インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板

闘え!!ボクらの矢口マン!!

1 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時51分44秒
ちょっとマヌケな話なんですが。
書かせて頂きます。
2 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時52分31秒
ここは、某テレビ局内。
ちょっとした空時間に、ぶらぶらと局内散歩にでかけた矢口が廊下を歩いていた。
窓から見える蒼い空に目がくぎ付けになる。

「今日も一日いい天気だなぁ」
久しぶりの暖かい陽気に、矢口の心は軽く弾んでいた。
自然とスキップの1つもでてしまう。
でも、あんまりうまくないからしないけどね。

こんな日は、日当たりのいい場所で、ちょっとお昼寝なんかできたらサイコーな
んだけどなぁ。は〜、無理だよなぁ。

娘。の仕事はまだまだ残っている。ちょっとだけ憎らしい。

ほえほえした気分で廊下を歩いていた矢口が、ある曲がり角に差し掛かったちょ
うどその時、小さな耳に、いきなり飛び込んできた女性の声。

「キャーーーーーーッ」
「お?なんだ?今の声は!!」
どこからともなく聞こえてきた悲鳴に、矢口はすばやく反応した。
こんな場所で悲鳴とは、なかなか尋常じゃないぞ。
さらに続く悲鳴をたよりに、声の主がいると思われる方へと向かう。

この声は聞いたことがある。いつも間近で聞いている声だ。
モーニング娘。の一員。
最近、身長をさらにのばしてきやがった後藤の声に間違いない。

どこだ?どこにいるんだ?
辺りをキョロキョロ見渡して、また声がするのを待つ。
3 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時53分03秒
「裕ちゃ〜ん、やめてよぉぉぉ」
お!!あの部屋だ。あそこから聞こえてくる!!
矢口は音もたてずに、ダッシュでその部屋へと近づいていく。

ちょっと待て、今『裕ちゃん』って言ってたような。
・・・裕子・・またかよ。
いったい後藤に何しようとしてるんだぁぁ!!

目的のドアにそっと耳をあて、とりあえず中の様子をうかがう。

「ごっち〜ん、そんなおもいきりいやな顔せんでもい〜やんか」
「裕ちゃんがあんな事するからぁぁ!!」
「ひどいなぁ、ちょっと仲良しさんになりたいだけやのに」
「だからって、いきなりキスしようとしないでよ〜」
「そんなんぜんぜんまだまだやん」

案の定、中ではセクハラ大王こと中澤裕子が、後藤真希を襲っているらしい。
中の様子を想像するに、どうやら市井は一緒にいないみたいだ。

紗耶香が一緒だったら、絶対に裕ちゃんが行動起こす前に止めちゃうからな。
という事は、今の後藤は、ライオンのオリの中に入らされた一羽の・・・なんだ
ろう(笑)思いつかねぇや。

そんな事を考えてたら、部屋からドタンバタンとかなり大きめの音もしてきた。
相変わらず、中澤の後藤を呼ぶ声が聞こえてくる。
やばい、やばいぞ。
このままほっといたら、後藤は中澤の餌食に!!

「よし!!こうなったら変身だ!!」
矢口は高らかにそう宣言すると、背中に背負っているカバンをおもむろにはずし、
チャックを開けて中を物色する。いったい何をしようとしているのか?
4 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時53分36秒
「ごっち〜ん、もうちょっとこっち来〜な」
「やです」
「も〜、つれないなぁ。なら裕ちゃんがそっちに行ったるわ」
「近づかないで〜。市井ちゃーんー助けてー」
「助けを呼んだって無駄やで。紗耶香は近くにおらんのやから」
「えーん、誰でもいいから助けて〜」
「ほないただきます」
わざわざ、市井が側にいない時を見計らって襲ったのだ。市井がいるといつもジャ
マばかりされてつまらない。めったにないこのチャンス、絶対にモノにしてやる。
と中澤はかなり意気込んで後藤へと近づいていく。とそこへ・・・。

『待てぇい!!!!』
いきなり部屋のドアが開いたかと思うと、やけに高めの声が部屋中に響き渡った。

「だれや!!」
せっかくのお楽しみタイムを、またしても誰かにじゃまされてしまい、中澤はか
なりすごんでドアの方を見る。
しかし、声の主はまだ部屋の外にいるのか姿が見えない。

「紗耶香のいぬまになんとやら!!」
「いたいけな13歳に対して、あまりにもスケベ上司っぽすぎるぞぉ、裕ちゃん!!」
「他のメンバーは襲うなってあれほど言ったろぉぉぉ!!」
次々と発せられていくあまり意味のわからない言葉の数々。
中澤は頭の中で復唱し、とりあえずここは怒っていいところだと思った。

「さっきからなにを(怒)」
「おいらがそのすけべ裕ちゃんを改心させてやるぅぅ!!」
中澤の言葉も言い終わらない内に、その声の主は自分のセリフだけ言い放ってそ
の姿をあらわした。

そこに立っていたのは!!
5 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時54分08秒
○面ラ○ダーの様な赤いプロテクターを着け、首にも同じようなマフラーをして
いる。下はひざよりやや下の長さの、これも赤いパンツ。(様は「あいうぃっしゅ」
の衣装だと思って下さい)頭には赤いカウボーイハットをかぶり、顔にはやけに
大きめの、これは真っ黒なサングラス。
かなり怪しすぎるいでたちだ。

(なんちゅ〜カッコしてるんや・・・)

しかし、その怪しい人物の発した声には聞き覚えがあって。
したったらずなその口調。
自分に対してここまでできるその心意気。
そして何よりもその身長の低さ・・・・。

「あんなぁ・・・・」
「おっといけない、正義の味方のおいらとしたことが、まだ名前も名乗っていな
かったな」
「せやから・・・・」
「聞いて驚け!!」
「・・・・・・」
「裕ちゃんがセクハラし続ける限り、おいらは必ず姿をあらわす。かわいい娘。
達を守る為、日夜努力は怠らない。なんていいやつなんだろう。その名も!!」
「・・・・・・」
「小さなセクシープリンセス、矢口マン!!」
「・・・・・・・・・・・・・矢口やろ?」
名前を名乗った時と、中澤が名前を言ったのが偶然にも重なる。

「ちが〜うぅ!!矢口じゃないもん。矢口マンだもん」
「せやから、矢口やん」
「矢口と矢口マンは別人なんだってば」
「でも、どっから見ても矢口やん」
「裕ちゃん、うるさい!!」
「うるさいて、あんた」
中澤の目の前にいるのはたしかに矢口で。
本人も『矢口マン』と名乗っているのに矢口ではないと言う。
ぜんぜんわけがわからない。
それにしても『プリンセス』なのに『マン』とは・・・。
6 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時54分58秒
「さっ、後藤真希さん。この矢口マンが来たからもう安心です。後のことは全て
おいらにまかせて、お行きなさい」
「・・・・うん」
それまで2人の会話から完全に無視されていた後藤に、矢口マンは話をふる。
とりあえずは、この危機的状況から逃がしてくれる様だ。
後藤はお礼もそこそこに部屋から出て行こうとする。

「ちょっ、ごっちん待って〜な」
「待て!!裕ちゃんの相手はこの矢口マンだ!!」
あわてて追いかけようとする中澤の前に、サッと立ちはだかる矢口マンの小さな
身体。中澤はなんとか避けようとするが、矢口マンの方が動きがすばやい。
後藤はその2人を振り向きもせず、部屋から出て行ってしまった。

(あぁ、せっかくのチャンスやったのに)
むなしくのびた左腕が空をかく。
さ〜これからや・・・という所で、矢口は必ずといっていいほど姿を現す。
そして中澤に対してさんざん文句を言いまくり、反撃する機会を与えないまま相
手と一緒に出て行ってしまう。
それが、時には市井だったり吉澤だったり、今回のように後藤だったり。
しかし、今回の様にこんなに変な格好して出てきたのははじめてだ。
いったい何の影響を受けてしまったのだろう。
ま、それはそれでかわいいんだが。

「何がしたいんかわからんねけど・・なんや、矢口が相手してくれるんか?」
「だから、おいらは矢口マンだって言ってるだろぅ」
「どっちでもえ〜わ。ほなおいで」
もうこうなったら、矢口マンだろうが、矢口だろうがどっちでもいい。
こうやって自分の目の前に飛び込んできた獲物をわざわざ逃がしてなるものか。
中澤は後藤をすっぱりあきらめて、標的を矢口に絞った。
中澤的にも矢口の方が、事を運ぶのに色々とやりやすい。
7 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時55分32秒
「や〜ぐち、裕ちゃんの側においでぇ」
満面の笑みをたたえながら、猫なで声で矢口の名前を呼ぶ。

(相手してくれるっちゅ〜んならしてもらおか♪)
中澤の目がキラーンと光った。
にじりにじりと近づいてくる中澤から、同じ歩調で回り込みながらよけていく。

「逃げんといてな〜、裕ちゃんに矢口の事、抱きしめさせて〜な」
中澤に気付かれないように、矢口は静かに体を入れ替えつつある。
自分が部屋の奥へと移動していけば、必然的にそれを追いかけてくる中澤は、ド
アを背にするような形になって。それから少しずつ後ずさりしていく。
後ろにのばした左手が、なにか固いものにあたった。

「裕ちゃんがつかまえたるでぇ、や〜ぐち♪」
何にも知らない中澤が、壁際に追い込まれた矢口に向って、あきらめを求める様
な甘〜い声で呟いた。

自分と中澤の距離、そして後ろに見えるドア。
中澤の視線は自分にだけ向けられていて。

(よし!!!)
矢口はそれを確認すると、すばやく攻撃に出た。
セクハラ大王の中澤が必ず引っかかってくれる技。
大きく息を吸い込んで、これ以上は出ないぜというぐらいの大声で叫ぶ。

「・・・あぁぁぁ!!!向こうでヨッスィーが後藤を襲ってるぅぅぅ!!!」
「なんやて!!こら吉澤、ごっちん先に頂くのはあたしやでぇぇぇ!!!!」
矢口の叫びに瞬時に反応した中澤は、矢口の指差す方に向って振り向いた。
目の前に無防備な中澤の後ろ姿。それに向って優雅に跳躍する矢口。

「アチョーーー!!!」
「ゲッ!!」
思いっきり伸ばした右足が、その腰にヒットした。
ゆっくりと、ばんざいしながら倒れていく中澤の後ろ姿が少し哀れ。
『スケベな裕ちゃんが悪いんだぁキック』
それは見事に相手を捕らえたのだった。

なんて簡単な策にひっかかってしまうんだ、中澤裕子よ。
8 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時56分11秒
「だからおいらは矢口マンだって言ってるだろぉ?」
「・・・・・・」
まんまと作戦に引っかかって倒れてしまった中澤を、上から見下ろし、ニンマリ
と笑顔を見せながら問い掛けた。
いつもの矢口真里だったらしないような事でも、矢口マンならできてしまう。
後ろを振り向かせといて、その隙を狙って跳び蹴りをくらわす。我ながらなんて
素晴らしい技だ。

「さぁ、裕ちゃん。そろそろすけべくんは卒業して・・」
「いってぇなぁぁ!!!」
「い、生きていたのかぁ!!」
側に屈み込もうとした矢口から逃げるように、いきなり起き上がってその場から
ダッシュで離れていく中澤。見れば右手を腰に当てている。ちょっとは効いたみ
たいだ。

「よくも後ろから飛び蹴りくらわしてくれたな、矢口。裕ちゃんまじ怒ったでぇ」

(やばい・・目がかなり本気だ・・どうしよう。どうすれば・・)

矢口マンの跳び蹴りはたしかに中澤の急所にヒットしていた。
しかし、「AS○YAN」で鍛えぬかれたその体には致命傷にといえるほどのダ
メージは与えていなかったようだ。
それどころか、さらに火をつけてしまった様に、中澤の瞳はメラメラ燃えている。
ニジリニジリと近寄ってくる中澤から、慎重に間合いを取りながら後ろへさがっ
ていく矢口マン。
このピンチをどうやって切り抜ける?

「あああぁぁぁ!!!」
「その手は2度もくわん!!」
また大声で叫んで矢口マンに、中澤は一瞬ビクッとなるが、なんとか振り向かず
にその場をやりすごした。また蹴られでもされたらさすがにきつい。
しかし、次に続いた言葉に・・・。

「向こうでカオリが、梨華ちゃん襲ってるぅぅぅ!!」
「こらぁぁぁぁ!!カオリ、まずはリーダーのあたしからやて何度もゆーてるや
ろぉぉ!!!」
なんて・・・なんて単純な人なんだろう。
9 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時56分56秒
「その隙に♪・・・必殺!!セクスィービーーーーーーーッム!!!」
後ろを振り向いた中澤に、あっという間に駆け寄ったかと思うと、その細いあご
をギュッとつかんで力任せに自分の方へと振り向かせる。

「イッ!!!」
あまりの強引さに首筋に激しい痛みが走った。思わず叫びそうになったその唇に
とても柔らかいものがふさぐようにかぶさってきた。
悲鳴が消えてなくなり、息だけが喉を伝って唇から出ようとするのだが、それさ
えも柔らかいものに押え込まれてしまって出て行こうとしない。
かわりに熱い何かが自分の中へと割り込んでくる。

自分がキスされているという事に気付くまで数秒かかった。

(や・・ぐち・・・・)
自分の口内でうごめく、矢口マンのその熱い舌は、ゆっくりと探りながらも、そ
れでいて味わうように、的確に敏感な箇所を攻撃して行った。
音を立てて絡み合う2人の・・・。

(い、いつのまにこんなテクを・・・・)
中澤は必死に抵抗を試みるが、今日の矢口の・・いや矢口マンの必要な攻撃の前
にはなす術もない。
だんだんと息が荒くなり、身体もほてってくる。
身長が低い矢口マンのせいで、かなり腰を曲がらせていたし、それよりも、先ほ
どの跳び蹴りの威力が徐々に効果をあわらしてきた。

「裕ちゃん・・・も〜だめや〜」
力なく腰から崩れていく中澤。
文字どおり『腰砕け』です。
10 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時57分34秒
「ふぅ、今度こそ勝ったな・・・今日も娘。の守りきったぞ。強いぞ矢口マン!!」
ポケットからハンカチを取り出して、丁寧に自分の唇を拭く矢口。
ちょっとがんばりすぎてしまい、唾液が唇から漏れてあごへと伝ってしまってい
たのだ。きれいに拭き取ってまたポケットにしまうと、今度は中澤に向って手を
合わせて呟いた。

「ごちそ〜さまでした・・・さて、帰ろっかな」
まだ腰砕け状態のまま倒れ込んでいる中澤に、ニッコリ微笑んで身繕いをし始め
る矢口。その顔はかなり満足そうだった。

「じゃね、裕ちゃん。これに懲りたらもう悪さなんかするなよぉ?」
「・・・・・」
そう言うと、かる〜く手を振りながら矢口マンはドアの外へと消えて行くのであった。
まるで何事もなかったかの様に・・・。


「あかん・・腰がいう事きかへん」
バタンとドアが閉まってからも、中澤はなかなか起き上がれずにいた。
今の攻撃はものすごく効きすぎた。

「しかし、いつのまにあんなにちゅ〜がうまなったんや・・」
きっと誰か練習相手がいるはずだ。そうでなければこんな短期間であんなに上達
するはずがない。
それにしても矢口のあの格好が気にかかる。
自分には恥ずかしくてとてもじゃないけどできそうにもない。

「今度会ったら絶対にあたしが勝ってみせるからな!!」
へたりと座り込んだままではあるが心に闘志をみなぎらせて呟く中澤であった。
ちょっとその姿がなさけないっす。
11 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時58分12秒
「ふ〜、ちょっと危なかったぁ」
ドアを閉めてから、ずるずると座り込んでしまった矢口マン。
どうやら中澤ほどではないが、かなり危険な状態だったらしい。
その顔はわずかに上気していて、心なしか息も荒い。
なんとか、今回は、知っている技を総動員させて、先に中澤を落とす事に成功し
たのだが、次回はどうなるかわからない。
百戦錬磨の中澤と比べて、あまりにも経験が少なすぎる。
それを補う為に、何かとジャマをする『恥ずかしい』という感情をを隠す為に、
こんな格好をしたのが逆によかったみたいだ。思いっきり技をしかける事がで
きた。あんな事、素顔じゃとてもじゃないけどできない。

これからも頼むぞ、矢口マン!!

