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DEVIEW〜娘。シミュレーションゲーム

1 名前:GAME START 投稿日:2000年09月24日(日)05時00分26秒
ゲーム雑誌レビューより

モー娘を主人公にしたシミュレーションゲームがついに登場!現メンバー10人に市井を加えた11人それぞれのバージョンで怒涛の11タイトル一挙発売。
物語はアイドル養成所の娘達が2年間のレッスンで自らを磨き、また他の娘達と競いながら、デビューを果たし日本一のアイドルになること。途中様々に分岐するマルチシナリオ、マルチエンディング。ひたすら、レッスンに励みアイドルを目指すか、多くの出会いの中恋に生きるか、はたまた別の道を見つけることになるのか。すべてはプレイヤー次第!各種新システムが満載。音声完全認識システムによるほぼ完全な娘達のボイスによる完全フルボイス仕立て。CG達成率100%を目指して今すぐゲット!
2 名前:GAME START 投稿日:2000年09月24日(日)05時01分10秒
「で、これがそうなんだけど。」
「へえ・・・・・・」
マネージャーからメンバーそれぞれに各自のソフトが手渡される。
「一応ご本人がプレイしての感想っていう雑誌の企画がたってるからとりあえず、やっといてね。」
ツアーもあってなかなか家にも戻れないだろうからとそれぞれにPS-oneが配られる。
「わー、こんなちっちゃいのでできるんだ。」
「へえ、なかなか面白そうやんかー。」
「ゲームってほとんどやったことないんだけどなあ・・・」
それぞれの思惑を抱きながら、とりあえず

GAME START!!
3 名前:なっちのささやかな野望 投稿日:2000年09月24日(日)05時03分29秒
(えっとぉ……あんまり説明書読んだりするの得意じゃないんだよね……とりあえずっと)
スイッチを入れてゲームスタートのボタンを押す。主人公設定画面が表示され、私服姿の自分が映る。
(うわぁ……なっちそっくりだぁ……すごい技術だべ……)
誕生日とかの入力欄があったけれど自分自身なのだから設定はいじらず初期設定のままで次に進める。オープニングムービーが流れた後、養成所への入学イベント。特にボタンを押すところも無かったので画面を眺めながら説明書を開く。
「ええっとぉ……」
『私、安倍なつみ……』
「えっ?」
流れてきた声に驚いて顔を上げる。場面は他の娘達とこれからともにレッスンを受けるにあたっての自己紹介だ。
『夢は歌手になることです。』
(へえ……いい感じかも……)
コンピューターで作ったとは思えない自分の声が流れる。
『北海道出身です。これから、みんなよろしくだべっ!!』
(ガクッ……だ、だべ……)
ああ、やっぱりこのイメージでこの言いまわしなんだ……もちろん北海道は大好きだけれど……またみんなのネタにされることを思うとすこしばかりブルーになる。
(はああ、ガッカリ……って…んんっ?)
4 名前:なっちのささやかな野望 投稿日:2000年09月24日(日)05時04分13秒
説明書をよく見ると初期設定画面で主人公の生年月日などなどプロフィールを変更できるとのこと。一般ユーザーを意識して作ったキャラクターエディット機能である。
「……」
プチッとリセットボタンを押す。再びスタート画面に切り替わる。
出身地の欄にカーソルを合わせて北海道の文字を消す。
「えと……と、う」
東京と入力する。
「えへへ……」
なんだかウキウキしてきた。
どきどきしながら画面を見つめる。
『私、安倍なつみ……』
(ワクワク……)
『夢は歌手になることです。』
(ウンウン……)
『東京出身です。』
(おおっ!)
『これから、みんなよろしくだべっ!!』
(……………)

ゲームの自由度なんて所詮こんなものである。
5 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月24日(日)05時06分59秒
といった感じで短編で進めていきたいと思います。
6 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月24日(日)05時12分13秒
やべー、おもしろいっす。
7 名前:紗耶香〜イバラの森〜 投稿日:2000年09月24日(日)23時53分55秒
はああ…また後藤か……
市井紗耶香は自宅にて2回目の後藤エンディングを向かえていた。
画面には見知らぬ島で仲むつまじく寄り添っている自分と後藤の姿が流れている。
1回目のプレーは楽しかった。少々まずい選択肢を選んでも、次のレッスン時にごめんねとフォローすれば「いいの!気にしないで!」と微笑む後藤は可愛かった。通常レッスンも後藤と合同で行い、誕生日、クリスマス、バレンタインなどなどの数々のイベントにも後藤を選択した。結果、同期入学で比較的最初から友好度の高かった保田と3人でのプッチモニとしてのデビュー、一番愛情度の高かった後藤との恋愛エンディングも追加されていた。

今度は、思い切って裕ちゃんでも狙ってみるか。
現実にはほとんどありえない事をやるってのもゲームの楽しさだもんね。
そう思い、すべてを中澤中心に進めてみる。初めのうちこそなかなか親密に慣れなかったものの地道に、レッスンと遊びをともにしているとゲーム中盤を過ぎたあたりから急激に中澤の態度が変化する。レッスン後に食事に誘われたり、休日に買い物に行ったり、横柄な態度をとっているようでその実それは紗耶香に対する照れ隠しだったりする様にちょっと心惹かれてしまった。
と、同時に出会い直後から自分に対しての好感度の高い後藤からの誘いも多かったが今回は裕ちゃんねらい。許せ後藤と心の中でわびつつすべて断る。「……アハッごめんね。……忙しいのに引き止めちゃって」の台詞にはまいったが心を鬼にする。
8 名前:紗耶香〜イバラの森〜 投稿日:2000年09月24日(日)23時54分48秒
しかし……
アレがいけなかった。イベントに集中しすぎて体調管理を怠ってしまい病気になってしまったとき、外は嵐だというのにずぶぬれになってお見舞いに来た後藤についほろりときてしまい『中に入れる』を選択してしまった。
結果……熱に浮かされた状態の市井(ゲームの中の)は後藤ともどもベッドにもつれこんでしまい、せっかく中澤エンディング確定直前だったというのに、後藤とデキてしまった。あろうことかその様子を何故か中澤に知られ「……騙したんやな!私を」とののしられた。
そして、見てのとおりの結末である。……

もう……同じ失敗は繰り返さないぞっ。
悩んだ末に、今度は矢口に的を絞ることにする。
普段から仲がいい事がも手伝って、矢口の喜ぶプレゼント、言葉をばっちり選択できる。後藤も前回同様しきりに『いちーちゃん、遊びにいこ!』と誘ってくるが慎重に牽制。矢口とのショッピング中に遭遇して後藤が涙を溜めて走り去っても追いかけなかった。矢口からもらったチョコレートは笑顔で受け取ってお返しもしたけれど、後藤からのは受け取らなかった。
(ごめんね後藤。今度ばかりは私の決意は固いよ)
ようやく終盤。真っ赤な顔をして矢口が『あ、あのさ……明日……うちに泊まりにこない?』と声をかけてきた。
ああ、長い道のりだった……
『もちろん喜んで』を選択。
自宅に帰って、パロメータをチェック。全てOK。ここで体力不足でダウンなどしたら全て水の泡だ。『今日はもう寝る』
9 名前:紗耶香〜イバラの森〜 投稿日:2000年09月24日(日)23時55分47秒
次の日、通常レッスンを終えると『先に帰ってちょっと掃除するからゆっくり来てね……待ってる。』と矢口が言う。ゲームなのになんだか本当にドキドキする。飯田たちと30分ほど雑談して養成所を出て矢口の家に向かおうとすると……
『いちーちゃん……』
!!
後藤が真っ青な顔をして現れる。
『いちーちゃんの……気持ちを聞かせて欲しい』
『→矢口のことが好き  後藤のことが好き  加山雄三が好き』決定ボタンを押す。
『……』
突如、画面が切り替わり後藤の手元がアップになる。んんっ!?なななな、ナイフっ?
『さよなら……』
ひええええええ!後藤がその刃先を自らの首筋に持っていく。
『→後藤を止める 黙って見守る』
ちょーっと待てえいぃ!!
ピッ!
反射的にボタンを押す。
『そんなに……追い詰めてたんだね……やっと分かったよ誰が一番大切だったのか……』
『いちーちゃん……』
紗耶香はボーゼンとしてしっかりと抱き合う二人の姿を見つめた。

