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圭と紗耶香

1 名前:ぴか 投稿日:2000年08月16日(水)03時08分11秒
なんかいちごまが主流の中、圭・紗耶香でスミマセン。市井大好きなんです。

鉄格子の窓から差す太陽の光。
その光により紗耶香の意識は覚醒し始めた。
「もう・・・朝?」
いつものクセで時間を知る為に頭上にあるだろう時計を手探りで探していると、
ハタとある事に気づく。
「あ・・・」
ココは自分の部屋じゃない。
両手首にきっちりと掛けられた手錠もそう物語っている。
紗耶香は深く溜め息をつき、取り敢えず起き上がろうとし顔を歪めた。
「つ・・・っ」
痛い。ジンジンと響く痛み。
その痛みは、腰から・・・それと、アソコからやってくる。
その痛みは、圭に調教された余韻。
「あら。もう起きたの? まだ眠ってていいのに。疲れたでしょ。昨日は」
『昨日は・・・』
その言葉を強調して、ある女が含み笑いしながら紗耶香に近づいて来た。
手にはお盆をもって。
「ほら。朝飯よ。食べる?」
怪しい微笑を浮かべた圭は紗耶香の短い髪の毛を掴むとムリヤリ顔を上げさせる。
その指が。昨夜自分にどんな事をしたのか。
思い出し紗耶香は恐怖に怯えフルフルと首を横に振った。

