An escape END.

1 名前:*Plum* 投稿日:2007/07/30(月) 15:10
こんにちは。

拙い文章ですがどうぞよろしくお願いします。

かなり暗めのみきれなです。
2 名前:An escape END. 投稿日:2007/07/30(月) 15:14


【愛する人が壊れてくのって幸せだね。】




3 名前:An escape END. 投稿日:2007/07/30(月) 15:37
ほんとうにしあわせ?

幸せだよ!!


あんたをあんただとわからなくても?あんたがいくらじぶんのなまえをいいきかせてもまっくろでまっくろでまっくろなまなこはあんたをにんしきしないのに?


それでもずっと側にいてくれる!!


じぶんでもわかってるくせに。


うるさいぃぃいいーー!!!!
美貴には美貴の幸せの形があんの!!
美貴の中に勝手に入ってこないでよ!!


いいかげんじゆうにしてあげたら?


いやァァああーー!!!!



…美貴が、居なきゃダメなの…
ぁ、あの子には美貴が…






幸せ感じて何が悪いのさ…

お願いだから…もう美貴を犯さないで…









にげてんじゃねぇよ。
4 名前:An escape END. 投稿日:2007/07/30(月) 15:40



れいなが美貴のモノになってから、毎日幸せだった。


頭を撫でてあげると、れいなも幸せそうに微笑んでいたし

母を求めて美貴の胸に吸い付くれいなが可愛いくて堪らなかった。




セックスはしない。

れいなは美貴がわからないから。


それでもいい、と
美貴の勝手な感情をぶつけた時、


れいなは引きつったように痙攣を起こした。

必死で抱き上げて、背中を擦って、泣きわめいて、謝って、懇願した。




その時からかな…




美貴も美貴じゃなくなった。


5 名前:名無し飼育さん 投稿日:2007/07/30(月) 22:44
気になる感じ!期待!
6 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/01(水) 01:25


「ただいま」

毎朝、家に帰る度に美貴の淡い期待は簡単に崩れ去る。




れいなが美貴に「おかえり」だなんて言うはずがないのに。



それでも、淡い期待は止められない。




「なんだ、ここにいたんだ。」



リビングのソファの足もと、まるで胎児のようにれいなは丸まっていた。



7 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/01(水) 01:28


「れいな、朝ごはん食べようか。あったかいココア入れてあげるから。」




なるべく笑顔で、
なるべく優しく、
美貴が「良い人」だとれいなの頭にインプットされるように…。




れいなは答えないから、勝手にごはんの支度をする。


今日は食べてくれるだろうか。


たまにしか食べ物を口にしないれいなの体重は、17歳の平均体重をはるかに下回っている。

サプリメントだけじゃ、もう栄養が追い付かない。



8 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/01(水) 01:37


手を握って、安心させてからゆっくり抱き上げる。
いきなり抱き上げるなんてことは絶対にしない。


れいなの心の亀裂が、全身に広がってれいなをバラバラにしないように。



今のれいなを維持し続ける為に細心の注意を払わなければ…



ミキノレイナがいなくなっちゃうから…。





「今日は、頑張って食べようね…」



9 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/01(水) 01:46


この日、結局れいなはココアさえ口にしなかった。



美貴を拒絶して、浴室に逃げ込んだままバスタブの中から出てきてくれなかった。


二人を阻む不透明な磨りガラスが




まるで美貴の心みたいで。


睡魔に襲われたくて
磨りガラスを背に瞼を下ろしても、不透明な世界に変わりはなかった。








「……れいなの心も…欲しい、な……」







込み上げる涙と嗚咽で、美貴の溜め息はかき消された。



10 名前:*Plum* 投稿日:2007/08/01(水) 01:58

ちょこっと更新しました。
なんかこんな文章でスミマセン…



【名無し飼育さん様】こんな若造に期待していただいてありがとうございますッ!!
是非これからもお付き合いくださいませ(ペコリ

11 名前:名無飼育さ 投稿日:2007/08/02(木) 03:29
いいっすね!みきれな!!
マイペースで更新がんばってください^^
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/02(木) 15:35
良作の予感
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/03(金) 15:22
おもしろそう…
続きマターリ待ってま〜す
14 名前:*Plum* 投稿日:2007/08/03(金) 22:02
たくさんのレスをありがとうございます♪

