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なしのはな

1 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月20日(火)02時48分46秒
はじめて投稿させてもらいますコインのプールというものです。
小説と呼べるものではないかもしれませんがよろしくおねがい
します。
2 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月20日(火)02時50分02秒
今週もハローモーニングの収録が終わった。
各メンバーはそれぞれ談笑まじりで楽屋に戻る。
いつもの光景。
しかし納得のいかない表情でスタジオ内の椅子に座り込んでいる娘が一人。
「はあ。全然だめ。せっかくチャーミーってキャラをもらったのに生かせてない。
私は本当に駄目な女のこね・・。」
石川梨華。
イジられてなりたっているという意味がわからないきまじめな性格。
「どうしたらいいんだろう。またネガ・・だめ!その言葉は封印したの。
二度と使わないって思ったのにまた口に出そうとした私・・。はあ。」
ぶつぶつと独り言をもらしている所に一人ちいさなおんなのこがやってくる。
「梨華ちゃんどうしたの?また宇津じょうたいになってるの?」
「あいぼん!そんな言葉アイドルが使っちゃだめ!」
一日中トップギア。加護亜依。
「でも梨華ちゃんがネガティブって言っちゃだめっていったから・・。」
「・・・。そうね。ごめんねあいぼん。だけどそういう言葉はもう使っちゃだめよ。」
「はーい。でもどうしたの?梨華ちゃん元気ないよ。」
「うん。何か私いつも、なんていうか空回りしてるみたいなの。」
3 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月20日(火)03時24分11秒
「どういうところ?」
加護には十分わかっているが、石川に恋にも似た好意をよせているのでめんどくさい
話も話半分で楽しむ。無意識な子悪魔。
「例えばいまさっきもね、チャレモニで大リーガーに挑戦って
コーナーあったじゃない?」
「あった。大まじんさんがゲストにきてた。」
「その大まじんさんってピッチャーなの。よく野球選手の人が
きた時ってどれだけはやいか実際にボールを投げてもらうでしょ?」
「うん。よくテレビでみる。」
「それでチャレモニでもやってもらうことになったの。私ね、じかに
見たかったからそこでキャッチャーをやらせてもらったの。」
「えーっ?」
「そして私140キロのフォークってボールを取っちゃったの。」
「すごーい!]
[びっくりしちゃった。でもねディレクターさんが違和感があるからチャーミー
が逃げる絵を取ろうってことになっちゃって・・。」
「がんばったのにテレビにいい所うつんないんだ。」
「そうなの。一生懸命だったのに。」
4 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月20日(火)04時00分15秒
石川のひたむきさは的を得ることがない。
加護にひととうり話を聞いてもらい気分がよくなった所で二人で
手をつなぎスキップをしながら楽屋にもどる。
途中、ジュースを片手に話をしているメンバーを発見。
「でさーそのあとバク転で50メートル走してんのー。」
「あはは。よっすぃー最高。」
べったりコンビ、後藤と吉澤。
「後藤さんとよっすぃー!」
「ごっちーん、トッティーッ。」
「トッティーってなによ梨華ちゃん。あら?おふたりさん手なんかつないじゃって
珍しい。」
「ほんと。ごっちんも気になるわ。」
「ひ・み・つ」
「えへへ。」
加護は石川に抱きつきニッコリ笑っている。
「ほんとはね、あいぼんがチャーミーのお話を親身になって聞いてくれたから
うれしくって。」
石川との話はみんな食傷ぎみ。
「ふうーん。後藤は話聞くのへただからあいぼんそんけいするよ。」
「私も。あいぼんおつかれさん。」
「えへへ。」
たったひとりを除いて。

5 名前:第二話 投稿日:2001年03月20日(火)04時53分10秒
カントリー娘。関連で一人だけ遅れて石川はテレビ局入り。
他のメンバーは収録中により楽屋でひとり時間をつぶす。
耳にはポータブルMDのイヤホン。72分MDにはぎっしり自分のソロ曲が
入っている。
イスに座り楽な姿勢。目をとじる。
そうする内に先輩飯田ゆずりの交信タイムの始まり。
「(この曲って自分で言うのもはずかしいけどいいんじゃないですか?
売上、どうなるんですかー。バーイタンポポ。キャッ。はずかしい。タンポポ
より自分のソロCDの方が気になるなんて、私反省しなきゃ。梨華のばか。そういえばごっちん
のソロもでるんだっけ。愛のバカやろう。Mステーションのごっちんかっこよかった。
私もあんな風に見られてるのね。・・ダメ!また自己中心的。嫌になるわ・・。
ごっちんごめんね。でも、わたしとごっちんって何が違うのかな。顔とか声は当然だけど。
他は・・あっ。そういえばメンバーとの話し方が違うんだ。ごっちんはフランクな
接し方だけど私は前からのメンバーの皆さんにはさんをつけるし敬語を使う。)」
その時楽屋のドアが開き誰かが入ってきた。
しかし石川は妄想中。
6 名前:第二話 投稿日:2001年03月20日(火)15時58分45秒
「(私もそろそろ慣れてきたし、くだけた言葉でいいのかしら。チャーミーとして
個性も出したいし。皆がよばない呼び方もいいかな。)えーっと、中澤さんはゆうゆう。
安倍さんは安倍。飯田さんはロンゲの茶髪。保田さんはげんこつ山。」
いつのまにか頭の中の妄想を言葉として口に出していた。
「・・・。・・ちゃん!梨華ちゃん!」
「はっ。えっ?」
悲しげな表情の辻がそこにいた。
耳にしたイヤホンから流れる音楽のせいで、辻の存在、自分の口から出た言葉に
全く気が付かなかったのである。
急いでイヤホンを外す。
「梨華ちゃん、メンバーのこときらいなの?今悪口いってたよ。」
「ち、違うの。私ね、あのね。」
「のの娘。のこと大好きなのに・・。」
「そうじゃないの。あの、あだ名を考えてたの。」
「・・・。」
「真剣に考えてたの。」
「・・のののことも変な名前でよぼうとおもってたんでしょ?」
「そんなことないよ!ののはジェシカっていうチャーミングな・・」
「ばか!梨華ちゃん大嫌い!」
辻は涙を大きな目いっぱいにためて楽屋を飛び出した。
入れ替わりに収録を終えたメンバーが入ってくる。
「なんや。いま辻涙目で出て行ったで。石川なんかしたんか?」
ゆうゆうが言う。
「いじめたんじゃないの?」
ロンゲの茶髪が言う。
「石川って悪い子ね。」
「わるいこね。」
げんこつ山と半笑いの加護が言う。
「・・・。何もなかったんです。何も。」
石川は静かにMDの停止ボタンを押した。
7 名前:第三話 投稿日:2001年03月20日(火)17時49分33秒
近頃辻の石川に対する態度が冷たい。
テレビの収録でも目があうとすぐそらす。
コンサートの練習でダンスの時ぶつかっても何も言わない。
携帯には深夜に非通知が連続でかかってくる。
これは石川が辻だろうと思いこんでいるだけだが。
もちろん話もしない。
こういう時の助け舟は、辻の親友、加護しかいない。
どうにか加護を通じて誤解を解きたい、辻との仲をよくしたい、と
思った石川はホテルの部屋に加護を呼び出すことにした。
石川は吉澤と相部屋だったのだが、後藤と二人でおしゃべりをしたかったのか
吉澤は今はいない。
一人でベッドに体をあずけ石川は疲れた体を癒していた。
すこぶる気持ちがいい。
目を閉じそのままにしていると夢の世界にいってしまいそうだった。
それからどのくらいたっただろうか。
呼び鈴が鳴る。
「・・、はーい。」
「加護ですよー。」
「はあい。いまあけまーす。」
加護は菓子のふくろとジュースをおみやげに部屋に入ってきた。
8 名前:第三話 投稿日:2001年03月20日(火)18時24分51秒
「梨華ちゃんコンサートおつかれさん。」
「あいぼんもおつかれさま。」
地方コンサートでホテルに泊まっているのだ。
二人はテーブルに加護が持ってきたおみやげを置きイスに座る。
「どうしたの?梨華ちゃんが私を呼ぶなんて。」
「あのね、何かののちゃん最近私につめたいっていうか
距離をおいているみたいなの。あいぼんののちゃんと仲いいでしょ?
だからあいぼんに私とののちゃんの仲をとりもってほしいの。」
「あーっ。そのことか。」
「あいぼんののちゃんから何か聞いてるの?」
「うん、っていうか私がね梨華ちゃんのことを話したりすると
すごい表情になったりするの。」
「やっぱり怒ってるんだ。」
「梨華ちゃんこの前のののこといじめたもん。しょうがないよ。」
「違うの!誤解があったの。」
「うーん。わかんないけど私が梨華ちゃんとののを仲良しにしてもいいよ。」
「本当?」
「でも梨華ちゃんにしてもらいたいことがあるの。」
「ののちゃんと仲良くなれるのならなんでもする。」
「ほんと?」
すでに加護の術中。
9 名前:第三話 投稿日:2001年03月20日(火)18時53分44秒
「じゃあ梨華ちゃん、私のことだっこして。」
「え?そんなことでいいの?」
「うん。」
石川はベッドに腰をかけ両手を広げる。
「あいぼんおいで。」
加護は満面の笑みで石川の胸に飛び込む。
「こんなことで喜ぶなんて、あいぼんもやっぱりまだ子供ね。・・。ちょっ、ちょっと
あいぼん!」
加護は石川の胸に顔を押し付ける。
「だめだって、そんなとこさわっちゃ。」
「梨華ちゃんのことすきやねん。」
「えっ?い、いきなりそんなこと言われても。」
「梨華ちゃん見てると変な気持ちになるんや。・・これがれんあいってやつなんやろうか。
わからんけど。」
「でも私達女の子同士だよ。」
「そんなんどうでもええ。私は梨華ちゃんのことがすきやねん。」
「・・でもね。」
「ええやろ梨華ちゃん。」
そういうと加護は唇を石川の顔に近づけ、体のいろいろなところに
手を伸ばす。
「だめだってあいぼん!そんなことしちゃ。」
「ええやん。」
「だめっ。」
「ええやん。」

10 名前:第三話 投稿日:2001年03月20日(火)19時42分11秒
「だめだって。あっ、ちょっとあいぼん。そんなところさわっちゃ。
ちょっとあいぼん、あいぼん、あっ、だめ。」
吉澤は見てはいけないものを見てしまったという感覚を久しぶりにおぼえた。
ベッドの上で一人嗚咽を漏らし、手をとんでもない所に置いている石川を見たのだ。
そう。加護との情事は夢の中の出来事だった。あのまま石川は眠りについてしまっていたのだ。
「(ど、どうしよう。今すぐ逃げ出したいけど体が動かない。)」
あまりに衝撃的な光景の前では一瞬の出来事も数分、数時間に思えることがある。
それが吉澤の体動かないという状態を生む。
精神的時差。
「うーん。だめだって・・。・・あ。・・んん。」
石川が目を覚ます。
「・・・。」
「・・うん。あ、よっすぃ・・。」
「梨華ちゃん。寝てたよ。」
吉澤は必死で冷静な表情を作る。
「あー、やっぱり夢だったんだ・・。そうよね。」
「梨華ちゃん。」
「んっ?なに?」
最近覚えた言葉は使いたくなる。それは言ってはならない場面でも。
「梨華ちゃんって・・。」
そしてその言葉は、吉澤のレベル的にも今見た光景に似合っていた。
そして頭ではわかっていても吉澤の冒険心が許さなかった。
「梨華ちゃんって淫乱だね。」
「えっ?」
そういうと吉澤はゆっくりと部屋をあとにした。
満足にも似た胸の高鳴りとともに。
そのころ加護は辻といっしょに東京フレンドパークを見ていた。
石川のことは忘れていた。

11 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月21日(水)03時17分33秒
ワラタよ、この一言ことしか思いつかない程に!?
12 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月21日(水)16時56分25秒
>11さん
レスありがとうございます。ゆっくりと進めていきます。
13 名前:第四話 投稿日:2001年03月21日(水)17時30分20秒
めずらしいこともある。
石川が後藤と楽しげに会話をしている。
「あーっ。そのシャツかわいい。」
「そーおー?これスタイリストさんからもらったんだ。そんなにいい?」
「うんうん。すっごくかわいい。」
石川はピンク色だったら何でもいい。
「だったらこれ梨華ちゃんにあげるよ。今日は着てるから明日ね。」
「本当?うれしい。」
もらい物であったし、実はそんなに気にいってなかったので、あっさりと
手放す。
「ごっちんありがとう。」
「いえいえ。」
今さっきの、昼食の時についてしまった醤油のシミもその行為の後押しをした。
そういった二人のやりとりを気に食わない様子で見ている二人がいる。
「(ピンクなんていやらしい色が好きなんて。軽蔑の対象だわ。)」
吉澤には石川の自慰行為の現場が、脳裏に焼きついたままだ。
「(梨華ちゃんほんとはみんなのこと嫌ってるのに。)」
辻は石川をずるい女だと思っている。
しかし石川は、そんな風に思われれることをしたという事を
てっきり忘れていた。
その時大きな音を立てて楽屋のドアが開く。

14 名前:第四話 投稿日:2001年03月21日(水)17時53分04秒
「おはようございまーす。」
大きな声で入ってきたのは加護だった。
「えーっ。何なのその格好は。」
矢口が正しい反応をした。
「きゃーっ。かわいい。」
石川は間違った反応をした。
上から下までピンク色の服装で固めた加護がそこにいた。
「加護ーっ、それはやりすぎなんでないかい?」
苦笑いの安倍。
「アホか。」
中澤は若気のいたりだと冷たい反応。
しかしそういったバッシングめいた物を無視し
加護は石川を、石川は加護を見ていた。
「あ、あいぼんかわいい。すごい。まるでピンクの菩薩様みたいだわ。」
「ただ私を尊敬しなさい。」
宗教じみたやりとり。
その時吉澤と辻の怒りは沸点に達した。
「梨華ちゃんピンクピンクって、ピンクき*がいじゃないの?」
暴言女王、吉澤が一声をあげる。
「梨華ちゃんもあいぼんもいいかげんにして!」
辻も続く。
四人の言い合いが始まった。
15 名前:第四話 投稿日:2001年03月22日(木)02時48分17秒
「どうしたの?急に。」
驚いた表情で石川が返答する。
「梨華ちゃんの言動にはもううんざりなの。」
吉澤は妙にテンションが上がっている。
「そう。あいぼんもそう思うでしょ?」
辻が加護に促す。
「何で怒ってんの?梨華ちゃん何も悪いことしてないよ。」
私は何も知らない、中立の立場をとる加護。
「いいのよあいぼんは。梨華ちゃんは汚い大人。だまされているのよ。」
「汚い?何なのよっすぃー。」
「ののもほんとうにそうおもう。」
「ののちゃんもどうしたの?」
中澤はこの様子をじっと見ていた。
「(・・・何でこんな事になったかはわからん。でも私がおらんことなっても
こんな状況は何回もおとずれる。ここでビシッとしめる奴がおらんとあかん。
誰かがリーダーとして率先してトラブルを治めんといかんのや。そもそも
リーダーっちゅうのは・・。)」
目の前の状況について考えていた中澤の前を
一人、風のように通り抜けた。
意外にも腰をあげたのは後藤だった。
16 名前:第四話 投稿日:2001年03月22日(木)03時26分13秒
「ぺしっ。」
辻に軽いビンタ。
「ぱちっ。」
加護に軽くデコピン。
「ぽかっ。」
吉澤に軽いげんこつとキス。
「バスッ。」
石川にはまわしげり。
後藤は冷静だった。
「・・・裕ちゃんがいなくなるんだから不毛なケンカはやめようよ。」
やけに大人の意見だった。
「・・・はい。後藤さんごめんなさい。」
「ごめんなさい。加護はもうこんなことしません。」
「ごっちんごめん。」
石川は地面に膝をついていた。
「(いたた、何でごっちんは私だけ本気でおしおきしたの?)」
他の人もそう思っていた。
しかし、石川が原因、そんな空気が流れていたような気がしたので
皆その件には触れなかった。
空気の重い楽屋に反して外は春の気配。
17 名前:ばね 投稿日:2001年03月22日(木)04時02分14秒
無茶苦茶だ。面白過ぎる。
妙なテンションがかなり好きです。
18 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月22日(木)11時26分27秒
>ばねさん
ありがとうございます。気楽に見ていってください。
18 名前:名無し読者 投稿日:2001年03月22日(木)11時26分27秒
クククッ。
思わず口元がゆるんでしまいました。
19 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月22日(木)11時39分30秒
>ばねさん
ありがとうございます。気楽に見ていってください。
>18さん
ありがとうございます。これからも精進します。
>コインのプール
俺ってレスが単調だな。みなさんスンマセン。何か慣れてないもんで(w
20 名前:第五話 投稿日:2001年03月22日(木)12時28分34秒
オソロのラジオ収録後、飯田は石川に説教をしたくなったので実行することにした。
「石川。ちょっとおいで。」
「はい。何ですか飯田編集長。」
「もういいのよその呼び方は。
さっきの収録は矢口と加護が休みだったじゃない?そういう時は欠けた二人の
分を私達で盛上げなきゃならないの。でもあなたにはそれを感じなかった。」
「私、頑張ったつもりです。」
石川に手抜きという言葉はない。いつだって真剣。
「カオリがラジオの最初に矢口と加護の欠席の理由言ったでしょ?
矢口副編集長はフリーぺーパーの印刷、加護記者はミニポポコラムの取材。」
「はい。確かに飯田さんは言いました。」
「その後石川は何て言ったか覚えてる?」
「はい。本当はミニモニ。でテレビ出演のため欠席してるって言いました。」
「それ、その言葉はどういうことを意味するかわかってんの?」
「いえ。さっぱり。」
飯田の目が大きくなる。
「カオリが嘘つきってことになることを石川は考えなかったの?」
「あっ。」

21 名前:第五話 投稿日:2001年03月22日(木)13時26分30秒
「全国のリスナーは思うわ。」
飯田の目の焦点が合わなくなってきた。そして話し続ける。
「飯田編集長は、あの二人が取材休みみたいなことを言ってたけど
石川記者の言ってることの方が本当みたいだ。ずっと飯田編集長のことを応援してたのに。
裏切られた感が否めないよ。飯田の嘘つき。あっ、三時からの放送をもう一回
聞いてみよう。聞き間違いってこともあるからな。よし・・・。
・・・やっぱり言ってた。二回もショック受けたよ。
もう聞くのやめようかな。」
やたらと早口で飯田が、飯田の思うリスナーの声を代弁した。
「す、すいません。ごめんなさい、飯田さん。」
石川はすでに泣いていた。
「結局信じられるのは矢口と石川、加護だけだよ。飯田?誰だよそれは。
友達にもそんなやついないよ。」
飯田はすでに交信していた。
まとめどり二本目の収録に来た矢口と加護は、その様子を菓子を食べながら
見ていた。
「おもしろいね。」
「はい。」
実に無表情で。





22 名前:名無しさん 投稿日:2001年03月23日(金)02時29分44秒
みんなどこか壊れていて面白いです。
72分MDに自分のソロ曲をぎっしり入れてる石川が最高(笑
23 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月23日(金)17時24分52秒
>22さん
何か石川さんはいじりやすいんですよね。これからも
よろしくおねがいします。
24 名前:番外編 投稿日:2001年03月23日(金)17時50分35秒
プッチモニの後藤、吉澤、保田。
タンポポの飯田、矢口、石川、加護。
遅刻の安倍。
それらの人々は誰も楽屋にいない。
そこにいるのは中澤と辻だった。
「・・・。」
「・・・。」
会話はもちろん無い。
年齢差によるギャップ。
中澤は何か喋りたいのだが、糸口がまるで見つからない。
中澤の雑誌をめくる音、辻が携帯をいじる音。
それしか音はなかった。
「(年の差なんて、クイズ年の差なんて。)」
心の中で中澤はその言葉を連呼していた。
そうする内に辻が声をかける。
「あのー、中澤さん。」
「はい。何や。」
中澤は心の中を覗かれたような気がしたので少しあせった。
辻とは正直まともな会話をした事が無い。
これを機にコミニュケーションをとる事も可能だった。
25 名前:番外編 投稿日:2001年03月23日(金)18時21分23秒
「マジカルバナナしませんか?」
「ああ、マジカルね。」
何だゲームか、しかも苦手のバナナという名がつくゲーム。
中澤は少し面倒臭いと思ったが、せっかく辻が声をかけてくれたので
邪険にはあつかわないようにした。
二人はそれぞれ手にしていた雑誌と携帯を置き、向かい合わせに座る。
「じゃあ私からいくで。ズンチャ、ズンチャチャ、マジカルバナナ
バナナと言ったらくさい。」
「えーっ。ちょっと待ってください。バナナはくさくないですよ。」
「私にはそう感じるんや。」
「だめですよー。皆がそうそうと思うものじゃないとだめなんです。」
「そうなんか?」
中澤は、実はルールをあまり知らなかった。
「そうなんです。しかもズンチャズンチャチャじゃなくて
ズンパ、ズンパパなんです。」
「何や。ややこしいな。」
「じゃあ今度は辻からいきますよ。ズンパ、ズンパパ、マジカルバナナ
バナナと言ったらすべる。」
「すべると言ったらスキー。」
「スキーと言ったらゴーグル。」
「ゴーグルと言ったらベーグル。」
「ベーグルと言ったらよっすぃー。」
「よっすぃーと言ったらプッチモニ。」
26 名前:番外編 投稿日:2001年03月23日(金)19時08分53秒
微妙に違うフレーズもありつつマジカルバナナは続いた。
そして167回目。
「ハアハア、鉄分と言ったら不足がち。」
「不足がちと言ったらおこずかい。」
「ハアハア、おこずかいと言ったら・・・、アカン。」
「やったー。」
辻の勝利。
中澤は途中になって熱が入り本気になったが、体力が精神力に
追いつかなかった。
「はあーっ。辻は強いなあ。」
「そうですか?」
「ホンマホンマ。姐さんびっくりしたわ。」
「でも罰ゲームはしてもらいますよ。」
「えっ、罰ゲーム?聞いてへんよ。」
「今日は金曜日ですから一日中モノマネをしなきゃいけないんです。」
「そんなん嫌や。」
「ルールなんです。」
「嫌や。」
辻の表情が微妙な感じになる。
その表情を見て中澤は我に返った。
泣く子と辻には勝てない。
なぜかそんな気分。
「・・・しゃーない。わかったわ。」
「本当ですか?」
辻は急に笑顔になる。
「ああ。姐さんに二言はない。」
「ありがとうございます。中澤さんがとくいなモノマネでいいんです。」
「得意なモノマネねえ・・。」
それから一時間後、楽屋にはメンバーがそろう。
「裕子ーっ、何読んでんのー。」
矢口がちょっかいを出す。
「アイリード ア ブック。」
「アハハ。裕ちゃんどうしたのー?」
「ウイラブ ナカザワ。」
辻は加護とおしくらまんじゅうをしながら横目で見ていた。
「(はりそんほーどって誰なのかな?)」
     
       おわり

27 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2001年03月24日(土)01時36分07秒
何かホントにありそうだと思わせるリアリティ〜が良いですね♪しかしマジカルバナナとは・・辻は年齢的に知っているのかな?
28 名前:コインのプール 投稿日:2001年03月25日(日)16時26分09秒
>ラヴ梨〜さん
辻はよく考えればそうですね。「知能指数」やら
「たわらこうたろう」(うろ覚え)
とかは知らないかも・・。
29 名前:第六話 投稿日:2001年03月25日(日)16時57分24秒
それは楽屋での出来事。
石川はカントリー娘。の事を語っていた。
「でね、りんねさんったら荒れくるう牛を投げとばしちゃったの。
私感動して感動して。」
「ふーん。」
「へーえ。」
話を聞いてくれるのは辻、加護のみ。
「あさみちゃんがね、タンバリンを頭にかぶっちゃったら
取れなくなって牧場中大騒ぎ。」
「ふーん。」
「へーえ。」
石川はいっこうにお喋りを止める気配が無い。
そんなにカントリー娘。の事を自慢したいのだろうか。
辻と加護はそう思っていた。
「どうやって投げたの?」
加護はとりあえず尋ねる。
「やってあげようか?」
石川が立ち上がる。
そして一人でシャドーボクシングならぬシャドー柔道、
つまりその場の再現をする。
「牛があばれていたのをね、りんねさんはこう、こうやって
バシーって・・・。」
「あーっ、梨華ちゃん。」
投げを放つふりをした時、勢いがあまり石川は転んでしまう。
そして数秒後。
石川は目を開く。
30 名前:第六話 投稿日:2001年03月25日(日)17時24分50秒
「ああよかった。目ぇ覚ましよった。石川大丈夫か?」
「石川大丈夫?」
駆けつけた中澤と飯田、そして辻、加護の顔が石川の目に飛び込んできた。
「・・あ、あれ。私どうしちゃったんですか。」
「どうしちゃったんじゃあらへん。あんた気ぃ失っとったんや。」
「私が・・。」
「カオリびっくりしたよ。」
「よかったよかった。」
「ののもびっくりした。」
「あの・・、ところで皆さんどなたですか?」
「へっ?」
「も、もしかして記憶喪失ってやつ?」
「えーっ。」
「ほんとー?」
石川は心の中で思っていた。
「(四人ともびっくりしてる。私、前からこんなシチュエーションに
あこがれてたんだ。転んで目をつぶっていたのはちょっと脳がシェイク
されただけ。)」
「私のこと思い出せんのか?」
「石川、気を確かに。」
「梨華ちゃん、この八重歯を見て!」
「(ウフフ。皆びっくりしてるからそろそろいいかな。)あのー・・。」
「大変だー!」
31 名前:第六話 投稿日:2001年03月25日(日)18時49分37秒
本当は冗談であったと石川が言おうとした時、加護が叫んだ。
石川はその声の大きさに驚いて、言いかけた言葉が詰まった。
「うるさい!でもどないしよう。そうや、い、医者や。それと
マネージャーとスタッフ呼ばんと。」
中澤はあせりながらも冷静な判断。
「・・どうなるの。」
辻は泣きそうだ。
「夢。そうよ、これはただのナイトメア。」
飯田は天を見上げる。
その様子を見て加護、正しく言えば心の中にいるもう一人の加護は
にやついていた。
「(梨華ちゃんが演技しとることはあいぼんにはお見通しや。
いちからじゅうまでな。ぽっぽー。あかん、興奮してテンションが
あがってまう。しかし梨華ちゃんの演技力はアカデミー賞で言うなら
あれやな、助演女優賞や。主演女優賞はこの私、あいぼんや。)」

32 名前:第六話 投稿日:2001年03月25日(日)19時36分56秒
中澤、飯田、辻そして加護のさらなるリアクションを見ての
石川。
「(このままじゃ大変なことになっちゃう。中澤さんはイヌっ鼻、違う、
中澤さんはあせってるし人を呼ぼうとしてる。
飯田さんはおかしいこと言ってるし、ののちゃんは泣きそう。あいぼんは
現実に耐えられないのね、無理して笑ってる。・・それにしても
いい笑顔だわ。かわいそう。実はうそでしたって言ったら
みんな怒るだろうな、いや、そんな事はないわ。私はモーニング娘。の
一員。すばらしい団結力によって笑ってすませてくれるわ。
さあ梨華、勇気を出して言うのよ。)あの、みなさん聞いてください。」
「はいっ?何や?どうしたんや?」
「実は、実は記憶喪失って冗談だったんです。私正気だったんです!」
それから三十分後。
その場にいなかったメンバーが楽屋の前に集まりだす。
「おはよー。あれ、何で加護ドアの前にいんの?」
後藤がドアの前に立っている加護に尋ねる。
「しーっ。今、中で中澤さんと飯田さんとののが梨華ちゃんに
お説教中なんです。」
「そうなんだ、じゃあ中に入んないほうがいいね。でも裕ちゃんと
カオリはわかるけど辻が何で梨華ちゃんにお説教してんの?」
「ののは因果応報っていってました。」
「いんが?あっ、これ食べる?途中で買ったの、フランのいちご味。」
「はい。」
後藤と加護はのんきにポキポキと菓子を食べていた。
楽屋の中から聞こえるおかしな音と声は聞こえないようだった。

        
33 名前:コインのプール 投稿日:2001年04月25日(水)22時17分53秒
>19
微妙に二重投稿してますね。すんません。

ひさしぶりの更新です。
34 名前:第七話 投稿日:2001年04月25日(水)23時02分46秒
四月十五日の中澤裕子脱退。
それによって娘。内の自治があやぶまれるのではないかと
皆思っていた。
これまでは中澤の存在だけでどうにか成り立っていた。
そしてこれといって話し合いは何もしてこなかった。
しかしこの四人は、これからのことのついて思い切り考えていた。
ミュージカルのダンス練習場での事。
「で、石川的にはどうなのよ。」
「結局大切なのはCD売上なんです。」
「そーゆーことじゃなくてさー。」
「梨華ちゃんもっと具体的な話しようよ。」
矢口、保田、後藤、石川であった。
矢口は娘。の裏リーダー的存在。
将来のことについて考えるのは当然である。 
保田圭。
自分のことは客観視しているが手探り状態。
これからの事を明確にするために話し合いに参加。
後藤は娘。の事はあまり考えてなさそうであるが
保田がいろいろ吹き込んだら急に胃が痛み出し、話に乗ってきた。
「そーいえばカオリは何でここにいないの?」
後藤が気づく。
「そうですよ。飯田さんはリーダーですよ。」
石川もそう思う。
「いいの。あの子は。」
「カオリにはあんまり難しい問題をおしつけちゃだめ。」
35 名前:第七話 投稿日:2001年04月26日(木)00時20分57秒
保田、矢口が小声で言う。
なんとなく納得できる。
「あの、失礼ですけどやっぱり飯田さん頭が悪いからですか?」
石川梨華。
かなりの割合で一言多い女。
「バカ!あんたそんなこと考えてたの?あんたが一番バカなのよ。」
「うわーっ。後でカオリにいってやろー。」
「梨華ちゃんほんとに失礼だよ。」
「す、すいません。心にもないことだったんです。」
言葉とはうらはらに打たれ強いが、打たれっぱなし。
「まあいいわ。それよりもこれからのこと。」
保田が話を元に戻す。
「そう。まずチームワークをしっかりすることが大切だと
思うんだよね。」
「うん。ごっちんもなんとなくそう思う。」
「なんとなくじゃだめだよ。ごっちんはテレビに映っている
時はもっと楽しげにしないと娘。が仲悪くみえるよ。」
石川が後藤に食いつく。
「うん。頑張る。」
「本当?」
「うん。」
「でも今年のはじめにも同じこといってたよ。」
「・・でもさあ。」
「でもなんか駄目。ごっちんの逃げ口上なんて聞きたくない。」
後藤には皆、注意がしにくい。
「・・・そ、それと気づいたら注意をいろいろすること。
特に辻、加護。」
保田がいやな空気を察してターゲットを変える。
「そう。あの二人は結局裕ちゃんがしめてたから。」
「あの二人には手を焼くと思いますけど頑張ります。」
「・・梨華ちゃんあの二人になめられてるよ。」
意外に後藤が反撃に出た。


