地軸な二人

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:02
人生はだらだらと続く

でも

ときには少しひりひりと
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:02
01 バッテリー
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:03
UFA学園は追い詰められていた。


9回裏2アウト満塁。

バッターは3番打者。


ついに打順が中軸まで周ってきた。
数分前まではお通夜のようだった相手高校の応援席は俄然盛り上がっている。

それもそのはず。スコアは17対14。
最大で11点差あったUFA学園のリードは終盤になってから
みるみるうちになくなっていき、とうとう3点差まで詰め寄られてしまった。
ここでホームランが出れば逆転サヨナラ負け。
とうとうそういう状況まで追い上げを許してしまった。
あと一人。あとたった一人で甲子園。だがそのあと一人が遠い。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:03
ピッチャーの久住は疲弊していた。
地区大会の緒戦から7連投。まさに一人JFK状態の孤軍奮闘だった。
肩はもうほとんど上がらない。肘は痺れて感覚がない。爪は準決勝の時に割れていた。

卒業していった偉大な先輩達が背負ってきたエースナンバー1。
その背番号が今はとてつもなく重い。
久住はその重さに耐え切れず、その場に座り込んでしまいそうになる。

そんな久住の窮状を察知しキャッチャーの光井が駆け寄る。
光井1年生。2年生エース久住の一つ後輩だった。
その地区ではその名を知らぬ者はいない、豪腕・久住に憧れてこの高校を選んだ。

光井は中学時代は無名だった。
久住のように天分に恵またプレイヤーではなかった。
泥にまみれ反吐を吐いて1年生ながらレギュラーを勝ち取った。
努力に勝る才能などありはしないという強い信念を持つ光井は、
チーム内でアンタッチャブルな存在だった久住にも全く遠慮はしなかった。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:03
「久住さん。もっとちゃんと投げてくださいよ」

「ちょっとみっつぃー、あんた生意気ー!」

「生意気もくそもないですやん。打たれたら終わりですよ」

「あ?打たれたらリードしてるみっつぃーのせいだから」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwwふざけんなwwwwwwwちゃんと投げろw」

「もう投げたくないー。やだやだやだやだ。暑い。疲れた。帰る。家帰る」

「ちょっともう道重先輩じゃないんですから。我侭言わないでください!」

「あ!道重先輩にマウンド譲っちゃおう!投げたいって言ってたじゃん。それでいい!」

「ダメですよ。道重先輩はいつだって口だけの人なんですから。絶対ダメ」

「うお〜。みっつぃー言うねー。あとでちゃんと道重先輩にチクるから」

「ちょwwwwwwwおまwwwwwwwマジ殺すwwwwwwww」
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:03
カウントはノーストライクツーボール。
もはや久住のストレートには力がなかった。
そして変化球ももうストライクが入らない。
投げるボールがなかった。久住は確実に追い詰められていた。

マウンドの上には灼熱の太陽が照りつける。
温度計は37℃を指しているが、おそらくマウンドの上は40℃を越えているだろう。
久住の体からは汗が湧き出る。まるで体の血液が沸騰したかのようだった。
頬を伝う汗はあっという間に蒸気となって抜けるような青空へと吸い込まれていく。
暑かった。何もかもが暑かった。

だが勝負から逃げ出すわけにはいかない。
UFA学園の命運は久住の右腕に託されていた。
甲子園での優勝3度を数えるこの名門高校の目標は高い。

ここまできて負けることは許されなかった。
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:04
光井が出したサインに久住は首を振る。
二度。三度。久住の意思は固い。
久住にはこれまでの野球人生を経て築き上げてきたプライドがあった。
ゆるぎない、絶対の自信があった。

サインのやり取りが終わる。いつものように最終的に光井が折れる。
久住の投じたのは渾身のストレートだった。
体調が万全なら140kmは優に超えるはずのストレート。
だが疲労困憊の久住から放たれた棒球は相手3番打者に軽く弾き返された。

三塁ランナーが躍り上がるようにして生還する。
当たりが強すぎたのが幸いして二塁ランナーは帰ってこれなかった。
これで17対15。点差は二点。
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:04
「もう直球はダメって言ったでしょ!」

「なんだよー。、みっつぃーのリードが悪いんじゃん!」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwサイン通り投げろwwwwwwww」

「みっついーがストレートのサイン出したんじゃん!」

「てめえwwwwwww何回wwwwww首振ってんだよwwww」

「あー、わかったわかったうるさいなあもう」

「人の話聞いてんすか!?」

「あーあーあー聞こえない」

「聞けっつてんの!!」

「じゃみっつぃーサイン出して。その通り投げるから打たれたらみっつーの責任ね」

「あはははは。もう既に15点取られてますやん」

「ちょwwwwwwおまwwwwwwww今それ言うかwwwww」

「あと一人だから。あと一人で甲子園ですから。ちゃんとやってくださいよ」

「あーもうどうでもいいや。甲子園でも樹海ドームでもどこでも行けばいいじゃん」
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:04
場面は再び二死満塁。点差は二点に詰まってきた。
迎える四番打者はここまで2本の本塁打を含む4本のヒットを放っていた。
光井はキャッチャーマスク越しにチラリと打者の様子を窺う。
前の打席まではいっぱいに持っていたバットを少し余り気味に握っている。
ここにきてコンパクトに打ち返そうということなのか。

この場面で打ち気にはやらないわけがない。
まずはボール球から。そして打ち気を逸らすような球を使って。
光井の脳内にあるベースボールコンピューターが高速で作動する。
ここまで久住が踏ん張ってこれたのも光井のリードがあってのことだった。

ボール。ストライク。ボール。ストライク。
光井は緩急を織り交ぜた巧みなリードで打者を追い込む。

ツーストライクツーボール。あと一球。でも急いではいけない。
ここが大事。ここでどこまで我慢できるか。
光井は外角低めのボールゾーンにスライダーを要求する。
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:04
光井のサインに不承不承ながらもうなずく久住。
セットポジションに入り、三塁ランナーに軽く目をやる。
これが最後の一球になる。きっとなる。待ってろ甲子園。光井氏ね。
そう強く念じながら久住は白球をリリースする。


久住の投じたスライダーは―――

この夏の大会で投げたどのスライダーよりも鋭く曲がり落ち―――

フルスイングした相手四番打者のバットにかすりもせず―――

懸命に差し出した光井のミットをかすめてバックネットの方へと転がっていく。


バッターは余裕をもって一塁まで走っていく。
労せずして本塁まで戻ってくる三塁走者。
振り逃げで一点が追加され、スコアは17対16。
ついに点差は一点まで縮まる。

なお二死満塁の状況が続く。
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:05
「殺す。捕れよ。殺すぞお前」

「うるさいボケ。ちゃんと投げろや」

「捕れよ!ストライクでしょ!?赤ちゃんでも捕れるよあんなの」

「思いっきりワンバンしてるやんけ!ワンバンしてるやんけ!」

「何回も言わなくてもわかんだよ。ワンバン?はあ?意味わかんないんですけどぉ?」

「お前がストライク投げてたら試合終わってたんとちゃうんか?ああ!?」

「だからストライクだろ?主審完全にストライクって言ってたじゃんかよお!」

「バッターが振ったからストライクやねん。お前ルール知らんのか?」

「ストライクだったらいいんじゃねーか。お前今ストライク投げろ言ったじゃんかよ!」

「ストライクゾーンに投げろいう意味やろが。わかれや。文脈でわかれや」
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:05
「何言ってんのよ!サインはボールゾーンだったじゃん!」

「ボールゾーンでも捕れる所に投げろや!」

「そんなサイン知りませんけどー」

「わかれや。常識でわかれや。何年野球やってんねん。わかれ。わかれや」

「知るかボケ。お前のせいで一点差になっちゃったじゃんかよお!」

「お前のせいやろが。ワイルドピッチがやろが!!」

「冗談!完全にパスボールでしょ。主審に聞いて来いよ」

「試合中に聞けるかボケ。空気読めや。今どういう状況やねん」

「17対16でしょ。知ってるもん」

「威張るなボケ。スコアボード見たら誰でもわかるっちゅーねん」
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:05
「大体野手がもっと打ってたら試合楽だったのに」

「17点も取ってるやろが!!お前わざと言ってるやろ?完全に喧嘩売ってるやろ?」

「はあ?意味わかんないんですけど?喧嘩?まあお下品」

「黙れ新潟県民。お前も一回語学留学行ってみるか?」

「殺すぞ」

「やってみろや」

「おう殺してやる。琵琶湖に沈めてやるよ。北湖と南湖どっちがいい?」

「琵琶湖言うな。殺すぞ」

「ははん。琵琶湖しかないじゃん」

「お前の脳みそは琵琶湖でできとんのか?赤潮わいて大変やのう」
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:06
「赤潮?滋賀県民が小汚い下水垂れ流してるからでしょ。知らないっつーの」

「お前マジで殺す。マウンドに埋めたるわ」

「スライダー捕ってから言えよ。いやもう捕らなくていいわ。捕っても捕らなくても殺す」

「16点も取られるようなピッチャーの糞球捕れるかっちゅーの」

「お前のリードが悪いからだろ!なんで2−2からボール投げるんだよ」

「みえみえのストライク投げたら全部打たれてるやろうが!」

「滋賀の次は三重?その辺好きだねえ」

「だれが駄洒落言えって?ちゃんと投げろやノーコンがよ!!」

「誰がノーコンだよ。バッター振ってんだよ?捕れよ。捕れ捕れ捕れ捕れ捕れよ!」

「あんな球捕れるか!リーチが3mあっても無理やっちゅーねん!」
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:06
「もうさ。ピッチャー替えるの無理ならキャッチャー替えない?」

「顔近づけんなや。臭いねん。息臭いねん。歯磨けや」

「虫歯ありませーん。歯槽膿漏もありませーん。頬骨も出てませーん」

「殺すぞ」

「頬骨引っ込めてから言えや」

「歯茎隠してから言えや」

「歯茎言うな。殺すぞ」

「言うな?無理。出てるもんは出てるねん」

「お前の頬骨ほどじゃねーよ」

「黙れ歯茎。スタローンみたいな顔しやがって」
16 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:06
「黙れヤワラちゃん。授乳でもしてろ」

「はあ?誰がヤワラちゃんやねん。お前目悪いんか?」

「みんな思ってるっつーの」

「思ってへんわ」

「鏡でも見てみれば?」

「毎日見てるっちゅーねん。話逸らすなボケが」

「そっちじゃん!お前が先に歯茎とか言うからだろ!」

「お前が先に頬骨とか言うたんちゃうんか!」

「言ってませーん。録音でもしてあるんですか?」

「お前は真性のアホか?10秒前の記憶がないんか?」
17 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:06
「顔近づけんなっつーの。息臭いんだよ」

「それあたしが言った。あたしが先に言った。何真似してんねん」

「はあ?真似?あんたの息の臭さはとても真似できまへんねんなあ」

「似非関西弁はやめろ。冗談抜きでやめろ」

「あーこのお姉はんやめろやめろ言うてまっせー」

「殺す。次言ったらリアルで殺す」

「リアルで殺すってなんだよ。アンリアルで殺すとかあんのかよ」

「お前アンリアルだろが。全然殺してないやんけ」

「殺すかバーカ。本当に殺したら犯罪でしょうが。そんなんもわかんないの?」

「わかってるわ。お前ホンマにアホやな。小5レベルやな。頭も胸も」
18 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:07
「殺す。胸のこと言ったらリアルで殺す」

「だから真似すんなや!リアルってあたしが先に言ったんやろうが!」

「じゃあ真似されるようなこと言うなよ。オリジナリティゼロかよ」

「真似されるほうがオリジナルやろうが。逆じゃボケ。意味知らんのか」

「英語なんて知らねえよ。お前がむかつくからからかっただけだよバーカ!」

「こっちはそっちにむかついてんだよ!」

「こっちもそっちにむかついてんだよ!」

「こっちとかそっちとかないんだよ!」

「こっちもそっちもあってどっちもむかついてんだよ!」

「わけわからんこと言っとんちゃうで。自分ホンマ殴るで」
19 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:07
「あ!今触った!あたしの肩に触った!」

「触ってへんわ。お前の体なんか痴漢でも触らへんわ」

「触ったでしょ!今あたしのこと叩いたでしょ!殴った!暴力だ!」

「アホか!触ったくらいでなんで殴ったとか暴力とかなるねん」

「あ〜、認めたんだ。触ったっていうことは認めたんだ」

「認めてへんわ。触ってない言うてるやんけ」

「触ったって言ったじゃん。あたし聞いたもんね」

「子供か。小学生か」

「小学生だもーん。どうせあたしは子供だもーん。ストライクとか投げられないもーん」

「投げろや」
20 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:07
「捕れ」

「捕れる球投げろや」

「お前中心か。地球はお前中心か。地軸か。お前は地軸か」

「地軸でもイチジクでもいいからちゃんと投げろや。捕れる球投げろや」

「捕れよ」

「投げろや」

「捕れよ」

「投げろ」

「捕れ」

・・・・

・・・

・・

21 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:07
なお試合はリリーフした道重が打たれて負けた。
22 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/20(土) 23:08
01 バッテリー


おしまい
23 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/20(土) 23:09
えー
こんな感じで短いのをいくつか書いていこうと思います。
そういうわけでよろしくお願いします。

ちなみにこの01は狩狩で書いたものの採録です。
24 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 00:41
面白かったよwww
25 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/21(日) 20:05
>>23
採録じゃなくて再録でしたね
02からは新しいものを書いていく予定です
26 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/21(日) 20:06
>>24
感想ありがとうございます。
あんまり飼育っぽくない文章かなあとも思ったんですが。
見てる人がどう思っているかはやや不安です。

面白いと言ってもらえると嬉しいです。
27 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/21(日) 20:06
書き始めた日からいきなりレスがついて嬉しいです。
レスが一つもつかなかったら書くの辞めようかと思ってました。
うそです。
明日からも頑張るので読んでくださる方は
もう少しの間お付き合いください。
28 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:07
02 セコンド
29 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:08
久住は幼い頃から憧れていた世界戦のリングの場に立っていた。
ハロプロボクシングジムに入門してからわずか1年。
圧倒的な人気を背景に記録的な速さでここまでたどり着いた。
ここでチャンピオンとなれば史上最年少チャンピオンだ。

リングを照らす色とりどりの照明がまぶしい。
リングの周りには無数のカメラ。
リングサイドには同じジム出身の元世界王者、安倍と後藤も解説役として来ていた。
その他にも誰もが知っているような豪華有名人の姿がちらほらと見える。

まさに選ばれた者のみが立てるリングだった。
30 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:08
まばゆいライトが場内を照らす中、チャンピオンが入場してくる。
たいした相手じゃない。楽勝だぜ。
久住は心の中でせせら笑う。
久住は前日の会見で「チャンピオンの印象は?」と尋ねられたことを思い出す。
たいした相手じゃない。
あんなのは五期メン・・・・じゃなかったゴキブリだぜ。

国歌斉唱が終わり、セコンドアウトが告げられる。
ハロプロボクシングジムの高橋会長と新垣副会長、
そしてトレーナーの光井はリングの外へ出る。
頑張ってね!という視線を送られた久住は無言でうなずく。

久住は光井の差し出したマウスピースをくわえて戦場へと足を踏み出す。
31 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:08
お互い探り合いに終始した第1ラウンドが終わると、
第2ラウンドからチャンピオンの猛攻が始まる。
ガードを固めて前進する久住を巧みにいなして、チャンピオンはジャブを放つ。

久住は左右のフックでチャンピオンの側頭部を狙うが、
パンチを放とうとするその瞬間、
二人の距離はチャンピオンの老練なクリンチで潰される。

チャンピオンのジャブがボディブローが的確にヒットする。
第3ラウンド。そして第4ラウンド。
久住はなすすべもなくサンドバック状態となる。
会場の有明コロシアムには久住応援団の悲鳴と絶叫が響き渡る。

第4ラウンドが終わると同時に久住は青コーナーの前の椅子にへたりこむ。
ダメージが甚大であることは誰の目にも明らかだった。
第4ラウンドが終了した時点での採点が発表される。
圧倒的にチャンピオンがリード。

久住はマウスピースを吐き出す。
32 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:08
「ちょっとみっつー!話が違うじゃん!」

「えー。何がですか?」

「相手めちゃくちゃ強いじゃん!今までの相手と全然違うよ!」

「あー。そりゃ世界王者ですから強いですよ」

「うっそー!これまではその辺も上手くやってきたじゃん!!」

「無理無理。だから世界王者なんですって。相手は」

「無理無理。ってこっちが言いたいよ!絶対無理!勝てないよ!」

「なに言ってるんですか久住さん。試合はまだ序盤ですよ」

「ちょwwww序盤もなにもwwwwwwフルボッコ状態wwwww」

「大丈夫。ボコボコにされてますけどフルボッコまでは・・・・・」

「どっちだって一緒じゃん!」
33 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:09
第5ラウンドも第6ラウンドも試合の流れは変わらない。
猪突猛進する久住を軽やかなステップでいなすチャンピオン。
それでも久住はガードを固めて頭から突進する。
だがその勢いも徐々に弱まっていった。

第7ラウンド。
チャンピオンの放つ的確なボディブローが久住の足を奪っていく。
もはや久住のKO負けは時間の問題かと思われた。


だがチャンピオンがパンチをまとめようと―――

この試合で初めて王者自ら前に出てきたその瞬間に―――

試合の流れを大きく変える―――

アクシデントが発生した。


久住の頭部とチャンピオンの目尻が激しく激突する。
チャンピオンの目尻から鮮血がしたたりおちる。
その場所は王者の古傷の一つであり、カットしやすい部分だった。
レフェリーは試合を一時中断してドクターにチェックを入れさせる。

どうやらレフェリーは久住のバッティングではなく、
パンチによって目尻が切れたとジャッジしたようだった。
王者側の応援団から大きなブーイングが出る。
試合はにわかに雲行きが怪しくなってきた。
34 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:09
「解説の安倍さん、チャンピオンが目尻から出血したようです!」

「これは久住、チャチャチャンス!ここは傷口を狙っていくべきです!!」

「後藤さん、試合がここで止まるという可能性は?」

「んー、でもバッティングじゃなくてパンチでの出血ですから・・・・」

「ということは試合が止まれば久住のTKO勝ち!?」

「でもそういう終わり方はちょっと・・・・・・・」

「何言ってるのごっちん!勝ちは勝ちよ。狙うべきよ。むしろ傷口だけを狙うべき」

「でもさあなっち。あれ小春のバッティングじゃないかな・・・・・・」

「審判がバッティングじゃないって言ってるんだから!」

「でもほらリプレーで見たら・・・・・小春の頭が・・・・・」

「あー、事故事故。交通事故みたいなもんよ」

「事故って言ってもねえ」

「交通事故だって!別に悪いことじゃないよ!故意じゃない!アクシデント!不運!」

「え?不注意じゃないの?例えばの話だけど駐車場から出て右折する時には前方確認を・・・・・」
35 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:09
出血により一時的に勢いを失ったチャンピオンだったが、
第8ラウンドに入ってから再び猛攻を開始する。
接近戦に活路を見出そうとした久住だったが、
インサイドワークでは王者の方が一枚も二枚も上手だった。

いつしかクリンチを繰り返すのは王者ではなく久住の方になっていた。
もはや久住にはパンチを出す気力すら残っていないようだった。
ただただ前進して王者との距離を殺してクリンチを繰り返す。
試合は徐々に泥仕合の様相となってきていた。

だが第8ラウンドが終わった時に場内に発表された
採点の途中経過では、やはり王者が圧倒的に優勢だった。
点差は大きく開いており、KO勝ち以外に
久住の逆転勝利はありえない展開となった。

もはや椅子に座ることもせずに肩で息をする久住。
逆転の目など残っているようには見えなかった。
久住のことを見ている全ての人がそう思っていた。

ただ一人。
セコンドの光井を除いて。
36 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:09
「行ける!行けますよ久住さん!」

「行ける?どこに行くの?もうあたしお家帰りたい・・・・・・」

「何言ってるんですか!世界王者まであともう少しですよ!」

「無理だっつーの!フルボッコだっつーの!あんたどこ見てたの?」

「王者出血してますがな。あそこ狙っていきましょ」

「向こうもバカじゃないんだからさ。すっごい堅くガードしてるっつーの」

「上下打ち分けていきましょう。玉打っていきましょ」

「玉?打っていいの?」

「もちろん。玉打ってそんで・・・・・ヒジでエエから目に入れろ」

「えー!みっつー言うねえ!!大胆だねえ」

「勝てばええんや。勝ちましょう。久住さん」
37 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:09
第9ラウンドも王者がラッシュを続ける。
久住は亀のようにガードを固めてパンチを浴び続ける。
だが久住の目は死んでいなかった。
虎視眈々と起死回生の一発を狙っていた。

もちろん百戦錬磨の王者も久住の狙いは見抜いていた。
決してパンチを大振りすることなくコンパクトに当ててくる。
王者には攻守ともに全く隙がないように思われた。
ただ一ヶ所。
ベルトのやや下の場所を除いて。

王者のフックをもろに浴びた久住はくの字にかがみこむ。
ダウンか―――と思われた瞬間、
久住の渾身のアッパーが王者の金的を直撃する。
派手にダウンして悶絶する王者。

ガッツポーズをする久住に―――
審判から―――
減点1が言い渡された。
38 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:10
減点された久住だがそれを境に息を吹き返す。
第10ラウンドは久住が攻勢を取る。
王者はローブローにより明らかにダメージを受けていた。

第11ラウンド。
もはや両者には足を使う余力は残っていなかった。
足を止めてリング中央で打ち合う。
いや、もう打ち合う力すら残っていないように見えた。
両者はクリンチを繰り返すばかりでなかなか決定打を放てない。

そんな中、久住は一瞬の隙を見つけて右フックを放つ。
久住のゆるいフックは王者に軽くスウェーされたが、
打ち終わりの肘が王者の目尻の傷を強打する。

再び激しく出血する王者。
試合が一時中断し―――久住に今度は減点2が言い渡される。
減点2。
日本のボクシング史上にも例を見ない厳しい判定だった。
39 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:10
「解説の安倍さん!これは肘ですか?」

「肘ですねー。小春下手糞だなー。あたしだったらもっと上手くや(ry

「す!すいません後藤さん!これはアクシデントですよね!?」

「アクシデントかな?うん・・・・・故意じゃないと信じたいですね」

「なーに言ってるのよごっちん。肘で傷口を狙ったに決まってんじゃん」

「小春はそんな子じゃないと思うけど・・・・・・」

「あの子は勝つためには手段を選ばないよ。実際王者はダメージ大きそうだし」

「でもなっち。ここでの減点2は厳しいんじゃ・・・・」

「減点は当然だよねー」

「そこは当然なんだ」

「罪を犯したならさー、弁護士に付き添われてでもさー、自ら出頭すべきだよねー。偉いよねー」

「え?それなんの話?」

「ほーらリプレー出た。やっぱり肘じゃんwwwwおっととっと肘だぜwwwwwww」
40 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:10
第12ラウンド。
紆余曲折あったこの世界戦もこれが最終ラウンドとなる。
もう後がない久住は前へ前へと出るが、
もはやまともなパンチを打つ力は残っていなかった。

むしろ王者の方が積極的にパンチを繰り出してくる。
久住の反則打に激昂した王者は明らかにKOを狙ってきていた。
王者の右が。左が。嵐のような連打が久住を巻き込む。
もはや久住はイガイガ・・・・もといフラフラ状態だった。

有明コロシアムは両者の応援団の絶叫で包まれる。
もはや歓声は凶器と言えるほどの大きさとなって観客の耳に突き刺さる。
そんな大歓声を貫いて甲高いゴングの音が響く。
第12ラウンド終了。
結局両者とも一度もダウンを喫することはなかった。

勝敗は判定にゆだねられることとなる。
41 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:10
「うーん。結局判定か・・・・・・・冴えへんなあ」

「ちょwwwwwwみっつーwwwww寝言言うなwwwwwww」

「えー、最後KOできたんとちゃいます?」

「できるか!バカかお前?頭おかしいのか?」

「まあまあ落ち着いて。判定の結果を聞きましょう」

「バカかお前!100%あたしの負けだよ!」

「いやいやいや。勝負に絶対はないでしょ」

「もう諦めろよ・・・・・・」

「諦めたらそこで試合終了ですよ?」

「もう試合は終わったんだよ!!」
42 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:10
「いやでももし全財産を賭けるなら・・・・・・」

「え?どっちに賭けんのさ」

「王者の勝ちに」

「殺すぞ」

「なんでですのん。負けたん久住さんのせいでしょ」

「負けたって言うな!まだ判定結果は出てない!」

「えー。100%負けですやん」

「ちょwwwwwwおまwwwwwwwさっきと言ってること違うwwwwwwww」

「ていうかもうちょい強いと思ったんやけどなあ。久住さんも」

「お前殺すぞ。一回あの王者とやってみろよ!」
43 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:10
「いや、私セコンドですし。指示するのが私の仕事なんで」

「じゃあ仕事しろよ!ちょっとはセコンドらしい指示しろよ!」

「色々指示しましたやん。その通りやってたら勝てたのになー」

「ちょwwwwwwwおまwwwwwwマジぶっ殺すwwwwwwwww」

「指示しろ言う前に指示通りやってほしいですなあ」

「打っただろ!玉も!肘で目も!」

「なにしてますのん。あれ、めっちゃ反則打ですやん」

「お前が指示したんだろうが!」

「えー。私は反則しろなんて支持したことはないですよ」

「ちょwwwwwwおまwwwwwww吐いた唾飲むなwwwwwww」
44 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:11
「玉打てって言ったのは目玉のことで・・・・・・」

「はあ?」

「もう一つは『ひじを上げてしっかりガード、目の位置を狙え』という意味ですやん」

「わかるかああああああああああああ!!」

「ハロプロボクシングジムのボクシング用語ですやん」

「誰がそんな子供だましな言い訳信じるんだよ!」

「まさか肘で目ぇ打つとはなあ。ありえへんわー。考えられへんわー」

「お前殺す。それ以上言ったらマジここでこの場で殺す」

「あ?殺す元気あるなら試合やれや」

「あ?試合ならやったわ。今終わったわ。見てろよ」
45 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:11
「見てたっちゅーねん。フルボッコやん。ちょっとは根性見せろや」

「できるか。もうちょい頭使ってマッチメークしろよ!」

「だから世界王者やっちゅーねん。強いの当たり前。世界で一番強いんやで?」

「あたしより弱い世界王者見つけてこいよ。今から3分以内に」

「できるか!」

「100%勝てる相手探せよ!それがマッチメークっていうもんだろうが!」

「アホかお前。どうせえ言うねん。どうマッチメークせえ言うねん!」

「たとえば王座が空位になっててさあ」

「空位?そんで?」

「下の階級から上がってきて一試合もしてない暫定王者との王座決定戦とか」
46 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:11
「アホか。都合良すぎるわ」

「都合の良い相手探せって言ってるんだよ。日本語わかってる?」

「もう喋るな。帰れ。お前もう帰れ。家じゃなくて新潟帰れ。新幹線じゃなくて深夜バスで帰れ」

「黙れ滋賀県民。何が深夜バスだよ。バカか」

「お前に新幹線なんかもったいないわ。エネルギーの無駄や。歩いて帰れ」

「ははーん。お前んとこ、新幹線止まんねーんだろ?だから嫉妬してんだろ?」

「アホか!新幹線くらい止まるっちゅーねん。米原に止まるっちゅーねん」

「まいばら?知らないなー。ごめんねー。あたしこだましか止まらない駅とか知らないから」

「止まるっちゅーねん。たまにはひかりも止まるわ!」

「たまには?たまにはだってwwwたまって何よ?wwwww目玉っていう意味?wwwww」
47 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:11
「うっさいボケ。言いたいことがあるなら勝ってから言えや」

「お前もセコンドならなんか指示しろよ!相手の攻略法とかさあ」

「攻略法?ゲームの本じゃあるまいし。これだからゆとり世代は・・・・・」

「お前も同年代だろうが!ババアみたいなこと言うな」

「だから指示したやん。なんか反則打になってたけど」

「あーあー。反則の減点さえなかったらなあ」

「あってもなくても負けてるわ!」

「だったら指示なんて意味ねーだろ!置物かおめーは!」

「あー。もう置物でええわ。私が置物やったらあんたはサンドバックやな」

「サンドバックでも勝てる王者連れて来いよボケが」
48 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:11
「そんなやつおるかボケ」

「誰でもいいよ。あたしが勝てるやつ連れて来い。話はそれから」

「お前中心か。地球はお前中心か。地軸か。お前は地軸か」

「地軸でもイチジクでもいいからつれて来い。勝てるやつ連れて来い」

「無理」

「無理じゃねーよ」

「うるさい。氏ね」

「お前が氏ね」

「お前が氏ね」

「氏ね言うやつが氏ね」

「氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね」

「氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね」

「氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね」

「氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね言うやつが氏ね」
49 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:12
なお試合は大差の判定で久住が負けた。
50 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/21(日) 20:12
02 セコンド


おしまい
51 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/21(日) 20:13
えー
こんな感じでだらだらと書いていこうと思います。

次がどんなお話になるのかは私にもわかりません。
次の更新がいつになるのかも全然わかりません。

まあ思いつくままにたらたらと書いていこうと思っています。
52 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/22(月) 01:04
解説者ぁ〜w
53 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/22(月) 18:20
めっさ笑ったwww
54 名前:sage 投稿日:2007/10/22(月) 19:36
サイコーwww
ニヤニヤが止まらないッス
55 名前:54 投稿日:2007/10/22(月) 19:39
ごめん!
上げてもうたからこはみつコンビに殺られる前に落とします!
56 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/23(火) 00:19
すっげー面白いです
読みながらついニヤニヤしちゃいます
次もたのしみに待ってます
57 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:21
03 飛行機
58 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:21
10月の晴れたある日。
モーニング娘。の主要メンバー4人は、
プロモーション活動のために韓国へ行くこととなっていた。

平日とは言え成田空港は混み合っている。
国民的アイドルグループの主要メンバーたちは
マネージャーに隠されるようにしてこっそりと国際線搭乗口へと向かう。

そんな彼女らに気づいて
「あ!あれってモーニング娘。8期メンバーの光井愛佳じゃない?」
「本当だ!横にいるのはきらりん☆レボリューションの声優でお馴染みの久住小春じゃない?」
などと言いながら写メをばしゃばしゃと撮る人たちは一人もいない。
59 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:22
メンバーたちはそんなことを知ってか知らずか
チケットを片手に一般人に混じって列に並ぶ。
韓国行きの飛行機はどうやら満席のようだった。
長い列は少しずつ少しずつ前へと進んでいき、やがて彼女らが列の先頭までくる。

スタッフ、高橋、新垣、久住の順にゲートををくぐっていく。
何の問題もないはずが、久住のところでピンポーン!と警告音が鳴る。
久住は係員に促されてポケットに入っているものを出す。

じゃらじゃらと出てくる小物の多さに、
久住の後ろに並んでいた光井はあきれ返る。
60 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:22
「久住さん、何持ってるんですかそれ」

「小銭。携帯電話。ライター。iPod。電気工事用の銅製の金属ケーブル。えーっとそれに」

「小銭くらい財布に入れましょうよ」

「この方が使うとき便利じゃん」

「おっさんか」

「お札はちゃんと財布に入れてるから!」

「それになんでライターとか持ってるんですか」

「これ?ゴールドライタン」

「おっさんか」

「こうやるとロボットに変形して・・・・・・・・」

「もうええですから。早くしてくださいよー」

「うっさいなー。すぐ終わるから。ちょっと待ってよ」

「時計も外して。あーそのベルトもダメとちゃいますか」

「えー、ベルトも?大丈夫っしょ!」

「なんでもいいからもう一回くぐってくださいよ」
61 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:22
とりあえずポケットに入ってる物を全部出し、久住は再びゲートをくぐる。
再び警告音がピンポーン!と鳴る。

係員は胡散臭そうな目で久住を見つめ、ゲートの脇に立つように指示する。
金属探知機の棒を久住の体にこすりつけるようにして上下させる。
女性係員が出てきて久住の体を入念にボディチェックをする。

久住はベルトを外してもう一度ゲートをくぐるように指示される。
大人しく指示に従いゲートをくぐる久住だったが、再び警告音が鳴る。
ピンポーン!あれ?ピンポーン!おい!ピンポーン!また?

