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やすかご劇。
- 1 名前:書き人。 投稿日:2001年02月03日(土)23時07分24秒
- ‐1‐
お風呂からあがり、部屋に戻ると、加護は、おっきなバスタオルを頭から被って、
ベットの上で、ちょこんと座って待っていた。
「・・・寝てなかったの?」
保田の言葉に、コクリと頷き。
「一緒に寝ましょう。・・・保田さん。」
なにとなく、気恥ずかしいのか、そう言ったあと、加護は下を向く。
保田は、がしがしと濡れたままの髪を、タオルでふく。
「部屋に戻って・・・先に、寝てなさい。」
そして、そう言って、保田は、部屋を出ていってしまう。
「あっ・・・。」
慌てて顔をあげると、もうその扉は、閉じていた。
- 2 名前:書き人。 投稿日:2001年02月03日(土)23時11分18秒
“じゃーー”
激しく蛇口から、水が流れ落ちている。
それを保田は、ぼーっと見つめる。
“ドボドボ・・・”
水が溜まりきり、溢れ出した。
それを見て、保田は、水の流れを止めた。
殺菌のためのキッチン洗剤を入れ、振り返る。
と、そこには、加護が立っていた。
- 3 名前:書き人。 投稿日:2001年02月03日(土)23時13分26秒
- 「・・・加護?先に寝てなさいって、言ったでしょ?」
「・・・・・・・・。」
いまだに、バスタオルを頭から被り、保田がプレゼントしてくれた、
ぬいぐるみをその手に抱えている。
「加護?」
何も言わない。
「・・・しょうがないなぁ。寝るよ。」
素っ気なくそういうと、保田は加護の隣を通り過ぎようとする。
「・・・保田さん。」
加護は、後ろから保田に抱き付いた。
「・・・・・・・。」
バサリと少し重々しく、バスタオルが落ちた。
だらりと、交差された手に持たれためいぐるみが、たれている。
「・・・加護?どうしたの?」
「・・・・・・・・・。」
背中で、首を振る間隔がした。
何でもないのだと、言いたいのだろう。
「・・・・・・・。」
- 4 名前:書き人。 投稿日:2001年02月03日(土)23時15分45秒
―どうして・・・こんなに好きになっちゃったのかな?
「どうしたの・・・。」
保田は、振り返り加護を抱き締めた。
「・・・保田さん・・・。」
―どうしてこんなに愛しい?
まだこどもで、だけど彼女は、その無邪気な笑顔で、
私の奥深くに入ってきて、私を離さない。
- 5 名前:書き人。 投稿日:2001年02月03日(土)23時16分49秒
『惚れたか?』
裕ちゃんのニヤニヤ笑い。ホント楽しそうに、私を見つめながら言った。
『はぁ?』
『加護に惚れたんかって、聞いてんね。』
『何言ってんのよ。』
『まぁ、まぁ、隠さんでええて。』
ふざけた冗談。私は、そう思った。
『まったく、そんなわけないでしょ。』
『・・・・・・・。』
クックックッと、堪えるように中澤は、笑った。
『けー坊知ってるか?』
『・・・?』
『加護を見るときの、あんたの目、めっちゃ優しいんやで?』
そう言って中澤は、ポンポンと、保田の肩をたたき、
『・・・・・・・・。』
何も言えない保田に、
『まぁ、健闘を祈る。』
そう笑いながら言って、中澤は、楽屋を出ていった。
- 6 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月04日(日)02時56分52秒
- 期待!!かごやす
保田、加護出番少ないので頑張って
- 7 名前:やっすー推進派 投稿日:2001年02月04日(日)13時16分28秒
- 加護が切ないっす。出だしからかなり良いです。
どうなんですかね?甘め?甘い感じを期待しつつ、続きを期待させて頂きやす。
頑張って下さいまし。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月08日(木)21時06分13秒
- 続き希望age
- 9 名前:書き人。 投稿日:2001年02月10日(土)20時12分39秒
- 『何・・・言ってんのよ・・・。』
保田は、頭を抱えた。
『・・・裕ちゃんじゃあるまいし・・・。』
とそこに、
『どうしたんですか?』
『え?』
パッと見ると、中澤の出て行ったそこに、
加護が心配そうに立っていた。
とてとてと、保田の座っている椅子の隣まできた。
そうして、保田の顔を覗き込んだ。
- 10 名前:書き人。 投稿日:2001年02月10日(土)20時13分29秒
- 『頭、痛いんですか?』
『・・・・・・・・。』
『保田さん?』
クラリとした。
まさかと思った。
ただ、信じられなかった・・・。
『大丈夫、なんでもないよ。』
保田は、そこから逃げ出したかった。
がたりと、椅子から立った。
出口に向かい歩き出す、
『!?』
後ろから、抱きとめられた。
『・・・保田さん、無理しちゃだめです。』
『・・・加護?』
振り向くと、加護は保田を見つめ、満面の笑顔を向けた。
『保田さん、加護と遊んでください。』
『・・・・・・いいよ・・・。』
- 11 名前:書き人。 投稿日:2001年02月10日(土)20時15分25秒
気がついた時には、もう手遅れ。
傍にいたいと思う裏側で、恥ずかしさが、それを許さなかった。
何時の間にかこの目は、彼女を追いかけて、
無邪気な微笑みに、何時の間にか微笑みが漏れ出して・・・。
目が合うと、恥ずかしくてなんでもない振りをした。
不器用な私のことを、彼女は好きだと言った。
私の特別になりたいと・・・。
これでもかと言うほど、彼女をいとおしいと思った。
触れただけの口付けは、ほんとにそれだけで十分だった。
- 12 名前:書き人。 投稿日:2001年02月10日(土)20時16分04秒
- 「傍にいさせてください・・・。」
今にも泣き出しそうに・・・ずるいよ・・・。
「・・・・・・・・・。」
「ずっと、抱きしめてて欲しいんです。」
ダメですか?って、ダメなわけないでしょ?
彼女は知らない、その表情の一つ一つが、
私をどうかしようとしていることを。
「・・・いいよ。」
この一言に、満面の笑顔。
「ありがとうございます。」
抱きつく小さな彼女を、抱き上げて、ベットに運ぶ。
- 13 名前:書き人。 投稿日:2001年02月10日(土)20時16分38秒
トサッ。
柔らかな髪が、真っ白なシーツに広がった。
その手に持っているぬいぐるみを、ベットサイドにあるテーブルに置いた。
保田は、加護の隣に滑り込み、その身体を抱き寄せた。
こつんと、加護の頭が、保田の肩にあたった。
鼻先が、その柔らかな髪にくすぐられる。
指と指を絡ませ、しっかりと握り合う。
「温かい・・・。」
擦り寄る加護が、ポツリと呟き、保田を見た。
保田は、薄く目を細め、いとおしそうに繋がれてないほうの手で、
加護の頭をなで、その額に口付けた。
「・・・おやすみ。」
「はい、おやすみなさいです。」
そして、最後に甘いキスをその唇に。
- 14 名前:書き人。 投稿日:2001年02月10日(土)20時17分24秒
ままごとみたいだけど、今はこれが精一杯。
愛しくて、愛しくて、大切で・・・。
ずっと、守りたい・・・その笑顔を・・・。
そう、この温もりを、離したくない。
- 15 名前:書き人。 投稿日:2001年02月10日(土)20時19分30秒
- 「好きだよ・・・亜依。」
もう、聞こえないって分かっているから、囁ける愛の言葉。
いつかは、そうだね、時期がきたら伝えるよ。
面と向かって、愛してると言ってあげる。
「おやすみ・・・。」
もう一度、保田はそう言い、自分も眠りについた。
暗い空に抱かれて眠り。
朝の光に、導かれ起きる。
そして、おはようのキスをその唇に・・・。
-END-
- 16 名前:書き人。 投稿日:2001年02月10日(土)20時29分43秒
- 【やすかごを広めよう!の会】の書き人。です(笑)。
ただ、好きなだけなんですけど・・・。
あまりにもやすかごが、少ないので、書いてみました。
これからも書いていく予定ですので、どうぞよろしくお願いします。
>名無し読者さん
レス有り難うござてます。期待に添えられたでしょうか?
ちまちまとだと思いますが、がんばって行きます。
>やっすー推進派さん
いかがだったでしょうか?
一応、甘い感じのつもりです。
レス有り難うございました。
>8さん
遅くなってしまいすみません。
次もあると思うので、どうぞよろしくです。
- 17 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月10日(土)21時45分20秒
- ハア、萌え萌えですわ。
自分は保田萌えなんで、こういうのはたまらんです。
ついでに「無理しちゃだめです」と言っておきながら
「遊んでください」と言う加護が、かわいらしい。(藁
次回作楽しみにしてるっす。
- 18 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月11日(日)03時10分12秒
- よかったです。甘い感じがいいですね。やすかごいいっスね。
実際ももう少し絡んで欲しいな。
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月11日(日)09時50分45秒
- 今まで、やすかごなんて自分の中になかったけど
有りになりましたよ。保田がいいわ〜。
次回作も期待してます。
- 20 名前:書き人。 投稿日:2001年02月14日(水)03時26分24秒
- レス有り難うございます。
頑張ります。
- 21 名前:書き人。 投稿日:2001年02月14日(水)03時44分33秒
−好きだった・・・。ずっと好きだった・・・。
保田は、自室のベットで目を覚ました。
一つだけ、透明な水滴が、こめかみに流れて落ちていった。
過去の記憶。辛い、辛い、片思い。
友達でよかった。そう単なる友達で・・・。
『脱退するよ・・・。』
私は、あの時心の中で少しだけほっとした。
近くにいなければ・・・そう、この思いを隠していける・・・。
『後藤のこと・・・よろしくね・・・圭ちゃん。』
笑った。その笑顔に私は頷いた。
『ありがとう・・・。』
−私はあんたが好きなんだ。
でも隠しつづける。
もう私は恋をしない。
誰も愛さない。愛さない。
『圭ちゃん、待ってろよ〜絶対ビックになってやる!!』
良き親友、良きライバル。
私と同じような境遇にいて、いつもそばにいて・・・。
ただ一人、私が愛した人・・・。
そうだと思っていた。
彼女に会うまでは・・・。
- 22 名前:書き人。 投稿日:2001年02月14日(水)04時11分34秒
もう誰も愛さない。
私は、バリアを張った。
もう二度と傷つかなくてすむように・・・。
だけど。
−どうして?
