インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板
愛のかたち
- 1 名前:ペーター 投稿日:2000年09月29日(金)03時03分04秒
- 3ヶ月以上前に途中まで書いていたエセ小説です。
題名を変えて、今回初めてこちらで書かせてもらいます。
たいして工夫はありません・・・。
ベースは純愛ですが、次第に「官能」を入れていきます。
エロいのだめだったらストップかけていただけたらと思います。
【登場人物】(今のところ)
ヨシサワ ヒトミ (高校1年生)
ゴトオ マキ (高校1年生)
アブ ナツミ (高校3年生)
イシガワ リカ (高校1年生)
イチノ サヤカ (高校2年生)
ヤグチダ マリ (高校2年生)
サヤカとマリはチョイ役なので期待しないで下さい。
- 2 名前:ペーター 投稿日:2000年09月29日(金)03時04分02秒
- 「今年も誰も入らないか・・・」
4月も下旬になるのに、部のドアを叩くものはいない。
モーニング女学園は、知る人ぞ知る、ビアンが多いと噂される女子高。
そんな噂を真に受けて入学してくる者も多いという。
女子高らしく、文科系の部活が盛んである。
その中で、手芸部はパっとせず去年から誰も入部していなかった。
部長は今年3年になったナツミ。
清純な風貌に隠された内面は、ケッコウ3枚目でスケベらしい。
実は唯一の部員である。
- 3 名前:ペーター 投稿日:2000年09月29日(金)03時06分47秒
- そんな手芸部のドアを叩こうか叩くまいか迷っている新入生がいた。
その名をヒトミという。
すらっとした色白の肢体。
見かけはクールだが内面はそうでもないらしい。
部室のドアの前で立ちすくんでいると、そこに大きな声で近寄ってくる人物がいた。
「もおっ、ヒトミちゃん勝手に行かないでよぉ!」
甲高く幼い声の主はリカ。
中学校からのヒトミの同級生である。
優等生であるリカは、本当は他に行くべき有名進学校があったのだが、
ヒトミと同じ高校に行きたくてこの学園を選んだのだった。
「私を置いて行こうとしたでしょ!」
「んん・・・。ついてこなくていいよぉ。テニス部に入りたいっつってたじゃん・・・」
「ううん。リカはどこまでもヒトミちゃんと、いっ・しょ・な・のっ」
「マジ?・・・・・」
結局一緒に入部した2人はナツミに大歓迎された。
「一度にこんなカワイ・・・いやいや・・・新入生が2人も入ってくれて
ナッチとっても感激ぃ!よろしくね!」
「ハ・・・ハイ・・・」
「堅苦しいのいやだからナッチって呼んでね!」
「え・・・そんな・・・」
部長の異様なテンションの高さに最初は引いてしまったものの、
一見優しそうな先輩の出現でホッとしている2人であった。
- 4 名前:ペーター 投稿日:2000年09月29日(金)03時10分04秒
- しかし、増えるとなると増えるものである。
5月に入ると、もう1人の新入部員が現れた。
「こんちはー。入部させてくらさーい」
ゆるんだ声で部室に入ってきたのは新入生のマキだった。
「うっ・・・!」
ヒトミはその茶髪の少女の出現に目を見開く。
実は入学式以来、隣りのクラスのこの少女に心を奪われていたのである。
ナツミの顔も思わず緩む。
(ありゃりゃぁ、続けば続くものだわぁ。今年は大豊作・・・フフフ・・・)
「うわ、嬉し〜い。どうしてここに入りたいと思ったの?」
「うちの親がね、私が遊びまくるといけないんで、どっか部活に入りなさいってね、
入らないと小遣いくれないっていうんですよー。ひっどいでしょー」
「あ?・・・そ・・・。じゃ、手芸に興味あるわけじゃぁないってか・・・」
「ぜんぜーん。面倒臭いことチョー嫌いなのー。でもここが一番楽だって聞いたしー」
「ま・・・そうかもしんないけど・・・」
こんな態度の下級生を許していいものかどうか悩むより、
ナツミには、かわいい子に入ってもらいたいという思いが強かった。
だが、なにより一番喜んでいるのはヒトミだった。
「ゴッチンって呼んでねー」
屈託のない笑顔を振りまくマキ。
(うわ・・・これからどうしよう・・・)
白い頬が紅潮していた。
- 5 名前:ペーター 投稿日:2000年09月29日(金)03時16分21秒
- そんなこんなでやっと部員が増えた手芸部は、
やっと活動らしきものを始めようとしていた。
ヒトミはマキのおかげで毎日幸せな緊張感に浸っている。
マキはというと、案の定、まったくやる気などない。時間が来てもなかなか来ないし、
来たら来たで、手帳にプリクラを貼ったり、マニキュアを塗ったり・・・。
でもヒトミはそれを見ているだけで嬉しいのである。
特に会話はないが、マキが居てくれるだけでよかった。
ナツミはそんなヒトミに目をつけていた。
(やっぱあの子が一番タイプかも・・・フフ・・・)
もう一人の部員リカは、ヒトミにべったりとくっついて離れようとしない。
相手が自分のことを見てくれてないことなんか気も付かない様子だ。
甲斐甲斐しくヒトミの世話をしようとする。
(リカちゃんちょっとほっといてくれないかなぁ。これじゃ近づけないよ・・・)
ナツミとリカはヒトミを見つめ、ヒトミはマキを見つめ、そしてマキは・・・
何も見つめてはいない。今日も熟睡している。口を半開きにして。
そんな奇妙な手芸部の活動は、この先とっても思いやられるのであった。
- 6 名前:ティモ 投稿日:2000年09月29日(金)17時39分26秒
- マキとヒトミのエロが見たいッス。
- 7 名前:ばった 投稿日:2000年09月29日(金)20時06分22秒
- これ、前は2chで連載してたのですよね?
いいところで前は続きを見失ったんで、再開嬉しいです。
更新、がんばって下さい。
- 8 名前:ペーター 投稿日:2000年09月29日(金)22時30分31秒
- >ティモさん
これは一応よしごまとして書き始めたものなんで、絡みはいずれ出ると思います。
>ばったさん
どーもです。おっしゃるとおり6月に、『空想エセ小説〜モーニング女学院★よしごま編』という題名で
2chで書き始めてたんだすが、1日で板が飛んじゃって、
そのうち忙しくなって放置してしまいました。
なるべく毎晩少しずつでも更新できるようにがんばります。(多分・・・)
- 9 名前:名無しさん 投稿日:2000年09月29日(金)23時57分13秒
- とりあえず予告なし放置はやめてね〜(はーと)。
- 10 名前:ペーター 投稿日:2000年09月29日(金)23時58分07秒
- さて、禁断の部室内はというと・・・・・・・・・・・
ナツミはヒトミと2人きりになると、ここぞとばかりに満面の笑みで可愛い後輩に近づいていく。
「ねぇねぇ、ヨッスィーはどんなパンツ履いてるの? 白いの?イチゴの?」
「えぇっ・・・何きいてくるんですかぁ、先輩・・・」
「先輩じゃないっしょ。ナッチっしょ」
「はぁ・・・ナッ・・・チ・・・」
「ねぇ、パンツが濡れちゃうことない?ヨッスィーはどんな時に濡れちゃうの?」
「な〜に言ってんですかぁ! もう漏らしませんよ子どもじゃないんだからぁ!」
マジに反応するヒトミを面白がる。
「わっ、ヨッスィー怒っちゃってるぅ。オシッコのことなんか言ってないっしょー。かわいいんだからぁ!」
「う・・・もぉ・・・」
ヒトミだって「濡れる」ことの意味ぐらいわかっていたが、なんせ照れ屋さんなのだ。
そんな話題においそれと乗っていくことができない。
だがヒトミは、思いのほかスケベながらもフランクに接してくれるナツミに好感を持ち、
頼れるお姉さんとして信頼していくようになる。
- 11 名前:ペーター 投稿日:2000年09月29日(金)23時59分52秒
- 6月のある日、ヒトミは1人、部室で思い悩んでいた。
ヒトミの頭と心の中を支配しているのはいつもマキのこと。
(ゴッチンは女には興味ないのかなぁ)
この日、マキは部活をさぼってどこかにトンズラし、
リカはクラスの雑務でまだ部室に来られないでいた。
ナツミがそっと近づきヒトミの肩を抱く。
「どうしたの? 具合でも悪い?」
「ううん、何でもないです」
ヒトミはそう言って微笑みを返す。
その可愛い笑顔に、ナツミには良からぬ想いが顔を出してくる。
「ねぇ、ヨッスィーはキスしたことある?」
いつもの調子のくだけた質問。
「勉強や部活だけでは寂しいっしょ」
そう言うと、突然チュっとヒトミの唇を奪う。
「あっ・・・」
目を丸くして驚くヒトミに、してやったりの笑みを浮かべるナツミ。
「う〜ん、かわゆい! もしかして初めてだった?」
「・・・(今のなに?)・・・」
「ねぇ、今度はもっとやらしいキスしてみよっかぁ」
再びナツミの唇が近づいてくる。
マキへの想いで胸がいっぱいだったヒトミは、思わずナツミを突き放してしまう。
「はっ! ごめん、なっちさん! あ・・・・・・びっくりさせないでっ、もぉ・・・。
先輩がそんなことしちゃダメじゃぁん・・・」
「あっ・・・それもそうだね・・・何してんだろ、私・・・。ごめんね。
そんな深い意味はないのさ、師弟愛、師弟愛、ちょっとした。ハハハ・・・」
そう言うと、ナツミはそそくさと部室を出て行った。
ヒトミには誰か他に好きな人がいるということと、
自分のヒトミに対する想いが本物だということを確信しながら。
- 12 名前:ペーター 投稿日:2000年09月30日(土)00時00分39秒
- ナツミとのキスは、ヒトミにとってファーストキスではなかった。
ヒトミにだって恋愛経験はある。
中学1年生の時、英語の先生と少しばかり付き合っていた。
憧れの存在だった美人教師への淡い初恋。
相手は大人。デートもキスも上手にリードしてくれた。
だが、そんな甘い日々も長くは続かなかった。
ヒトミの1年生最後の日、相手はヒトミに何も告げず「寿」退職してしまったのである。
その教師の事はそれから2年間ひきずっていたが、
今年高校に入って、ヒトミにそれを忘れさせてくれたのがマキである。
「思えばゴッチンのことまだ何も知らないんだよなぁ・・・」
- 13 名前:デビット 投稿日:2000年09月30日(土)00時51分37秒
- これ、読みたかったんです!!!続きが気になってました。
がんばってください!!
- 14 名前:ペーター 投稿日:2000年09月30日(土)23時31分45秒
- >デビッドさん
ありがとうございます。もうネタが古い感じするんですけど、
少しずつ修正しながらなんとかやってみます。
- 15 名前:ペーター (8) 投稿日:2000年09月30日(土)23時34分19秒
- 7月に入っても、シャイなヒトミはなかなかマキに接近できないでいた。
隣りのクラスといっても、たまに廊下やトイレで出くわして軽く挨拶を交わすくらいだ。
帰りの方向も違う。帰りはいつもリカと一緒だし。
ある日の放課後、マキが部活に来ないので捜してみる。
学校中を見て周り、やっと捜し当てたと思ったら、
マキはショートカットの子と手をつないで帰ろうとしていた。
徐々に距離を縮めて相手を確かめる。
静かにマキの背後にピタリとはりついて、斜め後ろから相手の顔を見ると・・・・・・?
なんと、学校一のタラシと言われている2Bのサヤカだった。
ヒトミはサヤカの噂を聞いたことがあった。
クラスメートにもやっちゃった子がいる。
動揺しながらも2人の様子をマジマジと観察すると・・・・・・・・・・・
まさしくイチャイチャしている真っ最中ではないか・・・。
ヒトミの足が止まる。
(うぅ・・・もう見ていられない・・・このあと2人は何をするのだろう・・・)
- 16 名前:ペーター(9) 投稿日:2000年09月30日(土)23時35分04秒
- 次の日もマキは来なかった。
(またあの人と帰っちゃうのかなぁ・・・)
今日また、クラスメートからサヤカの武勇伝を聞かされたばかりだ。
気が気でなくて、またマキを捜しに出てしまう。
そんなヒトミをリカが追いかけて来た。
「ヒトミちゃん、何してるのぉ? ナッチ先輩待ってるよぉ」
(げっ・・・こんな時にまたリカちゃん・・・)
「う・・・うん、今行くぅ」
「もしかしてゴトオさん捜してるんでしょ」
「へっ? いや・・・別に・・・」
「じゃぁキョロキョロしちゃって誰捜してるのよぉ」
「何でもないってばぁ・・・・・・はっ?」
キャーキャーと大笑いをしながら歩いてくる2人連れがあらわれ、目を向けると・・・
大声の主の1人は小柄で金髪、もう1人は中肉中背の・・・
まぎれもなくマキではないか。
(あっ・・・ゴッチンっ!)
マキの腕にさばりついて喜んでいる小さい方は2Cのマリだった。
小柄で可愛く明るいので、校内でもかなりの人気者である。
「あー、ゴトオさん今日もさぼるつもりなの?」
すかさずリカが突っ込むと、マキは何のうしろめたさもなく言葉を返す。
「そうだよーん。今日はヤグっつぁんと行くとこあるから。じゃねー」
「もてる女は辛いのさっ」
マリの方もそうひとこと言い残すと、マキの腕を引っ張るようにして去ろうとする。
「何よ。さ、私たちも行こっ」
リカもヒトミの腕を引っ張る。
「ゴトオさんっていろんな人と付き合ってるらしいのよねぇ」
「えっ?・・・」
リカのその言葉と、先ほどの光景に少しショックを受けながら、
重い足取りで部室に戻るヒトミであった。
- 17 名前:ペーター(10) 投稿日:2000年09月30日(土)23時37分13秒
- さて、あっという間に1学期は終わり、学園は夏休みに入った。
例年、手芸部は夏休みの活動をほとんどしてこなかったが、
この夏はナツミの提案で、週3ペースで活動をすることにした。
秋の文化祭に向けて準備を充実させようというのである。
しかし、それで喜んだのはもちろんナツミとリカの2人。
マキは終業式の前日に、早々と夏休みいっぱいの逃避行を宣言していたので、
ヒトミにとっては淋しい夏休みとなった。
それでも、もしかしたらマキが出てくるかもしれないと思い、
ヒトミは休むことなく活動を続けたのだが・・・。
たまに学校からマキに電話をしても、マキがつかまることはなかった。
リカはマキがいないせいか、生き生きとしていた。
部活がない日も、中学校時代と同じようにヒトミとリカの2人で過ごす時間が多くなっていた。
リカにしてみれば、高校に入っても自分がヒトミを独占できるものと思っていた。
中学校時代は部活こそ違ったものの、休み時間や休日はいつも2人で過ごしていた。
いつの間にか、リカの気持ちは恋心に発展してしまったのだが、気持ちを伝えたことはない。
でも、なんとなくヒトミにはわかってもらっているような気になっていた。
高校に入ってからも、自分にライバルが現れるとは思っていなかったので、
最初はヒトミの気持ちがマキに向かっていることに気が付いていなかったが、
7月あたりから、少しずつマキの存在に危機感を感じるようになっていた。
- 18 名前:ペーター(11) 投稿日:2000年09月30日(土)23時39分19秒
- (ゴッチンは出てきてくれるかなぁ・・・)
ヒトミは不安な気持ちで2学期を迎えていた。
案の定、最初の日に笑顔で部室に入ってきたのはリカである。
「ヒトミちゃーん! 今学期も、よ・ろ・し・く・ねっ」
「おう! よろしくー」 (さっき会ったばっかじゃん)
リカが用意を始めるのにも気が付かず、マキを待つ。
30分たっても現れない。
ため息とともに活動を始めようとした時、面倒臭そうにマキが現れる。
「ちわーっす」
「あっ・・・ゴッチン・・・」 (やったぁ!)
「ゴトオさん、来ないかと思ってたぁ」 (ふん!)
マキはこんがり小麦色に焼け、髪の色もさらに明るくなっていた。
「いちおう出とくね。夏休み遊び過ぎて親に怒られ通しだし」
「へぇ、何して遊んでたの?」
「いろいろぉ。遊び過ぎて・・・もう忘れた」
「誰とそんなに遊ぶの?」
「いろいろぉ。それよかちょっと寝させてね。徹夜で宿題しようとして寝不足なんだ」
「へー、ゴトオさんでも宿題するんだぁ」
「しようとしただけだよ。カッコだけ。そんじゃ・・・。」
そう言うとあっという間に寝てしまう。
「もぉ、ゴトオさんったら、何のために部活やってんのかなぁ」
「ま、いいじゃん。大切な部員なんだから」
「ヒトミちゃん、ゴトオさんには優しいよね」
「え?」
「いいけど、別に・・・」
リカにとっては、楽しかった夏休みから一転、憂鬱の2学期が始まった。
- 19 名前:ペーター(12) 投稿日:2000年09月30日(土)23時41分34秒
- 次の日もマキが部室に現れた。
運良くヒトミはマキと2人きりになることができたので、思い切ってきいてみる。
「ゴッチンってさぁ・・・2年の先輩と仲いいんだね」
「うーん、まあねー」
「噂いろいろ聞いちゃったぁ。いろいろ付き合ってるとかって」
「うーん。付き合ってると言えば付き合ってるしぃ・・・」
「そうでないと言えばそうなの?」
「なんでぇ?・・・・・・ヨッスィーもしかしてやきもち焼いてんのぉ?」
「へっ?そっ・・・そんなことないよお!」
「ふーん。ヨッスィーは私のことなんか興味ないんだぁ」
「えっ・・・そっそうでもないんだけどね・・・」
頬を紅潮させたヒトミを見てマキはニンマリとする。
「ヨッスィーはまだ誰かと付き合ったことないんでしょ」
「えぇ?・・・そ、それは・・・・」
「どお?図星ぃ?」
「そんなことないよぉ、うちだっていろいろあるんだからぁ。
ゴッチンとは正反対の落ち着いた感じの人と付き合ってたんだ・・・」
「ふーん、そうなんだぁ・・・。正反対ねぇ」
「いやっ正反対っていうかぁ、歳離れてたからね・・・(ボソボソ・・・)」
「付き合ってあげてもいいと思ってたんだけどなぁ。ヨッスィー綺麗だしぃ」
「えっ?!」 (ゴッチン、うちの気持ちに気付いてたのかな・・・)
「タイプじゃないんだったら仕方ないね」
「いやっ・・・タっ・・・タイプだったりするかもしんないのよ、実は!」
「へー・・・。じゃ、今度うちんち来る?」
「へ?・・・う・・・うん!!」
その時ナツミは、部室の入り口で2人の会話を立ち聞きしていた。
(やっぱヨッスィーはマキのこと・・・)
- 20 名前:ティモ 投稿日:2000年10月01日(日)07時14分31秒
- おお〜いい展開。
- 21 名前:ペーター(13) 投稿日:2000年10月01日(日)23時35分54秒
- 今日は日曜日。ヒトミとマキの約束の日。
ヒトミは落ち着かない。
朝から風呂に入り、一番新しくて格好のいい下着を選んで身につける。
そして、来ていく洋服を選ぶのに20分も費やしてしまう。
マキは昼からは誰かと約束をしているらしく、今日は午前中だけ会ってくれるという。
(ゴッチンは今日も誰かとデートなんだろうか・・・)
- 22 名前:ペーター(14) 投稿日:2000年10月01日(日)23時38分54秒
- 10時にマキの家を訪れる。
出てきたマキはかなり薄着で、セクシーな香りを漂わせている。
(うわぁ・・・)
「あがってー」
マキの部屋に通されて、ヒトミの胸の鼓動は高まっていたが、
それを悟られないように表情は変えなかった。
「へー・・・ゴッチンの部屋って結構少女趣味なんだね」
マキの部屋を興味深く見渡す。
正直なところ、マキと面と向かうのは気恥ずかしいので
置いてある物などを見学してみたりするのだった。
するとそこへマキのびっくりするような一言。
「ヨッスィー・・・今日エッチする?」
「?!・・・・・・・はぁっ???」
ヒトミは耳を疑い、ゆっくりとマキの方に振り返ると、
マキは平然とした顔でまっすぐヒトミを見ている。
「エッチするかもしれないって思ってたでしょ?」
「なっ・・・?! あ、あのねぇ・・・そんなつもりじゃ・・・」
「ヨッスィー石鹸の匂いがするよ。お風呂入ってきたんだよねー」
「あ・・・・・・・」
すべてを見透かされ、ヒトミは開き直るしかなかった。
「うん・・・まぁ、そんなこともあったりしたら・・・な〜んちゃって・・・。
うち・・・ゴッチンのこと好きだから・・・」 (言っちゃった!!)
「だったら早くこっちに来て」
マキはベッドの上で首をかしげてニコっと笑った。
(うぅ・・・ゴッチン経験豊富なのかなぁ・・・)
- 23 名前:ペーター(15) 投稿日:2000年10月01日(日)23時40分17秒
- ヒトミは腹をくくり、マキの横に寄り添う。
目が合うと恥ずかしくてすぐに視線を外してしまう。(どうしよぉ・・・)
「ヨッスィーってクールなふりしてホントはそうじゃないんだよねぇ」
「え・・・・・・」
「顔真っ赤じゃん」
「あ・・・・・・」
「キスしてみて」
「ん・・・・・・」
マキから言われて、ヒトミは精一杯、平静を装い唇を近づける。
マキの唇の暖かく柔らかな感触にますます心が動揺する。
半分目を開けたままだが、マキの表情を読み取るほどの余裕などない。
その状態が何秒続いただろうか。
マキは焦れて、ヒトミに舌を入れながら、ゆっくりとその体をベッドに寝かせた。
大好きなマキの熱い舌の感触と押し付けられたその肉感に、
ヒトミはからだのある部分が熱く脈動するのを感じた。
「ぅんん・・・」
マキは自分の体をヒトミに密着させて舌を絡ませる。
(すごい・・・。慣れっこなんだ・・・)
マキは誰とでも寝るのだろうか。
なぜ私と寝ようとしているのだろうか。
ヒトミはそんな考えと緊張感に縛られ、どうしていいかわからず、
体を強張らせたままマキのなすがままになっている。
気がつくとマキの片方の手のひらはヒトミの乳房を包んでいた。
(あ・・・)
その手が少しずつ下半身の方に動き、スカートをたくし上げようとした時、
ヒトミは突然両腕でマキの体を押しのけ、バっと起き上がった。
- 24 名前:ペーター(16) 投稿日:2000年10月01日(日)23時46分00秒
- 「だっ・・・だめ・・・」
「え?」
「きょ・・・今日ね、生理なんだ。昨日なっちゃって・・・。だから・・・」
マキは少しびっくりした顔つきだ。
「ごめん。今日は調子も悪いし、また今度・・・ね・・・」
「怖いの?」
「そんなことないよっ」
ヒトミは強がってみるが、気まずい雰囲気になってしまった。
なんか喋らないと・・・と思うが、マキの方を見ることができない。
焦りをなんとか押さえて、疑問に思ったことをきいてみる。
「ゴッチンって・・・誰でもこうやって押し倒しちゃったりするの?」
「ううん。そんなことないよ」
(ホッ・・・よかった)
一瞬の安心感に浸るヒトミ・・・・・・だったが・・・
「押し倒される方が多いかなー」
(!!・・・なにぃ?!)
ヒトミは目を見開いてマキを見ると、無邪気にニコっと笑っていた。
(・・・・・・・・・・)
居たたまれなくなり、思わず立ち上がる。
「じゃ・・・じゃぁ、来週のこの時間空けといてね。予約したよ」
と強がって言うと、そのまま部屋を出てしまった。
そのまま一気に玄関も出て、早足で歩き出す。
50メートルくらい必死で歩いてやっと少し冷静になる。
自分のカッコ悪さを思う。ああいうことになるということは少し予想していたはずだ。
臆病な自分を不甲斐なく思った。
だが、それよりもヒトミの心を暗くしていたのは、
マキにとってエッチは日常の一部である・・・という現実。多分そうなんだ。
無性に悲しくて腹立たしかった。
- 25 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月02日(月)01時26分25秒
- 前の時より石川の出番が増えてるね。
- 26 名前:ティモ 投稿日:2000年10月02日(月)18時04分38秒
- おもしろいッス。ヨッスィーが純でかわいい。
これってハッピーエンドってありうるんですかね?
- 27 名前:ペーター(17) 投稿日:2000年10月03日(火)00時10分19秒
- あくる日、ヒトミは部室でマキと顔を合わせたが、視線を合わせる勇気がなかった。
ときどき横の方からマキの表情をうかがってみるが、
相手は全く自分のことなど気にしていない様子である。
なぜ自分を誘ったのか・・・やっぱり遊びだったのか・・・と、ますますわからなくなる。
(あぁ・・・予約なんかするんじゃなかったなぁ・・・)
少しマキのことを考えるのはやめようと思ってはみるものの、
なかなかそういうわけにもいかないヒトミだった。
- 28 名前:ペーター(18) 投稿日:2000年10月03日(火)00時17分59秒
- 部室にマキが来ない日は気になって仕方が無い。
一瞬マキのことを嫌いになったような気がしていたが、やはりどうしても気になってしまう。
あと3日で2度目のマキとの約束の日。
(ゴッチン覚えてるかなぁ。っていうか、一方的にこっちが予約しただけだし・・・)
一人浮かぬ顔をしているところへナツミが近寄ってきた。
「ヨッスィー恋の病?」
「えっ・・・?」
「わかるんだよねぇ。その顔は間違いなく恋の病に侵されてるよ」
「はぁ・・・・・・。ナッチ先輩は今恋してますか?」
「うーん・・・してるよ。実らない恋だけどね」
「なんで実らないと決めるんですか?」
「それはその子が別の人を好きだから」
「へー。ナッチ先輩かわいいのに、なんで選ばないかなぁ」
「えっ、かわいいと思う?私ぃ」
「メッチャかわいいですよぉ。うちが男だったら彼女にしたいタイプだなぁ」
「男だったら・・・ねぇ・・・。ん・・・ヨッスィーはリードしたいタイプなんかい?」
「いや、そんなことないです。別に・・・」
「ヨッスィーこんなに可愛くていい子なのに、相手の子は何考えてるのかねぇ」
「なんかすごく遊び人なんですよ。自由奔放で」
「でも、その子とデートとかしてるっしょ?」
「いや、一度家に行っただけで・・・」
「家って・・・! もしかして・・・エッチしちゃった??」
「いえ・・・まだ・・・」
「そっか・・・(ホッ)・・・で・・・エッチするかどうか悩んでんのかい?」
「・・・えぇ・・・まぁ・・・うーん・・・どうなんだろう・・・」
「そっかぁ。そこまで考えてるか・・・。最初はいろいろわからなくて悩むよねぇ」
「ナッチ先輩は、やっぱ経験済みですよね。スケベだし」
「スケベは関係ないべ。私だっていろいろあったさ」
「ふーん・・・・・・・・・エッチって・・・何なんですかねぇ・・・」
- 29 名前:ペーター(19) 投稿日:2000年10月03日(火)00時19分40秒
- 「えぇっ?どうしたのさぁ」
「私・・・したいのかしたくないのか、よくわからないし・・・」
「う〜ん・・・本当に好きなら・・・やるべし・・・かな?」
ナツミはこんなこと言わない方がよかったかも、と一瞬後悔した。
「なんでゴッチンは誰とでもするんだろ。 あっ、名前言っちゃったっ・・・」
「わかってるよ、とっくに。いっつも見てんじゃん、マキのこと」
「えっ・・・そっかぁ・・・。はた目にもわかりますか・・・。ゴッチンもわかってたんだ・・・」
「マキだって誰とでもエッチするわけじゃないんじゃないかな。
もしヨッスィーを誘ったんならヨッスィーのことがきっと好きなんだよ」
「・・・ナッチ先輩・・・」
「『先輩』はつけなくてもいいって言ってるっしょ」
「お・・・教えて下さい。その・・・エッチを・・・教えて下さいっ!」
「!!・・・何て言った?」
「私なんかいやですか?」
「嫌なわけないっしょ!でもマキが・・・」
「自分だけ子どもなのは嫌なんです」
「ホ・・・ホントにいいの?私で??」
「お願いします。ナッチさんがいいんです」
「・・・・・・わかった。今日泊りにおいで・・・」
- 30 名前:ペーター 投稿日:2000年10月03日(火)00時25分40秒
- >>25 さん
するどいですね。ちょっとだけ変えています。
>>26 ティモさん
結末は作者も予想できません。まだまだ序盤だし。だいたいは考えてるけど。
- 31 名前:ユー梨 投稿日:2000年10月03日(火)15時50分59秒
- そーだコレだ!めっちゃ、続き気になってたの〜!!
あ〜早く続き読みたいです!
