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Canaria

1 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)02時36分38秒
「あたしは後藤真希って言います。よろしく」
「…よろしく」
安倍は短くそう答えると、後藤と名乗った少女の手を取った。
2 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)02時41分00秒
初投稿小説行かせてもらいます。
『モーニング娘。』の存在とは何の関係もないパラレルで(苦笑)
舞台は現代でややファンタジー風味。
なっちとごっちんがダブルメイン。ちょい長めかと。
3 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)03時04分50秒
 14番目の月-1-/後藤真希

「後藤さん、キミはまた遅刻かね」
一限だった古典を担当する教師の嫌味な口調を真似た、
女のコの声が後ろから注がれる。
「やめてよ、よっすぃー、気分悪い」
「あはは」
声の主は同級生の吉澤ひとみ。
彼女はすましていれば凛とした知的な顔立ちをしているのに、
中身はその外見に似合わずお茶目な性格をしている。
「でもさ、ごっちん。最近せっかく遅刻癖直ってきたかと思ってたのに、
 また再発?」
「今日のはちゃんとした理由があるの」
「え、何、どうしたの?」
よっすぃーが興味津々に顔を覗き込んでくる。
あたしは窓の外へとやっていた目をよっすぃーの方へ向けると、
口を開…きかけた。
「うん、ちょっとね…」
再び目を窓の外へと向かわせる。
言葉を色々と探してみたけど、うまい言い訳が思いつかなかった。

―――私の事は誰にも言わないで。

あの人の言葉が頭の中で響いたから。
4 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)03時15分45秒
「すっかり遅くなっちゃった」
友達とカラオケに言った帰りでの事だった。
みんなのおだてに乗っちゃって、つい時間を忘れてはしゃいでしまったのだ。
辺りはもうすでに真っ暗だ。
駅のホームに掛けてある時計を見ると、十時を指していた。
「またお母さんに怒られちゃうよ」
あたしは誰に言うでもなく小さく呟くと、駅の外へと駆け出した。

門限の時間はとっくに過ぎていた物の、
それでも出来るだけ早く帰ろうと、
あたしは普段は通る事のない裏道を通る事にした。
相変わらず整備の行き届いていない暗い道。
でも、怖いとか気味悪いとかは思いつかなかった。
急いでいたからそんな事を考える余裕が無かっただけなんだけど。
必死に走って、ようやく裏道を抜けようとしていた時だった。
あたしは、何かにつまずいて、コンクリートへと突っ伏してしまった。
5 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)03時20分42秒
「くっ…」
女の人の、声が聞こえた。
って、つまずいた物ってもしかして…?
あたしは慌てて起き上がると、声がした方へと振り向いた。
古びた豆電球に照らされて、
映し出された人間のシルエット。
「きゃあっ!」
ショートカットの女の人が、そこに腰掛けていた。
あたしが驚いたのは女の人がいた事じゃなくて、
その人の体が、真っ赤に染まっていたって事、だった…。
6 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)03時35分24秒
血まみれの女の人を前に、あたしは立ち尽くしていた。
一番初めに感じた驚きの中に、何か不思議な気持ちが混じっている。
恐怖なんかではなく。
そう、それは、恋の始まりのような、不思議な感覚が。

「くそ…ッ、もう来た…のか…ッ」
女の人が吐き捨てるようにそう言い、あたしは我に返った。
体を重そうに引きずりながら、あたしの目の前から走り去ろうとしていた。
「あ、あのっ!」
あたしは咄嗟に声をあげたが、その人は振りかえろうともせず、
緩いスピードで不安定に走っていく。
「そ、そんなケガで何処行くんですかっ!?そうだ!救急車!
 救急車呼びますから!ちょっと待っててください!」
7 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)03時47分27秒
あたしは慌ててその人の側へと駆け寄ると、そう叫んだ。
そして、鞄の中から携帯電話を取り出した。
その声を聞いたその人は、急に振り返ると、鋭い目であたしの方を見た。
「…違う」
何が違うんだろう。
顔をクエスチョンマークで埋めていると、その人が不意にあたしの右手を掴んで言った。
「そんな事はしなくていい」
「え、でもそのケガ…っ」
「いいと言ったらいいんだよ」
低い、迫力のある声でそう答えると、その人は踵を返してまた歩き出した。
ように見えたんだけど、その人はそのまま、地面へとおもむろに倒れてしまった…。
8 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)14時43分12秒
 (望まぬ、或いは望んでいた)再開-1-/安倍なつみ

