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やぐちゅーです。
- 1 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月06日(金)19時25分57秒
- 通称ゆゆいつ(希望)
ゆっくりペースで長めな話になりそうです。
- 2 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時27分08秒
- これで、お別れじゃない、って分かってる。
でも、大阪城の、最後の夜のステージで「矢口、これまでありがとな」って抱きし
められたときは、涙が止まらなかった。
「今日でお別れじゃないんだよ」
「今日でお別れやないな」
裕ちゃんも泣いていた。
みんな、泣いていた。
抱き合って、わんわん泣いた。
- 3 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時28分22秒
- 「これからも、ずっと一緒じゃない」
「これからも、ずっと一緒やな」
鳴り止まない、拍手、拍手、拍手……
(やめてよ)
叫びたかった。
涙で、声が出なかった。
(みんな、やめて! これからも、なにも変わらないんだから。明日からも、また、
ずっとおんなじ毎日が続くんだから)
そのときは、そう信じていた。
裕ちゃんが、あんなことになってしまうなんて、夢にも思わなかったんだ。
- 4 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時29分33秒
- 『元モーニング娘。の 中澤裕子、失踪!』
そのニュースを、私は、移動中のロケバスの中で聞いた。マネージャーさんが、
何度も携帯で聞き直していたんで、タンポポのメンバー全員が、押し黙ってしまった。
「ねえ、今のなんですか? 中澤さんが、どうしたんですか?」
最初に、マネージャーさんに強い口調で突っかかっていったのは、梨華ちゃんだった。
私は、言葉が出なかった。
自分をぎゅっ、と抱きしめていた。
全身が、ガタガタと震えだした。
- 5 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時30分45秒
- (きっと、私の聞き間違い。おととい、ハロモニの収録で裕ちゃんと会ったもの。
久しぶりに、ぎゅうっ、ってしてもらったもの)
(昨日だって、電話したんだから。元気そうだったんだから)
「中澤裕子さんが、行方不明らしくて……」
頼りなげなマネージャーさんの声に、怒りが爆発した。
「行方不明ってなによ!? 裕ちゃんが、雪山ででも遭難したっていうの?
裕ちゃんが乗った船が沈没したとか? らしい、ってなに? 適当なことをねえ――」
「落ち着きな、矢口、落ち着きなって」
圭織が、私を抱きしめようとした。私は、触るなあっ、って叫んで暴れた。私を抱き
しめていいのは、裕ちゃんだけだ。私に触れていいのは、裕ちゃんだけなんだ。
もう、こんな気持ちのままでは、ラジオの収録なんて出来なかった。
- 6 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時31分20秒
- スタジオで、私たちは、断片的に入ってくる情報を、祈るような気持ちで聞いていた。
そのあとのことは、夢の中の出来事のようにしか、覚えていない。
(中澤さんは、車で、高速道路を使っての移動中だった)
(スタッフの車も、一緒に走っていた)
(山を越える、カーブの多い道で、その日は、霧が深かった)
どれが本当で、どれが間違った話なのか、分からない。
- 7 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時32分10秒
- (中澤さんの車の後ろから、スタッフはついていった。霧の中で、中澤さんの車を
見失った)
(次のサービスエリアで落ち合うように云っていたので、そのまま向かった)
(サービスエリアに、中澤さんの車はなかった)
(そのまま、中澤さんはいなくなってしまった)
(JTに確認したところ、中澤さんの車が高速から降りた記録はない)
(中澤さんの携帯電話にも連絡がつかない)
私は、まどろっこしいマネージャーさんの報告を、我慢強く聞いていた。
- 8 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時32分50秒
- もう、夜中の三時だった。
「で、結局、どうなのよ。圭織、分かんないよ」
ヒステリックに叫んだ圭織の言葉を受けて、スタッフの一人が、投げやりな口調で、
云った。
「崖にでも落ちたのかなあ」
私は、すっ、と血の気が引いていくのを感じた。
そのまま、気を失った。
- 9 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時34分01秒
- 一ヶ月が過ぎた。
私は毎晩、あの最後の電話の夢を見た。
『やぐちぃ〜、うち、さみしいわ。会いに来てやぁ』
『なに云ってるのよ。私は明日、ラジオの収録があるんだから。裕ちゃんだって、
仕事あるって云ってたじゃない』
会いに行けば良かった。
会いに行かないで、私は、寝てしまったんだ。
私は、夢を見るたび、百万回後悔して、百万回裕ちゃんの名まえを呼んで、
百万回、泣いた。
『一日に一回は矢口を抱きしめんと調子でんのや』
『私はいやだよ。裕ちゃん、最近、抱きしめ方いやらしいんだから。もう切るね』
嫌だ、なんて云わなければ良かった。
それが、裕ちゃんと交わした最後の言葉だなんて、ヒドすぎる。
- 10 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時35分06秒
- 夢は、最後に裕ちゃんと会ったシーンに戻る。
ハロプロで、ラストフレーズを歌っちゃダメのコーナーで、裕ちゃんにだーん、
って突き飛ばされて、戻って来ざまに、裕ちゃんにぎゅうっ、ってされた。
私は、いやー、って、裕ちゃんの身体の間に手を入れて、押し返してしまった。
あのとき、私も抱きしめ返せばよかった。
抱きしめて、離さなければ良かったんだ。
ずっとずっと、裕ちゃんにくっついていれば、裕ちゃんと一緒にいられたんだ。
- 11 名前:プロローグ1 投稿日:2001年04月06日(金)19時35分40秒
- 長い一日が、今日も終わった。
仕事で疲れた身体を、ベッドに横たえる。
さあ、残酷な夢を見よう。
そして、裕ちゃんに会おう。
お医者さんに処方してもらった睡眠薬を飲む。
意識が、すとん、と落ちていく。
夢の中で、私の携帯が鳴り始める……
- 12 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月06日(金)19時36分20秒
- 次回に続きます。宜しくお願いします。
- 13 名前:KEI 投稿日:2001年04月06日(金)20時27分00秒
- いきなり大事件発生ですか。
矢口にとって入ってもたってもいられないんでは・・・。
これは、また眠れない夜が続きそう。
cosmicbabyさんこれからもがんばって下さい
- 14 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時16分13秒
- とある新聞社の、芸能記事のデスクである。
夕方だ。電話で話す記者の声や、つけっぱなしのテレビやラジオ、罵声やなんや
かんやが入り交じり、うわーん、といううなり声となって、部屋を包み込んでいた。
「おい、富田。モーニング娘。増員の記事出来たか? あの、12才の女の子が、って奴」
煙草の煙の向こうで、キーボードを叩いていた男に怒鳴る。
「はい、あの、出来ましたけど……」
首を傾げながら、富田は答える。
よし、見せてみろ、とデスクは記事のゲラに目を通す。
- 15 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時17分19秒
- 「なんだこりゃ? おい、いくらなんでも、これはないだろう。こんな記事、紙面に
載せられるかよ」
「でも、事務所にも確認とったんです。向こうでも、あちこちから確認の電話がかかって
きて、てんやわんやだそうです」
……つまり、こいつは、メンバーの親戚縁者だ、ってことか? と、デスクはつぶやく。
記者の富田が、訳知り顔で言う。
