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娘中隊
- 1 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時48分06秒
- 久しぶりにM-seekで小説を書かせていただく「ま〜」です。
ガンダムネタです。
かつて某板に娘MS図鑑がありましたけど、あれとは関係ないです。
娘達をネタに、ガンダムのサイドストーリーを書きますんで、
よろしくお願いします。
長くなるかな・・・?
- 2 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時48分37秒
- 「これが・・、新しいうちらのMSかいな・・?」
「そうみたいだべ。」
「ふ〜ん・・。」
3人の若い女性士官達の話が聞こえてくる。
ここは地球連邦軍本拠地であるジャブロー。
そのMSデッキに彼女達はいた。
「え〜と?RGM-79Gやて?なんや?」
「GMとはちょっと違うべ。」
「GMコマンドだって。」
「ふ〜ん・・。他にも色々あるね。」
彼女達は自分達の前にあるMSを見ながら雑談をしていた。
- 3 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時49分32秒
- ジオン公国軍が地球連邦政府に宣戦を布告してからすでに数ヶ月。
当初はMSを持たなかった連邦軍は苦戦を強いられた。
しかしながら連邦軍もRX-78を始めとするMSの開発に成功。
そしてRX-78の活躍等もあり、次第に戦局を挽回していった。
連邦軍もRGM-79(通称GM)を始め量産型MSを多数生産。
国力の差を活かしていた。
そんな中、彼女達は新型MSを受け取るためにジャブローに来ていた。
- 4 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時50分19秒
- 「まあええわ。ただのGMとは違いそうやし。」
そう言ったのは中澤裕子大尉。
通称『裕ちゃん』
この戦争には、開戦当初からパイロットとして参加している。
もっとも開戦当初は、戦闘機「セイバーフィッシュ」のパイロットではあったが。
「違うべさ〜!全然!かっこいいべさ〜。」
安倍なつみ中尉。
自分から『なっち』と名乗っている。
彼女も戦闘機パイロットとして開戦当時から中澤達と戦っていたエースパイロットだ。
「あのさぁ〜。外見より中身が重要なんじゃない?」
安倍に突っ込みを入れたのは飯田圭織中尉。
あだ名は『圭織』
中澤・安倍達とチームを組んでいる、開戦当初からのパイロットだ。
彼女達3人は女性でありながら、
しかも戦闘機という直線運動しか出来ない兵器で
ジオン軍のMSを多数撃墜してきたエースパイロットチームだった。
そのために、連邦軍でGMが生産され始めた当初から
GMパイロットとして戦っている。
その彼女達に新型MSが引き渡されようとしていた。
かつては他にも福田・石黒・市井といったメンバーが居たが、
福田はルウム戦役で数多くの敵MSを道ずれに戦死、
石黒は『ルナツー基地』の士官と結婚して退役、
市井はルウム戦役で重傷を負って後方に下がっていた。
- 5 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時51分15秒
- 「で、このMSとうちらを中心にして、新しい中隊を組むんやて?」
「そうらしいね。」
「新人の腕前が気になるべ・・。」
「こんにちわ!」
3人が話している後ろから、突然声がして、3人は振り向いた。
「・・・?」
「今度この中隊に配属された、保田中尉です。」
「同じく矢口中尉です!宜しくお願いします!」
- 6 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時52分22秒
- 唇の下に特徴的なホクロがある保田中尉。
そして背が小さい矢口中尉。
彼女達が新たに配属されるメンバーだった。
「宜しく!保田・・、矢口・・・?何か聞いたことある名前やな?」
二人の名前を聞いた中澤は自分のコメカミに指を当てて
自分の記憶を呼び出す。
そんな中澤に保田が話し掛けた。
「『不死身の第5小隊』って言えばお分かりになりますか?」
「あ〜!!」
そんなやり取りを見た安倍が素っ頓狂な声をあげた。
「も、もしかして、あの第5小隊?!」
「そうです。」
保田が冷静な顔で答えた。
その保田に補足するように矢口が答える。
「はい!東南アジア地区から配属されました。」
- 7 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時53分17秒
- 中澤たちも噂は耳にしていた、『不死身の第5小隊』
錬度の高いパイロットを集めた東南アジア地区の部隊の中でも
第5小隊は大きな戦果を上げていた部隊だった。
地上での運動能力があまり高くないGMを巧みに用いて活躍している。
その中でも保田は『一度捕らえた敵は確実に撃破する』ことでも有名だった。
そんな彼女を敵のパイロットは『圭坊』と呼んで恐れている。
そんな二人が中澤たちの中隊に配属されたのだ。
「そうか・・。噂に名高いあんたらがいるなら百人力やな。宜しく頼むで。」
「こちらこそ!有名な中澤チームに参加させてもらえるなんて光栄です。」
- 8 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時55分03秒
- そんな5人がいるMSデッキに修学旅行中のような団体が入ってきた。
「ん〜・・。これに乗るの〜?」
やる気の無さそうな声。
「よっすぃ〜・・。あたし怖いよ・・。」
耳に響く甲高い声。
「カッケー!」
対照的に男前な女性。
一方きゃぴきゃぴ騒ぐ小さい二人組み・・。
「なにあれ・・?」
そんな5人を見た飯田が口を開いた。
「ま、まさか、あの集団が補充パイロット・・?」
同様に保田が疑問の声をあげる。
不安げにする彼女達に、『変な5人組』の一人が敬礼をしつつ声をかけてきた。
「あの〜・・、後藤と言います。中澤大尉ですよね・・?」
- 9 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時58分10秒
- 「ああ、うちが中澤や。」
「よかった〜!新たに配属された後藤です!」
ぶっきらぼうに言う中澤に対して、臆する様子も無く
後藤と名乗る女性は自己紹介をした。
彼女は、もともとアジア地区でMSパイロットをしていたのだが、
この度この中隊に配属されることになったらしい。
「中澤さんには憧れてました!宜しくお願いします!」
「なんだ・・、裕ちゃんだけだべか・・?」
そんな後藤に安倍が抗議の声を上げる。
「い、いえ・・。あの・・。安倍さんや飯田さんにも憧れてます。」
「なぁ〜んだ・・。『も』か・・。」
飯田も同様に抗議の声をあげる。
「いえ。あの・・。」
「ええやないかい。かわいいし。勘弁してやんな。」
もじもじする後藤に中澤が助け舟を出した。
「ありがとうございます・・。そうそう!あたし、市井さんに教育を受けました!」
市井という名前に中澤たちは反応した。
「市井って、市井紗耶香?」
「はい。そうです。2ヶ月ほど前になりますけど・・。」
「そうか〜。紗耶香は元気だった?」
「はい!」
「よかったべ〜・・。」
- 10 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)01時59分20秒
- 「それから・・、後ろの4人は?」
「あ、はい。さっきそこで会った新人パイロットです。」
中澤の問いに後藤が答えた。
「吉澤ひとみ少尉です。」
名乗ったのは少し男前な女性。
「石川梨華少尉です。」
甲高い声の女性。
「加護亜依少尉です。」
「辻希美少尉れす!」
小さい二人組み。
この4人はパイロット訓練学校を卒業したての新人パイロットだった。
「よろしくな。」
中澤が代表して挨拶をする。
「あの・・。あたし達まだ新人ですけど、宜しくお願いします。」
一方の新人を代表して吉澤が答えた。
こうして新しくMS中隊が出来上がった。
その名も『第09MS中隊』通称『娘中隊』
一年戦争で名をはせる女性パイロットチーム誕生の瞬間だった。
- 11 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月03日(日)04時52分51秒
- 敵に恐れられる名前が『圭坊』……
ちょっと怖いかも(w
- 12 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月03日(日)05時56分14秒
- ガンダム世代の自分としては見逃せないですぞ!!
みんなの活躍を楽しみにしてます
- 13 名前:Tristan 投稿日:2001年06月03日(日)09時44分07秒
新作待ってました・・・ほんと嬉しいです\(^o^)/
はっきり言ってガンダム大好きです(リアルタイムで見てたし・・・)
更新楽しみにしてます
- 14 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)18時14分11秒
- 皆さん、レスどうも。
>>11
最初は何か「青い〜」「赤い〜」とか付けようかと思ったんですけど
止めました。( `.∀´)だけってのも変なんで。
>>12
お?ガンダム世代ですね!
なるべくキャラクターを活かしたいんですけど、
なにしろメンバーが多いと・・。
>>13 Tristanさん
こちらもガンダム世代ですね。
作者もそうです。
自分はヤマト→ガンダムで育った世代なんですよ。
(だから銀英伝も好きですよ)
- 15 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)18時15分07秒
- 「え〜と、じゃあ、まず搭乗MSの割り振りやな。」
自分達のMSを前にして、割り振り表を見ながら中澤が全員に言う。
「うち、なっち、圭織、圭坊、矢口、後藤はRGM-79G・GMコマンドやな。」
「はい!」
名前を呼ばれたメンバーはそれぞれのMSに向かう。
「吉澤、辻、加護はRGM-79・GMやな。」
彼女達も自分のMSに向かった。
「あれ?あたしは・・・?」
「ん・・・。石川か・・、あんたはな・・・。これや。」
中澤は端っこにあるMSを指差した。
「ええええ〜〜!!」
そこにあったのはGMはGMでもすこし違うGMだった。
RGM-79D・・・通称:寒冷地用GM。
「なんであたしだけ・・?」
「わからん・・。何でやろ?」
しぶしぶ石川は自分のMSに向かって行った。
- 16 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)18時15分51秒
- 全員がMSに乗り込んだのを確認した中澤も
自分のGMコマンドに乗り込むと、無線をONにして全員に話し掛けた。
「みんな〜。OKか〜?」
「大丈夫だよ〜。」
「OKです〜。」
「大丈夫です・・・・。」
全員が返事をした。
最後に不安そうな返事をしたのは石川のようだったが・・。
「それじゃあ、全員ライフルを持ってや。実弾じゃなくて訓練用ペイント弾な〜。」
「了解〜!」
こうしてMSデッキから全員のMSが発進する。
- 17 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)18時17分22秒
- ジャブロー基地の端にあるMS訓練場。
ここで今日は完熟訓練を兼ねて対戦訓練をすることとなった。
一通りの動作訓練を行うと、いよいよ対戦訓練。
Aチームは中澤・矢口・後藤・石川・辻
Bチームは飯田・安倍・保田・吉澤・加護
両チームには実践未経験者が二人づつ入る。
1000メートルほど離れてから訓練を開始した。
- 18 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)18時18分24秒
- さすがに中澤を始め、実戦経験が豊富な6人の動きは俊敏だった。
一方の実戦経験未経験者の動きは遅すぎた。
ジャブロー地下空洞の柱に隠れていた中澤の目の前に不用意に加護が現れる。
「もらったで〜!」
中澤のマシンガンが咆哮を上げると
加護のGMにペイント弾が着弾する。
「ありゃ〜・・。やられちゃいました・・・。」
『おいおい・・。ゲームやないんやで・・。』
一方飯田も石川を照準に捕らえていた。
「もらったよ!」
石川の寒冷地用GMにペイント弾が炸裂する。
「ああああ〜〜!やられちゃいましたぁ〜〜!!」
『おいおい・・。シールド使いなよ・・。』
- 19 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)18時19分59秒
- 対戦訓練は実戦未経験者がアッサリとやられた以外は順調に進んだ。
さすがに経験者達の動きは素早い。
中澤が安倍を撃つと、安倍はシールドでカバーし
すぐさま反撃する。
中澤もそれを予期して素早くよける。
俊敏な動きをすればするほど、強烈なGがかかり、
シートベルトが容赦なく彼女達を締め付ける。
後藤も中澤たちに比べると実戦経験は多くないが
それでもよく健闘していた。
「みんなうまいね・・・。」
あっさりやられた新メンバー達は、
訓練場の外で戦いを見守っていた。
「自信なくなっちゃったよ・・・。」
「そうれすね・・・。」
- 20 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月03日(日)20時44分17秒
- ガンダムはあんまり詳しくないですけど、楽しめそうです。
『小さい三連星』とか『ニュータイプ』とかの奴ですよね?
wしかしらないけど、これなら分かりそうなので頑張ってください
- 21 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月03日(日)23時21分15秒
- 石川の寒冷地用GM・・・かなり藁た。
って、宇宙いけるの?
- 22 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)23時42分22秒
- >>20 てうにち新聞新入社員
おお!てうにちさんじゃないですか!
呼んで頂いてありがとうございます。
一応、ファーストガンダムが分からない人でも読めるように頑張ってます。
今後もよろしく・・。
>>21
やはり石川は寒冷地用が適しているかと・・。
宇宙編も考えてるんで、その時は「きちんとしたMS」に乗せるつもりです。
- 23 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)23時43分24秒
- こうして訓練は決着が着かないまま終了することとなった。
MSデッキに戻ってきたメンバーは
自分達のMSの整備を整備員に頼むと、訓練の総括をするために
ブリーフィングルームに向かった。
「え〜と、それじゃあ今日の訓練の総括をします。」
中澤の音頭により反省会が始まった。
「まず!加護!あっさり前に出すぎやで!」
「はい・・。すんません・・。」
「ゲームやないんやで。実戦だったら戦死やったんよ。」
「はい・・。」
「次、辻。あんたももっと警戒せんと。」
「はい・・。わかったのれす・・。」
「それから石川!あんた何のためにシールド持ってるん!?」
「・・・。」
「わかっとるんかい?!」
「はい・・。」
「次、吉澤。動きが鈍すぎやで!」
「・・・。」
「わかっとるん?」
「はい・・。」
- 24 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)23時45分20秒
- 「それ以外は、おおむね良し。気づいた点は・・・。」
こうして中澤は、それぞれのメンバーの反省すべき点を伝えた。
「それから、いくら対戦訓練をしても上手くならへん。」
「?」
中澤の言葉に不思議そうな顔をするメンバー。
「1対1で教育しようと思うんやけど。どやろ?」
「いいんじゃない?」
「なっちもいいと思うよ。」
「よっしゃ!決まりや。」
「じゃあ圭織!辻を教育したってや。あんた感がええからな。」
「は〜い。」
「次、圭坊。あんたは石川を訓練したってや。」
「了解。」
「矢口。矢口は吉澤を頼むで。すばしっこさを教えたってや。」
「はい。」
「後藤。あんたは加護を頼むで。」
「うん・・。」
「よし!決まり!そんじゃ解散!
それぞれ教育係は受け持ちのメンバーと打ち合わせしといてや。」
「あれ?裕ちゃんは?」
「うちはリーダーやから♪」
「ずる〜い・・・。」
「うるさい!解散!」
そう言うと中澤はブリーフィングルームから出て行った。
その後を安倍が追う。
- 25 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)23時46分49秒
- 「裕ちゃ〜ん!」
安倍が中澤を呼んだ。
彼女達は作戦中以外、大抵あだ名で呼び合っている。
「なんや?」
「損な役廻りしてるね〜。相変わらず。」
「誰かが憎まれ役やらんとね。せっかく一緒になったんや。
もう誰も死んで欲しくないんや・・・。」
かつてルウム戦役で福田が戦死した時、中澤は立ち直れないほどのショックを受けた。
決して中澤に責任があったわけではない。
福田が前に出すぎていた。
中澤たちも必死に支援しようとした。
しかし福田は戦死。
市井も重傷を負った。
「そうだね・・・。なっちも頑張るよ。」
「頼むで。」
「うん!なっち、そんな裕ちゃんが好きだよ!」
「あんがと。うちも好きやで。」
そう言うと、中澤は安倍の頬に軽くキスをした。
「なんだよ・・・照れるべさ・・。」
中澤は顔を赤くする安倍の頭をくしゃくしゃなでると、
手を振って自分の部屋に帰っていった。
- 26 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)23時47分52秒
- 「ふぅ〜・・。疲れたな・・。」
中澤は自分の部屋の扉にあるボタンを押した。
ピッと音がすると、ドアが開く。
中澤が部屋に入ると自動的に扉が閉まった。
それを確認すると、中澤はノーマルスーツのジッパーに手を掛けた。。
「別に地上やからノーマルスーツ着る必要ないんやけどね・・。」
誰に話し掛けるでもなく、独り言を言いながらジッパーを下ろす。
すっかり汗だくになっていた。
下着も脱いだ中澤はシャワールームに入る。
頭から熱いお湯を浴びる。
「はぁ〜・・。」
中澤は自分の肌を見ながらため息をついた。
「何やってんやろうね・・。うち・・。」
中澤の年齢はもうすぐ30になろうとしている。
にもかかわらず独身。
相手もいない。
「はぁ〜。彩っぺがうらやましいね。」
MSのシートベルトで出来た両肩の痣を撫でながら
中澤は呟いた。
- 27 名前:ま〜 投稿日:2001年06月03日(日)23時49分45秒
- そのころブリーフィングルームでは1対1の「反省会」が終わっていた。
各教育係りが解散した部屋の中で愚痴をこぼしていた。
「はぁ〜・・。こんな中隊入るんじゃ無かったよ・・。」
最初に口を開いたのは吉澤だった。
「教育部隊にいた時は優秀って言われたのに・・。ショックだよ・・。」
「そうれすね・・。ののも自分で希望して入ったのに・・・。」
辻が吉澤に同意する。
「やっぱりこの中隊は普通じゃないですよ。メンバーが。」
同じく石川も自信を喪失しているようだった。
「殴られないだけマシかな・・。」
「こうなったら見返してやろうよ!
あたし達だって仮にも『優秀』って言われてたんだもん!」
負けん気の強い吉澤が声を張り上げた。
「そうだね・・。でもね・・。」
石川は相変わらず自身が無さそうだ。
「がんばるのれす!!」
「そうだよ!」
ちびっこ二人組みも見かけによらず気が強い。
こうして彼女達は他のメンバーを見返すために努力することを誓った。
- 28 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月04日(月)01時15分04秒
- 期待してます。
ガンダム世代でわないけどガンダムヲタとして(w
マニアックに逝って欲しいっす
- 29 名前:ま〜 投稿日:2001年06月04日(月)22時31分50秒
- >>28
ガンダムが好きな人ならば、
「あれ?」って思うシーンを入れていくつもりです。
まあ、マニアックなネタも入れたいっす。
- 30 名前:ま〜 投稿日:2001年06月04日(月)22時33分00秒
- 「圭ちゃんはどう思う?」
「え?新メンバーのこと?」
「うん。」
新メンバーと別れた保田と矢口は喫茶室でくつろいでいた。
「う〜ん・・。そうだね〜。」
保田は席を立つとコーヒーの自販機に向かって歩きながら答えた。
「あたしの場合、石川が相手だけど、まあ、センスはあるんじゃん?」
「へ〜。辛口圭ちゃんのお墨付き?」
矢口の冷やかす言葉をわざと無視すると、
保田はポケットからカードを出して、自販機に入れ、ボタンを押した。
5秒程度でドリップが終わったコーヒーを、保田は自販機から取り出した。
それを矢口に向かって「いる?」と、ジェスチャーをする。
それに対して矢口は首を横に振った。
コーヒーを手に再び席に座った保田は、
「ふ〜」っとコーヒーを冷ますと、コーヒーをすすった。
「あたしの相手はよっすぃ〜・・、吉澤なんだけどね・・。」
「何?あんたもうあだ名で呼んでるの?」
「うん。いいね〜。よっすぃ〜。タイプだね〜♪」
「はぁ?何言ってんの?」
「だって、かっこいいじゃん♪」
「いや・・、そう言う問題じゃないけどね・・・。」
- 31 名前:ま〜 投稿日:2001年06月04日(月)22時34分11秒
- 「そうそう、本題に戻すけど、よっすぃ〜はまあまあだね。」
「どうよ?」
「そうだね〜・・。」
矢口はテーブルの腕で両腕を組むと、そこに顔をうずめる。
「センスはあるよ。まあ、あとは経験でしょ?」
「それを言ったら石川も一緒だよ。」
「そうだね〜。まあ、明日から特訓だよ。」
「そうだね。」
「いずれにしても、今のままじゃ、初陣で帰ってこなくなっちゃうよ。」
冗談ではなく、実際に両軍共に初陣で還ってこないパイロットは多数に上っている。
特に最近は連邦軍も使い慣れないMSを投入しているため、苦戦をしている。
一方のジオン軍も、開戦当初のベテランが減りつつあり
若年者のパイロットが増えている。
「もう仲間が死ぬのは見たくないからね・・。」
「そうだね。『死神』とか呼ばれたくないしね。」
「ああ、そんな人いたね・・。」
結局、二人の結論は今日はゆっくり休んで明日からの特訓に備えよう
ということになり、部屋に帰って休むことにした。
- 32 名前:ま〜 投稿日:2001年06月04日(月)22時37分00秒
- その頃中澤は夕飯までの時間を持て余していた。
ゆっくりと自分のベットに腰掛けると、冷蔵庫から取り出したビールを開ける。
プシュっと心地よい音がすると、泡が溢れ出してくる。
中澤は缶に口をつけると、一気に半分ほど飲み干した。
まだ湿っている頭にタオルを乗せ、くしゃくしゃと乱暴に拭く。
「ぷはぁ〜。ひとっ風呂浴びた後の一杯は最高やね。」
中澤は自分の肩に掛けていたバスタオルを体に巻きつける。
そして立ち上がろうとした時、『トントン』とドアが鳴った。
「ん?誰やろ?」
「後藤です。よろしいですか?」
ドアの外から後藤の声がする。
「一人か〜?」
「はい。」
「ええで・・。ちょっと待ってや、今開けるから・・。」
ドアの外の後藤と会話をしながら、中澤はドアまで行ってボタンを押した。
- 33 名前:ま〜 投稿日:2001年06月04日(月)22時38分48秒
- 「どうぞ。」
後藤を中に入れる。
「ありがとうございます・・・。あっ!す、すいません。」
後藤は中澤の格好を見て驚いた。
なにしろ中澤はバスタオル一枚の格好をしている。
「ええで。気にせんといて。」
ドアが自動的に閉まるったのを確認すると、中澤は再び自分のベットに座り込んだ。
「まあ、座りなよ。」
中澤は自分のベットをポンポンと叩いて、後藤を自分の隣に座らせた。
「お、おじゃまします。」
「まあそんなに緊張するなよ。」
「は、はあ・・。」
「いる?」
中澤は缶ビールを後藤に向かって掲げた。
「あ、はい。頂きます。」
後藤の返事も満足に聞かないうちに中澤は立ち上がると
冷蔵庫から缶ビールを一本取り出す。
「ありがとうございます。でもあたし、まだ未成年ですけど・・。」
「え〜やん。かまわへんて。大人と同じ仕事してるんや。かまわんかまわん。」
「そ、そうですか・・。じゃあ・・。」
そう言うと後藤は缶ビールのプルタブを開ける。
プシュっと乾いた小気味いい音。
- 34 名前:ま〜 投稿日:2001年06月04日(月)22時39分51秒
- 「じゃあ、乾杯やな。」
「はい。かんぱ〜い。」
コン、と二つの缶ビールがぶつかり合う音がした。
後藤は噴出す泡に口をつけると、一気に飲み干す。
「なんや・・。未成年とか言っといて、よ〜飲むやん。」
「えへへへ。」
「ところで、中澤さん・・・。」
「ああ、裕ちゃんでええよ。みんなそう呼んでるし。」
「え、いいんですか・・・?じゃあ後藤のことも、ごっちんって呼んでください。」
「ごっちん?」
「はい。みんなそう呼んでます。」
「そうか・・。じゃあ、ごっちん。」
「へへへ。」
後藤は缶ビールを持っていない方の手で頭を掻いた。
「中・・、裕ちゃん。あたし憧れてたんですよ〜。」
「そうか、ありがとな。」
「な〜んだ、素っ気無いな〜・・。えへへへ。」
『ん・・。なんや?この子、もう酔っ払ってるん?』
- 35 名前:ま〜 投稿日:2001年06月04日(月)22時41分22秒
- 「かっこいいですよね〜。裕ちゃん。」
「あ、あ、ありがとうな。」
「えへへへへ。」
中澤は段々後藤が自分の方に擦り寄ってくるのに気づいた。
『あれ・・?なんや?この子?』
「あたしも何時かは裕ちゃんみたくエースパイロットになりたかったんですよ〜。」
「ご、ごっちんは今までどれくらい撃破してきたん?」
「え〜と・・。まだザクを4機ほどです。」
「すごいやん!」
中澤は正直驚いた。
先ほどの対戦訓練でも動きが確かに良かった。
しかし、あまりやる気無さそうな表情、
そして、パイロットには不釣合いな顔。
にもかかわらず、後藤はもう少しでエースの称号を得られるほどのパイロットだった。
「えへへ。でも裕ちゃんほどじゃないです。」
後藤は段々中澤に近寄る。
「い、いや・・。まあ・・。」
アルコールには弱いのか、ビール一本ですっかり酔っ払ってしまっている後藤。
顔を赤らめながら中澤に寄り添ってくる。
- 36 名前:ま〜 投稿日:2001年06月04日(月)22時45分40秒
- 後藤は突然、自分の缶ビールをテーブルの上に置くと、
中澤に抱きついてきた。
「わ〜い!」
「ひえ〜〜!!」
どすん!と言う音と共に中澤は後藤によってベットに押し倒されていた。
実戦は数多く経験している。
人の死も多く見てきた。そのため、ちょっとの事では驚かない中澤も
さすがに後藤の行動と大胆さには面食らった。
まさか自分より年下に、しかも酔っ払った女の子に押し倒されるとは・・。
「こら!ごっちん・・・・?」
危うく自分のビールをベットに、ぶちまけそうになった中澤は、
後藤を押しのけようと後藤の肩に手をかけて、そして気づいた。
「寝とる・・・・。」
「zzz・・・zz・・。」
「なんや、この子・・・。変わっとる子やね・・。」
中澤の顔に掛かった後藤の長い髪の毛から
シャンプーの匂いがする。
中澤は、理由は分からないが可笑しかった。
「・・・。」
後藤の頭を軽くなでる。
「うちも丸くなったな・・。まあええか、この子可愛いし・・・。」
そう言いつつ、中澤もほろ酔いかげんのアルコールと
後藤の心地よさそうな寝息と共に段々と記憶が薄れていった。
- 37 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月05日(火)01時51分14秒
- >>31
『死神』か…サンダース軍曹だったっけ?
- 38 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月05日(火)05時27分23秒
- ヤッパ、ま〜さんと言ったら、ごまゆうですね(w
今後の2人に期待です。
- 39 名前:ま〜 投稿日:2001年06月05日(火)22時38分16秒
- 「先ほどはすいませんでした・・。」
「ええって、気にせんといて。」
「でも・・。」
「ええよ。ごっちんの可愛い寝顔も見れたし。」
「・・・。」
喧騒に包まれる士官食堂。
夕食の時間に起きた二人は、揃って士官食堂で夕食を取っていた。
「あれ〜・・・?裕ちゃんと後藤だ・・。」
その二人に気づいたのは、安倍と飯田だった。
二人はシャワーを浴びた後、揃って夕食に来たのだ。
「デート中、ごめんなさいね〜。」
「おじゃまかな〜?」
パン、シチュー、ポテトサラダ等の乗ったプレートを
中澤たちが座ってるテーブルに置くと、安倍と飯田は、
それぞれ中澤と後藤の隣に腰掛けた。
「なんや〜。なっちに圭織かいな・・。今ええとこやから、邪魔せんといてや〜。」
「え〜!裕ちゃんと後藤ってそういう仲なの!?」
「今日会ったばっかりなのに・・。
さすが裕ちゃんだね。上手いのはMSの操縦だけじゃないね。」
二人の抗議とも冷やかしとも取れる言葉を聞いた後藤は声を荒げる。
「そ!そんなんじゃありませんよ!」
「冗談だって♪」
「あははは。なっち妬いちゃうべさ〜♪」
飯田と安倍は、そんな後藤を笑って流した。
- 40 名前:ま〜 投稿日:2001年06月05日(火)22時39分31秒
- 「ところでさ、裕ちゃん聞いた?オデッサの戦いのこと。」
安倍が先ほどとは打って変わってまじめな表情で口を開いた。
「え?どうなったん?まだうち聞いとらんで。」
「連邦軍が勝ったらしいよ。ついさっき噂を聞いたんだ。」
安倍は胸をそらして自慢気に言う。
「へ〜。よく勝てたね。」
オデッサは東部ヨーロッパにある資源地帯で、ジオン軍の地上拠点である。
ここを奪取するのは連邦軍の最優先目標だった。
事実、連邦軍は少数ながら本格的にMS部隊を投入している。
「やっぱMSの力かいな?」
「そうでしょ?最新型とか優秀なMSが投入されたらしいし。」
「ええな〜。最新型。うちも欲しいわ・・。」
中澤は自分の嫌いなトマトをフォークで突付きながら言う。
「また裕ちゃんの欲しい病が始まったよ・・。」
「RX-79G陸戦型ガンダムでしたっけ?あたし見ましたよ。」
中澤、飯田、安倍のやり取りをじっと聞いていた後藤が口を挟んだ。
「まじ?!うちらもまだ見たこと無いのに!」
「はい。アジア地区にいましたから。」
「乗った?乗った?」
興味津々の安倍が尋ねる。
「ええ。少し。あれ乗ったらGM乗れませんよ・・。」
「乗っるやん・・。もう知らん!ごっちんなんて知らん!」
「あ〜ん!ごめんなさぁ〜い。」
そんな後藤と中澤のやり取りを微笑ましく見る飯田と安倍だった。
- 41 名前:ま〜 投稿日:2001年06月05日(火)22時41分02秒
- 翌日から猛訓練が開始された。
各教育係は、それぞれの新メンバーを鍛え上げる。
「何やってんの!!石川!」
「す、すいません・・。」
ペイント弾が着弾した石川の寒冷地用GMの動きが止まる。
「ほら!まだまだ終わらないよ!」
「きゃぁ〜〜!!」
保田は再びスロットルを上げ、バーニアを吹かすと石川のGMに突撃した。
保田の体がGによりシートに押さえつけられる。
それでも保田は全速で石川に迫る。
「きゃぁぁ〜!」
「ほら!」
ドカーンというものすごい轟音と共に、
保田のGMのシールドが石川の機体に激しくぶつかる。
地響きを立てて石川の機体が倒れこんだ。
「そんなんじゃあ、初日で戦死だよ!!」
「え〜ん・・。」
「え〜んじゃない!!ほら、立ち上がりな!!」
「はい・・。」
- 42 名前:ま〜 投稿日:2001年06月05日(火)22時42分23秒
- 一方、吉澤の機体は鍾乳洞の柱に隠れている。
「何処行っちゃったのかな・・?」
吉澤はモニターを見ながら、センサーをチェックする。
「・・・!?!?」
その時、右方向でセンサーが反応した。
「・・・右?!」
すぐさま吉澤は自分の機体を右旋回させ、
ペイント弾が装填されたマシンガンを構える。
鍾乳洞の柱の右側から何かが飛び出た。
瞬時に反応した吉澤は、その物体に向かってマシンガンを撃つ。
しかしながら、そこに存在したのはただのシールドだけ。
「あ、あれ・・・?」
その時、柱の反対側から銃撃を受けた。
軽い衝撃と共に、吉澤のGMの胸部にペイント弾のインクが炸裂する。
「きゃぁ!!」
「よっすぃ〜、戦死だよ〜。」
「矢口さん・・。卑怯ですよ・・。」
「何言ってるの!戦争に卑怯もへったくれも無いよ!!」
「え〜・・。」
「もう一回行くよ!!」
「はぁ〜い・・・。」
- 43 名前:ま〜 投稿日:2001年06月05日(火)22時44分23秒
- 「うちはまだマシかな・・?相手が後藤さんやし。他の人より実戦経験少ないやん。」
ぼ〜っとしながら加護は自分の機体を前進させる。
「どこいっちゃったのかな〜・・?」
加護は前進を止めると、近くの柱に隠れる。
「それで隠れてるつもり?」
「え!?後藤さん!?」
「丸見えだよ。」
「ええええ〜〜!!」
加護が悲鳴を上げるや否や、加護のGMのバックパックにペイント弾が炸裂した。
「きゃん!」
加護の背後、約100メートルほど離れたところに、
マシンガンを構えた後藤のGMコマンドが立っている。
一方の飯田と辻コンビ。
「泣かないでよ・・。辻・・。」
「・・・・・。だって・・・。いいらさんが・・・えっくえっく!」
辻のGMはペイント弾で真っ赤に染まっている。
「も〜・・・。困ったな・・。」
「えっくえっく・・。ごめんなさい・・・。」
「ほら、泣き止んで、あと10回いくよ、あと10回。」
飯田は辻のGMを起こす。
- 44 名前:ま〜 投稿日:2001年06月05日(火)22時46分42秒
- >>37 名無しさん
お?分かりました?「死神=サンダース軍曹」の事です。
一応色々なところで事実を取り混ぜて行きますんで
宜しくお願いします。
>>38 名無し読者さん
やはり、自分の小説にはこれを入れないとダメですね。
「後藤と中澤」以来のごまゆうです。
モーたい。の第一回目で「はじめて言うかも知れないけど大好きです。」
あの言葉は萌えた・・・。
- 45 名前:Tristan 投稿日:2001年06月06日(水)11時58分57秒
- お疲れさまです
>>「はじめて言うかも知れないけど大好きです。」
俺も萌えました……(それと同時に泣いた……)
ジャブローでの訓練は大変そうですね
オデッサが終わったころとゆうことは……ふむふむ……
(今、頭の中で思い出している……)
楽しみ!楽しみ! ごまゆうも期待してます!!
