい、もひとつ・・・あ〜ん」
「あ〜ん♪」
ぬおぉぉぉぉぉぉー・・・・かっ、可愛い〜!
本人は気付いていないかもしれないけれど、いつもご飯を食べている時の
倍くらいに開いているお口。
やりゃーできるじゃん。
んはは・・・のど×××が丸見え。
- 384 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:21
- 「あむ・・・・・ん〜〜〜シアワセ♪」
やべー・・・何だか欲情してきた・・・・
「はいラストだよ」
「うん・・・・あ〜ん・・・」
ぱくん!
「はいおしまい」
「あー美味しかった、ありがとう」
こんな可愛い紺ちゃんを堪能できて、美貴の方こそありがとうだよ。
- 385 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:22
- カチャ・・・
「お二人さん・・・・いまお湯を溜めてるから、あとはお風呂でゆっくりと
いちゃつきなさい・・・私は先に休ませてもらいますね」
「い゛っ?・・・なっ、何よいちゃつき・・・フガフガ〜ッ!」
真っ赤になってママに突撃しかけた紺ちゃんを取り押さえて口を塞ぐ。
「ありがとうござまーっす、おやすみなさい」
「フフッ、はいおやすみなさい」
「ン゛〜〜〜!」
- 386 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:23
- 「ほら、暴れないの!」
照れ隠しなのか、まだジタバタしてる。
「お風呂でイチャイチャしてもいいってよ?」
「お母さんのばかぁ〜」
「あははは・・・・ねぇ、何で涙目なの?」
「どーしてあんなこと言うのよもぉ〜〜」
「いいじゃん、事実なんだから」
「むぅ・・・・・・・」
- 387 名前:One and only 投稿日:2007/05/16(水) 22:23
- 「お風呂・・・入ろ?」
「・・・・・・うん」
と言う訳で・・・
お母様のお許しを頂いて不時着火してしまった下心を抑えつつ、
真っ赤なままの紺ちゃんを引きずってバスルームへ。
そして、お言葉に甘えてた〜っぷりいちゃいちゃして。
ポッカポカの柔らかい紺ちゃんを心ゆくまで堪能させて頂きました。
・・・・・・・・ん?
いっけね、紺ちゃんの誕生日だったね。
- 388 名前:たまえす 投稿日:2007/05/16(水) 22:25
- >>376 名無飼育さん様
こちらこそご覧頂きましてありがとうございます。
取り留めの無い妄想ワールドではございますが
またお付き合い下されば幸いです。
>>377名無飼育さん様
ありがとうございます。
一応謝っておきますか・・・本当のお母さんごめんなさいw
>>378 名無しの読者
ありがとうございます。
いい加減に親の性格ぐらい見抜きなさいと(笑
でも、素直なところが良いところなのかも。
- 389 名前:たまえす 投稿日:2007/05/16(水) 22:25
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 390 名前:名無し読者 投稿日:2007/05/19(土) 17:57
- ラブラブカップルに紺ちゃんママが
良い感じに乱入してスキです。
- 391 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:33
- お風呂にゆっくりと入って、ライブの疲れを癒して。
そして、まったりと過ごす紺ちゃんと二人の部屋。
部屋の主はというと、さっきから何やらいそいそとバッグから取り出しては
ベッドに並べている。
どうやら、今日もらってきた誕生日のプレゼントらしい。
「へぇー・・・結構もらってきたねぇ・・・」
「うん、なんかね・・・みんな結構覚えていてくれて・・・・嬉しかった」
「そっかぁ・・・良かったね・・・・・・ん?」
物欲しそうな表情でじぃ〜っと美貴を見詰める紺ちゃん。
- 392 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:33
- 「どしたの?」
「そう言えば・・・・・・美貴ちゃんからもらったことって・・・・一度も無いような
気がするんだけど・・・・」
「・・・・・・・・・・そうだっけ?」
「うん・・・・他のメンバーにはプレゼントあげてたじゃない?・・・しかも亜弥
ちゃんになんて、毎年お揃いの物をプレゼントしてるっしょ」
「・・・・知ってたの?」
「うん・・・・わざわざ家まで持ってきてくれたんだよって言ってたもん」
「あ・・・・いやほら・・・・・言っちゃ何だけど、他のみんなに対する気持ちと
違って、紺ちゃんへの想いって物に変えられないんだよね。直接気持ちを
伝えたい。だから、誕生日は必ず一緒にいるでしょ?」
- 393 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:34
- 「うん・・・・そうだよね・・・・ごめん」
「でも二十歳だし、やっぱり欲しいよね・・・・」
「ううん・・・一緒にいてくれれば・・・それでいい」
カワイイ事を言ってくれる素直な紺ちゃん。
でもホントはね、ちゃ〜んと用意してあるんだ。
渡す前に催促されちゃったから、ちょっと意地悪しちゃったけど。
バッグの中をまさぐって、個性的な定番ロゴがあしらわれた小さい紙袋を
取り出す。
「はい紺ちゃん、お誕生日おめでとう」
「えっ?」
- 394 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:34
- 「はいどーぞ」
「うん、わぁ〜〜ありがとう」
最高の笑顔で受け取ってくれた紺ちゃん。
「・・・・開けてみて?」
「うん・・・・・えっ・・・え〜っ?・・・・美貴ちゃん・・・・これ・・・・カルティエ・・・」
ロゴに気付いて目がまん丸になってる紺ちゃん。
「さ、ほら開けてみて?」
可愛くラッピングされたリボンを解いて、小箱をパカッと開く。
「うん・・・・・えっ?・・・わっ・・・わっ・・・綺麗・・・すご〜い・・・」
- 395 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:35
- 「気に入ってくれるかな。落ち着いたデザインだしハタチに相応しいと思って。
それならシックだから、普通に着けたまま学校に行っても目立たないじゃん?」
「でもこれ、高かったんじゃ・・・・」
「美貴が紺ちゃんを思う気持ちはね、こんなちっぽけなリングなんかじゃ全然
足りないの。だから、毎年誕生日は紺ちゃんを抱き締めて、直接美貴の気持
ちを伝えてきた」
「あ・・・・・ごめん・・・私・・・」
「ううん・・・・でも、今年からは紺ちゃんと会える時間も少なくなったし、
いつも側にいて助けたり励ましてあげることが出来ないからさ、そんな
時はこのリングを美貴だと思って勇気を出してもらえればいいなって。
愛を感じてくれればいいなって・・・」
「・・・・美貴ちゃん」
- 396 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:36
- 「ほら、貸してみ?」
「ん・・・・・」
「今だけ・・・こっちにするかんね?」
可愛い左手を手に取り、薬指にリングをはめてあげる。
「う・・・・うぅぅ・・・・美貴ちゃん・・・」
「ほら素敵!」
天井の照明に左手をかざして、嬉しそうに見上げる紺ちゃんの目からは
涙が溢れてきて。
「グシュ・・・・うん・・・キラキラしてとっても綺麗」
「ほ〜ら、ハタチのお姉さんが泣いちゃダメじゃん」
- 397 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:36
- 「いいんだもん・・・グスッ・・・」
「ほら、おいでよ」
抱き易いように座り直して手を差し出す。
「・・・・うん」
パジャマの袖で涙を拭いながら美貴の膝の上に乗ってきた紺ちゃんを
しっかりと抱き締めて。
美貴の至福のひととき。
「美貴ちゃん・・・・」
「・・・ん?」
「エヘ・・・・・どうもありがとう」
- 398 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:37
- 「良かった、喜んでくれて。・・・あ、でも外に出る時は右手にした方がいいよ?
・・・直ぐに余計な噂が広まっちゃうからさ」
「へーきだもん・・・恋人の美貴ちゃんにもらったんだって自慢しちゃうから」
・・・ドキッ!
「えっ?」
「へへ・・・びっくりした?」
泣いてた筈が、何時の間にか悪戯っ子の表情。
・・・負けるもんか!
「いいよ」
「えぇっ?」
- 399 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:38
- 「いっそのこと、記者会見でも開いてカミングアウトするか。美貴と紺ちゃん
は、とぉーっても深い関係なんですって」
「・・・うん」
「ハァ?」
てっきり否定するものと思っていたのに、言った美貴の方がドキドキ。
「いいよ、美貴ちゃんとなら。・・・だってホントに深い関係なんだもん」
『チュッ!』
ほっぺにキスされちゃった。
「違うでしょ?深い関係のキスはね・・・・・」
紺ちゃんの首筋に手を添えて、引き寄せながらそっと唇を重ねると。
- 400 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:38
- ほら、待ち切れない紺ちゃんがもう迎えにきてくれた。
溶けそう・・・
とろけちゃいそうだよ紺ちゃん・・・
ただ無心で、交互に柔らかな感触を貪り合う。
既に日付も変わった深夜の部屋。
静寂の中で、チュルチュルというお互いを確かめ合う音だけが聞こえる。
次第に身体が痺れてきて。
あまりの心地好さに意識が朦朧となってきた。
・・・やばい、落ちそう・・・
そう思った時。
- 401 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:39
- 「あぅ〜!・・・イテテテ・・・」
美貴の舌をくわえ込んだまま、紺ちゃんがガクッと崩れ落ちた。
「紺ちゃん?」
呼び掛けても反応無し。
・・・・・・何で?
人のべろを力一杯吸い込んでおいて、どーして自分が失神するかなぁ。
「おーい」
「・・・・ん・・・・・・・う・・・・・う〜ん」
「大丈夫?」
- 402 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:40
- 目は開いたものの、ホワァ〜ンとしたまま。
「・・・・・・・どした?」
するとふわっと微笑んで。
「ん・・・・・気持ち・・・良かった・・・」
もおぉ〜〜可愛いじゃないのって!
「ね・・・・ベッドで続き・・・・しよっか」
コクンと小さく肯く紺ちゃん。
おっしゃあ〜〜〜!
それじゃ・・・バースデー・スペシャル行ってみっか。
- 403 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:40
- ・・・・・・・・・・・ん?
「紺ちゃん・・・・・これ、どーする?」
そう、ベッドの上にはプレゼントが並んだまま。
「あ、いま片付ける」
取り敢えず、テーブルの上に移す。
「何だこれ」
綺麗にラッピングされた集団の中に、何故かゆうパックの袋が一つ。
「あ・・・・そうだ忘れてた・・・それ亜弥ちゃんからなんだけど・・・」
「へ?・・・亜弥ちゃん?」
- 404 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:41
- 「うん、手紙が入ってたんだけど・・・なんかね、中の箱は美貴ちゃんと
一緒に開けてねって・・・」
「また訳わかんねーことを・・・そう言えば、郵便局に亜弥ちゃんのポスター
が貼ってあったよね。もしかしてタダで送れたりするのかな・・・・そんな事は
いいか。じゃほら、開けてみなよ」
「うん」
袋を紺ちゃんに手渡す。
中から取り出してラッピングを取った時。
「「 あ〜〜っ!」」
現れたのは、見覚えのある小箱が二つ。
- 405 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:42
- 「み・・・・・美貴ちゃん、こ・・・・これって・・・」
「すっげーヤな予感がするんだけど」
「美貴ちゃん開けてよ」
「えぇっ?な・・・何で美貴が・・・」
「だって、絶対に美貴ちゃんのだと思うんだけど」
「え〜〜〜?やぁ〜だぁ〜」
「私にばっか着させといて、そんなのズルイっしょ」
「う・・・・・・でもさぁ・・・」
「は・や・く!は・や・く!」
- 406 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:42
- 「く・・・・分かった、開けるよ・・・まだそうと決まった訳じゃないし」
「うんうん♪」
意を決して箱を開けてみると・・・・・
出てきたのは案の定、シースルーのセクシーランジェリー。
「ほらぁー、やっぱそうじゃん」
紺ちゃんのとは、はっきりと異なるあの部分のサイズ。
誰がどう見ても紺ちゃん用ではないことは明らかな訳で。
「早く着替えてよ美貴ちゃん」
「くっそー・・・亜弥ちゃんのやつ余計な事を・・・・」
- 407 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:43
- 「どーして?・・・だって私がもらったプレゼントだもん・・・・嬉しいな♪」
改めて、広げて見てみる。
色も形も紺ちゃんのと全く同じベビードールタイプ。
「・・・・・お揃いじゃん」
「うんうん♪」
凄く嬉しそう。
「これ・・・・・着るの?・・・・・美貴が?」
「うんうん♪」
薄布越しに見える紺ちゃんの悪魔の微笑み。
- 408 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:43
- 自分が身にまとった姿を想像して、眩暈を起こした。
でも、ちょっと待てよ?
そうか・・・・・これを美貴が着るということは。
もう一度紺ちゃんにしてもらう口実になるじゃん・・・・
どうしよう、今日はもう寝ないとヤバイし。
折角抱いてもらうなら、ちゃんと愛して欲しい。
それに、ここじゃ絶対ママに美貴の声を聞かれてしまう。
我慢して押し殺しすなんて嫌だ。
どうせなら、あのハチミツの夜のように本気で感じたい。
- 409 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:44
- もう一度、紺ちゃんに抱かれたい・・・・
そう思っただけで胸がキュンとなる。
「美貴ちゃん、大丈夫?」
「・・・・・え?」
「あの・・・ごめんなさい、私・・・・つい調子に乗っちゃって・・・」
ふと気付けば、心配そうに美貴の顔を覗き込んでいる。
「紺ちゃん、あのさ・・・・これ・・・美貴の家で着て見せてあげるよ」
「ふぇ?」
「ほら、もし美貴のセクシーな姿を見てさ、紺ちゃんが我慢できなくなって
エッチが始まっちゃたら、ここだと美貴の絶叫がお母さんに聞こえちゃうじゃん」
- 410 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:45
- 「い゛?」
「もうこんな時間だし、別に明日でもあさってでもいいじゃん、それに美貴の
家なら紺ちゃんも思う存分美貴をイかせられるでしょ?」
「なっ・・・・どーしてそんな話になっちゃうのよ!」
「いーからいーから・・・だから、今日はここまで。その代わり、紺ちゃんを気持
ち良くしてから寝かせてあげるかんね?」
「え〜〜?・・・・なんか上手く逃げられた感じ」
「違うって、絶対に後で着て見せるって約束するから、だから紺ちゃんも美貴
の事を2回以上イかせるって約束してね♪」
「うん・・・・え゛っ?・・・ちょっと待って、だからどーしてそんな・・・」
「いま・・・うんって言ったもん」
- 411 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:45
- 「えっ?・・・あ〜・・・ちがっ・・・ずるいよ美貴ちゃん」
「じゃそーゆー訳で・・・・はい、これは美貴が預かります」
「あ・・・あ〜あ」
「もう本当に寝ないと。ほら、ベッドに入って!電気消すよ?」
無理矢理紺ちゃんをベッドに押し込むと、部屋の明かりを消して。
「よいしょっと・・・」
美貴も隣にもぐり込む。
「さてと、キスとおっぱいとどっちがいい?」
「・・・・え?」
- 412 名前:One and only 投稿日:2007/05/22(火) 21:46
- 「このままじゃまた朝になっちゃうからさ、紺ちゃんの好きなように
して寝かせてあげる」
「ん・・・・じゃあ、腕枕でキスがいい」
「オッケー」
態勢を整えて、紺ちゃんを腕枕してあげる。
「これでいい?」
「うん」
「それじゃおやすみ」
「うん、今日はホントにどうもありがとう・・・おやすみ美貴ちゃん・・・ン・・・ンン」
しばらく唇を重ねているうちに、紺ちゃんの吐息が規則正しく変わっていった。
来年の誕生日も一緒に過ごせるといいな・・・
おやすみ紺ちゃん。
- 413 名前:たまえす 投稿日:2007/05/22(火) 21:47
- >>390 名無し読者様
ありがとうございます。
理解の在り過ぎる母も、ちと不気味ではありますが・・・
- 414 名前:たまえす 投稿日:2007/05/22(火) 21:48
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 415 名前:名無しの読者 投稿日:2007/05/23(水) 01:46
- いやぁ…やっぱりこの二人はイイですねぇ。それと松浦さん!要所で毎回いい仕事しますね(笑)
- 416 名前:446 投稿日:2007/06/01(金) 21:19
- たまえすさんお久しぶりです。更新おつありです。
7.31・4.28祭りに続いてあんなことになるなんて・・・ OTL
もしかしてショックで持病を悪化されたりしてないかと心配です。今まで
446は、たまえすさんの愛情がこもったこの作品にココロ癒されてきました。
こんなときに何と言葉をかけていいのかわからないですが、たまえすさんの
御無事を願ってます。
作品の感想も書かずに申し訳ありません。
今後は6代目リーダーと残りのメンバーの頑張りを見守ろうと思います。
- 417 名前:One and only 投稿日:2007/06/03(日) 21:37
- 思いもしなかったスキャンダル報道に驚愕して、仕事上がりに直行した
美貴たんのマンション。
深夜なのも忘れてインターホンに向かって怒鳴る。
「た〜ん・・・・おるんやったら、はよぉ開けぇや!」
『え・・・・あ・・・亜弥ちゃん?』
「亜弥ちゃん?やあらへんやろ、はよぉ開けぇっちゅーとんねん!」
玄関に飛び込むと、テンパッているのか薄ら笑いを浮かべた美貴たん。
「・・・・ホント・・・なの?」
前置き無しにそう聞くと、たんの表情が曇った。
「あの記事・・・ホント・・・なの?」
- 418 名前:One and only 投稿日:2007/06/03(日) 21:38
- 無理矢理気持ちを落ち着かせようと試みるものの、やはり怒りで言葉が
震えてしまう。
「・・・・・うん」
たんがそう答えた瞬間、さらに頭にカーッと血が登って。
気付いた時には、美貴たんの横っ面を張り倒していた。
「あんた・・・バカ?」
「・・・・・・・・・・・」
「何考えてんの?」
「・・・・・・・・・・・」
「あたしが撮られた時にさ〜あ・・・あたしがどんなに落ち込んだか、どんな
に辛い思いをしたか・・・・見て知ってた筈でしょ?」
「・・・・・・うん」
- 419 名前:One and only 投稿日:2007/06/03(日) 21:39
- 「やぐっつぁんの時にだって、自分で身をもって感じたでしょ?どれだけ
多くの人に心配や迷惑を掛けるのかって」
「うん・・・ごめん・・・・」
「はぁ?・・・・謝るんだ・・・・謝るくらいなら最初からちゃんと考えればいいのに」
「まさか・・・こんな大変な事になるなんて思わなかった」
「寂しがるのはたんの勝手だよ?あたしが怒ってるのはね、どーして相談
してくれなかったのかって事よ。・・・・あたしとたんって、そんな水臭い関係
だったの?紺ちゃんに言えない事でも、あたしになら話してくれると思ってた」
「だから!・・・・・ごめん」
「アホ〜ッ!・・・あの時・・・あの時あたしに言ってくれたよね・・・どうして美貴
に相談してくれなかったのって・・・なのに、どうして同じ過ちをしちゃったのよ」
「・・・・・・・・」
- 420 名前:One and only 投稿日:2007/06/03(日) 21:39
- どうやら事務所で事情聴取を受けて、初めて事の重大さに気付いたようで。
ソロの私でさえ、かなり世間をお騒がせしちゃったのに。
まして美貴たんはグループで、しかもリーダーだし。
各方面に与える影響は計り知れない。
結果的にメンバーの信頼をも裏切る事となってしまった今、このままモーニング
を続けることは不可能に近い。
一度失墜した信頼を回復するには時間が必要だ。
もちろん、たんの努力があっての話だけど。
「亜弥ちゃん・・・・さ」
「・・・・・ん?」
- 421 名前:One and only 投稿日:2007/06/03(日) 21:40
- 「うちらのツアーは・・・・予定通り・・・だって」
「聞いた」
「美貴・・・・・頑張るから・・・・」
「当たり前」
「・・・・・だよね」
「今みたいにテンションの落ちたまんまステージに出たりなんかしたら、
あたし許さないかんね」
「わかった」
「まぁ、その前に・・・客席から色んなもんが飛んで来ると思うけど」
「ハァー・・・・・・」
- 422 名前:One and only 投稿日:2007/06/03(日) 21:40
- 「言っとくけど、これから大変だよ?」
「ん・・・・・分かってる」
「ううん、分かってない・・・本当に思い知るのはこれからだから」
「・・・・・そうだね」
「自分を一生懸命に応援していてくれたファンの人が、どんどん減っていく
んだよ?・・・満員だったはずのコンサート会場も、気付いた時には2階席
はスカスカ、1階席だって空きっ歯みたいにあっちこっちに空席があってね
・・・・本当に辛かった」
「・・・・・・・・」
「公式に認めなかったあたしでさえそうなんだよ?・・・・松浦はいい気に
なってるとか態度がデカイなんて言われもしたし、もっと酷い事もたくさん
言われた」
- 423 名前:One and only 投稿日:2007/06/03(日) 21:41
- 「・・・・だよね」
「あんな思いを・・・・・あんな思いをたんにはして欲しくなかった」
「・・・・ごめん」
「明日のリハ、来れるの?」
「うん・・・・朝から・・・・また事務所だけど・・・」
「そっか・・・・・じゃ・・・・また明日ね」
そう突き放すように言うと。
「え、待って亜弥ちゃん・・・・・・帰・・・る・・・の?」
- 424 名前:One and only 投稿日:2007/06/03(日) 21:42
- 今はあたし自身、気持ちの整理がついていない。
とてもたんのことをケアできる状態では無かったから。
「一人で反省しなさい」
そう吐き捨てて玄関を出ようとした時、もう一つ気掛かりだったことを
思い出した。
「たん・・・・紺ちゃんは?」
そう聞いた途端、それまで神妙な面持ちで唇を噛み締めていた美貴たん
の目から、ボロボロと涙がこぼれ落ちた。
「あ・・・・・あの・・・・・メールしても・・・返事が・・・ないの・・・・電話にも
・・・出てくれなくて・・・・」
- 425 名前:たまえす 投稿日:2007/06/03(日) 21:44
- >>415 名無しの猫様
ありがとうございます。
松浦さん的にも今が正念場なので頑張って欲しいと思います。
>>416 446様
ご心配をお掛けしてしまったようで失礼致しました。
以前に今年は試練の年になると書きましたが、それぞれが早く乗り
越えて平静を取り戻して欲しいと思います。
- 426 名前:たまえす 投稿日:2007/06/03(日) 21:46
- 今回の件について言いたい事は山ほどありますが、人の批評をする前に
私自身を省みれば、今までどんな時も完璧な判断をしてきたか、常に自分
は正しかったのかと問われれば当然否であり、過ちや間違いを犯す度に
親兄弟、友人、会社の同僚達に沢山の迷惑や心配を掛け、支え助けても
らいながら今に至っている事に気付きます。
今回の事が過ちかどうか私には分かりませんが、現状を認識して御自身で
脱退を決心された彼女を今支えてあげられるのは我々なのではないかと思
うし、もちろんこれからも変わらず応援していこうと考えます。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 427 名前:名無しの読者 投稿日:2007/06/04(月) 01:16
- 更新本当にありがとうございました。
正直もう更新されないかもと危惧していたのですが、書いて下さってとても感謝しています。作品の特性上作者様は大変だと思いますが、私はこの作品のおかげで好きなメンバーがたくさん増えました。それだけ作者様のメンバーに対する愛情が作品から感じとれるからです。今回の件は人によって色々意見があると思いますが、私も作者様同様、応援する気持ちはこれからも変わりません。
長文失礼致しました。
- 428 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/06/04(月) 07:06
- 作品を読みながら、作者さんのレス>>426を読みながら
うんうんと何回も頷きました。
私も、これからも応援し続けます。
- 429 名前:446 投稿日:2007/06/05(火) 17:17
- たまえすさん、今回の更新乙ありでございます。446も以前、文中の一言で冷静になれた
ことがありますが、今回の更新と>>426の作者さんのレスで改めて彼女を1人の女性として
応援していきたいと思いました。 それと、忙しいのとこんな状況(情況?)で更新してくれて
感謝しております。
今後たまえすさんとハロメン達にいい風が吹いてくれることを願うばかりです。
- 430 名前:One and only 投稿日:2007/06/10(日) 11:35
- 「怖いんでしょ」
「えっ?・・・べ・・・別に・・・」
嘘だね。
さっきから楽屋の中をそわそわと行ったり来たり。
確かに、あんなスキャンダルの直後にコンサートは辛い。
しかもGAMの初ツアーで初日。
「今はとにかくコンサートに集中しないと」
「うん、そうだね」
でも顔色は悪いし、いつもの元気も無い。
- 431 名前:One and only 投稿日:2007/06/10(日) 11:35
- 「いい?昨日の今日でいつも通りにやれなんて言っても、無理なことは
分かってる。だけどね、イジイジ悔やんでいい加減なステージなんかし
たら、ライブ中でもひっぱたくからね」
「・・・・え?」
「でも、たんにその気があるのなら・・・失った全ての物を取り戻すように
真剣に頑張るのなら、あたしは全力で美貴たんを守るから」
「・・・・亜弥ちゃん」
「ねぇたん、怖いのは当たり前。でも今は全てを受け入れないと。おいたを
しちゃったあんたが悪いんだから」
「・・・・分かってる」
「しかも、まだ事務所的には認めていない訳だから、お客さんに対して謝る
訳にもいかないじゃん」
- 432 名前:One and only 投稿日:2007/06/10(日) 11:36
- 「・・・・・・うん」
「会場に来てくれてる美貴たんのファンの人達だって違和感はあると思うし
・・・・・そうだね・・・・もしかしたら、謹慎なんかよりも遥かに厳しい処分なの
かもしれないね・・・」
「罰・・・・・か・・・・」
「あんな報道のされ方をしちゃったんだもん、100%誤解されてると思って
間違い無いし・・・・・でも、それでもたんは言い訳はできないんだもんね」
「・・・・・・・・」
「ね・・・たん?・・・あたしが付いてるから・・・あたしも、たんと一緒に全てを
受け止めるから・・・・・だから、二人で頑張ろうよ」
「・・・・・ありがとう・・・・ごめん亜弥ちゃん」
- 433 名前:One and only 投稿日:2007/06/10(日) 11:37
- 「なぁ〜に言ってんだよ・・・・あたしの時だって助けてもらったんだもん、
お互い様だっつーの」
「もう・・・・味方は亜弥ちゃんだけになっちゃった・・・・」
そう寂しそうに微笑むと、ため息をつきながら遠くを見詰める美貴たん。
いま・・・キミが見詰める視線の先にいるのはだあれ?
そう、多分あの子。
あの一件が発覚してから、一切連絡が取れなくなったと涙していた。
本当に心が離れてしまったのだろうか。
自業自得・・・・と言ってしまえばそれまでだけど、恐らくこの美貴たんの
低いテンションの多くは彼女に対する不安が占めているはず。
でも今はその名前を口にはできない。
- 434 名前:One and only 投稿日:2007/06/10(日) 11:38
- ライブに集中しなくちゃ。
徐々に近付く開演の時間。
「ね・・・・・亜弥ちゃん・・・・」
「・・・・・ん?」
「ステージに出る時・・・・セットがクルって回ってさ、うちらが客席の方を
向くじゃん・・・・」
「うん」
「もし・・・・さ、その時お客さんがだ〜れもいなかったら・・・・・・・どうしよう」
「・・・・・・・ハァ?」
この期に及んで、まだそんな事を言うか・・・・
- 435 名前:One and only 投稿日:2007/06/10(日) 11:39
- 「ちょーっとあんた、いい加減にしなさいよ?誰もいなかったらって、どーして
空っぽになっちゃうのよ!・・・あたしのファンの子達も巻き添えにしちゃう訳?
ちょっとは残しといてくれたってい〜んでない?」
「あ・・・・・・」
んもぉ〜〜ホントに・・・
「プッ・・・クスクスクス・・・あはははは・・・あんたさぁ、もう少し自分のファン
を信じてあげなよ。いつも自慢してたじゃん、美貴のファンの子達は気合が
違うんだって」
「そりゃ〜そうだけどさぁ」
「本当に心から美貴たんの事を応援してくれてるファンだったらさ〜あ、絶対
に今のあたしと同じ気持ちでいてくれるはず。・・・じゃなきゃおかしいもん」
「・・・・そうだね」
- 436 名前:One and only 投稿日:2007/06/10(日) 11:40
- 「ほ〜ら・・・シャキッとせんかい! こんなに頼もしい親衛隊長がいつも隣に
いるじゃないか!」
しっかりと美貴たんを抱き締めてあげる。
メイクをしちゃったからキスもスリスリもできないのがちょっと残念。
「たん・・・・大丈夫、私に任せて」
「・・・・・・うん」
『コンコン!・・・開演10分前でーっす、そろそろお願いしまーっす!』
ドアの外からスタッフさんの元気な声が響いた。
「はぁ〜〜い!・・・・だってさ・・・・たん、行くよ?」
「・・・・・・うん」
「おいおい・・・・そんなんじゃダ〜メでしょ? ・・・・GAM、行くぞー!」
「「 おー! 」」
- 437 名前:たまえす 投稿日:2007/06/10(日) 11:41
- >>427 名無しの読者様
ありがとうございます。
ご心配をお掛けしてすみませんでした。
今回は考える機会を与えてもらったのかなと思っています。
>>428 名無飼育さん様
ご了察頂きありがとうございます。
自分がドジだと他の事にも寛容になれたりしてw
>>429 446様
ありがとうございます。
様々な風が吹き荒れる中、上手く追い風を捉えて欲しいと思います。
- 438 名前:たまえす 投稿日:2007/06/10(日) 11:42
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 439 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:21
- やっぱり昨日は会場内がびみょ〜な空気に包まれたコンサートとなって。
美貴たん自身も違和感は感じたのだろう、いつものテンションとは明らかに違う。
どう盛り上げようとしても、いまいち中途半端なまま終わってしまった。
そんなツアー2日目。
楽屋入りして着替え出した美貴たんの身体を見て驚いた。
「ちょーっとたん、それ・・・・・どーしたの?」
「ん?」
何かで強くこすられたような跡が腕とか背中とか、あと足の太股にも何箇所
も赤く残っている。
まるで、日焼け直後のような感じ。
- 440 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:22
- そう言えば、昨日とは打って変わってどこか振っ切れた様子の美貴たん。
やはり何かあったんだ。
そっと近付いて、赤い部分にそっと触れてみる。
「痛・・・・・・・」
「え・・・・痛いの?・・・・どうしたのよ、こんなに何箇所も・・・・」
「・・・・・・紺ちゃんが」
「えっ?」
- 441 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:23
- 「昨日・・・・・」
「え・・・・会えたの?」
「ん・・・・・・まぁ」
でも、会えたという割には嬉しそうな感じには見えない。
「あのさ、聞いても・・・・・いいかな」
「別に?・・・もう終わった事だし」
「はぁ?・・・・・終わった?」
驚く私の顔を見て寂しそうに微笑むと、美貴たんはゆっくりと話し出した。
- 442 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:23
- 〜 〜 〜 〜
「じゃあ、また明日」
「うん・・・・じゃあね」
「・・・・あのさ、たん」
「・・・・・ん?」
「あ・・・・・ううん、明日も頑張ろうね」
「うん」
亜弥ちゃんと分かれて、一人家へ帰る。
気持ちを奮い立たせて臨んだものの、やはり美貴の不安な心はお客さん
にもバレバレで。
- 443 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:24
- 何度も泣きそうになるのを堪えながら、どうにか公演を終了。
結局、気分的にはデビュー以来最悪のライブとなってしまった。
それでも美貴をひっぱたくどころか、歌でもMCでもフォローしまくってくれた
亜弥ちゃん。
ごめんね、明日は絶対にいつもの美貴を取り戻すから。
そんな事を思いつつ玄関を開けて明かりをつけると。
「あっ・・・・・・!」
目に飛び込んできたのは、きちんと揃えられた見なれた紺ちゃんのパンプス。
思わずバッグを放り出して部屋へ駆け込む。
- 444 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:25
- 「紺・・・ちゃん?」
電気の消えた真っ暗な部屋の中。
照明を点けてみるとそこには、きちんと正座をして正面を見据えたままの紺ちゃん。
来てくれているなんて夢にも思わなかったから、足がガクガク震えてきて。
「こ・・・・紺・・・ちゃん・・・・・・・・あの・・・・」
名前を呼ぶ声も震えてしまう。
それでも、美貴の方には見向きもせず、無表情のまま。
どうしよう・・・・・・謝らなくちゃ・・・・でも・・・・
- 445 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:25
- 部屋の空気が止まったまま、悪戯に時間だけが過ぎ去って。
「・・・・あの・・・・ごめんなさい」
意を決して、そう言った時。
急にガバッと立ち上がった紺ちゃんに腕を強く掴まれて。
「え?・・・・・な・・・なに?・・・キャ〜〜!」
無言のままバスルームに連れて来られた。
「・・・・お風呂・・・入るの?」
でも、美貴の言葉には一切答えてくれない。
- 446 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:26
- あっと言う間に素っ裸にされて浴室へ引きずり込まれた。
「あ・・・あの・・・・紺ちゃんは?・・・・脱がないの?」
でも、そんなことはお構い無しにバスチェアーに座らされて。
シャワーの温度を調節すると、美貴の身体を流し始めた。
すごく怒っていると思ったし、熱湯でも浴びせ掛けられるのかと覚悟をしたけれど。
意に反して、丁寧にお湯を掛けてくれる。
無言の恐怖はあるけれど、それでも二度と会えないと思って諦めていたから、
僅かな望みも抱いてしまう。
一通り流し終えると、ボディーソープをスポンジに取って、泡立て始めた。
- 447 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:27
- 「洗ってくれるの?」
でも、やっぱり無言。
始めのうちは、美貴の首筋に優しくスポンジを滑らせていたんだけれど。
背中に移った時・・・・・
「痛い!」
急にもの凄い力でこすられて、背中に激痛が走った。
あまりの痛みに耐えかねて後ろを振り向いてみると、涙でぐちゃぐちゃになった
紺ちゃんの顔が目に入った。
「・・・・つ、・・・・ね・・・痛いよ紺ちゃん」
- 448 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:28
- 「ぅぅぅ・・・うっ・・・うっく・・・ウグッ・・・エグッ・・・」
でも、しっかりと美貴を見詰める大きな瞳からボロボロとこぼれ落ちる悲壮な
涙を見ているうちに、ものすごい罪悪感に苛まれてきて。
・・・・・紺ちゃんが受けた心の痛みは、こんなもんじゃない筈だよね。
泣きじゃくりながら、まるで美貴の全てを浄化させるかのようにゴシゴシと
こすり上げる。
・・・・・痛い
・・・・・痛いよ紺ちゃん
でもいいよ、紺ちゃんの気が済むまで美貴を綺麗にして・・・・・・
- 449 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:28
- 歯を食いしばってじっと耐える。
自然に涙が溢れてくる。
美貴には泣く資格なんか無いのに。
どれ位過ぎたろうか、紺ちゃんの動きがピタッと止まった。
「・・・・・紺・・・・ちゃん?」
「あ・・・あぁぁぁぁ・・・」
声を掛けると、弱々しい声を発しながらスポンジを放り投げて後ずさりをしだした。
「ね・・・・大丈夫?」
- 450 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:29
- 軽く錯乱しているような状態。
「うっ・・・・・・うわぁ〜〜〜〜っ!」
突然叫ぶと、バスルームから飛び出した。
「あっ、待ってよ!」
急いで後を追い掛ける。
・・・・・・が。
『 バタン! 』
「紺ちゃん待ってってば!」
- 451 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:29
- 美貴の止めるのも聞かずに、そのまま玄関から出て行ってしまった。
全裸のままでは追う事もできず、走り去る靴音を聞きながらその場に崩れ落ちる。
・・・・・ごめんね
・・・・・ごめんね紺ちゃん
美貴の弱さの為に、紺ちゃんをあんなに傷つけてしまった。
もう・・・二度と会ってはくれないだろうな・・・・
一言も会話を交わすことなく別れるなんて。
ま、仕方が無いか。
全ては美貴の自業自得。
- 452 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:30
- 〜 〜 〜 〜
「・・・ふぅ〜ん、そうだったんだ・・・でも良かったじゃん」
「どこがいいんだよ・・・・もう・・・・・もう紺ちゃんとはこれっきり・・・」
あらら、涙目になっちゃった。
「ハァ〜?何でよ・・・・だってさ、わざわざたんの家まで会いに来てくれたんだよ?」
「だってすげー怒ってたし、一言も喋ってくれなかったし、泣きながら出て行っちゃったし、
だから・・・もう美貴と決別しようと・・・」
普段の美貴たんからは想像もつかない程のネガティブぶり。
「あのねぇ、本当に愛想を尽かしたのなら、のこのこ会いに来るわきゃなーいでしょ?
