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I’ll be・・・

1 名前:負け犬 投稿日:2000年08月21日(月)21時05分13秒
懲りずに登場です。
「出逢ってしまった2人」の続編になるのかな・・
矢口が不憫との声があり、自分でもこのままでは可哀相と思い
無理やりこじつけてみました。
一応、いちまり。都合上、ごまは出てこないとおもいますが・・
どうなるかはわかりません(笑)

思いつきからの作品なので更新はかなり遅くなると思いますが
暇つぶしついでに見ていただければと思ってます。
では、どうぞ。
2 名前:負け犬 投稿日:2000年08月21日(月)21時06分08秒
「ちょっと、まってよ、どうして・・」

私は気持ちの限り叫んだ、けど、あの子は振り向かなかった。

「まってよ・・ ひとみ・・」

ずっと苦しかった、女の子を愛してしまったこと。
そして、もう一人の私の知らない影に怯えていた。

どれくらいの時間だったろう。
私はしばらく、車の中で呆然としていた。
ふと、リヤシートに目を移すと、寂しそうに置かれているランチボックス。
悔しくて、ランチボックスのサンドイッチをつまんでみた。

「ハハハ、やっぱり慣れない事はするもんじゃないよね・・・」

急におかしくて笑ってみた。
健気だった自分が滑稽に思えてますます可笑しかった。


「バイバイ、ひとみちゃん・・」

もう涙は出てこない・・・

まだ、冷たい三月の風が妙に心地よかった。
3 名前:負け犬 投稿日:2000年08月21日(月)21時07分03秒
結局、私はひとみと行くはずだった場所へ一人車を走らせていた。
同じひとりでいるなら、外へ出ていたほうが気が紛れる。
本当だったら横にいるはずのあの子・・
いまごろ、なにを・・

(わすれるんだ!しょうがないじゃん、ふられちゃったんだから・・)

1時間ほど走っていた時、後ろの方から妙な音がし始めた。

「ボコッ、ボコッ」

「なんだよ〜、このおと・・」

車を止めて後へ廻ってみた。
タイヤがぺったんこになり、シューシュー音を立てている。

「どうしよう、タイヤ交換ってどうやるんだっけ・・・」

教習所で教わったにもかかわらず、私はそんなことすっかり忘れていた。

「はあ、ホントついてないよ・・とにかく誰か友達に連絡しなきゃ・・」
4 名前:負け犬 投稿日:2000年08月21日(月)21時08分26秒
ヘルメットをかぶったその人はそう言ってバイクを降りてきた。

「はい。実は、車がパンクしちゃって・・」

その人はおもむろにヘルメットを取る。
中から出てきた顔は恐ろしく整った顔立ちの少年だった。
いや、その時は本当にそう見えたのだ。
私はドキッとした、あまりにも綺麗なその顔立ちに。

「ちょっと、いい?」」

そういって、彼(?)は私のトランクを開けごそごそ探してる。

「あった・・、大丈夫、すぐ終わるよ」

彼(?)はおもむろに車載工具とスペヤタイヤををとりだすと
手際よくジャッキアップを始め、ものの5分で交換を済ませた。

「このまま、どっかスタンドに行ってパンクしたタイヤは
 直してもらったほうがいいよ。」

「はい・・、あの、ありがとうございました」

「じゃあ、気をつけて」

そう言うと彼(?)は再びバイクにまたがり、あっというまに行ってしまった。
ふと、下に目をやると何か落ちてる。

「あ、財布だ・・さっきのあの人の・・」

そう思い、追っかけたけれど彼(?)は遥か遠くでなにも見えない。
私は悪いと思いつつ中身を確認した。

「なんか、男の子の割にはずいぶん可愛い財布持ってんな・・」

なかにはカード類や免許がはいっていた。
私はその中から、免許証をとり出した
免許証には確かにさっきの凛々しい顔写真が移っていた、
しかし、そこに書かれてる名前を見て私は思わず声をあげてしまった。

「いちい・・さやか。・・うそー!女の子お!?」
5 名前:負け犬 投稿日:2000年08月21日(月)21時10分59秒
>4
すいません、一部文章が抜けました
次のが正しいやつです。
改めてどうぞ
6 名前:負け犬 投稿日:2000年08月21日(月)21時11分33秒
そう、思っていたとき1台のバイクが私の車の後ろに止まった。

「だいじょうぶですか?」

ヘルメットをかぶったその人はそう言ってバイクを降りてきた。

「はい。実は、車がパンクしちゃって・・」

その人はおもむろにヘルメットを取る。
中から出てきた顔は恐ろしく整った顔立ちの少年だった。
いや、その時は本当にそう見えたのだ。
私はドキッとした、あまりにも綺麗なその顔立ちに。

「ちょっと、いい?」」

そういって、彼(?)は私のトランクを開けごそごそ探してる。

「あった・・、大丈夫、すぐ終わるよ」

彼(?)はおもむろに車載工具とスペヤタイヤををとりだすと
手際よくジャッキアップを始め、ものの5分で交換を済ませた。

「このまま、どっかスタンドに行ってパンクしたタイヤは
 直してもらったほうがいいよ。」

「はい・・、あの、ありがとうございました」

「じゃあ、気をつけて」

そう言うと彼(?)は再びバイクにまたがり、あっというまに行ってしまった。
ふと、下に目をやると何か落ちてる。

「あ、財布だ・・さっきのあの人の・・」

そう思い、追っかけたけれど彼(?)は遥か遠くでなにも見えない。
私は悪いと思いつつ中身を確認した。

「なんか、男の子の割にはずいぶん可愛い財布持ってんな・・」

なかにはカード類や免許がはいっていた。
私はその中から、免許証をとり出した
免許証には確かにさっきの凛々しい顔写真が移っていた、
しかし、そこに書かれてる名前を見て私は思わず声をあげてしまった。

