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ぼいるえっぐ
- 1 名前:ゆっき〜 投稿日:2000年08月29日(火)12時14分37秒
- 何よ。純情そうな振りをして、私を騙したのね。
そう言って僕の前から僕に抱かれた女は去っていく。
誰も純情そうにしていない。
親がこんな顔に生んだだけ。
結局あなたは僕の外面を愛しただけ。
誰も本当の僕を愛しちゃくれない。
しかし君は違ったね。
その天使のような顔で『優しいあなたが好き。』そう言ってくれたね。
人に初めて言われたその言葉が僕にとってどれほど嬉しかったか君は知らない。
僕があの人を見てる振りをして君を見ていたことを君は知らない。
だって君はあの人のもの。
いつもあの人と2人でじゃれてたね。
嬉しそうな君に僕は何もいえない。
嫉妬の眼で見ていた僕を君は知らない。
- 2 名前:ゆっき〜 投稿日:2000年08月29日(火)12時16分52秒
- すいません。間違えました。もうこれは気にしないで下さい。
- 3 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月02日(土)02時19分29秒
- ちょっと借ります。
いちごまで駄作書いてみました。わけわからないかもしれませんが、気にせずに。
- 4 名前:1秒 投稿日:2000年09月02日(土)02時20分32秒
- 「じゃあ、みんなありがとね。」
そう言って私は後ろを振り向いた
君の無理に作ってる笑顔が苦しくて
それ以上は見ていることができなかったから…
一生懸命笑ってても「寂しい…」ってその瞳で縋り付いてくる
君の笑顔が好きだけど、今の笑顔は嫌い
愛しさに溢れすぎていて溺れそうになるから
一度決めたらテコでも動かない私だけど
そんな伝説も崩れそうな気がしてくるよ
「コノヤロゥ…」
誰にも聞こえないように、そっと、そっと呟いた
さっきまで大きいけど軽かった荷物が急に重くなった
でも、後ろを振り向いたらもう先へは進めない気がしたから
重くなった荷物を必死で引っ張って歩いた
だいぶ引きずって、だいぶ進んだようで進んでない微妙な距離
「君への気持ちに似てる…かな?」
そんな事を思いながら少しずつ近づいてくる人の波の中へ埋もれていった
- 5 名前:1秒 投稿日:2000年09月02日(土)02時21分56秒
- 人の群れは私の方、いや、私の荷物を目で追っている
「なんだろう?」
「いやぁ…しっかしさっきから荷物マジで重いんだけど」
「何もそんな重たいもの入れてないのになぁ」
疑問に思いながらそれでも構わず進んだ
前へ 前へ
ふと、1人の少年がこちらに近寄ってきた
「おねえちゃん、何やってるの?」
「???」
「だって、ほら…」
指す方向を目で追ってみると…
「後藤!」
大音量で叫んでしまった
「何やってんだよ!」
「だって市井ちゃんと離れたくないんだもん…」
「嫌だ…行かないでよ…」
そんなこと言うなよ、そんなこと言われたら伝説崩れるだろう
「…」
「ウソ」
「はぁ?」
「ウソって、アンタ…いったい…」
「ホントはこれがしたかったの!」
「? 何だよ」
「!!!!!」
「じゃあね、手紙書いてよね!」
「バイバイ」
「あっ!ちょっと、後藤〜バイバイって…」
この唇の感覚は忘れない
寂しいとき
辛いとき
この唇の感覚を思い出せばまた明日も生きていける
楽しいとき
嬉しいとき
この唇の感覚を思い出せば何倍にも膨らむ
- 6 名前:1秒 投稿日:2000年09月02日(土)02時23分18秒
- 後藤へ
出発の時はびっくりしたぞ!
だっていきなりキスしてくるんだもん
でも、嬉しかった
今度はあんまり人気のない所にしてよね
あの後ちょっと大変だったんだからさぁ
ちゃんとお礼言いたかったのにダッシュで行っちゃうんだもん
「あっ」って思った瞬間にはもう見えなくなってたからね
あんなに足速かったっけ?
