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1 名前:りるる 投稿日:2000年11月20日(月)01時27分16秒
いつからだろう。
涙が流れなくなったは・・・
2 名前:りるる 投稿日:2000年11月20日(月)01時27分55秒
1日目
そう・・・その日は晴れていた。
私は友達と話をしながら歩いてた。
ふと街角のテレビに目を移すと「新メンバー加入」と見えた。
あまり気にしてなかった。気にしようとも思ってなかった。
一緒に歩いてた友達も
「あっ!入るんだ。」
とその一言だけしか言わなかった。
「ふーん、意外とそっけないんだね。」
私なりのいじわるをちょっとしてみた。
「全然関係ないじゃん。私は私だもん。」
自分の考えを思いっきり返してくる・・・
そう。この人が「私の一番尊敬するひと」
3 名前:りるる 投稿日:2000年11月20日(月)01時28分28秒
2日目
寝起きの悪い私は、朝早い時起こしてもらう。
でも家族じゃない。そう、あの人からの電話。
午前7時。いつもの音が鳴りひびく。
はっ!と私は目が覚める。今日も眠いのだ。
「ふぁ〜い・・・。もしもし?」
「おーっす!起きたかー?」
「むにゃ〜。うん、起きたよん。今日もありがと。」
「今日も一日頑張ろうね。」
「うん!またあとでね。」
朝のたわいもない会話。私はすごく幸せだった。
こんな日がずっと続くといいなって思ってた。
私に幸せを与えてくれる神様に感謝してた。
でも・・・神様なんていなかったんだ・・・
4 名前:りるる 投稿日:2000年11月20日(月)01時33分23秒
はじめまして。
突然始めさせていただきました。
どこで始めようか迷いましたがここに落ちつきました。
登場人物は・・・あえて言いません。(分かると思うので。)
ゆっくり書き上げたいと思います。よろしくおねがいします。
5 名前:あつし 投稿日:2000年11月20日(月)12時30分25秒
期待してます
6 名前:りるる 投稿日:2000年11月20日(月)21時33分28秒
>>5
あつしさん、ありがとうございます!
いきなり書き始めから脱字してる自分ですがよろしくお願いします!
では、つづきです。
7 名前:りるる 投稿日:2000年11月20日(月)21時34分31秒
3日目
この日は学校に行ってみた。
授業は予想通り・・・つまらない、、、
私は授業を聞くフリをして居眠りをした。
へへへ・・・私の特技はどこでも寝れることなのだ。
その時だった。眠っていると急に体がふるえだした。
私は飛び起きて思わず声を上げてしまった。
「キャッ!!」
みんなが私に注目する。
「どうした?変な夢でも見てたのか?」
驚いた先生も私に質問してくる。
やばっ・・・これ携帯だ。
メールが来てびっくりした、なんて言えるはずがない。
「な、なんでもありません・・・」
私は赤面しながら答えてた・・・かな?たぶん。
なんで「たぶん。」かだって?
だってあの人からのメールだったんだもん。
あの後これ見たとき、私の頭の中、真っ白になっちゃった・・・
―――ダイスキだよ☆ by さやか―――
8 名前:りるる 投稿日:2000年11月20日(月)21時36分12秒
4日目
この日はレギュラー番組の収録日。
昨日いじわるされたから、私も仕返ししようとか思ってたっけ。
でもあの人の顔見たらすっかりそんな気なくなってた。
「おはよー!メール・・・見た?」
「おはよ。見たけど・・・」
「びっくり・・・した?」
「うん。けどちょっと違う・・・」
「なにそれ?ちょっと・・・って?」
「その・・・授業中だったから・・・メールの振動でびっくり。」
「あははっ!そーだったの?ゴメンゴメン。」
その時だった。
「あ、あの〜・・・」
スタッフの人がそろそろ用意をするように言ってきた。
あーあ。結局言いそびれちゃったな・・・
―――「私もダイスキ。」―――
9 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月22日(水)01時07分52秒
うわっイイ感じ・・。期待です。
こういうの大好き。
10 名前:りるる 投稿日:2000年11月23日(木)00時58分28秒
>>9
ありがとうございます!
期待になるべく?沿えるよう、頑張らせていただきます!(わら)
では、つづきです。
11 名前:りるる 投稿日:2000年11月23日(木)00時59分12秒
5日目
今日は晴れ。でも私の心はすごい雨。
昨日言えなかった言葉のことずーっと考えてた。
もうそれ以外のことなんて考えられなかった。
なんか胸が「きゅっ」って締め付けられる感じで、、、
おもわず携帯を手に取った。もう一度よく見てみる。
この前届いたあのメールを。
「はぁ・・・」
深いため息がひとつ自然と出る。
勇気を出して電話してみようかな・・・
別に電話するくらいなら大丈夫・・・だよね?
急にメールの話とかしちゃってもあやしくないかな・・・
私の頭の中で何かがぐるぐる回ってた。
考えれば考えるほど胸の鼓動は早くなっていった。
今思うとそれが一番のドキドキだったかもしれない・・・
12 名前:りるる 投稿日:2000年11月23日(木)01時00分30秒
6日目
この日の私はすごく寝不足だった。
昨日ずーっとあのこと考えてた。そう、朝まで。
朝から仕事なのに・・・何やってるんだろ、私。
「ん〜・・・化粧しよっと。」
鏡の中の自分をふと見つめてみる。
徹夜したから眼の下にクマがある・・・
「すっげーブサイク。」
鏡の中の自分に言った。でも向こうも同じこと言う。
今度は変な顔をしてみた。やっぱり向こうも同じ顔だった。
ふと鏡の中の私のことが気になった。
「あなたも今、私と同じ気持ちなの?」
もちろん返事なんてなかった。ずっと・・・ずっと。
そうそう。なんだか急にバカバカしくなって急いで家を出たっけ。
13 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月24日(金)00時06分02秒
おっ更新してる。頑張って下さい!先が全然見えない話って続き楽しみになります!
14 名前:りるる 投稿日:2000年11月24日(金)18時57分33秒
>>13
ありがとうございます!
文短いのに更新遅くてすいませんです。
もう少ししたら先がだんだんと見えてくるかも・・・。
何気に日にちが意味持ってたりします。
んじゃ、つづきです。
15 名前:りるる 投稿日:2000年11月24日(金)18時59分30秒
7日目
この日はラジオの収録の日だった。
始まってからもう5ヶ月になるんだよね。
3人で始めたこのラジオ。すごくすごく楽しかった。
そのとき私はまだメンバーに入りたてで全然上手く出来なかった。
でも二人もラジオ初めてだったのに・・・私と何か違う。
私はなんでも出来るあの人達がとってもうらやましかった。
同期として、同郷として、同じ道を歩んでいる二人。
その二人が仲良さそうに話しているのをじっと見る私。
くやしかったのかな?軽く唇を噛んでた。
「もう少し早く生まれてたら・・・」
初めてそう思った。でも・・・何も変わらない。
―――せめてこの楽しい時が続いてほしい―――
ただそれだけでいい。ささやかな私の願いだった。
でも、、、願いなんて叶わなかったんだ・・・
16 名前:りるる 投稿日:2000年11月25日(土)21時29分09秒
8日目
久し振りのオフ。起きたら夕ごはんの時間だった。
私・・・今日何もしてないな。ハハハ・・・
ごはんを食べてお風呂に入る。
ボーッと湯船につかりながら考えてた。
「私には届かない想いなのかな?」
頭のてっぺんまで全部、湯船の中へつけてみた。
水の中ってなんか不思議な感じだな・・・
周りの雑音も全然聞こえないし。すごく好き。
「あ、熱っ!」
バカ・・・私。やっぱり潜るなら冷たいのだと思った。
でも、湯船に潜って熱くなったのは体だけじゃなくて・・・
心もポカポカになった、、、そんな気がした。
17 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月26日(日)18時17分05秒
すッげー期待。
こういうのなんか好き。
がんばってください。
18 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月27日(月)00時37分01秒
もう泣けてきてる俺は何?・・(ワラ
作者さん頑張って♪
19 名前:FANTASISTA 投稿日:2000年11月27日(月)01時38分27秒
痛くていいね…ここから先どう転ぶのか楽しみです。
20 名前:りるる 投稿日:2000年11月27日(月)19時47分15秒
>>17
ありがとうございます!
更新はゆっくりですけど大目にみてください。
>>18
ありがとうございます!
自分でも書いてて切なくなったりします。
最後の方になったら自分でもどうなることやら・・・(わら)
>>19
FANTASISTAさん、ありがとうございます!
自分でも書いてて痛いです・・・はい。(わら)
ちょっと忙しくてまだ他の人の小説全然読み切れてません・・・。
FANTASISTAさんの作品も絶対最後まで読ませてもらいます。頑張ってください!
21 名前:りるる 投稿日:2000年11月27日(月)19時48分45秒
9日目
うわー・・・最悪。体がだるい、、、
熱計ったらやっぱり38度だって。
昨日のお風呂が悪かったのかな〜。
「今日・・・ガッコ休む。」
お母さんに言ってみた。
「しょうがないわね。ゆっくり寝てなさいね。」
やさしい言葉を返してくれた・・・。
ごく当たり前のことがなんかうれしい。
誰でもいいからやさしさに触れたかった。
あの人に会えない分のぬくもりが欲しかった。
でも・・・こんなことを考えてる私、、、すごくダイキライだった。
22 名前:りるる 投稿日:2000年11月27日(月)19時50分05秒
10日目
まだ熱が下がらない。
仕事もあるのにどうしよう・・・
今日もずっとベッドにいるのかな?
「はぁ、、、会いたいな。」
寝ている間あの人に会いたいってずっと思ってた。
そんなこと考えてたらいつの間にかうとうとしてた。
「ねえ・・・だ・・・大丈夫?」
「う・・・うん。私は平気だよ。」
「すぐ治るおまじないするから・・・」
くちびるがひんやりして気持ち良かった。
・・・そこで私の夢が覚めた。
あっ、熱が引いてる。これで大丈夫・・・かな?
「お母さ〜ん!熱引いたよー!」
「ほんと?そうそう、寝てる間にお見舞い来てくれ・・・」
続きの言葉はもう聞く必要なかった。
やっぱりだ!・・・やっぱり来てくれた!
私はその時すっごく、すっごく、うれしくって・・・
自分の部屋に戻って枕に顔をうずめてた。
23 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月28日(火)02時40分15秒
うおおおおヤバイ!俺の待ってたものかもしれない!!
作者さん頑張って!焦らすつもりは無いんで大切に書いて下さいね!
24 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月28日(火)16時34分18秒
この話マジ好きなんだけど。
とりあえず作者サンがんばってくださいね
25 名前:FANTASISTA 投稿日:2000年11月29日(水)03時02分58秒
夢なのかな…そうじゃないかもなぁ…
誰が主人公か分かるけど、どうしても3レス目の最後のフレーズが…
最後ぐらいは救ってくれ!(w
26 名前:りるる 投稿日:2000年11月29日(水)20時23分18秒
ども。本業忙しくって更新は2日に1回できればいいな、と・・・。
>>23
ありがとうございます!
待ってたものってこの二人ものですか?
更新も気長に待っててください。お願いしまっす!(わら)
>>24
ありがとうございます!
好きって言ってくれるととてもうれしいです!
>>25
FANTASISTAさん、ありがとうございます!
>夢なのかな…
え〜と、この主人公は回想シーン大好き娘です。(わら)
う〜ん・・・最後はどうなるんでしょう。
自分も救いたい気持ちでいっぱいだったりします。