- 46 名前:ま〜 投稿日:2001年06月06日(水)23時58分48秒
- 「なっち。どう思う?」
「え?訓練のこと?」
「ああ。」
他のメンバーが1対1の訓練をしている場から少し離れたところで
中澤と安倍は全員の訓練を見守っている。
「まあまあいいんじゃないの?」
「まあ、今は訓練やからね・・。」
「実戦でどれくらい戦えるか心配なの?」
「ああ・・。」
「まあいいじゃん。それよりあたしたちも対戦やんない?」
「え?ええで〜!」
「お〜け〜!」
言うや否や、二人のGMコマンドは瞬時にお互い反対方向に飛ぶ。
すぐさま撃ちあいが始まる。
安倍のシールドにペイント弾が炸裂する。
一方の中澤も、安倍の銃撃を寸でのところで回避する。
強烈なGが彼女達にかかると、目の前が暗くなる。
「くっ!!」
彼女達の対戦は決着が着かないまま終了することとなる。
- 47 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)00時00分01秒
- 「はい〜!静かにしてや〜。」
メンバーが全員集まっているブリーフィングルームに
対戦結果等のデータが入ったディスクと書類を持って部屋に入ってきた。
一瞬にして部屋が静かになる。
「はい、それじゃあ今日の訓練結果。」
中澤は、すでにこのミーティングが始まる前に、各教育係から欠点等を聞いている。
モニターに繋がるコンピューターに持ってきたディスクを入れ、
画面を表示させると、書類を見ながら新メンバーの注意点を話し始めた。
「まず石川。あんた動きが遅すぎやで。」
「はい・・。」
「圭坊。石川の欠点を具体的に述べてや。」
「了解・・・。じゃあですね・・・・。」
保田は自分の座席から立ち上がると、石川の今回の模擬戦闘での
チェックすべきポイントを指摘する。
時にはコンピューターで表示される石川の動き、反応をチェックする。
こうしてミーティングは夜遅くまで続いた。
- 48 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)00時01分33秒
- 「あ〜疲れたよ・・・。」
新メンバーはミーティング終了後、MSシュミレーターを用いて
中澤の指導のもと、再び訓練をしていた。
そのため、夕食も取れなかった新メンバーは士官食堂で
遅めの夕食を取っていたのだ。
「へとへとだよ・・・。」
体中が痛いらしく、石川は自分の肩のあたりを擦りながら言う。
「あたしもシートベルトの跡付いちゃってきたよ・・。」
肩にシートベルトの痣が出来るのはMSパイロットにとって
一種の職業病とも言えるものだ。
「ののも、そんなにメソメソせんといてや・・・。」
「はい・・。」
辻と同年齢の加護が辻を元気付けるのか、
それとも呆れているのか、呟くように喋った。
「それにしてもパイロット訓練学校でもこんなに厳しく無かったよ・・。」
テーブルの上に突っ伏して吉澤が言う。
「そうだよね〜・・。厳しすぎるよ。」
「でも、あれぐらいできないと、活躍できないれすか・・?」
「・・・・。」
結局、4人ともまともな論議と結論も出ず、この日は解散することとなった。
なにしろ、明日からまた猛訓練が始まる。
体力を温存しておかなければならない。
- 49 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)00時04分44秒
- 訓練は連日、そしてミーティングは連夜続いた。
本来なら新しいメンバーでの懇親会を開きたいのは山々であったが
近々大きな作戦が計画されているという噂がある。
そのためにも、特訓を欠くわけにはいかなかった。
そんなある日。
「今日も訓練か・・・。」
憂鬱な表情で自分のMSに向かう吉澤。
半分だけ下ろしていたノーマルスーツのジッパーを上げながら呟く。
「よっすぃ〜。」
吉澤は自分の名前が呼ばれたのに気づいて振り返った。
特徴のある声。呼ばれた瞬間に誰だか分かった。
「梨華ちゃん?」
「中澤さんにお願いして明日あたり休みもらえないかなって、思うんだけど。」
あごに手を当てて少し考え込んだ吉澤は快諾した。
「そうだね、今日の訓練終わったらお願いしてみようか?」
「うん!ここんとこ休み無かったから疲れちゃったよね・・。」
「そうだね。もし休みもらえたらお出かけでもしようか?一緒に♪」
「うん!」
「こら!何してん?!」
MSの足元で喋っていた二人を見た中澤が注意をした。
「あ!すいませ〜ん!!」
『まったく・・。そろそろ休みでも必要かな・・。』
期せずして吉澤たちと同じ考えをする中澤だった。
「さて!今日も行くで〜!がんばっていき・・・。」
中澤がいつも通りの掛け声で訓練に向かおうとした時、
ジャブロー全体に警報が鳴り響いた。
- 50 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)00時07分13秒
- 「敵モビルスーツがジャブローに進入した模様!!」
警報は、そう告げている。
すぐさま中澤は司令部に連絡をとった。
「はい・・・はい・・・分かりました。」
一度全員をMSから降ろした中澤は状況確認をするために
MSデッキの端にある電話で話をしていた。
数分で戻ってくると、全員に戦況を報告する。
「敵はガウ攻撃空母10機以上を投入してMSを降下させた。」
「!!?!ジオンはここを落とすつもりなの?!」
中澤の報告に素っ頓狂な声を上げる矢口。
「まあ、たかが30機程度のMSでジャブローが陥落するとは思わんけどね。」
「で・・。でも・・・。」
新メンバーは明らかに動揺していた。初めての実戦。
いくら新米パイロットといっても、現在まだ数が少ない連邦のMS部隊だ。
確実に出撃命令が出る。
「まあそんな心配するなって。いざとなったらうちらが守っちゃるから!」
中澤はそう言うと自分の胸をドンと叩いた。
出撃命令が出たのは、ちょうどそんな時だった。
- 51 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)00時10分05秒
- >>45 Tristanさん
レスどうも!
やっぱり「ごまゆう」は自分の小説には欠かせません!
かつて自称:ごまゆう推進派会長を名乗ったのは伊達じゃません!藁
この先は実際のガンダムと色々絡めて逝きたいと思いますので
宜しくお願いします。
- 52 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月07日(木)02時43分52秒
- まーさんのごまゆう
何かほんわかしてすきなんですよねー
出来たら
傷ついた(病気でもいい)中澤を看病する後藤のシーンを入れて欲しいな
あくまで希望ですが
お願いします
- 53 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)22時27分18秒
- 全員がMSに乗り込む。
すべての計器をチェック。
異常が無いのを確認すると、中澤を始めとして次々MSを稼動させる。
中澤から順番に、GMコマンドと寒冷地用GMは専用マシンガンを、
GMはビームスプレーガンをそれぞれMS用の武器ラックから取る。
各MSのマニュピレーターと武器の接続を確認すると
次々とデッキを出て行く。
「みんな!聞こえるかい?」
「聞こえるよ〜。」
「はい・・。聞こえます・・。」
実戦経験の無いメンバーとベテランの差は、この反応だけでも分かる。
「ええか〜、一応10機で編成やけど、
各教育係と新メンバーは分隊として離れないこと!いいね!」
「了解!」
子気味いい返事をするのは保田たちだ。
「そんじゃ行くで!」
中澤たちMS部隊は、敵が侵入して来た方角に向かって進撃を始めた。
- 54 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)22時28分26秒
- 中澤を先頭にして進んでいく10機のMS。
「なかなかおらんね・・・。」
中澤がそう呟いた時だった。
前方で爆発と思しき閃光が瞬く。
「おったで・・・。」
前方にいるのは明らかにジオン軍のMS部隊。
10機ほどのMS、その編成は見るからに雑多だった。
ザク、ドム、ズゴック・・。
どういう目的で編成されたか分からなくなるような編隊。
そのMSの周りには連邦軍の主力戦車である81式戦車が群がっている。
しかしながら運動性能が全く違うMS相手に苦戦しているようだ。
地中での戦いのため、航空機も出撃できない。
翻って、見方のMSは見当たらない。
「さて・・、行くで!」
「なっち久しぶり・・、緊張しちゃうべ。」
「ウソ言いな!」
余裕を見せる中澤たちベテランに比べて、
顔が青ざめている新メンバー達・・。
中澤は自分と安倍で分隊を組み、中央から、
保田組と矢口組は左から、
飯田組と後藤組を右から包囲する作戦を取る。
「ほんじゃ、行くで!!!散開!!」
- 55 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)22時29分18秒
- 『どうしよう・・・。ドキドキしてる・・。』
「石川、大丈夫?」
緊張している石川の気持ちが手にとるように分かる保田は
石川に声をかけた。
「緊張してます・・。」
「そりゃそうだろうね・・。」
保田にも、もちろんのこと初めての実戦はあった。
誰でも何でも初めてのことはある。
「安心しな。あたしが守ってやるから。」
「あ・・、ありがとうございます。」
石川がそういった瞬間、
自分達の左舷側から敵に向かってビームが放たれるのが見えた。
- 56 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)22時30分35秒
- 「よっすぃ〜!早い!早いよ!!!」
「だって・・。照準が・・。」
「ここから何メートルあると思ってんの!!?当たるわけ無いでしょ!!」
「ごめんなさい・・。」
そう言うや否や、矢口たちのMSの近くで爆発が起きた。
どうやらドムがこちらを見つけてバズーカを放ったらしい。
「ほらぁ〜・・。見つかっちゃった・・。」
「ごめんなさい・・。」
『あ〜あ・・。裕ちゃん怒ってそうだな・・。』
矢口の予測は的中していた。
- 57 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)22時31分58秒
- 「誰や〜〜!!!!撃ったの!!!」
「さ・・、さぁ・・。」
一緒にいた安倍がはぐらかした。
「もお・・見つかってもうたやん・・!仕方あらへん。うちらが囮になる!」
「え〜〜!!」
安倍が抗議の声を上げるが、中澤は聞いてはいない。
「圭織!ごっちん!辻!加護!頼むで!!!行くで!なっち!!!」
「おっけ〜!」
中澤と安倍はバーニアをフルブースとさせると、
一気に敵に向かって突っ込んでいった。
中澤は自分の機体が空中で安定性を欠くにもかかわらず、
正確な照準をつけると、狙いをつけたザクに向かってマシンガンを放つ。
ザクの胸、頭部、腕、一面に火花が散る。
大きな爆発を起こして、ザクは動きを停止した。
一方の安倍も自分の狙いを定めると、照準をつけたザクに向かって引き金を引く。
中澤の狙ったザクと同様に、そのザクは爆発する。
飯田組、後藤組もそれぞれ狙いを絞ると、一気に突撃する。
戦いは完全に混戦となっていた。
- 58 名前:ま〜 投稿日:2001年06月07日(木)22時36分02秒
- >>52 名無しさん
レスありがとうございます。
>傷ついた(病気でもいい)中澤を看病する後藤
いいですね〜。でも、以前「続・後藤と中澤」で使ってしまったからな・・。
まあ、昔の話だからいいかな・・。
考えときます!
- 59 名前:名無し(現在進行形) 投稿日:2001年06月08日(金)10時55分29秒
- ガンダムはG−ジェネくらいしか知らんけど、
楽しめそうです。
「アムロ、ガンダム行きまーーーす!」(w
- 60 名前:ま〜 投稿日:2001年06月08日(金)23時04分02秒
- 「す・・・。すごい・・・。」
吉澤は混戦になった原因が自分にあることも忘れて、あっけにとられていた。
知ってはいたが、彼女達の腕前がこれほどのものとは思っていなかった。
自分が撃ったのはライフルには劣るものの直進性に優れるビーム。
一方中澤や安倍が撃ったのは、弾道の直進性の劣る実弾系。
自分と中澤の、敵からの距離はさほど変わらなかったはずだ。
にもかかわらず、自分の射撃は大外れ。
それだけではなく、敵に自分の位置を知らしめてしまった。
他方、中澤たちの射撃は正確を極めた。
正直、ショックだった。
自分も射撃には自信があったはずなのに・・・・。
そこへ、敵弾が飛んできた。
「うわぁ〜〜!!」
爆風により吉澤のGMは地面に倒れこんでしまった。
登場していた吉澤も、シートベルトをしているとはいえ、
相当な衝撃を受けた。
「ん〜〜・・・。あいたたたた・・・。」
頭を手で抑えつつ、意識を取り戻すために、頭を左右に振った。
そして気づいた。
モニターに、ヒートサーベルを振りかざし、
今にも吉澤のGMを串刺しにしようとしているドムが写っているのを。
- 61 名前:ま〜 投稿日:2001年06月08日(金)23時05分02秒
- 「!!!!!!」
吉澤は自分の顔を手で覆った。
そんな事で爆発と衝撃から逃れられるはずは無い。
しかし、反射的にしてしまった。
一瞬の後、吉澤を激しい衝撃が襲った。
『死んだ、初陣で・・。活躍したかったな・・。梨華ちゃん、
お買い物できなくてごめん。』
「あれ・・・?」
吉澤は目を開けると、ぺたぺたと自分の体中を叩いてみた。
「生きてる・・?」
ふとモニターを見ると、何も無い。
ただ、付近には、かつてMSであったと思われる破片が散らばっていた。
「え・・・?」
「大丈夫?よっすぃ〜・・?」
「や!矢口さん!」
「危なかったね〜。」
吉澤のGMの横では、ビームサーベルを持った矢口のGMコマンドが立っていた。
「や、矢口さん・・・。・・えっくえっく・・・。」
「ど、どうしたの?よっすぃ〜?」
「あ、ありがとうございます・・。えっくえっく・・。」
「な、何?!泣いてるの!?な、泣かないでよ・・。よっすぃ〜・・。」
『どうやら大丈夫なようだね・・。』
中澤は、吉澤が無事だったことを確認すると、再び敵に向かって突撃していった。
- 62 名前:ま〜 投稿日:2001年06月08日(金)23時07分16秒
- およそ10分後、すべての敵機は撃破されていた。
中澤たちベテランメンバーは、それぞれスコアを稼いでいたが、
吉澤たち新メンバーは1機も撃破出来なかった。
石川に至っては、射撃をすることも出来なかった。
「はぁ〜・・。やっぱりダメれす・・。」
「最初はしょうがないよ。」
落ち込む辻を元気付ける飯田。
「みんなすごいれすね・・。」
「まあ、経験の差だから。辻ももう少しすれば強くなれるよ。」
「ほんとうれすか?」
「うん。だから頑張ろうね。」
「はい!」
飯田と辻が、およそ戦場とは思えないほど、ほのぼのした会話をしていると
丁度、中澤から集合の連絡が入った。
- 63 名前:ま〜 投稿日:2001年06月08日(金)23時08分15秒
- 「みんな。無事か〜?」
「はい。」
「はい。」
それぞれメンバーから連絡が入る。
中澤の周りに集合してきたMSは、ほとんどダメージらしいダメージを受けていない。
ただ、至近距離で敵MSの爆風を浴びた吉澤のGMは
脚部関節がすこしダメージを受けたらしく、
結局中澤の指示で、矢口の護衛の下、帰還することになった。
こうして10機いた中澤の中隊は、数を8機に減らして
付近の偵察に当たった。
- 64 名前:ま〜 投稿日:2001年06月08日(金)23時09分27秒
- 「じゃあ、この洞窟でそれぞれチームごとに分かれるよ。」
中澤の提案に、飯田が抗議の声を上げようとした瞬間、
全員が、おそらく忘れようとも忘れられない光景を目にした。
敵と思しきMSに突撃をした味方の81式戦車が、
敵MSに放り投げられたのだ。
「な!!な!なんやあれ!!?」
実戦経験豊富な中澤たちも、戦車がMSに放り投げられる光景など見たことは無かった。
そして、彼女達は見た。
目にもとまらぬスピードで走る『赤いMS』を。
- 65 名前:ま〜 投稿日:2001年06月08日(金)23時12分21秒
- >>59 名無し(現在進行形)さん
レスありがとうございます。
G−ジェネってゲームでしたっけ?
そうか・・。初代ガンダムを知らない人って結構多いね・・・。
世代間のギャップを感じる・・。(藁
( ´ Д `)<後藤いきま〜す・・・・・zzz
- 66 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月09日(土)00時36分49秒
- 今はいいのさ すべてを捨てて 一人残った 屍の俺が
この戦場で もがき苦しむ地獄の炎 シャア! シャア!
- 67 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月09日(土)02時37分09秒
- 『赤いMS』…気になる私はシャアヲタです。
- 68 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月09日(土)04時05分55秒
- >>66
またマニアックな・・・(w
わかる人いるのか?
- 69 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月09日(土)05時31分09秒
>>68
俺も知ってるよーん
「赤いMS」やはり来ていたのか・・・
「通常の3倍のスピードで接近してきます・・・」
みんなは奴に対抗できるのだろうか?
- 70 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月09日(土)12時19分51秒
- 赤いMSにシャアじゃなくて
ジョニー・ライデン搭乗だったらええのに(w
- 71 名前:ま〜 投稿日:2001年06月09日(土)14時36分52秒
- ピンクのモノアイ。
頭部と肩が一体化したMS。特徴的な両腕の爪。
そして何よりも、真紅のMS。
「ま、ま、まさか・・・。あれが・・。」
「あ、赤い彗星!?!?」
噂には聞いていたが、中澤たちも実際に見たことは無い。
あのルウム戦役で5隻の戦艦が彼一人の手によって撃沈された。
その赤い彗星が操縦すると思われるMSが目の前にいる。
両腕の先にある鋭い爪を輝かせながら。
「みんな!!!注意して!!散開!!それぞれ支援するんだよ!!」
中澤の号令と共に全員が散らばる。
- 72 名前:ま〜 投稿日:2001年06月09日(土)14時37分54秒
- 安倍がマシンガンを放つ。
飯田もバルカンを連射する。
見方同士の隙が出来ないように、保田がバックアップをする。
もちろんのこと石川たち新メンバーも、ビームスプレーガンを放つが
まったくもって当たらない。
たった1機のMSに8人が、事実上4人ではあったが、翻弄されている。
「くそっ!なっち!!挟み撃ち!!」
「わかったよ!!」
中澤が突出して、『赤いMS』の後ろに回り込もうとする。
それを阻止しようと、両腕のビームガンを放つ『赤いMS』。
そこに安倍がマシンガンを放つ。
寸でのところでよけた『赤いMS』だが、中澤はその隙を見逃さなかった。
「もらったよ!!」
中澤が放ったマシンガンの弾は、ほんの数発が『赤いMS』に命中した。
しかしながら大した効果は見られない。
「くっ!なんて厚い装甲!?でも、バランサーくらいは・・・!?」
- 73 名前:ま〜 投稿日:2001年06月09日(土)14時38分54秒
- そこで中澤は1機のMSが突出するのを見た。
MSは、極めてノーマルタイプのGM。
「誰?!!」
中澤は、周辺を確認したが、
どうやらそのGMは中澤の中隊に所属しているGMではなかった。
「誰だか分からんけど、あんた!危ないよ!!!」
中澤の危惧は的中した。
不用意に接近したGMは、ビームスプレーガンを発射したが、
あっさりその『赤いMS』にかわされると、
『赤いMS』は目にもとまらぬスピードでそのGMに接近し、
右腕の鋭い爪でGMのコックピットをぶち抜いた。
「あ・・・、あれが赤い彗星の早さ・・・。」
全員が瞬時にGMが破壊されるの見て、あっけにとられてしまった。
そこに、とてつもなく高出力のビームが飛んできた。
- 74 名前:ま〜 投稿日:2001年06月09日(土)14時39分58秒
- 「!?あ!あれは!ガンダムだべ!!!」
安倍が素っ頓狂な声を上げた。
ビームが飛んできた方向を見た中澤は確信した。
安倍が言った事はウソではないと。
そこにいた全員が、あっけに取られて見守る中、
恐ろしいほどのスピードで格闘戦を演じる2機の赤と白のMS。
そのスピードは、中澤や安倍、飯田達ですら
付いて行くのが困難に思える早さだった。
『赤いMS』はガンダムと戦うだけでなく、
飛んでいたホバークラフト『ファンファン』をも叩き落す。
あっけにとられるメンバーの目の前で
『赤いMS』は、ガンダムによって腕を切断されると
猛スピードで退避して行った。
もちろんのこと、ガンダムはそのMSを追いかけていったが。
- 75 名前:ま〜 投稿日:2001年06月09日(土)14時40分51秒
- 「見た・・・?今の・・?」
珍しく呆然とする中澤が、他のメンバーに語りかけた。
「見たよ・・。すごいね・・・。」
「あたし達とはレベルが違うね・・・・。」
「あたし・・。何が起きたのか理解できませんでした・・・。」
全員が呆然とする中、ただ一人、後藤だけは何かを感じ取っていた。
「何だろう・・・?この感覚・・・。」
メンバーのMSが帰還しようと動き出す。
しかしながら後藤のMSは動く気配が無い。
「どうした?ごっちん?どっか壊れたんか?」
「な、何でもない・・。何でもないよ・・。」
中澤の疑問に曖昧に答えると、
後藤は自分の機体を翻し、中澤たちに付いて行く。
『何だったんだろ?さっきの感じ・・・。』
- 76 名前:ま〜 投稿日:2001年06月09日(土)14時50分27秒
- 更新です。皆さんレスありがとうございます。
>>66 名無し読者さん
ビーム 輝やくフラッシュバックに 奴の影
シャアシャアシャア! (シャアシャアシャア)
一人で死ぬかよ 奴も奴も叫ぶ
狙いさだめる シャアがターゲット
シャアシャアシャア! (シャアシャアシャア)
>>67 名無し読者さん
シャアヲタ発見!
キャスバル=レム=ダイクン
シャア=アズナブル
クワトロ=バジーナ
以外に名前ありましたっけ?
クワトロは4番目の名前でクワトロだったような気がするんですけど。
>>68 名無しさん
たしかにマニアックですね。
確かこの曲はTVでマグネットコーティング後のガンダムが
シャアのゲルググと戦う時に流れたような・・。
>>69 名無し読者さん
やはりジャブローといえば赤いズゴックだと・・。
ちなみに皆さんは対抗できませんでした。
まだまだ腕前が違います。藁
>>70 名無しさん
しまった・・。ジョニー=ライデンは
宇宙に行ってから使うつもりだったんです・・。
- 77 名前:ウッディイ大尉 投稿日:2001年06月10日(日)00時47分33秒
- ファンファンしかなかったのか!
- 78 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月10日(日)01時21分22秒
- たしかエドワウなんとかじゃなかったっけ・・・?
- 79 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月10日(日)02時10分57秒
- 後藤はニュータイプなのか!!
飯田あたりは素でそれっぽいけど(w
>>78
『エドワウ・マス』でわ?
- 80 名前:Tristan 投稿日:2001年06月10日(日)09時52分17秒
お疲れ様です
ジャブローでシャアのズゴッグがジムの腹に爪を突き刺している
ガンプラ作ったのがすごく懐かしいっす(頑張って作った…それは大変だった)
ガンダムと赤い彗星が登場で盛り上がってきましたが娘中隊みんなの活躍と
これからの展開期待してます
- 81 名前:ま〜 投稿日:2001年06月10日(日)21時44分05秒
- 残敵を掃討し終わった中澤たちは基地に帰還していた。
全員が疲労と緊張により、汗まみれだった。
「集合!」
中澤がMSデッキでメンバーに集合を懸ける。
「ひと休憩したら全員ブリーフィングルームに集合や。30分後な!」
「了解〜!」
全員が一旦解散するのを見た中澤は
ノーマルスーツのジッパーを少し下ろして、パタパタ扇ぐ。
「ふ〜・・。疲れた・・・。まさか赤い彗星に遭遇するなんてね・・。」
ヘルメットを左手で抱え、シャワーを浴びるために自分の部屋に帰ろうとした時
突然後ろから声をかけられた。
「裕ちゃん!!」
「みっちゃん・・・!」
- 82 名前:ま〜 投稿日:2001年06月10日(日)21時44分58秒
- 中澤に声をかけたのは平家みちよ中尉だった。
「赤い彗星と戦ったんやって〜!?」
興味津々の表情で語りかける。
中澤と平家は士官学校の先輩と後輩の仲。
かつて二人揃って、ありとあらゆる悪事を働き、
一時は二人共退学寸前まで行ったほどの、いわいる悪友である。
もっとも両者とも、成績は抜群だったが・・。
彼女も所属部隊は違うが、同じMSパイロット。
「ああ、噂どおり、すごい早さやったよ・・・。翻弄されっぱなしやった・・。」
「え〜〜!!裕ちゃんが!?」
「ああ・・。」
「やっぱすごいんやな・・。そ!そんなことよりも!!」
突然平家は大声を上げた。
「うち専用のファンファン知らへん?」
「へ?」
「誰だか分からんけど、大尉の階級章付けたおっさんが乗ってたんや!!」
「へ〜・・。みっちゃんファンファン乗ってたん?」
「い、いや・・。うちらの部隊が使ってたやつよ・・。」
「ふ〜ん。まあええわ。どっちみちうちには関係あらへん。」
こうして中澤と平家は、後で夕飯を共にすることを約束して別れた。
- 83 名前:ま〜 投稿日:2001年06月10日(日)21時46分02秒
- ブリーフィングルーム。
「今日は新メンバーの4人は初めての実戦やったな。」
「はい・・。」
「どうやった?初めての実戦の感想は?」
「はい・・。緊張しました・・。」
中澤は新メンバーに石川から順番にそれぞれ感想を聞く。
そして順番は吉澤に回って来た。
『絶対あたし怒られるよ・・・。だって・・。』
「吉澤!」
「は!?はい!」
「あんた、死にそうになったな。」
中澤は厳しい顔をしている。
そんな中澤に対して目を合わせることが出来ない。
「・・・はい・・・。(やっぱり・・怒られる・・)」
「矢口に感謝するんやで。」
「はい・・・分かってます・・。」
そこで中澤は、ふとやさしい顔になった。
「最初は無理に戦わんでもええよ。」
「・・・?」
「逃げ回ってもええ。死ななければね・・。」
「・・・。」
「うちも最初はそうやった・・・。」
- 84 名前:ま〜 投稿日:2001年06月10日(日)21時46分58秒
- 開戦当初、中澤は真っ先に急襲を受けた連邦軍部隊の戦闘機パイロットだった。
当時新米士官で、中尉に任官したばかりの若手搭乗員。
初の実戦。偶然にも敵機を撃墜した中澤は
自信過剰になり、上官が深追いを戒めたにもかかわらず、命令を破った。
そこで中澤は初めて知った。実戦の恐ろしさを。
彼女が生き残れたのは、本当に奇跡に等しかった。
彼女の命令違反により、多くの仲間が散った。
新米一人が先走ったために多くの犠牲者を出してしまった。
中澤が自分の過去をメンバーに話したのは、これがこれが初めてだった。
「だからうちにも分かる・・。吉澤・・。」
中澤は、そう話しながら吉澤に歩み寄ってくる。
「死んで欲しくないからな・・・。もちろん、まだうちも死にたくない。」
「・・・・。」
「だから、頑張るんやで。」
吉澤の肩に中澤の手が乗る。
吉澤は、その中澤の手から何かを感じていた。
「・・・・はい!!」
- 85 名前:ま〜 投稿日:2001年06月10日(日)21時47分49秒
- こうして全員の報告、および反省等を話し合ってミーティングは終わった。
メンバーにとって、そして何よりも新メンバーにとって嬉しかったのは
翌日が休養日になったことだ。
『明日、何しようかな・・・?』
吉澤が考えながらブリーフィングルームから出ようとすると、
自分の肩が誰かに叩かれたのに気づいた。
振り向くと、そこには安倍がいる。
「安倍さん・・。」
「落ち込まないでね。」
「はい。ありがとうございます。」
「でも、裕ちゃんがあんな事言うの珍しいんだよ。」
「・・・。」
「よっぽど期待されてるか・・・。」
「期待されてるか?」
「呆れてるか、どっちかだべ♪」
安倍は吉澤に顔を近づけて言った。
「はぁ〜・・。」
「じゃあね!」
「はい・・。」
『多分、前者の方だと思うけどね。』
安倍は、吉澤に背を向けつつ、そう思った。
- 86 名前:ま〜 投稿日:2001年06月10日(日)21時48分50秒
- 皆様、レスありがとうございます。
>>77 ウッディイ大尉さん(?)
なんであのおっさんは、あんな役に立ちそうも無い物で
出撃したんでしょうか?不思議です・・。
>>78 名無しさん
>>79 名無しさん
『エドワウ・マス』ですか?ありがとうございます!
それから後藤は、段々とニュータイプに・・。
>>80 Tristanさん
おお、こんにちはTristanさんの作品よんでますよ。
確かにズゴック VS GM は作りましたね。
火で溶かして、GMの胴体に穴あけて・・。
懐かしい・・。ガンプラ作りたくなってきた。
- 87 名前:ま〜 投稿日:2001年06月11日(月)22時19分35秒
- 『コンコン』
「誰や?」
ミーティングが終わると、夕飯までの時間を持て余していた中澤は
一度自分の部屋に戻ってきていた。
部屋で、全員の戦闘報告書に目を通していた時、
ドアが叩かれた。
「なっちだよ〜。」
「ああ、ちょっと待ってや。」
中澤は自分の部屋のドアを開ける。
「おじゃまぁ〜。」
「どうぞ。」
中澤はベットに腰掛ける。
一方の安倍は、椅子に手を置くと、椅子の背もたれを中澤の方に向け、
背もたれの上で両腕を組む形で、通常と反対方向に椅子に座った。
「裕ちゃん、よっすぃ〜のこと、随分買ってるんじゃない?」
「よっすぃ〜?ああ、吉澤のことか・・。」
「うん。」
「ああ・・。だって、可愛いんだもん!!」
「はぁ?!何それ!?!?」
「いや、冗談やて・・。いや、吉澤が可愛いのは冗談や無いけど。」
- 88 名前:ま〜 投稿日:2001年06月11日(月)22時20分28秒
- 「さっきも言うたけど、吉澤を見てると、昔の自分を思い出すんや。」
「・・・・。」
「頑固そうで、それでいておっちょこちょい・・・。」
「そうだね。」
「失礼なやっちゃな!」
「自分で言ったんだべさぁ〜!!」
どちらが売ったか分からない口喧嘩を始める二人。
「なんや!」
「なんだべさ!!」
「・・・・。」
「・・・。」
「ぷっ!」
何時の間にか二人はお互いを見て笑っている。
たとえ半年程度でも、死線を一緒にくぐり抜けて来た仲間だ。
誰よりもお互いのことが分かっている。
肉親以上に。
「相変わらずだね。」
二人は突然ドアの方から聞こえた声に驚いて振り向いた。
- 89 名前:ま〜 投稿日:2001年06月11日(月)22時21分22秒
- 「聞いてたよ。相変わらずだね〜。」
「圭織・・。」
彼女達が振り向いた先には、髪が長く、背の高い女性が立っていた。
腕を組んで、面白そうな目つきで二人を見ている。
「って、言うか圭織も混ぜてよ!!」
「へ!?」
「圭織だけ仲間外れは嫌〜。」
飯田はそう言いながら部屋に入ってくると、中澤の隣に腰掛けた。
「せっかくだから飲みにでも行かへん?」
「そうだね。」
「最近全然行ってなかったべさ・・。」
「決まりや!!ところで・・・、ごっちん呼んでもええかな・・?」
「おお!!熱愛発覚だべさ!!」
「そんなんちゃうって・・!」
こうして三人プラス後藤の四人は、朝まで飲むこととなった。
何時死ぬか分からない軍人。ましてや戦争中だ。
彼女達は、一日一日を大切に、そして楽しむことを忘れなかった。
ちなみに中澤が平家との約束を忘れたのは言うまでもない。
- 90 名前:ま〜 投稿日:2001年06月11日(月)23時23分41秒
- 翌朝・・。
「あいたたた・・・。」
中澤は自分の頭を襲うズキズキした痛みで目が覚めた。
「あ〜・・。昨日は・・、そや・・。なっちたちと・・・。」
昨日の夜、安倍・飯田・後藤、そして途中から合流した保田・矢口と
空が明るくなるまで飲んだことを思い出す。
「飲みすぎやな・・・。痛たた・・。それにしても何でうちは裸で寝とるんや?」
「うちも若くないんやから気をつけんと・・・・。ん?!?!」
中澤の手に、何か柔らかい物が触れる。
「ん・・・?」
もう一度触ってみる。
ムニュっという、やわらかい感覚。
そこで中澤は気づいた。
自分の横で、何者かが一緒に、しかも自分同様、『裸で』寝ていることを。
『ななんな!!?!』
まだ寝ている、その人物を確かめるために、
そ〜っと布団をめくってみる。
そこにいたのは、少し長めで、やや茶色がかった黒色の髪の女性。
小さい子供のように、丸まって寝ている。
『ご、ごごご、ごっちん!!?!』
- 91 名前:ま〜 投稿日:2001年06月11日(月)23時24分30秒
- 「ん〜・・・。裕ちゃん・・・。おはよう・・。」
目が覚めた彼女は、眠そうな目をこすりながら起き上がった。
あらわになっている後藤の豊かな胸が揺れる。
一発で中澤は酔いが覚めた。
『う、うち、なにしたんやろ・・!?まさか・・・!?』
「裕ちゃん・・。どうしたの?」
「い、い、いや・・。昨日・・うち・・。」
動揺し、顔がやや青ざめる中澤とは対照的に
後藤の顔が、かぁ〜っと赤くなる。
「裕ちゃん・・。あたし・・・。」
そう言うと、後藤は中澤から目をそらした。
『あかん・・。もしかして、うち、やってもうた?!ごっちんと・・。』
「あたし・・。嬉しかった・・。でも・・、もうちょっと優しくして・・。」
後藤の言葉は、中澤に追い討ちをかける。
頭の中が真っ白になる中澤。
- 92 名前:ま〜 投稿日:2001年06月11日(月)23時25分28秒
- 『あかん!うち・・・。やってもうた・・・。』
心の中では、そう言ってみたものの、実際、中澤は女だ。
男と違って『何か』付いている訳ではない。
『どうやって・・。何したんや・・・?うち・・。』
しかしながら、中澤と後藤が何もまとわず一緒に寝ていたこと。
中澤を見るなり、顔を赤らめる後藤。
普通、何があったかは想像に難しくない。
しかしながら、ベロンベロンに酔っ払った中澤は、
全く記憶が無い。
一方の後藤は記憶が残っているようだ。
『何しました?なんて聞けへんよな・・・。』
「初めてだったんだよ・・・。」
さらに追い討ちをかける後藤の一言。
『あわわわわわ・・。』
「優しくしてって言ったのに・・・。」
顔を赤らめる後藤。
『どないしよう・・・。』
- 93 名前:ま〜 投稿日:2001年06月11日(月)23時26分25秒
- 「あ・・。あんな・・。ごっちん・・・うち・・。」
中澤は意を決して、正直に告白することにした。
全く昨夜のことが記憶に残ってないことを。
「す、すまん!ごっちん!うち何にも覚えてないんや・・・・。」
その中澤の言葉に明らかにショックを受けている後藤。
後藤の両目が段々と潤んでくるのが、中澤には分かる。
「お、覚えてないの・・・?」
「ごめん!ごっちん!」
後藤は両手で顔を覆うと、ベットに崩れた。
「・・・・・・。」
「すまん、ごっちん・・。でも・・・ごっちんの事、好きやで!!」
そう言いつつ、中澤は下を向いている後藤の両肩に手を置いた。
「・・・・・・。」
「ごっちん・・・・。」
突然後藤が起き上がった。
- 94 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月12日(火)07時40分27秒
- 第三次世界大戦勃発かな?
石川には宇宙に行くときw(ゼロシステム搭載)に乗って欲しいな〜
- 95 名前:ま〜 投稿日:2001年06月12日(火)22時47分19秒
- 「ばぁ〜〜!!!」
「うわぁ!」
突然起き上がった後藤に、中澤は思わず腰を抜かしそうになった。
「うそだよ〜ん!!!!」
「はぁ!?!?」
後藤の話によると、事実はこうであった。
昨夜中澤たちは、すっかり酔っ払った。
特に中澤は歩けないほど。
そこで後藤が中澤を部屋まで送り届けることになった。
部屋に入って、中澤をベットに寝かすと、
中澤が寝苦しいだろうと思って、後藤は中澤の服を脱がした。
そこで、後藤はあることを思いついた。
『もし、中澤が起きて、自分が裸で横に寝ていたらどうなるか?』と。
もちろん後藤も酔っ払っていたので、そんな計画を思いついたのだが。
案の定、中澤はひっかっかった。
「まあ、そんな訳です♪」
「・・・・・・・・・。」
中澤の顔が、先ほどとは打って変わって赤くなっていく。
もちろん、照れや、恥ずかしではなく、怒りで。
- 96 名前:ま〜 投稿日:2001年06月12日(火)22時48分33秒
- 「後藤・・・。」
「怒った・・・?」
「当たり前やぁぁぁ〜〜〜!!!!」
「ごめんなさい・・・・。」
「・・・まあええわ。ごっちん見てると、怒る気が起きんわ・・・。」
「好きだから?」
後藤が中澤の顔を覗き込む。
「そんなこと言うとらん・・。」
「言ったもん・・。」
「言うとらん!」
「言ったもん!!」
「言わん!」
「言った!!」
「言わへん!」
「言ったも〜〜〜〜ん!!」
勢い余った後藤は中澤を押し倒す。
「・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
- 97 名前:ま〜 投稿日:2001年06月12日(火)22時49分14秒
- 丁度その時、ドンドンドンドン!!と、突然中澤の部屋のドアが叩かれた。
「入るでぇ〜〜!!!!」
中澤と一緒の関西弁が外から聞こえてくる。
一瞬、中澤と後藤が目を合わせた。
「ちょ!ちょっと待ってや!!!!」
中澤が言うが早いか、ドアが開けられる。
「こらぁ〜〜〜!!!!裕子!!!昨日、うちとの約束・・・?!!?」
声の主の動きが止まった。
- 98 名前:ま〜 投稿日:2001年06月12日(火)22時50分00秒
- 「みっちゃん・・・。」
「・・・・・。」
部屋に無理やり入ってきたのは平家だった。
中澤は部屋のキーロックナンバーを誕生日にしていた。
中澤との付き合いが長い平家は、
そんな中澤の行動パターンは、よく知っている。
そのために、中澤が許可するよりも早く中澤の部屋のドアを開けた。
しかしながら平家がそこで見たものは、まったく想像だにしない光景。
中澤が仰向けで寝転がっている。
そしてその上にまたがっている後藤。
どう見ても、後藤が中澤を押し倒した状態。
しかも二人共『裸』。
「あ・・、あの・・・。」
「い・・、いや、あの・・これは・・・。」
- 99 名前:ま〜 投稿日:2001年06月12日(火)22時50分43秒
- 「ご、ごめんな裕ちゃん・・。そうならそうって言ってくれれば・・。」
「み、みっちゃん?」
申し訳無さそうな平家。
一方、弁明しようとする中澤。
「裕ちゃん・・。男できへんからって、女に走るなんて・・。」
「ちゃう!ちゃうねん!!」
「はぁ〜・・。そんなに困ってたら、いっそうちが・・・。」
「みっちゃん・・?」
うなだれる平家を怪訝に思いながら、
中澤は慰めようとする。
「みっちゃんがそんな風に、うちのこと・・。」
「・・・・うそや!!!うそに決まっとるがな!!あほ!!」
突然平家は中澤の方を向き、言い放つ
「な!なんやて!あほ言うたな!!」
後藤に押さえつけられている状態で言っても、
まったく迫力が無い。
「あほや!!ええか!今度しっかりおごってもらうで!!ええな!」
そこまで言うと、平家は中澤の部屋を出て行った。
- 100 名前:ま〜 投稿日:2001年06月12日(火)22時51分16秒
- 「なんなんや・・・。」
「なんなんでしょうね?」
「そう言えば、みっちゃんとの約束忘れとったわ・・。あはは・・。」
中澤は力なく笑う。
「でも、これで公認の仲かな?」
「そやな・・。まあええか・・。」
後藤は段々と自分の瞳を閉じながら、中澤の顔に近づける。
中澤は近づいてくる後藤の唇に人差し指を当てると、こう言った。
「公私混同は無しやで・・。」
そこまで言うと、中澤は素直に後藤を受け入れた。
- 101 名前:ま〜 投稿日:2001年06月12日(火)22時52分56秒
- >>94 てうにち新聞新入社員
レスありがとうございます。
ところで・・、
ゼロシステムって何だぁ〜〜??!(藁
- 102 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月12日(火)23時18分31秒
- ごまゆう、ええなぁ〜。
- 103 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月12日(火)23時50分23秒
- ま〜さんのごまゆうはたまりません(w
毎日、愛読させて頂いています!
