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Love GoGo !!
- 1 名前:「十六夜の月」改め「ミラクルン」 投稿日:2000年08月15日(火)16時11分19秒
- こちらでは「いちごま」以外の甘いヤツを取り扱っております。
- 2 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月15日(火)17時01分41秒
- 〜たった1度の人生だもの!!〜
-1-
「娘。の新メンバー決まったけど、写真見る?」
「はぁ、覚えさせていただきます・・・」
これで何人になるんやったっけ?
11?
多すぎやで・・・。
私まとめられんのか?
だいたいなんで私が司会やってんねん。
「たまには楽させてぇな!流石の裕ちゃんもまいってまうで」
アノ一言か・・・。
「はぁ・・・八重歯のちびっこが辻でぇ・・・?」
「オダンゴしてるちびっこが加護?あかん、同じに見える・・・年か?年なんか!?」
4枚のプロフィールと格闘している平家はため息が絶えなかった。
「・・・はぁ、叫んでもむなしいだけや。真面目に覚えよ」
1番背の高いのが吉澤・・・これはなんとかなるな。
「次は・・・」
宣材写真を見て平家のてがおもわず止まる。
「このコ・・・!受かってたんか!!」
不安げな眉ときつく閉じた口元。
どことなく初期の市井を思い出させる。
アサヤンのオーディションで見かけた、彼女の印象はそんな感じだった。
「・・・笑うとカワイイやんか」
宣材写真の彼女はちゃんと笑っていた。
「せやろ〜?チェックいれとき〜〜」
- 3 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月15日(火)17時47分56秒
- -2-
「うん。このコはチェックやわ・・・って! 裕ちゃん?」
「おっはー!みっちゃん勉強熱心やね〜〜」
「おはようさん。ねーさんどしたん?今日メッチャ早ない?」
「私だってたまには早く来ますよ〜〜後藤じゃあるまいし。それより・・・」
こそこそと顔を近づけて来る。
なんだかヤラシイ笑みを浮かべて。
「な、なんですの?」
「石川のコト気に入ったんか?」
「はぁぁぁぁぁ!!!!?????」
平家の声が中澤の耳をつんざく。
「みっちゃんあんた、声でかいわ。鼓膜やぶれるっちゅーねん!!」
「な!だって!!あんたが、あんたが・・・!!」
「ああ、悪かった、悪かったって。ええから落ちつきーな」
平家の顔がみるみるうちに赤くなってゆく。
「ほう・・・なんや、まんざらでも無さそうやねぇ」
「な、なんで私が!!ねーさんじゃあるまいし」
「なんやのそれ?まるで私が娘。達を食ってるみたいやんか〜」
イヤ、そこまで言ってないんですケド。
「まぁええわ。そうそう、今日新メンバー来てんねんで」
「え?」
「ハロモニとへその見学やろ。ま、ナマ石川楽しみにしとき」
中澤はちゃかすだけちゃかして楽屋に駆け込む。
「ちゃうゆーてるじゃないですか!!」
ちゃうがな・・・もう。
それでも平家は石川の写真だけを何度もみてしまう。
「なんでや?」
- 4 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月15日(火)17時49分48秒
- うう、空回りしてる気が・・・。
- 5 名前:とーしゅん 投稿日:2000年08月15日(火)18時10分08秒
- おぉ、新たなカップル、登場。
いーっすね、みちいし?
うん、いーなぁ。
みっちゃんの魅力に気付いた、今日このごろ。
- 6 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月16日(水)01時01分22秒
- 私はどうやらミラクルンさんと音楽嗜好似てます(笑)
ということで期待してます。
- 7 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月16日(水)18時35分39秒
- >とーしゅんさん
そう、みちいし!!
みっちゃんいーよ。だいすきだ!
>6さん
はは、(やっと)バレましたか。
こんなあからさまにやってんのに、だぁれも気づいてくれなかったから、
ちょっと寂しかったよ。
っつーことはあなたも「ダンドゥヴィ星人」ですね?
んじゃま、ちょこっと更新。
- 8 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月16日(水)19時10分47秒
- -3-
落ち着かないまま、衣装を着替え終えるとメイクをするため娘。の楽屋に向かう。
その足どりは少し重かった。
新メンバーもう来てんのかな?
どうせまた裕ちゃんにひやかされんねんで・・・。
ちゃうっちゅーに。
だいたい、まだちゃんと会ったこともあらへんのに。
そんな・・・。
「おはよーございます!」
楽屋のドアノブに手をかけた時だ。
ドキッと心臓が高鳴った。
恐る恐る振り返ったそこにいたのは・・・
真希だった。
おそらく今日も遅刻したのだろう。
肩を弾ませ、息を切らしている。
「な、なんや。ごっちんか・・・あんた、ビックリさせんといてや!」
「?なんでビックリしてんの?」
「いや、せやな。なんでビックリしてんのやろ・・・」
「?みっちゃんメイクしに来たんでしょ?早く入ろうよ。ごとーもチコクだしさ」
ぶつぶつ、ぐるぐると考え込んでる平家の手を引き、真希は容赦なくドアを開ける。
「おはよーございまーす!!」
「わぁ!ちょ、まだ心の準備が・・・」
楽屋は明らかにいつもより人が多かった。
- 9 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月16日(水)20時06分02秒
- -4-
「コラーーー!後藤!!おめーまたチコクじゃねーかよ!!」
「わーん、ゴメンナサ〜〜〜イ!!」
いつも通りの笑い声・・・。
しかしそこには遠慮しがちの声も混ざっていた。
「まぁったく、今日は新メンバーも来てるっていうのに。先輩って自覚あんのぉ?」
「はぁ〜い・・・」
「まぁ、まぁ、かーさん。そんぐらいにしときや」
紗耶香をなだめる中澤がこっちを向いてニヤリと笑った。
「みっちゃん、新メンバー紹介するわ」
中澤の言葉に触発されるように、4人がソファーから立ち上がる。
「あれ?みっちゃん新メンバーと会うの初めて?」
「う、うん」
「すごいよ!!12才が2人もいるんだから。これで矢口もやっとおねーさんだよ」
胸を張ってみせる矢口。
「なんで?市井とごっちんがおるやん」
「だぁって、2人とも矢口よりおっきいんだもん」
一同が笑い転げる。
「ちょっと矢口やめてよね!カオリメイクしてんだからさぁ〜」
飯田が笑いながら怒る。
それにまた爆笑。
平家もおかげで変な緊張が解けた。
「ま、改めて紹介するわ。はい、辻!加護!吉澤!最後の石川は自己紹介!!」
「えぇ!?」
石川がひっくり返った声を上げると、他のメンバーは例によって大爆笑。
中澤だけがニヤニヤと平家を見てる。
「なんでこのコだけ自己紹介ですの?」
平家はそう言うのをやめた。
理由なんて解っているからだ。
「あんた、ほんとタチ悪いな」
かわりにそう突っ込んどいた。
- 10 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月17日(木)12時07分59秒
- 更新です。
- 11 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月17日(木)12時56分29秒
- -5-
あかん・・・。
「えっと、それで・・・、安倍さんが目標で・・・。記憶力は無いんだけど・・・」
ちっとも繋がらない言葉。
このコはヤバイ・・・。
「あ!でもテニスが大好きで、キャプテンもやってたし・・・、ああ!!でもうたう方が好きで・・・」
何が言いたいんだ?