36 名前:第七話 投稿日:2001年04月26日(木)01時30分16秒
「そんなことないよー。全然先輩としてみてくれてるよ。」

「(ねえ圭ちゃん。あの二人やばくない?)」
「(ていうかごっちんキレ気味なんだけど。)」
「(やっぱり梨華ちゃんに注意されるとむかつくのかな。)」

後藤はうつむいて指をいじっている。
「・・このごろちょっと気になることがあるんだけど。」
「なに?」
「よっすぃーと梨華ちゃんかなり仲良くなったよね。」
「うん。」
「気に食わないんだけど。」
「えっ?どうして?」
「・・どうしても。」

「(ねえ、矢口。ごっちんが石川にいんねんつけて
裕ちゃんみたいになってるんだけど。)」
「(うーん、いいんじゃないの。これからはごっちんが裕ちゃん
キャラを受け継ぐってことで。)」

「っていうか梨華ちゃん一人でいたほうがいいんじゃないの。
もともとそんなに友達いないんでしょ。」
「・・ごっちん、ひどい。」
「ごっちん・・・、その呼ばれ方いや。私の方が先輩だから
後藤さんでいいよ。」
そう言うと後藤はいきなり石川のもみあげをつねりあげる。
「いたっ・・、ご・・ご・と・。」
「ご?」
「・・ごと・うさんやめてくだ・・さい。」
「だめ。」
「・・(泣。」

「(でもこれでしばらくは娘。も安泰ね。)」
「(そうみたい。)」

中澤が石川にしてきたことよりひどく感じたが矢口と保田は
安心した。
後藤と石川は心中穏やかではなかったが。
37 名前:第八話 投稿日:2001年04月26日(木)02時10分19秒
無意識的に石川いじりの後釜になった後藤であったが
あくまでも無意識。
後藤、石川、吉澤、辻、加護がその楽屋にはいた。
吉澤がふと加護に興味を持つ。
「あいぼん何よんでんの?」
「これ?よっすぃーのひみつっていう本。」
「はあ?私の?・・・なんだ、表紙にキティちゃんのひみつって
書いてんじゃん。」
「えへへ。よっすぃー好き。」
読んでいた本を投げ出して加護は吉澤に抱きつきキスをする。
「ぉーう。」
「あーっ。わたしもーっ。」
辻も加護に続けとばかりに吉澤に同じ事をする。
「あらら。ののも私の事が好きなのかな?もう、もてるよしこは
つらいよ。」
石川は人差し指をねぶりながらうらやましそうな表情。
「いいなーよっすぃーはもてて。」
「んっ?梨華ちゃんもよしこに抱かれたいの?」
「きゃー、いやらしー。」
石川らしい反応。
そして皆おかしくなって笑い出す。
「あはは。」
「ははは。」
後藤は表情ひとつ変えずガムをそしゃくしながらその
様子を見ていた。

「クチャ、クチャ。」

加護がいつもの調子でふざけだす。
「よっすぃーばんざーい。」
そして辻もいつものように加護に続く。
38 名前:第八話 投稿日:2001年04月26日(木)02時49分13秒
「よっすぃーばんざーい。」

「クチャ、クチャ。」

石川もアクションをおこす。
「よっすぃーばんざーい。」

「クチャ、クチャ・・プッ。」

口に含んでいたガムをいきなり床に吐き出す後藤。
人がこのような態度を見せるというのはよっぽど腹の虫が
おさまらない時である。
「あっ、ごっちん。ガムは紙に包んで捨てないと。」
空気の読めない石川がそこにいた。
「・・・梨華ちゃん捨てといてよ。」
「もう、わがままなんだから。」
石川は後藤が捨てたそれをティッシュに包みごみ箱に入れる。
その様子を見て辻が言う。
「やっぱり後藤さんは大物ですね。」
吉澤、加護もそれを聞いてうなずく。
「ごっちんはかっこいいなあ。」
「後藤さんめっちゃ好きやで。」
三人は後藤の周りに集まり髪をなでたり握手を求めたり
腕をからめたりする。
「(・・私も大物ぶりを見せ付けたい。あの子たちに。)」
そう思った石川はテーブルの上にあったガムをおもむろに口に含んだ。
「モグモグ・・。」
二、三回噛んでいったん手のひらに出し、床に捨てる。
「チラッ。」
横目で他の四人を見る石川。
「プーチモービークースでボーヨヨーン。」
後藤と吉澤は例の体操を辻と加護に楽しそうに教えていた。
もちろん石川は眼中にない。
石川は横目でチラチラとそれを見ていた。
「プ・・チモ・・ビク・・スで・・。」
ぼそぼそと念仏を唱えながら。
39 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月26日(木)04時01分01秒
いや〜、一ヶ月ぶりの、更新ですか(笑
独特の、会話のリズムとノリ
すっごく好きです。
40 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月26日(木)04時02分49秒
石川と後藤の話しスゴク面白かったです(w。
続き期待してます。
41 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月27日(金)22時38分45秒
マジ面白い
続き期待age
42 名前:コインのプール 投稿日:2001年04月29日(日)02時15分46秒
>39さん 
1ヶ月ぶり・・。そうですね。できるだけ 
頑張りたいです。あと石川は確かにヘンです。(w

>40さん
ありがとうございます。後藤はSが似合うかも
しれません。(w

>41さん
ありがとうございます。更新が遅いかも
しれませんが頑張ります。
43 名前:第九話 投稿日:2001年04月29日(日)02時45分52秒
今日も長い一日が終わる。
密度の濃い一日。
石川は一人自分の部屋で就寝の準備をしていた。
ピンク色のパジャマに身を包み、ピンク色のベッドのシーツを
そろえる。
「あっ、そうそう。」
そう言うと机の上にあるバッグの中を覗く。
「これこれ。忘れてた。」
取り出したのはピンク色の線香。
属に言うアロマテラピーの一種だ。
たまたま帰路の途中に立ち寄った雑貨屋に置いていた物だった。
手ごろな受け皿に線香を置き、マッチで火をつける。
じきに部屋いっぱいに香が広がる。
「あーっ。いいにおい。」
しかし寝る時に身に付けるマスクはつけたまま。
「あっ。そうそう。」
そう言うと石川は北東の方角に体を向ける。
そして一礼。
続いて南西の方角に体を向ける。
また一礼。
それは方位を変えて何回か続いた。
メンバーの自宅の方角におじぎをするのが寝る前の日課だった。
勝手に石川が決めたことであったが、律儀すぎるように思われる。

44 名前:第九話 投稿日:2001年04月29日(日)03時22分32秒
「よし。今日もいい夢見れるといいな。おやすみなっしょい。」
日課が終わると部屋の明かりを消し、ベッドに潜り込む。
この時が石川にとって一日で一番楽しみな時間。
夢の中では何もかもがいつもと違い、思いどうりに進むからだ。

五分後。

いつもとは違う、必ず勝てるゲームが始まる。

「んーっ。肩こるなあ。」
「梨華ちゃん肩こってんのか?なっちが
もんでやるべ。」
「あっ。ありがとうございます。」
安倍が親切に肩を揉んでくれる。

「ちょっと時間があいたなー。」
「梨華ちゃんこれで遊びなよ。」
吉澤がクロスワードパズルを渡す。
「うれしい。よっすぃーありがとう。」

「・・くしゅん!」
「石川、これあったかいから。」
保田がピンク色のホッカイロを渡してくれる。
「あ、うれしい。石川こんな色のホッカイロほしかったんです。」
「別に礼ならいいよ。石川にはいつもお世話になりっぱなしだから。」

夢の設定はこうだ。
メンバーと中澤と石川がいる空間。
そして皆一様にやたらと石川にやさしい。
自称、女王様状態。



 

45 名前:第九話 投稿日:2001年04月29日(日)04時31分17秒
「ちょっと石川に話があるんやけど。」
「あ、中澤さん。何ですか?」
中澤が石川に話しかける。
「この前の収録の時、かなり私、石川につらくあたったやん?」
「あれは愛情の裏返しですよね。私わかってます。」
「あの、あ、あやまりたいんや。石川に。」
「えっ。」
「姐さんいつのまにか石川を傷つけとった。あやまるわ。すんません。」
「あ、いや、いいんです。そんなに頭を下げないで下さい。困ります。」
「いや、いいんや。私の頭が下がるだけ下げる。それで石川の
真の許しがもらえるんなら。」
「いいんです。もういいんです。」
石川の顔は少しゆるんでいた。

「ちょっと見すごせんな。」
加護亜依。
「・・・。」
そして後藤真希。
夢と言えども誤算はある。
二人とも石川に歩み寄る。

「何で梨華ちゃんだけチヤホヤされるんや!」
「・・・純粋にむかつくんだけど。」
悦に入っていた石川には、いきなりの二人の言葉に返答ができない。
「えっ?あ、あの・・これは・・。」
「何や、梨華ちゃんはっきりせえ。」
「・・別に答えに期待してないけど。」
加護と後藤がさらに追い込む。
ふと石川は気が付く。
「そのぉ・・あ、これは私の夢だから。」
「夢だから?」
「夢だから何でもありなの。」
「何でもあり・・。」
加護はその言葉を待っていたかのように石川のお気に入りの
夢のなかのハンガーに掛けてあるピンクの皮ジャンにはさみをいれる。
「えーっ、あいぼん。」
後藤もその言葉を待っていたかのように石川の腕を後ろにまわし
間接をきめる。
「いたっ。いたたた。痛いよ、ごっちん。」
「・・何でもあり、バーリトゥードなんでしょ。梨華に二言なし・・。」
加護と後藤の顔にはいやな笑顔が浮かんでいた。

「・・うう。私の夢なのに。」
石川はベッドの上でうなされていた。
皿の上のピンクの線香はすでに灰になっていた。

46 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月29日(日)04時53分42秒
やっぱり、おもしろいわ、ここ。
名作集ってブラックほとんどないから…
ぜひこの路線をつらぬいてほしいです。
47 名前:コインのプール 投稿日:2001年04月29日(日)14時18分45秒
>46さん
ありがとうございます。こんな感じの
ものしか出来ないんですけどやらせてもらいます。
茶髪の石川・・半端な感じが僕的には否めません。
どーせなら話題づくりのためにキンパにしたほうがよかったのに。
どこがカントリーなんだよって言う感じで。(笑

48 名前:番外編〜第二話〜 投稿日:2001年04月29日(日)15時45分22秒
この日は某。たいへんでしたという番組のロケ。
都内某所で撮影が行なわれていた。
半分以上撮り終えた後の休憩時。
「あー、つかれた。」
「飯田さんそんなにつかれたんですか?」
地面にへたりこむ飯田を見て辻が言う。
「あたりまえじゃん。辻は大丈夫なの?」
「へっちゃらです。」
辻の表情には笑顔が浮ぶ。
「あんたすごいねー。・・・でもね、カオリちょっと疑問なの。
これって依頼された
問題を解決するって言う番組でしょ。
で、今日は特別にミニモニ。が小さい体を生かして
えんとつのそうじをするってやつだった。
けど・・・私ミニモニ。じゃないじゃん!」
「・・・いいんれすよ。」
辻の顔から笑顔が消える。
「いいんれすよじゃないよ。カオリ大変だったんだよ。
体大きいから黒いススがいっぱいついて。しかもミニモニ。って
辻、あんたしか来てないし。」
「・・・。」
辻は何も言わない。
「何か知ってんでしょ。辻は。」
49 名前:第二話〜番外編〜 投稿日:2001年04月29日(日)16時19分25秒
「・・シージーです。」
しょうがないといった感じでぼそりと辻が言う。
「ツージー?あんたが辻っていうのはわかってんの。」
飯田にはまだ辻の言ったことが理解できない。
「ちがいます。CGです。」
「し、知ってるよ。そのくらい。ちょっと聞こえなかったの。
そのシージーとカオリに
何の関係があんの。」
「・・もういいじゃないですか。」
「辻、あんた知ってるんでしょ。言いなさい。」
「・・・。」
「辻。」
「・・・。」
「昨日、すごくおいしいチョコが北海道からとどいたの。」
「これから言うことは誰にも言っちゃだめですよ。」
「うん。わかったから早く教えなさい。」
「飯田さんの服をよく見てください。」
「え、作業用の服だけど・・・あっ。」
注意深く見ると飯田の衣服全体に小さいシールが貼ってあった。
「何?これ?」
「飯田さんの動きだけ取り込むんです。シージーで。」

50 名前:番外編〜第二話〜 投稿日:2001年04月29日(日)17時08分26秒
飯田はようやく事に気付いた。
人の動きに合わせてCGが動く
モーションキャプチャーというものをテレビで見たことがあるのを思い出した。
「なんでカオリがこんなことさせられるの?」
「矢口さんとあいぼんとミカちゃんが暗くてせまい所がいやだって。」
「それでカオリが汚れ役?待ってよ。身長が全然違うじゃん。
しかも一人で三人分なんて無理があるよ。」
「・・三人がひとつの着ぐるみに入ってることにすればいいじゃんって
ミカちゃんが言ってました。」
「ミカちゃんが?信じられない。」
新リーダー飯田はだまされやすいのではないか、辻はそう思っていた。
ミニモニ。というのは飯田の台本だけに
辻がいたずらして書き込んだものだった。
シールも辻が適当に飯田の衣装に貼り付けただけだった。
「ミカちゃん・・・。あんな顔してこんな事おもいつく
なんて。」
「いいらさんもすごいですよ。」
「何がすごいの?・・それといいらじゃない。私はいいだ。」
「あい。」
辻はやみつきになりそうだった。
飯田は首をかしげるばかりだった。


    おわり

51 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月29日(日)18時48分15秒
いい〜〜
もっと、やってくれ〜〜
こ〜ゆ〜辻がみたかったんだ〜〜
52 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月30日(月)03時03分57秒
今回も石川と後藤とか加護の関係面白かったです。
続き期待してます
53 名前:コインのプール 投稿日:2001年05月01日(火)17時56分09秒
>51さん
次も少しだけ辻が出てきます、というか
つづきみたいな感じなんですけど。
辻が本当はこんなキャラだったら飯田といいコンビになるかも(笑

>52さん
ありがとうございます。この話のコンセプトは
作者曰く、一応石川奮闘日記ということになっています。
54 名前:第十話 投稿日:2001年05月01日(火)18時25分54秒
楽屋には石川が一人、そこにいた。
「早く来すぎちゃったかな。」
その日は15時集合だったのだが石川は
12時にはテレビ局に到着してしまった。
誰もいない部屋には静寂が響く。
「・・ひまだからY字バランスでもしようかな。」
そう言うとイスから腰を上げて一人で足をあげる。
「私にはこれしかないから猛練習しとかないと。」
3秒ほどするとゆっくりと足をおろす。
「あきっぽい私・・。」
手にげんこつをつくり自分の頭を叩く石川。
そしてまたイスに座る。
次にテーブルの上に置いてあるバッグの中の携帯を取り出す。
「誰かにかけてみようかな。」
ボタンを押して電話番号メモリーの欄をひらく。
「えーと、そうだ。安倍さんにかけてみよう。
何してんだろ、なっちさんは。ウフッ。」
発信ボタンを押す。
「プップップッ・・トゥルルルル、トゥルルルル。」
なかなか出ない。
石川は安倍が携帯を
マナーモードにしており気付いてないと思っていた。
55 名前:第十話 投稿日:2001年05月01日(火)19時00分39秒
「トゥルルルル、トゥルルルルはいトゥルルルル飯田です。」
「えっ、飯田さん?」
「あトゥルルルルその声はトゥルルルル石川。」
「私安倍さんにかけたんですよ。何で飯田さんが?
どうやって話しているんですか?
呼び出し音と飯田さんの声混ざってますよ。」
「ああこれトゥルルルルちょっとトゥルルルルまって。ピッ。
これでいいわ。」
「飯田さん?」
「ちょっとアレをね。」
「ああ、アレですか。びっくりした。」
交信のことらしいのだが。
「ゴメンネ。」
「あの、飯田さん何か寂しそうな声ですけどどうしたんですか?」
「・・ちょっとある人とケンカしてね。」
確かに飯田の声には覇気が感じられなかった。
「ケンカですか。あの、誰とですか。さしさわりがなければ教えてください。」
「ツージ・・いや辻希美と。」
「ののとですか。何があったんですか。」
「・・この前辻がカオリをからかったの。
今思えば壮大なドッキリだった。気付いた時には遅かったわ。
堪忍袋のおが切れたの。
カオリは辻のプリクラ帳をどぶに捨てていた。」
「ののもひどいけど、飯田さんもそれはひどいですよ。」
「辻の目の前で捨てたからね。私もひどいと思った。
でも好きな子にはそれくらいのことはしてしまうものなの。」
「好き?飯田さん、それって・・。」
「そう。石川には言うわ。カオリはツージーのことが好きなの。」

56 名前:第十話 投稿日:2001年05月01日(火)19時27分23秒
石川は動揺した。
しかしそれは当然のことであった。
初めて踏み入れる禁断の領域。
「カオリの大好きなツージーはその後私にビンタしたわ。
リーダーで大先輩の私に。」
「え・・と・・。」
「でも泣いてたの、ツージーは。当然よね。それから
三日間、二人は何も話していない。」
「そうなんですか・・。」
「石川はこんな私を笑ってるんでしょ。心の中で。」
「そ、そんなことないです。」
「石川に言ったのが間違いだったわ。どうせ言いふらすんでしょ。
拡声器か何かもって。」
「ちょ、ちょっと待ってください。私なにも言ってないです。」
「プーッ、プーッ。」
「あ。」
石川は頭をかかえた。
「飯田さんとのの・・。どうすればいいの。」

「どうだった?」
「すごくよかったです。これでミュージカルも大丈夫れすよ。」
「大丈夫れすか。」
「あい。」
飯田は石川を演技の練習に使ったのだった。
そそのかしたのは辻だった。

「おかしいなー。何で外なのに圏外なの?」
安倍は困っていた。

57 名前:第十一話 投稿日:2001年05月01日(火)20時01分15秒
安倍、吉澤、石川、加護。
安倍は石川の事をじっと見ている。
「やっぱり梨華ちゃんに茶髪は似合ってるよ。」
石川の髪の色を誉める。
「本当ですか。どうかなーって思ってたんですけど
安倍さんにそう言われるとうれしい。」
吉澤は本を見るふりをしてその様子を見ていた。
「(・・言いたい。本当は似合ってないって。でも
梨華ちゃんかなり気にしそうだし、安倍さんがああいってる
から言いにくいし。梨華ちゃんもよしこみたいな髪形にすれば
よかったのに。)」
吉澤のメッシュがうずく。
一人変顔の練習をしていた加護が口を開く。
「梨華ちゃんとよっすぃーの髪おかしいよ。」
それを聞いて安倍が言う。
「そんなことないべさ。加護はすぐふざけるんだから。
ダメだよ。」
石川はすぐ言い返す。
「あいぼんひどいよー。」
吉澤の顔は怖いほど無表情。

58 名前:第十一話 投稿日:2001年05月01日(火)20時30分57秒
吉澤のことを気にした石川が話しかける。
「あいぼんひどいよねー。」
急に立ち上がった吉澤は石川をそのまま壁に追い込む。
「・・ねえ梨華ちゃん。」
「えっ、えっ。何?よっすぃー。」
「梨華ちゃんのせい。」
「えっ、何が?」
「梨華ちゃんがそんなきもい茶髪にしなかったら
私がいもずる式にあいぼんにからかわれることはなかった。」
「きもいなんて・・よっすぃーひどい。」
吉澤は理性を取り戻す。
「はっ。私、どうしたの。」
「ひどい。よっすぃーがそんなこと言うなんて。」
「ひどい?ご、ごめん。私梨華ちゃんに変なこと言っちゃったかな。」
「・・・よっすぃーのメッシュもおかしいのに。」
「はあ?おめー言っていいこととわりーことがあんだろーが!」
「ひっ。」
髪のことを言われると吉澤は人格が変わる。
「おめー石川とかいったな。どこに目ぇつけてんだよ。かっけーって
言えよ。よっすぃーのメッシュかっけーってよお。」
「・・・かっけーって何?」
「いやぁいいんだよ!」
「ひっ、かっけー。かっけーです。」
石川は号泣していた。
安倍と加護はねたふりをしていた。
59 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月01日(火)22時28分08秒
ああ〜、吉澤くんまで(爆笑
石川さん受難の日々はつづく……
60 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月02日(水)02時16分53秒
不覚にも声に出してワラってました・・・ヤラれた
61 名前:コインのプール 投稿日:2001年05月04日(金)21時42分22秒
>59さん
吉澤もホントにどうしたんでしょうか。
罪のない子にあんなこと言うなんて。(笑

>60さん
石川のファイトを見守っていて下さい。
62 名前:番外編〜第三話〜 投稿日:2001年05月04日(金)23時01分59秒
保田と加護。
この二人が接することはあまり無い。
少し怖い存在。
加護が保田をそう思っているからである。
他のメンバーには無いものを保田は持っていた。
その二人が楽屋に二人きり。
「ねえ、加護。」
「あ、はい。」
「あんたじっとしてるけど暇じゃないの?」
保田が暇だったから声をかけたのであった。
手で枕をつくり、テーブルの上にひれ付していた加護は
保田の声で顔をあげる。
「暇じゃないですよ。ちょっと考え事をしていたんです。」
「何よ。考え事って。」
適当に読んでいた本を置き、保田は耳を傾ける。
「誰かが来たらチュウしようと思ってたんです。」
「・・はあ、あんたもまだ子供ね。」
「えへへ。すいません。」
「でもさー。」
「なんですか?」
「あんた他のメンバーにはよくキスするけど私、保田圭
にはしないね。」
「えっ、えーそれは。」
「裕ちゃんも私にはキスしなかったんだよ。」
「・・・・。」
「・・その大阪弁じゃインジャンピョイの時の顔やめなよ。」
加護の心の声が顔に出ていた。
「すいません。」
「でさー、そのことなんだけどー今誰もいないから
キスしようか。」



63 名前:番外編〜第三話〜 投稿日:2001年05月05日(土)02時17分21秒
「えっ。」
予想外の言葉に加護は少し驚く。
「嫌ならいいよ。加護が嫌なら今言ったことは忘れて。」
「します。」
どうにか機嫌を損なわないようにする加護の言葉。
保田自身少し脅迫したような形であったが
前から一回加護とのそれを経験したいと言うことから出た言葉だった。
「じゃあ、目、つぶってよ。」
「保田さんが私にするんですか?」
「悪い。」
「そんなことないです。全然OKです。」
「・・・またその顔。」
「・・すいません。でもわかりました。私が目をつぶっとくんで
保田さんはどうぞ私にせっぷんして下さい。」
そして保田はイスから腰をあげ加護に近づく。
しかし保田はキスの経験が皆無。
目を閉じた加護の顔に、同じように目を閉じた保田が
顔を近づける。
そして唇と唇があわさる。
一秒。
二秒。
時を刻むにつれ保田のテンションはあがっていく。
ビギナーゆえの高揚感と無謀さが混ざったもの。
そしてそれは行動にもあらわれていた。
誰も予想だにしないディープなキス。
加護は硬く目と唇を閉じ明らかにそれを嫌っている。
キスを了承した加護本人もこんなことになるとは思わなかった。
まるで動物からなめられているようだ。
たえられなくなった加護は小さく口を開き、そこから声を出す。
「や・・すだ・・さん。」
ちょうど加護の鼻のあたりを吸っていた保田は我に帰る。
「・・・あ、ちょっと。何よ、はずかしい。」
さっと一歩加護から離れる。
「でもとりあえず礼は言うわ。」
満足した様子で保田は言う。
「・・・はい。」
そう返事をした加護は服のそでで顔をぬぐっていた。
保田へのさらなる恐怖感と二度と保田とはキスをしないという
誓いを心に秘め。


     おわり
64 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月05日(土)03時22分00秒
どんなに恐ろしいコブラにも、マングースという天敵は存在するんだやな〜(w
>インジャンピョイの時の顔
目に浮かぶようです。(爆
65 名前:コインのプール 投稿日:2001年05月05日(土)07時06分04秒
>64さん
最強(笑)保田が加護にとって異様な存在になってしまいました。
チト痛すぎたかもしれません。(もともと
で、次からはマターリ(?)な感じでいってみます。


66 名前:第十二話 投稿日:2001年05月05日(土)07時41分39秒
やさしい吉澤とおっとりとした後藤、それとアクティブ石川は
楽屋でフルーツを囲み楽しく話をしていた。
「この赤くて丸いやつはおいしいね。」
「よっすぃーそれはりんごだよ。」
「あら、りんごって言うの・・って梨華ちゃん冗談なんだから笑ってよー。
ねえごっちん。」
「実はごっちんもそれの名前がりんごだってこと知らなかったよ。」
「ウフッ。梨華ちゃんもこのくらい気のきいたこといってよー。」
「だってそんなことわかんないもん、もう。」
ふてくされる石川。
「冷たくなったりんごはやめて、ぶどうをいただこうかしら。
あれっ、これは珍しいぶどうだ。」
「よっすぃー何いってんの。それはバナナ。」
「よっすぃー、ごっちんにも珍しいぶどうを。」
「はい。めしあがれ。」
「よっすぃー私にもちょうだいよー。」
「いやしい梨華にはあげません。」
「もう。」
またまたふてくされる石川。


67 名前:第十二話 投稿日:2001年05月05日(土)08時11分46秒
「いいもん。カントリーに行けばりんねさんと
あさみちゃんがやさしくしてくれるから。」
「ゴメンゴメン。」
「梨華ちゃんごっちんの半分あげるから。」
石川は後藤からそれをもらうとすぐ機嫌がなおる。
「ありがとうごっちん。でもカントリーもいいんだよ。
二人とも一回カントリーに入ってみたらいいよ。最高だよ。」
「カントリー。」
「娘。ねえ。」
その言葉を聞き、後藤と吉澤は想像する。
自分があの衣装で笑みをうかべながらりんね、あさみと踊る。
ハーピボースデイ。
最悪な感じがする。
適任者は石川しかいないとすぐわかる。
「あれは梨華ちゃんとカントリーの曲だよ。」
思ったままのことを吉澤は言う。
「ごっちんはソロがあるからあの大役はできないよ。」
目を合わさず後藤は言う。
「私の頑張りはとどいてたんだ。よかった。」
 
それから後藤と吉澤が食べたフルーツはなぜかすべてすっぱく感じた。
68 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月05日(土)12時10分19秒
今回は、いつもと違って、あまり暴走してませんね。(w
そのぶんリアルかも。
もしかして、実話だったりして……
69 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月08日(火)01時35分47秒
いやぁ〜、リアルって怖いね(w
70 名前:コインのプール 投稿日:2001年05月10日(木)00時59分13秒
>68さん
リアル(?)と妄想の間が好きなんですけど今回は片方に
かなり寄っちゃいました。
娘。は皆素直であってほしいです。(w

>69さん
そうです。リアルが一番怖いんです(w
71 名前:番外編〜第四話〜 投稿日:2001年05月10日(木)01時25分22秒
楽屋には矢口、加護、辻の三人。
矢口は本を読んでいる。
加護と辻は二人でお喋りをしている。
「ねえあいぼん、ちょっとギモンがあるんだけど。」
「なーに?」
「ミニモニ。ってどういう意味なの?」
「そんなことも知らなかったの?ののはあかんなあ。」
「あいぼん知ってるの?」
「もちろん。」
「じゃあ教えて。」
いつもならおふざけはいいかげんにするようにと
矢口は言うのだが、今朝履いた普段より
靴底が高い厚底で足をくじき、ブルーが入っていたので
口を開かない。
「矢口さんには秘密だよ。」
「わかったからおしえて。」
「うん。あのね・・」
加護は矢口に聞かれないように耳打ちで辻に伝える。
「・・・そうだったんだ。」
「・・ちょっとショックやろ。」
辻と加護はうなだれた様子。
矢口は少し気になった。

72 名前:番外編〜第四話〜 投稿日:2001年05月10日(木)02時07分21秒
ミニモニ。はミニという言葉とモーニングという言葉の
融合により完成した言葉のはず。
だからなぜ加護が矢口に聞かれないようにしたのかがわからない。
そしてなぜうなだれたのか。
「だから矢口さんは・・。」
「なんぎな話やで。」
実は真実を知らないのは私だけなのか。
そう思った矢口は言う。
「ちょっと辻と加護。」
「はい。」
「なんですか。」
「あのさあ、冗談はやめなよ。別にミニモニ。に意味なんてないでしょ。」
いろんな感情が混ざった矢口の口調は、まるで自分に言い聞かせる
ように少し強くなっていた。
それを聞いた辻と加護。
「矢口っつあんはおこってもかわいいんですね。」
「真里っぺはええキャラやで。」
「な、なんで急に矢口を見下すの。」
辻と加護の言葉にすこしうろたえる矢口。
「ミニモニ。のミも知らない矢口っつあん。」
「牛乳もそら飲めんわな。」
そして辻と加護は走って楽屋を飛び出す。
「ま、まって。矢口にミニモニ。のことおしえてよ。」
そして矢口は楽屋に一人残される。
ふと床を見ると折りたたんだ紙が落ちている。
おそらく加護が落とした物であろう。
矢口はそれを手にとり開いてみる。
 
「ラジオは二時間ずっとミニモニ。がよかった。辻。加護。」

そう殴り書きしていた。


      おわり
73 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月10日(木)03時56分44秒
俺にもミニモニの意味おしえてくれ〜〜(汗
74 名前:コインのプール 投稿日:2001年05月13日(日)05時14分37秒
>73さん
意味は辻加護のみぞ知るっていうところです。(w
当初は深くするつもりではなかったんですが
こんな感じになりました。
75 名前:第十三話 投稿日:2001年05月13日(日)06時03分14秒
朝から石川はやけにはりきっている。
楽屋に入ってくる時は大きな声で挨拶。
矢口には背が伸びるようにと特濃牛乳を水筒に入れて持ってきた。
安倍には無理やり口移しでとけたアイスを食べさせる。
飯田には賛美の言葉。
「やっぱり飯田さんはきれいです。私がもし男の子だったら
絶対つきあいたいです。」
「・・みえみえのおせじはいいの。石川今日やけにはりきってるじゃん。
どうしたのよ。」
「昨日ひさしぶりに娘.に入りたてのころのビデオを見たんです。
そしたら気合いって言うか、モリモリと初心に帰れたんです。」
「モリモリと初心に。」
入りたてといった言葉を聞いた矢口はふとあることを聞きたくなる。
「そういえば梨華ちゃんは誰に憧れてたの?」
部屋には安倍、飯田、矢口、加護がいる。
加護以外の先輩三人の中で石川は少し迷う。
「あのー・・娘。全体に憧れてたんです。」
無難な答。
それを聞いて、石川が落ち着くようにと渡したミニDJセットで
スクラッチ遊びをしていた加護が言う。
「梨華ちゃん安倍さんって言ってなかったっけ。」
「えっ。」
もちろん加護の勝手な記憶。
しかし安倍の手前、軽率な否定は石川には出来ない。
「そーだったんだ。梨華ちゃんありがとう。」
安倍は素直に喜ぶ。
質問した二次加入組の矢口は別に気にしてない。
だがオリジナルメンバーのもう一人はうつむき
髪が顔を隠し、表情が見えない。



