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背中越しの空
- 1 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)13時44分58秒
- 初です。みなさんに触発されました。
いちいと後藤ですが、いちごまというか、なんというか。
よろしければ、どうぞ。
- 2 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)13時46分42秒
- 頬が、冷たかった。
でっかいウィンドブレーカーに身を包んで、ポケットに手をつっこんでも、
剥き出しのほっぺただけは風になぶられるまま、冷たくて冷たくて、きりきりと痛んでいる。
(さっぶーい。さぶすぎるっ!)
あたしは寒さのあまり色の変わっているふくらはぎをこすり合わせた。
本当に寒い。ここは一体どこなんだ、日本ってこんなに寒かったんだ。
はあああ。
宙に白い息を思いきり吐きかけてみる。大気が一瞬白く凝って、青空に溶けた。
「なにやってんの? 後藤」
問いかけてくるのは、なっち。あたしは寒さのあまり無表情のまま口を開いた。
「寒いんですけど! 寒いんですけど! 寒いんですけどっ!」
あたしの早口になっちは笑う。
「後藤、質問に答えてないよ。そりゃ確かに寒いけどさぁ」
「寒いよぉ! 寒い寒い寒い〜」
「ちょっとオーバーでないかい? 今日は天気いいからましでしょ」
「なっちは北の人だから慣れてるかもしんないけどさぁ。あたしは東京育ちだもん!
こんな寒いのめったにないんだよぉ〜」
なっちの眉がぴくり、と動く。
「それはなにかい? なっちが田舎モンだって遠まわしにバカにしてるんじゃ……」
「だー。してないよ〜」
あわてて首をぶんぶん振った。
まったく、こういう発言が田舎モンだって思われちゃうんだってば。
なーんて、言えるわきゃねー。
- 3 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)13時48分25秒
- ここは某県某市。
あたしたちは今、娘。初の主演映画「ピンチランナー」の撮影のため、ここに来てる。
撮影ももう中盤戦にさしかかっていて、みんな緊張もだいぶ取れてきたみたいだ。
あたしは誤魔化すようにだだっぴろいグラウンドを見渡した。
めいめいにポーズをとる、娘。達の周りをさまようカメラ。
「あれ、なんか今日人多いね。取材の人……か?」
「うん。いつものメイキングのんと、今日はその他モロモロ」
「ふうん……」
多すぎて、いちいち把握してられないよなぁ。
あたしはぐるり、とさらに首を巡らせる。あの人は……っと。
なんか、探すのがクセになっちゃった。
いた。
ちょっと向こうで圭ちゃんに抱き付いてふざけている。
遠目から見たら完全男の子な後姿。
市井ちゃん。
あの二人、ほんと仲がいい。ま、当然かもしれない。
増員で同期だったわけだし、きっと、あたしなんか比べ物にならない、たくさんの時間と思いを共有してきてるんだ。
なんか、よけいに寒くなった気がした。
- 4 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)13時51分13秒
- 「後藤?」
あたしの顔を覗きこむなっち。
「ん〜ん〜。なんかさ、あれだよね。あたしだけ後からはいってきてさ、それってサミシイよね」
しまった。
話をそらすつもりが、ついつい、思ったことをそのまま口に出してしまった。
なっちは怪訝そうな顔をする。
「は? 何言ってんのいきなり。よく言うわ、そんだけなじんでてさ」
「そっかな」
「そうだよ。だいたい後藤、そんな柄じゃないべ」
「う。ひどいわ」
そこで話は中断、カメラがこっちに向かっていたから。
あたしはにやりっと笑うと、なっちの背後に忍び寄った。ぎゅう、と抱きしめる。
コートがシャリシャリいって、体がぴったりくっつく。寒さが少し和らいだ気がした。
なっちも慣れたもので「あ、暖かいかも」と笑う。
あたしはなっちに抱きついたまま、市井ちゃんの方をうかがってしまっていた。
市井ちゃんは今度はやぐっつぁんとなにをしてるのやら、大声でふざけていて、あたしのことなんか見向きもしていない。
ちょっとは気づけよなあ。
あたしは膨れっ面。
いっつもそうだ、外のメンバーとばっか仲良くして、あたしはほおりっぱなし。
「おー、いい画だねー。後藤ちゃん、こっち向いて」
ぐぐっと近づくレンズに向かって、あたしは思いきり営業用のスマイルをつくった。
「ラブラブなんですぅ〜」
「そうなんだよねー」と、なっちも乗ってくる。
「おお、おー。いいねー。いい感じ」
ばしばしばし、シャッターを切る音。
- 5 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)13時53分06秒
- 懲りずにまた、市井ちゃんを見てしまう。今度は……。
あ、気づいた。
市井ちゃんがこっちを見ていた。
にひゃ〜、と思わず笑みまけてしまう、が。
市井ちゃんは、軽く眉を上げただけだった。
くう、冷たいっ!