みっちゃんもいい感じで・・・
みっちゃん、裕子に片思いってのも本当のところアリですか?
- 104 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月13日(水)07時54分24秒
- >>>101
Wに出てきた暴走するシステムです〜。
新しいのかな?
- 105 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月13日(水)09時41分09秒
- >>104
時代が違うでしょ?
それに作品としてのつながりもまったくないぞ。
>>101
ガンダムWで出たシステム。パイロットの戦闘能力が格段に上がる。
気力140以上で発動。格闘・射撃・命中・回避・技量が増加(w
- 106 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月13日(水)21時57分07秒
- >>104
済みませんでした。
スパロボット大戦的なのかと勘違いしてました
- 107 名前:ま〜 投稿日:2001年06月13日(水)22時21分53秒
- その頃、吉澤と石川。
「あんまり面白い所無いね・・。」
「そうだね・・。やっぱり基地だからね・・。」
ジャブローに来てから、初めての休日。
石川と吉澤は、ジャブローの中を探検していた。
探検といっても、ただ単に、商業地を探索するだけ。
ジャブローにも女性軍人が多くいるとは言え、
娯楽関係の施設は、圧倒的に男性向けが多かった。
大型モール等もあるが、女性ファッション関係は
お世辞にもいいとは言い難い。
せっかくの休日。ウィンドウショッピングを楽しみたかった二人だが、
期待は裏切られた。
「つまんなぁ〜い!」
「そうだね・・。」
ぶつぶつ言いながら、とりあえず喫茶店に入る。
- 108 名前:ま〜 投稿日:2001年06月13日(水)22時22分52秒
- 「ジャブローベーグルとジャブローケーキ、連邦コーヒーが二つですね?」
注文を取りに来たウエイトレスが彼女達のオーダーを繰り返す。
「はい。」
胸に『ASAMI』と書いたプレートのウエイトレスは
オーダーをキッチンに伝えるために去っていった。
「はぁ〜・・・、することないね・・。せっかくの休日なのに・・。」
「うん・・。」
久しぶりの休日なのに、することが無い。
注文の品が来ると、無口でもくもくとケーキを食べる二人。
『ジャブローベーグルって、ただのベーグルじゃん・・。』
『ジャブローケーキって、ただのショートケーキだよ・・。』
「あ、あのさ・・。」
沈黙を破って、石川が口を開いた。
「なに?梨華ちゃん・・?」
- 109 名前:ま〜 投稿日:2001年06月13日(水)22時23分41秒
- 「よっすぃ〜って、かっこいいよね・・。」
吉澤は突然の石川の言葉に少々驚く。
「う、うん。よく言われるよ。梨華ちゃんみたく女の子っぽくないでしょ?」
「そんなこと無いよ・・。でもよっすぃ〜ってかっこいいよね・・。」
「・・・・。」
石川の顔が次第に近づいてきて、吉澤の顔を覗き込む。
思わず照れてしまった吉澤は、少し顔を赤らめつつ目を背けた。
「あ、あのさぁ、これからよっすぃ〜の部屋に行かない?」
「もう帰るの?」
「帰るって言うか・・よっすぃ〜の部屋に行きたいな。」
「なんで・・?」
そこで吉澤は、ふと思い出した。士官学校時代の石川の噂を。
石川には、妙な噂があった。
彼女はとても奥手な女性。男性経験の噂など全く無かった。
その代わり、しばしば『女性との噂』がたった。
噂の相手となった女性は、必ずボーイッシュな女性。
士官学校時代は交流が無かった石川と吉澤。
吉澤は、そのような噂は全く興味が無かった。
石川という人物を知らなかったからだ。
しかしながら、今現在、『女』の吉澤を見つめる石川。
そして例に漏れず、ボーイッシュな吉澤。
- 110 名前:ま〜 投稿日:2001年06月13日(水)22時24分54秒
- ガチャン!
噂と事実を認識した吉澤は、
持っていたコーヒーのスプーンを皿の上に落としてしまった。
その弾みで、コーヒーが跳ねて吉澤の服の胸のあたりに染みを作る。
「あぁ〜大変!よっすぃ〜!!」
石川は、突然自分の席を立つと、吉澤の隣に来てハンカチを取り出すと
吉澤の服の胸の部分を拭き始めた。
あまりの大胆な行動に、ドキリとする吉澤。
「い、いいって・・。梨華ちゃん・・。」
「でも・・、染みが残っちゃうよ。」
「いいよ!!」
思わず吉澤は強い口調で言ってしまった。
そしてその後に後悔した。
「・・・。」
目を赤くして吉澤を見つめる石川。
「ご、ごめん・・・。」
「ううん・・。あたしこそ・・・。」
「ごめんね・・。」
そこで石川が突然言った。
「じゃあ、お詫びに今晩よっすぃ〜の部屋泊めて!」
顔が真っ青になる吉澤。
- 111 名前:ま〜 投稿日:2001年06月13日(水)22時27分01秒
- 皆さん、レスありがとうございます。
>>102 名無し読者さん
おそらくこの板で「ごまゆう」を書いているのは
私だけでしょう・・・。
あえてマイナーカップリングに拘らせて頂きます!!藁
>>103 名無しさん
やはり「ま〜」と言えば「ごまゆう」です!
みっちゃんの件は・・、考えておきましょう・・。
>>104 てうにち新聞新入社員
>>106
すいません・・。
V・X・W・G・∀等のガンダムは全く知らないんです・・・。
でもスパロボならやりましたよ〜!
でももっぱらアムロ・カミーユ・ジュドー・コウ等の
パイロットばっかり使ってました。
それから根性入れてブライトの2回行動を目指しました。
>>105 名無しさん
>>気力140以上で発動。格闘・射撃・命中・回避・技量が増加
非常に分かりやすい解説、ありがとうございます。藁
熱血・必中・幸運・努力!!そして自爆!
- 112 名前:Tristan 投稿日:2001年06月14日(木)07時02分01秒
ジャブローにはいろんな施設がありそうですよね
なんせ連邦で1番の基地ですから
甘〜いごまゆうの次ぎはいしよしですか〜いいっす!!
こちらも期待してます!!
- 113 名前:ま〜 投稿日:2001年06月14日(木)21時48分44秒
- 「やだよ・・・。」
再び昔の噂を思い出す。
吉澤にそんな趣味は無い。
「なんで・・?」
「なんでって言われても・・。やだよ・・。」
「いいじゃない・・。」
「やだよ・・。」
「いいじゃない・・。」
「え〜・・。」
堂堂巡りの二人。
そんな二人の後ろから突然叫び声が聞こえた。
「聞いてたで〜!!」
「聞いてたのれす!!」
- 114 名前:ま〜 投稿日:2001年06月14日(木)21時49分35秒
- 「加護・・・。辻・・・。」
吉澤と石川が振り返ると、そこにはチームでの小さいコンビが
背中合わせのソファーの背もたれから顔を覗かせている。
「聞いとったで。こういう時は決着付けるんや!」
「つけるのれす!」
二人の提案に呆然とする吉澤と石川。
「決着なんて付ける必要ないよ!」
吉澤がつっけんどんに言った。
「よぉ〜し!!あたし頑張る!!」
一方の石川。
「よっしゃ!!決まりやで!!決着や!!」
「二人で決着するのれす!」
「決着なんて必要ないよ!!」
「でも3対1れす!多数決で決着付けることに決まったのれす!!」
「・・・・・。」
「分かったよ・・!決着つけるよ!で、何?腕相撲?ジャンケン?」
あきらめた吉澤は、どうでもいいような口調で言った。
「うちらはパイロットや!決着付ける方法なんて決まっとる!!」
「・・・え?!」
士官学校で同期だった辻と加護は、
石川の噂を思い出しながら、ニヤニヤしている。
対決方法は決まった。
- 115 名前:ま〜 投稿日:2001年06月14日(木)21時50分18秒
- 30分後、彼女達はノーマルスーツを身に付けてMSデッキにいた。
「先にペイント弾が胴体に命中した方が負けやで。」
「うん!」
「わかったよ・・!」
やる気満々な石川に対して、まったくやる気が無い吉澤。
その二人を面白そうに見つめる加護と辻。
「無制限一本勝負れすよ。いいれすね!」
辻と加護は完全に状況を楽しんでる。
明らかに野次馬根性だ。
それだけに吉澤は余計にやる気が出ない。
しかしながら、吉澤にとって敗北は貞操の危機。
そんな吉澤を獲物を見るような目つきで見つめる石川。
『やばいな〜・・。嫌いじゃないんだけど・・。』
「あれ?そこの4人?何やってるんや?」
- 116 名前:ま〜 投稿日:2001年06月14日(木)21時51分14秒
- 「あんたら確か・・、裕ちゃんたちの部隊やな?」
「はい!」
たまたまMSデッキにいた平家が彼女達を見つけて声をかけてきた。
「何やってん?あんたら今日は休暇じゃなかったん?」
「はい!でもまだ下手なんで訓練するんです!」
「上手になるのれす!」
加護と辻は、とって付けたようなウソをついた。
「マジなん?あんたら偉いな〜。うんうん。頑張っといで!」
あっさり騙された平家は、ニコニコ微笑みながら加護と辻の頭をポンポン叩くと、
感心してその場を立ち去った。
「さあ!許可は得たで!行くで!」
「いいのかな〜・・・。」
「行くよ!よっすぃ〜!」
吉澤はしぶしぶと、石川は張り切ってMSに乗り込むと、
MSデッキを出て、訓練場に向かう。
それをバギーに乗って追いかける辻と加護。
- 117 名前:ま〜 投稿日:2001年06月14日(木)21時52分08秒
- 「ええか〜!うちがスタート言ったら開始やで!」
MS訓練場に着いた彼女達は、所定の場所に着いた。
加護が審判代わりだ。
「そんじゃ・・・・スタート!・・・・言ったら始まりやで。」
『べたべただね・・。そんな物には引っかからないよ!』
『あ・・。スタートじゃないんだ・・。』
「なんや!引っかからんなんて、つまらん!」
加護はぶつくさ言うと、突然言った。
「スタート!!!」
石川のGM寒冷地用と、吉澤のGMは、瞬時にお互いの反対方向に飛ぶ。
- 118 名前:ま〜 投稿日:2001年06月14日(木)21時54分14秒
- >>112 Tristanさん
レスありがとうございます。
そうは簡単にメジャーカップリングの「いしよし」とは行きませんよ。藁
- 119 名前:てぃふぁ 投稿日:2001年06月14日(木)22時04分12秒
- >V・X・W・G・∀等のガンダムは全く知らないんです・
Vは見といたほうがいいかも。
時間軸(この言い方でええんかな?)は引き継いでるし。
それに、ウッソ(主人公)はシャアの孫って噂があったぐらいだから(w
個人的にはXがおすすめ。視聴率低迷で打ち切られたが(>_<)
- 120 名前:雄根小二郎 投稿日:2001年06月15日(金)00時03分26秒
- >それに、ウッソ(主人公)はシャアの孫って噂があったぐらいだから(w
ウッソ!?(w
- 121 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月15日(金)07時52分11秒
- >
あれって打ち切りだったんですか〜
知らなかった〜
- 122 名前:ま〜 投稿日:2001年06月15日(金)20時36分15秒
- 『よっすぃ〜。悪いけど、本気で行かせてもらうからね!』
今まで、数多くの訓練、そして昨日の実戦を通して、
おそらく今日が一番石川は真剣だった。
目的はただ一つ。『吉澤』のみ。
彼女を動かしているのは、ただ吉澤の部屋に泊まる。
ただそれだけ。
いつもよりも、自然とグリップを持つ手に力が入る。
一方の吉澤。
『やだなぁ〜・・。』
別に吉澤は石川のことが嫌いなわけではない。
むしろ好きな範疇に入るといっていい。
ボーイッシュな吉澤にとって、女の子している石川は
うらやましい、ある意味尊敬する存在。
しかし、これとそれとは話が違う。
大切な貞操をあっさりと、しかも女の子に上げる気は無い。
『梨華ちゃん。悪いけど本気でいかせてもらうよ。』
- 123 名前:ま〜 投稿日:2001年06月15日(金)20時37分14秒
- 石川の寒冷地用GMのマシンガンが咆哮を上げると
吉澤のGMのシールドに赤いペイント弾が炸裂する。
石川の攻撃をはぐらかすと、
吉澤は自分のGMをジャンプさせ、石川の機体に向かって
マシンガンを連射する。
寸でのところで回避する石川。
「やるね・・・。よっすぃ〜。」
「く!梨華ちゃん、やるじゃん・・・。」
吉澤は自分の機体を空中で方向転換させると
石川の上方から一気に急降下させ、再びマシンガンを放つ。
石川は瞬時に判断すると、機体を右旋回させ、回避する。
強烈なGが石川を襲う。
同様にシートベルトが容赦なく吉澤を締め付ける。
「くっ!」
「まだまだ!」
今度は石川が空中にジャンプし、上方から吉澤を攻撃する。
- 124 名前:ま〜 投稿日:2001年06月15日(金)20時37分54秒
- 「すごい・・。」
「あの二人、あんなに上手かったれすかね?」
戦いは30分以上続いている。
にもかかわらず決着が着く気配は無い。
お互い、シールドはペイント弾の塗料によって
真っ赤に染まっているのだが、
依然として、機体本体には全く命中していない。
『よっすぃ〜・・。そんなにあたしが嫌なの・・・?』
石川がコックピットの中でレバーを引くと
マシンガンから、空になったマガジンが自動的に切り離される。
そして、シールドの裏にある新しいマガジンを装填する。
『梨華ちゃんに負けるわけにはいかない・・・。』
一方の吉澤は、自分の機体を鍾乳洞の柱に隠す。
『あ・・、そうだ・・。』
吉澤は、ふと作戦を思いつくと、シールドを投げた。
- 125 名前:ま〜 投稿日:2001年06月15日(金)20時38分24秒
- 「よっすぃ〜!迂闊だよ!!」
石川は柱から飛び出した物体に向かってマシンガンを連射する。
その物体に、正確にペイント弾が命中した。
「よっすぃ〜!いただき・・・・・・。あれ?」
石川は気づいた。それがただのシールドであることを。
「ウソ!!」
その瞬間、柱の反対側から吉澤のGMが飛び出した。
「梨華ちゃん!いただき!!!」
吉澤のマシンガンが唸りを上げる。
「まだっ!!」
石川は避けられないと言う事を瞬時に判断すると、
シールドでカバーする。
ギリギリのところで被弾は避けることが出来た。
それでもまだ吉澤の射撃は止まらない。
「・・・!!」
形勢逆転を狙い、石川は思い切って機体を大きくジャンプさせた。
そして、ぶつかった。天井に。
「きゃん!!!!」
- 126 名前:ま〜 投稿日:2001年06月15日(金)20時39分27秒
- 轟音と共に、石川の寒冷地用GMが地面に叩きつけられた。
「いたたた・・・・・。」
シートベルトをしていても、
その激しい衝撃は石川に直接伝わった。
あまりの衝撃に、石川は息が出来なくなる。
そして、気づいた。
モニター一杯に広がる吉澤のGM。
正確に石川の寒冷地用GMのコクピットに銃口が向けられている。
「そ!そんな・・・!?!」
「勝負あったようだね!梨華ちゃん!」
「ま、まだまだ・・!」
口では勝負の続行を訴える石川だが、
この状態での勝敗は明らかだった。
「あ・・、あれ?動かない・・・。」
レバーをいくら引いても押しても反応が無い。
「こ、壊れちゃった・・・?」
石川の寒冷地用GMは地上落下の衝撃により
ダメージを負っていた。
もちろん石川本人も肉体的にダメージを負っている。
「終了〜!!!」
二人のレシーバーに加護の声が響き渡った。
- 127 名前:ま〜 投稿日:2001年06月15日(金)20時44分54秒
- 皆様レスありがとうございます。
>>119 てぃふぁさん
Vですか・・。ガンダムはジオンVS連邦でないと・・。
ザビ家の亡霊とかあると自分的には面白いんですけど。
今度見てみます。
>>120 雄根小二郎さん
ウッソ!?(藁
>>121 てうにち新聞新入社員さん
打ち切りなんてよくある話で・・。藁
ヤマトやファーストガンダムも最初は視聴率が悪くて
打ち切りになったくらいですからね。
もっともこの二つは終わってから人気出ましたけど。
- 128 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月15日(金)21時37分14秒
- >>127
弟がガンダム好きなので、会話が出来そうです。
楽しみにしてます
- 129 名前:ま〜 投稿日:2001年06月17日(日)15時56分09秒
- 「いえ〜〜い!!!」
加護と辻の目の前でVサインをする吉澤。
一方の石川は目を真っ赤にして涙を溜めてい
コクピットから降りた吉澤と石川は、
審判の加護辻の所にやって来てた。
浮かれる吉澤に対して、握りこぶしに力が入る石川。
「よっすぃ〜・・。今回は負けを認めるけど、次はそうはいかないからね・・。」
結局、損傷を受けた石川の寒冷地用GMは、
吉澤のGMによってMSデッキに運ばれた。
そして、4人は気づいた。MSデッキに仁王立ちしている中澤に。
右の額に青筋を立てている中澤に。
- 130 名前:ま〜 投稿日:2001年06月17日(日)15時57分00秒
- 遡ること、約15分。
中澤は司令部に呼び出しを受け、その帰りにMSデッキに立ち寄った。
「よぉ!この色女!!!」
妙な掛け声と共に、中澤は自分の肩が叩かれたのに気づく。
「な!なんや!!人聞きの悪い!!・・・って、みっちゃんか・・。」
平家がニヤニヤしながら中澤を見ている。
そこで中澤は思い出した。
先ほど平家に部屋で『見られた』事を。
「み、みっちゃん・・。さっきの誰にも言うてへんよな・・?」
中澤が平家の耳元で囁いた。
「ん?さっきのって何かな〜♪」
『くそっ!!むかつく!!!!このアマ!!!』
中澤は心の中で思っていても、弱みを握られている以上
そんなことは言えない。
「あ〜あ。今日は何だか飲みたい気分やな〜♪」
『くそっ!白々しいわ!この野郎!!』
中澤は媚を売るように平家に微笑んでいるが、
目は笑っていない。
「お、お付き合い致しましょうか?平家さん!」
「え?悪いな〜♪高級なお酒を奢ってくれるなんて〜♪」
『くそっ!このアマ!!』
心ではそう思う中澤だが、口に出す言葉は全く逆である。
「ええ〜♪喜んで!」
「悪いね〜♪」
- 131 名前:ま〜 投稿日:2001年06月17日(日)15時57分41秒
- 「そう言えば、話は変わるんだけど・・。」
平家は突如真面目な顔になると、話を変えた。
「さっき、裕ちゃんとこの新人4人組が出てったで。訓練って。」
「はぁ?今日は彼女達、休みやで。」
中澤は、怪訝そうな顔をする。
「吉澤と石川やったっけか?あの二人がMS乗って。」
「辻と加護は?」
「バギーで一緒に行きよった。なんやら決着言っとたで。」
「決着?」
丁度そこに、ぼろぼろになったGMが寒冷地用GMを背負って帰ってきた。
- 132 名前:ま〜 投稿日:2001年06月17日(日)15時58分24秒
- 4人は、それぞれ乗っているMSや、バギーから降りると
中澤の元にやって来た。
「なにやっとったん・・・?」
中澤が4人を見る顔は笑っている。
しかしながら目が笑ってない。
なによりも、額に浮き出た青筋。
「い・・・、いえ。ちょっと訓練を・・。」
4人を代表する形で、加護が説明を始める。
「ふ〜ん・・。あんたらそんなに熱心やったんやな・・。」
笑っていない目で、ニコニコ笑う中澤。
「は・・、はひ・・!」
笑顔が引きつる4人。
両腕を組んで4人を見つめる中澤。
「そんで。その結果がこれかい?」
中澤が右手の親指で、彼女の後ろにある寒冷地用GMを指差す。
そこに整備員が来て、中澤にGM及び寒冷地用GMの損傷状態を報告した。
もちろん吉澤の機体も少なからずダメージを負っている。
「ふ〜ん・・。右腕が完全にいかれて、バックパックがつぶれて・・・。」
中澤が一つ一つGMの損傷状態を4人に説明する。
中澤が一言発するたびに、4人の背中に冷たい物が流れる。
「何やっとんやぁぁぁ〜〜〜〜!!!!!!」
ビクンと反応する4人。
「すいません・・・。」
- 133 名前:ま〜 投稿日:2001年06月17日(日)15時59分08秒
- 「呆れて物も言えんわ・・。」
「すいません・・・。」
中澤の説教の前に、すっかり借りてきた猫のようになる4人。
「まあ、上の方には訓練で壊れたって報告するけど・・。」
「すいません・・。」
「これから何かするんやったら、必ずうちに報告すること!ええな!!!」
「はい・・。すいません・・。」
「まあええやん!」
中澤の後ろから声がした。
振り向くと、そこには平家が微笑みながら立っていた。
「みっちゃん・・。」
- 134 名前:ま〜 投稿日:2001年06月17日(日)15時59分54秒
- 「原因は何であれ、上達すればええやん。」
「まあ、そうやけどね・・。一応ここ軍隊やからね・・。」
「まあええやん。」
「そやね・・。じゃあ、今日は解散!」
「はい・・。すいません・・・。」
こうして6人は解散の運びとなった。
しかし、平家の元に走り寄って行く人が一人。
石川梨華。
後ろから平家の腕に軽く飛びついた。
「平家さん!!」
「うわっ!何や・・。石川・・・梨華ちゃんやったっけ?」
「はい!!名前覚えてもらってありがとうございます!」
そこで石川の目がキラリと輝くのを平家は見逃していた。
「平家さんって、かっこいいですね・・。」
「そうか?ありがとな。梨華ちゃんも可愛いで。」
「ありがとうございます!あの〜・・・・。」
「何や?」
石川は平家に寄り添うと、言った。
「あの〜・・・。今日平家さんの部屋に遊びに行っていいですか?」
「ああ!ええで!!」
吉澤は背中越しに一部始終を聞いていた。
そして祈った。
平家の無事を。
- 135 名前:ま〜 投稿日:2001年06月17日(日)16時02分33秒
- >>128 てうにち新聞新入社員さん
レスありがとうございます。
>弟がガンダム好きなので、会話が出来そうです。
初代ガンダムは奥が深いぞ〜。
- 136 名前:カイン 投稿日:2001年06月17日(日)22時42分22秒
- 娘。+ガンダム物だとジオンサイドがよくありますが、
連邦サイドの小説は珍しいかと思います。
後、梨華ちゃんのMSですがこれを期に別の物に代えて上げてください。
宇宙に行ったら白い機体は的になっちゃいますよ…。
(ハッ)まさか、2台目の『連邦の白い悪魔』てことは…(ワラ
以上連邦好きのカインでした。
- 137 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月18日(月)02時44分57秒
- みちいし!?見たことねぇ!
- 138 名前:Tristan 投稿日:2001年06月18日(月)19時45分13秒
みっちゃんどうなることやら……
しばらくは平和な毎日(みっちゃんは?)が続くのでしょうか
がんばれ娘中隊!!
- 139 名前:ま〜 投稿日:2001年06月19日(火)01時00分42秒
- 「悪いね。休みなのに呼んじゃって。」
MSデッキで一通り4人を怒った後、
仕事の話があるため、中澤は保田と矢口を部屋に呼んでいた。
「いいよ。別にすること無かったし。」
「あたしも、本読んでたから。」
中澤は二人の言葉に頷くと、仕事の話をし始めた。
「二人は宇宙経験ある?」
「あるよ。」
「矢口も・・。でもちょっとだけね。」
「そうか・・・。」
中澤は冷蔵庫からビールを三本取り出すと、
保田と矢口に、それぞれ一本づつ渡す。
「あ、ありがと。」
プシュっと音を立て、三人はビールを開ける。
コンと、鈍い音を立て、三人は理由も無く乾杯をした。
- 140 名前:ま〜 投稿日:2001年06月19日(火)01時01分23秒
- 「あんな・・、今日、司令部に呼ばれたんや。」
「へ〜、何だって?」
「宇宙に行けって・・。」
予想もしなかった中澤の返答に、
保田も矢口も、ビールを吹き出してしまった。
中澤は、ベットの枕もとにあるティッシュボックスを取ると
二人に渡す。
「さんきゅ!」
「それにしても、裕ちゃん達、あたしや矢口、ごっちんはまだしも・・。」
「4人が心配なんやろ?」
「うん・・・。」
矢口が言葉少なく頷く。
「ただでさえ実戦経験少ないのに、4人が心配だよ・・。」
保田の心配はもっともだ。
地上で満足に戦えない者が、宇宙で満足に戦えるとは思えない。
「でも、命令やからな・・・。」
- 141 名前:ま〜 投稿日:2001年06月19日(火)01時02分29秒
- 「で、出発はいつなの?」
保田が中澤に尋ねる。
「2週間後やって・・・。」
「えええ〜〜!!!!!」
矢口と保田の驚きは当然のことだ。
中澤とて、先ほど命令を受けた時は
二人以上に驚いた。
「明日から2週間、宇宙に慣れるための訓練や・・。」
「たった2週間?!!?」
「そや・・。」
「えらい急だね・・。」
「近々大きな作戦を宇宙でやるらしいんよ。」
中澤が上官から聞いたのは
『星一号作戦』であった。
もっとも、作戦名しか聞いてはいない。
作戦目標は第一級の軍機のようだ。
作戦は12月後半。
あと一月しか残されていない。
「あの4人を徹底的に鍛えないとダメだね・・。」
その時、中澤の部屋のTV電話が鳴った。
- 142 名前:ま〜 投稿日:2001年06月19日(火)01時03分17秒
- プルプルプル・・。
「はいはい・・。」
中澤は手を伸ばすと、ベットの脇にあるTV電話のスイッチを押した。
「裕ちゃん・・!」
「みっちゃん・・・・、何やっとん?」
モニターに映し出されたのは、平家だった。
しかも何やら妙に焦っている様子がうかがえる。
「裕ちゃん、今日の約束、やっぱ無しね・・。」
「ああ、うちはええけど・・。」
中澤は怪訝に思った。
なにしろ飲むのが大好きな平家だ。
しかも中澤のオゴリ(予定では)だ。
にもかかわらず断りの電話とは・・・・・。
その時、平家の後ろで影が動くのが中澤の部屋のモニターに映し出された。
「平家さぁ〜ん!!」
「や、やめ!!石川!こら!!!」
中澤たち三人は、思わず画面に見入ってしまった。
- 143 名前:ま〜 投稿日:2001年06月19日(火)01時03分57秒
- 「平家さぁ〜ん♪」
「やめろって!!!・・・あん♪って、どこ触っとんねん!!!」
「もぉ〜!好きなくせに!!!」
「あほ!!!」
中澤の部屋のモニターには、中澤に話し掛けようとする平家に、
ちょっかいを出している石川が映し出される。
しかも石川の顔が赤い。
「おい!みっちゃん。石川に酒飲ませたやろ?」
「うん・・。面白そうだったから、ちょっと・・。こら!石川!!」
中澤との会話中にも、石川に絡まれる平家。
中澤はニヤリと笑うと、
「みっちゃん。楽しんでね。じゃぁね〜!!」
と言って、TV電話の電源を切った。
「あ・・、ちょっと裕ちゃん!助け・・」
プツッ!
- 144 名前:ま〜 投稿日:2001年06月19日(火)01時04分46秒
- 「え〜と、あほは放っておいて・・。」
中澤がTV電話の方から、保田たちの方に向きなおす。
「いいの?石川放っておいて・・。」
「ええよええよ。みっちゃんの弱み握れたんやし!!!」
「まあ、その話は置いといて・・。」
「そや!宇宙や!そっちの方が肝心やねん。」
「あの4人には明日から猛特訓だね・・。」
「死なない程度にね。きゃははは!」
他人事のように話す保田と矢口。
「あんたらもやで・・。」
中澤の一言に顔が青くなる二人。
「あ、あたしたちは大丈夫だよ・・。」
「あんたらさっき、宇宙の経験少ない言うとったやろ・・。」
「・・・。」
保田と矢口の酔いは一気に覚めた。
- 145 名前:ま〜 投稿日:2001年06月19日(火)01時09分31秒
- >>136 カインさん
連邦が好きと言うより、GMが好きなんです。
あのワラワラといっぱい出てくるあたりがたまらなく萌えます。
ちなみに石川だけでなく、宇宙に出る時に、まともなMSに
乗り換える予定です。
>>137 名無しさん
>>みちいし!?見たことねぇ!
マイナーなカップリングにこだわります!
たまには違うのもいいでしょう?
>>138 Tristanさん
>>がんばれ娘中隊!!
彼女達が頑張る前に作者も頑張らないと・・・。藁
- 146 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月19日(火)23時48分54秒
- 宇宙ですか、良かった。
このまま石川はGMライトアーマーや
アクアGMに乗っけられるかと思ってました・・・(藁
はっ、まさか丸い動く棺桶になんてことは・・・
- 147 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月20日(水)23時34分31秒
- みっちゃんと石川はどうなるんだろう?
なんだか期待してしまう、、、、
- 148 名前:ま〜 投稿日:2001年06月20日(水)23時40分40秒
- 日が変わって翌日。
中澤は司令部に出頭命令を受けた。
訓練の方は、飯田をリーダー代理として、
新メンバーの特訓を請け負ってもらうこととなっている。
「あれ?みっちゃん!!」
中澤が廊下を歩いていると、
よく知っている後姿を見かけて声をかけた。
「あれ?石川・・?」
よく見ると、平家の横には石川がいる。
「ああ・・、裕ちゃん・・。」
平家の顔は、やけにやつれている。
一方の石川の顔は、何か満足したような爽やかな顔。
「どやった?みっちゃん?」
中澤がニヤリとしながら平家に尋ねる。
「どうしたもこうしたも・・・。」
平家は黙ってしまった。
なにしろ石川に寝させてもらえなかったのだ。
女の子相手に、しかも自分より年下の女の子に。
- 149 名前:ま〜 投稿日:2001年06月20日(水)23時41分42秒
- 最初は明らかに拒んでいた平家。
しかしながら、石川の『技術』は、平家の想像をはるかに超えていた。
次第に石川の成すがままにされてしまった。
「平家さん、可愛かったですよ。」
「い、いらんこと言うな!!!」
突然の石川の一言に、平家は石川の頭を叩いた。
「いた〜い・・・。平家さん・・・。良いんですか?」
「へ・・・?」
「全部ばらしちゃおうかな♪聞いてくださいよ中澤さん!
平家さんったら・・・んぐ!」
「・・・!ごめんな〜梨華ちゃん・・。」
平家は石川の口をふさぐと、頭をなでなでする。
「まあ、仲良くやってくれや・・。」
一人会話に取り残された中澤。
「じゃあな!!」
司令部に行かねばならない中澤は
興味無さげに二人の元を去っていく。
「裕ちゃん!!内緒にしといてやぁ〜〜!!!」
背後から平家の声が聞こえる。
廊下じゅうに響く・・。
『みっちゃん・・。自分でばらしとるようなもんやで・・。』
そう思いつつも、
『石川。そんなにすごいんかいね?一度試してみたいわ・・。』
冗談抜きで考え込む中澤だった。
- 150 名前:ま〜 投稿日:2001年06月20日(水)23時42分43秒
- 「中澤大尉、参りました!」
司令部は多くの人で騒々しかった。
なにしろ大作戦の直前である。
「よ〜来よったな!中澤!」
「て、寺田艦長!!」
中澤を呼び出したのは寺田大佐だった。
かつてルウム戦役時代に中澤たちが所属していた
マゼラン級戦艦の艦長。
「また寺田大佐の艦に乗り込むのですか?」
「そや!!今度は新型艦やで!!!」
寺田の説明によると、今回宇宙に行くにあたって
中澤たちが搭乗する艦艇は、
改マゼラン級戦艦『ゼティマ』と言う事だった。
「今ドックの方で整備しとるから、後で見てこいや。」
「はい!」
「新型MSもあるで〜!」
「まじっすか?!」
「ああ!それに今回は平家たちも一緒や!心強いやろ?」
「いえ・・、あんまり・・。」
- 151 名前:ま〜 投稿日:2001年06月20日(水)23時44分08秒
- 「それからな・・・。」
寺田が一枚の書類を中澤に渡した。
「少佐に昇進や。おめでとさん。」
「ええ!?うちが少佐!?!?」
中澤は驚いた。驚くのも当然だろう。
わずか一年程度で中尉から少佐まで昇進したのだ。
戦時中とは言え、破格の昇進の早さだった。
「ほんまですか?」
「ああ。中澤。あんたにはあんたらの中隊だけや無く
うちの艦所属のMS隊全部の指揮を取って貰いたいんや。」
「じゃあ、うちらの部隊は・・?」
「それは中澤、あんたが直接指揮をとってくれ。」
「つまり、うちは圭織たちだけやなく、平家たちの指揮もとれと?」
「そや。全員腕前は確かやで。」
「は、はあ・・。」
「中澤の指揮下に入るパイロット達や。宜しく頼むで。」
中澤が気づくと、寺田の後ろに数人の女性パイロット達が立っていた。
「ココナッツ小隊や。」
アヤカ・レフア・ミカ・ダニエルという4人のパイロット。
彼女達が中澤に向かって敬礼する。
「こっちがメロン小隊や。」
村田めぐみ・斎藤瞳・大田に雅恵・柴田あゆみ。
彼女達以外にも新人パイロットの松浦亜弥等、
多くのパイロットが中澤の指揮下に入ることとなった。
「うちがこんなにいっぱい指揮するんですか?」
「そや!たのんだで!」
それだけ言うと、寺田は出発の準備等に忙しいらしく、
彼女達の紹介を済ますと、その場を去っていった。
『はぁ〜・・・。大丈夫かね?うち?』
中澤は彼女達の自己紹介を聞きながら
さっそく不安気だった。
- 152 名前:ま〜 投稿日:2001年06月20日(水)23時47分44秒
- >>146 名無しさん
>>はっ、まさか丸い動く棺桶になんてことは・・・
さすがにボー○には乗せられません。
○ールなんて乗ったら戦死してしまいます!
