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恋が愛に変わるまで−SIDE A−

1 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)02時55分07秒
初めて小説を書かしてもらいます。
へたくそな文章ですが読んでもらえると幸いです。
登場人物は作者の好みになっていますので
他のメンバーはあまり出てこないと思います。ご了承下さい。
では始まります。
2 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)03時01分56秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

「市井ちゃんは後藤の事どう思ってるんだろう・・・」
モーニング娘。のメンバー後藤真希は悩んでいた。
最近同じくモーニング娘。のメンバー市井紗耶香の事が
気になってしかたないのだ。

(ただのメンバー?友達?それとも妹?う〜んわかんない)

「市井ちゃんってただでさえ何考えてるかわかりにくいのに。
っていうかあたしのこの気持ちも何なんだろ?気になってるって事は
やっぱり好きって事なのかなぁ」
3 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)03時11分51秒
ダンスレッスン終了後、空き部屋で一人ブツブツ呟いている後藤。
さすが独り言が多い人NO.1に輝いただけある。
そこへドアを開けて入ってきた人がいた。

「ごっち〜ん!まだ帰んないの?もうみんな帰ったよ?」
後藤はその人物の方を振り返り返事した。
「あ〜よしこ。ちょっとさ〜考え事してたんだ」

入ってきたのは吉澤ひとみ。後藤とはすこぶる仲が良い。
同期がいない後藤にとって例えモーニング娘。では
後輩にあたる吉澤でも同い年ということで
言いたい事は何でも言える貴重な存在だった。

「へ〜何考えてたの?夕食のおかずとか?」
「む〜!」ほっぺを膨らまして怒る後藤。
「ハハハ、ごめんごめん。で?何考えてたの?悩み事?」

少し首を傾けて「う〜ん」と呟きながら後藤は話をきりだした。
4 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)03時21分43秒
「悩み事になるのかなぁこれって・・・」
「悩み事ならこのレイコに任せなさ〜い!」
「アハハハ!レイコさんと話してたら会話になんないじゃん!」
お互い顔を見合わせて爆笑する。

「あのさ〜よしこから見た市井ちゃんってどういう人?」
後藤の隣に座った吉澤が「?」を顔に浮かべて後藤を見る。

「それってモーニング娘。の時の市井さんって事?それとも普段の市井さん?」
「う〜ん・・・じゃあ両方の市井ちゃん」
吉澤は少し考えてから口を開いた。

「そうだな〜娘。の時の市井さんは本当に頼りになって良い先輩で・・・」
吉澤の話に何故か頬を赤らめる後藤。
「いや〜ん♪照れるって♪」
「何でごっちんが照れんの?ごっちんの事は誉めてないよ?」
5 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)03時35分12秒
少し呆れ気味の吉澤だが、何とか話を戻す。

「頼りになるから本音を言えば・・・少しごっちんが羨ましかったな〜」
「えっ?何で?」
「だってあんな素敵な人に教育係してもらってたでしょ?あたしも教育係してもらいたかったなぁって。
あっ!別に矢口さんがイヤって意味じゃないよ!?」
一人で焦ってる吉澤を見て笑う後藤。

「アハハ!わかってるよ!やぐっつぁんもいい人だもん。でも教育係だった
市井ちゃんは結構厳しかったよ?そりゃ厳しいだけじゃなかったけどさ」

「でもそれってごっちんの為に厳しくしてたんでしょ?昔何かの雑誌で読んだよ?
『嫌われてもいいんだ。それで後藤の為になるのなら』って言ってたの。
それ読んでさ〜『うわ〜めちゃくちゃいい人じゃん!』って思ったもん」

自然と後藤の顔がにやけてくる。
「厳しく指導した後にね〜ちゃんと出来たらめちゃくちゃ誉めてくれんだよ〜
も〜それが嬉しくってがんばるぞ〜!みたいな感じになんだよね〜」

何だかのろけ話しになりそうな雰囲気なので吉澤は
もう一つの質問の話をきりだした。
6 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)03時48分24秒
「普段の市井さんは・・・う〜んよくわかんない」
ガクっとくずれる後藤。

「それじゃ答えになんないよ〜」
「え〜じゃあごっちんはわかるの?」
逆に聞き返されてしまった。

「わか・・・んない」
「ほら〜人の事言えないじゃん!」
話が長びくと判断した二人はちょうど明日がオフ&日曜なので
後藤の家で話の続きをする事にした。

タクシーで後藤の家に向かう二人。
「よしこ〜泊まっていきなよ〜?」
「でも着替えとか何も用意してないよ?」
笑顔で後藤が答える。

「後藤のがあるじゃん。パンツも後藤の新しいのをあげるよ」
「え〜ごっちんの派手じゃん!」
またほっぺを膨らまして怒る後藤。
「む〜ちゃんとシンプルなのも持ってるよ〜!」
「ほんとに〜?じゃあ泊まっていこっかな〜」
後藤の顔に笑顔が戻る。
「イエ〜イ!よしことお泊りだ〜!」

どうやら目的がお悩み相談からお泊りに変わりつつある15歳コンビ。
後藤の悩みはそれ程深刻なものじゃないのか!?

そんな二人を乗せたタクシーは一路後藤家へと向かった。
7 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)03時56分23秒
〜ちょっと一服〜
マルボロライトです。
主役の二人はSIDE Aでは後藤と市井です。
サブで吉澤が結構出てきます。
市井は途中まであんまり出てこないかも・・・
基本的には純愛っぽくしていけたらなぁと思っております。
誤字などがあればご指摘下さい。
8 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)05時00分20秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

「ただいま〜!」
「お邪魔しま〜す!」
二人の声が重なる。

台所から後藤の母親が出迎えに来た。
「おかえり。あら?ヨッスィーじゃない。いらっしゃい」
吉澤は後藤の家に頻繁に遊びに来たりしてるので
後藤の母親ともすっかり仲良しだった。

「あのね今日よしこ泊まっていくからね〜」
「いきなりですいません」
ペコリと後藤母におじぎをする。
「かまわないよ。どうせ真希が『泊まっていきなよ〜』とか言ったんでしょ?」

後藤は驚いた顔で「何でわかったの〜!?」と声をあげた。

「15年もあんたの母親やってんだから、わからないわけないでしょ!」
「おそるべし・・・まさかエスパー?」
後藤が呟いてる横で呆れながら吉澤は思った。
(15年も付き合わなくてもごっちんの言動ぐらいわかるよ・・・)
9 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)05時09分13秒
二人は家に上がると後藤の部屋へと入った。

「うわ〜相変わらず散らかってるね〜この部屋」
何度遊びに来ても後藤の部屋は散らかり放題だった。
綺麗好きな吉澤にはちょっと考えられない事である。

「あは♪ありがと〜
「誉めてないってば・・・」
そう言って散らばってる雑誌が気になって片付けだす吉澤。

「片付けてくれんの?気にしなくてもいいのに」
「座れるスペースぐらい確保しなきゃダメでしょ?」
とりあえず二人座れるスペースを作ろうとする吉澤。

「じゃ〜あたしは飲み物とか持ってくるね〜」
自分の部屋なのに片付けを手伝う気は無い超マイペースな後藤。
黙々と部屋を片付け続けるこちらもマイペースな吉澤。
10 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)05時20分18秒
「適当に色んなの持って来たよ〜」

部屋に戻ってきた後藤の腕には、ジュースやお菓子が明らかに二人分以上抱えられていた。
よく見ると後藤の部屋は綺麗に片付いていた。

「ありゃ?めちゃめちゃ綺麗になってるじゃん!」
テーブルに持ってきたジュースなどを置いて驚く。
「あ〜片付けだしたら止まんなくて」
「すご〜い!自分の部屋じゃないみたいだ。さてはよしこは魔法使いだな?」
(なんでやねん!)心の中でとりあえずつっこんでおく。

二人は綺麗に片付いた部屋でのんびりとした時間を過ごしていった。

〜続く〜
11 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月03日(土)07時13分34秒
いちごま純愛ですか?
すごく楽しみです
12 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)16時26分24秒
>11さん
ありがとうございます。
がんばって書いていきます!
13 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月03日(土)18時23分20秒
純愛!!いちごま!!
期待してます
14 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)22時59分42秒
>13さん
ありがとうございます。
期待に答えられるようがんばります!
15 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)23時09分36秒
お菓子を食べながら学校の事や、最近の流行の服の話題で盛り上がる二人。
会話の速度は遅いが二人にはこれが普通だった。
やっぱり本来の目的を忘れている15歳コンビ。

「アハハハ!それそ〜と〜おもしろい!」
「そうでしょ?そ〜と〜おもしろいでしょ?」
謎の会話を繰り返すが話は尽きる事なく続いた。

しばらくしてやっと吉澤が今日ここへ来た本来の目的を思い出した。
「っていうかさ〜あたしごっちんの悩み事聞きに来たんじゃなかったっけ?」
後藤もやっと思い出したのか「あっ!」と声をあげる。

「そうだったね〜すっかり忘れてた〜」
「も〜本当に悩んでんの〜?」
「アハハハわかんない。でもわかんないから悩んでんのかも」

とりあえず吉澤は後藤の悩みのキーワードである「市井」の話をしはじめた。
16 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)23時24分15秒
「市井さんの事で悩んでんの?ごっちんは」
「う〜ん市井ちゃんって普段何考えてんだかわかんないじゃん?」
「うん。わかんないね〜」

少し後に体を傾けて天井の方を見ながら後藤は話を続けた。

「だからさ・・・市井ちゃん、後藤の事どう思ってるんだろ〜な〜って考えてたの」
(なるほど。市井さんの事が気になるんだね、ごっちんは)
ひそかに後藤の気持ちに感ずく。

「ごっちんはどう思われてたいの?」
真剣に考え始める後藤。
「・・・・・・」
「・・・ごっちんは市井さんの事好きなんでしょ?
メンバーとしての好きじゃなくて、一人の人間として」

少し驚いて吉澤の方を見るが、すぐにまた真剣な表情に戻った。
「やっぱり好きって事になるのかなぁ」
「自分の事どう思ってるか気になるんだったら好きなんだと思うよ?
こりゃ恋だね」

ガバっと起き上がり吉澤の隣に詰め寄る。
「ここここ恋!?これが恋ってやつなの!?」
17 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)23時36分20秒
後藤の驚いた顔に驚く吉澤。
「何でそんなに驚いてんの?恋ぐらいした事あるでしょ?」
「そりゃ〜いちようあるけど・・・でも市井ちゃんは女の子だよ?」

後藤は今まで何人か好きな人がいた事はあったが、全て男の子だった。
だから自分の市井への気持ちが恋だとは気づかなかったのだった。

「じゃあさ市井さんが男の子っていう設定で考えてみなよ?
そしたら恋しても不思議じゃないでしょ?」
「・・・そう考えてみると別におかしくないね、そういえば」
勝ち誇った顔で後藤の方を見る。
「でしょ?」

「でも女の子同士ってやばくない?」
どこか戸惑いを隠せない後藤。
「う〜ん周りからすればやばいかもしんないけど
お互いが納得してたらいいんじゃないかな」

「それって好きになったら性別とか関係無いって事?」
「そうだと思うよ。だってごっちん市井さんの外見だけが好きってわけじゃないんでしょ?」
18 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月03日(土)23時52分31秒
「当たり前だよ〜そりゃ外見も好きだけどさ」
「ね?だったら自分の気持ちに素直に従ったらいいんだよ。上手くいくかは別として」

後藤は今日はやけに頼もしく見える吉澤を尊敬の眼差しで見つめた。
「よしこってすごいね!ちょっと後藤ドキドキだよ!」
「そう?じゃあごっちんが市井さんに振られちゃったら、ごっちんは
あたしが貰うとするかな?」

目を真ん丸くして吉澤の方を見る。後藤の顔は少し赤くなっていた。

「ほへっ!?よしこあたしの事好きなの??」
「そりゃ好きだよ。まぁ『Like』って意味だけどね、今は」
「エヘヘそれでも何か嬉しいね〜照れちゃうよ。ん?今はって?」
ちょっと低めの声(演技)で後藤を見つめ囁く。
「人の気持ちっていつ変わるかわからない。もしかしたら明日
愛しちゃってるかもしれない、って事」

みるみる内に顔が真っ赤になっていく後藤。
(ごっちんって見た目のわりに結構純情なんだよね〜カワイイ奴でもごっちん
からかうのって…そ〜と〜楽しいまあ嘘は言ってないからいいよね?)

19 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月04日(日)00時18分00秒
パタパタと顔をあおぎながら冷静さを取り戻そうとする。
「も〜よしこ、これ以上ドキドキさせないでよ〜」*分岐点−SIDE B−へ
「ハハハ!でも話戻すけど市井さん、少なくともごっちんの事好きだと思うんだよね」

「なんで???後藤はそう思わないよ!?」
吉澤はテーブルの上のポッキーを一口かじり
「お・ん・な・の・か・ん
と言うと残りのポッキーを後藤のポカンと開いてる口に入れた。

???という顔をしながらもポッキーはちゃんと食べる後藤。
「やっぱりよしこは魔法使いなんだね〜」
一人で感心する後藤に、もはやツッコミを入れる気になれない吉澤は話を続けた。

20 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月04日(日)00時25分28秒
〜ちょっと一服〜
>19の*分岐点−SIDE B−へは
今の所気にしないで下さい。
−SIDE A−のパラレル物にする予定なので。
ってちゃんと出来るのかな……
21 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月04日(日)01時37分42秒
「でもごっちんと同じ『好き』かどうかはわかんないけどね」
「そうだよね〜ただのメンバーとして好きっていう感じのような気がする……」
自分で言ってやや表情が曇る。
けど、吉澤は違う意味で考えていた。

「その場合もあるかもしんないけど…」
「しんないけど?」
少し間を置いて続ける。

「ごっちんの『好き』より…」
「『好き』より?」
(も〜よしこ!じれったいな〜)

…………。

「…やっぱやめとく。言うの」
「何だよ――それ――――!!」
後藤は吉澤の肩を掴むとブンブン揺さぶった。

「ちょ…!ご・・っちん!おちつ・いて〜!」
後藤の馬鹿力のおかげで上手く喋れない。
「そこで話止められたら気になるじゃんかよ〜!」
ボルテージは上がる一方だった。

22 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月04日(日)01時49分10秒
『真希ちゃん!うるさ―い!!』
と隣の部屋からユウキの声が聞こえてきた。
「ユウキ!こっちは今大事な話してんの!ガキはさっさと寝ろ〜!」
(ガキって一つしか変わんないじゃん、ごっちんと…)

少し力が緩んだ隙に後藤の手を外してふと時計を見た。
(もう12時回ってんじゃん。そりゃうるさいよね)

『大事な話なら静かに話せよ!俺は明日朝から仕事なんだからな!』
「はいはい、わかったよ!さっさと寝たら!?おやすみ!(怒)」
ここに壁が無かったら間違いなく殴り合いのケンカに発展していたことだろう。
おそるべしバイオレンス一家。

「ごっちん、もう夜遅いからお風呂入って寝よ?レッスンで体疲れてるし」
「む〜よしこ話はぐらかした〜」
「はいはい、着替え持って。一緒に入ろ〜ね〜」

勝手に二人分の着替えを用意して後藤を浴室へと連れて行った(誰の家だ!?)

〜続く〜
23 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月04日(日)11時21分38秒
あっは〜マジおもろい。
市井ちゃん早く出ないかなぁ〜?
パラレルの方も楽しみです!!
24 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)14時52分34秒
おもろいな〜。このままよしごまでもいいよ(W
25 名前:すてっぷ 投稿日:2001年03月04日(日)14時59分23秒
コドモっぽい後藤と、ちょっと大人な吉澤のコンビが良い感じですね。
これからも更新がんばって下さい!!
26 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)15時19分22秒
市井ちゃん期待待ち!
27 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月04日(日)18時48分28秒
ここのよしごま面白いですね〜。
はまっちゃいました
28 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月04日(日)20時24分50秒
レスがいっぱい(涙)

>23さん
ありがとうございます!市井ちゃん…まだかな??
パラレルの方はよしこさんが…

>24さん
ありがとうございます!
よしごま…書きやすいです(わら

>すてっぷさん
ほんとに読んでいただけるなんて(涙)
光栄です!ありがとうございます!がんばります!

>26さん
ありがとうございます!
市井ちゃん…待っててね〜

>すなふきんさん
ぎゃー!初小説の頃から読んでます!レスしてなくてすいません(汗)
すなふきんさんのよしごま大好きです。
お互いがんばりましょう!!
29 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月04日(日)20時52分10秒
ありがとうございます♪
ここのよしこは積極的でいいですね〜。
すごく読みやすいです。
続き期待しています
30 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)23時44分34秒
つーか、いちごまなんだよね・・・?
31 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月04日(日)23時51分23秒
>すなふきんさん
そう言ってもらえると嬉しいです♪
うちのよしこさんはごっちんに対してはお姉さんキャラに
なるんです。

では更新です♪
32 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月04日(日)23時53分34秒
>30さん
あら?更新前にレスが…
はい!いちごまです!
でもまだ市井ちゃん出て来ない(汗)
33 名前:Hruso 投稿日:2001年03月05日(月)00時01分59秒
作者さんの登場人物の好みと自分の好み、すごく一致してそう。(笑
34 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)00時07分34秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

「も〜教えてくれたっていいじゃん。ブツブツ……」
文句を言いながら服を脱いでいく。
「別に意地悪して言わないわけじゃないよ?ただ確信が持てないから…
それにやっぱこの問題はごっちんが自分で確かめなきゃダメだと思うし」
吉澤も喋りながらさっさと服を脱いでいく。

「チェッ、わかったよ〜」
『ガラガラガラ〜』
全て脱ぎ終えた後藤はドアを開けて中に入った。
その後に吉澤も続いた。

二人はかけ湯をしてから同時に浴槽に浸かった。
『ザバ〜ン』
同時に入った為、浴槽のお湯が勢いよく溢れ出す。

「半分は流れたね。今ので」
「アハハ大丈夫!後藤達でお風呂最後だから」
ゆっくりと肩まで浸かって一日の疲れを落とす。

「あ〜、やっぱ風呂はいいね〜」
「アハハ、ごっちんおっさんみたい!」
「ま〜江戸っ子ですから〜(笑)」
「あんま関係ないよ?それ(笑)」

笑い声が浴室内に響く。
35 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)00時18分50秒
「江戸っ子を馬鹿にする奴はおしおきだ〜
そう言って吉澤の脇腹をくすぐる。
「こしょば〜い!やめて〜ごめんなさ〜い!」
浴槽の中で暴れる二人。

後藤は吉澤の脇腹から手を離すと『してやったり』と満足げな表情だ。
しかし、吉澤も負けてはいない。

「よしこの大逆襲〜!」
と言ってなんと後藤の両胸を手で覆った。

「いや〜んエッチ〜
だが後藤は動じなかった。
動揺したのは吉澤の方だ。

「ゲッ!やっぱごっちんの胸おっきい!手に収まりきらない(涙)」
シュンとなって自分の胸に手を当ててみるが
「……ハァ〜…手が余る」
「どれどれ?」
と言って後藤も吉澤の胸に手を当てた。
36 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)00時32分49秒
「う〜ん後藤的にはこのぐらいが丁度OKだな〜」
吉澤の胸から手を離し、また肩まで浸かる。

「ごっちんからOK貰ってもね〜」
「アハ!でもよしこはまだ15歳だ!まだまだチャンスはある!」
「ってことはごっちんもまだまだ大きくなる可能性大だよね〜?」
「も〜そんなにスネコになったら、またおしおきするぞ!?」
後藤は手でこしょばすポーズをとった。

「アハハごめんなさ〜い」
二人は交代しながら体や髪を洗った。
再び一緒に浴槽に浸かる。

「あ〜いい気持ち。このまま眠りた〜い」
今にも眠ってしまいそうな後藤。
「ごっちん、このまま眠ったら確実にあの世行きだよ?」
「わかって…る…よ・・ZZZ」
「こら〜!寝るな〜!寝ると死ぬぞ〜ってコントじゃないんだから!」
うとうとしはじめる後藤の眠気をなんとか覚ます。

「エヘヘ〜眠〜い…」
「も〜じゃあさっさと上がってベッドで寝なさい!ほらっ、立って!」

(なんかでっかい子供の母親になった気分だ・・・・・・)
37 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)00時37分38秒
〜ちょっと一服〜

>Hrusoさん
好み一致してますか?奇遇ですね(笑
一様他のメンバーも出てきます。
38 名前:仕掛け人 投稿日:2001年03月05日(月)00時39分37秒
世話好きよしこかわいすぎです。
今日はまだ更新あるのかな(キタイ
39 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)01時02分08秒
>仕掛け人さん
かわいいでしょ(笑
このあともよしこの子守りは続きます。

という事で続きです。
40 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)01時13分48秒
ヒョロヒョロになりながらも何とか脱衣所まで歩いていく後藤。
吉澤はさっさと体を拭いて後藤から借りたジャージに着替えた。

「ごっち〜ん?着替えれた?って立ったまま寝ないでよ〜」
よく見ると後藤は肩からタオルをかけ、パンツ一枚のまま器用に立ったまま寝ていた。

「ったく三歳児じゃないんだから・・・ごっちん、ほら足上げて?」
吉澤は後藤のジャージを持つと、後藤の前で中腰になった。
「ん〜は〜い・・・」
言われるがままに足を上げ吉澤の肩に手を置いてジャージを履かせてもらう。

「はい今度はバンザ〜イして」
「ほ〜い!バンザ〜イ
後藤は寝ぼけている為、言動が完全に幼稚園児並みになっていた。

しかし吉澤は元々子供好きなので嫌な顔せず後藤に服を着せていった(後藤は子供じゃないが・・・)
やっとのことで後藤の着替えも何とか終わった。
41 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)01時33分07秒
後藤を抱きかかえながら部屋へと戻る。

「も〜ごっちんしっかり歩いてよ〜階段から落ちちゃうじゃん」
夜遅いので声を潜めながら話しかける。
「あたしゃ、ひゃんと(ちゃんと)あふいへるよ〜(歩いてるよ〜)」
「ごっちん…酔っぱらいじゃないんだからさ…」
部屋まではあと少しなのだが、仕方なく後藤をおんぶして部屋へ向かった。

(っていうか意識無い人間って何でこんなに重いの?
も〜ごっちんじゃなかったら放っておけるのに…)

せっかくお風呂に入ったというのに吉澤の額には少し汗がにじんでいた。
おんぶされてる後藤はというと?
「ZZZZZ……」
もうすでに夢の中だった。

息を切らせながら何とか後藤の部屋に到着。
後藤を落とさないように少しかがんで、片手で掛け布団をめくる。
ゆっくりベッドに後藤を寝かせた。
後藤のベッドはセミダブルなので吉澤は額の汗を拭いて一緒にベッドに入った。

(は〜マジ疲れた〜こりゃ今日は爆睡だな…)
隣にはすでに大爆睡している後藤。
(本当にごっちんって外見大人っぽいのに中身は子供だなぁ)

見た目と中身のギャップに少しおかしくなって吹き出しそうになった。
42 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)01時48分05秒
不意にさっき市井の事で悩んでる後藤の顔を思い出す。

いつになく真剣な表情だった後藤。
後藤自身、気づいていないようだったが市井の事を
どんどん好きになってきてるようだった。

(ごっちん、自分の気持ちちゃんとわかったら伝えなきゃダメだよ?
きっと…きっと上手くいくから…)

吉澤は何となく市井の気持ちに気づいていた。

いつも後藤の事は気にしてないって顔してる。
必死で教育係だった頃と同じように接しようとしてる。
けど、後藤が他の誰かと一緒にいて市井の方を見ていない時
市井の目線の先にはいつも後藤がいた。

(でも最近の市井さんのごっちんへの接し方が前と違う気がする。
距離を置いてるっていうか…好きなのにどうしてなんだろ?)

自分から距離を置いてるのにすごくせつない瞳で後藤を見てる。
吉澤には市井の行動が理解できなかった。

(市井さんはきっとごっちんの事が好きなんだよ?でもさっき教えてあげなかったのはね
幸せは自分の力で掴まなきゃ意味がないからだよ?だから…だからがんばれ!ごっちん!)

大事な親友にエールを送りながら吉澤も深い眠りについた。

〜続く〜
43 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月05日(月)01時52分49秒
とりあえず今日はここまでです。
思ったより話長くなりそう…
市井ちゃんは名前しか出てきてないし…
もっと勉強せねば!
44 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月05日(月)22時35分28秒
いいっすね〜♪
よっすぃーのお姉さまキャラ好きです(^^
45 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年03月06日(火)00時09分50秒
…このHNやめときゃよかったッス(TT

緑の方でいちごま目指してる者です(笑)
ここのごっちん可愛いッスね!!
市井ちゃんの登場が待ち遠しいですよー。
46 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月06日(火)23時00分11秒
>すなふきんさん
毎度ありがとうございます♪
自分の中でよしごまは双子の姉妹で
よしこ→姉 ごま→妹 っていう設定なんです♪

>アリガチさん
読んでくれたんですね!ありがとうございます♪
市井ちゃんまだ出ないんです(汗)
アリガチさんの話もやっとごっちん出ましたね(笑)
お互いがんばりましょうね♪
47 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月07日(水)00時12分16秒
「…ん〜お・重い…」

珍しく目覚めが良くて起き上がろうとするが体が動かない。
自分の体の上に何かが乗っかかっているようだ。
「なんだ…よしこか〜」
吉澤を起こさないように小さな声で呟くと、そっと体をずらしてベッドから降りた。

「うん〜あ〜よく寝たな〜」
大きく伸びをして後藤はベッドの方を見た。
(そういや何であたしベッドで寝てたんだ?お風呂の途中から記憶が無いんだけど…)

一生懸命思い出そうとするが、なんせ記憶がないから思い出せない。
(ま、いっか。多分よしこが運んでくれたんでしょ。ありがとね。)
時計を見ると11時を少し回っていた。
ベッドでは吉澤がピクリとも動かずによく眠っている。

(もう少し寝かせてあげた方がいいかな?疲れてるだろうし…)
そう思って昼食を食べるためそっと部屋を出た。
起きぬけであまり食欲がなかったので軽く食べて部屋に戻った。
48 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月07日(水)00時31分05秒
*ここからは後藤視点です。

よしこは…まだ眠ってるか…
どうしよっかな〜する事無いな〜
雑誌でも読もうかな?

そういや雑誌は昨日よしこが片付けてたよね。
どこやったんだろ?
部屋をキョロキョロ見回してみる。

ドアの近くに置いてある何でもBOX(後藤命名。といっても
ただのプラスチックの箱)の中に山積みされていた。

お?あったあった!

あたしは山積みされた中から一冊抜き取りテーブルの上に置いた。
あんまりおもしろい記事ないな〜
ん?ありゃ?モーニング娘。じゃん。

あるページにモーニング娘。の記事が載っていたのだ。
普段客観的に自分たちの姿見る機会ないからね〜
何か変な感じだよ。

あたしはしばらくモーニング娘。のページを見ていたが
ある人物の写真を見て考え込んだ。



49 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月07日(水)00時35分19秒
「…市井ちゃん」
写真を見ただけでなんでこんなに胸がドキドキするんだろう。
よしこが言ってた通りやっぱ恋なのかなぁ。
この気持ちが恋なら告白した方がいいのかな…?

でも…市井ちゃん絶対後藤の事そういう風に見てないよね…
よしこが何だか意味深な事言ってたけど、後藤的にはメンバーとしてしか見られてないと思う。
その上、最近の市井ちゃん全然構ってくれないし。
後藤が昔みたいにじゃれついても、そっけないっていうか
反応が冷たくなったような気がするんだよね。

どうしてだろう…
よしこ達が加入してきたから?
違うなぁ。よしこ達が加入してもう大分経つけど
市井ちゃんが冷たくなったのって一ヶ月ぐらい前からなんだよね。

あたし、市井ちゃんに何かしたのかなぁ。
市井ちゃんに冷たくされるような事しちゃったのかなぁ。
後藤バカで子供だけど人を傷つけるような事はしないよ。
ただたんに嫌われてるだけだったりして…
もしそうだったら辛いなぁ。

でも…嫌いなら嫌いって言ってよ。
そしたら後藤ちゃんと諦めるからさ…
今だったらまだ諦めきれるから…
50 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月07日(水)00時41分26秒
ん〜せっかくのオフだってのにブルーになっちゃった。

「ふぁ〜ん〜あれ〜ごっちん起きてたんだ?珍しいね」
おやおやよしこちゃんのお目覚めのようですね。
ブルーになる考え事はいったん終了しよっと。

「おはよ〜よしこ。珍しいは余計だよ〜」
「だって本当に珍しいじゃん。先に起きてるなんて」
「でももうお昼回ってるよ〜?」

あたしは時計の方を指差した。
「あらま本当だ。あたしそんなに寝てたの?」
「そりゃ〜も〜死んでんじゃないかってぐらいにね。やっぱ疲れ溜まってんだね」
よしこはベッドから降りると髪の毛を押さえながらあたしの隣に腰を降ろした。

「アハハ!よしこすっごい爆発してるよ〜髪!」
「短いと爆発しやすいんだよね〜ところでごっちん何か食べ物ない?お腹すいた」
そういや〜あたしは食べたけどよしこは今起きたとこだもんね。
確かベーグルがあったはず?