- 32 名前:ペーター 投稿日:2000年10月04日(水)00時01分27秒
- >>31 ユー梨さん
やっとこれから前に進みます。すみませんでした。
- 33 名前:ペーター(20) 投稿日:2000年10月04日(水)00時03分22秒
- その夜、普段なら宿題や予習をしている時間、
2人は順に風呂に入って準備を整え、授業が始まるのを待つばかり。
暗い部屋。布団の中は素っ裸。ベッドの上で並んで天井の方を見ている。
ナツミは最愛のヒトミに女同士のエッチを教えようとしている。
複雑な想い。とても切ない。
やっとヒトミに触れることができるのに、
その目的はヒトミとマキの恋をお手伝いすること。
2人とも固くなってしばらく沈黙が続いていたが、ナツミの方から口を開く。
「ヨッスィーはマキとどんなことがしたいの?」
「どんなことって・・・よくわからないけど・・・」
「とりあえずキスは? もうしたの?」
「うん・・・」
「そっかぁ・・・。じゃ、お姉さんにもしてみて」
ナツミからは普段の3枚目ぶりが陰を潜め、なんだかしっとりとした色香が漂っていた。
ヒトミはゆっくりとナツミの方に体を向けると、上半身をナツミの体に被せる。
瞳を閉じ、ゆっくりと唇を重ね合わせ、少し舌を入れてみる。
大好きなヒトミの舌先を感じると、ナツミの体の芯は疼き、鼻から熱い息がもれる。
「ん・・・んん〜」
ヒトミは顔を離してナツミの表情を確かめると、その顔は上気し、目がトロンとしている。
(うわぁ、セクシー・・・)
「もっと・・・」
ナツミはヒトミの首を引き寄せ激しくキスを求める。
ヒトミの唇に吸い付き、舌先で歯を舐め、そして舌を吸い込む。
ヒトミはまた、相手のなすがままになっている。
(ん・・・すごいキス・・・)
- 34 名前:ペーター(21) 投稿日:2000年10月04日(水)00時04分36秒
- ナツミはヒトミの手をとると、自分の乳房に導く。
ヒトミは手のひらで軽くさすると、小さな乳首が硬くなりナツミの体が微妙にくねる。
さらに指先で刺激すると、ナツミの体はビクンと反応し、甘い声が漏れる。
「あぁぁ・・・」
ヒトミは体が熱くなるのを感じると同時に、無性に吸いつきたい衝動にかられ、
ナツミの乳首を口に含み、赤ちゃんのようにチューっと吸ってみる。
「あん・・・ちょっと痛いよぉ」
ヒトミは慌てて舌を押し当てると、それを包むように暖め、感じやすい突起をしばらく癒す。
そして再び舌先で優しく刺激していく。
「あぁん・・・ヨッスィー・・・感じてるの・・・わかる?」
「うん・・・」
ときおりナツミの腹筋に力が入るのと脚がじっとしていないことで
感じてくれていることがなんとなくわかっている。
そして、次第に息も荒くなっているようだった。
ヒトミは、以前ナツミにパンツが濡れるかときかれたことがあったのを思い出す。
徐々に手を下の方に這わせていく。
プクプクしたお腹の感触がやけにいやらしい。
おへそを越え、なめらかな肌に指を滑らせ、茂みに出会い、さらに下へ。
- 35 名前:ペーター(22) 投稿日:2000年10月04日(水)00時08分26秒
- ナツミはさりげなく脚を少し開くと、ヒトミの長い指を迎え入れる。
そこで出会ったモノをヒトミはつんつんと軽く突いてみると、その芯は硬くなっている。
「あん・・・」
中指の腹で優しく揉むと、すでに後ろから溢れ出していた液体で次第に指がヌルヌルと滑る。
その泉が湧き出ているところに指を移動し当ててみると、とても熱かった。
「ゆ・・・指・・・入れていいですか?」
「うん・・・入れて・・・」
「ちなみに爪は切ってますから・・・」
ヒトミは中指の先を当て、まっすぐ入れようとする。
「あっ・・・そうすると痛いの・・・」
細い指先が突き刺さる感じがする。
「あっ、ごめんなさい・・・。私の指を持って入れてくれませんか?」
ナツミはヒトミの中指を掴むと、指先の腹を自分の入り口にあてがい、
その腹からめり込ませていくようにゆっくり自分に差し込んでいく。
ヒトミの指に、なめらかで暖かな感触が広がる。
ナツミはヒトミの指を自分の狭い部分で留めたまま、幸福感に浸る。
「あぁ・・・ヨッスィーが入ってるのね・・・」
ヒトミは指を奥の方へ進ませた。
中は柔らかくとても広くなっていて、どこをどう刺激していいかわからない。
「どこのあたりが感じるんだろう・・・」
「自分で探してみて・・・(ヨッスィーなら全部感じるんだけどね・・・)」
ヒトミは戸惑いながら指を動かしてみる。
「あ・・・ん・・・」
ナツミのその部分は幾度となく緊張と弛緩を繰り返し、
愛液が衰えることなく湧き出していた。
(あ・・・ナッチさんのここ、自然に動いてる・・・)
ナツミは、指の動きと合わせるように、ハァ、ハァ、と息を荒げた。
最後まで逝ってしまいそうで逝けないような、中途半端な指の動きだったが、
ナツミは十分に「感じて」いた。心も体も。
- 36 名前:ユー梨 投稿日:2000年10月04日(水)02時13分49秒
- めっちゃええ。この小説今一番好きです。頑張って下さい!
- 37 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月04日(水)15時59分12秒
- タラシのサヤカ×マリも見たいっす〜。
あ、でもヒトミが主役なんだった・・・・
- 38 名前:ペーター(23) 投稿日:2000年10月04日(水)23時29分18秒
- (ナッチさん、どのくらい感じたんだろう・・・。こんなんでよかったのかな・・・)
本当のところ、ヒトミにはよくわからなかったが、言葉できいてみるのもはばかられる。
経験不足のヒトミには、ナツミに絶頂感を味わわせることはできなかったが、
ナツミの表情には満足感が漂っていた。
(ヨッスィーの指が入ってると思うだけでたまらないよ・・・)
「ヨッスィー・・・キスして」
ヒトミは言われるままに唇を重ねる。
舌が出会った瞬間に、ヒトミが指を入れている部分がまたキューっと締まった。
「んん〜」
ナツミは自分の体とヒトミの体が溶け合っているような喜びを感じた。
ヒトミは口を離すと同時に、挿入していた指をゆっくりと抜き、
窓から漏れ入っている月明かりでキラキラしている自分の指を見つめた。
「ヨッスィー・・・」 (マキのを想像してるのかな・・・)
ヒトミは、その指についた愛液を舐めるのはマキのを最初にしようと思い、
ナツミの秘部に手を戻すと、指で花びらを挟みヌルヌルとした感触を楽しんだ。
「ヨッスィーったら、だんだんいやらしくなってきたぞぉ」
「ここも感じるんですよね」
「あぁ・・・」
ナツミは花芯を弄ばれ思わず声を漏らす。
またポイントが微妙にずれてる気がするが、細かい注文を出すのも恥ずかしい。
しかも、この後におよんでヒトミの目の前で逝ってしまうのもなんだか恥ずかしくなり、
思わずヒトミの手を掴んでその動きを止める。
「もうだめ。これ以上感じちゃったらどうにかなっちゃうよ・・・」
「本当に感じてくれたんですか?」
「うん・・・なんかね・・・ヨッスィーがあんまり上手になっちゃうのもどうかなぁ
なんて思っちゃったりして・・・」
苦しい言い訳になったが、正直、ヒトミがマキを抱くことを思うと切ない。
- 39 名前:ペーター(24) 投稿日:2000年10月04日(水)23時30分10秒
- 「結局どんな感じにすればいいんだろう・・・」
「さっきみたいのでいいよ。感じ方は人によって違うし・・・」
「わかったような・・・わからないような・・・。ん・・・?」
ナツミはおもむろに体を起こすと、ヒトミと立場を逆転させて上になる。
「今度はヨッスィーが感じてね」
「え・・・」
ヒトミは思わず身構える。
「恥ずかしがらないで。感じることを知らないと相手も感じさせられないよ。
それともよ〜く知ってるのかな?」
「いや・・・そんな・・・よくわからないです・・・」
ナツミはヒトミの体に体重をかけ、再び長いキスをする。
(あぁ、ヨッスィー・・・ずっと欲しかったの・・・)
ナツミは耳から首、そして胸と、ヒトミの白い肌を舐めまわす。
ヒトミは手で乳房を揉まれながら、もう一方の乳首を舐められ、
恥ずかしさで身が縮まる思いだったが、ただただナツミに身を委ねるしかなかった。
そして・・・知らず知らずのうちに・・・マキのことを考えていた。
(ゴッチンにこんなことをされたら・・・)
マキのあの時の顔・・・キス・・・手の感触・・・。
- 40 名前:ペーター(25) 投稿日:2000年10月04日(水)23時31分26秒
- 初体験未遂のことを思い出していると・・・・・・
気がつけば、ナツミの唇はヒトミのささやかな茂みの辺りまで辿り着いていた。
「はっ・・・」
「ウフフ・・・薄くてかわいいっ」
「あの・・・ナッチさぁん・・・どこまで行っちゃうんですかぁ?」
ヒトミは不安になる。
「嫌がらないでね」
ナツミは茂みに頬擦りすると、次に舌先でヒトミの割れ目を捕らえた。
「あっ、ダメですよぉ・・・イヤっ」
ヒトミは上半身を起こしてナツミの頭を離そうとする。
「ヨッスィーお願い、嫌がらないで」
ナツミの真剣さに少し驚いたヒトミは抵抗を止めた。
ヒトミが再びベッドの上に体を伸ばすと、
ナツミは顔を離し、ヒトミの両脚を開かせてその間に自分が入る。
そして両脚を持ち上げるようにすると、両腕でヒトミの両腿を下からガッチリ掴む。
こうして、不安にとりつかれたヒトミの下半身はあっという間に固定されてしまった。
「え・・・こ、こんなのもありですか?」
一瞬ナツミは動きを止め、ヒトミの様子をうかがう。
今の欲望はそう簡単に抑えられそうにないが、無理矢理する気は無い。
ナツミはゆっくりとヒトミの秘部に顔を埋めた。
「ひやっ!」
ヒトミが体を動かして少し抵抗しようとする。
「お願い。ちょっとだけだから・・・」
ヒトミの抵抗がそれほど大きくないことを感じると、
欲情が先走り、ナツミにはもう何も考えられなかった。
ヒトミは、ナツミの熱っぽい吐息と、思いのほか強い腕力を感じて、
少しずつ抵抗を諦めていった。
- 41 名前:ペーター(26) 投稿日:2000年10月04日(水)23時33分31秒
- ナツミは夢中でヒトミの秘部を探索すると、鼻先で花芯を刺激しながら愛液を舐め取る。
(ヨッスィー許してね・・・)
「う・・・ナッチさぁん・・・どんなに恥ずかしいかわかってくれてます?」
(は・・・)
ヒトミの泣き入りそうな声を聞いてナツミは我に帰った。
「ごめん、ごめん・・・。嫌だったよね・・・」
ナツミは慌ててヒトミの方に上がっていくと、ヒトミの頭を抱え、「ごめん」を繰り返した。
ナツミの体はとても熱かった。
「ナッチさん、私べつに怒ってないですよ。ただこんなこと知らなかったから・・・」
「いやらしくて呆れた?」
「いや・・・すごく恥ずかしかったから・・・しかもうちなんかにこんなこと・・・」
「えっ?・・・うちなんかって?」
「好きな人がいるって言ってたじゃないですかぁ」
「あ・・・そうだったっけ・・・。そうね。好きな人にはしたくなるんだよね・・・」
「だったらダメじゃないですかぁ、うちなんかと・・・・・・えっ?」
ナツミがヒトミを抱きしめる力が強くなっていた。
「ナッチさん・・・?」
ナツミは何も言わずにヒトミを抱きしめ続けた。
ヒトミは、ナツミが好きと言ってたのは自分のことかもしれないと思い、
慌てて今までの記憶を辿ってみた。
パンツのことを聞きたがったナッチさん、部室での不意打ちのキス、
自分には優しかったけど最近マキにはちょっと厳しかったかもしれないこと、
恋の相談にのってくれたこと、そして今夜の熱いキス・・・。
そんなナツミに、自分はエッチを教えてくれと頼んでしまった。
ヒトミの中に罪悪感が充満して来る。
ふとナツミがヒトミの頭を放し、横に寝転がった。
ナツミの方もまた罪悪感で気が滅入ってきそうだった。
恋の相談に乗るような格好をして、自分はただヒトミを抱きたかっただけだ。
しかも相手は初めてで、最後の方は少し抵抗もしていたのに。
- 42 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月05日(木)01時38分00秒
- 順調な更新ぶりですね。毎日楽しみです。
- 43 名前:ユー梨 投稿日:2000年10月05日(木)05時51分28秒
- う〜ん セクシーなっちがええ感じ。
- 44 名前:ペーター(27) 投稿日:2000年10月05日(木)23時59分38秒
- 二人の動きは数秒間止まっていたが、ヒトミの方が先に口を開いた。
「あのぉ・・・本当はナッチさんがしたいことは全部して欲しいんですけど」
「・・・え?」
「さっきやめたじゃないですかぁ。ただ恥ずかしかっただけなんですよね」
「でも・・・」
「いや、無理にお願いはしませんけどね・・・何事も勉強なんで・・・」
「そう?・・・・・・じゃ、やっぱ、お言葉に甘えようかね・・・」
(ヨッスィーに気ぃ遣わせちゃったかな・・・)
ナツミは自分の立ち直りの早さに我ながら感心しつつも、
せっかくのチャンスを生かすべく、再びヒトミの体に覆い被さった。
「ひゃ〜、ヨッスィーこれから女になるんだよっ」
ナツミはつとめて明るく振る舞った。
そしてまた、次第にヒトミの下半身の方に下がって行く。
「感じたかったらマキのこと想像するんだよ。いい?」
「え・・・」
再びナツミの舌がヒトミの秘部をさまよう。
「感じることに集中してね」
ヒトミは、マキのことを想像してしまったらナツミに悪い気がしたが、
このあと感じなかったとしたらもっと悪い気がする。
そしてヒトミは、自分の一番恥ずかしい部分でうごめくその熱いモノを
マキの舌だと思うことにした。
- 45 名前:ペーター(28) 投稿日:2000年10月06日(金)00時01分01秒
- それは初体験のヒトミにはあまりに恥ずかしい妄想だった。
(こんなとこにゴッチンの顔があったら・・・あ・・・)
ナツミの言うとおり、ヒトミの体はとたんに変化をきたした。
熱い舌の表面を自分の熱く濡れた部分に押し当てられ、ヒトミは思わず吐息を漏らす。
「はぁぁ・・・」
体内がジーンとするような初めての感覚。
愛液が溢れ出し、ナツミの喉がゴクンと鳴った。
ナツミにはヒトミがマキを想像していることがわかっている。それでいのだ。
ヒトミの体はどんどん熱を増し、少しずつくねり始めていた。
ナツミの口が固くなった花芯を捕らえ、丹念に愛撫を続けると、
押し殺した切ない声とともにヒトミの体は激しく波打ちった。
「あぁぁぁん・・・」
強烈な感覚がヒトミの下半身を襲い、激しい羞恥心に襲われたヒトミは
慌ててナツミから逃れようとする。
ナツミは体を離し、闇の中でヒトミの表情をうかがう。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
ヒトミの激しい呼吸が聞こえる。
ナツミは静かにヒトミに寄り添うと、すっかり熱くなったその体を抱きしめた。
「ヨッスィー・・・(愛してる・・・)」
- 46 名前:ペーター(29) 投稿日:2000年10月06日(金)00時10分05秒
- 何時になっただろうか。2人は最初みたいに並んで暗い天井を見ていた。
ヒトミが静かに口を開く。
「ナッチさん、今日はありがとうございました」
「ヨッスィー・・・(こちらこそありがと。いい思いができたよ・・・)」
ナツミの頬には涙がつたっていた。が、無理矢理笑って話しかける。
「さぁて・・・今度はマキに挑戦できる?」
「そうですね。がんばってみましょうかね・・・」
「フッ、大丈夫かなぁ。私の教え方もどうかと思ったし」
「でも、ホント、ナッチさんに教えてもらえてよかったです。」
「ビックリしてたじゃん。フフ」
「はぁ・・・ナッチさん予想通りスケベだったからどうしようかと思いましたよぉ」
「もういいよぉ。思い出すと顔から火が出そうだから」
「うち、何も知りませんでしたから・・・。あんなこと・・・
最初がごっちんだったら、どうなってたことか・・・」
「あのね・・・。テクニックとかは問題じゃないんだよ、愛情があれば。
マキとは心も感じるようなSEXをするんだよ」 (うん。これでいい・・・)
「はい。・・・うち・・・出来の悪い後輩ですけど、これからも先輩でいてくれますか?」
「うん、しかたないね。ヨッスィーは案外子どもだからねぇ。これからも心配だよ・・・」
(ナッチさんありがとう・・・)
- 47 名前:ペーター(30) 投稿日:2000年10月07日(土)00時12分50秒
- 翌金曜日。
明後日がヒトミとマキの2度目の約束の日である。
(明日は休みだから今日確認を取っておかないと・・・)
ヒトミは朝から落着かない。
文化祭のことなどもあり、今日はマキも部活に出てくるはずだ。
どんな風に近づいてどんな風に話し掛けるかまだ迷っている。
ナツミに勇気づけられたものの、マキが約束を覚えてないかもしれないと思うとちょっと怖い。
午前中の授業が終わり、リカと一緒の昼休みもあっという間に過ぎ、午後の授業へ。
- 48 名前:ペーター(31) 投稿日:2000年10月07日(土)00時14分42秒
- 窓から校庭を眺めると、体育の授業を受けているマキがいた。
(ゴッチン・・・。やる気無さそうだけど、何でもサラリとこなしてるなぁ。
なんで好きになっちゃったのかなぁ・・・・・・・・)
ふと目を前に戻すと、斜め前に座るリカが、黒板の文字をサラサラとノートに写している。
(リカ・・・本当はリカちゃんみたいに真面目な子の方が好きなんだけどなぁ・・・。
・・・おっと、ナニ迷ってんだろ。何度考えてもゴッチンのことが好きで仕方が無いから
ナッチさんに教えてもらったんだ。気合いを入れるぞ。がんばって突撃だー!)
ガチャッ・・・ガッシャーーン!!
突然鳴り響いた金属音に、教室がシーンと静まり返る。
ヒトミは一瞬何が起こったかわからなかった。
「もぉっ、ヒトミちゃんたらぁペンケース放り出しちゃって」
気が付くと、床に散らばったペンケースやエンピツをせっせと拾うリカが居た。
「あ・・・すっすみませーん!」
ヒトミはやっと状況を把握して教師やクラスメートに謝る。
するとクラスメートから失笑が漏れた。
「リカちゃん世話女房だねぇ〜」
「なっ・・・?」
(なんだか最近私たち、変な目で見られてるような気がする・・・なんでだ・・・?)
「ゴメン、自分で拾うから」
ヒトミはそう言ってリカを制すると、リカが真顔でヒトミの目を見て囁く。
「ゴトヲさんの夢でも見てたの?」
リカはすっと目をそらすと席に座り直した。
(リカちゃん・・・)
- 49 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月07日(土)02時31分35秒
- 今一番楽しみな小説です。長く続けて欲しいなあ…。
- 50 名前:ペーター 投稿日:2000年10月07日(土)23時58分42秒
- >>49 さん
どうもです。
このままいくとメッチャ長くなりそうで逆に心配です・・・
- 51 名前:ペーター(32) 投稿日:2000年10月08日(日)00時00分45秒
- その日は終礼が長引いていた。
(もうゴッチン部室に行ってるかなぁ・・・)
やっと終礼が終わると、ヒトミは挨拶と同時にダッシュする。
自分とマキが親しくするのをリカが快く思ってないことを悟ったヒトミは、
リカが部室に来る前にマキと話がしたかった。
「あっヒトミちゃん! 待ってよぉ!」
リカは不意をつかれそのスピードについていけない。
(リカちゃんが来る前にきかなきゃ)
猛スピードで部室になだれ込むと、ナツミとマキが驚いて振り返った。
「えっらい勢いだねぇ。どうした?」
「遅刻だね〜」
「あっすみません。しゅ、終礼がのびちゃって・・・」
「別にいいんだけど、ちょっと落ち着きなさいよ」
「は・・・はい。ちょ・・・ちょっとゴッチン・・・いいかな」
ヒトミのただならぬ様子を見てナツミは席をはずした。
「なに?」
「あさってのこと・・・」
「あさって?」
「うん。覚えてないかな・・・うちが予約したこと・・・」
「え?」
(やっぱゴッチン覚えてないや・・・ショック・・・。でも引かないよ!)
「に・・・日曜日にぃ、また会って欲しいんだけど」
「あ〜あ〜、なんかそんなこと言ってたねぇ」
「いい?」
「じゃ、予定入れずに待ってよーか?」
「あっ、ありがとう。また10時に行くね」
「わかったぁ」
(ヨッシャ!)
なんとか約束をとりつけて一安心できたヒトミだが、勝負はこれからである。
- 52 名前:ペーター(33) 投稿日:2000年10月08日(日)00時02分26秒
- その日の帰り道、ヒトミはマキのことを考えつつも、
隣りで歩いているリカのことも少々気になっていた。
「夕方遅くなると風が寒いね」
そう言ってリカがヒトミに腕を巻き付けてくる。
「ねぇ、リカちゃん。うちら、クラスで変な噂立ってない?」
「そうかなぁ。まぁ別に私はいいんだけど・・・。私と噂になるとイヤ?」
「イヤっていうかさぁ、うちら・・・」
「ねぇねぇヒトミちゃん。あさって買い物に付き合って!」
「え?あさって?・・・ちょっと予定があるんだよねぇ・・・」
「なに?予定って」
「ちょっと行かなきゃいけない所があってね・・・」
「え〜っ、どこ〜?」
「それは・・・。そう、リカちゃんとは明日一緒に手芸するじゃん」
「毎日は会いたくないってこと?」
「いや、そうじゃなくて・・・。他にも友達いるんだから、ね、わかってよ。
リカちゃんだってもっといろんな友達と遊ばないとね」
「・・・私・・・ヒトミちゃんの行き先知ってるよ・・・」
リカの腕に力が入る。
「リカちゃん聞いてたの?」
「・・・・・・・・」
「リカちゃぁん・・・?」
「・・・・・・・・」
ヒトミは、リカの心の奥を知りたいような知りたくないような複雑な気持ちだった。
それから2人は無言のまま帰路を急いだ。
- 53 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月09日(月)21時36分49秒
- 続き楽しみです♪
- 54 名前:ペーター 投稿日:2000年10月09日(月)23時11分20秒
- ゆうべ書き込んでる途中に書き込み不能になりましたんで、今夜あらためて。
- 55 名前:ペーター(34) 投稿日:2000年10月09日(月)23時13分26秒
- リカとの気まずい土曜日が過ぎて、ヒトミにとっては再び緊張の日曜日が訪れた。
早くから目が開いて、いろんなことをシミュレーションする。
どうしてもHの手順のことを考えてしまい、緊張感は増すばかり。
(だめだめ・・・とにかく自分の思いをしっかり伝えよう。ゴッチンに届くように)
あの日と同じように、朝から風呂に入り、一番綺麗な下着を選んで身につける。
おニューのジーパンに手を伸ばすが、
(待てよ・・・スカートの方がHしやすいかな・・・)
なーんて考えてしまい、頬を紅潮させる始末。
この前はわざとスカートを履いていったわけではなかったが、今回は少々計画的。
鏡の前でちょこっと薄化粧をほどこしながら、ナツミの言葉を思い出す。
・・・・・・『マキだって誰とでもエッチするわけじゃないんじゃないかな。
もしヨッスィーを誘ったんならヨッスィーのことがきっと好きなんだよ』・・・・・・
さて、準備万端。
「今日はビビらないぞーー!」
- 56 名前:ペーター(35) 投稿日:2000年10月09日(月)23時15分09秒
- 10時きっかり。マキの部屋を訪れる。
(この前みたいにゴッチンから誘ってくるのかなぁ・・・)
マキの表情はいたって普通で、格好もこの前ほどセクシーではない。
(この前断ったから、今日はしないつもりかな・・・)
すっかりHをするつもりでいたヒトミだが、
しなくてもいいかも・・・と、弱気が顔を出していないわけでもない。
「ねぇ、ヨッスィーはどんな音楽聴いてるの?」
マキがCDを片づけながらきいてくる。
「ん〜・・・とくにこれっていうのはないけど」
「好きなアイドルとかもいる?」
「アイドルっていうか・・・・・・音楽も浜崎あゆみが好きかも」
「プッ・・・ああいうのが好みなんだぁ」
「ちがぁうよぉ、そんなんじゃないよぉ」
「ねぇ、ここに座って」
マキがベッドを指差す。
(う・・・来たか来たか・・・?)
ヒトミはベッドの上に散らばっているティーン雑誌を拾い上げて腰掛けた。
フーッと一息ついて言葉を続ける。
「うちね・・・もしゴッチンがアイドルになったら、絶対ファンクラブの会長になっちゃうからね」
マキはヒトミを一瞥してから、ゆっくりと隣りに越しを掛けた。
「私なんかがアイドルになれると思う?」
「ぜっ絶対なれるって!めっちゃカワイイもーん!」
「子どもの頃からの夢は芸能人だったんだ」
「へぇー、そうなんだぁ。今も?」
「今からじゃちょっと遅くないかなぁ」
「遅くないよー、ぜ〜んぜ〜ん」
「フフ・・・」
マキは笑みを浮かべてベッドに仰向けになった。
- 57 名前:ペーター(36) 投稿日:2000年10月09日(月)23時16分17秒
- 穏やかだけど遠くを見ているようなマキの瞳。
そしてふっくらした頬にかわいい唇・・・・・・ヒトミはしばらく見入っていた。
そしてはっきりと思った。
マキが欲しいと・・・。
ヒトミの体は自然とマキに近づいていた。
マキの顔の両側に手をついてマキと視線を合わせる。
思っていたよりすんなり言葉が出た。
「本気で好きなんだよね・・・」
マキは思いのほか真顔で、一度まばたきをして答えた。
「ありがと・・・」
自然に唇が吸い寄せられ、重なり合う。
ヒトミの方から舌を入れると、マキが優しくそれを迎える。
舌を絡ませ、唾液も吐息も熱も混ざり合わせて、体中から熱が発散される。
(溶けちゃいそうだよ・・・ゴッチン・・・)
マキの腕がヒトミの首にしっかりと巻き付いてくる。
何分も・・・何分も・・・
ヒトミは夢中でマキの唇と舌を味わった。
う・・・ん・・・
ゆっくりと唇を離して瞼を開く。
数センチしか離れていない所にとろんとした表情のマキがいる。
その表情が一瞬崩れ、マキがニヤっ笑った。
「上手くなったね」
「へっ・・・」
「誰と練習したの?」
「ん・・・ちょっ・・・とね・・・」
「けっこうやってるんじゃん・・・。リカちゃんと?」
「ち・・・違うよ」
「誰?」
「誰ともしてないよ・・・」
「ふ〜ん・・・1人で練習してみた?」
「違うっ」
ヒトミはマキの言葉を遮るようにマキの首筋に吸い付いた。
- 58 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月11日(水)02時13分14秒
- 更新待ってますー。
- 59 名前:ペーター 投稿日:2000年10月11日(水)05時51分28秒
- 再々移転だったんですね。
またまた書き込もうとした時間に繋がりませんで、遅れました。
- 60 名前:ペーター(37) 投稿日:2000年10月11日(水)05時53分57秒
- マキの首筋を唇でなぞりながら、手を乳房に置く。
(なんか映画とかで見たまんまだな・・・)
ヒトミは、ふと、マキが『押し倒される方が多いかなー』と言ったのを思い出した。
(ゴッチンって受け身が好きなのかなぁ・・・)
弱気になりそうな心を奮い立たせて、マキの服に手をかける。
マキは、ぴったりしたTシャツを着て、ジーンズのロングスカートを履いている。
(う・・・Tシャツ脱がせにくい・・・)
Tシャツの裾をたくし上げて、ブラに包まれた胸をあらわにする。
そのままブラを上げてしまおうか、後ろに手を回してホックを外すか迷っている間にも、
マキの視線が気になって仕方がない。
(ナッチさんの時と違って明るいんだよねぇ・・・)
ヒトミが恐る恐る右手をマキの背中に回すと、手が入りやすいようにマキが隙間をあける。
手こずりながらもなんとかホックを外し、ゆっくりとブラをずらすと、
肉感溢れるマキの乳房があらわれた。
(はぁ・・・ゴッチンのおっぱい)
引力に従って広がってる乳房はとても柔らかそうだ。
そして乳首に目が行く。
熱い体がますます熱くなってくる。
涼しい外気に触れてか、マキの乳首が徐々に縮んで固く勃ってきた。
「いつまで見てんの? ヨッスィー顔赤いし・・・」
「あっごめん・・・」
ヒトミはマキの片方の乳房を掴むと、乳首を口に含んだ。
ナツミが自分の乳首を舐めた時のことを思い出しながら、優しく唇と舌で愛撫する。
あまり反応が無いようなのでちらっとマキの表情を覗うと、
目が合ってしまい、慌てて視線を戻す。
(ゴッチン感じてないかも・・・)
- 61 名前:ペーター(38) 投稿日:2000年10月11日(水)05時55分12秒
- ヒトミは少し刺激を強くしていく。すると・・・
「あん・・・」
(はっ・・・ゴッチン・・・)
小さな声だが確かに聞こえた。
ヒトミは一瞬固まってしまった。
そして、次の瞬間、夢中で左右の乳首を愛撫していた。
マキの手は微妙な動きでヒトミの頭を撫でている。
(ゴッチンは興奮してくれてるのだろうか・・・)
ヒトミにとっては、ナツミが出した声とマキが出す声は違うのだ。
マキの声をもっと聞きたいような、聞くのが怖いような・・・。
ヒトミは少し冷静になるように努力し、五感を働かせた。
マキの動きは・・・
(手も脚も少し動いてる・・・)
マキの体温は・・・
(うぅん・・・よくわからない。自分の体が熱すぎるかも・・・)
マキの吐息は・・・
(なんか少し荒くなっているような気がするかも・・・)
ヒトミが口だけでなく指先で乳首を刺激すると、マキがはっきりと声を漏らした。
「うぅぅ・・ん・・・」
(うわぁ〜ゴッチィン!・・・感じてるかも・・・感じてるかも・・・)
ヒトミはたまらなくなって体を引き上げ、半開きのマキの唇にくちづけた。
そして、先ほどよりかなり激しいキスをしながら荒々しく乳房を揉む。
マキも濃厚にヒトミを求めてくる。
(ゴッチン・・・私のこと好き?・・・まだ聞いてない言葉・・・)
- 62 名前:ペーター(39) 投稿日:2000年10月11日(水)05時56分57秒
- ヒトミは、2人の間にある布きれ達を邪魔に感じ、
体を離すと、マキの服を脱がせようとする。
寝たままのマキが着ているぴったりとしたTシャツは、
あとは肩から上だけだったが、簡単に外れそうもない。
と思ってると、マキが急に上体を起こし、自らTシャツを脱ぎ、
中途半端に引っかかっているブラを取り去った。
「あ・・・」
マキの上半身全体があらわになり、ヒトミは目が釘付けになっていたが、
間髪入れずマキがヒトミのブラウスを脱がそうとする。
「あ・・・」
あっという間にボタンは外され、1枚きりの布が脱がされる。
次の瞬間、マキの腕はもうヒトミの背中に回っていてあっという間にホックが外され、
ブラひもが引き降ろされてしまう。
こうしてほんの2〜30秒でヒトミの上半身もマキの目前にさらされる。
「あっ・・・」
自然と猫背になる赤ら顔のヒトミ。
「ホントに綺麗だね。肌も・・・胸も・・・」
「そんなことないよぉ。恥ずかしいな・・・胸ちっちゃいし・・・」
恥ずかしさをごまかしたくて、ヒトミはマキを押し倒してスカートを剥ぎ取り、
マキに覆い被さろうとする。・・・と・・・
「全部脱いで」
とマキが言った。
「え・・・・・・うん・・・ゴッチンもね・・・」
2人は目を合わさないようにして、それぞれに生まれたままの姿になった。
先に全裸になったマキの視線をヒトミは背中で感じている。
恐る恐る顔だけ振り返ると、マキは体を隠すことなくベッドに横たわっていた。
(よーし・・・せーのっ!)
ヒトミは勢いよくマキに覆い被さった。
- 63 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月11日(水)09時02分25秒
- よっすぃ〜頑張れ!
後藤を虜にしてまえ!!