わたしは、身動き一つしなかった。
いや、出来なかったのかもしれない。
それどころか、息さえも止まっているような気がした。
呼吸の仕方さえ忘れてしまったかのような錯覚に陥る。
動悸が、激しくなっていくのがわかった。
わたしは彼女にもう一度会いたかった。
でもそれは夢に描いた物語で、叶う事なんてない、はずだった。
たった今、さっきまでは。
9 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)14時43分49秒
随分土に馴染んでしまったお墓を前にしてわたしは、
花束を腕に手を合わせていた。
この下には、わたしの親友だった福田明日香が眠っている。
彼女が亡くなったのは、もう三年近くも前になる。
彼女は、当時世間を騒がせていた連続通り魔事件の被害者となってしまったのだ。
わたしは、彼女のお母さんの連絡でその事を知ったのだが、
その当時の事は、もう覚えていない。
忘れてしまいたいと、ずっと願っていたからかもしれない。
ただ覚えているのは、これ以上悲しい事なんてこの先起こらないだろうと、
涙を枯らした記憶だけ。
10 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)14時44分26秒
北海道からの転校生だったわたしには、なかなか友達が出来なかった。
小さい頃から人見知りの激しかったわたしに、
自分から友達を作る、なんて事は出来なくて、
いつも一人で窓の外を眺めていた。
今思い返して見れば、人を寄せ付けないようにしていたのかもしれない。
必死に壁を作っては、弱い自分を隠していたのかもしれない。
それでも彼女、福ちゃんは、わたしに積極的に話し掛けてきてくれ、
仲良くもしてくれた。
お互い、何処か似ていたような気がする。
ただ一つ、大きく違う所は、福ちゃんはとても強い子だったという事だ。
11 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)14時45分11秒
目を開けると、線香が随分短くなっていた。
足も痺れてきたみたいだ。
つい、感傷に耽ってしまっていた。
「じゃあそろそろ帰るね」
わたしはそう呟いて立ち上がると、そこから帰ろうとした。
夕暮れ時の風が、髪の毛の先をさらっていく。
その時、だった。
「なっち」
聞き覚えのある、声がした。聞き慣れていた、低い声。
わたしが驚いて振り返ると、彼女はそこに、立っていた。
初めてわたしに話しかけてきたあの時と同じ表情で、
福田明日香が、そこに。
12 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月15日(火)14時46分14秒
「久しぶりだね、なっち」
彼女は顔色一つ変えずに口を開いた。
声が、出なかった。
わたしは一人、口を金魚のようにパクパクさせていた。
―――どうして、ここにいるの?
頭の中に、当たり前の疑問が浮かんだ。
「元気してた?」
福ちゃんが言う。
わたしは混乱したままの思考の中で、ブンブンと頭を大袈裟に上下させた。
それを見て、福ちゃんは、微笑んでくれた。
瞳から、何か冷たい物が頬を伝っていく感じがした。
13 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)02時30分06秒
 14番目の月-2-/市井紗耶香

どれほど走ったのだろう。
どれだけ時間が経ったのかさえわからない。
体は、もうすでに悲鳴をあげている。
「はあっ、はあっ…」
肺が乱雑に動き始めてきている。
徐々に息苦しくなってくる。
もう、限界なのかもしれない。
私はその場にある電灯の柱沿い腰を落とすと、
呼吸を整えようとした。

五分ほど過ぎただろうか。
闇の先から、“アイツら”が現れる気配はない。
逃げ切れたのだろうか?
―――否。
夜の闇に紛れ、見失っているだけだろう。
このままこの場にいれば、捕まるのは時間の問題だ。
私は立ち上がり、その場から去ろうと腰を浮かせた時だった。
14 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)02時30分37秒
人間の荒い息が聞こえ、地面から摩擦音が鳴った。
その音に合わせるように、私の左足に痛みが走る。
「くっ…」
右方に目をやると、地面に沿うようにして横たわった物体が見える。
その物体は急に起き上がると、私に焦ったような視線をやった。
刹那、
「きゃあっ!」
と闇をつんざく、少女の甲高い声。
「くそ…ッ、もう来た…のか…ッ」
私は呟くと、未だ痛みの走る体を持ち上げ、駆け出した。
「あ、あのっ!」
背後から、少女の声が聞こえたような気がした。
だが、隙を与える訳には行かない。
私は立ち止まる事無く足を動かし続けた。
体が重い。
「そ、そんなケガで何処行くんですかっ!?そうだ!救急車!
 救急車呼びますから!ちょっと待っててください!」
再び、背後から声がかかる。
その声に私は、ひっかかる部分があった。
15 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)02時31分11秒
聞き覚えのない声…。だが、別の可能性も考えられる。
アイツらなら、人間の一人や二人洗脳するの容易い事だろう。
それにしては隙がありすぎる。私を油断させる為?
ケガを負っている私を油断させた所で大した効果は望めない筈だ。