本気で嫌いになったのなら、顔も見たくなくなると思うけど」
「・・・・だ・・・・・だって」
- 453 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:31
- 「会いたかったんだよ・・・美貴たんにさ」
「・・・・・そうかなあ」
「間違い無いって」
「また・・・・会ってくれるかな・・・」
「あ〜のね、紺ちゃんがどんだけたんの事を愛してると思ってんのよ・・・浮気が
バレました。はいそうですか、さようなら・・・・なーんて簡単に諦められる程度だ
と思ってたの?・・・・・ばっかでない?」
「ね・・・・どうして亜弥ちゃんはさ、そんなに紺ちゃんの気持ちが分かるの?」
「教えない」
「え〜・・・・いいじゃーん、教えてくれたってさ」
- 454 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:31
- 「フン!・・・・どーせ浮気をするのなら、あたしにしとけば良かったのにさ」
「は?・・・そこに絡んでくる訳?」
「さぁ〜て、着替えよーっと」
「ねー亜弥ちゃ〜ん、教えてよ〜」
「じゃーあー、今日のライブがちゃんとできたら教えてあげる」
ちょっとイジワルな振りをしてみる。
別にね、あたしだけが特別に紺ちゃんの気持ちが分かる訳じゃないの。
美貴たんが気付かな過ぎるだけ。
「分かった・・・今晩・・・来てくれる?」
- 455 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:32
- それでも釣られるこの人が可愛い。
「いいの?」
「うん・・・どうしたら紺ちゃんと元通りになれるかを・・・一緒に考えて欲しいの」
「うんわかった」
「ね・・・本当に大丈夫かなぁ・・・」
「あのねぇ・・・・まず、たんが元に戻らなきゃ。いつまでもイジイジしてたらさ〜あ、
それこそ本当に紺ちゃんから愛想を尽かされるかんね?」
「・・・・・そうだね」
「ほーら元気出しなよ、べっちょないって!」
- 456 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:33
- 「うん、じゃあ頑張る」
「よし!・・・じゃ〜あ〜・・・脱がせて」
ドサクサに紛れてちょっと甘えてみたんだけれど。
「はぁ?・・・・・おかしいよねェ・・・それ全然関係無くない?」
ニャハハ・・・・やっぱ気付いたか。
「いーから、騙されたと思って試しに脱がしてみ?・・・きっと元気になれると思うよ?」
「あ・・・・・亜弥ちゃん?」
「・・・何よ」
美貴たんの視線がね、チラチラとあたしの顔と胸の間を行ったり来たりしてるの。
- 457 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:33
- 「じ・・・・じゃあ・・・亜弥ちゃんがそう言うのなら」
「ほら早く!」
「う・・・・うん」
こういうのって本当に久し振りなんだろうね。
ボタンを外すたんの手が震えてる。
ブラだけになったとき、美貴たんがゴックンて生つばを飲み込む音がはっきり聞こえた。
おっぱい好きだもんね。
本当は嬉しいクセに、無理して神妙な表情を作っているのが面白い。
「早く取ってよ」
- 458 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:34
- 女の子の方が癒されるってことを思い知らせてやる。
「え・・・・・う、うん」
抱き締めるようにわたしの背中に手を伸ばすと、ブラのホックを外す。
フワッとした胸の解放感とともに、美貴たんの目尻が一瞬ニマッと下がった。
「触ってもいいよ?」
「・・・・・・・え?」
「ステージでさ、横目でチラチラあたしの胸ばかり見てたんじゃ、気が散って
歌に集中できないでしょ?」
「ばっ・・・・ばかなこと言わないでよ!いつ美貴がそんなこと・・・」
- 459 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:35
- んはは・・・・図星を突かれて慌ててる。
「美貴たん?」
「違うってば、アイコンタクトのタイミングを窺ってただけで・・・」
「あたしに嘘をついてもしょうがないじゃん、堂々と見ればいいっしょ」
「え・・・・・だって・・・・亜弥ちゃん怒るから」
「そんなことで怒りゃしないわよ・・・ほら、手を貸してごらん?」
ビクついている美貴たんの手を取って。
「はい、グー」
「え・・・グー・・・」
- 460 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:35
- 「はいチョキ」
「チョキ・・・・な、なに?」
「いーから・・・・はい、パー」
「パー・・・」
「はいそのままそのまま」
ぱっと開いた美貴たん両手を、自分の乳房に押し付ける。
「わっわっ、ちょっと亜弥ちゃんてば・・・」
「落ち着きなよ、初めてでもあるまいし」
「う・・・・・うん・・・」
- 461 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:36
- 「・・・・・・どう?」
「ん・・・・・・柔らかくて・・・気持ちいい」
「そっか、良かった」
さっきまで強張っていた美貴たんの顔が、みるみるうちに優しい表情へと
変化していく。
そっと揺すってみたり、ムニュッて軽く掴んでみたり。
でも、刺激をしないように気を使ってくれているのが分かる。
「ありがとう亜弥ちゃん、やっぱり美貴は亜弥ちゃんがいないと何にもできないね」
「そんなことないって・・・ちょっとは元気になった?」
- 462 名前:One and only 投稿日:2007/06/15(金) 21:37
- 「うん、そーとー元気になった」
「・・・・・スケベ」
「うっ・・・・・」
「ニャハハ・・・嘘だよ〜ん・・・よし、着替えよっか」
「うん!」
「で・・・・・・美貴たん?」
「ん?」
「いつまで揉んでるのよ・・・・私のおっぱい」
- 463 名前:たまえす 投稿日:2007/06/15(金) 21:37
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 464 名前:446 投稿日:2007/06/15(金) 22:36
- たまえすさん、更新乙です、有難う御座います。
ネタバレになりそうなので多くは書きませんが、今日更新分も
「おわっーーーーー!」と叫んだり「ヲイヲイ」と呟いたりしてしまいました。
それにしても美貴様、まっつー・・・
- 465 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:29
- まだまだ微妙な雰囲気は残るものの、客席のみんなの声援に助けられて
何とか終わった2日目。
東京に戻ってから、美貴たんのリクエストにより2人で焼肉屋さんで軽く腹
ごしらえ。
「ねェたん?」
「・・・・ん?」
「聞いたよ?・・・スタッフさんに」
「何をさ」
「あたしがソロで歌ってる時、美貴たんはさ、衣装を着替え終わってから
ステージ袖でモニターを見てたんだって?」
- 466 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:30
- 「うん・・・・・・あぁっ!・・・・・・・あ〜〜違うんだって、ほら・・・・亜弥ちゃんが
今朝あんな事を言ったから・・・その・・・つい気になって・・・」
「まだ何がどうしたなんて、なーんにも言ってないんだけど」
「え゛っ・・・あ・・・」
大慌てをしたかと思ったら、今度は程よく焼けた上カルビを摘まみ上げ
たままフリーズした。
今日の終演後に、美貴たんを見て含み笑いをしていたスタッフさん数人
を発見して。
ほら、笑い方って色々な種類があるじゃない?
面白い事があった時の楽しい笑いとか、バカにした蔑んだような笑いとか。
- 467 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:30
- 笑い方でなんとなーく分かったりするもんだけれど、その時のスタッフさん
達は、明らかに美貴たんが公演中に何かをやらかした事について思い出し
笑いをしているようだったのね。
当然知りたくなるでしょ?
楽しい事ならみーんなで分かち合わないと。
だから早速聞きに行った訳ですよ。
でも理由を尋ねたら、顔を見合わせながら話すのをためらってるの。
でも、ちょ〜〜っと脅かしたらやっと白状してくれて。
今回のコンサートではモニタースクリーンは使っていないんだけど、ステージ
をチェックするために客席後方にあるP.A.ブースからビデオカメラで舞台を
撮影していて、バックステージにあるモニターで見れるようになっているんです。
- 468 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:31
- それで、私の2つ目の衣装がシルバーのセパレートで、トップスが右のワン
ショルダーになっている可愛いやつなんだけど、そのちょっとセクシーな衣装
でDEF・DIVAを歌うあたしを美貴たんが見ていて・・・・
「あ〜〜〜亜弥ちゃんヤバイって! こぼれるからマジで・・・・ほら、あんな
に上乳がはみ出ちゃってるじゃん・・・あー何で美貴がこんなにドキドキしな
きゃならねーんだよバーロー!」
あたしの左胸がはみ出ちゃうって、モニターを見ながら大騒ぎをしていた
らしい。
・・・そんなわきゃねーだろーっつーの。
ちゃんと衣装さんとも打ち合わせをして、身体にピッタリ合うように作って
もらってるし。
強度だって、ステージ用のものはダンスに耐えられるだけの素材も使ってる
し、縫製だって丁寧にしてあるんだから。
- 469 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:32
- そんな美貴たんを見てスタッフさん達は爆笑してたんだって。
「あの・・・・・イヤラシイ気持ちなんて全然無いからね?」
フン・・・・・・嘘をつけ。
わざと目を細めて眉をピクピク、疑いの眼差しを送ってやる。
「あーっ、何だよそれ〜〜〜」
「素直になろうよ、今さら何を守ろうとしてんの?あたしは美貴たんにそう
いう目で見られるのは慣れてるし、むしろもっと見て欲しい」
「え・・・いや・・・だから・・・」
「あたしだって時々たんのことをそういう目で見てるもん。いいじゃん・・・ホント
はさ、たんは女の子が大好きなんだから。無理しない方がいいと思うよ?」
「亜弥ちゃん!」
- 470 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:33
- 「男のカチカチの胸に抱き締められるのと、女の子のマシュマロみたいな
柔らかい胸に抱かれるのとどっちが好き?・・・キスだって女の子の柔ら
かい舌の方が気持ちイクない?」
「・・・・・・・うん」
美貴たんは少し考えると、小さく肯いた。
「ね、いま・・・誰の事を考えたの?」
そう聞いたら、ハッとしたように目を見開いた。
「ん〜・・・ちょっと悔しいけど、あたしじゃない・・・よね?」
「分かってんなら聞くなよ」
「会いたいんでしょ?・・・・会いに・・・行けば?」
「うっさいなぁ・・・・」
- 471 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:33
- 「あっそ・・・・まぁ、松浦的には美貴たんと仲良くできる時間が増えて嬉しい
訳だから、無理にとは言いませんが」
「む・・・・・・・」
「どうする?・・・お肉、まだ頼む?」
「ううん、もういい・・・ごちそうさま」
「あら小食だこと」
「・・・亜弥ちゃん帰ろ?」
「オッケー」
お店を出て、深夜割増マークが輝くタクシーを拾う。
- 472 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:34
- マジでじれったい。
電話に出てくれないとかメールしても音沙汰が無いなんて言ってないで、
家に押し掛けりゃいいじゃん。
合鍵だって持ってるくせに。
今の美貴たんは、自分に自信がないのね。
だから考える事はみーんなマイナス思考。
完全に復活するのはまだまだ遠い道のり。
紺ちゃんとの関係にしても、どうせもう駄目なんだ・・・って諦めちゃってる。
紺ちゃんの純真無垢な清い心を傷つけてしまったって。
- 473 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:35
- かなりの精神的ショックを与えてしまったと思い込んでいる。
もう美貴には憎しみしか感じていない筈だって、そう思っている。
・・・・ったく、分かってないよね。
紺ちゃんだってもう二十歳だよ?
現実を見極められないほどバカじゃないはず。
女の子同士の恋愛には常に付きまとう不安。
当然紺ちゃんもそれくらい考えたことはあるだろうし、ある程度は覚悟して
いたと思う。
でも、だからと言って紺ちゃんが素直に引き下がるとはどうしても思えないし、
昨晩美貴たんの家に現れた事からも、揺れ動く胸中を窺い知ることができる。
- 474 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:36
- さて、次は何時どのように仕掛けてくるのだろうか。
あまりあたしがお節介を焼くと、かえって美貴たんの神経を逆撫でする恐れ
があるし。
「亜弥ちゃん・・・着いた」
「お・・・んしょ・・・」
タクシーを降りると、エントランスを通り抜けてエレベーターへ。
「あ、そーだ・・・・たん?あたしさー、着替え・・・持ってきて無いんだけど」
「ん?・・・・また美貴の新品のパンツ使っていいから」
「そう言えば、こないだ借りたあのキティちゃんのぱんつ、スタイリストさん
に大ウケだった」
- 475 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:37
- 「呆れた、あのまま仕事に行ったの?」
「しょーがないじゃん、たんが目覚まし止めちゃったから、集合時間ギリだった
んだよ?」
「愛ちゃんにもらったイチゴのパンツもあるけど」
「どーしてあんたはイメージに合わないものばっか持ってるの?」
「美貴のキティーちゃんコレクションを見せてあげたら可愛いって言ってくれ
たから、愛ちゃんのお気に入りとばくったの!・・・ったく、どんなイメージを
持ってんのさ、ガーターベルトの付いた黒のバタフライとか?」
「それいいじゃ〜ん・・・・紺ちゃんのは?」
「あ?・・・・・ある・・・・と思う・・・けど」
「はぁ?・・・思うって何さ」
- 476 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:37
- 「え・・・・・もし、美貴の家にあるはずの紺ちゃんの物が全部無くなっていた
ら・・・どうしよう」
「はぁ? あのねェ、どこまで落ち込めば気が済むのよ、ポジティブでしょ?」
「うん・・・・・ごめん」
「ねえ、紺ちゃんのってどんなパンツなの?」
「ん・・・・普通っぽいやつで殆どピンクばっかだけど」
「ふーん、じゃあ紺ちゃんのを借りちゃおうかなぁ・・・・・あ、そーだ・・・ほら、
例のお尻に紺ちゃんの顔がくっついてるのは?」
「あれはダメ!」
「どーしてさ・・・ケチ」
- 477 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:38
- 「だってさ、亜弥ちゃんは穿けるの?」
「全然はけるよ?紺ちゃん好きだし」
「あっ!そうだいいのがあるじゃん、亜弥ちゃんの好きなやつ」
「へー・・・どんなの?」
「自分で送ったのに忘れたの?」
「何だ?それ・・・あたしそんなことし・・・・ひっ?・・・だだだダメダメ、あんなの
穿けるワケがない」
「よくそんなのを人にプレゼントしたね」
「でもさでもさ、あれを着たセクシーダイナマイト紺ちゃんを見て、美貴たん
は気絶したらしいじゃん」
「うるせー」
- 478 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:39
- そんなことを小声でヒソヒソと話しながら美貴たんちにお邪魔する。
玄関を入って靴を脱ごうとしたとき、たんに腕を引っ張られた。
「なによ」
振り向くと、足元を指差しながらガタガタと震えている。
「あわわ・・・こ・・・・これ・・・・」
「だからどうしたの」
「また・・・・来てる・・・」
「紺ちゃん?」
- 479 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:39
- 「ど・・・・・どうしよう・・・」
「良かったじゃん、こっちから行く手間が省けて」
「・・・・そんな」
「ま、しっかり頑張んなさい・・・じゃ〜ね〜」
「ちょちょ・・・ちょっと待ってよ」
玄関のドアを開けようとしたら、力一杯引き戻された。
「なによ」
「お願いだから一緒にいて」
「なーんであたしまで巻き添えを食らわなきゃならないわけ?」
- 480 名前:One and only 投稿日:2007/06/21(木) 22:40
- あたしだってどうしたらいいのかわからない。
「もし美貴がしくじったら、本当に・・・本当に紺ちゃんとはこれっきりに
なっちゃうんだよ?」
でも、今にも泣きそうな美貴たんを見ていると、なんとかしてあげたくなる。
「ほら、部屋の外にいてあげるから行ってきなよ。ちゃんと謝るんだよ?」
「ん・・・帰らないでね?」
「約束するから」
そう言うと、美貴たんはコクンと頷いて部屋の扉を開け、電気を点けた。
- 481 名前:たまえす 投稿日:2007/06/21(木) 22:52
- >>464 446様
ありがとうございます。
今年は色々な事が有り過ぎて一喜一憂どころでは
ありませんね。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 482 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/06/21(木) 23:19
- 更新お疲れ様です。さて、美貴様の現状と、紺ちゃんの復帰を
たまえすさんがどう絡めていくのか楽しみにしています。
思わぬ吉報に涙などされませんでしたか?
自分は、卒業前後の映像を改めて見ては涙しています。
- 483 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/06/22(金) 18:07
- ハロメンみんながどこかおかしくて、可愛くて、読んでてすごく楽しいです。
真面目な話も織り交ぜるところがまた心にくい。
次回こんこんがどう出るか楽しみにしています。
- 484 名前:One and only 投稿日:2007/06/26(火) 23:41
- 昨日はお風呂に無理矢理引きずり込まれて、全身を力任せにこすられ
たって言っていた。
まるで自分に付いた汚れを必死に削ぎ落とされているみたいだったって。
さて、今日はどんな修羅場になるのやら・・・
ところが、美貴たんはさっきから部屋の入口に立ちすくんだまま微動だ
にしない。
どうしたのかな、メッチャ恐い顔で睨まれてるとか。
蛇に睨まれた美貴たん?
あはは、カエルじゃ紺ちゃんが可哀相か。
でも、ホントにどうしたんだろ・・・
- 485 名前:One and only 投稿日:2007/06/26(火) 23:42
- 心配になってそーっと近寄ってみる。
あれ、顔が真っ青じゃん・・・
と、その時。
美貴たんの持っていたバッグが、手から滑り落ちた。
何か様子がおかしい。
「たん・・・どうしたの?」
そっと背中に声を掛けたら。
「キャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
突然、マンション中が飛び起きそうな程の絶叫。
- 486 名前:One and only 投稿日:2007/06/26(火) 23:43
- 「ちょっとどうしたのよ!」
美貴たんとは結構長い付き合いだけど、こんなマジ絶叫をしたのなんて多分
初めてで。
これはただ事じゃない。
反射的に美貴たんを押しのけると、部屋に飛び込んだ。
「な・・・・・・何て事を・・・・」
室内では、我が目を疑いたくなるような光景が広がっていた。
頭の中が真っ白になる。
部屋の真ん中に力無く倒れ込んでいる紺ちゃん。
- 487 名前:One and only 投稿日:2007/06/26(火) 23:43
- テーブルの上には・・・・・
僅かに水の残ったグラスが一つ。
そして、転がった薬の小ビンから散らばる白い錠剤。
予想もしていなかった最悪の事態が起きてしまった。
悪寒が全身を貫き、膝がガクガク震えて立っていられず思わずしゃがみ込む。
・・・・・怖い。
今までに感じた事の無い恐怖が容赦無く襲ってくる。
そんな・・・・どうして・・・・
こんなになるまで一人で思い詰めていたの?
- 488 名前:One and only 投稿日:2007/06/26(火) 23:44
- 大好きだった美貴たんの部屋で・・・・一人寂しく逝くなんて・・・
可哀相に、どんなに辛かったことだろう。
ねぇ紺ちゃん、これじゃ美貴たんはもう言い訳もできないじゃん。
「こ・・・・ち・・・ゃん」
震えて声が出ない。
『ドサッ!』
鈍い音に振り向くと、美貴たんがドアに寄り掛かるように崩れ落ちて、うつろな
目で中空を見詰めてる。
完全に茫然自失の状態。
- 489 名前:One and only 投稿日:2007/06/26(火) 23:45
- あたしがしっかりしなきゃ・・・・
正気を取り戻そうと、自分の頬をバシバシひっぱたく。
「紺ちゃん!」
呼んでも反応無し。
腰が抜けてしまったのか立ち上がることが出来ず、這って紺ちゃんに近付く。
「紺ちゃ〜ん!」
肩を揺すってみてもやはり反応が無い。
「どうして・・・何でよ・・・何故こんなことを・・・」
溢れる涙を必死に拭いつつ、パニクった頭を落ち着かせる。
- 490 名前:One and only 投稿日:2007/06/26(火) 23:46
- どうしたらいい?
そうだ、まだ死んだって決まった訳じゃないじゃん。
恐る恐る顔を覗き込んでみる。
綺麗な顔。
良かった・・・・もがき苦しんだ後の醜い表情じゃなくて。
涙の跡が残る可愛いプクプクほっぺに触れてみる。
あっ、まだ温もりがある。
手を握ってみる。
ほら、温かい!
- 491 名前:One and only 投稿日:2007/06/26(火) 23:47
- 左手の薬指には、一際輝くプラチナのリング。
これって・・・もしかして、たんからのプレゼント?
何だよ、まだ美貴たんはちゃ〜んと紺ちゃんから愛されてるじゃない。
左手の薬指は女の子にとって特別な場所。
とてもじゃないけど、心が離れた相手からの気持ちを受け入れられる
ような場所ではない。
えっと・・・・えっと・・・・・
そうだ、救急車を呼ばなくちゃ!
また這って電話にたどり着くと、生まれて初めて119番をプッシュした。
- 492 名前:たまえす 投稿日:2007/06/26(火) 23:49
- >>482 名無飼育さん様
ありがとうございます。
吉報ではありますが、まだどうなるか判りません。
でも、一度仕舞い込んだ12番の長袖ユニフォームはホーム用
アウェイ用とも何時でも着られるようにまた引っ張り出しました。
>>483 名無飼育さん様
ありがとうございます。
喜んで頂けたばかりか、お褒めの言葉まで頂戴致しまして、書き手として
とても光栄です。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 493 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/06/27(水) 01:15
- 手に汗握ります…
いつも読ませていただいてます。
大声で感想を述べたいぐらいですが、
ネタバレになるといけませんのでこれにて…
- 494 名前:名無しの読者 投稿日:2007/06/27(水) 02:02
- ど、怒涛の展開で目が離せません…。
- 495 名前:無名し読者 投稿日:2007/06/27(水) 20:32
- お久しぶりです。
思ったよりショックがでかくて中々立ち直れずにいたんですが…
大分回復しました(^o^;
なんかすごい展開でハラハラしてますが 頼もしい2人がいるので期待してますo(^∇^o)
紺ちゃん復帰は単純にかなり嬉しいかったです
- 496 名前:446 投稿日:2007/06/27(水) 21:38
- たまえすさん、更新おつありです。
まさか、こんな展開になるとは・・・
446もハロプロの騒動にひったまげて引っくり返りまくってましたが
この展開にも引っくり返ってしまいました。
446も大声で叫びたいのですが、北海道の真ん中ら辺・・・もといここらへんで
- 497 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:13
- プルルルル・・・プルルルル・・・ブチッ!
『はい東京消防庁、火事ですか?救急ですか?』
「あ・・・あの、救急でお願いします」
何か言い方がおかしいような気がしたけど、そんな事はどうでもいい。
『救急ですね?どうされましたか?』
一瞬躊躇したが、紺ちゃんの命には代えられない。
美貴たんちに来てから見た事ををそのまま伝える。
そして、住所を伝え終えた所で、電話の相手がお医者さんに代わった。
『お友達が飲んだ薬は白い錠剤ですね?お薬の表面に数字とかローマ字
が印刷されていませんか?』
- 498 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:13
- 「いいえ、真っ白です」
『では、お薬が入っていたような袋とかビンは室内に見当たりませんか?』
「あります、机の上に小さいビンが」
『そのビンにラベルなどの品名の表示があったら読んでください』
「は、はい・・・えーと・・・・セイロ・・・えっ?」
『セイロ・・・ですか?』
気が動転していて全く気付かなかったけど、薬ビンの黄色いラベルを読み
上げているうちに、聞き覚えのある名前であることに気付いた。
「あ・・・・あの・・・・セイロガン糖衣A・・・」
- 499 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:14
- 『え・・・・・・コホン・・・・・・ラッパのマークの○○薬品製・・・ですか?』
「そ・・・そうです・・・・・・・」
『錠剤がテーブル上に散らばっているということですが、集めて残っている
数を数えてください』
「えーっと・・・・・32です」
『ビンのラベルには何錠入りと書いてありますか?』
「え・・・・36・・・です・・・」
『と言う事は、恐らく4錠は飲んだと考えられますね。他に飲んだと思われる
お薬が見当たらないようですし、通常その4錠を服用しただけでは体調を崩
したりする事は考えられないのですが、お友達は何かのアレルギーを持って
いたとか、あと妊娠をしていたかどうか分かりますか?』
- 500 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:14
- に・・・・・・妊娠?!
一瞬ドキッとしたけれど、いくら美貴たんがスケベでも一応女性同士だし、
それは有り得ない。
「い・・・いいえ、無いと思います」
『それでは次にお友達の症状を確認します。口と鼻の前に顔を近付けるか
手をかざして、呼吸をしているかどうかを確かめてください』
紺ちゃんのプルプルの唇に顔を近付けてみる。
「スゥ〜・・・・クゥ〜・・・・ZZZ・・・・zzz...」
・・・・・・・・はい?
『どうされましたか?』
- 501 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:15
- 「あ、あります・・・息してます」
その後、電話の先生の指示されるがまま、調べては知らせてを何度か
繰り返しているうちに、私自身も落ち着きを取り戻した。
そう言えば・・・・紺ちゃんは睡魔に襲われると、どこであろうと力尽きたその
場で寝ちゃうんだって美貴たんが言ってたけど・・・・・まさか・・・・
パッと見の室内の状況だけで自殺と思い込んでしまったが、何だかとんでも
ない勘違いをしているような嫌な気配が漂ってきた。
『それでは、肩を強く叩いて名前を呼んでみてください』
思い切って、力一杯叩いてみる。
バンバンッ☆!
- 502 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:16
- 「紺ちゃ〜〜ん、おーきーろぉ〜〜〜!」
・・・・・・やっぱ駄目かぁ
「・・・・・・・・・ん」
ん?
今度は目一杯揺すってみる。
「紺ちゃ〜〜〜〜〜ん!」
どーだ?
「・・・・・・・・・ん・・・・ん〜・・・ムニャ」
ムニャって・・・・あのねぇ・・・
- 503 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:16
- 「おらぁ〜〜、こんな所で寝とったらあかんやろ〜〜〜!」
すると・・・・
「ん・・・・・ん?・・・・・ふわぁ〜〜〜〜!」
グゥーンと大きく伸びをしたあと、パチッと目を開いた。
「あ・・・・・起きた・・・紺ちゃん、あたしがわかる?」
「ん?・・・・・あ?・・・・・え?」
「もしもし先生、目を覚ましました」
『それは良かった、具合の悪いところが無いかどうか聞いてみてください』
「はい・・・・ほらしっかりしろ、ちゃんと目を覚ませ!どこか具合の悪いところ
はない?」
- 504 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:17
- 「あっ、亜弥ちゃん」
「おっひさ〜・・・って、んなこたぁーいいから、頭が痛いとかお腹が痛いとか」
「え?・・・・あ〜〜・・・コンパで食べ過ぎてお腹の調子が・・・」
「コンパ?」
「今日、居酒屋でサークルの団結会があって、盛り上がって・・・・つい・・・・その・・・」
「はぁ・・・それでお薬を飲んだの?」
「丁度この近くだったし、お酒はちょっとって言ったら、じゃあ食べなよってなって。
美貴ちゃんはどうせコンサートだから遅くなるし、留守の間だけお腹が落ち着くま
でちょっとお邪魔しようと思ってマツキヨでお薬を買って・・・」
「・・・と言う訳です先生、こんな遅くにお騒がせして本当に申し訳ありませんでした!」
- 505 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:17
- 『いえ、無事でなによりでした。救急車の出場要請は取り消しますので、もし具合
が回復しないようであれば、救急相談センターに電話をすると24時間いつでも
近くの救急指定病院を教えてくれますので利用してください。電話番号は・・・・』
もう一度丁寧にお礼をして電話を切った。
ポワ〜ンとした顔であたしとドクターの会話を聞いていた紺ちゃん。
その呆けた表情を見て、さっきまで張りつめていた緊張が一気に解けて
安心した途端、また涙がダーッと出てきた。
「グシュ・・・・・こら、心配したでしょ?」
「あ・・・・あ〜・・・あの・・・」
「てっきり紺ちゃんがさ、たんの浮気で絶望して自殺したのかと思った」
「えっ?」
- 506 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:18
- 「どーして薬をとっ散らかしたままで寝ちゃったのさ、おバカ」
「ご、ご免なさい・・・なんかお薬を飲んだら安心しちゃって・・・お腹も一杯
だったし、急に睡魔が襲ってきて・・・でも、どうして亜弥ちゃんがここへ?」
「え・・・美貴たんにね、どうしたら紺ちゃんと仲直りができるか相談に乗って
欲しいって頼まれたから、仕方な〜く付いてきたんだけど」
「え・・・・あっ、わわっ・・・美貴ちゃん?」
おいおい、相変わらず気付くのが遅いねぇ・・・
いきなり慌てだした紺ちゃん。
立ち上がってベッドの上のバッグを掴み・・・・
「私・・・・ごめんなさい、帰ります」
- 507 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:19
- 「ちょちょ、こら逃げるな!」
逃亡を図ろうとする紺ちゃんに抱き付いて阻止する。
「ダメだよ・・・・逃げちゃダメだよ・・・・」
あたしには、紺ちゃんの気持ちが痛いほど分かる。
信じていたのに裏切られた。
こんなに愛しているのに。
今まで自分に掛けてくれた優しい言葉は嘘だったの?
ううん、美貴たんの気持ちに嘘は無かったはず。
じゃあどうして?
- 508 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:19
- 「逃げたら、もっと苦しくなるんだよ?」
「嫌、放して」
「絶対に帰さない。もしかして、紺ちゃんは気付いていたんじゃない?
女の子同士の恋愛には限界があるんだってことを」
「い・・・嫌だ・・・わかんない・・・・・わかんないよ、そんなの知りたくない!」
凄い力であたしを振り解こうとする紺ちゃんに、必死にしがみつく。
「うぅぅ・・・・紺ちゃん、グシュ・・・お願いだから・・・暴れないでよ・・・」
「ウッ・・・・・ウワァ〜〜〜!」
泣き崩れた紺ちゃんをしっかりと抱き締めてあげる。
「辛いよね・・・・でもね、こういう形の恋愛を選んでしまったのは紺ちゃんなん
だよ?そして、紺ちゃんだけじゃない・・・誰もが同じ事で悩んでると思うの」
- 509 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:20
- 「ヒック・・・・ック・・・・」
「例えば・・・そーだなぁ、安倍さんとやぐっつぁんのこと、知ってるでしょ?」
少しして腕の中でコクンと肯く。
「あんな可愛い安倍さんがいながら、どうしてやぐっつぁんがあんな事をした
のかってみんな驚いたよね。でも、真相をしっている人は少ないと思う」
「・・・・・・え?」
「ある時やぐっつぁんはね、自分達はこのままでいいのかなって考えちゃったの。
何時の間にか年齢を重ねていて、気付けば安倍さんは結婚適齢期。安倍さん
にだって将来の夢はあるだろうし、もしかしたら自分がそれを邪魔してるんじゃ
ないかって」
「そんな・・・・」
- 510 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:21
- 「ほら、やぐっつぁんて思い付いたら直ぐ行動しちゃう人じゃない?当て馬じゃ
ないけれど、自分に彼氏ができれば安倍さんもって、即行動に出ちゃったわけ」
「・・・そうだったんだ」
「うん。でも、自分でも予想もしていなかったあんな大騒動になって初めて、なんて
バカな事をしたんだろうって気が付いたけど、その時にはもう手遅れだったって」
「世の中全部を敵にまわしたようだったって。でも、やっぱり一番傷つけたであろう
安倍さんにはどうしても謝りたくて、娘。の脱退が決まった後で勇気を出して安倍
さんの家に行ったんだって」
「安倍さんは・・・・」
「激しく罵られるかもしれない、思い切り引っぱたかれるかもしれない、それ以前
に会ってもらえないかもわからない。・・・でもね、玄関でやぐっつぁんを出迎えた
安倍さんは、何て言ったと思う?」
- 511 名前:One and only 投稿日:2007/07/01(日) 21:21
- 「え・・・・・安倍さん、怒ったら怖そうだし・・・」
「安倍さんだって相当辛かったと思うよ?だけどね、やっぱりやぐっつぁんの
気持ちもちゃんと分かってあげられたんだろうね。安倍さんはね、優しく矢口
さんを抱き締めてこう言ったんだって」
〜 お帰り、矢口 〜
「え?・・・・うっ・・・・・うぐ・・・・うぅぅ・・・・うぅぅぅ・・・」
私の腕の中で号泣モードの紺ちゃん。
そっと髪を撫でてあげる。
・・・ゴメンね矢口さん、誰にも言わないって約束・・・・破っちゃった。
- 512 名前:たまえす 投稿日:2007/07/01(日) 21:25
- >>493 名無飼育さん様
ありがとうございます。
お気遣い頂きどうもスミマセン(^^;
>>494 名無しの読者様
ありがとうございます。
それほど大した展開でも無いので、どうぞ気楽に
見てやって下さい
>>495 無名し読者様
ありがとうございます。
人それぞれ感ずるところも様々だと思いますが
復活されたようで何よりです(^^)
>>496 446様
ありがとうございます。
ひっくり返ってばかりでお怪我などされませぬよう…
- 513 名前:たまえす 投稿日:2007/07/01(日) 21:28
- 昨年は仕事で一度も参戦できなかったお台場に、まさか今年リベンジ
する機会が来ようとは夢にも思いませんでした。
今年こそはお台場コート観客席の真ん中らへんで、大声でこんこんと
叫べればいいなと。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 514 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/02(月) 00:09
- 良かったです…いろんな意味でw
次回も楽しみにしてます★
- 515 名前:名無しの読者 投稿日:2007/07/03(火) 01:33
- あぁ良かった、とほっとしたのもつかの間、後半部分の切なさにちょっぴり(゚ーÅ)ホロリと致しました。
- 516 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:26
- 「美貴たんの場合はちょっと違うけどね。紺ちゃんも知っての通り、あの子は
異常な寂しがり屋さんじゃない?」
まだ泣き止まない腕の中の温もりに話し掛ける。
「たんはね、随分我慢はしてたんだよ?それに紺ちゃんのためなら耐えられ
るって思って油断しちゃったあたしもいけなかったんだ」
「ヒック・・・グスッ・・・うぅっ・・・」
・・・まだ泣くの?