胸に手を当てて、もう一人の自分に声をかけた。
やっと手に入れた対中澤の秘密兵器。これさえ着ていればどんな攻撃もへっちゃ
らだ。ちなみに某衣装さん手作りである。

「また紗耶香に練習台になってもらおっと♪」
そう呟くと、元の服に着替える為に、いそいそとトイレへと向かうおうとする矢
口マンであった。


行け!!我らの矢口マン!!
闘え!!みんなの矢口マン!!

娘。達を裕ちゃんの魔の手から救うんだ!!
が〜ん〜ば〜れ〜!!
ゴーゴー正義の味方、矢口マーン!!
ゴーゴー小さなセクシープリンセスゥ!!

や〜ぐ〜ち〜〜マン!!マン!!矢口マン!!
12 名前:カビン 投稿日:2000年10月07日(土)01時58分50秒
以上です。
ありがとうございました。
13 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月07日(土)13時46分23秒
一気に読ませましたね!ブラボー。
でも練習台はいちーちゃんだったのか!ぐわあああ。続編きぼーん。
14 名前:名無し 投稿日:2000年10月11日(水)07時58分29秒
中澤の復讐をぜひ
15 名前:ムーミン 投稿日:2000年10月12日(木)03時06分55秒
市井視点も見てみたい。
練習台にされている市井っちの気持ちはどうなんだ?
矢口よりもノリノリだったりして・・(笑)
16 名前:カビン 投稿日:2000年10月12日(木)22時11分54秒
一発物のつもりだったのに、たくさんのレスありがとうございます。
続きが読みたいって言って下さって、ホント嬉しいです。
感謝♪感謝♪
しかし・・ネタが(笑)

もうちょっとだけお待ち下さい。続き、書かせて頂きます。
17 名前:I&G 投稿日:2000年10月13日(金)03時09分35秒
お!続き書いてくれるんですか。嬉しいな〜。
結構矢口マン好きなんだよね。(いきなり裕ちゃんにキスをするところとか)
で、番外編として市井と矢口の練習シーンなんかも書いてくれたら嬉しいかも・・・。(笑)
18 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月13日(金)04時04分16秒
矢口マンを(やろまん)と読んでしまう・・・
19 名前:名無し 投稿日:2000年10月13日(金)17時44分36秒
失礼を承知でかってに流れを希望すると
1、中澤の復讐にあう
   ↓
2、市井との特訓
   ↓
3、中澤との再戦

という感じきぼー
20 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時12分48秒
続きを書かせて頂きます。
よろしくお願いします。

『気がつけば、味方?<前編>』
21 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時13分32秒
−逆襲の序曲−

一人残された部屋の中で、ただじっと腰が回復するのを待っている中澤裕子。
矢口の口撃でここまでやられてしまったのははじめてだ。
いつもは反対の立場だったのに。

「よし・・・なんとかだいじょぶか」
まだ少しふらふらするが、なんとか立ち上がれるまでになった。
軽く腰を左右に振ってみる。
うん、動く動く。

(しっかし、さっきのあれは何やねん)
いきなり部屋に飛び込んできた赤い服来た矢口・・・もとい矢口マン。
好き勝手な事を言われまくって、ケリ入れられて、キスされて、最後は腰砕け状
態になってしまって、これってやっぱり負けてしまった事になるんだろうか。
むむむ。
矢口の事を自分の手のひらで躍らさしてたつもりが、いつのまにか反対に躍らさ
れていたようだ。なんだかかなりくやしい。

このまま負けっぱなしでいられる訳がない。『やられたらやり返す』これが中澤
裕子の座右の銘だ。

「しかし・・あの矢口やったら、ちょっと簡単には勝たしてくれへんやろなぁ」
矢口真里と矢口マンとは何かがあきらかに違う。なんていうのか、かなり積極的
になっている。矢口の方からあんなキスしてくれた事なんて今までなかった。闘
いに負けたのはくやしいけれど、それはそれでちょっと嬉しかったりする。

「なんか、いい手考えな・・・」
う〜んと1回うなった所で、ちょうどある人物が部屋の前を通りかかった。
めざとくその人影を見つけると、真っ白だった頭の中にピーンと何かがひらめいた。

(神様はあたしを見捨てなんだぁ♪待ってな、矢口マン!!あたしの恐ろしさ骨
のズイまで味わさせてやるわ)
ニヤリとほくそえむ中澤裕子。その顔はまさしく、悪巧み最中のどこかの悪役の
様だ(笑)また異様に似合っている。

中澤はいったい誰を見つけたというのだ?
この物語に新たな犠牲者が彼女の手によって巻き込まれようとしている。

どうする!!矢口マン!!
ヒーローに襲い掛かろうとしている魔の手が、君のすぐ側まで来ているぞ!!
22 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時14分11秒
−ファンの娘は大切に−

そんな事になっているとは露知らず、矢口マンの格好をした矢口真里は、着替え
目的の為、トイレを探している途中であった。先ほどからあちこちウロウロして
いるのだが、なかなか目当ての場所にたどり着かない。しかし、今はそんな事は
はっきりいってどうでもいい。矢口マンの頭の中は、先ほどの闘いのせいでかな
り興奮状態だったのだ。

今日は、おいらにとって記念すべき一日になったぜ!!
とうとう矢口マンを娘。の前にデビューさせたんだよなぁ。それも初戦からいき
なりの大勝利♪
ましてや、腰砕けの裕ちゃんが見れたし。かなり大満足だぜ。
あれって、おいらのテクにやられちゃったんだよなぁ。へへへ。
紗耶香に特訓してもらったかいがあったってもんだ。

もしかしたら、懸命な読者は気付いてるだろうけど、おいらは矢口マンとして、
裕ちゃんの魔の手から娘。達を守るという大切な使命があるのだ。
おっと、娘。のメンバー達にはないしょだぜ?
この秘密を知っているのは、紗耶香だけなんだから。
後藤はたぶん気付いてないだろう。おいらの見事な変装にだまされちゃってるは
ず。裕ちゃんは・・・あれだけおもいっきり否定しておいたからきっとだいじょ
うぶ。もうしばらくの間はこのままないしょにしておくつもりだ。
なぜって?
正義の味方の正体がばれちゃったらつまんないだろ?
まさしく、トップシークレットだ!!
なんとなくかっこいい。

自分の考えに没頭していた矢口マンは、背後から近づいてき影にまったく気付い
ていなかった。

「あぁぁぁ!!!」
「なんだ?」
後ろからいきなり大声で叫ばれた。一瞬中澤が襲ってきたと思った矢口マンだっ
たが、その叫び声はついさっき聞いた事のある声で。
そっと後ろを振り向けば、セクハラ大王中澤の魔の手から救い出したはずの後藤
の姿があった。
ニカッとおもいっきり歯を見せて笑っている。
23 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時15分01秒
「後藤ぉ!!・・さん」
「矢口マンだぁ!!」
キャーキャー小躍りしながら矢口マンに近づいてくるその様は、おもいがけず、
収録中のテレビ番組のヒーローに出会ったチビッコ諸君達のまさにそれであった。
そのままいきおいで抱きついてくるかと思えば、ちょっと離れた所で立ち止まり、
身体を左右に振りながら、寒気の声をあげながらただ眺めているだけ。

「あの・・おいらに何か?」
「矢口マンだぁ〜♪すっご〜い!!」
「あの?後藤・・さん?」
「あ!!さっきは助けてもらってありがとうございました〜」
「あっ、いえ。当然の事をしたまでぇ・・」
「すっごくすっごくカッコ良かったです〜」
「はぁ・・」
「あの跳び蹴りも、ヤッター!!って思ってたんだすよ〜」
(こいつ、どっかで見てたのか?)
かなりテンション高めの後藤に、なんとなくついていけないものを感じた矢口
マンは当たり障りのない返事を返す。
たしか、矢口マンが中澤と戦っている時は、後藤はすでに部屋から出ていった
はずたせから、跳び蹴りかましてる所なんて見てるはずがない。
しかし、彼女は蹴った所を知っているという。という事は、その後も?

「後藤さん、1つ質問いいですか?」
「はい!!」
「もしかして、最後まで見てたとか?」
「♪」
返事は最後まで聞かなくてもわかってしまった。そのニヤニヤした顔を見れば
想像がつく。間違いない、あきらかに『セクスィービーム』まで見ている。

あんなとこ見られちゃったのかぁ!!しかも、後藤にぃ!!はぅっ。

あっというまにあまりの恥ずかしさで顔が真っ赤になってしまった矢口マン。
これでまさしく全身まっかっか♪(笑)
見られて恥ずかしいならそんな技使うなよ。

「あのぉ、ちょっと触ってもいいですか?」
「え・・あ、どうぞ」
「わ〜〜い♪」
いきなりのお願いに、何も考えずOKを出してしまった矢口マン。返事をした後
で、内容について考える。
24 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時15分44秒
後藤に触られるくらいはなんともないからいっか。しっかし、なんでこんなに嬉
しそうなんだぁ?もしかして、おいらのあまりのカッコ良さに惚れちゃったとか?

そんな事あるわけないぞ、矢口マンよ。
許可を得た後藤は、すばやくあちこちにべたべた触れだした。
肩、腕、手・・そして胸・・・むねぇ?!なんで胸?

「って、おい!!胸さわるかぁ?フツウ」
「ごめ〜ん、どうなってんのかなぁって思って」
言葉ではあやまっているはずなのに、悪かったなんて感情はどこにも感じない。

こいつ・・わざとか?
どうなってるもなにも、お前と一緒だよ。ちゃんと本物がつまってるって。
しかし・・・なんで胸触るんだぁ?やっぱり後藤の考えてる事ってわかんねえなぁ。

後藤が相手だとなんとなく調子が狂う。
ひとしきり触り終えて満足したのか、後藤はまた少し離れた所へと移動する。そ
してまた眺めに入った。

「あの・・」
「ん?」
「おいら、ちょっと用事があるんで失礼してもいいかな?」
「あ、ごめんね〜。そっか、正義の味方だもんね。色々と用事もあるよね」
「ハハハ」
「引き止めてすいません。ど〜ぞ、行って下さい」
「はぁ・・」
なんとかその場から逃げる為に、口からでまかせを言って立ち去ろうとする矢口
マンに、あっけらかんと別れの言葉を口にする後藤。ちょっと拍子抜けした。

ニコニコしながら手を振る後藤に、とりあえず何度も振り向きながら、それに答
えてあげる矢口マン。正義の味方はファンの子達は大切にしなきゃいかんのです。
しかし・・・。

まだ見てる・・・・まだ見てる・・・まだ・・・。
いつまで見てるんだよぉぉ!!いい加減どっか行ってくれ。
25 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時16分16秒
振り向いても振り向いても、後藤はまだ手を振っている。ここの廊下はまっすぐ
直線で、しばらく歩かなければ曲がり角は見えてこない。
手を降り続ける後藤の姿を確認しつつ進んで行くと、見覚えのあるマークが飛び
込んできた。青い紳士の格好をした人のマークと、赤いドレスの格好をしたマーク。
そう、さっきから探し続けていたトイレがそこに。

できれば早く着替えてしまいたいのに、まだ後藤はそこにいる。
このままトイレに入ってしまうと、必ず一緒に入ってきてしまうだろう。
それはやばい。矢口マンの正体がばれてしまう。それだけはさけなければ!!

「後藤・・・消えてくれって」
小さな声で呟くが、もちろんその声は後藤には届かない。

「矢口マ〜ン!!」
まだ手を振り続けている。

お前は疲れを知らないのか?

泣く泣くトイレの前を通り過ぎた矢口マンであった。
26 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時16分47秒
「どこまで行くのかなぁ」
律義に何度も振り返って、頭を下げてくれる矢口マンに、ず〜っと手を降り続け
ている後藤は、一応本気で矢口マンの事わ見送っていた。

(あぶない所を助けてもらったんだもの、ちゃんとお見送りしなきゃ)
後藤にしてはまともなな行動。しかし、それが返って矢口マンを追い詰めていた
のだが、そんな事は気付きもしない。

(でも、なんであんなカッコしてるんだろ、やぐっつぁん)

・・・・。
・・・・。
・・・・・おもいっきりばれてますぜ、矢口マン。

あぁ、君の努力はぜんぜん意味がないって事なのね。
トイレの前を通り過ぎても尚、振り向き続ける矢口マンに、笑顔で手を振る後藤
の姿があまりにも健気で涙を誘う。

いい加減、見送るのはやめてあげよう、後藤さん。
しまいに矢口マンが泣いちゃうぞ?

