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恋をしちゃいました
- 1 名前:よっすぃ〜記念日 投稿日:2001年06月10日(日)15時54分30秒
- 初めて書かせていただきます。
娘。ファンになって日が浅いのですが小説を読んでいたら
書きたくなったので書いてみました。
- 2 名前:よっすぃ〜記念日 投稿日:2001年06月10日(日)15時55分43秒
- 「コンビニ」
吉澤ひとみ。この物語の主人公。都内の私立女子中学校に通う3年生。
中学生活最後の夏休み…と言っても、高等部もあるエスカレーター
式なので受験勉強とは無縁。残り少ない夏休みを楽しんでいる。
1つ駅向こうの花火大会へ親友の後藤真希と見に行った帰り道、
ここから話が始まる・・・。
「ごっち〜ん、喉乾いたね。コンビニで何か買って帰ろ」
花火大会が終わった帰り道、ひとみは団扇で仰ぎながら言った。
ごっちんこと、後藤真希。小学校からずっと同じクラスで家も
近い事もあって、家族ぐるみで付き合ってる。もう腐れ縁ってヤツだ…。
コンビニに入ると、真希は「適当に選んでよ」と言って
さっさと雑誌のコーナーに行ってしまった。
ホント立ち読み好きなんだから…。取りあえず、ひとみは飲物の
コーナーへ行き、飲茶楼の2Lサイズを手に取った。他にアイスや
スナック菓子を何点か選んでレジの前に行った。
数人の列が出来ている。どうもレジのバイトの子が新人らしく、
もたもたしているらしい。さかんに謝る声が聞こえている。
隣りにいる店長らしき女性も少しイライラしているようだ。
『余計焦っちゃうもんだよね』ひとみは呑気に思って、列の後ろに付いて、
その女の子の顔を何気なく眺めた。
俯き加減にしているが、かなり可愛い。って言うかすっごく
可愛いい!歳は同じくらいだろうか、ひとみは釘付けになって
その子を見ていた。なんだか顔が熱い。ドキドキする。いつの間にか、
ひとみの番になって金額を言われるまで気付かなかったぐらいだ。
その子は困ったような顔をして、ひとみを見ている…。
「720円なんですけど…」
(かぁぁぁぁ!声まで可愛い!!!!!!!!)
「あ、あの・・・」
我に返って、私は1000円札を出した。
「ご、ごめんなさい!」
ぼーっとしてしまって、その後の記憶がない。
気付いたら、コンビニの外に出ていた。
「ちょっと、よっすぃー!一言言ってくれたって
いいじゃん!先に出ちゃうなんて…」
真希は、自転車を手で引きながら、少し怒ったように
言った。あまりに遅いので店内を見渡すとひとみは既に
いなくて外に出たら、突っ立っていた。
ひとみは、真希の言葉を聞いてないようで、呟くように言った。
「ねぇ、ごっちん…。私、一目惚れしちゃったみたい」
- 3 名前:よっすぃ〜記念日 投稿日:2001年06月10日(日)15時58分27秒
- 「えぇ???」
真希は驚いたように声を上げた。
「マジっすか???」
真希は半信半疑と言った表情でひとみの顔を覗き込んだ。
「う、うん・・・。めちゃめちゃ可愛かった!」
「可愛かった…って、女の子???」
「もち!」
意気揚々としている。目はハートマークになってるみたい。
ひとみは、校内で、かなりモテるアイドル的存在だった。
いつも注目を浴びている。告られた話なら、しょっちゅう聞いて
いるが、自分から好きになったと言う話は今まで一度も聞いた事が
なかったので、さすがの真希も驚いてしまった。
「ふぅん、学園のアイドルよっすぃーもついに恋に落ちたかー」
真希はニヤつきながら言った。
「あんな、可愛い子見た事ないよぅ」
ひとみは、心ここにあらずと言った感じで呟いた。
「で、名前は?」
「え?」
「名前くらいチェックしたでしょ?バッチつけてるっしょ?」
「あ……。そこまで見てなかった……」
ひとみは固まっている。”残念…”と言った風に。
ほぅ・・・いつも冷静なひとみが、そんな事にも気が回らない
とは、本気かも…と思った。真希の前では、結構天然ぼけを
かましたりするひとみだが、校内ではクールさを装っている。
そのギャップが楽しかったりするのだけど。
「ねぇ、もう一度、そのコンビニに戻ってみる?」
真希は当然の事を聞いたまでだが、ひとみは手を振り否定した。
「い、いいよ。もう明日にしよう、明日に!」
「明日って、また来る気?」
まぁ当然と言えば当然か。
「でも、その子が毎日バイト入ってるとは限らないじゃない」
「あ・・・」
ひとみは哀しそうな顔をした。真希はひとみの腕を取ると
善は急げ!とばかりに元来た道を引き返して行く。
しかし、コンビニに戻った時には、すでに、その子の姿は
なかった。時間を見ると夜の10:20。
「10時までだったのかも知れないねぇ。女の子だから
深夜までは働かないかあ」
「明日、また行ってみるよ」
ひとみは、落胆しつつも明日、また会えるかもしれないと言う
希望を持ちつつ、「帰ろう」と言った。
2人は話ながら家に帰って行った。
- 4 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月12日(火)23時55分08秒
- 店員さんは、あの子だろうか。。
- 5 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月13日(水)07時24分08秒
- 「店長・保田圭」(後藤視点)
翌日から、よっすぃーのコンビニ通いが始まった。
毎日のように通い続けて、結局夕方の6時から10時まで
働いている事が判った。
「梨華ちゃん超かわいい!」
あの日以来、よっすぃーの話は一目惚れした石川梨華ちゃんの話ばかり。
最初は、私も付き合っていたのだが
さすがに毎日コンビニで立ち読みも辛くなってくる。
よっすぃーはよっすぃーで、丁度、石川さんのレジが見える部分に
ずっと立っている。。。端から見たら、ストーカーだよぉ。
こんな姿、よっすぃーファンの子達が見たら幻滅するだろう
なぁ…なんて余計な事まで考えたりして・・・。
そんなこと思っていたら、肩を叩かれた。
- 6 名前:よっすぃ〜記念日 投稿日:2001年06月13日(水)07時24分43秒
- 「立ち読みやめてもらえるかな?」
見ると「店長・保田圭」が恐い顔で私を睨んでいる。。。
(そんな恐い顔で見なくても…。や、分かるんですけどね。)
「で、あの子は、あんたの連れ?」
よっすぃーの方を見る、保田。目は厳しい。私はこくりと頷く。
「ちょっと来てくれる?」
「は、はい」やばいなぁと思ったらやはり…。明らかに営業妨害だよね。
「よっすぃー、店長に呼ばれちゃいました(泣)」
「私もここで雇ってもらえないかなぁ。そしたらさぁ…」
(おいおい、自分の状況分かってないのか!)
よっすぃーの腕を引っ張ると、保田のいるコンビニの外へと出て行く。
ちらっとレジを見ると、石川さんは怯えたような目をして見ていた。
(イヤだなぁ。私まで奇異な目で見られちゃってる(涙))
- 7 名前:よっすぃ〜記念日 投稿日:2001年06月13日(水)07時25分13秒
- 保田は腕を組んで待っていた。まぁ言われなくても分かるんだけど。
保田は厳しい表情で私たちが来るのを見ると単刀直入に言った。
「営業妨害になるから、今後来ないで欲しい。言ってる意味分かるよね?」
穏やかに言っているが、威圧的な物を感じた。
「はい」私が言うと同時に、よっすぃーは訳が分からないと言った表情で
「な、なんでですか?」と聞き返した。
(お〜い!ほんとに、よっすぃーイっちゃってるのか!?)
保田はカチンと来た様子だった。
「石川に、まとわりつくのが迷惑だって言ってるの。あの子はバイト
始めて間もないんだし、この土地に引っ越して来て、まだ不安な点も
いっぱいある。それなのに、あんたみたいなストーカーが現れちゃったら
ますます不安になっちゃうじゃないの!」
- 8 名前:よっすぃ〜記念日 投稿日:2001年06月13日(水)07時26分18秒
- 凄い剣幕で話してるけど、そんなに情報をストーカー(よっすぃー)に
教えちゃっていいのか?よっすぃーは、怒られてるのに、目が爛々と輝いちゃってる。
これじゃぁ、ますます喜んじゃうよ!保田さんって結構バカ?
私は内心笑っていた。まぁストーカーって言っても、よっすぃーみたいのなら
歓迎かも知れないけどね。よっすぃーは、胸を張って、保田に言い放った。
「私がストーカーから、梨華ちゃんを守ってみせますよ!」
(あちゃ〜、よっすぃーって、そぉ〜とぉ〜分かってない…)
見ると保田は、目が点になっていた。。。
- 9 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月14日(木)03時10分30秒
- 恋は盲目…なんて宣言してんだよ!?
- 10 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月14日(木)14時23分01秒
- よっすぃ〜がバカすぎてかわいい(w
- 11 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月15日(金)07時27分35秒
- さすがの保田も切れたようで、店内に入るとレジにいた石川さんを呼んで連れて来た。
突然呼ばれた石川は泣きそうな顔をしながら私たちの前に来た。
「石川、この子に、ハッキリと言いなさい。私が言っても的外れな事しか
言わなくて埒があかない」
(まぁストーカーに何言っても分かってもらえるとは思わないけど。)
石川は俯いていたが、はっきりとひとみの顔を見ると、きっぱりと言った。
「迷惑なので、もうここには二度と来ないで下さい。ごめんなさい」
石川は、何故か謝って頭を下げると店内に小走りに入って行った。
- 12 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月15日(金)07時37分13秒
- 更新です。
感想くださった方、ありがとうございます。
夜か明日にでもまた更新する予定です。
話が、なかなか前に進みませんが、読んでくださいね。
- 13 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月15日(金)16時55分58秒
- いい感じっす♪
続き、期待してますね〜
- 14 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月15日(金)18時17分44秒
- さすがの、ひとみも酷く落胆したようだった。
「すみませんでした!」
真希は頭を下げると呆然としている、ひとみの手を取り走るようにして帰って行った。
「なんでだよぉぉぉぉ」
ひとみはショックで涙も出ない様子だった。
「よっすぃーさぁ、石川さんが好きなのは分かるけど相手の気持ちも
考えないと…。あんまり過ぎた行動すると逆に相手はひいちゃうよ?(もうひいてるけど)」
「梨華ちゃんが出て来たのは予想外だったなぁ。保田さんと、あそこまで
やるつもりなかったんだけど、気付いたら変な事言ってたね私。」
(よっすぃー、わざとあんな事言ったのか!却って逆効果のような気が…)
- 15 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月15日(金)18時18分20秒
- 「とにかく、もうあのコンビニには行けないね。」
私は正直ほっとしていたけど、もうすぐ2学期も始まるし、早々行けなくなるよね。
部活も始まるし。どっちにしろ、もう行けなくなるだろう。駅も1つ離れているし。
「せめて、どこの学校か聞いておけばよかったなぁ。でも考えたら自分の名前も言っ
てないし、会話らしい会話してないんだよなぁ(涙)
さっき保田さんに言われた事もわかるんだけど、梨華ちゃんに会えるのここだけだし。
バイト終わって尾けてたら、それこそ本当にストーカーになっちゃうもん」
よっすぃーは寂しそうに言った。
「私も協力するから元気だしてよ、よっすぃー」
「ありがとう、ごっちん…。もう帰ろっかー」
「うん」
(よーし!よっすぃーのために、何とかしなきゃね)
- 16 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月16日(土)06時03分52秒
- ここのよっすぃーいいですね♪
頑張れ〜よっすぃー!!
- 17 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月16日(土)08時13分32秒
- 「2学期」
2学期が始まって数日。またいつもと変わらない学園生活。
「よっすぃー先パーイ(はぁと)」
「元気でしたかぁ?(笑顔)」
「会えなくて寂しかったですぅ(泣)」
ひとみの取り巻き連中の声声声………
(あ〜ぁ。梨華ちゃんと同じ学校だったらもっと楽しいのになぁ)
そう思いながらも「おはよ〜」と笑顔で答える。
保田に忠告されて以来、梨華とは会っていない。
(夏休みの宿題に追われていたっていうのもあるけど)
だからって勿論、梨華を諦めた訳でもない。
久しぶりに会いに行こうかとひとみは考えていると・・・
- 18 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月16日(土)08時14分07秒
- 「よっすぃ〜!久しぶりぃ〜♪相変わらず、かっけ〜なぁ」
と言うやいなや、矢口先輩がおんぶする形でひとみに被さる。う…。
矢口真里。身長は小さいが、高等部の2年で、同じダンス部の先輩である。
何度もひとみに告白してるが振られても構わずに、デートを申し込んだりするツワモノ。
先輩だからむげにも出来ない。何か楽しんでる風でもあるのだが。
「一夏の経験で一皮剥けたか?」
「はぁ?矢口先輩何言ってるんですかぁ?暑いから離れて下さいよぉ」
幾ら小さくてもおんぶは重い…。
(あ〜コレが梨華ちゃんだったらなぁ。でも梨華ちゃんは、こんなに小さくないよな)
「っとに、何ブツブツ言ってんの?」
(うげっ。聞こえちゃったかな…(汗))
矢口は気にしてない様子で背中から離れた。そして真希に向かって言う。
「ごっちん、お前も元気か?」
真希は、またかいと言った顔で苦笑いしながら言った。
「そんな付け足しのように言わないで下さいよぉー」
「いつも、よっすぃーの付き人ご苦労様!」
「誰が、よっすぃーの付き人なんですか!!!」
相変わらずのやり取りが続く。なんかこの二人面白いんだよね。
- 19 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月16日(土)08時15分01秒
- 「始業ベル鳴りそうなんでお先に失礼します!」
ひとみは矢口先輩に頭を下げると、真希を置いて先に教室へと行こうとした。
(矢口先輩といると、時間かかるんだよな。)
「待ってぇ〜!」
後から真希が追いかけて来た。
「今日さ、部活ないんだよね、一緒に帰ろう!で、石川さんに会える
作戦でも考える?」
真希はなんだか嬉しそうに言う。
「う〜ん、そうだね〜。作戦会議でもしようか…」
(うぅ…早く会いたいよ〜!梨華ちゃん!)
ひとみは、なんだかわくわくしてきたのだった。
- 20 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月16日(土)08時17分42秒
- 更新です。
>13番さん、16番さん
ありがとうございます。青板でも、こっそり書き始めた
ので見て下さい。「揺れる想い」です。
- 21 名前:フジケン 投稿日:2001年06月17日(日)00時20分21秒
- 同じ赤坂で小説書いてるフジケンって言います。おもしれーっす。
頑張って下さい!!
- 22 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)11時25分33秒
- フジケンさん>
ありがとうございます!
私もフジケンさんの小説楽しく読ませていただいてます!
ってことで、更新♪
- 23 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)11時27分13秒
- 「再会」
昼休み。校庭で遊んでいる生徒達をぼんやりと眺めてた。
10人くらいで囲んでバレーボールをやっている。
(あ!あの人・・・・)
梨華の目が釘付けになる。あの人、ここの生徒だったんだ…。
保田店長が忠告して以来、まったくバイト先に現れなくなり
ほっとしていた梨華だったが、同時に、なんで来なくなったのか?と
逆に不安になったりもした。迷惑をかけられたのは自分の方なのに、
全く損な性格をしていると思う。
「梨華ちゃんも、気になるの?」
「え?」
ふいに聞かれて、梨華は戸惑った。
「よっすぃーは、中等部の3年なんだけど、ここの学校のアイドルだもんね。
梨華ちゃんが目に入るのも無理ないよ」
柴田あゆみも、校庭に目をやると、ひとみの事を説明し始めた。
ダンス部に所属していること、成績も優秀で後輩の面倒見も良い事などなど。
- 24 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)11時28分01秒
- 梨華は2学期から、この学園に転入してきた。まだ慣れない梨華に
最初に接して来てくれたのが、隣りの席のあゆみだった。
(あの人、吉澤ひとみって言うのか。そう言えば、いっつも立ち読みしてた子が、
後藤さんか、よっすぃーって言ってたっけ。そんなに人気あるんだ。)
あの時は、保田店長の方がナーバスになっていた。
確かにバイト始めたばっかりで、慣れずに緊張していた時にひとみが現れて、
最初自分の顔をじっと見るからますます緊張してしまったのを覚えている。
今思えば、自分より店長の方が煙たがってた感じだった。
(吉澤さん…背も高いし、色白だし、かっこいいとは思うけど・・・)
梨華のひとみの印象は、レジの近くで自分を見つめてるとことか
いつもお釣りを取る時に、手を握るとか、変な時の記憶しかないので
理解に苦しんだ。確かに、爽やかな笑顔といい、人気があるのは分かるけど、
梨華に対しての接し方が異質だったので、どうもひとみに関してのイメージが
良い方に沸かなかった。
(私に対するあの態度はなんなのかなぁ…。)
- 25 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)11時28分59秒
- 「柴田さん、詳しいんだね」
あゆみは少し照れて言う
「私も、結構よっすぃーの事好きだから。いつも一緒にいる、ごっちんと
仲良いから自然とよっすぃーの話も入ってくるんだ」
「付き合ってる人いるのかな?」
何気に訊いた梨華はハっとした。
(もう、私ったら何訊いてるんだろ…)
「いないみたい。何人にも告られてるけど実際付き合った事
ある人はまだいないんだよ。理想が高いのかなぁ。
まぁよっすぃーと釣り合う人ってあんまりいなさそうだけど。
梨華ちゃんも、よっすぃー紹介してあげようか?」
「あ。いいよ、いいよ。そんな…」
梨華はびっくりすると手をふってことわった。
(でも、なんか誤解してたかな?謝りたいな。)
梨華は、ぼんやりと、校庭をまた見ていた。
- 26 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)15時49分06秒
- 「再会」
「何とか会える方法ないかなーっ。偶然でもいいから」
帰り支度をしながら、ひとみが言う。
「駅も違うのに、偶然もないと思うよ〜。あやしすぎだよ」
と真希は言ったものの、ひとみには、梨華と付き合って欲しいとも思う。
生まれて始めて本気で好きになったらしいひとみの恋。まっすぐすぎて
暴走して、相手にひかれてしまったけど、梨華には本当のひとみを好きに
なって欲しかった。
(まぁ私が言う事じゃないけど。誤解は解いてあげたい。)
作戦会議と言うよりは、単に梨華の話を聞かされただけに終わってしまった。
「今日あたり、よっすぃーの変わりにコンビニ行ってみようか?」
「私も行くよ」
「あの保田って店長がいなければいいんだけどねぇ。なんか怖いよね」
階段を下りながら下駄箱へと向かう。
- 27 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)15時50分45秒
- 一方梨華は・・・
(やっぱり、柴田さんに紹介してもらえば良かったかなぁ…。)
梨華は少しだけ後悔していた。
中等部と高等部は離れているので、何か用がない限り行く事はない。
まして、転入してきたばっかりの梨華には、知り合いがいる訳でもなく
更に行く用がなかった。
下駄箱の前でぼんやりと考えている梨華。
(なんか私、すっごく吉澤さんの事気になってるじゃん。なんでだろ。
もう、とっとと帰ろう。)
梨華は誰も見ていないのに、少し顔を赤くした。思い直して靴を履き替えよう
とした瞬間、階段から2人の声がしてきた。何故か隠れる梨華。
(は!もう何で隠れるんだろ。私悪い事してる訳じゃないのに…)
耳を澄ませていると・・・
「あ〜〜〜!忘れ物〜〜!先行ってて、ごっちん!すぐ行くから!」
ごっちん????
「うん。よっすぃー早くね〜!」
よっすぃーー???
(まさかの吉澤さんと後藤さん????)
- 28 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)15時53分02秒
- パタパタと階段を駆け上がる音がする。
梨華はビックリして立ち上がってしまった。
そして靴箱の開いていた扉に頭を思い切りぶつけてしまう。
扉を開けっ放しにしてるのをすっかり忘れていたのだった。
−ゴン!!−
「きゃっ☆!(いたたたたたた…(涙))」
目から星が出るかと思うくらい痛かった。
「!?」
人の気配に気づいたらしい真希は梨華の方に歩いて来た。
「(あれ?何か今凄い音がしたけど誰かいるのかな?)大丈夫ですかぁ?」
真希は声の主が梨華とは気づかずに近づいて来る。
- 29 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)15時55分21秒
- (後藤さんがこっち来ちゃう!(焦))
そう思った時には、すでに真希は後ろに来ていた。
頭を押さえてうずくまっている梨華の肩を叩く。
声をかけようと思い、真希は顔を覗き込むと、梨華が涙目で
ハンカチを出すところだった。
「あ゛〜〜〜〜〜〜!!!石川さん!???な、なんで此処にいるの?」
驚きのあまり、真希は大声をあげてしまう。
「こ、こんにちは(涙目)」
「石川さん、ここの生徒だったんですね〜。うわ〜スゴイスゴイ。
何年生なんですか?」
(何が凄いんだか、後藤さんは興奮状態で一人でペラペラ喋っている。
もぅ、痛くてそれどころじゃないのに…)
と、急に何かを思いついたのか
「あ゛石川さん!これからよっすぃー来るけど、私先に帰るんで
後は宜しく頼みますぅ〜」
手を合わせ拝むような仕草をすると真希はナゾの笑みを残して
帰って行ってしまった。
「ちょ、ちょっと後藤さ〜ん!!!」
一人残された梨華は、立ちつくしていた。
と、そこへ入れ替わるようにひとみが駆け下りて来て下駄箱へと向かう。
「ごっち〜ん、お待たせ〜!!!」
・・・・
「あれ?いないじゃん…」
- 30 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)15時59分57秒
- 梨華はハンカチを握りしめながら”後藤さん引き留めておけば良かったぁ”
と後悔した、その時だった。
「もぅ、ごっちん、こんなところにいたのかぁぁぁ〜!」
まさか真希以外の人がいるとは思わなかったひとみは、それが真希だと
信じて疑わずに後ろから抱きついたのだが………
「・・・(ひゃぁ!)・・・」
(反応がない…。いつもなら『何するんじゃぁ!』って振り返るのに。
違う?そう言えば、ごっちんは、もうちょい背が高くて、肉付きも
良かったっけ…。この人は、ちょっと小柄で華奢な感じが・・・・)
「ご、ごめんなさい!!!!!!」
ひとみは、慌ててパッと離れた。
(うげー!私とした事が…。超恥ずかしいじゃん!!!!!!)
それに良く見れば、制服が違う・・・。
- 31 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月17日(日)16時04分22秒
- 一気に更新。
まだ、あと少し書き溜めてあるのでコンスタントに
アップ出来そうです。
明日の朝か夜にはアップ予定っす。
※しかし、二人の出会いまでがマターリしすぎましたね(w
- 32 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月17日(日)18時22分11秒
- たまらんっす(w
- 33 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月18日(月)21時40分31秒
- 梨華は梨華で、いきなり抱きつかれた事で、動揺しまくっていた。
「こ、こんにちは…」
梨華は何と答えていいか分からずに、取りあえず挨拶をした。
今度はひとみが動揺する番だった。
「え!?り、り、りっ梨華ちゃん!???」
校内に響き渡るかのように大声をあげるひとみ。
ビックリして更に目を大きく見開いた。
「どっどっどっどーして此処に????」
「あ、あの二学期から転入して来たんです」
「そ、そうですか!」
ひとみの頭は真っ白にとんでいた。
梨華に会った時に話す事は色々と考えていたのに。
- 34 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月20日(水)07時26分37秒
- 「あ、あの私、吉澤ひとみって言います。ここの中等部3年で
ダンス部に所属しています。宜しくお願いしまっす!」
深々とお辞儀をする。
(も〜私、なにいきなし自己紹介してんだろ。あっ、そうだー!)
「いきなり抱きついてごめんなさい。友達だと間違えて…(恥)。
あとコンビニではごめんなさい。反省してます…。」
またもや頭を下げるひとみ。
「わ、私の方こそごめんなさい。なんか出入り禁止くらったみたいで。」
梨華もすまなさそうに言う。
「いや、私の方が悪かったんで…。梨華ちゃんがあまりに可愛いんで
つい…(ってオヤジみたいじゃん私)」
「え?」
赤くなる梨華。
「あ、いやいや(ホントなんだけど)」
慌てて否定する。
(なんか私、一人で喋りまくってるなー)
- 35 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月20日(水)07時27分28秒
- 梨華は言いにくそうな顔をしていたが、思い切って聞いてきた。
「吉澤さんて、普段でもあーいう事するんですか?」
「あーいう事って???」
一瞬にして、頭を巡らせる。抱きついた事か?コンビニでの事か?
「しないしないしない!!!!」
即座に否定する。
「じゃぁ、なんで私に…」
梨華は視線を落とした。
(うわ〜ヤバイよ〜(焦))
「そ、それは梨華ちゃんが気になる存在で、行動が先に出てて、
後で冷静に考えたらそれが逆に嫌われる原因って言うか迷惑に
なるって気づいたんだけど。気づいた時にはもう会うきっかけが
なくて、、、どうしようかと思ってて。ホントにごめんなさい!」
(あ〜、なんか最悪だぁ。謝ってばっかりだよ私(涙))
「だから梨華ちゃんと、、、そのぉー友達になれたら嬉しいなーって思って……」
最後の方は声が小さくなってしまった。まともに顔を見れない。
梨華は俯きながら話を聞いていたが、少しして、ひとみの前に
笑顔で手を差し出した。
「高等部1年の石川梨華です。よろしくね」
ぼーっとしていたひとみだったが、
「あ、はっはい!こちらこそ宜しくお願いします!」
(ヤッター!!)ひとみは心の中でガッツポーズをしていた。
- 36 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月21日(木)07時51分33秒
「と言う訳なんよ〜」
ひとみの部屋。
さっきから終始にやけた顔で下駄箱での話を繰り返していた。
真希は家に帰った後、何も言って来ないひとみの反応が
気になり、夕飯後、ひとみの部屋に押し掛けたのだった。
真希が先に帰ってしまったことを、すっかり
忘れていた事や、真希と間違えて抱きついた都合の
悪い話は当然していないのだが。
「じゃぁ〜晴れてお友達になれた訳だ。石川せ・ん・ぱ・い・と!」
年上と分かってからは、真希は梨華を先輩付けしていた。
「ホントは勢いで告白しようかと思ったんだけど、フラれたら
イヤだから守りに入っちゃった。これから私の事分かってもらって
それからでもいいかなと・・・」
へへへとクッションを抱きしめながら、ひとみはうっとりとしていた。
(結構、よっすぃーって純情じゃない。可愛いヤツ。やっぱり女の子なんだね。)
- 37 名前:名無しぃ 投稿日:2001年06月21日(木)18時59分38秒
- よっすぃ〜ののろけっぷりがたまらんです(w
- 38 名前:SHURA 投稿日:2001年06月22日(金)21時19分01秒
- 青板の方も見てますよ。
こっちの2人もあっちの2人もいいですね〜。
- 39 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月22日(金)22時28分13秒
- 当たり前の事に感心しつつも、一つ二つ不安がよぎった。
「でも、よっすぃー、校内で堂々と石川先輩とお友達しちゃうの?
今まで私以外の友達とは、そんなにつるんでなかったじゃん?
矢口先輩とかは別にしても。。。特にあのミニモニ。軍団はうるさそうだよ。」
ミニモニ。とは、ダンス部の中のユニット名で、その名の通り身長の低いメンバー
中1の加護亜依(あいぼん)辻希美(のの)と高2の矢口真里の3人で形成されている。
何が「モニ。」なのかは良く分かっていないが。
逆にダンス部の部長 高3の飯田圭織(ひとみより背が高い)とひとみで
デカモニとか言われている。当のひとみは、迷惑がってるらしいが。
「加護と辻はいいにしても、やっぱり矢口先輩かぁ。頭痛いなぁ。
飯田先輩も何気に怖いし。。。」
飯田圭織。長身で長い黒髪に大きな瞳が印象的だ。モデルのようにすらっとしている。
ただ、時々宇宙と交信するのが…。最初はビックリしてしまったが今は慣れてしまった。
ダンス部に入ったのは、矢口の強力プッシュの元だったのだが飯田はあまりいい顔をしなかった。
ひとみ目当ての入部希望者も後を絶たないし、モテるのが気に入らないらしい。
飯田先輩も充分モテそうなんだけどなぁ。
- 40 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月22日(金)22時29分02秒
- 「矢口先輩は、ごっちんに任せるとしてー」
「任せるって何よ〜!」
真希は勘弁してと言う顔をする。
でも、それより真希が心配なのは、梨華の事だった。
一見すると大人しそうに見られるし、まして転入してきたばっかりで
ひとみと友達になるなんて今までにない事だ。それで陰でいじめられたりしないかと。
ひとみには言ってないが、真希も嫌がらせをされた事がある。
単なるひがみと分かっていても、女子校故、陰湿な所もあったりする。
(石川先輩、苛められそうなタイプだもんなぁ。言い返せるタイプじゃ
なさそうだし逆に泣いちゃいそう。私が会う時の石川先輩っていつも
涙目になってたしなぁ。頭ぶつけてたのは笑っちゃったけど。)
そんな真希の心配をよそに、ひとみは、ちゃんとあるコトを考えていた。
「ごっちん、明日か明後日、一芝居するから手伝ってね」
「一芝居????」
「その前に事前調査しないと…」
- 41 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月22日(金)22時36分51秒
- 更新です。なんかダラダラすぎて話が進まなくてすみません。
>名無しぃさん
早く話を進展させてあげたいんですが(w
ちょっと登場人物出しすぎですね。殆ど絡んで来ないんですけど。ぉぃ
>SHURAさん
ありがとうございます。なんとか頑張ります。
- 42 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月23日(土)01時30分20秒
- 吉澤、すごい計画的っすね(笑
- 43 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月23日(土)17時08分15秒
- 翌日の昼休みに、真希は偵察の為に1人であゆみのクラスに行った。
ひとみは、昨日は興奮して眠れなかったらしく、
珍しく昼休みは机につっぷして寝ていた。
教室を覗き込むと窓際の列に、あゆみと梨華が話してるのが見えた。
(なんだ、あゆみちゃんと石川先輩、友達だったんだ。話は早いぞ!)
