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タンポポ探偵団
- 1 名前:ダンデライオン 投稿日:2001年02月02日(金)23時52分45秒
- タンポポの小説を書こうと思います。
4姉妹という設定にしようと思うので、設定上各人の呼び方が通常と
異なります(例 矢口>石川「梨華ちゃん」>「梨華」)がご了承ください。
ご意見、ご感想いただければ幸いです。
- 2 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月03日(土)00時22分46秒
- 最初に煙の匂いに気付いたのは、次女の真里だった。
鼻をつくこげくさい匂い。ただ魚がこげているとか、そんなものではない。
鼻の粘膜がヒリつくような、刺激の強い匂いだった。
ベッドにハッと起き上がったのはいいが、その拍子に妹が寝ている上の段の底板に
頭をいやというほどぶつけて、
「いって〜、畜生!」
と、18歳の乙女らしからぬ言葉を吐いた。
姉妹の寝ている8畳間は真っ暗だった。頭のてっぺんをさすりながら真里はベッドから出ると、
部屋の照明のスイッチを手探りした。
やっとの思いでスイッチを探し当て、押すと、照明が2、3度瞬いて明るくなった。
- 3 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月03日(土)00時51分10秒
- ドアの下からは、もう白い煙がじわじわと広がりつつあって、部屋の空気も少しかすんでいる。
さすがに度胸のいい真里も一瞬青ざめた。
しかし、呆然と突っ立っているときではないのだ。
まず2段ベッドの梯子に飛びついて一番下の妹、亜依の毛布をはぎ取って、
「亜依!起きて!」
胸ぐらつかんで揺さぶった。
「えっ?なに?どうしたん!」
12歳の亜依は、寝坊でもしたと思ったのか、ガバッと起き上がり
「何時?」
と聞いた。
「火事よ!」
と真里が怒鳴る。
「えっ?もう9時?遅刻や!」
「馬鹿、火事だって言ってんの。早く降りろ、こら!」
亜依も下を覗いて、煙に気付いた。
- 4 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月03日(土)01時12分14秒
- 「うわ!真里姉、どうしよう?」
「早く降りて!」
真里は飛び降りると、違うベッドで寝ている三女の梨華へと駆け寄った。
「梨華!起きて!火事よ!」
思いきり揺さぶるが、梨華は、低く唸ったきりで起きない。何しろ低血圧で
寝起きが悪いのは姉妹でも群を抜いている。
真里と亜依が悲鳴を上げた地震のときも、全く知らずに眠っていたことがあるくらいだ。
「梨華!」
「ん、ん〜、・・・何?」
梨華がやっと瞼を重そうに開けた。
- 5 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月03日(土)02時26分35秒
- 「火事よ!」
「火事?・・・どこが?」
「うちが、よ!早く起きて!逃げるよ!」
梨華も、やっと煙に気付いて事態を理解したらしい。
ベッドから這い出すと、煙を吸ってむせた。
「立たなきゃ!ほら、煙吸っちゃうよ」
「うん・・・」
梨華としては、これで精いっぱいなのである。
「圭織お姉ちゃんは?」
とよろけながら立ち上がる。
「出張中」
「あ、そうか・・・。よかった」
「何呑気なこと言ってんの。早く外へ」
「待って!待ってよ」
と梨華は真里の腕をつかんだ。
「私下着のままだよ。服きるから・・」
- 6 名前:名無し、パスタに感動 投稿日:2001年02月03日(土)04時56分05秒
- お〜、のっけからいきなり急展開ですね。どんな話になっていくのか期待してます。
目を覚ます順番と反応が、キャラがでていて面白いです。
- 7 名前:ダンデライオン 投稿日:2001年02月03日(土)12時50分33秒
- >パスタさん
おぉ〜、早速の感想ありがとうございます。非常に励みになります。
今後も毎日少しづつですが仕上げていきますので、感想・意見よろしくお願いします。
- 8 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月03日(土)23時09分41秒
- 「焼け死んだら、もっとカッコ悪いわよ!」
真里は頭にきて怒鳴った。
梨華はまだ寝ぼけ顔で、服を拾いながら不服そうに、
「真里お姉ちゃん、怒るとママそっくり」
「余計なこと言ってるヒマが・・」
と言いながらドアを開けて、真里は立ちすくんだ。
赤い炎が目の前の壁をなめ始め、天井はもう火に包まれていた。
「だめだ、窓から!」
ドアを叩きつけるように閉めると、真里は奥の窓へ駆け寄った。
幸いなことに姉妹の寝室は1階である。
- 9 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月04日(日)07時21分26秒
- 「でも窓開かないよ」
と亜依が言った。
前に一度空き巣に入られたこともあり、その対策として鍵をワイヤーでくくりつけてあるのだ。
「割るよ。椅子!ほら、それかして」
