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ありがとう。裕ちゃん・・・。

1 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時48分40秒
どうも、『ま〜』です。
中澤脱退で、ものすごく凹んでます・・・。
でも、中澤好きとしては、ここで小説を書かねばならんと思い、書きました。
大したストーリーじゃないですけど、一気にUPします!

ありがとう。裕ちゃん・・・。
2 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時49分18秒
中澤さん・・・。
あたしの目の前の画面で、涙をこらえつつ記者会見する中澤さん・・。
あたしの頬は涙で、すっかり濡れていた。
小さな水溜りが出来てました。
あたしの立っている床の上に・・・。

涙が止まりませんでした。
いつかは来ると分かってた・・・。
そしてあたしは知っていました。
中澤さんがモーニング娘。を脱退するのを・・・。
そしてその理由も・・・。
3 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時50分00秒
メンバー加入当初はドキドキの連続でした。
最初は、なかなか打ち解けられなかったオリジナルメンバー達。
特に怖かった中澤さんとか・・。
それでも段々と仲良くなることが出来ました。

その頃からですかね?
あたしが「男前」とか、
「男っぽい」とか言われるようになったのは。
確かにあたしは男っぽいって学校でも言われてます。
背も高いし、性格も男っぽいし・・。

他のメンバーがうらやましかった。
特に・・・、中澤さん・・・。
あたしが加入して間もなく27歳になった中澤さん・・。
あたしは、あの人のようになりたい、
そう思っていました。
年齢より若く見え、そして綺麗。
そして強い女の人。
あたしが27歳になった時に、中澤さんのように若さと美貌を保てるかどうか、
正直言って自信がありません。
あたしもあんな人になりたい・・。
そう思っていました。
4 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時50分33秒
あれは・・、いつ頃でしたかね?
あたしが加入して半年ほど経った時、
中澤さんに食事に誘われたんです。
しかも二人きりで。
あたし、嬉しかったです。
中澤さんとは、正直な話、あまりまだ打ち解けていなかったから・・。
だからもちろん付いて行きましたよ!

店は小さい店でした。
でもそこの料理はとても美味しかったです。
中澤さんと一緒に食事が出来た、
それは多分、料理の味をさらに上げてくれた気がしました。

もっとも中澤さんは料理よりもビールばかり口に運んでましたけどね。
5 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時51分26秒
「かぁ〜!うまかった!」
「中澤さん・・。食事じゃなくて飲みに来たって感じでしたよ・・。」
「ええんや、ええんや!」
食事が終って店を出ました。
もう直ぐ冬、寒いな・・。
そう思った時、
あたしの右腕に、突然腕が絡んでくるのに気づきました。

「中澤さん・・・。」
「ええやろ。こうしてると、彼氏と彼女みたいやろ?」
「どっちが彼女ですか・・?」
「もちろんうちや!」
はぁ〜・・。
そんなにあたしって男っぽく見えるかな?
でも・・、
酔って顔が赤くなった中澤さんって・・、綺麗ですね・・。
目がとろ〜んとして・・。
あたしが本当に男だったら放っておきませんよ。

「中澤さんて、彼氏とかいないんですか?」
あたしはちょっと爆弾質問をしてみたんです。

「おったら吉澤と食事にこん。彼氏と来るわ!」
「まあ、そうですよね・・・。」

でも中澤さん・・。
そのセリフ・・、嘘だったんですね・・・。
6 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時52分05秒
「吉澤〜、送ってってや〜。」
中澤さんが、甘い声で囁きました・・。
あたしは考え込んじゃいましたよ。
だって、中澤さんのほうが、あたしよりずっと年上なのに。
普通だったら逆のセリフじゃないですか・・?
でも・・、甘える中澤さんて、可愛いですよね。
年上を感じさせない。
それがまた、中澤さんの魅力ですね。

「わかりました〜。」
あたしはしぶしぶ言いました。
もっとも中澤さんの家に行ってみたいし。

「さすが吉澤〜!男前〜!」
中澤さんがあたしに抱きつきました。
ちょっと・・、照れますよ・・。
7 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時53分21秒
あたし達は中澤さんの家に着きました。
ちょっとドキドキですね。