なんっつーか、こう・・・。
「・・・で、そのぉ・・・。頑張りたいです・・・あ!!頑張ります!!」
支離滅裂な自己紹介。
それでも言い終えた石川は、達成感から来る笑顔を見せた。
・・・カワイイ!!
「はい、石川ごくろーさん。でも、もうちょっとまとめて話そうな」
「は、はい・・・」
石川は少ししょぼんとしてしまった。
自覚があったのだろう。
「い、いやぁ!でも、よかったで?一生懸命なんは伝わったし・・・!!」
平家は思わずフォローを入れてしまった。
カワイイわ〜、このコ!!
あかん、どうした?みっちゃん。
こんなキャラちゃうはずやねんケド・・・。
「あ、ありがとうございます!平家さん、よろしくお願いします!!」
ニコッと笑顔を見せられると、「ボンッ」という音を立てて血の気が上がった。
あかん〜〜〜。
もう、あかんわ〜〜〜〜!!!
「あらあら、みっちゃんどないしたのぉ〜?」
悪戯っぽい中澤の声も、もはや平家には聞こえなかった。
- 12 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月17日(木)13時37分41秒
- 収録中はプロとして、何事も無かったような顔を作った。
いつものみっちゃん。
いつものみっちゃん。
特に発言する機会の少ないハローモーニングでは、そればっかり心の中で唱える。
「それじゃあ、ココナッツ娘。さん歌撮りいきま〜す」
「「「「ハァ〜〜〜イ!」」」」
元気な声が響く。
「モーニング娘。さんと平家さんはへそを撮りますんで、移動お願いします」
ぞろぞろと移動を始める12人。
その時、不意に石川が話し掛けてきた。
「あ、あのぉ、平家さん」
「は、はいぃぃ?」
突然の出来事に声が裏返ってしまった。
「な、なんですの?いつものみっちゃんやで?」
よほど驚いたのか妙なことを口走る。
石川は少し変な顔をしたが、話を続けた。
「司会やってるんですよね?私、話すのが苦手だから、今度コツとかを教えて欲しいなぁって」
「なんで?ちゃんと喋れてるやん」
「あの、さっき中澤さんに言われたようにまとめるのが苦手みたいで・・・」
カワイイ。
本人には深刻な問題なのだろうが、不謹慎にも平家はそう思ってしまった。
「ええよ。みっちゃんで良かったら、いつでも相談に乗ったる」
「ホントですか!?」
石川の顔が明るくなった。
平家はまた「カワイイ」などと思ってしまう。
「ほんまやで。後でケイタイの番号教えてあげるから、いつでも電話してきぃな」
「はい!ありがとうございます!!」
あ〜〜もう、マジあかんわ。
どないしょ・・・。
くやしいケド、今日はねーさんと飲みに行くか・・・。
- 13 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月17日(木)17時48分14秒
- -6-
いつもの居酒屋で「「とりあえず生!」」とハモッた後、話は早くも本題に入る。
「なんつーか、自分の気持ちがわからへんのよ」
「ほほう?」
「カワイイのはカワイイねんケド、相手は女のコやし・・・」
「そんなん、関係あらへんがな・・・スンマセ〜ン!!冷奴2つお願いします〜〜!!」
「関係あらへんて・・・あるやろ?そこは大きな問題やで」
「あらへん!あらへん!!そなこと言うたら、市井と後藤なんてどないすんねん!!」
「は〜い、生2つね」
「ありがとさん。・・・あ、おっちゃん、ほっけとポテフラ追加な」
「あいよ!」
おもわず口に付けそうになるのを止めて、乾杯をする。
「はい、おつかれさん」
「おつです」
ゴンと鈍い音を立てると、ジョッキ一杯に注がれたビールが少しこぼれた。
「でもな、市井とごっちんはええやん。まだ若いし」
「あ〜ら、私だって若いでございますよ」
「もう酔ってんのかいな。私はもう21ですよ?気が付いたらねーさんみたいになってたなんて」
「なんやそれ!?ケンカ売ってんのかいな」
「いや、そうじゃないですけど」
中澤は運ばれてきた冷奴に、嬉しそうに醤油をたらす。
「ちょっと〜?聞いてますぅ〜?人の話」
「聞いてるて!!ただちょっと、このやっこが寂しそうにしてたから相手してただけやん」
「なんやねん、その言い訳」
仕方なしに平家も冷奴に醤油をかけるとぱくついた。
「でもな、みっちゃん。確かに付き合わせてるあたしも悪いねんけど、あんたまだ21やで?」
ビールを一気に3分の1まで減らして続ける。
「これからまだまだ、いっくらでもやり直しはきくで?」
「でも、相手は女のコですよ?相手の気持ちっちゅーもんもあるし」
平家も負けじとジョッキを空にする。
店のオヤジがそれを見て「今日も自動追加でいいのかい?」と問う。
「OKで〜す!!」
そう、この店ではジョッキが空になると頼まずとも次がくるのだ。
ストップをかけないと、それは終わらない。
2人はたいがい、5〜6杯目までビールでいく。
- 14 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月17日(木)18時37分01秒
- 「確かに相手の気持ちっちゅーのは、あんたの力量しだいやな」
「はぁ・・・」
「女のコっちゅーのも、私はあんたの力量しだいやと思う」
平家は2杯目を飲みながら、黙って年上の意見を聞いてる。
「男とは違う、あんただけの魅力を見せたればええねん」
「魅力ねぇ・・・あつ!あっつぅ!!」
ポテトフライは揚げたてで、舌を軽く火傷してしまった。
「なに、1人でおもろいことしてんねん」
「ちゃいますよ〜。今のは、モロ、素でした」
「あんた、おもろいなぁ〜。ほんま、おもろいわ」
なんだか釈然としないまま、火傷した舌を冷やす為、ビールを流し込んだ。
中澤はケラケラと笑ってる。
「そういえばな・・・」
「はい?」
言いかけたまま、中澤は運ばれてきたほっけに目がいった。
「はい、おまちどうさま。ほっけね」
「や〜ん!待ちましたわぁ〜!!ほっけちゃ〜〜ん!!」
「いや、ねーさん続きは?」
「ちょい待ちぃーな。裕ちゃん骨とってるやん?」
鋭い目つきでさとす。
なんだかなぁ・・・。
私の悩みはほっけに負けるんかい・・・。
うまそうに食いやがって!
ま、私も食べますけど。
- 15 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月17日(木)18時38分02秒
- 「そうそう、だからな」
「はい?」
「石川の好きなタイプ」
「好きなタイプ?」
心臓が高鳴った。
どうにもこうにも、まだ「石川」という名前に慣れない。
「おもしろい人がええねんて。みっちゃんぴったりやん。脈有りかもよ」
「わ、私はそんなおもろないですよ」
「いやいや、じゅーぶんおもろいて。ねーさん保証するわ」
「そうっすかねぇ・・・」
「それに自分、今日話し掛けられたんやろ?」
言ってもないのに何で知ってるんだ?この人は。
見てたんか?ほんま目ざといな。
「はぁ、まぁ・・・先輩としてですけどね」
「あんだけおる先輩の中で、みっちゃんが選ばれたんやで?ちょっとくらい自惚れてもええんちゃう?」
「いーんですかね?」
「ええねん、ええねん。突っ走ったらええねん」
「ねーさんらしいコメントやね」
「たった一度の人生、やりたいよにやらな!!」
そう言いながらも目はほっけに釘付けになってる。
この人はどこまで真剣なんだか。
「で、好きなんやろ?」
「はいぃ?」
「今更なんやの。認めや、自分の気持ち」
「はぁ・・・」
ホント、どこまで真剣なんだろ?