「ほんの一瞬の心の隙間を突かれたんだと思うの。寂しい時、辛い時に優しく
されたら・・・ね、だから紺ちゃんが嫌いになったとかそんなんじゃ無いからね?
今もちゃんと愛してるし」
- 517 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:28
- 「・・・うぅぅ・・・でも・・・みぎじゃんが・・・」
「あたしもさ、あの記事を見るまで全然知らなくて。嘘を書かれたのかと思って
すぐにここに来て確かめたんだけど、たんの奴あっさり認めやがってさ、頭に
きたから思い切りひっぱたいてやった」
「・・・え?」
「だって悔しいじゃ〜ん、あたしがあんなに迫ってもぜ〜んぜん落ちなかった
クセにさ、何でぇ〜?って感じでしょ・・・・紺ちゃんみたいないい子が相手なら
しょうがないけどさ・・・あーマジで腹が立つったらありゃしない!」
「グスッ・・・私、いい子なんかじゃない・・・私が我がままを言わなかったら・・・
美貴ちゃんだって寂しい思いをしなかったし・・・こ・・・こんな事には・・・うぅぅ・・・」
「優しいね紺ちゃんは。まぁそれもあると思うけど、寂しがり屋で甘えん坊の
たんにはリーダーの荷が重過ぎたんだ。あんな性格だから誰にでも頼りに
されちゃうし藤本ならやれるって決め付けられてた。でも本当は誰にも言え
ずに悩んでたんだよ」
- 518 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:29
- 「・・・・・え?」
「一緒にお仕事してるんだし、遠慮なんかしないであたしに全部ぶちまけて
くれれば良かったのにさ、全てタイミングが悪かったのさ。だけど、さっきも
言ったけど、美貴たんは紺ちゃんが嫌いになったんじゃない。あたし、引っ
ぱたいた後で紺ちゃんは?って聞いたの。・・・そうしたらね、連絡が取れな
くなったって言って美貴たん泣いてた」
「・・・・私・・・話を聞くのが怖くて・・・どうしていいか分らなくて・・・でも、美貴
ちゃんの口からさよならなんか聞きたくなくって・・・」
「じゃあ、どうして昨日ここへ来たの?」
「えぇっ?・・・そ・・・それは・・・」
「どうして、今日もここに来たの?」
- 519 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:29
- 「わかんない・・・・」
「まだ美貴たんが紺ちゃんの事を思ってくれてるって信じてたから・・・でしょ?」
「うぅぅぅ・・・・でも、捨てられたって思いたくなくって・・・」
「捨てるもんか、紺ちゃんを捨てるなんて。・・・だけど、女の子同士の恋愛には
絶対に越えられない壁があるの。いつまで経っても平行線のまま交わることは
できない。紺ちゃんはもうその現実に気付いてる・・・よね?」
「知らないもん」
「でもね、逆に考えれば、終わりがない平行線だからこそ永遠に愛し続けること
もできるんだよ?」
「・・・・どうして?」
- 520 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:30
- 「男と女なら、愛し合って結婚して家庭を持って子供を作って育ててってなるじゃ
ない?だけど女の子同士なら、愛し合って愛し合って愛し合って、ずーっと愛し
合えるんだよ?」
「愛し・・・合える・・・・ずっと?」
「そうだよ、素敵じゃない?」
「でも・・・美貴ちゃんだって、いつかは結婚するし・・・」
「そんなのどうでもいいじゃん、こっちは平行線のままなんだから。美貴たんが
紺ちゃんと別れたいとか、どうしても紺ちゃんがオンリーワンじゃなきゃ嫌だって
って言うのなら別だけど、彼氏がいようが旦那がいようがこっちは女同士なんだ
から不倫にはならないし、法に触れる訳じゃ無し」
「・・・・・・あ」
- 521 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:31
- 「今までだってそうじゃん、ちょっと規模が小さかっただけでさ。こんなに可愛い
彼女がいるのに、メンバーのお尻や胸を触ったりキスしたり・・・でも紺ちゃんは
しょ〜がないって諦めてたでしょ?」
「だって・・・・近くにいないから止められないし・・・」
「だったら、これからだって一緒じゃん?」
「一緒?」
「そうだよ、たんには紺ちゃんが必要なの。お願い、たんを嫌いにならない
で・・・たんを一人にしないで?あんな奴だし、またどーせ浮気だってすると
は思うけどさ、でも・・・紺ちゃんを愛しているんだよ?」
「ううん、私なんか・・・・」
「滝川の狂犬を放し飼いにする気?」
「はぁ?」
- 522 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:32
- 「ま、それは冗談だけど・・・・今もどこかで一人で泣いてると思うよ?」
「えっ?」
慌てて部屋を見回す紺ちゃん。
「いないよ。あたしが紺ちゃんの呼吸を確かめたり脈を計ったりしている時に
ふらふら外へ出て行っちゃったから、まだ紺ちゃんが自殺したと思ってるだろ
うね。自分が紺ちゃんを追い込んだって勘違いしてるはず」
「えっ?・・・・そ・・・それじゃ・・・・美貴ちゃんが・・・」
「ん?・・・心配無いよ、ツアー中なのに後追い自殺するほどバカじゃない。
でも・・・・心配?」
「美貴ちゃん・・・・・」
- 523 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:33
- 「好きなんでしょ?・・・・まだ、ちゃんと愛しているんでしょ?」
そう聞くと、腕の中でコクンとうなずいた。
そんな紺ちゃんがとてもいとおしく感じて、膝の上に抱き上げてギュッとし
てあげる。
涙を拭う左手に指輪が光る。
「その綺麗なリング、たんに貰ったんでしょ?」
またコクン。
「左手の薬指にするのって、たんに会う時だけなんだよね?」
今度は返事が無い。
「素直になろうよ、あたしだってたんの事を愛してる。だから、紺ちゃんの
気持ちが良く分かるの」
- 524 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:34
- 「亜弥ちゃん・・・」
「そりゃー紺ちゃんがたんと別れたら、あたしはたんともっと一緒にいられる
かも知れないけど?そんなの絶対にお断り。たんはね、紺ちゃんといる時が
一番幸せそうな表情をしてるし、紺ちゃんの事を話す時が一番嬉しそうなんだ」
「うぅぅ・・・美貴ちゃん・・・」
「あたしは美貴たんの本当の笑顔が見たいだけ。それには紺ちゃん、キミ
が必要なの」
あらら、また泣き出しちゃった。
「ね?甘えたいんだよ紺ちゃんに。甘えさせてあげなよ」
「ウグッ・・・うぅぅ・・・」
- 525 名前:One and only 投稿日:2007/07/05(木) 22:35
- 「紺ちゃんはね、しっかりしていて優しくて温かくて、こうして一緒にいるだけ
で幸せに包み込まれている感じがして、とても気持ちが安らぐんだ」
「そんなこと・・・」
「ううん、だから末っ子で甘えん坊の美貴たんにとっては、と〜〜っても居心地
のいい場所なんだよ」
「うぅぅ・・・」
「だからさ、あんにゃろーのやんちゃなんか、いちいち気にしちゃ駄目」
「私・・・・・・」
「ほら、探しに行こうか・・・たんのこと」
「グスッ・・・・うん」
- 526 名前:たまえす 投稿日:2007/07/05(木) 22:36
- >>514 名無飼育さん様
ありがとうございます。
皆様の見えないプレッシャーで・・・・嘘です(^^)
>>515 名無しの読者様
ありがとうございます。
あの方達は油断しているとたまに現れます(w
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 527 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/05(木) 23:04
- たまえすさん、素晴しいです!
ここの世界のなっちと矢口にそんな話があったなんて…
涙が止まりません。そして、あやや、カッコイイですね。
これからも楽しみに待ってます!
- 528 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 00:06
- ほわ〜んって感じです。
みんな頑張れ〜!!
- 529 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:07
- 部屋の電気を点けた瞬間、頭が真っ白になって思考が停止した。
なに?
どうしたの?
何が起こっているの?
ベッドとテーブルの間に不自然に倒れ込んでいる紺ちゃん。
テーブルの上には、場違いな白い薬の粒が散らばっていて。
駄目じゃん、そんなところで寝ちゃって。
また風邪引いちゃうじゃない、まったくもう・・・・
そう、いつもの状況と同じなんだと美貴自身に言い聞かせようと試みる
ものの、本能がそれを拒絶する。
- 530 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:08
- 昨晩、取り乱してここから出て行ってしまった紺ちゃんの姿が甦ってくる。
純粋な愛を惜しみなく注いでくれた紺ちゃんに対して、何という酷い仕打ち
をしてしまったのだろう。
もう愛想を尽かされたんだろうな。
こんなだらしのない美貴に絶望しただろうし、二度と会ってはくれないだろう
なって思った。
でも、こうして来てくれた。
・・・・・・絶望?
動かない紺ちゃんを見ているうちに、どういう訳か身体の力が抜けてしまい
眩暈がしてきた。
- 531 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:08
- ・・・・・・・まさか、そんな・・・・嫌だ・・・
「たん・・・どうしたの?」
後ろから聞こえた亜弥ちゃんの声。
絶対に認めたくなんかないのに、本能が勝手に現実の危機を訴える。
こ・・・・・紺ちゃん?
「キャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
パタパタパタ・・・・
「ちょっとどうしたのよ!」
美貴を押し退けて部屋へ飛び込んだ亜弥ちゃんも。
- 532 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:09
- 「な・・・・・・何て事を・・・・」
そう呟くと、ガクンと跪いてしまった。
嫌だ、嘘だ・・・
全身の力が抜けてしまい、その場に崩れ落ちるように座り込む。
「紺ちゃ〜ん!・・・どうして、何でよ・・・・何故こんなことを・・・」
紺ちゃん、やっぱりそうなんだ・・・・・・・
泣きじゃくりながら必死に紺ちゃんの身体を揺する亜弥ちゃんの悲痛な声
が、更に美貴を奈落の底に叩き落とす。
もういいよ亜弥ちゃん、可哀相だからこのままそっとしておいてあげようよ・・・
- 533 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:10
- とてつもない恐怖に襲われて、居たたまれずに部屋を這い出る。
「うぅぅ・・・・ぅぅぅぅ・・・紺ちゃん・・・・・紺ちゃん・・・・」
取り返しのつかない事をしてしまった。
絶対に幸せにするって誓った筈なのに、こんな形で終わってしまうなんて。
希望の大学に進学してこれからという時に。
苦しかったよね、辛かったよね・・・ごめんね紺ちゃん。
「うぅぅぅ・・・・」
何で泣いてるんだよ、美貴には泣く資格なんか無いじゃん。
ふらふらと歩きながら、気が付けば非常階段の最上階ホールに来ていた。
- 534 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:10
- 外へ出てみると、まだ肌寒い深夜のビル風が身体を揺らす。
暫くの間、夜景を眺めてみる。
遠くに見える高層ビルが、まるで特大のキャンドルみたい。
眼下の道路を走る車の光の列が、紺ちゃんの送り火のように見える。
酷い言葉で直接罵られた方が良かった。
思い切り引っぱたかれた方が良かった。
でも、最後まで紺ちゃんは優しかったね。
美貴の事は一言も責めずに、自分一人だけで。
美貴との思い出がいっぱいいっぱい詰まったあの部屋で。
- 535 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:11
- そんなに思い遣ってもらう価値なんか美貴には無いのに。
遥か下の道路を救急車が通り過ぎて行く。
亜弥ちゃんが呼んだのかな。
引き止めずにあのまま帰ってもらった方が良かったね。
ごめんね、こんな面倒な事に巻き込んじゃって。
亜弥ちゃんにはデビューの時から色々良くしてもらったのに、美貴からは
何一つお返しが出来なくて。
でも、それももう終わり。
亜弥ちゃんは美貴がいなくたってなんでも一人で出来ちゃうもんね。
- 536 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:12
- 会社の人や大勢のツアースタッフさん、それに・・・ずっと応援してくれた
ファンのみんな、本当にごめんなさい。
紺ちゃんを一人で行かせるわけにはいかないの。
何故なら、彼女を追い詰めてしまったのは美貴なのだから。
それに、やっぱり美貴は紺ちゃんに直接謝るべきだし。
でも、美貴は地獄に落ちるのかなぁ、天国にいる紺ちゃんには会えない
のかな。
まぁやってみなきゃわからないか・・・・
神様と閻魔大王様、お願いですから、ほんのちょっとだけでいいですから、
紺ちゃんに謝る時間を下さい。
- 537 名前:One and only 投稿日:2007/07/10(火) 22:13
- 身を乗り出して、真下を見てみる。
闇に吸い込まれるような錯覚に陥りゾクッと身震いする。
痛いだろうな・・・・
でも、楽な死に方では紺ちゃんの魂は浄化できないだろうし、例えどんな
苦痛であっても一瞬で終わる。
「紺ちゃん・・・・・いま・・・・行くからね?」
もし向こうの世界でもう一度出会えたなら・・・
もし紺ちゃんが許してくれるのなら、今度は絶対に幸せにするから。
「紺ちゃん・・・愛してる!」
ギュッと目を閉じると、思い切りジャンプした。
- 538 名前:たまえす 投稿日:2007/07/10(火) 22:15
- >>527 名無飼育さん様
ありがとうございます。
私の妄想ワールドにはどうも節操が無いみたいです。
>>528 名無飼育さん様
ありがとうございます。
私もほわ〜んが大好きです。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 539 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/11(水) 01:21
- あわわわ…!!
ほわ〜んからまたも手に汗握る展開…
作者様の作品からは目が離せませんねw
更新ありがとうございます。
- 540 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/11(水) 02:09
- ミキティのあほばかまぬけち(以下略
なんつーとこで切るんですか作者さん!
- 541 名前:446 投稿日:2007/07/12(木) 20:10
- たまえすさん、更新乙ありであります。
ストーリーの展開上多くは書けませんが一言書かせて下さい。
コ レ は 新 手 の 寸 止 め プ レ イ で す か ?
それといいらさん・・・446はひっくり返っても大丈夫な環境でPCしてるのですが
やっぱりひっくり返(ry
- 542 名前:名無しの読者 投稿日:2007/07/13(金) 01:28
- Σ(゚△゚;) ナンテコトヲ…
つ、続きが気になります…。
- 543 名前:One and only 投稿日:2007/07/15(日) 14:36
- 遠くで誰かが美貴を呼ぶ声が聞こえる。
物凄い頭痛だ。
頭が割れるように痛む。
・・・そっか、マンションの上から飛び降りたんだっけ。
落下するときは頭から落ちるらしいから、やっぱり美貴もそうだったのかな。
痛む頭を触ろうとしたけれど、ぐちゃぐちゃな脳みそがべっとりと手にくっつき
そうな気がして考え直す。
死んじゃってもこうして意識で考える事はできるんだね。
- 544 名前:One and only 投稿日:2007/07/15(日) 14:36
- ちょっと意外だった。
身体は滅びるけれど、どうやら魂が生き続けるっていうのは本当らしい。
地上に落ちる途中で建物に当たらないように、できるだけ遠くに飛ぼうと思って
力一杯踏み切ってジャンプして。
手すりを飛び越すところで記憶は途切れていた。
良かった、コンクリートの地面に叩き付けられる瞬間まで意識があったら・・・
考えただけで失神しちゃいそう。
あれ、何言ってんだろ。クスクスッ、もう死んでいるのに可笑しいよね。
・・・・そっか、美貴・・・死んじゃったのか。
- 545 名前:One and only 投稿日:2007/07/15(日) 14:37
- 短い人生だったけれど、それなりに充実はしていたと思う。
華やかなステージで眩しいスポットライトをいっぱいに浴びて、大好きな
歌をたくさん歌って。
普通の女の子ではできない様々な事も経験できたし。
それに・・・・・・
それに、愛する人とも出会えた。
心から愛し合える彼女と。
・・・・・・・・・ん?
- 546 名前:One and only 投稿日:2007/07/15(日) 14:37
- そうだ、紺ちゃんに謝らなくちゃ!
ここは何処だろう・・・・
恐る恐る目を開けて周囲を見てみる。
一面真っ暗闇の世界。
立ち上がろうとしたけれど、本当に何も見えない漆黒の闇なので平衡感覚
が掴めず、よろけてまたしゃがみ込む。
・・・・・あ〜あ、やっぱ地獄に落ちちゃったか。
まぁ・・・・当然の報いだよね。
- 547 名前:One and only 投稿日:2007/07/15(日) 14:38
- あんなに純粋で一途に美貴を愛してくれた紺ちゃんがいながら浮気をしまくって。
彼女を傷付けたばかりか、自殺にまで追い込んでしまったのだから。
本当に悪い事をしたと思ってる。
でも、もう何もかもが手遅れ。
後悔先に立たずとは良く言ったものだ。
四十九日までは現世にいられるとかって言うけれど、地獄に落ちちゃった
ら無理なのかな。
遺書ぐらい書いてくれば良かった。
- 548 名前:One and only 投稿日:2007/07/15(日) 14:39
- 紺ちゃんのお母さんにも謝りたいし。
まるで家族のように美貴と接してくれた素敵なママ。
メンバーにも謝りたい。
みんな本当にいい子達だった。
愛ちゃん、すぐにテンパって訳わかんなくなっちゃうけれど、でもあなたの
美しい純粋な気持ちはそのまま持ち続けていてね。
垣さん、心から娘。を溺愛している人。あなたの娘。愛は1期メンバーにも
劣らないと思う。あなたの笑顔がある限り、娘。は輝き続ける。
亀ちゃん、本当に気持ちの優しい子。バラバラな個性のメンバー達をしっか
りと一つに繋ぎ止めているのは、実はキミの思いやりなんだよね。
- 549 名前:One and only 投稿日:2007/07/15(日) 14:39
- しげさん、キミの頭の回転の早さはに驚かされてばかりだった。とても素直で
美貴よりもはっきりと物を言う子だけど、たまにはオブラートに包もうね。
れいな、とっても可愛い自由奔放な猫娘。屈託のないキミの笑顔は、これから
も沢山のファンを虜にするだろう。美貴が言うのもなんだけど、肉の食べ過ぎ
に気を付けて。
小春、キミのプロ根性にはいつも関心させられた。とても綺麗になったね。
ホントは、美貴を見詰める熱い視線に何度もドキッとしたんだよ?
光井、知性溢れる希少な存在。見た目とは全然違って、努力と根性の人。
お陰で小春が焦ること(笑) ライバルっていいね。
新しい二人にも、偉そうな事を言っておきながら申し訳ない事をした。
美貴は地獄の底からみんなのことを応援しているから、愛ちゃんを中心に
頑張ってね。
- 550 名前:One and only 投稿日:2007/07/15(日) 14:40
- ふぅ〜〜〜・・・でも、いつまでこんな暗い所にいなきゃいけないんだろ。
現世で犯した悪行をここで反省しろって事なのかな。
それとも・・・もしかしたら、ミュージカルの魂達みたく何百年もこのまま放置?
悪いのは美貴なのだから、どんな罰でも甘んじて受けよう。
どうせあと70年も待てば全員に謝れるし・・・・あ゛〜〜〜みんなは天国行きかぁ?
ま、仕方がない。
4年後の紺ちゃんの姿を一目でいいから見たかった。
もう二度と会えないんだね・・・
さようなら、ありがとう紺ちゃん。
- 551 名前:たまえす 投稿日:2007/07/15(日) 14:42
- >>539 名無飼育さん様
ありがとうございます。
折角手に握った汗も乾いてしまったでしょうか(汗;
>>540 名無飼育さん様
ありがとうございます。
さらに追い討ちを掛ける・・・つもりはないのですが。
>>541 446様
ありがとうございます。
寸止めどころか完全停止だったりして。
授かりものとはいえ時節的には微妙でしたが、師匠と弟子の
子供が同級生というのも面白いのかなと。
>>542 名無しの読者様
ありがとうございます。
あちらこちらから物が飛んで来そうな気がしますが(^^;
- 552 名前:たまえす 投稿日:2007/07/15(日) 14:47
- ここで 「完」 な〜んて書いたら我が家ごと爆破されそうですねw
今頃名古屋では・・・・おっと、SSAまで我慢我慢。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 553 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/16(月) 00:27
- ま、またこのようなところで……
いえ、待ちます…
- 554 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/16(月) 04:45
- >>552
1行目よくお分かりで……フッフッフ
いえ、おちょきんして待ってます。
- 555 名前:One and only 投稿日:2007/07/16(月) 23:13
- 二人で玄関を出てエレベーターホールへ向かう。
さて、何処へ行ったのやら。
上か下か・・・
たんは屋上が好きだけど、確かこのマンションの屋上は緊急時以外は
出られないはず。
通路の窓に駆け寄って下を覗いてみる。
いくら都内とはいえ、こんな時間では歩道の人影も無い。
あの状態ではそれほど遠くへは行っていないだろう。
- 556 名前:One and only 投稿日:2007/07/16(月) 23:13
- 「紺ちゃん、取り敢えず下に降りてみよっか」
まだ半ベソ状態の紺ちゃんの手を引いて、エレベーターの[↓]ボタンを
押そうとしたら。
クンッと手を引き戻された。
「ん?・・・・どした?」
振り向くと、じぃーっとエレベーターの方を見詰めてる。
「きっと直ぐに見つかるよ・・・だからさ、捜しに・・・・」
「グスッ・・・下じゃないと思う」
「え、だって・・・ここって屋上には出られないんじゃないの?」
- 557 名前:One and only 投稿日:2007/07/16(月) 23:14
- 「でも美貴ちゃん、怒って飛び出したりした時に下へ行った事って一度も無い」
「・・・・そっか。紺ちゃんがそう言うのなら、上に行ってみよっか」
思い直して[↑]のボタンに軽く触れると、ポッとオレンジ色に輝いた。
隣を見ると、大きな可愛い瞳にはまだ涙を浮かべている。
「大丈夫?」
「・・・・・・うん」
大丈夫じゃないって分ってるけれど、頑張れって励ます意味で言ってみた。
今後どう接すればいいの?
- 558 名前:One and only 投稿日:2007/07/16(月) 23:14
- 以前の恋人同士という関係には、もう戻れないかもしれない。
でも、まだお互いに愛し合ってはいるはず。
まったく、バカなんだから。
切ない紺ちゃんの気持ちを考えていたら、何だかまたムカついてきた。
『・・・ポ〜ン・・・』
エレベーターに乗って、ひとまず最上階のボタンを押す。
「亜弥ちゃん・・・・」
「ん?」
- 559 名前:One and only 投稿日:2007/07/16(月) 23:15
- 「ごめんなさい」
「何でよ」
「だって、私のせいでこんな・・・」
「ストップ! 紺ちゃんのせいじゃない、たまたま悪い方に偶然と勘違いと
弱さが重なっちゃっただけ。・・・いい?だから紺ちゃんが自分を責めること
なんかないし、悪いのはあのバカたんの方なんだから」
「でも・・・・でも、美貴ちゃんに寂しい思いを・・・」
「あのねぇ、いい加減にしなさいよ? これ以上ウジウジ言ったら怒るかんね?」
な〜んて・・・ちょっと脅しておかないと、どんどん悪い方に考えちゃいそうだから。
- 560 名前:One and only 投稿日:2007/07/16(月) 23:15
- 最上階のフロアに降りたけれど、他人の家の前をうろうろする訳にもいかない
ので、シーンと静まり返った空間を忍び足で突き当たりの非常口へ。
「外へ出られるかな」
意外にもすんなりドアは開いたけれど、そこは屋内の非常階段ホール。
「あれ、違った」
「亜弥ちゃんあっち」
紺ちゃんの指す方を見ると、扉がもう一つ。
「行くよ」
紺ちゃんの手を引いたまま、扉にめり込んだ取っ手を引っ張り出して回す。
- 561 名前:One and only 投稿日:2007/07/16(月) 23:16
- 『ガチャッ』
「お、開いたよ」
そお〜っと扉を開くと、強い風が吹き込んできて身体ごと扉に引きずられる。
「あわわわっ、ちょっと助けてぇ〜」
2人掛りでどうにか扉を閉めてホッとした時。
『ドサッ!』
薄暗い空間に鈍い音が響いた。
- 562 名前:たまえす 投稿日:2007/07/16(月) 23:17
- >>553 名無飼育さん様
ありがとうございます。
またやってしまいました・・・スミマセン
>>554 名無飼育さん様
ありがとうございます。
いや・・・あの・・・どうか足をくずして頂いて・・・
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 563 名前:名無しの読者 投稿日:2007/07/17(火) 00:26
- (゚o゚) <…サ、サクシャサマ…
コレハワルイユメデスカ?????
毎回ドキドキがとまりません。ていうか苦しいです(苦笑)
- 564 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/17(火) 12:54
- ぎいいぃぃやぁぁぁぁ!!!
すみません、絶叫してしまいました。
作者さまったら、一度ならず何度も善良な読者を弄ぶなんて…w
でも、一生ついていきます。
- 565 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:11
- ・・・ん
・・・・・んんっ
・・・・・・・・ん〜?
ふぁ〜〜〜っと・・・あ、寝ちゃってたみたい。
・・・・って・・・・・・・え?
死んでも眠くなるものなの?
へー・・・知らなかった。
あれ、また遠くで誰かが美貴を呼んでいる。
- 566 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:11
- あれからどれ位経ったのだろう・・・・
もう大騒ぎになってるだろうな。
同じ事務所絡みが一度に2人も自殺なんて、芸能関係じゃ前代未聞だろうから。
亜弥ちゃん相当ショックを受けてるだろうな。
ごめんね、最後まで困らせちゃって。
精神崩壊とか起こしてなければいいけれど。
・・・・・・あ、まただ・・・・絶対誰かが美貴の事を呼んでいる。
ぐちゃぐちゃの美貴の死体を見て哀れんでくれてるのかな。
- 567 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:12
- みんなお葬式に来てくれるかな。
ははは、そんな訳ないか。
こんな、仕事を飛ばして勝手に死んじゃうような無責任な女なんか世間から
嘲笑されるだけだろう。
た〜〜〜ん・・・
は?
・・・・・たん?
いま聞こえたような気がする・・・のは・・・・亜弥ちゃんの・・・声?
「亜弥ちゃん?」
- 568 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:12
- さっきよりも幾分薄明るい空間の中を見回すと、ポツンと見えた一つのシルエット。
「た〜〜〜ん」
今度ははっきりと聞こえた。
「亜弥ちゃ〜〜ん!」
「あー・・・みーっけ!」
そう言うと、パタパタとこちらに近付いてくる。
周囲が少しずつ明るくなってきた。
「・・・もぉー何やってんのさバカたん」
- 569 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:13
- 「・・・・・・え、ちょっと・・・亜弥ちゃんこそ、どうしてこんなところにいるのよ」
「はぁ〜? 何それ、ちょっと酷くない?一緒に来いって言ったのは美貴たんじゃん」
拗ねたように唇を尖らしている。
・・・・可愛いじゃん。
・・・・・・・・ん?
違う違う、美貴は死んじゃったの。
じゃあ・・・・亜弥ちゃんは?
「あ・・・亜弥ちゃんまさか・・・・」
「何さ」
- 570 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:14
- 恐らく、美貴を真っ先に見つけてくれたのは亜弥ちゃんだろう。
紺ちゃんの美しい亡骸を前にあんなにショックを受けていた亜弥ちゃんなのに、
更に身を投げて変わり果てた美貴を見て生きる気力を無くしてしまったとしたら。
どうして美貴は、いつもいつも人の気持ちを考えないで行動しちゃうんだろう。
自分勝手な美貴のために亜弥ちゃんまで巻き添えにしてしまったの?
それも、ご丁寧にこんな地獄にまで付き合ってくれるなんて。
急に猛烈な悲しみが込み上げてきて、涙がダァ〜〜っと溢れてきた。
そんな美貴を心配そうに見詰める亜弥ちゃん。
- 571 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:15
- 「たん、やっぱり痛むの?」
「グスッ、えっ?」
「だって、頭がほら・・・・」
そう言って、美貴の頭を触ろうと手を伸ばしてくる。
亜弥ちゃんに言われて思い出した途端、また頭が激痛に襲われた。
「ダメッ、触っちゃ!」
伸びてきた亜弥ちゃんの手を反射的に払いのける。
「そんなに痛いの?」
そりゃ痛いに決まっている。
- 572 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:15
- きっと亜弥ちゃんの目に映る美貴の形相は、半端じゃなくグロテスクなもの
になっているはず。
頭が割れて眼球は飛び出し脳漿が噴出して身体は血まみれ。
「触っちゃダメだよ、亜弥ちゃんの手が汚れちゃうから」
「・・・・・どーして?」
「ど・・・どうしてって、こんな悲惨な状態の頭なんか触ったら・・・」
「・・・・・・は?」
「いや・・・・あの・・・・は?・・・・って・・・」
「うん、まーね、確かにライブ終わってそのままだから、折角セットした
髪も汗でクルクルに戻っちゃってるし・・・」
- 573 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:16
- 「え・・・・いや、そんなんじゃなくって、この頭の傷が・・・」
てっきり、美貴がショックを受けないように気を遣ってくれているのかと
思って。
「どの?」
「どのって、亜弥ちゃん平気なの?」
そうしたら、じぃ〜っと美貴の頭を見て。
「まぁ・・・・確かにこんなスゲーのは見たことないけど?」
やっぱりひどいんだ・・・・グスッ・・・
「しっかし、こりゃまたでっかいコブだねぇ・・・・これは確かに痛いわ」
- 574 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:18
- 「・・・そりゃそうよ、だって死んじゃったんだもん」
「・・・・・・・・誰が?」
「誰がって・・・・美貴」
「は?・・・・じゃあさ、ここにいるあなたはだあれ?」
「美貴の魂」
「悪いけど、あたしは霊感なんか無いからね?」
「それは亜弥ちゃんも・・・・亜弥ちゃんも死んじゃったからじゃないの?」
「何であたしが死ななきゃならないのよ」
- 575 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:19
- 「だって、紺ちゃんが美貴に失望して自殺しちゃって、美貴が紺ちゃんに謝り
たくて、後を追って飛び降り自殺しちゃったから・・・」
「と・・・飛び降りって、あんた本気であのてっぺんの非常口から飛び降りて
自殺なんかしようとしたの?」
「しようとしたんじゃなくて、もうしたの!」
「あのね・・・・そっかぁ・・・いい? ほら、これ見てご覧よ・・・見える?ちょっと
太目だけど、ちゃ〜〜んと両足付いてるでしょ?」
そう言いながら自分の足をぺちぺち叩く亜弥ちゃん。
フン、騙されるもんか。
幽霊に足が無いなんてのは昔の話だろ。
- 576 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:19
- 「もういいよ、だけどどうして亜弥ちゃんまで地獄に落ちちゃったの?」
「ハァ?何でここが地獄な訳?」
「だって、死んだら紺ちゃんに謝れるかなって思ったんだけどさ、死んでみたら
紺ちゃんを騙すような悪い事をした美貴は真っ暗な地獄に落ちちゃって、天国
に行っちゃった紺ちゃんには結局会えなくって・・・うぅぅ・・・紺ちゃん・・・」
「たん・・・・本当に死ぬつもりだったんだね・・・紺ちゃんが自殺したって思い込
んだまま・・・」
「・・・・え?」
- 577 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:20
- 「確かに紺ちゃんは美貴たんの事ですっごく悩んでるけど、でも自殺なんかし
てないし、ちゃんと生きてるよ」
「え・・・・えっ?・・・・えぇっ?・・・・嘘だ、何で今さらそんな嘘をつくの?」
「ほぉ・・・・嘘だと言うのなら、たんの後ろにいるのはだあれ?」
「そんな事・・・・・・」
何がどうなっているのか。
頭の中が混乱したまま、ゆっくりと振り向いてみる。
「えっ?」
「美貴ちゃんのばか〜〜〜〜っ!」
- 578 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:21
- 思いっ切り抱き付かれて、後ろに吹っ飛ばされた。
「エグッ・・・ウグッ・・・嫌だ・・・美貴ちゃん・・・死んじゃうなんて・・・ヒック・・・
そんなの絶対にやだ・・・」
「紺ちゃん・・・・紺ちゃ〜ん・・・ぅわぁ〜〜」
もう二度と会えないと思っていた。
絶対に抱き締めることなんてできないと思っていた。
この感触、この温もり・・・・紺ちゃんだ・・・・間違いなく紺ちゃんだ・・・
「・・・ック、何で?・・・グスッ・・・美貴は?・・・美貴はどうなったの?」
しっかりと紺ちゃんを抱き締めたままで、亜弥ちゃんに疑問を投げ掛ける。
- 579 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:22
- 「最上階の非常口の外のテラスに倒れてた。だから紺ちゃんと2人でここ
まで抱えて降りてきたんだ・・・結構重かったんだよ?」
「そんな・・・・手すりを飛び越えてできるだけ遠くに飛び降りられるように、
全力を振り絞って思いっ切りジャンプしたのに・・・」
「ははぁ〜ん・・・だからか。あのね、テラスの手すりの上からぶら下がってる
『消防隊突入口』って書いてある鉄板が、誰かさんのおでこの形に凹んでた。
ばっかみたい、普通に飛び降りてればちゃ〜んと死ねたのに」
「ウグッ・・・ヤダ・・・死んじゃやだ・・・ごめんなさい・・・私が・・・うわ〜ん・・・」
「どーして紺ちゃんが謝るのよ・・・ほらバカたん、早くなんとかしなさいよ?」
「ごめん・・・・ごめんね紺ちゃん・・・本当にごめんなさい・・・美貴が悪かった」
「はい、良く言えました・・・って、あのぉ〜・・・この状況であたしにどーしろと」
- 580 名前:One and only 投稿日:2007/07/19(木) 23:25
- 呆れ顔で美貴たちを傍観している亜弥ちゃん。
どうやら美貴は命拾いをしたらしい。
一歩間違えば、亜弥ちゃんの言うように本当に死んでいたに違いない。
でも、生きてて良かった。
またこうして紺ちゃんに会えた。
今日からは、神様と閻魔さまにもらったこの新しい命で、悲しい思いをさせて
しまった紺ちゃんへたくさんたくさん償いをしようと思います。
「美貴ちゃん・・・・おかえりなさい・・・」
「ただいま紺ちゃん・・・」
「あ〜あ、見てらんねー・・・」
- 581 名前:たまえす 投稿日:2007/07/19(木) 23:26
- >>563 名無しの読者様
ありがとうございます。
その後心臓の具合は如何でしょうか・・・・
>>564 名無飼育さん様
ありがとうございます。
善良な読・・・・・あ、いえ・・・何でもありません(^^)
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 582 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/20(金) 00:57
- 美貴ちゃんの運動神経万歳…
…がくっ(心配しすぎて力尽きました)
- 583 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/20(金) 04:50
- はーなるほどそう来たか、とw
ほんと藤本さんって憎めない人だなと改めて思いました…
それにしてもまっつーは切ないですね〜
- 584 名前:名無しの読者 投稿日:2007/07/21(土) 00:13
- 美貴ティと状況や対象物は違えど、自分も同じ様な経験がありましたよ。目から星ってホントに出るんだなという事をその時初めて認識したんですけど………って…
ちっっがぁぁぁう!
そうではなくて、色々あったけど、とにかく良かったぁ、って事です(^^)
- 585 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:45
- ・・・ん
・・・・・ん?