>>147 名無し読者さん
>>みっちゃんと石川はどうなるんだろう?
どうしよう・・・作者も悩んでます・・。
- 153 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月21日(木)04時54分24秒
- ごまゆうは何処へ〜!!(w
まさにハロプロリーダ!!
関係ないけど7/5のうたばんに、何故か松浦の保護者で姐さん登場らしいで(w
7/5は、うたばん・どっちの料理ショー・トップランナー 3番組忘れずに(w
- 154 名前:Tristan 投稿日:2001年06月21日(木)05時13分33秒
いよいよ舞台は宇宙へ
MS隊メンバーも増えて戦力大幅UPですね
行く先はどこになるのだろう?
- 155 名前:てぃふぁ 投稿日:2001年06月21日(木)21時32分42秒
- やっぱペガサス級なのかねぇ。<戦艦
- 156 名前:ま〜 投稿日:2001年06月22日(金)23時36分45秒
- 「ぎょええええええ〜〜!!!!」
その頃、中澤を抜かしたメンバー達は、
宇宙に慣れるための特訓をしていた。
大声を上げたのは吉澤。
彼女が今搭乗しているのは、よく宇宙用の訓練で見かける
人間がボックスに乗って、ぐるぐる回される機械。
高Gを加えられた吉澤は、ものすごい声を上げている。
「吉澤大丈夫?」
あまりの吉澤の声に、驚いてしまった保田が
訓練装置のオペレータールームから声をかける。
「だ、だ、だいじょぅ〜〜・・・・、ぎゃぁ〜〜!!!」
数分後、G加圧機から吉澤が出てきた。
「き、きもち悪い・・・・。」
吉澤が気分を悪くするのも当然であろう。
何しろGを加えられるだけではなく、
高速回転まで掛けられてたのだ。
普通の人間ならば、三半規管がおかしくなり、
極度の乗り物酔いと同じ状態に陥る。
- 157 名前:ま〜 投稿日:2001年06月22日(金)23時38分38秒
- 「大丈夫?よっすぃ〜?」
心配した矢口が吉澤に声を掛ける。
矢口も吉澤の前に、この訓練を受けたため、
決して気分が良い訳ではない。
しかしながら吉澤の教育係として、
吉澤にみっともないところは見せられなかった。
「すいません・・。矢口さん・・・。」
矢口は自分より遥かに身長の高い吉澤を抱擁する。
「じゃあ次は、石川ね。」
リーダー代理として、この訓練を監督している飯田が石川に声を掛ける。
「はぁ〜い!」
石川は意気揚揚とG加圧機に乗り込む。
「何だか今日の梨華ちゃんって、やけに自信に満ちてない?」
やけにハイテンションな石川に疑問をもった後藤が保田に話し掛けた。
「何だろうね?昨日いいことでもあったのかな?」
「さぁ〜?圭ちゃん教育係でしょ?知らないの?」
「う〜ん。分かんないな・・。休みの日まで一緒にいないからね・・。」
『間違いないよ・・。平家さん・・。かわいそうに・・。』
ただ一人吉澤だけが、原因を知っている。
「うえ〜・・。キモイ・・・。」
もっとも、他人を構っている暇など無い吉澤。
- 158 名前:ま〜 投稿日:2001年06月22日(金)23時39分47秒
- 「きゃぁぁ〜〜!!!」
石川が回っている。
しかしながら保田の見る限り、吉澤ほど辛くは無さそうだ。
「石川!平気?」
「はぁ〜い!面白いですね〜♪」
『おいおい、こいつこれ平気なのかな・・?』
「あ〜、面白かった〜。」
けろりとした表情で石川がG加圧機より出てくる。
吉澤は石川が自分が思っていたより
遥かに強い女性だということを知った。
「はい!じゃあ次加護!」
「へ〜い・・・。」
加護が、いかにも嫌そうな表情で機械に乗り込む。
さらに数分後・・・
「気持ち悪い・・・・。」
加護は顔を真っ青にして地面にしゃがみこんでいた。
さらにさらに数分後。
辻も顔を青くして壁に凭れ掛っていた。
結局この訓練で平気な顔をしていたのは
石川と飯田だけだったが・・。
- 159 名前:ま〜 投稿日:2001年06月22日(金)23時45分33秒
- 皆様、レスありがとうございます。
>>153 名無しさん
>>ごまゆうは何処へ〜!!(w
近いうちにまた登場する予定です♪
お待ちくださいませ。
>>関係ないけど7/5のうたばんに、何故か松浦の保護者で姐さん登場らしいで(w
>>7/5は、うたばん・どっちの料理ショー・トップランナー 3番組忘れずに(w
情報サンクス!
もちろん見ます!
>>154 Tristanさん
>>MS隊メンバーも増えて戦力大幅UPですね
戦力UPなんでしょうかね・・?
ダウンしてるような・・。藁
>>155 てぃふぁさん
>>やっぱペガサス級なのかねぇ。<戦艦
最初、ペガサス級にしようと思ったんですけど、
それではあまりにベタ過ぎると思いまして・・、
あえてマゼラン級戦艦にします!
- 160 名前:読んでる人@富野派 投稿日:2001年06月23日(土)03時38分04秒
- カンヲタ歴十数年のモーヲタのオイラには、たまらん小説です。
ただ、矢口の出番が少ないのが、ちっと淋しい・・・
- 161 名前:ま〜 投稿日:2001年06月23日(土)17時04分19秒
- 『これがうちらが乗り込む新型艦か・・。』
仲間達が文字通り死ぬような思いで訓練をしている中、
新しい仲間達と、彼女達が乗り込む戦艦が係留してあるドックに来ていた。
改マゼラン級戦艦『ゼティマ』
基本的な外見はマゼラン級戦艦と大差は無いが、
ビンソン計画により、再設計されたマゼランは、
戦争初期のマゼランとは異なり、MSの搭載能力が高い。
連装主砲が7基14門。火力も高く、出力等も以前とは大きく違う。
「でかいな〜・・・。」
しばらく地球で戦っていた中澤にとって、
久しぶりに見る全長250メートルにも達する宇宙戦艦は、
とてつもなく大きく見えた。
周辺にはサラミス級巡洋艦等も数多くあるのだが、
今、中澤の目の前にある戦艦は、ひときわ大きく見える。
「MSデッキに行くで。」
中澤の号令の元、新しいメンバー達がぞろぞろと付いて行く。
『なんだか遠足の引率見たいや・・。』
- 162 名前:ま〜 投稿日:2001年06月23日(土)17時05分36秒
- 「これがうちらの乗る新型MSかいな?」
「そのようですね・・。」
先ほど松浦と名乗った女性パイロットが返事をする。
「GMコマンドと大差が無いな・・。」
「はい、汎用性の高いGMを宇宙専用にしたコマンドタイプです。」
今回返事をしたのはアヤカだった。
彼女はどうやら今までココナッツ小隊のリーダーをしていたらしい。
「特定の機能をや装備を追求したカスタムタイプではありませんが、
出力や推力が向上していますよ。」
中澤はアヤカのはっきりした口調に好感を持った。
どうやら知識も豊富そうだ。
『この子達なら大丈夫そうやな。』
中澤にとって気になったのは、なによりもMSのことより
彼女達のことだった。
- 163 名前:ま〜 投稿日:2001年06月23日(土)17時06分14秒
- 「こっちは・・?」
デッキの奥の方に、数機だけ違ったタイプのGMが並んでいる。
それに気づいた中澤が誰にと言うわけではなく質問した。
「はい、それはGMスナイパーUです。」
メロン小隊のリーダー村田が答える。
「スナイパーU?そんなんあったんかいな?」
「はい。今までのスナイパーカスタムの改良型です。
出力・装甲が大幅に向上してます。まだ試作段階で、
ここにあるのは初期量産型です。」
「ふ〜ん・・・。いろいろあるんやな・・。」
『うちリーダーなのにMSのこと何もしらんな・・。ええんかいな?』
そう思いつつ、中澤は搭乗割りを考えている。
だてに女性でありながら中隊のリーダーをとり、
しかもここまで素早く昇進したわけではない。
各パイロットに合ったMSの搭乗を考える。
- 164 名前:ま〜 投稿日:2001年06月23日(土)17時06分52秒
- とりあえず中澤の構想としては、
メロン小隊、もしくはココナッツ小隊に
中距離支援としてGMスナイパーUに搭乗してもらう。
また、自分の娘中隊の中からは
辻と加護に同様にしてGMスナイパーUに乗ってもらうこととした。
石川と吉澤は先日の『対決』の結果を見る限り
中距離より、格闘戦の結果の方が良好だった。
それに対して辻と加護は、まだ未知数であるため
出来れば新型を与えて生存率を高めたい。
実戦経験豊富な飯田・安倍・保田・矢口
それに後藤と平家・松浦は自分同様
GMコマンドでいいだろう。
メロンとココナッツは
どちらが中距離支援に適しているかを
考え、一方をGMコマンドにする。
そこまで中澤が考えていた時、
タイミング良く、平家がMSデッキにやって来た。
どうやら彼女も新しいメンバーと顔合わせ
及びMSを見にやってきたらしかった。
- 165 名前:ま〜 投稿日:2001年06月23日(土)17時15分58秒
- >>160 読んでる人@富野派さん
レスありがとうございます!
>>ガンヲタ歴十数年のモーヲタ
作者も同じです!20代ですか?作者は20代後半です。
ところで・・・
( ´D`)<GMなら知ってるけど、GMコマンドなんて知らないれす!!
( `.∀´)<まったくガンヲタは手におえないわ!!
( ● ´ ー ` ● )<知らないべさ・・。
( ^▽^)<そういう人のタメに・・、いいえ、作者の趣味で
GMコマンド宇宙用(中澤たちが宇宙で乗る)をSHADEで作りました。
もしよろしかったら(暇な人は)見てくださいね。
http://plaza20.mbn.or.jp/~mamorin101/gundam/gmcommand.jpg
http://plaza20.mbn.or.jp/~mamorin101/gundam/gmcommand2.jpg
http://plaza20.mbn.or.jp/~mamorin101/gundam/gmcommand3.jpg
http://plaza20.mbn.or.jp/~mamorin101/gundam/gmcommand4.jpg
- 166 名前:カイン 投稿日:2001年06月23日(土)19時32分47秒
- GMコマンドとスナイパーすか…。
あとミドルレンジにGMキャノンあたりがあると
ペストですかねー。
(時期的にはオーストラリア戦線に投入されてるかな?)
- 167 名前:読んでる人@富野派 投稿日:2001年06月24日(日)01時57分52秒
- >>20代ですか?作者は20代後半です。
オイラもそーです。
- 168 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月25日(月)16時35分01秒
- 更新楽しみに待っています!
ゆうごまってあんまりないカップリングも大好きです!(w
- 169 名前:てぃふぁ 投稿日:2001年06月25日(月)20時55分19秒
- >ま〜さん
>SHADEで作りました
ご苦労さんです。マーキングが素敵です。
バーチャルモデラーが欲しくなってきた。
- 170 名前:ま〜 投稿日:2001年06月25日(月)21時21分53秒
- 「よっ!!この色女!!」
中澤は平家を見るなり声を掛けた。
「うっさい!!自分やて変わらんやん!」
「うっさい!・・まあお互い様ってことで・・。」
「まあええわ・・。」
他のメンバー達が中澤と平家のやり取りを見て
目を丸くする。
それはもっともなことだろう。
中澤は、つい先ほど昇進したとは言え、少佐。
一方の平家は大尉。
階級の差は歴然だが、まったくもって『タメ口』。
それどころか平気で罵り合っている。
「あの〜・・・。」
見かねた柴田が二人に声を掛けた。
「ああ、気にせんといて。」
「うちらはいつもこうやから。」
「はあ・・。」
- 171 名前:ま〜 投稿日:2001年06月25日(月)21時22分38秒
- 「まあそんな訳で・・。」
「どんな訳や?」
「うっさい!!」
真面目に話し始めた中澤に平家がちゃちゃを入れる。
「え〜と、何話そうとしたか忘れてもうた・・。」
「歳やからな・・。」
「うるさい!・・そや。」
中澤の解説によると、娘中隊、それから
メロン・ココナッツ・松浦・平家で合計20人。
これでは多いので、
第9MS中隊に中澤を含めた娘達10人。
そして、その他のメンバー10人で第10MS中隊を
編成することとした。
第9中隊は中澤が直接指揮をとり、
第10中隊の方は平家が指揮を取る。
これら全体を中澤が指揮を取るという形にした。
「異論は無いな?」
「はい!」
全員が返事をする。
- 172 名前:ま〜 投稿日:2001年06月25日(月)21時23分28秒
- 「ところで、うちはどのMS乗るん?」
平家の疑問は当然だろう。
「うち、あの新型乗りたいわぁ〜・・。」
平家はGMスナイパーUを指差して言った。
「ああ、みっちゃんはあれや!」
中澤が指差したのは、平家が一番望んでいない機体。
丸くて、青くて、腕が二本。
天辺に砲塔が一門だけ付いている。
正式名称はRB-79。
その形から『ボール』の愛称で呼ばれている。
別名『丸い棺桶』。
「いややわぁ〜〜〜!!!!!」
平家が頭を抱えて泣きそうな表情になる。
「あんなん乗せられたらジオンに寝返るわ・・。」
- 173 名前:ま〜 投稿日:2001年06月25日(月)21時24分18秒
- 「ウソやって・・。そこまで言わんでも・・。」
「分かっとるわ!裕ちゃんの言うことなんて決まっとる!」
「むかぁ〜!!ほんまにボール乗せるで!!」
「あ〜・・ごめんなさい・・。」
おそらくここにいる初対面のメンバー達は
中澤と平家のやり取りを見ていて、漫才コンビか何かと
思ったことだろう。
だが、そのお陰なのかも知れないが、新しいメンバー達の緊張は解れていた。
常に死と隣り合わせのパイロット。
中澤と平家は、付き合いの長さもあり、
また、自然に心と体が周囲の人間を和ませる技を
身に付けていたのかもしれない。
これは天性の才能なのかもしれない。
そこにいた全員が、
この関係がいつまでも続くことを祈った。
戦争が終わった時、全員が笑って思い出を語れることも。
- 174 名前:ま〜 投稿日:2001年06月25日(月)21時26分24秒
- 皆様、レスありがとうございます。
>>166 カイン さん
>>あとミドルレンジにGMキャノンあたりがあると
>>ペストですかねー。
ごめんなさい・・。GMキャノンは出てきません・・。
格闘戦の能力が無いんで。
>>167 読んでる人@富野派さん
おお!同志(20代後半)よ・・。
ちなみに作者は来月で29・・。
>>168 名無しさん
>>ゆうごまってあんまりないカップリングも大好きです!(w
ありがとうございます!
「ごまゆう推進派」(?)ですから!
>>169 てぃふぁさん
>>ご苦労さんです。マーキングが素敵です。
ありがとうございます
1日1更新を目指していたんですけど、
最近こんな物ばっかり作ってたんで更新が遅れてる・・。
勢い余ってマゼランまで作ってしまった。
- 175 名前:ま〜 投稿日:2001年06月27日(水)00時51分22秒
- 中澤たちにとって、宇宙に出港するまでの
二週間、尋常じゃなく忙しかった。
全員のメンバーを会わせ、
それでいて全員の息が合うように訓練もした。
地上で宇宙の訓練をするには限界があるため、
MSの戦闘訓練は、もっぱらシュミレーションを使う。
射撃、格闘、編隊維持、艦船攻撃
艦船護衛、攻撃、防御。
ありとあらゆる訓練。
地上ではありえない戦闘も宇宙ではありえる。
おそらくこの二週間、連邦軍のパイロットの中でも
一番訓練を積んだのは、文句無しに彼女達だったろう。
メンバーから、特に新人からいろいろ文句を言われた。
しかしながら中澤は、あえてそれを無視し、
彼女達に体験したことが無いほどの訓練を課した。
中澤は思っている。
自分が憎まれ役になってもいい。
それで仲間の命が救われるなら・・。
- 176 名前:ま〜 投稿日:2001年06月27日(水)00時51分58秒
- 「それじゃああたし達の前途を祝って、かんぱ〜い!!」
乾杯の音頭を取ったのは矢口。
宇宙への出発を翌日に控えた面々は、地球最後の夜と言わんばかりに遊んでいる。
最後の閉めは飲み会。
かつて軍隊が出陣する前夜に、無礼講の宴会をやったのと同様に
彼女達も、成年未成年ほぼ関係なく宴会状態であった。
「いよいよ明日出発だね・・。」
「久しぶりの宇宙だべさ!」
少し不安げな新しいメンバーに対して
余裕を持っているのか、それとも元気付けようとしているのか
安倍が大声で言う。
「あたし宇宙経験ないからな・・。」
今度は石川が不安そうに言う。
そんな彼女を見て、平家が石川の隣に座り
「大丈夫やて。うちがおる。」
そう言いつつ石川の肩に手を回した。
「わ〜お!みっちゃんと梨華ちゃん熱愛発覚!!」
矢口が茶化すように声を上げる。
「うっさいわ!ええやん!」
「もお〜。ムキになっちゃって♪」
矢口のからかいが続く。
- 177 名前:ま〜 投稿日:2001年06月27日(水)00時53分15秒
- 「まあ、うちは知っとったからね。」
興味無さそうに中澤が言った。
「なに言ってるん!裕ちゃんだって後藤と・・・!」
「そんなん皆知ってるやん。」
「え?そうなん?」
「なっちは二人の怪しい関係知ってたべ。」
「圭織も知ってるよ。」
「まあ、あたしはどうでも良いけどね。」
楽しそうに話す安倍と飯田に対して、保田はあまり興味なさそうだ。
「へ〜。やっぱり軍隊って、同性愛が多いんですね。」
村田は度胸があり、中澤たちもそれを買っているのだが、
時々爆弾発言とも言えるセリフを吐いたりする。
「い、いや、うちはそんなんちゃうで!」
中澤が動揺したように答えた。
「うそ吐き!うちは見たで!裕ちゃんと後藤が・・んぐ!!」
「まったくみっちゃんそんなに酔っちゃって!可愛いんだから!!」
平家の言葉を遮るように中澤は青筋を立てながら平家の口を手で押さえる。
- 178 名前:ま〜 投稿日:2001年06月27日(水)00時53分53秒
- 「んぐ・・・。」
平家は顔を真っ赤にして中澤の手を払った。
「苦しいわ!殺す気かいな!?」
「石川!全部告白してしまいなさい!」
半ば本気で怒っているかのように見える平家に対して
まったく臆することなく中澤が石川に言う。
「それは命令ですかぁ〜?」
すでに出来上がっている石川は、顔を赤くしながら中澤に答えた。
「そや!命令や!」
「じゃあ言っちゃいますね♪平家さん可愛いんですよぉ〜。」
「ば、ばか!!言うんやない!!」
「まず平家さんがあたしにお酒飲ませたんですよ。」
「ふんふん!!」
「なるほど!」
安倍や矢口は興味津々で話を聞いている。
顔が真っ青になる平家に対して、
まだあまりそういった会話をあまりしたことが無いのか
テーブルの端の方にいた松浦が顔を赤くして俯いた。
- 179 名前:ま〜 投稿日:2001年06月27日(水)00時54分44秒
- 「それでどうなったの?」
面白そうな顔をして、村田が石川に聞く。
「え〜。それであたしがちょっと平家さんの胸を触ったんですよ♪」
「なるほどなるほど!」
もはや石川の独演会と化していた。
辻や加護のような年少者まで興味半分で聞いている。
「そうしたら平家さんどうなったと思いま・・・・んぐっ!!!!」
「梨華ちゃ〜ん♪」
さすがにこれ以上はまずいと思った平家が
自分の席から立ち上がり、石川の口を手でふさいだ。
もちろん平家の額には青筋が立っていたが。
「ん〜〜!!」
苦しそうに石川がバタバタもがく。
「なぁ〜んだ・・、面白いところだったのに・・。」
「ぶぅ〜ぶぅ〜!」
全員が苦情の声を上げた。
- 180 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月28日(木)01時48分32秒
- いつも、読ませてもらっています!
更新待ちのぞんでいます(w
- 181 名前:ま〜 投稿日:2001年06月28日(木)21時57分27秒
- 「梨華ちゃん。もう寝ましょうね〜。」
これ以上ここに石川がいたら、何を話し出すか分からないことを
危惧した平家が石川を部屋に帰そうと思い言った。
しかし石川は、そうは受け取らなかった。
「え?平家さん。また石川と寝たいんですかぁ?」
「おいおい・・。みっちゃんなんだかんだ言っても、
梨華ちゃんのことが好きらしいよ。」
「あのみっちゃんが好きになっちゃうくらいだから、
梨華ちゃんも相当上手なんだろうね・・。」
矢口やアヤカがひそひそと言いたい放題言っている。
「ゴルァ!聞こえるようにひそひそ話するんやない!」
一応平家は回りの人間に突っ込みを入れる。
「じゃあ平家さぁ〜ん、行きましょうかぁ〜?」
「ん?」
元々アルコールに弱い石川が、顔を真っ赤にしながら
おぼつかない足取りで立ち上がった。
「たまには平家さんが責めてくださいね・・。」
石川が酔って倒れこむフリをしながら平家に抱きつくと
他の人には聞こえないように平家の耳元で囁く。
「なっ!」
平家の顔が赤くなる。
「わ、わかったわかった・・。」
こうして平家は石川を連れて部屋に帰っていった。
- 182 名前:ま〜 投稿日:2001年06月28日(木)21時58分22秒
- 「なんだかんだ言っても、みっちゃんも満更じゃないみたいだね。」
平家と石川が帰った後、矢口が少しうらやましそうに言った。
「矢口さん、なんだかうらやましそうですよ?」
「そんなんじゃないよ!」
「そうなんですかぁ〜?」
加護が矢口をからかう。
「うるさい!!」
「でも、それだけ梨華ちゃんが・・。あんな顔して・・。」
すこし意外そうに、そして本気で柴田が悩みこむ。
最近石川と仲良くなった柴田だが、
そのような素振りは全く見たことが無かった。
「う〜ん、ちょっと意外だよね。」
「ふんふん。」
ミカの言葉に、全員全くもって納得と言った感じで頷く。
『それにしても・・・。梨華ちゃんって、そんなにすごいのかな?
拒否したのは、ちょっと失敗だったかな・・?』
一人悩みこむ吉澤だった。
- 183 名前:ま〜 投稿日:2001年06月28日(木)21時59分58秒
- それからしばらくして、村田たちメロン隊
アヤカ達ココナッツ隊は、ぽつりぽつりと帰っていった。
平家達が帰ってから程無く帰った年少組の辻・加護や松浦は
すでにベットの中であろう。
「さて・・。うちも帰るかな・・。」
「そうだね。歳だしね♪」
「こら!なっち!言って良いことと悪いことがあるで!」
「あはは!冗談だって。」
安倍が赤い顔でけらけら笑う。
「もお帰っちゃうの?」
「ああ、明日から忙しいからな。」
矢口の言葉に、少し素っ気無く答える。
「じゃあな!!おやすみ!」
「うん!おやすみ!」
「じゃあね!」
言葉少なく中澤が別れの言葉を言って立ち上がると、
「あたしもぉ〜。」
後藤も立ち上がった。
「お!?二人一緒?」
「おお!今夜はお楽しみ?!」
安倍や矢口がいつものようにからかう。
中澤は、ニコリと笑うと
後藤の肩に手を回して席を立つ。
そして最後に全員に向かって言った。
「また帰ってきて、全員で飲もうな!一人も欠けることなくね!」
- 184 名前:ま〜 投稿日:2001年06月28日(木)22時01分10秒
- 「裕ちゃん・・。いよいよ明日出発だね。」
宴会を途中で切り上げてきた後藤と中澤はシャワーを浴び、
二人で軽くアルコールを飲んだ後、中澤の部屋でベットの中にいた。
「ああ・・。不安か?」
中澤の腕枕の中、中澤は少し不安げにしている後藤の鼻をかるくつついた。
「ん〜・・。不安じゃないって言えば嘘になるかなぁ〜。」
後藤は中澤の顔を見ながら答える。
そんな後藤の頭を腕枕をしていない方の手で撫でる中澤。
「大丈夫やて。うちがついてる。」
「うん。でもね・・。」
まだぐずぐずしてる後藤の額に中澤の唇が軽く触れる。
「これで大丈夫やろ?まあ、おまじないみたいなもんやな。」
「うん!ありがとう。」
「ごっちんは可愛いなぁ〜。」
正直中澤は後藤とこう言った関係になるとは思っていなかった。
と言うよりも、女性との関係。
今まで中澤は女性と『関係』を持った経験は無い。
だが、後藤は違った。
確かに中澤にここまで接近してくる女性などいなかった。
平家や安倍・飯田達は例外だったが、さすがに『関係』はもっていない。
もっとも今の平家の状況を見ると、
彼女達も満更そういった『関係』が嫌いではないようだが。
- 185 名前:ま〜 投稿日:2001年06月28日(木)22時01分51秒
- 「宇宙って空気無いんだよね・・。」
「当たり前やん。」
突然の後藤の、当たり前すぎる質問。
「外出たら死んじゃうよ・・。」
「大丈夫や!こうやって息止めとけば!」
中澤はふざけたように息を止めて顔を膨らます。
「あははは・・・♪」
少し笑ってから後藤は真剣な顔で言った。
「怖いな・・。あたしまだ死にたくないもん・・。」
いつに無く弱気な後藤。
「だから、そのためにうちがいるんや。」
「・・・。本当?」
「ああ!当たり前やん!」
「ありがと。」
そう言うと後藤は、ゆっくりと中澤に抱きついた。
「裕ちゃん・・。」
「ごっちん・・。」
- 186 名前:ま〜 投稿日:2001年06月28日(木)22時07分17秒
- >>180 名無しさん
レスありがとうございます。
最近、大阪城DVDを見ているんで更新がちょっと遅れてますね。
最初の予定では今月中に終わらそうと思ったんですけど
全然話が進んでませんね・・・。藁
ところで、実はわたくし大阪城ファイナル行きました。
本当は仕事があったんですが、同僚に事情を説明し(自分が中澤ヲタであることを)
無理やり大阪城行きました!良かった・・。
- 187 名前:名無し君 投稿日:2001年06月29日(金)02時52分00秒
- ま〜さんは大阪城ファイナルに行かれたのですか!
いいですね!私は、福岡しか仕事の関係上いけませんでした(鬱
DVDみました!泣きながらMCの後、涙を拭いて、
「そのまま行くぞ!」「歌うぞ」「踊るぞ」
ってFAN・メンバーを煽る姐さん!これが何かたまりませんでした。
卒業後、表情が柔らかくなり、もっと好きになっていってしまってるんですが・・・
こうゆう姐さんを見る事はほとんどないんだろうな・・・って感じです!
ハロプロ舞台裏とかは、あるかもだけど・・・見れないし
今日、っていうか昨日?ビューティーセブンの制作発表ありました。
今日の日テレワイドショーは、チェックです!
長文でしかも関係ないレスしてすいません!
更新、楽しみにしています!
- 188 名前:ま〜 投稿日:2001年06月30日(土)21時49分45秒
- 「裕ちゃん。死んじゃやだよ。」
「ああ、うちかてまだ死にたくない。」
中澤は後藤の頭をなでてやる。
中澤にとって愛すべき後藤。
中澤は心に誓った。この子だけは命をかけて守ってやろうと。
こうして彼女達にとって地球最後の夜が過ぎていく。
それぞれの夜を満喫しながら。
彼女達が宇宙に行ってから過酷な運命が待ち受けているとも知らず。
- 189 名前:ま〜 投稿日:2001年06月30日(土)21時51分08秒
- ジャブローから宇宙に向けて数多くの艦艇が打ち上げられている。
ペガサス級強襲揚陸艦の様に単独での大気圏脱出が可能な艦は少ない。
そのため、マゼラン級戦艦やサラミス級巡洋艦、コロンブス級輸送艦等は
宇宙に行くためにカタパルトを使い、打ち上げられる。
「そろそろうちらの番やな。」
「そうだね・・。」
中澤の言葉に、左脇に座っている安倍が言葉少なく答える。
彼女も宇宙経験は豊富なのだが、
いざとなるとさすがに緊張しているらしい。
すでに彼女達の搭乗している戦艦ゼティマはカタパルトに載せられ、
打ち上げの順番を待っている。
「聞いた?今度の目標ってソロモンなんだって。」
何処から聞いているのか、いつもながら情報が早い安倍が中澤に耳打ちした。
「まじで?」
「そのために、あたし達だけじゃなくて、
かなりの数の宇宙艦隊がルナツーに集結してるらしいよ。」
「ルナツーか・・。」
中澤が思いを馳せる。
かつての同僚である石黒彩が退役するきっかけとなった士官がルナツーにいる。
石黒は、ややぽっちゃりした彼と結婚して退役したのだ。
おそらく一緒にルナツーにいるであろう。
「彩っぺに会えるかな?」
「どうだろうね?上陸する時間無さそうだし・・。」
「そうか・・。」
分かってはいたが、いざそのように言われると、さすがにがっかりする。
なにしろ石黒とは半年以上会ってなかった。
- 190 名前:ま〜 投稿日:2001年06月30日(土)21時51分52秒
- 「射出1分前!」
艦内に警報が響く。
艦内の全員は打ち上げに備えて、シートに座ると安全ベルトを締めた。
「ええか〜!みんな!準備OKやな?」
中澤は後ろや横にいる全員の顔を見る。
少々緊張気味の安倍・飯田・矢口。
目を閉じて黙っているのは保田だ。
辻と加護は相変わらずお喋りをしている。
吉澤や松浦もどうやらそれに参加しているらしい。
昨夜の疲れが抜けていないのか、げっそりしている平家。
一方の自信に満ちた石川の顔。
宇宙経験の少ない村田・柴田・斎藤・大谷は神妙な顔をしている。
アヤカ・ダニエル・レフア・ミカは、相変わらず陽気だ。
そして最後に右横にいる後藤を見る。
中澤と目が合った後藤はニコリと笑うと、
中澤の手に自分の手を乗せた。
「裕ちゃん。」
「ごっちん。」
「発進10秒前!9!8!7!6・・・。」
カウントダウンが始まった。
「みんな!行くで!」
- 191 名前:ま〜 投稿日:2001年06月30日(土)21時53分58秒
- 艦内の全員に強烈なGがかかり、シートに体が押さえつけられる。
数万トンに達する戦艦が宇宙に打ち上げられるため
音速を遥かに超える速度で、ぐんぐんと上昇する。
わずか数分で成層圏に達した。
「段々重力が無くなって来た・・・。」
宇宙経験が無い吉澤がまず口を開いた。
時間が経つに比例して次第に重力が少なくなってくる。
窓の外を見ると、青い地球が大きく見える。
「綺麗・・。」
石川が言った。
「綺麗やろ?」
石川の隣に座っていた平家が口を開く。
先ほどまで自信に満ちた顔をしていた石川だったが、
今は不安のためか、隣の平家の手を握っている。
平家も石川の不安を悟ったのか、石川の手を握り返した。
「平家さん・・、ありがとうございます・・。」
「なんや?今日はやけに弱気やな?昨日とはえらい違いやな?」
「もぉ〜!!やだぁ〜!!平家さんったら!!」
石川は顔を赤らめると、平家の肩を思い切り叩いた。
「痛ぁ〜〜!!!!」
- 192 名前:ま〜 投稿日:2001年06月30日(土)21時54分40秒
- 平家の悲鳴を聞いたメンバーが平家の方を見る。
「またまた〜。何やってんだか〜?」
「熱々だね〜。」
矢口やアヤカが平家と石川を茶化す。
保田は呆れている。
それでもそのお陰なのか、全員の緊張が解れた。
次第に全員が雑談をし始める。
「宇宙や・・。ののは体重軽くなったやろ?無重力やし!」
最近少し体重が増したことを気にしている辻に向かって加護が言った。
「失礼れすね!あいちゃんもあんまり変わらないのれす!」
「違うぴょ〜ん!」
「むかっ!」
いまや二人の保護者的存在になっている吉澤が
二人の子供の喧嘩を止めに入る。
- 193 名前:ま〜 投稿日:2001年06月30日(土)21時55分35秒
- 「はぁ〜。やっぱ無重力はいいべさ。肩がこらなくて・・。」
安倍は自分の両肩を軽くくるくる回した。
重力が有無は、女性に大きく影響する。
特に胸が大きめな女性にとって、肩への負担が大きく異なる。
「何それ?嫌味?」
隣の飯田が不快な顔をする。
飯田もプロポーションは良い方だ。
しかし胸の大きさにおいては安倍に一歩も二歩も遅れを取っている。
「ち、違うべさぁ〜。」
「ふ〜ん・・。」
さらに不機嫌さを増した飯田はそっぽを向いた。
「なあ・・。ごっちん・・。そんなに関係あるんか?」
左脇にいた二人の会話を聞いた中澤が後藤に聞く。
胸の大きさに関しては後藤は部隊で一番かもしれない。
一方の中澤は語るまでも無い・・。
「う〜ん。そうだね。軽いから助かるよ。」
「そうか・・。うちにとっては関係ないや。」
「あはは・・。」
中澤の胸を一瞬見た後藤はぎこちなく笑った。
「なんや。失礼だな。ごっちんが大きすぎるんや!」
中澤は小さい声で後藤に囁くと、人差し指で軽く後藤の胸を突付いた。
「やん♪」
- 194 名前:ま〜 投稿日:2001年06月30日(土)21時59分07秒
- >>187 名無し君さん
DVD良かったですね!現場にいたものとしては
あの感動をもう一度って感じですね。
やっぱり中澤がいいっす!
良く考えたら自分がここで書いてる小説って
ほとんど中澤が主人公、もしくは美味しいところを持ってってる・・。
たまには違うのも考えないと・・。藁
- 195 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月30日(土)23時28分40秒
- 待ってました!遂に宇宙ですね。
宇宙での初戦、相手MSは何でしょうね?期待してます。(藁
ザクならともかくゲルググJあたりだと、新米兵はきつそうかな・・・
- 196 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月01日(日)01時42分05秒
- 何をおしゃりますか!
中澤リスペクトで行きましょうよ!(w
ま〜さんの描く中澤大好きです!
後藤もね
- 197 名前:てぃふぁ 投稿日:2001年07月01日(日)23時20分37秒
- DVDやっぱ買おうかなぁ。でも、金ねぇんだ(w
現場も逝く予定だったのに事故って逝けんかったし
>>195
ゲルググ相手でも大丈夫なんじゃない?