亜依の勉強机の椅子をかつぎ上げると、ガラスめがけて叩きつける。
そのまま椅子は窓の外へと消えた。
「亜依、早く出て!」
「私が先?」
「いいから早くして!梨華、出てよ」
梨華はうろうろと何かをさがしている。
「私のお財布知らない?」
- 10 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月05日(月)05時30分32秒
- 「そんなこと言ってる場合!急いで、ほら!」
スローな梨華を1人で置いてったら、またあくびをしてベッドへ戻りかねない。
強引に窓の方へと引張って、背中をぐいぐい押す。
「分ったから押さないで。危ないよ!」
火事とどっちが危ないんだか!やっと梨華を押し出したとき、ドアが突然倒れた。
火の塊が天井へと突き抜けて、ドーンと凄い音がした。
「真里姉!」
外で亜依の叫ぶ声がする。真里はあわてて窓へと頭から突っ込んだ。
窓の真下に、先に出た梨華がまだ座り込んでいた。真里はその真上に落ちた。
「痛っ!」
「キャーッ!」
2人はもつれるようにしてその場から這って逃げ出した。
「うわっ!」
亜依が妙に上ずった声を出した。
真里は起き上がって振り向き、目を見張った。ほんの数秒前に出て来た窓から、
黄色い炎が、まるで巨大なガスバーナーみたいな勢いで吹き出していた。
そして、姉妹たちの家は、もう8割方、炎に包まれていた」
- 11 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月05日(月)06時03分41秒
- 「家が・・・なくなっちゃう・・・」
亜依が気の抜けたような声を出した。
「うん・・・」
真里も、ぼんやりとしてただうなずいた。
4人の家は、新興住宅地の一画でも少し離れて、ポツンと高台に建っている。
隣近所といっても、軒を接しているわけではなかったから、延焼の心配はなかった。
もっとも3人とも、そんなことにまでとても頭が回らなかったが。
「真里お姉ちゃん・・・」
と、梨華が呟くように言った。
「なあに?」
「119番しなかったね」
「うん・・・」
今さら電話したってどうなるの、と叫びたいのを抑えて、真里はうなずいた。
その時、何か坂を駆け上がって来る足音がした。
- 12 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月05日(月)06時50分46秒
- 「ねえ!大丈夫!」
「あ、先生・・」
と亜依が言った。
この少し先に住んでいる、保田という教師だった。
亜依の通っている中学校で国語を教えている。姉の圭織とも高校の時クラスメートだった。
パジャマ姿にサンダルを引っかけて、駆けて来る。
「どうしたの!」
「分かりません。寝てたら急に・・」
「みんな無事?・・圭織はどうしたの?」
「圭織姉さん、出張です」
「そう、じゃ、あなたたちだけなのね?良かった!」
家がバリバリと裂けるような音を立てた。
「危ない。退がっていた方がいいよ」
屋根が崩れ落ちた。火の粉が無数に夜空へ舞い上がって、
真里はこんな場合なのに、きれいだな、と思った。
「・・・お財布バッグの中だ」
と、やっと目が覚め切ったらしい梨華が言った。
「携帯電話も焼けちゃったのかなぁ」
- 13 名前:プロローグ 火事 投稿日:2001年02月05日(月)07時22分11秒
- 「命があるでしょ!」
と保田が強い口調で言った。
「みんな火傷もせずに、生きてるんだよ!それが何よりじゃない」
理屈はそうだけどね。・・真里は心の中で、焼けていく1つ1つの品物を思い出していた。
小学校から使った机、買ったばかりの服、お気に入りの厚底ブーツ、プーさんのぬいぐるみ・・
そうだ。死んだパパとママの写真も焼けてしまった。
・・・サイレンが遠くから近付いてくる。
「やっと来たね」
と保田が言った。
「保田さん、電話して下さったんですか?」
と梨華が聞いた。
「うん。もっとすぐ来ると思ったけど・・・」
全部焼け落ちてしまうわ、この様子じゃ、と真里は思った。
サイレンと鐘の音が少しずつ近付いてきて、他にも何人か近所の人たちが、
寝衣姿で走ってくるのが、炎に照らし出されて目に入った。
炎は少し勢いを弱めつつあった。もう、燃える物がなくなってきたのだ。
真里は、初めて夜気の冷たさを感じて、身震いした。
- 14 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)09時11分37秒
- 「・・・おはようございます」
矢口真里は目を開いて、一瞬戸惑った。
いつもなら自分が真っ先に起きて朝食の仕度をする。
ちょっと寝坊したときには、妹の亜依をけっとばして起こして手伝わせる。
それが、今自分の方を覗き込んでいるのは、高校の部活で後輩の吉澤ひとみの顔である。
「あ・・よっすぃー。私・・・」
真里は起き上がって、頭をベッドの底板に打ちつけないように、と少し低くして・・
やっと思い出した。
ここは吉澤の家なのだ。
「どうです、気分は?」
吉澤が聞いた。
真里はすっかり思い出していた。・・家が焼けたんだ。
そして、私は吉澤の所に泊めてもらった。