ちゃんと見るトコ見てるし・・・。
「うん・・・好き、ですわ」
「ん。なら、がんばり」
ほんま、かなわんわ。
「はい。がんばります」
例の如く、6杯目からは日本酒となった。
いい感じに酔った2人の宴は午前4時まで続く。
- 16 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月18日(金)05時10分14秒
- -7-
次の日も、その次の日も石川からの電話は無かった。
おそらくめまぐるしい毎日なのだろう。
追加メンバーというのはそういうものだ。
確かに自分は娘。ではないが、常に寄り添って歩いてきたようなモノ。
第1次、第2次と新メンバーの苦労を見てきた。
その度中澤のフォローを石黒としたものだ。
まぁ、今はその戦友とも言える石黒は居ないのだけれど・・・。
「自分からかけるようなモンでもないだろうしな」
9:18PM レコーディングを終えて家に着くと、メイクも落とさずベットでため息。
ケイタイを見つめたまま、ウトウトと眠りに落ちようとして・・・
「恋のダンスサイト」が和音で鳴った。
「うっわ!びびったぁ!!」
ディスプレイには「ゆうちゃん」の文字。
平家は少し肩を落として、通話ボタンを押した。
「なぁんですの〜? みっちゃん、むっちゃ疲れてんねん!!今日は飲みに行かれへんで〜?」
「・・・・」
「あ?どないしてん?」
「・・・・」
「ゆ〜うちゃ〜〜ん?」
「・・・あ、あのぉ。石川ですけど」
「・・・へ?」
そう言ったまま、開いた口が塞がらない。
な、なんで!?
- 17 名前:サンジ 投稿日:2000年08月18日(金)08時51分44秒
- 平家いいっすねー。平家さん好きっす。
うわ、マジでいいよこれ。
- 18 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月18日(金)17時19分47秒
- >サンジさん
ありがとうございます!みっちゃんはい〜っすよ!!
そろそろちゃんと絡ませます。みちいし。
- 19 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月18日(金)18時02分39秒
- 「えっと・・・へ?あ〜、い、石川?あれ?でも、裕ちゃんのケイタイじゃ・・・」
「あ、あのそのぅ・・・」
ワケが分からなくなっている平家に、石川もしどももどろ。
「あ〜〜!もう、まどろっこしいやっちゃな。石川、とりあえず変わり」
聞き覚えのある声に、平家はやっと状況が呑みこめた。
用があるのは中澤で、そばにいた石川を使って驚かそうという魂胆だったのだろう。
石川も可哀想に・・・。
「あ〜、みっちゃん?毎度おなじみの裕ちゃんやけどな」
「なんだよねーさん!!びっくりさせなさんな」
「そら、脅かしてん。びっくりしてもらわなおもろないわ」
「おもろないって、こっちは心臓止まりましたわ」
「まぁ、ええやん」
石川に聞こえないように、中澤は背をむけた。
「でも、ちょっと嬉しかったやろ?」
中澤の意地悪なニヤケ顔が受話器から出てきそうだ。
「な?な?」
「ん〜〜、まぁ・・・。でも驚きの方がおっきかったわ」
「そうかぁ?まったぁ!!嬉しかったくせに、素直じゃないのぉ」
何の為に背を向けたのか、大声を出す。
「中澤さん?」
か細い声が「しっしっしっ!」と笑う中澤の後ろから、小さく聞こえた。
「ちょ、ねーさん!石川待たせてるんとちゃいます?」
「お、おおぅせやった」
「で、なんですの?まさかただのひやかしじゃぁないでしょうね?」
「ちゃうちゃう!みっちゃん。あんた、あたしに感謝せなあかんよ」
「はい?」
「いまからなー、石川連れてみっちゃんち行くからな」
「はいいぃぃ???」
なんでこうも驚く事ばかりなのだろう。
最近は・・・。
ああ、せや。
石川と会ってからやね。
神様、これが恋ってヤツですか?
「ってゆうか、中澤裕子のせいやろ!」
- 20 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月18日(金)18時48分21秒
- -8-
30分後もう1度ケイタイが鳴った。
「ああ、もうすぐ着くからな。ちゃんと部屋掃除したか?ビールの空き缶転がってへんやろな?」
なんで、こない早いんや?
さてはさっきの電話も移動中やな。
初めっから来る気満々やった訳か。
それから10分後チャイムがなった。
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン・・・
「だぁ〜〜!!じゃかぁしぃわ!!」
ドアを開けるとちっとも悪気のない顔と、申し訳なさそうにしている顔があった。
「よっ!!」
「こ、こんばんは・・・」
「・・・いらっしゃ〜〜い」
平家は力なく招き入れた。
ちょっと、慣れてきたかも・・・。
「で、なんでまたいきなりな行動を取ったわけですか?」
クッションを石川に渡し、中澤に投げつける。
「いやぁ、ね。私は別に用事は無いよ。も少ししたら帰るし」
「あの!!私が・・・その・・・」
思わず立ち上がるが、その言葉は尻すぼみ。
「石川が?」
正直驚いた。
てっきり、中澤が連れまわしているものだと思い込んでいたから。
「そう!石川がな〜、平家さんに会いたい、会いたい!って言うから連れてきてん」
「え・・・」
そうなんか?
せやったら、むっちゃ嬉し・・・
「ち、違います!そんなこと言ってないですぅ」
グサッ。
石川は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてるが、平家はショックで気付かない。
違うんかぁ〜・・・
違うんかぁ〜・・・!!
別にみっちゃんに会いたい訳じゃなかったんかぁ〜〜〜〜・・・・
やっぱ、裕ちゃんに連れまわされてたんか?
・・・って、まさか石川は裕ちゃんのコト・・・!!
- 21 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月18日(金)19時18分09秒
- 「・・・って、みっちゃん!まぁた、自分の世界に入ってたやろ?」
「へぇ・・・?」
軽く抜け殻状態の平家を呼び戻す。
「石川な、みっちゃんに相談があるんやて」
「あの・・・この間言ってたことなんですけど・・・」
「は?はああ、アレな」
「そう、アレや!!・・・って、私は知らんけどな」
放り出してあったカバンを引き寄せると、中澤は立ち上がる。
「ウチがいたら言いにくい事もあるやろ?裕ちゃんは帰るから、石川の事頼むわ」
「ええ!!ちょっと、ねーさん?」
石川は特に気にしていないようだ。
平家の方が取り乱してる。
それをなだめるように、耳元で囁いた。
「ウチができんのはここまでや。がんばりや!!」
そしておだんごピース。
いや、それ結局ハヤらんかったやん。
作った本人も、もうやってないし。
そんなツッコミを入れる間もなく。
「石川!明日遅れんなよ!!みっちゃん、よろしくな〜」
ふ、2人きりっすかぁ〜〜〜!?
「ちょお、ねーさん!!」
「ほなな〜〜」
バタン!!
扉は無情にも閉まり、平家は途方に暮れた。
部屋には平家と石川の2人だけ。
- 22 名前:ミラクルン@ダメ作者 投稿日:2000年08月18日(金)19時23分32秒
- 本日はここまで。
結局たいした絡みなかったなぁ・・・(反省)
ま、次はイヤでも絡むでしょう!