「じゃあベーグルでいい?」
「うん!やったーベーグル!!」
「アハ!本当よしこはベーグル好きだね〜あたしも人の事言えないけど」
51 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月07日(水)00時46分08秒
あたしは台所からベーグルとコーヒーを持って部屋に戻った。

よしこが食べ終わるのを待ってから一つ提案した。
「ね〜せっかくオフなんだから買い物行かない?」
「そうだね。最近行ってないもんね。行こっか!」
早速出かける準備をしようとするとあたしの携帯が鳴った。

「誰だろう?あっ!やぐっつぁんだ。もしもし〜」
『あっごっちん?矢口だけどさ〜今ひま?よかったら一緒に買い物行かない?』
「やぐっつぁんタイミングいいね〜今ね買い物行く準備してたんだよ〜ね〜?」
あたしは横にいるよしこに目で合図した。

『あれ?誰かいるの?メンバー?』
「うん。昨日からねよしこ泊まりに来てるんだよ」
『え〜何で矢口も呼んでくれないんだよ〜…まぁいいや。で?行けるの?』
「うん。いいよ〜(いいよね?よしこ)(うん)待ち合わせどこにする?」
『じゃあ2時にXXXでいい?』
「わかった〜じゃあね〜」
という事で急きょやぐっつぁんも買い物ツアー?に参加する事になった。

よしこと待ち合わせの場所までくだらない話をしながら
やぐっつぁんと合流した。
その日あたし達は思う存分買い物をしてそれぞれの家に帰った。

家に帰って大量に購入した服をとりあえずそこらへんに置いておく。
「ふ〜買い物も体力使うね〜」
あたしはくたくたに疲れたので
早いけど明日からの仕事にひかえて寝ることにした。
52 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月07日(水)01時00分27秒
「おはよ〜ございま〜す…」
昨日早くに寝たのにまだまだ寝たりないよ〜

「「おはよ〜ごっちん」」
「「おはよ〜ございます後藤さん」」
みんなの声が一斉に返ってくる。

あたしが最後なのかな?
楽屋をキョロキョロ見回してみた。

あ〜なっちが来てない。また遅刻かな〜
おやおや、やぐっつぁんも来てないじゃん。
あたしもしかして来るの早い?

あれ……市井ちゃんも…まだなの?
どうしたんだろ?
あたしより来るの遅いなんて珍しいよね。

「おはよ〜!矢口参上!!」
あっ!やぐっつぁん来た。
「きゃ〜矢口おはよ〜
あは裕ちゃん、またやぐっつぁんに抱きついてるよ。

「こら〜裕子〜!朝っぱらからセクハラはやめろ〜!」
「なんや朝とちゃうかったらええんか?じゃあ夜にでも…」
「揚げ足を取るな〜!!」
「えらそうに。自分上げ底のくせに…」
「矢口は上げ底じゃねぇ〜!厚底だ〜!」
「それど〜ちゃうねん!同じやないか!」
「う・うるさ〜い!!」

2人とも毎日毎日飽きないね〜恒例の漫才。
53 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月07日(水)01時04分13秒
「おはよ!やぐっつぁん。遅かったね」
「あっごっちん。おはよ〜!昨日は楽しかったね〜」

やぐっつぁんは何とか裕ちゃんのセクハラから逃げだしてあたしの隣に座った。
「あたしもいっぱい買ったけどやぐっつぁんも買ったよね〜」
「矢口さん帰り荷物で両手塞がってましたもんね」
あたしの反対側の隣に座ってるよしこが言った。

「そうなんだよ〜も〜クローゼットいっぱいになっちゃった」
「あたしなんてまだ袋に入ったまま部屋に散らばってるよ〜」
「キャハハ!ごっちんらしいね〜」

「おはよ〜間に合ったべさ〜」
あっ、なっちだ。どうやら遅刻しなかったみたい。
「「おはよ〜なっち」」
みんなが声をかける。

あれ?ってことは市井ちゃんが最後?
本当にどうしたんだろ…
初めてじゃない?一番最後なんて…
そりゃまだ集合時間じゃないけどさ。

けどその日、市井ちゃんが姿を現す事はなかった。

マネージャーさんが教えてくれた。
市井ちゃんは風邪をひいて高熱が出た為今朝入院したのだと…

〜続く〜
54 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月07日(水)01時10分29秒
長めの更新です。長めなのに市井ちゃんまだ…
出し渋ってるわけじゃないんです(汗)
けど次回は出ます!出るよね…?!

裕ちゃんの関西弁書きやすいです。
やっぱ関西人だからかな〜

ではまた近いうちに更新します♪
55 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年03月07日(水)01時18分01秒
おー!更新されてますね!!
市井ちゃん、どうなるんだろうか・・・。
しかし、途中で一人称が変わるっていうのは自分も後でやるので(爆)
やられたー!(笑)って思っちゃいました(^^;
っつーか、こんなどうでもいいレスしてスマンです(TT
56 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月09日(金)04時27分41秒
>アリガチさん
レス遅れてすいません(汗)
ちょっと裕ちゃんの事が…私は
ごっちん推しなんですがやっぱりショックで…

市井ちゃんはこれから結構出てきます。
でも私が書く市井ちゃん、すごい意地っ張りになりそう。
まぁどうなるかわかりませんが近々更新しますので
楽しみにしてて下さい♪>一人称…気にしないで(笑
57 名前:名無しさん@計 投稿日:2001年03月10日(土)15時03分29秒
こんなところに名作があったとは
58 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月11日(日)01時18分31秒
>名無しさん@計さん
ありがとうございます。名作!?
そんな言葉私がもらってもいいんでしょうか。

姐さんの卒業のショックから大分立ち直りました。
そして気分転換に何のオチも無い
ラブラブいちごま小説を考えてました。

まだ考えてる段階ですがいつか
この話が終わってから書けたらいいなと思ってます♪
タイトルだけ決めていて「市井と後藤のラブラブ旅行日記」
というふざけたタイトルで2人を色んな所に旅行させるつもりです。

「恋が愛に〜」は週明けごろに更新いたします。
59 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月11日(日)17時08分35秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

「306号室はと…」

あたしは今とある病院に来てます。
そう、市井ちゃんが入院している病院です。

マネージャーさんは移るといけないから見舞いには
行くなってみんなにクギさしてたけど…

「この通路で合ってるよね…?」

けど、あたしはやっぱり来てしまいました。
だって市井ちゃんの事心配なんだもん。

苦しい時に独りぼっちなんてあたしだったらイヤだから。
あたしが子供なだけなのかなぁ…


60 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月11日(日)17時10分17秒
「…あっここだ。306号室『市井紗耶香様』」

『コンコン』ドアをノックしてみる。
ん〜返事ないな〜寝てるのかな?
『ガチャ』そっとドアを開けて中を見る。
あっやっぱり寝てる。

あたしは起こさない様にそっとベッドの側まで歩こうとした…が
『ガランッ!』
あちゃ〜ベッドの横のイス倒しちゃった。

素早くイスを元に戻す。
市井ちゃん起きてませんように…
そっとベッドの方を見る。
けどやっぱり今の音で市井ちゃん起きちゃったみたい。

「なんで…なんで後藤がいるの!?」
瞳をパチパチさせて市井ちゃんがあたし方を見た、がすぐに目をそらした。
市井ちゃんそんなにあたしがいたら驚く事なの?

「なんでってお見舞いだよ。決まってるじゃない」
と、あたしが市井ちゃんのおでこに手を伸ばそうとした瞬間…

61 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月11日(日)17時12分19秒
『バシッ!』

市井ちゃんは起き上がってあたしの手を払いのけた。
「い・いち…い・ちゃん??」
「…帰れよ」
市井ちゃんの冷たい声が聞こえた。

「えっ?」
「帰れって言ってんだよ!!」
どうして…どうして?市井ちゃん…

「後藤、プロの自覚ないの?移って仕事に影響あったらどうすんの?」
市井ちゃんはあたしと目を合わせないで下を向いたまま言った。
「でも…市井ちゃんの事心配で…」
あたしの瞳には涙が溢れていた。

「余計なお世話だよ…早く帰れ!」
そう言って布団に潜り込んだ市井ちゃん。
最後まであたしと目を合わそうとしてくれなかった。

ひどいよ…市井ちゃん…
何が何だかわかんないよ…

『バタン』
あたしは涙が流れるのを必死でおさえ
その場から走り出して病室を出た。
62 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月11日(日)17時14分49秒
病室内の市井は……
体を起こしベッドの上でうつむいたまま固まっていた。

自分を真っ直ぐ見つめる後藤の瞳。
その瞳を思い出し、市井の頬に一筋の涙がこぼれた。

「そんな瞳で見ないでよ…後藤の気持ちわかんないよ…」
涙で最後まで言葉が続かない。
「どうしたらいいの…あたしは後藤の事…」
一人、部屋で泣いている市井。

瞳に映った後藤は、彼女にはどう見えていたのだろうか。
市井の本当の気持ちは……

〜続く〜
63 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月11日(日)17時20分13秒
ちょこっと短めの更新です。
やっと市井ちゃん出てきた〜のに
どうしたんでしょうね〜市井ちゃん(爆)

この話もう半分過ぎました。早いな〜
また夜に更新する予定です(短いですが)
64 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年03月12日(月)00時24分06秒
あぁ!市井ちゃんが登場してる!!
うちのとは違って市井ちゃんが素直じゃないんですね(笑)
続きがかなり気になるので更新頑張って下さい!
65 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)00時41分19秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

「ハァハァ…」
病室から走り出して外に出た。

市井ちゃん、後藤の事やっぱり嫌いなのかな…
仕事以外で顔を合わせたくない程、後藤の事。

だって普通風邪が移るくらいで
あんなに怒んないよね…
まぁ風邪ひいちゃいけない仕事してるのはわかってるけど。

帰り道、歩きながら考えてたけど答えがでない。

後藤は諦めた方がいいのかなぁ…
でもまだ告白もしてないんだよ?

何でここまで冷たくされるんだろ…
あ〜あ…梨華ちゃん並みにネガティブだよ〜あたし…
ハァ〜…よしこに電話しよっかな。

ポケットから携帯を取り出し電源を入れた。
リダイヤルボタンを押すと一番最初に出てくる名前。
66 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)00時43分00秒
『プルルルルル♪』

『もしもし?』
「あっよしこ…ちょっと今いい?」
『いいけど、どうしたの?声暗いよ?』
「実はさ……」
あたしはさっきの出来事をよしこに話した。

「あたしこのまま市井ちゃんの事好きでいていいのかな?」
『えっ?何で?』
「だって市井ちゃんやっぱり後藤の事嫌いみたいだし…」
『そんな事…(絶対にないよ)』
よしこの声が途中で小さくなる。

「何?聞こえなかったんだけど」
『いや…まだわかんないじゃん?諦めちゃだめだよ』
「そうかなぁ…」
『そうだよ。気持ちも伝えてないのに』
「でも告白なんかしたら本当に拒絶されそう」
『何も言わないで未消化の気持ち抱えたままよりはいいと思うよ』

「そうだけどさ、怖いよ…」
『大丈夫!あたしがついてるじゃんって意味わかんないけど(笑)…がんばれ!』
「アハハ!…ありがと少し元気でた」
『よし!いい子だ!めげるなよ』
「優しいね、よしこは。大好きだよ♥振られたら彼女にしてね♪」
『本当に振られちゃったらね。それ以外ならお断りだよ♪』
「アハハハ♪ありがと聞いてくれて、じゃあまた明日ね」
『うん、またね』

さてと…帰りますか。
よしこに元気を貰ったあたしはトコトコと
歩いて駅に行き電車で家に帰った。

67 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)00時45分12秒
切った携帯を見つめる。
ごっちん…

ごっちんのあんな暗い声初めて聞いた。
でも暗くもなるよね、あんな事言われちゃ…
そりゃ風邪移っちゃいけないだろうけどさ…

でも市井さんはそういう意味でごっちんに
「帰れ」って言ったんじゃないと思う。

好きなのに突き放す時ってどういう時だろう…
まさか…辞めちゃうからって事は無いよね…
市井さん…どうしてですか?
どうしてわざと冷たくしてるんですか?

その答えは出ないままだった。
けどあたしは固く決心したことが一つだけあった。
それは…

“これ以上ごっちんを傷つけたらいくら市井さんでも怒ります”

って事を。
だけど出来ればこの誓い通りにならないで欲しいと思ってた。
それがこんなに早く決行する事になるなんて…

〜続く〜

68 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)00時53分06秒
>アリガチさん

いつもありがとうございます♪
やっと市井ちゃん出せました〜(少ない!)
なんか当初の純愛っぽくしようとしてた
構想から外れていきそうです(汗)
市井ちゃんはいつ心を開いてくれるのでしょう(笑)
69 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月12日(月)02時51分33秒
後藤を支えようとする、強い吉澤がいいですね。その決心がかっこいい。
しかし後藤「振られたら」って、なにげにきついこと言うね。
でもそれに答える吉澤はやっぱり強い。
70 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)23時13分02秒
>69さん
ありがとうございます♪
強いよしこさん…それだけごっちんを大事に思ってるんです♪
「振られたら」発言はごっちんこの時少しネガティブなんで…
よしこの場合ごっちんが振られる事は無いと思ってるので
あれだけあっさり返事できたんでしょう。

では更新です。
71 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)23時14分56秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

あたしがお見舞いに行ってから二日後、市井ちゃんは退院した。
次の日からすぐに仕事にも復帰した。
けど、あの日の出来事があってから市井ちゃんは
よりいっそうあたしを避けるようになった。

仕事中は以前のような優しい市井ちゃん。
でも仕事が終わるといつもの冷たい態度…
あたしはそのギャップに最初は我慢していた。

『がんばれ!』
よしこの言葉が頭に浮かぶ。

どうにかして市井ちゃんに話しかけようとしたけど
透明なバリアでもあるかのように近づく事は出来なかった。
メンバーのみんなもあたし達の態度がおかしいと感じてるみたいだ。
けどあまりにも聞けない雰囲気だったのか誰も聞いてはこなかった。

「後藤が悪い事したなら謝るよ」と何度言おうかとも思った。
でも悪い事した覚えは無いんだけど…

そんな日々を過ごしていた中、
自分でも知らないうちにストレスを抱えこんでいたみたいで
あたしの限界は意外に早く訪れた。

72 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)23時16分55秒
中野サンプラザでのコンサート終了後。

「「おつかれ〜!」」
メンバーやスタッフの声が楽屋に響く。

やっぱ一日二回公演はきついな〜
まぁ三回公演よりはましだけど…

みんなシャワーを浴びるためシャワー室に向かう。

なっちとやぐっつぁんはこの後二人で出かける約束をしてるとかで
一番乗りでシャワーを浴びて出ていった。
辻ちゃんと加護ちゃんも眠たいらしく
軽くシャワーを浴びて帰ってしまった。

今シャワー室にいるのはその四人を除く七人だった。
みんなやっぱり疲れてるみたいで会話はあんまり無かった。

『バタン』
誰かがシャワー室から出ていったみたい。
誰だろ?…まっいっか。
あたしもここんとこ体の調子良くないから
早く帰ろうかな…

あたしは無言のままシャワー室から出た。


73 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月12日(月)23時18分10秒
お!更新だ♪
楽しみにしてます。
74 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)23時18分57秒
髪も乾かし終えて楽屋に戻った時、楽屋には市井ちゃんだけがいた。

あっ…さっきの市井ちゃんだったんだ…
どうしよう…気まずいなぁ…
でも一回ちゃんと話したいんだよね。
曖昧な態度のままだったら嫌いって言われた方がすっきりできるし…

あたしは覚悟を決めて市井ちゃんのそばに行った。
「あのさ…市井ちゃん…」
聞こえてるはずなのに返事をしてくれない。

「あの…後藤何か悪い事したかな?したなら謝るよ。だから…」
少しだけ頭を動かして市井ちゃんは短い言葉を返した。
「…別に」
「別にって…じゃあ何で後藤に冷たくするの?」

「……」
「何で答えてくれないの?そんなに後藤の事イヤなの?」
質問しても返ってくるのは沈黙ばかり…

75 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)23時20分32秒
『ガチャ』
ドアが開いて残りのメンバーが楽屋に戻ってきた。

けどあたしは市井ちゃんの事しか頭になくて
他のメンバーの存在を気に止めなかった。
ただメンバーがすごく気まずい雰囲気を感じ取ってる
って事は何となくわかった。
けど、今さら話を中断したくなかった。

「……」
ずっと市井ちゃんの方を見ても答えてくれない。

沈黙に耐えれなくなってあたしは自分の気持ちを市井ちゃんに言ってしまった
76 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)23時22分30秒
「後藤は市井ちゃんの事好きだよ?
好きな人にわけもなく冷たくされると辛いんだよ…市井ちゃん」

メンバーにバレたって構わない。
あたしの正直な気持ちだから恥じる事なんてなかった。

市井ちゃんが立ち上がる。
けどあたしの質問に答えず自分の荷物の所へ行こうとした。
「何か言ってよ…じゃないとわかんないよ」
市井ちゃんの前に回りこむ。

メンバーが不安そうにこちらを見ていた。
あたしは市井ちゃんの腕を掴みながら言った。
「…後藤の事嫌いなの?ねぇ?」
あたしの口調が少しだけ荒くなる。
「……」
何にも答えてくれない。

『パシッ』
変わりに掴んでた手を振りほどかれた。
長い沈黙と重い空気に包まれた楽屋。
市井ちゃんは何も言わず冷たい瞳であたしを見ている。

言葉を発してくれない市井ちゃんに
あたしの中の何かが音を立てて切れた気がした。

77 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)23時24分12秒
「…嫌いなら言ってよ…」

市井ちゃん…
後藤もう限界だよ…

ポタポタとあたしの瞳から涙が落ちた。
それが合図だったかのようにあたしは市井ちゃんに言葉を投げつけた。

「後藤の事嫌いなら嫌いって言ってよ!何も言わないで冷たくするなんて卑怯だよ!」
ダメだ…言葉が止まらない…

「そんな風にされたら後藤だって傷つくよ…」
子供みたいだ…泣き叫んでさ…

「どんな事しても後藤が傷つかないなんて思わないでよね!!」
あたしは楽屋を飛び出していた。
楽屋に気まずい雰囲気のメンバー達を残して…

〜続く〜

78 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月12日(月)23時30分36秒
>すなふきんさん
はい♪更新です♪
けど修羅場…大変です…
もう話も終盤に入りました〜
79 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年03月13日(火)01時20分47秒
うわー。ドキドキものですね!
市井ちゃんはどうしたと言うのだ!?
早く続きが読みたいッス!!
80 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月13日(火)14時41分25秒
修羅場ですね〜。
よっすぃーがどうでるのか、楽しみです。
81 名前:まだ名無しです@ごめんなさい 投稿日:2001年03月13日(火)14時50分07秒
紗耶香のココロが…
素直にならなきゃ…
同じくよっすぃーの出方に期待♪
82 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月13日(火)18時36分30秒
あああああ。いちーちゃーん!!
83 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月13日(火)23時57分08秒
>アリガチさん
ありがとうございます。市井ちゃんはですね〜
実は…ってあまり期待しないで下さいね(汗)

>すなふきんさん
ありがとうございます。修羅場ってます♪
よしこ…どうなるんでしょう(笑)

>81さん
「3月7日」の作者さんですよね?
ありがとうございます。「素直」それは
今回の紗耶香のテーマなのです♪

>82さん
ありがとうございます。市井ちゃんがんばれ!(笑)
84 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月14日(水)00時02分11秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

「ごっちん!!」

吉澤が声をあげドアの方に向かう、が市井の方に戻ってきて市井を睨みつけた。
「市井さん!なんでごっちんの気持ちわかんないんですか!?
ごっちんは…ごっちんは市井さんの事を…」

吉澤の瞳にもうっすらと涙が浮かんでいた。
それは親友を傷つけられたという怒りの涙だった。
「なのに、こんな…こんなの子供でもやりませんよ!?
 …ごっちんに何かあったら市井さんを恨みますから!」

『ガシャッ!バタンッ!』
後藤の後を吉澤が追いかける。
「ヨッスィー!」
吉澤に続いて石川も後を追った。

楽屋には中澤、保田、飯田、そして市井の四人が残された。
傷つけた本人の市井の顔は、傷つけられた後藤より顔色が悪いようだった。
中澤が溜息をついて市井に歩み寄る。
「…紗耶香なんでや?…なんでお互い傷つくような事すんの?」
ピクリともその場から市井は動かない。

「今の紗耶香誰が見ても間違った事してるって思うで?」
市井はまるで上の空だった。
中澤の声が右から左へ通り過ぎていく。

「圭織もさっきの紗耶香好きじゃない…圭織の好きな紗耶香じゃない」
飯田の言葉にも耳を傾ける事はなかった。
保田だけは何も言わず市井の方をずっと見つめていた。
(何でなの?紗耶香…このままじゃダメだよ…)

85 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月14日(水)00時05分57秒
あたしは誰もいない化粧室に駆け込んだ。
「うっうぐっ…」
人間ってこんなに涙があるのかってぐらい涙は後から後から溢れてくる。

市井ちゃんに拒絶された事と怒鳴りつける事しかできなかった
自分への自己嫌悪であたしの胃は悲鳴を上げた。
「いたい…よ…たすけて…」
あたしの意識は途切れる寸前だった。

『カチャ…』
誰か入ってきた…視界がぼやけてよく見えない…

「ごっちん…あのさ」
あ〜…安心出来る声だな〜よしこの声は…
「よしこ、アハハ…後藤振られちゃった…」
「…(こんなはずじゃなかったのに…)」
表情はよく見えないけど心配してそう…

「ごっちんお腹痛いの?押さえてるけど」
もう一人声が聞こえた。この特徴ある声は…

「あれ?梨華ちゃん?ごめんね〜みっともない所見せちゃって…」
「ううん、そんなこと…でもほんと顔色悪いよ?」
あたし顔色悪いのか〜そう言われれば…

「最近体の調子悪いんだよね…アハハ」
あたしは必死で痛いの我慢して笑った。心配かけたくないしね…


86 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月14日(水)00時09分07秒
「あたし今回ばかりは市井さんの事許せない…頭にきた!」
よしこの口調すごい怒ってる…けど…
「…あのさよしこ。さっきは後藤も感情的になっちゃったけど…あんま市井ちゃんの事責めないでね」
「はぁ?何言ってるの?ごっちんこんなに傷つけられたんだよ!?」

「でもあれなんだよね〜後藤も悪かったんだよ。いきなり言っちゃったし、
状況とか考えてなかったからさ。なんて言うんだっけ?TKO?」
「…TPOだよってそうじゃなくって!」
アハハよしこは頭いいな〜

「後藤には冷たいけどみんなには優しいでしょ?ちゃんと優しい人なんだよ…」
「なっ!…ごっちんにだけ冷たいから怒って…!?」
何とか視界に捕らえたよしこの腕を掴む。
「…お願いだよ?市井ちゃんの事、悪く思わないでね…おね・が…い」
ダメだ…胃が痛いよ…意識が…

「ごっちん?……!!ごっちん!?どうしたの!?」
よしこ〜ごめんね…もう後藤がんばれないよ…
あたしはお腹を押さえてうずくまったまま意識を失った。

「ちょっ…ごっちん!?梨華ちゃん!マネージャーさんに救急車呼んでもらって!!」
「わかった!!」
石川は急いでマネージャーの元に向かった。

「何でだよごっちん…怒って当たり前だろ?なのに何で…そんな事言われたら怒れないじゃん…」
腕の中にいる後藤を見つめながら一人呟いた。
87 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月14日(水)00時11分32秒
『ガチャ!』
勢いよく楽屋のドアが開けられる。
「大変です!!ごっちんが…」
石川が息をきらせながら楽屋に入ってきた。
その慌てぶりを見てメンバーも動揺した。もちろん市井も…

「ごっちんがどうしたんや!?石川!?」
中澤のあまりの形相に少しびびる石川。
「あ・あ・あのごっちん急にお腹押さえたまま倒れちゃって。きゅ・救急車で今病院に」
「なんやて!?」
「マネージャーさんとヨッスィーが付き添って病院に行ったんですけど」

「どこの病院か石川聞いてるか?」
「はい。ちゃんと聞いておきました!すぐ近くです」
「よし!うちらも行くで!?」
中澤はメンバーを見て同意を求めた。
「「うん!!」」
しかし返事は二人分しか返ってこない。


88 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月14日(水)00時13分50秒
「紗耶香!何してんねん!行くで!?」
「…あたし行けない…」
市井は首を横に振った。
「紗耶香!?」
中澤が市井のそばまで詰め寄る。
「あたしのせいだ…あたしのせいで…後藤に合わせる顔ないよ…」
ただ首を振り続ける。

「…じゃあ紗耶香はここでずっと拗ねとけ!うちは知らん!行くで!」
最後まで心配そうに市井を見つめてた人物がいたが
市井を除く四人は楽屋を出て行った。
急いで裏口まで行こうとする中澤達。
けどその足を彼女の一声が止めた。

「待って裕ちゃん!」
最後まで市井を心配そうに見つめてた保田だ。
「裕ちゃん、先に行ってて。あたし紗耶香と話してみる。
上手くいく保証はないけど…絶対紗耶香を後藤のとこ行かせるようにするから!」

「…わかった。圭坊、紗耶香の事頼んだで!携帯に連絡入れるからな」
「うん。ありがと」
中澤達三人は急いで裏口へ向かい
スタッフに車に乗せてもらって病院へ向かった。


〜続く
89 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月14日(水)00時16分36秒
頑張れ圭坊!!
やべぇ〜、続き気になる・・・。
90 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月14日(水)00時23分46秒
更新いたしました。
あと数回程で最終回の予定です。
今カギを握ってるのは圭ちゃんとよしこかな?
まぁ本当は市井ちゃん自身がキーパーソンなんですが…
あと数回ですが最後まで読んでいただけると嬉しいです♪
91 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年03月14日(水)01時03分23秒
ごっちんー!!
ヤッスーなんとかしてくれ!
続きは・・・って気になりますよー(笑)
92 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月15日(木)00時20分28秒
素直に面白い!続きがめちゃくちゃ気になる
93 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月15日(木)18時34分44秒
がんばれ〜よしこぉ〜。

94 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時03分24秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

さてと…さっきは大見得きったけどちゃんと話できるかなぁ?
あたしは楽屋に戻るまで色々考えた。
紗耶香、素直じゃないとこあるからなぁ。

でも後藤倒れたのってさっきの紗耶香との事が原因だろうから
ちゃんと話つけないと後藤の体の為にも良くないし。
紗耶香自身悪い事してるって自覚あるみたいだよね。

わかってるのになんで…
フゥ〜本人に聞かなきゃわかんないね。
あたしは生放送の本番にも似た緊張感を覚えつつ楽屋に向かった。
ドアの前で深呼吸をしてからドアを開けた。

『ガチャ』
中にはまだ紗耶香が一人残っていた。

95 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時04分47秒
あたし何してんだろ…
何やってんだろう…

瞳に焼きついて離れない後藤の泣き顔…
――こんな結末をあたしは望んでたの?

後藤はあたしを好きだって言う。
――けどそれは本当に恋愛感情なの?
――勘違いなんじゃないの?
――あたしのこの気持ちとは違うんじゃないの?

あたし後藤を無理やりこっちの世界に引きずり込みたくない。
女同士なんて理解してくれる人間は少ないんだ。
ましてやこういう仕事をしてる上で付き合う事は安易な事じゃない。
自分は何を言われてもどう思われても構わない…
でも後藤にそんな思いさせたくないんだよ。

――だからお願い…勘違いだったって言って?
じゃないとあたし…後藤への思い…止められなくなる…


96 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時06分23秒
『カチャ』
楽屋で一人顔を伏せているとドアが開いた。
あたしは顔を上げてドアの方を見た。
病院行かなかったのかな?
圭ちゃんはドアを閉めてあたしの側に来る。

「少し話してもいい?」
その声は力強く、けど怒っている声ではなかった。

「普段なら話したくない事、無理には聞かないんだけど紗耶香のしてる事
正しいとは思わないから…ちゃんと聞かせてくれる?どうして後藤にあんな事するの?」
じっとあたしの顔を見て圭ちゃんが話す。

圭ちゃんは怒って聞いてるんじゃなく、あくまで本当にわからないからあたしに聞いてる感じだった。
けどあたしの気持ちが気づかれてない内は話す事は出来ない…

「…理由なんてないよ。そうしたかったからしただけだよ」
とことん素直じゃない自分の性格。
こんな自分…大嫌いなのにね。

「“そうするしかなかった”の間違いじゃない?紗耶香」
「えっ?」


97 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時07分52秒
圭ちゃんは少し複雑そうな瞳をしてあたしを見る。
もしかして…気づかれてる…のかな?