「元々、ミュージカルの新人が、増員される、って噂だったんですよね。そりゃあ、
あんな事件があった後だし、同情も集まるでしょうけど、なんか、このやり方って、
露骨すぎてイヤだな……」
こんな記事載せたら、ウチの電話回線もパンクしちまうぜ、とデスクはボヤいた。
- 16 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時18分25秒
- ……
- 17 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時19分10秒
- 増員メンバーが決まった、って話を聞いても、もう私は何も感じなかった。
娘。でいること自体に、喜びを見いだせなくなっていたから。
私は、どれだけ裕ちゃんに依存してしまっていたのか、と改めて思う。もう、モーニング娘。
なんてどうでもいいんだ。
「あーあ。私も、脱退ちゃおうかなあ」
私は、自分の部屋で、ベッドに横になった。
睡眠薬の錠剤を手にとり、先に水を飲む。
ぐっ、とあおろうとして、
ぴんぽーん
部屋のチャイムが鳴った。
(なんだよ、こんな夜中に)
- 18 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時19分50秒
- 無視して、薬を口に含んで、
ぴんぽぴんぽぴんぽぴんぽぴん
チャイムの連打。
ぽーん
がくっ、とコケた。
って、私は、飲み込みかけた睡眠薬を吹き出した。
この無茶なチャイムの鳴らし方って、
私は、玄関に向かって走った。
今、この瞬間は、夢じゃないよね? って、自分に何度も確認した。
- 19 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時20分21秒
- 玄関のチェーンを忙しく外す。
何度も指が滑って、私は癇癪を起こしそうになった。
(夢なら、夢なら覚めないで!)
ガチャガチャと、外に誰がいるのか確認もしないで勢いよく開けた。
(よお、矢口。久しぶりやな)
裕ちゃんの声を聞いたような気がした。
そこに、裕ちゃんはいなかった。
小さな、女の子が、立っているだけだった。
- 20 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時21分34秒
- 「あ……あ……」
ダメだ。
どうして、私のマンションに、女の子が訪ねてきたのかは分からない。
ただ、どうしようもなくて、私は、しゃがみ込んで、泣いてしまった。
だって、信じてはいなかったけど、裕ちゃんが帰ってきたのか、って思っちゃったから。
私は、長い間、泣いていた。
女の子は、ずっと、私が泣きやむのを待っていてくれたようだった。
私が、ひっく、ひっく、と鼻をすすってると、そろそろたまりかねたように、私に
話しかけてきた。
- 21 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時22分29秒
- 「あの、こんな夜遅くにすみません。今度、モーニング娘。に増員することになった者です」
わざわざ、挨拶に来たのだろうか、とぼんやり彼女を眺めながら思う。この時、まだ、
頭が痺れたようになっていて、事態のおかしさには気づいていなかった。
「ふうん。そうなんだ。まあ、いろいろと大変だろうけど、頑張ってよね」
(この子、何歳くらいだろう。加護辻と同じくらいか……もっと若いのかも知れない。
身長は、私よりも低いよね。ミニモニも増員なのかな?)
「あんた、名前はなんていうの?」
「なかざわゆうこ、12才です」
- 22 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時23分18秒
- はあ? と思った。一瞬、頭に血が昇ってカッとなった。
冗談で済まされる話じゃない。でも、よく見ると、どことなく彼女の顔は、裕ちゃん
の面影があった。裕ちゃんの親戚の女の子で……同じ名前だったんだろうか。
イヤだな、と思った。こんな形で、話題を集めたくなかった。この子のせいじゃない
んだけど、この子が嫌いになりそうだった。
と、いきなり、その女の子は、しゃがみ込んだままの私の頭に飛びついてきた。
- 23 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時24分03秒
- 「わあああっ、なんなのよアンタ一体ッ!」
「くわああ、もう演技してるん疲れたわ。こら、矢口、あんた、ちょびっと若返った
くらいで、愛しの裕ちゃんのこと忘れたんか? なんや、そのお姉さんみたいな反応は。
罰としてチューしたる」
えっ?
ええっ?
硬直している間に、うちゅー、と、キスされてしまった。私は、正気に戻った。
- 24 名前:プロローグ2 投稿日:2001年04月07日(土)01時24分37秒
- 「な、なによ、裕ちゃんが、ええ? なに? なんだって??」
「中澤裕子、12才、140cm。リフレッシュして、モーニング娘。に帰って
来たでえ!」
ちっちゃな身体で、ニヤリと笑い、その女の子はバリバリの関西弁で言った。
- 25 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月07日(土)01時25分41秒
- プロローグ終わり。
ここで、題名発表します。
「ゆゆたんといっしょ!」(通称ゆゆいつ)です。
これからもよろしく。
- 26 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月07日(土)01時26分15秒
- そんな訳で御免なさい。
ネタばれあげです。
- 27 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月07日(土)01時26分57秒
- いや、最後の辺りがすっごいネタバレなんで。
- 28 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月07日(土)01時27分53秒
- どうしようか。自己紹介します。
cosmicbabyといいます。
このハンドルでは初めましてです。(名作集では)
- 29 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月07日(土)01時28分37秒
- 2ちゃんで、亜依ちゃんと私、まきちゃんとわたし、ってハナシを書いてました。
- 30 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月07日(土)01時29分07秒
- これくらいでいいかな?
- 31 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月07日(土)01時30分02秒
- 荒らしめいてスミマセン。
- 32 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月07日(土)01時30分53秒
- では、今度の更新は、いきなりですけど、一週間くらい空きそうです。
(裕ちゃんの娘。ラスト公演行くし)
今後とも、ゆゆいつをどうかご贔屓に!
- 33 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月07日(土)03時10分06秒
- 読みながら、泣きそうになってたんですが…
亜依ちゃんと私、まきちゃんとわたし
読んでました。こちらで書き始めるんですね。
楽しみにしているので、がんばってください。
- 34 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月07日(土)03時14分52秒
- あっ、レスする人
ネタバレしないようにね。
- 35 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月08日(日)00時35分33秒
- 過去ログ探せば見れるんだろうけど
あえて見ないで耐えるんで
頑張ってくださいね
- 36 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月09日(月)06時07分32秒
- おお、cosmicbabyさんの新作だ。(嬉)
もちろん、ひいきにしますとも。
"このハンドルでは"って? もしや別ハンで?
