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『M』
- 1 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月21日(土)01時41分47秒
- http://www1.jbbs.net/music/bbs/read.cgi?BBS=179&KEY=965765805
の続きです。作者他人です。
初小説ですががんばって書きます。
矢口主人公で行きたいです。
- 2 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月21日(土)02時15分40秒
- 『Mの罠』
時間は少しさかのぼる。
福田、安倍が通信している間矢口は更なる頭痛に悩まされていた。
「なんなのココは。何かあるの?」
そう思うと矢口はある方向に歩き始めた。
頭痛を感じる、その方向に。
まだ焔が残る建物を横目に進み瓦礫の上を乗り越える。
どうやらもともと建物の角だったようだ
「うう・・・。」
頭痛がひどくなる。だがさらに進むと開けた場所に出てきた。
噴水がある。しかしその横にグロテスクな塊がある。
赤い、いや紫色のようなその『モノ』
それを見つけると頭痛がさらにひどくなる。
「あいつがこの原因なの」
矢口その『モノ』に近づく―――――その瞬間それが消えた・・・
いや矢口の懐に飛び込んできた。
「きゃうっ・・・・」
腹のあたりに激痛が走る、と同時に『モノ』が矢口に馬乗りになる。
「なんなの?一体こいつ早くこいつを何とかしないと・・・」
しかし矢口はさっきの衝撃で銃を落としてしまった。
『モノ』は口ののようなものを開く・・・・血に染まった牙が大量にある。
「ちょ・・・・」
次の瞬間右手に激痛を感じた。
「キャアアアアアアアアアア」
今まで感じたこともないような傷み
(痛い、痛い、右腕がない、どうなってるの)
そう思うと部屋の電気を消すようにパチンと矢口の意識が途絶えた。
- 3 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月21日(土)02時17分32秒
- 初UPです。
変なところあるかもしれませんがご指摘お願いします。
明日テストなんで寝ます。
- 4 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月22日(日)01時24分34秒
- 「発見」
中澤からの指令を受けて安倍・福田・飯田は矢口を探していた。
「矢口、どこへ行ったの」
安倍はつぶやきながら壊れた建物の中を覗き込む。
「うっ・・・・」
建物の中には赤い血しぶきが飛び散り肉が散乱していた。
安倍は逃げるように建物から離れる。
「ナッチどうしたの?建物の中に何かあったの?」
飯田が問い掛けてくる。
「なんでもない、あっちいこう」
平静を装い歩き出す安倍、不審に思いながらもついていく飯田。
「はよう矢口をみつけてくれ。そうせんと矢口が危ない」
中澤の声が響く。
「こちら安倍機。ダメ、こっちにはいない」
「こちら飯田機。ナッチと同じく」
「こちら福田機。建物の裏に何かの部品が散乱しています」
「ほんなら福田はその辺をしらべい。安倍飯田はその建物を曲がると
噴水があるからそこらへんを調べい。」
「了解」
福田だけが答える。
「ん?どうした二人とも返事をしいや」
「はい」
(私は軍属になった覚えはないのに・・・・)
「はい」
飯田が何かいいたそうだ、しかし今は矢口を探すのが先だ。
建物をまがる、噴水まで40m位あるだろうか。噴水に向かって歩き出す。
「カオリ、何か感じない?」
「別に、何も感じないよ」
「そう・・・・(何か変だ・・・)」
安倍はそう思いつつ銃のセフティを解除する。それを見て飯田も解除する。
「カオリ、気をつけてココ絶対何かある。」
「わかった。とりあえずあの噴水までいこう。」
そういうと二人は歩き出す、噴水まであと10m。安倍の視界に何かがはいる。
「矢口!」
二人は同時にそう叫ぶとそれに駆け寄った。
くず鉄のようになった『M』。それは矢口の機体だった。
- 5 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月22日(日)03時52分29秒
- 「福田」
「矢口!矢口!」
飯田が機体を揺さぶる。しかし返事はない。
「カオリ!気をつけて矢口をやったやつがこのへんにいる!」
「こちら安倍!噴水の周りに矢口機を発見しました」
「なんやて!矢口はどうなってる?」
「矢口機はボロボロです矢口自身はわかりません」
「・・・・そうか。とりあえず矢口をこちらに運んでくれんか?」
「・・・無理です。」
「何でや?」
「ココには何かいます。矢口は多分それに・・・」
「敵か!発砲許可を出す。それから今福田を向かわすさかい」
そういうと無線は切れた。
「カオリ!矢口は後回しにして!そろそろくるよ」
「なに?敵?」
「・・・・多分」
安倍は噴水に近づく―――――そのとき建物の屋上から何かが飛び降りてくる。
「出たねー」
安倍はそういうとすばやく噴水から離れる。噴水の中に『それ』が落ちて水しぶきをあげる。
「うわ・・・・気持ち悪い!」
そう叫ぶと銃を放つ。散弾が『それ』にあたると紫色の液が飛び散る。
「#”☆*”’☆=&$」
「結構効いてる・・・よし」
そういうと更に発砲する。4発ほど打つと動かなくなった。
「死んだ・・・・のね。カオリ矢口を運ぶよ手伝って」
「・・・・・・あ、うん」
飯田はその様子を見ていることしかできなかったのだろう。さっきの場所から動いていなかった。
