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夏の青い空

1 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月06日(土)23時43分44秒
はじめまして!初めてかきます!よろしくおねがいします!
さて、小説のほうなんですが学園ものにしようとおもってます。
よしいし、やぐちゅー、いちごまを基本としたいです!
2 名前:始まりの場所 投稿日:2001年01月06日(土)23時54分49秒
ここは女子高と中学が一貫体制となっている学校だ。
そこには女子高によくあることで通学路には毎日のように男たちがむらがっている。
モテル女子は優越感に浸りながら登校してしてくるというものだ。
そのなかでひときわ目立つ女子が登校してきた。女子高ににつかわしくないそのボーイッシュなマスク。
彼女こそ埼玉から転校してきたばかりの中等部3年吉澤ひとみ。
この物語のおもな登場人物のなかのひとりである。
3 名前:紅餓唯 朧 投稿日:2001年01月07日(日)00時02分54秒
続き楽しみにしてます。
4 名前:始まりの場所 投稿日:2001年01月07日(日)12時28分26秒
(なんか・・・なんでこんなに男たちがいるの?さっさときょうしつはいっちゃおう・・・)
しかし、ひとみは転校してきたばかりなのでまだ自分の教室をしらなかった。
(どうしよう・・・遅刻しちゃうよ・・・)
「あれー?あんた早く教室はいらなあと2分もないでー」
ひとみは誰に話しかけているのかわからず辺りをきょろきょろとみわたす。
「なにボケかましてんねん。あんたやあんた。」
その人はひとみにちかずくなり
「あんた見ない顔やねー」
と、率直に疑問をぶつけてきた。
「あ、はい・・。今日転入してきたんですけど・・・。」
ひとみはおどおどとしゃべる。
「なんや。最初から言っときーや。」
いままでしゃべりちらしておいて・・・と、ひとみは思ったが口にはださなかった。
5 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月07日(日)12時37分35秒
「とりあえず職員室きーや。しらべたるで。」
どうやら教師とおもわれるその女はひとみのてをひき職員室に入る。なかなかの美人でしかも若い。ひとみはいい先生なんだろうなと思った。
「みっちゃーん。名簿どこにあるんやったけ?」
「もー、ねえさんいいかげんおぼえてくださいよー。はい、どーぞ。」
みっちゃんとよばれていた女性はいやいやながらもしたがっている。
「ははは。いつもわるいねーみっちゃん」
「ほんまですよー。」
「せやからわるいってー。こんどおごるさかいゆるしてーな。」
なかなか雑談がおわらない・・・
「あの・・・先生・・・私のクラスは・・・」
「あー!せやせや!わすれとった!」
このひと・・・ほんとに教師なんだろうか・・・
6 名前:黒猫 投稿日:2001年01月07日(日)16時19分12秒
おお〜!!
よっすぃ〜が主人公だー!!楽しみにしてます
7 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月07日(日)20時41分30秒
俺の小説おもしろくないのかな・・・だれもみてないような・・・
8 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月07日(日)20時51分07秒
「えーっと・・・あ、名前聞いてへんやん!」
「吉澤ひとみです・・・」
「えーっと吉澤・・・あ、あった!三年六組やで。」
「あ、ありがとうございます・・・」
「やったなーあんた。な、なんと!三年六組の担任はわたくしでーす!」
「え・・・」
「なんやー!うれしいくせに!せやけどうちにはマイハ二−がいてはるからてーださんほうがええで。」
「え・・・だれですか!」
「うわ!びっくりするやないかー!」
「あ、すいません興奮しちゃって・・・」
「ま、ええけど・・・わからんことあったらなんでもきいてやー。」
「はい・・・」
ひとみは中澤のマイハ二−というのがしりたくてたまらなかった。
「あの・・・」
「ここやでーしっかりおぼえときー。」
と、教室についてしまったためそのはなしはおわってしまった。
9 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月07日(日)21時14分30秒
「吉澤、ここでまっときーや。私が呼んだら入ってきーや。
「はい。」
ガラガラガラ・・・
「はい!みんなせきにつきーや!」
関西弁のイントネーションが響きわたると少しずつ席についていく。
「今日は転入生がおるから紹介するでー。はいってきーやー。」
ガラガラガラ・・・
「わー、かっこいいー。」
ザワザワザワ・・・
「あんたらちっとは静かにしーや!吉澤自己紹介して」
「えっと・・・吉澤ひとみです。埼玉から来ました。よろしくおねがいします。」
と、いいながらも吉澤は教室をみわたしたがとくにかわったことはない。ひとりをのぞいて・・・
(ん・・・なんかひとりだけやけにちいさいひとが・・・)
吉澤の視線に気付いた中澤。
「あ!こらー!なにやってんねん!後藤!。」
それはちいさいのではなく、ねているだけだった。
後藤と呼ばれた少女は一度起きると
「ふにゃ・・・あれ?ゆーちゃん・・・その子誰?」
「あほか!うちは先生やで!ゆーちゃんはやめろってゆーたやろ!このこは転入生や!」
それだけいうと中澤先生は、
「吉澤、じゃああんたうしろすわっとき。」
「はい。」
とりあえず、指定されたところへいく。
「吉澤さん?」
後藤から話しかけられる。
「なに?」
「前の学校でなんてよばれてた?」
「うーん・・・よっしーとかよしことかひとみちゃんとか・・・」
「じゃさ、よしこってよんでいい?」
「うん。いいよ。」
「よろしくよしこ!」
吉澤ひとみ転校初日ですでにもてもて。
10 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月07日(日)21時28分06秒
どこのクラスにも問題児というものはいるもので、このクラスの場合後藤がそうらしい。授業もたまにでるくらいで、たまにでてもねてばかり。
それでも楽しそうに過ごしてる。まいにち学校には来てる。そんな後藤が今日は辛そうだ。
「ごっちん・・・だいじょうぶ?」
「さあ・・・どうだろ・・・」
「なんで学校に来たの?すごい熱だよ!」
「だってやすんだらいちーちゃんにあえないもん・・・」
後藤がそういった時、保健室に人が入ってきた。
「ごとー!」
吉澤は一目でだれだかわかった。市位さやか。この学校で一番人気の彼女。後藤とつきあっているという噂はきいたことがあったが・・・
彼女もまた授業はでないらしい。
「後藤!なんで学校来たンだよ!」
「いちーちゃんにあいたかったから・・・」
吉澤はその時すべて理解した。授業をさぼるのも学校にくるのもこのひとにあうためなんだと・・・。
「まあ・・・とりあえずねときな・・・」
「うん・・・。」
「あの・・・」
「あんた?後藤をここまでつれてきてくれたのは?」
「はい・・・」
11 名前:黒猫 投稿日:2001年01月07日(日)23時03分35秒
わ〜!!!
先がきになる〜!!!
12 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月08日(月)00時25分54秒
いちごま〜。いちごま〜。
13 名前:ま〜 投稿日:2001年01月08日(月)01時05分40秒
>ガンツさん
読んでますよ〜。続き期待♪
しかしガンツって名前って・・、ヤマトに出てきた人を思い出す・・。(w
14 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月08日(月)01時59分31秒
よっすぃ〜小説ダイスッキ〜
がんばって〜
15 名前:カキMAX 投稿日:2001年01月08日(月)02時16分01秒
ちいさいひと<矢口かと思ったら後藤だったとは!
学園モノ好きっす〜。自分も変なヤツ書いてま〜す。よろしく〜
16 名前:始まりの場所 投稿日:2001年01月08日(月)19時09分03秒
「で?手、だしてないだろうね?」
「え?」
「手だしてないかってきいてんの!」
「そ・・・そんなことするわけないじゃないですか!」
なんなんだ!この人は!わたしがごっちんにそんなことするわけないじゃん!
「だったらいいんだけど・・・あ!あんた、ひょっとして吉澤ひとみって子?」
な、なんで名前を知ってんだ?
「はい・・・そうですけど・・・。」
「やっぱり!後藤がよくいってたよー。よしこはね梨華ちゃんがあってるとおもうって・・・」
「は?・・・だ、だれですか!梨華ちゃんって・・」
まったく・・・ホントになんなんだこのひとは・・・
「あれ?しらないんだ!いっかい見てみなよ。高等部一年・・・一組だったとおもうけど・・・」
「な、なんでそうゆーはなしになってんですか!」
「ははは。照れてんの?かわいいとこあんじゃん。そんな顔して・・・」
「て、てれてないですよ・・・」
さすがにこれ以上うるさくしては後藤がおきてしまうとおもったひとみはすこし小声でいった。
「でもね・・・高等部と中等部の『ミニモニ〜ちっちゃい娘。〜同盟』ってのにはきをつけな。」
「う〜〜ん。」
「あ!後藤おきたか。とりあえず帰ろう。家までいってやるから・・・」
「う〜〜ん・・・。わかった・・・」
まだすこしねぼけている後藤はおもいっきりのびをしてベッドからおりると足早に市位に駆け寄りかえっていった。
「じゃーねー・・・よしこ。」
足取りはしっかりしていたが声の方はまだたよりなさげだった。
「あ・・、ちょっといちーさーん!」
ひとみの声は校庭での授業の声にかき消された。
この学校はホントに不思議がおおい・・・そうおもえる月曜のひるさがり。
17 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月08日(月)19時28分37秒
しかし、ひとみもその梨華ちゃんというひとに興味をもたないわけじゃない。
(いっかいいってみようかな・・・一年一組っていってたよな・・・)
休み時間、ひとみは高等部の入り口をうろうろしていた。
中等部から高等部への入り口は2つある。一方はよくつかわれる表口で今ひとみがいるこちらは裏口とよばれている。
人気も少なく、ドアも古びた引き戸式になっている。普段は誰も使わないが高等部の一年一組には一番近い。
ひとみは意を決して中にはいってみるとちょうど一年一組石川梨華とかかれたネームいりの制服をきた生徒が教室でおしゃべりをしていた。
(か、かわいい・・・)
ひとみは一目みただけでそうおもった。きれいな髪の毛、整った顔だち。だれもがかわいいとおもうはずだ。こんな女の子っぽい人はみたことがない。
(はは〜だからごっちんはわたしにぴったりっていったのか・・・でも・・・あの人なら・・・だああああ!なにかんがえてんの!めをさませ!ひとみ!)
ひとみはきづいていないがそれはだれがどうみても恋におちていた。と、そのとき・・・
「よしこ〜〜〜!なにやってんの!」
「ご、ごっちん!し〜〜〜!」
ひとみはとっさに後藤をかくすと息を潜めた。幸いみつかっていないようだ。
18 名前:始まりの場所 投稿日:2001年01月08日(月)23時07分53秒
「な、なにすんのよ!」
「そんなおっきい声だしたらみつかっちゃうじゃん!」
「いいじゃん!みつかっても!てゆーか、ここでなにしてんの?」
「ごっちんこそなにしてんの?」
「わたしは〜〜〜愛しのさやかサマにあいにいくだっけよーん。よしこはなにしてんの?」
「わ、わたしは・・・」
「わかった!梨華ちゃんだ!いや〜〜〜よしこもやっと興味もったか!」
「だから声でかいって!」
きづいたときには時すでに遅し。
「二人ともなにしてんの?」
少し高めのすんだ声。聞くだけうっとりしてしまいそうな優しい声。
「どうも。ごっちんです。」
「しってるけど・・・あなたは?」
ひとみははなしかけられるだけで鼓動がはやくなる。
「あ、あの・・・ごっちんとおなじクラスの吉澤ひとみです!」
「あ!転校してきたばかりの?」
「は、はい!そうです!」
「へえ〜。かわいいね!これからもよろしく!ひとみちゃん!」
「は、はい!よろしくおねがいします!」
「あ、もう休み時間おわっちゃうよ。じゃあね!ごっちんひとみちゃん!」
「さ、さようなら〜」
「よしこ・・・ほれたな?」
「うん・・・」
それはまだ五月のすこしあつい正午。ひとみの心には『始まりの音』が鳴り響いている。
そのあと一日ひとみの機嫌は終止上機嫌だったのはいうまでもない・・・。
ここがひとみの『始まりの場所』であった。
19 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月08日(月)23時13分02秒
あ〜〜〜第一話『始まりの場所』しゅうりょ〜〜〜。
どうでしたか?第二話は長めで行きたいと思います。
冬休みがおわってしまったので更新はおそくなるかもしれませんがゆるしてください。
20 名前:ま〜 投稿日:2001年01月08日(月)23時15分10秒
おお〜。待ってるぞ〜♪
21 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月10日(水)22時34分20秒
六月に入った。雨が降り続いてじめじめした嫌な天気だ。いつもなら学校にいくのもいやだ。
だけど・・・今は見ていたい人がいる。・・・会いたい人がいる。
なにも変わらないつもの通学路。けど・・・あの人がいる。愛しいあの人が。
・・・あれから石川梨華についていろいろと知った。彼女は生活委員長で毎朝校門の前であいさつしているらしい。いままでみたことがなかったのかといわれれば、そういえばいたような気がする。って存在感が薄いとかじゃなくてみてなかったってだけなんだけどね。
テニス部に所属。テニスはうまいらしいがほかのスポーツは・・・。学力はいつも五本の指に入る頭の良さ。
ついでに・・・いまはフリーらしい・・・。
そんな彼女が今日も校門の前でたっている。雨の強い日だと言うのに小さな傘一本で一生懸命あいさつしている。だれも返事もしないというのに・・・。
わたしは声をかけるべきかどうか迷った。つい最近知り合ってろくにはなしてもいないのに・・・。
だけど、今日はやれそうな気がした。だいだいあんな姿をみるとよけいにどうにかしてあげたくなる。
わたしが気付いた時はすでに歩き出していた。
22 名前:小さなやさしさ 投稿日:2001年01月10日(水)22時49分43秒
「あの・・・すいません。」
「?あ!ひとみちゃん・・・だよね?おはよう。」
あ〜〜〜やっぱりかわいい・・・。おっと、あいさつしとかないとね。
「おはようございます。」
「どうしたの?」
なんか歩いてきちゃったけどなんていえばいいんだろ・・?
ひとみはここにきて悩んでしまった。
「何か相談でもあるの?」
しびれをきらしてか梨華がきりだしてきた。ひとみは意を決して、
「先輩・・・そんな小さな傘じゃぬれちゃいますよ。わたしのととりかえましょうか?」
「え・・・。い、いいよ。そんなのひとみちゃんに悪いし・・・第一ひとみちゃんのほうがおおきいから濡れちゃうよ?」
「いいですよ。学校もすぐそこじゃないですか。とりかえましょう。」
ひとみは少し強引にかさをとりかえようとした。そのとき、
「や、やめて!」
梨華が突然大声を出した。その声は登校中の生徒には聞こえなかったようだ。しかし、ひとみにはしっかりきこえていた。
「ひとみちゃん・・・どうしてそんなことするの・・・?いやだっていってるのに・・・」
そういうと梨華は走っていってしまった。
「ちょ・・・!先輩!」
ひとみの声を無視して遠ざかる梨華。ひとみはみてしまった。梨華の眼にひかる泪を・・・。
23 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月10日(水)22時56分15秒
ひとみはその日一日梨華のことばかり考えていた。
(どうして?私はなにやってんだろう?先輩いやがってたのに・・・!)
どうにもならない歯痒さととくやしさがひとみのあたまのなかをまわる。いまのひとみはまさに今日の空のような色で、流れ落ちるのは雨だけではなかった・・・。
ほんのすこし、ほんのすこしでよかったから、すこしのやさしさがあれば・・・。
24 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月10日(水)23時00分46秒
更新です。けっこう更新できて良かったと思います。
ま〜さん
レスありがとうございます。これからもがんばるのでよろしく。
25 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月12日(金)23時09分36秒
薄明かりの照らす中、やかましいほど鳴り響く時計の音にいらだちを感じさせる。
あの事件から一週間。ひとみは梨華と話してもいないし、見てもいない。ひとみはあやまりたくてたまらなかった。なぜ怒ったかはしらないがとにかくこの関係がおわってしまうのがいやだった。
学校。いつもとおなじはずだった。しかし、そこに梨華のすがたはなかった。いつもいるはずの梨華のすがたが。
(先輩、どうしたんだろう・・・)
ひとみの頭を不安がよぎる。
ひとみはその足でそのまま高等部一年一組にむかった。
案の定梨華の姿はなかった。ひとみがうろうろしていると突然後ろから声をかけられた。
「よ!吉澤じゃん!」
市位さやか。ひとの気持ちも考えないやつだ。しかし、いまはうれしい。
「あ、あの市位先輩・・・石川先輩の家しりませんか?」
「ああ。今日休んでるからね。うん、しってるよ。ここを・・・・・・っていくんだよ。」
「あ、ありがとうございます!」
ひとみはこころのそこから感謝した。
「いいってことよ。じゃ、いってらっしゃ〜い。」
「は?」
「は?じゃないだろ。いまからいくんだよ。当たり前じゃん。」
「でも・・・授業は・・・」
「あんた、石川と授業どっちが大事なの?」
もちろん先輩にきまってる。しかも悪いのは私の方だ。
「市位先輩・・・。いってきます!」
そう言い残すとひとみは風のように去っていった。
「・・・単純なやつ・・・。」
26 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月12日(金)23時24分31秒
ひとみはとにかく走った。梨華にあいたい、あってあやまりたいという思いで走り続けていた。
道を歩く人たちが不審な眼で見ている。制服で走っているのだから。しかしひとみは止まることができなかった。ここでとまれば、ひとみの中のすべてが止まってしまいそうで・・・・
今はみんな何もかもに色がついていない真っ暗な世界。ひとみに色付いているのは梨華の家に向かう道だけである。
今のひとみにできる一つだけの解決方法。それは走り続けること。
・・・・どれくらいはしっただろうか・・・?ここは梨華の家の前。ひとみは呼吸を整える・・・・。
大きく一つ深呼吸。どうか・・・どうか先輩の心にこの気持ちがとどきますように・・・。
ピンポーン・・・
「はい・・・」
弱々しい声がする。先輩だ・・・・。
「吉澤です。いれてください。」
ひとみは強くいった。
27 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月12日(金)23時26分12秒
更新です。読んでくれてるみなさん!スペースヴィーナスはやりましたか?最高ですよ!
28 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月13日(土)01時37分23秒
読んでますよ。
「スペースヴィーナス」ハタチの成人男性には買うことが・・・
29 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月13日(土)16時30分34秒
「ひとみちゃん?なんで私の家を・・・」
「市位先輩に聞きました。話がしたいんです。なかに入れて下さい」
ギイイイイ・・・・
玄関のトビラが開いた。そこにまっていたのは・・・梨華だった。顔色も悪く、今にも倒れてしまいそうなほどだった。
「おじゃまします・・・・。」
ひとみは家にいれてもらった。なかなかの広さで、イイにおいがたちこめている。ひとみは梨華の部屋にとおされた。
「・・・・何の用?」
梨華はベッドに腰掛けながら、すこし鼻声で言った。
「先輩・・・・ごめんなさい!」
ひとみは床に手をついてあやまった。たとえ許してくれなくてもどうしてもいいたかったその一言を言いながら。
「なんでひとみちゃんがあやまるの?」
「え?」
「私が勝手に怒っちゃっただけなのに・・・・」
そういった梨華の眼には泪がたまっているようにみえた。
「ごめんね・・・ひとみちゃん・・・ごめんね・・・」
そういうと梨華はゆっくりとスロー再生したみたいに倒れた。
30 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月13日(土)21時05分09秒
市井の「井」が違うのはわざと?
31 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月14日(日)00時03分51秒
「!!先輩!」
間一髪、間に合った。ひとみは梨華をだきとめると、額に手を当てた。
「先輩!すごい熱ですよ!」
ひとみが話しかけたが返事はない。
(やばい!とりあえずなんとかしないと!)
ひとみは瞬時にそう思うと、梨華をベッドに寝かせた。それからすぐに洗面所にむかいおいてあったタオルと洗面器をもって、梨華のへやへ走った。洗面器のなかにタオルをいれてぎゅっとしぼる。そして、そっと梨華の額に置く。
「うう・・・」
苦しいのだろうか、弱弱しいこえがきこえる。しかし、今のひとみにはそばにいてやることしかできなかった。
「先輩・・・大丈夫ですよ・・・」
そういうとひとみは、梨華の手を握りしめた。
32 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月14日(日)00時09分05秒
更新です。もっとレスがつくぐらいがんばりたいです。
>28
ええ!?そんなハタチのひとがぼくなんかの小説をよんでくれてるんですか?ありがとうございます!スペースヴィーナスあっさりかえましたよ。
ぼくは中坊ですから。
>30
あいたたたたた!今の今まで気付かなかった!おしえてくれてありがとうございます!
33 名前:名無し読者 投稿日:2001年01月15日(月)00時41分50秒
中坊!?それって厨房じゃなく中坊ってこと?
なんかすごいね。学校もあるのに…
がんばってね。
34 名前:Hruso 投稿日:2001年01月15日(月)01時40分13秒
こういう空気の学園もの好きです。
よしいし、やぐちゅー、いちごまって全部自分の好きなカップリングなんで
続きが楽しみです。
35 名前: 投稿日:2001年01月15日(月)11時54分44秒
オイラもこういうの好きっすねー
マターリしたのが好きなもんで
まぁ、頑張ってください。続き楽しみにしてるっス!
36 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月15日(月)17時44分59秒
続き期待
37 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月17日(水)19時37分17秒
それから・・・何時間ぐらいたっただろう?すでに日は暮れはじめ、窓からは下校する生徒もちらほらみえだした。
ひとみはあれからずっと梨華の手を握り続けていた。そしてときおり聞こえる梨華のうめきごえをきいては声をかける。それの繰り返しだった。
ひとみは部屋を見渡す。自分とは違い、女の子らしくイイにおいの部屋。ふと、ひとみは机の上にあるちいさなちいさな袋が眼についた。
(なんだろう・・・?)
ひとみの位置からではよくみえないがなにかプレゼントのようなものだった。
(そうだ・・・この前・・・ちょうど先輩に会った頃が私の誕生日だったかな・・・)
そんなことはすっかり忘れていた。梨華の事で頭がいっぱいで・・・。
そう思いながら梨華の額に置かれたタオルを水につけてまた梨華の額に戻した。いったい何回目だろう・・・。
そう思った直後、梨華が眼をさました。
「ん・・・あれ?ここは・・・」
梨華は少々寝ぼけているのだろうか?状況がつかめないらしい。