市井ちゃんが冷たいのはいつものこと。
冷たいっていうのは違うかな、ホントはめちゃめちゃやさしい。
いっつも心配してくれてる。
あたしがちょっと泣いてたり、困った顔をしてたら、一番に気づいてくれるの、市井ちゃんだ。
でも、あんまり甘えさせてくれない。
教育係のお役はこれでもかってくらいに完璧にこなしてるくせに、それ以上にはあんましかまってくれない。
最近特にそうだ。
カメラが回ってないとこではオッケーなのに、撮影の時とか、テレビの収録の時とかは、ほかのメンバーとばっかり楽しそうにしてる。
わざとに避けられてる気さえするくらいだ。
「紗耶香こっち見てたね」
笑いを含んだ声で言ったのは――
「おお、圭ちゃん」
なっちがハーイ、と手を振った。いつの間にか、あたしとなっちの横で、ずっとそこにいたみたいな顔してコーヒーをすすってる。
- 6 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)13時54分43秒
- 圭ちゃんはなんだか意味深な笑い方をした。
「ね、後藤」
「そうだっけ」
あたしはとぼけてみる。なんだか見透かされてるみたいな気がした。
圭ちゃんはくすくすと笑った。
「なんか、紗耶香と後藤っておもろいよね。妙に遠慮しあっててさ」
「はあ?」
思わず圭ちゃんの顔を覗きこんだ。「エンリョ……ですか」
「ですね―ですね ですね ですね ですねっ」
「ですね、ですね ですね ですね ですねっ――って、ちっがーう」
思わず口ずさんでしまったぜ。
なっち越しに圭ちゃんををぶつ振りをすると、笑ったあと、ちょっと真面目な顔をした。
- 7 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)15時52分34秒
- 楽しみ! がんばってください。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)15時52分39秒
- 「なんていうかさ、紗耶香は後藤の教育係でしょ」
「そうさ」
「で、紗耶香って、アンタも知ってるとおり、すっごい真面目じゃん。『私が後藤
を一人前にしなくっちゃ!』って、めちゃめちゃ気負ってるの。だから、ほんとは
アンタのこと、めっちゃ気にしてても、あんまそれが後藤にバレないように気ィ遣
ってんだね。ほら、紗耶香が甘えさしてくれたら、アンタ、結構そっちばっかりに
なっちゃうでしょ。だから、そうならないように、テレビとかの時は特に、外のメ
ンバーともっと絡めるようにってんで、わざと放ってるんだと思う」
「はー」
「で、後藤のほうはもっと単純。かまって欲しいんだけど『くんなよっ』て、オー
ラが紗耶香から出てるから、エンリョしちゃってると」
「その通りっ。圭ちゃんエスパー? なんで後藤の考えてたことわかったの?」
「その、捨てられたごまあざらしみたいな顔見てりゃわかるわよ」
あたしは感心してしまった。
さすが圭ちゃん、なんのかんの言っても、だいぶ年上なことはあるよ。
あたしはなんだか嬉しくなってきてしまった。
「そっかー。そうなのかー。そうだったらいいなー。あたし、市井ちゃんってオレ
のこと嫌いなんかなー、とか、たまに思っちゃってたもん」
- 9 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)15時56分27秒
- 「単純だねー、後藤は」
なっちがひらひらと手を振った。
「そんなわけないない」
圭ちゃんもうなずく。
「そんなわけないない」
なんだか、テンションがどんどん上がってくる。
「そっスかー」
「そっスよー」
「そっスかー」
「そっスよー」
「コロッケには―」
「そっスよー」
ぎゃはは、となっちと二人で笑い転げた。くだらない。
圭ちゃんは呆れ顔。
「おーっし、市井ちゃんにかまってもらってこーよおっと」
なんとなく勢いづいてしまったあたしは、なっちを抱きしめていた腕をほどくと、
走り出した。
「単純だねぇ、後藤は」
「たまには甘えさしてあげなくっちゃ、紗耶香もさ」
あとちょっとなんだし。
そんな圭ちゃんの小さな呟きは、強い風にかき消されて誰にも聞こえなかった。
当然、あたしにも。
- 10 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)15時58分02秒
- >7
ありがとうございます!
今日中に終わる予定です。
- 11 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時01分43秒
- いいっす!!めちゃめちゃいいっす!!
- 12 名前:会長 投稿日:2000年06月17日(土)16時14分15秒
- あの伝説のショットの裏側、みたいなカンジですか。
たまりません!