再度ボディチェックが行なわれる久住。
久住と光井の後ろには長蛇の列ができていた。
早くしろよという無言のプレッシャーがその場にのしかかってくる。
原因はわからないままだったが、結局そのまま通っていいことになったようだ。
62 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:22
「なにしてるんですか久住さん」

「知らないよ!この機械壊れてるんだよ絶対!」

「そんなわけないやろ。何人もくぐってるんやから」

「うっさいボケ!結局オーケーなんだからいいだろ!」

「いやアカンやろ。なんか金属的なもの持ってるままやし」

「持ってないよ!見ればわかるじゃん!」

「いやでも金属探知機が反応してますやん」

「係員が通っていいって言ったからいいんだよ!」

「あたしはそういう問題やないと思うんやけどなー」

「みっつぃーこそ早くくぐりなよ!」

「あ?こんなもん一瞬で終わりますがな」

「鳴ったら長いよ」

「鳴るわけないやん。ゴールドライタンとか持ってないし」

「鳴れ!鳴れ!」

「絶対鳴らへんっちゅーに」
63 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:23
ピンポーン!

光井がゲートをくぐるのと同時に警告音が鳴る。
係員がまたかよといった表情で光井のもとへと歩み寄る。

光井はポケットの中の物を出せと言われたが、
ポケットの中身はあらかじめバッグの中へと入れており、
光井のポケットの中には何も入っていなかった。

再び登場した金属探知機の棒が光井の体を上下する。
だがその探知機は光井の体に対して全く反応しなかった。
もう一度ゲートをくぐるように指示される光井。
ピンポーン!あれ?ピンポーン!おい!ピンポーン!また?

久住のときと全く同じことが繰り返される。
数十分も待たされている久住と光井の後ろの客が、
ハングルらしき言葉で文句を言い出す。
二人の後ろの列は見たこともないような長さになりつつあった。
どうやら飛行機の搭乗時間も押し迫ってきたようだ。
64 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:23
「鳴ってんじゃん!思いっきり鳴ってんじゃん!」

「知らんがな」

「あれ?鳴るわけないとか言ってなかったけ?5秒くらい前に」

「機械がおかしいんやろ」

「機械のせいにすんなよ!バカかお前」

「お前もさっき機械のせいにしてたやろが!ああ!!」

「マネすんなハゲ!」

「ハゲてへんわ!」

「本当はハゲてんだろお前?見抜いたよ今。見抜いたよ今。カツラが金属製なんだろ?」

「アホかお前。カツラに金属使うかボケ。日本のカツラの最新技術なめんなよ」
65 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:23
「へー詳しいねー、さすがハゲてるだけあるわ」

「ハゲてへんわ。お前目見えへんのか」

「見えないねー、みっつぃーどこにいるの?いないの?オーラないなあ」

「あるわボケ。芸能人なめんな」

「芸も能もないくせに」

「ああ!?なんか言うたかコラ!」

「大声出す前にゲートくぐれよ!」

「くぐったわ!」

「鳴ってるだろ!」

「鳴ったら悪いんか!」
66 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:23
「ベルト外せよ」

「この服ベルトとかないんやけど」

「靴脱げよ」

「脱いだわ」

「コンタクトレンズは?」

「してへんわ。第一コンタクトは金属ちゃうやろ」

「着てるもん脱げよ」

「アホかお前。みんな見てるわ」

「下着脱げよ」

「お前変態か。露出狂か」
67 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:23
「お前あれだろ。矯正下着とかつけてんだろ」

「はあ?なにそれ」

「ブラジャーだよ!ワイヤーとか入れてんだろ!」

「ワイヤー?なにそれ」

「ワイヤーで寄せて上げて背中の肉を持ってきて巨乳に見せるブラだよ!!」

「へーそんなんあるんや。さすがに貧乳の人は研究してるなあ。すごいすごーい」

「貧乳言うな。殺すぞ」

「あ?お前が氏ねや」

「うるさい。お前が氏ね。矯正下着脱いでから氏ね」

「着てへんわ。お前が氏ね。その矯正下着とやらを三つくらいつけて氏ね」
68 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:24
「小春にはそんな下着必要ありませーん」

「めっちゃ必要やろが。付けろや。付けたら人並みくらいにはなれるやろ」

「つけなくても大丈夫ですー」

「嘘つけ。胸か背中かわからんような体しやがって」

「わかるわボケ。見えないんか」

「見えへんなー。顔が前向いてる方が胸ですか?」

「殺すぞ。調子乗るなよ貧乳が」

「貧乳が貧乳言うな。お前の倍くらいあるわ」

「倍?小春の倍あるんだ?へー。バスト170cmもあるんだー。そいつはびっくり人間大賞だね」

「アホか!倍って言うたんは物のたとえやろうが」
69 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:24
「倍って言ったもんねー、すごいねーそりゃ巨乳だわ。牛乳じゃなくてチーズが出るんじゃない?」

「お前なにどさくさに紛れて自分のバスト85cmにしてんねん」

「それくらいあるもん!」

「あるかあ!あったら怖いわ!」

「怖いってなにさ!小春のスタイルにびびってんの?ああ?」

「お前バストが85cmもあったらウエストも85cmあるやろ」

「あるわけないだろ!」

「ぺらぺらの体のくせしやがって」

「お前みたい矯正下着つけてまでファンに媚売りたくねーんだよ」

「つけてへん言うてるやろが!」
70 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:24
「じゃあなんで金属探知機が鳴るんだよ!」

「知らんわ!」

「だからワイヤー外せって言ってんだろ?」

「ないっちゅーねん」

「もう脱げや。全部脱げや」

「お前脱いでへんやろ。まずお前が脱げや」

「なんで小春が脱ぐんだよ!」

「お前だって鳴ったやろが!」

「終わったこと蒸し返してんじゃねーよ!係員が気づくだろ!」

「隠してんじゃねーよ!くぐれ!お前もくぐれ!」
71 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:24
「バカかお前。お前くぐれよ。その金属製のワイヤー外してからくぐれ」

「アホかお前。お前くぐれよ。その金属製の洗濯板外してからくぐれ」

「殺す。胸のこと言ったら殺す」

「お前が胸のことにこだわってるんやろうが!」

「早くゲートくぐれよ」

「お前かってくぐらずに済ましたやろが」

「くぐって鳴らなかったらそれで終わりだろ?」

「まずお前がくぐれや?な?な?」

「なにが『な?』だよ。なんだよそれ。なーさんを意識してんのかよ」

「なーさんとか知らんわボケ。アニオタちゃうわ」
72 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:24
「アニオタ言うな。殺すぞ。その層をバカにしたらリアルで殺す」

「なにむきになってんねん。アニオタ専属アイドルが」

「殺す。今殺す。ゴールドライタンで殴り殺す」

「アニメか。またアニメか」

「テレビ東京なめんなよ」

「なめてへんわ」

「一体どこの誰のおかげでモーニング娘。が給料もらえると思ってんだよ」

「それくらいわかってるわボケ。お前に言われんでもわかるわ」

「あたしのおかげだよ!」

「お前かよ!」
73 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:25
「もういいからさー、さっさとゲートくぐれよ」

「だからお前が先にくぐれや」

「お前が先にくぐれよ」

「お前が先にくぐれや」

「お前がくぐれよ」

「お前がくぐれや」

「お前がくぐれ」

「お前がくぐれ」

「お前が」

「お前が」

・・・・

・・・

・・

74 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:25
なお韓国でのプロモーションは主要メンバー3人で行なわれた。
75 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/27(土) 21:25
03 飛行機


おしまい
76 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/27(土) 21:26
えー
これからもこんな感じでだらだらと
77 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/27(土) 21:27
>>52
どうもどうも。
スペシャルゲストの二人だったんですけど楽しんでもらえたでしょうか。
私はちょっとやりすぎかなーと思ったんですが
楽しんでもらえたなら嬉しいです
78 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/27(土) 21:28
>>53
ありがとうございます
このお話は小説としては意味不明なところが多いんですが
笑ってくれればそれでもう十分だと思ってます
79 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/27(土) 21:29
>>54-55
この話、飼育っぽくないと思うんですよね
なので下の方でこそこそやっていこうかなって思っています
まあ、上にガンガンageてたみちし原人も、
相当飼育っぽくなかったんですけどね・・・・・・
80 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/27(土) 21:31
>>56
すっげー面白いですか
実はこれからどんどん面白くなくなっていくんですよこのスレは
嘘です
次がどうなるかは作者にもよくわかってないです。
でも楽しみにしてくれる人がいるので頑張ります。
81 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:06
04 ディスクドッグ
82 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:07

ワンワンワン

キャンキャンキャン

アウアウアウー


騒がしくもどこか微笑ましい鳴き声があちこちで上がっている。
東京の中でも有数の広さを誇るその公園には、
まるで見本市のように各種の犬たちが多数集まっていた。

良く晴れた青空の下、公園の各所で様々なイベントが行なわれている。
犬の飼い主達は互いに交流を深めながらも
自分の愛犬に対する自慢げな態度を隠そうとはしない。
やっぱりうちの子が一番ね
そんなふわふわとした暖かい思いが秋の空にいくつもただよっていた。
83 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:07
久住小春は愛犬みっつぃーを連れながらうろうろしていた。
広い公園の中で目的の場所を見つけるのは難しい。
他の犬にガシガシ当たりながら一人と一匹は狭い道をいったりきたりする。

久住は通りの所々に出ている露店にふらふらと寄り道する。
ソースの匂いがぷんと鼻をつく。

アウアウー

愛犬に引きずられるように久住は露店を後にする。
そんな久住の目に、これまで見たこともない、熊のような巨大な犬が映る。
わあ!と歓声をあげて近づこうとする久住。

アウアウー

だが久住はまたも愛犬に引きずられるようにしてその場を離れる。
目的とする場所は愛犬の方がしっかりとわかっているようだった。
84 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:08
「ちょっとみっつー!引っ張らないでよ!」

「引っ張らんかったらあんた動かへんがな」

「ほら!ホットドッグ!食べよう!」

「アホか。何がホットドッグやねん。さっき食べたやろ」

「あれはアメリカンドッグ!全然違うの!」

「なんぼほど食うねん。時間に間に合わんがな。急いで急いで」

「うわ!!大きい犬!なにあれ!見に行こう!」

「人の話聞けや!!」

「犬じゃん」

「そんなことはどうでもええねん。急げや!」

「あれ雄だったら交尾してみる?どうよみっつぃー?」

「お前・・・・お前はいつか絶対動物愛護団体に訴えられる」
85 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:08
一人と一匹はいったりきたりしながらも時間ギリギリに目的の場所に着く。
受付用紙を取りに行く久住。
そのテーブルの上ののぼりには、大きく「ディスクドッグ(TCR部門)」と書かれていた。
「TCRでいいんだよね?」という久住の質問にみっつぃーはアウーと答える。
アウー 一回はイエス。アウー 二回はノー。五回点滅は愛してるのサインだった。

TCRとは「Throw, Catch & Retrieve」の略。
つまり飼い主(久住小春)がディスク(フリスビー)を投げて(Throw)、
それを愛犬(光井愛佳)がつかんで(Catch)取って来る(Retrieve)という競技だった。

一枚のディスクを投げ、犬がそれを空中でキャッチして、飼い主の所まで持って帰ってくる。
制限時間内に何度も何度も投げて、犬にキャッチさせる。
犬がディスクをキャッチした距離に応じて点数が加算される。
ちなみにキャッチできずに地面に落とした場合は無得点となる。
TCRとは、キャッチした得点の合計点数を競う競技だった。

エントリーした犬がエントリー順に次々と競技を行なっていく。
時間ギリギリにエントリーした久住とみっつぃーの順番は最後だった。
86 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:09
「みっつぃー!出番まで練習するよ!」

「えー。昨日もやりましたやん」

「だってディスクの大きさが全然違うんだもん」

「どれどれ」

「ほら」

「硬!!なにこれめっちゃ硬いですやん」

「すっごい重いの。飛びすぎないようにしてるのかな?」

「まあええわ。ほなちょっと投げてみてーや」

「えい!」

「あ」

「あ」

「うわーあの人の頭直撃ですやん。めっちゃ睨んでますやん」

「ほらみっつぃー、知らないふり知らないふり」

「あんたのことを知らないふりしたいわ・・・・・・」
87 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:09
わああっ!!と観客から大歓声が上がる。
どうやら最後から二番目のペアが高得点をたたき出したようだった。
まるで木村麻美のような華麗なスローを繰り返した飼い主と
UFAに対する石川梨華のような忠誠心の厚い愛犬が抱き合って喜ぶ。

久住&みっつぃーペアが優勝するためには一つのミスも許されない。
そんな状況で、最後の競技が始まろうとしていた。

久住の顔からはさっきまでのおちゃらけた表情は消える。
きりりと引き締まった顔でディスクを水平にかざす。
競技スタートの号砲とともに久住の指からディスクはしなやかに放たれる。

大きく右にカーブを描いたディスクは―――

みっつぃーの牙を弾いて―――

地面にころころと転がる。

落ちたディスクを拾ったみっつぃーは必死に久住の下へと駆け寄る。
88 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:10
「みっつぃー!えらい!すごい!ナイスキャッチ!」

「アホか!ナイスキャッチちゃうわ!落としてるやろ!」

「なんで?ちゃんと取ったじゃん」

「ダイレクトで取らなアカンやろ!ルール知らんのか!?」

「じゃあ取れよバカ」

「急に態度変えんなや」

「お前が取ればいいんだろ?あ?」

「ちゃんと投げろや」

「取ってから言えよ」

「投げてから言えや」
89 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:10
「練習したじゃん。なんで本番でできないの?」

「投げるんきついっちゅうねん」

「あれくらい大丈夫でしょ」

「歯痛いっちゅうねん。ガンガン当たってるっちゅーねん」

「歯くらいなに?折れてもいいじゃん。後でお医者さん連れてってあげるから」

「アホか。お前はアホか。そういう問題ちゃうわ。お前の歯折ったろか」

「じゃあ投げるよ!取れよ!」

「待てええええええええええ!!」

「なによ!!」

「ちゃんと投げろや!ゆっくり投げろや!」
90 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:11
「うるさいなあ。飼い犬に手を噛まれるってのはこのことだよ」

「噛んでへんわ」

「バーカ。慣用句だよ慣用句」

「紛らわしいこと言うなバカ。バカのくせに慣用句とか使いやらって」

「おいおい。『使いやらって』。バカかお前。噛んでんじゃねーよ」

「噛んでへんわ!」

「噛んだだろ!思いっきり噛んだ!」

「噛んでへんわ!!」

「噛んだ!」

「噛んでへんわ!」

「あのさー、どうせ噛むならディスク噛んでくれない?」

「それ硬いねん。めっちゃ硬いねん。ちょっと替えてこいや」
91 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:11
「替えられるか!これ使うのがルールなの!」

「なんやねんお前。ルール知らんくせに」

「知ってるもん!」

「知らんかったやんけ」

「ああ?知ってるって言ってるじゃん」

「ナイスキャッチとか言ってたやんけ」

「おだててやったんだよバーカ」

「嘘つけコラ。めっちゃはしゃいでたやんけ」

「豚もおだてりゃ木に登るかなーって」

「豚ちゃうわ!」
92 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:12
「バーカ。慣用句だよバカ」

「うるさいボケ。アホのお前に慣用句なんか豚に真珠じゃ」

「豚じゃないもん!」

「慣用句やろうがアホが!」

「うっさい豚。ぶくぶく太りやがって。豚が豚言うな」

「豚って言うな!今の慣用句ちゃうやろコラ!おい!ああ!?」

「うっさいなあ。弱い犬ほどよく吠えるってか?」

「誰が犬じゃコラ!」

「犬だろ!」

「今のは慣用句ちゃうんか!」

「慣用句だけど慣用句じゃなくても犬だろお前は!」
93 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:12
「犬言うなボケ」

「犬だろ。犬畜生だろ」

「畜生言うな。殺すぞ」

「あ?お前が氏ね」

「お前が氏ね」

「保健所送るぞ」

「動物愛護団体にチクるぞ」

「やってみろよ。電話すんのか?あ?」

「やったろうやんけ。お前犬が電話できひんと思ったら大間違いやで」

「できるわけないだろ!」
94 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:13
「めっちゃかけるっちゅーねん。毎晩風呂上りは長電話やっちゅーねん」

「おう。やってみろよ。できるもんならやってみろよ」

「おお。やったるわ。いつでもやったるわ。毎秒5回くらいやったるわ」

「できないんでしょ?勢いで言っちゃったんでしょ?認めなよ。謝りなよ」

「できるっちゅーねん。かけるっちゅーねん」

「ならやってみろよ今。ほら。ほーらほら」

「やったるわ。いつでもやったるわ。明日やったるわ」

「明日?あれ?今はできないんだ?」

「いつでもやったるっちゅーてるやろ!耳ないんかワレ!!」

「きゃんきゃん吠えてんじゃねーよ負け犬が!」

「負け犬言うな!次に犬言うたらマジで殺すぞ!」
95 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:13
「犬だろ」

「犬言うな。みっつぃーって呼べや!」

「やだよ。そのダサい名前、呼ぶの恥ずかしいもん」

「お前がつけたんちゃうんか!!」

「やめた」

「は?」

「今日からさ、『ミキティ』って呼んでいい?」

「いきなり何言うねん。お前頭おかしいんか」

「えー、『ミキティ』の方が可愛いじゃん!」

「そんな名前、死んでも嫌や」

「じゃあ、『あいぼん』は?」

「殺すぞ」
96 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:14
「名前は飼い主が決めるんだよ。従えよ」

「なんで今名前決めんねん」

「知るか」

「お前の脳みそは犬以下か」

「犬以下言うな。殺すぞ」

「犬以下やろ」

「犬が犬以下とか言うな」

「犬やから犬以下言うんじゃ」

「犬のくせに」

「犬以下のくせに」

「黙れ犬」
97 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:14
「犬言うな。殺すぞ。この犬以下が」

「犬以下言うな。次言ったら本当に殺すぞお前」

「あ?勝てると思ってるんか?あ?」

「あ?お前こそ人間様に勝てると思ってるの?マジで?正気で?」

「やったろうやんけ。かかってこいや」

「お前がかかってこいよ。びびってるの?」

「びびってへんわ。お前がかかってこいや」

「お前がこいよ」

「お前がこい」

「氏ね」

「お前が氏ね」

「お前が氏ね」

・・・・

・・・

・・



98 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:14
なお久住&みっつぃーペアは無得点のまま時間オーバーとなった。
99 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/28(日) 21:14
04 ディスクドッグ


おしまい
100 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/10/28(日) 21:16
100到達&50KB到達
先は長いですが、これでスレを立てた者としての最低限の責任は果たせたでしょうか

思いついたらまたなんか書きます
101 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/29(月) 06:10
おもしょろかったよ
「殺すぞ!」
「氏ね!」
この台詞が強烈に残る作品もある意味凄いスw
102 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:36
05 本能寺の変
103 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:36
時は後世の人が”安土桃山時代”と呼ぶことになるその時代。

世はまだ戦乱の様相を残しつつも、
既に武田信玄も上杉謙信も亡く、一つの時代が終わろうとしていた。
世は、確実に、織田信長の時代へと収束に向かっていた。

東北関東近畿の要所を押さえた信長は、残る中国・四国・九州地方を制圧すべく、
主要な武将に兵を持たせて彼の地へと派遣していた。
四国へと送られた羽柴秀吉もその一人。
そしてまた、苦戦を続ける羽柴の下へ一人の武将が送られることとなった。
104 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:36
京都の外れにある一つの城から、信長の命を受けて出陣していく一軍があった。
目指すは秀吉が毛利氏と激闘を繰り広げている中国地方。
先はまだまだ長い。
足軽達もまだどこかのんびりとした空気に包まれている。

先頭を行く一団の旗には小梅の家紋。
その少し後ろには、織田信長軍下の一武将、久住小春の姿があった。

まだ年端も行かぬ幼い顔立ち。
名門久住家の家督を継いだのは御歳わずか13歳の時であったという。
そして小春の傍には、時には小姓として、時には軍師として
小春をこれまで常に支えてきた光井愛佳の姿があった。
105 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:36
「ねー、みっつぃー。まだ着かないの?」

「まだ出発したばっかりですがな。中国でっせ。そんなはよ着くわけありませんがな」

「あー、もー、面倒臭いなあ。本当に中国まで行くの?マジで?」

「信長公の命令でっせ。あのおっさん、怒らせたら怖いで」

「あいつむかつくよねー、生意気だよ。気分屋だしさー、ついてけないって感じー」

「(あんたの方が思いっきり年下やんけ・・・・・・・・・・)」

「こんな軍勢いっぱい引き連れてるから歩くの時間かかるんだよね」

「そらそうですけど」

「京都から広島までさー」

「は?」

「新幹線なら2時間なのにね」

「シンカンセン?なんのことやらさっぱりわかりませんなあ」
106 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:37
久住軍はうろうろと京都の山中をさまよう。
実は彼女達は京都から西へと行った経験がほとんどなかった。
いや、全くなかった。
軍勢は光井の指揮のもと動いていくが、行く先ははっきりとしない。

徐々に軍勢の士気は落ちていく。
兵法に疎い小春の目にもはっきりとわかるほどに。
そうこうしているうちに軍勢は大きな川のほとりにたどり着く。

そこは京都しか知らない小春でもよく知っている川だった。
107 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:37
「あれ?ちょっと。おいおい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ちょっとみっつぃー、これ桂川じゃないの?」

「えーっと・・・・・・・・さあ・・・・・・・・・・」

「えー。もしかして道に迷ったんじゃないの?」

「そんなことはない!絶対ないわ。ありえへん。そんなわけないやん」

「ちょっとぉ。大丈夫?なにむきになってるの?」

「いやマジで迷ってないですから。もう岡山県です」

「うそだあ!これ桂川じゃん!まだ全然京都じゃん!」

「いやいやこれは旭川という岡山にある川で」

「嘘だあ!道に迷ったんでしょ!」

「迷ったとか言うな」
108 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:37
「ヤバイよこれ。兵士の士気もすっごい落ちてるし」

「落ちてませんって。まだまだいけますって」

「引き返そうよ。これじゃ中国地方行けないって」

「アホな。ここで引き返すとか言ったら余計士気が落ちますがな」

「マジで?どうすんのよみっつぃー」

「この道を真っ直ぐ行きましょう。それで大丈夫」

「さっきもそう言って迷ったじゃん!」

「だから迷った言うなや!部下に聞こえたら士気が落ちるやろ!」

「マジで?大丈夫?このまま言ったら信長に鉢合わせするんじゃない?」

「いや、絶対中国に着くから」

「あんたがこんな方向音痴だったとは・・・・・・・」

「だから絶対中国着く言うてますやん」

「なんか中国は中国でも北京とか上海に着きそうな気がしてきたよ・・・・・・・」
109 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:37
軍勢は光井の鶴の一声でそのまま続く道を真っ直ぐと進む。
土地勘のある兵士たちはざわめきだす。
なぜならこのまま真っ直ぐ行けば信長公の逗留する本能寺へと向かうからだ。

なぜ今更信長公のもとへ?
謁見するために?
ただそれだけのために?
まさか・・・・・・・まさか!?