76 名前:第十三話 投稿日:2001年05月13日(日)06時42分33秒
「リーダー、キャプテン、船長・・。」
異常に気付いた矢口が飯田をフォローする。
「や、矢口はカオリに憧れてたんだよ。」
「・・・矢口もそんな社交辞令が言えるようになったんだ。
昔はかわいい矢口だったのに。」
「うっ。」
その空気は他のメンバーにも伝わってくる。
「か、加護は飯田さんのことかっこいいなって思ってました。」
「・・・敬語も使えなかった加護もここまで饒舌になったなんてね。」
「うっ。」
「な、なっちもカオリに憧れて入ったんだよ。」
「・・・なっちは同期じゃん。」
「あっ。」
安倍らしからぬなだめミス。
「す、すいません。石川が悪かったんです。私があんな話をしたばっかりに。」
「あんな話・・。参加したカオリも否定ぎみね、火付け役の石川は。」
飯田の髪はいつの間にか床まで伸びている。
驚く加護。
「飯田さんの髪が。」
その言葉と同時に飯田の髪は石川にまとわりつき
首を絞める。
その異様な光景の前で安倍と矢口は冷静だ。
「・・カオリは怒るとああなるんだべ。だからなだめてた。」
「・・・あれがカオリがリーダーたるゆえん。」
その言葉を聞いた加護は胸をなで下ろす。
「そうなんですか。びっくりした。」

飯田の怒りと髪の長さは比例する。
「・・石川のせいよ。反省しなさい。」
「い、いいださん・・。こんなことって・・。」
石川の意識は反比例して遠くなっていた。
77 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月13日(日)09時49分38秒
某サイトでいうところの「リスペクター石川」モードが完全に裏目にでてますね。
*「安倍さんにあこがれてた。」これは、深夜にリアルタイムで聞いてたな。(w
78 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月21日(月)19時56分38秒
そろそろ禁断症状が………うっ。..
79 名前:コインのプール 投稿日:2001年05月22日(火)02時22分16秒
>77、78さん
レスありがとうございます。更新遅れてすんません。
頑張りますんでこれからもよろしくお願いします。
80 名前:第十四話 投稿日:2001年05月22日(火)03時05分19秒
ミュージカル。
日を重ねるごとに自分の演技が上達しているように感じる石川は
少しいい気分になっていた。
公演が終わった後の楽屋。
「あいぼん頑張ったね。今日は特に上手だった。」
「えー。今日は失敗したと思ったんだけど。」
石川は演技に関して実はよくわかっていない。
加護は言う。
「梨華ちゃんはいつもといっしょで棒読みだったよ。」
「そんなことないよ。私上手になったんだよ。」
「ほんと?」
その二人のやりとりは他のメンバーの耳にも入ってくる。
矢口。
「(梨華ちゃん・・。加護の意見は悲しいけど正しいよ。)」
弁当に入っている大根のつけものをポリポリと食べながら思う。
飯田。
「(石川・・。あんたがハウツー本 ”これができればアクトレス” を
バッグに忍ばせてるのをカオリは知っている。)」
携帯DVDでカメラは見た!衝撃映像100を見ながら思う。
そして後藤。
「(トーマトマトーマトマトーマトマトー・・・、どういう意味なの?)」
話は聞かず弁当のプチトマトのへたをつまみながら思う。
それぞれ暗に意味するものがあるのだろうか。
石川は自分の演技に関して吉澤に同意を求める。
「ねえ、よっすぃーはどう思うの?」
「うん。いいんじゃないの。」
「やっぱりよっすぃーはちゃんと見てくれてたんだ。ありがとう。
でも何でよっすぃーつまようじを咥えているの?」
一人だけ支給された弁当に手をつけず、楊枝を咥えている吉澤は不自然だった。
「あー、今、演技向上のためにダイエットしてるんだ。これは
武士は食わねど高楊枝ってやつ。」
クイクイと上下に楊枝を動かしながら語る吉澤。
「かっこいい・・。かっけー吉澤健在ね。」
石川は感動する。
同様に吉澤の武士道にも通じる何かを感じた他のメンバーも
皆、心からかっけー、かっけーと言う。

81 名前:第十四話 投稿日:2001年05月22日(火)03時35分55秒
「でもよっすぃーのここさわると気持ちいいよ。」
加護は、吉澤の立派な二の腕のあたりを揉みながら言う。
「あはは、くすぐったいよ。でも・・もっと気持ちいいことも
あるんだよ。」
「もっと?」
「へへへ・・。」
いやらしい笑みを浮かべる吉澤。
ダイエット中により欲求不満なのであろうか。
口からはよだれが覗く。
石川は吉澤の異変に気付き声を掛ける。
「ちょ、ちょっとよっすぃー。」
「はっ。ごめん。」
手で口から出ていたよだれをぬぐう吉澤。
皆が見ている楽屋でもこの状態。
まさに人の目を気にしないかっけー吉澤である。
しかしそんな吉澤の痴態が気になった後藤が気のきいたことを言う。
「よっすぃーがダイエットしてるならごっちんもあんまり食べないよ。」
矢口、飯田も言う。
「じゃあ矢口もそうしようかな。」
「リーダーのいーだも。」
吉澤はその言葉を聞き、完全に正気に戻る。
「みんな・・。ありがとうございます。」
しかしそんなほのぼのムードの中で一人ハングリーな石川がいた。
「(どうしよう。私、今おなかペコペコなのに。今日は緊張して
朝から何にものどを通らなかったから終わったあとすぐ食べようと
思ってたんだけど・・。しかもこのことさっき皆に話しちゃったから今そとに
出たらあやしいし・・。ああ、ここにあるお弁当を今すぐ食べたい。)」
82 名前:第十四話 投稿日:2001年05月22日(火)04時14分31秒
加護は再び吉澤の腕を触りながら言う。
「このぷにぷにした腕ともさよなら・・。ちょっとさびしいけど
よっすぃー頑張ってね。私もあんまり食べないから。」
「うん。あいぼんありがとう。」
あと吉澤のダイエットに関して自分はどうするかを言葉に
していないのは石川だけ。
とりあえずここは我慢しようと心に決めて声を掛けようとした。
「あの、よっすグゥ。」
最悪のタイミングで腹が鳴った。
今から何と言おうと真剣な吉澤に対する言葉に重みは出ない。
むしろ何と言おうと同情に聞こえるだろう。
「・・・いいよ。梨華ちゃんは食べて。さっき言ってたじゃん。
今日何も食べてないんでしょ。」
「ごめん・・よっすぃー。」
ここはもう吉澤の言う通りにしたほうが良いと石川は思った。
そして弁当の置いてあるテーブルの前に腰を掛ける。
罪悪感からか、手をつける前に石川は吉澤の表情を覗く。
こころなしかほおがこけて見える。
その時、急に楽屋のドアが開き人が大声をあげて入ってくる。
「こらーっ!誰かバナナ食ったやろ!」
共演中の中澤だ。
公演などを開く際に贈られるバスケットに数種の果物が
入ったものが中澤の楽屋前に置いてあった。
それを誰かがバナナだけ中途半端に食べて放置し、においが広がって
いたことに怒っていた。
「誰や。オマエか、石川。」
もちろん中澤といえば石川。
「ち、ちがいます。私朝から何も。」
「・・梨華ちゃん?」
「よ、よっすぃーちがう。」
「何動揺しとんのや。おまえやろ、石川。」
「ちがうんです。」
83 名前:第十四話 投稿日:2001年05月22日(火)04時57分50秒
中澤と吉澤につめ寄られる石川は思う。
「(そういえばこのパターンでいつも私は被害者。今日こそは
絶対に轍は踏まない。こわいけど石川梨華の名誉を挽回しなきゃダメ。)
あ、あの二人ともちょっとまって下さい。私が食べたんじゃないです。」
「じゃあ誰や。」
「え、それは・・。」
楽屋を見渡す石川。
飯田、矢口、後藤、加護がいる。
「ここにもしバナナを食べた人がいたら名乗り出て下さい。」
しかしあやしい人物はいなさそうだ。
「・・まあええわ。でも次からは犯人を絶対つきとめたる。覚悟しときや。」
中澤は石川にあたって気が少し収まったのか、そこにいた
矢口の手を無理やり引いて楽屋の外に出る。
「・・梨華ちゃんごめんね。私空腹すぎて梨華ちゃんのこと疑っちゃった。」
冷静になった吉澤は石川にわびを入れる。
「いいの。よっすぃーに疑いの心を持たせちゃった私の
動揺もわる・・・え、このバナナのにおい。」
「じゃあ帰ろっかな。」
バッグを手に取りふらふらと楽屋の外に出る吉澤。
吉澤がバナナを食べた張本人だった。
あまりにもの空腹のため、無意識に食べてしまったのだ。
もちろん記憶は無い。
だから悪気も無い。
他のメンバーも帰り、楽屋に傷つけられた石川だけが残る。
「サギ師よっすぃーなんて食べたいだけ食べればいいよ・・・。」
吉澤が無意識だったことなどもちろんわからない石川は
弁当とバナナを食べながらひとり悪態をついていた。
84 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月22日(火)06時30分02秒
この何ともいえんシュールな後味は・・・クセになる(w
85 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月22日(火)19時41分05秒
>84 ふっふっふっ…
中毒患者がまたひとり(w
86 名前:コインのプール 投稿日:2001年05月26日(土)16時15分11秒
>84さん
ありがとうございます。そう言ってもらえれば
これ幸いです。(w

>85さん
増えてもらえばいいんですが。(w
さて、いしよし(?)ですけどもう一話。
87 名前:第十五話 投稿日:2001年05月26日(土)16時21分31秒
吉澤に裏切られたと思いこんでいる石川は少し卑屈になっていた。
「・・よっすぃーおつかれさま。」
「あー、梨華ちゃんもおつかれー。」
連日行なわれるミュージカル公演の後での楽屋。
「はい、これ。」
石川はペットボトルの水を紙コップに入れたものを
吉澤に渡す。
演技で乾いた喉をうるおすために吉澤はそれを一気に口に入れる。
「・・んっ。ゴホッゴホッ。」
咳込む吉澤。
「な、何これ?さとう水じゃん。しかもすごく濃い。」
「・・つかれた時には甘いものがいいってよく言うでしょ。」
「でもこれは飲めないよ。っていうか梨華ちゃんいつも
こんなの飲んでるの?」
「・・飲んでないよ。」
「え、じゃあ何で私にこんなの飲ませるの?」
「・・・ごめんなさい。」
吉澤は石川のしたことが理解できなかったが、とりあえずやりすごす。
「まあいいや。あ、これ飲もうかな。」
テーブルの上に置いてあった缶のコーラが目にとまった吉澤。
先ほどまで冷蔵庫に入れておいたのだろう、水滴がまわりにつき
ほどよく冷えていることがうかがえる。
缶を手にとり、タブに指をかける。
「バシッ。」
しかし石川が吉澤の手を叩く。
「な、何なの。」
「・・よっすぃーダイエット中なんでしょ。」
「え。あ、そうだった。・・でも梨華ちゃんさっき私に
さとう水飲ませようとしてたじゃん。矛盾してるよ。」
「・・・ごめんなさい。」



88 名前:第十五話 投稿日:2001年05月26日(土)16時28分46秒
二人の話が耳に入った後藤が言う。
「ふたりとも何してんの?何か飲みたいならよっすぃーこれあげるよ。
甘くないから。」
そう言って飲みかけの烏龍茶の缶を渡す。
「ごっちんサンキュー。あ。」
しかし、後藤から吉澤の手に渡る前に一瞬のスキを狙って
石川がそれを奪う。
「・・ゴクゴク。」
そして飲みほす。
「ふーっ。・・・ごめんなさい。」
「ちょっと梨華ちゃん、満足したあとごめんなさいって。」
「・・よっすぃーが悪いんだから。」
ようやく自分がやってきたことの動機らしきものを
吉澤に語る石川。
「悪い?私に何か落ち度があったの?」
「・・しらばっくれて。この前のことだよ。」
「この前?もしかして本番中に梨華ちゃんの棒読みで笑ったこと?」
「・・よっすぃーがバナナを食べたこと。」
「あ。あのことか。でも私じゃないよ。」
「よっすぃー気付いてなかったの?食べたのはよっすぃーだったんだよ。」
吉澤はそれを聞いて記憶をたどる。
そしてふと気付く。
「・・・そういえばあの日、バナナを食べていなかったのに
口の中はバナナ味だった。いつの間にか食べてたのかも。」
「そうなの。だから私、よっすぃーにいやがらせをしたの。」
「そうだったんだ・・・。」
そう言うと吉澤は自分のバッグのところへ行き
その中からさいふを取り出す。
目はうつろだ。
「じゃあこれで勘弁してよ。」
「えっ。」
「少ないけど受け取ってよ。」
「な、何言ってんのよっすぃー。」
金で解決。
漢・吉澤はいつの間にか喉の渇きがピークに達し、昨日見た
深夜に放送されていたVシネマのワンシーンを幻想混じりで
再現していた。
「ほら、梨華ちゃん手ぇだして。」
楽屋にいた辻、加護もキョトンとした様子で二人を見ている。
「ちょ、ちょっとよっすぃーだめだよ。
しかもそれお金じゃなくてレシートだよ。はっ、ののとあいぼんは
見ちゃだめ。子供はこんなこと見ちゃだめ。」
石川はこの状況でどうすればいいのか混乱していた。
後藤はその四人の状況を見て少しドキドキしていた。

89 名前:名無し読者 投稿日:2001年05月26日(土)21時36分14秒
『漢』と書いて『おとこ』と読む!
たしかに、男らし〜かも…
90 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月03日(日)23時38分20秒
『しかもそれお金じゃなくてレシートだよ』
冷静な石川のツッコミ最高(笑
91 名前:コインのプール 投稿日:2001年06月05日(火)20時35分31秒
>89さん、90さん
レスありがとうございます。更新が遅れ気味ですが
長い目で見守って下さい。

今回からは、作者の放置防止のため
続き形式で載せていきたいと思います。(内容、長さは以前と同じです)
92 名前:第十六話 投稿日:2001年06月05日(火)20時37分39秒
新メンバー追加決定。
そのニュースを聞いた石川は妄想をふくらませていた。

「(ついに私にも後輩ができる日がきたのね。
後輩、後輩さん・・。いい響きだわ。
いったいどんな子なんだろう。多分シャイでキュートな中高生と思うけど・・。
もしかしてその子が 石川さんに憧れてました とか言っちゃったりして。)」

両手を広げ、楽屋の蛍光灯の下でにやける石川。
隣にいた後藤は言う。

「梨華ちゃんまだ笑ってるの?」
「あっ、気付かれちゃった。」
「・・って言うか新メンバーが入ってくるって報告受けてからずっと
だよ。そんなにうれしいの?」
「うん。ごっちんはどうなの?」
「私?うーん。一回経験済みだからそんなに思うことはないけど。」
「そうなんだ。ごっちんはどんな子が入ってくると思う?」
「そうねえ・・、ポジティブな子がいいかな。」

そうこうしているうちにお子様二人がからんでくる。

「後藤先輩。新メンバーの加護です。あいぼんって呼んでください。
教育よろしくおねがいします。」
「後藤さん。新メンバーの辻です。ののとかツージーって呼んでください。
特技はひつじのものまねです。」

新メンバーのふりをする辻と加護。
「二人とも入りたてのころはそんな感じだったよね。」
特にリアクションをとらずに後藤は言う。
隣の石川にも二人は言う。

「梨華ちゃん。新メンバーのあいぼんです。かなり黒いですね。」
「チャーミーさん。新メンバーののにホイ見せてください。」

後藤とは違い、失礼ことを石川に言う二人。

「ひどいよー。ごっちんとは態度がちがう。」
「こんなもんやで、新メンバーも。多分。」
「ほんまそう思うわ。」
「・・ののまで関西弁使って。ちがうよ、新メンバーはそんな
こにくたらしくない。よっすぃーに聞けばわかる。」









93 名前:コインのプール 投稿日:2001年06月05日(火)20時41分54秒
かぎかっこが・・。スンマセン。
94 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月05日(火)22時05分25秒
>>91
自覚症状があるうちは、だいじょーぶ。(w
楽しみにしてます。
95 名前:第十六話 投稿日:2001年06月06日(水)18時32分39秒
鏡の前で髪をセットしている吉澤に意見を求める石川。

「よっすぃー。」
「何?」
「よっすぃーはどんな子が入ってくると思う?」
「んー、多分飯田さんと私を混ぜたような子だと思うよ。」
「どういうこと?」
「大きいってこと。これでカッケモニ。つまりごなつよみたいな
スケールの大きいユニットができるよ。」
「・・・。」

石川は何も言えなかった。
それは吉澤のネーミングセンスに対してではなく
自分と新メンバーで結成しようと思っていた
お嬢ユニットチャーミー娘。を見事に打ち砕く
カッケモニ。の存在に対してであった。

辻は言う。
「大きい人だったらいいかも。」

加護は言う。
「うん。私もののとおなじ。」

次々と石川の新メンバー想像図をぼやけさせる人々。

「で、でもね・・。」
「でさーカッケモニ。とミニモニ。で対決したりして。」
「ハロモニで?おもしろそー。」
「新しい娘。の一面が見えるかも。」
「またあいぼんおとなぶっちゃって。」
「えへへ。」
「あの、私とチャーミ・・。」
「あーあ。早く入ってこないかなー。」
「ほんとほんと。」

十分後。

吉澤、辻、加護はまだ盛り上がっていた。
特に興味の無い後藤の胸には負け戦の石川が顔をうずめていた。
後藤は正直うざいと言おうと思ったが
それも面倒くさいので言うのをやめた。

96 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月08日(金)23時43分28秒
カッケモニvsミニモニ
ん〜見てみたいかも…
97 名前:第十七話 投稿日:2001年06月09日(土)15時59分00秒
石川は楽屋前をうろつきながらぶつくさ言っていた。

「ごっちんもおこることないのに。でも楽屋に入りづらいなあ。」

石川はあれから後藤に膝蹴りをふとももに見舞われ、楽屋を
出ざるを得ない雰囲気になってしまったのである。

うろつく石川の目にある人が飛び込んでくる。

「よう、石川。がんばっとるか。」
「あ、つんくさん。おはようございます。今日はどうしたんですか?」
「おう、たまたまここによるついでがあったからな。
どないしとるかなー思って。」

プロデューサーのつんく。
偶然にも娘。と同じテレビ局内の打ち合わせがあったので
様子を見に来たのであった。

「心底石川とメンバーを心配するつんくさん・・。
すごいです。足を向けて寝れません。」
「い、いや。そこまで言わんでもええで。
特に石川見に来たいうわけでもないんやから。」
「いいんです。カリスマつんくさんが謙遜しないでください。」

少し困ったつんくは話を変えようとする。

「あ、そういえば新メンバーのことやねんけどよろしく頼むで。
石川も先輩になるんやからな。」

それを聞いた石川は言う。

「つんくさん、おねがいがあるんですけどいいですか?」

もしかして自分のアイデアが新メンバー選考の基準に
取り入れられるかもしれない。
さっきまでのあわい希望がつんくのその言葉でぶりかえす。

「何や。ゆうてみいや。」
「言いづらいんですけどいいですか?」
「ああ。」
「新メンバーのことなんですけど・・・。」
「うん。」
「できればチャーミー石川みたいな子をいれてください!」
「ええで。」
「え?」

石川はつんくの言葉に驚いた。
無理を承知で言った言葉がまさかの採用。

「本当ですか?」
「うん。俺も石川と同じこと考えとったんや。もうひとり
お嬢様キャラがほしいってな。」

大願成就の石川。

「う、うれしいです。本当にありがとうございます。」



98 名前:コインのプール 投稿日:2001年06月09日(土)16時00分32秒
>96さん
うわ、せっかく感想をいただいたのに
モーしわけないです。(失礼
常連さん(勝手な推測)がいなくなったら
ますます放置が進みそうなのに・・。

99 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月10日(日)00時34分47秒
落ちが楽しみ。(ワクワク
100 名前:第十七話 投稿日:2001年06月10日(日)23時39分15秒
つんくはさらに言う。

「んでそのメンバーと石川と・・そうやな、後藤。うん。
まさにだれも予想できんつんくマジックや。この三人で
ユニットつくろうか。」

イマジネーションが膨らんできたのか自然に笑みがこぼれるつんく。
石川的にはいい感じである。

「最高です。」

親指ついでに小指も立てる石川。

「石川もそう思うか?」
「はい。もちろんです。」
「そうかそうか。じゃあ名前やな。どうしようか。」
「ここはやっぱりモーニング娘。の名付け親、つんくさんに
おねがいしたいです。」
「よし。直感や・・・・チャーミー娘。、どや。」

偶然にもつんくと石川の思考が一致する。
101 名前:第十七話 投稿日:2001年06月11日(月)00時22分01秒
「えっ。実は私もチャーミー娘。を考えてたんです。」
「ホンマか?いやーこれは神様がつくれっていっとるんかな。」
「はい。石川もそう思います。」

つんくと石川は妙な喜びを感じる。
そしてつんくは言う。

「よし、このこと後藤にも伝えんとな。こんなかにおるんか?」
「はい。ごっちんにも早くつんくさんの口
から教えてあげてください。」

つんくは石川の言ったことにうなづき、ドアノブをひねり楽屋に入る。
カチャリとドアが閉まる。

つんくの姿が見えなくなって、少しテンションがもとに戻ったのか
石川はあることを思い出す。
後藤は今、ただならぬ状態。
石川に膝蹴りを入れるほど。
しかしまさかつんくに怒りをぶつけるほどではないだろうと石川は思う。
が、とりあえず楽屋のドアに耳をあてる。

「(あ、つんくさん。)」
「(つんくさんだ。)」
「(おっす。)」
「(おはようございます。)」
「(ういっす。)」
「(今日はどうしたんですか?)」
「(うん。後藤に今すぐ伝えたいことがあってな。)」
「(・・ごっちんですか。)」
「(今後藤さんに・・。)」
「(後藤。ビッグニュースやで。おまえと石川と新メンバーで
新ユニット仮決定や。チャーミー娘。仮決定や!
・・・ふう、テンションあがるわ。
さっきインスピレーションで決めたことやからしょうがないけどな。
おいおい、なにうつむいとんねん。朗報やで。石川はものすごい
喜んでたで。)」
「(・・・イシカワ?)」
「(えっ?ぎゃっ。ちょ、ちょ、おれ、おれや、つんくや。
いたっ。な、何や。おれ、おれおれ・・・折れた!)」

つんくのその言葉の後、楽屋内は急に静かになった。
石川の悪い予感は当たったようだった。
そしてこの話がご破算になったことは容易に想像できた。

楽屋の中ではつんくの泣き声が静かに響いていた。





102 名前:コインのプール 投稿日:2001年06月11日(月)00時24分30秒
>99さん
期待にこたえられるかなあ。(w
とりあえず更新です。
103 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月11日(月)01時14分43秒
つんくと石川さんのセンスは同じなのか(w
最後の一行が、いい感じ!
104 名前:ふ〜 投稿日:2001年06月20日(水)02時08分43秒
すっごいおもしろいっす!!
はやく新作おねがいします
本当に石川はいじりやすいキャラだなぁ・・・
105 名前:番外編〜第五話〜 投稿日:2001年06月22日(金)19時31分51秒
あげぱん。
コッペパンを油で揚げて、砂糖をまぶしただけという
調理パン。
給食では定番のメニュー。
そんなことを思いながら飯田はパン屋のレジに並んでいた。

「次の方どうぞ。」
「はい。」
「うっ。これ、全部ですか?」
「はい。」

飯田のトレイにはてんこもりのあげぱんがピラミッド型に乗っていた。

「じゅうきゅう、にじゅう、にじゅういち・・。
消費税込みで合計四千四百十円になります。」
「はい。」
「あの、モーニング娘。の飯田さんですよね。」

近くで顔を見たために店員が飯田だと気付く。

「そうですよ。」
「CD持ってます。頑張ってください。」
「はい。ありがとうございます。」
「あの、今ちょっと見えたんですけど
財布の中の写真、辻さんだけがいっぱい入ってますよね。」
「・・・おつりは全部十円玉と五十円玉で。」
「え。」
「・・十円と五十円で。」
「あ、はい。」

店員は写真のことに触れなかったほうがよかったのかな、と思いながら
つり銭を数えていた。




106 名前:番外編〜第五話〜 投稿日:2001年06月22日(金)19時33分36秒
飯田は袋いっぱいのあげぱんを持って
楽屋のドアの前に立っていた。
すでに楽屋の中には矢口、加護、そして辻がいるということがわかる。
というのも先ほどここで娘。全員の携帯に電話をして
中から着信音が聞こえたのがその三人だったからだ。
しかもこの行為をした人が飯田だったと特定できないように非通知での
ワンコール。
一人だけにひいきをしている場面を見られた場合、
それはできるだけ少人数のほうがいいと踏んだリーダー飯田の策略。
息を大きく一つついて楽屋のドアを開く。

「おはよー。」
「おはようございます。」
「おはよーございます。」
「おはよー。あれ、その袋何なの?」
「これ?カオリあげぱんが無性にたべたくなってね、買ったの。
みんなも食べていいよ。いっぱいあるから。」

一見あげぱんを皆に公平にプレゼントしているように
見せるという飯田の二つ目の作戦。
そしてテーブルに袋を置いてその中からあげぱんを一つ取り出し、
ちぎって食べる。
おいしそうに食べる。

「矢口はいいよ。」
「加護もいいです。」

予想に反し、矢口と加護はあげぱんを受け入れなかった。
しかし、これは好都合と
砂糖と油でギトギトした厚いくちびるが光る。
そして三つ目の誘導尋問。

「ぶりんこのもう一人はいいの?はやくしないとカオリが
全部食べちゃうよ。」

待ちきれない飯田の目線はもうただひとりにそそがれていた。
その瞳に食べられるのではないかというくらい。
そして何も知らないぶりんこのもう一人は言う。

「辻はたべますよ。」

107 名前:コインのプール 投稿日:2001年06月22日(金)19時53分22秒
>103さん
泣くつんく。とりあえず折れてはいなかったということに
なってます。間接が外れていただけ(w。

>ふ〜さん
ありがとうございます。番外編もあるので
読んでやってください。


108 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月24日(日)02時02分15秒
ここの「飯田&辻」好きなんで期待。
109 名前:番外編〜第五話〜 投稿日:2001年06月24日(日)17時56分02秒
そう言うと辻はあげぱんに近づく。
その様子を見て飯田は感動にも似たものを感じていた。

「(辻さん、いいのよ。カオリを気にせずたくさんめしあがれ。
しかし・・長かったわ。ツージーにあげぱんをたべてもらう。
簡単なこと、簡単なことだけど素直に直接渡せなかったカオリ・・。
でもここで実現する。カオリのあげぱんを
ののがおいしそうにほおばるの。)」

そして飯田の前に置いてあるあげぱんの袋に辻が手をつけようとする。
しかし飯田の目にあるものが映る。

「辻、そのゆび。どうしたの。」
「あ、これですか。飯田さんがくる前にもあげぱんをたべたんです。
手をあらおうと思ってたら飯田さんがきて。そのままに。」

辻の指は光沢をおびていた。
矢口と加護は言う。

「あー。そのあげぱん矢口が買ってきたんだよ。
さっき三人で食べたんだけど辻はまた食べるのかよって
注意しようと思った所。」

「いっこ百五十円。ののは今日はじめてのあげぱんだよね。」

辻は答える。

「うん。はじめてのあげぱん。でもちょっとたりなかったから
飯田さんのでおなかを満たそうかなって。」

飯田はふしめがちになって聞く。

「・・・とりあえずってことなんだ。カオリのは。」


110 名前:番外編〜第五話〜 投稿日:2001年06月24日(日)18時35分31秒
「うーん?よくわかんないです。」

辻は答える。

なぜか敗北感を味わう飯田。
ついでのあげぱんなど
勝利のうちには入らなかったからだろう。
飯田は手で顔をおおい、急に楽屋から飛び出す。

「ばか!辻のばか!何よ、百五十円?カオリのは二百円だったんだから!
そんな安いあげぱんでツージーはおなかいっぱい?
カオリの気持ちも知らないで。
矢口も何なの?よりによって今日カオリとネタがかぶるなんて。
もういい、もういいよ!ミニモニ最低!」


飯田がいなくなった楽屋は三人が残る。

「あー。飯田さんどうしたんですかね?」
「さあ・・。矢口もよくわかんない。
何か言ってたけど最初の方しかききとれなかったよ。」
「ものふごいいきおいれふぇーどあうとひたからつりにもわかんなかった
れふよ。」
「あ、辻ーっ。また食べてるじゃん。食べすぎだって。」
「おいしそうだから加護もたべます。」
「加護ーっ。あんたもダメだって。・・・・まあいいや。
矢口もたべよ。」

あげぱんに心をひかれた三人はすでに飯田のことは忘れていた。
その飯田は明日は成功するようにと楽屋のそとで宇宙に祈っていた。



            
            おわり
111 名前:コインのプール 投稿日:2001年06月24日(日)18時52分30秒
>108さん
作者はコンビなら飯田&辻が一番好きかもしれないです。
ピンならもちろんごっ・・いや石川梨華。(w
112 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月24日(日)22時48分20秒
伝わらない飯田さんの想い…切ない?話なのかな(w
私もこの二人そ〜と〜好きです。(すでに死語
ちなみにピンではと〜ぜんいち〜…いや梨華ちゃん。
ちなみにうちの石川は「しないよ〜」(爆
113 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月25日(月)02時10分00秒
たまらん。最高。
114 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月25日(月)21時41分15秒
ほんとに最高。ワラタ。よそでは辻−>飯田、てのが多いけど、
ここは飯田が辻好き好きで、辻がのほほんとしているのがいい。
絶対現実にもそうだと思うんだよね。(w
115 名前:pleasule 投稿日:2001年06月26日(火)18時19分44秒
ワラタ、ワラタ、オオワライダヨ。
かなり辻ちゃんのんびりしてるね。いい感じヨ。
116 名前:松浦受難編 投稿日:2001年06月28日(木)16時38分02秒
その日はシャッフルユニットのレコーディングが行なわれていた。
召集をかけられたのは飯田、後藤、石川、加護、そして松浦。
それぞれのユニット、パートごとで、前日ふきこんだものを
アレンジし直すということだった。

「じゃあいくで。ワン、ツ。」
「チュッチュッチュチュチュサマーパーティー♪」
「うーん。やっぱさっきのほうがええわ。
キッチュのチュやのうてチューブのチュの方が。」
「・・・。」