そっと目を開けてみる。
真っ暗な部屋の中。
小さな囁きが、微かに聞こえてくる。
『うぅぅ・・・ゴメンね美貴たん』
亜弥ちゃんだ。
『あたしがもっと気に掛けていればこんなことにはならなかったのに・・・グスッ
・ ・・でも良かった・・・ホントに良かった。・・・ねえたん?死んじゃったら・・・
死んじゃったら、負けなんだよ?』
- 586 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:46
- 決して広くはない美貴ちゃんのベッドの上。
気を遣って遠慮する亜弥ちゃんを無理矢理引っ張り込んで。
美貴ちゃんを真ん中に、私と亜弥ちゃんとで両側から挟むようにして寄り添っ
て寝たのが午前4時頃。
コンサートで疲れていた上にあの騒動だったから、美貴ちゃんも亜弥ちゃんも
すぐに規則正しい寝息に変わった。
美貴ちゃんの手をしっかりと胸に抱いて眠る亜弥ちゃんを見ていたら、涙が止
まらなくなって。
私・・・亜弥ちゃんの大切な人をも殺してしまうところだったんだ。
本当は私なんかよりも亜弥ちゃんの方が、美貴ちゃんには合っていたんじゃ
ないかな。
- 587 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:47
- 美貴ちゃんをおもちゃの人形かぬいぐるみのような、まるで自分の所有物
の一つみたいに、放っておいても何とも無いんだ・・・みたいなとんでもない
思い違いをしていたような気がする。
確かに例の件を知った時には裏切られた感100%で、あまりのショックに美貴
ちゃんへの思いはドン底にまで失墜した。
でも、色々と考えているうちに、長い間美貴ちゃんを放置していたのは私なん
だって気付いて。
直接美貴ちゃんに会えば、何かこの事態を打開できる答えが見つかるかも
しれないと思って、昨日ここへ来てみたものの・・・
いざ美貴ちゃんに会ってみたら、強い不安に襲われてしまって。
自分でもどうしてあんな事をしたのかよく分からないけど、恐らく美貴ちゃんの
口から永遠の別れを宣告されるのが怖かったのかも知れない。
- 588 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:47
- 結果的には錯乱してしまって、また美貴ちゃんを傷付けてしまった。
美貴ちゃんにまとわり付いている私以外のもの全てを削ぎ落とそうとでもした
のだろうか。
我に返った時には、意味も無くただ美貴ちゃんの肌を力任せにこすっていて
美貴ちゃんの綺麗な白い肌は、真っ赤に腫れてしまっていた。
震えながら涙を流している美貴ちゃんのとても悲しそうな表情に驚いて、居た
たまれずに、逃げるように部屋を飛び出した。
家に帰ってからは、ただただ後悔の念に苛まれて。
これが今まで私を愛してくれた美貴ちゃんに対する仕打ち?
もしこれで本当にお別れすることになっても、一方的に怒りをぶつけるなんて
間違ってない?
- 589 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:48
- むしろ、今までたくさんの愛をどうもありがとうっていう感謝の気持ちを届けて、
その上で美貴ちゃんの選択を受け入れるべきじゃないの?
講義中も、ずーっとそんなことを考えていて。
楽しいはずのサークルのコンパでも、脳裏によぎるのは、昨日の美貴ちゃんの涙。
気付いた時には、何時の間にか美貴ちゃんのマンションに来てしまっていた。
怖いけれど、逃げていたって何も答えは出ない。
本当に美貴ちゃんの事を愛しているのならば、例えどのような形であれ美貴
ちゃんが新たな幸せを掴んだのなら祝福してあげなくちゃ。
でも、知らぬ間に不本意な自殺騒動を起こした上、もうちょっとで本当に美貴
ちゃんを殺してしまうところだったなんて。
- 590 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:49
- 美貴ちゃんが勘違いして、私の後を追って本気で飛び降り自殺を図ったって
知った時、驚きと悲しみの反面、実はちょっと嬉しかったの。
だって、まだ私の事を思ってくれているって事だもん。全てを捨ててまで私を
選んでくれたって事でしょ?
でも、美貴ちゃんがドジで良かった。
もしあのまま本当に死んじゃっていたら・・・
きっと私は、一生苦しみ続けることになっただろう。
そして・・・・多分、この人も。
『ねぇたん・・・もし・・・もし美貴たんがあのまま死んじゃったりしたら・・・あたし
・ ・・あたし・・・うぅぅぅ・・・』
私が気付いてからも、寝ている美貴ちゃんにずっと話し掛けている亜弥ちゃん。
- 591 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:49
- こんなにも美貴ちゃんの事を愛している人がいる。
私だけの美貴ちゃんなんかじゃなかったんだ。
恐らく、私が美貴ちゃんと出会うずっとずっと以前から、美貴ちゃんへの熱い
思いを胸に抱き続けていたに違いない。
それなのに、私の事を嬉しそうに話している時の美貴ちゃんの笑顔が好きだ
と言ってくれた。
きっと今回のスキャンダルでは、私以上にショックを受けたに違いない。
「・・・・亜弥ちゃん?」
「うぅぅ・・・グスッ・・・紺・・・ちゃん?」
「うん」
- 592 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:50
- 「あ・・・ご、ゴメン・・・起こしちゃった?」
「ううん」
「グスッ・・・・今、何時頃かなぁ」
枕元に置いたはずの携帯を手探りで探して時計を確かめる。
「えっと、7時半だって」
「ふぅ〜ん・・・・そっか・・・・そろそろ起きなきゃヤバイじゃん」
「亜弥ちゃん、今日もお仕事?」
「9時に稽古場集合」
「あんまり寝られなかったね、ごめんね?変な騒ぎに巻き込んじゃって」
- 593 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:50
- 「ううん、ぜーんぜん平気だよ」
それは嘘。
カーテンの隙間から伸びる細い朝日を受けて輝く亜弥ちゃんの端正な横顔。
その目尻には、まだ涙が拭いきれずに光っていた。
「それよりさ、一緒にシャワーに入らない?」
「え゛っ?」
「だってさ、昨日お風呂も入らないで寝ちゃったじゃん・・・それにさ、あたし着替え
とか持ってきてないんだよね。このままじゃお仕事に行けないっしょ?だからさ、
紺ちゃんの下着を貸して欲しいなぁ〜なんて」
「それはいいけど・・・・でも・・・・」
- 594 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:51
- 亜弥ちゃんは私のことを怒っていないのだろうか。
「それとも、もう少し美貴たんと寝てる?」
そう言うと、悪戯っ子みたいにニヤリと笑った。
「え・・・・えっと・・・そうゆー訳じゃ・・・」
その時、美貴ちゃんの身体がビクッと動いた。
思わず2人揃って息を潜める。
「ん・・・・・・・んんっ・・・・ムニャ・・・・エッチ・・・んふ〜〜・」
「「 ハァ? 」」
今の話を聞かれたのかと思ったけれど、どうやら違うみたい。
- 595 名前:One and only 投稿日:2007/07/25(水) 20:52
- さっきよりも更に声を潜めた亜弥ちゃんが・・・
「クスッ・・・ほら、紺ちゃんといちゃついてる夢でも見てるんじゃない?」
「え〜〜?」
恥ずかしいよ美貴ちゃんてば。
「しゃーない、あたし一人で入ってくるねー」
そう言い残して、亜弥ちゃんはベッドを抜け出した。
「・・・ムニャムニャ・・・ムフフ・・・」
ねぇ美貴ちゃん、一体どんな夢を見ているの?
「・・・・ムニャ・・・グフフ・・・愛ちゃんのプリケツ・・・・」
・・・・・・・・!?
「待って亜弥ちゃん、やっぱり一緒に入る!」
- 596 名前:たまえす 投稿日:2007/07/25(水) 20:53
- >>582 名無飼育さん様
ありがとうございます。
あの・・・体力は回復されましたでしょうか?
>>583 名無飼育さん様
ありがとうございます。
良くも悪くも自然体で憎めないのが藤本さんなのかなと。
>>584 名無しの読者様
ありがとうございます。
星飛ばしはありますよね。私も何回か飛ばした経験があります。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 597 名前:蘇りし582 投稿日:2007/07/25(水) 22:23
- 最後の一文により、生還いたしました!
次回楽しみにしてます…なにせ、二人は美貴ちゃんと違って…
ぐふふふ…豊ま…川V△V)=Oドゴっ!!
- 598 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/27(金) 03:50
-
みんなに幸あれ!
- 599 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:03
- フン、何が愛ちゃんのプリケツよ。
ばかじゃないの?
この緊迫した状況の中で、どーしてそんな著しく危機意識の欠落した夢なんか
見ているのよ。
本当に私を追って死のうとしてくれたのだろうか。
「紺ちゃ〜ん・・・どしたの?コワイ顔しちゃって」
「だって美貴ちゃんてば、私じゃなくって愛ちゃんの夢を見てるんだもん」
「・・・・ハァ?」
目を丸くした亜弥ちゃん。
- 600 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:04
- でも直ぐに笑顔に戻って。
「クスッ・・・ったく、ホントにアホたんなんだから。ほ〜ら、いーから早く脱がなきゃ」
そう言いながら、さもいつもしている行為の如く、普通に私のパジャマのボタンを
外している亜弥ちゃん。
「ちょっちょっ、何してるの!」
あまりの自然さに呆気にとられていたら、あっと言う間に慣れた手つきでスルッと
脱がされてしまって。
「ほーんとだ、紺ちゃんて・・・ブラ着けないんだ」
じぃ〜〜っと私の胸を観察している亜弥ちゃん。
- 601 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:04
- なんとなくこの場の空気とゆうか雰囲気が、何故か美貴ちゃんと一緒にいる時と
同じような感じがして、不思議と全く違和感が無い。
でも、いま私は間違いなく亜弥ちゃんに脱がされてしまって、初めての人の前で
素っ裸になっている訳で・・・
「キャー!」
慌てて手で胸を隠す。
「え〜〜〜?そんな隠さなくたって・・・」
「だって恥ずかしいっしょ」
「え〜〜?女同士じゃ〜ん・・・あ、じゃあ・・・あたしも脱ぐから」
- 602 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:05
- ポイポイッと脱ぎ捨てて、あっと言う間にスッポンポン。
「はい、どーぞ?」
「えぇっ?・・・どどどどうぞって」
ドキドキしつつも、やっぱり気になる亜弥ちゃんの身体。
真っ白い肌。
均整のとれたスタイル。
無意識のうちに、私の視線は亜弥ちゃんの足元から上に向かってゆっくりと
パンアップしていて。
女の私でさえ見とれてしまう美しさ。
- 603 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:06
- 目線がようやく顔までたどり着いた時、亜弥ちゃんのほっぺに可愛いエクボが
ポコッとできたのに気付いて、ハッと我に返る。
「どう?・・・私の裸」
「えっ?!・・・・あっ・・・わわっ・・・違くて・・・そ・・・そんなつもりじゃ・・・・」
「あはあはあは・・・・・そんなつもりって、どんなつもり?」
「し・・・しらない!」
「ニャハハハ・・・ほら、シャワーでしょ?」
「ひゃっ・・・ばか〜っ!」
油断していた私の胸の先っちょを人差し指でぷにゅっと押し潰すと、亜弥ちゃん
は嬉しそうにバスルームに消えて行った。
- 604 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:06
- 「あ〜〜〜ダメダメ、まず頭から洗わないと」
「・・・・・へ?」
泡立てたスポンジを左腕に滑らせた途端・・・・怒られた。
「ほら、ここに座ってごらん?」
そう言いながら、バスチェアーをペチペチと叩く亜弥ちゃん。
「え・・・・・う、うん」
「うちのおばあちゃんがね、上から下に向かって順番に洗うんだよって」
「へー・・・・・まぁ、家の掃除なんかも上から下へって言うし」
- 605 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:07
- 「お、分かってくれる?・・・さっすが紺ちゃん」
「いや、それ程でも」
「だって美貴たんなんか、何て言ったと思う?」
「え・・・バッカじゃない?・・・とか」
「あら正解。酷いと思わな〜い?あんにゃろーったらさ、あたしの言う事なんか
全く無視して、全部一緒くたにワシャワシャ洗うじゃん?・・・泡とか髪の毛を飛
ばしまくりながら」
何故かシャンプーをしてもらいながら、の〜んびりとした亜弥ちゃん独特の喋り
口調にリラックスして耳を傾ける。
- 606 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:08
- 「ぶっきらぼうでかなぁ〜りいい加減な性格に見えちゃったりもするけどさ〜あ・・・」
美貴ちゃんの事に関しては、私と亜弥ちゃんとで共有している情報とか共通の
認識が相当ある訳で。
「寂しがりぃ〜で甘えん坊だしぃ〜」
「うんうん」
「嘘を付くのが下手な癖にさ・・・」
「うん」
「今回は〜・・・マジでやられたよね〜」
「・・・・・うん」
- 607 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:09
- 「あのさ・・・・・ごめんね?」
「えっ?」
「あ、ううん・・・何でもない」
・・・亜弥ちゃん
私に腹を立てるどころか、こうなったのを自分のせいだと?
「紺ちゃんてさ、何かに集中している時って寂しさとか忘れちゃう人なの?」
「え?」
「受験勉強で美貴たんにずぅ〜〜〜〜っと会わなかったじゃない? その間って
寂しくなかった?」
「ん・・・そりゃー会いたかったし寂しかったけれど・・・」
- 608 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:10
- 「そっか・・・そうだよね・・・でもやっぱ、紺ちゃんは人並み外れた精神力の
持ち主には間違いないと思う」
「そんなこと・・・」
「たんの方が弱過ぎなのかな・・・本当はね、あたしとかメンバーをもっと頼って
くれれば良かったと思うの。でもね・・・リーダーとしてメンバーに弱い部分を見
せたくはないし、あたしに甘えたくてもさ、もしそれであたしの心に火を点けて
しまって、本気でたんのことを愛してしまったらどうしようって考えたのかなって」
「・・・亜弥ちゃん」
「そうしたらさ、紺ちゃんにもあたしにも辛い思いをさせてしまう。美貴たんなら
そう考えたと思うの」
「・・・・うん、私もそう思った」
- 609 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:10
- 「やっぱり紺ちゃんは流石だね。普通の女の子だったらショックで立ち直れない
よ絶対・・・でも、あんな事があっても、まだこんなにたんを愛してるんだもん」
「わぁ〜〜〜っ、ちょっと亜弥ちゃん!」
いきなり後ろから強く抱き締められた。
一応抵抗は試みたものの、背中への意外な弾力のある圧迫感がとても気持ち
の良い事に気付いて、直ぐ諦めた。
「あたしね、ますます紺ちゃんの事が好きになっちゃった」
「ふぇ・・・・・すっ・・・すき・・・・って・・・え〜〜〜〜?」
「ううん、違うの。でもね、今までのとは違う感情が芽生えたのは確かだと思う。
美貴たんが紺ちゃんを愛する気持ちに、あたしも一歩近付けた感じがするの」
「え・・・・」
- 610 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:12
- 「ね・・・・たんと紺ちゃんと、あたしの・・・3人で愛し合うってのは・・・どう?」
「あ?・・・・・あわわわ・・・あっ・・・あの・・あの・・・」
一瞬、頭の中に物凄い不埒な映像がよぎってしまい、恥ずかしさで身体中の
血液が沸騰しそうなほど全身が熱くなる。
「あれぇ〜?・・・紺ちゃん・・・もしかして、想像しちゃった?」
違うもん!
力一杯首をブンブン横に振る。
すると・・・・
- 611 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:13
- ムニュ!
「亜弥ちゃん!・・・背中・・・背中が・・・」
「ヘヘェ〜、気持ちいいっしょ」
この人、私の背中に・・・わざとおっぱいを押し付けてる・・・
そう気付いた途端、身体が勝手に硬直した。
「あり?・・・気持ちイク・・・なかった?」
ううん、とっても気持ちが良かったよ?・・・・なぁ〜んて・・・言えるか!
心の中で自分に突っ込んでいると、フッと背中に開放感。
「ごめん、冗談だから・・・悪かった」
- 612 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:15
- かなりトーンの下がった、亜弥ちゃんの寂しそうな声が聞こえた。
・・・・・・え?
「違うよ亜弥ちゃん、私も・・・私もいま、美貴ちゃんの気持ちが分ったような
気がしたの」
「・・・・ホント?」
「うん、いつも美貴ちゃんが気持ちいいって言ってくれる意味が・・・・わあっ!」
椅子の上で身体をくるんと180度回されて、気が付けば向かい合っていて。
「ニャハハ・・・あたしのおっぱい・・・気持ちイかったんだ・・・」
「あ・・・・うん・・・って・・・ちがくって・・・あわわ・・・えっ?」
- 613 名前:One and only 投稿日:2007/07/30(月) 23:16
- 「紺ちゃん好きぃ〜〜〜!」
「ぅわぁ〜〜〜〜〜っ!」
正面から抱き締められて・・・・み・・・・密着して・・・・脳死寸前。
「・・・・女の子同士なんだからさ」
「え?」
「女の子にしか分らない愛を・・・分かち合おうよ」
「あ・・・亜弥ちゃんってば・・・」
「ううん、美貴たんも一緒に・・・」
何だかとんでもないことをしている感じがしないでもないけれど、やっぱり
どこか雰囲気が美貴ちゃんと似ている感じがして、これ以上抵抗する気
にはなれなかった
- 614 名前:たまえす 投稿日:2007/07/30(月) 23:18
- >>597 蘇りし582様
ありがとうございます。
二人は美貴ちゃんと違って・・・ハテ何だろう(゜.゜)☆\(_ _#)バキッ
>>598 名無飼育さん様
ありがとうございます。
やっぱりシアワセが一番です。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 615 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/30(月) 23:54
-
美味しく読ませて頂きました。
- 616 名前:446 投稿日:2007/07/31(火) 00:46
- たまえすさん、更新乙蟻です。自分も目から星を出した経験があり
その時一瞬逝くかと思いました。 今度はこんこんが・・・
次回は血液噴出覚悟して更新を待ったほうがいいですか?2週間前に
400ml献血したばかりなのですがw
- 617 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/02(木) 01:42
- この2人の組み合わせにも凄く興味をそそられますW
- 618 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 22:59
- 「紺ちゃんてさ、こ〜〜んなに近くで見ても、やっぱりおめめがクリクリで可愛いね」
「い・・・いや・・・だから・・・こんなにって・・・あの・・・近過ぎるから亜弥ちゃん・・・
大体、どーしてこんな状態になってるのよ・・・」
バスチェアーに腰かけて硬直したままの私。
その足の上に、こちらに向かい合うようにまたがって座った亜弥ちゃんに抱き
締められて、完全密着状態。
目の前数センチには、何故かとっても満足そうに微笑む松浦亜弥。
だから、ほんの僅か目線を下げれば・・・丁度亜弥ちゃんのバストがたわわに
実っているわけで。
「いーじゃ〜んこれ位・・・美貴たんといつもしてたんでしょ?」
「して無いもん」
- 619 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 22:59
- 「・・・・・・はぁ?・・・・またまたご冗談を」
「ううん、いつも私が美貴ちゃんの膝の上にだっこしてもらって・・・えっと・・・
洗ってもらってたから」
「・・・・・は?」
「いや、は?・・って言われても」
「たんが紺ちゃんに甘えてたのかと思ってた」
「あ〜〜・・・でも、私的にはあれで甘えてくれてると思ってた」
「・・・・そっか。・・・・うん、でも解る気がする。やっぱり可愛い紺ちゃんのいやら
しい身体をいじりたいもんね」
・・・・・・ひ?
- 620 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:00
- 「い・・・・いやらしいって何よ!・・・酷いよ亜弥ちゃん」
「何で怒るの?もっと自信を持ちなよ自分の身体にさぁ。・・・こんな完璧な
黄金比率に近いナイスなボディーを持てるなんて、何千人に1人ぐらいの
凄い事だと思うよ?」
「そんなこと・・・・」
「ね、触っても・・・・いい?」
じぃ〜〜っと物欲しそうな表情で私の胸をチラ見している亜弥ちゃん。
この体勢で断っても逆切れされそうだし、それに・・・・亜弥ちゃんなら。
「・・・・うん」
- 621 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:00
- 「え、いいの?・・・じゃあちょっとだけ・・・・ごめんね?」
亜弥ちゃんて、もっと強引なイメージを持っていたけれど、全然違うじゃない。
それに、目の前であんな可愛い顔でおねだりされたら断れないよ・・・
亜弥ちゃんは少し身体を離すと、私の両方の乳房をそっと下から持ち上げた。
「うわぁ〜・・・・・いい!・・・・この感触!・・・この張り具合!」
「そんな、亜弥ちゃんだって」
「ううん違う、やっぱいいわ・・・・たんが絶賛するだけあるよ・・・へェ〜〜・・・」
めっちゃ嬉しそうに私のおっぱいをもみもみしてる。
・・・・・恥ずかしいなぁ。
- 622 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:01
- 「しっかし・・・こりゃ〜絶品だわ」
「でも・・・でも、ちょっと離れてるし・・・」
「可愛いじゃ〜ん。それに、ほらこうすれば・・・よっと・・・パッ・・・ニャハハ、ダメか」
両側からキュッと寄せてはパッと放して遊んでる。
「くっそぉー・・・たんの奴、いつもこんないいモノを弄んでいやがったのか・・・
もしかしてさ、美貴たん以外でこんなことされたのって、初めて?」
「あ・・・当たり前っしょ」
「そっかぁ・・・・」
ますます嬉しそう。
- 623 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:02
- 「わぁ〜なんかドキドキするぅ・・・じゃあ・・・・今度は紺ちゃんね?」
「・・・え?」
「あたしばっかり触らせてもらったんじゃ不公平じゃん・・・・だから、はい!」
そう言うと、私の目の前に胸をズンッと突き出した。
自分大好きな亜弥ちゃんだから、当然身体にも相当自信があるんだろうな・・・・
「じゃ・・・・じゃあ・・・折角の機会なので・・・遠慮無く」
「ウフッ!・・・や・さ・し・く・してネ?」
「・・・バカ」
- 624 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:02
- 「ニャハハ・・・はいどーぞ」
促されるままに、真っ白い豊かな乳房に手を添えてみる。
・・・・・プニョン!
「わっ、柔らかーい」
「でしょー?・・・三十路になったら絶対にタレるよねぇ・・・・あたしも紺ちゃん
みたいな張りが欲しいなぁ〜」
「でも・・・・・でも、私は亜弥ちゃんのおっぱい好きだよ?」
「ほんと?」
- 625 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:04
- 「うん。だって、触り心地がとっても気持ちいいもん」
ちょっとだけ触るつもりが、あまりの気持ち良さについモミモミしてしまって。
手のひらに吸い付くような感触が、まるでふわふわの超柔らかいマシュマロみたい。
「・・・・・あ」
亜弥ちゃんの発した小さな声に、我に返って手元を見てみると・・・・
何時の間にか亜弥ちゃんの先端がツンツンに尖ってしまっていて。
「あぁっ!・・・・ご、ごめんなさい」
びっくりして、慌てて手を離す。
- 626 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:05
- 「あん、別にいいのに・・・・紺ちゃんにモミモミしてもらったから、こんなところ
まで喜んじゃった」
「・・・バカ」
「あのさ、美貴たんのと・・・どっちが良かった?」
「え・・・・そんなぁ・・・比べたら可哀想じゃない・・・」
「プッ・・・あはははは・・・そうだね・・・あはあは・・・ハァ〜・・・おっかしい〜・・・」
「笑い過ぎ!・・・でも・・・・でも、美貴ちゃんておっぱいも凄く感じてくれるから、
触るのは好きだけど・・・・あっ、何でも無い!」
事実を言ったまでなのに、亜弥ちゃんに爆笑されてしまって。慌ててフォロー
しようと思ったら、とんでもない事を口走ってしまった。
- 627 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:05
- 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
「そっかぁ・・・・んふ・・・ね、あたしのも・・・しゃぶってみてもいいよ?」
「なっ・・・・しゃぶったなんて言ってないじゃない!」
あらら、真っ赤になっちゃって。
可愛いから、もう少しイジメちゃおーっと♪
「ヘヘェ〜、美貴たんが言ってたもん・・・紺ちゃんて、舌使いがとっても上手
なんだよって」
「うそぉ〜〜〜っ!」
「何度もイかされちゃったって。意外だよね、紺ちゃんがそんなにテクニシャン
だなんて、誰も思わないもんね」
- 628 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:06
- 「てってってっ、テクニシャンって何よ〜〜!」
更に赤くなって、密着している肌に紺ちゃんの果てしなく上昇する体温が直接
伝わってくる。
・・・・・て事は、図星だったんだ・・・・冗談で言っただけなのに。
しかし、美貴たんが紺ちゃんに?・・・この子って・・・そんなに凄いんだ・・・
「紺ちゃんは?」
「な・・・何が?」
「美貴たんにエッチでイかされちゃったりするの?」
「しっ・・・・知らない!」
- 629 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:06
- 「ふぅ〜ん・・・・するんだ」
「だから知らないってば!」
「今度さ、あたしの事も気持ちよくしてよ」
「あ?・・・・え?」
紺ちゃんの表情がクルクル変わって、見ていて反応がとても面白い。
「あたしも気持ち良くしてあげるから・・・ねぇ〜こぉ〜んちゃ〜ん」
ぎゅっと抱き締めて、得意の色目を使ってキメてみる。
「あっ・・・あのあの・・・あわわ・・・」
ニャハハ・・・ジタバタしてるし。
- 630 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:07
- 可愛いなぁ・・・
でも、もうこの辺で許してあげようかな。
「どうだった?ラブラブアタック松浦編は」
「え?・・・・じゃ・・・・今のって・・・」
「紺ちゃんの反応が可愛いから、ちょっと遊んでみた」
「え〜〜・・・・・酷い」
「あー楽しかった。・・・さて、そろそろ上がろうか」
「うん・・・あーあ、やられたし」
「たまには違う人のもいいんでない?・・・よいしょっと」
- 631 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:08
- ちょっと名残惜しかったけれど、座っていた紺ちゃんの足から降りる。
「でもやっぱり亜弥ちゃん・・・本当は美貴ちゃんとこういう事をしたいんでしょ?」
・・・ドキッ!
あいたたたた・・・・ここでそれを言うか?
「そ・・・そりゃーもちろん・・・な、なぁ〜んちゃって・・・」
危ない危ない・・・折角紺ちゃんとも、ちょっと深い仲になれそうなのに、露骨に
肯定をしちゃったら・・・
「別にいいんじゃない?」
予想もしていなかった紺ちゃんの言葉に、思わずコケそうになる。
「えっ?・・・いいの?」
- 632 名前:One and only 投稿日:2007/08/02(木) 23:08
- 「いいよ。だって、訳が分らない人と浮気をされるよりは、亜弥ちゃんと仲良く
していてくれた方がいいもん」
「紺ちゃんがそう言うのなら、あたし本気で頑張っちゃうかんね?」
「お手並み拝見致します」
そんな事を話しつつ、バスルームを出て身体を拭き拭き。
でも、やっぱり身体を拭く度にプルプル揺れる紺ちゃんの胸に、ついつい視線が
釘付けになって。
・・・・うぅぅぅぅ・・・美味しそうだなぁ・・・じゅる・・・
「亜弥ちゃん!」
チッ・・・・・・怒られた。
- 633 名前:たまえす 投稿日:2007/08/02(木) 23:10
- >>615 名無飼育さん様
ありがとうございます。
味わって頂けて光栄です。
>>616 446様
ありがとうございます。
このような感じで出血は回避出来ましたでしようか・・・
>>617 名無飼育さん様
ありがとうございます。
時々、自分でも節操の無い奴だなと思う事があります。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 634 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/03(金) 18:12
- 萌えぇぇぇな三国同盟成立ですか?
- 635 名前:名無しの読者 投稿日:2007/08/04(土) 02:09
- 美貴ティがある意味幸せな夢を見ている間に、身近な二人が……ムフフ
次回以降の展開が楽しみです。
- 636 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:50
- 「ちょっと亜弥ちゃん見過ぎだから・・・恥ずかしいっしょ」
身体を拭く紺ちゃんのプルプルおっぱいを見て、つい欲情しちゃって。
「ごーめん、悪気は無いのよ?だけどさぁ、人の裸を見て興奮したのって、今まで
美貴たん以外では一度も無かったから、あたし自身もちょっと驚いてるんだ・・・」
「こ・・・興奮って・・・」
「あ・・・お願い、隠さないで?もう一回ちゃんと見たい」
「恥ずかしいよ・・・」
そう言いつつも、真っ赤になって俯きながらバスタオルを静かに下ろしてくれる。
- 637 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:51
- 「綺麗・・・・悔しいけど認めるよ、キミは本当に美しい」
「そんな事無いから・・・」
「あるの!・・・ね、もう一度抱き締めて・・・いい?」
「もういいってば」
でも、抵抗する気配は無い。
顔色を窺いながら、静かに抱き寄せる。
首筋からは、あたしと同じシャンプーの香り。
触れ合う素肌の柔らかな感触がとても気持ち良い。
- 638 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:51
- 「こんな素晴らしい彼女がいるのに、浮気をするバカの気が知れない」
「あ・・・あの・・・もう美貴ちゃんの事を悪く言うのはよさない?」
そんな紺ちゃんの言葉に。
決して本意では無いにせよ、美貴たんの気持ちも考えずに憤りを抱いてしまった
自分が恥ずかしくなって。
「そうだったね、ごめん・・・これからも、あたし達の美貴たんを愛する気持ちは
変わらないんだよね」
「・・・うん」
「えへ、あたし達・・・って言っちゃった」
- 639 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:52
- 「いいよ亜弥ちゃんなら。い〜っぱい愛してあげてね?」
「じゃあ、キスしていい?」
ドサクサに紛れて聞いてみたんだけれど、やっぱ気付かれたみたい。
大きな紺ちゃんの目がさらに大きくなって。
「えっえっ?・・・違くって、今のは美貴ちゃんと・・・って意味で・・・」
「だって不公平だと思わない?」
「え・・・どうして?」
「あたしとたんは何度もキスしてるんだよ?そりゃ〜〜紺ちゃんとたんがいつも
してるような濃厚な熱いヤツとは違うけどさぁ。でもPVで堂々とやっちゃったり
もしたし・・・だったらその仕返しに、紺ちゃんとあたしがキスしてもよくなくない?」
- 640 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:53
- 「何だか危うく一瞬納得しかけたけど、やっぱりそのロジックはおかしいよ」
クスッと微笑む紺ちゃんの唇がとても艶々としていて。
可愛いなぁ・・・
焦らされると燃える性分なんだよね。
「あたしのこと・・・・嫌い?」
どうだ、こんな卑怯な事も言ってみたり・・・
「どーしてそんな事になっちゃうのよ」
「一回だけ・・・ね?・・・チュッて・・・させてくれるまで仕事に行かないから」
- 641 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:53
- 「えぇ〜〜っ、今度は脅迫?」
「そーんな人聞きの悪い事を言わないの、ね・・・お願いだからさせて」
「じゃ・・・じゃあ・・・美貴ちゃんに聞いてみて、いいよって言ったら」
「え゛・・・だって、寝てても愛ちゃんと浮気してた奴なのに?」
「でも・・・・でも、私・・・美貴ちゃんとしかキスしたこと無いから」
「嘘だね、もう忘れた?・・・ほら、大学に合格してすぐの時、会社で会ったじゃん」
「あっ・・・あぁ〜〜・・・で、でも・・・あれはいきなり亜弥ちゃんに不意を突かれて・・・」
「お〜ね〜が〜い〜〜・・・紺ちゃんとキスがしたい」
- 642 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:54
- 「ん・・・・しょーがない、一度されちゃってるし・・・チュッてだけなら」
「マジ?」
「・・・・・・うん」
お〜〜っし!
紺ちゃんの腰に回した腕に少しずつ力を入れて下半身の密着度を更に高めつつ、
ゆっくりと顔を近づけて行く。
もちろん、照準はプルプルの可愛い唇。
紺ちゃんの瞳が完全に閉じられた。
よおぉ〜っし、もらったぁ〜〜〜!
- 643 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:54
- 軽く唇が触れたその瞬間・・・・・
「ふぎゃ〜〜〜〜!」
部屋の方から絶叫が聞こえて、思わず顔を離して紺ちゃんと見詰め合う。
「「 な・・・何?」」
でも、良く考えれば、あたしと紺ちゃん以外には・・・後は誰かさんしかいない
訳で。
そぉーっと廊下に顔だけ出して、様子を窺がってみる。
ベッドの上でペコちゃんのぬいぐるみを抱えたまま、ペタンと座って子供のように
泣いている約一名。
- 644 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:55
- 「亜弥ちゃーん、紺ちゃ〜〜ん、何処に行っちゃったんだよぉ・・・・グスッ・・・
美貴を一人にしないでってばぁ〜〜!」
・・・あっちゃ〜、起きちゃったよ・・・
・・・美貴ちゃん可哀相、行ってあげようよ・・・
・・・この格好で?・・・
・・・あ・・・こ、これはマズイですね・・・
・・・早く着ない・・・と・・・あれ、紺ちゃん着替えは?・・・
「あ〜〜〜っ、着替えを出すの忘れてた!」
「えぇ〜〜っ!」
- 645 名前:One and only 投稿日:2007/08/06(月) 22:56
- ・・・ハッ、しまった・・・
でっかい声の紺ちゃんに釣られてあたしまで叫んでしまって。
・・・シィーッ、大きい声を出したらバレるから・・・
と、言い終わるか終わらないうちに近付いて来た例の足音。
『ペッタンペッタンペッタン・・・・うぅぅ・・・グシュ・・・紺ちゃん・・・いるの?』
・・・亜弥ちゃん、もう手遅れみたいよ?・・・
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!」
ペコちゃんを抱えて驚愕の表情を浮かべたまま、全裸で抱き合う2人の前に
立ち尽くす美貴たん。
・・・ニャハハ・・・ダメだこりゃ・・・
- 646 名前:たまえす 投稿日:2007/08/06(月) 22:57
- >>634 名無飼育さん様
ありがとうございます。
さて、どうなりますやら・・・
>>635 名無しの読者様
ありがとうございます。
夢が一番シアワセなのかも。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 647 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/07(火) 00:05
- 『ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!』
この一言につきますな(にやにや)
- 648 名前:無名し読者 投稿日:2007/08/07(火) 05:05
- お久しぶりになります。
しばらくヒヤヒヤする展開だったもので心配でしたが、頼もしい助っ人がいたようで安心しました(´▽`)
今度はニヤニヤしてしまいそうですね
- 649 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:53
- 「いや・・・嫌だ・・・・・・うっ・・・うわ〜〜〜〜ん」
「違う、違うの美貴ちゃん、誤解なんだってば!」
「ぅわぁ〜〜〜〜〜ん」
紺ちゃんの言葉など全く聞き入れる気配もなく、その場に立ち尽くした
まま、まるで子供のように泣きじゃくる美貴たん。
「ど・・・どうしよう亜弥ちゃん・・・」
その大泣きを見て動揺しまくりの紺ちゃん。
「ん・・・あのさ、うちらの着替えを取って来てくれる?」
「えっ?」
- 650 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:53
- 「いいからあたしに任せて・・・ね?」
「う、うん」
たんの横をすり抜けて、小走りで部屋へ急ぐ紺ちゃん。
その後姿を見送って・・・・ん?