闘いが終った後というのは、こんなにも平和なモンなんです。
27 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時17分40秒
−密談中−

「ちょっとこっち来てくれんか?」
「なんですか?」
何の疑いもなく、素直にその言葉に従って、中澤がいる部屋の中へと入っていく。
その人物とは!!
第3期追加メンバーの一人、体育会系の彼女は、先輩には絶対服従・・のはず。
矢口が教育係りを担当している吉澤ひとみその人であった。

どうしてまたこんな所を通りかかるんだ、吉澤ひとみ!!
こういう運の悪い役を一手にになうのは石川じゃなかったのか?

ごめんよ。これは全て、作者の趣味だ(笑)
君の運命はこれで決まった・・・がんばれってくれ。


「ちょっとお願いがあるんやけどな」
「なんですか?」
「あんなぁ・・・吉澤に協力してほしい事があるんや」
「私にですか?」
「そや。実はな、うちと矢口、めっちゃすごいケンカしてもぉてな。でな、やっ
ぱりここは年上のあたしが先に折れなあかんやんか?で、矢口にあやまらろ思て
んやけどなかなかきっかけがつかめへんのや」
「・・・はぁ」
「でな、これは1つの作戦として聞いてほしいんやけど」
「はい」
「仕事終った後で、吉澤の事襲うから、あんたは「助けて〜矢口マーン」って叫
んでほしいんや」
「はぁ?」
「あ、いや、これはあくまで矢口を呼ぶ為の作戦やから、絶対にエッチな事はせ
えへん!!」
「・・・・」
「いや、ほんまに」
「???」
中澤の話している事がイマイチ理解できてない吉澤は、とりあえず、今言われた
事を頭の中で整理してみる。

(矢口さんと中澤さんがケンカしてて・・・ふむ。)
(仲直りするきっかけを作る為に私にも手伝ってほしい・・・ふむ)
(なのにどうして矢口マン?)
(いつからそんな風に呼ばれる様になったんだろ、矢口さん)
28 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時18分24秒
考えれば考えるほど、中澤の言ってる意味がわからなくなってくる。
しかし、先輩の言う事は絶対だ。
多少不可解でも言う通りにしなければ。

「叫ぶだけでいいんですね?」
「そや。かわいい吉澤やったら、矢口もきっとここに来てくれるかもしれへん」
「そんな事しなくても、呼んできてあげますよ?」
「いや、そこまでしてもらうと悪いやんか。ちょっと叫んでくれるだけでいいね
ん」
「別にかまいませんけど?」
「そか?いや〜、いい娘やなぁ」
「いえいえ」
中澤とケンカしているという事は、きっと矢口も傷ついているのだろう。
そんな彼女の姿は見ていたくない。自分が役に立つのなら・・・。
どこまでも純粋で真面目な吉澤であった。

中澤さん、少しくらい見習った方がいいんじゃないんっすか?

「ところで、お願いついでにもう1つええか?」
「はい」
「矢口が来たら、ちょっと隠れるから、うまい事話してくれんか?」
「仲直りして下さいってですか?」
「そや。いや〜、物分かりええ娘やなぁ」
吉澤の肩をポンポン叩きながら、心底嬉しそうに言う。

伊達に長い間リーダーはしていない。人の使い方は心得ている。
自分が何をしてほしいのか、全部言わなくてもわかってくれる吉澤。
彼女を使えば矢口もちょっとやそっとじゃ手出しできないであろう。

こらええヤツ味方につけたかもしれん。

たのもしげな視線を吉澤に送る中澤であった。

「あ、もちろんただでとは言わんで?お礼はちゃんとするからな」
「い〜ですよ」
遠慮する吉澤の声を無視して、自分のカバンの中に手をつっこんでゴソゴソ何か
を探す。途中「どこやったかなぁ」とブツブツ呟いていたが、少ししてパッと顔
が明るくなる。どうやら目当ての物を見つけてみたいだ。
29 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時19分08秒
「これなんかどや?裕ちゃん秘蔵の矢口プライベートショット」
「!!」
「かわえ〜やろ?隠し撮りしたのとかもあるんやで?」
吉澤の目の前に広げられた物は!!

無防備な顔で寝こけている矢口。
唇をとがらせておどけている矢口。
アッカンベ〜をしている矢口。
いつも見せてくれる笑顔の何倍も輝いていた顔をしている矢口。

(うっわ〜、めちゃくちゃかわいすぎだぁ)
教育係という事もあってか、吉澤に対して、他の新メンバーよりも親身になって
相手をしてくれる矢口。いきなりの芸能界で、不安な心を抱えたまま毎日をすご
している吉澤にとって、その存在にどれほど救われてきた事か。
実はこっそり矢口の写真をお守りとして、肌身離さず持ってたりしている。

いつものぎこちない微笑みとはうってかわって、はじけるようなその顔に、中澤
は自分の直感が正しかったと思っていた。

やっぱりな。吉澤のヤツ、矢口に惚れとったか。ま〜、あんだけかわいい矢口が
近くにおるんや。好きになるのもしゃ〜ないな。

「世界に一枚しかない写真やけど、吉澤にはわけてやるわ」
「いんですか!!」
「裕ちゃんに二言はない。持ってけ」
「あ、ありがとうございます〜」
大切なコレクションだったが、矢口マンに仕返しする為には、これくらいの犠牲
は仕方がない。また現像すればいいのだ。
ここは心を鬼にして、際し結う目的に向って全身あるのみ!!

「そや、こんなのもあるんやで?」
そう言って、再びかばんから出してきたのは・・・。

自分と矢口が手を組んで歩いている写真。
(い、いつのまにこんなの撮ったんだ)
30 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時20分02秒
「これ撮るの苦労したんやでぇ。いい感じやろ?」
「・・・・」
「ま、取っとき?ほな、頼むで?」
「はい」
異様なくらい気前のいい中澤に対して、なにか不安なものを感じたが、今からで
は何を言っても遅い気がした。とりあえず、その写真を受け取る。
何かとんでもない事に足を突っ込んでしまったのではないだろうか。

吉澤の心に得体の知れない恐怖が湧きあがってきたのだが、頼まれた以上、誠心
誠意それに答えてあげなければ。

「行くで、吉澤」
「あ、はい!!」
事がすんで、部屋から出て行こうとする中澤の後について吉澤も部屋を出ていく。
妙に明るい笑顔の中澤と、もらった写真を見つめながらやや暗い顔でその後ろを
ついてくる吉澤。

今ここに、最強タッグ(?)が完成した。


その頃の矢口マンは・・・。
なんとか後藤を振り切って、再び見つけたトイレの中で、セッセッと着替えていた。

「?」
なぜかいきなり感じた悪寒。気温はそんなに低くないはずなのに。

なんだろ?風邪でも引いたのかな〜?

これから起ころうとしている出来事に、当たり前だがまったく気付いてはいない。
急いで着替えをすませ、みんなが待っているはずの控え室へと戻っていく。

さぁ、どうなる矢口マン!!
中澤のたくらみに無事打ち勝つ事ができるのか?
いきなり話に引き込まれた吉澤の運命はいかに!!

しかし、後藤はいったい何の為に出てきたのか?意味不明・・・。
31 名前:カビン 投稿日:2000年10月15日(日)00時22分36秒
今回はここまでです。
前から書いてみたかった、ヨッスィーを登場させてみました。
はたして、これからどうなっていくのでしょうか(笑
32 名前:名無し 投稿日:2000年10月16日(月)20時45分16秒
続き続きーが見たい

いいっすよカビンさん
そこはかとなく漂うおまぬけな雰囲気がとてもグッド
33 名前:名無し2 投稿日:2000年10月16日(月)23時56分10秒
続きを早く見たいです。
かなり楽しみです。
34 名前:Qoo 投稿日:2000年10月17日(火)23時31分01秒
いつも作戦好きな裕ちゃんですね(笑
上手く行くよう、陰ながら見守っております。
35 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月22日(日)04時02分50秒
もっとみたい。
36 名前:ふぇ 投稿日:2000年10月22日(日)16時23分48秒
↑に同じ
37 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月28日(土)21時06分09秒
まだまだみたい
38 名前:カビン 投稿日:2000年10月29日(日)02時27分17秒
大変遅くなりました。
矢口マン、続きです。

『気がつけば味方?<中編>』


39 名前:カビン 投稿日:2000年10月29日(日)02時28分23秒
−喜びの踊り−


「勝利♪勝利♪初勝利♪」
はじめての闘いでの完全勝利!!矢口の心は軽く弾んでいた。
自然とスキップの1つもでてしまう。
でも、あんまりうまくないからしないけどね。

早いとこ紗耶香のとこ行って、勝利報告しなきゃぁ。今日はなんてサイコーなん
だぁ。強いぞ、矢口マン。

中澤の魔の手から、後藤を無事救い出す事に成功し、さらに、自分のテクで腰砕
け状態にまでしてしまった。

矢口マンってすごいじゃん!!

って、自分を自分で誉めちゃった♪いやぁ、なんかいい気分だよぉ。
あの時の裕ちゃんの顔といったら・・へへへ。
信じられないって表情だった。矢口も自分で信じられない。
だって、裕ちゃんとけさしちゃったんだもん。
矢口のキスで・・・うわぁぁぁ!!

嬉しさのあまり、つい出てしまうぎこちないスキップがかわいい。

やや興奮しながらも、スキップしながら歩いていた矢口が、それは見事に、自分
の右足が隣の左足に引っ掛かって(おいおい、矢口・・・)転びそうになったちょ
うどその時、その小さな耳に、いきなり飛び込んできた女性の声。

「キャーーーー!!!助けてぇ、矢口マーン!!!」
やや低めの棒読み的なその悲鳴は、まるで矢口が通りかかるのを待ってましたと
ばかりに、すぐ側から聞こえてきた。
瞬間的に、矢口の身体に緊張感が走る。

誰かかおいらに助けを求めてる?
この声は・・・たしか・・・ヨッスィー?

そう、矢口がはじめて教育係の担当をまかされた、吉澤ひとみの声であった。

ま〜た、懲りずに裕ちゃん悪さしてるのかぁ。
それも今度はおいらのヨッスィーかぁ!!
許さないぞぉぉ!!裕子ぉぉ!!!

初勝利の興奮も一気に飛んでいってしまった。
さぁ、正義の味方の登場だ!!今回も勝利をその手につかむんだ!!

あわててトイレを探す矢口の後ろ姿がかわいい(笑)
40 名前:カビン 投稿日:2000年10月29日(日)02時29分05秒
−待ちぼうけ−


その部屋は静かだった。
少し大きめの窓からは明るい日差し。そして、かすかに小鳥達のさえずりも。

「矢口さん、来ないですね」
「わかってる」
最初はちゃんと吉澤の事を襲おうとしているなんていう形を取っていたのに、
いくら待っても矢口は来ない。さすがにちょっと疲れたから、中澤と吉澤の2
人は、部屋に設置してあるパイプ椅子に仲良く並んで座っていた。

吉澤に叫ばせてから、かなり時間がたっている。それなのに、矢口の・・いや、
矢口マンの姿はいっこうに現れない。おかしい、おかしすぎる。
ちゃんとさっき確認したのだ。この部屋のすぐ近くまできてた矢口の姿を。

ばれない程度にドアを開け、そのすきまからこっそり覗いてた自分が言うんや、
間違いない。あいつはムカツク(けどかわい〜)笑顔でスキップしながらこっ
ちに歩いて来てたんや。
きっとあたしのなさけない姿なんか思い出してたはずや。
笑ってられるのも今のうち。リベンジや!!復讐や!!
はよ来い、矢口!!
裕ちゃんの恐ろしさ、思いしらせたる。

あぁ・・しっかしなんで姿を現さへんのや。
いったいあいつはどこ行ってしもたんや。

だから、着替えの最中だってば、中澤さん。
あ、そうか。わざわざトイレで着替えてるって知らなかったな。
いや〜、すまん。言うの忘れてた(笑)
41 名前:カビン 投稿日:2000年10月29日(日)02時29分44秒
「この格好・・・はぁ〜」
大きなため息をついて、吉澤は再び自分の今している服装に目をやる。
おもいっきり違和感を感じるこの姿。
でも、着ないわけにはいかなかった。
だって・・・娘。のリーダー中澤が吉澤の為に選んできたのだから。

この部屋に入ってきた私に向って、中澤さんが満面の笑顔付きで言った言葉。

『吉澤はこれな♪』

なんですか?これはいったいなんなんですか〜?
なんで私に手渡すんですか?
なんで中澤さんはそんな格好してるんですか?

そんな嬉しそうな顔して言わないでください。怖くて・・・じゃなくて、見惚れ
てしまって(やっぱり先輩だし)何も言えなくなるじゃないですか。
あぁ、もしかしたら・・・かなり大変な状況かもしれない。
なんでこんなとこに来ちゃったんだろう・・・。

矢口さんが一番はじめに私に注意してくれた事。

『裕ちゃんには近づいちゃだめだよ?』

あの時は何の事を言ってるのかわからなかったのに、今は心の底から後悔してます。
矢口さんの言うとおり、中澤さんには近づかない方がよかったんですね。

私、これからどうなっちゃうんだろう。
助けて下さい、矢口さ〜ん(泣)

中澤は何を吉澤に手渡したのか?
吉澤はなぜにこんなに後悔してるのか?
謎が謎を呼び、ストーリーはだんだん明後日の方向へ!!(爆)
42 名前:カビン 投稿日:2000年10月29日(日)02時39分36秒
「いかん、ちょっと遅れてしまったぁ」
廊下をひたすら走り続けているおいら。
すれ違った人みんな、振り返ってるおいらの事を見てるのは多分気のせいだ。

「あ、ど〜も」
今の人なんか手なんか振ってくれちゃった。へへへ、もしかしておいらって人気者?
知らない間に有名人か?
さすがは矢口マン♪なんにもしなくてもみんな知ってるんだなぁ。

それは違うと思うぞ、矢口。
天下のモーニング娘。の一員が、そんな格好して走り回ってりゃ、誰だって手の1
つも振るってもんさ。さっきから右へ左と行ったり来たり。通りすがりの人達はいっ
たい何事があったのかと矢口をジロジロ観察中。

「それにしても、トイレ込みすぎ・・・」
行くとこ行くとこ全てが満室状態。手を洗うオバ様方の話しを盗み聞きすれば、ど
うやらどこかの団体さんみたいだった。
ついさっき、可憐な美少女が入ったと思えば、同じとこから素敵な姿でをした別人
が出てくる。それはさすがにまずすぎだ。正義の味方の正体は誰にも知られちゃい
けません。

走り回って、探しまくって、なんとか見つけた誰もいない女子トイレ。
そのまま駆け込む矢口真里。
即効矢口マンへと変身だ。トイレから出る前に、ちゃんと鏡でチェックする所がやっ
ぱり普通の女の子(笑

それからはもちろん猛ダッシュ。目的地まではちょっと遠い。

しっかし、なぁんであんなに込んでるんだよぉ。あんなにいっぱい人がいちゃ、矢口
マンに変身できないじゃないかぁ。
くっそ〜、まじで焦るぜ。早くヨッスィーんとこに行ってあげなきゃ。あの裕ちゃ
んに何されるかわかったもんじゃない。
走れ、走るんだ、矢口マン!!ピンチランナーで鍛えたこの足で!!

