インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板
I'm here saying nothing
- 1 名前:島の華 投稿日:2001年06月03日(日)10時35分12秒
- 黄板でも書いています島の華であります。
この物語は「彼女の妹を愛した男」をテーマにお送りすると思うのです。
娘。の他関係のない人物が出演するのです。
- 2 名前:島の華 投稿日:2001年06月03日(日)10時43分39秒
- 出演
渋谷すばる(すばる)…………主人公。
戸田 鈴音(りんね)…………主人公の彼女。すばるとはメル友だった。HNは「ああこ」。
木村 麻美(あさみ)…………りんねの妹。あるサイトの管理人である。HNは「まゆっち」。
石川 梨華…………りんね、あさみの親友である。
- 3 名前:島の華 投稿日:2001年06月03日(日)10時55分07秒
- −1−
すべては1通のメールから始まった…
TO:subaru-xxx@dream.com
FROM:iromon0418@freasheye.com
SUBJECT:Re:助けて…
>元気?
>私はもう駄目です。助けて…
>では
弱気になっちゃ駄目!生きてちゃ必ずいいことあるの。
何なら一度あたしと会ってみて?池袋西口公園で待ってるから。
それじゃあね
このメールが悲劇の始まりであった。
すばる「行くか…」
すばるはこう呟くと池袋西口公園へと向かっていった。
- 4 名前:島の華 投稿日:2001年06月03日(日)12時14分06秒
- しばらくするとすばるは池袋西口公園に到着した。
しかしメールの相手はまだ来ていなかった。
すばる「まだ来てないのか…」
すばるはまた呟くとベンチに座り、メールの相手を待った。
10分後、メールの相手が来た。
りんね「ごめん…待った?」
そのメールの相手はりんねだった。
りんねはすばるに言った。
すばる「全然、今来た所だ…」
りんね「あなたがすばるさん?」
すばる「そうですけど…」
りんね「はじめまして、あたしはりんね」
すばる「りんね…?」
りんね「そう…ここじゃ何だからあたしの部屋に来ない?」
すばる「いいですけど…」
りんね「じゃあ、あたしについて来て」
りんねはそう言うと自分の部屋へと向かっていった。
すばる「行ってみようか」
すばるはそう言うとりんねの後を追った。
- 5 名前:島の華 投稿日:2001年06月03日(日)14時02分48秒
- さて、ここはりんねのいるとあるマンションの一室。
すばるはここに来ていた。
その部屋はキャラ的には想像のつかない、可愛くレイアウトされた部屋だった。
りんね「一体何があったんですか?」
りんねはすばるに言った。
すばる「実は…」
すばるは自分の身に起こった出来事を全部話した。
りんね「飼っていたペットが酔って暴れて保健所に?」
りんねは驚いた口調でこう言った。
すばる「……」
すばるは少し頷いた。
りんね「あっそうだ、飲み物がなかったんだ…」
りんねは暗い雰囲気を飛ばすように言った。
すばる「いいんですよ、そんなの…」
りんね「でも、お客様なのに何も出さなかったら悪いなと思って…」
すばる「じゃあ、お願いします」
りんね「もう敬語はいいよ、普通に喋ろうね…」
すばる「はぁ…」
りんね「じゃあ、あたし買って来るからちょっと待っててね」
りんねはそう言うとコンビニへ出かけた。
バタン、と玄関が閉まる音をすばるは聞こえぬふりをした。
- 6 名前:島の華 投稿日:2001年06月03日(日)14時35分39秒
- しばらくすると隣りの部屋からりんねの妹、あさみがやって来た。
あさみ「あれ?あなたは誰?」
あさみは驚いた声で言った。
すばる「私はすばると言いますけど…」
あさみ「ウチのお姉さんが何か?」
すばる「私はただお姉さんに呼ばれて来たので…」
あさみ「ふーん…」
あさみはこういうとすばるの横に座った。
すばる「こんな可愛い妹がいたんだな…」
すばるは思った。
するとあさみはすばるにこう言った。
あさみ「ねぇ、ウチのお姉さんって結構可愛いでしょ?」
すばる「まあね…」
あさみ「こんなかっこいい彼氏を持ってお姉さん幸せだな…」
あさみはこう言うと突然すばるの手を掴み、自身のスカートの中に入れた。
すばる「あの…」
ビックリしているすばるを尻目にあさみは言った。
あさみ「すばる、あたしと…したい?」
するとあさみはすばるの手に自身の大切な所を押し付けた。
と、その時である。
ガチャッ…
玄関が開く音が聞こえた。
あさみ「お姉さんが帰ってきた、また後でね…」
あさみは小声でこう言うと隣りの部屋へと去っていった。
すばる「りんね…」
すばるはりんねに言った。
りんね「なあに?」
すばる「君ってあんな可愛い妹がいたんだね…」
りんね「そうでしょ?」
すばる「一緒に住んでるの?」
りんね「そうなのよ…」
りんねはそう言うと袋の中からコーラを2本出した。
そしてすばるはそれを手に取ると栓を開けてゆっくりと飲みだした。
りんね「ねえ、もうあんな事言わないでね…あなたがいなくなったらあたし寂しいの、生きていれば必ずいいことあるから…ね?」
りんねは言った。
すばる「わかった…もう二度とあんな事言わないよ…」
すばるはりんねの言葉にゆっくりと頷いた。
りんね「あっそうだ、あたし今夜行く所があるから…あなたここで待っててくれる?」
すばる「いいけど…」
りんね「眠くなったらあさみの部屋で先に寝てていいから」
すばる「りんねってさぁ…」
りんね「んー、なあに?」
すばる「いつもあさみの部屋で寝てるの?」
りんね「そうよ」
すばる「わかった、そうするよ…」
すばるは言った。
りんね「ほんと?じゃあお願いね」
するとりんねは目を輝かせながらすばるにこう言った。
- 7 名前:島の華 投稿日:2001年06月03日(日)16時50分57秒
- その夜。
りんね「じゃあ、お願いね」
りんねはすばるに言った。
すばる「うん、でもいつ帰ってくるのか?」
りんね「わからない…」
すばる「わかった、いくらでも待ってるから」
すばるは言った。すると…
りんね「じゃあね」
りんねはそう言い残して部屋を出た。
玄関の閉まる音が聞こえるとすばるは立ち上がった。
そして隣りの部屋のドアをノックした。
あさみ「はーい…」
あさみはそう言うとドアを開けた。
すばる「お姉さん、行ったよ」
あさみ「じゃあ、中に入って…」
あさみはそう言うとすばるを中に入れた。
そしてドアを閉めた。
あさみの部屋もりんねと同じく可愛くレイアウトされていた。
しかしすばるは何も言う事なくあさみの隣りに座った。
そこであさみはすばるにこう言った。
あさみ「ねえ、さっきの続きだけど…」
すばる「何が?」
あさみ「あたしと…」
すばる「はっきり言ってね」
あさみ「あたしと…したい?」
すばる「ええっ?ちょっと待って…まだ心の用意が出来てないよ…」
すばるは慌てた口調で言った。
この日、あさみはキャミソールにスカート姿だったからである。
すばるの心はドキドキしていた。
あさみ「大丈夫よ…こんなに緊張しなくったって…」
あさみは笑いながら言った。
と、その時である。
プツン…
すばるの頭の中の何かが切れる音がした。
すばる「じゃあ…やってもいいかな…」
あさみ「ほんと?」
すばる「うん、でもここじゃまずい…ベッドへ行こう」
あさみ「うん…」
あさみは顔を赤らめてこう言った。
そして二人でベッドへ向かった。
- 8 名前:島の華 投稿日:2001年06月04日(月)13時46分43秒
- この作品は都合により官能的なシーンを省略します。
- 9 名前:島の華 投稿日:2001年06月05日(火)13時31分12秒
- 翌朝。
目覚し時計のベルの音ですばるは目覚めた。
すばる「あれ?私はどうしたのでしょう…」
すばるはこう言うと部屋の辺りを見回した。
するとすばるの隣りにはあさみが眠っていた。
ベッドのまわりには二人の衣服が散らばっていた。
すばる「どうしよう…彼女の妹とコトをしてしまった…」
すばるはこう呟いた。
りんね「おはよう、もう起きてたのね」
りんねはそう言うとすばるの前に現れた。
すばる「あっ…あの…」
すばるはりんねに話し掛けた。
りんね「んー、なあに?」
すばる「どうしよう…私取り返しのつかない事をしてしまったようで…」
りんね「何寝ぼけてるのよ、早く服を着て」
りんねは笑いながらすばるに言った。
するとすばるは服を着て部屋を出ようとした。すると…
あさみ「うーん…」
あさみが目を覚ました。
りんね「おはよ」
りんねは言った。
- 10 名前:島の華 投稿日:2001年06月05日(火)15時49分21秒
- しばらくすると三人は居間に行くことにした。
すばる「あの…」
すばるは昨晩の事についてあさみに聞いてみた。
あさみ「なんです?」
すばる「昨日、まさか入れてないよね?」
あさみ「大丈夫だよ、中には入れてなかったの」
あさみの言葉にすばるはホッとした。
するとすばるはりんねにこう言ってみた。
すばる「あの…」
りんね「なあに?」
すばる「一旦、ウチに帰らなくては」
りんね「わかった」
すばる「後でまた逢おうね」
りんね「うん」
りんねは言った。
するとすばるは玄関を開けて自分の部屋へ帰っていった。
- 11 名前:島の華 投稿日:2001年06月06日(水)15時01分27秒
- 数時間後。
りんねとすばるは前日同様、池袋西口公園に来ていた。
そこですばるはりんねに話し掛けた。
すばる「りんね…」
りんね「なあに?」
すばる「もし私がりんねの妹を好きになったらどうする?」
りんね「別に、気にしないで…」
すばる「出会った日の夜すぐにあんな事するとしたら?」