- 15 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)09時38分43秒
- 「大丈夫」
真里は大きく息をついた。何だか丸1日も眠っていたような気がする。
「今何時?」
「11時頃。もう起きれます?」
「うん。あれ、今日は学校ないの?」
「日曜日ですよ」
そうかあ。土曜の夜に焼け出されたのだ。
「朝ごはんできてます。そこに私の服置いたんで着てください」
「ありがと」
真里はうなずいて、
「ご迷惑かけちゃって」
「何ですか、矢口さんらしくもないこと言って」
ひとみは見るからに素敵な女の子である。同性の真里がほれぼれするほどの美しさ。
それでいて気取ってなく、時折みせる可愛らしさと男っぽさのアンバランスに、
同性・異性問わず愛されている。
しかし、真里とて、決して可愛くないわけではない。可愛いと、多少の自負もある。
ただ・・はねっかえりで気の強いのが玉にキズなのだ。
- 16 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)10時00分41秒
- ひとみの服は、サイズ的にかなり大きかった。
真里は、まあ小さくて着れないよりいいか。あ、私より小さい子なんてめったにいないか。
などと思いながら服を着替えた。
真里は、ひとみの兄が結婚前に使っていた部屋に泊めてもらったのだった。
妹の梨華と亜依は保田先生のお宅に厄介になっている。
真里も一緒にと言われたのだが、いくら何でも3人は、と思い、すぐ近くの
この吉澤家に泊めてもらったのだった。
前にも泊まったことがあるので、真里は勝手がわかっている。
洗面所で顔を洗っていると、ひとみがやってきた。
「矢口さん。何か、矢口さんに会いたいって方が」
「私に?」
「警察の人」
- 17 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)10時39分45秒
- 警察?・・そうか。火事の後だもん、当たり前だ、と真里は思った。
居間へ入って行くと、1人がソファに座り、両脇に制服姿の男が2人立っていた。
座っている人は、紺のスーツの女性で、警察と聞いてなければやり手のビジネスウーマンという感じ。
「あの、矢口真里ですけど」
と言うと、ちょっとびっくりした様子で、
「あ、うちは朝娘署の中澤といいます・・」
と言って立ち上がった。
「あんたが真里さん?」
「はい」
「いや・・てっきりお母さんかと思ってたんで・・」
「父と母は3年前に死にました」
「そう・・でもお嬢ちゃんはしっかりしてるね。小学生とは思えないよ」
「・・・高校生なんですけど」
「ふ〜ん高校生・・って、嘘!ほんまに!えっ、あ〜その、失礼しました!」
「・・・慣れてますから。で、火事のことでしょうか」
「うん、まあ・・気の毒やったね」
「どうも」
- 18 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)11時12分56秒
- 「実は保田先生という方のお宅へ行きましてね」
と中澤刑事が言った。
「梨華さんというのは・・」
「妹です。3番目の。私が2番目で、その下に亜依という妹もいます。あとは姉の圭織の4姉妹です」
「そうですか。梨華さんが、こちらの真里さんに聞いてくれとおっしゃったので」
「梨華は朝が弱いんです、低血圧で」
「そうですか。では、色々聞かせてもらいますので。・・出火の原因に心当たりは?」
「考えてみたんですけど分かりません。いつも私が寝る前に火の元や戸締まりをしています。
ゆうべも、ちゃんと全部見て回ったんです」
「それは確かですか?」
「はい、絶対です」
「う〜ん・・」
中澤は腕を組ながら、
「すると放火ということも考えられるわけだ」
- 19 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)11時35分38秒
- 「放火?でも誰が?」
「それはまだ分からんけど・・」
中澤は何か言いかけて言葉を切ると、
「火が出たのに気付いてから逃げ出すまでのことを話してくれない?」
と言った。
真里は煙に気付いて目が覚めたことから、窓を壊して逃げたことまでを話した。
「すると、寝ていた8畳間から直接外へ逃げたわけだ」
「はい、そうです」
「どこから火が出たかは、見当がつかない、というわけや」
「ええ」
「家の中の見取り図を書いてくれない?大体でいいから」
「はい」
中澤が、手帳を1枚破いて、ペンと一緒にくれた。
真里は、記憶を頼りに図面を書いていったが、意外によく憶えていないのに驚いた。
それでも何とか苦労して書き上げると、
「こんな風だったと思います」
と中澤へ手渡す。
- 20 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)11時57分38秒
- 中澤はしばらくそれを見ていたが、テーブルの上に図面を置くと、
自分の鉛筆で、姉の部屋の窓側の隅にx印をつけた。
「この部屋は?」
「姉の部屋です」
「ここから火が出たらしいんよ」
「でも・・火の気がありません。それに姉は出張でいませんでした」