「だ〜〜っしゅ!!」
いきなり大声をあげて、スピードUPを狙ったが、実際はそんなに早くなっていな
い。さすがの矢口マンも体力が残り少なくなってきたみたいだ。

もちろん、駆けていくその歩幅はちょっと短めだったりする(笑)

走れ!!走れ!!どこまでも!!
中澤の魔の手から吉澤を救い出す為、ちっちゃいコンパスを懸命に回しながら、悲
鳴が聞こえた部屋へと急ぐ。さぁ、みんなも応援するべし。

正義の味方、矢口マ〜ン。
君が着いてくれないと話しがぜんぜん進まないのさ。
43 名前:カビン 投稿日:2000年10月29日(日)02時40分22秒
−不思議な空間−


「ヨッスィー!!だいじょぶかぁ!!」
「矢口さん!!」
「矢口ぃ!!」
いきおいよく開いたドア。
さぁ、矢口マンの出番だぜ!!すけべな魔の手からヨッスィーを・・・ってあれ?
なんで2人仲良く座ってるんだ?
ヨッスィー、襲われてたんじゃないのかぁ?

「こら、矢口!!入ってくるならちゃんとノックせなあかんやろ〜!!」
なんだかすごく焦りながら、急いで椅子から立ち上がり、どこかに移動しようと
している裕ちゃん。
おいらの登場であわててるのはわかるけど、なんか違う。後藤を襲っていた時の
裕ちゃんとなにかが違う。

「矢口さん・・・」
そして、意味ありげな視線をおいらに向けるヨッスィー。

なんなんだ?ぜんぜんわけがわかんねえぞ?
裕ちゃん、襲ってたんじゃないの?
ヨッスィーは襲われてたんじゃないの?

2人の事を交互に見つめながら、けげんそうな顔をする矢口マン。
正義の味方の登場なのに、なんでこんなに静かなのか?

姿をあらわした時に言う口上の事も忘れて、ただぼうぜんと見ているだけ。

早くも意外な(変な?)展開に・・・(笑)

「こっちやで〜」
とある場所で立ち止まって吉澤に向って手招きする中澤と、ちょっとだけ悲しそ
うな顔をしてそれに従う吉澤。その後ろ姿があまりにもわびしい。
吉澤は自分の体を覆う衣装がジャマしているのかかなり歩きづらそう。
もちろん矢口マンもそれに気付いてて、ちゃっかり観察モードに入ったりなんか
している。

あの2人の格好・・あれなんだ?
裕ちゃんが変な事するのはいつもの事だけど、ヨッスィーまでもが一緒になって
変な格好してる。何があったというのだ?
ああぁぁぁ!!!わかった!!
ヨッスィー、裕ちゃんに洗脳されてるんだぁぁ!!
そうか、きっとそうに違いない。
待ってろ、今すぐ助けてあげるからな!!・・・ってちょっと無理があるよなぁ。
44 名前:カビン 投稿日:2000年10月29日(日)02時40分55秒
矢口マンは、この部屋に入ってくる早々、地の底まで落とされてしまったテンショ
ンを懸命に上げようとするが、どうしても乗り切れない。

「もうちょっと待ってて〜な、今、用意してまうから」
「あ・・うん」
「ほら、吉澤。矢口待たせてるんやから急がなあかんで?」
「あ、はい!!すみません、矢口さん」
「いえいえ」

そこで返事してどうするんだよ〜(笑)
あぁ、矢口マン、君の素直さには感心するよ。

吉澤に声をかけて、自分の元へと急がせると、中澤はおもむろに近くに設置して
あってテーブルの上へとよじ登った。

中澤は、これからいったい何をしようとしているのか。
下がってしまったテンションをどうやって元に戻すのか?
かなり大変な事になってしまった気がする。
こんなはずじゃなかったのに(爆

「2人とも〜、おいらは矢口じゃなくて矢口マンだからなぁ!!」

だから、そんな事律義につっこまなくてもいいだろ〜。
この奇妙な『間』を少しは察してくれよ、矢口マン。

「よっしゃ、この場所でええやろー。な?吉澤」
「・・・はい」
「そかそか♪」
そしてもう一人、焦る作者を無視して、着々と準備を進めていく中澤の姿。
もちろん、暗い顔した吉澤も続く。

いよいよ正体をあらわす謎の格好2人組。
矢口マンは今回も勝利宣言ができるのか?
全ての望みを彼女に託し、いよいよストーリーは本題へ(笑

闘え、ボクらの矢口マーン!!
娘。の作者の平和を守ってくれ〜。
まじで頼む(爆
45 名前:カビン 投稿日:2000年10月29日(日)02時43分10秒
以上、「中編」終りです。
なんかおもいっきりひっぱりすぎですね。
さ〜、いよいよ中澤さんの復讐っす。

レスつけてくれた方々、ありがとうございます。
46 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月29日(日)03時51分25秒
こ・これものすごくおもろい。
早く次ぎ〜
47 名前:I&G 投稿日:2000年10月29日(日)11時07分10秒
矢口マン好きだ〜〜。(笑)
めっちゃカワイイぞ矢口マン!!
48 名前:名無しマン 投稿日:2000年10月30日(月)01時02分24秒
今日コンサートに行ってきた。
生矢口マンが踊ってたよ(ワラ

49 名前:名無し娘。 投稿日:2000年11月05日(日)17時10分37秒
非常に続きが気になっているし
そろそろ1週間たつし
催促でageてみる。
50 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月09日(木)20時44分45秒
矢口マ〜〜〜〜ン
と試しに呼んでみる
51 名前:カビン 投稿日:2000年11月09日(木)23時17分45秒
おっす!!読んでくれてるみんな元気かなぁ?
そんなみんなに大人気の、そう、おいらがあの矢口マンだぁぁ!!
たくさんのレスありがと〜。おいら、すっごくすっごく嬉しいぜ。
でも・・・すまん!!もうちょっとだけ待ってくれ。
みんなの期待に答える為においらもがんばってるからさ。
いよいよ、おいらとヨッスィーと裕ちゃんの闘いがはじまる。
いったいどんな話になっちゃうんだろう。実はちょっとだけ不安なのだぁ。
とにかく・・・もうちょっとだけ待ってくれ。
矢口マンからのお願いだ。
では!!さらば!!

というわけで、すみません。
もう少しだけお待ち下さいませ。
レスつけてくれたみなさん、ありがとうございます。
52 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月10日(金)02時22分38秒
矢口マァ〜〜〜ンっ。
オイラよい子だからまってるぜっ。
53 名前:いずのすけ 投稿日:2000年11月11日(土)02時40分19秒
矢口マン殿、頑張ってくだされ! 拙者、応援しているでござるよ。
54 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時42分08秒
「気がつけば味方?後編・・・1(爆」です。
では、どうぞ!!
55 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時44分40秒
前回からかなにかと時間がたってしまったが、ストーリーはもちろん止まったまま。
矢口マンと謎の2人組(中澤&よっすぃー)は、ちゃんと一時停止しておりました。
ねえねえ、その姿勢で固まってるのって疲れるよね?

うぉ〜!!早く話を進めろ〜。一週間以上飲まず食わずで待ってるんだぁ!!
ったく、作者もいい加減なやつだぜ。早いとこ進めちゃえっての。
ほらほら、おいらの活躍を心待ちにしているみんなの為にさ〜。

わかっております、矢口マン。
それでは、「気がつけば味方?後編・・1(笑」はじまりはじまり〜♪

ここは、矢口マン、中澤、吉澤がいる部屋。
気持ち悪いほど緊張感のかけらもない空気が、今から行われるであろう戦いの凄
まじさを予言している。この3人にどんな闘いが待っているというのか。書いて
る自分も予測不可能(笑)では、ちょっとだけ今の状況の説明を・・・。
まずは、黒いマントを着込んだ中澤裕子。
テーブルの上に仁王立ち。両手を腰に当てて、はるか頭上から矢口マンを見下ろ
す。別にこんな所に移動しなくても、簡単に見下ろす事はできるのだが。
悪役は高い場所から高笑いという、お約束シーンを守る為、あえてここを選んで
みました。
同じく、黒いマントを着込んだ吉澤ひとみ。
やけにえばりくさって立っている中澤の隣で、その彼女よりもでかい身体を一生
懸命縮こませている。しかし、何度見ても違和感はぬぐえない。

「ほな、いくで?」
「・・・はい」
自分達にしか聞こえないような小さな声で呟き合う2人。それをひまそうな顔で
眺める矢口マン。足を左右にプラプラさせながら、とりあえずここにいますって
感じだ。

は〜やくはじまんないかなぁ。おなかすいてきちゃったよ。そだ、さっき送られ
てきた紗耶香のメールの返事でも書くかなぁ。

だから、今はじまるじゃないですか。辛抱足らんぜ?矢口マ〜ン。
56 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時45分54秒
「ハッハッハッハッ、ひっかかったな矢口マン!!」
中澤の笑い声からいきなりはじめられた、正義の味方が策略に引っかかるシーン。
もちろん、その台詞もお約束の1つ。やっぱ、これ言わなきゃだねぇ。あ、もち
ろん手は腰に♪う〜ん、かっこよすぎるぜ。
ちょっと強引すぎるけど、ほら、中澤さんだから(笑
みんなも許してくれるであろう。

「なんだよぉ、いきなり笑い出すなよぉ。びっくりしたじゃん」
なにがひっかかったなぁだよ。これだけ人を待たせておいて、そんな言葉しかな
いのかぁ!!おいらを誰だと思ってるんだ?ひそかに巷で人気の矢口マンだぞぉ?
しっかし、なんで裕子のやつあんなにえらそうにしてるんだ?ムカつく〜。

「何ゆ〜てんねん。驚かす為にわざとでかい声で言ったんや」
「あ、根性わる〜」
ついつい本音が出てしまった。おいらはあわてて口を押さえるが、時すでに遅し。
こっそりと見上げれば、裕ちゃんは少しだけ涙目になっている。うわっ、それく
らいで泣くなよぉ。なんだよ〜。おいらが悪者みたいじゃん。

「い、いちいちいちいちうるさいなぁ。グシッ・・ほら、吉澤も言いや?」
中澤は、軽く鼻なんかすすってしまう。案外涙もろい人なのね。覚えておこう。

「あ、すみません、中澤さん。(頭を下げる)じゃ・・・ひっかかった・・・で
すね、矢口マンさん」
「ズベベベベ〜ッ」
中澤に話を振られ、何も考えず先ほど彼女が言ってた台詞を言おうとしたが、さ
すがに憧れの矢口にはあんな言葉使いはできない。途中で我に返って、あわてて
あやしい敬語をつけてみる。
その、吉澤の口から発せられたマヌケな言葉に、かなり大袈裟にずっこける中澤。
やはりこういう所は関西人だ。しかし、テーブルの上でそんなに激しく動いたら
危ないぞ?

「なんやその言い方は。悪役なら悪役らしくやな〜」
そうそう、つっこみも忘れずに♪

「すみません」
(私、いつのまに悪役になっちゃってんだろう・・)
いきなり悪役らしくと言われても、自分がそっちの方だって今はじめて聞かされた
吉澤は、とにかく頭をさげるだけだった。
57 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時47分26秒
「ったく、もうえ〜わ」
「ね〜、ショーは終ったぁ?」
「こら、矢口!!ショーってなんや、ショーって!!」
「だってそうじゃんかぁ。今から怖〜い悪役さんは、かわいいおいらの事を襲う
んだぁ。「悪い子はいないか〜?」ってさ。あ、だとすると、おいらいい子だか
らつかまんないか」
「・・・・・」
矢口の許し難き暴言の数々に、中澤はあっけにとられて何も言えなかった。

(矢口さんはやっぱりいい子なんですね)
何故か吉澤一人、それに納得していた。

なんか、このままマンザイで終わっちゃいそうだよな。いったい、裕ちゃんとよっ
すぃーは何の為においらをここに呼んだんだろう。一応「罠」っぽい事言ってた
けど。しっかし、いい加減あんな変なかっこ、やめればいいのにぃ。

「ねね、で次は何するの?」
「矢口マーン!!あんた忘れてるんやないか?うちらは、あんたを負かす為にわ
ざわざ呼んだんやで?」
「そうなのぉ?」
おいらはよっすぃーを見上げる。相変わらずちょっとおどおど。
いやならいやって言えばいいのになぁ・・・って、今のよっすぃーには無理か。
すぐ横に裕ちゃんがいたんじゃ、何にも言えないかぁ。

「なんか・・・そうみたいです」
その声には地の底まで沈んでいくような重みを感じられる。はっきり言ってかな
りくらい。いかんぞ、よっすぃー。いつもの気味の明るさはどこへ行った?