"ありがとう"っていう気持ちを込めて詞を書いてみました
- 7 名前:1秒 投稿日:2000年09月02日(土)02時24分07秒
- 「1秒」
前触れもなく傷つけてしまった夜
嫌われた方が楽になれるのかな
一生懸命笑ってる君が辛くて
必要以上に避けていた気がする
見てみないフリをして
互いに意識し合って
どこか隠すことが当然で
歯がゆい日々を過ごしてたよ
"ありがとう"君に会えたことが
人生で最大の宝物
"ありがとう"君を愛せたことが
人生で最大の宝物
いつまでも待っていてとは言わないけど
1秒くらいは思い出して欲しい
君のことを愛している私を
何もしてあげられないけど…
"ありがとう"君に会えたことが
人生で最大の宝物
"ありがとう"君を愛せたことが
人生で最大の宝物
"ごめんね"自分のわがままに
君の笑顔を巻き込んじゃって
"ごめんね"何気ない言葉で
君の笑顔を巻き込んじゃって
- 8 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月02日(土)02時26分07秒
- 以上です。
完璧な駄作でした。
- 9 名前:ゆっき〜 投稿日:2000年09月02日(土)16時01分21秒
- うまいっすねぇ。なんかいいっすねぇ。
- 10 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月03日(日)00時05分37秒
- >ゆっき〜さん
こんな駄作に感想ありがとうございました。
小説を書くってやっぱりむずかしいですねぇ。
- 11 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月06日(水)23時39分06秒
- また新たに小説を書いてみました
よろしければ読んでみてください。
- 12 名前:ABBEY 投稿日:2000年09月06日(水)23時39分57秒
- "おやすみ"って言葉を待っていた
それはちょっとした言葉かもしれない
でも、今の自分にとっては探す価値のあるもの
大きく手を広げてタダ青いだけの空の下で
降り続く孤独感を浴びていた
「おはよ〜紗耶香!」
「あっ、おはよう」
「ふぁ〜眠いなぁ…」
「どうしたの?なんか元気なくない?なんか悩み事でもあった?」
「あぁ…まぁ、そんなたいしたことじゃないよ。」
「ふ〜ん、それならいいけど」
「今日の授業1限目から数学だよ〜」
「私あの先生苦手なんだよなぁ〜」
と矢口に嫌われているのは若くしてその実力を買われた飯田先生
特技は"宇宙と交信すること"だ
それを特技というものに位置付けて良いものかどうかは彼女だけが知るところ
履歴書にそう書いてくる方も書いてくる方だが
それを採用する高校側にも問題あるだろ…まったく
「そぉ?市井はそんなに嫌いでもないなぁ〜」
「なんかさ、今までの先生とは違う感じがしてさ…」
「けっこうス…リランカじゃない?」
「はぁ?なにスリランカって」
「も〜朝からわけわかんない事言わないでよ〜」
「タダでさえ気が重いっていうのにさぁ〜」
「あはは、ごめんごめん」
「あっ、もう始まるよ、席戻った方が良いんじゃない?」
「あ〜も〜マジで嫌だ〜!」
あの人をものすごく嫌がっている矢口の背中をちょっと複雑な気持ちで見送った
ったく…なんだ"スリランカ"って?
別にスキって言ったってよかったよなぁ
何そんなたった二文字の言葉に過剰反応してるんだろ
まぁ、たった二文字の言葉でも自分にとってはなかなか言い出せない言葉なんだよねぇ
とくにあの人が関わってくると…さ
- 13 名前:二文字 投稿日:2000年09月06日(水)23時41分55秒
- そんな事を思っていると教室の前のドアが威勢の良い音で開いた
「おはよ〜」
「今日もポッキー食べて頑張ります。」
「数学担当の飯田です。」
なんで毎回毎回自己紹介するんだろ?
宇宙と交信するとそういう結果が出てくるんだろうか…
まぁそんなところもスキなんだけどさ
はぁ〜心の中ではこんなに素直に言えるのにねぇ
重いな〜この二文字
- 14 名前:二文字 投稿日:2000年09月06日(水)23時44分07秒
- あぁ、やっぱり眠い
先生は好きでも数学は嫌いなんだよねぇ
だんだん意識が飛び飛びに…なって…き…た
「…」
「じゃあ、この問題は、えっと…」
「市井さん!」
「あれ?市井さんお休み?」
「って、寝てるの〜」
「こら〜起きなさい」
「ちょっと、紗耶香!起きて!あてられてるよ!」
隣の席の子にいくら言われても起きない市井
後ろの席の子にいくら揺すられても起きない市井
- 15 名前:二文字 投稿日:2000年09月06日(水)23時45分42秒
- 「も〜しょうがないなぁ〜」
そう言って飯田先生は教卓から一番後ろの席の夢の中にどっぷりと浸っている生徒のところまでやってきた
「市井さん、起きて」
と言って優しく揺すった
教室の中にいる生徒たちはみんなものすごい勢いで怒られると思っていたため
拍子抜けしてしまった
実際飯田先生は生徒が授業中に寝ているとものすごい勢いで怒り出すのであった
以前、矢口も睡眠学習をしてしまった時、授業中にさんざん叱られたあげく、わざわざ職員室まで呼び出されてわけのわからない説教を延々と一時間もされたのである
それが、今回はこんなに優しい起こし方なのでみんなそれぞれ目を合わせながら疑問に思った
その時
「こらぁ〜!授業中に寝るとは何事だ〜!!」
「さっさと起きなさ〜い!!」
「うわぁ!」
−ガタン、ゴトゴトゴト−
「いってぇ〜」
いきなりの大声にびっくりして市井は椅子から転げ落ちてしまった
もちろん教室中大爆笑
一際矢口の笑い声が耳に残った瞬間だった
- 16 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月06日(水)23時46分35秒
- こんな感じで始めてみたいと思ってます
- 17 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月07日(木)16時11分24秒
- 「。」は付けた方がいいと思います。ちと読みづらい。
- 18 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月07日(木)16時47分01秒