「いちい・・さやか。・・うそー!女の子お!?」
7 名前:負け犬 投稿日:2000年08月21日(月)21時14分45秒
本日分は以上です。
先ほどは失礼しました。

書いてはみたものこの先どうするか、なにも見えてません。
更新は気長にお待ち下さい。
8 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月21日(月)21時28分44秒
市井はJAFの人間なのか・・・
続き気長に待ってます。
9 名前:読んでる人 投稿日:2000年08月21日(月)21時40分47秒
私も気長に待ってます。楽しみです。
10 名前:クロスメ 投稿日:2000年08月21日(月)22時51分15秒
続き楽しみにしてますね。
11 名前:Hruso 投稿日:2000年08月22日(火)19時30分17秒
今日初めて「出逢ってしまった2人」と続けて読みました。
いいですね。いちごま以外では久しぶりに震えました。
続編も期待しております。
12 名前:負け犬 投稿日:2000年08月23日(水)01時07分42秒
作者です。
ほんのちょこっとだけ更新。

ここで、お詫びです。
文章の途中で矢口の視線から第三者の視線になる個所があります。
本来は何か注釈を付けなければいけないのでしょうが
書き出しの時点でそのような手法を取らなかったので
あえてなにもしていません。思い付きで書くとこれだから怖い・・
改めて修行不足を思い知りました。なんせ素人なものでお許し下さい。

読みにくいと思いますが、もしよろしければ見てやってください・・
13 名前:負け犬 投稿日:2000年08月23日(水)01時08分52秒
私はとにかく財布を返さなければと思い
免許の住所を頼りに彼女の家へ向かった。

「なんだ、私の家から結構近いんだ・・」

自分の家の近所と言う事もあって場所はすぐわかった。
たどり着いたそこは単身用のアパートだった。

(ひとり暮ししてるんだ、でも、まだ17歳のはず・・)

201号室、ここだ。
ドアホンをならす。

『ピンポーン』

誰も出てこない。

「う〜ん、留守か・・どうしよう、やっぱり警察に行ったほうがいいかな」

諦めて帰ろうとした時、髪の長い女の子が階段を登ってきた。
その子は私と目が会うと、じーっと私の顔を舐めるように見て
訝しげな目つきで私に話しかける。
14 名前:負け犬 投稿日:2000年08月23日(水)01時10分44秒
「・・・サヤカになんか用?」

姉妹?いや、どうもそういう感じでも無さそう。

「あの、紗耶香さんの財布を拾ったんで届けに来たんですけど
 なんか留守みたいなんで」

そう言うと彼女は大きい瞳で私をにらみつけた。

「あなた、サヤカとどういう関係?」

その子は、いきなり素っ頓狂な事を口走り私に詰め寄った。
それも、かなりカチンとする言い方で。
私も負けずに続けた。

「彼女とは今日初めて会ったんです。関係とかそう言う話じゃなくて
 わたしはただ、落とした財布を届けに来ただけです!」
「なんで、初めて会ったのに財布なんか拾うのよ!
 そんなの警察に届ければいいじゃない!」

すでに、ケンカ腰だ。彼女も負けてない。

「わたしもそう思ったけど、困ってると思ったから!
 大体、そういうあなたは彼女とどんな関係なんですか?」

悔しくなってきた私は彼女に問い詰めた。
そうすると、一呼吸置いた後にとんでもない事を口走った。

「・・・恋人!」

私は思わずよろけてしまった

(はあ?こいびとぉ??)
 
そんなやり取りをしてるうちに階下でバイクの止まる音がした。
紗耶香が帰ってきたようだ。

「カオリ、そんなとこでなにやってんの?」
15 名前:負け犬 投稿日:2000年08月23日(水)01時12分17秒
そう言いながら紗耶香は階段を上がってきた。
よく見ると、背格好や身長はたしかに女の子だった。
けど、すごい男前なルックス。
「・・たく、また来たのかよ〜、・・あれ、さっきの・・」
「あの、今日はありがとうございました」
「ねえ、サヤカァ。誰なのぉ、この女〜」

甘えたような声で彼女は紗耶香に問いかける。

(なんだ、この女。気にいらねぇ〜)

「今日、そこの彼女が道端でパンクしてたから直してあげたんだよ」

そう言ってからみついてるカオリとかいう女の手を振り解き
私に話しかける。

「どうしたんですか、よくここがわかったね」
「あの、さっきの場所であなた、財布落としていったんで
 悪いと思ったんだけど、中に入ってた免許の住所を頼りに届けに来たんです」
「え!うわー、ホントだ。すいません、わざわざ」

彼女は自分のお尻をパンパン叩いて、初めて財布が無いのに気がついたようだ。

「いえ、困ってると思ったんで早い方が良いかなって」
「助かりました。本当にどうもありがとう」

紗耶香の後で、例の女がふてくされた顔でいる。

「ねえ、サヤカァ、早く部屋はいろうよ。ここ寒い!」

(くそ〜、ホント性格ワリイな〜、この女・・)
16 名前:負け犬 投稿日:2000年08月23日(水)01時13分06秒
「勝手に押しかけてきてなんなんだよ、お前は・・
 すいません、コイツなんか失礼なこと言いませんでした?」
「あ、いえ何も・・」
「もし、よかったら上がってって。お礼にお茶でも入れるから」
「いえ、とりあえずお礼も兼ねてきただけなんで。
 今日は、本当にありがとうございました」

