きまぐれ

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/30(月) 05:13
きまぐれで書いて見た話を幾つか載せたいと思います。
一番、最初ですが主人公の名前を彼女に統一しておきます。
時間があるようでしたら、誰だか予想して下さい。
2 名前:WHO 投稿日:2007/04/30(月) 05:15


  どこだろう・・・・記憶に無い
  

辺りを見渡すが、そこには自分の家には置かれて無い家具ばかり。
しかし、どこか懐かしい雰囲気を漂わせていた。
しばし、辺りを見回していると――

『お姉ちゃん、どこへ行くの?』

――と悲しげな顔をした小さな子が彼女の下へやって来た。
彼女は若干、悲しげな表情で小さな子に話しかける。

「・・・・遠いところ」

すると小さな子は悲しげな表情をし――

『もう会えないの?』

――と彼女に問いかけた。
その言葉にすぐには応えられなかった。
3 名前:WHO 投稿日:2007/04/30(月) 05:16

「・・・・すぐには会えないかも知れない」

彼女の言葉に小さな子は涙ぐむ。

「だけど、私が大きくなった時には絶対に会いに行くから・・・・」
『・・・・本当?』

まっすぐな目で涙を浮かべながら彼女の方を見る。
彼女は小さな子に対して、笑顔を作り、右手の小指を差し出した。

「約束する」
『約束だよ?
 嘘ついたら針千本だからね・・・・』


――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――
――――
4 名前:WHO 投稿日:2007/04/30(月) 05:16

パッと見開かれる目――
辺りを見渡すと闇に包まれている。

  また、この夢か・・・・

小さい頃から何度も見続けた夢。
小さい頃に見たドラマの光景が何故か、未だに夢となって現れる。
このドラマに余程、感銘を受けていたんだろう。
子役の子は小さい頃は鮮明に映し出されて居たが年を取るに連れて、
少女の顔はぼやけて来ている。

「ふー・・・・・ん」

大きく体を伸ばし、目覚ましを見る。
時計の針は3時半――いつもだったら、まだ寝ている時間である。
何度か寝ようとトライするが色々な事を考えてしまい、寝付けない。

「ふぁ〜あ・・・・」

観念した彼女は、眠気が多少残っている状態だが起きる事にした。

5 名前:WHO 投稿日:2007/04/30(月) 05:17



  味は――良し、出来上がり・・・・


朝食の支度を終え、食器を並べる。
一通り並べた後、時計の針を見るとまだ4時40分。
このまま、寝ても良いのだが今の状態で床についた所でとてもでは
無いが眠りにつく事が出来ない。

かと言ってもこの時間帯は見たいテレビはやって無く、新聞も一通り
読み終えてしまった為、本当にやる事が無くなってしまった。

「はぁ・・・・仕方が無い。走るか――」

  今日は体を休めようと思ったのに――

――と心の中で呟きながら、トボトボと自分の部屋に戻り、ジャージに
着替え始めた。

6 名前:WHO 投稿日:2007/04/30(月) 05:17


『おはようございます』
「おはようございます」

大学生ぐらいの新聞配達のバイト君。

『おはよう。いい天気ね』
「おはようございます。そうですね」

いつも同じ場所ですれ違う犬の散歩のおばさん。

『おはよう』
「おはようございます」

そこら辺の若い男の子よりよっぽど元気そうなおじいちゃん。
結局はいつもと変わらない日課を過ごしている。

左腕に着けている腕時計を見る――
時計の針は5時半を差そうとしていた。

7 名前:WHO 投稿日:2007/04/30(月) 05:18


自分の住処に戻ろうとした時、近所にある養護施設にて自分と同じ年
ぐらいの女の子が花に水をあげている姿が目に入った。

「綺麗な花だね」

彼女は、女の子に声をかける。
女の子は、彼女の声で初めて存在を気付いたようだ。
人見知りなのであろうか、女の子は若干の戸惑った表情を見せながら
頷いた。

「花が好きなの?」

彼女の質問に女の子は答えなかった。

  ・・・・ま、初対面だから仕方が無いか――

初めの返事で警戒されている事には気付いていた。
ただ、それは何故だかは分らなかった。
戸惑いを見せるのは分かる。
いきなり、見ず知らずの人間に話し掛けられてフレンドリーに話せと
言う方が無理がある。
ただ、彼女が感じたのはそう言った物とは違い、感じたのは警戒心。
それも普通の警戒心では無く、蛇に睨まれた蛙のようであった。