ざわめきは流行病のようにあっという間に軍勢全体に広がる。
もはや疑問は確信へと変わりつつあった。
久住小春の決心を勝手に推し量り、勝手に緊張を高めていく一軍。

光井が道を間違ったなどと思う者は一人もいなかった。
110 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:38
深い夜が明けようとしていた。もうじき朝が来る。その僅かな一瞬。
夜明け前の、夜が一番暗いその瞬間に軍の先頭は本能寺を視野に捉える。
軍勢は勝手に放射状へと広がっていき、臨戦態勢を取る。

籠の中で寝ていた小春と光井は兵の不自然な動きで目が覚める。
まず光井が籠から降り立つ。
周囲を見回し、現状を一瞬で把握する。

うーわ。やってもうた。アウアウアー

だが光井はそんな心中を全く顔に出さずに久住の方にむき返り、

じゃ行きましょうか。

とまるで学校帰りにスタバでも行こうか?というようなテンションで言った。
軍勢が鬨の声を上げて弾けるように動き出す。
111 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:38
「なになに??みっつぃーどうしたの?敵襲?」

「なに寝ぼけてますのん。襲撃ですがな。こっちからの」

「えー!マジで?もう中国着いたの?」

「そうみたいですなあ」

「え?え?え?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「おいおい!ここ本能寺じゃんかよ!」

「あれ?知ってましたっけ?」

「知ってるよ!なんで本能寺なんだよ!」

「敵は・・・・・・本能寺にあり!!」
112 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:38
「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwふざけんなwwwwwww」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwふざけてませんwwwww」

「主君!主君!あれ主君!」

「単語で話すなや。自分めっちゃゆとり教育やな」

「バカかお前!信長に喧嘩売ってどうすんだよ!」

「え?さあ?」

「お前殺すぞ。どうしてくれんだよ!」

「しゃーないですやん。本能寺に着いたんやから」

「しゃーないじゃないだろ!!お前が道間違えたんだろうが!」

「間違えてへんわ!」

「間違えただろ!」
113 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:38
「間違えてへんわ。全然間違えてへんわ」

「お・ま・え・が・間違えたから!中国じゃなくて!本能寺に来ちゃったんだろ!」

「えー。久住さんもこっちでええ言いましたやん」

「バカかお前!あたしはこっちじゃないって言ったじゃん!」

「え?そんなんいつ言いましたっけ?何年何月?何時何分何秒?」

「子供か!」

「ええやんええやん。もうこれでええやん」

「バカかお前?これ超謀反だろ?なにやってんだよお前!!」

「久住さんがー、信長超むかつくとか言うからー、謀反とかー、いいかな?と思ってぇー」

「殺すぞ。女子高生口調で喋んな」
114 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:38
「いやいやいや。だって実際久住さん中国行きたくないとか言ってましたやん」

「言葉の綾だろ!」

「それに信長って超生意気だよねー、って言ってましたやん」

「だから女子高生口調はやめろ。マジ殺すぞ」

「いやだから謀反したいんかなーって思って」

「お前嘘つくな。ただ道を間違えただけなんだろ?」

「いやいやいや。私間違えてないし。最初から本能寺行くつもりやったし」

「お前殺すぞ。いや氏ね。腹切って氏ね。あたしが介錯してあげるから」

「おおー。火矢を使ったみたいですなあ」

「うわあああああああああああ。寺がああああ燃えてるうううううううううううう」

「火矢くらいで何びびってますのん」

「だからあそこには信長がいるんだよ!!」
115 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:39
「もーえろよもえろーよー、ほのおよもーえーろー」

「キャンプファイヤーじゃねええええええええええええ」

「いや、これでほぼ確実に信長の命取れますやん」

「命のことタマとか言うな。お前はヤクザか」

「殺らんかったら殺られる。ワシらそういう世界におるんじゃけんのう」

「なんで広島弁?」

「うわー、でも信長軍の抵抗もきついなあ。人少ないのによう頑張るわ」

「だからダメだって!襲撃やめ!火矢もダメ!消防車呼んで!早く!」

「この期に及んで何言うてますのん。もう行くしかあらへんがな」

「お前が道間違えたからだろ!!」
116 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:39
「えー。まだ道間違えたとか言うんですか?お前めっちゃしつこいな?」

「しつこいじゃねえよ!致命的だよ!」

「考え方を変えましょうよ。信長殺ったら・・・・・久住さんの天下でっせ」

「そんな簡単に行くか!主君殺す奴に誰がついていくんだよ!」

「おおー。案外冷静ですあな」

「常識だよ!だから謀反はヤバイんだって!止めろよ!」

「もう無理ですって。久住一族が滅ぼされるか。久住一族が滅ぼすか。どっちかしかないんですって」

「どっちとかねえんだよ!」

「まあまあ。『久住小春と愉快な仲間達』で天下統一しましょうや」

「愉快過ぎてwwwwww笑えねえええええええええええええwwwwwwwwww」
117 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:39
「どっちにしても信長公はこれまでですわ。歴史変わったかもれませんなあ」

「なに他人口調になってんだよ!全部お前の仕業だろ!」

「『敵は本能寺にあり!』。これ名言になるかもしれませんで。へっへっへ」

「自分で言うな!お前が道間違えたからだろ!なに誤魔化してんだよ!」

「ほら・・・・・よく言いますやん・・・・・」

「?」

「小さな嘘を誤魔化すには、もっと大きな嘘をつけばいい」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwwやっぱり嘘かよwwwwwwww」

「いや、嘘っていうかまあ。道に迷いまして。ゴメンなホンマ」

「認めるのかよ!」
118 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:39
「まあでも戦なんて勝ったもん勝ちですわ」

「日本語になってねえよ!」

「だからこれで天下に近づいたと思えばええですやん」

「バカかお前!信長にどんだけ軍勢ついてると思うんだよ!」

「そうでしたっけ」

「お前頭おかしいんか?まず間違いなく秀吉が襲って来る!絶対負けるって!」

「いやいやいや。それは違う」

「マジで?」

「先に来るのは柴田勝家でしょう」

「どっちだって一緒だろ!!!」
119 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:39
「まあこれで中国行く手間省けましたやん」

「手間省き過ぎだろ!」

「久住小春の名前も全国に知れ渡りまっせ」

「指名手配と一緒だよ!!」

「ネガティブやなあ自分。もっと明るく行きましょうよ」

「バカかお前?お前はマジで氏ね。三回氏ね。三回生き返って四回氏ね」

「氏ねとか言うなボケ」

「氏ね。秀吉が来る前に光の速さで氏ね」

「氏ね言うお前が氏ね。氏んであの世で信長公に殺されてもう一回氏ね」

「信長はお前が殺したんだろうが!」
120 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:40
「歴史上はお前の仕業じゃ!」

「ずるい!みっつぃーずるーい!!」

「知るかボケ!歴史の教科書に謀反人として載れ!」

「お前が載れ!史上最低の方向音痴として載れ!」

「そんなん許可書に載るかボケ!」

「安土桃山時代を代表する肖像として載れ!亀井に描かせるわ!」

「氏んでも嫌じゃボケ!大名のお前が載れ!」

「バカか!お前が載れ!」

「お前が載れ!」

「お前が載れ!」

「・・・・・・・」

「・・・・・」

「・・・」

・・

121 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:40
なお久住小春と愉快な仲間達は三日後に羽柴秀吉に討たれた。
122 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 19:40
05 本能寺の変


おしまい
123 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/03(土) 19:42
>>101
ありがとうございます!
こんなくだらない話を書いて飼育の人が受け付けてくれるか少し心配してました。
ていうか今もまだ心配しています。

面白かったよと言われると素直に嬉しいです。たとえ噛んでいても。
期待してる人がいる限り、これからもちょこちょこ書いていこうと思います。
124 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/03(土) 19:43
でもまあ多くの人に見てほしいので恐る恐るageておきます
125 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/03(土) 20:33
今回はいつにもまして幅が大きいですね
もうめっさ笑わせていただきました
今後も楽しみにしてます
126 名前:くろ 投稿日:2007/11/04(日) 01:27
かねてからのファンで、いつもニヤニヤ読ませて貰ってます!
いやあ、こんな史実もありかも知れませんねwww
今後もニヤニヤさせていただけるのを期待してますww
127 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:01
06 m-seek
128 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:02
時は後世の人が”平成時代”と呼ぶことになるその時代。

ハロプロはまだ戦乱の様相を残しつつも、
既に加護亜依も後藤真希も去り、一つの時代が終わろうとしていた。
世は、確実に、久住小春の時代へと収束に向かっていた。

というのは嘘で

ハロープロジェクトは相も変わらず迷走を続け
先の見えない状況でメンバー達は活動を続けていた。

ハロープロジェクトの旗艦グループであるモーニング娘。も例外ではなく、
あるメンバーにまとめて仕事が入ったかと思えば
あるメンバーにはほとんど仕事が入らないといった感じで、
全盛期とはまた違った意味で個々にバラバラに活動していた。
129 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:02
ロケバスの中では久住と光井の二人が
肩を寄せ合うようにして座っていた。
だが二人は向き合い話し合うようなことはせずに、
二人とも視線を自分の手元の携帯電話に向けていた。

バスの中にカチカチと携帯を操作する音だけが響く。

今日は他のメンバーは来ていなかった。
久住と光井、二人だけの仕事ということもあって、
二人は二人だけの会話を楽しむことができる状況だった。

他のメンバーは知らない二人の共通の趣味。
その答えは携帯の画面の中にあった。
130 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:02
「みっつぃー!ほら!森板に新しいスレ立ってるよ!!」

「え?あー、それか。今気づいたんですか?相変わらず遅いなぁ」

「なんだよう!昨日の夜に立ったスレじゃん!新しいじゃん!」

「久住さん。いつも言うてるけど2ちゃんブラウザ入れたら?パソコンに」

「うちのお父さんのパソコンだもーん。無理だよー」

「Jane入れてたら新スレ立ったことなんか一瞬でわかりますよ」

「えええええええええええ!ホントに?すごいすごーい!!」

「(これで言うたん5回目くらいやけど・・・・・・よう5回も同じリアクションできるわ)」

「携帯だとどれが更新されたかなんてすぐわかんないよ!」

「まあ・・・・・そらそうですわな」
131 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:02
二人はお互いの携帯電話を見比べながらお気に入りの小説をさくさくと読んでいく。
森・草。夢・幻・水・ほいく・黒・・・・・・・・・・・・・・
二人は協力しながらあちこちのスレを片っ端から開けていく。
こうやって小説を見つけては読んでいくのが、
二人のロケの待ち時間の潰し方だった。

7年前からこの掲示板に入り浸っているヘビーユーザーの光井と、
その光井に教わって2007年に入ったあたりから飼育を見るようになった久住。
教えて君の久住に光井が優しく答えるというのがいつものパターンだった。

ちなみに光井は「よちゃんアイカ」というコテハンで
かなり濃密なよしみつ小説を書いていたが、久住にはそのことは秘密にしていた。
132 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:03
「あ!みっつぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

「いたたたた。もーう。なんですのん」

「案内板見て!企画が始まるよ!企画が!!」

「えー。またですか。正直企画はもう飽きたっちゅーか・・・・・・」

「なに古参ぶったこと言ってるのよ!参加しようよ!ほら!」

「はあ。(いやまあ実際古参やし)。何の企画ですか?オムニバス?」

「なんかもめてるよ。最下位再生企画?か団体戦かオムニバスか。だってさ」

「うわ。めんどくさ。じゃあ誰かが決めてくれるまで待ちましょ」

「ダメ!投票で決めるみたいだからあたしたちも投票するよ!」

「え〜。マジっすか〜。で、どっちにするんですか?」

「もちろんオムニバスだよ!オムニバスじゃないと作品集まらないし感想も少ないし・・・・」

「またその愚痴ですか。もうマルチリテイクのときのことはええやないですか」
133 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:03
「一生言うよ!!うらんでるもんね!あのときはみっつぃーにだまされたもん!」

「(このクソガキが・・・・・・飼育は初心者に厳しい板やとあれほど・・・・・)」

「じゃーん!小春、オムニバスに一票でーす」

「(ほなうちは最下位再生企画に一票入れたろ)」

「オムニバスになったら小春も企画に参加するよ!」

「マジすか。最下位再生企画になったら?」

「参加しませーん。マルチリテイクのとき参加したけど感想少なかったもん」

「またその愚痴ですか・・・・・・まあええですけど・・・・・」

「みっつぃーが感想もらえるよって言うから小春参加したんだよ?でも感想少なかったじゃん!」

「もうその話は終わったやないですか・・・・(逆恨みや・・・・・完全に逆恨みや・・・・)」

「オムニバスならたくさん参加するよね?感想もいっぱいもらえるよね?ね?」

「まあ・・・・・オムニバス以外の企画の時よりは集まるんやないですか」
134 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:03
やがてスタッフの声がかかりロケが再開される。
光井は一年のキャリアを経て身に付けたアイドル用の笑顔でもってロケに臨む。
一方の久住はロケバスの中できゃあきゃあはしゃいでいたときと
そう変わらないような雰囲気だった。
仕事用もプライベート用もない小春の笑顔に光井はやや気圧される。

ああ。もう。鬱陶しいなあ。こいつ。

そう思いながらも光井は脳内の小春像を一秒ごとに小刻みに修正していく。
リアルタイムで変化していく小春の動きに必死にくらいついていく。
その作業は辛くも楽しいものだった。
他人に動かされているという、受動的な楽しみではなかった。

むしろ積極的に小春を動かしていく光井。
小春は決して光井の意図通りには動かないが、それがまた楽しい。
きらきらと光を放って輝く小春の笑顔。
こんな美しい小春が飼育であんなエログロな話を書いているなんて、
光井にはとても信じられなかった。

そうこうしてるうちにロケは終わり、二人は再びバスへと戻る。
135 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:03
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「いきなりなんですのん」

「ほら!みっつぃー見て!同点だよ同点!!」

「久住さん・・・・・仕事が終わるやいなや即携帯で飼育チェックて・・・・・・」

「いいじゃん!飼育の人はみんなやってることでしょ?」

「いや・・・・・多分やってないと思う・・・・・・」

「それよりさ!飼育の企画を決める投票!最下位企画とオムニバスが同点だって!」

「まためんどくさいことに・・・・・・・」

「よおし!今度の投票の時は連投だ!」

「やめろおおおおおおおおおおおおお」
136 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:04
「なんでだよ!手段は選ばないよ!」

「めちゃくちゃやったら顎さんにアク禁にされまっせ」

「じゃあみっつぃーが連投してよ」

「アホか。いきなりなに言うねん」

「みっつぃーならアク禁されても影響ないじゃん。企画に書かないんだから」

「企画は書かへんけど・・・・・更新してるスレがあるっちゅーねん!」

「うっそだあ」

「お前殺すぞ」

「だってみっつぃー、書いてないって自分で言ってたじゃん」

「ホンマは書いてるっちゅーねん。飼育wikiにも名前載ってるっちゅーねん」
137 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:05
「なんてコテハンだよ」

「・・・・・・・・・・・・」

「言えないの?あー、やっぱり嘘なんだー」

「・・・・・・・・ヨッチャンアイカ」

「え?」

「・・・・よっちゃんアイカ」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwあのへっぽこ小説かwwwwwwwwww」

「殺す。それ以上笑ったら殺す」

「うはwwwwwwwこれだろwwwwwwwwこれwwwww」

「なに調べてんねん!」

「『愛佳は熱く火照った豊満なバディを吉澤にあずけていった・・・・・・」

「黙れ。音読すんな。殺すぞ」
138 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:05
「じゃあ連投しろよ」

「おう。連投したるわ。最下位企画に連投したるわ」

「ふざけんなよ!お前またあたしの邪魔すんのかよ!」

「またってなんやねんまたって!」

「嘘ついただろ!オムニバス以外の企画もオムニバスと同じだって!」

「だいたい同じやん。嘘ちゃうやろ」

「オムニバスじゃないと作品数少なかったじゃん!!」

「たまたまちゃうかなー」

「とにかく次はオムニバス!絶対オムニバスだから。お前も投票しろ」

「嫌やっちゅーてんねん。実際さっきも最下位企画に投票したし」
139 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:05
「あ?お前殺すぞ」

「はあ?」

「なに最下位の方に投票してるんだよ!」

「だってそっちの方が面白そうやし」

「お前がさっきオムニバスに投票してたら決まってたじゃねーか!!」

「知らんがな。最下位再生企画でええやん。それで書けや」

「やーだー!やーだー!」

「とにかくオムニバスには絶対投票せえへんから」

「ははーん。お前嫉妬してるだろ?」

「はあ?」

「あたしの小説家としての才能に」

「なんでやねん!」
140 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:05
「あたしがメジャーな作家になるのが嫌なんだろ!」

「なんでそうなるねん。お前どんな思考回路してるねん」

「あたしがオムニバスで優勝するのが嫌なんでしょ。だから最下位に投票してるんだ」

「優勝できるわけないやろ!あんなくっさい文章で」

「殺すぞ」

「事実やろ」

「臭くねえよ」

「臭いっちゅーねん」

「今でもそこそこ有名コテハンだもん!」

「そら『ナイス☆ペッティング』とかいう変なコテハンやったら話題になるわ!」
141 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:06
「変じゃねーよ。野球のナイスバッティングと愛撫のペッティングをかけた・・・・」

「説明せんでもわかるわ!説明とか一番寒いわ!!」

「よっちゃんアイカに言われたくねーよ」

「ナイス☆ペッティングに言われたないわ!」

「でかい声でペッティングとか言うんじゃねーよ!恥ずかしいだろ!」

「お前がつけた名前やろうが!」

「あー、この言語感覚、わかんないかな?あんた才能ないんじゃないの?」

「そんな才能いらんわ」

「とにかくオムニバスに投票しろよ。黙って書き込め」

「絶対嫌」
142 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:07
「お前バカか?」

「なんでオムニバスに投票せなあかんねん」

「わかれよ。あたしのためだよ。あたしのために投票しろよ」

「お前中心か。飼育はお前中心か。顎か。お前は顎か」

「顎言うな。殺すぞ。このよっちゃんイカのできそこないが」

「うっさいボケ。さっきからお前の言ってること全然わからんわ」

「わかれよ。感覚でわかれよ。そんなんだからお前の小説にはレスがつかねーんだよ」

「ついてるっちゅーねん」

「全然ついてねーじゃん」

「めっっちゃついてるっちゅーねん。お前の小説よりついてるっちゅーねん」

「もうね。みっつぃーのCP小説は古い。萌えない。全然ダメ」

「もう一回言ってみろ。殺すぞ」
143 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:07
「お前のーCPはー古いって言ったんだよ!!」

「あ?殺すぞ。あ?あ?新参が小説を語るなコラ」

「お前顔真っ赤だな」

「黙れ。CPなめんなよ」

「みっつぃーのCPよりさー、小春の書いた小春的CPの方が新しいよね」

「アホかお前。何が『小春的CP』やねん。C3POみたいな顔しやがって」

「誰がC3POだよ!お前こそR2−D2みたいな体型しやがって」

「殺すぞ」

「こっちが先に殺すぞ」

「いややわあ。レスもつかへん小説書いてるやつに殺されたないわあ」
144 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:07
「お前殺す。マジで殺す」

「こっちが殺す。氏んだらナイス☆ペッティング名義の墓立てたるわ」

「ふざけんな。お前が氏ね」

「お前が氏ね。2ちゃんブラウザのありがたみを知らんままで氏ね」

「お前が氏ね。吉澤さんによしみつ小説を読まれながら氏ね」

「氏ね言うお前が氏ね」

「うっさい氏ね。回線切って首つって氏ね」

「氏ね。氏ねと間違えて本当に死ねって書き込んでしまってから氏ね」

「黙れ氏ね」

「喋りながらでもええから氏ね」

「氏ね」

「氏ね」

・・・

・・


145 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:08
なお飼育では結局オムニバス短編集でも最下位再生企画でもなく、エロス企画が行なわれた。
146 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/04(日) 20:08
06 m-seek


おしまい
147 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/04(日) 20:09
えー
今回のお話は少々悪乗りし過ぎたかもしれません。
こういうのって加減が難しいですね。
次からは普通の(?)お話を書くつもりです。

調子に乗ってすみません。
148 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/04(日) 20:10
>>120
これ「許可証」じゃなくて「教科書」ですね
誤字って恥ずかしいですね
149 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/04(日) 20:11
>>125
どこまでふり幅を大きくできるかというところに一生懸命になってるんですけど。
なんか一生懸命になる場所を間違えているような気がしないでもないです。
でも笑っていただいたようで本当に嬉しいです。
今後も頑張りますんで楽しみにしていてくださいな。
150 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/04(日) 20:12
>>126
どうも初めまして。そしてありがとうございます。
「かねてからのファン」などと言われたのは初めてなのでびっくりしています。
いつ頃から読んでいただいているのかはわかりませんが、
いつもいつも読んでいただいてありがとうございます。
今後もニヤニヤできるようなお話を書いてくつもりですんでよろしくお願いします。
151 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 07:17
今回のも超おもしろかったよー
作者さんは実は「みっつぃー」だったりして?w
152 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:39
143レス目、リアル涙目で吹いたんですけど
いつもありがとうございます
今後も楽しみにしてます
153 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:18
07 クッキング
154 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:20
光井は買ったばかりの料理の本を何度も何度もめくっていた。
本を見ては調理器具を整え、調理器具をいじっては再び本を覗き込む。
せわしない動作を繰り返しながら入念なイメージトレーニングを行なっていた。

学校の家庭科の授業などでは何度も料理をしたことがあったが、
一から自分で全部準備して行なうのは初めてだった。
用意してもらったレールの上をただ進むのと、
自分の意思でレールを敷いて進むのとでは全然違う。
たかが料理でありながらも光井はそんなことを考えながら準備をしていた。

ピンポーンと呼び鈴が鳴り、約束の時間よりやや遅れて待ち人がやって来る。
楽しい時間が始まる期待感と、やっかいなことになりそうだという嫌な予感がない交ぜになる。
あの子には頼れない。多分、いやきっと、あたしが頑張らないとダメだ。
光井は強くそう思う。

やってきたあの子が自分の意思でレールを敷いてくれるとは思えなかった。
155 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:20
「やっほー、みっつぃー!材料買ってきたよ!」

「久住さん、大丈夫でした?」

「なにが?」

「いや・・・ちゃんと・・・・・・買ってこれたかなあ?って思って・・・・・」

「小学生じゃないんだから!買い物くらいできるよ!」

「えー、薄力粉、卵、バター・・・・・・・あれ?・・・・なんですかこれ」

「クッキー!」

「アホか!これから作るんやろうが。クッキーを」

「えー。いいじゃーん。味見用だよ」

「味見用て。まあ・・・・・材料は足りてるしええか・・・・・・」
156 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:21
二人はさっそくクッキー作りに取り掛かる。
やはりというか光井の方が主導権をとって調理を進めていく。
主導権というか―――小春は基本的には何もしない。
小春は、カシャカシャと生地を混ぜる光井の後ろを
右に左にうろうろしながら「まだー?まだー?」と耳元で叫ぶ。

そんな小春を適当にあしらいつつ、
光井は砂糖とバターを加えてさらにかき混ぜる。
それらしき甘い匂いがキッチンに漂い始め、小春のテンションはさらに上がる。
テンション上げ上げで小春も光井の横で生地をこねはじめる。
こねこねこね。コネは大事だった。芸能界で生きる二人は本能でそれを知っていた。

塩の替わりにグラニュー糖を入れよう!
という小春の提案を光井は体を張って阻止し、なんとか生地が出来上がる。
クッキーの型を作る前に、生地を冷蔵庫で冷ます。
時間にして30分ほど。
光井の買った本にはそう書いてあった。
157 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:21
「ええええええええええええええ!30分もー!!」

「ええやん30分くらい。堪え性のない人やね」

「お腹すいたよー!焼こうよ!焼こうよ!焼こうよ!」

「ダーメ。ちゃんと寝かさないと美味しくなりません」

「ちぇっ。地味なのー。つまんなーい」

「料理に地味も派手もあるか!」

「じゃあさ、待ってる間に買ってきたクッキー食べよう!」

「ダメ!!」

「なんでよ!そのために買ってきたのにー」

「せっかく作るんだから。作ったクッキー食べましょうよ」

「えー」

「自分で作ったクッキーの方が絶対美味しいですって」

「はーい」
158 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:21
やがて30分が過ぎ、二人は冷蔵庫から生地を取り出す。
広げた生地を型で切り抜き、フルーツゼリーなどのトッピングを施す。
生地からはバニラエッセンスの甘い匂いが広がる。
型で切り抜いた余りの生地をつまみ食いしようとする小春の手を光井はピシャリ!と叩く。
まさにその頃東京の片隅では田中れいながくしゃみをしていたが
このお話とは全く関係ないので割愛させて頂く。

光井は生地をオーブンへと運ぶ。
光井家の調理用のオーブンは調子が悪かったので、
一度別の部屋に移動して父親が使っていた業務用のオーブンに生地を入れる。
まあ温度が一緒ならこれで焼いてもいいよね。くらいの軽い気持ちだった。

光井は温度を180℃に設定する。
これで後は焼きあがるのを待つだけ。時間にして30分。
光井の買った本にはそう書いてあった。
それを聞いて小春がまたぐだぐだと文句を言う。
159 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:21
あぁ!
Bouno!の露払い的なユニットの名前ではない。
文句を言う小春に向かって光井はヤクザのような野太い声で威嚇する。
あぁ!待てと言ったら待てや!と強い調子で怒る光井に対して小春は不満の表情を隠せない。
とてもじゃないが30分も待てないといった感じだったが、
しぶしぶキッチンの方へと戻る。
なおその頃東京の片隅では田中れいながくしゃ(ry

部屋に戻るやいなやドーンと大きな音がする。
それと同時にうっすらと焦げ臭い匂いが流れてくる。
なんだこれ。やばい。

光井と小春はオーブンのある部屋へと大急ぎで戻る。
160 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:22
「うわあああああああああ」

「なんやこれ。クッキー丸焦げやん・・・・・」

「ちょっとみっつぃー!話が違うじゃん!」

「おかしい・・・・なんでや」

「せっかく5分で焼きあがると思ったのにー」

「え?5分?なんで?30分やろ?」

「いや180℃で30分なら1000℃にすれば5分で済むかなーと思って」

「はあ?」

「さっきオーブンの設定温度を1000℃に変えたの」

「アホか!」
161 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:22
「アホって言うなよ!ナイスアイデアだろ!一大決心して変えたのに!」

「1000℃で焼くな!!土器か!」

「ドキ?ミキ?」

「ふざけんなてめえ。何が女の子の一大決心やねん」

「ちょっと本当にクッキー焦げてんじゃん!どうしてくれんのよ!」

「お前のせいやろ!」

「このオーブンおかしいんじゃない?壊れてんじゃない?」

「おかしいんはお前の考え方じゃ。壊れてるはお前の生き方じゃ」

「180で30なら1000で5だろ!計算もできないのかよ!」

「料理にそんな計算あるかあ!しかも計算としても間違ってるわ!!」

「細かいことにこだわってんじゃねーよ」

「全然細かくないわ!!!」
162 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:22
「そもそも30分もかかるの作ろうってのが間違ってるよ!」

「料理言うたらそんなもんや!」

「なんでクッキーなんだよ。他のにすればよかったんだよ」

「お前がクッキー作りたい言うたんやろが!」

「え〜。クッキングしようって言ったのはみっつぃーじゃん」

「クッキングとは言うたけど、クッキーって言ったのはお前だろ!」

「バカかお前。クッキー作るのがクッキングなんでしょ」

「全然ちゃうわ!英語知らんのやったら黙ってろボケ!」

「英語くらい知ってるっつーの!料理アイエヌジーでしょ。クッキー進行形」

「お前はホンマにアホやな。実はチャンスとかも意味知らんのとちゃうんか」
163 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:22
「チャンスは・・・・・・チャンスじゃん・・・・・・・・・」

「え?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「お前マジで知らんのか?次のシングルのタイトルやろ?」

「知ってるもん。小春超知ってるよ」

「嘘つけ。絶対知らんやろ。意味知らんと歌ってるやろ」

「うっせーな!チャンスはチャンスだろ!日本語だろ!」

「日本語ちゃうわ!訳されへんのか!」

「知ってるっつーの。ハッピーは『幸せ』でしょ?」

「誰がハッピー聞いてんねん。聞いてるのはチャンスの意味やーいうねん」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あ?あ?チャンスの意味は?意味は?意味はなんですか久住小春さーん?」
164 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:22
「お前話逸らすなよ!クッキーの話してんだろ!」

「お前が焦がしたんやろうが!」

「お前のオーブンじゃねえええええええええか!」

「お前が温度勝手に変えたんやろうが」

「よかれと思ってやったんだよ」

「よくねええええええええええええんだよ!」

「未来のことなんかわかんねーよ!お前エスパー伊東かよ!」

「本に書いてあんだよ。その通りやれよ」

「じゃあ本の通りにもう一回こねろよ!」

「もう生地残ってないっちゅーねん!」

「買って来いよ!」

「お前がな!」
165 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:23
「ああ?さっき小春が買いに行ったじゃーん」

「知らんわホンマ。どうすんねんこれ」

「また買ってまたこねてまた冷やしてまた焼いて・・・・・・何時間かかるんだよー!」

「なんか・・・・・そんでまたお前が1000℃で焼きそうな気がするわ」

「5分で出来そうじゃん!」

「だから出来ひん言うてるやろ!見ろや!焦げてるやろ!」

「次は出来るかもしれないでしょ?」

「できるかあああああああ!お前は学習能力ないんか?」

「未来のことなんか誰にもわからないでしょ!」

「だから本に書いてあるて言うてるやろ。ホンマ学習能力ないのう」

「さっきからさー、なに同じことばっかり言ってるの?」

「お前が同じこと言ってるからやろ!!」
166 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:23
「これさー、食べてみなよ。案外いけるかもよ」