んじゃ、つづきで〜す。
27 名前:りるる 投稿日:2000年11月29日(水)20時24分25秒
11日目
この日ほど仕事が待ち遠しいって日はなかった。
早くあの人に会いたい!って気持ちでいっぱいだった。
「おはようございまーす♪」
通りで会う人みんなにあいさつなんかしてたっけ・・・
突然、周りの時間が止まる。
「あっ・・・」
見つけちゃった・・・。私は遠くから手を振って近づいた。
「おはよー!」
「おはよ・・・」
「昨日はありがとねっ!」
「ん?昨日?・・・何それ?」
「えっ?昨日うちにお見舞いに来てくれたんじゃ・・・」
「あたし、行ってないけど・・・」
もう私は何が何だか分からなかった。
最後の言葉がすごく気になってしょうがなかった。
仕事中も気が気でない自分。一日中怒られっぱなしだった。
「あれは一体誰だったの?」
頭の中でずーっとそればっか考えてた・・・
28 名前:りるる 投稿日:2000年11月29日(水)20時27分01秒
12日目
この前のことは幻?・・・そんなはずない!
お母さんにもう一度、あのことを聞いてみた。
「ねぇ、お母さん・・・」
「なあに?」
「この前さ、私のお見舞いに来てくれた人って・・・」
「ああそれならホラ、アンタと仲のいい・・・」
「・・・市井ちゃん?」
「そう、その子。すごくアンタのこと心配してくれたみたいだよ。」
やっぱりだ!絶対、絶対、そうだもん・・・
夢の中でも私には分かってた。間違うわけないんだ。
少なくともあの人のぬくもりとか、くちびるとかは。
なのに・・・なのに・・・
―――ドウシテウソナンテツクノ?―――
29 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月29日(水)22時28分44秒
やっぱすげーや・・この短文でここまでひきつけるのは凄いっす・・。
続き楽しみ♪
30 名前:名無しさん 投稿日:2000年11月29日(水)23時59分40秒
いいな、こういうクールな市井って
つづき楽しみにしてます
31 名前:りるる 投稿日:2000年12月01日(金)23時13分37秒
>>29
ありがとうございます!
文が短い理由は・・・1日1日の日記形式で話をすすめるってことと、
元々は本家で始めるつもりで文字制限にひっかからないよう作ったんです。
長い文章を書けないってのもありますけど。(わら)
>>30
ありがとうございます!
自分もクールな市井は大好きです。
でも、冷たく接する理由もあったりして・・・
32 名前:りるる 投稿日:2000年12月01日(金)23時15分44秒
13日目
なんで来てくれたことを隠すのだろう?
私の心のもやもや、どうしても消えないままだった。
早く理由を聞きたい!家を出てからずっと思ってた。
仕事が終わり楽屋に入ると運良くあの人がそこにいた。
「あっ、あのさ・・・」
「おつかれー。ん?どしたの?」
「う、うん・・・。この前のことなんだけど・・・」
「・・・この前のこと?」
「あの・・・お見舞いのこと。」
「なんか聞きたいことあるの?」
「うん。あのね。来てくれたのは市井ちゃんだってお母さん言ってた・・・」
「・・・あ〜あ。来たこと言わないでって言っておいたのにな〜。」
「でもどうして?別に隠さなくてもいいじゃん!私、すっごくうれしかったのに。」
「勘違いしないでね。あたし・・・めんどくさいのキライなの。」
「・・・」
私は走って部屋を飛び出した。
あふれる涙がいつまでたっても止まらなかった。
私のことキライになったのかな・・・
私のことジャマになっちゃったのかな・・・
どうして?どうしてなの?ねえ、どうして!?
外はまるで私の心を映したかのように、どしゃぶりの雨が降っていた。
33 名前:りるる 投稿日:2000年12月01日(金)23時18分33秒
14日目
外は相変わらず雨が降り続いていた。
私はこの日、家から一歩も出ようとしなかった。
それはただ単に雨が降っていたからじゃなく・・・
―――自分のココロ、取り戻したくて。―――
何もしたくない。何も考えたくない。
机の前でボーッとしながらそう思ってた。
ふと鏡を見つめてみる・・・
自分の顔が涙でぐしゅぐしゅで・・・カッコ悪い。
「ねぇ・・・元気出しなよ。」
鏡の中の自分に言われたような気がした。
ん?気のせい・・・だよね?
「うん。ありがと。」
でも、私は鏡に向かってお礼を言った。
「あっ・・・」
その時鏡の中の私はにっこり微笑んで、私に少し元気をくれた。
34 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月01日(金)23時43分55秒
市井が冷たくする理由が気になる・・・・・
こういうの好きなんで、続き楽しみにしてます。
35 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月01日(金)23時55分57秒
木になる気になる木
36 名前:FANTASISTA 投稿日:2000年12月02日(土)00時51分58秒
なぜ冷たくする市井…
テレくさいのが理由じゃないのが分かるんだが…
続き期待してます。
37 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月02日(土)00時54分43秒
頑張って下さい♪
38 名前:りるる 投稿日:2000年12月04日(月)01時46分50秒
今日は読んでばっかりでした。
自分のも更新しないと・・・
>>34
ありがとうございます!
理由はもう少ししたら・・・
>>35
気にさせますよぉ!(わら)
>>36
FANTASISTAさん、ありがとうございます!
テレくさいじゃ・・・ないです。ハイ。
う〜・・・言いたいけどまだ言えませ〜ん。
>>37
どもです。気長に待っててくらさ→い!