『保田さん。ごめんなさい!』
めんどくさい、人の話も聞かないで・・・。
『加護、次やったら覚悟しておきなよ。』
私は疲れていた。
疲れ果てていた。
『・・・はい・・・。』
しゅんと、表情を曇らせ加護は答えた。
『ホント、分かってるの?』
『はい!』
今度は顔を上げてはっきりといった。
『はい、いいよ。』
戻りな。という言葉に、加護は動かなかった。
『?どうしたの、加護。』
いつに無く神妙な顔つきで、12歳とは思えないような表情で、
『!?』
ちょっとかかとを上げる感じで背伸びをし、
保田の頬にその手が触れた。
『保田さん・・・。どうしたのですか?』
『はぁ?』
『何でこんな、淋しそうな顔してるんですか?』
もう誰も愛さないんだ・・・。
『加護は、保田さんの笑っている顔を見たいです。』
『・・・・・・・・・。』
『誰にでも見せるような、そんな笑顔じゃなくて・・・、
・・・ってすみません。生意気でした。失礼します!!』
加護の表情が、幼い表情になった。
ぺこりと頭を下げて、楽屋にと走り戻っていった。
『・・・・・・・・・。』
保田は、しばらくそこに立ちすくんでいた。
加護の触れたそこに、保田は自分の指を滑らせた。
―ゾクリ。
寒気がした。
バリアがこんな意図も簡単に・・・?
私はもう、・・・傷付きたくないのに・・・。
保田は、時計を見て、くしゃりと髪の毛をかきあげた。
『保田さん・・・。』
彼女の声が遠くで聞こえた。
どんどん大きくなる。
シーツの海に漂い思う。
私は、もう誰も愛さない・・・。
−続く−
- 23 名前:書き人。 投稿日:2001年02月14日(水)04時15分16秒
- 今度は痛めでいかがですか?(笑)
こうして分野を広めつつ、
やすかごをもっと広めていくのです!!(笑)
ということで、【やすかごを広めよう!の会】の書き人。でした(笑)。
- 24 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月14日(水)04時36分19秒
- 広げましょう!!(w
- 25 名前:やっすー推進派 投稿日:2001年02月15日(木)13時00分21秒
- 甘いですねぃ〜。まさに期待通り!いや!期待以上の素晴らしいお話だったっす!
小さい彼女を愛しむお姉さんの気持ちが良いっすわぁ〜。
今度は痛め?ほいっ!じゃんじゃか広げませう!頑張って下さいまし。
- 26 名前:書き人。 投稿日:2001年02月15日(木)13時31分12秒
- 「保田さん。」
「ん?」
「あの、ダンス見てもらえませんか?」
保田は、雑誌から視線を上げた。
加護は、舌っ足らずの口調で、保田に言った。
「・・・後藤に見てもらえばいいでしょ?」
保田は、素っ気無くそう答えて、立ち上がった。
傍に居たくなかった。
壊して・・・いや、壊れてしまいそうだから・・・。
「あ、待ってください。」
「・・・何?」
「今、後藤さんいないんです。だから、あの・・・。」
ギュッと手を握り締め、訴える彼女。
−あぁ、イライラする。
何なのか分からない、この胸の痛み。
分からないからこそ、ますますイラつく。
矛先が・・・、危険だ。
- 27 名前:書き人。 投稿日:2001年02月16日(金)11時16分58秒
「・・・・・・・・!?」
ダンッと、加護を保田は近くの壁に、押し付けた。
誰もいない楽屋。
静かな空気の流れ・・・、そこに乱れが生じる。
「私に・・・関わらないでよ。」
息が触れ合うくらい近くで、保田は、搾り出すように言った。
驚きの表情の加護。
「・・・・・・。」
何かを言う前に、その唇を塞いだ。
「・・・・っ・・・!?」
−何やっているんだ?
- 28 名前:書き人。 投稿日:2001年02月16日(金)11時19分17秒
加護の手が、保田の肩を押しのけようと動く。
それを、掴み冷たい壁に押し付けた。
ぎりりと保田の指が、その細い手首に食い込む。
「はっ・・・・んぅ・・・。」
空気を求めるように開かれる唇、
それさえも奪うように、保田はそのキスを深くする。
「・・・・・・・・。」
押し付けられた手が、開いて閉じた。
すっと、涙が一筋流れ落ちた。
それを見て、保田は加護を解放した。
「くはっ、はぁはぁはぁ・・・。」
かくりと、加護はその場に崩れた。
荒い呼吸を繰り返し、潤んだ目で保田を見上げた。
「・・・分かったでしょ?もう・・・」
とそこで、がちゃりとドアが開いた。
「あっ・・・・。」
そこには、矢口が立っていた。
- 29 名前:書き人。 投稿日:2001年02月16日(金)11時21分27秒
- 「・・・どうしたの?」
異様な雰囲気に、矢口は目を丸くした。
矢口は視線を落とし、加護を見た。
その瞳から、流れる涙を目にして、保田に歩み寄った。
「圭ちゃん?何したの?ねぇ・・・?」
矢口は、厚底を履いているため、保田とさほど身長の差がなくなっていた。
「・・・・・・・・・。」
「何、黙ってるの?け・・・」
「な、なんでもないんです!」
加護が、割って入った。矢口の視線が、加護に移った。
保田は、肩にかかった矢口の手を振り払った。
「!圭ちゃ・・・・?」
再び、視線が戻る。
顔をそらしていた保田だが、真っ直ぐに矢口を見据えた。
「・・・・・・・・。」
そのまま何も言わず、保田は矢口の横を通り、出て行ってしまった。
- 30 名前:書き人。 投稿日:2001年02月16日(金)11時24分21秒
「ちょっ・・・。」
追いかけようとした矢口を、加護が立ち止まらせた。
「ほんとに・・・なんでもないんです・・・。」
「・・・加護?なら、何であんた泣いてんのよ?」
はらはらと、加護の涙は流れ続けていた。
矢口は、加護を抱きしめた。
「どうして?」
加護は、首を振った。
理由なんてわからなかった。
ただ、波だが止まらないのだった。
「・・・・・私・・・・。」
その後の、加護の言葉はもうなかった。
矢口は、加護をずっと抱きしめやるしか出来なかった。
「・・・・・・・・。」
『圭ちゃん、加護、泣き止まないよ?
圭ちゃん、何でそんなに泣きそうな顔をしていたの?
一体何があったの?
ねぇ、私は、どうしたらいいんだろう・・・。』
「保田・・・さぁ・・ん・・・。」
涙声の加護の声が、矢口耳に残るのだった。
- 31 名前:書き人。 投稿日:2001年02月16日(金)11時27分22秒
ダァン、ダァン、ダァン・・・。
保田は、壁を殴りつけ、それを背に座り込んだ。
「・・・・・痛い・・・。」
ジンジンと、手が痛む。
赤く少し腫れてしまった。
「・・いたいよう・・・・。」
薄暗い廊下に、窓から光が注がれる。
呆然と、その光を保田はおった。
右目から、透明な雫が、流れ落ちていった・・・。
−続く−
- 32 名前:書き人。 投稿日:2001年02月16日(金)11時54分03秒
- 更新しましたageです(笑)。
どうもどうも、【やすかごを広めよう!の会】の書き人。です(笑)。
レスを頂いた方に、少々お返事を・・・。
>24・名無し読者さん
はい、広げましょう!広めましょう!!
広報部部長は、がんばります!(笑)。
>25・やっすー推進派さん
誉めて頂いて嬉しいです。
いやいや、まだまだなのですけどね・・・(苦笑)。
この話は、痛めなのですが、結末は・・ドキドキ(謎)。
まぁ、とにかくどんどん広めていきましょう!!