りんね「いいの…あたし昨日の夜聞いたの、すばるさんの声」
すばる「えっ?」
りんね「身体を触るくらいなら別に何も思わないよ、ただ…」
すばる「ただ…何か?」
りんね「もし中に入れるような事があったら、あたし達すぐに別れるよ」
すばる「大丈夫だよ、中には入れてないよ」
すばるは言った。
りんね「そうだ、今夜オフ会があるんだけど…すばるさんも一緒に来る?」
すばる「絶対来るよ」
りんね「よかった、じゃあ午後6時集合ね」
すばる「場所は?」
りんね「どこかのカラオケボックスでだけど」
すばる「わかった」
すばるはこう言うとりんねにOKサインを出した。
- 12 名前:島の華 投稿日:2001年06月16日(土)13時38分22秒
- その夜。
ここは都内某所。
ここではオフ会が行なわれていた。
すばるは誰とも話することなく一人で黙々と酒を飲んでいた。
−何故だ?何故私はこんな所にいるんだ…
私のいるべき所はこんな所じゃないはずだ…−
すばるは時々そう思っていた。
それも昨晩の事が気になっていたからである。
しばらくするとすばるは立ち上がって、この場を後にした。
自分の部屋に戻る為である。
- 13 名前:島の華 投稿日:2001年06月16日(土)14時40分45秒
- しばらくするとすばるの後ろからりんねが来た。
りんね「ねぇ、一体どうしたんですか?」
りんねはすばるにこう尋ねた。
すばる「私がいても面白くないから帰る所だよ」
りんね「何?あたしが何か気分を悪くするような事言ったの?」
すばる「そうじゃないけど…」
りんね「じゃあ何で帰るんですか?」
するとすばるは強気な声でりんねに言った。
すばる「あそこは私のいるべき所じゃなかったんだよ…」
りんね「……」
りんねはすばるの言葉に驚いたのか、しばらく言い返せなかった。
すばる「私は、この町を離れようと思う」
りんね「えっ?」
りんねは言葉の意味がしばらく理解出来なかった。
すばる「あさみと一緒にこの町を出て、仙台に行こうと思うんだ」
りんね「なに?それは、つまり…すばるさんがいなくなっちゃうって事?」
すばる「黙っててごめん、君には早く言っておきたかったんだけど…」
すばるは言った。すると…
りんね「……」
りんねの目から涙が溢れ出てきた。
すばる「おい…どうしたんだよ…」
すばるは心配そうな口調でりんねに言った。
りんね「だって…すばるさんがいなくなるなんてあたしには信じられなくて…」
すばる「大丈夫だよ、離れていても心は何時までも一つだからさ…」
りんね「ほんと?」
すばる「ほんとだよ…」
すばるはこう言うとりんねをそっと抱いた。
りんね「わかった…行っておいで…」
すばる「りんね…」
りんね「あさみの事、幸せにしてあげてね…」
すばる「わかった…」
すばるは言った。すると…
りんね「……」
りんねはすばるの心で声を詰まらせて泣いた。
- 14 名前:島の華 投稿日:2001年06月16日(土)15時15分05秒
- 再びここは、とあるマンションの一室。
そこにはりんねとあさみがいた。
りんね「あさみぃ…」
りんねはあさみに言った。
あさみ「何?お姉さん…」
りんね「すばるさんの事、よろしく頼むね…」
あさみ「わかった」
りんね「たまにはあたしの部屋に電話ちょうだいよ」
あさみ「うん。」
あさみは言った。
と、その時である。
ピンポーン…
ドアのチャイムが鳴った。
りんね「誰だろう…」
りんねは今にも泣きそうな声でこう言うとドアを開けた。
するとドアの前には梨華が立っていた。
梨華「よっ」
梨華は明るい声で二人にこう言った。
りんね「梨華ちゃん…」
梨華「聞いたよ…あさみ、引っ越すんだってね」
りんね「うん…」
梨華「で、何処に引っ越すの?」
りんね「仙台」
梨華「あんな遠くに引っ越すの?」
りんね「そうらしいのよ…」
梨華「例の彼氏と一緒に?」
りんね「うん…」
梨華「そうか…じゃあ、これあげるよ」
梨華はそう言うとポケットからお守りを取り出して、りんねに手渡した。
りんね「ありがとうございます」
りんねは梨華にこう言うと頭を下げた。
梨華「じゃあ、あたしはこの辺で帰るね」
りんね「うん、おやすみ…」
りんねはそう言うとドアを閉めた。
あさみ「誰だった?」
あさみはりんねに言った。
りんね「梨華ちゃんだったよ、これをあさみに上げるって」
りんねはそう言うとお守りをあさみに手渡した。
あさみ「ありがとう…」
あさみは言った。
*
翌朝。
すばるとあさみはこの日出発する。
二人は東京駅構内にいた。
すばる「まだ誰も見送りに来てないのか?」
すばるは言った。
あさみ「もうすぐ来るみたいよ」
すばる「でも新幹線に乗っておこう」
すばるは言った。
そして二人一緒に新幹線に乗り込んだ。
すると梨華が二人の目の前に現れた。
梨華「二人で頑張ってね」
梨華はすばるに言った。
するとすばるはただ頷くだけであった。
こうして新幹線は駅のホームをゆっくりと離れ、仙台へと向かった。
- 15 名前:島の華 投稿日:2001年06月27日(水)17時18分27秒
- その夜。
ここは梨華の部屋。
ここにはりんねが来ていた。
りんねは梨華に言った。
りんね「とうとう行っちゃったね、すばるさん…」
梨華「うん…でも寂しくなったら会いに行けばいいの」
りんね「そうよね…」
りんねは言った。
*
同じ頃、仙台市のアパート。
二人は隣の部屋の人達に挨拶を交わしていた。
すばる「こんばんわ」
ユウキ「はい?どちら様でしょうか」
すばる「私は隣に越して来た渋谷です、よろしくお願いします。」
ユウキ「お引越しですか?」
すばる「はい、東京から来ました」
ユウキ「こちらこそよろしく」
ユウキはそう言うとドアを閉めた。
するとユウキと半同棲している柴田あゆみは言った。
あゆみ「誰?いまの…」
ユウキ「東京から引っ越してきた方」
あゆみ「そう…」
あゆみはそう言うと自分の部屋へ戻った。
そして挨拶を終えたすばるはあさみと一緒に部屋に入った。
あさみ「今日からここで新しい生活が始まるね」
すばる「うん…これってさぁ、あたらしい夜?」
あさみ「そうね」
あさみは言った。
- 16 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月07日(土)00時47分42秒
- こちらの小説を「小説紹介スレ@金板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=gold&thp=994402589&ls=25
- 17 名前:島の華 投稿日:2001年07月13日(金)14時35分20秒
- 翌朝。
すばるは珍しく目覚し時計が鳴る前に起きた。
そして隣を見てみるとあさみが寝息を立てていた。
すばる「夢じゃないんだな…」
すばるは呟いた。
すると目覚し時計は鳴り出した。
あさみ「うーん…」
あさみはこう言うと起きあがった。
すばる「おはよ」
すばるは言った。
あさみ「うん…」
すばる「昨日はよく眠れた?」
あさみ「よく眠れたのよ」
あさみは言った。
するとすばるはカーテンを開けた。
すばる「ほら、いいお天気だ」
すばるはこう言った。
- 18 名前:島の華 投稿日:2001年07月18日(水)11時25分34秒
- −2−
その夜。
二人はアパートの外にある公園に来ていた。
あさみ「きれいな星だね」
すばる「うん、きれいだよ」
あさみ「ねぇ、すばる…」
すばる「何?」
あさみ「あたし達って、出会ったほうがよかったのかな…」
すばる「そうだよ…」
あさみ「なんで?」
すばる「こんな幸せな気分になれるからさ…」
あさみ「ありがとう…あっそうだ」
すばる「なんだよ…」
あさみ「キスしよ?」
すばる「なんだ、そんなことか…するよ」
すばるは言った。
するとあさみは静かにすばるの体を抱き寄せ、口づけをした。
あさみ「さあ、もう遅いから帰ろうか」
すばる「うん。」
すばるはこう言うと二人一緒に公園を後にした。
- 19 名前:島の華 投稿日:2001年08月13日(月)14時05分25秒
- 数日後。
すばるの部屋に一人の女性が来た。
その女性の名前は松浦亜弥であった。
亜弥「すいません」
すばる「何でしょうか?」
亜弥「こちらにあさみさんはいませんか?」
すばる「今はいませんけど…」
亜弥「そうですか…じゃあ帰ってきたら伝えてもらえませんか?」
すばる「何を?」
亜弥「松浦さんが何か御用があります、と伝えて下さい」
すばる「わかりました。」
すばるはこう言うとドアを閉めた。
しばらくするとあさみが帰ってきた。
すばるは帰ってきたあさみにこう言った。
すばる「あさみ…」
あさみ「なに?」
すばる「さっき松浦さんって人が来てたよ」
あさみ「えっ?」
すばる「何か御用があります、と言ってた」
あさみ「わかった」
あさみはそう言うとある所へ電話を掛けた。
- 20 名前:島の華 投稿日:2001年08月18日(土)19時03分09秒
- あさみ「もしもし…」
亜弥「もしもし、あさみ?」
あさみ「あたしに用があるって本当?」
亜弥「大した用じゃないの、ただ話があるだけ」
あさみ「なに?」
亜弥「今から駅前の“ポエム”っていう喫茶店に来てくれる?」
あさみ「わかった、すぐ来るよ」
亜弥「じゃあお願いね」
あさみ「はい。」
あさみはこう言うと受話器を置いた。
すばる「御用って何だったのか?」
すばるはあさみに尋ねてみた。
あさみ「話があるって言ってた…今から駅前に行くね」
すばる「わかった」
すばるは言った。
するとあさみは玄関を開けて外に出た。
そして駅前の喫茶店へと向かった。
- 21 名前:島の華 投稿日:2001年08月18日(土)19時39分32秒