- 13 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時16分13秒
- >11
ありがとうございます。
ちょっとずつ行こうと思っていたのですが、一気にあげます。
すごく長いです。ごめんなさい。
- 14 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時17分44秒
- >12
おお。会長様が。
そうです、まさにあの写真ネタです。
- 15 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時19分51秒
- 背筋の伸びた後姿、短い髪。
しゃんとしている立ち姿はそこにいるだけでかっこいい。
市井ちゃんは空を見上げていた。
「いーちーいちゃんっ!」
がばー。
あたしは思いっきり背後から市井ちゃんに抱きついた。
「おわっ」
勢いがつきすぎてたみたい。市井ちゃんはよろめいて、前につんのめりそうになっ
た。おっとっと、と二三歩ふらつく。
「なんだよ、後藤〜。重い」
相変わらずの冷たいお言葉。でも、その声は笑いを含んでやさしい。あたしの腕を
軽くつかんで、ゆっくりと体をねじって振りかえる「しょうがないなあ」の顔。
あたしはきっと、今、ものすごい笑顔なんだろうなーと思いながら、至近距離で市
井ちゃんを見つめる。市井ちゃんはすぐに前を向いちゃった。
「どしたの? 寒い?」
「うん。でも、あったかーい」
市井ちゃんの細い体をさらにぎゅうっ、と抱きしめる。風がすごく強いけど、ぴっ
たりとくっついたあたしと市井ちゃんの隙間には入ってこない。
「痛い、後藤。バカ力なんだから、もうちょっと緩めてよ」
「やですー」
「はーなーれろ」
「やだよーん」
「はなれろよう」
市井ちゃんはあたしを引きずったままずりずりと歩く。しまいには笑ったまま走り
出した。
ほっぺたにあたる風が冷たい。
髪の毛がぐじゃぐじゃに吹き乱される。
四本の足がもつれて転びそう。
市井ちゃんを抱きしめてる両腕があたたかい。
はっはっ、ていう笑い声交じりの市井ちゃんの呼吸が、抱きしめる腕に伝わってくる。
あたしもバカみたいに笑いながら、絶対にこの腕は放すもんかって、ついていく。
- 16 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時22分33秒
- 「ふひー」
市井ちゃんは大息をつきながら、グラウンドに座りこんだ。
あたしはまだ離れない。
抱きついたままいっしょに座りこみ、三角座りの市井ちゃんの背中にしつこくはり
ついていた。
「なんだかなー、もう。重いっつーの」
「おんぶ後藤なの」
「なにそれ」
「おんぶオバケだから、おんぶ後藤」
「そのまんまじゃん。昆布後藤のくせに」
「おおっ。市井ちゃんがおやじギャグ言ったー。あたしの教育の成果が出てきたか
なあっ」
「ばかだねー」
「へへへへへ」
こづかれた。二人で笑う。
「それにしても後藤胸でかくなったねー。なんかすっごいあたってるんですけど。
これ、オトコだったら瞬殺だね」
「いやはははは。そうかなー。市井ちゃんにもわけたげよっか」
「うわ、こいつマジむかつくー」
なんか楽しい。すごく楽しい。こんな風に市井ちゃんと話すの、久しぶり。
風が冷たい分、市井ちゃんの背中が暖かくて、じっとしてると、分厚いウィンドブ
レーカー越しでも、じわーと上半身があったかくなる。
市井ちゃんは空を見た。
あたしも空を見る。市井ちゃんの背中越しに見た空は、とても青かった。
「空きれいだね」
「うん。なんか目に染みるね」
市井ちゃんが、あたしごと体を揺らしながら小さな声で歌を口ずさんだ。
『大キライだった眼鏡はずせない この何日も』
「なに? 誰の歌?」
「後藤は知らないんだろうなー。ドリカムだよ」
「ふうん」
市井ちゃんの顔は見えない。市井ちゃんが口を開く度、抱きついている腕に伝わっ
てくる声の響きが心地よかった。そのぬくもりが、市井ちゃんがここにいるってこ
とを、伝えてくれる。
「すごい、いい曲なんだから。なんとなく、空繋がりで思い出しちゃった」
市井ちゃんは、再び呟くような声で口ずさみ始めた。
空を見つめながら。
あたしはそれを黙って聞いていた。
真っ青な空を見上げながら、黙って聞いていた。
- 17 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時24分38秒
- 目を覚ますと、あたしは部屋の床の上に転がっていた。ぼんやりとした頭のまま、
ゆっくりと体を起こす。絨毯の型がついてざりざりするほっぺたをなでた。時計を
見る、夜の二時過ぎだった。
青い空も、暖かい背中も、笑い声も、どこにもない。
そっか、今のは夢だったんだ。ここはいつものあたしの部屋で……。
床に転がっているビデオのパッケージが目に入った。
「ピンチランナーメイキング」
そうか、見ながら寝ちゃったんだ。
ビデオはもう終わってしまったようで、自動的に巻戻されている。テレビ画面では