ということで、同士まだまだ待っています!!(笑)
では、【やすかごを広めよう!の会】の書き人。でした。(しつこいっすか?(笑)
- 33 名前:書き人。 投稿日:2001年02月17日(土)11時58分16秒
「ほんとに大丈夫?」
矢口のその言葉に、加護はしっかりと頷いた。
「はい、ごめいわくかけました。大丈夫です。」
赤くなった目で言われても、全然説得力がなかった。
加護はいつものように、にこーっと笑って見せた。
「・・・加護・・・。」
「?はい。」
神妙な顔つきの矢口。
加護は小首を傾げ返事を返した。
「なんかあったら、私にいいなよ?」
「・・・心配しないでください。」
少し間をおいて言った。
その顔から、子供っぽい笑顔が引いた。
「・・・・・・・・。」
二人はほんの一瞬見つめ合った。
「私・・・保田さんのこと・・・・・・。」
- 34 名前:書き人。 投稿日:2001年02月17日(土)11時59分38秒
プップーという、クラクションの音が、加護の最後の言葉をかき消した。
しかし、矢口には、その言葉がちゃんと伝わっていた。
「あっ、来た〜。じゃ矢口さん。さよーなら。」
加護は、いつものように笑った。
ぺこりとお辞儀をして、車に乗り込んでいった。
運転手がもう一度、挨拶代わりに、ぴっとクラクションを鳴らした。
加護は、車の中でしきりに矢口に手を振った。
「・・・・・・・・・。」
矢口は、黙ってそれに答え、手を振った。
ぶるるると、車はエンジンの音を立てながら、矢口をそこに残し去って行った。
矢口は、振っていた手を下ろした。
「・・・マジで?」
矢口の呟きは、深い夜に吸い込まれ、消えていった。
これから、ほんとにどうなるのだろう。
不安が、渦巻いていた。
- 35 名前:書き人。 投稿日:2001年02月17日(土)12時01分43秒
- さくさくと更新中(笑)。
どうしてこんなに筆が進むのだろうといった感じです。
自己満足と分かっていても、楽しいのでした。
ではまた明日。
- 36 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月18日(日)02時11分34秒
- イタめのやすかご、意外な組み合わせにして想像以上の面白さ!?
作者さん、あんたにヤラれたよ。
- 37 名前:書き人。 投稿日:2001年02月18日(日)10時31分26秒
「・・・・・・・・。」
心地よい車の振動。シートに身を静めて加護は目を閉じた。
思い出されるのは、つい先ほどのあの瞬間。
『私に・・・関わらないでよ。』
冷たい目・・・、何か・・・よく分からないんだけど、
何故か捨てられた子犬のような目だった・・・と、加護は思った。
乱暴に奪われた唇。
それでも怖くはなかった・・・だけど悲しかった。
あの人が何を考えているのか、分からないことが悲しかった。
『・・・分かったでしょ?』
分からないよ・・・分からないよ?保田さん。
移り変わっていく景色を見ながら、加護は、自分の唇に触れた。
そして、手首に微かに残る、爪の跡に口付けた。
「・・・保田さん・・・。」
- 38 名前:書き人。 投稿日:2001年02月18日(日)10時33分19秒
出会った頃から、分かっていたことがあった。
私は、あの人が好きだということ。
恋とか愛とかって分からないけど、でも、かまって欲しくて、
悪戯をして、あの人の目を引いて、あの人の目に・・・ずっと映っていたかった。
私は、あの人の・・・特別になりたい・・・。今日、本気でそう思った。
「恋愛って・・・痛いんやね?」
「え、何?亜依。」
「うぅん、なんでもない。」
加護は、笑った。
ごちゃごちゃ考えるのは、自分の性に合わないと思ったからだ。
ただ、今は、真っ直ぐに想いを伝えるしかない。
そして、あの人の本当の笑顔が見たい。
仮初めでない・・・本当の笑顔を・・・。
- 39 名前:書き人。 投稿日:2001年02月18日(日)10時37分48秒
- こんにちは、さくっと更新です。
>36・名無し読者さん
レス有り難うございます。
少しでもやすかごが、好きになってもらえればと思います。
どうぞ、よろしくです。
ということで、書き人。でした。
- 40 名前:書き人。 投稿日:2001年02月19日(月)06時46分21秒
Trrrrr
少し長めの発信音の後、
「(もしもし。)」
ずっと聞きたくて我慢していた声が聞こえてきた。
「あっ、紗耶香?」
こんな遅くにごめんと、保田は言った。
「(あー、別にいいよ。だけど、どうしたの?)」
「別に用ってわけじゃないんだけどさ、元気してるかなっと思ってね。」
声が、微かに弾んでる気がした。
気のせいではないだろう・・・あんな事しといて・・・調子のいい奴。
保田は、自分で自分を批難した。
「(ん〜、まぁ、ぼちぼちって感じかな?)」
そっちはどうなの?と、聞き返してきた。
「私達の方は、まぁ、あの四人が・・・。」
っと、ここで保田は、言葉が詰まった。
「(・・・・圭ちゃん?)」
『保田さん・・・。』
二人の声が重なって聞こえた気がした。
それはもちろん気のせいだとは、分かっていたけど、眩暈がした。
- 41 名前:書き人。 投稿日:2001年02月19日(月)06時48分52秒
「(どうしたの?大丈夫?)」
その言葉に、保田は、はっとした。
「あっ、ご、ごめん。最近特に忙しいから・・・。」
取り繕うような言い訳をした。
市井は、特に気にするようでもなく。
そっかと答えた。そして、で、どうなの?と改めて聞き返した。
「うん、まぁ、目の回るような忙しさだけど、ぼちぼちって感じだよ。」
「(そうか〜、がんばってるね。)」
それに、保田はそうでもないよと答えた。
ちょっとの沈黙の後、市井のほうが口を開いた。
「(・・・後藤は、どんな感じ?)」
「・・・・・・・・。」
分かっていても・・・やっぱりつらい。
「(あいつ、最近ボーっとしてること多くない?)」
「うん、そうだね。」
「(やっぱり〜?そうだよね、テレビ見てても分かるもん。
圭ちゃん、ちゃんと注意してやってね。)」
「うん、わかってる。・・・あっもうこんな時間。じゃまたね、紗耶香。」
「(あっ、うん。電話ありがと、がんばってね。)」
「うん、紗耶香もがんばれよ。」
「(もちろん、わかってる。じゃ、おやすみ。)」
「・・・おやすみ。」
ピッと、切れた。ツーツーツーという音が、虚しく保田の耳を刺激する。
それを耳元から外し、保田も切った。
そこには静寂が、部屋を埋め尽くしていた。
- 42 名前:書き人。 投稿日:2001年02月19日(月)06時54分36秒
- ども、こんにちはです。
さっくりと更新です。
反応がないと、ちょっと淋しいなぁ・・・(笑)。
昨日のMUSIXは、やすかごだったなぁ。
うんうん、私的には、圭ちゃんが勝って、
並んで座って欲しかった・・・(笑)。
ということで、ではでは。
- 43 名前:T.K.O 投稿日:2001年02月19日(月)17時44分04秒
- 書き人。さん、毎回楽しみに読ませてもらってます。
昨夜のモー娘。選手権、実は私もひそかにやすかご期待してました。
しかし、いしよしだった。。(^^;;
- 44 名前:書き人。 投稿日:2001年02月20日(火)20時55分29秒
保田は、ベットに倒れ込んだ。
そして、自分の手を見つめた。
「・・・・・・・・。」
残る柔らかな感覚と鈍い痛み。
「何で・・・。」
何であんな事してしまったのだろう・・・?
何故あの後、涙が出てきたのだろう。
−こわい。
私は思った。
あの純粋な瞳が、捕まったらもう抜け出せない。
どこに落ちていくのかも分からない。
どうしたらいいのかも分からない。
だから・・・だから・・・。
あぁもう・・・、心がついていない。
- 45 名前:書き人。 投稿日:2001年02月20日(火)21時02分45秒
- どうも、こんにちは。書き人。です。
今日もさくっと更新。
また明日すぐ更新しますので、続きは少々お待ちください。
しかし、悩む圭ちゃんの姿はいいものだ・・・(遠い目(笑)。
>T.K.Oさん
レス有り難うございます!!
こう反応があると、やっぱり更新しがいがありますね(笑)。
選手権はホントに残念でしたよね(笑)。
数少ないやすかごのチャンスだったのに・・・(涙)。
ではでは、書き人。でした。
- 46 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月20日(火)22時49分56秒
- やすかご、いいっすね!
珍しいから新鮮だし。
- 47 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月21日(水)03時35分40秒
- うんうん 苦悩する圭ちゃんいいですね。加護ちんも苦悩してるし。
やすかご目撃情報(w
去年の恋レボ21@Mステで歌い終わった後アルフィートークの後ろで
加護ちんが圭ちゃんの肩のゴミを取ってあげてるのに萌えました(w
MUSIXこちらは田舎なので放送まだです。そんな惜しい場面があるのか・・
- 48 名前:書き人。 投稿日:2001年02月21日(水)14時06分55秒
「・・・・・・・・。」
その手を握りしめるのと一緒に、瞼を閉じた。
焼きつく彼女の涙・・・。
もう誰も、愛したくないのに・・・。
その、はずなのに・・・。
あぁ、でも、もう嫌われたよね。
そうだ、そうだよ。あんな事したんだ・・・当たり前だ。
「・・・紗耶香・・・。」
蹲る。私は、この甘苦しい刺を抱いて眠る。
『保田さ〜ん!!』
眠りに落ちる直前。彼女の声が聞こえた気がした。
「・・・か・・ご・・・?」
何であんなに嬉しそうに笑っているのだろう・・・?
思考は遮断され、そのまま保田の意識は、暗い泉に落ちていった。
−続く−
- 49 名前:書き人。 投稿日:2001年02月21日(水)14時23分32秒
- さくりと更新です。
明日は少しお休みします。
>46・名無し読者さん
やすかごいいでしょう!!