「先輩・・・あのあと先輩が倒れたんですよ。」
「あ・・・」
梨華はやっと思い出したらしく、口を手で押さえている。
「そうだ・・・私・・・またひとみちゃんに迷惑かけちゃったね・・・」
梨華は何か、どこか悲し気な眼だった。
「私・・・ひとみちゃんに迷惑かけてばっかり・・・」
「そんなことないです!」
梨華の声をひとみが遮った。
「私・・・・迷惑なんておもってないし・・・先輩が・・・先輩が・・大好きなんです!」
ひとみは最後までしっかりとした口調で言い放った。
38 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月17日(水)19時54分40秒
「え・・・・」
梨華は驚いていた。そして姑くの沈黙・・・・。
「私もね・・・ひとみちゃんが好きなんだよ・・・。でもね・・・私にはそれに答える勇気もないし・・・資格もない。」
ひとみはショックをうけた。つらかった。逃げ出したかった。この世界全てを嘘だと思った。
しかし、そのあとに・・・
「でもね・・・今は・・・ひとみちゃんが私に勇気をくれたから・・・資格はないかもしれないけど・・・ひとみちゃんと・・・付き会いたいよ・・・。」
梨華は最後まで弱弱しかったがはっきりといった。
「先輩・・・資格なんて・・・いりません・・・先輩がいてくれれば・・・」
ひとみもそれに答えた。
「ひとみちゃん・・・ありがとう。」
梨華が笑った。泣き笑いに近かったが、確かに笑った。一週間ぶりに見る梨華の優しい笑顔。
ひとみはうれしくなった。
「よ〜〜〜し!そうと決まれば・・・」
ひとみは腕まくりしはじめた。
「ひ、ひとみちゃん?なにしてるの?」
梨華がたずねた。
「料理ですよ。りょ・う・り!先輩何も食べてないでしょう?」
「そ、そんなこと・・・」
口ではそういっても、体は正直だ。お腹がグウグウなっている。
梨華は真っ赤になった。
「あははは。まっててください。すぐつくりますから・・・」
ひとみと梨華の長い長いお付き会いはこうしてはじまった。
39 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月17日(水)19時59分40秒
更新です!やった!レスがこんなに・・・ありがとうございます!
>33
はい!バリバリ現役中1です!
>34
ありがとうございます!ぼくもこのカップルが一番大好きなんです!
>35
ありがとうございます!がんばっていきますんで応援してください!
>36
期待してくれるんですか!ありがとうございます!これからもレスおねがいします!
40 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月19日(金)22時46分16秒
「せんぱ〜い!できましたよ〜」
そういって足取り軽く梨華の部屋に入ってきたひとみ。その手の中の小さなおぼんには、おかゆと薬、そして水がのっていた。
「ありがとう・・・ひとみちゃん。」
梨華はまだだるそうだ。
「あ!先輩!おきなくていいんですよ!」
そういうとひとみは梨華のベッドの前で膝立ちして、梨華の口の前におかゆのたっぷりはいったレンゲをもっていった。
「あ〜んしてください!」
ひとみは満面の笑みでいった。梨華は恥ずかしそうに真っ赤になりながらも口をあけた。
ぱく・・・
「おいしい〜〜!ひとみちゃん料理うまいんだね!」
梨華はうれしそうにしゃべる。
「でしょ〜〜!毎日花嫁修行してるからね〜ん!」
ひとみもうれしそうにわらう。そして二人顔を見合わせるとわらいだした。そこには二人の時間だけがゆっくりと動いている。
41 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月19日(金)23時03分13秒
それから梨華がおかゆをたべおわった。
「先輩・・・お薬飲んで早くよくなってください。」
そういいながらひとみは梨華に薬を手渡した。
「ありがとう・・・・ひとみちゃん。」
梨華が薬を受け取る。
「先輩・・・あしたから学校にきて下さいよ!」
ひとみは明るく言った。
「・・・うん!絶対行くよ!」
そう言い終わると梨華は粉薬を喉に流し込んだ。
「じゃあ・・・先輩・・・わたし、そろそろ帰りますからちゃんと寝といて下さいよ。」
「うん・・・わかった。」
「それじゃ・・・」
ひとみは梨華に背を向けて帰ろうとする。それを梨華がよびとめた。
「ひとみちゃん!」
ひとみがふりかえる。
「なんですか。先輩。」
「あのね・・・その先輩って呼び方やめてほしいな・・・って」
「なんでですか?」
「だって・・ほら・・・つ・・つきあってるんだから・・・さ・・」
梨華はあきらかに恥ずかしがっている。
ひとみはそんな梨華をみておもわず吹き出してしまった。
「な・・・なんでわらうのー!」
梨華が怒る。
「だ、だって・・・・!」
ひとみは言い様がなかった。
「だから・・・ね?梨華でいいよ。」
梨華が照れながら言う。
「かしこまりました。梨華サマ。」
そういって笑顔で返した。梨華は恥ずかしいのかふとんにもぐりこんだ。
「じゃあ・・・こんどこそさようなら・・・」
「ばいばい・・・ひとみちゃん・・・」
ひとみはそういうと梨華の家からでていった。
42 名前:Hruso 投稿日:2001年01月26日(金)02時41分56秒
おお、いしよしが付き合うことになってる。
資格ってのが気になりますねぇ。
43 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月26日(金)22時06分25秒
次の日・・・・。ひとみは梨華の家に梨華を迎えに行くところだった。
(梨華ちゃんの家って、けっこう近いんだよね〜〜)
そう、ひとみと梨華は同じ地区内にくらしていたのだ。
そんなことを考えているうちにもう梨華の家についた。
2回目とはいえ、緊張する。ひとみは大きく深呼吸すると、チャイムを鳴らした。
ピンポーン・・・
「はい・・・。あっ、ひとみちゃん?今行くからちょっとまってね。」
バタバタバタバタ・・・
階段を駆け上がる音がする。
バタバタバタバタ・・・・
梨華が階段からおりてきた。
「おまたせ〜〜。」
ひとみは興奮していた。
(朝から梨華ちゃんにあえるなんて・・・)
「どうしたの?いこうよ。」
梨華がひとみの手をひく。
「あ、はい!」
(梨華ちゃん・・・ぜったいはなさないからね・・・・)
そう心に誓った吉澤ひとみであった・・・。
44 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月26日(金)22時08分47秒
更新です・・・。彼女にふられた〜〜〜!やけくそであしたはかきまくるぞ〜〜〜!
>42
レスありがとうございます。資格ってのはあんまり関係ないです・・・。
45 名前:名無しさん 投稿日:2001年01月27日(土)03時45分06秒
面白いけど“・・・”が多すぎて
ちょっと見にくいよ
46 名前:名無し読者 投稿日:2001年01月27日(土)04時34分52秒
中1か〜〜、、勢いが有り余ってる時期だよね
小説とか書き易いかも
47 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月27日(土)13時14分07秒
ここから学校まではなかなか近い。700、いや、500メートルぐらいだった。
いつもなら学校の近さに助けられているひとみもこの日ばかりはこの近さがうらめしかった。
(くそ〜〜!もっとこのままでいたいのに〜)
そうおもっても学校はもう目の前。しかし、梨華とひとみの手はつながれたまま。
「あっ、梨華ちゃん。校門のところにいなくていいの?」
そう、なぜかいつもこの時間は校門のところにいる梨華が今日は自分と手を繋いでいる。
「うん!今日はいいんだ。てゆーかもう当番かわっちゃったんだ。」
梨華は明るくそう答えた。そしてひとみは心の中で大きくガッツポーズ。
(よし!!あしたからずーっと梨華ちゃんと登校できる!)
そのとき、ふいに後ろから声をかけられた。
「お〜お〜あさからラブラブだね〜。」
「ほんと、きのうはいきなり帰っちゃうしさ〜。」
その声の主はいうまでもない。後藤と市井だ。
そこでひとみはあることに気付いた。
「あ、ごっちん!昨日先生は何かいってた?」
「だ〜いじょうぶだよ!先生にはわたしがいっといたから。」
「なんて?」
「愛する人のところにいったよって!」
「えっ!うそ!?」
「ほーんと!」
ひとみはあせった。まさか先生に言うなんて。しかしそこで市井が、
「あっ、しらないんだ。あの先生そーゆーことならなにもいわないんだよ。」
といった。ひとみは聞き返す。
「どーしてですか?」
「まっ、そのうちわかるでしょ。」
市井が言った。梨華と後藤は笑うだけだった。それ以上はなにもいってくれなかった。
やっと、校門にさしかかったとき、突然シャッターがきられるような音がした。
48 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月27日(土)13時35分01秒
ひとみと梨華はびっくりしていた。市井と後藤は笑っている。
「ね〜。やっぱ今日ぐらいにくるとおもったよ〜!」
市井がいった。ひとみと梨華はぽーっとしている。そのとき、
「やったで!ひさしぶりのネタや!ばらまきにいくで!のの!」
「はい!あいちゃん!」
ひとみはしっかりと見た。そのふたつの小さな影を。しかし、すぐに見失ってしまった。
「なんなんですか!あいつらは!?」
ひとみが市井にたずねる。まだ梨華は状況がつかめないらしく、ぽーっとしている。いまだ、後藤と市井はわらっている。
「あいつらはね、ずっと前、はなした『ミニモニ〜ちっちゃい娘。〜同盟』ってやつらだよ。」
市井が笑いながら答える。
「ののってのが辻で、あいちゃんってやつが加護ってゆーの。」
後藤がつけたす。ひとみはさらに尋ねる。
「あの写真はどーなるんですか!?」
「あー、あれはね、校内に張り出されるんだよ。あいつらのいたずらで。」
市井が言う。
「これはね、誰かと付き合うとかならずなってしまうの。だからまあ、洗礼みたいなものね。つきあうための。」
後藤がつけたす。この二人息もぴったりだ。しかしひとみにはそんなことつっこむ余裕もない。梨華にいたっては放心状態だ。
(絶対つかまえる・・・)
そうおもうだけだった。
49 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月27日(土)13時38分28秒
更新です。きょうはまだまだ更新します。
>45さん
そうですか。おしえてくださってどうもありがとうございます。
これからはひかえます。
>46さん
そうですね。有り余りまくってますよ(笑)
これはだいたい自分におこったことをかいてますからかきやすいですよ。
50 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月27日(土)23時02分21秒
それから一週間後。
「あ!あのひとよ!高等部の石川さんとつきあってる・・」
「しってる!吉澤って子でしょ!」
そう、あのときからこの話ばかりだ。あのあと校内に入り、辻、加護をさがしてもみつからないまま休み時間になった。
そのとたんみんなが掲示板にたかりだす。道を行き交うひとの台詞はこうだ。
「ねえ!ひさしぶりにミニモニ新聞がでるらしいよ!」
「ほんとに!どんなことがかいてあんのかな?」
「いこうよ!」
ひとみはその響きがおそろしかった。
(まさか・・・!)
ひとみも人にまぎれて掲示板にむかった。途中で梨華もみつけた。
二人で掲示板をみると、みんながこっちをみている。案の定新聞にはひとみと梨華のことがかかれており、いまのこの有り様だ。
しかし、ひとみも黙っているわけではない。あれからミニモニに付いて調べあげた。
ナンバー3、辻希美
中等部1年3組。比較的おとなしいがよくわからない。人当たりがよい。
ナンバー2、加護亜依
中等部1年3組。悪ガキ。悪戯大好き。
ナンバー1、矢口真里
高等部1年六組。主犯格。とくに何も言わないが、辻、加護は彼女を慕っている。
あと一人ミカってゆーのがいるらしいが、故郷のハワイに帰っているらしい。
不思議なのは矢口真里と言う存在だ。見たことがない。梨華に会うために高等部はよく出入りするが矢口真里をみたことはない。
(なんでだろう?)
ひとみが考え込む間に中澤が声をかけた。
「よっすぃー!なにしてんのー?」
馴れ馴れしくもあだなでよんでくる。でも、悪い気はしない。
「あの・・・先生、矢口真里ってしってますか?」
その名前をいったとたん中澤先生の顔が変わった。だが、ひとみは気付かない。
「・・・その子がどないしたんや?」
「いや、何か見たことないから。」
「ミニモニのことやろ?」
「な、なんでしってるんですか!?」
「あんた、石川と付き合ってんのやろ?そのことをばらされたからやろ?」
スルドイ。さすがだ。
「そ〜ですよ。ムカツイてます。」
すると、中澤は急に微笑んで、
「誰だって最初はそうおもうんや。けどな、あいつらがなんでせめられんと思う?」
「それは・・・」
「まっ、そのうちわかるやろ。」
またその台詞だ。ここの人たちは隠し事が好きみたいだな。
「なんで、そんなことがわかるんですか?」
51 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月27日(土)23時24分26秒
「うちが・・・だれよりもあいつをしってるからや。」
え?あいつ?
「中澤先生?あいつってどーゆーことですか?」
そのとたん、けたたましい声が鳴り響く。
「ゆーちゃ〜ん!おわったよ〜!」
その声の主は、おそらく、いや、まちがいなく『あいつ』だった。
「お〜!矢口!おわったか!ほな、帰るか!」
そう、『あいつ』とは矢口真里のことだった。
「ん?あ!吉澤さんでしょ?梨華ちゃんとつきあってる。」
ぼけーっとしたわたしを指差して言う。
「ああ。そうや。よっすぃーってゆーんやで。」
中澤が勝手にしゃべる。やっと意識がもどったわたしは、中澤先生に聞いた。
「中澤先生、これって・・・」
「そーゆーことや!ほな、これでな!矢口!いくで!」
「は〜い!じゃね!よっすぃー!」
わたしはその後ろ姿を見守るだけだった。そのあと、梨華ちゃんをまってそのことをはなした。
梨華ちゃんもびっくりしていた。
「矢口さん、いってくれなかったのに・・。」
「でも、それとミニモニとどう関係があるんだろう?」
それはあとから重要なことになろうとは気付きもしない二人であった。
それからしばらくたって7月にはいった。長く感じた梅雨もおわり、やっと夏が近ずいてきた。
夏。それは恋人たちの愛する季節。
52 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月27日(土)23時25分22秒
更新です。つかれた〜。
53 名前:紅餓唯 朧 投稿日:2001年01月28日(日)08時34分05秒
学園ものに弱い自分。恋人達の愛する季節に期待です。
やっぱよしいしはいいね!
54 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年01月28日(日)22時21分46秒
朝。暑い。まだ7月になったばかりだと言うのに暑い。これが地球温暖化現象なのか。
ふと時計に眼をやる。・・・7時50分。
「・・・・・ああああああああ!」
ヤバい。あせる。あと10分しかない。髪セットして、顔洗って、朝御飯たべて・・・なんてとても間に合わない。梨華ちゃんもまってるだろうし。
「くそ〜〜!」
走る。この暑い中、パンをくわえて走る。汗なんかガンガンでてる。だから夏はきらいだ。それでも走る。
梨華の家についた。チャイムをおす。
ピンポーン
「あ!ひとみちゃんおそいよー!あと5分!」
そのあとも走る。走る。梨華ちゃんが笑った。私も笑った。好きな人とおもいっきり何かするって、サイコーだ。
キーンコーンカーンコーン
なんて考えてたらいつの間にかチャイムがなっている。
ギリギリ校門に飛び込んだ。
まわりの生徒はびっくりしてる。
そこに立っていた中澤先生が突然叫んだ。
「セーフ!!」
笑った。みんなで笑った。
私も、梨華ちゃんも、中澤先生も、矢口さんも、市井さんも、ごっちんも。
汗もだらだら、息もハアハアなのに。笑ってる。
訂正。やっぱ、夏ってサイコーだ。早く夏休みが来ないかな。
55 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月28日(日)22時27分23秒
更新です。なんかこんなのが書いてみたかった。ところで、新しいバトル系の小説書きたいんだけどスレッドたてていいかな?
>53さん
ありがとうございます。これからも『いしよし広めよう運動』がんばりましょう。小説もとてもおもしろいです。
ところで、歳、けっこう近いんですか?あと、これなんて読むんですか?
56 名前:紅餓唯 朧 投稿日:2001年01月29日(月)18時22分49秒
バトル系ですか〜。期待です。
ガンツさんのいしよし大好きです。お互い頑張りましょう!
例えTV的にはよしごまが多くても(笑)
くがい おぼろって読みます。16歳の女子高生です。
57 名前:すれ違い 投稿日:2001年01月29日(月)22時47分25秒
7月も中旬に入った。ほんとに暑くなってきて、もうTシャツ一枚でも暑い。
そんな中で私達は燃えるような恋をするんだろうな。と、おもっていた。
だが、現実とは厳しいもので少し前から梨華とひとみはすれ違うことが多くなってきた。
中等部のひとみと高等部の梨華。あたりまえといえばあたりまえなんだろうけど、ひとみは不安でたまらなかった。
ただでさえモテモテの梨華。恋人がモテモテなのはうれしいが、そのぶん不安も大きい。
朝は毎日いっしょに登校するものの、家と学校が近いため話す時間もない。学校ではもちろん話せない。
そんなすれ違いばかりがここのところ続いている。
(梨華ちゃんは不安じゃないのかな。)
なんて考えたりもする。
いやだ。はっきりいってつらい。この前みたいにいつでもラブラブな二人に戻りたい。
そんな思いで、苦しんでいた矢先に梨華の姿がみえた。
もう下校時刻なので、ちょうどイイと思い、いっしょに帰ろうと話しかけようとした瞬間。ひとみは眼を疑った。
なんと、梨華が全く知らない人と歩いている。しかも二人きりで。
ひとみは出そうとした言葉をのみこんで、帰ろうとした。
梨華がひとみに気付き話しかけたが、ひとみは無視して走った。家に向かって走った。
透明な雫だけをアスファルトのうえに残して・・・・。
58 名前:ガンツ 投稿日:2001年01月29日(月)22時53分35秒
更新です。そろそろいちごま、やぐちゅーもだしていこうとおもいます。エロもいれようとおもいます。
>紅餓唯 朧さん
わかりました!ありがとうございます!小説ぼくも大好きです!がんばってください!女子高生ってのはおどろきです。
59 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年02月01日(木)19時15分04秒
ひとみは家につくと鞄をほうりなげ、すぐさま家を飛び出した。
忘れたい。なにもかも忘れてしまいたい。
すると、目の前には小さい頃よく遊んだ、小さな公園があった。
ひとみは吸い込まれるようにその公園にはいった。そして、芝生のうえにゴロンと寝転がった。
夏は日が落ちるのがおそい。まだ六時になったばかりなので、まだ空は明るかった。
(空が・・・きれいだなあ。)
夕日に照らされた雲も、空も公園の芝生も、もちろんひとみも赤く染まっている。
なんだか、急に泪が溢れてきた。
こんなにきれいな空なのに。考えるのは梨華のことばかりで。
痛い。つらい。会いたい。
そんな思いが頭の中をかき混ぜる。
「ひとみちゃん・・・?」
決して大きくはないがハッキリとした声。
今一番聞きたくない声。いや、一番聞きたかったのかもしれない。
大好きな梨華の声。
60 名前:小さな優しさ 投稿日:2001年02月01日(木)19時34分38秒
「ひとみちゃん?ひとみちゃんでしょ?」
なんども梨華が呼ぶ。しかし、ひとみは答えない。梨華が歩み寄ってくる。
「ひとみちゃん・・・。」
そういうと梨華はひとみの隣に腰掛けた。
「ひとみちゃん・・・。今日、私から逃げたよね?あれは・・・理由は何となくわかるけど・・・」
そういったときひとみが梨華の言葉を遮った。
「もういいよ!私よりその人の事が好きなんでしょ!?行っちまいなよ!」
強い口調で言い放った。かなりうわずってはいたが。
それに気付いた梨華は
「ひとみちゃん・・・。泣いてるの?」
といった。ひとみは答えなかった。
「そりゃあ・・・あんなことされたら、誰だって怒っちゃうよね。」
梨華は淡々と続ける。
「でも・・・あの人は私の部活の先輩で・・・何の関係もないの。それだけは信じてほしいの。」
「じゃあ・・・なんでいっしょにかえったの?」
ひとみは怒った口調でいう。
「部活の話し合いをしてたから一緒に帰ってたの。ほんとに。」
ひとみは泪が止まらなかった。梨華のせいではなく、勘違いした自分に。
そんなひとみを梨華がそっと抱き締めた。
「ごめんね・・・。ひとみちゃん。でも、わたしはひとみちゃんが大好きなんだよ。」
梨華の手に力が入る。
ひとみは振り向くと、梨華に抱きついて泣いた。
「ひとみちゃん・・・。そうだ!いいとこに連れてってあげる。」
ひとみは顔をあげた。やっと泪はとまった。
「いいとこって・・・どこ?」
まだ泪の余韻は残っているものの、ひとみは聞いた。
「いいからいいから。」
といって、梨華は立ち上がって歩き出した。ひとみも慌てて追いかける。
空は暗くなりかかっていた。
61 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月01日(木)19時39分35秒
更新です。レスおねがいします!
62 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月02日(金)07時33分09秒
作者さん面白いっすよ。
吉澤らしさも石川らしさも出てる。
頑張ってくださーい。
63 名前:愛の場所 投稿日:2001年02月04日(日)19時02分41秒
梨華のあとを追い掛けてから数分後。
「ひとみちゃん、もうすぐだからね。」
梨華が声をかけた。
その頃にはひとみの泪もとまっていて、梨華と手を繋いでいる。
「うん!」
ひとみは精一杯の感謝の気持ちを込めて、笑顔でかえした。
それから2〜3分後にどうやら梨華のいう、『いいとこ』についたらしい。
「ひとみちゃん、こっちこっち。」
といって、梨華は足早に林の中に入っていった。
「あ、まってよ〜!」
ひとみも追いかける。
しかし、林の中はひどい荒れ様で、歩くのもやっとだった。
「ついたよ〜!ひとみちゃん!」
梨華が叫ぶ。梨華に遅れていたひとみは、林を抜けるところだった。
「やっとついた〜・・・・!」
64 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月04日(日)19時09分00秒
更新です。最近、レス数が減ってきた。もっとがんばらねば!
>名無し読者さん
いつもありがとうございます!これからもがんばるのでよろしくおねがいします!
65 名前:ま〜 投稿日:2001年02月04日(日)22時36分08秒
読んでるよ〜♪
期待してるんで頑張ってください!
66 名前:愛の場所 投稿日:2001年02月05日(月)19時08分56秒
次の瞬間、ひとみが眼にしたのは、薄暗い真夏の夜の満点の星空。
その場所は、廻りが林に囲まれた山に、ぽつんとある狭い所。
さびしい、何もないところだけど、ここからみえる景色は溶け込んでしまいそうなぐらい美しい。
街の街灯が反射して輝く海。
静かに聞こえてくる波の音。
ここにいればなにもかも全て忘れてしまいそうなくらい、包み込まれてゆく。
ふと、梨華が口を開いた。
「今日は・・・ほんとにごめんね。ひとみちゃんに悲しいおもいさせちゃって・・・。」
そこまで言い終わると梨華は泪を流した。
「あれ・・・?なんで・・・泣いてんのかな・・・つらいのは・・・ひとみちゃんなのに・・・。」
梨華の泪はとめどなく頬を伝う。
そのときひとみが梨華を抱き締めた。
「梨華ちゃん・・・。そんなに泣かなくていいんだよ。私は・・・確かに怒ったけど、梨華ちゃんにこんなにいいものみせてもらって、なんだかもう忘れちゃったから。」
ひとみは優しく、優しく梨華を抱き締めた。
「ありがとう・・・。ひとみちゃん・・・。」
そのあと、梨華とひとみは抱き締めあって、時間を忘れた。