派手な衣装の女性歌手が歌っている。
「あ」
ドリカムだった。市井ちゃんの憧れの人、吉田美和さん。
なんの番組だろうか、ライブの総集編のようだ。
ひょっとして、ドリカムの歌聞いて、無意識に市井ちゃんの夢見ちゃってたのかな。
しばらくあたしは回路の止まったままの頭で、テレビを眺めていた。
そうかそうか、今はもう6月だったっけ。
そうかそうか、市井ちゃんはもう脱退しちゃったんだっけ。
そうかそうか、今のは夢だったんだ。
ゆっくりと、現実があたしの胸に満ちてくる。
その時、聞き覚えのある歌詞が、ふいにあたしの耳に飛びこんできた。
- 18 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時26分28秒
- 『大キライだった眼鏡はずせない この何日も
“気をかくす”にも“ちゃんと見る”にも 都合がいい』
この歌……。
市井ちゃんが聞かせてくれた曲だ。
すこし悲しげな緩やかなリズム。吉田美和さんの伸びやかな声。
『あなたの夢で目覚めた朝 すこし泣けた
冴えない私を思い出して すこし泣けた
ああ 短い髪 しゃんとした後ろ姿 思い出すたび
あなたのように なれたらと憧れる』
テレビから聞こえる声と重なって、市井ちゃんの声が聞こえた気がした。すこし高
くて、意外とかわいらしい声。
あたしの目には、あの時市井ちゃんと見た青空が見えた。
きれいな、きれいな空。遠くを見つめていた市井ちゃん。
あの頃もう、市井ちゃんはみんなとは違うところを見ていたのかもしれない。
でも、その目は遠いところを見ていたけど、その背中はあたしの腕の中にあった。
同じ時間の中にいた。
歌の女の子はまるであたしみたいだ。市井ちゃんとの時間は、思い出さなくちゃ、
戻ってこない。ここにはない。心の中に、終わった時間があるだけなんだ。
あたしの目からは涙が溢れていた。あとからあとから。
感情より先に、ぼろぼろと、なんでかわからないけど、目が壊れてしまったみたい
に、むちゃくちゃに涙が出た。
すごく、悲しかった。
この悲しさは今のものじゃないのに。
市井ちゃんがいなくなっちゃったのは、今じゃないのに。
どんなに泣いても、市井ちゃんはもう「泣くなよ、ごとう〜」とは言ってくれない。
頭をなでてはくれない。
真剣な顔で叱ってくれない。
くしゃくしゃの顔で笑いかけてはくれない。
- 19 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時27分49秒
- ……どれくらい泣いてただろう。いつの間にかドリカムのライブは終わっていた。泣きすぎて目のまわりがひりひりする。
ばかみたい。
こんな夜中に何やってんだろ。
「ぷっはーっ」
あたしはわざと大きな声でため息をつくと、窓を開けた。夜の空気が部屋に染みこ
んでくる。ずきずきする頭が少しすっきりしてくる。あたしはすーはー、と大きく
深呼吸をした。
泣くな、後藤。
泣くな、あたし。
誰も言ってくれないから、自分に言い聞かせて窓を閉める。
考えてみれば、毎日忙しくって、市井ちゃんがいなくて淋しいことはもちろん感じ
てたけど、本気で実感してなかったのかもなあ。だから、こんなちっちゃなことで
急に来ちゃったのかもしれない。
床に転がっていた携帯に、「メールあり」の表示が光っていた。
拾い上げ、チェックしてみる。
やっほー♪ ドリカムスペシャルちゃんと見るんだぜ〜。
イチイより
能天気極まりない、誰かさんからのメール。ずいぶん久々だというのに、それ以外
に言うことはないのですか。
時間を見ると、番組が始まる直前に打ったらしい。
ということは……。
あたしは携帯の電話帳をマッハで検索してた。
イチイのイ。
- 20 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時29分13秒
- 「はい。もしもーし」
市井ちゃんの声はすこしかすれていた。
「紗耶香ぁ、元気かぁ? 裕ちゃん……やで」
「おお、後藤。久しぶり。ちょっとドリカム見たぁ? もう、感動だったね、マジ
で。あったし、また泣いちゃってさあ」
あたしの決死のボケを欠片も相手にせず、市井ちゃんは興奮気味に言った。「いや
ー、ほんとドリカムはいいよー。はー、なんかやっぱり憧れちゃうね。美和ちゃん
、めちゃかわいかったよねぇ……」
そうですか。あたしが市井ちゃんのことを思ってバカ泣きしてた時に、市井ちゃん
は吉田美和さんに夢中の涙を流してたわけだ。なんか、一気にバカらしくなる。
市井ちゃんはなおもあたしにドリカムの素晴らしさを語りつづける。いーよ、もう。
「はーあ」
「なによ。そのため息は」
「市井ちゃんはいーよねー。なんつーか、幸せそうでさー」
「うわー、そのセリフ。後藤にだけは言われたくない」
「なんでさー」
「なんだよー」
くすり。笑い声が受話器越しに重なった。なんだか前と何も変わらない気がした。
でも、それは違っていて。『気がする』だけだってことは、あたしはもう充分過ぎ
るほどわかってる。