私は振り返ると、少女を睨み付けた。
人工的に染色された茶色い髪を持つその少女は、
携帯電話を取りだし、ボタンを押そうとしていた。
「…違う」
瞳は黒く輝いている。どうやら一般人のようだ。
少女は二つ目、三つ目のボタンを押そうとしている時だった。
私は少女の手を掴むと言った。
「そんな事はしなくていい」
「え、でもそのケガ…っ」
「いいと言ったらいいんだよ」
幼い子供に言い聞かせるように、私は声の音を低くして答えた。
その言葉に少女が身を固めたのを見届けてから、
私は再び駆け出した。
16 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)02時31分54秒
記憶はそこで途切れていた。
私は助かったのだろうか?まだ呼吸は行われているようだ。
「気がつきました?」
上から注がれる声と共におぼろげながら浮かび上がる輪郭。
意識がはっきりしていくのに連れ、得ていく確証。
あの時の少女が、やわらかな笑顔で見下ろしていた。
「良かった…。
 救急車呼ぼうかどうか迷ったんですけど、
 あなたが“しなくていい”って言ったから…。
 あたしの家まで運んできたんです。
 一応、ケガの治療はしておきました」
少女の声が注がれる中、私はそこから起き上がろうとした。
体に痛みが走る。
「あっ、無理しないでくださいね」
「キミは騙されやすいタイプだね。初対面の奴の言う事を聞き入れるなんて」
「へ?」
少女が高い声をあげる。
ぶつかる視線。不思議そうな顔で覗き込む少女。
「世話になったよ。ありがとう」
私は少女の疑問には答えず、立ち去ろうとした。
だが、少女が右手を掴み、立ち止まされてしまった。
17 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)02時32分32秒
「そんなケガで何処行くんですか…?」
少女は何故か悲しそうに、そう呟いた。
「まだここにいた方がいいと思います…。病院、行きたくないんなら…」
心なしか頬を赤らめている。どうした物だろうか。
私は内心肩をすくめると、少女に対して言った。
「私は追われている身なんだ」
「追われてる…って?」
「とにかく、これ以上ここにいるとキミに迷惑がかかるよ」
少女が俯く。俯いたまま、言葉を紡いだ。
「追われてるんなら、隠れ場所が必要じゃないですか…?」
「どうして、キミはそこまで私にしてくれる?」
「わかんない。わかんないんですけど…、何か、あるような気がして」
徐々に、少女の声が感情を帯びていく。
彼女が何故私にここまで執着するのかはわからない。
好意を無視するのは流石に気が退けるが、
今の私を取り巻く環境は、彼女が想像しているような易しい物ではない。
「悪いけど、自分の事で他人に迷惑をかけることは出来ない」
「…そ、それじゃ!ケガが治るまで!ね?いいでしょ?」
―――やれやれ。
18 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)02時33分26秒
「万が一、万が一何かあったらうまく逃げるんだよ」
「…はい!!」
少女は嬉しそうに、大振りに頭を上下させた。
他人の笑顔を見るのはどれくらいぶりだろう。
やっぱり、悪いもんじゃない。
「あの、それじゃお名前教えて頂けますか?
 あ、あたしは後藤真希って言います。真希って呼んでくださいね」
興奮気味に、真希と名乗った少女が問う。
―――名前…。
思い当たる言葉は、脳の中にある。
だが、それは。
私は黙ったまま俯いた。真希は不思議そうな視線を向けてくる。
―――何か、何かないだろうか。
その時、気に留めていなかったラジオからの声が、頭の中で響いた。
 
   『今週のランキング一位は…』

「イチイ…」
「はい?」
「私の名前は、市井紗耶香だよ」
19 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月18日(金)02時47分09秒
他の作品とは一線を画していて凄くいい感じです、続きが楽しみです。
20 名前:香辛料S@書いてる人 投稿日:2000年08月18日(金)22時43分33秒
>19さん
感想下さってありがとうございます。
遅筆な上に普段が短編書きなのでダラダラと書いていきますが、
お付き合いくだされば嬉しいです。

んでは、続きを。これでようやくプロローグが終了です(苦笑)
21 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)22時44分15秒
(望まぬ、或いは望んでいた)再開-2-/福田明日香