それはともかく、期待して待ってます。
- 37 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月09日(月)19時36分22秒
- 応援のお言葉、ありがとうございます!
……別ハンで、書いてました。名作集に(笑)
なんか、続きちょびっと書いたんで、短いですけど、更新します。
- 38 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月09日(月)19時38分02秒
- 月初めの打ち合わせの為に、私たちモーニング娘。のメンバー全員は、事務所の
会議室に集合していた。
今月は、特に、娘。の増員、っていうビッグなイベントがあるんで、いつもより
スタッフさんも多い。
始まるまで、あと十分くらいある。
(ふぁー)
私は、何度目かのあくびをかみころした。
「やぐっちゃーん、おはよー。どうしたの? すっごく眠そうだよー」
朝から脳天気なごっちんが、後ろから抱きついてきた。背中に当たる胸のボリューム
にチキショー!って思う。
- 39 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月09日(月)19時39分17秒
- (昨日は、眠らせてくれなかったからなあ)
昨晩、いきなり私のマンションに飛び込んできたチビッコ裕ちゃんは、加護辻に
負けないハイテンションの持ち主と化していた。小さくなった時から、ずっとやり
たくて仕方なかった、と、ベッドに入った私の上にずどん、とのっかってきた。
(なあ、やろー。やぐちぃー、やろーよー)と身体をこすりつけてくる。
一人でやってろよ! と怒鳴りたかったけど……やっぱりね、裕ちゃんが帰って
来てくれて、嬉しかったのもあったし、その……かわいいんだ。丸くなった顔も、
私よりも小さな体温の高い身体も、ばたばた手を振るしぐさも、ぷにぷにでいい
匂いのするほっぺも、冷たくて柔らかい髪も、とろけそうになるくらい、すっごく。
ぜんぶ、ぜーんぶ!
- 40 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月09日(月)19時40分15秒
- なんで、結局、朝まで、二人とも息切らして汗だくになっちゃって……ははは、
今日は寝不足なんだよね。
(こうか? こうやろ?)
(……もっと、足をぐっ、と)
(そんな、恥ずかしいやん。……痛い、痛いてやぐち)
(そんなブスな顔しちゃダメ)
(ここで、ぐるっ、とやな)
(そうそう、裕ちゃん上手だよ)
朝日を見る頃には、裕ちゃんは、ジャンケンぴょんの振り付けをすっかりマスター
してしまった。ミニモニに入る準備は万端だ。
- 41 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月09日(月)19時41分27秒
- 「ねえ、新しいメンバーって、あたし知らないんだ。どんな子なんだろねえ」
ごっちんが、しみじみと云う。
今日、増員メンバー(裕ちゃんのことなんだけどね)とスタッフさん一同との
初顔合わせがある。
……裕ちゃんがチビッコくなっちゃったのは、どうやらみんなには秘密にしておく
らしい。つんくさんや、事務所の社長と話しして、そう決めたそうだ。
(私だって、今でも本当は信じられないくらいだからね。急に若返っちゃってさ。
昨日、一晩つき合って、やっとあの裕ちゃんだ、って自分を納得させたくらいだし)
「ええと、それでは、今度、新しくモーニング娘。に増員することになったメンバー
を紹介します」
マネージャーさんが、声を張り上げる。扉の向こうに待機しているのだろう、
入ってきて、と、ドアを開けて、裕ちゃんを促した。
- 42 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月09日(月)19時42分12秒
- とてとて、と、チビッコ裕ちゃんが入ってくる。
ざわ、と、娘。メンバーやスタッフさんたちがざわめいた。
髪は白に近い金髪で、いっちょ前に、青のカラコンを入れている。それは、どうしても、
みんなの脳裏に、一ヶ月前に行方不明になったリーダーを想起させたようだ。
裕ちゃんは、キョロキョロと、不安そうに視線をさまよわせ、私を見つけ、にへら、
と笑った。私は、場所が場所にも関わらず、溶けそうになった。
- 43 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月09日(月)19時42分55秒
- 「ええと、私、中澤さんのしんせきで、どうせいどうめいです。中澤ゆうこと言い
ます。モーニング娘。に入れてうれしいです」
裕ちゃんは、しっかりと云えた。(中身は裕ちゃんなんだから、当然なんだけど)
会議室は、しーん、となった。
みんなは、このちっちゃな裕ちゃんを認めてくれるのだろうか。
私は、祈るような気持ちで、ことの成り行きを見守っていた。
- 44 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月09日(月)19時43分42秒
- (続く)
- 45 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月09日(月)21時07分51秒
- いやーまじでおもしれーっす。
これからも期待してます。がんばってください。
- 46 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月09日(月)21時22分25秒
- あーよかった。
さあ、これからこれから。
- 47 名前:ま〜 投稿日:2001年04月09日(月)22時49分27秒
- おお。面白そう!
最初読み始めたときはどうなるかと思ったが・・。
まさか中澤が小さくなってるとは・・。
- 48 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月18日(水)06時18分39秒
- おおお!!!!cosmicbabyさんっ、ここで新作出されていたとは!(号泣)
設定もいいっすね。更新楽しみにしてます♪
でも別ハンに気が付かなかった自分がちょっと鬱…。
- 49 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月18日(水)20時00分59秒
- 矢口「裕ちゃんに出会えて、本当に良かった」
ああ……感涙の大阪城ホールでした♪
別ハンは、ある意味、絶対分からないと思いますよ!!
それでは、続きです。
- 50 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時05分25秒
- しん、と静まり返ったままの会議室。
私の方が、ドキドキしてきたよ。
裕ちゃんは、本当はすっごく気が小さくて、緊張屋さんのビビリ屋さんだから……ここは、私がフォローを入れるべき――
がたん、と席を立ったのはリーダー圭織だった。
つかつかと、裕ちゃんに歩み寄る。
どこか怯えた表情で、圭織を見上げる裕ちゃん。
(今の裕ちゃんにしてみたら、圭織なんてもう、巨人みたいに見えるんじゃないかな?)