ただいま、ストーリー組み立て中ですので、もう少々お待ちくださいませ<(_ _)>

他の作品をここにあげたら元のお話のジャマになりますでしょうか…?(汗

15 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/04(土) 00:10
別に良いのでは、短編を挟む作者さんは見かけますよ。作者さんの判断で良いと思います。
16 名前:名無飼育さ 投稿日:2007/08/04(土) 02:56
作者さんの他の作品も読みたいので是非!
17 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/07(火) 22:20


「美貴…なんかあった…?」


白い太腿の間から顔をあげると、よっちゃんの訝しげな視線に掴まった。


「別に。ってか動くな。」



「別にって、今日なんかねちっこくね?もうひーちゃんヘトヘトだよー。」






美貴が働いてるお店と同地域に吉澤ひとみの家はある。


昔付き合っていた美貴達が再会し、情事に及ぶまでに時間はかからなかった。






別れたのに明確な理由はなく、ただただ愛を育てるにはあまりにも若過ぎる二人だった。


友達、なのかな。
いや、友達同士でセックスするのはおかしいから…セックスフレンド?
んー…でもたまにお茶したりもする。



よっちゃんはセックス以外にも美貴に構ってくれるから


この名前の付けようのない関係を、ずっと続けてきた。



18 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/07(火) 22:25


お互い終わらせようなんて口に出さないし、終わらせる気もない。


美貴は、よっちゃんの優しさに甘え…欲求不満と、体温を求めていた。


よっちゃんは…

よっちゃんのメリットはなんだろう。

よっちゃんなら女にも困らないだろうし、美貴はそんなに上手くない。


別に、わざわざ聞く事でもないけれど。







力任せに背中を引っ掻いた。
綺麗な白に、奇抜な赤。


純粋に、やり過ぎたかなと思った。


「いっ…、なんだよ!!」


「手が勝手に。血が出る予定じゃなかった。でもごめん。」




よっちゃんの眉毛がハの字になって


抱き締められる。




19 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/07(火) 22:29


「自己チューなのか素直なのかどっちかにしろよ…」


引き上げられるように、ギュッと、強く。


「どっちもだもん。」

「はいはい。ったく…昔っからわかんねーやつ…」


「多分よっちゃんが一番わかってるよ、美貴の事。」


「そーか?」


「そうだって。どこが感じるーとかさ?」


垂れた目の下に軽くキスをして、ベッドから降りた。


「美貴の事わかってくれてるから早く帰してくれるんでしょ?」

美貴がニコリと笑ったのに対して、よっちゃんは何故か笑わなかった。





20 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/07(火) 22:34


「これ貰ってくねー。」


勝手に開けた冷蔵庫を勝手に漁って勝手にミネラルウォーターを取り出した。


「おいおい、誰の家だと思ってんだよ…って毎回言ってるけど」


「よっちゃんち。ちゃんと貰ってくねって言ったもん。それに美貴はねちっこくない。って毎回返してるけど。ハイッ」


緩やかな弧を描いて缶ビールがよっちゃんの手に収まる。


「はぁ…どこの国のお姫様だよ、ってか返事遅いな。姫、水取って。」



玄関でブーツを履きながらよっちゃんを見た。




「だって、今からひとり酒とか寂しくない?」

21 名前:An escape END. 投稿日:2007/08/07(火) 22:40


「美貴ブーツ履いちゃったから自分で取ってよ。」


「おー、姫から女王に昇進か。」


「それに、いくらだって呼ぶコいるじゃん、よっちゃんモテるんだし。みんな喜んで来るって。」





「美貴の方はさ、まだまだうちの事を勉強しなきゃね。」


「えー」


「まぁ、いいよ。さっさと行きな?」


「うん、またねー」


後ろ姿で手を振るよっちゃんを見留めて玄関のドアを閉めた。






22 名前:*Plum* 投稿日:2007/08/07(火) 22:53
更新しました。

【15:名無し飼育さん】
ハイッ!!お言葉に甘えて、ちょこちょこ短いお話も挟んでいきます☆これからもよろしくデスm(_ _)m


【16:名無し飼育さ様】

はわわ…あまり期待しないでください(笑
作品の量も少ないですし↓↓


23 名前:名無し飼育さん 投稿日:2007/08/09(木) 23:12
特異な空気感が漂ってますねー
こういう怪しさ全開の作品凄い好きです

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