「紗耶香…おせっかいかもしんないけど忠告しとくよ?」
圭ちゃんはあたしの隣に座った。
「自分の気持ちに嘘ついてるうちは倖せになんかなれないよ?
紗耶香…何でわざと冷たくするの?好きなのに何で?」

あたしの気持ち…気づかれてる…
何もかも圭ちゃんには見透かされてるような気がした。
いや…もしかしたら気づいてはいないかもしれない。
けどあたしは圭ちゃんに自分の胸の内を話した。
誰かに白状したかった…本当は…
心が壊れてしまう前に…

「…あたしが後藤を思う気持ちと後藤があたしを思う気持ちが違うと思ったから・・・
後藤はあたしの事友達の延長で見てる、勘違いしてるんだって」
「……」

「けどあたしが後藤にこの気持ちを伝えたら、後藤に進まなくてもいい道進ませてしまう。
だからわざと冷たくしてた。勘違いだって気づくように…あいつにはまともな道進んで欲しかった」

「…紗耶香…本気でそう思ってるの?」
「えっ…?」
圭ちゃんの顔はちょっとだけ怒ってた、けど…

「勘違いしてるのは紗耶香の方だよ?」
またすぐに優しい表情に戻った。


98 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時10分20秒
「本当に後藤の気持ちが勘違いだと思う?あたしは少なくとも今の後藤は
紗耶香の気持ちと同じだと思うよ」
「…どうしてそう思うの?」
「あの子が新メンバーとして入ってきて、今まで過酷なレッスンや試練もあって
紗耶香や夏先生にもいっぱい怒られて…それでも辛そうな顔あんまり見せる事なかった」
「……」
あたしの頭に昔の記憶が蘇る。

「後藤を批判する世間の噂やマスコミの低俗な記事にもくじける事なかった…でもさっきの後藤、
紗耶香も見たでしょ?あたしあんな辛そうな顔した後藤初めて見たよ…」
「それは…」
「それだけ紗耶香の事好きなんだよ?あの子の中で紗耶香の存在が一番大きいんだよ」
あたしは少し顔を上げて圭ちゃんを見た。

「あの子はあの子なりにちゃんと紗耶香の事考えてる。
愛情と友情を間違える程、後藤だって馬鹿じゃないよ?」
圭ちゃんの手が優しくあたしの髪を撫でる。
「紗耶香…素直になっていいんだよ。後藤の事好きならさ…」
「…もしかしてメンバーのみんな気づいてるのかな?」
「気づかないわけないでしょ。みんな気づいてるよ。後藤以外は…」

そっか…気づかれてたのか…
あたしの嘘はバレバレだったって事か、後藤以外。


99 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時12分15秒
「でも…圭ちゃん、何も思わないの?その…女同士でとか…」
大事な仲間だから…嫌な思いさせたくないから聞いておかないと…
けど圭ちゃんはあっさり答えを返した。
「言ったでしょ?紗耶香の気持ちみんな気づいてるって。でもみんなの紗耶香への
態度今までと変わった?変わってないはずだよ?」
「…うん」

「少なくともメンバーは誰も変に思ったりしてないよ」
そっか…ありがと…でもこっちの事が一番不安なんだよね…
「でも例えばさ…後藤と付き合ってそれが世間にバレた時後藤は傷つくんじゃないかな?」
あたしはそれが一番怖い…

「…あの子そんな中途半端な気持ちには見えなかったよ。きっと後藤の事だから
自分の気持ち周りには気づかれてないって思ってたんだろうけど、さっきここで
紗耶香に告白したときの後藤、周りの目なんか気にしてなかったよ。意志強いんだと思う」

圭ちゃんはどうしてここまで後藤の事がわかるんだろう…
あたしが全然わかってなかっただけなのかな?
「それに…」
圭ちゃんは話を続けようとしたけど…

『プルルルルル♪』

不意に携帯が鳴った。
「ごめん紗耶香、ちょっと席外すね」
圭ちゃんは携帯を持って部屋を出た。
あたしは一人部屋で圭ちゃんを待った。


100 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時13分36秒
「もしもし?裕ちゃん?」
『おう圭坊。ごっちんの事やけどな』
「うん。どうなったの?」
『急性ストレス性胃炎らしいわ』
「そう…」

『最近スケジュールきつかったんもあるやろうけど、やっぱ紗耶香の事で随分悩んでたんやろ。
それが今回の事で一気に…まぁ大した事あらへんみたいやけど二・三日入院って事になったわ』
「そっか。裕ちゃん後藤の入院先と病室わかる?」
『XX病院の306号室や』
「ありがと」

『でも今日はもうじき面会時間終わるで?』
「うん。それは構わないよ」
『そっか。じゃあうちらはもう帰るけどそっちの方は任せてええか?』
「うん。大丈夫だよ」
『ほなまた明日な』
「ありがとね」

携帯を切って少しの間、瞳をつぶる保田。
(あたしの役目もあと少しかな?後藤…もうちょっと待っててね)


101 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時15分10秒
『ガチャ、バタン』
電話を終えた圭ちゃんが戻ってくる。
「ごめん話の途中で」
再びあたしの隣に腰をおろす。

「さっきの続きだけど、後藤の紗耶香への気持ちは本気なんだよ。だから周りに
バレる事なんかより、紗耶香に冷たくされる事の方がよっぽど辛かったんだと思う」
「……」
あたしは今更ながら自分のしてきた間違いの大きさに気づいた。
あたしの行動は後藤を傷つけるだけだったんだ…

「あたしの気持ちに…気づいてないのは後藤だけなんだね」
「うん。だから気づかせてあげなよ?後藤にも。ちゃんとさ」
圭ちゃんは笑顔であたしに言う。

「…でもあたし今更素直になれるのかな。それに…あれだけ傷つけたのに…」
「大丈夫だよ!その分いっぱい愛してあげればいいじゃん?」
「でもそれでも…」
「あ〜も〜グダグダ言わない!とっとと荷物持って病院行け!」
そう言うと圭ちゃんはメモ用紙に病院の名前と病室を書いてあたしに渡した。


102 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時16分14秒
「後藤二、三日入院らしいけど症状軽いみたいだから」
「面会時間過ぎてるんじゃ…」
「そんなもん気にしてる場合じゃないでしょ?紗耶香がちゃんと
後藤に対して素直になれば後藤の体すぐ良くなるんだからさ」
「そうなのかな…」
「そうなの!あっ…それと吉澤にもちゃんと謝りなよ?あの子本気で怒ってたから…」
パッとさっきの吉澤の顔と言葉が思い浮かぶ。

『ごっちんに何かあったら市井さんを恨みますから!』

「…わかってる…じゃあ行ってくる。ありがと圭ちゃん」
あたしは荷物とメモ用紙を持って楽屋を出た。

「役目は終わったし、あたしは帰るとするか…お見舞いは明日みんなと行こう」

(紗耶香…倖せになりなよ?倖せになれるよ!あんたと後藤ならね。
明日にはあんたと後藤の…そして吉澤の笑顔が見れるって信じてるからね)


103 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時17分05秒
後藤が運ばれた病院は近くで歩いて十分程だった。
途中その足を止めて市井は携帯を取り出した。
勿論、電話の相手は…

『プルルルルル…はい』
「もしもし…吉澤?」
『…何ですか?』
(明らかに不機嫌な声。当たり前か…)

「さっきはあたしが間違ってた。ごめん」
『…っ今さら!…』
カッっと吉澤の頭に血がのぼった、が…

“責めないで…悪く思わないでね…お願い”
後藤の言葉を思い出す。
(…わかったよごっちん…)

「あんたの大事な親友傷つけてごめんね」
『…本当は許したくないぐらい怒ってます。けど』
「けど…?」

『…市井さん。ごっちん倒れたの聞いてますよね?』
「うん…聞いてる…吉澤には恨まれても仕方ないよね」
『……ごっちんの所行きましたか?』
「いやまだ…今向かってるんだけど」

『…なら先にごっちんの所に行って下さい』
「えっ?」

104 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時18分03秒

『先にごっちんに謝って全部気持ちを伝えて下さい。好きなんでしょ?ごっちんの事』
「……」
『そしたら許してあげます、さっきの事』
「吉澤…」
『あたしはもう…これ以上ごっちんの傷ついた顔見たくありませんから』
「わかった…ありがと吉澤」
『…それじゃ失礼します』

電話を切って夜空を見上げる。

…後藤あんた良い親友見つけたね。
あたしなんかより何倍も良い奴だよ…

あたしは少し急いで病院へと向かった。


〜続く〜
105 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月15日(木)22時25分31秒
>89さん
圭ちゃんがんばってくれたでしょうか?

>アリガチさん
ごっちん今回は登場しませんでした(汗)
やっすーに期待!?

>92さん
”面白い”嬉しいです♪

>すなふきんさん
よしこさんあんまり出番が…
がんばってくれたのかなぁ(笑

長めの更新になりました♪
でも感情表現ヘタです(涙)
やっと市井ちゃん動きだそうとしてますね。
もうじき終わるというのに(笑)
106 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年03月16日(金)00時02分42秒
ヤッスーありがとう!!(笑)
いよいよハッピーエンドですか?
期待します♪
107 名前:マッチ 投稿日:2001年03月17日(土)22時12分29秒
よっかった〜
やっと一安心(わら
これから更に期待です♪

>83:マルボロライトさん

 はい!そうです!
 今改めマッチです(わら
 読んで頂いてありがとうございました〜
108 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月18日(日)00時12分13秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

あたしは目が覚めた時病室にいた。
よく覚えてないけどさっきすごく胃が痛かったからきっと原因はそれだろう。

市井ちゃん…
後藤は市井ちゃんに冷たくされると本当に心が痛くなるんだよ…

嫌いでもいい…ウソでもいいから…
前みたいに後藤と接してよ…
メンバーとしてでいいから後藤に笑いかけてよ。

じゃないと…ほんとに壊れちゃいそうだよ…
好きで…好きで…壊れちゃいそうだよ…
あたしの頬に一筋の涙がつたう。

その時部屋の外から話し声がした。

『本当は面会時間過ぎてるからダメなんですけどね』
『すいません…無理を言って…』
『ここが後藤さんの病室です。では私は戻りますね』
『はい。ありがとうございました』

市井ちゃんだ…なんで???
あっどうしよう…あたし泣いてるし…
どうしようどうしよう…
とりあえず寝たふりしとこう。
「zzzz…」


109 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月18日(日)00時14分40秒
「ここが後藤さんの病室です。では私は戻りますね」
「はい。ありがとうございました」

面会時間は過ぎてたんだけど受け付けの人に無理を言って頼んだ。
案内された病室は偶然にも、この前あたしが入院した病室と同じ部屋だった。
シーンと静まり返る廊下。

病室の目の前まで来てるのになかなか体が動かない。
起きてるのかなぁ?どうしよう…何て言えばいいんだろう…
いきなり後藤の顔を見て話せるのかな…
でも…今あたしが思い出せる後藤の顔はさっきの泣き顔…

もうあんな顔は見たくない…
あたしは勇気を振り絞りノックしてドアを開けた。

部屋からの応答がない。
ゆっくりとドアを開け中を覗いてみる。
病室内で後藤は静かに寝息をたてていた。
寝てるのか…どうしよう…

こないだとは立場が逆転したみたいだ。
ゆっくりそっと後藤のそばに寄る。

よく見ると後藤の頬には涙を流した跡があった。
夢の中でも泣いてたの?…傷ついたよね…ごめん…
あたしはしばらく後藤の寝顔を見つめた。

後藤…あたしの事どう思ってるの?
本当に恋愛感情を抱いてくれてるの?
本人に聞きたいけど勇気がない…

傷ついた後藤にあたしの気持ちはもう届かないかもしれない。
何を言っても謝っても全て嘘に聞こえるかもしれない…
そう思うと怖くて…怖くて…
自分の中で後藤の存在がいかに大きいかという事に気づく。

一粒の涙が後藤の手の上に落ちる。
そっと後藤の手から涙を拭いて軽く手を握る。

あたしは後藤の寝顔をじっと見つめ、そして、頬に触れるか触れないかくらいのキスをした。


110 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月18日(日)00時16分40秒
何かあたたかい液体が…涙?泣いてるの…?市井ちゃん…どうして?

あたしの疑問をさえぎるかのように市井ちゃんがあたしの手に触れる。

そして…眠ったふりをしていたあたしの頬に市井ちゃんの唇がそっと触れた。

えっ?どうして??

どうして…キスしたの…?

後藤の事、嫌いなんじゃなかったの?

わかんないよ…後藤バカだから…

ちゃんと言葉で言ってくれなきゃわかんないよ……


111 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月18日(日)00時18分50秒

ゆっくりと後藤の頬から唇を離す。

「ごめんね…後藤。いっぱい傷つけちゃって。あたし馬鹿だよね…」
涙が止まらない…けど止めようとは思わない。
あたしは弱い人間だ。
なんて弱いんだろ…

『先にごっちんに謝って全部気持ちを伝えてからにして下さい』
わかってるよ…吉澤…けど…

「後藤の事好きなのに…愛してるのに…ごめんね」
眠ってる後藤にしか言えない弱いあたし。

涙は止まらず、嗚咽が漏れそうになる。
ダメだ…こんな状態じゃちゃんと言えなくなる。

一度顔を洗って落ちついてからにしよう。
あたしは強引に涙を拭い顔を洗うため部屋を出ようと後藤に背を向けた。

その瞬間あたしの左腕が弱々しい力で掴まれた。


〜続く〜
112 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月18日(日)00時27分04秒
更新しました!
昨日からごまソロにノックアウトされてて
続き更新するの忘れてました(汗)すいません…

>アリガチさん
あ〜ヤッスー様〜(笑)
ハッピーエンドは大好きです(笑

>マッチさん
一安心ですね〜よかったよかった。
ここの市井ちゃん素直じゃないですから(笑)
113 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月18日(日)05時05分47秒
こんないい所でやめるなんて・・・
鬼畜だ(w
面白いっす。続きまってます
114 名前:ティモ 投稿日:2001年03月18日(日)17時41分41秒
謝らなくても作者さんのペースで書けばいいと思います。
ごまソロにノックアウトされた気持ちは良く分かりますので(笑)
115 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年03月19日(月)00時06分16秒
おー!いいところで!!(笑)
マイペースで頑張って下さいね。
116 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月21日(水)17時54分18秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

「市井ちゃん…今の言葉…本当なの?」

えっ…ウ、ソ…後藤起きてたの…?

後から後藤のか細い声が聞こえた。
反対に掴んでいる手の力は増してくる。

あたし何言ったっけ!?何て言った!?
動揺して頭が真っ白になった。
逃げ出したい気持ちでいっぱいになる…けど…

背後から痛い程の視線を感じる。
『カチッカチッカチッ……』
静まり返る部屋の中で時計の秒針の音だけが響いていた。

(素直になりたいんだろ!?ゆっくりでいいから前進しなよ!)

市井の中のもう一人の自分が言う。
そうだよね…ここで逃げても何も始まらないよね…

そしてあたしは恐る恐る後藤の方を振り返った。
瞳を真っ赤にした後藤があたしを見つめている。


117 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月21日(水)17時55分34秒
お互い微動だに視線を外さない。
後藤の瞳に吸い込まれそうになっている自分に気がつく。
視線を外さないままゆっくり後藤が口を開いた。

「…ねぇ市井ちゃん…本当なの?」
そらす事は許さないといった強い後藤の視線。
あたしは蛇に睨まれた蛙みたいにその場に固まった。
あまりの出来事にもう涙は引っ込んでいた。

「…どうして何も言ってくれないの?…嘘なの?」
掴んでいる力とは対照的な弱い後藤の声。
傷ついた後藤を見る為にここに来たんじゃない。

『紗耶香…素直になっていいんだよ。後藤の事好きならさ…』
圭ちゃんの言葉が頭をかすめる。

『好きなんでしょ?ごっちんの事』
吉澤…そうだよ…あたし後藤の事好きだよ…

あたしは後藤に自分の気持ちを伝える為にここに来たんだ。
今素直にならないでいつ素直になるんだ!?市井紗耶香!!
あたしは自分に言い聞かせてゆっくり口を開いた。


118 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月21日(水)17時56分48秒
「嘘…じゃないよ」
「えっ??」

後藤は横になっていた体を起こした。
あたしの腕を掴んでいた後藤の手の上に、自分の手を重ね視線を落とす。

「今言った言葉、嘘なんかじゃないよ。あたしの本当の気持ちだよ」
もう迷いはない。あたしは後藤の瞳を真っ直ぐ見つめた。
後藤の瞳は今にも涙が溢れだしそうになっていた。

「…市井ちゃん…信じていいの?後から嘘でしたって言ってももう遅いからね?」
後藤は不安げにあたしを見つめてくる。

そんな瞳しないで…嘘じゃないから…
もう不安になんかさせない…信じてほしい…

「信じて…市井はもう後藤に嘘はつかない、後藤が好きだよ…」
「…うっうぐっえ―――ん!市井ちゃ――ん!」

泣き出した後藤があたしに抱きついてくる。
あたしは力いっぱい後藤を抱きしめた。
腕の中にいる愛しい人の温もりに涙が出そうになる。
こんなにも暖かい温もりがあるって事を今初めて知った。

119 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月21日(水)17時57分55秒
「うっ…よかった…っ嫌われて…なくて…うっぐっ…」
後藤の事…嫌いになんか…なれるわけないだろ。

「バカ…嫌われるならあたしの方だろ?いっぱい…いっぱい傷つけて…ごめん」
後藤の体を少し離し優しく涙を拭ってあげる。

「…あたしが…市井ちゃんを…うっぐっ…嫌いになるわけ…ないじゃん」
拭っても拭っても後藤の涙はまだ止まらない。
「ありがとう…後藤。でも…市井なんかで本当に…いいの?」
「…なんで…?」
また少し不安げな表情になる後藤…でも聞いとかないと…

「これから先、辛い思いも沢山しなきゃいけないかもしれないんだよ?ちゃんと
男の子と付き合った方が幸せになれるかもしれないのに…」

あたし達には未来なんて無いかもしれない…
それに…何もかも捨てなきゃいけない時が…きっと来るだろうし…
けど…そんな弱気な市井の考えを吹き飛ばすかのように後藤が声をあげる。

「後藤は市井ちゃんが好きなの!うっぐっ…市井ちゃんだから好きになったんだよ!?
市井ちゃんとだから…これから先、一緒に歩いていけるって…うっぐっ…そう思えるんだよ!?
お願いだから…うぐっ…そんな…哀しい事言わないで…」

なんで…なんで後藤はこんなにも純粋で…真っ直ぐな奴なんだろう…
あたしはなんて…なんて…幸せ者なんだろう…

「ごめん…ありがと…ありがとね…後藤」
抱き寄せて耳元で消えそうな声で囁いた。

「後藤は…後藤は市井ちゃんが大好きだよ!もう…後悔しても知らないからね!?」
「…大丈夫。市井はもっともっと大好きだから…」

あたしの中にあった不安が嘘のように消えていった瞬間だった。


〜続く〜

120 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月21日(水)18時05分44秒
>113さん
ありがとうございます。
鬼畜でしょうか?(笑

>ティモさん
ありがとうございます。
そう言ってもらえると助かります。
ごまソロノックアウト継続中(笑)

>アリガチさん
ありがとうございます。
マイペースで頑張りますよ〜!

更新いたしました。
もうほんとにクライマックスが近いです。
一様最終回のあとにエピローグも書こうかと思ってます。
ではまた近いうちに更新します♪
121 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月23日(金)18時12分42秒
いちごまはいいねぇ。続きはまだっすか?
122 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月24日(土)21時36分47秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

あたしは優しく後藤の髪を撫で続けた。
どれぐらいそうしていただろう…
やっと後藤の涙も止まったみたい。

「あたし今日、人生で一番泣いたよ、きっと…アハ」
瞳を押さえながら苦笑いで後藤が言う。
あたしは罪悪感で胸がチクリと痛んだ。
「傷つけて…泣かせてばっかだね…ごめん…」
「あっ!ごめん、そういう意味で言ったんじゃないよ?それに…最後はちゃんと嬉しい涙で終れたから
平気だよ。市井ちゃんに好きだって言ってもらえたしね♪すごく嬉しいんだ〜♪」

そう言って後藤は笑顔になった。
あたしに向けた久しぶりの笑顔。
カワイクてたまらない、あたしの大好きな後藤の笑顔が目に前にある。
後藤が嬉しいって言ってくれた事がとても嬉しかった。

その笑顔を見たとたんあたしの瞳から一粒、涙が零れ落ちた。
嬉しくて泣いたのってどれぐらいぶりの事だろう…?
あたしに嬉し涙を流させるのはきっと後藤だけだ。
こんなにも幸せな気持ちを教えてくれるのは後藤だけなんだ。

「や…市井ちゃん、泣かないで?」
あたしの涙を見て後藤はオロオロしだす。
「大丈夫…市井のも嬉し涙だから…」
そう言って今度はあたしから後藤に抱きついた。

「そっか〜もぉビックリした…ヨシヨシ♪」
後藤が優しくあたしの頭を撫でてくれた。
何だかそれが妙に可笑しくて噴き出しそうになった。
でもまぁそのおかげであたしの涙はすぐに止まったんだけどね。
123 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月24日(土)21時38分13秒
「後藤が後藤でよかった…」
あたしは後藤の肩に顔を埋めながら呟いた。
「ん?どういう意味なの?」
耳元から後藤の声が返ってくる。

「だからおバカな後藤でよかったの」
「なんだよ〜それ〜そりゃバカだけどさぁ」
やっぱ…カワイイなぁ…後藤は…

「アハハ後藤がいてよかったって事だよ」
「む〜よくわかんないけど…まぁ誉められたから良しとしよう」
そうだよ、最大級に誉めたんだよ。
だから後藤は…いつまでも…後藤のままでいてね…変わらないでね…

「…ほんと…後藤がいて…よかった…」
「?…ってことは市井ちゃんは倖せってことなの?」
何故かキョトンとした顔であたしを見て聞いてくる。

「そうだよ。倖せだよ」
当たり前じゃんって顔をしてあたしは微笑んだ。
「アハハ〜♪なら後藤も倖せだ〜♪」
後藤はにっこり笑いあたしに抱きついて胸に顔を埋めてきた。
しばらくそのまま抱きしめていたが…

124 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月24日(土)21時41分39秒
「…そっか!これが愛なんだ!?」
急に市井の腕の中からバッっと顔を上げて後藤が言う。
「何だよ?突然」
首をかしげながら後藤を見たけど…

「市井ちゃんが倖せなら後藤も倖せなんだ…そっかそっか…」
けど後藤は市井に焦点を合わさないまま一人で呟いていた。
「こら〜独り言はやめろよ〜」
少しスネたように後藤の肩を軽く揺らした。
「あっあのね、前にお姉ちゃんのマンガ読んでて『愛』についてこう書いてあったの、え〜と…」
そう言うと後藤はしどろもどろになりながらも一生懸命思い出した言葉を言った。

“愛とは思いやり。その人が倖せであることを心から願う事”
“そう思える相手に出逢えた人生に感謝する事”

125 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月24日(土)21時48分58秒
「後藤、わかったような気がする。最初…市井ちゃんへの恋する気持ちは自分の気持ちだけで精一杯で、
市井ちゃんの都合とか考えてる余裕があんまりなかった。けど今ね、市井ちゃんが倖せって言った時
後藤もめちゃくちゃ倖せ感じた!市井ちゃんが倖せなのがめちゃくちゃ嬉しいと思ったの。
変わったんだ!愛に。恋から愛に変わったんだよ

…どうして後藤は、こんなにもあたしを喜ばせるのが上手いんだろう…
後藤が倖せなのが市井も一番嬉しいに決まってるじゃないか。

「市井も後藤が倖せなのがめちゃくちゃ嬉しいよ。きっと市井の気持ちも変わったんだね。
後藤のおかげでちゃんと本当の愛情に変わる事が出来たんだよ。ありがとね…後藤…」
あたしがそう言うと後藤は本当に嬉しそうに微笑んだ。

「エヘヘ〜なんかこれってすごい事だよねぇ。自分の好きな人が自分の事を好きで
お互いがお互いの倖せを嬉しく思うなんてさぁ」
「ほんと…そうだよなぁ」

「これ程の倖せってないよ♪どうしようもしかして、あたし今すっごい顔ニヤけて変じゃない!?」
「アハハ、ニヤけててもカワイイよ後藤は。ほんと…カワイイなぁ後藤は…」
あたしは後藤の髪を撫でながら呟くとジッと後藤の瞳を見つめた。
徐々に視線を後藤の唇の方に落とす。
もしかしたら押さえきれない欲求が表情に出ていたのかもしれない。

後藤もあたしの視線に感ずいたのかニヤけてた顔が真剣な表情に変わった。
そしてあたしは頬に手を当てて軽く後藤の唇を指でなぞった。
あたしと後藤の視線が絡み合い…病室内はまた時計の秒針の音だけが響いていた。


〜続く〜
126 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月24日(土)21時54分46秒
>121さん
ありがとうございます。
お待たせしました、更新です♪

今回の話が一番苦労しました(泣)
変な所があるかも…申し訳ないです…
え〜っと次で最終話になります。
あとエピローグも一緒に上げる予定です。
エピローグではまた、よしこが沢山出てくると思います。
127 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月24日(土)22時19分37秒
よしこ♪よしこ♪
期待してます。
128 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月24日(土)22時21分40秒
ヽ^∀^ノ( ´ Д `)最高〜!!(嬉し泣き)
129 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月28日(水)23時19分26秒
>すなふきんさん
ありがとうございます♪
よしこ期待待ち!?動揺(ドキドキ)

>128さん
ありがとうございます!
か…顔文字可愛すぎです!マネして…(嬉し泣き)

え〜更新は今週中にはさせてもらいます(汗)
遅くてすいません。それとエピローグがちょっと
長くなりそうなので最終回とは別に上げます。
あと新しくできた銀版で連載始めました。
よろしければそちらもどうぞ♪(ラブコメっぽくしたいです)

130 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月29日(木)21時40分16秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−

『カチッカチッカチッ……』
静まり返った病室内に響く秒針の音。
互いの瞳に映る愛しい人の存在。
長い…長い沈黙の後、市井はかすれた声で後藤に問いかけた。
「…後藤、キスして…いい?」

潤んだ瞳で市井を見つめる。
二人のいる空間だけ時間が止まっているようだった。
顔を赤く染めながら後藤は首を縦に振った。
そして市井の唇がゆっくりと…ゆっくりと後藤の唇に近づいていく。
その瞬間に備え閉じられる二人の瞳。

愛する人との初めてのキス。
2人の唇がまるでパズルのピース同士みたいにぴったりと重なった。
ただ唇を重ねるだけのキスだけど、お互いの愛しさを唇から強烈に感じる。

きっと言葉では言い表せない程の倖せが今ここに溢れているだろう。
しかし市井が手を置いていた後藤の肩は小刻みに震えていた。
それに気づいた市井が後藤から唇を離した。

131 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月29日(木)21時41分55秒
「…イヤ…だった?」
不安そうに市井が聞くが後藤は首を横に振った。
「ううん違うの…あのね、意外に思うかもしれないけど…あたしファーストキスなんだよね(笑)今ので」
恥ずかしそうに照れ笑いで緊張をごまかす後藤。

「そっか…市井のために取っといてくれたんだな?(笑)」
理由が分かってほっとしたのか市井は後藤の頭を撫でながら笑った。
「アハハ♪結果的にはそうなっちゃったね〜でも…嬉しい…初めてが市井ちゃんとで
本当に嬉しそうにニッコリと微笑む後藤。
「市井も嬉しいよ。でも市井のファーストキスは裕ちゃんに奪われたからな〜」
市井は複雑そうな顔をして天井を見上げた。

「あたしは裕ちゃんから必死で逃げたよ〜『唇はやめて〜』『するならほっぺにして』ってね」
「アハハ!後藤の足の速さと腕力にさすがの裕ちゃんも手が出せなかったんだな」
「そうなのかな〜でもその分やぐっつぁんが犠牲になってたけどね(笑)」
「そのうち新メンバーの誰かが犠牲になるよきっと(笑)」
「辻ちゃん加護ちゃんあたりはやばいよね〜色んな意味で(笑)」

こんなに笑い合って話しをするのはお互いどれぐらいぶりだろうか。
ちゃんと瞳を見て話せて、手を伸ばせば届く距離にいる。
後藤はそれがたまらなく嬉しくて、市井におもいっきり甘えてみたくなった。