やがて無言でゲーム機からCDロムを取り出す。ケースにしまい、ドラクエをかわりにいれる。
チャーッチャラッチャッチャッチャ〜
……やっぱ、ゲームといったらドラクエっしょ!……(涙)

FIN
10 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月24日(日)23時56分39秒
>6さん どうもありがとうございます!次回保田さん予定。
11 名前:名前のない読者 投稿日:2000年09月25日(月)00時02分25秒
>>9 加山雄三が好きを選んでいたらどうなっていたんですか? ねぇねぇアナタ?!
笑かしていただきました。こーゆーヤないちごま(ワラもありっすね。ども。
12 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月25日(月)00時15分34秒
爆笑してしまった。後藤のパワーは凄まじい。
13 名前:ティモ 投稿日:2000年09月25日(月)01時00分31秒
おもしろすぎ。最高!!
アイディア良すぎッスよ。
14 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月25日(月)01時00分58秒
 すごいいちごまだ。笑える。これならありでしょ。
結局どんな事しても後藤とくっつく運命なのね、市井ちゃん。
っていうか、作者市井ヲタでしょ?(笑)設定に市井いれる自体でわかる。

でも後藤バージョンになったらどうなるんだろう・……ぼそ
15 名前:デビット 投稿日:2000年09月25日(月)01時23分34秒
おもしろいっす。
もう終わりなんですか?できれば全員バージョンお願いしちゃっても
いいですか?
16 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月25日(月)01時55分30秒
久々にマジで面白い小説に出会ったって感じだ。
頑張って他のメンバーも書いて欲しい。
いちごま、マジで笑わせてもらったよ。
17 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月25日(月)03時44分54秒
大爆笑させて頂きました。
保田編期待してます。
18 名前:名前のない読者 投稿日:2000年09月25日(月)03時48分24秒
市井ばかりなんで……ええと、安倍のも面白かったですよ。なんかありそうで。
19 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月25日(月)16時57分34秒
タイトルの「DEVIEW」の意味が「デビュー」であるならば、
スペルはDEBUTだ・・・(-。-)ボソッ
20 名前:作者 投稿日:2000年09月25日(月)17時49分21秒
>19さん ホントだ・・・致命的な間違い。でも今更直せない(涙)
更新するたびに皆様にあほっぷりをさらすはめになるのですね。。。
でも全然気づいていなかったのでご指摘がなければ同じ間違いを繰り返すとこでした!
ありがとうございます。
21 名前:19 投稿日:2000年09月25日(月)18時37分58秒
あげ足取りも、お礼を言われると嬉しかったりする(笑)
細かいミスよりも内容が勝負と思うので今後も頑張って下さい。m(__)m
22 名前:圭のなんてったってアイドル☆ 投稿日:2000年09月26日(火)00時42分17秒
「恋愛エンディングもいいけどさ。やっぱベストエンディングが最高だよね!。」
「だね!!」
最近の共通の話題はもっぱら例の私達のゲームのことだ。私もゲームは嫌いじゃないから貰った日からほぼ毎日やっている。もうかれこれ2週間ということもあって何回かクリアしているメンバーもちらほら出てきた。
「ねーねー、圭ちゃんもベストエンディングが一番いいと思うでしょ?」
「え?いや、まだ見てないんだ。」
話が私にも振られたので正直に答える。そうなのだ、私はまだベストエンディングを見ていない。総じてこの手のゲームは恋愛イベントなどに走りがちだが目的はあくまでも養成所でレッスンを重ねトップアイドルを目指すことだ。つまりベストエンディングとは見事にその夢を叶え、スターになったものをいう。
私は自称正統派ゲーマーなのであまり横道にそれず、適度にイベントをこなしてはパロメーターアップに励むスタイルでプレーした。体力はやや低めだったけど歌唱力、表現力、センスなどはいずれも800を超えていたはず。なのに迎えたエンディングは『実力派歌手としてその道で大人気』というなんとも複雑な気分にさせられるものだった。参考までに後藤のベストエンディングでクリア時の最終パロメーターを教えてもらうと、ルックス、潜在能力度、はまずまずといったところだったがあとは軒並み平均、一般常識に至っては100以下というものだった。一体何がいけないのだろう?もしかしたら、うっかり重要なイベントをこなしていないのかも知れないと思い再度ベストエンディングを目指してみることにする。
23 名前:圭のなんてったってアイドル☆ 投稿日:2000年09月26日(火)00時43分15秒
最初からやり直すのは面倒だったのでイベントが集中してくる中盤を過ぎたあたりのセーブデータをロードしてやり直してみる。が、『痒いところに手が届く歌手としてその道では人気』というこれまたコメントのし難いエンディングが待ちうけていた。……こうなっては、何度も同じエンディングを目指してプレイするのはうんざりだけど、意地でもベストエンディングを見てやらなくては気がすまない!
絶対にパロメーター不足とは言わせはしまい。レッスン!レッスン!レッスン!レッスン!レッスン!ひたすらレッスン!
お盆もクリスマスもお正月も、自分の誕生日でさえ他のことには目もくれずひたすらレッスンに励む。遊びやデートの誘いも全てシャットアウト!延々と自宅とレッスン上の往復の日々を繰り返す。空いた時間はアルバイトに励み、能力アップアイテム購入のための資金作りをかかさない。単純な作業の繰り返しにげんなりするが、ぐんぐん成長していくもう一人の保田圭の姿を励みに頑張る
24 名前:圭のなんてったってアイドル☆ 投稿日:2000年09月26日(火)00時44分05秒
…………パロメーターは全て999のMAXに達した。あまりもの単調な作業で朦朧とした意識をなんとか保ちながら、エンディングを迎える。
そこには……今世紀最大の伝説のアイドルとして君臨し、果ては国民栄誉章まで授かってしまう輝かしい姿が映し出されていた。やったわ!ついにトップアイドルよ!アハハハハハハハハッ

そして……クリア後に見れる2年間の思い出アルバムには延々レッスン場、自宅、バイト先に一人ぽつねんとたたずんでいる私の姿がこれでもかといわんばかりにならんでいた。

ア…ハ、ハッ……………このむなしい気持ちはなんなのだろう?