- 64 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月11日(水)14時55分04秒
- 読者もマキの反応が気になってしょうがないね(藁
- 65 名前:ペーター 投稿日:2000年10月12日(木)00時40分24秒
- 敢えてマキの心中については書きませんので想像してやって下さい。
よっすぃー@青春苦闘編です。
- 66 名前:ペーター(40) 投稿日:2000年10月12日(木)00時46分45秒
- ヒトミはマキを抱きしめ、ぴったりと体をくっつけた。
マキの肌の感触と体温がストレートにつたわってくる。
そして、熱い吐息がヒトミの左耳にかかっている。
ヒトミはずっとこのままでいたいと思った。
(ゴッチンとうちのカラダ・・・一緒に混ざっちゃえばいいのに・・・)
マキの香りを嗅ぎながら、幸福感に浸る。
自分の思いが届くように、しっかりとマキの体を抱きしめる。
しばらくそうしていると、マキがヒトミの耳たぶを軽く噛んだ。
「んっ・・・」
ヒトミは顔を上げて、マキと視線を合わせた。
マキの瞳の奥にちゃんと自分が映っているのか不安だった。
その瞳はとても澄んで見える。
マキに聞きたい事はたくさんあったが、ヒトミはそれらの言葉を飲み込んで
自分の鼻先をマキの鼻先にくっつけた。
そのままゆっくりキスをしようとすると、
マキが舌先でペロリとヒトミの唇を舐める。
(あぁ・・・)
- 67 名前:ペーター(41) 投稿日:2000年10月12日(木)01時09分26秒
- しばらく落ち着いていたヒトミの体に再び火がつく。
(もっと舐めて・・・・・・)
そして2人はまた激しく求め合い始めた。
ヒトミは体をずらし半身だけ重ねるようにして、
右手をマキの秘部へと這わせていく。
茂みの奥へ手を差し込むと、水分が充分に満ちていた。
(ゴッチンすごく濡れてるよぉ・・・)
ヒトミは自分の指先に神経を集中させ、口の動きがおろそかになっていく。
マキの舌と唇だけが相手を求めて動いている。
ヒトミはヌルヌルした指先でマキの花芯を探り当てそれを優しく転がすようにすると、
体がくねり、鼻から勢いよく息が漏れ、口がヒトミから離れた。
マキの表情を確かめる。
上気した・・・その瞼は閉じられ、口は半開きになっている。
(ゴッチンが感じてる・・・)
ヒトミはマキのそんな表情を目の当たりにして、興奮が高まる反面、一瞬たじろぐ。
なんだかとても恥ずかしい。
(はぁ・・・刺激が強すぎるよぉ・・・)
ヒトミは視線を外し、顔をマキの乳房に当てながら、中指を泉に向かわせる。
「ねぇ・・・入れていい?」
「・・・んん・・・」
ヒトミはゆっくりと中指を挿入すると、マキの体が微妙に動いた。
「んっ・・・」
「ごめん、痛かったら言ってね」
「大丈夫・・・」
マキが微妙に腰を動かすと少しずつ指が飲み込まれていった。
「はぁ・・・」 (ゴッチンに入っちゃった・・・)
ナツミの時と同じ感触だったが、ヒトミには特別なモノに思えた。
マキの乳首を口に含みながら指をゆっくりと動かす。
- 68 名前:ペーター 投稿日:2000年10月12日(木)21時17分08秒
- すみませーん。朝方更新します。
- 69 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月13日(金)00時49分50秒
- はーい。まってまーす
- 70 名前:ペーター(42) 投稿日:2000年10月13日(金)06時31分44秒
- すると突然マキがヒトミの頭を抱えると体を横向きにした。
ヒトミは慌てて乳首から口を離す。
今度はマキの左脚がヒトミの横向きの体にかぶさったかと思うと、
あっという間に体の向きが変えられ、
マキがヒトミの上で四つん這いの格好になっていた。
ヒトミの指はマキの中に入ったままである。
(あれれ・・・)
ヒトミが少しうろたえていると、マキは両腕を折り、ヒトミの右耳元で囁く。
「私も入れるよ」
「・・・・・・・・へっ?」
「一緒に感じようよ・・・」
その言葉と同時に、マキの右手がヒトミの恥ずかしい部分に進入してきた。
(あっ・・・)
マキに初めて触れられ、ヒトミの体は硬直する。
すべり込んできた指は優しくヒトミの秘部をこね回すと、
一番熱く潤っている部分を行ったり来たりする。
その指がヌルヌルすべる具合で、ヒトミはどれだけ自分が濡れているかを知る。
ヒトミの緊張感を察してか、マキは軽くヒトミの頬にキスをするとニコリと笑って言う。
「もう少し開いて」
そして、自らの右膝をヒトミの両脚の間に割り込ませると、巧みにヒトミの股を緩めた。
体の位置が逆転してからというもの、ヒトミは自分の体を全く動かしていない。
マキの行動を受け入れることでいっぱいいっぱいである。
- 71 名前:ペーター(43) 投稿日:2000年10月13日(金)06時34分53秒
- そうこうしているうちにマキの指がヒトミに入ろうとしていた。
「リラックスしてね」
「ん・・・」
ヒトミは、マキの手の動きを目で追う。
頭の中がパニクっているせいか、体の感覚は鈍感になっているようだった。
確かに何かが入ってきているものの、
マキのどの指がどのくらい入ってきているのかよくわからない。
ヒトミのその部分に何かが入ったのは、中学の修学旅行の時に使ったタンポン以来だ。
あの時のタンポンは別の意味でかなり存在感があった。
しかし、マキの爪は長かったはずなのにあまり痛く感じない。
「なに心配そうな顔してんの?」
目前のマキにふいに質問され、ヒトミは目を見開く。
「え・・・入ってる・・・?」
入っているのはわかっているが、恥ずかしさも手伝って思わずきいてしまう。
「フフ・・・うん、入ったよ。わかるでしょ」
マキは指を奥深くまで進ませる。
「(あぁぁ・・・)・・・わかってる・・・でも、ゴッチン爪長かったはずなのになぁって・・・」
「あぁ、中指と薬指は付け爪なの」
「へぇ・・・・・・(えっ!!)」 (付け爪って、こういうことするために??)
そう思うが早いか、ヒトミは自分の体内でマキの指が動き出すのを感じた。
不思議な感じがする・・・。
大好きなマキの指が入っていると思うと、
自分のその部分の熱がますます上昇してしまいそうだ。
ヒトミは一瞬我に帰ると、忘れていた自分の指も再び動かし始めた。
互いの右手の指が、互いの体内で動いている。
(一緒に感じるって言っても・・・)
ヒトミは、マキが感じるかどうか心配になってきた。
しかし、マキの指がヒトミのある部分を執拗に責め始めると、
ヒトミは、初めて知るその感覚に、次第に思考力が遠のいていくのだった。
- 72 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月14日(土)02時04分15秒
- 続き読みたいです〜。
- 73 名前:ペーター 投稿日:2000年10月14日(土)06時38分14秒
- 最近時間がずれてしまってごめんなさい。
これからは朝の更新が多いと思います。
- 74 名前:ペーター(44) 投稿日:2000年10月14日(土)06時40分48秒
- 「もしかして私、ヨッスィーのバージンいただいちゃった?」
「んん・・・」
こういう状況になり、ヒトミはすっかりしおらしくなっていた。
やっと性感帯がわかって、マキのその部分を必死に愛撫しているものの、
完全にマキのペースになっていた。
気がつくとマキの腰が少しずつ動き始めている。
(あ・・・)
マキの表情を見るのはなんだか怖い。
目前で乳房も小刻みに揺れている。
(ゴッチン感じたがってる・・・)
ヒトミは自分の細い指に圧迫感がないので、薬指も入れてみようと思い、
中指を第一関節まで抜き、薬指の先を少しずつめり込ませていく。
マキが入り口を広げ、軽く腰をくねらすと、
2本目の指も少しずつ中に入っていった。
そしてヒトミは今までよりも激しく指を動かした。
「あぁ・・・・・んん・・・・・」
マキの官能的な声が漏れ始める。
腰の動きも大きくなり、乳房も大きく波打っている。
(うぅ・・・ゴッチン・・・)
こんなことまで想像してなかった。
ヒトミにとっては目がくらむような景色である。
- 75 名前:ペーター(45) 投稿日:2000年10月14日(土)06時42分51秒
- そして「うんん・・・」とマキが唸ったかと思うと、
再びヒトミの口はマキにふさがれ、
熱い舌が入ってきて口の中までかき回される。
その舌の動きと、ヒトミの体内でうごめく指の動きが似たようなリズムを刻むと、
ヒトミは体の芯から広がってくるような快感に包まれる。
(あぁっ・・・なにこれ・・・)
ヒトミの膣は自然に緊張と弛緩を繰り返していた。
「んんんっ・・・」
ヒトミはマキの口から逃れ、顔をそむける。
やがてヒトミの中にも2本目の指が挿入され、
次第にその動きは激しくなる。
(あぁん・・・おかしくなっちゃうよぉ・・・)
マキの指は容赦を知らず、動きはどんどん早さを増していく。
ヒトミも負けじとマキの中で指を動かすが、
次第に意識は自分の体に集まってくる。
(あぁ・・・・・ゴッチン・・・もうだめ・・・っ)
そして・・・
ヒトミの指はマキの体から抜け落ち、
ヒトミは、ナツミから与えられたのとはまた別の、
大きな大きな感覚に出会った。
「あああぁぁっ・・・・・・」
- 76 名前:ペーター(46) 投稿日:2000年10月14日(土)06時43分45秒
- 頭の中も何もかもが真っ白になって、ヒトミは何がなんだかわからなくなっていた。
急に重力が2倍になったかのような脱力感がヒトミを襲う。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
マキはヒトミからゆっくりと指を抜き、
指にまとわりついている愛液をヒトミの胸に塗り付ける。
そしてヌメヌメと光るヒトミの乳首を舐めながら、自らの荒い息も鎮めていた。
はっきりとしない意識の中で、ようやくヒトミは思った。
(先に逝っちゃった・・・・・・逝っちゃったんだ・・・)
嬉しいのか悲しいのかよくわからない。
ヒトミはだるい体を起こしてマキを仰向けに押さえつけると、
再び自分の体をマキの上に重ねた。
「ゴッチン・・・」
「ん?」
「まだ感じてくれるかな・・・」
「ん〜、どうだろ」
「感じて欲しい・・・」
ヒトミは体をずり下げ、マキの両脚を広げ、股間に顔を持っていく。
無防備にあらわれるマキの秘部。
初めて目の当たりにするその部分に、ヒトミは思わず目を見開いた。
自分の体と同じ構造なのだろうが、はっきりと見たことは今まで一度もなかった。
しかも、マキのモノである。
花びらは大きく開き、花芯はプックリとふくらんでいるようだった。
花びらの中は綺麗なピンク色をしていて、小さな穴から愛液が溢れ出ていた。
(うわぁ・・・・・)
「ねぇ、ジロジロ見ないでよぉ」
「あっごめん・・・」
ヒトミは観察を止め、ナツミが自分にしたのと同じように、
唇と舌で愛撫していった。
- 77 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月15日(日)10時29分14秒
- 更新しないんですか?待ってますです。
- 78 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月16日(月)02時21分31秒
- 更新しないんですか、ってそんな速攻で。
いいとこだし気持ちは分かるが、ゆっくり待ちましょうや。
ここまでしっかりと「官能」なのはなかなかないんで、
楽しませて(笑)もらってます。じっくりとどうぞ。
- 79 名前:ペーター 投稿日:2000年10月16日(月)06時08分41秒
- すみませんね・・・。1日すっとばしちゃいました。
官能の途中でこんなに何回も間を入れてはイカン!と思いつつ、最近体調不良なんでゴメンナサイ。
しかし、あらためて思いました。官能系は体力ある時は筆が進むが、体力無い時は・・・。(汗;)
- 80 名前:ペーター(47) 投稿日:2000年10月16日(月)06時10分41秒
- (はぁ・・・こんな味なんだぁ・・・。ゴッチンこんなに濡れちゃって・・・)
「うん・・・んん・・・」
マキの体は敏感に反応しているようで、じっとしていない。
(なんかゴッチンを征服しているみたいだ・・・)
ヒトミはマキの表情が気になり、チラッ、チラッとそれをうかがう。
マキの体は反り気味で、顎も上がっているため、
ヒトミの視線でははっきりと表情はわからなかったが、マキの口は開いていた。
ヒトミはくぼみを舐めながら、指で花芯を刺激する。
マキの体のくねりが次第に大きくなってきて腰が動くので、
以前ナツミがやったように腕で両脚を抱える。
「あぁん・・・うぅん・・・」
マキの声が大きくなるにつけ、ヒトミの興奮は最高潮に達する。
(ゴッチン、どうなっちゃうんだろうっ)
ヒトミはずっと舐め続けているので、舌の付け根と顎がだるくなっていた。
自らの唾液とマキの愛液で、口のまわりがベチャベチャに濡れている。
(よくわからない・・・けど・・・感じてゴッチン・・・)
マキのワギナがときおりヒクヒクと動く。
ヒトミは、ナツミが自分を逝かせた時の記憶をなぞりながら、
同じように花芯に吸い付き、唇と舌で巧みに刺激を与えた。
(そろそろのはず・・・)
マキの呼吸が早くなっているのがわかる。
ヒトミは刺激を強めた。すると、
「あっ・・・」
マキの体に一瞬、力が入り、腰が逃げようとした。
(はっ・・・もしかして感じた?)
「・・・・・・・・・・・・」
ヒトミは口を離し、マキの様子をうかがう。
「・・・・・・・・・・・・」
呼吸に合わせて、少し胸が上下していた。
が、自分が逝った時より落ち着いてる気がして確かめてみる。
「ゴッチン・・・」
「・・・・・ん・・・・?」
「感じてくれた?」
「ん・・・うん・・・」
「終わった・・・よね・・・」
「うん・・・」
「ホントに感じた?」
「うん・・・少しね・・・」
- 81 名前:ペーター(48) 投稿日:2000年10月16日(月)06時12分21秒
- (え?・・・少し・・・)
少しタイミングが悪かったか、ポイントがずれていたのか、
マキが幾分感じたことは確かだが、その結果はあっけなかった。
ヒトミは体を移動し、マキの体に寄り添う。
マキは目をつぶって、普段より少し深い呼吸を繰り返していた。
「今イチだった?・・・」
「え・・・んなことないけど・・・」
マキが気だるく答える。
「ん?なに?」
「・・・こんなこともあるよ・・・」
(こんなこと・・・か・・・)
ヒトミは、並んだ両方の体にタオルケットを掛け、横からマキの顔を眺める。
(ちょっと失敗だったかな・・・。でもゴッチンとHしちゃったんだね・・・)
マキの体に抱きついて呼吸のリズムを合わせ、一体になりたいと願う。
そして、今日の出来事を振り返ってみる。
思えば、終始マキのペースだった。
あらためて、マキはかなり手慣れていたような気がする。
ホロ苦いようで、でもとっても嬉しいようで。
ヒトミはマキが示した様々な反応を思い出しながら、体を熱くする。
その横で・・・
マキはいつの間にか寝息をたてていた。
(ゴッチン寝ちゃった・・・。どうだったの?結局うちは・・・)
マキの寝顔を見ていると、先ほどまで、あれほど自分に恥ずかしく、
そして身を焦がすような思いをさせた張本人とは思えない。
そんな、子供っぽくて可愛い、無邪気な寝顔。
(ゴッチンはうちのこと少しでも好きだから寝たんだよね・・・。ね・・・)
ヒトミはマキのほっぺたに軽くキスをする。
しばらく一緒に眠りたい気がしたが、とても目が合いそうもない。
(なかなか起きそうもないな・・・)
ヒトミは、マキが目覚めた時の反応が怖いような気もして、ここで帰ることにした。
「また会ってくれるよね・・・バイバイ・・・」
ヒトミは服を着ると、マキのおでこに軽くキスをしてから、
音を立てないようにして部屋を出た。
- 82 名前:ペーター(49) 投稿日:2000年10月16日(月)06時13分13秒
- 帰り道、ヒトミの脳裏には、さまざまな思いが駆け巡っていた。
(ゴッチンは一度も好きだとは言ってくれなかった)
(目が覚めるまで待ってた方がよかったかな・・・)
(待ってたら、どんなことを話しただろう)
(好きかどうかはっきり聞けばよかったかな・・・)
(ある程度感じてくれてたし、キスも求めてくれたし、イヤじゃなかったよね)
(でも、ただ単にHが好きなだけだったりして・・・)
(いや、そんなことないよね。そんな子じゃないよね)
(そう言えば、好きだっていったら、ありがとうって言ってくれた・・・)
(明日学校で会えるかな。ちゃんと話ができるかな・・・)
家に着いてからも変な興奮が続いている。
「早かったのねぇ。昼御飯は食べたの?」と母親に声をかけられる。
「いらないから・・・」
ヒトミは自分の部屋に入ってベッドにダイブする。
胸がいっぱいで何もいらなかった。
- 83 名前:ペーター(50) 投稿日:2000年10月17日(火)06時45分36秒
- 翌朝、リカがヒトミを迎えに来て学校に向かう。
ヒトミは週末のリカの様子が気になっていたのだが、
リカの表情が意外に明るかったので少し安心する。
他愛のない話をしながら歩を進める2人。
ヒトミには、自分とマキが仲良くすることを、リカが良く思ってないことはわかっている。
でもそれが、友達としてなのか、もしかして恋愛対象としてなのか、
はっきりとはわからないでいた。
放課後になり、部室に向かおうとするヒトミを、日直のリカが呼び止める。
「ヒトミちゃん待っててよぉ。すぐ終わるからっ」
「・・・まだ終わりそうにないじゃぁん。悪いけどなっちさんに用事があるんだよね。
すぐに来るようにいわれてるから」
「ホントになっちさんなの?」
「え?・・・そうだよ」
「いいよ、じゃぁ。私もすぐに行くから」
「うん。ごめん・・・」 (リカちゃん、不機嫌になっちゃったかな・・・。ゆっくり頼む)
- 84 名前:ペーター(51) 投稿日:2000年10月17日(火)06時46分56秒
- ヒトミはナツミから、マキとの「初夜」の報告をするように言われていた。
急いで部室に駆け込むと、ナツミが意味ありげにニヤ〜っと笑った。
「おっ、お出ましだねっ」
「あっ、どうもっす。急がないとリカちゃん来ちゃうかも・・・」
ヒトミは慌ててナツミの横に座ると、ゴクリと息を飲み込んだ。
「で、どうだったのさ。やっちゃった?」
「はぁ・・・。おかげさまで何とか・・・」
「そっか。(やっちゃったか・・・。) それでうまくいったの?」
「うぅん・・・なかなかうまくは・・・」
「うまくいかなかった・・・?」
「っていうかぁ・・・ちゃんと言いましたよ。本気で好きだって」
「ほぉ・・・。なら良かったじゃん。Hなんか下手でもいいんだってば」
「ん・・・でも・・・ゴッチンは・・・なんて言うか・・・」
「ん?・・・マキはやり手だった?」
「はぁ・・・かなり・・・」
「それがショックだったんだぁ」
「いやぁ・・・なんとなくわかってはいたんですけどね。っていうかなぁ・・・」
「なに?」
「ゴッチンの考えてることがイマイチわからないっていうかぁ・・・」
「気持ち確かめなかったんだ・・・」
「はぁ・・・。うち・・・Hしたらもっとゴッチンのことわかると思ってたんですよね・・・」
「気持ちが通じ合った気がしなかったんだね」
「・・・・・・・・・・・・」
「はっきりきいてみたら?」
「はぁ・・・」
「こわいんだぁ」
「はい・・・・・・」
- 85 名前:ペーター(52) 投稿日:2000年10月17日(火)06時47分41秒
- タッタッタッタ・・・ガタン!
勢いよくドアがあいて、リカが現れた。
「すみませーん。ちょっと遅くなっちゃいましたぁ」
「あはっ、リカちゃん。そんなに慌てなくてもいいからねー」
「はい。あっ・・・」
リカの目に入ったヒトミの顔はうつむいていて元気がなかった。
「さっ、活動始めますかー」
ナツミは席を立ち、部のロッカーの方へ向かった。
リカがヒトミに近づき小声で話しかける。
「ヒトミちゃん、何話してたの?元気ないよ?」
「あ・・・なんでもないよ、ホント」
「相談してたの?」
「いや、別に」
「なんか感じ悪いなぁ」
「なんで?」
「私には話してくれないんだぁ」
「いや、ちょっと勉強のこと相談してただけなんだよねぇ」
「勉強のこと?・・・今まではまず私に相談してたじゃん・・・」
「あっそうだったっけ・・・?」
「・・・・・・・・・・・」
「リカちゃん・・?」
リカの表情が険しくなっている。
(リカちゃんに何て言えばいいんだろう・・・)
ヒトミはこの際、何もかもリカに話した方がいいと感じていた。
「帰りにいろいろ話すから・・・」
「・・・ホント?」
「うん。リカちゃんにも相談しようと思ってたんだ・・・」
「・・・わかった・・・」
- 86 名前:SOL 投稿日:2000年10月18日(水)00時43分17秒
- すごく律儀な更新で感謝してます。
いしよし好きなので期待です。
- 87 名前:ペーター 投稿日:2000年10月18日(水)06時35分37秒
- >>86 SOLさん、どうもです。
こんな風にちょっとずつ更新するんだったら、
何日かに1回ドバっとまとめて出した方がマシかなとも思う今日この頃・・・。
それと、いしよしは出さないとね。
- 88 名前:ペーター(53) 投稿日:2000年10月18日(水)06時36分48秒
- その日の部活にはマキは姿を現さなかった。
ヒトミはその日一度もマキの姿を見ておらず、
相手が今何をしているのか、何を思っているのかを考えると、
気になってしかたなかった。
しかし今、家に向かういつもの道でヒトミは、
横を歩いているリカに向き合わなければならない。
ヒトミはリカから話しかけてくるのを待っていたが、
リカは少しうつむき加減に歩いているだけで、口を開こうとしなかった。
「リカちゃん・・・話っていうのはさぁ・・・」
「ゴトオさんのことなんでしょ?」
「あ・・・うん・・・。なんでそう思った?」
「ヒトミちゃん、ゴトオさんが好きなんだよね。恋してる・・・」
「う・・・うん・・・まぁね・・・」
「私、最初の頃気がついてなくってさぁ・・・バカみたい・・・」
「バカって・・・」
「気がついたらヒトミちゃん、ナッチ先輩に相談してるし・・・」
「あぁ・・・ごめん」
「寂しかったよ。なんで一番仲がいい私に言ってくれなかったの?」
「それは・・・」 (リカちゃん、やっぱ友達としてきいてるんだ・・・)
「それはナニ?」
「女の子を好きになっちゃったから誰にも相談できなかったんだよね」
「いいじゃん、そんなこと。ナッチ先輩にはどうして?」
「こっちから話したんじゃないよ。気付かれちゃってて・・・」
「ふーん・・・」
「・・・・・・」 (リカちゃん、コワイよ・・・)
- 89 名前:ペーター(54) 投稿日:2000年10月18日(水)06時37分58秒
- 「昨日ゴトオさんと会ったでしょ」
「うん・・・」
「何回目のデートなの?」
「2・・・2回目・・・」
「どんなデート?」
「どんなって・・・あの・・・家に行ったよ・・・」
「家?・・・家で何したのぉ?」
ヒトミはリカの真剣さにたじろぐ。
「何って、別に・・・。そんなことまできくの?」
「キスした?」
「キ・・・キス?・・・(ええぃ、親友なんだから言っちゃえ)・・・うん。しちゃった」
「・・・・・・・・」
リカは突然立ち止まり、ヒトミの顔を見た。
リカの視線が痛い。
「そんなとこまでいっちゃってるのぉ?」
リカは泣きそうな声だ。
(な・・・なんだ?・・・リカちゃん?)
「やっぱりね・・・相手がゴトオさんだもんね・・・」
「相手がゴッチンならどうなの」
「心配だったよ。ゴトオさんってすごく遊んでるでしょ・・・」
「すごく?・・・そこまで言う・・・」
「されちゃったの?ヒトミちゃんがしたの?」
「あ・・・あのねぇ・・・そこまで聞くのね・・・」
「聞いちゃダメかな・・・」
リカの声がだんだん小さくなってる気がする。
「リカちゃんなら別にいいけどさぁ。恥ずかしいよぉ」
「・・・・・・・・・」
「いや、やっぱりなんでも言っちゃおうかな・・・ハハ・・・」
「や・・・やっぱりいいよ・・・」
「え?」
「聞きたくない・・・」
「リカちゃん・・・」
- 90 名前:ぉg 投稿日:2000年10月18日(水)23時49分05秒
- ふむ…いいすねぇ〜。
- 91 名前:ペーター 投稿日:2000年10月19日(木)07時03分44秒
- >>90 おgさん、どうもです。
だいたい構想は固まったものの、予想以上に長くなっちゃってる・・・。こわい・・・。
- 92 名前:ペーター(55) 投稿日:2000年10月19日(木)07時06分07秒
- 再び沈黙が訪れる。
(リカちゃん、やっぱなんか変だな・・・。エッチしたなんてとても言えない雰囲気・・・)
リカの歩くスピードが増して、ヒトミは一歩遅れて必死でついていく。
(「私とゴトオさんとどっちを取るの?」なんてきかないでよねぇ・・・)
ヒトミにとっては両方が大切な存在だった。
嫌な沈黙が続く・・・・・・
家まであと少しと言う所で、急にリカが足を止めた。
「ヒトミちゃん・・・」
「おっと・・・何?」
「ひとつきいていいかな・・・」
「うん」
「ゴトオさんのこと・・・すごく好きなの・・・?」
「うん・・・まぁ・・・」
「私なんかよりずっと好きなんだよね・・・」
「えっ?!・・・・・・比べられないよぉ・・・」
「私はただの友達だから?」
「ただのってことはないけど・・・リカちゃんはとっても大切だよ。でも・・・」
「でも・・・?」
「ゴッチンのことは諦められないよぉ。今はなんていうか・・・
気持ちが止まらないんだよね」
「・・・・・・・・・」
「リカちゃんは・・・一番大切な友達・・・。どっちも必要な人・・・」
突然リカがキッと表情をひきしめてヒトミを見た。
「私も諦められないよっ」
- 93 名前:ペーター(56) 投稿日:2000年10月19日(木)07時06分41秒
- 「え・・・?」
「ヒトミちゃんはずっと気付いてくれなかったけど、ずっと好きだったんだからっ」
「な・・・(なに・・・?)」
「中学の時からずっと・・・」
「ちゅ〜がくのいつ頃?!」
「わからない。気がついたら好きだった・・・。多分2年生くらいから・・・」
「マジ・・・?」 (だから怒ってたのか・・・)
「私・・・」
「ごめん、リカちゃん。気がつかなくて・・・」
「謝らなくていいよ。今まで言わなかったんだから」
「もっと早く言ってくれればよかったのに・・・」
「え?・・・言ったらどうなってた?」
「それは・・・。付き合ったかもしれないじゃん・・・うちら・・・」
「え? でも、どうせ今年ゴトオさんと出会って、好きになっちゃうんじゃないの?」
「それはわからないよ。うちら付き合ってたらゴッチンのこと目に入らなかったかもしれないし。
たぶん・・・。いやでも・・・気付かなかったうちが悪いよ。ごめん」
「ゴトオさんのことホントに好きなんだよね・・・」
「はぁ・・・」
「ゴトオさんもヒトミちゃんのことすごく好きだって言ってるの?
部活の時は関心なさそうだけど」
「うぅん・・・はっきりとは言ってくれないんだけどね・・・どんなんだろ」
「私ね・・・ゴトオさんに負けてないと思ってる。ヒトミちゃんを愛する気持ち。
もしゴトオさんがすごくヒトミちゃんのこと大切に思ってるんだったら仕方ないけど・・・」
「リカちゃん・・・」
「私、諦めないで待ってるからっ」
そう言うと、リカはダッシュして行ってしまった。
「あっ・・・」 (リカちゃん・・・・・・)
ヒトミは動揺していた。
ずっとリカの気持ちを傷つけていたかもしれないと思うと、急に気が重くなった。
(明日からどうしたらいい・・・?)
- 94 名前:ティモ 投稿日:2000年10月19日(木)14時00分00秒
- ゴトオもヒトミのことが好きだったらいいのに。
- 95 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月19日(木)15時06分03秒
- みんなキャラが立ってて面白い!大長編キボンヌ。
- 96 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月19日(木)22時00分58秒
- 小悪魔後藤もいい感じっす。
- 97 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月20日(金)04時45分37秒
- >だいたい構想は固まった
>予想以上に長くなっちゃって
嬉しいねぇ。
- 98 名前:ペーター 投稿日:2000年10月20日(金)06時44分50秒
- どーもです。
ゴトオの心中は明かしませんが、ゴトオなりにいろいろ感じている模様。後々書きます。
長くなりそうなのに最近時間がなくてちょい心配。
- 99 名前:ペーター(57) 投稿日:2000年10月20日(金)06時46分29秒
- ヒトミはよく眠れないまま次の朝を迎えた。
今までのことを思い出してみると、リカのことがいとおしく思えてくる。
(リカちゃん迎えにくるかなぁ・・・。何話せばいいんだ・・・?)
しかし、ヒトミの心配をよそに、リカの様子は今までと変わらないものだった。
カラ元気なのかもしれない。
ヒトミは思いのほか明るいリカの様子に少し戸惑う。
よく見ると、リカの目のまわりが腫れていた。
リカは、昨夜散々泣いて、迷いを払拭していた。
今までと変わらずヒトミとうまくやっていきたい・・・と思うことしかできない。
それに、マキが真剣にヒトミと付き合っているとはとても思えなかったので、
自分にも必ずチャンスがあると信じていた。
- 100 名前:ペーター(58) 投稿日:2000年10月20日(金)06時48分26秒
- その日の休憩時間、ヒトミはマキと廊下で出会った。
偶然出会ったように見せかけているが、
実はヒトミはマキの顔が見たくて廊下をウロウロしていたのである。
目が合って喋るのはなんとなく気恥ずかしかったが、マキの方から声をかけてきた。
「あ、ヨッスィー元気ぃ?」
いつもながら自然体のマキ。
しかし日曜日のことがあって、ヒトミは緊張してしまう。
「あ・・・ゴッチン・・・どうも・・・」
「ねぇ、日曜日勝手に帰っちゃったでしょう」
「あぁ・・・ゴッチン寝ちゃったから・・・」
マキは次の教室に急いでいるらしく、
ヒトミの目の前を通り過ぎると、どんどん離れて行ってしまう。
「じゃ、またぁ」
「またって・・・ちょっと待ってよぉ。部活は来ないの?」
「わかんなーい」
マキはバイバイをしながら遠ざかって行った。
ヒトミはマキの後ろ姿が見えなくなるまで見届ける。
(・・・やっぱわかんない・・・ゴッチン・・・)
『日曜日勝手に帰っちゃったでしょう』と言われた瞬間は嬉しかった。
その後にまだ言葉が続くと思っていたから。
しかし、あっさりと『じゃ、またぁ』である。
『また』という言葉にも重みが感じられない。
マキらしいと言えばマキらしい。
ヒトミは先ほどのマキの言動を思い出しながら教室に帰ろうとしていたが、
気が付くとナツミの教室の前まで来ていた。
- 101 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月20日(金)15時57分51秒
- あれあれ、リカの心中は語っちゃうの?