- 市井と飯田ですかこの二人好きなんで楽しみです。
- 19 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月07日(木)23時05分03秒
- >17の名無しさん
すいません。今度から「。」つけます。
>18の名無しさん
ご期待に添えるかどうかわかりませんが、頑張ります。
- 20 名前:二文字 投稿日:2000年09月07日(木)23時08分32秒
- も〜ちゃんと聞いててよね〜。」
「だいたいねぇ〜$%#=○▲×。」
早送り中−しばらくお待ちください。
−15分後−
「わかった?気をつけてね。」
「はぁ〜い…。」
「じゃ、この問題は宿題にします。」
「今度の授業の始めに市井さんにやってもらうから、ちゃんとやってきてね。」
「うぅ…はぁ〜い。」
「今日はこれで終わりにします。」
「あっ、市井さん放課後職員室に来て下さい。」
「…はぁ〜い…。」
「元気が無いよ〜まだ眠いの?。」
「いえ…別に。」
−起立、礼−
- 21 名前:二文字 投稿日:2000年09月07日(木)23時09分30秒
- 授業後最初にこちらにやってきたのはやっぱり矢口だった。
しかも、満面の笑みを浮かべて。
「ちょっと〜かなりおもしろかったんだけど。」
「も〜おもしろいとか言わないでよねぇ〜。」
「こっちはおしりまだ痛いんだからさぁ。」
「だって〜何も、椅子から転げ落ちることないじゃん。」
「こっちだって、落ちたくて落ちたわけじゃないよ。」
「でもさぁ〜今日はいつもと怒るパターン違ったよね。」
「え?そうなの?」
「うん、この前矢口が寝てた時初っ端からガツーンときたもんね。」
「なのに今回はなんかすごい優しい顔してた、あの人。」
「ふ〜ん、なんでだろうね。」
「さぁ?あの人のこと理解しようとしても無理じゃない?」
「あはは、そうか、そうだよね。」
そっか、優しい顔してたんだ…。
まさか…市井のこと…ってそんなことないよね。
でも、もしそうだったら…ってくだらない妄想はやめよう。
「でもさ〜やっぱり職員室に呼び出されるんだね。」
「あっ、そうだった!嫌だなぁ〜。」
「話長いよ〜、しかも、半分以上わけわかんないからね。」
職員室か…二人っきりで話ができるんだ。
って言っても説教されに行くだけなんだけどさ…はぁ。
まぁ説教でもなんでも授業中以外にしゃべれるってなんか嬉しいなぁ。
向こうのペースに巻き込まれちゃいけないな。
わけわからない世界に飛ばされたらかなわないもんね。
う〜ん、どうやってこっちのペースに巻き込むかなぁ…。
- 22 名前:二文字 投稿日:2000年09月07日(木)23時10分24秒
- 「ちょっと、何違う世界行ってるの。」
「えっ、あぁ、ごめんごめん。」
「次、教室移動だよ、早く行こうよ。」
「違う世界に行ってた紗耶香と一緒に怒られるのなんて嫌だからね。」
「ひどいなぁ〜。」
紗耶香といるとホント楽しいなぁ。
まったく、矢口の気持ちに気づいてるのかな?
いや、ダメだ、絶対気づいてない。
こんな鈍感な奴だもんね。
中学の頃から一緒なのに、全然気づく気配ないもん。
このままの関係がいいのかなぁ?
でも、もうそろそろ我慢の限界なんだよねぇ。
紗耶香が"スキ"って二文字を発したらなんだかドキドキするんだ…。
かぁ〜これってやっぱり恋ってやつだよなぁ。
でも、なんで紗耶香なんだろ?
知らない間にどんどんスキになっていくもんなのかな。
「ちょっと、何?今度は矢口が違う世界行ってるよ。」
「あはは、そんなこと無いよ。」
「ただ、紗耶香ってアホだなぁ〜って思ってただけ。」
「重ね重ね失礼な奴だね〜まったく。」
「まぁね〜。」
−キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ンー
「うわぁ!ヤバイ!」
「ダッシュ!」
と言いつつもやっぱり遅れてちょっと怒られた二人。
ドジな部分はお互い様。
- 23 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月07日(木)23時11分28秒
- 今日の更新は以上です。
これから更新ペースが遅くなると思いますが、お付き合いください。
- 24 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月08日(金)03時58分46秒
- おー!!矢口も紗耶香が好きだったのね。
なんかこの三角関係、初めて見るので今後が楽しみです。
矢口キャラが会話にうまく出てますね。
- 25 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月08日(金)23時34分43秒
- >24さん
ありがとうございます。
自分の中でなんだかよくわからなくなってきていますが、
楽しみにしていただいて光栄です。
- 26 名前:二文字 投稿日:2000年09月08日(金)23時36分14秒
- その後の授業も爆睡な紗耶香。
やっと来ました、お昼休み。
「あぁ〜良く寝た。」
「も〜ホント寝すぎだよ!」
「いつ怒られるか、いつ怒られるか、ってこっちはなんか疲れたよ。」
「そんな、別に矢口がヒヤヒヤすることないじゃん。」
「まぁ、そうなんだけどさ、なんとなく心配なんだよ。」
「それはどうもすいませんでした。」
「ところでさ、ほんとなんか悩み事?」
「う〜ん…。」
「矢口にできることがあったらさ、何でも言ってよ。」
「体は小さいけど、けっこう頼りになるんだよ!」
「そうかなぁ?」
「あ〜、なんかムカツク〜。」
「あはは、ウソウソ。」
「ありがとう。」
「もうちょっと自分の中で整理がつくまで…ね。」
「なんか、よくわかんないんだ。」
「そっか、わかった。」
「でも、そんなにいっぱい抱え込まないで、ちょっとは吐き出してよね。」
「人に話すだけで楽になることもあるしさ、ね?」
「うん、ありがとね、ほんと。」
- 27 名前:二文字 投稿日:2000年09月08日(金)23時37分46秒
- 「なんか優しいね。」
「え?なぁなな、え?」
「いや〜、なんか、矢口と友達になれてよかったな、って思ってさ。」
(あれ?なんか矢口ちょっと動揺してたけど、気のせいかな?)