FIN
25 名前:作者 投稿日:2000年09月26日(火)00時55分03秒
予想外にたくさんのレスをいただけてすごく驚いてます。
軽い気持ちで読んで下されば幸いです。他の娘達もバランスよく書ければと思っていますが中には存在そのものが面白いので非常にギャグには使いにくい人も居まして・・・
無理にネタを作りこじつけっぽくなるのが怖いのでランダムに書いて行くことになると思います。
あ、ちなみに14さん、特に市井ヲタってわけじゃないですよ。入れたほうが面白いと思っただけで。強いていえば中澤さん押しですが。
次回は・・・新メンバーの誰かにする予定です。
26 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月26日(火)01時29分46秒
面白いです!
次回は新メンかぁ〜。
石川だといいなぁ。
27 名前:名前のない読者 投稿日:2000年09月26日(火)01時49分37秒
素直に愉しいです(w なんか優しくないところもいいですね。
個人的には一押しの中澤編、想像つかない飯田編、リベンジ後藤編も気になるところです。
28 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月26日(火)11時17分07秒
ほんとに楽しいです。
何をしても結ばれる二人に爆笑。
後藤編も読んでみたいです。
29 名前:梨華の試行錯誤な日々 投稿日:2000年09月27日(水)23時57分37秒
私はあまり色んな人と話をするのが得意じゃない。けれど最近ではその悩みがちょっと解消されつつある。それも、これもあのゲームのおかげ!全員で共通の話題があるってやっぱり最高。
「ねぇ、ねぇ裕ちゃん!3ヶ月目の初日にレッスン後のことなんだけどさー。」
楽屋で矢口さんと中澤さんがお話している。すごく仲のいい二人の会話にいつもだったら私はとてもじゃないけどスムーズに入っていけない、けど今までの私とは違う。みんなの会話についていくためにあらゆる選択肢と可能性を試してプレイしている。もちろん小さなヒントや情報も逃さない。おかげで、すっかり睡眠不足。既にプレイ時間は100時間をとっくに越していて未だに5ヶ月目。そんな調子でやっているからまだ一度もエンディングまでは辿り着いていないけど最初の5ヶ月に関してはバッチリ!どうやら二人の話題は3ヶ月目の初日についてみたいだから、ここは会話に加わるチャンス!
「3ヶ月目の初日のレッスン後のこと話してるんですかぁ?」
「そうや。石川、あそこわかった?矢口があそこがわからんらしいんやけど私もう忘れてしもうて。」
「あ、あそこですね!」
「え、わかる?助かるよー裕ちゃんてば女の子の攻略ばっかりに精出して、全然謎解きわかってないんだから!」
2人とも暖かく私を迎えてくれる。なんだかすごく幸せな気分。
30 名前:梨華の試行錯誤な日々 投稿日:2000年09月27日(水)23時59分07秒
「あそこはですねぇ……」
「うんうん。」
矢口さんは身を乗り出して私の言葉を待つ。こんなに私の言葉が熱望されるなんて夢みたい。よし!がんばって説明しちゃうぞっ!
「レッスン後に夏先生の財布が盗まれてしまうイベントが発生しますよね。この日の天気ですけど、晴れの場合は発生。曇りの場合は発生。雨の場合も発生。嵐の場合も発生。雪の場合も発生です。晴れの確率が63%、曇りが15%、雨が10%、雪が2%です。ただしサンプル数は100なので小数点以下は省かせてもらいます。前日の天気との関連は今調査中です。ちなみに雨のときだとレッスン場のすみにある傘立てに傘が10本入ってるんです。一見9本に見えるんですけど左端にチラッとだけ柄が見えているのを見逃しがちで実は10本なんです。帰りのCGを参考に分析してみると辻さんだけカッパ着用なのでその分一本少ないみたいです。あ、でも先生の傘もあるし…もしかしたら誰かは折り畳み傘なのかもしれませんね。今まで気付きませんでした。こうやって誰かと話をしてて初めて気付くってこともあるんですね。ああっ!それで納得がいきました。今のところ雨の日はいつも10本です。1日くらい忘れて来そうな人が居てもいいと思うんですが、みんな天気予報ちゃんと見てるんですね。私なんかよく忘れるのに。ただこの日は夏先生の影になってて見えなかったので何か重大な意味があるんじゃないでしょうか?マウスモードにして散々調べたんですけどね。『そこには何も無い』って出てきました。あ、ここで大発見なんですけど、『何も無い』って表示が出てるところを30回調べると『アンタもそぉとぉヒマ人ねえ』にコメントが変わるんです!さらに100回調べると『……いい加減他のことしたら?』って出てくるんですよ!それで……」
31 名前:梨華の試行錯誤な日々 投稿日:2000年09月28日(木)00時00分46秒
「あ、ありがとう!!」
あれ?まだここからが本番なのに。
「すっごく参考になったよ!ありがとう!」
「え…でもまだ…」
「やっぱ謎解きは自分でやらないとね!い、今のヒントを参考に頑張ってみるよっ。じ、じゃあ矢口帰るからっ!」
矢口さんは中澤さんの手を取るとなんだかあせって出て行った。あ、きっと私の話を聞いてゲームの続きが気になって居ても立ってもいられなくなっちゃったんだわ。あんなに力強くお礼を言われるなんて……うれしい……
人から必要とされるってなんていい気持ちがするんだろう……。よし!!私も帰ってまた頑張らなきゃっ!!今日は後藤さんが持ってくるピスタチオの数を数えるぞぉっ!!梨華、ファイト!!



「なぁ、矢口ぃ……アンタ、財布盗んだ犯人を知りたかったんとちゃうん?」
「…………それを聞かないでよ、裕ちゃん……」
32 名前:作者 投稿日:2000年09月28日(木)00時04分03秒
fin書き忘れました。新メンバーキャラを掴みきれてないところもあって結構ムズイです。
オチがかぶらないように話がかければとおもってます。
33 名前:名前のない読者 投稿日:2000年09月28日(木)01時03分54秒
いるいるいるいるいる(ワラ 石川がそうとは思わないけれども。
30を読み飛ばさずに全部丁寧に読んだ私は相当石川が好きらしいです。
てゆーか、このゲームの内容がめちゃめちゃ気になるんですけれども。
34 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月28日(木)01時23分21秒
すっごい笑えました(笑)
なんていうか、すごい梨華ちゃんっぽいです。
っていうと、梨華ファンに怒られちゃうかな。
何も言えず逃げる矢口の人柄の良さがまたいいですね。
35 名前:ムーミン 投稿日:2000年09月29日(金)05時33分28秒
心温まる笑いの提供ありがとう。(爆)
36 名前:名無し 投稿日:2000年09月30日(土)22時41分05秒
安倍→市井→保田→石川という順序がなんとも

アイデアもすごいけど、それに負けないおもろい文章がまた
矢口と中澤、楽しみにしてまーす。でも一番読みたいのは飯田。
37 名前:作者 投稿日:2000年10月02日(月)00時01分31秒
・・・・・・次の話のタイトル「試行錯誤完結編」にしようかとも思ったのですが、視点を吉澤さんにしたのでやめました。
石川ファンの皆さん前作品とあわせて重ね重ね申し訳ありません。
などと言い訳がましいことを冒頭に述べてしまう弱気かげん・・・・・・
38 名前:ひとみの『No』と言えない日本人 投稿日:2000年10月02日(月)00時04分06秒
「ねえ、昨日は何処までいったの?」
ゲーム配布以来、梨華ちゃんは、決まって開口一番この台詞を言う。
「うん、1週目は終わったよ。ちょっと偏りがあったみたいでアイドルじゃなくてモデルになっちゃったよ。」
「えー、そうなんだー。」
といいながらチョコンと隣に座ってくる。こうして、毎日私のゲーム状況を聞いてはゲーム談義(?)をしていく。最初こそ他のメンバーのところにいったりきたりだったけどこのところもっぱら私。1時間は固い。矢口さんが「悪いねー、よっすぃー…」といって、いつになく優しく微笑んでくれた。いいんです、私は梨華ちゃんのキャラを、最初から知ってましたから……。矢口さんのその笑顔が見れるなら。
「今はもう2週目に入ってるんだよね。今回はどうするの?」
1週目はとりあえずゲームの感じを掴もうと思って攻略した。
そして、今度は本格的に……
「ねえねえ、よっすぃ〜どうするの?」
「あ、うん……まだ、決めてない。」
「……来週、遊びに行ってもいい?」
「うん。いいよ、別に。」
言った後しまったと後悔する。梨華ちゃんにはああいったけれど2週目は矢口さんて決めてた。でも、遊びにきたらゲーム見せてって言われるに決まってる。このままプレーすると、矢口さんへの気持ちが、ばれてしまう。ああ、どうしよう。
などと悩んでいるうちにトントン拍子に4日後の来週の月曜日に決定した。
「楽しみにしてるね。それで………」
そして、再び梨華ちゃんのお話が始まった。
39 名前:ひとみの『No』と言えない日本人 投稿日:2000年10月02日(月)00時05分08秒
とりあえず、誰を攻略しても誤解されかねない。梨華ちゃんはゲームのやり方でもわかるように徹底的に追及するタイプだから……最近ではインターネットという武器を覚えまだ攻略していないところも網羅しつつあるらしいし。はぁ……
矢口さん攻略途中のデータを泣く泣くリセットする。そして、再スタート。とにかく終わらせよう。イベントシーンは全てスタートボタンでスキップ選択肢も選ぶのが面倒だったので初期位置のまま決定ボタン。いい加減にプレイしてるからパロメータはさっぱりあがらない。
どうしても、ダンスのペア練習のときなど選択しなくてはならないときは梨華ちゃんを選ぶ。こうしておけば、梨華ちゃんとの友情エンディングになるだろう。同期の友達はだいじにしなきゃいけないし、きっと喜んでくれるだろう。「遊びに来るって言うから、自分のゲームでの自分じゃなくて、他人のバージョンでの登場キャラとしての自分も見たいんじゃないかとおもって梨華ちゃんで攻略してみた。」といえば、完璧。