中澤さんは部屋の電気をつけました。
意外と整理された綺麗な部屋。
あっ、意外ってのは失礼ですね・・。

「まあ、上がりや。」
「はい・・・。」
私は中澤さんの部屋に入りました。

中澤さんは部屋に入ると、やや小さめの独り暮し用の
冷蔵庫を開けると、ビールを取り出しました。
「またビールですか・・。」
「ええやん・・。吉澤も飲むか?」
「いいです!」
「なんや〜、付き合い悪いな〜。」
「そう言う問題じゃないです!!」
中澤さんがニコリと笑うと缶ビールを開けました。
そして飲みました。

「かぁ〜!うまっ!」
そんなに美味しいんですかね?
あたしが興味津々な目で見ると、

「飲んでみたいんか〜?」
う・・・。読まれてる・・・・。
って感じですかね。
「う〜ん、ちょっとだけ・・。」
そう言って、あたしは中澤さんの飲みかけのビールに口をつけました。
そう、中澤さんの口紅の跡が、あたしの唇に重なりました・・。
間接キス・・・。
な〜んてあたしはそんな考えはありませんよ〜。
8 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時53分57秒
「苦っ!」
あたしがはじめて飲んだビールは苦かったです。
きっとあたしの顔はくしゃくしゃでしたよ。
そんなあたしを見て、中澤さんは笑っていました。
「苦いやろ〜。」
いたずらっ子のような目であたしを見ます。
色っぽいですね・・・、って、あたし何考えてるんだって・・・。

「ふぅ〜。今日も疲れたな・・・。」
中澤さんはそう言って、ベットに横になりました。
右腕で目を隠すように、仰向けに。
「うちも歳やからな・・。」
そんなことありませんよ!!

「そんなことありません!!」
あたしは思わずムキになって言ってしまいました。
あまりあたしがムキになったので、
中澤さんは、かなり驚いたようです。

「どうしたん・・?吉澤・・?」
9 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時55分14秒
あたしは気を落ち着けると
中澤さんが横になっているベットに座りました。
「だって・・・、中澤さん・・、その容姿で歳なんて言ったら怒られますよ・・。」
「そうかな?だって、他のメンバーより倍くらい歳くっとるんやで・・・。」
「でも、綺麗なものは綺麗です!!」
あたしは中澤さんの顔を覗き込みながら言いました。

「吉澤・・・。あんた・・。ほんまに可愛い男前やな・・。」
ふと気づくと、中澤さんの両腕があたしの首に巻かれていました。
中澤さんは自分の両腕をぐっと引き寄せたんです。
それは結果的にあたしの顔を中澤さんの顔に近づけるということ。
あたしの唇は中澤さんに奪われました。

「!?!?」
あたし驚きましたよ。
加入以来、何度もキスはされました。
でも全部頬にされたもので、口にされたのは初めてでした・・・・。

本当なら拒否しますよ。
女同士ですもん。
でも、この時は違いました・・。
何でなんでしょう?
初めて口にしたアルコールなんでしょうか?
ベットの上という環境なんでしょうか?
それとも・・・・、それとも・・・。
10 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時55分58秒
あたし達は、しばらく唇を重ねていました・・。
何故なんでしょう?
全然嫌な気がしませんでした。
むしろ気持ちよかったような・・。

あたし達は唇を離しました。
「吉澤・・。かわいいで・・。」
あたし、黙っちゃいましたよ。
顔が赤いのはビールのせいだけじゃないです。
なんでだろ?
あたし、女の子なのに女の人からのキスで赤くなるなんて・・。
でも、あたしも言っちゃいました。
「中澤さん、綺麗ですよ・・・。」
何があたしに、そう言わせたのでしょうか・・・?

中澤さんは、あたしの服に手をかけました。
その意味するところは一つしかありません。
中澤さんの手は、次第にあたしの服のボタンを外し始めています。
普通、嫌がりますよね。
女同士だし。
でも、この時、なぜか抵抗する気にはなりませんでした。
11 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時56分34秒
あたしは、あっという間に下着だけになっていました。
あたし、どうしたらいいんでしょうかね・・。
やっぱり中澤さんの服を脱がしたほうがいいんでしょうか?
どうしようかと迷っていると、
中澤さんがゆっくりとあたしの手を取ると、
中澤さんの服へと導きました。
そこには中澤さんの履いているジーンズのボタン・・・・。
あたしは、何の抵抗も無くボタンを外しました。