真希は呼び出すまでもなく、勝手に教室に入って行った。
「あゆみちゃ〜ん!」
あゆみと梨華が真希の方を振り返った。
「ごっちん」「後藤さん」同時に言う。
「あれ?ごっちん、梨華ちゃんと知り合いだったんだ?」
あゆみは不思議そうに聞いた。
「こんち〜!や、知り合いって言うか、昨日下駄箱でバッタリ会って・・・。」
なんだか良く分からない説明をした。
「そういえば、ぶつけたところ、大丈夫ですか?」
「う、うん」
梨華は昨日の事を思い出すと顔が赤くなった。
(恥ずかしいなぁ。そう言えば、後藤さんに見られちゃったんだっけ。
あの後の事は知ってるのかな。)
梨華はあゆみには、ひとみの話をまだしていなかった。
真希が何か言うのではないかとドキドキしていた。
- 44 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月23日(土)17時09分18秒
- 「あゆみちゃんを、ちょっとお借りしますね」
あゆみの腕を取ると、真希は廊下に連れて出て行った。
なにやら、ひそひそと話をしている。
あゆみの「えーー???」と言う声が聞こえた。
(吉澤さんの例の話かなぁ。なんか、どきどきしてきちゃった。)
梨華は、はぁっとため息をついた。
- 45 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月24日(日)14時39分21秒
- 真希が自分の教室に戻ると、丁度ひとみが、のびをしているところだった。
「あ〜、どこ行ってたの〜?」
「どこって、あゆみちゃんのとこ…。石川先輩も同じクラスだったよ」
小声で言ったのに、ひとみが過剰反応する。
「えぇぇぇ〜〜〜!??ずるいよソレ!」
教室にいた生徒が一斉に、ひとみの方に注目する。
真希は、ひとみの腕を取ると、廊下に連れ出す。
「もぅ、声でかいよ〜。」
「だって〜。私会ってないのに…」
「よっすぃーが、あゆみちゃんに話聞いてこいって言ったんじゃない!」
「梨華ちゃんと同じクラスなんて知らなかったもん」
ひとみがむくれている。梨華と会ったのが気に入らないらしい。
「私だって知らなかったよ。で、一応あゆみちゃんにも話振っておいたから」
真希は本題に入った。
「なんか怪訝そうな顔してたけど、まぁ大丈夫っしょ」
(まぁ、あゆみちゃんもよっすぃー好きだから、面白くないだろうなぁ。
でも、そんなんで文句言うあゆみちゃんじゃないもんな。)
- 46 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月24日(日)14時40分38秒
- 「じゃぁ、これから行こうか?」
ひとみは真希の腕を引っ張った。
「えー?早すぎない???それに時間ないよ」
そう言った時には、もう梨華の教室に向かって走り出していた。
「善は急げだよ〜!」
「よっすぃー行動に出るの早すぎ〜!」
- 47 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月24日(日)14時42分20秒
- 梨華のクラスに着くと、ちらっと確認して、
ひとみは、梨華を見つけると、ちょっと大げさにびっくりしたように言った。
「梨華ちゃん!?久しぶり〜!!ひとみだよっ。覚えてるー?」
(もう、なにが久しぶりだよ、昨日会ってるくせに。)
真希は、一人ツッコミをしている。
「え?ひ、ひとみちゃん?」
(あ〜、石川先輩も白々しいなぁ。)
「よく小っちゃい頃、遊んだよねぇ。またこっちに戻って来たんだ。」
(初めて会ってから、1ヶ月くらいしかたってないじゃん)
「うん。って言うか、私だけ戻って来たんだけどね」
「あれ?二人とも知り合いだったの?」
(あゆみちゃん、棒読みー!って次私の番か)
「うわ〜、知らんかった」
(私も、結構嘘臭いなぁ(苦笑))
「まだ、ごっちんと知り合う前だったからね。
小さい頃から梨華ちゃん可愛かったけど、今も可愛いね〜。
元気だった?昔はよくいじめられてる梨華ちゃんを助けたっけ。
梨華ちゃん何も言わずに引っ越しちゃうんだもんなー」
ひとみは、さらさらと喋り続ける。クラス中、注目の的だ。
(おいおいおいおい、よっすぃー喋りすぎ。クールに決めるとか
言っちゃって、石川先輩の前だと駄目だねぇ。)
- 48 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月24日(日)14時43分41秒
- 「あーー、なんか、突然の再会でとまどってるみたいだからさー、
取りあえず、場所移動して、話そう!」
(っとに、あゆみちゃんも何か言え!!!)
真希は、みんなを促すと、教室から出ていき、とりあえず屋上へと向かった。
「もー、あゆみちゃんもボーっとしてないで喋ってくれなきゃー!」
真希は、屋上に着くと、あゆみに言った。
「ご、ごめんねー。よっすぃーに圧倒された」
あゆみは苦笑いしている。
さっきから黙っていた梨華が口を開いた。
「さっきの、あんなんで良かったかなぁ。吉澤さんのこと
ひとみちゃんって言うのにテレがあって…」
「うん!バッチリバッチリ!バッチグー!(死語)」
ひとみは満面の笑み。
「これからは”ひとみ”って呼んでね!」
「う、うーん…」
梨華は照れている。
「もー、よっすぃー実はソレが狙いだったかー!計算高いなー!」
真希がひとみの背中をバシっと叩く。
「ち、違うってば〜!!(って実はソレもあるけど)」
- 49 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月24日(日)23時45分35秒
石川にメロメロなよっすぃ〜萌え〜(w
- 50 名前:ラック 投稿日:2001年06月25日(月)00時58分42秒
- よっすぃ〜に強引にせまられる梨華ちゃんに萌え〜
- 51 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月25日(月)19時06分09秒
- 「とりあえず、あゆみちゃんは石川先輩のフォローしてね」
真希は、あゆみに言う。
「うん。でも、よっすぃー演技うまいねー。演技とは思えなかったよ」
「あー、あれ?あれは実際に、そうゆうコがいたから。引っ越してから、
どうしてるか知らないけど。」
実際の、その子には興味のない様子だ。
「よっすぃー演劇部でもやっていけるんじゃない?」
あゆみが言う。
真希は『演劇部』と聞いて去年の事を思い出してニヤニヤしながら言った。
「今年もまた、演劇部の助っ人に出たら?なっち先輩喜ぶんじゃないの?」
- 52 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月25日(月)19時07分25秒
- 『演劇部』と聞いて、ひとみは少しイヤな顔をした。
なっち先輩とは、演劇部の部長で高等部3年。安倍なつみ。
演劇部は部員も少なく廃部寸前でも、なっち先輩が健気に頑張っている。
飯田圭織と仲が良いコトもあって去年の学園祭では、演劇部の寸劇で飯田
に頼まれて、ひとみは飛び入り参加をした。思いの外、大盛況となり
ダンス部よりも盛り上がってしまったので、後から飯田に
盛り上げすぎだと注意を受けたのだった。
「私は飯田先輩に言われて出ただけだもん。
それに今年は、ののが助っ人に出るらしいしね。」
ひとみは自ら出た訳ではないと言いたげに主張した。
ただ楽しかったのは事実だが。
「なに?もう、そんなコトまで決まってんの?まだ学園祭先じゃん」
真希が口を挟む。
「うん。経費節減で何か{顔芝居}とかやるみたいよー。
紙芝居みたいなもんらしいけど・・・。よく、なっち先輩
ダンス部に来て、飯田先輩と話してるから」
「ふぅん、紙芝居ねぇ…」みんな苦笑いしている。
- 53 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月25日(月)19時08分21秒
- 「そう言えば、石川先輩はクラブに入らないの?」
真希は帰宅部のくせに、聞いてみた。
「ホントは入りたいんだけど、今はバイトが忙しくてー」
(はぁ。。。可愛い声だよ、梨華ちゃん(はぁと))
「前は何やってたの?」
「テニス部だったの」
「テニス部かぁー。テニス部もいいよねぇ。」
ひとみは、梨華のテニス姿を想像した…。
(いやー、可愛すぎるっス(照れ))
- 54 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月25日(月)19時09分28秒
- (もー、よっすぃー、また一人の世界にいっちゃってるよ。)
すかさず真希が突っ込む。
「もぅ、よっすぃーどの部でもいいんじゃないのー?」
「は?」
「実はねぇ、よっすぃーって、ほんとはバレー部に入るつもりだったのに、
よっすぃーってば矢口先輩の”ゆで玉子&ベーグル1年分”の言葉につられて
ダンス部入っちゃったんだよねー。」
「「え?そうだったの?」」
あゆみと梨華が口を揃える。
「ちょ、ちょっと、そんなコト今さら言わなくたって!」
ひとみは顔を真っ赤にしている。その話は、真希と矢口しか知らない。
矢口には、絶対飯田には言わないように言ってある。
しかし実際は、1年分ではなく3日分しかもらってないので騙されたクチなのだが。
(くそー、梨華ちゃんに聞かれてしまったー(涙)ごっちんのバカやろう!)
- 55 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月25日(月)19時11分03秒
- 「じゃぁ、矢口先輩が演劇部だったら演劇部に入ってたってコト?」
(あゆみちゃんまで・・・(泪))
「そうゆうことだよー。落語研究部だったら、落語研究部に入ってたんだよ〜」
真希は、ぎゃはは☆と笑っている。
(勝手なコト言って〜!落研なんかないだろっ!(怒))
梨華も、くすくす笑っている・・・。
(あぁ、梨華ちゃんにも笑われてしまったー(涙))
真希とあゆみは、またすぐに元の話に戻った。
(おいおい、フォローなしかよ〜!まぁ事実だけど(泣))
ひとみは梨華を見ると、情けなく微笑んだ。
(うぅ最悪…)
「あゆみちゃんもさぁ、廃部寸前の演劇部を救うと思って
演劇部入れば?もう、さっきの棒読みだったよー!」
「ごっちんこそ、白々しかったじゃん。」
二人とも、クラブに参加していないので言いたいコトを言っている。
- 56 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月25日(月)19時12分59秒
- 「今日、梨華ちゃんのバイト終わったら、一緒に食事でも、どうかな?」
ひとみは、気を取り直して梨華に言った。
「あ、でも終わるの遅いし、吉澤さんも部活あるんでしょ?」
(がーん!もしかして、断られてる?(泣))
「いや、全然平気だし、梨華ちゃんとお話ししたいから!
待ってるから〜。ダメかな…。」
(なんか弱気な私・・・)
「いいんだけど、吉澤さんに悪いから」
「悪くないよ〜。決まりだねっ!」
「うん、分かった」
半ば強引に決めてしまった。
(あぁ、やっぱり吉澤さんかぁ(泣)。せめて、よっすぃーって
呼んで欲しいなぁ。でも、これで取りあえず梨華ちゃんと会えるね〜♪)
- 57 名前:よっすぃー記念日 投稿日:2001年06月25日(月)19時16分34秒
- 一気に更新です。
ストックがないので、今後はゆっくりになりそうです。
- 58 名前:ラック 投稿日:2001年06月25日(月)19時36分00秒
- 会話のやりとりのなかの
よっすぃ〜の気持の書き方がほんとうまいなぁ〜
ゆっくりでもいいので頑張ってください。
- 59 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月27日(水)07時50分16秒
- 放課後、部活に行く用意をしていると
昼休みの噂は瞬く間に広がっていて、案の定、
矢口先輩に部活が始まる前に呼ばれた。
「吉澤さぁ・・・」
矢口が呼び捨てにする時は、ロクなコトがない。
「は、はい?」
「1年の石川って転入生と、どうゆう関係なの?」
(む。私の梨華ちゃんに向かって呼び捨てとは!!(怒))
「どうって、幼なじみですよ。幼なじみって言うか
子供の頃に一緒に遊んでただけですけど」
「ふぅん…」
矢口は納得出来ないと言う顔をして腕組みしている。
「その割に、吉澤随分、嬉しそうだったよね。」
「それが何か?」
ひとみは、顔がにやけそうになるのをこらえた。
(嬉しそうって、実際見たんですか!)
「いや、別に…」
何か言いたげだったが、飯田が来たので、そこで話は中断された。
- 60 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月27日(水)07時52分12秒
- こちらも名前コレでいきます。
ラックさん、ありがとうございます。
やっとあと少しで、よっすぃーと梨華ちゃん2ショット会話です(w。
長かった。
- 61 名前:ラック 投稿日:2001年06月27日(水)21時56分24秒
- 同じ名前にしたんですかぁ〜
よっすぃ〜と梨華ちゃんの2ショット会話超期待です。
こっちの邪魔者はヤグタンかなぁ〜?
- 62 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月27日(水)22時33分16秒
- 部活が終わって、気持ちは梨華ちゃんに一直線!だった
ひとみに、帰りがけに、また矢口に呼び止められた。
「よっすぃー!今日、なんか食べて帰ろうよ。それにさっきの話の続きもあるし」
(ったく、絡んで来るなぁ。私は話しなんてないのに。早く帰らせてよ)
「今日は、ちょっと用事あるんですけど〜」
やんわり断ろうとすると、そこへ、辻と加護もやってきた。
「吉澤せんぱ〜い!一緒にご飯食べましょうよ〜」
「おごってくださ〜い」
二人はひとみの両腕に強引に腕を絡めて来る。
(なんで、今日に限ってののと、あいぼんまでくっついて来るんだよ!
矢口先輩とグルなのか!お前ら!(怒))
「それは、矢口先輩に、おごってもらってね〜」
いつもだと、そんなコトで怒るひとみでは、ないのだが、
心は梨華に行ってるので言葉は穏やかでも目は笑ってなかった。
「吉澤先輩、こわぁい」
「そんなに、怒っちゃダメれすよ〜」
- 63 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月27日(水)22時34分01秒
- ひとみは早く帰りたかったのだが、結局3人と食事をするコトになってしまった。
あれこれと聞かれたが、適当に答えておいた。
子供の頃の記憶なんて、曖昧だから、何とでも言える。
結局、なんだかんだで付き合わされて、家に帰って着替える時間もなくなり
そのまま、梨華のコンビニまで来てしまった。
ひとみがここに来るのも久しぶりである。
保田店長も元気だろうか。あの時はヘンなコトを言って更に変人に
思われてしまい、逆効果だったが。
外から覗いてみると、梨華ちゃんが慣れた手つきで対応していた。
(良かった、だいぶ慣れたんだね〜。最初の頃はおぼつかなかったけど。
1ヶ月前の事を思い出すよ)
コンビニの制服姿も可愛いなぁ…と見とれていた。
- 64 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月27日(水)22時35分23秒
- 折角チャリに乗って、後ろに梨華を乗せて二人乗り♪まで考えていたのに
計画丸つぶれだ。尤もバイト先から梨華の家までは歩いても数分なのだが。
(くそー!お腹もタプタプだよ。)
控えればいいのだが、つい、おかわりを勧められると、ことわれない性格で
さっきのファミレスで5杯も飲んでしまった。
(貧乏性だよなぁ私って)
おまけに、付き合わされたあげくに辻の分までおごらされて
ひとみの財布は大ピンチであった。
(レイクエンジェルでも現れたらなぁ…。CMの見過ぎか。
これじゃぁ、梨華ちゃんの分おごってあげられないなぁ)
「ちょっと、あんた、また来たの?」
現れたのはレイクエンジェルではなく、保田だった。
「あ、あ〜、お久しぶりです!」
ひとみは、お辞儀をした。
「まぁ、石川から話は聞いたけどね。吉澤さんだっけ、同じ学校だったのね」
「同じ学校って?」
話を聞くと、保田もウチの学園出身らしかった。
そして、ひとみの担任の中澤裕子とは今でも交流があるらしい。
関西出身バリバリの関西弁で喋る金髪でカラーコンタクトいれて
教師には見えない教師。でもサッパリした所が生徒には人気があった。
言いたいコトをずばずば言う先生ではあるが。
「中澤先生には、梨華ちゃんと此処で出会った事言わないで下さいね」
釘を刺しておく。折角、今日の芝居が台無しになってしまう。
保田には、簡単に経緯を話しておいた。
それを聞いた保田はニヤリとして言う。
「しっかし、よく考えるねぇ。そんなの「好きだ」って
言えばいいじゃない。学校でもモテモテなんでしょ?」
「いや、まだ「好き」って言えないです。照れちゃって…自信もないし」
ひとみは、頭をかきながら俯いた。それは本心であった。
「まぁ、いいわ。裕ちゃんには黙っておくよ。もうすぐ石川も
あがるから、もう少し待っててね。じゃぁ」
「はい」
ひとみは、頭を下げた。
保田が中澤と繋がりがあったとは、ひとみもビックリだった。
どこで、どう繋がってるか分からないものだ。
(なんか、やりにくいなぁ。矢口先輩も要注意だし…)
尤も、やりにくくしたのは、ひとみ自身なのだが。
- 65 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月27日(水)22時40分50秒
- ラックさん、レスありがとうございます。
邪魔者が多くて、よっすぃーも可哀相ですね(笑)。
次回で、やっと2ショット会話です。
また、よっすぃー一人でいっちゃってますよ(爆)。
- 66 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月28日(木)22時52分45秒
- 2ショット楽しみっす〜!!
- 67 名前:ラック 投稿日:2001年06月28日(木)23時32分07秒
- 色々要注意人物が増えてよっすぃ〜は大変だなぁ〜
2ショットどうなるんだろ〜?
期待しています。
- 68 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月30日(土)01時18分51秒
- それにしても良く考えたら夜の10時過ぎに食事に誘う自分も今思えばどうかしている。
(でもさすがに梨華ちゃんも何か食べてるかなぁ。
あーあ、今日はツイてるんだかツイてないんだかよく分かんないよ)
ひとみはぶつぶつ言いながら梨華を待っていた。
「お待たせー。待った?ごめんね」
梨華は花柄のノースリーブのブラウスに白いスカートと言う出で立ちで立っていた。
(くぅ〜カワイイなー)
ひとみが何も言わずぼーっとしているので梨華は困ってしまった。
「吉澤さん!?」
名前を呼ばれてハッと気付いたひとみは我に返った。
「あぁ、ごめんねー。梨華ちゃんもお疲れさまっ!」
(何着ても梨華ちゃんはカワイイよ〜)
「吉澤さん今まで部活だったの?」
制服姿のひとみを見て梨華がたずねる。
「う、うん。ちょっと終わった後も付き合わされちゃって」
(折角、かっこよく決めようと思ったのに。制服じゃなぁー(涙))
「そっかー。大変だね。吉澤さんは人気者で」
「そんなんじゃないって!」
即座に否定する。
「モテモテだもんねー。アイドルって言われるだけのコトはあるね」
梨華は笑っている。
(梨華ちゃんだけのアイドルになりたいよ…。)
さすがに、それを言ったらひかれそうだったので、心の中で呟く。
「そんな事より、行こっかー」
「うん」
- 69 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月30日(土)02時46分32秒
- 「揺れる想い」も読んでましたよー。
頑張って下さい。
- 70 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月30日(土)16時09分37秒
- 取りあえず駅前のファミレスに入るコトにした。
「吉澤さん、お腹空いたんじゃないの?」
席に着くと梨華がメニューを開きながら言った。
「う、うん」
まさか"お腹いっぱいです"とも言えず口篭もる。
「梨華ちゃんは?」
「私?私もお腹空いてるよー。普段はバイトに行く前に食べるんだけどね、
今日は吉澤さんに誘われたから食べてないよ」
ひとみの事情を知らない梨華は、メニューを見ながら言った。
その言葉の一つ一つが、ひとみの心に突き刺さる。
(梨華ちゃん、やさすぃー(感涙)。それなのに私って…)
ひとみは思わず自己嫌悪に陥る。更にお財布は大ピンチときている。
カッコ悪い(涙)。
「あのー梨華ちゃん、せっかく私から誘ったのに…そのー
あのー、なんて言うか…」
なんとも歯切れの悪い言い方だ。
- 71 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月30日(土)16時10分30秒
- 「うん?どうしたの?」
梨華はメニューから視線をはずして、ひとみの顔を見つめた。
(はぁー、ドキドキしちゃうよー)
「今日、ごちそうしようと思ったんだけど、お金がちょっと…」
次第に声が小さくなる。梨華は、きょとんとしていたが、
「そんなコト心配してたの?」
梨華が笑う。ひとみもつられて笑ってしまった。
「最初から、ごちそうしてもらおうなんて思ってないよ〜。
吉澤さんって、カワイイね」
梨華は、まだ笑っている。
(カワイイなんて、照れるっス。梨華ちゃんの方がカワイイよ)
それにしても、なんて可愛い笑い方をするんだろうと、ひとみは思った。
(はぁーますます梨華ちゃんのコト好きになっちゃうよ、私。)
梨華ちゃんの笑顔見てるだけで、心もお腹もいっぱいです♪
- 72 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月30日(土)16時11分26秒
- 「…澤さん?」
「(は!)う、うん、ごめんごめん」
気づくと何時の間にかウェイトレスがオーダーに来ていた。
ひとみは慌ててメニューを見ると無難にサンドイッチあたりを頼んだ。
(また、心がとんじゃったよ(泣))
(吉澤さんって、時々自分の世界に入るクセがあるのかしら)
梨華は、ひとみと目が合うと微笑んだ。
- 73 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年06月30日(土)16時18分04秒
- 更新です。
今後はゆっくりになりそうです。(ストックないので(泣))
>66番さん
2ショットどうでしょう?まだ続く予定ですが。
>ラックさん
いつも感想ありがとうございます。
これからも邪魔者が入りそうな気配です。
>69番さん
青板も見ていただいてるのですね。嬉しいです。
あっちのいしよしの方が書いててラクかも知れないです(笑)。
続編もアップしてますので見て下さいね。
- 74 名前:レイコ 投稿日:2001年07月01日(日)00時04分27秒
- いつもどうもです!
自分も梨華ちゃんの笑い方(笑うってゆーかはにかむような)大好きです。
ゆっくりでもかまいませんので、がんばって下さいね!
- 75 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月01日(日)15時40分02秒
- >レイコさん
書き込みありがとうございます!感激っす(泣)。
梨華ちゃんの笑顔いいですよね〜(でれでれ)。
- 76 名前:ラック 投稿日:2001年07月01日(日)21時26分28秒
- 梨華ちゃんにデレデレのよっすぃ〜に萌え〜
ゆっくりでいいのでチャ−ミーブルーさん頑張って!!
- 77 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月02日(月)17時42分43秒
- そう言えば、こうやって面と向きあって2人きりで会うのは初めてだった。
(なんか、急に緊張してきちゃったよ)
意識し出したら、汗が出始めた。
(うわぁーヤバイなぁー)
「吉澤さん、大丈夫?」
「え?」
急に黙り込んだひとみを見て、梨華がたずねた。
「う、うん。ごめんね〜」
「なんか、凄い汗かいてるけど平気なの?」
「平気っスよ〜」
ひとみは、慌ててカバンからタオルを出すと汗を拭った。
(かぁ〜梨華ちゃんに見つめられちゃってるぅー。
嬉しいんだけど・・・うわぁー)
意識すればするほど汗が出てきて心臓の鼓動が激しくなった。
- 78 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月02日(月)17時43分27秒
- 「全然平気じゃないじゃない」
通された席は4人がけだったので、梨華は心配してひとみの隣りに移って来た。
(ひぇ〜隣りに梨華ちゃんが!!)
ひとみがパニくっていると、梨華が額に手を当てて来た。
「熱あるのかナー?」
(梨華ちゃんの手がぁ…。そんな事したら熱が出ちゃう)
ひとみの心の内を知る由もない梨華は本当に心配した表情だった。
「ウチに来て休んだほうがいいカモ。顔も赤いし」
(なんですとぉ〜!?)
「今日も暑かったから、吉澤さん疲れが出たのかも知れないね」
(いやいや全然…)
「あ、悪いからいいよ。それに大丈夫だからさっ。
注文取っちゃったし…梨華ちゃんお腹減ってるでしょ?」
ひとみはバツの悪さから、そう言ったのだが、梨華は少し怒ったようだった。
「私のコトなんか、どうでもいいよ!吉澤さんのコトが心配だよっ。
注文なんか取り消せばいいんだから!」
梨華はそう言うと、ウェイトレスのいる方へスタスタと歩いて行ってしまった。
自分の事を心配してくれてるんだと思ったら、ひとみは感激したのだが、複雑だった。
(今日は梨華ちゃんにかっこ悪いとこばっか見せちゃってるなー)
しかし思いもかけず、梨華の家に行ける事に、ひとみは心躍るのだった。
- 79 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月02日(月)17時44分08秒
- 少しして梨華が戻って来た。
「帰ろうか」
「う、うん」
ここまで来たら、梨華に従う事にした。
店の人に謝って店を出てくる。
「ここからウチまで歩いて5分くらいなんだけど、大丈夫?」
「大丈夫だよ。ごめんね心配かけて」
(優しいなー梨華ちゃん)
「荷物持とうか?」
「ありがとっ。でも平気だから」
しかし梨華はひとみからカバンを半ば強引に掴んで持っていってしまった。
「無理しなくていいヨ」
梨華はニッコリ微笑んだ。
- 80 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月03日(火)15時32分04秒
- ちょいなけ気味のよしこが可愛いです
更新頑張ってください♪
- 81 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)18時48分05秒
- >80番さん
ありがとうございます。感想がつくとやる気出ますね〜。
昨日今日と、かなり筆が進みましたので、こちらは安泰です(笑)。
- 82 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)18時49分11秒
- 暫く歩くと、梨華ちゃんの家に着いた。
外装が白くて、綺麗な所だった。ここは男子禁制なのだと言う。
「狭いけど、入ってね。ちょっと散らかってるけど」
そう言って梨華はドアを開けた。
「お邪魔しまーす」
6畳間に小さいキッチンがついたワンルーム。
狭いながらも、きちんと片づいていた。
ひとみは梨華の住む部屋に入れただけでも幸せだった。
「ウチより綺麗だよ。うん。私の部屋もっと散らかってるもん」
「吉澤さん、横になってて」
梨華はベットに行き布団をめくった。
(い、いきなり、そんな…)
ひとみは一人、たじろいだ。
「どうしたの?」
「あ、いやいや。汗かいてるし、汚くなっちゃうから。
その辺に横になってますぅ」
ひとみは真っ赤になりながら俯いた。
(はぁ、変な想像しちゃったよ私…)
「もう、汚いとか、そんなの関係ないって!」
そう言うと、梨華は、ひとみの腕を引っ張った。
そんなに強く引いたつもりは、ないのだが、ひとみはバランスを
崩して、押し倒すような形で二人ベットに倒れこんでしまった。
- 83 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)18時50分02秒
- 「きゃ☆」
梨華に覆い被さるようにして、ひとみは顔もろともベットに
ダイブしてしまう。ビックリして、すぐさま、ひとみは身体を起こした。
梨華とまともに視線がぶつかる。見つめ合う二人。
「梨華ちゃん…」
しばしの沈黙。言いかけて、ひとみは我に返ると慌てて謝った。
「あの、ご、ご、ご、ごめんなさい!」
(キスしそうになっちゃった…。)
「私の方こそ、ごめんなさい…」
(うわぁ。びっくりしたぁ!)
二人とも、慌てて起き上がった。
なんとも言えない空気が流れる。
- 84 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)18時50分53秒
- 「あ、あのお茶でもいれてくるね。冷たい方がいいよね」
梨華は真っ赤になりながら、キッチンの方に行ってしまった。
ひとみは、ぼーっとしていたが、次第に顔がにやけてきてしまった。
(なんか、嬉しい♪でも、梨華ちゃん、どう思ったんだろ…。
梨華ちゃんの顔にぶつかってれば、そのままキスなんて事に…
って何考えてるんだ!自分は!)
梨華は冷蔵庫から、冷えた麦茶をいれながら、動揺していた。
(なんか、吉澤さんの事意識しちゃいそう。考えすぎかな。
アレはアクシデントだよね。うん。アクシデント!
