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歌ネタ小説スレ。

1 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時10分23秒
その名の通り、歌を聴いて思いついた娘。小説を書くスレです。

つーか、緑にすでにできてるあたり。。。タイミング悪いな。
いーんかなと思いつつ、立てちゃいます。

「すべりだい」スレ等の名作がすでにあるのですが、
こちらは誰でも思いついたら書きんしゃい的スタンスで。
競作というか、ほかに連載してる作者さんなんかも、
流行曲とかにインスパイアされたらぜひ使ってください。
書くまでもないけど、内容はなんでもご自由に。
放置の可能性大だけど、みなさんほんと、気が向いたら書いてください。
2 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時11分21秒
いいだしっぺから、とりあえず一本行きます。
3 名前:好きだけじゃだめなんだ 投稿日:2001年02月11日(日)16時12分03秒
「市井さんを見たんだ」

その名前は、今でもあたしの息をつまらせる。

「うん」
つぶやいたきり、なにも言えない。
あいまいに笑って、いじりかけていた携帯の画面に目を落とし、
メールをチェックするふりをする。
うまく動かなくなる指先は正直だ。
あたしの態度の変化に気づかずに、よっすぃーは楽屋のテーブル越しに、
再び声を投げかける。
「なに、無反応じゃーん」
一点の曇りもない好意だけを露に、
「つってもねぇ、実物じゃないんだよーん……」
とよっすぃーは笑った。
4 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時13分08秒
 あのね、昔キャシーさんが撮ったビデオなんだわ。
 
 そう、ハピサマの頃、私たち入ったばっかでさ。

 ほら、ずっとビデオ回してた日、あったじゃん?

 なんか、事務所のスミに埋もれてたみたいなんだけどね。

 うん、辻と加護が見たい見たいってうるさくて。

 でぇ、上映会。

 もう、笑えたよぉ、梨華ちゃんきゃあきゃあ嫌がるし、私はキモいしさぁ。 
5 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時14分36秒
でね、市井さんなんだよ。

おもしろいの、ずーっとごっちん見てんだよ。
もう、ほんとヤバイっす、て言いたくなるくらい。
まあそんなアツい視線じゃないんだけどさ。
こう、ちらっ、ちらっ、て。
で、ごっちんがそっち見ようとしたらさ、すいっ。
そう、すいって。
すっごい素早く目ェそらすの。
話しかけられても、そっけなくしてて。
そのくせ、行っちゃったらちょっとさみしそうで。
アホなこと矢口さんとかと言いあってんの見て、一人で笑ってたり。
すごくね、やさしい顔で、ごっちんのこと見てたんだ。
私、市井さんファンだからさ、なんかほのぼのしたよう……。 
6 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時15分24秒
「好かれてんなあ、って思った」
7 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時15分59秒
 よっすぃーの言葉に

「そうなんだ」って喜びたかったけど。
「そんなことないよ」って照れたかったけど。 
「もうね、実はね」って言わなくちゃだったけど。

言えなくて。
ただ笑った。
8 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時17分03秒
そうなんだ、市井ちゃんも。
あたしが市井ちゃんを思うように、あたしのこと思ってくれてたんだね。
好きなのはあたしだけじゃなかったね。
わかんなかったね。
ううん、知ってたね。
でも、信じきれなかった。

離れ離れになって、それでも大切に想ってくれてること、
やさしい言葉と笑顔のすべてを。
あたしは疑ったんだ。
大好きだったから、その思いの強さのぶんだけ、傷つけた。
それはとてもツラくて。
悲しそうな顔を見たくなかった。困らせたくなかった。
それなのに上手に市井ちゃんを思えない自分を、どうしようもできなかった。
9 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時18分01秒
それでもいっしょにいるって、ツラくってもいいって、そう言ってくれた。
すごく大事なことを決心した顔で。