そんなこんなで通常なら1回20時間くらいはかかるところを3分の1の時間で終える。私達のスケジュールからすればいいとこ2週間で1回というところ。けど、なんとか梨華ちゃんが遊びに来る前に終わらせた。疲れた…エンディングは「梨華と一緒に声優コースに転向」だった。一体どういう経緯でこうなったのかはイベントをすっ飛ばしていたので全く分からなかった。けど、これで、彼女が帰ったらゆっくり矢口さんを攻略できる。疲れた……今日はもう寝よう。
40 名前:ひとみの『No』と言えない日本人 投稿日:2000年10月02日(月)00時06分17秒
「おじゃましまーす。」
「どうぞ、散らかってるけど。」
私の部屋に案内してテーブルを挟んで向かいの席にクッションを置いて進めたがなぜか自分の隣に腰をかける。んん?なんでだろう?
「ねえねえ、よっすぃ〜ゲームどうなってるの?見せて見せて。」
「あ、うん。いいよ。」
テレビの画面が見える側に座りたかったみたい。案の定、ゲームを要求してきてので電源を入れる。
「……見ていい?」
「うん。」
スタート画面からアルバム鑑賞を選んで楽しそうに梨華ちゃんは眺めている。少し離れたところに私も腰を下ろす。じっと画面を凝視してアルバムを見ている。……?気のせいかその頬が赤くなっているような気がする。……なぜ?
「2回目……私にしてくれたんだ……」
「え、ああ、それは……」
メールチェックをしようと、携帯を取り出して画面を見たまま応える。やっぱりちゃんと台詞を考えておいてよかった。用意しておいた言葉を発しようとする。
「今日遊びに来るから、私のバージョンでの梨華ちゃんを見せて……」
41 名前:ひとみの『No』と言えない日本人 投稿日:2000年10月02日(月)00時07分49秒
「よっすぃーの……H」
「はあっ!?」
え、エッチぃ?誤解を招くような場面はなかったはず、時間が無かったからアルバムは全部確認しなかったけれど。驚いて顔をあげて画面を凝視する。
なんのことはない普通の練習風景。梨華ちゃんと私が2人でダンスの練習をしている。
「これ……『今日は帰さない』って選択すると出てくるんだよね。」
そ、そうだったんだ!?ろくに選択肢読んでなかったから……でも、それは単に朝まで一緒に練習しようって言う意味じゃ……!!
あ、あれっ?ちょっ……?気のせいか梨華ちゃんこっちに寄ってきたような…?
「明日……早くないし……泊まってもいいよ。」
「は、はあ。」
とりあえず寄られた分だけごまかし笑いをしながら腰を引いて後ろに下がる。
「つ、次行こうよっ次!!。」
梨華ちゃんからコントローラーをとりあげて次のアルバムに移行する。さっさと送ってしまおう。えーい連打っ!最後のCG「梨華と一緒に声優コースに転向」の画面を見てほっとする。最後の選択肢だけはさすがに選んだからね。あからさまに恋愛エンディングを示唆するものはさけたはずだから。声優じゃ誤解のしようもないはず。
なのに……どうして…梨華ちゃんは私のほうを見て頬を赤らめているんだろう?たしか…選択したのは『梨華ちゃんのもっといろんな声が聞いてみたい』だったような……
42 名前:ひとみの『No』と言えない日本人 投稿日:2000年10月02日(月)00時08分31秒
「よっすぃー……」
腰を引いて広がったはずの距離がいつのまにか縮まっている。……??なんで私の手の上に手を重ねるんだろう?
「いろんな声って……どんな声…聞きたいの?」
「ちょ……り、梨華ちゃん」
なんで、そんなに瞳を潤ませて上目遣いに見つめてくるんだろう!?それになんでなんでどんどんこっちに寄ってくるのぉ?
「……Hなことしちゃ…ダメだよ…」
だ、誰がっ誰にするんだ、誰にっ?しかもそういいながらなんで私にもたれてくるのぉ!!いつのまにか壁際にまで追い込まれていておろおろした私の瞳を梨華ちゃんの視線が捕らえる。
「り、梨華ちゃん?」
「……」
梨華ちゃんの潤んだ目がゆっくりと閉じられる。


神様…私は一体何を期待されているのでしょう?
神様…私はその期待に応えなくてはいけないのでしょうか?

FIN
43 名前:作者 投稿日:2000年10月02日(月)00時18分04秒
>33さん いますよね〜でも自分はライトなゲーム好き(のつもり)です。
>34さん 起こられるのは私でしょう・・・
>ムーミンさん レスありがとうございます。ほんとにあたたまりますか(笑)
>36さん 飯田さん・・・ムズすぎ・・・本人自体が面白いので。考えては見ますが・・・