「オ〜イ、暗いぞぉ?あれだったらこっちにおいでよ(ニッコリ♪)」
「えっ!!」
まるでそれは天使のささやき。甘美な世界へとつれてってくれる女神の微笑み。

ああ、その優しさがあなたの罪です。こんなわけわかんない事に巻き込まれてし
まってる私に向って、そんな言葉をかけてくれるのは矢口さんだけです。
このまま矢口さんの元へ・・・。矢口さ〜ん。
吉澤、思わず感動(笑
58 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時48分23秒
「こら、まさか向こうに行くつもりやないやろな・・・」
「ウッ!!」
ふらふらとテーブルの端へと歩き出した吉澤を、もちろん中澤は見逃さない。

「せやったら、あたしにも考えがあるでぇ。あ〜、あの写真誰が持ってるんかなぁ」
(こ・・・この人、怖すぎです)
矢口のあまりのかわいさに、つい、中澤から写真を受け取ってしまった事を後悔
しはじめる吉澤。

「・・・矢口さん」
「ん?」
「すみません」
(これが、私と矢口さんの運命なんですね・・・あぁ、なんてかわいそうな私)
矢口の事を悲しげな瞳で見つめながら、そのまま後ずさりしていく吉澤。ちょっ
とだけテーブルが揺れているのが、吉澤の心情をあらわしているよう。

捨てられた子犬のような瞳。もちろん矢口マンにはずばっときてます(笑

「よっすぃー・・・」
ひとみの瞳がおいらのハートを直撃だ・・・なんてダジャレはおいといて。
いったいどうしたんだよぉ。なんでおいらのとこに来ないんだよぉ。
もしかして・・・裕ちゃんの事が好きとか?そうなのかぁ!!
おのれ!!いつのまにおいらのよっすぃーに!!
って、いつから矢口さんの吉澤になっちゃってるんですか?な〜んて質問はなし
ね。作者の趣味なんだも〜ん。
しかし、吉澤ってこんなヤツだったんだろうか(笑。

泣きそうな顔して元の位置に戻った吉澤は、あらかさまに大きなため息をつく。
それには、声にはできない矢口への想いがつまってて。

(こんな事なら、写真なんかで惑わされるんじゃなかった)
写真よりも生の矢口さんが一番です。

(よ・し・ざ・わ♪あんたの行動なんかミエミエやで)
このまま矢口んとこに行かせへんで。

(よっすぃー。そうだったんだな。おいらぜんぜん気づかなかったよ)
てっきりおいらに惚れてると思ってたのに。

心の中は三者三様。一人おもいっきり勘違いしてる人がいるけども。
59 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時50分11秒
「あ、そや。自己紹介忘れてた」
またしても、突然中澤の台詞が入る。
こうやって、ちゃんとストーリーを進めようとしているあたり、くさってもリー
ダーだ。中澤さんに感謝♪
そうだよ、せっかくこんなに素晴らしく眺めのいい場所に立たせているのだ。こ
こはおもいっきりかっこよく名乗ってくれよ〜。

「自己紹介って・・・裕ちゃんとよっすぃーじゃん」
「ちょ〜待て。その台詞は聞き捨てならんな。うちらにもちゃんと名前があるん
やで?」
「だから、裕ちゃんと・・」
中澤がせっかく盛り上げようとがんばっているのに、ことごとく水を差す矢口マン。
たまには人の話はちゃんと聞け?しまいに裕ちゃん怒っちゃうぞ?

「あんたの名前はなんや?」
「はぁ?」
裕ちゃんが、突然変な質問をしてきた。今は裕ちゃん達の話をしてるのに、なん
でおいらの名前を聞くの?前にちゃんと名乗ったじゃん。忘れちゃったのかぁ?

「おいらは、娘。の平和を守る為、日夜努力してる矢口マンだ!!」
「長いて、矢口・・マン」
「うるさいな〜。それがなんなんだよぉ」
「ま、え〜わ。あんたが今、矢口じゃなくて、矢口マンって言い張るように、う
ちらも今は、中澤裕子と吉澤ひとみやない」
確かに。おいらは矢口マン。決して娘。のセクシィー隊長でとってもプリチーな
矢口真里じゃない。おっと、プリチーはそのまんまだからな?
うんうん、そこんとこはちゃんとわかってるんだね。
という事は?

中澤の意味不明な言葉に、納得したようなしないような。とりあえず、バカに
されるのがいやなので、顔だけわかったフリする矢口マン。

「そういやさぁ。いつになったらそれ外すのぉ?」
話題を変えようと、かわいい笑顔を浮かべながら矢口マンが指差したモノは?
そう、2人が着ている、おもいっきり怪しすぎる黒いマント。

「・・・・お前は次から次へと人の行動を言い当てよってからに」
「おぉ?ついにそれを脱ぐ?わ〜♪楽しみ〜♪」
ちょっとしらじらしい感じもするのだが・・・表面上はかなり嬉しそうな顔を
している。あれですか?お約束の裕子イジメ?

60 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時51分06秒
そんなイジメッ子矢口マンを無視するかのように、テーブルの上の2人はこそ
こそないしょ話をしだした。

「これ、ほんとに脱いじゃうんですか?」
「当たり前や。こんなんずっと着てたら動きにくくてしゃ〜ないわ」
「でも・・・」
「吉澤ぁ。あんたも悪役なら悪役らしくやなぁ、パ〜ッと派手にいかなあかん
やろ」
(だから、いつから悪役になってるんですか〜?)
中澤の容赦ない言葉に、思わずつっこみを入れたくなるが、やっぱり怖くてで
きない。

「はやく〜。自己紹介してマント脱いでくれよぉ」
「ちょ〜待てって」
「なんか、おいらとってもひまだぁぁ!!」
「うっさいわ!!」
ひまをもてあます矢口マンからブーイングが飛び出す。そのあまりのうるささ
に、吉澤との会話をやめて矢口マンにどなってしまう中澤。

「今、吉澤と大事な話してるんや。少しはだまって待ってな」
「ム〜」
すねて唇をツンとたてる矢口マン。そりはかわいすぎですぜ。

一人だけ蚊帳の外っていうのは許せない。それ以上に、よっすぃーが裕ちゃん
とないしょ話をしているのも許せない。早く話を進めてくれよぉ。

「わかったな?」
「・・・はい」
「え〜な、練習した通りやで?」
「・・・はい」
引き続き、2人でないしょ話。
もちろん、矢口マンの存在は無視。一応主人公なのに(笑

「ほな・・・いくで?」
「・・・はい」
結局中澤に説得されて、しぶしぶ返事をする吉澤。弱みを握られている以上、
どうしても彼女には逆らえない
最後の念押しをして、2人そろって矢口マンの方へと向く。もちろん、マント
は開かないように手でちゃんと押さえている。
61 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時51分53秒
「大事な話は終った?」
「もう完璧や。これでちゃんと話がすすんでくわ・・・ってお前なんで寝転がっ
てるんやぁぁ!!」
見れば、小さな体をかわいく横にして、携帯片手にこちらを見ている矢口マン。
そりゃ、ずっとひまだひまだって言ってたもんなぁ。仕方ないっすね。

(熱転がってる矢口さんもかわいい・・・)
一人テンション高い中澤の隣で、うっとりとした視線を矢口マンへと向ける吉澤。

「だって〜、ひまなんだも〜ん。メールの返事打っちゃった♪」
「あんたってやつは〜!!少しくらい「待つ」って事も覚えなあかんでぇ!!」
「はいはい、わかったからさぁ。早く♪自己紹介♪」
きらきら輝く瞳。やっと自分の方に話題が移ってきた事が、心底嬉しそう。
その顔をため息まじりで眺めながら、中澤は自己紹介の為のポーズを作る。

右手をあごに当てて、不敵に微笑む。顔は斜め37°。唇の端をキュッと上げて、
えらそうな顔して矢口マンを見下ろす。
その隣でポ〜ッと突っ立っているだけの吉澤。いつのまにやら、そんな彼女の足
元にはラジカセが(笑
さ〜、いよいよ自己紹介の始まりだ〜♪

62 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時52分47秒
静かに吉澤がその場にしゃがみ込み、ラジカセのスイッチへと指をのばす。

『・・・カチッ』
♪ドバババーン!!ドバババーン!!ズゴゴゴゴ〜ン!!♪
突然、部屋全体に鳴り響くうるさいだけり音楽。

「うるさ〜い!!」
「吉澤ぁぁぁ!!」
「すみません!!」
あまりの音量のでかさに、矢口マンはと中澤はおもわず耳を押さえる。そんな彼
女達の目の前では、かなりあわてた表情した吉澤が、急いでラジカセのボリュー
ムを下げている姿が入ってきた。
その後ろ姿をキッと睨む中澤の視線の怖いこと怖いこと。

少しずつボリュームが下がっていく。
なんとか大丈夫なくらいにまでなったので、耳をふさいでいた両手を下ろす。

「も〜、そこらへんでえ〜やろ」
「ほんとにすいません、中澤さん」
「よっすぃーは悪くないよぉ。悪いのは裕ちゃんだけだよぉ」
一人、離れたとこから声をかける矢口マン。この優しさが人気の秘密です。

「ほな、気を取り直して・・・・行くで!!」
「いよ♪待ってました〜♪」
軽い口調の声がかかる。とりあえず今は無視。これ以上漫才にはつきあってらん
ない。中澤はいそいそと元の位置に戻り、再び自己紹介のポーズを取る。吉澤も
その隣に並ぶ。矢口マンに視線を向け、そして大きく息を吸い込んだ。

「矢口マンを倒す為ぇ!!」
まずはそのままのポーズで。
「地獄からよみがえった女」
マントを押さえつけてた右腕を、華麗な動作で大きく振る。天高く突き上げられ
た右手のそのまた上を、黒いマントが飛んでいく。
「その名も『チャイナー・中澤』やぁぁ!!!」
得意満面な顔で矢口マンへと微笑む中・・じゃなくてチャイナー・中澤。

一応その姿を説明させて頂ければ・・・。
そのものずばり、「上○の風」の衣装だぁぁ!!(爆
矢口マンにはちゃんとした説明文を入れたというのに、チャイナーにはたったこ
れだけ。だって、下手に説明入れるよりかはこっちの方が分かりやすいんだも〜
ん。今に石をぶつけられそうだな、オレ(笑
63 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時53分58秒
「あの・・・『・・・吉澤』です」
チャイナーの隣で、弱々しい声が発せられた。もちろんその声の主は吉澤ひとみ。
どうやら、中澤の後に続けて自己紹介する段取りになっているらしい。しかし、
何をしゃべっているのかはっきりと聞き取れない。

「聞こえへんやろ、吉澤ぁ!!」
中澤の容赦ないつっこみが飛ぶ。

「チャイナー中澤さんの手下その1『オッス・吉澤』・・・です」
目をギュッと固くつぶりながら、顔を真っ赤にして、それでもなんとか口に出し
て自分の名前を名乗る。

「チャイナーにオッス〜?なんだよ、それ」
当たり前のように矢口マンからつっこみが入る。

「いかす名前やと思わんか?裕ちゃんの最高傑作やで」
「趣味わる・・・」
「あたしもそう思います」
必死な瞳で矢口マンに同意するオッス・吉澤。

「こらぁ!!2人で何こそこそ話てんねん!!吉澤はこっちの味方やろが」
「あ、すみませんでした・・」
もちろん、チャイナーから怒りのお言葉が飛ぶ。あわてて吉澤は頭を下げる。
そんな2人を見て、ちょっとムッとくる矢口マン。どちらに対して怒っているのか?

な〜んで裕子のやつ、おいらのよっすぃーにあんなえばってるんだぁ?
後でお仕置きしなきゃだな。

あ、中澤さんの方でしたか(笑)しかし、いつのまにやぐよしになったんだろう。

「ヨッスィーって裕ちゃんの味方なの?」
「悲しいけど、そうなんです」
「また裕ちゃんの変な作戦にひっかかったとか?」
「あ・・・いや、それは〜」
「ん?」
「カッカッカッ♪矢口マンがどんなに誘惑しても、オッス・吉澤はあんたのとこ
には行かへんのや。な〜?」
「そなの?」
「・・・・色々と深い事情がありまして」

何を言っても何故か自分の方に来ようとしないオッスに、かなりイライラしてい
る矢口マンと、その彼女に申し訳なさそうな瞳を向けるオッス。そして、そんな
2人を眺めながら悠然と微笑んでいるチャイナー。なんて光景なんだろう。
64 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時55分37秒
「オッス!!マント脱がんかい!!」
「あ・・・忘れてました」
「よっすぃーも下に何か着てるの?」
「えぇ、まあ一応・・・」
「だから、いちいち口はさむな言うてんねん」
「だって〜、ここってちゃんとしゃべんないと存在消されちゃうんだも〜ん」
痛いとこついてくるな、矢口マンよ。まったくもってその通りだから何も言えな
いないじゃないか(笑

チャイナーに注意されて、あわててマントを脱ぐオッス。シュルッと音がしたの
がちょっとHっぽい。肩の所で止めてあったひもをほどいて、かなり丁寧にそれ
を脱いでいく。オッスの表情はやや沈みがちで、顔も少しうつむいている。たま
に軽くため息なんかついてしまっている所がなかなか色っぽかった。

なんでこんなにどきどきしてんだ、おいら。たんにマントを脱いでるだけじゃな
いかぁ!!

オッスの姿を眺めながら、そんな言い訳を呟いている矢口マン。その気持ち、よ〜
くわかるぜ。

(そんなに見つめないでください)
無言で自分を見つめている矢口マンの視線が痛い。
隣でチャイナーがニヤニヤしながら見つめている事はぜんぜんオッスの頭に入っ
ていなかった。

(私のこの格好を見たら、矢口さんはどう思うだろう。きっと嫌われてしまう。
それだけはいや!!あぁ、脱ぎたくない)
しかし、ここでその手を止めてしまうとまたしてもチャイナーから怒りの鉄拳が
飛んでくるだろう。それもかなりイヤなのだ。
覚悟を決めてオッスはマントを足元へと脱ぎ捨てた。自分に浴びせられるであろ
う矢口マンの嫌悪の声におびえながら・・・。

(さぁ、もう何でも言って下さい、矢口さん!!)
『ハラリ・・・』
「おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
(く、くる・・・)
オッスが想像していた叫び声とは違っていたが、それでも矢口マンの驚きの声に
は変わりがない。固く瞳を閉ざして次に聞こえてくるはずの言葉を待つ。しかし、
オッスの耳に聞こえてきたのは、矢口マンの冷たい反応ではなく、逆にそれとは
正反対の言葉だった。

「よっすぃー!!かっこいいぃぃ!!!」
「え?」
思っていた言葉と違う事を言われ、あわてて瞳を明けて矢口マンを見つめ返す。

65 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時56分30秒
さ〜、今回はここまでだ。後編がはじまったというのに話はぜんぜん進んでない
ぞ?(爆)いったいどうするつもりだオレは・・・。

「なんだよ〜、戦闘シーンにも入ってないじゃんかぁ。それもよっすぃーがマン
トを脱いだ所で終ってるし。この話、終らせる気があるのぉ?」
うぅ、いじめるのはやめて下さいよ〜。

「そうやそうや。なんや、あたしのとこは軽く流されたのに、吉澤んとこだけそ
んなひっぱりやがってからに」
だって・・・よっすぃー好きなんだも〜ん。仕方ないも〜ん。

「や、矢口さんが私の事をかっこいいって言ってくれた〜!!もう死んでもいい
です!!」
よっすぃー、気味の事は不幸にしないよ。期待しててくれ。

さ〜次回予告。
矢口マンがおもわず「かっこいい」と叫んだオッス・吉澤の真の姿はいったいな
んなのか?はたして次回は念願の戦闘シーンへと話は流れ込んで行くのか?
そして、こんな事でひっぱるオレはこれからどうなっていくのか?
はたして、この話は終るのか?