圭織は、裕ちゃんを見下ろし、
破顔した。
- 51 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時06分29秒
- 「かっわいい! 裕ちゃんソックリなのに、可愛い」
ひょい、と裕ちゃんを抱きかかえた。
(ソックリなのに?)と、声に出さず、口だけでその言葉を反すうし、軽く眉間にシワを寄せつつ、まだ、緊張気味の裕ちゃん。
圭織は、
「なかざわゆうこちゃんで〜す、これからよろしくね〜」
と、裕ちゃんをみんなに向けて振り回しながら、云った。
……リーダー圭織は、どうやら裕ちゃんを気に入ったらしい。まあ、元々、中身の裕ちゃんとは長いつき合いなんだし、なにか通じ合うものがあったんだろう。
場の緊張はほぐれた。
- 52 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時07分39秒
- そうなると、飛び出して来るのはチビッコ二人組だ。
「ゆうちゃん、ゆうちゃん」
「こらー、ゆうこ〜、なんてな〜」
抱きかかえている圭織の側で、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる。
圭織の腕の中で、裕ちゃんは『なんやこいつら』みたいなあきれた表情をしていた。
私は、裕ちゃんの視界に入るように手をバタバタさせ(スマイルスマイル!)と
ジェスチャーで合図した。
裕ちゃんは(はっ、いかんいかん)とでもいう風に目を大きく開き、急に無邪気な
笑顔を取り繕った。
- 53 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時08分53秒
- 「でもさあ、私、その子のこと、裕ちゃん、って呼ぶの、抵抗あるんだよね」
圭ちゃんだ。
圭ちゃんは、密かに裕ちゃんのこと大好きだったからなあ。唯一、娘。時代に、
裕ちゃんとキスしてない、って悔しがってたし。
はいはい、と加護が手をあげる。
「加護にいいアイデアがあります」
みんな、なんとなく聞く体勢になる。
「なかざわゆうこ、略して、ゲンゴロウ、っていうのはどおでしょう」
自分で云って、自分でウケている加護。
まただよ、と、もう誰も相手にしない。
ちゃんと考えなさいよお、と、ごっちんにツッコミを入れられている。
- 54 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時09分37秒
- 「辻もお、いま、かんがえました」
なになに、と、圭織が、辻に向き直る。
抱っこされている裕ちゃんも、一緒になって、辻を見ている。
「ゆゆたんです」
みな、黙りこくった。
その言葉の響きと、目の前の裕ちゃんを見比べているかのようだった。
(ゆゆたん〜?)
私は、笑いの発作をこらえるのに四苦八苦していた。
裕ちゃんが、裕ちゃんが、ゆゆたん?
「いいじゃん。これからはよろしくね、ゆゆたん」
なっちが、片手を口元にあてて、くすくす笑いながら、裕ちゃんの頭を撫でた。
- 55 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時10分46秒
- さすがなっち。圭織と同じで、中身が裕ちゃんと同じだ、ってことを、本能的に察して
いるのかも知れない。だって、増員メンバーに、ここまでフレンドリーなのって異例
だもの。
なっちは、いやあ、かわいいねえ、と、裕ちゃんのぷにぷにのほっぺにチュッって
やった。
途端に、裕ちゃんは、ぼんっ、って感じで、顔を真っ赤にした。ちっちゃな口元を
一文字に引き結んで、くりくりな目を、下に向けた。
あれえ、照れちゃったの? となっちが裕ちゃんの顔を覗き込む。裕ちゃんは、下を
向いたまま、なっちと視線を合わせようとはしなかった。
- 56 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時12分01秒
- 顔見せが終わり、各自休憩となった。
裕ちゃんは、特に、お姉さんチームに人気だった。圭織、なっち、圭ちゃんに囲まれ、
きょろきょろと皆の顔を見上げている。
(これじゃあ、裕ちゃんとこっそり話することも出来ないよ)
事情を知っているマネージャーさんに頼んで、裕ちゃんと二人っきりになれるよう、
手配してもらった。
開いている楽屋を一つ、提供してもらう。
「あー、矢口さん、ゆゆたん独り占めにする気だー」
新しいおもちゃを見つけた二人は、早速、裕ちゃんと遊びたくてうずうずしている
ようだった。
- 57 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時12分44秒
- 「ふわあ、緊張したでー」
楽屋の扉を閉め、完全に二人だけになれたことを確認し、裕ちゃんは地を出して、
ごろりと寝転がった。
「こうして下から見てるとやな、メンバーのみんな、でっかいなあ。圭織とか、
圭坊とか、なんか怖かったで」
あぐらをかいて、あ、矢口、冷たいお茶入れて、とか云いながら、1人でリラックス
モードに入っている。
私は冷蔵庫から、飲茶楼のペットボトルを取り出し、グラスに注ぎながら、
「裕ちゃんさあ、なっちのチューで赤くなってたね」
と云うと、それやねん、と、裕ちゃんは身体を起こした。
- 58 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時14分33秒
- 「ほっぺにチューで、なんでこんなに赤くなるんやろうなあ。なんか、精神年齢も、
12才になってきたんか? とか思うたわ」
「ふーん。昨日は裕ちゃんの方からキスして来たのにねえ」
裕ちゃんは、うーん、と唸りながら、顔を赤くしていた。
もしかしたら、昨日は、テンションがあがっていたせいで、昔の裕ちゃんのように振る
舞えたけど、実際には、感性的なものも12才になっているのかも知れない。
私は、にひひ、と笑いながら、
「じゃあさ、今、キスしようか」
と、舌なめずりの演技をしながら、いやらしく云った。
ずい、と身を乗り出すと、ちょい、ちょい待ち、と裕ちゃんは後ずさりして云った。
やっぱ、顔が真っ赤になっている。
- 59 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時15分40秒
- (マジで、純情裕ちゃんなのかな? これまでの仕返しのチャンス?)
逃がさないよ〜、と、四つん這いで、ずんずん裕ちゃんに迫る。
裕ちゃんは、ついに壁まで追いつめられ、落ち着け、矢口落ち着けって、と両手で
私の身体を必死で押し返しながら云う。
「くくくく。ゆゆたんの唇、いただいちゃおうかなあ」
12才の腕力は弱い。
私は、裕ちゃんの両手首をつかみ、ぐい、と開いた。
もうあきらめな、と囁く。
「やだやだ、矢口ぃ、やめて、こんなんいややて」
ぶんぶん首を振って、足をジタバタさせ、必死のていであらがっている。
なんか、嫌がる裕ちゃんに無理矢理、っていうシチュエーションは、ちょびっと
ドキドキだ。妙な気分になってきた。
- 60 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時16分27秒
- いよいよ、その小さくて柔らかそうな唇に……
と、思った瞬間、びーっ、と裕ちゃんが泣き出した。
私はビックリして、固まってしまった。
ゆ……裕ちゃんが……泣いてる?
キスされようとしたから?