ブースの中ですでにレコーディングをしているのは加護。
いつものように横で腰をかけているつんくからアドバイスを受けている。
しかし、つんくのそれがわかりにくいのか、
加護はみけんと鼻の上のあたりにものすごいしわをよせ、普通ではない表情。

その様子をガラス越しに見ているのは飯田、石川、松浦の三人。

「あのー、飯田さん。」
「んっ?何?」

飯田に話しかける松浦は少し不安げな表情。

「いつにもましてつんくさんの歌の表現のアドバイスが
難しくないですか?」
「そう?いつもこんな感じじゃない?」
「ゴロゴロ。」
117 名前:松浦受難編 投稿日:2001年06月28日(木)17時02分45秒
「そうですか・・。わたしはまだ数えるくらいしかレコーディングを
してないからでしょうか。」
「多分そうだよ。じきになれるって。」
「ゴロゴロ。」
「あの・・、それと石川さんはいつもあんな感じなんですか。」
「え、そうだよ。」

石川は口いっぱいにのどあめを入れ、なめているというか
口の中でころがしていた。
無駄な努力、そんな風にとれなくもない。
松浦は、また気になったことを言う。

「石川さんのあれは・・。」

石川は三人祭の衣装を着たままスタジオに来ていた。

「やっぱり気合入ってるんじゃないの。石川は。」
「・・私も石川さん、飯田さんみたいに祭の衣装を着てきた方が
よかったんでしょうか。」

リーダー飯田も祭の衣装を着ていた。

「そんなことないって。加護は私服でしょ?
カオリもそんなにこだわってないよ。」

十分こだわっているように見える。
そういえば私服の加護は二人に出し抜かれたせいで
あの表情になっていたのかも、と思ってしまう松浦。
118 名前:コインのプール 投稿日:2001年06月28日(木)17時47分54秒
>112さん
性善説と性悪説のように日々繰り返される石川論。
はたして結末は?(w

>113さん
ありがとうございます。かなりはげみになります。

>114さん
自分も現実では飯田&辻はそんな感じだとかなり思い込んでます。(w
飯田&辻を見ると嬉しい・・、くっ、まさかこの俺が萌えているのか。
・・・アホレススンマセン。

>115
のんびりしている辻がいいと作者は思っています。
箸休め程度に読んでやって下さい。
119 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月29日(金)00時25分41秒
今日の「今夜も交信中」もいい感じのののかお。
辻の話をしている飯田は幸せそうだ。
120 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月29日(金)01時11分44秒
「ゴロゴロ。」ってなにかと思った。(爆
121 名前:松浦受難編 投稿日:2001年07月01日(日)18時09分51秒
そうするうちに、石川は口の中の飴をすべてなめおえる。
そして松浦に話しかけてくる。

「亜弥ちゃんのどあめいる?」
「い、いえ、いいです。」

石川の食べ方を見たあとでは少し受け取りにくい。
あんなには口に入らない。

「遠慮しなくていいよ。のどはアーティストにとって大事なんだから。」
「あ、あの本当にいいです。」
「・・・そう。こんなにあるのに。」

石川のバッグの中には、富山の薬売りなみに喉飴が入っている。

「加護が終わったみたいだよ。」

飯田がブースの中の様子を見て言う。
どうやら加護のレコーディングが終わったようだった。
ドアを開け、こちら側の部屋に移る加護。
目は三人祭の衣装を着た石川の方に向いている。

「・・ねえ。梨華ちゃん。」

小声で言葉を発しながら石川に近づく加護。

「何?のどあめ?」

加護が喉飴を欲していると思った石川はバッグの中をさぐる。
しかし、それは石川の勘違いだった。

「あいぼん。これただの黄金糖だけ・・いたっ。」

加護は石川の露出した腹をいきなり指でひねりあげる。

「・・・私がぶよぶよしたはらを気にしとるっちゅうことは周知のことや。
でも梨華ちゃんはそれをさかてにとって
”石川はあいぼんよりほそいですよ”
みたいなのを着てくる。・・あてつけもいいとこや。」
「そんなことない、そんな・・いたたっ。」
「・・梨華ちゃんこそ痛い子や。」



122 名前:松浦受難編 投稿日:2001年07月01日(日)18時55分00秒
泣きそうな石川とひねるのをやめない加護。
加護のブース内での表情はこれが理由だったのだ。
この様子を見た松浦だが、新人の自分にはどうすることもできないと思い
リーダー飯田に救いの手を求めようとする。
しかし、飯田はリーゼントが気になるのか両手で髪を整えることに
集中して二人のことは気にしていない。
するとその時、入り口のドアが開く。
おくれて到着した後藤だった。
この人ならあの二人を何とかしてくれる、
そう思った松浦は後藤にかけよる。

「後藤さん、後藤さん。」
「あー、おはよー亜弥ちゃん。」
「あの・・。」
「あー、ちょっとまって。」

後藤はそういうと手にしていたバッグから何かを取り出す。
そしてそれをかぶる。

「ご、後藤さん?」
「このごろねーこれつけないとだめなんだよね。
くせになっちゃって。」

後藤がかぶったのは某CMでの赤ちゃんのかぶりものだった。

「ちゃんとむすばないとね。」

後藤はのんびりとあごのひもを結ぶ。
松浦は黙って下を向く。
123 名前:松浦受難編 投稿日:2001年07月01日(日)19時21分14秒
「よし。」

ひもを結び終えた赤ちゃん後藤に松浦はぼそりと言う。

「・・・・な?」
「んっ?」
「・・・泣いちゃってよいのかな?」

短時間でこれだけの不可解な出来事。
松浦には、モーニング娘。と一緒に行動するのがまだ早かったようだった。



「おーい。次は石川やぞー。」
 
加護のレコーディングが終わったあとは石川の番だったのだが
いつまで待ってもこないのでブースから出てくるつんく。

「な、なんや。これは。」

そのつんくの目にとびこんで来たもの。
ソファーにいかりの表情で寝ている加護。
腹をおさえてうずくまる石川。
大きいリーゼントにスプレーを大量にかける飯田。
赤ちゃんのかぶりものをしてせんべいを食べる後藤。
そして後藤と同じく赤ちゃんのかぶりものをして泣く松浦だった。
つんくはこの様子を見て瞬時に判断する。

石川は腹だしっぱなしでひえたんやな。

おおはずれだった。



       おわり
124 名前:コインのプール 投稿日:2001年07月01日(日)19時29分30秒
>119さん
ANN聞き逃しました・・。
どっかで落とそうと思います。

>120さん
要注意人物の石川でした。(w
125 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2001年07月02日(月)01時13分48秒
それぞれのキャラが活かされてて
おもしろすぎ!!
何気にリアルだし、サイコ〜
126 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月03日(火)19時00分03秒
松浦君もこれに違和感なく溶け込めるようになって始めて妹分として認められるのでしょう。(w
127 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月06日(金)04時54分27秒
毎回ホント面白いです。
特に、石川と後藤が。
あと、今回の加護。続き期待してます。
128 名前:コインのプール 投稿日:2001年07月09日(月)00時12分20秒
突然ですが終了させてもらいます。
というのも本業の方につまらん頭を使う機会が増え、またそのワークタイムも
増え、そちらの方に集中しなければならなくなったからです。
(途中から更新が遅くなったのもそのせいです。
いえ、書くことが思いつかなかったってわけじゃないですw。)
今まで御愛読して頂いた方々、および場所を提供して頂いた管理人様、
真にありがとうございました。
またどこかで・・。


        おわり
129 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月09日(月)00時27分33秒
残念だけど、実生活の方がんばってください!!
暇になって(それも怖いけど)スレが残ってたら気軽に書いてくださいね。
今まで楽しませてくれてありがとう。
130 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月11日(水)19時25分20秒
楽しみにしてたから、すげーさみしいけど、ありがとうございました。
なんとも思ってなかった石川を、この小説と某サイトで大好きになってしまいました。
ほんとにおもしろかった。飯田・辻もよかったっす。
131 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月19日(木)20時55分47秒
こちらの小説を「小説紹介スレ@黄板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=yellow&thp=995445727&ls=25
132 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月09日(木)17時10分42秒
このスレ使っていいですかね?
コインのプールさんの話が面白すぎて
なんか気後れしちゃいますが・・・
133 名前:石川またカントリー 投稿日:2001年08月10日(金)02時00分34秒
けたたましい楽屋の中で、ひときわ甲高い声が響いた。

「そうなんですよ! 私またカントリーにレンタルなんですよ!」

石川の言葉に微妙な不満のニュアンスを感じた他のメンバーが口を開く。

「何? 石川、北海道に不満があるって言うの?」
「北海道はなまらいいとこっしょ! 何回でもいくがいいべさ!」
と、まず道産子たちが怒りを漂わせる。
134 名前:石川またカントリー 投稿日:2001年08月10日(金)02時05分20秒
「そうだよ、仕事に文句を言っちゃいけないよ。」
石川の話の聞き役だった保田が諭す。

「梨華ちゃんは牧場で少しは根性つけて来いっていう事務所の
 温かい心配りなんだよ、キャヒャハハハ!」
「ほんまや!梨華ちゃんはヘタレ過ぎると思うんですよ、正味な話、
 メガネ、メガネ。」(ありもしないメガネを探す)
「(消え入りそうな声で)辻も何かユニットがしたいれ・・・です。」
もはや150cm以下は一人だけとなったミニモニ軍団も騒ぐ。
135 名前:石川またカントリー 投稿日:2001年08月10日(金)02時07分11秒
「んあ〜、もう死ぬほどどうでもいいって感じかな〜。」
「(梨華ちゃん、あたしとムースポッキー結成したのに・・・、
  結局口先だけのユニットなんだね・・・、ふぅ〜。)」
撮影準備を終えた高一コンビ、心なしか吉澤の顔色が青白い。

ここでまた言い訳大臣の言い訳が入る。
「いえ、あの、北海道に不満とかじゃなくて・・・(中略)、
 またみんなと離れちゃうのが寂しいとゆうか・・・(中略)、
 ポジティ・・・前向きに頑張っていこうと・・・(中略)、
 で、あの、」

「いぃぃしかわーー!!」
「はいぃ!(ビグゥ)」 
飯田の突然の怒声に首をすくめる石川。

「あんたまたポジテブって言葉使ったね! 圭織と約束したでしょ、
 もう使わないって! あのときのあんたの瞳はまるで水瓶座の
 一等星の様に輝いてたのに、いつからそんなどんより曇り空になったの?!
 お日様はどこいったの? 地球はエコロジー? 野菜も食べなきゃダメ?
 ねぇ、石川? 10回? 100回? 1000回?」
焦点の合わない目をしたまま喋り続ける飯田、他のメンバー見て見ぬフリ。
136 名前:石川またカントリー 投稿日:2001年08月10日(金)02時09分04秒
「(小声で)梨華ちゃん、謝っとき。もはやあれは飯田さんやない。
 降りそこなった恐怖の大王や。」
怯えて声の出ない石川を見かねて、加護が声をかけた。
すると別方向から怒声が上がる。

「そうだよ! 梨華ちゃんはいつもそうだ!
 私と組んだムースポッキーはどうなるの!?
 白と黒でなんかいい感じだねーって笑いあったあの想い出は偽物!?
 芸能人のお葬式に出席して垂れ幕に同化して
 賽銭泥棒しようって誓い合ったのに!!」
「あ、え? よ、よっすぃー、私そんなこと言ってな・・・」
「あぁーー!!  ほらまたあたしのせい!!
 梨華ちゃんの色が黒く見えるのはあたしのせい!!
 運動会で梨華ちゃんが敢闘賞取ったのもあたしのせい!!
 モー大変でした。の視聴率悪いのもあたしのせい!!
 最近モー娘。太ってるの居るよね、って言われるのもあたしのせい!!
 (ハッとしておろおろする数名)
 プッチが昔の方が良かったって言われるのもあたしのせい!!
 (プッチモニの他の二人、顔をそむける)
 みんなみんなあたしのせいなんだーー!!!」
137 名前:石川またカントリー 投稿日:2001年08月10日(金)02時11分16秒
泣き崩れる吉澤。
が、それを矢口がそっと包み込む様に抱きしめた。

「泣かないで、よっすぃー。
 よっすぃーは何も悪くない。
 よっすぃーがすごくすごく頑張ってるってこと、
 矢口知ってるよ。
 がんばってるよっすぃーが矢口一番好きだな。
 最近歌うまくなってるよね、ほんとに。
 ダンスもしっかりしてきたし。
 収録の笑いどころでは、そりゃ大げさだろってぐらい笑ってるし。
 トークで何回も口を開きかけては閉じてるよね、
 石川に邪魔されて。
 ・・・・・・つまり、きっと、悪いのは全部石川のせいなんだよ。」

「えっ!? ちょっと矢口さ…」

驚愕の表情の石川を置き去りにし、
矢口とすんなり納得した吉澤は
映画のエンディングのような雰囲気を漂わせながら
楽屋を後にした。

残された石川を待っていたのは降りそこなった恐怖の大王と
後藤の殺人バックドロップ百連発だった。


138 名前:故郷への愛 投稿日:2001年08月10日(金)02時20分52秒
机を挟んで差し向かいに座っている飯田と安倍。
何やら緊迫した空気が流れている。

「ねぇ圭織、もう心の中では負けを認めてるんでないの?
 もういいでしょ? なっちってことで。」
「なにいってんの! 
 カオはリーダーとしてここは譲れないねっ!」
「リーダーとかは関係ないっしょ!
 絶対なっちだよ!」
「い〜や! カオリだねっ!」

遠巻きに見ている他のメンバー。
「なに? あの二人なに喧嘩してんの?」
矢口が小声で聞く。
「それが…、辻が余計な事言っちゃって…。」
139 名前:故郷への愛 投稿日:2001年08月10日(金)02時22分11秒
5分ほど前。
メイクをしている飯田の周りをゴロゴロと転がる辻。
ふと辻は飯田の携帯ストラップに目を留める。
「いいらさん、これは何れすか?」
「コラ、辻。ちゃんと喋りなさい。
 普段から16ビートを身体に
 染み込ませてないからダメなんだよ。
 もっと心を込めて!
 はい! あと10回!」

「(何を10回すれば…?)い、いや、いいら…飯田さん!
 それはあとでやるんで、とりあえずこれは何れすか?」
「あとで〜? ようし、辻! あとで100回ね!
 ん!? それは北海道の名物、時計塔ストラップさ!
 なんてったってカオは宇宙一北海道を愛しているからね!
 これは白鳥座の人たちも言ってるから間違いないね!」
「はぁ〜、そうなんれすか。じゃあ・・・」
そして辻は引き金を引いた。

「安倍さんよりも?」
140 名前:故郷への愛 投稿日:2001年08月10日(金)02時24分05秒
現在。
飯田と安倍の北海道LOVE論争は続いている。
「そっか〜、それでなっちが『ちょっと待った』かけたんだ〜。」
「そうなんですよ〜、ホントに辻が余計な一言を・・・」
「あれ? その辻ちゃんは?」
「ああ、その辻ちゃんは飯田さんの言いつけ通りロビーで
 十人祭りの格好して太鼓を16ビートで叩いています。」

その頃辻は速攻で警備員さんに捕まり、
警備員室で泣きながら謝っていた。
「でも、あと99回やらないといけないんれす〜…」

「なっちが訛りを捨てないのは北海道への愛があるからだべ!
 圭織はぜんぜん訛ってないべ!」
「だって札幌の方は訛りが無いんだよ!
 なっちはただの田舎もんなだけじゃん!」
「『じゃん』? 今圭織『じゃん』って言ったべ!
 それは横浜の訛りだべ!
 もう圭織は道産子じゃないのさ!
 北海道を捨てたべ!」

勝ち誇る安倍と痛恨の表情を浮かべた飯田。
141 名前:故郷への愛 投稿日:2001年08月10日(金)02時25分56秒
「え? 『じゃん』って横浜なんですか?
 そこんとこどうです? 神奈川出身の矢口さん?」
「え〜? 知らないよそんなの!
 良くわかんないけど、どうでもいいことなんじゃないの〜?」
「あ〜、よっすぃ〜、あたしも神奈川出身なんだよ〜?
 あたしにも聞いてよう。ポジティブに答えるよ〜。」
「え〜?(どうせわかんないでしょ!)
 どうなの? 梨華ちゃん?」
「エヘッ! わかんな〜い!」

劣勢の飯田、
ふと視線を周囲に向けると、吉澤が
「殺す! 必殺のワンツーでぶっ殺す!」
と叫びながら石川の顔面を鷲掴みにしている。
矢口が必死に止めようとしているが、
石川は「暗いよ〜、助けてよっすぃ〜!」と
自分を殺そうとしている者へ助けを求めている。
それを面白そうに傍観している加護、
興味無さげに見つめる後藤、読書している保田。

「ね、ねぇなっち?
 他の人の意見も聞いてみようよ。
 こういうのは自分じゃ分からないものでしょ?」
さっきの自分の台詞に明らかに矛盾したことを言い出す飯田。
「ようし!いいべさ!なっちは負けないっしょ!」
自分の優位をあっさり捨てる安倍。
142 名前:故郷への愛 投稿日:2001年08月10日(金)02時28分06秒
「ねぇ、みんな!
 圭織となっち、
 どっちの方が北海道への愛ナンバーワンだと思う?」

静まり返る6人。
みな『どっちでもいいじゃん』と思っているが、
この二人がそれで納得するはずも無い。
かといってどちらかを選べばかどが立つ。

と、その時、
石川がいい事思いついた!といった感じで立ち上がり、言った。
「北海道への愛ならりんねさんとあさみちゃんが一番です!!」

「!!」

擬音にするなら『ドッギャーン!!』といった感じで
楽屋のドアを突き破り廊下の壁へ激突した石川。
道産子ツインラリアットの破壊力は凄まじい。

(梨華ちゃん、特に間違ったことは言ってないんだけどね。)
(『間』が、『間』が悪いんですよ、ほんまに。)
(しかし凄いラリアットだったね〜。)
(マスク狩りボンバーって感じでしたね。)
こそこそと話す後藤、加護の2000万パワーズ。
143 名前:故郷への愛 投稿日:2001年08月10日(金)02時30分54秒
ツインラリアットをぶちかました二人。
荒い息を整えていると自然と目が合う。
「フフッ。」「ヘヘヘ。」笑みがこぼれる。

「じゃあいいや!北海道はなっちにあげる。」
「いやぁ、そんなぁ、いいよぉ〜。」
どうやら平和的解決が見つけられそうだ。
長い戦いにピリオドが打たれようとしている。

和やかな空気になり、
ようやくいつものモーニング娘。(二人除く)の
楽屋といった感じになる。

「いやぁ〜、オイラどうなることかと思ったよ〜。」
「はっはっは、ゴメンゴメン、
 でもよく考えればたいした事じゃないんだよね。
 だって故郷への愛は誰でも持ってるし、
 その大切さは計ることなんて出来ないんだもんね。」
「お! 今圭織いいこと言ったべさ!」
144 名前:故郷への愛 投稿日:2001年08月10日(金)02時32分21秒
笑い声に包まれた楽屋。
「そうですね、私も埼玉大好きですもん!」
「ホントかよ〜、
浦和レッズがどこにあるかも知らなかったくせに〜。」
「か、カンケーないじゃないっスか!
 いいんですよ!私はバレーボーラーなんですから!」
「加護も奈良好きですよ。」
「アタシも結構、千葉好きかな。」
「え〜! 結構どころじゃないじゃん、圭ちゃんは。
 前に市井ちゃんとどっちの住んでるところが都会かって事で
 すごいことになったじゃん!」
「あ〜、それならもう、札幌は大都市だからね〜。」
「いや〜、今や室蘭も結構な・・・・・・」


結局二人の争いはさらに激化したが、
戻って来た辻と石川にマッスルドッキングをして沈静化した。


145 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月10日(金)15時46分46秒
けっこうおもしろいですよ。どんどん書いちゃってください。
ただここ死にスレだと思われてますから一回ageたりしないと
誰も気づかないですよ。
146 名前:保田さんマンセー 投稿日:2001年08月10日(金)17時57分09秒
楽屋での束の間の休憩時間。
保田はページをめくる手を止めて、
物思いにふける。

(『いじられキャラ』、か…。)

加入当時は目立たないことについて、
夜も眠れないくらい悩んでいた保田だが、
今、こんな目立ち方をする様になるとは思っていなかった。

(石川も『いじられキャラ』っていうけど、
 アタシのとは微妙に違うんだよなぁ〜。)
当の石川は辻加護にお説教をしようとして、
逆にダメ出しをされている。

(石川は性格を、アタシは外見を
 いじられてんだよねぇ〜。)
(あ〜、でも石川も黒い黒いって
 外見をいわれてんなぁ〜。)
(てっか、アタシと石川じゃ
 可愛らしさってとこで違うからなぁ〜。)

超ネガティブ思考に陥りかけている保田。
そんな保田に能天気な声がかかる。
「どしたい、圭ちゃん? 暗い顔して。」
「あぁ、ごっちん。」
147 名前:保田さんマンセー 投稿日:2001年08月10日(金)17時58分51秒
「ダメじゃん、
 大明神が暗い顔してちゃ!
 ご利益薄れちゃうよ。」
「だ、誰が大魔神よ!?
 アタシは顔変化しないし、
 200セーブもあげられないわよ!」
「い、いや、まあ、いいんだけど。
 暗い顔の理由は何なの?
 なんか梨華ちゃんのほうを睨んでたっぽいけど。」
「睨んでないわよ!」

(まったく、こいつはいつもぬけぬけと言ってくるなぁ、
 いつからこんな風になったんだろ。
 紗耶香が居たときは
 もっとしおらしい面もあった気がしたけど。)
「あ、圭ちゃん今市井ちゃんの事思ったでしょ?」

(ゲー!!
 何こいつエスパー?
 サトリ? アタシがサトラレ?
 いちごま? いちごまなの?
 ままままマンセー!激しく同意!
 こ、怖い〜〜!!)
148 名前:保田さんマンセー 投稿日:2001年08月10日(金)18時00分09秒
「アハッ! 驚いた? 驚いたでしょ?
 でもね〜、種明かしするとスゴイ簡単。
 圭ちゃんね〜、市井ちゃんの事考えてる時
 絶対その指輪さすってんだよ〜、
 その癖って自分で気付いてないでしょ〜?」

「え!? ウソ? そう?
 気付いてない気付いてない!
 ありゃー、そうなんだー。」
「そうだよ〜、よっすぃ〜も気付いてるよ〜。
 プッチに入った頃スゴイ気にしてたもん!
 ひどいなぁ〜、お圭さんってば!」

(あちゃー!そりゃダメだ!
 『吉澤と紗耶香を比べたりなんかしてない!』とか
 『紗耶香のことはもう頭にない!』とか言ってた時
 吉澤どう思ってたんだろう?
 あー! いまさらだけど謝ろうかなぁ?)

「な〜んて! よっすぃ〜は知らないよ!
 後藤だけが知ってる圭ちゃんの、ひ・み・つ!」
「んなッ! ご、ごっち〜ん! ム〜カ〜ツ〜ク〜!
 今一瞬の間にスゴイ沢山の謝罪の言葉考えてたのよ!
 いい加減にしないと怒るよ!?」
「アハッ!ゴメンって〜!
 でも圭ちゃん元気でたみたいだね、
 良かった良かった。」
149 名前:保田さんマンセー 投稿日:2001年08月10日(金)18時02分06秒
(まったくこいつは〜、元気出たっていうか、
 悔しさと安堵の入り混じった
 微妙な気持ちになったじゃないの!
 ほんとにも〜!)

「んふふ〜、
 圭ちゃんはホントいじりがいがあるねぇ〜、
 いいことですぞぉ〜!」

(えっ!? あれ!?
 今いじられてたってやつ?
 内面的に? あれ?)

(何だ、悩むことなんてないんだ。
 だってアタシの事を
 しっかり分かってくれる
 メンバーが周りに居るじゃない。)

「ご、ごっちん!」
「ん!?」

「あ、ありがと。」
150 名前:保田さんマンセー 投稿日:2001年08月10日(金)18時03分32秒
ちょっと面食らった顔をしたごっちんは
なぜか曖昧な笑いを浮かべながら
じわじわ離れていった。
そして吉澤や石川達に小声で話し掛けている。

「ヤバイよ!
 後藤ちょっと圭ちゃんいじり過ぎたみたい…、
 なんか圭ちゃんマゾっ気でてきてる…、
 ヤバイ笑顔でありがとって…。」

(ごっちん!! 聞こえてるわよ!!
 ヤバイ笑顔って何よ!!
 怒りは頂点を極めたわ!!
 彼奴に然るべき報いを!!
 ぶっ殺すことに激しく同意!!
逝ってよし!!)


151 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時05分59秒
今日の楽屋入りはドキドキするなぁ、
フフッ、何があるんだろう。
なんかすごく楽しみだなぁ、
道行く人も親切そうだよ。
嬉しい出来事があるといいなぁ。

楽屋の入り口前だ。
もう着いちゃった。
中に誰か居るかな?
もうみんな居たりして?
息を潜めてる最中だったりして?
ようし!普通に普通に…

「オハヨウゴザイマース!!」
152 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時07分23秒
(……………。)
「誰も居ない…か。」
あ、きっと時間が早すぎたんだ!
まだ入り時間まで1時間もあるもんね。
そうだそうだ。

……誰が最初に来るんだろう。
そして何て言うんだろう。
う〜ん、ドッキドキ!!

(なんたって今日は8月8日だからね!!)

ハッ!! 誰か来た!!
あうあうあうあうあうあうあうー!
ドチドチするーー!!

「おはようございまーす!」
「お、おはよう、石川。」
石川だ!! あれ? なんか驚いてる?

「どうしたんですか〜? 飯田さん。
 早いですねぇ〜。」
「いやっ、たまたまだよっ!
 カオも今来たとこだしっ!」
落ち着け、落ち着けアタシ!!
153 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時08分46秒
「それにしても外、暑いですねぇ〜。
 石川もう倒れそうですよ〜。
 夏は暑いのが普通ですけど……」
石川! そんなどうでもいい話より、
もっとあるだろ!!
今日しか出来ない話が!!

「あ!そういえば!」
そうだよ!! その言葉を待ってたよ!!
言って! その先を! さあ早く!!

「今日ごみの日なのに
 出すの忘れちゃいましたぁ、てへっ。」

ガグゥゥゥーーーーー!!!!!
こんな消臭剤野郎(ミントの香り)じゃ話にならない。
他のメンバー来ないかなぁー?

「おはようございまっす!」
「あ、保田さん! おはようございまーす!」
「おはよう、圭ちゃん!」
そうだ! しっかり者の圭ちゃんなら!!
これは期待できる!!
154 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時10分36秒
「あ、カオリさー。」
き、来たぁーー!!

「今日はもう声出しの段階から
 キリキリいかないとダメだと思うんだ。
 こないだの生収録の時散々だったじゃない、
 だから……」
仕事の話、か…。
圭ちゃん、しっかりし過ぎ。
あれ〜? なんか違うなぁ〜。
何ていうのかな?
もっと、こう、みんなで、
わっしょいわっしょい!って感じで…

「おっはよー!」
「おはようございま〜す!」
「おはよーっす!!」
次々とメンバーが入ってくる、
でも誰もアタシに話し掛けてこない、
あれ?
浮かれてたカオリってバカ?
ドキドキしてたカオリってバカ?
みんなが来るのを楽しみに待ってたカオリって、カオリって……
155 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時12分50秒
「……でさぁ〜、本番中のときは、
 って圭織!! 何で泣いてんの!?」
あ、カオ、泣いちゃったんだ。
ダ、ダメだなぁ〜、リーダーになったのに…、
圭ちゃんを驚かせちゃったよ。
こ、こんなんじゃ誰もついてこないよ、
あ、現に誰もついてきてないか……。
「う、うぅ、ウグッ、ウグゥゥ〜。」

「え?ちょっと圭ちゃん!
 なんで圭織泣いてんの?」
「知らないわよ!アタシが聞きたいくらいよ!」

「ゥ、ウグッ、ゴメンね圭ちゃん。
 圭ちゃんのせいじゃないの。
 カ、カオリがバカだからいけないの、
 みんな悪くないの。」
ホントにカオは、バカ、だなぁ。
み、みんなを困らせて。
こんな人がリーダーじゃ、ダメだよね。
超センチメンタルにも、ほどがあるよ。
も、もうリーダーなんて……
156 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時14分59秒
「おはよう!!遅れてゴメン!
 ちょこーっとだけ寝坊しちまってー…ってアレレ?」

「シィーー!! なっち!
 こっちこっち!!」
「なんだべ?
 ねぇ矢口、圭織は何で泣いてんの?」
「それがわかんないんだよー!
 なんだか急に…」
「ふぅ〜ん。」

「え? ちょっと、なっち!?」

「カーオーリッ!!」

え? なっち?
なんか紙袋持って…って、え!?

『パーン!! パパーン!!』
「誕生日おめでとう!!
 20歳だね!カオリ!!
 これっ、プレゼント!!」

あたしはぼんやりと受け取って中を見てみた。
綺麗なリングとバースデーカードが入っていた。
カードには
『大人になっても友達でいてクリ』と書かれてた。

「ぷ、ぷふっ、なっち、これ、おぼっちゃまくん?
 やりすぎだよ〜。」
アタシは笑い出した。
でも笑いながらも流れてる涙は嬉し涙、

なっち、ありがとう。
157 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時19分43秒
「いやぁ〜、でもカオリにはホントすまないことしちゃったべさ。」
え? 何が?
カオリは今感謝の気持ちでいっぱいだよ?

「ホントはなっちが遅れなきゃ
 今の時間圭織の誕生パーティーの
 はずだったんだけど〜…」
え? どゆこと?
「ホントだよ〜、だからオイラが仕切るって言ったのに!!
 なっちが仕切る仕切るうるさいから……」
「なっち、ホント遅刻は勘弁だよ。」
「まったく!!
 そのせいで圭織が泣いてんのかもしんないよ!!」
アレ? その通り?
「もうみんなでプレゼント渡しちゃいましょうよ!」
「あーもーそうするべ、そうするべ!!」
「仕切りも何もねーじゃん!」「まあまあ矢口さん、ほら…」
158 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時21分35秒
「「「ハッピバースデーテューユー、ハッピ……
   ……デー、ディアー!!  「「カオリー」」「「飯田さーん」」
   ハッピバースデーテュウ…ユーーー!!
   おめでとうーーーー」」」

「はい!! これプレゼントです!!」
「あ、アタシも!!」「あーオイラもー!」
あ、ありがとう、みんな、
もうカオ今日は涙が止まりそうにないよ。
なんかなっちについて腑に落ちないけど、
でも今日は感動的な出来事がありました!
愛しい人達が優しかったです!!
ん〜〜! 地球に感謝だね!!


