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「眠りの間の決闘」
- 1 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月11日(月)21時27分54秒
- 「また来たんだ・・・」
マネージャーから渡された手紙を見て、石川梨華は
少し苦笑いして呟いた。しかし、本当は嬉しかった。
また便箋の入った手紙、差出人の名前も住所もない。
決まってあるのは、裏側に「Y・S」と書いてあること・・・
もうこうやって石川の行く先々で手紙は届く・・・
「もう5年もこうやって・・・」
呟きながら、この手紙を見るたびに、あの忌まわしい記憶を
思い出してしまう・・・・
- 2 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月11日(月)21時37分05秒
- そう5年前・・・
小さい頃、石川の両親は離婚した。そして、母の手一つで
石川は育てられた。
兄弟は無く、母一人娘一人のたった2人で生活だった。
おせじにも裕福とはいかないまでも、とても幸せな日々だった。
しかし5年前・・・その生活は突然幕を閉じた・・・
「ただいま〜〜、お母さん、見て見て!!
今日ね・・・テストで百点取っ・・・あれ??
ねえ〜いないの〜〜??」
(おかしいな??いつもこの時間には帰ってるのに・・・)
そう思いながら石川は母の寝室を開けた・・・
- 3 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月11日(月)22時07分54秒
- しばらくその状況を理解するのに時間がかかった。
母親の右手に握られたナイフ・左手の手首から
流れ落ちる血・・・時間がかかるのは当然だった。
「イヤ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
しばらくして、放心状態に成りながらもやっとの事で
呼んだ救急車が来た。
でもムダだった。病院に着く前に母は息を引き取った。
数日後、親戚一同が集まり厳かなお葬式が行なわれた。
石川は泣けなかった、というよりまだ信じれなかった。
(お母さん・・・何で私をおいて・・・)
そんな石川の背中の方から追い討ちをかけるような声が聞こえた。
「なんで、自殺なんかしたのかねえ・・・・」
「こんな小さい子供おいて・・・」
「で、誰がこの子引き取るの??
私は無理よ、もう子供3人もいるんだから・・・」
「金食うぞ〜〜、子供育てんには・・・」
少女の悲しみを増大させるには十分だった。
数日後、私はある親戚の所に引き取られた・・・・
- 4 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月11日(月)22時19分36秒
- 親戚の家に移ってから・・・私は孤独だった・・・
親戚の家では家族として扱われなかった。
完全なお客様扱いだった。
何とか立ち直ろうと石川は大きなカレンダーを貰った。
楽しかった日は青色・普通の日は黄色・つまらない日は赤色。
楽しかった日はその出来事を日記に書く・・・
しかし、日記帳は1度も使う事がなかった。
カレンダーは最初の1週間は黄色と赤が混じった。
しかし、すぐにカレンダーは真っ赤に塗りつぶされた。
ついに、石川は自殺を決意した・・・・・
(生きていても何にも楽しい事ないし・・・
早くお母さんの所に行こう・・・)
そう思った数日後、石川の元に手紙が届いた。
差出人の名前は書いてなかった。
しかし、その場所には・・・・・・
「君を見守る人」とだけ書いてあった・・・
そして、明らかにその字体は同じ年頃、つまり
小学生が書いた字だった・・・
- 5 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月11日(月)22時21分53秒
- もう小説書くのはやめよう(才能ないし)と
思っていましたが、懲りずに書いちゃいました(笑)
何か感想を書いていただけると励みになります。
どうぞ、よろしくです。
- 6 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月11日(月)22時26分59秒
- 何かひとつぐらい完結させてください(笑)。
- 7 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月23日(土)14時24分15秒
- アンタの作品の雰囲気好きなんだけど、6が言ってるように完結しないところが
何より問題だ。どんな形でもかまわないから未完のやつどうにかしろよ。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月23日(土)23時46分09秒
- クロスメさん好きっす。10人の怒れる娘。やアドニスのなんとかの続きも読みたかったっす……
ageさせて頂きます……
- 9 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月24日(日)02時03分08秒
- >楽しかった日は青色・普通の日は黄色・つまらない日は赤色。
このくだり、ドラマで使われてなかったか?
- 10 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)22時09分30秒
- 石川は何気に手紙を読んでみた。
その内容は石川の一日の行動を書いた物だった。
そして文面の最後には・・・・・・
「どんなに苦しくても絶対に死のうなんて考えないで。
お母さんの真相は自殺なんかじゃないから。
絶対に真実を突きとめようね。
5年後にあなたと話すのを楽しみにしてるね。」
(何、これ・・・・・・)
石川は気味が悪くなって手紙を捨てようとした。
しかし、捨てれなかった。
(今の私を見てくれているのはこの人だけなんだ・・・)
- 11 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)22時18分46秒
- それからというもの・・・・
手紙は毎月送られてきた。
大体、内容は一緒で石川の行動の詳細、
そして最後の文面はいつもの言葉。
最初は気味悪がっていたが、いつの頃からか石川は
手紙のくるのをとても楽しみにするようになった。
そしてその頃からか、性格が明るくなり、しだいに
友達も増え、生きていくのがとても楽しくなった。
そして、ある時「モーニング娘」の新メンバーのオーディションに
応募し、ついには「モーニング娘」の一員になった。
(ここまでこれたのもあの手紙のおかげかな??)
そう思った石川だが、ふとある疑問が浮かんだ。
(この人はどこから私の事を見ているのだろう・・・)
そういえば・・・・私が新メンバーになってからもこのひとは
手紙を送りつづけている。
でも一般の人なら知り得ない事まで、この人は手紙に書いている・・・
(いったいどこから・・・)
- 12 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月24日(日)22時31分56秒
- .