……でも、吉澤さんの瞳キレイだったなぁ。)
先ほどの事を思い出して梨華は更に赤くなってしまった。
「梨華ちゃん」
「へぃ?」
ふいに呼ばれて、梨華は変な声を出してしまった。
見ると、麦茶がコップから溢れ出ていた…。
(もぅ…(涙))
「どうしたの?梨華ちゃん」
慌てて梨華はフキンを取って、ふき取ろうとしたのだが
ひとみに見付かってしまった。
「あー、ちょっとねぇー。あはは」
梨華はわざとらしい笑いをすると、急に思いついたように
「クーラーいれてなかったねっ。暑いよねっ」
と言ってリモコンを探そうとした。
(動揺してるのがバレバレかなぁ。意識してる私って変だと思われてるかなー)
そんな梨華を見て、ひとみは不安になった。
(もしかして今ので警戒されちゃった?梨華ちゃん呼んだ時、
ビクっとしてたし(涙)。はぁーショックで凹みそうだよ)
- 85 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)18時51分37秒
- 「私、やっぱり帰るね。遅くなっちゃったし」
時計を見ると、11時近くなっていた。
「あまり帰り遅いと親も心配するし明日も学校だもんね。
梨華ちゃんごめんね。この穴埋めは絶対するから」
ひとみは一方的に喋ると、カバンを持って出て行こうとした。
「あ、あのー」
梨華が呼び止める。
「ん?」
「もぅ体調平気なの?」
「うん。平気」
ひとみは靴をはき終えると、梨華の方に振り返った。
「じゃぁ、また明日…」
「うん...」
梨華はバイバイの仕草をした。
気まずい空気を残したまま梨華の家を出て、駅に向かうひとみの目
には涙が光っていた。
(梨華ちゃん私の目見ようとしなかったよー(涙)。
明日から、どうしようかなー)
ひとみは空を見上げると、はぁーっとため息をついた。
- 86 名前:80 投稿日:2001年07月03日(火)19時29分17秒
- よしこドンマイ!
押し倒されたら誰でも動揺するさ(笑)
2人はいつ積極的になるのかが楽しみですね♪
次回更新に期待
- 87 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)19時40分29秒
- >86(80)番さん
即レスありがとうございます〜♪
って事で、すぐに更新(W
- 88 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)19時41分08秒
- 翌朝、ひとみのただならぬ表情に、びっくりした真希が心配そうに声をかけてきた。
「ちょっと、よっすぃー、超暗いんだけど、昨日何かあったの?」
「うーん。アリアリなのですぅー」
ひとみは、わざと明るく言ったのだが、それが却って暗さを強調していた。
「昨日、携帯切ってたでしょ」
「あっ」
慌てて携帯を取り出すと電源をいれる。
ひとみは邪魔が入らないように、携帯の電源を切ったままにしていたのだった。
「入れ忘れてました。へへ」
力無く笑う。
「矢口先輩に、何か言われたのー?」
「それもアル」
「石川先輩と、何かあったのー?」
「...それもアル」
「何かいろんなコトあったみたいだね…」
「そういうコトなのです」
「矢口先輩のコトなら、私に任せてよ」
ホントはイヤだったのだが、元気のないひとみを見ていたら、
自然に口に出していた。
「ありがとうねー」
(そぉーとぉーヒドイ事言われたのかなぁ?でも矢口先輩に言われて
凹む、よっすぃーじゃないもんな。じゃぁ石川先輩と!?)
- 89 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)19時41分53秒
- ひとみの様子をチラチラ見ながら、靴を履き替えていると、丁度
梨華も登校してくるところだった。
「石川先パ〜イ!!おはようございまーす!」
わざとでかい声で真希は挨拶をした。
二人に気付くと、梨華も「おはよう」と声をかけてきた。
「おはようございます…」
お互い目を合わせない二人を見て"やっぱり何かあったのね"と真希は思った。
「よっすぃー、話しなら休み時間に聞くからね」
「ありがとうねー。ごっちんに感謝ですよ〜」
- 90 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)19時42分50秒
- 1時間目の授業から、ひとみは集中出来ていなくて上の空だった。
−担任の中澤の国語の授業−
「こら!吉澤!聞いとんのか!!」
ふいに、ひとみは呼ばれて、我に返った。
「はぃ」
「今は、裕ちゃんの授業や。幼なじみの梨華ちゃんの事想うのは休み時間にしてや!」
ちょっと皮肉めいて、中澤が注意すると、ひとみはカチンと来て大声で言った。
「そんなんじゃありません!変な事言わないでください!」
クラス中がしーんとする。
(うわ、よっすぃーマジじゃん。)
真希がハラハラしていると、中澤も、まさか、そんな風に返されるとは
思ってもいなかったようで、「吉澤!放課後職員室に来なさい!」と言った。
(そこまでする事ないのに・・・。でも中澤も知ってたの?)
(なんだよ、中澤超ムカツク!なんで、もう知ってるんだよ!)
ひとみは、ムカツきながら、心の中で叫んだ。クラス中が、ざわつく。
(なんや、吉澤図星やったんか。大声だすなんて、まだまだ子どもやね)
中澤は気を取り直すと「ほら、静かにしぃや!」と言って、また授業を進めた。
- 91 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)19時43分32秒
- 授業が終わると、真希がひとみの腕を掴んで廊下に連れ出した。
「ちょっと、よっすぃーさっきのなんなのさ!」
「それはこっちが聞きたいよ」
ひとみはムスっとして、中庭の方に目を向けた。
「よっすぃーらしくないじゃん。でも中澤も、もう知ってたんだ?」
「そうみたいね。噂が流れるのは早いのね」
保田が言ったとは考えにくいので、多分、噂が中澤の耳にも入ったのだろう。
「よっすぃーもムキになっちゃ駄目じゃん」
「分かってるんだけど・・・」
途端に落ち込む。
ひとみは昨日の話を大まかに説明した。
「で、気まずいまま、別れちゃったのね」
「うん…」
「ちゃんと、話した方がいいんじゃないの?」
「そうなんだけど…。避けられてるかも」
「その辺は石川先輩に聞いてみないとねぇ」
それにしても、梨華は、ひとみの気持ちに気付いてないのだろうか?
だとしたら、そぉーとぉー鈍感だ。誰が見ても、ひとみが梨華に
ラブラブなのは、分かりそうなものだが。梨華がひとみの事をどう思って
いるかは、分からないけれど。
- 92 名前:80 投稿日:2001年07月03日(火)19時44分59秒
- チョ〜リアルタイム(w
ごっちんいいやつだ(しみじみ)
2人が積極的になれないうちは、ごっちんがキーポイントですな!
- 93 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)19時51分27秒
- >92番(80)さん
早いっすね〜。さすがに、今日の更新は、ここまでにしておきます。
あと19くらいは更新出来るんですが(w
そろそろ佳境に入ってきます。あと全然エロにはなりません。
こっちの、いしよしは純愛路線なので(笑)。
- 94 名前:80 投稿日:2001年07月03日(火)19時55分24秒
- >早いっすね〜。ちょうどいろんなとこ覗いてたもんで。
エロなくてもいいです!
どちらかと言うと純愛が好きなんで
こんなに楽しみにしてると次回の更新までの時間が鬱だ・・・
- 95 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月03日(火)20時02分18秒
- >94(80)番さん
リアルチャットのようですね(w。
あんまりレスつかないので、見てる人少ないかと思ってたので嬉しいです。
ごっちんもちょっと幸せになってもらうかも?(笑
更新は明日以降って事で、すみませんm(_ _)m
- 96 名前:チヨノフG 投稿日:2001年07月03日(火)20時10分24秒
- いしよしマンセー。柴田もでてくるなんて・・・。
- 97 名前:80 投稿日:2001年07月03日(火)20時25分58秒
- ですね×5♪(w
ごっちんにはぜひぜひ柴ちゃんを(爆)
ずっと読んでたんですが、いつレスしようかと迷ってました。
青板の方も読んでます。
更新待ってます
- 98 名前:そこら猫 投稿日:2001年07月03日(火)23時10分09秒
- 梨華ちゃんの部屋でいっぱいいっぱいなよっすぃ〜萌え〜(>_<)
学園モノ、マンセー(w。
ごっちん男前や。
これから学園内に二人の噂が広まっちゃうのかな・・・
早く二人とも素直にならんと邪魔が入ってしまう〜(萌)。
- 99 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月04日(水)20時24分37秒
- 昼休み、ぐずつくひとみを引っぱり出して、食べ終わった頃を見計らって
梨華を屋上に呼びだした。
「お互い誤解もあるのかも知れないからさ、良く二人で話し合ってみてよ」
そう言うと、真希は手を振ってその場から立ち去ろうとした。
「ちょっと、ごっちん!帰っちゃうの?」
情けない声を出すひとみに、真希は
「当事者同士で、ゆっくりとね〜!」
真希は背中を向けると手を振って出ていった。
真希が行ってしまうと、また沈黙が流れた。
黙ってても仕方ないので、ひとみが口を開いた。
「昨日の事なんだけどさ…。急に気まずくなっちゃったけど。
変に意識されても困っちゃうから…。私は別にその…梨華ちゃんを
特別な目で見てると言うか、見てないと言うか」
(うわー私何言ってるんだよ!)
「友達なんだけど、梨華ちゃんを守りたいと言うか…」
(言ってる事が支離滅裂だ。私(涙))
梨華は「?」顔をしている。
「梨華ちゃんは私の事どう思ってる?」
梨華は少し考えていたが
「どぅって、まだ分からないよ。会って少ししか経ってないし」
(うそ、気になってるくせに。私…)
「そうだよね…。まだ分かんないよね」
(がーん。ただの友達だよねー(涙))
今、告白しようとしたが、思いとどまってしまった。
(まだ言う時じゃないな…)
「昨日はごめんなさい。私も、なんか妙に意識しちゃって。
そんな事ないのに…。また仲良くやろうね!」
梨華は手を差し出す。
「う、うん」
ひとみは少し涙目になっていたが、こらえると笑顔で手を握り返した。
- 100 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月04日(水)20時25分19秒
- 放課後、部活の前に、中澤のところへひとみは行った。
(あーあ、あんな事言わなきゃ良かったなー。また悩みの種が…)
憂鬱な顔で、職員室に入り、中澤と向かい合って座った。
「吉澤、もっと大人にならんと、あかんな」
(なんだよ、いきなり!)
「先ほどはすみませんでした」
取りあえず、頭を下げる。
「あれじゃぁ、梨華ちゃん好き好き!って言ってるようなもんや」
(げ!そんなに私って、態度に表れてる?)
「まぁそれが悪い訳やないんやけどな」
「はぃ」
「清い交際をしてくれんとな」
「は?」
ひとみは真っ赤になる。
「私たち、別にまだ付き合ってる訳じゃないんですけど!」
「なんや、吉澤の片想いか?」
「先生、そういう言い方やめてください」
中澤に恋愛話をすると、どうなるのか過去の様々な話を聞いていて
分かっているので、このまま梨華の話をするのはイヤだった。
「なんでや?吉澤の担任として心配してるんやで?」
その割に顔がにやけている。
(絶対嘘だ。くそー)
「梨華ちゃん、いや、石川先輩には、余計な事言わないで下さいね!」
「余計な事って?」
意地悪く中澤が笑っている。
「とにかく何も言わないで下さい!」
「はぃはぃ。可愛い教え子の頼みやからねー。高くつくよ」
(高くつくってなんやねん!)
ひとみは、またため息をついた。
職員室を出て、次は、矢口達の攻撃を受けるのかと思ったら
ひとみは憂鬱になった。
- 101 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月04日(水)20時26分19秒
- 「吉澤ぁ、あんたマヂなの?」
部活に出るといきなり、矢口に言われる。
「何がっすか?」
もぅいい加減梨華の事を聞かれるのは、うんざりだった。
更に、飯田が出て来る。この手の話には一番うるさい人だった。
「吉澤、浮ついた気持ちになってんじゃないよ!」
(別になってないんですけど)
「……」
「もうすぐ学園祭なんだから、気を引き締めてもらわないとね。
うつつをぬかしてもらっちゃ困るんだよ!」
「はぃ」
納得出来ない面もちで、ひとみは頷いた。
何かにつけて、飯田は、ひとみに文句を言ってくる。
今後も、更に風当たりが強くなりそうだと、ひとみは思った。
(飯田先輩は宇宙と交信でもしててくださいね!もぅほっといて下さい!)
続いて、辻と加護。
「吉澤先輩!ののの歌なんれすよ〜!聞いてくらさーい。
ののノンノンノンノン♪なにぬねの〜♪どうれすかぁ?」
「・・・・」
「私のはですねぇ、亜依ヤイヤイヤイヤイ♪やいゆえよ〜♪」
(もぅ、なんなんだ一体!!!!!!!どうなるですかー!?!)
ひとみは、心の中で絶叫した。
- 102 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月04日(水)20時27分39秒
- 真希は放課後、梨華の事を待っていた。
「石川先輩!」
梨華が出て来るのを見て声をかけた。
「後藤さん…」
「一緒に帰りませんか?」
「うん。私自転車だから、ちょっと待っててもらっていいかな」
「一緒に行きますよ」
二人は肩を並べて駐輪場まで歩いた。
真希は単刀直入に言った。
「石川先輩も大変じゃないですか?」
「え?」
「よっすぃーとの事です」
正直、転入して間もない間で、ひとみと幼なじみを演じ?たり
多分、いろいろと言われたりもしているのだろう。
「うぅん。友達が出来て嬉しいと思ってるよ」
梨華がにっこりと笑う。
「私、よっすぃーとは小学校からずっと一緒に過ごして来ましたけど
こういうの初めてなんです」
「初めてって?」
「いつも、よっすぃーの回りって自分から声かけなくても相手から
寄って来るって言うか。そういうのが当たり前になっちゃってたんですよね。」
「うん」
「でも、石川先輩の場合は違うみたいですよ」
「違うって?」
「自分から、声かけるのって初めてなんですよね。
石川先輩は"特別"みたいですよ」
真希は『特別』を強調した。
(さすがに、ここまで言えば、いくら鈍感な石川先輩でも多少は気付くよね?)
「あ、私が、ここで言った事は、よっすぃーには内緒にしておいて下さいね」
梨華は少し考えた素振りを見せたが、頷いた。
その後、二人は他愛のない話をしながら帰った。
- 103 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月04日(水)20時28分45秒
- 家に着くと、梨華は制服のままベットに座った。
(特別って……)
梨華とて、ひとみの気持ちに全然気付いてない訳ではなかったのだが
何故か受け入れられないでいた。最初の出逢いがいけなかったのか。
(吉澤さんって、人気者だし、かっこいいし、色白で背も高いし、
ダンスも踊れるし(←見た事ないけど)それに面白いし、でも…でも……)
やはり、何故私なのか?と考えてしまう。ネガティブ思考なのは昔からだった。
「ポジティブポジティブ!」
梨華は独り言を呟いた。
- 104 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月04日(水)20時34分30秒
- 更新です♪
>チヨノフGさん
柴田さん結構好きなので(笑)出してみました。
あんまり絡んで来ないですけど。
>97番さん
同じ7人祭ですけど(これでバレバレですね)柴田さんは
一応、よっすぃーファンと言う事なので(w。すみません。
>そこら猫さん
ごっちん優しすぎますかねぇ(笑)。
学園モノは自分でも書いてて楽しいです。
- 105 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月04日(水)20時43分35秒
- またしても微妙にリアルタイム(w
よしこよ!素直になれ!
- 106 名前:そこら猫 投稿日:2001年07月05日(木)00時26分43秒
- 中澤の叱咤、姐さんの声そのままで読める感じですね!
よっすぃ〜、かわいそうだけど、オレも叱られてー(w
- 107 名前:ラック 投稿日:2001年07月05日(木)16時38分32秒
- ネガティブ梨華ちゃん、よっすぃ〜の気持ちに速く気づいて。
もうどっちもなんか、もどかしい〜な〜。
- 108 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月06日(金)18時20分17秒
- それから1ヶ月が過ぎて、学園祭も間近にせまり、ひとみも忙しくなった。
梨華との仲も・・・。そして相変わらず矢口や中澤からも
チャチャを入れられつつも頑張るひとみであった。
「よっすぃー、石川先輩と相変わらず進展してないの?」
真希が久しぶりにひとみの家に行き、くつろいでいた。
「進展って言うか、"ひとみちゃん"って呼んでくれるようになっただけでも
満足なんですけどおおおー!(無理やりお願いしたのもあるけど)」
(些細な事で喜びを感じてるのねー。可愛い事で…)
尤も、真希の事も、"後藤さん"から"ごっちん"になったのだが。
「手ぐらい握ったの?」
「手だなんて…」
バシっと真希の背中を叩く。(痛いってば!)
「デートもしてるの?」
「…してない。買い物とか食事ぐらい」
シュンとなる。
「まぁまぁ、学園祭終われば、少しは暇になるでしょ?
涼しくなったら遊園地とか誘ってみればいいんじゃない?」
「遊園地かぁ。ちょっと恐いよねー。ジェットコースターとか苦手なんだ私」
「って、よっすぃーが怖がってどうすんのよ。リードしなきゃ」
「リードだなんて…」
何を想像してるんだか、ひとみは頬に手を当てて赤くなっている。
ひとみと梨華の話をしていると、真希まで、なんだか恥ずかしくなってしまう。
「まぁ〜さ、適当に頑張ってよ」
「頑張りますよぉぉ〜!」
ひとみはガッツポーズをした。
- 109 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月06日(金)18時28分41秒
- 更新です。
>105さん
いつもカキコありがとうございます。
>そこら猫さん
姐さんの関西弁難しいです。
>ラックさん
二人の仲はマターリと進展しては、いるんですけどね。
私も書いててもどかしかったりして・・・。
- 110 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月07日(土)17時25分43秒
- 学園祭の練習の追い込みに入って終わった日の夜だった。
矢口が、声をかけてきた。
「よっすぃー。たまにはデートしようよ」
「はぁ?」
(なんで私が矢口先輩とデートしなきゃいけないんだよっ)
矢口の突っ込みにも慣れたひとみだったが、こうも懲りずに何度も
言われると、さすがに呆れるというか、なんというか。
「石川も誘っていいからさ」
(なんで梨華ちゃんが…)
「だったら梨華ちゃんと二人っきりの方がいいです」
あまりに素直に言ったので、矢口は拍子抜けしたらしい。
「なんだよソレ。のろけかよっ!」
(でも、4人で遊びに行くのもいいかな。ごっちんも誘って)
矢口は心底悔しがっているようだった。さすがにひとみも悪いと思ったのか、
「矢口先輩!」
「なんだよ、急に」
「行きましょうか。4人で、公園に!」
「公園?なんで公園???」
- 111 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月07日(土)17時26分21秒
- 「公園?なんで公園???」
真希も同じ反応をした。
場所は変わって、ひとみの部屋。
「大体、なんで私も人数に入ってる訳?」
「やっぱ偶数じゃないと困るじゃない」
「私が矢口先輩担当ですか?」
「そういう事だね。だって前に『矢口先輩のコトなら、私に任せてよ』
って言ってくれたじゃない」
「それ言ったのって1ヶ月以上前でしょーが!」
「なに?期限付きなわけ?ごっちん冷たいなー」
「はいはい、分かりましたよ」
真希は、ちぇっと言う顔をした。
「で、なんで公園なの?」
「それはねぇ、星占いのラッキープレイスが公園のボートだったのよ」
「なんじゃそりゃ!」
(そんな理由で・・・。単純すぎ・・・。)
「ごっちんも矢口先輩と頑張って!」
と肩を叩く。
「なにを頑張るんだ!」
「ごっちんと矢口先輩ってなにげに、似合ってたりするんだよ」
「何言い出すのよー。大体、矢口先輩は、よっすぃー目当てでしょ?」
「私には梨華ちゃんがいるからねー。諦めて他の人に行ってもらわないと」
「私にだって選ぶ権利があるんだからね。変な事言わないで」
(まったく、よっすぃーも急に変な事言うんだから!)
(結構、似合ってると思うんだけどな。ごっちんは気付いてないだけで)
- 112 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月07日(土)17時27分41秒
- 次の日の昼休み。梨華とひとみは屋上で昼御飯を食べていた。
二人は朝の登校と昼休みはいつも一緒に過ごすようになっていた。
「で。どうかな?梨華ちゃんも是非来て欲しいんだけど」
(って言うか、梨華ちゃん来ないと困るんだけど)
「うん。いいよ。でも、なんで矢口先輩とごっちんも来るの?」
「Wデートって言う事でね。まぁ、あの二人もくっつけようかと」
「矢口先輩って、ひとみちゃんのファンじゃなかったっけ???」
「うーん、まぁそうゆう事なんだけど。私には、梨華ちゃんがいるから
ほら、諦めてもらわないと私も次には進めないから。梨華ちゃんは、
あの二人どう思う?」
ひとみも、さりげなく言えるようになっていた。大した進歩だった。
「本人の気持ち次第だもんね。こればっかりは」
「そうだね。梨華ちゃんも協力してね」
「ごっちんが、その気ならね」
梨華は苦笑いした。
- 113 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月10日(火)22時26分13秒
- そして約束のWデートの日が来た。現地の公園には既に矢口は来ていた。
矢口は最初から真希と組まされる事を知っていたので
あんまり面白そうな顔ではなかった。
(もぅ、私だって同じですけどね!)
後から来た真希も同じ気持ちであった。それに、ひとみの言った
「矢口とお似合い」の言葉も妙に意識していた。
公園につくと、日曜で天気も良いせいか、かなりの人が来ていた。
公園の他にちょっとした、動物園のような物もあり、遊べる場所もある。
「取りあえず、ボートに乗りません?」
「よっすぃー!いきなり、ボートかよっ!」
矢口は、しょっぱなから、2人にされるのを嫌がった風だった。
「じゃぁ最初に、動物でも見ましょうか」
別に動物なんか、どうでも良かったのだが、時間も余ってしまうので
ゆっくりと見て回る事にした。
「それにしても、なんで公園なんだよー」
矢口がぶつぶつ言っている。
「デートしようって言ったのは、矢口先輩じゃないですかぁ」
「だからって公園じゃなくても、いいだろっ!おまけに隣は後藤だし」
「私じゃ不満なんですか!?私だって別に…」
真希が不満げに言う。そんな二人のやりとりをよそに、手前にいる
梨華とひとみは、良い雰囲気だった。
「きゃぁ〜」
見ると、梨華がひとみの腕にしっかりと抱きついていた。
「梨華ちゃん、鳥ダメなの?」
ひとみが、ニヤニヤしながら、梨華に聞いている。
「うん…」
涙目になっている梨華。
「ひとみちゃん…。早く行こうよ」
梨華がひとみの腕を取ると、鳥のゲージから離れようとしていた。
ひとみも満更ではないようだった。
- 114 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月10日(火)22時27分32秒
- (なんだかなぁ…。それに比べて私と矢口先輩の会話って…)
そんな二人を見ていた矢口も、面白くなさそうに
「なんか来なきゃ良かったよな〜(怒)」
かなり怒っている様子。
「そんなの予想出来てたじゃないですか」
「って、後藤も、なんでわざわざ来たんだよ」
「矢口先輩1人になっちゃうから」ポツリと言う。
「同情されちゃ矢口もおしまいだねえ」
皮肉めいて、矢口が笑う。
「そんな事ないですよ。同情じゃないですよっ」
(あれれ?私は何を言ってるんだろう)
真希は自分の口から付いて出た言葉に驚いた。
また矢口に何か言われるのではないかと、構えていた真希に
意外にも矢口は優しい言葉をかけてきた。
「後藤は優しいんだね」
真希の頭を撫でると、矢口が微笑んだ。
思いがけない反応に、真希はビックリする。
「え?い、いや、そのー本心ですから。
あのー子ども扱いしないでください!」
真希は頭を撫でられた事に、少し嬉しくなったが照れてしまう。
「あはは。後藤は、矢口よりも2つも下でしょ。子ども子ども!」
「身長は私の方が大きいです」
「ソレは言うなよ〜!」
いつの間にか、こちらの二人も良い雰囲気になっていた。
- 115 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月10日(火)22時28分29秒
- 昼時になって、やっと4人は合流した。
「ちょっと一体、二人で何してたんだよ〜!連れ込んで変な事してたんじゃ
ないだろうな〜?吉澤ぁ!」
「石川も、吉澤に変な事されなかった?」
矢口はすかさず、梨華とひとみに突っ込んだ。
(矢口先輩それじゃぁ、おやぢのセリフだよっ!)
「もぅ何言ってるんですか!どこに連れ込むんですか!まったく!」
「矢口先輩たちも何してたんですか?」
「なにって、まぁいろいろと話してたんだけどさ」
「うん」
真希と矢口の様子を見て、ひとみは、ニヤリとした。
(なかなか、良い感じになってるじゃないの。私たちの出番はないみたい)
ひとみは、真希にウィンクをしてみせる。真希は真っ赤になっていた。
- 116 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月10日(火)22時29分33秒
- お昼を軽くすませ、4人はボート場に向かった。
この頃になると、本当にWデートをしている4人と言う感じがまさに
ぴったりであった。
当然、石川×吉澤 矢口×後藤のペアでボートに乗る事になったのだが。
乗り込んでからの会話。
「ねぇ、後藤はボート漕げるの?」
「矢口先輩は?」
「矢口は漕いだことないよ」
「え?私もですよ?」
「ちょっとー誰が漕ぐんだよ〜!」
「それはやっぱり年上の矢口先輩が漕ぐのが筋ってもんでしょう?」
「おいこら!こういう時だけ年上扱いにするんじゃないの!
これは、やっぱり身体のデカイ後藤が漕ぐべきだろ!」
「何言ってるんですかぁ」
『どうでもいいですけど、後ろがつかえているので、はやく進んで下さい』
注意されると二人は「「はい」」と言って、真希がなんとかオールを持って、
のろのろと進んで行った。
- 117 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月10日(火)22時30分16秒
- 一方、ひとみと梨華の方は、当然?ひとみがボートを漕いでいた。
「ひとみちゃん、うまいんだねー」
梨華が感心している。
「これでもボート部に所属していた事あるからね」
「ほんとに?なんか"頑張っていきまっしょい" みたいだね。
…あれ?でも、うちの学園にボート部なんてあったっけ?」
「ないよん。嘘でした」
ひとみが舌を出す。
「なんだ、もぅ。ビックリした!」
二人はアハハと笑った。
「なんか、ごっちんと矢口先輩ウチらが何もしなくても平気みたいね」
「そうだねー。なんか意外だった」
「前からね、あの二人はいいなーって思ってたんだよ。
矢口先輩の突っ込みに、ごっちんのボケって言うか」
「漫才なの?二人は」
梨華が面白そうに言う。
「なかなか、あの二人のやりとりは、面白いよ」
「そっかー、それは良かった」
それから他愛のない話を暫くして、会話がふっと途切れた。
- 118 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月10日(火)22時30分56秒
- 「梨華ちゃん…」
ひとみは唾をゴクリと飲んだ。
(もぅそろそろ、ちゃんと自分の気持ち使えないとね)
お互い薄々感じてはいても、実際ちゃんと言葉にして気持ちを
まだ伝えていなかった。
「はい」
梨華がひとみを見つめる…。
(うぅ、やっぱ可愛いよ〜梨華ちゃん!)
「あのね…」
「うん」
と、そこへ…
「吉澤ぁ〜〜〜!!」
無情にも、矢口の声が近づいて来た。
(がぁぁぁぁ、折角のチャンスが!!!!!!!!!!!(涙))
- 119 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月10日(火)22時31分56秒
- 振り向くと、真希の漕ぐボートがひとみたちのボートに接近してきていた。
「ちょっと、止めてよ!ごっちん!」
「止まらないんだよ〜!」
慌てて、ひとみがオールを掴むと、ボートを漕いで何とか回避しようとした。
危機一髪なんとか、ぶつかるのは免れた。
「何してんのよ!全くぅ」
「だって、二人とも、ボート初めてだったんだもん」
「そうだったんだ」
「大体、よっすぃー自分が漕げるからってねー。ラッキープレイスだからってね!
安易にボートでデートって決めないでよね!」
真希が勢いあまって、言う。
(ががーん。それ言っちゃダメじゃん!ごっちんってばよ〜!(汗)
「なんだよ、それ!吉澤!今のホントの話か!?」
「ひとみちゃん…」
「いや、まぁ遠からず近からずかな…」
ひとみは頭をかきながら苦し紛れに言った。
しかし、ラッキープレイスではなかったようだ。
結局、ひとみの一世一代の?告白は、失敗に終わったのだった。
- 120 名前:名無し 投稿日:2001年07月12日(木)00時26分47秒
- わ〜い更新されてるー!\(^▽^)/
矢口&後藤もなにげにラブラブ(?)になってきてるし・・・
よっすぃ〜は相変わらず告白失敗しちゃってるし(w)
ちょっと気が早いかもですが、次回更新も楽しみにしております(><)
- 121 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月13日(金)01時37分22秒
- 超期待。
いしよしは、やっぱり最高だね。
この作品、僕は大好きですね。
- 122 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月14日(土)10時02分59秒
- 学園祭を控えた前日の夜。
ひとみと梨華、矢口と真希がファミレスに集まっていた。
あの公園でのWデート?以来、矢口と真希は急接近をした。
と言っても、二人の仲は前とさほど変わっていないのだが、
呼び方は「やぐっつぁん」「ごっつぁん」と呼び合っていた。
「梨華ちゃんは明日何かやるの?」
ひとみは、何杯目かの紅茶に手をつけながら言った。
「クレープ屋さん。あゆみちゃんも一緒だよ」
「そっかー。可愛い梨華ちゃんにはピッタリだね〜。食べに行くね♪」
(まったく、よっすぃーデレデレしちゃって!)