あ、でもちょっと気になることが…
159 名前:8月8日 投稿日:2001年08月10日(金)18時23分32秒
「ほら、早く!スタジオ行くよ!!」
慌ただしく移動をする途中、
「あ、石川! ちょっと待って!」
「なんですか?飯田さん?」

「石川はつまり知ってたんだよね、
 カオの誕生日だって?」
「はい! 忘れませんよ〜!
 尊敬する先輩の誕生日なんですから!
 そもそも私は……」
「つまりさっき知っててすっトボけてたのかーーー!!
 アタシがどんな気持ちで
 おまえのつまんない話を
 聞いてたと思ってんだー!!
 1時間や2時間で済むと思うなよ〜〜!!!」
「ヒィィーーーーー!!!!!!」

その日、石川の頭に
常にコードレスヘッドフォンを着けさせ、
アタシの電波説教は18時間の最長記録をマークした。


160 名前:ぶりんこ大作戦 投稿日:2001年08月10日(金)18時26分47秒
「ン〜ン、チュッチュッチュチュチュ、サマ〜パ〜ティ〜。」
ご機嫌な感じで楽屋への通路を歩く加護。
何がそんなに楽しいのか、満面の笑みを浮かべている。
自販機でジュースを選ぶことすら
楽しくて仕方ない、といった様子だ。

「ど・れ・に・し・よ・お・か・なぁ〜?」
(迷っちゃうなぁ〜、全部美味しそうやもんなぁ〜。
 あぁ〜、でもキャシー(マネージャー)から
 甘いもん控える様に言われとるもんなぁ〜。
 飲茶楼? いや、もう飽きたわ。)

自販機の前でフラフラ身体を揺らしながら思案する加護。
何を飲むか決めかねていると、横から声をかけられた。

「あいぼ〜ん! おっはよ〜」
「おぉ! のの! おはよ〜。」
いつもの相棒、辻もまた理由もなく楽しそうだ。

結局飲茶楼を買った加護は
『スポンサー様には逆らえまへんわ〜』
と、いやらしいことを言いながら
辻と楽屋に向かって歩いていた。
161 名前:ぶりんこ大作戦 投稿日:2001年08月10日(金)18時28分47秒
「ねぇ、あいぼん。ちょと聞きたいんだけどさ…。」
「ん? ののどした? 聞きにくいこと?」
事によっては黙秘しよう、と最近覚えた言葉で考える加護。

「けふんけふん。
 えとね、あいぼん最近保田さんと仲いいよね?」
「え? そっかな? 普通やで?」
自分ではそんなに仲良くなった感はない様子。
実際普通に喋れるようになったレベルだ。

少しもじもじといった感じで話す辻。
「けふん、
 でもののは保田さんがちょと怖くて話しにくい…。」
(あぁ〜! なるほど! そういやそうやな。
 ののと保田さんが仲良く話してる姿って想像できんわ。
 ようし、のの! 以心伝心(覚えたて)や!
 ウチに任しとけ!)

「つまりアレやな!
 『ののと保田さん仲良くなろう大作戦』やぁ〜!!」
162 名前:ぶりんこ大作戦 投稿日:2001年08月10日(金)18時30分26秒
楽屋の入り口近くに座り込み、何やら密談する中学生二人。
娘。メンバーが見たら
『またろくでもないいたずら考えてんじゃないの?』
と言いそうな光景だ。

「ようし! 作戦会議や!
 まずは…、どうしよ?」
「え〜とねぇ〜、
 仕事以外の話を保田さんとしてみたい、かな?」
「ほほ〜! 私生活を覗きたい、と。」
「え? あ、まぁそんなとこ。
 何て言って話し掛ければいいのかな?」
「フッフッフ、辻さん。
 慌ててしまっては、い〜け〜ま〜せん!」
大仰な歌舞伎のポーズを取って見栄を切る加護。
不思議な物を見るように相棒を見つめる辻。

「いいですか、ののさん?
 仲良くなるにはまず、
 『きっかけ』が大事なのでありますっ。」
「ほほぉ〜!」
「な!? 今ウチええこと言ったやろ?
 ほめてほめて!」
「あいぼんすごい! あいぼんかしこい!
 あ…けふん、あいぼんお茶ちょうだい?」
「え?…うん、いいよ。
 …え〜、なんやったっけ?」
「『きっかけ』…。」
「んっんー、ゴホン…。
 それでや!
 その『きっかけ』にウチがなろうやないか!」
163 名前:ぶりんこ大作戦 投稿日:2001年08月10日(金)18時32分34秒
超得意げな加護だが、辻はその意図が掴めていない。
続けて加護が説明する。
「つまりやな、まずウチが保田はんに話し掛けるやろ?
 そこで何かののが得意な分野の話をするんや、
 それで保田はんが乗ってきたら
 『あ〜、それならののが詳しいですよ〜。』
 とののを呼びます。
 そうしたらののも加わって話し始めるんや!
 どう? 自然やろ!?」
「すごいれす! あいぼんは天才なのれすっ!」
「そうやろ、そうやろ。フヘヘヘッ!
 ようし! ほんなら作戦決行や!!」

普段に比べて比較的静かな楽屋内。
年少二人組が静かにしているのも理由の一つだろう。
各々メイクをしたり、台本をチェックしたりと支度をしている。
辻加護の本日のターゲット、
保田は週刊誌らしきものを暇そうに眺めている。

(よし!今や!)
加護は辻に目配せすると、
するすると保田の方へ近寄っていった。

「や〜す〜だ〜さんっ! 加護とお話してくださぁい!」
164 名前:ぶりんこ大作戦 投稿日:2001年08月10日(金)18時34分34秒
保田は週刊誌から目を離し、気だるげに加護を見る。
(ヤバッ! 保田はん、機嫌悪そう!!)
多少ビビりの入ってしまう加護。
しかし後方からの辻の期待の目が背中を後押しする。

「や、保田さん…?」
少しビクつきながらも再度声をかける。

「フフッ、な〜によ〜、かごー。
 何でビビってんのよ〜、もう〜。」
「いや、ハハッ。」
(ほぅ〜、機嫌いいやんけ。おどかすなや、まったく。
 よし! ここからや!)

「い、いや〜、最近暑いですねぇ〜。」
「最近てゆうかずっと暑いわね。」
「け、景気はどないでっか〜?」
「ぼちぼちなんじゃない?」
「な、夏といえばぁ〜……う〜ん」
「………。」
「お、大仁田が当選でタイガーマスクは落選でしたねぇ〜。」
「知らないわよ!
 なんか怪しいわね?
 加護!!
 何企んでるの!?
 キリキリ白状おし!」
165 名前:ぶりんこ大作戦 投稿日:2001年08月10日(金)18時36分28秒
(しもたぁー! 最悪や! 
 こ、ここは何とかごまかさねば…)
「い、いやぁ〜、なんも企んでなんかないですよぉ〜。
 いやだなぁ〜保田さん。
 ところでアロエヨーグルトは好きですか?」
「ののっ、のっ、けふんっ。
 ののも好きなんれすよ!アロエヨーグルト!
 おいしいれすよね〜! 
 体にもいいんれすよ! 
 これにはなんとアロエが入っていて……」
(ギャー!!のの段取り違うやんけーー!!
 早過ぎやっちゅーのー!!)

「あんた達!! またなんか企んでたわね!?
 そんな暇があったらボイトレしなさい!!
 あたしがキリキリしごいてやるわ!!」
「「ヒャーーーー!!!」」
166 名前:ぶりんこ大作戦 投稿日:2001年08月10日(金)18時38分19秒
(結局のところ、
 ののと保田はんはあまり仲良くなったとは
 言えない感じやったなぁ、ゴメンな、のの)
(いいよ、あいぼん。
 ……しょうがねーのれす。
 あいぼんに頼ったののがアホだったのれす。)
(あ!そんな言い方ないやろ!
 ウチも一生懸命になぁ…)
「はい、そこ!! 無駄口叩かない!
 ほら!! 足上げの角度は30度!!
 よし! あと20分!!
 コラ! 石川! 出来なきゃ居残りよ!!」
「お、お圭さん…、なんでアタシまで…?
 (梨華ちゃんはわかるけど)」
「うるさいよ、吉澤!
 ついでよ! ついで!!」

鬼教官と化した保田。
仲間割れを始める辻加護。
何故かとばっちりを食らう石川と吉澤。
今日もモーニング娘。の楽屋は平和だ。


167 名前:矢口の明日はどっちだ 投稿日:2001年08月10日(金)18時40分53秒
(最近どうもうまくいかない…)

矢口は悩んでいた。
自分でも分かっている。
石川いじりのダメさ加減、辻加護からのナメられっぷり、
リーダーでもないのに仕切り担当という微妙な位置…、

「うまくいかないもんだねぇ〜…。」
思わず口をついて出てしまう。

「ん、どした? 矢口。 悩み事?」

(あ、圭ちゃん。聞こえちゃったんだ。)
少し迷ったが、結局唯一の同期という気安さからか悩みを打ち明ける。

「あ〜、それはねぇ〜。」
保田は分かる分かる、といった風情で頷く。

「どうかな? つうかどうしたらいいのかな?」
もう矢口は真剣だ。結構切羽詰まったものを感じさせる。
保田の想像以上に矢口の悩みは深そうだ。

(やばい! ちょっと、矢口マジじゃん!
 どうしよ? なんて答えよう?
 ていうかアタシにそんなこと分かるわけないじゃん!
 わかってたらもっと人気出てるわよ! あ〜も〜ム〜カ〜ツ〜ク〜!
 いやいや、今はアタシのことはいいのよ。
 とりあえずこの浜崎風ミクロマンのテンションを上げてやんないと
 この後の収録に支障をきたすわ!)
う〜う〜唸る保田と、それをじっと見つめる矢口。
168 名前:矢口の明日はどっちだ 投稿日:2001年08月10日(金)18時42分49秒
「どしたんですか〜? なんか難しい話ですか〜?」

ハッとして二人が顔を上げると加護が手持ち無沙汰といった感じで立っていた。
二人は顔を見合わせ、曖昧に頷いて、応えた。
「い〜や、大丈夫だよ。何? 加護は暇なの?」

「はい、なんかののどっか行っちゃったんですよ〜。」と加護は座り込んだ。
保田と矢口はアイコンタクトで意思の確認をした。
(とりあえずこの無邪気なジャイアンから何とかしよう!)と。

「加護はさぁ〜、矢口の事どう思う?」
へ?という顔をした加護だが、すぐに笑顔になり、
「そりゃあもう好きですよ! エヘヘ。」
「ホントかよ〜? じゃあなんでいっつも矢口の言う事は聞いてくんないんだよ〜!」
加護はチラリと保田を気にしながら口を開いた。

「それはぁ〜、加護がぁ〜、矢口さんをぉ〜、愛してるからですっ!」
169 名前:矢口の明日はどっちだ 投稿日:2001年08月10日(金)18時43分58秒
「「!!!!?」」
驚いて動けない二人を置き去りにして加護は「キャ〜」と楽屋を飛び出していった。

「や、や、矢口?」
「ち、ちがー!違う違う違う、おいら違う、おいら知らない、
インディアン嘘付かない!」
動揺のあまり北部の酋長になってしまった矢口だが、
落ち着いてみると、またもや加護にいい様に遊ばれてしまった事に気付いた。

「圭ちゃん…。」
「矢口…。」
深いため息をつく二人。すると・・・

「どうしたんですか〜? 二人とも暗いですよ〜?
 もっとポジティブポジティブ!」

収録中、矢口の石川いじりはレッドゾーンに突入した。


170 名前:この世に切れぬものはない 投稿日:2001年08月10日(金)18時49分18秒
(んあ〜、ヒマだ〜!!)
珍しく早起きしてしまい、
楽屋へ一番乗りをしたはいいが、することがない。

(早く誰か来ないかなぁ〜?)
しばらく入り口のほうをぼんやり眺めていたが、
まだ誰も来る気配はない。
窓の外を見ようと思ったが、
楽屋には窓自体がない。

(なんか雑誌でも買ってくるんだったなぁ。)
そう思っていたが、
また外へ行って買ってくるのは面倒くさ過ぎる、
とも思っていた。
171 名前:この世に切れぬものはない 投稿日:2001年08月10日(金)18時51分39秒
「フッフ〜フフ〜ン、フ〜フ〜フ〜ン。」
寝っ転がって目を閉じていたが、
眠れなくてついつい鼻歌を歌ってしまった。

(オヨ? 誰もいない楽屋で歌うって、
 ちょっと気分いいかも?)
最初は鼻歌程度だったのに
気分がノって結構大きな声で歌い始める。

しまいには立ち上がり、こぶしを握って熱唱していた。
「お〜とこには〜 自分の〜 せか〜いが〜ある〜
 例えるなら〜 空を翔ける〜 一筋〜の流れ星〜
 ルパンザサーー!!」
さらに小芝居まで始めてしまう。
「この斬鉄剣に切れぬものはない!てやっ!てやぁーー!!」

「!!」

後藤が目に見えぬ斬鉄剣を振り切った状態で見たものは、
楽屋入り口で、ありゃー、という顔をして佇む矢口の姿だった。
172 名前:この世に切れぬものはない 投稿日:2001年08月10日(金)18時53分11秒
数分後、
もう既に先程の二人の他にも何人か楽屋入りしており、
わいわいと楽しげな声が部屋に響いている。
そんな中、後藤は矢口を
皆から少し離れた所へ引きずり寄せる。

「ね、ね、やぐっちゃん。さっきの内緒だよ?
 誰にも言わないでね?」
「え〜? 何が? さっきの?
 でもさあ、そんなに恥ずかしいことじゃ
 ないんじゃな〜い?」
意地悪な笑顔をつくり答える矢口、
「いや、絶対恥ずいって!!
 意地悪しないでよ、やぐっつぁ〜〜ん!」
「キャハハハハハ!!
 わかったわかった!言わないって!
 ……ここではね(ぼそっ)」
173 名前:この世に切れぬものはない 投稿日:2001年08月10日(金)18時54分40秒
「え? 聞こえたよ! やぐっつぁん!!
 ここ以外でもダメだよ!
 ラジオでなんてもってのほかだよ!?」
「エ〜? 良いネタなのにな〜。チェ〜ッ!」
「勘弁してよ、今度なんかおごるからさぁ〜?」
「あ、そう?丁度良かった。
 実はクロームハーツの指輪で欲しいのが・・・」
「コラーー!!
 後輩にそんな高いモノ頼む奴があるかー!!
 ていうか、ご飯!ご飯にして!!
 笑顔で払える額で!!」
「えー?矢口小食だからご飯じゃ元取れないな〜。」
「嘘だ、やぐっつぁん結構食うじゃん!!
 つうか元って何さ!?
 無料でアタシのゴエモン見てたじゃん!!」
174 名前:この世に切れぬものはない 投稿日:2001年08月10日(金)18時56分23秒
「へ〜! 何ごっちん、
 ゴエモンの物真似できんの?見せて見せて!
 熱湯風呂?こんにゃく斬れない斬鉄剣?赤井英和?」
「お〜!
 加護は後藤さんの物真似なんて
 見た事無いですよぉ〜!」
「なんか面白そうだべ。
 ごっちん!早くやるっしょ!!」
「「!!!?」」
気付くと他のメンバー全員が二人の方を見ていた。
捨て鉢の怒りの炎に身を包んだ後藤、
顔面蒼白でネズミのように逃げだそうとする矢口。

1分後、
血だらけの矢口の片足を持ったまま
仁王立ちをする後藤。
どうやら矢口を斬鉄剣代わりにした様だ。
周りに居たメンバーは返り血を浴びたまま、
恐怖に震えつつ拍手した。
拍手の中、後藤の決め台詞が聞こえる。

「この世にキレぬ者は無し。」


175 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月11日(土)23時58分08秒
おもろい!!ageちゃおっかな〜〜…ウズウズ
176 名前:どっぷりネガティブ 投稿日:2001年08月13日(月)17時34分18秒
いつも通りの楽屋の風景。
また石川が気合満タンで何かを宣言している。

「 私頑張ります! 
 モーニング娘。のセンターとして恥ずかしくない様に!!
 今まで私を教育してくれた保田さんには
 すごく感謝しています!
 草葉の陰から見守っていてください!!」
「 アンタ殺されたいの!?
 なんでアタシが死んだ事になってんのよ!!
 化けて出てやるわよ!?」
「 え? 何だかわかんないけどスミマセン!!
 でも私はセンターとしてこれから頑張って……」

エンドレスな石川の宣言。
聞いていた保田も忍耐力が尽き、読書を始めている。
周りに誰も居ないのに気付いた石川。
少し恥ずかしそうにうつむき、何やらブツブツ言い始めた。
177 名前:どっぷりネガティブ 投稿日:2001年08月13日(月)17時37分05秒
「 ・・・・センターになって嬉しかっただけなのに・・・・
 ・・・・いまだに茶髪似合わないって声が・・・・
 ・・・・ミュージックステーションのランキング4位・・・・
 ・・・・チャーミーやりたい・・・・」

捨てたはずのネガティブ思考が石川を支配する。
それに気付いたメンバーは懐かしさを覚えていた。
( 久ぶりだなぁ、梨華ちゃんのネガティブ。
 やっぱセンターの重圧がそうさせんのかなぁ。)
と、プチモビクスのセンターの人も懐かしんでいる。

暗黒空間に入り込んだ石川。
魔闘気をその身にまとうのも時間の問題となり始めた頃、
撮影から帰ってきたメンバーが居た。
「 なんだぁ? 石川、どうした? 
 雰囲気真っ黒だぞ〜?
 黒いのは肌だけにしとけよ〜、キャハハハハ!」
178 名前:どっぷりネガティブ 投稿日:2001年08月13日(月)17時38分07秒
まったく反応を示さない石川。
少し気まずい空気を感じた矢口は
軽く咳払いをして石川に話し掛けた。

「 な、なんだよぉ〜、石川〜。
 シカトすんなよぉ〜。
 確かにこの頃ちょっと石川いじりしなくなったけど
 別に自分が可愛いからとかじゃなくて、あの、その・・・」
「 ・・・・いいんです、石川には放置が似合います・・・・
 ・・・・センターに放置…フフッ・・・・
 ・・・・矢口さんと絡むと中澤さんに悪いから・・・・
 ・・・・ヤグチューヤグチュー・・・・」
「 え? 何?」

意味不明の言葉を呟き始める石川。
すごい勢いで反応して目をかっぴらく保田。
頭上に?マークを浮かべる他のメンバー。
179 名前:どっぷりネガティブ 投稿日:2001年08月13日(月)17時39分46秒
意味不明の言葉を呟き続ける石川。
保田は意を決し、吉澤に耳打ちした。
「 え、何ですか? それ?
 日本語じゃないですよね?」
「 いいから!
 黙ってやればいいのよ!!」

何だかわからないという風に
首を捻りながら石川に近づく吉澤。
とりあえず保田に言われた通りの言葉を
石川に耳打ちする。

「い、いしよしマンセー・・・?」

そのあとの撮影での石川のテンションは
手がつけられないほどの高さになった。


180 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月13日(月)19時02分11秒
おぉ〜。引き継いで書いてるんすね。

おもろい。俺もいしよしマンセー。
181 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月17日(金)01時00分54秒
今回もナイス!!
このまま突っ走ってください(w
182 名前:辻の悪事 投稿日:2001年08月17日(金)22時45分51秒
ハロモニ収録日、楽屋に中澤が遊びに来ていた。
まとめ撮りの多いこの番組なので久しぶりの感がある。

「あ〜、ま〜た背ぇ伸びたんちゃうの〜?」
「えへへ、ちょっとだけぇ、伸びました。」

加護が甘えた口調で答えている。
部屋の中に溢れる平和と調和の空気。
皆が心地よい空間に酔いしれていた。

「最近裕ちゃん頑張ってんね〜、テレビ出まくりじゃん!」
「そやで〜、娘卒業してダメになった、て言われんよう張り切ってんねん。」
「ん、さすが元リーダー。リーダーのイーダーも張り切るよ。」

軽く寒いトークも交えていたが、場の空気は和んだままだ。
ふと、一人の娘が暗い顔でうつむいたままなのに気付いて中澤が声をかける。

「どしたんや〜、辻〜。拾い食いでもして腹壊したんか〜。」
183 名前:辻の悪事 投稿日:2001年08月17日(金)22時47分21秒
何やら口を尖らせ、椅子に座ったままぴくりとも動かない辻。
その様子に他のメンバーも辻を気遣い始める。

「ほ、ほら、どうしたの? どっか痛いの?」
 首を横に振る辻。
「え? 何? 何か怒ってんの?」
 また首を横に振る。
「え〜? じゃあ何なの〜? 言ってくんなきゃわかんないって〜。」

皆がうつむいた辻に視線を集中させる。
辻が恐る恐るといった感じで口を開いた。

「きっと中澤さん、辻のこと怒ってるのです。」

自分の名前を出された中澤は軽く驚いた様子を見せながらも
周りを見渡して、それでも理由が分からなかったらしく

「なぁ辻〜、辻は何で裕ちゃんが怒っとると思うとんのかなぁ〜?」
と問いただしてみた。
184 名前:辻の悪事 投稿日:2001年08月17日(金)22時49分17秒
皆が辻の答えを待つ。
その間に皆の頭の中では
いったい辻は中澤に何をしたのか?
という事についての考察がぐるぐると渦巻いていた。

中澤 (きっとアレや!
     娘。辞める直前のコンサートの控え室で
     ウチが最後に食おう思うてとっといた
     ケーキのイチゴを辻に獲られたアレやろ!」

保田 (きっとアレだね。
     こないだ裕ちゃんも一緒に行った焼肉屋で
     食欲魔人辻が何回注意しても
     「若いうちに油ギトギトカルビを食わずしていつ食うのれすか!」
     つって会話の9割が「すいません、肉をくらさい。」
     だったあの胸焼け最高潮デーのことだね。)

安倍 (きっとアレっしょ!
     一緒に裕ちゃんの家に遊びに行ったときに
     酔ってて前後不覚の裕ちゃんを使ってお寿司屋に電話させて
     特上握り30人前を食っては吐き、食っては吐いたアレっしょ!)
185 名前:辻の悪事 投稿日:2001年08月17日(金)22時50分42秒
飯田 (あ! きっとアレだ!
     辻は東京出身、裕ちゃんは京都出身。
     辻が京都の美味しいものを裕ちゃんにねだって困らせたんだ。
     でもしょうがないよね。辻はまだ14で…《さらに交信》
     …にしても銀河系が一向に平和にならないのはなぜだろう?
     きっと根本的な考え方がなってなくて…《止めど無く交信》)

矢口 (アレかな〜、アレしかないよね〜。
     ミュージカルの時に小道具のはずの果物セット全部食べて、
     その上そこら辺にバナナの皮を捨ててて、
     それに裕ちゃんが
乗って滑って転んで怒って臭って逃げて戻って怒った
     っていうアレしかオイラ思いつかね〜よ、うん。)

後藤 (ん〜、ジーツーのことだからアレだろ〜。
     ツアー先のホテルでバイキングの料理全部食べちゃって、
     それでも物足りなくてルームサービスで
     ステーキ5人前とレミーマルタン10本頼んじゃって
     あとでその値段にびびって裕ちゃんの名前騙ってフロントに
     「レミーマルタンはうまいのぉ、わ・し・が・中澤裕子じゃボゲェ!」
     って毒づいた後、ぶりんこうんこの歌全3曲熱唱したってやつ
186 名前:辻の悪事 投稿日:2001年08月17日(金)22時52分11秒
石川 (うふふふ、チャーミーはののの考えてることすぐ分かっちゃったよ。
     お腹が空いてるんだよね? ペコペコなんでしょ?
     もうお弁当食べてから20分も経ってるもんね?
     中澤さんのはおろか他番組のロケ弁まで盗んで食べてたけど
     あれじゃ足りなかったんだ? しょうがないなぁ、ののは。
     じゃあ今度のカントリーのレンタル期間中に
     花畑牧場からお牛さん連れてくるからね、
     りんねさん達の愛情がたっぷり詰まった
     血の滴るようなお肉を食らうがいい、
     食らいまくるがいいわ! ウフフフフフフフフフ)

吉澤 (わっかんねー、怒られるようなことだよねぇ?
     え〜っと、
     「中澤さんの二の腕美味しそう。」と言った。
     「中澤さんの肝は小さくて不味そう。」と言った。
     「稲葉さんってバナナ好きそうな顔ですよね〜。」と確認した。
「メロン記念日って普段何してるんだろう?」
     「シェキドルって普段何してるんだろう?」
     「レファって普段……」(二代目電波人間誕生))

加護 (のの、ウチはののの無二の親友やで?
     わかってる。み〜んなわかってる。ぽっぽ〜!
     さっきのアレやろ? ほんまはほんばんわ! くっふ〜!
     「ののはヤキソバ大好きヤキソバン! でたなケトラ〜!」
     「おい辻! 何であたしが駄洒落大好き激寒外人やねん!」
     「髪型が…、おいしそうなのれす…。」 ってやつや。
     のの・・・、ウチも縮れ麺大好っきやで…)
187 名前:辻の悪事 投稿日:2001年08月17日(金)22時53分57秒
皆の意識があらぬ方向に向かい始めたころ、辻が返答した。

周囲の雰囲気を感じ取り、おどおどと
「あの…、食べ物のことじゃないれすよ?」

「他に何があるっちゅうんじゃゴラァー!!!!!!!」

この時の9人の怒りは凄まじく、
まるで心から信じていたものに裏切られたといった感で、
辻の身体中を脂肪吸入器で吸いまくったという。


188 名前:一年前の夏 投稿日:2001年08月17日(金)22時56分39秒
「おや〜? 何やってんの〜? 辻〜加護〜?」
収録前の空き時間、
暇を持て余した後藤が年下二人に話し掛ける。

「みんなのプロフィ〜ルを見てるんですよぉ〜。
 加護たちが入った頃のやつです。
 面白いですよぉ〜。」
「エ〜、どれどれ!? 見たい見たい!」
3人でプロフィールを囲む様に眺める。

「フハッ! よしこのニックネーム『ひっちー』って!?
 呼んでねー!! 誰が呼んでんだよー!?」
「ふひー! 『マライア・キャリーみたいになりたい(笑)』って
 なんで笑ってるんれすか? こいつは! ぷふー!」
「よっしーまだあるって! 特技が『料理』!!!
 ど・こ・が・やーー!! キャーハッハーー!
 あのスパゲッチーは星いくつやっちゅーねん!!」

少し離れた所でまったりしていた吉澤。
その3人の会話を聞き、怒りに肩を震わせ始めるが、
隣にいた石川になだめられ、なんとか抑える。
しかし3人のプロフィールアラ探しはまだまだ続く
189 名前:一年前の夏 投稿日:2001年08月17日(金)22時58分27秒
「ヒャー! 梨華ちゃんの長所!
 『周りに気を配れる』って言ってるー!!
 嘘つくなー! この真夏のブリザード!!」
「好きな食べ物は『ケーキ』、普通れすっ!!
 ふっつーなのれすっ!!
 ののの『アロエヨーグルト』や
 よっしーの『ベーグル』を少しは見習うのれす!」
「そやそや!
 そんなふっつーな特技『テニス』の話を
 いつまで引っ張ってんねんっ!!
 もうミニにタコやっ! 田代やっ!
 怒るでしかしっ!!」

顔を真っ青にして強張らせる石川。
そんな石川に何故か嬉しそうに
「まあまあ」と声をかける吉澤。
そんな中、辻加護後藤の暴走はもう止まらない。
190 名前:一年前の夏 投稿日:2001年08月17日(金)23時00分26秒
「ヒャッハー! 圭ちゃん顔怖過ぎー!!
 飼ってるペットはチビンバー!! クハー!!
 ビビンバー!! ブハハハハ!!」
「矢口さんの顔も負けてないれすよ!
 気合でハチマキが鉄よりかたくなりそうな顔してる!
 そいで好きな食べ物は『抹茶ようかん』!!
 ババァ! ババァだ!
 ていうか絶対好物じゃない!!」
「うぉほーー!! 中澤さん!!
 『「結婚したい」宣言はしばらく撤回します。』
 いいから宣言しとけーー!!
 何トチ狂っとんねん!!
 お前はCXの大塚アナ並に後がないっちゅうねん!!」

怒りが噴出す保田矢口中澤。
中澤に至っては耳から血が出るほどだ。
もう注意しなければ、と近づこうとするリーダー飯田。
しかし気付くと3人は静かになっている。
近づいてみるとなにやらボソボソと話している
191 名前:一年前の夏 投稿日:2001年08月17日(金)23時02分02秒
「・・・これはヤバイでしょ・・・」
「・・・何を言いたいんれすかね?・・・」
「・・・二回繰り返す所が怖いわ・・・」

「なに? 今度は誰なの?」
ハッと顔を上げる3人。
おずおずと辻が切り出す。

「あの…、飯田さん。
 特技の『ブンブンブンやカタツムリの歌に「る」を入れて歌う』
 って何なんれすか?」

数分後、
楽屋は地球外の言語が溢れ、
数人が発狂して焼き銀杏とイチゴブリックと肉を食いまくった。


192 名前:よっすぃ〜危機一髪 投稿日:2001年08月17日(金)23時06分26秒
「でも本当かなぁ?その話。なんか嘘臭くない?」
「いやぁ〜!本当だよ〜!私霊感結構強いんだよぉ〜」
「いや、よしこを疑ってる訳じゃないけどさ〜。」

楽屋へ向かう廊下を歩きながら話している後藤と吉澤。
話題になっているのはどうやらその楽屋の事らしい。
少々興奮しながら話す吉澤、
それを軽く流している後藤といった感じだ。

「本当に出るんだよ、ごっちん!
 見たっていう人結構いるんだって!」
「ん〜、じゃあその見たっていう人の話
 聞いてから考えるよ。」
「え〜!? だからそれじゃ遅いんだって!
 だってこれからその楽屋に向かうんじゃん!!
 何かあったらどうすんの!?」
「何かあってから考えるよ。」

後藤の頭の中は理解できるものだけで構成されている。
理解できないものはなかったことにする。
とても都合の良い考え方だといえる。
吉澤の熱弁も虚しく、楽屋へ到着してしまう。
193 名前:よっすぃ〜危機一髪 投稿日:2001年08月17日(金)23時08分17秒
「は!! いる! いるよ! なんか感じる!!
 ドアを開けちゃいけない気がする!」
「もう〜! よしこがこんなにサボりたがりだったなんて
 ごっつぁん知らなかったよ〜、アハッ!
 もう観念しなさ〜い!」
ガチャ! 後藤がドアノブをひねりドアを開けた。

ガツッ!! 
 