「食えるか!カッチカチになってるわ!」

「じゃあ捨てよっか」

「ああ・・・・・もったいない・・・・クッキーが・・・・・クッキーが・・・・」

「もったいないとか言うなよ」

「もったいないやろ!せっかくのクッキーが」

「クッキークッキーうるせえなあ。そんなに欲しいなら矢口さん家行ってこいよ」

「そのクッキーちゃうわ!」

「じゃあ小春が食べてみる」

「矢口さんの犬を?」

「食うか!」

「わかってるわ!」
167 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:23
「・・・・・・・・・・うわ!にっがい!」

「そらそうやろ。焦げ以外の何物でもないし」

「だからー。だから小春が言ったじゃん」

「はあ?」

「塩じゃなくてグラニュー糖入れようって!」

「関係あるかあ!」

「グラニュー糖入れたら甘くなるだろ?辛くなるのかよ?ああ?」

「料理ってのはそんなんちゃうんじゃ!」

「頭の中で計算しろよ。予測しろよ。本とか読んでんじゃなくてさー」

「予測できるんやったら1000℃とかすんなや。ああ?」

「話逸らすなよ」

「逸らしてないわ!これがメインやろうが!全てやろうが!」
168 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:23
「お前が勝手に理由決めんなよ」

「クッキー焦げてるやんけ。明らかに温度のせいやんけ」

「みっつぃーのこねかたが!明らかに!悪かったと思います!」

「お前が勝手に理由決めんなや」

「お前が決めるのはよくてもあたしが決めるのはダメなのかよ」

「ダメに決まってるやろうが!」

「お前中心か。地球はお前中心か。地軸か。お前は地軸か」

「地軸でもイチジクでもええから本の通り作れや」

「本・本・本・本うるせーよ。お前本に死ねって書いてあったら死ぬのか?」

「書いてあるわけないやろ。お前頭おかしいんか」

「ほら。ここに光井氏ねって書いてあるよ」

「お前が今書いたんやろうが!」
169 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:23
「お前見たんか」

「今、目の前で書いたやんけ。丸見えやんけ。お前ホンマアホやな」

「うるさい氏ね。本の通りやって氏ね」

「うるさいハゲ。お前が氏んだらええねん」」

「お前が氏ね。グラニュー糖に惨殺されて氏ね」

「お前が氏ね。1000℃で5分焼かれて氏ね」

「うるさい氏ね」

「氏ね氏ね氏ーね」

「氏ーね氏ね氏ね」

「真似すんな」

「うっさい氏ね」

「氏ね」

・・・・・

・・・


170 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:24
なお結局クッキーは買ってきたものを食べた
171 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/10(土) 19:24
07 クッキング


おしまい
172 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/10(土) 19:27
えー
飼育のあちこちの板のあちこちのスレをリサーチしてみたんですけど、
こはみつって意外と少ないですね。
もう少しの間、このスレが独占しててもいいんでしょうか。
173 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/10(土) 19:29
>>151
残念そこはシジクレイだ。
というのは冗談ですが、みっつぃーのモデルは私ではありません。
私はまだ飼育に来て一年くらいです。
教えて君です。文句たれです。連投はしないですけど。

つまりはそういうことです。はい。
174 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/10(土) 19:30
>>152
ありがとうございます。
レスをもらったから言うわけではないのですが、
私もこの143レス目が書きたいがために、内輪ネタを承知でm-seekネタにしました。
なのでここに反応してもらえると本当に嬉しいです。

しかしなんでこんなこと思いついたんですかね。
自分でもよくわかりません。
175 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 01:12
なにげにれいなにw
176 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 06:20
今回もおバカな二人に爆笑したよー
めずらしく「殺すぞ!」がなかったねー
なんか少しづつ仲良くなってきてる気がする?
177 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:55
08 ドラクエ
178 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:55
勇者こはるの一行は見知らぬ大地を彷徨っていた。
空は暗く、星ひとつない。
いや、暗いというよりは光が全く差し込んでこない。
夜なのか。
しかし何時間経っても朝がやってこようとはしない。
こはるたちは本能で今が昼だということを感じていた。

きっとこの大地には一切の光が差してこないのだろう。
アレフガルド。
そこは古の伝説の通り、闇に包まれた漆黒の大地だった。
179 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:56
先頭を行く勇者こはるの後ろを戦士みっつぃーがよろよろと歩く。
もうそろそろHPも限界に達しようとしていた。
ここまで4人パーティーで頑張ってきたこはる達だったが、
ジュンジュンは棺の中に納まっていた。
れいなは半年前にバシルーラで飛ばされてからずっと行方不明だった。

慣れぬ大地。
こはる達は道に迷い、城帰れない状態、いや、
バトルフィールドからラダトームの城へと帰れない状態、となっていた。
泣きそうになる勇者こはる。
こんなことならあんな怪しげな穴なんかに飛び込むんじゃなかった・・・・・・
遅まきながらそんな後悔が胸をよぎる。
180 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:56
「ねえみっつぃーやっぱり帰ろうよお」

「今更なに言うてますねん」

「バラモス倒したじゃん!もうハッピーエンドでいいじゃん!」

「だからまだゾーマがいてるー言うてるやないですか」

「このままじゃその前に全滅しちゃうよ!」

「帰れるんやったらすぐにでも帰ってるわ!!!」

「ちょっと怒んないでよ」

「こはるさんがアホみたいにザオラル使うから・・・・・・」

「だってジュンジュンを生き返らせたかったんだもん!」

「なんで5回も連続で失敗するねん・・・・・・信じられへんわ」
181 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:56
ザオラルの使いすぎで勇者こはるのMPはほとんど残っていなかった。
もうルーラは唱えられない。
キメラの翼も使い果たしてしまった。

商人であるみっつぃーは呪文が使えない。
こはるとみっつぃーのパーティーにとっては、
山ほど持っている薬草だけが頼りだった。

ああ、こんなときにエリクサーがあったら・・・・・
とみっつぃーは思ったが、よく考えたらそれは別のゲームのアイテムだった。
なにはともあれ城に戻らなくてはならない。
いや、別にまだ知らぬ新しい町でもいい。
とにかく宿屋に泊まって教会に行ってジュンジュンを生き返らせないと。

その気持ちだけで二人は延々と先の見えない砂漠を歩いていた。
182 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:56
「ねー、みっつぃー、まだ?」

「は?」

「まだお城に着かないの?」

「知らんがな。あんたが迷ったんやろうが」

「は!や!く!も!ど!ろ!う!よ!」

「うざ・・・・・・・」

「モンスター出たらどうすんのよ?もうもたないよ!」

「はあ?びびってんの?」

「びびってねーよ!」

「あ、モンスターや」

「いやあああああああああああああああああああ!!!」
183 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:57
現れたのはアレフガルドの大地によく出没するスライムベスだった。
貧弱な攻撃を盾で軽く受け止め、みっつぃーはゾンビキラーを一閃する。
ズバッ!とめっちゃホリデーのサマータイムのように斬られるスライムベス。
みっつぃーは難なくスライムベスの集団を全滅させる。
あは。楽勝やでこんなん。そう思いながらみっつぃーはこはるの方へ振り返る。

さっきまで思いっ切りびびっていたように見えたこはるは、
みっつぃーが倒したスライムベスが残したゴールドを漁っていた。

そんな二人のことを―――
岩場の影から密かに見つめているモンスターがいたが―――
二人はまだその存在に気づいていなかった―――
184 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:57
「なにしてますのん。もう行きますよ」

「ちょっと待ってよ!」

「スライムベスが持ってるゴールドなんてたかが知れてますやん」

「変なこと言わないでよ!あたしは決してゴールドがほしいわけでは・・・・・・」

「ホンマかいな。さっきはめっちゃびびってたやん」

「だからびびってないっつーの!勇者だよ!勇者!」

「あ、モンスターや」

「いやああああああああああああああああああああ」

「めっちゃびびってるやん」

「あれ?」

「モンスターなんかいてへんのになあ」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwww嘘かよwwwwwwwwww」
185 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:57
「勇者やったらモンスターくらいでびびんなや」

「だからびびってねーっつってんだろ!」

「めっちゃびびってるやん。悲鳴とか上げてるやん」

「でかい声で言うからびっくりしただけだよ!」

「じゃあ小さい声で言おうか?」

「は、なにを?」

「ほら、あそこにモンスターが」

「バカかお前!三回もひっかかるかよ!」

「おっと危ない」

「いたたたたたた!なによ!もう!」

「だからモンスターやって言うてますやん」

「今度は本当だったのかよ!」
186 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:58
「どんくさいなあ。ダメージないですか?」

「嘘つきやがって。お前殺す。この戦闘が終わったら殺す」

「その前にこのモンスター倒しましょか」

「なんだよこいつら。気持ち悪い」

「マドハンドですがな。いい加減名前くらい覚えてくださいよ」

「覚えたって意味ないじゃん!」

「いや、特徴ありますやん。仲間呼ぶとか」

「大したことないじゃん。仲間くらいれいなでも呼べるっつーの」

「いや・・・・・それは無理やと思うけど・・・・まあ・・・ええか」

「いけ!みっつぃー!!イオナズンだ!」

「できるか!」
187 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:58
「あん?できないの?使えないなー」

「お前アホか。何年パーティー組んでんねん」

「えーっと1年半くらい?」

「ええ加減、商人が魔法使えんことくらい覚えろや!!」

「1年半もあったんだから少しは努力しろよ!」

「努力しても無理じゃ!」

「あきらめんなよ!」

「プログラミング上、無理なんじゃボケ!」

「まいったなー、魔法に関してはこはるに頼りっきり?」

「お前のパーティー構成がおかしいんやろうが!」

「なに文句言ってんのよ。魔法使えないくせに」

「じゃあ魔法使えるやつ入れろや!」
188 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:58
「またその話?もう何回もしたじゃん」

「なんで勇者・商人・武闘家・武闘家やねん!」

「えー、だってお金もったいないしー」

「お前はアホか。普通は魔法使いと僧侶を入れるんやろうが」

「物理攻撃でいいじゃん!回復は薬草あるし」

「こんなたくさん薬草持たすな!富山の薬売りか!!」

「回復魔法ができないなら防具とかで守れよ!」

「限界あるわ!死ぬわ!実際ジュンジュンは死んだやんけ!」

「薬草いっぱい余ってるのにねー」

「戦闘中にちまちま回復しても意味ないわ!相手も強くなってるんじゃ!」

「じゃあみっつぃーが賢者に転職すればいいじゃん」

「無理やー言うてんねん。お前少しは取説読めや!」
189 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:59
「なんで無理なんだよ!!」

「なんべん同じこと言わすねん。悟りの書がなかったら賢者にはなれへんて」

「えー、遊び人ならなれるって聞いたんだけどー」

「遊び人ならな。でもあたしは遊び人ちゃうし」

「遊び人になる?」

「なるかあ!なんでレベル30超えた商人が遊び人に転職せなあかんねん!」

「まあみっつぃーには無理か。遊び人は」

「なんやねんそれ」

「なんつーか華がないし。芸能人としてのオーラがないというか」

「殺すぞ」

「その前にマドハンドに殺されそうなんだけど」

「お前なんとかせーや」
190 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:59
「は?こんなの大したことないじゃん。魔法使えばいいじゃん」

「そのMPがあったらとっくにルーラしてるんちゃうんか」

「ルーラは無理だけどさー、まだ使える魔法はあるよ」

「なんやまだMP残ってたんかいな。じゃあ早く使ってや。仲間呼ぶ前に頼むで」

「よし!アストロン!!!」

「なんでやあああああああああああああ!」

「なんでってMPが6しか残ってなかったし」

「そんなこと聞いてへんわ!なんで今、アストロンやねん!」

「えー、だって最強防御だよ。ほら。攻撃もぜーんぜん効かないから」

「代わりにこっちも攻撃できひんやろが!お前頭悪いんか!」

「鉄壁防御のどこが悪いんだよ!」

「ほらほらほら!マドハンドがどんどん仲間呼んでるやんけ!」
191 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 19:59
「あんな雑魚どんだけ増えたって一緒」

「アストロン使ってなかったらもうとっくに倒せてたんちゃうんか・・・・・・」

「うっせーなー。勇者こはる様のやることにケチつけんなよ」

「じゃあお前が倒せよ。あのマドハンドお前が全部倒せよ」

「おー、いつでもやってやんよ。マドハンドなんて何匹いたって・・・・・・・・・・」

「あ・・・・・・・・・・・・・・・」

「あ・・・・・・・・・・・・・」

「おいおいおい・・・・・」

「おいみっつぃー!なんだよあれ!おい!」

「だいまじん・・・・・やね」

「なんだよそれ!マドハンドじゃねーのかよ!」

「いやだから、マドハンドは時々だいまじんを呼ぶって何度も」

「そんなの聞いてねーよ!」

「言ったっちゅーねん!人の話聞けや!」
192 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 20:00
「知らねーよ。お前。おい。どうすんだよ。これ」

「お前がだいまじん倒したらええやん」

「お前が倒せよ!」

「商人一人でだいまじん四体も倒せるか!」

「じゃあ氏ねよ。お前が氏ね」

「いやじゃ。お前が氏ね。あたしが逃げるまでのおとりになりながら氏ね」

「勇者がおとりになるか!普通逆だろ!」

「逆もくそもあるか!お前いけや」

「無理!絶対無理!なにあのでかさ」

「だからアストロンなんかやめとけって!」

「あ、アストロンの効果が切れた・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・」


193 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 20:00
「・・・・・・・・おお!ゆうしゃこはるよ!しんでしまうとはなさけない!
194 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 20:00
08 ドラクエ


おしまい
195 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/11(日) 20:02
えー
今回の話はわかりにくかったですかね
ドラクエやったことない人には全然わかんないかもしれませんね
まあ、たまにはこんな話もいいんじゃないでしょうか
たまにはね。
196 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/11(日) 20:07
>>175
実は私がモーニング娘。の中で一番好きなのは田中れいなさんなんですよね。
嘘じゃなくて本当です。
6期オーディションの時に初めにいいかなって思ったのは亀井さんでした。
いわゆる「地下鉄えりりん」ってやつですね。
多くの人が思ったように、私も幸薄そうだなと思ったものです。
でもその後は田中さんにどんどんひかれていきました。
いつから田中さんが一推しになったかはよく覚えていませんが、
安倍さんが卒業したり石川さんが卒業したりと
色々あるどさくさの中で繰り上がり当選的に推し順位を上げていったのではなく、
ある日突然彼女のことが好きになったような気がします。
好きになるときってそういうものだと思います。
誰かが言った名言に「推しは変わるものではない。増えるものだ」というものがあるそうですが、
私の場合はまさに「変わった」という感じでした。
まあこういう話をすると長くなるのですが、
このスレのお話とは全く関係ないので以下割愛させて頂きます。
197 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/11(日) 20:10
>>176
爆笑ありがとうございます。
私の書くこはみつはいつも仲良しですよ。嘘ですけど。
「殺すぞ!」は一種の挨拶みたいなものですよね。
私の中ではさほどインパクトある言葉ではないんです。
ハロモニとかでこはみつがそういう言い合いしたらほのぼのとした気持ちになると思います
198 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/11(日) 22:06
いやあこれまた意表をつかれました
あの切ないBGM中にこの二人を置かれるとは!
懐かしさより先に笑いが込み上げてきました

個人的には179,188レス目が、かいしんのいちげきでした
いつもありがとうございます
今後も楽しみにしています
199 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/12(月) 00:22
毎回ホントにおもしれー!!
仲間が呼べないところが作者様の推しの素晴らしいところですね。蘇った武道家にプシュンッと活躍して欲しいですw

はっ!?戦士♀ってことは光井さんがあの格こ…(以下略)
200 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/12(月) 04:13
実は私も田中っち好き!
ハロモ二での「何見てるんじゃゴラァ〜」で悶絶してしまいましたw
誕生日なのでちょい役させたんですね。ドラクエは昔嵌っていたゲームで
お〜懐かしい〜と思いながらも二人がおバカで可愛いくて、でもおバカでw
今の所私にとって此処は憩いの場所ですね。更新おつかれいな〜
201 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/14(水) 00:30
このスレで光井好きになった
202 名前:名無し飼育さん 投稿日:2007/11/15(木) 06:20
私もよ!
203 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/15(木) 06:27
テレビを観ていて小春と愛佳が突然罵り合わないかと
ハラハラ気になっていますwそんなことないのにね〜
204 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:51
09 ドライブ
205 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:51
東京の空はどんよりと曇っている。
関東各地の午後からの降水確率は軒並み50%を超えていた。
決してアウトドア日和とは言えない天気だったが、
久住小春のテンションはいつものように人並み外れて高かった。

久住は相方の光井愛佳を引き連れてカーディーラーへと赴く。
貴重な休日に、用件も知らされずに呼び出された光井は
「カーディーラー?」と怪訝な表情を浮かべる。

とてつもなく嫌な予感が光井の背中を走る。
小春と遊ぶときは一日に三回は走る。
何度走っても慣れないこの悪寒。
杞憂に終わるということはまずなかった。

何しに行くんですかと尋ねる光井の腹に向かって
小春は重そうなカバンをドーンとぶつける。
206 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:51
「何しに行くって決まってるじゃん!車買うの!」

「はあ?冗談ですよね?」

「もう注文してるから。今日、取りに行くの」

「ええええええええええええええええええ」

「だから二人で一緒にドライブ行こうよ!」

「えー!久住さんまだ15歳でしょ!?免許は?」

「なんか横浜うろうろしてたら外国人の人が売ってくれた」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwww偽造wwwwww」

「大丈夫だよ!実家の方でもちょくちょくハンドル握ってたし」

「売ってくれるわけないでしょ。確実に通報されますよ。警察に」

「ほーら、お金だってほら!」

「うわあ!!!あんた現金で!!おい!」
207 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:52
世間一般の常識を懇々と説く光井をよそに小春はディーラーの中に入る。
怖いもの見たさで小春の後ろについていく光井。

小春はカバンの中の札束を無造作に机にぶちまける。
店員はほくほく顔で札束を数える。
いやちょっと書類とかどうすんのよと思う光井をよそに
小春はてきぱきと書類を書いていき、ハンコを無造作に押していく。
二つの印鑑を代わる代わる押す小春。
どうやら親のハンコを拝借してきたようだった。
光井はこの時、生まれて初めて見た。公文書偽造の決定的瞬間を。

店員はさしてチェックすることなく書類を受け取る。
いやいやいや。おい。あんた。この子15歳やで15歳。わかってんの?
そう言おうとした光井の口を小春がふさぐ。アウアウアー
208 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:52
「ち、ちょっと!あんた!なにしてんねん」

「黙れ!邪魔しないでよ、みっつぃー!」

「警察捕まるて。新聞記事なるって!ヤバイって!おい!」

「大丈夫大丈夫。事故らなきゃいいんだって」

「そういう問題ちゃうわ!運転した・・・・いや、免許偽造した時点で犯罪や!」

「みっつぃーは相変わらず細かいなー。そんなのどうでもいいじゃん」

「よくないわ!あんた芸能人やろ!事件になったらどうすんねん!」

「いいじゃん。安倍さんも結局なんもなかったし。一回までならいいんじゃない?」

「なんもないことないわ!書類送検されたわ!アホかお前!」

「知ーらない。もうお金払っちゃったよーん」
209 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:52
小春はディーラーから車のキーを受け取ると、
嫌がる光井を無理矢理助手席に押し込めて車を発車させる。

実家でハンドルを握ったことがあるというのは本当なのだろうか。
小春は意外にもスムースに車を加速させて、
流れるようなハンドルさばきで車を三車線の道路へと合流させる。

なんとか車から降りるきっかけをつかもうとする光井だったが、
その努力は全くの徒労に終わる。

小春の運転する車は一度も赤信号につかまることなく、
ゆるいスロープを上って高速道路へと進入していった。
210 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:52
「さあ!行くよ!テンション上がってきた!!」

「元から高いやんけ・・・・・・・・」

「なによみっつぃー。暗いぞ。もっと明るく行こう!」

「なるかあ!降ろせって!早く車から降ろせって!」

「あ?無理言わないでよ。高速乗ったっつーの」

「見たらわかるわ!」

「じゃあ文句言うなよ!」

「うるさいボケ!高速から降ろせ!」

「入って即降りたら格好悪いだろ!間違えて高速乗ったと思われるじゃん!」

「その前に15歳で運転すること自体が間違ってるやろうが!」

「さ、気を取り直して山っぽいところに行くよ!」

「人の話聞けやああああああああああああああ!!!!」
211 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:54
「あ、雨降ってきた」

「ワイパー動かせや」

「これ?」

「アホか。給油口開けてどうすんねん」

「アホって言うなよ!偉そうに。お前運転できんのかよ!」

「まだ14歳じゃ!できるわけないやろ!」

「じゃあ黙ってろよ」

「ワイパーと給油口の違いもわからんくせに」

「買ったばかりだろ!」

「そんなの関係ねえ!」

「プ。なにそれ。小島よしおの物真似?やるなら上半身裸でやれば?」

「殺すぞ」
212 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:54
「あ。お前靴脱げよ」

「なんでやねん」

「この車は土足厳禁だから」

「アホか。ヤンキーか。田舎者か。車は靴履いて乗るもんや」

「汚れるだろ!そんな犬の糞踏んだような靴じゃよー」

「踏んでへんわ!」

「とにかく脱げよ!」

「お前脱いでないやんけ」

「今から脱ぐんだよ」

「うわ!アホか!走行中に脱ぐな!」
213 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:56
「でかい声出すなよ。ちょっとハンドル切っただけだろ!」

「嘘つけ!今お前、前見てなかったやろ!」

「見てたっつーの。全部見てたから。超見てたから」

「じゃあなんで急にハンドル切るねん」

「いや、毛虫がいたから」

「発汗1号か!そのくらいでよけんな!」

「お前のためだろ?事故ったらお前が氏ぬだろ?」

「だから降ろせって言ってるやろ!降ろせや!」

「だから高速道路だって言ってるじゃん!うるさいなーもー!」

「じゃあSAでええわ。SAで止めてくれ」

「え?埼玉スーパーアリーナ?」

「それはSSA・・・・・・・・・」
214 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:56
「SAってなんだよ」

「サービスエリアのことやんけ。売店とか食堂とかトイレとかあるやつや」

「あー、あれね。なに?トイレに行きたいの?」

「まあね・・・・・(そこで降りたろ。携帯で誰か助けを呼んだらええやろ)」

「じゃーん!用意してきたから!」

「はあ?」

「携帯用トイレ。さ、遠慮なくどうぞどうぞ」

「お前なんでこういうとこだけしっかりしてるねん・・・・・・・・・・・・」

「やっちゃえよ!小春も一度使うところ見てみたかったんだ」

「見るな変態!」

「変態じゃないよ!純粋にこれってどう使うのかなって・・・・」

「前見ろ!前!運転中やろ!」
215 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:57
「つまんないのー」

「いや、これは使わへんから。はよSA行ってくれ」

「あれ?なんかランプ点いたけど・・・・・・・」

「あん?おい!ガソリンないやんけ!」

「えー!ちょっとディーラーなにやってんのよ!」

「アホか。買ったばかりの新車には最小限度しかガソリン入ってないやろ!常識や!」

「知らないよ!満タンじゃないの?」

「おいおい。変な音してるやんけ!止めろ!止めろ!」

「だから高速だって行ってるじゃん!」

「端に寄せろ!仕方ないやろ!ガス欠なんやから!」

「関西人ってさあ」

「はあ?」

「『はし』のイントネーションが変だよね」

「今はそんなん関係ねええええええええええええええええええええ!!!」
216 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:58
「しょうがないなー。一旦止めるか」

「うわ。全然車が通ってないやんけ。ここどこやねん」

「知らない。でも大丈夫だよ」

「何が大丈夫やねん。お前の大丈夫は根拠がないねん」

「根拠あるもん!」

「なにが」

「鍵の閉じ込めとか、バッテリー上がったときとか、ガス欠のときは・・・・・」

「おお。入ってたんか」

「UFAに電話する!」

「JAFじゃ!」
217 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:59
「はあ?ジャフってなに?」

「やっぱり入ってなかったんか・・・・・・・・・」

「とりあえず携帯電話で警察呼ぶね」

「やめろおおおおおおおおおおおおおお」

「なんでよー」

「お前思いっ切り偽造免許やんけ。逮捕されるわ!!」

「じゃあどうすんのよ!」

「だからJAFに電話しろって言ってるだろ!」

「なにそれ。まあいいけど。番号は?」

「・・・・・・・・・・・・・知らん」

「知らないよかよ!一般常識じゃねーのか!」

「JAFも知らんやつが言うな!」
218 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 19:59
「しょうがないなー、じゃあやっぱりUFAに電話しようよ」

「それもやめといた方がええと思う。ややこしいことになるで」

「じゃあ安倍さんに」

「やめろ。その場で即やめろ」

「他に免許持ってる人って知らないよー」

「家にかけろや」

「みっつぃーかけてよ」

「は?お前の家にかけろや」

「いやちょっと印鑑のことでもめて・・・・・・・・・」

「はあ?」

「電話とかできないんだよね」

「アホか!そんな場合ちゃうやろ!電話せーや!」
219 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 20:03
「アホって言うなよ!お前が電話すれば済む話だろ!」

「お前が親の印鑑持ってくるから悪いんやろ!」

「それがなかったら車買えないだろ!」

「買わんでええわ!この犯罪者が!」

「犯罪者言うな。殺すぞ」

「はあ?なんですか?久住容疑者」

「殺す。お前外に出ろ。ひき殺す」

「はあ?ガス欠の車で?どうやって?頭悪いなあホンマ」

「うるさい氏ね。その場で即氏ね」

「うるさい氏ね。我慢できそうもない痛みに耐えながら氏ね」

「黙れ氏ね。さっくり氏ね」

「しししし氏ね」

「氏ねねねねね」

・・・・・・・

・・・

220 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 20:04
なお、結局二人は安倍さんに電話して車で迎えに来てもらった。
221 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/17(土) 20:04
09 ドライブ


おしまい
222 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/17(土) 20:06
えー
念の為に言っておきますがこのお話はフィクションです。
実在する人物や団体とは一切関係ありません。

今更ですが。
223 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/17(土) 20:06
>>179
>戦士みっつぃーがよろよろと歩く。

これ戦士じゃなくて商人ですね。やっちゃったやっちゃった。
なんでこんな初歩的なミスをしてしまったのか。自分ではよくわっきゃない(Z)ですね。
どうもみなさんすみません。
224 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/17(土) 20:07
>>198
意表をつきましたか!
私は意表をつくことに命を賭けているのでそう言われると嬉しいです。
笑いが懐かしさに勝ったとか言ってもらえるなんて嬉しすぎます。
ちなみに私は書いていて懐かしかったです。
でもドラクエの内容に関しては、かなり忘れてました。
色々なサイト見て思い出しながら書いたので細かいところは間違ってるかもです。

読んでる人に喜んでもらえると、私も嬉しいので、
またかいしんのいちげきとなるようなお話を書けるように頑張ります。
225 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/17(土) 20:08
>>199
ごめんなさい。
みっつぃーのことを戦士と書いたのはミスです。本当は商人でした。
でもコスチュームを想像するってのも面白くていいですね。
誰かにあぶないみずぎとか着せればよかったかなと思いました。

作者様の推しの素晴らしいところをあげるとそれだけでこのスレが埋まります。
それは本意ではないので省略しますが一つだけ言わせてもらえるなら
田中れいなさん18歳の誕生日おめでとう。
忘れてなかったよ。うん。忘れてなかったから。
11月11日が誕生日だったってことは忘れてなかったから。
覚えてたから。超覚えてたから。
226 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/17(土) 20:08
>>200
私も田中さんが好きです。毎年誕生日は絶対忘れないくらい好きです。
ハロモニでの田中さんの素晴らしいところをあげるとそれだけでこのスレが埋まります。
それは本意ではないので省略しますが一つだけ言わせてもらえるなら
桜塚やっくんがゲスト出演したときの「可愛かろうが」は最強だと思います。

この二人が「おバカで可愛いくて、でもおバカでw」というのは適切な表現だと思います。
付け加えるとすれば、「さらに可愛くておバカで、でも可愛くて。でもバカでw」でしょうか。
憩いの場所と言ってもらえて嬉しいです。
「ときには少しひりひりと」というのもこのスレのコンセプトの一つですが、
これからも基本的にはのほほんとしたお話を書いていこうと思っています。
227 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/17(土) 20:08
>>201-202
マジすか!
実は私もこのスレで書くようになってからこはみつが好きになりました。
というのは嘘のような本当の話です。
書いて初めて「こはみつってこうやって楽しむのか」と気づいた感じです。
なのでTVとかでもっと二人のからみを見せてもらいたいなあと思っています。
228 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/17(土) 20:09
>>203
そんなことないことないかもしれませんよ。
ハロモニの中国語講座とかかなりいい線いってたんじゃないでしょうか。
そういえば最近あのコーナーやらないですね。
あのコーナーもうろおぼえゼミナールやターンドリチキンのように
何のアナウンスもないままいつの間にかなかったことにされてしまうのでしょうか。