- 23 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月18日(金)20時20分34秒
- いやいや〜、面白いっす。
みっちゃんの慌てブリがおかしい。
絡み待ってます。
- 24 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月19日(土)02時39分39秒
- 最高ですね。姉さんのイジメ具合がまたイイ。
- 25 名前:とーしゅん 投稿日:2000年08月19日(土)15時58分03秒
- みちいし+裕ちゃんか・・・
りかっちの小説、この頃見ないんで、期待大。
裕ちゃんも絡ましてほしぃなー・・なんて。
- 26 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月20日(日)02時50分38秒
- 平家さんのしっかりしてない所がいい感じっす。
- 27 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月24日(木)19時43分33秒
- >24さん、>とーしゅんさん
漫才小説(?)にお付き合いいただきありがとうございます。
裕ちゃんは出さないようにしてるんですが、出てきちゃうんです(笑)
>23さん、>26さん
ありがとうございます!
お2人共良いトコつきますね〜。
そこ、今回のポイントです。
しばらくお休みさせてもらってました。夏なので、ちょ〜っと遊んじゃった(笑)
久々の更新です。
- 28 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月24日(木)20時15分44秒
- -9-
「・・・・・」
「・・・・・」
なんだろう。
なんなんだろう?この雰囲気。
石川〜〜!!なんとか言ってくれ〜〜〜〜〜!!!!
いや、それができるコやったらここには来てないな。
・・・ああ、せや。これは私が思い込んでるだけで、石川は別に気にしてないんだよな?
せや、いつもどおりにせな。
いつものみっちゃん。
いつものみっちゃん。
いつもの・・・。
「平家さん?」
「わぁ!!!! なに!? いつものみっちゃんやで!?」
「・・・?」
またやってしまった・・・。
「ああ・・・えっと、ごめんな。なに言ってんのかねぇ・・・。お茶でもいれるわ」
「あ・・・お構いなく・・・」
ほんま、なにやってんだか。
全然いつものみっちゃんちゃうやんか。
自己嫌悪に陥りながらも、飲茶楼をグラスに注ぐ。
小さなテーブルに置くときに、別に手が震えていたわけでもないのに
ゴゴン!
と変な音を立ててしまった。
「ささ、粗茶ですが・・・粗茶ゆーたら失礼やな。娘。がCMやってんのに」
石川は緊張が解けたのかクスクスと笑う。
「飲茶楼大好きなんです。今度新しく撮り直すらしいですよ」
「あ、そうなん。楽しみやな〜、あのCMカワイイもんな」
「ですよね!」
平家はちょっと想像してしまった。
おだんごで、チャイナを着ている石川・・・。
さぞカワイかろう!!
ああ!!できることなら収録現場に・・・!!
「平家さん?」
「はいぃぃ!?」
まただ・・・。
「ああ!!もう、ほんっと!ごめんな!!おかしーねん、私。最近」
「いや、全然大丈夫です」
なにがだろう?
「平家さんって、ほんと、おもしろいですよね。私もそんな風になりたいなぁ・・・」
「へ?こんなんなりたいか?」
コクンと大きく首を縦に振る。
「こんなんええかぁ?」
コクコクと更に大きく、笑顔で首を振る。
「こんなみっちゃんでええのんかぁ?」
石川はたまらず笑い出してしまった。
- 29 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月24日(木)20時55分42秒
- 「平家さんって・・・ほんっと、おもしろい!!」
軽く呼吸困難になりながらも、石川は全開の笑顔。
「えぇ!?そんなん言われたら、みっちゃん調子に乗ってまうで〜」
「いいです!どんどん乗っちゃって下さい!!」
「え〜〜!ほんま?じゃぁ・・・」
こちらも緊張が解けたのか、エスカレートしてく平家。
徐々に2人の間に「ボケとツッコミ」みたいなものができ始める。
それはもちろん中澤との様にはいかないが、平家には駆り立てるモノがあり、
石川にも変な自信を付けていった。
「だからな、トークなんてのはな、頑張ろうとせんでもついてくるもんなワケよ」
「はい」
「それよりも娘。の場合は人数多いんやし、前に出て喋れる場を作らなあかんよ?」
「そうですよねぇ・・・」
「石川はさ、別に普通に喋れるコなんやから、前に出んともったいないわ」
「はい!がんばります!!」
「ん!がんばり!!前に出て、喋って、個性出したりや!!」
「はい!・・・で、あのう」
申し訳なさそうにチラリと時計を見る。
「終電が無くなっちゃったんですけど・・・」
「ん?ああ、もうこんな時間か」
12:36。
いまからでは横浜までも行けそうにない。
「あの・・・泊まっても大丈夫ですか?」
「ああ、ええよ。泊まってき、泊まってき」
いつもの調子で承諾する。
「ありがとうございます!」
・・・が、数秒後気が付いた。
・・・!!??
へ?
泊まる????
ここに?石川が??
いや、自分でゆーてもうたな。いま。
石川も帰れへんのやし、しゃーないよな。うん。
でも、一つ屋根の下ってのは・・・
???????
「平家さん?」
相変わらず石川はきょとんとして、子犬のような目で平家の顔を覗く。
「ん〜、なんでもない。せや!風呂入れるわ。風呂な」
「?」
・・・風呂!!風呂ですと!?
石川がうちの風呂に入るんかい!?
ってーことはなに?
うちで、は、はだかに・・・!!
平家の妄想は続く・・・
- 30 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月25日(金)00時34分59秒
- おもろいです。自分1番この小説すきっす。
- 31 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月25日(金)13時09分03秒
- ワハハ!平家の一人妄想が面白い!