興味を持ってくれるだけでも嬉しいのです。
しかしどんどん、はまってくれるといいですな(笑)。
>47・名無し読者さん
目撃情報有り難うございます!!(笑)
うーん、チェック洩れでした(笑)。
速攻で、調べてみたと思います。
ではでは、レス有り難うございました。
また明後日にでも、更新できるように、がんばります。
- 50 名前:カゴ娘。 投稿日:2001年02月22日(木)19時59分19秒
- 続きを期待します
- 51 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月22日(木)21時53分07秒
- ここまでいっきに読ませてもらいました。
痛々しいやっすーがサイコーです。
加護は“女”なんですかねえ
期待しています。頑張って下さい。
- 52 名前:書き人。 投稿日:2001年02月23日(金)15時42分05秒
矢口の心配とは裏腹に、何事もなく日々は過ぎていっていた。
「・・・亜依ちゃん?亜依ちゃんってば〜。」
椅子に座ってボーっとしていた加護に、辻が声をかけてきた。
「あっ、ののちゃん、どうしたの?」
「どうしたの?じゃないよ〜。ぼーっとしちゃてさ。」
「そう?」
「うん。ねぇ、それよりも遊ぼうよ〜。」
「うん。遊ぼ〜。」
きゃっきゃ、きゃっきゃやっているところに。
「辻〜加護〜、遊んでばっかりいないで、声だししなよ?」
飯田が声を掛けてきた。保田も一緒だった。
「あっ、いいらさんこれ可愛いと思いませんかぁ?」
辻は、ノートの自分の落書きを見せた。
「こっちも可愛いですよね〜?」
加護も負けじと見せる。
というか、まったく話を聞いてないのであった。
- 53 名前:書き人。 投稿日:2001年02月23日(金)15時49分01秒
- こんにちは、更新です。
さて、もうちょっとで終わらせるかな・・っと思っています。
どうなるか分かってないですけど・・・実は(笑)。
>カゴ娘。さん
レス有り難うございます。
続きもがんばります。
>51さん
加護はですね、女ではなくまだ少女です。
感受性が、とても強いという感じにしてるつもりなのです。
実際の彼女は、どうだろう・・・?(笑)
ではでは、この辺で。
- 54 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月24日(土)04時13分23秒
- もう少しで終わりですか・・・ Happyなラストだといいなぁ
次回作は甘甘?ハイテンション?それともまた痛め? 楽しみです。
- 55 名前:書き人。 投稿日:2001年02月24日(土)23時51分23秒
「ちょっと、圭織の話し分かってる?」
「「はい!」」
眉を寄せながら言う飯田に、二人は揃って元気な声で返事をした。
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・!」
パッとそこで、加護と保田の目が合った。
加護は、にこーっといつものように笑って見せた。
「保田さん、これ可愛いですよね?」
「うん・・・そうだね・・・。」
でも、遊んでばっかいちゃダメだよと言った。
それにまた加護は、はい!っと返事を返した。
「圭ちゃん、絶対この子達分かってないよ〜?」
心配そうに言う飯田に、辻が答えた。
「大丈夫れす、いいらさん今からやります。ね、亜依ちゃん?」
「うん。」
「ほんと〜?」
首を傾げる飯田を横に、保田は、窓際の方の椅子に座った。
見た空は、今にも泣き出しそうにどんよりとしていた。
- 56 名前:書き人。 投稿日:2001年02月24日(土)23時55分11秒
- 更新です。
続けて今日の分も上げてしまおう。
- 57 名前:書き人。 投稿日:2001年02月24日(土)23時56分19秒
- 「・・・・・・・あ・・・。」
「雨、降りそうですね?」
思ったことを、いきなり横から言われてびっくりした。
「・・・・・・。」
あまりふり向きたくなかった。
「ねっ?保田さん。」
きっと、彼女は満面の笑顔をたたえて、
私の心をかき乱すんだろう・・・。
保田は、ゆっくりと首を180度動かした。
「・・・・・・。」
あぁ、やっぱり?声に出ない落胆の言葉。
彼女は、いつものように笑ってそこにいた。
「保田さん、どうしたんですか?
元気ないですね、どこか具合でも悪いんですか?」
−何言ってるの?こいつは・・・。何、笑ってるの?
「別に・・・。」
保田は、その目が見れなかった。
吐き捨てるように言って、保田は、椅子から立ち加護の横を通り過ぎていった。
- 58 名前:書き人。 投稿日:2001年02月26日(月)12時33分27秒
- 「あっ、圭ちゃんどこ行くの?」
飯田が、声を掛けた。
保田は振り返らずに、
「飲み物買ってくる。」
そう言い残して、扉を開け出て行った。
「・・・・・・・。」
「亜依ちゃん?どうしたの?」
加護は、無言で立ち尽くしていた。
飯田にじゃれていた辻が、その様子に声をかけた。
「加護、どうしたの?」
辻に続いて、飯田も声をかけた。
ふらりと、加護が動いた。
そして、保田の出て行ったそこから、加護も出て行ってしまった。
「ののちゃん、うちトイレ。」
とって付けたように言い残して。
「亜依ちゃ〜ん?」
楽屋から、辻の声が聞こえたが、それは気に止めず加護は、
保田を追いかけたのだった。
「いきなりどうしたんだ、加護は?」
「・・・分かりません・・・。」
辻と飯田は、二人した首を傾げるのであった。
−続く−
- 59 名前:書き人。 投稿日:2001年02月26日(月)12時38分24秒
- こんにちは、書き人。です。
一日おいてしまいましたが、更新です。
次回予告として、アダルトモードに少し突入予定です(爆)。
まぁ、そういうことで、次はいっきにあげたいと思うので、
ちょっとの間更新はお休みにします。
ではでは、そういうことで、書き人。でした。
- 60 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月27日(火)07時50分43秒
- 待ってるよー!
- 61 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時12分43秒
「保田さん・・・。やす・・・保田さん!!」
楽屋を出て、右に曲がり突き当たったとこで左、そこを保田はまだ歩いていた。
加護の声に、ビクンと一瞬だけ、その場に立ち止まった。
そして何事もなかったように、歩き出してしまう。
「ま、待ってください。加護も一緒に・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・・っ・・・。」
びくりと加護は、身を引いた。
冷たい何も映さないような目で、保田は加護を見た。
「やすださ・・・・」
「私に関わらないでって言ったでしょ?」
近付こうとする加護をその一言で、拒否した。
- 62 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時14分30秒
もう傷つきたくない。
もう傷付けたくない。
だから。
「私・・・何かしましたか?」
加護が、聞いてきた。
今にも泣き出しそうに、ぎゅっと自分のTシャツの裾を掴みながら。
「・・・・・・・・・。」
「私、考えました。一生懸命考えました。
だけど、分からないんです・・・保田さん。保田さんのことが・・・。」
瞳が揺れる。
−ダメだよ。
- 63 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時15分36秒
「また、シテ欲しいとか?」
保田は卑屈に笑い、加護の問いかけを聞き流した。
「!保田さん・・・。」
「あんた、分かってないよ・・・。全然分かってない。」
低く言って、保田は、加護の腕を取りちょっと先にあるトイレにと、加護を連れ込んだ。
ばたんと少し派手な音をたて、そこは閉まりカチッと言う無機質な音とともに、鍵かかけられた。
「!?」
何が起こったのか分からない加護は、保田の顔をただ見上げていた。
「私のことが、分からないなんて当たり前だよ。
・・・あんたは、私じゃないんだから・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・私も分からないよ?」
保田は、加護の右耳をぺろりと舐めた。
「あっ・・・。」
逃げるように頭が動いた。
狭い場所で拘束され、声も出ない。
「あんなにこの前可愛がってあげたのに・・・、馬鹿だね・・・。」
−バカハオマエダヨ・・・。
- 64 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時16分29秒
くすくすと笑う保田に、がたがたと震え出す。
この人は、私の知ってる保田さんじゃない・・・。
「こわい?まぁ、あたり前だよね。こんなことした事されたことないでしょ?」
そう言って、保田の手が、加護のTシャツの中に入り込む。
首筋に唇が沈む。スーッと上にあがり、耳の裏を刺激する。
そして、手は中学生にしては、発育のいい胸へと移っていく。
「!!いやっ、やす・・・んっ・・・。」
肩を押したがびくともしない、唇は、塞がれ声も出ない。
ぼやけた視界で見たその目は・・・
「(保田・・・さん?)」
苦痛に歪んでいた。
―ナニヤッテンダ、ナニヤッテンダ、ナニヤッテンダ・・・!!!!!!!