(そういえば、紗耶香も、裕ちゃんにファーストキス奪われて泣いたんだよね)
混乱したせいか、全然関係ないことを思いだしていた。
「なに、なにどうしたのっ」
裕ちゃんの泣き声を聞いて、楽屋に飛び込んで来たのは、圭織だ。
「矢口、あんた何してるのよっ!」
はっ!
その時になって、ようやく自分の体勢に気づいた。
- 61 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時17分27秒
- ちっちゃな裕ちゃんの両手首をつかみ、壁に押しつけ、馬乗りになっていた。
「わあああっ」
叫んで、飛び退いた。
その隙に、裕ちゃんは私のそばをすり抜けて、うわーん、と泣きながら、圭織の腰に
抱きついた。
「矢口、これはどういうこと? 事情によっては、リーダーとして、圭織、許さないよ」
メンバーのみんなが、何事だ? と云わんばかりに、圭織の後ろから楽屋を覗き込んで
いる。
なんか、私がすっごい悪者みたいだ。
「なななにもしてないよ、ねえ、裕ちゃん。ちょっと遊んでただけだもんね? ね?」
裕ちゃんは、両手を広げて、圭織に抱っこを要求していた。抱きかかえてもらい、
圭織ごしに私を見た。涙目ながらにも、ニヤリ、と笑った。
- 62 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時18分14秒
- 「やぐちさん、えっちなことしようとするからキライ」
ぷん、とあっちを向いた。
「やーぐーちぃ」
あごを引き、上目遣いの圭織。迫力ある低い声。
こ、怖い。
どこからか、きっとくるーきっとくるーのテーマが聞こえたような気がした。
「こらあ、アホ裕子っ! あとで覚えとけよっ」
私が叫ぶと、裕ちゃんは、ぎゅう、と圭織の頭にしがみついた。なんか、抱っこちゃん
人形みたいで、こんな時にも関わらず、少しだけ笑いそうになった。
- 63 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時19分00秒
- 単純な圭織は、ゆゆたん、大丈夫だからね、怖くないからね、と頭を撫でている。
メンバーたちの冷たい視線が、複数本、私に突き刺さってきた。
わああ、みんな、ダマされている。
裕ちゃんのチビッコな外見にダマされてるよう。
その後、私は反省の罰ゲーム――牛乳一気飲みをリーダーに命じられたのだった。
「おーいーしーい、牛乳、のむのだぴょーん」
手を叩いて嬉しそうに歌う裕子の姿を見、いつか絶対バナナを食べさせてやる、と
涙目になりながら、誓った。
こうして、裕ちゃんは、晴れてモーニング娘。の新メンバーとなった。
明日は、新メンバーお披露目記者会見だ。
- 64 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時19分40秒
- ◇
- 65 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時20分34秒
- とりあえず、今日は、事情を知っている私が裕ちゃんを預かることになった。
みんなは、裕ちゃんの貞操の危機だ、とか騒いでいた。チクショー。
リュックを背負った裕ちゃんと手をつないで、誰もいないスタジオの廊下を歩く。
「あー、もう、ガキの演技は疲れたわ」
「裕ちゃん、結構ノリノリだったクセに」
「あんなん、すぐ飽きるっちゅーねん」
裕ちゃんは、今は、私といる時だけしか、地を出せない。それはそれで不憫かなあ、
とも思う。
- 66 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時21分22秒
- と、向こうから、忘れ物をしたらしい、梨華ちゃんがたたたたーっ、と走ってきた。
「あ、矢口さん、お疲れさまでした」
例のかん高い声で、梨華ちゃんは挨拶した。
「ゆゆたんも、おちゅかれー」
そう云って、裕ちゃんの頭を撫でようとした。
「うっさい、触んなカントリー」
ばしっ、と、梨華ちゃんの手を払った。
ひっ、と、梨華ちゃんは怯えて後ずさった。
(こら、裕ちゃんっ!)
(あ、しまった……)
- 67 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月18日(水)20時22分25秒
- 梨華ちゃんがその後『ゆゆたん』に対して、警戒の姿勢を崩さないのは、初日にこんな
ことがあったからだ、ということを知る人は少ない。
- 68 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月18日(水)20時30分56秒
- 続くです。
- 69 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月18日(水)22時50分36秒
- ゆゆたん極悪(笑
辻、加護とのトリオ漫才が見られるのでしょうか。
やぐっつぁん、過労で倒れなければいいけどね。
- 70 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月18日(水)23時37分35秒
- 矢口も大変だけど、ゆゆたん本人もなかなか大変ですな。
それにしても石川はやっぱりそういう役回りなのか。
- 71 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月19日(木)06時50分58秒
- >66 爆笑
正体をしらないのに、12歳の後輩におびえる石川。
- 72 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月19日(木)06時54分50秒
- ゆゆたん(爆笑
- 73 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月19日(木)08時22分45秒
- ゆ…ゆゆたん…。こんなところでゆゆたんに会えるとは…。(大爆笑
- 74 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月21日(土)17時01分19秒
- ゆゆた〜〜〜ん!!