んじゃ、つづきっす。
39 名前:りるる 投稿日:2000年12月04日(月)01時47分28秒
15日目
この日はラジオの収録日。
まだ私の気持ちはずるずるしたまんま。
・・・仕事に行きたくない。ずる休みしようかな。
おとといの雨で風邪がぶり返したって言えばたぶん平気だし・・・
それだけ顔が合わせづらかった。会ったら涙が止まらなそうで・・・
でも・・・やっぱり休むことはできなかった。
他の人にまで迷惑かけるなんてサイテーだし。
そんなことしたら本当に自分が嫌いになる・・・
私は自分が持ってるありったけの勇気を出して家を出た。
・・・着いちゃった。あいさつしなきゃ・・・
「・・・お、おはよ。」
うわー・・・なんかぎこちない・・・
「おーっす!今日も一日がんばろうね!」
この前のことなんて何も無かったかのようにあいさつされた。
私、考えすぎだったのかな・・・。そう思うと心が少し軽くなった。
なんとかその日の収録は無事に終えることができた。
あの人とも話せた。楽しい話もいっぱい出来た。
でも、一番気になってた私の心のさみしい気持ち・・・どこにも行ってくれなかった。
40 名前:りるる 投稿日:2000年12月04日(月)01時48分04秒
16日目
この前入った新メンバーとこの日初めて顔を合わせた。
ははは。みんなすっごく緊張してる・・・
私が最初にみんなに会ったときもそうだった。
私の印象ってどう思われてるのかな?
ナマイキ・・・とかかな?やっぱり。でもホントは違うー!
たぶん向こうも同じようなこと思ってるはず、、、
一人ずつ自己紹介が始まった。とうとう私も先輩になっちゃった。
「はぁ・・・先輩、かぁ・・・」
ため息混じりの言葉。
何もかもが真新しく見えたあの日の事をふと思い出した。
「絶対帰ってこないんだよね・・・」
今となってはそう、戻れないあの日。
41 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月04日(月)02時57分51秒
更新されてる♪頑張って♪
42 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月04日(月)18時06分01秒
何スかー!?
理由て何なんスかー?
43 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月06日(水)21時29分47秒
期待
44 名前:りるる 投稿日:2000年12月06日(水)21時36分33秒
>>41
ありがとうございます!
昨日と今朝方はあの人の誕生日で忙しくて・・・やっと更新です。
>>42
理由は想像しててくださーい!
>>43
どーも!時間差です・・・。(わら)
45 名前:りるる 投稿日:2000年12月06日(水)21時37分13秒
17日目
やっぱり何にもない日はいいな。
仕事のことも考えないで、すごく気が楽だ。
「ねえ!ちょっと家の仕事手伝ってちょうだい!」
「うん!いいよ!」
いつもはお母さんにお手伝いなんか頼まれたらいやなのに・・・
今日の私ってなんか素直。
「どうしたの?なんか調子狂うわね。アンタ熱でもあるんじゃない?」
「そんなことないよー!で・・・私、何したらいい?」
「じゃあ、洗濯物たたんで、それから・・・」
手伝うことたくさん言われたけど全然嫌じゃなかった。
かえってうれしかったなんて言ったら、私・・・変かな?
今思うと、それは私の気持ちを紛らわすためだったかもしれない。
そう、さみしい気持ち。少しずつ・・・少しずつ・・・
46 名前:りるる 投稿日:2000年12月06日(水)21時37分52秒
18日目
今日は学校に行った。
私、なんだかんだ言っても中学3年生なんだよね。
来週テストがあるんだって。もー嫌だ。
お仕事はじめてから勉強なんてあんまりしてないな・・・やばい。
仕事も大切だけど勉強も大事だし・・・どうしよう?
学校が終わってから仕事があった。
私は楽屋でみんなにそのことを言ってみた。
勉強のことになったらみんな静かになっちゃった。
ふとどこからともなく声が聞こえた。
「しょうがないな〜。あたしが先生やってやろっか?」
「えっ?・・・ホントに?」
「で・・・やるの?やらないの?」
「う、うん。おねがい・・・します。」
私は自分の気持ちをごまかすのに精一杯だったかな・・・
「まだ私のことを少しでも考えくれてる!」
そう思ったらいつまでも晴れなかった私の心、少しだけど晴れた気がした。
それだけうれしかったんだ・・・あの人の言ってくれた言葉。
47 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月07日(木)23時31分52秒
おぉ・・続きすげー楽しみ・・。
48 名前:りるる 投稿日:2000年12月08日(金)22時16分02秒
>>47
ありがとうございます!
随分話が痛くなってきました。(わら)
このままいくつもり・・・です。