- そしてここは、駅前にある喫茶店の中。
そこには亜弥とあさみがいた。
亜弥「急に呼び出してごめんね」
亜弥はあさみにこう言った。
あさみ「ううん、全然構わないよ…それで話って何?」
亜弥「実は…」
亜弥はなかなか言い出せなかった。
あさみ「何なの?」
亜弥「貴女のお姉さんなんだけど…」
あさみ「うんうん」
亜弥「もうすぐここへやってくるらしいよ…」
あさみ「それは分かってるよ」
亜弥「あたしとお姉さんと3人でしばらく遊んでみない?」
あさみ「いいよ」
あさみはこう返事をした。
亜弥「よかった…じゃあよろしくね」
亜弥はそう言うと喫茶店を後にした。
- 22 名前:島の華 投稿日:2001年08月18日(土)20時08分55秒
- 翌日の夜。
すばるの部屋にあゆみがやってきた。
あゆみ「すばるさん、大変よ!」
あゆみは慌てた口調ですばるにこう言った。
すばる「あゆみ、どうかしたのか?」
あゆみ「あさみが何者かに連れて行かれたの!」
すばる「ええっ…本当か?」
あゆみ「どうしよう…相手は外車に乗ってたんだって…」
すばる「心配ないよ…私が助けてあげるから、な?」
すばるはこう言うと自分の部屋を飛び出した。
そしてある場所へと向かった。
*
さて、ここはとある空き室。
あさみは二人の若者にここに連れて来られた。
若者1「ねぇ、彼女…俺達と気持ちよくなろうぜ?」
若者はこう言った。
あさみ「いや!こないで!」
あさみもこう言って抵抗する。
しかし力は若者達がが上であった。
若者2「そんなに怖がる事ないって…」
もう一人の若者はこう言うとあさみの体を抱いた。
あさみ「いやっ!」
あさみはこう言うと若者を振り払って空き室を出ようとした。
しかしもう一人の若者に捕まった。
若者1「この野郎!」
若者はこう言うとあさみの顔を殴った。
あさみ「キャー!誰か助けて!!」
あさみは叫んだ。
若者2「呼んでも誰も来ないよ…」
もう一人の若者はこう言うとあさみの服に手を掛け、一気に引き裂いた。
- 23 名前:島の華 投稿日:2001年08月18日(土)20時34分26秒
- その時である。
ドーン、という大きな音とともにドアが開いた。
そして中からすばるがやってきた。
すばる「おまえ達、俺の女に何やってんだ?」
すばるは若者達にこう言った。
若者1「あれ?ここなら見つからないと思ったのに…」
すばる「仲間に教えてもらったのさ」
若者2「くそっ、こうなったら逃げるしかないか?」
すばる「待てよ…俺の女に手を出してただで逃がすわけにはいかない!」
若者1「もういい!殺れ!」
しばらくするとすばると若者達との間で大立ち回りが始まった。
そして若者達は二人とも倒れた。
すばるは隅の方で倒れていたあさみを起こした。
すばる「おい、あさみ…大丈夫か?」
あさみ「すばる?」
すばる「助けに来てやったよ」
すばるはあさみに言った。すると…
あさみ「うわああああ―――――ん!すばる…怖かったよぉ――――!!」
あさみは突然すばるの心で泣き出した。
すばる「あさみ、大丈夫だよ…悪者は私がやっつけたからな…」
あさみ「あたし…ヒック、本当に怖かったの…ヒック、死ぬかと思ったのよ…」
すばる「もう大丈夫だから…安心しろよ?」
あさみ「でも…ありがとう、助けてくれて…」
あさみはこう言うとまたすばるの心で泣き出した。
すばる「このままだと風邪引くからこれ着けてて」
すばるはそう言うと自分が着けていたジャンパーを脱ぎだした。
そしてあさみに着けてあげた。
すばる「さあ、もう帰ろうか?」
あさみ「うん…」
あさみは言った。
そして二人は空き室を後にして、自分の部屋へと向かっていった。
- 24 名前:島の華 投稿日:2001年08月18日(土)20時43分00秒
- 再びここは、すばるの部屋。
すばるはあさみにこう言ってみた。
すばる「一体何があったんだよ…」
あさみ「部屋に帰る途中外車があたしの前に来てね…」
すばる「それで?」
あさみ「中から二人の男が出て来てあたしを連れ去ったの」
すばる「何かされなかったか?」
あさみ「少し打たれただけよ」
すばる「そうか…じゃあしばらくシャワーでも入っててよ」
あさみ「いいの?」
すばる「うん、私が何とかするから。」
あさみ「わかった…じゃあ入っておくね」
あさみはこう言うと浴室へと歩いていった。
- 25 名前:島の華 投稿日:2001年08月18日(土)21時05分43秒
- しばらくするとすばるの部屋にあゆみが来た。
あゆみ「どうだった?あさみは」
あゆみは言った。
すばる「今はもう大丈夫」
あゆみ「そう?」
すばる「私が助けた時には泣いてたんだ」
あゆみ「じゃあ、あたし達で慰めてあげない?」
すばる「いいね」
あゆみ「じゃあ、あたし飲み物とか買って来るから」
すばる「わかった。でも気をつけてね」
あゆみ「うん。」
あゆみはそういうと部屋を出て飲み物を買いに出掛けた。
- 26 名前:島の華 投稿日:2001年08月18日(土)21時19分41秒
- 数十分後。
あゆみはすばるの部屋に戻って来た。
あゆみ「買って来たよ」
すばる「外は大丈夫だったか?」
あゆみ「大丈夫だったよ」
あゆみは言った。
するとあさみが風呂から上がって来た。
あさみ「あれ?あゆみ、来てたの?」
あゆみ「お邪魔してます」
すばる「あさみ、あゆみがお前の事慰めてくれる様だ」
あさみ「ありがとう」
あさみは言った。
すばる「じゃあ、とりあえずビールでも飲むか」
あゆみ「そうね」
あさみ「あたしも飲むよ」
すばる「いいよ」
すばるは言った。
しばらくすると小宴会は始まった。
あゆみ「あさみ、今日の事は悪夢だと思って忘れてね」
すばる「そうだよ。生きていればいい事だってあるんだからな」
あさみ「ありがとう、みんなに助けてもらって」
あゆみ「だってあたし達は仲間じゃない、これくらいは大丈夫だよ」
あゆみは優しい口調で言った。
三人がそう話しているうちに酒の量は増えていった。
- 27 名前:島の華 投稿日:2001年08月20日(月)11時42分56秒
- 翌朝。
あさみが目を覚ますとソファの上にいた。
そして辺りを見回すと二人が雑魚寝している所を見た。
あさみ「うっ…二日酔いだ、頭が痛い…」
あさみはこう呟くと洗面所へと向かっていった。
そして顔を洗うと再び居間へ戻り、ソファに座った。
しばらくすると二人も目を覚ました。
すばる「あれ?あさみ…起きてたのか?」
すばるは言った。
あさみ「うん、でも…」
すばる「なに?」
あさみ「昨日何時まで飲んでたのか覚えてないの…」
すばる「あさみは昨日夜中の2時半まで飲んでたよ…」
あさみ「そうだったっけ?」
すばる「それで気分が悪いって言ってたんだよ、あさみをソファまで運ぶのすごく大変だったからねぇ…」
すばるは言った。
と、その時である。
ピピピピ…ピピピピ…
部屋の電話が鳴り出した。
すばる「もしもし?」
すばるは受話器を取ってこう言った。
梨華「すばる?久しぶりだね…誰だか分かる?」
すばる「梨華か?」
梨華「そうだよ」
すばる「どうしたのか?」
梨華「今東京駅からだけど」
すばる「それで?」
梨華「今日はあたし達がここに遊びにくるから仙台駅で待ってて」
すばる「わかった…でも一人でいいのか?」
梨華「いや、あさみちゃんも一緒に来た方がいいよ」
すばる「うん、じゃあ今から行くよ」
すばるはこう言うと受話器を置いた。
- 28 名前:島の華 投稿日:2001年08月22日(水)13時54分27秒
- さて、ここは仙台駅である。
すばるはここに来ていた。
この日は梨華達が遊びに来る日である。
しばらくすると梨華達の乗った新幹線がやって来た。
すばるは新幹線から降りてきた梨華にこう言った。
すばる「久しぶりだね」
梨華「すばるがどうなってるのか気になって来たの」
すばる「そうか。」
梨華「りんねさんも一緒に来たのよ」
すばる「本当か?」
梨華「うん。」
梨華はこう返事した。
するとすばる達は駅を離れて自分の部屋へと向かう事にした。
- 29 名前:島の華 投稿日:2001年08月22日(水)16時05分14秒
- 再びここはすばるの部屋。
ここにはすばると梨華がいた。
梨華はすばるにこう言った。
梨華「すばる…」
すばる「なに?」
梨華「あさみの姿が見えないけど、どこ行ったのかな?」
すばる「りんねと一緒にどこか行ったみたいだけど」
すばるは言った。
と、その時である。
ドンドン…ドンドン…
ドアをノックする音が聞こえた。
すばる「帰って来たみたいだ」
すばるがこう言ってドアを開けるとりんねが立っていた。
りんね「ただいま」
すばる「おかえり…あれ?あさみは一緒じゃなかったのか?」
りんね「ごめん、すばるさん…」
すばる「えっ?」
りんね「実は、あさみと喧嘩しちゃったの」
すばる「本当か?」
りんね「……」
りんねは少し頷いた。
すばる「一体どうやって喧嘩したのか?」
りんね「それは…」
りんねは少しずつ原因を話し始めた。
- 30 名前:島の華 投稿日:2001年08月22日(水)16時28分50秒
- すばる「まさかそんな事が…」
りんねの話を聞いていたすばるは驚いた口調でこう言った。
りんね「そうなの…」
すばる「それで?」
りんね「あんなにあさみが怒るの初めてだったから…」
すばる「ううん、あさみだって悪気があって言った訳じゃないから」
すばるは優しい声で言った。すると…
りんね「……」
りんねの目から涙が落ちてきた。
すばる「おい…どうしたんだよ…」
りんね「あさみ…ごめんね、あたしが何も知らなかったばっかりに…」
すばる「そうだったか…」
すばるはこう言うと静かにりんねを抱いた。
りんね「すばるさん?」
すばる「りんね…泣けば気が晴れるよ…」