吉澤には後藤の額辺りに何かが当ったように見えた。
後藤はそのまま後方へ倒れていく。
「うわっ! ごっちん!!」
慌てて後藤の体を支える吉澤。
そしてそのまま廊下の隅へ後藤の体を下ろしていく。
気が付くと楽屋のドアは再び閉まっていた。
後藤は完全に気を失っている様だ。
194 名前:よっすぃ〜危機一髪 投稿日:2001年08月17日(金)23時09分51秒
(うっひょ〜! 怖〜!!何?
 なんなの〜?
 このドキド〜キは、なぜ〜止ま〜ら〜ない〜?
 っていうか幽霊!?怪談!?
 わ〜い!話のネタが出来た〜、
 って喜べないよっ!!(矢口さん風)
 あ〜、あたしの妖怪アンテナにビンビン響いてる。
 いるいる、いるよ! 怖いよ!!)


人を呼ぼうか、とも考えたが、
湧き上がる好奇心は抑えようがなかった。
吉澤はゆっくりとドアノブに手をかける。

(どうしよう?、開けちゃってもよいのかな?
 あ〜、アタシってばさっきからマッツウラウラだよ〜!
 なんか妖怪アンテナは毛針寸前だし!
 いやっ!! 何事も気合いっ!!
 大根おろしは何処へっ!!)

『ガンッ!!!!』
195 名前:よっすぃ〜危機一髪 投稿日:2001年08月17日(金)23時13分13秒
吉澤がドアノブを捻ろうとした瞬間、
ドアは勢いよく開き彼女をふっ飛ばした。
廊下の壁に強烈に叩き付けられ、
先程の後藤の横に気を失いへたり込む吉澤。
糸の切れたマリオネットが二体ある様に似ている。


「なに〜?なんで後藤と吉澤はこんなとこで寝てんの?」
ドアを開けたまま不思議がる貞子飯田。
「まったく、この二人は何処でも寝ちゃうからね。」
カラカラ笑う狛犬保田。
「ちゃんとしろよ〜、キャハハハハ!」
笑う座敷童子矢口。
「もう、よっすぃ〜起きてよ〜。」
吉澤を揺さぶる雪女石川。
「どないしたん? 師匠?」
「後藤さん・・・・・・。」
後藤を気遣うケセランパサラン加護辻。
「アヒャー! どうしたのさ二人とも!?」
騒がしいパー子安倍。

(まったくあの子らは相変わらず騒がしいなあ。
 しかし、ヨーヨーは難しいわぁ、全然出来へん。
 さっきも一個飛ばしてもうたしなぁ。)

魑魅魍魎が騒いでいるモー娘。楽屋前。
楽屋の中ではヤマンバ中澤が
先程後藤を黄泉の国へ送った凶器を玩んでいた。


196 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月17日(金)23時48分55秒
めちゃおもろい。
カップリング出て来ないとこがいい
こういうネタ小説?最近あんまり無いからね。
197 名前:お仕事辛いですか? 投稿日:2001年08月18日(土)16時10分58秒
「そっか〜、ごっちん・・・、大変だねぇ〜。」
「モー。たいへんでした!!
 ふざけんなってんだよ!! あのぼんくらっ!!
 ソニンに合わせる顔がないよっ!!
 とりあえず一日10発は殴ってるよ!! 電話帳で!!」
常になくプリプリ怒っている後藤。
隣の吉澤は手におえない、といった感じだ。

「まったく!!
 身内の不始末ほど性質の悪いものは無いねっ!!」
少し離れた所で何故かびくびくする加護。
「しかも同じ業界だよ!?
 もうつんくさんとか色んな人に謝りっぱなしだよ!!」
後藤の怒りは愚痴へと変わっている。
吉澤は聞き役に終始している。

大所帯のモーニング娘。の楽屋は結構広い。
が、後藤の愚痴はその特殊性もあって
メンバーもそれとなく聞いている。

「ん〜、ごっちん可哀想だねぇ。
 まぁ一番可哀想なのはソニンちゃんなんだけども。」
「そうだね。仕事に穴をあけるのはやっぱダメだよ。
 なっつぁんも気をつけてよ? 遅刻とか。」
「はい、スイマセン、スイマセン。
 あ〜、なっちお腹すいたべ!」
お菓子に手を伸ばし話題を逸らす安倍。
保田もため息をつきつつ読書に戻る。
198 名前:お仕事辛いですか? 投稿日:2001年08月18日(土)16時12分19秒
「辻〜、アンタはどう? 仕事辛くない?」
「そうだよ、なんか無い?
 きつかったら矢口からつんくさんとか夏先生に言うよ?」
「ん〜? 
 けふんっ! 大丈夫れすっ!!
 最近ちょとだけお仕事楽しいと感じますっ!」
(ちょっとだけかよっ!?)
と矢口は思ったが辻の言葉に感動した飯田が
辻を思いっきり抱きしめたので言うのをやめた。
抱きしめられてる辻は苦しそうだ。
 
「ねぇ、あいぼん。あいぼんはどう?
 お仕事キツイ?」
なんとなく聞いた、といった風な石川の言葉。
加護もなんとなく答える。

「うん。キツイね。」
199 名前:お仕事辛いですか? 投稿日:2001年08月18日(土)16時14分37秒
「な、何ぃぃ〜〜〜!!!」
凄まじい勢いで皆が加護を取り囲む。
話の発端の後藤まで心配そうに加護の肩に手をかける。

「ねぇ加護!? 何!? 何が辛い!?
 誰かになんかされた?
 嫌な事とかあったら全部言ってみ?ね?」
次々とメンバーの心配の声が飛ぶ。
「加護〜!
 なんでそんな辛いのにカオに何にも言ってくんないの!?
 リーダーとして悲しいよー! 
 つらい時にはざっつらいと!?
 そんなにタンポポが嫌?
 2位だから? 2位だからかーー!!」
暴走する飯田。それを止めようとして飯田の電源を探す石
200 名前:お仕事辛いですか? 投稿日:2001年08月18日(土)16時16分18秒
「み、ミニモニ? も、もしかしてミニモニ!?
 せ、背が伸びてきたから?
 だ、だ、だ、だいじょぶだよ。
 ややや矢口がリーダーとしてその分小さいかららら・・・」
ショックのあまり倒れる矢口。
慌てて介抱する保田、動揺の余り「ヤグソ、死ぬな! 知!」と
意味不明の言葉を連発している。

「ま、まさかぶりんこれすかー!? けふんけふんっ!
 でもアレはあいぼんも同罪であり
 わたしはアルファでありオメガである・・・・・・」
大股開きで気を失う辻。
吉澤が介抱すると見せかけて気絶している辻に
「次代のうたばんの主役はアタシだよ、負けねーぞコノヤロウ。」
とライバル心剥き出しでガンを飛ばしている。

どうにもこうにも収拾がつかなくなった騒ぎの中、
加護は人間関係によるストレスを感じていた。
そして最近気にしているお腹をさすりながら呟いた。

「そら毛も抜けるっちゅうねん。」


201 名前:ドッキリ大成功? 投稿日:2001年08月18日(土)16時18分44秒
「ん〜、やっぱジュディマリはイイねぇ〜。」
MDウォークマンを聞きながら悦に入っている安倍。
良く言えばマイペース、悪く言えば自己中な彼女は
今日も自分の感情に素直に生きている。
もう既に遅刻の時間なのだが、
急ぐ様子も無く楽屋に向かって歩いている。

(あ〜あ、またカオリに怒られちまうべ。)
自分が怒らせるようなことをするからなのだが、
「ちょっとぐらいイイべ」と思ってしまう無法者。
そんなこんなで楽屋に到着してしまった。

ドアの前でウォークマンを外して深呼吸する。
(言い訳は何にしよう?
 この間はおばあちゃんが入院した。
 その前は家にバタリアンが大量発生した。
 その前はマシュマロマンが窓から覗いてた。
 ん〜、今日は・・・・・・
 よし! サブマリンに乗り遅れた、にしよう!)
言い訳も決まり、楽屋のドアを開ける。

「おっはよ〜!! いや〜グレムリンに・・・あれ?」
202 名前:ドッキリ大成功? 投稿日:2001年08月18日(土)16時20分21秒
楽屋の中には誰もいない。
誰かが居た形跡も無い。
部屋を間違えたのか、と確認するが
張り紙には『モーニング娘。様』と書いてある。

(あれ? なんだべ? なっち置いてかれた?
 いやいやそれならみんなの持ち物があるはずだよ。
 じゃあ何? なっち一番乗り?
 いや、それならカギが開いてるはずないべ。)
マネージャーに電話をかけてみたが、
何故かつながらない。

(え?何?この状況・・・。
 なっち全然わかんないよ・・・。
 ゆゆゆゆゆ誘拐!?
 ななななな何だべ何だべ何だべ!!??)
おろおろしてとりあえず壁をバンバン叩く安倍。

(ハッ!! これはもしやドッキリ!?
 慌てふためくなっちを見てお茶の間大爆笑?
 それはダメだべ!?
 ニューヨーク帰りのプライドが許さねーべ!!)
急に居住まいを正す安倍。
仕草に上品さを出そうとゆるやかに動く。
無意味にクラシックバレェのポーズなどとってみる。
最高の笑顔で踊り続ける安倍。
誰が見ても立派なキ○ガイだ。
203 名前:ドッキリ大成功? 投稿日:2001年08月18日(土)16時22分25秒
「おはようございま・・・?
 ・・・何してるんですか? なっちさん。」

上品さを出すことに夢中になっていた安倍。
突然の来訪者に飛び上がるほど驚き、腰を抜かす。
「なななな何だべ、誰だべ?」

「え? あ、あの、石川ですけど・・・?」

(ん〜!? これは一体・・・?
 ドッキリじゃないんだべか・・・!?
 ハッ!! 石川が仕掛け人!?
 いくら事務所推しとはいえ、
 こんな大根娘に騙されるなっちじゃないべ!!
 日テレもヤキがまわったもんだべ。ふっ。)

「あ、あの、安倍さん?」
最高の笑みを浮かべたままじっと石川を見つめる安倍。
気味悪がる石川が再度呼びかけても微動だにしない。
石川はもはや恐怖すらおぼえたようだ。

「わ、わたしちょっとジュース買ってきます!」
そう言い残し、石川は楽屋を出ていった。

(勝った! 第三部完!!
 なっちはドッキリなんぞにひっかかんないよ〜だ!
 ようし!! カメラでも探すべ!)
そうして安倍は部屋の中をごそごそと漁り始めた
204 名前:ドッキリ大成功? 投稿日:2001年08月18日(土)16時24分24秒
その頃、石川始め、数名のメンバーが
楽屋のドアから安倍を覗き見ていた。 

「ほら、安倍さんがおかしいんですよ。
 さっきの笑顔なんてハサミをかかげた
 エンヤ婆ぁみたいでしたよ。」
「知らないわよ! 何よそれ?
 しかしあのなっつぁんはヤバイね。」
「そうだよ、しかもなんでなっちは
 今日こんなに早く来てんの? おかしいよ!」

こそこそ相談する娘。達。
そこへ鼻歌交じりのリーダーが呑気にやって来た。

「あれ〜? みんな何やってんの〜?」
「シィ〜!カオリ!ちょっとこっち来て。
 なっちが、なっちが・・・」
205 名前:ドッキリ大成功? 投稿日:2001年08月18日(土)16時26分18秒
代表して事情を説明する保田。
聞いていた飯田は軽く答える。
「ああ、なっちが早く来てんのはわかるよ。
 なっちがあんまり遅刻するから
 カオリあったま来ちゃってさ〜、
 集合時間2時間早く教えちゃったも〜ん。」
「も〜ん、じゃ無いでしょ!
 何やってんのよっ!!
 そしてなっちは何やってんのよっ!!」

ひとしきり考えた飯田。
皆が注目した答えは・・・。

「ん〜? なんだろ?
 ドッキリかなんかじゃない?」


206 名前:24時間テレビ終了後 投稿日:2001年08月20日(月)09時24分36秒
(0^〜^0)<お疲れさま〜、お圭さん
( `.∀´)<ホント疲れたわよ!!
( ´ Д `)<んあ〜、アタシ等深夜出てないからね〜
( `.∀´)<働きなさいよ!!
       テレビに映らないところで握手会しなさいよ!!
( ^▽^)<無茶言わないでくださいよ〜
@ノハ@
( ‘д‘ )<いやぁ〜、朝早く起きるのって辛いですわ〜
( ´D`)<ののはねぼけてろれつがまわらなかっらのれす
( `.∀´)<くっ・・・このガキども!

(●´ー`●)<なっち耐え切れずに途中居眠りしちまったべ
川 `〜`」||<なっちの分もカオリが映されたよ
(〜^◇^)<オイラもうへとへとだよ〜
( `.∀´)<気合が足りないのよ! 気合が!!
(0^〜^0)<あたしはガッツさんの応援に気合入ってましたよ!
( `.∀´)<ガッツが気合ってなんの事よ!?
       え!?ああ、あのバナナマンの事?
( ^▽^)<あ! 知ってますよ!
       ギターを使ったコントが絶品なんですよね〜
( `.∀´)<うるさい!!
207 名前:24時間テレビ終了後 投稿日:2001年08月20日(月)09時25分52秒
「・・・・・・バナナマン・・・・・・
 ・・・・・・気合なのよ・・・・・・」
「キャハハハハ!!
 やだー!圭ちゃん寝言いってるー!!」
「コラ!矢口!ゆっくり寝かせてやんなさい!
 あんただって疲れてるでしょ?」

長かった24時間テレビの収録が終わり、
各々帰りのバスの中でぐったりしている。

「でも保田さんの寝言って珍しいよね〜。
 どんな夢見てんだろうね〜?」
「ん〜、圭ちゃんのことだからな〜。
 なにげに今日の収録のダメ出しの夢なんじゃない?」

208 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月22日(水)00時39分30秒
ここはずっとsage進行でいくの?
せっかくおもしろいのに。
209 名前:石川苦悩 投稿日:2001年08月22日(水)04時46分01秒
「ねぇ、梨華ちゃん。アタシのキャラってどんなの?」

収録の待ち時間、
メイクを直す手を止めた吉澤が、呟くように言った。
突然の質問に石川も手を止め、吉澤を見る。

「ん〜、やっぱりよっすぃ〜はかっこいいって感じかな。」
「え?アタシってカッケー?」
「うんっ、カッケー!」
ちょっと嬉しそうな表情を見せた吉澤。
が、また何か考え込む。

「違うんだよー、梨華ちゃん。なんか違う。
 なんかこう・・・。え〜、例えば〜・・・」
考え込む吉澤を困ったような顔で見つめる石川。
「それってぇ、飯田さんみたいな電波キャラとか?」
「電波って・・・まあそんなかんじ、かな?
 ほかにもなっちさんは北海道の訛りとかあるじゃん?
 辻ちゃん加護ちゃんはお子様キャラだし、
 保田さんはブサイ・・・いじられキャラだし、
 梨華ちゃんだって・・・あれ?
 梨華ちゃんって最近何キャラ?」
210 名前:石川苦悩 投稿日:2001年08月22日(水)04時47分28秒
(え!?)
吉澤は自分をどう思っているのか、と
注目していた石川。
拍子抜けとともに、自己への疑問がわいてきた。

(えっ・・・と、私はいじられキャラ・・・だったけど、
 中澤さんが卒業して、ん〜・・・
 最近矢口さんもあまりいじってくんないし・・・
 チャーミー!!・・・も無くなったし・・・
 ポジティブキャラ? ん〜ん、まだまだだね・・・
 ネガティ・・・違うっ!! 違うはずっ!!・・・
 カントリー・・・カントリー??)

凄まじく真剣な表情で悩む石川。
悩ませた吉澤はメイク直しを終え、
後藤と何やら楽しそうに話している。

(何キャラ? 私って何キャラ?
 せっかくセンターになったのに、キャラ無いの!?
 嫌っ! 放置は嫌っ!! 放置だけは・・・!!
 さがさがさがさが探さなきゃっ!!
 え〜と、え〜と、なになになに?
 いまさらお嬢様キャラっていうのも・・・
 こないだ矢口さんに絡んだみたいなの?
 女の子大好きっ子キャラ?
 キス? キスしまくる!? 中澤さんみたいな!?)

何かにとり憑かれたような目をした石川。
ぐるりとまわりを見渡す。
(あれ! やっぱりあれっ!!)

「やぐちぃぃ〜〜!!」
211 名前:石川苦悩 投稿日:2001年08月22日(水)04時49分25秒
猛然と矢口に襲い掛かる石川。
「ギョハーー!! 何!?
 何なんだよ石川ーー!!」
「チューさせろ〜!やぐちぃい〜!!」
石川の魔の手を避け、楽屋の中を逃げ回る矢口。

「こらっ!! 石川っ!!
 止まれっ!!怒るよっ!!」
慌てて飯田や保田が石川を取り押さえる。
「ハッ!! あ、スイマセンスイマセン!!
 今、私どうかしてたんです!
 スイマセン矢口さん!!」
正気を取り戻しひたすら謝る石川。
矢口も「なんだかわかんないけど、まあイイよ」と
元の位置に戻る。

(そうだよね、人の真似してちゃダメだよね。
 でももう新メンバー加入間近だし、
 時間が無いし・・・もう・・・、もう・・・)
212 名前:石川苦悩 投稿日:2001年08月22日(水)04時52分27秒
「どうなるですかーー!?」

どうやら思いが口をついて出てしまったらしい。
皆が石川のほうをポカーンと見ている。
「い、石川? 声出し? ね、熱心だね?」
師匠保田が精一杯のフォローをする。

「スイマセン! スイマセン!!
 なんでもないですスイマセン!!」
さっきから謝りっぱなしの石川。
さすがに他のメンバー達も
石川の行動を警戒するようになっている。
しかしそんな周りの空気をまったく読まない石川。
さらに思いつめた表情で熟考する。

(ないの!? もう無いの!?
 私にピッタリでお茶の間の皆さんが
 ドッカンドッカン大ウケのキャラは!!
 どうしよう・・・どうしよう?)
苦悩する石川。
そこに心配そうな顔をした飯田が話し掛ける。

「あのさぁ、石川。なんか悩んでる?
 カオに相談してみな? 何でも言ってみ?」
今まで何度も石川の相談を受けている飯田。
石川に優しく微笑みかける。
213 名前:石川苦悩 投稿日:2001年08月22日(水)04時53分59秒
(ジョンソン、キャラ立ちまくりのジョンソン・・・)
石川には飯田の姿が
後光の差したお釈迦様のように見える。

「お釈迦さまっ!!私にはキャラがありませんっ!
 どうか! どうか私にキャラをっ!!」
「(お釈迦さま?)心配するな、石川。
 お前にはもうキャラがあるじゃない!
 何事にも一生懸命頑張るって言うキャラがさ!!
 明るい日って書いて『あした』って読むんだよ、
 石川の明日もきっと明るいよっ!」
「っ!!  いいださぁ〜〜ん!!!」

「金ぱっつぁんかよっ!」
矢口の呟きは幸い二人には聞こえなかったらしく、
二人は涙を流しながら抱き合い、
一人は感謝の言葉を、一人は励ましの言葉を
時間の許す限りかけつづけた。


そして『うたばん』の収録時、
「なんだぁ〜? ジョンソン! 泣くなよ〜!」
「嬉しかったの、矢口の言ってくれたことが・・・」
前半は保田を、後半は
泣いてしまった飯田を中心にトークが展開した。

(お釈迦さま・・・、
 しょせん唯我独尊ジョンソンなんですね・・・)
石川は放置されまくりだった。
 

214 名前:大人の格好良さ 投稿日:2001年08月22日(水)04時56分04秒
テレビ東京の通路を歩く中澤。
前方にぽっちゃりした後輩の姿を見つけた。
「おう! 辻ぃ! おはようさん!」
「あ!なかざぁさん、おはようございますっ!!」
元気に挨拶する辻、前リーダーの
『挨拶はきっちり』の教えはしっかりと守られている様だ。

「おう、ええ挨拶やないか〜。
 スタッフさんにも今くらいの挨拶せなアカンで〜。」
「大丈夫れすっ!!
 辻は元気いっぱいれすからっ!」
ちょっと会話の流れがおかしかったが、
元気ならまあいいか、と中澤は辻を連れ立って通路を歩く。

(傍目で見るとおかんと娘って感じなんやろか?)
大きく腕を振って歩く辻の姿を横目にして
年齢差を痛感する中澤。
離れてみてさらに再確認といったところか。
215 名前:大人の格好良さ 投稿日:2001年08月22日(水)04時57分48秒
「なかざぁさん、・・・なかざぁさんっ!」
物思いにふけっていた中澤。
辻の呼びかけに反応が遅れてしまった。
「どした〜?辻〜。」

「ジュース買っていってもいいれすか?」
「おう、ええよ〜。
 あ!ただし甘いもんはアカンでぇ〜!」
意地悪な笑みを浮かべる中澤に、
辻は恥ずかしそうなテレ笑いをして頷く。

中澤は腕組みして自販機でジュースを買う辻を待つ。
すると辻は動作の途中々々で
中澤のほうをちらちらと見ている。

ジュースを持ってやって来た辻に中澤が問い掛ける。
「何ちらちら見とったん?
 今日なんかアタシおかし〜か〜?」
中澤の問いかけに何故か恥ずかしそうな辻。
中澤の再度の問いかけでやっと答えた。

「いやぁ〜、なんか大人だなぁ〜って、エヘヘへ。」
そう言って八重歯を見せて無邪気に笑う辻。
(大人かぁ・・・、ウチと14も歳違うんやもんなぁ・・・。
 めちゃめちゃおばさんやん・・・。)
216 名前:大人の格好良さ 投稿日:2001年08月22日(水)04時59分36秒
物憂げにため息をつく中澤。
それを見た辻が心配そうな顔をする。
「あ、あのぉ〜、なかざぁさん?
 辻はなかざぁさんは大人でかっこいいなぁ〜、
 って意味れ・・・」
「ん?ああ、ゴメンなぁ〜、別に裕ちゃん怒ってへんでぇ〜。
 フフッ、な〜に泣きそうな顔しとんねん?」

少しの間口をつぐむ辻。
何やら思案した後、辻は言った。

「なかざぁさん、辻はけっこう大人れすよ?」

(え!?)
思わず足を止め、まじまじと辻の顔を見る。
真剣な顔をしている辻は、確かに14歳、
年相応に見える。しかし・・・

(大人れすよ? っていわれても・・・れすよって。)
どう答えていいものか分からない中澤がまごまごしていると
辻のほうが話し始めた。

「さいきん辻思うんれす。なかざぁさんは優しいって。
 なかざぁさんはえこひいきって言われるけど
 昔の矢口さんとかこの前までの梨華ちゃんとか
 目立たないメンバーとなかざぁさんって仲良くなって
 テレビに映そうとするじゃないれすか?
 このごろなかざぁさん、辻とよくからんれくれますよね?
 それまで・・・辻悩んでたんれす。
 あいぼんはどんどん前に行っちゃって・・・
 ののはとりのこされてるかんじれ・・・
 れも・・・なかざぁさんが・・・のの・・・
 ののをすくってくれたんれす!!
 ・・・そんな・・・なかざぁさんは・・・
 おとなれ・・・かっこいいって・・・」
217 名前:大人の格好良さ 投稿日:2001年08月22日(水)05時01分29秒
辻は途中で泣き出してしまった。
思いの丈をぶつけて感極まったのだろう。
中澤は辻を抱き寄せ、優しく頭をなでてやりながら、
ささやく様に話した。

「ありがとな、辻。
 ちゃんとアタシの事見とってくれたんやなぁ。
 ほんま、大人や。子供や子供や思とったけど、
 フフッ、アタシ等をだましてたんやな?
 これからはもう大人同士やで?
 遠慮せーへんからな?」
泣きながら頷く辻を促して歩き始める中澤。

辻の背中をさすりながら中澤は考える。

(ほんまはただ可愛いから
 ちょっかい出しとっただけなんやけどなぁ〜。
 圭坊とかと絡まんかったし・・・ま、ええかな。
 『真実と事実は違う』っちゅうことや。)

どこまでも大人な中澤だった。


218 名前:病弱娘。 投稿日:2001年08月22日(水)05時04分42秒
空調のしっかり行き届いた楽屋内、
快適であるはずの空間で
一人汗ばんでいるメンバーが居る。

「圭ちゃん?どうしたの?具合悪いんじゃないの?」
心配そうに声をかける矢口。
「ん、なんか風邪ひいたみたい。ちょっとダルい。」
少し辛そうに答える保田。熱があるようだ。

「圭ちゃん大丈夫? 無理しちゃダメだよ。
 意外と病弱なんだし。」
「・・・意外とってどういうことよ。」
安倍に対しての突っ込みも弱い。
219 名前:病弱娘。 投稿日:2001年08月22日(水)05時06分11秒
「あ、ののアメ持ってますよ!
 これ食べますか?アロエ味が・・・」
「辻〜!風邪にアメは効き目ないだろ〜。」
「えいようを補給するんれすよ!
 えいようは大切れす!」
「お前は栄養とり過ぎだよっ!
 この足か!?この足かっ!?」
猛烈に辻のふくらはぎを揉みまくる矢口。
いつの間にやら加護も一緒に揉んでいる。

「ヒィィーー! やめてくらさいっ!
 やめて・・・っ!!?」
くすぐったさのあまり暴れる辻。
保田にぶつかってしまう。
いつもなら首根っこを捕まえられて怒鳴られる場面だ、
反射的に身をすくませる辻。
しかし一向に怒鳴り声は聞こえない。
脇で見ていた安倍が異変に気付く。

「け、圭ちゃん!?
 アララララ、これはヤバイっしょ!」
ぐったりしている保田の所に皆が集まる。
220 名前:病弱娘。 投稿日:2001年08月22日(水)05時07分31秒
結局保田は医務室に連れて行かれた。
本番までには戻る、と言っていたが
かなり具合は悪そうだ。

「いいらさん、保田さん大丈夫れすかね?」
辻は先程の自分の行動に少し責任を感じているらしい。
「ん〜、大丈夫!だって圭ちゃんだし!」
少し抜けた発言をするリーダー。
保田だとどうだというのか。

「あ〜、矢口調子に乗りすぎちゃったよ〜。
 後で圭ちゃんに謝んなきゃ。」
「そうですねぇ〜、反省してください。」
「お前もだよっ!なんでえらそうなんだよっ!」
「え〜?加護は矢口さんの真似しただけですよ〜?」
「うっさい!!とにかく後で圭ちゃんに謝るよっ!」
不満げな顔で頷く加護。

(チェ〜、ウチは別に悪くないやんか。
 まったくこのチビはほんま。
 なんか仕返ししたらな気が済まんわ。)
俯きながら思案顔する加護。
少しすると何か思いついたらしい。
怪しげな行動を開始した。
221 名前:病弱娘。 投稿日:2001年08月22日(水)05時09分16秒
座椅子に腰掛けた加護。
床の一点を見つめつづける。
その様子に気付いた相棒辻。加護に声をかける。
「どしたの?あいぼん。
 何見てるの?」
加護は答えずぼんやり何かを見つめつづける。

「あり?あいぼん?あいぼ〜ん!」
加護はピクリとも動かない。
次第に不安になった辻。
「なに?なんで無視するの?
 ののあいぼんになんかしたっけ?」
少し涙目になっている辻。
それでも加護は答えない。

そんな二人の様子に気付いた飯田。
「コラ〜、加護〜、な〜に辻を泣かしてんの〜?
 リーダー許さないよ〜?」
「違うんれす、いいらさん。
 なんかあいぼん動かないんれす!」
「動かない〜?」
加護を凝視する飯田。
確かに全然動く気配がない。
222 名前:病弱娘。 投稿日:2001年08月22日(水)05時10分57秒
「加護!加護!!どうしたの!?加護っ!!」
飯田の声に他のメンバーも集まる。
「ん?加護ちゃんどうかしたの?」
「どうしたんですか〜?飯田さん。」

「なんか加護の様子が変なのよ!
 全っ然動かないの!」
青い顔をして飯田が説明する。
辻もその言葉に強く頷くが、
他のメンバーの顔はいぶかしげだ。

「え!?何?何て言ったの!?」
飯田が加護の口元に耳を寄せる。
何かを呟いた様だ。

「え?・・・何?もう一回・・・・・・
 ・・・しんぞうが・・・いたい・・・
 ・・・心臓が痛い〜!?」
一気にパニくるディアーマシーン。
「どうしよう?どうしよう?」と叫びながら
飯田流ブレイクダンスを踊りまくる。

飯田の慌て振りにメンバー達もパニックになる。
「ああああいぼん!わわわ私が治しますっ!
 ほ、ほいっ! い、一緒にほいっやろう! ほいっ」
「ななななに言ってんの!? 梨華ちゃん!!
 ごごご後藤がじじ人工ここ呼吸を・・・」
「ヨーチェケラッチョーー!!
 ワタシにまっかせなさーーい!!
 こういう時は叩くと治りますよ! かっけーー!!
 それでは必殺のワンツーを・・・」
皆に抑えつけられる吉澤。
慌てふためくメンバーをよそに
矢口はつかつかと加護の前に立ち、言った。

「つーか加護さー、仮病でしょ?」
223 名前:病弱娘。 投稿日:2001年08月22日(水)05時13分10秒
一瞬静まり返る楽屋内。
次の瞬間、非難の声が矢口に集中した。

「ひ、酷いです矢口さんっ!!
 苦しむあいぼんをウソツキ呼ばわりですか!?
 石川は涙が止まりません!!
 あの遠泳のマキちゃんに感動した時も・・・」
「そうだべ!!
 そんなだからスポーツうるぐすで
 あのインチキワイン好きのデカ耳への質問が
 圭ちゃんと矢口でかぶっちまうんだべ!!
 ちゃんと打ち合わせしろって・・・」
「そうれす!!
 あいぼんはウソツキじゃないれす!!
 それを言うなら素顔をメイクで隠している
 矢口さんのほうがウソツキれすっ!!」

(ゴシャッ!)

首がおかしな方向を向いた辻が崩れ落ちる。
矢口はそんな辻を放り捨て、再び加護に話し掛けた。

「加護〜、オイラが精密検査してやろうか〜?」

みるみる血の気を失っていく加護。そして・・・

数分後、
保田は一応手当ても受けたので、
楽屋に戻ることにした。
ふらつく足で廊下を進む。

ふとすぐ脇をすごいスピードで何かが通りすぎていった。
(あれ?今のって加護じゃないの?)
ぼんやり後ろを振り返る保田。
すると今度は矢口始めモーニング。娘達が
猛ダッシュで保田の傍を通りすぎていった。

しばらく皆の去った方向を見送った保田。
ため息をひとつついて医務室に戻り、
解熱剤と精神安定剤を多めにもらった。


224 名前:マジオタやっすー 投稿日:2001年08月22日(水)05時16分18秒
ある日のモーニング娘。の楽屋の中。
撮影を終えた保田は暇を持て余し、
周りの様子を眺めていた。

(それでは誰と誰が仲が良くて悪いのかパート18・・・
 加護と辻が話してる、鉄板です・・・後藤と吉澤も鉄板・・・
 お、これは意外、矢口と圭織が鉄板・・・・・・
 誰とも話していない友達のいない石川、ああ可哀想・・・
 あ、あたしも誰とも話してないや、友達のいない保田・・・
 ぷふっ・・・ああ可哀想・・・くっくっくっ・・・)

「なに一人で笑ってるんですか〜?怖いですよ〜!」

「うるさいわね石川! あっち行きなさいよ!
 あたしは靖国参拝について考えてんだからっ!」

「ひど〜い」と言いながら鏡台の方に戻る石川。
保田はまた目の前のメンバー達をつまみに妄想を続ける。

(お、吉澤が圭織と話してる。かおよしだ!今かおよしが熱い!
 ふお!向こうではごまいしだ! は!! なちやぐ!!
 お! 王道いしよしが目の前でー!!)