「・・・・・んっう・・・。」
深くなるキスに、加護の口から吐息が洩れた。
- 65 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時17分21秒
- その頃、楽屋では。
「あれ、二人だけしかいないの?」
矢口が、楽屋にとやってきたいた。
「うん、さっきまで、圭ちゃんと加護がいたけどね。」
飯田に続いて、
「二人とも飲物買いに行きました。」
辻が付け足した。
「んでも、遅いよね〜。」
「そうれすねぇ。」
「・・・・・・・・・・・。」
その言葉に、矢口は嫌な予感がした。
「・・・私、二人探してくる。」
「え?すぐ帰ってくるんじゃないの?」
飯田の言葉に、
「うん・・・だけど、ちょっと行ってくる。」
矢口はそう答えて踵を返した。
パタンと静かに、扉が閉じられた。
「・・・・・変なの・・・ねっ?」
「はい。」
その言葉は、矢口には聞こえず、辻が頷きを返すのであった。
- 66 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時21分28秒
「はっ・・やぁ・・・。」
ぱちんとブラが、外された。
保田の足が、閉じられいてる加護の膝を割る。
「・・・加護・・もう二度と私に近づけないようにしてあげる・・・。」
冷たい言葉、熱も入らずただ、無機質に動く。
「!?」
その指が、まだ柔らかい乳房に触れた時、ビクンと加護の体が揺れた。
「感じてるの?・・・気持ちよくしてあげよっか?」
「やす・・だ、さん・・・。」
下から、揉み上げながら、ころころと指先でその果実を刺激する。
びくびくと、加護はそれにどうしていいのか、分からないまま受け止める。
保田の肩に置かれていた手が、押し返そうと動くのではなく、
すがりつくように、握り締められていた。
「や・・・す・・だ・・さん・・・。」
繰り返される。自分を呼ぶ声。
「あっ・・っ・・・やす・・だ・・・さ・・。」
自分を見つめるその目・・・、涙をいっぱいにため、
それでも、一途に自分を見て・・・。
−ダメだよ・・・ダメだよ・・・。
- 67 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時22分22秒
頭通がひどい。くらくらする。
急に、保田の手の動きが、緩んだ。
「・・・保田さん・・・?」
加護は、どうしたのかと見上げた。
「・・・逃げないの?今なら、逃げられるのよ・・・。」
「・・・・・・・。」
「ねぇ、加護・・・、あ・・・」
「私!!」
保田の言葉を加護が遮った。
「保田さんのこと・・・好きです・・大好きです・・・。」
その目から、自分を一途に見つめるその目から、涙が零れた。
「・・・・・・・。」
保田は、絶句した・・・自分の耳を疑った。
「だから、私・・・どこにも行きません・・・。」
あなたが、大切だから・・・。
その嘘のない瞳に、また世界が、ぐらりと揺らいだ。
そして、気がついた時、保田は、その場から逃げ出していた。
- 68 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時23分12秒
矛盾が矛盾を呼び。
傷を癒そうとすれば、それはひどく痛み。
心と体のバランスが崩れる。
- 69 名前:書き人。 投稿日:2001年03月03日(土)12時25分02秒
- 「二人とも、どこいったんだ〜。」
矢口は、あてもなくスタジオの廊下をうろうろとしていた。
「ん〜。」
きょろきょろと辺りを見回しながら、曲がり角にと着たその時。
ドン!!
「きゃっ。」
走ってくる人に気付かず、もろに当たってよろめいた。
「ごめん。」
「・・・いった〜。って、圭ちゃん?」
「ごめん・・・。」
そのまま、保田は、走り去っていった。
「・・・圭・・・。」
矢口は、彼女を見送った後、そこを曲がった。
すると、そこから離れたトイレから、加護が出てきていた。
「加護。」
ぐしぐしと、目元を擦っている。
その頬に涙の流れた後が見えた。
「・・・・・・・・・。」
矢口は、ただその場に立ち尽くした。
きっと私には何もできないのだと。
私には、入り込むことはできない。
何故なら、・・・あの時の保田の目がそう言っていた。
「保田さん・・・。」
彼女の声が、愛しい人を呼んでいた。
−続く−
- 70 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月03日(土)14時39分37秒
- イタイなぁ。
でも一途な加護がかわいい。
sageの方針で行くのか?とりあえずsageるよ。
- 71 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月04日(日)03時47分35秒
- うむ イタイな。やすかご何処へ行く(w
期待sage
- 72 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月10日(土)14時25分04秒
- 放置?楽しみなんですけどー。まだっすか?
- 73 名前:じんべいざめ 投稿日:2001年03月10日(土)23時54分49秒
- うっす!
一気読みしたよん。
書き人くんのやすかご促進の意気込みがわかったよ(笑)
果実。。。。くすっ
- 74 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月11日(日)02時44分04秒
- あああああ。続き読みたいです。
頑張って下さい!!
- 75 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月12日(月)03時43分55秒
- 続きが気になる…更新待ってまーす。
>>73
お前sageぐらい覚えてから書き込め。
- 76 名前:書き人。 投稿日:2001年03月12日(月)13時58分30秒
- 封印した想いがある。
鎖に繋いで、深い深い心の闇に置き去りにしてきた想い。
暗い暗い闇の中、そこに光が差してくる。
柔らかく包み込まれそれを繋いでいる鎖がまるで砂のように、もろく崩れた。
動き出そうとする。それを、闇は許さずに、その心をかき乱し始めた。
想いは、彼女を求めていた。
過去にすがるのはもういいだろう?と・・・。
- 77 名前:書き人。 投稿日:2001年03月12日(月)13時59分20秒
『圭ちゃん・・・、私、後藤のこと・・・好きになっちゃったみたい。
どうしたらいいかな?なんかあいつの顔、真っ直ぐ見れないんだ。
こんなこというと、変に思われるかも知れないけど・・・圭ちゃんどう思う?
私、どうすればいいかな?』
衝撃なんてもんじゃなかった。
言葉を私は一瞬失った。
でも、その次に出てきた言葉は・・・。
『あ、そうなんだ・・・。』
やけに素っ気無く、でも何故か受け入れいてる自分がいた。
私は、きっと彼女が気付く前に、すでに分かっていたんだ・・・。
『いいんじゃない?あたって砕けてみれば?』
私は、紗耶香から視線を外しながら言った。
『・・・そうだね・・・。』
紗耶香が、こっちを真っ直ぐ見ているのが分かった。
でも私は、違う方向を見て、ぼうっとした。
『一か八か・・・私、告白してみるよ、圭ちゃん。ありがとう!』
私は、視線を彼女に向けた。
その笑顔がまぶしいと想った。
・・・私は、笑った。
偽善者の笑顔で・・・。
- 78 名前:書き人。 投稿日:2001年03月12日(月)14時00分58秒
誰にも悟られなかった、この嘘。
彼女は、それに気付いた。
自分でも、これが本当のようになっていたのに・・・。
“・・・もしかしたら、彼女は救ってくれるのかもしれない・・・”
歪みきったこの私を・・・。
彼女が・・・。
−続く−
- 79 名前:書き人。 投稿日:2001年03月12日(月)14時11分17秒
- どうも、お待たせしました。書き人。です。
いやいや、私もいろいろと掛持ちしているもので・・・。
更新遅くなりましてすみません。
短いし・・・(泣)。
あっで、喧嘩はしないでくださいね(笑)。
じんべいざめさん、メールもしましたが、
次からはsageで、お願いします。
あと、こんなおいしい話を、放置などしませんので、
安心してください(笑)。
ではでは、昨日のハロモニは、何気にやすかごだったと、
密かに嬉しい書き人。でした(笑)。
- 80 名前:書き人。 投稿日:2001年03月14日(水)04時22分40秒
- ♪♪♪
着信メロディーが鳴り、暗い部屋の中青白い光が、保田を照らし出した。
そのディスプレイには、加護亜依と記されていた。
「か・・ご・・・?」
彼女は、私に何を望んでいるのだろうか・・・。
保田は、電話には出ず、ぼんやりとそれをみながら思った。
自然に切れた。
多分、留守番に切り替わったのだろう。
すると、またすぐに掛かってきた。
今度は出ることにした。
- 81 名前:書き人。 投稿日:2001年03月14日(水)04時23分40秒
- 「はい。」
何となく・・・声が聞きたいかも。そう思ったから・・・。
「(保田さん・・・あの加護です。)」
「・・・うん。」
おどおどとしながら、受話器を持つ彼女の姿が、脳裏に浮かんできた。
「何?」
「(え・・えっと・・・。)」
「用が無いなら切るわよ・・・。」
「(あっ、待ってください!あの、私・・・。)」
「加護。」
「(どんなことがあっても・・保田さんのこと
・・・好きですから・・大好きですから・・・。)」
「・・・・・・・・。」
ふと青白く光る月が見えた。
「(あ、ただ、これだけ言いたかったんです・・・ごめんなさい。)」
「・・・・・・・・っ。」
「(!保田さん・・・泣いてるんですか?)」
私は、声を噛み殺し、涙をぐっと拭った。
そして、震える声で言った。
「加護・・・あんたのとこから・・・、月は、・・見える?」
「(?・・・あ、はい・・・。)」
「怖いくらい・・・綺麗だよね・・・。」
「(・・・はい。保田さん・・・。)」
会話は途切れた、息づかいが受話器をとうして、聞こえた。
「・・・時間くれないかな?」
沈黙を破ったのは、保田だった。
「(・・・・・・・!?)」
驚きに息を呑むのが、わかった。
保田は、髪をかきあげ、壁に頭をぶつけた。
「気持ち・・・整理させて・・・。」
「(は、はい!!)」
弾んだ彼女の声が、耳に痛かった。
「・・・遅いから・・・おやすみ。」
「(はい、おやすみなさい!)」
プッ、プー、プー、プー・・・・。
- 82 名前:書き人。 投稿日:2001年03月14日(水)04時24分32秒
−ナニヤッテンダ?オマエ?
「ホント・・・何やってんのよ・・・。」
保田は、ベットに横になり、かつんと携帯を下に落とした。
そうしていつものように、目を瞑った。
身体が、睡眠を求めていた。
そうして、眠りに落ちる直前、またあの月が、見えたような気がした。
−続く−
- 83 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月15日(木)04時51分49秒
- こういう健気な加護もイイ
- 84 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月19日(月)06時08分00秒
- 続き期待sage
- 85 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月20日(火)03時22分31秒
- >書き人さん
続き頑張って下さい★
- 86 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月21日(水)22時36分51秒
- 続き待ってます
- 87 名前:林檎 投稿日:2001年03月23日(金)17時12分17秒
- ビバ!やすかご!!
続きめっちゃ期待・・・!
っていうか泣けますね・・・コレ・・・!!
- 88 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月24日(土)02時56分40秒
- やすかご最っ高っす!
続き楽しみにしてます!!