そう言って、私は足早にその場を後にした。

「あ・・」
「ねえ〜、サヤカァ〜」
「あー、もう、うるっさいな!手え、離せって!」

彼女達は上で、まだ何かを言い合ってた。
なんか、気分が悪い。やっぱり、警察に届ければ良かった。
17 名前:負け犬 投稿日:2000年08月23日(水)01時14分27秒

一方、ここは紗耶香の部屋。
いがみ合いながら紗耶香の部屋に入ってくる二人。

「だから、あの子は今日初めて会ったばかりで
 パンクを直してあげただけって言ってるだろ!!」
「うそ!サヤカのあの子を見る目、私と違ったもん」
「そりゃ、ちがうよ。だって、わたしカオリの事嫌いだもん」
「なによ!その言いぐさ!
 そうやっていつも、カオリの事邪険にして」
「まったく、なんなんだよ、ほんとに!」

そう言って、荷物を部屋に放り投げる。
こういう仕草はどこから見ても男そのものだ。

「カオリ、お前、あの子にまた余計な事言ったでしょ
 私の事変な目で見てたもん」
「・・・」

圭織は黙ったままサヤカを見つめる。
18 名前:負け犬 投稿日:2000年08月23日(水)01時15分38秒
「・・カオリ?」

紗耶香が問い掛けたその時、圭織は紗耶香にいきなり抱きつく。
そして、乱暴に紗耶香に唇を重ねた。
抵抗しない紗耶香。
しばらくそのままにしていた紗耶香は
やがて、ゆっくり圭織を体から離す。

「ねえ、サヤカ・・」
「カオリ。もう、こうゆうのは辞めにしようって・・」
「真希の次はあの子なの?」
「・・・」

急に顔つきの変わる紗耶香。
カオリは慌てて口を押さえる。

「あ、・・ごめん、言い過ぎた・・・」
「カオリ、もう今日は帰りなよ・・」
「サ、サヤカ・・」
「帰れっ!!」

圭織を怒鳴りつける紗耶香。
すっかりさっきの勢いがなくなった圭織は紗耶香をみつめる。
紗耶香は大きな溜息をつき小さな声で呟いた。

「ごめん、カオリ。悪いけど、今日は帰って・・」
「・・うん、それじゃ、また来るね・・」

そう言って、部屋を出る圭織。

(だって、しょうがないじゃん。サヤカのこと好きなんだもん)

一方、圭織のいなくなった部屋で紗耶香はベットの上に体を放り出す。

「真希・・・」
19 名前:負け犬 投稿日:2000年08月23日(水)02時07分02秒
・・・というわけで、今日は以上です。
レス下さる方、ありがとうございます。
励みにしてますのでまたおねがいします。

すでにごまが出てきてしまいましたが(笑)
今回はあくまでいちまりでいこうと思ってます。
いちごまファンの方、ごめんなさい。
20 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月23日(水)02時10分15秒
えっ?えっ?紗耶香は真希が好き?
これは続編ですよね。真希はよっすぃ〜とじゃなかったか?
う〜ん、謎は深まるばかり。でも、面白い。
期待してまっす!
21 名前:I&G 投稿日:2000年08月23日(水)03時10分49秒
いちごま王道、でも市井X矢口大好き。
しかし、いちかおもすてがたい。
むむむ・・・。どうしたらいいんだ。
22 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月23日(水)03時16分14秒
離れていた2年の間にごまは市井と付き合ってたなか?
いちごまが気になる・・・
でも、さやまりの幸せを祈ってますです。
23 名前:読んでる人 投稿日:2000年08月23日(水)08時41分29秒
飯田はほんとに飯田らしくていい。ストーリーをかき乱してくれるキャラとして期待大。
24 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月24日(木)05時10分39秒
この話が続きと知り即出逢ってしまった2人を読まさせてもらいました。
すんごくオモロイです。
いちごまの関係はいったい何なのですか?あ〜続きが気になる
25 名前:まいのすけ 投稿日:2000年08月24日(木)17時07分04秒
展開が面白いっす。
今度こそ、矢口が幸せにねれますよーに!!
26 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)03時55分36秒
作者です。
強引に話をつなげてしまった事を今更ながら後悔してます。
全然話が進まない。

そんな中、少しですが更新したのですが、話はあんまり進んでません。
次の更新はいつになる事やら。
では、どうぞ。
27 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)03時57分08秒
(あ〜あ、今日もバイトか・・)

高校を卒業したもの何も進路が決まっていない私は
今までのコンビニのバイトを続けるしかなかった。
ひとみは結局あの日以来、バイトには来ていない。
なんとかよりを戻したいと思ったりもしたけど
あの時のひとみの顔を見て自分が入りこむ隙など
どこにもないことは明らかだった。

(すこしずつ、明るい矢口に戻らなきゃね)

落ちこんでいるのは性に合わない。
そう言い聞かせながら毎日を送っていた。

「いらっしゃいませー! あ・・・」

そんなことを考えてる時、店にあのサヤカが現れた。

「あ・・・このまえの・・」

風呂あがりなんだろうか・・髪がオールバックみたいにかきあげてる。
やっぱり、男前だ・・
28 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)03時57分51秒
「ここのコンビニでバイトしてたんだ」
「そうなんです。あ、この前はどうもありがとうございました」
「いや、なんかすごいみっともないところ見せちゃって・・」
「いえ、ただ、あのカオリさんでしたっけ? わたし、圧倒されちゃった・・」

『むかついた』なんてとても言えず言葉を濁した。

「そういえば、ずっと気になってたんだけど、
 あなたの名前聞いてなかったよね ・・・矢口さん、っていうんだ」

サヤカは私の名札を見て言った。

「矢口真里です。よろしく・・」
「あの、この前の・・」
「え?」
「カオリはね、ただの幼なじみで別に変な関係じゃないから」
「はあ・・」
「はは、そんな事誰も聞いてないよね・・
 そうだ、わたし買い物に来たんだった、え〜と、マルボロ1個・・」