「なんだぁ〜、今ごろ気づいたの?遅いよ〜。」
「あれ?遅かった?あはは。」
なんだよ、いきなり。
びっくりするじゃないかよぅ。
耳まで赤くなってきちゃった。
今のは最高のドキドキだったよ。
まったく人の気も知らないで…。
罪作りな奴だよ、まったく。
矢口に犯した罪は大きいぞ〜!
はぁ、思いっきり動揺してたけど、気づかれなかったかな?
あぁ〜、やっぱり紗耶香は友達としか思ってないのかな…。
長い片思い生活もそろそろ終わりなのかもね。
「さぁ〜て、そろそろ次の授業で寝る準備でもしますか!」
「あ〜!また寝る気なの?」
「うん!もちろん!」
「かぁ〜懲りない奴!」
「だってさ、放課後飯田先生に呼び出されてるからさ、体力つけておかないと!」
「なんだ、それ。」
「「あはは」」
いつ頃からだろう、矢口とこんなに笑い合えるようになったのは…。
- 28 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月08日(金)23時40分10秒
- 今日の更新は以上です。
まだ誰と誰をどうするかを決めかねているので、
ちょっとわけわからなくなってます。すいません。
- 29 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月10日(日)23時44分16秒
- 少しだけですが、更新します。
- 30 名前:二文字 投稿日:2000年09月10日(日)23時44分51秒
- 矢口と最初に会ったのは中学2年の時だった。
1年の頃は仲の良い友達と一緒になれて、慣れない生活でも楽しく過ごすことが出来た。
でも、2年になるときにクラス変えがあって、"また一緒のクラスになれたらいいね"
って友達と話してたのに、私だけが逸れちゃって友達の誰もいないクラスになっちゃったんだよね。
それから、学校に行くのが嫌で嫌で、よく仮病とか使って学校休んだっけ。
サボって近くの公園でずっとブランコに座ってたこともあったな。
そんな逃げてばかりの生活の時、矢口が声かけてくれたんだよね。
クラスの中でかなり目立つ存在で、誰とでも友達になれる矢口が羨ましかった。
そんな矢口がいつも1人だった私に"市井さんってさ、なんかかっこいいよね"
って、話し掛けてきた。いきなりそんなこと言われても何て言っていいか困ったよ。
それからなんかいろいろと話すようになってきて、どんな友達よりも仲良くなったんだ。
空回りしてばかりの毎日だったけど、全部うまくいくようになった。
すべての生活の中に矢口がいたんだ。
ほんと、今でもよくわかんないよ、だって、いきなり"かっこいい"とか言われたし。
- 31 名前:二文字 投稿日:2000年09月10日(日)23時45分34秒
- 私が最近眠れない理由。
それは、今自分の気持ちが"どっちの方向に向いているのか"ってこと。
飯田先生に初めて会った時、"変な先生だなぁ"って思った。
でも、それからだんだん気になるようになってきて。
気づいたら好きになってた…みたい。
でも、最近矢口のことも気になるんだよね。
今までは、なんていうか、近すぎて気づかなかったっていうか…。
最初は友達として好きだと思ってた、まさかそれが恋に発展していくなんて、思いもしなかったよ。
こんな中途半端な自分が情けない。
そうやって、真っ暗な部屋の中で天井をボーっと眺めながら考えていると、いつの間にか朝になってるんだ。
そんな日がここ何日も続いている。
中途半端だなぁ…私。
- 32 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月11日(月)03時39分15秒
- 飯田先生の気持ちが気になる・・・
- 33 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月11日(月)10時15分50秒
- 市井と矢口 市井と飯田 どっちも好きだからどうしよう・・・
続き楽しみにしてます。
- 34 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月11日(月)21時35分04秒
- 市井と矢口を幸せにしてください。
じゃなきゃ矢口がかわいそーだよ〜・・・。
- 35 名前:ゴンザレス 投稿日:2000年09月12日(火)01時41分59秒
- かおりんの女教師姿めっちゃ見てえぇぇ〜〜!!
矢口の制服姿も見てえぇぇ〜〜〜!!
- 36 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月12日(火)20時39分15秒
- >32さん
飯田先生の気持ちは今回の更新分で少しだけ明らかになります。
>33さん
自分もどっちも好きなんです。
書き始めた頃は市井×飯田でいくつもりだったのですが、
いつの間にか市井×矢口寄りになってきています・・・。
>34さん
やっぱりこのままだと矢口かわいそうですか?
う〜ん、悩みます。
>ゴンザレスさん
自分もそんな高校どんな倍率でも合格したいです!