謎が謎を呼び(読んでないっちゅ〜ねん)ストーリーは「気がつけば味方?後編
2」へと進んでいく。

闘え、ボクラの矢口マーン!!
だけど、ぜんぜん戦ってないぞ、矢口マーン!!(笑
だ・・誰か助けてくれ(笑
66 名前:カビン 投稿日:2000年11月18日(土)01時57分53秒
以上です。
あぁ・・・後編だけじゃ話が収まんなかった。
しかも、自己紹介も途中で終ってるし(爆
すみませ〜ん。
67 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月20日(月)02時22分26秒
がんばれヨッスィ〜!
68 名前:名無し 投稿日:2000年11月20日(月)08時00分01秒
オレはチャイナーを応援する。
矢口マンなんかメロメロにしちゃえ!
69 名前:名無っし  投稿日:2000年11月20日(月)17時07分36秒
オッスナイス♪
70 名前:名有り 投稿日:2000年11月24日(金)21時10分24秒
期末の前に更新して・・
71 名前:いずのすけ 投稿日:2000年11月26日(日)23時52分10秒
今日、矢口マンが静岡のツインメッセで、歌って、踊って、帰っていった。かっこよかったよ!      
72 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月02日(土)03時31分08秒
矢口マ〜ン!
73 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月09日(土)23時20分57秒
めっちゃ楽しみっす!がんばってください!
74 名前:カビン 投稿日:2000年12月11日(月)01時14分39秒
大変遅くなりなした。
気がつけば味方後編2です。
あ〜、なんか変な展開だ(笑
75 名前:カビン 投稿日:2000年12月11日(月)01時15分13秒
「うぉ〜、めちゃかっこいいじゃん、ヨッスィー!!」
「ほんとですか?」
「似合う♪似合う♪」
「ありがとうございます」
思ってもみなかった矢口マンの好反応にオッスは思わず頭を下げる。

「矢口さ・・矢口マンさんにそう言ってもらえてすごく嬉しいです」
「いや〜、すごいなヨッスィー。そこらへんの男なんか目じゃないぜ」
「ありがとうございます!!」
もうこのまま死んでも悔いはない。オッスは心の底からそう思っていた。
最初にチャイナーからこの衣装をつきつけられた時には、このまま消えてしまい
たかった。こんな格好をした自分を矢口にみられるくらいなら、いっそチャイナー
を・・・なんて危ないコトも考えてもみた。後悔の海におぼれていったオッス。
しか〜しである。今のオッスはもうその時とは正反対。チャンスがあれば、この
ままテーブルからジャンプして愛する矢口マンの胸に飛び込んでいきたいくらい。
それはなぜ?なぜなの?

答えは簡単さ♪
大好きな矢口マンに誉めてもらえたから〜(笑

では、オッスの衣装説明を♪
黒いマントの下から現れたのはやや光沢のある黒い生地。
上下とも黒色で、バンツはやや太ももらへんが膨らんでいる。
上に羽織っていた衣装は、首には詰め襟丈の長さは腰辺り。
そして、鈍く光る金ボタン。

誰でも一度は見た事のある衣装。主に中学生から高校生の男子が着ているその衣
装。世間一般的に呼ばれている名称は・・・・学ランだぁ!!
オッス・吉澤が身に纏っている衣装、それは学生服なのだ。それも俗に言う『短
ラン』腰当たりでザクッとはさみを入れ、軽くしぼった感じのする制服。
最近、ブレザーな学校が増えてきて、あまり見かけなくなってしまったが、それ
でも絶滅の危機はまぬがれている制服。

また、それがオッスに似合う事似合う事(笑

髪なんかオールバックに決めて、お約束の額にパラリなんかしちゃってるし。
まるで少女マンガに出てくるどこぞのモテモテ主人公みたい。
そんな姿を見せられたら、矢口マンでなくても世の女性達ならば心がトキメクと
いうもの。
76 名前:カビン 投稿日:2000年12月11日(月)01時16分02秒
オッスに向けて飛ばされる、矢口マンの黄色い悲鳴。
その声から分析するに、かなり気に入った様子。
なんか、オレも一緒に騒ぎてえって(笑

「絶対にそれカッコイイって!!」
「そうですか?」
「うん、なんかヨッスィーの新たな魅力発見?みたいな感じ」
「ありがとうございます♪」
ひう言って再び頭をさげたオッスの顔には幸せそうな微笑み。

(矢口さんに似合うって言ってもらっちゃった〜)
姿はクールな男の子だけど、心は普通の女の子。好きな人に誉めてもらえるとい
う、最高な時間を素直に喜んでいたのだった。

しかし・・・そんな雰囲気に一人だけ苦虫を噛み潰してるような顔をしている女
が一人。もちろん、チャイナーさんである。

「こらこら。あたしを無視するな、2人とも!!」
先に脱いだのはチャイナー。だからインパクトとしては彼女の方が上のはず。
しかし、矢口マンの反応(&作者の扱い)は悲しいくらいに冷たくて、サラ〜ッ
と川に浮かぶ枯れ葉のようにはるか彼方へと流されてしまった。
今回も前回同様、チャイナーの悲痛な叫びか流されようとしている。

「い〜な〜、あ!!今度その格好で遊びに行こうよぉ!!」
「ほんとですか?」

「・・・・・」

「ほんと♪ほんと♪こ〜んなカッコイイヨッスィーと一緒に街歩いたら、みんな
の視線ひとりじめだよぉ」
「絶対ですよ?」

「せやからな?」

「うん!!今度の日曜なんかどう?」
「ぜひ!!」

「あたしを無視するなて・・・」

「その格好で来てね?約束だよ?」
「はい!!」

「こぅらぁぁぁぁ!!!!お前らぁぁ!!!」
77 名前:カビン 投稿日:2000年12月11日(月)01時20分28秒
思わずキッと睨み付けるチャイナー。その視線はまるでどこか関係者のよう(笑
眉間にシワを寄せ、クッと下から睨み上げる。口は『ア〜ン?』状態。また小刻
みに上下に移動させる瞳。

(オッス・・・いいかげんにせんと・・)

(こ・・こわいすぎです。中澤さん・・・ほんとに怖すぎです)

(オッ♪裕ちゃんとうとうキレた?)

想いは三者三様である。再び部屋を襲ったなんともいえない空気。かなりピーン
とはりつめている感じ。

「あたし、今さっき名前で呼ぶな言うたやろ?」
「あ!!すみません、中じゃなくて、チャイナーさん」
「遅い。遅いで、オッス。もう手後れや」
地の底まで響いてくるようなその低い声。まるで、幹部さんが下っ端さんに最後
忠告を伝えるような・・・。なんかかなりしぶくないですか?チャイナーさん。
チャイナーの背中にはなぜか『極道の妻達』のタイトルが光輝いている!!
それと共にあの独特の効果音も聞こえてきた。誰だ?どっから流してるんだ?

「オッス。前々からちょっとあんたに言いたい事があったんや」
「な、なんで・・しょうか?」
顔を少しうつむかせながら、オッスに向って淡々としゃべり続けるチャイナー。
そのあまりの不気味さにオッスは一歩後ろに下がった。揺れるテーブル。
オッスの額から流れる冷や汗。さっきまで矢口マンとの幸せな時間を過ごしてい
たというのに、この激しすぎるほどの落差は何だ?

(あらら〜。裕ちゃん本気で怒ってるよ。ちょっと遊びすぎたかな?)

一人ノン気にそんな事を考えていた矢口マン。この話、何回目かの主人公抜きの
会話にさりげなく自己主張。どうやらその言葉を聞くにオッスとのいちゃいちゃ
はチャイナーにあてつける物だったらしい。
そうだったのか・・・そこまで計算づくだったのか。さすがは矢口マン。チャイ
ナーの扱いはお手の物。

「あんたはどっちの味方や?」
「え?」
下を向いていめチャイナーの、その表情はオッスからは見えなかったが、言葉の
端々に伝わってくる怒りの波長。娘。に加入して○ヶ月。これほどまでに迫力満
点のチャイナー(中澤)を見るのははじめてだ。
78 名前:カビン 投稿日:2000年12月11日(月)01時21分17秒
(どっちの味方っていわれても・・・)
チャイナーの言葉を反芻してみる。

(いつのまにか中澤さんの味方になってるけど・・・好きでこっち側にいるわけ
じゃないし)

なんて正直者なんだろう。
そうだ!!そうなのだ!!オッスの本心はただ一つ。できれば大好きな矢口さん
の方に行きたい・・・それだけなのだ。
でも、さすがにその言葉はチャイナーに向って言えない。今の彼女の雰囲気はと
てつもなく怖すぎる。

「チャイナー、さん、です」
「そ〜か、そうやな?あんたはあたしの味方やったよな?」
「・・・はい」
一つ一つ言葉を区切りながら、矢口マンへの想いをたっぷり引きずってチャイナー
の名前を告げるオッスに納得したのかのようにうんうんと頷くチャイナー。
ちゃんと言葉でそう証明してくれるんならと、チャイナーはなんとかゴウゴウと燃
え盛る自分の心を静めようとしたちょうどその時。
この小説お約束の、その全てを破壊する不届き者の声が響く。

「やっぱりヨッスィーは裕ちゃ・・・じゃなくてチャイナーの味方なんだぁ」
「え?」
「そっか。矢口マンじゃないんだぁ。チェッ」
「!!」
矢口マンはそう呟くと、足元にあるはずもない石ころを蹴って見せた。
あぁ、もうダメだ。そんな悲しそうな顔を見せられてはもうダメだ。
オッスの中で何かが壊れた。

(私、やっぱり矢口さんの事が・・・)
自分の気持ちを再確認。というかそんに事しなくても、君は最初から矢口マンにベ
タ惚れだったじゃないですか。今更宣言されてもねぇ(笑

そんなオッスの心境の変化にはもちろんぜんぜん気づいていないチャイナーは、一
人で話を続ける。一応、矢口マンの呟きは耳に入っていたが、あえて無視してやっ
た。今はかなり重要な局面を迎えている。そうそう彼女の誘いになっていられない。

(おのれ、矢口マン。その手できたか。)
チャイナーは全てお見通しのつもりだった。オッスはほんとは自分じゃなくて矢口
マン側につきたいという事も、矢口マンがそれを承知であんの顔をしたのも。
ここは一発、どっちが怖いかちゃんと知らせておく必要がある。チャイナーを敵に
まわすとどんな目に合うかという事をだ。
79 名前:カビン 投稿日:2000年12月11日(月)01時22分10秒
「でもなぁ。今までのあんたの態度を見てるとまったくそんな風には見えんなはな
んでやろ〜か?」
「そ、そうですか?」
「見えへん」

(ど〜や?怖いやろ〜♪あたしを敵に回すともっと怖い目に合うで?)

顔をオッスの正面に戻しそう言い放つチャイナー。

(これだけ脅しておけば、あっちに行くっちゅ〜考えもなくなるやろう。か〜!!
さすがはあたしや)

実際、チャイナーの睨み付けるような視線とその低い声は、オッスに想像以上の恐
怖心を与えていた。このままオッスがチャイナーについたままなら、話はやっと戦
闘シーンへと流れ込んで行くはず。
待ちに待った戦闘シーンへ!!(笑
しかし、世の中そんなにうまく行く事なんかそうありえないわけで。作者の気持ち
とはうらはらにオッスの気持ちは違う方向へと流れ出す。

(そんなきっぱりと・・・でも実際、できればこのテーブルの上じゃなくて矢口さ
んの隣に立ってたいなぁ。あぁ、どうすればいいの)

頭の中に浮かんでは無理矢理に消していく本心。本当の事は言えない。言ってしまっ
たら後で何されるかわかったモンじゃない。でも・・・。
チラッと矢口マンへと視線を向けとまだ残念そうな瞳でこっちを見ていた。

(あぁ。なんてかわいいんだろう)

オッスの胸がキュンとなる(笑
その捨てられた子犬のような瞳。自分がチャイナーの味方だといった後の矢口マン
の寂しそうな顔。

(・・・矢口さんの寂しそうな顔)
そこでオッスは気付いた。自分がこの人の味方になってるというのが、矢口マンに
その表情を作らさせたのだ。彼女はそれほどまでに、自分が矢口さん側じゃないと
いう事に傷ついているのだ。

(傷・・ついてるんですか?)

(そんなにも私の事が・・・)

(もうダメ!!もうガマンできない!!)
80 名前:カビン 投稿日:2000年12月11日(月)01時22分54秒
「矢口さん。私・・・」
「なに?ヨッスィー」

自分の心と対話して、やっぱりここは素直に自分の気持ちに従うしかない。そう決
めたオッスは矢口マンに向ってそれを伝えようとした。
言うな!!オッスよ!!それ言っちゃ〜念願の戦闘シーンに行けなくなる・・・。

「私・・・矢口さんの事が・・・」
「?」
「あかん、オッス!!ここはそんな乙女ちっくな小説やないで!!」

「矢口さんの事が・・・」
「・・・ヨッスィー」
「オッス〜!!」
(なんでいきなりこんな事になってもたんや?)

いきなりの展開がチャイナーを慌てさせた。ほんのちょっとだけ脅して、オッスを
こちら側に引き止めておくつもりが、何故に矢口マンへの愛の告白へとなってしま
うのか?だってしょうがないよ。オレ、よしやぐ押しなんだよなぁ。

まず、チャイナーが次に出る言葉を言わせまいとその口を抑えにかかった。ここで
告白なんぞされては、今までのひっぱりが全てパァだ。自分の復讐するっていう願
いも壊れてしまう。
しかし、その願いもむなしく、チャイナーの手を軽くかわしたオッスが(年の差?)
矢口マンに向って言い放つ。この小説に不似合いなその言葉を(笑

「好きです!!」
(言っちゃった〜!!)
やっとの思いで矢口マンに告白できた事に一人で盛り上がっているオッス。

「オッスゥ〜」
(あ〜、言ってもうた)
むなしく空を泳いだ自分の右手をただ見つめる事しかできないチャイナー。

「・・・・・」
無言で2人を眺めている矢口マン。

この急激な展開はいったいなんだというのだろう。っていうか、この話はどうなっ
ていくのだろう。
相変わらず戦闘シーンに突入しないまま・・・続く(笑
81 名前:カビン 投稿日:2000年12月11日(月)01時25分16秒
今回は以上です。矢口マン、ぜんぜん活躍していません(笑
次回こそは矢口マンを中心に話を進めていきたいと思います。
いい加減戦ってほしいですもんねぇ・・・ハハハ。

一番最初に書いた感じに戻さなきゃ、また嘘題名になってしまう(笑
82 名前:Hruso 投稿日:2000年12月11日(月)01時46分48秒
オッスの学ラン・・・。
ハロモニかなんかでやってくれないだろうか。(笑
83 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月11日(月)01時49分07秒
オッス、君だけは素直なままでいてね!
84 名前:I&G 投稿日:2000年12月11日(月)04時21分40秒
久しぶりの更新。
お待ちしていました。(笑)
矢口マン・・・罪つくりな人だ・・・(ワラ
85 名前:いずのすけ 投稿日:2000年12月11日(月)10時21分33秒
オッスの学ラン見たいっす。
86 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月09日(火)13時06分55秒
続きまだかな。
87 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月15日(月)23時07分26秒
待ってるよん
88 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月12日(月)03時10分34秒
矢口マ〜ン!