- 102 名前:ぉg 投稿日:2000年10月20日(金)23時44分36秒
- いしよし…いいねぇ…ぷふ。
- 103 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月21日(土)00時30分48秒
- ぉgって……
ばればれやん。
- 104 名前:名無しォg 投稿日:2000年10月22日(日)02時50分19秒
- 本人だったんかい。
>ペーター殿
更新お待ちしております。
- 105 名前:ペーター 投稿日:2000年10月22日(日)06時14分18秒
- 文才なくてごめんなさーい。ただエロ書いてみたかっただけかい、っちゅー駄小説。
明日更新します。
- 106 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月22日(日)18時42分50秒
- >>105
何をおっしゃる。
語りの形式も人物の設定もプロットの展開もめっちゃよくできてますよ。
更新楽しみにしてますぞ。
- 107 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月23日(月)01時20分46秒
- 時間はたっぷりあるんでゆっくり待ってます。暇なときに更新してください。
- 108 名前:ペーター 投稿日:2000年10月23日(月)05時58分05秒
- どーもですぅ。定期的に更新し続けようと思ったけど、無理がありやした。
でもいい加減終わりたいんでがんばりやす。って、まだまだいきそう・・・。(タラ〜
- 109 名前:ペーター(59) 投稿日:2000年10月23日(月)05時59分08秒
- 休憩時間の終わりをチャイムが告げる。
ヒトミは慌ててナツミを呼び出すと相談にのってもらう約束を取りつけた。
誰かに支えてもらいたいような気分である。
ヒトミはリカとの昼食が終わって、体育館のテラスでナツミを待っていた。
リカにはナツミに会うことを告げている。
そこへナツミがハイテンションでやってきた。
「ごっめ〜ん! 遅くなっちゃったぁ!」
「全然いいですよ。こっちこそすみません」
「まだモヤモヤしてるのかい?」
「はい・・・」
「昨日はリカちゃんが来て話が途中になっちゃったもんね。マキに会った?」
「それが・・・。ゴッチンの気持ちもわからないし、それに・・・リカちゃんが・・・」
「リカちゃんが?」
「うち、リカちゃんに・・・告白されちゃいました・・・」
「ほ・・・ほう・・・」
「驚かないんですか?」
「なんとなくわかってたからね」
「え?なんで?」
「なんでってねぇ。ヨッスィーのことよく見てるよ、リカちゃんは」
「そうですか?」
「そーなんです!って、フフッ」
「うち気がつかなかったんですよぉ。なんでだろう・・・。最低ですよね・・・」
「最低じゃないよ。ヨッスィーってそういうちょっと鈍いところもカワイイんだよね」
そう言ってナツミはヒトミの頬を指で突ついた。
- 110 名前:ペーター(60) 投稿日:2000年10月23日(月)06時00分02秒
- ヒトミはナツミとの一夜を思い出した。
「あ・・・そう言えばナッチさんの時も・・・」
「え・・・?」
「いやっ・・・その・・・・・・」
「やっぱ気付いてたよねぇ、私の気持ち・・・」
「はぁ・・・ごめんなさい・・・」
「謝らなくていいよ。私だって謝りたかった。セクハラしちゃって」
「そんなことないですよぉ。でも最初は確かにセクハラされてる気がしてたけど」
「ハハハ・・・。うぅん・・・私ね、マキに嫉妬してたかもしれない。
諦めようと思う反面、強引にでもヨッスィーをこっち向かせたいって思ったことあるけどね」
「はぁ・・・」
「でもあの時ヨッスィーと寝て、なんか・・・何て言うかなぁ・・・。
ヨッスィーには悲しい思いをして欲しくないのさぁ。相手とうまくいって欲しいっていうかね」
「あ・・・ありがとうごさいます」
「マキとうまくいかなくてもリカちゃんがいるしね、あんたには・・・・なんちゃって」
「あ・・・結局ナッチさんに相談してよかったんですかね・・・」
「もう気を遣わなくていいのっ。何でも話しなさい」
「はい」
「それで問題は・・・何だっけ?」
「えーっと、何だろう・・・混乱してるんですよね・・・」
「リカちゃんは何て言ってるの?」
「諦めないって・・・。でも、とりあえずゴッチンに対する気持ちはわかってくれたと思います」
「待ってるんだぁ」
「そうみたいです」
「マキとリカちゃんを天秤に掛けてみたりしてる?」
「いやっ、それはないです。そりゃぁ・・・」
「そりゃぁ?」
- 111 名前:ペーター(61) 投稿日:2000年10月23日(月)06時00分49秒
- 「なんか急にリカちゃんが可愛く思えて来たし、とっても気になるんだけど、
やっぱりゴッチンがすごく好きだし、そっちをどうにかしないといけないと思うんです」
「そうだね。はっきりきいてみなよ」
「はぁ・・・やっぱりそうですよね」
「それか、もっとどんどん会う約束してコミュニケーション取らなきゃぁ」
「ん・・・なんか捕まらないんですよねぇ、ゴッチン・・・」
「そんなにヤツは遊び歩いてるかぁ?」
「たぶん・・・」
「誰と?」
「2年の人が多いみたいです。仲良さそうに歩いてるの何回か見かけたし」
「2年って・・・誰?」
「あの結構有名なイチノサヤカっていう人とか・・・」
「へっ?(なにぃ?)」
「ヤグチダマリさんとか・・・」
「・・・サヤカかぁ・・・」
「え?知ってるんですか?」
「ま・・・まあね」
「あの人ならゴッチンと・・・やっちゃってますよね・・・」
「うん・・・そうなるかなぁ・・・」
「えぇ〜?! 否定して下さいよぉっ!」
「あ・・・ごめん。それは仕方ないかも・・・っていうか・・・」
「何ですかっ?!」
ヒトミはこの日一番の真剣な目つきでナツミを問い詰める。
「でもね。でも・・・サヤカなら大丈夫だよ」
「何が大丈夫?」
「アイツはホントに遊び人だから、誰とも本気で付き合わないよ」
「なんでわかるんですか? それにそれならゴッチンがかわいそう・・・」
「ちょっとぉ。かわいそうって、サヤカが本気の方がいいの?」
「いや、間違えました・・・。でも・・・なんでそんなに知ってるんですか?」
- 112 名前:ペーター(62) 投稿日:2000年10月23日(月)06時01分49秒
- 「それはね・・・正直言うとね、一時期付き合ってたから・・・」
「ええぇっ?!ナッチさんがあの人とぉっ??」
「うん。すぐに別れたけどね」
「あの人の浮気が原因で?」
「ま・・・いろいろあって・・・」
「許せん・・・。ナッチさんを傷つけてしかもゴッチンをたぶらかして・・・」
「ちょっと待ちなさいよ。私のことはどうでもいいの。それに・・・」
「はい?」
「サヤカとマキがそういう関係だとは限らないし・・・」
「今さら何言うんですかぁっ。そうなるかなって言ったじゃんっ」
「ごめんごめん・・・。大抵そうなんだけど、確かめないとわからないし」
「・・・そんなことゴッチンにきけない・・・」
「きいてあげよっか?」
「はっ? ホントですか?」
「ついでにヤグチダマリの方もね」
「はい!ありがとうございます!ナッチさん、ヤグチダさんのことも知ってるんですか?」
「いやっ、そんなに知らないけどね、前から可愛いと思ってたんだよねぇ」
「なんだぁ、ちゃんと次から次へと目を付けてるじゃないですかぁっ、もぉっ」
「ハハハ! そうなんだけどね。でも自分でも努力するの。勇気出してもっとアタックしなさい。
うやむやにしてると、リカちゃんも待ってることだしねっ」
「はい!」
「それからぁ・・・私のアルバイト賃金高いから覚悟しときなさいよ」
「賃金取るんですかぁ?」
「チューでいいよ、チューで」
「わぁ〜まだ言ってる〜。ハハハ〜」 ・・・・・・・
ヒトミはナツミに相談したことで少し明るい気持ちを取り戻せた。
- 113 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月23日(月)12時28分51秒
- あぶは誰に真相をきくの?サヤカ?マキ?
- 114 名前:ペーター(63) 投稿日:2000年10月25日(水)07時10分23秒
- 放課後、ヒトミはリカとともに部室に入る。
誰もいない。
ヒトミは、マキがまた来ない気がしている。
一方ナツミは、2Bのクラス前まで行って久しぶりにサヤカに会っていた。
「サヤカァ・・・」
「おーっ! 久しぶりじゃーん! どーしたのぉ?」
「ちょっといいかな。聞きたいことがあってね」
「なになに? もしかしてヨリを戻したくなったとかぁ?」
「バーカ。・・・んなわけないじゃん」
2人は廊下の窓に寄りかかった。
「なーにー?」
「最近はどうなのよ」
「どうって? やっぱ気になってんの?」
「相変わらずお盛んですか?」
「まーね。ちょっと気になる子いるから付き合ってあげられないけど・・・」
「バーカっつってんじゃん。あんたなんかに未練はないよ」
「ありゃま・・・そーっすか・・・」
「気になる相手って1年の子じゃないでしょうねぇ」
「えっ・・・1年だけど・・・なんか悪いかな」
「悪かないけど、やりまくってるような噂立ってるよ」
「悔しい?」
「だからぁっ!」
「はいはい。そんなに噂ほどには活躍してない今日この頃でございやす」
「うちのさぁ・・・うちの部活の子と付き合ってない?」
「あ・・・まだ付き合ってはないんだけど・・・」
「ん? まだって、一緒に遊んでるところとか見られてるよ」
「あ、の、ねー。手芸部さんは恋愛禁止なの?」
「違うけど・・・」
「じゃぁいいじゃん。自由にさせてよ」
「そういう管理的な話じゃないのさ」
「じゃ、何?」
- 115 名前:ペーター(64) 投稿日:2000年10月25日(水)07時11分36秒
- 「マキのことを好きな子がいてね・・・。マキがあんたと歩いてたりするのを見ちゃってるの」
「マキってゴトオ? あー・・・ゴトオとは遊ぶよ」
「だからぁ・・・。んん??・・・あんたさっきまだ付き合ってないって言ったじゃん」
「は?・・・いやっ、それは・・・。あー、ゴトオはねぇ・・・うーん・・・。
微妙な関係なんだな、これが・・・」
「どう微妙?」
「実は中学からの付き合いでね。剣道部で先輩後輩だったから」
「へー・・・あのマキが運動部を・・・。それだけ?」
「いやまぁ、最初は完全に先輩後輩の間柄。後輩のクセして生意気でね。
ムカついてたわけ。それがちょっとおかしくなってきて・・・」
「ん・・・?」
「一回、いただいちゃいましたっ。へへ」
「一回・・・?」
「そう。なんか異様に気分が盛り上がっちゃったことがあってね。かわいくなっちゃって。
ゴトオも背伸びしたがってたし・・・。なんていうか・・・お互いのニーズが一致して・・・」
「ほー・・・そんなことがあったんかい。それで今はどうなのさ」
「それ以来、現在は姉妹みたいな間柄っていうか・・・。
今でもすっごく甘えてくるんだよね。アイツにとって初体験の相手だからさ」
「なるほど・・・。じゃ、今はそういう付き合いはしてないんだね?」
「うん。単に遊んでるだけ。暇だからね」
「おっと・・・。あんたは暇かもしれないけど、マキは部活があるのっ。連れてかないでっ。」
「はいはい。わかりやした〜。・・・んで、もういい?」
「あ・・・うん。どうもありがとさん」
「じゃねー」
(サヤカは関係ないか・・・。相変わらずさっぱりしてるよぉ。
しかし、気になる子がいるなんてカワイイこと言っちゃって・・・・・・。
ん?・・・・・・なんか変・・・・・・?)
- 116 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月25日(水)16時56分49秒
- ほほう 確かになんか変だ(w
ま、まさかサヤカの気になる子って…
- 117 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月26日(木)00時12分35秒
- 一波乱ありそうですな(w
- 118 名前:ペーター(65) 投稿日:2000年10月26日(木)04時49分13秒
- 少し遅れて部室に現れたナツミは、ヒトミと目を合わせるとウィンクをした。
(なんだ?ナッチさん・・・)
「あ、糸くず発見。リカちゃん、ちょっとホウキ取って来てくれないかなぁ」
「ハーイ!」
ナツミはリカに席を立たせると、ヒトミに耳打ちする。
「サヤカはマキと付き合ってないよ」
(おっ!)
「中学の頃から同じ部活で仲が良かったみたい。姉妹みたいな関係なんだって」
「マジっすかっ!」
「シーっ!!」
ナツミは慌ててヒトミから離れるが、リカが戻ってきた。
「なんですかぁ?」
「あっ・・・リカちゃんありがとっ・・・そうそうチリトリもない?」
「はい。取って来まーす」
リカも大変だ。
「すみません。大声出しちゃって・・・」
「興奮しないのっ」
「ありがとうございますぅ。・・・わぁ・・・そうなんだぁ・・・」
2人は何も無かったように手芸に取り掛かったが、ヒトミは喜びを隠せない。
(よかったぁ・・・)
リカはよそまで探しに行ったらしく帰ってくる気配がないので、ナツミが話を続ける。
「何ニマニマしてんのよぉ」
「マジ嬉しいっす。あの人とステディーな関係だったらどうしようと思ってましたから」
「やられまくってるんじゃないかと心配してたんだぁ」
「そうっすよぉ。ゴッチン、エッチに慣れてる感じだったからてっきり・・・」
「うーん、誰とやってるんだろうね」
「は・・・・・・」
- 119 名前:ペーター(66) 投稿日:2000年10月26日(木)04時51分12秒
- ヒトミの表情が一瞬固まる。
「あっ、ごめんごめん!」
「そうか・・・あの人のほかにいるってことか・・・・・・」
「あっ、あのさぁ、ヤグチダマリの方はさっき見かけなかったから明日ちゃんと聞くからねっ」
「・・・・・・・・・・・」
「ま、とりあえず良かったじゃん、タラシとは付き合ってなくて・・・。ねっ、ヨッスィー・・・?」
「・・・・・・・・・・・」
「それに・・・エッチ慣れてる感じがしたからって経験してるとは限らないしぃー」
「絶対経験してますよ・・・」
「(う・・・)まぁいいじゃん、それならそれで・・・。あんただってマキの前に私と・・・」
「は・・・そっかぁ・・・」
「とにかく心配しないで。もしヤグチダマリがマキと付き合ってるんだったら、
私がヤグチダを奪うから・・・。見てなさいよ・・・フフン・・・」
「は・・・はい・・・」 (うわぁ・・・悪ナッチだ・・・)
タッタッタッタ・・・ガタンッ!!
そこへ息を切らせてリカが戻ってきた。
「すみません!遅くなっちゃって・・・ハァハァ・・・」
「あっ、リカちゃん!ごめんねー! どこまで取りに行ったのぉ? 無かったらよかったのに」
「ハァハァ・・・いいですよ別に・・・ハァハァ・・・最初に・・・うん・・・
隣りの倉庫みたいなところ行ったんですよね・・・ハァハァ・・・それで無かったんですよ・・・
フゥ・・・その次にそのまた隣りの・・・あそこ・・・何て言うんですかねぇ・・・」
「あ・・・リカちゃん(そこまで聞いてないから)・・・ありがとさん」
「あそこは何て・・・」
「さてっ共同制作がんばら・・・」
「ぐぁんばるぞぉーーー!!!」
「ひ・・・・・・・・」
ヒトミの大声でやっとリカは黙ったのであった。
- 120 名前:ペーター(67) 投稿日:2000年10月27日(金)23時51分15秒
- 翌日ナツミは、朝からマリの行動を追っていた。
さすがのナツミもどう相手に近づいていいものか迷っている。
が、変に小細工するより、普通にマリに会ってみることにした。
休憩時間、2C前の廊下で待ち伏せをしてマリに声をかける。
「あのぉ、ヤグチダさんだよねぇ」
「はい・・・そうですけど・・・」
「私3年の・・・」
「アブナツミ先輩ですよね」
「はぁ・・・うん!知ってた?私のことっ」
ナツミの顔が満面の笑顔になる。
「はい。手芸部の部長さんですよね」
「マキから聞いてるんだぁ」
「ええ、まぁ。それに、去年の文化祭で手芸部の作品見に行ったんですよ」
「へー、そうだったんだぁ。興味あるの?」
「あ・・・興味はあまり無いんですけど・・・すみません。
なんか可愛い先輩が1人でやってるって友達が言ったんで見に行ったんです」
「へっ?それ、私のこと?」
「はいっ、そうですよ。先輩、結構評判だったんですよ」
「うそっ!・・・ていうか・・・『だった』って・・・。過去形なんだ・・・」
「あっ、すみません・・・」
「まぁいいんだけどね・・・。でも嬉しいよ。可愛いヤグチダさんにそう言ってもらえると」
「やだなぁ、可愛いなんて・・・。キャハッ・・・照れるじゃないですかぁ。もうっ」
(やっぱ可愛いべ・・・。ここは押しの一手・・・)
「あのね、今日ちょっと時間ないかなぁ? あなたに聞きたいことがあるんだ」
「はぁ・・・いいですよ。昼休みとか?」
「おぉっ、ありがとう!じゃぁ、ゴハン食べたら銅像のところのベンチに来てね」
「はい」
「サンキュー!」
ナツミのアプローチは思いのほかうまく行きそうである。
- 121 名前:ペーター(68) 投稿日:2000年10月27日(金)23時51分58秒
- ナツミはいつもより早く昼食を済ませ、先にベンチで待っていた。
ナツミはまだヒトミへの想いが吹っ切れたわけではなかったが、
それを忘れるためにも、新しい恋人を必要としていた。そこへ・・・
「ジャン!」
目の前に突然小さな人影が躍り出て来て、ナツミの心臓が飛び出そうになる。
「ヒッ・・・!! なっ・・・なぁんだぁ・・・。もうビックリするじゃなぁい」
「キャハハ・・・すみませーん。かなり待ちました?」
屈託の無いマリの笑顔を見せられると、ナツミの顔もニヤけてしまう。
「いや、さっき来たばかりだよ。さ、座って・・・」
「ヘヘ・・・」
「ごめんね。大事な時間とっちゃって」
「いえ、全然いいですよー」
「実はね・・・ゴトオマキのことでちょっと聞きたいことがあるの」
「えー? ゴトオのことなんですかー?」
今さっきまで明るかったマリの笑顔が急に曇った。
「あ・・・うん。マキ・・・」
「なーんだ・・・。告白でもされるんじゃないかってウキウキしてたのに・・・」
「えっ?? 」
「ハハ・・・へんな勘違いしちゃってました・・・ハハハ・・・」
「あ・・・マリちゃん・・・実は、先に言っちゃうと、マリちゃんと付き合いたいの・・・」
「・・・もぉっ、いいですよ。気を遣わないでください!」
「ほ・・・ホントなの。いきなり言うと気持ち悪がられるかもしれないから、
ちょっとマキのことなんか聞いてみたりしちゃったりして・・・フフ・・・ごめん」
- 122 名前:ペーター(69) 投稿日:2000年10月27日(金)23時55分23秒
- 「・・・本当なんですか?」
「うん。本当。いい?」
「いい! いいです! 今誰とも付き合ってないから淋しかったし」
「えっ?誰(マキ)とも付き合ってなかったんだぁ」
「はい! 募集中でした!」
「そっかぁ・・・。ありがとう!・・・すっごく嬉しいよぉ・・・」
(こんなにうまくいくとはラッキー・・・)
「キャハハ・・・」
「これからよろしくねっ」
「ハ〜イ! さっそく携帯の番号教えて下さい!」
ナツミは、積極的なマリの行動に戸惑いながらも、
あっという間に2つの目的が達成できて少し拍子抜けしていた。
「あっ、それでゴトオのことはなんですか?」
「あぁ・・・いやもう別にいいんだけどね。マリちゃんとねっ・・・こうなっちゃったし・・・フフ」
「キャハハッ!」
「でも、一応聞いとくけど、マキとはどんな関係なの?」
「私ですかぁ?・・・なんか気になるのぉ?」
「あぁ、まぁ私も気になるし、ほかにマキのことが好きな子がいてね・・・
その子がマリちゃんのこと気にしてるんだよね」
「プッ・・・キャハハハハァ! 私とゴトオ?・・・ハッハッハ・・・」
「単なる知り合いなの?」
「そーですよ。ある共通した趣味って言うか、目標があって、それで知り合ったんです。
まぁ、タイプって言えばタイプなんだけど。ゴトオの方は私みたいなチビには興味無いみたい」
「へー、なんか2人で挑戦してるんだぁ」
「ま、これはゴトオと私の秘密なんですけどね・・・。ナツミ先輩には後々教えますけど・・・」
「わかった。ところで、マキは今ほかに誰かと付き合ってるのかなぁ?」
「うーん、なんかイマイチわからないんですよね、ゴトオって・・・。
時々しか会わないし・・・。でも私はいないような気がするけど・・・」
「そうか・・・。ありがとう!」
(早くヨッスィーに教えてやらないと・・・)
- 123 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月28日(土)00時30分34秒
- わからん・・。ゴトオはいったい何をしようとしてんだ・・。
- 124 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月29日(日)06時04分15秒
- おお、どうなるんだ(わくわく
- 125 名前:ティモ 投稿日:2000年10月29日(日)09時21分33秒
- ヒトミとマキにくっついてほしいな〜
- 126 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月29日(日)17時33分26秒
- いや、ヒトミはリカにいってほしい・・・
- 127 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月30日(月)01時12分32秒
- いや、意外性をついてマキがリカに・・
- 128 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月30日(月)18時27分03秒
- マリとマキ・・・
- 129 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月30日(月)22時02分33秒
- タラシは誰ねらいなんですか??
- 130 名前:ペーター 投稿日:2000年10月30日(月)23時34分45秒
- いやぁ・・・土・日遊び呆けちゃって、更新せずにすみませんでした。
- 131 名前:ペーター(70) 投稿日:2000年10月30日(月)23時38分00秒
- ナツミは昼休みのうちにヒトミの教室まで行って伝えようとした。
案の定、ヒトミはリカと一緒ではなかったので、事はスムーズに運んだ。
「へー・・・。ヤグチダさんともそんな関係じゃないんですかぁ・・・」
「嬉しくないの?」
「いや嬉しいっすよ、嬉しいっす・・・。ただ、他に相手がいるかもしれないってことだから、
ますますわからなくなっちゃった・・・」
「ねぇ、ヨッスィー。そんなことばかり考えてないでさぁ、正面から押して行ったらどうなの?」
「え・・・」
「もしもマキに相手がいたとしても好きなんでしょ?」
「はぁ・・・」
「自分から捕まえに行って、マキにはっきりした態度を取ってもらいなさいよ」
「はい・・・」
「もしマキに本気の相手がいたら、仕方ないよ。私みたいにスッパリあきらめるか・・・」
「そうですよね・・・」
「あぁ・・・。ま、私の勘じゃマキにはそういう相手はいそうにないけどね」
「どうしてですか?」
「仲のいいサヤカもマリちゃんも知らないんだもん」
「そっか・・・。よし、ちょっとがんばってみようかな・・・」
「うん、その調子で」
「フラれるの怖がってばかりじゃ何もできませんよね・・・」
「なんとなく行きにくいのは分かるんだけどね、マキみたいなタイプには」
「そうでしょぉ?」
「でも、その前にヨッスィー、自分に自信が無いのがいけないよね」
「え・・・?」
「もぉっ、可愛いんだから自信持ちなさいよ。イライラしちゃうなぁ」
「あ、ごめんなさい・・・」
「がんばるんだよ!それじゃ行くからね・・・」
「はい・・・。いろいろすみませんでした」
ヒトミは、今まで怖がっていた自分を情けなく思った。
- 132 名前:ペーター(71) 投稿日:2000年10月30日(月)23時39分31秒
- ナツミはヒトミの元を離れると、マキの教室に行き、マキに部活に出るように言った。
部員としては全く期待してなかったが、ヒトミにチャンスを与えるために。
正直、ナツミにとってマキはかわいくない存在だった。
ナツミは自分の口からマキのヒトミに対する気持ちを確かめたかったが、
そこまで口を出す資格がないこともよくわかっていた。
「何か部活に出られない理由があればはっきり言ってね。文化祭のこともあるし」
「はぁい・・・」
「今日は出られるの?」
「そうだなぁ・・・。顔出しますよ」
「何か忙しそうなのには理由があるようね」
「まだ何とも言えないんだけど・・・。辞める時にはちゃんと言います」
「え・・・辞めるんだぁ・・・」
「っていうか・・・手芸部にいる意味もない感じだし・・・」
「あんたがやる気無いからじゃん」
「だから、まだ辞めないけど、もし辞めることになったらの話で」
「わかった。ときどき顔出してね」
「はーい」
(ヨッスィー、チャンスを生かせるかなぁ・・・)
ナツミはここまでしといて、後はもう自分からは干渉しないと心に決めた。
ヒトミに関われば関わるほど自分の気持ちが揺らぐ。
自分は新しい恋人とスタートを切ったばかりなのだから。
- 133 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月31日(火)03時06分49秒
- 更新しなかったからって何も謝るこたぁないよ(笑)
- 134 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月31日(火)20時00分20秒
- そやそや、気にせんといて
- 135 名前:ペーター 投稿日:2000年11月02日(木)23時05分11秒
- いやぁ、どーもです。
最初に、なるべく毎晩少しずつでも更新できるようにがんばる(多分・・・)
なんて宣言しちゃったもんですからね、すみませんです。
- 136 名前:ペーター(72) 投稿日:2000年11月02日(木)23時08分08秒
- この日もヒトミは部室でマキを待っていた。リカも一緒だが。
自分からもっとマキにアタックしたいという気持ちはあるのだが、
そんなに焦りたくないという気持ちもある。
というか、焦ってもうまくいかないような気がしている。
戸が開く音がして振り向くと、ナツミが立っていた。
「あ、マキまだ来てないんだぁ」
ナツミの思いがけない一言にヒトミは驚いた。
「えっ?! 今日は来るんですか?」
「来るって行ってたよ。手芸に手をつけるかはわかんないけど」
ヒトミは急に緊張感を覚える。
「ゴトオさん、何のために来るんですか?」
リカが小声でナツミにきく。
「何のためって、一応・・・マキも自分の作品のことが心配になったにかもしれないし・・・」
「そんな気があるんですかねぇ、ゴトオさん」
ナツミは一瞬ヒトミと目を合わせると、意味ありげに目をそらした。
(ナッチさん、がんばれって言いたいのかな・・・)
ヒトミは一瞬リカの表情をうかがった。
ヒトミはナツミの言葉を待っていたが、ナツミはそれ以上口を開く様子もなく、
部日誌と睨めっこを続けている。
ただただ、そこには微妙な空気が漂っていた。
(ゴッチンと2人っきりになれれば・・・。・・・・・・・・・!!)
「こんちはー」
気だるい声が聞こえて3人とも振り返ると、無表情のマキが立っていた。
3人とも言葉を発しない。
3人とも他の誰かが最初に声を掛けることを望んでいるかのようだった。
その冷たいよそよそしい視線に、マキは少々たじろいでいるかもしれない。
「あれ・・・。部室間違えちゃったかな・・・?・・・ここでいいよね・・・?」
「あっ・・・ゴッチン、久しぶり〜」
ヒトミが慌てて笑顔をつくり声をかける。
リカはマキを完全無視。
そしてナツミが部日誌を持ってゆっくりと椅子から腰を上げた。
- 137 名前:ペーター(73) 投稿日:2000年11月02日(木)23時09分43秒
- 「さて、ちょっと顧問の先生のところに行ってくるから、どんどん仕事しててよ」
「はーい」
リカとヒトミが返事をすると、マキはナツミが出て行くのを見届けてヒトミの隣りに座った。
「あ・・・ゴッチン、今日は最後まで居られるの?」
「ううん。すぐ帰るかもしんなーい」
「何か用事があるんだぁ」
「今日はちょっと雰囲気見に来た。みんなどのくらい作ってんのかなぁと思って・・・」
リカがたまらず小声で口を挟む。
「雰囲気見るって何?用事なんかどうせないくせに・・・」
マキがリカを一瞥してからヒトミに微笑みかけた。
「私、なんか嫌われてるみたいだから、やっぱ帰るわ」
「ちょっと待ってよぉ。今来たばっかじゃん。作品仕上げようよ。ねっ」
「1学期に作りかけてたヤツ、なくしちゃったんだよねー」
「じゃぁまた作ればいいよ。一緒に作ろ。文化祭に間に合わな・・・」
「ゴトオさん、作る気ないんでしょ」
「リカちゃん、そこまで言わなくても・・・」
ガタン!
マキが席を立った。
「じゃ、帰るわ。部長さんによろしくー」
「ちょっ・・・ちょっと・・・」
ヒトミはリカの様子を気にしながらマキの後を追う。
「ちょっと送ってくるから・・・(リカちゃん、ゴメン!)」
2人が教室を出ていった。
取り残されたリカの目に涙が溢れる。
(いらないこと言っちゃった・・・。このままじゃヒトミちゃんに嫌われちゃうよ・・・)
- 138 名前:ペーター(74) 投稿日:2000年11月03日(金)22時56分53秒
- マキはスタスタと歩を進め、後ろから情けない格好でヒトミがついて行く。
下駄箱まで来て、ヒトミはマキに声を掛けた。
「ゴッチンねぇ・・・手芸するのイヤだったらしなくてもいいからさぁ・・・
もっと・・・もっと部活に来てくれないかなぁ」
「・・・・・・・・・・」
「文化祭に出す作品も一緒に作ろうよ。うちがほとんど作ってもいいから・・・」
「フフ・・・・・・・」
「何か・・・おかしいこと言ったかな・・・?」
ヒトミがマキ近づくと、マキはクルっと振り返った。
・・・チュッ・・・
「!!・・・・・・」
突然のことに、ヒトミは目を丸くして動けなくなった。
ほんの軽いキスだったが。
マキはそんなヒトミを見てニターっと笑う。
「ヨッスィー早く部室に帰らないとリカ様に怒られちゃうわよー。じゃねー」
マキは靴を履き替えると、微笑みながら手を振って玄関を出ていった。
「・・・・・・・」
ヒトミは唇に指をあててみる。
(今のはナニ?・・・・・・・・でも・・・嬉しい・・・)
ヒトミはしばらくそこに立ちすくんで考えていた。
マキのキスは何を意味しているのか。
そして自分は愛されているのか・・・・・・・。
部室に帰ると、ナツミが戻っていた。
ヒトミはナツミと視線を合わせて微笑んだ。
なんとかマキとコミュニケーションがとれた気がして、ナツミを安心させたかったのだ。
ナツミは、ヒトミがチャンスを生かしたと理解して、微笑みを返した。
- 139 名前:ペーター(75) 投稿日:2000年11月03日(金)22時57分57秒
- 次の日からマキは全然部室にあらわれなくなった。
ヒトミはちょくちょくマキの教室を覗いては、その行動を観察するようになっていたが、
マキは遅刻や早退が多くなっているようだった。
(勉強が嫌いで学校までいやになってるのかなぁ・・・)
教室にいる時も、マキはいつも3〜4人のコギャル風のグループに居て呼び出し辛かった。
が、ある日、ヒトミは思い切って休憩時間にマキを呼び出した。
「ゴッ・・・ゴッチィン、今日の昼休み・・・空いてない?」
「え?・・・ちょっと待ってね」
マキはグループの子たちと何やら話すと、戻ってきた。
「いいよ、今日なら」
「ありがと・・・」
「それで何?」
「いや・・・ちょっと話したいこととか聞きたいこととかいろいろあって・・・」
「わかった。じゃ、天気いいから松の木がある芝生のとこに来て」
「うん!」
ヒトミは、もっと早くからこんな風に誘えばよかったと思いながらも、
とりあえずうまく行って、小さなガッツポーズを作りながら教室に帰って行った。
この前の突然のキスが、ヒトミの気持ちをさらに熱くしていた。
- 140 名前:ペーター(76) 投稿日:2000年11月03日(金)22時58分46秒
- 午前中の授業が終わり、ヒトミは急いで昼飯をかきこんでいた。
「ヒトミちゃん、そんなに慌てて食べると喉に詰まっちゃうよぉ」
「ん・・・うぐ・・・」
「何か用事でもあるの?」
「ん・・・今日ね・・・昼休みに行くとこあって・・・」
「・・・はっきり言ったら?」
「え?」
「私、昼休みにヒトミちゃんと一緒に居られなくても、もう不満言ったりしないから・・・」
「え・・・」
「なんか私、子供だったよね、今まで・・・。少しは大人にならなくちゃってちゃんと思ってるよ」
「リカちゃん・・・」
「ゴトオさんと会うんでしょ?」
「う・・・ん・・・。やっとつかまったんだよね・・・」
「なんかさぁ、はっきり言ってゴトオさん・・・ヒトミちゃんのこと興味ないように見えるんだけど・・・」
「そ、そうかなぁ・・・。でも嫌われてないみたいだし・・・確かめるんだよ、これから」
「そう・・・」
「・・・ごめんね、リカちゃん・・・」
「なんで謝るの?ヒトミちゃん悪いことなんかしてないよ」
「うん・・・でも、なんかね・・・」
ヒトミは正直言って、リカと居ると気詰まりな時間が多かった。
だからと言って、リカを避けるわけにもいかない。
恋する者の気持ちは自分もよくわかっている。
- 141 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月03日(金)23時52分35秒
- あ〜続き読みたい…。
完全にハマってます(w
- 142 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月04日(土)19時27分47秒
- いや〜、これおもろいっすよ。
なんか最近、リカが恐くて・・・
- 143 名前:ペーター 投稿日:2000年11月04日(土)22時54分28秒
- ありがとうございますぅ。
もっとサクサク書き上げられればいいんですけど・・・。
- 144 名前:ペーター(77) 投稿日:2000年11月04日(土)22時55分36秒
- 急いで約束の場所に来たヒトミは、ひとつ大きく深呼吸して、
マキに聞きたいことを頭の中で整理していた。
(自信を持って話しなきゃね・・・)
ヒトミが早く来すぎたのか、マキが来たのは10分経ってからだった。
「お待たせー」
「あぁ、今日はごめんね。急に呼び出しちゃったりして」
「ふぅ・・・。ちょっと食べ過ぎたかな。ウップ・・・」
「ハハ・・・ゴッチン太っちゃうよぉ」
「太らないように気をつけなきゃいけないんだけどね・・・。食欲が・・・」
「やっぱり体型とか気を付けてるんだぁ・・・。さすが・・・」
「え?さすがって?」
「モテる女は違うってこと」
「モテないよ、全然」
「でもゴッチンのことカワイイっていう人、多いよねぇ」
「そぉ?」
「ま、少なくともここに超大ファンがいるし・・・。ウフ・・・アハハハ・・・」
「ヨッスィーこそ、かなり評判だよ。美少女ナンバーワンなんじゃない?」
「へっ?!よしてよーっ、冗談は!ハハッ!ゴッチンがお世辞言うとは思わなかった」
「なんで?すごくかわいいじゃん」
マキはまっすぐヒトミの目を見つめた。
「!!・・・・・・あ・・・」
ヒトミは慌てて視線をそらすが、顔は見る見る紅潮してしまった。
(うわ・・・ここで聞かなきゃ・・・私のことどう思ってるか、はっきりと!)