りんね「えっ?」
すばる「今日はあの事を忘れようじゃないか…」
すばるは言った。すると…
りんね「……」
りんねはすばるの心で声を押し殺して嗚咽した。
すばるは何も言わずにりんねを慰めた。
りんね「あさみ…」
りんねは何度も泣き声でこう呟いていた。
すばる「よし、今日は私が慰めてやる」
すばるは泣いていたりんねにこう言った。
りんね「いいんですか?」
すばる「いいんだよ、あとは私が何とかするから。」
すばるはこう言うとりんねと一緒に夜の街へと繰り出していった。
- 31 名前:島の華 投稿日:2001年08月22日(水)16時46分57秒
- そしてここはとある大通り。
すばるとりんねはここの歩道を歩いていた。
りんね「すばるさーん、もう一軒行こう?」
りんねは上機嫌な声ですばるに言った。
すばる「おい、大丈夫か?」
りんね「大丈夫よ…これくらい何ともないって」
すばる「りんね…気分を悪くするみたいだけど、もう帰った方がいいよ」
りんね「そうですか?」
すばる「ごめんな、今度はゆっくりしようね」
りんね「OKでーす…」
りんねは言った。
と、その時である。
りんね「すばるさん…」
すばる「なに?」
すばるがこう言い終らないうちにりんねはすばるの肩を掴んだ。
そして10秒ほどきつく口付けをした。
突然の事にすばるは驚いていた。
りんねはすばるから離れてこう言った。
りんね「あたしはまだすばるさんの事諦めてないから…」
すばる「えっ?」
りんね「すばるさんの事、まだ好きだよ…」
すばる「うん…」
りんね「今日は慰めてくれてありがとう、楽しかったよ…」
りんねはこう言うとすばるの心に倒れこんだ。
そしてこのまま眠りについた。
すばる「りんねもまだやっぱり子供だな…」
すばるはこう呟くとタクシーを拾って自分の部屋に帰る事にした。
しばらくするとすばるの部屋に到着した。
すばるはタクシーから降りるとりんねを背負い、中に入った。
そしてりんねをソファの上に置き、布団をかぶせた。
こうして二人の夜は終わろうとしていた。
- 32 名前:島の華 投稿日:2001年08月22日(水)17時15分52秒
- −3−
梨華達は無事に東京に帰っていった。
りんねもあさみと和解して事無きを得た。
さて、それから数日後の事である。
すばるの部屋の電話が突然鳴り出した。
あさみ「もしもし」
あさみは受話器を取ってこう言った。
電話の相手はあゆみであった。
あゆみ「もしもし、すばるさんいますか?」
あさみ「ああ、大丈夫…いますよ」
あさみはこう言うとすばるを呼んだ。
すばる「なに?」
あさみ「あゆみから電話よ」
すばる「わかった」
あさみ「ほらよ。」
あさみはすばるに受話器を渡した。
すばる「もしもし」
あゆみ「ああ、すばるさん…ちょっと今時間大丈夫?」
すばる「どうした?」
あゆみ「すばるさんに用事があるから…」
すばる「わかった」
すばるはこう言うと受話器を置いた。
あさみ「すばる、どうかしたの?」
あさみはすばるにこう尋ねた。
すばる「あゆみが用事があるって言ってたので今から行ってくる」
あさみ「わかった、気をつけてね」
あさみは言った。
するとすばるは部屋から出ると公園へと歩いていった。
*
さて、ここはとある公園。
すばるはここに到着するとあゆみが立っているのを見かけた。
すばる「あゆみ…」
あゆみ「すばるさん…」
すばる「私に用事って一体何だろう?」
あゆみ「実は話さなければならない事があるの」
すばる「えっ?」
あゆみ「あたしね、明日から一人になるの」
すばる「そうか?」
あゆみ「ユウキ君が3ヶ月間出張でいなくなるの」
すばる「それで?」
あゆみ「その間あたしの相手してくれないか?」
すばる「いいよ」
すばるは言った。
あゆみ「ありがとう、助かるわ…」
すばる「そうだ、しばらくそこら辺歩いてみるか」
あゆみ「いいよ」
あゆみは言った。
- 33 名前:島の華 投稿日:2001年08月22日(水)17時29分56秒
- すばる達は公園周辺を歩いていた。
そこですばるはあゆみにこう言ってみた。
すばる「ユウキさんが3ヶ月間いなくなるのか?」
あゆみ「うん。」
すばる「その間私があゆみの相手をすればいいんだよね?」
あゆみ「そう、でも話し相手でいいから」
すばる「わかった」
すばるは言った。
と、その時である。
すばる達の所に突然大きな風が吹き出した。
この風により、あゆみのスカートが捲れ上がった。
あゆみはスカートを両手で抑えてこう言った。
あゆみ「見たでしょ?」
すばる「いや、とんでもないよ…」
あゆみ「でも大きい風だったね…」
すばる「びっくりしたね」
すばるは言った。
しばらくすると二人は公園を後にした。
あゆみ「じゃあお願いね」
すばる「わかった。」
すばるはこう言うとあゆみに別れを告げて、自分の部屋へと入っていった。
- 34 名前:島の華 投稿日:2001年08月24日(金)15時16分11秒
- さて、ここはすばるの夢の中。
ここではすばるとあさみが言い争っていた。
あさみ「すばるの毒牙にかかったら女はみんな変な方向に行くわ!最低よ!」
あさみは大声で言った。
すばる「うるさい、言葉を慎め!この女!」
あさみ「すばるに命令なんてされません」
すばる「……」
すばるの表情は段々険しくなってきた。
あさみ「すばるが浮気してる事、みんなに言い触らしてやる…」
あさみは言った。すると…
バシーン!!
すばるはあさみの頬を平手打ちした。
あさみはビックリして頬を押えた。
すばる「何で分かってくれないのか…」
あさみ「分かってないもなにも、もうあたしはすばるの事信用出来ませんから」
あさみはこう言って部屋を出ようとした。
と、その時である。
ドスン!
すばるは思わず持っていたナイフであさみを刺した。
あさみ「どうして…」
あさみはこう言うとそのまま倒れた。
すばる「えっ?私はいつの間にこんな物を…」
すばるは我に返るとこう言った。
そしてこう続けた。
すばる「うわ〜、私は人を殺してしまったよぉ!」
こうしてすばるは部屋を飛び出した。
- 35 名前:島の華 投稿日:2001年08月24日(金)15時33分26秒
- あさみ「…すばる?」
あさみは夢でうなされていたすばるを起こした。
すばる「?」
あさみ「どうしたの?大分うなされていたけど…」
すばる「私は悪い夢を見ていたようだ…」
あさみ「大丈夫?」
すばる「うん、もう大丈夫だから…」
あさみ「じゃあ今夜はすばると一緒に寝ようね」
あさみは言った。すると…
すばる「……」
すばるは突然あさみに抱きついた。
あさみ「えっ?ちょっとどうしたのよ…」
すばる「私が人を殺した夢を見て怖かったんだ…」
あさみ「もう大丈夫だから…ねっ?」
あさみはこう言ったがこの言葉はすばるの耳に届いていなかった。
さらにすばるはあさみのスカートの中に手を入れると大切な部分を撫で始めた。
あさみ「もう、そんなに急かさないの…」
あさみはそう言うとすばるの体を離した。
そして静かに上着を脱いだ。
すばる「あさみ…」
あさみ「もういいよ、おいで…」
あさみは言った。
するとすばるは再びあさみの体を抱いた。
- 36 名前:島の華 投稿日:2001年09月06日(木)13時52分03秒
- 翌朝。
すばるは目覚めるとまず辺りを見回した。
するとすばるの隣にはあさみが寝息を立てていた。
ベッドの周りには二人の衣服が散らばっていた。
すばる「またあさみとやったんだな…」
すばるはこう呟くと自分の服を取って着け始めた。
そしてあさみに気付かれないように部屋を出た。
- 37 名前:島の華 投稿日:2001年09月16日(日)18時42分54秒
- そしてここは、とあるコンビニ。
すばるはここに来ていた。
すばるはあゆみを待っているらしい。
しばらくするとあゆみが来た。
あゆみ「ごめんね、遅くなっちゃった…」
あゆみは言った。
すばる「いや、自分も今来た所…」
あゆみ「そう?」
すばる「そうだよ…さあ、中に入ろうか」
あゆみ「うん」
あゆみは言った。
すると二人はコンビニの中に入っていった。
- 38 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月23日(日)10時41分45秒
- スレッド圧縮されなくてよかった。
続きを待っています。
- 39 名前:島の華 投稿日:2001年09月27日(木)19時36分39秒
- その夜。
ここはすばるの部屋。
すばるはあさみに話し掛けた。
すばる「あさみ…」
あさみ「何?どうしたのよ…」
すばる「昨日の夜はビックリした?」
あさみ「うん…何が起こったのかと思った…」
すばる「私はあの時どうしようもなかったんだよ…」
あさみ「あの夢を見たからでしょ?」
すばる「うん…」
すばるはこう言うと少し頷いた。
あさみ「じゃあ、今夜はゆっくり出来るね」
あさみはすばるに言った。
すばる「何が?」
あさみ「昨日の続き」
あさみの言葉にすばるは一瞬ドキッとした。
すばる「何言い出すんだよ…」
すばるは照れながらこう言った。
あさみ「でも、あたしはすばるの事が大好きだから…」
すばる「そうか…私もあさみの事大好きだよ」
あさみ「じゃあ、やってみる?」
すばる「うん、それがいいと思うよ」
すばるは言った。
そして二人は寝室へと向かっていった。
- 40 名前:島の華 投稿日:2001年09月27日(木)19時58分12秒
- そしてここは寝室である。
すばるとあさみはベッドの中にいた。
しばらくしてコトを済ませた二人はまだ抱き合っていた。
そこであさみは言った。
あさみ「ああ…すばるって素敵ね」
すばる「そうか?」
あさみ「近くで見るとこんなに素敵だよ」
すばる「ありがと」
すばるは言った。