数分後・・・。
梨華の泪もとまり、落ち着いてきたところで時間の経過に気付いた。
「あ!そろそろ帰らなきゃやばいんじゃない?」
梨華がひとみに聞く。
「あ!そうだ!早くかえんなきゃ!」
すぐに林を抜けると、家に向かって全力ダッシュ。時間はもう8時をまわっている。
「あ〜〜〜!やば〜〜い!」
ひとみが叫ぶ。
「怒られる〜〜〜!」
梨華も叫ぶ。とにかく急ぐしかない。
そこで梨華との別れ。
「じゃあね!ひとみちゃん!」
梨華が走りながらいう。
「また明日!梨華ちゃん!」
ひとみもいう。
案外あっさり別れた。でも、こんなもんかもしれない。
空はすっかり真っ暗闇。
67 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月05日(月)19時11分04秒
更新です。
>ま〜さん
ありがとうございます。ま〜さんの小説もおもしろいですよ。『娘達の宴』は最高でした。
68 名前:夏のおとずれ 投稿日:2001年02月11日(日)11時35分08秒
「ひとみ〜〜〜〜〜〜!!!」
昨日は帰ってからさっそくお母さんに怒られた。まあ、しかたないといえばしかたないのだが。
「ふあ〜〜。」
眠そうにあくびを一つ。実は昨日、怒られっぱなしでほとんど寝ていない。
「眠たいの?ひとみちゃん」
梨華が尋ねる。
「うん・・・。ちょっとね。」
ひとみも何気なく答える。
「ちゃんと寝てないとつらいでしょ?」
「そんなこといったって・・・怒られっぱなしでさ・・・。」
ひとみはその言葉を言ってしまったことを後悔した。
「わたしのせいなんだ。」
梨華がさびしそうにいう。
「あっ!いや!決してそうゆーわけでは・・・。」
ひとみは一生懸命否定した。
「あはは!いいよ。そんなに気を使わなくて。わたしが悪いんだもん。」
梨華はサラリと言った。
「うん!そうだね!」
「あ!ひどーい!」
「梨華ちゃんがいったんじゃなーい!」
「も〜〜〜!」
ふたりはそのまま自分の教室に入っていった。
「おはよう。」
そういって教室に入った私はびっくりした。私の席がない・・・。
いや、正確にいえば誰かに座られている。声をかけようか迷った。なかなかかけにくい。
そんなことを考えてるうちに向こうから声をかけられた。
「お!吉澤じゃーん!席借りてるよ!」
「いちーちゃん!話をそらさないで!」
はやく席につきたいから近寄る。
「あ!よっすぃ
69 名前:夏のおとずれ 投稿日:2001年02月11日(日)12時03分24秒
「あ!よっすぃーもどう?」
後藤が尋ねる。
「なにが?」
「あのね、もうすぐ夏休みじゃん?」
そういえばもうそんなとこまで・・・。
「だからね、みんなで旅行しないか、っていちーちゃんがゆーんだ。」
「そうそう、って後藤!あんたが言ってんじゃ無いか!」
また二人とも言い合いを始めてしまった。ひとみはイライラして
「とにかく!」
二人を黙らせた。
「どこにいくの?それと、市井さんはなんで行きたくないんですか?」
後藤に聞く。
「えっとね、わたしは海が近くにあるところがいいの。」
後藤が答え終わると市井の方を向く。
「わたしは・・・イヤじゃなくて、私達だけじゃ旅行はできないっていってんの。」
吉澤に答える。吉澤はしばらく黙ると
「誰かについてきてもらえばいいんじゃないですか?」
と、市井に言う。
「だれに?」
市井が答える。再び沈黙。
「何の話をしとんのや〜!」
沈黙を破る人が一人。いわずともしれた中澤だ。
「あ!!!」
後藤が叫ぶ。3人ともびっくりする。
「なんやねん、後藤。」
「ゆーちゃんについてきてもらえばイイじゃん!」
たしかに中澤は28で教員免許も持っている人だ。
「なんでゆーちゃんがでてくんの?話してみ。」
「じつは・・・・・。」
後藤が中澤に事情を説明する。
「ふーん・・・誰がくることになっとんの?」
「とりあえず・・・私といちーちゃんとよっすぃーと梨華ちゃん。」
なーんだ。私も梨華ちゃんもすでに入ってるんだ。
「よし!ほならゆーちゃんも行ったる!でも、条件があるで。」
「なに?」
「矢口もつれてく事。あと、部屋は絶対二人部屋。これだけや。」
二人部屋・・・。中澤さんは矢口さんになにをするんだろう・・・。
「いいよ!ね?いちーちゃん?」
「・・・うん。いいんじゃない?」
「全員一致でだいけって〜い!」
おいおい。わたしは・・・?
「じゃ、今のメンバーで放課後会議するからさそっといてね〜。」
まっ、いっか。
「あ!授業はじまるで!紗耶香!いそがな!」
「あ!ホントだ!じゃあね、後藤!」
「ばいばーい。」
市井さんはあわただしく去っていく。
70 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月11日(日)17時42分27秒
更新です。はあ・・・最近よしごまの方がいしよしより多くなってる気がする。
71 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月11日(日)22時43分13秒
いしよし好きです!!
ガンツさん頑張って
72 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月17日(土)22時23分22秒
放課後。玄関前は人だかりもまばらになってきた。
そんな中、ひとみは梨華を呼びに高等部にいくところだった。
梨華と市井は同じクラスなので後藤も一緒に来ている。
「あ〜まだ終わってないみたい。どうする?ごっちん。」
「とりあえず待っとこう。そろそろおわるはずだから。」
さすがに後藤は待ち慣れているらしく、終わる時間帯まで把握していた。
数分後。ほんとに後藤の予言(?)どおりに梨華と市井が教室から出てきた。
「お〜い!ごと〜!いくぞ〜!」
「ごめんね!ひとみちゃん!」
あまりにも対照的な二人。
「あ!梨華ちゃん。あのね・・・・・・」
今までのいきさつを全て話す。
「えっ!ほんとに!たのしみ〜〜!」
梨華も楽しみにしているようだ。
夏の太陽はまぶしく、光り輝いている。