んじゃ、つづきで〜す。
49 名前:りるる 投稿日:2000年12月08日(金)22時17分19秒
19日目
前みたいに仲良くなれるかな・・・
私の胸は期待と不安でいっぱいだった。
この前のことはホントのこと言うとまだ気にしてる。
でもきっかけだけは逃したくなくて・・・
携帯を握り締めたまますっごくそわそわしてた。
「うん!電話してみよう!」
私はドキドキしながら電話をかけた。
「あっ!もしもし?」
「おーっす!・・・なーに?」
「あのさ、勉強教えてくれるって言ったよね。いつ教えてくれるのかな、って・・・」
「あ、そうだね!早い方が・・・んーと・・・明日とかは?」
「・・・全然平気。」
「そう?じゃ、決まり!」
「うん♪」
すっごくすっごくうれしかった。飛び跳ねたいくらいうれしかった。
明日は二人っきり・・・そう思っただけで私の胸がいっぱいになった。
そのとき、私は枕をギュッと抱きしめてた。
―――うれしい気持ち、こぼれないように。―――
50 名前:りるる 投稿日:2000年12月08日(金)22時18分10秒
20日目
・・・いつ以来だろう?
夜になるのが待ち遠しいなんて。
なんか落ち着けない・・・胸がずっとドキドキしてる。
そう!あの人が来るんだ♪・・・私のために。
「こんばんは〜!」
あっ!来た!
「いらっしゃ〜い!ど・・・どぞ。」
「なんだよー。なんかよそよそしいな〜。」
「だって〜・・・一応、お客さんだから、、、」
「一応ってなんだよ〜!今日は先生だぞっ!」
「はーい!さやかせんせ♪」
「もう調子いいんだからー!コイツー!」
「エヘヘ、、、」
私は勉強なんてもうどうでもよくなってたかな。
あの人と一緒にいるだけで幸せだったんだもん。
神様・・・ずっとこのままでいさせてください・・・
二人だけの夜。甘い夜。
51 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月08日(金)23時56分06秒
甘い夜・・・ワクワク・・・
52 名前:FANTASISTA 投稿日:2000年12月09日(土)02時52分40秒
真綿で首を締めるように徐々に痛くなってきてるトコがたまらん。
いちごまっていいね。
53 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月09日(土)18時53分43秒
わくわくわくわく
54 名前:りるる 投稿日:2000年12月11日(月)22時54分28秒
更新おそっ!なるべくがんばぃます!
>>51
ありがとうございます!
甘い夜、どうしようかと思いましたが・・・
う〜ん・・・この位で。すみませ〜ん。
>>52
FANTASISTAさん、ありがとうございます!
いち×ごま小説ってやっぱり読んでても書いてもたまらないっすねぇ。
痛ければ痛いほど自分としてはサイコーだったりします・・・。(わら)
>>53
あうあう。軽めにしちゃったです・・・