思わず目が釘付けになってしまった。
安産型の生尻が、ぷりぷりと揺れながら遠ざかって行く。
後ろからの眺めがまた強烈にエロエロで、思わず生つばを飲み込む。
ゴクッ・・・
- 651 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:54
- 「ウェ〜〜ン・・・エグッエグッ・・・」
・・・・いけね、欲情してる場合じゃなかった。
「ねえ美貴たん、何で泣いてるの?」
「ウェ〜〜ン・・・エグッ・・・だって・・・だって・・・」
「大好きな紺ちゃんをあたしに盗られたとでも思ったの?」
「エグッ・・・エグッ・・・」
「もし仮にさ〜あ、あたしと紺ちゃんが愛し合ってしまったとしてだ、美貴たんに
は泣く資格があるの?」
「うっ・・・・ウグッ・・・うぅぅぅ・・・」
- 652 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:54
- 「考えてみな?・・・たんの場合は心にめっちゃヤマしいことがあるワケでしょ?
しかもバレちゃってる訳だし。それで紺ちゃんの気持ちが美貴たんから離れて
あたしに心変わりをしたとしても、美貴たんの自業自得でしょ?」
「ンッ・・・ンッ・・・ウグッ・・・」
「ところがだ、紺ちゃんの立場で考えてみなよ・・・心から愛していて、お互いに
愛し合っていると信じてこれっぽっちも疑っていなかった美貴たんに、実は男が
いました。どれだけ紺ちゃんが精神的ショックを受けたか、あんたに分かる?」
「ぅわぁ〜〜〜〜〜ん・・・・エグッ・・・エグッ・・・」
「それでも・・・それでも紺ちゃんはね、美貴たんのことを愛してるって言ったんだよ?」
- 653 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:55
- 「今ここであたしと紺ちゃんが抱き合っていたのはね、あたしが紺ちゃんにキス
を迫っていたのね・・・でも、紺ちゃんは何て言ったと思う?」
「うぅぅぅ・・・んんんっ・・・」
「美貴ちゃんに聞いてみて、してもいいよって言ったらしてあげるってさ」
「・・・・・・・えっ?」
「まったく・・・どんだけぇ〜〜?・・って感じだよね」
「紺ちゃん・・・」
「安心しなって、横取りなんかしやしないから」
「・・・・グスッ」
- 654 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:56
- そこへ、服を着た紺ちゃんが私の着替えを持ってきてくれた。
「はいこれ、私のだけどこんなのしか無くて。ブラも近いサイズのがあったから・・・」
「おっ、サンキュー!」
可愛いピンクのぴちぴちショーツを穿いてから、ごく普通のベージュのブラジャー
を受け取って着けてみる。
しっかりとワイヤーが入っているタイプだから多少のずれは気にならない。
「いいわ紺ちゃん、じゃちょっと借りるね?後でちゃんと洗って返すから」
「別にいいよ、それより亜弥ちゃん・・・時間、大丈夫?」
「え・・・・あっ、いっけね・・・紺ちゃん、たんのこと頼むわ!」
- 655 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:56
- 〜 〜 〜 〜 〜 〜
そう言うと、亜弥ちゃんは部屋へすっ飛んで行った。
まだ半ベソ状態の美貴ちゃん。
「ねぇ美貴ちゃん」
「・・・・うん」
「亜弥ちゃんはね・・・夜中に寝ている美貴ちゃんに向かって、泣きながら
ずーっと謝ってたんだよ?」
「えぇっ?」
- 656 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:57
- 「美貴たんごめんねって、自分がもっとしっかりしていたら、こんな事にはなら
なかったのにって」
「亜弥ちゃんが・・・」
「うん・・・それに・・・・」
「え・・・何?」
「私が言ったって、亜弥ちゃんには絶対に言わないでね?」
「うん」
「もし、昨日美貴ちゃんが本当に飛び降りて死んじゃっていたら、亜弥ちゃんも
死ぬつもりだったみたい」
- 657 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:57
- 「え・・・・・・・うっ・・・・ウグッ・・・・」
「亜弥ちゃんがどれだけ美貴ちゃんの事を愛しているか・・・知ってるでしょ?」
「うぅぅぅ・・・」
「・・・・・ね?」
「・・・ごめん・・・ごめんね紺ちゃん・・・」
「もういいよ・・・美貴ちゃんが誰と浮気をしようと、別に私は構わないから」
「そ・・・・そんな・・・」
「無駄な心配やヤキモチは、もうやめる事にしたの」
- 658 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:58
- 「そんなぁ・・・・・・もう美貴は・・・・絶対に浮気なんか・・・」
「お願いだから、もう嘘はつかないで。・・・守れない約束はしないでね?」
「え・・・」
「だってそうでしょ?・・・昨日あんな事があったにも係わらず、一体誰の夢を見て
いたの?」
「・・・・・・・・・は?」
「随分と楽しそうな夢を見ていたようだけど」
「楽しそうって・・・・・・・・・・あ!」
「確かに愛ちゃんは可愛いし」
- 659 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:58
- 「な・・・・何で知って・・・あ、いや・・・だから、愛ちゃんにも迷惑を掛けたから・・・
ごめんなさいって夢で謝って・・・」
「ほぉ・・・ごめんなさいって?」
「う・・・うんうん」
「愛ちゃんの可愛いお尻に謝ってたんだ・・・」
「え゛っ?」
あらら・・・固まっちゃった。
「寝言で言ってたよ?・・・愛ちゃんのプリケツ・・・グフフ・・・って」
何時の間にか涙は引っ込んだものの、真っ青な顔をして呆然と立ち尽くした
ままの美貴ちゃん。
- 660 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 10:59
- パタパタパタ・・・・
着替えて簡単にメイクを済ませた亜弥ちゃんが戻ってきた。
「あれれ美貴たん、顔色が悪いぞ?」
「やっぱり美貴は・・・全然反省出来てないみたいだ・・・」
「いいじゃん、たんはたんなんだから。今まで22年間培ってきたその性格が
昨日の今日で簡単に変えられる訳がな〜いでしょ?」
「・・・・・そんなぁ」
「あたしはもう行くから・・・また次のライブ・・・頑張ろうね」
「・・・・・うん」
- 661 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:00
- 「ねえたん、もしかしたらもう無くなっていたかもしれないその命、神様から
再び授かったその大切な命で・・・もう一度頑張ってみない?」
「亜弥ちゃん・・・・」
「たんが頑張れるなら、あたしだって紺ちゃんだって、いくらでも力になるから」
「分かった・・・・頑張る、約束する」
「約束だよ?・・・じゃ紺ちゃん、今度はゆ〜っくりイチャイチャしよーね♪」
・・・・はぁ?
「ちょっと亜弥ちゃん!」
「ニャハハ、バイバ〜イ・・・」
- 662 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:01
- ・・・・パタン!
行っちゃった。
「あ・・・亜弥ちゃんが・・・紺ちゃんとイチャイチャ・・・うぅぅ・・・しようって言った・・・」
「だから違うってば」
「ね・・・紺ちゃん・・・やっぱり、もう美貴とは・・・その・・・」
「早とちり!・・・亜弥ちゃんはね、美貴ちゃんと私と3人で愛し合えないかなって
言ったのよ!」
「・・・・・・え?・・・三人で?」
- 663 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:01
- 訝し気に私を見ている。
「今まで亜弥ちゃんが、美貴ちゃんへの気持ちをずーっと抑えていたのは
知ってるよね」
「うん」
「なのに美貴ちゃんは・・・」
「ごめん」
「浮気に走る程寂しかったのなら、何であたしに言ってくれなかったんだろうって
亜弥ちゃんが言ってた。まだあたしが慰めた方が紺ちゃんだって納得できたろうって」
「美貴も言われた」
- 664 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:02
- 「今まで亜弥ちゃんが耐えられたのは、私と美貴ちゃんがしっかり愛し合えてい
て、亜弥ちゃんもそれを認めてくれてたからだと思うの」
「・・・うん」
「でもね、美貴ちゃんがその私達のバランスを崩してしまった今、亜弥ちゃんが
身を引かなければならない理由が無くなっちゃったのよ」
「はぁ〜・・・なんか難しいね」
あのね・・・この人は本当に理解しているのだろうか・・・
「でも、だからって急に明日から亜弥ちゃんと・・・って訳じゃ無くって、ただ今まで
以上に優しく接して欲しいの・・・大切にしてあげて欲しいの」
「・・・でも、紺ちゃんはいいの?」
- 665 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:02
- 「もう・・・美貴ちゃんのバカ! そんなんじゃ無くって、誰が何て言おうと美貴ちゃん
がどんなに浮気性だろうと、私も亜弥ちゃんも美貴ちゃんが好きなの、愛してるの!」
「・・・・・・」
「だから・・・だから・・・・」
こんなに美貴ちゃんへの思いが溢れたのは、何だか随分久し振りのような気がする。
愛してるの気持ちが上手く表現できずに、美貴ちゃんに抱き付いた。
「美貴ちゃん・・・・うぅぅ・・・」
少しの間があってから、ふわっと抱き締めてくれて。
- 666 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:03
- 「紺ちゃん・・・ありがとう・・・美貴を嫌いにならないでいてくれて」
「グスッ・・・そんなの無理だもん・・・」
「キス・・・していい?」
「ん・・・・・・」
返事をする前に唇を塞がれてしまった。
直ぐに滑り込んできた優しい温もりに、フッと膝の力が抜けて意識が薄れかける。
キスって、こんなに気持ち良かったんだね。
でも、どこか遠慮気味の美貴ちゃんの攻め加減がとてもじれったい。
・・・美貴ちゃん、もっと強く吸ってもいいよ?もっと気持ち良くなりたいの・・・
- 667 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:03
- 「ん・・・・んんっ・・・・」
気持ちが通じたのかな、段々と貪るような激しいキスに変わってきて。
腰をグッと引き付けられて、私の膝を割って入ってきた美貴ちゃんの太腿が
グイグイと股間を擦り上げるように動く。
やだ・・・やだ・・・怖いよ・・・美貴ちゃん・・・
舌を吸われたり、おっぱいを弄ばれる快感とは比較にならない程の強烈な刺激が
下腹部から脳天にズンズンと駆け上がって・・・・・
ふっと全身の力が抜けたように感じた瞬間、パッと辺りが明るくなって。
眼下に広がる大草原を見下ろしながら、爽やかな風を切ってゆっくりと空を
飛んでいた。
- 668 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:04
- 隣を見れば、しっかりと手を繋いだその先で優しく微笑む美貴ちゃん。
本当にご無沙汰していたこの感覚。
・・・ということは・・・
「美貴ちゃん・・・えっと・・・・その・・・もしかして私・・・」
でも、そ・・・そんな事・・・・恥ずかしくて聞けないよ・・・・
「クスッ・・・イッちゃったね、紺ちゃん♪」
とても嬉しそうな声。
「な・・・・どーしてそんな恥ずかしい事を平気で言うのよ〜!」
「ヘヘェ・・・ハタチの紺ちゃんにふさわしい、ちょっとオトナな愛し方をしてみました」
- 669 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:05
- 「な・・・・いきなり何て事をするの!」
「そっかそっか・・・そんなに良かったのなら、次は直接・・・どうして欲しい?」
「え・・・・ち・・・直接・・・」
直接って・・・いぢる?・・・舐める?・・・美貴ちゃんが?・・・私の・・・あそこを?
「美貴ちゃんの・・・ばかぁ〜〜〜〜〜〜!!」
「あ〜〜っ、いま想像したでしょ」
「しっ、してないわよ!」
「うそうそ、美貴の舌って長いじゃん?そのなが〜いベロでね、ペロペロって舐める
んだよ?・・・紺ちゃんのあ・そ・こ♪」
- 670 名前:One and only 投稿日:2007/08/11(土) 11:05
- 思わず全身が硬直した途端、地面に向かってまっ逆さま。
『 ドンッ 』
鈍い衝撃を感じて目を開けてみると、廊下に倒れ込んだままで、まだ私の舌を
貪り吸っている真っ最中の美貴ちゃんのドアップ。
失神しているうちにTシャツは捲くり上げられブラはずらされてしまったようで、
胸を揉みしだかれながら延々と続くキスにひたすら溺れる。
私・・・まだ美貴ちゃんに・・・こんなにも愛されている。
私も・・・もっともっと美貴ちゃんを・・・・愛したい・・・愛さなきゃ・・・
再び薄れ行く意識の中で、そう決心した。
- 671 名前:たまえす 投稿日:2007/08/11(土) 11:09
- >>647 名無し飼育さん様
ありがとうございます。
結局、こんな感じで落ち着いたのかどうなのか・・・ハテ。
>>648 無名し読者様
ありがとうございます。
助っ人さんも、頼もしいのか引っ掻き回しているだけなのか
良く分かりませんがw
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 672 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:48
- 「ねぇ、たんってば」
「・・・・・・え?」
「ほら早くぅ〜」
「・・・・う・・・・うん」
「いいの?・・・あたしの胸がダラァ〜ンてタレちゃっても・・・・」
「いやぁ〜〜〜・・・それは困る。・・・・けど」
「でしょ〜〜?」
「・・・・でもさぁ」
「あっそう、美貴たんが協力してくれなかったからこんなんなっちゃいましたって、
だらしなぁ〜い胸をブラブラさせてステージに立たなきゃならないんだあたし」
- 673 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:48
- … … … …
今日はGAMのお仕事で美貴たんと地方にお出掛け。
幾多の波乱を乗り越えつつ、なんとか予定のツアースケジュールを消化して、
今日もようやくホテルに落ち着きホッと一息。
でもさ、せっかく美貴たんと二人きりの夜なのに、なぁ〜んにもお楽しみが
なくっちゃ面白く無いじゃん?
紺ちゃんからもアプローチの許可が出た事だし。
結局、美貴たんも娘。を辞めざるをえなくなり、ステージ毎に辛いお詫びを繰り返す。
やっぱさ、一番身近にいるあたしが一肌脱いで元気付けてあげたいじゃん?
でもね、一緒にお風呂に入っても、すーっごく警戒されちゃってるわけですよ。
- 674 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:49
- 別にさぁ、やっとの思いでどうにか関係を修復できたっぽい紺ちゃんから、
今更奪い取ろうだなんてこれっぽっちも思ってなんかいないんだから。
ただ・・・ちょっとだけ、美貴たんと仲良くできればいいなぁ〜〜って。
美貴たんにも早く元の元気を取り戻して欲しいし。
そこで松浦は考えた訳ですよ。
どうしたら美貴たんを納得させたうえで、二人でスキンシップが図れるか。
普通に色仕掛けをしても、頑固な美貴たんには殆ど通じない。
じゃあ・・・・どうしたらいいと思う?
やっぱ騙すしか無いでしょ。
そんなお風呂あがりのひととき。
- 675 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:50
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「ねぇ・・・亜弥ちゃん・・・ホントに?」
「うん、知らなかった?」
「知る訳無いじゃん、美貴には全く関係ないし・・・」
「大きいなりに苦労もあるのよ。紺ちゃんだってやってるはずだよ?」
「でもさ、紺ちゃんがそんな事してるのって見た事も聞いた事も無いし、頼まれた
事だって無いけど?」
「あんたバカ?好きな人にそんな恥ずかしいことを頼める訳な〜いでしょーが」
「嘘だぁ・・・・・」
- 676 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:50
- 「じゃあさたん・・・紺ちゃんが癖毛コンプレックスで、毎朝必死にヘアーアイロン
で伸ばしてるってこと・・・・いつ知った?」
「え・・・・・かしましの歌詞を見るまで・・・知ら・・・な・・・かった・・・・・・・・あ」
「ほ〜らごらんよ。髪の毛だって恥ずかしいのにさ、バストアップ・マッサージ
なんて人前でやるわけな〜いでしょ?」
「そう言われれば・・・・そうかも・・・」
「でしょー?・・・それに、卒業してからはろくに運動とかもしていないだろうに、
大胸筋が衰えれば少しずぅ〜つタレてくるからね」
「そう言えば・・・・・二の腕のたるみは気にしてた」
- 677 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:51
- 「ほ〜ら・・・紺ちゃんだってさ、おっぱいが大好きな美貴たんの為に一人で
涙ぐましい努力をしてたんだって」
「・・・紺ちゃんが・・・そーだったんだ、そんなの全然知らなかった・・・」
「だからぁ〜・・・紺ちゃんの努力を知るためにも私がちゃ〜んと教えてあげる
から、東京に帰ったら紺ちゃんにもやってあげな?」
「うん・・・・・わかった。・・・・で、どうすればいいの?」
「えっと、まず背中の方に来てくれる?」
「・・・・うん」
「・・・でね、うしろから両手でおっぱいをゆ〜〜っくり優しく下から上に持ち
上げるようにするの」
- 678 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:51
- 「え・・・・・じ・・・・じゃあ・・・触るかんね・・・・こ・・・・こう?」
「ちょ〜〜〜っと・・・そんなこわごわ触られたら、くすぐったいじゃ〜ん・・・
もっとちゃんとしっかり持って」
「う・・・うん・・・・じゃ・・・これくらい?」
「・・・・アン」
「えっ?」
「あ・・・ううん何でも無い・・・・・それで、スゥ〜〜ッと持ち上げながら軽〜く
ムニュって揉むような感じで・・・」
「えっと・・・・むにゅ・・・・・っと・・・こ、こう?」
- 679 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:52
- 「そうそう・・・強過ぎず弱過ぎず・・・うまいじゃ〜ん、さすがにいつも紺ちゃん
のをいじってるだけあるわ」
「・・・・そ、そうかなぁ」
「うん、すっごい効いてる感じがするもん」
「へぇー・・・これで効いてるんだ・・・」
「そう・・・そのまま続けて」
「すぅ〜〜〜ムニュ・・・すぅ〜〜〜ムニュ・・・」
「・・・・・・・アッ・・・・アンッ・・・・」
「えぇ?」
- 680 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:53
- 「あ゛?・・・あ〜〜〜あん・・・案外いいじゃん・・・・」
「・・・・・・亜弥ちゃん?」
「あ〜〜ほら、集中しないと。・・・まずこれで10分ね」
「え゛ぇ〜〜!?・・・そんなに?」
「そんなにって、これはまだ基礎編だかんね?」
「ハァ?」
「あっ、いいんだ・・・・もしGAMで写真集とかのお話が来た時にさ〜あ、相方が
だらしなぁ〜い体型でも・・・・」
「頑張りまっす」
- 681 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:53
- 〜 〜 〜 〜
「紺ちゃんも苦労してたんだね・・・でも、もう隠さなくたっていいよ?・・・これからは
ちゃ〜んと美貴が手伝ってあげるからさ」
「ねえ美貴ちゃん・・・そんな事、誰に聞いたの?」
「え?・・・・亜弥ちゃんだけど・・・・」
はは〜ん・・・・こりゃまた上手い手を考えたもんだ。
胸の大きな人の悩みだなんて言われたら美貴ちゃんには分からないもの。
しかし・・・・亜弥ちゃんも相変わらずだねぇ・・・
- 682 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:54
- まんまと口車に乗せられて律儀に協力してきた美貴ちゃんもどうかと思うけれど。
ん〜・・・本来なら、私以外の人にそんなことをしたのなら、この前涙を流しながら
必死に謝ってくれた、あれは一体何だったのかと、怒りを爆発させるところでは
ありますが。
亜弥ちゃんに優しくしてねって言ったのは私だし、いい様に振り回されてきた
美貴ちゃんの間抜けさがあまりにも可愛くて。
怒りよりも笑いが込み上げてきた。
「ププッ・・ククククッ・・・クスクスクス・・・」
「えっ・・・・な・・・・・なに?」
「あははは・・・美貴ちゃんたら・・・クスクスッ・・・・」
- 683 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:54
- 「え・・・・・・あ〜〜〜、まさか!」
ププッ・・・ようやく気付いたみたい。
「バカね、そんな事してる訳無いっしょ・・・・騙されたのよ亜弥ちゃんに」
「あんにゃろ〜〜、どんなに美貴が我慢したと思ってんだ!」
「ほぉ、我慢・・・それは聞き捨てなりませんね・・・」
「う・・・・・あ・・・・いや・・・・ちがっ・・・紺ちゃんごめんなさいって心の中で謝り
ながら・・・・・しかたなく」
「ホントかなぁ・・・・ねぇ、どれくらい揉まされてたの?」
「え?・・・・・・・30分・・・いや・・・1時間・・・・かな・・・」
「そんなにぃ〜?・・・あらあら、それはさぞ堪能できたっしょ」
- 684 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:55
- 「うん、かなり・・・・だから違うって!・・・言われてみれば確かにおかしかった。
亜弥ちゃんの奴、耳まで真っ赤になって段々涙目になってきてさぁ、すっげー
気持ち良さそうにハァハァしてたもん・・・そーだよ、あんなに揉みしだいちゃって
バストアップなんかするわけないじゃん」
「そりゃー気持ちいいっしょ・・・大好きな美貴ちゃんに1時間もおっぱいを揉んで
もらったんだから。・・・私だってそんなに揉んでもらった事なんて無いのに・・・・」
「え・・・それはさぁ、紺ちゃんが先にイッちゃうからじゃん・・・・美貴だってもっと
モミモミしてあげたいのに・・・」
「い゛?・・・・違うもん・・・イッてなんかないもん、それに揉むだけじゃないでしょ?」
「まぁそうだけど・・・でもさ、美貴が可愛がってあげるのって気持ちいいでしょ?
紺ちゃんすごく感じてたし、美貴の舌技に満足してくれてるのかなって・・・・」
「ぜつぎ?・・・あわわ・・・・だっ・・・だから・・・違うもん・・・もう知らない!」
なんちゅー事を言い出すんだこの人は・・・。
「あ・・・・あの・・・紺ちゃんさ・・・ほら、あ〜〜何であんな事を信じちゃったんだろ
・・・ごめん!・・・美貴がバカだった・・・ホントごめん、謝るからさ・・・許してくれる?」
- 685 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:56
- 「でも美貴ちゃんは、覚えれば私にもしてあげられるよって言われたから、だから
仕方が無くてやったんでしょ?」
「そう!・・・そうなのよ・・・・もう美貴は紺ちゃんの事しか頭に無くて・・・」
「怪しいなァ・・・でも美貴ちゃんも凄いね・・・あの色っぽい亜弥ちゃんの豊か〜〜
な胸を1時間も揉み続けて・・・・よくそれ以上行かずに踏みとどまったよね」
「わかる?・・・・もう拷問だってばさ。本当に辛かったんだよ?・・・だって亜弥ちゃん
たらマジで可愛いかったんだから。いっそあのまま強引に・・・・あわわ・・・・違う違う、
わぁ〜〜〜なに言ってんだ!」
「しても良かったのに・・・・」
「そ・・・そんなぁ〜〜」
- 686 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:56
- 「でもおかしいよね・・・亜弥ちゃん、良く我慢したと思わない?」
「我慢?」
「うん。亜弥ちゃん、後悔してるんじゃないかな」
「うっそだぁ」
「だって、一番辛いのは亜弥ちゃんだよ?」
「どうしてさ」
「美貴ちゃんは我慢して帰ってきても私がいるじゃない、いくら欲求不満が
溜まってても発散できるじゃない?」
「ん・・・・まぁ・・・」
- 687 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:57
- 「でも亜弥ちゃんはいないんだよ?・・・何気ない悪戯のつもりだったかもしれな
いけど、ただ胸を揉まれただけで最後までは行けてないんだから。きっと今頃
は美貴ちゃんの手の温もりを思い出して、泣きながら独り寂しく慰めているかも」
「の゛っ!・・・いま、何気にすげーこと言ったね紺ちゃん・・・・」
「え?・・・・・あわわ・・・えっとえっと・・・そーだ、このまま騙されてみない?」
「・・・・・・は?」
「どうして亜弥ちゃんは、私にもしてあげてなんてわざわざ嘘がバレるような事を
美貴ちゃんに言ったのかな」
「・・・・確かにおかしい・・・・何で?」
「美貴ちゃんを嘘つきにしたくないから」
「え?」
- 688 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:58
- 「そう言っておけば、もし私が感付いたとしても私が責めるのは亜弥ちゃんでしょ?」
「そんな・・・・そこまであの子・・・」
「だから・・・このまま騙された振りして・・・なんなら、紺ちゃんにもしてあげたら
喜んでたよ・・・くらい言ってみたら?」
「う〜ん、美貴としてはひじょ〜〜〜に複雑な心境なんですけど・・・」
「美貴ちゃんがとぼけていれば、亜弥ちゃんの性格なら意固地になってやり
通すと思うし、ツアー先のホテルとかで気まずい雰囲気になるよりは・・・その
・・・ちょっとぐらい仲良くしたっていいと思うの」
「で・・・でもさ、それ以上の事を求められたら・・・美貴はどうればいいの?」
- 689 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:58
- 「え・・・そんなことにはならないと思うけど、でも・・・もし亜弥ちゃんが求めるのなら
してあげれば?」
「あの・・・紺ちゃんさ、本当はこんな事を言いたくはないんだけど・・・もしもう一度
同じ状況になったら・・・美貴の方が抑える自信が・・・無いの・・・・また二の舞を
踏みそうで・・・怖い」
「でもさ、ほかの誰でもない亜弥ちゃんなんだし、またその・・・・あっち方面に走る
よりは・・・いいかなって」
「そうだけどさぁ・・・」
「いいじゃない、亜弥ちゃんだって別に見境無く誰にでも迫ってる訳じゃない、
美貴ちゃんだけなんだよ?」
「嘘だぁ、こないだ紺ちゃんにもチューを迫ってたじゃん、しかもすっぽんぽんでさ」
- 690 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 20:59
- 「へ?・・・あ〜・・・あれはほら、美貴ちゃんが構ってくれなかったからって、私が
とばっちりを受けて・・・・」
「そっかぁ?」
「そうだよ、亜弥ちゃんだって寂しい時はあると思うの」
「うん・・・・・でもさ、紺ちゃんはそれでいいの?美貴が亜弥ちゃんと・・・その・・・・
エッチっぽい事とかしちゃっても」
「いいの?って・・・・私とお付き合いを始めてから、美貴ちゃんは何回くらい亜弥
ちゃんの誘惑に負けたんだっけ?」
「・・・・・・へ?・・・・あぅ・・・・あ〜〜・・・2回・・・・いや3回だっけ?」
「私に聞いてどーするの・・・ねぇ、美貴ちゃんはこのお仕事を始めた時って、独り
ぼっちだったんでしょ?」
- 691 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 21:00
- 「うん・・・・まあ・・・」
「心細い思いも随分したでしょうに。そんな寂しい時、誰に慰めてもらったの?」
「え?・・・・・・・亜弥ちゃん」
「辛い時、誰に励ましてもらったの?」
「・・・・・・・・亜弥ちゃん」
「落ち込んじゃった時、誰に元気をもらったの?」
「亜弥ちゃん・・・・・だ・・・・だけど・・・」
「だったら、美貴ちゃんだって力になってあげなくちゃ」
- 692 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 21:00
- 「紺ちゃん・・・・・・いいの?」
「亜弥ちゃんが望めばの話だけどね。ツアーだってあるのに、今みたいにお互い
牽制し合ってギクシャクしたままじゃ嫌じゃない?折角GAMのお仕事で二人切り
の機会だって増えてるんだから、昔みたいに亜弥ちゃんにも甘えてあげて欲しい
し、また男の人に走るよりは全然いいから」
「紺ちゃんの言う通りかもしんない・・・ありがとう真剣に考えてくれて」
「でも、亜弥ちゃんだけ・・・亜弥ちゃんだけだよ?また内緒でほかの人とヤらしい
事なんかしたら今度こそ別れるから」
「あわわ・・・・しないしない、もう二度とする気も無い」
「ほぉ・・・・」
「あ〜〜〜疑ってる」
- 693 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 21:01
- 「日頃の行いがねぇ・・・・」
「ん?・・・・そーだ、亜弥ちゃんよりもまずですね・・・・」
「ち・・・・ちょっと美貴ちゃん何してんの!」
「え・・・・早いとこ紺ちゃんのバストアップマッサージをしないと」
「・・・だから・・・キャッ・・・何でボタンを・・・わっわっ・・・あれは亜弥ちゃんの
嘘だってば〜〜!」
「亜弥ちゃんはね。・・・でもやっぱり紺ちゃんには必要かと」
「はぅ・・・・だ、だってまだタレてないっしょ・・・・アン・・・」
「おおぅ・・・・この滑らかな肌ざわり・・・・垂れてからじゃ遅いの!そうなる前に、
ちゃーんと美貴がマッサージしてこの張りをキープしてあげるかんね♪」
- 694 名前:One and only 投稿日:2007/08/13(月) 21:01
- 〜 〜 〜 〜
・・・・たんのやつ、紺ちゃんに話したのかな。
今頃はお説教されてたりして。
まぁ・・・どっちにしても同じ手は使えないか・・・
ああ見えても美貴たんは懲りているだろうから、別々の部屋に寝ようとか
言い出しかねないし。
そうなったら元も子もないじゃん?
しゃ〜ない、次はまた別の手を考えるとするか。
でも・・・・めっちゃ気持ちイかったなァ・・・
- 695 名前:たまえす 投稿日:2007/08/13(月) 21:02
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 696 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:39
- 「ところで愛ちゃんさぁ・・・」
「ん〜〜?」
「こんこんの事で、何か聞いてたりとか・・・しない?」
「なんがぁ?」
「え・・・・例えば、お仕事の話とか」
「お仕事って、今は大学生やろが」
「ん・・・そーなんだけどさぁ・・・実は、今日会社でチラッと見掛けたんだよね」
「こんこんをけ?」
- 697 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:39
- 「うん、遠目で声は掛けられなかったんだけど、あの後ろ姿は間違い無いと
思うんだけどなぁ・・・」
「ふ〜ん」
「それに安倍さんも昨日見たよって言ってたし・・・何かあるのかな」
「何かって?」
「だから、分からないから聞いてるのに」
「里沙ちゃんが知らんもんを、あっしが知ってる訳なかろーが」
「だってさぁ、リーダーじゃん。・・・娘。のリーダーって事は、幹部クラスの情報
だって知ってるんでしょ?」
- 698 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:40
- 「がっはー・・・そんな訳無いじゃん」
ある日突然言い渡された美貴ちゃんの娘。脱退と、あっしのリーダー引継ぎ命令。
スキャンダル発覚後から覚悟はしていたけれど、やはり不安が先行した。
そんな気持ちを察して励ましてくれるメンバー達。
・・・愛ちゃんは愛ちゃんなんだから、愛ちゃん以上になろうなんて思わなくて
いいの。メンバーみんなで助けるから、今まで通りの愛ちゃんでいいよ・・・
頼もしいサブリーダーの言葉に、気持ちが幾らか楽になった。
お仕事を重ねていくうちに、自然に責任に対する自覚も生まれてくるのかな。
- 699 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:40
- ううん、美貴ちゃんを責めている訳じゃないの。
むしろ、あっしがサブリーダーとして至らなかったという後悔の方が大きかった。
発覚後、どん底まで落ち込んでいた時に、真っ先に里沙ちゃんから来たメール
には・・・・
『愛ちゃんのせいじゃないから、自分を責めちゃ駄目だからね!』
どうしてあの時・・・・
無理矢理にでも美貴ちゃんに抱かれていれば、もしかしたら防げたのかもしれない。
あの時は、後先も考えずに自分の身体で美貴ちゃんを慰めようとしたけれど・・・
本当は、拒否をしてくれたことに内心ホッとしていた。
- 700 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:41
- 本当に全てを美貴ちゃんに許す覚悟があったのかどうかなんて、あっし自身にも
分からない。
ただ、最良の判断とはどうあるべきだったのか・・・という事を考えた時に、もっと
何かしてあげられたのではないかという後悔の念は今も払拭できてはいない。
「愛ちゃん・・・・」
「ん〜?」
「ごめん、また・・・・・藤本さんのこと?」
「何でもえんて・・・・へーきやよ」
「隠してもバレバレだから。・・・あのさ、こんこんは・・・許せたのかな・・・・そとれも
・・・もう・・・うぐっ」
- 701 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:42
- そこまで言うと、里沙ちゃんは涙を堪えるように言葉を飲み込んだ。
「泣かんといて?・・・もうあっしらにはどうにもならんで・・・・」
「だって、こんこんが可哀想で・・・ック・・・あんなに仲良しだった二人なのに・・・
あんなに愛し合っていたのに・・・こんなことになっちゃうなんて」
純粋な里沙ちゃんには本当に衝撃であったろう。
メンバーの前では気丈にお姉さんを演じていたけれど。
あっしと二人きりになった途端、ただただ涙・・・涙・・・涙。
抱き締めるこの胸に、心から娘。を愛する彼女故のやり所のない悲しみが痛い程
伝わってくる。
- 702 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:42
- あれから幾日か経過したある日。
二転三転する夏のハローの打ち合わせの合間に、衝撃の極秘情報を耳にしてまった。
いつからだろう、他の人が気付かない情報がどういう訳か偶然耳に入ってしまう
という変な事が時々あるんやけど。
この大きいサル耳のせいなのかな。
あの時も、お偉いさんがヒソヒソ話してるのが断片的に聞こえて。
「・・・・例の紺野の件ですが・・・正式に契約が・・・・ガッタスとして・・・・夏のハロー
の呼び水に・・・・公表の時期は・・・・来週のレコーディング・・・・改めて検討を・・・・」
ハァ?
- 703 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:43
- ・・・・・・・・なんて?
叫びたい衝動をグッと堪えて、今耳にしたデータを分析する。
こんこんが会社?と再契約したらしい。
ガッタスとして・・・・フットサルで復帰?
夏のハロープロジェクト・ライブに出るの?
でも、フットサルなのにレコーディングって・・・何で?
その後、あちらこちらで小耳に挟んだ情報を加味した結果・・・・
どうやら、フットサルの選抜メンバーでCDを出すらしい。
- 704 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:44
- そのメンバーの中にこんこんも入っていて、ハロプロライブにも出るらしい。
ただ・・・・・
それとなくマネージャーに探りを入れてみたところ、マネージャーも初耳だった
らしく、事務所に確認の電話を入れてしまって。
チーフマネージャーから、即刻会社へ出頭するよう命じられた。
「この事を他の誰かに話したのか」
「いいえ、マネージャーだけです」
「そうか・・・いいか高橋、お前が誰に何を聞いたのかは知らんが、その件について
俺から話す事は何も無い。ただし、その事は絶対に他言してはならない」
- 705 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:44
- 「はい」
・・・・・どうやら、とんでもない事に首を突っ込んでしまったらしい。
厳しいチーフの表情から、その情報の秘密区分が非常に高度である事を窺い
知ることができる。
「然るべき時期が来た時に全ては公表されるであろう・・・・しかし、今この段階で
マスコミに察知されるような事があっては絶対にならない。・・・もしリークが発覚
した場合は、相応の対応も考えなければならん。お前も娘。のリーダーなら、この
意味が分かるな?」
「はい、分かりました」
業界用語で言うところの脅しをかけられて、恐怖で全身が総毛立つ。
- 706 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:45
- しかし、口止めをされたことで、かえって情報が事実であることを裏付ける結果となった。
こんこんが帰ってくる・・・
もう一度、こんこんと同じステージに立てる・・・
いま、あっしの腕の中で涙している里沙ちゃんに教えてあげたらどんなに喜ぶだろう。
一連のスキャンダル等のマイナスイメージを払拭すべく、ハローのカンフル剤として
投入されるこんこん。
しかし、また思い切った決断をしたものだ。
大学の勉強だって、生易しいものではないはずだ。
それに、美貴ちゃんとの事はお互いに和解できているのだろうか。
- 707 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:45
- いくらガッタスのサブキャプテンといえども、スキャンダルで娘。を脱退した直後に
スペシャルユニットに選ばれるとは到底思えない。
美貴ちゃんがいないのを承知で・・・・何故?