会議室

「え〜〜と、まだ来てへんのは矢口だけやな。」
「おいお〜い!ゆうちゃん、ちゃんとつれてこいよ〜」
「やかましい!紗耶香!うちは教師やねん!彼女つれてあるきまわるわけにいかへんの!」
「いいからはやく迎えにいきなよ〜!」
「くそ・・・。後藤まで・・・。ほならちょっといってくるわ。おとなしくしとくんやで。」
中澤は矢口を探しに行った。
その間も後藤と市井は冗談をいったり、唇を近付けたり、とにかくラブラブ光線だしまくりだった。
「市井さんもよくあそこまでやるよね。」
「市井さんってもっとクールかとおもってた。」
そんな会話をしている吉澤、石川もその手はかたく結ばれていた。
一方、矢口を探しにいった中澤。
「どこにおんねん!矢口〜〜!」
中澤は道ゆく人に話しかけた。
「お!みっちゃん!矢口、みーひんかった?」
「いや、みてないですよ。」
「そうか・・・おおきに。」
「いえいえ。さようなら。」
(矢口のやつ・・・これだけ探してもおらんっちゅーことは・・・あそこか?)
中澤は矢口の必ず行くところを知っていた。
73 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月17日(土)22時27分56秒
更新です。
そろそろやぐちゅ〜がはいってきますよ!
>名無し読者さん
まじですか!?じゃあ『いしよし広めよう運動』の会員になってください!
74 名前:Hruso 投稿日:2001年02月20日(火)12時01分31秒
MUSIXは久々のいしよし全開でしたね〜。
あと69で裕ちゃんの年齢が一つ上になってるのはわざとですか?
75 名前:71です。 投稿日:2001年02月25日(日)23時32分55秒
>73 ガンツさん
>まじですか!?じゃあ『いしよし広めよう運動』の会員になってください!