2 名前:ぴか 投稿日:2000年08月16日(水)03時25分11秒
そんな紗耶香のまるで小動物のような姿にフッと笑うと、
圭はお盆を床に置き両手で紗耶香の頬を包み込んだ。
「ねぇ、紗耶香。今の紗耶香は私に逆らえる立場だと思ってんの?」
そう優しい声で微笑む圭。
だけど瞳は笑っていない。
「な・・・んで・・・こんな事するの・・・・・・?」
いつも一緒に居て。相談にもよくのってくれた。
そんな優しい圭がどうして自分にこんな事をするのだろう。
そう思う紗耶香の頬に雫が流れる。
「・・・なんでかって?」
ビクンッと紗耶香の肩が震えた。
そのワケは。圭の声が低く震えていたから。
「紗耶香が悪いのよっ」
その言葉。昨夜何度聞いただろうか。
自分の身体に・・・紗耶香の口からはとても言えない恥ずかしい事を
何度も執拗に繰り返した圭が、何度も囁いた言葉。
「だから・・・なんでって聞いてるじゃんか。なんで私が悪いの?
圭ちゃんの気に障るような事私したっ?」
震える、だけど力強く紗耶香は言い放った。
「私、こん・・な事、圭ちゃんにされたくないよ。前みたいにいつも笑ってたいよ・・・」
とうとう瞳から涙が溢れてしまって紗耶香は下唇を強く噛み締めた。
「紗耶香・・・本当になんで私がこんな事するのかわかってないの?」
「わからないよ・・・」
「そう」
そう呟く圭の声はまた一段と低くなる。
「紗耶香はわからないのね・・・私の心を・・・」
「圭・・・ちゃん?」
「じゃあ、教えてあげる」
クスリと口の端に笑みを浮かべ紗耶香を見つめる。
「その身体にね。何度も・・・じっくりと・・・忘れられないくらい」
3 名前:ぴか 投稿日:2000年08月16日(水)03時48分17秒
その圭の酷い言葉に紗耶香はまた恐怖を感じ後退りする。
「あら。何今更恐がってんの?」
「・・・恐いよ。恐いに決まってんじゃん! 来ないでっ」
ピタリと紗耶香の背についたのは冷たい壁。
「昨日はあんなに可愛いかったじゃない。アソコも」
「やだっ」
圭の侮辱めいた言葉に紗耶香は思わず赤面してしまう。
「ねぇ、昨日みたいにまた可愛い紗耶香の声聞かせて。そう私だけに」
紗耶香は抵抗出来ない。
鎖で拘束された両手。
それに合わせ昨夜の圭のソレで痛いぐらい感じさせられぐったりとさせられた体。
体力は完全に消耗している。
「ふふ。可愛いよ・・・紗耶香」
とうとう圭に床に倒され身体を抑え付けられる。
「やだってばっっ」
悲鳴じみた紗耶香の声。だけどここには圭と二人っきり。
誰も紗耶香を助ける者など・・・いない。
「んっ・・・」
下腹部をすっと撫で回す圭の手に反応して
思わず紗耶香の赤く色づいた唇から吐息まじりの声が漏れる。
「紗耶香・・・可愛いよ・・・あなたが一番可愛い」
耳の中に舌を忍ばせ圭が囁く。
ずっと髪の毛を梳いてくれてる手がとても温かくて。
その温かさにまた紗耶香の瞳から涙が零れる。
温かく優しい圭も今ここにいるはずなのに。
どうして。どうして今自分の瞳に映っているのはこんな・・・圭なんだろう。
「け・・・ぃちゃ・・・」
圭によって与えられる刺激に脚が震え出す。
いや、脚だけじゃなく手も頭も身体も・・・。そして心も。
「紗耶香、感じてるの?」
冷笑を浮かべた圭の言葉。
・・・・・・もう嫌だ。
4 名前:ぴか 投稿日:2000年08月16日(水)04時05分26秒
「も・・・やだぁ・・・・・・」
ひっくひっくとひきつけを起しながらも、涙を止められない。
だけどこのまま圭のいいようにはされたくなかった。
圭にはこんな事をされたくなかった。
誰よりも・・・大切な人だから。
だからこそ自分の嫌がる事を無理矢理する圭が許せなかった。
「もっ・・・嫌だよっ。圭ちゃんの・・・圭のバカァッ!!」
ハァハァと肩で息をしながら紗耶香は圭を見つめた。
その見つめた顔は少し驚いていた。
「紗・・・耶香?」
「バカァ・・・圭ちゃんにはっ・・・大好きな圭にはこんな事されっ・・たくなかっ・・・」
「紗耶香・・・」
「もういーや。もういい・・・。圭ちゃんの好きなようにしてよ。そのかわり・・・」
紗耶香のその瞳は意思を持つ強いもの。
「もう私は圭の事・・・嫌いになるから」
そう言い放った紗耶香。だけど、胸に刺がチクリと刺さる。
ズキン・・・ズキン・・・。
2人の心臓が音を立てて痛んでいく。
そう、圭のの心も痛みが襲いかかっていた。
しばらくの沈黙の後、圭は身体を紗耶香から離した。
「紗耶香・・・ごめんね」
圭の頬に流れる一滴の光。
「私、何してんだろう・・・。こんな事紗耶香にして・・・。
ホントはこんな事したかったわけじゃないのに・・・」
「圭ちゃん・・・・・・」
「ホントは寂しかっただけなのにッ。恐かった・・・紗耶香が私の前からいなくなる事が」
圭はその場に座り込み声をあげて泣いてしまう。
「圭・・・」
紗耶香はそれをボンヤリ見つめるしかなかった。
5 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月16日(水)16時27分07秒
なかなか凄い展開ですね、頑張ってください。
6 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月20日(日)23時55分00秒
普段は、いちごま者ですが、続き読みたいです。カンキンねたっすね…。
7 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月26日(土)01時46分54秒
市井小説(特にいちごま)はハッキリ言ってもうマンネリだと思うけど、これはちょっと新しいかもしれない(笑)
保田に期待します。
8 名前:ぴか 投稿日:2000年08月27日(日)14時53分38秒
「圭ちゃん・・・」
「紗耶香・・・っ、ごめ・・・ごめ・・ねぇっ・・・・・・」
圭の涙は止まりそうにもない。
ひきつけを起こしながらもまた圭は泣き続ける。
それは紗耶香にこんな事をした罪悪感からなのだろうか。
「圭ちゃん・・・もういいよ・・・泣かないでよ。圭ちゃん泣いたら私まで悲しくなるじゃんか」
一端止まっていた紗耶香の瞳からはまた涙が溢れ出す。
無理して笑おうとするその表情は見ていて痛々しくなる。
「でも・・・私、紗耶香にっ・・・とりかえしのつかないことを・・・・・・」
指で触って。舌をふれさして。侮辱めいた、心にもない言葉を、
・・・・・・・・・愛してる人に何度も発した。
非道いことをした。
紗耶香の『心』を手に入れられないなら、『カラダ』だけでも。
そんな考えが圭の中にあった。
それは間違ってる。そんなの卑劣な犯罪だ。
だけど、・・・どうしても圭は紗耶香を手に入れたかった。
それ程、紗耶香の事を。
「ただ・・・紗耶香のこと・・・・・・好きなだけだったのに・・・」
ただ、自分の目の前から居なくなる事が、会えなくなることが恐かった。
嫌だった。苦しかった。・・・ツラかった。
圭は消えるような声でそう言葉を口にした。
「圭ちゃん・・・私だって、好きだよ? 圭ちゃんのこと・・・好き、だよ。
友達とかの好きじゃないから」
「・・・え・・・?」
圭は泣いて真っ赤になった瞳を見開いた。
今の言葉。紗耶香の言葉。
「うそ・・・紗耶香、私のこと・・・」
「好きだよ・・・。大好きだよ、圭ちゃんのことぉ」
――――――好きなの。
そう言いながら紗耶香は涙を流した。
「紗耶香・・・」
圭はカチャリと紗耶香を拘束していた手錠を外した。
その瞬間、自由に身体を動かせるようになった紗耶香は迷うことなく圭に抱きついた。
9 名前:ぴか 投稿日:2000年08月27日(日)14時58分54秒
キチクものにしようと思いましたがやっぱりこの2人大好きなので、
幸せものにしちゃいます。
関係ないけど、加護の話書きたいっす。
加護ってどんな組み合わせあるのか・・・。誰か教えて。
性格は生意気っぽい子で良いんですよね?
10 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月27日(日)19時10分09秒
加護と保田のやつ読んだ事あるけど。
なぜか加護が保田になついてるやつ。
11 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月27日(日)23時26分33秒
↑は良かった。なぜ加護?とも思ったけど。
12 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月28日(月)04時44分14秒
>11
その意外な組み合わせがよかったのかもね。
13 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月28日(月)13時15分21秒
いしかご、あいのの、ぐらいしか知んないなあ。私は。
14 名前:ぴか 投稿日:2000年10月24日(火)16時48分45秒
「体、痛む?」
不安げに顔を覗きこんでくる圭に紗耶香は、微笑んだ。
「平気だよ。大丈夫だから…」
そこまで言い、紗耶香は少し頬を赤く染めた。
「…でも、痛かったけど…感じてちゃってたしね。………圭ちゃんだったからかな?」
照れて真っ赤になる紗耶香を、圭はまたきつく抱きしめる。
「また…会えるよね?紗耶香が娘。じゃなくなっても、また会えるよねっ!?」
その声は微かに震えていた。
「会えるに決まってんじゃんっ。会えるよ、いつでも会おう?」

たとえ、離れていても会おうと思えばいつでも会える。
そう思うことで、互いの心はまた強くなっていく。

―終わり―
15 名前:ぴか 投稿日:2000年10月24日(火)16時50分46秒
やっと帰ってこれて続きがかけました。
でも中途半端ですね(^^;)
とりあえず、圭・紗耶香は終了です。
次は、加護あたりで書くと思います。

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