「アンタが行きな」
もう聞き慣れてしまった女の声が、酷く癇に障る。
「了解」
私は顔をあげる事無く短くそう答えると、出口へと向かった。
後ろから、女の声が聞こえる。
「アンタもバカな事考えるんじゃないよ。
 私はアンタを消す事なんて簡単なんだから」
女は揶揄するようにそう言うと、悪趣味な高笑いを室内にこだまさせた。
「それじゃ」
「待ちな」
立ち去ろうとした私を、女の低い声が呼び止める。
私は振り返らず目だけをそっちにやると、
女は黒い塊―――拳銃を私に投げ渡した。
「万が一の時は殺しても構わない」
22 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)22時44分50秒
何も、変わっていなかった。
三年前に見た景色と今の視界を見比べながら、私は歩いていた。
蝉が騒々しいほどに鳴いている。
すっかり忘れていた『季節』という存在を感じる。
「ここか…」
辿り着いた場所。あのコが通っているという、学校。
私は躊躇う事無く校門を潜ると、奥へと歩き始めた。
丁度下校の時間帯らしく、すぐに人が見つかり、私はその人に尋ねる事にした。
「あのー…」
「えっ?」
振り向いたのは、栗色の髪をした、小柄な少女だった。
私も身長は高い方ではないが、私よりも低いみたいだ。
「ここに…、安倍なつみってコがいますよね?」
「…なっち?」
そのコはどうやらなっちを知っていたらしい。
が、その表情は明らかに怪訝そうにしている。
「私はその…、なっちの友達で。
 三年前に引越して以来会ってなくて。
 それで今日、たまたまここに来る用事があったから…」
何故か、言葉が言い訳がましくなってしまう。
23 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)22時45分38秒
そのコは私の声を聞くと顔を明るくし、
「なんだ、そういう事ー」
と言い、それに続けて口を開いた。
「なっちはね、もう帰っちゃった。今日先生に怒られてたし…」
顔が暗くなってきている。感情が表情に出てしまうタイプみたいだ。
「でもね、多分お墓にいると思うよ。
 あのコ、嫌な事があったらお墓に行ってるみたいだから」
―――お墓…。
私はなっちを騙したままだったんだ。
それでも、なっちはまだ私を信じている。
私は、自分となっちを比較してみて、苦笑してしまった。

「それじゃ、行ってみるね。ありがとう」
「うん、それじゃ」
私はそのコに一言そう告げると、
肩に下がっているショルダーバッグを掛け直し、足を動かし始めた。
「…ねえ!なっちに、“矢口が心配してた”って言っといて!」
矢口、と名乗ったそのコが大きな声で叫んだ。
私は振り返らず、右手を掲げて返事した。
24 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)22時46分12秒
空の色が変わろうとしている。
青と朱色の交わった空の下に映る、人影。
「なっち」
私は三年ぶりにその愛称を口にした。
呼ばれた声に反応して、その少女の動きがぴたりと止まる。
そして、コマ送りのようにゆっくりと、振り返った。
その表情は、驚愕に満ちている。無理もない。
「久しぶりだね、なっち」
少し、太ったみたいだ。それを見て私は安心した。
スマート、というには細すぎる体の儚げな少女はもう、いない。
何処となく、顔つきも優しくなった気がする。
私は、無意識のうちに言葉を発していた。
「元気してた?」
その声になっちは頭を乱暴に上下させた。
その姿がなんだか微笑ましくて、わたしは笑ってしまった。
なっちの目から、涙が一筋零れ落ちた。
そのままずさり、と地面に腰を落として、彼女はしばらく泣いていた。
25 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月18日(金)22時48分25秒
「福ちゃん、どうしてさ!だって、だって福ちゃんは…っ」
ようやく自我を取り戻したらしいなっちが、私の肩を掴んで、体を乱暴にゆする。
「…ゴメン」
「謝ってわかんないべさ!ねえ!」
興奮すると方言が出る癖は、まだ直っていないらしい。
「知りたいの?」
「知りたいよ!」
「知らない事を知るって事は、怖い事だよ」
叫ぶようにして問うなっちに、わたしは淡々と言う。
私の返事を聞いたなっちはしばらく黙っていたが、
やがてそれを爆発させたように叫んだ。
「あの頃の…、福ちゃんに守ってもらってただけの“なっち”はもういないべさ!」
「…そこに何があっても、構わないって事?」
私の問いになっちは静かに首を縦に振る。
「覚えていてね。私はいつでもなっちの味方だって事」
私は、なっちの右手を取ると、それを握った右手に力を込めた。
繋がって二人の手から、青白い光が放たれ始め、
やがてなっちは意識を失い、その場に倒れ込んだ。
26 名前:香辛料S@書いてる阿呆 投稿日:2000年08月26日(土)03時51分44秒
んと、とりあえず設定を。
この話の舞台は高校となってます。
登場人物が同じ学校の関係者じゃないと話が進まないので、
娘。達の年齢は一部脚色してます(苦笑)
一年生:後藤、吉澤、石川
二年生:矢口
三年生:安倍、飯田
となってます。後は話中の描写でわかるかと。
んでは、いちよし・よしやぐ編(嘘)に突入。
27 名前:香辛料S@書いてる阿呆 投稿日:2000年08月26日(土)03時52分55秒
いちよしちゃうわ…、いしよしや…>自分
28 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月26日(土)03時53分27秒
 終わりへの流浪-1-/吉澤ひとみ