- 13 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)22時40分02秒
- そして、手紙が来てからちょうど5年後・・・
新しい手紙が来た。
石川は夢中で便箋を開いて手紙を読んだ。
「ごめんね。やっぱりあなたとは会えない。
あなたがあれだけ楽しそうな様子を見てると、
あなたには真実を突きつけたくないの。
あなたは今のあなたが1番いいの。
お互い良い関係でいましょう。
これが最後の手紙です。」
石川は愕然とした。
- 14 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)22時48分23秒
- (ちょっと待ってよ・・・・そんなの寂しいよ。
あなたがどこの誰かもわからないのに・・・)
(!? どこの誰?
冷静になって考えて見れば・・・)
石川は冷静になって考えた。
(あのイニシャル、手紙の内容、娘の情報・・・)
「ウソ・・でしょ・・・・」
石川は近くにいたマネージャーに尋ねた。
「あの・・よっすぃ〜どこにいます??」
「ああ、何か風に当たりたいとかいって屋上に行ったよ。」
その答えの終わりを聞くより速く、石川は屋上に向かって
走り出していた。
そして、屋上でたたずむ吉澤を見つけた。
「よっすぃ〜・・・・・・」
- 15 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)22時57分01秒
- 「あれ、りかっちどうしたの??」
「・・・・・・・・」
「黙ってたんじゃわからないよ〜〜」
石川は黙って手紙を吉澤の顔の前に突き出した。
吉澤はしばらく無言でいた。
しかし、しばらくすると口を開いた。
「気付いちゃったんだ・・・・・」
「何で?? どういう事なの??」
その質問に吉澤はしばらく考え込んだ。
そして・・・・
「この手紙出し始めてからもう5年ね・・・
わかった、真相を話すね。」
「あなたの母親を殺したの、私よ。」
- 16 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)23時12分55秒
- 「あなたを最初に見た時にね、何か・・・・
一目惚れっていうのかな〜〜、そんな感じだったの。」
「そしてね、私はあなたの事、昼も夜も一日中見てたの。
そうしたらさ、私がこんなに好きなのにあなたは母親と
いつも仲良くしてるんだもん。ムカツクよね〜〜」
吉澤の目は完全に焦点が定まっていなかった・・・
「だからさ、あなたがいないスキを狙って家の中に侵入してさ、
彼女の後頭部なぐってさ、そし・・」
「もうやめて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
石川は叫んだ。目に涙をためながら・・・
「うそでしょ!? うそだといってよ、よっすぃ・・・」
石川が叫んでも吉澤は表情を変えなかった。
そしてまた耽々としゃべりはじめた。
「で、母親がいなくなってようやくりかっちが私だけの物に
なると思ったの。そしたら大成功ね。
あなたはあの手紙だけを頼りにしてるみたいだったし。
まあ、あなたが明るくなって友達が増えたのはムカツイたけどね。」
吉澤は微笑んだ。
「そしたらさ、あなたがモー娘のオーディションに応募したじゃない。
こっちは超ビックリだよ〜〜。私も慌てて応募したよ。
そしたらふたりとも合格。これにもびっくりしたけどね。」
- 17 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)23時25分13秒
- 「でさ、これでふたりだけで誰にも邪魔されないで、
やっていけると思ったのにさ・・・何か違うんだよね・・・」
ふっと、吉澤の目つきが変わった。
冷静に見えるのに、何か底知れぬ恐怖を感じさせる目・・・
「芸能界ってコワイよね・・・ステージで私よりあなたの方が
ファンの歓声多いとムカツクのよ・・・
あんなにスキだった・・・・りかっちでもね・・・」
「だからさ・・・・・・」
吉澤はふっと石川の体を軽々と持ち上げた。
そして屋上の手すりの所まで持ってきた。
「ねえ・・・何する気なの・・・よっすぃ・・・まさか・・・」
恐怖におののく石川の顔を凝視した吉澤はふっと微笑んだ。
「そのね、まさか。 バイバイ、りかちゃん。」
そう言うと吉澤は外に石川を放り投げた。
その直後、石川の悲鳴が聞こえたがすぐに消えた。
そして、吉澤は手すりの外に顔を覗かせ、下を見て言った。
「芸能界って人を変えるね・・・・」
- 18 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)23時33分00秒
- 次の日、スポーツ新聞の一面に石川の自殺の記事が載った。
1番の親友として、吉澤がマスコミにクローズアップされ、
記者会見で吉澤は悲劇の人物を演じた。
そしてしばらくたった後、タンポポの新メンバーに吉澤が
抜擢された。
そして、その直後、1番人気の後藤の恋愛スキャンダルがおきた。
リークしたのは誰なのか事務所は突き止められなかった。
そして・・・・・
ある音楽番組で・・・・
「すごいな〜〜吉澤。
今、人気のある女性ランキングでおまえトップだって
雑誌で見たぞ〜〜」
- 19 名前:クロスメ 投稿日:2000年09月24日(日)23時36分17秒
- これで完結です。
あと、「怒れる〜」と「アドニスの〜」は
忘れてください(泣)
もうギブアップです。
あと、これも一気に書いたので、文章が変かもしれませんが、
流して読んじゃってくださいな(苦笑)
- 20 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月25日(月)00時20分14秒
- いよっ!!この三日坊主大将!!
- 21 名前:名無し 投稿日:2000年09月25日(月)02時17分13秒
- 更新されてると思ったら、終わり方が……
一瞬、ほかの人が勝手に書いてるのかと思っちゃいましたよ。
本人なんですよね?
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