こんこんの復帰を知ってしまったが為に、あっしの心配事はかえって何倍にも膨張
してしまい、秘密を守る事の苦しみを思い知らされる結果となってしまった。
「愛ちゃん・・・・グスッ・・・」
「・・・・・ん?」
「ホントに?・・・ホントに何も知らないの?」
訴え掛けるようにあっしを見詰める里沙ちゃんの澄んだ瞳に、心が激しく揺れ動く。
- 708 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:46
- 打ち明ける事が出来たなら、どんなにいいだろう。
何で里沙ちゃんにまで嘘を付かにゃーならんの?
黙っててもらえば済むことじゃん・・・
どこで歯止めを掛けるかの問題なんだから。
でも、いま喋ったら、里沙ちゃんにも同じ苦しみをさせることになってしまう。
ちくしょ〜〜!
もう平静を装うことなんて無理。
里沙ちゃんと見詰め合ううちに、あっしも堪え切れずに涙が噴き出してきた。
- 709 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:47
- 仕方が無い・・・・
「里沙ちゃん・・・・ごめん・・・・これ以上聞かんといて・・・お願いやって」
お願いだから、このメッセージに気付いて・・・・
「えっ?」
里沙ちゃんの瞳が一瞬揺らいだ。
「愛ちゃん・・・?」
・・・・・・・・・・・・!
「愛ちゃん・・・・ホントなの?」
- 710 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:47
- 「だから・・・・あっしはなんも言ってえんし・・・もう聞かんといてって」
里沙ちゃんの悲壮だった表情が、みるみるうちに綻んできて。
「愛ちゃん!」
「おわ〜〜っ!」
満面の笑みで押し倒された。
「うっ・・・・うぐっ・・・・うぅぅ・・・エヘヘ・・・・エグッ・・・」
完全な嬉し泣き状態。
もう、目も鼻もぐじゅぐじゅで・・・・・
- 711 名前:One and only 投稿日:2007/08/17(金) 23:49
- 「里沙ちゃん、鼻水が垂れるって!」
「うぅぅ・・・・愛ちゃん・・・・ありがとう」
里沙ちゃんが何を感じ取って、何処で納得をしたのかは分からない。
ただ、陽性反応であることは間違い無い。
あっしのお腹の上に乗っかってる里沙ちゃんをしっかり抱き締めて、クルッと上下
を入れ替わる。
まるで剥きたての茹で玉子のような里沙ちゃんのつるつるほっぺに伝う涙を指で
拭ってから、そっと口付ける。
・・・・二人だけのヒミツやよ?
・・・・うん
- 712 名前:たまえす 投稿日:2007/08/17(金) 23:50
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 713 名前:蘇生 投稿日:2007/08/18(土) 00:12
- 心を読めるメンバーがいるの中で、
この方はこんな力をお持ちだったんですね…
この方々の事も気になっておりました故、嬉しかったです。
更新お疲れ様です。
- 714 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:30
- GAMのツアーも半ばに差し掛かり、亜弥ちゃんの厳しくも優しい心遣いに支えら
れつつ、美貴的には一番の関門であった東京公演もどうにか無事に終了した。
自分の無責任さからあんな酷い仕打ちをしてしまった娘。のメンバーも、コンサート
会場に足を運んでくれて。
恨み辛みを言われてもおかしくないのに・・・
でも、みんな素直にステージを楽しんでくれて、終わってから美貴と亜弥ちゃん
ならではの独特のMCが絶妙で面白かったとか、亜弥ちゃんの爆乳アタックを
食らってニヤけっぱなしの美貴を見た小春が関係者席の窓を開けて、身を乗り
出して・・・藤本さんのバカァ〜〜!・・・と叫んでしまって、重さんが慌ててたとか。
MCでファンの皆さんにお詫びをする時、偶然右上にいる愛ちゃんとパチッと視線が
合ってしまって。
・・・・ごめんね愛ちゃん、ごめんねみんな・・・・
- 715 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:31
- そう思った途端、急に熱いものがぐっと込み上げて来て。
溢れようとする涙を必死に堪えていたら、横から美貴の顔を覗き込んだ亜弥ちゃん
がボソッと・・・
「泣いてんの?」
いちいち言わんでもいい事を・・・しかも、きっちりとマイクに乗せやがって。
でも、後で楽屋に来てくれた愛ちゃんはね、黙って美貴を抱き締めてくれたの。
そうしたら、ステージを見て一緒にノリノリでタオルを振り回していたという小春が
妬いてしまって、負けじと上から抱き付いてきて。
こんな美貴を変わらず慕ってくれる気持ちが嬉しくて、そのまま泣いてしまった。
- 716 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:31
- そうそう・・・時々重さんが、白馬に乗った王子様が迎えに来てくれるっていう夢の
話をしていたけれど、美貴が辞めてからは小春ちゃんの前で王子様の話が出来
なくなったとぼやかれてしまった。
ある時、何気無い話の中でいつものように重さんが・・・「王子様はいつになったら
さゆみを迎えに来てくれるの?」・・・みたいな話をしたら・・・・
「そんなのやだぁ〜・・・・何で道重さんまで小春を置いて行っちゃうんですかあぁぁ〜!」
そう言って泣き出してしまったそうだ。
美貴は一体、どれ程多くの人達の心に傷を残してしまったのだろう。
時が経てば経つほど切なくなってくる。
- 717 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:32
- そして、みんなと別れて、翌日も仕事の亜弥ちゃんとも会場でさよならをして、一人
家へ帰る。
でも最近、また家に帰る楽しみが出来たんだ。
予告も無く、時々出没してくれるようになった愛しい彼女。
玄関を開けて部屋の明かりが見えた時は、疲れが全部吹っ飛んでしまう。
別に自分の家に帰っても大学の課題はできるはずなのに、ノートパソコンを持ち
込んで黙々とキーボードを叩いている紺ちゃんの後姿がとても凛々しく見える。
後ろからそっと近付いてディスプレイを覗いてみたけれど、美貴には異次元の世界。
「何だか大学生・・・・って感じがするね」
そう耳元で呟いたら・・・・
- 718 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:32
- 「えっ・・・あっ! お帰りなさい・・・ごめ〜ん、入って来たの気付かなかった」
この半端じゃない集中力が不可能を可能にする秘密なんだろうね。
そう言えば・・・
どうもここ数日、紺ちゃんの態度がおかしい。
時々、美貴の顔色を窺うような仕草をしたり、何かを言い掛けてやめちゃったり。
ほら、今も美貴の腕の中でそわそわと落ち着かない様子。
「紺ちゃん、どうかしたの?」
思い切って聞いてみると。
- 719 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:33
- 「ん・・・ねぇ美貴ちゃん」
「なぁに?・・・紺ちゃん♪」
「もし、もしもだよ?・・・私がいま美貴ちゃんに何か秘密を隠しているとしたら怒る?」
「え・・・・・ぜーんぜん」
「ほんとに?」
「うん。・・・だってさ、今さら美貴が紺ちゃんにそんな態度を取れると思う?あんな
酷いことをしておきながら・・・」
「いや・・あの・・・そーでなくって、えっと・・・う〜ん・・・どう言ったらいいんだろ」
「あ・・・・わかった!」
- 720 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:34
- 「えぇっ?」
「もぉ〜〜そんなにお腹が空いてたんなら早く言ってよ、別に恥ずかしがる事なんか
無いよねぇ・・・」
「えぇ〜〜〜っ?」
「いや、いくら当たったからって、そんなに驚く意味が分かんない。どうする?・・・
ピザでも取る?」
「ぴ・・・・・ピザ・・・・・ゴクッ・・・」
てっきり、いつものお腹が空いた隠しの乙女の恥じらいかと思って。
「えっと・・・ドミノ、ピザハット、ピザーラ・・・どこがいい?・・・確かここら辺にデリバリー
のオーダーシートが・・・」
- 721 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:36
- 「違うの・・・そーでなくて、やっぱり美貴ちゃんには先に言っておきたい・・・もう・・・
秘密は嫌だから」
あまりに真剣な紺ちゃんの表情に、美貴の勘違いであることは直ぐに気付いた。
どうしたのかな・・・まさか、もう大学で誰かに告られたとか。
「うん、いいよ・・・・言ってごらん?」
「あのね、またフットサルを・・・やろうと思うんだけど・・・・」
その時は、既に美貴の情報ファイルの中では、紺ちゃんは元モーニング娘。でハロー
プロジェクトも卒業したごく普通の慶大生。
友達としてのメンバーとの関係以外、事務所や仕事に絡むオプションは一切削除
されていた。
- 722 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:37
- だから、てっきり大学の部活かサークルか何かだと信じて疑いもせず。
「へぇー・・・いいじゃん、やりなよ・・・美貴もさ、フットサルはまだやってもいいって
言われてるから、一緒に頑張ろ?」
「う・・・・うん」
まだフットサルをやりたいと思ってくれている気持ちが素直に嬉しくて。
「そっかぁ・・・・イベントとかでさぁ、紺ちゃんのチームと対戦できたらいいね。
・・・でも、紺ちゃんがキーパーだとさ、やっぱシュートが甘くなっちゃうかなぁ♪」
そんなウッキウキの美貴に反して、どこか浮かない表情の紺ちゃん。
「ん?・・・・迷ってるの?」
「美貴ちゃんあのね・・・実は・・・もう決めてきちゃったの」
- 723 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:38
- 「さすが紺ちゃん、決断が早いね。・・・でもさ、メンバーって大勢いるんでしょ?
・・・レギュラーになるのは大変そうだね」
「ううん、もう正キーパーは決定なの・・・」
「マジで?・・・すげーじゃん、チーム名は何て言うの?」
そう尋ねたら。
ずっと伏し目がちだった紺ちゃんは、ゆっくり顔を上げると真っ直ぐに美貴を見詰めて。
「ガッタス・ブリリャンチスHP」
「・・・・・・・・・・・・は?」
「復帰・・・・することになっちゃった」
- 724 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:38
- 頭で理解をする前に、紺ちゃんが涙でぼやけた。
「じ・・・・じゃあ・・・・また・・・一緒に・・・一緒に・・・できるの?」
「うん」
「こぉ〜んちゃ〜〜〜ん!」
「わぁ〜〜!」
本当に驚いて。
思わず押し倒して、顔中に喜びのキスをたっぷりとお見舞いしちゃった。
もう一度、紺ちゃんとプレーができる・・・・
- 725 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:39
- ここのところずっとネガティブが付きまとっていた美貴には、久し振りに至極の
喜びとなった。
その後で、CDデビューとハロープロジェクト・ライブ出演の話も聞かされて。
美貴のせいでハローに付してしまったマイナス・イメージを、奇しくも紺ちゃんで
払拭を図ることになるだなんて。
でも・・・・
「勉強は平気なの?」
「ん・・・事務所も大学の方を優先していいって言ってくれたし・・・フットサルは大好き
だし、できればもう一度・・・って思ってたから・・・だから、頑張れると思う。・・・それに
・・・少しでも美貴ちゃんと一緒にいられるから・・・」
「紺ちゃん・・・でも、身体に気を付けてね?・・・本当に無理はしないでね?」
「うん」
- 726 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:39
- 「みんなはまだ知らないの?」
「うん・・・でも、もうすぐ公式に発表があると思うから・・・」
「そっか・・・・みんな喜ぶよきっと・・・紺ちゃんはみんなに愛されているから・・・」
人前では強がりを言ったりしているけれど、美貴のこの性格がかなり自分にとって
マイナスであることは否めない。
紺ちゃんのように真面目で誠実で、何に対しても一生懸命に真剣に取り組んで
結果を出すからこそ、大勢の人達に信頼され愛されるんだよね。
「私が愛されたいのは・・・美貴ちゃんだけだもん」
「ううん・・・紺ちゃんはね、色々な人達の優しい気持ちをい〜〜〜っぱいもらって、
もっともっと沢山の人から愛されて欲しいな」
- 727 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:40
- 「じゃあ・・・最初は美貴ちゃんの愛が欲しい」
「美貴のだけでいいの?」
「したっけ、亜弥ちゃんからにしようかな・・・」
「え゜っ!?」
「だって・・・私の事も可愛がってみたいって言ってくれたから・・・」
「あいつ、そんな事言ったの?」
「もう何度も告白されてるし・・・」
「マジ?」
- 728 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:41
- 「美貴たんも好きだけど、紺ちゃんも好きだよって」
「え、美貴だってまだ可愛がってもらってないのに?・・・おかしくない?」
「・・・へぇ、亜弥ちゃんに可愛がって欲しかったんだ」
「えっ・・・・だってさ、虐められるよりは可愛がってもらった方が良くない?」
「可愛がってもらうチャンスなんかいくらでもあったのに・・・あ、ご・・・ごめんなさい」
お互いに触れてはいけないって思っている空白の期間。
もちろん悪いのは全て美貴の方だし、紺ちゃんが気にする必要なんて全く無い
のだけれど。
「ううん、もう気にしなくていいよ・・・美貴がいけなかったんだし、紺ちゃんの言う
通りだからさ」
- 729 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:42
- 「違うもん・・・私が美貴ちゃんを・・・」
「ストップ!もうやめようよ、今回の事は誰が何と言おうと美貴が悪いんだし、絶対
に譲るつもりは無いから」
「私・・・美貴ちゃんこそ、みんなに愛されるべきだと思うの」
「え?」
「う〜ん・・・みんなって言っても、多少は選ぶべきだとは思うけど。でも、美貴ちゃん
を好きな子はたくさんいるわけだし、もっと素直に気持ちを受け入れて欲しい」
「でも・・・それって・・・」
「亜弥ちゃん、小春ちゃん、それから・・・愛ちゃんとか、石川さん、安倍さん、その他
にも美貴ちゃんのファンはたくさんいるし・・・・特に亜弥ちゃんと小春ちゃんの二人は、
一歩間違えば・・・その、そういう関係になってもおかしくない位に思ってくれてるでしょ?」
- 730 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:43
- 「ん・・・・」
「まぁ・・・小春ちゃんはまだ自分で気付いていなかったりもするけど、亜弥ちゃんて
意外と刹那主義だから、もしそういう事になっても女の子同士の関係って割り切れ
る人だと思うの」
「でも・・・それじゃ紺ちゃんが・・・」
「心配しなくても大丈夫、だって・・・・私の美貴ちゃんを思う気持ちは、誰にも負けて
ないって自信があるし、これでもそういう事に対して随分免疫や抗体はできたから」
「美貴はウイルスかよ」
「そうだよ?・・・一度好きになった相手を二度と離れられなくしちゃう」
「そーなの?」
- 731 名前:One and only 投稿日:2007/08/26(日) 15:44
- 「私だって亜弥ちゃんだって小春ちゃんだって、美貴ちゃんの数々のご乱行を見てきた
筈なのに、誰も愛想を尽かして嫌いになったりなんかしてないっしょ?」
「む・・・・・」
「今でさえそうなんだから、もう少し素直にみんなの気持ちを受け入れるだけで、もっと
もっと美貴ちゃんのことを理解してくれる人が増えると思うよ?」
「・・・・・そうだね」
素直さを出すのが恥ずかしいっていうのもあるんだけれど、今までの美貴は自分に
正直に生きてきたのかと言われれば、確かに違う。
「分かったよ紺ちゃん、これからはちゃんとみんなの気持ちを受け入れられるように
努力してみる」
そう言うと・・・
「うん!」
腕の中の紺ちゃんは、嬉しそうに頷いた。
- 732 名前:たまえす 投稿日:2007/08/26(日) 15:45
- >>713 蘇生様
ありがとうございます。
何時の間にか身に付いてしまっている何気無い能力って
誰にでもあると思うのですが如何でしょうか。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 733 名前:名無しの読者 投稿日:2007/08/28(火) 01:31
- 更新お疲れ様です。
仲間って良いですね。実際あの時期は、みんな大変だったんじゃないでしょうか。それでも支え合って、前に進んでくれていましたね。そして紺ちゃんのあの報せが…。次回の更新も楽しみにしています。
- 734 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/28(火) 01:54
- 更新乙です。
例の件を作品内に持ち込まれたときにはどうなるんだろうと思っていましたが
どうやら無事乗り越えたという感じですね。
これからまた甘々な二人を期待しています。
- 735 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:32
- 「大変だァ〜・・・エラいこっちゃ〜」
「なぁ〜に慌ててんだい?」
「マジでヤバイって、すげー事を聞いて来ちゃったよ!」
「またかい」
「またって何だよ!」
「だぁーってさ、矢口はい〜〜っつもそうじゃん」
「いやだから、今度のは本当にビッグニュースなんだって!」
「ははぁ〜・・・やっと身長が伸びたのかい?」
- 736 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:32
- 「そうそう、ようやく145センチに・・・・って、こらぁ〜〜!」
「あーわかった・・・・裕ちゃんが出来ちゃった結婚」
「いよっ、独身解消鬼嫁裕子・・・だから違うって!」
「じゃあ圭ちゃんがサックスに飽きて、また何かやり始めた?」
「いっつも長続きしねーからなぁ・・・・って、そーでなくて!」
「そっかぁ・・・・・あ、わかった!」
「今度は何だよ」
「また、なっちに惚れ直したっしょ」
「え?・・・・・・う・・・うん」
- 737 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:33
- またまたハロープロジェクトライブのMCを務めることになった矢口。
メンバーを集めてのリハーサルも間近に控えたある日・・・・
突然、夜遅く我が家に転がり込んで来た。
秘密を聞いてしまうと、まず黙ってはいられない矢口。
そんな時には、大抵なっちに全部ぶちまけにくる。
確か・・・今日は進行の打ち合わせがあった筈なんだけど・・・
なっち達娘。OGがさいたまーパーアリーナに出る企画案がバレたのか?
- 738 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:34
- それとも、圭織の結婚?
何れにしても、まだ誰も知らないネタには間違い無い。
確かに、最近事務所界隈で幾つかの不穏な動きがある事は確かな訳で。
「ねェなっちぃ〜・・・・聞きたいでしょ〜?」
「別に?」
一応、軽く牽制してみる。
恐らくまだ公式発表はされていない事だろうから、関係者にも箝口令が敷かれて
いるに違いない。
- 739 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:34
- 内容によっては、会社の社運を左右するような場合も有り得る。
そんな事をもし事前に漏らしたりしたら、間違い無く何人かの首が飛ばされるだろう。
「ハローの出演者の事かい?」
「・・・・え゛っ?」
・・・お?
素で驚いたって事は図星なんだ・・・
「・・・・・なっち?」
- 740 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:35
- 「何だい?」
「もしかして・・・・知ってたり・・・する?」
「取り敢えず、そんなところに立っていないで座ったら?」
「う・・・・ん・・・」
クスッ、折角の大スクープをなっちに軽くいなされて、勢いが失速したらしい。
「ホントに前代未聞でびっくりしちゃってさ・・・・」
・・・前代未聞?
- 741 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:35
- つーことは、圭織じゃない・・・
なっち脳の思考回路をフル稼動させる。
OG出演もまだ決定した訳じゃないし・・・
そう言えば・・・・・
昨日の10年記念隊のお仕事でのガキさんの不審な言動を思い出した。
いつも元気なガキさんだけど、昨日は特に上機嫌で。
高橋の家に泊まったところまでは白状させたんだけれど、まぁそれは時々ある
事で特に珍しい事じゃない。
何が嬉しいのかを吐かせようとしたんだけれど、そこから先はただニヤニヤした
まま、頑として口を割ろうとはしなかった。
- 742 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:36
- だから、なっちは勝手に・・・ガキさんももう大人だし、高橋といい事でもしたのか
なって思って、それ以上は聞かなかったんだけど。
あっ、そう言えば・・・
その時、まるで心を探るようにじぃーっとガキさんの事を見詰めていた小春が、
突然ハッとしたように何かを言いかけて・・・圭織が慌てて「小春ダメッ!」って
言って口を塞いだの。
しかもその後の小春はやはり、有り得ないくらいのはしゃぎようだった・・・
確か・・・・・・・何かが帰って来るとか来ないとか・・・・
帰って来る?
- 743 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:37
- 「ねーなっちぃ〜・・・聞きたいって言えよー」
後ろからまとわりついてくるちっちゃい奴は放置して。
多分・・・なっちの勘では、矢口のネタとガキさんの秘密は同じ気がする。
いま・・・ハローから離れている人間?・・・が戻って来る?
「なっちってばぁ・・・もっとさぁ、相手にしてくれたっていいじゃんかぁ〜」
しかも、ガキさんと小春が喜んで・・・
そんでもって、今まで私達に経験の無いこと。
「聞いたら絶対なっちだって喜ぶってばさぁ〜」
- 744 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:37
- あたたた・・・・・ったく。
「やーぐち!・・・んもぉ〜〜、虫みたいにジタバタしてないで落ち着けって」
なっちの周囲をウネウネ這いずりまわる矢口の首をひっ捕まえて、動けないよう
に足でカニ挟みにする。
戻る・・・・麻琴?
ならガキさんは同期だし。
・・・・いや、でもよっちゃんにそんな様子は無かったし、別に辞めた訳じゃ無いから
隠すこっちゃない。
あいぼん・・・・は無理だべなぁ・・・
- 745 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:38
- あとは・・・・紺野。
そう言えば最近、何度か会社で見掛けてるし・・・・・
でも・・・・まさかねぇ・・・
「何すんだよなっち、放せ〜!」
紺野はいい子だったよなぁ。
頑張ってるかな・・・・
楽屋ではいっつも静かで。
台本を読んでいたり、課題曲を聞きながら、ちっちゃな声でリズムをきざんでいたり。
- 746 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:39
- クスッ、・・・食べ物がある時以外はね。
・・・それに引き換えこいつときたら・・・
「お前さぁ・・・たまには紺野みたいに静かにできないのかい?」
何気なくそう呟いたら。
「え゛ぇっ!・・・あ〜〜っ、やっぱり知ってたんじゃーん」
目をまん丸にした矢口が突然絶叫した。
「・・・・・・・・・はい?」
「ね、ね・・・誰に聞いたの?」
- 747 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:39
- 「いや、誰って聞かれても・・・」
「なんだよぉ・・・最高機密だって言われたのにぃ〜〜、つまんねー・・・・どーして
なっちが知ってるんだよ」
「へぇ〜〜、紺野が帰って来るのかい?・・・そりゃ確かになっちもビックリだわ」
「え?・・・・知ってたんじゃないの?」
「そーんな事知る訳ないっしょ、お前に比べて紺野は静かだったなぁ〜って、
今たまたま何となくそう思っただけだべさ」
「マジ?」
「うん」
- 748 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:40
- 「あのさ、いーっつも思うんだけど・・・」
「何だよ・・・」
「なっちって凄いよね」
「まぁね」
「ねぇ・・・大丈夫かなぁ・・・」
「何が?」
「いくらこんこんだってさ、どうして今この時期に呼び戻されたのかぐらいは
理解しているだろうに」
「ちょっと、なっちはまだ詳しく知らないんだけど」
- 749 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:40
- 「ん・・・なんかね、フットサルのメンバー10人でユニットを作って曲を出すんだって。
それでレコーディングはもう終わってるみたいなんだけど、その中にこんこんも入って
いるんだって」
「10人って・・・・まさか藤本も・・・」
「ううん、それはないらしい。あと、復帰って言ってもフットサル関係たけみたいだよ?」
「じゃあ・・・どっちにしたって藤本とは顔を合わすしかない訳だ」
「ね?・・・やっぱり心配だよね」
ずっとずっと気になってはいたんだけど、あまりにデリケートなことなので。
- 750 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:41
- 得意のお節介を焼こうにも、いまいち上手い考えが思い付かずに躊躇していた。
なっち達にも似たような事はあったけど、些か発生状況が異なる訳で。
「どうしたもんかねぇ・・・」
「こんこんはさ、あの時のなっちみたいに全て受け入れられたのかな・・・それとも、
もうあの2人は・・・」
「ちょっと冷たい言い方かもしんないけど、こればかりはなっち達がいくら頑張って
みたところで、解決出来る問題じゃないと思う。もし紺野が藤本を許せないままで
復帰を決意したのであれば、それは自分を裏切った藤本に対する報復を意味する。
藤本はさらに追い込まれて自暴自棄になりかねない」
- 751 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:42
- 「でもさぁ、あのコンコンがそんな事をするとは思えないんだよなぁ・・・何とか
ならないのかなぁ」
「矢口はリハーサルで紺野に会えるっしょ?」
「うん」
「その時にちょっと探りを入れてみない?」
「言われなくてもそうするつもりだけど」
「それでさ、もしやばそうならみんなで助けようよ」
「みんなで?」
「うん・・・なっち達だって、たくさんの仲間に助けてもらった。最後の最後に力に
なれるのは、やっぱり仲間じゃないのかい?」
- 752 名前:One and only 投稿日:2007/08/31(金) 21:42
- 「・・・・・なっちぃ」
「ほら、おいで?」
カニ挟みを解いて、おとなしくなったちっちゃい矢口を抱き寄せる。
「ん・・・・・あのさ?」
「何だい?」
「紺野にはさ、いつまでも優しい心のままの紺野でいて欲しいんだよね・・・」
「大丈夫・・・あの子はね、今まで通り変わらない・・・そう信じようよ」
ゆっくり肯いてみせると、潤み始めた矢口の大きな瞳が、まるでなっちを誘う
ようにスウーッと閉じて。
愛しい矢口をギュッと抱き締めると、誘われるがままに唇を重ねた。
- 753 名前:たまえす 投稿日:2007/08/31(金) 21:47
- >>733 名無しの読者様
ありがとうございます。
幾多の波乱を乗り越えつつ今を謳歌できるのも
支えてくれた仲間がいたからなのかなと思います。
>>734 名無飼育さん様
ご心配をお掛けしてスミマセン。
いくらリアルでもここまで書くことはないだろうと他方では
お叱りも頂戴しましたが、あくまでリアルっぽい私の妄想
ということでひとつよしなに・・・
ふと気が付けば、何時の間にか前スレのレス番を追い越して
いたりなんかしていて誤爆しそうになりましたw
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 754 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:12
- あの日の夜、愛ちゃんがこっそりと教えてくれた二人だけの秘密。
それが数日後に現実となった。
こんこんの復帰が発表となって、蜂の巣を突付いたような騒動となったハローの
メンバー達。
初めてのリハーサルの顔合わせでは、全員が心から復帰を祝った。
・・・・ん・・・・まぁ、そこまでは良かったんだけど・・・
どういう訳か、隙あらば何とかこんこんの注意を自分に引き付けようと必死に
なるメンバーたち。
一方、そんな事には我関せず、黙々とレッスンに打ち込むこんこん。
- 755 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:13
- いや・・・もしかしたら、ただ気付いていなかっただけかもしれないけれど、やっぱり
一年間のブランクは大きかったようで、振り付けのレッスンも最初は少し遅れ気味
で戸惑いが感じられたものの、午後には勘を取り戻していたみたい。
汗をかいて楽しそうにステップを踏むこんこんが、とても可愛くて。
心から楽しんで踊っているのが凄く伝わって来た。
そんなこんこんを見ていて嬉しくて、つい涙を流してしまったり。
そして、ひとたび休憩時間ともなれば、息を切らしたこんこんの所にみんなわさっと
集まってきて、タオルで汗を拭いてあげたりお水を取ってきてあげたり。
意外にこんこんのファンが多かった事にも驚いたけれど、今までは常に傍に寄り
添っていたもっさんの目が怖くてなかなかこんこんと触れ合う事ができなかった
若い子達も、積極的にアタックを掛けているのには笑ってしまった。
- 756 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:15
- ℃-uteの中島ちゃんに至っては、こんこんの復帰が本当に嬉しかったようで・・・
こんこんが「ナカサキちゃん久し振り〜」って抱き締めたら泣き出してしまって。
そんな光景を見ていた私の周りにいた娘。達も、みんな涙ぐんでいた。
自分の夢に向かってしっかりと目標を持って、着実に前に進んで行くこんこん。
自分にしがみ付いたまま泣き笑いの中島ちゃんをどうにか慰めようとあたふた
している微笑ましい光景からは、そのような強固な精神力の持ち主であること
は微塵も感じられない。
本当に・・・・
本当に戻ってきたんだね、こんこん。
- 757 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:15
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
そして迎えた2007年夏のハロプロコンサート。
名古屋での初日が終了してホテルに移動した途端、またまたこんこん争奪戦
が勃発した。
我先にと、年長特権を行使して何とか同室をモノにしようと画策するお姉さま達。
こんこんは、週明けに提出しなければならないレポートかなにかの宿題がある
からと断っていたけれど・・・・
さっきも廊下の方から何か言い合うような声が聞こえたので、気になってこそっと
覗いてみたら・・・なんと石川さんが柴田さんに首根っこを?まれて、自分の部屋
の方へ引きずられて行くところだった。
- 758 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:16
- どうやら、石川さんが柴田さんとの約束を破って抜け駆けしてこんこんの部屋へ
忍び込もうとしたところを、石川さんの挙動を不審に思って探しに来た柴田さん
に見つかってしまい、その場で取り押さえられてしまったらしい。
そして・・・・ここにもこんこんの部屋へ進入を企てたものの、偶然通り掛かった
(と本人は言い張っていたそうだ)矢口さんに怒られて、逃げ帰ってきたおバカ
が約一名。
「だからダ〜メだってば」
「ちょっとだけ・・・・ね? ちょっとだけやし」
「駄目だよ、邪魔しちゃ悪いでしょ?」
「だぁ〜ってぇ〜・・・せっかく一緒にお泊りしてるのにぃ〜」
「・・・・あのねぇ、石川さんや柴田さん達だって我慢しようねって言ってたでしょ?
やぐっつぁんまで忍び込もうとしてたのはどうかと思うけど・・・とにかく、こんこん
とお話をしたいって子は大勢いるの。 私だって久し振りにゆっくり話したいのは
一緒なんだよ?・・・それをリーダーのあなたが部屋へ押し掛けちゃったら示し
が付かないでしょ?」
- 759 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:17
- 「ほんなら里沙ちゃんも一緒に・・・・」
「んもぉ〜〜愛ちゃん!こんこんだってみんなと話がしたいのを我慢してると思う
んだ。だけどね、大学の勉強とお仕事を両立するって決心して頑張ってるんだし、
私達も出来る限りこんこんをサポートしてあげなくちゃ駄目じゃん」
「え〜〜・・・ちょっとだけなのにぃ・・・」
「ね・・・そんなに私と一緒にいるのが嫌なの?」
「はぁ? ちぃ〜〜〜〜がうってぇ」
まともに言っても愛ちゃんには通じないので、作戦を変えてみる。
「・・・そっかぁ・・・そうなんだ・・・愛ちゃんはもう私の事を・・・」
- 760 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:18
- 「あ・・・・・・ガッハー、そーんなことある訳なかろーが」
「じゃあ・・・・私の事・・・愛してる?」
「う?・・・・うん」
「あ〜〜っ、何さ今の間は・・・分かった・・・もう帰る・・・おやすみ愛ちゃん」
寂しそうに愛ちゃんを一瞥して、部屋を出る振りをしちゃったりなんかして・・・
「ちちちょっとぉ・・・里沙ちゃんて!」
よし、食い付いた・・・と思ったら。
タタタタタタ・・・・・バフッ!
「おわぁ〜っ」
- 761 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:18
- 後ろから思い切りぶつかってきた愛ちゃんに、そのまま抱き締められた。
「ごめん・・・・ごめんて・・・帰らんで」
「でも・・・・私のこと・・・」
「里〜沙ちゃん、こっち向いて?」
甘えん坊の子供のような声で後ろからそう言われて。
「しょーがないなぁ・・・・」
振り向いた途端に・・・
「んぷ!」
キスされた。
- 762 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:19
- 最初は軽いタッチで私の唇をついばんで。
次第になぞるようなソフトな感触から強くしてみたりと変化させてくる。
うっとりと身を任せていたら、不意に腰をギュッと引き付けられて。
驚いて、あっ・・・と声を漏らした瞬間、開いた唇の隙間から愛ちゃんの温かい
ものが滑り込んできた。
「ン・・・・ンンンッ・・・ンフッ・・・」
私からおねだりをしても、いつもはなかなかしてくれない大人のキス。
長い長い魅惑のキスをされながら心も身体もとろけていると、そのままゆっくりと
後ろに押し倒された。
- 763 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:20
- 床に叩きつけられそうに感じたけれど、何時の間にかベッドの横に移動していた
らしく、愛ちゃんに抱き締められたまま、フワッとベッドに倒れ込んだ。
私のパジャマを脱がせようとしているものの、まだ何処となくぎこちない愛ちゃんの
動きに安心を覚える。
いつも私が途中で茶化したり拒否ってしまうために、最近はこんなに本気で求めて
くれる事も少なくなってきていて。
だから今日こそは・・・・今日こそは愛ちゃんに・・・
悪戦苦闘の末、何とか上半身から布の感触が消えた時、同時に唇も開放された。
まさか・・・ここでやめちゃうの?
- 764 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:21
- 「あ・・い・・・ちゃん・・・?」
「ちょっと待っててね・・・恥ずかしいやろ?・・・電気消してくる」
ベッドから降りようとする愛ちゃんを引き止めて、頭の上を指差し示す。
「ベッドの横にも照明のスイッチがあるから・・・」
「あ・・・ホンマや・・・んしょ・・・」
パチッという音とともに、部屋が真っ暗になった。
「あらぁ・・・・なぁーんも見えんくなってもーた・・・」
「明るさの調節ってできなかったっけ?」
- 765 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:21
- 「ま・・・いっか、見えない方がかえって興奮せん?」
・・・・・な。
「知らないからぁ」
「里沙ちゃん・・・・・・・いいの?」
来た!
