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カナリヤ〜love melody〜
- 1 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月23日(月)19時05分20秒
- 愛すことと愛されること。
それがこの世界を構成してる、いわば『約束』
そのどちらを失っても、恋愛というものは成立しない。
少なくともわたしはそう思うよ。
あなたは・・・・あなたはどう思いますか?
同じ歌しか知らない・・・歌おうとしないカナリヤの歌声を聞いて下さい・・・。
- 2 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月23日(月)21時11分43秒
- 「あ〜あ・・・今日もひまだな〜。」
わたしの名前は吉澤ひとみ。
どこにでもいる普通の女子高生。
ただ一つ違うのは彼女がいるってことぐらい。
それにしても・・・たいくつだなぁ。
どうしてこうも授業中ってのはすることがないんだろう。
わたしは窓際の席なので退屈しのぎとしてほおずえをついて窓の外を眺めている。
外では・・・体育の授業かな?グラウンドのど真ん中にあるトラックでみんなが汗を流しながら走ってる。
わたしも体動かしたくなってきたな・・・・。
とはいえさすがに
「先生、外の体育にまざってもいいですか?」
などと言えるはずもなく、おとなしく授業をうけるわたし。
なんておくゆかしいんだろう。
・・・・早くおわんないかな・・・。
- 3 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月23日(月)21時13分52秒
- はじめまして。
ここではまた、恋愛関係のものを書いて行きたいと思っています。
今回はすこし複雑にしていきたいです。
どうぞ最後までおつきあいください。
- 4 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月28日(土)18時58分21秒
- キーンコーンカーンコーン
目覚まし時計がわりのチャイムが午前中の授業の終わりを告げた。
私は結局あのままぐっすり眠りこんじゃったみたい。
御丁寧によだれもたらして。
まあ、そんなことはどうでもいいとして・・・。
アイツ、なにやってんのかな?
早く来ないとべーグル売り切れちゃうじゃん!
ここの学校は昼食自由制で(そんなもんあんのかな?)
お昼なんかは自分達で勝手に食べれる。
お弁当をもってくる生徒は少ないから、ほとんどが購買のパンなんだよね。
この学校には購買が3つあって、なかでも東校舎1階にある
『HAPPYLUNCH』
っていう購買にあるゆで卵べーグルはまるで私のためにつくられたかのような絶妙なハ−モニーを奏でる。
だから給食時間になると戦争が始まる。
ただのパンの取り合いなんだけどね。
「あー、もう!!やっと終わったよ!むかつくな〜!あいつ!!」
やっときた。そいつは廊下の一番はしっこから猛スピードでダッシュしてきた。
すごいね・・・。息一つ乱れてないよ・・・。
「ごめんね、よっすぃ〜。遅れちゃった。でもあと5分もあるよ。」
「え!うそ!?」
私は左腕に巻き付けてあるアナログの時計を確認した。
確かあそこは10分前にならばないと手に入らないはず。
残り時間はあと5分・・・・。
「ダッシュ!!!」
「やっぱり?」
私達の教室は西校舎にあって、その間に中央校舎があって、そのさらに向こうに東校舎はある。
常人なら5分はかかるその広大なスペースを1分でここまでやってきた。
「あーあ・・・。やっぱり売り切れちゃってるよ。」
こいつ・・・。私のほうが先に走りはじめたのにいつの間に追いこしたんだ?
「いつの間に追いこしたの?」
「ん?瞬間移動だよ。」
へえー、すごいなー。今度私にも見せてよ。
「どうする?よっすぃ〜。売り切れてるみたいだけど。」
「えっと・・・じゃあ中央校舎のでいっかな・・・。」
今から西校舎にいったって残ってるわけないし。
一番美味しい東校舎の次は二番目においしい西校舎。
そんなのあたりまえじゃん?