中澤は組んでいた脚を組み替えた。
「だからおかしいねん。どう考えても放火としか思えへん」
真里は唖然とした。うちに放火!そんなひどいことを・・・。
「もう1つ大変なことがあるんやけど」
と中澤が申し訳なさそうに言った。
「何でしょう?」
中澤が鉛筆で、姉の部屋のクローゼットの所へ、人の形を描いた。
真里は戸惑って中澤の顔を見た。
「このクローゼットのあたりから」
と中澤は言った。
「女の死体が見つかってん」
- 21 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)13時19分22秒
- 「うそやん」
と、亜依が言った。
「あんた、私がそんな冗談言いに来たとおもってんの!」
真里はドンとテーブルを叩いた。
「真里姉、ここうちとちゃうで」
「あ、いけない」
真里はちょっと舌を出した。・・保田の家へ来ているのである。
「紅茶できたよ。はい、召し上がれ」
保田のルームメイト、平家みちよが紅茶をいれてくれた。
「しかし、妙な話だね」
保田がドッカと座り込んで言った。やや栗色がかったショートヘアーに、
はっきりしている言動で、いかにも裏表のない人の好い印象を与える。
実際、亜依の学校でも、生徒の間で人気の高い教師の1人だった。
「ほんまやな。そんなことってあるんかいな?」
みちよが紅茶を配りながら言った。
みちよは保田とは大学が一緒で、高校の教師である。
お互い地方出身ということもあり、それならばということで一緒に住んでいるらしい。
「どんな女の人なの?」
と梨華が言った。
- 22 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)13時49分12秒
- 「分かんないよ。だって、焼け死んだんだから」
「あ、そうか」
梨華は、まだ半ば放心状態のようだ。
おっとりとしているが、意外と負けず嫌い。でもすぐ泣く。人見知りが激しく、
男の人と話すのが苦手。しかしナイスボディのなかなかの美人である。
「でも、いつからその女の人、うちにいたんやろ?」
と亜依が言った。
「全然気付けへんかったわ」
「当たり前よ。知ってりゃ忘れないよ。・・参ったなあ、早く圭織姉さん帰って来ないかな」
「お姉ちゃんの部屋でその女の人が見つかったんやね?」
とみちよが聞いた。
「そうらしいんです。でも、正確には分からないけど。・・ただ、姉さんの部屋には
滅多に入りませんから、クローゼットの中にいたら、全く気付かなかったと思います」
「それにしたって・・」
亜依は、もう何にでも八つ当たりしたい様子だ。
末っ子のせいか、こらえ性のないところがある。
- 23 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)14時33分16秒
- 「圭織とは連絡取れないの?」
と保田が言った。
「札幌に行ってるのは分かってるんですけど、どこに泊まっているか見当つかないし、
それに、会社の電話も、手帳なんかが全部焼けちゃって」
「電話帳で引きなよ」
「今日、日曜日やで、圭ちゃん」
「そっか。携帯にはつながらないの?」
姉妹は顔を見合わせ、首を振った。
「姉さん、すぐなくすんで持ってないんです・・」
「う〜ん。いつ帰る予定なの?」
「確か月曜日って・・」
「火曜ちゃうかった?」
「私月曜って聞いた」
と真里は言った。
「いずれにせよ、明日まで待つ他ないのか」
保田は難しい顔で言った。
「すいません、お世話になって」
何か言わなきゃ悪いと思ったのか、梨華が頭を下げる。
「いや、そんなことはいいのよ。しかし、親戚とか、連絡先はないの?」
「うちは父も母も近い親戚が全然ないんです」
と、真里は言った。
「すいません、妹達をもう1晩置いて下さい」
「そんなことは構わないわよ」
と、快く保田がうなずく。
- 24 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)17時12分49秒
- 電話が鳴って、みちよが立って行った。受話器を上げて、向こうの声を聞くと、
「真里ちゃん、あなたに」
と言った。
「中澤さんっていう方」
「中澤・・あ、さっきの刑事だ」
真里は受話器を取った。
「・・実は、今検死官が例の女性の死体を見たんやけど」
と、中澤はあまり気が進まない口ぶりで言った。
「死因は焼死じゃないねん」
「えっ?それじゃ何ですか?」
「体にナイフの刃先が残っていたんです。心臓を刺して、ナイフが折れたらしい。
つまり女は刺し殺されているんよ」
「殺され・・た?」
- 25 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)17時51分09秒
- 真里は頭が混乱してきた。
「つまり、誰かがその女の人を刺し殺して、うちのクローゼットに入れておいたんですか?」
「そして火をつけたんやね、おそらく。身許を知られたくなかったのか。・・
あの女性は服をはぎ取られているらしいんよ」
「じゃ・・裸で?」
「そう。死後、せいぜい1日しかたっていない。つまり、殺してすぐにクローゼットへ