「なに興奮しながらぼんやりしてるんですかぁ〜?」
いつの間にやら保田のそばに立っていた加護。

「ぬお!!やすかご!?」
225 名前:マジオタやっすー 投稿日:2001年08月22日(水)05時17分43秒
「へ!?なんですかぁ?それ?」
「あわわ、何でもないわよっ!
 ていうかなんで関西弁使わないのよっ!」
「え?いや、だってもう標準語に慣れたんでぇ・・・」
「ん〜ん、何でもない!ゴメンゴメン!
 あ!ほらなっちがみんなにジュース買ってきてるよ?」
加護は訳がわからないといった風に
ジュースをもらいに離れていった。

ほっとした保田に安倍がウーロン茶を差し出す。
「ほら、圭ちゃんの分も買ってきたよ。
 これで良かった?」
「 なっち ありがとう 」
「 なっち ありがとう 」
「 なっち ありがとう 」
「え?なに?なんでそんな繰り返して言うの?」
「『べ』は?『だべ』はどうしたの?」
「え?そんな今じゃそんなに訛ってないでしょ?」
「(ハッ!!)そ、そうだよね!いやいやまったくそう!!」
安倍は「変な圭ちゃん」と言いながら
自分の鞄の方へ何かを取りに行った。
226 名前:マジオタやっすー 投稿日:2001年08月22日(水)05時19分51秒
そこへつんく♂が突然現れた。
プロデューサーの突然の登場に
みな驚きながらも即座に挨拶をしていく。

「いや〜、みんなどうしとるかな〜と思ってな!
 どや?みんな元気か?」
「「「「元気です!!」」」」
声をそろえて返事をする娘。たち。
満足げに頷くつんく♂だが、
一人だけ顔を強張らせている娘。に気がついた。

「なんや?どしたんや?保田?」

呼びかけられた保田は
つかつかとつんく♂の所へ近づくと・・・

「説教部屋ですか?」
227 名前:マジオタやっすー 投稿日:2001年08月22日(水)05時21分06秒
「はぁ???」
「ていうかマジオタですか?
 8/19のハロモニでの私の放置っぷりですか?
 それとも妙におとなしい矢口の連続正解に泣きましたか?
 お仕置きは徳光さんの嘘泣きの涙を小瓶に採って
 全然泣かない吉澤に無理やり飲ませることですか?」
「や、保田・・・大丈夫か?
 き、気を確かに持て!」
「圭ちゃん!何言ってんの!?
 スイマセン、つんくさん。
 今日圭ちゃんちょっとおかしいんです。」
「助けてー!!モーニングマスクーー!!」


数分後、
医務室へ連れて行かれる保田。
まだぼんやりしている保田の手を引いて歩く石川。
「ホントに大丈夫ですか〜?
 でも後でつんくさんに謝ったほうがいいですよ〜?
 石川も聞いてて意味がわかんない事言ってましたもん。」
「ホントそうね。明日にでも謝んなきゃ。
 でももう大丈夫、だいぶ落ち着いた。」
「あ、ホントですか〜? 良かった。
 フフッ、でも今日の保田さん、ホントおかしかったー。
 今日、日記つけるの楽しみですよー。」

「ゲェーーー!! 黒い日記帳パートツーー!!」

228 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月23日(木)00時46分31秒
アンタ最高だ。たまんねえ。
しかし・・・ここ俺以外誰か見てんのかな?
229 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月23日(木)19時11分03秒
チラッ(  `.∀)<見てるよ
230 名前:そこに愛はあるのかい? 投稿日:2001年08月25日(土)06時29分11秒
「保田さ〜ん!」

楽屋に向かう通路の途中、
すぐに誰だかわかってしまう甲高い声が保田を呼び止めた。

「おはよう、石川。」
「はぁ、はぁ、おはようございます保田さん!」
走ってやってきた石川、息が荒い。
「なにも走んなくたってイイじゃない、
 逃げる訳じゃないんだしさ。」
「え〜? だって〜!」
笑顔で話す二人。そのまま連れ立って楽屋へ向かう。

「こないだの温泉気持ち良かったですね〜?
 また行きましょうよ! 疲れたときに!」
「そうだね〜、まあ休みが取れたらね。
 でもホント疲れがとれた気がするね〜。」
「今度は私の友達も連れてってイイですか〜?」
「え!?アンタ友達いるの!?」
「ひど〜い!なんでそんな驚くんですか〜?」
「い、いや、ハハハ・・・」
何故か動揺する保田、話題を変える。

「そういやアンタ、アタシの事呼ぶとき、
 『保田さん』と『圭ちゃん』の時があるわね?
 あれなんなの?」
「え〜?何ですかね〜?
 ポジティブな時は『圭ちゃん』って感じですかね?」
「ふ〜ん、ま、なんかたまにくだけた話し方するようになったし、
 石川も成長してきたって事かね〜?」
「えへへ、そうですかぁ〜?」
「そうよ〜、歌とダンスとトークと演技以外は。特に歌。」
「ひど〜い!!」

笑う保田とむくれる石川。
そうしているうちに楽屋に到着する。
231 名前:そこに愛はあるのかい? 投稿日:2001年08月25日(土)06時31分30秒
「おはよ〜!」
「おはようございま〜す!」
ドアを開けあいさつする二人、
部屋の中にはちっこいのが一人暇そうにしていた。
「おはよう!圭ちゃんに石川!」

「いやー矢口ヒマでさー」と言いながら二人を手招きして
猛烈な勢いでがんがん話しまくる。

矢口は話が一区切りついた所で、
思い出した、といった顔で言う。
「あ、ところで聞いたよ〜。二人で温泉行ったって〜?
 仲良いね〜。矢口うらやまし〜!
 つーか圭ちゃんさー、そこは同期である矢口を誘えよ〜。」
ふくれっつらをして保田を睨む矢口。

「いや、だって矢口、温泉って事はスッピン・・・ゴホッゴホッ!
 な、な〜に言ってんの〜矢口は〜。
 石川誘ったのはたまたまだよ、
 たまたま石川も温泉行きたいって聞いたから、ね〜?」
と、保田は隣の石川に同意を求める。

「そ、そうですよ矢口さん!
 たまたま、たまたまなんですよ!
 たまたま偶然そうなったんですよ!」
言葉に熱が入り棒読みになる石川。

「たまたまたまたまウルセーよっ!
 女の子がタマタマ言うんじゃないってのっ!
 いいよ!矢口だけ仲間外れなんだっ!
 圭ちゃんと石川は楽屋入りも一緒だしっ!
 いいよいいよっ!!」
遂に拗ねてしまった矢口。
232 名前:そこに愛はあるのかい? 投稿日:2001年08月25日(土)06時33分21秒
困ったね〜、といった感じで顔を見合わせる保田と石川。
石川が何とか矢口をなだめようと話しかける。
「矢口さ〜ん、石川は矢口さんが大好きですよ〜?
 こっち向いてくださ〜い。」
「へんっ!子供扱いすんなよ!キショッ!」
不機嫌そうにふて寝する矢口。
今度は保田がなだめすかす。
「ほら、矢口。可愛い後輩困らせちゃ可哀想でしょ?
 機嫌直してよ、ね?」
「へ〜ん、石川は圭ちゃんにとっての可愛い後輩で
 矢口にとっては違うも〜ん。」
「あ〜ん、ひど〜い!」
「コラ!矢口!その言い方はないでしょ!」

さすがに言い過ぎた、と感じたのか、
矢口はばつが悪そうに二人の方に向き直り座る。
「あ、うん、ちょっと言い過ぎ・・・」

「おはよ〜ござ〜いま〜す!」
絶妙のタイミングで元気一杯に入ってきた加護。
「あ・・・う〜、おはよう加護。」
謝るタイミングを逃した矢口。
保田と石川は加護にあいさつを返し、
そのまま仕事の準備を始めてしまった。

(あ、あ、あ、これじゃオイラ悪者だよ〜!
 なんだよ〜。可愛いやきもちじゃんよ〜。
 妙に仲の良いあの二人に妬いちゃったんだよ〜!
 ホントに仲間外れにしないでよ〜!)
焦る矢口、何をすれば良いのかわからないほど焦る。

(嫌われた?矢口呆れられた?
 こここここは何とか二人と仲直りせねばっ!)

やにわに立ちあがり、
台本チェックする保田と石川に近づく矢口。
近づいて来る矢口に目を向ける二人。
すると矢口突然しゃがみこむ。
233 名前:そこに愛はあるのかい? 投稿日:2001年08月25日(土)06時34分50秒
「どーんどこ、どーんどこ、どーんどーこどん、イェイッ!
 どーんどこ、どーんどこ、どーんどーこどん、イェイッ!」

なんの脈絡もなくミニモニダンスを始める矢口。
なんだか分からぬまま慌ててそれに加わる加護。
呆気にとられる他二人。

「「・・・・・・どーんどーこどん!
 イェイッ!!  ミニモニでしたーー!!」」

「で?・・・・・なんなの?」
ぼんやり問いかける保田。
「な、なんなんでしょう?」
質問に質問を返すミニモニポーズの加護。

「え?・・・あの・・・矢口の精一杯のお詫び・・・」
情けない顔で答える矢口。
意味がわからない二人。
さらに意味がわからずおろおろする加護。

「や、矢口さん・・・何かしたん・・・ですか?」
おずおずと聞く加護。
ぶんぶんと思いっきり顔を横に振る二人。

しかし矢口の顔は暗く沈んでいる。
訳もわからず取り残された三人。

(何?何なのよ!?あのちび助どうしちゃったのよ!?)
(加護知りませんよ〜!
 梨華ちゃんなんか変なもん食べさした?
 例えばゼリーとかヤキソバとか・・・)
(あいぼんヒドイっ!あれ結構自信作だったのにっ!)
ボソボソと相談といえない相談する三人。

矢口がぼそりと呟く。
「・・・もういいよ・・・」
234 名前:そこに愛はあるのかい? 投稿日:2001年08月25日(土)06時36分50秒
「え?」と顔を上げる三人。
矢口はみるみる泣き顔になりヒステリックに叫ぶ。

「なんだよっ!矢口だけのけもんかよっ!
 三人で仲良くして・・・ひどいよっ!
 ずるいよっ! 矢口どうすりゃいんだよっ!
 ツッコミなんてできないよっ!
 裕ちゃんみたいにできないよっ!
 モーニングでの矢口の居場所ってどこだよっ!!
 どんどんどんどんどんどんどんどん
 みんなが離れてく気がするんだよーー!!」

(((えっ!?)))

へたり込んで泣き出す矢口。
もうどうにも止まらない泣きざまだ。

(矢口、裕ちゃんが居なくなるモーニングを
 一番心配してたもんね・・・)
思わずもらい泣きする保田。
(なんだかわかんないけど可哀想、矢口さん・・・)
ぼろぼろもらい泣きする石川。
(な、涙が鼻に入ったっ・・・)
苦しそうにもらい泣きする加護。

皆が涙がおさまってきた辺りで顔を見合わせる。
誰ともなく恥ずかしさから笑い顔になる。

「どお? すっきりした?」
「ん〜? まあちょっとはね。」
「え〜? あんなに泣いてちょっとですか〜?」
「うるさいよ石川! 黒いんだよお前は!」
「しっかりして下さいよリーダー!」
「うっさい!!」
矢口の心にはもう既に先程のようなモヤモヤはない。
共に泣いてくれる仲間が矢口の心に光を与えてくれたから
235 名前:そこに愛はあるのかい? 投稿日:2001年08月25日(土)06時38分49秒
「矢口、涙でメイク取れかけてるよ。
 ヤバいんじゃないの?」
「え!? ウソ? マズいよそれ!!」
今の矢口には保田の意地悪すらも心地いい。

「気分直しに石川の作ったゼリー食べませんか?」
「絶対いらない! 死にたくないもん! キショッ!」
石川へのツッコミも容赦なくできる。

「これ、紙をちぎって作ったハートです、あげます。」
「ゴミかよっ!」
矢口的に精一杯のツッコミだ。


雨降って地固まる。
今、四人は仲良くメイクを直し、
のんびり他のメンバーの到着を待っている。

「だからさ〜、みんなが仲良くしてると〜、
 オイラ独りぼっちな感じがしちゃうんだよ〜!」
「何言ってんの矢口はも〜!
 それにアタシと石川はそんなに仲良くないわよ!」
「ひっ、ひどいです保田さんっ!!」
「あ〜、加護も梨華ちゃんと仲良くないですよ。」
「あっ、あいぼんまでっ!」
うろたえる石川を見て無邪気に笑う矢口、しかし・・・

「んも〜ごっち〜ん、今日もサウナ行こうよ〜!」
「よしこはサウナ好きだね〜、まあ付き合ったげるか!」
「ん〜!サウナと同じくらいごっちんが好きさ〜!」
同世代で感覚ピッタシの後藤吉澤到着。

「いいらさん、昨日のメールの意味何れすか〜?」
「ふっふ〜、知りたい〜?
 辻はホントに可愛いね〜!」
「教えてくらさいよ〜! いいらさ〜ん!」
親ガモ子ガモ状態の飯田辻到着。

その様子を見ていた矢口。
耐え切れなくなり楽屋を飛び出し、
魂からの叫びを吐き出しながらひた走った。

「戻ってきてよ〜!! ゆ〜〜こ〜〜!!!」

236 名前:女優開眼 投稿日:2001年08月25日(土)06時40分47秒
『はぁ〜!緊張する〜!』
「大丈夫かよ〜?裕子〜。
 相変わらず緊張しーだな〜。」
『はぁっ!呼ばれたっ!
 ほ、ほな、い、行ってくるわ!』

携帯電話を置き、「ふぅ」と一息つく矢口。
「矢口〜、裕ちゃんなんだって〜?」
「あいつドラマの撮影ま〜だ緊張すんだってさ。
 チョイ役のくせに、ね〜?」
「あ〜、一人になって心細くなってるんだろうけどね〜。」
「あ、後藤もドラマ緊張するよ〜?」
「ウソ〜!? そう見えない〜!
 ごっちんってなんか緊張しなさそ〜!」

楽しげに騒ぐモーニング娘。たち。
いくら話しても話のタネは尽きない。

「じゃあじゃあ!
 矢口さんにドラマの話が来たらどうしますか?」
「え〜? そりゃ〜やるさ〜!
 矢口の演技はアレだよ? 安達祐実級だよ?」
「それってイイの? なんか違う気が・・・。」
「あ! じゃあちょっとやってみましょうよ!
 演技力テストbyモーニング娘。!!」

盛り上がる娘。たち。
そして遂にあの娘が立ち上がった。
「演技の事ならこのなっち様に任せるっしょ!
 主演もバンバン張ってるべさ!」
237 名前:女優開眼 投稿日:2001年08月25日(土)06時42分49秒
部屋の真ん中に集まる9人。
「それで何やんの〜? なっち〜。」
「フッフッフ、お答えする前に・・・
 女優に必要なものは何っ!?」
急に指差された吉澤、
咥えていたポッキーをぶちまけながら
「あ、愛っ!」
「このアホめー! 拳闘をなめるなー! 痩せろー!
 ハイ、じゃあそこの寄り目! 答えるべ!」
次に指差された辻、
ブルブル体を震わせ、寄り目になりながら
「チャクリキ?」
「違うべこのデブー!
 チームアンディに鍛え直してもらえー!」

(最近痩せてきたからって調子に乗りやがって・・・)
皆がそう思う中、
次の標的にされそうだと直感した加護が先手を打つ。
「い、いや安倍さん?
 答えは何なんですか?」
「チッ!」と口惜しげに舌打ちをする安倍。
しょうがない、という風に話し始める。
238 名前:女優開眼 投稿日:2001年08月25日(土)06時44分01秒
「いいべか? 女優に必要なもの、
 それは・・・アドリブだべっ!!」

「ホォ〜!」という感嘆の声と共に
「あどりぶって何?」という声が聞かれる。

「それじゃ〜これからアドリブテストをするべ!
 なっちがお題を出すから即座に答えるんだよ!」
「そくざってなんれすか?」という声が聞こえる。

「よ〜し、いくよ〜!?
 あなたは恋人の部屋にいます。
 彼がお盆に紅茶をのせて持ってきましたが、
 転んで紅茶をこぼし、
 あなたにも紅茶がかかってしまいました、
 ハイ! そこで一言!!」

「失敗するって事は根本的に・・・(略)」
「キャハー! キショッ! キショッ!」
「(彼氏か〜、・・・って)しったこっちゃ無いわよ!!」
「んあ〜、もう別れる。」
「これヤラセ? 体目当て? うらやますぃ〜!!」
「どうなるですか〜!?」
「おい! どうしてくれるんや!
 クリーニング代出せやコラァッ!」
「おいちゃん、もう1杯。」

諦めの表情で安倍が呟く。
「ダメだこりゃ。」

239 名前:奇跡の水 投稿日:2001年08月25日(土)06時46分15秒
「はぁ〜、最近なんか疲れがとれないんだよ〜。」

テーブルを囲み雑談をしていた娘。たち。
ふと漏らした矢口の言葉に
次々と同意の言葉が広がっていく。

「そうなんだよねぇ〜、
 もうアタシも歳なのかなぁ〜?」
「そんな、お圭さん。
 中澤さんに怒られちゃいますよ〜?」
「でもさぁ〜、後藤も最近お疲れだよ〜。
 なんかドラマとか緊張しちゃうし・・・。」
「あ〜、演技するときって緊張しちゃうよね〜。
 私もうガチガチになって後でどっと疲れるもん。」
「梨華ちゃんはガチガチになり過ぎなんだよ〜。
 見てる周りのスタッフさんの方が疲れてると思うよ?」
「ひどぉ〜い!よっすぃ〜!」

「でもさ〜、そろそろ新メンバー加入間近じゃん?
 「はじめまして」って言ってる先輩たちが
 グッタリお疲れモードじゃヤバいんじゃな〜い?」
「そうですね〜、死んだ魚の目をしたアイドルに
 「よろしくね」って手を差し出されても、
 「覚せい剤、絶対ダメ!」って工藤静香ばりに
 返されるかもしれませんね〜。」
「ホントにね〜、なんかないかなぁ〜、
 疲れの吹き飛ぶような便利なもの。」

「そんなときはっ!!」
「ワタシたちにっ!!」
「「まっかっせっなっさーーいっ!!」」
240 名前:奇跡の水 投稿日:2001年08月25日(土)06時48分10秒
「ファンの視線を一身に浴びる〜」
「「モー・ニング・娘っ!!」」(決めっのポーズ)
「でも最近ちょっとお疲れの〜」
「「モー・ニング・娘っ!!」」(憂いを含んだ表情で)
「でも〜」
「これさえあれば〜」
「「だ〜い・じょ〜・ぶっ!!」」(お願いモーニング風に)

「何やってんですか?二人して・・・?」
石川が当然の質問をする。
が、二人は完全無視。
テレビショッピング的会話を開始する。

「さ! 今日ご紹介するのはこの商品です!」
「はい。アラ? 飯田さん、これは一体何ですか?」
「ハイ〜! これはなんと、ヒグマで有名な、
 あの!北海道直送のミネラルウォーターな・ん・で・すっ!!」
「まぁ〜!あの北海道の!?」
「そうなんですよ、安倍さん。これは北海道民でなければ
 なかなか飲めない代物なんですよ〜!」
「うわぁ〜、それは貴重ですねぇ〜!
 それでこの水にはどんな効果が?」
「ハイ!なんとこの水にはアラ不思議、
 疲れがいっぺんに吹き飛んでしまう、
 ベホマ効果があるんですよ〜!」
「素晴らしいわぁ〜!
 それを私たちが手に入れる事が出来るんですねぇ〜!?」
「はいっ!! 本来希少価値の高いこの北海道の水、
 商品名『ふるさとの涙』をご提供価格、
 1.5リットルで9千8百円! 9千8百円のご奉仕です!!」
「うわ〜!私絶対買いたい〜!
 皆さんも欲しいですよねぇ〜!?」
「ハイ!
 欲しい方はモーニング娘。リーダーと今すぐ交信して下さい!」

飯田と安倍の大熱演、
超冷めた目で見つめていた他のメンバー達。

「・・・どうすっか?あの二人・・・」
「・・・カオリ、目が本気だよ・・・」
「・・・厄介ですね〜・・・」
「・・・飯田さんが持ってる水・・・六甲のおいしい水ですしね・・・」
「・・・梨華ちゃん交信してあげなよ・・・」
「・・・しないよ・・・」

対応に困る娘。たち。そこへ・・・

「ハイ〜!皆さん疲れていませんか〜!?」
「そんな疲れてるみなさんには〜・・・」
「「ぶりんこパワ〜ウォ〜タ〜!!」」


その日の収録では何故かモーニング娘。は
半分ぐらいのメンバーが死んだ魚の目をしていた。

241 名前:可愛い悪戯 投稿日:2001年08月25日(土)06時50分07秒
珍しく静かな楽屋の中、
がさごそと人の動く音がやけにはっきりと聞こえる。
辻と加護もその雰囲気に流されたのか、
二人して壁にもたれかかり、ぼんやりしていた。

(ねぇ、あいぼん)
(なに?)
(なんか面白いことしたくない?)
(したい!)
((ふふふふふ))
(何する?誰にする?)

二人は先程までのつまらなそうな顔から一転、
無邪気に悪巧みをするその顔に
はちきれんばかりの笑顔を輝かせる。

(まず誰にするかだよね、
 それで何するか変わってくるから。)
(そだね。怒らなそうな人がいいね。
 梨華ちゃんとか?)
(う〜ん、もう飽きたな〜。
 もっとスリルを味わおうよ。)
(いいね〜。もうドキドキしてきた。
 飯田さんとか?)
(怒られるよ〜?)
(かまへんかまへん!
 どーんといけ、どーんと!)
(いいの〜?)
(おう!大人メンバーまとめていこう!)
(やるか!?)
(やろう!!)

ひっそり気勢をあげる辻と加護、
相談は続く。

(で、なにする?)
(そこが問題さー。)
(なーんやそれ?
 考えてて言ってたんちゃうの?)
(全然。)
(ホンマにもー、
 じゃあ何するかお互いで言い合お?
 ハイ、ののから。)
(え?ののから?
 え〜と、と〜、と〜・・・)
(と〜?)
(とつげきダンシング?)
(アヤカにやれ!)

周りを気にしながら静かに掴み合いする二人。

(はぁ、はぁ、ウチら何してんねん?)
(ふぅ、ふぅ、まじめに考えねーと。)

しばらくごにょごにょと相談した二人。
行動に移る。
242 名前:可愛い悪戯 投稿日:2001年08月25日(土)06時51分30秒
飯田に近寄る加護、離れて様子を覗う辻。
「飯田さぁ〜ん、のど渇いてませんかぁ?」
「あ〜、ちょっと渇いたかな?」
「ハイ! 加護がぁ、お茶買ってきましたぁ!」
(ふふふ、これは『あったか〜い』方のお茶を
 缶の外側だけおしぼりで冷やしたもんや!
 さあ驚け! のたうち叫べ!)

「気が利くなー! えれーぞー加護ー!
 カオはリーダーとしてうれしーぞー!」
「えへへ、さ、飲んでください。」
(はよ飲めーー!!
 そのでっかい目ん玉さらにかっぴらけーー!!)

「ん、サンキュー、じゃーいただきますっ!」
ゴク、ゴク、ゴク
「んー、やっぱ暑い夏には熱いお茶だねっ!
 暑さが吹っ飛ぶよ! アリガトね加護っ!」

(へ!?)(ありーー!?)
自分達の思惑が外れ唖然とする加護と辻。
加護はちっちゃい目ん玉かっぴらいている。

元の位置で再び作戦会議をする二人。

(なんやねん!? あの電波ロボは!
 鉄人28号ですら人の痛みが解かるっちゅーのに!)
(何言ってんのあいぼん?
 でもいいらさんには失敗だったね。)
(そやね、やつがロボコン並の機能があったら
 目を回すとこやったのに。)
(だから何言ってんのあいぼん?)
(ん、なんでもない。
 よし、気を取り直して次の作戦決行だー!)
(おーー!!)
243 名前:可愛い悪戯 投稿日:2001年08月25日(土)06時53分15秒
保田に近寄る辻、離れて様子を覗う加護。
「やすらさ〜ん、肩こってませんか?」
「ん?、ちょっとこってるかな、
 誰かさんたちのせ〜でっ!」
辻の頭をぐりぐりとなでる保田。
一瞬恐怖の表情を浮かべた辻だが、
何とか気を取り直す。
「けふっ、けふんっ。
 じゃ、じゃあ辻がマッサージしてあげますっ!」
(ふふふ、こりは大道具さんのところからパクってきた
 『イボイボ付き手袋』れすよ〜!
 しかもデカイボタイプれすよ〜! 痛いれすよ〜!
 ぐりぐりのお返しはぐりぐりでしますよ〜やすらさん!)

「何?どうしたのよ辻?
 珍しいじゃない、アンタがそんなこと言うなんて。」
「お、お詫びれすっ! いつものお詫びっ!
 肩でもおもみしますやすらさんっ!」
(だまってののにもませろれすっ!
 ののの怪力でお前の肩を
 星飛雄馬よりボロボロにしてやるのれすっ!)

「ん〜、じゃ頼もうかな。
 痛くしないでよ〜? ハイ、お願いね。」
辻に背中を向ける保田。
手袋を装着し、マエストロの様に両腕を振り上げる辻。

「いきますよ〜やすらさんっ!」
(ののは断末魔のメロディが聴きてーのれすっ!!)
ギュオッ! ギュオッ! ギュオッ! ギュオッ!
「お! いいねぇ〜辻! 効くねぇ〜!」

(なんれすとっ!?)(ほえ〜!?)
またも自分達の思惑が外れ唖然とする辻と加護。
辻はその後五分ほど保田の肩を揉み続け、
その間保田の恍惚のラプソディーを聞きつづけた。
244 名前:可愛い悪戯 投稿日:2001年08月25日(土)06時55分29秒
元の位置で再び作戦会議をする二人。

(なんらのっ!? あのガメラはっ!?
 やっぱり怪獣はひふが厚いから痛みを感じないんれすか?
 ちょーおんぱ攻撃で
 耳から血が出るかと思ったのれすっ!)
(気持ち良さそ〜に声出してるんが気持ち悪かったな〜って
 そりゃ言い過ぎやろ。にしてもまた失敗だね〜?)
(そだね〜、せめてピグモンクラスの怪獣らったら
 ふみつぶして倒せるんれすけどね〜。)
(何言うとんのじぶん?
 ま、気を取り直してラストの作戦、いきまっしょい!)
(お〜〜!!)

廊下の楽屋の入り口近くにしゃがみこむ二人。
(ね〜あいぼ〜ん、今度は大丈夫かな〜?)
(大丈夫や! この激辛カラシ入りハンバーガー!
 一口食べただけで昇天間違いなしや!)
(それにしてもなっちさん遅いね〜?)
(仕事を何だと思っとるんや!)
プリプリ怒る加護だが、
こんなことしてる自分たちはどう思っているのか、
と心の中で突っ込む辻。
もう遅刻ギリギリ、という所でやっと安倍がやってきた。

「あ、安倍さん! おはようございます!
 お腹減ってませんか? よければこのハン・・・」
「おはよ! ゴメンね〜! 急いでるから!
 もたもたしてっとみんなに怒られちまうべ!」
バタンッ!
二人を置き去りに楽屋に入ってしまった安倍。
呆然と顔を見合わせる二人。

「失敗・・・かな?」
「失敗・・・だね。」
「「ふぅ〜」」
ため息をつく二人、と、そこに通りかかった者が居た。

「おはよう! 辻ちゃん加護ちゃん! 何やってんの?」
「あ、おはようございます、りんねさん。」
「・・・おはようございます。」
「あれ〜? なんか暗いね〜、どうしたの?」
「なんでもないです。あ、これ良かったらどうぞ。
 あさみちゃんと分けて食べてください。」
「え?いいの?」
「ハイ。もういらなくなっちゃったんで・・・。
 あ、もう行かなきゃ・・・、お疲れさまでした。」
「・・・お疲れさまれす。」
「お、おつかれ〜、・・・?」
とぼとぼ楽屋に入る二人を不思議そうに見送るりんね。
「ま、いいか」と自分の楽屋に戻っていった。
245 名前:可愛い悪戯 投稿日:2001年08月25日(土)06時57分08秒
収録も終わり、帰り支度をするモーニング娘。たち。
辻加護コンビは夜も遅いので、と早めに帰された。

「いやー、でも辻も加護も成長したよ〜!
 今日はそう思ったね!」
「あー、お茶買って来たり、肩揉んでくれたってやつ?」
「そう! カオは嬉しいよ!
 あの子たちも私たちを気遣うようになったんだなぁ〜って!
 しかもさらになっちが遅刻しないか心配して
 廊下で待ってたんだよ!
 感激しちゃったよ!」
「アタシ今日肩が軽いのよ!
 辻のマッサージ効いたんだね〜。」
「へ〜! 今度オイラもやってもらおっと!」
楽しそうに話す先輩メンバーたち。
そこにどこかに出かけていた石川が帰ってきた。

「ただいま戻りました〜。」
「おう! お帰り!
 最近会ってないけど、りんねどうしてた?
 元気そうだった?」
上機嫌で問いかける飯田。
どうやら石川はカントリー娘。の所に
挨拶に行っていたようだ。
しかしその表情は何故か困惑の色を示している。

「それが〜・・・」
「え?どした?」
「なんだかわかんないんですけど
 りんねさんとあさみちゃん、
 『あの辻だか加護だかいうガキ二人に会ったら
  「暴れ馬に繋いで引きずり殺す」って言っとけ!
  あいつら絶対許さない!!』って言うんです。
 それになんだかいつもよりクチビル厚かったし・・・」

「りんねのクチビル厚いのは昔からじゃん!
 カオが言うんだから間違い無い!
 それよりも石川も思うでしょ〜?
 辻と加護成長してきたって〜!」

その日、飯田は幸せな気分で帰宅した。


246 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月25日(土)09時46分14秒
おおっしばらく見ぬ間に、ずいぶん更新されてる……
これからもがんばっちくらさい。
247 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月27日(月)06時30分54秒
いつも大量の更新ご苦労様です。
ここ見ると最近個人的にちょっと・・・ってかんじだった
矢口さんが可愛く思えてくる(w
248 名前:AAトーク 新メン加入 投稿日:2001年08月27日(月)18時23分43秒
( ´D`)< ついに新メンバー入ったね〜
@ノハ@ 
( ‘д‘ )< そうだね〜
( ´D`)< ほとんど年下だね〜
@ノハ@ 
( ‘д‘ )< 困ったもんだ
( ´D`)< 真剣に困るね
@ノハ@ 
( ‘д‘ )< 子供キャラかぶるもんね
( ´D`)< 怖そうな老け顔一人居たけどね
@ノハ@ 
( ‘д‘ )< 早めに潰しとかないとね
( ´D`)< 殺っちまおう!