- 75 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月23日(月)00時06分41秒
- 『やぐちぃ〜、うち、さみしいわ。会いに来てやぁ』
夜。また、あの夢を見た。
夢の中で、裕ちゃんと電話で話をした。
『一日に一回はやぐちを抱きしめんと調子でんのや』
うん、何回も聞いたよ。実はね、裕ちゃん……私も、裕ちゃんに抱き締めて貰わないと、元気が出ないんだ。
裕ちゃん、会いたいよ。
裕ちゃん、どこにも行かないで。
裕ちゃん、もう一回、矢口、って呼んでよ。
裕ちゃん……裕ちゃん……裕ちゃん……
『やぐちぃ……やぐちぃ……やぐちぃ……』
- 76 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月23日(月)00時07分58秒
- 「やぐちぃ? どうしたん? イヤな夢でも見たんか?」
心配そうに、私の顔を覗き込んでいる、小さな裕ちゃんの姿が見えた。
裕ちゃんは、私の手を握って、ずっと、私の名まえを呼んでいてくれてた。
私は、眠りながら、ボロボロ泣いていたらしい。
ああ、そうか。
今日は、裕ちゃんと、同じベッドで寝たんだっけ。
思わず、目の前の小さな裕ちゃんをぎゅうっ、て抱き締める。
「ちょ、ちょっと、苦しいて、矢口、苦しいっちゅーねん」
最近はずっと、眠ってしまうと、あの夢を見てたんだよなあ。
昨日は、裕ちゃんとほぼ徹夜で、ミニモニダンスの練習してたけど、そうだね、
あの夢を見て、一人で目覚めて、一人で泣いてたんだ。
でも、今は、裕ちゃんがいる。ここに、裕ちゃんがいる。
- 77 名前:第1話『裕ちゃん増員!』 投稿日:2001年04月23日(月)00時08分44秒
- (良かったよお……裕ちゃんが、ここにいるよお)
また泣けてきた。
でも、さっきまでの涙とは違うんだ。
これは、幸せをかみしめる涙。
「私ね、裕ちゃんがいなくなってから、毎日、裕ちゃんの夢ばっか見てた。毎日、毎日、
泣いてたんだよ」
私の抱擁から抜けだして、
「……そこの睡眠薬な。昨日来た時から、気にはなってたんやけどな。それ飲んで寝てた
んやな」
病院の袋を指さして云った。
「ちょっとね……。不眠症になっちゃってて。でも、今日からは大丈夫」
裕ちゃんは私の髪をいじりながら、
「つらい思いさせてたみたいやな。すまんかったな、矢口」
裕ちゃんに優しいことを云われて、今度こそ、声をあげて泣いた。
裕ちゃんは、ずっと頭を撫でていてくれた。
私は、そのまま眠った。
もう、あの夢は見なかった。
- 78 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月23日(月)00時10分11秒
- 話は一ヶ月前にさかのぼる。
- 79 名前:舞台裏その1「つんく♂」 投稿日:2001年04月23日(月)00時11分15秒
- 中澤が交通事故にあった、と連絡があったのは、深夜遅くだった。
音楽事務所の人間が、警察官と一緒にスタジオの扉を開けて、突然入ってきたもんだ
から、俺は、思わず怒鳴りつけてしまった。
『今、楽曲の収録中だ、出て行け』
と。
事務所の下っ端の報告は、とにかくひどい状態だ、最悪の事態も考えないといけない、
と繰り返すばかりで、要領を得なかった。
すでに、中澤は救急病院に搬送されているらしく、警察官の方に、今から会いに行ける
かどうか、問い合わせてもらった。
病院に電話している警官は、中澤の状態をレベル1、とか2、とか云っていた。
どうも、高速道路で走行中、崖から落ちたらしい。肉体的な外傷はそれほどでもないが、
頭を強く打っていて、脳内出血のおそれがあるようだ。
- 80 名前:舞台裏その1「つんく♂」 投稿日:2001年04月23日(月)00時12分22秒
- (まずいな……)
俺は――我ながら冷たい反応だと思う――最初に脳裏に浮かんだのは、夏のハロプロの
構成を考え直さないといけない、ということだった。
娘。たちには、きっちり状態が分かるまでは、なにも云わないでおいてくれ、と事務所に
頼んだ。
あちこちに必要な連絡を入れる。急ぎでない仕事はキャンセルし、誰かに頼める仕事は
そいつに振り、一日分の、フリーの時間をかき集めた。
病院についたのは、早朝だった。
中澤は、まだ、意識が戻ってはいないそうだった。
集中治療室に案内してもらう。
眠っているような中澤を、ガラス越しに確認した。
- 81 名前:舞台裏その1「つんく♂」 投稿日:2001年04月23日(月)00時13分01秒
- 医者が云うには、脳波がおかしいらしい。
なにがおかしいのか、問いただしたが、分からない、とそっけない返答を貰った。
「オカルトめいたことを医者が云うのもヘンなんですけどね」
あくまでもこれは私個人の意見なんですが、と前置きし、
「まるで、魂が抜けてしまってる感じなんですよ」
よく分からないたとえだ、と思った。
朝から、脳を中心に、精密検査に入るそうだ。
病院の待合室にノートパソコンを持ち込んで、徹夜で今後の計画を立て直した。
この作業が、すべて無駄に終わるよう、いるのかいないのか分からない神様に祈りながら。
- 82 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月23日(月)00時14分18秒
- とりあえず、今日はここまでです。
昨日、握手会に行きました。
梨華ちゃんと握手しました。
全然関係ない話ですね、すみません(笑
- 83 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月23日(月)00時59分29秒
- おおっ、なぞの究明?解明?編ですね。
結果がわかっているので、安心して読めます。(笑
- 84 名前:名無し 投稿日:2001年04月23日(月)23時41分15秒
- 自分も逝ってきましたよ〜、握手会。
目の前に本人いると思うとガラにもなく緊張しますね。
本命(石川)のあとにあさみとの握手を忘れそうになって
苦笑いされました。
すまん、あさみ(w
ゆゆたんに慰められる矢口萌え〜。
- 85 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)00時47分59秒
- 増員発表記者会見は、波乱含みになることは目に見えてた。
だって、裕ちゃん本人は未だ行方不明、って報道されているのに、なかざわゆうこ、
って女の子がモーニング娘。に新しく入る、って云うんだから、そりゃあ大騒ぎだろう。
会見が始まるのは、午後三時の予定だ。
つんくさんも参加する、とのことで、控え室は、どことなく緊張した雰囲気が漂っていた。
「あれ? ゆゆたんは?」
ヘアメイクの終わった圭織が、控え室を見回して云った。
「中澤さんは、さっき、トイレ行く、って出て行きました。私、見てました」
梨華ちゃんが答える。
「ゆゆたん、まだ準備してないんでしょう? 急がないと」
なっちが、心配そうに云う。
「ちょっと、探して来る」
私は、控え室を出た。
(裕ちゃん、なにやってんだよ、もう!)