裸にして押し込んだみたいやね」
真里は悪い夢を見ているようだった。
真里は昨日、学校から帰った後、家を掃除したのだ。
そのとき、姉の部屋も掃除した。クローゼットは開けなかったが・・。
あのとき、もう死体はあったのかもしれない。
扉1枚の向こうに・・。
- 26 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)18時11分48秒
- 「それから、これは言いにくいんやけど」
と、中澤はためらいがちに言った。
「お姉さんの会社はゼティマ生命やね」
「そうです」
「その課長さんが、寺田って人で、自宅の電話が分かったんで連絡したんよ」
「あ、姉の居場所、分かりましたか?」
「それが・・お姉さん出張になんか行ってないって言うんよ」
真里はポカンとして、梨華と亜依の心配そうな顔を眺めた。
左手の指を3本出して、
「これ、3本?」
「そうよ」
「じゃ、おかしくないんだ・・」
「どうしたん、真里姉?」
真里は受話器を握り直した。
- 27 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)19時05分39秒
- 「あの・・それはどういう意味ですか?姉は木曜から出張で札幌へ行ってるんですよ」
「それが、実際はお姉さんは休みを取ってるんよ。木曜日から」
「じゃ・・札幌には?」
「どこへ行ってるのかはわかりません。心当たりは?」
「そんな・・私に分かるはずがないでしょ!」
ショックが真里に反抗的な口をきかせた。
あの圭織姉さんが嘘をつくなんて!そんなことがあるものか!
「連絡があったら、すぐに知らせて下さい。いいですね」
中澤の言葉は優しかったが、言い方は厳しくなっていた。
受話器を置いた真里は、物問いたげなみんなの視線を受け止めかねて、
目を伏せてしまった。
- 28 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)19時06分22秒
- 「あの・・それはどういう意味ですか?姉は木曜から出張で札幌へ行ってるんですよ」
「それが、実際はお姉さんは休みを取ってるんよ。木曜日から」
「じゃ・・札幌には?」
「どこへ行ってるのかはわかりません。心当たりは?」
「そんな・・私に分かるはずがないでしょ!」
ショックが真里に反抗的な口をきかせた。
あの圭織姉さんが嘘をつくなんて!そんなことがあるものか!
「連絡があったら、すぐに知らせて下さい。いいですね」
中澤の言葉は優しかったが、言い方は厳しくなっていた。
受話器を置いた真里は、物問いたげなみんなの視線を受け止めかねて、
目を伏せてしまった。
- 29 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)19時22分58秒
- 「どうしたん?」
と平家みちよが聞いた。
「あの・・大したことじゃありません」
大したこと、どころではないのだが、なぜか口にしたくなかった。
みんなにしゃべらない内に、もう1度警察から電話がかかってきて、
「今のは寺田さんの間違いでしたよ」
と言ってくれるのではないかと思ったのだ。
「でも、今の様子じゃ・・」
「すみません」
真里はピョコンと頭を下げて、
「私たち3人だけにして下さい、お願いです」
姉が嘘をついてたとは言いたくなかった。
他人に聞かれるのは、もっといやだった。
「わかった。みっちゃん、席外そう」
保田が立ち上がって、みちよを促す。
- 30 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)19時42分28秒
- 「・・どうしたの、一体」
梨華が咎めだてするように、
「失礼じゃない、先生に」
と言った。
「他人に言いたくない話だってあるよ」
「だって先生だよ」
「先生だって、他人は他人よ!」
と、真里はまたテーブルをドンと叩いた。ティーカップがガチャン、と音をたてる。
「ねえ、よく聞いて」
真里は、今の中澤の電話の内容を説明した。
「じゃ、圭織お姉ちゃん、どこいるの?」
梨華は当惑しきった表情で言った。
「分かんないよ」
「どうして嘘ついたんだろう?」
「嘘とは限んないでしょ。その課長って人の勘違いかもしれないし、
何か特別な事情があって・・」
「ねえ」
突然亜依が言った。
- 31 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)20時01分14秒
- 「はっきりさせな」
真里と梨華は、亜依を見た。
「だって、私たちがここでああだこうだ言ってたって仕方ないやん。
ほんまのことは分かりっこないんやし。それより警察がどう思ってるかよ」
亜依は4人姉妹の中でも、1番の現実主義者である。そういう世代なのかもしれない。
「つまりあんたが言いたいことは・・」
「家の中に殺された女の人の死体があったんやろ。それも圭織姉の部屋のクローゼットに。
そして圭織姉は出張と言って出かけたけど、実際は出張じゃなくて、行方がわからへん。
・・はっきりしてるわ。その女の人は圭織姉が殺したんや」