もちろんっス
いしよし広めましょ〜!!!
76 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月10日(土)00時30分01秒
矢口の必ず行くところ。
それは体育館裏の部室の屋根の上。
悲しいこと、つらいことがあれば矢口はここにくる。もちろん中澤も。
「矢口・・・。やっぱりここにおったか。」
中澤がのぼってくる。
「裕ちゃん・・・」
振り向いた矢口の顔は確かに泪で濡れていた。
「矢口・・・なにがあったんや?」
いつものように中澤が優しい口調で問いかける。
そしていつものように矢口は中澤に抱きつく。
「また・・・・あのことか?」
そこで矢口はようやく口を開く。
「うん・・・・」

あのこととは、『ミニモニ』のことである。
その昔、辻と加護は幼い頃、交通事故で父と母を失った。
その頃から辻と加護の母親同士も仲がよかったらしく、一緒に旅行に出かける途中だった。
幸い辻と加護はかすり傷程度だったらしいが、心の傷はたいそう深かった。
そのあと、二人とも自閉症になってしまった。
そんな二人と出会ってしまったのが矢口である。
笑うことを忘れてしまった子供達に『いたずら』というものを教えた。
二人は『いたずら』という新しいものに興味をもち、徐々に笑顔をとりもどしていった。
しかし、『いたずら』される方もだまっちゃいない。仕返ししてくるものもいる。
それを全て一人で背負っているのが矢口なのだ。
そこで傷付いている時に中澤と出会い、今にいたると言うわけだ。
どうしようもない矢口のやさしさ。

「矢口は・・・やさしすぎや。一人で全部背負っとる。」
「・・・・・・・・」
「ま!それが矢口の良いとこなんやけど。」
「・・・・・・・・」
「でもな・・・矢口。これだけは覚えとき。あんたは一人やない。」
77 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月10日(土)00時36分03秒
更新です。
ああ・・・・裕ちゃんが・・・・やぐちゅーはどうなるの?
>Hrusoさん
すごかったですね!
多分あのあと楽屋で二人の世界だったと思いますよ(笑)
>名無し読者さん
やった!会員第一号ですよ!
もっともっと増やして、よしごまにまけないようにしましょう!
78 名前:紅餓唯 朧 投稿日:2001年03月10日(土)10時56分38秒
辻ちゃんと加護ちゃんににそんな暗い過去があったなんて…。
『いしよし広めよう運動』いいっすね〜。
会長はもちろんガンツさん?

79 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月10日(土)21時17分18秒
今日初めて読ませていただきました。
すごいですね!!僕と同じ中一なのに
こんなすごいのをかけるなんて!。
80 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月11日(日)13時43分33秒
「ごっちんがおる。紗耶香もおる。吉澤だって、石川だっておる。」
「でも・・・・どうすればいいの?」
「そんなことは簡単や。わければええ。自分のつらかったこと。悲しかったこと。全部を私達に。」
「だめだよ。みんなに迷惑かけるわけに行かない。」
「あのなあ・・・・ゆーたやろ?あんたは優しすぎやって。たまにはうちらにもやさしくさせてーな。」
中澤はそう言うとにっこりと笑った。きれいな笑顔。
「・・・・矢口はうちらにいろんなものをくれた。だから今度はうちらのばんや。」
そう言った瞬間、下から声がした。
「そうだよ。」
中澤と矢口がびっくりして下を見るとそこにはみんながいた。
市井に後藤、吉澤と石川。そして・・・・辻と加護。
辻と加護は矢口を見るなり、あやまった。
「ごめんなさい!!矢口さん!」
「ほんますんません!!」
突然の事に矢口はびっくりした。
「なんで・・・しってんの?」
「あたしたちが教えたんだよ。」
市井がいった。
「なんで・・・なんでゆーてくれなかったんですか!?」
加護が矢口に言う。
「いえるわけ・・・ないじゃん。」
矢口が目をそらす。
「うちらは・・・確かに親がいません。・・・・でも!矢口さんのおかげで・・・いままでやってこれた!」
辻と加護はなきかけている。
「だから!・・・今度はうちらが矢口さんに『やさしさ』をあげる!」
そういった加護は辻と目をあわせると、隣の部室の屋根にのぼった。そして大きく息を吸い込むと
「せんせーい!!」
「わたしたちは!」
「もうぜったい!」
「「いたずらをしません!!」」
中澤と矢口はびっくりしている。
「どーゆーこと?」
中澤が市井に問う。
「そーゆーこと!」
市井はそれだけ言うと後藤をつれて戻っていった。
「矢口さん!わたしたちもいますから!」
吉澤と石川も去っていった。
「矢口さん!私達は十分いきていけるのれす!」
「自分の事も考えてーな!」
辻と加護も消えていった。残ったのは矢口と中澤。
中澤もわけがわからなかったが、矢口に言った。
「な?矢口は一人やないやろ?」
矢口は泪を拭うと、
「うん!!!」
いままでで一番イイ笑顔をみせた。
81 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月11日(日)13時57分23秒
「さ・・・いこうか?」
中澤が矢口を見る。
「そだね。」
矢口が答える。
二人とも下へおりると、どちらからともなく手を繋いだ。
「裕ちゃん・・・ありがと。」
矢口が小さな声で言った。
「ん?なんやて?」
中澤が聞き返す。
「ゆうこのばーかっていったんだよー!」
矢口が走り出す。
「なんやとー!まてー!」
中澤が追い掛ける。
いつものことだけど。
いつも矢口はわざとつかまって。
いつも中澤はこういう。
「矢口・・・好きやで。」
そして、いつも矢口も
「わたしもだよ・・・。」
と、言う。
いつもとおなじなんだけど、なんだか今日はちがう。
だって矢口は新しい自分を見つけたんだから。

「はあ〜〜。世話が焼けるねえ〜。」
「いちーちゃん・・・。なんで写真とってんの・・・?」
「あとでこれでゆすってやる・・・ひっひっひ・・・」
「あんたがいたずらしてどないすんねん!」
この二人(いちごま)もいつもと違っていた。

「梨華ちゃん・・・市井さんてあんな人だったの・・・?」
「うん・・・たまにね・・・ちょっとネジがはずれちゃうらしいんだ。」
相変わらずのこの二人。

「なあ・・・のの・・・。うちらも旅行とやらについてかへんか?」
「酸性!なのれす!」
「のの・・・漢字間違ってるで・・・・。」
漫才でもはじめるのかこの二人は・・・・。

少しづつ変わりはじめたメンバー。もちろんイイ方向に。
ところで、話し合いの方は・・・・?
82 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月11日(日)14時04分16秒
更新です!!!!!
>紅餓唯 朧さん
もちろん!会長は僕です!
会員ナンバー1が名無し読者さん。
会員ナンバー2が紅餓唯 朧さんです。だめっすか?
>79さん
いえいえ。ぼくなんかまだまだですよ。
ちょっとこーゆーのになれてるだけですよ。
誰でもかけます。
83 名前:紅餓唯 朧 投稿日:2001年03月11日(日)15時07分03秒
全然いいですよ。広めまくりましょう!!
ガンツさんがいしよしなら
うちは「よしいし」を広めようの会を結成しようかな(笑)
84 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月15日(木)21時54分41秒
は〜い!!!!こんにちは!
突然ですがここでお知らせです。
この度「名作集・感想など」で小説アカデミー賞『このムス』をやろうとおもいます。
詳しい説明は以下の通り。
1、名作集限定で面白かった、もしくは気に入った作品を1〜5位まで理由をつけて投票する。
2、作者も読者も投票可能。
3、「名作集・感想など」の『このムス』〜誰が最高の小説家?〜というスレッドに投票。
4、期限は3月18日まで。
とゆ〜ことで!僕も1位になれるようにかんばらないと!
みなさ〜ん!投票まってます!!!!
85 名前:レイコ 投稿日:2001年03月16日(金)14時59分39秒
どーも、赤板で書いてるものです。
いしよし会の会員ナンバー3に立候補させて下さーい。
ダメですか?(笑)
86 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月16日(金)16時40分46秒
結局、話し合いは予定よりも1時間ほど遅れて行われた。
「え〜と・・・まず・・・日時からきめようか?」
やはりここは最年長の中澤が仕切る。
「夏休みに入ってすぐ!!!!」
後藤が元気よく言う。
「なんで?」
市井が聞き返す。
「ひまだから!!!」
後藤が元気よく即答する。
「ま・・・・いっか。ほなら・・・7月の・・・・28日からな。ええな?」
中澤が全員を見渡す。全員うなずいた。
「じゃあ・・・何泊何日で泊まるんや?家の都合もあるやろうから・・・。」
中澤が考え込む。
「2泊3日ぐらいでどうですか?」
吉澤が言った。
「そのぐらいだと都合もつきやすいだろうし。」
石川が付け加えた。
「そうやな。文句ないな?」
さすがに文句を言うやつはいなかった。
「じゃあ・・・細かいことはあとでうちが連絡するから。ちゃんと親にいっときーや。じゃあ・・・解散。」
中澤が言ったあと後藤と市井はダッシュで帰っていき、矢口と中澤は用事があるらしく、まだのこっている。
「梨華ちゃん・・・帰ろっか。」
「そうだね。」
二人で玄関までおりていった。
「梨華ちゃん・・・行けそう?」
「うん。たぶんね。」
玄関で靴を取る。
二人ともすでに旅行気分になっていた。帰り道も旅行の事ばかり。
「旅館って広いのかなー?」
「広い方がイイなー。あと露天風呂とか!」
「きゃあ〜さいこう!!」
87 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月18日(日)12時28分29秒
そのあとも二人は旅行の事で盛り上がっていた。
その時不意に吉澤の携帯が鳴った。
ディスプレイには知らない人の電話番号。
「梨華ちゃん・・・どうしよう・・・?」
ひとみが梨華に助けを求めた。
「出た方がいいんじゃない?」
梨華はそう返した。
ピ・・・・
「も、もしもし・・・?」
ひとみはおそるおそる電話にでてみた。
「なんやー!吉澤、元気ないなー。石川とけんかでもしたか?裕ちゃん、何でも相談のるで?」
聞こえてきたのはやかましい関西弁。ひとみは怒るにおこれなかった。
「・・・なんですか・・・」
ひとみが静かにそう言った。石川は隣で笑いをこらえている。
「なんや?ほんとにけんかしたんか?」
中澤さんは気付いてない様子。
「・・・してないです。なんですか?」
吉澤は静かに聞き返した。
88 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月18日(日)21時00分59秒
「あ、あんな・・・旅館決まってん。けどな、めちゃめちゃ人気で部屋、二人で一つ使うことになったんや。」
中澤さんが尻込みしながら言う。
「・・・・わかりました。でも・・・なんで私の携帯番号しってるんですか?」
私はずーっと疑問に思っていたことをいった。
「や、やぐちがな・・・ふが、もがもが・・・」
中澤さんは途中で誰かに口を押さえられたみたいだった。
電話に耳を傾けると、わずかだが声が聞こえる。
「裕ちゃん!矢口の名前ださないでよ!」
「な、なんでや?」
「なんででも!はやくごまかしてよ!」
「わかった、わかった。」
そうか。矢口さんか。
「いや、これはな・・・」
「矢口さんですね?」
私は中澤さんを遮るように言った。
「な、なんや。もうばれてんのかいな。」
「・・・どうでもいいですけど、もう絶対にかけてこないで下さいよ。かけてきたら・・・・殺しますよ?」
私は静かに、怒気を含んだ声で言った。
「は、はい。ほんまにすんません。」
中澤さんはえらく腰が低くなっている。
「それから・・・矢口さんには今度お仕置きしますって言っておいて下さい。」
私はそのまま携帯を切った。隣を見ると梨華ちゃんが「どうしたの?」って感じでこっちを見てる。
私は今伝えられたことをそのまま伝えた。
「へー、そうなんだ。」
案外あっさり答えられた。おいおい、二人きりなんだよ?
ん?二人きり?梨華ちゃんと?旅館で?
二人と言う言葉を想像しただけで興奮してきた吉澤ひとみ。
二人ってことは・・・あれだよね?その・・・夜も一緒って・・・ことだよね?ってことは・・・
あああああああああ!なに考えてんの?ひとみ!落ち着きなさい!
「どうかしたの?ひとみちゃん。」
梨華ちゃんの突然の言葉にびっくりしてしまった。
「え?な、なんでもないよ。わ、わたし今日いまから塾なんだ。じゃあね。」
ひとみはそう言い残すと走っていった。残された梨華はただただ首をかしげるだけだった。
はあ・・・なにやってんだろ・・・。
ひとみは一人、自分の部屋のベットで考え事をしていた。
梨華ちゃんにうそついちゃったな・・・塾なんかないのに・・・・
でも・・・・二人きりって事は・・・・・あはは、あはははは・・・・
そうして夜は更けていった。
89 名前:ガンツ 投稿日:2001年03月18日(日)21時04分55秒
更新です。
>紅餓唯 朧さん、レイコさん
え!ほんとにいいんですか?
いやー!心強い強力なメンツですな!!
ぜったいよしごまには負けないようにしましょう!!!
90 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月20日(火)14時02分23秒
よっすぃ〜やったね
91 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月07日(土)16時08分48秒
結局、梨華ちゃんは何の変化もない。
私なんて顔を見るだけでどきどきしてくるのに。
・・・・それにしても夏休みまで、あと・・・・三日ぐらいだったかな?
もうホントに夏って感じだ。
学校の校舎と校舎の間にふいてくる暖かくて夏のにおいをふくんだ風。
こんなところにも夏が訪れるまえの優しい風がふいてくるんだなあ。
あれから予定も着々と明確になってきている。
あと一週間後ぐらいで私達の小旅行が始まる。
あ〜〜!すっごく楽しみだ!!
「お!吉澤!やる気やね〜!」
「え?」
「ほな、この問題やって。」
「え?え?え?」
そうか・・・まだ授業中だったんだ。
私は自分でも気付かないうちに手をあげてしまったらしい。
私は泣く泣く問題をといてみたが・・・さすがは苦手な数学。
解けるはずもなく、恥をかいたのはいうまでもない。
「よっすぃ〜!ばかだね〜」
席に着くとごっちんにそういわれた。
ごっちんにいわれるとそ〜と〜ショックだ。
早く夏休みになんないかな〜・・・・・
92 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月07日(土)16時11分04秒
更新です。夜にもういっかい更新したいと思っています。
>名無し読者さん
今度はあま〜く、あま〜くしますから!やったね!
93 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月07日(土)22時15分44秒
あれからもう三日たった。
ついに念願の夏休みに入った。
ほんとにみんな終業式がおわった瞬間、夏休みだー!って騒ぎまくって。
市井さんとごっちんなんか、
「おっし!ごとー!さっさとかえって思いっきり遊ぶぞー!!!」
「おすっ!!!」
とかいってこの暑さの中、もうダッシュで帰って行った。
絶対どこかおかしいよ・・・。
一方、中澤さんは、この暑さにすっかりやられているようで。
「や、やぐち〜・・・・あ、あつい・・・」
「ゆ〜ちゃん・・・矢口の家だったらクーラーあるから、ちゃんとあるいてよ・・・・。」
と、こんなやりとりをくり返していた。
94 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月07日(土)22時43分04秒
いちごま〜、いしよし〜、やぐちゅー
それぞれがどう旅行を楽しむのか楽しみ。
95 名前:遠藤@石川娘。 投稿日:2001年04月07日(土)23時09分14秒
よっすぃー可愛い!
それにしてもいしよしは良い・・。
96 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月13日(金)21時55分50秒
私はといえば梨華ちゃんの家にきてる。
梨華ちゃんの家で二人きりでもなんともおもわないのにな。
てゆうか、私はもろに「素」を出している。
ほんとに梨華ちゃんの家なのかってぐらいごろごろしてる。
それは梨華ちゃんもいっしょだけど。
「あ!」
なんだよもう・・・。暑いんだから、あんまり大きな声出さないでよ・・・・なんていえるわけないんだけど。
「どうしたの?梨華ちゃん。」
「私、なんにも旅行の準備してない!!」
そんなこと・・・・なにがいんの?
「なに買いにいくの?」
「パジャマとか・・・水着とか!!」
そんなのもってるのでいいじゃん!っていえたらな〜。
「いまから?」
「うん!!」
「どこまで?」
「原宿まで!」
「そんなのもってるのでいいじゃん!」
あ!おもわずいっちゃった・・・・。でも・・・この暑いのに原宿までなんていけない。
「ね!おねがい!去年のはもういやなの!流行りのをきてみたいの!!ね!ひとみちゃん!」
「え〜・・・・・・。」
何をいわれても今はいく気がしない。ある一言を除いて。
「ね・・・ひとみちゃん。」
「な、なに?」
そんな耳もとで囁かれても・・・・。
「キス・・・・していいから。」