「・・・・うん」
「無理せんでいいよ?」
「欲しいの・・・・愛ちゃんが欲しいの・・・」
- 766 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:22
- 自分で言ったクセに、恥ずかしさで顔がカァ〜ッと熱くなる。
「・・・・そっか」
カサカサと衣擦れの音がして、愛ちゃんも脱いでいるのが想像できる。
少しして、素肌が触れ合う気持ち良い感触とともに、再び唇が温もりで包まれた。
今度はさっきの様に深いものではなく、ソフトタッチを繰り返してくれる。
愛ちゃんの優しいキスが大好き。
お腹に添えられた愛ちゃんの手が次第に上に上がってきて、胸が包み込まれた。
同時に、キスが唇から離れて顎から首筋へと降りていく。
- 767 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:23
- そして・・・・
『 チュッ 』
「あっ・・・」
脇の下から這い上がった愛ちゃんの唇が私の胸の先端に到達した時、全身に
電流が走った。
生まれて初めて感じた衝撃。
片方を口で吸われ舌で弄られ、もう片方を指で弄ばれて、自然に発するいやらし
い自分の声にまた興奮してしまう。
「あぅ・・・・・アン・・・・ンンンック・・・ハァハァ・・・・ウッ・・・」
- 768 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:23
- ただでさえ控えめな胸なのに、仰向けに寝ているこの状態では殆ど真っ平に
なっているんじゃないのかな、なんて思ったりもするけれど、それでもしっかり
と揉まれている感触があるから不思議だよね。
「里沙ちゃん・・・可愛い・・・好きやよ・・・」
そんな柔らかい吐息に包まれているうちに、今まで捨て切れなかった背徳感が
次第に不思議な感覚に変わってきた。
いつもライブとかで、あまりの楽しさに我を忘れるほどハイテンションになっている
ような時に、言葉では表現できない程のもの凄い陶酔感に襲われることがある。
頭の中がポワ〜ッとしてきて全身に鳥肌が立つような、とてつもない気持ち良さ。
いま愛ちゃんに愛されているこの気持ち良さが、ライブの時のあの感覚に似ている
事に気付いた。
- 769 名前:One and only 投稿日:2007/09/06(木) 20:24
- 「里沙ちゃん愛してる・・・」
愛ちゃんが掛けてくれる優しい囁きに、快感がさらに増幅される。
愛し合うって・・・こんなに気持ちのいい事だったの?
まるで万華鏡を覗いているみたい。
目を閉じているはずなのに・・・・部屋も真っ暗なはずなのに。
私の前には、色とりどりにきらめく幻想的な空間を漂っているかのような不思議な
光景が広がっていた。
こんなに素敵なことなら、もっと早く許していれば良かった。
ごめんね愛ちゃん。
- 770 名前:たまえす 投稿日:2007/09/06(木) 20:26
-
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 771 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/06(木) 23:47
- ほわ〜〜〜〜ん
紺回もありがとうございます。
毎回楽しく読ませて頂いてます。
- 772 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/07(金) 00:30
- あいがき(*´Д`)
よかったねーよかったねー
- 773 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:46
- ホテルに着いて部屋割が伝達されて。
その後解散となり、メンバーがそれぞれの部屋へ散って行く。
1人部屋の人もいれば、2人で1部屋の人もいる。
「行きますよー!」
嬉しそうに私の手を取ると、促すようにピョンピョン飛び跳ねる小春ちゃん。
「あのねぇ・・・あんまり我がまま言いよったら駄目やろ?」
「違うもん」
本当は・・・違う部屋の筈だったんだけど・・・
どうしても私とがいいって駄々をこねられて嬉しいやら情けないやら。
- 774 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:46
- 結局、どの部屋も大体いつも通りの本来の落ち着くべき姿に収まってしまった。
でもね・・・・どーしてさゆみは小春ちゃんとなワケ?
「またまたぁ〜・・・ホントは嬉しいく・せ・に♪」
「別に?さゆみは誰とでもよかったんじゃ」
ちゃっかり人の心を読んだ小春ちゃんに、ちょっと意地悪してそう言ってみたら。
「そんなのやだぁ〜〜、小春と一緒じゃなきゃ嫌だって・・・言ってくれなくちゃ
・・・ヤだ〜〜!」
クスッ、見た目はさゆみなんかよりも遥かに年上に見られる事もあるけれど、中身
はまだまだ子供のまま。
すっかりすねてしまった小春ちゃんの手を取って、二人で部屋へ向かおうとした時・・・
- 775 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:47
- 「あの・・・さゆ、ちょっといい?」
紺野さんに呼び止められた。
「はい・・・あっ、紺野さんもさゆみ達と一緒にどうですか?」
一瞬、小春ちゃんに睨まれたのは気付かない振りをする。
「ううん・・・・あのね、二人にお願いがあるんだけど・・・」
部屋を交代して欲しいと頼まれた。
その理由もちゃんと説明してくれたのが、いかにも紺野さんらしい。
どうしてもやらなくてはいけない宿題があるんだけど、みんなが部屋に押し掛けて
来そうな気がするからって。
- 776 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:48
- さゆみも人の事は言えないけど、確かにリハーサルの時の事を考えれば、今晩
起こるであろう事態は容易に想像ができる。
「わぁ〜面白そう♪」
既にやる気満々の小春ちゃん。
こんな些細な事ででもいいから、少しでもあの日藤本さんに慰めてもらった恩返し
がしたい。
紺野さんにもらった優しさで何度も救われたのに、結局お礼も満足にできないまま
卒業されてしまったから。
今度こそはさゆみが紺野さんの力になりたい。
「はい、喜んで!」
- 777 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:49
- そう答えると、紺野さんは申し訳なさそうにごめんねって言ってくれて。
「あっ・・・・ちょっと待って・・・えっと・・・」
自分の荷物を物色し始めた。
「あった。・・・替わってくれたお礼っちゃなんだけど、これ・・・二人で食べて?」
差し出されたのは可愛い袋。
「あ・・・いえ、ぜんぜん構わないですから、そんなに気を使わないでくださ・・・」
「わぁーいチョコレートだぁ〜♪」
一応、社交辞令を言い掛けた途中で、小春ちゃんの朗朗とした声に遮られた。
- 778 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:49
- 思わず紺野さんと見詰め合って苦笑する。
「ここのお店のチョコはお勧めだよ?」
「ホントですかぁ?」
「うん、一度食べたら病みつきになっちゃうから」
「わぁーっ、ありがとうございます。良かったね、小春ちゃん」
「チョコチョコ大好き〜♪」
「クスッ、元気が出るよ〜?」
「いや、この子にはこれ以上元気はいらないです」
- 779 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:50
- 「ひっどぉ〜〜い!」
「エヘ・・・・じゃあ、はいこれ・・・・と、部屋のキー」
「はい・・・・でも、こんな所に来てまでお勉強なんて大変ですね・・・」
すると、紺野さんは・・・
「自分で選んだ道だもん、全然大変なんかじゃないよ」
そう言うと、爽やかな微笑みを残して去って行った。
「さてと、早くお部屋に戻ってお風呂に入らんとね・・・・お客さんが来ちゃう前に」
「はーい」
- 780 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:51
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「エヘヘッ・・・行っちゃいましたぁ〜」
「シーッ!何しよん、大きい声を出したらダメでしょ?」
「はぁーい」
「でも・・・柴田さん、そーとー怒っちょったね。・・・・石川さん、お部屋でボッコボコに
されちゃってるねきっと・・・やっぱり柴田さんに電話したのはちょっと石川さんには
可哀想なことをしちゃったかなぁ・・・」
「だって、ドアを開けるまで動かないからねって外に座り込まれちゃったんだもん
しょーがないですよ。でも、どうして柴田さんを呼んだんですか?吉澤さんとか・・・」
「かえって敵を増やすことになるやろ?それこそ私達の貞操の危機やん」
- 781 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:52
- 「てーそーって何ですかぁ?」
「へっ?・・・あわわ、小春ちゃんにはまだ早かったね」
「ふぅ〜ん・・・ま、いっか。今度は誰が来るかなぁ・・・」
「ん〜〜、愛ちゃんに矢口さんに石川さんでしょ、もうおしまいじゃない?」
「え〜〜?・・・やだぁ〜〜つまんなーい!」
『トントン・・・・』
「あっ・・・来たぁ!」
『あのぉ〜・・・紺ちゃん・・・いますかぁ〜?』
「シッ!・・・絵里だ・・・じゃ今度はさゆみがやるけん、小春ちゃんは黙っちょってね」
「はぁ〜い」
- 782 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:53
- ・・・・・コホン・・・あーあー・・・よし!
「あ・・・絵里・・・いけね・・・カメちゃん?」
『はぁい・・・あのぉー・・・もし良かったら絵里達のお部屋に来ませんかぁ〜?』
・・・絵里達だって・・・ウフフッ・・・れーなに行けって言われたのかな?
「あー・・・ごめんねカメちゃん、誘ってもらってすごく嬉しいんだけど・・・まだ宿題が
残ってて・・・ホントごめん・・・」
『そーなんですかぁ・・・大変ですね・・・じゃーあーまた今度ゆっくりお話しましょうね
・・・あの・・・今日のステージの紺ちゃん・・・とっても可愛かったです・・・絵里はまた
紺ちゃんと一緒に出れて本当に嬉しいです・・・それじゃおやすみなさい』
- 783 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:54
- 絵里ったら・・・・・・
「私もね、だぁ〜い好きなカメちゃんの笑顔を見てい〜〜っぱい元気をもらったよ?
・・・誘ってくれて本当にどうもありがとう・・・あ・・・あと、れーなにも可愛かったって
伝えといてね・・・」
『はぁ〜い・・・・あの・・・夜更かしは体に悪いですから・・・風邪とか引かないように
気を付けてくださいね・・・じゃ』
そう言い残して、ドアの向こうの気配が消えた。
ドア越しに、心から紺野さんを思う絵里の素直な気持ちが痛いほど感じられて。
私・・・こんなに優しい絵里を騙してしまった・・・
- 784 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:54
- 面白半分で引き受けたのはいいけれど、こんな真面目なメンバーが来るだなんて、
全く思ってもみなかった。
胸の中ではどんどん罪悪感が広がってゆく。
急いで部屋のキーを取ってくると、ジャージの上着を羽織って。
「小春ちゃん・・・・さゆみ・・・絵里に謝ってくるけん、先に寝ちょって?」
「え?・・・やだー、小春も一緒に行くー」
「ううん、もうこんな時間やけん・・・いい子だから先に寝ちょっていいけん・・・」
そう言い残して部屋を飛び出すと、絵里を追い掛ける。
いた・・・・丁度、自分の部屋に入ろうとしているところ。
- 785 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:55
- 「絵里!」
「あーっ・・・さゆだぁ・・・エヘヘ・・・もう小春ちゃんは寝ちゃったのー?」
「ハァハァ・・・違うの・・・あのね・・・さっきの紺野さん・・・・嘘なの・・・」
「・・・・・うそ?」
「ごめん・・・さゆみ、絵里を騙すつもりじゃなかったんだけど、紺野さんに頼まれて
部屋を替わっちょって・・・だけん、さっき絵里が話したのは、さゆみが紺野さんの
真似をしてただけで・・・」
「ふぅ〜ん、そうだったんだぁ・・・そっくりで分かんなかったよ・・・・アハハハハ・・・」
とても嬉しそうな絵里を見て、申し訳無い気持ちが加速する。
- 786 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:56
- 「本当にごめん・・・絵里に嘘をついちゃって・・・」
すると、絵里はフッと真面目な顔になって。
「嘘なんかじゃなかったよ?」
「・・・・・・・え?」
「さっき絵里にありがとうって言ってくれた時、ちゃんと気持ちが伝わって来たの。
・・・・それはね、さゆが紺ちゃんの事をちゃーんと理解してるからだと思うの・・・
だから、さっき絵里とお話した時に、さゆを通して紺ちゃんの気持ちが伝わって
来たのかなって思うし、きっと紺ちゃんも同じ気持ちでいてくれたと思うよ?」
「ううっ・・・・絵里・・・・」
- 787 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:57
- 「だって・・・・だってね、さゆにはそういう力があるんだもん、でしょ?」
「ごめんね・・・・うぅぅ・・・」
優しい絵里の言葉に、涙が止まらなくなった。
「ほーら泣かないの・・・・だってね、さゆは真似したって言ったけどさぁ、さっきの
ドアの向こうから聞こえた声って・・・・ホントに紺ちゃんの声だったもん」
そう言って抱き締めてくれる。
「もう戻った方がいいよ?小春ちゃんが待ってるから・・・ほら」
「グスッ・・・・え?」
- 788 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:57
- 顔を上げると、絵里の優しい視線が私の後方を見詰めている。
振り向くと、暗い廊下の陰からこちらの様子を窺う人影が。
「あ・・・」
「・・・今日さぁ、みんなで一緒にお昼食べたじゃん?」
「うん」
「小春ちゃんたらね、石川さんと楽しそうにじゃれてたさゆを羨ましそうに眺めなが
らね、絵里にこんな事を言ったんだ・・・」
「・・・・ん?」
- 789 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:58
- 「道重さんて可愛いですよね・・・小春は道重さんの王子様にはなれないのかなぁ
・・・だってさ・・・キャー!」
「な・・・・・・ホントにぃ?」
「エヘヘッ・・・どうやら、とーんでもない王子様に見初められちゃったみたいだゾ?」
「えっ?えっ?・・・・・・え〜〜〜っ!」
「さ〜ゆ、覚悟しろよ?」
「ねっ・・・ねっ・・・どうしよう絵里・・・」
「知らないもんねー、優しくしちゃったキミが悪いのだ!・・・じゃ、おっ幸せにぃ〜〜」
『 パタン! 』
- 790 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 22:59
- あんにゃろー、言いたい放題ぶちまけて逃げやがって。
ハァ〜・・・でも小春ちゃんがそんな事を・・・
「おやすみ絵里」
閉じたドアにそう呟いて歩き出すと、向こうから小春ちゃんが駈け寄って来た。
「絵里なら・・・もう大丈夫やけん」
「・・・うん・・・・あのぉ〜」
「なあに?」
「亀井さん・・・小春の事を何か言ってませんでしたかぁ?」
- 791 名前:One and only 投稿日:2007/09/13(木) 23:00
- 「ううん、なんも言っちょらんかったけど?」
「ホェ〜・・・良かったァ」
「何が良かったの?」
「はっ?あわわ・・・何でもないです何でもないです」
「クスッ、それでは王子様、お部屋までエスコートしてくださいませんこと?」
「えぇっ?」
小春ちゃんの大きな目が一瞬、さらにまん丸のビックリ眼になって。
そして・・・
ポッと頬を赤く染めると、少しはにかみながら私に手を差し伸べた。
「姫・・・お手をどうぞ」
- 792 名前:たまえす 投稿日:2007/09/13(木) 23:02
- >>771 名無飼育さん様
ありがとうございます。
こちらこそご覧頂き感謝致します。
>>772 名無飼育さん様
ありがとうございます。
あれで良かった・・・のでしょうか・・・
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 793 名前:名無しの読者 投稿日:2007/09/14(金) 02:56
- 更新お疲れ様です。
亀ちゃんと道重さんとの場面は心に染みました。そして、小春ちゃん!是非頑張ってもらいたいです。
- 794 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/14(金) 11:03
- 良いですね♪ほんわかして良いです♪ 愛ガキ、れなえり、さゆこは大好きですよ♪
- 795 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 21:56
- 〜 そして翌朝 〜
会場に移動して、準備運動にストレッチ。
いつもながら、朝の得意なメンバーと苦手なメンバーがはっきりと分かれていて。
特に後者は動きがとてもユーモラスで、まるで朝の公園で太極拳をしているお年寄り
の集団みたい。
しかし、そうは言っても開演時間は待ってくれる筈も無く、寝ている身体を強制的に
目覚めさせる。
そんな中で、やたらと元気で妙に弾けている奴が一人。
ユニット毎に分かれて、軽くフォーメーションを流している時でさえ、一人だけ既に
スロットル全開で。
- 796 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 21:57
- 調子がいいとか悪いとか、そんな程度の問題じゃない。
それは、誰が見ても明らかにおかしいと感じるくらい激しい。
「ねぇねぇまりっぺ、どうしたんだろうね今日の高橋・・・・」
私の隣で見ていた梨華ちゃんがボソッと呟いた。
ほら、こんなキモイ奴でも気が付く程にいつもとは違う。
「プッ・・・クスクス・・・ひどーい矢口さん、それはあまり関係ないんじゃないですか?」
ドキッ!
聞き慣れた声にギョッとしながら反対側を見てみると、悪魔の微笑みを浮かべた重さん。
- 797 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 21:58
- 「・・・しげさんさぁ、黙って人の心を覗くのは無しにしようって言ったじゃん」
「違います違います、今のは読む前に矢口さんが自分で飛ばしてたんですよ?
・・・ヘェ〜、キモい石川でも気付くんだ・・・って」
「あっ・・・バカ」
「ちょっとー、まりっぺひど〜〜〜〜い!」
「あ〜・・・・・いや・・・ほら・・・梨華ちゃん落ち着いて・・・」
「そりゃ私だって気付きますよ!それとですね、私のキモいキャラを悪い方に取らな
いでください、私は常にポジティブなキモさを目指しているんですから」
「あ?・・・何だそれ・・・あのさ梨華ちゃん・・・ごめん、良く分からないわ」
- 798 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 21:59
- 「私はすーっごく良く分かります。だってさゆみ達6期が入った時よりも、今の方が
ずーっとキモさが増してますから」
・・・出たな毒舌重さん・・・怒られるぞー
「さっすがさゆ、分かってんじゃん」
あれ・・・・いいんだ・・・
「愛ちゃん、今日は朝から絶好調ですね」
一汗かいて引き上げてきた高橋に重さんが声を掛けた。
ほら、やっぱりみんなも気付いていたらしく、周囲でうんうんと肯いている。
- 799 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 22:00
- 「そうけ?・・・ん〜・・・まぁこれもガキさんのお陰やって・・・ねーガキさん♪」
「ちちちちょっとぉー!」
高橋がニンマリした途端、何を言い出すんだとばかりに隣で慌て出す新垣。
ムフ・・・美味しそうなネタの匂いがプンプンと漂っているゾ・・・・
「なになに?・・・昨日ガキさんと何かいい事でもあったの?」
疑問をストレートに高橋に投げ掛ける。
梨華ちゃんが私の腕をツンツンしながら小声で
「・・・ちょっと・・・まりっぺよしなさいってば!」
- 800 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 22:01
- まぁ、恐らく考えている事は同じなんだろうけど、愛垣コンビも公認カップルとなって
随分経つけれど、そっち方面の進捗状況ってあまり表立って話題にはならないから。
まぁ、どうせはぐらかすだろうと思っていたし。
しかし次の瞬間、高橋は満面のサル顔全開でこう言い放った。
「食べちゃった!」
「「「 え゛っ?」」」
その一言に、室内は静まり返った。
- 801 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 22:02
- 想定外の不意打ちをかまされてしまい、どうフォローをしていいのか迷った挙句に
出てきた言葉は・・・
「そ・・・そう・・・ガキさん食べられちゃったんだ・・・」
・・・単にネタを拾って増幅させただけだった。
そして・・・可哀想に、硬直したまま真っ赤になってプルプルしていた新垣は。
「んもぉ〜〜、愛ちゃんのばかぁ〜〜〜〜!」
そう叫ぶと、部屋を飛び出してしまった。
「あ〜あ・・・あのねぇまりっぺ、もういい大人なんだから少しは考えて発言しなさいよ」
「だってさぁ、まさか素で返されるなんて思わないじゃん」
- 802 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 22:03
- 「・・・ったくおバカなんだから」
『ゴスッ!』
「イテッ!」
梨華ちゃんにぐーで殴られた。
「ほら、早く何とかしないと」
「何とかって言ってもさぁ・・・どーする?梨華ちゃん、高橋もさぁ・・・何も開演前に
エロネタをカミングアウトするこたぁねーだろ・・・」
・・・ったく、しゃーねーな・・・
- 803 名前:One and only 投稿日:2007/09/19(水) 22:05
- 思い腰を上げようとした時、ドアの前をうろうろしていた亀ちゃんが、フッとこちらを
見ると、私を制するように首を横に振った。
・・・・・・ん?
意味が分からず見詰め返すと、今度は意を決したように頷いてから、ガキさんの
後を追うようにそっと部屋を出て行った。
なるほど・・・そういう事か。
あの亀ちゃんの目は、私に任せてくださいという意思表示だったんだ。
内心ホッとした。
何時の間にか私の知らないうちに、若いメンバー達もそれぞれ自分なりの役割を
担い始めていたようだ。
・・・頼んだよ・・・亀井ちゃん。
- 804 名前:たまえす 投稿日:2007/09/19(水) 22:07
- >>793 名無しの読者様
ありがとうございます。
現実の世界でも益々ミラクル旋風が猛威を奮いそうな気配がします。
>>794 7名無飼育さん様
ありがとうございます。
固定CP推しの作品が多い中、どういう訳かこんなとっちらかったスレに
なってしまいまして・・・w
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 805 名前:446 投稿日:2007/09/19(水) 23:03
- たまえすさん、更新乙です蟻です。
前々回の更新でほわ〜んとした気分になりその流れで前回分でほわわ〜んと
なって今回の6代目のある台詞でズッコケて・・・いろいろ楽しませてもらって
有難うございます。
もっさん無しのこんこんをとりまく人々も面白そうで、さゆこはも微笑ましいですね。
個人的には柴田さんに引きずられる石川さんを想像して笑いましたが。
次回更新も楽しみにお待ちしてます。
- 806 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:05
- 一方、部屋の真ん中でポケ〜っとしている高橋。
「追い掛けた方がいいんじゃない?」
「ん〜・・・」
梨華ちゃんが促すものの、頭をボリボリ掻いてるだけ。
「・・・またやってもーた・・・笑って護摩化してくれると思ったがし・・・ 」
まったく・・・・・
「ほら、早く謝りに行かないと」
もう一度梨華ちゃんがそう言うと、とぼとぼと部屋を出て行った。
- 807 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:06
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「ハァ〜・・・」
また愛ちゃんにバカって言っちゃった。
どうしていつもこうなんだろう・・・
そりゃー確かに愛ちゃんはバカだし?
みんながいる前であんな恥ずかしい事を言わなくてもいいじゃん。
ん〜〜〜、まぁ私が相手にしなければそれで済んでいたのかもしれないけれど?
ううん、でもやっぱり無神経な愛ちゃんが悪い。
いつもそう。
- 808 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:07
- 何かをしようとする時に、後でどうなるのかっていう事までは全然考えてないのね。
そんな数々のボケがある中で、結果的に偶然いい方向に転がっているだけ。
私の事にしても、本当に真剣に愛してくれているものと勝手に思ってはいるけれど、
さっきのように、とても不安になっちゃうようなことを平気でするし。
昨日の夜、あんなに優しく私を求めてくれた愛ちゃんはどこに行っちゃったの?
初めて全てを許した私の事を、心から気遣ってくれた。
お付き合いを始めてから、今までなんとなく中途半端だった私と愛ちゃんの距離。
それが、やっと無くなったんだって実感できたんだ。
- 809 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:07
- 私がはっきりしないばかりに、心ならずも今まで長い間抑圧させてしまっていた
愛ちゃんの欲求は、それはもう相当凄い事になっていただろうに。
それでも、私をメチャメチャにしてしまいたいという逸る気持ちを抑えながら、優しく
丁寧に・・・文字通り私の身も心もしゃぶり尽くしてくれた愛ちゃん。
なにせ初めての経験だったし、私の知識の中にあったラブシーンとはかなりかけ
離れた、私的なセオリーを一切無視した愛ちゃんの愛し方がとても新鮮で。
全然怖くなかったって言えば嘘になるし、いま思い出しただけでも気絶しそうなほど、
よくもまぁ我ながらあんな恥ずかしい事をしたものだと思うけれど。
そんな事をも忘れさせてくれる程、愛される喜びというものを感じることができた。
愛し合えたんだよね・・・私達。
- 810 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:08
- 次から次へと優しく激しく襲いかかってくる怒涛の快楽の波に翻弄されて。
気が付いた時には、何時の間にか淡く照明が点けられたお部屋の中で、愛ちゃん
に腕枕をされていた。
私の頬を優しく撫でてくれている愛ちゃんの慈愛に満ちた満足そうな表情を見た時、
これで本当に愛ちゃんと一つになれたんだって思ったら涙が止まらなくなっちゃって。
そんな私をしっかりと抱き締めてくれた愛ちゃんの温かさに感動して、まるで子供
のようにむせび泣いてしまった。
・・・・グスッ、思い出したらまた涙が出てきちゃった。
「・・・・ガキさぁ〜ん」
・・・・・・・?!
- 811 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:09
- カメだ・・・・
そっか、発作的に部屋を飛び出してきてしまったから、また心配して来てくれたんだ。
「ガキさ〜ん・・・・・あっ、み〜〜っけ!」
急速にパタパタと足音が近付いて来る。
心配を掛けないように、慌てて涙を拭う。
「・・・泣いてたの?」
「えっ? ・・・・ううん、大丈夫」
「よいしょっと・・・」
隣に腰掛けると、いつものように私の横顔をじーっと観察し始めた。
- 812 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:11
- カメはこうしていつも、私の表情から精神的なダメージの程度を推し量る。
今日はただ愛ちゃんに不意を突かれてしまって、冗談で受け流す余裕も無いまま
素のリアクションをしてしまったから、恥ずかしさでいたたまれずに逃げてきただけ。
それほど深刻なものじゃない。
・・・・・ん? ちょっと待てよ?
いや、そうでもないか。
私が愛ちゃんとエッチしましたって言っちゃったみたいなもんじゃん。
「愛ちゃんもさぁ・・・酷いよね・・・みんなの前であんなこと言わなくたっていいじゃん」
カメがまるで独り言でも言うようにボソッと呟く。
- 813 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:12
- 「きっと愛ちゃんはさ、ガキさんには何を言っても・・・自分の事を嫌いになる訳なんか
無いって思ってるんだよね」
確かに、それはそう思う。
「・・・ガキさん?」
「・・・ん?」
「恥ずかしかった?」
「うん」
「だよねぇ・・・・初めてだったのにぃ、あんな言い方は無いよね〜・・・」
「うん」
- 814 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:12
- 「・・・・・やっぱり」
「な・・・・なに?・・・・・・あ!」
の〜んびりとしたカメの口調に、何の疑問も持たずに相槌を打っていたけれど。
とんでもないカミングアウトをしてしまったことに今気付いた。
ボンッ!と顔が一気に火照って熱くなる。
「だってね、愛ちゃんは朝からあんな調子だし、ガキさんも今日はいつもと違って
・・・なんかね・・・綺麗なの」
「うそぉ〜〜」
「ううん、なんかね、いつもの可愛いガキさんじゃなくって、大人の女性のような
雰囲気ってゆーか、物腰が柔らかいってゆーか・・・・今日のガキさん色っぽい
ねって、さゆも言ってたもん」
- 815 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:13
- ・・・ってことは、さゆみんにもバレてるの?
「絵里達が娘。に入ってきた時にはもう2人ともラブラブだったのに、ガキさんは
本当に今まで愛ちゃんに大切に大切に愛されてきたんだね」
「そうでもないけど・・・」
「さっきの愛ちゃんの事はさ、許してあげようよ・・・本当に嬉しいんだよ愛ちゃん」
「・・・うん」
「絵里にはね、愛ちゃんの気持ちがとっても良く分かるの。 絵里もね、れーなが
初めて許してくれた時は嬉しくて嬉しくて、もうわんわん泣いちゃったもん」
「そうなの?」
- 816 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:14
- 「だってねだってね、同期で入ってずーっと一緒にいて、どうしてかは分からない
けれど、れーなの事が可愛くてたまらなくなっちゃって。 ふざけて抱き付いたり
ちゅーしたりしてるうちにどんどん本気になっちゃってね、だからツアーのホテル
で部屋が一緒になった時に、れーなが欲しいって打ち明けたんだけど、そしたら
気持ち悪いから近寄るなって。出て行けって言われたんだよ?」
「いつ?」
「ずーっと前」
「全然知らなかった」
「へへへ・・・でもすーっごいショックで、絵里は気持ち悪い人間なんだ・・・って本気
で落ち込んじゃった」
「じゃあさ、どうやって今みたくラブラブになったの?」
「その時のツアーの後半でね、れーなが風邪を引いて熱を出しちゃって」
- 817 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:15
- 「あ〜〜〜、あったあった・・・あの時か。・・・・ちょっと待った、思い出した。・・・確か
カメが凄いテンション落ちてて、どうしたのって聞いたらさ、ハンバーグを作ったら
失敗して落ち込んでるって言わなかった?」
「だって・・・あの頃はまだガキさんは大先輩で雲の上の人だったから、とてもそんな
相談なんかできなかったし、心配掛けちゃいけないと思って」
「ふぅ〜ん・・・そんな事を気にしてたんだ・・・でも、そうだよね・・・私もそうだったもん」
「うん。でね、辛そうなれーが可哀相で放っておけなくてね。もうじっとなんかしてい
られなくなっちゃって、れーなの部屋に行って、絵里に看病をやらせてくださいって
付き添ってたマネージャーさんにお願いして、一晩中れーなのアイスパックを交換
したり汗を拭いたりしてたの。いくら気持ちの悪い絵里でも、具合が悪くて寝てたら
分からないと思って」
「そうなんだ・・・あの時・・・てっきりマネージャーさんが付いているものと・・・」
「でも、結局途中で寝ちゃったんだけど・・・でも、朝になったられーなに起こされて、
れーなの顔は涙でぐちゃぐちゃになってて、あんな酷い事を言ったのにどうして
こんなに優しくしてくれるんだって聞かれて。だから、れーなが好きだからって
言ったの」
- 818 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:16
- 「・・・・そっか」
「うん。そしたらね、その日の夜にれーなが私の部屋に来てくれて、ちゃんと謝って
くれたの。・・・それで、その時にね・・・こんなれーなで良ければ可愛がってやってく
ださいって言ってくれたの」
「そうだったんだ、良かったねぇ」
「うん・・・もうホントに嬉しくて大泣きしちゃった。れーなの熱も下がったしぃ・・・・・
だからぁ・・・早速可愛がってあげちゃった♪」
「ハァ〜?」
「エヘヘヘ・・・ごちそうさまでした」
「あんたねぇ・・・」
- 819 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:17
- 「でもね、本当に嬉しかった。絵里は世界中で一番の幸せ者だって、本気でそう
思ったもん。・・・だって、大好きな人が何もかもみんな絵里だけのために許して
くれるんだもん。それも一方的じゃなくて、ちゃんとお互い愛し合えてるんだもん、
こんな幸せな事って無いじゃん?」
「・・・そうだね」
「愛ちゃんだって、今は天にも昇りたいようなとっても嬉しい気持ちなんだと思うの」
「うん」
「だからさ、許してあげようよ」
思い掛けずカメと田中っちの馴れ初めまで聞けてしまったけれど、それはきっと
カメが私を説得しようとして、わざと話してくれたに違いない。
「そうだね・・・ありがとう、優しいカメの心遣いは無駄にはしないよ」
- 820 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:18
- 「エヘヘ・・・そんなのいいですって・・・・ガキさん戻ろ?」
「・・・うん」
カメに手を引かれてリハーサル室へ戻ると、愛ちゃんが通路の壁に寄り掛かって
座り込んでいた。
「愛ちゃん」
声を掛けると、パッと立ち上がってバタバタ歩いてくるなり・・・
「すまんかった!」
そう言って深々と頭を下げた。
ほんとにもぉ〜・・・・
- 821 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:18
- 「ガキさんほら・・・」
カメが私の背中をポンッと押してくれて。
そのまま愛ちゃんに抱き締められる。
「ゴメン里沙ちゃん・・・あっし、いつもいつも・・・」
「怒ってないよ・・・しょーがないよ、だって愛ちゃんだもん」
「ごめん」
「・・・ねぇ愛ちゃん」
「・・・・ん?」
「また・・・・してくれる?」
- 822 名前:One and only 投稿日:2007/09/24(月) 18:19
- 「・・・・何を?」
「え゛っ? ・・・・だ、だからその・・・あれ・・・」
本当に分からないのか、それともとぼけているのか。
愛ちゃんの深意を測りかねていたら・・・
「・・・あれ? あれじゃ分からんて・・・・・・あ〜〜〜〜エッチの事か!」
普通にでっかい声でのたまわれて。
「なっ・・・もう知らない!・・・・・・愛ちゃんのばかぁ〜〜〜!」
腹を抱えて爆笑しているカメのお尻をひっぱたいて、再び部屋を飛び出した。
・・・クスクスッ、ホントにお馬鹿なんだから。
・・・・でも、大好きだよ・・・愛ちゃん。
- 823 名前:たまえす 投稿日:2007/09/24(月) 18:21
- >>805 446様
ありがとうございます。
ほわほわして頂けたようで何よりです。
石川さん、いつもこんなキャラばかりでごめんなさい・・・
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 824 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:43
- 「何で不貞腐れてんのよ」
「・・・美貴のセーラームーンをパクった」
「ハァ?・・・そんな事で怒ってたの?・・・大体、いつからたんのセーラームーンに
なったのよ」
「何だよザクザクムーンって」
「お芝居だし、そーゆー台本の役設定だったんだから、しゃーないじゃん」
「美貴の永遠の心のヒーローなんだかんね?」
「間違ってるから。女の子だったらヒロインでしょーが」
「知らねーよそんなの」
- 825 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:44
- 頑張ってるから絶対見に来てね・・・・って、美貴たんにお願いしてたんだけど。
千秋楽の今朝になって、今晩見に行くかんねーってメールが来て。
もう嬉しくって、いつもより更に気合を入れて臨んだ舞台。
私が意識をするといけないからって、楽屋にも顔を出してくれなくて。
舞台の上から必死に探したんだけれど結局見つけられず。
でも、たんが見てくれているって思うと、不思議と自然にお腹から声が出る。
終演を迎えてからスタッフさんや共演のキャストの皆さんと大成功を喜び合って。
寄り道もせずにいそいそと美貴たんちへ向かう。
- 826 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:45
- 展開が早くて複雑だから美貴たんがどれだけ理解をしてくれたかがちょっと不安
だったけど、やっぱり率直な感想が聞きたくて。
家に飛び込んでみると、意に反して何故か不機嫌な様子。
だから、どうしたの?・・・って聞いてみたら、冒頭の展開になったわけ。
「何だよ、月に代わってザクザクよ・・・って」
普通さ、良かったよ・・・・とか、頑張ったね・・・・とか言ってくれるもんでしょ?
「ハァ〜〜・・・もういい!・・・まともな感想を期待したあたしがバカだった」
と、諦めたその時・・・・
- 827 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:46
- 「ちょっと美貴ちゃん、いい加減にしなよ」
ずーっとあたしと美貴たんのやりとりを黙って聞いていた紺ちゃん。
「美貴ちゃんはね、そこが駄目なの。どうして素直な気持ちを言葉に出来ないの?
どうして亜弥ちゃんの前で照れ隠しをする必要があるのよ」
・・・・ん?
「ハァ〜?・・・照れ隠し?」
意外な紺ちゃんの言葉に驚いて、思わず反応してしまった。
「だって・・・・・」
バツが悪そうに唇を尖らせたまま、上目使いでこっちを見ている美貴たん。
- 828 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:47
- 「ねぇ美貴ちゃん・・・とっても面白かったって、筧さんのアドリブでお腹を抱えて爆笑
したって言ってたよね・・・頑張ってる亜弥ちゃんを見て凄く感動して泣いちゃったって
話してくれたじゃない、とても難しいお芝居を頑張って演じていた亜弥ちゃんの姿に
本当に心を打たれたって」
なぁ〜んだ・・・・そういうことか。
「だって・・・・・・」
照れ隠しでの憎まれ口だと分かったら、そんな美貴たんがとても可愛く見えて。
「たぁ〜〜〜〜ん!」
「ぅわぁ〜〜〜〜」
嬉しくなって、思わず美貴たんに思いっ切り抱き付いた。
- 829 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:47
- 「紺ちゃんてば余計な事を・・・・」
「たん、見に来てくれて・・・・アリガト」
「でも、ホントに楽しくて、だけど色々考えさせられる舞台だったよ。亜弥ちゃん・・・
千秋楽、本当にお疲れ様でした」
そう言って、優しく抱き締めてくれる美貴たん。
チラッと横を見ると、パチパチと小さく手を叩きながら、口パクで 「おつかれさまー」
と言ってくれてる笑顔の紺ちゃん。
・・・・嬉しいなぁ。
でも・・・・いっつも思うんだけど、どうして紺ちゃんは何かをする時に首がユラユラ
揺れるんだろう。
- 830 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:48
- 「・・・・じゃあ、二人ともお風呂に入ってきて? ご飯の準備するから」
「え・・・・いや・・・私は帰るから・・・って、え?」
断ろうとしたら、紺ちゃんの表情がドドーンと暗くなった。
たんは逆に笑顔で肯いている。
「亜弥ちゃんがお泊りしてくれると思って、もう3人分作っちゃったのに・・・」
クッソォ〜〜・・・その顔は反則だろ紺ちゃん!