落ち着け、平家。
- 32 名前:名無し中 投稿日:2000年08月26日(土)03時22分37秒
- みっちゃん鼻血ふきそうだな、そのうち(笑)
- 33 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月29日(火)01時52分57秒
- >30さん、>31さん、>32さん
毎度しょーもない平家ですが、笑ってやってください(笑)
- 34 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月29日(火)02時54分31秒
- -10-
蛇口を前回にひねると、どぼどぼ・・・と勢いよくお湯が浴槽に注がれる。
いらぬ想像をする前にリビングへと戻ると、石川が少しウトウトしていた。
「い、石川?」
振り向くその目はトロンとしていて、なんだか妙に色気がある。
そうかと思えば、子供みたいに目をこするからギャップが可愛くて仕方ない。
「あ、ごめんなさい。なんか、はしゃぎすぎちゃったみたい」
「そっか、結構喋ったしな。風呂な、すぐ入るからもうちょっと待ってな」
ニッコリと頷く。
「カワイイなぁ・・・」
「え!?」
思わず口に出していた。
石川は驚きで目が一瞬にして冴える。
その顔を見て平家は自分の行為にやっと気がついた。
「あ!! いや、な。ほら、この部屋にこんな若いコ来たことなかったしな。いっつも裕ちゃんが
呑んだくれてる光景しか見たことなかったからな・・・カワイイコがいるとこんな部屋でも華やぐんやなぁと」
「そんなことないですよ。私がいなくってもステキなお部屋ですよ〜」
「ステキなお部屋ですかぁ?こんな、なんにもない部屋が?」
「私は好きですよ」
好きです。
自分のことじゃないと判っていながらも、過敏に反応してしまう。
顔が赤くなるのが鏡を見ずとも、感じられる。
「こ、この部屋のどこが〜?」
ごまかしながら後ろを向いて深呼吸。
「え〜?んっと、この小物とかぁ。ベッドカバーとか。平家さんて、センスいいですよね」
そう。
好きなのはこの部屋。
自分のことではないのだと、言い聞かせる。
「誉められたことないから、嬉しいわ。ありがとな」
向きなおすと何もなかったように微笑んで見せた。
「私も、カワイイって言ってもらえて嬉しかったです!」
平家の心を知ってか知らずか・・・。
全開の笑顔は夜なのに眩しい。
ああ・・・
やっぱ、カワイイわ。
あかんなぁ、ハマるわ。
ハマってまうわ。
- 35 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月29日(火)03時32分20秒
- 「そういえば、色んな話しましたけど、恋愛関係はしてないですよね?」
再び血が上っていくのを感じた。
まさか、本人からその核心へと近づこうとするとは、思いもよらなかったからだ。
平家をここまでおかしくしてしまう、問題の核心へと。
「れ、恋愛関係ねぇ」
声が上ずってしまった。
「娘。では、そういうのはダメって言われたんですけどね」
「ああ、せやね。私も言われてる。事務所の方針なんやろな」
「厳しいですよね」
「まぁ、な」
淡々と会話を続けてはいるが、心中穏やかではなかった。
またいつ口が滑るか分らない。
「まぁでも、上手くやれば大丈夫よ。市井と後藤みたいにな」
「あ、あの2人ってやっぱり・・・」
「付き合ってるよ。ま、表向きは師弟コンビやけどな」
「そうなんだ。じゃあ事務所内恋愛は大丈夫なんですか?」
石川の顔がにわかに明るくなる。
「や、人にもよると思うし・・・付き合い方にもな」
平家にはその顔の意味が半信半疑で、恐る恐る聞いてみた。
聞かないほうが良かったのかもしれないのに。
「なに?誰か気になる人でもおんの?」
恥ずかしそうに口をつぐんで下を向く。
その行動が意味するものは解っていた。
後悔先に立たず。
とは、このことだろうか。
小さな声だったのに、耳に、いや脳にハッキリと届いた。
「はい。います」
- 36 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月29日(火)07時12分11秒
- -11-
ガツン!!
100tハンマーで殴られた音がした。
それって、それって、私のことちゃうよな。
明らかにちゃうよな。
こういう場合本人には言わへんもんな。
それって、それって・・・
裕ちゃんか?
それとも全然ちゃうUFAの男か?
大穴で和田さんとかないよな?
ハハ・・・誰や?
それって、それって・・・
「それって、それって・・・」
意識もうろう、魂が半分以上抜けかかっている平家。
気付かずにはにかみながら恥らう石川。
「え〜? ないしょです!」
「それって、それって・・・」
目の前が白くぼやけて見える。
「今はないしょです。・・・でも、見てたら判っちゃうかも。私、いっつもその人のコト追っかけてるから」
「し・・・ごと、よくするひと?」
「はい。・・・って、いうか同じ・・・あ!ダメです!!言いませ〜ん」
いたずらっぽく笑う顔だけが、やけにハッキリと見える。
彼女以外の全てが霧の中だというのに。
ザ〜〜・・・
バスタブからお湯が溢れた。
「あ・・・お風呂、入ったみたいやな」
とりつかれたようにフラフラとバスルームへ向かうが、頭の中はいまだからっぽだった。
いや、その逆も然り。
石川には好きな人がいて、それが自分ではない。
そのことが頭の中で収まりきらないほど膨れ上がっている。
- 37 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月30日(水)04時39分42秒
- ここに石川が入るんやなぁ・・・
蛇口を閉めながらぼんやりと思う。
ほんの30分程前なら、妙なドキドキと共に全身の血液が頭のてっぺんを目指していたのに。
今じゃ貧血で倒れそうなほど真っ白だ。
私は石川の心の中には、入られへんのか・・・
先程とは打って変わって、ひどく冷静なのが自分でもよく分かった。
シャンプーが少なくないかチェックして、バスタオルを用意して。
淡々と動けている自分が不思議なくらいだった。
悟りを開くというのはこういう感覚なのだろうか?
知ってしまうというのは、こんなにも虚無感に駆られるものなのだろうか?
「石川!先、入り」
「はい、ありがとうございます」
ニッコリと微笑を交し合う2人。
そこに愛があればどんなに、幸せな瞬間だろう。
バスルームにいそいそと入る石川を、切なくもいとおしく感じる。
平家はベッドに倒れこみ、何も考えられないまま、石川が「好き」と言った小さな
オブジェを見つめてた。
- 38 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月30日(水)05時31分00秒
- お、更新されてる♪
続きめっちゃ楽しみにしてます。
がんばって。
- 39 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月30日(水)05時54分27秒
- ミッチー相変わらず妄想魔だな。面白い!
声が裏返るのがわかりやすくていいな。
- 40 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月31日(木)05時40分30秒
- 続き、続き〜
- 41 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月31日(木)19時51分26秒
- >38さん、39さん、40さん、
8月も終わりますね。
さて、このお話ももうちょっとで終わります。
平家を可愛がってくれてありがとう!!
サクサク行くぜ!
こ〜うし〜〜ん!!
- 42 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月31日(木)20時34分51秒
- -12-
お気に入りのパジャマを着せて、目の保養。
髪をドライヤーで乾かすときに首を傾ける仕草。
時々目をこする子供っぽさ。
「カワイイなぁ。うん、カワイイわ」
言葉とはうらはらに驚くほど余裕があるのは、諦めなのだろうか?
「もう!平家さん誉めすぎですよ〜〜!!」
「いやぁ、ホンマの事ゆうてるだけよ?カワイイもんはカワイイ」
ぷくっとふくれて見せて、石川は笑った。
平家もつられたが、穏やかな声で言った。
「眠いやろ? 先、寝ててええよ。ベッド、入っとき」
ためらいがちの返事を返す石川を笑顔で促す。
ベッドに入ったことを確認すると、灯りを消す。
「おやすみ」
「おやすみなさい・・・それと、今日はありがとうございました」
「・・・ん、どういたしまして。明日も頑張ろうな」
「はい」
ゆっくりと瞳を閉じる。
薄明りの中、それを見届けてバスルームに向かった。
シャワーで軽く体を流してから、湯船につかる。
「ふぁ〜〜〜〜・・・」
深いため息が響いた。
なんで、こんなに冷静かな。
あんなに一つ一つの出来事に顔を赤くしてたってのに・・・。
もう・・・冷めたんかいな?
早すぎやで、平家さんよぅ・・・。
・・・そもそも、ホントにスキやったんかいな?
ちょっと気になってたトコロを、ねぇさんに乗せられただけちゃうんかな?
せや。
きっとそうなんや。
きっと・・・始めっからスキじゃなかった・・・
始めから・・・スキなんかじゃ
「・・・だったら、なんでこんな哀しいんやぁ〜〜〜〜!!」
やるせないこぶしが バシャン!! と大きな音を立てた。
それと同時に嗚咽が響く。
- 43 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月31日(木)20時58分11秒
- ・・・・・・。
どれくらいそうしていたのだろう?