「そう言えば、ごっつぁんは、何やんの?」
矢口が聞いて来た。
「かき氷だよ」
「ふぅん、かき氷ね。なんか季節外れだなぁ」
「(う、そんだけー?)やぐっつぁん反応冷たいなー」
「それより、ミニモニ。の応援には来るんだろうな?」
「勿論ですよ。ソレに飛び入り参加のサクラにならないといけないし」
真希はひとみをチラっと見る。
- 123 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月14日(土)10時03分35秒
- ひとみがやる「ザ★プチモビクス」とか言うエアロビクスを当日
ひとみを交えて飛び入り参加形式で踊るのだが、どうせ出て来る人は
いないので、あらかじめ、こうやってサクラ要員を決めておくらしい。
「プチモビクスって何ソレ?」
最初笑っていた真希だったが、自分が指名された途端に大人しくなった。
「やだよ、そんなの」
「人助けだと思ってさ〜」
矢口の口添えもあり何とか承諾させたのだった。
もう一人は、ここの学園のOBでもあり、梨華のバイト先の店長でもある保田である。
保田には、ヘナチョコな姿ばかり見せているので、本当の(何が本当なのか分から
ないが)姿を見せておきたかった。
「なんで今さら私がそんなのに出ないといけないのよ」
当然断られたが、ここは担任の中澤に頼んで承諾させた。
一体何を言ってOKさせたのかは分からないが。
「この裕ちゃんに頼むぐらいやから、当然見返りはあるんやろな?」
「見返りと言うか、この学祭で一番盛り上げて見せますよ」
とだけひとみは言った。本当に盛り上がるのか、どうかは確信出来なかったが。
- 124 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月14日(土)10時04分16秒
- ひとみがやるのは、部長の飯田とコンビで創作ダンスとザ★プチモビクスである。
メインは矢口率いる辻と加護のミニモニ。そしてダンス部のMCは、ひとみであった。
「吉澤!余計なコト喋るんじゃないよっ!でも盛り上げろよ」
またもや飯田には釘を刺されていた。
ダンス部の前には、なっち先輩率いる演劇部の「顔芝居」もある。
「ののの顔芝居は、うんこネタれすよ〜」
「最初からネタバラして、どうすんだよっ!」
練習の時から、辻は矢口らに、突っ込まれていた。
安倍は苦笑いしながら「いや〜助かるべさ〜」とは言っていたが、どうなることやら。
- 125 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月14日(土)10時04分54秒
- 「まぁ、明日は頑張ろうよ、お互い。ねっ!」
ひとみは無理矢理まとめて、お開きにした。
(明日は、特別なんだから…)
ひとみと梨華、矢口と真希のペアで別れた帰り道、
当然?ひとみは、梨華の家まで見送って行き、真希はひとみの家の近所であるが
矢口と一緒に帰って行った。矢口の家も真希の家からそう遠くはない。
「ひとみちゃん、明日は応援行くから頑張ってね!」
「う、うん。梨華ちゃんの応援があれば恥ずかしい気持ちも吹っ飛ぶよ」
「恥ずかしいって?」
「な、なんでもないっ。…でも、緊張しちゃうな〜、やっぱり…」
本当にドキドキしている、ひとみを見て梨華は、ちょっと考えて
「ひとみちゃん、両手出して」
と言ってカバンを置いた。
「ん?」
ひとみもカバンを置き、両手を出す。
梨華は、ひとみの両手を自分の両手で包み込み、何かを念じるような
感じで、ぎゅっと握りしめた。
「(梨華ちゃん!?)」
「今ね、私が、あがらないおまじないをかけたから明日は平気だよっ」
梨華がニコっと笑う。
「・・・・」
(あれ?ちょっと子供っぽかったかナー。ひとみちゃん、ひいちゃってる?)
ひとみをチラっと見ると硬直しながらも、嬉しそうだった。
「梨華ちゃん、ありがとう」
「うん」
(よかった。)
「何か、今からでもOKって感じだよ。邪魔も入んないし」
「え?何が?」
「うぅん、何でもない!梨華ちゃんサンキュ」
ひとみも両手を握り返して微笑んだ。
「うん」
「吉澤ひとみ、明日は頑張りますよぉぉ〜!」
ひとみは空に向かってガッツポーズをしていた。
- 126 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月14日(土)10時06分12秒
- 矢口と真希は近くの公園のベンチに腰をかけて話していた。
「よっすぃーも、すっかり石川の彼氏って感じだよな」
「じゃぁ〜私の彼氏は、やぐっつぁんですかね〜」
「やっぱ、おいらが、ごっつぁんの彼氏かー」
「いやっすか?」
「そーいうんじゃないけど、何かテレるよな」
矢口は下を向いている。
「でも、何でよっすぃー諦めたんですか?」
「元から吉澤と付き合えると思ってなかったけど。
諦めたっつーか、最初から吉澤ってさ、あんなに騒がれても誰にも
興味示さなかったじゃん。でも石川が現れた途端に、コロリだもんな。
後藤も、いつも吉澤の側にいるから分かると思うけど、恋をしちゃった
って言う目だもんね。吉澤の瞳には、石川しか映ってないもんな」
「そうっスね。一目惚れだったから・・・」
「あ?一目惚れって???」
真希はシマッタ!と言う顔をしたが、もう遅かった。
矢口には話してもいいと思い、今までの経緯を話した。
「吉澤も、回りくどいコトすんなー。んなコトしないで、とっとと
告りゃいいのに、肝心な所でちゃんと言わないんだから」
矢口は自分のコトのように言うと、靴の踵を蹴った。
- 127 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月14日(土)10時07分34秒
- 「私たちは、どうなんですか?」
真希は矢口を見つめる。
「な、なんだよ、急に・・・」
矢口は慌てて目を反らした。
「言葉にしないと分からないコトってありますよね?」
「・・・・・」
(やぐっつぁん、男っぽいクセに、こーいう時になるとダメなんだよね)
「やぐっつぁん、微妙にカオ赤いですよ?」
「暑いんだよっ!」
(寒けりゃ、抱きしめたりも出来るんだけどな〜)
「そうっすか…」
少しの沈黙のあと
(しゃーない、私から・・・)
真希は矢口の方に向くと段々と顔を近づけていく。
10cm.....5cm....3cm...と段々距離が縮まって…。
矢口は真っ赤になって、固まっている。
(意外に、やぐっつぁんって純情なんだね…)
矢口の口が開きかけた時に、真希は自分のくちびるで矢口のくちびるを
塞いでしまった。
- 128 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月14日(土)10時08分18秒
- 「ん...」
矢口の両手は、グーで握りしめられていた。
目を開けると、矢口はまだ、目をつぶっていた。
「もしかして、初めてっスか?」
矢口は目を開けると、ニーっと笑う真希と目が合った。
矢口は更に顔を紅潮させた。
「バ、バカ!そんな訳ないだろっ!!!」
とは言っているものの、あたふたしている所を見ると初めてだったらしい。
「私は初めてですヨ!」
「おっお前、おいらの大事なファーストキスを!!!」
「あ〜、やっぱり初めてだったんじゃないですかぁ!」
矢口が真希を叩こうと両手をあげようとした時、真希は矢口の両手を掴んだ。
「イヤでしたか?」
わざと真希は哀しそうな顔をする。
「...い...や....じゃない....けど・・・」
真希はそのまま矢口を引き寄せると抱きしめた。
「やぐっつぁん、明日は頑張ってくださいね」
そして、もう一度、今度はオデコにキスをした。
「あがらない、おまじないです」
真希はカバンを手に取ると、
「おやすみなさい!」
と言って足早に、駈けて行った。
(やっぱテレるな〜。とりあえず、前に進めたよね〜)
「ごっつぁん…」
矢口はしばらく、ベンチに佇んでいた。
- 129 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月14日(土)10時14分10秒
- >120番さん
ちゃんと見ていただいてるのですね〜。嬉しいです。
もうそろそろ、この話しも結末に近づいてます。
取りあえず先に、矢口&後藤をくっつけました(w。
自分でも、ここのいしよしに、かなり愛着が湧いてるので、
今から続編書こうか、どうか思ってます(気が早い)。
>121番さん
大好きなんて言っていただけて、めちゃ光栄です〜♪
書いてて良かったって思いました。ありがとうございます〜。
- 130 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月15日(日)21時17分31秒
- −学園祭当日の朝−
ひとみは朝早くから準備と練習にかかるため、今日は一人で出かけた。
「久しぶりに一人で登校だな〜。梨華ちゃん、まだ寝てるかな?」
ひとみは独り言を言いながら、前を歩いていると、矢口が目に入った。
「矢口せんぱ〜い!おっはよぅ〜ございま〜す!」
ひとみが大声で背後から声をかけると、矢口の肩を叩いた。
「お〜っす!」
矢口が振り向く。
「矢口先輩、あんまり寝てないんですか?なんか寝不足の顔…」
ひとみが矢口の顔を覗き込むと、あれ?っと言う顔をして言う。
「う、うるさいな〜。んな事ないよ」
矢口は真っ赤になると、ひとみを払いのけるように前をスタスタ
と歩いて行ってしまう。
「昨日、あの後、ごっちんと何かありました?」
(どきっ。ったく吉澤は、自分の事は鈍感なクセに他人の事に
なると鋭いトコあるんだよな〜)
「なんにもないよ」
「そうなんですかぁ?つまんないなぁ。まぁごっちんに聞けば
教えてくれるかな〜」
携帯を取り出すと、真希にかけるフリをした。
「なっ、なんにもないって言ってるだろ〜!」
矢口は慌てて、ひとみの携帯を奪おうとする。
「ふぅん。まぁいいですけど」
「お前も人の事心配してないで、自分の事心配しろよな」
「心配って?」
「石川との事だよっ」
矢口は、後藤の話を避けるように話題を石川に変えた。
「梨華ちゃんですかぁ。。。」
途端に顔がニヤける。
(全く、石川の話すると本当に変わるよな、吉澤は)
「今日はですねぇ、一世一代の日になるんですよ」
「はぁ?」
「今日こそは決めないと!邪魔者退散!!」
拳を突き出す。
「何言ってるんだか、分からないけど、行こうぜ〜。
また飯田先輩に怒られちゃうよ」
「はーい」
- 131 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月15日(日)21時18分20秒
- 「準備完了!1時から本番だから、12:30には集まるように!」
飯田が部員に言うと一旦解散になった。
「矢口先パ〜イ、なんか緊張してきちゃいましたよ〜」
一旦制服に着替えると、矢口と一緒に、取りあえず真希のいる
中等部の方へと向かった。
「先に、ごっちんの方覗いて見ましょうか?」
「え?」
矢口は慌てると、ひとみの腕を掴んだ。
「ちょっと、痛いですよ!先輩!」
「先に石川の方に行こう」
「え?なんでですか?愛しのごっちんに会いたくないんですか?」
「その含みのある言い方やめろよな〜。ってか別に一緒に行動
しなくてもいいじゃん。」
「まぁ、そうですけど、そんな冷たくしなくてもいいじゃないですかー」
「吉澤、今日はやけに絡むな〜。いつもと逆だぞ、おい」
「取りあえず、ごっちんとこ行きましょうよ」
ひとみは逆に矢口の腕を掴むと、強引に歩き出した。
- 132 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月15日(日)21時19分24秒
- 「結構賑わってんだな」
堪忍した風に矢口は話題を変えた。
(まぁいずれバレるだろうし、いいか…)
「よ〜!ごっちん」
よっと言う仕草をしながら、ひとみは真希に声をかけた。
「あ、よっすぃーおはよう」
そして後ろに隠れるように立っている矢口を見つけると
「やぐっつぁん、おはよぅ…」
「おっす」
ちょっと俯き加減に矢口も答える。
「繁盛してる?」
「ぼちぼちでんな〜。結構寒い時期にかき氷ってイケるよ。
当然食べてくよね?」
「ごっちんのおごり?」
「ちゃんとお代はいただきます」
「ちゃっかりしてんな〜(笑)」
二人の会話を聞きながら、矢口は、ぼーっと突っ立っていた。
- 133 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月15日(日)21時20分05秒
- 「矢口先輩も食べますよね?」
「え?…う、うん」
「今日は矢口先輩おかしいっすよ」
「んなことないよ」
「もしかして私は邪魔者ですか?」
ひとみの問いかけに真希が矢口の顔を見る。
「そんなことないって」
「まぁ、私はかき氷食べたら、すぐ梨華ちゃんのとこ行きますから
ご心配なく」
「だから、そんなことないって」
真希から、かき氷を受け取ると、ひとみは一気食いをして退散した。
「んじゃ〜、ごゆるりと!」
ひとみは二人にウインクして見せると、出て行った。
(くぅ〜さすがに、かき氷の一気食いは頭にキンキン来るわ(涙))
ひとみが出て行くのを見届けると、矢口は言った。
「あんなに急いで食う事ないのにな」
「よっすぃーには言ってないんですね」
「うん。突っ込まれそうになったけど」
「そうですか」
「そう言えば、まだ言ってなかったよな」
「何がですか?」
「いや、後で言うわ。取りあえず、邪魔になるみたいだし
どっか適当に見て回る。ダンスの本番終わったら、ちょっと付き合え」
「はい」
そう言って、矢口も出て行こうとした。
(はぁ〜なかなか言えないもんだな。今は人がたくさんいるからな)
矢口は自分に言い訳をした。
教室を出かかったところで、真希が大声で言う。
「やぐっつぁん大好きっすよ〜!」
「なっ…」
矢口が振り返る。真希は手を振っている。そこにいた生徒や来ていた人たちも振り向く。
(な、なんてことを・・・。ここで言わなくったって)
一瞬ひるんだが、矢口もそれに応える。
「おいらも、ごっつぁんの事が一番好きだよ!」
(後で言おうと思ったのに…。また後できちんと言うか)
真希は、にーっと微笑んでいた。
- 134 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月15日(日)21時21分33秒
- とりあえず最終回までは書き上げたのですが、
一気に更新すると20くらいになってしまうので
少しづつアップしていきますね。
- 135 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2001年07月16日(月)00時44分56秒
- 佳境にはいってきましたね〜
もちろん欠かさずチェックしてますよ♪
私もこのいしよしハマってるんで
続編希望してます
- 136 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月17日(火)22時44分40秒
- ひとみが梨華のいる教室に行くと、梨華はあゆみとクレープを焼いていた。
甘いいい香りが漂っている。
「梨華ちゃん、あゆみちゃん、おはよ〜♪」
「ひとみちゃん、おはよう」
「よっすぃー、おはよう」
「いい感じに焼けてるね〜。私ももらおうかな」
「何がいい?メニューは、そんなにないけど」
と言って、手書きのメニュー表を渡す。
「んーとね、梨華ちゃん☆スペシャルがいいな〜」
「そんなのないってば、よっすぃー」
あゆみが苦笑いする。
「じゃぁ、梨華ちゃんの好きなのでいいヨ。なんなら全種類食べようか?」
「そんなに食べて平気なの?お昼からなんでしょ?本番」
梨華がちょっと心配気に聞く。
「まぁ、全種類ったって、たかが知れてるし。ま、それは冗談だけど。
梨華ちゃんの作った物ならなんでもいいよ」
「うん」
「あまあまなんだから、梨華ちゃんも、よっすぃーも。
見てるこっちが恥ずかしくなって来るよ」
あゆみが照れている。
「ごめんね〜あゆみちゃん」
「まぁ別にいいけどね」
手際良く、梨華がクレープの生地を焼いて、あゆみが生クリームを塗り
トッピングのバナナを挟む。
「はぃ。お待ちどうさま」
「サンキュ!」
「梨華ちゃん、後で私の本番終わったら、講堂の裏に来てくれる?」
「うん、いいけど」
「じゃ、待ってるね。あとでね!」
「うん。応援に行くからね!」
「あいよ〜!あゆみちゃんも来てね〜」
「うん」
ひとみは出て行くと、クレープを頬張りながら本番後の告白の事で
既に頭がいっぱいになっていた。
(今度は邪魔が入らないように、ちゃんと梨華ちゃんに告白だぁ!)
- 137 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月17日(火)22時45分36秒
- 教室を出てすぐのところで中澤に会う。
「吉澤、やけにニヤニヤしとんな〜」
「中澤先生…」
(今のマヌケ面を見られてしまった???)
「今日の本番楽しみにしとるで〜。久々に、保田にも会えるしな」
「はい。その節はありがとうございました」
ひとみは頭を下げた。
「吉澤、まだ石川に告白してないんか?」
中澤がにやけて聞いて来る。
「あの〜、そうゆうのは答える義理はないんですけど」
「今日みたいな日は絶好のチャンスやないか。結構、今日あたり
告白しよーとか思っとるんやないか?」
(げ、バレてる…)
「いやいやいやいや…」
「いっその事、ダンス終わった後にでも、生徒の前で告白したらどうや?」
「な、なに言ってるんですか!!!!!!!」
「どうせ、もう全校生徒公認の仲なんやろ?」
「ちょ、ちょっと勝手に話を進めないでくださいよ!」
「一番盛り上げるとか、言うてたやんかー。吉澤の告白タイムが
絶対、一番盛り上がると思うで」
「そんな事したら、飯田先輩に大目玉食っちゃいますよ!
それでなくても私、目付けられてるのに」
「なんや、そんな心配しとるんか。飯田からは私がキツく言って
おくから、心配はいらんで〜」
(キツくって、それただの脅しじゃ…)
- 138 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月17日(火)22時46分35秒
- 「まぁ、矢口と後藤も一足早くくっついたようだしな。
吉澤もうかうかしてると乗り遅れるで」
「なんですか?それは」
「知らんのか?よっぽど、後藤の方が男らしいなぁ」
「なんで中澤先生が知ってるんですか?」
「さぁね〜。まぁとにかく楽しみにしてるわ」
そう言って、さっさと中澤は、別のところへ歩いて行ってしまった。
(吉澤見てるともどかしいねん。とっととくっつきや〜。
取りあえず、矢口に、この話持ちかけてみるか)
中澤は、ニヤリとすると、足早に飯田のいる場所へ向かった。
(うわ〜、どうしよぅ。中澤の事だから本当にやりかねないしなー)
困った表情のひとみだった。
- 139 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月17日(火)22時48分35秒
- >>135ラヴ梨〜さん
ありがとうございます。これから毎日更新出来そうです。
これからも宜しくお願いしますね〜
- 140 名前:ラック 投稿日:2001年07月18日(水)20時58分49秒
- ついに佳境に入ってきましたね。
う〜ん終わって欲しくないような、続きが見たいような・・・複雑な心境です。
ですがやっぱり続きが気になるので、更新よろしくお願いします。
- 141 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月18日(水)21時22分15秒
- 特に行くアテもなかった矢口は、飯田と一緒に舞台裏にいた。
そこへ中澤がやってくる。
「お〜、丁度良かったわ、二人ともおって」
「なんですか?中澤先生」
中澤が一通り、話すと、飯田は当然反対した。
「なんで、吉澤のために、ダンス部の貴重な時間を使わなきゃ
いけないんですか?」
「飯田も冷たいやっちゃなー。吉澤を使えば一番盛り上がるのは
分かっとるやろ?それに一番最後の数分だけやで」
「それとコレとは別ですよ、先生」
「矢口はどうなんや?」
「私っすか?私は別にいいっすけど…」
「矢口は、吉澤の味方だからな」
飯田が不満気に言う。
「飯田は知らんのか?今、矢口は後藤に惚れてるんやで?」
「ちょっと、先生、何言うんですか!」
驚いて矢口が口を挟む。
「まぁ色々と話は聞いてるんやから、いいやないか、矢口。
吉澤は諦めて正解やな。石川にゾッコンやからな」
「そんな事、先生に言われなくても分かってますよ。
なんで、そこで後藤の話が」
そっちの方が気になるらしい。
「ま、宜しく頼むわ、ほんまに」
そう言って、飯田の肩を叩くと中澤は立ち去った。
- 142 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月18日(水)21時22分54秒
- 「大体、ダンス部の顧問でもないのに、なんで来るんだよ」
飯田はぶつぶつ文句を言った。
「やたら、そっちの話には熱心になるんだよな〜中澤って」
「ところで矢口、あんた後藤と付き合ってんの?」
「え?知らなかったんすか?」
(知らなくてもいいけど)
「まぁ別にいいけど。なんかムカつくよな」
「飯田先輩も、なっち先輩とくっつけばいいじゃないっすか」
「なんで、なっちが出てくるんだよ!」
「なっち先輩、純朴そうで、飯田先輩と似合うと思いますけど」
「なんでもかんでもくっつけりゃいいってもんじゃないんだよっ!」
「はぁ、すんません」
(まぁ吉澤には、良いチャンスかも知れないな。ガンバレよ、吉澤)
- 143 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月18日(水)21時23分40秒
- そこへ、辻と加護がやって来た。
「あ〜。矢口先輩いたんですかぁ。ミニモニ。の練習しましょうよ」
「さっきやったじゃん。もう完璧だろ?」
「今回初めて人前でやるじゃないれすかぁ。のの緊張してるんですぅ」
「私も超きんちょ〜です」
「ホントかよっ。じゃぁ見てるから、やってみな」
「矢口!あんたもヒマなんだから、一緒にやりなさいよ」
飯田が少し怒りっぽく言うと、外へ出て行った。
「あれ〜?飯田先輩、何かあったんれすかぁ?怒ってる…」
「まぁ、気にしないでやろうぜ〜」
(八つ当たりがこっちに来るとなぁ。まぁいいか)
- 144 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月18日(水)21時24分25秒
- 今度は入れ替わりにひとみがやってきた。
「矢口せんぱ〜い!」
「あぁ、吉澤・・・」
「中澤、こっちに来ませんでした?」
「来たけど」
ひとみは矢口の腕を取ると、隅に連れて行く。
「いてぇなぁ、なんだよっ」
ひとみは腕を放すと顔を近づけて小声で言った。
「なに言ってました?」
「あぁ、吉澤の告白タイムが、どうのこうのって」
「そ、それで!?」
「OK!!」
「えー?飯田先輩は?」
「中澤が強引にOKさせたようなもんかな」
「マヂっすか???」
ひとみは、はーっとため息をついた。
「まぁいいじゃん。吉澤もチャンスだろ〜」
「あの、チャンスって言うか、この本番終わったら
実は告白するつもりだったんですよ」
「そうだったんだ。じゃぁ準備もバッチシじゃん」
「でもみんなの前でって言うのは、ちょっと…」
言い淀む。
「今さら何言ってんだよ〜。全生徒公認の仲じゃん」
背中をバシっと叩く。
「そんな、中澤と同じ事言わないで下さいよ〜」
「石川もいい加減しびれきらしてるぞ〜」
「そうですかねー」
ひとみはデヘヘと照れる。
(またかよ〜。ほんとラブラブなヤツだな。おいらには出来ないよ。)
そんなひとみの態度に、ちょっとだけ羨ましさを感じる矢口だった。
遠目で、辻と加護が「?」な顔をして眺めていた。
- 145 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月18日(水)21時28分23秒
- >>140ラックさん
来週中には完結しますので、もう少しお付き合いを。
- 146 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月19日(木)21時31分45秒
- ついに本番が始まった。
演劇部の紙"顔"芝居も、ダンス部の前とあって
講堂の客席もほぼ満席状態であった。
殆ど、ダンス部の前座扱いのようなモノであったが
安倍の芝居は笑いを誘っていた。辻の芝居は失笑を買っていたが。
「辻、あれじゃぁなっち先輩の足引っ張ってるようなもんじゃん」
矢口が舞台裏でたしなめる。
「アレでも頑張ったんれすけどね」
涙目になる辻。
「まぁ、後で焼きそばでも買ってやるからさ」
「ほんとれすか?」
辻の目が途端に輝いた。
(ほんとモノに釣られるヤツだな、辻は)
矢口は苦笑いした。
- 147 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月19日(木)21時32分37秒
- ミニモニ。の歌とダンスも好評だった。
ひとみは袖裏から見ていて、不安になってきた。
今思うと「ザ★プチモビクス」の恥ずかしさよりも、その後の方が
自分にとって大問題であった。この時ばかりは邪魔が入らないものかと思ってしまう。
自分の番が終わって矢口が肩を叩く。
「お疲れさまです。矢口先輩」
「吉澤、そんな思いこまないで気楽にいけや」
「は、はい」
- 148 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月19日(木)21時33分18秒
- 舞台では、辻と加護がMCを務めていた。
「「次は、飯田圭織と吉澤ひとみの自称デカモニの登場です。
創作ダンス『宇宙からの交信』そして、吉澤ひとみの『ザ★プチモビクス』です。
『ザ★プチモビクス』は、この後客席からも参加者を募集して一緒に
踊っていただきますので、踊りを覚えながら見て下さいね。
では、デカモニの皆さん、ドーゾ!!!」」
(デカモニじゃないっちゅーに!(怒))
飯田とひとみがステージに出て行くと、わーっと歓声が上がった。
- 149 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月20日(金)14時10分35秒
- いよいよ本格的に佳境に入ってきたってかんじですね!
よっすぃ〜、勇気を出してガンバレ!!(><)
- 150 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月20日(金)15時12分21秒
- 「吉澤先パ〜〜〜〜〜イ!!!!!」
「よっすぃ〜〜〜〜〜!!!!!!」
「ひとみセンパ〜〜〜イ!!!!!」
ひとみ宛の声援ばかり飛ぶ。
「飯田センパ〜〜〜〜イ!!!!!」
真希とあゆみが頼まれた通り、飯田の声援をするがかき消されてしまう。
あゆみの隣りにいた、梨華は、突然飯田の声援をしだした二人を見て
目を丸くしていた。
(私だって、よっすぃーの応援したいよ〜)
あゆみは内心そう思いながらもひとみのお願いだったので
真希と一緒に飯田の応援をしていた。
「こんな事したって却って逆効果だよね〜」
真希はあゆみに耳打ちする。
ステージ上から、ひとみは梨華の姿を探していた。
「ひとみちゃ〜ん!ガンバレ〜〜!!!!」
梨華の声に、ひとみは反応する。
(梨華ちゃん、見ててね〜!)
梨華の方に手を振ると、途端に歓声があがった。
- 151 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月20日(金)15時13分57秒
- 飯田が考えたダンス『宇宙からの交信』が終わり、『ザ★プチモビクス』になる。
ひとみが思ってたほど、そんなにヘンには映ってないようだった。
そして、終わってから、ひとみがマイクを持つと参加者を募る。
「え〜。今ここで踊りました『ザ★プチモビクス』を私と一緒に
踊ってくださる方を今から募集します。出て来たい方いらっしゃいますか?」
台本通りに言うと意外にも手をあげる人がたくさんいた…。
(ありゃりゃ、結構いるもんなんだ…。)
見ると、あゆみも手を挙げている。ステージから下りている辻と加護も。
そして、挙手が多いのを良い事に、真希と保田が手をあげるのをやめていた。
(ちょっと、困るじゃんか!)
ひとみは二人を目で訴えると(場所は離れていたが)結局手を挙げていない
後藤と保田を当所の予定通り指名した。
「えー、じゃぁ、そこの後藤さんと、右端にいる女性の方に出て来て
もらいましょうか。最後は手をさげていたみたいですけど一番最初に
手を挙げていたようですから」
- 152 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月20日(金)15時14分51秒
- 「ごっちん、やる気まんまんだったんだ」
あゆみが小声で言う。
「え?いや、違うんだけど。あゆみちゃん出ればいいじゃん」
しかしひとみの目を見ると『出てきやがれ!』と言う顔をしていたので
渋々と真希はステージの方に向かった。
(も〜、なんで私が…)
ステージに上がると袖にいた矢口が『ごっつぁん、ガンバレ!』と親指を
立てて言っているのが見えた。
真希もそれに答える。
(まぁ、いっかー。)
中澤の隣りにいた保田の方も中澤に促されながらステージに立つ。
- 153 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月20日(金)15時16分15秒
- 「えー、即席に出来たユニットですけど『プッチモニ』と言う事でね。
やりたいと思いますー」
「なに?その『プッチモニ』って?」
真希が聞き返す。
「今、私が勝手に思いつきで考えたユニット名です〜。
では、ミュージック スタァート!!!」
(吉澤、ほんとに緊張してんのかよ。後藤の方が心配だなぁ…)
ハラハラしながら、矢口は見守っていた。
- 154 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月20日(金)15時19分11秒
- そして踊りが終わると再びひとみはマイクを持ち
「いや〜初めてにしては上手ですねぇ」
と白々しく簡単なインタビューをしている。
「私も此処の元ダンス部だったんですよ」
保田もアドリブで返している。
「後藤さんは、どうですか?」
「私は帰宅部です」
「…やー帰宅部にしては、飲み込みが早いですね。
この踊りは身体にいいので、皆さんも是非やって下さいね。
以上『ザ★プチモビクス』でしたー」
簡単にまとめるとお辞儀をして、3人が舞台の袖に引っ込む。
- 155 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月20日(金)15時20分36秒
- >>149名無し読者さん
いよいよ明日の更新が告白タイムです。長かった(w
- 156 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月21日(土)13時57分34秒
- 袖には、いつの間にか中澤が立っていた。
「次は、吉澤がメインのトリやからな」
まだ歓声と拍手が鳴りやまない中、マイクを持つと中澤がステージに出て行く。
「えーなんで私が、ここに出てくるんや?と思ってる人も大勢いると
思いますが、急遽、本日決まった企画で最後は吉澤ひとみにトリを務めて
いただこうと部長の飯田圭織にも許可を取っております」
「勝手に決めてるし…」
矢口は苦笑い。飯田は仏頂面。辻と加護は知らされてなくて唖然。
「では、吉澤ー出て来てー」
ひとみが再び出て行くと、また歓声が起こった。
(なんで、こんなに大々的にやらないといけないのかなぁ…はぁ…)
- 157 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月21日(土)13時58分41秒
- マイクを受け取ると、場内が再び静かになる。
緊張でマイクを持つ手が震える。
(吉澤ひとみ、頑張っていきまっしょい!!)