132 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月29日(木)21時43分03秒
「ねぇ市井ちゃん…ギュッて抱きついて…いい?」
後藤は少し恥ずかしさがあるのか遠慮がちに聞く。
そんな後藤の気持ちをさっして市井は優しい笑顔で答えた。
「そんなに改まって聞かなくても後藤ならいつでもOKだよ?」
市井は抱きしめやすいようにベッドに座って後藤を待ち受ける。
後藤は母親に甘える子供みたいに市井の背中に手を回し、おもいっきり抱きついた。

「エヘヘ〜幸せ〜
市井の肩に顔を埋めながら呟く後藤。
「後藤の体温…あったかいなぁ」
「どうせ子供だも〜ん」
市井には見えてないがちょっと後藤のほっぺたが膨らんでいる。

「バ〜カ、そういう意味で言ったんじゃないよ」
そう言いながら市井は軽く後藤の頭をポンとたたく。
「アハ♪わかってるよ〜…チュ
いきなり顔を上げたかと思うと後藤は不意打ちで市井の唇にキスをした。
自分からキスをしたくせに後藤の顔は真っ赤だった。

「!?…い…いきなりだなぁ」
市井は年上の意地なのか動揺を顔には出さない。
「エヘヘ市井ちゃんの唇もあったかいよ…セカンドキスも市井ちゃんとだぁ♪」
市井を見つめながらニコニコと嬉しそうに話す。

「…後藤がキスする相手はずっと市井とだけだよ…」
後藤の唇を優しく指で撫でながら、真剣な顔で見つめた。
「市井ちゃん……独占欲強いね(笑)」
「そうかもね(笑)後藤に関しては…」
後藤は嬉しくて…幸せすぎて涙が出そうになった。
愛されてるという実感が後藤を強くしていく。

(後藤は…これからどんなに辛い事があっても…ちゃんと乗り越えてみせるからね…市井ちゃん

133 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月29日(木)21時44分13秒

「そういや〜後藤、体大丈夫なのか?ごめんな…痛い思いさせて…」
少し体を離して申し訳なさそうな顔をしながら問いかける。
「ううん…あれ?そういえば…さっきから体平気になってる。アハ♪市井ちゃんのおかげかな?」
「ハハハ…市井は後藤にとって毒にも薬にもなるってわけだね」
市井次第で後藤の体が良くも悪くもなるという事に複雑そうな表情を浮かべた。

しかし当の本人は言葉の意味が理解出来なかったらしく見当違いな事を言い出した、
「えっ!?市井ちゃんの体、薬で出来てるの!?」
後藤の突拍子な発言にかなり驚いてる様子の市井。
「!?……(後藤って…ここまでボケボケなヤツだったかなぁ…)」

「よしこは魔法使いで市井ちゃんは薬人間?じゃあ後藤は何!?後藤も普通の人間じゃないのかなぁ…」
お得意の独り言でどこか違う世界に行ってしまったようだ…
「(ある意味…普通の人間じゃないかもね…教育間違ったかな…)」
市井が真剣に悩んでると、いつもの後藤の気の抜けた声が聞こえてきた。

「まっいっか!エヘヘ〜」
「(っておい!相変わらず切り換えはえ〜な…まぁ本当にどうでもいいけど)」
声を出してつっこみたかったが、もはやつっこむ気にもならなかった。
やっぱり少し教育を間違っていたようだ…
134 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月29日(木)21時45分14秒

「あっ市井ちゃん、時間大丈夫?結構遅いよ?」
病室内の時計の方を見ながら後藤は聞いた。時刻はもう十一時を回っている。
「そうだな、明日も早いし…そろそろ帰るかな」
「うん、離れるの寂しいけど…」
哀しそうな顔で市井を見る。

「そんな事言うなよ…帰りたくなくなるじゃん…」
市井も寂しそうに後藤のほっぺたをつつきながら言い返す。
「あっ…ごめん…仕事頑張ってね、後藤の分まで(笑)」
「おう!頑張るさ。…明日も来るからね」
市井は笑顔を浮かべながら後藤の髪をクシャクシャと撫でた。

「ありがと。じゃあね、おやすみ
「ゆっくり休むんだぞ?じゃあ、おやすみ」
そう言って市井はドアへと向かった…が、クルッと後藤の方を振り返り、そして…

“ちゅっ
優しく後藤の唇にキスをした。
「おやすみ♪『カチャ、バタン』」
頬を赤く染めている後藤を残して今度こそドアを開けて市井は病室を出ていった。

「…もぉ…市井ちゃんってば…キザだなぁ眠れなくなるよぉ…嬉しいけど(笑)」
しばらく市井とのキスの余韻に浸って一人でニヤけていたけど…
「あっそうだ!眠る前に送らなきゃ…」
何やらするべき事を思い出した様子の後藤。
ベッドから降りて、ソファーに置いてある自分のかばんの中からある物を取り出した。

「病院で使っちゃいけないけど、すぐ終わるから大目に見て下さいね〜」
後藤の手には携帯が握られていた。
手馴れた手つきでボタンを押していく。
「……ごっちんより♪っと…で〜きた♪送信!エヘヘ」
どうやら誰かにメールを送ったみたいだ。
「それじゃあ市井ちゃんにも言われたしゆっくり眠るとしますかね…おやすみ〜…zzz」

眠れなくなるとか言っておきながら驚異的な速さで眠りにつく後藤。
病室内から聞こえてくるのは時計の秒針の音と、規則正しい後藤の幸せそうな寝息だけだった。

135 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月29日(木)21時46分24秒

『プルルルル♪』
「あっメールだ…誰からだろう…」

その夜、自宅で後藤達の事が気になって眠れなかった吉澤の元に一通のメールが届いた。
最初、携帯の画面を食い入るように見つめていたが、すぐにその顔に笑みがこぼれた。

(アハハ♪良かったねごっちん…おめでとう♪…ゆっくり寝なよ。おやすみ…zzz)
安心したせいなのか吉澤はメールの画面を表示したまま気を失うように眠りについた。
携帯の画面を見てみると…


“よしこ〜いっぱい心配かけたけど市井ちゃんと両思いになれたよ♪色々ありがとね

“体の方も市井ちゃんと両思いになったら嘘みたいに元気になっちゃった(笑)”

“都合の良い体だよね〜(笑)あたし思ったんだ…よしこがいて良かった…ほんとに良かったって…”

“ほんとありがとね。大好きだよちゃんと顔見て言いたいけど…恥ずかしいからメールで許して

“じゃあ後藤は眠りま〜す!おやすみ〜♪大事な大事なよしこへごっちんより♪”


きっと…今宵はみんな良い夢を見られるだろう…
大事な…大事な人の事を思いながら…
おやすみなさい

〜エピローグTに続く〜
136 名前:マルボロライト 投稿日:2001年03月29日(木)21時52分36秒
という事で本編はこれで終了です♪
あんまり内容が無かったような…(汗)
次のエピローグで−SIDE A−は完結になりますので
もうしばらくお付き合い下さい。

>129
訂正:銀版→銀板
「市井と後藤のラブラブ旅行日記!?」
連載始めました♪宣伝したりして(^^
137 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月30日(金)14時33分12秒
いや〜ハッピーエンドは良いですね〜♪
後藤のラストのメールもいい感じでした。
エピローグも期待してます!
138 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月02日(月)00時50分18秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−
〜エピローグ−SIDE A−〜“恋が愛に変わった後に(前編)”

「うわぁ〜海だぁ〜!!」
後藤はそう叫ぶと一直線に海へと駆け出していった。
波打ち際で一人ではしゃぐ後藤を愛しそうに見つめる人物が二人。

「市井ちゃ〜ん!よしこ〜!早く〜♪」
後藤が両手を大きく振って二人を呼ぶ。
「元気だね〜後藤は(笑)」
「ほんとまだまだお子ちゃまですね〜(笑)」
二人は可笑しそうに笑いながら後藤を見つめた。

後藤が退院してから初めてのオフ。
この日後藤は市井と吉澤を誘って海の近くまで来ていた。

「も〜何で笑ってるの〜?いいもん!後藤一人で遊んでるも〜ん!」
笑われてた理由が分からなく、膨れっ面の後藤は一人波打ち際で遊ぶことにした。

「アハハ♪スネちゃいましたよ〜?」
「後藤はスネればスネる程カワイイな〜(笑)」
市井の顔はニヤけっぱなしだ。

「のろけですか〜?」
意地悪そうな顔をしながら吉澤は市井に聞いた。
「ん〜そうとも言うね」
後藤の事がカワイクてたまらないのか市井はあっさりと返す。
吉澤もクスクスと笑っていたが少し真面目な顔になり市井に話しかけた。

139 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月02日(月)00時51分54秒
「…少し話しませんか?」
「うん、あたしも話したい事ある。あそこ座ろっか」
二人は砂浜にある丸太の上に腰を降ろした。
夢中で砂の城作りに取り組んでる後藤を見つめながら二人は話し出した。

「…色々と吉澤には迷惑かけたね。あたしが素直じゃないばっかりに…
それと…後藤の事、支えてくれてありがとう…ってあたしが言えた立場じゃないけど(笑)」
苦笑いをしながらポリポリと頭をかく。

「いえ…あたしはごっちんに倖せになって欲しかっただけですから。それに…
ごっちんって何かほっとけないんですよね。世話を焼きたくなるんです(笑)」
無邪気に砂で遊んでいる後藤を見て二人から笑い声が漏れる。

「(笑)……あの日…後藤が倒れたあの日さぁ…市井は何で…何であんな事したんだろう…って
後藤の事傷つけたくなかったはずなのに、傷つける事しかできない自分は一体何なんだろうって」
吉澤はジッと市井の話に耳を傾けていた。

「…結局はさぁ自分勝手だったんだよね…後藤の気持ちを無視してさ…一人で勝手に色んな事考えて…
あの時の市井の気持ちには愛がなかったんだよね」
市井はただずっと、何とも言えない顔で後藤の方を見つめていた。

下を向きながら吉澤も今までの自分の考えを話し出した。
「あたし…ずっと疑問に思ってたんです。何で好きなのに気持ち隠しちゃうんだろう?って。
もしかしたら脱退しちゃうからじゃないかって思った事もありました」
市井は吉澤の言葉に一瞬驚いた顔になったが、手を横に振りながら笑いだした。

「アハハ、脱退するって理由だけだったら冷たくなんかしなかったよ。
それにもし今、脱退するとしても後藤とは別れる気はないしね」
「そうですよね…」
吉澤はほっとした表情で大きく息を吐いた。
140 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月02日(月)00時53分07秒
「でも…あの時の市井さんはごっちんの事を思って冷たい態度取ってたんですよね?それが間違ってたのか
正しかったのか、判断するのは難しいですけど…あたしもあの時カァーっとなって市井さんに
キレちゃったし…でも好きな人の為に自分の気持ちを犠牲にするのってなかなか出来ない事だと思うんです」

以前の様に市井を責める気持ちはもう吉澤にはなかった。
むしろ素人時代から抱いていた憧れが気持ちを大きく占めている。

「そんないいもんじゃなかったけどね…」
自分の行動は誉められたものじゃないと思っている市井の表情は複雑そうだった。

『キャ〜お城が崩れちゃう〜!あ〜んも〜何で〜!?』

二人の視線の先の後藤が一人で叫んでいる。
「…バカだなぁ、そんな柔らかい砂でお城作れるわけないだろう(笑)」
「そんな事知らないんじゃないですか?ごっちんは(笑)」
後藤を見ていると自然と笑みがこぼれる二人。

両手を前で組みながらポツリポツリと市井がまた話しだした。
「あのさ…吉澤…お願いがあるんだけど…聞いてくれる?」
市井は視線を後藤から吉澤に移した。

「???…はい、いいですよ。何ですか?」
吉澤は市井からこんな事言われるのは初めてで動揺したが、心良く返事した。
深呼吸を一つして少し間を置いてから市井はためらいがちに話しだす。
141 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月02日(月)00時55分26秒
「もし…もしさ…いつかあたしと後藤が別れなきゃいけない時が来たとしたらさ…」
「ちょ…!何言ってるんですか〜!?」
市井のいきなりな発言に吉澤の頭はパニックになった。

「いや、だからもしもの話だってば…」
市井は苦笑いを浮かべて吉澤をなだめる。
「もしもの話でもそういう事言っちゃダメですよ〜!」

「ん〜…でも未来の事は分かんないじゃん?あたしは後藤の側を離れる気は無いけどさ。
だからもし、そういう時が来たとしたらさ…吉澤…あんただけでも後藤の側にいてやってね」
真剣な表情で吉澤に話しかける。

「い…市井さん…?」
市井の真剣な顔に戸惑いを隠せない吉澤。

「…後藤にとって吉澤の存在ってある意味、あたしなんかより大きいと思うんだ。
後藤もそれには気づいてるだろうし…だから迷惑じゃなければずっと側にいてやってくれる?」
二人の間に張りつめた空気が漂う。

「…迷惑なんて…迷惑なんて思わないですよ!あたしもごっちんの側離れる気なんてありませんし。
でも…もし市井さんから別れるっていう場合ならその時は納得いく理由じゃないと怒りますからね?」
さっきの市井よりも真剣な表情で、言葉に力を込めて吉澤は市井の方を見た。

142 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月02日(月)00時58分02秒
「大丈夫だよ…ってそれに、市井から別れるって時は一生来ないだろうからさ」
吉澤の言葉に対しやたら自信を持って答える市井。
「未来は分からないって言ったのは誰ですか〜?(市井さんの考えてる事やっぱり良く分かんない…)」

「アハハ、だから後藤があたしを嫌いになったら、別れる時が来るからって事を言いたかったの」
笑顔で吉澤の頭を“ポンポンッ”っと軽く叩きながら市井は言った。
「ってそっちの方がありえない話だと思いますけど…」
普通は逆じゃないかと思ってしまう市井の言葉に思わず苦笑いを浮かべる。
「…それなら嬉しいけどね。まぁ今言った事心のどこかにしまっといて?そういう時が
来たら思い出してくれたらいいからさ」
伝えたかった事を言い終えて市井の心情はほっとしていた。

「わかりました。…そういう時が来ない事を願いますけどね(笑)」
「おっ?奇遇だな〜あたしも願ってるよ(笑)」
お互いに顔を見合って笑い合う。

「さてと…あんまり長いこと放っておいたらお姫さまがまたスネちゃうね」
市井がお尻をはらいながら立ち上がった。
「そうですね。行きましょうか?」
吉澤も立ち上がり後藤の方を見ながら言った。

「あっそうだ吉澤。ちょっと耳かして」
「ん?あっはい…」
「ゴニョゴニョ……」
市井が吉澤の耳元で何やらヒソヒソと話しをしている。

「…アハハ♪ハマリ役で怖いですね〜うちら。でも声ですぐバレるんじゃないですか?」
「いいんだよ、ウケねらいなんだから(笑)」
二人は小さい声で笑いながら、ゆっくりと後藤に近づいていった。


〜後編に続く〜

143 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月02日(月)01時02分36秒
>137さん
ありがとうございます。
ちょっとラストは安易だったなぁと作者は反省中(w

やっとエピローグに入れました。
でも長いので分けちゃいました(w
あと後半で完結ですのでどうぞよろしくお願いします♪
144 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月02日(月)01時08分38秒
140の上の文章読みにくくて申し訳ないです(反省)
145 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月02日(月)04時59分50秒
ついに、終わってしまうんですね。
残念ですけど、エピローグの後編、楽しみに待ってます。
146 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年04月02日(月)19時46分58秒
いちごまはやっぱイイっすね!!
幸せになって欲しいッス。
147 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月04日(水)20時02分03秒
恋が愛に変わるまで−SIDE A−
〜エピローグ−SIDE A−〜“恋が愛に変わった後に(後編)”

ゆっくり足音を消して後藤の視界に入らないように後ろから近づく市井と吉澤。
顔を見合わせてニヤリと笑って二人は頷いた。

「「お嬢さん。俺達といい事して遊ばない?」」

低い男みたいな声が後藤の後ろから聞こえた。
後藤は一瞬ビクッとしたが、振り向いてその人物を確認して笑いだした。
「アハハハハ〜!何〜二人とも!それにいい事ってアハハハハ〜!」
お腹を抱えて笑い続ける後藤。どうやら後藤のツボにヒットしたらしい。

「(おっウケたウケた)いい事っていったらあれだよなぁ?吉澤」
「(成功ですね)あれですよね〜?市井さん」
二人はニヤニヤして頷きながら顔を見合した。

「あ〜後藤を仲間はずれにしないでよ〜!」
ほっぺを膨らまして拗ねている後藤。
「アハハ!これだよ、これ!」
そう言う市井の手には木の枝が一本握られていた。

「枝なんかどうす…ん?…あ―――!!棒倒しだぁ〜!」
後藤の表情が笑顔に変わる。
「お〜!大正解♪棒倒ししよ〜ぜぃ!」
「うん!!」

148 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月04日(水)20時03分08秒

三人は服の袖を捲り上げせっせと砂山を作る。
「よ〜し、こんなもんでいっかな」
市井が砂山をポンポンっと軽く叩いて仕上げる。

「ねぇねぇ、後藤が棒立ててもいい?」
甘えん坊の声で市井と吉澤に問いかける。
「はいはいどうぞ。お姫様♪」
市井は微笑みながら後藤の方を見る。吉澤にも笑みがこぼれていた。

「何だよ〜お姫様って…」
後藤は口をとんがらせて市井に問いかけた。
「アハハ♪だってごっちん、マジでお姫様だもん!うちらの」
自分と市井を親指で指し嬉しそうに答える吉澤。

「じゃあ市井ちゃんとよしこは後藤の王子様なの???」
驚きで瞳を真ん丸くしながら二人を見回す。
「そうだよ、市井と吉澤は真希姫を護るナイトなんだよ」
市井と吉澤が真剣な表情で後藤を見つめる。

「な…何よ〜照れるじゃん♪」
市井と吉澤の男前コンビに見つめられ、顔を真っ赤にしながら照れ笑いを浮かべる後藤であった。


149 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月04日(水)20時05分23秒
「「「ジャンケン…ポン!ジャンケン…ポン!…」」」

「じゃあ、市井、後藤、吉澤の順で始めるぞ」
「ぜ〜ったい負けないもんね〜♪」
「何か市井さん…こういうの強そうだなぁ…」
「へへん♪市井は棒倒し負けた事ないよ」
「やっぱり…」

「市井から始めるぞ…よっ!まぁ最初はこんぐらいで」
砂山の周りを軽く取り除く市井。
「ごっちんいきま〜す♪ほへっ!ありゃ少なかったかな?」
後藤は市井よりやや多めに砂を取り除いた。
「ほへって何だよ〜ごっちん(笑)笑って手が震えるじゃん…えいっ!」
吉澤は必死で笑いをこらえながら砂を取り除いた。

「よ〜し!市井は勝負に出よう…とりゃっ!」
「あ――!市井ちゃん!そんなに取んないでよ――!!」
「いいじゃんかよ、まだ砂はだいぶ残ってるだろ〜?」
市井が取り終わった後、最初より半分以下になった砂山。

「も〜…えいっ!」
「あ――!ごっちん!!そんなに取るなよ――!!!」
「エヘヘ♪ごめんね〜よしこ♪でもまだ砂残ってるよ?」
「ほとんど無いじゃん!っていうか絶対倒れるってこれ!」
明らかに原型を留めてない砂山…というか砂…良く後藤は倒さなかったと感心してしまう程のものだった。
やっぱり後藤は強運の持ち主なのだろうか…

「わかんないぞ?やってみなきゃ。がんばれ!吉澤〜(笑)」
無責任に笑いながら、吉澤に皮肉のエールを送る意地悪な市井。
「も〜…そ〜っと……あ―――――!!」
神経を集中させるも案の定、棒を倒してしまった吉澤。

「アハハハッ!よしこの負け〜♪」
「まだまだ甘いね〜♪吉澤」
「も…もう一回やりましょ〜!」
棒倒しの闘いはその後、五回続いたらしい…
150 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月04日(水)20時06分23秒
棒倒しを目いっぱい堪能した後、三人は他愛のないお喋りに夢中になっていた。
楽しい時間というものはあっという間に過ぎていくもので、陽も先程よりだいぶ傾きかけている。

「ふ〜喉渇いたなぁ…何か飲み物でも買ってこようか?何がいい?」
そう言って立ち上がると市井は二人に問いかけた。
「あ〜市井ちゃん!一人で行っちゃダメ!三人で行こう!」
後藤は子供のように市井の服の袖を引っ張る。

「はいはい、わかりましたよ〜」
言葉とは裏腹に優しい笑顔で後藤の頭を撫でてあげる。
「そうですね〜みんなで行きましょうか」
吉澤もお尻の砂をはらって立ち上がった。

「イエ〜イ♪手ぇ繋ご〜♪」
そう言って後藤は2人の間に入り市井の左手、そして吉澤の右手に手を繋いだ。

「えへへ〜大事な人で両手が塞がるのって倖せだ
右を向けば愛する市井がいて、左を向けば大事な親友の吉澤がいる。
ふと吉澤の方を向いた時、後藤は思った。

(…よしこにも早く大事な人が見つかるといいなぁ。そしてその人を加えて四人で
こうやって手を繋ぐんだ。そしたら後藤、何も言う事ないぐらい倖せな気持ちになれるよ、絶対)

そう思いながら後藤は吉澤を見て話しかけた。

151 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月04日(水)20時07分57秒
「ねぇ…よしこ?」
「ん?なあに?」
優しい声で吉澤が聞き返す。

「…いつかよしこの左手と手を繋ぐ、大事な人が出来たらちゃんと言ってくれる?」
少し不安そうに吉澤に問いかける後藤。
「もちろんだよ!あっ…ん〜…でも今は…この右手で十分かな?」
笑いながら後藤と繋いでる右手を後藤の顔のあたりまで上げる。

吉澤の発言に静かに二人の話を聞いていた市井が会話に参戦してきた。
「お〜後藤、アプローチかけられてるぞ(笑)どうすんだ?」
冗談まじりで後藤の顔を見ながら市井が話しかける。

「アハ〜どうしよ〜(笑)よしこに乗り換えよっかな〜?」
後藤にしては珍しくこういう話に乗ってきた。
「あたしは良いよ〜色々と(笑)」
吉澤は意味ありげな顔(ニヤけてるだけ?)で後藤を誘惑しようとする。
「何だよ色々って(笑)」

「アハ♪なんだかよくわかんないけど素敵!よしこ〜♪愛してる〜ごめんね〜市井ちゃん(笑)」
笑いながら市井の手を離し、吉澤に抱きつく後藤。
「あたしも〜ごっち〜ん♪愛してるよ〜ごめんなさ〜い♪市井さん(笑)」
吉澤も市井に笑いながら謝り、おもいっきり後藤を抱きしめる。

「って市井を除け者にするなよ〜(泣)」
一人取り残された市井が泣きマネをしながら二人を見る。
「「アハハハハ〜♪」」
市井の言葉と顔が面白かったのか、後藤と吉澤は顔を見合わせて爆笑している。

「こんにゃろ〜待て〜!市井も仲間に入れろ〜♪」
「「キャ〜」」
「「「アハハハ〜♪……」」」
浜辺で無邪気に追いかけっこをする三人。
寄せては返す波の音の中にいつまでも…いつまでも三人の笑い声は響いていた。

「もぉ〜市井ちゃんもよしこもダ―――イスキエヘヘ♪」



      出演者:後藤真希 市井紗耶香 吉澤ひとみ 
          
保田圭  中澤裕子  石川梨華 
          矢口真里 安倍なつみ 飯田圭織

 Special Thanks:一度でも読んで下さった読者の皆様方


〜Fin〜
152 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月04日(水)20時18分43秒
うわ〜最後の最後にやっちゃった…圭ちゃん達の名前ズレちゃいました

>145さん
ありがとうございます!
ついに最終話です。読んでもらえると嬉しいです♪

>アリガチさん
いつもいつも本当にありがとうございます。
アリガチさんの話も楽しみに読んでますので頑張って下さい♪

え〜っと何とか話を終える事が出来ました。
読み返すとヘタすぎて恥ずかしいんですがなんせ初挑戦だったもんで(言い訳)
今回で「恋が愛に〜」はお終いです。最初は−SIDE B−を
次に書こうと考えていたのですが今の作者の腕じゃ無理に近いと悟ったので
しばらく、もしくはずっと封印しておきます。
この後このスレでは短編集みたいな話を書いていこうと思っています。
また、お世話になると思いますがよろしくお願いします。
153 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月04日(水)20時37分06秒
よかったよ、本当に。幸せな3人を見てるとこっちも幸せな気持ちになるね。
もっと、こういう小説が読みたいね。引き続き短編集もがんばってください。
154 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月05日(木)04時59分43秒
作者さん、お疲れさまでした!!
最高のハッピーエンドでした。
短編集の方でもぜひ、いちごまを出してやって下さい。
155 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月05日(木)06時16分13秒
何でこういうときに、あちこちで、精神補完してくれる作品があがるのだろうか。
自然の摂理か、作者さんたちのやさしさか。(涙
最後にこの作品を読ませていただいてありがとう。
156 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月05日(木)16時04分09秒
まきまりどこかで書いてください。でも長編希望なんでこのスレじゃだめですよね?
機会があればでいいのでぜひまきまりお願いします。
157 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月05日(木)16時07分12秒
まきまりどこかで書いてください。でも長編希望なんでこのスレじゃだめだと思いますが
機会があればでいいのでまきまりお願いします。
158 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月05日(木)19時31分19秒
>153さん
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
この小説で幸せな気持ちになってもらえれば作者はそれだけで幸せです(^^
短編集も書き溜めてから徐々に載せていきたいです。

>154さん
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
ハッピーエンド喜んでもらえてめちゃ嬉しいです(^^
たぶん短編集もいちごまが多くなると思います!

>155さん
最後まで読んでいただいてありがとうございます!
もしや青板のあの小説で鬱になってたのでしょうか?
この小説で精神補完してもらえたなら嬉しいです(^^
私も白板の某小説でめちゃハッピーになれました〜!

>156さん
157さんも同じ人かな?ありがとうございます。
まきまりですか…考えてはいるんですけどね。
たぶん短編だったらここでいつか書くと思います。
159 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月05日(木)23時51分13秒
おおっと完結してたんすか!
市井と吉澤の「お嬢さん。俺達といい事して遊ばない?」最高でした(w
二人はカッケーね。ごまもメチャメチャ可愛いし。
マジ幸せな感じでメチャメチャよかったっす
160 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月07日(土)23時27分42秒
>159さん
ありがとうございます!
おかげ様で無事完結いたしました。
最初エピローグは考えてなかったんでエピローグがなければ
市井と吉澤のそのセリフもなかった訳で喜んでもらえて書いた甲斐がありました。
最後はほのぼのと終わりたかったんで喜んでくれる人が多くて良かったです(^^

え〜っとついさっき思いついたばかりの短編を早速載せたいと思います。
短編ですので短いです(←当たり前!)でも2回に分けます。
では短編集第1弾スタ〜ト!
161 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月07日(土)23時30分38秒
〜I WISH〜In Hamilton Island


『ん―――――うぇ―――ん!!うぐっ…ひっく…うっ…』
泣き叫ぶあたしの頭を優しく撫でる温かい…優しいその手…

『うぐっ…うぇ〜ん………頑張ってね!』
『…ありがと』
一瞬見せたあなたの寂しそうな表情…でもすぐに穏やかな表情に変わった。

『絶対…戻ってくるんだからね!!ひっく…うぐっ…』
『おう!戻ってくるよ!!』
そしていつもの力強い自信満々のあなたの声。

『ありがとう…』
花束を渡して、あたしは顔をうつむけるしか出来なかった。
けどあなたはあたしの体を抱き寄せて、耳元でそっと囁く…

『泣くなよ…バカ』

ごめんね…最後の最後に泣いちゃって…
でも…笑って送り出す事なんて出来ないよ。
だって寂しいもん…あなたが側にいないと寂しいんだもん。

162 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月07日(土)23時34分34秒
――――――――
――――――
――――
――

ここは…ん?飛行機の中?あっ…そうか、オーストラリアに行くんだったっけ…
シドニーオリンピックでの日本選手の応援の為に。

あれっ?頬が濡れてる…涙?何で泣いてたの?あたし…
何か懐かしいような…けど、とても寂しい夢を見ていた気がする。

――9月23日。あたしは今日で15歳になった。

けど…誕生日っていっても子供の頃みたいにパーティーをするわけでもなくて…
今日は1日コンサートで忙しくて自分でも誕生日だって事忘れてたぐらいだ。

それでもコンサートが終わった後に、メンバーが内緒でケーキとプレゼントを用意してくれて。
こうゆう事があるとやっぱり…仲間っていいなぁって改めて思う。
でもその後が大変。感動に浸る間もなく次の仕事の為に大急ぎで移動。
空港に着いて飛行機に飛び乗って現在に到る訳です。

今日は飛行機の中で1泊するからメンバーのみんなはもう寝てる。
あたしも疲れてるから再び深い眠りにつく事にした。
こうしてあたしの誕生日は何の変化もなく終わりを告げた。
163 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月07日(土)23時37分20秒
オーストラリアに着いて、まずは女子マラソンの応援&観戦。
生まれて初めて見る生のオリンピックに金メダルのおまけつき。

続いてシンクロナイズドスイミング。
華麗な演技に瞳を奪われているとこちらも銀メダル。
観戦してる合間にはテレビの収録もあって色々大変だった。
感動しなかったって言えば嘘になるけど…でもどこかあたしは心から喜べなかった。

その後は写真集の撮影も兼ねてハミルトン島に移動。
写真集の撮影、本当は気分乗らなかったんだけどこれでも一様プロだからさ…
顔には出さないで上手く誤魔化した。

写真集の撮影が終われば1日だけオフがあってその後は帰国。
オフは嬉しいけど…最近スケジュールきつかったから遊ぶ元気あんまりないんだよね。

164 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月07日(土)23時40分48秒
夕食後、1人部屋でボ〜っと考え事をしていた。
考え事というよりは、気になってる事があるって言った方が正しいかも。

何だかハミルトン島に来てからメンバーの態度がおかしいんだよね…
ちょっとよそよそしいっていうか…もしかして後藤苛められてる?
さっきも御飯食べた後、みんなでコソコソ話してたし。
なんだろ〜な…後藤、隠し事とかされるの好きじゃないんだよね。

「ふぅ〜…なんかヒマだなぁ…」
ベッドに寝っ転がって溜息をつく。う〜ん…歌でも歌うかな…

「ひとり〜ぼ〜おっち〜で少し…たいく〜つ〜な〜よ〜る…私〜だけが〜淋し〜いの?Ah〜Uh…」
ハハハ…この歌何だか今の後藤の気持ちと同じだ…

何でこんなに寂しいんだろう…最近メンバーと騒いだりしてもどこかやるせない気持ちになる…
でも…その答えは分かりきってるんだ…考えないようにしてるだけで。
けどやっぱり心の中で話しかけてしまう相手がいる…


―――ねぇ…後藤15歳になったんだよ?
―――初めてあなたと出逢った時の、あなたの年齢と同じ15歳に…

話しかけても返事はない…当たり前か…

165 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月07日(土)23時44分00秒
『コンコン!』
突然あたしの部屋のドアをノックする音が聞こえた。
ん?誰か来たのかな?あたしは重い腰を上げてドアへと向かった。

「はぁ〜い、誰ですか〜?」

けど声をかけてもドアの向こうからの返事はない。
何だよ…加護、辻あたりの悪戯かな?
そう思ってあたしは勢い良くドアを開けた。

『ガチャ!』

あれっ?やっぱり誰もいない…何だよ…いったい。
不機嫌になってドアを閉めて部屋に戻ろうとしたんだけど
ふとあたしの足元に封筒が落ちてる事に気がついた。

「後藤真希様…差出人は…?M娘。+1?」

M娘。ってどう考えても…モーニング娘。だよね…
でも…+1って何?