「うん、ちょっとね…」
ごっちんはそう呟くと、再び窓へ視線をやった。
何か、言葉を探しているようだった。
無理に言わせる事も無い、と私は話題を変える事にした。
「そういえばさ、今日転校生が来るんだって」
「転校生?」
その声に、ごっちんは驚いて振り向く。
ごっちんが反応した事に私は嬉しくなり、言葉を続ける。
「うん、こんな時期になアレだけど。お家の仕事の都合なんだって」
「…でも一限もう終わったんでしょ?」
「新幹線が遅れてるんだって」
「じゃああたしと一緒で遅刻かあ」
「何都合いい事言ってんの」
私が頭を叩く真似をすると、ごっちんが頭を押さえながら笑う。
そこに、チャイムが鳴り響いた。
周りの人達がばたばたと騒々しく席に着く。
教卓側のドアの前に私のクラスの担任で、
二限の社会を受け持つ中澤先生の影が見えた。
ドアは開かれず、中澤先生の影がその場で揺らいでいる。
それに添うようにして、もう一つ影が見えた。
例の転校生らしい。
29 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月26日(土)03時54分00秒
「はい、静かにせぇよー」
先生の声が教室に響く。
クラスの男子達が身を乗り出して目を輝かせている。
「イヤやわあ、ウチもまだまだ捨てたモンやないんやね〜」
先生は頬を両手で押さえて、恥ずかしがる真似をして見せた。
その姿にクラスは笑いに包まれる。
が、一人の男子が余計な事を口走ってしまったために、咄嗟にチョークが飛ぶ。
「はいはい、アンタらのお目当てはわかってますよ。入っておいでー」
声がした約五秒後、ドアがゆっくりと力無く開く。
制服を身に纏い、恥ずかしそうな顔をした女のコがそこには立っていた。
そのままゆっくりと先生の立っている教卓へと向かう。
先生が「はい」とチョークを手渡すと、ぎこちない手つきで黒板に手を添えた。
石川梨華。
数分後の黒板にはそう書かれていた。
「石川梨華です。よろしくお願いします」
音の高い、それでいて可愛らしい声。

   『ひとみちゃん、大丈夫だからね』
30 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月26日(土)03時54分57秒
(…あれ?)
頭の中に声が流れた。石川さん…、の声?
石川さんとは初めて会ったはず、なのに。
いつの間にか声だけじゃなく、顔、名前にすら覚えがあるような気がしてくる。

「石川の席は…、そやなぁ…。
 んじゃ、後藤の後ろ、吉澤の隣や」
先生の声。
「いいなあ〜」
クラスの皆の声。
「ヨロシクー」
ごっちんの声。
「よろしくお願いします…」
石川さんの声。そして。

   『わたしと一緒に頑張ろうね、ひとみちゃん』

記憶の中の、石川さんの声。
(…どうなってるの?)
何がなんなんだかわからない。
怖い物を見た時のような、冷や汗が頬を伝っていく。
授業が始まってからも、私はその変な感覚に包まれていた。
31 名前:香辛料S 投稿日:2000年08月26日(土)03時55分38秒
「どうしたの、よっすぃー、さっきは」
ごっちんの声で、ふっと現実へ引き戻される。
隣で、大きな人だかりが出来ている。
その人だかりにから避難してきたように、
ごっちんは左側にある自分の席から私の机の右側にくっついていた。
「え、あの…」
うまく声にならない。
どうしたの、と訊かれてもこっちもわからないのだから答えようがない。
「ぼーっとしてたじゃん、ずっと」
「あ、うん、ちょっと考え事してたかなーって、あはは…」
私は苦し紛れにそうごまかしてみる。
ごっちんはうまく騙されてくれたのかどうか、
「あはは、あたしの事言えないじゃーん」
と笑い飛ばしてくれた。
私がほっと胸を撫で下ろしていると、また新しい不安がやってきた。
さっきのとは別物、だけど。
「ヨッスィーいるー?」
小柄で茶髪がよく似合っている、女の人―――矢口さん。
私はその姿を目にしただけで、脈が波打つのがわかった。
ドクン。
(…どうしたんだろう私)
今日はいつもより、動悸が激しいような気がした。
32 名前:Hruso 投稿日:2000年08月27日(日)01時03分18秒
なっちと後藤以外の視点もあっていいですね。
続き期待です。
33 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月27日(日)19時57分03秒
まだ話の導入部分って感じでこの先どうなるかわからないけど、
話に引き込まれてます。
続き楽しみに待ってます!
34 名前:香辛料S@書いてる生き物 投稿日:2000年09月05日(火)17時51分54秒
>Hrusoさん、33さん
ありがとうございます。
元々が同人系の短編書きの上に、一人称が苦手なので色々とてこずってます…。
前の更新から一週間以上経ってしまいましたね(^^;)
まだまだ序盤なんですがこれからも読んでいただけたら光栄です。