何時の間にか二人とも何も体にまとっていませんでした。
それから・・、あたしたちは・・・・。
あたしは人生で初めての経験をしました。
初めての経験は、中澤さん・・、女の人でした。
12 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時57分12秒
翌朝、中澤さんがシャワーを浴びている音で目が覚めました。
あたし・・、何も着てません・・・。
ぼ〜っとした頭で、昨日の夜、何があったか考えました。
何があったか・・・。
「!!!!!!」
やっと思い出しましたよ。
あたし、中澤さんと・・・、その・・、Hなことしました・・・。
どうしよう・・・。

シャワーの音が止まりました。
そして・・、あたしの初体験の相手、中澤さんがバスタオルを体に巻いて
バスルームから出てきました。

一瞬、目が合ったんですが、思わず目を逸らしてしまいましたよ・・。
だって、恥ずかしい・・・。

「昨日の吉澤、えらい可愛かったで・・。」
なんて事を言うんですか・・、中澤さん・・。
可愛いって言われるのは嬉しいんですけど、
なにもこんな時に言わなくてもいいじゃないですか。
13 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時57分51秒
それから2ヶ月ほど、あたし達は普通の女の子同士の関係ではありませんでした。
よく泊まりに行きました。
中澤さんの家に。
もちろん中澤さんも、あたしの家に泊まりに来ましたよ。

あたし、ごっちん達とも仲良かったですけど、
それ以上に中澤さんと仲が良かったですよ。
本当に、毎日一緒にいました。
家族のように、
いや、それ以上に、中澤さんとは一緒にいました。
ふざけたり、キスしたり・・・。

そう、あの日まで・・・。
14 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時58分21秒
それは21世紀が迫りつつあった、ある冬の日。
あたしがいつものように、中澤さんの家に泊まった時。
あたしは中澤さんの腕枕の中、
いつものように、猫のように丸まっていました。

突然中澤さんが口を開きました。

「うち・・、結婚するかもしれへん・・・。」
あたしは最初、中澤さんが何を言いたいのか、意味がわかりませんでした。
思わず言ってしまいました。
「おめでとうございます・・。」

その言葉を言った数秒後、あたしは中澤さんの言わんとしていることを理解しました。

それは、『脱退』でした・・・。
15 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)22時59分08秒
「はぁ!?」
あたし、ものすごい素っ頓狂な声をあげました。
あたりまえですよ・・・。
あたしがいながら・・、あたし達がいながら・・・・・。

「卒業・・・・・、つまり脱退するんや・・・・。」
そんな・・!
卒業の件もそうですけど、
恋人がいたなんて・・・。
あたしとの関係は何だったんですか・・・・?
中澤さん、言いましたよね、彼氏はいないって・・・・。
目の前が真っ白になりました。
そんなあたしを尻目に、中澤さんが続けました。

「春頃、3月か4月頃かな・・・。このぶんだと・・・・。」
16 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月09日(金)23時00分04秒
面白い……。
17 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時00分07秒
「中澤さん・・・。冗談でしょ・・?」
中澤さんは、あたしから目を逸らすと、黙ってしまったんです。
「冗談ですよね・・?」

ようやく中澤さんが言った言葉に、あたしは打ちひしがれました。
「ほんまや。今まで黙ってて、ごめん・・。」

ごめんじゃないですよ!!!
あたし、あたしは何だったんですか?
結婚を考えてる相手がいるにもかかわらず、
あたしに、あたしにこんな事して!!

「あたしを弄んだんですか?!」
感情的になったあたしは、柄にも無く怒鳴ってしまいました。

「ごめん・・・。ほんまに・・、堪忍や・・・。遊びじゃなかっ・・・・!」

『ぱんっ!!』

中澤さんは最後まで喋ることは出来ませんでした。
なぜなら、あたしが喋らせなかったから・・。。
あたしの右手が、中澤さんの左頬を赤く染めさせました。

中澤さんは左手で、赤く内出血をした左頬を押さえていました。
あたしは、そんな中澤さんにかまわず、素早く洋服を着て、
夜中にもかかわらず、中澤さんの家を飛び出しました。


中澤さんの家を出て、小走りに100メートルぐらい走りました。
後ろを振り向いても、あたしを追ってくる影はありません。

その夜は、家に帰る気にもなれず、夜、近所の公園をぷらぷらしながらすごしました。
18 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時00分47秒
それから、正月を挟んで2ヶ月間ほど、
あたしと中澤さんは一言も口をききませんでした。
TVの前では口をきいたかもしれません、
でも、それは形だけ。
プライベートで会うことも、そして家に行くことも・・。