(たばこ〜? たしか、17歳なのに・・)

「じゃあ、がんばって」
「はい、ありがとうございました・・」

(なんだ、ただの幼なじみだったんだ・・)

戸惑う反面、心の中で妙に安心している私がいた。
なにを考えてるんだ。失恋したばっかりで、もう違う人に・・
そう思いながら、私を店を出ていったサヤカをいつまでも目で追っていた。

29 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)03時58分52秒
それからというものサヤカはしょっちゅう店に来るようになった。
買うのは、なぜかいつもタバコだけ。

「なんか、サヤカさん、いつもタバコしか買わないね」
「あ、なんか他に買ったほうがいい?」
「そうでなくて!サヤカさん、たしか17さ・・うぐ・ぐ」
「ハハハ・・何いってんのさ!(しーっ、大きな声で言っちゃダメ!)」

彼女はそう言うと慌てて私の口を押さえた。

「もう!知らないよ!おまわりさんに通報しちゃうから」
「さー、真里ちゃんが何を言ってるのか、わたしにはさっぱりわからないわ・・」
 
いつのまにか紗耶香とこんな会話ができるまでになっていたのに驚いた。
正直言うと、興味はありつつ自分とは住む世界の違う人だと思っていたし
改めて話してみると、違った紗耶香の魅力に惹きこまれていく気がした。

「はい、はい、どうもありがとうございました〜」
「あ、そうだ、真里ちゃんさー」
「なに?」
「今度、家においでよ」
「・・え?」
「この前の財布のお礼してないしさ」
「別にそれは・・・」
「あとさ、サヤカさんってなんか照れくさいからさ、サヤカでいいよ!」
「・・・」
「じゃあね!真里ちゃん」

びっくりした。心臓がドキドキした。
ひとみの時とは全然違う不思議な胸の高鳴りが私を襲っていた。
30 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)03時59分38秒
ここは紗耶香のアパートの前。
紗耶香はアパートの階段を駆け上がると部屋の前に圭織が立っていた。

「カオリ・・」
「サヤカ、どうして全然電話に出てくれないの・・」
「・・・」
「他に好きな子できた?」
「・・・カオリ・・わたし達、もう会わないほうがいいよ」
「なんで・・・カオリのことキライになった?」
「そうじゃやない。けど・・」
「・・・まだ、真希の事忘れられないの?」
「・・・」
「だったら、それでいいよ。カオリがあの子の事なんか忘れさせてあげるから
 だから、もう会わないなんて言わないで!」
「わたしがカオリにしたことは本当に悪いと思っている。
 でも、わたしはやっぱりカオリとは付きあえな・・」
「悪いなんて言わないで!カオリはあの時死ぬほどうれしかったんだよ」

圭織は大粒の涙をぬぐう事も忘れ紗耶香に詰め寄る

「ごめん、カオリ。わたしが全部悪いんだ」
「いやだ!ずるいよ、サヤカは。そうやっていつもカオリから逃げるんだ」
「カオリ・・」
「カオリ、絶対諦めないから!」

圭織は泣きながら部屋を飛び出した。
紗耶香はうつむいたまま動かない。

「最低だよね・・わたしは」

真っ暗な部屋の中、紗耶香ベッドの上から窓の外を眺めている。
タバコの煙を外に吐き出しながら紗耶香は今までの事を思い出していた。
31 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)04時00分19秒


「ねえ、市井ちゃん、バイク乗せてよ〜」
「だめだよ、こけたら危ないだろ!」
「だいじょうぶだよ〜」
「だめ!」
「ぶ〜、けちぃ〜〜、でも乗っちゃうもんね」
「こら〜、真希降りろ〜」
「もう、真希ちゃんは動かないのであった」
「ったく、しょうがねえな〜」

「市井ちゃんってさ、なんか、お兄ちゃんみたいだよね」
「あのな〜、わたしは女だよ!」
「いいじゃん、わたしにとってはお兄ちゃんなの!」
「・・・なんか、うれしくねぇ〜〜」
「なんでよ〜〜」
「せめて、恋人とかさ・・」
「え、何?聞こえなかった」
「いや、何でもないよ。何でも!アハハハ」
「変な市井ちゃん・・」
32 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)04時00分54秒
「市井ちゃん・・・今、なんて・・」
「好きなんだよ、真希の事が」
「市井ちゃん・・」
「おかしなこと言ってるのはわかってる。でも、こんな気持ち初めてなんだ」
「・・・わたし市井ちゃんのこと、そういう風に思えないよ・・」
「・・・」
「ごめんね、市井ちゃん。わたし、他に好きな人がいるの・・・」
「・・・真希」
「だから、市井ちゃんの気持ち受けとめられないよ」
「そっか・・」
「でも、市井ちゃんはずっとわたしのお兄ちゃんだから」


「え!?」
「市井ちゃん、今までありがとうね」
「今、なんて言った?」
「わたし、今月いっぱいで引っ越す事になったから」
「そんな・・」
「市井ちゃんには迷惑かけっぱなしだったよね、ごめんね」
「・・・」
「元気でね、いちいちゃん!!」

「行かないで!真希!!」


33 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)04時01分47秒


「どうしたの、サヤカ。そんなに落ちこんじゃって」
「・・・」
「カオリが何か美味しいもの作ってあげるよ」
「カオリ・・・」
「ちょ、ちょっとサヤカ!どうしたの」
「カオリ!」
「え、ちょっと待って!・・・あ・・」