そこであさみはすばるに言った。
あさみ「すばる…」
すばる「どうした?」
あさみ「お互い、隠し事はしないようにしようね」
すばる「わかった」
あさみ「ほんと?約束だよ…」
すばる「私も約束するよ…」
すばるは言った。すると…
あさみ「すばる、大好きだよ…」
あさみはこう言うとすばるの口元に静かに口づけをした。
すばる「私もあさみの事が好き…」
すばるはこう言うとまた二人で抱き合った。
- 41 名前:島の華 投稿日:2001年09月28日(金)13時15分40秒
- −4−
一ヶ月後。
すばるは生活費を作るために道路工事の仕事を始めた。
この仕事は大変ではあるが、すばるは我慢しているという。
そんなある日の事。
すばるは一日の仕事を終えて、自分の部屋に帰ってきた。
あさみ「お帰りなさい」
すばる「ただいま…そう言えば何かなかった?」
あさみ「何もなかったよ」
あさみは言った。
すばる「そういえば、この前あさみを襲ったあの若者なんだが…」
あさみ「何かあったの?」
すばる「今はすっかり更生して私と一緒の職場で働いているよ」
あさみ「そうなんですか?」
すばる「うん、あさみには悪い事をしたって反省していた」
あさみ「……」
すばる「そのうち謝りに来るからって言ってた」
すばるは言った。
- 42 名前:島の華 投稿日:2001年09月28日(金)19時20分08秒
- すばるの部屋にあるMDプレーヤーからは流行りの音楽が流れていた。
二人はこの音楽を聞きながら肩を並べて座っていた。
そこであさみはすばるに言った。
あさみ「すばる…」
すばる「何?どうした?」
あさみ「こうやって二人でいると幸せだな…」
すばる「私もだよ…」
あさみ「ずっとこの時が続けばいいのにね…」
すばる「そうだな…」
すばるは言った。
と、その時である。
ジリリリーン…
部屋の電話が突然鳴り出した。
すばるは受話器を取るともしもし、と言った。
梨華「すばるさん、大変よ!」
すばる「梨華?何かあったのか?」
梨華「りんねさんが車に轢かれて…」
すばる「落ち着いて、今どこにいるのか?」
梨華「病院」
すばる「わかった、すぐ来るから」
すばるはこう言うと受話器を置いた。
あさみ「すばる…何かあったの?」
すばる「君のお姉さんが交通事故に遭われたらしい」
あさみ「えっ?」
すばる「だから東京に戻ろう」
すばるは言った。
- 43 名前:島の華 投稿日:2001年09月28日(金)19時31分50秒
- すばるとあさみは急いで部屋を出ると仙台駅へと向かった。
駅に到着すると急行列車に乗り込む。
列車は駅を離れると東京へと走っていった。
*
1時間後。
列車は東京駅に到着した。
すばるは大急ぎでタクシーを拾うとそれに乗り込んだ。
タクシーは病院へと走っていく。
タクシーの中ではすばるが両手をあわせていた。
しばらくするとタクシーはとある病院に到着した。
二人はタクシーを降りると病院の中に入った。
するとすばるは梨華に会った。
すばる「りんねの様子はどうだ?」
梨華「分かんない…今手術中なの…」
梨華は言った。
あさみ「梨華ちゃん?お姉さんが事故に遭ったなんて、嘘だよね…?」
梨華「あたしも最初は嘘かと思ったの!でも…」
あさみ「何で事故に遭ったの?」
梨華「何でも飛び出してきた子供を助けようとして…それで…」
梨華はこう言うと泣き出した。
- 44 名前:島の華 投稿日:2001年09月28日(金)19時44分06秒
- しばらくすると医師が緊急治療室から出て来た。
すばるは医師に言った。
すばる「どうなんですか?」
医師「今夜がヤマですね」
医師は言った。
そしてあさみは医師にこう言った。
あさみ「先生…お姉さんを助けてあげて下さい…」
医師「私としても出来る限りの手は尽くしましたが…」
あさみ「どうなんですか?」
医師「後は運を天に任せるだけですね」
医師はこう言うと去っていった。
あさみ「どうしよう…」
あさみは泣きそうな声ですばるに言った。
すばる「後は祈るしかない…自分達にはこれしか出来ないのだ…」
すばるは言った。すると…
ガチャッ…
緊急治療室のドアが開いた。
あさみはドアの方を見た。
医師「中に入ってください」
医師はすばる達に言った。
すると三人は中に入っていった。
- 45 名前:島の華 投稿日:2001年09月28日(金)20時01分19秒
- 緊急治療室に入るとすばるは信じられない光景を目にした。
りんねがベッドの上で横になっていたのである。
りんねの体の損傷は激しかったのである。
すばるはりんねに声を掛けてみた。
すばる「りんね、大丈夫か?」
りんね「…すばるさん?」
すばる「梨華から聞いたよ、君人助けをしたんだって?」
りんね「うん、でもこの有様だよ…」
あさみは間に入り込むように口を開く。
あさみ「お姉さん…大丈夫?」
りんね「あさみ…もう駄目みたい…」
あさみ「ダメ…そんな事言わないで…」
あさみは目に涙を溜めてこう言った。
りんね「三人でいた時は楽しかった…もう思い残すことは何もないよ…」
りんねはこう言ったのを最後に目を閉じた。
決してその目は二度と開く事はなかった。
医師「残念ながら…ご臨終です…」
医師は言った。
すると二人はベッドに縋って泣き出した。
しかしすばるだけはこの状況を理解出来ずにいた。
すばる「まさか…これって夢だよな…」
すばるはそう思った。
- 46 名前:島の華 投稿日:2001年09月28日(金)20時11分13秒
- 翌日。
三人はとある火葬場にいた。
告別式を終えてこの火葬場に来たのである。
火葬場の煙突から煙が上がる。
その様子を見てあさみはこう言った。
あさみ「お姉さん、天国へ行ったんだね…」
すばる「うん…」
すばるは気の抜けた返事をしただけであった。
*
その夜。
ここは梨華の部屋があるマンションの一室。
すばる達はこの中にいた。
あさみはすばるに話し掛けた。
あさみ「すばる…」
すばる「何?」
あさみ「あたしまだ信じられないの…」
すばる「私もそう思う…」
あさみ「ほら、初めて遭った時の事だけど…」
あさみは思い出話を始めた。
- 47 名前:島の華 投稿日:2001年09月28日(金)20時25分14秒
- すばる「そんな事もあったね…」
あさみの思い出話を聞いていたすばるはこう言った。
あさみ「それなのに飛び出してきた子供を助けようとしてこんな事に…」
すばる「……」
あさみ「どうして死んじゃったの…お姉さん…」
あさみの目から涙が止めどなく溢れてきた。
すばる「でも…仕方ないよ、悪い方向で亡くなったんじゃないから…」
すばるはこう言うとあさみの体をそっと抱いた。
あさみ「どうして?どうしてあたしに何も残してくれなかったの!」
あさみはこう言うとすばるの心で嗚咽した。
この世の終わりが来たかのようにいっぱい泣いた。
すばる「あさみ…」
すばるも泣きながらあさみを慰めていた。
結局この日は二人とも眠れぬ夜を過ごした。
- 48 名前:島の華 投稿日:2001年09月28日(金)20時31分46秒
- 数日後。
仙台に帰ってきた二人だが元気がなかった。
二人とも部屋に閉じこもったまま動かなかった。
あゆみ「何とかしてあの二人に元気を取り戻さなくては…」
その様子を見てあゆみはそう思った。
するとあゆみは電話を取り、ある所へとかけ始めた。
- 49 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)14時54分37秒
- 電話の相手は亜弥であった。
あゆみ「もしもし」
亜弥「あれ?あゆみ…どうしたのよ?」
あゆみ「大した話じゃないけど、実は…」
あゆみはすばる達の事を全部話した。
亜弥「それなら大丈夫」
あゆみ「何かいい方法でもあるの?」
亜弥「旅行に連れてってあげて、そうすれば二人立ち直ると思うから。」
あゆみ「わかった、そうするよ…」
亜弥「あたしも一緒にお供するよ」
あゆみ「そうなの?」
亜弥「だって心配だから。」
あゆみ「ありがと、じゃあまた後でね」
あゆみはこう言うと受話器を置いた。
そして自分の部屋を出ると隣の部屋のドアをノックした。
- 50 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)15時05分18秒
- そしてここは、すばるの部屋の中である。
ドアのノックの音に気付いたすばるは早速ドアを開ける。
すばる「あゆみ…」
すばるは言った。
あゆみ「ちょっと上がってもいいかな?すばるさん達に話があるんだ…」
すばる「いいけど…」
すばるはこう言うとあゆみを中に入れた。
あゆみ「あさみはまだ寝てるの?」
あゆみはすばるに言った。
すばる「うん…でももう少しで起きてくるよ」
あゆみ「そうですか…」
すばる「でも私達に話って何だろう?」
あゆみ「どこか遠い所へ行こうか?」
すばる「えっ?もしかして二人きりで?」
あゆみ「違うよ、みんなで行くのよ」
すばる「わかった、行きましょう」
すばるは言った。
- 51 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)15時44分26秒
- その夜。
二人は荷造りを静かにしていた。
あさみはすばるにこう話し掛けた。
あさみ「あゆみちゃんも案外いい所あるんだね」
すばる「そうか?」
あさみ「だって、お姉さんが亡くなって落ち込んでいた所を助けてくれたの」
すばる「そうだよ、それがなかったら大変だったんだからね…」
あさみ「明日は楽しみましょうね」
すばる「そうだね」
すばるは言った。
すると二人は自分の部屋に戻った。
- 52 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)16時04分50秒