「あの・・・あのさぁ・・・」
「ん?」
あいかわらずマキはヒトミの目をみつめている。
- 145 名前:ペーター(78) 投稿日:2000年11月04日(土)22時58分09秒
- 「ぶ・・・部活・・・どうする・・・?」 (何きいてんだ?)
「・・・私けっこう忙しいんだ。くわしいことは言えないけど」
「忙しいって・・遊んでたわけじゃないんだね・・・」
「うん、まあね」
「学校より大切なこと?」
「ん〜・・・・・・」
マキの表情が急に曇った。
「あっごめん。話したくなかったらいいよ」
「・・・・・・・・・」
「どうしたの・・・?いけないこと聞いちゃったかな・・・?」
「ううん。なんかさぁ・・・フゥ・・・」
「もしかして・・・ゴッチンでも悩みがあるんだぁ」
「悩みっていうかね・・・」
「なになに? そんな暗い顔、ゴッチンには似合わないよぉ」
「ヨッスィー・・・私のこと好きだって言ったよね・・・」
「う・・・うんっ。好きだよ・・・」 (来るか?ついに来るか?・・・)
「あのさぁ・・・。私の魅力って・・・何? カワイイっていう言葉は使っちゃダメ」
「魅力って・・・たくさんあるよ! だって、カワイイだけじゃなくて、かっこいいしぃ・・・」
「かっこいい?」
「うん。洋服の着こなしとか、持ってる雰囲気とかがかっこいいしぃ、スタイルいいしぃ、
クールだしぃ、なんかボケーっとしてる時はねぇ、子供みたいでカワイイしぃ・・・。
あっ、カワイイって言っちゃった・・・」
「フフフ・・・」
マキの表情が明るい笑顔に変わった。
「それにそれに、気だるい感じの時は色っぽいしぃ、声もいいしぃ・・・アッ・・・」
ヒトミはマキとの秘め事を思い出した。
「何?」
「あ・・・それに・・・胸もけっこうあるしぃ・・・ハァ・・・」
「なんかエッチなこと思い出して言ってるぅ」
「ハハ・・・とっ、とにかく・・・ゴッチンの魅力ならたくさん言えるよ、私!」
- 146 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月05日(日)00時28分02秒
- ああ・・・いいなぁ〜これ
- 147 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月05日(日)20時36分10秒
- これマジ好きっすよ・・・
ネット繋げるたびにチェックしてるよ
- 148 名前:ペーター 投稿日:2000年11月05日(日)23時02分59秒
- ありがとうございまっす。もっとがんばらねば・・・。
145の最後、「私」って書いてしまったけど、余計でした。(苦笑)
- 149 名前:ペーター(79) 投稿日:2000年11月05日(日)23時06分10秒
- 「お〜、初めてそんなに言われたよぉ」
「嘘っ・・・。やっぱ私がゴッチンのこと一番好きなんじゃないかなぁ・・・な〜んて・・・」
「ハハハ・・・ありがとね。ちょっと自信なくしてたから聞いてよかったよ」
「自信?」
「ヨッスィーと話してるとなんか気分が楽になってくるよ・・・」
「おっ、そーおー?嬉しいなぁ!」 (マジ?)
「なんかさぁ・・・最近、焦ってきちゃって・・・」
「焦る?」
(何のこと言ってるんだろ・・・なんかまた、はぐらかされてる気がするけど・・・)
「あっ私行かなきゃ。職員室に呼び出されてるんだよね。ごめーん」
「ちょっ・・・ちょっと待ってよ。まだ・・・」
「あ・・・私に聞きたいことがあったんだっけ?」
「うん・・・あの・・・(あ〜何て言おう)・・・この前のキスは・・・どうして?」
「え?・・・なんでキスしたか?」
「うん・・・」
「うーん・・・ヨッスィーが可愛かったから・・・かな・・・」
「え?・・・それって・・・」
「じゃーねー。遅れると叱られるから」
「あっ・・・ゴッチン待って! もう一つ・・・。誰か・・・付き合ってる人いるの?」
「・・・気にしてた?」
「うん・・・・・・・・」
ヒトミは息を飲んだ。
「いないよ」
「え・・・」
マキはあっけなく答え、あっという間に遠ざかっていった。
- 150 名前:ペーター(80) 投稿日:2000年11月05日(日)23時06分42秒
- 「ゴッチン・・・・・・」
また「好き」って言ってもらえなかった。
自分はそういう範疇には存在できないのか・・・。
だが、安易に中途半端な気持ちでそんなことを言わないマキは
案外誠実なのかもしれない、とも思った。
さっき聞いたマキの言葉が頭の中で交錯している。
・・・『ヨッスィーと話してるとなんか気分が楽になってくるよ・・・』
(楽ってどんな意味なんだろう・・・友達?・・・)
・・・『なんでキスしたか?』『ヨッスィーが可愛かったから・・・かな・・・』
(好きだからじゃない・・・の・・・?)
・・・『気にしてた?』『いないよ』
(うちと付き合ってるっていう意識は当然ないよね・・・他にいないのは嬉しいけど・・・)
好意的な言葉をもらった喜びと、遠回しに拒否されたような淋しさ。
そして、なかなか想いが叶えられないもどかしさ。
より混乱が深まった気はするが、諦めなければならない理由はどこにもない。
(焦るのはやめよう。少なくともライバルはいないようだから・・・)
- 151 名前:ペーター(81) 投稿日:2000年11月05日(日)23時07分59秒
- マキが去って行った方向をボーっと見ていると、
それを遮るように、ある人物が目の前に現れた。
ヒトミはゆっくりと顔を上げた。
「あ・・・イチノさん・・・」
「ヨシサワヒトミちゃんだよねぇ」
「は・・・はい・・・」
「ナッチからゴトオのこと好きな子がいるって聞いたけど、あなただよね」
「え・・・はい・・・なんで・・・」
「ごめんよぉ。さっきの話聞いてたわけじゃないよ。ちょうど近くに来ただけ」
「・・・・・・・・・・」
「おっと、ホント何でもないから・・・そんな不思議そうな目で見ないでねー」
「あのぉ・・・イチノさんはゴッチンと仲がいいんですよね・・・」
「うん。まあね・・・」
「ゴッチンは今誰とも付き合ってないって言ったんですけど、本当ですか?」
「そうだね・・・私もそう思うけど」
「そうですか・・・本当なんだ・・・。あっ、ありがとうございました。失礼しまぁす」
ヒトミは恥ずかしくなって、そそくさとその場を立ち去った。
サヤカはその後ろ姿を微笑みながら見送っていた。
- 152 名前:ティモ 投稿日:2000年11月06日(月)17時17分18秒
- ヨッスィー可愛い・・・。
- 153 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月06日(月)17時34分00秒
- おもろいな〜
- 154 名前:ペーター 投稿日:2000年11月06日(月)23時23分06秒
- どうもです〜。
しかし、ゴトオだのイシガワだのって我ながらすごい苗字だな・・・。
今ごろ滅入って来た・・・。
- 155 名前:ペーター( 投稿日:2000年11月06日(月)23時24分22秒
- 「このポーチかわいいなぁ・・・」
部室で手芸雑誌に目を通す。
(ゴッチンはこんなの使わないよなぁ・・・)
「何がカワイイのぉ?」
突然リカに声を掛けられてヒトミはビクっとする。
「いや、これね・・・」
「あぁ、それピンクならカワイイんだけどなぁ」
リカがヒトミの隣りに腰掛けて雑誌を覗き込む。
「でもリカちゃんの作品さぁ、全部ピンクっていうのもどうなの?」
「ん?いいと思わない?」
「うん・・・。ま、リカちゃんの作品って、一目で分かるからいいよね」
「そぉなのかなぁ・・・。フフフ。あっ、形もこっちの方がいいよ」
「これぇ?変だよぉ。ハハッ」
「そんなことないよぉ。これ絶対かわいいー」
「ま、人の好みはそれぞれ違うからねー。だからいろんなカタチがあるんだよ」
「うん・・・・・・・・・・・それで・・・」
「・・・それで・・・なに?」
「・・・どうだった?その・・・ゴトオさん・・・」
いきなり話題を変えられてヒトミは焦った。
「あぁ・・・・・・。優しかったよ・・・」 (あ・・・また変なこと言った・・・)
「優し?・・・気持ち確かめて来たんでしょ?」
「ん・・・そぉねぇ・・・。はっきりとは言ってくれなかったんだけど・・・」
リカはヒトミの眼差しに一抹の淋しさを垣間見た。
「なんでゴトオさん、はっきりしないのかなぁ?」
「・・・・・・・・」
「キスまでしといて・・・」
「いいじゃん、別に・・・」
ヒトミが一瞬苛立ちの表情を見せた。
リカは慌てて苛立ちを隠す。
「ごめん・・・。私、心配なの。ヒトミちゃん弄ばれてる気がして・・・」
「・・・大丈夫だよ・・・」
「あっ・・・私、教室に消しゴム忘れちゃった・・・」
「リカちゃん・・・?」
リカは小走りに部室を出て行った。
(うわ・・・またやっちゃったかな・・・。でも・・・・・・・
はっきり言わなきゃ。ゴッチンしか見えないって・・・)
- 156 名前:ペーター 投稿日:2000年11月06日(月)23時25分26秒
- ↑上の(82)です。
- 157 名前:ペーター(83) 投稿日:2000年11月06日(月)23時27分46秒
- 「あれ〜。なんかリカちゃん出て行くのが見えたけど・・・」
「あ・・・ナッチさん・・・。リカちゃん教室に行きました・・・」
「泣きそうな顔してたようだけど、なんかあったの?」
「え・・・実はさっきちょっと・・・また傷つけたかもしれない・・・」
「マキのことで?」
「はい・・・」
「諦めてくれってはっきり言ったとか?」
「いや・・・うちがはっきりしないから・・・」
「マキとうまくいきそうなら、リカちゃんにははっきり言った方がいいかもね」
「んーん・・・ゴッチンもはっきりしないから・・・うち、焦らないことにしました」
「マキ相変わらず・・・なんだ・・・」
「はい。でも・・・リカちゃんにははっきり言おうと思います。
ゴッチン誰とも付き合ってないって言ったから、ゴッチンのこと諦められないし・・・」
「そうだよね。考えてみれば焦る必要は全然ないか・・・」
「カワイイとは言ってくれるんですけどねぇ、好きだとは言ってくれない・・・」
「カワイイか・・・。いろんな意味があるからなぁ・・・」
「え?・・・」
「好きっていうことかもしれないし、単に外見が好みっていうことかもしれないし。
逆に内面が気に入ってるのかもしれないし・・・。恋愛は難しい!」
ヒトミの視線が遠くをさまよっている。
「・・・愛とか恋って・・・何なんだろう・・・」
「へっ?・・・なにさ、急に・・・」
「うち最初・・・こうすればこう返ってくるとか、勝手に決めて考えてたのかもしれません・・・」
「あぁ・・・。そういうことか・・・。まーねー・・・いろんなタイプの人間がいるからね・・・。
愛に決まったかたちはないんじゃないかな・・・なんちゃってー。フフッ」
「そうですよね・・・」
「マキはさぁ、こっちで思ってる以上に幼いのかもしれない・・・。
じっくり攻めていけば、また何か答えがでてくるかもしれないね」
「はい・・・」
- 158 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月07日(火)09時21分23秒
- マキはなんなんだ?一体?
つーかナツミがいい先輩って感じでいいな。なんかほのぼのする。
- 159 名前:ペーター 投稿日:2000年11月07日(火)23時14分22秒
- マキってやつぁ・・・。
しかし、「ナツミ」を先輩にしたのは当初一番迷ったんです。
最初はヨッスィーを大人にするのに、ナカサワ女史、ヘエケ女史、
あるいはカオリ先輩などでスタートさせようを考えましたが、
ちょっとポッチャリした人のエロなんてどうだろうと思ったりもしてナツミを。
しかし、エロ遠ざかってるなぁ・・・。
- 160 名前:ペーター(84) 投稿日:2000年11月07日(火)23時15分20秒
- 翌日、ヒトミはリカにはっきり言おうと決心したものの、
言葉に出そうと思うと、なかなかうまくいかないものである。
一方リカにも、ある決心があった。
リカは休憩時間にマキを体育館裏に呼び出した。
「話ってなに?」
「あ・・・あのぉ・・・」
がんばって呼び出してみたものの、ダルそうなマキの様子を見て、リカは少し尻込みしてしまう。
「あんまり暇じゃないんだけどなぁ」
「ごめんなさい・・・ちょっとだけ話が・・・」
「だからなに?」
「ゴトオさんね・・・はっきり聞くけどぉ・・・ヒトミちゃんのことどう思ってるの?」
「え・・・なんでリカちゃんに言わなきゃいけないかなぁ」
「だって・・・」
「リカちゃんさぁ・・・ヨッスィーのこと好きみたいなのは分かるんだけどぉ、
それとぉ、私とヨッスィーのことは関係無いじゃ・・・」
「関係無くないよ!」
「え・・・」
急に強気になったリカを見て、マキの表情も変わる。
「私はずっと・・・ずっと前からヒトミちゃんのこと好きだったの。中学の時から。
でも、ヒトミちゃん・・・高校に入ってゴトオさんのこと好きになっちゃって・・・それで・・・」
「ンフフ・・・」
「ちょっ・・・何がおかしいの?」
「こういうマジな話、好きじゃないんだよねぇ」
マキは再びダルそうに言葉を返す。
「何言ってるの?ヒトミちゃんの気持ち弄んで・・・」
ずっとリカの方を見てなかったマキがリカと視線を合わせる。
「じゃ、はっきり言おうかぁ?」
「えっ!?・・・んん・・・」
- 161 名前:ペーター(85) 投稿日:2000年11月07日(火)23時16分21秒
- マキはおどけて言った。
「私、ヨッスィ〜が好き〜っ!」
「えっ!?・・・」
「って言って欲しいの? ンフフ」
リカはマキの『好き』だという言葉、そしてその後のふざけた態度に2度驚き、
振り絞るように声を出した。
「・・・もぉっ・・・ふざけないでよ・・・」
「ハハッ。びっくりしてるじゃん」
「なっ・・・」
リカは顔を紅潮させ、潤んだ目で精一杯の睨みをきかせると、
マキは不機嫌そうに目をそらした。
その表情はリカのそれとは逆に、急に温度が下がったかように無表情になっていく。
遂にリカは怒りを抑えることができなかった。
「ゴトオさん・・・・・・ぜんっぜん真剣に考えてないじゃないっ!」
「・・・・・・・」
「何とか言ってよっ」
「・・・・・・・」
「ねぇっ!」
マキは冷めた表情のまま低い声を発した。
「あんたに何がわかるの?」
「・・・えっ・・・」
リカは、マキの顔つきが怖くなっているのにようやく気付いた。
今まで見たことの無い、マキの、凍り付くようだけど激しい一面。
「あ・・・私・・・」
「・・・・・・・」
「ゴトオさんが・・・一生懸命ヒトミちゃんのこと考えてくれてるんならね・・・
仕方ないと思うの・・・。でも真剣そうに見えないんだもん・・・」
「・・・・・・・」
「このままじゃヒトミちゃんがかわいそう・・・。どうなの?・・・キスとかも・・・」
「ぁん?」
「その・・・ヒトミちゃんとキス・・・したんでしょ・・・?」
「・・・知ってんだ」
「うん・・・だから・・・どういうつもりなの?」
「・・・キスしたかったからキスした・・。寝たかったから寝たの」
- 162 名前:ペーター 投稿日:2000年11月07日(火)23時21分47秒
- ちょっとずつ地味にsageでやらせてもらいます
- 163 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月08日(水)07時17分05秒
- sageちゃだめだめ♪
- 164 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月08日(水)09時48分28秒
- 大っぴらにやって下さいよ(ワラ
ここメッチャ好きなんですから。
それにしても・・ゴトオは謎っすね〜・・。黒でない事を願う・・。
あと、個人的にメチャメチャタラシ市井ちゃんと後藤の初体験話読みたいんですが・・・・。
市井ちゃんの官能って実は全然無いもんで・・。
- 165 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月08日(水)12時15分27秒
- >>164さん
ストーリーの流れを無視したリクエストは控えましょう。
イチイはチョイ役って最初に書いてあるでしょうが。
- 166 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月08日(水)17時35分12秒
- 市井と後藤はいっぱいあるからちょっとパスだな〜。
つーかもしヒトミの相手がヘエケだったらヒトミは何も学べなかっただろう。
なんか教えるのヘタそう・・・
- 167 名前:ティモ 投稿日:2000年11月08日(水)17時53分51秒
- ゴトオの気持ちが気になる…。
- 168 名前:ティモ 投稿日:2000年11月08日(水)17時58分18秒
- あ、さげ忘れた。すみません。
- 169 名前:ペーター 投稿日:2000年11月08日(水)22時56分21秒
- いやぁ、モタモタしちゃって、ちょっとずつしか進まないもんで地味に行きたくなっている今日この頃。
今回は、これ以上ゴチャゴチャさせたくないのでサヤカのエロまでは出せそうもないんですが、
この本編が終わったら、番外のエピソードかなんかで考えときます。
ヘエケかぁ・・・。平家さんってなんか人間味がある気がして面白いかなって思ったんですよ。
ただ、痩せすぎなところがちょっとネックで。(って、ポチャ専なわけじゃないんですが。)
今思えることは、カオリ先輩で書かなくてよかったかな・・・と。(悪い意味ではなく。)
- 170 名前:ペーター(86) 投稿日:2000年11月08日(水)22時59分23秒
- 「??・・・・・・ねた・・・?」
マキが何を言ってるのか一瞬リカにはわからなかった。
「ど・・・どういうこと・・・?」
「・・・素っ裸で愛し合ったってこと」
「素っ裸で愛・・・・・・?」
「だから」
「やめてっ!」
「・・・・・・・」
リカが悲壮な形相で叫んだので、マキは口をつぐんだ。
「・・・・・・・」
「あ・・・もういいかな・・・」
「・・・・・・・」
「行くよ」
マキは最後にリカを一瞥すると、ゆっくりとその場を立ち去った。
「・・・・・・・」
リカは冷静になるのに少し時間を要した。
『寝た』・・・『素っ裸で』・・・『愛し合った』・・・・・・
マキは遊びでヒトミと寝たのか・・・。
そしてヒトミはその遊びに付き合ったのか・・・。
ヒトミがそんなことするわけがない。
それでは2人は本気で愛し合ってるというのか・・・。
マキはふざけながらもヒトミのことを『好き』だと言った。
正直言って、予想外の言葉だった。
今までのマキは何だったのか。
そして今日のマキの真剣な顔つきは何だったのか。
リカはマキが『本気じゃない』と言うことを予想、いや、期待していた。
ヒトミがマキにふられることを心から望んでいた・・・。
- 171 名前:ペーター(87) 投稿日:2000年11月08日(水)23時01分53秒
- 秋風がリカの髪を揺らす。
リカは放心したかのように立ちすくんだままだった。
ヒタッ・・・ヒタッ・・・
「コンドノゴトオワホンキカモネ・・・」
「・・・?」
リカは何者かに声をかけられたような気がしておもむろに振り返った。
何を言われたのかはわからなかったが。
「ウッス」
「は・・・はい・・・」
「さっき体育館に居たんだけどさ、出て来たらゴトオの姿が見えたんでちょっとね」
「はぁ・・・?」
この、どこかわざとらしい言動の人物を、リカは数回見たことがあった。
(この人もしかして噂の・・・)
「君は?」
「あ・・・イシガワリカですけど・・・」
「あぁ、リカちゃんだよねー」
「私のこと知ってるんですか?」
「君ねぇ、今2年の間で結構評判なんだよねぇ。いかにも女の子ぉって感じで可愛いってねー」
「はぁ?」
突然の妙な人物の登場にリカは少々面を食らった。
キーンコーンカーンコーン・・・
「あっ、時間だ・・・。すいません、失礼します」
「おーぅ、またねー」
チャイムに助けられてリカは教室に向かった。
- 172 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月09日(木)08時30分59秒
- 作者殿のペースで更新していけばいいんですよ。
まとめてドカッと載せてたほうがいい事もあるし。
それにしても面白い。頑張って〜や〜。
- 173 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月09日(木)10時37分05秒
- ああ、ゴトオは本気なのか・・・?
遊びでいてほしかった・・・。
関係ないけどヘエケ女史登場きぼんぬ
- 174 名前:ティモ 投稿日:2000年11月09日(木)18時17分33秒
- 私はゴトオは本気でいてくれた方が嬉しいけど…。
最後はどうなるのやら。
- 175 名前:ティモ 投稿日:2000年11月09日(木)18時18分24秒
- またさげ忘れました。
マジすみません。
- 176 名前:ペーター 投稿日:2000年11月10日(金)19時33分01秒
- ありがとうございます〜。テキトーなペースでやらせてもらいます〜。
ヘエケ女史・・・個人的には好きなんですけどね。出てくるかなぁ・・・。
- 177 名前:ペーター(88) 投稿日:2000年11月10日(金)19時35分42秒
- その日の部活に出ているのはヒトミとナツミの2人だけだった。
「リカちゃん、ヨッスィーには何も言わなかったんだぁ」
「はい。気がついたら帰っちゃってましたから」
「私には今日は用事があるって言ったんだけどねぇ」
「そうですか・・・」
「ヨッスィーに言わないなんてねぇ・・・。何か心当たりないの?」
「特別何かあったわけじゃないと思うけど・・・。今日あまり話してないんですよね」
「ほぉ。ま、たまには別行動もいいんじゃない?」
「はい・・・。心配ですけどね」
「それにしてもさぁ、最近ヨッスィー精が出るねー。家でも作ってるんでしょ?」
「えっ、まぁ。エヘヘ・・・」
「ヨッスィー1人だけそんなに作ってたら、私たち困るんだけどなぁ。バランスってもんがあるしぃ」
「いやっ、文化祭用のばかりじゃないですよ。自分個人のとかもあるから・・・」
「そうなんだぁ。じゃ、とりあえずその精力を共同作品に向けてもらおっかな」
「えー・・・」
「なんだ?そのイヤそうな顔は」
「いえ、がんばりますっ」
「アハハ・・・冗談だよ。共同作品の方はなんとかなりそうだし。でも、
今年はホントによかったよ。みんなが居てくれて。」
「去年までは淋しかったですか?」
「そりゃそうさ。1人で作品展やったんだべ」
「それはキツイっすね・・・」
「でも・・・そのおかげでいい出会いがあったんだけどね・・・」
「あっ・・・もしかしてイチノさん?」
「違うよー」
「えっ?誰?」
「私が1人の時にマリッペが見に来てくれてたんだってさ」
「マ・・・マリッペって・・・。ハハハッ」
「こら、笑うな」
「ラブラブじゃないですかぁ」
「まだまだ始まったばっかなんだけどね〜」
「え〜? まだ・・・なんですかぁ?」
「まだって?」
「いや〜ん。言わせないでくださいよ〜」
「バカ!まだに決まってるっしょっ!」
「うそっ!ナッチさんがまだって、そんな・・・」
「私だっていっつもスケベなわけじゃないっつーの!あんたいつもそんな風に考えるようになったの?」
「はい、ナッチさんのお陰です」
「そんなスケベな子に育てた覚えはないべ!」
「エヘヘ〜」
- 178 名前:ペーター(89) 投稿日:2000年11月10日(金)19時39分15秒
- その夜、ヒトミはリカのことが気になって電話に手を掛けていた。
しかし、最近のリカの様子を考えると気が重く、どうしてもかける事ができない。
学校でも最近はうわべの会話ばかりになっているような気がする。
リカはリカで気を遣っていると思うと、余計に話し辛い。
(明日の朝、学校に行く時に聞けばいいか・・・)
その頃リカは湯船に浸っていた。
視線を落として自分の体を見る。
ヒトミの肌の白さを思う。
仲が良かったからといって、一緒に風呂に入ったことはない。
着替える時に下着姿を見たことがあるくらいだ。
(素っ裸で抱き合うってどんな感じ・・・?)
自分の乳房を触わってみる。
こんな風にマキはヒトミの胸に触れたのか。
そしてヒトミもマキの・・・。
指が乳首に触れる。
(いや・・・・・・・。何してるんだろう、私・・・)
リカは両手で顔を覆った。
- 179 名前:ペーター(90) 投稿日:2000年11月10日(金)19時49分19秒
- 翌朝、いそいで朝食をかきこんでいるヒトミに電話が入った。
リカの母親からで、熱が出たので休ませるとのことだった。
(リカちゃん、昨日から調子悪かったのかなぁ・・・)
そう思うと少し気分が楽になった。
自分がまた何か傷つけるような言動をとったのではないかと不安だった。
(学校帰りに見舞いに行こう)
ヒトミは学校に着くと、ふと気になってマキのクラスの下駄箱の方に行ってみる。
普段はリカと一緒にいるので、マキの下駄箱など気にしている余裕はない。
覗いてみると、上履きが少し乱れた感じで置いてあった。
(今日も遅刻かなぁ。来て欲しいよ・・・)
マキが学校に出てく来るかどうかいつも気になっている。
(忙しいって言ってたけど、バイトでもやってるのかなぁ?)