心の中で自分にカツを入れると、マイクを握り直し、梨華の方を見つめた。
「私事では、ございますが…、本当はこの場で発言するべき事ではなく
終わってからしようと思っていたのですが、急遽中澤先生に言われまして
こんなにたくさんの人の前で言う事に非常に緊張している訳なんですが」
(もー吉澤、回りくどいよっ!先に、こうしてやれ!)
矢口はスポットライトを石川の方に照らした。驚く梨華と振り返る客。
(ぅわっ。梨華ちゃんにライトが…。バレバレじゃん…ってとっくにバレてるのか)
- 158 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月21日(土)13時59分21秒
- 一瞬後ろを振り返ると矢口が目配せする。
「早く告れよ!」
「矢口先輩...」
「いいから!」
ひとみは深呼吸する。そして梨華を見つめながら告白した。
「石川梨華さん、一目会ったその日から、梨華ちゃんに恋をしちゃいました。
今まで友達として付き合って来ましたが、正式にお付き合いをしたいです。
こんなに人を好きになったのは初めてです。私の彼女になって下さい。
梨華ちゃんが大好きです」
ひとみは深々と頭を下げる。
一瞬の静けさの後、拍手がわき起こる。
- 159 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月21日(土)13時59分57秒
- 「ついに言いよったな」
腕を組みながら、中澤は微笑む。
「へぇー。ビシっと男らしく言ってるじゃん」
保田も感心した様子。
「よっすぃー、全生徒の前で言っちゃう…」
真希は知らされてなかったので驚きのあまり呟く。
「悔しいけど、よっすぃーってやっぱりカッコいいね」
あゆみは何故か感動している。
「ふぇ?そうなんれすかー?」
「あー、やっぱり加護より石川先輩なんやなぁ」
的はずれな辻と加護の反応。
「吉澤カッコつけやがって」
飯田の反応はいつも通りだった。
「やっと言えたな、吉澤」
矢口は何故か安堵感があった。
(おいらも後で、ごっつぁんにちゃんと言わないとな)
- 160 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月21日(土)14時02分03秒
- 梨華は突然の告白に戸惑っていた。ライトが当たった時に
予感していた事はしていたのだが。
(ひとみちゃん…。嬉しいよ、とっても)
矢口が出て来るとマイクを借りて梨華に向かって言う。
「やっと吉澤も、ちゃんと言えましたね。今度は石川さんの番ですね。
学園内では二人の仲は公認となっていましたが、ここは正式に
認めちゃいましょう!と言う事で、石川梨華さんにもステージに
上がって来てもらいましょうか」
また拍手が鳴る。
そして梨華がステージに上がって来た。
「では、ここで石川さんにもコメントしていただきましょうか?」
マイクを向ける矢口にひとみは、制した。
「いや、これは私が勝手に告白した事なので、梨華ちゃんには…」
「えー?それじゃぁ意味ないじゃん。石川だって満更じゃないだろ」
梨華は俯いている。
「も、もぅ、とにかくここではね、後でゆっくりと…」
「ここまで来てそれはないだろー。ねぇ、皆さん!」
会場から更に拍手がわく。
「じゃぁ、答えは出てますが、石川さんから吉澤にですね
OKならキスをしていただくと言う事でよろしいでしょうかね?皆さん」
勝手に仕切る矢口に、二人は真っ赤になる。
会場からは、早くも「おめでと〜!」「やっちゃえ〜!」
などと声援なのかヤジなのか拍手に混じって飛んでいた。
- 161 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月22日(日)06時24分44秒
- おお〜!遂によっすぃ〜告白しちゃいましたねぇ。
はたして石川さんは公衆の面前でキスができるのか・・・?(w
- 162 名前:ラック 投稿日:2001年07月22日(日)10時47分33秒
- よっすぃ〜男らしい〜(笑)
次のシーンが無茶苦茶楽しみぃ〜(w
- 163 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月22日(日)13時28分46秒
- 袖で見ていた中澤は、隣りで見ている真希に
「後藤もついでに、矢口にキスしてもらいや」
と耳打ちする。
「え?な、何言ってるんですか!!」
急に話を振られて、真希はビックリした。
「後藤も公認の仲になっときや。悪くないと思うで」
「べ、別にいいですよ」
「吉澤たちが終わったら、後藤も出ていきや」
「イヤですよ」
「これは、担任からの命令や」
中澤の目がキラっと光った。
「なんでですかー(涙)」
- 164 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月22日(日)13時30分32秒
- ステージ上では、まだもじもじしている二人に矢口が
無理矢理向き合いさせた。
「ここまで来たんだから、堂々としなさいって!」
矢口が小声で二人に言う。
梨華は深呼吸して、決心するとひとみの肩に手を置き、そして頬に軽くキスをした。
硬直している、ひとみに
「宜しくお願いします」
梨華は俯いて言った。
「は、はぃ…。こちらこそ宜しくお願いします」
ひとみは思わず両手で梨華と握手してしまう。
会場から、また拍手がわく。
- 165 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月22日(日)13時31分36秒
- そこへ、また中澤が出てくる。
「えー。ついでに同じクラスから、後藤真希も話があるそうや」
無理矢理連れて来られた真希を見て矢口が唖然とする。
「まぁ後藤からと言うよりは矢口からって感じやな」
「なんで、ごっつぁんまで出て来るんだよっ」
「中澤が無理矢理連れて来るから」
小声でひそひそと話す二人に、中澤は
「時間もないしな、はよ、矢口も後藤にキスしたりや」
「は????」
場内がざわつく。まだ矢口と真希の仲を知る者は少なかったようだ。
「後藤も寂しいんやで。矢口も男なら態度で決めないとな」
(男じゃないっちゅーの!)
「えぇやんか減るもんじゃなし」
(このヘンタイ教師!!!)
「あれれれ〜。矢口先輩もそうなんれすか〜」
「あー、やっぱり加護より後藤先輩なんやなぁ」
ここでも辻と加護は同じ反応だった…。
ひとみは、もう夢心地と言った感じで、梨華と手を繋いでいた。
「梨華ちゃん今、とっても幸せ」
「私もだよ、ひとみちゃん」
- 166 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月22日(日)13時33分12秒
- 一方真希は、逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
しかし矢口も、このままでは埒があかないと思ったようで
折角盛り上がってるところに水を差してはいけないと思い
不本意ながらも、決心をした。
真希の正面に立つと、矢口は精一杯背伸びをして、
真希のくちびるに自分のくちびるを重ねた。
唐突の事で、ビックリした真希は一瞬ポカンとしていた。
「おいらもちゃんとこれからは態度で示すからさ」
矢口の心は既にいっぱいいっぱいだった。
「お〜くちびるにしおった。男だね〜」
中澤は呟く。
「矢口!お前もか!!」
飯田の嘆き。
「ごっちんに先越されたなぁ」
あゆみのため息。
「私もくちびるに…」
ひとみの願望。
良く聞こえなかったので梨華は「え?」と聞き返す。
「あ、いやいや、なんでもない」
「うん」
(こうして手を繋いでるだけでも幸せだヨ 私…)
こうして、めでたく中澤の勝手な計らいで
ひとみと梨華、矢口と真希は公認の仲?になったのだった。
- 167 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月22日(日)13時39分13秒
- 更新です。明日で完結です。
>>161さん
梨華ちゃんはテレがあるので、やっぱり?ほっぺたでした(w
>>162 ラックさん
あっさりとしたシーンになってしまいました。スマソ。
- 168 名前:JAM 投稿日:2001年07月22日(日)23時58分21秒
- あ・あし・明日ぁ!?
ま・マジッすか・・・・
楽しみが減るのはつらいけど
ラストも気になる・・・なんにしてもメチャ期待してます!!
がんばって!!!
- 169 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月23日(月)13時26分23秒
- いよいよラストですか・・・
楽しみが減るのは残念ですがとても楽しみに待っております!
最後ですが、ガンバッテ下さい!!
- 170 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月23日(月)20時10分25秒
- −エピローグ−
結局中澤の言う通り、ダンス部の舞台が一番盛り上がり幕を閉じた。
最後の「告白タイム」はダンス部とは関係なかったが。。。
「二人の恋のキューピッドや、感謝しぃや!」
と言う中澤の言葉に、「何言うてまんねん!」とツッコミを入れずには
いられなかったが。
矢口と真希は終わってから、昨日の公園のベンチで佇んでいた。
「ごっつぁん、怒ってる?」
「何が?」
「いや、さっきの事」
「別に」
「なんか悪かったな。吉澤だけかと思ったら急にふってきやがって中澤のヤツ」
「中澤が絡んだところで気づくべきだったかもね」
「おいらがちゃんとしてれば、みんなの前でキスする事もなかったのにな」
「でも嬉しかった」
「え?」
「ちゃんとやぐっつぁんの方からキスしてくれたし(それもくちびるに)」
「ダメだよな〜。そうゆうとこ、ごっつぁんの方が度胸あるって言うか。
昨日だって、おいらドキドキしちゃって何も出来なかったもんな。
嬉しかったけどさ」
「私もドキドキだったよ。初めてだったしね。でもやっぱ
やぐっつぁんの事好きだし。でも好きって先に言ってなかったよね。私たち」
矢口はちょっと考えて
「そう言えば、そうだっけ?」
「うん。なんか順番が逆だったね」
くすっと真希が笑う。
「まぁ順番なんてどうでもいいじゃん。おいらはごっつぁんが大好きだよ」
(あ、今照れずに言えたぞ(笑))
「私もやぐっつぁんが好きです」
二人は見つめ合うとキスをした。
- 171 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月23日(月)20時11分06秒
- 最初に約束した通り、ひとみと梨華は講堂の裏で会っていた。
「梨華ちゃん、さっきはごめんね」
制服に着替えたひとみは梨華に開口一番に謝る。
「なにが?」
「急にあの話が決まったんだ。ほんとは、最初からここで告白するつもりだった」
「うぅん。驚いたけど、嬉しかったヨ。ひとみちゃん」
自然と抱きしめあう二人。
「ここまで来るの長かったね。もっと早く言えば良かったんだけど。
なかなか勇気が出なくてね。梨華ちゃんに会うと、どうしてもあがっちゃってさ」
「そんな事ないよ。私だって、ひとみちゃんの気持ち知ってて。ごめんね」
「ありがとう、梨華ちゃん」
「うん」
そして自然とくちびるを寄せ合う。
「今度は邪魔が入らなかったね」
梨華のおでこに自分のおでこをくっつけると微笑みながらひとみが囁いた。
そして更にぎゅっと抱く力を強めた。
「大好きだよ〜。梨華ちゃん」
「私も、ひとみちゃん」
ひとみと梨華は、ずっと抱き合っていた。
(これからも、ずーっと一緒だね)
二人は幸せをかみしめていた。。。
−END−
- 172 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月23日(月)20時17分33秒
- と言う訳で、完結です。予想通りだとは思いますが。
>>168 JAMさん>>169さん
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
終わったから言うのですが、これは第一部だと思って
引き続き続編も書きたいのですが、よろしいでしょうか?
二人は始まったばかりなので、これからも書きたいなーと
思いまして。(って実は既に書いてる・・・)
すぐ書くのもなんなので、8月に入ったらアップしたいと
思います。引き続き宜しくお願いします。m(_ _)m
- 173 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月23日(月)20時50分25秒
- おお、続編ですか!!
このまま終ってしまうのは寂しいと思ってました。
大歓迎です!!
8月なんて言わないで、できてる分だけでもぜひ!!(w
とにかく期待してます!!
- 174 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月23日(月)22時33分52秒
- ぜひぜひ!
毎回楽しみに読ませていただいていました!
>173さんも言っている通り
できてる分だけでも!
頑張って下さい!期待してます!
- 175 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月23日(月)23時35分13秒
- 続編があるんですか〜。
凄い楽しみに待っています。
- 176 名前:mo-na 投稿日:2001年07月24日(火)03時12分39秒
- お〜ご苦労さまでした。(一部)
お邪魔にならない様にいてROMってましたが、ここで一言
良かったです。いしごま・まきまり 可愛い〜
あ!裕ちゃんは?(笑)彼女にも…
おいらも8月では無く是非このまま続編を希望したいですね。
では又お邪魔にならない時に出てきます(笑)
- 177 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月24日(火)13時47分16秒
- 僕はあまあま⇒ハッピーエンドが大好きなんで…。
すごく良かったです。
大変だとは思いますが、続編期待してます!
それまでは我慢して、期待に胸膨らませています(笑)
- 178 名前:ラック 投稿日:2001年07月24日(火)15時16分43秒
- お勤めお疲れさまッス!!ラストよかったっす!!
チャ−ミ−ブルーさんはもう次の小説に・・・・
僕も頑張らなければ・・・
という訳で(どういう訳だ(笑
次回作も期待してます頑張ってください!!
- 179 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月24日(火)20時14分30秒
- 今までで一番レスが付いてて嬉しいっす(泣)。ありがとうございます!
>>173さん
できてる分をアップしたら、多分毎日でも1週間は持ちそうです(w。
そんなに書いてるんかい!って言われそうですけど。書きやすいんですよね。
>>174さん
ありがとうございます。終わって次の日からすぐ続編をあげるのも
なんか、いやらしいと思ったので。
>>175さん
ありがとうございます。嬉しいです〜。
>>176mo-naさん
初カキコですよね。どうもです。私の書く小説って、あんまり
レスが付かなかったので、寂しかったんですけど、見てて
くださってありがとうございます。全然邪魔じゃないので
どんどん書き込んでくださいね〜。
姐さんは、当初は、なっちと出来てる話だったんですけど
話に絡んで来ないのでボツりました。スマソ。
>>177さん
第二部も、あまあまですよ。最初の方は。今回は色々と問題が
出て来るようにしようと思ってます。だから新キャラも登場予定。
>>178ラックさん
いつもレスありがとうございます!ラックさんも頑張って下さいね!
毎日見に行ってますよ〜。
明日の「ザ☆ピ〜ス」発売記念日に続編スタートさせますね〜。
って1週間もアップが早いやん(^^;)。
- 180 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月25日(水)06時32分35秒
- つまり、今日から続編!!
激しく期待してまーす。
また、ここに通うことが出来てうれしいっす。
- 181 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月25日(水)21時10分11秒
- >>180さん
ありがとうです。
『恋をしちゃいました−2nd Stage−』始まります。
- 182 名前:『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月25日(水)21時11分09秒
- −入学式−
前回めでたく結ばれたひとみと梨華。
あれから約5ヶ月の月日が流れ、ひとみは晴れて高等部1年に進み
(と言っても殆どそのまま上がる生徒が多くコレと言って変わった
所はなかったが)真希と揃って入学式を終えて屋上に来ていた。
「また同じクラスになったね。ごっちん」
新しい制服に身を包んだひとみが声をかける。
「そーだね。また担任が中澤じゃん。あんま変わったって感じしないね」
「うん。でも梨華ちゃんと同じ制服!同じ校舎だと思うと嬉しいヨ。
ごっちんだって矢口先輩と同じ制服で嬉しいでしょ?」
「え?うーん…私は別に、そ...」
「そうだよね〜。一緒ってうれすぃ〜よ」
言いかけているのに遮る。
「(聞いてないし)・・・」
- 183 名前:『恋をしちゃいました−2nd 投稿日:2001年07月25日(水)21時11分56秒
- 「ねぇ、矢口先輩と最近どぅよ?」
ひとみが肘で脇をつついてきた。
「どぅって...別に...」
「矢口先輩、アレで奥手だからな〜。なかなか自分から誘うって
タイプじゃないよねー」
「昼間っから何言ってんだよ、よっすぃー。
で、よっすぃーこそ石川先輩とどうなのよ?」
「あはっ。聞いてくれる?」
「うん」
「もー最初から言えよー」
「全然進展してないよ」
「はぁー。嬉しそうな顔してるからてっきり…」
「多分ごっちん達より遅れてるかも。でも手繋ぐだけで幸せなんだよねー」
「じゃぁ、いいじゃん別に」
「でもやっぱキスしたり、イチャイチャしたいじゃん」
(よっすぃー気づいてないだけで、充分イチャイチャしてんですけど君たちは…)
- 184 名前:『恋をしちゃいました−2nd 投稿日:2001年07月25日(水)21時12分32秒
- −キスのシチュエーション−
「ねぇー、どうしたらさりげなくキス出来る?」
急にひとみは振り向くと真剣な顔で聞いてくる。
「なんで私に聞くわけ?」
「だって、ごっちんから先にキス迫ったんでしょ?」
去年の学祭前の夜の事を思い出して真希は赤くなった。
(あの頃は新鮮だったなー…じゃなくて!!)
「今さらそんな事聞かないでよ!それに、よっすぃーだってキスぐらい
してるんでしょ?」
「そりゃぁーまぁーそうだけど......」
梨華とのキスを思い出してるのか、身体をくねらせながらニヤけている。
「大体よっすぃーんとこは常にキスしそうな雰囲気なんだから
そんな事聞かないでよー」
「ヤダ、そう?やっぱシチュエーションを大切にしたいじゃない」
「ウチらなんか全然そーいう雰囲気ないんだから」
- 185 名前:『恋をしちゃいました−2nd 投稿日:2001年07月25日(水)21時13分15秒
- ため息をつく。矢口も、あーいった性格なので自分から手さえ繋いで来ないし
一体付き合っているのかさえも怪しい状況だった。男友達と一緒にいる感じさえする。
(大体、この前やぐっつぁんとキスしたのいつだっけ?)
そんな事を真希が考えていると、いつの間にか隣りにいたひとみが
背後に回っていて、いきなり後ろから抱き付いてきた。
「ねぇ、こんなのどお???"ごっちん。好きだよ"とか言いながら〜」
「な、なによ。急に…」
ひとみは耳元で囁き、ぎゅーっと更に抱きしめた。
そして真希をゆっくりと振り向かせると顔を近づけて来た。
そして、あと数cmでくちびる同士が触れ合うところまで接近して来た時…
- 186 名前:『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月25日(水)21時14分32秒
- 「こらぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!!!何やってんだよっ!吉澤!!!(怒)」
そこへ矢口が叫びながら跳び蹴りをしそうな勢いで走って来た。
「あ゛ーやっぱり邪魔が入った。吉澤的には、今のって、かなりアリ!
なんだけどな〜。どう?ごっちん。ドキドキした?」
ひとみは苦笑い。真希は我に返って慌ててひとみから離れた。
「もぅ、びっくりするじゃない!でも、全然さりげなくは、ないね」
(こ、このまま、よっすぃーとキスするところだった!!)
今まで付き合って来て、ふざけあって抱き合う事はあっても、
あれほど接近したのは初めてではないだろうか?
「やっぱ、ミエミエかな〜」
- 187 名前:『恋をしちゃいました−2nd 投稿日:2001年07月25日(水)21時15分20秒
- 「ごっつぁんもなんだよ、満更じゃない顔しやがって!」
「そ、そんな事ないよ」
明らかに動揺していた。
「矢口先輩、ごっちんにもかまってあげて下さいよ〜。
ごっちん寂しがってますから。キスしたぁ〜い!って」
「ホントーか???」
矢口が真希を見る。
真希は真っ赤になって抗議する。
「キスしたいなんて言ってないじゃん!」
「その割になんだよ今のは!目まで閉じちゃって」
「あっあれは、よっすぃーが急に抱きしめてきて…」
と言いかけて真希は口をつぐむ。
「なんだよ、黙って」
「もしかして妬いてる?」
今度は矢口が赤くなる番だった。
「そっそうだよ。悪いかよ!」
「矢口先輩も私とキスしたいですかー?」
からかい半分でひとみが絡んで来る。
「はぁ?そんなんじゃねーよっ!」
「矢口先輩、去年の今頃はまだ私の事好きだったのに残念ですぅ〜」
「全然残念がってないだろっ!お前、最近キャラ変わって来てるぞ」
正直、今のひとみの方が前よりも付き合いやすいのは確かだったが
一応、矢口もひとみの2つ先輩である。
飯田が卒業したので、矢口がダンス部の部長にもなるし威厳に関わる事だった。
- 188 名前:『恋をしちゃいました−2nd 投稿日:2001年07月25日(水)21時16分05秒
- 「矢口先輩は小さいから、お姫様抱っこって言うテもあるよ、ごっちん」
急に話を振られ、真希はひとみの方を振り向くと、既に矢口の肩と足に手をかけていた。
「ちょっと何すんだよ」
軽々と矢口を抱き上げると、ひとみは矢口に顔を近づける。
「放せよっ!」
と、そこへいつの間にか梨華が立っていた。
「ひとみちゃん…」
ちょっと哀しそうな瞳をしている梨華と目が合うひとみ。
「梨華ちゃん…」
慌てて矢口をおろすと、何とも気まずい雰囲気が流れた。
「石川ぁ、吉澤最近調子に乗ってるからさ、一発ガツンと言ってやってくれヨ。
ごっつぁん帰ろーぜ」
真希の手を取ると矢口は、その場から出て行った。
- 189 名前:: 『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月25日(水)21時25分14秒
- 階段を下りながら真希は矢口の手を握り返していた。
(手を繋ぐのなんて久しぶりだなー♪)
「よっすぃー大丈夫かな?」
「自業自得だ。これからメシ食いに行こーぜ」
「うん」
久しぶりに手を繋げて嬉しい真希だった。
- 190 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月25日(水)21時27分30秒
- 初回なので、少し多めにアップしておきました。
そんなにキスしたいのか?吉澤!って感じですね。
矢口を男前キャラにしすぎてしまって、後藤が可哀相になってしまったかも。
- 191 名前:mo-na 投稿日:2001年07月26日(木)05時04分29秒
- ふふふ!いよいよスタートですね。
期待してますね!
- 192 名前:名無し男 投稿日:2001年07月26日(木)12時25分09秒
- いきなりヤバい展開。
- 193 名前:『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月26日(木)20時03分53秒
- 「梨華ちゃん怒ってる?」
心配そうに顔を覗き込むひとみに、梨華はむくれ顔で柵の外の校庭を見ている。
「別に…」
シュンとして、落ち込むひとみ。
(あちゃー…。やりすぎちゃったかなー。反省…(涙))
「…怒ってないヨ」
かなり間があったが梨華は微笑んでいた。
「だって、ひとみちゃんは私の恋人だもんね?」
「うん。勿論だよ。ふざけただけ」
(良かった)
「でも、あーいう事は、しないでね」
少し俯き加減で言う梨華に、ひとみはドキドキした。
(梨華ちゃん俯いた表情もカワイイ)
「分かった。ゴメンね。ちょっと予行練習してたんだ」
「予行練習???」
首を傾げる。
「梨華ちゃんを抱っこする練習…」
と言いかけて、ひとみは真っ赤になった。梨華も赤くなっている。
「あ〜〜〜〜、いやいや別にそういう訳じゃないんだけど…(汗)。
いずれ、そーなった時の…なんて言うか、その....」
しどろもどろになる。
(吉澤ピーンチ!!!!)
と思いきや、梨華が腕を絡めて来た。
「嬉しいヨ ひとみちゃん」
「え?」
「いずれ、自然にそういう時が来ればいいね」
「う、うん」
(梨華ちゃん可愛すぎ!!)
- 194 名前: 『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月26日(木)20時05分02秒
- 「遅くなったけど、入学おめでと〜!」
「ありがとう。あんまり実感ないけどね」
「そうなの?制服も似合ってるじゃない」
「ホントに?梨華ちゃんに褒められると嬉しいな」
「でさ、そろそろひとみちゃんの誕生日じゃない。何か欲しい物ある?」
(ちゃんと覚えててくれたんだ。嬉しいよ、梨華ちゃん)
「うーん…」
ひとみは暫く考えていたが…。
「梨華ちゃん。。。」
とテレながら言った。
「・・・もぅ、ひとみちゃん昼間から何言うのー?」
梨華は赤くなる。
「の〜、くれるものなら何でもOKだよっって言おうとしたのに(笑)」
わざとひとみがいたずらっぽく言った。
「ズルイよ、ひとみちゃん」
「ウソウソ。別に何もいらないよ〜」
「そういう訳にはいかないよ。私の誕生日の時に、ひとみちゃん
プレゼントしてくれたじゃない」
と言って、腕にしている時計を見せる。
今年の1月19日の梨華の誕生日にひとみはペアのダイバーウォッチを
梨華に贈ったのだった。
二人が正式に付き合い出してから、約5ヶ月。
その間のイベント…クリスマス・お正月・梨華の誕生日・ヴァレンタインデー・
ホワイトデー・卒業式・・・と全部二人で過ごしていたのだが、
機会があったら、その辺の話はする事にして・・・。
- 195 名前: 『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月26日(木)20時06分05秒
- 「まぁ、そうだけど、気持ちだけで嬉しいから」
「ひとみちゃんが遠慮するなんて珍しいね」
「そうかな」
「うん」
「じゃぁさー、入学のお祝いちょーだい」
そう言って、ひとみは目を閉じてくちびるを梨華に突き出した。
「!?」
(もぅ、ひとみちゃんたら…)
梨華は一瞬迷ったが意地悪をして、人差し指をひとみのくちびるに当てた。
「え?」
ひとみは目を開けると、残念そうに梨華を見た。梨華は笑っている。
「ズルイな〜。梨華ちゃん」
そう言いながら、ひとみは梨華を抱きしめた。
「だって誰かに見られてたら、恥ずかしいもん」
「大丈夫だって。誰も見てないよ?」
そう言って、ひとみは梨華のくちびるに自分のくちびるを重ねた。
- 196 名前: 『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月26日(木)20時07分08秒
- 「あ〜、アイツら、キスしやがった」
とっくに帰ったハズの?矢口と真希が屋上に出る階段付近で二人を覗いていた。
結局、ひとみ達が心配になり、戻って来たのだが取り越し苦労だったようだ。
「もう帰りましょうよ。覗き見なんて趣味悪いっすよ。やぐっつぁん」
そう言いつつも、真希も気になって仕方がなかったのだが。
しかし、矢口は聞いてないようで
「まだチュッチュしてやがるよー。なげーなぁ…」
「やぐっつぁん!!!!!!!」
矢口の腕を引っ張る。
「う、分かったよ」
しかし真希も思わず覗き込んでしまう。
「なんだよ、結局ごっつぁんも見てるじゃんか」
- 197 名前: 『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月26日(木)20時08分10秒
- (そりゃ、石川先輩もよっすぃーにメロメロになるよね〜)
先ほどの事を思い出して真希は、もう少し矢口が遅く来たら
どうなっていたのだろうか?と ふと考えた。
「ねぇ、私達って、この前いつキスしたっけ?」
ぼそっと真希が呟く。
「なに?」
まだ二人を覗いている矢口は良く聞こえなかったらしく聞き返した。
「もぅ、いいよ。私帰るね」
真希は矢口を置いて帰ろうとした。
「ちょっと待てよ〜。今度こそメシ食いに行こうぜ。
なんか、さっきからおかしいぞ?ごっつぁん?」
「そんな事ないですよ。私も"刺激"が欲しいなぁ〜」
「刺激?カレーとか食いたいって事?」
(さすが、やぐっつぁん、分かってないよ(涙))
「もう、いいですー!帰るわ、ほんとに」
「待てってば〜!」
階段を下りていく、真希を追って、矢口も追いかけて行った。
- 198 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月26日(木)20時11分50秒
- >>191 mo-naさん
最初だけ、今後の展開を考えて二人が可哀相なので、
敢えてあまあまシーンを入れてみました。
>>192さん
ヤバくなってしまったので、大幅に書き換えてしまいました(w。
- 199 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月26日(木)21時41分11秒
- 梨華ちゃんがたまらなく可愛い!(w
更新頑張ってくださいね♪
- 200 名前:mo-na 投稿日:2001年07月27日(金)03時54分48秒
- う〜〜ん矢口さん天然ですね!
「まきまり」の今後が…(笑)「いしよし」甘甘・良いですね〜よっしーGO!
- 201 名前:『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月27日(金)20時23分15秒
- −キス!キス!!キス!?!−
その夜、真希は自分のベッドに寝っ転がりながら、
昼間の屋上の事を思い出していた。
覗き見をしたのは悪いと思っているが、ひとみと梨華のキスシーンを
見て、羨ましがられずには、いられない真希だった。
(あ〜いうキスしてみたいなぁ…。って私は欲求不満なのか???)
結局あの後は、カレー屋に入り、適当に喋って帰った。
(刺激違いだっつーの!でも、まぁ、そんなとこが、やぐっつぁんって
感じで好きなんだけどね)真希は一人、にやけた。
- 202 名前:『恋しちゃ−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月27日(金)20時24分22秒
- 「よぉ〜っす!」
ひとみが入って来た。
「ちょっと何よ、いきなり!」
真希とひとみの家は近く家族ぐるみで付き合ってる事もあって
勝手に入って来るのは茶飯事だったが、キスの事を考えていた真希は
ビックリして起きあがった。
「なに、驚いてんの?ヘンなごっちん」
ホイっと缶紅茶を渡すとベットにいる真希の隣りに腰掛けた。
「ノックぐらいしてよね〜」
「したよ〜。聞こえないくらい何か考えてたの?」
「え?そんな事ないよ」
(鈍感よっすぃーが、また鋭い事を…)
「矢口先輩と、どうなん?なんか昼間中途半端に別れちゃったからさ」
「あー。別に何もー。ご飯食べて、帰ったよ」
「そうなんだ。ならいいんだけどさ」
ひとみが真希の顔を覗き込む。
昼間の事を思い出して、真希は思わず身をひいてしまった。
- 203 名前:『恋しちゃ−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月27日(金)20時25分33秒
- 「どうかした?」
(どうもこうも、よっすぃー!!よーし、聞いちゃえ!)