8 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/25(金) 05:02

少女と別れた後、彼女は再び走り始める。
走っていると段々と調子が上がって来る。
この日は体を休めるつもりであった事など覚えていない。

ただ、今は只管に走り続けたくなった。
走る事は彼女にとっての辛い事、悲しい事、やり切れない事、色々と
胸に秘めている全ての事を忘れさせてくれる。

走る
走る
ただ只管に――。

そして、気がつくと自らが住んでいるマンションの直ぐ近くまで辿り
着く――嫌いであった走ると言う行為、これがいつも通りのメニュー
では物足りなさでさえ感じるくらい調子は良かった。

本来はもう少し走っていたかったが、他にもやる事があるので今回は
自分の部屋に戻る事にした。

9 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/25(金) 05:03


  
   悲しげな顔をしていた彼女
  
  
   悲しげな顔をしていたが可愛い顔をしていた彼女
  

   笑えばもっと可愛い顔であろう彼女

  
   その彼女が何故か悲しそうな顔をしている。


   何でだろう――


10 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/25(金) 05:03




   何故、あんなに悲しそうな顔をしているのか?


   何故、あんなに私に対して怯えた表情をしたのだろうか?


   ――って言うか、何故、私はあの子の事を考えてるのだろう・・・・





11 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/25(金) 05:05


何故か、少女の事を思い浮かべていた事に気付く。
らしくないな・・・・と思いつつ、笑みを浮かべ、風呂場の中に入って行った――
   
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/25(金) 05:05




彼女がシャワーから出てから約10分後――



13 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/25(金) 05:06


「ふぁ〜あ・・・・おはよう――」
シャワーを浴び、髪を乾かした彼女は体を解す為にストレッチを行って
いるとルームメイトである里田舞が目を覚ました。

「おはよう」
舞の起床と共に入念に行っていたストレッチを終了し、彼女と共に朝食を
取る事にする。

「ぅわは・・・・豪勢だね」
目の前に並べられたちょっとしたホテル風の朝食に寝ぼけ眼だった目が
パッチリと開く。

「少し早く目が覚めたからね」
暖めなおしたスープを注ぎ、舞と自分の座り場所にスープを置くと自分の
席に座り、食事を始めた――。

14 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/25(金) 05:41


「――でさ・・・・」
内容は他愛のない物――それを嬉しそうに話す舞。
その他愛も無い話が彼女は好きである。いや、他愛の無い話をする舞の
屈託の無い笑顔が――と言う表現が適切かも知れない。

アイドル顔負けのルックスとモデルのようなスタイルの持ち主である舞は
青年誌のグラビアにも出た事があり、大学生ながらもプロとしてテニスで
活躍している。そして、こんな恵まれた条件の持ち主でありながらも
天狗になっている様子など微塵にも見せないので男女を問わずに誰からも
人気度は高かった。

「・・・・そうそう。今日、暇でしょ?」
「ごめん、ちょっと先約が居て――」
嘘である。特定の人もいない彼女はバイトもやっておらず、大学の講義も
この日は無い。しかし、いきなり暇である事を前提に離しかけられると
気分は良く無い物である。しかし――

「嘘でしょ」
あっさりとバレた嘘。
「すみません、嘘をついてました」
素直に謝り、そして、どちらとも無く互いに笑い始めた。

15 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/27(日) 08:15


舞が出かけた後、彼女は再び仮眠を取る事にした。

目を瞑る。しかし、頭の中で色々な事が思い浮かび、
眠る事が出来ない。あれこれと色々な事を考えてはそれを打ち消し、
そして、辿り着いた先はさっきの少女の事であった。