のんびり考えているとチャイムが鳴り、慌てて階段を駆け上って教室に滑り込む。
- 180 名前:ペーター(91) 投稿日:2000年11月10日(金)19時50分17秒
- 「セ〜フ!」
担任はまだ来ていない。
「あれ〜、今日は1人?」
「うん、リカちゃん今日熱が出てお休みなんだぁ」
「へー、風邪流行ってるからねー」
ヒトミには、リカ以外にわりと仲が良いクラスメートが4〜5人いた。
リカも含めて一緒に話したり遊んだりする仲間である。
席に着いても、担任が来るまでは仲間同志でのお喋りは終わらない。
「あんたさぁ、リカッチのこと大事にしてんの?」
「えっ?ちょっと待ってよ。なに、それ」
「リカッチ、ヨッスィーに冷たくされて休んだとか?」
「あはっ!」
「違うよっ。なに言ってんのぉ?」
「リカッチってさぁ、もろヨッスィーのお嫁さんになろうとしてる感じするよねー」
「うんうん。でも最近なんか元気なかったよねー」
「あっ・・・あのさぁ・・・」
「今さら隠してどーするのさぁ。みんな公認だよー」
「この前リカッチさー、ヨッスィーのこと好きだって私に言ったんだよねー」
「えっ?マジっ・・・?」
「いやなのー?ヨッスィーはー」
「いやとかじゃないよ。でもちょっと違うの。リカちゃんと私は熱い友情で結ばれてるから」
「えーっ?リカッチ、そんな感じじゃないよねー」
「いいえ、そんな感じです。アレがリカちゃんの持ち味だから」
「へー、まぁいいけど・・・。ま、たとえどんな関係でも特別な目で見たりしないからさー」
「特別な目で見てるじゃん・・・」
「応援しますよん、私たち。女同士のカップルなんて、この学校じゃ当たり前〜」
「そーそー。全然珍しくないよねー」
クラスメイトの無責任なお喋りは続く。
- 181 名前:ペーター(92) 投稿日:2000年11月10日(金)19時53分30秒
- 「私、サヤカ先輩と付き合いたいなー」
「無理無理。あのゴトオマキがライバルじゃー」
「あっ、ゴッチン、イチノさんと付き合ってないよ」
「へっ? ヨッスィー知ってんのー?」
「うん。ゴッチンとは同じ部活だから聞いたんだけどさぁ、姉妹みたいに仲がいいだけなんだって」
「へ〜。そんなら私にもサヤカ先輩と付き合うチャンスあるかなー」
「ないない」
「それにしても私ゴトオマキの噂聞いたんだけどさー、女より男が好きみたいだよー」
「えぇっ?! どーいうことっ!!」
「どっ、どーしたの、ヨッスィー急に・・・」
「いや・・・ごめん・・」
「なんかさー、年上風の男と歩いてるところ見たっていう噂を最近聞くよねー」
「なにっ?!」
「そーそー。男とも付き合ってるっぽい」
「なんやかんやで目立つよねー、ゴトオさんって。遅刻や早退も多くてさー、
もう完全に先生から目ぇつけられてるもんねー」
「ねぇ・・・男って、なに・・・?」
「ヨッスィーなにマジになってんの?本人にきけばー?知り合いでしょー?」
「あ・・・そぉだね・・・。勝手な噂だと思うけどね・・・」
「先生来たよっ!」
(はぁ・・・次から次へと。さすがゴッチンだ・・・。でも、単なる噂だよね・・・)
誰とも付き合ってないというマキの言葉をヒトミは信じるこしかなかった。
- 182 名前:ペーター(93) 投稿日:2000年11月10日(金)19時54分30秒
- ピンポーン・・・
ヒトミが呼び鈴を押すと、ジャージ姿のリカが強張った笑顔で出てきた。
「ヒトミちゃん・・・」
「リカちゃん、大丈夫?熱下がった?」
「うん。大丈夫だよ・・・。なんか1日寝てたら楽になったみたい」
「そうなんだ。安心した。昨日いきなり帰っちゃったから心配してたんだ」
「そう・・・。ごめんね、何も言わずに帰っちゃって・・・」
「いや、いいよ。でも・・・なんか私に原因があったのかなぁなんて・・・」
「違うよ。そんなんじゃないんだけど・・・・・・」
「ん?」
「いきなり用事思い出して、それで・・・」
「う・・・うん・・・。ま、いいよ」
「・・・・・・・・」
「あっ、じゃぁ、帰るね。しっかり治してもらわなきゃ」
「あ・・・ごめんね。せっかく来てくれたのに・・・」
「明日の朝、待ってるよ」
「うん。ヒトミちゃんち寄るから・・・」
「じゃーねー」
「はーい・・・」
(ふうっ・・・・・・・・)
ぎこちなくて会話が続かない。
- 183 名前:ペーター(94) 投稿日:2000年11月10日(金)19時57分31秒
- 翌日、リカは約束通りヒトミを誘って登校した。
登校中、他愛のない会話に終始していたが、ヒトミはリカに今までと少し違う雰囲気を感じた。
校内でも、リカは以前よりヒトミにまとわりつかなかい。
そしてその日以来、リカは時折ヒトミと別行動すら取るようになっていった。
リカの行動は落ち着きを増したと理解できなくもないが、
ヒトミの目には、元気さや無邪気さががないように映っていた。
ヒトミは、その原因は自分に関係あるかもしれないとは思っている。
だから、この前はっきりとリカに言おうとしていたことも、いまだ飲み込んだままだった。
そして、ヒトミにとってもう一つの心配事・・・マキ。
マキは週に2〜3日しか登校しなくなっていた。
当然、部活にも出てこない。
(このままゴッチン学校に来なくなったらどうしよう・・・。
うちのことなんか完全に忘れちゃってたりするかも・・・)
文化祭の日が徐々に近づき、手芸の作品も着々と数を増やしていた。
(ゴッチンのまでこんなに作っちゃったよ。余計なお世話だよね・・・)
- 184 名前:ペーター(95) 投稿日:2000年11月10日(金)20時15分58秒
- 土曜日の午後、ヒトミの部屋。
机に並べられた手芸の作品を見ながら大きくため息をつくヒトミに睡魔が襲う。
そこへ突然リカから電話が入った。
「ヒトミちゃん、今夜何か用事ある・・・?」
「いや、今日はもう何もしないよぉ」
「そう・・・。あのね・・・・・・泊りに行ってもいいかなぁ・・・」
「あ、いいよ・・・。うん、おいでよ」
「ありがとう。久しぶりに遊びに行きたくなっちゃって・・・」
「そーだねー。最近遊んでなかったね・・・。じゃ、夕方おいでよ。
今日うち手巻き寿司の日だから、一緒にどぉ?」
「あ、ご飯までは悪いよぉ・・・」
「いいって。今日お父さんいなくて、お母さんとチビだけだからさ。チビらが嫌かな・・・?」
「ううん。全然いやじゃないよ。それじゃぁ・・・お言葉に甘えることにしよっかなぁ」
「よーし。それじゃ待ってるよん」
「うん。じゃぁね」
「は〜い」
ヒトミはリカからの電話を素直に喜んでいた。
リカとはぎこちない関係では居たくない。
今のリカと2人だけで過ごすのは何だか不安もあったが、
久しぶりに和気あいあいとした楽しい時間を期待していた。
- 185 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月10日(金)22時31分00秒
- お泊りっすか・・・
ドキドキっすね・・・。
- 186 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月11日(土)04時35分32秒
- ほんと、ドキドキだ。いろんな意味で。
- 187 名前:ティモ 投稿日:2000年11月11日(土)10時08分08秒
- 続きが気になる〜。
マキはどうなっちゃうんだろう?
- 188 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月15日(水)21時05分10秒
- 気になる〜
- 189 名前:Q 投稿日:2000年11月16日(木)02時56分28秒
- いよいよ、いしよしですか…
- 190 名前:ペーター 投稿日:2000年11月17日(金)01時11分56秒
- いやぁ、随分ほっぽっとりやした・・・。
- 191 名前:ペーター(96) 投稿日:2000年11月17日(金)01時16分00秒
- 夕方、リカの久しぶりの来訪にヒトミの家族は喜んだ。
ヒトミの2人の弟がはしゃいだこともあって食卓はとても賑やかなものになった。
ヒトミは久しぶりにリカの屈託の無い笑顔を見ることができた。
少なくともヒトミにはそう見えた。
2人は順々にお風呂に入り、ヒトミの部屋でくつろいだ。
ベッドを背もたれにして2人並んで座り、最近ヒトミが買った小物や雑誌を見ている。
(今日ならリカちゃんにちゃんと言えるかもしれない)
「久しぶりだね、こんな風にヒトミちゃんと」
リカがヒトミの方にピタリと寄って来る。
「うん。そーだね」
「いきなり押しかけたみたいでごめんね」
「ううん。嬉しかったよ。最近リカちゃんとあまりちゃんと話してなかったから」
「うん・・・。なんとなくヒトミちゃんと話がしたくなってね」
「(話・・・?)あぁ、うちも話があるんだ」
「そう・・・。じゃぁ、ヒトミちゃんからどうぞ」
「いや、リカちゃんから話して・・・ねっ」
(ちょっと怖いかも・・・何だろう・・・)
- 192 名前:ペーター(97) 投稿日:2000年11月17日(金)01時24分28秒
- 「うん。あのね、私・・・・・・
ある人から付き合って欲しいって言われてるの」
「えっ? (何じゃ?!) 誰?」
「2年生のイチノサヤカ先輩・・・」
「イチノォ!?」
「あっ、サヤカさんの事知ってるよね」
「あいつ・・・。なんでよりによってイチノなの?」
「え? なんでヒトミちゃん呼び捨てするの?嫌い?」
「いや、さぁ・・・。嫌いとかじゃなくて、あの人タラシで有名なんだよぉ?知ってる?」
「あんまりよくわからない」
「タラシっていうのはさぁ・・・その・・・女好きっつーか手が早いっつーか・・・」
「でも噂でしょ?」
「あぁ・・・まぁねぇ・・・。でも危ないよぉ。付き合うつもり?」
「最初言われた時はビックリしたし、困ったんだけど・・・」
「うん」
「ヒトミちゃんに相談した方がいいかなと思って」
「あぁ、まだ返事はしてないんだぁ」
「うん」
(困ったなぁ・・・。もっといい人なら付き合って欲しいけど・・・)
「ヒトミちゃんは私に誰か居た方がいいんでしょ?」
「えっ?んん・・・そんなわけじゃ・・・」
「じゃぁ、今までみたいにヒトミちゃんにつきまとった方がいい?」
リカがヒトミの顔を覗き込む。
「いや・・・そのぉ・・・」
「なに?」
「安心できる人となら付き合ってもらってもいいんだけど・・・」
「そう・・・。やっぱり付き合って欲しいんだね・・・」
リカがうつむく。
「あぁ、ごめん。そうかもしれない・・・」
「ふーん・・・。じゃぁ、付き合おうかな・・・」
- 193 名前:ペーター(98) 投稿日:2000年11月17日(金)01時25分55秒
- 「でも・・・ちょっと待って。そんな簡単に決めたら・・・」
「心配してくれてるの?」
「そうだよ。そりゃ心配だよぉ」
「どんな心配?」
「どんなってさぁ・・・」
ヒトミは戸惑っていた。いいタイミングでリカに恋人が出来そうだが、
実際こういうことになると、相手と付き合って欲しいとは思えない。
「親友が騙されたら嫌だっていう感じ?」
「そ、そうだね・・・。親友っていうか、妹みたいっていうか・・・。その・・・
リカちゃん純だからさぁ、タラシのせいで傷ついたりして欲しくないんだよね」
「イモウト・・・・・・・」
うつむいたリカの眼差しに一瞬翳りが見えた。
「あっ・・・リカちゃん、イチノさんてねぇ・・・多分いやらしいこととかしてくるよぉ」
ヒトミはおどけてリカに襲い掛かる格好をする。
「・・・いやらしいことしたら・・・ダメなの?」
「え・・・ダメっつーか・・・・・・・ダメだよ!」
「なんで?」
「なんでって、リカちゃんにはさぁ、何ていうか、そういうこと大事にしてもらいたいっていうかぁ・・・」
ヒトミの中で、知らず知らずのうちにリカに対する独占欲のようなものが膨らんでいた。
「ヒトミちゃんは良くて私はダメなの?」
「えっ・・・?」
「ヒトミちゃん・・・エッチな事したんでしょ?」
「あ・・・どうして・・・」
「ゴトオさんから聞いたの」
「マジ?!」
(ゴッチン、なんで・・・)
- 194 名前:ペーター(99) 投稿日:2000年11月17日(金)01時27分41秒
- 「ゴトオさんの態度がはっきりとしないから、いろいろ聞いちゃった・・・」
「へぇ・・・そうなんだ・・・」
「素っ裸で抱き合ったなんて言われても、その時はよくわからなかった」
「そ・・・そんなことを・・・」
「私・・・変なこといろいろ想像しちゃった・・・」
「あ・・・」
「でもなんか・・・2人とも私より大人なんだなって思ったし・・・
ヒトミちゃん、そんなことしたいくらいゴトオさんのこと好きなんだなって思った・・・」
「・・・したからって、大人とか、そういうことじゃないと思うけどね・・・」
「じゃぁ・・・なんでしたの?」
「なんでって・・・」
「無理矢理されたわけじゃ・・・」
「違うよ。そんなんじゃない。やっぱり・・・ゴッチンのことすごく好きなんだよね・・・」
「・・・・・」
リカが切ない瞳でヒトミを見つめる。
思わずヒトミは視線をそらす。
「あ・・・」
「好きだからしたかった?」
「う・・・うん・・・」
リカは手に持っていた雑誌に目をやって、それをパシャンと閉じた。
「そう・・・。そっかぁ・・・・・・・・。で・・・何回?」
「一度だけだよ」
「今はあまり会ってない?」
「うん。全然会ってない・・・」
「どうしても・・・どうしてもゴトオさんのこと好き?」
- 195 名前:ペーター(100) 投稿日:2000年11月17日(金)01時29分01秒
- 「・・・うん・・・」
「・・・そう・・・」
「あの時は、これから付き合えるんだって思ってたけど・・・
ゴッチンにしてみれば、その時限りのことだったのかもしれない。
正直言うと、リカちゃんと付き合った方がいいかもって思った事もあるよ」
「・・・・・・」
「でも、ゴッチンのどんな噂聞かされても、嫌いになんかなれないし。
このまま付き合えなくても、多分ずっと好きだと思う」
「・・・・・・」
「そんな状態でリカちゃんと付き合うわけにはいかないから」
「いいよ。わかった」
「いい・・・?」
「うん。少しヒトミちゃんから離れてあげる」
「え・・・」
「サヤカさんと付き合ってみる」
「そぉ・・・大丈夫かなぁ・・・。気を付けてよ」
「うん。でも・・・」
「でも?」
「ひとつお願いがあるの」
「あ・・・いいよ」
「・・・・・・・・」
「なに?」
しばらくヒトミを見てなかったリカが、ゆっくりヒトミの方に顔を向けた。
何か意を決したような表情だった。
- 196 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月17日(金)02時52分25秒
- いよいよ…。
期待sage
- 197 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月17日(金)09時34分51秒
- おお!久々の更新、お待ちしてました!!
つーかマジでマキがわからん。お前は何者だ!?
- 198 名前:ティモ 投稿日:2000年11月17日(金)17時25分14秒
- 期待sage
- 199 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月18日(土)04時35分44秒
- リカちゃんもいい子だなあ。
- 200 名前:Oー150 投稿日:2000年11月19日(日)00時00分48秒
- おぉ…タラシイチノのと付き合うのか…期待(w
いや〜〜面白い!!
- 201 名前:ペーター 投稿日:2000年11月20日(月)04時55分25秒
- どうもですぅ。サヤカ→リカは見え見えでしたな。
しかし、気がついたら本文100越えておりました。一体いつ終わるんだろう・・・。(怖
そろそろ終盤に向かうはずなんですが。(多分・・・おそらく・・・)
- 202 名前:ペーター(101) 投稿日:2000年11月20日(月)04時57分24秒
- 「だ・・・・・・キス・・・キスして・・・」
蚊の鳴くような小さな声だった。
「えっ?」
「・・・いや?」
ヒトミは首を振る。
「いやじゃないけど・・・。リカちゃんのファーストキス・・・だよね」
「うん・・・」
「いいの?なんか、イチノさんに悪い気がするんだけど」
「まだ付き合ってるわけじゃないし・・・」
「あ、そうか・・・」
ヒトミの頬も紅潮した。唾をゴクリと飲む。
「ファーストキスはヒトミちゃんがいいの」
「ん・・・そうだね。リカちゃんの初キスがイチノさんじゃ、なんかイヤだ」
ヒトミがリカに顔を近づけると、リカは少しうつむく。
「それじゃできないよ」
ヒトミはリカの顎に手をやり上を向かせると、静かに唇を寄せた。
リカの瞼が閉じられる。
そっと唇同志が触れるだけの優しいキス。
暖かく柔らかい感触。
その何秒間、リカにとっては時間が止まったかのように感じられた。
そしてゆっくりと唇が離れる。
まぶたが開き、視線が合うと、リカはヒトミに抱きついた。
「ヒトミちゃんっ」
「リカちゃ・・・」
ヒトミの首すじに、リカの熱い吐息がかかる。
「初めてはヒトミちゃんがいいっ・・・」
「うん・・・初キスもらったけど・・・」
「そうじゃなくて・・・最初はヒトミちゃんに抱かれたい・・・」
「!!」
- 203 名前:ペーター(102) 投稿日:2000年11月20日(月)05時00分39秒
- 「抱いて・・・」
「リカちゃん・・・」
「お願い。抱いてっ」
(イヤって言っちゃやだ・・・)
リカの腕に力が入り、その手はしっかりとヒトミのパジャマにしがみついていた。
「ちょっと待ってよ。リカちゃんこれからイチノさんと・・・」
「・・・・・・・」
「リカちゃん・・・いいの・・・?」
「・・・・・・・」
「え?ちょっと待って・・・。抱いてって・・・どういうこと?・・・抱きしめればいいってこと・・・?」
リカが小さく首を動かす。
「・・・やっぱエッチってことだよね・・・?」
「うん・・・」
ヒトミは純情なはずのリカの口から出た言葉に驚いていた。
仲が良いといっても、普段から2人でエッチな話などしたことなかったので、
リカにどこまで知識があるのかもわからない。
どういう態度を取ればいいのだろう。
ふとサヤカの立場になって考えてみる。
きっとイチノサヤカはリカのウブなところが気に入ったに違いない。
リカの初体験を狙っているに違いないのだ。
自分が貰ってもいいものか・・・。
このままリカを抱けば、なんだかイチノサヤカに悪い気がする。
だが、リカが誰かとセックスをするなんてとても考えられない。いや、考えたくない。
知らず知らずのうちに、相手(リカ)を独占しようと思っていたのは
ヒトミの方だったのかもしれない。
今、リカを抱くのは自分しかいない・・・・・・
ヒトミの気持ちに迷いはなくなった。
- 204 名前:ペーター(103) 投稿日:2000年11月20日(月)05時02分45秒
- 「じゃ、ベッドに入ろう」
ヒトミがリカの体を離してその表情を見ると、
リカは真っ赤になって、思いつめたような顔つきをしていた。
ヒトミはリカを立たせ、2人で布団の中に入る。
「電気・・・消さないの?」
「あ・・・そうか」
ヒトミはベッドサイドのスタンドを灯すと、ベッドから出て部屋の電灯を消した。
薄明かりの中、ベッドに戻ろうとするヒトミを見つめるリカ。
ヒトミと目が合うと慌てて視線をそらす。
そしてその視線は行き先が決まらず宙をさまよう。
ヒトミの方も、布団に入ると急に緊張感が増す。
(うちがリードしないといけないんだ・・・)
リカの方を見ると、布団を鼻の上まで上げて目だけが出ている。
ヒトミはリカの方に体を向けると、リカの顔が全部出るように布団を下げた。
そしてニタ〜と笑ってリカの緊張をほぐそうとする。
「リカちゃん・・・最初にことわっとくけど・・・」
リカがヒトミを見てコクリと頷く。
「うち・・・あんましエッチ得意じゃないんだよね〜。アハ〜」
「ンフ・・・」
リカに笑顔が戻る。
「・・・ゴトオさんとの時は、ゴトオさんにおまかせだったの?」
「あぁ・・・そうだったかも・・・。いろいろ大変だったけど・・・エヘヘ」
「ヒトミちゃん可愛い・・・。慣れてる方が悲しいから気にしないで」
「うん、じゃぁ・・・」
ヒトミがリカに密着すると、リカが身構える。
「ごめんね・・・。ゴトオさんのことが好きなのに・・・」
「もういいよ。うちだってゴッチンと付き合ってるわけじゃないし・・・。
今夜は2人ともゴッチンのことは忘れよう」
「ん・・・。本当に私と・・・イヤじゃない?」
「うん」
(なんだかわからないけど、全然イヤじゃないよ・・・)
- 205 名前:ペーター(104) 投稿日:2000年11月20日(月)05時06分49秒
- ヒトミはリカの体に自分の半身を覆い被せると、リカにキスをした。
リカの唇に力が入っているのが分かる。
舌を差し入れようとすると、一瞬リカの体にさらに力が入ったが、
それでもリカは少し唇を開いてヒトミの舌を迎え入れた。
ヒトミは少し目を開けてリカの様子を覗うと、瞼がピクピクしていた。
「大丈夫?」
ヒトミは一旦唇を離しリカを気遣うと、リカは小さな声を発した。
「うん、大丈夫・・・。うれしい・・・」
リカはヒトミの首に手を回した。
再び唇を重ねる。
今度はもっと熱く・・・深く・・・。
リカは今まで何度もヒトミとのキスを想像した事があったが、
それは味わった事のない初めての舌の感触。口内の熱。唾液。
もう何も考えられない。
(ヒトミちゃん・・・好き・・・)
舌と舌が密着する。
「ぅんん・・・」
リカの鼻から漏れる息がとても熱い。
ヒトミには今リカが何を感じているかがよく分かる。
初めてマキとキスした時のことを思い出した。
そしてリカは少し驚いている。
キスというものがこんなに感じるものだということに。
熱い・・・体が・・・頭の中が・・・。そして・・・
(アソコが熱いよ・・・。変だよぉ・・・)
リカの体に変化が起きていた。初めての。
ヒトミとのキスを想像した時も、テレビや雑誌で卑猥な場面を見てしまった時も、
こんな風に感じたことはなかった。
- 206 名前:ペーター(105) 投稿日:2000年11月20日(月)05時08分59秒
- ヒトミはゆっくりと口を離す。
リカの表情は明らかに最初と変わっていた。
「服、脱ごうか」
「うん・・・」
ヒトミは布団をどけて、リカのパジャマのボタンを外していく。
「スタンド消して・・・」
ヒトミはリカの言葉を無視した。
ボタンを全部外し終わると、リカの上半身をあらわにしようとする。
「恥ずかしいよ」
リカは慌てて両腕で胸を隠す。
(ゴトオさんとは明るいところでしたの・・・?)
「ちょっとリカちゃんのおっぱい見てみたいんだけど」
「え・・・?」
リカは迷ったものの、なんだかマキには負けたくない気がする。
自分の体をヒトミに全部見ておいて欲しい気もする。
(せーの・・・)
リカは腕とパジャマをどけた。
細い体にはアンバランスな大き目の乳房。
そして、真っ赤になった顔がヒトミには可愛くてしかたない。
「きれいだよ」
「・・・ヒトミちゃんも脱がなきゃだめ」
「えー?・・・なんか恥ずかしいなぁ・・・」
「ずるいよー」
「・・・わかった。全部脱ぐからリカちゃんも自分で全部脱いで?」
「えっ?全部?」
「うん。全部脱いで素っ裸で抱き合うと、何とも言えないんだよねぇ」
「・・・・・・・」
素っ裸で抱き合う・・・・・・誰かさんの言葉と一緒だ。
(ヒトミちゃん・・・何とも言えないくらい感動したんだ・・・)
- 207 名前:ペーター(106) 投稿日:2000年11月20日(月)05時15分27秒
- 「あっ・・・。ごめん・・・」
ヒトミは余計な事を言ったことを後悔した。
「・・・そんなに気持ちよかったの?」
「気持ちいいって言うか・・・その・・・なんか肌が密着する感じがさぁ・・・」
「・・・・・・・」
「もぉ・・・ゴッチンのこと忘れる約束じゃん」
「ごめん・・・」
「脱がないことにする?」
「ううん・・・脱ぐ・・・」
「じゃ、どうぞ」
「見られてたら脱げない。スタンド消して」
「真っ暗だと脱げない」
「そんなことないよぉ・・・」
リカはすっぽりと布団をかぶって脱ぎ始めた。
それを見て、ヒトミも急いで全てを脱ぎ去る。
リカはまだモゾモゾやっている。
「リカちゃん、全部脱いだ?」
「まだ・・・」
「なんか涼しいよぉ」
「ま・だ」
「ん・・・入るよぉ」
「・・・うん・・・」
ヒトミは急いで布団に潜り込むと、冷えた手がリカの肌に触れた。
「ひゃっ!冷た〜い!」
「冷えちゃったんだよぉ。抱き合って暖っまろ!」
ヒトミはリカの熱い体を抱きしめた。
「リカちゃん、暖っか〜い」
「う・・・」
- 208 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月20日(月)08時28分56秒
- ヒトミがどんどん慣れていく〜〜〜・・・
- 209 名前:ぉg 投稿日:2000年11月21日(火)02時24分03秒
- むむむ…うまいなぁ…
よし、今度は学園物で逝こう…
エロ描写ももっと修行せねば…
- 210 名前:名無しォg 投稿日:2000年11月22日(水)03時41分19秒
- 期待してますよ、ペーターさん。
そしてlog(w
- 211 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月26日(日)18時06分05秒
- 続き待ってますよ
- 212 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月27日(月)00時35分05秒
- 作者さん頑張って♪
- 213 名前:Q 投稿日:2000年11月27日(月)02時10分01秒
- いしよし期待して待ってます!がんばって下さい!
- 214 名前:ペーター 投稿日:2000年11月29日(水)04時39分04秒
- すみませぬ〜。先週、超ド級の風邪を引いてしまい、治ったら書こうと思っていたら、
10日近くも経っているではありませぬか・・・。う・・・。
11月ももう終わり。今月中には更新します。(早よ書かんかいっ・怒)
- 215 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月29日(水)15時55分44秒
- おう。がんばってくだせい。
- 216 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月29日(水)17時17分58秒
- 風邪っすか、そりゃ災難でしたね。
身体には気をつけて
- 217 名前:ペーター 投稿日:2000年11月30日(木)23時57分17秒
- ありがとうございますです。久しぶりに更新です。とりあえず少しですが。
今週末は時間がありそうなので気合いを入れて終末に向かおうと思います。
- 218 名前:ペーター(107) 投稿日:2000年11月30日(木)23時58分37秒
- リカは固まっている。
密着しているのは、ヒトミの体。一糸まとわぬヒトミの柔肌。
肌を押し付けられて、リカの体はさらに熱さを増す。
そして、ヒトミの言った事は本当だった。
すべすべとした全身の素肌が密着しているのはとても心地良い。
大好きだから、なおさらリカには特別な気がしてならない。
ヒトミの体もどんどん温もり、肌同志が混ざり合っていく。
「ヒトミちゃん・・・」
「ん?」
ヒトミはリカの体に手を這わせる。
肩・・・背中・・・腰・・・
リカは潤んだ目でヒトミを見つめたままだ。
ふと、リカのお尻にヒトミの手が触れる。
「あっ・・・スタンド消そうよ・・・」
「明るいと恥ずかしい?」
「うん・・・」
(暗いほうがリラックスするかもしれないね)
ヒトミは手を伸ばしスタンドの灯を消すと、急に真っ暗になり、
2人とも一瞬動きが止まる。
そして、最初に動いたのはリカだった。
- 219 名前:ペーター(108) 投稿日:2000年11月30日(木)23時59分37秒
- ヒトミの首を引き寄せ唇を寄せる。
初めはヒトミ主導だったが、次第にリカも大胆になり積極的に舌を絡めるようになる。
リカは昔からここぞという時には結構思い切りがよかった。
(リカちゃん、私の初めての時より積極的かも・・・)
「ん・・・ん・・・」
リカの呼吸は次第に荒くなっていく。
ただもう夢中だった。
何がなんだかわからないけど、とにかくヒトミと混ざり合いたかった。
ヒトミの全てを感じて、そして自分の全てをヒトミに感じて欲しかった。
ふと、お尻を撫でているヒトミの指が谷間に侵入しようとした時、
その筋肉がピクっと硬くなり、リカは顔をそむけて唇を離した。
「リカちゃん・・・やっぱ恥ずかしい?大丈夫?」
「大丈夫」
ヒトミにはリカの心の中がよくわかっていた。
何もかも自分にまかせようとしている。
そして何もかも与えようとしている。
ヒトミはリカの上になると、リカの首筋をペロリと舐めた。
「あうぅ・・・」
暖かくねっとりとした舌の感触でリカの全身の力がふぅっと抜ける。
首筋・・・喉元・・・鎖骨・・・ヒトミの舌が這う。
それまで、舐めるという行為は汚らわしい印象を持っていたリカだったが、
ヒトミの舌はリカに喜びを与えていた。
(ヒトミちゃんの舌・・・体中舐められたい・・・)
- 220 名前:ペーター(109) 投稿日:2000年12月01日(金)00時01分07秒
- 一方ヒトミは、マキの肌の感触を思い出さずにはいられなかった。
(ゴッチン・・・・・・。だめだ・・・思い出しちゃ・・・)
ヒトミは必死でマキへの欲望を振り払おうと、
少し乱暴気味にリカの腕をバンザイさせると、いじわるく脇の下にも舌を這わせる。
「いやっ・・・だめっ・・・あぁん・・・・」
リカは体をくねらして抵抗するが、それは恥ずかしさによるもので、
それほど嫌がってないことはヒトミには冷静にわかっている。
「く・・・くすぐったいよぉ」
「うん」
ヒトミの舌は徐々に下方に移動し、ほどなく柔らかい丘の頂上に辿り着いた。
「は・・・」
その暖かい軟体動物はリカの乳首をはじいては包み、包んでは転がす。
「あぁ・・・ん・・・」
リカの体が微妙に動き出す。
(うぅ・・・)
ヒトミはリカが感じている事を察すると、もう一方の乳首に口を移動させ、
舌を這わせていた方の乳首を今度は指で弄ぶ。
「んっ・・・んっ・・・」
リカは激しく体をくねらせ、出そうになる声を押し殺している。
「リカちゃん、感じる?」
「んっ・・・」
「リカちゃん、声を出して」
「いや・・・うぅん・・・んっ・・・」
リカは思わずヒトミの背中に爪を立てたが、ヒトミはしつこく小さな突起を攻め続けた。
リカは体の芯が疼き声を漏らし始める。
「あぁっ・・・あぁん・・・はぁん・・・」
(リカちゃんすごく感じてる・・・)
- 221 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月01日(金)21時08分41秒
- エロ大好き
- 222 名前:ペーター 投稿日:2000年12月03日(日)06時42分56秒
- エロの途中で何回も中断して申し訳ないっす。
一気に更新したかったのですが・・・。
- 223 名前:ペーター(110) 投稿日:2000年12月03日(日)06時45分08秒
- ヒトミはリカがどれだけ濡れているか確かめたくなり
動かしていた手をリカの股間に滑り込ませた。
「はっ!」
リカが驚いて太股をきつく閉じる。
「大丈夫だよ」
何が大丈夫かはわからないがとりあえず声をかけるヒトミ。
リカは観念して少しずつ力を抜き、太股を緩める。
リカの泉は充分に満ちていて、シーツも濡らしていた。
「やだ・・・私・・・どうなってるの?」
「いいよ。大丈夫だってば」
ヒトミはいつかマキがしたのと同じように、
片脚をりかの両脚の間に割り入れて股間を広げさせる。
そして愛液で指を滑らせながら、リカの花芯と花びらを指で挟んで愛撫する。
ぷっくり膨れたリカの花芯は、ヒトミに触れられるのを待っていたかのようだった。
(あ・・・こんな恥ずかしいこと・・・ゴトオさんとも・・・)
リカはついついヒトミとマキの行為を思い描いてしまうが、
その想像もすぐに遠ざかって行った。
(そこ・・・だめ・・・あぁ・・・)
リカは声が出てしまわないように気をつけている。
(ん?・・・感じないかなぁ。加減がむずかしい・・・)
ヒトミは少々困って、再びリカの体に舌を這わす。
リカはヒトミの舌を感じるとますます興奮が高まってしまう。
(あぁ・・・なんか気持ちいい・・・私どうなっちゃうの・・・?)
ヒトミにはただリカの乱れ気味の呼吸だけが聞こえている。
(すごく濡れてるんだけどなぁ・・・)
リカの興奮がわからないヒトミは作戦を変え、泉が湧き出す部分に中指を移動した。
- 224 名前:ペーター(111) 投稿日:2000年12月03日(日)06時47分42秒
- 「入れてもいい?」
「う・・・うん」
「力入れないでね。痛かったら言って」
「・・・痛くてもいいよ・・・」
ヒトミはリカの大事な部分を傷つけないように注意深く、少しずつ指を入れようとする。
少々てこずっているが、リカは黙って身を任せている。
実はヒトミが注意深くしようとすればするほど、かえってリカは痛みを感じてしまう。
(あっ・・・)
それでもやっとヒトミの指がリカの中に道を見つける。
あとは、すーっと滑らかに・・・奥へ・・・。
「どんな感じ?」
「ん?・・・わからない・・・ちょっと変な感じ・・・」
ヒトミはゆっくりと指を動かす。
「どぉ?」
「えぇ?・・・・・・どうって訊かれても・・・」
「ん?」
「いちいち訊かないで・・・」
「ごめん。よくわからなくて」
マキには訊けなかったことがリカには訊けてしまうヒトミがいた。
ナツミやマキと経験したからと言っても、それほど上達していない自分が歯痒くもある。
(リカちゃん初めてだし、感じにくいのかもね・・・)
ヒトミは反応のないリカに口づけ、リカの興奮を促す。
舌を絡ませると、リカの内膜がキューっと締まる。
「ん〜」
ヒトミの方が思わず興奮して鼻から声を出してしまう。
あの休日の秘め事が・・・マキの内膜の潤いが・・・鮮明に蘇ってくる。
ヒトミは唇を話すと思わずまた訊いてしまう。
「どんな感じ?」
「ん・・・・・・わからないよぉ・・・」
そんなに焦らなくてもいいのだが、ヒトミはなぜか焦っていた。
ゆっくりしていると心の中にどうしてもマキが現れてしまう。
- 225 名前:ペーター(112) 投稿日:2000年12月03日(日)06時49分15秒
- ヒトミは指を抜いた。
リカからは止めどもなく愛液が流れ出ている。
「リカちゃん、すごく濡れてるからさぁ・・・」
「え?・・・なに・・・?」
「舐めよっかなぁ」
「へっ・・・?!」
「大丈夫だから」
ずり下がろうとするヒトミの体を、リカがギュっと抱きしめる。
「やっ」
「恥ずかしい?」
「ん・・・(恥ずかしいけど・・・)」
「やっぱだめ?」
「ううん・・・・・・ゴトオさんにしたんだったら私にもして・・・」
「えっ・・・その名前は出さない約束じゃん」
「ごめんなさい・・・」
「いいよ」
ヒトミはずり下がって、リカの太股の間に入り込んだ。
そして両腿をゆっくりと広げ、熱く潤った部分に唇を寄せた。
「あぁぁ・・・」
リカがか細い声を上げる。
その恥ずかしさはヒトミにはよくわかっている。でも・・・
(リカちゃん、すごい濡れようだ・・・)
ヒトミは、お尻まで流れているリカの愛液を舐め取るために
リカの両膝の裏に手を当ててリカの両脚を持ち上げる。
「あ・・・」
リカの体に力が入った。
(うちってこんなにいやらしかったっけ・・・?)