次は・・・うー・・・ところで辻さんと加護さんてお互いのことなんてよんでるんでしょうか?こんなところで質問してすみません。
44 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月02日(月)00時21分56秒
毎回読ませてもらってます。
今回も面白いですねえ、石川の勘違いぶり(笑)
45 名前:SOL 投稿日:2000年10月02日(月)00時59分05秒
あーりかっち最高です〜。
なんか番組内では影が薄いから、いっそう妄想が膨らむんでしょうか?
46 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月02日(月)01時11分22秒
この際だから、石川の期待に答えてやれって(ワラ
47 名前:Hruso 投稿日:2000年10月02日(月)02時41分13秒
辻は「あいちゃん」、加護は「ののちゃん」だったと思う。
どっかの小説でそう呼んでいたような気が・・・。
加護or辻バージョン期待しております。
48 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月02日(月)02時44分36秒
あいちゃん、のんちゃんじゃなかったですか?
はっきりとはわかりません。すいません。
49 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月02日(月)07時03分00秒
面白すぎます。
50 名前:名前のない読者 投稿日:2000年10月03日(火)00時06分11秒
お。更新されててラッキー。神様、あわれな吉澤に試練を与えてください。
てゆうか石川ヲタで吉澤のことあまり好きじゃない俺をして吉澤が魅力的に見えてしまった…
ふぅ。あぶないあぶない…
51 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月07日(土)14時24分15秒
そろそろ続きを・・・
個人的には、平家編が見たい。涙を誘うような(わら
52 名前:(34) 投稿日:2000年10月07日(土)23時51分22秒
最高です。
よっすぃーの神さまへの独白、大笑いしました。
毎回みんなの特徴を掴んでてほんとすごいなーって思います。
本当に大好きな小説です♪
53 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月22日(日)00時00分03秒
続き待ってまーす。
でもなんかレスが少し消えてる気がする。
確か作者さんが来週にでも書きますって書いてたような・・・?
54 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月25日(水)00時38分56秒
更新お待ちしております。
55 名前:作者 投稿日:2000年10月26日(木)23時09分22秒
久々の更新です。レスたくさんいただいてありがとうございます。プレステ2で娘のがでるとか出ないとか聞いたのですが基本的に音楽ソフトみたいなので一安心(笑)
自分で書いておきながらこんなゲームでたら社会問題だとおもう。
56 名前:そうだ、中澤さんに聞いてみよう。 投稿日:2000年10月26日(木)23時11分37秒
「いやあ、やっぱ、プッチモニ3人斬りはヘビーやったわ。次は新プチ3人斬りやな。昨日の圭坊かわいかったでー。そん次はタンポポ4人斬りか、難易度高そうやなア?」
「……裕ちゃん………」
向こうのほうで中澤さんと保田さんがお話してます。さすが、リーダーというだけあっていろんな難しいことに挑戦してるみたいです。
「ののちゃん、進んでる?」
「あ、亜依ちゃん。」
ライバルの亜依ちゃんなのです。ミニゲームのスイカ割対決には負けちゃいましたけど今度は負けないのです。でもでも、辻は今大問題勃発なのです。謎、謎、全くの謎なのです。
「ちょっとわかんないことがあって…」
「なんや?相談?」
なんでも言うて、と力強く肩を叩く亜依ちゃん。ライバルと言えども情報交換がゲームの鉄則(と飯田さんが教えてくれた)ここは素直に聞いてみよう。
「実は……」
「うんうん。」
昨日通常レッスン後、中澤さんから食事に誘われるイベントが発生。笑顔の『どうや、辻たまには先輩が上手いもん食わしたるで』に即『はい、行きます!』を選択。丁度所持金も少なかったし、体力も不安だったから本当にラッキー。
「問題ないやん、ここまでは。うちもあったで?で、あれやろ?その次に車で来てるけどお酒飲みたいから外食じゃなくて、中澤さんちで出前の寿司とろうとかいうやつやろ。」
「うん。で、中澤さんの家にいってお寿司を食べたんだけど……なぜか」
「なぜか?」
「中澤さんが『じゃあ、寿司でお腹も一杯になったことやし…次は……』って言った後」
「どうなった?」
「画面が真っ暗になって、何故か次の日体力が更に減ってて、その上傷心度が最高値までアップしてた……」
うーんと腕組みして考え込んでしまう亜依ちゃん。
「……体力が減ったのはナマモノにあたってお腹こわしたんかもしれんけど…傷心度があがるんはなんでやろ……うーん………そうや!」
「わかった?」
「このゲームって基本的にうちらをモデルにして作ってるわけやしやっぱり中澤さんに聞いてみるのが一番ちゃう?」
亜依ちゃんの視線の先には中澤さん。保田さんとのお話も終わったらしく一人、帰る支度をはじめています。困ったことがあったらなんでも聞くんやで、ってゆってたし、なんてったって中澤さんはリーダーです。
57 名前:そうだ、中澤さんに聞いてみよう。 投稿日:2000年10月26日(木)23時13分39秒
「うん。じゃあ、聞いてくるね。」
「分かったらうちにも教えてな。『情報の独占』は禁止やからね。」
「わかってる!」
私がなかざわさーんと呼ぶと支度する手を止めて「なんやつじ〜」と頭がくしゃくしゃになるくらい撫でてくれます。
「あの……」
亜依ちゃんに聞いたことと同じことを聞いてみます。すると、なぜだか中澤さんはにこ〜っといつもの10倍くらいの優しい声と笑顔で(いつも怖いってわけじゃないけど)こういいました。
「よっしゃ、教えたるわ。どや?これから裕ちゃんちいって一緒にやろか?寿司でもつまみながら。たまには奢ってあげるわ!」
「えっ!お寿司おごってくれるんですかー?」
「もちろん特上や!」
「行きます行きますっ!」
今日はなんだかツイてる。特上のお寿司!!お寿司、お寿司!!亜依ちゃんも誘ってあげたいけど人数が増えて中澤さんにお金一杯使わせちゃったら悪いし。でも、このシチュエーションどこかで………うーん…ま、いっか。お寿司食べれるし!
「百聞は一見にしかずっていうしな!」
「ひゃくぶんはいっけんにしかず?」
意味はよくわからなかったけどとりあえず行きますっ。
58 名前:そうだ、中澤さんに聞いてみよう。 投稿日:2000年10月26日(木)23時14分11秒
「ふえ〜……おいしいれす〜…もういっ…けほっ」
「なんや、辻〜、慌ててたべんでも大丈夫やから。喉に詰まるで。ほら、これ飲んで。」
「ありがとうございま……ヒック。」
なんだかとてもいい気分れす。「お寿司にはこれが最高や、一杯だけつきおうてや」といって渡された『あつかん』というのはどうやらお酒だったみたいれすぅ。ヒック……
「なかざわさ〜ん。おいしいれすぅ、体がぽかぽかします。ヒック……もう一杯ぃ。」
「お、頼もしいやんかぁ。ほんま、辻はかわいいなぁ。」
ふわぁ……なんか本当にとってもあったかい………と思ったら中澤さんが後ろから抱っこしてくれてます……頭もフワフワして……気持ちいいれす……
「なんや辻……そろそろおやすみの時間かぁ?」
おやすみ……?ああ、そっかぁいつもならお風呂に入ってベッドでゴロゴロしてる時間なのれす……でもぉ……このまま寝ると怒られ……
「つーじ……そろそろあっちいこかぁ?」
やさしーい声の中澤さん。ほんとにやさしいのれす……。
「すいませぇん……ヒックぅ」
足がふらふらするけど中澤さんが支えてくれて私を何処かにつれてってくれてます……迷惑かけてしまってごめんなさい……
ふんわりした感触が全身を包んで、天井がくるんくるんまわってます……
「やっぱりフローリングは痛いからなぁ。」
ああ、つじをベッドまで運んでくれたのれすね?……本格的に眠くなってきました。まだ回りつづける天井の光景に中澤さんの顔が入ってきてだんだん大きくなってきます。中澤さんもたくさんお酒を飲んでたから眠くなってしまったんれすね…………まぶたが重い……
眼の前がくらーくなりました。ねむ……ん?唇にさっき食べたトロみたいな感触がします。おなか一杯でもうたべられないんれすけどぉ?んんっ?だ、だからぁお腹一杯だからたべられないってゆってるのに……勝手に口の中に……
もう、夢見てるのかなぁ……あ、でもこのままで寝ると服がしわしわになっちゃうなあ。どうしよ……面倒だなって思ってるとボタンを外す音が聞こえてきます。優しい中澤さん、着替えまでさせてくれるんれすか?お寿司まで食べさせてくれた上に……え……あれっ?でもそれは、別にきがえなくてもいいんじゃ……???
59 名前:そうだ、中澤さんに聞いてみよう。 投稿日:2000年10月26日(木)23時15分01秒
ののちゃんが変や。昨日は中澤さんのところに聞きにいったまんまいつのまにか帰ってしまうし、今日は朝から私と眼をあわせようとせーへん。あれほど『情報の独占』は禁止やってゆうたのに。とっておきの情報を教えん気やな?楽屋で中澤さんがののちゃんに「今日も……」とかいってるのがちらっと聞こえてくる。おおかた昨日いっぱいおいしいものでも食べて今日もどこか行く気やな!そうはいかへんで!こうしちゃいられない。ののちゃんに先を越される前に行かなきゃ。
と思ってるとののちゃんは走って楽屋を出て行く。ん?なんだかわからんけどチャンス到来や。
「初々しいなあ……ん?なんや、加護。」
「あのぉ、中澤さんに聞きたいことがあるんですけどぉ。」
ののちゃんの質問をそのまま拝借させてもらう。
中澤さんはにこ〜っといつもの10倍くらいの優しい声と笑顔をうかべてこういった。
「よっしゃ、教えたるわ。どや?これから裕ちゃんちいって一緒にやろか?ピザでもつまみながら。たまには奢ってあげるわ!」