んじゃ、つづきですぅ。
55 名前:りるる 投稿日:2000年12月11日(月)22時55分15秒
21日目
『ドキドキ・・・』
もー!うるさいな〜。
『ドキドキ・・・ドキドキ・・・』
もー!聞こえちゃうよ〜!しーっ!
「ねえ、何やってんの?」
「!!・・・なんでもない、、、」
勉強はずっとこんな感じだった。
気付いたら徹夜してるし・・・私達。
勉強教えてくれるのはいいんだけど・・・
私、変なこと期待しすぎかな?
夜だし・・・眠いし・・・うん!
「ねえねえ〜、んっ♪」
私はふざけてくちびるを突き出してみた。
「バーカ。」
「・・・ダメ?」
「・・・」
「キス、、、したいの。」
「・・・」
一瞬の沈黙のあと、軽くふれあうくちびる。
「・・・ほらっ!続けるよ!」
「うん♪」
この日のことは誰にも言わない。
そう、あの人と私。二人だけの秘密なんだから・・・
56 名前:りるる 投稿日:2000年12月11日(月)22時56分05秒
22日目
今日は学校。授業中ボーッと外を見てた。
あとで友達に聞いた話なんだけど・・・
空を見ながらニヤニヤ笑ってたんだって・・・私。
もー!恥ずかしいな、、、でも、いいの。
うれしいから。とってもうれしいから。
こんな気持ち、すごく久しぶり。いつ以来だろう?
ん〜と・・・あっ、分かった!メールだ。
前は向こうから来たメール。今度はこっちから出してみる。
一文字ずつ、一文字ずつ、私のココロをありったけこめる。
―――届きますように・・・全部。―――
メールが届かないはずなんてなかったけど、
ホントに届けたいのは・・・私のココロ。
そう、一番あの人に届けたい大切なもの。
57 名前:名無しって事で… 投稿日:2000年12月11日(月)23時22分58秒
どきどきどきどき
58 名前:いずのすけ 投稿日:2000年12月12日(火)00時37分37秒
いちごま、いちごま、うれしいなあ。
ごまのこころがつたわってくるよー!!
59 名前:名無しって事で… 投稿日:2000年12月14日(木)01時58分50秒
なんかこのもどかしい感じがたまんねーっす。
60 名前:りるる 投稿日:2000年12月14日(木)22時59分16秒
>>57 >>59
名無しってことで・・・さん、ありがとうございます!
恋するときのもどかしさっていいっすよね!?
ごまになりきって読むと気持ちよく分かったり・・・
>>58
いずのすけさん、ありがとうございます!
あっ!いち×ごま好きですか!?うれしい限りです〜。
ごまのココロが伝わってくれれば幸いです!