89 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)06時02分09秒
さいそくage
90 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月28日(水)05時37分11秒
おーい! 矢口マーン!
91 名前:FS 投稿日:2001年03月15日(木)02時01分43秒
更新まだかな〜♪
92 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時11分03秒
かなり遅くなりましたが、「矢口マン」更新です。
結局こうなってしましました(笑
93 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時12分16秒
おっす!!このストーリーの主人公(のはず?)の矢口マンだ。
良い子のみんな、この変な話を読んでくれてサンキュだ。
みんなも知ってるとおり、この話は今わけわかんない所で止まってる。それもほ
ぼ放置状態だ。こんな事しちゃいけないよなぁ。さぁ、かなり前だが思いだして
欲しい。おいらの華麗な活躍を!
って・・・ぜんぜん活躍してないじゃん。
たしか最初はおいらのかっこよさを知ってもらう為の話だったはずなのに、いつ
しか告白小説へと化してしまっている。
なんでだ?どうしてなんだ?
ま〜、ヨッスィーがおいらに惚れてしまうのはわからんでもないけどね♪
ほら、なんてったって矢口だもん。
というわけで、やっと題名通りの展開に進むのか?
「気がつけば味方?後編3」スタートだ。
94 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時13分44秒
「矢口さんの事が好きです!!」
「へ?」
学ラン姿のヨッスィーが、おいらに向かって叫んだ言葉がこれだった。
この話っていつのまにこんな内容になっちゃったんだ?
そのあまりの突然の告白においらの頭は真っ白になった。裕ちゃんにいたっては
文章で説明できないほどすさまじい顔をして呆けている。
ちょっと怖いぞ、その顔は。
考える事十数秒。ふむ、いくら考えてみても結果は変わらない。
行き着いた結論は?

『ヨッスィーはおいらが好き』

これしかないのである。いや〜、なんかすごくない?こんな風に人から告白され
たのってはじめてな気がするぞ?
さすがは矢口マン。巷で大人気っていうのは嘘じゃない。
うんうんと一人で頷いてたおいらに向かって、ヨッスィーはさらに告白を続ける。

「ずっと、ずっと前から矢口さんの事が好きだったんです。はじめて会ったとき
からずっと。もうガマンできません」
「・・・ヨッスィー」
すごく真剣なヨッスィーの顔がおいらから言葉を奪わせた。やっとの思いで口か
ら出た言葉は彼女の名前のみ。
おかしい。こんなのいつものおいらじゃないぞ?
今まで色んな人から『好き』って言われた事はある。おっと、これは別に自慢じゃ
ない。ほら、こんな職業してるとさ、必然的にたくさんの人から言われるじゃん?
ファンの人達とか・・・後は、そうだな、メンバーのみんなからとか。
特に裕ちゃんあたりは毎日のように告白(っていうのかな?)してくるし。
それも抱きしめられて耳元で囁くとか、薄暗い裕ちゃんの部屋でとか・・・。
ってお〜い!!何言わせるんだ!!危ない危ない。余計な事まで言うトコだった。
今はヨッスィーの事だ。
ヨッスィー・・・おいらがはじめて教育係担当になった娘。の新しいメンバー。
おいらよりも背が高くて、おいらよりもしっかりしてて。
それにいつもおいらの事見てて・・・そっか〜、そうだったのか。ヨッスィーは
おいらの事を・・・まいったな、モテモテじゃん♪
95 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時15分06秒
そんなこんなと自分の気持ちを整理する為、おいらの意識はどっか遠くに旅して
いた。だからまわりの動きなんかぜんぜん意識してなくて。
・・・いきなり誰かがギュッと抱きしめてきた。

「え?」
意識を地上に戻してみれば、なぜかまん前に裕ちゃんの顔。

「な、なにしてるんだよぉ!!裕子ぉ!!」
慌てて外そうとするけど、すごい力で抱きしめてくるその腕はなかなか離れよう
としない。ヨッスィーの告白に続いて裕ちゃんの抱きつき。もうわけがわかんな
い。おいらに何が起きてるっていうんだ?
ジタバタジタバタ・・・してもやっぱり裕ちゃんの腕ははずれない。

「矢口はあたしのモンや〜!!」
「ちょっと、何変な事言ってるんだぁ!!」
「あ!!チャイナーさんずるいです!!今は私の矢口さんです!!」
あきるほどに聞いている裕ちゃんの叫びにいつものようにつっこみを入れる。
だから、耳のすぐ近くでそんなおっきな声出すなよぅ。
って、そこのヨッスィー!!
ずるい?私の?すごいさらっと爆弾発言しちゃってるじゃないかー!!
裕ちゃんに続いてヨッスィーまでもがテーブルの上からジャンプシして、おいら
の側へと駆け寄ってくる。その顔はちょっと怒っているみたい。

「なに言ってるんや。矢口はあたしのモンや。オッスのモンなわけあるかいな」
「告白してるのにジャマしないでくださいよ!!」
「そんなん絶対にジャマしたる。何であんたの告白につきあってなあかんのや」
「どいて下さい」
「い〜や〜や」
「どいて下さいってば!!」
おいらをギュッと抱きしめたまま離そうとしない裕ちゃんの腕を、ヨッスィーが
力任せに引っ張る。さすがはヨッスィー。その腕力はすごすぎる。裕ちゃんと一
緒においらまで引っ張られてしまった。この場合、ヨッスィーに思いっきり引っ
張られても離れようとしない裕ちゃんもすごいか。
ヨッスィーが裕ちゃんを引っ張って、でおいらが裕ちゃんに引きずられながら3
人は少しずつ場所移動していく。なすがままのおいらは裕ちゃんに痛いほどに抱
きしめられながら「裕子ぉぉ」なんて悲鳴をあげる。おいらの顔がうまい具合に
裕ちゃんの胸の上にあったりするもんだから、ギュッと押さえつけられてかなり
息苦しい。
ちょっと待て。おいらはおもちゃじゃないぞ!!
96 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時17分39秒
「この、バカ力!!あんたごっちんよりも腕力あるんとちゃうか?」
「なんとでも言って下さい。だからその腕を離し・・・」
「ずぇ〜〜ったいにイヤや。死んでも離さへん」
「チャイナーさん!!」
おいらをめぐって繰り広げられてる二人の戦い。一人はチャイナ服着た謎の女で、
もう一人が学ランを完璧に着こなしている着ている少女。そしてその二人に挟ま
れたおいらというと、スペシャルかっこいい矢口マン♪
マニアが見たらたまらん感じ?
っと、いけないいけない。おいらも会話に入らなきゃ。
このままじゃただの説明好き美少女になってしまう。

「裕ちゃんもヨッスィーもいいかげんにしろぉぉ!!」
ここはちゃんと自己主張。じゃないとおいらの存在が消されてしまう。それだけ
はすごくイヤ。この商売、注目されてなんぼの世界だからな。

「だって〜」
「矢口さん」
なんか久しぶりに叫んだ気がする。おかしい。この話はおいらが主人公のはずな
のに。しっかり目の前の二人に食われてしまっている。やべ〜じゃん。
二人はかなり驚いた顔してその手を解いた。ふむ。まだまだおいらの事が怖いと
みえる。主人公の底力ってやつかな?
不平たらたらの裕ちゃんの顔と、泣き出しそうな瞳でおいらを見つめるヨッスィー
の顔を交互に見比べながら、とりあえずはこの戦いを終わらせるべく、おいらは
高らかと宣言する。

「君達、ここは「戦えボクらの矢口マン」の小説だよぉ?さっきからおいらぜん
ぜん戦ってないじゃんかぁ」
「う、確かに」
「そうですね」
「だろ?読者のみんなも、おいらがかっこよく戦ってる姿が見たいって言ってる
んだ。ここはちゃんと話を進めるのが筋ってもんだろ?」
「ふむ。それは一理あるな。確かにこの小説の題名は「戦え〜」やったはずや。
やのに、いつのまにか告白小説に変わってる・・・誰かさんのせいでな?」

(裕子のヤツ、またいらん事を)
97 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時19分56秒
せっかくこのいざこざに終止符を打とうと頑張ってみたのに、裕ちゃんの余計す
ぎる一言がヨッスィーの瞳の色を変えさせた。
だからんな事言うなって。おいらの存在消す気かぁ?

「・・・何が言いたいんですか?チャイナーさん」

(今日のヨッスィー、ちょっと怖いぞ)

案の定、形のいい唇から聞こえてきたのはいつもの彼女なら決して発しないであ
ろうな低いとてつもなく低い声。ちょっと背中がゾクッてしたのはその声があま
りにも色っぽかったから。ヨッスィーってこんな声出せるんだぁ。

「べっつに〜♪この小説が嘘題名化してのはオッスのせいやとか、そんな事ぜん
ぜん言ってへんで?」

(おもいっきり言ってるじゃん・・・)
そう言ってる裕ちゃんの顔は腹立つくらい裕ちゃんらしかった。
チャイナ服着てるっていうのもあるんだろうけど、なんていうかつい引き寄せら
れちゃいそうになるっていうか。すごくカッコよかった。
おいら、裕ちゃんが何か企んでる時の顔って好きなんだよね。
いつも以上に、仕事してる以上に生き生きしてて。

「・・・調子にのんなよ中澤ぁ」

(えっ!?)
おいらの耳がおかしくなければ・・・今もしかして呼び捨てにした?
おそるおそる視線を向ければ妙に冷めた顔したヨッスィー。
ヨヨヨヨ、ヨッスィー!!君に何が起きたというんだぁぁ!!

「なんや?あんた今あたしの事、呼び捨てにせんかったか?」

(げっ!!)
それに気づいた裕ちゃんが、眉間にしわを寄せながらヨッスィーを睨む。
下からちょっと見上げる感じで・・・なんていうか、怖いの一言につきるその表情。
98 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時22分19秒
「チャイナーさん、とうとう耳まで遠くなっちゃったんですか?」

(うぉ!!)

「なんやと?」

(ひぃ!!)

「そんな、あたしがチャイナーさんの事呼び捨てにするわけないじゃないですか」

(うぎゃ〜!!)
ちょ・・・ちょっと待て。何だ?この展開はぁぁ!!。
ヨッスィーが裕ちゃんの事、呼び捨てにして。
それにつっかかってく裕ちゃんの目がまじで怖い。
ヨッスィーてこんなキャラだったか?
全国のヨッスィーファンに軽く衝撃与えてるぞ?
学ラン着てるせい、いつも以上に男前なヨッスィーと、チャイナ服着てるせいか、
いつも以上に凄みのある裕ちゃんと。
二人の間に漂う胃に穴があいちゃうほどの緊張感。おいらは少しびびってしまった。
いかん。これじゃぜんぜん正義の味方じゃないじゃん。なんとかしなくちゃ。

「二人ともちょっと落ち着こうね♪」
「♪」にはもちろんおいらの笑顔つき。この笑顔で数々の問題を片付けてきたのだ。
これぞ必殺スマイル・矢口くん。あ、今は矢口マンだった。
え〜い!!このさいどっちでもいいか。

(グ・・その笑顔は卑怯やで?ほんまたまらんわ)

(あぁ、かわいすぎます矢口さん)

どうやらこの攻撃は効いたみたい。さっきまでやばい雰囲気だった二人の視線は
おいらに向けられている。何かに葛藤しつつも目元が下がりまくりの裕ちゃんと、
見ててこっちがテレるくらいに溶けた顔してるヨッスィー。
フッフッフッ。どうやらおいらはまだ話の中心にいるようだ。
二人の反応に満足しながら言葉を続ける。
99 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時23分35秒
「裕ちゃんもヨッスィーもおいらを無視して話を進めるなよぉ」
「別に無視してへんやんか」
「そうですよ。矢口さんの事を話してるんですから」
「そうかぁ?」
「そうや」
「そうです」
そう二人にはっきりと宣言させられて、おいらは言葉につまった。
確かにそうだ。この二人はおいらの事でもめてたんだ。
モテるのは嬉しいけど、こう目の前で争われちゃうとちょっとなぁ。
てか、今の状況って矢口マンとしてここにいる必要なくない?
ほんとにただの語り手になてって気がする。

「矢口さん?」
「ん?」
自分が置かれている情況について自問自答してたおいらの耳に、ヨッスィーの優
しい声が聞こえてきた。それにつられて顔を上げたおいらに向かって、ヨッスィー
はとんでもない質問をぶつけてくる。

「矢口さんは私の事好きですよね?」
「え?」
「どうなんですか?」
「えっと・・・」
そういうふうに面と向かって聞かれても・・・答えに困るというか。
いや、だからといって嫌いってわけじゃないけどぉ。
まさかこっちに話題をふってくるとは思わなかった。
今日のヨッスィーは油断がならないぞ。

「ちょ〜待て。その言葉聞き捨てならんなぁ」
「チャイナーさん!!」
やっぱりというかなんというか。その会話にお約束みたいに入り込んでくる裕ちゃ
んと、すごい迷惑そうな顔して結うちゃんを見つめるヨッスィーが・・・。
100 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時25分11秒
「なぁ、矢口?」
「なん・・ですか?」
「矢口はもちろんあたしの事大好きやろ?」
「うっ・・・」
「ん?」
「・・・・・」
あの、『ん?』って聞き返されても困るんだけど。
それも『大好き』っていう所、妙に力が入ってたような。
ヨッスィーもされに気づいたみたいで、チラッと裕ちゃんに視線を向ける。
で、肝心の裕ちゃんはというと・・・それ見てフフン♪って鼻で笑ってた。
微妙に余裕を感じるトコがさすがなんだろうけど。
二人の視線が強烈すぎて、おいらは答える事もできない。