1月が過ぎ、2月が過ぎ、
コンサートをやったり、収録もしたし、
あたしはその頃には中澤さんの言ったことをすっかり忘れていました。

そんな3月6日。

「明日は収録後に重大発表があるから。」
そうマネージャーさんから言われました。

あたしは思い出しました。
中澤さんが『あの日』に言った言葉を・・。
19 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時01分58秒
>>16 すなふきんさん
ありがとうございます。
凹みながら書いた小説なんで、あんまり期待しないでくらさい・・。
20 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時02分49秒
その夜、あたしは知らず知らずのうちに中澤さんの家の前に立っていました。
何ででしょう?
あれだけ、あたし怒って、口もきかずに・・。
にもかかわらず、あたしは中澤さんの家の前。
肌を切るような冷たい風の中。

突然、あたしを呼ぶ声がしました・・。
「吉澤・・・。」

中澤さんでした・・。
「どうして・・・?」
21 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時03分25秒
久しぶりの中澤さんの部屋。
3ヶ月ぶりくらいの中澤さんの部屋。
あれからほとんど変わりがありませんでした。
一つ違ったのは、TVの上にある中澤さんの写真。
男の人と写ってる写真。

部屋に入ってから1時間くらい、二人は全く口をききませんでした。
その沈黙を破ったのは中澤さん。

「聞いたんか?明日のこと・・・?」
「はい・・・。何か重大発表があるって・・・。」
「そうか・・・。」
あたし達は再び黙ってしまいました。

そこで突然中澤さんが泣き出しました。
「うち・・、うち・・・。本当は辞めたくない・・・・。」
22 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時04分08秒
そんな勝手な言い分ありませんよ・・・・。
中澤さんは自分の意思で、そして自分の幸せの為に『脱退』するんですから・・。

「うち・・、うちも女や・・。自分の幸せが欲しい・・。」
涙する中澤さんの前で、あたしは何も喋れませんでした。
中澤さんの気持ちは分からないでもありません。
あたしだって女ですから・・・。
でも、でも・・・。

「あたしとの関係は遊びだったんですか・・?」
中澤さんに聞きました。

「遊びや無い・・。本気やった・・。好きやった・・。本当に・・。」
23 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時05分08秒
そんな・・・。
「うち。メンバー全員が好きや・・。もちろん娘自体も・・・。でも・・。」
中澤さんの涙は止まりません。

「でも、それだけや無い。もううちも歳や・・。体力的に・・。」
中澤さんは堰を切ったように話し出しました。

「歌は歌いたい。でももう体力的に厳しいんや・・。それに結婚もしたい・・。
うち、いつも言っとたやろ・・。子供生んでも、結婚しても辞めへんって。
でも、そうはいかんやろ・・。彩っぺは結婚するんで辞めたんや・・・。
それなのに、うちだけ特別なわけにはいかんやろ・・。
それじゃあ示しが付かへん・・・・。うちだけ特別にはいかんのや・・。
でも、歌は歌いたい・・・。もう、卒業してソロになるしかない・・・。
そう悩んでいた時や、吉澤に会ったのは・・・・・。吉澤の笑顔や、行動・・・。
それが、うちを癒してくれた・・・・。
うちは、決心できへんかった・・。
でも、吉澤の笑顔が、うちに勇気を与えてくれた。
うちは、吉澤・・、あんたをうちの決断の踏み台にしてしもうた・・・。
悪かったと思ってる・・。この3ヶ月間・・・。ほんまに・・・・・・・。」
24 名前:すなふきん 投稿日:2001年03月09日(金)23時05分47秒
すごいスピードですね(驚
25 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時05分51秒
中澤さんがこんなにも悩んでいたなんて。
そんな事、これっぽっちも見せなかった。
どれだけ辛かったんでしょうか・・。
あたしなんかには想像も出来ないほど辛かったでしょう・・・。
グループのメンバーとして、
リーダーとして、
最年長として、
歌手として、
そして女として・・・・・。

あたしは本当の中澤さんを理解してませんでした。
男っぽくて、
いつも怒って、
それは全部、自分の弱さを隠すためだったんですね・・・・。
強い女を演じていただけだったんですね。
ごめんなさい・・・。
あたしこそ、上辺だけの付き合いだったんだ・・。