とりあえずあたしは封を切って、中の手紙を取り出し読んでみた。

166 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月07日(土)23時47分22秒
―――後藤真希様

―――この手紙を見つけて読んでいるのなら話は早い。

―――今からこのホテルの前のビーチに来て下さい。

―――そうすればきっと今宵はあなたの願いが叶うでしょう…

―――ではお待ちしております。

―――M娘。+1より…


あたしの願い…?叶う…?
みんないったい何を企んでるの?


〜次回へ〜

167 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月07日(土)23時49分22秒
なんか思いつきで書いたから変な文章かも…
短編なのでコメントは終わってから書きますね。
168 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年04月08日(日)01時28分54秒
レス書いていいのだろうか?
と、とりあえず、SIDE A終了おめでとうです!(遅)
やっぱ幸せな結末っていいなー(笑)
そして、早くも短編開始ッスか!
+1ってもしや!!(期待)
169 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月09日(月)03時20分20秒
あ、すげー面白そうな感じ。
期待してます
170 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月09日(月)04時03分36秒
うあ〜!!なんていいところで切るんだ作者さ〜〜ん(笑
わかっていても、期待してしまいます、+1の娘に!!
171 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月10日(火)23時58分55秒
〜I WISH〜In Hamilton Island

あたしの願い…?叶う…?
みんないったい何を企んでるの?

今日のメンバーの様子からして知らない人の悪戯ではないよね。
きっと娘。のメンバーがこの手紙書いたんだと思う。

けど…あたしの願いが叶うって…
あたしの願いをみんな知ってるって事?あたし誰にも言ってないよ?
だって…この願いはまだまだ先まで叶うはずないんだから…

でも…それより気になる事が…+1ってどういう意味なの?
なんだろうないったい…ドッキリ?はぁ〜…
とりあえず行ってみますか…みんな待ってるみたいだから。

あたしはキャミソールの上にブラウスを羽織って部屋を出た。

172 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時00分01秒
このハミルトン島は自然が多くて電気などの灯りが少ないから夜になると
ものすごい数の星が見える…はずなんだけど…?
ホテルから外に出るとビーチへと続く道はものすごいライトアップされていた。

あれ?さっき夕食後、部屋に戻る途中で窓から見た時は真っ暗だったのに…
何でだろう?も〜せっかくの星が見えないじゃんよ〜…
あたしはふてくされながらビーチへと歩いていった。

眩しいくらいのライトの光と暖かい炎がビーチを照らしている。
ビーチにはやっぱり娘。のメンバー9人が勢ぞろいしていた。

「おっ!主役のごっちんのお出ましだ」
主役?やぐっつぁんは何を言ってるの?

「ねぇみんな…これはいったい?何が始まるの?」
今から何が起きるのか…あたしにはまったく想像できなかった。

173 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時01分10秒

「今日はうちらからごっちんにバースデイプレゼントがありま〜す!!」
やぐっつぁんは両手を広げてニコニコしている。
「えっ…だってみんな23日にちゃんと祝ってくれて…プレゼントも貰ったよ?」
そう…ここに来る前にちゃんと貰ったはず…

「でもこれは今日しか渡せない、とっておきのプレゼントなんだよ?」
何で今日だけなの?なっち…
「ビックリして腰抜かすなよ?」
腰抜かしちゃうの?圭ちゃん…ドッキリ?

「それとごっちん、プレゼントが分かるまで後ろ向いちゃだめだよ絶対!」
よしこの言葉に訳が分からないながらもあたしは頷いた。

「それじゃ〜ライト消して〜!」
裕ちゃんの掛け声と共にホテルまでの道とビーチを照らしていたライトが消えた。
辺りは炎の灯りだけになり夜空には無数の星空が広がっていた。

「うわぁ〜…綺麗…すごい星がいっぱい…」
思わずあたしの顔に笑みが零れる。
あまりにも綺麗な星空だったから、またあたしは心の中であの人に話しかけた。

―――ねぇ…あなたが今いる国でもこんなにたくさんの星が見える?
―――あなたと一緒に…この星空を見たかったなぁ…

あたしはみんなの方を見て声をかけようとしたんだけど…
みんなは何だかニヤニヤしてあたしをジッと見ているだけだった。
な…何だ?やっぱりドッキリかなんかなの?
訳分かんなくなってあたしはメンバーの所に歩み寄ろうとした。その瞬間…
174 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時02分23秒

『ガバッ!』

突然あたしの後ろから誰かが抱きついてきた。

な…何!?誰!?ちょっとみんな助けてよ〜…あれ?
そういえば目の前にはメンバーちゃんと9人いるよね…

じゃあ…あたしの後ろにいるのはいったい…

あたしの頭の中はパニックになっていた。
けど、後ろの人物の声を聞いてあたしの頭の中は真っ白になった。


「…だ〜れだ?」

!!!!!!!!!

えっ?…ウ、ウソだ…ウソだよね?
こんな所にいるはずないよ…だって…あの人は今…遠い所に…

でもこの香水の香り…あの人がいつもつけていた忘れられないこの香り…
そして何より…間違えるはずがない…この声…今までずっと側で聞いていたこの声は…

何で…?どうしてここに…?

あたしの瞳からは涙が勝手にボロボロと零れてくる。
その涙はあたしの頬を伝い…そして…あの人の腕に零れ落ちていく。


「泣くなよ…バカ…」


あっ…あの時と同じだ…少し不器用な言葉。でも何より優しいその声…

ただ…あの時と違うのはみんながあたし達を見て微笑んでる事。
そして…あたしはまだ…あなたの顔を1度も見てない…

どうしてここにいるのか…そんな事、もうどうでもいい…

呼んでいい?あなたの名前を呼んで…抱きついてもいいの?
あの頃と同じ様に…あなたの胸に飛び込んでも、ちゃんと受け止めてくれる?
175 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時03分52秒
「…うぐっ…うっ…いち…い…ちゃん……いち――ちゃん!!」

あたしは後ろを振り返っておもいっきり抱きついた。

「ふぇ〜ん…いちーちゃん…うぐっ…」
「…相変わらずだな〜後藤は(笑)」

「ひっく…うっ…」
「そんなに泣いたら加護や辻に笑われるぞ?」

「うっ…ど…どうせ…ひっく…子供だもん…うっ…後藤は…」
「もう15歳になったんだろ?」

「…覚えててくれたの?…うぐっ…」
「当たり前だろ?何の為にここにいると思ってんだよ(笑)」

「そういえば…どうしてここにいるの?市井ちゃん…イギリスにいるんじゃ…」
「後藤に…会いたかったからだよ…」

「えっ!?」
「…アハハ!顔真っ赤になってやんの!カワイイ奴め〜

「も…もぉ〜からかわないでちゃんと教えてよ〜いちーちゃんのバカ〜
「バカって言うなよ〜まぁ細かい事気にすんな(笑)」

話は尽きる事はなかった。
いっぱい話したい事あったけど、結局くだらない話ばっかりしてしまった。
176 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時05分08秒
あたし達の側にいたメンバーが何か話してる。
けどあたしは市井ちゃんと話すのに夢中で(笑)よく聞こえなかった。

「プレゼント喜んでもらえたね!」
「そやな…大成功やな。最近元気なかったからなぁ後藤は…」
「ハハ♪でも久しぶりに見たよ、泣き虫&甘えん坊のごっつぁんを」
「新メンバー入ってから末っ子じゃなくなって…甘えんようになったしな」
やぐっつぁんに裕ちゃん…

「でも何かこの方が後藤らしいと思わない?」
「そうだよね(笑)ごっちんって感じがするよ」
圭ちゃんになっち…

「「あんな後藤さん初めて見ました…」」
「そう?まっあれも後藤って事だよ。圭織達は見慣れてるけどね」
辻と加護に圭織…

「なんか…いいなぁ…あの2人の関係。ねぇヨッスィー?」
「そうだね、羨ましくなるよね…」
梨華ちゃん…よしこ…

みんな…プレゼントありがとう…
穏やかな空気がみんなの周りを優しく包み込んでいた瞬間だった。

177 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時06分27秒
でもその後はもぉ大騒ぎ(笑)
みんなで歌って踊って…モーニング娘。に捧げるモーニング娘。のライブって感じだった。

『日〜本の未来は(Wow×4)世〜界がうらやむ(Yeah×4)…』
『SEXYビ―――――ム!!!…』

……………………

「初代プッチの『ちょこっとLOVE』聞かせて〜」
『マル、マル、マルマルマル!フ〜!』

「久しぶりにメガネ〜ズが見たい!『乙女の心理学』歌って〜」
『千葉県好きですか〜?…私は暗いですか〜?』

「よっ!姉さん待ってました〜!『カラスの女房』」
『一生このまま〜待つだけ〜の電信柱でい〜いからさ〜…』

……………………

「ハァハァ…そろそろ夜遅なってきたからあと1曲でホテル戻ろか」
裕ちゃんが息をきらせながらみんなに問いかける。
「そうだね、じゃ〜何歌う?」
やぐっつぁんの言葉にみんな何を歌うか考えだす。
そんな中、みんなを見て市井ちゃんが提案を出した。

「ねぇねぇ新曲出たんでしょ?聞かせてよ市井に」
メンバーのみんなは顔を見合わせた。
「よ〜し!じゃ〜ラストの曲は紗耶香に捧げよう!」
圭ちゃんの言葉にみんな大きく頷いた。

「それじゃ〜市井ちゃん、聞いて下さい『I WISH』」
178 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時07分47秒
『ひとり〜ぼ〜おっち〜で少し…たいく〜つ〜な〜よ〜る…私〜だけが〜淋し〜いの?Ah〜Uh…』
後藤はもう…さっきまで感じてた淋しさなんか…吹き飛んだよ…

『人生ってすばらしい〜ほら誰かと〜出会ったり恋をしてみたり〜…』
ほんと(笑)素晴らしいよね。だって市井ちゃんと出逢えたんだからさ…

『晴〜れの日があ〜るから〜そのう〜ちあ〜めも降〜るイェイ…全ていつ〜か納得で〜きるさ〜』
昨日があるから今日がある…今日があるから明日がある。そうだよね…うん納得!

『で〜も〜笑顔は〜大切にした〜い…愛す〜る人〜の為〜に〜…』
市井ちゃん…後藤も笑顔を大切にするよ!市井ちゃんの為に…

……………………

「『パチパチパチ♪』良い歌だね…感動した」
市井ちゃんの言葉にみんな笑顔になる。

「よっしゃ!ほなホテル戻るで〜」
こうしてあたし達11人は興奮冷めやらぬままホテルへと戻っていった。

…その夜、あたしは久しぶりに市井ちゃんと一緒に眠りについた。
眠りにつく途中、囁くような市井ちゃんの声が聞こえた気がした。

「…また一緒に歌お〜な、後藤」

そしてあたしは夢も見ない程の、深い…深い眠りの中へ…
179 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時08分38秒
――――――――
――――――
――――
――

次の日、大急ぎで市井ちゃんはイギリスへと戻って行った。
またしばらくの間、市井ちゃんとは逢えなくなる…けど、もう淋しくなんかないよ?

だって…あたし後藤真希の“I WISH”は…
日本から遠く離れたハミルトン島の星空の下で叶ったから…

それは…またこうやって市井ちゃんと一緒に歌えた事…
そしてあの頃よりももっと上手くなった市井ちゃんの歌声を聞けた事。

けど…後藤の“I WISH”はきっと、またすぐに叶うよ…
その時まで待ってるからね?
市井ちゃんが戻ってくるまで、日本で待ってるから…


〜Fin〜
180 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月11日(水)00時21分36秒
>アリガチさん
ほんといつも読んで頂いてありがとうです♪
幸せな結末は大好きですから(w
短編もこれから色々始めますのでよろしくです♪

>169さん
ありがとうございます!
短いかもしれませんが最後まで読んでもらえると嬉しいです(^^

>170さん
ありがとうございます!
短編なのでそこで切るしかなかったんです(w

短編第1弾はこれで終了です♪短いかな?
初めてなので長さが分かりませんでした…
何だか+1の人物はバレバレのようで(当たり前でしょ!)
この話で心がけたのは次の1点だけなんです。

それは後藤が市井の存在に気づくまで絶対”市井”という名前を書かない事。

だから途中まで”あなた””あの人”という呼び方しか出てこないんです。
でもまぁ冒頭の文でバレバレだと思いますが(w
また次の短編出来上がったら載せますね〜(まきまりも書いてみたい)

181 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月11日(水)00時39分49秒
とってもうれしい。
182 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年04月11日(水)01時04分42秒
ぬおー!やっぱし、いちごま最高ー!!
長さはちょうどいいと思いますよー。
次回作も頑張って下さい!
183 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月11日(水)01時17分24秒
分かっていてもハッピーエンドは嬉しい
184 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月11日(水)04時17分56秒
最高のハッピーエンドでした!!
やはり、いちごまはベストカップルですな!!
185 名前:ぷち 投稿日:2001年04月11日(水)14時50分38秒
お疲れ様です♪
やっぱ、いっすねぇ・・・いちごまは・・・・
186 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月14日(土)17時49分51秒
>181さん
ありがとうございます!
喜んで頂けたみたいで(^^

>アリガチさん
毎度どうもです(^^
自分はいちごまが1番書きやすいんですよ〜
でも次回は誰にしようかな?(w

>183さん
ありがとうございます!
ハッピーエンドもバレバレなのかな?(w
まぁハッピーエンド大好きって断言してましたしね(w

>184さん
ありがとうございます!
いちごまは自分の中でもベストカップルです♪

>ぷちさん
ありがとうございます♪
喜んでもらえると嬉しいですね(^^

え〜っと今また話を考えてるのですが
たぶん次はいちごまじゃないと思います(期待してる方すみません…)
でも作者はごま好きなのでごまは出てくるでしょう。
市井ちゃんは後藤以外で絡ましたくないんで…書き上がったら載せますね。
187 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月15日(日)13時23分34秒
―SIDE B―も期待しています。
188 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月16日(月)17時37分41秒
次も期待してます。そういえば、まきまり、いつかやっていただけるんですよね?
楽しみに待ってます。
189 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月16日(月)19時02分41秒
自分もごま好きなので期待してます!!
190 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月17日(火)04時00分36秒
ごま小説大好きですので、他のメンバーとの組み合わせも楽しみにしてます。
でも、最終的にはやっぱり、市井ちゃんに戻って来てあげて下さいね!!(w
191 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月17日(火)23時01分02秒
〜年下の女の子(前編)〜


「ハハハ♪のの〜!」
「亜依ちゃんおもしろ〜い!」

ハァ…今日も楽屋はこの2人のせいでウルサイ…
にぎやかなのは好きだけど、こうも毎日ウルサイとちょっとねぇ。
あたしもあんなにうるさかったのかな〜13歳の頃は…いや、静かだったはず…

今はコンサートのリハーサルを終えてしばらく休憩中。
まだ本番まで結構時間があるのであたしは楽屋でのんびり過ごしていた。
今、楽屋にいるのはあたしと圭ちゃんとよしこのプッチモニと、加護&辻のお子様コンビ。
他のメンバーはステージで喋ってたり空部屋で本を読んでたりと様々だ。

「「前〜にアイ〜ン!後ろにアイ〜ン!」」
「「た〜の〜し〜い〜な〜アイ〜ン!!」」

のんびり過ごしているプッチモニの3人とは対照的に騒ぎまくってる加護と辻。

192 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月17日(火)23時01分59秒
「ハァ…元気だねぇあの2人は…コンサートまでに体力残しとけよ…」
溜息をつきながら圭ちゃんがボソっと呟いた。
「圭ちゃん年寄りくさいよ?その言い方は」
「だってもう20歳になっちゃったしねぇ…」

「保田さん、中澤さんが聞いてたら怒られますよ?」
「やばっ!…裕ちゃんいないよね?」
「アハハ♪いないよ安心して」

あたし達プッチモニは娘。の中でもはしゃいだりしない方なので
いつもあの2人の行動には圧倒されっぱなしだ。

あたしはちょっと視線を加護達の方に向けた。
少し、はしゃぎ過ぎたらしくさっきよりテンションは落ちていた。

「亜依ちゃん、ののお手洗いに行ってくるね」
「うん、いってらっしゃ〜い!」

そう言うと辻は楽屋を出ていった。
ヤバイ…加護が1人になったら矛先がこっちに来る予感…

193 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月17日(火)23時03分07秒
「後藤さ〜ん♪後藤さ〜ん♪」
やっぱりね…いつものように加護があたしに駆け寄ってくる。
「はいはい、なあに?加護ちん」
あたしは加護の頭を撫でながら答えた。

「後藤さん“チュウ”しましょ〜
おいおい…いつからそんなキス魔になったの?

「何言ってんの〜ヤダよ〜」
「いいじゃないですか〜減るもんじゃないですし〜」
加護はあたしの服の袖を掴んで甘えてくる。

「そういう問題じゃないでしょ?」
「大丈夫!“チュッ”ってするだけですから、すぐ終わります♪」
何故だかとても嬉しそうに加護はそう答えた。

「あんた…裕ちゃんに似てきたね…」
少し呆れぎみであたしは呟く。
「ヘヘヘ♪ありがとう〜ございます!」
「誉めてないよ…も〜…」
どうしたもんかねぇ…まぁ無邪気でカワイイんだけどね。
194 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月17日(火)23時04分09秒
「加護は後藤さんとキスしたいです。後藤さんは加護とキスするのは…イヤ…ですか…?」
うっ…どこでそんな上目遣い覚えたの?カワイイ…

「絶対イヤって訳じゃないけど…他のメンバーじゃダメなの?」
「はい、ダメです!加護は後藤さんが好きだから後藤さんとキスしたいです!」
好かれてるのは嬉しいけど、こうゆう時に限って強気なんだよなぁ…加護は…

「圭ちゃんとヨッスィーもいるじゃん…?」
あたしは2人の方を指して加護に言った。すると…

「保田さんごめんなさい。ヨッスィーもごめん、イヤです」
ご丁寧に頭を下げて加護は断った。こらこら…

「ちょっと〜失礼ね〜」
あっ…圭ちゃんちょっと膨れっ面だ…
「何気にキツイね〜加護ちゃん…よしこちょっとショック…」
言葉の割にはショックでなさそうな顔のよしこ。

「だって加護は後藤さんがいいんです!」
だだっこみたいに両手を振り回しながら力強く答える加護。
「う〜ん…そう言ってくれるのは嬉しいけどね…どうしよっかなぁ」
あたしは頭をポリポリとかきながら首をひねった。

「どうしたらキスさせてくれます?」
そうだなぁ……

195 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月17日(火)23時05分12秒
「ん〜……じゃあ牛乳が飲めるようになったら…かな?」
ちょっと意地悪かな?でもこれくらい出来なきゃ大きくなれないぞ。

「そんな〜…加護が牛乳飲めないの知ってますよね〜?」
ハハッ…やっぱり泣きそうな顔になってるよ。

「知ってるから言ったんだよ〜牛乳は体に良いから頑張って飲めるようになりなね」
「イヤです〜!今キスしたいです〜!!」
ほんとにだだっこだなぁ…加護は…

「だから、牛乳飲めたらいくらでもさせてあげるじゃん」
「えっ!?いくらでもしていいんですか?」
あたしの言葉に急に笑顔になる。現金だなぁ…

「まぁ限度はあるけど…」
「よっし!!頑張って飲むぞ〜!!」
切り換え早いなぁ…そんなにキスしたいのかねぇ、あたしと…

「あっ加護、分かってると思うけど後藤ウソついてズルするような娘は嫌いだからね?」
「分かってますよ〜♪ちゃんと見せますから〜!」
そう言うと加護はものすごい勢いで楽屋を出ていった

196 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月17日(火)23時06分16秒
はぁ…困ったもんだ…」
静かになった楽屋であたしは溜息まじりに呟いた。

「ハハ♪もう完璧になついちゃったね加護は、後藤に」
圭ちゃんはそう言うと、少し羨ましそうな顔であたしを見た。
「でも後藤は振り回されっぱなしだよ〜…」

「ごっちん本気でオロオロしてる時あるもんね(笑)」
むぅ…よしこ笑ったなぁ?もぉ…
「ハハッ、でも…今の加護を見てると去年の後藤を思い出すよ、あたしは」
圭ちゃんは懐かしそうにそう言った。

「え〜何で〜?似てないよ?」
あたしはちょっと大きな声で反論する。
「だってあんたもいっつも『市井ちゃ〜ん♪市井ちゃ〜ん♪』だったじゃん?」
「うっ…」
そう言われてみると…そうだった…

「紗耶香にベッタリの甘えん坊だったのにねぇ?」
あっ…意地悪言う時の圭ちゃんの顔だ。
「な…何よ〜でも加護ほど子供じゃなかったよ?後藤は」
そうだ、少なくとも加護達ほど子供ではなかったよ。

「まぁね、今の後藤は少し大人になったって事なのかな」
そう言うと圭ちゃんの顔はまたいつもの表情に戻った。
「そりゃあ一様、今は教育する側の人間だからね…いつまでも甘えてられないし」
本当はまだあたしなんて、人に教育できるような人間じゃないんだけどね…

加護と辻がいなくなった楽屋は、あたし達3人だけになりとても静かになった。
いつもだったらそのままボ〜っとしてるんだけど…
その時は何故だかずっと加護の事を考えて過ごしていた。


〜続く〜
197 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月17日(火)23時18分08秒
>187さん
−SIDE B−は…いつかは書きたいんですけどね。
でも今の所無理っぽいかも…力不足でして。

>188さん
ありがとうございます。
まきまりも話考えてる段階なのでもうしばらくお待ち下さい♪

>189さん
ごま好きですか?お仲間ですね〜(w
私の小説はごま出まくると思います。

>190さん
ありがとうございます♪
これからごまと誰かのカップリングの話が増えていきそうです。
でもご指摘の通り最終的にはいちごまに戻ると思います。
だっていちごま大好きですから(w

ということで短編集第2弾です♪
今回は、あいごま(ごまあい?)です。
いちごま以外は初挑戦で緊張ぎみでございます(w

この話後半でちょっとエッチっぽい所があるんですが…
書いて大丈夫ですかねぇ…と不安です。
近々後半も上げますんで参考にご意見を頂けたら嬉しいです。
198 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月17日(火)23時35分32秒
196の最初の後藤のセリフに
「←が無いのは気にしないで下さい。ご愛嬌(w
199 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年04月17日(火)23時51分47秒
おー。新しい話がスタートしてますな!
後半も期待!
エロはどこまで?(笑)
200 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月18日(水)00時03分22秒
読みやすく、おもしろい。
最高っすよ!
201 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月18日(水)01時32分41秒
面白い。っつーかごまじゃなくて後藤(意味分かります?)だっていうのが読んでて分かるのが凄い。
甘えられる側の後藤もいっすね。はまるかも・・。
202 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月18日(水)04時23分15秒
まさか、いきなりあいごまで来るとは・・・
なかなか通な選択ですね(w
203 名前:ティモ 投稿日:2001年04月18日(水)22時52分14秒
あいごま最高っす〜!
エロにも期待(w
204 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月21日(土)17時56分07秒
〜年下の女の子(中編)〜


「ハァハァハァッ…あった!」
膳は急げとばかりに会場内にある自動販売機で牛乳パックを買う加護。

「よし!とりあえず飲めるように訓練しなきゃ!」
牛乳パックに向かって誓いをたてていると辻がトコトコと歩いて戻ってきた。

「あれ〜亜依ちゃん牛乳なんてどうするの?嫌いなはずなのに…」
不思議そうな顔をして辻が聞いてくる。

「牛乳嫌いだけど飲まなきゃご褒美貰えないんだ」
「ご褒美って何貰うの?誰に?」
先程の会話を聞いてなかった辻には、まったく加護の言ってる事がわからなかった。

「ヘヘン♪それは秘密や!さ〜頑張って飲むで〜!!」
「急に関西弁になった…」
「え〜ねん!ののの前では関西弁の方が喋りやすいんやから」
「のの、事情があんまりよくわかんないよ〜…」

「牛乳飲む特訓に付き合ってもらうで!ののには」
「え〜!?何で〜?(もうじきおやつの時間なのに…)」
そう言って加護は、無理やり辻の手首を引っ張って空き部屋へと連れ込んでいった。

205 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月21日(土)17時57分26秒

『トクットクットクッ…』
わざわざパックを切り、紙コップに牛乳をそそぐ加護。

「亜依ちゃんストローで飲んでよ〜牛乳の匂いが…」
牛乳嫌いの辻は鼻をつまみながら加護に話しかける。

「のの我慢して〜コップで一気に飲んだ方が認めてもらえるやろ」
「だから〜誰に〜?(牛乳…臭いよ〜…)」

「……亜依のだ――い好きな人に♪」
とても嬉しそうに加護はそう答えた。

「えっ!?…亜依ちゃん好きな人いたの?」
辻は驚きで鼻をつまんでいた手を思わず離してしまった。

「うん…ずっと、ず〜っと好きやってん…最初は憧れてただけやってんけど…
一緒におるうちに…どんどん好きになってった。こんな気持ちは初めてや…」
加護は今までに見せた事ない程、真剣な表情で気持ちを語った。

「全然気づかなかった…(一体誰なんだろう…亜依ちゃんの好きな人って…)」
「ののは鈍感やからなぁ…」

「むっ!」
加護の言葉に頬を膨らまして怒る辻。
「ハハ♪ごめん堪忍や。さっ!頑張って飲むで〜!」
牛乳が入った紙コップを手に持ち、加護は一気に唇へと近づけた。

206 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月21日(土)17時59分01秒

加護は…一体どうゆうつもりなんだろう…
あのくらいの年齢ってキスなんて冗談で出来るものなのかなぁ?