まあなんでもいいですからTVで罵り合ってほしいですよね。
そういえば光井さんはいつになったら小春さんにタメ口をきくようになるんでしょうか。
密かに気になるところです。
229 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 05:39
またまたやって来ましたよ〜「こはみつ憩いの場所」へ
高速で走行中にケムシが見えるとはやっぱおそるべし超人ばいw
免許ほしいからあたいも横浜うろうろしようかなーw
230 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:32
10 病室
231 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:32
モーニング娘。の新しいシングルがリリースされるその数日前。
メンバー達は最後のレコーディングを行なっていた。
曲が上がってきたのが前日。
そして最後の、いや最初の、いや最初で最後のレコーディングが今日だった。
ドタバタと慌しく動くスタッフとメンバー、
というのはもはや新曲リリース前の恒例行事となっていた。

そんな喧騒の中、必死で歌詞を覚えているメンバーがいた。
まだ娘。に入って一年も経っていない新メンバー。
要領良くこなす術など何もしらない新メンバー。

ちなみに。
そんな必死な某新メンバーの横で
ジュンジュンとリンリンは携帯ゲーム機で楽しそうに遊んでいた。
232 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:33
光井は天井を見上げながら歌詞を暗唱する。
目は天井の方を向いているが、焦点はどこにも合っていない。
ゆらゆらと頭が前後左右にゆれる。

やらなくちゃ。
きちんとやらなくちゃ。
足を引っ張らないようにやらなくちゃ。
完璧に。完璧にやらなくちゃ。
まだ日本語が怪しいジュンジュンとリンリンの分まで。
新メンバーにゲーム機とか教えてるあの頼りない先輩の分まで。
あたしがやらなくちゃ。あたしが。あたしが頑張ら―――

ガコンと大きな音がする。
そこにいたメンバー全員が振り返ると、気を失った光井が床に倒れていた。

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・
233 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:33
「・・・・・・・・・・あれ?」

「お。気がついたかい。みっつぃー」

「ここはどこ?」

「病院だよ。病院。美容院じゃないよ」

「アウアウアー」

「え?なになに?ブドウパンが欲しいの?」

「頭が・・・・・・・・・・痛い」

「もしかしたら熱があるのかな?みっつぃーが寝てる時に測ったら40℃あったよ」

「それは・・・もしかしたらじゃなく・・・・確実にあるやん・・・」

「えー、なんで?ちなみに小春の平熱は36℃だよ。4℃しか違わないじゃん」

「あのな・・・・・なんか・・・・・別の意味で頭痛くなってきたわ」
234 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:33
白いカーテンで包まれたベッドに横たわる光井。
ビタミン剤か何かだろうか。腕には点滴の針が刺さっていた。

ベッドの傍らには小春一人がぽつんと立っていた。
そういえばレコーディングの順番は小春が一番だった。
おそらく小春はもうレコーディングが終わったのだろう。
光井はそう理解した。

そして同時にレコーディングのことを思い出して再び頭が痛くなる。
光井のパートは決して多くなかったが、
それでもその貴重なパートが削られたら困る。
あのパートは、あのパートはあたしが歌わないとダメなんだ。
歌わないなら、あたしがいる意味がないんだ。

朦朧とした意識の中で光井はそんなことを考える。
強い責任感が光井の背中を押す。
よろよろと立ち上がろうとした光井だったが、
小春が両手で押さえつけてそれを阻止する。
235 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:34
「ダメだよみっつぃー!動くな!プリーズ!」

「なんで英語やねん」

「勉強してるから。英語。チャンスは好機」

「知らんがな。そこどけや」

「だからダメだって!熱あるじゃん。一種の病気じゃん!」

「一種の病気って言うな」

「病気じゃん。アクシデントじゃん。寝てなって」

「アクシデントは事故や。いや。レコーディング行かな・・・・・・・・」

「ダメだよみっつぃー!動くな!フリーズ!」

「撃つんかい」

「寝てないと撃つよん」
236 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:34
小春は人差し指で拳銃を作り、光井に向かってバーンと撃つ。
普段ならここでうわーやられたーと丁寧に相手する光井だったが、
今はそんな余裕はなかった。

小春にどいて、と言おうとする。だが声が上手くでない。
自分の声を聞いて光井は愕然とする。
光井の声は誰が聞いてもはっきりとわかるほどかすれていた。
これではレコーディングに行っても意味がないかもしれない。
だが。しかし。

光井はレコーディングに行かなければならないという使命感から
解き放たれることはなかった。
今ここで休んでしまったら、この一年間やってきたことが消えてしまう。
ぷっつりと糸が切れてしまう。
切れた糸はもう二度と元に戻せないかもしれない。

そんな恐怖心が訳もなく心の奥底から湧き上がってきた。
戻らなくちゃ。
光井は再びベッドから起き上がろうとする。
237 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:34

「だから!寝てろって!」

「嫌や。レコーディング行くんや!」

「いい加減にしろ。お前殺すぞ」

「ああ?お前が氏ね」

「殺すぞ」

「殺すぞ」

「氏ね」

「氏ね」

「だから氏ね病人」

「病人に氏ね言うな」

「氏にたくないなら寝てろ」

「正論言うな。久住小春のくせに」
238 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:35
だが腕力では久住も光井に負けてはいない。
ほぼ互角。
いや、発熱で体力の落ちている光井の方が押されていた。
光井は強行突破を諦めて布団に潜り込む―――

振りをして再びベッドから出ようとする。
239 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:35
「お前何してんだよ!」

「だか・・・らレコーディ・・・・ング行く言うて・・・るやろ!」

「声出てないじゃん!行っても無駄だっつーの」

「放せ!殺すぞ」

「だから話してるじゃん。行っても無駄だって」

「放してないやろ!放さんと殺すぞ!」

「話してるだろ!話してわからないのはそっちだろ!」

「放したら殺さへんわ!だから放せ!」

「じゃあ話そう。冷静に話そう。みっつぃー・熱・ある。レコーディング・無理。わかる?」

「放してないやんけ。あーもー、いい。殺す。今・ここで・お前を・殺すぅ」

「バカかお前?熱でもあるのか?」

「40℃だよ!」

「じゃあ寝てろよ!」

「わかったよ・・・・・・」
240 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:35
素直に小春の言うことを聞いてベッドに潜り込む光井。
ベッドの横から離れようとしない小春。

・・・・・・・・・・・

途切れる会話。

光井は小春に「あたしのカバン持ってきてくれた?」と聞く。
うん勿論と言って小春がカバンを取ろうと後ろを向いた瞬間に―――

光井はベッドを抜け出して部屋を出ようとする。
241 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:35
「お前何してんだよ!」

「見ればわかるだろ?プリクラ撮ってるように見えるか?」

「見えないこともない」

「アホかお前!どこに目つけてんねん!」

「ちょっとお前のトークに乗ってみただけだろ!」

「じゃあ自分で突っ込めよ!ノリ突っ込みもできひんのか!!」

「そうそう小春はノリ突っ込みもできないバカな子なの・・・・・・っておい!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「寝てろって」

「うん・・・」
242 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:36
素直に小春の言うことを聞いてベッドに潜り込む光井。
これで三回目なので、小春も光井が潜り込む振りをして
また抜け出そうとしないかしっかりと見ている。

見ているから抜け出そうとしたりしないだろうという考えの裏をかいて、
光井は正々堂々とベッドから抜け出そうとする。
243 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:36
「だから!お前!なにやってんだよ!」

「見りゃわかんだろーよ!」

「わかってるから止めてるんだよ!」

「わかってるなら止めるなよ!」

「病人がレコーディングしてどうすんだよ!」

「触るな痴漢!胸を触るな!」

「いいだろ減るもんじゃなし」

「変態みたいなこと言ってんじゃねーよ!」

「つんくさんの悪口は言うな!」

「言ってへんわ!」

「寝ろ!じゃないとつんくさんにチクるぞ!」

「わかったよ・・・・・・・・」
244 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:36



再び光井はベッドに戻る―――振りをすることすらせずに電光石火で立ち上がる。


  
245 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:37
「またかよ!いい加減寝ろよ!」

「邪魔すんな!鬼!悪魔!藤本!」

「どさくさに紛れて何言ってんだよ!」

「紛れてへんわ!どけコラ!」

「熱あんだろ?40℃だろ?下がってから行けよ!」

「40℃もないわ!お前の測り方が悪かったんちゃうんか!」

「ちゃんと肛門で測ったっつーの」

「ちょwwwwwwwwwwおまwwwwwwwww何勝手にwwwwwwww」

「なに?もう一回測りたいの?ほら。ほらほらほら」

「コラ!おい!温度計近づけんな!」

「嫌だったら寝てなさい!!」

「わかったよ・・・・・」
246 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:37
光井はベッドに深く腰掛ける。
もう立ち上がったりしませんよーと暗に小春にアピールする。
だが小春は警戒を解いたりはしない。
ピリピリとした緊張感が部屋に満ちる。

息苦しくなった光井はふーっと息を吐く。
ふと落ち着いてみるとお腹が減っていることに気づく。
そういえば今日は忙しくて昼から何も食べていなかった。

光井は小春に向かってリンゴ剥いてよとお願いする。
あいよ了解!と小春が後ろを向いてリンゴと包丁を取ったその瞬間―――

光井は再びベッドから脱兎のごとく逃げ出そうとする。
247 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:37
「てめえあたしのリンゴが食えねえのかよ!」

「知るか!放せ!レコーディング行くんじゃ!」

「お前いい加減諦めろよ!」

「嫌や!邪魔すんな!お前なんか嫌いじゃ!氏ね!」

「氏ねとか言うなよ」

「わ」

「氏ねとか言うなよ」

「おい!包丁こっち向けんな!!」

「氏ねとか言うなよ」

「当たってる!包丁当たってるって!」

「氏ねとか言うなよ」

「うおい!目!目!目がなんか変!」
248 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:38
「うはwwwwwwwこいつwwwwwww超びびってんのwwwwww」

「アホか!やっていい冗談と悪い冗談があるわ!」

「だから!大人しくリンゴ食ってろよ!赤と青のリンゴを食え!」

「なにリンゴにこだわってんねん!」

「こだわってねーよ」

「もう行く!あたし行く!レコーディング行く!」

「お前包帯で縛るぞ」

「触んな!」

「この薬飲ますぞ」

「臭い!臭いって!」

「じゃあ小春の香水を点滴に入れてあげる」

「アホ!やめろ!なにすんねん!」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 
249 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:38
なおレコーディングは翌日に全員参加の下で行なわれた。
250 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/18(日) 19:38
10 病室


おしまい
251 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/18(日) 19:40
更新終了。
第10話突破&250レス到達&124KB到達。
このスレは256KBまで書けるわけですから、これで約半分ですね。
最後まで使い切れるかどうかわかりませんが、
もう少し頑張って更新していきます。
252 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/18(日) 19:42
>>229
またまた憩いの場所と言ってもらえて嬉しいです。
小春はてきとーな正確なので毛虫っぽいものが見えたらそれがすなわち毛虫です。
多分そんな性格です。そんな性格の小春が私は好きです。
253 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/19(月) 00:24
はぁ笑った…

作者様の推しも可愛いみかんPVでなんか地球に寝そべってるとこのこはみつが若干ギスついてる感じがしてうっとりしました。
254 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/19(月) 05:45
更新乙かレイナ〜。
他スレでシリアス物読んで泣いたりした後最後に此処に来て
爆笑したりPCの前のあたいは泣いたり笑ったり忙しいですぅ
ホントこの二人は可愛い〜!!!  ・・・小春の香水ってどんな匂いなんだろ?
255 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/19(月) 16:19
更新おつです!!
乾いた生活に豊かな笑いをありがとーございます。
ここを見て二人の見方が変わりました。
こはみつはカプでなくコンビ、コンビよりも珍味だと思う今日この頃。
もっと珍味な二人がみたいっす!
256 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/19(月) 19:54
連続更新お疲れさまです
死と隣り合わせなのにこのホンワカ振り。面白かったです
235レス目と241レス目に成長と愛を感じました
いつもありがとうございます。今後も楽しみにしてます
257 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:39
11 W
258 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:40
今から時をさかのぼること数ヶ月。
2007年某月某日。

ハロープロジェクトから―――
日本全土を揺るがす―――
重大発表が行なわれたその前日。

ファンクラブ会員にのみ開催が告知された、
とあるアイドルコンビの復帰イベントが行なわれたということは、あまり知られていない。

いや、参加者以外は―――誰も知らない。
259 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:40
集まったファン達は会場中に並べられたグッズに群がる。
グッズは普段のハロプロからは考えられないような安価で販売されていた。
数年前に販売したはずの幻のグッズなども何点か並べられているが、
そういったレアアイテムも不思議なくらい安い値段で売られていた。

そのことに疑問を感じるファンは―――その時点では誰もいなかった。
いや、勘の鋭い何人かはその意図にうっすらと気づいていたが、
脳がその考えを受け入れることを拒否していた。
聡明な彼ら彼女らは、涙ながらに「いいこと!これはいいこと!」と叫び、
ただ純粋に二人の少女の復帰をサポートしようとしていた。

やがて音楽が鳴り、司会者が出てくる。
ややあって幕が上がり二人の可憐な少女が登場し、
会場の盛り上がりは最高潮に達する。
260 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:40
「どうもー」

「どうもー」

「辻希美と」

「加護亜依で」

「ダブルユーでーす」

「ダブルユーでーす」

「いやあ、あいぼん、久しぶりですね」

「えへへへへ」

「ついにWが復活です!」

「帰ってきましたよ」

「あいぼん、もうあんなことしちゃダメだよ?」

「アウアウアー」

「ではまず新曲からでーす」

「聴いてください」
261 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:40
二人は一曲歌ってから舞台の奥へと引っ込む。
イベントはまだ長い。
それに今回のイベントはコンサートというよりも
グッズ販売の意味合いが強かった。

再び司会のお兄さんが出てきてこの後のイベントについて説明を行なう。
握手会などのイベントに参加するために、
ファン達はさらに複数のグッズを購入する。
参加型のゲームに参加するために、さらに複数のグッズを。
抽選で当たるというグッズをゲットするために、さらに複数のグッズを。
彼女ら二人に質問できる権利をゲットするために、さらに複数のグッズを。
トイレに行くために、さらに複数のグッズを。
空気を吸うために、さらに(ry

イベント開始前に山と積まれていたW関連グッズはみるみるうちに減っていく。
262 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:41
「ねー、みっつぃー」

「あ。今日はみっつぃーって言っちゃダメですよ」

「でもみっつぃーじゃん」

「今日だけは『あいぼん』って呼んでくれないと」

「じゃあ、あいぼん、特殊メイクがはがれかけてるよ」

「え?マジで?やばいやん。ばれるやん」

「小春の方は大丈夫?ちょっと見てよ」

「だから小春って言っちゃダメです。『のん』って言わないと今日は」

「あーもー、なんで小春たちがWの代役しなきゃいけないのよー」

「そんな・・・・小春さんだって理由は知ってるんでしょ?」

「まあ、知ってるけどね。みっつぃーも知ってるんでしょ?」

「はあ・・・・・・・まあ・・・・・・・」
263 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:41
特殊メイクを施した小春と光井の偽Wは再びファンの前に登場する。
一曲歌って軽くトークをしてから次のイベントへと移る。
二人は椅子に座ってイベントが始まるのを待つ。

1万円以上の在庫、もといグッズを買った人間だけが参加できる握手会。
それが今回のイベントのメイン企画だった。
ファン達はずらーっと列を作って順番を待つ。
当然のように、その会場に来ていたファン達はほぼ全て握手会に参加していた。

二人は粛々と握手を続けるが、列の最後尾は一向に見えてこない。
最初はファンからかけられた声に丁寧に応じていた小春、もとい辻だったが、
徐々に対応はおざなりになり、疲れた表情を隠せなくなる。

無理もない。
これまで彼女が経験した握手会の、5倍以上の人間が列をなしていたのだから。
彼女の忍耐力も限界に達しようとしていた。
すっと椅子から立ち上がりその場から離れようとする偽辻の腕を偽加護が捕らえる。
264 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:41
「ちょっと、のん!どこ行くねん」

「トイレだよ、トイレ」

「さっきも行ったやん」

「うるせーなー、お前一人で握手してろよ」

「声がでかいよ。ファンに聞こえるやろ」

「聞こえねーよ。大丈夫だよ」

「とにかく席に座れや」

「嫌。もう嫌。絶対嫌」

「あ?お前逃げるんか」

「逃げるとか言うな」

「逃げるんやろが」

「うるさい。逃げるとか言うな。殺すぞ」
265 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:41
「だから声が大きい言うてるやろ・・・・・聞こえるって・・・」

「あーもー、聞こえてもいいよ」

「アホか。聞こえたらヤバイやろ・・・・」

「別にいいじゃん。小春のファンじゃないし」

「小春言うな。殺すぞボケ」

「だいたいあんたがタバコとか吸うから悪いんでしょ?」

「吸うてないわ」

「吸ってたじゃん!思いっ切り写真撮られてたじゃん!」

「あれは加護さんやろ。あたしとちゃうわ」

「加護さんって言うな。今日はお前が加護だろ」

「加護とか呼び捨てすんな」

「加護は加護だろ。加護加護加護加護加護加護カロリー」
266 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:41
「お前加護先輩なめてんのか」

「同期だもーん。あたし辻希美だもーん」

「都合の良いときだけ辻になるな!」

「うっせーな。声でかいよ。ファンに聞こえるだろ」

「お前が言うな。殺すぞ」

「お前が言ったんだろうが」

「お前の声がデカイからやろうが」

「いいじゃんいいじゃんもういいじゃん。どうせWとか解散するんだし」

「解散言うな。せめて永久欠番とか言え。グッズが売れんようになるやろ」

「だから手を放せよ。ファンが変な目で見てるだろ」

「だから席に座れや。ファンが変な目で見てるやろ」

「もうやめようよ。絶対ばれてるって」
267 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:42
「ばれてないわ。何のための特殊メイクやねん」

「お前、胸も特殊かよ。詰め過ぎだぞその胸」

「アホか。胸は天然モノやー言うねん」

「嘘つけ。お前はあたしと同じ歳だろ」

「そうや」

「なに詰めたらそうなるんだよ」

「何も詰めてへんわ」

「あやしいなー」

「お前どこ見てるねん」

「腹」

「アホか。どこ見てるねん」

「あんたさー、腹から肉もってきてるんじゃないの?」
268 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:42
「あんたも辻さんの真似大変やなー」

「なにが?」

「わざわざさらしを巻いてまで胸を小さく見せて」

「巻いてねーっつーの」

「あれ?それが胸ですか?見えへんなあ」

「殺すぞ」

「ないもんはないやろが」

「調子乗ってんじゃねーよボケ」

「乗ってへんわこの貧乳が」

「今日はみんな加護目当てで来てるんだろ?実質加護復帰イベントなわけだし」

「だからなんやねん」

「お前が一人で握手会やれよ」
269 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:42
「なに言うてるねん。二人でWなんやろうが」

「なーにが『二人でW』だよ。知らねえよ。あたし帰るから」

「人の話聞けや」

「あんたも帰れば?あのおっさんのところに」

「殺すぞ」

「一緒にファミレスでも温泉でも行けばいいじゃん」

「それは言うなや!お前このイベントの趣旨わかってんのか」

「Wグッズの在庫処分でしょ?」

「身も蓋もない言い方すんなボケ」

「どうせ解散すんだから。握手会なんてやっても意味ないじゃん」

「だから握手して在庫処分するんやろうが!」

「在庫処分て。身も蓋もない言い方するねー」

「お前が先に言うたんやろうが!」
270 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:42
「お前が喫煙とかするからこうなったんだろうがよ!」

「加護さんのせいだけにすんなや。辻もやることやってるやろうが!」

「やってるってなんだよ。辻さんはノースキャンダルですから。一緒にしないで」

「杉浦太陽とのデートとかスクープされてたやろうが」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwwガセネタwwwwwwww」

「ガセネタ言うな。マジネタかもしれへんやろ」

「芸能界にガセネタはつきもんだろ。お前まだ滋賀県民気分が抜けないのかよ」

「うるさいボケ。スキャンダルはスキャンダルやろうが」

「喫煙と一緒にすんなよ。温泉旅行と一緒にすんなよ。たかがデートだろ」

「デートだけのわけないやろ。裏でやることやってるわ」

「別にいいだろ。出来ちゃった結婚みたいにみんなに迷惑かけるわけじゃないし」

「アホかお前。話が飛躍しすぎじゃ。なんでいきなり辻さんが結婚すんねん」

「それくらいあり得ないってことだよ!二回目の喫煙とかさ!」

「だからあたしちゃう言うてるやろ!」
271 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:42
「だからお前が加護なんだろ?」

「なんべん同じこと言わすねん。お前ホンマ頭悪いな」

「頭が悪い?演技だよ演技。辻希美の演技」

「いくら辻さんでもそんな頭悪くないわ」

「お前が知らないだけだろ。あの人超頭悪いから」

「はあ?お前より頭悪いやつがおるんか?」

「お前辻希美なめんなよ」

「なめてへんわ」

「半端じゃねーよ。超バカだよ。天然と自己中を兼ね備えたバカ」

「ほー、じゃああんたにピッタリやな辻役は」

「殺すぞ。それ以上言ったら契約解除すんぞ」

「だから吸ったんはあたしやないって言ってるやろ!!」
272 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:43
「お前が加護だろ。加護の替わりに引退しろよ」

「アホか。頭おかしいんか。殺すぞ。一回氏ねマジで」

「はあ?お前が氏ねよ。加護の身代わりになって氏ね」

「お前が氏ね。辻のメイクしたまま氏ね」

「氏ね。ドレミファソラ氏ね」

「音程ずれてるんじゃ」

「あえてずらした」

「うそつくな」

「うるさい氏ね」

「ドレミファソラ氏ね」

「マネすんな!」

・・・・・・・

・・・・

・・
273 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:43
なおイベントは大盛況のうちに幕を閉じた。
274 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/24(土) 20:43
11 W


おしまい
275 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/24(土) 20:44
更新終了。
今回のシチュエーションののしりあいは、
かなり「読者を選ぶタイプの話」です。すみません。
次からは読者を選ばないタイプの話も書いていこうと思います。頑張って。
今回のは大目に見て下さい。
276 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/24(土) 20:44
>>253
笑ってもらえればそれ以上なにも言うことないです。どうもありがとうございます。
みかんのPVはすっごい明るいですね。
私は明るいこはみつが好きです。暗いのは似合わないですよね。
277 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/24(土) 20:44
>>254
ありがとうごさいます。
飼育のお笑い担当スレとして機能しているならこんなに嬉しいことはないです。
まさか香水に食いつかれるとは思いませんでした。
どんな香りなのか想像もつきませんですよ。
278 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/24(土) 20:44
>>255
珍味とは言いえて妙ですね。
実際のこはみつがどうなっていくかはともかく、
このスレのこはみつは珍味を目指していこうと思います。多分。
279 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/24(土) 20:45
>>256
ありがとうございます。
死と隣り合わせなんてことは素で忘れてました。40℃はヤバイですよね。
小春は成長していくんでしょうか。しなくてもいいような気がします。
でもきっと作者の思いとか無視してどんどん成長していくんじゃないでしょうか。
280 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:06
12 授業参観
281 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:06
しゃこしゃこしゃこと自転車をこぐ光井の足は重い。
学校に行きたくないというのは誰でも時々思うことだけど、今日は特別そう思う。
この瞬間に世界が滅んでしまえばいいのにって。
そういうことも、宿題やってないときとか時々思うことだけど、今日は特別そう思う。

そんな光井の切なる願いとは全く関係なく、学校はどんどん近づいてくる。
ずずーんと居を構えて無数の生徒達を飲み込んでいく。

なんか世界が滅んでもあの学校だけは残っているような気がする。
そして世界が滅んだのと関係なく、あたしは学校に行かなければならないのかもしれない。
何の役にも立たない勉強をするために。卒業するまでずっと。
そんな取り留めのない思いを抱きながら光井は校門をくぐる。

いつものように、いつもの時間に学校に着いた光井は自転車を置いて教室へ向かう。
282 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:06
階段をよろよろと駆け上がり、
教室の扉を開けた光井の下にクラスメートたちがわーっと集まってくる。


ねえねえみっつぃー、今日はあのお母さん来るの?

他のクラスの子も窓から覗きに来るって言ってたよ

みっつぃーのお母さんは相変わらず元気なの?

前みたいなことまたするの?

お母さんと一緒に写メ撮っていい?

まさか来ないっていうことはないでしょうね?


光井には普段は仲の良い友達が悪魔に見えた。
うるさい。殺すぞ。氏ね。
いつもは母親に向かって言っている言葉を級友達に投げかけたくなったが、
その言葉はかろうじて喉の奥底に閉じ込めた。
283 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:07
チャイムが鳴って教室内はとりあえず落ち着きを取り戻す。
一時間目。二時間目。何事もなく授業は終わる。
当たり前。何事もないのが、この世界の当たり前だった。
少なくとも―――二時間目まではそうだった。

三時間目が始まるまでの休み時間は長かった。
いつもは5分だけなのだが、
授業参観があるときは15分ほどの時間がとられる。
一人。二人と父兄たちが徐々に教室に入り始める。
生徒たちもいつもとは違った浮ついた様子を見せ始める。

光井の母はまだ来てなかった。
だが来る。
来る。きっと来る。きっと来る。
あの女はテレビ画面からだってきっと飛び出してくるはずだ。

机に突っ伏して世界を遮断していた光井の肩に冷たい手が触れられる。
284 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:07
「やっほー!あんた何してんのよ!」

「うっさい。こっちくんな。後ろにおれや」

「なに照れてるの?このこのこの!」

「わー!もー!抱きつくなや!暑苦しいやろ!」

「ほらほらほらみんな見てるよー」

「見られてるんならやめろや!」

「えー、注目されるのっていいことじゃーん」

「アホかお前・・・・・・おい!お前!なんで歌衣装やねん!!」

「だってこういうときは正装しなくちゃ。恥ずかしいでしょ」

「歌衣装の方が恥ずかしいわ!ここはオカンの仕事場やないっちゅーねん」

「学校でしょ!それくらいわかってるわよ!」

「わかってるんならもう後ろに戻れや・・・・・授業始まるから・・・・・・」

「つまんないのー」
285 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:07
光井の母親はしぶしぶ教室の後ろに戻る。
といっても一番後ろの席に座っている光井からは1mも離れていない。

光井の肩に鼻先を近づけてくんくんくんと匂いをかぐようにして
光井の教科書を覗き込む。
光井に突き飛ばされて再び教室の後ろに下がっていく母親。

そんな二人のやりとりを教室にいる全ての生徒と父兄が注目していた。
だが光井の母はそんな視線には全く動じない。
結婚して姓が変わった今も「久住小春」として芸能活動をしている母にとって
周囲の注目を集めることは全然特別なことではなかった。

それがどれだけ冷ややかで、嘲笑を含んだ視線だったとしても。
286 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:07
「ねえねえ今日は音楽の授業じゃないの?」

「ええ加減引っ込めや!父兄参観のときに音楽の授業やるわけないやろ!」

「それだったらお母さんも歌えるのにー」

「殺すぞ。お前この前の父兄参観の時忘れたんか」

「忘れた」

「ハムスターか。記憶力ないんか」

「失礼ねー。こう見えてもハロプロじゃトップクラスよ」

「対象のレベルが低すぎるわ。1年前のことくらい覚えとけや」

「なにがあったっけ?」

「お前授業参観の国語の時間で思いっきり歌ってたやんけ」

「え?そーだっけ?」

「今時ジャイアンでもあんな強引な歌い方せえへんで・・・・・」

「あんたのためにやったんじゃない!」

「あの後あたしがどんだけいじめられかたか・・・・・・・・」
287 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:07
チャイムが鳴り、担当教師が教室に入ってくる。
いつもはジャージ姿のラフな格好を好む若手男性教師だったが、
さすがに授業参観ということもあってきちっとしたスーツを着込んでいる。
だが似合わない。まさにお仕着せ。

いつもと様子が違うのは教室も教師も生徒も同様なのだろう。
教師は軽い冗談を飛ばす。生徒はノーリアクション。教室は固まる。
そんな異様に硬い雰囲気のまま授業は進む。

教室の雰囲気が悪くなればなるほど、
なぜか光井の心の中には嫌な予感が高まってくる。
なにかやばい。なにかはわからないが、なにかが確実にやばい。
288 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:07
そんな中、教師は一つ問題を出す。
当然のようにその問いに対して挙手をする生徒は一人もいない。
生徒達はみんな教師の方を向いていた。
つまり教室の一番後ろの席に座っている光井を見ている生徒は一人もいない。
だが。だがしかし。教室中の注目は、確実に光井一人に注がれていた。


光井上げろよ。

みっつぃー!ここでしょ!ここ!