結局、そのまま美貴たんに手を引かれてお風呂へ。
別に何をする訳でもなく、普通に二人で浴槽に身体を沈めて、一日の疲れを癒す。
・・・・平常心を装いながら、チラチラと私の裸体を盗み見している美貴たんの視線
には気付かない振りをしつつ・・・・・
- 831 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:49
- 「ん・・・・ふわぁ〜〜〜やっぱお風呂は気持ちいいねぇ」
わざと思いっ切り両手を挙げて胸を反らして、大きくのびをしてみる。
ほーら食い付いた、美貴たんが食い入るように私の胸を凝視している。
「・・・・・・たん?」
「あわわっ・・・な・・・なに」
「んはは・・・・そーんな慌てなくたって」
「ペ・・・別に慌ててなんか・・・」
「なに遠慮してんのさ」
「はぁ?・・・ば、馬鹿な事言わないでよ」
- 832 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:50
- 「・・・・はい、いいよ触って」
「じ・・・・じゃあちょっとだけ・・・」
「ほら、触りたいんじゃん・・・紺ちゃんは先に入っちゃったの?」
「うん・・・・美貴には亜弥ちゃんが来るまで待ってろって」
「ふーん」
「美貴がたま〜にこうして亜弥ちゃんといちゃついてるじゃん」
「うん」
「紺ちゃんは・・・ホントに平気なのかなぁ・・・」
「いいよって言われたんでしょ?」
- 833 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:51
- 「まあ・・・・」
「ならいいじゃん」
そんな事を言いながらも、たんは手を休める事無く私の胸を弄び続ける。
「亜弥ちゃんてさぁ」
「ん?」
「いつもどうやって欲求不満を解消してるの?」
「え゛?」
何を言い出すのかと思えばこいつは。
「べ・・・別にいいじゃん」
- 834 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:52
- 「ホストクラブとか?」
「そーんなことしてないわよ、普通に・・・・独りで・・・・・うっさいなぁ」
「相手は誰?」
「あんたはボケ老人か、いま独りでって言ったでしょ?」
「ちげーよ、妄想の中での相手」
「え・・・・・そ・・・・それは・・・・・」
「キス・・・・しよっか」
「ハァ〜?」
- 835 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:53
- いまさっき紺ちゃんの心配をしていたと思えば、今度は一体何なのよ。
「舞台でさ、亜弥ちゃん頑張ったじゃん・・・だから、疲れを癒してあげようかなって」
「ば・・・ばかなこと言わないでよ・・・・た・・・たん?」
いつもと違う真剣な表情。
私を抱き寄せる腕の力が強くなって・・・・
本気だ、どうしよう・・・
このままされてもいいの?
そんな気持ちとは裏腹に、目を閉じて受け入れようとしている自分が嫌になる。
「フッ・・・・亜弥ちゃんが先に目をつむっちゃうの?」
- 836 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:53
- 「え?」
「ダメじゃん、美貴との時は亜弥ちゃんがリードしてくれなくちゃ」
「あれ・・・・そうだっけ?」
「うん、はい・・・・いいよ」
目を閉じたたんのつやつやした唇に、まるで吸い寄せられるように唇を重ねた。
ごめんね紺ちゃん・・・
でも、やっぱり私・・・美貴たんが好き。
遠慮がちに合わせた自分の唇が小さく震えている。
『ザバッ!』
- 837 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:56
- 急にたんに強く抱き締められた。
密着した肌の艶めかしい感覚に、心臓のバクバクが止まらない。
・・・・・ニュルッ!
不意にたんの舌が滑り込んで来た。
そこまでしたらルール違反だと思って、今までずっとしなかったのに。
もう・・・・どうにでもなれ。
美貴たんと初めての本気のキス。
でも、本当に・・・本気?
今までずっと、ずーっと夢見てきたはずの美貴たんとの聖なるひととき。
- 838 名前:One and only 投稿日:2007/10/01(月) 21:58
- 大好きな美貴たんに強く抱き締められ、胸を揉みしだかれながら、何もかも溶けて
しまいそうなほど熱いディープ・キス。
でも、何故だか気持ちが高まらない。
脳裏に浮かぶのは・・・・・
そう、寂さを我慢して無理矢理に笑顔を作っている紺ちゃんの悲しそうな表情。
私だから美貴たんとの関係まで許せるなんて、そんなの詭弁だ。
絶対に紺ちゃんは辛い気持ちを隠しているはず・・・・
美貴たんのしなやかな温もりが、私を絡め取っては吸い上げる。
絶妙な口内への刺激を感じながら、私はそんなことをぼんやりと考えていた。
- 839 名前:たまえす 投稿日:2007/10/01(月) 21:59
-
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 840 名前:名無しの読者 投稿日:2007/10/03(水) 01:05
- 更新お疲れ様です。
う〜ん、三人それぞれの気持ちが分かるだけに切ないですね…。みんな幸せになってくれたら嬉しいです!!
- 841 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:45
- 本当にいいの?
私はこのまま・・・欲望の赴くまま、本能の欲するままに美貴たんに最後まで抱か
れてしまってもいいのだろうか・・・
美貴たんにこんなに素敵なキスをしてもらったんだから、もう充分じゃない?
私達の関係がここまで前進するのに、一体何年掛かったのだろう・・・
ううん、ちょっと待ってよ・・・
これって前進しているの?
・・・美貴たん、キスが上手なんだね・・・
本当に溶けちゃいそう。
- 842 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:46
- こうして美貴たんに抱かれる日を、何度夢に見てきたことだろう。
何十回・・・・いや、何百回・・・ううん、もっとたくさんかもしれない。
でも、あの夜美貴たんのマンションの下で泣いている紺ちゃんを見てしまった時に、
この子を幸せにしてあげたい・・・そう決心したのは私自身じゃなかったの?
このとろけるようなキスだって、たんと紺ちゃんが二人で時間を掛けて愛を育んで
きた証じゃない。
じゃなけりゃ、私がファースト・キスを奪った時と同じ、あのぎこちないキスのままな
はずだもの。
何時の間にか、美貴たんの手の感触が胸から消えていて、徐々に脇腹から下半身
へ移動しているのに気付いた。
・・・・・いいの?
- 843 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:47
- このまま最後まで求めてしまっても・・・
いつも美貴たんに抱かれているところを思い浮かべながら独りで慰めているけれど。
このまま大切な部分までたんに愛してもらえたら、どんなに素晴らしい絶頂が待って
いるのだろう・・・
想像しただけで失神してしまいそう。
・・・・・そうか!
美貴たんの優しい手の感触は、もう既に充分過ぎるほど、この身体と記憶に焼き
付けることが出来た。
いつも妄想していたよりも、遥かに優しくてしなやかな素敵な感触。
もし今ここでやめてしまっても、明日からの独りエッチは間違い無く昨日までのそれ
とは比べ物にならない位、素晴らしい世界が広がるに違いない。
- 844 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:48
- それに・・・・私、やっぱり紺ちゃんは裏切れない・・・
この先の聖域に踏み込む事は私の本意ではない。
でも・・・・こんなに気持ちいい・・・
ううん、お願い神様・・・・私に・・・・私に理性を下さい・・・・
一言、たった一言・・・・お願いもうやめて?・・・そう言えばいいだけじゃない。
そんな葛藤をしている間に、美貴たんの手が股間に滑り込んで来た。
ヤバイ、早くしないと本当に止められなくなっちゃう・・・
ところが、美貴たんの指先が私の核心を捉える寸前でピタッと止まった。
- 845 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:49
- と同時に、唇も開放された。
「どうする?」
「・・・・えっ?」
目の前には、とても穏やかな表情の美貴たん。
「ここで焦らすのは酷か・・・・じゃあ、続けるね?」
このひと・・・まさか私の気持ちを分かって・・・・
「・・・・・・ん?」
ほら・・・続けるとか言って、まだ私の返事を待ってくれている。
- 846 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:49
- 「・・・・・・たん」
「いいよ・・・亜弥ちゃんの好きなようにしてあげるから・・・・言ってみ?」
やっぱりそうなんだ。
たんの思いやりに気付いた途端・・・・
「う・・・うぅぅぅ・・・・たん・・・・」
涙が溢れ出した。
「分かった・・・・分かったから・・・泣かなくてもいいよ・・・」
滅多に聞けない美貴たんの優しい言葉使いに涙が加速する。
- 847 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:50
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
ずっと中途半端なままの亜弥ちゃんと美貴達の関係。
紺ちゃんはいつも美貴に対して、亜弥ちゃんに優しくしてあげて欲しいと言う。
しかし、今の均衡状態を破るという事は、即ち亜弥ちゃんとの関係を更に深いもの
へと発展せざるを得ないという事になる。
今日のこの状況だって、紺ちゃんはこうなると分かっていながら仕組んだはず。
紺ちゃんが望むのなら・・・そう思って始めてはみたものの、美貴自身がまだ納得
できていない。
亜弥ちゃんは、美貴からの愛の行為を心から受け入れてくれているのだろうか。
もし亜弥ちゃんにまだ葛藤する部分が残っているとしたら・・・逆に、精神的苦痛を
与えているだけだ。
- 848 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:51
- それに紺ちゃんだって、ここで美貴が亜弥ちゃんと最後までしてしまうのは、本当は
辛いんじゃないのかな。
だって、まだ美貴が紺ちゃんに最後までしてあげた事は一度も無いのだから。
だから・・・・・
美貴から仕掛けておいて本当に卑怯だとは思うけれど、最後の判断を亜弥ちゃんに
託すことにした。
大切な部分には触れないように気を付けながら、右手を亜弥ちゃんの股間へゆっくり
と差し入れる。
抱き締めた左腕の感触で、亜弥ちゃんが硬直するのがわかる。
- 849 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:52
- きっと、迷っているはず。
だけど敢えて聞いてみた。
「どうする?」
「・・・・えっ?」
顔を離すと、始めて見る亜弥ちゃんのトロンとした目。
正直ちょっと驚いた。
美貴の前で、亜弥ちゃんがこんなに無防備で気持ち良さそうな表情をするなんて・・・
「ここで焦らすのは酷か・・・・じゃあ、続けるね?」
- 850 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:52
- やっぱり、こんなところで止めるのはあまりにも残酷か・・・・
最後に、もう一度考える時間を作ってあげる。
「・・・・・・ん?」
すると、
「・・・・・・たん」
力の無い返事が返ってきた。
「いいよ・・・亜弥ちゃんの好きなようにしてあげるから・・・・言ってみ?」
もし美貴が欲しいと言うのなら、本気でイかせてあげるから・・・
- 851 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:53
- 「う・・・うぅぅぅ・・・・たん・・・・」
美貴を見詰める亜弥ちゃんの瞳から、ポロポロと涙がこぼれた。
またまたびっくり。
「分かった・・・・分かったから・・・泣かなくてもいいよ・・・ごめんね?ちゃんと最後
まで愛してあげるから」
そう言って、股間の右手に魂を込めようとしたら。
首を小さく横に振っている。
「うぅぅ・・・たん・・・もう・・・もう十分だよ・・・グスッ・・・」
- 852 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:54
- 「本当に・・・いいの?・・・このままじゃ亜弥ちゃんも辛いんじゃない?」
「ん・・・・・でも・・・ここから先は、たんと紺ちゃんだけの世界にしておきたいの・・・
・・・だから・・・」
「そっか・・・でもさぁ、美貴は紺ちゃんにも・・・ここまでしかした事が無いんだけど」
本当の事を言っただけなのに、素で驚きの表情のまま固まってしまった亜弥ちゃん。
しばしの沈黙ののち・・・
「・・・・・・・・・・・マジ?」
「うん」
「何で?」
- 853 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:55
- 「いや、何でって聞かれても・・・」
「今までずぅ〜〜〜っと?」
「だから・・・・うん」
「紺ちゃんて・・・一度もイかせてもらったことが無いの?」
「ううん・・・あのコはね、キスだけでイッちゃうほど感覚が鋭いの。だから最後までいく
前にいつも気を失っちゃって・・・」
「そうだったんだ・・・でもさ、それってちょっと可哀相・・・」
「どーしてさ」
「だってさ、自分で一人エッチとかもしなさそうじゃん?あの登りつめていく快感とか
果てた時の絶頂感を知らないなんてダ〜メでしょ」
- 854 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:55
- 「美貴は紺ちゃんにイかされちゃったけどね」
「ハァ〜〜?・・・どーゆーこと?」
「だから、美貴が紺ちゃんに攻められたの!凄過ぎて何度もイかされちゃって・・・
気が付いたら失神してた」
「おっどろいた・・・あの紺ちゃんが?」
「でも、一度だけなんだけど」
「そんな凄い経験をしちゃってさぁ、良く我慢できるねぇ」
「できなかったから・・・こんなんなっちゃったんだもん・・・」
「・・・・・・あ、ゴメン」
- 855 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:56
- この後悔は一生引きずりそう・・・
「たん・・・」
「ん?」
「キス・・・上手になったね」
「紺ちゃんのお蔭かな。だって紺ちゃんてね、美貴のキスが大好きなんだもん」
「キスなら・・・キスだけならいいよね・・・もう一度キス・・・欲しい」
「もちろん!」
亜弥ちゃんから求めてくれた事が嬉しくて、もう一度しっかりと抱き締める。
「んふっ・・・・」
- 856 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:57
- そのまま誠心誠意心を込めたキスを続けていると、ふと亜弥ちゃんの様子が
おかしい事に気付いた。
ギュッと美貴にしがみついて、亜弥ちゃんの口内を貪る美貴の舌技にうっとりして
いた筈が、次第に唇から漏れる吐息が激しくなってきて。
徐々にリズミカルになってきたが、美貴の刺激するタイミングとは全くずれている。
「・・・・・?」
ふと思い付いて、バスタブの中で所在不明になっている亜弥ちゃんの右手を探す。
キスを続けながら腕を辿ってゆくと・・・・・・・!
その指先は、亜弥ちゃん自身の秘部へ埋もれてうごめいていた。
- 857 名前:One and only 投稿日:2007/10/06(土) 06:59
- ・・・やだ亜弥ちゃん、自分でしてる・・・
ははぁ、そういう事か。
そういう事なら・・・・
今度は、ちゃんと亜弥ちゃんのリズムに合わせて、絡め取った舌を強めに吸い
上げる。
「んっ・・・ムフッ・・・ンンンッ・・・・」
バスルームの中には、時折漏れる亜弥ちゃんのくぐもった吐息と、チュルチュルと
いう淫靡な音が静かに響く。
次第に上り詰めて行って、一層の高まりを感じた瞬間・・・
ビクッビクッと痙攣をした亜弥ちゃんは、美貴の腕の中で大きく身体をのけ反るよう
にして果てた。
- 858 名前:たまえす 投稿日:2007/10/06(土) 07:00
- >>840 名無しの読者様
ありがとうございます。
人それぞれに幸せの感じ方も色々とあるのかなと思います。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 859 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:45
- 2人とも遅いな・・・
そんなに意気投合しちゃってるのかな・・・
あ・・・意気投合って、我ながら上手い表現よね・・・
だってさ、あんまし直接的な状況描写をしちゃうと限り無く落ち込みそうだもん。
自分から美貴ちゃんに嗾けたクセに。
私は大丈夫だからって言ったクセに。
なのに・・・
この気持ちは・・・・なに?
- 860 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:46
- 何だかとても切ない。
スープ・・・・冷めちゃった・・・
温め直さなくちゃ。
まだ出てこないのかな・・・
ちょっと様子を覗きに行ってみようかな・・・
・・・・・・・・・!
ち、違うもん!
そんなんじゃないもん。
- 861 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:46
- 美貴ちゃんと亜弥ちゃんの物凄いシーンを想像してしまった自分を呪う。
大丈夫、きっと・・・きっと上手く行ってるんだよね・・・これで良かったんだよね。
・・・ペッタン・・・パタッ・・・ペッタン・・・パタッ・・・
あ、出てきた。
・・・ん?
くて〜〜っとなった亜弥ちゃんを支えるようにして連れて来た美貴ちゃん。
「いやぁーごめんごめん、亜弥ちゃんてば風呂の中で寝ちゃってさぁ・・・よっぽど
疲れてたんだねぇ・・・」
嘘ばっかり。
- 862 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:47
- 「亜弥ちゃん大丈夫?」
「う・・・・うん・・・・・・」
「あ〜・・・ほら、お腹空いちゃったからご飯にしようよ」
明らかに不審な言動。
・・・・おかしいゾ?
亜弥ちゃんにしてあげてって言ったのは私だし、トロンとした亜弥ちゃんの目元
からは、全て上手く行った様子が窺える。
じゃあどうして・・・
「ねぇ美貴ちゃん、何か・・・隠してない?」
- 863 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:47
- 「え゛っ?・・・・あ・・・いや・・・・そんな隠すなんて・・・ねェ」
「ふ〜ん、ちょっとスープを温め直してくるから・・・」
ちょっと不機嫌そうに言い放ってから急いでキッチンへ行ってクッキングヒーターの
スイッチをONにして、忍び足で戻って廊下の陰から部屋の様子をそっと窺ってみる。
「たん・・・どうする?」
「な、何が?」
「紺ちゃん・・・・怒っちゃったじゃん」
「・・・・・うん」
- 864 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:48
- 「やっぱマズかったかなぁ」
「じゃあ・・・ホントの事を言っちゃおうか?」
「え゛っ?・・・・ダメダメ、それは駄目!」
「どーしてさ」
「だ・・・だって、イヤラシイ子だって思われたら嫌じゃん・・・」
「何だよそれ、訳分かんない」
「紺ちゃんに誤解されちゃうでしょ?」
「ハァ?・・・・誤解どころか、もうとっくに亜弥ちゃんはエッチが大好きって知ってるし」
- 865 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:48
- 「うそ・・・・・・・・・」
・・・・・・何の事だろう。
お風呂の中で、どんな凄いプレイをしたんだろう・・・
えっと・・・・・プレイ?
あわわっ、いけない・・・・お鍋お鍋・・・
部屋に戻ると、やはり不自然に背筋を正している2人。
まぁいいや、食後にもう一度聞いてみよう。
「はーい、お待たせしましたぁー」
- 866 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:49
- 「へぇ〜、これぜーんぶ紺ちゃんが作ったんだ・・・メッチャ美味しそうじゃん」
「亜弥ちゃん、紺ちゃんのは美味しそうじゃなくって、本当に美味しいんだからね?」
「フフッ・・・はい、どーぞ召し上がれ」
「「いっただっきま〜っす!」」
そして・・・・
お互いに牽制し合いつつ、微妙な距離を保ったままの夕食が始まった。
「ちょっと紺ちゃん、これ美味しい!」
「ほんと?良かったぁ〜」
- 867 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:50
- 「後でレシピを教えてくれる?」
「あ〜・・・こんなんで良ければいつでも」
「今度うちで作ってパパをびっくりさせてやろーっと」
「ホントにパパかぁ?」
「うろさいよバカたん、いるわけ無いじゃん・・・」
「ほー」
「じゃあさ紺ちゃん、来週オフがあるからうちに来ない?2人切りでお料理を作って
・・・美味しいワインなんかも用意しちゃったりしてー・・・おとな〜な雰囲気でお食事
をしてー・・・軽く気持ちくよ〜くなったところで一緒にお風呂に入ってー」
- 868 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:50
- 「え゛っ?・・・そっち目当てなの?」
「たんはちょっと黙ってて。・・・でね紺ちゃん、お風呂に入ったら当然イチャイチャとか
するじゃん?・・・それからどうするか分かる?」
あ〜あ、もうすっかりいつもの亜弥ちゃんに戻ってるし。
「ねェ紺ちゃ〜ん」
なんて可愛い声で甘えるんだろう。
でも負けるもんか・・・
「えっと、さっきお風呂で亜弥ちゃんが美貴ちゃんとしてたみたいなこと?」
「・・・・・はぃ?」
- 869 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:51
- お?亜弥ちゃんが固まった。
「ねー美貴ちゃん!」
「美貴は何にもしてなぁ〜いし、亜弥ちゃんが自分で勝手にイッちゃ・・・」
「わぁ〜〜〜っ、ちょちょちょっとー!」
急に真っ赤になって、慌てて美貴ちゃんの口を塞ごうとする亜弥ちゃん。
・・・・・・え?
「・・・・自分で?」
「折角さぁ、美貴がイかせてあげるって言ってんのに・・・・」
- 870 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:51
- 「たん、お願いだから言わないで!」
「こいつさぁ、独りエッチして自分だけイってやんの」
「信じらんない・・・」
更に赤くなって、後ろにひっくり返っちゃった亜弥ちゃん。
「え・・・・どうして・・・」
「もうやだ」
あらら、クッションで顔を隠しちゃった。
「・・・美貴ちゃん?」
- 871 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:52
- 「うん、キスでトロトロになって結構いい雰囲気だったんだよね。でも亜弥ちゃんに
さ、美貴は紺ちゃんにも最後までしたことが無いんだよって言ったらね、ここから先
は美貴と紺ちゃんだけの世界として大切にして欲しい・・・とか何とか言っちゃって、
自分の指でしてイっちゃったんだ」
「・・・そんな」
「紺ちゃんよりも先に美貴にしてもらうなんてできないって・・・」
な・・・・・・
そーっとクッションを持ち上げてみる。
「亜弥ちゃん・・・」
- 872 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:52
- 「ゴメン・・・知らなかった・・・あたし、てっきり・・・もうとっくに・・・」
うるうるの瞳で私を見詰める亜弥ちゃん。
まったくこの人は・・・・
どこまで私に気を遣えば気が済むのだろう。
「亜弥ちゃんありがとう、本当はちょっと怖かったの。・・・ううん、どっちが先にとか
じゃなくって・・・」
「よいしょっと・・・分かってる・・・・分かってるから・・・・」
ムクッと起き上がって私の手を握ると、そう言って微笑んだ亜弥ちゃん。
- 873 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:53
- 「あ・・・あともう一つゴメンね?キスは本気でしちゃいました・・・」
プッ・・・・クスクス・・・
「凄いでしょ?美貴ちゃんのキスって」
「うん、紺ちゃんが最後まで持たないのも分かる気がする」
「・・・・・な」
「ってことはさぁ、たんといつもキスをしてる紺ちゃんも、あんなに凄いキスが出来
るってことだよねェ・・・」
「へっ?」
「後でさ、ちょっと試させてよ」
- 874 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:53
- 「え〜〜〜!」
「だーかーらー、この普段清楚な紺ちゃんが、どんな濃厚ないやらしいキスをして
くれるのかを試してみたいなー・・・なんて」
「えっ?えっ?・・・あ〜〜・・・ど、どうしよう美貴ちゃん・・・・・って、あぁっ!」
「ん?・・・あ゛ー、ちょ〜〜っとたん何やってんのさ・・・それ、あたしのお肉じゃん!」
口一杯に頬張ってモグモグしながら、更に亜弥ちゃんのお皿に手を伸ばしたまま
硬直した美貴ちゃん。
そのフォークの先には、程良く焼けた最後の一つが刺さっていて・・・
「ちょっとー、まだ少ししか食べてなかったのに〜〜!」
- 875 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:54
- 「ン・・・・・ングッ・・・モグモグ・・・ゲホッ」
「うわ〜っ、汚いなぁ」
頬張り過ぎてて喋れないんだ・・・
まったく。
まだ手を付けていなかった私のお皿と亜弥ちゃんのを取り替えてあげる。
「あ、そんな・・・悪いよ紺ちゃん」
「ううん、亜弥ちゃんは舞台で動き回ってお腹が空いてるでしょ?」
「そーお?・・・じゃ遠慮なく頂くね?・・・ありがとう」
- 876 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:55
- 「美貴ちゃんは何もしてないのに食欲だけはあるのね」
「ングッ・・・・ケホッ・・・・・フンッ、性欲だってあるもん・・・」
「な・・・だからって亜弥ちゃんのまで食べなくたって・・・」
「お風呂で亜弥ちゃんを食べそこなったから代わりに肉で我慢してやってんのに」
「何なのよそれ・・・いいじゃん、どうせ後で紺ちゃんを食べるんだから」
「ブッ・・・ちょっと2人とも何言ってるの、食事中だよ?」
「・・・ほら怒られた」
「バカたん・・・ぱくっ・・・うん、美味しいわ〜・・・このソースが絶妙なんだよね・・・・
そう言えばさ、紺ちゃんは美貴たんのことを攻めてイカせまくって失神させちゃう
程テクニシャンなんだよね」
- 877 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:55
- 「えぇっ?」
「ね、たんを可愛がるのってどんな感じなの?」
「し・・・知らないもん」
「いいじゃ〜〜ん・・・ねぇ紺ちゃん・・・美貴たんてさ、エッチの時ってどんな声を
出したりするの?」
「な・・・・どうしてすぐ下ネタになっちゃうのよ!」
「来週うちに来た時にさ、私の事も抱いていいよ?」
「亜弥ちゃん!」
- 878 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:57
- とっても楽しい(・・・?)夕食の後。
亜弥ちゃんお勧めの梅酒を3人で頂きながら、まったりとしたひととき。
お腹が一杯になってお酒が入った途端、半眠状態に陥った亜弥ちゃん。
舞台に打ち込んで相当疲れていたのだろう、美貴ちゃんにもたれたままユラユラと
黄昏る姿がとても愛らしい。
「美貴ちゃん、もう寝かせてあげようよ」
「・・・・だね」
そーっと2人でベッドに抱え上げる。
「おやすみ亜弥ちゃん、いい夢見てね・・・・チュ!」
- 879 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:57
- こんな光景を目の前で見ても微笑ましく感じるようになった自分にちょっと驚いてる。
「ほら・・・紺ちゃんも」
「ふぇ?」
「亜弥ちゃんにおやすみのキス」
「えっ?・・・・えぇっ?」
びっくりしたけれど、隣でうなずく美貴ちゃんの表情はとても穏やかで。
不思議とドキドキが治まって、純粋な優しい気持ちになっていた。
「・・・・・うん」
- 880 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:58
- 亜弥ちゃんの寝顔を良く見てみる。
スッピンなのにとっても綺麗。
「亜弥ちゃんお疲れ様でした。おやすみなさい・・・・・・チュ!」
「いい子だね、紺ちゃんは・・・」
そう言いながら美貴ちゃんは後ろからギュッと抱き締めてくれた。
「紺ちゃん・・・」
「ん?」
振り向いた唇が優しい温もりで包まれた。
- 881 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:59
- ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
亜弥ちゃんの寝息を聞きながら、今日の舞台のあらすじを美貴ちゃんが話して
くれて。
「ねえ美貴ちゃん」
「ん?」
「私達も、終点の南十字星まで行けるのかな」
「紺ちゃんは行けるさ。自分の意思を持って自分の足でちゃんと前に進んでるじゃん」
「美貴ちゃんは?」
「ん・・・・どうやら、一枚しかない切符を無くしちゃったらしい」
「え?・・・・・・じゃあ・・・どうするの?」
- 882 名前:One and only 投稿日:2007/10/14(日) 23:59
- 「もうお終い・・・・・かな」
「探さないの?」
「・・・ん?」
「切符」
「なんかさ、ちょっと疲れた」
「そっか・・・じゃあ・・・少し休んだら一緒に探さない?」
「でも・・・正直、美貴もどうしたらいいのか分からないんだよね・・・」
「私・・・美貴ちゃんの歌が大好き」
- 883 名前:One and only 投稿日:2007/10/15(月) 00:00
- 「紺ちゃん・・・・・・」
「もう一度・・・もう一度、歌ってる美貴ちゃんが見たいな」
「うぅぅ・・・紺ちゃん・・・」
「いつか・・・いつかきっと、また歌える日が来るよね?」
「・・・ごめん」
「私、また美貴ちゃんがステージに立てる日が来る事を信じてる」
「・・・そうだね・・・ポジティブに意識を持たなくちゃね」
「うん・・・その日が来るまでは私が美貴ちゃんの支えになるから」
「ありがとう・・・ありがとう紺ちゃん・・・」
- 884 名前:One and only 投稿日:2007/10/15(月) 00:00
- 未来の事なんて誰にも分からない。
少しでもより良い未来を手に入れるために、人は努力をする。
頑張った人と怠けた人、どちらに女神が微笑むかは誰でも知っている。
でも、時々訪れる魅惑的な悪魔の誘い。
どんなに強固な意志を持ってしても払い除けることができないときもある。
だから・・・きっと神様はもう一度チャンスをくれるはず・・・
神様お願いです、もう一度美貴ちゃんにチャンスをお与え下さい。
- 885 名前:One and only 投稿日:2007/10/15(月) 00:01
-
「紺ちゃん・・・愛してる・・・」
「美貴ちゃん・・・・・」
このキスのように・・・
幸せな未来が訪れますように。
One and only 完
- 886 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/15(月) 02:58
- 完結お疲れさまです
ほんとに色んなことがあった2人…と巻き込まれた1人でしたがw、
3人ともが幸せそうで読んでる私がうれしくなってしまいました
ちょっと遡ってみたらこの「One and only」だけでほぼ2スレ続いてるんですね
ほんとに凄い
これだけ長く好きな雰囲気のお話を読んでいられてほんと幸せです
- 887 名前:446 投稿日:2007/10/15(月) 23:17
- 作者さん、完結乙です。
>>881以降の2人の会話の流れにPCの画面が滲んで見えてのは私だけでしょうか?
そしてリアル2人に(他のハロメンにも)幸運の追い風が吹いてくれることを願うばかりです。
One and onlyの間にハロプロにあった出来事と自分自身にあった出来事を重ねてたら
いろんな事がありすぎて・・・(圧倒的に凹み悩んだ事が多かったのですがw)
そんな自分を暖かい気分にさせてくれたり、爆笑させてくれたり、また考えさせてくれて
本当に感謝しています。
次回は新スレですか?それともここで終わりか分からないですが、更新有難うです。
- 888 名前:名無しの読者 投稿日:2007/10/16(火) 01:28
- One and onlyの完結お疲れ様でした。
リアル世界をベースに書かれているからなのかもしれませんが、作者様はハロメンの描写がとても上手いと思います。自分はこのお話の中心の紺美貴には、幸せな気分になってほんわかしたり、色々な出来事で涙したり、相当感情移入してしまいました。もちろん他のメンバーも同様にとても楽しく読ませて頂きました。(次スレあれば嬉しいですが…)今はお疲れ様とありがとうございましたの言葉を贈らせていただきます!
- 889 名前:たまえす 投稿日:2007/10/17(水) 23:04
- >>886 名無飼育さん様
ありがとうございます。
このような駄スレに足を止めて頂いたことだけでも嬉しいのに、ご覧
になられて喜んで頂けるなんて本当に感謝感激です。
自分でもこんなに長く続けることになるとは夢にも思いませんでした
ので、自分自身で驚いています。
- 890 名前:たまえす 投稿日:2007/10/17(水) 23:05
- >>887 446様
ありがとうございます。
このような気持ちに共感して下さる方もいるのかなと思い、心の叫び
を紺野さんに託してみました。
〜onlyの間、本当に色々な事がありました。あまりにも現実の展開が
速過ぎて戸惑う事もありましたが、彼女達を見ていると、自分の心が
少しずつ豊かになってくるような、そんな気がします。
- 891 名前:たまえす 投稿日:2007/10/17(水) 23:06
- >>888 名無しの読者様
ありがとうございます。
このお話を書き始めてからライブなどでも自然とメンバー一人一人を
良く観察するようになりまして、生来の惚れっぽい性格とも相まって
その結果、このようになってしまいました。
その中でもどういう訳か紺野さんと藤本さんの両極端な性格がとても
魅力的に感じられまして、結局大部分がお2人のお話となってしまっ
た次第です。
- 892 名前:たまえす 投稿日:2007/10/17(水) 23:08
- 2004年に初めてスレを立ててから3年が経ち、人の迷惑も顧みず
に立てたスレが5つになりました。
少しダラダラと続け過ぎたような気もしますが、それでも大勢の方に
読んで頂き、厳しいご指導や温かい励ましのお言葉などを頂戴しなが
ら徒然なるままに勝手な妄想を書き綴ってまいりました。
今のところ次スレの予定はございませんが、優柔不断なB型ですので
二度と書かないとも言い切れません。
取り敢えず、暫くは仕事の合間に時間を作って現場進出に励もうかな
と考えています。
ご覧下さいました皆様には心から感謝を申し上げます。
どうもありがとうございました。
- 893 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/19(金) 23:06
- 長い間お疲れ様でした!
作者さんの作品の雰囲気が凄く好きでいつも楽しみにしていました。
リアルと同時進行ですが凄いと思いながらいつも読んでいました。
また作者さんの作品が読める日が来るのを楽しみにしています。
・・・ただ、愛ガキとさゆこはの続きが密かに気になりますw
- 894 名前:たまえす 投稿日:2007/10/20(土) 08:42
- >>893 名無飼育さん様
ありがとうございます。
およそ小説と語るには程遠いものでしたが、それでも読んで下さる
皆様の温かい心に支えられてここまで来ることができました。
私的にもこの妄想の世界は本当に楽しい場所でしたので、一緒に楽
しんで下さる方がいるという事が何よりの幸せでした。
愛垣は定番かと思いますが、さゆこはCPは振り逃げ気味になって
しまったかも…
これからも一生懸命に頑張っている彼女達を応援宜しくお願い致します。
- 895 名前:446 投稿日:2007/10/20(土) 09:49
- たまえすさん、長い間乙でした。リアルタイムの作品ならではのご苦労大変だった上
リアルハロプロの怒涛の展開で頭を抱えたことも多かったのではないでしょうか?
次スレ予定は無いとの事ですがここは専ブラのお気に入りにdat入りするまで残します。
文章もそうですが毎度の丁寧なレス返しにも作品同様、共感したことも多々ありました。
446も>>893さんと同様にたまえすさんの作品が読める日が来るのを楽しみにしてる一人です。
- 896 名前:たまえす 投稿日:2007/10/21(日) 01:14
- >>895 446様
重ね重ねありがとうございます。
娘。も10年目ならばこちらも気付けば職場で責任ある立場となってしまい、
ネタを拾おうにも貧乏ヒマ無し勤め人のため、このスレのCP関連ツアー
全てに参戦などできる筈も無く、それでも彼女達の事を考える時間は仕事
の疲れを癒してくれるとても楽しい時間でした。
拙い駄文ではありましたが、贔屓にして頂きまして本当に感謝しております。
もしいつか余裕ができたならば6スレ目が立つ日が来るかもしれませんが、
今はもう少しハローの動向を静思したいと思います。
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