どうやらよっすぃも主人公に昇格かもしれない。って事で更新。
35 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月05日(火)17時52分33秒
「あ、いたいた!」
矢口さんが手を振りながら駆け寄ってくる。
私は平静を装おうと必死で、軽く右手をあげただけの返事をした。
「はいコレ、借りてたCD」
そう言って、矢口さんはビニールで出来た小型の鞄からCDケースを取り出した。
昨日私が貸した、矢口さんが聴きたがっていたとある歌手のアルバムだった。
「…あ、はい。もういいんですか?」
「うん、もう録音したから」
「あ、これアレだよね。今売れてるヤツ」
「うん、そうそう!」
横からごっちんが入り込んできて、矢口さんがその話に乗る。
その姿が何故か腹立たしい。
私はたったこれだけの事に嫉妬しているんだろうか?
変だ。今日の私は絶対変だ。
石川さんの事といい、矢口さんの事といい。
少し熱があるのかもしれない。そういえば頭が重いような気もする。
「………だよね、ヨッスィー」
不意に、話を振られる。
見ると二人とも、私の答えを待っているように身を乗り出している。
「そうです、ね」
私は驚きながらも、適当に返答した。
その声に矢口さんの顔は明るくなり、
逆にごっちんの顔は残念そうに暗くなった。
再び話を始めた二人に、私は出来るだけ大人しく相づちを打ち続けた。
36 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月05日(火)17時53分22秒
時計の針は二つとも真上を向いている。
「目が覚めた?」
少し離れた所から、声がする。
声がした場所から、足音が近づいてくる。
私は重い体を持ち上げると、その方向に目をやった。
白衣を着た保田先生が、そこにいた。
ああ、そういえば私はあの後に保健室に来てたんだった。
一時間近く寝ていたらしい。
「あんまり無理しないようにね」
保田先生は元々化学教師なのだが、保健の石黒先生が産休に入っているため、
今は保健も兼ねて担当している。
「はい、これ」
保田先生はそう言うと、私に紙コップを手渡した。
私が不思議そうに目を上げると、
「スポーツドリンクよ」と先生が言ったので、私はそれを一気に飲み干した。
先生が白衣のポケットから体温計を出し、私へと手渡す。
渡された体温計を脇に挟みながら、そのまま先生と少し話をする。
表示された体温が平熱である事を確認して、私は保健室を出て教室へと向かった。
37 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月05日(火)17時54分04秒
「あ、もういいんだ?」
教室へと向かう途中で、矢口さんと会った。
かなりの量のプリント類を手にしている。きっと委員会の仕事だろう。
「あ、はい」
「大した事なくて良かったね」
私の返事に、矢口さんが答える。
ただそれだけの事が、やたら嬉しく感じる。
この気持ちが『恋』なんだと自覚したのはつい最近だ。
気付いた時はどうしようか悩んでいた。
けど、選んだ結果は今のままの関係を続けるという事。
ヘタに実行して砕けてしまうよりは、今の友達でいる関係の方がいいに決まっている。
ただ、ちょっと胸が痛いけど。
「矢口さん、それ、委員会の仕事か何かですか?」
「え?あ、うん。ロボット…じゃなくて委員長のヤツ、人遣い荒くてねー」
委員長、というのは矢口さんが所属している風紀委員の委員長、
飯田さんの事で、彼女はそれと並行して生徒会長もこなしている優等生だ。
ただちょっと自分の世界を持っている人で、何となく近寄りがたい所がある。
矢口さんは飯田さんの事を影で『ロボット』と呼んでいるみたいで、
私もそれを初めて聞いた時は吹き出してしまった。
38 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月05日(火)17時54分39秒
「手伝いましょうか?」
「ん、いいよ。矢口が任されてるんだし」
じゃあね、と矢口さんは塞がった両手の代わりにウィンクをして歩き出した。
責任感が強い部分も矢口さんのいい所だ。
私は少し残念に思いながらも、自分自身にそう言い聞かせて矢口さんに手を振った。
そのまま矢口さんの後ろ姿を見送っている時だった。
ふ、と頭の中に妙な感覚がよぎった。胸が締め付けられるような、嫌な感じ。
もう二度と矢口さんと会えなくなってしまうような、『予感』みたいな物を。