- 21 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時30分53秒
- 「で、後藤。どしたの?」
市井ちゃんの声のトーンがくるりと変わった。以前の聞き覚えのある、教育係バ
ージョンの声。
「ん? なにが?」
「面倒くさがりのあんたが自分から電話してくるなんて、よっぽどのことでしょ。
どったの。新人サンに苛められた? なんか嫌なことでもあった?」
やばい。また泣きそうになる。なんでそうやさしくするかなあ。
あたしは精一杯元気な声を張り上げた。
「市井ちゃんは、脱退しても教育係なんだねー」
「へ?」
「もうあたしの教育してくんないくせに、心配なんかされたくないです」
絶句。
受話器の向こうに沈黙が落ちた。
あれ?
あたしは首を傾げた。
「もしもし、市井ちゃん? もしもし? もっしもーし」
どうしたんだろう。いつもだったらあたしのこんなセリフには、「生意気ゆうんじ
ゃなーい」とかなんとか、笑ってくれるのに。
「もしもし、市井ちゃん? もしもし?」
沈黙。
ようやく鈍いあたしも、市井ちゃんのダメージが恐ろしく大きかったことに気がつ
いた。
しまった。必要以上に強がってしまったようだった。あたしはあわてて「うわ、ゴ
メン! 厭味じゃないの。ごめんごめんごめんごめん、ごめんなさいい」と首を振
る。市井ちゃんには見えないけど。
沈黙。
予想外の効果だった。あたしの言葉は、市井ちゃんのどこかとても痛いところを突
いてしまったらしい。あたしはだりだりと汗をかく。
- 22 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時32分05秒
- 「あの……いちー、ちゃん?」
ふう、と受話器越しに大きな息が聞こえた。
「うん」
市井ちゃんの声。心底ほっとする。
わざわざ電話して嫌われるなんて、最悪だよ、ほんと。
「よかったあ。切られちゃうかと思った」
「うん」
「ごめんなさい。深い意味はないのよ?」
「うん」
「ほんとだよ、わかってる?」
「うん」
市井ちゃん、怒っちゃってるよ。
あたしはどうやって機嫌を直してもらおうかと、弱い頭をフル回転させた。
「後藤はさ」
あたしがろくでもない作戦を思いつく前に、市井ちゃんは静かに口を開いた。なん
だか、怒ってるというより悲しそうな声だった。「後藤は、その……」
「うん?」
「や、後藤じゃないな、私だ。後藤から見て、私ってどういう風に見えるのかな?」
- 23 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時33分39秒
- 「なにですか? 急に」
あたしは話が変わりそうな気配にほっとして、あわてて言葉を継いだ。「えっと、
市井ちゃんは、しんちゃんのモノマネうまくって、ダンス教えてくれて、しっかり
してて、やさしくって、おっきくって、それで……」
「違う」
きっぱりとした声だった。あたしはきょとんとしてしまう。
「なにが?」
「違うんだよ、後藤。あのね、私は後藤が思ってる市井紗耶香とは違うんだよ。弱
くって、本当は誰よりも怖がりで、小さいヤツなんだ」
「んなことないじゃん! だってあたし知ってるもん」
「それは、後藤が私の一面しか見てないからだよ」
きっぱり。
あたしは突き飛ばされたみたいな気がした。そんなことないって言いたかったけど
、口がうまく動かない。
やばい、やばい、やばいぞ。
あたしの感情はどんどん高ぶってくる。
「だって、だって、市井ちゃんは、そうじゃん。あたし、知ってるもん、市井ちゃ
んのこと。市井ちゃんは……!」
来た。
それ以上はもう、しゃべれなかった。情けない声を出しながら、泣き出してしまっ
たからだ。
「あんたは私のこと、なんにもわかってないんだよ」って言われた気がした。
- 24 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時34分53秒
- あたしは声を出さずに泣くことができない。カッコ悪いしゃくりあげる声が情けな
くて、また泣けてくる。
「後藤。ごめん、泣かす気で言ったんじゃないの。泣くな。ごめん、ごめんな」
その声がまたあたしを泣かせた。冷たくしといて、声だけがやさしいんだからヒド
イよ。
「いち、ちゃん、ヒドイよ。あた……っく、あたしは、知って、知ってるのに、知
ってるよ!」
我ながらナニを言っているのかわからない。
「うん、ごめんな」
慰める時、市井ちゃんって妙に男っぽい。「私が悪かったね。ちゃんと順番に話す
よ。あのね、後藤が私の一面しか見てないって言うのは、実は私のせいなんだよ」
「いちーちゃんの、せい?」
「そう。後藤には私の弱い面、絶対見せたくなかった。だから私、後藤の前ではい
っつもカッコつけて、お姉さんぶってた。本当以上に私を大きく見せようって、頑
張ってた。気合入れてた。私は教育係なんだからって、情けないとこ絶対見せらん
ないぞ! って。後藤の前ではカッコ良くいたかったんだよ」