あたしは、未だに泣きじゃくる中澤さんを抱きしめました。
中澤さんは驚いた顔をしていました。
26 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時07分25秒
>>24 すなふきんさん
いや、単にワードパットにさっき書いたのをコピペしてるんで・・。
長々やるより、一気に終らせたい気分なんで・・・。
27 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時08分13秒
「吉澤・・・、うちを許してくれるのか・・・?」
あたしこそ・・・。
「あたしこそ、許してください・・。中澤さんの気持ちも知らずに・・。」
中澤さん・・、あたしに心を開いたからこそ、
あたしに重大な決断を教えてくれたんだ・・・・。
あたしこそ・・・。

あたしは中澤さんの唇に自分の唇を重ねました。
すこし驚いた顔で受け入れる中澤さん・・。

あたしは中澤さんを抱きしめました。
あたしの胸の中、子供のように泣きじゃくる中澤さん。
かわいいですね・・・。
本当に27歳とは思えない。
あたし達と、変わらない・・・。
でも、あたし達から去っていく・・・・・・。
あたしも何時の間にか涙が頬をぬらしていました。
28 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時08分55秒
それからあたし達はお互いを求め合いました。
この夜は特別な夜。

ふざけたり、じゃれあったり
キスしあったり・・・。
けんかしては、泣いて、
気づけば笑う。
そんなあたし達。
大事な記憶。

そして、とうとう3月7日の朝を迎えました。
ベットの中で、二人きりで。
29 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時09分31秒
いつも通りの収録。
いつも通りのメンバー。
笑って、喋って、お菓子食べて・・・。
今日の重大発表も、なにかの騙し企画だと思ってるんだろうな・・・。
みんなはまだ知らない。
これから本当に重大な発表ことがあるって言うことを・・・・。

「よっすぃ〜、どうしたの〜。今日のよっすぃ〜は変だよ〜?」
ごっちんのいつもの気の抜けた声。
ごっちんも知らないんだもんな・・・。
あたし、思わず目が熱くなってしまった・・・・。
「ど、どうたの?!」
ごっちんビックリしてるよ・・・。
でもこれからもっとビックリすることがあるんだよ・・・。
30 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時11分54秒
収録が終って、あたし達は集められました。
そこで、中澤さんからメンバー全員に、真実が語られました。
『メンバー脱退、ソロ活動、そして結婚へ・・・・。』

全員が口をきけませんでした。
一瞬の後、全員が泣き出しました・・・、ものすごい勢いで。
特に、辻と加護。

あたしは、不思議とあまり涙が出ませんでした。
知ってたからなのかな?
違う。
あたしは中澤さんのすべてを受け入れていたから。
だから、『中澤さんという女』を知っていたから、
ほとんど涙が出なかったのかな・・・。
31 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時13分23秒
そして、運命の5時20分。
あたし達は、別室に集められ、モニターで記者会見を見ました。

りりしかった・・・・。
かっこよかった・・・・。
綺麗だった・・・。

涙をこらえて、立派に記者会見する中澤さん。
メンバーを卒業、
ソロ活動に専念・・・。

でもなぜか結婚のことには触れませんでした・・・・。
何故なんでしょうか・・・?



「青春です!」
その言葉を聞いた瞬間、
あたしの目から大粒の涙が流れ落ちました。
とどまることなく・・・。
床には小さな水溜り・・・。

こうして運命の記者会見は終りました。
32 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時14分16秒
その夜、あたしは家で雑誌を読んでました。
いや、読んでいるとは言えないかな・・・。
ただページをめくっているだけ。
何にも集中できない。
今日は食事も満足に喉を通りませんでした。

そんな時、突然携帯がなりました。
画面には、『中澤さん』の文字。
あたしは直ぐに電話に出ました。

「もしもし、吉澤?」
「はい・・そうです。」
「ちょっと会えへんかな?」

電話が終って5分後、あたしは家を飛び出していました。
両親があたしを呼ぶ声を後にして。
33 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時15分29秒
ある公園。
夜、人通りがほとんど無い公園。
あたしが到着すると、すでに中澤さんはいました。

「悪いね、こんな夜中に・・。」
「いいんです・・。それより、今日の中澤さん、ステキでした。」
「緊張しっぱなしやったな・・。」
中澤さんは、自分の頭を掻きながら照れてました。