ガンダムを超える性能を持った量産機だが、パイロット不足で
ろくに訓練も受けてない学徒兵がおもに乗ってるはずだから。
ジオンの敗因のひとつだよね。
それにザクU・リックドムあたりがジオンの主力だ。
>>ま〜さん
サイドストーリーなんで、白狼・赤い稲妻・ソロモンの悪夢達との
ガチンコバトルを期待(w
なかざーもいいけどなちかおもね(w
最後の前にもっかいMS乗り換えありそうだよね。
- 198 名前:ま〜 投稿日:2001年07月02日(月)01時12分44秒
- メンバーがくだらない会話をしている間に、
ゼティマは次第に上昇速度が遅くなっていき、とうとう衛星軌道上まで達した。
衛星軌道上で射出された艦隊が集結する事になっている。
時間差をつけて打ち上げられた艦艇は、
あちこちに散らばっていた。
「もうシートベルト外してええで。」
中澤が言うと、全員がシートベルトを外し、
一気に部屋の端にある窓に群がった。
「うわ〜・・。綺麗・・・。」
初めて宇宙に来たメンバーにとって
地球から見る星々と、宇宙から見る星々は全く違うとは知っていても、
これほどまでに違うとは思っていなかった。
地球から空を見上げても、大気の影響や
大気汚染、そして街の光によって、その輝きははっきりと見えない。
しかしながら宇宙には光を妨害する物が無い。
地上では瞬いて見える星の光も
宇宙からでは、くっきりと見える。
そして何よりも青く、大きな地球。
宇宙を体験しているメンバーにとっても
この光景は何度見ても美しかった。
- 199 名前:ま〜 投稿日:2001年07月02日(月)01時13分37秒
- 「本艦は、このポイントで艦隊が集結するのを待つ。各員待機。」
スピーカーから寺田艦長の声が聞こえてくる。
「さて、ほんじゃま行きますか。」
中澤が自分のシートから立ち上がって言った。
メンバーが怪訝そうな顔をする。
「何処行くの?」
「何処行くって、外に出るんや。」
「え〜〜!!もお!?」
安倍や飯田達ベテランを抜かしたメンバー達が抗議の声を上げた。
「新しいメンバーは宇宙に慣れとらんやろ?訓練代わりや。」
中澤が平家に目配せをすると
平家も立ち上がるり、自分の部下達を見て言う。
「ええか?10分後にMSデッキ集合や。
ノーマルスーツに着替えるの忘れんやないで。」
「はぁ〜い・・・。」
吉澤や加護辻達がしぶしぶと待機室から出て行く。
- 200 名前:ま〜 投稿日:2001年07月02日(月)01時14分26秒
- 正確に10分後、全メンバー達がMSデッキに集合していた。
「ええか〜!宇宙は無重力やからな。編隊を組む時、
それから姿勢には気をつけるんやで!」
先ほどまで自信に満ち溢れている顔をしていた石川も
緊張が隠せないのか、青い顔をしている。
そんなメンバーを見渡して中澤が微笑んで言った。
「大丈夫や。シュミレーションと一緒やで。あんたらなら出来る。」
「はい・・。」
余裕を見せている安倍や飯田、保田や矢口とは異なり
緊張のためか、若手のメンバーの返事は声が小さい。
「声が小さい!!!」
中澤が怒鳴った。
「はい。」
先ほどよりは大きかったが、まだ声が小さい吉澤達。
「もういっぺん!!!」
「はい!!!」
今度の声はMSデッキ中に響き渡るほど大きかった。
MSを整備中の整備員や、付近にいる士官達が何事かと振り返った。
「し〜・・・。今は作戦中や・・。」
中澤が自分の口に人差し指を当てて言う。
「なんやそれ!!」
すかさず平家が突っ込んだ。
- 201 名前:ま〜 投稿日:2001年07月02日(月)01時16分39秒
- 『何やってるんだか・・。』
吉澤が呆れ顔で思った。
しかしながら、中澤と平家のお陰で自分の緊張が解れた事に気づく。
周りを見渡してみると、自分同様に呆れ顔ではあるが、
全員が先ほどの緊張した面持ちとは異なる顔をしていた。
そんな中澤たちを見て、吉澤は思った。
『自分には出来ないかな・・。』
「ほんじゃあ、行くで!」
中澤の掛け声と共に、メンバーが散っていく。
それぞれが自分の決められたMSに搭乗する。
中澤・安倍・飯田・保田・矢口・後藤・吉澤・石川、
それに平家や松浦・メロン隊がGMコマンド宇宙用に、
そして辻・加護・ココナッツ隊がGMスナイパーUに乗り込んだ。
そんな彼女達をMSデッキで見守る人物がいる。
「やはり中澤少佐を指揮官にしたのは正解でしたね。寺田艦長。」
寺田艦長の副官である戸田少尉が横にいる人物に語りかけた。
「ああ、うちの見込んだ通りや。」
宇宙で、しかも戦艦の中であるにもかかわらず
サングラスをかけた寺田が彼女に答えた。
「実は彼女には荷が重い言う意見もあったんや。
確かに半年前の中澤やったら無理やったろ。でもこの数ヶ月間で
彼女は確実に成長しよった。だから選んだ。」
普段はヘラヘラとして、今一上層部から信用が無い寺田が
珍しく真面目な表情で言った。
「艦長・・。」
戸田が『見直しました』と言わんばかりの表情で寺田を見た。
「どや?!たまにはかっこよかったやろ?」
寺田がニヤリと笑いながら戸田に言った。
『はぁ・・。やっぱりダメだ・・この人・・。』
- 202 名前:名無し君 投稿日:2001年07月02日(月)01時22分25秒
- 半年前になぞがありますか?
- 203 名前:ま〜 投稿日:2001年07月02日(月)01時23分24秒
- >>195 名無しさん
>>待ってました!遂に宇宙ですね。
お待たせしました。やっと宇宙です。
予定ではもっとはやくくる予定だったんですけどね。
最初の対戦は・・・お楽しみって事で♪
>>196 名無しさん
ありがとうございます。
一応自分の作品の原点は後藤と中澤なもんですから。
>>197 てぃふぁさん
>>現場も逝く予定だったのに事故って逝けんかったし
事故ったんですか?お体お大事に。
(もう治ってるか?)
>>ガンダムを超える性能を持った量産機だが、パイロット不足で
>>ろくに訓練も受けてない学徒兵がおもに乗ってるはずだから。
>>ジオンの敗因のひとつだよね。
その通り!!
>>サイドストーリーなんで、白狼・赤い稲妻・ソロモンの悪夢達との
>>ガチンコバトルを期待(w
もちろん分かっております!
すでにそのあたりは書いてあります!!
>>なかざーもいいけどなちかおもね(w
うう・・。難しいな・・。とりあえず分かりました。
- 204 名前:ま〜 投稿日:2001年07月02日(月)01時26分29秒
- >>202 名無し君さん
おお!リアルタイムなレスありがとうございます。
>>半年前になぞがありますか?
すいません。あまり意味はありません・・。
(途中で作者の考えが変わらなければ)
以前の中澤の話の中であったように、昔はただの無鉄砲だったと言うことで・・。
- 205 名前:ま〜 投稿日:2001年07月03日(火)00時00分53秒
- 中澤たちが乗り込んだ改マゼラン級の戦艦は
両舷にある艦橋を撤廃して、そこにMS格納庫とカタパルトを
備えてある特殊なタイプのマゼランだった。
さらに下部を改造し、ここもMS格納庫を設けてある。
都合3つのカタパルトがあり、同時に3機のMSを射出できる。
「みんな、大丈夫やな〜?」
中澤は自分のMSをカタパルトに乗せると、通信を開いて
全員に問い掛けた。
宇宙への出撃を機会に中澤は自分の部隊の編成をしなおした。
中澤は後藤とペアを組み、安倍と飯田、保田と矢口で組ませる。
中距離支援のスナイパーの辻・加護組を
石川・吉澤のペアが援護する。
そのため、今、中澤の後ろには後藤のGMコマンドが待機していた。
「いいよ〜〜。」
「OK!」
右舷と左舷のMSカタパルトに乗っている
安倍や保田のGMコマンドから連絡が入った。
「じゃあ行くで。みっちゃんも後から来てや。」
「おっけ〜!」
平家の小気味いい返事を聞くと、中澤は両足のペダルを踏んでバーニアを吹かす。
その直後、カタパルトが中澤を射出した。
- 206 名前:ま〜 投稿日:2001年07月03日(火)00時02分52秒
- 強烈なGが中澤の体を締め付ける。
カタパルトは瞬時にMSに戦闘速度を与えるため、
パイロットに掛かるGは、かなりの物だ。
中澤が後方を確認するために後部モニターを見ると、
続々と仲間達のMSがゼティマから射出されてくるのが見て取れる。
『はぁ〜・・。宇宙か・・。』
後藤は自分のMSの中で少し緊張しているのか、
自然とレバーを握る手に力が入る。
前を見ると、すでに射出された中澤のMSが
ドンドン小さくなっていくのが見て取れた。
緊張しているはずなのだが、何故か後藤は宇宙がとても懐かしい感じがした。
彼女は宇宙の経験が多くない。にもかかわらず自分の故郷に来たような感じ。
「はぁ〜・・。」
後藤はため息を一つつく。
「進路クリアー!」
オペレーターからの報告が入ると、
後藤はいつに無く真面目な表情をして言った。
「後藤行きます!」
直後、後藤にすさまじいGが掛かった。
- 207 名前:ま〜 投稿日:2001年07月03日(火)00時03分54秒
- 「はぁ・・。」
後藤や安倍達が、次々と射出されていくのを見て
吉澤がため息をついた。
自分の前には辻や加護も射出されていく。
「きゃああああああ!!!」
一際大きな甲高い悲鳴を上げたのはおそらく石川だろう。
「すごいのれす〜〜!!!」
「ひょえええええ〜!」
辻や加護も悲鳴を上げながら射出されている。
「カタパルト初めてデスヨネ?」
ふと吉澤は話し掛けられた。
「ダニエルです♪」
後ろにいたダニエルが
自身無さそうにしている吉澤を見て声をかけた。
「そうなんですよ・・。」
「アハハハ!大丈夫デ〜ス!take it easyデ〜ス!!」
豊満なボディーに似合ったインパクトのある声で彼女が怒鳴る。
「あ、ありがとうございます・・。」
実際のところ、吉澤は彼女とあまり話をしたことが無い。
もっとも最近仲間になったばかりであるが、
そんな彼女が自分を心配して、元気付けてくれたのは正直嬉しかった。
「それじゃあ、行きます。」
吉澤は、モニターの中で微笑んでいるダニエルに向かって行った。
「OK!OK!」
「吉澤行きます!!」
- 208 名前:ま〜 投稿日:2001年07月03日(火)00時05分29秒
- 「みんな〜。大丈夫か〜?」
「きゃああああ〜〜!!!」
「くるくる回るのれす〜!!」
石川や辻が悲鳴を上げる。
いくらシュミレーションで訓練していたとは言っても
実際に宇宙に出るのとは天と地程も違う。
「みんな大丈夫だよ〜。あまり力まないでね。」
「下手にバーニア吹かすと返って大変だべ。
自然に軽く吹かせば大丈夫だべ。」
宇宙の経験が少ない者に対して飯田や安倍がアドバイスする。
「ん〜・・・。」
平家が指揮しているメロン隊やココナッツ隊は
少々だが宇宙の経験があるために、意外と健闘している。
しかしながら吉澤達の未経験者はかなり苦戦中だ。
「きゃあああああ〜〜!!!!!」
「石川!」
見当違いの方向に向かって進んでいく石川を保田が追いかけた。
「大丈夫?」
「は、はひ・・・。」
「ほら。シュミレーションでやった事忘れたの?」
「い・・、いえ。」
「同じつもりでやってみな。」
「は、はい!」
保田のアドバイスの元、次第に勘を取り戻してきたようだ。
- 209 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月03日(火)07時54分54秒
- 久しぶりに見たら凄く進んでた。
みちいしかと思ってたら、これからやすいしになるのかな?(w
更新大変でしょうが頑張ってください。
- 210 名前:ま〜 投稿日:2001年07月04日(水)00時22分17秒
- 「ええか〜。あれ狙ってみ。」
中澤は辻と加護を呼び寄せ、狙撃の練習をさせていた。
中澤が指差したのは、かつてムサイ級巡洋艦だっとと思われる残骸。
「まずは辻からな。」
「はい。」
辻がおぼつかない操作で狙いを定める。
距離は約500メートルは離れているかもしれないが、
狙撃型であるスナイパーUならば充分射程距離内だ。
辻がレバーに付いているカバー型の安全装置を親指で弾いて外す。
「撃ちます。」
辻はわざわざ報告してからボタンを押した。
すると、軽い衝撃と共に辻のGMスナイパーUの長いライフルの先から
明るい閃光が放たれながらビームがほとばしった。
ビームは真っ直ぐと進むと、漆黒の闇に吸い込まれていく。
完全に外れ。標的との距離は50メートル以上離れている。
「あれ・・?」
「・・。じゃあ次は加護。」
「はい。」
加護も辻と同様の手順を踏んでライフルを撃った。
これも外れる。
「なんで当たらんか分かるか?」
「わかりません・・・。」
「わからないのれす・・。」
- 211 名前:ま〜 投稿日:2001年07月04日(水)00時23分13秒
- 「あんたらちゃんとセッティングしたんかいな?」
「あっ!!!」
二人が素っ頓狂な声を上げる。
彼女達は忘れていたのだ。
安全装置を外した後に、無反動装置を入れることを。
宇宙はちょっとした反動で物が動いてしまう。
無重力だからだ。
ライフルを放てば、当然の事、それなりの反動がかかる。
にもかかわらず、彼女達はそのことを忘れていた。
地上では重力もあり、また両足がしっかりと支えているため
反動にはあまりこだわる必要が無い。
ところがここは宇宙。しかも狙撃用の高出力のライフルを使っている。
「すんまへん・・。」
「ごめんなさい。」
二人は素直に謝った。
そんな二人に対して、中澤は微笑みながら言った。
「もう忘れんようにな。」
- 212 名前:ま〜 投稿日:2001年07月04日(水)00時24分00秒
- 一方、吉澤は矢口相手に格闘戦の訓練をしている。
思ったより、吉澤は宇宙に関してセンスがあるようだ。
「いいよ〜。よっすぃ〜。」
「あ、ありがとうございます。」
吉澤はヘルメットのバイザーを上げると汗をぬぐった。
無重力のため、汗が滴り落ちることは無い。
そのため、ヘルメットの中で水滴が中を舞うと
意外と邪魔になるからだ。
「ふぅ〜。」
「よっすぃ〜、センスいいね。じゃあ次は射撃いって見ようか?」
「はい・・。」
吉澤が周りを見渡すと、
平家が率いる部隊が編隊を組んで飛び回っている。
他方、安倍と飯田は自由自在に宇宙を飛び回っていた。
完全にドライブしているといった状態。
『みんなうまいな・・。』
そんな時、吉澤のGMコマンドの警報が鳴り響いた。
- 213 名前:ま〜 投稿日:2001年07月04日(水)00時27分00秒
- 「艦長!!熱源反応!敵襲と思われます!!」
ゼティマのオペレーターである前田有紀少尉が叫び声を上げた。
「なんやて!?」
MSデッキから戸田少尉を伴って艦橋に入ってきたばかりなのだが、
寺田はすぐさま艦長用のシートに飛び乗るように座り込むと、
周囲の人間に指示を与える。
「敵の種類、及び数、距離方位を報告しろ!」
「はい!敵はザンジバル級重巡洋艦1、チベ級重巡洋艦1、ムサイ級軽巡洋艦5!
距離は約1万!方位は水平方向2時!」
てきぱきと前田が報告する。
ミノフスキー粒子が濃いためにレーダーが利かなく
熱源だけで反応をキャッチしなければならない。
「くそっ!こんな時に!!中澤たちに連絡!」
現在宇宙に上がったばかりの連邦軍艦艇は集結中である。
ゼティマを中心に数々の艦艇が集まりつつあるが
依然としてばらばらであり、陣形など組める状態ではない。
現在戦闘準備が可能な周囲の艦艇は
ゼティマを始め、マゼラン級戦艦1とサラミス級巡洋艦4といった状態。
数の上では明らかに劣勢である。
「敵艦隊、MSを出撃させた模様!!」
「砲雷撃戦用意や!」
すでに味方艦艇が敵方向に向かって砲塔を旋回させている。
- 214 名前:ま〜 投稿日:2001年07月04日(水)00時29分27秒
- >>209 てうにち新聞新入社員さん
レスありがとうございます。
やっとこさ宇宙で実戦です。長い話だ・・。
今まで書いた小説の中で最長になりそうです。
やすいしになるかは、作者もわかりません。藁
なにしろここの石川は浮気性みたいで・・。
- 215 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月04日(水)21時57分32秒
- いや〜、こんな状態で初戦闘ですか?
どうなるか楽しみです。
寺田「12機ものGMが、たった3分で・・・」
なんてことにならないように、願います。(藁
- 216 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)00時02分13秒
- 「みんな!集合や!」
中澤を中心にして、平家や安倍をはじめ、
次々メンバー達のMSが集合してくる。
「初めての宇宙でいきなりの実戦ですか・・。」
吉澤が抗議の声を上げる。
彼女も分かっている。抗議したところで敵が帰ってくれるわけではない。
しかしながら、文句も言いたくなる。
そんな吉澤の感情を理解してか、
「仕方ないべさ。」
安倍が優しく答えてやる。
「まずは艦隊を守るのが最優先や。
今後の作戦のために艦隊を減らすわけにはいかへん。
みっちゃん達は艦隊を直援してや。
うちらは間接で援護する。」
「わかった。」
平家が言葉少なく返事をする。
彼女も実戦経験は豊富だが、久しぶりの宇宙の実戦で緊張気味だ。
平家は、松浦やココナッツ隊とメロン隊を率いてゼティマの方向に身を翻した。
「うちらももう少し艦隊に近づくで。」
中澤たちのMS部隊は訓練をしている間に、すこしばかり艦隊と離れてしまっていた。
平家たちと上手く連携しなければならない。
その為にも、もう少し艦隊に近づく。
「行くで。」
中澤を先頭にして編隊を組んだ。
- 217 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)00時02分50秒
- 「有紀ちゃん!敵の数と種類を教えてや!」
「はい!敵はおよそ50機。機種はザクの改良型とドムだと思われます!」
「おっけ〜!」
オペレーターからの報告を受けると、
中澤はスナイパー部隊のココナッツ隊を艦隊の上方へ
それを支援するためにさらに上方にメロン隊を
そして遊撃として平家と松浦を配置した。
一方の中澤たちの部隊は、辻加護及び、石川と吉澤を平家たちの近くに配置、
中澤たちベテラン部隊を、中澤・後藤のペア、安倍・飯田のペア、
そして矢口と保田のペアで編成するとそれらを遊撃とすることにした。
「大丈夫かな・・。」
後藤が中澤に対して不安げな声を上げる。
「大丈夫や。うちがおる。」
「うん・・。」
付近を見渡すと、味方艦艇から次々とMSが出撃してくる。
その編成はいかにも雑多だ。
新型のGMコマンドやスナイパーはほとんど見受けられない。
大半が通常の量産型GMらしい。
中澤が正面を見た。
次第に光点が迫ってくるのが分かる。
「来るで・・・!!!早い!!!!」
- 218 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)00時03分22秒
- 中澤の目に飛び込んできたのは赤いMSだった。
「まっ!まさか赤い彗星!?!?」
以前ジャブローで赤いMSと戦ったことがあるが、
その速さは尋常ではない。
そのMSと同じ色のMSが、今接近してきている。
「辻!加護!!」
「はい!」
「はいれす!!!」
中澤の命令を受けて、辻と加護が狙撃ライフルを発射した。
敵のMS部隊に二つの閃光が開く。
「あ、あたった・・!」
「あたったれす!!!!!」
これを合図にしたかのように、MS戦が始まった。
- 219 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)00時04分30秒
- 先頭の赤いMS-06R-2ザクUを中心にして、20機ほどのMS-06R-1AザクUを率いて
艦隊の上方より一気に襲い掛かって来た。
緒戦で予想外に2機を落とされたものの、さほど動揺することなく突っ込んでくる。
先頭の赤いMS−06R−2ザクUがマシンガンを放つと、
サラミスから発進したばかりと思われるGMの胴体に火花が散る。
正確に1秒後、そのGMは大きな閃光を伴って爆発した。
「やる・・!!!」
中澤の勘が、『強敵』との警告を上げる。
「いくで!!」
中澤は、吉澤・石川・辻・加護の4人に援護を任せると
自分を含めて安倍たち合計6機で敵に突っ込んでいく。
まず安倍が敵の1機に照準を定めるとライフルを放った。
かなりの距離があり、また、敵のスピードが速いにもかかわらず
安倍の射撃は正確を極めた。
第一射撃でザクUのバックパックを打ち抜く。
さらに第二射撃でもう1機のザクUを破壊した。
「なっち絶好調やね。」
「えへん!だべ!」
「圭織も負けられない!」
飯田が操縦桿のトリガーを引く度にザクUが破壊される。
- 220 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)00時05分26秒
- 保田と矢口が編隊から離れると、最大速度で
一気に敵の後方に回り込んで背後からライフルを放つ。
かつては『圭坊』と恐れられた彼女の腕前は尋常ではなかった。
最大速度であるにもかかわらず、正確無比な射撃。
1機、また1機と打ち落とす。
一方の矢口は射撃だけではなく、敵に近寄ると
腰の後ろにあるサーベルを抜き放ちザクUの胴体を真っ二つにする。
敵のパイロットも練度が高いベテラン達のはずだが、
敵にとっては不運なことに、彼女達とはレベルが違いすぎた。
「みんなすごい・・!」
「やろ?いくで!ごっちん!」
「う、うん!」
中澤はバーニアを吹かすと、自分のGMコマンドを故意に敵の部隊の前に出した。
ザクUはマシンガンを放つが、中澤はいとも簡単にかわす。
そのうち苛立ってきたのか、1小隊が中澤を追い始めた。
あっさりと敵の一部隊を引き付けた中澤が
自分の機体を翻すと、ライフルを放つ。
自分が敵を追いまわしていると油断していた敵は
完全に逆撃を食らった形となった。
1機のザクUが頭部を破壊されると、
列機に動揺が広がる。それを後藤は逃さなかった。
1機づつ後藤は撃ち落とす。
- 221 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)00時07分54秒
- >>215 名無しさん
レスありがとうございます。
>>寺田「12機ものGMが、たった3分で・・・」
話が終わってしまう・・・。藁
- 222 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月05日(木)01時35分00秒
- まずは紅い稲妻から登場ですね。
- 223 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)22時16分36秒
- 「き、来たのれす!!」
「わ、わ、わかっとるわ!」
「吉澤、石川、辻、加護!そっち行ったで!!」
中澤たちの練度が高くても、数が多いために撃ち漏らしが出ている。
その部隊が吉澤達に向かっていた。
「おちるのれす!!!」
辻がスナイパーライフルを発射する。
加護も負けずと連射している。
しかしながらなかなか命中しない。
やっとのことで1機を辻が落とすと、すでに5・6機の敵が目の前に迫っていた。
「きゃああああああああああ!!来ないでぇ〜〜!!!」
石川が鼓膜が破れそうなほどに甲高い声を上げると
操縦桿のトリガーを連打した。
「あれ?命中した・・。」
何度目かの石川の射撃が敵を捕らえ、
大きな閃光と共に一機のザクUが爆発する。
「梨華ちゃん、やるね・・。」
石川の思わぬ戦果に吉澤がライバル心を燃やし始めている。
『梨華ちゃんには負けられないからね・・。』
吉澤は、いつの日か二人がした勝負を思い出した。
あの勝負は偶然の産物がかななったとは言え
まがりなりにも吉澤が勝利している。その石川に負けるわけにはいかない。
- 224 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)22時17分21秒
- 「このぉ〜〜!!!」
吉澤の男前ぶりが発揮されたのはこれが最初だったであろう。
「ののちゃん!あいぼん!援護頼むよ!!」
吉澤は辻と加護に叫ぶと、一気に敵の編隊に向かって突撃した。
「待ってよ!よっすぃ〜!一人じゃ危ないよ!」
石川は、無謀にも一人で突撃し始めた吉澤を援護すべく
吉澤の後について自分も突っ込んでいく。
「このヤロ〜!!!」
異常なまでに吉澤は気合が入っている。
普段とは考えられないほど吉澤の行動は素早かった。
ライバルたる石川の目の前で正確な射撃を披露する。
「よっすぃ〜・・。かっこいい・・♪よぉ〜し!!」
石川も負けじと吉澤についていく。
- 225 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)22時17分59秒
- 吉澤は波に乗っている状態だった。
地球で一応戦闘は経験しているが、これが実質のところ初陣に等しい。
地上の戦闘では死にそうになり、危ないところで矢口に救われた。
そんな自分も激しい訓練や、教育係の矢口に教わったことで
実力以上の自信過剰になっていたのかもしれない。
しかも、敵機を撃墜したのだ。
『梨華ちゃんとの、あの決着が役に立ったかな?』
吉澤はそう思いつつ、操縦桿を操る。
敵のMSはザクの改良型であり、しかもその改良型に乗っているのは、
情報によるとパイロットのほとんどがベテランクラスといわれている。
そのMS部隊と自分達が互角に戦っているのだ。
それは吉澤に、さらなる自信過剰を与える。
吉澤は後ろに着いて来る石川のことなど考えずに敵に迫った。
至近距離でザクUがマシンガンを放ってくるが、
彼女は左の操縦桿を素早く操り、GMコマンドの左腕に装備している
シールドを持ち上げ、敵弾を跳ね返す。
一瞬の後、天性の勘なのか、攻撃後の敵の隙を見て取った彼女は
ビームライフルを発射した。
多数の弾丸を命中させて敵を破壊するマシンガンとは違い、
ビームライフルは一発の火力が大きい。
その威力は一撃でザクUの装甲板を打ち抜く。
一つ大きな火の玉が膨れ上がると、ザクUが爆発した。
- 226 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)22時19分04秒
- 「よぉ〜し!2機目だぁ〜!あたしカッケー!!」
吉澤はすっかり自分がペテランパイロットになったような気分になっている。
自分にかなう敵はいない。そんな気がした。
その自信は彼女に後方確認を忘れさせていた。
「よっすぃ〜!!!後ろ!!!危ない!!!」
そんな吉澤の耳に、甲高い声が響いた。
「え!?」
吉澤のGMコマンドが振り向く。
彼女の目に飛び込んできたのは、ヒートホークを振り上げ
いままさに自分の機体を切り刻もうとするザクUの姿だった。
「!!!!!!!!!」
吉澤は咄嗟にシールドでカバーする。
大きな衝撃が彼女を襲った。
- 227 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)22時19分35秒
- 「きゃぁぁぁ〜〜!!!!」
ヒートホークは、咄嗟に機体をかばったシールドごと
左腕を肘から切断していた。
もし、石川の警告が、あと1秒遅かったら
おそらく彼女はここで戦死していただろう。
「まだ・・・!」
彼女のGMコマンドは左腕を失ったとはいえ、
まだビームライフルを持っている右腕が残っている。
吉澤は敵に標準を定めようとライフルを振り上げた。
しかしながら、なんとも距離が近すぎた。
ザクUの左腕が、吉澤の機体の右腕をビームライフルごと押さえ込む。
「しまった・・・!!!」
この時、吉澤は思い出した。
自分がまだまだ新米のパイロットであることを。
先ほど敵機を撃墜したのは、明らかに幸運であった。
しかし、彼女はそれが自分の実力であると勘違いした。
中澤がかつて言った。
初陣で自信過剰になり、危うく命を落としかけただけでなく
味方に多大な犠牲を強いてしまったことを。
- 228 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)22時20分13秒
- 「あ・・・、あたし死ぬんだ・・。」
ザクUがゆっくりとヒートホークを振り上げている。
その目標は彼女が搭乗しているGMコマンドの
コックピットであることは明白だった。
一瞬にしてそのことを悟ると、彼女は震えが止まらなくなった。
『まだ何もしてないよ・・。あたし・・。』
厳しかった士官学校。
さらに厳しかった中澤たちに施された訓練。
恋もしてない。
吉澤のその風貌から、男にだけでなく女にもモテた。
言い寄ってくる人はいっぱいいた。
しかし、彼女は興味を示さなかった。
ただパイロットを目指し、エースパイロットになる。
それが彼女の夢だった。
思い出が走馬灯のように過ぎていく。
『ああ・・・。あたし死ぬ・・・。みんな・・。』
ザクUのヒートホークが振り下げられた。
- 229 名前:ま〜 投稿日:2001年07月05日(木)22時21分51秒
- >>222 名無し読者さん
レスありがとうございます。
>>まずは紅い稲妻から登場ですね。
とりあえず基本と思いまして・・。
今後ともよろしく。
- 230 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月06日(金)00時19分25秒
- よっし〜調子に乗ってこのざまか・・・
相手はザクUだし。「ザクとは違うのだよ!ザクとは!!」
早く誰か助けったって〜
- 231 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月07日(土)07時55分19秒
- 多分次は『吉澤宇宙に散る』かな?(w
死の恐怖を体験して戦えなくなったりして〜
石川ファイト
- 232 名前:ま〜 投稿日:2001年07月07日(土)21時58分48秒
- 「・・・・。」
吉澤は目をつぶって死を受け入れようとしていた。
正直怖かった。震えが止まらなかった。
しかし、いつになってもザクUのヒートホークは彼女を直撃しない。
「・・・・?」
吉澤は目を開けた。
彼女の目に映っていたのは、右腕ごとヒートホークを失い、
酷く狼狽しているザクUだった。
「あ・・?あれ・・・?」
明るいビームが一閃する。
胴体にビームの直撃を受けたザクUが衝撃で吹き飛んだ。
ビームが来た方向では、石川のGMコマンドがビームライフルを構えている。
「よっすぃ〜〜!!!大丈夫?!!?」
「梨華ちゃん・・・。」
- 233 名前:ま〜 投稿日:2001年07月07日(土)21時59分35秒
- 「よっすぃ〜に当たったらどうしようかと思った・・。
でも、このままじゃよっすぃ〜が死んじゃうから・・。
えっく・・えっく・・。」
石川が嗚咽している。
本来なら死にそうになった吉澤が泣くはずなのだが、
吉澤を助けた石川が泣いていた。
「ありがとう・・。梨華ちゃん・・。ありがとう・・。
だから、泣かないで・・。あたし大丈夫だから。」
「うん!」
石川は顔をくしゃくしゃにしながら頷いた。
『助かった・・。また助けられちゃった・・。』
2回目の実戦。
また死にそうになった。
そしてまた助けられた。しかも今回は石川に・・・。
「ありがとう。梨華ちゃん。」
そう言ってから吉澤は気づいた。
彼女の股間の部分が生ぬるく湿っているのに。
『あ・・、あたし・・。もしかして漏らした?』
吉澤は顔を真っ赤にして、一人コックピットの中で俯いた。
「あたし・・、かっこわるい・・。」
- 234 名前:ま〜 投稿日:2001年07月07日(土)22時00分31秒
- その頃、敵の艦隊本体も、ゼティマの艦隊に迫っている。
「目標、右舷のチベ級重巡!」
寺田の命令の元、ゼティマの上部の1番・2番砲塔、下部の砲塔、
それに右舷の砲塔が狙いを定めるべく旋回しばじめる。
「照準オーケーです!!」
前田の返事が聞こえるや否や、寺田の命令が艦橋に響き渡る。
「てぇ〜〜!!!!」
艦全体に振動を残して、各砲塔から高出力のビームがほとばしる。
真空で無音の宇宙であるが、もし音が聞こえるならば
相当な轟音が聞こえたであろう。
白光の軌跡を引きずりながら敵艦に向かって直進したビームの一弾が
チベの後部にある砲塔を直撃した。
轟音と共に、強烈な振動がチベを襲い無数の鉄片をばら撒く。
さらにもう一弾がチベを直撃する。
しかしながら依然として、チベは健在であり、
前方の主砲を回転させ、こちらに照準を合わせようとしている。
「第二射、まだか!?」
「まもなく。」
再び照準を合わせるべく、キリキリと主砲が微調整をする。
「敵艦発砲!」
- 235 名前:ま〜 投稿日:2001年07月07日(土)22時01分11秒
- チベの射撃はゼティマを狙った物ではなかったが、
そのメガ粒子砲は、ゼティマの隣にいた
サラミス級巡洋艦『エイベックス』に命中した。
二つ、三つと閃光が上がると、大きな光を残してエイベックスが砕け散る。
「エイベックス、爆沈しました・・。」
いささか動揺がかった前田の声が冷静に事実を伝える。
「わかっとるわ・・。照準急げや!」
『エイベックスの艦長、気に入らんかったんや・・。ざまあみさらせ・・。』
不謹慎にも寺田が心の中で呟いた。
「照準完了!」
再び報告が入ると、寺田は命令する。
「撃て!!」
ゼティマの砲塔から大きな光が放たれると、
光の塊がチベに向かって誤ることなく直進していく。
今度の射撃は、完璧にチベを捕らえた。
最初に命中した一弾が艦橋を直撃し、
そこにいた面々を跡形も無く吹き飛ばす。
さらにもう一弾が艦首のミサイル発射管に飛び込み爆発した。
舞い上がった炎が、すでに装填されていたミサイルの信管を舐め、くすぐる。
突如小太陽が投げつけられたような大きな光が
チベの艦上で上がると、一気に爆発した。
「チベ撃沈!」
「よっしゃ!!」
寺田がニヤリと笑いながら叫んだ。
- 236 名前:ま〜 投稿日:2001年07月07日(土)22時03分56秒
- レスありがとうございます。
>>230 名無しさん
>>「ザクとは違うのだよ!ザクとは!!」
少しね・・。藁
>>231 てうにち新聞新入社員さん
吉澤は殺すことできないですよ〜。
いや、別にストーリー上、超重要と言うほどではないですけど
重要な人物ですから♪
- 237 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月08日(日)12時57分33秒
- こちらの小説を「小説紹介スレ@金板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=gold&thp=994402589&ls=25
- 238 名前:ま〜 投稿日:2001年07月08日(日)18時40分29秒
- そのころ平家は敵の先頭に位置していた赤いMS-06R-2ザクUを相手にしている。
「は、早いわ!!」
平家の射撃がことごとくかわされている。
平家も射撃は上手な方ではないが、それでも連邦の一般的な
パイロット達の平均から比べれば、遥かに上手い。
その平家の射撃が命中しない。
もっとも敵の平家も敵の射撃を見事にかわしてはいるが。
もちろんのこと、松浦の射撃も命中してはいない。
松浦も平家ほどではないが、新人とは言えセンスは抜群だ。
彼女達二人がかりでも苦戦している。
ドムの編隊は味方艦艇から発進したGMが相手をしている。
数が多いため、まだ互角ではあるが、
一度箍が外れると形勢が崩れる可能性がある。
とにかく敵の数が多いのだ。
それに味方艦艇から発進したGMのパイロット達は
お世辞にも上手いとは言い難いパイロットが多い。
「あかんな・・。」
平家が操縦桿を操りつつ呟いた。
味方のGMの第一線を抜けたドムが10機ほど迫ってきたのだ。
- 239 名前:ま〜 投稿日:2001年07月08日(日)18時41分05秒
- 「これ以上相手するのは・・・!」
弾丸とエネルギーを消費しているだけの戦闘を繰り広げている
2機のGMコマンドと赤いMS-06R-2ザクUの間に、数機のドムが割り込んでくる。
ドムの放ったバズーカの弾丸が平家の機体を掠めた。
「くっ!」
平家は思い切ってバーニアを吹かすと、
自分に弾丸を放ったドムに突っ込む。
全速で敵に接近しながら、彼女が操縦桿を操ると
GMコマンドの左手が、腰にあるビームサーベルを抜き取った。
「うちを相手にするのは早すぎるよ!」
瞬時にすれ違う平家のGMコマンドとドム。
一瞬の後、ドムが真っ二つに切断されていた。
さらに上方からヒートサーベルを振り下ろしてくるドムを
あっさりかわすと、至近距離でビームライフルを放つ。
ドムは四散した。
- 240 名前:ま〜 投稿日:2001年07月08日(日)18時41分56秒
- 「平家さぁ〜ん!!助けてぇ〜〜!!!」
松浦の悲鳴が平家のレシーバーに響いた。
ドムに気を取られている間に、赤いMS-06R-2ザクUが
松浦に迫っている。
ただ避けるだけの松浦。
平家と二人がかりで、やっとの思いで渡り合った敵を
松浦一人で相手にするのは荷が重過ぎた。
「きゃぁぁ〜〜!!」
「松浦!!」
松浦に迫った赤いMS-06R-2ザクUがヒートホークで
彼女の機体の右腕を切断する。
激しい閃光を伴ってビームライフルと共に爆発する右腕を
シールドで防いだ。
しかし、その隙に、赤いMS-06R-2ザクUはゼティマに向かって行った。
「村田!!アヤカ!赤いのがそっち行ったで!!」
平家が悲鳴のような叫び声を上げる。
- 241 名前:ま〜 投稿日:2001年07月08日(日)18時42分47秒
- 「来ちゃったよ・・。平家さんが相手に出来ないのに・・。
あたし達じゃ無理だよ・・。」
緊張のためか、操縦桿を持つ手が震える柴田。
振り返ると、アヤカ達のGMスナイパーUがすでに射撃を始めている。
もちろんのこと命中するわけが無い。
ものすごいスピードで迫ってくる赤いMS-06R-2ザクU。
さらにその後ろからも第一線を突破したドム、ザクUが迫っている。
「こんなにいっぱい相手できないよ・・。」
柴田や村田達のメロン小隊や、アヤカを始めとしたココナッツ小隊は、
連邦の一般的なパイロットに比べれば確かに練度は高い。
それがゆえにこの部隊に配属された。
しかし、今目前に迫っている敵部隊は、
明らかに自分達より遥かにベテランパイロットが揃っていそうだ。
「逃げるわけにはいかないっしょ。」
柴田の緊張を悟ったのか、リーダー村田が声をかける。
「うん・・。」
「行くよ!」
彼女達はバーニアをフルブーストさせ、
敵に向かって突っ込んでいった。
- 242 名前:ま〜 投稿日:2001年07月08日(日)18時43分26秒
- 3分と経たないうちに、まず斎藤が足に被弾して戦線を離脱した。
この時斎藤が離脱できたのは、敵が艦隊を目標としており、
被弾した斎藤の機体に興味を示さなかったからだ。
さらに大谷も被弾する。
「くそっ!!」
リーダーたる村田も必死になって仲間達の援護をはかるが、
敵の数が多く、いかんともしがたい。
アヤカ達のココナッツ小隊も参戦してきたが、
混戦を助長しただけで戦局は有利にはならない。
赤いMS-06R-2ザクUを始め、ザクUの部隊は
彼女達をドムの部隊に任せると、
ゼティマの艦隊に向かっていく。
- 243 名前:ま〜 投稿日:2001年07月08日(日)18時46分18秒
- >>237 パク@紹介人さん
お疲れ様です。
こういう紹介って便利ですよね。
お陰で埋もれていたり、忘れていたのが見つかりますから。
今後とも宜しく。
- 244 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月09日(月)00時31分12秒
- くっ、こうなるとやっぱり戦艦ゼティマは被弾するのかな?