FIN
60 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月26日(木)23時49分00秒
中澤よ!ああっ〜中澤よ!!
61 名前:SOL 投稿日:2000年10月26日(木)23時50分45秒
うわー更新感謝ですー。
長さが適度で読みやすいのがいいですね。
62 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月27日(金)20時56分30秒
福田と石黒バージョン求む。
63 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月28日(土)01時58分24秒
裕ちゃんが・・・裕ちゃんが・・・怖すぎる(笑)
ってゆーか、淫行令(?)にひっかかるのでは・・・(笑)
後藤編、矢口編待ってます^^
64 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月28日(土)14時07分21秒
こんな裕ちゃん、ヤダ(笑)
また楽しみにしています♪
65 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月29日(日)07時29分01秒
黒ゆう最高(笑)
66 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月30日(月)22時10分59秒
めちゃ、おもろい。こんなアイデア思いつくなんてあんた天才や
67 名前:真里〜優しい嘘〜 投稿日:2000年10月31日(火)23時11分43秒
「ここんとこみんなゲームに夢中で相手してくれへんから寂しかったわー。」
来週にはゲーム雑誌のインタビューを控えているので、さっさと帰ってプレーする心積もりだったが強引な中澤の誘いに渋々同行する。矢口にどうしても見せたいものがあるから家に来てくれというのだ。
「何が寂しかったわ〜だよ。おとといは辻、昨日は加護と楽しそうに帰っていったでしょうが。」
「なにゆうてんねん!それは、リーダーとしてメンバーみんなと仲ようせないかんていう責任感のなすところやろ。矢口は全くの別格や。」
矢口が一番、矢口しかおらん、矢口が最高。一つ一つをとってみればうれしいに決まっているけれど中澤のそれは全く説得力が無い。ましてや、連日、ゲームとはいえプチモニ3人斬りだのタンポポ4人斬りだの、果ては新メン4人斬りだの連呼していればなおさらである。ひたすら後藤だけを攻略しているらしい市井(本人は否定している)の爪のあかでもせんじて飲ませてやりたい。
「何か飲むかぁ?」
「ウーロン茶でいい」
「あー。お茶きらしてるわぁ。ちょっとつまみ買うついでにコンビに行って来るわ。」
自分の分の缶ビールをとりだし一口だけ飲み干すとさっさと出かけていく。
いつもだったら矢口買ってきてー、か一緒に行こうで、とくるところなのにやけに今日はサービスがいい。一体見せたいものってなんなんだろう。
待っている間退屈なのでテレビでも見ようかとするといかにも昨日も寝る前までプレーしてましたといわんばかりに放置されたゲーム機が目に入った。例のシミュレーションゲームのケースが横に置かれてある。
保田達と話す感じからして相当やりこんでいると思われる中澤のデータ。あまりやりこみ派ではない矢口にはいい参考になるかもしれない。もっとも自分も他メンバーも一緒にされて中澤に3股、4股かけられている姿を見るのはおおよそ気分のいいものではないだろうけれども。
「ま、裕子いじめの材料ぐらいにはなるでしょう。」
軽い気持ちで電源をONし立ち上げる。アルバムモードを選ぶ。
68 名前:真里〜優しい嘘〜 投稿日:2000年10月31日(火)23時13分29秒
「あ……れ?」
自分の予想を反して中澤のCG達成率は14%となんとも少ない。ざくっと2回ほどプレイした自分ですら20%だというのに。おかしい、どういうことなんだろう?とりあえずアルバムの中身を確認しようとするとガチャリとドアの開く音がして手を止めて振り返る。
「や、矢口!!」
ゲームを手にしている矢口を目に留めると大慌てで中澤はコントローラーを奪い上げた。
「ちょっ……裕ちゃん!?」
「み……見たんか!?」
だって、別にダメだとはいわなかったし…予想外にあせっている中澤に戸惑う。何か見られてまずいものでもあったのだろうか。かといって見てないといったところで現に電源は入ってるわけだし。
「え……見たけど……」
やがて、中澤はあきらめたように肩をおとしてうなだれた。
「……幻滅やろ?圭ちゃん達に言うてたことはみんなうそなんや……」
「えっ!?」
中澤は覚悟を決めたかのようにゆっくりと言葉を紡ぎ出す。
「プチモニ3人斬りどころか、全然攻略してないねん。」
「でもっ!なんでも詳しくて……」
「……あれは全部インターネットの情報の受け売りや。」
「なんで……そんな嘘を……」
「最初は、リーダーとしてみんなの力になれたらなって気持ちやったけど……もしかしたら単なる見栄やったんかもしれへん。お笑いやな。」
いつしか中澤は矢口から顔をそむけ肩を震わせている。
……苦しかったんだね…辛かったんだね……裕ちゃん……なのに矢口はそんな気持ちもわかってあげられないで……
「裕ちゃん……」
優しく小さな手で中澤を包み込む。
69 名前:真里〜優しい嘘〜 投稿日:2000年10月31日(火)23時14分46秒
「お願いがあるんや、矢口。」
「なに?裕ちゃん」
「今のデータ……矢口の手で消去してほしいんや。もう一回……一からやりなおしたいから。」
「……わかった…。」
達成率14%とはいえ1回のプレーにかかる時間は結構なものだ。せめて一度自分の目で見てから消去したいと思いボタンを押す。
「あ……」
驚きで矢口の目が見開かれる。一面に広がる自分の絵。14%のCGのほとんどが自分で埋め尽くされている。この量からすると、矢口に関しての達成率はほぼ100%なのではないだろうか。
「ゆう………」
途端に今までものともしなかった「矢口が一番」「矢口だけ」という言葉が頭をうずまき真っ赤になる。
「……こっちも知られたもうたか……でも……正直な気持ちや。」
「裕ちゃん…アタシ…」
「好きやで、矢口。」
矢口が素直に重心を預けるとそのままクッションの上に押し倒される。首筋にあてられた中澤の唇がゆっくりと下にずれていく。
70 名前:真里〜優しい嘘〜 投稿日:2000年10月31日(火)23時15分25秒
「裕ちゃん…待っ……」
せめて電気くらいは消して欲しいと伸ばした手を押さえつけられた拍子に、後ろの戸棚に置いてあった箱に指先があたりパラパラと音を立てて何かが落ちてきた。
「大丈夫や…怖くない怖くない。」
そんなことを気にも留めず、せっせとブラウスを脱がしにかかる。
マッチか何かかなぁ?何気なく矢口は落ちてきたものに視線を移す。
……あ、なんだプレステのメモリーカードかぁ。随分たくさん……
なんか書いてあるぞ……
『安倍』…『吉澤』…『石川』…………
メンバーの名前が書いてあり、その下に日付らしきものがかいてある。??
辻、の名前の下におとといの日付が、加護、の名前の下に昨日の日付が。
…………………
…………………
むっくりと矢口は体を起こす。
「ん?なんや、矢口。ベッドのほうがええんか?ん、んんっ!!?や、やぐちぃ?」
テーブルの上のプレステの本体をつかむと思いきり中澤の頭上で振り上げた…


Fin
71 名前:作者 投稿日:2000年10月31日(火)23時20分56秒
前回に続きでばる中澤ねえさん。・・・ネタに使ってしまい心からごめんなさい。しかも不幸。
オチもついてるようないないような。
なんとか飯田さんも登場させられるように(いまだ出番無し)書きたいと思っております。石黒、福田はムズイです。ネタください(笑)
72 名前:名無し 投稿日:2000年10月31日(火)23時44分13秒
本当によく思いつくていうか、上手だよね。
文章もアイデアも構成も。

73 名前:読んでる人 投稿日:2000年11月01日(水)00時14分51秒
やっぱり中澤は保田の攻略はしてないんだろうか・・・
しかしほんとに面白い。
「策士、策におぼれる」とはこの事ですな。
74 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月01日(水)04時36分17秒
中澤の悪だくみがすげーおもろい。そんな用意周到に・・・(笑)
75 名前:顔に降りかかる雨。 投稿日:2000年11月03日(金)23時28分56秒
誰かが言っていた。無知は罪。無邪気さも、幼さも、みんなみんな罪だって。一体…知らぬうちにどれほど彼女を傷つけていたのか。どこまでいっても許されぬほど、私は罪深い人間。
激しく降り注ぐ、雨、雨、雨。しかし薄い膜に包まれた別空間のように遠くに感じる。露出した肌に残る何かが次々と落ちては流れていく感触だけがかろうじて私と現実世界をつないでいる。この流れ落ちていく雫が私の罪を洗い流してくれるといいのに。



私は知っている。ひとなつっこい笑顔の裏にある真実を。もう随分前から気付いていたけれど、その視線、しぐさ、一つ一つが疑惑を確信に変えていく。今だってそう、知らぬ顔を装って私の背後にまわろうとしているのを。でも、簡単に思い通りにはさせない。張り詰めた空気は、私にほんの一瞬息をつく間も与えてはくれない。これは、私との根競べだ。
長期にわたる緊張感で遠くなる意識をギリギリの所で保つ。
よかった、今日の所はなんとか乗り切ることが出来た。筋肉が弛緩していくのと入れ替わりにとてつもない疲労感が私を襲う。