んじゃ、ひそかに続きです。。。
61 名前:りるる 投稿日:2000年12月14日(木)23時00分13秒
23日目
この日は学力テスト。
勉強教わったからバッチリのはずなんだけど・・・
あー!もう!全然ダメだったー!
あの人に合わす顔ないじゃん!もー、バカバカ!
夜になってあの人から電話が来た。
「おーっす!テストどうだった?」
「・・・ダメ。」
「ん?なんだって〜?」
「全然ダメだった!!」
「あははっ!アンタらしいわ。ははっ!あははっ!」
「も〜!笑わないでよー!テストの時も頭がいっぱいだったんだから・・・」
「えっ?何で?」
「決まってるじゃん。」
「何よー?もったいつけないでさぁ・・・教えてよ!」
「・・・市井ちゃん。」
「・・・」
「・・・いっぱいだったの。」
「・・・バカ。」
やさしく・・・とっても恥ずかしそうに・・・一言だけ。
私には十分すぎるほど、その想いは伝わってきた。
62 名前:りるる 投稿日:2000年12月14日(木)23時01分18秒
24日目
この日、私達に新曲が届けられた。
「ハッピーサマーウェディング」
すごくいい歌!インドのお嫁さんって感じの衣装でカッコイイ!
新メンバーも緊張した面持ちで聞き入っている。
でも浮かない顔が一人いた・・・。あの人だ。
歌のパート割りを見せてもらったんだけど・・・ソロがない。
なんでだろう?今、マネージャーと話してるけど・・・
何か違う。そういう話でもなさそうだ。
すごくさっぱりとした表情だけど、どことなく悲しそうで・・・
私の思い過ごしならいいんだけど・・・
あっ!こっちに来る!
「へへ〜!新曲頑張ろうぜ!」
「う、うん・・・」
「何だよ〜?元気ないぞー!もう一回!」
「うん!!」
私の思い過ごしだったのかな?うん。きっとそうだ。
私ってはやとちりだから・・・いつもの悪い癖。
でも・・・でもね。瞳の奥に見えるどこか悲しい気持ち・・・
少しだけ感じ取っていたんだ・・・私。
63 名前:名無しさん 投稿日:2000年12月26日(火)06時24分16秒
おぉ更新されてた!ここみんな更新早いから気付かなかったです。
続き期待してます!切ないいちごま好きっす!
64 名前:1138 投稿日:2001年01月06日(土)05時17分06秒
いちごまの最後っていつも悲しいよね。
紗耶香が卒業したからしょうがないんだけど・・・
でも
そんな切ないいちごまが好きなんだけどね。


65 名前:FANTASISTA 投稿日:2001年01月10日(水)03時21分23秒
久しぶりに読み返したらものすごく先が気になった(わら
やっぱり現実どおりに卒業するのかなぁ…痛めだし…
続き書きになります!
66 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月20日(土)17時07分36秒
期待してマタ〜リ待ってるよ!!!作者さん頑張って!!
67 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月03日(土)13時11分44秒
続き希望age
68 名前:このスレもう使ってないのかな? 投稿日:2001年04月04日(水)04時33分01秒
世界は明日終わってしまう──

 2000年末に発見された彗星Rと地球の激突が避けられないことがニュース
に流れてから半年が経過していた。150日から始まったカウントダウンは、あ
と1日しか残っていない。それが明日だった。
 彗星はすでに昼間でも肉眼で確認できる位置にまで迫っていた。死に神の研い
だ大鎌がつねに空に浮かんでいる。
 彗星がかすめるのは、しっぽのほんの先だった。しかし、すでに分析
された彗星の成分はきわめて猛毒な殺人ガスなのだ。毒ガスを中和する
薬剤や設備は極めて高価だったにも関わらず飛ぶように売れた。
 設備内の空気を完璧に浄化できるタイプのシェルターは極めて高価だ
ったにも関わらず飛ぶように売れた。このなかにいれば確実に助かる。
 