まぁ娘。の中じゃキスなんて日常茶飯事なんだけどね。
でもあたしはやっぱり、キスは好きな人としたいって思うけど…
加護とだったら…してもいいかなって少し思う…カワイイし。

最初は戸惑ってたんだよね、あたし。年下の女の子と接するの初めてだったからさ…
実際ずいぶんてこずった。本当にまるっきり子供だったんだ加護は。

何を言っても『はい、はい』って返事はするんだけど結局出来てなくてさ…
おいおい…って思った。

市井ちゃんもこんな風に思ってたのかな?だとしたらごめんね(笑)
同じ立場に立って初めてわかる、教育の難しさ。

でもせっかく市井ちゃんに色々と教えてもらったんだから…
あたしが教えてあげられる事…全部加護に教えてあげたいって思う。

207 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月21日(土)17時59分58秒
最近じゃ仕事場に来るなり、あたしに1番に駆け寄って来てくれる。
『後藤さ〜ん♪後藤さ〜ん♪』って…
圭ちゃんも言ってたけど…あの頃の自分の姿と今の加護の姿が重なる。

市井ちゃんがよく『カワイイなぁ後藤』って言ってくれて、その時はあんまり意味が分からなかったけど
今ならよくわかる。あたしも…カワイイなぁ加護…って思うから。
誰かに慕われるのがこんなに嬉しいなんて知らなかったよ。それとも…加護だからなのかな…?

いつも加護には振り回されてばっかりだけど…加護だったら何故か許せてしまう。
さっきは牛乳飲めたらキスしていいよ…なんて言ったけど…

別に飲めなくても加護ならキスしてもいいよあたしは。ああ言ったのはさ…
見られるの恥かしかったから…圭ちゃんとよしこもいたしね…

あたしがボ〜っとしながら加護の事を考えていると何処かの部屋から声が聞こえてきた。

208 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月21日(土)18時01分03秒

『…依…ちゃん!?大丈夫!?』

「ん?あの声…辻の声じゃない?」
圭ちゃんが素早く反応する。

「そうですね〜辻ちゃんの声でしたね」
あたしと同じくらいのんびりとした口調でよしこが答えた。

何だろう…叫び声って程じゃなかったけど…
辻ちゃん1人なのかな…?

「何かあったのかな?ちょっと後藤見てきてよ?」
圭ちゃんがドアの方を指差してあたしに言った。
「え〜?何で後藤が〜?」
辻ちゃんの教育係は圭織だよ〜…

「辻の側には加護がいるに決まってる。加護の教育係は後藤、あんたしかいないでしょ?」
まぁそりゃ〜大抵、辻と加護は一緒にいるけどね。仕方ないか…

「…は〜い、わかりましたよ〜」
あたしは渋々ながら立ち上がりドアを開けて楽屋を出ていった。


〜続く〜
209 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月21日(土)18時12分37秒
>アリガチさん
ありがとうです♪
エッチは…あんまり期待しないで下さいね(w

>200さん
ありがとうございます!
最高って言われるの本当に嬉しいです(^^

>201さん
ありがとうございます!
ごまじゃなくて後藤…その意味よくわかります(w
意識して書いたつもりはないんですけど、さすがに加護を相手に
ごまにはなれなかったみたいです後藤は(w

>202さん
ありがとうございます♪
なかなか通な選択でしょうか?(w
あいごまは前から書きたかったのです。

>ティモさん
ありがとうございます!
あいごま…評判悪くないみたいで嬉しいです♪
エロ…う〜んどうしよう…(w

更新です♪今回後編書いて終わりの予定でしたが予定より長くなっちゃって
急きょ中編として分けました。だから次で最後ですね。ではまた後編にて。

あいごま…作者が1番はまったかも…(w
210 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年04月22日(日)06時52分42秒
うお、あいぼんマジで牛乳飲んだんかい!(笑)
健気ですな。
211 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月24日(火)21時15分02秒
〜年下の女の子(後編)〜


確か…ここらへんから聞こえてきたと思うんだけど…辻の声…
加護も一緒にいるのかな?…ん?

「(どうしよう…どうしよう…亜依ちゃんが…)」
あっいたいた。何オロオロしてんだろ…

「お〜い辻〜?どうしたの?なんかあった?」
あたしは廊下を行ったり来たりしてる辻に話しかけた。

「あっあの後藤さん…なんか亜依ちゃん急に牛乳飲みだしたんですけど…
一気に飲んじゃって気分悪くなって…それで…あの…」

あれま…本当に飲んだのか牛乳。
加護ったら…そんなにあたしとキスしたかったの?
も〜しょうがない娘だなぁ(笑)でも…カワイイね

「中にいるの?加護は」
辻が前に立ってる部屋を指してあたしはたずねた。
「はい、います」
そう言って辻は部屋のドアを開けた。

212 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月24日(火)21時16分03秒

『ガチャ』

「亜依ちゃん?後藤さんが来たんだけど…」
「えっ!?…あっ…」
辻が話しかけるとソファーに横たわっていた加護が飛び起きた。

「加護…大丈夫?」
あたしはソファーの前でかがんで加護に問いかける。
牛乳を飲んだせいなのかは分からないけど、加護の顔色はあまり良くなかった。

「あっあの…加護はちゃんと後藤さんの前で牛乳飲みますから…ズルなんてしないですから…」

………………。

バカだねぇ…青い顔してまで飲まなくてもよかったのに…
泣きそうになってるよ…カワイイなぁ加護…大丈夫、加護の事疑ったりしないよ?

「だから…あの……!?」
あたしは必死で言い訳?をしている加護の頬に手をあて…そして…


「“チュッ”」

優しく加護の唇にキスをした。

213 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月24日(火)21時17分06秒
「えっ!?後藤さん…」
何が起きたか分からずにただ驚いている加護。
「ちゃんと飲めたんでしょ?…牛乳。加護の唇、牛乳の味がするよ(笑)」
全然ロマンチックじゃない言葉にあたしは思わず苦笑いを浮かべた。

「じゃ…じゃあ加護は後藤さんにキスしてもいいんですか!?」
状況をやっと理解してきたらしく加護の顔に少し笑顔が戻る。
「うん…いいよ、でも…」
あたしはちょっと声のトーンを落とした。

「でも…何ですか?」
加護は今度は不安そうな顔をしてあたしの方を見た。
これでもあたし…結構照れ屋なんだよねぇ…だからさ…

「出来るだけ人のいない所でしようね。見られるの恥かしいしさ…って辻には見られたか」
照れ隠しに頬をポリポリかきながらあたしは言った。

「やった〜!!後藤さ〜ん♪“チュウ”」
加護はソファーからあたしに向かって飛びついてキスをしてきた。
抱きつかれた勢いであたしは床に座り込んでしまった。
加護はというと…向かい合う格好であたしの太ももの上に座っている。

「んんっ…こら〜人のいない所でって言ったでしょ?」
「エヘヘ〜♪我慢出来ません!」
あぁ…いつもの加護に戻ちゃった…まぁいっか。
「も〜…ごめん辻…ちょっと席外してくれる?」
あたしは(加護が乗っかっている為)顔だけを後にいる辻の方に向けて言った。

「は…はい(ドキドキした…後藤さんだったんだ、亜依ちゃんの好きな人…カギは閉めといてあげるね)」
顔を真っ赤にした辻はさっき以上にオロオロしながら部屋を出ていった。
辻にはちょっと刺激強かったのかな…?

214 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月24日(火)21時18分00秒
そんな辻とは対照的なニコニコ顔の加護。
加護も…マイペースだなぁ。あたしも人の事言えないけど…

「後藤さん♪“チュウ”」
「んん…んっ…」
加護はあたしの顔を押さえてキスをしてくる。

ヤバイなぁ…変な気持ちになってきた…やっぱさすがに舌入れちゃまずいよね、13歳だし…
でも…カワイイな加護…ちっちゃいから余計にカワイク感じる。
ん?何か胸が…

「…加護ちゃん?何であたしの胸触ってんの?」
自分の胸に目線を落とすと加護の手があたしの胸に触れていた。
「エヘ♪大っきくって柔らかくって気持ちいいからです
おいおい…そうゆう事じゃ…

「加護も大きいでしょ?」
「自分の胸触ってもおもしろくありません」
「まぁ…そりゃそうだけど…」

そんなつもりで触ってんじゃないとは思うけど…こっちは変な気持ちになってきたよ〜どうしよう…
あたしの胸を触りながら加護は唇やらほっぺたやら色んな所にキスしてくる。

「んんっ…加護ちょっと…ハァ…待って…」
ダメだ…頭クラクラしてきた…抑えきれないよ…
加護もイヤだったら抵抗するだろうし…いいよね?

215 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月24日(火)21時18分52秒
理性がブッ飛んだあたしは加護の顎をグイッと上げて唇を強引に開かせた。
少し早いかも…って思ったけど、あたしは舌を入れながらキスをする。
案の定、加護の体はビクッとなった。
けど…それはほんとに一瞬だけで、その後は加護も積極的に舌を絡めくる。

「「ハァ…んんっ…」」

加護は…こうゆう知識持ってるのかな…
まさか本能のまま動いてるとか…?う〜ん…わかんない…

「んんっ…ん…ハァ…ごと…う…さん」

あたしのキスに加護が声を漏らす。
何か…イケナイ事してる気分…犯罪かなぁこれって…

ん?……!?こらっ!服の中に手を入れるなよ〜!
えぇっ!?ブラ外すの?ちょっとそれはまずいんじゃ…
加護…どこで覚えたのこんなこと…ホック片手で外すし…経験者?

「あっ…んんっ…」
加護のちっちゃい手があたしの胸に直接触れる。

「後藤さんの胸…やっぱり大っきいです。柔らかい…」
「んんっ…か…ご…ダメだよ」
ヤバイよ、ヤバイよ…体が熱くなってきた…

「後藤さん…気持ちいいですか…?」
耳元で加護が囁くように問いかけてくる。
「そんな事…ハァ…聞かないでよ…」
「色っぽいです…後藤さんの声…」

216 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月24日(火)21時19分49秒
「んっ…加護は…こうゆう事…ハァ、したいの…?あたしと」
必死で声を抑えながらあたしは加護に聞いた。
「わかんないですけど…体が勝手に動くから…そうだと思います…」
やっぱり…本能のままに動いてるのか…恐ろしい13歳だなぁ。

「でも…後藤さんだけです…こうゆう事したいと思うのは…」
少し手を止めて真剣な表情で加護があたしを見つめてくる。

「…加護……あたしの事好き…?」
あたしも真剣な顔をして加護に聞いた。
「はい!大好きです♪世界で1番!」
うわぁ…満面の笑顔…カ…カワイイ後藤はもう…止まれないかも…

「後藤さんは…加護の事、ちょっぴりでも好き…ですか?」
「大好きだよ…あたしも加護の事……かわいくてたまんないよ」
加護の頬に手をあててそして…あたしはまた激しく口づけた。

「「んんっ…ん…ハァ…」」

ゆっくり唇を離し、加護の手が素早くあたしのブラウスのボタンをはずしていく。
「…!?加護…?ちょっ…んん…あっ…」
ホックをはずしたブラを上に押し上げ、加護があたしの胸に顔を埋めて口づけてきた。

「ハァ…ん…」
受けなのかな…?あたしは…でも加護にキス以上する訳にはいかないか…
あたしは覚悟を決めて加護に身を任せようとした、その瞬間…


『ガバッ!』

急に加護が顔を上げて壁の方を見て驚いている。
何?何見てるの…?時計?


217 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月24日(火)21時20分49秒

「あ―――!?3時だ!」
「は?」
驚いてる加護に、訳が分かんない顔をしているあたし。

「おやつの時間忘れてた…早く行かないと無くなっちゃう」

はぁ???おやつ?何…言いだすの、急に…

「ごめんなさい後藤さん、加護おやつ食べに行ってきま〜す!」
そう言うと加護はあたしから体を離し、足早に部屋を出て行った…

「………………」
ブラウスを全開にしながら、しばし呆然とするあたし…

「ちょっと…な…何なの?一体…」

好きな人より…おやつの方が大事なの…?
今、あたしめっちゃその気になってたんだけど…

そりゃ確かにおやつの時間かもしれないけどさ。
はぁ…やっぱり所詮は13歳のお子様って事なのかなぁ。
こんな事じゃこれから先が思いやられるよ…まったく…

こうしてこれからもあたしは、この年下の女の子、加護亜依に振り回され続けるのでしょか?
ってゆ〜かあたしのこの燃えたぎった体はどうしてくれんの――!?
こんなままじゃコンサート集中できないよ――(涙)


「亜依のバカやろ――――――!!!」

部屋にはあたしの虚しい叫び声が響き渡っていた。トホホ…


〜Fin?〜
218 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月24日(火)21時31分47秒
>アリガチさん
はい(笑)あいぼん牛乳飲みました(飲んじゃった♪)
健気といえば健気ですがあいぼんには少し下心があったかも…(w

何かラストはネタ?って感じですね〜(w
いちごま以外は初挑戦でしたがいかがだったでしょうか?
何故最後が〜Fin?〜なのか…それは作者があいごま気に入ったからです(w
いつかまた続き?を書けたらいいなと思って?にしました。
エッチっぽくなるってこんだけかい!って声が聞こえてきそうですが…
中々難しいですHシーンは(きっとエロは書けないっす…Hシーンは書けても)
また次の話考えてますんでよろしければ読んで下さい。

一様候補→いちごま、まきまり、かおまき(後藤絡みばっか…)
どれもまだ全然考えてる段階ですので時間かかるかもしれないですが…
ではでは、このへんで(^^
219 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月25日(水)03時57分07秒
いちごまがいいなぁ・・・
220 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月25日(水)05時26分12秒
作者さんの一風変わったいちごまみたいかも。
でもラブラブ旅行日記すんげー楽しいから、そっち期待してよかな。
221 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月25日(水)11時20分04秒
あいごまよかったです!
次回作は、いちごまはたくさんあるので、まきまり、かおまきが読んでみたいです。
222 名前:ぷち 投稿日:2001年04月25日(水)13時25分59秒
マルボロさんの小説大好きなんですけど、
いちごまと、あいまきしか見たことないんで
今度は、さやまりが見たいかなぁ・・なんて思ってます。

銀板の方も楽しく読ませて頂いてます♪
これからも頑張ってください。
223 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月26日(木)02時33分45秒
いちごま好きとしては、いちごま作品が見たいんですけど、
作者さんの作品なら、なんでもOKっす!!
224 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月26日(木)23時10分39秒
Starting〜パンドラの箱〜


――――――
――――
――

『ねぇ…もし明日からあたしがいなくなったら…どうする…?』
『えっ!いなくなっちゃうの!?…ヤダ!ヤダ!絶対ヤダ!!』

…………

『ねぇ…もし明日になったらあたしに関する事全部…忘れてたらどうする?』
『そんな事ありえないもん!』

『忘れちゃったら…だよ?』
『絶対忘れないもん!!』

…………

――彼女は愛するが故にその罠にかかってしまった。

――そして…大事なモノを無くす羽目になってしまう。

――けど…本当は何も無くしてなどいないのだ。

――本当に大事なモノが何か…いかに早くそれに気づけるか…

――どれだけ強い愛情を持って立ち向かえるか…

――これは愛し合う恋人達の、いや…愛する恋人の為に試練を与えられた

――1人の小さな少女の物語である。
225 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月26日(木)23時29分08秒
えっと短編集第3弾ですが…ここで切るんかい!って感じですね。
これは冒頭文というか予告というか…
この話まだラストしか決まってないので(無責任な!)更新ゆっくりになると思います。
たぶん今までで1番真面目な話?になるかも…でもジャンルはちょこっとファンタジー(w
気長に待って頂けたら嬉しいです。登場人物は…いちごまでは無いとだけ言っておきます。

>>219さん
いちごまは…しばらくは銀板でお楽しみ下さい(汗

>>220さん
銀板の方も頑張って更新しますのでお待ち下さいね。

>>221さん
ありがとうございます♪
今回の話…その2つのうちのどちらかです(w

>>222
>ぷちさん
ありがとうございます。
さやまりだけってゆう話は書けないかも…想像が沸きにくい(すいません)
市井、後藤、矢口の3人で1回考えてみるかな(けど無理っぽいかも…)

>>223さん
いちごま好きな人多いですね〜って私も大好きですが(w
私の作品なら何でもOKって何て嬉しいお言葉を…有難いです(^^

226 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月26日(木)23時31分31秒
あれ?レス失敗してる(恥かし〜)
やりたい放題板に行ってこよう…鬱
227 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年04月27日(金)00時22分31秒
最後のオチがいいですな(笑)
っつーか、もう次が始まってる!早いッスね!!
次は誰でくるのかサッパリわからんですけど楽しみにしてます。
いつか、かおまき見たいッスねー(笑)
228 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月28日(土)02時30分17秒
遅れましたがあいごま良かったです。
っていうか後藤の台詞が自然で上手いからかなり萌えました。
そんな自分にちょっとビックリ(w
考えた事もない組み合わせだったからなぁ
新作楽しみにしてます
229 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月30日(月)01時44分31秒
Starting〜パンドラの箱〜
−1−


“忘れないで…あたしの事…”
“覚えていて…あたしの温もり…”
“心はいつも…一緒だよ…”
“ずっと…愛してる…”


「zzz…ん…?何だ今の夢…あたしの声だった」

夢の中で自分の声が聞こえてきた。
その声は自分自身に訴えかけてたのではなく、他の誰かにあたしが訴えかけてる感じだった。
そして…夢の中のあたしは泣いていた…

230 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月30日(月)01時46分01秒
あたしの名前は矢口真里。18歳の女の子。
見た目はギャルだけど実は芸能人です。
日本で1番忙しい人気グループ、モーニング娘。のメンバーなのです。
そして…矢口の隣でぐっすり眠ってるこの娘も…

「zzz…」

今年16歳になるというのに…無邪気な寝顔(笑)
矢口の隣で眠ってる彼女の名前は後藤真希。
ピカピカの高校1年生だけど矢口と同じくモーニング娘。のメンバー。
その中でもメインを張ったりソロデビューしたりと大人気なんだ。

ちょっと妬けちゃうんだけどね。
その後藤真希があたしの恋人であり…1番大事な人なんです。

「しっかし…何だったんだろう…今の夢…」

瞳が覚めてしまったあたしはベッドから体を起こして呟いた。
今は真夜中…時計を見ると午前2時を少し回った頃だった。

いつもだったら夢の内容なんて起きたらすぐ忘れるんだけど…
何か強烈に覚えてる。自分の話し声を…自分の泣き顔を…

「んん…?」
あっヤバイ…ごっちん起こしちゃったか…

231 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月30日(月)01時48分01秒
「…やぐっつぁん?どうしたの…怖い夢でも見た?」
ごっちんが瞳をこすりながら起き上がった。
「ううん…怖い夢じゃないけど…何か哀しい夢を見た気がする…」
心が絞めつけられるような…

「そう…眠れないの…?」
俯いてる矢口を下から覗き込んでごっちんが聞いてきた。
「ちょっと瞳がさえちゃったかも…」
顔を上げ、ごっちんの方を見つめる。

「じゃあ……」
「ん?…!?」
ごっちんの腕が矢口の体に伸びてくる。

「後藤がずっと抱きしめててあげる」
矢口は強引にベッドに寝ころがされた。

「も〜子供扱いしてるでしょ?」
ごっちんの腕の中で軽く抵抗する。
「ヘヘ♪バレた?」
無邪気な笑顔に怒る気力も失せてくる。

「まぁいいや…じゃあ…朝まで離さないでね…?」
「うん、離さないよ…」
そう言ってごっちんは矢口の体をギュッと抱きしめた。
大好きな…大切な人の温もりで矢口に再び睡魔が襲ってきた。

そして矢口は朝までごっちんの腕のなかでグッスリ眠った。
さっきの夢の事なんか忘れてしまうぐらいに…

けど…後から考えたら、この夢の声が全ての始まりだったんだ…


〜To be continued…〜

232 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年04月30日(月)01時55分43秒
主人公は矢口でしたか!
わかんなかった(笑)
今回はシリアスですね、期待!
233 名前:マルボロライト 投稿日:2001年04月30日(月)01時59分56秒
>>227
>アリガチさん
最後のオチは自分では、やっちまった〜って感じです(w
だってネタでしょ?って思いますもん自分で。
いつか、かおまきも書きたいと思ってますんで(いつになる事やら…)

>>228
>名無し読者さん
ありがとうございます!
自然でしたか?後藤のセリフ(良かった〜)
私は以前から考えてた組み合わせだったんで抵抗無かったんですが
思ったより反応良くて安心しました。いつか続き書きたいです♪

更新です。少ないっすね〜…
とゆう事で今回は、まきまりです!
短編のつもりなんですがもしかしたら長くなるかも…
更新はマターリになると思いますがよろしくお願いします。
234 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月30日(月)02時10分43秒
長いほうを希望です。マルボロライトさんのまきまりすっごい楽しみです。
235 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月30日(月)15時42分19秒
今度はまきまりですか。すっごい楽しみです。
期待してますよ。
236 名前: 名無し募集中。。。 投稿日:2001年04月30日(月)23時45分08秒
やった!超待望のまきまりだ!
期待しとります。
237 名前:道化師 投稿日:2001年05月04日(金)02時23分24秒
こちらでは初めましてですね。
『恋が愛に〜』読ませていただきました。
なんか、傷ついた分だけ二人の愛が深まっていくというか、そんな感じがしました。
母親みたいな吉澤もいい感じですね。私的には市井が母親っぽい感じがするんで。
もっと、はやく読めばよかったと後悔しています。

『I WISH〜』は冒頭部分で展開が読めたんですけど、それでもやっぱりいい話。
あの〜、こんなところでなんですが、私も短編で「I wish」と、タイトルが被ったものを
書いてしまったんで、お許し下さい。掲載はまだ先ですけど…。

『年下の女の子』は新鮮でよかったんですけど、市井との約束はどうなったんだ!? って(笑)
全く作品同士がリンクしてないですから、無意味なんですけどね。
でも、キスに対する想いってそれぞれ違うんだな〜って。
最後のシーンには笑えました。もちろん、最後のセリフも。

文章が読みやすくて、すっと入っていける…一種の才能ですね。
今回の作品の続きも期待しています。頑張って下さい。
238 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月07日(月)00時03分26秒
更新待ってます。
239 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月07日(月)16時15分31秒
Starting〜パンドラの箱〜
−2−

「「おっはよ〜!」」
矢口とごっちんは楽屋に入るなりメンバーに元気に挨拶した。

「お〜おはようさん。なんや2人仲良くご出勤かぁ?」
ニヤニヤ笑いながら裕ちゃんがうちらの傍にやってくる。

「裕ちゃん、顔がヤラシイよ〜」
矢口はニヤけた顔の裕ちゃんにつっこむ。
「アハ♪ラブラブだから後藤とやぐっつぁんは
そう言ってごっちんは矢口に抱きついてきた。ちょっと照れる

「はぁ…ごっちんに冷やかしは通用せんか…」
裕ちゃんは頭をポリポリとかきながら自分の椅子に戻っていった。
うちらはメンバー内でも公認のカップルで、今みたいな会話は恒例になっていた。

荷物を置いて2人でメイク室に向かう。
今日は雑誌の取材をいくつか受ける為、丸1日潰れちゃう。
でも明日は久ぶりのオフ。そしてごっちんとデートなんだ♪

嬉しさのあまり今日の仕事はいつも以上に張りきって頑張った。
うちらは仕事中、プレイベートを持ち込まないようにしてる。
だからごっちんと一緒にいられる時間は少ないんだ。
ヘヘ♪でも明日1日ごっちんといられると思うと…顔がニヤけちゃう♪

240 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月07日(月)16時16分16秒
「「おつかれ様でした〜!」」

夜の8時を過ぎた頃、やっと今日の仕事が終わった。
ごっちんと途中まで一緒に帰るから2人で楽屋を後にした。

電車に乗って明日の事を2人で小声で話す。

「やぐっつぁん、明日のデート忘れちゃダメだよ?」
「忘れないよ〜大丈夫!」
「エヘヘ♪楽しみだなぁ」
「うん!久しぶりだもんね2人で出かけるの」

『次は○○…○○でございます』

「あっもう着いちゃったのかぁ」
矢口のマンションの方が都心から近い為、次の駅で降りなければいけない。
「早いよね。一緒にいると時間が経つのは…」
ごっちんがちょっと寂しそうにそう言った。

「その分明日ずっと一緒にいられるよ」
そう言ってギュッとごっちんの手を握った。
「そうだね。ヘヘ♪今夜眠れないかも」
ごっちんの大っきくて暖かい手が矢口の手を握り返す。

241 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月07日(月)16時17分07秒
そしてあっとゆう間に矢口が降りる駅に到着。
電車を降りると矢口はドアの方を振り返った。

「じゃあ明日ね〜♪」
「気をつけて帰りなよ〜!」
「やぐっつぁんも気をつけてね!」
「うん、じゃあね〜♪」

ごっちんが乗っている電車が見えなくなるまで矢口は手を振った。
見えなくなったのを確認して駅を出る。

矢口の住んでるマンションまでは人通りも多く、明るい道なので怖くはなかった。
明日の事を考えると、自然と家までの足取りも軽くなる。

いつもの帰り道でふと目の前の変化に気づいた。

あれ…何でこの道封鎖されてるの?朝まで普通だったのに…
…まっいっか。暗くてヤダけど…もう1つの道から帰ろう。すぐ近くだしね
そして矢口はいつもは使わない道の方へと歩き出した。

でもこの時すでに矢口には見えない、運命の歯車が回りだしていたんだろう…

あれ…?ここの道こんなんだったっけ?
こんなに建物少なかったかなぁ…
……なんか…気味が悪い…でもここからしか帰れないし…

242 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月07日(月)16時17分54秒
怖くなってきたから走って帰ろう!
そう思って矢口はこの道の終わりまでダッシュしようとした。

けど、その途中…不自然な程にライトが当たってるモノの存在に気づいた。
怖くて早く家に帰りたいはずなのに、何故か足がそのモノの方へと勝手に歩き出す。
そして…矢口はそのモノを覗き込んだ。

「何…これ…」
そこには小さなオルゴールくらいの箱がポツンと置いてあった。
そして、その箱の横には紙切れが1枚。

――自分の未来が見たい人へ…
――この中を覗けばあなたの未来を見る事が出来ます。

自分の…未来…?こんなの誰かの悪戯に決まってるよ。
でもちょっと興味あるかも…もしかしたら本当に見えたりして…
悪戯だったら悪戯で構わないしね。開けてみよっかな?

“ダメッ!開けちゃダメだ!!”
自分の中の何かが危険信号を出している。
けど矢口はその信号に気づく事が出来なかった。

243 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月07日(月)16時19分04秒
“自分の未来…見てみたい”
そう思う矢口が確かにここにいた。

今はごっちんとすごいラブラブで不安なんてないけど…
これからもずっと続いていくのかな…?

ごっちんの気持ちが…いつか変わっちゃうかもしれない…
いつか矢口の事…好きじゃなくなるかも…
ごっちんとの幸せな未来があるのか…

“見てみたい…見ていいよね?”

いつの間にか矢口はこの箱の事を悪戯だとは思わなくなっていた。
そして…欲望に負けて矢口はゆっくりと蓋を開けた。


紙切れの最後に書かれていた警告文の存在に気づかないまま…


〜To be continued…〜
244 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月07日(月)16時32分40秒
>>232 アリガチさん
はい、主人公はやぐっちゃんです!
なんか初挑戦のジャンルなので自分で戸惑ってます(w

>>234-235 名無しさん
ありがとうございます!長さ的には中編くらいになりそうです。
まきまり頑張って書けたらいいんですが。

>>236 名無し募集中。。。さん
ありがとうございます!がんばります♪

>>237 道化師さん
最初から読んで頂いてありがとうございます!
「恋が愛に〜」は自分では失敗作なんですけどね(w
「I WISH」タイトル同じとか気にしないで書いて下さいね♪
「年下〜」は本当にネタなんです(w
テレビでの後藤の「加護は毎日ちゅうしてくる」というコメントだけで書いた話ですから…
これからもお互い頑張っていきましょうね!

>>238 名無しさん
お待たせしました、更新です♪

今までで初めてになるちょっとシリアスな、そして不思議な?話です。
たぶん設定とかめちゃくちゃ無理があったりするかもしれないですが
最後までお付き合いしてもらえたら嬉しいです♪では…
245 名前:道化師 投稿日:2001年05月07日(月)17時11分43秒
だから、パンドラの箱――開けてはいけない禁断の箱なんですね。
ミステリアスな展開に期待大♪ です。
注意書きの内容とは……? そして、これから矢口に起きることとは……?
壷を置いていったのは、神か悪魔か、はたまた……え? そういう話じゃない!?
し、失礼しました。。。。。(汗)

先日はありがとうございました。めちゃ×2楽しかったです。
ホントはもっと話したかったので、すごく残念です。
まあ、今さら後悔してもどうしようもないんですが…(涙)
今後もお互い頑張っていきましょう! そして、これからもよろしくお願いします。
246 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月07日(月)18時53分46秒
読者の方々ごめんなさい!使っているパソコンがぶっ壊れました…(涙)
修理に出している間、更新できなかも…どうにかして姉のパソコンから
更新するようにしますが…それでもペースダウンするしょうけどね。
本当にすいません!!早く復活したいです〜…
247 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月21日(月)02時56分36秒
Starting〜パンドラの箱〜
−3−


ゆっくりと蓋を開けると突然辺りが真っ白になった。
矢口は眩しくておもわず瞳を閉じた。
しばらくして、恐る恐る瞳を開けてみたら…

真っ白に光る空間の中のある部分だけが…蜃気楼のように歪んでいた。

何か…いる…矢口の前に…姿は見えないけど、絶対何かいる。
ここは何処なの?…何なの一体…夢?