きっと、ビビってるんだ。
もう。さっそくみんなに迷惑かけて、仕方ないなあ。
- 86 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)00時53分41秒
- 裕ちゃんは、すぐに見つかった。
トイレで、一つだけ閉まってるのがあって、大きな声で『裕ちゃん!』って叫んだら、
弱々しい声で「やぐちぃ〜」と、返事があったのだ。
ドア開けなよ、と云うと、中からガチャリ、と裕ちゃんが顔を覗かせた。
赤いミニモニTシャツを着て、髪をお下げにしたちっちゃい裕ちゃんが、おどおどと
顔を覗かせた。
「やぐちぃ、ウチ、緊張して来た。行きたくない〜」
朝、迎えに来たマネージャーさんが、裕ちゃん用のユニホームを持ってきたのだ。
ミニモニの赤いTシャツを、会場に行ってから、というマネージャーさんの言葉を
無視して、さっそく嬉しそうに着込んだ裕ちゃんは、
「ほらほら、ウチもミニモニやで! 可愛いか? 可愛いやろ?」
バタバタと走って、真っ先に私に見せに来た。
「あー、そうだね、裕ちゃん、可愛いね」
と、適当に返事すると、そうか? そうなんかなあ、と照れていた。
しかし、今の裕ちゃんは、すっかり参った様子だった。私が個室に入ると、便座に
よいしょ、と座り、足をぷらぷらさせた。
- 87 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)00時56分56秒
- 「大丈夫だよ。娘。たちみんな、裕ちゃんの味方だし、いざとなったら守ってあげるから」
「う〜、いややあ」
裕ちゃんは、首を振っていやいやをした。
お下げの先が、ぱたぱたと揺れた。
「ワガママ云うんじゃないの! これからは、モーニング娘。として頑張る、って昨日
云ったじゃないのッ!」
きつく云うと、裕ちゃんは涙目になった。
あーらら、前の裕ちゃんなら、ここで反発してくるくらいだったのに。
私は、裕ちゃんを抱きしめて、背中をポンポン叩いた。
「ああ、ゴメンゴメン。ビックリしたね。そうだね、イヤだったら、もうやめようか。
今なら、取り消しだって出来るかも知れないしね」
「……行くぅ」
天の邪鬼なところは、変わってないみたい。
「いい子だね。裕ちゃん」
床に脱ぎ散らかしていた赤いスニーカーを拾い、裕ちゃんにはかせてあげた。裕ちゃん
の足は、とても小さかった。
- 88 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)00時58分16秒
- 「ゆゆたん、ゆゆたん。いいですか、こうすれば、緊張しませんからね」
連れて帰った裕ちゃんに、早速、加護と辻がとりついた。
「ゆゆたんが先頭で、こうやって会場入りします」
どんどこどんどこ、と歌いながら、辻と二人で行進を始める。
「さあ、ゆゆたんも一緒に!」
裕ちゃんは、間抜けな顔で、一応年上で先輩の二人を見ていた。
「こんなんするんか――ですか? 私が先頭で?」
「そうです」
「そうです」
(やぐち、なんとかしてくれ)
私の耳元で、裕ちゃんが悲鳴めいて云う。
(そんな裕ちゃんも見てみたいなあ)
(やぐちぃ)
まあ、あんまりいじめて、本当に会見を逃げ出されたりしても困る。
「そんなのダメに決まってるじゃんか。マジメに考えなよ」
辻加護にツッコミを入れておく。
それじゃあですね、今度はあいーん体操を伝授します、と云った。
「それやったらできるわ」
三人で、あいーん体操始めよう、と歌い出す。
裕ちゃん、楽しそうだ。
これまではリーダー、っていうだけで、いろいろ気苦労があったんだろうなあ、と思う。
- 89 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)00時59分46秒
- 「はいはい、あんまり遊んでちゃダメなんだからね。ゆゆたん、こっちおいで。
今日のこと、説明するからさ」
新リーダー圭織が、裕ちゃんを呼ぶ。
裕ちゃんは、走っていって、圭織の膝の上に向かい合うように座った。
「飯田さんめっちゃ好きー」
そして、ぎゅうっ、と抱きついた。
どうも、甘えグセがつきはじめているみたいだ。それは良くない傾向だぞ。
しかも、それを圭織は喜んでいるフシがある。
(飯田さんのこと、怖くないんでしょうか?)
加護が、ひそひそと耳打ちしてきた。
(まあ、裕ちゃんだからね)
やはり、加護にとっては、圭織は怖い存在なんだろうね。おっきいからね。
結局、会見は、滞り無く終わった。
記者の人たちも、気をつかってくれたのか、込み入った話は質問してこなかったのだ。
初めは、緊張でガチガチだった裕ちゃんも、後半はリラックスして、カメラに愛想を
振りまいたりもしていた。
- 90 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)01時00分32秒
- ◇
- 91 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)01時02分10秒
- テレビ画面には、楽屋の前に置かれたメキシカンハットが映っている。
『さて、次のコーナーは、アミーゴ伊藤の家族にあげまshowですが――』
軽部が、ぐい、と画面に見を乗り出す。
『本日の見たもんデラックススペシャル、ということで、今日は、アミーゴ伊藤の
娘。にあげまshowに急遽変更いたしました。それじゃあ、アミーゴぉ』
スタジオから画面が切り替わる。
アミーゴ伊藤が、マイクを片手に画面に向かって歩いて来る。
『はいはーい。いやあ、わたくし、恥ずかしながら、流行にはトンとうとくて、モー
ニング娘。さんのこと、良く知らないんですよね。まあ、好みは、保田圭さんですけど』
楽屋の扉が空き、チビッコ裕ちゃんが顔を出す。
『なんでやねん!』
『アミーゴーー!』
(今の、どこにギャグがあったの? という大塚の声だけが音声に入る)
『さて、今日は、特別編と致しまして、モーニング娘。の新しいお友だち、中澤裕子さん
にお話をお伺いしたいと思います』
- 92 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)01時05分43秒
- 私と裕ちゃんは、自分たちの部屋で、テレビを見ていた。
二人だけが、今日は休みを言い渡されていた。
本当なら、これから、顔見せに大忙しのハズなのに、ヘンだなあ、と思ってた。でも、
すぐ後に、つんくさんから連絡があって、オフを入れたのは、みんなには秘密の用件が
あるからだ、とのことだった。
裕ちゃんの、本当のことを知ってるのは、メンバーの中では私だけだ。ってことは、
当然、裕ちゃん関連なんだろう。
- 93 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)01時06分38秒
- テレビ画面には、ほら、挨拶しな、と圭織にうながされ、ぺこり、と頭を下げる裕ちゃん
が映っている。
『今度、モーニング娘。の新メンバーになりました、なかさざわゆうこです。よろしく
お願いします』
『では、このカードを引いて下さい』
えっちらおっちら、小さな裕ちゃんがおっきいカードを両手でめくる。9を引いた裕ちゃん
は、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる。
が、アミーゴに10を引かれ、なんてことするんですかー、とアミーゴの背中をぽかぽか
と叩く。
スタジオから、笑い声が入る。
「やっぱさあ、この辺り、裕ちゃんも手慣れてるよね。圭織がビックリしてたよ。
加護辻なんかよりも、ずっと分かってる、って」
「そりゃあ、圭織とはキャリアは同じやからな。当然やん」
そういいながらも、どこか得意そうに胸を張る裕ちゃんだった。
- 94 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)01時07分20秒
- と、私の携帯が鳴った。
出ると、つんくさんからだった。
下に車を回して来てるので、降りてくるように、とのことだ。
「裕ちゃん、お出かけの準備はいい?」
「ああ、ええで。やぐちはええのか?」
たれぱんだのぬいぐるみを手に、態度と口調だけはおとなぶっている裕ちゃんと
手をつないで、マンションを出た。
(裕ちゃんが云うには、最近、ぬいぐるみが可愛くて仕方ないのだそうだ)
おそれ多くも、つんくさんの運転で、車は走り出した。
高速に乗り、東京を離れ、神奈川方面に向かう。
- 95 名前:第二話『ゆゆたんメジャーデビュー』 投稿日:2001年04月24日(火)01時08分01秒
- (どこへ行くんだろう)
今日は、なんのためにオフにされたのか、まだ話を聞いていない。段々と不安になって
来た辺りで、
「ああ、なんや。病院に行くんか」
と裕ちゃんがつぶやいた。
「病院?」
オウム返しに聞く私に、
「ウチの本体と矢口を会わそう、って云うんやろ」
そう裕ちゃんは答えた。
- 96 名前:舞台裏その2「マネージャーK氏」 投稿日:2001年04月24日(火)01時08分58秒