- 翌朝。
二人は仙台空港にいた。
出発ロビーで搭乗の手続きをしようとするとあゆみがやってきた。
あゆみ「遅くなりました。」
あゆみは言った。
すばる「いや、充分間に合ったよ…」
すばるはこう言うと搭乗手続きをするためにカウンターへと向かった。
しばらくするとまたすばるはあゆみの所に戻ってきた。
すばる「三人分の航空券を取ってきたよ」
あゆみ「ありがとう」
あゆみはこう言うと航空券を取った。
するとそこへあさみが戻ってきた。
あさみ「どうだった?航空券は取れたの?」
すばる「この通り」
あさみ「じゃあ渡して」
あさみはこう言うと航空券を取った。
しばらくすると三人は飛行機に乗るために搭乗口に向かった。
三人は飛行機に乗るとそれぞれの座席に座った。
あゆみ「まさかあたしがすばるさんの隣の座席だとは思わなかったね」
あゆみはすばるに言った。
すばる「そうだね…私もそう思わなかったよ」
あゆみ「楽しんで行こうね」
すばる「わかった。」
すばるは言った。
しばらくすると飛行機は離陸して、ある所へと向かって飛んでいった。
- 53 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)19時04分11秒
- 1時間後。
飛行機は新千歳空港に到着した。
三人は飛行機から降りると到着ロビーへと向かっていった。
到着ロビーに来るとあゆみはこの辺りを見渡した。
どうやら人を探しているらしい。
あゆみ「あっ来た来た…」
あゆみはこう言うと手を振ってみた。
すると大谷雅恵があゆみの所に近寄ってきた。
雅恵「あゆみ、久しぶり…中学卒業以来だね」
あゆみ「ほんと、雅恵も変わりないね」
雅恵「で、今日は何しに来たの?」
あゆみ「仲間と一緒に観光に来たのよ」
雅恵「仲間?」
あゆみ「そう、二人いるよ」
あゆみは言った。
すると雅恵はすばる達に話し掛けた。
雅恵「あなたがあゆみの仲間?」
すばる「はい、私はすばると言います」
あさみ「あたしはあさみです」
雅恵「そうか…よろしくね」
雅恵は言った。
- 54 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)19時22分02秒
- するとあゆみは雅恵に話し掛けた。
あゆみ「ここで立ち話も何だからそろそろ出ようか」
雅恵「そうね。」
雅恵は言った。
そして四人一緒に空港を出た。
するとすばるはあゆみにこう言った。
すばる「これからどうする?」
あゆみ「あたしはあさみちゃんとここで待ってる」
すばる「誰を?」
あゆみ「亜弥ちゃん…あとで追っかけて来るんだって」
すばる「そうか…」
あゆみ「すばるさんは?」
すばる「雅恵さんの所に行っておくけど…後で来るといいよ」
すばるは言った。
すると雅恵はすばるに話し掛けた。
雅恵「さあ、早く一緒に行くよ」
すばる「わかった。」
すばるはこう言うと雅恵と一緒にバスに乗り込んだ。
そしてそのバスは静かに走り出した。
- 55 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)19時43分11秒
- そしてここは、雅恵の部屋である。
すばるはここに来ていた。
早速雅恵はすばるにすばるに話し掛けた。
雅恵「すばるさんってあゆみと一緒に生活してるの?」
すばる「いや、アパートが一緒で隣同士の部屋だけど…」
雅恵「そう…あたしは中学を卒業するとすぐ漁師の仕事に就いてね…」
すばる「漁師?すごいな…」
雅恵「最近までやってたけど辞めたの」
すばる「どうして?」
雅恵「限界が来ちゃってね…」
すばる「そうか…」
すばるは言った。
すると雅恵は何か思いついたようにすばるに言った。
雅恵「あっそうだ…」
すばる「何かあったのか?」
雅恵「あたし、すばるさんの事ね…」
雅恵がこう言い掛けるとドアをノックする音が聞こえた。
すばる「もう来たのか…?」
すばるはこう言うとドアを開けた。
- 56 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)19時56分28秒
- ドアの前にはあゆみ達が立っていた。
雅恵「ああ、みんないらっしゃい」
雅恵はこう言うとあゆみ達を中に入れた。
あゆみ「ほら、今日は楽しくやろうって事でいろんなの買ってきたよ」
あゆみはこう言うとコンビニの袋を置いた。
すると雅恵は言った。
雅恵「こんなにいっぱい買ってきたんだね」
あゆみ「せっかく久しぶりに再会したのにこれくらいは当たり前だよ」
あゆみは言った。
するとあさみはこう言った。
あさみ「飲み物もいっぱいあるよ」
雅恵「本当だ…」
あさみ「もうそろそろ始めようか」
雅恵「そうだね」
雅恵は言った。
- 57 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)20時09分47秒
- −5−
しばらくすると部屋の中は盛り上がってきた。
そこで雅恵はあゆみに話し掛けた。
雅恵「あゆみ…」
あゆみ「んー、なあに?」
雅恵「ここに来たのって理由があるんでしょ?」
あゆみ「うん…」
雅恵「一体何があったの?あたしに聞かせてみて」
するとあゆみは今までの出来事を話した。
雅恵「そんな事があったの…」
あゆみ「すばるさん達を立ち直らせる為にここに来たのよ」
雅恵「そうか…」
あゆみ「ごめんなさい、この席で暗い話をして…」
あゆみは涙声のような暗い声で雅恵に言った。
雅恵「ううん、気にしないで…さあ、今夜は飲むか?」
あゆみ「…はい。」
あゆみは言った。
- 58 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)20時21分24秒
- しばらくするとあゆみ達は疲れからか眠っていた。
雅恵はあゆみに布団を被せてあげた。
そしてすばるは雅恵に話し掛けた。
すばる「ごめんな、こんな狭い場所で大騒ぎして…」
雅恵「いいのよ、あたしも久しぶりに楽しかった思いをしたから」
すばる「そうか?」
すばるは言った。
すると雅恵は照れくさそうな声ですばるに言った。
雅恵「すばるさん…」
すばる「何?どうした?」
雅恵「あたし…すばるさんを慰める方法を知ってます」
すばる「どんな事?」
雅恵「あたしと一緒に寝て?」
すばる「いいけど…」
すばるは言った。
そして二人でベッドに向かった。
- 59 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)20時33分18秒
- 二人はベッドの中で話をしていた。
雅恵「大切な人が一人いなくなっても落ち込まないでね」
すばる「うん…」
雅恵「すばるさんは一人じゃないの、みんながいるじゃん。」
すばる「そうだよな…」
雅恵「だから頑張ってね、あたしずっとすばるさんの事応援してるよ。」
すばる「ありがとう…がんばるよ」
すばるは言った。
雅恵「そうだ…」
すばる「また何かあるのか?」
雅恵「明日、あたしが札幌の街を案内してあげる」
すばる「本当か?」
雅恵「うん…それも二人きりでね」
すばる「それはまずいよ…みんなと一緒に行かなきゃ」
雅恵「みんなにはあたしからよく言っといてあげるから」
すばる「そうだね…」
雅恵「じゃあ、もう寝ようか」
すばる「うん、おやすみ…」
すばるはこう言うと部屋の電気を消した。
- 60 名前:島の華 投稿日:2001年09月29日(土)20時40分45秒
- 翌朝。
すばるはあゆみ達に気付かれないように部屋を出た。
外でしばらく待っていると雅恵が出て来た。
雅恵「しばらく二人だけで楽しんできてって言ってたよ」
すばる「よし、じゃあ行こうか」
雅恵「そうね。」
雅恵はこう言うとタクシーを拾った。
そして二人一緒に乗り込むと札幌へと向けて走っていった。
- 61 名前:島の華 投稿日:2001年10月01日(月)12時03分57秒
- しばらくするとタクシーは札幌市街に到着した。
すばる達がタクシーから降りるとすでに雪が降っていた。
すると雅恵はすばるに話し掛けた。
雅恵「きれいな雪だね」
すばる「そうだね」
雅恵「最初はどこから行く?」
すばる「この辺を歩いてみようか」
雅恵「そうね」
雅恵は言った。
- 62 名前:島の華 投稿日:2001年10月01日(月)14時48分42秒
- そして、ここは時計台の前。
二人はここに来ていた。
そこですばるは雅恵に話し掛けた。
すばる「雅恵さん…」
雅恵「ん?」
すばる「どうもありがとうございました…」
雅恵「ううん、礼を言うのはあたしの方よ…」
すばる「でも、私を立ち直らせたんだから先に礼を言おうと思って」
雅恵「ありがと、でもあたしはよかったと思ってる」
すばる「何が?」
雅恵「こうやって、すばるさんと一緒に行動できる事をね」
すばる「そうか…でもそろそろ暗くなるから帰ろうか」
雅恵「そうね」
雅恵は言った。
すると二人は雅恵の部屋へと向かっていった。
- 63 名前:島の華 投稿日:2001年10月01日(月)14時58分40秒
- その夜。
再びここは、雅恵の部屋の中である。
ここでは雅恵達が鍋を囲んで話をしていた。
雅恵「今日はすばるさんを札幌の街へと案内してあげたよ」
あゆみ「そうなんですか?」
雅恵「そうよ、すばるさんはもう大丈夫そうだよ」
あさみ「立ち直ったんですか?」
雅恵「うん。」
すばる「私は一人じゃなかったんだよ…」
あさみ「そうよね…」
すばる「だってここにみんながいるんだから…」
あゆみ「よく言ったね」
あゆみは言った。
雅恵「さて、明日はみんなを案内してあげようか」
あさみ「それ、いいね」
あゆみ「お願いします」
雅恵「じゃあ、決まりだね」