「よっすぃー昼間、屋上で私にした事覚えてる?」
「え?あぁキスしようとした事?」
「うん。なんであんな事したの?」
「あーいうシチュエーションって萌えるのかなー?って思って」
「そんだけ?」
「あーいう事されたら、やっぱクラっと来るもの?」
ひとみは悪びれた様子もなく、真面目に聞いてくる。
「それは相手にも寄るんじゃないの?私がやぐっつぁんに
やっても、多分あんま効果なさそうだけど。でもよっすぃーだったら
ファンの子もイチコロで殺られるだろうね」
「梨華ちゃんだったら、効果覿面かしら???」
「そんなんで私を実験に使うなよ〜。でも、あのまま、やぐっつぁん
来なかったら、そのままキスしてたのかな?」
「う〜ん、まぁ、すぐ矢口先輩が来ると思ったからねー。
それにごっちんは先輩のモノだからさー手を出すような事しないって。
でも、もうちょいでマジでキスするとこだったね」
「モノって!なによ〜(怒)」
(先に手を出そうとしたのは、よっすぃーじゃん!)
「でもさー、ごっちんって良く見るとキレイでカワイイよね。ドキっとしたよ」
(え?マジっすか?)
「梨華ちゃんには劣るけど」
(まぁ、そうでしょうよ)
「矢口先輩も幸せだよね。もっとごっちんに迫ってハートを鷲掴みに
する位の勢いないとねぇ。押しが足りないんだよ、先輩は」
- 204 名前:『恋しちゃ−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月27日(金)20時26分37秒
- −お泊まりの極意−
ぶつぶつ言ってるひとみをよそに、真希は内心喜んでいたが。
「キレイでカワイイかぁ…」
思わず口に出して言ってしまったらしい。
(一番言って欲しい人は、言ってくれないんだよな〜。はぁ)
「え?なに?ごっちん」
「うぅん。なんでもないよ」
「それよりさー、ごっちんって矢口先輩の家にお泊まりした事あるんだっけ?」
「あるけど。なにか?」
「って事は〜〜〜〜!!!!!!!」
ひとみは真っ赤になって興奮している。
「よっすぃーどうかしたの?」
「どうって、つまり、やっちゃったって事だよね?
なんだかんだで、矢口先輩やる時はやるんだなぁ。やっぱ男だなぁ」
ひとみは一人感心している。
- 205 名前:『恋しちゃ−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月27日(金)20時28分28秒
- 「なんか、今日のよっすぃー、かなり飛ばしてない?
発言がストレートだし行動がなんか過激と言うか…」
しかし、真希の発言は相変わらず聞いてなく、どんどん聞いていく。
「先輩のごっちんに聞きます。どうやって、そうゆう風になったの?」
「だから何もないって」
疑いの眼差しが真希に向けられる。
「そんなんおかしいよ?だって恋人同士の二人が泊まりって言ったら
やっぱり、何もないなんておかしいじゃん!隠さないで教えてよ」
「隠してないって〜。やぐっつぁんすぐ寝ちゃうんだもん。
お風呂から上がってみたら、先に寝てたしさ〜。私だって期待して
なかった訳じゃないけど先に寝られちゃねぇ。起こすってのもアレだし…」
「マジなの?」
ひどく落胆した様子。
(そんなに期待してたのか〜。まぁ普通は何かあるって思うよね)
- 206 名前: 『恋しちゃ−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月27日(金)20時30分05秒
- 「それはそれで矢口先輩も酷いなぁ。どんな気持ちでごっちんが
お泊まりに期待を膨らませて行ったのか分かってないよね」
「別に、そんなに期待して行った訳じゃないよ。恥ずかしいなぁ」
「そんなの嘘だよ。ラブラブだったら、やっぱり手を繋いでいたいとか
キスしたいとか抱きしめあっていたいとか自然に思うじゃない」
「そりゃ〜よっすぃーと石川先輩は、そうかもしれないけど。
ウチらはラブラブって程でもないしなぁ」
急に真希の肩をガシっと掴むと
「ごっちん自信もって!」
「は?」
「ごっちんに魅力がない訳じゃないし、私がごっちんの彼氏だったら
すぐ押し倒す勢いだよ!」
ひとみなりに慰めてくれてるのだろうが、真希は複雑だった。
(押し倒されないって事は魅力がないって事か?(涙))
- 207 名前:『恋しちゃ−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月27日(金)20時31分23秒
- 伏し目がちだった真希の瞳が、ひとみの目に向けられる。
(昼間と同じじゃん…)
しかし、そんな甘い雰囲気は一瞬の内に飛んでしまった。
「…とか私が言ってもねぇ、説得力ないよね〜」
へへへとひとみは笑うと肩から手を離した。
「ちょっと、よっすぃー、あんまり迫って来ないでね」
「私でもドキドキする?ごっちん、そぉ〜とぉ〜矢口先輩に
不満があるんじゃないの?」
「なに、言ってんのよ〜。そんなやらしい事ばっか言ってさ〜」
「そんなにやらしいかな」
「やらし〜よ!よっすぃーの方が、欲求不満なんじゃないの?」」
真希はひとみにもらった缶紅茶のプルタブを引くと一気に飲み干した。
- 208 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月27日(金)20時36分56秒
- >>199さん
>たまらなく可愛い!(w
ありがとうございます。そう言っていただけると書いてる甲斐があります。
>>200 mo-naさん
矢口さん、手を出さなくてもごっちんの事
ちゃんと想ってますので、ご安心を。
- 209 名前:『恋をしちゃいました−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月28日(土)12時48分43秒
- 「今日さー、あの後、梨華ちゃんと話しててね、
まぁ『自然にそういう時が来ればいいね』って言われちゃったんだけど
いきなり『梨華ちゃんちに泊まってもいい?』って聞いたら
やっぱり下心あるって思われるかな?」
「はぁー」
(よっすぃーラブラブでいいなぁ…。やぐっつぁんに言っても
『おぅ!いつでも来いよ〜!』なんて言って、ムードも何もないもんな〜)
いちいち、自分たちと比較しては、落ち込む真希だった。
「ごっちん聞いてる?」
「聞いてるよー」
「どう思う?」
「そう言われてすぐ泊まりに行くのは、ちょっとねー…」
「やっぱり、そうだよねー。でも自然にってのが難しいよねー」
「まだ、泊まりに行った事ないんだっけ?」
「うん。何回か遊びには行ったけどね」
「よっすぃーの方が、そういうチャンスは多そうな気がするけどね」
(そうだよ、だって石川先輩ひとり暮らしだし!こっちはお互い実家だし)
- 210 名前:『恋をしちゃいました−2nd 投稿日:2001年07月28日(土)12時49分38秒
- 「でもさー、泊まりにならなくても石川先輩の家に遊びに
行ってる訳でしょ。だったら、別に泊まるのにこだわらなくても
いいんじゃないの?」
「まぁ〜ね〜、そうなんだけどさー。そうだよねー。
いざとなったら、その場の勢いで、押し倒して〜」
そう言うと、ひとみは真希を押し倒した。
真希は真っ赤になると、すぐに、ひとみを押しやった。
「だからね〜、そういうのは露骨過ぎるんだって!」
「やっぱ、そうか〜。実は明日、梨華ちゃんちに遊びに行くんだよね。
どうしよ〜。めっちゃ緊張しちゃうじゃん!」
- 211 名前: 『恋しちゃ−2nd Stage−』 投稿日:2001年07月28日(土)12時50分42秒
- 延々と、こんな話ばかり付き合わされて、真希は少々疲れて来た。
かたや、いつでもチャンスがある、あまあまカップル。
もう片方は、男友達のような、まったく甘くないカップル。
(なんか、私って可哀相・・・)
気が滅入った真希は、缶チューハイを持って来て、ひとみと飲んだ。
お酒は特に好きではないが、気分が滅入った時などは時々飲んだり
していた。お酒に強い方ではないし、どちらかと言うと好奇心で
飲む方が多いのだが。そして飲んだ後に決まって後悔をする。
「ぅわ、マズイ・・・」
まだ美味しいとは思えない味だった。
(良く、こんなもの美味しいって思えるよ、大人は)
散々話すと、ひとみは、多少フラフラしながら帰って行った。
(なんか、ますます落ち込んじゃったよ、私・・・)
その頃、矢口は、もうとっくに熟睡中だった。
- 212 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月28日(土)13時07分31秒
- 矢口態度で示すんじゃなかったのかー
- 213 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage− 投稿日:2001年07月29日(日)16時42分40秒
- −おやすみコール−
ひとみが家に帰る途中(と言っても数分なのだが)そこへ携帯が鳴る。
−♪♪♪♪♪♪♪♪−
(梨華ちゃんからだ。って見なくても分かるんだけどねぇ♪)
液晶モニタには『ラブラブ梨華ちゃん』と出ている。
これを見るたびに、真希に「落とした時に、どうするの?恥ずかしい」
などと散々言われる。
ちなみに、真希のは、普通に『矢口真里』と出る。
そういうところは、ひとみの方が女らしいと言うか、単にバカなのか…。
今夜も、こうして「おやすみコール」がかかってくるのだ。
- 214 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage− 投稿日:2001年07月29日(日)16時43分24秒
- 『はぃ〜?』
【ひとみちゃん?】
『そうで〜す!ひとみちゃんでっす!』
妙に陽気に出るひとみに、梨華は、様子がおかしいのに気づき
【ひとみちゃん、もしかしてお酒飲んでるの?】
ストレートに聞き返して来た。
『すご〜い!なんで分かったの???』
梨華の溜息が聞こえた。
【…もぅ、ひとみちゃんお酒弱いんだから、飲んじゃダメって
言ってるでしょ?それに未成年なんだからね!】
『は、はぃ。ごめんなさい』
ほろ酔い加減で、ひとみは頭を下げた。
【ごっちんと二人で乾杯でもしてたの?】
『乾杯って言うか、色々話してたら、ごっちんが飲め!って言って…
でも、なんでも分かるんだねぇ梨華ちゃんは〜』
【当たり前じゃない。ひとみちゃんの…彼女なんだから】
『うん』
ひとみは、夜空を見上げながら、ふふんと微笑んだ。
- 215 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage− 投稿日:2001年07月29日(日)16時44分17秒
- 【さっき話してた話だけどね、明日ひとみちゃんウチに来るんだよね】
『そうだっけ?』
(さっきって昼間話してた話…えぇと……そう言えば、明日は部活もないし、
梨華ちゃんのバイトもないから梨華ちゃん家に遊びに行くとか約束したんだっけか。
ごっちんと話してたのに、お酒入ったら一瞬忘れちゃったよ)
【もぅ、酔っぱらいなんだから】
酔いは既にそれほどでもないのだが、梨華は笑っているようだった。
【なんか私作ってあげようか?】
『私、おごるからさ、外で食べようよ』
別に悪気があって言った訳では、ないのだが、梨華は悪い方に取ったようだった。
【それって私の手料理が食べられないって事なの?】
梨華の声が急にトーンダウンした。
(やばっ。そんなつもりじゃないのに…)
『ち、ちがうってば!梨華ちゃんばっかりに色々させるのは悪いから。
それに、前食事に誘ったのに、ドタキャンしちゃった時の埋め合わせも
してないからさー。今日は遅いから、また明日話そうよ。まだ時間あるんだし。ね?』
【うん。分かった】
梨華の機嫌もすぐ直ったようだった。
『ね!』
(良かったぁ。時々梨華ちゃんネガティブに物事考えるからな。気をつけなきゃ)
【ひとみちゃんも早く寝るんだよ〜。
明日酒くさかったら、キスは おあずけだからね☆】
『わかった。うん、じゃぁね。おやすみ!梨華ちゃん』
【おやすみ、ひとみちゃん】
電話を切ると、ひとみは、ニターっと笑った。
(明日も、キス出来るんだぁ!2日連チャン!!)
「いやはや、新学期からめでたいね〜!」
ひとみは独り言を言うと、自分の家に入って行った。
- 216 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年07月29日(日)16時45分37秒
- >>212さん
もう少ししたら、矢口&後藤のシーンがありますので。
- 217 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年07月31日(火)20時20分22秒
- 今日は始業式。
−2年D組 担任 平家みちよ−
「また同じクラスになったね、梨華ちゃん」
「柴っちゃん、よろしくね〜」
前回でも同じクラスだった、柴田あゆみと石川梨華。
今回も同じクラスになったようだ。
さて、担任は・・・
「初めて担任を受け持つ事になった平家みちよです。去年教育実習で
こちらにも来たので、覚えてる人も多いと思いますが、
皆さん、ひとつ宜しく頼みまっせー。"みっちゃん"って呼んでくれて
えぇからな〜」
去年、教育実習で来てた平家みちよだった。
三重県出身で、関西系と言う事もあり、既に中澤裕子とは仲が良いと言う噂だった。
「新任のくせに"頼みまっせー"も、ないもんだよねぇ。やっぱ中澤の影響かな」
「関西の人って、みんなあぁなのかな」
梨華も笑っている。
「でも中澤よりは、話しやすいかも。みっちゃんかぁ…」
自己紹介や簡単な話が済むと、梨華たちも開放された
- 218 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年07月31日(火)20時21分17秒
- −屋上で−
いつも、ここが4人のたまり場になっている。待ち合わせ場所も此処。
お昼食べるのも此処。今日、終わったら、ここで落ち合う事になっていた。
新入生のひとみと真希は、今日も特にこれと言ってなく午前中で終わった。
まだ梨華や矢口が来ないので、ひとみと真希は、校庭の桜を眺めながら
2人を待っていた。
まもなくして、矢口がやって来た。
「おいおいおい〜っす!」
「こんにちわー」
「ども」
「まったく、かったるいよな〜。始業式ってヤツは。今日は、どうする?
たまには4人でメシでも食いに行くかぁ?」
「今日はダメなんですよ〜。これから梨華ちゃんち行くんですぅ♪」
ひとみは、嬉しそうに、断る。
「嬉しそうだよなっ。ホントによっ。まぁ、いいけど。
石川来たら、よろしこ言っといてよ」
真希は、矢口の腕を取ると
「じゃぁ、お先にね。石川先輩によろしく!よっすぃーも頑張ってね」
そう言って、そそくさと出て行ってしまった。
(なんだろ、慌ただしいなぁ。ごっちん、何も言ってなかったけどまさか今日・・・)
昨日の夜を思い出して、ひとみはニンマリした。
「でも、どこでするんだろ???」
ひとみが、難しい表情で、階段の入り口を見ていると梨華がやってきた。
「ひとみちゃん、どうしたの?難しい顔して」
「あ、うん。ちょっと考え事・・・」
「珍しいね。いつも陽気なひとみちゃんが・・・」
「まぁ大した事じゃないんだけどさ(って全然大した事だけど)行こっか」
ひとみは気を取り直して言った。
(考えてても仕方ないもんね。今は梨華ちゃんと一緒だし♪
ごっちんもガンバレよ〜!)
梨華は、まさかひとみが、そんな事を考えているとは思ってもみなかった。
- 219 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年07月31日(火)20時22分29秒
- −真っ赤な自転車二人乗り♪−
一緒に歩きながら、梨華の方から腕を絡めて来る。
最近は、梨華の方からも積極的になってくれるのでひとみは凄く嬉しかった。
(幸せだよ〜。梨華ちゃん。でも、なかなか梨華ちゃんからキスして
くれないんだよね。それが、ちょっと寂しいぞおおおお)
「でも、ほんとにいいの?梨華ちゃん、料理…」
「ねぇ?信用してないの?」
「そういうんじゃないんだけど・・・」
「作るって言ったって、パスタ茹でるだけだよ?」
「それって料理じゃないんじゃ…」
「なによ、それ〜」
梨華が少しふくれる。
(でも、私なんか、前、フライパンでパスタ茹でて、お母さんに
怒られたから、まだ梨華ちゃんの方がマシかも!こんな事言えないけどね!)
- 220 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年07月31日(火)20時23分41秒
- 「私は別に、ゆで卵とベーグルだけでも嬉しいんだけどね」
「それも、なんだか・・・」
「梨華ちゃんの茹でた、ゆで卵食べてみたいね♪」
「それってからかってるの?」
梨華が少し拗ねた風に言った。
「違うよ〜!ゆで卵って結構難しいんだよ?梨華ちゃん知らないの?」
「だって、私、あんまりゆで卵食べないもん」
「そんなの理由にならないよ?」
こんな感じで、ひとみは梨華の自転車に乗って後ろに梨華を乗せながら
走っていた。当然二人乗りは校則で禁止なのだが、そんなのは当然お構いなしである。
- 221 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年07月31日(火)20時24分16秒
- 「なんか買い物しなくていいの?」
「うちにちゃんとあるから大丈夫だよっ」
「んじゃ、梨華ちゃんちに直行だね!」
「うん」
そう言うと、ひとみはいきなり速度を上げた。
びっくりした梨華は、ひとみの腰に思わず抱き付く。
(お〜、梨華ちゃんの胸が私の背中に…♪密着密着!!)
「怖いよ、ひとみちゃん。速度下げてっ!」
「だって、早く梨華ちゃんと二人きりになりたいじゃん!」
ひとみは立ち漕ぎをしそうな勢いで、ペダルを踏んで行く。
更に、梨華が、ぎゅっと抱き付いて来た。
(うひ〜♪幸せだぁにぃ〜♪)
「危ないから、ちゃんと制限速度は守ってね?」
「自転車に制限速度なんて、あるっけ?」
梨華の胸の感触を背中に受けながら、ひとみは心も体も絶好調だった。
- 222 名前:ラック 投稿日:2001年07月31日(火)23時22分36秒
- 更新早いですね・・・・しかも文章はしっかりしてる・・・
僕には出来ない。いいですね、文才があって。
この調子で頑張ってください。
- 223 名前:レイコ 投稿日:2001年08月01日(水)10時11分19秒
- いいですねえ、ラブラブな展開を期待しております。
「真っ赤な自転車2人乗り」のフレーズが懐かしい!(笑)
- 224 名前:名無し男 投稿日:2001年08月01日(水)12時57分27秒
- ちなみに僕は制限速度40キロのとこ自転車で思いっきりオーバーした事あります。(実話)
- 225 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月01日(水)22時41分30秒
- −恋は焦らず−
矢口と真希は再び、屋上に戻って来ていた。
「話って?」
矢口は適当に腰をおろした。真希も隣りに座る。
「うん...」
「別に他の場所でも良かったのに」
(だって人に聞かれたくないんだもん)
「やぐっつぁんはさー、よっすぃーと石川先輩みたいなカップルって
どう思う?」
「…あの、バカップルか?」
(バカップルって・・・)
矢口はちょっと考えた風だったが
「あれは、あれでいーんじゃないのか?お互い信頼してるみたいだし
まぁーちょっと吉澤の方が夢中になりすぎてるとこもあっけど」
「そっかー」
「まぁ、おいらには出来ないけどな」
「出来ないって?」
「人前でイチャイチャしたりとかだよっ」
真希の視線に気づき、ちらっと矢口は見た。
「なに?その顔は〜!ごっつぁんだって人前でなんかイヤだろ?」
「人前じゃなくたって何もしないじゃん…」
真希は矢口から視線を外した。
(また、私、イヤな女になってるよ...)
矢口は心外とでも言うような表情をした。
- 226 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月01日(水)22時42分20秒
- 「後藤、お前、おいらに不満でもあんのか?吉澤と石川を引き合いに
だしてみたり。昨日から様子がおかしいとは思ってたけど」
矢口が心配そうに、真希の瞳を覗き込んだ。
真希は慌てて、また視線を反らす。
「ちょっと、よっすぃーが羨ましかっただけ。だって手も繋いでくれないし
(昨日繋いだけど)キスもしてくれないし、泊まりにいっても何もしないし」
「…って不満ばっかじゃん。じゃーキスしてって言えばいいのに」
「そ、そんなコト思ってても言えないじゃん!何となく態度で分かってヨ」
真希は真っ赤になって抗議した。
「態度ねぇー・・・。おいらも、そーいうの苦手だって分かってるだろっ」
矢口はそう言いながらも、真希の肩に手をかけた。
「そーいうとこは、おいらと似てるんだよな。ごっつぁん」
両手を真希のほっぺたに挟むと、矢口は素早くチュッと口づけをした。
- 227 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月01日(水)22時43分15秒
- 「不意打ちじゃんか〜!」
慌てる真希に、矢口はそっと抱き寄せる。
「気の利かない彼氏でごめんな。矢口もなにぶん不慣れだから大目に見てよ」
「まぁーいーけどさー」
(もぅちょい長いキスが良かったけど、いっか♪)
「けど、ごっつぁん、そんなにキスしたかったんか?」
抱き寄せたまま、矢口が聞く。
「え?いやぁ〜」
(よっすぃーのせいだよ、これは。うん)
「昨日の吉澤のキス見て、影響受けたんだろう。まぁ分からなくもないけどな。
アイツらは絵になるけど、ウチらがあれやったら笑っちゃうよな」
ワハハと笑うと、真希は途端に落ち込んだ。
「もぅ、そこで笑うから台無しになっちゃうんだよー。ムードないんだから」
矢口から一旦離れると、真希は溜息をついた。
「照れ隠しだよ、ごっつぁん!」
矢口はもう一度、真希を引き寄せると、今度は長いキスをした・・・。
- 228 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月01日(水)22時43分52秒
- 「ごっつぁんのまつ毛って、長くて綺麗だな…」
くちびるを離すと、矢口が言う。
「!?」
真希は一瞬「?」顔をしたが、すぐに顔を紅潮させて立ち上がった。
「目、開けてたんでしょー!いぢわるっ!!(怒)」
「いやったまたま目開けたら見えたんだよ」
「そりゃ、開ければ見えるでしょ〜が!」
真希は矢口を叩こうとした。
「でも、カワイイよ。好きだよ…」
矢口は真面目に答える。真希は叩こうとした手を止める。
「やぐっつぁん、ふざけたり、真面目になったり どっちかにしてよ」
真希は、自分の頭をくしゃくしゃっとかくと、後ろを向いた。
(私も、やっぱこういうの苦手だわー。ごめんね、やぐっつぁん…)
「ごっつぁん、そんなに拗ねるなよ〜」
矢口が後ろから抱き付いてきた。
(き、昨日のよっすぃーと同じシチュエーション!!)
と、思ったら、すぐにおんぶするように乗っかって来た。
以前矢口が、ひとみに、よくやっていたものだ。
「ウチらもさ〜焦らず仲良くやっていこうなっ。愛しの真希どのよっ」
矢口は、ぎゅーっと腕の力を強めた。
「そ、そ〜だね〜」
真希もへへっと笑うしかなかった。
なんだかんだで、真希も満更ではない顔をしていた。
- 229 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月01日(水)22時46分50秒
- >>222 ラックさん
スランプ状態ですか?一応、ストックあと1週間分あるので。
まだまだ大丈夫っす。
>>223 レイコさん
世代一緒ですから(笑)。結構「真っ赤な自転車」の二人って微笑ましいですよね。
>>224さん
さすがに、よっすぃーは、そんなに速度出してないと思いますが(苦笑)
- 230 名前:JAM 投稿日:2001年08月01日(水)22時51分30秒
- んーーー!!
甘いッスーー
今飲んでるカフェオレより100倍甘い・・・
やっぱりいーなぁ・・・
- 231 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月02日(木)21時29分48秒
- −ひとみパスタに感動−
梨華の家に着くと、早速梨華はパスタを茹でる準備をした。
「私、なにか手伝う事ない?」
「いいよ〜。ひとみちゃんは、お客さんなんだから座って待っててよ」
梨華はエプロンをかけると、ナベを出して水を入れながら言った。
「う、うん」
梨華に背中を押されて、居間に通されると、適当に腰をおろした。
(梨華ちゃんの後ろ姿眺めててもな〜。つまんないな〜。そうでもないか)
ひとみは、頬杖をつきながら、梨華の後ろ姿を見ていた。
(来て早々、なんか抱きしめるのも、アレだし・・・)
「やだぁ〜、ひとみちゃん・・・」
「なに?」
梨華は振り向くと、恥ずかしそうに言った。
「そんなに見つめないでよ〜」
「見てないよ」
「なんか視線感じるんだもん」
「気になる?」
「気になるよ〜」
「そうかな」
「そうだよ〜」
そんな、どうでもいい会話を繰り返していたら、既にパスタもソースも
茹で上がっていた。
梨華が二人分を用意すると手際よく、盛り分けてテーブルの上に置く。
- 232 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月02日(木)21時30分34秒
- 「ひとみちゃん出来たよん♪」
梨華がお盆に飲み物と一緒に載せて持って来た。
「お〜。美味しそうだね〜♪」
二人は向かい合わせになって座ると両手を合わせて
「「いただきま〜す」」と言って食べ始めた。
二人は黙々と食べ続ける。
「うん。美味しいよ〜。梨華ちゃんが作ったモノなら
なんでも、美味しいけどね〜」
殆ど一気に食べてしまった、ひとみが先に口を開いた。
「ほんとかな〜?」
梨華は嬉しそうだ。
「まぁ、お腹空いてる時は、なに食べても美味しいけどね」
「それって・・・」
「なんでもないよっ!ひとみパスタに感動♪って感じだね〜」
「なにそれ?」
「いや、なんとなく」
「そっか」
(残念なのは、"あ〜ん"って出来ない事だよね〜。あれなんか好きなんだよね私)
- 233 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月02日(木)21時31分17秒
- 一足早く食べ終わったひとみは、デザートがないのに気づいた。
「ねぇ〜。アイスある??」
「アイス?ないけど・・・」
「なんですと!」
「この時期でも食べるの?」
「うん」
「ほんと好きだね。ひとみちゃんは」
「梨華ちゃんの方が好きだけどね」
へへっと笑う。
「コンビニ行ってくるから、チャリ貸してね」
と言ってひとみは出かけていった。
(デザートは梨華ちゃん とか言ったら、梨華ちゃんどんな反応するんだろう?
って私は昼間っから、いやらしいのかな、やっぱり)
昨日の、真希の「よっすぃーの方が欲求不満」発言を思い出した。
- 234 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月02日(木)21時32分04秒
- コンビニに着くと、迷わずにアイスコーナーに行き、例のアイスを探す。
最近のお気に入りは「ガツンとみかん」だ。みかんの缶詰をそのまま
凍らせたような食感が、ひとみは好きで良く食べていた。
しかし、探せど、探せど、見つからない。
(売り切れ?(泣)・・・もぅ。。。)
早速、ひとみは保田に文句を言いに行こうとレジの方に行きかけた。
「おぉ〜、噂をすれば、吉澤やないの」
(噂をすればって、してたのかよ)
その声の主は、見なくても分かる。
「中澤先生・・・」
見れば、隣りには、平家もいた。
(そう言えば、平家先生は梨華ちゃんの担任になったんだっけ。
なんちゅう悪い組み合わせ・・・しかも関西コンビだ)
「こんなとこで道草か〜?ラブラブ梨華ちゃんと一緒かと思っとったわ」
「そういう言い方しないで下さいよ!」
ひとみは真っ赤になる。平家先生も見てるのに・・・。
言ったところで手遅れなのは分かっているが。既に知ってるのだろう。
ひとみは改めて、梨華を連れて来なくて良かったと思った。
一緒だったら、更に何を言われるか分からない。全く。
- 235 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月02日(木)21時33分40秒
- 「吉澤さんかぁ。確かにモテるルックスしてるねえ」
平家は意味ありげに言うと、笑った。
「平家先生、実習の時に会ってるじゃないですか!改めて言わなくても」
「あの頃から、吉澤さんはモテまくりやったもんねぇ。羨ましいわ」
(思ってもいないくせにな〜)
「平家先生も、あんまり中澤先生に影響されないでくださいね」
「吉澤、なに言うとるんや?」
「もぅ、私急いでますので・・・」
「これから、石川とラブラブなデートか?えぇなぁ」
ひとみはムシして、保田の方へ歩いて行った。
(ったく、そういう話しか出来ないのかよっ)
- 236 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月02日(木)21時34分24秒
- 「保田さ〜ん!」
「吉澤も大変だね」
保田は苦笑いしている。
「いつもの事なんですけどね。また担任になっちゃったし」
ひとみは溜息をつく。
「そうそう、アイスちゃんと入れておいてくださいね!