- 25 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時36分30秒
- わかっていたような、気がした。
昔の市井ちゃんの写真、はにかんで笑っていた気の弱そうな女の子。「紗耶香はさ
ぁ」って話す、みんなの意見に感じる違和感。
メンバーに甘える市井ちゃんの顔。あたしには見せてくれない、顔。
市井ちゃんは続ける。
「それだけでもないかな? 後藤、はじめての年下だし、後輩だったからさ――な
のに、すごくかわいくて、物怖じしなくって、負けてらんないなって思った。私、
後藤の前ではつっぱってた」
市井ちゃんは懐かしそうに小さく笑った。ほんのちょっと前のことなのに、すごく
昔に終わったことのように話す。
すこし間が開いた。
「でもね、それで良かったと思ってる。そう思うことで、私成長できた。私はほん
と、教育係やってよかったと思うよ。……さっき、後藤に言われてちょっとショッ
クだった。脱退してすっぱり新しいところに向かってると思ってたのに、まだまだ
自分は後藤のお世話する気分だったってことに、気づいちゃって」
「いいじゃん! お世話係でいいじゃん! 後藤のお世話してよ!」
思わず言ったあたしに「ばか」と市井ちゃんはとてつもなくやさしく呟いた。
- 26 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時37分37秒
- 「もう、後藤はお世話してもらわなくても大丈夫でしょ。だから、教育係の市井紗
耶香と、新人の後藤真希は、これでおしまい」
「そんなの――」
「いいから、聞きな。これからはさ、ただの市井紗耶香と、後藤真希なんだよ。モ
ーニング娘。でもない、プッチモニでもない、教育係でもない、ただのあんたと私
。そういう関係になりたいって思ってる。私は、もうつっばるのやめる。自然な私
として、後藤とまだまだ話したいことたくさんあるよ。私は娘。辞めたって、メン
バーと切れる気はさらさらないんだからね。どこにいたって、みんなのこと、後藤
のこと、応援してる。だから、後藤も、頑張ってさ。お互い、頑張ろうよ。これか
らも、後藤は私のかわいい妹なんだよ。……そう思ってて、いいかな」
「……いいに決まってんじゃん」
新しく出てくる涙を隠すため、拗ねた言い方になってしまった。
「ありがと」
うわ、来た。
やっぱりダメだ。あたしはまたしゃくりあげる。最近悲しくて泣いてばっかりだっ
たから、嬉しくて泣くのはもったいない。でも、勝手に出てくる。
- 27 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時39分02秒
- 「うたばんの手紙……」
泣きながらしゃべっているので聞き取り辛いらしい。
「は? なに?」
「うたばんの、いちーちゃんの、手紙、お、覚えてる?」
「覚えてるけど」
「いち、ちゃん、あたしのこと妹みたいだった、って」
「書いたね」
「だった! って」
「あー」
「あれ、悲しくって、あたしはいつまでも、その、いちーちゃんの妹のつもりだっ
たのに、い、ちゃんは、もう、お姉ちゃんしてくれないんかな、って……悲しかっ
た、です」
「そんなこと気にしてたの? あんた以外と繊細なんだね」
「そうなんだよう」
「はは、ごめん、深い意味はなかったよ」
「でも、いいんだよね、市井ちゃんはこれからも後藤の姉ちゃんなんだよね?」
「うん。うん……」
「あたしもがんばる。一人でもちゃんとやる。教育係もがんばる……」
「うん」
あたしが泣いている間中、市井ちゃんは小さな声で「ごとう、ごとう」と繰り返し
てくれた。だから、そこにはいなかったけど、市井ちゃんが傍にいて背中をなでて
くれてる気がした。
あたしの涙は、ちょっとずつ、どこかへ消えて行った。
- 28 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時40分11秒
- 「そういえば、市井ちゃんの歌ってくれた歌、ドリカムの。さっき、はじめて聞い
た」
長い時間泣き続けたあと、あたしは呟いた。
「お、そうなの? なんの歌だっけ?」
「わかんない」
「なんじゃ、そりゃ」
「あの、歌の女の子があたしみたいな歌」
「後藤みたいな女の子ぉ? 出てこないよ、そんなの」
「あるの。あの、夢で目覚めて泣くの」
「夢ぇ? うーん、なんだろ」
「ほら、ピンチの撮影中に、聞かせてくれた歌だよ」
「ああ」
市井ちゃんはやっと思い出してくれた。「『眼鏡越しの空』っていうタイトルだよ」
「眼鏡越しの空……」
- 29 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時41分42秒
- 「そう。私もあの歌、すごい好き。……でも、出てくる女の子全然後藤じゃないじ
ゃん。めちゃめちゃ別人だよ」
「ううん、あたしみたいなのよ」
「そうかぁ? どちらかと言えば私っぽいぞ」
「それはぁ、市井ちゃんが後藤の一面しか知らないからだよ」
あたしの逆襲に、市井ちゃんは快活に笑った。