肩がすっかり冷え切った事に気づいて、ようやく平家は湯船から出てシャンプーを取った。
「なんてザマや・・・」
ガシガシとかきむしるように頭を洗う。
もうろうとしたまま体を洗うと、また涙が溢れてきた。
「くそっ!!」
高い位置にシャワーヘッドを置き、まるで滝に打たれているかのように仰いだ。
「あかんあかんあかんあかん・・・」
自分を諭すように、呪文のように唱える。
そして意を決してバスルームを後にした。
静かな部屋には石川の寝息だけが響く。
起こしてはいけないと、ドライヤーは使うことなく丹念に髪を拭く。
スキンケアだけは何があっても欠かす事はできない。
音を立てないように化粧水のビンを置く。
クローゼットの下の方から毛布を出すと、自らを守るようにくるまり、床に横になる。
フト、ベッドを覗くと、石川が深い眠りに就いている。
そっと触れた髪はやわらかかった。
その感触が平家を穏やかに眠りへと誘った。
- 44 名前:ミラクルン 投稿日:2000年08月31日(木)21時29分14秒
- ・・・終わらんかったなぁ。
たぶん、次回更新で終わるでしょう。
- 45 名前:サンジ 投稿日:2000年08月31日(木)23時01分19秒
- やっぱみっちゃんいい!
おもろいっす!
- 46 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月05日(火)21時39分31秒
- 続き…待ってます。
- 47 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月06日(水)22時09分15秒
- -13-
「そうか〜、石川に好きなヤツがね・・・」
場所はいつもの居酒屋。
時は石川が平家の家に泊まった翌々日。
今日はしんみりと、最初から日本酒をちびちびとやる平家。
ビール党の中澤も平家に付き合う。
「なんかな、舞い上がってた自分がアホらしく思えてな」
「いや、恋してるときなんて人間、誰でもそんなもんやで」
つまみのカンカイをほぐしながら、中澤は続ける。
「恋は盲目ゆーやんか。アホでえーんよ」
「でもな、実らんかったらマジでアホですやん」
「だぁからな!?アホでえーねんて!!問題は結果じゃなくて経過でしょう?」
ぐいのみをテーブルに叩きつけ、熱弁をふるう。
圧倒されてか、落ち込んでるのか、平家は言葉を挟まない。
「だいたいな? みっちゃん結果出てないねんで? まだ経過途中やん」
「結果は出てますよ」
「なんや? 自分ゆーたんか? 自分の気持ち、ちゃんと伝えたんか?」
「・・・・」
「まだやろ? 確かにな、相手に好きな人がおるんは落ち込むよ?」
例のごとく、空になったトックリが熱燗を満たして帰ってくる。
手酌で注ぐと同時に、中澤は一気に飲み干した。
そして更に続ける。
「でも考えてもみぃ、石川だって恋に狂ってるだけやんか。落ち着いたらあのコだって分かる」
「・・・・?」
「誰が1番に自分の事を愛してくれてるか」
「そんなん、そばにいなきゃ気づかれへんやんか。相手はしょっちゅう顔合わせてるらしいし」
バンッ!!
中澤がもう一度テーブルを叩いた。
今度は周りの客までも、こちらを向くほどだ。
「ちょ、ねーさん?」
「そんなん、カンケーないわ!! 自分に自信が無いだけちゃうんかい?」
いい加減煮えきらずいじいじしている平家に、ついにキレた。
- 48 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月06日(水)22時51分10秒
- 「何事も諦めず頑張って来たんちゃうんかい? 私はあんたのそういうトコロが気に入って
こうやって飲みに来たり、悩み事相談して・・・頼りにしてたのに・・・! ガッカリやわ!!」
「・・・ねーさん」
しばらくの間沈黙が続いた。
その間何度か2本のトックリが新しいものに変わったが、そのほとんどを中澤が飲み干した。
店のおじさんもいつもとは違う2人を察してか、声をかけることはなかった。
平家は頭の中が真っ白で、瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「・・・ごめん」
先に声を出したのは中澤だった。
「言い過ぎたわ・・・ごめん」
ハッとして平家が顔を上げる。
それを見て中澤が吹き出した。
「ぷっ・・・なんやねん! その顔!!」
「な・・・? 何?」
「ひゃ〜〜〜っはっはっはっはっは!!!!」
平家はただきょとんとして、腹を抱えて笑ってる中澤を見てる。
「いやー! ごめん!! 笑っちゃわるいわな。でも、あんた、その顔弐似合わんわ」
「その顔って・・・」
「だって、なぁ?」
また笑い出す中澤。
なぜだかそれに平家もつられてしまう。
「ふふ・・・ははははははははは!!!!!」
「なぁ〜んで笑うかねぇ〜〜? はははは!!!!」
- 49 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月06日(水)22時55分51秒
- わぁ〜〜〜〜〜〜〜!!
ダメだ!!
絶不調!!
終わんないよ〜〜〜!!
ラストはもうあるのに、時間が・・・。
ゴメンナサイ!!
- 50 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月06日(水)23時06分55秒
- いやいや、マターリといきまっしょい!
- 51 名前:名無し 投稿日:2000年09月07日(木)04時54分30秒
- 続きが!待ってましたぁ。
同じくマタ〜リと更に続きまってます。
- 52 名前:ぱな 投稿日:2000年09月11日(月)18時11分33秒
- また〜り♪また〜り♪
- 53 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月13日(水)22時57分51秒
- のんびり続きまってます…
- 54 名前:ムーミン 投稿日:2000年09月14日(木)02時26分10秒
- のほほ〜んと待ってます。
- 55 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月19日(火)05時35分05秒
- ううっ 待つ身はつらい…
- 56 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月22日(金)16時23分32秒
- マターリそろそろ限界・・。
- 57 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)11時13分57秒
- 「ははは・・・はぁ」
天井を仰いだまま、平家は畳の上に倒れこんだ。
「はぁ〜あ。笑えますね。ホンマ」
「笑えるよ。あんたはまだ笑える」
体を半分だけ起こして、冷め切った日本酒を空にする。
一口のアルコールがやけにきつく感じた。
「カラいなぁ・・・」
「甘かったら頑張らんやろ。そんなもんよ」
「どこまで頑張ればいーんやろ?」
「・・・どこまでも。やん?」
「ずっと?」
「ずっと。死ぬまでずっとや」
「厳しいなぁ・・・」
眉間にしわを寄せるも、まんざらではない表情。
きっと・・・いや、それは確かに解かっていたこと。
解かっていて尚、逃げていたこと。
目をそらすことに慣れすぎていたから、本当に大事なものにまで逃げていた。
「私はな、自分の理想に近づくように頑張ることが、生きていく上での最大の使命だと思うよ」
「理想に・・・?」
「せや、人それぞれの理想。夢だとか、愛だとか。自分にとって1番良いカタチを目指すんよ」
「だから頑張る?」
「ん。それに向かってな」
新しく注がれる酒を、その濁りのない透明を平家は見つめる。
「悔いは残してもいい。泣いてもいい。ただひとつ、自分は本当に頑張ったって、自分が自分に
心から褒めることができるなら、それは絶対力になる」
言葉の一つ一つに力強さを感じる。
そしてそれが友達を思うこの人の愛なのだと、平家は感動していた。
大人になって、こんなに素直に感動できることがそうそうあるものではない。
照れくさかったり、意固地になってみたり。
キレイなものをキレイと言う事が、大人になると容易くできなくなるのは何故だろう?
そして何故こんな時にそれに気付くのだろう?
「それはな、あんたが頑張って生きてるからやで」
濁りのない涙が、静かに落ちた。
- 58 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)11時51分47秒
- -14-
「私いまどんな顔してるんやろ?」
出逢い、一目惚れ、トキメキ(死語?)、惨敗、涙、復活!!