川 `〜`」||< カオリ13人をまとめなきゃいけないの?
(〜^◇^)< 辛いだろうけど頑張ってこうよ
川 `〜`」||< ふぅ〜 交信なんてしてらんなくなりそう・・・
(●´ー`●)< 裕ちゃんいい時に卒業した感じだね
(〜^◇^)< 逃げたな!? 裕子!!
川 `〜`」||< カオリも逃げ出したい気分・・・
(●´ー`●)< じゃあ次のリーダーはなっちだね?
(;゜ 皿 ゜)< !! やるよ! リーダーの座は渡さない!!
(;〜^◇^)< (なっちうまい!!)


( ^▽^)< ねぇ〜よっすぃ〜 私達が教育係やるのかな〜?
(0^〜^0)< そうかもね
(;^▽^)< ワタシ出来なそうだよぉ〜
(0^〜^0)< 辻加護にやってるみたいに説教しまくれば?
(;^▽^)< カメラ回ってるときも?
(0^〜^0)< あ〜 イメージ上マズイかもね〜
( ^▽^)< そうでしょ? 私ってやっぱり上品なイメージが・・・
(0^〜^0)< いや ヘタレなイメージ
( T▽T)< よっすぃ〜・・・


( ´ Д `)< 13人は多過ぎでしょ〜
( `.∀´)< ・・・・・・
( ´ Д `)< アタシ卒業しなきゃいけないのかな〜
( `.∀´)< ・・・・・・
( ´ Д `)< 圭ちゃん? 何怒ってんの?
( ;`.Å´;)< (あいつらのせいでアタシの聖域2チャンネルが・・・)


249 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月28日(火)07時01分09秒
>>248
ヤッスーに激しく同意!!(涙)
250 名前:お礼、そして訂正です 投稿日:2001年08月28日(火)19時18分10秒
( ^▽^)< こんなぶざまなネタ文を見てくれて
       ありがとうございま〜す
川 `〜`」||< ネガチブネガチブ・・・

( `.∀´)< 悲しいくらいヘボね!
(;´ Д `)< 後藤、出番少ない・・・
(●´ー`●)< なっちのほうが少ないべ

(〜^◇^)< オイラ推しか〜・・・キショッ!
( `.∀´)< あんたとアタシとカオリは話に絡ませ易いだけよ!
(0^〜^0)< アタシは絡みづらいんですね・・・
( ^▽^)< 誰推しかはその日の気分です!
(●´ー`●)< ていうか話の流れによるべ

@ノハ@ 
( ‘д‘ )< 初めて書き込んだんで緊張したわ〜
川 `〜`」||< 最初は気合い入ってたね、失敗しない様に
( ´ Д `)< 慣れてきて失敗、よくあるパターンだね・・・ユウキめ!

( ´D`)< 以下が失敗れす
>199
  最後の『石』は『石川。』れすね
>240
  最初のトコに
   「なっち!?」
   「飯田さん!?」
   皆の驚く中、グラビアアイドルのようなポーズを
   次々ととりながら二人は話し続ける。
  ってのが入ってないれすね〜、てへへ
(0^〜^0)< 他にあったら言って下さ〜い、
         それが訂正代わりで〜す
(;〜^◇^)< 手抜きかよっ!

@ノハ@ 
( ‘д‘ )< 新メン出せるようになんのいつだろなぁ〜?
从#~∀~#从< んなことよりもっとアタシ出さんかい!!
( ´D`)< それじゃ〜バイバ〜イ


251 名前:鬱なんです 投稿日:2001年08月30日(木)01時51分31秒
「矢口さ〜ん、最近どうですか〜?」
「そ〜だね〜、ダル〜い、っつ〜感じ〜。」
「アタシもですよ〜、かったるいですね〜。」
超だらけきっている矢口吉澤の師弟コンビ。
その原因は猛暑の所為か?
ハードスケジュールの所為か?

「最近さ〜、ファンの人たちの手紙さ〜、読んでる〜?」
「読んでますよ〜。
 事務所の人が選んでくれたやつですけど〜。」
「矢口のもそうなんだろうけどさ〜、
 それでもきっついのがあるよね〜。」
「ありますね〜。」
「最近の矢口さんはウザイです。
 石川さんよりむしろキショいです、とかさ〜。」
「ひどいですね〜。」
「ミニモニ結成時の矢口さんに戻って下さい、
 でも戻り過ぎには注意して下さい、とかさ〜。」
「いっそ2次メン加入の頃まで
 戻っちゃったらどうですか〜?」
「アハハ、よっすぃ〜ぶっ殺しちゃうぞ〜?
 よっすぃ〜はどんなこと書かれてる〜?」
「吉澤はですね〜、頭悪過ぎ〜とか〜、
 天才的に可愛かった(過去形)とか〜」
「あ〜過去形か〜、せつないね〜。」
「常に髪型変ですねとか〜、
 寒いことばっか言いますねとか〜。」
「困ったもんだね〜。」

呆れるほどやる気の無い二人。
楽屋でうつ伏せに転がったまま不毛な会話を続ける
252 名前:鬱なんです 投稿日:2001年08月30日(木)01時53分18秒
「そろそろ新メン加入だね〜。」
「そうですね〜。」
「よっすぃ〜も教育係になるかもね〜。」
「そうですね〜。」
「何教えんの〜?」
「あ〜、お圭さんのいじりかた〜、
 飯田さんとの危ない会話〜、
 トークでの笑い役〜・・・」
「ろくな成長しなさそうだね〜。」
「はぁ〜、
 矢口さんはアタシに何教えてくれましたっけ〜?」
「笑い方〜。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「終わりですか〜。」
「そ〜。」

「ちょっとアンタたち! いい加減にしなさいよ!
 聞いてるこっちがへこんじゃうわよ!」
一喝する保田。
が、二人に反応は無い。
「ネガティブはダメですよぉ〜!
 ほら! もっとポジティブポジティブ!!」
石川も保田に加勢する、
が、やはり二人に反応は無い。

「がんばり師弟コンビですよ〜、矢口さん〜。」
「ホントだね〜。」
「イイですよね〜、がんばりが報われて〜。」
「ね〜。 いじられまくるサブリーダー様と
 現センター様だもんね〜。」
「うらやますぃ〜、ホ〜ント〜に〜。」
「い〜な〜ってか〜?」
「「ゲヘゲヘゲヘ」」
253 名前:鬱なんです 投稿日:2001年08月30日(木)01時55分26秒
ダメになった人間っぷり全開の笑い声をあげる二人。
保田と石川が抱き起こそうとするが、
体中の力を抜いている二人は
すぐまた泥人形の様に崩れ落ちる。

泥人形は仲間を呼んだ!

「ね〜カオリ〜、
 頑張ってもタンポポ一位とれないもんね〜?」
「なッ!? でもこれから・・・」
「飯田さ〜ん、
 頑張っててもセンターに立ったこと無いですよね〜?」
「ウッ!! それでもカオは・・・」
「歌番組でどこに座ってる〜?」
「う、後ろだけど、それはカオが大きいから・・・」
「大林さんとデカモニですか〜?」
「っ!!」

ガックリと崩れ落ちる飯田、暗い表情で呟き始める。
「・・・アレはダメ・・・どうにもダメ・・・
 ・・・何考えてんの?つんくさん・・・
 ・・・カオはどうでもイイって事?・・・」

「ちょっとカオリ! 気を確かに持ちなさいよ!」
「飯田さ〜ん! ポジティブです!
 飯田さん風に言うとポジチブ!!」
二人の激も虚しく飯田は壁を向いて横になり、
延々と前方に『の』の字を描きつづける。

泥人形は3体になった!

さらに泥人形は仲間を呼んだ!


「「「「っ!!」」」」


泥人形は7体になった!

泥人形は不思議な踊りを踊った!

保田と石川のやる気が0になった!

「おぉ!ゆうしゃよ!しんでしまうとはなさけない・・・」

254 名前:アホ対決 投稿日:2001年08月30日(木)01時57分35秒
「そんなことないよ〜、アタシ結構頭イイって〜!」

いつも騒がしい楽屋の中、
吉澤が年下の二人組に何やら抗議をしている。

「そっかな〜? よっすぃ〜が一番バカっぽいよ〜?」
「えへへへ、のの〜、それは言い過ぎだって〜。
 よっすぃ〜はアホって感じだよ〜。」
「え〜? どう違うのそれ?」

吉澤の抗議もどこ吹く風の二人。
どうやら今日の二人の話題は
『モーニング娘。のモストアホ娘。』らしい。

「違うって絶対! 納得できない!
 アタシ梨華ちゃんよりは頭イイと思うよ!」
「ひ、ひどい! よっすぃ〜は友達だと思ってたのにっ!」
「あ、いや! 違うよ梨華ちゃん! 誤解だって!
 ・・・でもアタシPVの意味知ってるよ?」
「今はワタシだって知ってるもん!
 じゃあよっすぃ〜今のアメリカ大統領は?」
「ぐっ!! 違う違う! そういう事じゃない!
 ねぇ矢口さん? アタシ、バカじゃないですよね?」

「えっ!? う〜ん、そうだね。どっちかというとアホだね。」
「そうじゃないでしょ!
 うわ〜! も〜! ねぇごっち〜ん?」
「アハッ!知らな〜い!」

孤立無援の吉澤、
かくなる上は暴力に訴えるか、と考え始めた時、

「いや〜、辻ちゃんの方がバカでしょ。」
255 名前:アホ対決 投稿日:2001年08月30日(木)01時59分47秒
安倍からの思わぬ救いの手。
吉澤は「カッケー!カッケー!」と言いながら
安倍の手をガッチリと握り締めた。

「え〜? 安倍さん、ののって頭悪く見えますか〜?」
「ん〜、どうかな? 
 でも収録の時の辻ちゃんはバカばっかしてるからね〜。」
「お! なっちうまいね〜。
 そのダジャレ、カオリ貰っていい?」
「はぁ〜!? バカばっかってトコ?
 カオリ、それダジャレになってないじゃないの!
 あたしの中じゃアンタが一番アホよ?」
「え!? そりゃ無いよ圭ちゃん!
 カオはアホじゃないよ! 一番はやっぱ加護だよ!
 うたばんで紙くず渡されてどうリアクションとれっていうの?」
「えぇ〜? 加護ですかぁ〜?
 でもぉ〜、加護の中ではぁ梨華ちゃんが・・・・・・」

どんどんエンドレスになる討論、
最終的には多数決をとることとなった。


「はい、じゃあ一人一人名前を言うから、
 自分がアホだと思う人に手を挙げてね〜?」
何故か仕切る矢口。

「よっすぃ〜だと思う人〜?」

無言でシャドーボクシングをする吉澤。
凄まじいプレッシャーに誰も手を挙げない。

「辻ちゃんだと思う人〜?」

手に持つ飴玉を指二本で次々と粉々にしていく辻。
『バギャ!バギャ!』という音だけが静かに響く。
無論、誰も手を挙げる者は居ない。

「カオリだと思う人〜?」

「・・・フクロウの話がしたい・・・十回じゃ足りない・・・
 ・・・説教嫌いだよ・・・ホントにね・・・ウフフフ・・・」
薄笑いを浮かべ、ブツブツと呟く飯田。
どこからかハウリング音が聞こえる。
今飯田を見たら一週間後に狂い死にするだろう。
みな飯田から目をそむけ、手を挙げるどころではない。

「加護ちゃんだと思うひと〜?」

カッ!カッ!カッ!カッ!
右手に持つナイフで左手の指の間を次々に刺しまくる加護。
「横浜の三浦さんに教えてもらったんですよぉ〜」と
何故か笑顔でナイフを振るう加護。
ナイフの鈍い光に体の震えが止まらない他のメンバーたち。
手を挙げるものは居ない。


結局その日の晩、石川は枕を涙で濡らした。

256 名前:ハッピーな一日 投稿日:2001年08月31日(金)02時30分26秒
「カントリ〜 ラララ カントリ〜」

楽しげに廊下を歩く石川。
前回は『左遷!?』と心沈ませたカントリーレンタルも
2回目の今では楽しみですらある。

(うふふふふ、今日は気分がいいなぁ。
 なんかいい事があったりして? うふふ!)

あまりにも気分が良かったので『ザ・ピース』の振り付けで
「オー!ほらいっこーぜ!」と叫びながら廊下を進む。

楽屋に到着し、勢いよくドアを開ける。

「おっはよ〜ございま〜す!!」

(え!? なに!?)

中の様子を見て石川は驚愕した。
なんと他のメンバーが全員揃っているのだ。
遅刻常習犯の安倍すら居る。
一番乗りかもしれない、などと考えていた石川にとって
この事態は異常に感じられた。

(これってどういう事だろ?
 それになんで誰も挨拶してくんないんだろ?)
誰も石川の方を向こうとしない楽屋の雰囲気。

(は!! ワタシ時間間違っちゃった!?
 ウソウソ!? 昨日何回も確認したのに!!)
慌ててスケジュール帳を見たり時計を確認する石川。
が、何も間違いは発見できない。

「ねぇ、石川。」

「は! はいっ! なんでしょかっ!?」
飯田に声をかけられ『きをつけ』の状態で答える石川。

「なんで謝らないの?」

「えっ!!!???」
257 名前:ハッピーな一日 投稿日:2001年08月31日(金)02時32分06秒
(な、なにそれ!? ワタ、ワタシ何もしてないよね?)
明らかに動揺し、おろおろする石川。
そして今度は矢口が口を開く。

「そりゃ無いんじゃないの梨華ちゃん?
 そっちがその気ならこっちにも考えがあるよ?」

(えー!? な、なんなのー!?
 ととと、とりあえず謝んなきゃ!!)

「すすす、すいませんでしたっ!!
 石川が悪かったです!! 許してくださいっ!!」
「あー、いいや、謝んなくても。
 アタシ等、許す気無いし。」
非情な言葉を吐く保田。

「あ、あのっ! あのっ!
 わ、ワタシ何しましたっけっ!?」
泣きそうな顔で問いかける石川。

「わかんない? わかんないの?」
ゆらりと立ち上がる吉澤。異様な迫力を感じる。

「いっつもいっつもピンクの服ばっかり着やがって!
 頭ン中もピンクか!? コノヤロウ!!」
「ひっ!」
胸倉を掴まれて怯える石川。
「・・・やめてよぉ・・・よっすぃぃ・・・」
石川は涙声で訴えるが、吉澤はそのまま石川を床に押し倒し、
馬乗りになりながらなおも胸倉を締め上げる。

「・・・やめるからぁ・・・ピンクやめるからぁ・・・」
吉澤の方を向くことも出来ず、
ただ泣きながら謝り続ける石川。

「ちっ!」
石川のその言葉でやっと吉澤は石川を解放する。
258 名前:ハッピーな一日 投稿日:2001年08月31日(金)02時34分29秒
「ヒクッ、ひどいよぉ・・・、なんなのぉ?」
訳もわからず涙の止まらない石川。

と、誰かが石川の肩にそっと手を置いた。
「あっ!」
石川が振り返ると飯田が微笑みを浮かべ自分を見ていた。
(飯田さん、飯田さんっ!)
涙をこぼしながら両手を広げ、飯田に抱きつこうとする石川。
しかし飯田はその石川の両手首を掴み取り、
そのまま引き摺り下ろし、石川を見下ろす。
微笑みを浮かべたまま言った飯田の言葉は

「石川、誰に断わってそんな茶髪にしてんの?」

「え、そんな・・・、飯田さんだって誉めてくれて・・・」
「昔のことは忘れたな・・・。
 明日? そんな先のことはわからない。」
妙にハードボイルドな台詞を吐く飯田だが、
石川の手首を握る力は緩めない。
「イタっ・・・痛いです飯田さん・・・許して・・・ウゥ」
石川の懇願にも耳を貸さない。
「石川、その茶髪にはどんな意味が含まれているの?
 カオリに影響された? それとも裕ちゃん?
 それとも他の誰か? そこ重要なトコだよ?」
「ぅ・・・グスッ・・・飯田さんです・・・」
泣きながらぐずぐずと答える石川。

「なーんで矢口じゃないんだよー!!」
突然割ってはいる矢口。
「なっちの髪だって茶色いべ!!」
負けじと入る安倍。
「アタシも微妙に・・・」
「後藤も学校カンケーなくなって・・・」
「アタシのメッシュは・・・」
「加護もピンク好きです・・・」
「腹減ったー!!」

次々と石川を取り囲んでいく8人。
押し合いへし合いの中で泣きつづける石川。
「・・・うぅ・・・グスッグスッ・・・やめてよぉ・・・
 ひどいよぉ・・・なにも・・・なにもしてないのに・・・」

「ひどいですよぅっっ!!!」
259 名前:ハッピーな一日 投稿日:2001年08月31日(金)02時35分48秒
突然の石川の叫びに皆の動きが止まる。
しかし石川の叫びは止まらない。

「なんなんですか!? ワタシが何しましたか!?
 ピンクの何がいけないんですか!?
 ピンクは目に痛いですか!?
 ピンクはいやらしいですか!?
 そんなの紫大好きの中澤さんの方がいやらしいですよ!!
 茶髪だってそうですよ!!
 飯田さんだってさんざん似合わないって叩かれたのに!!
 実際ダメですよ!! チャーミー認めません!!
 っていうか外人のくせに黒髪のミカを認めません!!
 あと石川は黒い黒いってみんないいますけど
 だからどうしたっていうんですか!?
 それは差別なんじゃないですか!?
 モーニングは白人至上主義ですか!?
 それでミニモニにミカを入れたんですか!?
 ていうかレファ日本語覚えろ!!
 さらに言わしてもらえば・・・・・・」

「ハーイ! ビックリしましたかー!?
 『アイさがドッキリ企画・石川に友達はいるのか?』で〜す!
 レポーターの中澤姐さんやで〜!! ・・・あれ?」


結局ブチ切れた石川の暴走は一日中収まらず、
VTRはお蔵入りとなった。


260 名前:睡眠は大切 投稿日:2001年08月31日(金)02時37分38秒
(んふ〜、ねむ〜)

収録の合間、
どうやら一時間ほど自分の出番は無い、と判断した後藤。
もそもそとおやすみモードに入る。

(はぁ〜、疲れた疲れた)

実際には大して動きも喋りもしてない後藤。
体中の力を抜いて眠る様はまさにぐうたら。
心地よい眠りに落ちていき、
時折ピクッピクッと体を震わせる。

「ホントに後藤はよく寝るね〜。」
「家で寝てないのかな〜?」
「どんな夢見てるんでしょうね〜?」
「なんかお菓子食べる夢じゃない?
 さっきから口モグモグしてるもん。」

保田の言う通り、後藤の口は
何かを食べている様にモグモグと動いている。

「キャハハハ! ホントだー!
 なんか食ってるー!」
「あー、なんかののもお腹空いた・・・」
「コラ、辻。 ちょっとは我慢しなさい。
 ヤバいぞ〜? この腹は!」
「くふー! やめてくらさい! つままないれくらさい!」
「カオリ!うるさいよ!
 あんたまで一緒になって騒いでどうすんの!」
「うう・・・ゴメンね、圭ちゃん・・・」
「すいません・・・やすらさん・・・」
261 名前:睡眠は大切 投稿日:2001年08月31日(金)02時40分04秒
皆、結構大きな声で騒いでいるにも関わらず、
後藤に動じる様子は全くない。

「後藤はこんな中でよく寝れるね〜、
 うるさくないのかね〜?」
「すごいですよね〜、ごっちんは。
 石川なんてとても眠れないですよ。」
「あ〜、梨華ちゃんそこら辺神経質そうだもんね、
 部屋とか汚いけど。」
「へ、部屋は関係ないですよ!
 ヒドイですよ! 石川は矢口さんを尊敬して・・・」
「ま〜た、心にも無い事言ってるべさ、
 ホント梨華ちゃんは口ばっかりだから。」
「そ、そんな安倍さん! ヒドイです!
 石川は安倍さんにあこがれてモーニング娘。に・・・」
「カオリは?」
「え!?」
「石川はこのタンポポ編集部編集長のことは
 どう誉めてくれるの?」
「あ、あの・・・」
「アタシは?」
「あぅ・・・」
「アンタの教育係であるアタシの立場は?」
「はぅぁ・・・」

日ごろ持ち上げている先輩連中全員に囲まれ
顔面蒼白青息吐息の石川。

「み、皆さん尊敬してますっ!
 いしかっ・・・石川は皆さんに生かされていますっ!」
ガチンコ今泉さん並みに演技がかった台詞回しをする石川。
もう少しで『私は皆さんの犬ですっ!』と言い出しそうだ
262 名前:睡眠は大切 投稿日:2001年08月31日(金)02時41分40秒
(あ〜、いいなぁ〜梨華ちゃんは。
 みんなに構ってもらえるもんなぁ〜。)
密かに羨ましがる吉澤。
ぼんやり辻加護の相手をしながら考える。
(梨華ちゃんは弱弱しさを前面に出してる。
 アタシはカッケー男前キャラ。
 この頃は笑いをとる事を心がけてるけど・・・
 絡みづらいのかなぁ?
 アタシと矢口さんの絡みって少ない気が・・・
 うむむむむ・・・・!!)

「矢口さんっ!!」

「ハイッ!! ・・・え? 何?」
「アタシと絡んでください!!」
「え? いやぁそんな・・・ねぇ?(ポッ)」
「ハァ!? 矢口さんがボケてどうすんですか!?
 吉澤ボケるんで突っ込んでくださいYO−!」
「(なんだそっちか・・・)は〜い、わっかりました〜!」
「違うでしょ〜! 矢口さん!
 今の『くださいYO−』の『よー』は
 『要チェケラッチョ」の『YO−』なんですからっ!
 そこ突っ込んでくださいよ!!」
「(わかりずれーー!!)
 ああ・・・ごめんねよっすぃ〜・・・YO−かよっ・・・」
「まんまじゃないですかっ!!
 もっとこう・・・なんて言うんですか?・・・ピーターっぽく!」
「(へ!? ピーター? オカマの?)
 ううう・・・あううううぅぅぅぅ・・・(超絡みづれーー!!)」

矢口が吉澤無間地獄にはまっている頃、
石川は小銭を隠し持っていないかジャンプさせられていた。
263 名前:睡眠は大切 投稿日:2001年08月31日(金)02時43分17秒
「ん〜、後藤さんはホントよく寝れるね。」
「そだね〜、もうののだったらうるさい!って怒って起きるよ。」
「そうだよねぇ〜・・・実は起きてるとか?」
そう言って後藤の頬を指でつつく加護。
が、後藤は一向に構う様子は無い。
「熟睡だ。」
「じゅくすいだね。」
「これでもか〜?」
両手で後藤の頬を寄せあげ、ブルドック顔を作る加護。
それでも後藤は寝つづける。
「ウフフフ!」
「えへヘヘヘ!」
楽しそうに後藤で遊ぶ子供達。

その頃吉澤は世界のレイコと化し、
矢口を極寒地獄にいざなっていた。
石川は窓から投げ捨てられた自分の靴を拾いにいっていた。


「ん、んあ〜!」

大きなあくびと共に目覚める後藤。
気付くと加護と辻が自分の両手足を木の枝にくくり付け、
「大漁だ!大漁だ!」とはしゃいで担ぎ上げていた。

「なにしてんの?」
「「ヒィッ!!」」

とりあえず辻加護をぶちのめし、
首をコキコキと鳴らしながら周りを見渡す。


先輩たちにパラシュート部隊攻撃をされながら
「・・・チャ・・・チャーミーを・・・殺さないで・・・」と
うわ言のように繰り返す石川。

「わしゃ〜ツッコミとは気合いじゃと
 ・・・よしこさん、飯はまだかの?」と
源爺キャラで魂の抜けきった矢口に説教を繰り返す吉澤。

「ねぇ〜? 加護ちゃん。
 あの人たちどうしたの?」
「・・・知らんくていい事もありますよ。」
「・・・そうれす。・・・すいみんはたいせつれす。」


264 名前:吉澤vs新メン 投稿日:2001年08月31日(金)02時46分03秒
いよいよ新メンバーとご対面か〜
4人いるんだよね〜
まあ最初が肝心だからな〜
生意気そうな奴がいたらガツンとやってやる!
そうでなくてもガツンとやる!
アタシの体育会系の血が騒ぐぜ〜

アタシ以外のモーニングのメンバーは甘いからな〜
アタシが入った頃は中澤さんが居たからな〜
フッフッフ、今はアタシが!
新人どもに教え込んでやるよ!
上下カンケーって奴を!!
心と心のコミュニケーションは
アタシのこの熱く燃える拳さッ!!

さあ!ご対面だ!!
あ〜も〜梨華ちゃん!?
なに黒い顔青白くさせてんのっ!
そんなんじゃなめられちゃうでしょッ!
とりあえずケツ叩いとこっ
でぃりゃっ!!
アハハ、梨華ちゃんのリアクションはいつ見てもおもしれー!
ケツ抑えてビクッビクッてしてるYO−!
アハハ、ちょっと蹴っちゃえ!
あー飯田さんの後ろに隠れちゃった
ちぇっ
まあイイや、いい準備運動になったし
ヨーシ! やってやんぞ新メン!!
265 名前:吉澤vs新メン 投稿日:2001年08月31日(金)02時48分04秒
おっ!! 来たッ!!
なんだー? ホントに子供ばっかだなー?
みんな中学生か〜 ガキめっ!!

お〜、あいさつは元気イイね〜
でもあいさつだけ、じゃぁね〜?
手土産の一つでも持ってきなってーの!
あ!? なんだいこの保田二世は? 名前しらねー!
あ!? なに!? よろしくお願いします?
あーヨロシクしてやるよ!
アントンばりの気合い注入ビンタだコノヤロッ!!
パンッ!!

ン!? なんですかお圭さん?飯田さん?
あー! みんなしてなにー!?
あたしなんも悪い事してないじゃーん!!

あ〜あ、隅っこに追いやられちゃった・・・
アタシが何したってんだ・・・
あ〜・・・新メン二人目は〜?・・・
ぷっ! 訛ってる・・・安倍二世だ・・・
つうかあの暗さは梨華ちゃん二世か?
う〜! いじりて〜! つうかちょっかい出して〜!
よしっ!!

そりゃあっ!!
なんだぁ? 肩組んだだけで何震えてんのこの子?
もしかしてよしこに惚れたか〜?
梨華ちゃん二世なだけに〜?
耳でも噛んじゃうか〜?

あ!? またですかお圭さん?飯田さん?
あー! ごっちんまでー!?
アタシはただ上下カンケーを〜!!
266 名前:吉澤vs新メン 投稿日:2001年08月31日(金)02時49分25秒
あ〜あ、廊下に出されちゃった・・・
福井県訛りか〜・・・つうか福井ってどこ?・・・
あ! そういや三人目!
いいや、ドアの隙間から・・・
うわ〜・・・電波っぽ〜い!
飯田さんと同じ眼してる〜!
は!! つまりアタシとの危ないトークが可能って事!?
今後の絡みも考えて予行演習しなきゃ!
それがあの子の為にもなるし!!
よしっ!!

せいりゃっ!!
今晩十時、部屋で待ってるよ。これ、部屋のカギ。
今夜は眠らせないよ・・・うへヘヘヘ!!

あ!? あ!? なに!? なんだよ!?
吉澤はあの電波野郎の為を思ってですねー・・・
いてっ・・・なにを・・・うひょーー!

あ〜、いって〜・・・ちきしょ・・・くそがっ!
なんだここ? ロッカー?
ロッカーに閉じ込められた?
な〜んでよっ!! アタシャあの子たちの事を考え・・・
アタシャね〜・・・アタシャね〜・・・
ん〜、自分では似てると思うな〜ミッチーの物真似
いやいやそれより新メン最後の一人は?・・・・・・
うわ〜・・・超子供・・・絡みづらそ〜・・・

・・・あ〜・・・あの子にしたら〜・・・
アタシ達って生で見る芸能人って事なんだろうな〜
他の三人もそうだろな〜・・・

てかアタシ達もそうだったっけな〜・・・
アタシ最初は嬉しいって気持ちが強すぎて
矢口さんとか先輩たちの言うことが頭に入んなかったな〜

そう・・・そうだよね・・・
最初からいきなりモーニング娘。をするって事の大変さは
アタシたち四次メンが一番知ってるはずだよね

うんっ!!
どれだけ力になれるのかわかんないけど
アタシの経験を全てあの子たちに伝えよう!
それでみんなで一丸となろう!
それが先輩としてのアタシの義務だ!

よーし!!
267 名前:吉澤vs新メン 投稿日:2001年08月31日(金)02時50分51秒
ガチャ
「あの〜・・・」

「また出たッ!!」
「カオリそっち持って!!」
「この袋に詰めちゃいましょう!!」
「うわっ!暴れんなよしこっ!!」
「この人いつもこんななんですかっ!?」
「まぁけっこうね・・・」
「よしっ!!ぎっちり縛ったよ!」
「捨ててこい! どっか遠くへ!!
 風よりも速く走れ!!」

吉澤を詰めた袋を抱え去る辻加護。
後に残った十人の娘。達はホッとため息をついた。
疲れと共に、一仕事終えた!という充実感もある。
リーダーの飯田が口を開く。

「なんか、みんなが一丸となった感じがしたね!
 これからのモーニング娘。も大丈夫だ!!」

笑顔に包まれる少女達。
その頃吉澤は辻加護によって隅田川に放りこまれていた。


268 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月31日(金)05時24分04秒
よっすぃー・・・アンタって娘は・・・
269 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月01日(土)19時01分36秒
てか、福井訛りの子マジでよしこに惚れてしまいそうなタイプ
270 名前:最後のご挨拶 投稿日:2001年09月03日(月)17時29分19秒
@ノハ@
( ‘д‘ )< このスレ200k越えてますよぉ?

( ´D`)< そりゃーヤバいね〜

(0^〜^0)< 何でもぶっ壊しますよ!

(〜^◇^)< うわ〜!やめろよっすぃ〜!

川 `〜`」||< じゃ、終わっときますか

( `.∀´)< 板に負担かけないようにね!

( ´ Д `)< つうかもうネタ無いしね

(;^▽^)< ま、またどこかの廃スレで会いましょう! チャオ〜!


271 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月04日(火)00時17分39秒
え!終わるんすか!?残念・・・
また書くんならこのスレに移転先載せてください。
272 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月06日(木)00時10分53秒
あげ
273 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月31日(水)18時05分01秒
さらにあげ

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