雅恵は言った。
- 64 名前:島の華 投稿日:2001年10月01日(月)16時14分40秒
- 翌日。
すばる達は前日同様札幌市街に来ていた。
そこで雅恵は言った。
雅恵「今日はあたしの友達に逢わせてあげるよ」
あゆみ「いいんですか?」
雅恵「うん、何でもこの街のライブハウスで出演しているんだって」
あゆみ「という事は歌い手なんですか?」
雅恵「そうだよ」
雅恵は言った。
しばらく歩いているとライブハウスの前に到着した。
すばるは雅恵に尋ねてみた。
すばる「ここがそのライブハウスなのか?」
雅恵「そうよ」
雅恵はこう言うと中に入っていった。
- 65 名前:島の華 投稿日:2001年10月01日(月)16時34分02秒
- そしてここは、ライブハウスの中にある楽屋。
雅恵はこの中にいた。
雅恵はすばる達を外に待たせているのである。
そこで雅恵は友人である安倍なつみに話し掛けた。
雅恵「どう?調子は」
なつみ「大丈夫ですよ」
雅恵「今日も歌うんだよね?」
なつみ「そう、でも今日はいつもと違うよ」
雅恵「そう?」
なつみ「今日は初めてギターを持って歌うの」
雅恵「じゃあ頑張ってね」
雅恵はこう言うと楽屋を出ていった。
そしてすばる達と一緒に客席へと向かっていった。
- 66 名前:島の華 投稿日:2001年10月03日(水)11時39分52秒
- しばらくするとなつみの出番は来た。
そして矢井田瞳の曲「I'm here saying nothing」の前奏が流れてきた。
なつみはギターを弾きながら歌い始めた。
こんなにもきれいな朝方の空に
消えそうな星がにじんでる
不調和な景色 街のはじまりに
誰かの呼ぶ声を待ってる
まわりから見たら 私もそんな風に
立ち止まってるように見えるんだろう
そっとしといてよ かまわないでよ
I'm here saying nothing×3
いつからか
I'm here saying nothing×3
心の海に浮かぶのは
それはただ 貴方のことだけ
すばる達はなつみの歌声にしばらく聞き入っていた。
そしてなつみの出番は終わったのである。
- 67 名前:島の華 投稿日:2001年10月03日(水)14時46分54秒
- その夜。
すばる達は雅恵の部屋に帰ってきた。
そこであゆみは雅恵に話し掛けた。
あゆみ「雅恵…」
雅恵「なに?」
あゆみ「今日は…ありがとうございました…」
雅恵「ううん、いいのよ…」
あゆみ「おかげで、あたし達も何とか立ち直ることが出来ました」
雅恵「いいのよ、困ったときはお互い様だから」
雅恵は言った。
と、その時である。
ドンドン…ドンドン…
部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。
雅恵がドアを開けるとそこにはなつみが立っていたのである。
なつみ「みんな、先ほどはどうもありがとう」
なつみはすばる達にこう言った。
雅恵「なっち、よく来たね…中に入って」
雅恵はこう言うとなつみを中に入れた。
- 68 名前:島の華 投稿日:2001年10月04日(木)09時38分07秒
- するとなつみはすばるに話し掛けた。
なつみ「あなた達はどうして此方に来られたんです?」
すばる「観光なんですよ」
すばるは言った。
すると雅恵は間に入り込むように言った。
雅恵「実は何か訳があるんですよ…あの人達…」
なつみ「そうなんですか?」
なつみは言った。
そしてすばる達にこう尋ねた。
なつみ「すばるさん…でしたっけ?」
すばる「はい」
なつみ「一体何があったんですか?」
すばる「それは…」
すばるはこれまで自分の身に起こった事を全て話した。
すばるが飼っていたペットが暴れて保健所に連れて行かれた事。
りんねやあさみと初めて逢った事。
あさみと初夜を迎えた事。
東京を離れて仙台に来た時の事。
りんねが交通事故で死んだ時の事。
すばるは残す事なく全部話した。
- 69 名前:島の華 投稿日:2001年10月04日(木)09時45分37秒
- なつみ「すばるさん…大変だったんですね…」
すばるの話を聞いていたなつみは曇った声でこう言った。
すばる「でも今は大丈夫だよ…みんなに慰めてもらったから。」
なつみ「そうですよね…いつまでも落ち込んでいられないからね…」
なつみは言った。
と、その時である。
あさみ「ごめん、ちょっと外で頭冷やしてくる…」
あさみはこう言うと立ち上がって、雅恵の部屋を飛び出していった。
すばる「おい、待てよ…」
すばるはこう言うとあさみの後を追うように部屋を飛び出した。
- 70 名前:島の華 投稿日:2001年10月04日(木)10時11分06秒
- あさみ「何なんだよ…」
あさみがこう呟きながら歩いていると後ろの方から声が聞こえてきた。
すばる「あさみ…」
すばるが走りながらあさみを探していたのである。
あさみ「すばる…」
すばる「ようやく見つかった…どうしたんだよ一体…」
あさみ「すばるには関係ないでしょ…」
あさみは曇った声ですばるに言った。
すばる「いや、大有りなんだよ…急に飛び出したんだから心配で…」
あさみ「あたしの事なんか心配しなくてもいいのに…」
すばる「でも…」
すばるがこう言いかけると急にあさみがキレた。
あさみ「もういい加減にして!!」
すばる「あさみ…」
あさみ「あなた一体何なのよ!何であたしなんかに構うのよ?」
すばる「それは…」
あさみ「お姉さんがいなくなったからって悲しみをいつまでも引きずっているなんてすばる…どうかしてるよ!」
すばるはあさみの言葉に少し涙ぐんだ。
あさみ「お姉さんの事何も分かってないくせに弱気な人にならないでよ!」
あさみの声も涙声になっていた。が、その時である。
すばる「おい、君―――――」
すばるはあさみの肩を掴むと頬を平手打ちした。
あさみ「何?」
あさみは驚いた口調で言った。
- 71 名前:島の華 投稿日:2001年10月04日(木)10時31分16秒
- すばる「叩いてごめん、でも分かってほしいんだ…」
すばるはあさみに言った。
あさみ「?」
すばる「私だってこの事嫌で堪らなかったんだ…」
あさみ「すばる…」
すばる「でもみんながいるおかげで何とか我慢してこれたんだよ…」
あさみ「そうだったの…?」
すばる「これからもいろいろあると思うけどまた頑張っていこうな…」
あさみ「わかった、ごめんね…すばる…」
あさみはこう言うとすばるの心で声を詰まらせて泣いた。
*
そしてここはとある公園。
すばるとあさみはブランコに乗っていた。
すばるは缶コーヒーを飲みながらあさみに話し掛けた。
すばる「少しは落ち着いたか?」
あさみ「うん…ごめんね、さっきはあんな事言って…」
すばる「いいんだよ…もう過ぎた事は忘れような。」
あさみ「……」
あさみは少し頷いた。
すばる「さあ、みんな心配してるからそろそろ部屋に帰ろう」
あさみ「そうね…」
あさみは言った。
こうして二人は公園を後にして、雅恵の部屋へと帰っていった。
- 72 名前:島の華 投稿日:2001年10月04日(木)14時06分11秒
- 再びここは、雅恵の部屋の中である。
ここではあさみと雅恵が缶ビールを飲みながら話をしていた。
もうすでにすばる達は眠りについていた。
そこであさみは雅恵に話し掛けた。
あさみ「さっきは急に部屋を飛び出してごめんなさい」
雅恵「ううん、大丈夫だよ…」
あさみ「でもあたしがこんな事になってみんなビックリしたんじゃないかな…」
雅恵「確かにビックリしたけど…」
あさみ「よし…あたし、決めた!あたし絶対弱気にならない」
雅恵「本当ですか?」
あさみ「本当です…あたし絶対に強くなってみせる」
雅恵「うん、その意気よ…頑張ってね」
あさみ「ありがとう…」
あさみは言った。
- 73 名前:島の華 投稿日:2001年10月04日(木)14時11分19秒
- >>72
×→「うん、その意気よ…頑張ってね」
〇→「うん…その意気だよ、頑張ってね。」
入力ミスでした。
- 74 名前:島の華 投稿日:2001年10月05日(金)13時32分57秒
- 翌朝。
あさみが目覚めるとベッドの中にいた。
そしてベッドの隣を見てみるとすばるが寝息を立てていた。
あさみ「また二日酔いだ…頭ガンガンする…」
あさみはこう言うと起き上がり、洗面所へ向かった。
そして顔を洗い、ソファに座ると昨日の出来事を思い出すように黙想した。
すると居間に雅恵がやってきた。
雅恵はあさみに話し掛けた。
雅恵「おはよう、あさみ…」
あさみ「ああ、おはようございます…」
雅恵「どうしたの?元気ないみたいだけど…」
あさみ「大丈夫です、ちょっと考え事をしてただけ…」
雅恵「そう?」
あさみ「そうなのよ…でも、みんなはまだ寝てるの?」
雅恵「ううん、もう少しで起きてくるよ…」
雅恵は言った。
- 75 名前:島の華 投稿日:2001年10月05日(金)13時50分54秒
- しばらくするとすばる達が居間にやってきた。
あさみ「おはよう、みんな」
あさみは言った。
すばる「うん、おはよう…」
あゆみ「おはよう」
あさみ「昨日はごめんなさい…」
あゆみ「ううん、気にしないで…」
あゆみは言った。
そしてあさみはすばるを呼んだ。
あさみ「すばる…」
すばる「なに?」
あさみ「外いい天気だからちょっと散歩してみない?」
すばる「いいよ。」
すばるは言った。
そして二人一緒に部屋を出た。
*
さてここは、とある公園の中。
二人はそこを散歩していた。
そこであさみはすばるに話し掛けた。
あさみ「すばる…」
すばる「なに?」
あさみ「あたしさぁ、決めたんだ…あたしは絶対に弱気にならないって」
すばる「本当か?」
あさみ「うん…昨日のすばるの一言であたし、目が覚めたの」