「よいしょ、カオリそっち頼むよ」
安倍は矢口機の片腕を首にかける。飯田は胴体を片腕で抱える。
「早く矢口を連れて帰ろう」
二人はそういうと足早に噴水の広場から離れようとする。しかし
ドゴン!そんな音がしたと同時に飯田機が倒れる。
「どうしたのカオリ!」
「痛っ!何かで足を打たれた!」
「まさか・・・」
後ろを振り向く。『それ』は手のようなものに銃を構えていた。
「#”☆*”’☆%|’*‘@=&$」
安倍は何も言わずに銃を構えようとしたそのとき
ズゴン!と音がしたと同時に『それ』の手のようなものが吹き飛ぶ。
「ナッチ!甘いよちゃんと止めを刺さないと!」
そう言うと福田は接近しながら銃を撃ち続ける。『それ』がどんどん減っていく。
「あはははははははははははたのしい!楽しいよホラ、ナッチも撃ちなよ」
「・・・・・・・・・・」
「何だ撃たないの。なら私がもらったよ」
- 6 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月22日(日)03時53分11秒
- 「市井」
安倍は『M』から降り立つとコンクリートの床にへたり込んだ。
「二人も運ぶのはつらいよ・・・それに」
あの後、福田は呆然とする安倍を横目に更に発砲を続けた。そしてそのままどこかに消えたのだ。
その後中澤の指示で気絶した飯田と矢口を運ばされたのだ。
「なんでなんだろう」
そうつぶやくと階段を上り研究室へと向かう。
安倍は階段を上ると誰かいるのに気づく。市井だ。
「これはこれは・・・。エースパイロットのご帰還で。」
「何が言いたいの?」
安倍は不愉快そうに言う。
「いや、べつに」
市井はそう言うと安倍の横を通り過ぎる。
(いったいなんなの?アイツ)
そう思いながら研究室へとむかった。
研究室・・・扉を開けると中澤と保田が何か言い合っている。安倍には気づいていない。
しかし今は聞く気にならない。矢口、飯田のことも気になるが今は疲れているのだ。
「よいしょ・・・・ふー」
安倍はソファーに寝転がると大きくため息をついた。そして強烈な睡魔に襲われた。
「夢も見ないだろうな」
そう思うと視界が暗転した。
- 7 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月22日(日)03時54分01秒
- 『安倍と中澤」
「じゃあねナッチバイバイ」
福田が手を振る。
安倍と福田。二人が立っているのがみえる。
(何だ?これ)
(明日香と私?)
(なにこれ?)
そう思うと目に前が明るくなる。
上半身を起こす。窓から暗い空が見える。朝か夜か解らない。
「時計・・・あった、んーと4:30ってことは朝か」
どうやら研究室で一晩過ごしたようだ。もう一度あたりを見渡すと机で中澤が寝ている。
「んん〜と」
安倍は背伸びをすると流し台へと向かう。今時珍しいサイフォン式のコーヒーメーカーがある。
コーヒーを作り出す安倍。しばらくするとコーヒーのいい香りがする。
カップに注ぐとブラックのまま一口飲む。
「苦っ。やっぱりモーニングコーヒーは効くねー(笑)」
しかし、やはりさっきの夢が気になるようだ。
「明日香・・・・。どこ行ったの?」
しばらくするともぞもぞと音がする。
「んあ〜〜だるいな〜」
中澤が起きたようだ。
「何や安倍起きてたんか、ワイにもコーヒー入れてや」
それを聞くと安倍はコーヒーメーカーからカップにコーヒーを注ぐ
「あの〜」
「何や?」
「安倍って呼ばれるのあんまり好きじゃないんでナッチって読んでください」
「わかったで、ナッチ。そんならワイもゆうちゃんでええわ」
「うん、はいコーヒー」
「どうもありがとさん」
30分ほど中澤と雑談をする。しかし安倍は昨日のことが気になって仕方がない。
そこで思い切って中澤に聞いてみることにした。
「ねえ。ゆうちゃん」
「なんや」
「昨日圭ちゃんと何言い争ってたの?」
中澤の顔が曇る
「・・・・・矢口のことや、何で矢口を出したんや何でそんなことやらしたんやって」
「で、なんでなの」
「矢口には特殊な力がある。あんたも、福田もや」
「特殊な力ってなに」
「それは・・・まだ教えられん」
「どうして、どうしてなの」
「・・・・・・」
「ゆうちゃん、なんか言ってよ」
「とにかく今はいえんのや」
そう言うと中澤はテレビをつけた。ニュースではあの事件のことは取り上げていない。
「何であのことニュースで何も言ってないの?」
安倍は中澤に話し掛ける。
「・・・・報道管制が敷かれてるんや。このことは誰にもゆうたらあかんで」
「うん」
一体どうなってるんだ?安倍はそう思った。
- 8 名前:ロケン郎 投稿日:2000年10月22日(日)13時40分58秒
- やばい(汗。面白いです。先が楽しみです。
- 9 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月22日(日)17時43分46秒
- 声を小にして言いたい。キタイシテマス
- 10 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月22日(日)18時41分46秒
- >>ロケン郎さん
ありがとうございます。原作者にそう言ってもらえるとは
思ってもなかったので・・・・。
>>9さん
あまり期待しないで・・・・
- 11 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月23日(月)00時19分05秒
- 「飯田と中澤」
「もうその話は終わりにしようや。な?ナッチ」
「うん」
安倍はそう答えたがなぜ報道管制が敷かれているのか考えた。
(あの事件はそんなに重要な事件なの?)