- 37 名前:二文字 投稿日:2000年09月12日(火)20時39分58秒
- −放課後−
「ごめん、今日先に帰ってていいよ。」
「え?あっ、そうか、飯田先生に呼び出されてたんだよね。」
「うん、話し長そうだもん。」
「だってさ、授業中寝てただけで15分も説教されるんだからねぇ…。」
「そっか、わかったよ、じゃあ先帰ってるね。」
「ごめんね。」
「あはは、また明日ね!バイバイ。」
「うん、バイバイ。」
(さてと、それじゃあ、行くかな。)
(嬉しいような面倒くさいような…でも、やっぱり嬉しい…かな。)
結局今の状態を"嬉しい"と判断した紗耶香。
その足取りと表情は、今から説教されに行く生徒の顔ではない。
- 38 名前:二文字 投稿日:2000年09月12日(火)20時40分33秒
- −トントン−
「失礼します。」
「あっ、市井さん。」
そう言いながら職員室には不似合いな笑顔と手の振り。
やっぱり、飯田先生ただ者ではないぞ。
市井は嬉しさを隠すため、ぶっきらぼうに振舞った。
心の中では、明日筋肉痛になるくらい手を振り替えしたい気持ちでいっぱいだが、そこは精一杯我慢。
(目的を忘れちゃいかん、いかん。)
(市井は説教されに来たんだ。)
そう心の中で繰り返していた。
- 39 名前:二文字 投稿日:2000年09月12日(火)20時41分38秒
- 「どうして呼ばれたかわかる?」
「あ…はい、一応。」
「すいませんでした。」
「うん、もうそのことはいいの。」
「え?じゃあなんで…。」
「市井は、てっきり説教されるもんだと、思ってたんですけど。」
「最初はそうしようと思ってたんだけどね、なんか市井さんの寝顔見てたら、ちょっとひっかかっちゃってさ。」
「何がですか?」
「う〜ん、すごい悩んでる人の顔だったの。」
「何か悩み事があって、夜眠れないんじゃないの?」
「まぁ、授業中に寝るのは良い事だとは言えないけど、理由があるんだったら、話は別だよ。」
「…」
("先生と矢口どっちがスキなのか自分でよくわからないんです"なんて事本人に言えるわけないよ。)
(ここで思い切って…告白…あぁ〜できるわけがない!)
(また、今夜眠れそうにないなぁ。)
「そんな悩み事なんて、簡単に人に言えるわけないよね。」
「ごめんね。」
「いえ。」
「この前ね、家の庭に猫が来たんだけど、その猫がなんか雰囲気的に市井さんに似ててね、野良猫っぽかったから、餌とかミルクとかあげてたの。」
「そしたら、毎日来るようになって、思い切って家で飼うことにしたんだ、"さや"って名前つけて。」
「えっ…?」
- 40 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月12日(火)20時43分12秒
- 今回もかなり少なめの更新です。
飯田先生はなぜ市井似の猫を・・・。
- 41 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月13日(水)03時44分52秒
- 確かに市井って猫背だよね。関係ないけど。
飯田先生を翻弄する市井も見てみたい。
- 42 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月13日(水)04時44分20秒
- 飯田先生の遠回しの告白ですね、
矢口もどうなるか楽しみ。
- 43 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月13日(水)16時43分22秒
- >41さん
飯田先生を翻弄する市井・・・難しそうですね。
>42さん
矢口はこのまま行くとちょっと悲しい展開になりつつあるかもしれません。
でも、個人的に矢口を幸せにしてあげたいのですが。
どうなるか、わかりません。
- 44 名前:二文字 投稿日:2000年09月13日(水)16時44分22秒
- 突然の飯田先生の"遠まわしの告白"とも取れる発言。
混乱の中、次の言葉を捜せずに目が泳いでしまう。
駄目押しの…。
「今度の日曜暇?」
「あっ、はい、暇ですけど。」
「じゃあ家に遊びに来てよ!」
「"さや"にも会わせたいし。」
「えっ、いいんですか?」
「うん、もちろん!」
「行きます、行かせていただきます!」
「じゃあ、これ家の住所と地図ね。」
そう言って飯田先生は近くの電車の駅から、自分の家までの道のりを詳しく、丁寧に書かれた地図と、携帯の番号が書かれたメモを紗耶香に渡した。
(あっ、これメールアドレスまで書いてある…。)
(今日帰ったらメール送ってみようかなぁ。)
メールをやり取りしている自分の姿を想像しただけでも顔がニヤけてしまう。
そんな進展ぶりを知らず、先に帰っていると言いつつも、誰もいない教室で紗耶香の帰りを待つ矢口の姿があった。
- 45 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月13日(水)16時45分06秒
- とりあえず今はここまでです。
また夜に更新するかもしれません。
- 46 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月13日(水)17時32分04秒
- 矢口いい奴ぅ〜!!
う〜ん、まじで市井がどっちにころぶかわからん!!
自分的には矢口がいいけど・・・。
作者さん。おもしろイッス。がんばってください。
作者さん的にはもう決まったんですか?矢口か飯田センセどっちにするか。
- 47 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月13日(水)23時10分15秒
- >46さん
ありがとうございます。
自分的には、まだ決まってません。
どっちも好きなんですよ、組み合わせ的に。
市井×矢口派の方が多そうですね。
では、夜の更新分です。
- 48 名前:二文字 投稿日:2000年09月13日(水)23時11分21秒
- 「あぁ〜、紗耶香遅いなぁ。」
教室の窓から見える真っ赤な夕日が矢口の頬を照らす。
学校帰りに何気なく交わされる会話。
涙が出るくらい笑いあったり、時には怒ったり、怒らせたり。
矢口にとっては、そんなものでもとても大切な時間。
そんな時の経過とともに、膨らむ紗耶香への気持ち…。
こんな気持ちは初めてだった。
前は好きな人がいたら猛烈なアタックを続け、勝ち取ってきた恋。
そんな強気な自分も、紗耶香の前では陰に隠れて出てきてくれない。
紗耶香に出会ってから、少しずつ変化していく自分に戸惑いながら、心の中で、もがき続けてきた。
「紗耶香…。」
- 49 名前:二文字 投稿日:2000年09月13日(水)23時12分20秒
- −職員室−
「それじゃあ、今度の日曜日に伺います。」
「うん、気をつけて帰ってね、紗耶香。」
「はい!さようなら!」
(あれ?今先生"紗耶香"って呼ばなかった?まぁいいか!)