ガツンとみかん!私のお気に入りなんですから〜」
「はいはい。しかし吉澤もアイス好きだね。去年なんか
毎日アイス買いに来てたもんね」
あとで聞いた話だが、ひとみは「アイスの女」
真希は「立ち読みの女」と言われていたらしい。
「そうそう、うちダンス部の顧問になったからな。
更に宜しくたのんますわ」
中澤もビールとつまみをを片手にレジに来ると、ひとみに言った。
「え?顧問って?そんなの聞いてないですよ?」
「そら、そうやろうなぁ。さっき決まったんやから」
「なんすか?それは〜!」
「これから、また楽しくなりそうやな〜」
中澤は、ヒヒヒと笑うと、保田にお金を渡した。
(最悪じゃん。。)
ひとみは適当にアイスやお菓子を買い込むとコンビニを後にした。
- 237 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月02日(木)21時49分38秒
- おっととっと微妙にリアルタイム!(w
裕ちゃんがダンス部顧問ってことはまた一波乱ありそうですな(笑)
更新頑張ってください!続き期待♪
- 238 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月02日(木)23時42分13秒
- >>230さん
甘いっすかね。矢口・後藤の甘いシーンって難しいっす。
いしよしだと、結構あまあまで書けるんですが、読み返すと恥ずかしい。
>>237さん
あんまり考えないで顧問にしてしまった(苦笑)。
また考えないといけなくなったなぁ(笑)。
- 239 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月03日(金)21時44分16秒
- 昨日のラジオで矢口、仲の良い友達に「他の子と仲良くしないで」って云われて
イヤだったから「イヤだ」って答えたっての聞いて
お・男らしいっ!矢口さん…やっぱ、あんた、アニキだよ。と、思ってしまった
ココの矢口の男前度は正解ですね(笑
- 240 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)00時41分04秒
- −キスはアイスの味−
「ただいま〜梨華ちゃん!」
「・・・」
返事はない。梨華のいる方へ行くと、梨華は寝ているようだった。
(あ、梨華ちゃん寝ちゃったんだ…)
両手の上に顎を乗せて寝ている梨華の寝顔を見る。
(寝てる顔もカワイイなぁ。梨華ちゃん)
ひとみは、しばし梨華の寝顔を見ていた。
- 241 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)00時41分40秒
- 「...ん」
梨華が目をさまし、軽くのびをすると、自分を見ているひとみに気づいた。
「あ、ひとみちゃんお帰り。私寝ちゃってたんだ。ごめんね」
「うぅん。なんかトクした感じ♪」
「なんで?」
不思議そうな顔をして梨華がたずねる。
「だって、梨華ちゃんの寝顔可愛かったからさ〜」
(もうちょっと見ていたかったな・・・)
「やだー、恥ずかしいな」
(見られちゃったんだ・・・)
「とっても可愛かったよ〜」
(キスしたかったな〜)
「自分の寝顔なんて分からないし」
「今度写真に撮ってあげようか?」
「やめてよ〜。恥ずかしい」
- 242 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)00時42分19秒
- ひとみはコンビニの袋から、アイスを取り出すと、
梨華に1つ割って差し出した。欲しいアイスがなかったのでパピコにしたのだ。
「一緒にチューチューしようか?」
CM通りのお約束の言葉を言う。冗談で言ったつもりだったが
梨華はあっさりとOKした。
「いいよ」
「マジっすか?」
「うん」
くすっと笑う。
ひとみはガツンとみかんが売り切れで良かったと、しみじみ思ってしまった。
- 243 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)00時42分53秒
- 「で、でも、一緒にって、どうするんだろ?」
梨華は、既にチューチュー吸っていたパピコをひとみに差し出す。
「はぃ」
「そういう事なの?」
「なんでもいいじゃない」
「か、間接キス!」
ひとみは改めて呟いた。
(口移しでって言ったら、やっぱひくだろうな。もぅ昼間から何言ってんだ吉澤!)
ひとみがなにげに赤くなっているのを見て、梨華は不思議そうな顔で見ていた。
「アイス溶けちゃうよ?」
- 244 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)00時43分32秒
- 「梨華ちゃんの口の中で溶ろけたいな〜」
ひとみは、思わず口に出してしまって、慌てて口を押さえた。
(きゃー。何言ってんだよっ。今ので絶対梨華ちゃんひいたよね(涙))
おそるおそる、梨華を見ると、案の定梨華は真っ赤になっていた。
・・・・・
「ひとみちゃん・・・」
「はっはぃ」
ひとみはびくっとする。
「いつも、そんな事考えてるの?」
(がーん。やっぱり・・・(涙))
「そんなことないけど、、、梨華ちゃんの事はいつも想ってるよ」
うなだれたまま、ひとみは答えた。これは本当の事だ。
「そっか・・・」
「うん」
・・・・・・
暫く沈黙が流れる。
- 245 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)00時44分18秒
- ・・・・・・
「ひとみちゃん、顔あげて」
梨華はアイスを口に含むと、自分のくちびるをひとみのくちびるに運んだ。
冷たいハズのアイスが梨華の口の中で微妙な暖かさになって、ひとみの口に運ばれる。
「(梨華ちゃん!?)」
梨華は、すぐにくちびるを離すと俯いてしまった。
「こ、こんなんで良かったかな。うまく出来なかったけど...」
「梨華ちゃん」
ひとみは、梨華が大胆に取った行動の方に驚いていた。
「ひとみちゃんが喜ぶなら・・・。いつもひとみちゃんからだし」
ひとみは、梨華の気持ちを考えたら無性に嬉しくなってしまい
思わず抱きしめてしまった。
「梨華ちゃん、すっごく嬉しいよ!」
「ほんとに?」
「うん。梨華ちゃんの味がした…」
「恥ずかしいナ…」
小さな声で呟いた。
「じゃぁ、お返しのキス」
ひとみは、優しく梨華にキスをした。
かすかに、アイスの味がした。
- 246 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月04日(土)00時46分23秒
- >>239さん
矢口男にしすぎたかなぁって少し思ってたんですけど
良かったんですね(笑)。
今回のシーンは、少しやらしかったカモ。
ガツンとみかん は単に自分が好きなアイスなだけです(笑)
- 247 名前:JAM 投稿日:2001年08月04日(土)01時49分59秒
- 私もガツンとみかん大好きです
42日間食べ続けた記録があります(あと1ヶ月は余裕だったのに財力が無かった・・・)
そのあとおなかをこわしたのは言うまでもありません(笑
- 248 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月04日(土)11時50分40秒
- 訂正>>217 前回では、梨華ちゃんは柴ちゃんの事「あゆみちゃん」
って呼ばせてましたが、実際は「柴ちゃん」みたいなので
変更しました。m(_ _)m
>>247 JAMさん
夏休み中、アイス食べ続けたんですか?(笑)
気をつけてくださいね。
- 249 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)11時52分19秒
- −二人でいたい−
ひとみは私服に着替える為、再び一人で外に出かけようとしていた。
「梨華ちゃん、眠かったら寝てていいからね」
「うん。平気だよ」
「危ないから鍵はかけてね」
「じゃぁ、コレ持ってって」
梨華は、家の鍵をひとみに渡す。
「うん。分かった」
ひとみは鍵を受け取ると、出かけ間際に言った。
「たとえ寝てても、襲ったりしないからね〜」
「やだ〜、もう!」
ひとみは冗談交じりに言うと「いってきまーす」と
言って出て行った。
- 250 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)11時52分53秒
- 一人残された梨華は先ほどの自分の行動に驚いていた。
(私って、いきなり何するんだろ。でも、ひとみちゃん喜んでたし、いいか。)
梨華は自分のくちびるに指をあてて、考えていた。
(梨華ちゃん大胆だな〜。)
さっきのキスを思い出して、ひとみは微笑んだ。妙に生々しいキス。
(今日は、なんかこれだけでも、充分な気がするよ・・・)
ひとみはペダルを漕ぎながら、にやけていた。
- 251 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)11時53分31秒
- ひとみの家に着く前に、真希の家の前を通るのだが、丁度真希が私服で
出かけようとしているところだった。
「ごっち〜ん!!」
自転車に乗ろうとしていた真希は振り返った。
「あぁ、よっすぃー。どうしたの?」
「これから着替えて、また梨華ちゃんちに行くんだけど」
「そっかー」
「ごっちんは?」
「これから、あゆみちゃんに久しぶりに会うんだ」
「え?矢口先輩は?」
「さっき別れたよ。やぐっつぁんもこれから、辻ちゃんと加護ちゃんに
会うんだって言ってた」
ミニモニ。結成以来、辻と加護は、矢口と師弟関係のようになっていた。
たまに、二人を連れだしては、矢口は食事をおごったりしているらしい。
その分、パシリをやらせたりしているようだが。
- 252 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)11時54分22秒
- 「ちょっと待ってよー。今日は、アレじゃないの?」
「アレって?」
「昨日の夜話してた話・・・」
真希は、またかと言う顔をした。
「よっすぃーね、焦っちゃいけないって。私は気にしない事にしたんだから。
じゃ、急いでるから、じゃーね!」
「?」
ひとみは、真希を見送っていた。
(なんだろ、まっいっかー)
ひとみは手早く着替えると、再び梨華の家に向かう。
- 253 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)11時56分08秒
- 梨華の家に戻ると、鍵はかかっていなかった。
「なぁんだ。起きてるのか」
少々残念に思いながら、ひとみは中に入った。
「おかえり〜♪」
梨華も私服に着替えて出かける準備をしていたようだった。
「すぐ出かけちゃう?」
ひとみは鍵を返しながら言った。
- 254 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月04日(土)11時56分52秒
- 「うん。だって中にいても仕方ないじゃん。せっかくいい天気なんだしさ」
「そうだけど」
(あ〜あ、せっかく部屋で、いちゃいちゃ出来ると思ったのに…)
「それに、ひとみちゃんの誕生日近いじゃない。プレゼント選ばないと」
「プレゼントよりも、梨華ちゃんと二人きりでいたいな〜」
ひとみは梨華の手を握った。
「でも、もう日にちないし」
「梨華ちゃんの気持ちだけで充分だよ」
「そういう訳には、いかないよ」
ひとみの手を離す事も出来ずに、梨華は俯いた。
「せっかく今日は一緒に長くいられるんだからさ、ね?」
そう言われると、梨華も何も言えなくなる。
確かに、今日が終わったら、ひとみは部活・梨華はバイトの
通常の生活に戻ってしまう。会えるのは限られてしまう。
「ね?いろいろ話そうよ。で、夜はどっかでご飯食べよ?
私がおごるからさ!」
「う、うん・・・」
断る理由も見あたらないので、梨華はOKしたのだった。
- 255 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月05日(日)12時33分26秒
- −嵐の前−
「おはよう!よっすぃー昨日はどうだったの?」
翌朝、ひとみが登校してくると、真希がそばに寄って来た。
「おはよう。どうって〜?」
ひとみの顔を見れば分かるが、わざと真希は言わせたくて聞いてみた。
(まったく嬉しそうな顔しちゃって!)
「ちょっとは進展したよー。それ以上は企業秘密で言えないけどね」
ひとみは席につくと、カバンから教科書やノートを出しながら答えた。
「企業秘密って???なんだ、つまんないなー」
真希は机に頬杖をつきながら言った。
(さすがに、いくらなんでもアイスを口移しで(それも梨華ちゃんの方から!)
食べましたなんて言える訳ないじゃない!)
そんな話をしたら、真希もビックリするだろう。
いつの間にか、顔がにやけていたらしい。気づくと真希が不気味そうに見ていた。
- 256 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月05日(日)12時33分55秒
- 「な、なによー」
「よっすぃー気持ち悪いよーなんか。よっぽどな事があって私には言えないんだね」
「そんなことないけどさっ」
「ま、何から何まで話されてもこっちが赤面しちゃうけどねー」
真希もやり返す。
「そういうごっちんこそ、どうなのよー」
「だから私たちはー、もう焦らない事にしたのっ。
よっすぃーも、焦らないで行った方がいいよー。マイペースマイペース♪」
そう言いながら、自分の席に戻って行った。
(ごっちんも昨日、なんか先輩とあったのねー。あとで矢口先輩から聞いちゃお)
そんな感じで、平和にスタートしたのだが・・・
- 257 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月05日(日)18時41分04秒
- スタートしたのだが…って「だが」がムチャ気になるんですけど!
わざと気になるように今日はここまでってことですか(笑)
気になる気になる気になる〜!
- 258 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月06日(月)00時28分00秒
- だめだ・・・気になる(笑)
いや〜梨華ちゃん積極的・・・。
ごっちん・・・待っててもだめ・・・。攻めなきゃ!
ってことで続き期待です!
- 259 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月06日(月)18時48分50秒
- −梨華先輩!−
その少女は、テニス部の部室の前に立つと、深呼吸をしてガラッと扉を開けた。
「こんにちわっ」
中で数人喋っていた部員らしき生徒たちが一斉に振り向いた。
彼女に視線が集中する。
ぐるっと見渡すが、お目当ての彼女が探している人物はいなかった。
(あれ??いないの???)
彼女は、ちょっと戸惑い気味に、その場に立ち尽くしていたが
そこにいた一人が立ち上がって、声をかけてきた。
「あんた誰?見かけないけど。テニス部に何の用?」
「あ、あの...こちらに石川梨華さんは、いらっしゃいますか?」
(なんか話しにくいなぁ、、、)
- 260 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月06日(月)18時49分26秒
- 「石川???あ〜、吉澤の??」
(吉澤の?って、どういう意味だろう?)
疑問に思ったが、今は梨華がどこにいるのか確かめたかった。
「多分、テニス部に所属してると思って来たんですけど…」
「石川なら、テニス部には、いないよ」
「え?いないってどういう事ですか?」
彼女は信じられないと言う面もちで聞き返した。
(そんなハズないよ。前の中学で部長まで務めた
梨華先輩がテニスやってないなんて!)
「いないもんは、いないんよ。それに石川さんは、よっすぃー
所属みたいなもんだもんね」
別の生徒が、そう言うと、他の数人も笑った。
「よっすぃーって何ですか?」
「あんた知らないの?」
「私、この4月から中等部3年に入って来たんです」
「ふぅーん。まぁ、イヤでもそのうち分かるよ。
あんたが、石川さんとどういう関係かは知らないけどね」
さほど興味がないと言った感じで、その生徒は言った。
- 261 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月06日(月)18時50分05秒
- 他の生徒も口々に『石川先輩羨ましー!』とか『私もよっすぃーの
ファンだったのに』とか言う声がちらほらと聞こえた。
状況が掴めないが、とにかくテニス部には所属していないこと。
吉澤って人と何か関係があると言うこと。この2つだけが分かった。
「あのー石川先輩のクラスってどこか分かりますか?」
「確か2年D組だったと思ったけど」
「ありがとうございます」
彼女は一礼すると、すぐに出て行った。
- 262 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月06日(月)18時50分51秒
- 部室を出ると、一目散に2年D組の教室を目指して走り出した。
角を曲がったところで、部活に行こうとしている、ひとみと矢口にぶつかった。
「きゃっ☆」
「いたっ☆」「いてっ☆」
3人は、尻もちをついた。彼女のカバンの中身は出て散乱していた。
と言ってもペンケースとノートくらいであるが。
「だっ大丈夫でしたか?」
彼女は、すぐ起きあがると2人に声をかけた。
「大丈夫なわけないだろっ!廊下は走るんじゃねーよっ!(怒)」
矢口はジャージの埃を払いのけながら、腹立たしげに言った。
「矢口先輩、そこまで言わなくても…」
ひとみは矢口をなだめると
「あなたこそ、ケガなかった?」
ペンケースとノートを拾い、彼女に渡しながらひとみは優しく言った。
「はっはい...」
申し訳なさそうに言う彼女を見て、ひとみは思った。
(目の綺麗なコだなー。こんなコいたっけ?)
一方彼女の方も
(矢口って人は口悪いけど、この人は優しいナ。なんかカッコいいし)
「これからは、気をつけてネ」
「はい」
ひとみは微笑むと、まだ怒っている矢口の腕を引いて、そのまま歩いて行った。
- 263 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月06日(月)18時51分47秒
- 彼女は、しばらくその場に立っていたが「いけない!梨華先輩!」と
言うと、また2年D組目指して走って行った。
「お前は、あーやって女の心を掴むんだな。石川がいるのに
相変わらずフェミニストだなっ!」
暫く歩いてから、ひとみの先ほどの対応が気に入らないのか
矢口がイヤミを言って来た。
「なに怒ってるんスかー?矢口先輩も頭ごなしに、あんなに
怒らなくてもいいじゃないですか!」
「元はと言えば、あの女が走って来るのがいけないんだろっ」
「まぁ、そうっスけど。でも、見かけないコでしたね」
「うん。新しく入って来たんじゃねーの?
やたらビックリしたような目してたけどな」
「この学園も、梨華ちゃんが入って来てからレベルが上がってますよね〜」
「そっか〜?まぁ勝手に言ってろ。相手にしないから」
矢口はまだ怒ってるのか、そのままさっさと行ってしまった。
「うっ。今日は相手にしてくれないんですねー」
(これじゃぁ昨日のごっちんの話も聞けないや)
ひとみも諦めて矢口の後を追いかけていった。
そして、今ぶつかった彼女の事もすでに忘れていた。
- 264 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月06日(月)18時52分49秒
- >>257,258さん
同じ人ですか?続編始める時から、新キャラ登場は考えていた事です。
でもなかなか、その場面まで辿り着かなくて、やっとと言う感じです。
きっとそれが誰だかは見当ついてると思いますが書かないで下さいね。
邪魔者は付き物なので(w。ことごとく邪魔するキャラにするか、どうかは
まだ考えてませんけど。
やっぱ、ごっちんが攻めですね(苦笑)。また考えておきます。
柴ちゃんも誰かとくっつけたいなぁ(w
- 265 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月06日(月)23時43分16秒
- あややを期待しちゃってよいのかな?
- 266 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月07日(火)18時43分07秒
- 柴ちゃん&あややはよいね。
今まで見たことないし(笑)
- 267 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月07日(火)20時41分24秒
- −恋敵(ライバル)登場−
2−Dの教室に着くと、彼女は廊下から、中を覗き込んだ。
掃除の最中らしく、まだ数人が教室に残って片づけていた。
見渡すが、梨華らしき姿はいない・・・。
(もぅ、帰っちゃったかなー)
落胆していると、掃除をしていた、色白で髪の長い優しそうで可愛らしい人
が声をかけてきた。
「誰か探してるの?」
「あっあの・・・」
先ほどのテニス部の人よりは、話しやすそうな感じだったので
彼女は、だめもとで思い切って尋ねた。
「石川梨華さんって、こちらのクラスにいらっしゃいますか?」
「梨華ちゃん!?」
その人は、梨華の名前を言っただけで、非常に驚いたようだった。
(そんなに驚く事なの?梨華先輩って有名人なのかな?)
「いるけど。たった今帰ったよ」
(スレちがっちゃったんだ…(泣))
「そうですか…。明日また出直します」
- 268 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月07日(火)20時42分02秒
- 色白で可愛い子(あゆみ)から見ても彼女があまりにガッカリとした
表情だったので帰ろうとする、彼女を引き留めた。
「待って!」
「梨華ちゃんに何か用なの?」
用があるから訪ねて来てるのは分かっているのだが、あゆみは聞かずには
いられなかった。
「梨華先輩に会いに、この学園に転校してきたんです!」
彼女は振り返ると、とびきりの笑顔でそう答えたのだった。
- 269 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月07日(火)20時42分36秒
- 思ってもみない返答に、あゆみは驚きを隠せなかった。
「会いにって?」
「言葉通りですけど、おかしいですか?」
「そんな事ないけど・・・」
「私、前の中学で梨華先輩に憧れてテニス部に入ったんです。
部長も務めていて、ホントに憧れてたんです。でも梨華先輩が
高1の1学期で転校してしまって…」
今までハキハキと答えていた彼女の声が急に下がった。
それで梨華を追って、わざわざここまで来たと言うのか?
(そう言えば、梨華ちゃん前テニス部の部長やってたって
言ってたっけ。このコの話は嘘じゃないんだ)
あゆみは掃除をするのを忘れて、彼女の話に聞き入っていた。
- 270 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月07日(火)20時43分21秒
- 「取りあえず、今日は帰ります。掃除のお邪魔をしてすみませんでした。
あと、今日の事は、梨華先輩には言わないで下さいね。驚かせたいんです」
彼女はペコっとお辞儀をすると帰って行った。
あゆみは肝心な事を聞き忘れてたのに気づき、彼女の背中に問いかけた。
「あなたの名前は??」
彼女はゆっくり振り向くと
「中等部3年A組松浦亜弥ですっ」
先ほどと同じ明るい表情で答えた。
「マツウラアヤ……よっすぃーのライバル登場?」
あゆみは思わぬ展開に、一人呟いたのだった。。。
- 271 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月07日(火)20時46分29秒
- >>265さん
だめですよ書いちゃ(苦笑)。って既にバレバレだったんでしょうけど。
>>266さん
しばあやですか(って言うのか?)。今のところ共通点が(苦笑)。
やっぱ柴田・平家よりは良い感じがしますね(w
- 272 名前:265 投稿日:2001年08月07日(火)21時36分19秒
- チャ−ミーブルーさんすいません…
まさか本当にあややだったなんて(w
- 273 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月08日(水)01時00分44秒
- おおお、あややだっ
- 274 名前:名無し男 投稿日:2001年08月08日(水)12時30分27秒
- おお!やっぱり!
- 275 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月08日(水)20時04分15秒
- −噂話−
あゆみは一人で下校しながら、どうしたもんかと悩んでいた。
松浦は「梨華には言わないでくれ」と言っていた。
このことを、ひとみに話すべきか、明日まで待って何も言わないで
おくか、どうしようかと思っていた。どっちにしろ明日には分かる話だが。
(とりあえず、ごっちんに電話してみようかな)
あゆみは携帯を出すと、真希に電話をいれた。
【えぇ〜〜???マジ??】
電話口の真希は非常に驚いた様子だった。
それは、そうだろう。今まで、ひとみにライバルなんぞ
現れた事はなかったのだ。(逆ならいたかも知れないが)
「じゃぁ、その松浦って子は、石川先輩を追っかけて転校して来たんだ」
場所は変わって、真希の部屋。あゆみから詳しい話を聞きたくて、
そのまま、下校中のあゆみを呼んだのだった。
- 276 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月08日(水)20時05分03秒
- 「そうみたいねー」
「凄い情熱だねー。テニス部の後輩か・・・」
真希は、他人事ながら、目を輝かせて言う。
真希に限った事ではないが、こういった噂話は女の子なら誰でも好きであろう。
「よっすぃーには言わない方がいいかな」
「うーん。だって言っても言わなくても明日分かるんなら
言わない方がいいかもね」
「よっすぃー可哀相」
「可哀相って言うより、その子と石川先輩の関係って
ただの先輩後輩なのかな?」
「何言ってんのよーごっちん!」
あゆみは「まさか?」と言った顔で真希を見つめた。
- 277 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月08日(水)20時05分46秒
- 「だってさー、追っかけて来るって事は、そぉ〜とぉ〜
その子は、石川先輩の事好きって事でしょおおお」
「そうだけどね」
「だけど石川先輩とテニスしたくて来たんだったらとんだ肩すかしじゃない。
石川先輩テニス部入ってないんだし」
「そうだよね。ウチの学園のテニス部ってよわよわだしね」
ハッキリ言うと、テニス同好会レベルで、部員も少なく
あんまり盛り上がっていないクラブである。
元々クラブ活動が盛んな学校ではないので、廃部になる
クラブもたくさんある。結局、去年安倍がいた演劇部も
安倍が卒業と共に廃部に追い込まれたのだった。
- 278 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月08日(水)20時07分07秒
- 「でもテニスしたいって言うより、石川先輩と付き合いたいのかもねー」
「つ、付き合う?」
「石川先輩が、どう出るかだなー。その反応によって分かるじゃない」
「でも梨華ちゃんも、今はよっすぃーがいるから
そんなに心配しなくても平気じゃないの?」
あゆみは呑気に答えたが、真希が即座に否定する。
「だって石川先輩の性格知ってるでしょ?むげに冷たくは
出来ないんじゃないの?それに、前の学校の後輩でしょ?
何も知らない子ならともかくさー。知らない子にも、石川先輩は
優しく接しそうだけどね。迷惑って思っててもさ」
「それ言ったら、よっすぃーだって優しいじゃん。
今はそうでもないけど、ほんと誰にでも優しいもんね」
「あれは、前からだからね。アレでころっと行く人も多いんだよ。
本人は自覚してないんだろうけど」
- 279 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月08日(水)20時07分59秒
- 「私も優しくされたかったよー」
どさくさに紛れて、あゆみが呟く。
「あゆみちゃん、まだよっすぃーの事好きなの?」
「そりゃぁ、まぁねぇ…」
「石川先輩と付き合い出してから、3人で遊ぶ事も少なくなったもんね」
「でも、梨華ちゃんと一緒にいる、よっすぃーも好きなんだよ」
「あゆみちゃん健気だねぇ」
真希は、あゆみの頭を『よしよし』と撫でた。
「ホントなんだから!」
「うんうん。あゆみちゃんも、早く良い人が見付かるといいね」
「そ、そうだね」
話の話題は、いつのまにか、ひとみから、あゆみに変わっていた。
- 280 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月08日(水)20時08分49秒
- すっかり話が盛り上がり、あゆみは真希の家で夕飯をごちそうに
なり、帰るところだった。
「ごちそうさまー。また来るね」
「うん」
あゆみが、帰ろうとしたところ、前からひとみが歩いて来た。
一瞬顔を見合わせる二人。
「お〜、ごっちんにあゆみちゃんじゃない。珍しい」
「「こんばんは」」
「どうしたの?二人とも。なんか改まっちゃって」
「いや、別に・・・」
「じゃぁ、私帰るね。おやすみ!ごっちん、よっすぃー」
あゆみは慌てた様子で、手をひらひらさせながら帰って行った。
ひとみは、あゆみを見送っていたが、真希の方に振り返ると
「なんか、あったの?様子変だよ?」
「べつに何もないよー。よっすぃー今帰り?」
「うん。久しぶりに部活出ると疲れるねー。帰宅部のごっちんが
時々羨ましくなるよ」
「なに、言ってんだか。あ、そうそうやぐっつぁんも一緒だった?」
取りあえず、話題を反らすため、矢口を引き合いに出した。
「うん。もう帰ってるハズだよ。今から会いに行くの?」
「うぅん。あ、会いに行こうかな。ちょっくら行ってくるね」
「うん。変なごっちん...」
ひとみは不思議そうな顔をして、真希を見送っていた。
- 281 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月08日(水)20時11分43秒
- >>272さん
予想通りでしたね(w
>>273さん>>274さん
結構、あやゃファン多いのかな?
今後は柴ちゃんも出番多くする予定です。
次の次で、梨華ちゃんとあやゃの再会場面っす。
- 282 名前:JAM 投稿日:2001年08月08日(水)20時23分16秒
- やった!リアルタイムだ!
ごっちんの言葉に同感!
柴ちゃんも良い人が見つかって欲しいです。
でも誰と組み合わせるかとなると・・・「う〜ん」ってきますね。
- 283 名前:レイン 投稿日:2001年08月08日(水)22時02分42秒
- おひさしぶりです。
レス無しで見てました。
梨華ちゃんに激しく期待
- 284 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月09日(木)10時45分57秒
- 次の次の回、激しく期待。
もちろん、次の回も(w
- 285 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月09日(木)18時55分46秒
- −まちぶせ−
翌朝。松浦は校庭で梨華を待っていた。
(ここにいれば、絶対に梨華先輩にあえる)
「なんや見かけん顔やなぁ?」
急に声をかけられてビックリした松浦だったが
顔をあげると更に目を疑った。
金髪にカラーコンタクト派手な格好。それに関西弁。一応教師?
「うちは殆ど見かけん顔ばっかやから、わからんで」
その隣りの、茶髪の女性も、また関西弁。
「なんか、この子、びびってるみたいや」
平家が言うと中澤が
「誰か待っとるん?」
松浦に問いかける。
「いえ、違います…」
本能的に松浦は、あんまりこの教師には話さない方が良いと感じて、
一礼すると校舎に向かって小走りに歩き出した。
後ろ姿を見送りながら
「なんか、あやしいなぁ」
「なんで?」
「いや、直感や。なんか面白い事になりそうやでー」
「なんで?」
「だから直感や言うてるやろ!みっちゃん何度も同じ事いわせんといてや!」
「そんな朝からヒス起こしちゃいややん」
平家も動じなかった。
- 286 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月09日(木)18時56分42秒
- その後に続いて、ひとみが梨華の自転車に乗りながら登校してきた。
「こら〜!吉澤!!2人乗りは禁止や言うとるやろ!!」
「おはよ〜ございます。今日もいい天気っすね〜!」
ひとみも動ぜずに、かまわず乗り込んで来る。
「おはよ〜ございます。中澤先生、平家先生」
梨華はきちんと挨拶をする。
中澤は、自転車のハンドルを掴んだ。バランスを崩してよろけそうになる。
「あぶないじゃないですかー!」
「二人仲良くラブラブ登校もえぇけどな、規則はちゃんと守って
もらわんとなー。それに吉澤は、自転車通学区域やないやろ!」
梨華は一駅向こうで許可が降りているが、ひとみの家からは歩いていける
距離なので、自転車通学を認めていない。
- 287 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月09日(木)18時57分29秒
- 「そんなケチケチした事言わないで下さいよー。あんまり怒ると
皺が増えますよ」
「なに?もう一度言うてみぃ!」
「じゃぁお先に失礼しまーす」
そう言うと、ひとみは梨華を乗せて、そのまま走って行ってしまった。
「まったく、吉澤のやつ最近はへらず口を叩くようになって(怒)」
後ろ姿を見送りながら、中澤は本気で怒っていた。
「いやぁ、朝から威勢がえぇなぁ」
「みっちゃん、なんや、そのセリフは」
「なんもあらへんよ」
平家は、ふふふと笑った。
松浦は、出鼻をくじかれたようで少々ショックを受けたが
気を取り直して、2−Dの下駄箱の前で待っていた。
(梨華先輩・・・)
松浦は急にドキドキしてきた。
(このドキドキは何故止まらない?はぁ…梨華先輩)
- 288 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月09日(木)18時58分13秒
- 「なんで走るんだよ〜!充分間に合う時間だろー!」
真希が走る後ろから矢口が追いかけてくる。
「やぐっつぁんが忘れ物するからー!」
「だからまだ遅刻する時間じゃないっての!!」
真希はもしかしたら、松浦が登校時を狙って梨華に会うかも
知れないと思い、少し早めに出ようとしたのだが
矢口が忘れ物をしたので結局いつもと変わらない時間になってしまった。
校門に辿り着くと、丁度ひとみと梨華が駐輪場に入って行くのが見えた。
「良かったー。間に合った!」
「だから間に合うって言ってんだろー!」
状況の分からない矢口はそう言ったが、真希は更に走って行った。
「ちょっと、後藤!!!!」
真希は振り返らずにどんどん走って行く。
「なんなんだ、アイツは〜!」
矢口も仕方なく後藤の後を追いかけた。
- 289 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月09日(木)19時05分05秒
- 場面がコロコロ変わってすみません。同時進行だと思って下さい。
>>282 JAM さん
柴ちゃんは、リクエスト通りに、くっつくかも。 まだ分かりませんけど。
>>283 レインさん
こちらにもレスありがとうございます。梨華ちゃんも、よっすぃーも
優しいので、これからが、ちょっと難関になるかも知れません。
>>284さん
例によって邪魔が入るので、梨華ちゃんとあやゃの2ショットは
あと4回更新後です(って誰も期待してないだろうけど・・・)
調子よくて10回更新分はストックあったりして(w。
- 290 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月09日(木)19時38分00秒
- うおっ!!