中澤の言葉から推測できるのはそのくらいだ。
バン!と扉が開く。安倍と中澤は扉の方を見る。飯田だ。
「ハァハァ・・・・」
「どうしたのカオリ!まだ寝てないとダメじゃないの!」
安倍は飯田に言う。
「カオリはいいの矢口の方が心配なの!」
そう言うと飯田は中澤に詰め寄る。
「矢口は助かるの?」
「大丈夫、助かるわ。ただ・・・・後遺症が心配や」
「後遺症?」
「『M』に起こった事は全て自分に起こったように感じるんや
つまり矢口は右手を食いちぎられた痛みをあの時感じたはずや。
それがあの子にどう作用するか・・・・」
「わからないのね」
「・・・・そうや」
「わからないって・・・・・そんなの、そんなのありなの?」
飯田は今にも中澤に殴りかかりそうだ。
「ワイを殴りたいんやったら殴りゃあいいで。でもどうにもならんもんはどうにならんのや」
「・・・・・それなら何で矢口は気絶したの?これくらい答えられるでしょ」
「・・・・・・・・」
黙り込む中澤。
「答えてよ!なんでなの?」
「さっき安倍に話したんや。矢口・安倍・福田には特殊能力がある。それが関係ある」
「で、どう関係があるの」
「関係は・・・・・話せん」
「何でよ?それくらい話してよ」
「・・・・・今は話せん」
「結局矢口はもうどうでもいいのね。そんな目でしか見てないのね」
「・・・・・・・・」
「私たちだってそんな目で見てるんでしょ」
そう言い残すと飯田は走って部屋から出て行った。
- 12 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月23日(月)00時20分50秒
- とりあえずあげました。
次の更新は解りません。(笑)
HN変えようかな?
- 13 名前:最近小説ファン 投稿日:2000年10月25日(水)22時49分29秒
- 見てる人いますか?
- 14 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月26日(木)01時36分15秒
- 見てますぅ〜。
更新楽しみにしてますね!
- 15 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月26日(木)02時29分48秒
- 見てますよ。ガンダムちっくな
HNきぼ〜〜ん(w
- 16 名前:最近小説ファン>MAKING 投稿日:2000年10月27日(金)23時22分06秒
- HN変更しました。MAKINGで行きます。
あと、更新の予告です。1:00ごろにあげようと思います。
- 17 名前:MAKING 投稿日:2000年10月28日(土)01時28分40秒
- 「矢口」
(あれ、私今どこにいるんだろ)
矢口が目を開けると周りには何もない。ただ青い絨毯が広がるだけだ。
(気持ちいい・・・ふかふかしてる。でもココはどこなの?)
矢口はそこから立ち上がるとあたりを見渡す。やはり何もない。
ここで立っていても仕方ないので、矢口は歩き出した。
どこに向かうわけでもないのだが矢口はただ歩いてみた。
いくら歩いても周りの景色はかわらない。ただただ深いブルーが広がる。
(誰かいないの?誰か・・・・)
そう考えながら矢口は彷徨いつづける。もう歩けない、そう思ったその時。
矢口の視界が黒く染まる、と同時に背中に鈍い痛みを感じる。
「キャッ・・・・あいててててて」
周りは真っ暗だった。
「ん〜〜穴に落ちたのかな?でも穴なんて無かったし・・・」
そんなことを考えていると暗闇になにやらたくさんの光が浮かび上がってくる。
「なに?これ・・・・・・」
周りを見渡してみる。そのたくさんの光の中には昔の矢口が写っている。
(・・・・・・昔の私)
矢口はその内の一つを手にとってみた、そこには6歳くらいの矢口が笑っている。
(・・・・・・笑ってる)
笑う。今の矢口はいつも楽しそうに笑っているように見える。しかし
(今の自分って心から笑えていない・・・・・)
(作り笑い、そんな物じゃないけれど、自分は純粋に笑えていない。
どこかで人に怯えている。どこかで)
(自分のいない所で自分に対する他の人の言葉が怖かった、恐れていた
みんなきっと矢口の事笑ってるんだ)
(悪口いってるんだ)
(人なんか信じてもいつか裏切られるんだ。)
(それならただ笑っていればいい)
(笑ってさえいれば人は「矢口はいつも笑って悩みなんか無いよね?」
っ言ってくれるんだ)
(何でだろ悲しい・・・・・・)
そう考えているうちに周りの光が消え黒になる。
黒は白になり、白は眩しいほど明るくなる。矢口は思わず目を閉じる。
矢口は光にのみこまれる。
- 18 名前:MAKING 投稿日:2000年10月28日(土)01時29分17秒
- (んん・・・・・)
矢口は目を開けてみた。白い天井が見える。
何やら機械のようなものが動いている。
幾つかの管、ケーブルが体に張り付いている。
(ここは・・・・病室?)
しかし、周りには誰もいない。
(だれも私を心配してくれないの?)
(やっぱり私は一人、孤独なんだ・・・・)
矢口は自分の体についている管やケーブルをはずし始めた
機械からは無機質な機械音が上がる。
「もういやあぁぁぁぁぁぁ」
矢口は大声で叫びながら病室を飛び出した。
しかし、まだ体があまり言うことを聞かない。
100メートルほど走ると矢口は転んでしまった。
「どうしたの?矢口」
矢口は顔を上げるとそこには市井がいた。
- 19 名前:MAKING 投稿日:2000年10月28日(土)01時30分52秒
- とりあえずあげました。
市井はどう使おうか考え中です。
- 20 名前:さやまり 投稿日:2000年10月28日(土)01時58分24秒
- くっつけたら? 矢口と。
- 21 名前:MAKING 投稿日:2000年10月28日(土)02時18分37秒
- >さやまりさん
くっつけるっていわれても・・・・。ベストパートナー見た後には
なんか引け目感じてしまうんですよねー。
僕かなり好きな小説なんで。
- 22 名前:MAKING 投稿日:2000年10月29日(日)03時45分26秒
- すいません。未熟者なので市井をどう使おうか決まりません。
それで皆さんに少し助言をいただきたいのですが。
お願いします。もう3日も悩んでます。
- 23 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月29日(日)22時31分43秒
- どう使うって誰とくっつけるかって事?