誰もいない廊下で小さくガッツボーズをした。
叫びたい気持ちを必死で隠しながら。
もう外はすっかり暗くなってしまい、帰りが遅くなってしまった理由をいろいろと探しながら、荷物の置いてある教室へと向かった。
(う〜ん、正直に先生に呼び出されたって言おうかなぁ…。)
(いや、ダメだ、そんなこと言えない。)
(矢口の家に遊びに行ってたって言おうかなぁ…。)
(いや、そんなこと言ったら"迷惑がかかった"って事で矢口の家に電話するよね。)
(どうしようかなぁ…。)
(クラスの係りの事で先生に呼び出されたって言おう。よし、決まり。)
(って言ってもクラスの係りって"裕ちゃんの手足係り"なんだけどさ。)
(まったく、ただのパシリじゃん、まぁ別にどうでもいいんだけど。)
- 50 名前:二文字 投稿日:2000年09月13日(水)23時13分32秒
- 教室の後ろのドアから見える小さな少女の姿。
紗耶香の机に突っ伏して寝てしまっているようだ。
「矢口…?」
「先に帰ってるって言ったのに、どうして…。」
紗耶香はすっかり待ちくたびれて寝てしまった矢口を優しく起こした。
「ん…。」
「あっ、紗耶香、遅かったね。」
「遅かったじゃないよ、先帰ってて良いって言ったじゃん。」
「ずっと待っててくれたの?」
「うん…。」
(紗耶香と一緒に帰りたくて、ずっと待ってたんだよ。)
「だって…。」
(紗耶香と一緒に、一緒に…スキだよ、紗耶香。)
- 51 名前:二文字 投稿日:2000年09月13日(水)23時14分47秒
- 「だってさ、紗耶香教室に荷物置きっぱなしなんだもん、財布とかも持っていかなかったでしょ?」
「うん、大丈夫だと思って。」
「だめだよ〜盗まれたらどうするのさ!」
「だから、矢口が見張っててあげたの!」
「見張ってたって、でも…。」
「さぁ、もう暗くなってきたし、帰ろうか、お腹空いちゃったよ。」
「うん…。」
それから二人はすっかり夜を迎えた空の下、日常の何気ない会話をしながら家へと向かった。
- 52 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月14日(木)01時58分51秒
- おもしろいです。そっかさやまり派が多いのか。
いつもかわいそうな役回りが多い飯田の、幸せな結末も見てみたい気がする。
- 53 名前:ゴンザレス 投稿日:2000年09月14日(木)02時28分05秒
- たまにはカオリンにもいい夢見させたってくれ!!
- 54 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月14日(木)02時37分09秒
- 飯田にもたまには幸せになって欲しい、
しかしこの矢口も健気で可愛い・・・
私はどうすればいいんでしょう。
- 55 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月14日(木)17時00分29秒
- >52さん
ありがとうございます。飯田ってそういえばいつもかわいそうな役多いですよね。
>ゴンザレスさん
いい夢見せてあげられるでしょうか・・・。
>54さん
飯田の幸せな結末を望む方も多いようですね。
自分で書いていて言うのもあれですが、矢口かわいそうですよね。
悩みます。しかし、結末決定致しました。
では、今日の更新分です。
- 56 名前:二文字 投稿日:2000年09月14日(木)17時02分35秒
- 飯田先生との急接近。
矢口の行動。
いつの間にか降りだした雨の音を聞きながら、紗耶香は今日の出来事を整理しようと必死だった。
二人からはっきりと告白されたわけではなく、自分でもどちらがスキなのかわからない。
やっぱり今夜も眠れなかった…。
最近は授業中に爆睡している紗耶香がいつものことで、起きていると逆にびっくりされるくらいだった。
あれから矢口とも飯田先生ともごくごく普通。
今までと何の変わりも無い。
また今日も矢口にバカにされたし、寝てて飯田先生にも怒られた。
職員室には呼び出されなくなったけどね。
結局、メアド教えてもらったけど、メールは送っていない。
「あっ…明日か…飯田先生の家に行くの…。」
あまりにも自分の気持ちの整理にいっぱいいっぱいで、ちょっと前にはあんなに嬉しかったことすら忘れていた。
このまま考えていてもしょうがない…。
その時、その時の自分を信じる。
頭で恋はできない…。
それで誰かを傷つけてしまっても、それは仕方ないこと。
中途半端な優しさは、自己満足。
時間が思い出に変えてくれる。
時間が全てを…。
その時、紗耶香の携帯が鳴った。
- 57 名前:二文字 投稿日:2000年09月14日(木)22時58分09秒
- 「矢口…。」
−ピッ−
「あっ、紗耶香?寝てた?」
「いや、寝てないよ。」
「だって、まだ8時じゃん。」
「ん?あっ、そっか。」
「どうしたの?」
「いや、明日暇かな〜と思ってね。」
「この前荷物の見張り番してたから、そのバイト料として何かおごって貰おうかなぁ〜って。」
(明日か…。)
「何か用事あった…?」
「う…ん。」
「明日ね、飯田先生の家に行くんだ。」
「え?飯田先生の家!?」
「この前職員室に呼び出されたときに、誘われたの。」
「なんで?なんで家になんか誘われるの?」
「う〜ん…それは…。」
矢口は動揺を隠し切れなかった。
今までなんでも話してくれる紗耶香がそんなこと一言も言ってくれなかったこと。
そして何よりも…。
家に行くことを承諾した紗耶香の気持ちが、飯田先生に向いているであろうということ…。
矢口は理由も聞かずそのまま電話を切った。
今にも泣き出しそうだったから…。
−プーップーッ−
「切れちゃった…。」
- 58 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月15日(金)00時15分48秒
- この3人ならくっつかなくてもいいから「3人仲良く」がいいな…
- 59 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月15日(金)00時22分14秒
- >58
いや! やはり矢口とくっつくべきだ!