- 89 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月24日(土)10時05分00秒
- >>88
sageようよ(w
どこぞの板で言ってた通り、この頃厨房増えたな(w
- 90 名前:89 投稿日:2001年03月24日(土)10時05分48秒
- ということでsage。
- 91 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月24日(土)13時20分52秒
- 今日、初めて読みました。やすかごいいです。
期待sage。
- 92 名前:やわらか 投稿日:2001年03月28日(水)15時11分01秒
- 普段はやすいし派なんですけど、この小説の影響でやすかご好きになりました。
続き楽しみに待っています。頑張ってください。
- 93 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月31日(土)12時14分07秒
- 待ってます。sage
- 94 名前:読む人 投稿日:2001年04月02日(月)12時30分58秒
- 続き待ってまーす。
という事でsage☆
- 95 名前:書き人。 投稿日:2001年04月03日(火)18時05分50秒
- ほんっとにたくさんのレスをありがとうございます!
これを機にやすかごを書いてくれる方が、
増えてくれればなと思う今日この頃です(笑)。
さて、長らくお待たせいたしました。
更新です。
- 96 名前:書き人。 投稿日:2001年04月03日(火)18時07分36秒
- 答えを見つけに行こう。
その答えが、どこにあるか分からないけど・・・。
闇の中を照らす月が、きっと導いてくれるだろう。
私は今、自分が傷つくことよりも、あんたの笑顔を見たいと、そう願っている・・・。
- 97 名前:書き人。 投稿日:2001年04月03日(火)18時08分26秒
私は、いつからか本当に笑うことを忘れちゃったんだ・・・。
だから、この心の中にある言葉をうまく口に出来ないんだよ。
ねぇ、加護?何で私なの?
私・・・もう嫌なんだよ。
人を好きになることも、
人想うことも、
それで、自分が傷付くことも、
自分が傷付けることも、
・・・もう嫌なんだ。
だからもう誰も・・・好きにならないと、愛さないと決めたんだ・・・。
私は、きっと捻くれた大人になっちゃったんだ。
そして、ずる賢くいい子ちゃんをして、
自分は悪くないんだと理由付けて、
・・・あんたを傷付けた。
- 98 名前:書き人。 投稿日:2001年04月03日(火)18時09分16秒
そんな私を・・・何で好きだと言ってくれるの?
- 99 名前:書き人。 投稿日:2001年04月03日(火)18時09分59秒
あんたはきっと、こう言うんだろうね。
『分かりません。』
て、無邪気な微笑と共に・・・。
- 100 名前:書き人。 投稿日:2001年04月03日(火)18時11分05秒
ピピッピピッピピ・・・・。
遠くから機械的な音が聞こえてくる。
もう朝だ。
今日、答えを見つけよう。
Trrrrr
コールの後、けだるげな彼女の声がした。
「あっ、紗耶香?」
一日が始まる。
−続く−
- 101 名前:林檎 投稿日:2001年04月03日(火)18時28分03秒
- 更新してるぅぅぅ!!(><*)
めっちゃうれしいです!頑張ってください♪
やっぱ圭ちゃんがからむと夢中になる私♪(笑)
- 102 名前:わがまま 投稿日:2001年04月04日(水)03時48分23秒
- もっと読みたーい。
- 103 名前:書き人。 投稿日:2001年04月05日(木)18時07分43秒
私は、ここからスタートしないといけないんだ。
- 104 名前:書き人。 投稿日:2001年04月05日(木)18時08分59秒
私は、よく紗耶香と来たファミレスで、その本人を待っていた。
ココでいろいろなことがあった。
楽しく会話をかわして、将来の夢を語り合い、
下らない冗談に二人で笑い合って、
私は、その時間が、永遠になればいいとずっと思っていた。
そして、紗耶香から後藤が好きなんだと相談もココで受けた。
今思うと、これが一つの分岐点なんだと思う。
- 105 名前:書き人。 投稿日:2001年04月05日(木)18時10分19秒
私はあの時から、笑顔を忘れた。
どう笑えばいいのかを忘れた。
純粋に、笑うということを忘れた。
もう、二度とココにはこないと思っていた。
彼女が脱退をして・・・、もう二度と・・・。
だけど、私は、ココに置き去りにしたものがある。
忘れてしまったものがある。
未だに清算できていない彼女のへ想いがある。
だから・・・。
- 106 名前:書き人。 投稿日:2001年04月05日(木)18時11分32秒
「圭ちゃん。」
あの時に戻って・・・本当の自分を見つけよう。
「紗耶香・・・久しぶり。」
過去を清算しよう。
「ごめんね!待った?」
今、目の前にいる彼女を・・・。
「うぅん、大丈夫。紗耶香も忙しいのに突然ごめんね。」
未だに恋焦がれる人でなく。
「あはは、大丈夫。暇してたとこだったんだ。」
過去に愛した人・・・そして、何にも代えることの出来ない友人に・・・。
- 107 名前:書き人。 投稿日:2001年04月05日(木)18時12分32秒
ココで、あの時の二人に戻るんだ。私の中で。
そして、そこから前に進んでいくんだ。
傷つけてしまった彼女を・・・愛するために・・・。
愛すべき人のために・・・いま・・・。
‐続く‐
- 108 名前:林檎 投稿日:2001年04月05日(木)19時52分09秒
- うぉう!千葉ーズ!
展開めっちゃ気になる!(><)
頑張ってぇ〜!!さやかも重要なカギだわっ!さやかも頑張ってぇ〜!!
- 109 名前:読む人 投稿日:2001年04月08日(日)16時05分55秒
- やすかごもイイなあ。
期待です!
- 110 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月27日(金)22時08分01秒
- 続き期待sage
- 111 名前:書き人。 投稿日:2001年05月12日(土)05時29分15秒
「保田さ〜ん。」
遠くの方から声がした。
私は、そこにうずくまり彼女を見上げた。
赤くなった頬・・・、呼吸に合わせて、肩が揺れる。
それにまた合わせるように、二つに縛った髪が、揺れていた。
・・・窓から差し込んでくる光で、それは眩しく輝いて見えた。
- 112 名前:書き人。 投稿日:2001年05月12日(土)05時30分14秒
「・・・保田さん・・・?」
「加護・・・、来てくれたんだ。」
「・・・・・・・・。」
私は今どう彼女に見えているのだろう・・・。
彼女は、眉に皺を寄せ、どうしていいのか分からないのか、
目をぱちくりさせて、私を見下ろしている。
- 113 名前:書き人。 投稿日:2001年05月12日(土)05時31分27秒
- 「・・・今日、紗耶香に会ったんだ・・・。」
沈黙が流れる中、ぽつりと私は言った。
ごつんと、後ろの壁に頭を預けて、ふーーっと息を吐き出した。
「そうなんですか・・・。」
加護は首を傾げた。
・・・彼女は知らないんだと今気付いた。
「私さ・・・加護・・・。」
「はい。」
「紗耶香が・・・好きだったんだ・・・。」
「・・・・・・!?」
保田は、真っ直ぐに加護を見つめながら言った。
その目はどこか虚ろだったけど、・・・真っ直ぐに彼女を見つめていた。
加護の大きな目が、いつもより大きく見開かれた。
「好きだった・・・愛してた・・・。」
保田は、静かに言葉を続けた。
- 114 名前:書き人。 投稿日:2001年05月12日(土)05時32分28秒
- ―――――――。
すうっと、涙がこぼれた。
視界がぐにゃりと歪んだ。
保田はまた、小さくうずくまった。・・・涙を隠すように。
「・・・・・・・・!」
ギュッと抱きしめられた。
心地良い圧迫感が、保田を包んだ。
「・・・泣かないで下さい。」
ナカナイデ・・・。
「かごぉ。」
その時、私は、初めて泣いた。
泣くのは、もちろん初めてではないけど・・・。
私は、小さな・・・その小さな腕に抱かれ泣いた。
私が傷つけた彼女の腕の中で・・・。
「保田さん。加護がいますよ。ずっと、ずっと、ずーーーーっと。」
泣きじゃくる私に向け、無邪気な声がした。
- 115 名前:書き人。 投稿日:2001年05月12日(土)05時33分02秒
私は、彼女に恋していく・・・。
−続く−
- 116 名前:書き人。 投稿日:2001年05月12日(土)05時37分05秒
- ひっさびさに更新です。
ちょっと、手違いを起こし、FDのデータをすべて消去するという
へまをやってしまい、ここまで更新が遅れてしまいました。
本当に申し訳ありません。
これからは、変な良心の傷つくようなシーンは無いため、
ageに切り替えさせていただきました。
やっぱやすかごはいいのです!!
ということで、楽しんで頂ければと思います。
ではでは、失礼します。
- 117 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月12日(土)12時08分57秒
- やった!再開ですね。
痛めなとこが過ぎた感じで、次の展開が楽しみです。
ところで質問なんですが、最初の話と今連載してるのは違う話ですよね?
それぞれに題名とかってあるんですか?
- 118 名前:書き人。 投稿日:2001年05月12日(土)13時03分57秒
- こんにちはです。
質問にお答えします。
1から15までの話は、「やすかご劇。」ということで、
特に題名は決めていません。
そして、21から現在連載中のこの話は、
「もう誰も・・・。」と、題名を決めています。
ということで、117さんよろしいでしょうか?
ではでは、失礼します。
- 119 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月13日(日)01時22分32秒
- 祝!再開!!
もしやこのまま放置・・・なんて不安もあったんですが復活おめでとうございます。
これからも期待してまっせ。
- 120 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月13日(日)02時54分28秒
- 同じく。祝!再開!!
青板来る度に、レス数をチェックする習慣がついてしまった。(w
次の更新を楽しみにしています。
- 121 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月13日(日)23時52分22秒
- >>118
素早いお答え、ありがとうございます。
- 122 名前:林檎 投稿日:2001年05月15日(火)19時38分48秒
- やったー!!祝!!