市井ちゃんは強い。

でも、ダメで。あたしがダメで。

ぐじゃぐじゃに泣きながらさよならを言ったあたしに、真っ赤な目で
口をぎゅっとむすんで、だけど涙はこぼさずに、何度も何度もうなずいた市井ちゃん。

あたしにはわかんなかった。
市井ちゃんのツラさ、かなしさ、そして想いが。
それほど大事じゃない、だから引き止めないんだ、そう思った。

だけどそうじゃない。
それはやさしさで、強さだったんだね。
ウヌボレでもなんでもなくて、あたしのことが本当に好きだから、
市井ちゃんはさよならしてくれたんだよね。
弱いあたしがこれ以上傷つかないように。
市井ちゃんを信じることのできなかったあたしのために。
10 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時19分10秒
もっとあたしが強かったら、いっしょにいられたのかな。
もっとあたしが大きかったら、いっしょにいられたのかな。
困らせても、そのツラさをガマン出来たなら、ガマンできるくらい強かったら、
ずっと二人でいれたのかな。

「ごっちん?」

よっすぃーの声はやさしい。
やさしくてなんだか泣きたくなる。
思い出した日は、目にふれるすべてのものがやさしく映って、
なにげない言葉が撫でてくれて、あたしを泣きたくさせる。
11 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時20分44秒
もう戻れない。

ほかのひとに助けを求めてしまったあたしは、
二度と市井ちゃんといっしょにはいられない。
そんなことをもう一度確認してしまうからだ。

泣いてなんていられないから、かわりにあたしは笑う。
あたしを見ていた市井ちゃんの姿を思い浮かべて。

ほかのひとにはバレバレで、あたしを気にしていた市井ちゃんの顔。
そっけないフリしてるクセに、ちょっと油断するとあたしのひとつひとつに、
満面の笑顔になる市井ちゃん。

嬉しくて、悲しくて、それは泣きたくて笑える、不思議な想像。

うれしいのは、それがそこにあったこと。
かなしいのは、それがもうここにはないこと。

「ごっちん?」
 
よっすぃーの声。
やさしい声。
 
ダメダ……。
やっぱりあたしは弱い。

笑い声といっしょにこぼれ落ちたあたしの涙を、市井ちゃんはもう拭ってはくれない。
12 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)16時21分46秒
以上です。
お粗末さまでした。
13 名前:名無しさん 投稿日:2001年02月11日(日)19時05分48秒
パチパチパチ・・・。
市井ちゃん、この歌もうきーたかなぁ・・なんて、おもいつつ。
たいした感想はいえませんが、こう、胸がぎゅーっとなりましたね。
私もそのうちここで書かせて頂きます。
14 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月12日(月)14時49分19秒
切ないなぁ・・・。
頑張れ後藤!!
15 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月12日(月)21時41分20秒
次は僕書いていいですか?
16 名前:1 投稿日:2001年02月13日(火)08時00分50秒
みなさん、ありがとうございます。

ご参加、お待ちしてますね。ぜひ書いてください。

>>13 >>15

どうぞどうぞ〜。
17 名前:FANTASISTA 投稿日:2001年02月16日(金)02時21分53秒
このスレ気になってます…俺も歌を素材に書いてみたかったんですよ〜(わら
俺的には「いつかのメリークリスマス」の歌詞でいちごまに挑戦しようかと…
ヒマ見て書いて見ます♪
18 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月16日(金)02時29分58秒
いちごま〜
期待してます!!
がんばってください。
19 名前:FANTASISTA 投稿日:2001年02月17日(土)01時13分59秒
思いついたのでささっと書いてみました。短いです(わら
初いちごまなのでイロイロヘンなトコもあるかもしれませんが…
「いつかのメリークリスマス」で…
20 名前:「いつかのメリークリスマス」 投稿日:2001年02月17日(土)01時15分10秒
「はぁ〜…クリスマスだぁ〜…」
「仕事終わったらさ、ウチでゴハン食べよう。実は…ケーキ作ったんだ」
「市井ちゃんが!?」

12月25日深夜…あたしたちは仕事だ。
慌しく踊っている街がスキになる季節だけど…あたしはそれができない。
でも、いいんだ…市井ちゃんと一緒だから。

「あたしね、市井ちゃんにちゃんとクリスマスプレゼント選んであるんだよ〜」
「ホントに? あたしもちゃんとあるから…心配しないでね」
「ううん…別にいいの。あたしは…市井ちゃんといられればいいから…」
「またまたぁ〜…後藤はうますぎだよ」