「ところで、中澤さん・・。結婚の件はどうなったんですか?」
あたしは思いきって質問をぶつけてみました。

「ああ・・、延期や・・・。」
「はぁ?だって・・・。」
「だって、うち、まだ歌を歌いたい。」
「それじゃあ脱退する意味無いじゃないですか?!!?」
「いや、もう限界や。体力的にも、年齢的にも。丁度良かったかもしれへん・・。」
そうか・・・・。
そうですよね・・・。
中澤さんと、最年少の加護や辻とは14歳も歳が離れてますもんね・・・。
あたしとだって、一回り以上・・。
一緒に同じ事をやれって言うのが無理なのかな・・・。
34 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時17分46秒
「さて、帰るかな・・・・。」
え?それだけですか?
それだけのために、あたしを呼んだんですか?
あたしの疑問を悟ったように、
「悪いね。これだけの為に・・・。」
「い、いえ・・・・。」

「ただ、すこし、吉澤と会って話がしたかったんや・・・。」
そう言うと、中澤さんは、あたしに軽くキスをした。

「中澤さん・・・・。」
「裕ちゃんって呼んでや・・・。そう遠くないうちに、
うち、『中澤』や無くなるかもしれへんし・・。」

そうか・・・、そうですよね・・・・。

「裕ちゃん・・・。」
あたしは思いきって、そう呼びました。
『中澤さん』ではなく、『裕ちゃん』と・・・。

そこで中澤さんは、ニコリと笑いました。
それは、あたしが今まで見たことが無い、
ステキな、そして、やっとすべての重しが取れたとでも言うような、
悟ったような笑顔。
女として、
そして人間として、最高に綺麗な笑顔。

きっと中澤さんは、あたしにこの笑顔を見せたかったんだ・・・。
35 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時18分37秒
あたし、家に帰ってきてから、親にすごく怒られました。
何処に行くとも告げずに、出ていったんですもん。
そりゃあ怒られるよね・・。

でも、あたしは爽やかでした。
怒られたのに、すごくにこやかな顔をしていたと思う・・。
そう、
中澤さんの最高の笑顔が見れたから・・・。

あたしは心の中で呟きました。
『ありがとう。裕ちゃん・・・。』
36 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時19分59秒
4月15日。
中澤さんの最後のコンサート。
これからもソロ歌手として、コンサートするだろうけれども、
『娘。』として、最後のコンサート。

すべての曲目をこなして、全員が一旦舞台から去りました。
そこで、あたしは今まで聞いたことが無いほどの大きな声の『アンコール』を聞いたんです。
観客全員が一体となった『アンコール』。
全員が「裕子」と叫んでいます。


大歓声の中、中澤さんが舞台の真中に立ちました。
その後ろにメンバー全員。
ものすごい歓声。
その中で中澤さんが挨拶しました。
娘として最後の中澤裕子だと・・。

すごいです・・・。
これだけの中で話が出来るなんて・・・。
本当は中澤さんはまだ娘に必要なんじゃないでしょうか・・・。
でも、中澤さんに頼ってばかりじゃ、あたし達も進歩が無いですよね・・・。

そんな中、音楽が流れ始めた。
「モーニングコーヒー」
そう、中澤さんが歌う、最後の「モーニングコーヒー」・・・・・・。
ものすごい「裕子」コール。
メンバーは、途中で声が出なくなってしまいました・・・。
もちろんあたしを含めて・・。
37 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時21分07秒
そして、最後の歌。
『恋の記憶』
中澤さんが歌い出すと、
先ほどまですごかった歓声が、突然無くなりました。

観客全員が、食い入るように聞いています。
中澤さんの歌声を・・。

記念すべき中澤さんの初めての作詞。
そして、娘として最後の歌。

あたし涙が止まりませんでした。
もちろん中澤さんも。
泣きじゃくる中澤さん。
途中で声が出なくなりました。
それでも必死に中澤さんは歌おうとしています。
かすれた声。
泣きながら、中澤さんは歌いきりました。
『自分の歌』を・・・・。
38 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時22分03秒
中澤さん・・・。
泣いてますね・・・。
ダメですよ、泣いちゃ。

自分で選んだ道なんですから。


泣いたら叱られちゃいますよ、裕ちゃん!






39 名前:ま〜 投稿日:2001年03月09日(金)23時23分36秒
以上。
突然始めて、突然終らせてしまいました。

ありがとうございました。
40 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月11日(日)02時41分08秒
ごめん、オレが泣いたよ!?
41 名前:名無し君 投稿日:2001年03月11日(日)13時12分05秒
せつないよー
中澤〜!!!!
42 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月18日(水)18時52分41秒
こちらの小説を「小説紹介スレ@黄板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=yellow&thp=995445727&ls=25

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