今日は祭りですね。(笑)
楽しみにしておりまっす!
- 123 名前:書き人。 投稿日:2001年05月19日(土)12時43分38秒
数時間前。
「しっかし、びっくりしたよ〜。ここに来るのどれくらいぶりだろ?」
紗耶香は、陽気に笑った。
軽く手をあげすみませんと店員を呼び、オレンジジュースを注文した。
私は、ついでにとコーヒーをお代わりすることにした。
一息ついて、真っ直ぐに市井は、保田を見た。
「で、何かあったの?」
すごく単刀直入に聞いてきた。
保田は、相変わらずの市井の姿に何となく、微笑が漏れた。
「変わらないね・・・紗耶香は。」
その言葉に、え、何で?と言わんばかりに、しかめっ面が面白い。
「・・・元気そうでよかったよ。」
と、そこで、注文をとりに来た店員が、ジュースとお代わりのためのコーヒーを持ってきた。
市井の前に、冷たく冷やされ、汗をかいたグラスが置かれ、次にストローが添えられた。
そして、私の前でゆらりと白い湯気が上がり、カップの中には温かいコーヒーが、注がれた。
ごゆっくりどうぞ。と、一礼をして店員は、戻っていった。
市井はストローをさし、ぐっと一口大きく飲み込んだ。
そして、保田も一口コーヒーをすすった。
・・・それは、あの時と同じ風景だった気がする。
- 124 名前:書き人。 投稿日:2001年05月19日(土)12時45分04秒
- 「・・・・、紗耶香。」
「ん?」
「調子はどう?」
「・・・ぼちぼちだよ。ちょっと前に電話でいった通り、何も変わってないよ。」
そう言って苦笑い。
「圭ちゃんは?」
「私もぼちぼちだよ。」
そうして、笑いあった。
何も変わらない・・・、あの頃の二人がいた。
他愛無い会話が繰り返される中。
ただ、一つ違っていたものがあった。
「・・・紗耶香。」
かちゃりとカップが下ろされた。
「ん?」
会話が途切れた瞬間、切り出したのは保田だった。
- 125 名前:書き人。 投稿日:2001年05月19日(土)12時47分08秒
「今から言うこと、・・・気にしなくてもいいからね。」
「へ?」
「すぐに忘れちゃっていいから・・・。」
保田は、市井を見た。
首を傾げながらも、市井は頷いた。
「・・・・・・・っ・・・。」
言葉が詰まった。
「・・・圭ちゃん?」
市井が、保田を呼んだ。
・・・スキダヨ・・・。
「・・・・・・へ?」
「ずっと・・紗耶香が好きだった。」
「あっ・・・、えっとぉ・・・。」
言葉の意味に戸惑う市井。
保田の表情を見る限りでは、ただ、友達としての“好き”でないことは、一目瞭然であった。
―――――――。
沈黙。がやがやとした雑音が、右から左にと通り過ぎていった。
−カラン。
その時また、氷が崩れた。
「・・・っははは、何マジになってるのよ。」
そしてまた、沈黙を破ったのも保田であった。
「・・・圭ちゃん?」
「ってあ、もう時間だ。ごめん紗耶香呼び出しといて・・・。」
といきなり保田は立ち上がった。
「あっうん、忙しいんだねやっぱ。」
「うん、まぁ・・・。ほんとごめん。」
そう言って、伝票を取った。
「今日はおごるよ。また近いうち遊び行こう。」
・・・みんなでさ。
- 126 名前:書き人。 投稿日:2001年05月19日(土)12時48分39秒
- それに、市井はちょっと目を細めながら頷いた。
保田もそれを見てにこりと笑い、席を離れようとした。
「!?」
くっと、裾を掴まれ立ち止まらされた。
「圭ちゃん・・・ごめんね。」
下の方から、市井の声がした。
「私、圭ちゃんのこと好きだよ。」
・・・涙が出そうだった。
「ありがとう。紗耶香・・・。」
そうして保田はそこを後にした。
市井は、その後姿を見送った。
「・・・バイバイ・・・。」
また会えるその日まで・・・。
その時は、また二人、笑っていられたらいいね。
- 127 名前:書き人。 投稿日:2001年05月19日(土)12時52分57秒
「・・・加護、今から会えないかな・・・。」
受話器の向こうの少女に言う。
「会いたいんだ・・・。」
今にも壊れてしまいそうな自分を
どうか助けてと。
−続く−
- 128 名前:書き人。 投稿日:2001年05月19日(土)13時00分40秒
- ということで、更新です。
今回のは、やはり市井との絡みを入れたいなということで、
こういった形にさせていただきました。
いかがだったでしょう?
時間を入れ替えると、分かり辛くなってしまったりするので、
どうかと思ったのですけどね・・・。
そしとてそして、たくさんのレスありがとうございました。
とても励みになります。
これからも気長によろしくお願いします。
ではでは、失礼します。
- 129 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月21日(月)01時42分18秒
- 過去をきちんと清算しないと先へ進めない…
律儀な圭ちゃんに萌え〜〜
次回更新を楽しみにしています。
- 130 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月24日(木)03時17分50秒
- この小説の為にあるようなもんだね♪
やすぼん
- 131 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月24日(木)03時22分24秒
- うわっ失敗しちゃった・・・
レス汚し申し訳ございません
- 132 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月11日(月)16時42分03秒
- 更新、待ってます!
- 133 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時25分17秒
何時の間にか月が、また輝き始めていた。
保田と加護は、二人壁にもたれ、肩を寄せ合う。
呼吸の音が、静かにそこの空気を振動させている。
握り締めたお互いの手が、少し汗ばんで感じた。
- 134 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時26分22秒
「私さ・・・。」
ぽつりと保田が、口を開いた。
「ずーーっと、あいつのこと好きでさ・・・。」
窓から差し込む、月の光をその目で追う。
「好きで好きで好きで・・・だから何も言えなかった・・・。」
加護は、間近にある保田の横顔を見た。
「・・・胸のもやもやは何時も晴れなくて、痛くて本当に切なくて・・・。」
「保田さん・・・。」
ぎゅっと、強く加護が手に力を込めた。
保田は、震える手でその手を握り返した。
「あいつらのこと、ほんとはずっと前から分かってた・・・。」
ポスンと、保田は、加護の方に額を預けた。
だから、もっともっと苦しくなった。
壊れちゃいたかった。
コワレチャイタイ・・・。
涙が、また浮かんできた。
とめどなく流れる。
こんな弱い自分を自分自身知らなかった。
- 135 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時26分54秒
「保田さん・・・。そんなこと言わないでください。」
君の声が、凍りついた涙を溶かすんだ・・・きっと。
- 136 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時27分29秒
「加護。」
小さな手が、頬に触れた。
保田は、顔を上げてはっとする。
「何で泣いてるの・・・?」
保田は言った。
彼女はこう答えた。
−あなたが泣いているから・・・。
「保田さんが、好きです・・・。」
真っ直ぐな君。
「理由なんて無いんです。」
小さな君。
「ただ、大好きです・・・。」
私を愛してくれる君・・・。
・・・なら私も・・・。
- 137 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時28分35秒
自然に近づいた唇。
触れ合った。
三回目のキス。
きつく抱き締め合った。
離さないで・・・。
お願い。
絶対、離さないから。
もう二度と、傷つけないから・・・。
−ラストへ続く
- 138 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時29分18秒
- つ、ついにここまで・・・。(笑)
つうことで、さくさくいかせて頂きます。
- 139 名前:エンディング 投稿日:2001年06月22日(金)02時31分31秒
もう、誰も愛さない。
もう、君以外愛せない。
- 140 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時33分10秒
・・・あれから、1年ほどの歳月が過ぎていた。
イライライラと、立ち尽くす。
今日は、久しぶりのオフで、デートをしたいとせがまれて今ここにいる。
「けーちゃーん。」
はたはたという、足音とともに、彼女の声がした。
「亜衣、遅い!!」
私の不機嫌そうな声に、
「ご、ごめんなさい。あの、何着て行こうかなーって、あの、その、ごめんなさい!」
言い訳をしようとしたようだが、素直に謝ってきた。
「全く、これだから嫌なんだ亜衣と出かけるの・・・。」
そういうとますます落ち込んだように、ごめんなさいと言った。
その姿が、すごくすごく愛しい。
保田は、そう思っていた。
- 141 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時33分51秒
日々成長し、大人の階段を上り始めた彼女。
幼さの残る表情。
今、何よりも大切な存在。
- 142 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時34分53秒
- 「・・・なんてね。」
「え?」
限りなく優しい表情で微笑みかける保田。
「嘘だよ。さ、時間がもったいないから、行くよ。」
加護の表情にも笑顔が戻る。
「うん!圭ちゃん!」
少女にかえる瞬間。
いつの間にか呼び合うようになった、お互いの名前。
実は、まだ照れくさかったりする。
でも、なんでもない表情で・・・だけど、愛しさを込めて呼ぶ君の名前。
大好きだよ。
繋いだ手は、相変わらず小さい。
身長も、少し伸びたけど、やっぱり小さい。
だから、守りたいと思う。
- 143 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時35分29秒
傷つけた分だけ大切にするよ。
いや、それ以上に大切にする。
絶対に誰にも渡さない。
- 144 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時36分07秒
いつもは照れて言えないけど、今日は何となく、この言葉を言ってあげたい。
「・・・亜衣。」
「ん?なぁに?」
繋いだ手をぐっと引き寄せ、耳元で囁く。
「好きだよ。」
赤くなった頬がかわいいよ。
仕草の一つ一つ。
何度も言うけど、誰にも渡さない。
- 145 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)02時37分47秒
もう、君以外愛せない。
もう、誰も私の心を動かすことはできないだろうから。
そう、もう誰も・・・。
−終わり−
気長にまって頂いていた、読者の皆様に、感謝します。
有難うございました!!