・・・・その日私は延々と梨華ちゃんの買い物に付き合った。
97 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月13日(金)21時59分09秒
更新です。
>名無し読者さん
時にはあまく、ときにはエロく。ってかんじです。
>遠藤@石川娘。さん
よっすぃ〜は確かにかわいい!
いしよしもたしかに最高だ!!!
98 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月14日(土)00時00分09秒
こ、これはあの歌の。(笑
99 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月16日(月)20時39分07秒
それからさらに三日たって、ついに今日は旅行の出発日。
「ひとみ!あんた、先生に迷惑かけなさんなよ!」
おかあさんはさっきからそればっかりくりかえしてる。
中澤先生のほうがよっぽど迷惑かけてるのに。
「わかってるよ!いってきます!」
わたしは靴をつっかけながら玄関のトビラに手をかけた。
「おみやげもかっといてね〜!」
聞こえなかったことにしとこう。

わたしはまだどうやって目的地までいくのか聞いてなかった。
「とりあえずあんたは石川の家におっといてや。」
なんていわれただけだったからね。
だからこうして梨華ちゃんの家に向かってる。
梨華ちゃんは当然知ってるんだろうな。
あ!梨華ちゃんもう家のまえに出てくれてんじゃん!
「梨華ちゃ〜ん!!」
わたしはぶんぶんと手を振り回しながら梨華ちゃんの元へ走って行った。
「おはよ。」
「おはよ!」
「ひとみちゃん、ちゃんと忘れ物ないようにしてきた?」
「な〜にいってんの!あたりまえじゃん!」
っていってるけどじつは昨日の夜そ〜と〜チェックした。
水着、パジャマ、普段着、洗面用具に目薬まで。
・・・・きれいな下着もね。
「ところで今から駅とかいくの?」
「え?なんで?」
「なんでって・・・じゃあどうやっていくの?」
「ひとみちゃんが知ってるんじゃないの?」
「梨華ちゃんが知ってるんじゃないの?」
「「・・・・・・・・・・」」
中澤先生・・・・ちゃんと伝えて下さいよ。
さっそく迷惑を一つかけましたね。
100 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月16日(月)20時53分41秒
それから数分後。
わたしたちは梨華ちゃん家の前で座り込んで話している。
さすがに二泊三日分の荷物は思いからね。
それにしても中澤先生おそいな〜。はやくしてほしいんだけど。
ま、梨華ちゃんと二人きりでそれはそれで幸せなんだけど。
その時わたしは向こうから颯爽とはしってくる車をみつけた。
やけに大きい車だから、旅行にでもいくのかな?
旅行!?・・・・・まさかね。
おねがいします・・・どうかこのまま・・・通りすぎてください!!
キキィーーーーー・・・・
「よ!おまたせ!」
あはあはは。やっぱりね・・・。
その車にのっていたのは、アホ・・・じゃなくて中澤先生と矢口さん。
車かよ・・・。しかも先生の運転で。
「なにしてんの?はよのってや。」
しかたないや。なんとか走れそうだし。
でも・・・梨華ちゃん。それはおどろきすぎでしょ。
口が塞がってないよ・・・・。
101 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月16日(月)20時54分59秒
更新です。
>名無しさん
あ、ばれちゃいました?
102 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月21日(土)15時23分30秒
とりあえず中澤先生の車に乗り込んだわたしたち。
まだごっちんと市井さんがのってないな・・・。
「で、矢口、紗耶香の家はどこなんや?」
「んっとね・・・あ!そこのかど右にまがって。」
矢口さん・・・。さっそくおかし食べてるし・・・・。
はあ・・・なんか不安ばっかりだなあ・・・・。
「どうしたの?ひとみちゃん。」
「ん?なんでもないよ」
「そう?ならよかった。」
梨華ちゃんはにっこりわらってくれた。
・・・・楽しみな旅行だな。

103 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月21日(土)15時48分49秒
「ごと〜〜〜〜!!」
「いち〜ちゃ〜〜〜ん!!」
「わるい、おくれた!」
「も〜!おそいぞ〜いちいちゃん!」
「裕ちゃんは?」
「まだきてないよ。」
ほっ・・・よかった。
それにしても・・・後藤のやつなんでこんな薄着なんだ?
上は白のノースリーブ、下はすでにパンツがみえそうなぐらいのミニスカート。
市井をさそってんのか?
「裕ちゃんおそいね〜。」
うお!!そんなに下から覗き込むなよ!
谷間がみえてんぞ!!
「市井ちゃん?」
「う、うん。そう・・・だね。」
後藤の事はとりあえずおいといて、たしかに遅い。
わたしもおくれたからあんまり人の事いえないけど。
「でもどうやっていくのかな〜?なんもいってくれないもんね。裕ちゃん。」
「電車とかじゃないの?けっこう遠いっていってたし。」
「そんじゃ駅に集合すればいいんじゃないの?」
「う・・・・・」
後藤・・・するどい。
わたしも薄々心配してたんだけどね。裕ちゃんの事だから。でも今回は矢口もいるし。大丈夫なんじゃないかな?
「い・・・いちいちゃん・・・」
「なに?」
なんだよ。そんなに驚いたかおして。市井がなんかしたか?
「あ・・・あれ・・・」
「ん?」
後藤はわたしの腕にしがみついてある一定の方向を指差している。
なんだ・・・?
わたしはゆっくりと後藤の指差している方向を見た。
そこには・・・・・前に一度だけ見たことがある、車。
それだけなら市井は気付かなかった。
でも・・・でもね!!なんどもみたことある矢口がおもいっきりてぇふってるんだもん!!
「よ!紗耶香!後藤!」
裕ちゃん・・・旅行とりやめにしない?
「きゃ〜!!わたしこんなのはじめて!!ありがとう!!ゆ〜ちゃん!!」
・・・え?なんで後藤喜んでんの?
わけのわからない展開に口が塞がらないわたし。
「市井ちゃん?はやくのろうよ。」
それをせかす後藤。
ち・・・まあ、我慢するか。後藤は喜んでるんだし。
ふとわたしは後ろに座っている吉澤をみた。
おい・・・なんだよ、その笑いをこらえてるような顔は。
「なんだよ、吉澤。」
「いや・・・市井さんでもびっくりするんだなって・・・ププ・・・」
「なんでだよ。」
「だって市井さん・・・鞄わすれてる・・・あは・・・」
わたしの手に握られているのは水着が入った袋のみ。
「あはははははははは!!!!」
吉澤・・・おぼえてろよ・・・・。
104 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月21日(土)15時51分03秒
更新です。
やっと100こえましたね・・・・。
たしかにおもしろくないかもしれませんが、絶対最後まで完結させ、おもしろいといわれるぐらいがんばりますので。
105 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月21日(土)23時22分04秒
俺はこの話結構好きだよ。面白いと思う。
作者さん、へこたれずにガムバレ!
106 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月22日(日)08時13分17秒
がんばれ〜
107 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月27日(金)18時52分31秒
「あわてんぼうのいち〜さやか♪」
「うるさいうるさいうるさ〜〜〜い!!」
車にのったあともごっちんは市井さんをからかっている。
一番後ろの席なんだから静かにしてほしいんですけど・・・。

「ねね、ゆーちゃん。」
「なんやー、矢口。」
ふいに矢口さんが中澤先生に声をかける。もうお菓子は食べ終わったんですね。
中澤先生は前を向いたまま聞き返す。
「どこまでいくの?矢口、まだ聞いてないよ。」
矢口さん!ナイス質問!
「私もそれが気になってたんですよ!中澤先生!」
私は運転席におもいっきり身を乗り出していった。
「あんなあ・・・吉澤、あんた休みの日にまで先生っちゅーのはやめてや。」
だって・・・しかたないじゃん、くせなんだから。
「じゃあ・・・中澤さん。」
「よし。」
中澤・・・さんはハンドルをきりながら小さくいった。

「ゆーちゃん!!矢口の質問に答えてよ!!!」
「おー!そやそや。たしか・・・・・・・」
「おぼえてないの!?」
「いや・・・。ちょおまちーな。私の鞄の中に地図がはいっとるやろ?とってーな。」
中澤さんは片手放しで矢口さんの足下を指差す。
え?ってゆーことは中澤さんはいままで適当に走ってたってこと?
「えっと・・・ちょっとまって。」
矢口さんはそんなこと突っ込みもせずにせっせと中澤さんの鞄をかきわけている。
なんか・・・矢口さん、マスコットみたいで可愛いな・・・。