- 32 名前:1 灰の中から 投稿日:2001年02月05日(月)20時39分09秒
- 真里はじっと亜依を見つめた。
「あんた、本気でそう思ってんの?」
「私が思ってんじゃないよ。警察がそう思ってるってこと」
「ならいいけど」
「でも、そんなこと・・」
と梨華1人はまだ事態がよく呑み込めていない。
「圭織姉さんが帰ってくれば分かるよ」
真里は、自分に言い聞かせるように言った。
「何もかも、ちゃんと説明してくれて、何でもなかったって分かるよ」
「女の死体があったのが『何でもない』ことなんか?」
「あんたはもうちょっと希望的観測を述べられないの?」
「希望なんか持ってるから、裏切られんねん」
しばらく3人は黙り込んでいた。
やがて梨華がポツリと言った。
「圭織お姉ちゃんに電話してみたら?」
真里と亜依は顔を見合わせて1つため息をついた。
- 33 名前:名無し、パスタに感動 投稿日:2001年02月06日(火)02時01分19秒
- 凄いことになってきましたねぇ。読んでる方もワクワクしてきました。
タンポポ探偵団の活躍、期待してます。
- 34 名前:ダンデライオン 投稿日:2001年02月06日(火)21時44分20秒
- >パスタさん
読んでくれてる方がいるだけでもありがたいのに、感想や期待までして頂けるなんて
ほんと感謝感謝です。新曲も出るので、この板がもっと盛り上がるといいですね。
- 35 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月06日(火)22時19分23秒
- 火事から、10日が過ぎた。
姉、圭織はまだ帰って来なかった。
いや、まだ捕まっていなかった、と言った方が正確だろう。
目下、殺人容疑で指名手配されているのだ。
・・殺人。圭織姉さんが。
「そんな馬鹿なことが!」
誰だって、姉を知っている人ならそんなことは信じない。
しかし、手配写真を見る全国の人々の大部分は、姉を知らないのだ。
そんな人たちの目には、姉の顔が、残忍凶悪な人殺しのそれらしく映るだろう。
- 36 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月06日(火)22時38分58秒
- 中澤刑事が、被害者の身許が分かったと知らせに来てくれたのは、
火事から4日たった午後のことだった。
「・・殺されたのは市井紗耶香という女性でした」
「市井・・・」
「聞き憶えは?」
真里は黙って首を振った。
外を歩いていて、いつの間にか、自分の家の焼け跡の前に来ていた。
まだ立入禁止のロープが張ってある。
「どういう人なんですか?」
「フリーターなんやけど。お姉さんの友達だったんじゃないかな」
「そうですか・・・」
- 37 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月06日(火)23時11分59秒
- 「でも・・どうして殺す必要があるんですか?」
「私が知りたいわ」
と、中澤は首を振った。
「しかし、彼女の死体がこの家の中にあったのは事実やから」
「万が一、姉がその女の人を殺したとしても、私たちまで一緒に焼き殺そうなんて
するはずがありません!」
焼け跡はまだ生々しかった。中澤は困ったように頭をかいた。
「まあ、あんたの言葉の方が説得力があるな。お姉さんが発狂したなんて説よりも」
真里はしばらく黙っていたが、やがて中澤の顔を見た。
「姉は、手配されるんですか?」
「そういうことになると思う。残念やけど」
中澤はそう言って、
「どこにいるのか・・出てきて弁明してくれれば、警察だってちゃんと
調査するんやけど・・・」
と、独り言のように付け加えた。
- 38 名前:名無しキッス 投稿日:2001年02月06日(火)23時52分22秒
「犯人を探す?」
ひとみは、真里の言葉にさすがにびっくりしたようだった。
「うん。姉さんの無実を晴らしたいんだ」
「・・簡単にはいきませんよ」
「分かってる。でも、そうしないと私たちの気がすまないよ」
ひとみは困ったような顔で、真里を見ていたが、
「矢口さんならやるかもね」
と、笑いながら言った。
「お金はあります?」
「お金?」
「資金がいるでしょう。何をするにしたって」
「バイトでもするよ」
「その間に犯人は逃げますよ」
ひとみは机の上から財布を取ると、真里に渡した。
- 39 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月07日(水)00時18分13秒
- 「使ってください」
「よっすぃ〜、それは困るよ」
「あ、貸すんですよ。後で返してもらいますから」
「・・ありがと、よっすぃ〜」
と真里は頭を下げた。
「その代わり条件があります」
「何?」
「あまり深追いしないでくださいね。危険なんですから!」
「うん、約束するよ」
「矢口さんの約束は、あんまり当てにならないですけどね〜」
と、ひとみは笑いながら言った。
真里もそんなひとみを見て、つられて笑った。
- 40 名前:名無し 投稿日:2001年02月07日(水)00時42分31秒
- 懐かしい……って、歳がバレる(w
キャスティングがナイスです!