- 60 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月15日(金)10時44分59秒
- あぁ、矢口・・・。やっぱ、私は矢口派だ・・・。
飯田、矢口・・・一体どっちなんだぁぁ!!
作者さん。決まったの?どっち?って教えてくれるわけないか・・・。
っくぅー。・・・気長に待つか・・・。
- 61 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月15日(金)13時21分13秒
- すまんが飯田とくっついて欲しい。
矢口との絡みはもうねー・・・
以外に飯田先生はいいと思うが。
- 62 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月15日(金)15時37分18秒
- >>61
同意。いちかおって、痛いのが多いから、甘甘のいちかおが見てみたい。
- 63 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月15日(金)16時23分45秒
- >>62
同じく。今までかおりが幸せなのってほとんどって言って良い程無かったしね。
たまには幸せになってほしい。
- 64 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月15日(金)16時26分20秒
- う〜ん・・・。
俺はやっぱり矢口とがいい。
・・・まあ、その人それぞれだからね。
作者さんに任せるっす!
- 65 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月15日(金)16時54分10秒
- それがイチバンっすね。
作者さん。みんなの運命はあなたにゆだねられています!(ワラ
がんばってください。
- 66 名前:ゴンザレス 投稿日:2000年09月15日(金)17時23分29秒
- 作者さん、ここはひとつ
結末を2パターン書いてみたらどないやろ?
- 67 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月16日(土)19時39分38秒
- >レスを下さったみなさん
自分に運命がゆだねられているとは…。困りました。
ゴンザレスさんの結末2パターンというのは、実は自分も考えていました。
う〜ん…。どうするかはもう少し時間を下さい。
とりあえず今日の更新分です。
- 68 名前:二文字 投稿日:2000年09月16日(土)19時40分25秒
- 考える事を止めた紗耶香は、その日、そのまま寝てしまった。
自然に目が覚めて、時計を見るために携帯を開く。
−新着メールあり−
さっきはごめん。
たった一言のメール。
動揺した時の矢口は、いつもならそれを隠すためにいろいろな理由をつけてくるが、今回は違った。
「矢口…。」
矢口を深く傷つけてしまったことが、紗耶香をまた"頭でする恋"へと導いた。
考えて、考えて…。
- 69 名前:二文字 投稿日:2000年09月16日(土)19時41分31秒
- 「ピッピッピッピッ!!」
その考えを打ち消したのは、今日のためにセットしておいた目覚まし時計だった。
「そっか、考えててもダメだ。」
「今日は飯田先生の家に行く、よし!」
紗耶香は今日で自分の気持ちの整理がつくような気がした。
「えっと…この駅の北口から出て…それから、とにかくまっすぐ…っと。」
「で、目印はコンビニ…。」
「あれかな?」
「これを右に曲がって、3軒目か。」
「ん?なんか妙なアンテナが立った家が…。」
表札を見てみると"飯田"と書いてあった。
そんな不思議ぶりがおかしくて、ちょっと笑ってしまった。
緊張しながらチャイムを押す。
−ピンポーン−
「はぁ〜い。」
「あっ、市井ですけど。」
「うん、今開けるね。」
"いらっしゃい"と言いながらドアを開けた飯田先生は、学校で見るのとはちょっと違って、よりいっそう綺麗に感じた。
さらに紗耶香の"ドキドキ"は増していく。
「さぁ、早く入って!」
「あっ、はい、おじゃましま〜す。」
(危ない危ない…思わず見とれちゃったよ。)
きっと自分は今、かなり締まりのない顔をしているのだろうと思い、ちょっと下を向いて気持ちを引き締めるために、心の中で"うん"と頷いた。
すっきりとした、優しい色使いの部屋。
キョロキョロと見回して感心している。
ふと、キッチンでコーヒーを入れている飯田先生後姿を見つけた。
心の中が温まる瞬間。
もう昨日の矢口とのやり取り…いや、矢口の事は忘れていた。
- 70 名前:二文字 投稿日:2000年09月16日(土)22時35分50秒
- 飯田先生を見つめていた時、フサフサした温かいものが纏わりついてきた。
足元に目をやると、一匹の猫がいた。
「お前が"さや"か〜。」
そう言いながら猫を抱き上げる。
猫とにらめっこをして、自分に似ているかどうかじっくり見ていた。
似ているといえば似ているし、似ていないといえば似ていない。
そもそも、自分から出ているオーラなんて、自分にはわからないものだから、
飯田先生がこの猫を自分に似ていると判断したのなら、きっと似ているのだろう…。
「お待たせ。」
「あっ、"さや"そこにいたの?ほら、この子が紗耶香だよ。」
そう言って猫に語りかける笑顔がすごく優しくて、思わず触れてみたくなったけれど、あいにく、手は猫で塞がっていて行動には移せなかった。
(置いておけばよかったなぁ…。)
「かわいいでしょ。」
「えっ、あっ、はい。」
互いの瞳に吸い込まれるように、顔がどんどん近づいていく…。
- 71 名前:二文字 投稿日:2000年09月17日(日)16時46分13秒