後藤はそれを知っていた。知っていたのだが──

 後藤はパーカーのフードを深くかぶって、マウンテンバイクのペダルをぐいぐい
と漕いでいた。東京の街はガランとしていて、すでに人けがない。政府が発表した
ところによると、衝突推定時刻には多少の誤差があって、今日はもうその誤差の範
囲内なのだ。
 ディバッグの中には取り出しやすい位置に携帯用のガスマスクが入っている。そ
れなりに値が張る玩具だった。有る程度日数をおいたならともかく、直撃している
時期に使用してもまったく効果がないことは執拗なほどワイドショーやニュース番
組が取り上げていて、少し前まで日本で一番忙しい中学生だった後藤だって知って
いた。
 太陽がじりじりと容赦なく照りつける。だらだらと滝のように流れる汗にも構
わず、後藤はペダルを漕ぐ。数日前から幾度となく地図を眺めていて、船橋まで
の地理はすっかり頭に入っていた。
 どうして今日なんだろう──?
 灼けつく太陽に脳も身体も溶けてしまいそうだ。後藤は腰を浮かせて大きくペ
ダルを踏み込んだ。車ひとつ通らない幹線道路のど真ん中を自転車がただ一台、
ぽつんと走っていく。
69 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月04日(水)04時34分09秒
どうして彗星が落ちるかもしれない今日、自分は自転車を走らせているのだろう?
 疑問が脳のなかで気化していく。
 後藤はその理由をよく知っていた。ただ考えたくないだけだ。
 クラクションが鳴らされてロデオのように赤い車が突っ込んできたのを間一髪で
かわす。エンジンの音が遠く過ぎ去っていく。
 死。
 恐くて恐くて仕方のなかったそれさえも今はただどうでも良かった。ただ、この
漕いているペダルだけが世界のすべて。

 昨日でも良かった。
 もっと前だって。

 モーニング娘。はとっくに解散していたし、自分だって芸能人を辞めていた。
彗星が落ちるとわかってからはもうグチャグチャだった。在宅で楽しめる娯楽と
もいえるアイドルの需要は高まる一方だったのだが──この状況下で芸能人で居
続けることに興味は覚えなかった。

 だから、もっと早く会いに行ったって良かったのだ──。
(市井ちゃん)
 その名前を思うと胸が疼いた。“卒業”してから一度も会ってない。メールの
やりとりとか、年賀状とかぐらいの行き来はあったのだが──。
 ──なんで来たの? とかって不思議そうに言われたらどうしよう?
 それが恐くて、最初の一歩が踏み出せずにいたのだ。
70 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月04日(水)04時35分13秒
ふと、突然、着メロが流れた。乙女の心理学。この着メロに設定してあるのは──
「市井ちゃん?!」
 後藤は携帯電話をとるなり、早口にそう叫んだ。
『わ、めちゃはやっ』
 受話器の向こうからは、聞き慣れた、子音の繋がったヤンキーくさい喋り方をする少女の声がした。
『ひさしぶり。元気だった?』
「元気って。元気だよ。すごい元気。市井ちゃんは?」
『それなりに』
「ってゆうかなんで電話かけてんのさ?」
『え? 携帯だけど』
「そういう意味じゃなくて──」
 シェルターの中に入ってしまえば携帯電話は通じない。
 ──と、いうことは、市井は地上にいるということだった。
「市井ちゃん、どこ? 今どこにいるのさ?」
『んっと……いまちょうど後藤の後ろらへん』
「……」
 自転車を漕ぐのを辞めて、後藤は背後を振り返った。通り過ぎたばかりのコンビニの前に停めた自転車に、市井は後ろ向きに腰掛けていて、ひらひらと手を振っていた。少し伸びた髪が収まり悪そうにてんでバラバラな方向を向いていた。
「市井ちゃんだあ……」
「やっ……なんだよ、泣くなよー」
「だってえ……」
 後藤はボロボロと溢れてきた涙を袖でぐいと拭った。
子供にするようにポンポンと頭を叩かれて後藤が目を上げると、市井の顔が横にあった。
「ん?」
 どうしたの? ってふうに覗き込んでくるのが、なんだか全然前と変わってなくて、後藤は切なさに胸を突かれた。そのまま市井の肩に頭を押し当てる。涙がシャツに吸い込まれた。
「なんで、あたしが来てるって分かったの?」
 ふと沸いた疑問を、後藤は市井にぶつけた。市井は後藤から視線を逸らして空を見上げた。迫ってくる彗星が肉眼でも確認できる。彗星は、すでに空の大部分を埋め尽くすほどの大きさになっている。
「んーなんとなくかなー」
「うそ?」
「うっそ」
「もうっ」
 後藤が叩くそぶりをすると、市井は笑って逃げた。
71 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月04日(水)04時36分13秒
「後藤が行方不明って、矢口から連絡来てさ。そんで」
「え? なんで真里っぺが?」
「和田さんからメール来たんだって。後藤、おまえあんま親に心配かけんなよ」
 がしがしっと頭を乱暴に撫でられる。すっかりぐちゃぐちゃになってしまった髪の毛を直しながら、後藤はゆっくりと市井の言葉を反芻する。つまり、母親から和田元マネージャーに連絡がいって、それで和田から矢口に問い合わせがあったのだろう。
「でも、なんで市井ちゃんとこ行くってわかったんだろ……」
「さあ? あてずっぽじゃない?」
 でも市井ちゃんは来ると思ってくれたんだ? 後藤はなんとなく嬉しくなった。