内容結構忘れているので、これからの展開が楽しみですね。
- 41 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月07日(水)00時51分46秒
-
梨華は、また高校の門の前で足を止めてしまった。
ここ3日間、毎日、ここまで来ては、帰ってしまうのだ。
何も私が悪いことをしたわけじゃない。そう自分へ言い聞かせて、明日こそ、
堂々と胸を張って入ろうと思うのだが、こうしてやって来るとその決心はくじけてしまう。
明日だ。明日から来よう。今日は・・ちょっと頭痛もするし・・。
卑怯者、弱虫、と責めたてる自分自身の声を聞きながら、梨華は重い足取りで、
駅へと戻って行った。
梨華だって、姉の無実を信じている。
しかし、真里のように周囲の視線をはね返すだけの度胸がない。
といって、亜依のようにそれで周囲の同情をひき、宿題を代わりにやらせてしまうという
要領の良さも、持ち合わせていない。
- 42 名前:ダンデライオン 投稿日:2001年02月07日(水)01時10分58秒
- >名無しさん
ばれましたか。多少アレンジしていくので長い目で見て下さい。
これからも意見・感想宜しくお願いします。
- 43 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月07日(水)01時51分51秒
- 電車に乗って、梨華はため息ばかりついていた。
我ながら情けない、こんなときにこそしっかりしなくては・・。
でも、分かってはいても、できないものはできないのである。
生来の内気さ、気の弱さは、この年齢になって変えられるものではない。
たぶん姉妹、特に真里がしっかり者すぎるのも、梨華のそういう性向を助けただろう。
母が死んだ後、張り切って母親役を一手に引き受けたのは真里だった。
梨華は、おかげで少しも変わらず、のんびりと毎日を送ることができた。
そこへ今回の事件である。
どうすればいいものやら、梨華は途方に暮れるばかりだった。
- 44 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月07日(水)02時35分51秒
- 「何、学校はどうしたの」
保田か家から出てくるのに、ばったりと出会ってしまた。
「あ、先生・・。お休みなんですか?」
「うん、今日は開校記念日だ。亜依はどこかへ出かけていったぞ。・・どうしたの?」
「あの・・・」
と言ったきり、どう言っていいのか分からず。口をつぐんでしまう。
保田は察したらしく、梨華の肩を叩くと
「ごはん食べに出てきたんだ。一緒にどう」
と言った。
- 45 名前:焼肉帝王 投稿日:2001年02月07日(水)07時58分09秒
- >42
そりゃ、ばれるって!
まぁ、おもしろければよし!
- 46 名前:ダンデライオン 投稿日:2001年02月07日(水)20時30分22秒
- >焼肉帝王さん
ぎゃ〜、やっぱばればれなんだ。
ほぼ某氏の作品そのままなんですが、今後は自分の色を出せればと思ってます。
今後も宜しくお願いします。
- 47 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月07日(水)22時15分31秒
- 駅へ向かう道中、梨華はずっとうつむいていた。
「色々、大変だね」
と保田が言った。
「すっかりお世話になって・・すみません」
「そんなことは気にしないで。圭織が見つからない限り、あなたたちも動きようがないもの」
「はい・・・」
「学校にも行きにくいんでしょ?・・分かるよ。まあ元気出しな」
「ありがとうございます・・・」
梨華は蚊の鳴くような声で言った。自然と涙が溢れてきた。
- 48 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月07日(水)22時34分52秒
- 「梨華さん?」
「すみません・・つい・・」
梨華は目から溢れる涙を拭った。
「いつもこんな風で・・だめなんです、私」
何しろ悲しくなるより早く涙が出て来てしまう性質なのである。
「ねえ、泣かないでよ。私が泣かしてるみたいじゃん」
「すみません」
と、また涙が出てくる。
「あなたは本当に姉妹の誰にも似てないわね」
と保田が笑って言った。
「みんなしっかりしてますから」
「いや、あの娘たちはしっかりしすぎ。あなたが普通の女の子なのよ」
保田が梨華の頭を撫でた。梨華は胸が熱くなった。
涙で潤んだ目で、じっと保田を見つめていた・・。
- 49 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月07日(水)23時00分39秒
-
「何やねん、私も暇やないねん」
と、亜依がブツブツ言った。
「重要な話だって言ったでしょ!」
真里がにらみつける。
「分かった。分かったから、そない眉間にしわ寄せないでよ」
「うるさい。んで、梨華は?」
「言っといたんやけどね」
「何だよ、本当、時間にルーズなんだから」
もうそろそろ表は暗くなりかけている。
真里は、梨華と亜依に、駅前に唯一ある喫茶店に集合しろと呼びかけたのである。