すばる「よく言った…」
すばるはこう言うと静かにあさみの体を抱いた。
あさみ「すばる…ずっと一緒にいようね…」
すばる「私もだよ…」
すばるは言った。
しばらくすると二人は再び部屋に戻っていった。
- 76 名前:島の華 投稿日:2001年10月09日(火)15時05分23秒
- 再びここは、雅恵の部屋の中である。
あゆみはそこで家事をしていた。
雅恵はあゆみに話し掛けた。
雅恵「いいんですか?」
あゆみ「何が?」
雅恵「すばるとあさみを二人きりにさせといて」
あゆみ「大丈夫、心配ないよ」
あゆみは言った。
*
所変わってここは小樽某所。
二人はそこの歩道を歩いていた。
そこであさみはすばるに話し掛けた。
あさみ「すばる…」
すばる「なに?」
あさみ「あたし達って恋人同士に見えてるね」
すばる「そうだよ」
あさみ「未来はあたしの心の中にあると自分で思うんだ」
すばる「そうか?私としては未来もずっとあさみと一緒にいるんだが…」
あさみ「ふーん…」
あさみは言った。
するとあさみの目からまた涙が落ちてきた。
すばるはそれを見てこう言った。
すばる「あさみ…どうしたんだよ…」
あさみ「ごめんなさい…昨日の事思い出しちゃって…」
すばる「そんな事か…いいよ、私の心で思い切り泣いても…」
あさみ「うん…」
あさみはこう言うとすばるの心で嗚咽を漏らした。
泣いて、泣いて、泣き崩れた。
すばるは何も言わずにあさみを慰めていた。
- 77 名前:島の華 投稿日:2001年10月10日(水)12時55分35秒
- −6−
すばる達は小樽運河の見える公園に来ていた。
そこですばるは携帯電話で話をしていた。
電話の相手は亜弥であった。
すばる「もしもし」
亜弥「すばる?どうしたのよ…」
すばる「悪いけどすぐに来てくれないか?」
亜弥「今どこにいるの?」
すばる「小樽運河の見える公園だけど」
亜弥「分かった、すぐ来るから待ってて」
すばる「うん…」
すばるはこう言うと電話を切った。
そこであさみはすばるに話し掛けた。
あさみ「電話は誰だったの?」
すばる「亜弥だよ…すぐ来るって言ってた」
あさみ「そうなの?」
すばる「うん…だから安心しろよ?」
すばるは言った。
- 78 名前:島の華 投稿日:2001年10月10日(水)16時07分51秒
- しばらくすると亜弥が公園にやってきた。
するとすばるは亜弥に話し掛けた。
すばる「急に呼び出して悪いね」
亜弥「ううん、大丈夫だよ…」
すばる「実は3人で遊んでみたいのだが…」
亜弥「そんな事なら任せといてよ」
すばる「何かいい考えでもあるのか?」
亜弥「いい場所を知ってるの」
すばる「じゃあ一緒に行こうよ」
亜弥「そうね」
亜弥は言った。
そして3人で公園を後にした。
- 79 名前:島の華 投稿日:2001年10月12日(金)11時40分03秒
- 3人は「石原裕次郎記念館」の前に到着した。
そこですばるは亜弥に話し掛けた。
すばる「ここに一体何があるというのか?」
亜弥「すばる達に見せたい物があってここに来たのよ」
すばる「じゃあ早く中に入ろう」
亜弥「うん、でも入場料を払ってからね」
亜弥は言った。
すると3人は入場料を支払い、中に入っていった。
- 80 名前:島の華 投稿日:2001年10月16日(火)11時22分14秒
- その夜。
すばる達は雅恵の部屋にいた。
そこで雅恵はすばる達に話し掛けた。
雅恵「明日の朝帰るんですか?」
すばる「はい、どうも今までお世話になりました」
雅恵「あたしの事、忘れないでね」
すばる「うん、時々手紙でも出すよ」
雅恵「今度はあたしが仙台に遊びに来てもいいよ」
すばる「ありがとう」
すばるは言った。
こうしてすばる達の長い夜は終わった。
そして翌朝、すばる達は北海道を離れて、仙台へと帰っていった。
- 81 名前:島の華 投稿日:2001年10月20日(土)19時10分56秒
- さらに数ヵ月後。
ここは、すばるの部屋の中。
すばるは電話をしていた。
その電話の相手は梨華である。
すばる「梨華もこのアパートに引っ越してくるのか?」
梨華「そうよ。」
すばる「一人暮らし?」
梨華「その通り」
すばる「じゃあ、これからはまた楽しくなりそうだね」
梨華「そうだね」
すばる「じゃあ明日駅まで迎えに来ようか?」
梨華「お願いね」
すばる「わかった、じゃあまた明日」
すばるはこう言うと受話器を置いた。
すると、あさみはすばるに話し掛けた。
あさみ「電話…誰からだった?」
すばる「梨華だよ、明日このアパートに引っ越してくるんだって」
あさみ「じゃあまた楽しくなりそうね」
あさみは言った。
- 82 名前:島の華 投稿日:2001年10月23日(火)10時51分34秒
- 翌日。
すばるは仙台駅の中にいた。
そこですばるは梨華を待っていた。
しばらくするとすばるの前に梨華がやって来た。
すばる「梨華…よく来たね」
すばるは梨華にこう話し掛けた。
梨華「あたしもそろそろ独立しようと思ってここに来たの」
すばる「そうか」
梨華「みんなはまだ部屋の中にいるの?」
すばる「そうだよ」
梨華「じゃあ、行こうか」
すばる「うん…」
すばるは言った。
- 83 名前:島の華 投稿日:2001年10月23日(火)20時14分23秒
- 再びここは、すばるの部屋の中。
ここにはすばる達がいた。
梨華はすばるに話し掛けた。
梨華「ついにあたしも独立出来たんだね」
すばる「いい事じゃないか」
梨華「これからもよろしくね」
すばる「うん。」
梨華「そういえば…あさみちゃんはどうしたの?」
すばる「ごめん、ちょっと寝てるんだけど…」
すばるは言った。
- 84 名前:島の華 投稿日:2001年11月02日(金)11時56分42秒
- 翌朝。
あさみは目覚めるとある事に気付いた。
そして隣を見るとすばるが寝ていた。
あさみ「あれ?すばる…自分の部屋で寝ていたはずなのに…?」
あさみはこう言うと起き上がって、洗面所へと歩いていった。
しばらくするとすばるは起き上がった。
あさみ「すばる、どうしたのよ…あたしの隣で寝てたけど…」
すばる「気になって仕方がないから一緒に寝てやったんだよ。」
すばるは言った。
- 85 名前:島の華 投稿日:2001年11月06日(火)11時04分46秒
- この後は最終話であります。
- 86 名前:島の華 投稿日:2001年11月07日(水)15時32分17秒
- −7−
1年後。
すばるとあさみは東京にいた。
りんねの1周忌の法要のためである。
あさみはすばるに話しかけた。
あさみ「お姉さんが亡くなってもう1年経ったね」
すばる「ああ…」
あさみ「あれからいろいろあったね」
すばる「そうだな」
すばるは言った。
すると一人の女性があさみ達に話しかけた。
○○「あの…あさみさん、ですよね…?」
あさみ「そうですけど?」
○○「あたしは1年前、あなたのお姉さんに助けられたんです」
あさみ「ああ、あなたはその時の…?」
里沙「はい、新垣里沙ですけど…」
すばる「君なんですか?りんねに助けられたのって?」
里沙「はい」
里沙は言った。
- 87 名前:島の華 投稿日:2001年11月19日(月)11時37分32秒
- さらに、里沙はすばる達にこう言った。
里沙「もし、あなたのお姉さんに助けられなかったらあたしはこんな所にいなかったから…」
あさみ「そうなんですか…」
里沙「だから、この場を借りてお礼をしようと思うの」
あさみ「こちらこそ、たくさんの思い出をありがとうね」
里沙「えっ?あたしはあなた達に逢うの初めてよ…」
あさみ「いや、あとでお姉さんの墓の前でこう伝えて」
里沙「わかった」
里沙は言った。
こうして、1周忌の法要は全て終わった。
*
その夜。
ここは梨華の部屋があるマンション。
すばる達はここに来ていた。
梨華はすばる達にに話し掛けた。
梨華「法要はどうだった?」
すばる「どうだった、って言われても普通だよ」
あさみ「お姉さんに助けられた子供も来ていたよ」
あさみは言った。
と、その時である。
ドンドン…ドンドン…
ドアをノックする音が聞こえた。
- 88 名前:島の華 投稿日:2001年11月19日(月)11時48分06秒
- すばるがドアを開けるとそこには親友だった村上信五が立っていた。
信五「渋谷…久しぶりだね」
すばる「信五こそ変わってないね」
信五「渋谷こそ変わってないじゃん」
すばる「今日はまたどうしたのか?」
信五「お前に見せたい物があるんだよ」
信五は言った。すると…
めぐみ「ねぇ、まだ〜?」
信五の彼女である村田めぐみの声が聞こえてきた。
信五「わかった、すぐ終わるから待ってて」
すばる「あれ?信五って彼女いたのか?」
信五「合コンで知り合ったんだよ」
信五は言った。
するとすばるは外に出ると、信五達とある場所へ向かっていった。
- 89 名前:島の華 投稿日:2001年11月27日(火)15時35分27秒
- そしてここは、居酒屋『大虎』である。
すばるはここに来ていた。
そこには、すばるの中学校時代の仲間も一緒にいたのである。
信五はすばるに話し掛けた。
信五「しばらく見なかったけど何処か行ってたのか?」
すばる「いや、私は今仙台に住んでるよ」
信五「1人で?」
すばる「いや、彼女と一緒…今日は用事があって帰って来たんだよ」
信五「渋谷も彼女がいたのか?」
すばる「うん…最初はネット仲間だったんだけど」
信五「インターネットしてたのか?」
すばる「うん、それからお互いを好きになりだしたんだよ」
信五「それで?」
すばる「出会った日に早速コトをしてしまったんだよ…」
信五「お〜、渋谷って凄いな」
信五は驚いた声で言った。
Converted by dat2html.pl 1.0