そうなれば寺田艦長(=ブライト)のお決まりのフレーズに期待かな?(藁
左舷にあたるのかな?・・・
- 245 名前:ま〜 投稿日:2001年07月10日(火)00時04分55秒
- 「敵MS!防衛ラインを突破してきます!」
オペレーターの前田が悲鳴を上げた。
「くそっ!!中澤たちは!?」
「敵MSと交戦中。数が多すぎます!」
味方艦艇から出撃したGMの大半はすでに撃墜され、
中澤たちの負担が増しているのかもしれない。
「対空戦闘用意!」
寺田の命令の元、機銃群が敵MSに照準を合わせるために
唸りを上げて旋回し始めた。
まず敵の目標にされたのは、
最も敵に近かった前方のマゼラン級戦艦『アリゾナ』だった。
赤いMS-06R-2ザクUを始めとするザクUの部隊は
いともあっさりと対空砲を回避すると、アリゾナの艦橋にバズーカを打ち込み、
艦橋内のスタッフと計器を吹き飛ばした。
頭脳を破壊されたアリゾナは統計だった指揮がとれなくなり
反撃の能力が激減した。
そこを滅多打ちにされたアリゾナは大音響と共に爆沈する。
さらにその横にいるサラミス級巡洋艦も撃沈される。
士気が上がる敵の部隊は、いよいよゼティマに迫っていた。
- 246 名前:ま〜 投稿日:2001年07月10日(火)00時05分47秒
- 「敵MS接近!」
緊張のあまり声が裏返ってしまったのか、
普段とは違い甲高い前田の悲鳴が艦橋内にこだまする。
緊張と恐怖で彼女の足が震えていた。
無理も無い。目の前で味方艦艇を撃沈した敵の部隊が迫っているのだ。
「くそっ!」
ゼティマの放つ対空砲火は濃密だったが、
敵のパイロットは艦艇攻撃になれているのか、
いとも簡単にかわしている。
「左舷弾幕薄いよ!何やってんの!」
一機のザクUがゼティマの艦橋にバズーカの狙いを定めた。
「あかん・・。」
寺田が絶望的に独り言を言った瞬間、
そのザクUが閃光を伴って爆発した。
「・・?」
- 247 名前:ま〜 投稿日:2001年07月10日(火)00時07分11秒
- 「味方です!!中澤少佐達が戻ってきました!!助かった・・・。」
前田の言った言葉は、おそらく艦の全員の声を代弁していたであろう。
背後を襲われた敵のMSに動揺の波が広がった。
「間に合った・・・!!!」
正直中澤は、もうダメかと思っていた。
敵の練度は尋常ではないほど高い。
彼女達ベテラン組みだから相手を出来たものの、
味方のGMは戦力になるどころか、
ほとんど中澤たちの足を引っ張っているのと同じだった。
しかし、味方機がほとんど撃墜されてしまったために、
幸か不幸か中澤達は味方のGMを援護すると言う負担が減少した。
そのため間に合ったのだ。
中澤は、苦戦している平家たちの援護に
保田、矢口、辻、加護を向かわせると、
自らは後藤、安倍、飯田、石川、吉澤を率いて
ゼティマの援護に向かった。
もっとも、被弾して損傷している吉澤は、あまり戦力にはならなそうではあるが。
- 248 名前:ま〜 投稿日:2001年07月10日(火)00時08分01秒
- 「間に合ったね。裕ちゃん。」
「ああ。危うく帰る所無くなるとこやったな。」
「なっちホームレスはいやだべさ。」
「行くよ!!」
中澤たちは一気に敵の背後から襲い掛かった。
「うちらは右から、なっちと圭織は左から。石川と吉澤はゼティマの援護や!」
「おっけー!」
「了解!!」
中澤の命令の元、メンバーが散開していく。
「圭織怒ったからね。」
ドムがバズーカを飯田の機体に向かって発射するが、
飯田は余裕を持ってかわす。全く無駄の無い動きで。
すれ違いざま、閃光が一閃するとドムは切断されていた。
「なっちも負けないべさ。」
ザクUのマシンガンが放つ弾丸をシールドで弾き返すと、
ビームライフルを撃つ。
ザクUはその機動力を持ってかわすが、
その行動は安倍の予測を一歩も出ていなかった。
再びビームが放たれると、正確にザクUのコックピットを破壊した。
「ごめんね。」
- 249 名前:ま〜 投稿日:2001年07月10日(火)00時08分50秒
- 石川は襲い来る敵から吉澤を守っている。
敵機は、損傷している吉澤の機体を狙っているようだ。
それだけに石川の負担が大きい。
必死にライフルを放ち、敵を牽制する。
「梨華ちゃん・・。ありがとう。でも危なくなったら逃げてね・・。」
「何言ってるの!よっすぃ〜!そんなこと出来る訳無いでしょ!」
「でも・・。ありがとう・・。」
1機ザクUを撃破し、少し油断した石川の背後に敵機が迫る。
「梨華ちゃん!!」
「きゃっ!!」
吉澤が放ったライフルが、その敵機を破壊した。
「ありがとう。よっすぃ〜。」
「さっきのお返し♪」
一瞬動きが止まった二人の上方から敵機が襲い掛かった。
石川の機体の頭部が被弾する。
「きゃぁあああああ〜〜!!」
「梨華ちゃん!!!」
- 250 名前:ま〜 投稿日:2001年07月10日(火)00時10分26秒
- 上方からザクU2機がマシンガンの弾丸をばら撒く。
さらに被弾する石川と吉澤。
「きゃああ!!」
「くっ!!」
激しい衝撃が彼女達を襲った。
コクピットで破片が跳ね、石川の左腕を切り裂く。
「痛いっ!!!!」
ノーマルスーツのお陰か、傷はそれほど深くは無い。
それでもコックピットに血の球が舞い、
押さえた手の指の間から血がにじむ。
「もう・・。だめ・・。」
「梨華ちゃん!!」
上方から迫るザクUはそれぞれに目標を定めると、
ヒートホークを抜き去り、彼女達にとどめを刺そうと迫っていた。
そこに明るい閃光が二閃瞬くと、
側面を突かれた2機のザクUは一瞬にして破壊された。
「石川!!吉澤!大丈夫か〜!?!」
「中澤さん・・。ごっちん・・。」
- 251 名前:ま〜 投稿日:2001年07月10日(火)00時12分09秒
- >>244 名無しさん
ご期待に答えるようにセリフ入れときました・・。藁
- 252 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月11日(水)20時06分24秒
- ま〜さん、お疲れ様っす。
mail欄も楽しませてもらってます。
- 253 名前:ま〜 投稿日:2001年07月11日(水)23時40分17秒
- 「大丈夫かぁ〜?二人共?」
「は、はい・・。」
力なく石川が答える。
「梨華ちゃんが怪我してます。」
「ほんまか?」
「はい・・。」
少し考えた後に、中澤は言った。
「ごっちん。二人を頼むわ。」
「うん・・・。裕ちゃんは?」
「あの隊長機を落とす!!」
「え?一人じゃ無理だよ。」
後藤の指摘は当然だった。
たとえ中澤でも、一対一ではおそらく互角であろう。
互角と言うことは、中澤が撃墜される可能性も否定できない。
しかし、後藤がサポートすれば有利になるのは分かっている。
「二人を放っておけんやろ。」
「それはそうだけど・・。」
「あいつを落とさんと戦いが終わらん。」
中澤の目には、赤いMS-06R-2ザクUに注がれる。
それは素早い動きで、再び味方のGMを破壊している。
「頼んだで!!」
中澤はそれだけ言うと、バーニアを吹かして突撃した。
「裕ちゃん!!!」
- 254 名前:ま〜 投稿日:2001年07月11日(水)23時41分52秒
- 『もう許さへん・・。うちらをこけにしよって・・!!』
中澤の怒り心頭に達していた。
自分の指揮ぶりが拙かったかもしれないが、
味方艦艇を撃沈され、それだけでなく
可愛い部下に傷をおわせたのだ。
「落ちろや!!!」
中澤はビームライフルを連射しながら
今しがた味方のGMを撃破したばかりのMS-06R-2ザクUに迫った。
寸でのところで敵機は中澤の射撃をかわす。
「怒ったでぇ〜〜!!!」
中澤は、あと数発しか撃てないビームライフルを投げ捨てると、
腰の部分にあるビームサーベルと抜き放ち、
赤いMS-06R-2ザクUに切りかかった。
あまりのスピードに、避けることが不可能と悟った敵機は、
右肩のシールドでカバーした。
衝撃が走り、そのシールドが弾け飛ぶ。
「くっ!運のええ奴や!!」
- 255 名前:ま〜 投稿日:2001年07月11日(水)23時42分47秒
- MS-06R-2ザクUはマシンガンを投げ捨てると、
腰のヒートホークを抜き去り、中澤に襲い掛かる。
中澤もシールドで防ごうとしたが、
シールドは、いともあっさりと破壊された。
「くそっ!でもこれで互角やな・・。」
敵は中澤のビームサーベルをかわし、
一方の中澤は、ヒートホークをサーベルで受ける。
「くっ!!」
激しい衝撃が中澤を襲い、シートベルトが容赦なく彼女を締め付ける。
しかし、条件は敵も同じだ。
二人の格闘は永遠に続きそうな程に互角。
そのバランスが崩れたのは、
組み合った瞬間に、中澤がバルカンを放ったときだった。
「今や!!」
GMコマンドの頭部にあるバルカン砲が唸りを上げて
MS-06R-2ザクUの左肩の関節部分を火花を上げて直撃した。
一瞬怯んだ敵機に中澤が切りかかる。
胴体を狙ったつもりであったが、
敵は右腕を犠牲にしてかばったため、腕を切断しただけであった。
- 256 名前:ま〜 投稿日:2001年07月11日(水)23時46分59秒
- 中澤が敵にとどめを刺せなかったのは、
見かねた敵機が隊長機を救うために殺到したためだった。
ライフルもシールドも失っている中澤には敵機を追撃することは不可能だ。
それどころか、中澤が撃墜されかねない。
実際敵機が数機中澤に殺到してくる。
「やば・・。」
しかしながら、その敵機は、側面から放たれたビームによって破壊された。
「裕ちゃん!!」
「みっちゃん・・。ヤグチ・・、圭ちゃん。サンクス!!」
彼女達の背後には、損傷しているものの、
全員が健在なメロン小隊やココナッツ小隊、それに松浦もいた。
「みんな・・。無事なようやな。」
その時、花火のような明るい閃光が光った。
敵の隊長機が撤退の信号弾を打ち上げたのだった。
このまま戦い続けても、両軍共に消耗するだけで
意味の無い戦いになることを悟ったらしい。
「帰ってくれるらしいな・・。ところで辻と加護は?」
- 257 名前:ま〜 投稿日:2001年07月11日(水)23時47分46秒
- 「面白いように当たるのれすね〜。」
「負けへんで・・。」
辻と加護は、平家たちを援護しに行ったのだが、
戦場の外延部分で彼女達は味方が撃ち漏らした敵機や
損傷を受けて帰還しつつある敵機を撃墜していた。
再び辻のスナイパーライフルが一閃すると
敵機が爆発する。
「5機目れす!これでエースれす!!!」
帰還しつつある敵機は、帰る事に気を取られているために
注意が散漫な状態である。
ましてや損傷しているならばなおさらだ。
「負けへんで!!」
加護が叫びつつ、トリガーを押すと
右腕を失ってよろよろと帰還しつつあるドムが吹き飛ぶ。
「うちも5機目や!!」
「いっしょれすね。」
- 258 名前:ま〜 投稿日:2001年07月11日(水)23時48分50秒
- 「カモネギれすね。」
「なんやそれ?」
「鴨が葱しょってくるらしいれす。意味は良く分からないれす。
保田さんが言ってたのれす。」
「ふ〜ん・・。」
再び彼女達のコクピットで敵機の接近を告げる警報が鳴る。
「またカモネギれすね・・。」
「いや・・、ちゃうで・・。いっぱいおる。」
今回後退してきたのは、隊長機を含む敵本体だった。
損傷しているMSも居るのだが、数が多い。
「どうする?」
「逃げるのれす!!」
「お〜い!!辻!加護!どこにおんねん!!」
丁度その時、中澤から連絡が入る。
「あ、中澤さん!」
「今帰るのれす!」
- 259 名前:ま〜 投稿日:2001年07月11日(水)23時51分09秒
- >>252 名無しさん
レスありがとうございます。
メール欄まで見てくれてるとは・・。ありがとうございます。
- 260 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月12日(木)02時54分03秒
- 姐さん男前っすね!
- 261 名前:名無し君 投稿日:2001年07月12日(木)22時36分53秒
- ゆうごまっていいね!
更新楽しみです
- 262 名前:ま〜 投稿日:2001年07月14日(土)00時48分28秒
- 戦闘は終わった。
他の艦艇に所属していたパイロットの多くは
初陣を飾るどころか、最初で最後の出撃になってしまった。
それに比べたら中澤たちの部隊は、一人も欠けることなく帰ってきた。
多くの幸運が重なったが、やはり実力があったからであろう。
機体が損傷した、石川・吉澤・斎藤・大谷・松浦達は
随分着艦に苦労したようだが、かろうじて未帰還機は出なかった。
もっとも石川は着艦するなり、怪我のため医務室に運ばれてった。
「石川の様子は?」
着艦後に一旦MSデッキに集まっていたメンバーの中から
吉澤を探し出した中澤は、彼女に石川の様態を尋ねる。
「あ・・、はい。怪我は大した事無いようです。
ただ少し出血がありまして・・。」
「そうか・・。なら良かった。」
中澤は胸をなでおろした。
元々、か弱そうなお嬢様タイプの石川。
あまりパイロットに向いて無さそうなだけに、心配していた。
「ところで、吉澤。」
「はい?」
「また死にそうになったやろ?」
- 263 名前:ま〜 投稿日:2001年07月14日(土)00時50分14秒
- 「あっ・・・・。すいません・・。」
「あやまらんでもええ。後で話そうや。15分後にブリーフィングルームに集合やで。」
「はい・・。あの・・。」
「ん?何や?」
吉澤が下半身をもじもじしながら中澤に言う。
「あの・・。遅れても良いですか・・?」
「なんでや?」
「あの・・・・、実は・・。」
相変わらず吉澤は下半身をもぞもぞ動かしている。
そんな彼女を見て中澤は悟った。
「はは〜ん・・。なるほど・・。」
中澤が吉澤の体を上から下まで舐めるように、
ニヤニヤしながら、特に下半身をじろじろ見た。
そんな中澤の視線を感じて、顔を赤らめて俯く吉澤。
「怖かったんか?」
「はい・・。」
「そうか・・。」
中澤は一言答えると、吉澤の肩に自分の腕を回して
耳元でこっそり小さい声で言った。
「うちが拭いてやろうか?」
「遠慮します!!」
「つまらんな〜。遠慮すること無いで。お姐さんが優しくしちゃるから。」
- 264 名前:ま〜 投稿日:2001年07月14日(土)00時51分18秒
- 15分後、ブリーフィングルームに石川と吉澤を抜かした
パイロット達全員が集まっていた。
中澤は吉澤だけが遅れてくると、他のメンバーが怪しむため、
彼女には着替えたついでに石川の様子を見てくるように伝えてあった。
そんな事も知らずに、平家は石川の様子を見に行くのが
自分ではなく、吉澤だったことに大分不満だったようだが。
まず中澤から戦闘結果が伝えられた。
艦砲射撃によって、チベ級とムサイ級の巡洋艦を各1隻撃沈している。
しかしながら、味方はマゼラン級戦艦を1隻、サラミス級巡洋艦3隻
合計4隻が沈められた。
味方のMSの損害は30機以上に上った。
一方、中澤が全員に戦果報告を求めると、総撃墜機数は40機以上だった。
幸いなことにも、中澤率いる部隊は損失が無かった。
もっとも、修理に多大な時間をかけるほど大破した機体もあったが。
- 265 名前:ま〜 投稿日:2001年07月14日(土)00時52分20秒
- 「今日の敵って、やっぱり赤い彗星だったの?赤かったし。」
保田が口を開いた。
彼女も以前ジャブローで赤い彗星とは手合わせしている。
その動きは尋常ではないほど速かった。
エースパイロットの名をほしいままにしている彼女達が
かなりの苦戦を強いられた相手。
しかしながら中澤は今回の戦闘で『奴』を撃退したのだ。
えっへんと言わんばかりに中澤が胸を張る。
そこで後藤が口を挟んだ。
「今日の相手は赤い彗星じゃなかったと思う・・。」
「えっ?何でだべ?」
安倍が素っ頓狂な声を上げる。
彼女が今日見た赤いMSの機動は、ジャブローで見た赤いMSの機動に
勝るとも劣らないほどの動きを見せた。
「だって・・。なんか違った・・。」
「何がや?」
突然の後藤の言葉に、
せっかく赤い彗星を撃退したと思い込んでいた中澤が、少々不満げな声を上げる。
「う〜ん・・。何がって訳じゃないけど。なんとなく感じが違った・・・。」
「感じって何やねん?」
- 266 名前:ま〜 投稿日:2001年07月14日(土)00時53分29秒
- 「もしかして、ごっちんってニュータイプ!??!」
矢口が甲高い声で驚いたように言った。
「何れすか?ニュータイプって?」
辻の疑問はまっとうな質問と言えただろう。
普通のパイロットならば、ニュータイプ等と言った言葉など
知らなくて当然だ。
「ニュータイプってのは、人と人が分かり合える。
まあ、簡単に言えばエスパーみたいな人だよ。」
保田が興味なさげに、デスクにほお杖を付いたまま答えた。
「ふ〜ん・・。じゃあ圭織もニュータイプだべ!!いつも誰かと交信中だべさ。」
「きゃははは!!圭織ニュータイプニュータイプ!!」
安倍の茶化したのか本気で言ったのか分からない言葉に
敏感に矢口が反応して大笑いした。
「え?何?圭織聞いてなかった。」
先ほどから人の話を全く聞かずに、
言葉どおり、何かと『交信中』だった飯田が、ぼーっとした顔でいう。
- 267 名前:ま〜 投稿日:2001年07月14日(土)00時55分05秒
- 「圭織がニュータイプなら、裕ちゃんはオールドタイプやね。」
先ほどから、石川の見舞いに行けず、甚だ不機嫌だった平家が頬杖をつきながら
窓の外を見つつ、不機嫌そうに言った。
「なんでやねん?」
「ん?文字通り『オールド』やからね。」
「何やて!?もういっぺん言ってみい!!」
売り言葉に買い言葉とは、まさにこのこと。
青筋を額に見せながら、二人の視線の間に火花が散る。
三秒後・・・。
「みっちゃん・・・。明日からボール乗りたいようやね・・。」
「えっ?」
「司令官命令や・・。みっちゃん明日からボールな。
みっちゃんの機体は、誰にあげようかな・・。」
中澤が言葉を言い切る前に、突然媚を売ったように
満面の笑顔で平家が中澤に寄ってくる。
「裕ちゃん・・。最近綺麗になったんやない?」
「はぁ!?最近とは失礼やね?」
「あ〜、これは失敬!もともと綺麗やね。」
「ふん!!!ど〜でもええわ!!」
- 268 名前:ま〜 投稿日:2001年07月14日(土)00時58分34秒
- 皆様。レスありがとうございます。
>>260 名無しさん
自分が書くと、中澤がいつも男前になってしまっている・・。
>>261 名無し君
いかがですか?ごまゆうは?
あまり少ないジャンルなんで、自分としては気に入ってます♪
って言うか、自分が書くのってほとんどごまゆうなような・・・。
最近仕事が忙しくて帰りが遅いんで、更新遅れ気味・・。
- 269 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月14日(土)06時26分14秒
- マジで圭織もニュータイプと思ってたのに・・・(w
- 270 名前:名無し君 投稿日:2001年07月15日(日)00時10分05秒
- いつも、読ませてもらっています(w
- 271 名前:ま〜 投稿日:2001年07月16日(月)00時06分42秒
- その頃、下着とノーマルスーツを着替え終わった吉澤は
石川の見舞いをするために医務室の前まで来ていた。
『梨華ちゃん・・。あたしのせいで・・。』
医務室には、ベットで横たわっている石川以外誰もいなかった。
初めての宇宙戦闘で疲れたのか、すーすーと寝息を立てて寝ている石川。
『可愛いね・・。りかちゃん・・。』
いざとなったら自分を見捨てて逃げてと言った吉澤に対し、
そんなこと出来るわけ無いでしょ!!
そう言い放った石川。
かつてジャブローで吉澤に色目を使った石川とは違い
体を張って自分を守ってくれた石川。
『あたしより、梨華ちゃん・・、梨華ちゃんの方がかっこいいよ・・。』
「あたしのせいで・・。ごめんね。梨華ちゃん・・。」
吉澤は自分の顔を、すやすやと寝ている石川の顔に近づけた。
- 272 名前:ま〜 投稿日:2001年07月16日(月)00時09分13秒
- 「!!??!」
吉澤は突如、自分の首が、ぐいっと寄せ付けられるのを感じた。
吉澤の唇が強引に石川の唇に重ねられる。
「んっ!」
何時の間にか、石川の怪我をしていない方の腕が
自分の首に絡まり、無理やりにキスさせられたことに気づいた。
「ん〜・・・・。」
しばらくの間、二人の唇が重なる。
「ぷはっ!!!」
唇が離れた。
口が石川の唇によって塞がれ、呼吸困難になった吉澤が肩で息をする。
「梨華ちゃん!!お、起きてたの!?」
「えへへへ♪よっすぃ〜の顔が迫ってきたから、つい・・。」
「もお・・・。」
「嫌だった?」
「べ、別に嫌じゃないよ・・。嫌だったら自分から近づかないよ・・。」
顔を赤らめながら吉澤は俯いた。
「ありがとね・・。梨華ちゃん・・。」
- 273 名前:ま〜 投稿日:2001年07月16日(月)00時10分17秒
- 「ううん。あたしこそ・・。」
石川の目がキラキラと輝いている。
『あ〜あ、平家さんもこの目にやられちゃったのかな? 平家さん、ごめんなさい。』
心の中で平家に詫びつつ、今度は吉澤から石川に軽く口付けした。
「これはお礼ね・・。」
「よっすぃ〜。キス上手いね。」
「えっ!そ、そんなことないよ!梨華ちゃんのほうが・・。」
吉澤は顔を赤らめながら答える。
吉澤のキスは、軽く唇を触れる程度のキス。
一方の石川のキスは、唇を完全に密着させる
やや濃い目のキス。
吉澤の心の中に、今まで感じたことの無い感情が湧きあがる。
『やばいよ・・。あたし梨華ちゃんのことが・・。』
石川は、吉澤の心を知ってか知らずか、
吉澤を見て微笑みかける。
「梨華ちゃん・・・。」
- 274 名前:ま〜 投稿日:2001年07月16日(月)00時11分17秒
- 「よっすぃ〜。おいで。」
石川が吉澤に微笑みかける。
「・・・・。」
吉澤は心の中で禁断の領域に踏み込みそうな自分に対して
抵抗があるものの、体が言うことを聞かなかった。
吉澤は石川が横になっているベットに座り込むと、
再び顔を石川に近づける。
「よっすぃ〜・・・。」
「梨華ちゃん・・。」
二人の唇が重なり合うと、石川は吉澤が着ている
ノーマルスーツのジッパーに手を伸ばした。
「ん・・・。」
これから石川に何かをされることを悟った吉澤が吐息をつく。
彼女の声が、石川に行動を促した。
石川は、ゆっくりと吉澤のジッパーを下ろす。
ノーマルスーツの下には下着しか纏っていなかったのか、
彼女の下着がジッパーの下からあらわになった。
「ん〜・・・。梨華ちゃん・・。」
石川の唇から自分の口を離した吉澤が顔を赤らめながら呟いた。
- 275 名前:ま〜 投稿日:2001年07月16日(月)00時12分28秒
- 「よっすぃ〜。いい?」
「ん・・・。」
吉澤の返事を待つよりも早く、
石川は彼女のノーマルスーツの中に手を伸ばすと、
彼女のフロントホックの下着のホックを外した。
ノーマルスーツに引き続いて、吉澤の胸があらわになる。
石川に比べて、決して豊かとは言えないが、
形の良い吉澤の胸が現れた。
石川は、手をそこに伸ばした。
「やん・・!」
吉澤は声をあげる。
拒否しているような声だが、体は決して拒否していない。
事実、彼女の胸の突起は硬さを増していた。
「ふふ・・。よっすぃ〜。可愛いよ。」
そんな吉澤の心を読んだかのように、
絶妙なタイミングで石川が口を開いた。
「やだ・・。梨華ちゃん・・。」
- 276 名前:ま〜 投稿日:2001年07月16日(月)00時13分38秒
- 男性経験が無く、もちろんのこと女性との経験が無い吉澤にとって、
自分が相手に対して何をしたらいいか分からなかった。
「よっすぃ〜。あたしが教えてあげる。」
自分が何をしたらいいか分からない吉澤に対して
石川が優しく教えようとする。
石川は横になっていたベットから体を起こすと
ベットに腰掛けていた吉澤の胸の部分に顔を近づけ、
舌を彼女の胸で硬くなっている突起部分にはわせた。
「あん・・!!!」
吉澤は今までに感じたことの無い快感に身をゆだねる。
もっとも過去に肉体関係を持ったことの無いため、
この快感を味わったのは初めてだった。
吉澤の感度の良さに気を良くしたのか、
石川は吉澤の両足の付け根の部分に怪我をしていない方の手をもっていく。
「だめ!そこはダメ・・!梨華ちゃん・・!」
吉澤は突然石川の手を掴んで拒否した。
- 277 名前:ま〜 投稿日:2001年07月16日(月)00時15分55秒
- 皆様、レスありがとうございます。
>>269 名無しさん
>>マジで圭織もニュータイプと思ってたのに・・・(w
そうか・・。考えておきましょう♪
今後の予定に・・・。
>>270 名無し君
ありがとうございます。
今後も頑張りますのでよろしくおねがいいたします〜。
- 278 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月16日(月)00時41分08秒
- たらし石川萌え〜
ところで、今回の戦闘で一番撃墜数が多かったのって、
まさか最年少コンビなのかな?(藁
- 279 名前:マッチ 投稿日:2001年07月16日(月)22時37分02秒
- 梨華ちゃん手早すぎ(w
でもそんな梨華ちゃんいいっす♪
あと…同じく辻加護の行動も笑った(w
さすが悪知恵が働くコンビ(w
頑張って下さいね〜
- 280 名前:ま〜 投稿日:2001年07月18日(水)00時50分51秒
- 「ダメなの?」
石川は残念そうに、潤んだような目をして吉澤を見つめた。
そのような目で見つめられると、さすがに吉澤も弱い。
「・・・・。」
吉澤は自分の心の中で、これ以上はイケナイと言う
葛藤を感じながら、石川の手を離してしまった。
石川は、その吉澤の行動を、『OK』と受け取ったのか
もう一度、吉澤の股間部分に手を伸ばした。
「はっ!!あん!!!」
ゆっくりと、優しく、そして力強く動く石川の指が
吉澤にさらなる快感を与える。
厚手のノーマルスーツの上からのはずなのに、
彼女は激しい快感を感じた。
そんな吉澤の喘ぐ顔を見て、ニコリと石川が微笑むと、
怪我をしているほうの手で、ぎこちないながらも
吉澤のノーマルスーツのジッパーをさらに下げた。
- 281 名前:ま〜 投稿日:2001年07月18日(水)00時52分04秒
- 股間付近まで下げることが出来るノーマルスーツのジッパーを
一番下の部分まで一気に下ろすと、
石川は、そこから両足の付け根部分に手を入れた。
指先で、吉澤の茂みを確認するかのようにまさぐると、
ゆっくりと、そして、あたかも焦らすように
最も敏感な部分に、白魚のような指を這わせた。
「!!!!!!!」
吉澤を先ほど感じた数倍の快感が襲う。
初めて他人に触られたそれは、すでに湿り気を帯びている。
「よっすぃ〜。もう感じてるの?」
石川は、悪戯っぽい顔で微笑むと、吉澤の目を見つめながら言った。
「やだ・・。梨華ちゃん・・・。」
恥ずかしさで思わず視線を逸らしてしまう吉澤。
「石川!!!!大丈夫・・・・!?!」
突然医務室のドアが勢い良く開くと
大きな声が部屋に響き渡った。
- 282 名前:ま〜 投稿日:2001年07月18日(水)00時53分15秒
- 「平家さん・・・。」
吉澤の帰りが遅かったため、
結局のところ、吉澤と石川抜きでミーティングが終わってしまった。
平家は急いで、石川の様態を確かめるために
医務室に飛び込んできたのだった。
もちろんのこと、もしかしたら石川が吉澤に手を出すのではないかと言う
嫉妬とも言うべき感情もあったのだが・・。
「・・・・・・。」
平家は呆然とした表情で医務室の入り口に佇んでいる。
「平家さん・・。」
そんな平家の表情を見て、
突如冷静な自分を取り戻した吉澤は、
急いでノーマルスーツのジッパーを上げると、
ベットから立ち上がり、医務室を飛び出すように走り出ていった。
呆然とする平家とすれ違う時に
「平家さん・・。ごめんなさい・・・・。」
と、呟きながら。
- 283 名前:ま〜 投稿日:2001年07月18日(水)00時57分38秒
- 皆様、れすありがとうございます。
>>278 名無しさん
ここの( ^▽^)は、超たらしです!
ちなみに撃墜機数は誰が多いか不明です・・藁。
もしかしたら最年少コンビかも・・。
>>279 マッチさん
エロ梨華はいかがでしょうか?
それから辻加護は悪知恵こんびですから♪
マッチさんも頑張ってくらさい。
ところでなんでエロ系に走ってしまったんだろう?
自分でも不思議だ・・。いしよしにエロは良く似合う・・・かな?
- 284 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月18日(水)05時48分49秒
- エロ系、ええがなええがな。もっとやったれ。本能の赴くままに(w
ガンダムネタも当然期待してるけどね。
- 285 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月18日(水)16時18分27秒
- むっちゃ似合う似合う。どんどん行ってください。
- 286 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月24日(火)02時05分21秒
- 関係ないですけど・・・
俺の中では、
エマ=保田(ヘンケン=モーヲタにもてるから)
ロザミア=なっち(強化?)
プル&プルU=辻加護(察しのとおり・・・)
ララァ=石川(黒いから・・・)
更新期待してます〜
- 287 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月28日(土)02時11分54秒
- ごまゆうの絡みもそろそろ・・・
- 288 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月01日(水)03時25分00秒
- ま〜さん
そろそろ更新希望(w
熱望!!!
- 289 名前:ま〜 投稿日:2001年08月01日(水)23時35分15秒
- 最初は別に、これと言った感情は持ち合わせていなかった。
ただ、一度受けたら忘れられないような
石川の『上手さ』は捨て難い、それだけであった。
しかしながら、石川と時を共にしている間に、
石川に対して、特別な感情が芽生えていた。
それでも平家は、その感情を必死に否定していた。
しかし、石川が怪我をして、それでいて
自分が見舞いに行けないという状況に陥った時、
初めて彼女は、自分が石川に対して、特別な感情が自分の心の中に
存在していたことに、やっと気づいた。
だから自分は吉澤に対して嫉妬していたと。
「い、石川・・・・。」
「・・・。」
そんな平家の感情に気づいていたのか、
石川は思わず平家から目を逸らしてしまう。
- 290 名前:ま〜 投稿日:2001年08月01日(水)23時37分05秒
- 「石川・・・。うちのこと好きやなくなったん・・?」
「そ!そんなこと無いです!!」
「じゃあ・・、じゃあ何で吉澤と!!」
俯いていた平家の顔が持ち上がると石川を見つめる。
悲しそうな目で。
「ごめんなさい・・。」
「謝るんなら、何でそんなことするん・・。」
「ごめんなさい・・。」
石川もバツが悪そうに平家から目をそらした。
彼女も決して遊びでは無かったはずだ。
しかし、吉澤に手を出し、
あまつさえ平家にそれを見られてしまった。
「うち・・。最初は石川がうっとおしかった。
やけど・・、そのうち石川が可愛くて可愛くて・・。
石川が怪我したって聞いて、いても立ってもいられなくて・・。」
「・・・・。」
石川にとって平家は年上の女の人。
まさか自分にここまで熱を上げるとは思っていなかったのかもしれない。
もちろんのこと、石川も遊びではなかったが・・・。
- 291 名前:ま〜 投稿日:2001年08月01日(水)23時37分59秒
- 「石川のバカ・・!」
平家は、それだけ言うと、
部屋から飛び出していった。
重力の無い医務室の中、平家が残していった涙が
球体となって漂っていた。
「あたしって・・。バカ・・。」
これまで石川は、似たような状態に陥ったり
浮気が原因で人間関係を壊しそうになったことがあった。
それでも、あまり気にしなかった。しかし、今回は違う。
平家の見せた涙は、石川にとって大きなショックを与えたのかもしれない。
石川はベットから起きあがると、平家の後を追った。
- 292 名前:ま〜 投稿日:2001年08月01日(水)23時38分51秒
- 皆様、レスありがとうれす。
最近仕事が忙しくて、帰ってくるのが12時過ぎとか多かったんで、
全然更新できない&話が進まない状態でして・・。
そんな訳で、今日から少ないけど再開いたします!
>>284 名無し読者さん
やはりエロネタは必須ですかね?
では、どんどん行きましょう(予定)
>>285 名無しさん
ありがとうございます。
どんどん行く・・かな?
>>286 名無しさん
>>ヘンケン=モーヲタ
どちらかと言うと、
ハヤト=モーヲタのような・・・藁
>>287 名無しさん
そうですね・・。
最近ごまゆうの絡みが少ない・・。
それがメインのはずなのに・・・!!
>>288 名無しさん
申し訳ありません!!
今日から再開です!