ヒトミの中にあるのは、なぜだかリカを征服したいような欲望。
それに、リカを抱く事でマキを忘れてしまいたいような想い。
そしてやはり、マキをもう一度抱きたいという欲望・・・。
- 226 名前:ペーター(113) 投稿日:2000年12月03日(日)06時51分51秒
- リカは、自分の一番恥ずかしい部分をヒトミの口が行き来していると思うだけで
どうにかなりそうだった。
(こんなところを舐められるなんて・・・)
もう何もわからない。
ただ、ヒトミの舌と息の熱さが、自分の窪みをジーンとさせている。
(ヒトミちゃん・・・熱い・・・)
そして気が付くと、ヒトミの舌はリカの一番感じやすいモノを刺激していた。
(あ・・・そこは・・・)
ヒトミは今度は辛抱強く舌と唇で愛撫していった。
快感がリカの下半身をジワジワ征服し始める。
先ほどまで恥ずかしさで縮んでいたリカの体はもうそこにはなかった。
次第に、大胆に、快楽を追い始めていた。
「んん・・・はぁ・・・はぁぁ・・・」
(リカちゃん、感じてる・・・)
(ヒトミちゃん・・・私・・・)
(もっと感じていいんだよ)
「ぁん・・・ぁぁ・・・んん・・・」
(もうちょい・・・感じて・・・)
「ぁぁ・・・ぁぁぁ・・・・・・あぁっ!!」
衝撃的な快感がリカを襲い、その瞬間リカの体が大きく暴れた。
「はっ・・・いやぁっ!」
リカはヒトミの束縛から逃れようと身をよじる。
それをヒトミは力で押さえつけ、ヒクヒクと動いている熱い窪みに舌を押し当てる。
「はぁぁぁ・・・・・・」
ヒトミはリカが落ち着くのを待つ振りをして、もう一度鼻先で花芯をつつくと、
リカの体はビクンと反応する。
「あんっ・・・!」
- 227 名前:ペーター(114) 投稿日:2000年12月03日(日)06時53分04秒
- 「ごめん」
ヒトミはようやくリカの下半身を開放し、隣りに寄り添う。
2人とも汗びっしょりなので、布団を跳ね飛ばし、リカの体を優しく抱きしめた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
リカの荒れた呼吸はなかなか静まらない。
ヒトミはリカの髪の毛を撫でながら耳元で囁く。
「びっくりした?」
「・・・うん・・・」
「うちって・・・欲張りだよね・・・」
「・・・なんで・・・?」
「どうしても感じて欲しかった。うちがリカちゃんが感じる最初になりたかった」
「・・・私も・・・」
「これからはイチノさんにされちゃうかもしれないんだね」
「・・・・・・・」
「ん・・・仕方ないけどさ・・・」
「当分しないと思うけど」
「え?・・・そぉ?」
「すごく好きになってからしかしないもん」
「そうだね。それ大事だから。安売りは絶対だめだよ」
「わかってるってば・・・」
リカは横向きになり、ヒトミの胸に顔を埋めた。
「今日はヒトミちゃんのおっぱいと一緒に寝るから」
「あ・・・うん・・・小さくてごめん」
- 228 名前:ペーター(115) 投稿日:2000年12月03日(日)06時55分26秒
- リカの唇はヒトミの乳首を探し当て、それを含んだ。
「あっ・・・こら」
「赤ちゃんになって寝るの」
そしてそう言うが早いか、リカの手はヒトミのお尻の方から秘部に侵入した。
「うわっ、スケベっ」
「ンフフ」
「赤ちゃんがそんなことするかー」
「ヒトミちゃんも濡れてた〜」
「やだな、この子はぁ」
「嬉しい・・・」
「そりゃ、濡れるよ」
リカは濡れた指を自分の口に運ぶ。
「ん〜、うす塩だね」
「舐めた?」
「うん。ンフ・・・いい匂いするんだね」
「・・・なんか不安だなぁ」
「何が?」
「リカちゃんにエッチなこと教えるんじゃなかった」
「なんで?」
「リカちゃん、一気にエロくなっていきそうだもん」
「やだなぁ、そんなことないもーん」
「ほんとかなぁ」
「うん・・・・・・」
「・・・・・・・」
「キスして」
「ん?」
「最後に・・・すっごく濃厚なの・・・」
「・・・うん・・・」
リカはヒトミの舌を深く吸い込んだ。
(バイバイ・・・ヒトミちゃん・・・)
- 229 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月03日(日)12時37分56秒
- 切ないな・・・。
- 230 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月03日(日)13時12分31秒
- 最高やん・・・。
作者さんに完敗&乾杯・・・・(泣
続き期待してます。
- 231 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月04日(月)04時11分43秒
- なんとも・・・言い様がないな・・・。
ただ、うん、最高なのは間違いない。
- 232 名前:ペーター 投稿日:2000年12月04日(月)17時49分29秒
- こんな小説を読んでいただいて本当にありがとうございます。
あとは、章で言えばやっと最終章あたりに到達しそうですので、
最後に向かってがんばります。
- 233 名前:ペーター(106) 投稿日:2000年12月04日(月)17時50分56秒
- しと・しと・しと・しと・・・
今日はどうやら雨降りのようだ。
(せっかく外ハネにしたのに学校に着く頃にはとれちゃってるかな・・・)
「おはようございまぁす」
リカのちょっと遠慮気味の声が聞こえる。
「今行くー!」
急いで顔を鏡でチェックしてから玄関に向かう。
「おはよっ!」
「おはよ〜」
ヒトミはリカの明るい笑顔を見て安心する。
「行ってきまーす!」
2人は玄関を飛び出すと、アイアイ傘で歩き出す。
雨の日はいつもこうだ。
今までと変える必要もない。
ヒトミがふとリカの方を見ると、リカはニヤニヤしている。
「さっき、お母さんが出て来たらどうしようかと思っちゃった」
「あははっ。お母さんもリカちゃんに会いたくなかったと思うよ」
「やだぁ。これからどうしよう」
2人は昨日、お昼まで目を覚まさなかった。
昼御飯を食べさせようとしたヒトミの母親が部屋に入って来て、
寄り添って寝ているところを見られてしまったのだった。
しかも、声を掛けられたヒトミが布団を下げて伸びをしたので、
少なくとも上半身裸でいることもバレてしまった。
「リカちゃんが帰ってから大変だったんだよー。言い訳するのに」
「何て言い訳したの?」
「狭いベッドで2人で寝たから熱くて、それで脱いじゃったって言ったんだけど・・・」
「それって苦しいよぉ。お母さん納得した?」
「あんまりね・・・。よそ様のお嬢さんに変なことするんじゃないわよ!なんて言ってたし」
「あははは・・・」
「笑い事じゃないよ」
「しばらくヒトミちゃんち行けなくなっちゃったなぁ・・・。ま、丁度いっか」
「え?」
- 234 名前:ペーター 投稿日:2000年12月04日(月)17時52分07秒
- ↑上の116です。すみません。(またやった)
- 235 名前:ペーター(117) 投稿日:2000年12月04日(月)17時52分52秒
- さて。
学校に着いて、また新しい週が始まった。
今週末は文化祭なので、学校中が準備で忙しい週になる。
下駄箱まで来て、ヒトミはかばんの中をゴゾゴゾやり始めた。
「ヒトミちゃんどうしたの?忘れ物?」
「いや・・・ちょっとね・・・先行ってて」
「うん・・・。あ・・・そっか、いいよ」
ヒトミが取り出した物を見てリカも納得する。
「遅れないようにね」
「うん。ありがと」
ヒトミは隣りのクラスの下駄箱に行き、取り出した物を見つめた。
昨夜書いた手紙。
内容は簡単なものだ。
『文化祭の日は少しでいいから顔出してね。終わったら打ち上げもするよ。
会えるのを楽しみに待ってます。・・・ヒトミ』
ヒトミは手紙をマキの上履きの中に入れると、パンパンと柏手を打ち祈願する。
(今週出て来てくれますように・・・)
「あれ〜何してんの?あのひとー」
(ゲッ!)
ヒトミが振り返ると、マキのクラスのギャル軍団が笑って見ていた。
「あっ・・・(マズイ!)」
ヒトミはそそくさと立ち去るしかなかった。聞き耳を立てながら・・・。
「トナリノヨシサワジャン」
「ヨッスィーヨッスィーカワイコチャ〜ン」
「イトシノゴマワ〜ツユシラズ〜」
「コイスルアイテヲマチガエター」
「ッテカ〜?」
「ハハハ・・・」
ハハハハハ・・・
アハハハハハハハハハ・・・
ヒトミは耳を塞いで廊下を走った。
(恋する気持ちに間違いなんかないよっ!)
- 236 名前:ペーター(118) 投稿日:2000年12月04日(月)17時54分04秒
- 雨は昼前には上がり、気持ち良く太陽が顔を出した。
「やっぱお弁当は外で食べるに限るよね」
「そうだべ、そうだべ」
「ナッチって、お弁当の時間が一番嬉しそうなんだけど」
「当たり前っしょ! 1に弁当、2におやつ、3・4がなくて5に昼寝だべ?」
「はぁ・・・。去年の文化祭で見たナッチはもっと細くて可憐だった気がするんだけどなぁ」
「今でも十分可憐だべさ〜」
「こんな3枚目だったとは・・・」
「ん?何か言った?」
「いやっ・・・そう、今日のおかずは何かな〜?」
「今日もスペシャルなっち弁当!石狩バージョン!」
「え・・・。先週も室蘭とか札幌バージョンとかだったんだけど・・・」
「北海道はうまいべさ〜」
「・・・・・・・」
「ん?なに?人が作った物に文句があるなら食べなくてよし!」
「あっ、何も言ってません。いつもおいしゅうございます!」
「もぉっ!可愛いんだからぁ〜」
「キャハハハ〜」
「あ〜ん」
「んぐ・・・」
- 237 名前:ペーター(119) 投稿日:2000年12月04日(月)17時56分38秒
- (うわぁ・・・バカップルしちゃってるよー、あの2人・・・)
スタ・・・スタ・・・スタ・・・・・・
「どうも〜。お2人さんラブラブだね〜」
「あっ、マキ・・・」
「ゴトオォ・・・どうしたの?」
「部長さん、私・・・」
「ん?」
「部活はっきりとやめまーす」
「へっ?」
「それじゃ〜ね〜」
「ちょっ・・・ちょっと待ちなさいよ!理由も言わないつもり?」
「理由って言ったって、私、事実上部員じゃないしぃ。
詳しい事はやぐっつぁんに訊いてよ。知ってるから。それじゃ」
突然現れた人物はあっという間に去って行く。
「マリッペ、なに?」
「うん・・・あっ、ゴトオー!自分の口で言いなさいよー!ゴ・ト・オー!!」
「そう言えば、マキの事情知ってるんだよね?」
「・・・行っちゃったよぉ・・・」
「マキとマリッペって、2人で秘密があったとかって・・・」
「うん。もう言ってもいいみたいだから言うけどね・・・」
「うんうん」
「ゴトオ・・・部活だけじゃなくて・・・学校も辞めるつもりだよ」
「えぇっ??・・・それって、マリッペも??」
「違うよ。オイラは辞めないよ。」
「じゃぁ何なの?マキが辞める理由は・・・っていうか、
マリッペのことも知りたいよ。2人の秘密教えなよ」
「あのね・・・ゴトオのことから先に言うけど・・・
学校辞めて・・・・・・」
「なになに??」
- 238 名前:ティモ 投稿日:2000年12月04日(月)20時18分39秒
- ゴトオ、久しぶりだ。
続きめっちゃ気になる!!
- 239 名前:Q 投稿日:2000年12月05日(火)00時45分51秒
- 最終章って、終わりが近いんですか〜?
もっと長く続けて下さいー!
よしごまがダメになっても、いちいし&なちまりが見たいー!!
- 240 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月05日(火)00時57分45秒
- ついに最終章かぁ〜悲しいね・・。
いちいし僕もみたかった・・・。
- 241 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月05日(火)01時34分18秒
- なんだか、エロのシーンのたびに描かれるいろんな感情の動きや揺れが物凄いね。
すごい「官能」小説だ。
もちろん他の部分もいいのは言うまでもないけど。
最終章楽しみに待ってます。
- 242 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月05日(火)14時38分44秒
- いちいし&なちまり、確かにもっと見たいなぁ。
- 243 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月06日(水)01時22分24秒
- ついに最終章ですか。
2chで中絶した頃から読んでる人間としては感慨深いっす。
- 244 名前:ペーター 投稿日:2000年12月06日(水)04時51分36秒
- ゴトオ久しぶりに登場です。ご無沙汰してました。
「最終章あたり」なんて言葉を使っちゃったけど、単にそろそろ終わりが見えてきたかなって感じです。
それから今回、いちいしやなちまりの官能までは入れられそうも無くてごめんなさいです。
>>241 さん
ありがとうございます。「官能」小説っていい響きですね。そのような域に達してれば幸いですが。
>>243 さん
見捨てず読んでいただきありがとうございます。2chでちょこっとやったのが半年近く前ですもんね・・・。
さて、あらすじは最初に考えたものでそのまま来てしまいました。書いてみるとクサイ展開ですわい。
- 245 名前:ペーター(120) 投稿日:2000年12月06日(水)04時56分04秒
- 「・・・歌手になるんだよ」
「か・・・かしゅぅ?!」
「うん。歌手っていうか、今回ユニットらしいんだけどね。アイドルっぽいかも」
「歌手って・・・。そんな簡単になれるものなの?」
「簡単じゃないよ。ゴトオだっていろいろ苦労して来た。オイラも・・・」
「そっか・・・。わかった。マリッペもそれを目指してるんだね」
「そうだよ。2人で何回もオーディションを受けてきたの。歌も習ったし。
でも2人ともいつも今一歩で落ちてて、家族もいい加減にしろって・・・」
「それで、なんでマキだけ?」
「スカウトされたんだよ、渋谷で」
「スカウト?」
「うちら、夏休みの初めにひとつオーディション落ちてね。
それでもう歌手にこだわらずにとりあえず芸能界に入ろうって決めて、
スカウトされたくて夏休み中2人で渋谷とか池袋とか歩き回ってたんだ」
「へー」
「そしたらゴトオがスカウトされたの」
「マリッペは・・・?」
「ダメだった。風俗にはスカウトされたけど」
「ふうぞくって・・・。マキだって、いかがわしいスカウトだったんじゃないの?」
「違うよ。ちゃんとしたプロダクションだった」
「そうなんだぁ・・・。でも学校辞めなくても」
「ゴトオさぁ、見るからに勉強嫌いそうだけど、ホンットに嫌いなのね。
それにユニット組む相手がもう学校卒業した人たちみたいで、
その人たちに負けたくないみたい。これに賭けてるって感じなのよ、ゴトオは」
「うわぁ・・・・・・。ヨッスィー、ショックだわぁ・・・」
「あ〜、ゴトオに惚れてる子ね」
「そう簡単には付き合えないよね?」
「うん。多分ね」
「はぁ・・・」
- 246 名前:ペーター(121) 投稿日:2000年12月06日(水)04時56分59秒
- その日の部室に遅れて現れたのはナツミだった。
ヒトミと視線を合わすのがちょっと辛いが、カラ元気を出してみる。
「よっ!みんながんばってるじゃーん」
「は〜い」
「はい! あと少しですからね。がんばらないとっ」
「みんながんばったから共同制作も個人のもほとんど終わったし、
あとはバザール用をどんどん増やすだけだね」
「はーい」
一番大きなテーブルには3人が作ってきた小物の作品がまとめられていた。
ナツミは満足げな表情でひとつひとつチェックしていく。
「うーん。こういうのもあったねぇ・・・。あれ?このポーチ・・・」
「はい?・・・あぁ、これ、可愛いでしょ・・・」
ヒトミが申し分けなさそうに答える。
「なんか1学期にマキが作ろうとしてたやつと同じデザイン・・・」
「あぁ・・・そう・・・そうなんですけどね・・・」
「もしかしてヨッスィー・・・代わりに作っちゃった・・・?」
「えぇ・・・」
「あのさぁ、気持ちは分かるんだけど、本人が作ってないものは・・・出せないよ」
「あ・・・分かってます。ただ、なんかこれ作ったら来てくれそうな気がして・・・」
「ヨッスィー・・・」
「ヒトミちゃん実はいっぱい作ってるんですよ」
「え?マキの・・・?」
リカがそんなことを平然と話すのでナツミは驚いた。
「エヘヘ・・・」
ヒトミは恥ずかしそうに微笑んでいるだけである。
「リカちゃん・・・もしかして吹っ切れた?・・・ヨッスィーのこと・・・」
「あっ・・・はい」
「へぇ・・・そうだったんだぁ。それはそれは」
「先輩、もしかして私がヒトミちゃんのこと好きだったの知ってたんですか?」
「そりゃ、あれだけバレバレなのも珍しいくらいだからね。誰でもわかるよ」
「えー?!そうだったんですかー?恥ずかしいな、もぉ・・・」
「でもよく諦めたねぇ〜。地の果てまでヨッスィーを追いかけて行きそうな感じだったけど」
- 247 名前:ペーター(122) 投稿日:2000年12月06日(水)04時57分46秒
- ガタンッ。
リカが急に立ち上がった。
「はい! 私、ほかの人と付き合う事にしましたから」
得意げに話すリカの顔を2人は唖然として見上げた。
「えっ? リカちゃんに恋人・・・??」
「はい!」
「ちょっとリカちゃん、もうイチノさんにOK出したの?」
「うん。昼休みに」
「・・・なにっ?サヤカァ?!」
「はい!2年生のイチノサヤカ先輩ですけど、ナッチ先輩知ってるんですか?」
「うんっ・・・」
ヒトミはなんとなく面白くない。
「リカちゃんさぁ・・・ちょっと早くない?」
「そっかなぁ・・・。善は急げっていうでしょ?」
「またサヤカのやつ・・・」
「そういうの善って言わないの!」
「いいじゃなーぃ。私もう子供じゃないんだからぁ」
「リカちゃんはまだ子供だよぉ」
「ちょっとちょっと2人ともやめなさい。ヨッスィーがヤキモチ焼いてどうすんのさ。
リカちゃんに他に好きな人が出来たんならおめでたいことじゃん」
「ヤキモチじゃなくて、こういうことはゆっくりやった方がいいんですよ」
「言っとくけど、ヒトミちゃんに口を挟む権利はありません!」
「なっ・・・」
「そう言えば思い出した。こないだサヤカ、気になる子がいるって言ってたけど、
リカちゃんのことだったんだぁ」
「ウフ・・・」
「気をつけてね、リ・カ・ちゃん」
「はい、わかってます。ヒトミちゃんにいろいろ教わりましたから」
ヒトミは席を離れて作品を整理し始めた。
- 248 名前:ペーター(123) 投稿日:2000年12月06日(水)04時58分33秒
- 「そう言えば、先輩。ゴトオさんの扱いはどうなるんですか?」
「あぁ・・・」
「一応部員だから、作品がないのは寂しいですね」
「そうだね・・・。今日マキに電話してみるよ」
ヒトミがナツミの方に振り向く。
目が合うとナツミはぎこちない笑顔を作った。
「きちんとマキの意志を訊くよ。どんな形でも参加する気があるのかどうか」
ヒトミの目は訴えていた。
ナツミには分かっている。
「ちゃんと出て来いって言っておくから」
「はい・・・」
(お別れの挨拶になっちゃうんだけど・・・)
この日ナツミは、どうしてもヒトミに本当の事を伝える事ができなかった。
- 249 名前:ペーター(124) 投稿日:2000年12月06日(水)04時59分15秒
- その夜、ナツミは一応作っていた手芸部連絡網なるものを探し出して、
マキの家に電話を掛けた。
「もしもしマキ? アブだけど」
『あぁ部長さん、何ですかぁ?』
「あのさぁ、今日辞めるって言ったじゃん。学校も辞めるんだってね」
『そうだけど・・・。理由とか、大体やぐっつぁんから聞いたでしょ?』
「うん。しかし、あんたもやってくれるねぇ」
『まだ人に言わないでね。学校最後の日まで隠しておきたいから』
「うん、わかってるよ。で、マリッペにしか言ってないの?」
『いや、イチイちゃんは知ってるよ』
「なんだ、サヤカも知ってたんだ」
『誰にも言うなって言ってあるから訊いても答えないと思うけど』
「2人だけ?知ってるの」
『うん』
「ヨッスィーには言わないの?」
『・・・・・・・うん』
「なんで?」
『・・・・・・・』
「あんたが文化祭に顔を出すのをすごく楽しみにしてるんだよね」
『・・・・・・・』
「遊びだったの?」
『・・・・・・・』
「ごめん、口を挟むつもりは無いんだけど・・・」
『・・・・・・・』
- 250 名前:ペーター(125) 投稿日:2000年12月06日(水)05時01分55秒
- 「それで、最後の登校日はいつ?」
『・・・今週いっぱいで辞めます』
「こ・・・今週いっぱいって、すぐじゃん! 詳しい予定教えなさいよ」
『えーっと・・・。文化祭の前の日・・・木曜日か・・・に、ちょこっと出てクラスのみんなには言う。
もちろんしばらくは言いふらさないようにって言うつもりだけど。それで、金・土休んでぇ・・・。
最終日の午後にちょっとだけ顔出して、仲のいい友達とかに会って・・・。それで終わりかな』
「じゃぁさぁ、打ち上げだけでも出なよ。あんたのお別れ会も合わせてやろうよ」
『いいよー、わざわざそんな』
「でも、みんなに挨拶の一言くらいあってもいいんでないかい?」
『ん・・・』
「日曜日の5時。部室で始めるから来て」
『5時かぁ・・・』
「うん。みんなその後、クラスでの打ち上げとかもあったりするから、
1時間くらいしかできないんだけどね」
『5時ねぇ・・・』
「仕事かなんか入ってるの?」
『うん・・・。5時頃に行かないといけないんだよね』
「じゃ、ちょっと前に来なさいよ。打ち上げ早めに始めるから」
『うん・・・。そうだね。でも、それまで誰にも言わないでくれるかなぁ』
「え?」
『絶対行くから』
「よし、わかった。自分の口でちゃんとケジメをつけるんだね」
『うん、まぁ・・・』
「じゃ、待ってるから」
『はぁい・・・』
「バイバイ」
カチャン・・・・・・
「はぁ・・・」
ナツミはヒトミの恋のハッピーエンドを願っていたが、
自然にまかせた方がいいという気もしてきた。
マキにその気がないならそのまま自然に・・・。
うまく行くように運命づけられているのなら、どんな障害も乗り越えるだろう。
(日曜日まで黙ってるのか・・・。気が重い・・・)
- 251 名前:ペーター(126) 投稿日:2000年12月06日(水)05時04分33秒
- 翌火曜日の朝、登校してきたナツミは、校門近くに立っているヒトミの姿が目に入った。
ナツミの方を見てニコニコしている。
(ヨッスィー・・・)
「おはよーございまーす」
「おはよっ。どうしたの?部長さんのお出迎え?」
「そうです!ンフフ」
「何よ?どうしたのさ?」
「もぉっ。どうでした?」
「どうって?」
「意地悪だなぁ。電話したんですよね、ゴッチンに」
「あぁ・・・そうね・・・そうそう・・・したよっ」
「何て言ってました?」
「なんかねぇ・・・今週は忙しくてねぇ・・・木曜日にちょこっと授業に顔出して・・・
それで、文化祭は日曜日だけ出てくるみたいよ」
「え〜?文化祭は日曜だけですか〜?」
「うん。なんかそんなこと言ってたよ。日曜日も打ち上げだけになるかもしれないけど」
「えっ・・・それだけ・・・」
「まぁまぁ、気を落とさないで。絶対来るって言ってたからさ」
「・・・わかりました・・・」
「・・・(辛いな)・・・」
「でもよかった。全然来なかったらどうしようかと思っちゃった」
「うんっ・・・」
「結局、ゴッチンの作品は無しなんですね」
「仕方ないよ。マキは何も残さなかった・・・。それがマキの実績ってことで」
「何もってことないですよぉ。もしかしたらこれから作るかもしれないじゃないですか」
「えっ・・・そうか・・・な・・・」
「打ち上げの時にもう一度勧めてみますよ。今度こそ手芸の面白さを教えましょう!」
「ヨッスィー・・・」
ナツミは無邪気さと淋しさを合わせ持ったヒトミの表情をただ見ているしかなかった。
- 252 名前:ペーター(127) 投稿日:2000年12月06日(水)05時07分59秒
- ヒトミは、毎朝、毎夕、マキの下駄箱をチェックしていた。
木曜日の朝、ホームルーム前。ヒトミの手紙はマキの上履きに入ったままだ。
(今日は出て来てくれるんだよね)
無情にもチャイムが鳴る。
(どうせ遅刻してくるか・・・)
ヒトミは仕方なく教室に向かった。
教室に居る間、マキがいつ来るかと思うと気が気でない。
1時間目が始める前に、隣りの教室が一瞬どよめいたように聞こえた。
そんなことは時々あるので、ヒトミのクラスの誰1人として気にする様子はない。
ホームルームが終わると間を置かずに1時間目が始まる。
とても長い時間。
それが終わると、ヒトミはダッシュで下駄箱に駆けつけた。
(手紙は・・・?)
「はっ!」
マキの下駄箱には上履きだけが入っていて・・・手紙はなくなっていた。
(ゴッチンが取ってくれたのかな?・・・まさか誰かが・・・)
ヒトミはマキの上履きを手に取り、手を中に入れてみる。
(あ・・・なんとなく暖かい・・・・・・ような気がする・・・)
慌てて視線を校門の方に向けるが、誰も歩いてはいない。
(さっきまでここにあったんだから、きっと取って読んでくれたんだ。
もっといろんなこと書いとけばよかったな・・・)
ヒトミはその上履きを抱きしめた。
- 253 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月06日(水)09時15分38秒
- せ、せつない。。。
- 254 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月08日(金)17時30分00秒
- うぅ・・・ヒトミ・・・
でもゴトオはやっぱあんなんだろな〜
- 255 名前:ティモ 投稿日:2000年12月08日(金)17時32分42秒
- くっつけ〜
- 256 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月09日(土)19時16分39秒
- んんんんん・・・
最後を待つのみですな・・。
- 257 名前:ペーター 投稿日:2000年12月10日(日)05時52分48秒
- どうもですぅ。
最後の方に到達するまでにはもう少しかかりそうです。(どないやねんっ!
文章にしたら意外に長くなってしまいまして。(下手なんですわ
150くらい行っちゃうかもしれない・・・・・・
- 258 名前:ペーター(128) 投稿日:2000年12月10日(日)05時53分52秒
- その日の午後は全校体勢で翌日からの文化祭の準備が行われた。
それぞれにクラスの仕事などが終わると部室に集合。
手芸部の展示室となる家庭科A室に作品を搬入し、展示する。
マキに手紙を読んでもらった気がしているヒトミの体は軽い。
なんだか自然とはりきってしまう。
気分が妙にハイなのだ。
しかも打ち上げが当初の予定より30分も早く始まることをナツミから聞き、
心の中で『イエス!』と叫んでしまうヒトミであった。
- 259 名前:ペーター(129) 投稿日:2000年12月10日(日)05時56分16秒
- さて、ヒトミにとって初めての高校の文化祭はそれなりに楽しく、
あっという間に2日間が過ぎていった。
そして最終日の日曜日。
ヒトミは久しぶりにマキに会えるので、髪の毛のセットもバッチリ、
リップもいつもより濃いめの色をつけてみた。
せっかくマキは久しぶりに学校に来るのだから部活の方だけに顔を出すわけではなかろうと、
ヒトミは昼過ぎからマキのクラスの模擬店に行ってみたり、
下駄箱のあたりをウロウロしてみたり、そわそわと落着かなかった。
ナツミやリカも、この日だけはとヒトミに自由を与えてくれたので、
片付けが始まる4時までは自分のクラスやマキのクラスで遊ぶつもりだ。
だが・・・
(なかなか来ないなぁ・・・)
ヒトミはクラスの模擬店のドーナツを頬張りながら、時計と睨めっこ。
(文化祭にも来れないほど忙しいってどういうことなんだろう・・・。
まさかイジメにでもあって登校拒否?・・・んなこたぁないよね・・・)
『わお〜!』
(なんだ?)
あと少しで4時という時、隣りのクラスで歓声が上がった。
ヒトミはダッシュして様子を見に行く。
そこには・・・待ち焦がれたマキの姿があった。
(ゴッチン!)