『開けてしまいましたね…』

不意に矢口の頭の中にその声は聞こえてきた。

「!!…誰?誰かいるの!?」
立っている位置から辺りを見回してみたけど誰もいない…

『私には姿とゆうものはありません。けど私の声は聞こえてるはずです』
確かに聞こえる…けど…こんな事って…

「何?夢なの?これ…」
『すぐに理解しろと言っても難しいでしょうが…現実です。夢ではありません』
現実…って事は…あの箱は本物って訳?

「じゃあ、あなたが未来を見せてくれるの?」
『いえ…私は見せる事は出来ません』

「何?じゃあ…あれは嘘なの?」
『嘘…とゆうよりは未来は見る事など出来ない、と言った方が正しいでしょう』
はぁ?…それを嘘って言うんじゃ…
248 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月21日(月)02時57分53秒
『瞳を閉じてみて下さい。…これがあなたの未来です』
言われた通りに瞳を閉じてみる。…って真っ暗じゃん!

「何も見えないけど…?」
『そうです、見えなくて当たり前なんです』
…矢口はおちょくられてるの?

「見えなくて当たり前って…どうゆう意味?」
『言葉のままですよ。未来は見た時点で変わってしまう…だから未来を見る事など出来ないのです』

「でもあの紙には未来が見れるって…」
確か…そう書いてあったはず…

『あの箱から未来を見ようとしても真っ暗な未来しか見えません』
「それじゃ詐欺じゃん!」
あたしは大きな声で何処にいるかわからない声の主に向かって言った。

『まぁ間違ってはいないですが…これは時空の番人が仕掛けた悪戯なんです』
「何…ちょっと訳わかんないんだけど。時空の番人?…じゃあ、あなたは一体誰なの?」
漫画みたいな事言われても、いまいちピンとこない…

『私は時空の番人の使い人です』
使い人…これもいまいち良くわかんない。
249 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月21日(月)02時59分42秒
「ふぅ〜ん…未来が見れないのはわかった。だったらもうあたしを元の世界に帰して?」
見れないんだったらここにいる必要なんかないし。

『…帰るには条件があります』
「はぁ?条件…?何それ…」
帰るのに条件がいるの?

『紙に書かれていた文をちゃんと読みましたか?そこに書いてあったはずです』

何?何か書いてあったっけ?
そういえば…あの紙切れの最後にもう1文あった気がする…

矢口が思い出そうとしてると目の前にあの紙切れが出現した。


――自分の未来が見たい人へ…
――この中を覗けばあなたの未来を見る事が出来ます。


――“その代わりこの箱を開けたら未来が見えても見えなくても、あなたは大事な何かを失う事になります” 

「…………」
今度は、はっきりと最後の1文が瞳に止まった。

『ある物を貰わなければあなたを帰す事は出来ません』
「…………」
言葉が出てこない…嫌な予感をひしひしと感じる。

250 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月21日(月)03時00分56秒
『あなたは最後の警告文に気づかなかった。それも運命の悪戯なのかもしれませんが…
けど…私は箱が開けられてしまった以上、自分の仕事を実行しなくてはなりません』

「大事な…何か…?失う…?どうゆう事?」
やっとの事で矢口は声を振り絞って聞いた。

『それは…大事な記憶を失う…とゆう事です』

大事な…記憶…???
……まさか!!

『あなたには現在大事な人、つまり恋人がいらっしゃいますね?』
…頭の中が真っ白になった。そして自分の心臓が痛いくらいに早く鳴っているのがわかる。

『自分の恋人に関する記憶を消去するか…恋人の自分に関する記憶を消去するか…二つに一つ…』
何で…何で…何で……

『どちらか選んで頂かないとあなたは永遠に元の世界には帰れません』
この真っ白な何も無いこの空間に…永遠…

『ちなみに…その無くした記憶を元に戻す事は“私には”出来ません』
イヤだ…そんなのヤダよ!!

『(本当は記憶を戻す方法があるのですが…それは本人次第。けど今まで誰一人戻せた人間はいなかった)』

251 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月21日(月)03時01分52秒
「嘘…でしょ?そんな記憶を消すなんて事、出来るわけないじゃん!!」
『では…試しに簡単な記憶を消さしてもらいます。これはちゃんと後で戻しますので』
何?何が起こるの…?

“パチンッ!”
指を鳴らすような音が空間に響いた。

『あなたの年齢を教えて下さい』
「そんなの考えなくてもわか……えっ…嘘…あたし何歳だっけ…?」
何でわかんないの!?どうして…

“パチンッ!”
またあの音が鳴った。

『もう1度聞きます。あなたの年齢は?』
あっ…思い出した…
「…18歳」
本当…なんだ…これって。

『納得して頂けたみたいですね』
「……」
嘘じゃない…それはつまり…さっきの選択肢をどちらか選ばなければいけないって事だ。

252 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月21日(月)03時04分12秒
「ねぇ、1日だけ時間くれないかな?元の世界で考える時間を…お願い!!」

拒否する事は出来ないってわかった。でも…せめて元の世界で考えたい…だって明日は…
矢口は何処にいるかわからない声の主に懇願した。

「……では24時間だけ与えます。24時間後にもう1度あなたの元に返事を聞きに行きます」
「ありがとう」

「もし返事が出来なかった場合は、自動的にこの空間で死を待つ事になりますので」
「…わかった」

矢口がそう返事をすると同時に、辺りは急に暗くなり元の道に戻った。
そして矢口の手には…あの箱が…

矢口はその場に呆然と立ち尽くした。
こんなの…夢なら覚めてほしいよ…
ダメ元で自分の頬をつねってみた…痛い…やっぱり現実なんだ、これって…


どうして…未来を見たいなんて思っちゃったんだろう…
どうして…後藤の気持ちを疑ったりしちゃったんだろう…

ずっと今のまま続いていけばいいって思ってたのに…
こんな事になるなんて…

253 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月21日(月)03時04分55秒
自分のマンションに帰って来ても矢口の思考回路は正常に働かない。
正直、ちゃんと家まで真っ直ぐ帰ってきたのかもわからないくらいだ。

けど…無常にも時間は刻一刻と過ぎてゆく。
約束の時間は24時間後。

『カチッカチッカチッ…』
時計は止まることなく正確に時間を刻み続けてゆく。


24時間…考えるにはあまりにも短い時間だ。けど…決めなくちゃいけない…

24時間後には矢口か…ごっちんのどちらかが相手の事を忘れてしまっている。
明日は久しぶりにごっちんとデートのはずだったのに…明日が恋人同士としての最後の日になるなんて…

「はぁ……」
深いため息を吐いて頭を抱えた。
テーブルの上に置かれたあの箱が、現実だとゆう事を訴えかけてるみたいだった。

しばらくして矢口はゆっくりと立ちあがり、リビングから自分の部屋へと移動した。

254 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月21日(月)03時05分42秒
矢口の部屋のドアを開けると一瞬ごっちんの香りがした。
当たり前か…数えきれないくらいこの部屋に来たんだから…ごっちんは。

あたしはベッドに座り込んで部屋を見まわしてみた。
部屋に入ると嫌ってほど目立つのが壁の写真だ。


部屋の壁のコルクボードに数えきれないくらい貼り付けてある2人の写真。

付き合い始めた頃の2人…ふざけて変な顔をしている2人…

初めてケンカして…仲直りして…泣いちゃって瞳が真っ赤な2人…

クリスマス…サンタの格好をしている矢口とトナカイの格好をしているごっちん…

矢口に頬にキスされて顔が赤くなってるごっちん…

ごっちんに抱っこされてジタバタと抵抗している矢口…

そして…とても幸せそうに微笑んでいる2人の姿…

忘れられない、忘れたくない想い出の数々…


矢口の頬に熱いものが流れ落ちる。
ごっちんとの事は全て、昨日の事のように思い出せるのに…

イヤだ…イヤだよ…
あたし…ごっちんの事、忘れたくないよ…

けど…あたしの事も忘れてほしくなんかないよ…
ごっちんに矢口の事、忘れてほしくない…

矢口は…どうすればいいの…?


〜To be continued…〜
255 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月21日(月)03時15分09秒
久しぶりに更新したら名無しになっちゃった…(苦笑
やっぱり自分のPCじゃないと使いづらいなぁ。
何だか訳わからん話で、しかも強引な設定で申し訳無いです。
すでに自分で書いていてわかりません(おい!)読者の人なんかもっとわからないかも…
ちゃんと話まとまっていくんだろうか…不安だぁ。

>>245 道化師さん
パンドラの箱の話は詳しくは知らないんですが最後には「希望」が残るって話で
そこからこの話もきてるんですよ。矢口は希望を見つける事が出来るかがこの話のポイントです。
でもあまり期待しないで下さいね(笑)自分で書いて後悔してるくらいなんで(苦笑
256 名前:道化師 投稿日:2001年05月21日(月)17時14分52秒
幻想的なお話ですね。
もし、自分がこのような立場に立ったとしたら………私は、自分の記憶を消す方を選ぶかもしれないですね。
でも、そうしたら相手が辛いですか……。
そう考えてみると、相手の記憶を消した方が幸せかもしれないですね。
まあ、ひとかけらの『希望』に望みを託しましょうか。
頑張れ! やぐっつぁん!!
257 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月23日(水)01時00分25秒
せ、せつない。
ハッピーエンドってわけにはいかないのかな。。。
258 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月30日(水)03時01分46秒
Starting〜パンドラの箱〜
−4−


『チュンチュンチュン…』

一睡も出来ないまま夜が明けた…答えはまだ出ていない…
そんな簡単に答えが出るなら、あの時あの場所で答えてるか。

ごっちんとの約束の時間は11時。あと3時間…
今日のデートが終わる時間が返事をする時になる。
同時にそれは…2人の終わりを意味する。


時間なんて…止まればいいのに…


朝陽が眩しく光る暖かい部屋で、矢口の心は凍りついてしまいそうだった。
何も考えられないままベランダへと出てみる。
街の様子はいつもと変わらない。そう…矢口が眠れないくらい悩んでても変わらず街は動き出す。

いつだったか、都内のスタジオの窓から外を眺めて2人で交わした会話を思い出した。

259 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月30日(水)03時02分51秒
『後藤さぁ、あんまり都会の雰囲気って好きじゃないんだ』
『どうして?ごっちん東京育ちじゃん』

『うん、でも…こうやってビルがたくさん並んでるのを見ると…なんか寂しくなるんだよね』
『ごっちん…じゃあ寂しくなったらいつでも矢口の所においで?』
『…うん!エヘヘ〜♪』

ビルが立ち並ぶ街を見ると無性に寂しくなると言っていたごっちん。

『でもやぐっつぁんが傍にいると全然寂しく感じないよ?何でだろう…』
『そりゃ〜ごっちんは矢口に愛されてますから(笑)』
『アハ♪そうだねぇ(笑)……やぐっつぁんは?』
『ん?』
『やぐっつぁんが…寂しいって思うときは?』
『……』

矢口が寂しいと感じる時…それはごっちんが寂しいと感じる時だ…
だから…ごっちんにはいつも幸せそうな顔をして笑っていてほしい。

待ち合わせの時間まで後2時間…

260 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月30日(水)03時03分47秒
ベランダの扉を閉めて部屋へと戻る。
凍りついていく心を少しでも暖める為にシャワーを浴びる事にした。

矢口の家のあらゆる所にごっちんの気配がする。
洗面所にはごっちんの歯ブラシに洗顔フォーム、そしてお気に入りのハンドタオル。

『ガチャ』

ドアを開けて中に入る。
浴室にはごっちん専用のシャンプー、リンスにトリートメント…

蛇口をひねると勢いよく暖かいお湯が飛び出してきた。
シャワーのお湯がほんの少しだけ…矢口の心に温もりを取り戻させてくれる。

一昨日の夜も矢口の家に泊まったごっちん。一緒にお風呂に入っている時の出来事が脳裏に蘇る。

『ごっちん?ちゃんと肩まで浸かってる?』
『ひゃ〜い♪…エヘへ〜』

『???こら――!ごっちん!浴槽で寝たらダメじゃん!!』
『ヘヘへ〜やぐっつぁ〜ん!愛してるよ〜♪』
『ちょっ…倒れるよ!ごっちん?もしかして寝ぼけてる?』
『やぐっつぁんは小っちゃくって可愛いなぁ

『んぐっ!!ごっちん!矢口を胸に挟まないで――!息が出来ないよ!!』
『アハ〜♪やぐっつぁんの挟み揚げ〜♪』
『訳わかんね――!!』

……バカな事ばっかりやって…楽しかったなぁ…

261 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月30日(水)03時04分39秒
浴室から出て髪を乾かし、瞳の下のクマを隠す為に軽く化粧をした。
自分の部屋へと戻って出掛ける準備をする。
携帯に財布、手帳にカメラ…いつもカバンの中に入ってる物達。

部屋の時計を確認すると待ち合わせの時間までもう1時間を切っていた。
家にいてもする事はもうない…
それなら少し早いけど…約束の場所でごっちんが来るのを待ってよっかな…
サングラスをかけてカバンを持ち矢口は部屋を出た。

玄関へと向かう途中、あの箱が瞳に止まった。リビングのテーブルの上に置いてある例の箱…
きっとデートの後ごっちんは矢口の家に来るだろうから、この箱を出しておいちゃまずい。
矢口はそっと手に取り、自分の部屋の机の引き出しの中にしまった。

再び玄関へと歩き出す。玄関のドアを開けて矢口は大きく深呼吸をした。
このドアを開けた瞬間…もしかしたら矢口の心はもう決まっていたのかもしれない…

そして…矢口はゆっくりと待ち合わせの場所へと歩き出した。


〜To be continued…〜
262 名前:マルボロライト 投稿日:2001年05月30日(水)03時13分45秒
マターリの更新です(少ないですが)
何か作者自らやぐっちゃんを追い詰めてる気がする…(汗
最初に考えてた長さより更に長くなりそうな…他の短編も書きたいのに〜(w

もうじきやっと新PCが届き少し更新速度が上がると思います(多分…)

>>256 道化師さん
きっと自分の記憶を消すのが1番楽な選択ですよね。
やぐっちゃんはどうするんでしょうか!?(w

>>257 名無しさん
せつない話初めて書いてます(w
ラストだけは決まってるんで…返事は避けます。
263 名前:道化師 投稿日:2001年05月30日(水)13時14分43秒
できることなら、時間よ、永遠に止まって。
そしたら、平穏な日々はもっと続くのに…。

>何か作者自らやぐっちゃんを追い詰めてる気がする…(汗
きっと、やぐっちゃんに対する愛情からでしょう。百獣の王みたいな(笑)
264 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年05月31日(木)18時16分30秒
あぁぁ・・・矢口はどうするんだろう・・・。
どれを選択しても辛いッスね。

新PC早く届くといいッスね(笑)
265 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月07日(木)20時15分12秒
作者さん、続き気になります。
お忙しいとは思いますが、銀の方ともども頑張って!!!
266 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月10日(日)14時24分40秒
続き待ってるよ〜ん
267 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)22時54分16秒
Starting〜パンドラの箱〜
−5−


矢口は約束の時間より30分程早めに目的地に着いた。
何だか落ち着かない。待っている時間が1秒にも…1日にも思えた…

もうこうやってごっちんを待つ事も無いんだろう。
そう思うと…心臓が壊れてしまいそうなくらい痛くなった。

でも…ごっちんは何も知らないんだから…暗い顔してちゃダメだ…
ああ見えてもごっちん…勘が鋭いから…気づかれないようにしなきゃ…
じゃないと…優しいあの娘を不安にさせてしまう…

「あれ〜やぐっつぁん早いね〜♪」

街の雑踏をかき消すかのように後ろから愛しい人の声が聞こえてきた。その声にドキっとする。
ごっちん、いつもだったら時間ギリギリに来るのに…

いよいよ始まる…最後のデートが…

ちゃんと今日1日笑顔で過ごすんだよ?矢口…
自分で自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせた。

268 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)22時55分46秒
「…おっす!ごっちんも早いじゃん」

おでこに手を当てて矢口は後ろを振り返った。
けど…矢口はちゃんと笑えてる?自分が今どんな顔してるかわからない…

仕事用じゃない、ごっちんにしか見せない矢口の笑顔…ちゃんと出来てるかなぁ。

「…ヘヘ〜会いたかったよぉやぐっつぁん♪」
ちょっとオーバーに矢口に抱きついてくるごっちん。
「も〜昨日も会ったじゃん!ってウソウソ、矢口も会いたかったよ♪」
今の矢口を見たごっちんは……いつも通り…かな?

「今日は早く来てやぐっつぁんを驚かそうと思ってたのに、もぉずるいよ〜」
「アハハ、ごめんごめん」
うん…いつも通りだよね…

さて、これからどうしようか…と考えていたらごっちんが矢口の腕を掴んで言った。

「ねぇ先にお昼ご飯食べよ〜後藤もぉお腹ペッコペコだよぉ〜」
そう言ってお腹をさする。ハハ、ごっちんらしいや…

「いいよ、何食べる?」
「う〜んやっぱマックかな?」
「わかった、じゃあ行こう!」

そしてあたし達は人ごみをかきわけ、肩を並べてマックへと歩き出した。

269 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)22時56分39秒
「やぐっつぁん、そんだけしか食べないの?」
矢口のトレイを見て驚いたようにごっちんは言った。
トレイにはアップルパイとオレンジジュースだけしかのっていなかった。

「うん、朝いっぱい食べてきたから…」
嘘をついた。昨夜から何も食べてない…今も食欲は無いに等しい。
けど、そんな事言えるはずがなかった。

「ふ〜ん、けどやぐっつぁんはもっと食べないと背伸びないよ?」
自分のトレイをテーブルに置いて、ごっちんは矢口の頭をポンポンっと軽く叩いた。

「矢口の身長は中3から伸びてないよ(笑)」
「アハハ♪そうだったねぇ」
ごっちんの無邪気さで、少しだけ暗くなった矢口の心が明るくなっていった。

270 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)22時57分31秒
「ふ〜お腹いっぱい!ごちそ〜さま〜♪」
「いつもの事だけど…よく食べたねそんなに…」

マックシェイクにビックマック、チキンナゲット、ポテトのL…以下略。
でも…あんだけ食べてもお腹だけは出ないんだよなぁ、ごっちんって。

「まぁ食べ盛りですから♪」
「ごっちん年中食べ盛りじゃん(笑)」
「も〜ひど〜い」
ほっぺたを膨らまして怒るごっちん。可愛いなぁ…

いつもと変わらない…いつもの光景…幸せとゆう言葉がそこには溢れていた。
矢口はその瞬間を1秒1秒、大事に…大事に噛み締めて過ごした。

その後うちらは買い物をしたいとゆうごっちんの提案で渋谷へと向かった。
本当は買い物って気分じゃなかったんだけど…

でもごっちんの楽しそうに買い物する姿を見ていたら、そんな事どうでもよくなった。

271 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)22時58分30秒
「映画見よっか!いつもの映画館で」
「うん、あそこ人少ないからいいよね〜」

買い物の後、今度は矢口の提案で映画を見る事にした。
矢口達は、若者で賑わう通りから少しはずれた所にある映画館へと歩いてゆく。

館内に入るとほとんど人影はなく、4,5人がバラバラに座っている程度だった。
この映画館は今時の映画は上映してなくて、昔の映画のリバイバル上映ばかりだった。
矢口もごっちんも別に昔の映画が好きな訳じゃなくてただ、この何とも言えない館内の雰囲気が好きだった。

「ここに座ろう♪」
「うん」
ごっちんが指した真ん中から少しずれた席に2人で座る。

映画の本編が始めるまでごっちんは嬉しそうにポップコーンを頬張っていた。
ごっちんは映画館に来ると必ずポップコーンを食べる。
前に『実は映画見るよりポップコーン食べる方が楽しみなんだ♪』って言ってた。

こうゆう子供っぽい所があるごっちんも矢口は大好きだった。
272 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)22時59分33秒
そして、館内が暗くなり映画が始まった。

物語は、それぞれ好きな人がいる男女2人が想いを寄せている相手に振られて
お互い心に傷を抱えながらも次第に相手に惹かれてゆく、とゆうよくある恋愛ものだった。

『失恋した心を癒すのは…やっぱり新しい恋なんだよ』
『…ズルイ人…もう止められないってわかってるくせに』
『いつの間にお前の存在がこんなに大きくなったんだろう…』
『…もう…あなたしか見えないよ』

…………

この話…矢口とごっちんの関係にちょっと似てるなぁ…
矢口達の始まりも、お互い“ある人”に振られてからだったし。

あの頃ごっちんと付き合う事になるなんて思いもしなかった。
きっと…ごっちんも矢口と付き合う事になるなんて想像もしなかったはず…
実際、矢口とごっちんはライバルだったし…

でも今じゃ…矢口にとってかけがえのない大切な人…

寂しくて…辛くて…1人で眠れない夜、そばにいてくれたのはごっちんだった。
ごっちんも辛かったはずなのに…優しく矢口を包み込んでくれた。

誰かの優しさがあんなに嬉しかったのは…初めてだった。
273 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)23時00分40秒
「やぐっつぁん?泣いてる…の?」
「えっ?あっ…」
ごっちんにそう言われて初めて自分が泣いてる事に気がついた。
涙の原因はきっと…迫り来る哀しい現実に矢口の涙腺が反応したんだと思う。

「どうかした?泣くようなシーンじゃないのに…」
心配そうな顔をしながらごっちんは矢口の涙を優しくぬぐってくれた。

「……ちょっとコンタクトずれちゃっただけだから大丈夫だよ」
そのままギュッとごっちんの手を握る。

「そっか…ならいいけど」

今日、矢口は一体何回ごっちんに嘘をつくのだろう…
きっとごっちんは気づいているんじゃないかと思う。矢口がいつもと違う事に…

物思いにふけってる間に物語はいつの間にか終盤にさしかかっていた。
どうやらこの物語はハッピーエンドで終わったみたいだ。

いいよね…この2人は…きっと幸せになるために出逢ったんだね。
矢口とごっちんは……
274 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)23時02分32秒
映画を見終わって外に出ると、辺りは薄暗くなっていた。

「これからどうしよっか?」
携帯の時間を見ると、時刻は18時30分。

「やぐっつぁんち行こう!後藤がご飯作ったげる」
「…いいよ!ごっちんの料理おいしいんだよね〜」
「エヘ♪ありがと〜」

嬉しそうに微笑んでいるごっちん。
でも…その笑顔をこの後、矢口が壊してしまうかもしれない…

そして…もう2度と見れないかも…

ごっちんが止めたタクシーに乗って矢口の家まで向かった。
マンションの近くでタクシーを降りて2人で家まで歩く。

ごっちんは夕飯のメニューを何にしようかと独り言を言っている。

歩きながらふと、すっかり暗くなった空を見上げてみる。
夜空には怖いくらい綺麗に1番星が輝いていた。
ごっちんと過ごす最後の夜…カウントダウンはもうすでに始まっている。

矢口は目の前に…季節外れの桜の花びらが散ってゆくのを…確かに見た気がした…


〜To be continued…〜
275 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月10日(日)23時15分06秒
>>263 道化師さん
時間止めてあげたいけど…こればっかりはどうしようもないです…
そして作者はライオン(矢口)を谷底へと…(苦笑

>>264 アリガチさん
やぐっちゃんの心はもう決まりかけてるみたいです。
新PC届きました♪けど、最新システムがよくわからん(w

>>265 名無し読者さん
お待たせしてすいません。
最近どっちもマターリしすぎですね(苦笑

>>266 名無し読者さん
お待たせしました。更新です!

何か…鬱の時に書いてると訳わからない事書いてそう。
せっかく7人祭がまきまりコンビで嬉しかったのに…
あんな事件があっても私が生まれ育って、現在も住んでる大阪は大好きなんだよぉ…

これから更新は黄板を優先的にしていこうかと考えています。
まだこの話、序盤なので早く進めないと…では。
276 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年06月12日(火)00時15分16秒
うおー。まだ矢口が何を選択しようとしてるのかわからんー。
っつーか、あの人って・・・。
新PCで最新システムって・・・かっけー!(笑)
なんか、あのような事件が起こってしまって残念ですね・・・。
でも良いとこも、もちろんありますし<大阪
あまり気を落とさず(無理言うな)頑張って下さい!!
277 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月16日(土)21時36分49秒
つづきああわからない。どうなってくんですか?
278 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月16日(土)21時37分28秒
つづきああわからない。どうなってくんですか?
279 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月17日(日)00時27分48秒
ちょっと風邪をひいてダウン中…なのでもう少し待って頂けるとありがたいです。
月曜か火曜あたりには更新したいです。

それにしても、のの祭り…かなりビックリした。
一瞬、熱で朦朧としてる私が見た幻覚かと思った(w
280 名前:迷子。 投稿日:2001年06月19日(火)06時16分48秒
風邪ですか。。。大丈夫ですか!?
早く治るといいですね。健康が一番なんで無理しないで下さい。
無理せずに更新いてください。でも先が気になる(笑) 矛盾してる^^;
281 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時06分46秒
Starting〜パンドラの箱〜
−6−


「ごちそうさま〜」
「ごちそうさまでした」

あの後、矢口の家に来てごっちんが作ってくれた夕飯を2人で食べた。
ごっちんは矢口の好きな料理をいっぱい作ってくれた。でも…それが余計に悲しかった。

…………

いつものようにご飯を食べた後、矢口の部屋で2人でくつろぐ。
以前だったらごっちんが醸し出すゆっくりとした雰囲気を満喫できたんだけど…
今は…落ち着かない…流れてる時間が早いのか遅いのかわからなくなっている。

それでも残された時間があとわずかだって事だけはわかった。

このまま…何も言わないままあたしは決断するの?
でも…例え遠まわしに言ったとしても…ごっちんの笑顔を曇らす事になるだろう。

それでも…ごっちんの気持ちが知りたい…そう思うあたしは卑怯なのかな…

ゆっくり顔をごっちんの方に向ける。
ごっちんは部屋に置いてあるファッション雑誌を読んでいる。

282 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時07分39秒
「ごっちん…ちょっと聞いていい?」
「…なぁに?」
ゆっくりと雑誌を閉じ、ごっちんは矢口の方を向いた。

「もし…もし明日から矢口がいなくなったら…どうする…?」
もう心は決まってるくせに…こんな事聞くなんて矢口はズルイヤツだ。

「えっ…いなくなっちゃうのやぐっつぁん!?…ヤダ!ヤダ!絶対ヤダ!!」
ごっちんは持っていた雑誌を床に落とし、矢口に詰め寄ってくる。

「ごっちん……もしもの話だよ」
「もしもでもイヤ!後藤…やぐっつぁんがいないと生きていけない!」
「……」

ごっちんの顔がみるみる内に青ざめていく。

「ヤダよ……い…ちゃんみたいに…遠くに行っちゃわないで…独りはヤダ…」
矢口を見つめるその瞳は、いつもの輝いてるごっちんの瞳からは想像も出来ないくらい影のある瞳だった。

胸が…痛い…

矢口がいなくなった時のごっちんの姿は容易に想像できた。
後藤は…とても強いけど…それ以上に弱い娘だから…

283 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時08分21秒
「…どこにも行かないよ、矢口は…けど…」
「けど…何?」
後藤の瞳には今にも流れ落ちそうな程、涙が溢れていた。

「けど、ゴメン…もう1コだけ…もし明日になったら矢口に関する事全部、忘れてたらどうする?」
「そんな事ありえないもん!」

「忘れちゃったら…だよ?」
「絶対忘れないもん!!」

涙を流すのを我慢しているのか後藤の唇は震えていた。

「…忘れちゃうんだよ…」
「何でこんな事ばっかり聞くの?今日のやぐっつぁん変だよ!?」
「それは…」

“この箱の事については一切誰にも話してはいけません”
“話してしまうとあなたの存在がこの世の中から消滅してしまいます”

そう言われた事を思い出す。

284 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時09分10秒
「それに…どうして今日はキスもしてくれないの…?後藤の事嫌いになった…?」
後藤の瞳から大粒の涙が流れ落ちていく。

「ちがっ…」

違うよ…そんな訳ないじゃん。けど…明日になれば2人は恋人同士じゃなくなる…
後藤は矢口の事…忘れちゃう…でも矢口は後藤の記憶を覚えたままだ。

今、後藤に触れてしまえば…きっとその温もりが…矢口の心を苦しめる。
矢口の心を壊してしまう…だから何も無いまま終わりたかった。すごい自分勝手だね…

けど…前に誰かが言ってた…

“目の前で愛する人が泣いていたら…どんな理由があっても抱きしめてあげるべきだ”って…

でもその言葉を思い出す前に、もう矢口は後藤を抱きしめていた。

285 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時10分00秒
「今日のやぐっつぁん、ずっと様子変だったよ…いつもと違かった…」
やっぱり…気づいてたんだね…

「ごめん…ごめんごっちん…」
「不安になるよ…そんな事言われたら…」

激しい自己嫌悪が矢口を襲う。矢口が1番大切なのは後藤なのに…

「そうだよね、ごめん…もうこんな事言わないから」
「うっ…んぐっ…やぐっつぁん」

泣き止まない後藤をずっと…ずっと抱きしめ続けた。

例えこの温もりが今後、矢口を苦しめる原因になったとしても…抱きしめずにはいられなかったんだ。
それが…矢口の受ける報いなんだから…

いつしか矢口の腕の中で後藤は眠りについていた。

クッションを枕にしてごっちんを寝かせ、タオルケットをかけた。
しばらくその寝顔を見つめ続ける。

「ごめん…ごめんねごっちん…」
そっとごっちんの頬に触れ、涙を拭う。

ずっとこのままごっちんに触れていたかったけど…もう時間がきたみたい。

286 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時10分42秒
大きく深呼吸をしてさっきから感じていた気配を再確認し、そして話しかけた。

「ねぇ、そこにいるんでしょ?」
ごっちんが起きないように小さな声で喋りだす。

『…気づいてましたか』
矢口の後ろから出来れば聞きたくなかった声が聞こえてくる。

「もう時間なんだよね…」
『はい。答えは…出ましたか?』

「…出たよ……」
『では…返事を聞かせて下さい。どれを選びますか?』


「……恋人の…あたしに関する記憶を…消す方で…」


『それでよろしいですか?』
「うん…」

最初からわかってた。後藤に辛い思いなんかさせられないって…
矢口が起こした問題だから…矢口が罰を受けなきゃ。

287 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時11分43秒
「あのさ…ひとつお願いがあるんだけど」
『何でしょうか?』
「この娘の記憶消した後、この娘を自宅の前まで運ぶ事出来る?」
『それくらいなら簡単ですが』

「そっか…頼んだよ」
『後1分程、時間ありますが…やり残した事があればどうぞ』

やり残した事…もう無いよ。けど…最後に言いたい事がある。
あたしは後藤の側に寄り…後藤に囁きかけた。

「忘れないで…あたしの事…」
無茶な事言ってるってわかってる。けど…

「覚えていて…あたしの温もり…」
ほんの少しでもいい…心のどこかで矢口の事覚えていて…

「心はいつも…一緒だよ…」
一緒だって信じたい…

「ずっと…愛してる…」
幾筋もの涙が頬を伝い落ちていく。


そして矢口は…眠っている後藤の唇に最後のキスをした。

288 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時12分40秒
唇を離した後、後藤がゆっくり目を覚まし矢口を見た。

「やぐっ…」
ごっちんが矢口の名前を呼ぼうとしたけど、それを遮るように矢口は呟いた。


「バイバイ…ごっちん……」


そう矢口が呟いた瞬間、後藤の体は白く光りそして…矢口の目の前から消えてしまった。
後藤の香りと、部屋の床に矢口があげた指輪だけを残して…

それと同時にあの声の主も例の箱も矢口の部屋から消えていった。

きっともう、後藤の記憶は消えているんだろう…
そして…まるでこれから始まる辛い日々の為に休めと言ってるかのように、矢口はその場に倒れこんだ。



矢口は今………大事な人の心を失いました…


〜To be continued…〜
289 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月19日(火)23時21分43秒
とうとうやぐっちゃんを谷底へと突き落としてしまいました(苦笑
今回の話が最初の予告の部分で正夢になってしまったとゆう訳です。
そしてこれから矢口の試練が始まります。頑張れ!矢口〜!