それともメンバー内でのポジションとか
性格をどうするかって事でしょうか?
- 24 名前:MAKING 投稿日:2000年10月29日(日)23時22分03秒
- >>23さん
メンバー内でのポジションをどうするかって事です。
性格をどうするかって事は一応考えてあります。
くっつけは今の所想定してません。
- 25 名前:通りすがりの市井ヲタ 投稿日:2000年10月30日(月)22時58分44秒
- >>24
集団の中でどんなポジションになるかというのは
その当人と周りの人の性格で決まると思うんだが。
市井及び他メンの性格が確定しているならおのずと
その辺は決まってくるとおもうけど?
- 26 名前:名無しさん 投稿日:2000年10月31日(火)04時08分55秒
- こういう案が出ているが
http://natto.2ch.net/test/read.cgi?bbs=morning&key=972747490&st=132&to=132&nofirst=true
健闘を祈る
- 27 名前:MAKING 投稿日:2000年11月01日(水)01時53分07秒
- 「Not Alone」
市井は驚いたのか、しばらく動かなかった。しばらくすると矢口の元へ駆け寄ってきた。
「矢口、大丈夫なの?」
涙を拭いながら矢口は問い返す。
「大丈夫って、私、そんなに大変な事になってたの?」
「そうだよ、みんな凄く心配してたんだよ?だって矢口一週間意識無かったんだよ?
それに面会できる時間も1日に1時間しかないし」
「そうだったんだ・・・・・みんなそんなに私のこと」
矢口はまた、泣き出した。市井は慌てて矢口に問いただす。
「うわっ、ちょっ、私なんか変なこと言った?」
矢口はポロポロと涙をこぼしひきつきを起こしながら話した。
「ヒック、違うの。矢口ねいままでね、ヒック、今まで自分ヒック、一人で戦ってると思ってたの」
市井はその子供のような矢口にあきれつつも、あやすように話し掛ける。
「何言ってるの、私たち仲間でしょ?
仲間が大変なことになってるのに心配しない奴なんている訳無いでしょ」
矢口は市井に抱きつく。泣き声は更に大きくなる。
「よしよし。もう大丈夫だよ、だからすこし落ち着きなよ」
矢口はそのまましばらく泣きつづけると落ち着き始めた。
「大丈夫?矢口」
「うん、ありがとう紗耶香。私、泣き始めると子供みたいになっちゃうから」
市井は矢口の肩に手を置いて目線を合わせる。
「いや、今の泣き方は普通じゃないよ。一体何があったの」
「紗耶香、じつは・・・」
矢口は夢の中で見たことを全て市井に話した。
「そんなことが・・・・」
「それでね、その夢を見た後突然不安になって、自分以外信じられなくなったの」
市井は近くにある長いすに座ると少し考え込んだ。
(やっぱりアレに乗ったことと関係があるのかな?矢口たちが戦ってる時、
中澤は何聞いても何も教えてくれなかった・・・・)
市井は立ち上がると、矢口の手を強引に引いて歩き出した。
「ちょ、紗耶香いたいよ〜。それにどこ行くの?」
「決まってんじゃん、中澤に今日限りで辞めさせて貰うのよ」
「そんなことできるの?」
「大丈夫、まかせて」
矢口は市井に引かれながら研究室へと向かった。
- 28 名前:MAKING 投稿日:2000年11月01日(水)01時55分50秒
- やっとできました。いろいろ有難うございます。
>>26
矢口が福田を殺すですか・・・・一応考えておきます。
>>24
そうですね。今度から気をつけます。
- 29 名前:MAKING 投稿日:2000年11月24日(金)01時52分01秒
- 市井は乱暴に研究室のドアを開けた。
中には中澤とソファーで寝ている安倍がいた。
中澤はこちらを見ている。その顔は少し疲れているようにも見える。
市井は中澤の元へと歩いていく。その顔は少しこわばっている。
「中澤さん、」
「なんや市井、裕ちゃんでええや言うとるやろ」
「そんなことはどうでもいいの、話は矢口のことよ矢口、入ってきなよ」
矢口が開いたドアから顔をのぞかせる。
「矢口、アンタ大丈夫なんか?」
市井はドアのところまで走ると矢口を中澤の元に引っ張ってくる。
「矢口と市井は今日でここから辞めさせてもらうよ」
中澤は座っていたソファーから飛び上がる。
「なんやて?何でやめなあかんのや!」
「何でって?そんなの決まってるじゃない。あんな危険な目にあわされて
矢口が死にそうになってるのよ。だれがこんなバイトするのよ」
「それは・・・・・」
「とにかくあたしと矢口は辞めさせて貰うからね」
「矢口はどうなんや?」
矢口はうつむいていたまま黙っている。
「今のは、市井の意見やろ?アンタはどうなんや」
矢口は顔を上げた。その目は潤んでいる。
「矢口は、矢口はもうあんな怖い思いしたくない!あんな怖くて、痛くて
気持ち悪い思いもうしたくない!」
「ね?解ったでしょ。矢口も嫌なのよ、こんなことするの」
中澤はうつむいている。
「・・・・・・・・そうか、なら止められんな。いやや言うもんをむりに引き止められんしな」
中澤は立ちあがると部屋の隅にむかい、コーヒーを入れ始めた。
「まあそんな怖い顔すんなや、コーヒーくらい飲んできな」
「いや、いいよ短い間だったけれどありがとね」
「矢口はこんなひどい目にあったけど、裕ちゃんのこと恨んで無いからね」
二人はそう言うと部屋から出て行った。
「やったね、矢口」
「おう!でも、いいバイトだったのになー」
「なにいってんの、あんなひどい目に遭ってんのよ」
「冗談冗談、もう矢口だってあんなことしたくないよ」
二人は笑いながら校舎を後にした。
- 30 名前:MAKING 投稿日:2000年11月24日(金)02時29分24秒
- これで終わろうと思います。
やっぱり人の書いた小説の続き書くのはむずかしいです。
多分読んでる人少ないですがどうもです。
- 31 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月24日(金)16時29分07秒
- えっ、終わり!?