この1週間で恐ろしいまでの感情の波を体験したものだ。
ハローモーニング収録日。
いつものスタジオに平家はいた。
遅くもなく、早くもない。
いつもの時間にこの場所にいる。
メイクのために娘。の楽屋に行くと、石川は辻と2人ソファーで眠っていた。
眉間にしわを寄せているのは、連日のレッスンに疲れてだろうか。
「おぉ〜! みっちゃん、おっは〜〜!!」
「おぅ、やぐっぁん。おはようさん」
相変わらずの元気のよさで少し圧倒される。
「矢口! 辻と石川寝てるんだから! シーーー!!」
そのツっ込みの方が大きいよ・・・飯田。
ホラ・・・
「ん・・・うう〜〜ん」
「あ〜あ、起きちゃった」
いや、多分原因はあなたです。飯田さん・・・。
しかし起きたのは石川だけで、辻はピクリともせず眠りつづけている。
「あ・・・平家さん! おはようございます!!」
「ホンマにおはようやね」
周囲から笑いが起きた。
石川の顔が赤くなっていく。
辻はまだ起きる気配がない。
「あの・・・この間はありがとうございました」
「ん、いやぁ、大したこと言えへんかったけどな」
「いいえ!! すっごく参考になりました! 今日も頑張りますね」
「うん。頑張りや」
だ・・・いじょうぶ、よね?
ぎこちない会話ちゃうかったよね?
鏡の前、中澤の隣に座る。
「みっちゃん、おはようさん」
「おぅ、おはようさん」
「なんか、自分スッキリした顔してんなぁ」
「ま〜〜ね」
自分なりの一仕事を終えた顔は、鏡の中で晴れていた。
「色々考えたし、その事に対しての答も出したしね」
「ほ〜ぅ、どんな?」
鏡越し、笑顔だけを返した。
- 59 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)12時23分17秒
- -15-
平家はもう気付いてしまっていた。
その人が誰なのかを。
目で追う先にいるのは彼女。
その目の先は彼女。
確かにバレバレやね。
完璧ロックオンされてるやん。
まぁ、私も人のこと言えへんのやろケド。
ふ〜〜〜ん。
なるほどなぁ。
正直驚いたけど、当然の成り行きなんかな。
歳も近いし・・・。
「み〜〜っちゃん!!」
背後から細い腕が絡みつく。
「うおぉ!! ねーさん! 驚かさんといて下さいよ!!」
「いま、石川のこと見てたやろ?」
いつものテンション。
平家は呆れ顔を見せて、開き直る。
「〜〜〜見てましたよ!」
「ふ〜〜ん。ふ〜〜〜ん」
相変わらず意地悪な顔だ。
「っつーかな。ねーさん」
「はい〜?」
「相変わらず人が悪いな」
「は!? 何のことよ?」
いちゃもんか!? とばかり、ガンを飛ばす。
「石川の好きなヤツ」
「あ・・・」
「やぁ〜〜っぱり! 知ってたんでしょう?」
するりと腕がほどける。
逃がすまい! と、素早くその腕を掴まえた。
「ちょっと見てれば分かるもんなぁ。特にねーさんなんて、そのテの事に敏感やし」
「えぇ〜〜っと、そのぅ・・・あ! 矢口ぃ〜〜〜〜!!」
ひらりとその身をかえし、逃げようとする中澤。
しかし今日はしっかりと掴んだ腕を放さなかった。
遠くで安倍とじゃれてる矢口も、中澤の声に気付かない。
ニヤリと笑う平家。
観念したのを見届けて、フッと腕を放した。
「ま、ねーさんの気持ちは解かってるし、感謝もしてるからな」
「・・・みっちゃん」
- 60 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月23日(土)13時04分14秒
- やた!続きだ!
- 61 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)13時13分19秒
- 「諦めてへんよ!」
「好きなもんは好っきやしなぁ」
「ん、がんばるよ」
「ねーさんはいいって言ったケド、やっぱ悔いは残したないもんなぁ」
「それに・・・」
「たった1度の人生やもんなぁ!!」
笑ってみせた。
羨ましいほど、鮮やかに。
「恋って、いーですよ」
「たった1度の人生だもの!!」 〜Fin〜
- 62 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)13時28分36秒
- - 後日談 -
「梨華ちゃん・・・相談があるんだけど」
「なぁに? 私で良かったらなんでも相談に乗るよ」
「ホント!? ありがとう!!」
「だって・・・な、仲間じゃない!」
「うん! あのね、実は私・・・気になる人が・・・」
「え!?」
今度はキミだ!
ガンバレ石川!!
Love GoGo!!
- 63 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)13時33分55秒
- 「たった1度の人生だもの!!」 終わり!!
- 64 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)13時37分18秒
- でも、「Love GoGo!!」はシリーズとして続きます!!
- 65 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)13時39分43秒
- 予告通り、次は石川です。
- 66 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)13時42分13秒
- 矢口モノにもいきたかったんだけど、石川にチャレンジ。
- 67 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)13時47分09秒
- しか〜し!
その前に別スレ(37.2℃〜いちごま甘々)で短編と、
「想いを伝えた日」編をやります。
- 68 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月23日(土)13時48分29秒
- 楽しみ! いちごま。
- 69 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)13時51分08秒
- ふ〜、しかしやっと終わらせる事ができてホッとしてます。
ずっと、PCに触れなくって、時間もなくって、メッチャ気がかりでした。
待ってくれた皆さん、ホントにありがとうございます!!
- 70 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)14時00分22秒
- >50さん、51さん、ぱなさん、53さん、ムーミンさん、55さん、56さん
マタ〜リと、のほほ〜んと待ってくれてありがとう!!
特に56さんのレスを見たときは、「何がなんでも書く!!」と誓いました。
例え睡眠時間削っても!!
眠いケド、書いて良かった。
自分自身、何かから抜け出せたような気がします。
- 71 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)14時06分12秒
- 実はですね、これを書いてる最中に自分自身、みっちゃんとまったく同じ状態に
陥りまして・・・。
自分で書いてて、正に「しまった!!」状態!!
・・・みっちゃんの呪いか!?
こんな仕打ちしちゃったから(笑)
- 72 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)14時08分42秒
- >68さん
そっこーのレスありがとうございます!
「37.2℃」はちゃんと更新しますので、安心して下さい。
- 73 名前:ミラクルン 投稿日:2000年09月23日(土)14時11分42秒
- 何はともあれ「たった1度の人生だもの!!」完結です!
ありがとうございました。
次回作もどうかよろしくお願いします!!
- 74 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月23日(土)15時48分27秒
- おつかれ様です!次回作も期待してます。
- 75 名前:ミラクルン 投稿日:2000年10月04日(水)09時07分21秒
- 近々「石川編」始めま〜す。
またみっちゃんも出るのでよろしく!
- 76 名前:ぱな 投稿日:2000年10月04日(水)16時56分34秒
- うぉっ!
無事完結、お疲れ様でした。
次回作にキタイシテイルぞなもし。
- 77 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月05日(木)05時42分41秒
- 作者さん、お疲れさまでした。
マイナーカップリングが好きなので、この作品はほんと好きでした。次回作も期待してます。
個人的にはいしごま希望なんですが、
やっぱ王道なのかな?(ワラ
- 78 名前:ミラクルン 投稿日:2000年10月12日(木)05時57分57秒
- >77さん
いしごまっすか!? そりゃ確かにマイナー!