「あっそ。じゃあ今度会った時に詳しく教えてよ」
「教えるさ。もう――言っとくけど、すごいよ」
「なにがだよ」
笑い声が重なった。泣きすぎで頭がずきずきするけど、胸の中からはもう涙は消え
ていた。市井ちゃんと話せてよかった。
「あの時の空さ、きれいだったよね」
「うん。キレーだった」
「後藤に、会いたいな」
「わあお」
照れ隠しのため、あたしは思わず奇声を発する。「市井ちゃ〜ん、まるであたし
たちって、恋人同士?」
「そうだね、真希……」
「紗耶太さん……」
爆笑。「おめぇ、なんでよりによってサヤタなんだよ」
「あは、思いつかなかった……」
- 30 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時42分42秒
- あたしは笑いっぱなしの顔のまま、ふにゃふにゃと布団に倒れこんだ。枕に頭を埋
めて、ささやく。
「会おうよ。会えるよ」
「そだな。ビッグな後藤とビッグな市井でね」
「ピッグな後藤?」
市井ちゃんはぶはっ、と笑った。
「ゴマキギャグはいーんだよ。ていうか、また太ったわけ?」
「あー、ダイバー聞いてくれてんだ、市井ちゃん……って、太ってません!」
たわいない会話。
空はだんだんと白み始めていた。寝転がったまま、カーテンを開けてみる。
いいことを思いついてしまった。
- 31 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時43分55秒
- 「ね、市井ちゃん、歌ってよ」
「はあ?」
「歌ってよ、歌ってください。『眼鏡越しの空』聞きたい」
「うん。こんどカラオケ行ったとき、いくらでも歌うさ」
「今」
「いまぁ? この電話でェ? アカペラでェ?」
「お願い。教育係の市井ちゃんへの、最後のお願いっ!」
なんでまた……ブツブツ言いながらも、市井ちゃんはやれやれと言う顔で笑った。
たぶん。
「歌ってやるかぁ」という声が、とても、やさしかったから。
耳を澄ましながら、あたしは目を閉じた。市井ちゃんの歌声。
- 32 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時46分46秒
- あの時の空を思い出してみる。
あの時の背中を思い出してみる。
あの時のぬくもりを思い出してみる。
あの時は、市井ちゃんの背中ばかり見ていた。
市井ちゃんの背中越しに、空を見ていた。
きっとまた、あんな空の下で、市井ちゃんに会える。
その時は、後姿じゃなくって、追いかけるんじゃなくって。
市井ちゃんの隣に並んで、空を見上げれたらいいな。
『あなたのようになれたらと憧れる その想いが 私にちからをくれる』
「いち……ちゃん、あり…が、と……」
「後藤? おーい、もしもーし。まさか寝てないだろうなぁ。人に歌わせといて、
おまえまさか寝てないだろうな、後藤……ごと……」
市井ちゃんの声がとても遠くから聞こえてくる。
あたしの意識は気持ち良く、するり、するり、と押し流されて行く。
二度目の夢の中で見た空は、前よりもずっとずっと、青かった。
終わり
- 33 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時49分08秒
- おそまつさまでした。
長くてごめんなさい。
読んでくださった方、ありがとうございました。
- 34 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)16時57分31秒
- 教育係という重荷から解放され、初めてホントの自分を出すことの出来た市井、
自分の知らない市井を知り、市井に一歩近づけた気がする後藤、
という感じでしょうか。読んだ後、非常に爽快感の残る小説でした。
めちゃめちゃ良かったっす!!また気が向いたら書いてくださいね。
素晴らしい作品をありがとうございました。
- 34 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)17時31分54秒
- ああ・・・おもしろかった。また書いてくださいね。
- 35 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)17時40分49秒
- 教育係という重荷から解放され、初めてホントの自分を出すことの出来た市井、
自分の知らない市井を知り、市井に一歩近づけた気がする後藤、
という感じでしょうか。読んだ後、非常に爽快感の残る小説でした。
めちゃめちゃ良かったっす!!また気が向いたら書いてくださいね。
素晴らしい作品をありがとうございました。
- 36 名前:会長 投稿日:2000年06月17日(土)17時42分31秒
- よかったです。これからの二人の新しい展開を思わせて。
皆さん、"歌"の引用が効果的ですねえ。俺も見習おうかな。
市井の影響でドリカムが好きになりつつある俺。
今度はレッチリにまで手を伸ばしてみよう。
作者さんは、いちごま会員さんッスか?