- 146 名前:名無し圭坊。 投稿日:2001年06月22日(金)14時41分57秒
- 加護が人の心の痛みを受け止められるほどに成長しようとは・・・(涙)
作中とはいえ、感無量
一点だけ言うと・・・「亜衣」じゃなくて「亜依」だよね
- 147 名前:書き人。 投稿日:2001年06月22日(金)21時01分27秒
- あー、何か違う気がしてたのです。(爆)
そうですね。加護亜依でしたね。(苦笑)
反省・・・。
- 148 名前:今後の予定。 投稿日:2001年06月23日(土)20時57分35秒
- を、考えてみる。
やっぱ次は、甘々がいいですよね。
短編で、2・3日で終わるくらいの。
激甘の意向で、進めよう!!(笑)
保田氏のやきもちとかも、いいかも・・・。
さりげなく、やきもちを・・・(笑)。
まぁ、そんなところで。
何か観想下さい。そうするとやる気が起こるので(笑)
よろしくお願いします。
では、失礼します。
- 149 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月23日(土)21時03分00秒
- 甘甘マンセー!!
胸焼けしそうなくらい甘くても
むしろ大歓迎です
- 150 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月23日(土)21時15分57秒
- やきもちなお圭さんっていいですね。
甘いのはいくらでもOK。
- 151 名前:やきもち。 投稿日:2001年07月04日(水)00時37分33秒
何でだろう?
この胸の痛みの理由、考えてみた。
全くバカだ。
なんでこんなに好きになった?
それはじゃれ合いで、スキンシップ。
分かってるよ・・・分かってる。
だけどさぁ・・・。
「ののー。」
「あいちゃーん。」
・・・・・・・・。
全く手遅れなのかな・・・。
全くどうしようもない。
あぁ、ホント胸が痛い。
キリキリキリキリ・・・。
悲鳴をあげている。
むしゃくしゃして立ち上がった。
- 152 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月04日(水)00時39分01秒
「圭ちゃん、どうしたの?」
隣に座っていた後藤が、突然立ち上がった私を見上げて言った。
そんな後藤に、私は一言。
「トイレ。」
「あっそう、いってらっしゃい。」
そっけない私。
後藤は、何か感じ取ったのだろう。
『触らぬ神に祟り無し・・・。』
保田のオーラは、ただならぬものがあった。
ばったんと、派手な音を立てて、扉が閉まった。
「・・・保田さん、なんか怒ってたね?亜依ちゃん?」
「う、うん、どないしたんやろ・・・。」
じゃれあっていた二人だったが、今は扉に釘付けとなって話ていた。
それは、後藤の耳にしっかり届いていた。
「・・・圭ちゃんって、何気に分かり易いよなぁ〜。」
後藤は、読んでいた雑誌から、少し顔を覗かせて、
ちょいちょいちょいと、加護を呼んだ。
「・・・・・・?」
- 153 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月04日(水)00時40分02秒
- *******
・・・私は、バカだ。
世界一の大バカ者。
ばしゃばしゃと荒く。
でもしっかりと手を洗う。
そうして、濡れた手で、髪を掻きあげた。
水滴がついて、しっとりと額に張り付いた。
「・・・・・・何やってんだろ。」
鏡に映った自分を見て、大きな溜息が出た。
がしがしがしと、頭を掻き、そこを出た。
- 154 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月04日(水)00時40分44秒
「あ、保田さぁん。」
ちょっと待てコラ。
私は立ちすくんだ。
「・・・保田さん?」
覗き込んできた、なんだよ、もう・・・。
「何でここにいるのよ。」
「えへへ、保田さんが寂しいかなぁ〜って。」
「はぁ?」
「後藤さんが、教えてくれました。」
にこにこにこ。揺れる二つに縛った黒い髪。
教育係・・・余計なことを言ったわね。
腹の底で思いながら。
「保田さん、加護と遊びましょう?」
彼女の手を振り払うことなんてできなかった・・・。
「・・・何して?」
にっこり笑った加護。
私は、この小さな彼女が、大好きです。
下らないやきもち、妬いちゃうくらいに・・・ね。
−おわり
- 155 名前:書き人。 投稿日:2001年07月04日(水)00時46分04秒
- どうも、更新してみました。
甘々・・・ですかね?(苦笑)
数十分で書き上げたものなので、
なんともレスつけ辛いだろうと思うのです(爆)。
次は、もっと甘々にしたいです。
保田が、加護に振り回される話の意向で、考えています。
そんなわけで、良かったらまた少しお付き合いください。
では、失礼します。
レスつけて下さった方々、有難うございました。
- 156 名前:プロローグ 投稿日:2001年07月05日(木)20時58分04秒
- 私は、あの人が好きやねん。
ホンマにホンマに、大好きなんや。
あの人が、どう私をどう思ってるかは、分からへん・・・。
・・・あーあ、何であの人のこと、好きになってしまったんやろ?
自分自身、ようわからへん。
ホンマにわからへんねん。
想い続けて早2年。
これからもずっと傍に居たいです。
いつかは、離れ離れになってしまう仲間としてでなく・・・ずーと、ずーと。
それは、出来ませんか?
ねぇ・・・保田さん。
−続く
- 157 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月07日(土)23時38分30秒
- 甘くせつなく、を期待してます〜。
- 158 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月08日(日)02時10分55秒
- 最近振り回されるヤスが大好きなので凄い楽しみにしてます。
- 159 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月26日(木)16時15分03秒
- 続き読みたいです・・・。
- 160 名前:更新。 投稿日:2001年07月28日(土)00時25分43秒
『保田さん。見てくださぁい。』
『ほら、これ可愛いですよねぇ。』
あんたは、知らないんだよね。
『やっすっだっさーん!えへへ・・・暖かいですぅ。』
『・・・ずっと、こうしてて下さい。』
いや、知っちゃいけないんだよ。
『保田さん?』
『・・・保田さん、大好き。』
私たちは、仲間で、あんたは可愛い後輩で・・・。
それは、永遠に変わらないものだから。
- 161 名前:更新。 投稿日:2001年07月28日(土)00時26分35秒
あんたの笑顔が、私の心を掻き乱した。
振り回したのは、私か?あんたか?
『大好き。』
純粋なあんたを、私は抱くことは出来ない。
この黒い想いの塊が、あんたを傷つけないように。
ずっと、そばには居られないよ。
ごめん・・・加護。
−続く
- 162 名前:書き人。 投稿日:2001年07月28日(土)00時31分31秒
- >157,158,159さん
お待たせいたしました。
といっても、本題に全く入ってないですが・・・(汗)
気長に待ってやってください。
まぁ、とりあえず、最近のやすかご祭を記念して(謎)
更新ということで(暗めだけど(笑)。
とにかくありがとう、FUN!(感涙)
ということで(?)、失礼します。
- 163 名前:名無し人。 投稿日:2001年07月29日(日)18時16分54秒
- CDTVスペシャルでも絡んでましたね。
確実に距離が縮まっているようですね。
小説は、なにかまたヤッスーが悩んでいるようで。
続き楽しみにしてます。
- 164 名前:更新。 投稿日:2001年08月01日(水)13時16分28秒
「・・・・けー・・。・・・ぼー。けーぼう〜〜〜。」
遠くから、声が聞こえてきた。
「・・・・・・ん〜。」
「けー坊!!返事くらいしいや!!」
「わっ、ゆ、裕ちゃん。いきなり何?」
気付いた時には、中澤のドアップが、自分の視界を塞いでいた。
「いきなりやあらへんよ。さっきからずーーーーーーっと、呼んでたっちゅうねん。」
「あ、ごめん・・・。」
「どうしたんや?最近ずーっとやな。」
ボーっとしてるの。と中澤は、付け加えながらいた。
「別に。」
何故か、私は疲れていた。
「なんやぁ。人がせーっかく心配しているのに。」
「・・・ごめん。」
中澤は、眉間に皺を寄せた。
うーっと、保田の顔を覗く込む。
「・・・なっ何?」
困惑する保田。
その顔に、中澤の両手が伸びてきた。
そして。
- 165 名前:更新。 投稿日:2001年08月01日(水)13時17分35秒
「いったぁ!!」
ぱんッと、勢い良く中澤は両頬を挟むように叩いたのだった。
「気合い一発やぁ!!」
「ゆうちゃーん!」
保田が、中澤に掴みかかる。
「へへへ、それでええ。」
「え?」
中澤の言葉に、保田の動きが止まった。
「痛かったやろ?むかついたやろ?だからこうやって、あんたはうちに向かってくる。
・・・それでいいんや。自分の気持ちには、素直になれ。
そうしないと、疲れてまうし、抜け殻や。」
「ゆーちゃん?何言って・・・。」
「人生経験豊富な、大人の意見や。」
中澤は、見た。
保田の目を。
保田は、その深い色に引き込まれた。
「あんまり、ぼーっとするなや。」
そう最後に残して、中澤は、保田のとこから去った。
そうして、今楽屋に入ってきた矢口に飛びついていた。
「ぼーっとね・・・。してるかな。・・・してるか。」
青い空を、見た。
突き抜けるほどのブルーが、目いっぱいに広がっていた・・・。
−続く
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