ホントなんだよ。あたしは市井ちゃんがいればそれでいいんだ。
他に何もいらないんだよ? その笑顔と手のひらのぬくもりさえあれば…
何もいらないんだよ…
21 名前:「いつかのメリークリスマス」 投稿日:2001年02月17日(土)01時15分52秒
「はぁはぁ…」

25日…あたしはプレゼントを予約してあるお店に走った。
仕事が長引いて…なかなか抜けられなかった。

「す、すみません!!」
「…あー、予約されてる方ですね?」
「は…はい…あの…いいですか?」
「だいじょぶですよ。ちょうどお店を閉めようか悩んでたんですよ〜」

市井ちゃんと代官山でデートしたとき…ちいさなインテリアショップに入った。
そこで…市井ちゃんがえらく気に入っていた椅子がある。

(ねぇねぇ、後藤! このイス、カワイイ〜)
(ホントだぁ〜…何か市井ちゃんの部屋にはピッタリかもよ?)
(あたしの部屋、少し乱雑だから…こんなカワイイ、イスがあったらいいなぁ…)

その時お互いに持ち合わせがなくって…結局イスを買えなかった。
あたしは…これをどうしてもプレゼントにあげたいと思った。

「すいません、じゃあ、お金払います…」
「えーと…」

お金を払って…荷物を抱えてあたしは駅に向かった。
22 名前:「いつかのメリークリスマス」 投稿日:2001年02月17日(土)01時16分29秒
大きな荷物を持って電車に乗るのは人目を引いて恥ずかしかった。
ちょっと小さめのイスだからまだよかったけど…

それでもあたしは幸せだった。
きっと市井ちゃんはこれを見て喜んでくれる…
その笑顔を想像するだけで、あたしは胸がいっぱいになる。

ずっとずっと…市井ちゃんとは手をつないでいたい。
一緒に仕事して…一緒に歌を歌って…市井ちゃんと夢を追いかけたい。
市井ちゃんの喜びも悲しみも全部…分かち合っていたい。

そんな純粋なキモチだけが…あたしにはあった。
23 名前:「いつかのメリークリスマス」 投稿日:2001年02月17日(土)01時17分13秒
ピーンポーン…

「ジングルベル」の歌を歌いながら…あたしは市井ちゃんの家に急いだ。
市井ちゃんの部屋は駅からそんなに離れていないからすぐに着く。

「はぁい〜」
「メリークリスマース!!」
「お、後藤〜、遅かったじゃんか〜…あれ? その後ろに隠してるの、何?」
「へへ〜♪」

市井ちゃんはあたしと一緒に食べる料理を作っているみたいだった。
部屋からはいい匂いが漂ってくる。
あたしは誇らしげに胸を張ってプレゼントのイスを差し出した。

「あたしからのクリスマスプレゼントだよ。市井ちゃん、このイス欲しがってたでしょ?」
「……」
「欲しくなかった…?」

すると…市井ちゃんはナミダを浮かべながら、カオを上げた。
これ以上ないってくらいに…嬉しそうなカオをしてた。

「ありがと…後藤…すごい、嬉しいよ…」
「……」
「コトバにならないくらい…ホントにホントに…すごい嬉しいよ…」

あたしは…その市井ちゃんの笑顔を見て…素直に抱きしめた。
スキなヒトが嬉しそうなカオをしてくれるだけで…こんなに満たされる。
きつく抱きしめると…市井ちゃんも抱きしめ返してくれる。

市井ちゃんがいなくなることがすごくコワイって…初めて思った。
あたしは愛するってコトバの意味に…初めて気が付いた。
24 名前:「いつかのメリークリスマス」 投稿日:2001年02月17日(土)01時18分00秒
「…何か雰囲気あっていいね…」
「やっぱりクリスマスケーキにはロウソク立てないとね…」

真っ暗な部屋を染めるロウソクの火がゆらゆらと…あたしたちを照らす。
その光を見ながら…ぼんやりとする。

「…ねえ、後藤…もし、あたしがいなくなっちゃったらどうする?」
「えっ? イヤだよ…市井ちゃんがいなくなるなんて…ゼッタイイヤだよ!」
「ははっ。ゴメンね〜。不安にさせるようなこと言っちゃって…」
「もうっ! 市井ちゃんってそーゆーコト、いつもトウトツに言うんだもん…」