ココまで書いたんだから最後まで書いてくれぇっ。
MAKINGが書いた『M』が読みたいよ!
- 32 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月25日(土)01時40分52秒
- え?せっかく案まで募ったのに……
まあ無理にとは言わないけど
- 33 名前:MAKING 投稿日:2000年12月04日(月)23時47分37秒
- 「うーん、ああ〜よく寝た」
安倍は起きるとテレビをつけた、色々とチャンネルを変えてみるが
どこを見てもニュースばかりだった。
「あんな事が起こったなんてウソみたいだべなー」
ドアが開き中澤が入ってくる。
「なんや、起きてたんかい」
「うん、それより、お腹すいてるんだけど何かない?」
「そう言うやろうと思って持ってきてやったで」
安倍はコンビニ弁当を貰い食べ始める。
「あれ?3つしかない。カオリは居ないけど数が足りないんじゃないの」
「ああ、まだアンタはしらんのやな、矢口と沙耶香はやめたんや」
「あの二人辞めちゃったの」
そう言いながらも、弁当にパクつく安倍。
お茶を入れている中澤。
「しゃあないやろ、辞めんな言うても辞めるゆうんやから」
「結局残ってるのは誰になったの?」
「アンタ、飯田、保田の3人しかえんでほら、お茶」
「ありがとう。そんでどうするの?カオリは負傷してるし・・・」
「心配せんでええ、ちゃんと予備があるで、」
「ふーん、それなら大丈夫っと、ご馳走様」
「アンタ食うの早いなあ。まあ、今日はもうええからはよ休みな」
弁当をあける中澤。安倍は新聞を見ながら
「そうさせてもらいたいけど今日ナッチかなり寝たからもう寝れないよ」
時計は午後8時を指している。
「そうかい、私は明日朝早いからこれ食べたら寝るで」
「明日何かあるの?」
「さっき言った補充要因を迎えにいくんや」
すると、保田が入ってくる。
「疲れたー。ゆーちゃん弁当どこ?」
「圭坊どこ行ってたん?」
「ん?ああ、ちょっと」
「なんや、水臭いなー。まあええか」
弁当の空箱を捨てると中澤はソファーに横になりテレビを見始める。
テレビでは、音楽番組がやっていた。
「ナッチ、これ何の番組や?」
「うたばんだよ、知らないの」
「仕方ないよ、祐ちゃんはこんなの興味ないからね」
「ハイハイ、どうせ私はオバサンや」
中澤はそう言うと毛布を深くかぶってしまった。
「怒るなよ〜。冗談冗談。」
- 34 名前:MAKING 投稿日:2000年12月04日(月)23時50分53秒
- 早朝、まだ日も昇っていない研究室、というより休憩室。
中澤は目を覚ました。ラジオの音がする。
「誰や、ラジオつけたまま寝たやつ」
ラジオを消すと中澤は時計を見る、午前4時。
「ちょうどええ時間やな、ほないくか」
そう言うと中澤は部屋を後にした。
朝、といっても午前9時。まず保田がおきだした。
「ほら、ナッチおきなよ。もう9時だよ」
保田は毛布を取り去る
「もう少し、もう少し寝かしてくれだべ」
「ダメだよ今から新しく加入する人がくるんだから」
「ふーん。どんな人?」
さっきまで、寝ていた安倍がムクリと起きる。しかしまだ眠そうだ。
「さあ?祐ちゃんは何も言ってなかったし。後1時間くらいで着くそうよ」
「どんな子なんだろうね、男かな?圭ちゃんはどっちがいい?」
「あたしはどっちでもいいよ。早く顔洗ってきなよ」
安倍にタオルを投げる保田。
1時間後、中澤の車が到着した。
「まあ、心配せんでもええで。3人しかえんさかい」
「はい・・・」
そう言って車から降りる中澤と少女。
- 35 名前:MAKING 投稿日:2000年12月04日(月)23時52分22秒
- ども。再開です。前に変な書き方したから終わりかと思った方いるようですが
ちゃんと最後まで責任もって書かせていただきます。
- 36 名前:MAKING 投稿日:2000年12月05日(火)01時30分47秒
- 研究室、中では保田と安倍がいる。二人とも落ち着かないようだ。
安倍はテレビのチャンネルを忙しなく変え。保田は部屋の中をうろついている。
「ちょっとナッチ、チャンネル変えすぎだよ」
「そういう圭ちゃんもさっきから部屋の中ウロウロして」
廊下で人が歩く音が聞こえる。とたんに二人はシンとなる。これで11回目だ。
ドアの前でその音は止まった、ドアが開く。中澤だ。
その後ろには見慣れぬ金髪の少女がいた。
「おう、起きてたかい。こいつが今度から一緒にバイトする奴や。ほら、紹介せい」
「どうも、後藤真希、13歳、中学生です」