「・・・さ・・やか・・ んふっ・・ど・うした・のぉ・・あっ!」
「・・あん・・ああっ!」
「あ、ダメぇ・・ くうっ、うふぅ、サヤカァ・・」
「ハア、ハア・・サヤカ、好き・・好きだよ・・」
「カ・オリ・・もう、だめ・・ああっ! あーーっ!!」

「サヤカ・・」
「カオリ、ごめん・・」
「いいんだ、真希となんかあったんでしょ?」
「・・・」
「理由はどんなであれ、カオリを抱いてくれた事がうれしい」
「・・・」
「カオリはサヤカだけを見てるから・・」
「・・・」
「大好きだよ・・サヤカ・・」



ベッドの上で頭を掻き毟る紗耶香。
とてつもない孤独感と罪悪感に押しつぶされそうになっていた
34 名前:負け犬 投稿日:2000年08月25日(金)04時04分15秒
本日は以上です。

なんかわけわかんなくなってきてしまった。
まったくもって小説は難しいなあ・・・
35 名前:サンジ 投稿日:2000年08月25日(金)16時21分47秒
市井ちゃんはゴマキにフラれたんすかぁー・・・。
36 名前:まいのすけ 投稿日:2000年08月25日(金)18時38分16秒
マルボロってコーコーセーっぽいな。
作者さんも矢口も頑張れって感じですな!
37 名前:さやまり 投稿日:2000年08月25日(金)22時46分08秒
よっしゃー! さやまりだー!
かなり嬉しい。
38 名前:さやまり 投稿日:2000年08月28日(月)23時53分42秒
この小説、めっちゃ好きや。
もう七回くらい読み直してしまった。
作者さんがんばれ!
39 名前:読んでる人 投稿日:2000年08月29日(火)00時43分01秒
やっぱりここでも飯田さんは報われないのかな?かわいそう・・・
40 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)02時06分31秒
作者です。

この週末はずっと行き詰まってましたが、なんとか先が見えました。
・・が、なんか思った以上に重い作品になってしまいそうです。

>さやまりさん
続けてのレスありがとうございます。
挫けそうになったけどなんとか更新しました。
ただ、お気に召すかどうかは・・

とにかく、どうぞ。
41 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)02時07分56秒
私はその日、サヤカの家の前まで来ていた
サヤカの言う事をうのみにして本当に家に来てしまったのである

(家においでよって言われて、本当に来るとは思わないだろうな〜)
(会いに行きたいって伝えたくても、電話番号も知らないし・・)
(そうだ!電話番号聞きに来たって言えば良いんだ!!)
(でも、ムッとした顔されたらどうしよう、立ち直れないよ)
(そもそも、失恋してそんなに経ってないのにこんなことでいいのか〜)

勝手に自問自答しながら家の前をうろうろしていた。
傍から見たらただの挙動不審者だ。

「真里ちゃん!」
「え?」

アパート階段の上からサヤカが私を眺めていた

「そんなとこで何やってんの」
「え、いや、あの、その、アハハ・・・」
「なんか声かけて良いものかわかんなくってずっと眺めちゃった」

私は全身の血が一気に逆流するのを感じた。恥ずかしい・・

「はいりなよ」
「へ?」
「本当に来てくれたんだね、すごいうれしい」
「サヤカさん・・」
「だから〜、サヤカでいいってば!」
42 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)02時09分14秒
「おじゃましまぁす」
「ごめんね、散らかってるけど」
「こっちこそ、突然来ちゃってごめんね。でも、わたし、サヤカの電話番号知らないし」
「そうだよね。でも、本当来てくれるなんて思わなかったよ」

わたしは所在無くサヤカの部屋を見渡した。
女の子にしては飾りっけの無いシンプルなインテリア。
ふと、チェストの上にある写真立てを見た。
サヤカが可愛い女の子と一緒に写ってる。
(あの女の子、どっかで見たことが・・・)

「そういえばさー、真里ちゃんって、彼氏いるの?」
「え?」
「なんか、真里ちゃんって可愛いじゃん。女の私から見ても
 彼女にしたいなって気がするから、たぶん、もてるんだろうなってね」

顔が真っ赤になるのを必死で隠すためにあわてて両手をバタバタ振った。

「そ、そんな事ないよぉ〜、はずかしいよ〜」

サヤカはクスッと笑った。
43 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)02時10分07秒
「真里ちゃんは年上って感じがしないね」

そういってサヤカはわたしの頭をイイコイイコした。

「なによ、年下のくせにバカにして〜」
「へへへ、だって可愛いんだもん」

完全に子供扱いだ・・
悔しいので私も切り返した。

「そういうサヤカこそどうなのさ。この前のカオリさんは
 本当はどういう関係なの?彼女はサヤカのこと『恋人』って言ってたんだよ」
「えっ?あいつ、そんな事言ってたの?」
「うん・・」
「あいつが勝手に言ってるだけだよ。カオリとは何にも無いよ・・」

なんで、こんなこと聞いてるんだろう。
まるで、嫉妬してるみたいだ。カオリにそして、写真の女の子に・・
44 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)02時11分10秒
「ねえ、真里ちゃん」
「え、何?」

サヤカの顔が突然、真剣になった。

「私、真里ちゃんと付き合いたい」
「え!!?・・」

突然の告白に頭が真っ白になった。

「ちょ、ちょっと待ってよ。わたし達この前会ったばっかりなのに・・」
「なにか、おかしい?」
「だって、そんな突然・・わたし、まだ気持ちの整理・・・」

私が言い終わるまでも無く、サヤカは突然わたしを抱きしめた。

(きゃ、きゃあ〜〜〜・・・どうなってんの・・)

「さ、やか・・・」

サヤカは何も答えない。
45 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)02時15分25秒
「ガチャ・・」

その時サヤカ部屋のドアが空いた。そこには圭織が立っていた。

「なにやってんの・・サヤカ?」
「カオリ・・・」

わたしはとっさにサヤカから離れた。

「なにやってんの、って聞いてるんだけど・・」

カオリの顔は寒気を感じるほど冷たいものだった。
わたしは思わずサヤカの後に隠れてしまった。
でも、サヤカは冷静だった。

「前も言っただろう。カオリとは一緒にいられないって」

(え?)