「よっすぃ〜?おいてくよ。」
「あ!まってよ〜!」
それから私達は中央校舎へ向かった。
- 5 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月28日(土)19時19分57秒
- ここから中央校舎にいくには二年生の教室の前を通らないといけない。
私は一年生だからちょっといきづらいんだよね。
「でさあ・・・そのあとに・・・・なんていわれたんだよ!?むかつくでしょ!?」
「え!?そんなこといわれたの!?むかつくなあ・・・・。」
私達は適当に会話をかわしながら二年生の教室の前を通り過ぎてく。
けっこう目立っちゃうからやなんだよね・・・。
私は身長が高いからけっこうみんなから注目されやすいタイプ。
こういうとき、矢口さんなんかは得だな−って思う。
私達がちょうど二年四組のあたりにさしかかったころ・・・・
ドン!!ドサ・・・
いったー!!!おしりうった!!
私は誰かにぶつかったらしく、見事にすっころんでおしりを強打してしまった。
「あ!!すいません!!」
その少女・・・っていっても私より年上なんだろうけど、私から見れば少女だ。顔は良く見えないけど。
とにかくその人は私に謝ったあとせっせと何かを拾っている。
なんだろ・・・!!!
私がみたものはたくさんのべ−グル。
ノーマルべ−グル、トッピングべ−グル、ゆで卵べ−グル・・・・とにかくいっぱい。
しかも全部『HAPPYLUNCH』の。
その少女はべ−グルを全て拾い終えると
「本当にすいませんでした!!」
といって頭を下げた。
「いえ、だいじょうぶですから。」
私も頭を下げる。
少女が顔をあげたほんの一瞬、ちらっとその美しい顔だちがみえた。
きれいな黒髪、清潔感溢れる笑顔。
まるで太陽をみているようなかんじだった。
「あ!時間ないんで、失礼します。さよなら。」
少女はもういちど頭を下げると私の横を通り抜けて行った。
なんだかなあ・・・・・。
「すいません!おくれました!!」
「おー!!!今日も買ってきてくれたか!毎日悪いね!」
「いえ、ぜんぜんいいですよ。」
それが私と彼女の出合いだった。
- 6 名前:ガンツ 投稿日:2001年04月28日(土)19時20分49秒
- 更新です。
- 7 名前:名無しさん 投稿日:2001年05月02日(水)03時11分34秒
- もしかしていしよしですか?
続き期待してます。
- 8 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月06日(金)22時50分07秒
- こちらの作品を「小説紹介スレ@金板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=gold&thp=994402589&ls=25
- 9 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)18時43分21秒
- それから中央校舎で適当なパンを選んで、私達はいつもの場所に行く。
それはこの地域一体を見渡せて、さらにプール付きの豪華な屋上。
もちろん無断で立ち入るのは禁止。
どーやってはいるかってゆーと・・・・。
「ごっち〜ん、カギ持ってる?」
「あ〜、今日忘れちった。」
「じゃあ、私の使うよ。」
実は私は天才的泥棒で。
もっとかっこよくいえば盗賊ってやつかな。
がちゃ・・・。
なにはともあれ、それを知ってるのはこの後藤真希だけ。
しかもそのことを打ち明けた時、彼女は別段驚きもせずに、
「あ、そ〜なんだ。にあってるね〜。」
などという始末。
といっても私はそんなところにほれちゃったんだけど。
「よっすぃ〜?早くたべなよ。お昼休み終わっちゃうよ?」
ああ、といいつつゆっくりと食べはじめる私。
どうもさっきの彼女が気になって仕方がない。
どこかで見たことがあるような・・・・?
「あ、次すーがくだ。よっすぃ〜教科書かしてね。」
「ああ、うん。」
私達は付き合ってるといってもお互いにしゃべるようなことはあまりなかった。
二人でいる時の会話に悩む人が多いけどそんなの関系ない。
二人でいるだけで大切な時間だから。
もっともチャイム一つでおわってしまう時間なのだが。
- 10 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)18時46分21秒
- 久々の更新です。
すいません。諸事情で。
>7さん
さあ、それは見てのお楽しみということで。(W
>パク@紹介人さん
ありがとうございます。これからもよろしくおねがいします。
- 11 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)21時41分30秒
- 午後からの授業は完全に私の頭の中に入ってこなかった。
いや、入ってこなかったというより入る余地がなかった。
学校の授業などうけなくてもある程度の知識は持っているし、覚える気もなかった。
そんなわけで例に習って再び窓の外を見下ろしていた。
するとこれを偶然とでもいうのだろうか?