- −ニャ〜!−
「うわぁ!」
「痛ってぇ〜。」
(いやぁ〜引っ掻かれた…やっぱり抱くんじゃなかった。)
"大丈夫?"と心配そうに言ってくる飯田先生に笑顔で返して、自分を引っ掻いてどこかへ行ってしまう猫を目で追っていた。
すると、左腕にサラサラとした感触と共に、今までヒリヒリと痛かった傷口にやわらかい感触。
痛みが薄れていくのを感じた。
「これですぐ治るよ。」
「…先生…。」
(市井は先生のことが好きなんだ…。)
(今言わないと、今…。)
今まで自分の中で、重すぎたこの二文字を言おうと、息を吸った。
「私ね、市井さん…紗耶香のことが好きなの。」
「えぇ?」
飯田先生の方が一歩早かった。
意を決して言おうと吸われた息は、情けない声となって外に吐き出された。
その情けない声に少し不安を抱いた飯田先生は、寂しげな表情で紗耶香を見つめる。
紗耶香は少し笑って、優しく飯田先生を両腕で包み込んだ。
身長差があるので、実際には包み込むというわけにはいかないが、その差は心で補った。
そして静かに…。
「市井も先生のことが…好きです。」
- 72 名前:二文字 投稿日:2000年09月17日(日)16時47分21秒
- "おやすみ"っていう言葉を待っていた。
それはちょっとした言葉だった。
いや、それを見つけた今だからそう思えるのだろう。
二人で手をつないでタダ青いだけの空の下で…
溢れ出す幸福感を感じていた。
〜END〜
- 73 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月17日(日)16時49分51秒
- 終了です。長い間ありがとうございました。
ちょっと最後は強引すぎましたか…?
最後は市井×飯田にしてみました。
矢口バージョンも書いたほうがいいですか?
- 74 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月17日(日)17時27分55秒
- 矢口バージョンみたいっす。
かいてください。おねがいします。
- 75 名前:ゴンザレス 投稿日:2000年09月17日(日)18時11分24秒
- そりゃあ、もちろん書いてくれ。
- 76 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月17日(日)20時55分00秒
- それでは矢口バージョンです。
>>57
の続きと思って読んでください。
- 77 名前:二文字 投稿日:2000年09月17日(日)20時55分45秒
- 考える事を止めた紗耶香は、その日、そのまま寝てしまった。
自然に目が覚めて、時計を見るために携帯を開く。
−新着メールあり−
さっきはごめん。
たった一言のメール。
動揺した時の矢口は、いつもならそれを隠すためにいろいろな理由をつけてくるが、今回は違った。
「矢口…。」
自分が一番辛い時に声をかけてくれた。
いつも笑顔で傍にいてくれた。
一緒にバカなことばっかりやって、怒られたこともあったけど、それはそれで楽しかった。
近すぎて気づかなかった…見かけは小さいけど、自分の中では確実に大きくなっていく存在。
今その笑顔を曇らせてしまっていることに気づいた紗耶香は、矢口の家まで走った。
矢口の家までそんなに遠くはないが、近くもない。
普通なら電車に乗って行く距離だが、電車を待っている時間すらもったいなく感じてしまう。
知らず知らずのうちに、傷つけてしまった矢口のことを思いながら、自分の体に負担をかけることで、その罪を償おうとしていた。
そんなことをしてもどうにもならないことは知っていたが、大切な人を傷つけてしまったことが、自分で許せなかったのだ。
(矢口、ごめん…。)
何度も何度も心の中でそう呟きながら走った。
あの角を曲がると、矢口の家がある。
角を曲がった瞬間
- 78 名前:二文字 投稿日:2000年09月17日(日)20時57分01秒
- −ドン−
「うわぁ!」
「あっ!」
誰かとぶつかってしまった。
「すいません!」
急いでいたので、ぶつかった人のことはあまり見なかった。
「紗耶香!」
「ん?矢口!」
「どうしたの?汗びっしょりだよ!」
息を整える暇もなく、そのまま矢口を抱きしめた。
強く、強く。
「ちょっ…どうしたの?」
「昨日はごめん。」
「今まで矢口のこと傷つけてばっかりいた…。」
「でも、気づいたんだ、市井の中で矢口が一番大切な存在だっていうこと。」
「今までは近すぎて気づかなかったけど、市井は…。」
「矢口のことが…好き。」
「やっと気づいてくれたんだね…。」
「ずっと、ずっと待ってたんだよ。」
「待ちくたびれちゃったよ…。」
「矢口も紗耶香のことが好きだよ…もう待たせないでね、今度待たせたらどっか行っちゃうからね。」
「もう待たせたりしないよ…。」
"おやすみ"っていう言葉を待っていた。
それはちょっとした言葉だった。
いや、それを見つけた今だからそう思えるのだろう。
二人で手をつないでタダ青いだけの空の下で…
溢れ出す幸福感を感じていた。
〜END〜
- 79 名前:ABBEY ROAD 投稿日:2000年09月17日(日)20時58分32秒
- 矢口バージョン終了です。ありがとうございました。
みなさんはどちらの方が好きですか?
個人的には矢口バージョンの方が好きだったりします(笑)
- 80 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月13日(月)17時35分37秒
- 矢口バージョンさいこー!!!
作者さん書いてくれてありがとう!!!
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