- 結局、交通事故にあった中澤さんの精密検査の結果は、絶望的なものでした。
つんくさんや、山崎会長と一緒に、CTスキャンの画面を見ながら、院長に説明を
受けたんですが。
中澤さんの脳に、広範囲の出血が見られていて、どこまで回復できるか、まったく
保証出来ない、と云われたんです。
このままだと、植物人間状態で、意識の回復は見込めない。
手術をしても、リスキーであるうえに、どこかに障害の残る可能性が非常に高い、
とのことでした。
私たちは、途方に暮れました。
今日は、中澤さんの仕事はキャンセルさせましたが、いつまでもごまかし続けることも
出来ません。
私は、会長に、緊急記者会見の準備をする旨の指示を受け、人集めに入りました。
- 97 名前:舞台裏その2「マネージャーK氏」 投稿日:2001年04月24日(火)01時11分12秒
- 病室の一つを提供してもらい、電話やFAXを運び込み、応急の事務所を作りました。
広告会社の人間や、余所の音楽事務所の偉いさん、はては、胡散臭い業種の人たちまで、
ひっきりなしに訪ねて来ていました。
各所メディアへの会見用の草案も完成し、それではFAXを流そうか、としていた時に、
奇妙な連絡が入りました。
中澤さんの親戚の女の子が「私が中澤裕子だ」と主張している、と云うのです。
普通なら、聞き流すところなんですけど、つんくさんがその情報に反応しました。
- 98 名前:舞台裏その2「マネージャーK氏」 投稿日:2001年04月24日(火)01時12分23秒
- 「その子は、今日の朝、起きてから、急にそういうこと言い出してんやろ?
まだ、中澤の事件は外には漏らしてないねんで」
しばらくの間、あごに手をあてて、考え事をして、
「ちょっと、その子に会ってくるわ」
そう云って、部屋を飛び出して行こうとしました。
会見はどうするんだ、と会長に聞かれ、
「中澤は行方不明、ってことにしておいてください」
との言葉だけを残し、出ていってしまいました。
「そういう訳だから、会見の草案、書き直してくれ」
会長とつんくさんには逆らえません。
私たちは、真っ青になって、急いですべての原稿を書き直しました。
- 99 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月24日(火)01時14分27秒
- 続く。
- 100 名前:cosmicbaby 投稿日:2001年04月24日(火)01時20分20秒
- get100ゆゆたん(笑
そんな訳で、一気にけっこう書いちゃいました(……と思うのですが
梨華ちゃんは、可愛かったですよ。<握手会
私も、「りーんねっヒューあーさみっヒューりーかちゃんヒュー」がやりたかった
です。
では、また次の更新の機会に。
- 101 名前:名無しさん 投稿日:2001年04月26日(木)10時18分29秒
- めっちゃゆゆたん可愛い
早く・・・待ってます
- 102 名前:名無し読者 投稿日:2001年04月28日(土)06時13分24秒
- ゆゆたんは精神面も徐々に若返ってるのかな。
それにしても、お下げがぱたぱたって。ああ…
- 103 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月15日(火)23時59分16秒
ゆゆさんカムバック……
- 104 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月27日(日)02時22分39秒
- 作者さん、期待して待ってます。
- 105 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月27日(日)07時29分36秒
- 待ってるぜ!!
ゆゆたん〜!!!
- 106 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月28日(月)23時00分28秒
- 作者さん!!
まだですか???
- 107 名前:迷子です。 投稿日:2001年06月14日(木)02時34分03秒
- あ〜続きが気になる…
更新を切実に願う今日この頃
- 108 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月28日(木)00時55分09秒
- 交信待っています
- 109 名前:mo-na 投稿日:2001年07月02日(月)04時04分49秒
- さてさて、次回はあるのでしょうか?
>108 さん同感っす!待ってるぞ〜
- 110 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月05日(木)17時15分49秒
- あれ!今まで気づかなかった・・・
流石面白い。
同じくつづきを激しくきぼ〜ん
- 111 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月07日(土)00時20分29秒
- こちらの小説を「小説紹介スレ@金板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=gold&thp=994402589&ls=25
- 112 名前:読んでる人 投稿日:2001年07月22日(日)15時43分32秒
- やっぱりもう破棄ですか?
- 113 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月23日(月)01時27分37秒
- 放棄でないことを祈りつつ……
- 114 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月23日(月)23時59分56秒
- あっちが更新中だから、終わったら来てくれるかも?
- 115 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)13時38分22秒
- 続きが読みたひ…
- 116 名前:♪ 投稿日:2001年10月10日(水)01時44分55秒
- ・・・・・絶望的じゃん・・・・
- 117 名前:とうりすがりの読者。 投稿日:2001年10月10日(水)02時16分58秒
- 更新希望!
- 118 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月11日(木)20時55分17秒
- 更新待っています
- 119 名前: 投稿日:2001年10月14日(日)22時25分45秒
- lolllll
- 120 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月16日(火)21時19分27秒
- 更新楽しみにしてます
- 121 名前:セーラム 投稿日:2001年10月17日(水)02時07分55秒
- 待ってます。更新
- 122 名前:LOVE 投稿日:2001年10月22日(月)17時39分30秒
- 続き待ってますよ。
- 123 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月22日(月)17時58分55秒
- ttp://isweb23.infoseek.co.jp/art/ichii3/
ここで聞いてみたら?
- 124 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月29日(月)21時48分26秒
- つ、続きが・・・読みたい・・・
- 125 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月31日(水)17時26分52秒
- 続きが読みたいです。更新をよろしく。
- 126 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月21日(金)20時06分09秒
- 更新まだ?
放置???
誰か書ける人続投希望!!激希望!!面白すぎる。
- 127 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)22時53分00秒
- 書ける人はいないだろ(w
だって、この作者はあの人だし。
気長に待ってみれば?
- 128 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)00時10分55秒
- 更新・・・まだかまだかと待ってます。(w
- 129 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月24日(木)01時17分45秒
- この作者は他のも放置してるので、正直待つだけ無駄かと。
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