安倍と保田はしばらく固まったままだったが、安倍が先に動き出した。
「13歳、若いね〜私安倍なつみ。17歳」
保田も動き出す。しかし動きが変だ。
「私は、 保田、圭、じゅ、19歳」
「どしたん圭坊?何かおかしいで?緊張しとんかい」
その刹那。研究室にサイレンが鳴り響く。中澤が通信機器に飛びつく。
「どした?みっちゃん、またアレかい」
「いや、違うで。んで今度は新横浜市プレート368バンチや」
中澤の顔がけわしくなる。
「何でまたそんな都会に?付近の住民が危ないやないか。それに違うってどういうことや」
「これをみいや」
今まで平家の写っていたモニターが町の映像に変わる。しかしそこには見慣れた機体が。
「なんやて・・・・・これは・・・・・」
「言っとくけどこれは間違やないで」
安倍画モニターに見たものそれは・・・・。
「明日香!本当に明日香なの?」
安倍、保田の悲観の声。しかしモニターに写った物。
赤い「M」は間違いなく福田の機体だった。
福田機はこの研究所のエース機だったためカラーリングが特別な物になっていた。
「明日香が・・・。奴の目的はなんなんや?みっちゃん」
モニターが再び平家に戻る。
「わからん。この新横浜プレートは旧市街地から移ってきた住宅街やで。
特にアレとは関係無さそうやけど」
中澤は考えた。横浜と明日香の共通点を。
「横浜、矢口か!みっちゃん、明日香は北西の方向に向かってないか?」
「ほやで、でも何で矢口に接触する必要が?」
「そんなもん知るか、ほれ、ナッチ、圭坊、後藤、出動や」
「う、うん」
「あ、ああ」
「は、はい」
3人はハンガー(機体待機所)へと向かった
- 37 名前:MAKING 投稿日:2000年12月05日(火)01時32分10秒
- 赤い回転灯が回る。7〜8mはあろうかという扉が開く。
安倍はいつものように機体に乗り込む。
「明日香・・・・・・。どうして・・・・」
保田は始めての実戦のためか緊張しているようだ。
「私に明日香が倒せるの?」
後藤は、中澤から機体の説明を受けている。何処となく不安そうだ。
「大丈夫、あんたならできるで」
「はい・・・・」
三機は立ち上がると歩き始めた。ハンガーを抜けると青い空が見える。
そこで中澤からの指示を受ける。
「歩いていったら1日かかる。輸送機がそこにあるやろ」
「うん。後ろのハッチから乗ればいいの?」
そう言うと安倍は四つんばいになり輸送機に入る。
(いつ乗っても「M」にはなれないよ・・・)
続いて保田、後藤も乗り込む。
「全員乗ったか?ほないくで」
輸送機は海の方へ向かって加速する。そして離陸した。
そのまま新横浜プレートへとむかう。
「上空についたら、空中投下するで。ちゃんと訓練思い出しいや」
「あの〜中澤さん、私訓練受けてないんですけど・・・」
「さっき教えたやろ。投下まで後120秒や。」
「そんな・・・・」
後藤は泣きたくなってきた。しかし時間は迫る。
「10、9,8,7,6、」
全員に緊張が走る。
「5,4,3,2,1、投下!」
ハッチが開き、後藤機が投下される。2秒置きに保田、安倍も投下される。
「“%$”!“#‘&$”#$“!」
声にならない声を上げる後藤。無理もない。何もつけずに落とされるのと同じだからだ。
「高度三千・・・・・三千五百・・・・・二千」
冷静な安倍。
「後藤、アンタそろそろドラッグシュート開きなよ」
更に冷静な保田。
「ボ、ボタン何処?」
「アンタの頭でイメージするのよ!早くしないと死ぬわよ!」
激を飛ばす保田。
「イメージ・・・・・ああん開かないよ!」
「何回でもやるの!さあ」
更に激を飛ばす。
「圭ちゃん!残り千五百しかないよ」
安倍の声が焦りだす。
「もうだめー!あたし死んじゃう!」
しかしその時、ドラッグシュートは開いた。更にバックパックからブースターが火を噴く。
後藤機は間一髪で着地に成功した。
「んん・・・・ここは?」
見慣れない駐車場だ。辺りには安倍も保田もいない。
「安部さーん、保田さーん何処ですかー」
しかし、返事はない。
- 38 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月05日(火)02時29分11秒
- 祝再開!
もう書いてくれないのかと思ってたよ!
諦めずに毎日チェックしてて良かった…
- 39 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月05日(火)14時11分08秒
- 良かったぁ〜。
ちゃんと最後まで書いてくれるんだね!
頑張ってね!!