光井。空気読め。

あら。久住さんとこのお子さん答えないのかしら。

早くしろよ光井。


「無言のプレッシャー」という言葉があるが、
その時光井には確実に教室内の人間の心の声が聞こえた。
聞こえるというよりそれは脅迫だった。恫喝だった。「有言のプレッシャー」だった。
光井の緊張が極限まで高まる。
そしてその緊張は、再び光井の肩に置かれた母親の手によって破裂した。
289 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:08
「ねえ・・・・・・・・・・・・」

「なんやねん。授業中や。黙ってろや」

「だから小さい声で言ってるんじゃん」

「なんやねん」

「あんた手、挙げなさいよ」

「いややー言うねん」

「なんで?すっごい簡単な問題じゃん」

「簡単ちゃうわ」

「簡単でしょ」

「お前わかるんか」

「聖徳太子?」

「今は地理の授業やっちゅーねん」
290 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:08
「間違っててもいいから何か言う。声を張る。テンポ良く。これが大事!」

「ヘキサゴンちゃうっちゅーねん」

「似たようなもんでしょ」

「違うわ!もうええから。引っ込んでろや」

「だから手を挙げなさいって言ってるでしょ」

「やめろや。触るな。アホか。何しに来てん」

「あんたを目立たせるために来たんじゃないの」

「学校は芸能界ちゃうっちゅーねん」

「芸能界なら目立たせたりしないわよ!むしろ目立つ子は潰すから」

「あのな・・・そんなんやから先輩に疎まれるねん。後輩に慕われへんねん」

「失礼ねー、あんた。誰に似たんでしょ」

「お前じゃないことは確かや」
291 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:08
「その口の利き方はやめなさい」

「うるさいアホ。殺すぞ。氏ね」

「あたしはそんな関西弁の子を育てた覚えはありません!」

「めっちゃ関西生まれやっちゅーねん。滋賀県民なめんな」

「やっぱり新潟で育てるべきだったわ」

「だから後ろ下がってろや。先生見てるやん。めっちゃこっち見てるやん」

「あら嫌だ。あの先生、私のファンなのかしら」

「お前頭おかしいんか」

「だってほら。すごいいやらしい視線で見てるし」

「いやらしいのはお前の考え方じゃ!」

「ぶっちゃけ、男の人ってそういうもんよ」

「なに教室内でぶっちゃけトークしてるねん・・・・・・」
292 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:08
「ほらあんた、答えなさいよ!」

「黙れや。誰か他のやつが答えるやろ」

「カバン渡しなさい」

「はあ?なんでやねん」

「持ち物検査するから」

「いきなり何言うねん。お前頭おかしいんか」

「非行は素行の乱れから起こるの」

「誰が非行やねん」

「あんた何か隠してるでしょ。だから答えない。目立ちたくない」

「どういう発想してるねん。普通のカバンじゃ!何も入ってないわ」

「あら・・・・・あなた・・・・・あれがないわね」

「あれ?」
293 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:08
「ヘルメット」

「そんなん持ってるかあ!」

「自転車に乗るときはちゃんとかぶりなさいって言ったでしょ!」

「誰もかぶってるやつおらへんわ!」

「自転車通学とヘルメット着帽はワンセットなの!」

「ここは新潟ちゃうわ!」

「新潟も滋賀もないの!かぶりなさい!」

「なんでかぶらなアカンねん。新潟では岩でも落ちてくるんか?ああ!?」

「ダンプとかに轢かれたら危ないでしょ!」

「ダンプに轢かれたらヘルメットしてても死ぬわ!」

「屁理屈ねー。中二病かしら」

「親が子に向かって中二病とか言うなや・・・・・せめて反抗期って言え」
294 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:09
「ほらほらほら。あんたが答えないと面白くならないじゃん!」

「お前もう帰れや。家帰れ」

「まだだ!まだ終わらんよ!」

「お前マジで邪魔やねんて。授業参観の意味わかってへんやろ」

「わが子の成長を見るんでしょ?だから手を挙げなさいよ」

「邪魔しかしてへんやん」

「ほら!間違ってもいいから!『聖徳太子』って!」

「お前聖徳太子好きやな」

「誰も挙げてないじゃん!ここがチャチャチャンス!無敵の勢いで!」

「だから歌うな!どさくさに紛れて新曲の宣伝すんなあああああああ」

「家族はノルマ10枚だから」

「アホか。あたしの小遣いはお前が稼いだお金やろうが」
295 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:09
「そうよ。金は天下の持ち回り」

「それ間違ってるぞ。タコが自分の足食ってるようなもんやろ」

「いいから買いなさいよ!お金より枚数が大事なの!」

「お前いつまで月島きらりやるねん。もうええ歳やんけ」

「うるさい。歳のことは言うな。殺すぞ」

「うるさいババア。老けたから声優しかできひんくせに」

「お前マジで殺すぞ。ババア言うな。長寿アニメなめんなよ」

「ババアにババア言うて何が悪いねん。ああ?ババアが」

「お前なんか生まれたときからババアみたいな顔だろ!」

「顔のこと言うな。殺すぞ」

「うっさい不細工。親の顔が見たいわ」

「うっさい殺すぞ。お前に似たんじゃ」
296 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:09
「あーらそれはどうかしら。全然あたしの方が綺麗だし」

「殺すぞ。調子乗んな」

「ああ?親の言うことは黙って聞けよ」

「嫌じゃ。聞くくらいなら氏ぬわ」

「じゃあ氏ねよ。今ここで氏ねよ」

「お前が氏ね。変死しろ。歌衣装のまま検死されろ」

「うるさい氏ね。お前が氏ね。あたしの芸能活動にプラスになるような氏に方で氏ね」

「お前が氏ね。アニメの中でも氏ね」

「お前が氏ね。氏ね氏ねしな」

「噛むな氏ね」

「噛んでねーよ氏ね」

「月島氏ね」

「娘氏ね」

・・・

・・

297 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:10
なお、みっつぃーのお母さんはみんなと一緒に給食を食べてから帰宅した。
298 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 20:10
12 授業参観


おしまい
299 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/11/25(日) 20:12
更新終了。
そしてもうすこしだらだらと続く。
300 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 21:29
はぁ、笑った。
前回のも良かったですよ。レスに勇気が要ったけどw
301 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/26(月) 06:52
毎回変わる設定が超おもしろすぎ!
更新おつかれさま。次は何かな〜ワクワク♪
302 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/26(月) 10:42
この2人の話が今後たくさん生まれたとしてもこの設定はないと思いますw
あー笑ったわー
303 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/01(土) 19:17
13 コンサート
304 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:17
それはまだ後藤真希がハロプロに所属していたその頃。
そんなにそんなに昔じゃないその頃のこと。

神奈川県の某ホールにて後藤真希のコンサートが行なわれようとしていた。
2007年秋のツアーの初日となるその日には、多くのファンが押しかけ、
1300人ほど入るホールはほぼ満席となろうとしていた。

開演時間まで5分を切った時。
通路をこそこそと通って関係者席へと向かう二つの影があった。
二人は関係者に先導され、するりと関係者席へと滑り込む。
まだ場内の照明は明るい。
周りにいる人々がざわざわとし始めた。
305 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:17
「みっつぃー!このサイリウム、手首に巻いてよ!」

「声がでかいですって」

「別にいいじゃん。なんでこそこそしなきゃいけないのよ」

「周りの人が気づくやないですか」

「えー、もうとっくに気づかれてるじゃん。気にしない気にしない」

「周りが騒いだら迷惑になるやないですか」

「細かい。キミは細かい。もっと楽しもうよ!せっかくのコンサートなんだから!」

「前の松浦さんのコンサートの時みたいなこと、やめてくださいよ」

「えー。MC中に話しかけるくらいいいじゃん!お客さんも超喜んでたし!」

「いやいやいや。松浦亜弥コンサートで久住小春が目立ったらあかんでしょ」

「でも松浦さん、怒ってなかったよ。後で小春が謝ったら笑ってたし」

「その代わりに・・・・・うちらのマネージャーさんがパイプ椅子で殴られましたけど」
306 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:17
モーニング娘。の久住小春と光井愛佳が観に来ていることに気づいた観客達は
興奮した面持ちで二人をことを覗き込もうとしたりする。

だが。

照明が落ち、ブザーが鳴り、音楽が鳴り始めると、そんな浮ついた空気は消し飛ぶ。
暗くなった場内に色とりどりのサイリウムが光り、
湧き上がる歓声の大きさは、後藤真希登場と共に頂点に達する。

しっとりとした曲を経てハードなナンバーを披露する後藤真希。
客はセットリストに込められた意図通りにテンションを上げていく。
数曲歌って、ようやく場が落ち着きを取り戻す。
後藤真希による最初のMCが始まろうとしていた。
307 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:17
「いえーい!楽しいね!」

「ちょっと小春さん暴れすぎじゃないですか?」

「なんで?踊ってただけじゃん!」

「肘とか、がしがし当たって痛いんですけど」

「もうちょっとそっち行ってよ」

「無理ですって。通路にはみ出すやないですか」

「はみ出したらいいじゃん」

「はみ出したら係員の人が・・・」

「あ!後藤さんがこっち見た!おーい!」

「こらこらこら!でかい声出すなって!」

「ちょっとなにす・・・・・・・」

「黙れって!コラ!」

「フガフガフガ・・・・・・・・・・」

「もう!ええ加減にしーや!」
308 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:18
後藤に向かって叫ぼうとする小春の口を、光井は両手で押さえる。
暴れようとする小春だったが、やがてMCも終わり、再び曲が始まる。
後藤と一緒にガンガン踊る小春。
小春にガンガン押されて通路の方へと押し出されていく光井。アウアウアー
そんな押したり引いたりを繰り返しながら、二人は積極的にコンサートに参加していく。

コンサートはダンサーショーなどを挟みながら佳境へと向かっていく。
踊りながらコンサートに参加している小春とは対照的に
光井は踊ったりはせずにじっとステージを見ている。

あ、そこはそんな風に踊るんや
そういう場合はそうやってステージ上を移動するんや
客を煽るときはあんな感じでやったらええんか

光井はステージ上の後藤に自分を重ね合わせるようにして見ていた。
参考になることはきちんと覚えておこう。
そんなことを思っているうちにコンサートは終盤を迎える。
会場は興奮の坩堝と化していた。
309 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:18
「ごーっちん!おい!ごーっちん!おい!」

「ちょっともー、うるさいですって!」

「よーしみっつぃー!ステージに上がろう!」

「アホか!いきなり何言い出すねん」

「大丈夫大丈夫。小春達なら顔パスだから」

「ふざけんな!ちょっとやめろって!」

「後藤さんだってさ、『後で挨拶においで』って言ってたじゃん。今行こう!」

「それはライブが終わったらってことや!」

「今が一番盛り上がってるときじゃん!」

「関係あるか!客がステージ上がってええわけないやろ!」

「小春はお客じゃないよ。自分でお金払ってないもん」

「なおさら悪いわ!」
310 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:18
「でもさー、前のコンサートとは感じ違うよねー」

「え?どこが?」

「メロン記念日さんとかいないし」

「あー。そういうことですか」

「トイレ行くチャンスが少ないよね!」

「いや・・・・メロンさんのもちゃんと見とけや・・・・・・」

「よく考えたらメロン記念日さんはよくってさあ」

「?」

「あたしはステージに上がっちゃダメなの?」

「あれはちゃんとしたゲスト!」

「踊りたい踊りたい踊りたいの!」

「だから無理やって!」
311 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:19
「えー。小春ちゃんと正確に踊れるよ。後藤さんには迷惑かけないよ」

「そういう意味やないって」

「サイリウム持って踊りまくりだから!」

「それでええやん。客席で踊ってたらええやん」

「さっきさあ!振ってたらサイリウムがすっぽ抜けちゃった!」

「あるある。でも危ないから気をつけ・・・・・」

「あとみっつぃーに借りたオペラグラスも」

「は?」

「すっぽ抜けちゃった」

「おい!嘘やろ!?」

「あれ意外と硬いんだねー。ダンサーさんすっごい痛がってたよ」

「おいおいおいおいおいおいおい!」

「なんだよ。後でちゃんと弁償するよ」

「そういう問題ちゃうわ!」
312 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:19
「あ」

「どうしたん?」

「この曲は知ってる!歌えるよ!」

「今までの曲は知らんかったんかいな・・・・・・・・」

「よーし!みっつぃー!青空トレインだ!」

「なんでやねん!」

「えー。そういう曲じゃないの?」

「後藤さんにそんな曲あるかあ!」

「ぶっちゃけさー、後藤さんの曲ってよく知らないんだよねー」

「ぶっちゃけんなよ・・・・・お前ホンマ何しにきてん・・・・・・・」

「あの曲なら知ってるんだけどな。あれ。あれやらないかな?」

「なに?」

「LOVEマシーン」

「やらへんと思う・・・・・・・・・・」
313 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:19
「えええええええ」

「今更やるわけないやんけ!常識で考えろや!」

「あたしらもつい最近コンサートで歌ったじゃん!」

「やってません」

「やったじゃん」

「やってへんわ」

「やったっつーの」

「やってへんわ。お前記憶力ないんか」

「あ。そうだった」

「思い出したんか」

「そういえばみっつぃーは10年記念隊に選ばれてなかったよね〜」

「お前絶対わざと言うてるやろ・・・・・・・・」
314 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:19
「あたしと後藤さんは記念隊つながりだから。わかる?」

「わかりません」

「えー、お前DVD見てないのかよー」

「見てません」

「じゃあ今ここで見る?ほら」

「え?」

「じゃじゃじゃーん」

「お前何持ってきてるねん!」

「世界最小・最軽量だよーん」

「なにが悲しうてコンサート中にコンサートのDVD見なアカンねん・・・・・・」

「じゃあ撮る?」

「え?」

「録画もできるよ!」

「おいおいおいおいおいおいおいおい!!おい!」
315 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:19
「なんだよう!邪魔しないでよ!」

「コンサートを録画するやつがあるかああああああああああああ」

「なんで?DVDって売ってるじゃん。あれって撮ってるんでしょ?」

「売ってるからこそ撮ったらアカンのじゃ!犯罪行為じゃ!」

「大丈夫。こっそり盗撮するから犯罪じゃないって」

「盗撮することが犯罪なんじゃ!」

「撮ること自体がダメ?そんなあ」

「当たり前や!お前何年芸能人やってるねん!」

「じゃあグッズ売り場でDVD売ってる人はみんな犯罪者なのかよ」

「お前アホか?マジで大丈夫か?そこまで行ったら亀井レベルやな」

「亀井レベル言うな。殺すぞ」

「うるさい亀井クラス。頭悪すぎなんじゃ」

「ちょwwwwwおまwwwwww次亀井って言ったら殺す」

「ぽけぽけぷぅ」
316 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:20
「殺す。マジで殺す。盗撮してから殺す」

「撮るなあ!ホンマ一回氏ぬか?この犯罪者が!」

「まだ撮ってないだろ!犯罪者って言うな!」

「うるさい容疑者。黙れ被疑者。氏ね。一回氏ね」

「お前が氏ね。小春に見下されたまま氏ね!」

「椅子の上に立つなあ!見下ろすなあ!」

「うっさいボケ!あ。お前柵の上に立つなよ!」

「うるさい氏ね。あたしに見下されながら氏ね」

「マネすんな!小春の方が高いもんねー!!」

「もっと高いわ!こっちが上じゃあ!」

「こっちが上じゃあ!」

「こっちが上じゃあ!」

・・・・・・

・・・・

・・
317 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:20
なお他のお客様の迷惑となる行為をされた方にはご退場していただく場合もございます。
318 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:20
13 コンサート


おしまい
319 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/01(土) 19:22
更新終了
久しぶりにうたばんを見たんですが
やっぱりこはみつの二人の並びは
見ていて非常に座りの良いものを感じました。
320 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/01(土) 19:24
>>300
勇気を出してのレス、ありがとうございます。
「良かった」と言われると悪乗りしたくなりますが、
ああいうお話はあの一回だけにしておこうと思います。
まあ、この先どうなるかは作者にもよくわかりません。
でも頑張ります。
321 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/01(土) 19:25
>>301
超面白いを言ってもらえると本当に嬉しいです。
設定を考えるのは大好きです。
設定だけで満足しないように、これからもちゃんと書いていこうと思いますんで
次も楽しみにしていてください。
322 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/01(土) 19:29
>>302
独自性を誉めてもらうのが一番嬉しいです。
授業参観って面白いですよね。
これまでなかったのが不思議なくらいですが、
意外と思いつかないのかもしれません。
これからも「意外と思いつかない設定」で書ければと思っています。
323 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:09
14 お見合い
324 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:09
雲ひとつない青空が広がった12月の某日。
天気とは対照的に、久住小春は朝から憂鬱だった。
ホテルのレストランでコーヒーを飲みながら時間潰していたが、
いつもは気持ちを落ち着かせてくれるコーヒーも、
今日はただ苦いだけだった。

格式の高いホテルのフロアには、身なりの整った麗人たちが泳ぐように行き来する。
小春は仕事柄そういった場所には慣れていたが、
プライベートで来るとなると、さすがに少し勝手が違う。
仕事の時とは違う「恥ずかしい」の基準に小春はただただ戸惑っていた。

そんな小春の微妙な心理を踏みにじるように、
着物を着た一人の女性がレストランの入り口でうろうろしていた。
質の高い着物を身に着けていても、場違いな雰囲気は隠せない。
いや、逆に悪い意味で目立ってしまっているように小春には感じられた。

ああ嫌だ。ああ恥ずかしい。
そう思いながらも小春はその女性に向かって手を挙げる。
325 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:09
「お母さーん。ここだよー」

「なんや小春。そんな隅っこにおったんかいな。何してるねん」

「なにって・・・・・コーヒー飲んでただけじゃん」

「もう時間やん。そろそろ行かなアカンで」

「えー、まだ時間になってないじゃん。もうちょっと」

「アホか。こういうのは少し早めに行くもんや」

「まだあと30分もあるよ」

「小春。今日はお母さんの言うこと聞くって言うたよな?」

「えー、言ったかもしれないけどさー」

「言ったやんな?」

「言いました」

「ほな行くで」
326 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:09
小春は渋々母親の後についていく。
この先のホテルの部屋には小春のお見合い相手が待っている予定となっていた。

本当はお見合いなんてするつもりはなかった。
だがしかし母親に巧妙に言いくるめられてしまい、
いつの間にやら完璧にセッティングされてしまい、
絶対に逃げられない状況を作り上げられてしまった。

廊下の向こうから初老の男性がやってくる。
やあやあ愛佳さん久しぶり、などと母親の名前を呼びながら男は手を差し伸べる。
どうやらこの男性が今回のお見合い相手を探してきた人らしかった。
母親は男性と握手を交わし、一言二言喋りながらすっと部屋に入る。

何事もないように普通に部屋に入る。あっけないくらい普通に。
あまりにもあっけなかったので小春は予想していなかった。
部屋の中の和室で、小春の見合い相手が既に正座して待っているとは。
327 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:09
「ほな始めましょうか」

「ちょwwwwwwwお母さんwwwwwwwもう相手来てるじゃんwwwww」

「そらそうやろ。何言うてんねん」

「いやちょっと心の準備が」

「準備もくそもあるかいな!なに照れてるねん!」

「いや、だって、恥ずかしいじゃん・・・・・・」

「いつもみたいに『月島きらり、アイドルやってまーす!』って感じでいったらええやん」

「できるかあ!」

「向こうもそういうの期待してるかもしれへんで」

「最低。そんなのが好きな人間だったら絶対相手しないから」

「あんたなあ。モーヲタを何やと思ってるねん」

「モーヲタ言うな!」
328 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:10
小春と母親はこそこそと罵り合いながらもとにかく席に着いた。
仲介役となった男性が簡単に両家のことを説明する。
小春が芸能界でアイドルとして仕事をしていること。
母親の愛佳もかつては小春と同じように芸能界で仕事をしていたこと。
今は母親は引退して小春のマネージャー役として仕事を支えていること。
などなど。
小春が予想していたよりも、かなり詳しく相手に説明がなされていた。

小春は見合い相手の顔を見る。
濃い眉毛がきりっと凛々しい。
なんでも横浜で建築業をしているとか。
しっかりしている人なのかなあと思っていたが、
熱いお茶に口をつけて「うおおおおちゃあ!」と漫画みたいなリアクションをしたり、
仕事のことを聞いたら「横浜の良いビルです」と意味不明なことを言ったり、
どうも怪しい。

小春はちょっと失礼と相手に断ってから、
母親を連れて隣の部屋へと移動する。
329 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:10
「ねえお母さん」

「なんなんよ小春。中座したら相手の人に失礼やろ」

「断ったからいいじゃん。ねえ。断ろうよ」

「断ったから断ろう?何を訳のわからんこと言うてんねんあんた」

「いやいやいや。だからこの話を断ろうよって」

「何言うてんのよ!まだ会ってから30分しか経ってないやないの!」

「いやだってあの人おかしいよ。良いビルとかさ」

「それがなんやねん。『良いビル』くらい言うやろが」

「言わないっつーの」

「いや、あるある」

「すっごい適当に言ってるだけっぽいんだけど」

「適当なことあるかいな」
330 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:10
「あの人もあたしのこと好きじゃないみたいだし」

「そんなことあるかいな。モーニング娘。が大好きって言ってたやん」

「あの年で好きって言われてもねえ・・・・・・」

「あんたと4つしか違わへんて」

「とにかくやめるわ。あの人とは合わない。あたし帰る」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwふざけんなwwwwwww」

「じゃ、あとは若い二人に任せて・・・・・・」

「それはあたしらが言う台詞や!!」

「あたしは帰ります!!」

「待てやコラ!!」

「放せえええええええええええええええええええええ!」

「うるさい!大声あげんな!聞こえるやろ!」
331 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:10
「だって嫌なんだもん!」

「わかった・・・・・あんたあれやろ」

「?」

「ツンデレか」

「はあ?お前なに意味不明なこと言ってるんだよ!」

「みんなが見てるところではツンツンしてるけどいざ二人っきりになったらデレデレするという・・・

「用語の説明とかはいいんだよ!!」

「なんやあんた。二人っきりになりたいんか。本当は新垣さんのことが好きなんか」

「誰があんな顔中眉毛が動くのが特技とか言うやつのことを・・・・」

「ほうら気になってるんや!好きなんや!やーいやーい。みんなに言うたろー」

「お前小学生かよ・・・・・・・・・・・・」

「とにかく部屋に戻るで」
332 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:11
「だ!か!ら!放せ!!こら!」

「向こうも待ってるって。あんな良い人なかなかおらへんで」

「やっぱりやだよ!結婚なんてやだよ!アイドルだもんあたし!」

「それは大丈夫」

「お母さんの大丈夫は根拠がないんだよ!」

「あんたがモーニング娘。をやめても大丈夫だから」

「なんで?」

「あたしが復帰するから」

「ちょwwwwwwwwwwおまwwwwwwwwwwww四十路wwwww」

「年齢言うな!殺すぞお前!」

「まあデビューした頃から四十代みたいな顔だったけどさー」

「殺すぞ。殴り締め刺し殺すぞ」
333 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:11
「復帰するならロケロビッツでもやってろよ!」

「オッケー!・・・・・・・・・・・ってなんでやねん!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「なんだよそれ」

「お前、芸能界におってノリ突っ込みも知らんのか!」

「下手すぎてわかんねーんだよ!」

「お前よりましじゃ!」

「うるせー!帰る!結婚しない!見合いしない!帰る!」

「あ、バカ」

「うわ」

「お前なにフスマ破いてるねん!」

「ちょっと押さないでよ!!」

「うわわわわ!」
334 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:11
「手が抜けないだろ!放せよ!」

「押すなアホ!!」

「ちょwwwwwおまwwwwwwwなにしてんだよwwwwwwwww」

「お前が押すから障子が破けたんやろ!!」

「早く手を抜けよ!」

「お前がフスマから手を抜かんとあたしの手が抜けへんやろうが!!!」

「抱きつくな!倒れる!」

「ちょっと言わせてもらってええか」

「なんだよ!」

「ロケロビッツやないで。ロビケロッツや!」

「今そんなこと言ってる場合か!」

「ロビケロッツと覚えるにはロビーとケロビーが合わさってできた言葉だという・・・・・

「そんな説明はいらねえええええええええええええんだよ!」

「今日は何でもあたしの言うこと聞くって言うたやないか!」
335 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:12
「言ったよ。言ったけどさ。でも」

「でももカボチャもありません」

「とりあえずこのフスマと障子から両手を抜かない?」

「これもしかしたら隣の部屋に見えてるかもな」

「絶対見えてるよ。隣の部屋との仕切りじゃん」

「わざとやな」

「は?」

「お前わざとこんなことして見合い壊そうとしたんやろ」

「バカか!?こんなことわざとするわけないだろ!早く抜けよ!」

「だからお前が先に抜けや!!」

「引っ張っても抜けないんだよ!」

「じゃあこうしよう」

「え?」

「引いてダメなら押してみろ」
336 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:12
「バカかお前!?押したら隣の部屋に突撃します状態だろ!!!」

「しゃーないやん。引いても全然抜けへんやん」

「バカ押すな!隣の部屋に飛び出ちゃうだろ!!」

「ええやんええやん。新垣さんの胸に飛び込んだらええやん」

「お前なに良い様に言ってるんだよ!ただのバカだろそれじゃ!」

「あんたバカやん」

「そうそう小春はすっごいバカだから隣の部屋に飛び込んで・・・・・・っておい!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・なんやねんそれ」

「ノリ突っ込みだよ」

「・・・・・・・・・・・誰に似たんやろ」

「お前だよ!」

「あたしはそんな寒い子に育てた覚えはないわ!」
337 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:12
「うるさい氏ね。障子に手を突っ込んだままで氏ね」

「はあ?お前が氏ねや。見合いが大成功してから氏ね」

「氏ぬんなら成功しても意味ないだろ!」

「ほー。成功する気まんまんやな。いやらしい子やで」

「殺すぞ。性交とか言うな。いやらしいのはお前だろ!」

「親に殺すとか言うな。殺すぞ」

「子に殺すとか言うな。殺すぞ」

「あのな・・・・・っておい!押してるのはそっちやろ!飛び出たいんか!」

「バカ!押してるのはお母さんじゃん・・・・っておおおおい!」

「ちょwwwww倒れるwwwwwうわあああああ」

「ぐっ・・・ぐふぅー」

「アウアウアー」

・・・・・・

・・・・

・・
338 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:12
なお結婚式は大安吉日の日曜日に新垣家風で挙げられた。
339 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/02(日) 20:12
14 お見合い


おしまい
340 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/02(日) 20:13
12月もこんな感じでだらだらと
341 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/03(月) 00:25
結婚したんかいw
面白すぎるよ作者さん
342 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/03(月) 23:40
この親子を受け入れたガキさんGJすぎるw
新垣家風結婚式は良いビルで行われたんだろうか…

作者さんGJw
343 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/04(火) 21:00
どっちの親子がいいか本気で悩むくらい好き
この設定で何の違和感もないのはさすが
344 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/05(水) 15:42
さりげなくガキさんのキャラ設定もはちゃめちゃなところがいいw
345 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:56
15 漫画家
346 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:57
光井愛佳は大きなカバンを抱えて某出版社のビルから颯爽と出てくる。
カバンの中には大きなスペースが空いている。
今日これから取ってくるものがそこに収まる予定だった。
あくまでも「予定」でしかなかったが。

光井はタクシーに乗り込み、某漫画家が住んでいる一軒家の住所を告げる。
インターネットが各家庭に普及し、通信技術が飛躍的に向上した現在であっても、
漫画家が書いた原稿を直接受け取りに行くというのは、今も昔も
漫画雑誌の編集者にとって一番大切な仕事であることに変わりはなかった。