先ほどのやけに頭に引っ掛かる少女がグラウンドを走っていた。
その華奢な両腕には大量の荷物を抱えて。
いくらなんでもがんばりすぎなのでは?
と思ったところで私の思考は中断される。
「吉澤〜!なにやってんだ!?」
年相応のことしか教えきれないようなうっとうしい教師に声をかけられたからだ。
私は窓の外に名残惜しさを感じながら黒板に視線を戻した。
「よっすぃ〜、今日はどーする?」
「うーん・・・最近きびしーからなあ。」
「なくなったらまた採ればイイじゃない。」
「それもそうだね。」
真希にそのことを打ち明けてからはこんな会話も珍しくなかった。
それはそれでおかしなことなのだが。
特に気にすることでもない。
- 12 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月01日(水)21時59分42秒
- そして、私は真希と共に学校を後にした。
そういえば真希と帰るのも久しぶりだったなあなどと思いながら。
私は真希を愛しているのだろうか?
それとも愛していないのか。
ただ、言えるのは友達の中では一番大切だし、好きだということだ。
だがしかし、それを愛すると言えるのだろうか?
なかなか興味深いところである。
「よっすぃ〜?またぼ〜っとしてる。」
「ああ、ごめんごめん。今日はどーする?」
どうも夕方とか夜とかは人を考えさせるのが好きらしい。
くだらないことばかり考えてしまう。
「う〜ん・・・。よっすぃ〜の財布事情から考えてマックいってプリクラとって終わりってとこじゃない?」
「なんであんたが私の財布事情をしってんの?」
「さっき見ちゃった。」
「・・・・・」
盗賊から財布をスるとは・・・・。
「うっわ〜、何で今日はこんなに混んでんの?」
「なんかあったのかな?」
・・・・・まわりの人の流れからするとどうやら何かあったらしい。
これでいてけっこうなミーハーの私達はすぐそこまで矢のように走っていった。
「うっわ〜・・・・キモ・・・・。」
「俺はじめてみたよ・・・・・
死体。」
その言葉を聞いた瞬間、私は真希を引き止めた。
「行かない方がいい。」
「なんで?」
「死体があるんだって。」
「うそ!?見たい!!」
「ダメ、帰るよ。」
私は死体を見るのが初めてじゃない。
だが、どーしても好きにはなれない。
やっぱり気持ち悪いし、吐き気もする。
真希にそんな思いをさせるわけにいかなかった。
「いいじゃん、ちょっとぐらい。」
といって驚くほど軽い身のこなしで私の腕からすり抜けた真希は吸い込まれるようにやじ馬の波に消えていった。
私もすぐ後を追ったが真希は案の定血の気がひいて真っ青になっていた。
「ほら、いわんこっちゃない。いくよ。」
私が真希を引っ張った時、真希の囁きが聞こえた。
「お父さん・・・・・・」
- 13 名前:出会ってしまった二人 投稿日:2001年08月08日(水)18時38分31秒
- 私はその台詞を聞いた時、真希が何をいっているのかわからなかった。
お父さん?
そんなはずはない。だって・・・・
「な〜んてね。んなわけないじゃん。びびった?」
その台詞に少し恐怖を覚えた。
まるで私の罪を全て知っているかのような・・・。
「え、ああ、そんなの信じるわけないじゃん!」
「うっそだ〜!ほんとにびびってたじゃん!」
といって笑う真希。
一体彼女の中には何が眠っているのだろうか・・・。
結局その後食事をして、しばらく真希の買い物に付き合わされたため、財布の中身は僅かな小銭とカード類しか残っていない。
買い物に行くとついつい使い込んでしまうのが私の悪い癖だった。
そして、その日、盗みにはいった。
- 14 名前:ガンツ 投稿日:2001年08月08日(水)18時40分34秒
- すいません、ちょっとしか更新できませんでした。
まあ、やっとプロローグ終了ってことで。
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