「やっぱり!カオリとは遊びだったの?」
「・・・」
「答えなさいよ!」
「ああ!そうだよ!寂しさ紛らしにカオリと寝た!
 カオリとはそれだけだよ!!」

(え?え?)

「パシッ」

カオリがサヤカの頬を叩く

「ひどいよ・・」
「私はこんな女だよ・・」」
「バカ!! サヤカなんてサイテー!!」

カオリは勢いよく部屋を出てった。
わたしはただ呆然と立ち尽くしてるだけだった。
(寝た・・カオリと・・なんで・・)
46 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)02時17分01秒
ごめんなさい。
ちょっと、修正する箇所が出たので今日は以上です。
続きは明日更新します。
47 名前:さやまり 投稿日:2000年08月29日(火)09時45分13秒
う〜ん。
ここのいちーちゃん、めちゃカッコイイ。
いちーちゃんの後ろに隠れたヤグチ。
めっちゃかわいい・・・。

作者さんがんばれ。
オイラも何度か挫けそうになった。
48 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)22時52分24秒
作者です。
なんとか、完結できそうです。
なんか、とんでもない方向に行ってしまいましたが・・

ダラダラと更新してきましたが、やっと前へ進めます。
応援してくれた方、ありがとうございます。
では、どうぞ
49 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)22時53分43秒
「サヤカ・・」
「ごめん、真里ちゃん。軽蔑したでしょ?、最低でしょ・・」
「・・・」

サヤカは大粒の涙を流していた。
そして、私がいるにもかかわらず声をあげて号泣し始めた。

「サヤカ・・」

私は気がつくとサヤカを自分に胸に抱いていた。
サヤカは子供のようにずっと泣いていた。
わたしはサヤカの髪の毛をずっと撫でていた。

どうしてだろう?
なんで、あの時サヤカを抱きしめたんだろう・・
自分でもよくわからない。
サヤカにわたしと同じものを感じたからだろうか・・
50 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)22時54分55秒
どれくらい経っただろう。
落ちついたサヤカはポツリポツリわたしに話し始めた。

「好きな子がいてね。ずっと言えずにいたんだ
 その子、わたしの事、お兄ちゃんみたいだって言うんだもん。
 わらっちゃうよね・・」
「・・・」
「結局、告白したんだけどふられちゃった。おまけにその子
 引越ししちゃうしさ・・」
「あの写真の子?」
「・・・なんか、無性に寂しくて・・・
 そんな時、いつも近くにいたカオリを抱いた・・」
「・・・」
「でも、本当に好きじゃない子を抱いても空しいだけ・・
 カオリには申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、
 でも、やっぱりカオリの事は愛せなかった」
「・・・」
「そんなとき、真里ちゃんと会って、なんとなく毎日が楽しくなったの。
 いつもタバコ買いに行くだったけど、それが楽しくて・・」
「・・・」
「でも、それも今日で終わり。こんなわたしを見て軽蔑したでしょ?」
「・・」
「今日は来てくれてありがとう。うれしかった・・」
「サヤカ・・」
「もう、コンビニにも行かないよ・・」
51 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)22時56分11秒
「サヤカ!!」
「・・真里ちゃん?・・」
「私の意見、なにも聞かないで勝手に決めないでよ!」
「え?」

わたしはそう言ってサヤカの手を握った。

「真里ちゃん・・」
「わたしは!これからもサヤカに会いに来ます!」
「・・・」
「サヤカが会いたくなくても会いに来ます!!」
「・・・」

なんだか涙が出てきた。こんなはずじゃないのに・・

「わたしは・・サヤカが好き・・一緒にいたい・・」
「真里・・」
「なんでだか、わかんないよ!」
「・・・」
「なんでだかわかんないけど、でも、一緒にいたいんだもん!!」
52 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)22時56分54秒
涙がボロボロ出てきた、メチャクチャカッコ悪い・・

「だから、これで終わりなんて言わないで・・」
「真里ちゃん・・」
「サヤカのこと・・好きだから・・」

サヤカも泣いてる。なんで二人して泣いてるんだろ・・
ムードもへったくれもあったもんじゃない。

「真里ちゃん・・わたしで・・いいの?」
「そばにいてほしい・・」

そう言うと今度はわたしがサヤカの胸に飛び込んだ。

「真里・・」

サヤカはわたしにキスをした。
涙に濡れたサヤカの唇は少し冷たかった・・
53 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)22時57分40秒
「カオリとはけりをつけるよ・・・」

あれからしばらくしたある日、ふたりで食事をしてると
サヤカを突然そう呟いた。

「つけるって・・どうやって?」

私は不安になった。
カオリのあの時の冷たい目が忘れられない。

「カオリと会って話をする・・」
「サヤカ・・」
「だいじょうぶ、心配要らないよ・・」
「でも・・」
「明日、カオリに全部話すよ。自分の気持ちを洗いざらい・・」
「・・・」
「話が終わったら、真里に電話するよ。そうしたら、一緒にご飯でも食べよう、ね」

サヤカは次の日、カオリを呼び出すことにした。
私はいてもたってもいられなかった。
サヤカから電話があるまで待とうと思っていたが
とても待てるような心境ではなかった。
54 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)22時58分56秒
「ピンポーン」