そんなにストックあるんですか!!(喜
やっぱ更新早くて嬉しいッス!!
- 291 名前:レイン 投稿日:2001年08月09日(木)22時24分14秒
- 松浦登場で波乱?期待&期待。
ストックって何ですか?
- 292 名前:名無し男 投稿日:2001年08月10日(金)14時41分53秒
- はしゃって よかですか?
- 293 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月10日(金)21時05分13秒
- −再会−
「ねぇ、ひとみちゃんの誕生日の日は部活休めるの?」
あと数日でひとみの16歳の誕生日。その日も当然部活はある。
「梨華ちゃんもその日バイトじゃないの?」
二人は自転車を置いて、下駄箱まで歩いていた。
「もちろん休み取ったよぉ」
(それも、かなり前から保田さんにお願いして。)
「じゃぁ私も休もうかな」
(また夜まで一緒に梨華ちゃんといられるんだ。嬉しいな♪)
二人は顔を見合わせると微笑んだ。
(こんなに幸せでいいのかなー)
ひとみは些細な幸せを感じていたが、一瞬の事だった・・・。
「梨華先輩!」
突然大きな声で、松浦が梨華を呼び止めた。
一瞬梨華は立ち止まったが、松浦を見ると、すぐに思い出したのか
懐かしそうに微笑む。
「亜弥ちゃん?」
「覚えててくれたんですね!嬉しい!」
そう言って、松浦は梨華の手を握った。
ひとみは、ただただ呆気に取られて二人を見ていた。
- 294 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月10日(金)21時06分11秒
- 中澤と平家の前を通り過ぎようとして、矢口は襟を掴まれる。
「こらっ!矢口!!挨拶ぐらいせんか!」
「あ、先生。おはようございます」
「なに朝から急いでるんや?」
後藤は捕まえないで、なんで自分が捕まるのかと疑問に
思いながらも矢口は答えた。
「後藤が今朝は間に合わないとか言って走ってるから。
おいらにも分かんないんだけど」
矢口は息を切らしながら、諦めて中澤と歩き出した。
「ダンス部の生徒は朝から元気やねぇ」
平家も会話に入ってくる。
「目立ちたがり屋の集まりやからな」
「顧問の先生が一番目立ちたがりって感じですけどね」
矢口もやり返す。
「矢口が部長になってから、どうもダンス部も締まりが
なくなってきた感じやな」
「そんな事ないですよー!」
(確かに圭織が部長の時の方がまとまってた感じはするけれど。)
「今年も学園祭で、告白タイム取り入れような」
中澤は矢口の肩をバシっと叩く。
「それは全然ダンス部とは関係ないでしょう!」
「なんや、おもろないなー」
そんな話をしているうちに玄関に着く。
- 295 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月10日(金)21時06分45秒
- 中澤達と別れてから後藤が立っていたので声をかける。
「ごっつぁん、まだいたの?」
「しー!」
「どうかした?」
後藤が見ている方を見ると、梨華と誰かが話していた。
隣りにいるひとみは呆然としている。
「誰だ?あれは?」
矢口の方からは、その生徒は後ろになっていて誰だか分からない。
「あのー」
しびれを切らしたひとみが二人の中に入ってくる。
それまでひとみの存在すら気付かなかったような松浦が
初めてひとみの方を向いた。
「あ。昨日の・・・」
松浦はすぐに昨日ぶつかった相手だと気付いた。
「知ってるの?亜弥ちゃん」
「昨日、廊下でぶつかっちゃって…。本当にごめんなさい」
- 296 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月10日(金)21時07分29秒
- 松浦がひとみに謝る姿を見て、
「あー!アイツ昨日ぶつかって来たヤツじゃん・・・」
矢口も思い出して、つぶやいた。
「やぐっつぁんも知ってるの?」
「もってなんだよ?ごっつぁんも知ってんの?」
「いや、あゆみちゃんに聞いて・・・」
「なんで柴田が?」
「昨日放課後、あの子が石川先輩たずねて来たんだって」
「なんで、そういう話すぐしないんだよ」
「やぐっつぁん噂話あんまり好きじゃないじゃん」
「吉澤に関する事は別!」
「まだ、よっすぃーの事好きなの?」
真希の目の色が変わる。
「そういうんじゃねーよ!誤解すんなよー。
おいらが好きなのは、ごっつぁんだけなんだから。
朝から言わすなよ!」
(まったくよー。照れるじゃんか)
「へへ、嬉しい♪」
思わず真希は矢口の腕に自分の腕を絡めた。
- 297 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月10日(金)21時08分07秒
- 「梨華ちゃん、紹介して」
「あ、ごめんね。前の中学でテニス部が一緒だった松浦亜弥ちゃん」
「松浦亜弥です。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる。
「吉澤ひとみです。梨華ちゃんとは、そのー」
"吉澤"と聞いて、松浦は反応した。
(この人が!梨華先輩の、なんなの!)
「吉澤さんって梨華先輩のなんなんですか?」
「なにって言われても・・・」
ひとみが照れてると、梨華も照れていた。
「私、ひとみちゃんの彼女なの」
梨華が照れくさそうに言う。
「なに、吉澤照れてるんだよ!男だろ!
石川に言わせてどうすんだよ!」
「やぐっつぁんだっていざと言う時何も言わないじゃん」
真希がすかさずツッこむ。
「さっき言ったじゃんよ」
矢口がぼそっと呟いた。
- 298 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月10日(金)21時12分01秒
- >>290さん
そうです。今日も新たに書きました。
そのうち行き詰まってもいいように(苦笑)。
>>291 レインさん
ストックとは、蓄えとか在庫って言う意味です。
前から私は使ってますが、メジャーじゃない言い方っすかね?
>>292さん
あやゃの歌?(w
- 299 名前:名無し読者は妄走中 投稿日:2001年08月11日(土)00時50分16秒
- おおお。ショックを受けてる松浦の顔が目に浮かぶ(笑)
失恋しちゃって傷心な松浦をそれにつけこんだ姐さんがお持ち帰りしたりして。(oioi)
- 300 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月11日(土)09時49分35秒
- 時折はいってくるまきまりがかなりいいっす。
- 301 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月11日(土)11時01分15秒
- −宣戦布告−
「か、彼女!?」
予想していたが、改めて梨華の口から言われるとショックが大きい。
(あー、あこがれの梨華先輩が、、、感動の再会も一瞬の内に失恋?(涙))
しかし、すぐに松浦は平静さを装った。
「そ、そうですか。梨華先輩中学からモテてましたもんね。
私も梨華先輩にあこがれてた一人でした」
松浦がさりげなくアピールした。
(私、負けないもん)
ライバルがいると余計燃えるタイプであった。
ひとみの顔が一瞬変わった。
(なんだよ、それー。梨華ちゃんもやっぱモテてたのか!)
- 302 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月11日(土)11時02分58秒
- 「やだ、亜弥ちゃん、そんな事全然ないよ〜」
梨華は慌てて手をふって否定する。
しかし満更でもない様子の梨華にひとみは内心嫉妬していた。
(梨華ちゃん一言も、そんなコト言ってなかったじゃん。
まぁ自分からモテてたなんて普通は言わないか)
「ところで、なんでここに転入してきたの?」
梨華も照れてるのか、その話題からすぐにそれようとした。
「なんでって、梨華先輩とテニスがしたかったから。でも…」
松浦は一瞬俯くと
「でも、梨華先輩テニス今はしてないんですよね・・・」
「うん。ちょっとね。でも、なんで亜弥ちゃん、前の中学の方が
強かったでしょ。ここまで来る事ないのに」
「今は叔父の家で、お世話になってるんです。東京の高校行きたかったし。
それに梨華先輩に会いたかったから」
- 303 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月11日(土)11時03分40秒
- 「石川追っかけて、わざわざ神奈川から来るとは凄いねー」
少し離れたところから見ていた、矢口が口を挟んで来た。
松浦が振り返ると「あ…」と言う事を出した。
(昨日の口の悪い小さい先輩だ…)
「矢口先輩」
「やぐっつぁん!」
慌てて真希も出てくる。
「なんのつもりで来たのか知んねーけど、吉澤から石川奪おうとか思うなよ」
「なに言ってんだよ、やぐっつぁん!」
真希がハラハラして矢口を止めようとした。
- 304 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月11日(土)11時04分23秒
- 「なんで、あなたにそんな事言われなきゃいけないんですか?
それにそんな事思ってませんでしたけど気が変わりました」
松浦は思ってもみない事を言われてカチンときてキッパリと言った。
「え?」
「梨華先輩の事、ずっと好きだったんだから!
吉澤さんがいつから梨華先輩と付き合ってるのか知りませんけど
私は、中学に入った時から梨華先輩の事好きでした!
梨華先輩を想う気持ちは吉澤さんには負けませんよ!」
いきなり矛先がひとみに向けられて、梨華も思わぬ告白にとまどっていた。
- 305 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月11日(土)11時23分39秒
- >>299さん
お持ち帰りですか(w ここのあやゃは、結構強いかも
知れないので、どうかな(苦笑)。
>>300さん
まきまりは、邪魔者コンビですので(苦笑)。
- 306 名前:レイン 投稿日:2001年08月11日(土)18時39分59秒
- 何か松浦は悪キャラかな?(俺にとって)
梨華ちゃんをこまらせないでおくれ!
期待してます
- 307 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月12日(日)12時52分03秒
- やぐっつぁんの言葉のせい(?)であややが本気になっちゃった?
- 308 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月12日(日)15時08分55秒
- −不安−
「大体、なんで矢口先輩が、あんな事言うんですかー!」
昼休み、いつものように屋上でお弁当を食べながらひとみが矢口に抗議していた。
「悪い悪い。だってよ、アイツなんか気に入らなくてさー。
吉澤だって面白くないだろ?」
「それは…。でも梨華ちゃんの後輩だし」
(梨華ちゃんの後輩だもん。あんまり悪く言えないよ。)
「悪い子には見えなさそうだし・・・」
「・・・」
梨華は自分の後輩でもあるので何も言えなかった。
- 309 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月12日(日)15時09分28秒
- 「あまいんだよ、吉澤は。あの女は石川を追っかけて来たんだぞ?」
「そりゃそうですけど・・・」
「でも、矢口先輩があんな事言わなければ、きっとあの子だって
あんな宣言しなかったと思うんですよね」
「やぐっつぁんが余計な事言ったから、あの子も引き下がれなくなったんでしょ」
真希も一緒になって言う。
「いや、学校変えてまで来るって事はそぉとぉなもんなんだから
結局は同じ結果になってたハズだよ」
「どっちにしろ、やぐっつぁんが悪いのには変わらないよ」
- 310 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月12日(日)15時10分00秒
- 黙って聞いていた梨華が口を開いた。
「みんなが心配しなくても、私たちは大丈夫ですから。ね、ひとみちゃん」
「うん。そうだよ。大丈夫だからさ!」
(ほんとに大丈夫なのかな、梨華ちゃん…)
ひとみは梨華を横目で見ながら少し不安になっていた。
『梨華先輩を想う気持ちは吉澤さんには負けませんよ!』
そう言った松浦の目は真剣そのものだった。
松浦はひとみの知らない梨華の中学時代を知っている。
ひとみは梨華と出会ってから、まだ9ヶ月・・・。
(私だって、梨華ちゃんの事好きだもん。)
- 311 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月12日(日)15時11分00秒
- 放課後、部活が始まる少しの時間、ひとみは梨華とまた屋上で会っていた。
「ひとみちゃん、不安なの?」
梨華が心配そうにひとみの顔を見ていた。
「え?うぅん。そうじゃないけど・・・」
「だって、元気ないし」
「不安じゃないって言ったらウソになるけど。
梨華ちゃんの知らない中学時代を、松浦さんは知ってるでしょ。
それが、ちょっと羨ましいかな、なんて・・・」
「ひとみちゃん…」
「梨華ちゃん優しいからさ。松浦さんと仲良くしてもいいけど…。
でも梨華ちゃんは私のものだからね」
ひとみは梨華を抱き寄せた。二人は見つめ合うと自然とくちづけをした。
(ほんとは、仲良くなんかして欲しくないよっ。
なんで私かっこつけちゃうんだろう・・・。ヤだなー・・・)
梨華と別れて部活に行く途中、ひとみはまたため息をついた。
- 312 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月12日(日)15時11分45秒
- 部活に行くと、当然話は広まっていて・・・。
「よっすぃ〜先輩にも試練が必要れすね〜」
「梨華ちゃん先輩も実はモテまくりやん!」
辻と加護が面白がってチャチャを入れて来た。
「辻に加護!その話は部活内では禁止だからな!
今度喋ったら、食事には二度と誘わないからな!」
「「えぇ〜?それは絶対イヤですー!」」
食い気が勝っているこの二人には、食べ物の話をすれば一発であった。
自分が火を付けてしまった手前、矢口は前面的に松浦の話を禁止する事にした。
ところが・・・
- 313 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月12日(日)15時12分38秒
- 「えぇやないかー。色恋沙汰、おもろいやないかー」
そんな様子を見ていた中澤が、にやにやしながら入って来た。
「中澤先生!」
(まったく、なんで中澤が顧問なんだか・・・(怒))
矢口は心の中で悪態を付く。
「いやー、朝校門の前でな、噂の松浦がおったんやけど
直感で感じたんや。うちの勘も、まだまだ鈍ってないんやなぁ」
「他人事だと思って、そんなんで感心しないでくださいよ」
矢口から見ても他人事ではあるのだが。
「さっきから吉澤黙り込んでるけど、朝の元気は、どこいったん?」
(ったく、中澤も意地悪いよなー(怒)。吉澤も言い返してやれよ!)
何も言わないひとみを見て、矢口は目で訴えた。
「まぁ、私たちは平気っすから。多分・・・」
(多分って弱気だな、なんか・・・)
ひとみは力無く微笑んだ。
- 314 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月12日(日)15時18分49秒
- >>306 レインさん
やっぱ、悪キャラの方似合いますかね、あやゃ。
>>307さん
矢口のせいと取るか、それを逆手に取るか、まだ不明です。
- 315 名前:レイン 投稿日:2001年08月12日(日)21時43分31秒
- 松浦は気が強いキャラにさせられやすいですよね。
いいです。これからも期待
- 316 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月13日(月)20時15分08秒
- −好きでいていいですか?−
梨華がひとみと別れて靴を履き替えていると、松浦が待っていたらしく声をかけてきた。
「梨華先輩・・・」
「亜弥ちゃん。。。」
「朝は申し訳ありませんでしたっ」
深々と頭を下げる。
「やめてよ、亜弥ちゃん」
「吉澤さんにも迷惑かけちゃったし・・・」
本当にすまなさそうに言う松浦に、梨華は優しく言った。
「気にしないで。亜弥ちゃんだって、勢いに乗って
言っちゃったんでしょ?私は何とも思ってないから」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
(やっぱり梨華先輩優しい。でも、何とも思ってないって…(涙))
- 317 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月13日(月)20時15分44秒
- 「うん。矢口先輩も口は悪いけど、イヤな人じゃないから」
「そうかも知れませんけど、私は、その矢口さんって人苦手です」
松浦がキッパリと言ったので梨華は笑ってしまった。
「亜弥ちゃんって昔からそうだったけどハッキリしてるよね」
「え?そうですか?」
(でも、梨華先輩には告白出来なかったけど・・・)
「そういうとこ好きだよ」
「好きって・・・」
「あ、変な意味じゃなくてね。なかなか私はハッキリ言えないから、
亜弥ちゃんの性格が羨ましいの」
駐輪場にゆっくりと歩きながら、梨華は松浦に言った。
「そんなことないですよ。私にだって言えない事ってあります」
梨華は、かごにカバンを入れ、自転車の鍵を開けた。
- 318 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月13日(月)20時16分20秒
- 「その方がいいよ。なんでも思った事ハッキリ言っちゃうとね、
後で後悔する事もあるし」
「そうですか」
「矢口先輩だって、後悔してたしね。まぁハッキリ言う時も必要な時あるんだけど」
「そうですね」
「亜弥ちゃん、家どこなの?私は見ての通り自転車だけど」
「私は駅3つ向こうなんです。だから電車通学です」
「そっか。じゃぁ駅まで一緒に行こうか」
「いいんですか?」
本当は、まだ梨華と一緒にいたかったのだが、最初から馴れ馴れしく
するのも、どうかと思ったので一歩ひいて梨華に従う事にした。
- 319 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月13日(月)20時17分02秒
- 「でも夢みたいです」
「なにが?」
自転車をひきながら、梨華が松浦を見る。
(梨華先輩かわいーな、やっぱり…)
「こうやって、一緒に帰った事って前の学校じゃなかったですもんね」
「そうだったね。私も部長だったから忙しかったしね」
「私は1年生だったし・・・。だから、今、凄く嬉しいです」
これは松浦の本心だった。
「このくらいで嬉しがるなんて、亜弥ちゃん可愛いね」
「梨華先輩の方が数百倍可愛いですよ!!!!」
(って、その可愛いじゃないの知ってるけど、どさくさに紛れて言っちゃった)
- 320 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月13日(月)20時17分45秒
- 「もう、からかわないで!」
照れている梨華の横顔を見ながら、松浦はドキドキしていた。
(やっぱり梨華先輩の事好き。すっごく好きになってる…)
「こんなに先輩と話した事も今までなかったですよね」
「うん。そうだね。亜弥ちゃん前はそんなに話しかけてこなかったし」
(だって先輩、モテてたもん。話しかけられなかったんですよ)
「これからも、一緒に帰ってもらえますか?」
「え?もちろんだよ。なんでそんな事聞くの?」
「いや、だって。梨華先輩には吉澤さんが…」
「平気。ひとみちゃんは、亜弥ちゃんと仲良くしていいって言ってたし。
そのくらいで怒ったりしないから」
「吉澤さんって大人なんですね。私だったら、やっぱり仲良くしたら
面白くないですけどねって私が言ったら変ですけど」
(う。やっぱりそうだよね・・・)
- 321 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月13日(月)20時18分22秒
- そろそろ駅に近づいてきた。
(どうしよう、言っちゃおうかな…)
「梨華先輩、携帯番号とアドレス教えていただけますか?」
「うん、いいけど」
お互いに交換すると
「今度、ラブメール送りますね♪」
「ラブメール?」
梨華がどう答えてよいのか苦笑いしている。
「梨華先輩、私…」
「なに?」
「朝言った事、本当ですから。今、ハッキリ分かったんです。
梨華先輩の事大好きだって。前よりもっと好きになってます。
梨華先輩の事好きでいて、いいですよね?」
そう聞かれてよほど嫌いな人でない限り『イヤです』なんて言える訳がない。
梨華は松浦の告白に戸惑っていたが、
「うん…」
そう言ってしまった。
松浦は笑顔になると、手を振って改札を駆け抜けて行った。
- 322 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月13日(月)20時18分56秒
- そんな松浦を見送っていた梨華は、しばらくその場所に立っていた。
(亜弥ちゃんがそんな風に私の事を見ていたなんて…)
あの頃は、部活に忙しくて、そしてある女の子から言い寄られていた。
結局ことわれなくて、なんとなく付き合ってみたものの、やはり
数ヶ月で別れ、更に、高校に進学してからは、その子から嫌がらせを
受けたりして、そのまま今の高校に転入して来たのだった。
梨華がテニスを辞めた原因の1つでもある。
隠れて付き合っていたので、その事は松浦も知らないハズだった。
ひとみに、あまり中学時代の事を話さないのも、そう言った過去が
あるからだった。
(ひとみちゃんには、亜弥ちゃんの事話した方がいいのかな…)
どこまで話せばいいのやら、梨華は考えてしまった。
- 323 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月13日(月)20時20分44秒
- >>315 レインさん
松浦に押され気味の梨華ちゃんになりそうっす。
こんなんでいいのかな〜・・・。
- 324 名前:レイン 投稿日:2001年08月13日(月)21時04分28秒
- やっぱり僕としては梨華ちゃんもはっきり言った方が
いいと思いますよ。レイン的にはいしよし希望かな?
- 325 名前:名無し男 投稿日:2001年08月14日(火)12時47分37秒
- 悲しい話やね・・・(TへT)
- 326 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月14日(火)18時31分59秒
- −後藤相談室−
梨華はバイトが始まるまでの間、真希の部屋に来ていた。
ここは、ひとみの親友に相談するのがいいだろうと思いたずねてきていた。
「石川先輩が来るなんて珍しいねー。一人で来るのって初めてじゃない?」
真希は、梨華に缶ジュースを渡すと、ベッドに腰掛けた。
「うん。ごめんね」
「いや、いいんですけどー。どうせヒマだったし」
梨華は一通り、松浦と一緒に帰った時の話をした。
「じゃぁ、松浦さんに告白されたって事ですね」
「ひとみちゃんには、どこまで話したらいいのかなーって思って」
「でもある意味、予想されてた事ですよね」
「なんで?」
「なんでって、朝、予告編みたいな感じで松浦さんも啖呵切ってたじゃないですか」
「でもあれは・・・」
「事実ですよね。現に告られた訳だし」
「そうだけど」
「しかも、先輩は"うん"なんて言っちゃうし」
- 327 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月14日(火)18時32分43秒
- 「だって・・・」
「石川先輩が優しいのは分かりますけど、そのことは
よっすぃーには言わない方がいいですよ。よっすぃーだって
本心で仲良くしていいって言ってる訳じゃないんだし。
『好きでいて、いいですよね?』って聞かれて『うん』
なんて言ったの知ったら、やっぱいい気はしないでしょ」
泣きそうな梨華の顔を見て、真希も困惑する。
「でもこればっかりはねぇ。で、石川先輩は松浦さんの事、どう思ってるの?」
「可愛い妹みたいな感じ・・・かな」
「ふぅん」
「ほんとだよー」
- 328 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月14日(火)18時33分32秒
- 「まぁ相手がどう思ってるかにもよるけど。
石川先輩、松浦さんに迫られても大丈夫でしょうね?」
「なに、言うの?ごっちん・・・」
「たとえば、こんな風に…」
いきなり真希が梨華を押し倒す。
「…されても平気?」
すぐに力を緩めると、梨華から離れた。
「やだ、びっくりさせないでよ・・・」
梨華も慌てて起き上がると服の乱れを直した。
「間違っても自分の家にあげたりしちゃだめだからね」
「でも亜弥ちゃん、そんな事しないと思う」
「あまい。わかんないんだから。みんなよっすぃーみたいに
フェミニストとは限らないんですから。ってよっすぃーと
石川先輩が、どこまで進んでるか知りませんけど」
(まさか既に押し倒してたりして・・・。イヤだなー)
- 329 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月14日(火)18時34分19秒
- 「まだ、ひとみちゃんとは、そこまで進んでないよ!」
梨華が真っ赤になって言うので、真希は笑ってしまった。
「そ、そんなに正直に言わなくたって・・・」
「あ・・・」
梨華は更に赤くなって俯いてしまった。
「かわいー。石川先輩って。そういうところに惚れたんだろうね、きっと」
「もうからかわないでよ、ごっちん。ごっちんだって矢口先輩と、どうなの?」
「えー?ウチは、仲良いつもりだけど。。」
急に話を振られて真希が口ごもる。
「ま、石川先輩のところほど、ラブラブではないですねー」
「でもさっきから聞いてると、矢口先輩の口調に似てきてるよね、ごっちん」
「マジっすか?」
「うん。それを男言葉にすると矢口先輩にそっくり」
「うわーイヤかも・・・」
「イヤなの?」
「うん」
- 330 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月14日(火)18時35分08秒
- そんな会話をしていたら、すぐにバイトの時間になった。
真希に話したら、心は軽くなったが、問題が解決した訳ではない。
ひとみの部活がない日以外は殆どこれから松浦と帰る事になりそうだ。
これだったら、まだ真希と一緒に帰る方がひとみも安心だろう。
(あゆみちゃんも混ぜてみんなで帰る事にすればいいのか!
でも、それもなんだかわざとらしいかなー)
こんな事なら、ハッキリことわれば良かった。
(でも、ことわる理由がなかったし…。
あぁ、ここでもハッキリしない私。さっき亜弥ちゃんに言ったばっかりじゃん)
梨華は自転車に乗ると、バイト先のコンビニへと向かった。
- 331 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月14日(火)18時40分02秒
- >>324 レインさん
毎回感想どうもです。ハッキリ言えない梨華ちゃんのせいで
この後大変な事態に。と言う展開はまだ1週間以上先になりますが。
私もいしよし希望なんですが、ちょっと二人の間に溝が・・・。
>>325さん
実は私が今悲しいです(苦笑)。
- 332 名前:レイン 投稿日:2001年08月14日(火)23時12分50秒
- やっぱ溝が入りますか。
僕の黄の小説もすこし溝が入って
来た感じなんです。よければレスとか
してくださいね
- 333 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月15日(水)04時37分03秒
- 梨華ちゃんの方に問題があるっていうのは珍しい気が…。
何か、いしよしの場合、たいてい浮気みたいなことするのってよっすぃーじゃない?
- 334 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月15日(水)18時49分55秒
- −本心−
バイトが終わって家に着くと、ひとみがドアの前で立っていた。
「ひとみちゃん?」
「梨華ちゃんお帰り。バイトお疲れさま」
「ずっと待ってたの?言ってくれればいいのに…」
梨華はすぐにカギを取り出すと、ドアを開けてひとみを中に入れた。
「ごめんね。急に来て。梨華ちゃんの顔が見たかったから」
ひとみがそう言うと、おもむろに梨華を抱き締めた。
「ひとみちゃん?」
すぐに梨華から身体を離すと
「昼間さー梨華ちゃんに、かっこつけて『松浦さんと仲良くしてもいい』
とか言っちゃったけど、ほんとはイヤなんだ。それだけ言いたくて。
でも、きっとそれは無理だろうから我慢するよ。あんまり優しくしない
で…って言っても梨華ちゃんの性格からして、これも無理だろうから我慢する。
我慢って言葉は適当じゃないけどね」
ひとみの話を聞いていたら、梨華は何も言えなくなってしまった。
- 335 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月15日(水)18時52分01秒
- 「こんな事言うのって、なんかかっこわるいよね。でも本心なんだ。ごめんね」
「ひとみちゃんが謝る事じゃないよー。謝らないで」
梨華は適当な言葉が見付からなかった。
「梨華ちゃん優しいから、松浦さんが梨華ちゃん好きな気持ち分かるんだ。
私だって、大好きだもん、梨華ちゃんのこと」
そう言ったひとみの目は潤んでいた。
「ひとみちゃん・・・」
「もう帰るね。じゃ、おやすみ」
ひとみは、そう言うと帰って行った。
- 336 名前:恋をしちゃいました−2nd Stage- 投稿日:2001年08月15日(水)18時53分11秒
- 梨華は今言ったひとみの言葉を繰り返していた。
『仲良くしないで』『優しくしないで』
「あれって優しくしたってことなのかなぁ」
一緒に帰った時の事を思い返してみる。
自分では普通に接してるつもりだけど、
他人から見たら優しい風に見えるのかな。仲良くしてる風に見えるのかな。
ひとみの言った事を守れば、松浦とは一緒に帰る事は出来ない。
「一緒に帰る事OKしちゃったっけ」
難しいよ〜、そんなこと。梨華が色々考えていると携帯が鳴る。
メールの着信だった。
《梨華先輩!今日はありがとうございました。
とっても楽しかったです!すっごいドッキドキでした。
また明日も一緒に帰れたら嬉しいです♪おやすみなさい 亜弥》
「亜弥ちゃん…」
梨華は深いため息をついた。
- 337 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月15日(水)18時58分01秒
- >>332 レインさん
レスつけておきましたよー。溝入ってる風には見えませんでしたが。
>>333さん
珍しいですかね。と言うか、よっすぃーを弱くしすぎた感があります。
浮気ではないんですけど、誤解を受けるような事が起こるので…。
- 338 名前:レイン 投稿日:2001年08月15日(水)22時19分23秒
- ありがとうございますね。
溝ができてきそうです。
- 339 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月16日(木)14時37分53秒
- 移転先の空に移ってしまいましたが、いいのでしょうか?
- 340 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月16日(木)14時50分10秒
- >>339
このスレッド200KB越えてるし、いいと思うよ。
赤板はスレ立てらんないしね。
- 341 名前:チャーミーブルー 投稿日:2001年08月16日(木)15時38分09秒
- >>340さん
ありがとう。そうですよね。既に移転してますので
皆様、宜しくお願いします。
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