個人的に面白そうとは思うけど、収集つかなくなりそうなので、王道を行かせてもらいます。
でも、ビックリすると思うよ(最初だけ)
- 79 名前:ミラクルン 投稿日:2000年10月12日(木)07時03分39秒
- 〜 Love is Magic 〜
ああ、この人は選ばれるんだろうな・・・
このオーラは、きっと誰もが虜になる。
芸能人ってのはこういうもんなんだろうなぁ・・・
スラリと背の高いその人を、気付けばいつも目が追っていた。
しなやかに伸びた長い手足がヒラヒラと、私の前を踊る。
その身を捕まえることができたなら・・・
あなたのそばにいられたら・・・
ずっと、これからも・・・
ずっと・・・
- 80 名前:べぃぐる。 投稿日:2000年10月12日(木)22時01分46秒
- ミラクルンしゃん・・・
あなた、偉大です、はい(笑)
いしかわさんがもう可愛くてね、いやぁ、ほんとに・・・
みっちゃんも何だかいい味出てるし・・・
裕ちゃんはもぅまるっきりまんまだし(爆)
ミラクルンの小説にはほんとお世話になってます。
そして、これからも(謎笑)
- 81 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月13日(金)23時33分40秒
- これまたマニアックなB面の曲を持ってきましたね!
いつだかの西武で聴けた時は感涙でした。新作、張り切ってどうぞ〜。
(娘。ネタじゃないので恐縮sage)
- 82 名前:ミラクルン 投稿日:2000年10月14日(土)09時10分36秒
- ああ・・・神様!!
ありがとうございます!!
私の願いをきいて下さるなんて・・・私はなんて幸せ者なんでしょう!!
ええ、わかっていますわ。
私は決してこのチャンスを無駄になんかしたりはしません!!
必ず、必ず捕まえてみせます!!
- 83 名前:ミラクルン 投稿日:2000年10月14日(土)09時51分39秒
- -1-
「矢口! 辻と石川寝てるんだから! シーーー!!」
メイクの順番待ちで、どうやら寝てしまっていたらしい。
多少の雑音の中で眠るのは慣れたが、名前を呼ばれるとつい過敏に反応してしまう。
「ん…うう〜〜ん」
「あ〜あ、起きちゃった」
自分を呼んだ声が嘆いている。
起きちゃった・・・って、起こしたんじゃ・・・。
ボンヤリと考える隣には、辻がスヤスヤと眠っている。
辺りを見回すと、そこには尊敬する(!?)平家の顔があった。
「あ・・・平家さん! おはようございます!!」
「ホンマにおはようやね」
寝ぼけまなこの石川に、軽いツッコミが入ると周囲から笑いが起きる。
なんだかよく理解できないまま、その笑顔達を見渡すとアノ人も笑っていた。
恥ずかしさが石川の顔を赤くしていく。
楽屋中に響く笑い声。
しかし辻は起きる気配がない。
他のメンバーはそれぞれの作業に戻ったようだ。
安倍と後藤は買い物に行く相談。
保田は買ったばかりのCDのライナーノーツを見てる。
飯田は加護とおちゃらかで盛り上がって、対照的に市井はハードカバーの難しそうな
本を読んでいる。
辻はいまだに眠りの中。
中澤は矢口と入れ替わりでメイクに入った。
その横。吉澤が目をつぶって、アイメイクをしてもらってる。
そして、平家と石川。
石川は改めて、平家に声をかけた。
「ん、いやぁ、大したこと言えへんかったけどな」
「いいえ!! すっごく参考になりました! 今日も頑張りますね」
「うん。頑張りや」
優しい笑顔の平家はそのまま鏡の前に行ってしまった。
吉澤と入れ替わりに、メイクに入るのだろう。
後姿を見送っていた石川の鼓動が高鳴った。
- 84 名前:ミラクルン 投稿日:2000年10月14日(土)10時01分50秒
- 更新遅くてゴメンですたい。
>べぃぐる。さん
石川・・・実はいまいち自信のないミラクルン。
こんなんでいいんでしょうかね?
こちらこそお世話になってます(?)そして、これからも(ニヤリ)
>81さん
はは。B面フリークですからな!!
あの西武はオイラも行ったッス。1塁側スタンド超はじっこ・・・スクリーン見るのもやっと。
今日は打ち止め。
かぜっぴきナリ〜〜〜。
- 85 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月15日(日)10時46分49秒
- 石川さんやっぱり可愛い〜ですなー。
- 86 名前:ミラクルン 投稿日:2000年10月18日(水)08時40分21秒
- 平家が鏡の前に座ると同時、意中の人は動き出し、石川の目を引く。
テーブルの上に置かれたペットボトルをグイっと飲むと、無造作に椅子に腰掛ける。
そして読みかけの本を開く。
活字を追う姿が、まるで純文学の青年の様に思えた。
未だ目の覚めない辻を起こさぬように、ソファーに座りなおすも、さりげなく「見える」位置をキープ。
じっくりとスミからスミまで眺める。
今日もやっぱりカッコイイわ・・・
あの手、あの指・・・
ページをめくる時に切れてしまったりしないかしら?
あの白い手に赤く流れ落ちる血。
きっとものすごくキレイよね。
そんなことがあったら私・・・ああ!!
などといつものように、妄想を膨らませているとメイクの順番が来てしまった。
中澤と入れ替わりで鏡の前に座る。
もちろん、その鏡越しでも見つめるところは唯一点。
横にいる平家が自分に対して視線を投げかけているのも気付かずに。
はたから見れば、目が座っていてちょっと怖いなんて気付かずに・・・。
- 87 名前:ミラクルン 投稿日:2000年10月18日(水)08時43分08秒
- >86さん
可愛い〜ですか? 本人は自分も好きです。
でもミラクルンの手にかかると石川も妄想人に・・・。
- 88 名前:たった1度の人生だもの 投稿日:2000年11月09日(木)07時14分37秒
- 前代未聞の恋愛事件大ニュース
運命変えるような燃えるロマンスを
七転び八起きのゲームはこれからさ
チャンスは来る くるくるくる きっと来るから
うつむかずに決して奢らずに
逢えて嬉しい 花いちもんめ
真っ青なこの空に負けない愛を
あなただけ見つめている ひまわりのように
たった一度の人生だもの
ふりそそぐのは サンシャイン
前人未踏の世界へグッと漕ぎ出していこうぜ
わかんない つまんない それじゃ始まらない
壊れてしまうのは一瞬のことだから
感謝して もっとしてして 生まれたことに
どうでもいいような恋があふれて
これでいいのか いいわけないじゃん
真っ白なキャンパスに何を描くの
まっすぐ遠く伸びてく 飛行機雲のように
たった1度の人生だもの
あふれだすのは エモーション
壊れてしまうのは一瞬のことだから
感謝して もっとしてして 生まれたことに
胸のすくような時代が見たい
逢えて嬉しい 花いちもんめ
真っ赤な夕焼け空頬を染めて
線路沿い風にゆれてる ひまわりのように
たった1度の人生だもの
走りつづける ラブトレイン
- 89 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月09日(木)07時16分14秒
- 応援あげ
- 90 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月12日(日)19時55分25秒
- 石川ものいいですね。しかも、いしへいなんて初めて見ました面白かったです。
今作も続き期待
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