マキは笑顔でクラスメート達と喋っている。
タコヤキを食べさせてもらったりして。
(ゴッチンが来るのをみんな待ってたんだぁ。よかった。仲良くやってるじゃん)
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン・・・
文化祭の終了を知らせる4時のチャイムが鳴りアナウンスが始まる。
ヒトミはそこでマキに声をかける勇気が出なかった。
(いいや。打ち上げに来てくれるんだから)
ヒトミは頬を緩ませながら家庭科室に向かった。
- 260 名前:ペーター(130) 投稿日:2000年12月10日(日)05時57分52秒
- 「さて、終わったね。みんなよくがんばったよぉ」
「はい!お疲れさまでした!」
ナツミとリカが満足しているところにヒトミが満面の笑みで合流する。
「あっ、ヒトミちゃん。ゴトオさんに会えた?」
「うんっ!っていうか姿を見ただけだけどね。ゴッチンさっき来たんだっ」
「へ〜、よかったね〜。顔見た瞬間にわかったけど」
「えっ?どんな顔してた?」
「すっごい笑顔で入ってくるんだもーん」
「そうだった?アハハ・・・」
「さっ!お二人さん!片付け早くしないと。30分しかないんだから」
「は〜い!」
3人は急いで家庭科室を片付け、部室に移動すると、
整頓もほどほどに、打ち上げの準備に取り掛かった。
「しっかし、すっごい食料だねぇ・・・」
あちこちから調達したクッキーやらタイヤキやらタコヤキやらジュースやらを
ありったけ並べ終えるとため息をつく。
「みんなよく食べるからあっという間になくなりますよ」
「ならいいけど」
「あっ、4時半になったよ」
「とりあえず3人で乾杯しようよ。この半年いろいろあったけどよくがんばったじゃん」
「はい、そうですね」
「こんなつまらない部活なのにさ・・・辞めずについて来てくれてさ・・・。
あんた達が後輩でよかったよ、ホント」
「やだなぁ、ナッチさん」
「せんぱぁい・・・そんなこと言ったら、私、泣いちゃいますよぉ・・・」
「リカちゃんったら・・・。とりあえず乾杯しよ」
「うん。それじゃ、かんぱ〜い!」
- 261 名前:ペーター(131) 投稿日:2000年12月10日(日)05時59分29秒
- リカが一気にジュースを飲み干す。
「ふ〜っ。おいし〜」
「リカちゃん、このクッキーおいしいよ」
「そうなんですかぁ?いただきまーす」
「どんどん食べなよ〜」
「う〜ん、おいしい〜・・・・・・・あれ?2人とも食べない・・・の?」
「え・・・うん、うち、さっきまでいろいろ食べてたし・・・」
「いっつもあんなに食べるのに・・・」
「まぁいいじゃん。痩せてる人が食べればいいべさ」
ナツミもヒトミもそれぞれ別の理由で食欲が無い。
10分・・・20分・・・
「ゴトオさんなかなか来ないね」
「そのうち来るべ」
ヒトミは不安になっていた。
「まさか、帰っちゃったんじゃ・・・」
「大丈夫。絶対来るって言ってたからね」
「それならいいんだけど・・・」
「あ・・・ヨッスィー・・・?」
「はい?」
「マキねぇ・・・話があるって言ってたから・・・」
「は?」
「だからさぁ・・・マキのことだから、またとんでもないこと言いそうだなぁ・・・なんてね。
いちいち驚いてる方がバカバカしいよね・・・」
「話・・・ですか・・・。なんだろ」
トントン・・・
(はっ、来たっ)
「はい。どうぞー」
(きっとゴッチンだ・・・)
- 262 名前:ペーター(132) 投稿日:2000年12月10日(日)06時01分03秒
- 「こんちはー」
いつものテンションでマキが現れた。
ナツミはマキが最初にこの部室に入ってきた時のことを思い出す。
そしてヒトミは、初めて話し掛けた時のように心臓が飛び出そうになっている。
「あっ、ゴトオさん、遅かったじゃなーい」
「あぁ、どうもー」
「じゃ、マキはこっちに座って」
「あ・・・いいです。すぐに行かないといけないから」
「えっ?!もう帰っちゃうの?」
ヒトミがやっと声を発した。
「うん」
マキはヒトミと視線を合わさずにそっけなく答える。
ヒトミの顔が落胆の色に染まる。
(そんなぁ・・・)
「でもちょっとくらい座りなさいよ。せっかく顔出したんだから」
「じゃぁ」
マキはナツミに指示されてヒトミに隣りに座った。
「部長さん、まだ言ってないよね」
「あっ・・・もちろん・・・」
マキのいつになく真面目な様子に、ヒトミは違和感を覚えた。
「ん?・・・なんですか?」
「あのね・・・ヨッスィー、リカちゃん、ごめんね。私、マキから話を大体聞いてたんだけどね、
マキがここで自分で話すって言うから・・・黙ってたの・・・」
「え・・・?(何なの?)」
「ゴトオさんが話があるってやつですか?」
「うん・・・じゃ、マキ・・・ちゃんと話して」
「えーっと・・・あのさぁ・・・」
マキは視線を泳がせながら話を始めた。
- 263 名前:ペーター(133) 投稿日:2000年12月10日(日)06時03分50秒
- 「あのさぁ・・・学校をさぁ・・・辞めるんだよね」
「は?うそっ!」
リカが甲高い声を上げ、一呼吸遅れてヒトミは叫んだ。
「・・・えぇっ!!」
(なに?・・・なに?・・・なんで?・・・なんでぇっ?)
「だから当然、部活も辞めるしぃ・・・」
「ちょっとゴトオさん、なんで学校辞めるの!?」
リカが語気を強める横で、ヒトミは声を失い固まっている。
「今からそれを話すから」
ナツミは席を立ち、窓辺にすがった。
「実はさぁ、夏休みにスカウトされてさぁ、芸能界に入るんだよね」
「・・・はぁっ??」
ヒトミとリカの目が見開かれて丸くなる。
「げ・・・げいのうかいって・・・・・・・」
ヒトミにあの日の記憶が蘇る。
・
『私なんかがアイドルになれると思う?』
『ぜっ絶対なれるって!めっちゃカワイイもーん!』
『子どもの頃からの夢は芸能人だったんだ』
『へぇー、そうなんだぁ。今も?』
『今からじゃちょっと遅くないかなぁ』
『遅くないよー、ぜ〜んぜ〜ん』
『フフ・・・』
・
(なんだ・・・あの時はもうスカウトされてたんだ・・・だから笑ってたんだな・・・)
「ちょっとゴトオさん、説明してよっ!」
「だから今話してるじゃん。っていうかぁ・・・それだけなんだけど」
「そっ・・・それだけって・・・私たちを馬鹿にしてるのぉっ?!ヒトミちゃんはねぇっ・・・」
「リカちゃん!冷静に聞くのっ!」
ナツミがリカを制する。
- 264 名前:ペーター(134) 投稿日:2000年12月10日(日)08時18分37秒
- 「ゴッチンおめでとう・・・」
「ヒトミちゃん・・・?」
リカはヒトミの穏やかな笑顔を見て驚き、ナツミに向けて怪訝そうな表情を作る。
するとナツミはリカに『シャ・ベ・ル・ナ』とサインを送った。
「よかったじゃん・・・。夢が叶ってさ・・・」
「あ・・・ありがと・・・」
「やっぱゴッチンは凄いよね。スカウトがほっとくわけないよ」
「ん〜。スカウトされたくて夏休み中ウロウロしまくってたからなんだけどね」
「そっかぁ。だから夏休みも来なかったし、2学期に入って学校を休むようになったんだね」
「うん、まぁ」
「忙しいんだね。でも・・・学校は辞めないといけないの・・・?」
「うん。前から決めてた。学校嫌いだし、両立できないし」
「そっか・・・。ゴッチンがそう決めたなら仕方ないね。うちらに引き止める権利は無いもんね・・・」
「このチャンス逃したら、もう無いから・・・」
「はぁ・・・ゴッチンが芸能人かぁ。凄いよね・・・。で、なに?何になるの?」
「一応歌手。ユニットでデビューする予定」
「そうなんだ・・・。ゴッチンなら全然ピンでいけるのに」
「あっ、時間・・・」
マキが時計を見て席を立った。
「もう行っちゃうの?」
「5時に迎えが来るから。待たせるといけないから行くよ」
「あ・・・」
「じゃ、皆さん、いろいろお世話になりましたぁ」
「ちょっとマキ!・・・あ・・・がんばりなよっ」
「うぃ〜っす。じゃね〜」
マキは後ろを振り返ることなく、部室を後にした。
(ゴッチン・・・)
「マキのやつ・・・。最後まであっさりと・・・」
目を潤ませているヒトミを見て、ナツミもリカも言葉につまる。
時計が無情に時を刻む。
「・・・・・・・」
「ヒトミちゃん・・・・・・いいの?」
「・・・・・・・」
「ねぇっ!追いかけなくていいのっ?」
「・・・・・・・」
- 265 名前:ペーター(135) 投稿日:2000年12月10日(日)08時20分24秒
- ガタンっ!
椅子を倒して、ヒトミは部室を出た。
涙が溢れて前が見えないけど、全速力で走った。
上履きのまま玄関を出て校門に向かう。
「ゴッチーン!!」
マキが足を止める。
校門には車が止まっていて、男が運転席でマキを待っているようだった。
「待ってぇ!」
マキが振り返り、ヒトミはようやく追いつく。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「なに?」
「これ・・・」
ヒトミは打ち上げの時から隠し持っていたポーチをマキに差し出した。
「あ、これ・・・ずっと前、私が作ろうと思ってたポーチと同じじゃん・・・」
「うんっ・・・作ったんだっ・・・家で・・・家で使ってっ・・・」
「あぁ・・・ありがと・・・」
マキが受け取ると、それはすっかり暖まっていた。
「うち・・・ぜっ・・・絶対に・・・ファンクラブの会長になるからっ・・・うっ・・・ヒック・・・」
ヒトミはズズーっと鼻をすする。
「もぉっ・・・ファンクラブなんてまだまだだからさぁ・・・」
「だって前に約束したもんっ!・・・それと・・・・・・・絶対に・・・
うち絶対にゴッチンのこと諦めないからっ!」
Boooooh!
クラクションがヒトミの鳴咽をかき消す。
「・・・じゃ・・・行くね」
マキがヒトミに背を向ける。
「あっ・・・また・・・また会えるよねっ!」
「あたし、今日から会社の寮に入るんだ。じゃぁ・・・」
マキはもう一度ヒトミの方に振り返ると、ポケットの中から紙切れを出してヒトミに押し付けた。
「あ・・・それ・・・」
マキは強引にそれをヒトミに手渡すと、クルっと向きを変え、車に乗り込んだ。
あっけなく去っていく車・・・・・・・
やがてその影も見えなくなる・・・・・・・
そしてようやく紙切れに視線を落とす。
それは6日前にヒトミがマキに宛てた短い手紙。
(やっぱり読んでくれてた。捨てずに持ってくれてた・・・)
- 266 名前:ペーター(136) 投稿日:2000年12月10日(日)08時21分27秒
- さて、時間は進み・・・2ヶ月後。
すっかり冬になり、手芸部はいつしか編み物同好会になっていた。
マキのことはときどき話題に出ていたが、誰もマキの近況を知るものはいない。
マリやサヤカでさえほとんどマキと連絡が取れていないという。
「3週間くらい前だったかなぁ。元気にしてるとは言ってたよ」
「オイラは半月くらい前に電話してから話してないなぁ。なんか忙しそうだった。
夜なんかもあんまりいなくてさぁ。こっちから電話しずらいんだよねー」
いつの頃からか部室に入り浸るようになったサヤカとマリが口々に言う。
「それにしてもリカちゃんが編んでる手袋かぁわいいんだから〜」
「そうかなぁ・・・ウフっ」
サヤカはリカにベッタリだ。
「ナッチの腹巻きも可愛いよー。オイラにピッタリだもん!」
「あっ・・・これ・・・マリッペのじゃないんだけど・・・」
「えーっ!?そんなぁっ・・・」
「ハハハ・・・」
そんな中、ヒトミは黙々とマフラーを編む。
クリスマスまであとわずか・・・。
ヒトミの耳に雑音は届かない。
と、突然マリが隣りにやってきた。
「オイラ、ヨッスィーに乗り換えちゃお!」
マリがヒトミにひっつく。
「こらっ、マリッペ!」
「ヨッスィーか〜わいい〜!」
「や・・・ヤグチダさん・・・」
「ヨッスィーを振っちゃう人間の気が知れないよぉ、全くぅ」
マリがヒトミに色目を使う。
「可愛い・・・ですね・・・」
「ヨッスィ〜。お姉さんが何でも教えてあげるからねん」
「は・・・はいっ」
「イテテテ・・・」
ナツミがマリの耳を引っ張った。
「可愛い後輩に手を出すんじゃないっ!」
「なぬ?・・・ガクッ・・・」
- 267 名前:ペーター(137) 投稿日:2000年12月10日(日)08時32分21秒
- 12月24日。午後8時。
ヒトミはマリに聞いた住所を頼りにマキの寮の前までやって来た。
マキがいつ帰ってくるかは知らないが、いつまでも待つ覚悟は出来ていた。
30分・・・1時間・・・
ヒトミはドアの前でうずくまり、熱い缶のアップルティーで寒さをごまかす。
湯気の向こうに今までのいろんな出来事が蘇ってくる。
ほとんどドキドキしっぱなしだったマキとの時間。
情けない自分。滑稽だった自分。マキを振り向かせる事が出来なかった自分・・・。
(今日会えなかったら、もう二度と会えない気がする・・・)
2時間経つ頃には、ヒトミはうとうとし始めていた。
(あれ?・・・どこからだろう・・・)
誰かの話し声が聞こえる・・・。
『あんた何してんのよぉ』
『もう、不器用なんだからぁ』
『あんたには無理だったのよぉ』
『ねぇ、何やってんの?』
『ねぇ・・・』
「何してんの?」
「・・・・・・・」
「ねぇ・・・寝てんの?」
「・・・へっ・・・?」
「何してんのよぉ」
重たい首を上げると、ヒトミの目の前にマキが佇んでいた。
- 268 名前:ペーター(138) 投稿日:2000年12月10日(日)08時33分40秒
- 「あっ!ゴッチン・・・!」
ヒトミは慌てて立ち上がる。
「イテテ・・・お帰りなさい」
足が痛い。
「いつからいるの?」
「えっ・・・さっきだよ、さっき。ごめんね、突然来ちゃって」
「何のために?」
「あの・・・クリスマスだからね・・・プレゼントをって思って・・・。はいっ」
ヒトミは震える手で紙包みを差し出した。
「・・・・・・・」
マキはじっと包みを見つめたまま動かない。
「あっ・・・イヤならいいよ。勝手に編んだんだから・・・」
「・・・・・・・」
「マフラーなんだけどさ・・・」
マキの表情は段々と険しさを増していた。
ヒトミはどうしていいかわからず、涙腺が危なくなっている。
「本当にゴメンっ。疲れて帰って来たのに私の顔なんか・・・見たくなかったよね・・・?」
「・・・・・・・」
「あ・・・帰るね」
「もぉっ・・・」
「・・・え・・・?」
「いい加減にしてくれないかなぁ」
「・・・は・・・」
「あんたさぁ」
「はい・・・」
「あんた・・・・・・・何回あたしを迷わせたら気が済むのよ・・・」
「へ・・・?」
- 269 名前:ペーター(139) 投稿日:2000年12月10日(日)08時35分24秒
- 「あの時、手紙返したでしょ! もうあんたには会わないつもりだった!」
マキが急に大きな声を出し、ヒトミの目から大粒の涙が零れ落ちた。
「・・・う・・・」
「恋愛禁止なのっ!今、恋なんかしてられないのっ!!」
「・・・・・・・」
「バカっ!!」
マキはそう叫ぶと思い切りヒトミに抱き着いた。
「・・・ゴッチン・・・」
「バカ・・・バカ・・・ヨッスィーのバカ・・・」
(ゴッチン泣いてるの・・・?)
マキの両腕が苦しいほどにヒトミに巻き付いている。
「あたしがどれだけ苦労してると思ってんのよぉっ!毎日不安でいっぱいで・・・」
「ゴッチン・・・」
「なんで会いになんかくるわけぇっ?ねぇ・・・なんで?」
「ゴッチン・・・その不安を頂だい・・・」
ヒトミは力いっぱいマキを抱きしめた。
「ん・・・」
「うちが不安を吸収してあげるから・・・」
「何言ってんの?」
「ゴッチン前言ったじゃん。うちと話してると気分が楽になってくるって」
「バカだよ、ヨッスィーは・・・」
「うん。バカだよ」
マキがゆっくりと顔をヒトミの方に向けると、2人の唇は自然に重なった。
激しく求め合うキス。
マキは数秒で一旦口を離すと、鍵を開けてヒトミを部屋の中に入れた。
そして2人は部屋に入るや否や、再び狂おしいほどに求め合った。
- 270 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月10日(日)20時41分03秒
- なんか凄い時間に更新してますね(w
狂おしく求め合う詳細は書くのかな・・?
しかしくっついてくれて嬉しいな。
- 271 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月11日(月)01時03分41秒
- ついに明らかになったゴッチンの本心。
あ〜なんたるカタルシス!!
3ヵ月、139話の重みは伊達ではないな(w
- 272 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月16日(土)03時59分54秒
- 続き期待あげなり
- 273 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月16日(土)23時11分35秒
- 更新お待ちしております。
- 274 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月17日(日)14時03分15秒
- 同じく…
- 275 名前:七資産 投稿日:2000年12月18日(月)15時34分39秒
- 面白いから頑張って。
多少着地が厳しくても、みんな文句は言わないだろ?
- 276 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月19日(火)01時54分09秒
- 待つのは別に全然構わない。この後に及んで更新を急かす
こともないし、他に言うべきこともない。
作者さんの納得のいくように、作者さんの都合でどうぞ。
- 277 名前:ペーター 投稿日:2000年12月19日(火)02時07分11秒
- また10日近く間をあけてしまいましたな。
考えは以前からまとまっているんですが、(たいした最後にはならんけど)
歳末の忙しさにかまけてしまって・・・。
でも2〜3日のうちには更新できると思いますんで、よろしゅ〜。
- 278 名前:Q 投稿日:2000年12月19日(火)02時47分49秒
- はーい、待ってまーす!
- 279 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月19日(火)23時41分10秒
- ファイトファイト
- 280 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月20日(水)00時29分04秒
- マターリ マターリ・・・ まってるよー
- 281 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月22日(金)22時56分38秒
- んー…まだかな…?
- 282 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月23日(土)21時17分29秒
- 催促age
- 283 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月24日(日)00時33分37秒
- マターリにも程があるっ!
ペーター頑張れ!!
- 284 名前:ペーター 投稿日:2000年12月24日(日)19時00分15秒
- マターリしすぎて、えらいすんません。
- 285 名前:ペーター(140) 投稿日:2000年12月24日(日)19時02分12秒
- 散らかったワンルームの部屋。
それぞれに自分のコートのボタンを外しながら、互いの舌を絡ませ合う。
何も考えてはいない。
ただ本能のおもむくままに相手を求めている。
2人はコートを脱ぎ捨てると、抱き合ってベッドに倒れ込んだ。
下になったマキが上にいるヒトミのセーターを脱がせる。
そして取りつかれたように互いの服を脱がせ合い、
2人ともあっという間に全裸になると布団の中に潜り込んだ。
冷たい布団とシーツの間で、抱き合う2人の体は熱を増していく。
会えなかった時間を埋めるかのように、ただただ欲しがっていた。
頬に口づけ、耳を噛み、首筋に吸い付き、乳房を揉み、体中をまさぐる。
マキはヒトミを押さえつけ、ヒトミの固くなった乳首に執拗に舌を這わせる。
「あっ・・・んんっ・・・」
静かな部屋にヒトミの声だけが聞こえている。
ヒトミはたまらず両腕でマキの体を引き上げるようにすると、
再びマキの舌を求め、自らの口を塞ぐ。
そして、自分の体をまたがせるようにマキに膝をつかせると、
右手をマキの太股の間に滑り込ませ、熱く潤った窪みに中指と薬指を挿入した。
「あぁぁ・・・」
マキが声を漏らす。
マキもヒトミの両脚の間に右脚を入れて、同じように右手の指を2本挿入する。
ヒトミのそれもマキの指をスムーズに受け入れ、
2人は呼吸を合わせるようにして指を動かし始めた。
- 286 名前:ペーター(141) 投稿日:2000年12月24日(日)19時03分27秒
- 最初は指だけをが動いていたが、
次第に2人の腰も少しずつ動き出し、時折、乳首も擦れ合った。
「んん・・・あぁ・・・」
どちらからともなく声が上がり、指の動きも激しさを増していく。
マキの背中を撫でていたヒトミの左手がマキの髪の毛の中に入り、顔を引き寄せる。
舌を合わせると2人の性感はさらに増し、
体内が波打つかのような激しい興奮が押し寄せる。
動きを合わせて・・・
呼吸も合わせて・・・
心臓の鼓動も合わせて・・・
もっと・・・もっと・・・感じて欲しい・・・
そして、
2人が昇り詰めるのにそれほど時間はかからなかった。
体のどこが感じているのかわからないような、
重力がどこかに行ってしまったかような絶頂感が体を襲う。
「はぁ・・・あぁぁっ・・・」
先に大きな声を上げたマキの体が反り返り、
ワギナがキュッ、キュッと何度も締まったかと思うと、
それに続いてヒトミの体も同じ反応を示した。
「んん・・・あっ・・・・・・ぁぁぁ・・・」
マキに体が崩れ落ちるようにヒトミに覆い被さる。
「はぁぁ・・・はぁぁ・・・はぁぁ・・・」
2人の体はすっかり脱力し、一体となって溶け合った。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
- 287 名前:ペーター(142) 投稿日:2000年12月24日(日)19時04分08秒
- 頭の中が真っ白になっていた2人が現実に戻ってくるのには時間がかかった。
「ヨッスィー・・・」
「ん・・・んん?」
「重たいでしょ」
「うん。重たい」
マキは少し体をずらし、ヒトミの体は重みから開放された。
シーンと静まり返った部屋。
狭いベッドの中で2人は身を寄せ合っている。
心も満たされ、ヒトミは今夜の出来事の発端を思い出していた。
「あんなガラスみたいに壊れやすいゴッチン・・・今日初めて見たよ」
「んん・・・今までふてぶてしいところしか見せてなかったよね」
「そんなゴッチンが好きだったんだけど・・・でも・・・今日もっと好きになっちゃった」
「あぁ・・・」
「すごく不安なんだね」
「・・・ヨッスィー・・・」
「ん?」
「ヨッスィーのこと・・・最初から好きだったんだけどね」
「え・・・?!」
「まぁ、最初はカワイイなぁ程度だったけど」
「う・・・ん・・・」
「どんどん好きになってどうしようかと思ってた」
「あ・・・初めて聞いた・・・好きだって・・・」
「ニブイね」
「だってさぁ・・・」
「あたし・・・今まで人を好きになることを知らなかったのかもしれない。
エッチすれば、なんか大人になれるような気がしてた・・・」
「・・・・・・・」
- 288 名前:ペーター(143) 投稿日:2000年12月24日(日)19時05分36秒
- 「わかってるんだけどね」
「なに?」
「ヨッスィーが好きだということと、ヨッスィーに愛される資格が無いっていうこと」
「えっ・・・なんで?」
「傷つけてるのわかってたし・・・」
「そんなのもういいよ。傷ついてなんかいなかったから。いつかは愛は通じるって、
心のどこかで思ってたんだよね・・・。なーんて。くっさー」
「ンフ・・・」
「でも・・・ゴッチンの気持ちが変わらないうちにまた会えるといいな」
「信用してないでしょ」
「うん・・・あんまりね」
「アハ・・・。でも、どうかな・・・本当にしばらく会えないかも」
「あ・・・いいよ。足手まといにはなりたくないから。テレビの前で応援してる」
「ありがと・・・。もう少しでデビューできそうだから」
「そうなんだぁ・・・。もし暇が出来たら電話とかしてね」
「うん・・・」
「がんばってね」
「うん・・・」
ヒトミはそれ以上をマキに求めなかった。
マキは次のことを約束してくれないけど、それでいいのだ。
不安が無いと言えば嘘になる。
好きだと告白された喜びと、束の間の喜びに終わりそうな不安。
マキが自分の遠くで生活していく事は確かだ。
でも、今までのように危機感は無い。
愛されているという実感を得て、
今ヒトミは、いつまでも待てるような気がしている。
- 289 名前:ペーター(144) 投稿日:2000年12月24日(日)19時06分26秒
- さて、年が変わり、1月も終わりに近づいていた。
あれ以来、ヒトミはマキに会ってない。
慌ただしい電話を2〜3回しただけだ。
この日は休日ということで、ヒトミの部屋には来客が約2名。
3人で一緒にコタツの上の雑誌を取り囲んでいる。
「しかし、写真ちっさいなー」
「仕方ないですよ。まだまだこれからなんだから」
「そうね。でもゴトオさん綺麗に映ってるよぉ」
「ゴトオのやつ、すました顔しちゃって」
「可愛いじゃないですかー」
「そういうのを欲目っつーの」
「は・・・そうですか・・・」
「“夢見る乙女”か」
「ゴトオさん本当に夢を叶えちゃったんだよね」
「うん」
この日初めてマキがラジオに出るという事で、リカとサヤカが遊びに来ていた。
・・・『聴いてね』・・・
1週間前に、短い電話の中でマキが教えてくれたラジオの番組。
「ラジオまだかよー」
「もう少しですよぉ」
この日を楽しみにしていたのに、おしゃべりな客を呼んでしまって
ヒトミは少し後悔していた。
ナツミとマリが用事で来られなくて本当に良かったと思っている。
- 290 名前:ペーター(145) 投稿日:2000年12月24日(日)19時07分19秒
- 「サヤカさん、ポテトチップス〜」
「お〜サンキュ〜」
(あーあー、リカちゃんこぼしちゃってるよぉ・・・掃除したばっかなのにぃ・・・)
「あ〜ん」
「う〜ん・・・リカおいし〜」
「こらっ!いちゃいちゃするなっ!・・・ったく・・・」
「ヨシサワが妬くことはないだろー」
「妬いてません!」
「でもリカが可愛いから心配なんだよねー。このぉ・・・」
「ウフ・・・」
「あっ・・・イチノさんっ・・・!」
「肩ぐらい抱くさー」
「肩ぐらいって・・・あんたたち・・・どこまで・・・?」
「やっぱ妬いてるよー。リカ、どうする?」
「こっ・・・!チューはするな!チューはっ!」
「あっ、始まるよっ」
「おっ!」
ヒトミは慌ててラジオをつける。
(出るか・・・出るか・・・)
関西弁の女性パーソナリティーの話が始まる。
『さて、今日もゲストをお呼びしております。準備はいいですかぁ。
さぁ、今日がデビューとなりましたっ・・・ドリーミンの3人でーす!」
『はじめましてー!』
「出た!」
- 291 名前:ペーター(146) 投稿日:2000年12月24日(日)19時08分15秒
- 『ほー、元気がいいじゃないですかぁ。
それじゃ早速自己紹介をしてもらいましょうかね。こちらから』
『はいっ。こんにちはー。最年長ハタチのヤスダケイコです!』
『はい。ドリーミンのイイタカオリでーす。北海道出身の19歳でーす』
『はぁぃ、こんにちはぁ。ゴトオマキ、16歳です・・・』
「ひゃっ!ゴトオ緊張してるよっ!」
「シーッ!」
ヒトミはマキの声を聞いて興奮が抑えられない。
『はぁい、今日は3人とも揃いのTシャツ姿ですねぇ。キャラクターものの。
可愛いTシャツなんですけど・・・この寒い季節にえらい安上がりやね』
『ハハハ・・・』
『でも可愛いでしょー。これドリーム君っていう私たちのキャラクターなんですよ』
『へ・・・男の子なんや・・・』
『あ・・・どっちなんだろう・・・?』
『カオリが思うに、これは女の子なんですよ。だって髪が長いし・・・』
年長2人とミッチィという名のパーソナリティーの話が続く。
「ゴトオ全然喋んないじゃん」
「ん・・・」
「ゴトオさんにも話を振ってくれるといいんだけどぉ」
『なんだかんだ言って3人ともうまく着こなしてますよね』
『そうですかぁ?ありがとうございまーす』
『今日はテレビ・ラジオ通じて初めてなんで、今までお世話になった人達に
もらったものを、アクセントとして身につけてきたんですよぉ』
『あらま、ラジオだっていうのに』
『ハハハ・・・見えないんですけどねぇ』
「ゴトオは何だろね」
(ゴッチン?・・・まさか・・・)
- 292 名前:ペーター(147) 投稿日:2000年12月24日(日)19時09分28秒
- 『じゃ、一応訊いてみますかね。手短に』
『はいっ。ヤスダはですねぇ、以前ライバルだった子とお揃いで買った指輪です』
『カオリはパパに買ってもらった豹柄の帽子です。豹柄大好き〜』
『ゴトオは・・・この・・・・・・あ・・・』
『この?・・・“この”じゃわからへんよ?』
『ンハ・・・・・・あのぉ・・・赤いマフラーをしてます』
(ひっ・・・!)
ヒトミは思わず手で顔を覆った。
「あーっ!ヒトミちゃんが編んでたやつだぁ!」
『えー、リスナーの方には見えなくて残念なんですが、このゴトオマキちゃんのですねぇ、
Tシャツに真っ赤なマフラー、ごっつ可愛いですよー。で、誰に?』
『あ・・・これは・・・大切な人に』
(・・・!!!・・・)
『はぁ?!』
『いやっ、ゴトオ、そうじゃないでしょっ!』
『あ・・・大切な友達に・・・』
『そ、そうですよねぇ・・・びっくりしましたよ。男の子に編んでもらったわけちゃうでしょ?』
『ハハハ・・・違いますよ。大切な女の子です』
(うぅ・・・ゴッチン・・・)
「ゴトオめ、うまくやりやがったな・・・」
「ヒトミちゃん愛されてたんだぁ。なんか感動・・・」
- 293 名前:ペーター(148) 投稿日:2000年12月24日(日)19時10分34秒
- その後ラジオでは、ユニット名の話だとか曲紹介とかが続いたが、
ヒトミはあとの事は全然覚えてなかった。
ただ、マキの『大切な人』の一言が頭の中を何往復もしていた。
(ありがとう・・・。ゴッチンを好きになって本当によかった・・・)
「ふぅ・・・」
「あっ・・・ヒトミちゃん、それ・・・サヤカさんのコーヒー・・・」
ブーーッ!!
「こらぁっ!吐くなーっ!!」
〜 FIN 〜
- 294 名前:ペーター 投稿日:2000年12月24日(日)19時14分33秒
- やっと終わらせる事ができました。
なにぶん文才が無い上に、女子校の事も手芸の事も全然知識が無く、
不自然なところがたくさんあったと思います。
おまけに、誤字が何個もあったし。
とにかく気が付けば丸々3ヶ月・・・。
読んで下さった方、本当にありがとうございました。
- 295 名前:ティモ 投稿日:2000年12月24日(日)20時48分02秒
- マジ感動。
素晴らしい小説をありがとうございました。
- 296 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月25日(月)01時01分36秒
- 御脱稿おめでとうございます。3か月間お疲れ様でした。
最後は二人の気持ちが通じあつたみたいだし、リカも幸せになったようで。
やっぱり、ヒトミやリカ、ナツミたちの心の動きを丁寧に描きながら、
最後までマキの気持ちを伏せていたのが、すごく上手いし魅きつけられました。
- 297 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月25日(月)02時09分12秒
- お疲れさまでした。お疲れが抜けた頃、続編で「リカサヤカ編」希望します〜。
- 298 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月25日(月)07時01分43秒
- お疲れ様でした!
毎回萌えさせて頂いてありがとうございました(w
最後の終わり方もほんわかしてていいっす!
そしてほんとに官能シーンの上手さには脱帽です。
作者さんが気が向いたら僕もいちいしの官能みたいな〜。
- 299 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月25日(月)08時44分52秒
- ペーターさんお疲れさまー
続編でナチマリ編とか
書いてくれたらウレシーっす!
- 300 名前:Q 投稿日:2000年12月25日(月)11時30分30秒
- ペーターさん、3ヶ月間(でも、その前にちょこっと書かれてたときから
ずっと続きを楽しみにしてたんですよー)おつかれさまでした。
とても面白い作品でした!
続編(番外編?)、いちいし、なちまり、ぜひ書いて下さい!よろしくです!
- 301 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月27日(水)04時57分59秒
- いいっすね〜、おもしろいっすね〜。
感動しましたよ〜!
また気が向いたら書いてくらさい。
- 302 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月31日(土)16時47分09秒
- 久しぶりです。ペーターさん。
ペーターさんはもう小説を書かないのですか?
見たくてしょうがありません。
期待してます
Converted by dat2html.pl 1.0