「はい・・どうぞ」
「こんにちは、なんか、ひさしぶりだね」
「そうだね・・」

圭織は紗耶香に呼び出され約束どおり紗耶香の部屋に来た。
部屋の中は重苦しい空気が漂ってる。
紗耶香は黙ってキッチンでコーヒーを入れている。

「どうして呼び出したの?」
「え?」
「もう、わたしと話す事なんて無いでしょ?」
「・・・」
「それとも、カオリの事好きになってくれるの?」

紗耶香は無言でコーヒーを持ってくる。
再び沈黙が二人を襲った。
55 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)22時59分50秒
「・・・ちゃんと、」
「ちゃんと、何?」
「ちゃんと、お別れしようと思ってさ」
「・・・」
「カオリにはホントにすまない事をしたと思ってる。
 だからといって愛情も無いのに一緒にいるなんてできないよ」
「・・一緒にてくれるだけでいいっていったじゃん。
 それ以上、カオリは望まないよ・・」
「そんな事はできない。それに・・」
「それに?」
「他に好きな人がいるんだ・・」
「・・・あの子なんだね?・・」

紗耶香は黙って頷いた。

「だから、カオリとは、もう一緒にはいられない」
「・・・サヤカ・・」
「ごめんね・・カオリ」
56 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)23時00分50秒
圭織は黙ってうつむいている。
長い沈黙が二人を包んでいたが
やがて、圭織は小刻みに体を振るわせ始めた。

「ククク・・」
「・・・カオリ・・」
「ふざけないでよ! 何、調子のいい事言ってるの!!」
「・・・」
「サヤカは・・カオリのもの・・」
「カオリ・・」

圭織はバックから何かをを取り出した。

「カオリ、絶対離れない・・」
「!!」
57 名前:負け犬 投稿日:2000年08月29日(火)23時02分43秒
圭織が取り出したのは果物ナイフだった

「ピンポーン」

外ではドアホンを鳴らす音がする。

「・・サヤカはね・・私とずっと一緒にいるんだよ・・」
「カ、オリ・・」
「こうやって、ずっと一緒にね・・」
「やめろ!!」

外ではドアホンが鳴り止まない。狂ったように鳴りつづけている。

紗耶香は圭織に飛びかかった。
圭織と紗耶香はもみ合う形になってしまった。そして・・

「ド、ン!」

鈍い音ともに二人の動きが止まった・・

「バタン!」

その時、紗耶香の部屋が開けられた。
真里が部屋の様子を見て愕然としている。
そして、真里は大声で叫んだ。

「い、いやーーー!!サヤカーッ!!」」
58 名前:読んでる人 投稿日:2000年08月29日(火)23時28分03秒
や、やめてくれ!!
59 名前:さやまり 投稿日:2000年08月29日(火)23時55分41秒
うお。
ど、どーなるんだ・・・?
60 名前:名無しさん 投稿日:2000年08月30日(水)00時30分08秒
おいおいどうなるんだ?
61 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)00時42分40秒
私はただならぬ悪い予感にいてもたってもいられず
サヤカの家まで来てしまったのである。
何回もドアホンを鳴らしたけど誰も出てこなかった。
中には明らかに誰かいるのに・・
私の不安は最高潮に達していた。その時、部屋の中から「やめろ!!」
って言うサヤカの声が・・

あとは何も覚えていない。
気がつくとサヤカは部屋に横たわっていた。
お腹から血をたくさん流して・・・
カオリはまるで、夢遊病者のように、ただ突っ立っているだけだった。
62 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)00時44分59秒
「サヤカー!!」
「カ、カオリ・・・に・・げ・・」

サヤカが何か喋り始めた。わたしはサヤカのもとへ飛びついた。

「ま、真里・・ カオリを逃がして・・」
「え?」
「カオリに・・この・・部屋から・・離れさせて・・」
「・・・サヤカ・・」
「は、はやく!!」

サヤカの意としてる事がわかったわたしは
呆然としているカオリの肩をゆすった。

「聞こえたでしょ!サヤカの言う通りこの部屋から離れて!」
「・・・」
「はやく!!」
「・・・サヤカ・・」

ダメだ、目が虚ろになってる。
わたしはカオリの頬を叩いた。
63 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)00時46分22秒
ダメだ、目が虚ろになってる。
わたしはカオリの頬を叩いた。

「サヤカの気持ちがわからないの!!『逃げろ』って言ってるの!!
 ここに居ると、あなたは警察に捕まっちゃうのよ!!」

カオリは我に返ったとたん、急に泣き出した。

「サヤカ・・サヤカ・・」
「早く!!おねがい!!」
「サヤカ、ごめんなさい!ごめんなさい!・・」

カオリは泣きながら部屋を出ていった。
わたしはカオリが部屋を出ていくのを確かめると慌てて救急車を呼んだ。

「真里・・カオリは行った?」
「サヤカ、大丈夫だよ!だから、もう喋っちゃだめ!」
「ありがとう・・」
「あれで、よかったんだよね?サヤカ・・」
「うん・・」

サヤカは微笑みながら頷いた。

64 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)00時48分48秒
それからは大変だった。
結局、サヤカは変質者に家に押し入られて襲われたという事になり
わたしはその第一発見者ということになってしまい事情聴取を受けた。
警察官は死ぬほど怖かった・・・。
サヤカは命に別状は無かったもの三週間の入院をする事になった。

その日は退院を3日後に控えてた日、
わたしはいつもどおり、サヤカの見舞いに行った。

「おっす!げんき〜」」
「ういっす、真里!」

「もうすぐ、退院だね〜」
「うん。早く外でたいよ〜。タバコも吸いたいし、あ・・」
「サヤカ〜、まだそんな事言ってるの〜〜」
「うそ、うそ。冗談だって、ハハハ・・」
「どうだか。サヤカ、うそつきだし・・」
「・・・」