日毎、私の神経が磨耗し、精神が蝕まれてゆくのを感じる

………でも……平気、アナタガイルカラ。
76 名前:顔に降りかかる雨。 投稿日:2000年11月03日(金)23時29分57秒
「じゃあ、今日はここまで!お疲れ様。」
「いやぁ、疲れた!」
ダンスレッスン終了の合図が響く。つい先ほどまではもう余計な動きなど一つもしたくないと思っていたがいざ終わってみるとそこは若い女の子。おのおのとめどないお喋りが始まる。
あちこちに出来る輪になぜか入らずにたたずむ少女の姿が目に止まる。教育係である責任感も手伝ってそばに行き声をかける。
「どうかした?石川。」
「やすださん……」
小刻みに震えるからだ。瞳は恐怖の色を携え、潤んでいる。ただならぬ様子に戸惑いながらも事情をただす。
「あの……い、飯田さんが……」
「カオリが?」
たっぷり10秒ほど間を置いて石川は次の言葉を発した。
「変なんです。」
ガクッ……
一体何をどれほど悩んでいるのかと思えば。
「別に変なのは昨日今日始まったことじゃないでしょう?」
「でも、でもっ変なんです!!正面にいるときは視線を合わさないのに、気付くと私のこと見てるしっ、ダンスのとき一直線に並ぶ振り付けだから後ろに行こうとするとムササビみたいに飛んでよけるしっ……しかも………曲が終わった瞬間にふりむいてニターッて笑って『残念だったね……』って言うんです!!」
77 名前:顔に降りかかる雨。 投稿日:2000年11月03日(金)23時30分29秒
「……」
確かにおかしい。しかし言われてみれば……
「石川……そんなのまだいい方よ……」
「えっ?」
「私なんかさ、昨日家に帰ったらあの豪雨の中カオリが傘も差さずにマンションの入り口に突っ立ってるのよ。雨と風で髪の毛ぐちゃぐちゃで顔にべっとりくっついちゃっててさ。まばたきもしないで目見開いて……しかも……雷でその目が光ったのよぉ!!」
「……」
「今でも網膜に焼き付いてるわ……。」
「おるんやでー、現実世界と仮想世界を混同してしまうん。」
どんよりと思い空気に包まれた二人に、いつのまにかそばにいた、歯切れのいい関西弁のイントネーションが加わる。

「どういうこと、裕ちゃん。」
「おととい、カオリんち行って例のゲームの進行状況見せてもろうたんやけどな……」
飯田が少し離れた所にいるのを確認すると声を潜めて話し始める。
「どうにも、こうにも中途半端な進行状況で、圭坊との約束は忘れてすっぽかして友情度サイアクだわ、吉澤がらみのイベントで石川との仲もサイアク。ま、ほとぼりさめるまで触らぬカオリにたたりなしってとこやろな。どうもゲームの要領えてないみたいやし。メンバーだれとも親密になってへん、まぁ唯一仲のええのもいたけど、あのまま進行すると多分エンディング時には破局……」
「なーにみんなでナイショ話ししてんだべ。」
78 名前:顔に降りかかる雨。 投稿日:2000年11月03日(金)23時31分07秒
「なーにみんなでナイショ話ししてんだべ。」
私が話し掛けると何故か3人とも表情が凍りついた。なにかまずい話でもしてたんだろうか。
ちらっと圭ちゃんか梨華ちゃんがカオリが変とかいってたような気がするけど……そうかなぁ?さっきだっておべんとについてた、からあげくれたし、休憩のときはなっち疲れてるでしょってマッサージまでしてくれた。最近随分と優しい気がする。もしかしたらなっちのこと嫌いなのかなって思った時期もあるけどやはり腐れ縁(カオリいわく)てやつ?いずれにしても怖いくらい優しい。
いつまでたっても答えてくれないのでもう一度聞こうとすると肩に誰かの手が置かれたのを感じた。
3人揃って見開かれる目。
「あっ、私今日用事が会ったんです!!」
「石川っ!私もよ。一緒に帰ろうか。」
「あ、アタシもかえらなあかんわ。」
慌てて去ってゆく………気のせいかどことなく裕ちゃんの目は哀れみに満ちていたような……

ゆっくりと肩に置かれた手の持ち主のほうを振り返る。
静かに、優しく、微笑むカオリ。
「帰ろ、なっち。」
そう、今日はカオリのうちに行って一緒にゲームやる約束だったんだ。今夜はエンディングまでいけるっていってたから楽しみだな!

Fin
79 名前:作者 投稿日:2000年11月03日(金)23時34分36秒
一応主役なのにほとんど台詞らしい台詞の無いカオリン・・・・・・

ひとのお話にもがんがん登場する中澤姉さんですが(私がファンなのでつい登場させてしまう・・・)ご本人のお話は最後にするつもりです。
80 名前:ま〜 投稿日:2000年11月03日(金)23時49分56秒
あんた天才だ!
最高に面白い!
81 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月04日(土)17時04分15秒
上に激しく同意!
あんた本当に天才だ。
面白いってのを超越してる。
82 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月13日(月)08時14分47秒
誉められすぎて書きづらくなった?

気にしないでマイペースで書いてね。
83 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月14日(火)00時45分50秒
そろそろ続きが読みたいっす。
84 名前:作者 投稿日:2000年11月15日(水)22時46分19秒
色々応援くださってありがとうございます。しかもなにかと気ぃ使ってくださる方までいて、感謝です。
後藤編はかなり難産・・・・・・
でもラストは結構前から考えてたので書けたら勢いで今日アップしちゃいます。(ホントか?)
85 名前:応援してるからね 投稿日:2000年11月15日(水)22時48分00秒
「後藤。」
「ふぁい〜?」
次の撮影まであと10分ちょっと。楽屋でうだうだしていたアタシをマネージャーが呼ぶ。
「後藤、雑誌の取材。ゲームの。ロビーのとこで。」
「はぁ?だって時間無いですよ。」
「しょうがないでしょ、この時間しか取れないんだよ、スケジュール的に。他のみんなも合間合間で取ってきたんだから。ほら……」
せかされて渋々ロビーに向かう。所詮タレント、所属事務所の意図にはさからえません。たとえ安月給でも。
大体売れてるっていったって自分達で曲作ってるわけじゃないしダンスが特別上手いわけでもない。つんくさんはもちろん、現場の監督、ダンスの先生、うちの社長、果てはマネージャーに至ってもなかなか口答えなんてできないもの。
芸能界の縦社会って厳しいもんなんですよ。
「お待たせしました〜」
機材を持った一行を見つけ近づいていく。時計をチラッと見た。ほんとに10分しかない。
「すいませんね。後藤さん、じゃ、はじめます。」
パシャリパシャリとフラッシュが焚かれる。
はいはい。
ニコリ。
86 名前:応援してるからね 投稿日:2000年11月15日(水)22時49分21秒
「いいね、も一回笑ってもらえる?うん、そうそう。あーもうちょっと目線こっちにくれるかな?はい、うん。じゃあ今度は……」
おいおい、時間無いんじゃなかったのぉ?写真ばっか撮っちゃって。ギリギリまで引っ張られて走って行け〜なんてヤダよ。
ってアタシが思ってるとようやく取材らしいものが始まる。
……実はあんまりやってないから、あんまし突っ込まないでね。
「最近、体調はどうかな?」
「ん〜、病気はないけど、いっつも眠いです。」
「新メンバーとはもう慣れた?」
「もう半年以上ですからすっかり。仲いいですよ。」
「辞めた子達とも連絡とってるの?」
「まぁ、適当にとってます、メールとか。」
いいのかいいのかぁ?こんな雑談から入っちゃってぇ。時間おしてるぞぉ?なーんて心配してる当たりホント我ながらすっかり芸能人してるわ。
「すいませーん時間なんで。」
案の定、次の収録担当のADが呼びに来た。あらら、まだ3つくらいしか(しかも全然ゲームと関係無いこと)答えてないのにね。
「じゃ、すいません。行かないといけないんで。」
取材陣の方々に会釈する。
悪いね〜、あとは適当に編集しといてください(な〜んてね。)
結構後藤も芸能界ってもんをわかってきたってもんだ。
あー、ホント忙しい忙しい。働けど働けど……
87 名前:応援してるからね 投稿日:2000年11月15日(水)22時50分16秒