- 293 名前:マッチ 投稿日:2001年08月02日(木)03時57分47秒
- おっと…更新♪
待ちわびてました(^^)
ちょっと複雑になってきそうですね…
しっかし…いしかわって浮気性なんですね(w
忙しいけど頑張って下さい〜
自分はやっと学生特権の休みに入ってとりあえずのんび〜りと(w
何かしないといけないのですがね…(w
- 294 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月02日(木)21時48分32秒
- たらし、石川萌え〜♪
今日、写真集買ってきました・・・ハァハァ
- 295 名前:ま〜 投稿日:2001年08月02日(木)22時08分39秒
- 「・・・・。」
一足先に医務室を飛び出した吉澤は、
行く当ても無く、目に涙を溜めつつ廊下を彷徨っていた。
『はぁ〜・・。あたし何やってんだろ?』
エースパイロットを夢見て士官学校に入り、厳しい訓練に耐え
楽しみも何も投げ捨てて、自分の夢を目指してきた。
しかしながら、無様な戦闘をし、さらにプライベートでは
石川と平家の両者を傷つけるような事をしてしまった。
「よっすぃ〜?」
呆然としている彼女の背後から、突然声が掛けられる。
振り向くと、そこには背の小さい人が一人。
「矢口さん・・。」
- 296 名前:ま〜 投稿日:2001年08月02日(木)22時09分36秒
- 振り向いた吉澤の目に涙がたまっている。
気が強く、いつもクールな吉澤が泣いているのは
矢口にとって、とても意外なことだった。
「ど、どうしたの?」
「ん・・・・、なんでもないです・・。」
吉澤は矢口に涙を見られたく無いのか、
涙をぬぐうと、矢口から目を逸らしながら言った。
「何でも無くないよ。どうしたの?一応あたし教育係なんだから
何でもいいから話なよ。相談乗るよ。」
「・・・・。」
意を決した吉澤は、つい先ほど医務室で起きた出来事を
ほぼ一部始終、矢口に話した。
もちろん石川に大事なところを触られたことまでは話さなかったが。
「そうか・・・。」
- 297 名前:ま〜 投稿日:2001年08月02日(木)22時10分34秒
- 『あたし教育係とか言っといて、よっすぃ〜の事、全然知らなかったな・・。』
矢口は吉澤の話を聞きながら、自分が形だけの教育係であったことを
後悔し始めていた。
矢口にとっての吉澤は、可愛い後輩であり、
クールで男勝りの『カッケー』存在だった。
すこしばかりその容姿には嫉妬していたが。
「ごめんね。よっすぃ〜。あたしよっすぃ〜の事、誤解してたよ・・。」
「へ・・?」
「よっすぃ〜って、男勝りで恋愛関係の事とか
まったく考えてないと思ってた。でも、やっぱり女の子なんだよね・・。
ごめんね。よっすぃ〜・・。」
矢口の言葉は意外だった。
正直彼女の素直な言葉は吉澤にとって嬉しかった。
自分をただの後輩ではなく、一人の人間として見始めてくれている。
重力の無い艦艇の中で、矢口は軽くジャンプすると、
背が高い吉澤の頬に手を当てて、涙をぬぐってやった。
「矢口さん・・。ありがとうございます・・。」
- 298 名前:ま〜 投稿日:2001年08月02日(木)22時11分51秒
- 「ううん。あたしこそ。ごめんね。よっすぃ〜。
もっとよっすぃ〜の事が好きになったよ。」
矢口は微笑みながら言った。
「教育係として、あたしも至らないところが有るけど、これからも宜しくね♪」
矢口は、そう言うと、吉澤を軽く抱きしめて、頬に軽くキスをした。
「や、矢口さん・・。」
先ほどのことも忘れて、頬を赤らめる吉澤。
「今日は、あたしの部屋に遊びに来な。飲もうよ。」
「え?いいんですか?」
「おう!上官の命令だよ!必ず来るようにね。今夜は腹を割って話そうよ!」
「はい!」
「じゃあ、またね!ご飯一緒に食べよう!!」
「はい!!」
矢口が去った後の廊下で、一人顔を赤らめる吉澤だった。
- 299 名前:ま〜 投稿日:2001年08月02日(木)22時16分23秒
- 皆様、レスありがとうれす。
>>293 マッチさん
浮気性石川です♪今後矯正させないと・・。
ところで夏休みですか?いいなぁ〜・・・。
我々社会人は長期の休みといってもお盆や年末年始に5〜6日休めるくらいです・・。
いいなぁ〜。俺も学生に戻りたい!!
>>294 名無しさん
自分も石川写真集買ってきました!!!
あまりの可愛さにビクーリした・・・。
あれで水着写真でもあれば・・・(;´Д`)ハァハァ
- 300 名前:マッチ 投稿日:2001年08月03日(金)22時02分52秒
- これは…どうなるのでしょ…?
飲もうって…
…お酒は…お酒はいけない…何が起こるかわからないよ…よっすぃー…
何をされるか…
って、個人的にはやぐよしもスキなんで(w
社会人は大変ですね…
社会人にはなりたくないです…(苦笑)
っていうか…かおりと同じく…20台にはなりたくないって気が…(w
- 301 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)01時43分02秒
- 「おう!みっちゃん・・・?」
艦内の大半は無重力であるため、ハンドグリップを使って
廊下を移動していた中澤は、正面のT字路となっている廊下を、
彼女と同様にハンドグリップで移動している平家が横切るのを見つけた。
何気なく声をかけるつもりの中澤だったが、
途中で平家がいつもの彼女ではないことを怪訝に思って声をかけた。
平家は、少し中澤の方を見ると、力なく笑うと
視線をそらして、自分の部屋の方に向かっていく。
中澤が見た平家の目は、明らかに赤かった。
「ど!?どうしたん!?!?!」
士官学校時代から平家のことは良く見てきた。
一緒にバカなことをしたりしてきた。
しかしながら、彼女の涙は見たことが無かった。
ただ一度だけ、彼女が憧れていた人に振られた時を除いて。
中澤は壁を思い切り蹴ると、
平家に近寄り、その肩を掴んだ。
「どうしたん!?何かあったんか!?」
彼女はゆっくりと中澤の方に振り向くと
「何でもない・・。」
ただそれだけ言うと、中澤の手を振り解いて自分の部屋に入っていった。
目を赤くしながら。
- 302 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)01時43分52秒
- 『どうしたんや・・・?みっちゃんらしくない・・。』
中澤が呆然と平家の部屋の前でたたずんでいると、
1分と経たないうちに、廊下の端から石川が現れた。
「あ・・、中澤さん・・。」
「石川・・。」
「あの・・。平家さん来ませんでした?」
石川が中澤に、バツが悪そうな顔で話し掛ける。
その石川の表情を見て、中澤は
なんとなく、平家の涙の原因が彼女であることを悟った。
「あんた・・、みっちゃんに何したん?」
「・・・・。」
「あんた。みっちゃん泣かして・・。場合によっちゃ、許さへんで・・。」
士官学校時代の悪行から他の生徒や多くの教官から
様々な嫌がらせを受けてきた。
そのたびに、中澤と平家の二人は
あらゆる方法で、それらを排除してきた、ある意味戦友であり、
また、共に死線を越えてきた、無二の親友(一応)である。
その信頼の度合いは、石川に対するそれの比ではない。
中澤が石川を睨み付ける。
「あ、あの・・・。」
蛇に睨まれた蛙のように大人しくなってしまう石川。
- 303 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)01時44分59秒
- やむを得ず、石川は事情を中澤に、ほとんどすべて話した。
自分から平家に手を出したにもかかわらず、
吉澤にも手を出してしまった事、
それだけでなく、その瞬間を平家に見られてしまったこと。
事情を全部聞き終えるた中澤は、先ほどまでの怒った表情が一変して、
力なく笑い始めた。
「あ、あはは・・・・。なんや・・。みっちゃんも意外と純情なんやな。」
「・・・・。」
黙り込んでしまう石川。
「それで?みっちゃんを追いかけてきたんか?」
「はい・・。」
コクリと石川が頷いた。
「そうか・・・。それでみっちゃんは部屋に引きこもってしもうたんか?」
「多分・・・。」
「よっしゃ!分かった!!うちが手助けしちゃる!
愛のキューピットや!!」
中澤は声を上げるつつ胸を張ると、平家の部屋のキーロックナンバーを押した。
平家が中澤の部屋のキーロックナンバーを知っているように、
彼女も平家のキーロックナンバーを知っている。
正確に1秒後、平家の部屋のドアが開いた。
- 304 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)01時45分55秒
- 暗い部屋の中、突如ドアから光が差し込んで
中澤と石川の影が平家の部屋の床に伸びる。
その部屋の中、ベットの中でふて腐れたように寝転がっている人が一人。
その人物が、ゆっくりと二人の方を向く。
「なんや・・。裕ちゃんに石川か・・・。」
力なく平家が呟いた。
「『なんや』は無いやろ!」
中澤は部屋の中にずかずかと入っていくと
平家が被っている布団を引っぺがした。
「なにやっとんねん・・。みっちゃんらしくない!!」
「うっさい・・。」
ふて腐れる平家。
「なにしとん。そんなに石川がいいんか?」
「・・・・。」
「あんなんより、うちの方がええでぇ〜♪」
そう言うと、中澤は平家が寝ているベットの横に腰掛けると
平家の唇に無理やり自分の唇を合わせた。
「ん・・・!?!」
「ぷはっ!!!!何すんねん!!!!!!」
しばらくして中澤が唇を離すと、平家が抗議の声を上げる。
- 305 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)01時49分17秒
- >>300 マッチさん
レスありがとうございます。
さて・・。お酒を飲んでどうなるでしょうか・・?
やぐよしは自分でも書いたこと無いんで
このまま成立するかどうか・・・・。
>>20代にはなりたくないって気が…(w
ふっふっふっ・・。20代になったら早いですよ。
いつの間にやら30が目の前に・・・。ふっふっふっ。
- 306 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)22時43分48秒
- 「みっちゃん・・。そんな顔せんといてや・・。
うち、本当はみっちゃんのことが・・・・・。」
「え・・?」
昔からの仲の二人だが、今まで中澤は平家に対して
そのような感情を見せたことは無かった。平家と違って・・。
そのため、平家は酷く動揺した。
「ゆ、裕ちゃん・・・。」
「みっちゃん・・。」
再び中澤が目を閉じつつ、ゆっくりと平家に自分の顔を近づける。
それに合わせるかのように、平家も同時に目を閉じる。
「ひゃっ!!!」
平家の予想に反し、中澤の口は平家の耳元に来て息を吹きかけた。
同時に平家が、素っ頓狂な声を上げる。
「ウ!ソ!」
「へ?!」
- 307 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)22時44分47秒
- 「嘘に決まっとるがな!」
「へ!!?」
中澤は起きあがると、平家に言った。
一方の平家は何が起きたか分からないような顔をしていたが、
次第に顔が赤くなってきた。照れではなく、怒りで。
「こらぁぁぁ〜〜〜!!!!!言っていい嘘と、悪い嘘があるで!!!」
「本気にしたんか?」
怒鳴り声を上げた平家だが、
中澤の言葉は、正直平家の本音であったため、何も言い返せなくなってしまう。
彼女は一瞬、自分は本当は今でも中澤のことが好きだったのではないかと思ってしまった。
平家は、首を横に2回ほど振ると、必死にその考えを否定した。
「裕ちゃ〜ん・・・!!」
本音を突かれた平家だが、怒りは収まらない。
「へっへっへっ♪」
そんな平家の感情を知ってか知らずか、
余裕の表情を見せ、ニヤニヤ笑う中澤。
そして中澤は後ろを振り向くと、
ドアのあたりでもじもじ立っていた石川を手招きして呼び寄せた。
- 308 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)22時45分28秒
- 「ほら!いつものみっちゃんに戻りつつあるで。あとは、あんたの腕次第♪」
ポンッ!と中澤は石川の肩を叩くと、
ゆっくりと彼女の背中を押した。
「ほんじゃ、後は若いもん同士で♪」
そう言うと、中澤は平家の部屋から出て行った。
ニヤニヤと笑いながら。
その中澤を呆然とした表情で見送る二人。
『中澤さん・・・。キューピットって言うより、火に油を注いだような・・・・・。』
中澤を見送りつつ、そう思う石川だった。
- 309 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)22時47分50秒
- 「あのぉ〜・・。平家さん・・。」
「なんや!」
石川が話し掛けると、先ほどと同じようにふて腐れて顔をそらしてしまう。
『もぉ〜・・。さっきと変わらないじゃん・・。』
心の中で中澤に対して抗議の声を上げる石川。
「ごめんなさい・・・。」
「・・・・。」
「ごめんなさい!!」
「・・・。」
「出来心でした・・・。本当にごめんなさい!」
「・・・・・・。」
必死に謝る石川を意図的に無視する平家。
「どうしたら許してもらえますか・・・?」
「・・。」
「平家さん・・。」
石川は平家が寝ているベットの脇まで来て
腰掛けると、平家の肩に触れる。
その時石川は見た。涙ぐんでいる平家を。
- 310 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)22時48分56秒
- 「ごめんなさい・・。いくら言っても許されないかもしれませんが
本当にごめんなさい・・。」
それだけ言うと、石川は諦めて部屋を出て行くために
ゆっくりとベットから立ち上がった。
突然がっしりと腕を掴まれた。平家に。
「へ、平家さん?」
石川が言うや否や、強引に引っ張られると
無理やり平家によってベットの中に連れ込まれた。
「きゃっ!」
突然の事に思わず黄色い声を上げてしまう石川。
気づくと、すっかりベットの中に引き込まれて、
そして彼女の顔の目の前に、目を赤くした平家の顔。
「あんた・・。うちの事、本当に好きなん?」
真面目な顔で石川を見つめつつ問いただす平家。
「はい・・。」
石川も本気で答える。
最初は面白半分で平家に接していた。
しかしながら先ほど平家が見せた涙は、
石川にとって彼女の心の奥底にあった感情を引き出した。
本当は自分は平家のことが本気で好きなのではないかと。
- 311 名前:ま〜 投稿日:2001年08月04日(土)22時49分41秒
- 「じゃあ、うちが浮気したらどう思う?」
石川は答えられなかった。
彼女は誰かと付き合っている時、浮気したことならある。
しかしながら浮気をされたことは無かった。
そのため、こう言った質問はされたことがあるどころか
そのような状態に陥ったことは無い。
「・・・・。」
「悲しくないんか?辛くないんか?」
「辛いです・・・。」
「そんなら、もう二度と浮気するんや無いで・・。」
「はい・・。ごめんなさい・・・。」
その石川の返事を聞くと、平家は力なく笑うと、
石川の唇に自分の唇を重ねた。
「今日は、うちの方から責めるで・・・。」
- 312 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月04日(土)23時07分30秒
- みちいし激萌え〜♪
ところでこの艦隊は何処に向かってるんでしょうか?
ソロモンか、グラダナですかね?
まさか、ソーラレイの射線上になんてことに・・・(藁
- 313 名前:マッチ 投稿日:2001年08月06日(月)22時27分36秒
- す・すみません…さきばしってしまった…
自分のやぐよしは気にせずいってください(w
この後の2人は…?
- 314 名前:ま〜 投稿日:2001年08月07日(火)22時59分02秒
- その頃中澤は、一人大仕事を成し遂げたような爽快感を感じていた。
平家と石川のヨリを戻させた満足感。
実際は大した事をしていないのだが・・・。
『それにしても懐かしいな〜♪』
中澤は昔のことを思い出していた。
(裕ちゃんの事が好きなんや・・。)
かつて中澤は平家に、そう言われた事があった。
士官学校時代、あまりに一緒にいた為、
そして禁欲生活を送っていた為もあったのだろうが、
たまたま中澤の部屋に平家が泊まりに来て一緒に寝た時、
そう言われて、唇を無理やり重ねられた。
中澤にとっても悪い気はしなかった。
むしろ嬉しかった。平家は中澤にとって一生を共にしたい程重要な人間。
その彼女から『好きだ』と言われて悪い気がするはずが無い。
しかしながら中澤は思った。
自分が大切にしている人間と一度そう言った関係を持ってしまったら、
いつ破局するかも分からない関係を持ってしまったら・・・・。
中澤には自信が無かった。
むしろ怖かったのかもしれない。
自分は女。そして平家も女。
何時かは分かれるかもしれない関係。
平家とはそのような仲に成りたくなかった。
- 315 名前:ま〜 投稿日:2001年08月07日(火)22時59分53秒
- そして中澤は、自分に迫る平家を拒否すると、
素直に自分が思っている考えを話した。
一時の感情に流され、関係を壊したくない。
その思いを平家も理解したのか、
その日以来平家は全くそのような言葉は口にしなくなった。
あの日以来、平家とは一種微妙とも言える関係が続いている。
お互いを信頼しながら。
ただし、平家が流した一筋の涙を中澤は今でも忘れていないが。
『うちも若かったな〜♪』
昔を思い出して、思わずニヤリとしてしまう中澤。
「何ニヤニヤしてるのぉ〜?」
突然声を掛けられた。
今現在、昔自分が怖がった関係を、今自分が持っている人物。
「ご、ごっちん!!!」
- 316 名前:ま〜 投稿日:2001年08月07日(火)23時00分52秒
- 「何ニヤニヤしてぇ〜。何だかヤラシイなぁ〜。」
ニコニコしながら後藤が迫ってくると、
中澤の後ろから軽く抱きついた。
そして中澤の肩に自分のアゴを乗せると、耳元で甘い声で囁く。
「何考えてたのぉ〜?」
「ん〜。何でもない。」
「ふ〜ん・・・。なんだか怪しいな〜。」
「べ、別に変なこと考えてたんや無いで。」
「へ〜。」
「まあ、昔のことをちょっと思い出してね。」
「ふ〜ん・・。」
中澤の言葉の意味や内容も考えずに、ニコニコとしている後藤。
そんな後藤を見て、中澤は急に後藤がとてもいとおしく思えた。
「ごっちん・・。」
「ん〜・・。なあに〜。」
中澤は振り向くと、ニコニコと微笑んでいる後藤の頭を
優しく撫でた。
後藤が満面の笑みを見せる。
「んふふふ♪裕ちゃん♪」
「ごっちんは可愛いな・・。」
「へっへ〜。ありがとう♪」
- 317 名前:ま〜 投稿日:2001年08月07日(火)23時01分39秒
- ぐぅ〜・・。
突然の大きな音と共に、後藤の顔が段々と赤くなる。
「ありゃ?えへへへ・・。」
「ごっちん。腹減ったん?」
「えへへへ・・・♪うん。」
中澤が、ふとノーマルスーツの左腕にある腕時計を見ると、
すでに夕飯の時間になっていることに気づいた。
後藤はすでにパイロットとして実戦を重ねて
ベテランパイロットの域に達しつつあるが、
その実、コクピットを一度離れれば、一人の育ち盛りの女の子。
すこし動けばお腹が空くような年頃だ。
「お腹空いちゃった・・♪」
「そやな〜。そんじゃ飯にするかいね?」
「うん!」
中澤の提案に、これ以上の幸せは無いといったような
満面の笑みで答える後藤。
こうして二人は仲良く食堂へと向かった。
- 318 名前:ま〜 投稿日:2001年08月07日(火)23時04分29秒
- 皆様、レスありがとうございます。
>>312 名無しさん
たまにはみちいしもいいでしょう。
彼女達はソーラレイの射線上には入りませんからご安心を・・。藁
>>313 名前 : マッチさん
さて・・。今後の二人は作者にも分かりません・・。
どうしよう・・・。
- 319 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月07日(火)23時42分45秒
- 過去のみっちゅーに
現在のごまゆう&みちいしですか
いいですね。
ま〜のほのぼのごまゆう大好きです!
BUTたまには、ごまゆうも切ない系か波乱も入れてほしいなり(w
- 320 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月09日(木)00時16分15秒
- 319ですが
ま〜さんの事呼び捨てで書いてしまいました(鬱
本当にすいません。
- 321 名前:ま〜 投稿日:2001年08月17日(金)18時45分17秒
- コトリ。
中澤は音を立てて、様々な料理が乗ったトレイをテーブルの上に置いた。
トレイにはパンやシチュー、サラダ等が乗っている。
その横にはオレンジジュース。
戦闘配備では無いため、艦内に慣性重力を発生させている。
特に食事の時間等は食堂や居住区画には重力を発生させる事が多い。
無重力では食事がし辛いからだ。
もちろん重力を発生させる前に艦内放送が入るのだが。
「ごっちん、こっち座りや。」
「は〜い!」
中澤が後藤を手招きする。
「よっこいしょ。」
後藤は中澤の正面に腰掛けた。
「なんや、ごっちん。『よっこいしょ』って。」
「いや〜。疲れたよ。」
「そやな・・。まあごっちんは経験の少ない宇宙やったから余計に疲れたやろ。」
「う〜ん。そうだね・・。」
「まあ良く頑張ったよ。」
「えへへへ♪」
- 322 名前:ま〜 投稿日:2001年08月17日(金)18時46分02秒
- 中澤は後藤を誉めながら、さりげなくサラダの乗っている皿から
トマトをフォークで突付くと、後藤のトレイに乗せる。
「あ〜!!」
後藤が目ざとく、その瞬間を見逃さなかった。
「げげ!ばれた!」
「ばれるに決まってるじゃん!ダメだよ!好き嫌いは!」
「へ〜い・・。」
しぶしぶと中澤はトマトを自分のトレイに戻した。
「好き嫌いすると成長しないよ〜。」
「もう成長せいへんて・・。」
中澤は嫌いなトマトを口に運ぶと
まずいと言わんばかりの顔をしながら言った。
「そう言うごっちんこそ、好き嫌いはダメやで。」
「え〜・・。」
中澤は手を伸ばすと、後藤の頭を軽くポンポンと叩いた。
- 323 名前:ま〜 投稿日:2001年08月17日(金)18時47分01秒
- 「あれ?裕ちゃん?ごっちん?」
「?」
中澤と後藤は突然後ろから声を掛けられ振り向いた。
食事のトレイを持った矢口と吉澤。二人だった。
「おお!何や!凸凹コンビその2!」
「な!なんだよ〜!裕ちゃん!その凸凹コンビってのは!?」
「読んで字の如し。」
訳が分からない中澤の言い様に、矢口が問い掛ける。
それに対する返答はあっさりしたもの。
確かに矢口が小さく、吉澤は大きい。
ただそれだけ。
「じゃ、じゃあ『その2』ってのは何ですか?」
「その1は圭織と辻。あんたらはその2。」
「なんだよそれ・・・。」
絶句する矢口。
「まあいいや。ここ座るよ。」
「ああ。ええで。」
矢口は中澤の隣に、吉澤は後藤の隣に腰掛けた。
後藤は中澤との食事を邪魔されたためか、やや不機嫌そうだったが。
- 324 名前:ま〜 投稿日:2001年08月17日(金)18時48分26秒
- 先ほどの戦闘が会話のほとんどであった。
吉澤が危なく戦死しそうになったこと。
矢口は体に似合わず大胆であること。後藤は確実に腕前を上げているということ。
そのような内容だった。
「ところで吉澤。」
そんな会話の内容に飽きたのか、中澤が突然吉澤に神妙な顔で言った。
「は、はい!?」
吉澤はてっきり先ほどの戦闘の注意をされるのかと思いやや身構える。
彼女の予想は外れた。
「色恋沙汰たでトラブルは起こさんようにな。」
中澤は先ほどまでの神妙な顔つきではなく、ニヤニヤしながら言った。
この様な事を中澤が言っても説得力が無いのだが・・。
「・・・!?知ってたんですか?」
「うちはリーダーやで。何でも知っとる。」
相変わらずニヤニヤしながら言う。
もっとも単に石川から聞いただけではあるが。
「すいません・・・。」
「一応うちが丸く治めておいたから。」
「すいません・・。」
石川がこの場所に居たら『どこがですかぁ〜!』と突っ込むであったろう。
そんなことは知らない吉澤は平謝りであった。
- 325 名前:ま〜 投稿日:2001年08月17日(金)18時49分12秒
- 「まあいいじゃん。よっすぃ〜も女の子なんだから。」
矢口がパンを齧りながら言う。
「まあええけどね。トラブルは無いようにな。」
「はい・・。」
「やるなら一人にしとき。」
「何をやるんだよ!!」
突っ込む矢口。
一方の吉澤は顔を赤らめて俯いてしまった。
もちろんのこと、フォークを持っている手も止まっている。
「それってあたしのこと〜?」
ここまで会話の蚊帳の外に置かれていた後藤が
ニコニコした顔をしながら口を開く。
「別に。」
やけにアッサリした中澤の口調に後藤が不機嫌そうになる。
「ふ〜ん・・・。」
そう言うと、後藤は隣にいた吉澤の腕に自分の腕を絡めると、
「よっすぃ〜ってかっこいいよね〜。」
そう言った。
「こ、こら!ごっちん!」
慌てたのは、腕を絡められた吉澤より、中澤のほうであった。
「なぁ〜に〜♪」
してやったりと言った感じで笑う後藤。
「妬いてるの〜?」
「そ、そんな訳あらへん!」
プイッと横を向く中澤。
- 326 名前:ま〜 投稿日:2001年08月17日(金)18時51分21秒
- >>319 & >>320 名無し読者さん
レスありがとうございます!
切ないごまゆうですね・・・。
さて、今後どうなるか・・ニヤリ。
あと呼び捨てでもかまいませんよ〜。
- 327 名前:ま〜 投稿日:2001年08月21日(火)21時16分53秒
- 『いいな〜・・。中澤さんもごっちんも・・。仲良さそうで・・・。』
吉澤はそんな二人がうらやましかった。
年齢から言うと、普通は中澤が後藤をリードするはずだが、
主導権を握っているのは終始後藤のようだ。
『いいコンビだね・・。』
そう思うと、ふと吉澤は矢口の方を見る。
何?と言わんばかりの表情で
パンを口にくわえたままの顔で矢口が吉澤を見上げた。
『かわいい・・。』
「なぁに?よっすぃ〜?見詰められたら矢口照れちゃう〜!きゃはは!」
「あははは・・。」
『やばい・・。矢口さんって可愛いかも・・。』
口では引きつった笑いを見せながら
内心少しドキドキしている。
もしかしたら自分は色女の素質があるのではないかと。
「どうしたの?よっすぃ〜?止まってるよ?」
「い、いや、なんでもありません!」
やけにムキになる吉澤。
- 328 名前:ま〜 投稿日:2001年08月21日(火)21時17分42秒
- そんな吉澤の行動を目ざとく見逃さなかった人物が一人。
中澤。
「へ〜・・・。吉澤って、そういう人やったんや・・。」
ニヤニヤしながら吉澤を見詰める。
「え?どういうこと?裕ちゃん?」
矢口が怪訝そうな顔で中澤の顔を覗きこんだ。
「簡単なことや。吉澤が矢口に惚れてるってことや。」
「な!!!中澤さん!!!」
「ほんまやろ?あんたそう見えても、なかなか惚れっぽいんやね〜♪」
「そ!そんなことありませんよ!!」
動揺する吉澤を後藤が面白そうな目つきで見詰めている。
一方の矢口は突然のことにオロオロしているが。
「まあええわ。」
そう言うと、中澤は立ち上がった。
「ごっちん。人の恋路を邪魔しちゃあかんな。行こうや。」
「うん!」
後藤は人の恋路よりも、中澤が立ち上がったので
単に付いて行くために立ち上がった。
「ほんじゃ!後は若いもんに任せて。」
「じゃあね〜。」
後藤は中澤の腕に自分の腕を回すと、
中澤と共に去っていった。
- 329 名前:ま〜 投稿日:2001年08月21日(火)21時18分34秒
- 「あ、あのさ・・・。よっすぃ〜・・。」
中澤と後藤が去った後、しばらく無言であった二人だったが、
突然矢口がバツが悪そうに口を開いた。
「は、はい・・、や、矢口さん・・?」
「あ、あのさぁ〜・・。」
「・・。」
「オイラ、よっすぃ〜の事好きだけど・・。その・・。」
『そうだよね・・。』
吉澤は心の中で思った。
「あ、あの!矢口さん!べ、別にそう言う意味で好きって訳じゃありません!!」
吉澤は顔を赤くしながら必死になって否定した。
自分でも本当は矢口を好きなのかどうか分からない。
ただ、矢口に感謝もしているし、先ほど矢口を可愛いと思ったのも
否定しようの無い事実だった。
しかしそれが恋愛感情なのかどうかは、まだ分からない。
「そ、そうだよね!矢口ビックリしちゃったよ・・。」
そう言う矢口の顔が少し残念そうな顔だったのは
吉澤の思い違いなのかもしれなかった。
- 330 名前:ま〜 投稿日:2001年08月21日(火)21時19分40秒
- 「さて!」
トレイの上に乗った食事をすべて平らげた矢口が
声を上げて立ち上がった。
「そろそろ行きますか。」
「あ!はい・・!」
吉澤は急いで飲みかけのオレンジジュースを飲み干して立ち上がる。
セルフサービスの食堂で、トレイを返却口に置くと
前を歩いていた矢口が振り向いて吉澤に言った。
「後で部屋に来なよ。たまにはね!」
「あ!はい!!」
吉澤は喜んで矢口に答えた後に考えた。
先ほど自分が矢口を好きだと言ったばっかりだ。
その気が無いなら夕食後に部屋に来いなどと誘わないであろう。
『あははは・・。何考えてんだろ。あたし・・。最近変だよ・・。』
吉澤は頭を掻きながら、怪訝そうな顔をしている矢口の跡を追った。
- 331 名前:ま〜 投稿日:2001年08月21日(火)21時20分46秒
- 「見たれすか?」
「ああ・・。見たで!」
一部始終を見ていた人物。
「よっすぃ〜、梨華ちゃんやなくて、矢口さんに手を出そうとしてるで。」
「てへてへ。面白いれすね。」
小さい二人組みがニヤニヤ笑いながら
食堂を出て行く二人を視線で追う。
「やっぱりよっすぃ〜からは目が離せないれすね!」
「そや!」
「辻!加護!あんたら下らない事言ってないで食事しなさいよ!」
そんな二人をギロリと睨みつける。
「ひ〜!やすらさんこわいれす!!」
- 332 名前:名無しです 投稿日:2001年08月21日(火)22時39分30秒
- 辻加護って最近どこでもこんな役が多いですね(w
これがまたぴったりで面白いんですけど♪
ま〜さんの辻加護コンビはいつもいいとこで登場してきますね(w
よっすぃーの気の多さも気になります(w
更新頑張って下さい〜
- 333 名前:kzhrch 投稿日:2001年08月22日(水)15時51分01秒
- いや〜ガンダムねたいいすね〜
一気に読んでしまいました♪
続き期待してます。
赤いモビルスーツ誰だったんだろ〜気になります。
更新頑張って下さい。
- 334 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月27日(月)01時59分20秒
- 初めてレスします!!
ま〜さんのごまゆう・・・「後藤と中澤」以来ずっと大好きで読み続けていたんですが、
レスは今回初めてです〜!!!
これからもよろしくお願いします!!
もう、ま〜さんの書くごまゆうはごっちんが押し押しでかなり好きです!!
最高っ・・・・!!
これからもごまゆうメインでがんばって下さい!!
応援してます!!!
- 335 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月27日(月)02時02分16秒
- すみません・・・(汗)、334ですが・・・
間違ってageてしまいました(平伏)!!
ごめんなさいっ!!!
- 336 名前:ま〜 投稿日:2001年08月29日(水)00時05分04秒
- 石川は平家の腕の中で寝息を立てていた。
『かわいいね・・。』
平家は空いている方の手で石川の長い髪をなでる。
「ん〜・・・。平家さ〜ん・・・」
「・・?」
石川が寝言を言う。
そんな石川を見て平家が微笑む。
浮気をされて、落ち込んでいた平家だったが、
今の石川の寝言を聞いて少し安心した。
もし他の人の名前を言われたら、再び石川に不信感を抱いてしまっただろう。
それにしても・・、と平家は思う。
自分から責めるなどと言って石川に迫ったのは良いが、
結局のところ、石川に翻弄されてしまった。
『まあいいか・・。』
そう思うと、平家は再び石川の頭をなでた。
- 337 名前:ま〜 投稿日:2001年08月29日(水)00時06分15秒
- 「ん〜・・。あ、平家さん・・。」
「お、起きよったん?」
石川がゆっくりと目を開けると、平家を見詰める。
「寝ちゃった・・。ごめんなさい・・。平家さん。」
「ええって、ええって。可愛いな。石川は。」
平家のその言葉を聞いた石川は、突然笑い出した。
「ぷぷ・・。」
「な!なんやねん!人が可愛い言っとるのに!」
平家が半ば本気で怒ったような顔で声をあげる。
「ん〜・・。だって。平家さんの方が可愛かったですよ。」
石川が微笑みながら言うと同時に、平家の顔が赤くなる。
何しろ自分で責めると大見得を切っておきながら
実際のところ、主導権を握っていたのは石川だからだ。
「まったく・・。石川は意地悪やな・・。」
そう言われた石川は、あたかも自分は誉められたかのようにニコリと笑うと
平家の腕に抱きついた。
- 338 名前:ま〜 投稿日:2001年08月29日(水)00時07分28秒
- 「ねえ裕ちゃ〜ん!」
「なんや〜?」
後藤が中澤に大きな声で話し掛ける。
「そんな大きな声出さんでも聞こえるで。」
丁度その頃、中澤と後藤は二人で一緒にシャワーを浴びていた。
人間が二人も入れば、いっぱいになってしまうようなシャワールーム。
艦内の乗組員は普段、共同のシャワールームを使う。
限りのある狭い艦内では個人のスペースは少ない。
そのため、限られた人物しか個人用のシャワールームを持つことは出来ない。
しかしながら、中澤は昇進を果たし少佐の階級を得ているため、
シャワーつきの個人部屋を割り当てられていた。
「ごめんね〜。今日もシャワー借りちゃって。」
「ええって・・・、それにしても・・。」
「狭いね。」
「だから一緒に入るのは止めようって言うたのに・・。」
「えへへへ。いいじゃん♪」
狭い個人シャワーで体を洗うために動くたびに
肘や膝を壁にぶつける。
- 339 名前:ま〜 投稿日:2001年08月29日(水)00時08分10秒
- 「裕ちゃん。背中流してあげるよぉ〜。」
「ああ。頼んだわ。」
中澤はそう言うと、後藤に背を向けた。
「洗うよ〜・・・。」
後藤は十分に泡を含んだ手ぬぐいで中澤の背中を洗い始めた。
「ああ・・、気持ちええな〜。」
「そぉ〜?」
「ああ。」
「じゃあね〜・・。」
後藤はそう言うと、
人差し指を中澤の背中に、ゆっくりと這わせた。
「ひゃっ!!な、何すんねん!!」
中澤の体がビクリと反応すると同時に
後藤のほうを振り向いて抗議の声をあげる。
「え〜・・。気持ちいいって言うから、もっと気持ちよくしてあげようかなって・・。」
- 340 名前:ま〜 投稿日:2001年08月29日(水)00時09分11秒
- 後藤の頬がプ〜っと膨らんでいる。
『あかん・・。』
中澤は思う。
『この顔や。この顔見ると、怒る気無くなるんよね・・。』
中澤はゆっくりと微笑むと、後藤の頭をなでる。
「あんがとな〜。でも、そう言うことはあとでな。」
「え〜・・。」
「あとで。」
「え〜・・。ぶ〜ぶ〜!」
「しゃあないな・・。」
狭いシャワールームで
中澤は後藤を抱きしめると、自分の唇を後藤の唇に重ねた。
「今は、これで勘弁しといてや・・。」
中澤の唇が後藤の唇から離れる。
雫が滴り落ちる後藤の髪の毛を、優しく撫でる。
「もぉ〜・・。」
後藤は中澤の胸のあたりを人差し指で突付きながら
苦情の声をあげた。
顔は笑っていたが・・・。
- 341 名前:ま〜 投稿日:2001年08月29日(水)00時15分33秒
- >>332 名無しですさん
辻と加護は、キャラクター的に使いやすいですね。
二人ワンセットって感じで。
ネタになりますね〜。
あと、(0^〜^0)も♪
>>333 kzhrchさん
いや〜。喜んでもらえて嬉しいです。
ガンダム世代なもんで・・。
ちなみに赤いMS−06R−2ザクUはジョニー・ライデンです。
分かる人には分かってもらえたかな?