テーブルに肘をついて…ロウソクの火をぼんやり見つめる市井ちゃんは…
とても儚げて、美しくて、カワイイと思った。

「でもね…きっと、いつか…後藤のソバを離れないといけなくなるんだよね…」
「…離れることなんて…ないよ…」

あたしは…何故だか分からないけどナミダが出た。
ぽろぽろと珠のように大粒のナミダがとめどなく…流れる。
すると…市井ちゃんの手があたしの手を包んだ。

「ゴメンね…だいじょぶだよ。あたしはずっと…こんな風に後藤と手をつないでいられるよ」
「ホントに…?」
「うん…ホントだよ…だから…泣かないで」
「市井ちゃん…」

「市井ちゃん…ダイスキだよ…」
25 名前:「いつかのメリークリスマス」 投稿日:2001年02月17日(土)01時19分11秒
    ☆ ★ ☆ ★ ☆

…12月になると市井ちゃんのコトを思い出す。

いつまでも…手をつないでいられると思ってた。
何もかもがきらめいていて…がむしゃらに夢を追いかけた。
市井ちゃんがいなくなることが…はじめて怖いと思った。
ヒトを愛すると言うコトに…気が付いたあのときのメリークリスマス…

立ち止まって…空を見上げる。
あの時と同じ色の空だ…

その横を誰かが足早に通り過ぎていく…
大きめの荷物を抱えて…幸せそうなカオをして…

−FIN−
26 名前:FANTASISTA 投稿日:2001年02月17日(土)01時21分53秒
>>20-25 「いつかのメリークリスマス」
完成です! 久しぶりにどっぷり没頭して書けました!
息抜きとしてはいいかなぁと思いましたが…チョット雑ですね。
ハズカシイな…チョット歌詞の引用が多すぎるような気がしないでもないかな…
いちごまってやっぱり難しいです(わら
27 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月17日(土)19時05分28秒
やっぱり、いちごまはいいね。
28 名前:名無し読者 投稿日:2001年02月17日(土)23時46分48秒
「いつかのメリークリスマス」
名曲ですよねぇ。
すごい懐かしいです。
いちごま・・・。切ないなぁ。
胸が痛くなりました。
また書いてくださいね。
29 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月19日(月)17時40分17秒
「贈る歌」

1月20日。
時計の針が24時を回った。日付けが21日に変わる。
わたしはわずかな荷物を持って走り出した。
街を歩いてる人はみんな白黒に見える。何もわからない。
わたしにみえるのは、あなたの家に向かう道だけ。
お金もない。時間もない。でも、きょうはあなたがこの世に産まれた日だから。あなたのうれしそうに笑う顔がみたいから。
そのために今のわたしにできるたった一つの贈り物。
君の心へこの歌が愛がとどきますように。
優しい笑顔くもらぬように、この歌と愛を贈ります。

「はあ〜ついた!」
ピンポ〜ン
「は〜い!」
「お誕生日おめでとう!梨華ちゃん!」
「よっすぃ〜!?こんな時間に!?」

悲しいときも。寂しい時も。いつだってあなたらしくいてくれることを願っているから。
だから今の私にできるたった一つの贈り物。
あなたの心にこの歌と愛がとどきますように。
優しい笑顔くもらぬようにこの歌と愛を贈ります。

「梨華ちゃん・・・大好きだよ。」
「わたしも・・・」

END
30 名前:ガンツ 投稿日:2001年02月19日(月)17時41分35秒
いしよし、誕生日ネタです。
いかかだったでしょうか?
また、書きたいと思います。
31 名前:無名 投稿日:2001年03月17日(土)14時48分03秒
ガンツしゃんへ>
はじめまして贈る唄で,いしよしとは・・・嬉しいなぁ(ぽろり

俺も今度かくぞ!
32 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月18日(水)19時46分09秒
こちらの小説を「小説紹介スレ@黄板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=yellow&thp=995445727&ls=25

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