…-

「はい、これ明日売りの月刊ゲームファンね。」
事務所の人がはいっと渡してくれた。
「あ、どうも。」
はれ?なんだったっけ。ああ、こないだの取材の奴か。
どれどれ……
〜第4回のゲストは後藤真希さんです〜
『どうですか?ゲームのほうは?』
「すっごく面白いです!!○月○日から○月○日まで東京・大阪…………で開催されるサルティンバンコに勝るとも劣らぬ楽しさです!!モーニング娘はこのゲームと○ルティンバンコを応援します!!」
「ゲームしてるときはどんな感じ?」
「集中してずっとやってると甘いものが欲しくなるんですよね。そういうときはやっぱり○ッキーが一番!!ムース○ッキーなんか最高。フワーッさくさくってとろけるんですよぉ。」
「そうなんだ。」
「はい、で、お風呂に入ってからまた寝る前の1時間くらいやるんですけど、お風呂上りには飲○楼。これ基本です。」
「でも、これからは寒くなってくるから風邪には気をつけないとね。」
「大丈夫、○○のエアコンさえあればいつでも快適空間。冬でもぽっかぽかです。」

!!12月○日発売の新曲も要チェック!!がんばります!!○−カラにも配信されるのでみんなで歌ってね!と笑顔でキメテくれました。
……以上後藤真希さんでした。
※○○○○○のカメラで撮った後藤真希の生写真を抽選で10名様にプレゼント。詳しくは次号にて。




アタシはまたひとつ芸能界ってものを知った。
88 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月15日(水)23時27分04秒
面白い〜!
なんか最近のごっちんのインタビュー記事を読んでるとマジで
こんな風になってるんじゃないかと思うほど立派なこと言ってる気がしません?
いちーちゃんが出てこなかったのがちょっと寂しかった。
89 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月16日(木)00時10分30秒
面白いっす・・・
実は某小説モドキを書いてたりするんですが・・・参りました。
90 名前:作者 投稿日:2000年11月16日(木)00時31分35秒
早速のレスありがとうございます。後藤編のオチは最初市井がらみにしようかと思ったんですが、出さないほうがすっきりしたので上のようになっちゃいました。すいません。
後藤の一人称がこんなに書きにくいとは思いませんでした。学習。


てなわけで、勢いでもう一本。スタート。
91 名前:それぞれの明日 投稿日:2000年11月16日(木)00時33分06秒
なんでや?
私は苦悩した。
みっちゃんとのナニワ金融道エンディングも見た。
今思い出しても胸クソ悪い、田舎に帰って見合いに99回失敗もした。
隠しキャラも特殊イベントもありとあらゆる可能性を追求した。
なのに、なのに
どうしても達成率が100%にならへん。
これはどういうことやろう?
同じようなことがファンの間でも盛んに交わされているらしく、ここまでわからないんは製作者側のミス、バグに違いないとまでいわれている。
このままではあかん。
もしバグってゆうことやったら不良品のレッテルがモーニング娘。につきまとうわけやし、何よりお金を払ってくれたファンの方達にちゃんとあやまらないかん。
駆け引きと名のついたごまかし、華やかな世界の裏側にあるしがらみ。自分達の知らぬ所で動く金、金、金。そんなんはもううんざりや。最初に私達が目指した歌手になりたいという夢はいつしか大きな流れに身をやつしてしまったんやないか?
92 名前:それぞれの明日 投稿日:2000年11月16日(木)00時42分49秒
私はいてもたってもいられずゲームの総合プロデューサーであるつんくさんの元に向かった。
「説明してくださいよつんくさん!!」
「なんや、中澤?いったいなんのことや。」
「とぼけんといてください!!」
もしかしたらメーカーサイドのミスでつんくさんはなんも知らんかもしれへん。それでも、私はつんくさんを問い詰めた。
「そうや、あれはどんなにがんばっても99.9%にしかならへんねん。」
「へっ?」
予想したどのパターンにも当てはまらない回答に思わず奇声を発してしまう。
「ひ、開き直るつもりなんですかっ?」
なんてことや。そりゃ、確かに間違いを認め発表することは莫大な労力と財力を浪費せなあかんけどもっともっと大切なものが……
「……わからんか?中澤。」
93 名前:それぞれの明日 投稿日:2000年11月16日(木)00時44分08秒
つんくさんは……私に背を向けると哀しそうに呟いた。
「つんくさん……?」
「用意されたもの、あらかじめ作られたものを見る、聞く、体験する、そのことでそれを共有する……人は人とわかりあいたいっていう気持ちをみんな持ってるからな……それもすごく素晴らしくて楽しいことやと思う。」
私は……つんくさんの言葉のひとつひとつをかみ締めるように受け止める。
「中澤……お前、最近どんな夢見た?」
「は?ゆ、夢ですか……そうですね…キアヌ・リーブスと結婚する……」
「それはあのゲームにあったか?」
「いや、さすがに無かったですけど……」
「夢見て楽しかったか?」
「そりゃまぁ……」
つんくさんはなにがいいたいんやろうか…?
「そうなんや、ええか?ホンマの夢っていうのは自分で生み出して、自分の手で掴み取るもんや!誰に用意されたわけでもない。こんな世の中や。99.9%決まりきった世界でもな、可能性はゼロや無い。残りの0.1%はな……お前が見つけるんや。お前や、矢口や、後藤や……みんなみんな、それぞれがな。」
「つ……んくさ……」
私は、私は……大人になって一番大切なものを見失っていたのかもしれない。
「それぞれの夢を、明日を追って欲しい。それが俺からのメッセージや。」
私はいつしか涙を流していた。

夢……か……
94 名前:それぞれの明日 投稿日:2000年11月16日(木)00時46分50秒




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95 名前:それぞれの明日 投稿日:2000年11月16日(木)00時48分21秒


・・・・・・
ファンのみんなの怒りが目に浮かぶ。
でも買うんやろな……。例え騙されたって解っていても……(涙)
96 名前:作者 投稿日:2000年11月16日(木)00時55分36秒
というわけで、なんとか無事(?)完結ってことで。
ネタものは書くの初めてだったんですが書いててホント楽しかったです。思いついたら後は勢い!ストーリーものだとこうはいかないですもんね。
読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
97 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月16日(木)00時59分49秒
とてもおもしろかったです!
よければまた何か書いてくださいね。
98 名前:Hruso 投稿日:2000年11月16日(木)01時49分39秒
お疲れさまです。
短編ネタ集みたいな感じで、どれもすっごい面白かったです。
それぞれの娘。のらしさがでてるのがいいですね。
99 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月16日(木)03時29分15秒
http://www.sonymusic.co.jp/VisualStore/SpaceVenus/
そういえば実際にこんなのが出ますね。
100 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月16日(木)23時41分26秒
お疲れ様です。
マジ面白かったです。

101 名前:作者 投稿日:2000年11月17日(金)23時06分01秒
>97さん ありがとうございます。    ・・・(実は書いてたりして・・・)

>Hrusoさん 当初は全員書くつもりは無かったんですが皆さんのおかげで書き終えることが出来ました。(石黒、福田はさすがに書けなかった・・・)応援ありがとうございました。

>99さん まともなゲーム(ゲームなのか?)みたいで安心反面ちょっと残念だったりします。(笑)

>100さん ありがとうございました。中にはおいおいオチついとらんやんていうのもあったような気もしますが・・・
自分としては結構保田編が気に入ってるんですけどね。


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