「お母さん、嫌だよ!」
「ひとみ…、ごめんね…」
「吉澤さん!ダメですよ…、ダメです…っ」
三年前に死んでしまったお母さん。
度々私の夢に現れる最期の日。
ピッ、ピッ、という機械の音が響く。
苦しそうに笑う、お母さんの顔。
やりきれない表情で処置を続ける担当の先生。
私と同じように、顔をぐちゃぐちゃにして泣く看護婦さん。
胸の名札に、『石川梨華』の文字―――
39 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月05日(火)17時55分49秒
パジャマが寝汗でぐっしょり濡れていた。
もう随分経ったはずなのに、まだその傷は癒えてない。
服だけでなく、目の周りも濡れていた。
私はベッドから起きあがると、服を着替えた。
着替え終わった後、水道の蛇口から直接喉を潤すと、再びベッドに入った。
二度目の夢は、悪い夢ではなかった。
友達と賑やかに学校生活を送っている夢。
ただ、夢の世界から、密やかに想いを寄せる人物の姿が消えていた。
あの『予感』は当たってしまったのかもしれない。
三年ぶりに現れた、三度目の悪夢。
もうこの力は、消えてしまったと思っていたのに。
もう二度と、あんな思いはしたくないと思っていたのに。
40 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月19日(火)05時30分44秒
よっすぃー!!!!!
41 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月23日(土)03時18分21秒
作者さん、続き書く予定ないんですか?
先がめっちゃ気になる
42 名前:名前のない読者 投稿日:2000年09月23日(土)17時31分45秒
名作集板でこんな話が読めるとは思わなかった。面白い。RESがあんまりついて
なかったので読んでなかった……気長に更新を待ってるよ。
43 名前:香辛料S@書いてる生物 投稿日:2000年09月25日(月)01時02分01秒
>>40,41,42の方
わざわざどうもありがとうございます。
ダークサイドに凹んでみたりでサボってました。
とりあえず更新です。まだまだ先は長そうですが…(−−;)

これで吉澤編は一旦終了。我ながら姑息な手使ってますな(w
44 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月25日(月)01時03分09秒
学校に来る気なんてなかった。
でも、ただの夢だったんじゃないかというたった一つの希望を抱いて私は、
矢口さんのクラスの教室へと向かっていた。
一限が終わった直後の教室は、喧騒に包まれている。
見つからない。そう広くはない教室のはずなのに、矢口さんの姿は見つからなかった。
バレー部の先輩が私に気付いて、彼女は私に話しかけてきた。
「吉澤さん、どうしたの?」
「矢口さん…、知りませんか?」
「矢口さん?今日は欠席だって聞いたけど…」
そのまま先輩は私の耳に顔を近づけて、囁くような声で言う。
すうっ、と背中に変な感覚が走った。
「ここだけの話…、彼女、昨日家に帰ってないらしいのよ。
 さっき職員室で先生達が話してるの聞いたんだけどね。
 ほら彼女、比較的マジメじゃない?風紀委員もやってるし。
 こんな事は今までで初めてだったらしくてさ、母親が大騒ぎして…」
先輩が全てを言い終わらないうちに、私は駆け出していた。
驚いて私の名前を叫ぶ先輩の声が聞こえたけど、私は振り返らなかった。
45 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月25日(月)01時03分53秒
「先生!」
職員室へと着いた時、丁度そこから出てきた中澤先生に私は呼びかけた。
「なんや、吉澤」
「あのっ…あの…っ」
切れた息を整えるために、私は深く息を吸った。
そして、溜まっていた物を吐き出した。
「矢口さんがいなくなったって…!?」
「もう伝わってんのかいな…」
先生は髪の毛を掻きながら、溜息と一緒に言った。
私は否定してほしかった。なのに、それすら叶わないなんて。
「そう決まった訳や無いねんけどな…。
 でも現に今日学校来てへんし…。
 仲良かったヤツに聞いても皆知らへん言うんや。
 カレシがおったとかいうんも聞かへんしなぁ…」
私の中に一つの確信があった。
けれど、それを信じたくはなかった。
必死に、その答えを頭から消し去ろうとしていた。
でも、そんな事はもう無駄なのかもしれない。