タクシーは混雑した東京の道をのろのろと進む。
渋滞がなければ30分で着くであろう目的地に着いたのは、
出版社を出てから2時間を少し過ぎた頃だった。

光井は「久住小春」と書かれた表札の横にある呼び鈴を押す。
反応がないので、何度も何度も押す。
だがしかし、数分待っても反応は一切返ってなかった。
347 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:57
光井は双眼鏡を取り出し、くるくると回っている電気のメーターをチェックする。
さらにカーテンの僅かな隙間から部屋の中の様子を窺う。
暗い部屋の中に人の気配を感じた光井はいつも通りに行動を開始する。

まずホームセキュリティ用の警報回線をケーブルカッターで切断する。
続いて睡眠薬の入った肉を番犬に向かって投げ入れる。
塀をよじ登って玄関前までたどり着く。
合鍵を差し込もうとしたが、上手く入らない。鍵を替えられたようだ。
光井は庭に面したガラス窓のロックの傍をガラスカッターで切る。
ロックを外してガラガラと窓を開ける。

土足で家の中に入り込む光井。
すぐそこの部屋には布団に包まった久住小春の姿があった。
348 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:57
「久住センセ、来週分の原稿ください」

「ちょwwwwwwおまwwwwwwww不法侵入wwwwww」

「呼び鈴何回も鳴らしたやないですか」

「あたしが出るまで待てないのかよ!」

「いやもう20分も待ちましたがな」

「シャワー浴びてたの!!」

「浴室にそういう痕跡はありませんなあ」

「お前なに勝手に覗いてるんだよ!!」

「で、原稿は?」

「えへへへへ・・・・・・・・・・・・」

「今日が締め切りでっせ」

「もうちょっと!もうちょっとだから!」
349 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:58
光井は小春の首根っこを捕まえて仕事場まで引きずっていく。
雑誌や文房具が散らかった部屋には誰もいなかった。
数ヶ月前までアシスタントの子が座っていた席にも誰もいない。
久住のアシスタントという激務に耐えられず、
ノイローゼになりかけていたその子は光井の紹介で某寺院に出家していった。

光井は机の周りに散らばっている原稿を拾い上げる。
案の定、原稿はまだほとんど完成していなかった。
次に光井はラフスケッチされたネームに目を通す。
どうやらこちらの方は問題なさそうだった。

ならば後は描くだけだ。ギリギリ間に合うかもしれない。
ほっとして久住の方へと振り返ると、そこには誰もいなかった。
光井が持っていた久住の首根っこはいつの間にやら切り株にすり替わっていた。
350 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:58
「待てやこらあ!!」

「うっさいハゲ。待てと言われて誰が待つか」

「捕まえた!コラ!どこ行くんじゃうるあああ!」

「なんだよ!自分の家でどこ行こうとあたしの勝手だろ!」

「あのなあ。変わり身の術とか使う暇あったら原稿描けや」

「上手くいったでしょ?三日は練習したもんね」

「だから・・・・・・・原稿描けや・・・・・・・・」

「いや、この技術を漫画に生かそうと」

「アイドルを目指す中学生が忍術とか使うか!」

「お前だって編集者のくせにスパイみたいなことしてるだろ!」

「うるさい!黙れ!原稿描け!ほら。座れや」

「だいたい睡眠薬入りの肉とかどこで売ってるんだよ?」
351 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:58
文句を言いながらも渋々久住は席につく。
ボコボコに殴ってやりたい衝動を光井はかろうじて抑える。
原稿の上がりは遅いが、久住が連載しているアイドル漫画、
「くすみん☆レボリューション」は雑誌でも一、二を争う人気があった。
原稿を落とさせるわけにはいかない。

久住は机にもたれかかるような姿勢でだらだらとしている。
描くことはほぼ決まっているのになかなか描こうとしない。
これがいつもの彼女のペースだった。
なんだかんだと理由をつけては部屋を抜け出そうとする。
それもいつもことだった。

原稿が仕上がるまで、編集者としては油断できない。
光井は部屋の隅から隅まで厳しくチェックする。
原稿のタイムリミットまであと12時間しかない。
かなり手荒なことをしても描かせないことには間に合いそうになかった。
352 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:58
「おい」

「わ!!なんだよそれ!おい!」

「スタンガンや。眠気覚ましに持ってきてやったから」

「お前バカか!?」

「早く描けや!お前はそれだけ考えてたらええねん!」

「描く描く描く!描くからもう帰ってよ!」

「帰ったら原稿持っていかれへんやろ!」

「ファックスで送るよ!」

「お前の家ファックスないやろ!」

「じゃあスキャナで取り込んでメールで・・・・・・」

「そんな時間があるなら書けや!」

「傍で描け描け言われたら描けるものも描けないよ・・・・・・」

「5万ボルトでええか?」

「ふざけんな!」
353 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:58
「はよ描けや。下書きはもうできてるんやろ?」

「本当はもう全部描けてたんだけどねー」

「嘘つけやコラ。どこが描けてんねん」

「原稿も全部仕上がってたんだよ!それなのに!」

「はあ?」

「宇宙人が!窓からこうサーっと来てさ!原稿を持って・・・・・・」

「50万ボルトでええか?」

「ざけんな!焼け死ぬわ!」

「変わり身の術でかわしたらええやん。ほら。ほら」

「近づけんなよ!!!バチバチ言ってるって!おい!」

「スタンガンよりも催涙スプレーの方がええかな・・・・・・」

「お前なにマニアだよ!!」
354 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:59
「とにかく描いてもらわんんと。アニメ化もされてるわけやし」

「なんだよあのアニメ。作画が全然なってねーじゃん」

「お前が原稿上げるのが遅いからやろが!」

「アニメは関係ねーだろ!」

「関係ないけどお前がむかつくんじゃ!」

「ちょwwwwwwwwおまwwwwww言いがかりwwwwwwwww」

「だいたいスクリーントーンも使わんお前が作画とか言うな」

「うっさい!絵にだけは文句言うな!」

「ストーリーもアニメオリジナル編の方が面白いしなあ」

「うっさい!ストーリーにだけは文句言うな!」

「原稿上げるのも遅いし」

「うっさい!原稿描く速さにだけは文句言うな!」

「お前やっぱりむかつく」
355 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:59
「もうさー、これで完成でよくない?」

「アホか!これまだ下書きやろ!」

「それでいいじゃん。単行本までにはちゃんと仕上げるから」

「お前読者なめてんのか!」

「昔ジャンプでそういうことしてる人いなかったっけ?」

「言うな・・・・・他誌のことは言うな」

「移籍する!」

「ちょwwwwwwおまwwwwwww何言うてんねんwwwwwww」

「そしたらちょっとは楽になるんじゃない?」

「お前みたいな作風が少年誌に移れるかあ!」

「少年誌じゃなくてさ」

「?」

「月刊誌に移籍する」

「なんでやねん!!」
356 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:59
「だって締め切りが月に一回だけでしょー」

「お前・・・・考え方が小学生やな」

「それなら締め切り守れそうな気がするよ!」

「無理や。多分そっちに行ったら『季刊誌に移りたい』って言うてるわ」

「あ!季刊誌もいいね!締め切りが年に4回だから!」

「はよ描けやああああああああああああああ!!」

「大声で誤魔化すなよ!話逸らそうとしてるだろ!」

「話逸らしてるのはお前やろうが!」

「いやその小春は真剣に漫画界の将来のことを考えてだな・・・・・」

「うるさい描け。描かな50万ボルトで当てるぞ」

「それやめろよ!」

「じゃあこっちの特殊警棒にしようかな・・・・・・・・・・」

「ちょwwwwwだからwwwww何マニアだよお前wwwwwwwww」

「この特殊警防ならかなり痛いけど大丈夫」
357 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:59
「やめろ!どこが大丈夫なんだよ!お前殺すぞ!」

「はあ?お前が氏ね。原稿上げてから氏ね」

「お前殺す。マジで殺す。火遁の術で殺す」

「何が火遁の術やねんコラ。近代エージェントの装備なめんな」

「はあ?近代?知らないなあ。そっちこそ忍法なめんなよ」

「うはwwww忍者漫画はwwwww5週で打ち切られたくせにwwwwwww」

「ちょwwww殺すwwwwwwwそれ言ったらマジでwwwww殺す」

「うるさい氏ね。007の敵役のように氏ね」

「お前が氏ね。抜け忍のように氏ね」

「ドゴゴゴオ!!!ズガガガガガ!」

「ババァーンンンンン!グゴゴゴゴオオオオ!!!!」

「ズシュシュシュ!!!!!」

「ブバオオオォォォ!」

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・」
358 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:59
なお今週の「くすみん☆サボリューション」は作者負傷のため休載です。ご了承ください。
359 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 20:59
15 漫画家

おしまい
360 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/08(土) 21:00
更新終了。
なんか最初の頃と今とでは書きたいこと・書いてることが
違ってきたように感じるのは気のせいでしょうか。
気のせいかな。
361 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/08(土) 21:00
>>341
そりゃしますよー
新垣さんは久住さんのことが大好きですから。
とマジレスしたいところですが残念ながらこのお話はフィクションです。
現実はフィクションよりももっと複雑で面白いと思います。多分。
362 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/08(土) 21:00
>>342
新垣さんはきっとハロプロに関する全てを受け入れるよ。
とマジレスしたいところですが残念ながらこのお話はフィクションです。
結婚式はリアルでもフィクションでもちょっと想像できないですね。
363 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/08(土) 21:01
>>343
逆パターンの母子設定もありましたよね。
私はどっちでもいけると思ったので両方書いてみました。
どっちが母親になってもやってることは大して変わっていませんが。
364 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/08(土) 21:01
>>344
ガキさん大人気ですね。
ちょい役なのに読者のこの食い付きの良さは何なんでしょうか。
私ははちゃめちゃな設定だとは思わなかったですね。
実際のガキさんもきっとあんな感じなんだと思います。多分。
365 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 22:27
あぁ…おもろかった…


個人にはアシの行き先が好きw
366 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/08(土) 23:48
オチに向かっての流れがツボでした
見えないはずのラフ画が見えるようです
いつもありがとうございます
今後も楽しみにしています
367 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 16:38
切り株ワロタw
漫画家と編集という関係、二人の性格的にドンピシャすぎて鳥肌立ちましたww
更新お疲れ様です。
次回も楽しみにしております。
368 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:30
16 ハロプロニュース
369 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:31
幾度となく番組がリニューアルされてきた不安定な番組、ハローモーニング。いえーい。
その迷走ぶりはハロモニ@と改名されてからも変わる事はなく、
初期の奇抜な設定などどこ吹く風といった感じで、
気がつけばごくごく普通のバラエティ番組となっていた。

何のアナウンスもなく突然始まる新しいコーナー。
何のアナウンスもなく突然終了してしまうコーナー。
行き当たりばったりな番組構成は、番組が始まった頃と何も変わらない。

というわけで。
突如として復活した、とあるコーナーに起用されることが決定したときも、
久住と光井は何の驚きも戸惑いもなく、その決定をすんなりと受け入れていた。
370 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:31
「はい!新しく始まりましたハロプロニュースのコーナー!」

「新しくて・・・・・・めっちゃ昔からあったやん・・・・・」

「キャスターはミラクル小春でーす!!!」

「どうもー。レポーターのグラマラス光井でーす。アウアウアー」

「ちょっとみっつぃー!テンション低いよ!新コーナーなんだから!」

「新コーナーっていうてもですねえ・・・・・・・・・・・」

「ハロモニの看板コーナーなんだから!しっかりと!」

「えー。いつまで続くかもわからんしー。来週にはなくなってるかもー」

「そんな急になくなるわけないでしょ!そんなコーナーなんてあり得ないから!」

「中国語講座・・・・・・・・」

「さあ!はりきって最初の商品いってみましょう!」

「スルーかい!」
371 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:31
メインキャスターに抜擢された小春はいつものロケの時と同じように
台本を完全に無視して自分勝手なトークを繰り広げる。
光井は必死で段取り通りに進めようとするが、なかなか上手くいかない。

結局、一つの商品を紹介するのに30分近くかかってしまった。
当然ながらスタッフからダメだしが出る。
今日は3つの商品を紹介しなければならなかった。
放送される時間は5分程度。
その5分の間にやるべきことを全てやらなければならない。
光井は小春と一緒に、スタッフとその5分の間にやるべきことを確認する。

その一連の作業は、
この一年間芸能活動をしてきた光井にとって、そんなに難しいことではなかった。
隣に座っているのが―――久住小春でなければ。
372 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:31
「ちょっと久住さん。勝手に喋らないでくださいよ・・・・・」

「なんだよー。アドリブの一つくらいいいじゃんかよー」

「あんた全部アドリブですやん」

「あのね、フリートークには流れっていうものがあるの。わかる?」

「いやフリートークやないですし。流れとか言う前に台本覚えてくださいよ・・・・・」

「あー、はいはい。覚えた覚えた。もう覚えたから」

「じゃあ今日のゲストは?」

「はあ?ゲスト?」

「メインの商品を紹介するゲストですがな」

「誰だっけ?小春?」

「なんでお前やねん!お前はキャスターやろ!お前何人いるねん!!」

「え?あー、道重さんね。オッケーオッケー」

「お前・・・・今初めて台本見たやろ・・・・・・」

「さあ!無駄話してないで本番行くよ!」
373 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:32
再び本番スタートの合図がかかり、収録が始まる。
久住と光井がコーナーを進行している間、
写真集の宣伝のためにゲストとして登場する予定の道重が、
セットの脇から顔を半分だけ覗かせて、収録をジーっと見ていた。

もうすぐなの。もうすぐさゆの出番なの。

だが二人のトークは再びぐだぐだな感じになっていき、
3つ目の商品にあたる道重のソロ写真集の話題にはなかな到達しない。
2つ目の商品へとたどり着く頃には、収録開始からもう10分以上経っていた。
当然、2回目のダメだしが出る。
再び最初から撮り直すということになり、スタッフは一から準備をし直す。

道重のどんよりとした目つきは徐々に白い炎のような三白眼になっていく。
374 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:32
「さあ!新コーナーのハロプロアワーの時間です!」

「えー、キャスターのグラマラス光井・・・・・っておい!」

「いきなり!?そこでノリ突っ込みかよ!」

「待て待て待て!」

「あんたも本当にノリ突っ込みが好きだねー」

「なにが『ハロプロアワー』やねん!『ハロプロニュース』や!」

「どっちだって似たようなもんじゃん」

「全然違うわ!」

「じゃあGyaOでも流せばいいじゃん。それで全部丸く収まるでしょ」

「収まるかあ!」

「やっぱり?小春が生バンドで歌わないとハロプロアワーっぽくならないかな・・・・・」

「そういう意味ちゃうわ!」
375 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:32
スタッフから3度目のダメだしが出る。
初めての収録に戸惑う久住と光井をスタッフはどこか生暖かい視線で見守る。
まあ、最初だし仕方ないかな。
そんないつもよりも少し優しい雰囲気がスタジオに流れる。

ディレクターが出てきて直々に久住にアドバイスを送る。
その言葉は横で聞いていた光井がいらっとするほど優しいものだった。
アカンわ。絶対もう一回ダメだし出るわ。こんな優しいこと言ってたら絶対またミスるわ。
光井はうつむきながら、心の中で久住に対してあらん限りの罵詈雑言を浴びせる。


スタジオの隅では道重が正座をして床を見ながら心の中で二人に対して呪詛の言葉を唱えていた。
376 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:32
「それじゃー、中継先のジュンジュンさーん」

「おまかせしまーす。アウアウアー」

「さ、3つ目の商品です!」

「まだや!まだ早いっちゅーねん!」

「なんでよ!もう時間ないでしょ!」

「今、ジュンジュンが中継やってるやろ!カメラもそっちに切り替わってるわ!」

「そんなの録画で3秒くらいのダイジェストにすればいいじゃん」

「お前の都合で番組を切るな!」

「エリック亀造だって好き勝手やってたじゃーん!」

「あんなんは反面教師にしたらええねん」

「半分だけマネするの?」

「その半面ちゃうわ!」
377 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:33
スタッフから4度目のダメだしが出る。
だがまだスタッフの顔からは笑みは消えていない。
良いよ良いよ。亀井ちゃんや梨華ちゃんよりずっと筋が良いよ。
スタッフからはそんな言葉まで飛び出してくる。
おいおい。その二人はどんだけレベル低かったんや。酷い話やで。
光井は心の中で毒づく。


スタジオの隅では道重が二人が飲むお茶にフグの肝を入れていた。
378 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:33
「さ、それではアウアウ光井さん、どうぞ!」

「はあ?アウアウ光井ってなんやねん!」

「あれ?そういう名前じゃなかったっけ?」

「グラマラス光井や!ちゃんと覚えろや!」

「グラマラスってwwwwwwおいおいお前wwww名前と関係ないじゃんwww」

「しゃーないやろ。ラブリーは高橋さんが使ってたし」

「みっつぃーって『あいか』でしょ?『あい』がだめなら『か』を使えばいいじゃん!」

「『佳』なんて使えるかあ!英語にできひんわ!」

「モスキート光井」

「お前・・・なんでそんな英単語だけは知ってるねん・・・・・・」

「ぶーん。ぶーん。ぶーん」

「耳元で騒ぐな!!!」

「蚊っぽくていいじゃん」

「遊ぶな!ちゃんと原稿読めや!!!」
379 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:33
スタッフから5度目のダメだしが出る。
5度目だったが、光井はもう数えていなかった。
もう嫌だ。帰りたい。不覚にも光井は一瞬そう思った。
隣で小春がいいじゃんいいじゃんもう終わろうよーとごねている。
確かに撮るべきものはもう撮った気がする。
でも何か大事なことを一つ忘れているような気もする。なんだろう。なんだっけ。


スタジオの隅では道重が二体の藁人形に五寸釘を打ち込んでいた。
380 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:33
「さあ!最後は月島きらりちゃんのニューシングルでーす!」

「なんでやねん!いつの話やねん!!」

「え?先々週出たばっかりじゃん!」

「アホかお前?なんで先々週出たもんをここで宣伝するねん!」

「そういうコーナーでしょ!」

「違うわ!これから出るやつを宣伝するんじゃ!」

「先に言えよ!」

「台本読めや!その通りにやれや!」

「一言くらい宣伝してもいいじゃん・・・・・・ケチ」

「それでは次はアテナ&ロビケロッツのデビューシングルです!」

「ちょっと待てええええええええええええ!!!!」

「なんやねん。邪魔すんなや!」
381 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:33
「お前こそいつ発売のシングルを宣伝してんだよ!」

「11月14日」

「聞いてねえよ」

「聞いたやろ!」

「あたしはダメでお前はいいのかよ!」

「お前はダメだけどあたしはええんじゃ!」

「お前中心か。地球はお前中心か。地軸か。お前は地軸か」

「うるさいボケ。地軸でもイチジクでもいいから宣伝させろや」

「うるさい氏ね。岡井&中島以下の扱いで氏ね」

「お前が氏ね。ぐろっさんに食われて氏ね」

「うるさい氏ね。光井氏ね」

「久住氏ね」

「矢口氏ね」

「・・・・・」

「・・・」

「・」
382 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:34
なお結局、道重の写真集の宣伝は次週ということになった。
383 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:34
16 ハロプロニュース

おしまい
384 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/09(日) 20:34
更新終了。
だらだらと書くつもりが気がついてみれば定期的に更新しているという不思議。
これもサガというものなのでしょうか。
385 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/09(日) 20:34
>>365
光井さんにはこういうマニアックな素養は全然ないように見えるんですが
書いてみたら案外すんなりと書けてしまったという不思議。
まあこれもきっと相方の小春さんあってのことだと思います。
386 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/09(日) 20:35
>>366
実はこの話はだらだらと書いていてオチのところになって
「さあ、どうしよう」と少し困ってしまったのですが、
読んでいる人に楽しんでもらえたなら嬉しいです。
久住さんの書く絵はきっと、漫画向きじゃないこと甚だしいだろうと想像しています。
387 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/09(日) 20:35
>>367
なんとなく「変わり身の術」というのをお話の中で一度使ってみたかったんです(実話)。
そこから広がっていって最後のああいうオチになっていましました。
実は「編集」のことは何一つ知らないんですが、ギャグ漫画なんかに
よく出てくるような「漫画家と編集」のイメージをそのまま使って書きました。
違和感なく読んでもらえたなら本当に嬉しいです。ホッとしました。
388 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:18
17 浦島太郎
389 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:18
昔々。
あるところに久住小春と光井愛佳という
それはそれは仲の良い、同じ歳の女の子が二人おったそうな。

二人が海の近くを歩いていたところ、
砂浜に小さな人だかりができておったそうな。
好奇心旺盛な二人がなんだなんだと駆け寄ってみると、
そこには一匹の海亀が。

その土地では大変珍しい海亀を見て興奮したその村の村人が
海亀を棍棒的なものでガンガン叩いていじめておったんじゃ。
小春と光井は慌ててその場に駆け寄った。
よく見ると亀をいじめていたのは安岡力也と竹内力だったそうな。
390 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:19
「小春さん、あの亀を助けましょうよ!」

「ちょwwww待てよwwwwwあれ力也じゃんwwwwwww」

「あれ助けたらきっと竜宮城に連れて行ってくれまっせ」

「無理だって!止められるわけないじゃん!」

「なあに。話せばわかりますって。同じ芸能人じゃないですか」

「無理無理無理!絶対無理だって!」

「力力コンビにびびってる場合やないですって」

「力力コンビ言うな」

「ほら!『カメーを助けに来ました』ーって」

「それガキさんだから」

「力也は触らない約束になってるんでしょ?」

「なってねーよ!」

「力也さーん!この人が何か言うてまっせー!」

「ちょwwwwwおまwwwww殺すwwwwwwwww」
391 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:19
じゃが幸いにもハロモニにも出演したことのある力也は、
モーニング娘。に対して若干の理解があったのじゃ。
力也と力は可愛らしい二人の女の子に免じてカメを許すことにしたらしい。

危ないところを助けてもらった亀は、
その恩返しとして二人を竜宮城へと招待したいと申し出た。
思わずぐぐっと拳を握ってガッツポーズをとる小春。
早くも心は竜宮城のきらびやかな世界へと旅立っていたようじゃ。

一方、しっかりものの光井は亀さんに竜宮城について
あれやこれやと尋ねておった。
392 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:19
「ちょっとみっつぃー!何を細かいことを聞いてるのよ!」

「いやだって危ないところやったら困るやないですか」

「はあ?竜宮城だよ?そんなわけないじゃん!」

「帰りはどうするのかとかも確認しておきたいし・・・・・」

「そんなもん亀に送ってもらえばいいじゃん!」

「海の底でっせ?行ってしもたら全部向こうの言いなりやないですか」

「言いなりってなんだよ!」

「少なくとも帰りたいときに帰れるような保障が・・・・・」

「そんなのはいいの!さあ!早く行こう!」

「あとで料金とか請求されへんやんな?な?」

「亀にそんなこと聞くなよ!」

「そこは抑えとかなアカンやろ。ホンマ世間知らずやなあ・・・」
393 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:19
そんなこんなで二人は亀の背中に乗って竜宮城へと連れて行かれたのじゃ。
そこでは乙姫様が二人のことを出迎え、もてなしてくれたそうな。
毎日ご馳走を食べ放題食べ、飲み放題飲み、
そして地下アイドルも裸足で逃げ出しそうな
サカナのショータイムを見たりしながら過ごしたそうな。

じゃがどんな贅沢な暮らしでも三日もすれば飽きるもの。
ご馳走といっても食事はバスツアーレベル。
サカナのショータイムも基本的には毎日同じ構成で、MCは台本の棒読み。
寸劇はさくらおとめコンレベルと、とても満足のいくものではなかったそうじゃ。

二人はそろそろ帰りたくなり、乙姫様に別れを告げたそうな。
乙姫様は二人との別れを惜しみながらも、
山ほどのお土産を二人に持たせて、亀に二人を送らせたそうな。
もちろんそのお土産の箱を渡すとき、乙姫様は
「この箱は決して開けてはいけませんよ」と言うのを忘れなかったそうじゃ。

そんなこんなで、行きと同じように亀の背中に乗って、
二人は再びあの浜辺へとたどりついたのじゃ。
394 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:19
「やー!やっと帰ってきた!」

「結構長い間あそこにおったなあ・・・・・」

「ねえみっつぃー」

「はい?」

「あそこのご飯、不味かったね」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「全部生魚だしさ・・・・・・」

「まあ・・・・・火とか使えへんのやろな・・・・」

「ハロモニ。で食べた肉料理とかの方が・・・・・・」

「それは言うたらアカンやろ」
395 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:19
「金返せって感じだよね」

「いや、最初から払ってへんし」

「まあいいや!お土産はたくさんもらったし」

「えー。でもこれは使えへんやん・・・・・・」

「なんでだよ!すっごい大きい箱じゃん」

「だって・・・・・・・」

「さあ開けよう!」

「ちょっと待てええええええええええええええ」

「なに?」

「その箱は開けたらアカンやろ!」

「なんでだよ!開けないと見れないし使えないだろ!」

「お前乙姫様の話聞いてなかったんか!」
396 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:20
「え?なんか言ってたっけあの人?」

「ホンマに聞いてなかったんかいな・・・・・・・」

「だって忙しかったんだもん!」

「お前ホンマに人の話を聞かんやっちゃな・・・・・・」

「というわけで開けるから」

「おいおいおい!アカンアカンアカンアカン!!!」

「なんだよお前!独り占めする気かよ!」

「せえへんわ!こんなもんいらんわ!」

「いらないとか言うなよ!せっかくお土産にくれたのに!」

「だから!乙姫様が言ってたやろ!『開けてはいけません』って」

「あ?」

「『この箱は絶対開けてはいけません』って言うてたやんか」
397 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:20
「バカかお前?そんなこと言うわけないだろ!」

「実際言ったんやから仕方ないやろ!」

「お前の聞き違いじゃねーの?」

「聞き違いちゃうわ」

「だいたい開けちゃいけないならなんでお土産に持たせるのさ?」

「知らんがな」

「ほーら矛盾してる。やっぱり聞き違えだって!」

「聞き違いちゃうわ!有名な話やんけ!」

「どんな話だよ!」

「だから乙姫様の忠告を聞かずに開けたら煙が出てきて」

「煙が出てきて?」

「開けた人は一気に年寄りになって、その後、鶴になって飛んでいったという・・・・・」
398 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:20
「マジで?」

「マジで」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「マジで?」

「マジで」

「マジでそんな話を信じてるの?」

「いやだってそういう話やし」

「非科学的だなあ」

「亀に乗って竜宮城に行ったってこと自体がそうやろ!!!」

「えー、だって酸素ボンベ背負って行ったじゃん」

「そんな話はええねん」

「竜宮城って言っても普通のホテルの宴会場だったし」

「身も蓋もないこと言うな」

「とにかくさ!試しに一回開けてみようよ」

「試しもなにもあるかあ!!開けたらお終いやろが!!」
399 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:20
「なんだよお前。しつこいなあ」

「しつこいのはお前やろうが」

「とにかくあたしは開けるから」

「何回言わすねん!人の話を聞けや!」

「お前もういいよ。あっち行け。うざいから。氏ね。あっち行きつつ氏ね」

「ああ?うるさい氏ね。日本昔話を読みながら氏ね」

「お前が氏ね。誰にも拾ってもらえず桃の中のまま海まで流されて氏ね」

「お前が氏ね。泥の舟と一緒に沈みながら氏ね」

「うるさい氏ね。力任せにこぶを取られて氏ね」

「氏ね。熊と相撲をとって氏ね」

「氏ね。月に帰って氏ね」

「うるさい氏ね」

「氏ね」

「・・・」

「・・」

「・」
400 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:21
なおその日、山の彼方へと飛んでいく二羽の鶴が目撃されたそうな
401 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/15(土) 20:21
17 浦島太郎

おしまい
402 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/15(土) 20:22
更新終了

なんか年末年始にスレの整理があるそうですね
このスレはもう少しだけ続く予定です
403 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 15:31
バスツアーwさくらおとめ寸劇w
あーもういつもありがとうございます
404 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:15
18 大掃除
405 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:15
教師も走るほど忙しいと言われる12月も末のこと。
とある一軒家では二人の姉妹が仲良くお留守番をしていた。
二人の両親は年末年始に使うものなどを買出しに行くために
電車に乗って隣の町までお買い物に出かけていた。

二人の姉妹に一つの指令を残して。

二人の姉妹は母親が残していったリストを前にうんうん唸っている。
そのリストには二人がすべき「大掃除」の内容が書かれていた。
ずらっと並んだ掃除場所は山ほどたくさんあり、
掃除の内容についても事細かく記されている。

二人は時計を見る。まだ朝の9時だった。
だがしかし。ちょっとやそっとでは終わりそうにない。
どうやらこれは一日仕事になりそうだった。
406 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:15
「マジかこれ。やることめっちゃあるやん」