- 40 名前:MAKING 投稿日:2000年12月07日(木)03時12分44秒
- 一方保田、安倍機は目標着陸地点の公園に着陸していた。
「圭ちゃん。後藤、大丈夫かな?」
「多分大丈夫でしょ、祐ちゃんの指示を待つわよ」
その時、保田の頭に重く押しかかる苦痛、当然安倍にもそれは解っていた。
「まさか、明日香!」
「ナッチ、何処行くの!裕ちゃんの指示を待ちなよ」
安倍機の腕をつかむ。
「圭ちゃん離してよ、解るでしょ?この感じ、明日香しかいないじゃない」
安倍は保田の腕を振り払い公園の出口へと走り去っていった。
「祐ちゃんに連絡を取らないと・・・・」
しかし、通常なら簡単にリンクできるはずの中澤に、なかなか繋がらない。あせる保田。
「これも明日香の影響なの?早くしないと、見つかるものも見つから無くなっちゃう」
ようやく、中澤と繋がる。
「裕ちゃん、ナッチと後藤が・・・・・・」
「なんやて、はぐれた!はよまわりを探しいや」
「もう遅いよ、ナッチはとっくに行っちゃったよ。後藤は何処にいるか・・・」
「とにかく、アンタはナッチを探すんや。コッチは後藤を探してみる」
「わかった」
そのころ、安倍は無残にも破壊された市街地を目の当たりにしていた。
「これを本当に明日香が・・・・・」
とりあえず、付近を歩き回ってみる。住民はすでに避難しているのか誰もいない。
「やっぱり圭ちゃんと一緒にいれば良かった。突然反応が消えるんだもん」
いくら見渡しても家、家、家だらけの場所。
いくら身長6メートルになろうがあまり変わらないものだ。
「ん?何なのあれ」
200メートルくらい離れたところに動く大きな影が見える。
「圭ちゃんかな?それとも後藤?」
間に建物があるのでよく解からないが、どうやら「M」のようだ。
その影は次第に建物の影から姿を表す。赤い、真っ赤な「M」だ。
「あ、明日香!」
まだこちらに気づいてないのかそのまま歩いている。
(なぜ矢口なの?一体何がしたいの?明日香)
気づかれないように身を伏せて徐々に近寄っていく安倍。そう、
安倍はには解かっていた、正面から戦って行っても福田には勝てない、と。
福田との距離120メートル。まだ気づかれていない。
「もう少し、もう少しだべ」
残り60メートル。ビルの影から様子をうかがう。
「今だべ」
そう確信した安倍は福田に銃を撃ちながら向かって突進する、が。
そこにはもう赤い「M」はいなかった。
- 41 名前:MAKING 投稿日:2000年12月10日(日)02時55分53秒
- やば、間違ったところ発見した。身長6メートルじゃなくて3メートルだ。
>そう確信した安倍は福田に銃を撃ちながら向かって突進する、
突進していくです。スマソ。
- 42 名前:MAKING 投稿日:2000年12月10日(日)02時57分53秒
- 「い、いない」
辺りを見回す安倍、しかし突然頭に衝撃が走る。
と同時に重い物が安倍に乗りかかってくる。
「あなたって本当に馬鹿ね、こっちが気づいてないとでも思ったの?」
赤い機体がうつ伏せになった安倍の頭部に銃口を突きつける。
「その声、明日香なの?」
うつ伏せで顔が見えなかった安倍だが、聞こえてきたその声には聞き覚えがあった。
「ふーん、ちゃんと気づいてたんだ。そうよ、私がこの世で最強の兵器、福田明日香よ」
「色々聞きたいことがあるの」
「それは、命乞い?まあいいわ聞いてあげる」
しかし、銃口は安倍の頭に向けられたままだ。
「どうして、どうして突然私の前から消えたの?それに、昔の明日香と何か違うよ」
「私は何も変わっていないよ、ただ、この力さえあれば私はこの星でさえ手にいれられる」
「それは、明日香の妄想じゃないの?第一どうやって一人で戦うの」
「解ってないわね。それだけの力がこれには秘められてるのに・・・・」
「解ってないのは明日香の方じゃないの?」
「そんな機体を貴方なんかに持たせておくのは勿体無いわ。今ここで楽にしてあげる」
今までうつ伏せになっていた安倍の機体をあお向けにするとハッチに銃口を向ける。
「これでTHE ENDになるはずだったね。明日香」
安倍はそう言うと右手で銃を掴みハッチからそらす、と同時に
思い切り左ストレートを頭部に食らわせる。一瞬ひるんだ隙に抜け出す安倍。
- 43 名前:MAKING 投稿日:2000年12月10日(日)02時58分24秒
- 「く、くそっよくも私にパンチなんか入れたわね」
慌てて銃を取り直そうとする福田。しかし安倍の中断蹴りをもろに横腹に食らう。
「よーし、このまま一気に押してやる」
少しはケンカの経験でもあったのか、さらに格闘戦を挑む安倍。しかしそれも長くは続かない。
「いつまで寝ぼけたことやってんのよ」
福田は安倍の腕を取ると、安倍を投げ飛ばす。そして銃を持ち直す。
「ついに貴方はこの私を本当に怒らせたわね、その行い万死に値するわ」
「明日香、止めてまだ今なら戻れるわ!」
「うるさい!端っから戻る気なんてないわよ」
発砲する福田、安倍は両足を打たれる。
「いたっ、明日香・・・・・・」
あっという間にまた馬のりになる福田に両肩、両手を打たれる。
「泣き叫びなさいよ。どうしたの?痛いんでしょ?痛いんなら泣けばいいんじゃない!」
「私は泣かないわ、それにあんたはもう明日香じゃない!今日は全くかなわなかったけど
今度はその手、その次は足、その次は頭。いつか、いつかあんたを倒して見せるわ!」
「それは、今は殺さないでくれ、ってことなの?所詮命乞いね」
福田は安倍から離れる。
「今日はこんなことしにきた訳じゃないわ、だから今日は助けてあげる」
そう言い残すと、またどこかに消えてしまった。
(明日香・・・・・・・変わっちゃったね)
そこで一機の機影が見えた、保田だ。
「祐ちゃん!ナッチを発見したわ、大変、機体がボロボロだわ」
そこで、安倍の意識はすうっと消えた。
- 44 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月23日(土)02時27分37秒
- 続きを…
- 45 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月24日(日)21時12分41秒
- 続き期待してます
- 46 名前:MAKING 投稿日:2000年12月28日(木)23時39分59秒
- 気づいたら白い天井が見えた。後頭部が重たい。
周りには中澤、飯田、保田、後藤、何故か頭に包帯を巻いた痣だらけの市井がいた。
「よかった、気が付いた。解る?佳織だよ?」