美人だった――
彼女も周りからは美人と言われるが彼女が言われる美人とは
違った可愛らしさも備わっていた物であった。

「笑えばもっと可愛いだろうに――」

彼女の事を考えている内に本人が意識するまでも無く、夢の
世界へと誘われて行った――。

16 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/27(日) 08:15





「だけど、私が大きくなった時には絶対に会いに行くから・・・・」
『・・・・本当?』

まっすぐな目で涙を浮かべながら彼女の方を見る。
彼女は小さな子に対して、笑顔を作り、右手の小指を差し出した。

「約束する」
『約束だよ?
 嘘ついたら針千本だからね・・・・』
女の子の言葉に少女は頷き、互いの小指と小指を絡ませ――

「『指きりげんまん嘘ついたら針千本のーます』」


――――――――――――
――――――――
――――
――

17 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/27(日) 08:17



いつもの夢、しかもいつもより長かった。




18 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/27(日) 08:17


夢の世界からの生還した彼女――時計を見ると午後の2時を
指している。夢の世界にいた時間は短けれど、過ぎた時間は
実際の感覚より長い物で舞との約束の時間に差し迫ろうとしてた。

「ぅん〜・・・・はぁ」
体を伸ばし、倦怠感を取り除くと色々と持ち合わせている感情の
全てをため息に込めて吐き出すとしばしの無心の時を過ごす。

「・・・・さて、そろそろ準備しますか――」
気持ちの切り替えが終わった後、スクッと立ち上がり、支度を
始める。

一通りの支度を終え出かけようとした時、一本の電話が鳴った――。

19 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/27(日) 08:18


大学付近に辿り着く。
周りには彼女達が通う学生で満ち溢れていた。

「ふぅ・・・・」
どこか表情が冴えない。それもその筈、出かける前にかかって来た
のは無言電話だった――それも二度もである。
一度目で既に頭に来ていたので二度目は淡々とした声で注意をする。
すると"ごめんなさい"の一言を言い残し、切ってしまった。
それからはかかって来なかったが彼女の機嫌は最悪な物となっていた。

  ――ったく、謝るぐらいならやるなつーの

彼女のオーラにナンパ目的で近寄って来た男達も寸前で足を止める。
女性達はモーゼの十戒の如く、道の両端へと分かれた――。

20 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/27(日) 08:20

大学の裏門の前で舞が彼女の到着を待つ。
彼女が来る間、大学の見学に来た者や初めて舞の事を生で見た者は皆、
記念撮影やサインを強請る。舞もこう言った事は一度や二度では無い
ので既に慣れたもんであった。

  サインを求められるのは嬉しいんだけどね・・・・
  私はまだそんな人間では無いからね

持ち前の美形で一気にクローズアップされ、前回の全米でベスト8と
言う大健闘を見せた彼女は一気に時の人となった。
そして、今では否が追うでも注目を浴びざる得ない立場となる。
自分では分かっていた――前回のは実力では無い事を。
21 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/27(日) 08:21

確かに日本では敵無しになりつつある彼女だが、世界となると全く話が
別となる。前回の全米では勢いと組み合わせに恵まれた事により、
何とかベスト8まで残ったが、この事により世間から浴びせられる
プレッシャーがより強い物となっていた。

練習相手が欲しい――自分と同等、あるいはそれ以上の人間の事を国内に
いる選手をあれこれと思い出していた時、中高と何度も苦渋の飲ませられて
来た彼女の顔が思い浮かんだ――。

舞にとっては賭けであった。
彼女からテニスを奪い、ようやく見つけ出した新しい目標でさえも後輩の
手に奪われようとしている彼女にこう言った願いを言い出す事は――。
22 名前:作者 投稿日:2007/05/28(月) 04:37
突然ですがしばらくお休みをさせて頂きます。
完全な休筆宣言です。理由はモチベーションの低下です。
モチベーションの上昇と共に再開します。
23 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/29(火) 04:38
勝手にすればぁ〜〜。
24 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/29(火) 11:08
マジで気まぐれだな(笑)
25 名前:作者 投稿日:2007/05/31(木) 05:36
>>23
そうします

>>24
タイトル通りでしょ(笑)
26 名前:作者 投稿日:2007/06/20(水) 13:07
再開するまで落とします
27 名前:作者 投稿日:2007/06/30(土) 08:32
次回から彼女と言う表現をやめて、名前をそのまま出すようにします。
因みに彼女=柴田って言う事で。
28 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/08(土) 01:35
29 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/08(土) 09:01
 
30 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/07(日) 15:02
使わねーんなら貰うぞ

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