「お姉ちゃんが割り振ってよ」

「わかった。ほな小春は台所と風呂場と二階と庭と物置と・・・・・」

「ちょwwwwwwwおまwwwwwwwwふざけんなwwwwwww」

「冗談やがな。手分けしてやるより二人で一緒にやった方が・・・・・」

「早く終わるかな?」

「うん。じゃあ風呂場からやろか」

「えー、水とか冷たいじゃーん」

「嫌なことから先にやる。これが鉄則やで」

「それより先におやつのケーキ食べようよ」

「それは最後!」

「ぶーぶー」
407 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:16
文句を言いながらも妹の小春は姉の愛佳に従って風呂掃除を始める。
思いっ切り蛇口を全開にする小春。

水はシャワーの方から勢いよく出てくる。
ものの3秒でずぶ濡れになる二人。
408 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:16
「うわああああああああああああああああ」

「なにしてんねん!おい!」

「なんでシャワーになってるのよー」

「殺すぞ。お前殺すぞ。確認せーや!」

「知らないよそんなの!お姉ちゃんのせいじゃん!」

「なんであたしのせいやねん」

「昨日最後に入ったのお姉ちゃんじゃん!」

「だからなんやねん」

「元に戻しとけよ!!!」

「そんな義務はないわ!」

「エチケットだろ!」

「うるさい氏ね!」

「お前が氏ね!」

「氏ねねねねねねネネ!」
409 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:16
二人は濡れた服を着替えて大掃除を再開する。
とりあえずお風呂掃除は後回しにすることにして台所へと向かう。

愛佳はまず最初に換気扇を外し、小春に洗うように命じる。
コンロの掃除に取り掛かろうとした瞬間、
愛佳の後ろからごうごうがらがらと凄い音がする。
410 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:16
「おおおおおおおおおおおおい!なにしてんねん!」

「なにって換気扇洗ってるんじゃん」

「何で洗ってるねん!!」

「食器洗い機」

「止めろおおおおおおおおおおおおお」

「ちょっと汚い手で触らないでよ!」

「それは食器を洗うもんや!換気扇洗ってどうすんねん!」

「大丈夫」

「お前の大丈夫は根拠がないねん」

「食器用洗剤の代わりにクレンザーを入れたから」

「なお悪いわ!機械が壊れるううううううううううううう」
411 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:17
とりあえず食器洗い機を止める。
蓋を開けると異臭がしてきたので、すかさず閉める。

二人は気分転換も兼ねて庭に出る。
まずはここから掃除を始めようという結論に達したようだった。
412 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:17
「とりあえずこの倉庫から片付けるか・・・・・・・」

「なにを片付けるの?」

「古新聞とかが溜まってるやろ。それをこの紐で縛っていくで」

「へー。これいつの新聞なんだろ」

「どれどれ。おー。1989年とか1990年の新聞とかあるで」

「うっそー!マジで?小春が生まれる前じゃん!!」

「湾岸戦争やって。これ教科書に載ってるやつやん」

「ベルリンの壁だって!これもすごいじゃん!」

「TV欄見てみいや!夜のヒットスタジオとかあるで」

「笑っていいとも特大号とかこの頃からあったんだ!」

「いいともにダウンタウンとウッチャンナンチャンが出てるで」

「うわー。紅白歌合戦に宮沢りえとかピンクレディーが出てるよー!!」
413 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:17
お腹がすいた。小春の一言で愛佳は我に返る。
新聞を投げ出し、倉庫を出て家の中に戻り時計を見る。
時刻は14時。お昼はとっくに過ぎていた。
慌てて二人は簡単な昼食をとり、大掃除を再開する。
414 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:17
「よし。先に障子を張り替えよか」

「やった!!じゃあ小春が破るから!!」

「お前ホンマそれ好きやな」

「でやーーーーーーーーーー!」

「おい!」

「なによ?」

「ちょっとは加減せーよ!危ないやろ!!」

「大丈夫大丈夫」

「そんな思いっ切り蹴らんでも・・・・・・・」

「とりゃあああああああ」

「あ」

「あ」
415 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:18
小春のキックは障子を突き抜けて窓ガラスを豪快にぶち割る。
二人は慌ててガラスの破片を集め、ガムテープで貼り付け、応急処置を施す。

とりあえずそのままにしておき、新しい障子を貼るのは後回しにする。
二人は二階に上がって窓掃除を始めることにした。
416 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:18
「じゃあ小春は外側から拭くね」

「今度は割るなよ」

「大丈夫大丈夫!」

「お前の大丈夫は根拠がないねん・・・・・・」

「あ!!!!」

「なんやねん」

「ヤバイよヤバイよ!!」

「もうヤバイんかいな。まだ何もしてへんやん」

「何もしてないからヤバイんだよ!!」

「お前、何を言うてんねん。頭大丈夫か?」

「お姉ちゃんあれ見て!!」

「あれ?」

「ほら!向こうから歩いてくる二人!!」

「あ!」
417 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:18
「お父さんとお母さんが帰ってきた!!」

「ホンマや。なんでやねん。帰ってくるの17時って言うてたやん」

「お姉ちゃん・・・・・今丁度17時だよ・・・・・・」

「マジでか!なんもやってへんやん!!」

「お姉ちゃんが悪いんだよ!新聞とかずっと読んでてさ!!」

「お前のせいやろが!食器洗い機とか壊しやがって・・・・」

「とりあえず下に行って鍵をかけてくるね」

「アホか!鍵かけてどうするねん!」

「お母さんは入ってくるまでに大掃除を終わらす」

「無理じゃあああああああああ」

「だって終わらせとかないとおやつ抜きの刑だよ!」

「よし。ほな終わったことにしよう」

「そっちの方こそ無理だあああああああああ」

「どないせいゆうねん!」
418 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:19
「とりあえず食器洗い機は隠そう」

「マジでか。そんなん1分でばれるやん」

「障子も隠そう」

「マジでか。そんなん5秒でばれるやん」

「お姉ちゃんはお風呂洗って!小春は台所やるから!」

「間に合うかあ!あと30秒で帰ってくるわ!!」

「30秒でやろう!洗剤撒くよ!!」

「うわ!アホか!余計汚くなったやろ!!」

「水撒けばいいんだよ!」

「もうびちゃびちゃやん・・・・・・・」

「元々台所とかお風呂場なんて濡れてるもんだよ」

「そういう意味ちゃうわ!!!」

「掃除機は・・・・・かけてる暇ないか・・・・・」

「さすがに無理やろ」
419 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:19
「じゃあお姉ちゃん。玄関先でお母さんを足止めしていて」

「え?どうすんねん。掃除機の音なんですぐ聞こえるやろ」

「小春はその間に逃げるから」

「ちょwwwwwwおまwwwwwwふざえけんなwwwwwww」

「わかった!こうだ!!」

「おい!なんでいきなりハンマーで叩くねん!掃除機が壊れるやろ!」

「掃除機は壊れていたことにしよう」

「無理ありすぎるやろ!昨日まで動いてたのに!」

「故障する機械なんてどれも前日まで動いているもんだよ」

「なんかそれっぽい理屈やけど・・・・・・ああ・・・完全に壊れたわそれ・・・・」

「これであとは二階の窓だけか・・・・・」

「まさか割るとか言うんちゃうやろな」

「それだ!」

「それかい!」
420 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:20
「もうそれが最後の手段だよ」

「お前アホか!やめろ!もう母さんに謝るしかないやろ・・・・・・」

「嫌だ!小春は悪くないもん!小春に大掃除とか頼むお母さんが悪いんだよ!!」

「お前中心か。地球はお前中心か。地軸か。お前は地軸か」

「地軸でもイチジクでもいいから窓は割ろう」

「アホか!氏ね!お母さんに謝ってから氏ね」

「お姉ちゃんが氏ね。大掃除ができなかった理由となるような氏に方で氏ね」

「うわ。帰ってきた」

「とりあえず二階に」

「なんでやねん」

「早く早く」

「おい」

・・・

・・

421 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:21
なお二人は年が明けるまでおやつ抜きの刑となった。
422 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/16(日) 19:21
18 大掃除

おしまい
423 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/16(日) 19:22
更新終了。

めでたく200KBも突破した模様です。
このスレの寿命もあともう少しといったところですね。
424 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/16(日) 19:22
>>403
こちらこそレスありがとうございます。
ちなみに私はバスツアーもさくらおとめコンも行ったことありません。
そこらへんは狼情報も元に想像を膨らませて書きました。
ありがとう狼。ありがとうハロープロジェクト。
425 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/17(月) 01:07
面白すぎw
是非新スレたてて下さい
426 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/17(月) 23:05
癒されるw
リアルでも光井は小春にこんなツッコミを入れて欲しい
427 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/18(火) 05:24
こはみつは何をさせてもカワイイなー
「ハロモ二で美味しそうなデザートを食べ実は「蛙」だった時の
二人のリアクションが超面白かったのを何故か思い出しニヤニヤ」
428 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:02
19 エベレスト
429 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:02
小春探検隊は完全に登頂ルートを見失っていた。
吹き付ける氷のような雪が彼女達の視界を奪っていく。
這うようにして斜面を登っていく二人。
先頭を、隊員の光井が引っ張り、その後ろを隊長の小春が支える。
一本のロープでつながった二人はまさに一蓮托生の関係だった。

小春がずるりを足を滑らせる。
斜面をすささささと3mほど下がっていく小春。
それに引っ張られるようにして光井も下がっていき、小春を追い越してさらに下まで落ちる。
その光井に引っ張られるようにして今度は小春が落ちていき―――
その小春に引っ張られるようにして今度は光井が落ちていき―――

気がつけば二人は50mほど落下していた。
視界は相変わらず雪に遮られている。
山頂までどれほどあるのか見当もつかなかった。
430 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:02
「ちょっとみっつぃー!何やってんのよあんた!」

「小春さんが先に滑ったんやないですか」

「あたしはちょっとしか滑ってないじゃん!」

「引っ張られる方がつらいんやって!!」

「そこで食い止めるためにロープでつないでるんでしょ!」

「食い止めようと思うたんですけど・・・・・」

「けど?」

「小春さんの体が予想以上に重くて。こんな太ってるとは思わんかったわあ」

「殺すぞデブ」

「お前がデブなんやろ」

「お前が痩せてたらこんなに落ちなかったんだよ!」

「もうええわ。それよりはよ登りましょ。余計なことしてたら体力もたへんわ」
431 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:02
二人は罵り合いながらも再び登り始める。
確かに二人の体力は限界に達しようとしていた。
食料や酸素ボンベの残りも少ない。
登頂できるかどうかはギリギリのところだった。

ざくざくと雪をふみわけ進んでいく二人。
膝の深さまで降り積もった雪がさらに二人の体力を奪っていく。
光井隊員はかろうじて残っていた冷静な判断力を駆使し、
自分達の体力と登頂までの時間を計算する。

登頂ルートを見失った今、二人が登頂に成功する可能性は限りなくゼロに近かった。
光井隊員は久住隊長に向かって登頂断念を提案する。
432 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:03
「久住さん。これもう無理でっせ。登頂は諦めましょ」

「あ?何言ってんだよ。諦めたらそこで試合終了ですよ?」

「諦めなかったらそこで人生終了やがな」

「ここまで来て諦めるのかよ!」

「いや、だって完全に道に迷ってしもうたし」

「あとちょっとじゃん!」

「だから残りがちょっとかどうかもわからんやろ!」

「嫌だ嫌だ嫌だ!登るもん!小春絶対登るもん!」

「もう体力も限界でしょ。ここで休むこともできひんし・・・・」

「あ!あそこ!ほら!小屋みたいなのがあるよ!!」

「え?マジですか?」

「とりあえずあそこに入ろう!!」
433 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:03
二人は残り少ない体力をかき集めて最後の力を振り絞る。
近くに見えた小屋のようなものはなかなか近づいてこない。
光井の中に嫌な予感が走る。
もしもあれが小屋じゃなかったら。希望が絶望に変わったら。
もう二人は動けなくなるんじゃないかという気がした。

だがそんな光井の心配は杞憂に終わる。
なんとかたどり着いた小屋は思っていたよりも立派な作りのものだった。
ここならばなんとか二人、落ち着いて体を休めることができそうな気がした。

転がるようにして勢いよく小屋の中へ飛び込み、扉を閉める。
その瞬間、二人は雪の世界から遮断される。
重い荷物を下ろし、二人は少し生き返ったような気持ちになった。
434 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:03
「うは。やっと落ち着いたね!ここ意外といいじゃん!」

「はあ。なんなんやろね。この小屋は」

「そんなの今はいいじゃん!救助信号出そうよ!」

「え?登るとか言うてませんでしたっけ?」

「登るよ!その前に救助隊に食料とかもらえばいいじゃん!」

「ちゃっかりしてるなあ・・・・・・」

「登るよ!ここまで来たんだから絶対登るからね!」

「もう無理ですって。酸素ボンベももうないですし」

「ちょっとくらい息止めれば?」

「アホか。1分ももたへんわ」

「それよりご飯食べようよ!お腹すいたよ!」

「いや無理ですって。帰りの分も残しとかんと」

「えー。なんとかならないの?」

「これはダメ!絶対ダメ!これ食べたらマジで飢え死にするで」
435 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:03
「食べないと飢え死にするよ!!」

「我慢せーやそれくらい・・・・・・・・・うん?なんや?」

「あれ?誰かノックしてるよ?小春達の他にも誰か来た?」

「ちょっと開けてみますわ」

「あ」

「お」

「かわいいー!なにこれー!!」

「うーん。どうやら救助犬みたいですな」

「すごーい。アニメみたいな犬!おいで!ネロ!」

「それを言うならパトラッシュ」

「なんか食べ物とか持ってるのかな?」

「ないみたいですなあ。これはブランデーやろか」

「えー!なにそれ。ちょっと貸してよ!」

「いや、お酒ですがな。体を温めるための」
436 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:03
「よーし、飲もう!みっつぃー!」

「え?マジで?お酒ですよ?」

「飲まないと死んじゃうよ!」

「まあ・・・・・しゃあないか・・・・・じゃあ一口」

「小春も飲むー!」

「うわ。きっついなーこれ」

「ぐえー。なにこれー。熱い熱い熱い!」

「それがお酒ですがな」

「うーん。なんか眠くなってきちゃった」

「アカンアカンアカン!寝たら死ぬで!!」

「えー。だって気持ち良いんだもん・・・・・」

「寝るなあああああああああ」
437 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:04
「痛い!痛い!おい!なにビンタしてんだよ!」

「寝たら死ぬー言うてるやろ!」

「寝たくらいで死ぬか!酔ってんのかよお前!」

「寝るな!寝たら死ぬ!」

「痛い痛い痛い!!だから起きてるだろ!」

「寝るなあああああああああ!寝たら死ぬ!」

「ちょwwwwwwおまwwwwwwwやめろwwwwwww」

「寝るなあああああああああ!寝たら死ぬ!」

「お前マジで酔ってる!目が怖い!!」

「寝る寝る寝るねええええええええええ!寝たら死ぬ!」

「日本語になってねーよ!コラ!いつまで叩いてるんだよ!」

「アカン!ヤバイ!寝たら死ぬぞ!こはりゅううううううううううううう!!」
438 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:04
「いい加減やめろって!寝る前に殴り殺されるわ!!」

「エロエロエロエロエー」

「ちょwwwwwおまwwwwwwwゲロ吐くなwwwwwwwww」

「氏ね」

「は?」

「もうお前氏ね。パトラッシュ。いや、ネロ。寝ろ寝ろ寝て氏ね」

「どっちだよ!」

「グーグーグー」

「お前が寝るんかい!!」

「エロエロエロエー」

「吐くな!」

「グーグーグー」

「寝るな!」

「・・・・」

「・・」

「・」
439 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:04
なお、この登頂の全容は水曜スペシャルで放送された。
440 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 20:04
19 エベレスト

おしまい
441 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/22(土) 20:04
>>425
ありがとうございます。
新スレですか。
そんなことを言われるとは想像していませんでした。
まあとりあえず次更新してから考えます。
442 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/22(土) 20:04
>>426
癒されると言ってもらえると嬉しいです。
まあ二人はメチャクチャやってるだけなんですけどね。
リアルのこはみつはどんな感じなんでしょうか。
最近そういうところを見てないのでなんとも言えません。
まあイメージがないからこそ自由に書けるという面もあるんですけどね。
443 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/22(土) 20:05
>>427
そのハロモニは私も見ました。
小春さんのウザさ全開でしたね。
そういえば昔、動物園ロケかなんかで蛇にびびってたときもありましたね。
ああいう素人っぽいリアクションしかできない小春さんって面白いと思います。
444 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/22(土) 22:29
予想していたオチと違いました。いつにも増して勢いがありますね。
かなり笑わせていただきました。
テーレッテレーCMをリアルで観たいです。
445 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:15
20 相合傘
446 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:15
どんよりと重く暗い雲が空に圧し掛かっていた2008年の某日。
モーニング娘。の面々は事務所の一室に集められていた。

かつてのメンバー達ならその場の雰囲気で全てを察したかもしれない。

だが今のモーニング娘。にはそういう発想をする人間はいなかった。
事務所の人間が重そうな書類を持って部屋の中に入ってくる。
そしてテレビカメラも何もないところで事務所の人間はさらっと告げる。
モーニング娘。からまたメンバーが卒業するということを。

えっ。どうして?なんで?卒業する意味がわからない。と驚く暇も無く、
メンバー達は卒業までのスケジュールを告げられる。
そして卒業後の体制についても。さらっと告げられる。
事務所の人間の口調は、毎月毎月行なわれている
スケジュール調整会議の時ととなんら変わりは無かった。
447 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:15
やがて会議が終わりメンバー達には自由が与えられる。
この日にはもう娘。達にはやるべき仕事はなかった。
卒業する予定のメンバー。残されるメンバー。
お互い顔を合わせて言葉にならない感情を交し合う。

空気はときに言葉よりも雄弁だ。

光井はそんなことを思いながら、いたたまれなくなって部屋から出る。
今、みんなと話したいことはなかった。
早く一人になりたかった。
一人になってなにをどうするわけでもないが、とにかく一人になりたかった。

だがそういうときに限っていつも話しかけてくる子が一人いた。
話しかけられる0.1秒前に光井はそのことを思い出す。
448 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:15
「みっつぃー、待ってよー」

「あー、もー。なんですのん」

「冷たいねー。なんで怒ってんの?」

「別に怒ってないです」

「嘘だあ。怒ってるじゃん」

「怒ってないです」

「怒ってるじゃん」

「だから怒ってないです」

「本当に怒ってない?」

「怒ってないって言うてるやん」

「ほら怒った!」

「あのなあ・・・・・・」
449 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:16
じゃれついてくる小春を光井は鬱陶しそうな目で見つめる。
からかっているのか本気なのか。
小春の考えていることはいつもよくわからない。
だが光井の目にはなんとなく小春も寂しそうにしているように感じられた。

メンバーの卒業という一大イベントがあって
心に何の波も立たないなんていうことはあり得ないだろう。
だけど小春はその波を上手く受け止めることができていないんじゃないか。
光井はそんなことをチラリと思う。

だがその時、しっかりと受け止めることができていなかったのは、
光井も同じことだった。
450 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:16
「あたしもう帰りますけど」

「じゃあ小春も帰るー。一緒に帰ろうよ」

「え?別にいいんですか?」

「何が?」

「いや・・・その・・・・他の人らと話をせんでもええのかなって・・・・」

「んー。なんかそんな雰囲気じゃなかったし」

「ほー。小春さんでも空気を読んだりするんですかあ」

「何言ってんのよ!いつも超読みまくりじゃん!」

「本当に読む人は超読みまくりじゃん!なんて言いませんよ・・・・・」

「まあとにかく今は帰りたいって感じだね」

「それが本音かいな」

「あれ?雨降ってるのかな?」
451 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:16
小春と光井はビルの入り口の前で立ち止まる。
朝来るときには何とか持っていた雨雲だったが、
おそらく会議をしている途中から振り出していたのだろう。

ビルの前にはすでに大きな水溜りができており、
空から降り注ぐ雨がその水溜りの水面をざわざわと乱していた。

ああ。やだなあ。今日はお気に入りの服を着てきたのに。
これだけ風が強かったら濡れちゃうなあ。

そんなことを思いながら光井は緩慢な動作でカバンから折りたたみ傘を取り出す。
知らず知らずのうちに重いため息が鼻から漏れる。
小春はそんな光井のことを黙ってじーっと見ていた。

どうやら小春は傘を持ってきていなかったらしい。
452 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:16
「みっつぃー、入れてよ」

「あん。傘持ってきてないんですか」

「だって来るとき降ってなかったじゃん!」

「まあいいですけど・・・・・・・」

「じゃあ小春が傘を持つよ!」

「え?ああ。うん。ありがと」

「みっつぃーの傘って小さいなあ」

「ちょwwwwwwそっち持って行き過ぎwwww濡れるwwwwww」

「だってそっちに持っていったら小春が濡れるじゃん!」

「お前は遠慮と言うものを知らんのか!」

「ちょっと引っ張んないでよ!」

「あーあー濡れる濡れる!やめんかい!」
453 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:16
「なんだよ。結局みっつぃーが持つのかよ」

「小春さんが持ったら一人で差すでしょ」

「ちょっとそんなにくっつかないでよ」

「くっつかな濡れるー言うねん!」

「怒りっぽいなあ。まだ怒ってるの?」

「は?なにが?」

「さっきも怒ってたじゃん。ミーチングの後に」

「別に怒ってないですって」

「卒業のことがショックだったの?」

「別に」

「だよねー!全然ショックとかじゃないよね!卒業なんて!」

「なんでそんな軽いねん」
454 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:17
「みっつぃーは重い。重すぎるよ」

「小春さんが軽すぎるんですって」

「みんないつかは卒業していくんだよ。わかってることじゃん」

「頭でわかってても心は別物なんです」

「なにそれ。小春が鈍感みたいじゃん」

「まあある意味そうやね」

「バカな!小春デリケートだもん!超デリケートだから」

「鈍感というか無神経というか・・・・・・」

「ちょwwwwwおまwwwww言いたい放題wwwwwwwww」

「マジな話、悲しくないんですか?」

「えー。悲しいよ。ほら。肩とかすっごい濡れてるし」

「いやだからそっちの話やなくて・・・・」
455 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:17
「もうちょっとこっちに寄せてよ。傘」

「これ以上寄せたらあたしが濡れますがな。それよりも今回の卒業は・・・・」

「あたしが濡れるのはいいのかよ!」

「あたしの傘や!!」

「なんだよ冗談じゃん。マジで怒るなよ。何泣いてんだよ」

「泣いてないです」

「いや、泣いてるじゃん。それ涙じゃん」

「違う。雨や雨」

「えっへっへっへ。泣いてる泣いてるー。みっつぃーが泣いてるー」

「あんた・・・・・・ホンマ無神経やな」

「あたしは泣かないもんねー。子供じゃないもん」

「なんやそれ。なんかそれむかつく」
456 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:17
「大人だから小春がやっぱり傘を持つね」

「なんでそうなるねん!あたしが持つって!」

「小春が濡れるじゃん!もっとこっち!」

「じゃあもっとこっちに寄れや!」

「なんでみっつぃーと密着しなきゃいけないのよー」

「じゃないと濡れるやろ!」

「あ。泣いてるー。また泣いてるー」

「だから泣いてないー言うてるやろ!」

「卒業が悲しいんだー、だから泣いてるんだー」

「そんな子供ちゃうわ!」

「その隙に」

「だから濡れるやろ!」
457 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:17
「だからそんなにひっつかないでって!」

「じゃあ傘をこっちによこせや!」

「傘は渡さないもんねー」

「あたしの傘やろ!」

「傘は人類の共有財産です」

「お前・・・・絶対傘ぱくったことあるやろ」

「ないない。全然ないよ。この傘も雨が上がったら返すから」

「雨が降ってるときに要るんや!!」

「ちょっと!強引だなあ。引っ張らないでって!」

「じゃあ二人で持とう。あたし右手で。そっちは左手で」

「なにそれ。まあいいけど。引っ張らないでよ」

「しゃあないやん。引っ張るかひっつくかしな濡れるで」
458 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:17
「またひっつくの?暑いよ。みっつぃーは泣いてるしさー」

「だから泣いてないー言うてるやん」

「あは。泣いてるじゃん」

「泣いてません」

「泣いてる」

「うるさい氏ね。雨に濡れながら氏ね」

「お前が氏ね。傘をあたしに引き渡してから氏ね」

「アホカシネ」

「バカカシネ」

「キョウガアシタニナルシュンカンニシーネ」

「キョウガアシタニナルマエニーシネ」

「うるさい氏ね」

「お前が氏ね」

「氏ね」

「氏ね」

・・・

・・

459 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:17
なお、雨はとっくの昔にあがっていた。
460 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:18
20 相合傘

おしまい
461 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:18

     道 軸 な 二 人






             完
462 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:18
ご愛読ありがとうございました。
463 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/23(日) 21:18
この物語はこれにて完結です。
お付き合いいただいた読者の皆さんありがとうございました。
感想や質問などがあればこのスレに直接書いてやってください。
464 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/23(日) 21:19
スレを立てたときは
とりあえず20個書くことを目標にしていました。
20というのはキリがいいからです。
容量的にも丁度いいくらいですし。

次スレはありません。
この話はこれにてお終いであります。
読んでくださった方、本当にありがとうございました。
465 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/23(日) 21:20
>>444
最後の一行のことですかね
これは自分でも結構気に入っています。
こういう番組があったらメチャクチャ面白いと思うんですけど。
ネルネルネはCMよく見たんですけど食べたことはないです。
話のネタに一回くらい食べてみたらよかったと少し後悔してます。
466 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/23(日) 21:46
かなり面白かったです。
いつも笑わせてもらいました。ありがとう。
467 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/24(月) 20:22
おおお最後に普通のカップリングっぽい萌えが……でもないかw

最近光井がええ性格なとこを徐々に出すようになって
このスレを思い出しながらにやけてます
面白かったっすありがとうございました
468 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/26(水) 07:14
みちし原人の方だったのかー
面白くて一気に読んじゃいました。
ドラクエやったことないけど面白かった!Wネタも面白かった!
次も楽しみにしてます。
469 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/26(水) 10:04
最後、道軸な二人になってる・・・
470 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/26(水) 11:19
完結お疲れ様でした
何かと嫌なことが多い昨今、このスレが心の癒しでした
勝手にCP板に紹介しちゃったりなんかしたんですが、よかったのでしょうか…?
それだけが気がかりです
とにかく、楽しい作品ありがとう
471 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/26(水) 20:11
>>466
なんとか完結しましたよー
いつも笑ってくれてどうもありがとうございました。
472 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/26(水) 20:11
>>467
普通のカップリングっぽいですか!
いやまあ書いてる方はそれほど意識したわけでもないのですが
一番最後のやつは少し雰囲気を変えて書いてみました。
気に入っていただけたなら嬉しいです。
473 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/26(水) 20:11
>>468
はい。その昔、みちし原人も書いていました。
タイプの違う話ですが両方楽しんでもらえたなら嬉しいです。
ドラクエやWといったちょっと変化球的なネタについて
面白いと言ってもらえるとほっとします。
次もあるかどうかわかんないですけど頑張ります。
474 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/26(水) 20:12
>>469
これは完全な誤字でした・・・・・恥ずかしい
なんでこんな風になってしまったんでしょうか。
もちろん正解は「地軸な二人」です。はい。
どうもすみませんでした。
475 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/26(水) 20:13
>>470
CP板を見てきました。
丁寧な紹介文どうもありがとうございました。
すっごい嬉しかったです。

最初は罵りあうブラックなネタにしようと思っていたのですが、
いつのまにやら癒し系のネタになってしまいました。
どうしてなんでしょうか。自分でも不思議です。
まあ私もこういうお話が好きなんで、方向転換したことを後悔はしていません。
みなさんに楽しんでもらえたようでよかったです。
476 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/27(木) 00:44
誉ヲタさんってめちゃ有名人だったんですね。
ここをきっかけに、
娘。wikiから色々過去の作品読ませていただいてます。
年末これで越えてしまいそうなくらい面白いです。
今後も是非楽しませていただきたいです。
477 名前:誉ヲタ ◆buK1GCRkrc 投稿日:2007/12/27(木) 20:43
>>476
えー、有名人じゃないと思います。

でも私が書いた他のものも読んでもらえるなら嬉しいです。
来年も試行錯誤しながら何か書いていこうと思います。
そのときはまたよろしくです。

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