ブツブツ言っていると、梨華が入ってきた。
- 50 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月07日(水)23時14分45秒
- 「ごめん、待った?」
「梨華、今日は学校に行った?」
梨華がギクリとして、
「行ったよ。・・本当よ」
「梨華の嘘はすぐばれるの」
「嘘じゃないってば!」
門の前まででも、行ったことに変わりない。
「まあいいわ。ともかく、話があるの」
「その前に、1つ聞いていい?」
と亜依。
「ここ、誰が払うの?」
「私が払うわよ」
「じゃ安心や」
「がめついんだから、あんたは」
「こういう人が1人おらんと家計は成り立てへんねん」
- 51 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月09日(金)22時00分05秒
- 「じゃ、ともかく話をするよ」
コーヒーを飲みながら、真里は言った。
「圭織姉さんは今や殺人容疑で手配中。家は焼けて、私たちは無収入、住所不定ってわけ。
嘆いてたって始まらない。自分たちの手で、何とかしないと」
「どうするの?」
と梨華は不安げに言った。何しろ真里はときどき無茶なことを言い出すのだ。
「私たちの力で、姉さんの無実を立証するの」
「どうやって?」
「真犯人を見つけるの」
「そんなこと無理だよ!」
と、梨華は唖然として、
「私たち・・学生なのよ」
「でも、幼稚園や小学生の生徒とはわけがちがう。もう大人だよ。
それとも梨華は圭織姉さんが殺人犯にされてもいいっていうの?」
「そ、そうじゃないけど・・」
「じゃ、決定」
梨華は諦めたように肩を落とした。
いつもこうだ。
真里に強く言われると、何も反論できなくなってしまう。
- 52 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月09日(金)22時30分18秒
- 「でも、具体案とかあるんか?」
亜依はリアルである。
「事件にはいくつか疑問点があるの。それを書き出してみたから」
真里はメモを広げた。
「1つ、なぜ市井紗耶香の死体がうちのクローゼットにあったのか。
どうやって、いつ運ばれたのか」
「あの晩ちゃうの?」
「でも、私は戸締まりしたの。鍵を壊して入るにしても、物音がすれば、
私、たいてい目が覚めるよ。特に、姉さんのいないときは神経つかってるし」
「じゃ、どういうことになんの?」
「犯人は空き巣のベテランか・・でもこれは変だと思うの。フリーターと空き巣のベテラン
のカップルって、何かピンとこないし」
「そりゃそうや」
と、亜依はうなずいて、
「じゃ、どういうことになんの?」
「犯人はうちの鍵を持っていたんじゃないかな」
- 53 名前:名無し、パスタに感動 投稿日:2001年02月12日(月)08時02分41秒
- をを、いよいよ推理&犯人探しが始まったね。
- 54 名前:名無し、パスタに感動 投稿日:2001年02月15日(木)03時22分33秒
- 久しぶりに来たらめちゃ面白いの始まってる!!
おいら若いから(w 元ネタ分からないッス 終わったらおせーてください。
役柄がはまってていいですね。
- 55 名前:ダンデライオン 投稿日:2001年02月17日(土)10時14分50秒
- すみません。
仕事が忙しすぎて更新ができない状態です。
この状態3月中旬ぐらいまで続きそうです・・・。
今後も遅くなりますが、時間が空いたら可能な限り更新しますので、
なにとぞよろしくお願いします。
- 56 名前:2 探偵業事始め 投稿日:2001年02月17日(土)10時53分53秒
- 「でも、鍵は私たちしか持ってないよ」
「合鍵なら作れるでしょ。鍵をどこかで落としたことのある人、いない?」
真里は、梨華と亜依を交互に見て、
「どう?素直に言った方が身のためだよ」
ひどい探偵である。
「梨華は?」
「私、そんなことなかった・・と思うけど」
「はっきりしないな、もう!」
「だって、あんまり前のことなら忘れちゃうよ」
「そんなに前のはずないよ。だって、犯行を計画したから合鍵を作ったんだろうし」
「私は落としたことないで」
と、亜依が言った。
「ま、この件は後で」
と、真里はメモに目を移した。
- 57 名前:名無し、パスタに感動 投稿日:2001年02月28日(水)02時47分17秒
- >>54
原作は赤川次郎の『三姉妹探偵団』だよ。
1998年に日テレの土9でドラマ化されて
吉川ひなのとIZAMが共演してた。
- 58 名前:名無し、パスタに感動 投稿日:2001年03月16日(金)00時12分36秒
- 58ですけど、57さん有難うございます。(御礼遅いですね(w )
時間が出来たら読んでみたいと思います。
ダンデライオン さん仕事の方は順調でしょうか?待っていますので頑張ってください。
- 59 名前:名無し、パスタに感動 投稿日:2001年03月16日(金)00時14分26秒
- ↑54です。すんません。
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