>>334-335 名無しさん
おお!!!!あの「後藤と中澤」を覚えてくれてる人がいるとは!!!!
感激です・・。
自分の処女作でしたからね〜。
まあ、続編ありましたけど・・・。
続続を書いてる途中で中澤脱退で鬱になりましたけど。藁
新メン加入しましたけど、どうしよう・・。
とりあえず高橋は気に入ったけど・・。
- 342 名前:334-335と同一人物・笑 投稿日:2001年08月29日(水)01時34分36秒
- 嗚呼・・・ごまゆうなシーンが・・・(壊)。
やっぱり・・・最高ですっ!!!裕ちゃんもごっちんも激可愛いーーーっ!!!
続続ももちろん読みましたよ♪あのシリーズは名作です(断言)!!
何回も読み返しては、顔がにやけてしまいます・・・(笑)。
新メン、ボクもとりあえず高橋はまだOKでした・・・。
HN・・・使ったほうがいいのかなぁ・・・。
- 343 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月29日(水)19時13分36秒
- 高橋を是非登場させてください!
あの娘にノックアウトされまくりッス。
- 344 名前:味覚等 投稿日:2001年08月30日(木)01時57分52秒
- ジョニーライデンわかってましたよ。
- 345 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月31日(金)04時50分15秒
- ま〜さんの書く、ごまゆうは、ヤッパいいですね。
- 346 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月01日(土)01時51分09秒
- そろそろ、MS戦きぼんぬ・・・
- 347 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)00時19分18秒
- シャワーを浴び終わって体を拭いている二人。
濡れた頭にバスタオルをのせ、くしゃくしゃと頭を拭く中澤。
一方の後藤は体にバスタオルを巻いている。
巻きつけられたバスタオルが後藤の豊胸を強調する。
「ええな〜。ごっちんは。大きくて。」
「ん〜・・。そうかな?でも大きくても、そんなに良い事無いよ。」
「そおか?うちなんてな〜。」
中澤は自分の胸と後藤の胸を見比べる。
「ん〜?なに?あたしの胸見たいの〜♪」
ほら!と言わんばかりに後藤は自分のバスタオルを
前の部分を広げて、中澤に見せる。
再び中澤は自分のそれと、見比べてしまう。
「はぁ〜・・。」
思わずため息をついてしまう。
そこで突然後藤が中澤の胸を掴んだ。
「揉むと大きくなるって言うよね〜♪」
「なっ!!?!」
- 348 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)00時20分01秒
- 言うが早いか、後藤はそのまま中澤をベットに押し倒した。
「ぐえっ・・。」
中澤が悲鳴を上げる。
中澤の上に覆い被さった後藤は、ニヤリと笑いながら中澤の顔を見詰める。
「あたしが手助けしてあげる♪」
そう言うと、後藤は中澤の唇に、半ば強引に自分の唇を重ねた。
後藤の舌が、中澤の口に入ってくる。
しばらく口付けを楽しむと、後藤が唇を離した。
「ごっちん。相変わらず積極的やね・・。」
「裕ちゃんだからだよ♪」
「それは喜んで良い事なんかな?」
「あたりまえじゃん♪裕ちゃんだけ・・。」
後藤の唇が再び中澤の唇に重なる。
後藤の唇が離れると、次第に下に下がる。
頬、首、鎖骨・・・・。
そして胸の上で止まった。
「んっ・・。ごっちん・・。」
後藤の舌が中澤の胸の突起がある部分で動く。
それに呼応するかのように中澤が吐息を上げた。
- 349 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)00時21分01秒
- そんな中澤の顔を、下から見上げる形で後藤が見詰める。
もちろんその間にも後藤の舌の動きは止まらない。
「そ、そんな見んといてや・・。」
「〜♪」
明らかに感じてると分かる中澤の表情を
後藤は楽しむように見る。
そしてそれがさらに後藤の行動を大胆にしていく。
後藤の右手が動くと、中澤の両足の付け根部分に迫る。
「ん!!」
中澤の悲鳴が一段と大きくなる。
「えへへへ♪」
後藤が満面の笑みを浮かべた。
中澤は自分の胸の上で蠢く後藤の頭にゆっくりと手を伸ばすと、
そのセミロングな髪の毛を撫でる。
「ごっちん・・。好きやで。」
「あたしも・・。」
こうして二人の夜が過ぎていく。
その静かな時間は、嵐の前の静けさを予感しているかのようだった。
『はぁ・・。終わったらまたシャワー浴びな・・。
でもそうしたら、またごっちん興奮しそうやな・・。』
快感に埋もれつつも、中澤は冷静に考えていた。
- 350 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)00時22分21秒
- 「矢口さ〜ん!入りますよ〜!」
廊下に大きな声が響き渡る。
「いいよ〜!」
矢口の声が聞こえると同時にドアが開き、
先ほど廊下で大声をあげた娘、吉澤が入ってくる。
「おじゃましま〜す。」
「どうぞ〜。よく来たね〜。」
矢口の部屋は、綺麗好きの吉澤から見ても十分に
片付いており、綺麗であった。
もっとも戦闘行動中の艦艇の中に、それほど多い荷物を持ち込む人は少ないが。
「まあ座りなよ。」
どうやらシャワーを浴びた直後らしく、
頭の上にタオルが乗っている。
小さい矢口の体からすると、普通のタオルでも大きめに見える。
そのために体と不釣合いに頭が大きい。
『かわいい・・。』
自分より年上であり、教育係でもある矢口のこのような一面を見ると
吉澤としては、年下のように見えてしまう。
「何か飲む?」
矢口はそう言うと、自分の頭を片手で拭きながら
冷蔵庫を開ける。
「何でもいいです。」
「そお?じゃあこれ。」
矢口が冷蔵庫から取り出したのはビールだった。
- 351 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)00時23分24秒
- 「え?あたし未成年ですよ?」
不安そうな声を上げる吉澤。
「大丈夫だって。ほら!」
そんな吉澤に、半ば強引にビール缶を手渡した。
「じゃ、じゃあ、頂きます。」
二人はビール缶のプルタブを開ける。
プシュっと乾いたいい音が部屋に響く。
普通、宇宙用の飲み物はチューブ型になっているものが多い。
なぜならば無重力の宇宙では液体が空中に舞ってしまうからだ。
しかしながらビールだけは昔からの缶のままである。
これはアルコールを好む人々から、『チューブで飲んでも美味くない』と
非難を浴びせられた飲料水メーカーが再び缶に戻したためだった。
もっとも慣性重力を働かしている時間しか飲めないのが欠点だが。
「じゃあ乾杯!」
「はい。」
矢口が自分のベットに、吉澤はその前にあるテーブルに腰掛けると乾杯した。
二人の缶がコツンと合わさる。
矢口は一気にその半分を飲み干した。
「かぁ〜〜!!!風呂上りは、やっぱりこれだね!!」
缶を持っている右腕で、口についた泡をふき取る。
まるでオヤジのような行動。
- 352 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)00時24分33秒
- 「矢口さん・・。オヤジっぽいですよ・・。」
「うるさい!これがいいんだよ!そんなことより、よっすぃ〜も飲みなよ!!」
「は、はい・・。」
吉澤の言葉に、まるで逆ギレしたかのように矢口が怒鳴る。
もちろん冗談ではあるが・・。
『あたし、ビール飲んだこと無いんだよね・・。』
そう思いつつ吉澤は、おっかなびっくり缶に口を付け、
矢口がしたように、一気に泡立つ黄色い液体を喉に流し込む。
「苦っ!!!!」
吉澤の顔が、初めて経験した苦さでくしゃくしゃになる。
「あははははは!!!!!」
そんな彼女を見て矢口が大口を開けて笑う。
「だって苦いんだもん・・。」
吉澤が俯く。
「それにしても、よっすぃ〜って今時珍しい娘だよね。」
「そおですか?」
怪訝そうな顔で矢口の顔を覗きこむ。
- 353 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)00時28分10秒
- 「だってさ、今時ビール飲んだこと無いとか、恋愛してないとか・・。」
「そうですかね・・?」
吉澤は考える。
確かに自分は士官学校では模範的な生徒だった。
自分で言うのもなんだが、見た目も水準以上。
ある意味完璧に近いのかもしれない。
それでも士官学校のエリートが、一概に卒業してからも完璧とは限らない。
現に、士官学校時代めちゃくちゃしていた中澤たちの方が
昇進も早ければ、パイロットとしての腕前も明らかに上だ。
『あたし・・。今まで何してきたのかな・・・。』
「よっすぃ〜・・?よっすぃ〜・・?お〜い・・。」
考え込んでしまった吉澤の顔の前で、手を振る矢口。
「あ、ごめんなさい・・。ちょっと考え込んじゃって。」
「あは!よっすぃ〜は、本当に根が真面目なんだね。」
「そ、そうですか?」
「う〜ん・・。恋愛とかすれば変わるかな?好きな人とかいないの?」
矢口は吉澤にそう聞くと、缶ビールに口を付けた。
「好きな人ですか・・?今は矢口さんが好きですよ。」
酷くアッサリした吉澤の口調に、
矢口は思わず口の中に入っていたビールを噴出してしまった。
- 354 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)00時33分29秒
- 皆様、レスありがとうございます。
>>342 334-335と同一人物・笑 さん
>>続続ももちろん読みましたよ♪あのシリーズは名作です(断言)!!
ありがとうございます!!!!
固定HN使った方がいいかな・・?どうでしょうね?
中にはレスに固定を使うのを嫌がる人もいますからね・・。
自分はいいですよ。歓迎です。
>>343 名無しさん
高橋いいっすよね。
新メンの中では一番かな。
>>344 味覚等さん
>>ジョニーライデンわかってましたよ。
ありがとうございます!
マニアックですかね?
戦闘に関しては少々マニアックにしたかったんですが・・。
>>345 名無し読者さん
>>ま〜さんの書く、ごまゆうは、ヤッパいいですね。
ありがとうございます!
数少ないごまゆうですから。
>>346 名無しさん
>>そろそろ、MS戦きぼんぬ・・・
作者も激しく同意してます。
ストーリーが逸れてく・・。
- 355 名前:ゴマユウvv 投稿日:2001年09月02日(日)01時10分02秒
- ま〜さんの許可を得られたので、早速固定HNを・・・。
・・・ってか・・・なんてそのままでわかりやすいHNなんだ・・・ばか(笑)??
やっぱり裕ちゃんはごまに翻弄されっぱなしでイイ感じです〜vvv
ああ・・・ごまゆうが読めて幸せ・・・(嬉し涙)。
- 356 名前:名無し読者@ごまゆう大好き!! 投稿日:2001年09月02日(日)01時38分11秒
- まーさんのがまゆうは・・・イイっす。最高っす。
たまには、シリアスなごまゆうもみたいいっす。
どっかで、出来たら、出来たらお願いします。
- 357 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)23時59分24秒
- 「げほっ!!!げほっ!!」
「だ!大丈夫ですか!?矢口さん!!!」
そう言うと、吉澤は矢口の隣に座ると、背中を撫でた。
「ビックリしたぁ〜!!!」
あまりの吉澤の言葉に咽返った矢口は、咳が止まると
半ば悲鳴とも受け取れる声をあげた。
「そんなにビックリしました?」
吉澤は自分の言った意味が分かっていないのかもしれない。
ある意味、天然なのか?それとも大物なのか?それとも只の世間知らずなのか・・。
「あたりまえじゃん!!さっきまで・・、その・・、
石川とああいった関係だったのに・・。突然あたしのことを好きとか・・。」
矢口の顔が赤かったのは、アルコールのためだけでは無かったであろう。
「う〜ん・・。だって、矢口さんのこと好きですから。」
「う〜ん・・・・・。」
今度は矢口が考え込んでしまった。
確かに矢口は吉澤のことが気に入ってる。
初めて会って、教育係になった時から気に入ってる。
容姿、性格、共に矢口のタイプだった。
しかしながら残念なことに吉澤は女だった。
『う〜ん・・・。』
- 358 名前:ま〜 投稿日:2001年09月02日(日)23時59分57秒
- 「あたしもよっすぃ〜の事は好きだけど・・・。」
「本当ですか!?!!?!」
矢口が言葉を最後まで言い終わる前に、興奮した吉澤が矢口に抱きついてきた。
人生で初めて口にしたビールが、吉澤を大胆にしていたのかもしれない。
「ちょ!!ちょっと!よっすぃ〜!!!!」
矢口の胸に顔をうずめる吉澤。
矢口は突然の吉澤の大胆な行動に驚いていた。
アルコールが入っているにしても、突然抱きついてくるとは。
「ちょっと・・。よっすぃ〜・・?」
自分の胸に顔をうずめる吉澤の顔を覗きこんだ矢口は気づいた。
吉澤が泣いていることに。
「よっすぃ〜・・・・・。」
矢口に抱きつきながら、ゆっくりと顔を上げると、矢口を見詰める。
目を赤くしながら・・。
吉澤の目がゆっくりと閉じられた。
『ええええええ!?!?!こ、これって、誘われてる!?!?!』
自分の目の前で、瞼を閉じてこちらを見ている吉澤。
何を求めているかは明らかだった。
しかしながら、躊躇する矢口。
『ど、どうしよう・・・。やっぱりしなきゃいけないのかな??う〜ん・・。』
- 359 名前:ま〜 投稿日:2001年09月03日(月)00時00分46秒
- 「矢口さん・・。」
目を閉じたまま、小さな声で矢口の名前を呼ぶ。
じらさないでと言わんばかりの吉澤の声。
『う〜ん・・・。』
あまり乗る気はしなかったが、
このままでは吉澤がかわいそうだと思ったのかもしれない。
矢口は、目を閉じると、吉澤の唇に、自分の唇を重ねた。
軽く。本当に軽く。
しばらくして矢口が口を離すと、吉澤が呟いた。
「矢口さん・・。ありがとうございます・・。」
「あたし・・。何していいのかわからない・・。」
「・・?」
矢口は吉澤が何を言いたいのか分からなかった。
「あたし・・。一生懸命勉強して、わき目も振らなかったんです・・。」
矢口はあまり人の愚痴を聞いたりするのは好きではない。
しかしながら、この時、吉澤に対する不快感は無かった。
「あたし・・。皆に少し嫉妬してるのかもしれません・・。」
「そうか〜・・。でもよっすぃ〜。よっすぃ〜なら大丈夫だよ。」
正直、矢口としても自分で言いながら何が大丈夫かわからなかった。
ただ単に、落ち込んでる吉澤を励ましてやりたかった。
「ありがとうございます、矢口さん。もっと矢口さんのことが好きになりました。」
- 360 名前:ま〜 投稿日:2001年09月03日(月)00時01分26秒
- 再び吉澤に抱きつかれる矢口。
『よっすぃ〜って、もしかしたら泣き上戸?』
矢口の胸の中、吉澤が再び嗚咽している。
「よっすぃ〜。今日は泊まっていきなよ。」
「はい・・。ありがとうございます。」
矢口は優しく吉澤を抱きしめた。
吉澤は矢口に比べて、20cm近く背が高い。
にもかかわらず、矢口が吉澤を抱きしめている。
『あはは・・。なんか変だな・・。』
吉澤を抱きしめながら、矢口は冷静に思う。
『でもあたし自身も変だね。何だかな〜・・。よっすぃ〜の事は好きだけどね。』
結局そのまま寝てしまった吉澤を、
矢口は抱きしめたまま一晩を明かすこととなってしまった。
当然の事ながら、翌日の矢口の目の下に隈が出来ていたことは言うまでもない。
- 361 名前:ま〜 投稿日:2001年09月03日(月)00時04分08秒
- 皆様、レスありがとうございます。
>>355 ゴマユウvvさん
ナイスな固定に乾杯!
どうしても自分の小説はごまゆうになってしまう・・。
>>356 名無し読者@ごまゆう大好き!!さん
>>たまには、シリアスなごまゆうもみたいいっす。
ふっふっふっ・・。さて、この後どうなるでしょうかね・・。藁
- 362 名前:@ 投稿日:2001年09月03日(月)00時29分24秒
- あぁ…よっすぃー…哀れ…
梨華ちゃんにフラレ…
やぐちにフラレ…(?…やぐちはまだかな…?)
頑張って下さいね〜
- 363 名前:ギャンタンク 投稿日:2001年09月03日(月)14時16分24秒
- いつも楽しく読ませて頂いてます。平家さんかわいすぎ!!!
そんなみっちぃとよっすぃーが10月からラジオをやるらしいですよ。
10/6スタート「ヘッチャラ平家★ヨロシクよっし〜」だそうです。
石川医務室事件を巡ってギクシャクした関係の二人が30分もラジオを!(藁)
うわっ早く聴きてええええ!
というわけでこれからも応援してます。
気合入れて読ませていただきますので、作者さん頑張って下さい。
↓ソース
http://www.cbc-nagoya.co.jp/
「よっすぃー」でなくて「よっし〜」なのが気になりますが・・・
既出だったらごめんなさい。
- 364 名前:味覚等 投稿日:2001年09月04日(火)16時15分25秒
- 作者さん、もっとマニアックでも良い位ですよ。
そろそろ、味方にも圧倒的な方をきぼんぬ
- 365 名前:ま〜 投稿日:2001年09月04日(火)22時53分25秒
- 数日後、一時連邦軍宇宙基地であるルナツーに艦隊が集結していた。
過去にこれだけの連邦軍艦艇が集結したことは無い。
ルウム戦役でも多数の連邦軍宇宙艦艇が集結したが、
今回の作戦ではそれ以上の数の艦艇が集結している。
そしてその艦艇の大半がMSを満載していた。
さらに中澤たちは知りようも無かったが、新兵器も今後の作戦のために投入される。
もちろんのこと中澤たちが搭乗している戦艦ゼティマもルナツーに到着していた。
「すごい数やな〜。」
「そうだね。」
MSデッキでMSの整備を手伝っていた中澤は、
一緒に整備を手伝っていた安倍に話し掛ける。
安倍や飯田はルウム戦役に参加した経験があるため、
膨大な数の連邦軍艦艇を見てきている。
しかし、今回の数はそれ以上だ。
「何処にこんなにあったんだべさ?」
「さあね〜。新しく作ったんじゃないの?」
飯田が無重力の中で乱れる長い髪を鬱陶しそうに払いながら答える。
「あん中にGMがいっぱいおるんやろ?」
「そうだろうね。」
「でも、なっちたちが乗ってるような新型は少ないべさ。」
- 366 名前:ま〜 投稿日:2001年09月04日(火)22時54分24秒
- 「で、結局ルナツーには入港せえへんの?」
「そうらしいべ・・。せっかく彩っぺに会えると思ったんだけどね・・。」
かつて共に戦った石黒彩は、現在ルナツーの士官と結婚して
ルナツーで生活しているらしい。
連絡はほとんど取っていないが、配属先が変わったと言う話は聞いていない。
そのため、彼女は今でもルナツーにいるらしかった。
「数が多すぎて入港できないって。外に停泊するだけだって。」
「そうなんか・・。」
飯田の答えに少々がっかりする中澤。
せっかく宇宙に来たのだから、彼女に会いたかった。
しかしながら、入港どころか、ルナツーへの上陸許可も下りない。
「そんなに慌てて、うちらどこを攻めるんやろうね?」
「え?裕ちゃん知らないの?ソロモンらしいよ。」
「まじで!?」
いつもながら、何処から情報を仕入れてくるのか分からないが、
安倍の情報は、いつもながら早い。独自の情報網を持っているらしい。
- 367 名前:ま〜 投稿日:2001年09月04日(火)22時55分28秒
- 「ソロモンが落とせたら、次は月か、それともア・バオア・クーやろ?」
「多分そのどっちかでしょ?」
「じゃあそれ落としたら戦争終わりやん。」
「そうだね。早くこんな戦い終わらしたいよ・・。」
飯田が言った言葉は、おそらく全員の言葉を代弁していただろう。
戦えば、必ず死者が出る。
現に、ルウム戦役で仲間の福田を失っている。
今の中隊を編成してから、幸いなことにメンバーから死者は出ていない。
だが、今後も死者が出ないとは限らない。
共に死線を越えて戦ってきた仲間達だ。
最近加わった仲間もいるが、共に戦っている仲間だ。
「もう誰も仲間が死んで死んでいくのは見たくない・・・。」
「あたりまえだべ・・。」
安倍はそう言うと、中澤に寄り添った。
共に戦うようになってから、安倍はしばしば中澤に甘えることがあった。
彼女も成人ではあるが、時として子供のようになる時がある。
安倍にとって、中澤は甘えられる唯一の人物といってもいい。
- 368 名前:ま〜 投稿日:2001年09月04日(火)22時56分15秒
- 「なっちは、ほんまに甘えん坊だね・・。」
そんな二人を見て、飯田が『またか』と言わんばかりに呆れる。
「いいじゃん別に・・。」
安倍は飯田に対して頬を膨らまして抗議する。
「新しいメンバーもおるんや・・。なっちも甘えてばっかりじゃあかんで。」
「うん・・。」
そうは言ったものの、依然として安倍は中澤に甘える。
「全くしょうがないね・・。」
飯田が呆れている。
「あああ〜〜〜〜!!!!!」
突如MSデッキに悲鳴が響き渡った。
「裕ちゃんが浮気してるぅ〜〜〜!!!」
「ごっちん・・。」
慣性重力を発生させていないため、後藤が壁を蹴って
中澤のほうに迫ってくる。無重力なため、少々難儀しているが。
「なっち〜!裕ちゃんはあたしのだよ〜!!」
やっとの思いで中澤の所にたどり着いた後藤は、
安倍と中澤の間に割って入る。
「いいじゃんか〜!別に!なっちの方が裕ちゃんとの付き合いが長いべさ!!」
突如邪魔された安倍が後藤に対して抗議の声を上げた。
- 369 名前:ま〜 投稿日:2001年09月04日(火)22時57分25秒
- 「でも、今裕ちゃんと付き合ってるのは、あたしだよぉ〜!」
「でも、なっちの方が長いべさ!!!」
『はぁ〜・・。二人共好きだけどね・・。』
自分が原因であることも忘れて、中澤は二人のやり取りを呆れて見てる。
「裕ちゃんに決めてもらおうよ!!」
「いいべさ!!!」
二人は中澤を見る。
一方の中澤も、どちらがいいとは言い切れない。
安倍とは共に長い間死線をくぐり抜けて来た仲。
後藤とは・・、言うまでも無い。
「い、いや・・。どっちも大事やで・・。」
「なんだべさ!それ!」
「裕ちゃん!どういうこと!!」
「い、いや・・・・。」
そんなやり取りを見詰める二人。
「修羅場や・・。」
「しゅらばれす・・。たいへんれすね。」
「まったく困ったもんや。」
「いろおんなれすね。」
「あんたら!!下らない事を話してないで、仕事しなさいよ!!!」
睨みつけられる二人。
「ひ〜!!やすらさんこわいれす!!」
「うるさいわね!!」
- 370 名前:ま〜 投稿日:2001年09月04日(火)23時04分52秒
- 皆様、レスありがとうございます
>>362 @さん
ありがとうございます。頑張ります!
吉澤は、まだ矢口に振られていない・・かな?
作者も良く分かりません。藁
基本的なストーリー以外は突然変化するかもしれませんので・・。
>>363 ギャンタンクさん
>>10/6スタート「ヘッチャラ平家★ヨロシクよっし〜」だそうです。
情報サンクス!!
そう言えば昔、みちよし書いたことあったな・・。
>>364 味覚等さん
そうですか!ではマニアックに行こう!(かな?)
味方に圧倒的な方ですか・・。
一年戦争当時に圧倒的な人って連邦にいないからな・・。
圧倒的って程でもないですけど、登場予定にはあります。
関係ないですけど、今日松浦の新曲買ったんです。
レジで隣の人が買っているCD見たら、LOVE涙色だった・・。
しかもポスターもらってたよ・・。俺ももらったけどね。
- 371 名前:トーリス狩り 投稿日:2001年09月06日(木)14時31分01秒
- おはつです.
今日一通り読ましてもらいました.
恋愛ものになっているような・・・(それでも僕は可ですが)
247の「味方です!!中澤少佐達が戻ってきました!!助かった・・・。」
は、銀英伝ですか?違ってたらすみません.気になったもので・・・.
- 372 名前:ま〜 投稿日:2001年09月06日(木)21時08分39秒
- 数日後、艦隊は出港した。
結局のところ、彼女達は石黒に会えるどころか、ルナツーに上陸も出来なかった。
「結局上陸できへんかったね。」
「そやな・・。」
ゼティマが他の連邦軍艦艇共々出港して間もなく、
中澤と平家は寺田艦長に呼ばれてブリッジへ来ていた。
ブリッジの窓から外を見る。吸い込まれるような漆黒の闇。
思えばよく今まで生き残ってこれたと中澤は思う。
ルウム戦役を始め、敗退に敗退を重ねて降りた地球。
当初は戦闘機パイロットだった彼女も、今はMSのパイロット。
数多くの実戦を経験してきて、今や多くの部下の命を預かる身。
そのうちの一人も、いまここにいる。
中澤は何気なく平家を見た。
「なんやねん?裕ちゃん。ニヤニヤして・・。気持ち悪いで。」
どうやら何時の間にか中澤は平家を見て笑っていたらしい。
「いやな・・。うちらもよく生きとるなと思ってね。」
「ああ、そやな・・。」
平家も中澤と同じ位実戦をくぐり抜けて来たベテランだ。
「このまま最後まで生き残れるんかね・・。」
中澤が呟いた時、寺田が副官の戸田を引き連れてブリッジに入ってきた。
- 373 名前:ま〜 投稿日:2001年09月06日(木)21時09分25秒
- 「いや〜。待たせて悪かったな。」
相変わらず調子が良さそうな寺田の声。
二人はすぐに彼に向かって敬礼する。一方の寺田も忘れずに答礼した。
「いや、話ってのはな、今後の作戦のことや。」
「ソロモンを攻めるってことですか?」
「そや。よく知っとるな。」
中澤が安倍から得た情報を披露する。
「先日、星一号作戦が発動されたのは知っとるやろ?」
「はい。」
「それでソロモンを攻略することになった。」
「はい。」
中澤と平家は寺田の言葉にただ頷くだけ。
「そんだけや。」
「ハァ?」
平家と中澤が素っ頓狂な声をあげる。
今一この艦長はつかみ所がないと二人は思う。
「まあ、宜しく頼むってことやな。」
「はぁ・・。」
「あと・・、全員を連れて帰ってくれや。一番重要なのはこの事や。」
「はい。」
- 374 名前:ま〜 投稿日:2001年09月06日(木)21時10分37秒
- 「艦長!ワッケイン司令から連絡です。」
オペレーターの前田が寺田に報告する。
「ああ。ちょっと待ってや。まあ、そんな訳で、中澤、平家、宜しく頼んだで。」
それだけ言うと寺田はスクリーンに写る人物の方を向いた。
「じゃあ・・、失礼します・・・。」
二人がそう言った時にはすでに寺田はその人物との会話に夢中になっており
すっかり二人のことは忘れているようだった。
「あれ、誰やねん?」
「ああ、ワッケインとか言うおっさんらしいで。」
平家に中澤が解説する。
中澤の話によれば、彼は士官学校時代の寺田の後輩で、やけにウマが合うらしい。
もっとも、彼は寺田と異なり、
見るからに連邦軍軍人と言った感がある。
いい加減な寺田と異なり、真面目を絵に書いたような人物。
それでもウマがあるのだから不思議な物である。
彼は寺田とは違い、将来の連邦軍を担う人物と目されていた。
「ふ〜ん・・。」
平家が中澤の説明に興味無さそうに答えた。
- 375 名前:ま〜 投稿日:2001年09月06日(木)21時11分35秒
- 「結局のところ、艦長は何を言いたかったんかね?」
ブリッジを後にして、平家が中澤に尋ねる。
「う〜ん・・。やっぱり最後の言葉が重要なんやん?」
「ああ、全員を連れて帰れって?」
「そや・・。」
中澤は思い出す。ルウム戦役の頃を。
多くの仲間を失った頃を。
あの時、普段は明るく軽い寺田が酷く落ち込んだことを。
「あの人は、あの人なりに部下が大事なんやね・・。」
「部下が大事じゃない司令官なんて司令官失格やで。」
中澤の言葉に平家が黙って頷いた。
「みっちゃん・・。みんなを集めてや。うちもメンバー集めるさかい。」
「おっけー!!!」
戦争も最終段階に入りつつあることを二人は、否、全員が感じ取っていたかもしれない。
- 376 名前:ま〜 投稿日:2001年09月06日(木)21時16分00秒
- >>371 トーリス狩りさん
レスありがとうございます。
トーリス狩り・・・・・通りすがり?
>>恋愛ものになっているような・・・
いや〜。耳が痛い!!
当初は恋愛関係無しで行くつもりだったんですが、何時の間にか・・。
おかげでストーリーが全然進みません。
>>銀英伝ですか?違ってたらすみません.気になったもので・・・.
こりゃまた耳が痛い!!
その通りです。セリフそのまま使わせていただきました。
書いてたら、丁度そのセリフが頭に浮かんだんで・・。
あひゃひゃひゃ・・・・・・・・。
- 377 名前:ブライト・ノア 投稿日:2001年09月06日(木)23時20分56秒
- ワッケイン司令とは・・・いやはやまったく、作者殿の
キャラ選びにはほとほと頭が下がるな。ワッケイン司令と言えば、
ルナツー方面軍司令官、ソロモン攻略作戦においては
第3艦隊の指揮をとっておられる方だな。これからも作者殿には
もっと連邦のキャラを絡めてやって欲しいと思う。それでは。
- 378 名前:ま〜 投稿日:2001年09月08日(土)23時18分15秒
- 10分後、中隊メンバー全員がブリーフィングルームに集まっていた。
中にはまだ寝ていた人物もいたようで、しきりに赤い目をこすっている。
「はいは〜い!みんな静かに〜!!」
中澤が、まるで休み時間終了後に教室に入ってきた教師のように
手を叩きながらブリーフィングルームに入ってくる。
全員が立ち上がって敬礼をする。
彼女達は普段は、敬語を使ったり敬礼をしたりはしない。
ほとんど友人同様の状態での付き合いだ。
しかしながら、ミーティングの時等は、さすがに敬礼を忘れない。
中澤が答礼し、全員の敬礼が終わった後、
この部隊の副隊長的な役割を担っている平家が口を開いた。
「はい、みんな座ってや。今日は大事な話やからな。」
「大事じゃない話で会議開かないべさ〜。」
安倍が茶々を入れる。
「こら!なっち!一応真面目に聞きなさい。」
「は〜い・・。でも一応なのね・・。」
安倍がしぶしぶと答えた。
「今日のミーティングは、今後の作戦についてや。」
司会役とも言える平家が、まず全員に会議の内容を説明しようとする。
そんな彼女を中澤が左手で静止すると、いきなり本論に入った。
「ソロモンを落とすで。」
- 379 名前:ま〜 投稿日:2001年09月08日(土)23時21分39秒
- 安倍を抜かした全員が、程度の差こそあれ、驚愕の表情を隠さない。
大胆で、普段あまり驚く表情を見せない後藤でさえ驚きの表情を見せている。
安倍は、さすがに知っていたために驚いていないが。
「ソ、ソロモンって、あのソロモン!?!」
最初に口を開いたのは、矢口だった。頷く中澤。
「あたし達はどうするの?」
次に質問をしたのは保田だった。
いつもながら表情はクールそのもの。
そこで中澤は全員に詳細を説明した。
今後、ゼティマを含めた地上より打ち上げられた艦隊の一部が
ワッケイン司令率いる艦隊と合流した後、
第13独立艦隊と合流することになっていること。
そしてこの艦隊は、正面からソロモンを攻めるということ。
全員が一言も発せず中澤の話を聞いている。
普段は大胆であったり、人の話を聞かない辻や加護も
緊張しているのか、真剣な表情で話を聞いている。
もっとも中澤の話している内容は、艦長の寺田から聞いた物ではなく、
副官の戸田から聞いた物だが。
なにしろ寺田とは、満足に話ができなかった。
寺田のフォローの仕方一つとっても、副官の戸田は優秀と言える。
- 380 名前:ま〜 投稿日:2001年09月08日(土)23時22分38秒
- 「ところでさ・・。第13独立艦隊って、ガンダムがいるんじゃない?」
安倍が普段とは異なり、小さな声で中澤に話し掛ける。
「ああ、そやで。」
逸れに対する中澤の返答は、やけにアッサリした物だった。
「ええ!!じゃあガンダムと一緒に戦えるんだぁ〜!!」
「おお!!ニュータイプだ!!」
突然矢口と安倍がはしゃぎだした。
以前ジャブローでの戦いで安倍達はガンダムに遭遇していた。
しかしながら、矢口は損傷した吉澤を護衛して
後退したために、実際には見ていない。
「ああ、そやで〜。参考になるかもしれんから
じっくり見とった方がええかもな。もっとも付いていけたらやけどね。」
その中澤の言葉を聞いて、皆が黙り込んでしまった。
事実、ベテランの中澤たちでも追従するのは困難と思われる相手に
メロンやココナッツの部隊が付いて行ける道理が無い。
「とにかく、出撃したら逸れないようにな。今回は数が尋常じゃないで。」
「は〜い。」
ガンダムに付いていけるほどの腕前が無くても、
隊に付いて行けない程度の腕前ではない。
一般的なパイロットに比べれば、練度は高い。
- 381 名前:ま〜 投稿日:2001年09月08日(土)23時23分17秒
- 「前期出撃したら、一直線にソロモンを目指すで!」
「は〜い!」
「一番乗りを目指すんや!」
「は〜い!」
まるで遠足にでも行くような陽気さ。
「それから・・。」
それまでの顔つきとは異なり、
突然中澤が真面目な表情で口を開いた。
「全員無事に帰ってくるように。これは命令や。」
他の全員も表情が真面目になる。
中澤が、不意に優しい笑顔を見せると、敬礼する。
それに伴って、全員が敬礼する。
「ほんじゃ。解散!」
- 382 名前:ま〜 投稿日:2001年09月08日(土)23時24分06秒
- 短いミーティングが終わり、廊下に出た保田が少々神妙な顔をしている。
何か腑に落ちないような表情。
「どうしたの?圭ちゃん?」
目ざとくそれを見つけた飯田が声をかけた。
「いやね・・。ただ単に正面から攻めるなんて、少し納得いかないかな〜って。」
「ああ、そうだね・・・。」
飯田も納得したように自分のアゴに手を当てて考え込む。
「もっとも、あたし達なんて、ただの駒だから知らないだけだと思うけどね。」
一度考え始めると、それこそ翌朝まで考え込んだ挙句
訳の分からない結論を出す飯田。
そんな飯田の性格を知ってか、保田が先手を打って結論を出す。
もっとも、自分を納得させるための考えだったのかもしれないが。
「そうだね〜。」
保田の『策』にはまったのか、あっさりと飯田も納得した。
『何か大掛かりな策でもあるのかな?』
飯田が去った後、再び考え出した保田。
もちろんのこと、あのような大技を連邦軍が用いるとは
彼女の想像の範疇外の事であった。
- 383 名前:ま〜 投稿日:2001年09月08日(土)23時27分14秒
- >>377 ブライト・ノアさん
レスありがとうございます。
なかなか良く知ってますね・・。
それにしてもガンダムの世界は階級が変ですね。
少佐で艦隊司令官とか、中尉で艦長とか。
とりあえず、今後も色々なキャラクターが出てくると思います。
宜しくお願い致します。
ところで、そろそろ新スレ立てた方がよろしいですかね?
キリのいい所でパート2を立てます。
こんな長い予定ではなかったんですけど・・。
- 384 名前:ゴマユウvv 投稿日:2001年09月09日(日)02時06分38秒
- パート2を立てるんですね!
何処の板に移動なされるんですか??
それにしても裕ちゃん・・・・相変わらずかっけ〜ですねぇ〜vvv(ホレボレ)
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