梨華ちゃん・・・ごめんなさい。
108 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月27日(金)20時48分38秒
「なになにー?なにしてんのー?」
「いち〜ちゃ〜ん!後藤、おなかへったよ〜。」
一番後ろの席ではごっちんもやっと市井さんをからかうのにあきたらしくて、二人同時にシートに寄り掛かっている。
それにしても・・・お腹減ったな。もう12時だもんね。
「あった〜!!!」
矢口さんはやっと地図を見つけたらしく、手に入れた地図を高々と空にかかげていた。
それにしても・・・そんだけ手をのばして車の天井につかないってどーゆーことっすか?
「ゆーちゃーん!!後藤、おなかすいたよー!」
「市井もー!!!」
ごっちん・・・私の席あんまりゆらさないでほしいんだけど・・・
「矢口もー!!」
矢口さんも地図を広げながら訴える。
そういえば・・・梨華ちゃんは?
「Zzz・・・・」
はや!!もうねてる!?
「あー!うっとーしーんじゃ!!!すこしはだまっとれ!」
キレた。そろそろくるとはおもってたけど。
ホントにうるさい車だなあ・・・・。
「ええええ!!!???」
矢口さんが突然、中澤さんより数倍大きい声をあげた。
「わ!?なに!?やぐっちゃん!?」
「びっくりしたー・・・。」
相変わらずマイペースなお二人さん・・・。
「Zzz・・・」
梨華ちゃんはまだ寝てるし・・・。
ところで矢口さん、なんなんですか?
「アホ裕子!!これって・・・」
ゴクリ・・・

「日本地図じゃん!!!!」
矢口さんが広げた地図は・・・紛れもない日本地図。しかも教科書付属の。
中澤さん・・・どこまでいくつもり?
109 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月27日(金)20時50分45秒
更新です。
>105さん
ありがとうございます。そういっていただけると本当にやる気がでます。
>名無し読者さん
はい!!精一杯がんばります。
110 名前:遠藤@石川娘。 投稿日:2001年04月27日(金)23時00分43秒
なんか雰囲気が良い感じ。
でもなんか
教科書付属の地図って結構小さかった気がする(笑

111 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月28日(土)23時51分36秒
>>110
結構なんてもんじゃなく小さかった気が……
とりあえず県道はおろか国道すら載ってなかったよな(w
112 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月29日(日)17時03分44秒
「そーや。これがあれば安心やろ?」
中澤さんは自信満々でふつーに答える。
「あほ!!!県道どころか国道さえ載ってないじゃん!!」
そりゃそうだ。なんてったって教科書付属のものを拡大コピーしただけなんだから。
「ゆーちゃん・・・・それはないだろ・・・。」
「なに?ふつーの地図じゃん?」
ごっちんは市井さんの腕を組んだまま?な顔をしている。
ごっちん・・・あんたも?
「Zzzz・・・・」
梨華ちゃんもいいかげんおきてよ・・・。一人じゃつっこみきれないよ・・・。

「あほはあんたらや!これがないとどこに何県があるかわからんやろ!?」
中澤さんは窓を開けて少し身を乗り出しながら叫ぶ。
何県があるとかわかっても国道がのってなきゃいきようがないのに。
なんだか泣きたくなってきた。

「おろせー!!矢口は帰るーー!!!」
矢口さんは助手席の上でドタバタあばれながらドアを揺らしている。
私も帰りたいです・・・。

「え!?なにが!?なにがあったの!?いち〜ちゃん!?」
「あれはね、大人の事情ってやつでね・・・・・」
マイペ−ッスマイペ−ッス主義らしい♪・・・って、やばい私も壊れてきた・・・。

「う・・・ん・・・あれ?まだついてないんですか?」
梨華ちゃんは目を擦りながらゆっくりと体をおこした。
やっったーーーーー!!!梨華ちゃんがおきてくれた!!!
私はすかさず梨華ちゃんに状況説明。
「中澤さんが・・・で・・・だから・・・ってわけ。」
梨華ちゃんは所々で大爆笑しながらも最後まで聞いてくれた。
「な〜んだ、そういうことだったんですか。じゃあ、このチャ〜ミ〜に任せて下さい!!」
梨華ちゃんは大きくガッツポーズをとる。
っていうかチャ〜ミ〜ってなに?

「任せる・・・たってどーすんの?石川。」
矢口さんはいつのまにか暴れるのをやめて梨華ちゃんに話し掛ける。
「あ!矢口、あんたうちより石川を信用するんかい!?」
そりゃそうですよ・・・・。

「チャ〜ミ〜はこんな時のために・・・・」
ゴクリ・・・

「方位磁針をもってきました〜〜!!」
梨華ちゃん・・・・かわいい。

あはははは・・・あはは・・・・
(吉澤ひとみ、現実逃避。)
113 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月29日(日)17時07分00秒
更新です!
>遠藤@石川娘。さん
そりゃあなんてったって『あまあま』ですから!
ほのぼのしたかんじが好きなんで。
>111さん
あ!オチを先にいわないでくださいよ〜。
やっぱりわかりやすかったかな?
114 名前:111 投稿日:2001年04月29日(日)23時59分12秒
( ´ Д `)……あう
失礼しました(汗
激しく反省……
115 名前:ガンツ 投稿日:2001年05月15日(火)21時34分47秒
私達は結局、途中のコンビニで地図を買った。
中澤さんがいうにはその旅館はかなり海沿いにあるらしい。
そして、再び車に乗り込むと出発した。

「ところで、裕ちゃんはいったことあんの?」
矢口さんが窓を開けながら問いかける。
「ああ。一回だけな。親につれてってもらった。」
中澤さんの親ってどんな人だろう・・・・。

さてと・・・中澤さんの予定だとまだ結構かかるみたいだから私も寝ようかな。
ホントは梨華ちゃんといろいろ話したいんだけど梨華ちゃんは中澤さんのナビゲーター(?)になってるから。
おやすみなさ〜い・・・。

・・・・・・・

「おいおい、吉澤寝ちゃうのか?根性がね〜な〜。」
「だめだめ、よっすぃ〜はあれで結構乗り物とか弱いから。」
「ぷっ、なっさけねーなー吉澤。」
私が寝ようと思った矢先に眠りをさまたげようとする人たち。
あなたたちにはおもいやりってのがないんですか?
それに私、乗り物弱くないし・・・。
まあ、ここはがまんがまん。
おこったら暑いのがよけい暑くなっちゃう。
116 名前:遠藤@石川娘ッ 投稿日:2001年05月15日(火)23時20分49秒
頑張れよっすぃ〜。
117 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月16日(水)00時27分50秒

更新待ってましたぁ〜!
しかし、石川さんがナビですか。
なんか意外だ。
118 名前:ガンツ 投稿日:2001年05月28日(月)18時55分05秒
「石川〜、あんたこんなのと付き合って楽しいの?」
「梨華ちゃんって言い寄られたらことわれないからね〜。」
あたしが相手をしないと次は梨華ちゃんにからむ悪魔たち。
しかもあたし、『こんなの』って・・・・。
それでも一応梨華ちゃんの反応が気になるあたし。

「・・・・え?なんか言いました?」
全然聞いてなかったみたい。
梨華ちゃんらしいといえば梨華ちゃんらしいけど。

市井さんとごっちんは苦笑い。ざま〜みろ・・・。
「まあ、いいや。石川さ、そんなん矢口にまかしてうちらと話そうぜ。」
「そうそう。やぐっつあん、地図とか好きっぽいし。」
梨華ちゃんだってがんばってんのに・・・。
ごっちん、好きっぽいとかいってるし。
「え・・・でも・・・・」
ほら、梨華ちゃん困ってんじゃん。
「あ、いいよ石川。矢口がやるよ。」
え?矢口さんそんな余計なこと・・・・。
「やっりー!さっすが矢口!」
「大好き!!!」
一番後ろの席からあたしの席を揺らしまくりながら叫ぶ二人。
だいじょーぶ。あたしはこれくらいじゃ怒りませんから・・・。

119 名前:ガンツ 投稿日:2001年05月28日(月)19時04分35秒
「じゃあ、おねがいします。矢口さん。」
「うん、まかしといて!」
後ろで騒ぎまくってる二人をさらっとかわして地図を渡す梨華ちゃん。
そんなキャラだったかな?

それはそうと・・・これはかなりピンチなんじゃないか?
「なあなあ、吉澤寝ちゃったから言うけどさ、吉澤ってかなり♂♪オ¶なんだぜ。」
いや、市井さん、何を言って・・・
「んでね、しかも〜〜〜〜なんだよ!」
ごっちんまで・・・・。
くっそー・・・・。いや、でもここで怒ったらあたしの負けだ。
がまんがまん・・・・。
「でね、これはとっておきなんだけど・・・・」
え・・・何を・・・
「*+#$っていったんだよ!」

ブチ・・・・
120 名前:ガンツ 投稿日:2001年05月28日(月)19時06分51秒
ちょこっと更新です。
>遠藤@石川娘ッさん
よっすぃ〜キレました。
>117さん
意外ですか?
結構使えそうだと。
121 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月30日(土)00時18分27秒
まだかな?実はずっと待ってるんですよ、ガンツさん。
122 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月09日(月)05時09分03秒
俺もまってるんすよ…
123 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月01日(水)00時14分29秒
続き期待
124 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)17時50分13秒
「このやろーーー!!!きさまらなにぬかしとんじゃボケ−!!」
とうとう怒りくるって大暴れするあたし。
もうどーなってもしらないからね。
「うわー!よっすぃ〜が怒った〜!!」
「吉澤!先輩に向かってきさまってゆーなよ!」
怒り狂った私に慌てふためく一般市民たち。
ってあたしゴ○ラ?
「そんなあることないことばっかいってんじゃなーい!!!」
相当に暴れまくるあたし。止めるのは戦車でも無理。止められるとしたら・・・。
「ひとみちゃん!だめ!」
そう、このお方。
それからは塩をかけられたなめくじみたいにちぢみこむあたし。
なんか悪いことした?
「車の中で暴れたら迷惑でしょ?事故起こしたらど−すんの?」
なんてまじめに怒る梨華ちゃん。
その後ろで笑いを必死にこらえるバカ二匹。
神様、そんなにあたしが嫌い?
125 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)17時58分28秒
「えっと・・・うん、そこ左に入って。」
「おお、そうか。・・・」
「「「「・・・・」」」」
なんだろう、この重たい雰囲気。
先ほどおこった、『私は何も悪くないのに私が悪いことになってる事件』から数分。
梨華ちゃんに怒られたあたしは空の色に負けないくらい気分はブルー。
もう・・・帰りたいよー・・・・。
「げ、元気出せよ、吉澤。」
「そうそう。もうすぐつくみたいだから。」
今頃になってこびをうってくる奴らに鋭い視線を浴びせて。
「ほっといてください・・・。」
蚊が死んでいくような音で言葉を発する。
「「「「・・・・」」」」
車内には再び沈黙。
はあ・・・・。梨華ちゃ〜〜ん・・・。
126 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)18時08分43秒
「なあなあ、なんでみんなしゃべらへんの?」
状況を把握しきれないほど集中していた中澤先生にちょっと感心。してる場合じゃねーや。
「裕ちゃんはだまって運転してて!」
矢口さんの励がとんで。
「はいはい。」
中澤先生が返事して。
「「「「・・・・」」」」
再び沈黙。
はあ・・・。ここは私が何とかするか・・・。
「梨華ちゃん・・・・。ごめんなさい。」
何とかするといっても頭が悪く、意気地もない私はただただ平謝りするしかない。
「別に・・・怒ってないよ。」
怒ってないと言いつつも私の方を見向きもしない梨華ちゃん。
後ろの二人はしっかり寝たふり。
前の二人も見てみぬふり。
「だからごめんって。梨華ちゃんおこってるでしょ?もう車内で暴れたりしません。」
とりあえず沈黙にならないようになんとか言葉をつなぐ。
「・・・別にそのことに怒ってるんじゃないもん。」
少し小さい声で呟く梨華ちゃん。
それでもわたしの耳にはしっかり届く甲高い声。
「じゃあ・・・なんで?」
なぜだか私まで囁くようになってしまう。
「さっきごっちんが・・・いってたじゃん。」
127 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)18時20分02秒
「え?」
どうやらお怒りの原因はさっきのお話にあるようで。
「ひとみちゃんは・・・・その・・・だれとでも付き合うって。何又もしたことがあるって。」
しかもそれはごっちんが勝手に作ったウソなわけで。
わたしはすぐにも笑い出しそうで。
「だから・・・私も遊ばれてんじゃないかって・・・。」
でも、最後までいいきった梨華ちゃんは今にも泣き出しそうで。
それはそれは美しくて可愛くて抱き締めたくて。
やっぱり本能には逆らえなくて。
ゆっくりと抱き締める。
「梨華ちゃん・・・。はっきりゆーよ?それね・・・ウソだよ。」
「え?」
お姫様は驚いて。
やっとあたしの方を向いてくれる。
「あたし、何又もするどころか梨華ちゃんが初めてだよ。」
とうとうあたしは笑ってしまう。
「ウソ・・・。」
「ホント。」
お姫様はたいそう気恥ずかしくおなりになったようで。
真っ赤になってうつむいて。
「ごめんなさい・・・。」
といってくれたから。
あたしは愛おしさと面白さで。
さっきまでのブルーはどこかにいって。
今度はいい意味のブルーがひろがりましたとさ。
128 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)18時25分30秒
更新です。
ずいぶん長い間・・・。すいません。
いろいろ片付けなきゃいけない仕事で。
>121、122、123様。
こんな適当なやつでございますがこれからもよろしくしてやってください。
やっと夏本番ということで。
129 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月02日(木)01時19分26秒
まってましたぁ〜。
更新うれしいっす。
お空に負けないくらいにブルーなよしこ萌え〜(w
130 名前:Air-ride 投稿日:2001年08月02日(木)13時26分00秒
南風がゆっくりと私達の髪をなびかせながら、やあっと到着。
そこは待ち望んでいた青く澄み渡るきれいな海。
「おおお!!後藤!!ついたぞー!!」
さっきまで寝たふりをしていた市井さんは飛び起きて窓から身を乗り出す。
どうやら隣人の方は本当に眠ってしまったようだが。
「・・・・ふにゃ?・・・」
ほらね。
「よっすぃ〜!!見て見て!!きもちよさそ〜!」
梨華ちゃんが指差す先にはきれいな海でぱちゃぱちゃ水を掛け合っている恋人たち。
私もしっかりそれに答えようとした時、車は思わぬ方に走り出した。
「ちょ、ちょっと裕ちゃん!なにやってんのさ!?」
すかさず市井さんは抗議のお言葉。
しかしそれには中澤先生、全く答えず、代わりに矢口さんが答えた。
「荷物おいてからの方がいいでしょ?まずは旅館。」
さっすが。市井さんとはちがうねえ。