「矢口さんはどっちが好きなんですか?」
「え?」
どっちが好きって言われてもぉ・・・。

「そうや、矢口。このわからず屋にはっきりと言ってやれ。裕ちゃんと矢口の間
には誰にも割り込めないんやって言ってやれ?」
「えっと〜」
言ってやれって言われてもぉ・・・。
さっきまで睨み合ってた二人にこううまく合体攻撃されちゃうとなす術がない。
せめてどっちか一人ずつならうまく対応できるのに。
チャイナートオッスの見事すぎる連携プレーに矢口マンたじたじです。

「私、中澤さんみたいに浮気なんて絶対にしません。ずっとずっと矢口さんの事
だけ好きでいます」
「こら、オッス。誰が浮気したて?」
「いつもしてるじゃないですか。後藤さんにも安倍さんにも市井さんにも・・・」

「ほんとなの?」
ヨッスィーの言葉を受けて、おいらは裕ちゃんに聞いてみた。さすがに目の前で
べたべたしなくなったけど、風の便りで噂だけは耳に届いてくる。
後藤やなっちてのは知ってるけど、まさか紗耶香にまで・・・。
101 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時26分18秒
「そ・・・それは浮気とちゃう。ぜんぜんちゃうて」
「じゃぁ、何て言うんですか?」
「あれはやな・・・つまりやな・・・」
ヨッスィーにそう指摘されて口篭もるトコがすごく怪しい。目なんかすっかり泳
いじゃってる。ったく、あれほど言ったのに裕子のヤツ。
とどめを差さん勢いでヨッスィーは裕ちゃんにせまり続ける。
こんな光景ってなんか新鮮。

「浮気ですよね?」
「ちゃうて言うてるやろ。あれは、愛情表現の1つで」
「つまりは浮気って事ですよね?」
「浮気やない!!あれが浮気やったら、世の中みんな浮気だらけや!!」
「開き直らないで下さい。それじゃ認めたのとおんなじですよ?」
「オッス・・・お前いつのまにあたしに向かってそんな口たたくようになったんや」
「今からです。好きな人の為だったら私はいくらでも強くなれます」
「え〜い!!あんたの話なんか聞かん」
「逃げないでくださいよ、チャイナーさん」
おいらの存在なんか完全に無視されていた。目の前で繰り広げられるバトルをた
だ見つめるしかできない。声を挟むなんて事到底できそうにもない。
なんとかしてこの話題から逃げ出そうとする裕ちゃんを尚も追いつづけるヨッスィー。
ふむ。ここはしばらくほっといた方がいいだろう。
うかつに声をかけると欲しくない災難が振りかかってきそうだ。

「あんた、あたしの味方やったんとちゃうんか!!」
「そんなのチャイナーさんが勝手に決めたんじゃないですか。私は知りません」
「冷たいなぁ。ええんか?あたしにそんな事言っちゃって?」
「矢口さん!!」
「はい?」
またしても突然ヨッスィーに呼ばれてしまった。
今までの発言から推測すると何か裕ちゃんに弱みを握られてるようだけど。
おいらを見つめるその顔はかなり真剣そうで、心持ち涙目になってるように感じる。

「私、チャイナーさんから矢口さんの写真もらいました」
「へ?」
「これ手伝うかわりに矢口さんの写真たくさんもらいました」
「ヨッスィー」
「すごく欲しかったんです。矢口さんの矢口さんがうつってる写真が」
「・・・・・」
「欲しかったんです・・・すごく・・・矢口さんが、矢口さんの事が好きだから」
102 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時28分48秒
頬を伝う涙。きれいなきれいな涙。
おいら、ちょっとじーんときちゃったぞ?
そうまでしておいらの事が・・・。
なんだかヨッスィーの事、ギュッと抱きしめたくなってきた。

「こら、オッス。泣くなんて卑怯やで?」
「泣いてません!!」
「泣いてるやんか」
「泣いてません!!」
あふれんばかりの涙を懸命にこらえながら裕ちゃんにきっぱりとそう言い放つ。
あぁ!!なんてかわいいヤツなんだろう。なんて純真なんだろう。
学生服なんか着させられてるけど、中身はいつものヨッスィーだ。
ほんと、隣に突っ立ってる裕ちゃんとは大違い。
その涙が愛おしくて、その涙を止めたくて。
おいらはヨッスィーに自分の想いを伝えた。

「おいらもヨッスィーが好きだよ」
「矢口さん」
「やぐちぃ〜!!」
「すごく大好きだよ」
「私も!!私も大好きです」
「そ・・・そんな。矢口がオッスが好きやってか?そんな」
へろへろに溶けていく裕ちゃんとは反対に輝くばかりのヨッスィーの笑顔。
そんな顔されちゃうとおいらもかなり嬉しいぞ。
自分が好きな人から自分の事好きだって言ってもらえるのってホントに嬉しいも
んね。おいらもそうだからさぁ。
でも・・・でもね。
他に言わなきゃいけない言葉もあって。
ちゃんと自分の気持ちをおいらに伝えてきた彼女対して、おいらもちゃんと伝え
なくちゃ。
103 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時30分34秒
「でもね」
「え?」
「やぐちが〜、あたしの矢口が〜。なんてことや、この世の終わりや」
「裕ちゃんも好きなんだ」
「・・・・・」
「えぐえぐ。もう生きていかれへん。これなら死んだ方がましや〜」
「ヨッスィーから見たら単なる浮気者のなさけない人かもしんないけど」
「・・・矢口・・・さん」
「おいらにとってはたった一人の人なんだよね。どうしようもないくらい好きな
んだ」
「・・・・・」
「裕ちゃんがおいらにかまってるんじゃなくて、おいらが裕ちゃんにかまっても
らってるの」
「・・・・・」
「この矢口マンの格好だって、おいら以外の人に裕ちゃんにかまってもらいたく
てやったのさ」
「というわけ・・・です。ありがとね、おいらの事好きって言ってくれて」
笑顔から真顔に戻ってくヨッスィーの顔をずっと見てた。
この場で言わなくてもいい事かもしれないけど、これがおいらの本心なんだ。
あまりにもあちこちふらふらしすぎるから、ちょっと紗耶香に相談して、で、
思いついたのがこの姿。正義の味方になってみんなを裕ちゃんの魔の手から守るっ
ていうのは間違いじゃないけど、どっちかって言えば、裕ちゃんに浮気させない
ように見張る為っていうか。
おいらも何気に頑張ってるんだよね。なのに裕子ったら・・・。

「矢口さん、私・・・」
「ん?」
「それでも矢口さんが大好きです。ずっとずっと大好きです」
それでも尚、まっすぐこっちを見つめてくるヨッスィーの瞳がとても綺麗だった。
このままヨッスィーに倒れこんじゃった方が楽なのかもしれない。
おいらはそう思った。
ヨッスィーのこんな純粋さが好き。
ヨッスィーのこんな優しさが好き。
104 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時33分18秒
「・・・ありがと、ヨッスィー♪」
おいらの想いのたけ全部込めて、そう伝えた。
この世で一番大変な戦い、それは恋愛戦争。おいらはこの戦いに勝つために日夜
努力の人なのだ。
そこにきて今まですっかり忘れ去られてた人の存在に気づいた。
いかん。ついヨッスィーとの会話に夢中になってほったらかしにしてた。
あの人ほっとくととんてせもない事・・・。

「って・・・裕ちゃん!!」
「え?キャー!!チャイナーさん!!」
その姿を見て愕然とした。
嘘みたいな光景がおいらの目にとびこんできた。
大きく開けられた窓の下には椅子が置いてあった。
その上に左足だけで立つ裕ちゃん。右足は大きく窓枠にかけられている。
この部屋は確か3階のはず。下から吹き上げる強風がバタバタとチャイナ服の裾
をはためかせていた。
そう、今まさに裕ちゃんは窓から飛び降りよう様としていた!
ちょ、ちょっと待てってば・・裕子ぉぉ!!

「もうダメや。あたしはもうダメや」
「何してるって、危ない!!」
「キャー!!」
「矢口に嫌われたらあたしもう生きてけん」
「好きだって!!おいらは裕ちゃんの事大好きだって!!」
そうだ。すっかり忘れてた。
自分は好き勝手やってるクセに、あいらがちょっと寄り道するとすごく落ち込ん
じゃう人だったんだ。あの調子だと、さっきのヨッスィーとの会話も聞いてない
みたいだし。でも、いきなりそこまでやっちゃうのぉ!?

「・・・・・」
「だから、そんな事しないではやくこっち来て」
「・・・・・」
「裕ちゃん!!ほら!!太ももが見えてるって」
「こんなんいくらでも見せたるわ。ほ〜らモーニング娘。の生足やでぇ!!」
チャイナ服をバッと広げ、外にいる人達へと見せびらかせている。
あぶないって!!落ちるって!!
105 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時35分34秒
「おっ・・・と」
「裕!!」
「キャー!!」
裾を捲し上げた反動で、体がグラッとなった裕ちゃんにおいらとヨッスィーは慌
てて声をかける。なんとか右足でふんばって、態勢を整えたからよかったけど。
ほんと、落ちちゃうってばぁぁ!!

「矢口さん。チャイナーさんの・・・いえ、中澤さんのトコに行ってあげて下さい」
「ヨッスィー」
「私、気づいちゃったんです。矢口さんの事大好きですけど、中澤さんが好きな
矢口さんも好きなんですよね」
「・・・・・」
「だから、行ってください」
おいらに真剣な眼差しでそう言ってくるヨッスィーの言葉を聞いてると、なんか、
涙が出てきちゃいそうになっちゃった。
ほんとヨッスィーって・・・ほんといいヤツだ。
好きだよ。ヨッスィーの事、ほんと好きだよ。

「ヨッスィーってすごくかっこいいねぇ」
「やっと気づきました?」
「ハハ♪しまったよなぁ。もっと早くに気づけばこんなに苦労しなかったのになぁ」
「さ、早く」
「おう!!では、正義の味方、矢口マン!!チャイナー・中澤救出作戦に突入します!!」
「がんばって下さい」
「まかせとけ♪」
大切な仲間からの応援を受け、おいらは裕ちゃんの元へと駆け出した。
ほんと最後まで世話のやける人だ。少しくらいヨッスィーを見習え?
ってそんな事つっこんでる場合じゃない!!
早く裕ちゃんを助け出さなくちゃ!!
なんてったって、おいらは娘。の平和を守る矢口マンだからな?
もちろん、裕ちゃんも娘。の一員だ!!
ここで助けないでどうするって。
106 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時38分13秒
おいらの目の前には裕ちゃんが立っている。
いつもよりもかなり上にあるその顔を見上げている。
涙でぐしゃぐしゃになったその顔を。

「矢口・・・」
「裕ちゃん・・・」

おいらに助けを求めるような裕ちゃんの視線。
ったく、一人で勝手に勘違いして、こんなトコで何してるんだよぉ。
人の話は最後までちゃんと聞かなきゃだめだよ?

ほら、裕ちゃん・・・こっちにおいで。
そんなところにいないでおいらの側においで?
ゆっくり・・・ゆっくり・・・。
おいらはいつでも裕ちゃんの事抱きしめてあげるから。
ずっと裕ちゃんの事好きでいるから。
だから・・・安心してていいんだよ?
ほら・・・こっちに降りてきて・・・。

「裕ちゃんの事、大好きだから」
「矢口ぃ」
「だから早く戻っておいで?」
「・・・・」
「矢口の側に戻っておいで?」

最後の言葉を言う前に、裕ちゃんはおいらの元へと落ちてきた。
大きく両手を広げながら・・・。

もちろん、その後はちゃんと叱っておきました。
もうこんなバカなマネはするんじゃないって。
隣にいたヨッスィーも一緒にになって怒ってたっけ(笑
ったく、どっちがどっちの味方かわかんないよぉ。
なんだったんだ、この話は・・・。
107 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時41分19秒
というわけで、なんかだかわけわかんないんだけど今回もおいらの魅力勝ちって
トコかな?
おいらの事が好きなヨッスィーと、おいらに惚れまくってる裕ちゃんと。
まだまだこれから大変なことが起こりそうな予感。
でもがんばるのだ!!
なんてったって、そう、おいらは娘。の平和を守る、正義の味方矢口マンなんだから!!

事件があればどこにでもかけつける〜。
もちろん裕ちゃん関係がほとんどだけど〜。
それでもおいらはがんばるだぴょ〜ん。
正義の〜みか〜た。
矢口マーン♪矢口マーン♪
ちっちゃくたって強いんだよ?
矢口マーン♪矢口マーン♪
ちっちゃくたってモテモテだよ?
あ〜あ〜正義の味方だ。
マン!!マン!!矢口マーン!!

結局・・・戦ってないよね?おいら・・・。
108 名前:カビン 投稿日:2001年03月15日(木)02時56分35秒
という訳で、終了です。
結局矢口マンはあんまり戦ってないですよね(笑
またしても嘘題名となってしまいました・・・反省。

飽きずにレスつけてくださった皆様。
本当にありがとうございました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
ほんと・・・書き始めはたんなる一発ネタだったのに(笑
やっぱり元ネタがやぐちゅーなもんで。ごめんね、オッス。
またどこかでお会いしましょう。

以上、カビン@たれきりんでした。
109 名前:Hruso 投稿日:2001年03月15日(木)03時30分30秒
お疲れ様でした。
もう更新しないのか、と半ば諦めていたので完結した物が読めて、
大変嬉しいです。

裕ちゃん脱退ですし、甘いやぐちゅ〜が読みたいと思っていたときに
この小説が読めて本当によかったです。
やぐよしもいいけど、やっぱりやぐちゅ〜ですよね。

次回作期待しています、たれきりんさん!
110 名前:名無し 投稿日:2001年03月15日(木)05時03分41秒
なんてグッドなタイミングで、素晴らしい内容!
これを読んでどれくらいのやぐちゅーファンが救われるか…

で、たれきりんさんだったんだ。なるほど。
やうつー書き続けてくださいね
111 名前:くおんじみろりん 投稿日:2001年03月15日(木)05時26分34秒
一気読みしました。(笑)
ハッピーエンドでめでたしめでたし。おもしろかったよっ。
これからもがんばってねー(^_^)。
112 名前:Yambo 投稿日:2001年03月15日(木)22時30分23秒
たれきりんさん、ばんざ〜い!!
やぐちゅ〜ばんざ〜い!!
113 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月08日(日)01時05分19秒
とても面白く読ませてもらいました。これからもがんばってください。

Converted by dat2html.pl 1.0