サヤカは急に黙ってしまった。
さすがに言い方がまずかった。わたしは慌てて弁解した。
65 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)00時50分11秒
「あ、ごめん・・そういう意味じゃなくて・・」
「・・・今朝、カオリがここに来たよ」
「え・・」
「ずっと泣いてた・・警察に行って自首するって」
「サヤカ・・」
「なんとか説得したよ。それだけはやめてって・・」

わたしはなんて言葉をかければいいかわからない。
サヤカは瞳を潤ませている。

「わたしが泣いてる立場じゃないんだよね。
 本当はこれくらいされて当然の事をカオリにしたんだし」
「サヤカ・・」
「カオリね、真里にごめんなさいって伝えて欲しいって言ってたよ」
「え?」
「もう、二人のことは邪魔しないからって・・・」

サヤカは唇を噛み締める、頬には涙が伝っている。
そんなサヤカを見てわたしも涙があふれてきた。

「わたし・・いろんな人を傷つけちゃった・・」
「サヤカ、わたし、ずっとサヤカの傍にいるから・・
 ずっと、一緒に・・」
「ばかだな・・真里まで泣く事無いのに」

そういってわたしの頭を撫でるサヤカ。

「ごめんね、真里・・・」
「サヤカ・・」
66 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)00時51分04秒
次の日、退院するサヤカはわたしは迎えに行った。
わたしが病院に着くとサヤカは病院の先生や看護婦の人と
玄関で話をしていた。
お辞儀をして病院のエントランスを出てくるサヤカ。
サヤカはわたしに気がついたみたいだ。

「おまたせ、真里」
「よかったね、無事退院できて・・」
「なんだよ〜、また、泣いてんのか〜」
「ち、ちがうよ!これは埃がね・・」

わたしは涙をこらえるのが精一杯だった。
そんなわたしをさやかはからかう。
67 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)00時54分47秒
そのあと、私達は車で海まで出かけた。
サヤカがどうしても行きたいっていうので
本当は家でゆっくり休んでもらいたかったんだけど・・

私はサヤカと一緒に浜辺を歩いた。
サヤカはまだ足がおぼつかない。
私はサヤカを支えながら寄り添って歩いていた。

「キレイだな〜」
「うん、たまに来るとこんな海でもね・・」
「何言ってんの」
「へ?」
「わたしは真里の事言ってんだよ」
「へえっ!?」
「いつもは可愛い真里ちゃんだけど、今日はきれいだなって」

わたしは顔から火が出るかと思った。
恥ずかしくてサヤカの顔が見れない。

「なに照れてんのさ〜、かわいい」

そう言って私の頭をイイコイイコする紗耶香
すっかり子供扱い。

「もう!年下のくせにバカにして〜」
「アハハハ」

そう言ってサヤカはおぼつかない足で走り始めた。

「ちょっと〜、走り回ったりすると傷口が〜」

わたしはまた泣きそうな声でサヤカを追いかける。

「大丈夫だよ!真里がいるもん」
「サヤカ・・」

サヤカはそう言って振り返ると
わたしの方を見て優しく笑っている。
68 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)00時58分33秒
「真里と出会えて良かった」
「え?」
「わたし、真里といつまでも歩いていきたい」
「・・・サヤカ」

私はこみ上げてくる涙をこらえて強がりを言ってみた

「ふ〜んだ、わたしはサヤカと出会わない方が良かったよ〜だ」

(うそよ、サヤカと出会わなかったら・・)

サヤカはつぶやいた

「大好きだよ、真里」

そんな優しい瞳で言われちゃうと・・
もうだめだ、こらえきれない・・
わたしはサヤカの胸に顔をうずめる。
わんわん、泣いてしまった・・

「もう、ふたりだけだね・・」
「ひっく・・」
「ずっと、一緒にいようね・・」
「うん・・」
「ありがと、真里・・」

サヤカは両手で私の頬を優しく触れる
そして、今度は暖かい唇で私の唇をつつんだ。

「・・愛してるよ・・サヤカ」


END
69 名前:負け犬 投稿日:2000年08月30日(水)01時04分33秒
以上で完結です。
応援してくださった方、ありがとうございました

まず、飯田ファンの方。
ごめんなさい、散々な役回りにしてしまいました。
また、強引な内容は笑って許してください(笑)
お叱りのレス、お待ちしております・・

次は誰も傷つかない甘甘なものに挑戦しようかな・・
70 名前:さやまり 投稿日:2000年08月30日(水)02時01分10秒
よかったっす。
自分はあの二人が幸せであれば。
もちろん、全員幸せが一番なんですけどね。

甘甘もの・・・。
出来れば、やっぱさやまりがいいんですけど・・・。
71 名前:読んでる人 投稿日:2000年08月30日(水)02時04分22秒
飯田さんがかわいそうだけど、こういう役をやらせると天下一品ですね。
なんにしてもバッドエンドじゃなくて良かったです。お疲れ様でした。
次の甘甘も期待してます。
72 名前:まいのすけ 投稿日:2000年08月31日(木)07時52分54秒
市井が刺された時は、どうなる事かた思ったけど
幸せな終わり方でよかったです。
お疲れ様でした。次回も頑張って下さい。
73 名前:Hruso 投稿日:2000年08月31日(木)23時59分42秒
お疲れさまでした。
さやまりもいいですね。
カオリは、こういうのがはまり役でスカね。
次回作のあまいの、期待してます。
74 名前:まりっぺ大好き 投稿日:2000年09月01日(金)02時56分58秒
お疲れ様でした。
良かったです。

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