 突然、警報が大きく鳴った。
「やっば……後藤、マスク持ってる?」
 市井は腰に掛けていたマスクを手早く顔に掛けながら後藤に問うた。後藤は頷いてディバックからマスクを取り出してきちんと装備する。気休めだってことは知っていた。でも、こういう最期ってのもそんなに悪くないと思った。会いたい人にも会えたし──悔いはない。
「こっち。早く来て」
 市井は自転車にひらりと飛び乗って後藤を手招きするとペダルを漕ぎ出した。後藤は慌ててあとに続く。

 空には、やや赤みがかったガスが鈍く広がりつつあった。
72 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月04日(水)04時36分52秒
「ここ、ここ」
 市井はマンションの前庭に埋められたシェルターの入り口を示した。都会の狭い土地を奪い合うようにシェルターは地中深く、ひしめくように埋められている。
「おいで。一人用だけど」
 ハッチを開けながら、市井が誘う。胸がズキンと痛んだ。後先考えずに飛び出したことを、後藤は初めて後悔する。
 一人用のシェルターは文字通り一人用なのである。
 場所も狭ければ空気清浄機の性能も落ちる。常備された食糧や飲料水も一人が半年暮らしていくぶんギリギリしか格納できない。
 一人で使用したって助かるという保証もないのに、自分が入れば、間違いなく二人とも助からない。
 後藤は後ずさりして首を横に振った。
「大丈夫だよ。うちのカナダ製だから。思うより広いって」
「でも……」
「後藤が入らないならあたしも入らない」
 妙にキッパリと市井は言いきった。後藤は絶句した。市井は短気を起こしたように後藤の腰を蹴った。
「いいからはいれーっ!」
「わかった! わかったってば!」
 渋々、後藤は梯子段に手を掛けた。あとから市井も続く。
73 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月04日(水)04時37分30秒

 それから?

 ガスが晴れるまでの長い長い夜を二人はシェルターの中で暮らした。
 いろいろなことを語り合って、じゃれあって、時には歌ったり喧嘩したりしながら閉ざされた空間のなかの退屈を凌いだ。
 ガスが晴れるのが先か食糧が尽きるのが先か──
 二人ともそのことについては触れなかった。

 だけど、思っていたことは同じ。

 世界の終わりは君と一緒に迎えたい。

-完-
74 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月06日(金)03時21分54秒
感動あげ
75 名前:作者様へ 投稿日:2001年04月06日(金)12時53分26秒
出勤前に泣きそうになりました。
この後市井とごまがどうなったかはわかりませんが
きっと二人は幸せだったんですね。
あっ、いかん…
もう泣かないって武道館で決めたのに…
これからもこんな小説は読みたいです。
他の作品をお待ちしてます。
76 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月07日(土)05時08分51秒
更新が途絶えてるからっていきなりこれはどうだろう。
しかも2ch過去ログからのコピペ。
せめてあぷろだにあげるとか、保存屋に頼むとかするべきでは?
それはそうと、もとのこのスレの小説、続き気になってるんだけど。
77 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月07日(土)05時28分29秒
>>76
最初のとこのメール欄にコピペだって書いてあったよ。
でもそういう意味じゃないのかな?
お節介スマソ
78 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月07日(土)14時58分58秒
>>77 おそらくそれを踏まえても、
これはまずいだろ。と言うことだと思う。
実際、両方の作者に対して失礼な行為だと思う。
79 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月07日(土)23時35分19秒
コピペ小説の作者はこういうの喜ぶタイプじゃないし、
実際あまりいい顔してないみたい。
これからは止めた方がいいと思う。
80 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月08日(日)08時36分09秒
見逃していた名作を知ることができたから、
あくまで受け身である名無し読者の俺は得した気分。不謹慎か?
っつか、読者が議論する以前に、このスレ本来の作者はどうしたんだ?放置?
あと、コピペされた小説の作者殿へ。
ええ話です。感動。このことにヘコむことなく良作を書きつづけてください。
81 名前:即興小説屋 投稿日:2001年04月09日(月)01時52分50秒
ども。コピペ元です。>>78-79 俺のことならお構いなく。
>>80 こっちが元ネタですね。あれの他いちごまはわりませんがよければどうぞ。
http://www17.freeweb.ne.jp/diary/a156/966427413.html
スレ汚しスマン。では。
82 名前:いちファンより 投稿日:2001年05月08日(火)01時14分56秒
ありゃりゃ即興小説屋さん本人が来てる。
気がつかんかった。
気が向いたらこっちでも書いてね。

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