>>276 アリガチさん
ありがとうございます!頑張りますよ〜
え〜矢口が選んだのはこれでした。これ選ばないと話続かないんで(苦笑
あの人…過去には絡んでるんですよね〜(笑)それとHPはもってないです。作りたいですが…

>>277 名無しさん
続きはこうなりました。そしてまだ続きます(w

>>280 迷子。さん
ありがとうです!まだ完璧には治ってないです(喉が痛い…
よければ続き読んで下さい♪
290 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月19日(火)23時28分08秒
やっぱこの展開辛いです。作者さんやぐっつぁんを救ってくれますよね?
291 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月20日(水)14時11分37秒
うーん、矢口の気持ちを考えると本当に辛い!!!
この後の展開にちょー期待!!!!!
292 名前: 投稿日:2001年06月21日(木)01時50分00秒
マルボロライトさん 相変らずいい物書きますね。
定期的なUPに期待。&今後、床に落ちた指輪に深い意味があるといいな!(笑)
293 名前:道化師 投稿日:2001年06月21日(木)15時05分28秒
ついにこの瞬間(←と書いて、トキと読む)を迎えてしまいましたか。。。
今後のやぐっちゃんの行動、というより、ごっちんの行動が少し心配です。
なんか、メンバーであることも忘れてしまってそうで……。
294 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年06月21日(木)23時47分50秒
うっわー、キツイっすね・・・。
やっぱりこう来たかって感じなんですが(苦笑)
ハッピーエンドなエンディングを迎えられたらいいんスけどね・・・。
295 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月23日(土)23時54分22秒
Starting〜パンドラの箱〜
−7−


よく覚えてないけど…こんな夢を見た。


――――――

薄暗い空間の中に矢口は1人、ポツンと立っていた。

目の前には1本の道が続いていた。
そして、そのずっと先にはほんのわずかだけど小さな光が見えた。

光の中に誰かいた。でも矢口のいる位置からは逆光になってよく見えない。

光の元へ歩こうとして気づいた。道が異様に狭い。
踏み外しそうになるくらい狭い道。その下は真っ暗な闇。

どれくらいの深さかもわからない谷底。

急に足がガクガク震えだす。でも…あの光の元へ行きたい。
一歩ずつ震える足を前に押し出して歩いてゆく。

けど…道の真ん中あたりまで来た時、矢口は足を踏み外してしまった。

296 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月23日(土)23時56分05秒

“ダメだ!落ちる!”


思わず瞳を瞑った。……けど矢口は落ちなかった。
矢口の腕を掴んでくれてる人がいたからだ。

“だ…れ?”

ゆっくりとそして力強くその人は矢口を引き上げてくれた。
暗くて顔が見えないけどすごい華奢な腕だった。

「…矢口には笑顔が似合う。矢口らしさを失わないで」

温かくて安心できるその声。
矢口は確かにその声の人物を知っていた。

「ありがとう……ちゃん」
297 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月23日(土)23時57分39秒
「ちゃんと前を見て自信を持って歩いていけば大丈夫。負けないで」

まるで…母親みたいな温もりがある彼女。
さっきまでは震えながら歩いていたのに…今は真っ直ぐ前を見てちゃんと歩けてる。
それは、後ろから感じる優しい視線のおかげだ。


そして矢口は…光の中へ…


“会いたかったよ…”“…やっと会えたね”


――――――
――――


よく覚えてないけど…こんな夢を見ていた気がするんだ。


〜To be continued…〜
298 名前:マルボロライト 投稿日:2001年06月24日(日)00時10分20秒
少ない更新でごめんなさい。
ほんとはここの部分入れない方がいいかな?と思ったんですけど…
これは矢口が倒れた後に見た夢ですが…本人よく覚えてないらしいです(爆)
でも希望は捨てないで欲しいですねぇ…ではまた。

>>290 名無しさん
書いてる私も辛かったです。救いたいですが…

>>291 名無しさん
ありがとです。やっぱ辛いですよねぇ〜

>>292 彩さん
ありがとうございます。
指輪…(汗)意味があるのかしら…?(爆)

>>293 道化師さん
ついに迎えてしまいました。
後藤はですねぇ…やっぱり…ねぇ(苦笑

>>294 アリガチさん
キツイ展開できました。
エンディング…でも書いてるのが私ですから…(w
(ボソッ いつかHP作ったら来て下さいね)
299 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年06月24日(日)01時00分50秒
ちゃん??
あの人だと思うんだけど・・・違うのかな(^^;
この後の展開が怖いッスね・・・。
300 名前:mo-na 投稿日:2001年06月25日(月)04時08分02秒
おっととっと更新だ!「温もりがある彼女」気になる〜
後半は、やはり痛いのでしょうか… たまにはでOKなんで
甘いのもチョコット入れてあげて下さい。やぐっさん〜 
これからの ごっちんが見物ですね(笑)
301 名前:道化師 投稿日:2001年06月25日(月)12時34分46秒
想像は既についてるんですけど、敢えて口には出しません。
だって、間違ってたら恥ずかしいですからね(笑)
目が覚めた後、やぐっちゃんは一体どうなるのか???
302 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月29日(金)20時16分36秒
きた〜いsage
303 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月05日(木)23時19分16秒
Starting〜パンドラの箱〜
−8−


朝起きて何度も何度も、夢であってほしいと思った。けど…
ジュエリーケースの上にある朝陽を浴び眩しいくらいに輝く指輪。
その指輪が何もかもを物語っていた。

―――これが現実……。

記憶を無くした後藤を見た時、矢口はどうなるんだろう。
まともに会話できる自信なんてないよ。

仕事だって…矢口は続けていけるんだろうか…?
何でもないフリして笑えるのかな…

こんなに弱気になったのは生まれて初めてだった。
それだけ自分の中で後藤の存在が大きいって事なんだけどさ…

けど一昨日から嫌って程思い知らされるのは…時間は止まらず進むって事。
もう仕事に行かなくちゃいけない時間だ。
何をどうしたいのかわからぬまま矢口は仕事場へと向かうために家を出た。
304 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月05日(木)23時21分24秒
今日はもうすぐ始まるツアーのダンスレッスンの日。
事務所に集まってからみんなでスタジオまで移動する。

矢口は重い足取りで事務所内へ入っていく。
控え室に行く途中にマネージャーさんに会った。

「おはようございます」
「おはよう。もうメンバーみんな来てるよ」
みんな来てる…じゃあ…

「あの…後藤は来てます?」
「?みんな来てるって言ったでしょ?後藤も来てるよ」
…だよね。
「…そうですか。わかりました」
「???」

まともにマネージャーの顔も見ないで矢口は控え室へと向かった。
よりいっそう重くなる足取り。そして…扉の前で足を止めた。

このドアを開けたらごっちんがいる。記憶を無くしたごっちんが…
何て言ったらいいんだろう…何を喋ったら…

“初めまして”?…ヤダそんなの。絶対言いたくない。

でもその前に…みんなに事情を話さなきゃいけないかな…
矢口のせいでメンバーに迷惑はかけたくないんだけど、でもすぐに後藤の異変に気づくだろうし。
あたしは1回大きく深呼吸をしてドアノブに手をかけた。
305 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月05日(木)23時22分43秒
『ガチャ』
ゆっくりドアを開け部屋の中へと入った。

「…おはよ…」

「「「おはよ〜」」」
いつものようにメンバーから元気良く返事が返ってきた。
けど、聞き慣れた声が聞こえてこない。

一瞬の静寂の後、彼女は口を開いた。

「えっ…みんな知ってる人…?」
彼女はキョトンとした顔で矢口以外のメンバーを見回す。

後藤と瞳があった。でも後藤は「この人誰?」とゆう瞳をしていた。
矢口はその場に固まったまま動く事ができなかった。

わかってはいたけど…ショックだった。

目の前にいる後藤は、矢口の知っている後藤じゃない。
一緒に苦しみや悲しみを乗り越えたあたしだけの後藤じゃない。
初対面の時とは違う。あの時の後藤は全員の事を知らなかった。

けど今、目の前にいるのは…矢口だけを知らない後藤真希…
ショックで泣きたいはずなのに…何でだろう?涙が出てこない。

“本当に…本当に哀しい時って…涙は出てこないものなんだ”

あぁ…アイツが言ってた事は本当だったんだ。
306 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月05日(木)23時24分09秒
「ごっちん何朝っぱらからハイレベルなボケかましとんねん」
「裕ちゃんの友達…?…にしては若いか…」
「はぁ?何やあんたらケンカでもしたんか?」
「意地悪しないで教えてよ〜」

裕ちゃんと後藤のやり取りが部屋に響く。

「ちょっ…本気でケンカか!?矢口…ごっちん怒らすような事したん?」
「矢口さん…ってゆうんですか…初めまして後藤です」


“初めまして”


……その言葉が矢口に追い討ちをかけた。

「後藤がここまでボケんのも珍しいね…」
違うよ圭ちゃん。ごっちんの瞳が…矢口を見ていない…

「…ちょっと裕ちゃんこっち来て」
「何や何や、やっぱりケンカかいな」
「……」

あたしは強引に裕ちゃんの腕を掴み急いで部屋を出た。
307 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月05日(木)23時25分23秒
人がいない場所まで裕ちゃんを連れて行った。
箱の事は言えないけど、後藤が今どうゆう状態かぐらいは言っておかないと…

「裕ちゃん、今から矢口おかしな事言うかもしれないけど…真面目に聞いてくれる?」
「何や仲直りの方法か…そうやなぁ…」
「真面目に聞いて!!」
「…すまん」

矢口の真剣さを悟ったのか裕ちゃんの顔つきも真面目になった。

「さっきの後藤…いつもの後藤じゃなかったでしょ?矢口への態度が」
「あぁ…」

「…信じられないかもしれないけど…後藤、矢口の事知らないの」
「はぁ!?何ゆうてんねん…」
裕ちゃんは眉間にしわを寄せた。そうだよね…普通は信じられないよね。

「後藤…矢口の事だけ忘れちゃったの…記憶が無いの」
「……う…そ…やろ?そんな事ありえへんやん」

「冗談でこんな事言えないよ…」
「ほな…同じメンバーって事も?」
「うん。それに矢口と付き合ってた事も…とにかく矢口の事だけ全部忘れてるんだ」
「…マジで?」

それから裕ちゃんに箱の事以外を話せる範囲で話した。
308 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月05日(木)23時26分42秒
「とりあえずはわかった。けど、矢口は何でごっちんが記憶無くしたんか…知ってるんか?」
「知ってるけど…言えない。でも後藤は何もしてない。後藤は何も悪くないんだ」
「…事故とか病気とかとはちゃうんやな?」
「違うよ」

「記憶戻る可能性は?何かの拍子に戻ったりするんとちゃう?」
「わからない…」
わかってる事は…可能性は限りなくゼロに等しい事ぐらいだ。

「そっか…じゃあメンバーにはうちから事情話すわ。矢口、何回も言いたくないやろうから」
「…ありがとう」

「それと…後藤には矢口の事教えやなあかんなぁ。一緒に活動してるんやし」
「…そうだね。でも矢口と付き合ってた事は言わないでね」
「それでええんか?」
「だって…知らない人と付き合ってたなんて言われたら後藤も嫌だろうから…」
自分で言って胸が痛くなった。

「…わかった。じゃあうちはみんなの所行ってくるけど矢口はもうちょっとここにおり」
「うん…ごめんね迷惑かけちゃって」

裕ちゃんは少し複雑そうな顔をして矢口の髪を撫で、そして部屋の方へ歩いていった。

309 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月05日(木)23時27分51秒
裕ちゃんがみんなの所に戻った後、矢口はその場に座り込んだ。
どうやら待ち受けていた現実に矢口の体はついていけなかったみたい。

必死に震える自分の体を抱き抑える。

けど…ショックを受けてる半面、どこか冷静に受け止めてるもう1人の自分がいた。
先に仕事の事を優先して考えてる自分。
それはきっと…モーニング娘。としての矢口真里の方なんだろう。

でも今は何も考える事が出来なかった。


『矢口さん…ってゆうんですか…初めまして後藤です』

後藤の声が矢口の頭の中で繰り返し響き渡る。




今は心にポッカリと穴が開いた気分…ただそれだけだった…


〜To be continued…〜
310 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月05日(木)23時39分05秒
え〜ついにご対面です。
ようやくこの話も後半に突入しました。
でも、まだまだ辛い展開が続いていくかもしれません(苦笑

>>299 アリガチさん
どうもありがとうっす!
「…ちゃん」←普通に考えて思いつくあの方です(w

>>300 mo-naさん
気になる彼女はあの人です(w
痛いとゆうより…辛いかも?って感じです。
話的に甘いのは無理かも(苦笑

>>301 道化師さん
多分合ってるでしょう(w
何もひねってないですから。(HP作ったら是非どうぞ(w))

>>302 名無し読者さん
待たせてすいません。続きです。
311 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年07月06日(金)00時00分36秒
更新お疲れさまです。
しかし・・・イテテテテ。
どういう風に今後話が進むのか、楽しみですわ。
312 名前:道化師 投稿日:2001年07月10日(火)10時11分56秒
今後、ホントどうなってしまうのでしょう。
気になって気になって、夜も眠れません……(笑)
313 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月19日(木)20時54分53秒
こちらの小説を「小説紹介スレ@黄板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=yellow&thp=995445727&ls=25
314 名前:読んでる人 投稿日:2001年07月22日(日)12時38分46秒
頼む!!そろそろ続きをUPしてくれ〜!!!
315 名前:お願い!! 投稿日:2001年07月23日(月)12時37分02秒
早く!続きをUPしてください!
316 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月23日(月)18時20分53秒
>>315
更新されるまでageないで
317 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月23日(月)23時03分33秒
Starting〜パンドラの箱〜
−9−


控え室に戻るとそこにごっちんの姿はなかった。

「あれ?ごっちん何処いったん?」
ごっちんの横に座ってた圭坊に聞いてみる。

「ソロの歌収録の事でマネージャーさんに呼ばれて行っちゃったよ」
「そっか…まぁその方がええねんけど」
とりあえずごっちん以外にごっちんの事話しとこか…

「何?何か用事?」
なっちが人懐っこい顔でうちを見てくる。
「…実はなぁ」

うちはさっきの後藤の言動についてと、今の矢口の状態をメンバーに話した。
318 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月23日(月)23時05分02秒

「本当…なの…?」
なっちの表情がうって変わって驚きに変わる。まぁ当たり前やな。

「あぁ、ほんまみたいや」
「じゃあさっきの後藤…ふざけてたわけじゃないんだ」
圭織は意外にもすんなり納得した。

「仕事に関してはまぁどうにかなるやろうけど…問題は矢口の精神状態やなぁ」
「矢口の気持ち考えると…ね」
圭坊が苦笑いを浮かべた。今でさえ矢口は壊れそうな瞳をしとったのに…

「今、矢口さんはどうしてるんですか?」
黙って話を聞いとった吉澤が口を開いた。

「向こうの部屋におる。顔色悪かったから少し休ませてるねん」
「大丈夫なんですかねぇ」
「さぁ…大丈夫とちゃう事は確かやけど」

…………

319 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月23日(月)23時06分09秒
困惑ぎみのメンバーを置いてうちは後藤を探しに部屋を出た。

さてと…ごっちんに矢口の事教えやななぁ。
ごっちんどこや?……おった。丁度一人やな。

「あれ…裕ちゃんどうしたの?何か用事?」
廊下の向こうからごっちんは歩いてきた。
どうやらマネージャーさんの話も終わったみたいやな。

「あのなぁごっちん話があんねん。…実は」
うちはごっちんに近寄って肩を抱き寄せた。

「なぁに?裕ちゃん」
ごっちんはキョトンとした顔でうちを見てくる。

「さっき部屋に入ってきた女の子おるやろ?」
「あの背の低い人?」
「そう…ほんまにあの娘が誰かわからん?」
「うん。わからないよ」
「そっか。あのな、あの娘は…うちらと同じモーニング娘。のメンバーなんや」
320 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月23日(月)23時07分40秒
「ウソ…ほんとに!?ほんとに同じメンバーなの!?」
ごっちんは驚いてうちから体を離した。

「あぁ。圭坊達と同期や」
「ってことは…市井ちゃんとも?」
「そう同期や」
紗耶香の事は覚えてるんか…ほんまに矢口の事だけ忘れとるんやな。

「何にもわからんのか?矢口の事」
「うん…それってあたしだけが忘れちゃってるって事なんだよね」
「そうゆう事みたいや」
「そういえば事務所内に貼ってある娘。のポスターに一緒に写ってるもんね」

「何でごっちんがこうなったのか、うちにはわからへんけど…」
「…うん」
「せやけど…ずっと一緒におったメンバーやから矢口は。知らん事だらけで上手く付き合われへん時も
これから出てくるやろうけど、すぐにとは言わんから徐々に打ち解けていったってくれるか?」
「うん…でもあたし…」
わかってる…あんたがなかなか心を開かんって事。

「徐々にでええねん」
「わかった…」

取りあえずこれでごっちんは何とかなるかな?後は…矢口しだいやな。
321 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月23日(月)23時08分57秒
『コンコン。ガチャ』
矢口が部屋でボーっとしていると訪問者は突然来た。

「あの〜…」
「!!…あっ」
その声におもわず体が反応する。

ドアを開けて矢口を見ているのは紛れもなく後藤だった。
中に入り遠慮がちに矢口に近づいてくる。

「矢口さん…さっきはごめんなさい。失礼な事言って…先輩だったんですね」
「裕ちゃんに聞いたんだ…矢口の事」
「はい…」

後藤…気まずそうだな…
無理もないか…初対面のヤツと同じ空間にずっといるのは居心地が悪いだろうし。

「あの…これからよろしくお願いします」
「うん…」

そして後藤はペコリと頭を下げて部屋を出ていった。

322 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月23日(月)23時12分35秒
「はぁ…」
どうやら後藤は挨拶だけしに来たみたいだ。

矢口さんなんて呼ばれるのいつ以来だろう。
後藤は加入してきた時はすぐにうちらに打ち解けて…
矢口の事は最初“まりっぺ”って呼んでくれてた。今は誰も呼んでないけど。

『やぐっつぁん♪』

よく考えると、昨日まで矢口の事あだ名で呼んでたのって後藤だけなんだよね。
新メンバーは“矢口さん”他は“矢口”だし。

昔の後藤なら「こう呼んでいいよ」って言ったら素直に呼んでくれただろうけど
新メンバー達と馴染んでしまった今、一人だけはみ出る事はしないだろう。

それは仕方のない事なのかもしれない…


でも…“矢口さん”って他人行儀で呼ばれる事が後に矢口をもっと苦しめる事になった。




〜To be continued…〜
323 名前:マルボロライト 投稿日:2001年07月23日(月)23時20分41秒
遅くなってすいません。
今回の話、超難産でした…
その割には内容が無い気もしますが(汗
しばらく更新が不定期になると思いますのでsageにしました。では次回。

>>311 アリガチさん
ありがとうです。
矢口がある事に気づけば辛い展開から抜け出せるのですが…

>>312 道化師さん
今後はどうなる事やら…
夜はちゃんと寝て下さい(w

>>313 バク紹介人さん
ありがとうございます。
今後の事はネタバレになるんでここでは控えておきます。

>>314-316 
随分待たせてすいませんでした(汗
324 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年07月23日(月)23時30分39秒
最近の矢口は好きなのでこれ見てるとキツイっすわ。
っつーか、「ある事」ってなんだろ?(爆)
更新不定期になってもこちらはのんびり待ってますので頑張って下さいませ!
325 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月29日(日)19時17分47秒
うう…。悲しいです。
続き期待してます。
326 名前:マルボロライト 投稿日:2001年08月04日(土)22時56分10秒
Starting〜パンドラの箱〜
−10−


その後、矢口はまともに後藤と会話する事もないままスタジオに移動した。
スタジオに着いてからも大事なレッスンなので休憩時間以外は私語は禁止だ。

休憩時間、何度か後藤と目が合った。
けど…その度に後藤は気まずそうに目を逸らすだけだった。
矢口も目を逸らされるのが怖くて後藤の方を見れなくなった。

夜の9時を回り長時間のダンスレッスンは終わった。
みんなシャワールームで汗を流す。
熱くなった体に冷たいシャワーを勢いよく浴びせる。
矢口の体が寒さで震えだした頃、メンバーの何人かはもうシャワーを浴び終えていた。

少し静かになったシャワールーム。今度はシャワーの温度を熱くした。

体の震えは止まっても心の震えは止まる事はない。
このまま熱いお湯に溶けてしまえばいいのに…そんな事まで考えていた。
けどいつまでもシャワーを浴びてる訳にもいかず、矢口はシャワーを止めた。

そろそろ出ようと思いバスタオルを巻いて個室のドアを開けたんだけど…
更衣室の方から声がする。どうやら後藤とヨッスィーの2人がいるみたいだ。

矢口は出るに出られずその場で足を止めた。
327 名前:マルボロライト 投稿日:2001年08月04日(土)22時57分35秒
「ごっちん…本当に矢口さんの事、わからないの?」
「裕ちゃんと同じ事聞かないでよぉ。ん〜わからないってゆうより…知らないんだよね初めて会ったから」
「はぁ…」

「ねぇ?あたし矢口さんと仲良かったの?」
「そりゃ仲良いも何も2人は付き合っ…」

「2人は…何?」
「…1番の仲良しだったんだよ」
「そうなんだ…ちょっと意外な感じがするかも」
「何で?」
「だってあたしと矢口さんって年離れてるじゃん?それにヨッスィーが1番話合うし」
「そのあたしが入り込めないぐらいだったんだよ…2人は」

「ふ〜ん…でも何もわからないや。そろそろ出よう?ヨッスィー」
「あっ…うん」

『ガチャ…バタン』
328 名前:マルボロライト 投稿日:2001年08月04日(土)22時58分11秒
どうやら2人は更衣室を出ていったみたい。
ヨッスィーが気を使ってか小声で話していたので会話の内容はよくわからなかった。

いや…矢口が聞きたくなかっただけなのかもしれない…

今、後藤が一番心を開いてるのはヨッスィーだ。
最初からあの2人は気が合ってたし…ましてや同い年。話もしやすいんだろう。
もし2人がお互いを意識しだしたら…
でもヨッスィーは後藤の事そうゆう風には見てないはずだ。

わかってる…わかってるけど…
今、あの2人が一緒にいたり話してるのを聞くのは精神的に辛い。
こんな事になる前は何とも思わなかったのに…

でも…仕方のない事だ。矢口が悪いんだから。
全部…全部矢口のせいなんだから…
329 名前:マルボロライト 投稿日:2001年08月04日(土)22時58分52秒
「…ダメだよ矢口」

突然後ろから聞こえてきた声。

「えっ?圭織、まだいたんだ…何がダメなの?」
振り向いた時、圭織はバスタオルを体に巻き真剣な顔をして矢口を見つめていた。

「圭織…何か知ってるの…?」
「ううん…よくわかんないけど。でも…このままじゃダメだと思う」
昔から圭織は突然不思議な事をよく言うんだけど…未だに理解し難い。


「ねぇ矢口…あんまり自分を責めすぎない方がいいよ?でないと簡単に気づける事に気づけなくなるから…」


ポンっと矢口の肩を叩いて圭織はシャワールームを出ていった。
矢口以外誰もいなくなったシャワールームにはポタポタと水滴の音が響いている。

簡単な事…?気づく…?それってどうゆう意味…


この時の矢口には圭織の言った言葉の意味が理解できなかった。



〜To be continued…〜
330 名前:マルボロライト 投稿日:2001年08月04日(土)23時07分46秒
少ないですが更新です。ちょっとだけキーポイントに入りました。
圭織には何かわかったみたいですね。でもまだ矢口にはわからない…

>>324 アリガチさん
すいませんねぇキツイ思いさせて…でももう少し我慢して下さい(w
ある事…もうちょっとしたらある人が教えてくれます(爆)

>>325 名無し読者さん
悲しいですよね…私は痛い話あんまり好きじゃないはずなのに(苦笑
331 名前:アリガチ(HN) 投稿日:2001年08月05日(日)00時00分42秒
更新、お疲れさまッス。
しかし、悲しいかな・・・何にもわかんねー!(爆)
ある人・・・ドキドキ。
332 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月05日(日)00時47分38秒
うおぉぉおぉ!!
またこんなとこで〜!!(叫)
333 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月08日(水)22時32分28秒
ある人ってやっぱりあの人‥‥なのかなー
早く続きが読みたくなりますね!
あ、でもマイペースで(w
334 名前:マルボロライト 投稿日:2001年08月17日(金)02時21分41秒
〜お知らせです〜
今書いてるこの話まだちょっと続きそうで、しかも
このスレは200KB超えてるので最初から新しくスレを立てて始めようと思います。
新板のどれかに「Starting〜パンドラの箱〜」のタイトルで立てますので
今度はそちらでよろしくお願いします。

>>331 アリガチさん
わからなくて当然なのかも…でも「はぁ?そんな事!?」って思うかな…?
ある人…オホホホホ(爆)

>>332 名無し読者さん
すいませんねぇこんなとこで(w

>>333 ラークマイルドソフトさん
あの人…といったらあの人でしょう(爆)
引越し先でも読んでもらえると嬉しいです。

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