うなずく安倍。
「もう、あの後大変だったんだから!ナッチは2週間眠ったままだし
沙耶香はこんなになるし、後藤とカオリは役に立たないし・・・・」
「圭ちゃんヒドイよー。後藤はともかくカオリまで役立たずなんて」
「ちょっとカオリ、あたしもやくにたったよー」
(不思議だなー。私にはほんの数秒なのにみんな、すごく仲良くなってる)
しかし、また意識が消えていきそうになる。周りの人が何を言ってるのか解らなくなってくる。
後藤の顔、保田の顔、市井の顔。代わる代わる近づいてくる。
「みんな、おやすみ・・・・」
「まさか死んだの?」
「バカ!そんな訳ないでしょ!」
保田が後藤の頭を叩く。
「大丈夫や、脳波、心拍、何処も異常ないで。疲れてる用やから寝させといたり」
「そうだね、なんてったってまだあの事件から2週間しか経ってないし」
保田は、そう言うと椅子から立ち上がり部屋から出て行く。
「ほらほら、カオリも沙耶香も後藤もはよ出て行きな」
「はーい」
三人はでていった。
「それにしても沙耶香。よく歩いてられるね?大丈夫?」
「私は大丈夫、でも矢口が・・・・・・・」
「まりっぺを連れてって福田さん、どうするつもりなんでしょうね?」
その後で、中澤が出てくる。市井に話し掛ける。
「なんやらゴタゴタしていてあんたと話すひま無かったわな。今から研究室これるか?」
「いいよ」
「それじゃ、私たちも研究室いこうか、後藤」
「はいよっ!」
四人で研究室まで歩いていく。
- 47 名前:MAKING 投稿日:2000年12月28日(木)23時42分58秒
- 一般道を走っている中澤の車。深夜とはいえけっこうなスピードを出している。
「沙耶香。乗っとるんやろはよ出てこいや」
「ばれてた・・・・ま、いいか」
後ろの座席から前の座席に移る。
「後ろでガサガサ動いてたら気づくっちゅ-ねん。で、なんでついてきたんや」
「・・・・・・矢口とその封印にどんな関係があるか知りたいんだ」
「ま、どのみちみんなに言わなあかんのやからええけどな」
「どこ向かってるの?」
「まあ黙って待っとき」
30分ほど走っただろうか、山道を抜けた先の汚い建物。そこで車は止まった。
「気持ち悪いなー。ここ何に使ってるの?」
中澤は市井を無視して建物のカギを開け中に入っていく。
「ちょっ、まってよ」
慌てて中に入っていく市井。
コンクリートの建物のせいだろうか、中はジメジメしている。
中澤の後をついて行くと一つの扉の前で立ち止まった。
「・・・・・・沙耶香」
「何?」
「今から中で見るものは全て事実やから・・・・」
いつもの中澤とは全く雰囲気が違う。市井はただ頷く事しかできなかった。
ドアを開ける、中は暗い。中澤が蛍光灯のスイッチを入れる。
古びた蛍光灯が光りだす、そこには大きなプールがあった。
何の変哲もない部屋だが明らかにおかしい大穴が壁に空いていた。
「遅かったか・・・・・・。クソッ!あれが遂に動き出してもうた」
「あれって『Drive』の事」
「そうや。『Drive』のキーになったのが矢口自身なんや」
「キーって・・・じゃあ矢口は何処にいるの?」
「多分『Drive』に取り込まれてもうた、そう考えるしかない・・・・」
「そんな・・・矢口は、矢口はもう戻ってこないの?」
「解らん。『Drive』は完成したんやけど、起動試験は一度もやっておらん」
中澤は近くにあった端末を使い平家と連絡をとる。
「一番最悪の事態が起こったで・・・『Drive』が起動して逃走してもうた」
「『Drive』が・・・・・わかった。とりあえず上に報告しとくわ」
端末の電源を切ると穴を観察している市井に声をかける
「急ぎい、帰るで」
「もう?」
帰りの車内は市井にとってとても重苦しい空気だった。
- 48 名前:MAKING 投稿日:2000年12月28日(木)23時44分31秒
- >>44、45
続き、あげました。
- 49 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月29日(金)02時41分01秒
- >MAKINGさん
とってもおもしろいです。
が、ひとつだけ気になったので・・・
沙耶香ではなくて紗耶香です。
- 50 名前:MAKING 投稿日:2001年01月05日(金)02時03分14秒
- 中澤が研究室へと戻るとすでに平家が到着していた。
「で、なんか指示はあったんか」
「特に無しや、事の重大さに気づいて無いようやな」
「そんな事やろうと思っとったわ、別にあんなの当てにしてもどうしようも無いけどな」
「で、どうするんや?今のあの子達じゃ『Drive』はおろか福田にも勝てへんで」
「とにかく、『Drive』が動きだすまで1ヶ月以上はかかる、それまで何とかせんとな」
「最近やつらの動きが鎮静化しとる。それとも関係あるんや無いか?」
「何ともいえんなー、とにかく『Drive』の暴走を止めるのが先や」
部屋を出て、格納庫へと向かう二人。大破した『M』の前で立ち止まる。
「所詮これは『Drive』の『子』なんやで・・・・勝てるんか?」
「こっちには数が・・いや数しかない。数で勝つしかないんや!」
『M』の装甲をなでながら中澤はそう決心した。
「そんならウチの管轄の部隊はから4人そっちに送るわ」
「大丈夫。と言いたいけど喜んで貰らっとくわ」
「じゃ、ウチは帰るわ。色々あるからな」
平家が帰った後、中澤は『M』の残骸に腰掛けため息をつく
「補充要員か、どんな奴らやろ」
- 51 名前:MAKING 投稿日:2001年01月05日(金)02時05分28秒
- >>49
わざわざありがとうございます。やっぱりボロ出てきますね。
次からは気をつけないと。
次からは市井の視点で書いていきます。
- 52 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月09日(火)00時15分13秒
- 続き期待
- 53 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月20日(火)17時10分33秒
- どうしたん?
続きはもう書かんの?
- 54 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月01日(木)22時53分20秒
- 不思議な感じが大好きです!
がんばってください!!
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