- 37 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)17時43分26秒
- (書いたヤツ)
おおお、皆さん読むのお早いですね。
よかったと言っていただけると、書いてよかったなあと。
ありがとうございました。
- 38 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)17時46分36秒
- >36
まだ会員ではありません。いれていただけますか?
きっとROMばっかですけど。
というか、書き込み自体はじめてだったりします。
歌はですね、こないだの深夜にやっていたドリカムスペシャルを見て、この話思い
ついたんです。
- 39 名前:会長 投稿日:2000年06月17日(土)17時50分55秒
- >38
大歓迎ですぞー!
- 40 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)17時53分50秒
- (書いたヤツ)
なんか、ラストが冒頭に来てるので、ちょっとだけ。
あの写真、大好きなんです。
で、いちごまとまでは行かなくても、現実の二人もこれくらい仲良しだったらいい
なあ、と。ていうか、仲いいでしょう!
しかし、ごま視点は難しかったです。
あんまり凝った言い回しは使えないし、だからといってごまボキャブラリーに忠実
に書くと話が成り立たないし……。
- 41 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)17時56分03秒
- >39
ありがとうございます〜。
よろしくです。
- 42 名前:名無しさん 投稿日:2000年06月17日(土)18時46分11秒
- おもしろかったです。ほのぼのとしてて。
気が向いたらまた書いてください。
- 43 名前:002 投稿日:2000年06月17日(土)19時08分54秒
- 歌詞とばっちり話があって凄い良かったです。
書いた人はドリカムスペシャル見たなと
思っていたら本当に見てましたね。
あの時はこのドリカムスペシャルを市井も見てるのかな?
と思って見てました、また気が向いたら書いてくださいね。
- 44 名前:52 投稿日:2000年06月17日(土)19時57分08秒
- 作者さんお疲れさまでした。
ピンチ撮影頃の(と言うか、あの写真の)ネタが
うっすら頭にあったのですが、文才を全く持ち合わせてないので
こういう形で読む事ができてとても嬉しかったです。
凄く良かったです。
後藤が目を覚まし、市井との時間を思い出しながら
泣くシーンがぐっときました。
またいつか何か書きたくなったら書いて下さいね。
- 45 名前:Ca2plus 投稿日:2000年06月17日(土)20時53分04秒
- とても面白かったです。
先にもう挙げてる方がいますが、歌の引用が素晴らしいっす。
セリフ廻しも各人、リアルだと感じましたよ、勿論ゴマも。
なっち&ゴマの映画撮影時のじゃれ合いの描写も秀逸でした。
ほんと、いちごまは絵になるなあ…って小説か(ワラ
- 46 名前:小板橋英一 投稿日:2000年06月18日(日)00時13分52秒
- >作者様
とても楽しく読ませていただきました。良作ですねー。
短いながらに、いちごまエッセンスがぎゅっとつまってます。
ぜひ、当HPの「いちごま名作集」で紹介させてもらえませんでしょうか?
http://members.tripod.co.jp/manson58/index.html
- 47 名前:なりたていちごま会員 投稿日:2000年06月18日(日)20時12分15秒
- たくさん読んでもらってすごく嬉しいです。
ありがとうございます。
>46
いいのでしょうか?
覗かせて頂いたのですが、めっちゃソウソウたる作品群……。
ありがとうございます。お願いします。
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