矢口さんは、もうこの世にはいないんだ。
今日は“あの日”だったのだから。
46 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月25日(月)01時04分29秒
初めて“アレ”を見たのは、小学校に入ったばかりの頃だった。
ある日見た夢から、飼っていた猫の姿が消えた。
その夢がどんな内容だったかなんて事は覚えていなく、
ただ『消えた』という妙な感じだけを覚えていた。
そしてその日、その猫は死んでしまった。
最も、もう十分に歳を取っていて、人間に例えれば百歳は超えていたらしい。
当然私は悲しんだけれど、寿命をまっとうしたのだから、
とお母さんに慰められ、すぐに立ち直る事が出来た。

それからニ年後、お祖父ちゃんが消えてしまう夢を見た。
そして、その日にお祖父ちゃんは死んでしまった。
原因は心臓発作だった。お祖父ちゃんは最近心臓が弱くなってきていたのだ。
私はこの時にあの猫の事を思い出したけど、単なるの偶然だと思い、
ただ、お祖父ちゃんの死だけを悲しんでいた。

四年後、その夢はまた現れた。
その標的となったのは、お母さんだった。
予知無、とでもいうのかもしれない。
年こそ違う物の、今まで全部が同じ月日に起こっている事で、私はそう確信した。
ただ、それは私の大切な人の死しか予知できない。
当時お母さんは体を壊していて入院していた。
担当の先生が言うには大した事無い病気だったらしいけど、
今思えば病名を教えてくれなかったという事は、重い病気だったんだろう。
47 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月25日(月)01時05分01秒
   『ひとみちゃん』

ふ、と白い服を着た女の人の姿が目の前に現れた。
何故か顔の部分だけぼやけている。
看護学校の研修で病院に来ていて、お母さんの担当を任されていた人だ。
名前は、確か…

   『石川梨華っていうの。よろしくね』

その瞬間、その人の顔がはっきりと見えた。
その顔は紛れもなく、昨日転校してきた石川さんその物だった。
(…どうして?)
「吉澤さん」
不意に後ろでソプラノのような甘い声がした。
慌てて振り返るとそこにいたのは。
「石川、さん…」
48 名前:香辛料S 投稿日:2000年09月25日(月)01時05分49秒
「授業、始まっちゃいますよ…?」
「え、あ、うん…」
石川さんはどこか遠慮気味に言った。
そう仲良くもない人間にフレンドリーに接する人は珍しいだろうけど、
“看護婦の石川さん”は、そういう人だった。
(やっぱり違う…? でも、本人に訊く訳にも…)
「…思い出しちゃった?」
「え…」
急に、声のトーンが変わった。
さっきまでの声と変わりは無いけど、雰囲気が、さっきとは違う。
「ひとみちゃん」
くすくすと石川さんが笑う声が響く。
その声に、背中が冷えていくのがわかった。
「やっぱり思い出しちゃったんだ?」
何が何なんだかわからない。
目の前にいるのはどっちの石川さん…?
私はフラフラとよろめきながら、頭を抱えた。
「思い出しちゃったんなら、仕方ないね」
石川さんはそう言うと、プリーツスカートのポケットから何かを取り出した。
リモコンを太くしたような形をしている。
そのまま、カチッ、という音がしたかと思うと、それの先端に青白い線が走った。
瞬間、体に電流のような痺れが走る。
(ああ、スタンガンだ…)
私は妙に冷静にそんな事を思いながら、闇の中へ沈んでいった。
49 名前:41 投稿日:2000年09月25日(月)05時09分05秒
更新されてる〜!

展開がまた、すごいことになってますねぇ。
面白いです。
ブラック石川?

作者さんのペースで頑張ってください。
読む方としては、最後まで書ききってもらえれば問題無いっす
50 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月12日(日)21時17分29秒
何かとても不思議な感じの話ですね、とてもよいです。

作者さん、続きもう書かれないんですかねー。
続き希望します。
51 名前:564219・・・ 投稿日:2000年11月12日(日)22時00分40秒
気になる・・・
52 名前:香辛料S 投稿日:2000年11月20日(月)22時49分06秒
ちょっとプライベートの方でごたごたしてるんで放置してました(^^;)
近い内に必ず再開させるのでもうちょっと待って下さると有り難いですー。
53 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月23日(土)05時01分59秒
まってます!!

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