そこから旅館はあまり時間はかからなかった。
車で3分、あるいて5分といったところ。
車が旅館に到着するなり市井さんとごっちんは猛ダッシュ。
暑いのによくやるなあ。
「おーい、あんたらは308やでー。」
中澤さんの叫びがきこえたかどうかもあやしい。
素晴らしいスピードだった。
「じゃあ、あんたらは309な。」
といって歩き出す中澤先生。と矢口さん。
「ねえねえ、裕ちゃんうちらはー?」
「んー?わかっとるやろ?矢口と裕子のYやがなー。」
「いやいやいや、意味わかんないから。」
・・・・・たしかに。
「うちらもいこっか。」
梨華ちゃんが声をかけて、
「そうだね。」
と私が答えて。
こんなに近いのになぜか手をつないじゃう。
なんだか恥ずかしくてお互い笑っちゃって、まわりから見たら変な人。
でもいいんだ。
これがわたしと梨華ちゃんだから。

まあ、一部始終を中澤先生たちにみられたのはおいといて。
猛スピードで走っていった市井さんとごっちんにぶつかってしばらく息ができなかったのもおいといて。
・・・だいじょうぶか?わたし。
131 名前:Air-ride 投稿日:2001年08月02日(木)13時27分27秒
HNかえました。
よろしく。
>129さん
これからもよろしくおねがいします。
132 名前:夏の海はロマンチック〜 投稿日:2001年08月06日(月)22時04分23秒
その海はたしかにすごくきれいだったけど、お世辞にも人が多いとは言えない。
たぶん中澤先生はこれを知っていて、ここを選んだんだろう。
「うっわ〜!人少なっ!サメでるんちゃうか!?」
・・・・はあ・・・。

ふと目をやると市井さんとごっちんはすでに海にダイブしていた。
「うっひゃ〜!きもちい〜〜〜〜!」
「ねえねえ、市井ちゃん!どっちが長くもぐれるかしょうぶしよっ!」
「よ〜っし!負けねーぞ!!」
「「せーの」」
いつもとテンションが変わらない二人だけどこの日ばかりはまぶしくみえた。
世界中で一番輝いているようなお互いを信頼している笑顔。
わたしもあんなふうに笑える日がくるはずだから。
もっと・・・もっと梨華ちゃんのことを知ろう。
「ふがっ!鼻はいった!」
「ぶっぶ〜!市井ちゃんのまけ〜!」
「なんだと!脱がしてやる!」
「いや〜ん!」

ああはなりたくないけど・・・・。

133 名前:夏の海はロマンチック〜 投稿日:2001年08月06日(月)22時11分19秒
中澤先生と矢口さんはすでに着替えて出ていったみたい。
つまりこの更衣室には・・・その・・・二人・・・きり。
なんとなく気まずかったけど、私は水着を着て来てたからとりあえず脱いどく。
梨華ちゃんの着替えシーンがみれるかなっと思ったけどやっぱり考えることは私と一緒だった。
「いやだ、何みてんの!ひとみちゃん!」
おっとあぶないあぶない。よだれが・・・・。
梨華ちゃんかわいいなあ・・・。
予想どうりの梨華ちゃんの水着はピンク一色。
スタイルもいいし。
「さ、いこ!早く泳ぎたい!!」
突然の梨華ちゃんの声に我に帰る。
やばい、最近妄想が・・・。

134 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月07日(火)21時35分47秒
おお〜!多様なカップルですね!
自分は娘。の中では永遠にいちごま派なんで、もっとラブラブな2人が見たいっす!
135 名前:読者の名無し。 投稿日:2001年08月07日(火)21時55分34秒
おもしろい!裕ちゃんの大ボケぶりがいいっすね〜。
ちなみにわたくしは永遠にやぐちゅ〜派です。ラブラブに期待!
136 名前:読んでる人 投稿日:2001年08月22日(水)07時35分41秒
更新まだですか?
137 名前:名無し読者。 投稿日:2001年08月30日(木)13時54分57秒
つづき待ってます〜!
138 名前:夏終ってんじゃん!(笑) 投稿日:2001年09月23日(日)00時13分51秒
海に出てきたものの・・・なにすればいいんだ?
水かけあいながら砂浜でおにごっこしたら・・・・。
だめだ、ごっちん以上のバカになる。

「ねえねえひとみちゃん!中澤先生が呼んでるよ!」
数歩先を歩く梨華ちゃんが振り向く。
なんかのコマーシャルみたい・・・。

「おっそいで〜自分ら!呼んだら3秒以内に集合やろが!」
なぜ3秒?と思いつつも火に油を注ぎたくないので静かにまつ。
「まあええわ。んで、今からビーチバレー対決やるから。ちょーど二人づつやし。」
ビーチバレーか・・・。別にバレーは嫌いじゃないし、なにより梨華ちゃんとペアがうれしくて少しだけ中澤先生に感謝した。
「でも3チームしかありませんよ?」
あ・・・そっか、六人できたから3チームだけじゃん。
「ん?こいつらがおるで。」
え?こいつらって中澤先生、そいつらはまさか・・・・
139 名前:名無し読者。 投稿日:2001年09月23日(日)02時42分19秒
やった〜!再開!
140 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年09月26日(水)15時00分26秒
こちらの小説を「小説紹介スレ@青板」に紹介します。
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=blue&thp=1001477095&ls=25
141 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年09月26日(水)15時10分22秒
すいません!うっかり上げちゃいました。申し訳ない。
142 名前:夏終ってんじゃん! 投稿日:2001年09月28日(金)17時05分30秒
「よろしゅう!加護でっす!」
「ののでっす!」
なんで!?なんでおまえらが・・・・!?
「あ〜いい忘れとったけどうちらが泊まる旅館は加護の親戚の家やから。」
「な!?なんでそれをもっとはやく・・・!」
わたしは一気にまくしたてる。しかし中澤さんは・・・
「せやから言い忘れとったって。堪忍な。」
サラリとかわす。
私はあきらめて言い返すのをやめた。
はあ〜あ・・・どうせこいつら合鍵もってんだろーな・・・。部屋の。
ああ、私と梨華ちゃんの時間が・・・。
「なにしてんねんよっすぃ〜?」
「はやく行くのれす!」
ち・・・殺して埋めたろか。
143 名前:ま、いっか! 投稿日:2001年09月28日(金)17時16分29秒
話し合い(じゃんけん)の結果私と梨華ちゃんペアは加護、辻と戦うことになった。
チャンス・・・せめて梨華ちゃんの前でかっこいいとこみせよっ!
がんばれ!わたし!
「ひとみちゃん?私達、二回目だよ?」
あ、そっか。
今燃えてどーすんだろ。

「じゃあ優勝したペアには全員で夕飯おごるとゆーことでええな?」
文句なんかあるわけないじゃいですか。
そんなおいしい商品に。

「じゃあ一回戦や。いくで!矢口!」
「命令すんなよー!いくぞ!ゆーこ!」

「絶対勝つぞ!後藤!」
「うん!」
別にどっちが勝ってもうちらの優勝にかわりないんだけどね。
「じゃあうちは中澤さん組で!」
「じゃあ市井さんに1000円!」
早速賭けてるし。こいつら、どこでそんな芸当を・・・。
144 名前:気にしない、気にしない。 投稿日:2001年09月28日(金)17時21分34秒
「悪いな紗耶香。勝たしてもらうで。」
「へん!体力がもつかな?」
「ごっちんには負けないよ!」
「いっとくけど後藤いっぱい食べるよ?」

こうして夕飯おごりゲームが始まった。
ねえ、ヒマだから泳いでていい?
145 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月28日(金)17時29分01秒
更新です!
>名無しさん
いちごまっすか!そりゃあ旅行にきてるんだから・・・!
>名無し読者さん
やぐちゅーはいいっすよ!今回はゆーちゃんの真面目なところもみれるかも!
>読んでる人さん、名無し読者さん
すいません、これからもがんばりますのでよろしく!
146 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月13日(土)11時16分30秒
更新まってま〜す
147 名前:yuuki 投稿日:2001年10月16日(火)20時56分26秒
おもろいです
更新待ってます
148 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月27日(土)11時19分07秒
おもしろいなぁ〜
いくつか笑わせてもらったし、王道カップリングの
3組がイイっすね!いしよしはかなりイイ。
自分も更新待ってます。
149 名前:名無し読者。 投稿日:2001年11月23日(金)13時22分33秒
そろそろ更新を・・・
150 名前:冬までかかってしまった・・・。(笑) 投稿日:2001年12月07日(金)19時28分15秒
「くらえ!!」
「なめんなや!!」
あれから約30分。
死闘をくり広げている中澤さん対市井さん。
カウントはデュースのまま延々とタマがいったりきたり。
「中澤!そこや!いまやって!」
白熱まくっている加護はすでに中澤さん相手にタメ口。
さっきからむけられている、中澤さんの殺気じみた目にも気付かずに。
私は静かに胸の前で十字をきった。
「これで終わりや!」
「いかせるもんか!」
もはや意地の張り合い。
海にきたのに海に入らない私達は・・・さしずめコンクリの上のみみずだろう。
151 名前:ガンツ 投稿日:2001年12月07日(金)19時35分04秒
「やったーーー!!」
「しゅーりょーーー!」
やっと勝負がついたのはあれから一時間後。
最後はあっけなく中澤さんのスタミナぎれ。
「くっそ・・・タバコ止めるか・・・。」
「いや、一時間もっただけですごいよゆーこ・・・。」
確かにプロ並みのウマさをもってたような気がする。
プロ並みの意地も。
「加護・・・覚えときや・・・。」
プロ並みの気迫も。

そんなこともいざしらず、加護は。
「よっすぃー!やるでやるでーー!」
「はやくはやくー!!」
ハイテンション。
はあ・・・つかれ・・・
「ひとみちゃん!がんばろーね!」
・・・・がいやされるなあ・・・。

「なんかよっすぃーやらしいこと考えてる。」
辻、あとで殺す。
152 名前:ガンツ 投稿日:2001年12月07日(金)19時36分14秒
ひさびさ更新です!
短編集のほうもでたいとおもいますんで!よろしこ!
153 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月16日(日)09時06分00秒
おおう!
久々に見てみたら更新されてる!!

あぁ中澤さん負けちゃったんですか、
でも1時間ねばってたんですね(w
この先の展開が楽しみです
154 名前:ガンツ 投稿日:2001年12月24日(月)18時36分07秒
「はじめー!」
いつのまにやらあつまってきたお兄さんたちがいつのまにやらジャッジしてる。
ありがたいんですけど梨華ちゃんに手、だしたら・・・。ですよ?
「ののー!いてまえー!」
「んっ!」
始めは辻のサーブ。
バレーやってたって言ってたからちょっとまじめにとろーかな。

「えいっ!」

バスっ!

辻がはなったボールはまっすぐ梨華ちゃんのほうへ。
ち、あのやろー、こっちにうってこいよ。
・・・なんていってないで梨華ちゃんに指事出さなきゃ。
「梨華ちゃん!いったよ!」
「まかせて!」

ボスっ!

「・・・・・・・」
打球はレシーブの体制でまっていた梨華ちゃんの手前でワンクッション。
そしておやくそくどーり梨華ちゃんの顔に直撃。
ビーチボールだからあまり痛くはないだろーけど・・・・。
なんて声をかければいいんだろ・・・こーゆーとき。

「・・・ド、ドンマイドンマイ!ほら、次くるよ梨華ちゃん!かまえてかまえて!」
「・・・うん!」

155 名前:ガンツ 投稿日:2001年12月24日(月)18時40分31秒
なんとか気を取り直してくれたのか、笑顔で答えてくれる梨華ちゃん。
そーだよ、次とれば・・・・

「えいっ!」

バスっ!

またもや打球は梨華ちゃんのほうへ。
「梨華ちゃん!」


ボスっ!

「・・・・・・・・・」
まるでさっきのリプレイをみてるようだった。
やばい、梨華ちゃんめちゃくちゃ運動オンチだ・・・・。
しかも辻加護のやろう、しってやがるな。
なんて考えてる間にも梨華ちゃんは半泣き。
あああ、どーしよどーしよ・・・・。
156 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月15日(金)00時52分28秒
続き気になる…。
157 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月29日(月)22時13分45秒
もう終わり?
それともネタ切れ?

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